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老人福祉センターあり方方針
老人福祉センターあり方方針 平成 27 年(2015 年)12 月 豊 中 市 1.策定の背景 老人福祉センターは、60歳以上の市民の趣味活動、生きがいづくりの場 として40年以上に渡り高齢者の憩の場として利用されてきた。老人福祉セ ンターが開設された当時と本市を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する 中、老人福祉センターの現状や課題を分析し、今日的課題に対応した機能強 化策や運営の方向性を明確化し、新たな事業展開を図ることで、*地域包括 ケアシステムの構築を推進する。 *地域包括ケアシステム 介護や支援が必要になっても、可能な限り住み慣れた地域で高齢者が安心して生活を 継続できるよう、地域の関係者及び関係機関とのネットワークを構築し、 「医療」 「介護」 「介護予防」 「住まい」 「日常生活の支援」の各サービスが切れめなく有機的 かつ一体的に提供される体制をいう。 2.老人福祉センターの現状 <設置目的> 老人福祉センターは、老人に対して各種の相談に応ずるとともに健康の増 進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与すること を目的とする。 (「豊中市立老人福祉センター条例 第 2 条」から抜粋。「老人福祉法第二十条の七」に根拠規定) <設置場所及び施設概要> 名称 原田 柴原 庄内 千里 住 所 施 設 の 概 要 原田元町 4 階建て地下 1 階 3 丁目13 番1 号 原田老人デイサービスセンター(1 階)と併設 建物面積(1 階を除く):5,418.46 ㎡ 柴原町 1階建て 4 丁目 4 番 5 号 建物面積:595.14 ㎡ 三和町 1階建て 3 丁目 2 番 1 号 図書館・公民館と併設 建物面積:1,150.80 ㎡ 新千里東町 文化センター・出張所・保健センター・公民館・ 1 丁目 2 番 2 号 図書館と併設 建物面積:851.18 ㎡ 1 開 設 日 等 昭和 43 年 12 月 1 日開設 平成 5 年 4 月 27 日建替 昭和 49 年 3 月 1 日開設 昭和 60 年 4 月 1 日改築 昭和 50 年 7 月 12 日開設 昭和 53 年 4 月 15 日開設 平成 20 年 2 月 12 日建替 3.本市を取り巻く社会経済情勢 ・高齢者人口が約10万人で、全人口の4人に1人が高齢者である。 ・高齢化の進展とともに、要介護・要支援認定者は2万人を超え、高齢者 人口の20%以上に達している。とりわけ、全国的に*生活不活発病によ る要支援1・2の軽度認定者が増加しており、介護予防の推進が大きな 課題となっている。一方、元気な高齢者も増加しており、要援護高齢者へ の支援者として、その経験や知識が期待されている。 *生活不活発病 体を動かさない状態が続くことによって心身の機能が低下して動けなくなること。 ・社会保障関係経費の増大は、避けて通れない課題であり、より効果的・ 効率的な財政運営が求められる。 4.本市における背景 <特定事業としての見直しの方向性> 老人福祉センター事業のあるべき姿を明確化することが課題となって いる。 <市有施設有効活用委員会の答申> 平成 26 年度有効活用アクションプランにおいて、特定施設として位置づ けられ、地域包括ケアシステム構築の一環として、新たなあり方を検討す るとしている。 2 <第 6 期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画> 高齢者の地域活動や社会参加を促進するため、老人福祉センターに 地域福祉の機能を盛り込むなど、多機能型福祉施設として展開することと している。 <利用者及び一般高齢者へのアンケート結果> (1)利用者の約60%が後期高齢者である。 (2)週2~3回(40.6%)及び週4~5回(27.8%)の利用者が 多い。 (3)利用目的は、「趣味活動や同好会活動の場」(27.7%)、「入浴 機会の場」(25.3%)「健康増進や介護予防の場」(17.2%) となっている。 (4)利用者アンケートから今後実施したらよいと思うことは、「介護予防の ための場」(46.7%)、「地域活動参加へのきっかけづくり」 (21.0%)、「子どもなどを含めた多世代の交流」(20.0%) となっている。 (5)一般高齢者からの回答で、実施すれば利用してみたいと思う事業として は、「介護予防・健康づくり」(33.5%)、「仲間同士で交流し集え る場所、新しい交友関係を拡げる機会づくり」(24.3%)、「学習 機会や各種情報の取得」(19.6%)、「ボランティアなど地域活動 参加や支援へのきっかけづくり」(12.9%)となっている。 3 <地域包括ケアシステムの取り組み> 医療、保険、介護、福祉のネットワークづくりなどをはじめとする地域包 括ケアシステムを構成する分野の取り組みを推進し、「地域包括ケアシス テム・豊中モデル」の創造に向け、(仮称)地域包括ケア推進基本方針の 策定に取り組む。 5.老人福祉センターの課題 ① 高齢者人口は増加しているものの、ニーズの多様化などにより利用者が 伸び悩んでいる(下表参照)とともに、利用者アンケートから利用者の 固定化(週2~5回の利用者が約70%)が顕著であり、より魅力のあ る今日的課題に即した新たな事業展開により活性化を図る必要がある。 平成 15 年度【利用者数ピーク時】 平成 26 年度 60 歳 以 上 人 口 利 用 者 数 91,422 人 328,095 人 121,374 人 229,946 人 ② 利用者及び一般高齢者アンケートからは、介護予防の場としての利用を 求める声が多く寄せられており、「憩の場」から高齢者の経験や知識を 活かした「学びや実践の場」などの機能も付加した多様な介護予防事業 の展開が必要である。 ③ 利用者アンケートからは、入浴サービスの需要は一定あるが、センター 全体の利用者が伸び悩む中、新たな事業展開を進めていくうえでサービ スの見直しを図る必要がある。 ④ 利用者アンケートから利用者送迎バスについては、利用率が低く、見直 しを図る必要がある。 (原田:9.7% 柴原:29.1% 庄内:13.9% 千里:14.4%) 4 ⑤ 老人福祉センターごとに、施設の規模、立地、高齢化率等が異なり、 4センターで平準化した取り組みを実施するのではなく、地域包括ケア システムの理念を踏まえ、より地域の特性に着目した取り組みが必要で ある。 ⑥ 築40年を超える施設もあり老朽化による施設管理コストの上昇が 見込まれる。 6.今後のあるべき姿及び取り組みの方向性 利用者数が年々増加している趣味教室、生きがいづくり活動など憩の場として の機能は確保しつつ、社会貢献活動や学びの場、発信の場など経験や知識の豊富 なアクティブシニアの創出につながる介護予防事業について、「市有財産を活用 した事業者による介護予防の推進に関する条例」に基づき、利用者など市民の 参画のもと、民間事業者のノウハウを活かした事業展開を行うことで、地域包括 ケアシステム構築の推進を図る。また、入浴サービス、利用者送迎サービスにつ いては事業委託を行い、事業を実施する中で費用対効果なども踏まえ、見直しを 図る。 7.今後の予定 平成27年9月29日~10月27日:老人福祉センターあり方方針(素案) パブリックコメント 11月:提出意見を踏まえて方針案を検討 12月上旬:「老人福祉センターあり方方針」策定 平成29年4月:本方針に基づく新たなあり方へ移行 5