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トルクメニスタン外国投資法 - 日本トルクメニスタン投資環境整備
トルクメニスタン外国投資法 (新稿) 本法は、トルクメニスタン領内における外国投資家、外国投資参加企業の活動の法的基 礎を定め、トルクメニスタンにおける外国投資の誘致および効率的利用をめざ すものであ る。 第1章 総則 第1条 本法で用いられる基本概念 本法では次の基本概念が用いられる― 1) 外 国 投 資 ― ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 の 企 業 活 動 対 象 に 対 す る 、 資 金 、 有 価 証 券 、 そ の 他 の 資 産 、金 銭 的 評 価 を 有 す る 財 産 権 、知 的 活 動 の 結 果 に 対 す る 排 他 的 権 利( 知 的 所 有 権 )、 並びにサービス、情報等、外国投資家に属する民法的権利対象物の形による、外国資本の 投下; 2) 外 国 投 資 家 ; ◎外国法人。トルクメニスタンにおけるその支部、駐在事務所を含む; ◎国際組織; ◎外国国家; ◎外国自然人、並びに無国籍者であって投資実施の時点で外国領内に定住している者; ◎トルクメニスタン市民であってトルクメニスタン国外に定住場所を有する者; 3) 外 国 投 資 参 加 企 業 ― ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 手 続 に よ り ト ル ク メ ニ ス タ ン 領内に設立された企業であって、外国投資家に完全に属する もの、またはトルクメニスタ ンの法人および自然人との持分参加に基づいて外国投資家に 属するもの; 4) 直 接 外 国 投 資 ― ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に お い て 設 立 さ れ た 、 も し く は 新 た に 設 立 さ れ る 企 業 の 定 款 記 載 資 本 金 に 占 め る 10% 以 上 の 株 式 ( 分 担 、 出 資 ) を 外 国 投 資 家 が 所 有 、 取得すること;トルクメニスタン領内に設立される外国法人支部の固定資産へ投資するこ と。 5) 投 資 案 件 ― 投 資 実 施 の 経 済 的 妥 当 性 、 規 模 、 期 限 を 基 礎 づ け る も の で あ っ て 、 国 家 規格(基準)に基づいて作成された設計・見積文書、並びに投資実施にかかわる実務的行 動(ビジネス・プラン)の説明書を含むもの。優先的投資案件―その実施がトルクメニス タン閣僚会議の決定に基づいて行われる投資案件。 1 6) 投 資 案 件 の 資 金 回 収 期 間 ― 直 接 外 国 投 資 を 利 用 す る 投 資 案 件 へ の 資 金 供 給 開 始 日 か ら、外国投資参加企業、外国法人支部の減価償却控除を含めた純益蓄積額と投資費用額の 差がプラスの数値をとる日までの期間。 7) 再 投 資 ― 外 国 投 資 家 、 外 国 投 資 参 加 企 業 が ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 の 外 国 投 資 か ら 得 た利益(所得)によってトルクメニスタン領内の企業活動対象へ投資を行うこと; 8) 自 由 経 済 地 帯 ― 自 由 企 業 活 動 の 経 済 地 帯 、 国 立 観 光 地 帯 、 並 び に そ の 他 の 種 類 の 自 由経済地帯であって、その設置、活動、廃止がトルクメニスタン の法規により定められる もの。 第2条 外国投資に関するトルクメニスタンの法規 1. 外 国 投 資 に 関 す る ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 憲 法 に 立 脚 し 、本 法 およびトルクメニスタンの他の規範的法令からなる ; 2. ト ル ク メ ニ ス タ ン の 国 際 条 約 に よ り 、本 法 お よ び ト ル ク メ ニ ス タ ン の 他 の 規 範 的 法 令 に含まれるものと異なる規則が定められている場合、国際条約の規則が適用される。 第3条 外国投資実施の形態 外国投資は次の形態で行われる― 1) ト ル ク メ ニ ス タ ン の 自 然 人 お よ び 法 人 と 共 同 で の 企 業 へ の 持 分 参 加 ; 2) 外 国 投 資 家 に 完 全 に 属 す る 企 業 、 外 国 法 人 支 部 の 設 立 、 も し く は 既 存 企 業 の 取 得 ; 3) 動 産 お よ び 不 動 産 の 取 得 。 但 し 、 ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に よ り 民 間 取 引 が 制 限 さ れているものを除く; 4) 外 国 借 款 お よ び ロ ー ン の 提 供 ; 5) ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 財 産 権 お よ び 非 財 産 権 の 取 得 。 第2章 外国投資部門の国家政策とその実施メカニズム 第4条 外国投資部門の国家政策 トルクメニスタン領内における外国投資誘致、投資活動 調整、外国投資家の活動支援に かかわる国家政策の策定および実施は、トルクメニスタン閣僚会議と、閣僚会議 から権限 を与えられた国家機関(以下、担当機関とする)によって行われる。 第5条 トルクメニスタン閣僚会議の権限 トルクメニスタン閣僚会議は次のことを行う― 1) 国 際 投 資 協 力 の 分 野 で 国 家 政 策 を 策 定 し 、 実 施 す る ; 2 2) 外 国 投 資 誘 致 に か か わ る 国 家 プ ロ グ ラ ム を 策 定 し 、 そ の 実 施 を 保 障 す る ; 3) 外 国 投 資 誘 致 が 妥 当 な 優 先 的 対 象 、 部 門 、 地 域 を 決 定 し 、 並 び に 優 先 的 投 資 案 件 実 施に関する決定を採択する; 4) 優 先 的 投 資 案 件 の 実 施 に 関 係 す る 外 国 投 資 家 、 外 国 投 資 参 加 企 業 と の 投 資 協 定 の 準 備および締結の監督を行う; 5) ト ル ク メ ニ ス タ ン 経 済 へ の 外 国 投 資 誘 致 に か か わ る そ の 他 の 職 務 を 遂 行 す る 。 第6条 担当機関の権限 担当機関は次のことを行う― 1) 国 家 政 策 の 実 施 、 ト ル ク メ ニ ス タ ン 経 済 へ の 直 接 外 国 投 資 誘 致 の 刺 激 に か か わ る 措 置を策定し、実施する; 2)外 国 投 資 部 門 の 活 動 を 調 整 し 、国 家 と ビ ジ ネ ス の 効 果 的 な 提 携 メ カ ニ ズ ム を 整 備 し 、 国家権力機関および行政機関、地方行政機関および 地方自治機関と外国投資家、外国投資 参加企業との協同行動を保障する; 3) 外 国 ク レ ジ ッ ト お よ び グ ラ ン ト の 利 用 に 立 脚 す る も の を は じ め 、 国 家 の 持 分 参 加 の もとに実施される投資案件を含む、外国投資参加投資案件の準備状況および実施に関する データバンクの設立・運営を保障する ; 4) 外 国 投 資 参 加 投 資 案 件 の 鑑 定 実 施 を 保 障 し 、 並 び に 当 該 投 資 案 件 の 登 記 を 行 う ; 5) 潜 在 的 な 外 国 投 資 家 に マ ー ケ テ ィ ン グ 情 報 提 供 ・ コ ン サ ル テ ィ ン グ 的 性 格 の サ ー ビ スを行い、並びに必要な実務的援助を行う; 6) 外 国 投 資 家 、 外 国 投 資 参 加 企 業 が 引 き 受 け た 投 資 案 件 実 施 に か か わ る 義 務 の 遂 行 を 監督する; 7) 国 際 金 融 機 関 お よ び ド ナ ー 国 の 資 金 誘 致 に 関 し て モ ニ タ リ ン グ を 行 う ; 国 際 資 本 市 場を調査し、外国投資の今後の誘致に関して提案を作成する; 8) 投 資 環 境 改 善 、 投 資 プ ロ セ ス 促 進 、 投 資 リ ス ク お よ び 行 政 的 バ リ ア 削 減 に 関 す る 提 案をトルクメニスタン閣僚会議に対して行う; 9) 国 際 条 約 か ら 生 じ る ト ル ク メ ニ ス タ ン の 義 務 の 遂 行 、 国 際 協 力 に か か わ る 措 置 の 実 施、先進的な外国の経験の調査および利用をめざす措置を実施する; 10) 外 国 投 資 部 門 に お け る ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 の 、 国 家 権 力 機 関 お よ び 行 政 機 関 、 地方行政機関および地方自治機関による遂行の監督を行う; 11)ト ル ク メ ニ ス タ ン に お け る 外 国 投 資 誘 致 、外 国 投 資 家 の 支 援 お よ び 保 護 を 目 的 と す 3 るその他の職務を遂行する。 第7条 投資案件の鑑定および登記 1. 外 国 投 資 参 加 投 資 案 件 は 、耐 震 性 、火 災・爆 発 安 全 基 準 、環 境 、保 健 衛 生 基 準 の 順 守 等について、義務的な国家鑑定を受けねばならない 。 2. 外 国 投 資 参 加 投 資 案 件 の 鑑 定 お よ び 登 記 、並 び に そ の 他 の 形 態 の 外 国 投 資 実 施 の 登 録 は、トルクメニスタンの法規に定める手続により行われる。 第3章 外国投資家、外国投資参加企業の活動の法的待遇 第8条 外国投資家、外国投資参加企業の活動の法的待遇 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 に は 、内 国 待 遇 が 提 供 さ れ る 。内 国 待 遇 と は 、外 国 投 資家、外国投資参加企業の活動の法的待遇並びに投資から得られた利益の利用の法的待遇 が、国内投資家に提供された活動の法的待遇並びに投資から得られた利益の法的待遇に劣 ってはならないこととして了解される。 2. 自 由 経 済 地 帯 の 域 内 で 活 動 を 行 う 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 に は 、特 恵 待 遇 が 提 供される。特恵待遇とは、外国投資家、外国投資参加企業の活動 の法的待遇並びに投資か ら得られた利益の利用の法的待遇が、 いかなる第三国の活動の法的待遇にも、並びにいか なる第三国の投資から得られた利益に提供された法的待遇にも劣っていないこととして了 解される。 3. 外 国 投 資 家 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に ほ か に 定 め が な い 場 合 、設 立 さ れ る 企 業 の 資本の額、構成、構造の選択において自由である。 4. 投 資 活 動 が 制 限 さ れ 、も し く は 禁 じ ら れ る 活 動 の 種 類 お よ び( も し く は )地 域 、並 び に外国投資家に対するその他の制限は、トルクメニスタンの憲法体制の基本を擁護し、防 衛力と安全を保障するために不可欠な程度においてのみ、トルクメニスタンの法律によっ て定めることができる。 5. ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 の 変 更 が 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 活 動 の 法 的 待 遇 を 悪化させる禁止および制限をもたらす場合、外国投資の登記の時点で行われていたトルク メ ニ ス タ ン の 法 規 が 10 年 間 、 こ れ ら に 対 し て 適 用 さ れ 、 ま た 、 ト ル ク メ ニ ス タ ン 閣 僚 会 議の決定に基づいて投資案件を実施している外国法人企業、外国法人支部に対しては トル クメニスタンの規範的法令に定める手続によりその登記時に申請された 投資案件の資金回 収期間にわたって適用される。本項の規定はトルクメニスタンの税法規にも適用される。 4 本項の規定は、トルクメニスタンの憲法体制の基本を擁護し、防衛力と安全を保障するた めにトルクメニスタンの法規が変更された場合には適用されない。 6. 自 国 領 内 に お い て ト ル ク メ ニ ス タ ン の 経 営 主 体 の た め に 投 資 の 法 的 待 遇 を 制 限 し て いる国の外国投資に対しては、トルクメニスタンの法規により同様の制限を定めることが できる。 第9条 関税特典 1. ト ル ク メ ニ ス タ ン に 搬 入 さ れ る 次 の 資 産 は 関 税 の 徴 収 を 免 除 さ れ る ― 1) 外 国 投 資 参 加 企 業 の 定 款 記 載 資 本 金 本 、 外 国 法 人 支 部 の 固 定 資 本 と し て 、 申 請 し た リストに基づいて搬入される資産; 2)ト ル ク メ ニ ス タ ン 閣 僚 会 議 の 決 定 に 基 づ い て 締 結 さ れ た 国 際 条 約 お よ び 契 約 に 従 い 、 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 が 投 資 と し て 搬 入 す る 資 産 。本 項 第 2 号 に 示 さ れ た 資 産 は 、 相応する条約によって定められた投資案件の資金回収期間にわたり関税の徴収を免除され る。 2. 本 条 第 1 項 に 示 さ れ た 資 産 が ト ル ク メ ニ ス タ ン へ の 搬 入 後 3 年 以 内 に 譲 渡 さ れ た 場 合 、 納付延滞で加算した罰金を含め、関税全額の徴収がトルクメニスタンの法規に定める手続 により行われる。 3. 本 条 第 1 項 に 示 さ れ た 資 産 の 通 関 手 続 に 対 し て は 、 税 関 手 数 料 を 徴 収 し な い 。 第 10 条 外国投資の税法上の規制 外 国 投 資 家 、 外 国 投 資 参 加 企 業 へ の 課 税 は 、 こ れ ら へ の 税 の 特 典 提 供 を 含 め 、「 ト ル ク メニスタン税法典」により定める。 第 11 条 外国投資のその他の刺激措置 1. 外 国 投 資 参 加 企 業 、外 国 法 人 支 部 は 、ラ イ セ ン ス な し で 自 社 生 産 の 製 品( 労 務 、サ ー ビス)を輸出し、自己の必要のために製品(労務、サービス)を輸入する権利を有する。 2. 自 由 経 済 地 帯 の 域 内 で 活 動 を 行 う 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ンの法規に定める手続により、投資案件の資金回収期間に応じて土地区画を賃借する権利 を有する。 3. 投 資 案 件 の 登 記 、並 び に 自 由 経 済 地 帯 内 で 対 象 の 建 設 と 運 用 を 行 う 外 国 投 資 参 加 企 業 、 外国法人支部および駐在事務所の登記は、登記手数料を徴収しない。 4. 自 由 経 済 地 帯 の 域 内 で 活 動 を 行 う 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、次 の も の を 免 除 される― 5 1) 領 事 お よ び 登 記 手 数 料 の 納 付 ; 2) 契 約 登 記 の 取 引 所 手 数 料 の 納 付 ; 3) ラ イ セ ン ス 発 給 と そ の 更 新 の た め の 国 家 手 数 料 の 納 付 ; 4) ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 手 続 と 条 件 に よ る 土 地 区 画 の 賃 借 料 納 付 ; 5) 利 益 か ら 予 算 外 基 金 へ の ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 控 除 ; 5. 自 由 経 済 地 帯 の 域 内 で 対 象 の 建 設 お よ び 運 用 に か か わ る 活 動 を 行 う 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 、並 び に こ れ ら の 請 負 業 者 、下 請 け 業 者 が ト ル ク メ ニ ス タ ン に 搬 入 す る 設 備・ 資材の品質証明は、品質証明サービス 料を徴収せずに行われる; 6. 外 国 投 資 参 加 企 業 、外 国 法 人 支 部 は 、こ れ ら が 生 産 す る 製 品( 労 務 、サ ー ビ ス )の 売 却条件を自主的に定める。但し、価格が国家によって規制されている製品(労務、サービ ス)は除く。 7. ト ル ク メ ニ ス タ ン の 社 会・経 済 発 展 を 目 的 と し て 、安 定 し た 経 済 成 長 、国 の 経 済 の 先 進的構造改革、輸出力の強化および拡大、並びに住民の雇用水準向上を保障する優先的投 資案件、利権条約に関しては、トルクメニスタンの法規により、外国投資家と外国投資参 加企業のために他の特典を定めることができる。 第 12 条 企業活動の開始と停止 外国投資参加企業、外国法人支部および駐在事務所の設立、国家登記、並びに清算、個 人企業家としての外国自然人および無国籍者の活動の国家登記および 活動停止は、トルク メニスタンの法規に定める手続により行われる。 第 13 条 労働法関係の規制 1. 外 国 投 資 参 加 企 業 、外 国 法 人 支 部 と 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 市 民 で な い 者 も 含 む そ の 従 業 員との間の労働法関係は、トルクメニスタンの労働法規によって規制される。 2. 外 国 投 資 参 加 企 業 、外 国 法 人 支 部 の ト ル ク メ ニ ス タ ン 市 民 で な い 従 業 員 が 適 法 に 受 け 取った賃金、賞与、その他の金額は、 トルクメニスタンの法規に定める手続によりトルク メニスタン国外へ送金することができる。 第 14 条 社会保険と社会保障 外国投資参加企業、外国法人支部は― 1) ト ル ク メ ニ ス タ ン 市 民 で あ る 自 社 従 業 員 の た め に 、 ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る手続により国家社会保険への控除を行う; 2) 外 国 自 然 人 も し く は 無 国 籍 者 で あ る 従 業 員 の た め に 、 そ の 国 籍 が あ る 国 家 も し く は 6 定住地である国家の相応する基金へ社会保険および 社会保障にかかわる納付を行う権利を 有する。 第 15 条 外国投資保険 外国投資家、外国投資参加企業の資産およびリスクの付保は、トルクメニスタンの法規 にほかに定めがない場合、自己の裁量によって行う。 第 16 条 外国投資家、外国投資参加企業による良心的競争の順守 外国投資家、外国投資参加企業は非良心的競争をしない義務を負う。これにはトルクメ ニスタン領内に何らかの需要の高い商品を生産するための企業を設立し、次いで外国産の 同様製品を市場に進出させるために当該企業の活動を停止すること、並びにトルクメニス タンの他の経営主体の権利を制限する価格協定もしくは商品販売市場分割協定を締結する ことなどが含まれる。 第 17 条 記帳と報告 トルクメニスタン領内における外国投資参加企業、外国法人支部および駐在事務所の会 計・統計記帳と報告は、トルクメニスタンの法規に定める手続により行われる。 第 18 条 外国投資の評価 外国投資参加企業の定款記載資本金および外国法人支部の固定資産への投資の評価は、 トルクメニスタンの法規に定める手続によりトルクメニスタン国内通貨で行われる 。 第4章 第 19 条 外国投資保護の国家保証 外国投資家、外国投資参加企業の活動の法的保護の保証 1. ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に お け る 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 に 対 し て 、本 法 お よ び 他のトルクメニスタンの規範的法令に基づいて権利および利益の保護が保証される。 2. 最 初 に ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に 資 産 並 び に 文 書 の 形 お よ び 電 子 的 担 体 へ の 記 録 の 形 での情報を外国投資として搬入し、これを登記した外国投資家 、外国投資参加企業は、支 障なく(割り当て制、ライセンス制、その他の非関税的対外経済活動規制措置を適用され ることなく)上記の資産および情報をトルクメニスタン国外へ搬出する権利を有する。 3. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に お い て 外 国 投 資 参 加 投 資 案 件 、外 国 投 資 参 加 企 業 を 登 記 し た 日 か ら 本 法 に 定 め る 法 的 保 護 、保 証 、特 典 を 取 得 す る 。 4. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、外 国 投 資 か ら 得 た 利 益 の 再 投 資 実 施 に 際 し て 、本 法に定める法的保護、保証、特典を完全に享受する。 7 5. 国 家 権 力 機 関 お よ び 行 政 機 関 、地 方 行 政 機 関 お よ び 地 方 自 治 機 関 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ンの法規に基づいて行われている外国投資家、外国投資参加企業の経済活動に干渉する権 利を有さない。 国家権力機関および行政機関、地方行政機関および地方自治機関は、外国投資家、外国 投資参加企業がトルクメニスタンの法規に違反している事実を摘発した場合には、具体的 違反の除去に直接結びつく措置を自己の権限の範囲内でとる権利を有 し、違反存在の事実 を外国投資家、外国投資参加企業の他の合法的活動への干渉、活動の停止もしくは制限の 根拠として利用する権利を有さない。 6. 本 法 に 矛 盾 し 、外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 権 利 を 侵 害 す る 国 家 権 力 機 関 お よ び 行政機関、地方行政機関および地方自治機関の法令は、トルクメニスタンの法規に定める 手続によって無効とし、それらの法令に立脚する行為は違法とする。 第 20 条 ビザ待遇保障とトルクメニスタン領内滞在の保証 1. 外 国 自 然 人 お よ び 無 国 籍 者 と こ れ ら の 代 理 人 、並 び に 外 国 投 資 家 で あ る 外 国 法 人 、国 際組織、外国国家の代理人、並びに外国投資参加企業、外国法人支部および駐在事務所で 働く外国市民と投資活動実施に伴ってトルクメニスタンに滞在する その家族員は、次の権 利を有する― 1) 期 限 1 年 以 上 の 数 次 ビ ザ の 取 得 ; 2)滞 在 の 条 件 お よ び 手 続 が ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に よ り 定 め ら れ て い る 地 域 を 除 き 、 トルクメニスタン全土の自由な移動。 外国自然人および無国籍者とこれらの代理人、並び に外国投資家である外国法人、国際組織、外国国家の代理人、並びに外国投資参加企業、 外国法人支部および駐在事務所で働き、自由経済地帯の域内における対象の建設および運 用の期間、仕事のためにトルクメニスタンを訪れる外国市民に 対しては、入国のビザおよ び許可はトルクメニスタン閣僚会が承認したスピード手続により発給される。 2. 外 国 投 資 家 で あ り 、外 国 投 資 参 加 企 業 を 完 全 に 所 有 す る 外 国 自 然 人 お よ び 無 国 籍 者 は 、 トルクメニスタンの法規に定める手続によりトルクメニスタンにおいて定住地をもつ権利 を有する。 第 21 条 所得および利益のトルクメニスタン領内における利用とトルクメニスタン国 外への送金の保証 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 基 づ い て ト ル ク メ ニ ス タン領内の銀行に国内通貨および外貨による銀行口座を開設する権利を有する。 8 2. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 税 金 そ の 他 の 義 務 的 支 払 い を 納 付 し た 後 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に お い て 所 得 お よ び 利 益 を 自 由 に 利 用 す る 権 利 を 有 す る 。こ れ に は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 反 し な い 目 的 へ の 再 投 資 の た め の 利用、並びにそれまでに自己が実施した投資から適法に得られた外貨による所得、利益、 そ の 他 の 金 額 を ト ル ク メ ニ ス タ ン 国 外 へ 支 障 な く 送 金 す る 権 利 が 含 ま れ る 。こ れ ら の 所 得 、 利益、その他の金額は次のものを含む ― 1) 利 益 、 配 当 、 利 子 、 そ の 他 の 所 得 の 形 で 得 ら れ た 外 国 投 資 に よ る 所 得 ; 2) 外 国 投 資 参 加 企 業 も し く は 外 国 企 業 支 部 の 契 約 そ の 他 の 取 引 に か か わ る 義 務 遂 行 の ための金額; 3) 外 国 投 資 参 加 企 業 の 清 算 、 ま た は 投 資 済 み 資 産 、 財 産 権 、 知 的 活 動 成 果 の 排 他 的 権 利の譲渡に伴って外国投資家が得た金額; 4) 本 法 第 26 条 に 定 め る 補 償 。 3. 資 金 の 転 換 、並 び に 外 国 投 資 に 関 連 す る ト ル ク メ ニ ス タ ン 国 内 お よ び ト ル ク メ ニ ス タ ン国外への送金は、外国投資家、外国投資参加企業がトルクメニスタンの法規に定める手 続により行う。 第 22 条 外国投資家、外国投資参加企業の他者への権利および義務の移転の保証 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、契 約 に か か わ る 権 利 お よ び 義 務 を 移 転 す る 権 利 を 有 す る 。こ れ に は ト ル ク メ ニ ス タ ン の 民 法 に 基 づ き 、他 者 に 要 求 の 譲 渡 を 行 い 、 義 務 を 移 転する権利を含む。 2. 外 国 国 家 も し く は 外 国 国 家 に よ り 権 限 を 与 え ら れ た 国 家 機 関 が 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の た め に 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 で 実 施 さ れ た 投 資 に 対 し て 与 え た 保 証( 保 険 契 約 )に 関 し て 支 払 い を 行 い 、 そ の 結 果 、 外 国 国 家 も し く は 外 国 国 家 に よ り 権 限 を 与 え ら れ た 国 家 機 関 に 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 上 記 資 産 に 対 す る 権 利 が 移 転 さ れ る( 要 求 が 譲 渡 さ れ る )場 合 、 ト ル ク メ ニ ス タ ン は 、 当 該 外 国 国 家 と ト ル ク メ ニ ス タ ン が 加 盟 し て いる国際条約に基づき、そのような権利の移転(要求の譲渡)の適法性を承認する。 第 23 条 知的所有権保護の保証 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 知 的 所 有 権 の 行 使 と 保 護 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に基づいて保障される。 第 24 条 外国投資家、外国投資参加企業の情報アクセスの保証 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る 手 続 に よ り 、情 9 報にアクセスする権利を有する。 2. 何 ら か の 形 で 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 利 害 に か か わ る ト ル ク メ ニ ス タ ン の 規 範的法令は、これらにアクセスできるようにしなければならず、トルクメニスタンの法規 が直接に定めている場合には、公表されねばならない。 第 25 条 投資活動の停止に伴う外国投資還流の保証 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン に お け る 投 資 活 動 停 止 の 権 利 を 有する。投資活動停止後、外国投資家、外国投資参加企業は、トルクメニスタンまたは他 の債権者に対する外国投資家、外国投資参加企業の義務遂行に差しさわりのないようにし て、外国投資実施によって得た自己の資産を金銭もしくは現物の形で自由に 還流する権利 を有する。 2. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 資 金 の 還 流 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 律 に 定 め る 場 合には、カズィエトの決定に基づいて停止させることができる。 第 26 条 資産の強制的有償没収の際の補償の保証 1. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 の 資 産 を 徴 発 の 形 で 国 家 の 所 有 も し く は 一 時 的 利 用 の ために強制的に有償没収することは、法律に定める場合にのみ、 自然災害、事故、疫病、 家 畜 伝 染 病 流 行 、こ れ ら の 被 害 な ど 、非 常 的 性 格 を も つ 事 態 の 克 服 を 目 的 に し て 許 さ れ る 。 2. 徴 発 の 原 因 と な っ た 事 態 が な く な っ た 場 合 、外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、徴 発 された資産に対して受け取った補償金の返還を条件にして残存資産の返還を要求する権利 を有する。その際、残存資産の価格低下による損害は返還補償金から差し引かれる。 3. 外 国 投 資 家 、 外 国 投 資 参 加 企 業 の 資 産 徴 発 に 際 し て 、 補 償 は ― 1) 遅 滞 な く 外 貨 に よ り 行 わ れ 、 投 資 家 が 希 望 す れ ば 国 外 へ 送 金 さ れ ね ば な ら な い ; 2) 徴 発 に 関 す る 決 定 採 択 時 の 投 資 の 市 場 価 格 に 合 致 し な け れ ば な ら な い ; 4. 徴 発 さ れ る 資 産 お よ び 価 格 低 下 に よ る 損 害 の 評 価 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 に 定 め る手続により、担当機関もしくは独立の鑑定人が行う。 5. 資 産 徴 発 の 合 法 性 、 資 産 徴 発 時 の 補 償 に 関 す る 紛 争 の 解 決 は 、 本 法 第 29 条 に 定 め る 手続により行う。 第5章 第 27 条 トルクメニスタンの外国投資法規の違反に対する責任。紛争の解決 トルクメニスタンの外国投資法規の違反に対する責任 1. ト ル ク メ ニ ス タ ン の 外 国 投 資 法 規 に 違 反 す る 国 家 権 力 機 関 お よ び 行 政 機 関 、地 方 行 政 10 機関および地方自治機関の公務員は、トルクメニスタンの法規に基づいて責任を負う。 2. 外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 は 、ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に お け る 投 資 活 動 の 実 施 に 際して、トルクメニスタンの法規、並びに投資案件実施に関して引き受けた義務を順守し な け れ ば な ら な い 。ト ル ク メ ニ ス タ ン の 法 規 お よ び 契 約 義 務 に 違 反 し た 場 合 、外 国 投 資 家 、 外国投資参加企業はトルクメニスタンの法規および締結した契約の条件に基づいて責任を 負う。 3. 誘 致 し た 資 金 、財 産 権 を 含 め 、外 国 投 資 家 、外 国 投 資 参 加 企 業 、外 国 法 人 支 部 の 資 産 は、トルクメニスタンの法規に定める手続によって、外国投資家、外国投資参加企業、外 国法人支部がこれを債務保障手段として利用することができる。 4. 外 国 法 人 は 、自 己 が ト ル ク メ ニ ス タ ン 領 内 に 設 立 し た 支 部 お よ び 駐 在 事 務 所 の 活 動 に 対して、トルクメニスタンの法規に定める手続により、責任を負う。 第 28 条 外国投資にかかわるトルクメニスタンの責任 トルクメニスタンは外国投資家、外国投資参加企業の債務に関して、これらの債務が国 家により保証されている場合を除き、責任を負わない。 第 29 条 紛争の解決 トルクメニスタン領内における投資活動実施に関連して生じる紛争は、交渉もしくはト ルクメニスタン「アラチ・カズィエト」における審理によって、または双方が同意すれば 仲裁裁判所における審理によって解決される 。 第6章 第 30 条 最終規定 本法の発効 1. 本 法 は 、 公 式 発 表 の 日 か ら 効 力 を 発 す る 。 2. 本 法 の 発 効 の 日 か ら 、 次 の も の に つ い て は 失 効 し た も の と す る ― 1992 年 マ フ ト ゥ ム ク リ 月 19 日 に ト ル ク メ ニ ス タ ン ・ メ ジ リ ス が 採 択 し た ト ル ク メ ニ ス タ ン 法 「 ト ル ク メ ニ ス タ ン に お け る 外 国 投 資 に つ い て 」、並 び に こ の 法 律 へ の 変 更 お よ び 補 足 と し て 加 え ら れ た すべての法律またはそれらの相応する 部分。 3. 本法と矛盾するトルクメニスタンの規範的法令は、本法の発効 日から 1 か月以内に 本法に適合させねばならない。 トルクメニスタン大統領 グルバングルイ・ベルディムハメドフ 11 アシガバド市 2008 年 ノ ヴ ル ズ 月 18 日 № 184‐ Ⅲ 12