Comments
Description
Transcript
PDF形式:286KB
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付障害者施策担当 電話:03-3581-0277 03-3581-0278 内閣府 「障害を理由とする差別等に関する意識調査」の公表について Ⅰ 調査の概要 ○調査目的:障害者権利条約において規定された「合理的配慮の否定」を含む障害を理由とす る差別等に関する国民の意識を把握することを目的として実施 ○調査対象:15歳以上80歳未満の男女 1,050 人 ○調査期間:平成21年4月~5月 ○調査方法:調査会社の登録モニターに対するインターネット調査 Ⅱ 調査結果のポイント 1.障害者権利条約に関する認知度は低い状況にある 障害者権利条約の内容も含めて知っている人の割合は数%である。 2.日本の社会には、障害を理由とする差別があるとする人が、依然として相当 に多い 障害を理由とする差別があると思う又は少しはあると思う人の割合は 8~9 割となって いる。 3.障害を理由とする差別は、無意識的に行われていると多く認識されている 障害を理由とする差別は、無意識又はどちらかというと無意識に行われていることが 多いと思う人の割合がほぼ 6 割となっている。 4.障害者への配慮・工夫を行わないことが差別に当たるか否かについては、評 価が分かれている 障害者への配慮工夫を行わないことが差別に当たると思う人の割合は、全体では 52.8% で過半数を超えるものの、差別に当たるとは思わない人の割合も 35.6%存在している。 5.「合理的配慮」に関する認知度は低い状況にある 「合理的配慮」について知らない人の割合が全体で 4 分の 3 を超えている。 6.「合理的配慮」の具体的な内容についてイメージを持ち、説明できる人は極め て少ない 「合理的配慮」についてイメージを持ち、例を挙げて説明できる人の割合は数%に止ま っている。 7.社会が「合理的配慮」を行うことに対しては大部分の人が肯定している 「合理的配慮」について、積極的に行うべきであると思う又は過度な負担とならない ように考慮して行うべきであると思う人の割合は、ほぼ 9 割を超えている。 8.「共生社会」について知っている人は過半数を超えている 9.行政による「共生社会」のための環境づくりに対しては大部分の人が肯定し ている Ⅲ ○ 今後の施策 障害当事者の指摘する差別事例などの周知を含め、差別防止に向けた啓発・ 広報活動を推進 1 1.障害者権利条約の認知度について ポイント 障害者権利条約に関する認知度は低い状況にある ・条約の詳しい内容は知らないが条約ができたことを知っている人の割合は比較的高 年齢の人に多いが、条約の内容も含めて知っている人の割合は、男女及び各世代を 通じて数%である。 質問1 あなたは障害者の権利に関する条約を知っていますか。 ・条約の内容も含めて知っている ・詳しい内容は知らないが、条約ができたことは知っている ・知らない 条約の内容も含めて知っている 全体 2.1 男性 詳しい内容は知らないが、条約ができたことは知っている 23.2 2.9 25.3 71.8 21.1 77.5 15~19歳 1.3 20.0 78.7 4.0 30~39歳 2.0 40~49歳 0.7 50~59歳 1.3 18.0 80.0 16.0 83.3 22.0 76.7 32.0 3.3 0 78.0 18.0 60~69歳 2.0 70~79歳 知らない 74.7 女性 1.3 20~29歳 2.1% 23.2% 74.7% 66.0 36.7 10 20 60.0 30 40 50 2 60 70 80 90 100 2.社会における障害を理由とする差別の有無について ポイント 日本の社会には、障害を理由とする差別があるとする人が、依然として相当 に多い ・障害を理由とする差別があると思う又は少しはあると思う人の割合は、男女及び各 世代を通じて 8~9 割となっており、引き続き差別防止への対応が求められている。 質問2 あなたは、現在、日本の社会には障害のある人に対して、障害を理由とする差別がある と思いますか。 ・あると思う 43.2% ・少しはあると思う 48.3% ・ないと思う 3.7% ・わからない 4.8% あると思う 少しはあると思う ないと思う わからない 全体 43.2 48.3 3.7 男性 43.0 48.4 4.6 女性 43.4 48.2 15~19歳 40.0 20~29歳 2.9 48.0 44.0 30~39歳 4.7 48.7 48.7 40~49歳 46.0 60~69歳 70~79歳 0 10 2.7 54.7 29.3 30 40 50 3 8.0 60 70 6.7 2.0 2.0 54.7 20 7.3 2.7 2.7 44.0 41.3 5.5 2.0 3.3 42.0 46.7 4.0 4.0 3.3 52.7 50~59歳 4.8 80 8.0 90 100 3.障害を理由とする差別を行っている人の意識について ポイント 障害を理由とする差別は、無意識的に行われていると多く認識されている ・障害を理由とする差別は、無意識又はどちらかというと無意識に行われていること が多いと思う人の割合が、男女及び各世代を通じてほぼ 6 割となっており、今後と も広範な啓発が求められる。 質問3 あなたは、障害を理由とする差別が行われている場合、差別を行っている人の意識につ いてどう思いますか。 ・意図的に行われている差別が多いと思う 6.0% ・どちらかというと、意図的に行われている差別が多いと思う 22.3% ・どちらかというと、無意識に行われている差別が多いと思う 54.5% ・無意識に行われている差別が多いと思う 10.8% ・わからない 6.5% 意図的に行われている差別が多いと思う どちらかというと、無意識に行われている差別が多いと思う わからない 6.0 全体 男性 22.3 9.0 女性 20~29歳 19.3 6.7 40~49歳 6.7 60~69歳 1.3 5.3 70~79歳 0 10 8.7 59.3 16.0 30 40 50 4 5.3 6.0 10.0 54.7 20 6.0 8.0 58.0 26.0 5.3 9.3 56.0 22.7 8.7 15.3 52.7 24.0 5.3 7.6 10.7 46.7 25.3 4.7 9.7 54.0 22.7 6.5 11.8 55.8 10.0 30~39歳 10.8 53.1 23.8 7.3 50~59歳 54.5 20.8 3.0 15~19歳 どちらかというと、意図的に行われている差別が多いと思う 無意識に行われている差別が多いと思う 13.3 60 70 80 3.3 10.7 90 100 4.障害者への配慮・工夫を行わないことが差別に当たるかについて ポイント 障害者への配慮・工夫を行わないことが差別に当たるか否かについては、評 価が分かれている ・障害者への配慮工夫を行わないことが差別に当たると思う又はどちらかといえば差 別に当たると思う人の割合は、全体では 52.8%で過半数を超えるものの、差別に当 たるとは思わない又はどちらかといえば差別に当たるとは思わない人の割合も 35.6%存在している。 ・障害者への配慮・工夫を行わないことが差別に当たると思う又はどちらかといえば 差別に当たると思う人の割合は、比較的若年者で少なく特に 20 代で最も少なくなっ ている。 質問4 障害のある人がない人と同じように生活できるようにするためには、例えば企業や学 校・病院などがスロープを設置したり点字や手話などで情報を提供したりするなどの 様々な配慮や工夫が必要です。あなたは、このような配慮や工夫を行わないことは、過 大な負担となる場合を除けば「障害を理由とする差別」にあたると思いますか。 ・差別に当たると思う 13.2% ・どちらかといえば、差別に当たると思う 39.6% ・どちらかといえば、差別に当たるとは思わない 22.2% ・差別に当たるとは思わない 13.4% ・どちらとも言えない 11.5% 差別に当たると思う どちらかといえば、差別に当たるとは思わない どちらとも言えない 全体 13.2 男性 39.6 14.7 女性 8.7 30~39歳 40~49歳 16.7 50~59歳 16.0 60~69歳 0 24.7 18.7 30 12.0 7.3 24.0 40.7 20 14.0 12.7 48.0 10 12.0 12.0 22.0 45.3 18.0 70~79歳 16.7 24.0 36.7 14.0 13.7 14.7 24.7 40.7 50 5 60 70 12.7 8.7 18.7 40 9.3 12.8 22.7 28.7 11.5 14.1 20.6 37.3 10.7 13.4 23.8 41.1 8.7 20~29歳 22.2 38.1 11.8 15~19歳 どちらかといえば、差別に当たると思う 差別に当たるとは思わない 14.7 80 5.3 8.0 90 100 5.障害者権利条約における「合理的配慮」に関する認知度について ポイント 「合理的配慮」に関する認知度は低い状況にある ・「合理的配慮」について知らない人の割合が全体で 4 分の 3 を超えている。 ・70 歳代において「合理的配慮」の考え方を知っている又は言葉を聞いたことがある 人の割合が多くなっているものの、 「合理的配慮」の考え方について知っている人の 割合は男女及び各世代を通じて数%に止まっており、今後とも広報が求められる。 質問5 障害者権利条約では、障害のある人がない人と同じように生活するために過大な負担と ならない範囲で行う配慮や工夫を「合理的配慮」としています。また、「合理的配慮」 を行わないことは差別として位置づけられています。あなたは、このような「合理的配 慮」について知っていましたか。 ※合理的配慮の定義:「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を 享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の 場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの をいう。(「障害者の権利に関する条約」より) ・合理的配慮の考え方について知っている ・合理的配慮という言葉は聞いたことがある ・合理的配慮については知らない 合理的配慮の考え方について知っている 全体 4.3 男性 女性 15~19歳 5.3 30~39歳 5.3 40~49歳 1.3 50~59歳 4.7 60~69歳 4.0 70~79歳 0 70.5 16.4 81.1 22.7 73.3 13.3 81.3 14.7 80.0 18.7 80.0 16.7 78.7 22.0 5.3 74.0 31.3 10 合理的配慮については知らない 75.8 23.4 4.0 20~29歳 合理的配慮という言葉は聞いたことがある 19.9 6.1 2.5 4.3% 19.9% 75.8% 20 63.3 30 40 50 6 60 70 80 90 100 6.「合理的配慮」の内容の具体的なイメージについて ポイント 「合理的配慮」の具体的な内容についてイメージを持ち、説明できる人は極 めて少ない ・「合理的配慮」についてイメージを持っており、例を挙げて説明できる人の割合は男 女及び各年代を通じて数%に止まっている。 ・「合理的配慮」に関し、抽象的な理解に止まり、具体的内容についてはほとんどイメ ージを持っていない又は全く理解ができない人の割合は、男女及び各世代を通じて 6~7 割を占めている。 ・「合理的配慮」に関し、全く理解できない人の割合は若年者で多く、特に 10 歳代で は 2 割近くを占めている。 質問6 あなたは、合理的配慮の内容について具体的なイメージを持っていますか。 ・具体的内容についてイメージを持っており、例を挙げて説明することができる ・具体的内容について漠然としたイメージを持っている ・抽象的な理解にとどまり、具体的内容についてはほとんどイメージを持っていない ・全く理解ができない 1.9% 27.1% 59.8% 11.1% 具体的内容についてイメージを持っており、例を挙げて説明することができる 具体的内容について、漠然としたイメージを持っている 抽象的な理解にとどまり、具体的内容についてはほとんどイメージを持っていない 全く理解ができない 全体 1.9 男性 27.1 3.0 29.3 女性 0.8 30~39歳 0.0 70~79歳 0 12.7 61.3 26.0 7.3 59.3 32.0 10 9.3 65.3 29.3 2.7 13.3 65.3 28.0 60~69歳 2.0 19.3 56.7 22.0 50~59歳 1.3 11.6 52.0 26.0 40~49歳 1.3 10.7 62.7 26.7 4.0 11.1 57.0 25.0 15~19歳 2.0 20~29歳 59.8 20 9.3 58.7 30 40 50 7 60 6.7 70 80 90 100 7.「合理的配慮」を行うことに対する理解について ポイント 社会が「合理的配慮」を行うことに対しては大部分の人が肯定している ・「合理的配慮」について、積極的に行うべきであると思う又は過度な負担とならない ように考慮して行うべきであると思う人の割合は、10 歳代が 8 割台であるほか、男 女及び各世代を通じて 9 割を超えている。 ・「合理的配慮」の実施については、過度な負担とならないように考えて行うべきであ ると思う人の割合が男女及び各世代を通じて 4~6 割を占め、いずれも最も多くなっ ている。 質問7 あなたは、企業や学校・病院などが障害のある顧客・利用者や従業員などにために負担 をしてスロープを設置したり点字や手話などで情報を提供したりするなどの様々な合理 的配慮を行うことについてどう思いますか。 ・積極的に行うべきであると思う 35.3% ・過度な負担とならないように考慮して行うべきであると思う 57.0% ・行う必要はないと思う 2.0% ・わからない 5.7% 積極的に行うべきであると思う 過大な負担とならないように考慮して行うべきであると思う 行う必要はないと思う わからない 全体 35.3 57.0 33.3 男性 女性 58.5 37.3 15~19歳 55.4 39.3 20~29歳 30.0 30~39歳 30.0 43.3 4.7 50~59歳 37.3 60~69歳 0 10 57.3 0.7 4.7 56.0 30 40 50 8 60 6.7 2.7 2.0 0.0 4.7 60.7 20 6.1 2.7 4.0 57.3 33.3 5.3 2.7 39.3 70~79歳 2.9 12.7 63.3 38.0 5.7 1.1 60.7 40~49歳 2.0 0.7 5.3 70 80 90 100 8.「共生社会」に関する認知度について ポイント 「共生社会」について知っている人は過半数を超えている ・「共生社会」について、その考え方も含めて知っている又は言葉だけ知っている人の 割合は、60 歳代以上で比較的多くなっている。 ・「共生社会」について知らない人の割合は、特に 30 歳代、20 歳代で多くなってお り、引き続き啓発が求められる。 質問8 あなたは、障害のある人もない人も、誰もが社会の一員としてお互いを尊重し、支えあ って暮らすことを目指す「共生社会」という考え方を知っていますか ・知っている 22.2% ・言葉だけは知っている 41.7% ・知らない 36.1% 知っている 言葉だけは知っている 22.2 全体 男性 41.7 23.2 女性 40.7 37.3 18.0 49.3 43.3 21.3 50~59歳 37.3 40.0 13.3 40~49歳 37.3 37.3 19.3 30~39歳 34.9 41.5 25.3 20~29歳 36.1 41.9 21.1 15~19歳 38.7 42.7 36.0 30.0 60~69歳 70~79歳 45.3 28.0 0 知らない 10 24.7 46.0 20 30 40 50 9 26.0 60 70 80 90 100 9.「共生社会」のための環境づくりに対する理解について ポイント 行政による「共生社会」のための環境づくりに対しては大部分の人が肯定し ている ・国や地方公共団体による「共生社会」のための環境づくりに対しては、男女及び各 世代を通じて 8~9 割の人が賛同又はどちらかといえば賛同するとしている。 質問9 現在、国や地方公共団体では、「共生社会」の考え方に基づいて、障害のある人もない 人も共に生活できるための環境づくりを進めていますが、これについてあなたはどう思 いますか。 ・賛同する 47.2% ・どちらかといえば、賛同する 41.8% ・どちらかといえば、賛同しない 2.5% ・賛同しない 0.9% ・どちらとも言えない 7.6% 賛同する どちらかといえば、賛同する どちらかといえば、賛同しない 賛同しない 47.2 全体 41.8 45.5 男性 42.9 49.0 女性 15~19歳 40.8 46.7 20~29歳 35.3 38.0 30~39歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 10 20 1.7 0.8 7.8 12.0 12.0 0.7 0.7 7.3 46.0 55.3 0 7.4 4.7 2.0 4.7 43.3 49.3 3.2 1.0 1.3 0.0 6.7 42.7 48.0 7.6 4.0 0.7 44.7 46.0 2.5 0.9 4.7 1.3 45.3 47.3 40~49歳 どちらとも言えない 30 0.7 0.7 3.3 35.3 40 50 10 60 70 1.3 0.7 7.3 80 90 100 障害を理由とする差別等に関する意識調査について 1.調査目的 本調査は、障害者権利条約において規定された「合理的配慮の否定」を含む 障害を理由とする差別等に関する国民の意識を把握することを目的として実施 したものである。 2.調査の概要 (1)調査対象 15歳以上80歳未満の男女 1,050 人 (2)調査期間 平成21年4月~5月 (3)調査方法 調査会社の登録モニターに対するインターネット調査 (4)調査事項 ⅰ.障害者の権利に関する条約の認知度について ⅱ.障害を理由とする差別に対する意識について ⅲ. 「合理的配慮」に関する理解について ⅳ. 「共生社会」に関する理解について (5)調査会社 株式会社 クロスマーケティング 11