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携帯・スマホをよく知ろう前号の続きです。

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携帯・スマホをよく知ろう前号の続きです。
校長室から
みの はら通心
茨木市立耳原小学校 川上 隆 No.46
平成28年3月8日(火)発行
携帯・スマホをよく知ろう
前号の続きです。
1.スマホをやりすぎると学力が低下する
勉強時間が同じでもスマートフォンを使いすぎると学力が低下するという
調査結果が浮かび上がっています。脳を鍛えるゲームソフト「脳トレ」を監
修した東北大学・川島隆太教授を始めとしたグループが調査を実施しまし
た。調査結果のポイント3つを以下に書きます
① 家庭で平日2時間以上勉強した子供がスマートフォンを1時間未満利用
した場合、数学の平均点数が75点です。しかし、同じ勉強時間でスマー
トフォンの利用が4時間を超えると平均点数が57.7点まで落ちます。
② 一方で、勉強時間が30分未満の子供はスマートフォン利用時間が1時
間未満だと数学の平均点数が63.1点なのが、スマートフォン利用時間
が4時間を超えると47.8点まで落ちます。
③ この結果は数学だけでなく、国語、理科、社会、英語でも同じ傾向が見
られたということです。しかし、スマートフォンをまったく利用しないグ
ループの平均点数は1時間未満のスマートフォン利用グループよりも低か
ったと言っています。
このことから学びとれることとしては、下の2つのことがあると考えます。
・スマホ、タブレットを使う時間が1時間を越すと悪影響が出てくる
・勉強に集中する時間と息抜きをする時間のメリハリを作ることが大事
2.スマホを持つことで考えらえる4つの被害
1)意図しない情報の流出 情報の流出方法として4つご紹介します。
① SNS などに投稿した写真から利用者情報が流出
② 不審な無線 LAN への接続に伴う通信内容の流出
③ クラウドサービスの利用による意図しない情報の流出
④ SNS、プロフからの個人情報流出
起こりうるひどい被害として、嫌がらせ、個人を特定した不当請求などが
考えられます。
2)いじめ、誹謗中傷、トラブルに巻き込まれる
SNS、プロフなどを用いていじめ、誹謗中傷が行われることがあります。
① 冗談のつもりで書き込んだ内容が元となって喧嘩に
例としては、A君が冗談のつもりで「B君ウザい」とB君が見れない設
定で SNS にコメントを書きました。他の友達がA君のコメントをコピー
して、B君に見られ、B君が怒って喧嘩へと発展してしまいました。
② なりすまし投稿による誹謗中傷
例として、A君はB君と仲がよくありません。A君はB君になりすまし
て SNS 上でC君の悪口を書きました。C君は怒ってB君を問い詰めまし
たが、B君は書き込んでいないと主張しました。調査をするとA君が書き
込んだことが発覚。
③ 動画サイトを用いたいじめ
例として、いつも数人にいじめられているA君がいました。ある日いじ
めっ子の 1 人が携帯電話でいじめている動画を撮り、動画サイトに掲載し
ました。動画サイトでは、A君を誹謗中傷するコメントが相次ぎました。
起こりうる被害としては、トラブルの原因となっていじめられたり、登校
拒否にまで発展することも少なくはありません。
3)ウイルス感染による被害
ウイルスが行うこととしては、下の3つのことが78%を占めています。
① モバイルデバイスを使ってユーザーをスパイするユーザー追跡
SMS、メッセージ、通話履歴を収集し、GPS で位置情報を追跡します。
通話を録音し、デバイスで撮影された写真、ビデオをも収集します。
なお、ウイルスでなくても通常の監視アプリを勝手にインストールするこ
とで端末の位置情報、通話記録、電話発着信履歴、SMS の内容、写真デ
ータなどを盗み見る手口もあります。
② 情報盗難
デバイス情報、設定情報、挙句の果てには銀行情報などのデバイス、ユ
ーザーのデータを盗み出します。
③ 従来の脅威
パソコン上のマルウェアと同様に不正アプリが侵入することにより、侵
入者が自在にデバイスを操ります。考えられる深刻な被害としては、下の
5つがあります。
・プライベートの写真の流出
・電話帳の流出
・オンラインバンキングの ID/Password などのアクセス情報の詐取による
不正送金
・オンラインゲームでの ID/Password などのアクセス情報の詐取による、
アイテムの盗取
・クレジットカード番号の詐取による不正購入
不正アプリが他のアプリ、Web サイトでの入力を盗むことはできず、
不正アプリが他のアプリを乗っ取り、ユーザーに不正アプリから情報入力
をさせて、情報を盗み出します。
4)詐欺にあう
スマートフォンでインターネットを利用することで起こりうる詐欺手口
としては代表的なことは下の2つがあります。
① お金を払ったけど商品が届かない代金詐欺
この手のトラブルは2012年に比べて2013年は2.3倍と急増し
ています。(国民生活センター調べ)オンラインショッピングで商品を購
入し、銀行口座への前払いを要求され代金を振り込んだが商品が届かない
という手口です。
② ワンクリック詐欺による不当請求
ワンクリック詐欺はインターネットのサイトを観覧していたら、年齢認
証、同意などを求められクリックすると、一方的に会員登録させられ、高
額な料金を請求されるという手口の詐欺です。スマートフォンでもワンク
リック詐欺に出会う可能性があります。
3.欲しい機能
子供にスマートフォンを与えるのなら、上のリスク、悩みを踏まえると大
きく2つのことを管理する必要があります。
1)スマートフォンの利用制限
利用制限を機能として考えると下の3つが大事だと思います。
① 利用時間制限とは1日の利用時間に制限を設けることです。
スマホの利用を1日1時間までにするのか、2時間までならいいのか
などを設定します。例えば夜8時以降は勉強と就寝のための時間なので、
8時以降のスマホの利用を制限するなどの設定です。
② 電話での通話時間制限
1回の通話時間の制限を設けることで長電話を防ぐことができます。
③ 電話の発信制限と着信制限
知らない人からの電話と発信を防ぐことができます。
2)有害コンテンツとウイルスのアクセス制限
アクセス制限は下の3つの機能が大事だと思います。
① 有害サイトのブロック
有害サイトへのアクセスを遮断するフィルタリング機能です。
② ウイルスの侵入防止
ウイルスに感染したサイトを観覧してもウイルスの感染を防いだり、
不正アプリをダウンロードしたとしても、ウイルスの動作、情報の流出
を予防します。
③ アプリのダウンロードは親が管理
子供のアプリダウンロードを制限。または親の監視下でのダウンロード
管理します。
4.まとめ
スマートフォンは素晴らしい発明です。インターネットとアプリからは豊
富なコンテンツにアクセスができ、学習でき、生活に役立ち、遊ぶこともで
きます。ただ、過ぎたるは及ばざるがごとしとはよく言ったものだと思いま
す。大人も子供も使いすぎたり、依存症になると弊害がでるのは大人なら考
えれば分かることです。子供の場合は分からない場合があるので、そこを大
人がサポートをする必要があるのだと思います。今後、スマートフォンをは
じめとしたモバイルデバイスは益々進化していくのは確かです。きっと大事
なことはモバイルデバイスとどうつき合っていくか、ということでしょう。
モバイルデバイスに依存してしまうのか、うまく使いこなすのかです。
みのはら通心17号に載せた記事を再掲します。32号に「スマホトラブ
ルから子どもを守れ」、39号に「携帯電話使用ルール、生徒総会で採択」
という記事も載せました。
子どもの「LINE依存」が問題に!
子どものスマホ所持率が急増しています。そしてそれに伴うトラブルも問
題になっています。アイフォン開発者であるスティーブ・ジョブズは、自分
達の子供には一切、スマホもタブレットも与えなかったそうです。所持する
かは、ご家庭の判断ですが、子どもとのルールは必要だと思います。
ネットにこんな一例が載っていました。
~初めてスマホを持つ子どもへ「17の約束」~
1.これは親のスマートフォン。親が買って、あなたに貸して
いるから、親の言うことをよく聞くこと。
2.パスワードは必ず親に教えること。
3.「母」や「父」の電話には必ず出ること。
4.電源を入れるのは朝7時半から。夜は学校がある日は
19時半に、週末は21時に、電源を切って電話を返す。
5.学校に持っていくのは禁止。友達とは面と向かって話を
すること。面と向かって言えないことは、メールしない。
6.落として壊したり、失くしたら、自分のお金で修理・弁償する。
お金が必要になるから、おこづかいを貯めておくこと。
7.これで人を騙したり、馬鹿にしたりするのは禁止。誰かを傷つける
ような会話には入らないこと。
8.相手の親に言えないようなことは、メールしない。自分自身で厳し
くチェックすること。
9.インターネットは親と一緒に見られるようなものを見る。何か知り
たいことがあったら、人に聞くこと。できれば母か父に。
10.公共の場では電源を切るか、マナーモードに。
11.体の大事なところの写真を送ったり、受け取ったりしてはだめ。
12.写真やビデオはたくさん撮らないこと。それよりも経験を大切に。
13.ときどき電話は家に置いて行きなさい。携帯なしで生活することが
大事。なくなるのを恐れないで。
14.最新曲やクラシックなど、たくさん音楽をダウンロードして、同じ
ものをずっと聴くより様々な音楽を聴いて。
15.ゲームは言葉遊びやパズル、脳トレだけ。
16.常に上を向いていること。周りの出来事に目を向けること。窓の外
を見ること。鳥の声を聞くこと。外を歩くこと。知らない人とも話
をすること。グーグルで検索しないで感動できることを探しなさい。
17.約束を破ったら携帯電話を取り上げる。そうなったら話し合い、一
からやり直し、一緒に学んでいきましょう。
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