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検索エンジンとImpact Factorを使いこなそう

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検索エンジンとImpact Factorを使いこなそう
インパクトファクターを調べるために
平成 21 年 5 月 15 日
創成研究機構 研究支援室作成
はじめに
近年、研究成果を論文にまとめ、科学雑誌に投稿するときに、その雑誌が読まれている
頻度や雑誌の学術的なレベルが知りたい場合、またその他のひとがある研究者の業績を調
べたい場合にインパクトファクターが調べられます。このインパクトファクターは、特定
の計算手法で求められた数値で雑誌の学術的なレベルを知る指標として用いられると同時
に、ある研究者の業績をその分野において評価する場合にも頻繁に用いられます。
これらの情報は北大内では北海道大学付属図書館のウェブサイトから非常に簡便に調べ
ることができます。本紙では次のことについて手順をまとめました。
○
○
○
○
○
○
○
インパクトファクターとは
インパクトファクターを調べるための準備
インパクトファクターの調べ方
インパクトファクターの読み取り方の留意点
(付録1)インパクトファクターを調べるための準備(詳細)
(付録2)その他の便利な検索機能について
(付録3)目的別に検索する場合
1.インパクトファクターとは
インパクトファクターとは、ある雑誌に収録されている各論文が、特定の 1 年間に平均
的にどれくらい引用されたかを示す統計的な数値です。インパクトファクターは Thomson
社が提供する Journal Citation Reports の中で紹介されていて、これは Web of Science
という約 9,300 誌を収録する学術文献・引用索引データベースを基に、
インパクトファクター(2003 年版)= A / B
A=2001~2002 年にある雑誌に掲載された論文が 2003 年中に引用された総被引用回数
B=2001~2002 年にある雑誌が掲載した論文総数
で算出されます。
2.インパクトファクターを調べるための準備
北海道大学附属図書館のウェブサイトから文献検索ツール「Web of Knowledge」を開き
ます(下図)
。
「ISI Web of Knowledge」のページ上部に 4 つのタブがあります。インパクトファクタ
ーの算出に用いられる資料“Journal Citation Reports”が紹介されているのは、この中
の「Additional Resources」です。
-
1 -
「Additional Resources」タブを選択し、
左上に表示される「Analytical Tools」の
「Journal Citation Reports(以下、JCR)」
を使ってインパクトファクターを調べて
いきましょう。
Journal Citation Reports
でインパクトファクターを
調べます。
3.インパクトファクターを調べ方
論文検索「Journal Citation Reports」を起動します。
←JCR トップページ
調べたい出版年を選択し、希望のオプションを選択して submit をクリックします。
出版年を選択します。
上段は自然科学系、
下段は社会科学系。
3つの選択方法があります。
上段は、主題別・出版別・国別より検索。
中段は、特定の雑誌名から検索。
下段は、収録されているすべての雑誌名
のリストから検索する。
絞り込みの条件リストが表示されますので、希望するカテゴリを選択します。このとき、
複数の主題カテゴリを選択することもできます。(Windows の場合は Ctrl キーを、Mac の場
合は Command キーを押しながらクリックします。
)
-
2 -
①「View Journal Data」
②「View Category Data」
選択タブの中に「impact factor」
があります。これを選択すると、
論文雑誌ごとのインパクトファク
ターをすぐに検索することができ
す
選択タブは、どの因子(ABC 順/引用回
数順など)でリストを整理するかを選択
できます。
絞り込みを終えると、図のように検索結果一覧が表示されます。カテゴリに登録されて
いる論文雑誌ごとの Impact Factor や他の指標を知ることができ、また「Total Cited」や
「Impact Factor」などの列は並べ替えをして、ほしい情報を見やすいかたちで整理して読
み取ることができます。
並べ替えの因子は前頁だけではなく、ここでも選択
できます。
※1
※2
「Journal Title」で整
理したときのようす。
因子の列が黄色で塗り
つぶされています。A
~Z のアルファベット
順にソートされたこと
がわかります。
※1
※2
Immediacy Index:論文がどれくらい早く引用されたのかを示した数値
Cited Half-life:論文がどれほど長く引用され続けるのかを示した数値
-
3 -
「 Impact Factor 」 で
整理したときのよう
す。数値の高い順に列
記されます。
雑誌名をクリックすると、さまざまな分析情報が表示されます。
また、雑誌1点ずつの詳細な情報で
はなく、検索結果全体を保存し、印刷
「MARK ALL」
する方法があります。
をクリック
します。
右図の「MARK ALL」を選択し、表示
されている雑誌全てを、保存または印
刷の対象として指定します。
-
4 -
左端の「Mark」列に、レ点(1つでも)を入れると、画面左上に「MARKED LIST」という
新しいボタンが表示されます。
1つ新しいボタン
「MARKED LIST」が増
えます。
レ点が入り、全て選
択されていることが
わかります。
「MARKED LIST」を選択すると、①ファイルに保存する(SAVE TO FILE)、②印刷画面を
表示する(FORMAT FOR PRINT)のボタンが表示されます。
①ファイルに保存する場合
「SAVE TO FILE」を選択し、保存先を指定・保存します。情報はテキストファイルで
すが、区切り文字としてセミコロン(;)がとなる semicolon-delimited 形式で表示され
るようになっており、Microsoft の Excel にインポートすることができます。
保存したファイルを開く際、Excel を指定します。
(注)Excel を指定せずに、テキストファイルと
して開くと右図のようになります。
-
5 -
Excel 表示されると、デフォルトでは下図(右下)のように、列幅は等間隔で雑誌名などの
情報が隠れてしまいます。列幅を変えたり項目ごとにソートし直すことが可能です。適宜
見やすいように整えて下さい。なお、終了の際、整形した状態を記録させるために保存を
しましょう。
※下図は Impact Factor 順にソートして保存しています。
Excel の機能を活用して、
列幅を変えたり、ソート順
を変えたりと情報収集しや
すく加工できます。
デフォルトでは
列幅は等間隔。
②印刷画面を表示する場合
「FORMAT FOR PRINT」を選択すると下図が表示されます。適宜印刷してください。
-
6 -
4.インパクトファクターの読み取り方の留意点
インパクトファクターは、近年評価などの判断指標のひとつとなってきました。しかし、
たとえば次のような留意点があります。
■インパクトファクターは、雑誌に収録されている全論文に対する引用論文の情報を総合
して生まれた数値であるため、雑誌に収録されている個々の論文の品質や特定著者の研
究の優劣について判断することはできません。
■特定分野のコミュニティ以外で、雑誌がどれだけ読まれ議論されているかは判断でき
ません。
■論文の引用には、建設的な情報として引用される場合と、結果などに対して批判的な見
解を示すために引用される場合とがあります。したがって、必ずしも引用回数が多いこ
とは重要度を示してはいません。
■分野によって研究者数は異なっています。小さなコミュニティでは引用回数自体が低い
ことも考えられ、異分野間のインパクトファクターを同じ土俵で比べることは相応しく
ありません。
■発表から 3 年以上経って脚光を浴びる場合も当然あります。こうした論文が収録されて
いる雑誌のインパクトファクターは相対的に低くなります。
ここに挙げた事柄以外にも、留意点や有意義な活用方法があると思います。本紙では基本
的な調べ方に着目してまとめておりますが、引用文献をたどって研究の展開などにも着目
し、自身の研究の長期目標の設定などに活かしていただけたら幸いです。
(付録1)インパクトファクターを調べる準備
北海道大学附属図書館では、学術的なデータベースをまとめて HP 上で「学術文献データ
ベース」というページを設け、学内から自由にアクセスできるように整備しています。
インパクトファクターを調べるには、北海道大学附属図書館の HP から検索しましょう。
北海道大学のトップページから附
属図書館 HP をひらくことができま
「学術文献デー
タベース」を選択
します。
本紙では、広範な
データベースを
網羅している「全
分野」を選択し、
使い方を紹介し
ています。
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7 -
「学術文献データベース」タブを選択し、次にひらかれるページ中の「全分野(文献書
誌・抄録・索引)」を選択すると、多数の文献引用情報が表示されます。この中から「Web of
Science」もしくは「Web of Knowledge」を選択します。
Web of Science の情報は ISI Web of Knowledge というデータベースからもアクセス可能
です。これも Thomson 社が提供しているもので、Web of Science などの学術データベース
をサポートする統合的なプラットフォームとして各大学等に広く普及しています。
(付録2)その他の便利な検索機能について
論文検索は①All Databases、②Web of Science のどちらの検索エンジンでも可能です。
①検索エンジン「All Databases」を用いて検索する場合
検索エンジン「All Databases」
を開いたときの様子。
絞 り 込 み 方 法 は 「 Web of
Science」よりも簡略的にな
ります。
(年指定のみ)
②検索エンジン「Web of Science」を用いて調べる場合
検索エンジン「Web of Science」
を開いたときの様子。
「Search for:」の検索方法は All
Databases エンジンを使っても同
じ。
AND、OR、NOT から該当するもの
選び、検索フィールド間の関係付
けをします。
入力方法について(例:aurora)
aur*
⇒ 語尾変化無制限
auror? ⇒ 語尾変化1文字
auror$ ⇒ 語尾変化がないもしくは1文字
-
8 -
①、②どちらを用いた場合も検索結果は下図のように表示されます。
(ただし、①、②図で橙色で囲んだ部分
や、ヒットする件数などは①のほう
が多数の雑誌の情報をひろうために多く表示される傾向があります。
)
(付録3)目的別に検索する場合
検索エンジン「All Databases」を使った検索方法を紹介します。
○ キーワードを入力して絞り込んでいく方法
○ 検索結果をダウンロードする方法
○ 引用回数をすばやくチェックする方法
キーワードを入力して絞り込んでいく
(1)関連キーワードを追加していきます。前項で紹介したキーワード入力欄に「aurora」
と入力し、検索項目は「Topic」を選択しました。
「aurora」というキーワード
で検索してみました。
「Refine Results」で更に条件を
絞り込みます。
この図中では、左側に「Refine Results」という絞込み条件を追加できるようにさまざ
まな絞込み項目が挙げられています。
さらにキーワードを追加して検索してみました。(ヒット件数が減少しました。)
絞り込んだ結果が表示されます。
件数も 4,750 件から 208 件まで絞りこまれました。
絞り込んだ条件⇒
-
9 -
(2)数語からなるキーワードが含まれている論文を一覧する方法もあります。
キーワード(数語からなる文章)を
入力します。
(1)で入力した aurora
の前に絞込み情報を付加しました。
当てはまるものを選択
タブより選びます。
1 単語で検索する場合よ
りも、ぐっと絞り込まれ
ました。
検索結果をダウンロード
検索結果は、テキストファイルとしてダウンロードできます。これを開く際に Microsoft
の Excel 形式にすると、並べ替えや表、グラフ化することができて便利です。
208 件がヒット
しました。
ページを下にスクロールして
いくと、下方に次図のような
表示方法を絞込むための欄が
出てきます。
保存先を選択タブから指定
します。WinOS の場合は、こ
れを選択し「Save」をクリッ
クします。
例えば 1~5 件までを
指定します。
ダウンロードした savedrecs.txt を Excel で開くとこのようになります。
※上述のとおり、列幅は見やすいように調整可能です。
-
10 -
引用回数をすばやくチェック
特定の論文が何度引用されたかを調べることが目的の場合、調べたいタイトル名を検索
欄に入力し、選択タブから「Title」を選ぶことで調べたい論文にたどり着くことができま
す。表示された論文のタイトルをクリックすると、その論文に関する情報一覧および引用
回数が表示されます。
引用回数が表示
されます。
著者名や要旨をは
じめ、収録情報が一
覧できます。
【参考文献】
北海道大学附属図書館発行資料集(H19 年度版)
Web of Science 簡易マニュアル(Thomson 社製作配布資料)
http://www.thomsonscientific.jp/products/wos/support.shtml
(Web of Science サポートセンター)
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