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離島におけるブロードバンド化促進のための調査研究

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離島におけるブロードバンド化促進のための調査研究
離島におけるブロードバンド化促進のための調査研究
平成 19 年 3 月
総務省 情報通信政策局 地域通信振興課
0
目
第1章
次
離島におけるブロードバンドサービス提供の状況................................................. 1
1.ブロードバンドサービス未提供離島の状況 ................................................................... 1
2.離島内ブロードバンド回線の選定 ................................................................................. 6
3.積算方法......................................................................................................................... 8
第2章
ラストワンマイル情報通信インフラの積算方法 .................................................. 12
1.FTTH ........................................................................................................................... 12
2.ADSL ........................................................................................................................... 19
3.無線LAN ...................................................................................................................... 22
4.CATV ........................................................................................................................... 28
第3章
バックボーン情報通信インフラの積算方法 ......................................................... 32
1.海底光ファイバーケーブル .......................................................................................... 32
2.FWA............................................................................................................................. 39
3.衛星 .............................................................................................................................. 42
第4章
積算結果............................................................................................................... 46
1.平均費用比較................................................................................................................ 46
2.最安価情報通信インフラの特徴 ................................................................................... 53
3.IRU検討時平均費用および離島分布 ............................................................................ 60
4.トータルコスト比較 ..................................................................................................... 63
第5章
ブロードバンドサービスの導入に向けて............................................................. 70
1.推奨されるブロードバンドサービス ............................................................................ 70
2.整備推進のために ........................................................................................................ 74
参考資料 1-1.離島状況 .................................................................................................. 80
0
第 1 章 離島におけるブロードバンドサービス提供の状況
1.ブロードバンドサービス未提供離島の状況
(1)全国におけるブロードバンドサービス提供の現状
総務省「平成 18 年版 情報通信白書」によると、現在、ブロードバンドサービスの普及は以下のように
推移している。
図表 1-1.ブロードバンドの普及状況(万契約)
(万契約)
1600
1,452
1,368
1400
1200
1,120
1000
800
702
546
600
400
238
0
207
146
200
1999
7
2000
DSL
DSL
ケーブルインターネット
FTTH
無線(FWA)
合計
31 3
3 1
0 0
2001
2002
ケーブルインターネット
1999
0.02
22
0
0
22
331
114
78
0 22 0 0
296 290
258
2000
7
78
0.02
0.09
86
2001
238
146
3
0.8
387
3
2003
2
2004
FTTH
2002
702
207
31
3
943
2
2005
(年度末)
無線(FWA)
2003
1,120
258
114
3
1,495
2004
1,368
296
290
2
1,956
2005
1,452
331
546
2
2,330
総務省「平成 18 年版情報通信白書」2006.6
2005 年度末のブロードバンド回線の契約数は、約 2,330 万契約になっている。DSL の契約数が約
1,452 万契約で最も多く、次いで FTTH が約 546 万契約、ケーブルインターネットが約 331 万契約、無
線(FWA)が約 2 万契約となっている。
DSL がもっとも多いが、伸び自体は衰え始めている。、また、FTTH の伸びが著しく、2005 年 1-3 月期
から FTTH の契約純増数が DSL を上回っている。今後のインターネット接続回線の変更予定でも次ペ
ージのような結果が示されている。
1
図表 1-2.変更予定の回線
0
10
20
30
40
50
60
70
80
80.5%
FTTH回線
8.0%
ナローバンド
6.1%
DSL回線
CATV回線
1.7%
無線(FWA等)
1.7%
第3世代携帯電話
90
0.3%
不明
2.3%
総務省「平成 18 年版情報通信白書」2006.6
“今後、インターネットを変更するとしたら、どの回線か“という調査では、FTTH がもっとも支持されてい
る。また「図表 1-3.ナローバンドからの変更予定の回線」で示すとおり、現在ナローバンド世帯でも、
FTTH はもっとも要望が高い。ただし、ケーブルテレビ、DSL 回線の要望は、「図表 1-2.変更予定の回
線」で示されている割合よりも高く、ブロードバンド未提供地域におけるナローバンド利用者は、さまざま
な回線によるブロードバンド利用を想定していると考えられる。
図表 1-3.ナローバンドから変更予定の回線
0
10
20
30
40
70
80
90
100
22.4%
ケーブルテレビ
51.0%
FTTH
6.1%
20.3%
DSL
その他
60
12.9%
ナローバンド
無線
50
5.3%
総務省「平成 16 年通信利用動向調査 世帯編」2005.3 から作成
本調査では、「現在、ナローバンド地域では、FTTH がもっとも要望されているが、その他のブロード
バンドサービス提供のニーズも高い」という観点から、離島のブロードバンドサービス提供に必要となるイ
ニシャル・ランニングコストの算出および、その結果から推測される情報通信インフラの組み合わせを検
討していく。
2
(2)離島におけるブロードバンドサービス提供・未提供地域の特徴
本調査で対象とする離島は、「離島振興法」「奄美群島振興開発特別措置法」「小笠原諸島振興開
発特別措置法」「沖縄振興特別措置法」の各法に基づき指定されている離島のうち、住民の居住が住
民基本台帳(平成 16 年 4 月 1 日現在)で確認され、かつ総務省調査で有人が確認された離島(離島振
興法指定離島 257 島、奄美群島振興開発特別措置法指定離島 8 島、小笠原諸島振興開発特別措置
法指定離島 2 島、沖縄振興特別措置法指定離島 40 島)の計 307 島(参考資料 1-1 離島状況)としてい
る。
このうち、総務省調査によると平成 18 年 3 月 31 日現在で離島ブロードバンドサービスが提供されて
いる離島は 108 島、提供されていない離島は 199 島となる。
本調査では以下の指標を用いて情報通信インフラのイニシャル・ランニングコストおよび情報通信イ
ンフラの組み合わせについて検討を行っている。
図表 1-4.指標
指標項目
本土間距離
適用
離島と本土間の距離。主に離島の最も本土に近い地点から本土の離島に
最も近い距離(離島本土間最短距離)で計測を実施している。基本的に
は国土交通省「離島地域における地域公共ネットワーク・システム整備に
関する調査(平成 14 年 3 月)」のデータを採用している。
最近接陸地距離
離島から本土まで、または離島から本土までの間に別の離島が存在する
場合のその離島までの距離のうち、最も短い距離を計測している。基本的
には国土交通省「離島地域における地域公共ネットワーク・システム整備
に関する調査(平成 14 年 3 月)」のデータを採用している。
世帯数
「住民基本台帳(平成 16 年 4 月 1 日現在)」に基づく総務省の資料から各
離島の世帯数を採用している。
世帯密集率
世帯数を面積(k ㎡)で割った率を採用している。
面積
国土交通省国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調(平成 12 年 12
月現在)」から各離島の面積を採用している。
実延長
財団法人日本離島センター「2005 離島統計年報(平成 16 年 4 月現在)」
から各離島の実延長を採用している。
3
指標に基づき、ブロードバンドサービス提供地域と未提供地域の状況を整理すると以下のようにな
る。
図表 1-5.ブロードバンドサービス提供有無別離島状況
0
50
150
200
250
300
47.64
43.01
50.15
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
100
10.91
12.13
10.26
98.62
世帯数/10(世帯)
251.38
15.72
80.63
112.80
世帯密集率(世帯/k㎡)
63.17
24.53
面積(k㎡)
57.58
6.60
68.94
実延長(km)
174.54
11.63
対象離島
ブロードバンド提供離島
離島数
対象離島
ブロードバンド提供離島
ブロードバンド未提供離島
ブロードバンド未提供離島
平均値
本土間距離(km)
307
108
199
47.64
43.01
50.15
最近接陸地距離(km)
10.91
12.13
10.26
世帯数/10(世帯)
98.62
251.38
15.72
世帯密集率(世帯/k㎡)
80.63
112.80
63.17
面積(k㎡) 実延長(km)
24.53
68.94
57.58
174.54
6.60
11.63
ブロードバンド提供離島とブロードバンド未提供離島では、世帯数に関しては、未提供離島と提供離
島との差が約 16 倍と大きく差がついている。今までのブロードバンドサービス提供の基準は世帯数に大
きく影響を受けていることがわかる。
面積に関しても約 9 倍の差がついており、実延長はそれ以上の約 15 倍の距離差が出ている。
一方、本土間距離、最近接離島間距離の項目においては、それほど差はない。距離に依存せずサ
ービス提供が行われていることがうかがえる。ただし、「図表 1-6.世帯数別最近接平均距離」でわかる
ように、世帯数 100 未満と世帯数 500 以上では極端に未提供離島と提供離島の最近接距離の差が激し
くなっている。
世帯数 100 未満では提供離島の場合、最近接距離平均は全て 1km 未満の範囲内となっている。ま
た、世帯数 500 以上では未提供離島の最近接距離は 50km 以上と極端に長い。
世帯数が少ない場合は短い距離でないと提供が行われず、多い場合でも距離が長すぎる場合は提
供が行われていないことが推測できる。
4
図表 1-6.世帯数別最近接平均距離
0
20
世帯数10未満
0.52
3.34
世帯数10以上50未満
0.69
4.81
世帯数50以上100未満
60
80
100
120 (km)
0.70
7.18
世帯数100以上200未満
8.83
5.88
世帯数200以上500未満
4.79
6.45
世帯数500以上1000未満
40
12.34
世帯数1000以上
65.82
24.65
110.40
提供離島
未提供離島
以上、ブロードバンドサービス提供に与える項目としては、世帯数および実延長が最も影響を与える
が、最近接距離などその他の項目も影響を与える可能性がある。積算を実施する際には、これらの項目
の数値を用いるとともに、これらの項目を利用して比較検討を行う。
5
2.離島内ブロードバンド回線の選定
(1)対象とする情報通信インフラ
離島におけるブロードバンドサービス提供で障害となるのは、世帯数の多さもさることながら、離島まで
のブロードバンド対応型既設回線(バックボーン回線)の有無があげられる。
本調査においてはラストワンマイルとともにバックボーンにも注視し、敷設の組み合わせについて検討
を行う。
①ラストワンマイル
離島内に敷設するブロードバンド回線については、複数の候補があげられる。平成 18 年版 情報通
信白書では、「ケーブルインターネット、DSL、FTTH、無線(FWA)」という分類でブロードバンド回線の
利用状況が掲載されている。
本調査では、昨今、ケーブルテレビ自体が FTTH で整備される例が多くなっている(実際、構築費用
については FTTH の方が安価になりつつある)ことから、FTTH(CATV)・DSL・無線 LAN として検討を行
う。また、DSL については、普及率が高い ADSL 回線を対象とし、無線 LAN については、今後、ラストワ
ンマイル回線として普及が見込まれる 2.4GHz 帯メッシュ型無線 LAN を対象として検討を行う。
図表 1-7.ラストワンマイル一覧
情報通信インフラ
FTTH(CATV)
概要
光ファイバーケーブルを各世帯まで引き込む方式。各方式の中で
最も通信速度がはやい。
ADSL
既設の電話線を利用して、通信を行う方式。DSL 方式の中で日本
において最も普及している。
無線 LAN
無線を用いて通信を行う方式。住宅密集率が低い地域において普
及しはじめている。
各種情報通信インフラの普及状況は前述したとおりとなっている。なお、FTTH と CATV は別個に積算
を実施するため、比較検討を行う情報通信インフラは 4 種類と規定する。
②バックボーン
本土-離島間、離島-離島間を接続する回線である。このバックボーンがないため、または通信容
量が小さいため、ブロードバンドサービスが提供されていない離島も多い。距離によっては島内ブロード
バンド回線よりも高額となることもあるため、ラストワンマイルと同様検討が必要となる。
回線の候補としては、海中を敷設する海底光ファイバーケーブルや、海上を伝送する固定無線アク
セス(FWA 等)、地球局から送受信する衛星通信などがあげられる。
6
図表 1-8.バックボーン一覧
情報通信インフラ
概要
海底光ファイバーケーブ 本土・離島、離島・離島間の海中に有線を敷設する方式。通常より
ル
厚い外装ケーブルで囲われたケーブルを専用船で敷設される。
FWA
2.4GHz、4GHz、5GHz、6GHz、18GHz など様々な周波数帯を用い
て海上を伝送する方式。一般的には水面による反射波の影響を抑
えるため、鉄塔-鉄塔間で接続される。
衛星
衛星を介して接続を行う方式。アンテナ設置が必要となる。ベストエ
フォート方式、専用線方式のラインナップがある。
海底光ファイバーケーブルは国際用の海底光ファイバーケーブルの他、日本国内でも様々な海底光
ファイバーケーブルが敷設されている。最近では 2004 年から沖縄本島~宮古島~石垣島間を沖縄県
の支援を受けた形で、西日本電信電話株式会社(以後、NTT 西日本)がブロードバンド対応型の海底ケ
ーブルを敷設している。
FWA は昨今、注目を集めているインフラで、平成 18,19 年度と各総合通信局で盛んに伝送実験が行
われている。その中では海上伝送実験をしている地域もあり、海底光ファイバーケーブルに代わる可能
性のある回線として注目を集めている。
衛星は従来、個人向けサービスとして提供されていたが事業撤退などの関係から現在では個人向け
サービスとしてはあまり注目を集めていない状況にある。ただし、団体向けのサービスとしてはメニュー
はそろっており、小規模団体や本土から遠距離にある団体および海底光ファイバーケーブルの補助回
線としての利用が見込まれている。
バックボーン回線については海底光ファイバーケーブル、FWA、衛星(ベストエフォート方式・専用線
方式)の 3 項目 4 種類について積算を実施する。
7
3.積算方法
(1)積算対象範囲
本調査では、各情報通信インフラのイニシャル・ランニングコストを算出 1 し、比較検討を行う。費用積
算にあたっての基本的な考え方は以下のとおりである。
①イニシャルコスト
地方公共団体または民間事業者が情報通信インフラを構築する場合の費用を示す。構築のために
必要となる費用の基本構成は以下のとおりである。
図表 1-9.イニシャルコスト構成
費用基本項目
線路費用
概要
光ファイバ等の有線設備費用。海底光ファイバーケーブル・FTTH 以外の
無線情報通信インフラでもセンター設備等への接続のための有線構築費
用が必要。
センター機器費用
センターに設置される GE-PON 等の機器やバックボーン回線の中継点に
(アンテナ等含)
設置されるアンテナ等の機器費用。
宅内装置費用
ラストワンマイルで宅内に設置される機器費用。
センター構築費用
CATV 等で構築が必要とされるセンター建物そのものの費用。ADSL でも
RT-BOX 等の簡易局舎設置費用が必要となる場合がある。
その他個別に必要 海底光ファイバーケーブルの中継器やラストワンマイル FWA で必要となる
となる費用
宅内対応用無線装置など。
イニシャルコストの構成要素としては、線路費用・センター機器費用、宅内装置費用、センター構築
費用などがあげられる。各種情報通信インフラにおいて、これらの構成要素が基本的に主構成要素と
なる。ただし、宅内装置は一部、住民負担となるべきものも含まれている。また、センター建物そのもの
の費用についても、既に構築してある可能性はあるが、今回は構築費用に計上することにしている。
1
本積算方法により算出された費用は、本文内に示す積算範囲の算出モデルを前提とした参考費用であり、その費用を確約する
ものではない。個々の離島状況により算出結果は大きく異なる可能性がある。
8
②ランニングコスト
地方公共団体または民間事業者が情報通信インフラを運用する場合の費用を示す。構築のため
に必要となる費用の基本構成は以下のとおりである。
-1.ランニングコスト基本費用
図表 1-10.ランニングコスト構成
費用基本項目
概要
線路費用
イニシャルコストの一定率分の費用とする。また、イニシャルコストのランニ
センター機器費用
ング経費への換算は、総務省所管補助金等交付規則第 8 条「処分の制
センター構築費用
限を受ける期間」別表に記されている処分制限期間に基づいた年数を考
慮し費用を算出する。
その他個別に必要 海底光ファイバーケーブルについては、保守体制を考慮し、ランニングコ
となる費用
ストを算出する。また、衛星通信については、各事業者の利用料金から、
ランニングコストを算出する。
ランニングコストはイニシャルコストの一定率分の費用とする。また、イニシャルコストをランニング経
費として換算する場合は、基本的に総務省所管補助金等交付規則第 8 条「処分の制限を受ける期
間」別表に記されている処分制限期間年数に基づいて費用を積算する(イニシャルコストで積算する
宅内装置については住民責任による管理とみなし、積算対象から省いている)。
また、海底光ファイバーケーブルについては駆けつけ船舶のスタンバイ時の体制によって大幅に
金額が変動するため、別途の積算方法を用いている。また、衛星通信については、サービス提供価
格が定められているため、提供価格に基づいた積算を行っている。
-2.ランニングコスト追加費用
イニシャルコスト、ランニングコストの積算を行う際、基本的に宅内装置費用を除き、イニシャルコストで
積算したものについてランニングコストを計上している。線路費用・センター費用・機器費用に要する保
守費用が発生するという形でランニングコストを試算している。
しかしながら、線路費用ではあるが、イニシャルコストが発生しないため、上記表には含まれていない
費用もある。バックボーンでかかる費用のうち、本土側における専用線利用料である。
地方公共団体がプロバイダ業務を行う場合、一般的には本土最近接局から MA 局まで専用線を借り
る必要がある。新たに敷設する回線ではなく、専用線を借りる料金であるため、ランニングコストとして影
響を与える。
この点についての考え方を図示すると次ページのようになる。
9
図表 1-11.専用線利用料の考え方
情報センター
ラストワンマイル
(FTTH・ADSL・FWA)
離島
バックボーン
(海底光ファイバーケーブル・FWA)
バックボーン
(衛星)
RT局(本土陸揚局)
本土
バックボーン
(プロバイダ用専用線)
MA局(プロバイダ接続点)
本土におけるプロバイダ用専用線がランニングコストとして別途必要となる。
ただし、衛星については直接プロバイダ局にアクセス可能となるため、専用線料金は発生しない。ま
た、IRU の場合、ランニングコストとして反映されない可能性がある。たとえば東日本電信電話株式会社
(以後、NTT 東日本)が IRU 契約を実施する際には、NTT 東日本が住民向けサービス(フレッツ ADSL
等)を行うことになる。プロバイダ接続点までは NTT 東日本自社線を活用するため、専用線利用料は住
民向けサービス利用料金に反映されることになる。よって、地方公共団体に対しては、IRU 契約保守費
用(ランニングコスト)の中にプロバイダ専用線利用料は算定されない可能性が高い。
以上のような観点からランニングコストの積算にあたっては、以下のように規定する。
図表 1-12.専用線費用の積算の考え方
条件付け
ランニングコスト
費用負担者
自営の場合
専用線料金が必要。
地方公共団体
IRU の場合
専用線料金は不要。
事業者
10
(2)共通積算基準
総務省「平成 17 年通信利用動向調査 世帯編」から、世帯における自宅でのインターネット利用率は
以下のように考えることができる。
図表 1-13.都市規模別世帯インターネット利用率
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
県庁所在地レベル
100
90.1%
市レベル
85.4%
83.5%
町村レベル
総務省「平成 17 年通信利用動向調査 世帯編」2006.3 から作成
図表 1-14.インターネット利用機器
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
77.4%
パソコン
81.2%
携帯電話・PHS
1.9%
ゲーム・TV等
総務省「平成 17 年通信利用動向調査 世帯編」2006.3 から作成
図表 1-15.パソコンからインターネットを利用する場所
0
10
20
30
40
50
60
70
80
自宅
100
88.6%
学校
15.8%
職場
36.8%
外出先等
その他
90
14.2%
1.9%
総務省「平成 17 年通信利用動向調査 世帯編」2006.3 から作成
町村レベルの世帯利用率は、83.5%となっている。離島すべてが町村レベルとは限らないが、平均的
な加入率として、町村レベルの世帯利用率を採用すると、そのうち、パソコンを利用している割合は、
77.4%で、さらにその中でも自宅で利用している割合は、88.6%となる。
よって、現在、町村レベルにおいてブロードバンド、ナローバンド関係なくインターネットを利用してい
る世帯割合は、83.5×77.4×88.6=57.2%となり、現在においても約 57%の割合の加入率が離島でも
見込めると設定することができる。本調査では、離島におけるインターネット加入率を 57%と仮定し、検
討を行う。
11
第 2 章 ラストワンマイル情報通信インフラの積算方法
1.FTTH
(1)FTTH の構成・構成
昨今、ブロードバンドサービスの中でもっとも注目を集める伝送システムである。元来は一般家庭まで
光ファイバケーブルを敷設することの目標的な呼び名であったが、昨今では、光ファイバケーブル伝送
のシステム名称として定着している。ADSL と比較して、線路を新たに敷設しなければならないデメリット
はあるが、伝送容量(100Mbps)・伝送距離(約 20km)ともに ADSL より優れているため、現在の主流ブロ
ードバンド回線となりつつある。さらに、波長分割による多チャンネルのケーブルテレビ(デジタル CATV
を含む)の同時伝送や、安定した IP 電話・IP テレビ電話等の多彩なサービスの提供が可能である。
特に CATV では、今まで HFC と呼ばれる幹線:光ファイバ-ケーブル、支線:同軸ケーブルによる伝送
が主流だったが、機器費用が安価となり、さらに同軸ケーブルの値段が上昇したことから、現在では、
FTTH による構築が主流となっている。今後、設計される CATV については、合併によって HFC とシス
テム統合が必要な地域以外は、ほとんどが FTTH になると考えられる。
図表 2-1.FTTH の構成図
The Internet
クロージ ャー
GE-PON等
情報センター
全世帯の57%対応
幹線
ONU
引込線
全世帯対応
宅内装置
全世帯の57%対応
図表 2-2.CATV(FTTH)の構成図
The Internet
クロージャー
GE-PON等
ONU
ヘッドエンド
情報センター
STB等
幹線
全世帯対応
12
引込線
宅内装置
(2)FTTH の積算
FTTH の構成は、主に以下の 4 つに分類される。
①センター設備
通信を行うための主装置。GE-PON 等により、光信号が伝送される。
②線路(幹線系)
光信号伝送するための回線。主回線。
③線路(引込系)
光信号伝送するための回線。1 心最大 32 世帯まで分岐できる。
④宅内装置
光信号を送受信し、宅内で通信が行えるようにする装置(ONU)。
⑤センター(建築物)
センター設備を設置するための建築物。
①センター設備
ラストワンマイルサービスを提供するための装置群。アクセス区間の通信速度を 1Gbps確保する
GE-PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)や光増幅器等を設置することにより伝送する。
基本システムおよび対象世帯数にあわせた回線ユニット等が必要となる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「基本システム費用」+「世帯対応機器費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
FTTH におけるセンター設備は基本システムに世帯数に対応した GE-PON 等が必要と
なる。また、定期船の就航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等によ
る輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「基本システム費用」
一般的に考えられるシステム伝送にかかる基本的費用から離島状況を鑑み計上。
○「世帯数対応機器費用」
「“収容機器単価費用(4 心単位)*1”」*「“4 心線路数*2”」
*1.「収容機器単価費用」:
4 心対応 1 スロット単位の一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
*2.「4 心線路数」:
予測加入世帯数を 4 心収容世帯数で割った値。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
13
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
②線路(幹線系)
言葉の由来が、ファイバー・トゥ・ザ・ホームであるように、光ファイバーを各世帯まで引き込むことを
FTTH という。その中でも、軸となる基幹網と各世帯へ引き込む引込網に大きく分けることができる。最
終的な全世帯加入を想定し、幹線系設備は全世帯対応可能な心線数を持つ規模とする。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「線路費用」+「工事費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
FTTH においては、総世帯数に応じた心線別線路費用およびその距離に応じた工事
費用、および定期船の就航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等に
よる輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「線路費用」
「“4 心線路費用*1”」+「“8 心線路費用*2”」+「“16 心線路費用*3”」
16 心線からの分岐で計上。
*1.「4 心線路費用」:
「“4 心線路単価費用*1-1”」*「実延長」*「“4 心線路数*1-2”/“全心線線路数*1-3”」
*2.「8 心線路費用」:
「“8 心線路単価費用*2-1”」*「実延長」*「“8 心線路数*2-2”/全心線線路数」
*3.「16 心線路費用」:
「“16 心線路単価費用*3-1”」*「実延長」*「“16 心線路数*2-2”/全心線線路数」
*1-1.「4 心線路単価費用」:
線路機器を含む 1km の 4 心線路単価を一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
*1-2.「4 心線路数」:
世帯数を 4 心収容世帯数で割った値。
*1-3.「全心線線路数」:
4 心線路数+8 心線路数+16 心線路数
14
*2-1.「8 心線路単価費用」:
線路機器を含む 1km の 8 心線路単価を一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
*2-2.「8 心線路数」:
世帯数を 8 心収容世帯数で割った値。
*3-1.「16 心線路単価費用」:
線路機器を含む 1km の 16 心線路単価を一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
*3-2.「16 心線路数」:
世帯数を 16 心収容世帯数で割った値。
○「工事費用」
「“1km工事費用単価*1”」*「実延長」*「“世帯密集率係数*2”」
1km あたりの工事費用に実延長を乗算することにより、工事費用は算出される。しかしな
がら、世帯密集率が高い地域では、実延長分ほど距離は延びない(世帯密集率が低い
ほど距離は延びる)ため、世帯密集率係数を乗算することにより、世帯密集率による工
事費用の差を設けた。
*1.「1km 工事費用単価」:
一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
*2.「世帯密集率係数」:
「次世代ブロードバンド構想 2010」によると地域のケーブル長は、世帯密集率の逆数の
平方根に比例するとある。今回は工事費用の差を埋めるため、1k ㎡あたりの世帯密集
率を離島における平均世帯密集率値で乗算することにより、平均的な地域に比した差
異を現すこととした。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
15
③線路(引込系)
幹線系設備に応じて、各世帯に引き込む線路が必要となる。加入世帯数にあわせて引き込まれるこ
とになる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「線路・工事費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
引込線ではその距離に応じた線路・工事費用、および定期船の就航がない地域では、
船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「線路・工事費用」
「“1 世帯引込基本費用*1”」*「加入予測世帯数」*「“世帯密集率引込係数*2”」
引込線では幹線で各世帯の近くまで線路が敷設されているため、基本的に各世帯によ
る敷設費用差は少なくなる。しかしながら、分布により差はでてくるため、世帯密集率の
引込用の係数を用いて差を設けることとする。
*1.「1 世帯引込基本費用」:
一般的な費用から離島状況を鑑み線路機器を含む各世帯の引込費用を計上。
*2.「世帯密集率引込係数」:
1k ㎡あたりの世帯密集率を離島における平均世帯密集率値で乗算
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
16
④宅内装置
加入者宅に設置する V-ONU(Optical Network Unit)。CATV モデムなどは CATV 事業者が一括購
入またはレンタルしたものを、加入者がレンタルする形式が多いが、FTTH では設置が前提となるため、
設置者が一括購入し、配布する場合が多い。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器・設置費用」
宅内装置では加入世帯数に応じた機器・設置費用が必要となる。基本的に重量・輸送
形式は郵便不可能な特殊なものではないため、特別な輸送費は設けていない。
●計算方法
○「機器・設置費用」
「“1 世帯機器・設置費用*1”」*「加入予測世帯数」
*1. 「1 世帯機器・設置費用」:
線路機器を含む各世帯の引込費用を一般的な費用から離島状況を鑑み計上。
ランニング
●算出方法
設置後は各世帯で管理となるため、設けていない。
⑤センター
センター設備を設置するための建築物。既存の建物の改修等で代替できる可能性もある。センター
から直線距離が 20km 以上ある離島(一般的に FTTH の到達距離は 20km)では、サブセンター等を設
置しなければならない可能性がある。
図表 2-3.情報センター設置条件
群島における情報センター等の設置については、
例えば群島主島に情報センターが設置され FTTH
が整備されている場合は、周辺離島 1 ではセンター
サブ゙センター
周辺離島1
5km
の設置の必要がなく、周辺離島 2 においてはサブセ
ンターの設置で事足りることになる。ただし、群島主
情報センター
周辺離島2
島に FTTH が設置されるとは限らないため、計算上
では便宜的に周辺離島 1 の場合、サブセンター、周
辺離島 2 の場合は情報センターとして積算してい
る。
17
25km
群島主島
情報センター
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「センター・サブセンター建設費」+「定期船の就航有無による金額の割増」
センターから 20km を超える地域では、サブセンター等を設置して増幅を行う必要があ
る。また、定期船の就航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による
輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「センター・サブセンター建設費」
条件 1.群島主島または本土間に近接離島が存在しない離島全て。群島属島または本
土間に近接離島が存在する離島については最近接離島距離と離島内最大距
離の合計が 20km を超える島:
「“センター建設費用 *1 ”」+「“離島内陸揚げ地からセンターまでの距離 *2 ”が
“20km単位ごとに“サブセンター建設費用*3”」
条件 2.群島属島または本土間に近接離島が存在する離島で最近接離島距離と離島
内最大距離の合計が 20km を超えない島:
「サブセンター建設費用」
*1.「センター建設費用」:
簡易的な新規センターの一般的な建設費用から離島状況を鑑み、計上。
*2.「離島内陸揚げ地からセンターまでの距離」:
離島中心地にセンターを設置するとした場合、離島内最大距離の 1/2 が離島内陸揚げ
地からセンターまでの距離として計上。
*3.サブセンター建設費用:
サブセンター建設費用も一般的な事例から離島状況を鑑み計上。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 3.定期船の就航がある場合
条件 4.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
18
2.ADSL
(1)ADSL の現状・構成
ブロードバンドサービスとして最も加入者が多いラストワンマイルである。現在では加入者増加数で
は FTTH に譲るものの、既設線を利用してある程度の通信容量を確保できることから、ブロードバンド
サービス普及に大きな影響を及ぼした。
ADSL は、既設電話線を利用して提供するもので電話の音声を伝えるのには使わない高い周波数
帯を使って通信を行う。DSL 技術のひとつであり、ADSL の A はAsymmetric(非対称)を表している。
上りと下りでスピードが異なるが、下りのスピードが重要視されている現状においては、問題なく受け
入れられるものとなった。
ただし、電気信号の劣化が激しいため、一般的には 2~4km、リーチ ADSL 等を利用しても 6km 程
度しか水準を確保することができないことや、何よりもより高速な FTTH が普及し始めたため、ラストワ
ンマイルとしては高速な部類とはいいづらい現状にある。
離島にブロードバンドサービスを提供する情報通信インフラとしては、イニシャルコストが安価である
ことから、離島までの回線(これについては光回線が必要となる)が整備されれば提供される可能性は
十分に有り得る。RT-BOX と呼ばれるセンター局内の機器(DSLAM 等)の設置費用さえクリアされれ
ばどの離島においても提供は可能なラストワンマイルである。
図表 2-4.ADSL の構成図
The Internet
簡易RT-BOX
局の場合、
光回線の増
設が必要な
場合あり
基地局
DSLAM等
RT-BOX局
全世帯の57%対応
19
モデム
既設電話線
宅内装置(住民個別負担)
(2)ADSL の積算
ADSL の構成は、主に以下のようになる。
①センター設備
ADSL を提供するための集積装置を設置する局・設備
②離島内回線
本土・離島-離島間拠点から RT-BOX 局までの専用線
①センター(RT-BOX 局)
電話や ISDN サービスを提供するための装置を設置している局舎が RT 局である。ADSL ではここ
に DSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)といわれる集積装置を設置して通信を行う。し
かし、RT 局に設置スペースがない場合が多く、別途簡易局舎を設置することも多い。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器設置費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
ADSL では、DSLAM を設置する費用が必要となる。また、定期船の就航がない地域で
は、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「機器設置費用」
「“DSLAM設置単価 1*1”」*「“設置必要数*2”」
*1.「DSLAM 設置単価 1」:
局舎建設費用や一般的な費用から離島状況を鑑み、計上。
*2.「設置必要数」:
DSLAM 設置間隔を規定し、設置拠点から離島の端までの距離(離島内最大距離の
1/2)に応じて必要数を積算。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
20
②離島内回線
ADSL は、各世帯まで NTT 東西等の既存電話線を使ってサービス提供がなされるが、DSLAM で
光信号に変換した後は専用線で島外に接続されることになる。
図表 2-5.回線敷設条件
さらに、RT局がない地域に ADSL サービ
スを提供する場合には、バックボーン設置
地点からサブセンター(DSLAM 設置局)ま
情報センター
FTTH
バックボーン設置地点
ADSL
での回線敷設が必要となる。
サブセンター
群島主島
周辺離島
回線敷設
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「線路・工事費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
本土・離島から離島まで接続する回線の設置拠点(実際は、FWA 等であれば山頂にな
る可能性が高いが、ここでは離島の最も端と規定している)から DSLAM 設置拠点(離島
の中心部と規定している)まで専用線を設置する必要がある。また、定期船の就航がな
い地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「回線線路・工事費用」
「“1km4 心線路・工事費用*1”」*「“敷設距離*2”」
*1.「1km4 心線路・工事費用」:
4 心線路単価+線路工事単価。FTTH で適用した 4 心線路と工事費の合計。
*2.「敷設距離」:
離島内最大距離の 1/2 が中央から端までの距離となる。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
21
3.無線 LAN
(1)無線 LAN の現状・構成
無線 LAN は、ブロードバンドサービスとしては従来からあるものの一般サービスとして普及していると
言えるほど導入数は多くはない。これについては、導入費用が高額であったこと、通信容量がそれほ
ど高速でなかったこと、周波数帯が明確に定まっていなかったことなどさまざまな要因が考えられる。
昨今、メッシュ型という手法が適用されるようになり、各アンテナまで有線網を設置しなくてもアンテナ
個々で大容量通信を確立 2 できるようになった。このことにより無線LANも面的な展開が容易となり、今
後普及が見込まれるラストワンマイルとなりえる可能性がある。
ただし、未だ対応している国内メーカーは少なく、有線敷設が困難な区間の伝送以外でも普及が進
むかどうかは情勢を待つ必要がある。
図表 2-6.無線 LAN の概念図
有線
センター局 有線
無線網を構築し、有機的に連携
図表 2-7.無線 LAN の構成図
アンテナ
The Internet
センター装置
情報センター
全世帯の57%対応
2
アンテナ
有線or他アンテナライン
有線部分は基本は2回線
受信装置
宅内装置
全世帯の57%対応
無線通信においては、利用する無線帯域(無線帯域の干渉)及び島内地理環境において、帯域の確保が難しい場合がある。
22
(2)無線 LAN の積算
2.4GHz メッシュ型無線 LAN の構成は、主に以下の 4 つに分類される。
①センター設備
通信を行うための主装置。メッシュ型無線 LAN を制御するサーバ群。
②配信設備
光信号を伝送するための装置。屋外用アクセスポイント。
③宅内装置
光信号を送受信し、宅内で通信が行えるようにする装置(屋内用アクセス
ポイント)
④線路
屋外用アクセスポイントとセンターサーバを接続する光ファイバーケーブ
ル。
⑤センター
センター設備を設置するための建築物
①センター設備
メッシュ型無線 LAN ネットワークを集中制御するサーバ・ソフトウェア群。配信設備単位で数量が増
加する。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「基本システム費用」+「世帯対応機器費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
基本システム費用に世帯数に対応したセンター機器が必要となる。また、定期船の就
航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要と
なる。
●計算方法
○「基本システム費用」
一般的に考えられるシステム伝送にかかる基本的な費用から離島状況を鑑み計上。
○「世帯対応機器費用」
条件 1.世帯数が 1 の場合(1 アンテナ対応サーバシステム費用):
1 アンテナ対応サーバシステム費用として一般的に考えられる基本的な費用から離島
状況を鑑み計上。
条件 2.世帯数が 2~8 の場合:
1 アンテナ対応サーバシステム費用 2 台分として一般的に考えられる基本的な費用から
離島状況を鑑み計上。
条件 3. 世帯数が 9 以上の場合:
23
「1 アンテナ対応サーバ基本費用」*「“アンテナ数*1”」*「世帯密集率係数」
1 アンテナ対応サーバ基本費用とアンテナ数を乗算することにより、アンテナ数に対応
したサーバ費用が求められる。しかしながら、世帯分布によりアンテナ必要数に差がで
てくるため、FTTH の項で用いた世帯密集率係数を用いて差を設けている。
*1.「アンテナ数」:
「世帯数」/「1 アンテナ対応世帯数」
必要となる最低アンテナ数は世帯数を 1 アンテナが対応する世帯の数で割算すること
により求められる。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 4.定期船の就航がある場合
条件 5.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
②配信設備
屋外用アクセスポイントであり、電柱に共架・添架または自立柱に装柱される。1 端末あたりの範囲は
半径約 100m程度である。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「アンテナ費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
世帯数に対応したアンテナ費用が必要となる。また、定期船の就航がない地域では、
船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「アンテナ費用」
条件 1.世帯数が 1 の場合(1 アンテナ費用):
1 アンテナ費用として一般的に考えられる基本的費用から離島状況を鑑み計上。
アンテナ、鋼管柱建柱費用、電柱備付費用を規定し、建柱・電柱備付可能性を 50%と
みなし、積算。
24
条件 2.世帯数が 2~8 の場合:
1 アンテナ費用 2 台分として一般的に考えられる基本的な費用から離島状況を鑑み計
上。
条件 3. 世帯数が 9 以上の場合:
「1 アンテナ費用」*「アンテナ数」*「世帯密集率係数」
1 アンテナ費用とアンテナ数を乗算することにより、アンテナ費用が求められる。しかしな
がら、世帯分布によりアンテナ必要数に差がでてくるため、FTTH の項で用いた世帯密
集率係数を用いて差を設けている。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 4.定期船の就航がある場合
条件 5.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
③宅内装置
屋外用アクセスポイントと送受信する宅内アクセスポイント装置。設置が前提となるため、設置者が
一括購入して配布するケースが多い。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器・設置費用」
宅内装置では加入世帯数に応じた機器・設置費用が必要となる。基本的に重量・輸送
形式は郵便不可能な特殊なものではないため、特別な輸送費は設けていない。
●計算方法
○「機器・設置費用」
「“1 世帯機器・設置費用*1”」*「加入予測世帯数」
*1. 「1 世帯機器・設置費用」:
25
一般的な費用から離島状況を鑑み線路機器を含む各世帯の引込費用を設定し積算。
ランニング
●算出方法
設置後は各世帯で管理となるため、設けていない。
④線路
屋外用アクセスポイントとセンターサーバを接続するために光ファイバーケーブルを敷設する必要が
ある。無線 LAN(5GHz 帯 FWA 等)で接続する方法も検討できるが、本調査では、一般的に適用され
ている光ファイバーケーブルの計算方法を用いる。また、光ファイバーの接続は 2 ルート以上を設定
することが推奨される。
図表 2-8.線路敷設距離
センターから線路は、島内の最も遠い箇所に 2
アンテナ
ルート設定されるとする。その場合、どのような
√(2X2 )m
ルートであっても基本的には島内の対角線の長
Xm
さを敷設することになる。
離島を一辺Xmの正方形とみなした場合、対角
センター
線の長さは√(2X2)となる。
Xm
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「回線線路・工事費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
離島内対角線距離を敷設する必要がある。また、定期船の就航が必要ない地域では、
船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「線路・工事費用」
「1km4 心線路・工事費用」*「離島内最大距離」
4 心線路を 1km 敷設するための線路・工事費用と敷設距離の離島内最大距離を乗算。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
26
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
⑤センター
無線 LAN センター装置は、FTTH(CATV)ほどセンター設備(占有面積等)が必要となるわけでは
ないが、状況に応じて建設もありえる。局舎レベルは CATV 等に比べて簡易になる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「センター」+「定期船の就航有無による金額の割増」
センターを設置する費用を計上する。また、定期船の就航がない地域では、船舶の手
配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「センター」
一般的な費用から離島状況を鑑みセンター構築費用を設定し積算。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
27
4.CATV
(1)CATV の現状・構成
インターネットサービスとしての CATV は、そもそも CATV が整備されていた地域での付加サービス
として提供されはじめた例が多い。当初は都市型 CATV でブロードバンドサービスが開始されたが、
昨今では、地上デジタル放送対応のためのリニューアルにあわせて農村型 CATV 等でも提供されて
いる。また、ブロードバンドサービスを提供するために FTTH を構想し、その一環として地上デジタル
放送対応用に CATV システムも構築している地域も出始めている。
(構成図等については 1.FTTH の項を参照)
(2)CATV の積算
CATV を追加する場合、FTTH の積算は以下のように変更される。
①センター設備追加
CATV 対応装置追加となる。
②線路(幹線系)
変更無し。
③線路(引込系) 変更
全世帯数対応数量となる。
④宅内装置追加
CATV 対応装置追加となる。
⑤センター(建築物) CATV 対応施設追加となる。
追加
①センター設備追加
CATV を提供するための装置群。ヘッドエンドを設置することにより伝送する。基幹となる構成と対象
世帯数にあわせた回線ユニット等が必要となる。また、スタジオ等の機器費用が必要となる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「世帯対応機器費用」+「スタジオ等基本設備費用」+「定期船の就航有無による金額の
割増」
CATV を伝送するヘッドエンド等 CATV 機器が追加となる。また、スタジオ撮影機器・編
集機器・送出機器が必要となる。さらに、スタジオ等機器数量が多いため、定期船の就
航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が FTTH 分と
は別途必要となる。
●計算方法
○「世帯対応機器費用」
「1 ヘッドエンド単価*1」*「世帯数」/「1 ヘッドエンド対応世帯数*2」
1 ヘッドエンド単価とヘッドエンド数を乗算することにより計上
28
*1.「1 ヘッドエンド単価」:
一般的に考えられる CATV 伝送にかかる基本的な費用から離島状況を鑑み計上。
*2.「1 ヘッドエンド対応世帯数」:
一般的に考えられるヘッドエンド機器の対応上限数から計上。
○「スタジオ等基本設備費用」
一般的に考えられるセンター装置群の基本的な費用から離島状況を鑑み計上。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
②線路(引込系)変更
幹線系設備に応じて、各世帯に引き込む線路が必要となる。TV視聴であることを考慮して、全世帯
CATV に加入と想定し積算する。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「線路・工事費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
引込線ではその距離に応じた線路・工事費用、および定期船の就航がない地域では、
船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「線路・工事費用」
「“1 世帯引込基本費用*1”」*「全世帯数」*「“世帯密集率引込係数*2”」
引込線では幹線で各世帯の近くまで線路が敷設されているため、基本的に各世帯によ
る敷設費用差は少なくなる。しかしながら、分布により差はでてくるため、世帯密集率の
引込用の係数を用いて差を設けることとする。
29
*1.「1 世帯引込基本費用」:
一般的な費用から離島状況を鑑み線路機器を含む各世帯の引込費用を計上。
*2.「世帯密集率引込係数」:
1k ㎡あたりの世帯密集率を離島における平均世帯密集率で乗算
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
③宅内装置追加
加入者宅に設置する B-ONU および STB(Set Top Box)。CATV モデムなどは CATV 事業者が一括
購入またはレンタルしたものを、加入者がレンタルする形式が多い。FTTH では CATV でも全加入者
に設置が前提となるため、設置者が一括購入し、配布する場合も見受けられる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器・設置費用」
宅内装置では加入世帯数に応じた機器・設置費用が必要となる。基本的に重量・輸送
形式は郵便不可能な特殊なものではないため、特別な輸送費は設けていない。
●計算方法
○「機器・設置費用」
「“STB1 世帯機器・設置費用*1”」*「全世帯数」
*1. 「STB1 世帯機器・設置費用」:
一般的な費用から離島状況を鑑み線路機器を含む各世帯の引込費用を設定し積算。
ランニング
●算出方法
設置後は各世帯で管理となるため、設けていない。
30
④センター追加
FTTH のセンターと同等の考えとなるが、センターについてのみはスタジオ等設置する可能性が高く、
費用も高くなる。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「センター・サブセンター建設費」+「定期船の就航有無による金額の割増」
センターについてはスタジオ等の対応施設が必要となる。また、定期船の就航がない
地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「センター・サブセンター建設費」
条件 1.群島主島または本土間に近接離島が存在しない離島全て。群島属島または本
土間に近接離島が存在する離島については最近接離島距離と離島内最大距
離の合計が 20km を超える島:
「“センター建設追加費用*1”」
条件 2.群島属島または本土間に近接離島が存在する離島で最近接離島距離と離島
内最大距離の合計が 20km を超えない島:(追加無し)
*1.「センター建設追加費用」:
一般的に CATV センター建設費用から離島状況を鑑み、計上。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 3.定期船の就航がある場合
条件 4.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
31
第 3 章 バックボーン情報通信インフラの積算方法
1.海底光ファイバーケーブル
(1)海底光ファイバーケーブルの現状・構成
現在、通信事業者が離島部など条件不利地域で提供しているブロードバンドサービスとしては、ADSL
が中心であり、離島から本土間、近接離島間の通信設備としては、海底光ファイバーケーブルによる設
備、伝送無線や衛星無線による設備が主流となっている。
海底光ファイバーケーブルの建設にあたっては、「海底ケーブルの陸揚げ地やケーブルルートの選
定」、「海底ケーブル敷設ルート設計」、「漁業協同組合との折衝」、「敷設ルート確定のための詳細調
査」、「敷設のための海底面調査」、「ケーブル埋設のための海底下調査」、「敷設工事」などを考慮する
必要がある。また、海底光ファイバーケーブルを建設後、安定した通信サービスを確保するためには、
「ケーブルの修理や故障を未然に回避するための予防保全」、「設備情報の維持管理など迅速に対処
できる運用・保守体制」が不可欠となる。
海底光ファイバーケーブルを使用した伝送システムでは、回線断の可能性の高い浅海部分で外装ケ
ーブルを、回線断の可能性の低い深海部分で無外装ケーブルを使用することが一般的である。さらに、
伝送距離が長距離の場合には、信号を正確に伝達するための中継器等機器が必要となる。
図表 3-1.海底光ファイバーケーブルを使用した伝送システムの構成イメージ
島内
海底光ファイバーケーブル 〔積算範囲〕
本土
局舎
局舎
本土側
ネットワーク
島内側
ネットワーク
中継器
外装ケーブル
1 0 0 km
無外装ケーブル
外装ケーブル
ケーブル接続
32
(2)海底光ファイバーケーブルの積算方法
海底光ファイバーケーブルの建設費用・運用保守費用の積算方法を以下に示す。建設費用につい
ては、施工費用と物品費用の各項目を積算し、算出 3 する。また、運用・保守費用については、その形
態と諸条件をもとに算出する。なお、海底光ファイバーケーブルでは調査に多大な費用がかかる場合が
あるため、工事とは別に調査費用も計上している。
○イニシャルコスト
①海洋調査
海底面の調査費用。磁気調査等が必要となる。
②線路敷設工事
敷設工事費。埋設方式と非埋設方式がある。
③漁業補償
漁港がある場合、補償費用が発生する場合がある。
④海底ケーブル
海底光ファイバーケーブル。外装ケーブルと無外装ケーブルがある。
⑤中継器
敷設距離が長距離の場合、中継器を設置する必要がある。
○ランニングコスト
⑥保守・運用費用
イニシャルコストとは別に駆けつけ条件による設定を考慮する必要があ
る。また、専用線利用料が必要となる場合がある。
①海洋調査
海底光ファイバーケーブルの建設では、ケーブルを敷設する海底面や海底下など調査・分析が必
要となる。海底面の調査では、海底の地形や海底表面の土質分布等を、海底下の調査ではケーブ
ル埋設が必要な区間の海底下の地層分布や堆積層の厚さ等を調査する。また、ケーブルの陸揚げ
地やルート選定など調査結果をもとに、詳細な設計が必要となる。
費用積算においては、調査方法および船舶種別を離島毎に設定の上、調査・解析費用と設計費
用を積算し、算出を行う。
○イニシャルコスト
●算出方法
「調査費用(一般、磁気探査調査)」+「調査解析・設計」
一般的調査:平面測量、ルート測深、海底面・海底下などを調査
磁気探査調査:海底に埋設されている金属類、ケーブル等の位置などを調査
調査解析・設計:調査データの解析、ルート設計
3
海底光ファイバーケーブルの陸揚げ作業に伴う陸上における土木費用等については、諸条件による変動幅が大きいため積算
対象から除外する。
33
●計算方法
○「調査費用(一般、磁気探査調査)」
「調査単価*1」*「調査日数*2」
*1.「調査単価」:
条件 1.一般海洋調査*1-1で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場
合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。
条件 2.一般海洋調査で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)
における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。
条件 3.一般海洋調査+磁気探査調査*1-2で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深
30m以浅の場合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。
条件 4.一般海洋調査+磁気探査調査で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30
m以深の場合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。
*1-1.「一般海洋調査」:磁気探査調査が不要な場所に適用
*1-2.「一般海洋調査+磁気探査調査」:瀬戸内エリアや海上保安庁に特に指摘された場所に適
用
*2.「調査日数」:
区間長(最近接陸地距離)×8(側線数)÷調査可能距離/日+その他(準備、回航、出帰港にかか
る日数)について個別に設定し計上。一般海洋調査と一般海洋調査+磁気探査調査で調査可能
距離は異なる。
○「調査解析・設計」
「基本料*3」+「基本単価*4」*「区間長」
*3.「基本料」:
一般的な費用を離島状況を鑑み設定。
*4.「基本単価」:
1km あたりの解析費用を設定。一般海洋調査と一般海洋調査+磁気探査調査で基本単価は異な
る。
②線路敷設工事
海底光ファイバーケーブルの敷設では、ケーブルの敷設エリア、特に沿岸部や漁場付近では、大
型船の錨や底引き網によるケーブル損傷などが発生しやすいため、その方法を考慮する必要がある。
敷設方法には、主に埋設方式と非埋設方式があり、ケーブル損傷が発生しやすいエリアでは埋設方
式によるケーブル敷設が一般的である。
また、敷設工事においては、ケーブルの敷設規模(ケーブル長や移動距離等)に応じた船舶の採
34
用(大型・小型船舶等)、防護壁等敷設工事の安全確保のための対策も必要となる。
費用積算においては、敷設方式および船舶種別を離島毎に設定の上、敷設費用と防護費用を積
算し、算出を行う。
○イニシャルコスト
●算出方法
「敷設費用(埋設/非埋設)」+「防護費用」
埋設方式:ケーブルの損傷予防のため、海底に設置のケーブル類を埋設
非埋設方式:埋設方法が採用できない場合、深海または急傾斜の場合などに適用
●計算方法
○「敷設費用(埋設/非埋設)」
「敷設単価*1」*「施工日数*2」
*1.「敷設単価」:
条件 1.埋設*1-1で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場合)における
敷設単価を離島状況を鑑み設定。
条件 2.埋設で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)における
敷設単価を離島状況を鑑み設定。
条件 3.非埋設*1-2で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場合)にお
ける敷設単価を離島状況を鑑み設定。
条件 4.非埋設で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)における
敷設単価を離島状況を鑑み設定。
*1-1.「埋設」:水深 500m 以浅、かつ埋設可能な場所に適用
*1-2.「非埋設」:埋設方式が不可な場所に適用
*2.「施工日数」:
工事日数(小/大型船舶):区間長/km÷施工可能距離/日+その他(準備、回航、出帰にかかる日
数)について個別に設定し計上。埋設と非埋設で一日あたりの施工可能距離が異なる
○「防護費用」
「基本単価*3」*「防護日数*4」
*3.「基本単価」:
一般的な費用を離島状況を鑑み設定。
*4.「防護日数」:
北方・本土・瀬戸内・南方エリア別に防護日数を設定。
35
③漁業補償
海底光ファイバーケーブルの建設では、関係各所との対応を図り、ケーブル敷設ルートの確定に
際する諸問題を解消する必要がある。特に、海底光ファイバーケーブルを敷設する際に、漁業権等
の制限(一定期間漁業禁止区域となる場合)、消滅(漁業禁止区域となる場合)による生活保障の問
題(漁業補償)を考慮する必要がある。
費用積算においては、参考費用を設定し、積算を行う。
○イニシャルコスト
●算出方法
「漁業補償」
●計算方法
○「漁業補償」
一般的な費用から離島状況を鑑み漁業補償費を設定。
④海底光ファイバーケーブル
海底光ファイバーケーブルを敷設する際には、敷設場所や環境、敷設距離などの諸条件に応じて
ケーブルを選択する必要がある。特に沿岸部など浅海部分や漁場付近では、投錨や土砂災害の影
響によりケーブル損傷が発生しやすいため、外装ケーブルを使用することが一般的である。
費用積算においては、一般的に使用される一重外装ケーブルを適用した場合で積算し、算出を行
う。ただし、一部離島 4 においては、区間長(ケーブル長)が遠距離かつ深海となるため、無外装ケー
ブルを適用した場合で積算し、算出を行う。
○イニシャルコスト
●算出方法
「ケーブル単価」*「区間長」
無外装ケーブル:水密を保つためのポリエチレン、電力供給用の銅被などのみで構成されたケー
ブル。ケーブル断の可能性の低い深海部分に用いられる。
外装ケーブル:光ファイバーを保護するため、ケーブル周囲を鋼帯などで覆い、強化したケーブ
ル。ケーブル断の可能性の高い浅海部分に用いられる。
●計算方法
○「ケーブル単価」
4
小笠原諸島、南北大東島を指す。
36
条件 1.無外装ケーブル:水深が 1,000mを越える場所に一般的な単価を設定。
条件 2.一重外装ケーブル:埋設区間に一般的な単価を設定。
条件 3.二重外装ケーブル:非埋設区間に一般的な単価を設定。
⑤海底中継器等費用
海底光ファイバーケーブルの敷設に際し、伝送距離が長距離になる場合、光信号を正確に伝達
するために信号を増幅する中継器等が必要となる。海底ケーブルの敷設時に予め接続され、海中に
沈められる。
費用積算においては、中継機器やその他装置一式の費用を積算し、算出を行う。
○イニシャルコスト
●算出方法
「中継器費用」+「その他装置」
●計算方法
○「中継器費用」
「装置単価*1」*「個数*2」
*1.「装置単価」:
装置単価はシステム数や伝送速度により変動するが一般的な状況から設定。
*2.「個数」:
300km 以上ケーブル長を必要とする場合(100km 毎に 1 台設置)と規定し計上。
○「その他装置」
給電・監視装置等の費用を規定し計上。
37
⑥ランニングコスト
-1.保守・運用費用
海底光ファイバーケーブル建設後、安定した通信サービスを確保するためには、海底光ファイバ
ーケーブルの修理や故障を未然に回避するための予防保全、設備情報の維持管理や故障等に迅
速に対処する運用・保守体制が不可欠となる。主な運用・保守内容を以下に示す。
費用積算においては、スタンバイ契約とした場合で積算し、算出を行う。
図表 3-2.保守・運用費用体制
保守形態
費用(年
スタンバイ契約
契約内容による
オンコール契約
契約内容による
水域、故障度合いにより変
動
額)
内容
故障時随時契約
常時故障修理に出動できる
故障発生の都度、故障
故障発生の都度、修理契
体制を整備する方式
修理体制(保守業者のス
約を締結する方式
ケジュール調整)を整備
する方式
復旧時間
最大 2~3 週間程度
最大 1~2 ヶ月程度
最大 4~6 ヶ月程度
-2.専用線利用料
自営で運営を行う場合には、専用線利用料が必要となる。
○ランニングコスト
●算出方法
「基本料金」+「容量対応料金」
●計算方法
○「基本料金」
一般的な費用を計上。100Mbps 対応離島と 1Gbps 対応離島によって基本料金は異なる。
○「容量対応料金」
一定の住民数に対応した容量増加による料金増額。基本料金が 100Mbps 対応離島と 1Gbps 対応
離島によって料金増額基準は異なる。
38
2.FWA
(1)FWA の現状・構成
FWA は固定無線アクセスシステムといい、設置されたアンテナにより無線通信を行うものである。ラスト
ワンマイルの項では 2.4GHz メッシュ型無線 LAN としてとりあげたが、バックボーン回線としても十分候補
となりえる。
現状、無線 LAN の活用方策としてあげられている手法は以下のようなものになっている。
図表 3-3.無線 LAN の概要
名称
無線 LAN
高出力無線 LAN
準ミリ波帯 FWA
①無線スポット
①ラストワンマイル
①拠点間中継
利用イメージ
②ラストワンマイル
②拠点間中継
②ラストワンマイル
通信速度
10~50Mbps 程度
50Mbps
最大 156Mbps
伝搬距離
数百 m~数十 km
数 km 程度
数 km 程度
機動性
静止・低速移動
静止・低速移動
静止
電力
小(10mW 以下)
中(50mW 以下)
中(数百 mW 以下)
周波数の利用
共用
共用
専用
免許制度
免許不要
登録
免許
2.4GHz 帯
4.9GHz 帯
18GHz 帯 等
5GHz 帯 等
5.03GHz 帯 等
使用周波数
総務省総合通信基盤局「無線を活用したブロードバンド整備の新戦略を考える」2006.7.5
バックボーン回線としては「①拠点間通信」が該当する。①拠点間通信を主利用イメージとしてあげて
いるものが「準ミリ波帯 FWA」で、特に公共利用としては、専用帯域を持つ 18GHz 帯 FWA が最も適して
いる。
兵庫県南あわじ市における淡路島本島~沼島、愛媛県松山市における 8 区間(松山市本島~興居
島~釣島・睦月島、睦月島~中島~野忽那島・怒和島、怒和島~津和地島・二神島)、大分県津久見
市における津久見市本土~無垢島~保戸島などで適用されている。
南あわじ市では 20Mbps、松山市では 156Mbps、津久見市では 100Mbps と速度に違いはみられるが、
本土~離島間のバックボーン回線として利用されており、今後も適用地域は増えていくと考えられる。
また、2005 年の規制緩和による中継利用の許可と地方公共団体利用許可により、5(4.9~5.0 及び
5.03~5.091)GHz帯の利用も想定されるようになってきている。上記の表における高出力無線LANに該
当する無線LANである。今年度、各総合通信局で中継回線として実験が行われており、フェージング*1
等の対応が行われれば普及が進むと考えられる。
一方、ラストワンマイルとして利用を想定した 2.4GHz 帯でもバックボーン回線として適用可能性がある。
通信容量は 11Mbps であるが、中長距離での適用が考えられる。さらに、6.5GHz 帯の適用も考えられる。
6.5GHz 帯は昨今まで 4GHz 帯として離島-離島間を結ぶ固定無線の周波数変更による移動先候補と
39
であり、製品自体は市販化されていないが今後、注目を集める可能性のあるシステムである。
本調査では以下のように設定し、積算を実施している。
図表 3-4.無線 LAN の対象距離
積算対象距離
2.4GHz 帯
10km~24km
11Mbps
1km 以内
54Mbps
24km~50km
50Mbps
1km~10km
156Mbps
5GHz 帯
6.5(6~7)GHz 帯
積算対象容量
18GHz 帯
*1.フェージング現象
山間部等では発生しないが、海上で FWA を使った通信を行う場合、フェージングと呼ばれる受信低
下を招く現象が生じる。概念としては以下のとおり。
図表 3-5.フェージング現象
直接波
FWA
FWA
反射波
海上
愛媛県電子自治体推進協議会「条件不利地域における無線 LAN 技術の活用に関する報告書」2005.3 から作成
一般に、水上区間における無線伝播の受信側では、アンテナ間を直進して到達する電波(直接波)だけ
でなく、水面で一旦反射して少し遅れて到達する電波(反射波)も受信する。このため、電波が少しゆがん
だ形になり、受信レベルが変動する。海底面(潮位)が一定であるならば、設置時に調整が行えるが、潮
位が変動するため、満潮時など電波レベルが悪くなる場合がある。途中で、山などの障害物があれば、直
接波だけ届く計算になるが、そのようなものがない場合は、指向性の強い FWA を用いることが推奨され
る。
5GHz 帯と 18GHz 帯では、もともと PtoP ネットワークを指向している 18GHz 帯では指向性が強いが、
ラストワンマイルも視野に入れている 5GHz 帯では、無指向性が強く海上伝送では距離が伸びない可能
性が高い。
40
(2)FWA の積算方法
FWA では、2.4GHz 帯、5GHz 帯、6.5(6~7)GHz 帯、18GHz 帯での単価は異なるが、積算方法はほ
ぼ同じである。ただし、1 世帯あたりの必要容量によって、機器設置の必要数は変動する。
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器設置費用」+「鉄塔設置経費」+「定期船の就航有無による金額の割増」
アンテナ・ODU 等機器を設置する費用が必要となる。また、最近接陸地が近い場合
は、鉄塔構築の必要性が増す。さらに定期船の就航がない地域では、船舶の手配およ
びヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「機器設置費用」
一般的な費用から離島状況を鑑み、計上。
また、各周波数帯の容量による機器設置数は変動する。
○「鉄塔構築費用」
内海・近接離島とそれ以外で区分。一般的な費用から離島状況を鑑み、計上。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●算出方法
イニシャルコストの一定割合を計上。
専用線利用料:「基本料金」+「容量対応料金」
●計算方法
○「基本料金」
一般的な費用を計上。100Mbps 対応離島と 1Gbps 対応離島によって基本料金は異な
る。
○「容量対応料金」
一定の住民数に対応した容量増加による料金増額。基本料金が 100Mbps 対応離島と
1Gbps 対応離島によって料金増額基準は異なる。
41
3.衛星
(1)衛星通信システムの現状・構成
NTT サテライトコミュニケーションズ株式会社の個人向け衛星通信サービスが廃止された 2000 年を契
機として、衛星通信システムを利用した個人向けインターネットサービスは完全な下火状態となっている。
現在、JSAT 株式会社(以後 JSAT)において、衛星ブロードバンドサービス「SPACE IP」が提供されてい
るが、これも一般ユーザ向けというよりも条件不利地域の拠点向けサービスとしての位置づけが強い。
ただ、個人向けの計画としては、現在、「WINDS」と呼ばれる情報通信サービスが構想されている。
WINDSは、政府IT戦略本部の「e-Japan重点計画」に基づいて研究開発が行われているもので、JAXAと
独立行政法人情報通信研究機構との共同で開発が進められている。個人世帯でも超小型アンテナ(直
径 45 センチ程度)を設置することにより、最大 155Mbpsの受信及び 6Mbpsの送信が可能とされている。
設計段階まで開発が進められているが、サービス提供開始時期が明確に定まっていないこと、Kaバン
ド帯の方式を用いているため、降雨減衰について信頼性に疑問が残ること(この点に関してはマルチポ
ートアンプの採用により解消されると表明されている)、そして何よりビーム特性の関係上、全ての離島
地域へサービスが提供できない(提供範囲が限られている)ことから、今回の検討の対象からは省くこと
とする。
図表 3-6.WINDS 提供予定地域
JAXAホームページ「http://i-space.jaxa.jp/satellite/WINDS.html」
バックボーン回線という視点からみると、前述した JSAT の SPACE IP および、JSAT から次期 IP バック
ボーンサービスとして提案されている専用線モデル、および宇宙通信株式会社のスーパーバード
IP-VSAT サービスが検討対象となる。概要は以下のとおりとなる。
図表 3-7.インターネット接続衛星通信サービス
42
事業者
提供方式 サービス名
JSAT 株 式 ベストエフ SPECE IP
会社
ォート
伝送速度
イニシャルコスト ランニングコスト
下り:最大
査定方式による ライトプラン(上り最大 1Mbps、
10Mbps
下り最大 5Mbps):
上り:最大
100,000 円/月
2Mbps
スタンダートプラン(上り最大
2Mbps 、 下 り 最 大 10Mbps ) :
200,000 円/月
JSAT 株 式 専用線
IP バックボーンサ 下り:最大
会社
ービス
査定方式による 査定方式による
100Mbps
上り:最大
100Mbps
宇宙通信株 ベストエフ スーパーバード
式会社
ォート
下り:最大
IP-VSAT サービス 2.5Mbps
査定方式による エコノミー:50,000 円/月
プリミア:210,000 円/月
(回線共用プラン) 上り:最大
512kbps
宇宙通信株 専用線
スーパーバード
式会社
IP-VSAT サービス 6Mbps
下り 64Kbps:370,000 円/月~
(終日専用プラン) 上り:最大
6.0Mbps:16,800,000 円/月
下り:最大
512kbps
査定方式による 基本料:120,000 円/月
上り 64Kbps:330,000 円/月~
512Kbps:1,900,000 円/月
各社とも提供方式は専用線サービス、ベストエフォートサービスとわかれている。基本的な検討対象と
してはベストエフォート型となるが、専用線サービスもコストメリットが生じる可能性があるため、検討対象
として積算を行う。
43
(2)衛星通信システムの積算方法
衛星においてはラストワンマイルサービスがそのままバックボーンとなるため、まず、ベストエフォートサ
ービス、専用線サービスの収容世帯数を計算することとする。
CATV 等におけるバックボーンサービスの考えに基づき積算を実施した。1Mbps における収容世帯数
を設定し、対応世帯数に対応するシステム(アンテナ)数を積算している。
なお、専用線サービスについてはイニシャルコストが極端に高くなるため、群島主島にだけ設置してそ
れ以外は ADSL・FWA 等の回線で伝送する方法も考えられるが、本調査検討では、離島振興法で規定
されている群島主島はほぼブロードバンドサービス提供地域となっているため、実施していない。
また、衛星を経由した ADSL・FWA 等において地方公共団体がサービス提供を実施する場合には、
プロバイダまでの専用線利用料はかからない計算となる。
衛星通信サービスの積算構成は、主に以下のようになる。
ベストエフォート
契約単位 5Mbps のトランスポンダ共有型
専用線
契約単位下り 1Mbps のトランスポンダ占有型。本土基地局については全
国共通費用として積算しない。
①ベストエフォート
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器設置費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
アンテナ・ODU 等機器を設置する費用が必要となる。また、定期船の就航がない地域
では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要となる。
●計算方法
○「機器設置費用」
「機器単価*1」*「必要数*2」
*1.一般的な費用から離島状況を鑑み、計上。
*2..一定値で定めた世帯数ごとに必要数が変動。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
44
ランニング
●計算方法
「“1 契約費用*1”」*「“対応世帯数*2”」
*1.「1 契約費用」:定価による。
*2.「対応世帯数」:加入予測世帯数を 1 契約収容可能世帯数で割った値となる。
②専用線
○積算手法
イニシャル
●算出方法
「機器設置費用」+「定期船の就航有無による金額の割増」
アンテナ・ODU 等機器および基地局を設置する費用が必要となる。また、定期船の就
航がない地域では、船舶の手配およびヘリコプター輸送等による輸送費が別途必要と
なる。
●計算方法
○「機器設置費用」
一般的な費用から離島状況を鑑み、計上。世帯数に応じて必要数は変動しない。
○「定期船の就航有無による金額の割増」
条件 1.定期船の就航がある場合
条件 2.定期船の就航がない場合(単価を設定し計上)
ヘリコプター輸送または、貨物船チャーターを想定している。
ランニング
●計算方法
「“1 契約費用*1”」*「“対応世帯数*2”」
*1.「1 契約費用」: 下りと上りで費用が違うため、下り 1Mbps 当たり、上りをベストエフォ
ート型の下りの 1/5 に相当する 200Kbps 契約時の定額で積算
*2.「対応世帯数」:加入予測世帯数を 1 契約収容可能世帯数で割った値となる。
45
第 4 章 積算結果
1.平均費用比較
第 2 章、第 3 章において各情報通信インフラの積算方法について説明したが、本章では、その算出結
果について詳述する(単純積算結果については、個々の離島でみた場合、実際の費用と大きく異なる
可能性があるため、平均費用で検討を実施する)。
まず、各情報通信インフラ各々で全ての離島に構築した場合の費用比較を行う。
(1)ラストワンマイルの費用
ラストワンマイルのイニシャルコストの平均費用は、以下のようになる。
図表 4-1.ラストワンマイルイニシャル平均費用
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000 (千円)
146,103
FTTH
114,305
無線LAN
34,644
ADSL
311,179
CATV
イニシャル
FTTH
イニシャル
無線LAN
146,103
114,305
ADSL
34,644
CATV
311,179
CATV がもっとも高く、約 3 億 1,200 万円となっている。次いで FTTH が約 1 億 4,600 万円、無線 LAN
が約 1 億 1,400 万円と続き、ADSL が約 3,500 万円でもっとも安価となっている。利用料や容量を検討対
象としなければイニシャルコストは ADSL がもっとも推奨されることとなる。
図表 4-2.ラストワンマイルランニング平均費用
0
5,000
15,000
20,000
25,000 (千円)
7,209
FTTH
8,558
無線LAN
ADSL
10,000
3,183
CATV
20,301
ランニング保守費/年
FTTH
ランニング保守費/年
無線LAN
7,209
8,558
46
ADSL
3,183
CATV
20,301
ランニングコストの平均だけを見た場合も、ADSL が約 320 万円ともっとも安価である。ただし、FTTH は
約 720 万円と無線 LAN の約 860 万円よりも安価となっており、FTTH と ADSL との差も約 4.2 倍から約
2.3 倍へと縮小している。ランニングコストの観点だけからみると FTTH も比較的安価な部類に入る。
図表 4-3.ラストワンマイル 1 世帯あたり月額
0
10
20
30
40
50
60
70
80 (千円)
27.55
FTTH
23.18
無線LAN
22.28
ADSL
69.29
CATV
1世帯月額(ランニング)
FTTH
1世帯月額(ランニング)
無線LAN
27.55
ADSL
23.18
22.28
CATV
69.29
続いて、1 世帯あたりのランニングコストをみてみると、FTTH、無線 LAN、ADSL ともにほぼ差はなくな
ってくる。他と比較して無線 LAN が安価となり、ADSL が高額となっている。これは、無線 LAN は世帯数
に応じて費用が大きく変動するが、ADSL は世帯数が極端に少ない場合に応じた費用の変動割合を低
く設定しているためである(ADSL は DSLAM のスロット数が変わる場合、費用は変動するが、10 世帯以
下の離島の平均値が極端に高くなるため、全体的に平均値が上昇している)。
図表 4-4.ラストワンマイルイニシャル込 1 世帯あたり月額
0
50
100
150
200 (千円)
80.22
FTTH
無線LAN
60.93
ADSL
59.99
190.44
CATV
1世帯月額(イニシャル込)
FTTH
1世帯月額(イニシャル込)
無線LAN
80.22
ADSL
60.93
59.99
CATV
190.44
補助事業の処分制限期間を用いてイニシャルコストをランニングコストに換算した場合の 1 世帯あたり
の月額費用は、無線 LAN と ADSL がほぼ同額となっている。すべての離島に無線 LAN を構築した場
合と ADSL を構築した場合の平均費用は同額と考えることができる。
47
以上、ラストワンマイルに関しては、イニシャル・ランニングコストともに ADSL が突出して安価となってい
るが、1 世帯あたりの費用で比較した場合、ほぼ同額となる。世帯数が少ない離島では、無線 LAN の費
用が安価であり、世帯数の多い離島では ADSL が安価であることがうかがえる。
(2)バックボーンの費用
バックボーンのイニシャルコストの平均は、以下のようになる。
図表 4-5.バックボーンイニシャル平均費用
0
50,000
100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 (千円)
371,220
海底光
衛星ベストエフォート
34,195
100,804
衛星専用線
FWA
34,072
イニシャル
海底光
イニシャル
衛星ベストエフォート
371,220
34,195
衛星専用線
FWA
100,804
34,072
FWA が約 3,400 万円ともっとも安価となっている。次いで僅差で衛星ベストエフォートが続いている。
海底光ファイバーケーブルは約 3 億 7,100 万円と他と比べ格段に高くなっている。利用料や容量を検討
対象としなければイニシャルコストは衛星ベストエフォートと FWA がもっとも推奨されることとなる。
図表 4-6.バックボーンランニング平均費用
0
5,000
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 (千円)
40,772
海底光
衛星ベストエフォート
25,419
15,472
衛星専用線
FWA
37,043
ランニング保守費/年
海底光
ランニング保守費/年
衛星ベストエフォート
40,772
25,419
衛星専用線
FWA
15,472
37,043
ランニングコストでは、イニシャルコストで 2 番目に高かった衛星専用線が約 1,500 万円でもっとも安価
となっている。次いで衛星ベストエフォートが約 2,500 万円で続いている。FWA は、ランニングコストは高
額となり、海底光ファイバーケーブルとほぼ同様の約 3,700 万円となっている。
48
図表 4-7.バックボーン 1 世帯あたり月額
0
50
100
150
250 (千円)
200
206.62
海底光
29.00
衛星ベストエフォート
衛星専用線
92.89
FWA
208.62
1世帯月額(ランニング)
海底光
1世帯月額(ランニング)
衛星ベストエフォート
206.62
29.00
衛星専用線
92.89
FWA
208.62
1 世帯あたりのランニングコストの月額では、衛星ベストエフォートが極端に安価となっている。次いで
衛星専用線となり、海底光ファイバーケーブルと FWA はほぼ同額となっている。衛星専用線・FWA は
世帯数に応じて、あまり費用が変動しない積算方法であるが、衛星ベストエフォートは世帯数に応じて、
費用が大きく変動する積算方法であるため、少数世帯の離島における費用が他と比べて安価となる(全
体費用も安価となる)ためである。1世帯あたりの平均費用比較では、衛星ベストエフォートがもっとも推
奨されることになる。
図表 4-8.バックボーンイニシャル込 1 世帯あたり月額
0
100
200
300
400
470.92
海底光
衛星ベストエフォート
500 (千円)
35.11
衛星専用線
179.79
235.64
FWA
1世帯月額(イニシャル込)
海底光
1世帯月額(イニシャル込)
衛星ベストエフォート
470.92
35.11
衛星専用線
179.79
FWA
235.64
1 世帯あたりのイニシャル込ランニングコストの月額でも、傾向はほぼ同じである。ただし、海底光ファイ
バーケーブルはランニングだけでは FWA よりも安価だったが、イニシャルコストも含まれた場合は、FWA
の約 2 倍の費用となる。
以上、バックボーンに関しては、どの項目においても衛星ベストエフォートが比較的安価であり、海底
光ファイバーケーブルが高額となる。FWA は、イニシャルコストは安価であるが、ランニングコストでは比
較的高額となる傾向にある。コストの観点からみた場合は、衛星ベストエフォートがもっとも推奨される情
報通信インフラになる。
49
(3)バックボーン+ラストワンマイルの費用
ラストワンマイルとバックボーン回線を組み合わせた場合の比較は以下のようになる。
図表 4-9.ラストワンマイル+バックボーンイニシャル平均費用
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
700,000
800,000 (千円)
517,323
海底光+FTTH
485,526
海底光+無線LAN
405,864
海底光+ADSL
682,399
海底光+CATV
176,667
FWA+FTTH
145,107
FWA+無線LAN
68,375
FWA+ADSL
340,261
FWA+CATV
180,298
衛星ベスト+FTTH
148,500
衛星ベスト+無線LAN
63,215
衛星ベスト+ADSL
345,374
衛星ベスト+CATV
246,907
衛星専用線+FTTH
215,109
衛星専用線+無線LAN
129,824
衛星専用線+ADSL
411,983
衛星専用線+CATV
イニシャル
海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV
517,323
485,526
405,864
682,399
176,667
衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH
180,298
148,500
63,215
345,374
145,107
68,375
340,261
衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV
246,907
215,109
129,824
411,983
ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合のイニシャルコストの平均値では、衛星ベストエフ
ォート+ADSL がもっとも安価である。次いで、FWA+ADSL、衛星専用線+ADSL であり、全般的にラストワ
ンマイル側の費用に影響を受けている。なお、ADSL は衛星との組み合わせのみ離島中心から海底光
ファイバーケーブル陸揚地点等への専用線敷設費用が必要ないと規定している。このため、その次に
安価な組み合わせは、FWA+無線 LAN となっており、無線 LAN、FTTH、CATV との組み合わせでは衛
星ベストエフォートよりも FWA の方が安価になっている。
図表 4-10.ラストワンマイル+バックボーンランニング平均費用
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
49,330
海底光+無線LAN
43,955
海底光+ADSL
61,073
海底光+CATV
44,084
FWA+FTTH
45,307
FWA+無線LAN
40,198
FWA+ADSL
57,127
FWA+CATV
32,629
衛星ベスト+FTTH
33,978
衛星ベスト+無線LAN
28,321
衛星ベスト+ADSL
45,720
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
22,682
24,031
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
60,000
47,981
海底光+FTTH
18,374
35,773
衛星専用線+CATV
ランニング保守費/年
50
70,000 (千円)
海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV
47,981
49,330
43,955
61,073
44,084
衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH
32,629
33,978
28,321
45,720
45,307
40,198
57,127
衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV
22,682
24,031
18,374
35,773
ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合のランニングコストの平均値では、衛星専用線
+ADSL がもっとも安価である。次いで、衛星専用線+FTTH であり、ランニングコストも全般的にバックボ
ーン側の費用に影響を受けている。
図表 4-11.ラストワンマイル+バックボーン 1 世帯あたり月額
0
50
100
150
200
250
300 (千円)
234.17
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
229.80
海底光+ADSL
228.89
275.91
海底光+CATV
FWA+FTTH
236.50
FWA+無線LAN
232.01
FWA+ADSL
231.18
278.84
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
56.55
52.18
衛星ベスト+無線LAN
49.49
衛星ベスト+ADSL
98.29
衛星ベスト+CATV
120.44
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
116.07
衛星専用線+ADSL
113.39
衛星専用線+CATV
162.18
1世帯月額(ランニング)
海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV
234.17
229.80
228.89
275.91
236.50
衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH
56.55
52.18
49.49
98.29
120.44
232.01
231.18
278.84
衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV
116.07
113.39
162.18
ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合の 1 世帯あたりのランニング月額では、衛星ベスト
エフォート+ADSL がもっとも安価となっている。以降も衛星ベストエフォートとの組み合わせであり、1 世
帯あたりのランニングコストでもバックボーン側の費用が影響を与えているが、衛星ベストエフォートが最
安価上位4つを全て占めていることから、ランニングコストの時よりもさらに顕著にバックボーンの影響を
受けているといえる。
51
図表 4-12.ラストワンマイル+バックボーンイニシャル込 1 世帯あたり月額
0
100
200
300
400
500
600
700 (千円)
551.13
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
531.85
海底光+ADSL
530.91
661.36
海底光+CATV
FWA+FTTH
316.79
FWA+無線LAN
297.16
FWA+ADSL
296.41
428.60
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
115.33
96.05
衛星ベスト+無線LAN
89.76
衛星ベスト+ADSL
225.56
衛星ベスト+CATV
260.01
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
240.73
234.44
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
370.24
1世帯月額(イニシャル込)
海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV
551.13
531.85
530.91
661.36
316.79
衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH
115.33
96.05
89.76
225.56
260.01
297.16
296.41
428.60
衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV
240.73
234.44
370.24
ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合の 1 世帯あたりのイニシャル込みランニング平均
費用では、衛星ベストエフォート+ADSL がもっとも安価となっている。以降も衛星ベストエフォートとの組
み合わせであり、ランニングコストと同じ結果となっている。1 世帯あたりのイニシャル込みランニングコス
トでもバックボーン側の費用が影響を与えているといえる。
52
2.最安価情報通信インフラの特徴
1節では、各情報通信インフラで、全ての離島に構築した場合の費用を比較した。実際には各々の離
島で安価となる情報通信インフラは異なっているため、以下では、イニシャル、ランニング・1世帯あたり
ランニング(ランニング・1 世帯あたりランニングともに、最安価離島数は同じであるため統一表記)、1世
帯あたりイニシャル込ランニングごとにもっとも安価となる離島を集計した場合のコストおよびその特徴に
ついて詳述する。
(1)ラストワンマイル最安価離島
各項目におけるもっとも安価となるラストワンマイルの島数およびその割合は以下のようになる。
図表 4-13.ラストワンマイルコスト最安価島数割合・島数
0%
20%
40%
9.0%
1世帯月額最安価
9.0%
イニシャル込ランニング最安価 4.5%
16.6%
100%
74.4%
16.6%
74.4%
18.1%
77.4%
FTTH
無線LAN
イニシャル最安価 ランニング最安価
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
80%
99.5%
イニシャル最安価 0.5%
ランニング最安価
60%
0
1
198
0
18
33
148
0
ADSL
1世帯月額最安価
18
33
148
0
イニシャル込ランニング最安価
9
36
154
0
もっとも安価なラストワンマイルの割合は、イニシャルコストでは ADSL が 198 島と 99.5%と大半を占め
ている。ランニングコストではわずかながら分散し、無線 LAN が 33 島、FTTH が 18 島となっている。1
世帯あたりの月額も、同額のコストを同じ世帯数で割算するため同様の結果となる。イニシャルコスト込 1
世帯あたりのランニングコストも、ほぼ同様の割合ではあるが、若干、ADSL が増えている。
全体的に ADSL が安価となっており、約 3/4 の離島ではイニシャルを含めた場合でも ADSL がもっと
もコスト的に推奨されるものとなる。
53
図表 4-14.イニシャル最安価ラストワンマイル平均値
0
10
面積(k㎡)
実延長(km)
40
50
70
60
50.38
3.60
最近接陸地距離(km)
世帯密集率(世帯/k㎡)
30
4.30
本土間距離(km)
世帯数(世帯)/10
20
10.29
0.10
15.79
2.50
63.48
0.40
6.63
0.90
11.68
無線LAN
ADSL
平均値
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
4.30
50.38
-
3.60
10.29
-
0.10
15.79
-
2.50
63.48
-
面積(k㎡)
実延長(km)
離島数
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
0
1
198
0
0.40
6.63
-
0.90
11.68
-
ラストワンマイルのイニシャルコストを比較して、最安価となる情報通信インフラ別に該当離島の各項目
の平均値を集計した。99.5%が ADSL であるため、全体の平均値と差はあまりない。
図表 4-15.ランニング最安価ラストワンマイル平均値
0
10
20
30
40
50
60
70
80
32.02
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
20.06
59.06
4.16
3.39
12.53
世帯数(世帯)/10
2.76
1.79
20.40
36.59
世帯密集率(世帯/k㎡)
面積(k㎡)
61.67
66.74
1.38
0.70
8.55
実延長(km)
0.69
1.82
15.14
FTTH
無線LAN
ADSL
平均値
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
離島数
18
33
148
0
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
32.02
20.06
59.06
-
4.16
3.39
12.53
-
2.76
1.79
20.40
-
36.59
61.67
66.74
-
54
面積(k㎡)
1.38
0.70
8.55
-
実延長(km)
0.69
1.82
15.14
-
ラストワンマイルのランニングコストを比較して、最安価となる情報通信インフラ別に該当離島の各項目
の平均値を集計した。FTTH のランニングコストが安価となる場合は、世帯密集率が低く実延長距離が
短い離島であり、無線 LAN のランニングコストが安価となる場合は、本土間距離・最近接距離が短く、世
帯数が少なく、面積が狭い離島という傾向がうかがえる。
なお、1 世帯あたりのランニングコストもまったく同様の結果となる。
図表 4-16.1 世帯あたりイニシャル込ランニング最安価ラストワンマイル平均値
0
10
20
40
50
2.91
3.50
最近接陸地距離(km)
70
60
14.22
18.80
本土間距離(km)
世帯数(世帯)/10
30
59.58
12.27
2.74
1.79
19.73
26.31
59.91
世帯密集率(世帯/k㎡)
面積(k㎡)
1.94
0.68
実延長(km)
0.41
1.74
66.08
8.26
14.59
FTTH
無線LAN
ADSL
平均値
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
14.22
18.80
59.58
-
2.91
3.50
12.27
-
2.74
1.79
19.73
-
26.31
59.91
66.08
-
面積(k㎡)
実延長(km)
離島数
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
9
36
154
0
1.94
0.68
8.26
-
0.41
1.74
14.59
-
ラストワンマイルの 1 世帯あたりのイニシャル込ランニングコストを比較して、最安価となる情報通信イン
フラ別に該当離島の各項目の平均値を集計した。イニシャル込になると本土間距離では FTTH がもっと
も短くなる。それ以外の変動は小さく、ほぼランニングコストと同様の結果となる。
以上、イニシャルコストは ADSL がどの離島においても安価であるが、ランニングおよびイニシャル込ラ
ンニングコストでは、世帯数が少ない場合は無線 LAN および FTTH が安価となる場合がある。その中で
も面積が狭く世帯密集率が低い離島では無線 LAN が最安価となる場合がある。
55
(2)バックボーン最安価離島
各項目におけるもっとも安価となるバックボーンの島数およびその割合は以下のようになる。
図表 4-17.バックボーンコスト最安価島数割合・島数
0%
20%
40%
イニシャル最安価
60%
1.0%
69.3%
ランニング最安価
51.8%
1世帯月額最安価
51.8%
イニシャル込ランニング最安価
80%
100%
29.6%
48.2%
48.2%
69.3%
衛星ベストエフォート
30.7%
衛星専用線
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
0
138
2
59
FWA
1世帯月額最安価
0
103
96
0
イニシャル込ランニング最安価
0
103
96
0
0
138
61
0
もっとも安価なバックボーンの割合は、イニシャルコストでは衛星ベストエフォートが 138 島と約 70%を
占めている。ついで FWA となっている。逆にランニングコストでは衛星専用線が延びて 96 島と約半数を
占めている。1 世帯あたりの月額も同様の結果となる。
イニシャルコスト込 1 世帯あたりのランニングコストでは、衛星ベストエフォートの島数がイニシャルコス
トのときと同様の島数となっている。衛星専用線のイニシャルコストが比較的高額であることと、FWA のラ
ンニングコストが高額であることが理由として考えられる。
図表 4-18.イニシャル最安価バックボーン平均値
0
100
200
300
400
500
43.54
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
600
700
606.75
46.74
6.29
478.80
3.65
5.28
世帯数(世帯)/10
83.40
37.84
世帯密集率(世帯/k㎡)
56.72
32.12
79.30
面積(k㎡)
実延長(km)
2.39
27.19
15.76
4.47
48.85
27.12
衛星ベストエフォート
衛星専用線
56
FWA
平均値
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
43.54
606.75
46.74
6.29
478.80
3.65
5.28
83.40
37.84
56.72
32.12
79.30
面積(k㎡)
実延長(km)
離島数
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
0
138
2
59
2.39
27.19
15.76
4.47
48.85
27.12
バックボーンのイニシャルコストを比較して、最安価となる情報通信インフラ別に該当離島の各項目の
平均値を集計した。2 島しか該当しない衛星専用線の平均値が極端に高くなっているが、138 島が該当
する衛星ベストエフォートの平均と FWA の平均値の差はそれほど大きくはない。ただ世帯数では FWA
が衛星ベストエフォートの約 7.2 倍多く、面積・実延長も差が大きい。逆に最近接離島距離では FWA の
方が短くなっている。世帯数が少なく面積が狭い離島では衛星ベストエフォートが、世帯数が多く面積
も広い離島では FWA が、イニシャルコストがもっとも安価になりやすいといえる。
図表 4-19.ランニング最安価バックボーン平均値
0
10
20
30
40
50
70
80
44.43
本土間距離(km)
56.29
4.83
最近接陸地距離(km)
16.07
2.79
世帯数(世帯)/10
29.59
51.52
世帯密集率(世帯/k㎡)
面積(k㎡)
60
75.67
1.61
11.96
2.91
実延長(km)
20.98
衛星ベストエフォート
衛星専用線
平均値
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
44.43
56.29
-
4.83
16.07
-
2.79
29.59
-
51.52
75.67
-
面積(k㎡)
実延長(km)
離島数
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
0
103
96
0
1.61
11.96
-
2.91
20.98
-
バックボーンのランニングコストを比較して、最安価となる情報通信インフラ別に該当離島の各項目の
平均値を集計した。衛星専用線が、衛星ベストエフォートと比較して、最近接陸地距離で約 3.3 倍、世
帯数で 10.6 倍、面積が 7.4 倍と全体的に項目値が大きくなっている。全般的に衛星が安価であるが、
世帯数が多く・面積が広い地域では衛星専用線が安価となることがわかる。
なお、1 世帯あたりのランニングコストも同様の結果となる。
57
図表 4-20.1 世帯あたりイニシャル込ランニング最安価バックボーン平均値
0
10
20
30
40
50
60
80
90
40.04
本土間距離(km)
73.02
5.31
最近接陸地距離(km)
21.45
4.67
世帯数(世帯)/10
40.71
56.40
世帯密集率(世帯/k㎡)
面積(k㎡)
70
78.49
2.54
15.80
4.39
実延長(km)
28.01
衛星ベストエフォート
衛星専用線
平均値
本土間距離(km)
最近接陸地距離(km)
世帯数(世帯)/10
世帯密集率(世帯/k㎡)
40.04
73.02
-
5.31
21.45
-
4.67
40.71
-
56.40
78.49
-
面積(k㎡)
実延長(km)
離島数
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
0
138
61
0
2.54
15.80
-
4.39
28.01
-
バックボーンの 1 世帯あたりのイニシャル込ランニングコストを比較して、最安価となる情報通信インフ
ラ別に該当離島の各項目の平均値を集計した。ランニングコスト時と同様、衛星ベストエフォートと衛星
専用線のみであるが、離島数差は衛星ベストエフォートが 103 島から 138 島と増えており、衛星ベストエ
フォートの方により傾く傾向となっている。
以上、イニシャルコストは衛星ベストエフォート、FWA が安価であるが、ランニングおよびイニシャル込
ランニングコストでは、衛星ベストエフォート、衛星専用線が安価となる。全体的にバックボーンでは衛星
ベストエフォートが安価となる。
58
(3)ラストワンマイル+バックボーン最安価離島
各項目におけるもっとも安価となるラストワンマイル+バックボーンの島数およびその割合は以下のよう
になる(各項目別離島特徴については、前述した表記のデータの合計と同様になるため省いている)。
図表 4-21.最安価離島数割合(ラストワンマイル+バックボーン)
0%
20%
40%
60%
24.6%
イニシャル最安価
80%
73.9%
1.5%
ランニング最安価
7.5% 16.1%
28.1%
48.2%
1世帯月額最安価
7.5% 16.1%
28.1%
48.2%
イニシャル込ランニング最安価 3.5%
17.6%
48.2%
FWA+ADSL
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+ADSL
衛星専用線+ADSL
30.7%
衛星ベスト+無線LAN
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
100%
0
0
0
0
0
0
49
0
0
0
147
0
0
0
3
0
1世帯月額最安価
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
イニシャル込ランニング最安価
0
0
0
0
0
0
0
0
7
35
96
0
0
0
61
0
ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合の島数は、FWA+ADSL、衛星ベストエフォート
+FTTH・無線 LAN・ADSL、衛星専用線+ADSL の 5 種類にに収束される。FWA+ADSL はイニシャルコス
トの項でのみ 24.6%(49 島)が該当する。逆に衛星専用線+ADSL はイニシャルコストでは 1.5%(3 島)
のみだが、ランニングの項目では 48.2%(96 島)ともっとも多い。イニシャル込ランニングコストでは、衛
星ベストエフォート+ADSL が 48.2%(96 島)ともっとも多くなっている。イニシャル+ランニングのトータルコ
ストとしては衛星ベストエフォートが合計で 138 島ともっとも安価である。
59
3.IRU 検討時平均費用および離島分布
今まで自営の場合における費用比較を行ってきた。IRU 時においては、ラストワンマイルコストおよび
バックボーンのイニシャルコストの変動はないが、バックボーンのランニングコストにおいて専用線費用を
検討する必要がなくなるため、費用が変動する。
(1)IRU 時の費用の変動
IRU 時の費用は以下のように変動する。
図表 4-22.IRU 検討比較(ランニング・イニシャル込ランニング)
0
○ランニング
5,000
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 (千円)
40,772
海底光
6,113
25,419
25,419
衛星ベストエフォート
15,472
15,472
衛星専用線
37,043
FWA
2,882
IRUランニング
自営ランニング
○イニシャル込ランニング
0
100
200
300
285.98
35.11
35.11
179.79
179.79
衛星専用線
FWA
500 (千円)
470.92
海底光
衛星ベストエフォート
400
235.64
49.13
自営イニシャル込月額
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
自営ランニング IRUランニング
40,772
6,113
25,419
25,419
15,472
15,472
37,043
2,882
IRUイニシャル込月額
自営イニシャル込月額 IRUイニシャル込月額
470.92
35.11
179.79
235.64
285.98
35.11
179.79
49.13
専用線利用料がなくなることにより、海底光ファイバーケーブルおよび FWA では、費用が大幅に減少
する。ランニングでは、FWA がもっとも安価となり、イニシャル込みのランニングコストでも衛星ベストエフ
ォートとほぼ同様の価格となる。IRU を検討する場合は、自営とは異なったバックボーンの導入検討が必
要となる。
60
(2)IRU 時の最安価離島の変動
IRU 時に最安価となる離島の組み合わせは以下のようになる。
図表 4-23.IRU 最安価離島数検討比較
0%
20%
40%
60%
69.3%
イニシャル最安価
80%
1.0%
ランニング最安価
33.2%
9.5% 1.5%
55.8%
1世帯月額最安価
33.2%
9.5% 1.5%
55.8%
イニシャル込ランニング最安価
31.7%
海底光
○IRU
1.0%
○参考:自営
衛星ベストエフォート
衛星専用線
0
138
2
59
0
138
2
59
FWA
1世帯月額最安価
66
19
3
111
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
29.6%
67.3%
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
100%
66
19
3
111
1世帯月額最安価
0
103
96
0
0
103
96
0
イニシャル込ランニング最安価
0
63
2
134
イニシャル込ランニング最安価
0
138
61
0
IRU 対応時の島数比較では、ランニングにおいて衛星ベストエフォートが 103 島から 19 島に、衛星専
用線が 96 島から 3 島に減り、減数分、海底光ファイバーケーブルが 0 島から 66 島、FWA が 0 島から
111 島に大幅に増えている。1 世帯あたりのランニングでも同様の変化であり、イニシャル込ランニングで
も FTTH の 0 島は変わらないものの、FWA は 134 島に増えている。
61
図表 4-24.IRU 最安価離島数検討比較(ラストワンマイル+バックボーン)
0%
20%
ランニング最安価4.0% 5.5%
1世帯月額最安価 4.0%
5.5%
80%
100%
73.9%
1.5%
23.6%
4.0% 8.0%
42.7%
0.5% 7.0%1.5%
3.0%
23.6%
4.0% 8.0%
42.7%
0.5% 7.0%1.5%
3.0%
58.8%
2.5% 13.6%
18.1%
4.5%
1.5%
海底光+FTTH
FWA+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
○IRU
60%
24.6%
イニシャル最安価
イニシャル込ランニング最安価
40%
海底光+無線LAN
FWA+ADSL
衛星専用線+ADSL
海底光+ADSL
衛星ベスト+FTTH
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
○参考:自営
0
0
0
0
0
0
49
0
0
0
147
0
0
0
3
0
8
11
47
0
8
16
85
0
1
6
14
0
0
0
3
0
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
0
0
0
0
0
0
49
0
0
0
147
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
1世帯月額最安価
8
11
47
0
8
16
85
0
1
6
14
0
0
0
3
0
1世帯月額最安価
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
1.0%
FWA+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
イニシャル込ランニング最安価
0
0
0
0
3
9
117
0
5
27
36
0
0
0
2
0
イニシャル込ランニング最安価
0
0
0
0
0
0
0
0
7
35
96
0
0
0
61
0
ラストワンマイルとバックボーンの組み合わせの場合も、ランニング・1 世帯あたりランニング・1 世帯あた
りイニシャル込ランニングは変動し、バックボーンのみの時と同様、FWA 関連が極端に増えることにな
る。
全般的に最安価となる組み合わせは多岐に渡ることになり、それぞれの離島の特徴別に推奨される
情報通信インフラは違うものとなる。
62
4.トータルコスト比較
平均費用による離島の特徴の検討とは別に、各離島へのブロードバンドサービス提供を考えた場合、
国として総括的に判断するためにはトータルコストの観点からも、検討が必要となる。イニシャルコスト・ラ
ンニングコストを束ねたイニシャル込ランニングコストを用いて、長期的なスパンから検討すると以下のよ
うになる。
(1)インフラ・ランニングトータルコスト
インフラ・ランニング別の情報通信インフラのトータルコストは以下のようになる。
図表 4-25.各情報通信インフラ別イニシャルコスト総額
0
20,000,000
40,000,000
60,000,000
73,872,870
海底光
衛星ベストエフォート
6,804,850
20,060,000
衛星専用線
FWA
6,780,417
29,074,407
FTTH
22,746,746
無線LAN
ADSL
80,000,000 (千円)
6,894,136
61,924,598
CATV
イニシャル
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
73,872,870
6,804,850
20,060,000
6,780,417
29,074,407
22,746,746
6,894,136
61,924,598
各々の情報通信インフラを全ての離島に適用した場合の総額は上記のようにかなり差が生じる。ひと
つの情報通信インフラでまとめる場合、もっとも安価となるのは、バックボーンでは FWA であるが、最近
接離島距離が 50km 以上ある離島は積算対象としてない(総額費用に含まれない)ため、実質的にバッ
クボーンのイニシャルコストとしては、衛星ベストエフォートがもっとも安価である可能性がある。
ラストワンマイルでは、ADSL が他の総額よりも 1/3 以下の費用となっている。約 68.9 億円で全ての離
島にブロードバンドサービスが提供できることになる。
なお、もっとも安価な組み合わせ FWA(便宜上 FWA とする)と ADSL の合計は約 136.7 億円、もっとも
高額な組み合わせ海底光ファイバーケーブルと CATV の合計は 1,358 億円と約 10 倍の差がつく計算
になる。
63
図表 4-26.各情報通信インフラ別ランニングコスト総額
0
2,000,000
4,000,000
6,000,000
8,000,000
8,113,613
海底光
5,058,450
衛星ベストエフォート
3,079,000
衛星専用線
7,371,569
FWA
FTTH
1,434,655
1,703,076
無線LAN
ADSL
10,000,000 (千円)
633,457
CATV
4,039,924
ランニング保守費/年
海底光
衛星ベストエフォート
衛星専用線
FWA
FTTH
無線LAN
ADSL
CATV
8,113,613
5,058,450
3,079,000
7,371,569
1,434,655
1,703,076
633,457
4,039,924
ランニングコストでは、全般的にバックボーンの方がラストワンマイルよりも総額は高くなっている。バッ
クボーンでもっとも安価なものは衛星専用線であり、年額約 30.8 億円となる。もっとも高額なものは海底
光ファイバーケーブルで年額約 81.1 億円となる。ラストワンマイルでは、もっとも安価なものは ADSL で
年額約 6.3 億円、高額なものは CATV の 40.4 億円となっている。
なお、もっとも安価な組み合わせ衛星専用線と ADSL の合計は約 37.1 億円、もっとも高額な組み合わ
せ海底光ファイバーケーブルと CATV の合計は 121.5 億円で、イニシャルコストほどの差はないが、約
3.3 倍の差が生じることになる。
64
(2)トータルコストの推移
トータルコストの推移をイニシャル・ランニングコストがともに影響するイニシャル込ランニングコストで、
最安価となる離島の組み合わせをみると以下のようになる。
図表 4-27.イニシャル込ランニングコスト最安価離島総額(ラストワンマイル)
0
イニシャル
2,000,000
4,000,000
6,000,000
8,000,000
(千円)
10,000,000
405,238
1,483,193
5,660,104
7,548,535
ランニング保守費/年
イニシャル込ランニング
19,935
74,641
515,505
610,081
425,173
1,557,834
6,175,609
8,158,616
FTTH
無線LAN
ADSL
イニシャル
離島数
FTTH
無線LAN
ADSL
合計
9
36
154
199
405,238
1,483,193
5,660,104
7,548,535
合計
ランニング保守 イニシャル込ラ
費/年
ンニング
19,935
74,641
515,505
610,081
425,173
1,557,834
6,175,609
8,158,616
ラストワンマイルのイニシャル込ランニングコストで最安価となる離島の数に応じたそれぞれの情報通
信インフラの総額は上記のようになる。イニシャル込ランニングコストの総額は約 75.5 億円で、ADSL 単
独整備の約 68.9 億円に対し、約 6.6 億円高額となる。
ランニングコストは 6.1 億円で、ADSL 単独で整備した場合は約 6.3 億円より 0.2 億円安価となる。
なお、参考までにイニシャルコストとランニングコストを合算した構築後 5 年目 10 年目 20 年目までの費
用をイニシャル、ランニング、イニシャル込ランニングが最安価となる離島の組み合わせでみると、以下
のようになる。
図表 4-28.ラストワンマイル総額
イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン
グ(1年目)
グ(5年目)
グ(10年目) グ(20年目)
イニシャル最安価
ランニング最安価
イニシャル込ランニング最安価
7,524,698
8,290,434
8,158,616
10,050,663
10,726,435
10,598,941
13,208,118
13,771,437
13,649,346
19,523,030
19,861,441
19,750,156
1 年目から 20 年目まで全てイニシャル最安価離島の総額がもっとも安価となる。ラストワンマイルでは
イニシャルコストの影響が大きいため、イニシャルコストを基準に考える必要がある。
65
図表 4-29.イニシャル込ランニングコスト最安価離島総額(バックボーン)
0
2,000,000
4,000,000
6,000,000
8,000,000
10,000,000
(千円)
12,000,000
1,510,150
イニシャル
6,100,000
7,610,150
ランニング保守費/年
1,094,580
1,323,640
2,418,220
2,604,730
7,423,640
イニシャル込ランニング
10,028,370
衛星ベストエフォート
衛星専用線
イニシャル
離島数
138
61
199
衛星ベストエフォート
衛星専用線
合計
1,510,150
6,100,000
7,610,150
合計
ランニング保守 イニシャル込ラ
費/年
ンニング
1,094,580
1,323,640
2,418,220
2,604,730
7,423,640
10,028,370
バックボーンのイニシャル込みランニングコストで最安価となる離島の数に応じたそれぞれの情報通信
インフラの総額は上記のようになる。イニシャルコストは約 76.1 億円で、FWA 単独の総額約 67.8 億円に
対し約 8.3 億円高くなっている。
ランニングコストは約 24.2 億円で、衛星専用線単独の総額約 30.8 億円に対し約 6.6 億円安価となっ
ている。
なお、参考までにイニシャルコストとランニングコストを合算した構築後 5 年目 10 年目 20 年目までの
費用をイニシャル、ランニング、イニシャル込ランニングが最安価となる離島の組み合わせでみると、以
下のようになる。
図表 4-30.バックボーン総額
イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン
グ(1年目)
グ(5年目)
グ(10年目) グ(20年目)
イニシャル最安価
ランニング最安価
イニシャル込ランニング最安価
7,999,444
12,641,250
10,028,370
25,758,218
21,903,250
19,701,250
47,956,685
33,480,750
31,792,350
92,353,620
56,635,750
55,974,550
1 年目はイニシャルコスト最安価総額が安価となるが、5 年目、10 年目、20 年目の段階においては、イ
ニシャル込ランニングコスト最安価総額がもっとも低い。バックボーンでは、長期スパンで検討する場合、
イニシャル込ランニングコストの結果に沿った情報通信インフラの選択が推奨される。
66
図表 4-31.イニシャル込ランニングコスト最安価離島総額(バックボーン+ラストワンマイル)
0
4,000,000
8,000,000
12,000,000
16,000,000
(千円)
20,000,000
340,176
1,595,258
4,092,200
イニシャル
8,045,000
14,072,633
ランニング保守費/年
44,308
187,397
1,228,194
1,518,140
2,978,039
384,484
1,782,654
イニシャル込ランニング
5,320,394
9,563,140
17,050,672
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星専用線+ADSL
合計
イニシャル
離島数
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
合計
0
0
0
0
0
0
0
0
7
35
96
0
0
0
61
0
199
340,176
1,595,258
4,092,200
8,045,000
14,072,633
衛星ベスト+ADSL
ランニング保守 イニシャル込ラ
費/年
ンニング
44,308
384,484
187,397
1,782,654
1,228,194
5,320,394
1,518,140
9,563,140
2,978,039 17,050,672
バックボーンとラストワンマイルの組み合わせたイニシャル込ランニングコストで最安価となる離島の数
に応じたそれぞれの情報通信インフラの総額は上記のようになる。イニシャルコストは約 140.7 億円で、
FWA と ADSL の組み合わせの約 136.7 億円よりも約 4 億円高額となる。ランニングコストは約 29.8 億円
で、衛星専用線と ADSL の組み合わせの約 37.1 億円よりも約 7.3 億円安価となっている。
なお、参考までにイニシャルコストとランニングコストを合算した構築後 5 年目 10 年目 20 年目までの
費用をイニシャル、ランニング、イニシャル込ランニングが最安価となる離島の組み合わせでみると、以
下のようになる。
67
図表 4-32.バックボーン+ラストワンマイル総額
イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン イニシャル+ランニン
グ(1年目)
グ(5年目)
グ(10年目) グ(20年目)
イニシャル最安価
ランニング最安価
イニシャル込ランニング最安価
14,635,204
19,791,659
17,050,672
33,959,305
31,289,387
28,962,827
58,114,431
45,661,547
43,853,020
106,424,682
74,405,868
73,633,407
当初についてはイニシャル最安価離島の総額がもっとも安価となるが、5 年目、10 年目、20 年目では
イニシャル込ランニング最安価離島の総額がもっとも安価となる。
離島において、ラストワンマイル・バックボーンをともに検討にいれて、長期スパンでイニシャル・ランニ
ングコストを包括して考える場合には、イニシャル込ランニングコストでもっとも安価なシステムが推奨さ
れる。
(3)IRU 時トータルコスト
IRU 時におけるイニシャル込ランニング最安価離島の総額は以下のようになる。
図表 4-33.イニシャル込ランニングコスト最安価離島総額(バックボーン+ラストワンマイル)IRU 時
(千円)
0
4,000,000
8,000,000
12,000,000
16,000,000
204,244
570,496
8,080,335
イニシャル
62,471
1,213,247
1,292,200
280,000
11,889,379
12,393
34,195
708,617
ランニング保守費/年
9,358
133,172
287,620
73,600
1,282,474
216,638
604,691
8,788,952
イニシャル込ランニング
71,829
1,346,420
1,579,820
353,600
13,171,853
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星専用線+ADSL
合計
68
イニシャル
離島数
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
合計
0
0
0
0
3
9
117
0
5
27
36
0
0
0
2
0
204,244
570,496
8,080,335
248,856
1,213,247
1,292,200
280,000
11,889,379
ランニング保守 イニシャル込ラ
費/年
ンニング
12,393
216,638
34,195
604,691
708,617
8,788,952
32,877
281,733
133,172
1,346,420
287,620
1,579,820
73,600
353,600
1,282,474 13,171,853
イニシャルコストは約 118.9 億円と、自営時の約 140.8 億円に比べ約 21.9 億円安価となる。ランニン
グコストも約 12.8 億円と、自営時の約 29.8 億円に比べ約 17 億円安価となっている。実際の運営にあた
っては、自営時は専用線利用料を利用料として住民から徴収するため、単純に比較はできないが、全
体的に IRU 時ほど必要な費用は少なくなる。
69
第 5 章 ブロードバンドサービスの導入に向けて
1.推奨されるブロードバンドサービス
第 4 章で、各情報通信インフラの簡易積算比較を実施した。本章では比較結果をもとに推奨されるブ
ロードバンドサービスの特徴を検討する。
積算結果からわかるように最安価情報通信インフラは各離島によって、大きく分かれる。また、IRU 検
討でもわかるとおり、最安価離島は比較する条件によって、大きく変動する。
ただし、ある程度の傾向はみられるため、今までの検討をまとめると以下のようになる。
(1)FTTH
世帯数・面積など影響を受ける項目は多いが、もっとも影響を受ける項目は実延長距離となる。イニシ
ャルコストに関しては、最安価となる離島はないが、ランニングコストに関しては、実延長距離が短い離
島では最安価となる場合がある。通信容量はもっとも大きいことから、コスト面よりも将来的な運用利便性
を鑑みて費用対効果等の面から検討が行われることが望ましい。
(参考)図表 5-1.実延長距離別イニシャルコスト分布(FTTH)
(千円)
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
(km)
0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
(2)無線 LAN
世帯密集率・面積など影響を受ける項目は多いが、もっとも影響を受ける項目は世帯数となる。世帯
数が少なく、かつ同時に面積が狭い地域ほど最安価となる。
有線敷設が難しい地域など、離島状況を鑑みて検討が行われることが望ましい。
(参考)図表 5-2.世帯数別イニシャルコスト分布(無線 LAN)
(千円) 300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
0
50
100
150
200
250
300
350
400
(世帯)
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
70
(3)ADSL
世帯数・実延長距離など影響を受ける項目は多いが、もっとも影響を受ける項目は面積となる。イニシ
ャルコストではほぼすべての離島でもっとも安価であるという結果が出ており、ランニングコストでも約
3/4 の離島でもっとも安価となる積算になる。速度効率がよいとはいえないが、費用的にはもっとも推奨
されるラストワンマイルと言える。
(参考)図表 5-3.面積別イニシャルコスト分布(ADSL)
(千円) 70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
(k ㎡)
0
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
(4)CATV
面積・実延長距離など影響を受ける項目は多いが、もっとも影響を受ける項目は世帯数となる。FTTH
よりも高額となるため、最安価となる離島はないが、1 世帯あたりの単価としては、世帯数増による費用増
額分より全世帯対象とする分の減額率が高く、世帯数の増加により 1 世帯あたりの単価は安価となって
いく。地上デジタル放送対応など、別途の要件が絡む際は導入が考えられる。
(参考)図表 5-4.世帯数別イニシャルコスト分布(CATV)
(千円)
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
(世帯)
0
0
50
100
150
200
250
300
350
400
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
71
(5)海底光ファイバーケーブル
主に最近接陸地との距離により影響を受ける。調査費用等が高額であるため、イニシャルコストとして
は本土間距離が短くても最安価情報通信インフラとはなりえないが、ランニングコストが比較的安価であ
るため、トータルで見た場合は、費用的にも通信速度的にも比較的推奨される情報通信インフラとなる。
特に FTTH や CATV を実施する場合は、容量的にもっとも組み合わせの相性がよいと言える。
(参考)図表 5-5.最近接陸地距離別イニシャルコスト分布(海底光)
(千円)
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
(km)
0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
(6)衛星ベストエフォート
主に世帯数によって影響を受ける。設置費用が安価であるため、イニシャルコストだけで見た場合はも
っとも推奨される情報通信インフラとなる。特に自営でインターネットを提供する場合は、ほとんど全ての
条件でもっとも推奨される情報通信インフラとなる。バックアップ回線という視点もいれると全ての離島で
推奨されるが、特に世帯数が少なく、通信容量の大きいブロードバンドサービスの必要性が少ない離島
で導入が考えられる。
(参考)図表 5-6.世帯数別イニシャルコスト分布(衛星ベストエフォート)
(千円)
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
0
50
100
150
200
250
300
350
400
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
72
(世帯)
(7)衛星専用線
イニシャルコストは固定であるが、ランニングコストは主に世帯数によって影響を受ける。自営の場合は、
ランニングコストだけを見た場合、もっとも平均費用が安価な情報通信インフラとなる。衛星ベストエフォ
ートと比較した場合、離島間距離が長く、世帯数が多い離島ほど最安価情報通信インフラとなる場合が
多く、このような離島や近接離島と連携して通信がおこなえる離島で適用が考えられる。
(参考)図表 5-7.世帯数別ランニングコスト分布(衛星専用線)
(千円)
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
0
50
100
150
200
250
300
350
400
(世帯)
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
(8)FWA
主に最近接陸地との距離により影響を受ける。ただし、FWA の周波数が距離別に変わることにより、構
築システムそのものが変わるためであり、海底光ファイバーケーブルほど距離に比例するわけではない。
イニシャルコストは安価であるが、ランニングコストが高額となる。ただし、IRU 検討時にはランニングコス
トも安価となるため、条件により推奨される場合もある。最近接距離が比較的短く、世帯が多く面積も広
い離島で海底光ファイバーケーブルほど通信容量が求められない場合に適用が考えられる。
(参考)図表 5-8.最近接陸地距離別イニシャルコスト分布(FWA)
100,000
(千円)
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
(km)
0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
*分布傾向を表示するため、すべての離島は表示されていない
73
2.整備推進のために
1 節で各情報通信インフラの特徴や推奨条件を整理したが、実際の構築に際しては、さまざまな検討
要素が存在する。これらについて以下にまとめるとともに、全体的な推奨条件について整理する。
(1)通信容量からの検討
ブロードバンドサービス導入の際に目安とされるものは、一般的にはイニシャルコストであり、ランニン
グコスト(事業者の場合は収入も含む)であると考えられる。それ以外で重要視される項目として通信速
度があげられる。定額制が当たり前となってきた現在では、ほぼ通信容量によって利用料金が定められ
ている(携帯電話等の通信では、まだ定額制は定着しているとは言えないが、世帯におけるブロードバ
ンドサービスとしては通信速度に応じた価格設定が一般的であろう)。
では、ブロードバンドサービスの通信速度はどの程度からを示すのかという問題については、日々コン
テンツが進化している現在では、明確な数値は出しえない状況にある。文章主体のホームページを閲
覧する程度であれば 1Mbps 程度でも、閲覧は十分であるが、動画やネットワークゲームなどのコンテン
ツを利用しようとする場合は、100Mbps 程度が必要となる場合もありえる。
実際に 1Mbps あたりの費用という視点で比較した場合は、以下のようになる。
図表 5-9.1 世帯 1Mbps あたりのイニシャル込ランニング費用が最安価となる情報通信インフラ離島数
海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV
自営
IRU
66
13
0
0
0
1
4
1
114
107
衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH
自営
IRU
0
0
0
0
2
2
0
0
4
22
2
53
7
0
衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV
0
0
0
0
0
0
0
0
自営・IRU 含めて衛星通信関係はほぼ 0 になり、自営・IRU ともに FWA+FTTH がもっとも安価になる
離島が多い。自営では次いで海底光ファイバーケーブル+FTTH であり、IRU では FWA+ADSL となる。
1 世帯 1Mbps あたりの費用では、大容量通信が可能な組み合わせが安価となる離島が多くなる。
ただし、この積算は例えば 100Mbps サービス提供であれば費用を 1/100 として考えているため、実際
のサービスの性能を正確に示すものとは言えないが、通信容量を重視した場合は、海底光ファイバーケ
ーブル+FTTH、FWA+FTTH・ADSL が推奨される離島が多いことがわかる。
74
(2)全体費用からの検討
情報通信インフラのトータル的なコストを求める場合、1 年運用だけでなく、長期的に運用を想定し
た方が望ましい。例として 10 年間運用した場合のトータルコストをまとめると以下のようになる。
図表 5-10.イニシャル+ランニング 10 年運用総額費用(バックボーン+ラストワンマイル)
0
60,000,000
120,000,000
180,000,000
海底光+FTTH
240,000,000
194,786,509
168,237,705
海底光+ADSL
海底光+CATV
257,332,839
FWA+FTTH
122,883,892
FWA+無線LAN
119,036,608
93,601,237
FWA+ADSL
FWA+CATV
181,394,344
100,810,306
衛星ベスト+FTTH
97,166,858
衛星ベスト+無線LAN
68,939,350
衛星ベスト+CATV
159,713,188
衛星専用線+FTTH
94,270,956
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
90,627,508
62,400,000
153,173,838
衛星専用線+CATV
イニシャル最安価
(千円)
198,429,957
海底光+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
300,000,000
58,114,431
ランニング最安価
45,661,547
イニシャル込ランニング最安価
43,853,020
179,264,411
1M:1世帯月額最安価
150,737,128
1M:イニシャル込ランニング最安価
イニシャル+ランニング(10年目)
トータルコストとしては、イニシャル込ランニングが最安価となる。イニシャル込ランニング最安価の情
報通信インフラの組み合わせは前述したとおり、衛星ベストエフォート+FTTH・無線 LAN・ADSL、衛星
専用線+ADSL となる。長期スパンでみた場合、最安価を達成する組み合わせはこれら 4 種類からの選
択が推奨される。
以上のことを念頭に踏まえたうえで、イニシャル・ランニングの最安価離島数、コストを 1Mbps あたりの
費用がもっとも安価となるイニシャル込ランニングを含めた形で再整理すると次ページのようになる。
75
図表 5-11.最安価離島数・総額(バックボーン+ラストワンマイル)
イニシャル最安価 ランニング最安価
海底光+FTTH
海底光+無線LAN
海底光+ADSL
海底光+CATV
FWA+FTTH
FWA+無線LAN
FWA+ADSL
FWA+CATV
衛星ベスト+FTTH
衛星ベスト+無線LAN
衛星ベスト+ADSL
衛星ベスト+CATV
衛星専用線+FTTH
衛星専用線+無線LAN
衛星専用線+ADSL
衛星専用線+CATV
総額(イニシャル)
総額(ランニング)
総額(イニシャル込ランニング)
1世帯月額最安価
イニシャル込ランニング最安価 1M:1世帯月額最安価 1M:イニシャル込ランニング最安価
0
0
0
0
0
0
49
0
0
0
147
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
32
56
0
0
0
96
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7
35
96
0
0
0
61
0
155
0
0
8
32
0
0
2
0
0
0
1
0
0
1
0
66
0
0
4
114
4
2
7
0
0
2
0
0
0
0
0
9804179
4831025
14635204
16,917,226
2,874,432
19,791,659
16,917,226
2,874,432
19,791,659
14,072,633
2,978,039
17,050,672
87,304,838
9,195,957
96,500,796
58,335,979
9,240,115
67,576,094
1Mbps あたりで比較した場合、海底光ファイバーケーブルや FWA による構築も対象となる。前述したと
おり、あくまで 1Mbps あたりの最安価費用であって、最適な評価とは言えないが、ひとつの指標とはなり
える。
なお、1Mbps あたりのイニシャル込ランニングが最安価となる離島のイニシャルコストの総額は約 583.4
億円となり、ランニングコストは総額 92.4 億円となる。イニシャル込ランニング最安価離島時の総額と比
較するとイニシャルコストは約 4.1 倍、ランニングコストも約 3.1 倍となる。
このように各離島が選択する情報通信インフラによって、総額費用はかなり異なってくることとなる。今
現在必要とされている容量、今後必要となる容量を検討し、費用対効果を鑑みながら導入する情報通
信インフラを決定することが求められる。
さらに、今まで検討してきた情報をまとめると次ページのように推奨情報通信インフラを整理することが
できる。
76
図表 5-12.各組み合わせの特徴
費用
項目別影響量
容量
イニシャル
ランニング
距離長短 世帯多少 面積広狭
海底光+FTTH
大
小~中
大
大
中
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。
海底光+無線 LAN
大
小~中
中
大
大
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。
海底光+ADSL
大
小~中
中
大
小
大
自営と IRU でランニングコストが異なる。
海底光+CATV
大
中~大
大
大
大
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。地デジ対応可。
FWA+FTTH
中
小~中
中
中
中
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。
FWA+無線 LAN
中
小~中
中
中
大
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。
FWA+ADSL
小
小~中
中
中
小
大
自営と IRU でランニングコストが異なる。
FWA+CATV
大
中~大
中
中
大
中
自営と IRU でランニングコストが異なる。地デジ対応可。
衛星ベストエフォート+FTTH
中
中
小
小
大
中
衛星ベストエフォート+無線 LAN
中
中
小
小
大
中
衛星ベストエフォート+ADSL
小
小
小
小
中
大
衛星ベストエフォート+CATV
大
大
小
小
大
中
衛星専用線+FTTH
中
中
小~中
小
中
中
契約内容によって容量を変動できる。
衛星専用線+無線 LAN
中
中
小~中
小
大
中
契約内容によって容量を変動できる。
衛星専用線+ADSL
中
小
小~中
小
小
大
契約内容によって容量を変動できる。
衛星専用線+CATV
大
中
小~中
小
大
中
契約内容によって容量を変動できる。地デジ対応可。
77
適用
「図表 5-12.各組み合わせの特徴」で記している項目は、以下のような判断基準で表記している。
費用
情報通信インフラの組み合わせの費用(イニシャル・ランニングコスト)が
大きいか小さいかを大中小で表している。
容量
情報通信インフラの組み合わせで適用されると考えられる容量が大きい
か小さいかを大中小で表している。
項目別影響量:距離長短
最近接陸地までの距離の長さにより影響を受ける費用の大きさを示して
いる。大であればあるほど距離が長くなった場合に費用が高くなる割合が
増える。
項目別影響量:世帯多少
世帯の多さにより影響を受ける費用の大きさを示している。大であればあ
るほど世帯が多くなった場合に費用が高くなる割合が増える。
項目別影響量:面積広狭
面積の広さにより影響を受ける費用の大きさを示している。大であればあ
るほど面積が広くなった場合に費用が高くなる割合が増える。
実際の導入に関しては、自営の場合は加入世帯数が多いほど利用料収入があがるため、利用料収
入とのバランスや求める容量の大きさなどで情報通信インフラの組み合わせは異なってくるものと考えら
れる(そもそも費用自体も計算式で求めたものであり、各種状況によって費用は大幅に変動する)が、ひ
とつの指標にはなりえる。
費用の観点からみた場合、どのような組み合わせが最適であるか、絞込みを行いながら導入を進め
ていくことが求められる。
(例 1) とにかく回線容量の大きさ(高速な回線)に拘る離島の場合、推奨の組み合わせは?
⇒ 「海底光+FTTH」、「海底光+CATV」
(例 2) 回線容量には拘らず、とにかく費用(イニシャル・ランニング)を安くしたい離島の場合、推奨の
組み合わせは? ⇒ 「衛星ベストエフォート+ADSL」、「FWA+ADSL」
(例 3) 離島の環境が、最近接陸地までの距離が長い・世帯数が多い・面積が狭い。また意向として、
コストを抑えたい場合、推奨の組み合わせは?
ア 距離の影響を抑えるため、影響「小」である「衛星」との各組み合わせが推奨
イ 世帯数の影響を抑えるため、影響「小」である「海底光+ADSL」「FWA+ADSL」「衛星専用
線+ADSL」の各組み合わせが推奨
ウ 面積の影響は受けないため、ア・イの抽出結果と費用、容量から組み合わせ候補を選択
⇒ 「衛星専用線+ADSL」 (または、距離の影響は多少受けるが、「FWA+ADSL」)
78
(3)情報通信インフラ導入の検討のために
各離島において情報通信インフラを導入するためには、主にコスト・通信容量の面から選択すると述
べたが、この 2 つを検討するためには以下のような点に留意する必要がある。
住民ニーズ
通信容量を決める大きな要因のひとつとして住民要望があげられる。住民の8割がブロ
ードバンドサービスを要望している地域もあれば、インターネット利用自体を想定してい
ない地域もありえるからである。アンケートやヒアリング等を活用し、住民ニーズを的確に
捉えてブロードバンドサービスを提供しなければならない。
利用ニーズ
住民ニーズだけでなく、行政・事業所におけるイントラ的な利用用途も検討する事が望
ましい。例えば防災上の観点取り入れて、情報通信インフラを2系統整備することや、遠
隔医療等で大容量通信が必要となることなどといった点も検討においては考慮する必
要がある。
財政事情
民間による整備が期待できない場合、基本は地方公共団体による単費になるが、離島
(補助事業)
への情報通信インフラ整備は多大な経費を要する。IRU 契約による民間活力活用や総
務省等から実施されている補助事業を活用することはもちろんのこと、過疎債・合併債
等、多岐にわたる補助を活用する必要がある。
全国動向
総務省は、2010 年度までにブロードバンド・ゼロ地域を解消することを公表している。離
(政策動向)
島においても 2010 年度までにブロードバンドが整備できるよう基本計画・設計(2008 年
度まで)、実施設計(2009 年度まで)、施工(2010 年度まで)といったスケジュールで推
進していく必要がある。特に海底光ファイバーケーブル敷設地域では、海洋調査期間
も検討にいれなければならないため、早期の検討開始が望まれる。
電気通信事業
導入検討に際しては最新技術動向等、電気通信事業者の新サービスについては常に
者動向
留意する必要がある。電力線を用いたPLCや CATV の 100Mbps 化、WiMAX などの
(技術動向)
FWA の普及、WINDS の実用化など情報通信インフラ各種で技術検討の動きがみられ
るため、情報入手に努めることが必要となる。
体制
上記であげてきた検討項目を解消するためには、さまざまな検討が必要となる。行政内
部の体制づくりはもちろんのこと、地域企業、情報通信事業者等の連携も必要となる。
協議会の開催やシンクタンクの活用など体制づくりを行いながら情報通信インフラ整備
を進めていく必要がある。
79
参考資料 1-1.離島状況
都道府
県名
北海道
北海道
北海道
北海道
北海道
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
宮城県
山形県
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
新潟県
新潟県
石川県
静岡県
愛知県
愛知県
愛知県
三重県
三重県
三重県
三重県
三重県
三重県
兵庫県
兵庫県
兵庫県
兵庫県
兵庫県
兵庫県
島根県
島根県
島根県
島根県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
岡山県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
広島県
山口県
市町村名
礼文町
利尻町・利尻富士町
羽幌町
羽幌町
奥尻町
気仙沼市
女川町
女川町
牡鹿町
石巻市
塩竈市
塩竈市
塩竈市
塩竈市
酒田市
大島町
利島村
新島村
新島村
神津島村
三宅村
御蔵島村
八丈町
青ヶ島村
小笠原村
小笠原村
粟島浦村
佐渡市
輪島市
熱海市
一色町
南知多町
南知多町
鳥羽市
鳥羽市
鳥羽市
鳥羽市
志摩市
志摩市
南あわじ市
南あわじ市・洲本市
家島町
家島町
家島町
家島町
隠岐の島町
海士町
西ノ島町
知夫村
備前市
備前市
備前市
備前市
岡山市
玉野市
倉敷市
倉敷市
笠岡市
笠岡市
笠岡市
笠岡市
笠岡市
笠岡市
笠岡市
福山市
尾道市
因島市
三原市
三原市
大崎上島町
大崎上島町
大崎上島町
呉市
呉市
呉市
呉市
呉市、江田島市
大竹市
岩国市
離島指定
地域名
島名
礼文島
利尻島
天売・焼尻
天売・焼尻
奥尻島
大島
牡鹿諸島
牡鹿諸島
牡鹿諸島
牡鹿諸島
浦戸諸島
浦戸諸島
浦戸諸島
浦戸諸島
飛島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
伊豆諸島
小笠原諸島
小笠原諸島
粟島
佐渡島
舳倉島
初島
愛知三島
愛知三島
愛知三島
志摩諸島
志摩諸島
志摩諸島
志摩諸島
志摩諸島
志摩諸島
沼島・灘
沼島・灘
家島群島
家島群島
家島群島
家島群島
隠岐島
隠岐島
隠岐島
隠岐島
日生諸島
日生諸島
日生諸島
日生諸島
犬島
石島
児島諸島
児島諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
笠岡諸島
走島群島
備後群島
芸備群島
芸備群島
芸備群島
上大崎群島
上大崎群島
上大崎群島
下大崎群島
下大崎群島
下大崎群島
下大崎群島
安芸群島
安芸群島
柱島群島
礼文島
利尻島
焼尻島
天売島
奥尻島
大島
出島
江ノ島
網地島
田代島
寒風沢島
野々島
桂島
朴島
飛島
大島
利島
新島
式根島
神津島
三宅島
御蔵島
八丈島
青ヶ島
父島
母島
粟島
佐渡島
舳倉島
初島
佐久島
日間賀島
篠島
神島
答志島
菅島
坂手島
渡鹿野島
間崎島
沼島
淡路島
男鹿島
家島
坊勢島
西島
島後
中ノ島
西ノ島
知夫里島
鹿久居島
大多府島
頭島
鴻島
犬島
石島
松島
六口島
高島
白石島
北木島
真鍋島
小飛島
大飛島
六島
走島
百島
細島
佐木島
小佐木島
生野島
大崎上島
長島
大崎下島
三角島
豊島
斎島
情島
阿多田島
端島
近接離島
本土間距
最近接陸
世帯数
間距離
近接離島
人口(H16)
離(km)
地
(H16)
(km)
29.3
19.5
21.9
25.5
18.1
0.2
0.2
4.5
1.9
2.6
0.1
0.2
1.2
1.1
27.8
25.1
45.1
53.9
56.4
65.7
96.7
114.0
191.9
255.9
892.7
930.1
19.7
31.5
48.7
5.9
4.1
1.7
1.9
4.2
1.2
0.7
0.5
0.1
0.6
3.0
0.0
10.6
9.1
10.1
10.2
56.7
44.8
44.1
43.4
0.6
1.8
0.8
0.6
1.9
1.2
0.5
1.5
1.6
3.0
3.8
5.4
6.8
7.6
11.0
5.8
0.7
0.6
0.7
1.0
1.8
2.1
2.1
0.6
1.1
0.6
4.1
1.5
4.9
8.1
9.8 利尻島
3.6 焼尻島
4.3 出島
0.1 寒風沢島
1.0 野々島
1.0 寒風沢島
20.0
8.8
2.5
9.3
31.0
17.3
77.9
64.0
636.8
37.4
大島
利島
新島
式根島
神津島
三宅島
御蔵島
八丈島
青ヶ島
父島
2.4 日間賀島
3.0 淡路島
1.5 家島
1.0 家島
0.1 坊勢島
11.9 島後
0.7 中之島
0.7 西ノ島
1.0 頭島
0.2 鹿久居島
1.4
0.8
1.6
3.0
0.8
3.4
0.3
0.3
1.5
0.0
0.0
0.5
高島
白石島
北木島
北木島
小飛島
大飛島
佐木島
大崎上島
大崎下島
大崎上島
豊島
大崎下島
3.5 大崎下島
1.4 柱島
80
9.8
19.5
21.9
3.6
18.1
0.2
0.2
4.3
1.9
2.6
0.1
0.1
1.0
1.0
27.8
25.1
20.0
8.8
2.5
9.3
31.0
17.3
77.9
64.0
636.8
37.4
19.7
31.5
48.7
5.9
2.4
1.7
1.9
4.2
1.2
0.7
0.5
0.1
0.6
3.0
0.0
1.5
9.1
1.0
0.1
56.7
11.9
0.7
0.7
0.6
1.0
0.2
0.6
1.9
1.2
0.5
1.5
1.6
1.4
0.8
1.6
3.0
0.8
3.4
5.8
0.7
0.6
0.7
0.3
0.3
1.5
0.0
0.0
0.5
0.6
3.5
1.5
4.9
1.4
世帯密集
率(世帯
/1k㎡)
3,502 1,465 18.10
6,049 2,709 14.87
360
194 37.24
431
193 35.09
3,803 1,709 11.97
3,788 1,132 125.08
611
201 75.00
125
65 180.56
563
284 44.17
110
65 20.70
201
80 55.17
125
49 87.50
356
126 165.79
43
18 120.00
313
142 52.59
9,084 4,739 52.05
293
154 37.38
2,523 1,031 44.50
588
278 75.34
2,145
824 44.59
3,255 1,661 29.96
271
141
6.86
8,990 4,662 67.10
198
114 19.10
1,895 1,039 43.66
444
238 11.78
398
135 13.69
70,015 25,425 29.74
154
46 83.64
223
114 259.09
339
144 79.56
2,303
643 835.06
2,064
625 672.04
519
199 261.84
3,018
758 108.60
832
217 48.01
648
282 552.94
361
172 249.28
190
89 247.22
686
273 100.00
1,071
411 12.32
113
64 14.00
4,932 1,733 317.98
3,147
800 427.81
20
13
1.97
17,535 7,307 30.25
2,514 1,073 33.21
3,679 1,711 30.67
766
372 28.59
13
7
0.69
150
63 157.50
468
173 288.33
42
22 10.53
74
46 85.19
126
38 46.34
6
4 50.00
12
4
3.42
143
73 69.52
771
368 126.03
1,468
763 101.87
362
185 125.00
37
22 73.33
177
72 68.57
90
52 50.98
866
348 166.51
726
384 124.68
69
26 34.21
1,103
474 54.36
16
10 20.00
44
28 12.39
9,513 4,424 115.39
21
15 14.15
3,196 1,480 83.05
49
26 44.83
1,708
849 145.63
34
23 32.86
16
10 14.49
340
120 49.79
54
35 52.24
面積
(Km2)
(H12)
80.95
182
5.21
5.50
142.73
9.05
2.68
0.36
6.43
3.14
1.45
0.56
0.76
0.15
2.70
91.05
4.12
23.17
3.69
18.48
55.44
20.55
69.48
5.97
23.80
20.21
9.86
854.88
0.55
0.44
1.81
0.77
0.93
0.76
6.98
4.52
0.51
0.69
0.36
2.73
33
4.57
5.45
1.87
6.59
241.58
32.31
55.79
13.01
10.17
0.40
0.60
2.09
0.54
0.82
0.08
1.17
1.05
2.92
7.49
1.48
0.30
1.05
1.02
2.09
3.08
0.76
8.72
0.50
2.26
38.34
1.06
17.82
0.58
5.83
0.70
0.69
2.41
0.67
実延長 定期
(H16)(km) 便有
128.80
258
18.40
13.80
174.30
87.40
8.50
4.50
20.60
8.00
2.50
1.50
3.20
0.50
5.40
492.40
27.50
136.80
3.80
78.60
133.50
21.30
479.40
55.00
35.20
13.50
24.70
2,865.90
3.70
4.80
16.40
17.60
14.50
5.10
19.10
10.60
4.10
4.30
3.50
5.10
119
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都道府
県名
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
山口県
徳島県
徳島県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
香川県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
高知県
高知県
福岡県
福岡県
市町村名
岩国市
岩国市
周防大島町
周防大島町
周防大島町
周防大島町
柳井市
田布施町
平生町
上関町
上関町
光市
周南市
防府市
下関市
下関市
萩市
萩市
萩市
萩市
阿南市
牟岐町
土庄町
土庄町
直島町
直島町
直島町
高松市
高松市
坂出市
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坂出市
坂出市
丸亀市
丸亀市
丸亀市
丸亀市
丸亀市
多度津町
多度津町
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詫間町
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上島町
上島町
上島町
上島町
上島町
上島町
上島町
今治市
今治市
今治市
今治市
今治市
今治市
今治市
今治市
今治市
新居浜市
松山市
松山市
松山市
松山市
松山市
松山市
松山市
松山市
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八幡浜市
宇和島市
宇和島市
宇和島市
宇和島市
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宿毛市
宿毛市
北九州市
北九州市
離島指定
地域名
島名
柱島群島
柱島
柱島群島
黒島
周防大島諸島情島
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平郡島
熊毛群島
馬島
熊毛群島
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熊毛群島
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熊毛群島
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周南諸島
牛島
周南諸島
大津島
周南諸島
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響灘諸島
蓋井島
響灘諸島
六連島
萩諸島
見島
萩諸島
大島
萩諸島
櫃島
萩諸島
相島
伊島
伊島
出羽島
出羽島
直島諸島
小豊島
直島諸島
豊島
直島諸島
直島
直島諸島
屏風島
直島諸島
向島
直島諸島
男木島
直島諸島
女木島
塩飽諸島
櫃石島
塩飽諸島
岩黒島
塩飽諸島
与島
塩飽諸島
小与島
塩飽諸島
本島
塩飽諸島
牛島
塩飽諸島
広島
塩飽諸島
手島
塩飽諸島
小手島
塩飽諸島
佐柳島
塩飽諸島
高見島
塩飽諸島
粟島
塩飽諸島
志々島
伊吹島
伊吹島
魚島群島
高井神島
魚島群島
魚島
上島諸島
弓削島
上島諸島
佐島
上島諸島
豊島
上島諸島
生名島
上島諸島
岩城島
越智諸島
鵜島
越智諸島
津島
関前諸島
大下島
関前諸島
小大下島
関前諸島
岡村島
来島群島
小島
来島群島
来島
来島群島
馬島
来島群島
比岐島
新居大島
大島
安居島
安居島
忽那諸島
野忽那島
忽那諸島
睦月島
忽那諸島
中島
忽那諸島
怒和島
忽那諸島
津和地島
忽那諸島
二神島
忽那諸島
釣島
青島
青島
宇和海諸島 大島
宇和海諸島 九島
宇和海諸島 嘉島
宇和海諸島 戸島
宇和海諸島 日振島
宇和海諸島 竹ヶ島
沖の島
沖の島
沖の島
鵜来島
筑前諸島
馬島
筑前諸島
藍ノ島
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最近接陸
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近接離島
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5.7
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4.0
4.4
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8.0
8.2
2.0
12.2
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0.6
2.1
1.1
4.5
3.0
5.5
12.0
1.9
4.0
3.7 浮島
0.9 馬島
4.0 平郡島
4.0 大津島
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1.4 大島
0.6 豊島
0.8 向島
0.8 女木島
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1.1
2.2
2.2
1.4
3.2
3.2
小与島
本島
本島
広島
手島
高見島
粟島
1.4 粟島
3.7 豊島
2.9 高井神島
0.0 弓削島
3.6 弓削島
0.2 岡村島
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2.6
1.0
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睦月島
中島
怒和島
中島
1.0 戸島
3.4 戸島
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6.7
3.7
0.4
2.0
3.9
1.1
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0.9
0.9
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3.5
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29.2
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0.6
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0.0
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0.0
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2.2
2.2
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3.2
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2.9
0.7
0.0
3.6
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0.7
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0.0
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0.0
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0.4
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2.0
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0.6
1.0
1.1
3.4
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5.5
12.0
1.9
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120
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38
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217
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24
26
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65
174
184
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13
122
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/1k㎡)
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24.43
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面積
(Km2)
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0.26
0.68
実延長 定期
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0.50
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4.80
○
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都道府
県名
福岡県
福岡県
福岡県
福岡県
福岡県
福岡県
佐賀県
佐賀県
佐賀県
佐賀県
佐賀県
佐賀県
佐賀県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
長崎県
熊本県
熊本県
熊本県
熊本県
熊本県
熊本県
大分県
大分県
大分県
大分県
大分県
大分県
市町村名
宗像市
宗像市
新宮町
福岡市
福岡市
志摩町
唐津市
唐津市
唐津市
唐津市
唐津市
唐津市
唐津市
対馬市
対馬市
対馬市
対馬市
対馬市
対馬市
壱岐市
壱岐市
壱岐市
壱岐市
壱岐市
松浦市
松浦市
松浦市
松浦市
平戸市
平戸市
平戸市
佐世保市
佐世保市
小値賀町
小値賀町
小値賀町
小値賀町
小値賀町
小値賀町
小値賀町
佐世保市
佐世保市
新上五島町
新上五島町
新上五島町
新上五島町
新上五島町
新上五島町
新上五島町
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
五島市
西海市
西海市
大瀬戸町
長崎市
長崎市
長崎市
長崎市
上天草市
上天草市
御所浦町
御所浦町
御所浦町
新和町
姫島村
津久見市
津久見市
佐伯市
佐伯市
佐伯市
離島指定
地域名
島名
筑前諸島
筑前諸島
筑前諸島
筑前諸島
筑前諸島
筑前諸島
玄海諸島
玄海諸島
玄海諸島
玄海諸島
玄海諸島
玄海諸島
玄海諸島
対馬島
対馬島
対馬島
対馬島
対馬島
対馬島
壱岐島
壱岐島
壱岐島
壱岐島
壱岐島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
平戸諸島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
五島列島
蠣ノ浦大島
蠣ノ浦大島
松島
松島
伊王島
伊王島
高島
天草諸島
天草諸島
天草諸島
天草諸島
天草諸島
天草諸島
姫島
豊後諸島
豊後諸島
豊後諸島
豊後諸島
豊後諸島
地ノ島
大島
相島
玄界島
小呂島
姫島
高島
神集島
小川島
加唐島
松島
馬渡島
向島
対馬島
海栗島
泊島
赤島
沖ノ島
島山島
壱岐島
若宮島
原島
長島
大島
鷹島
黒島
青島
飛島
大島
度島
高島
宇久島
寺島
六島
野崎島
納島
小値賀島
黒島
大島
斑島
高島
黒島
中通島
頭ヶ島
桐ノ小島
若松島
日ノ島
有福島
漁生浦島
奈留島
前島
久賀島
蕨小島
椛島
福江島
赤島
黄島
黒島
島山島
嵯峨島
江島
平島
松島
池島
伊王島
沖之島
高島
湯島
中島
横浦島
牧島
御所浦島
横島
姫島
地無垢島
保戸島
大入島
大島
屋形島
近接離島
最近接陸
本土間距
世帯数
間距離
近接離島
人口(H16)
地
離(km)
(H16)
(km)
1.6
5.5
5.8
2.6
24.2
3.1
1.3
0.6
3.0
2.7
3.2
7.0
2.3
68.7
69.2
68.7
68.7
68.7
68.7
20.4
20.8
21.3
21.1
27.7
28.6
28.0
29.0
29.0
31.5
29.2
27.0
25.0
25.4
21.0
19.9
21.9
21.4
21.4
23.8
21.4
28.4
31.9
20.5
20.5
20.5
20.5
20.5
20.5
20.5
21.3
21.6
22.5
22.6
25.7
24.4
35.7
33.1
27.5
24.4
28.0
16.8
24.3
0.7
5.8
0.5
0.5
4.2
5.1
0.1
0.6
1.2
1.6
0.4
4.1
6.1
0.1
0.6
0.5
0.9
48.3
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
壱岐島
対馬島
対馬島
対馬島
対馬島
対馬島
0.4
1.3
0.0
0.7
壱岐島
壱岐島
大島
壱岐島
1.8 鷹島
2.3 度島
3.6 小値賀島
0.4 宇久島
1.1 野崎島
0.5
1.5
0.0
2.4
0.0
小値賀島
3.5
0.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.8
0.3
1.2
0.1
4.4
1.9
2.6
5.6
3.1
0.0
3.6
高島
野崎島
中通島
中通島
中通島
有福島
野崎島
小値賀島
小値賀島
小値賀島
漁生浦島
若松島
若松島
奈留島
奈留島
久賀島
奈留島
久賀島
黄島
黒島
福江島
福江島
福江島
7.5 江ノ島
0.0 沖之島
0.6 横浦島
0.4 牧島
82
1.6
5.5
5.8
2.6
24.2
3.1
1.3
0.6
3.0
2.7
3.2
7.0
2.3
48.3
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
20.4
0.4
1.3
0.0
0.7
28.6
1.8
29.0
29.0
2.3
29.2
27.0
3.6
0.4
1.1
19.9
0.5
1.5
0.0
2.4
0.0
28.4
3.5
0.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.8
0.3
1.2
0.1
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1.9
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5.6
3.1
0.0
3.6
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7.5
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5.8
0.0
0.5
4.2
5.1
0.1
0.6
0.6
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0.4
4.1
6.1
0.1
0.6
0.5
0.9
215
909
416
701
224
213
365
605
572
231
91
568
98
40,219
56
12
41
31
40
32,677
26
143
181
209
2,720
93
316
82
1,664
971
38
3,586
29
35
1
35
2,983
89
99
303
260
764
24,330
24
7
2,166
62
176
38
3,721
49
604
10
260
42,588
15
60
18
38
227
233
307
738
540
345
587
868
475
9
1,070
450
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10
2,821
72
1,495
1,192
271
50
75
370
172
230
60
51
127
218
168
77
26
205
27
15,812
56
2
21
14
15
11,165
26
42
42
80
964
50
93
37
640
257
10
1,508
22
12
1
12
1,211
24
33
128
65
327
10,037
15
3
929
42
90
16
1,697
24
300
5
152
18,471
14
41
12
18
86
142
170
333
330
192
288
495
233
3
353
170
964
7
956
32
586
492
139
16
世帯密集
率(世帯
/1k㎡)
面積
(Km2)
(H12)
47.77
51.75
140.98
201.75
139.53
68.00
204.84
154.61
182.61
27.21
41.27
48.58
90.00
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622.22
20.00
43.75
5.26
3.06
83.45
74.29
79.25
82.35
68.97
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65.79
103.33
74.00
42.19
74.06
40.00
60.56
17.32
17.39
0.14
20.00
99.59
120.00
46.48
81.53
25.39
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59.72
7.98
75.00
29.99
30.22
30.30
24.62
71.57
51.06
8.03
166.67
17.39
56.66
26.92
29.71
10.71
3.25
27.13
54.62
30.97
52.11
311.32
154.84
306.38
441.96
448.08
14.29
329.91
30.25
77.99
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140.80
110.34
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86.93
74.73
13.33
1.57
7.15
1.22
1.14
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0.10
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2.66
4.90
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0.53
0.51
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16.08
0.76
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0.25
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7.10
0.60
12.16
0.20
0.71
1.57
2.56
4.60
168.06
1.88
0.04
30.98
1.39
2.97
0.65
23.71
0.47
37.35
0.03
8.74
326.00
0.52
1.38
1.12
5.53
3.17
2.60
5.49
6.39
1.06
1.24
0.94
1.12
0.52
0.21
1.07
5.62
12.36
0.83
6.79
0.29
0.86
5.66
1.86
1.20
実延長 定期
(H16)(km) 便有
6.30
67.50
9.20
3.10
1.80
1.90
5.00
5.50
5.10
10.00
0.90
11.20
0.60
1,102.30
0.00
0.30
4.00
5.50
0.60
1,479.50
2.30
5.70
4.20
15.10
101.10
5.80
3.30
1.00
92.10
27.20
0.50
134.80
2.20
1.40
1.90
5.50
105.40
2.10
4.10
6.70
3.10
19.30
495.80
7.80
0.20
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1.40
2.10
1.50
94.60
2.80
55.80
0.00
17.80
1,104.30
1.70
4.60
3.10
0.40
5.60
17.50
37.00
24.90
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10.00
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10.10
0.00
8.20
9.70
25.30
1.90
38.40
0.00
3.20
21.60
1.80
0.50
○
○
○
○
○
○
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○
●
●
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●
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○
○
○
○
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○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
都道府
県名
市町村名
大分県 佐伯市
宮崎県 延岡市
宮崎県 南郷町
宮崎県 串間市
鹿児島県 東町
鹿児島県 出水市
鹿児島県 薩摩川内市
鹿児島県 薩摩川内市
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鹿児島県 鹿児島市
鹿児島県 西之表市・中種子町・南種子町
鹿児島県 上屋久町・屋久町
鹿児島県 上屋久町
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鹿児島県 三島村
鹿児島県 三島村
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鹿児島県 十島村
鹿児島県 十島村
鹿児島県 十島村
鹿児島県 十島村
鹿児島県 十島村
鹿児島県 十島村
鹿児島県
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鹿児島県 瀬戸内町
鹿児島県 瀬戸内町
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鹿児島県 和泊町・知名町
鹿児島県 与論町
沖縄
南大東村
沖縄
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沖縄
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伊平屋村
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沖縄
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沖縄
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沖縄
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沖縄
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沖縄
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沖縄
座間味村
沖縄
座間味村
沖縄
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久米島町
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沖縄
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竹富町
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竹富町
沖縄
竹富町
沖縄
竹富町
沖縄
竹富町
沖縄
与那国町
名瀬市・龍郷町・笠利町・大和村・住用村・宇検村・瀬戸内町
離島指定
地域名
豊後諸島
島野浦島
南那珂群島
南那珂群島
長島
桂島
甑島
甑島
甑島
新島
種子島
屋久島
屋久島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
南西諸島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
奄美群島
大東諸島
伊平屋島
野甫島
伊是名島
古宇利島
伊江島
水納島
津堅島
久高島
慶良間諸島
慶良間諸島
慶良間諸島
慶良間諸島
粟国島
渡名喜島
久米島
奥武島
オーハ島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
宮古諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
八重山諸島
島名
深島
島野浦島
大島
築島
獅子島
桂島
上甑島
中甑島
下甑島
新島
種子島
屋久島
口永良部島
竹島
硫黄島
黒島
口之島
中之島
諏訪之瀬島
平島
悪石島
小宝島
宝島
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与路島
喜界島
徳之島
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与論島
南大東島
北大東島
伊平屋島
野甫島
伊是名島
古宇利島
伊江島
水納島
津堅島
久高島
渡嘉敷島
座間味島
阿嘉島
慶留間島
粟国島
渡名喜島
久米島
奥武島
オーハ島
宮古島
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伊良部島
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多良間島
水納島
石垣島
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小浜島
加弥真島
黒島
新城島(上
新城島(下
西表島
由布島
鳩間島
波照間島
与那国島
近接離島
世帯数
本土間距
最近接陸
近接離島
人口(H16)
間距離
(H16)
離(km)
地
(km)
4.4
1.4
1.7
0.4
1.7
2.1
12.6
12.6
13.6
1.2
40.0
55.9
67.9
18.9
26.2
55.1
112.1
121.7
142.1
156.6
159.0
194.6
206.6
0.0
2.8
4.9
7.1
23.8
29.0
62.5
23.0
320.8
328.5
26.7
26.7
22.5
0.0
4.9
3.3
4.0
5.5
26.4
28.4
30.0
30.0
49.0
46.6
31.4
31.4
31.6
269.5
269.5
272.9
269.5
273.5
273.5
324.8
333.9
358.9
363.8
371.1
372.8
372.8
376.5
376.9
373.3
373.5
378.2
395.8
438.7
0.0 上甑島
1.0 中甑島
37.0 竹島
12.0 屋久島
7.3
28.9
56.2
9.6
20.4
14.5
16.9
35.5
12.0
竹島
硫黄島
屋久島
口之島
中之島
諏訪之瀬島
諏訪之瀬島
悪石島
小宝島
奄美本島
2.1
4.3
加計呂間島
加計呂間島
奄美本島
21.9 与路島
33.5 徳之島
沖縄本島
7.7 南大東島
0.0 野甫島
4.2 伊是名島
2.0 渡嘉敷島
1.6 座間味島
0.0 阿嘉島
18.2 座間味島
0.0
0.0 久米島
0.2 奥武島
0.0
3.4
0.0
4.0
0.0
55.3
9.1
34.1
4.9
7.3
1.7
9.0
3.7
0.4
2.2
0.2
4.9
22.5
65.4
宮古島
宮古島
宮古島
宮古島
伊良部島
宮古島
多良間島
多良間島
石垣島
竹富島
小浜島
竹富島
黒島
新城島(上地)
小浜島
西表島
西表島
西表島
西表島
4.4
1.4
1.7
0.4
1.7
2.1
12.6
0.0
1.0
1.2
40.0
37.0
12.0
18.9
7.3
28.9
56.2
9.6
20.4
14.5
16.9
35.5
12.0
0.0
2.8
2.1
4.3
23.8
21.9
33.5
23.0
320.8
7.7
0.0
4.2
22.5
0.0
4.9
3.3
4.0
5.5
26.4
2.0
1.6
0.0
49.0
18.2
0.0
0.0
0.2
269.5
0.0
3.4
0.0
4.0
0.0
55.3
9.1
34.1
4.9
7.3
1.7
9.0
3.7
0.4
2.2
0.2
4.9
22.5
65.4
31
1,348
17
39
950
19
2,936
357
3,366
16
35,059
13,792
156
71
103
203
140
167
48
79
72
43
114
69,777
1,665
180
153
8,870
28,184
14,798
5,897
1,376
529
1,458
128
1,884
356
5,325
49
642
277
723
646
313
84
916
460
9,371
38
7
48,197
768
49
204
6,755
67
1,408
7
45,160
316
565
1
231
5
2
2,108
21
53
587
1,718
13
449
9
15
313
8
1,400
181
1,826
10
15,424
6,318
85
41
59
103
88
97
25
37
32
25
61
32,250
946
106
90
4,101
12,433
6,224
2,213
629
206
508
55
808
155
2,113
26
285
128
356
329
168
39
469
212
3,711
16
4
18,926
382
20
93
2,587
49
502
7
18,503
163
291
1
119
5
2
1,057
15
30
256
781
世帯密集
率(世帯
/1k㎡)
面積
(Km2)
(H12)
11.82
1.10
159.22
2.82
4.33
2.08
62.50
0.24
18.37
17.04
24.24
0.33
31.05
45.09
24.83
7.29
27.55
66.29
76.92
0.13
34.62
446
12.52
505
2.23
38.04
9.76
4.20
5.06
11.65
6.70
15.37
6.60
13.33
2.81
34.47
0.90
27.66
17.79
2.08
4.27
7.49
25.00
1.00
8.54
7.14
45.28
712
12.22
77.39
7.95
13.34
9.63
9.35
72.12
56.86
50.18
248
66.46
94
108.11
20.47
20.58
30.57
17.25
11.94
24.67
20.59
51.89
1.06
57.14
14.14
49.68
3.12
92.96
22.73
55.32
0.47
151.60
1.88
93.43
1.37
23.28
15.29
49.40
6.66
43.98
3.82
33.91
1.15
61.55
7.62
61.27
3.46
62.96
58.94
25.40
0.63
10.81
0.37
389
159
134.98
2.83
83.33
0.24
32.75
2.84
89.05
29.05
5.14
9.54
25.44
19.73
3.26
2.15
83.14 222.54
30.07
5.42
37.12
7.84
2.56
0.39
11.88
10.02
2.84
1.76
1.27
1.58
3.65 289.27
100.00
0.15
31.25
0.96
20.05
12.77
27.08
28.84
奄美・沖縄本島は本土間0で計算、奄美諸島は奄美本島又は沖縄本島間で算出
83
実延長 定期
(H16)(km) 便有
1.70
2.20
5.10
0.10
9.80
0.00
89.30
3.70
111.90
0.00
1,026
341
21.10
7.90
16.70
29.50
6.80
41.30
5.30
5.20
6.90
2.50
15.60
1,250
133.80
10.50
10.70
276.30
1,000
575
140.70
62.5
29.8
73.9
6.2
77.4
13.6
188.1
1.2
7.8
8.9
19.3
12.0
9.5
5.2
48.4
9.0
220.4
3.0
0.7
920
9.7
0.3
12.0
175.7
13.7
124.5
1.5
482.9
24.0
20.7
0.0
21.6
1.2
0.0
98.9
0.0
4.3
26.6
140.5
○
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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