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国立市環境基本計画 素案第2章(PDF:1.6MB)

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国立市環境基本計画 素案第2章(PDF:1.6MB)
資
第2章
料
2
現状と課題
1 市の概況
1)位置と地勢
本市は、東京都の中央部にあって、東が府中市、西が立川市、北が国分寺市、南が多
摩川をはさんで日野市と接しています。面積が8.15平方キロメートル、長さが東西2.3
キロメートル、南北3.7キロメートルと、三多摩で二番目に小さな街です。
地形は、海抜標高が北部82メ
ートル、南部62メートルとなっ
本市
ており南北で20メートルの差
がありますが、JR南武線北側
にある立川段丘崖と甲州街道南
側にある青柳段丘崖によって、
ほぼ平坦な3つの地域(立川段
丘、青柳段丘、多摩川沖積低地)
図 2-1-1
に分けることができます。
本市の位置
出典:国土交通省
国分寺市
立川市
府中市
A’
図 2-1-2
A
地形特性図
出典:国立市緑の基本計画(平成 15 年)
1
2)沿革
本市は、南部と北部で大きく異なった歴史的経過があります。南部の谷保地区は開発
の歴史が古く、旧家が多い地域でしたが、都市化の進展とともに農地が後退し、徐々に
景観を変えています。北部は、大正末期以降、計画的に開発された地域で、学園・住宅
地に加え、商業地区もあります。北部と南部の中間にある富士見台地区は、昭和40年
から開発された地区で、住宅団地を中心に公園・図書館・体育館・芸術小ホール等が整
備され、市役所もこの地区に位置します。本市の領域を大まかに分けると上記3つの地
区に分けられ、周辺の隣接する4市と、交通や発達の過程を通じて深い関わりもって現
在に至っています。
図 2-1-3
市街地形成の変遷
出典:国立市緑の基本計画(平成 15 年)
2
3)人口
本市の人口は、2012年(平成24年)1月1日現在74,511人(外国人登録者を含む)
となっており、ここ10年間で微増しています。今後は、住宅の建築状況、市の地域特
性等を加味すると、2020年(平成32年)前後まで人口は微増し、その後、緩やかに
減少すると推計されます。
また、高齢化率(65歳以上の人口の割合)は、2011年(平成23年)1月1日現在、
19.1%となっており、2025年(平成37年)には23.2%前後まで高まると見込まれ
ています。これまでも、少子高齢化は大きな課題とされてきましたが、今後は今まで以
上に進むものと考えられ、これによってさらに一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が
増えることが考えられます。
76,000 人前後で推移
74,511 人
図 2-1-4
本市の人口推移と今後の推計
出典:国立市総合基本計画(平成 23 年)を一部改変
23.2%
19.1%
図 2-1-5
本市の年少・老年人口推移と今後の推計
出典:国立市総合基本計画(平成 23 年)
3
田
畑
2.0% 5.8%
4)土地利用
平成23年における本市の地目別土地利用状況
その他
25.9%
の推移を見ると、宅地の割合が最も高く62%を
占めており、次いで畑(約6%)となっています。
雑種地
4.0%
過去10年間では、大きな変化がありませんが、
宅地
62.0%
山林
0.3%
宅地面積が微増しており、田・畑・山林が減少
しています。
図 2-1-6
地目別土地利用状況(平成 23 年)
出典:統計くにたち
単位:千㎡
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
H14
H15
H16
田
畑
図 2-1-7
5)産業
H17
H18
宅地
H19
H20
山林
雑種地
H21
H22
H23
その他
地目別土地利用状況の推移
出典:統計くにたち
本市における就業者数は約29,000人であり、そのほとんど(約94%)が第3次産業
に従事しています。第1次産業の農業では高齢化などにより自給的農家が増えており、
就業者数は減少傾向にあります。
また、近年の商業における年間販売額を見ると、平成16年に減少していますが、平
成19年には持ち直しています。
第1次産業
0.0%
第2次産業
6.5%
第3次産業
93.5%
年間販売額:百万円
就業者数:人
就業者
200,000
10,000
160,000
8,000
120,000
6,000
80,000
4,000
40,000
2,000
0
0
H14
H16
年間販売額
図 2-1-8
産業構造別就業者数割合
(平成 23 年)
出典:統計くにたち
図 2-1-9
H19
従業者数
年間販売額及び就業者数の推移(商業)
出典:統計くにたち
4
6)財政状況
我が国の経済は、復興財源の捻出や急速な円高進行、雇用情勢の悪化など大変厳しい
状況が続いています。本市においても、家庭におけるエンゲル係数ともいえる経常収支
比率が平成14年以降からほぼ連続して100%を超える状態が続いており、厳しい台所
事情といえます。この要因としては、国民健康保険や下水道などの特別会計への繰出金
や扶助費の大幅な伸びが財政を圧迫し、市税等の歳入額の増加に呼応して歳出額も増加
していることがあげられます。実際に平成23年度一般会計当初予算においては、財政
調整基金(いざというときのための貯金)の取崩し、赤字地方債の発行を計上している
ことを考慮すると、「収支均衡」にはほど遠い状況が続いています。この赤字地方債の
借り入れによる財政運営は、将来世代に納めてもらう税を今の世代が使ってしまってい
ることになります。
120
110
(
比
率
100
)
%
90
80
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
年度
26市平均
図 2-1-10
本市と三多摩 26 市の経常収支比率の比較
27
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
50
45
10
H21
40
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21
年度
歳入決算額
歳入決算額の伸び率
55
十 12
億
円
11
年度
歳出決算額
歳出決算額の伸び率
図 2-1-11
市税決算額
本市の決算額の推移
5
歳出にしめる市税の割合
割
合
%
)
19
60
)
20
%
)
)
十
億 22
円 21
65
14
決
算
額 13
(
23
伸
び
率
70
(
(
26
決
25
算
額 24
15
(
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
H13
国立市
2 環境の現状と課題
1)環境に対する意識(アンケート調査)
(1)市民
【調査概要】
調査目的
「環境基本計画」の策定にあたり、日常生活で気になる環境や心がけている行動、市へ
の要望を把握し、計画策定のための基礎資料とします。
調査対象
市内在住の18歳以上の男女1, 000名を無作為に抽出
調査方法
郵送配布、郵送回収
調査期間
平成24年1月5日~1月16日
回収率
配布数:1, 000票
回収数:433票
回収率:43. 3%
<属性>
●回答者は、年齢「50代」以上が全体の約6割であり、「20年以上」市内に住んでい
る方が全体の約半数を占めています。居住地は北地区が1割、東中西地区が4割、富
士見台地区と南部地区で各25%となっています。
●回答者の約半数が「1戸建て住宅」にお住まいであり、世帯人員は「2~3人」が約6
割と多くなっています(1人暮らしの回答者も約2割近くとなっています)。
<世代>
⑦65歳
以上
28.2%
⑥60~
64歳
11.5%
①10代
1.6%
<居住地域>
②20代
6.1%
③30代
14.8%
④40代
20.0%
⑤50代
17.6%
⑨石田
⑧青柳 0.7%
6.1%
<世帯人員>
⑩矢川
2.1%
⑥ 6人
①北
11.7%
⑦泉
2.1%
2.3%
⑤ 5人
4.7%
②東
16.7%
⑥谷保
12.7%
⑦ 7人以上
1.4%
① 1人
18.3%
④ 4人
17.6%
③中
13.4%
⑤富士見
台
24.4%
③ 3人
④西
10.1%
6
23.2%
② 2人
32.6%
【単
純
集
計】
<気になる環境>
●「住宅、公園、街路樹、農地の緑」が34%と最も多く、緑をはじめとした自然環境
への関心が高いことが伺えます。同率の「放射能対策」の取組も期待されていると
言えます。次いで「違法駐車や放置自転車」、「ポイ捨てや不法投棄」が高くなっ
ており、マナーの向上が求められています。
0%
5%
10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%
3 受動喫煙
4 ダイオキシン類による環境汚染
7 自動車の排気ガスなどによる空気の汚
れ
2 河川、水路の水質や水辺環境
6 畑や田んぼでの農薬などの使用
10 土壌や地下水の汚染
11 工場による臭気
12 野焼きによる臭気
8 自動車や工場などによる騒音、振動
9 航空機等による騒音
14 携帯基地局などの電磁波
15 低周波音などの環境
13 放射能対策
5 放置された空き地、空屋
25 歴史や観光資源等の地域文化の保
護
26 違法駐車や放置自転車
1 住宅、公園、街路樹、農地のみどり
19 スズメバチや毛虫等の発生
20 特定外来種の増加
18 野鳥、昆虫、川魚等、生き物の減少
17 ごみの発生抑制
16 ポイ捨てや不法投棄
24 二酸化炭素等の排出による地球温暖
化
23 オゾン層破壊などの地球規模の環境
22 水資源の枯渇
21 資源・エネルギーの有効利用
27 その他
<国立市の環境>
●8割以上の回答者が「緑が豊かだ」と思っており、約7割の回答者が「公園や花壇な
どが整備された街並みがきれい」「自然と触れ合える場所がある」と思っています。
一方で、「違法駐車・放置自転車が多い」と思う回答者、「太陽光などの自然エネル
ギー利用が進んでいる」と思わない回答者がともに6割以上おり、その他、約半数の
回答者が「ごみの発生抑制が進んでいる」、「学校や地域で環境教育や環境学習が進
んでいる」、「市民や市民団体による環境保全活動が活発である」との問いに「どち
らとも言えない」と回答しており、対策の検討が必要であると言えます。
7
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90% 100%
空気がきれいだ
河川や水路の水がきれい
公園や花壇などが整備され街並みがきれいだ
管理されていない空地・空き家がある
違法駐車・放置自転車が多い
水辺と身近に触れ合える
緑が豊かだ
自然と触れ合える場所がある
野鳥や昆虫などの生き物が身近に見られる
ごみの発生抑制が進んでいる
不法投棄が目につく
太陽光などの自然エネルギー利用が進んでいる
学校や地域で環境教育や環境学習が進んでいる
市民や市民団体による環境保全活動が活発である
そう思う
ややそう思う
どちらとも言えない
あまりそう思わない
そう思わない
<残したい環境>
●「公園・大学通りや崖線等の豊かな緑」と
0% 20% 40% 60% 80%
回答する方が7割以上と圧倒的に多く、次
いで回答が多い順に「水のきれいな湧水や
矢川の清流」が約4割、「野鳥、昆虫、川
魚等の生態系が豊かな緑」が約3割となっ
ており、市民の自然環境への関心の高さが
伺えます。次いで「継承されてきた歴史的
文化的遺産・地域文化」が約3割と比較的
多くなっており、景観を含めた都市環境へ
の関心が高いと言えます。その他では、
「大
気汚染や悪臭がない」、「土壌汚染や地下
水汚染の心配がない」など、生活環境の改
善を望む回答者が2割であり、また「ごみ
の発生抑制、循環型社会が進んでいる」、
「太陽光などの自然エネルギーの活用」な
ど、資源、エネルギーの有効活用を望む回
答者が2割と比較的多くなっています。
8
7 ダイ オキシン 類によ る 環境
汚染の心配がない
4 大気汚染や悪臭がない
6 土壌汚染や地下水汚染の
心配がない
5 騒音振動など が気にならな
い
11 継承されてきた歴史的文
化的遺産・地域文化
3 水のきれいな湧水や矢川の
清流
1 公園・大学通りや崖線等の
豊かな緑
2 農地の保全
9 野鳥、昆虫、川魚等の生態
系が豊かである
8 ごみの発生抑制、循環型社
会が進んでいる
10 太陽光など の自然エネル
ギーの活用
12 その他
<環境に関する日常行動>
●「使った油を流しに流さない」「生ごみの水切りをしている」に約8割、「ごみを分
別している」に9割以上の回答者が「いつも行っている」と回答しており、また同様
に「地域の資源回収に協力している」に約7割の回答者が「いつも行っている」と回
答している一方で、「生ごみの堆肥化」には8割以上の回答者が「行っていない、行
うつもりはない」と回答しており、資源循環の推進方法を検討する必要があると言え
ます。
●省エネ行動としては、「電気をこまめにきる」、「冷蔵庫には買いだめしないように
心がける」行動を行っていると回答した人が8~9割と高くなっており、また同様に
「最寄りの駅までは自転車・徒歩などで行く」、「外出は、マイカーではなく公共交
通機関を利用する」行動に約9割、「自動車のアイドリングをしない」行動に約7割
の人が行っていると回答しており地球温暖化防止に対する意識も高いと言える。水の
利用に関して「節水に心がけている」と回答した人が約9割と高いですが、「雨水の
浸透・利用」については「行っていない、今後も行わない」と回答した人が約9割と
なっており、普及に向けてより一層の対策が必要と言えます。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
洗濯洗剤、シャンプーなどの使用量は控えめにしている
殺虫剤の使用を控える
使った油を流しに流さない
最寄りの駅までは自転車・徒歩などで行く
外出は、マイカーでなく公共交通機関を利用する
家でみどりを育てている
ごみを分別している
生ごみの水切りをしている
地域の資源回収に協力している
買い物袋の持参
生ごみの堆肥化
リサイクル商品など環境負荷の少ない商品の優先的な購入
電気をこまめにきる
冷蔵庫には買いだめしないように心がける
自動車のアイドリングをしない
節水に心がけている
お風呂の残り湯で洗濯
雨水の浸透・利用
いつも行っている
時々行っている
行っていないが今後おこないたい
今後も行わない
<環境の保全に向けた有効策>
●「市民が環境への関心を持つ」と回答した人が約7割と最も多く、「行政、事業者が
主体となって取り組むべき」との選択肢よりも多くなっていることから保全活動への
意欲が高いと言えます。その他「有害化学物質等の情報公開」、「家庭ごみ減量に5
Rで取り組む」ことが有効と回答した人が6割以上となっており、積極的な情報公開
や取組方法の紹介が保全活動に効果的と言えます。
9
【ク
ロ
ス
集
計】
<気になる環境について>
●20代以下の若い世代では、受動喫煙、ポイ捨てや不法投棄、ごみの発生抑制など身
近な問題に関心が高くなっています。60代以上では緑や生き物などの自然環境への
関心が高いことが伺えます。また居住地別では、東地区、中地区、西地区など北部で
違法駐車や放置自転車などの都市環境への関心が高く、泉地区、青柳地区、矢川地区
など南部で緑や水辺環境への関心が高くなっています。
<国立市の環境について>
●10代で「公園などの街並みがきれいだ」と思う人が4割と比較的多くなっています
が、一方で違法駐車や放置自転車が多いと思う人も4割と比較的多くなっています。
また居住地別では石田地区、青柳地区など南部で、「緑が豊かだ」「水辺や自然と身
近に触れ合える」と思う人が6割以上と多くなっていますが、「不法投棄が目に付く」
と思う人も2割と比較的多くなっています。居住年数別では1年未満で「水辺や自然
と触れ合える」と思う人が1割未満少なくなっています。職業別では、農業従事者で
「緑や生き物と身近に触れ合える」と回答する方が4~7割と比較的多くなっていま
すが、会社員や学生では1~3割程度と少なくなっています。また学生の半数が違法
駐車や放置自転車が多いと感じており、同様に6人以上の世帯では4割以上が多いと
感じています。
<残したい大切な環境について>
●30代以下の若い世代で「公園などの緑や生態系の豊かさ」を選択した人が他の世代
よりも比較的多くなっており、特に20代では「歴史的文化的遺産等」を選択した人
が半数以上と多くなっています。居住地別では、泉地区で大気汚染やダイオキシンに
よる汚染を懸念する人が比較的多くなっています。また泉地区、石田地区、矢川地区
の南部で「太陽光等の自然エネルギーの活用」を選択した人が3~4割と比較的多く
なっており、賃貸物件に居住する人でも他の居住形態と同様に2割の人が選択してい
ます。居住年数別では、1年未満の人が大気汚染や騒音振動、土壌や地下水汚染を懸
念する人が比較的多くなっています。
10
<環境に関する日常行動について>
●20代以下の若い世代では「ごみの分別」「使った油を流しに流さない」「生ごみの
水切り」など、ごみ減量や水質保全への行動をいつも行っている人がたの世代よりも
比較的少なくなっていますが、「買い物袋の持参」「電気をこまめにきる」「家で緑
を育てる」の行動については10代で実施している人が多くなっています。
●居住地別では矢川地区で、水質保全や雨水利用などの行動をいつも行っている人が他
の地区と比較して多くなっています。居住年数別では、10年以上の人の半数が家で
緑を育てており、持ち家の人が7割以上と多くなっています。職業別では、各行動に
ついて無職の人でいつも行っている人が多くなっていますが、学生では少なくなって
います。また居住者数で見ると、7人以上の世帯で取り組んでいる人が多く見られま
す。
<環境の保全に向けた有効策について>
●10代で不法投棄やごみ減量への取組が有効であり、そのためには市民団体などの活
発な活動が有効であるとの声が多くなっています。居住地別では、「有害環境物質な
どの環境情報の公開」について、中地区及び西地区では6割の人が有効と回答してい
ますが、同じ北部の北地区及び東地区では2割以下と少なくなっています。農業従事
者の全ての人が不法投棄などの監視・取り締まり強化を求めており、その取組主体と
して行政の積極的な規制・誘導が有効であると約9割の人が回答しています。居住者
数別では、5人以上の世帯で「家庭ごみ減量に5Rで取り組む」を選択した人が約8
割と多くなっており、その取組主体として行政の積極的な規制・誘導が有効であると
6割以上の人が回答しています。
11
(2)事業者
【調査概要】
調査目的
「環境基本計画」の策定にあたり、日ごろ環境に配慮していることや事業者と
しての環境保全への考え方、市への要望等を把握し、計画策定のための基礎資
料とすること
調査対象
市内事業所190者を無作為に抽出
調査方法
郵送配布、郵送回収
調査期間
平成24年1月5日~1月16日
回収率
配布数:190票
回収数:45票
回収率:23. 7%
<属性>
●回答者は、「サービス業」「小売業・卸売業」に従事している人がそろぞれ約2割ず
つとなっています。31年以上営業されている事業所が約6割、3人以下の事業所が約
4割と、小規模で長年営業されている事業所が多いと思われます。
<業種>
<操業年数>
<従業員数>
②製造業(軽
工業), 4%
④30~49人,
2%
③6~10年,
13%
⑦300~499
人, 4%
③小売業・卸
売業, 20%
⑫その他, 31%
④11~20年,
18%
④飲食店, 7%
⑤建設業, 2%
y
①1~3人,
40%
⑥31年以上,
58%
⑤21~30年,
13%
⑥電気・ガス・
熱供給・水道
業, 7%
⑩サービス業,
22%
③10~29人,
29%
②4~9人,
24%
⑨建築・不動
産業, 7%
●環境への配慮に関する具体的な取組について「再生紙使用や紙の使用量削減」「ごみ
発生抑制」はともに約8割以上の事業所で、次いで「エコマーク商品等の購入や使用」、
「事業所での省資源化や省エネルギー化」、「汚染物質を適正に処理」が5~6割の
事業所で取り組まれています。
「自動車から電動自動車に替える」「低公害車利用や自動車使用を控える」では回答者
の40%が「取り組んでいないが今後取り組みたい」としており、今後電動自動車や
低公害車が普及していくことが期待されます。
12
0%
10%
【自然環境】
自然・環境保全団体等の活動に協力
30%
40%
21%
16%
45%
39%
34%
5%
11% 2%
2%
26%
5%
34%
37%
60%
59%
5% 7%
30%
9% 0% 9%
12% 0% 7%
82%
81%
23%
32%
9%
21%
10%
7%
7% 5%
60%
57%
19%
21%
10%
14%
17%
42%
自動車から電動自転車に変える 2%
12%
33%
オゾン層破壊物質などの抑制
9%
12%
16%
環境にやさしい製品・商品の開発、製造
【景観・歴史的文化遺産】
21%
23%
日照阻害のない建物
30%
緑化や建物を周辺環境と調和
29%
45%
16%
40%
2%
53%
63%
2%
21%
53%
2%
40%
取り組んでいないが今後取り組みたい
2%
2%
30%
33%
38%
67%
52%
23%
100%
35%
2%
52%
14%
90%
51%
25%
35%
80%
2%
25%
21%
70%
12%
45%
再生紙使用や紙の使用量削減
ごみ発生抑制
修理、再生しやすい製品・商品の開発や販売
使用済み商品などの回収
【水循環・エネルギー】
取り組んでいる
60%
7%
22%
27%
34%
汚染物質を適正に処理
環境汚染を起こさないものを使用
化学物質や農薬などの土壌汚染防止
【循環型社会】
エコマーク商品等の購入や使用
【公共交通機関】
低公害車利用や自動車使用を控える
50%
33%
20%
開発事業等による自然環境への影響
【生活型公害】
大気汚染の防止
水質汚濁の防止
騒音、振動、悪臭の防止
雨水利用等で節水
省資源や省エネルギーの技術開発
【地球環境】
事業所での省資源化や省エネルギー化
二酸化炭素等の排出量削減
20%
47%
5%
取り組んでいないし、今後取り組む予定もない
23%
該当なし
●事業活動にともなって環境負荷を与える事項について、数値を把握しているか確認し
たところ、車両保有台数や電気・ガスの使用量については約80~90%の事業所が概
数で把握していると回答しています。これに対して、事業活動に伴う二酸化炭素排出
量について把握している事業所は約14%しかありません。これは、経費に影響する
事項はある程度把握しているが、事業活動による環境への影響についてはあまり考慮
していないということがわかります。
13
0%
10%
20%
30%
40%
80%
灯油、軽油、その他燃料の使用量
38.5%
車両の年間走行距離
38.5%
25.6%
20.0%
35.9%
34.1%
12.8%
29.5%
48.7%
23.1%
10.0%
70.0%
40.5%
16.7%
7.9%
21.4%
48.7%
28.2%
100%
20.5%
33.3%
36.4%
水の使用量
90%
31.8%
45.2%
ガス使用量
紙の使用量
70%
10.5%
47.7%
電気使用量
有害化学物質を使用している場合に排出量・移動量
60%
81.6%
車両保有台数
車両の年間燃料消費量
50%
事業活動に伴う二酸化炭素(CO2 排出量) 6.8% 6.8%
42.9%
86.4%
詳細を把握している
概数では把握している
把握していない
0%
●環境問題の考え方・動機付けとしては、「企業の
社会的な責務」と回答した事業所が47%と最も
高く、次いで「コスト削減や利益率の向上」が
38%、「顧客ニーズとして取り組む必要がある」
が31%となっています。このことから、環境へ
の取組は責務であると考えている事業者の割合
が高く、環境と経済の両立の考え方がまだ浸透し
ていないことがわかります。
企業の社会的な責務
コストの削減や利益率の
向上
顧客ニーズとして取り組
む必要がある
取り組んでないし予定も
ない
企業や商品のイメージ
アップ
法令などにより規制され
ているため
新しいビジネスチャンス
であり積極的に
その他
14
20%
40%
60%
(3)教育機関
【調査概要】
調査目的
「環境基本計画」の策定にあたり、日ごろ環境に配慮していることや教育機関
としての環境保全への考え方、市への要望等を把握し、計画策定のための基礎
資料とすることを目的とします。
調査対象
市内の教育機関19箇所
調査方法
郵送配布、郵送回収
調査期間
平成24年1月5日~1月16日
回収率
配布数:19票
回収数:14票
回収率:73. 7%
<属性>
●回答者の施設に従事する職員数は、
「10~29人」
<従業員数>
②4~9
人, 7%
が6割と最も多く、次いで「50~99人」が3割、
「4~9人」及び「30~49人」が各1割弱となっ
⑤50~
99人,
29%
ています。
③10~
29人,
57%
④30~
49人,
7%
●環境への配慮に関する具体的な取組について「再
0%
10% 20%
30%
40%
50% 60%
70%
80% 90% 100%
【自然環境】
43%
自然・環境保全団体等の活動に協力
生紙使用や紙の使用量削減」「ごみ発生抑制」は
開発事業等による自然環境への影響
50%
7%
31%
62%
8%
【生活型公害】
ともに全ての教育機関で取り組まれています。
「自
大気汚染の防止
46%
水質汚濁の防止
動車から電動自動車に替える」では回答者の50%
が「取り組んでいないが今後取り組みたい」とし
54%
43%
43%
14%
騒音、振動、悪臭の防止
79%
汚染物質を適正に処理
21%
71%
環境汚染を起こさないものを使用
29%
79%
化学物質や農薬などの土壌汚染防止
14%
7%
71%
29%
【循環型社会】
ており、今後電動自動車や低公害車が普及してい
71%
エコマーク商品等の購入や使用
再生紙使用や紙の使用量削減
くことが期待されます。
14%
14%
100%
ごみ発生抑制
100%
修理、再生しやすい製品・商品の開発や販売
23%
77%
使用済み商品などの回収
54%
46%
【水循環・エネルギー】
雨水利用等で節水
省資源や省エネルギーの技術開発
36%
8%
29%
36%
77%
15%
【地球環境】
事業所での省資源化や省エネルギー化
77%
自動車から電動自転車に変える
23%
7%
8%
15%
7%
15%
38%
50%
8%
オゾン層破壊物質などの抑制
環境にやさしい製品・商品の開発、製造
8%
62%
二酸化炭素等の排出量削減
33%
62%
86%
【景観・歴史的文化遺産】
日照阻害のない建物
緑化や建物を周辺環境と調和
64%
69%
14%
21%
8%
23%
【公共交通機関】
低公害車利用や自動車使用を控える
15
69%
23%
取り組んでいる
取り組んでいないが今後取り組みたい
取り組んでいないし、今後取り組む予定もない
該当なし
8%
●事業活動にともなって環境負荷を与える事項について、数値を把握しているか確認し
たところ、車両保有台数については約82%、水の使用量については約71%、電気・
ガスの使用量については約64%の教育機関が詳細を把握していると回答しています。
一方、事業活動に伴う二酸化炭素の排出量については約29%に留まり、経費に影響
する事項はある程度把握しているが、事業活動による環境への影響についてはあまり
考慮していないということがわかります。
0%
10%
20%
30%
車両保有台数
40%
50%
60%
70%
80%
90% 100%
81.8%
水の使用量
18.2%
21.4%
71.4%
7.1%
電気使用量
64.3%
21.4%
14.3%
ガス使用量
64.3%
21.4%
14.3%
車両の年間走行距離
60.0%
車両の年間燃料消費量
60.0%
灯油、軽油、その他燃料の使用量
紙の使用量
30.0%
10.0%
50.0%
21.4%
有害化学物質を使用している場合に排出量・移動量
30.0%
10.0%
事業活動に伴う二酸化炭素(CO2 排出量)
28.6%
14.3%
答した教育機関が79%と最も高くなっ
ています。反対に、「専門部署を設置し
ている」が14%と最も低くなっています。
35.7%
57.1%
概数では把握している
0%
地域社会に貢献している
(貢献したい)
環境教育を実施している
(実施したい)
経営方針を定めている
(定めたい)
具体的な目標を定めてい
る(定めたい)
行動マニュアルを定めて
いる(定めたい)
専門部署を設置している
その他
16
16.7%
60.0%
●環境保全の体制や方針については、「地
域社会に貢献している(したい)」と回
30.0%
33.3%
42.9%
詳細を把握している
10.0%
把握していない
20%
40%
60%
80%
100%
●環境問題の考え方・動機付けとしては、
0%
「企業の社会的な責務」と回答した事業
所が約71%と最も高く、次いで「コスト
企業の社会的な責務
削減や利益率の向上」が約50%、「企業
コストの削減や利益率の
向上
や商品のイメージアップ」が36%となっ
ています。このことから、環境への取組
は責務であると考えている教育機関の割
合が高く、環境と経済の両立的な考え方
がまだ浸透していないことがわかります。
企業や商品のイメージ
アップ
顧客ニーズとして取り組
む必要がある
法令などにより規制され
ているため
新しいビジネスチャンス
であり積極的に
取り組んでないし予定も
ない
その他
17
20% 40% 60% 80%
2)環境の現状と課題
■ 生活環境
現
大 気
・大気については、主要地方道20号線において浮遊粒子状汚染物質、ベンゼ
境を保っています。
・光化学スモッグは、都内における注意報が平成14年度から平成22年度まで
毎年発令されており、多摩中部における注意報が平成14年度の15回が最大
であり、直近の平成22年度においても12回と多くなっています。
水 質
・矢川、ママ下湧水、青柳段丘湧水、
3.5
多摩川及び府中用水における近年
3.0
の水質調査結果は、いずれも環境
B
O 2.5
D
2.0
(
基準を下回っています。
・ しかしながら、河川水質に対す
m
g 1.5
/
L 1.0
)
状
ン、二酸化窒素の濃度測定を行っており、いずれも基準値を下回り良好な環
0.5
る市民の認識はあまりきれいで
0.0
H18
はないと考えている割合が高く
なっており、調査結果と市民意
識に差があることがわかります。
H19
H20
①矢川(緑川交差地点)
③矢川(甲州街道上)
⑤矢川(府中用水合流前)
⑦青柳段丘湧水
⑨府中用水
図 2-2-1
H21
H22
②矢川(ちどり橋上)
④矢川(甲州街道下)
⑥ママ下湧水公園
⑧多摩川
基準値
水質調査結果(BOD)
出典:環境保全課
土 壌
・市内においても東京都の環境確保条例に基づいて土壌汚染調査が行われてお
り、汚染が判明した場所は随時対策が取られています。
騒音・振動
・主要道路(甲州街道、大学通り、石田街道)の道路交通騒音・振動調査では、
夜間騒音が要請限度を超えていましたが、日野バイパス等の開通による交通
量の低下や低騒音型舗装の導入などの対策により、平成18年度以降は要請
限度以下となっています。
・カラオケ、飲食店の換気扇、室外機、集合住宅内での隣接住人の生活音等の
日常生活から発生する騒音苦情が多く、問題になっています。
18
課
大 気
・大気環境は、概ね良好な状態を保たれていますが光化学スモッグについて注
題
意報が出るなど高い値となっており、発生抑制に努める必要があります。
・今後も継続的に固定発生源、移動発生源対策に努める必要があります。
水 質
・河川・湧水ともに概ね良好な水質を維持しており、今後もこの環境を維持す
るとともに、さらなる水質改善に努める必要があります。
矢川
ママ下湧水
土 壌
・工場廃業時など、調査義務に従って土壌調査が行われるように、事業者に対
する呼びかけを継続的に行う必要があります。
騒音・振動
・交通騒音・振動の軽減、発生抑制に向けて発生源対策を行うとともに、自動
車利用者や事業への啓発を進めていく必要があります。
・住宅地特有の騒音問題である
90
日常生活に伴う騒音苦情が多
80
2
70
数発生している状況であり、
苦
情
受
付
件
数
これらに対する発生源対策は
もとより、近隣住民への配慮
3
60
30
などの呼びかけを通じた発生
20
抑制を進める必要があります。
10
16
5
6
50
40
4
7
3
1
3
14
3
2
1
6
1
8
48
52
4
5
18
3
7
2
14
3
9
13
4
3
9
2
6
6
57
47
47
53
42
50
50
34
25
0
平成12 13
14
一般
図 2-2-2
19
15
16
建設作業
17
18
19
指定作業場
20
21
工場
騒音発生源別公害苦情受付件数
22
現
臭 気
状
・既存の田畑と新興住宅地が近接している地域が近年増えており、野焼きによ
る臭気に対する苦情件数が多くなっています。なお、野焼きは原則禁止され
ていますが、害虫駆除としての行為等について例外的に認められています。
・飲食店の調理臭気に対する近隣住民の苦情なども発生しています。
有害化学物質
・一部の浅井戸でテトラクロロエチレンなどの有害物質が環境基準を超過して
おり、浄化作業が進められています。
・ダイオキシンに関しては、平成11年度から市内6地点で調査を実施しており、
環境基準を上回る地点はありませんでした。
電磁波
・国は電波防護指針により基準値を定めており、携帯電話基地局から発射され
る電磁波はその基準以下に抑えられています。WHOも国際ガイドラインを
下回る電磁波が健康に悪影響を及ぼす証拠はないとの見解を示しています。
・本市では、携帯電話基地局建設を巡って反対運動が起きて話し合いが進めら
れており、現在も設置されていません。
低周波
・低周波音はすべての人が一律に感じることができないこともあり、特別な問
題として取り扱われず、現在も規制値が示されていません。
・市内では、建設重機や戸建て住宅のヒートポンプ給湯器が原因と考えられる
低周波に対する苦情が住民から寄せられた事例があります。
放射能
・本市においても福島第一原子力発電所事故に起因する放射性物質による影響
が広がりました。新宿のモニタリングポストの放射線量は事故発生直後に高
い数値を示していましたが、現在は事故発生以前の観測値で推移しています。
・本市では、市民からの提案により「くにたち放射能情報連絡会」が立ち上が
り、放射能に関心をもった市民と市が情報交換を行うとともに、これを受け
て市が放射能測定等を実施しています。
・市民アンケート結果では、放射能汚染が気になると回答した人の割合が34%
と高く、また測定体制の充実や情報公開を望む声が多く挙がっています。
20
課
臭 気
・野焼きによる近隣とのトラブルを回避できるよう正確な情報発信に努めると
題
ともに、農家と新興住宅地住民の相互理解に努めるなど、農業における野焼
き対策を充実していく必要があります。
・事業者へ調理臭気の周辺環境への配慮を周知する必要があります。
有害化学物質
・一部地域で見られる地下水汚染の浄
化を進めるとともに、今後も継続的
なモニタリング、事業者への有害化
学物質の管理徹底を呼びかけること
で汚染の未然防止に努める必要があ
ります。
図 2-2-3 地下水の水質調査結果
(テトラクロロエチレン 単位 mg/L)
出典:環境保全課
電磁波
・電磁波に関する詳細な情報について市民に提供していく必要があります。
・携帯基地局建設問題に際しては、建設に関する情報の周知や、住民との合意
形成の方法について検討する必要があります。
低周波
・低周波音問題について啓発するとともに、市民や事業者へ積極的に説明を行
い、問題の解決を進めていく必要があります。
放射能
・外部被ばく及び内部被ばくを防止するため、空間線量の状況や市内の農産物
の検査体制を充実させ、実施結果を公表することが必要です。
・各測定結果をHP上以外でも広く公表することを検討するとともに、国や都
と共に対策に取り組む必要があります。
21
■ 都市環境
現
景 観
・市は、都市景観条例を定めるとともに、都市景観形成基本計画を策定し、こ
状
れらに基づいて本市の景観行政を推進しています。
・大学通りの景観は本市のシンボル道路であり、広幅員の直線的な道路が沿道
の建物と高木の並木、幅広い緑地帯が一体となって魅力的な景観を形成して
います。しかしながら、近年は市内の高層マンション建設や屋外広告物など
による景観への影響が懸念されています。
・大学通りは、平成18年度に都市景観大賞「美しいまちなみ優秀賞」として
選定されました。また、「新東京百景」「環境色彩10選」「新・日本街路
樹100景」「新・東京街路樹10景」にも選ばれています。
・多摩川沖積地と立川段丘の間に形成された青柳段丘崖線は、南部地区を特徴
づける貴重な自然緑地景観を形成しており、線的に連続する段丘崖線は、緑
豊かな樹林を南側から直接眺望することができます。しかしながら、近年、
相続による田畑や山林の減少が著しくなっており、自然環境が比較的豊かな
南部地区の景観が変化する懸念があります。
歴史的文化的遺産
・市は、谷保天満宮をはじめとし、市内の指定・登録文化財及び市所有の文化
財などの保存に努めるとともに、史跡案内板の設置・修繕、文化財の周知を
行っています。
(平成24年4月現在、指定文化財26件、登録文化財54件)。
・くにたち郷土文化館は、郷土の歴史と自然、文化を市民に伝え、次代の人々
に継承する中心施設として活用されています。
交 通
・本市における主要な交通手段としては、鉄道、バスといった公共交通機関の
ほか、自家用車、自転車が挙げられます。
・公共交通不便地域の解消のためのコミュニティバスの導入も行われており、
合わせて高齢者や移動制約者・移動困難者の交通行動を支援する対策が今後
重要な役割を担うと考えられます。
・自転車については、アンケート結果の中で放置自転車対策や交通マナーの改
善、自転車駐車場の増設といった現状の改善を望む意見が多数出ています。
22
課
景 観
・本市は北部の都市的景観、南部の崖線や農地などの自然景観といった多様な
題
景観特性を持っていることから、地域特性に応じたルールづくりを推進する
必要があります。
・都市景観形成条例で定める高層建築
物に関する規制対象地域の範囲や高
さなどについて検討する必要があり
ます。
・屋外広告物の色彩、配置、面積等に
ついて検討する必要があります。
旭通りの屋外広告物の様子
歴史的文化的遺産
・くにたち郷土文化館を拠点として活
用するとともに、指定・登録文化財
であることを示す表示の工夫等、市
内全域の文化財保護と周知を図るこ
とが必要です。
・遺跡保存施設の上手な活用がなされ
ていないので工夫が必要です。
くにたち郷土文化館
交 通
・高齢化に伴った移動困難者の増加が見込まれることから、これらを考慮した
ルート運行ダイヤを確立し、交通不便地域を解消する必要があります。
・自転車専用レーンの設置を求める声や放置自転車が多く見られることから、
自転車利用者のルールづくりやマナー向上への意識啓発が必要です。
・駅を利用する自転車利用者の自転車
駐車場への需要が年々増加している
一方で、放置自転車数にも大きな減
少が見られないことから、自転車駐
車場の新設及び収容台数を増加によ
る利用者の環境整備が必要です。
放置自転車の様子
23
■ 自然環境
現
河川、水路、湧水
状
・市内の主要な河川として、南部地域に多摩川、矢川が流れています。
・府中用水は、身近な親水空間、動植物の生息環境として重要な役割を担って
いますが、不法投棄、水路の維持管理の継続などの問題が懸念されます。
・主な湧水にママ下湧水と谷保天満宮の常盤の清水があります。過去の生活雑
排水や事業所排水による水質汚染も発生しており、浄化が進められています。
・市民の水環境への意識は、比較的高い結果となっていますが、水がきれいで
あるという認識は低くなっています。
緑 地
・人口1人当たり都市公園面積は三多摩で八番目に少ない状況です。
・JR南武線以北の市街地には民有地の樹林地はありません。
・以前の耕地整理では区画が大きく、個々の宅地に緑地を確保するスペースが
ありましたが、現在は相続等により土地の分割が進み1区画の面積が小さく
なり、宅地内での緑地確保が困難になっています。
・南部地区には青柳崖線樹林地や多摩川などの自然空間、屋敷林や用水路と一
体となった農地などの自然環境が現在も残っています。
農 地
・農地は、市民に提供する食物生産と産業の場であり緑地空間としても貴重な
存在ですが、経営上の問題等から減少しています。また、担い手不足の問題
もあり、地域産業としての農業の継続性が懸念されます。
・市民農園は約8,000㎡以上整備され
ていますが、需要がさらにこれを上
回っており、区画数が不足している
状況にあります。
市街地に広がる農地
24
課
河川、水路、湧水
・河川、水路、湧水の特性や歴史などに
題
ついて積極的に情報発信することで、
市民の水環境への意識を高めるとと
もに、水質の改善、水辺環境の保全・
活用を進める必要があります。
・市民参加など水路の維持管理を継続的
にできる仕組みづくりの検討が必要
です。
府中用水
緑 地
・他市と比較しても都市公園の整備率が低い現状を踏まえ、公園の整備を継続
的に進めていく必要があります。
・宅地の面積に合わせた生垣や壁面緑化手法や生垣助成制度等についての情報
を市民に積極的に発信し、民有地の緑化を進めていく必要があります。
・青柳崖線に代表される民有林の重要性などについて情報発信するとともに、
所有者への呼びかけを進め、積極的に保全していく必要があります。
農 地
・持続可能な農業経営を実現するため、農業経営者の育成や用水路の整備など
ハードを中心とした営農環境の整備など営農支援を行う必要があります。
・自然とのふれあい、健康づくりやレク
リエーションの機会として市民農園
に対する需要が高いことから、市民農
園の供給数の増加や体験農業の開催
などを通じて機会を提供する必要が
あります。
矢川沿いの農地
25
現
崖 線
状
・本市には、立川崖線と青柳崖線の2つの崖線があります。しかしながら、立
川崖線は比較的緩やかなことから既にそのほとんどが宅地等に置き換わっ
ており、これに対して青柳崖線は一部を除いて本来の姿を残しています。
・青柳崖線の半分弱を占める私有地は個人の責任で管理が行われることとなり
ますが、現状は十分な維持管理がなされておらず、樹木が巨木化して倒木の
危険などもある状態です。また、崖線の一部には戸建住宅があり、今後新た
な住宅が建設されることによる崖線減少の懸念があります。
・市民アンケートの結果では、「崖線など豊かなみどり」を残したいと回答し
た人の割合が7割となっており、関心が高いことがわかります。
生物多様性
・国は、「生物多様性国家戦略2010」を策定し、生物多様性の状況の分析、
持続可能な利用、社会における主流化等を進めています。
・本市の特に南部地域には、かつて崖線や屋敷林など、コナラ等の落葉樹を主
体とした多くの樹林地(雑木林)があり、堆肥等を作るために林床の植物や
落ち葉が取り除かれるなど管理がなされていました。しかし、現在は日常で
使う資材等として雑木林が利用されなくなったことで植生が大きく変化し、
生育・生息する生き物に影響を与えています。
・緑の基本計画策定時に行われた本市全域を対象とした調査では、特に一橋大
学、城山、多摩川の3箇所を重要定点として調査しており、維持管理の不足
や管理方法の間違えなどによる生物生息環境への影響が懸念されています。
・本市においても多数の外来種の生息
が確認されています。
・ママ下湧水のビオトープなど、市域
には市民と自然が触れ合うことが
できる環境が整備されています。
ママ下湧水公園
26
課
崖 線
題
・私有地の崖線の管理が十分に行われない現状を踏まえ、また崖線の買収には
膨大な費用を要することから、買収だけでなく無償借地などの導入を検討す
る必要があります。
・崖線を保全する際には、植生や生息する動物に配慮した保全、育成を進める
必要があります。
青柳崖線
宅地化された立川崖線
生物多様性
・市域における生物生息状況について、継続的なモニタリング調査を行うとと
もに、その結果を踏まえた計画的な保全に努める必要があります。
・多くの生きものの重要な生息環境となっている樹林地や水田などの水辺の保
全に努めるとともに、継続的な維持管理の仕組みづくりを進める必要があり
ます。
・生物多様性の主流化を進めるため、市民に対する地域環境を活用した啓発活
動を推進する必要があります。
・在来種への影響が懸念されるため外来種対策を進める必要があります。
多摩川の様子
城山の様子
27
■ 資源循環
現
廃棄物、資源
状
・国立市は平成18年に循環型社会形成推進計画を策定し、市民・事業者1人ひ
とりのごみを出す量が、多摩地域で最も少ない「多摩地域のトップランナー」
を目指しています。計画では、第1期(平成18年度~平成22年度)の5年
間で平成12年度に比べ10%削減を目標として取り組んできました。その結
果、目標値874.3gに対して、平成22年度の実績が823.6gと152%の達成
率となりました。また、また埋め立てごみ「ゼロ」に取り組んでおり、平成
22年度に達成しました。
・市では、給食センターから
出される調理残さを利用し
950
900
850
%
800
70%
750
60%
700
を支給しており、参加団体
)
g
50%
力する団体、業者に奨励金
市
民
1
人
当
た
り
排
出
量
(
・集団資源回収について、協
110%
各
処 100%
分
量
の 90%
増
減 80%
)
資源化に取り組んでいます。
1000
(
たたい肥化や、廃食用油の
120%
650
H15
H16
市民1人当たり排出量
粗大ごみ
H17
H18
H20
可燃ごみ
有害ごみ
図 2-2-4
数、支給金額ともに年々増
H19
H21
H22
不燃ごみ(プラスチック類含む)
資源物
ごみ排出量の増減
出典:東京市町村自治調査会
加しています。
水源涵養
・本市では、水循環基本計画を定め、市域内における健全な水循環の保全に向
けて各種施策を推進しています。
・地下水の汚濁負荷量削減のために必要な簡易浸透ます(一般家庭用)の普及
を進めており、市内全域で21,000基設置することを目標としています。平
成22年度末時点では、約8,000基以上が設置されています。
・災害時の生活用水確保のため一般家庭の
井戸を災害対策井戸に指定しています。
・市民の水資源についての意識として、水
資源の枯渇や雨水浸透施設の設置によ
る水源涵養の必要性の認識が低くなっ
ています。
雨水浸透ますの展示(市役所)
28
課
廃棄物、資源
・ごみの適正処理、資源化を今後も継続的に推進するとともに、埋め立てごみ
題
「ゼロ」を今後も継続していくことが必要です。
・食品トレイ、ペットボトルなどの店舗回収を推進するため、市民に啓発する
とともに、EPR認定店(ごみ減量協力店)を増やす必要があります。
・集団資源回収の奨励金支給額が年々増加しているため、使用済み製品を販売
店へ返す(リターン)の推進による資源循環を目指す必要があります。
・食品残さ、廃食用油等のリサイクルを推進する必要があります。
・5Rや各種リサイクルの取組について情報発信するとともに、市民に向けた
ごみ減量効果の公開方法について検討する必要があります。
・タバコやごみのポイ捨て、ペットの排泄物の処理に関して意識啓発を図ると
ともに、必要に応じて条例等による規制を検討する必要があります。
※5R…Reduce(リデュース):ごみになるものを減らします
Reuse(リユース):使い捨てせずにそのままの形状で何度も使います
Repair(リペア):修理。修繕しながら物を大切に使います
Return(リターン):使用済み製品を販売店へ返します
Recycle(リサイクル):原材料として再生して使います
水源涵養
・水源涵養の重要性などについて市民の意識を啓発する必要があります。
・豊富な湧水量を維持していくために、緑地の保全や雨水浸透施設の設置によ
る地下水涵養を図る必要があります。
・歩道、駐車場、公園等でアスファルト舗装をする場合は透水性舗装の採用を
推進する必要があります。
・災害対策用井戸は設置場所や数に
地域格差があるため、地域ごとの
世帯数に対応できる数の井戸を
指定する必要があります。
図 2-2-5
29
市における水収支
■ 地球環境
現
地球温暖化
状
・日本では1990年比で2020年までに25%の温室効果ガスの排出削減を目
標に掲げ、低炭素社会の構築に向けた取組を実施しています。
・国立市は市の全ての事務、事業を対象として、平成23年度に第三期国立市
地球温暖化防止対策実行計画を策定しています。計画では平成11年度を基
準として、平成23年度から平成27年度までの5年間で温室効果ガスの排出
量を12%削減することとを目標としています。
・平成18年度から平成22年度の第二期実行計画期間における実績では、温室
効果ガスの排出量を平均で8%削減しています。また平成22年度においては、
温室効果ガスの排出量を9.9%の削減しており、当初の目標値6%を上回る
ことができました。
エネルギー
・国立市は、東京電力管内の事業所における平成23年7月から9月の最大電力
を平成22年度比15%以上削減の要請に対し、市庁舎をはじめとする市有施
設において7月で25.5%、8月で23.3%の削減を達成しました。
・都市ガスの使用量は工業用で減少している一方で、商業用では増加していま
す。一般家庭やその他の業務用ではほぼ横ばいですが、平成22年度はどの
分野も使用量が増加しています。
・市民の自然エネルギーに対する意識として、市内で導入が進んでいないと考
えている人が多く、また自然エネルギー導入支援要望などが挙がっています。
オゾン層破壊
・国内における主要なオゾン層破壊物質の生産はすでに全廃されていますが、
過去に生産され、冷蔵庫、カーエアコン等の機器の中に充てんされたCFC、
HCFCが相当量残されています。
・特定のフロン使用機器を廃棄するときは、法律に従って行う必要があります。
機器の種類により家電リサイクル法、自動車リサイクル法、フロン回収・破
壊法によって規制されています。
30
課
地球温暖化
題
・市域全体から排出される温室効果ガス排出量を把握するとともに、計画的な
対策の推進を通じて、温室効果ガスの排出削減を進める必要があります。
・今後も化石燃料から電力へのエネルギー源のシフトが進むことによる電力使
用量の増加が懸念されるため、省エネ型の機器や節電への取組が必要です。
エネルギー
・これまで市におけるエネルギー使用抑
制策として主に市の事務・事業につい
て実施してきましたが、今後は市民や
事業者への意識啓発や支援などを行う
必要があります。
・自然エネルギー利用や設備導入の支援
次世代新型空調の太陽熱パネル
(中央図書館)
要望への対応が必要です。
オゾン層破壊
・フロンが使われている機器はフロンの漏出に注意して取扱う必要があります。
・フロン使用機器の修理や廃棄、フロンの回収や破壊は、専門業者に確実に依
頼する必要があります。
表 2-2-1
市が節電対策として実施している取組
施設名
施策内容
屋上に太陽光パネルの設置
電気自動車急速充電器
市庁舎
実施年度
H22
照明のLED化・間引き・消灯
日射遮蔽フィルム貼付
空調設備の適正・断続運転
PCのモニターオフ、スタンバイの自動移行化
中央図書館
次世代型新型空調の導入
夜間蓄熱運転時間の短縮
くにたち福祉会館
自動ドアの一部締切
自動販売機の24時間消灯販売・夜間冷却運転の停止
館内空調運転期間・運転時間の一部短縮
総合体育館
・
芸術小ホール
環境センター
臨時休館の実施
間引き消灯
エレベーターの運転停止
破砕機の稼動抑制
空調・照明の使用制限
31
H23
■ 人づくり
現
環境に関する情報の収集と提供
状
・本市では、市ホームページや市報くにたちを通じて環境関連情報を市民、事
業者等に発信しており、この中では水質や空間線量の測定値などの情報も公
表しています。
・月2回全戸配布する市報において、大気中、水道水、学校給食食材に含まれ
る放射性物質の情報を月1回程度掲載しています。
環境教育、学習
・
「多摩川探検隊」等一般市民向けに自然体験型のイベントを開催しています。
・出前講座「わくわく塾くにたち」で基礎講座を開催しています。
環境保全活動への参加
・市民活動の活性化と地域の発展を目指して「くにたちNPO活動支援室」が
平成16年に開設され、市内団体が集い活動の紹介と情報交換を行う「くに
たちNPO・市民交流会」を年1回実施しています。
・くにたちNPO活動支援室では複数の環境団体が登録されており、市内で環
境保全等の活動に取り組んでいます。
課
環境に関する情報の収集と提供
題
・環境に関する情報を積極的に収集し、公開していく必要があります。
・ソーシャルメディアの活用など、市民の元に届きやすい情報の提供方法につ
いて検討する必要があります。
環境教育、学習
・環境教育・環境学習の場を設けて、市民の環境保全意識の向上を図る必要が
あります。
環境保全活動への参加
・環境保全活動への市民の関心が高いことから、事業者や行政、市民団体の環
境保全への取組活動などを紹介し、各主体とのパートナーシップの形成によ
る協働を促す必要があります。
32
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