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6−5 平成14年度防災人的シミュレーション システムの研究開発について
6−5 平成14年度防災人的シミュレーション システムの研究開発について 研究成果報告 日時:平成15年 8月1日(金) 場所:神戸ポートピアホテル 神戸商船大学船貨輸送研究施設・教授 久保雅義 研究概要 • 臨海部に重点を置き、 • 海上を経由した避難・広域連携法の研 究を行うとともに、 • 災害源としての船舶の危険度評価と危 険防止策を検討し、 • 対応者のシミュレーション実験を行い、 • 最適な災害対応戦略を構築する。 1) 大規模災害発生時におけ る海上からの支援について ① 海路経由の避難広域連携法の可能性の考 察 ②大阪湾・伊勢湾・東京湾の沿岸地域に隣接 した地区に船籍を置く船舶を調査した。 ③それらの船舶が災害時に援助や救援資材を この三大都市の港湾に輸送できる航続時間 などの予測を行った。 A:5~19トン B:20~99トン C:100トン以上 数値:距離(mile) 鳥取 京都 島根 166 22 84 奈良 B 246 62 111 152 佐賀 熊本 A 235 C 図2(a) 大阪港沿岸地域 25 23 船隻数(隻) 20 和歌山県 徳島県 香川県 岡山県 兵庫県 15 12 12 10 10 5 3 3 22 5 5 4 3 2 1 2 1 1 5 5 3 1 33 11 1 11 1 1 1 3 22 し レ ジ タ な 送 ル ミカ ケ ン カ ー ャ ー ボ 自 ー 動 ト 車 専 用 船 揚 錨 船 船 船 押 油 特 殊 船 船 客 船 客 旅 リ ー フ ェ 物 船 船 貨 漁 曳 船 0 船種 図2(b) 大阪港沿岸地域範囲Bに船籍を置く船 舶の都道府県別船種と船隻数 新潟 福島 栃木 富山 群馬 172 長野 埼玉 岐阜 137 山梨 愛知 126 38 86 54 数 値 : 距 離 ( m ile ) 図3(a) 東京港沿岸地域 200 189 180 160 146 120 100 88 76 80 60 40 20 9 48 47 6 11 0 静岡県 神奈川県 東京都 千葉県 茨城県 98 83 71 58 55 4137 39 38 37 34 33 2832 27 22 19 15 17 13 18 7 15 14 10 84 9 4 36 3 1 31 6 31 21 411 6 2 4 2 1 2 1 9 11 1 押 曳 / 曳 重 / 曳兼 船 量 救 用 物 助 船 / 兼 曳 用 兼 船 用 貨 船 物 漁 / 旅 貨 船 客 物 兼 船 用 フ 船 ェ リ 旅 ー 客 給 船 水 土 消 船 砂 防 運 船 搬 フ ル 特 船 コ 殊 ン 船 テ ナ 船 押 自 動 油 船 セ 車 送船 メ 専 ン 用 ト 石 専 船 炭 用 冷 石灰 専 船 凍 石 用 ・冷 専 船 蔵 用 運 船 搬 船 船隻数(隻) 140 船種 図3(b) 東京港沿岸地域に船籍を置く20 トン以上の船舶の船種と船隻数 160 146 140 120 船隻数(隻) 100 80 60 40 24 20 20 13 9 8 0 大阪府 兵庫県 和歌山県 岡山県 香川県 徳島県 都道府県 図4 大阪港沿岸地域の曳船府県別船隻数 25 20 漁船 曳船 貨物船 A 貨物船 B フェリー 時 間 (h) 15 10 s A:100~499トン B:500~799トン 5 0 0 30 60 90 120 150 距離 (mile) 180 210 240 270 図5大阪港までの距離と時間 20 緊急時 船隻数 復興時 小型船舶・ 高速フェリーの活用 15 10 応急時 救助 救援 避難宿泊施設 海上支援拠点 貨物船・ フェリ-の活用 5 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 震災後日数 図6.災害発生後の船舶動向 2) IT技術を用いた船舶航行管 理システム • ① 大規模災害時の避難や物資の海上運搬利用 には、小型船を有効に活用することが必要 である。 • ② 小型船として考えられる漁船やプレジャー ボートなどの船舶には一般的な通信手段を 持たないものも多い。 ③そこで、低コストで簡便に運用できる複数 の海上移動体側(小型船に乗せる)セット と陸上基地局のセットから構成される携帯 型船舶航行管理システムを開発した。 図7 システム構成の概念図 写真1 ハンディGPS(緯度・経度センサ)写真2 トンラシーバ(データ送受信用) 写真3 海上移動体用セット 写真4 ケースにしまったところ 写真5 陸上受信用セット 図8 表示画面の例 3) 港湾災害軽減化に関する研究 ①津波被害が拡大される可能性の高い危険物バー ス及びエネルギー港湾の位置調査を行った。 ②東海地方の港湾と震源地は非常に近いので地震 発生後の緊急出港などはできないことを前提と している。 ③東南海地震でも津波の伝播時間以内の緊急出港 はほぼできない。 ④南海地震では、緊急出港が対応可能な港湾と不 可能な港湾に分類されることがわかった。 図9 西日本太平洋岸の危険物取り扱い港湾の位置 図10 津波による船舶避泊システムの検討フロー 図11 南海地震による津波伝播時間と 船舶の緊急出港時間の関係 4) 防災対応人的シミュレーション システムの開発 ① 緊急時の通信手段をWorld Wide Web で模擬するシステムを開発した。 ② 問題解決にあたる機関の役割を演じ る複数の参加者により、システムを利 用した実験を行い、システムの有効性 を評価した。 図12 システム構成図 表1 役割とグループ 図13 ネットワーク概念図