...

第4編 平成20年度調査結果の概要と今後の調査方針

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

第4編 平成20年度調査結果の概要と今後の調査方針
第4編 平成20年度調査結果の概要と今後の調査方針
調査項目別の平成20年度調査結果の概要及び今後の調査方針について表4-1に示した。
4-1-1
表 4-1(1)
分野
水質
大項目
定期水質調査
中項目
詳細項目
夏 季 、秋 季 、 水 温 、塩 分 、 濁 度 、pH、
冬季調査
DO、Chl.a、BOD、SS
工 事 6年 次 の 環 境 モ ニ タ リ ン グ 調 査 の 概 要 ( そ の 1 )
目的
干潟周辺の一般的な水質環境の
把握
7地 点 ×2潮 時 / 3回
TOC、 T-N、 T-P
干潟周辺の栄養塩の状態を把握
7地 点 ×2潮 時 / 3回
地形
干潟地形調査
地形測量
(陸上部)
航空レ-ザ-計測、
カラ-航空写真撮影
深浅測量
(水中部)
河川横断測量
干潟地形の変化を把握
平 成 20年 度 調 査 結 果 概 要
・D O は 、夏 季 に は 全 地 点( 干 潮 及 び 満 潮 )で 、秋 季 に は 干 潮 時 に 全 地 点 で 、満 潮 時 に
は D、 E地 点 で 環 境 基 準 値 を 下 回 っ た 。
・ B O D は 、 夏 季 に A地 点 で 環 境 基 準 値 を 上 回 っ た 。
・SS、pHは、夏、秋、冬季とも全地点で環境基準値を満足していた。
・過 年 度 調 査 結 果 と 比 較 す る と 、平 成 20年 度 は DOが 夏 季 、冬 季 に や や 低 い 傾 向 を 示 し た 。
・ T -N は 夏 、 秋 、 冬 季 と も 全 地 点 で 環 境 基 準 類 型 Ⅲ ~ Ⅳ に 該 当 す る 値 で あ っ た 。
・ T -P は 夏 、 秋 季 に 全 地 点 で 環 境 基 準 類 型 Ⅲ ~ 該 当 無 し 、 冬 季 は 環 境 基 準 類 型 Ⅱ ~ Ⅲ
に該当する値であった。
・ 過 年 度 調 査 結 果 と 比 較 す る と 、 T -N は 過 年 度 の 範 囲 内 の 値 で あ り 、 T - P は 夏 、 秋
季に過年度より高い値を示した。TOCは概ね過年度の範囲内の値であった。
・ 朔 望 平 均 干 潮 位 に よ る 干 潟 の 面 積 は 、H20.11月 に 約 868,000m 2 、H20.3月 に 約 924,000
m 2 で あ り 、 H20.4月 と 比 べ る と 、 H20.3月 に 増 加 し て い た 。
・ 年 平 均 干 潮 位 に よ る 干 潟 の 面 積 は 、H20.11月 に 約 389,000m 2 、H20.3月 に 約 379,000m
2
で あ り 、 H20.4月 か ら 大 き な 変 化 は み ら れ な か っ た 。
・ 差 分 図 か ら み た 、 H20春 季 - 秋 季 、 H20秋 季 - H21春 季 の 地 形 変 化 は 、 大 半 の 調 査 範 囲
で 変 化 幅 が ±0.3m 以 内 で あ っ た 。
・ 河 口 干 潟 の 干 潟 部 分 ( 干 潮 位 よ り 上 部 の 部 分 ) で は 、 春 → 秋 季 に は 若 干 ( 0.1~ 0.3
基盤
環境
干潟部基盤
環境調査
干潟部分
(陸上部)
夏季、秋季
調査
測位、地盤高計測、
粒度組成、表層微細
粒度※
193地 点 / 2回
※秋季調査のみ
干潟上の生息環境における物理環
境を把握
含 水 比 、 T-S、 AVS、
TOC、 Cl - 濃 度 、 底 生
藻類量
71地 点 / 2回
浅海域河床
底質調査
干潟周辺
対象
夏季、秋季
調査
干潟全域貫入
抵抗調査
干潟部分
(陸上部)
含 水 比 、 T-S、 AVS、
TOC、 Cl - 濃 度 、 底 生
藻類量
9地 点 / 2回
貫入抵抗
71地 点 / 1回
秋季調査
干潟周辺河床域における物理環境
を把握
干潟環境の把握手法における貫入
抵抗値の有効性を検討
m ) の 上 昇 傾 向 、 秋 → 春 季 潮 上 帯 に は 若 干 ( -0.3~ -0.1m ) の 低 下 傾 向 が み ら れ た 。
・干 潟 上 の 潮 間 帯 部 分( 干 潮 位 ~ 満 潮 位 の 間 )の 変 化 幅 は 、概 ね ±0.1m の 範 囲 で あ り 、
変化は小さかった。
・河 口 干 潟 は 砂 分 主 体 で あ り 、住 吉 干 潟 は 河 口 干 潟 に 比 べ て 含 泥 率 が 高 く 泥 分 主 体 で あ
った。
・過 年 度 調 査 結 果 で は 、河 口 干 潟 や 住 吉 干 潟 下 流 側 に お い て 、含 泥 率 が 緩 や か に 低 下 す
る 傾 向 が み ら れ た が 、 平 成 20年 度 は 含 泥 率 の 低 下 傾 向 が 停 滞 し た 。
・地 盤 高 は 過 年 度 調 査 結 果 と ほ ぼ 同 様 で 、河 口 干 潟 の 河 口 寄 り を 除 け ば 、著 し い 変 化 は
みられなかった。
・全 硫 化 物 は 、A V S は 河 口 干 潟 で は 夏 、秋 季 と も に 大 半 の 地 点 が 定 量 下 限 値( 0.01mg/g)
未満であり、住吉干潟ではヨシ原周辺およびヨシ原内の地点で高かった。
・ TOCも 泥 分 主 体 の 住 吉 干 潟 の ヨ シ 原 周 辺 お よ び ヨ シ 原 内 の 地 点 で 高 か っ た 。
・塩 化 物 イ オ ン 濃 度 は 、ほ ぼ 全 地 点 で 0.25% 以 上 の 値 を 示 し 、全 体 的 に 平 成 19年 度 よ り
高かった。
・ 底 生 藻 類 量 は 、 河 口 干 潟 、 住 吉 干 潟 と も に 10mg/m 2 未 満 で 、 夏 季 に 住 吉 干 潟 の ヨ シ 原
周辺で多い傾向を示した。
・含 泥 率 は、右 岸 水 路 部 の橋 脚 付 近 のD、E地 点 で夏 、秋 季 ともに高 く、本 流 部 のC地 点 で秋 季
に高 かった。
・過 年 度 調 査 結 果 同 様 、本 流 部 および右 岸 水 路 部 下 流 では砂 分 主 体 であり、右 岸 水 路 部 の橋
脚 付 近 では泥 分 主 体 であった。
・ 含 水 比 は、夏 、秋 季 ともに本 流 部 のC地 点 で高 かった。
・ 全 硫 化 物 は、秋 季 に右 岸 水 路 部 の橋 脚 付 近 のD、E地 点 で高 かった。
・ A V S は、秋 季 に本 流 部 のB、C地 点 と右 岸 水 路 部 のH地 点 で検 出 され、B地 点 で最 も高 かっ
た。
・ TOCは、夏 季 に本 流 部 のC地 点 、右 岸 水 路 部 のD地 点 で、秋 季 には本 流 部 のB、C、J地 点 で
高 い値 を示 した。
・ 塩 化 物 イオン濃 度 は、夏 、秋 季 とも本 流 部 のC地 点 で高 かった。
・ 底 生 藻 類 量 は、ほぼ全 地 点 で夏 季 より秋 季 で多 かった。
・河 口 干 潟 では、含 泥 率 が5%未 満 の地 点 で値 のバラツキが小 さい傾 向 がみられるが、含 泥 率 が
高 くなると値 のばらつきが大 きく、ヨシ原 付 近 で20㎜以 上 の高 い値 や干 潮 位 付 近 で5㎜未 満 の
低 い値 もみられた。
・ 住 吉 干 潟 では、含 泥 率 が15~50%の下 流 部 では5~10㎜程 度 であり、50%以 上 のヨシ原 内 や
澪 筋 周 辺 では5㎜未 満 と低 かった。
報告書
参照
今後の調査方針
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を 年 4 回( 四 季 )実 施 す る 。
第 3編
第 2章
第 3編
第 3章
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
・深 浅 測 量 は 橋 脚 周 辺 お よ び
河口側右岸寄りの砂州に
着 目 し 、横 断 測 線 を 追 加 し
詳細に測量する。
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
第 3編
第 4章
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
・ 平 成 21年 度 で 調 査 終 了
4-1-2
表 4-1(2)
分野
大項目
鳥類
指標種生息
状況調査
中項目
干潟全域
対象
詳細項目
種 名 、個 体 数 、 群 位 置 、
行 動 、移 動
工 事 6年 次 の 環 境 モ ニ タ リ ン グ 調 査 の 概 要 ( そ の 2 )
目的
鳥類の生息状況を把握
夏 季 、秋 季 、 4エ リ ア / 3回
冬季
飛翔状況調査
繁殖状況調査
架橋予定
地点調査
既設橋地点
調査
夏 季 、秋 季 、
冬季
種 名 、個 体 数 、行 動 目
的、飛翔高度、飛翔
経路
主要対象は
オオヨシキリ
オオヨシキリの 営 巣 位 置 、
営巣地点の高径草本
の茎径・茎高・茎密
度
秋季
底生
生物
指標種調査
表在性底生
動物対象
ヨシ原調査
秋季
定量調査
海藻草類調査
浅海域河床
底質地点での
定量採取
ウモレマメガニ
分布調査
航路における
底生生物採取
調査
2地 点 / 3回
18地 点 / 1回
種名、個体数
168地 点 / 1回
種名、個体数
25地 点 / 1回
種名、個体数
(上位種であるガザ
ミ類対象)
指標種調査
ガザミ採 取
埋在性底生
動物対象
秋季
海藻草類
対象
秋季
干潟周辺
河床域の生
物対象
秋季
希 少 種 (ウモレ
マメガニ)対 象
秋季
みお筋内の
航路対象
夏季
構造物の有無による鳥の飛翔形態
の 把 握 ( P2状 況 変 化 中 )
9地 点 / 1回
種名、個体数
種別湿重量
干潟で繁殖している鳥類の経年変
化を把握
指標種の分布範囲と生息環境の関
係を把握
ヨシ原内での指標種の分布範囲と
生息環境の関係を把握
上位種であるガザミの分布範囲と
生息環境の関係を把握
干 潟 上 の 71地 点 に お け る 底 生 動 物
の生息状況を定量的に把握
71地 点 / 1回
種名、種別湿重量
海藻草類の分布状況を把握
71地 点 / 1回
種名、個体数
種別湿重量
浅海域の底生生物の生息状況を定
量的に把握
6地 点 / 1回
種名、個体数
種別湿重量
ウモレマメガニの生息地の把握
30地 点 / 1回
種名、個体数
種別湿重量
航路内の底質、底生生物の把握
6地 点 / 1回
平 成 20年 度 調 査 結 果 概 要
・主 な 出 現 種 は ハ マ シ ギ 、ダ イ ゼ ン 、シ ロ チ ド リ で あ り 、平 成 20年 度 は ハ マ シ ギ が 減 少
傾向を示し、ダイゼン、シロチドリは過年度とほぼ同程度であった。
・確 認 さ れ た シ ギ 科 、チ ド リ 科 の 鳥 類 は 、平 成 20年 度 は 渡 り 後 期 の 調 査 を 実 施 し て い な
い た め 、例 年 春 季 に 飛 来 す る チ ュ ウ シ ャ ク シ ギ 、ア オ ア シ シ ギ 、コ オ バ シ ギ 、ミ ヤ コ
ドリなどが確認されず、種類数、個体数とも過年度より少なかった。
・エリア別にみると、個体数はエリア②で多く、種類数はエリア①でやや少なかった。
・シ ギ 科 、チ ド リ 科 の 飛 翔 高 度 は 、東 環 状 大 橋 予 定 箇 所 で は 最 も 低 い「 高 度 a」が 多 く 、
吉 野 川 大 橋 で は 最 も 高 い 「 高 度 C」 が 多 か っ た 。
・飛 翔 高 度 が 東 環 状 大 橋 予 定 箇 所 で 低 く 、吉 野 川 大 橋 で 高 い 傾 向 は 、シ ギ 科・チ ド リ 科
ほど明瞭ではないが、他のグループについても確認できた。
・両 調 査 地 点 で の 飛 翔 高 度 に 差 が 認 め ら れ る こ と か ら 、今 後 の 東 環 状 大 橋 予 定 箇 所 で の
調査の際には橋桁建設の進捗にともない今後の飛翔状況の変化について留意する必
要があると考えられる。
・ オ オ ヨ シ キ リ の 営 巣 は 、 住 吉 干 潟 で 9巣 、 河 口 干 潟 で 9巣 確 認 さ れ た 。
・オ オ ヨ シ キ リ の 営 巣 地 は 、周 辺 よ り 地 盤 高 が や や 高 く 、平 均 茎 高 も 高 い 傾 向 が 認 め ら
れる。この傾向は過年度調査結果にも認められる。
報告書
参照ペー
ジ
今後の調査方針
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を実施する。
・年4回(春の渡り2回、秋
の渡り2回)実施
第 3編
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年4回(春の渡り2回、
秋の渡り2回)実施する。
第 5章
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を 年 1 回( 夏 季 の オ オ ヨ シ
キリ巣立ち後)実施する。
・表在性底生動物は、砂分主体である河口干潟ではコメツキガニが最も多く、その他
の出現種としては砂泥域でフトヘナタリガイが、みお筋周辺のやや泥分が高い地域
ではチゴガニが多かった。ヨシ原ではシオマネキ、ヘナタリガイ、ヒロクチカノコ
ガイが確認され、ハクセンシオマネキもヨシ原縁部で局所的に確認された。
・砂泥分が主体の住吉干潟では、ヨシ原縁部でチゴガニが多数確認され、その他の出
現種としては潮間帯の砂泥域でヤマトオサガニが、潮間帯の砂質域ではコメツキガ
ニが多数確認された。ヨシ原ではシオマネキ、ヒロクチカノコガイが確認され、ハ
クセンシオマネキもヨシ原内およびヨシ原縁部の各所で確認された。
・ ヨ シ 原 調 査 で 確 認 さ れ た カ ワ ザ ン シ ョ ウ 類 は 、 4種 類 が 確 認 さ れ 、 カ ワ ザ ン シ ョ ウ 、
ヒラドカワザンショウが多かった。
ガザミ類は、イシガニ、ガザミがカニ籠により採捕された。
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
・定 量 調 査 に よ り 確 認 さ れ た 底 生 動 物 は 、河 口 干 潟 で は 58 種 類 で 、マ ル コ ソ コ エ ビ 属 、
トリウミアカイソモドキ、スナモグリ属等の個体数が多かった。
・ 住 吉 干 潟 で は 45種 類 が 出 現 し 、 エ ド ガ ワ ミ ズ ゴ マ ツ ボ 、 ス ナ モ グ リ 属 等 の 個 体 数 が
多かった。
・海 藻 草 類 の 生 息 は 確 認 さ れ な か っ た 。こ の 原 因 と し て 、平 成 20年 度 は 秋 季 調 査 の み の
実 施 で あ り 、平 成 19年 度 も 秋 季 調 査 で は 出 現 量 が 少 な い こ と 等 か ら 、季 節 的 な 消 長 に
よる影響と考えられる。
・浅 海 域 で 確 認 さ れ た 底 生 動 物 は 58種 類 で あ り 、個 体 数 は ホ ト ト ギ ス ガ イ が 著 し く 多 く 、
ア シ ナ ガ ギ ボ シ イ ソ メ 、 ケ ン サ キ ス ピ オ 、 ス ナ モ グ リ 属 、 Glycera sp.が 多 か っ た 。
・ 湿 重 量 で も ホ ト ト ギ ス ガ イ が 著 し く 多 く 、 次 い で キ サ ゴ 、 Glycera sp.、 ア ラ ム シ ロ
ガイ、アサリが多かった。
・ ウ モ レ マ メ ガ ニ は 、 河 床 域 の 2地 点 で 4個 体 が 確 認 さ れ た 。
・平 成 20年 度 お よ び 過 年 度 の 調 査 結 果 よ り 、ウ モ レ マ メ ガ ニ は 地 盤 高 が 概 ね DL0.0~ -2.
0m 、 含 泥 率 が 概 ね 30% 以 下 の 砂 質 の 地 域 を 好 む 傾 向 が あ る と 考 え ら れ る 。
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
第 3編
第 6章
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
・平 成 19年 度 に 設 定 し た 18地
点 で 平 成 21年 度 も 引 き 続
き 調 査 を 年 2 回( 春 季 、秋
季)実施する。
・P 3 上 流 側 の 周 辺 で 4 ~ 1
0月の期間毎月調査を実
施する。
・本流側は砂質、航路の中央~右岸水路部では砂泥質であった。
・ 優 占 種 は ア サ リ 、 エ ド ガ ワ ミ ズ ゴ マ ツ ボ 、 ア シ ナ ガ ギ ボ シ イ ソ メ 、 Glycera sp.、 ア
ラムシロガイであった。
・ウモレマメガニは本流側の砂質地点3地点で確認された。
4-1-3
表 4-1(3)
分野
魚類
大項目
魚類調査
中項目
上げ潮時と
干潮時に
実施
詳細項目
種名、個体数
工 事 6年 次 の 環 境 モ ニ タ リ ン グ 調 査 の 概 要 ( そ の 3 )
目的
全般的な底生魚類相を把握
71地 点 / 2潮 時 ×1回
秋季
昆虫
昆虫相調査
植性帯別の
定性採集
種名、個体数
全般的な昆虫相を把握
干 潟 全 域 / 2回
9月 、 10月
ルイスハンミョウ調 査
成虫調査
幼虫調査
移動状況
調査※
4~ 10月
※移動状況
は 8月
成虫:目視計数
幼虫:巣坑計数
干 潟 全 域 / 8回
移 動 状 況 : マ-キング
による追跡確認゙
干 潟 全 域 / 1回
指標種であるルイスハンミョウの
分布域の把握
平 成 20年 度 調 査 結 果 概 要
・ 確 認 さ れ た 魚 類 は 、 12 目 27 科 47 種 で あ り 、 河 口 干 潟 で 42 種 、 住 吉 干 潟 で 21 種 、
周辺海域で 8 種確認された。
・ 個 体 数 は 、ヒ メ ハ ゼ が 著 し く 多 く 、そ の 他 は カ タ ク チ イ ワ シ 、シ ロ ギ ス 、ス ジ ハ ゼ A
種 、ト ウ ゴ ロ ウ イ ワ シ 等 が 多 か っ た 。こ の う ち カ タ ク チ イ ワ シ 以 外 は 多 数 の 地 点 で 確
認された。
・ 平 成 19 年 度 に 代 表 種 と し て 選 定 し た ボ ラ 、 セ ス ジ ボ ラ 、 ハ ゼ 類 は 過 年 度 と ほ ぼ 同 様
の地点で出現していた。
・ 魚 類 調 査 で 採 捕 さ れ た 底 生 動 物 は 、 4 門 5 綱 11 目 41 科 69 種 で あ り 、 個 体 数 は 河 口
干 潟 で は エ ビ ジ ャ コ 科 の Crangon uritai 、 ア ラ ム シ ロ ガ イ 、 ア ミ 科 の ア ル ケ オ ミ シ
ス 属 が 多 く 、住 吉 干 潟 で は エ ド ガ ワ ミ ズ ゴ マ ツ ボ 、 Crangon uritai 、シ ラ タ エ ビ 、ア
ラムシロガイ、クルマエビ科が多かった。
・過 年 度 か ら 継 続 し て 河 口・住 吉 両 干 潟 で 継 続 的 に 確 認 さ れ た 魚 類 は 、セ ス ジ ボ ラ 、ボ
ラ、スズキ、ヒイラギ、マハゼ、ヒメハゼの 6 種であった。
・ こ れ ま で の 魚 類 調 査 で 確 認 さ れ た 希 少 な 魚 類 は 17種 で あ り 、 そ の う ち 、 継 続 的 ( 全 7
回 調 査 中 6回 以 上 出 現 )に 確 認 さ れ た 希 少 種 は 、ト ビ ハ ゼ 、チ ク ゼ ン ハ ゼ 、ニ ク ハ ゼ 、
ビ リ ン ゴ 、ス ジ ハ ゼ A種 、ガ ン テ ン イ シ ヨ ウ ジ 、タ ビ ラ ク チ の 7種 で 、特 に 個 体 数 の 減
少傾向等の変化は認められない。
・ 平 成 20年 度 現 地 調 査 の結 果 、17目 185科 477種 の昆 虫 類 が確 認 された。
・ 調 査 月 別 にみると、9月 で多 く330種 類 、10月 では258種 類 であった。
・ 調 査 地 区 別 に み る と 、 河 口 干 潟 374 種 類 、 住 吉 干 潟 ( 中 州 ) 135 種 類 、 住 吉 干 潟 ( グ ラ ン ド
横 )・ 157種 類 であり、面 積 が大 きく植 生 も多 様 である河 口 干 潟 で種 類 数 が多 かった。
・ 植 物 群 落 別 にみると、群 落 依 存 種 数 はヨシ群 落 で46種 類 と最 も多 く、次 いで、コウボウシバ群
落 21種 類 、コウボウムギ群 落 20種 類 、ケカモノハシ群 落 19種 類 であり、利 用 種 の割 合 はセイタ
カアワダチソウ群 落 54.5%、ナルトザワギク群 落 57.9%、ウラギク群 落 61.9%と花 に訪 花 性 昆 虫
類 が集 まる群 落 で高 かった。
・ 平 成 20年 度 現 地 調 査 で確 認 された貴 重 種 は、ルイスハンミョウの他 に、国 のレッドリストに準 絶
滅 危 惧 種 として記 載 されているカメムシ目 のハマベツチカメムシ、ハチ目 のキアシハナダカバチ
モドキが確 認 された。
・平 成 15年 度 から平 成 20年 度 の間 に確 認 された貴 重 種 は、コウチュウ目 オサムシ科 のオオアオミ
ズギワゴミムシ、ウミホソチビゴミムシ、ハンミョウ科 のルイスハンミョウ、ハチ目 ドロバチモドキ科 の
キアシハナダカバチモドキ、カメムシ目 ツチカメムシ科 のハマベツチカメムシの5種 類 であった。
・ 成 虫 は、河 口 干 潟 で4,185個 体 (♂15個 体 、♀8個 体 、不 明 4,162個 体 )が確 認 された。また、
住 吉 干 潟 の中 洲 、グラウンド横 でも27個 体 (♂9個 体 、♀9個 体 、不 明 9個 体 )が確 認 された。
・ 個 体 数 のピークは8月 前 半 にみられ、過 去 最 高 の月 別 個 体 数 を記 録 した。
・ 4㎜以 上 のルイスハンミョウ幼 虫 巣 坑 数 は、4月 に141個 と最 も多 く確 認 された。
・ ハンミョウ類 幼 虫 巣 坑 分 布 状 況 は、地 盤 高 が高 くなった地 点 や植 生 が侵 入 した地 点 で巣 抗 が
減 少 する傾 向 がみられた。含 泥 率 は、約 40%以 下 が生 息 環 境 条 件 を満 足 していると判 断 され
た。
・移 動 状 況 調 査 で は 、平 成 20年 度 ♂100個 体 、♀65個 体 のマーキングを行 ったが、沖 洲 海 岸 、
沖 洲 人 工 海 浜 で確 認 出 来 なかった。
報告書
参照
今後の調査方針
・平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春 季、秋季)実
施する。
第 3編
第 7章
・ 平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年3回実施する。
第 3編
第 8章
・ 平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を 4~ 10月 に 実 施 す る 。
111111は希 少 種 保 護 のため非 公 表
4-1-4
表 4-1(4)
分野
植物
工 事 6年 次 の 環 境 モ ニ タ リ ン グ 調 査 の 概 要 ( そ の 4 )
大項目
植生調査
中項目
植生図作成
コドラ-ト観 察
詳細項目
植生図作成
目的
植生の経年変化を把握
干 潟 全 域 / 1回
秋季
コドラート調 査 、
207地 点 / 1回
植生基盤
環境調査
高茎草本群落
調査
現地計測
室内分析
地盤高計測、
粒度組成
秋季
207地 点 / 1回
現地計測
ヨシ・アイアシ等の
密度、幹径の計測
夏季
43地 点 / 1回
河口域における干潟・海浜依存
種等の指標種と生息基盤環境の
関係を把握
底 生 生 物 ヨ シ 原 調 査 地 点 (43 地
点 )、オ オ ヨ シ キ リ 営 巣 確 認 地 点
(18地 点 )で の 、 ヨ シ 、 ア イ ア シ
等の高茎草本類植物の状況把握
平 成 20年 度 調 査 結 果 概 要
・ 植 生 群 落 は 、 36 群 落 に 区 分 さ れ た 。
・分布状況は過年度とほぼ同様で、ヨシ群落を代表とする塩生植物群落や砂丘植物群
落、またはそれらの混成群落が広く分布している。
・コウボウシバ、ナルトサワギク、オカヒジキの 3 種では分布範囲に拡大がみられて
おり、外来植物であるナルトサワギク(特定外来生物)の拡大は低茎の在来草本類
に対しての生育阻害が懸念される。
・ 平 成 20 年 度 に 確 認 さ れ た 植 物 は 、 河 口 干 潟 105 種 、 住 吉 干 潟 中 洲 10 種 、 住 吉 干 潟
右 岸 側 74 種 、 合 計 43 科 126 種 で あ っ た 。 出 現 種 は 、 シ ダ 植 物 は ス ギ ナ 1 種 、 裸 子
植物はクロマツ 1 種であり、その他は全て被子植物であった。出現種の大半は草本
植 物 で あ り 、 木 本 植 物 は ク ス ノ キ 、 セ ン ダ ン な ど の 14 種 で あ っ た 。
・ イ セ ウ キ ヤ ガ ラ を 含 め 指 標 種 の う ち 10 種 類 が 確 認 さ れ た 。
外 来 種 は 47 種 が 出 現 し 、帰 化 率( 全 出 現 種 に 対 す る 外 来 種 の 比 率 )は 37.3% で あ っ
た。
・特 定 外 来 生 物 は 、3 種( ア レ チ ウ リ 、オ オ キ ン ケ イ ギ ク 、ナ ル ト サ ワ ギ ク )確 認 さ れ 、
要 注 意 外 来 生 物 は 18 種 確 認 さ れ た 。
・ 希 少 種 は 、 イ セ ウ キ ヤ ガ ラ 、 ウ ラ ギ ク の 2種 が 確 認 さ れ た 。
・地 盤 高 で み る と 、砂 丘 生 植 物 の コ ウ ボ ウ シ バ 、ハ マ ヒ ル ガ オ 、ケ カ モ ノ ハ シ 、コ ウ ボ
ウ ム ギ で 分 布 標 高 の 幅 が 広 く 、DL+2.0m ~ DL+4.5m 付 近 に 、塩 生 湿 地 植 物 で は ヨ シ が 、
や や 幅 広 い DL+1.0m ~ DL2.5m 付 近 に 分 布 し た 。
・ 一 方 、 ア イ ア シ 、 ウ ラ ギ ク 、 イ ソ ヤ マ テ ン ツ キ は 分 布 範 囲 が 0.15m ~ 0.3m と 狭 か っ
た。
・ 外 来 種 で は ナ ル ト サ ワ ギ ク の 地 盤 高 分 布 範 囲 が 3.0m と 幅 広 く 、 コ ウ ボ ウ シ バ 、 コ ウ
ボウムギなどの分布標高と重なり、多くの在来種と競合していた。
・含 泥 率 で み る と 、在 来 塩 生 湿 地 植 物 で あ る ヨ シ 、ア イ ア シ 、ウ ラ ギ ク 、イ ソ ヤ マ テ ン
ツ キ の 4種 の 生 息 基 盤 の 平 均 値 が 30~ 55% 程 度 、 砂 丘 生 植 物 で あ る コ ウ ボ ウ シ バ 、 ハ
マ ヒ ル ガ オ 、ケ カ モ ノ ハ シ 、コ ウ ボ ウ ム ギ の 4種 の 生 息 基 盤 の 平 均 値 が 5~ 10% 程 度 で 、
平 均 値 で は 差 が み ら れ る が 、分 布 範 囲 は 重 複 し て い る 。従 っ て 、上 記 の 植 物 に と っ て 、
含泥率は分布の制限因子としては弱いと考えられる。
・ 外 来 種 で は 、 ナ ル ト サ ワ ギ ク の 分 布 範 囲 が 広 く 、 含 泥 率 0~ 40% の 基 盤 に 生 育 し 、 標
高とともに高い適応性を示した。
・地 盤 高 、含 泥 率 の 両 方 か ら 在 来 種 の ヨ シ 、コ ウ ボ ウ シ バ 、ハ マ ヒ ル ガ オ 、ケ カ モ ノ ハ
シ 、コ ウ ボ ウ ム ギ が 、外 来 種 で は ナ ル ト サ ワ ギ ク が 、本 調 査 範 囲 に お い て 広 く 分 布 で
きる植物であることが確認された。
・ 高 茎 草 本 類 植 物 の 計 測 結 果 は 、 茎 数 4.5~ 13本 / 0.0625㎡ 、 平 均 茎 径 3.4~ 6.5㎜ 、 平
均 茎 高 0.5~ 2.5m の 範 囲 に あ っ た 。
・ 高 茎 草 本 種 と し て 計 測 を 行 っ た 種 は ヨ シ 、 ア イ ア シ 、 ヨ モ ギ の 3種 類 で 、 生 息 地 盤 高
の範囲が広いヨシと高い地盤高位置で密度が高いアイアシが優占種であった。
報告書
参照
今後の調査方針
・ 平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春季、秋季)実
施する。
第 3編
第 9章
・ 平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を年2回(春季、秋季)実
施する。
・ 平 成 21年 度 も 引 き 続 き 調 査
を 年 1 回( 夏 季 )実 施 す る 。
4-1-5
Fly UP