...

今月号の詳細をみる(2.8MB)

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

今月号の詳細をみる(2.8MB)
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
平成 26 年度 夏季酪農大学開催に110名参加
県内酪農家の生産意欲の高揚や経営技術の向上
を目的に、 去る8月25日(月)、 らくのうマザーズ
において平成26年度夏季酪農大学が開催されまし
た。
主 催
共 催
熊本県酪農青壮年部協議会
熊本県酪農女性部協議会
らくのうマザーズ
公益社団法人熊本県畜産協会
今年度の講師には、 酪農教育ファーム推進委員
会九州地区委員長を務められており、 酪農家の生
き様に感銘を受け、 酪農家の応援団と自認する尾
場瀬優一先生 (鹿児島市立喜入小学校校長) をお
迎えしました。
教育者の立場から、 酪農体験学習を通して子供
達に生きること、 命の大切さを教え続けている活
動や農業大国フランスの教育ファームの事例など
の紹介をして頂き、 また、 牛乳の価値を訴え酪農
の理解者を増やす為にも教育ファームの応援団に
なってほしいと講演して頂きました。
○
講師:尾場瀬 優一 先生
お 詫 び
MOTHER'S 8月号の4ページ 平成25年度優秀賞受賞者名簿の中で、
JA熊本市の(有)米満PUBLIC WORKSを(有)米満PUBULIC WORKSと掲載しており
ました。
お詫びして訂正致します。
―1―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
ミルカー点検のすすめ
生産本部 指導部 営農推進課
村上
聡
夕・朝の搾乳の度に利用されている搾乳機械
は酪農家にとって三種の神器といっても過言で
はないと思います。 その搾乳機械が、 うまく動
いているか皆さんは点検等はされていますか?
動くからと安心されていると、 思わぬところで
損をなされているかもしれません!
ミルカー点検実施率
68.1%
LPM
ခ࢘ထ๵ෳ‫ܨ‬ၾ͂ఘळ༾41ྔոષ‫ࣣڬ‬
ဒဉ̱̈́
73/9&
ྜ(61.0%)
ྰ(39.0%)
5
10
15
20
25 kPa
※真空2系統搾乳システムを除く
牛群平均:4,000−7,500㌔
●3HP
●5HP
●7HP
●10HP
(北海道乳質改善協議会)
牛群平均:7,000−9,500㌔
1,000+85n(n=ユニット数)
・例:4台使用では、 335㍑/台程度
約900㍑/分
1,500
2,000−2,500
2,000−2,500
皆さんが搾乳に利用されている施設内容に適合した真空ポン
プは、 県内では6割程度の方しかおられません。 ポンプ能力が
低いと搾乳時間が延びることによる過搾乳やそれに伴う乳頭口
の傷みにより、 乳房炎感染リスクも飛躍的に高くなります。 ま
た、 泌乳ホルモンをうまく利用できないことによる搾乳ロスが
5%程度あるとも言われています。 試算すると1年間でなんと
約18日分の乳量を損していることになります。
搾乳中のユニット脱落をイメージした点検内容に1
ユニット解放時のレシーバージャーにおける真空圧低
下測定があります。 その結果とH24年7∼10月の平均
体細胞を検証すると、 高い相関があるようには見えま
せんでした。 しかし、 真空圧低下が1kPa∼4.4kPaの
範囲にあった方が体細胞は低い傾向にはあるようです。
ˍξΣΛΠٜ༶শ͈૯ߗգ೩‫͂ئ‬ఘळ༾ତ͈
໦ື
<1.0kPa
>=2.0kPa, <4.5kPa
(2.25kw)
(3.75kw)
(5.25kw)
(7.5kw)
H24年度のミルカー点検データを見ると、 約59.0%の搾乳施
設で真空ポンプの能力不足と判定されています。 しかし、 H24,
25年の2ヶ年でポンプを更新されたのはわずか30戸 (14.5%)
でした。
<2005年4月以降、 新規設置されるミルカー>
┿✵ᅽపୗ
n=163
④で搾乳に必要とされる真空ポンプ能力について触
れましたが、 もう少し分かり易くすると次のようにな
ります。
パイプラインの場合1,000㍑+85n㍑となりますので、
必然的に5HP (3.75kw) 以上の真空ポンプが必要と
言うことなります。
60n+150㍑(n=ユニット数)
※最低480㍑以上
・例:4台使用では、 120㍑/台程度
n=351
ဒဉ̜ͤ
48/3&
※真空2系統搾乳システムを除く
乳牛の遺伝改良とともに、 個体能力も牛群平均能力
もこの30年で大きく変化しています。 皆さんの牛舎に
も10,000kg/年以上搾れる個体が1頭以上はいると思
います。 牛の能力変化に見合うよう真空ポンプ能力も
次のように変更されています。
<1992年以前>
H25年度
真空ポンプは、 年数が経つとポンプ内部の部品が摩
耗し、 本来の能力を維持できなくなります。 それに加
え、 配管等から大量のエアー漏れがあると、 搾乳中に
安定した真空圧を供給できなくなる為、 搾乳中に乳房
炎に感染するリスクが増えるようです。
૯ߗεϋί͈ˡˮ௶೰౵͂
2ξΣΛΠٜ༶শ͈૯ߗգ೩‫߸۾͈ئ‬
0
53.1%
H24年度
事業参加者の多かったH24年度のデータを用いて真
空ポンプの能力評価を行うと、 搾乳に利用できる有効
予備排気量が十分にない場合、 ユニット落下などのア
クシデント時に真空圧が大きく変化し、 クロー内圧が
10kPa以上変化すると乳房炎感染リスクが高まります。
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
平成24年度より、 「ミルカー点検」 及び 「機器改善
事業」 に取り組んでいますが、 思いの外実施率は高い
ものではありません。 ちなみに7月∼10月の暑熱期に
おける県内の平均体細胞数はH24年 (24.8万)、 H25
年 (25.7万) でした。
┿✵ᅽపୗ
ᖹᆒ䠯䠟䠟
<1.0
>=1.0 , <2.0
>=2.0 , <4.5
>=4.5
24.5୓
22.3୓
22.9୓
24.9୓
搾乳システムが与える乳房炎への影響は少なくありませんが、
搾乳手技や牛床環境等が複雑に絡み合っているのが乳房炎です。
乳房炎で悩まれている方は、 まずは助成事業を活用したミルカー
点検をされることをオススメいたします。 営農推進課でもいろ
いろな取り組みをしておりますのでご相談下さい。
>=1.0kPa, <2.0kPa
>=4.5kPa
※真空2系統搾乳システムを除く
―2―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
牛の肥満度、 調べてみませんか?
生産本部指導部 技術課
まだまだ暑い日が続いていますが、 皆さんいか
がお過ごしでしょうか。 今年は昨年よりも雨が多
く気温もそこまで上がっていないようにも感じま
すが、 まだまだ油断は禁物です。 8月から9月に
かけては分娩ラッシュが本格的になってきており、
それに伴うケトーシスや第四胃変位などの周産期
疾病の数も増えてきています。
周産期疾病を引き起こす一つの要因として、 分
娩時の太りすぎが挙げられます。 乳牛は泌乳のた
めに大量のエネルギーが必要となるので、 分娩後
肝臓に体中の体脂肪を動員します。 このとき、 太っ
ている牛では一気に肝臓に脂肪が動員されるため、
処理しきれずに脂肪が肝臓に蓄積してしまいます。
その結果、 脂肪肝になって餌を食わなくなり、 ケ
トーシスや第四胃変位を引き起こすリスクが高く
なります。
分娩時に太った状態にしないためには、 泌乳後
期から乾乳期にかけての飼養管理が重要だと言わ
れています。 この時期の乳牛の体型を適正にでき
れば、 周産期疾病の数も減り分娩後のリスクも減
少します。 しかし、 牛舎の牛たちが本当に適正な
体型なのかどうかは、 何らかの基準がなければ判
断できません。 そこで今回は、 乳牛の体型を評価
する方法の一つであるボディコンディションスコ
ア (BCS) についてお話ししたいと思います。
佑
5.0
(太りすぎ)
4.0
B
C
S
3.0
(普通)
2.0
1.0
(痩せすぎ)
乾乳
分娩
70日
乾乳
図1 泌乳時期によるBCSの変動
図2
○
宮原
BCS判定のチェック部位
ボディコンディションスコア(BCS)とは?
BCSは牛の体型を具体的に数値化することで、
牛群のエネルギー状態を評価する手法です。 牛を
実際に見て触ることでBCSを判定するので、 特別
な道具は必要ありません。 そのため、 やり方さえ
分かれば誰でも手軽に自分の牛群の体型とおおま
かなエネルギー状態を判断することができます。
BCSは1.0∼5.0の間を0.25刻み17段階で評価し、
数字が小さくなるほど痩せ気味、 大きくなるほど
太り気味になります。 一般的には2.0以下で痩せ
すぎ (エネルギー不足)、 4.0以上だと太りすぎ
(エネルギー過剰) の状態だと判断します。 (図1)
BCSの評価は牛が立っている状態で腰角や座骨、
靭帯などの見え方を順番にチェックしながら行い
ます。 (図2)
BCSの結果を解釈する際に重要なのは、 1頭1
頭が太っているかどうかではなく、 乳期によって
どのようにBCSが変化しているかを見極めること
です。 体型の変化をグラフなどに表すことで、 牛
群のエネルギー管理がうまくいっているかどうか
を判断することができます。 牛群のエネルギー管
理が適正に行われれば、 周産期疾病の予防や繁殖
障害の改善にも繋がります。 道具もいらず簡単な
方法ですので、 牛群管理方法の一つとして活用さ
れてみてはいかがでしょうか。
BCSによる体型管理のポイント
○
―3―
・乳量がピークになる時期でも2.5以上を保つ。
・泌乳最盛期から中期、 後期にかけて緩やかに増加する。
・乾乳時は3.25∼3.5で、 乾乳中はBCSを減少させない。
・分娩前後でBCSを1.0以上変化させない。
(BCS1.0単位=体重換算で約50∼60kg)
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
・U型⇒3.0より上→②へ
・両方はっきり見える→BCS=3.25
・一方がはっきり、 もう片方が少し見える→BCS=3.5
・一方が少し見え、 もう片方が見えない→BCS=3.75
・両方見えない→BCS=4.0以上
・V形⇒3.0以下→③へ
・両方丸く、 皮膚をつまむことができる→BCS=3.0
・一方が丸く、 もう一方は角張っている→BCS=2.75
・両方角張っていて、
皮膚をつまめない→BCS=2.5以下→④へ
背骨のてっぺんから横突起の先端までの長さに対して、
溝の長さが
1/4以下→BCS=2.50
半分∼2/3くらい→BCS=2.25
3/4以上→BCS=2.00以下
―4―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
上で、 克服しなくてはならない重要
な問題となっています。
こうした中、 最近、 我が国の生乳
生産量は減少傾向で推移しており、
これが続くこととなれば、 国民が必
要とする牛乳・乳製品を、 今後、 自
国で賄えなくなってしまう可能性もあり、 国産乳製品
の安定かつ十分な供給という面では、 今や危機的な状
況にあると言われています。
このため、 国でも県でも、 足腰の強い酪農、 つまり、
自給飼料や乳牛、 人といった酪農の生産基盤を維持・
強化するための方策として、 自給飼料の生産拡大のた
めの支援や、 後継牛を確保するための支援、 さらには、
酪農の後継者に対する支援を従来よりかなり手厚くす
ること等によって、 生産者の所得を確保するとともに、
生産量をなんとか回復軌道に乗せようと懸命に努めて
いるところです。
ただ、 自戒の念を込めて申し上げると、 せっかく措
置した補助事業について、 「手続きの面からすると、
補助事業を活用しにくい」、 「補助事業の目的が実態に
即していないので活用できない」 「もっと将来的な視
点から施策を考えてほしい」 といったマイナスの反響
が生産現場から聞かれた場合、 行政としては、 なんと
もやるせない思いになるだけならまだしも、 補助事業
の所期の目的を達成することが覚束ないこととなって
しまうのです。
そうした現場の実態と行政の思惑との乖離を来さな
いためには、 国でも県でも、 (時には、 行政から、 課
題の解決をみなさんにお願いすることもあります!)
酪農家の皆様や、 時にはご家族の皆様から話を聞く、
現場に行ってしっかりと状況を確認する等、 基本的な
ことですが、 酪農家の皆さんとの対話を通じた意思疎
通を図るとともに、 その場しのぎの対策ではない、 よ
り長期的な視点をもった理念ある施策を講じていくこ
とが重要だと考えています。
ところで、 熊本県の酪農家の皆様は、 霞が関の農林
水産省に積極的に赴いて、 我が国の酪農のあり方も含
め、 かなり熱心に意見交換をされ、 また、 農林水産省
からも研修として、 職員を農場やご家庭に受け入れ、
現場をより知ってもらうことによって、 逆に行政を育
てるという取り組みも行っていると聞いております。
皆様方におかれましては、 是非、 こうした取り組み
を継続いただき、 現在の酪農家はもちろん、 後代の酪
農家が夢をもって経営できるような酪農環境について、
消費者の視点も念頭に置きながら、 関係者とともに熱
く議論していってほしいと思います。
明日の酪農のためには、 今が正念場です。 ともに頑
張りましょう!
― コラム ―
ともに頑張りましょう!
酪農家の皆様とそのご家族の皆様におかれましては、
日頃より熊本県政、 とりわけ畜産行政に多大なるご理
解とご協力を賜っておりますこと、 この場を借りて厚
く御礼申し上げます。
御誌MOTHER'Sには、 私が熊本にきてから3年足
らずの短い間に、 お話しをさせていただいたことのあ
る酪農家の方々が毎月の表紙を飾られており、 そうし
た一面を見ることをいつも心待ちにしておりましたと
ころ、 先日、 らくのうマザーズ指導課のK氏から、 ま
ことに光栄なことに、 (当方が県庁職員であるにもか
かわらず、) コラムへの寄稿を依頼いただいたので、
せっかくの機会ですから、 駄文と相成りますことを前
提に、 快諾させていただいた次第です。
K氏からは、 「酪農と行政に関係することについて
の寄稿をお願いします。 酪農家が元気が出るようなも
のを!」 という依頼だったのですが、 本日は、 俗吏と
しての自戒の念をお披瀝させていただいて、 まことに
勝手ながら、 依頼内容に代えさせていただきます。
さて、 私は、 生まれも育ちも北海道北部の片田舎、
周りは田んぼだらけの農業地帯出身ですが、 その近く
の田んぼの隣には、 (いまも健在です!) 一軒の酪農
家があって、 (何も入っていない) 一升瓶をそこに持っ
て行き、 「お願いします」 と言うと、 (見るからに怖そ
うな!) 酪農家さんが、 「おう」 と言って一升瓶を受
け取り、 しばらくすると牛舎の奥のほうから牛乳でいっ
ぱいになった瓶を片手に、 意外に小さな声で、 「ちゃ
んと沸かしてから飲めよ」 と言って、 ニコリともせず
に返してくれた記憶があります。 そして、 その見るか
らに怖い酪農家さんに言われたとおりに沸かして飲ん
だ牛乳の美味しかったことを、 30年以上経った今でも
忘れることはありません。
その平和に見えた30数年前から現在まで、 酪農とそ
れを取り巻く環境は、 経済の国際化を含む国家施策の
舵取りに大きく左右され、 皆様も喜怒哀楽をご経験さ
れてきたことと存じます。
特に、 近年の経済状況による需給の変動、 後継者不
足と生産者の高齢化、 飼料価格高騰と経営の不安定化、
貿易の更なる自由化に向けた議論等々については、 酪
農家の皆さんにとって、 古くて新しい大きな課題とし
て存在しているものと思いますが、 それらは、 もちろ
ん行政にとっても同じであり、 いまや国民食の一つで
ある牛乳・乳製品の安定的な国内生産を確保していく
熊本県農林水産部生産局畜産課
昭和46年北海道生まれ、 小樽商科大学経済学科 (農業経済) 卒業。
平成11年農林水産省入省、 家畜改良センター新冠牧場、 農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課、 畜
産振興課等を経て、 平成24年に熊本県庁へ出向、 現在に至る。
―5―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
去る9月1日(月)、 熊本ホテルキャッスルにお
方が園を訪れています。
当日の講演では、 現代医療の発達 (携帯電話の
いて、 熊本県専業酪農経営者協議会 (東敏則会長)
主催による、 毎年恒例の 「専業酪農女性の広場」
テレビ通話で診察を行う等)、 その医療の診療代、
が開催されました。
その医療は本当の患者の病状を見抜けるのかといっ
この女性の広場は、 専業酪農女性の日頃の労を
た、 生命よりもお金や利益が優先される問題につ
労うことを目的に、 年に一度開催されており、 酪
いて話されました。 他にも、 養生園が設置してい
農現場で働く女性にとっては楽しみの一つとなっ
る農園で作物を無農薬・無肥料で育て訪問者にふ
ています。
るまっている話、 飼っていた愛馬の死の話等、
今回の講師は、 公立菊池養生園診療所名誉園長
「医は食に、 食は農に、 農は自然に学べ」 を信条
の竹熊宜孝先生。 竹熊先生は、 「食育」をさらに発
としている竹熊先生の一時間の講演はあっという
展させた「食農育」の普及・啓発に尽力し、 継続的
間でした。
に活動されています。 昭和9年生まれで今年80歳
また、 女性の広場のもう一つの楽しみとなって
になられますが、 まだまだ身体は衰えることなく、
いる懇親会では、 サンバダンサーのマサシさんに
講演の依頼があった際は休日などを利用して全国
よるサンバダンスが披露され、 本格的な衣装とリ
各地へ出かけ、 ユーモアたっぷりの養生説法を行っ
ズミカルな動きに皆さん魅了されました。 また、
ています。 また、 先生の養生説法を聞くために、
美味しい中華の懐石料理に舌鼓を打ち、 懇親を深
九州各地、 全国各地、 時には海外から毎年多くの
めていました。
懇親会風景
講師:竹熊
宜孝 先生
(公立菊池養生園診療所
名誉園長)
講演会風景
―6―
懇親会風景
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
輸入粗飼料の情勢
H26.9月号 (H26年8月情勢)
北米西海岸での労使交渉に進展は見られず、 最悪の場合ストによる各港の閉鎖も懸念されていたが、 米国全体
北米コンテナ船
の経済に与える影響も考慮し、 協約がない状態でも港湾作業を通常通り行うことが発表された。 しかしながら、
フレート
予断を許さない状況に変わりはなく、 緊張感は続くものとみられる。
ビートパルプ
【米国産】14年産作付が終了。 産地では初期の生育期に降雨が続いたため、 単収が例年より少なくなることが
予想されている。 かねてから欧州の引合いが強く、 中国産の輸出向けがゼロとなっていることから、 産地価格
は堅調に推移している。
【中国産】13年産の作付面積は前年よりも減少しており、 国内向け需要もさらに増えている模様。 輸出数量は
ほぼゼロで推移するという予想が多数を占める。
【ワシントン産】産地では2番刈の収穫が終了し、 3番刈の収穫が進む。 雨当たり被害は1番刈で10%程度、
2番刈も20%程度で、 全般的にドライ気味な品質の仕上がり。 産地価格は高騰しているが、 米国内酪農家の積
極的な買付により余剰はあまりない見込み。
【オレゴン産】産地では2番刈の収穫が進む。 雨当たり被害はクラマスフォールズの1番刈で5%以下、 2番
刈で10∼20%となったが、 クリスマスバレーは1番刈の50%、 2番刈の60%と差が見られる。 両産地とも1番
刈のノーレイン品の品質は良好と伝えられているが、 カリフォルニア州内酪農家からの引合いが強く、 産地価
格は非常に高値で推移している。
【ユタ産】2番刈の収穫が終盤を迎えている。 雨当たり被害は1番刈はほぼ無かったが、 2番刈は一部あった
模様。
アルファルファ 【ネバダ産】2番刈の収穫が終了。 1番刈で40∼50%、 2番刈で50%程度の雨当たり被害が発生した。 干ばつ
の影響で農業用水が不足し、 シーズン途中で終了する圃場も出てくることが懸念される。
【北カリフォルニア産】産地では3番刈の収穫が終了。 4番刈の収穫が始まっているが、 色あせがみられるス
タックが多くなっている模様。 干ばつの影響を最も受けている地域で、 シーズン途中で収穫を終了する圃場も
多く出てくることが懸念される。
【インペリアルバレー産】14年産作付面積は前年比105%。 産地では4番刈の収穫が終了し、 一部では5番刈
の収穫が始まっているが、 種取り用の圃場も見られることから、 今後生産量は減少する見込み。 産地価格は軟
化傾向にあるとも伝えられているが、 一般的に成分・品質が落ちるサマーヘイと呼ばれる発生が中心となるこ
とが大きな理由。 中国向けは高い産地価格も許容され始めたのか、 コンスタントに輸入されている一方で、 U
AEはスペインや南アフリカ、 エジプト等から輸入をしているとも伝えられている。
チモシー
【米国産】産地では1番刈の収穫が終了。 今年は作柄も良く、 価格が軟化傾向と伝えられていたが、 日本向け
の強い引合いを受けて、 一転して値上がりしているのが現状。 14年産についても、 費用対効果のある価格帯で
はなくなっているため、 引き続き他草種への移行も検討する必要があると思われる。
【カナダ産】レスブリッジでは1番刈の収穫がほぼ終了。 収穫期の天候に恵まれず、 プレミアム品の発生は限
定的となっている。 クレモナでは、 収穫が30%程度の進捗。 収穫を終えた圃場ではプレミアム品も発生してい
るようだが、 8月上旬に天候が崩れたため、 その後は収穫が一時中断されているとも伝えられている。
【インペリアルバレー産】小麦の作付面積が減少したことから、 早播きスーダンの作付面積は増加した。 2回
目の収穫が可能な早播きが増えていることから、 生産量は昨年よりも増加すると予想されている。 産地では、
1番刈の収穫が終了し、 早播き2番刈と遅播きの収穫が進むが、 雨当たり被害が発生している模様。 温暖な気
スーダン
候のため、 昨年より10日から2週間早い進捗。 早播き1番刈りは茎サイズのバラつきがあまりなく、 前半戦は
過去3∼4年で最高の作柄と言われているが、 色抜け品・ライトカラー品の発生は少ない傾向。
14年産は、 生産量が多いにも関わらずサプライヤーが積極的に買付けたため、 産地価格は昨年よりも高値で推
移している。 小麦収穫後の遅播きは、 小麦の作付面積が減少したことにより、 生産量の減少は見込まれていた
が、、 雨当たり被害により良品の発生も少ない見込みとなった。 一方で、 日本向けの引合いは引き続き強く、
今後も産地価格は堅調に推移すると予想される。
クレイングラス
バミューダ
インペリアルバレーの7/15時点での作付面積は前年対比98%。 現在3番刈の収穫が終盤戦を迎えているが、
3番刈、 4番刈の一部で雨当たり被害が発生している模様。 産地価格は、 韓国・日本向け共に引合いが強く、
堅調に推移していると伝えらえれている。 それでも禾本科牧草の中では相対的に割安感があるため、 チモシー
やスーダンからの切り替えも有益であると思われる。
インペリアルバレーの7/15時点での作付面積は、 前年対比96%。 例年1番刈は種取り用圃場が中心で、 ヘイ
の生産は2番刈以降が中心となり、 14年産では8月上旬から本格的に始まることが見込まれているが、 8月2、
3日でインペリアルバレー全域で降雨があったことから作付への影響が懸念される。
―7―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
14年産の米国産ストロー類の作付面積は昨年よりも増加する見込み。 トールフェスクは収穫が終了。 ペレニア
ストロー類
ルライグラスは7月上旬から収穫が始まり、 5割程度の進捗だが、 雨当たり被害が発生している模様。 米国産
ストローは予想よりも引合いが伸びていないとも伝えられる。
13年産は、 雨当たり被害はあるものの大半が軽い雨で済んでいるため、 ハイグレード品は限定的で、 見た目が
きれいなローグレード品が多く発生している。 ハイグレード品の価格は強含みで推移しているものの、 中間・
ローグレードの価格は弱含みで推移しており、 日本・韓国・中国向け全て荷動きが順調。 中間グレードを中心
オーツヘイ
に15年への繰越在庫が多数発生する見込みだったが、 予想より余剰感はなくなりつつある。
産地では14年産の播種が終了。 どの産地でも4−5月に降雨があり、 土壌水分に大きな問題はないと言われて
いるが、 オーツヘイより播種時期が早く、 安定的な収益が見込める小麦やキャノーラの作付が増えていること
から、 14年産作付面積は10%以上も減少していると予想されている。
原料情勢
2014.9月号
【13/14年産】作付面積95.4百万(前月95.4百万) エーカー、 単収158.8 (158.8) bu/エーカー、 生産量139億2,500
8月12日発表
米国農務省
万 (139億2,500万) bu、 総需要量136億 (135億3,500万) bu、 期末在庫11億8,100万 (12億4,600万) bu、 在庫率
8.7 (9.2) %。
トウモロコシ
【14/15年産】作付面積91.6百万 (前月91.6百万) エーカー、 単収167.4(165.3)bu/エーカー、 生産量140億3,200
需給予想
万 (138億6,000万) bu、 総需要量134億3,500万 (133億3,500万) bu、 期末在庫18億800万 (18億100万) bu、 在
庫率13.5 (13.5) %。
6月後半から値下げが続くシカゴ相場は、 米国産地での良好な天気により下降トレンドが継続。 ウクライナ
トウモロコシ
相場動向
の情勢不安から一時価格が上昇したが、 米国産地での乾燥懸念が払拭され豊作期待が高まり、 軟調に推移し
360¢台の値動き。 今後も生育にとって最適な冷涼湿潤の気候が続く見通しのため、 再び下落ムードが盛り上
がる可能性もあるものの、 ウクライナの情勢不安等で穀物輸出に支障が生じるとの懸念から、 さらなる下落
は難しいと思われる。
8月12日発表
【13/14年産】需給両面で減少があり、 期末在庫1億4,000万 (1億4,000万) bu、 在庫率4.2 (4.1) %
米国農務省
大豆需給予想
【14/15年産】供給面での増加を受け、 期末在庫4億3,000万 (4億1,500万) bu、 在庫率12.1 (11.7) %
シカゴ大豆相場は、 トウモロコシ同様に豊作予想で、 天候にも恵まれ値下げが続く。 国産大豆粕について、
生産量は例年並み。 比較的安価な輸入品に需要がシフトし余剰感があったが、 現在は落ち着きを取り戻して
大豆粕相場動向 いる。 また、 輸入品は4−6月期の輸入量が前年比20t増となり、 国産からの移行が顕著となっている。 主な
輸入元である中国では、 US産原料大豆の輸送コスト上昇が見込まれており、 価格は堅調に推移するものと思
われる。
国産フスマの発生量は減少しているが、 豚PED等の影響により需要も減退しており、 需給バランスは取れて
いる。 春に懸念されていた内航船不足は根本的には解決しておらず、 遠隔地での受け渡しに影響が出る可能
糟糠類
性がある。
グルテンフィードの発生量は増加。 フスマ同様に豚PEDの影響を受け飼料需要は低調なことから若干の余剰
感がある。 今後は、 発生量の減少が見込まれること、 内航船確保が難しくなることから価格の上昇には注意
が必要。
海上運賃
中国向け鉄鉱石の荷動きの増加、 米国穀物輸出ピークに向けた稼働可能船腹の需要の高まりを受け、 各船会
社とも強気姿勢を崩しておらず、 日本への海上運賃は小幅に上昇。 今後も上昇する可能性がある。
―8―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
牧場の婚活
ミルキーツアーi
n 阿蘇
8月23日、24日に酪農家の独身男性14名と一般女性12名によ
る牧場の婚活を開催しました。
女性参加者は熊本交通センターに集合し、鹿本酪農協の宮本
るみさんから、「私は酪農家に嫁いで幸せになりました。みな
さんも頑張ってください。」と激励を頂きました。
男性参加者は青壮年部の岩見委員長に激励を頂き、スタッフ
から女性を迎え入れるための心がけ、ポイント、トークのたし
宮本るみさんから激励
なみ、NG行為のレクチャーを受けました。
対面後、バスで阿蘇神社に行き縁結び成就を祈願、神社周辺
の散策で運気を高め、水基巡りへ。散策後、阿蘇ビラパークホ
テルへ移動し、らくのうマザーズ吉田会長の挨拶と乾杯でパー
ティーが始まり、ゲーム等で盛り上がりました。
翌日は阿蘇ミルク牧場で酪農体験やチーズ作り体験等で懇親
を深めました。
スタッフによるレクチャー
― 16 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
若干名
年齢35歳まで、 経験者優遇、 普通自動車免許資格取得者
熊本県の酪農地帯
搾乳、 飼料給与、 牛舎清掃など
面接時に詳細を説明します。
履歴書を下記住所まで送付して下さい。
追って、 面接日をお知らせします。
〒861-8041 熊本市東区戸島5丁目10番15号
熊本県酪農ヘルパー利用組合
お問い合わせは、
TEL
(担当:田中)
― 17 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
熊本の酪農家直営工場として操業した熊本工場は今年で40周年を迎えました。
これまでの“ありがとう♥”の気持ちを込めて、平成26年10月1日(水)か
ら11月30日(日)の2ヶ月間、プレゼントキャンペーンを行います。
【応募方法】
らくのう牛乳他、キャンペーン対象商品の一括表示欄5リットル分を一口とし
て封書でご応募ください。(1通の封筒に一口)
。また、封筒の裏面に必ず、ご希
望のコース・郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を明記してください。
詳しくは、らくのうマザーズホームページにて10月よりご紹介します。
また、10月11日(土)には、阿蘇ミルク牧場にて
感謝祭「ハートふるふるフェスタ」を開催。
地元タレント『おがっち』に会場を盛り上げてもら
い秋の一日を楽しんでいただくイベントです。あの熊
本の“人気者”も朝から応援に来てくれます。ぜひ、
ご来場ください。
― 18 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
― 19 ―
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
乳業だより
お客様に優しい商品開発をめざして
製品開発部 東 智美
私が所属する製品
開発部では、新商品
の開発や既存商品の
リニューアル、表示
の見直し等、様々な
業務を営業部門や製
造部門と連携を図り
ながら、日々取り組
んでいます。
たくさんのアイディアの中から、商品化に向け
て開発に取り組みます。
開発中はイメージ通りにならないことも多々あ
りますが、満足いくまで何度も試作やデザインの
ブラッシュアップを繰り返します。無事に商品と
なったところで営業へバトンタッチし、ほっとす
るのも束の間、また新たな新商品に向けて取り組
み始めます。
また、味やデザインだけでなく、容器について
も検討を行います。お客様相談にLL1000mlパック
の取り扱い方についてご質問があったことから、
女性職員のメンバーによる新製品開発チーム会議
にて「どうしたらこぼれないか?使いやすいか?」
と話しながら、いくつものアイディアを出し合い、
何回も開け閉めを繰り返しました。議論を重ね、8
月に発売した「らくのう低脂肪乳」より取り扱い
方を商品パッケージの側面へ記載することになり
ました。
お客様に優しい取り扱い方まで含めて「商品」
だと考えていますので、少しでも使いやすくなっ
たと思って頂けると嬉しく思います。
このように引き上げることがポイントです
昭和52年9月6日
第三種郵便物認可
プロフィール
九州の中央に位置し、 平成24年4月1日に政
令指定都市へ移行。 緑豊かな自然環境に恵まれ
た 「森の都」、 また豊富な地下水や湧水群など
を称えて 「水の都」 とも呼ばれ、 酪農を始め、
畜産業が盛んな熊本市東区の吉村牧場。
祖父が庭先で酪農を開始。 昭和40年代後半、
父・正三 (まさみ) さんが移転し、 後に32頭繋
ぎから44頭繋ぎへ。 平成10年、 方晴さんが就農
する。 現在は経産牛48頭、 育成牛40頭を飼養し
ている。
祖父と父の背中を見てきたこと、 自分でスケ
ジュールを立てて仕事ができることに魅力を感
じ、 方晴さんは酪農を継ごうと決意、 吉村牧場
の後継者となる。 基本的な作業は正三さんから、
高度な技術は乳量も改良も全国トップレベルだっ
た熊本市の酪農家や熊本市同志会の先輩から丁
寧に教わった。
現在、 熊本県乳牛改良同志会の役員を務めて
いるため、 熊本県の乳牛改良に貢献していきた
いと方晴さん。 同志会役員で県内の優良農家を
視察する機会が増え、 見習うところがたくさん
あり、 取り入れられるものは取り入れていこう
としている。 以前、 乳量を追い求めすぎて牛を
だめにしてしまった経験があるため、 乳量も追
い求めながら牛をだめにせず、 経営的に良いパ
フォーマンスをすることがこれからの目標であ
る。
方晴さんが餌作りや搾乳等の全般的な作業を
担っており、 正三さんが畑仕事、 母・悦子さん
が搾乳、 亜由未さんは子育てに専念し出来る範
囲で作業の手伝いをしている。 牧場にはキャリ
ロボ (搾乳ユニット自動搬送装置) をつけてお
り、 時間に余裕ができるため、 方晴さんは趣味
のロードレース (自転車) や子ども達に接する
時間を作っているとのことだった。
文晴 (ふみはる) くん (7才)、 瑠里 (るり)
ちゃん (5才)、 公晴 (きみはる) くん (3才)、
友晴 (ともはる) くん (7ヶ月) の4人の子ど
もにも恵まれ、 サッカー好きな子ども達はいつ
もボール蹴りをしているそう。 休日の牧場は実
に賑やか。 家族全員で明るく、 楽しく、 仲良く
酪農に励む吉村家である。
写真左より、 亜由未さん、 友晴くん、
文晴くん、 瑠里ちゃん、 公晴くん、 方晴さん
― 21 ―
① 硫酸マグネシウムを新たに添加しました。
・硫酸マグネシウムに含まれるS(イオウ)は、 ルーメン微生物のタンパク合成
に不可欠と言われています。
・S(イオウ)によりイオンバランスを整え、 分娩後の低カルシウム血症を予防
します。
② マグネシウムを増量しました。
・Mg(マグネシウム)は、 K(カリウム)と拮抗作用があり、 分娩後の低カルシウ
ム血症を予防します。
各種お問い合わせは、
購買課/全酪連までご連絡ください。
(TEL:
-
-
)
Fly UP