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日立金属の鋳物事業の変遷と 鋳物事業存続のための

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日立金属の鋳物事業の変遷と 鋳物事業存続のための
新素形材産業ビジョン策定委員会資料
日立金属の鋳物事業の変遷と
鋳物事業存続のための課題
平成 25年 2月 14日
日立金属(株)事業役員
自動車機器事業部長 松永 昭博
1/15
日立金属 沿革
2/15
創業者 : 鮎川義介氏 年表
■1880年(明治13年):山口県山口市(現在)生まれ
旧制山口高等学校を経て東大機械科に進学、芝浦製鉄所に仕上工として入社
■1906年(明治39年):渡米し、グルド・カプラー社(バッファロー市)、マリアブル・アイアン社(エリー市)
で工員として現場作業に従事
■1907年(明治40年):帰国
■1910年(明治43年):戸畑鋳物株式会社 設立
■1928年(昭和 3年):日本産業(日産)社長就任
■1937年(昭和12年):満州重工業開発(株)初代総裁・相談役就任
■1953年(昭和28年):参議院議員当選
■1956年(昭和31年):当社分離独立
以後、中小企業政治連盟創立(総裁に就任)
岸内閣経済最高顧問などを歴任、
主に政治家として活動
■1966年(昭和41年):死去(享年86歳)
創建当時の戸畑鋳物
と
鮎川氏写真
会社概要
商号
日立金属株式会社 【Hitachi Metals, Ltd.】
設立
1956年(昭和31年)4月10日
資本金
26,284百万円(2012年3月末現在)
代表者
代表取締役 執行役社長 藤井 博行
従業員数
売上高
3/15
日立金属 連結 18,056名(2012年3月末現在)
日立金属 連結 5,569億円(2012年3月期)
1910年
戸畑鋳物株式会社 設立 (鮎川義介)
東洋初の黒心可鍛鋳鉄工場
1917年
帝国鋳物(若松)を吸収合併
1933年
日本産業(株) (自動車製造(株))
日産自動車(株)のルーツ
1934年
安来製鋼所(安来)を吸収合併
1935年 国産工業(株)社名変更
1937年
(株)日立製作所 戸畑工場
(株)日立製作所と合併
1956年
日立金属工業(株) 設立 (分離独立)
戸畑・若松・安来・桑名・深川
1967年
日立金属株式会社へ社名変更
2007年
(株)NEOMAXを合併
2013年
日立電線(株)を合併予定
1922年 木津川製作所(桑名)を吸収合併
住友特殊金属(株)
日立金属 = M&Aの先駆者
4/15
日立金属セグメント 概要
高級機能部品 【高級機能部品カンパニー】
自動車機器事業部
配管機器事業部
設備配管機器
(各種管継手、ステンレス・プラスチック配管機器、冷水供給機器、精密流体制御機器、密閉式膨張用タンク)
日立機材株式会社
高級金属製品 【高級金属カンパニー】
特殊鋼事業部
高級特殊鋼[YSSヤスキハガネ](金型・工具用材料、電子金属材料(ディスプレイ関連材料
半導体等パッケージ材料)産業機器・エレルギー関連材料、剃刃材・刃物材)精密鋳造品
ロール事業部
各種圧延用ロール(鉄鋼・非鉄・非金属)、射出成形機用部品
構造用セラミックス部品、鉄骨構造部品
軟磁性材料事業部
アモルファス金属材料[Metglas®]
日立ツール株式会社
切削工具
高級金属製品
電子・情報部品
高級機能部品
その他及び調整額
電子・情報部品 【電子・情報部品カンパニー】
セグメント別売上高
(2011年度)
NEOMAX事業部
マグネット(希土類磁石[NEOMAX®]・フェライト磁石等各種磁石およびその応用品)
情報部品事業部
情報通信機器用部品(積層部品、アイソレータ)、IT機器用材料・部品、医療機器用材料・部品、ソフトフェライトコア
及びその応用品、ナノ 結晶軟磁性材料[ファインメット®]及びその応用品
アモルファス金属材料[Metglas®]及びその応用品
日立金属の主な鋳物事業
自動車用鋳物
 球状黒鉛鋳鉄(NM)
 耐熱鋳鋼(ハーキュナイト)
 アルミホイール(SCUBA)
鋳物継手
 管継手(瓢箪印)
鋳鉄ロール
 圧延ロール(HINEX)
精密鋳造
 ターボチャージャー用タービンホイール
 コンプレッサーホイール
 ノズルベーン
5/15
6/15
成長の軌跡(自動車用鋳物)
20000
100%
国内生産(耐熱鋳鋼)
海外生産(鋳鉄)
国内生産(鋳鋼)
国内生産(鋳鉄)
海外生産比率
生
産
高
(
t
/
月
)
90%
80%
70% 海
60% 外
生
50%
産
40% 比
30% 率
20%
10%
0
0%
'70
'75
オイルショック
'80
プラザ合意
成長期
'85
'90
'95
バブル崩壊
転換期
'00
'05
ITバブル崩壊
'10
'15
世界金融危機
再生 ⇒ 復活期
1910 戸畑工場(鋳鉄)
1987 工場閉鎖
1973 苅田工場 ⇒ 九州工場(鋳鉄)
2005 鋳鉄工場閉鎖
1988 九州工場 耐熱鋳鋼(Hercunite)生産開始
1975 深川工場移転 ⇒ 真岡工場発足(鋳鉄)
1987 南陽金属(韓国)
1995 ACP ⇒ HMAC(米国)
500
成長の軌跡(鋳造アルミホイール)
海外生産(AAP)
100%
90%
国内生産(熊谷)
80%
海外生産比率
生
産
数
(
千
本
/
月
)
7/15
70% 海
60% 外
生
50%
産
40% 比
30% 率
20%
10%
0
0%
'91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10
バブル崩壊
ITバブル崩壊
世界金融危機
1961 軽合金工場(熊谷) 1980 真岡へアルミ鋳物移管
1975 ブリヂストンと技術提携・自動車用アルミホイール生産開始(15K本/月)
1986 熊谷工場発足
1988 AAP(米国工場)設立・生産開始 1991 新営(150K本)
1990 熊谷工場増設 2002 SCUBA生産開始
2002 熊谷工場 SCUBA生産開始 現在(220K本)
2005 AAP SCUBA生産開始 2008 新営(250K本)
8/15
成長の軌跡(鋳物継手)
4500
45%
海外市場(輸出)
40%
国内市場
35%
海外売上比率
生
産
高
(
t
/
月
)
30% 海
外
25%
売
20% 上
比
15% 率
10%
5%
0
0%
'70
ニクソンショック
'75
'80
オイルショック
'85
プラザ合意
'90
'95
バブル崩壊
'00
ITバブル崩壊
'05
世界金融危機
1937 桑名分工場設立 1945 桑名工場発足 1956 分離独立 1972 事業部制スタート
1927-28 英国・米国・東南アジア 1949 インド輸出再開 1960 西ドイツ 1961キューバへ輸出
1961-1970 3-11Fライン完成
19791Fライン完成
1965 HMA設立 1970 HME設立
1989 WARD買収(北米)
1969 桑部分工場新設、30tキュポラ稼動
1973 SFM資本参加
1998 SFM閉鎖
2001 サイアムOEM契約(タイ)
9/15
成長の軌跡(鋳造ロール)
8000
80%
海外生産
生
産
高
(
t
/
月
)
国内生産
70%
海外生産比率
60%
海
50% 外
40% 生
産
30% 比
率
20%
10%
0
0%
'60
ニクソンショック
'65
'70
オイルショック
'75
'80
貿易摩擦
'85
'90
プラザ合意
'95
'00
バブル崩壊
'05
'10
ITバブル崩壊
1917 帝国鋳物 設立 1956 分離独立
1959 米国・豪州・南アにロール初輸出
1967 遠心鋳造法による熱延ロール生産開始
1977 ロール材として初のハイス材開発(世界初)
1984 HINEXハイスロール製造開始(世界初)
2002 HRT設立(タイ) 2006 BHR設立(中国)
2006 中小型ロール撤退
自動車機器事業部 主要製品
主要製品
排気系耐熱鋳造部品 [ ハーキュナイト®/ HERCUNITE® ]
ハーキュナイト®/HERCUNITE®(Heat Resisting Cast Materials for
Unit of Exhaust Parts)シリーズは、エキゾーストマニホールドや
タービンハウジングなどの排気系部品に使われており、エンジンの高温
燃焼に耐え、燃費の向上と排出ガスのクリーン化に貢献しています
高級ダクタイル鋳鉄製品 [ HNM®, NMS® ]
当社は日本の自動車産業とその歩みをともにしており、その長年にわ
たる技術の深耕と常に最新の設備を追求してきた努力が、高靭性ダク
タイル鋳鉄 HNM®シリーズを生み出しました。その結果が品質の安定
した寸法精度の高い製品に結実し、高い評価を得ています
アルミホイール [ SCUBA® ]
大口径・高意匠アルミホイールSCUBA®(Sharp Styled Casting &
Uncompromised Bright Appearance)は、高精度のCAE技術を駆
使し、デザイン性と軽量化を追求しています
その他アルミニウム部品
半凝固ダイカスト SSM, 高真空ダイカストHIVAC-V
自動車用鍛造部品
10/15
11/15
自動車用鋳物事業の海外拠点
ダクタイル鋳鉄製造拠点
ダクタイル鋳鉄加工拠点
Nam Yang Metals Co., Ltd.
Daegu, Korea
Ductile iron casting
for Exhaust and Suspension
販売拠点
HMA
1995
1987
南陽金属
Hitachi Metals Automotive
Components (HMAC) USA, LLC
Effingham, IL & Wellsboro, PA USA
Machine and assembly
for Exhaust and Suspension
Hitachi Metals America,
Ltd.
Detroit, MI USA
Sales Office
1965
HME
1995
Hitachi Metals Europe GmbH
Dusseldorf, Germany
Milano, Italy
London, England
Paris, France
Sales Office
販売拠点
1970
AAP St. Marys Corp.
Hitachi Metals Automotive
Components (HMAC) USA, LLC
St. Marys, OH USA
Aluminum Road Wheel
Lawrenceville, PA USA
Ductile iron casting for suspension
1987
アルミホイール製造拠点
ダクタイル鋳鉄製造拠点
12/15
自動車用鋳物事業の国内製造拠点
■九州工場:耐熱鋳鋼
福岡県京都郡苅田町
■(株)セイタン:鍛造
新潟県南魚沼市
■熊谷工場:アルミホイール
■(株)アルキャスト:アルミ鋳物
埼玉県熊谷市
■真岡工場:ダクタイル鋳鉄
■(株)アルキャスト:アルミ鋳物
栃木県真岡市
■素材研究所:研究開発
栃木県真岡市
13/15
市場環境の変化と対応(自動車用鋳物)
西暦
’70
’75
時代
’80
成長期
市場環境
ニクソン
ショック
オイル
ショック
生産拠点
2工場
(国内2)
3工場
(国内3)
(海外0)
研究・開発
拠点
主力製品
新材質
新製品
評価技術
’85
’90
’95
’00
’05
転換期
貿易
摩擦
プラザ
合意
3工場
(国内3)
(海外0)
バブル
景気
’10
再生・復活期
金融危機
京都議定書
IT
バブル
3工場
(国内2)
(海外1)
4工場
(国内2)
(海外2)
■’72 鋳物開発センター開設 ■’88 素材研究所設立
■ 生産設備研究所
■ 生産システム研究所
【トラック用】
キャリア・ハブ・ヨーク
サスペンション
【建機部品】
【鉄道用部品】
HNM材 開発
【トラック用】
キャリア・サス関係
【乗用車用】
キャリア・ブレーキ部品
クランクシャフト
【乗用車用】
サスペンション
キャリア・エキマニ
【トラック用】
サスペンション関係
ミッションケース
【乗用車・トラック用】
サスペンション部品
【Gasoline・Diesel用】
排気系部品
F5N・A3N・A5N材開発
HNM600CM・480M
A3K・F2K・F5K材開発
鋳鉄製サスペンション・クランクシャフト
耐熱鋳鋼製エキマニ・タービンハウジング
■ 凝固解析
■ CFD解析
■ MACDA(ウレタンモデルによる応力解析) ■ FEA解析 ■ 熱弾塑性解析
■ 実体低温衝撃試験機 ■ 排気シミュレーター
技術の変遷(素材研究所)
■所在地 : 栃木県真岡市
1972 戸畑 鋳物開発センター開設
14/15
1988 素材研究所発足
■研究開発内容 (アジア唯一の鋳物専門研究機関)

鋳鉄、鋳鋼 及び 軽合金材料の開発

鋳造技術の開発

排気系、車体・足廻り、駆動系部品 及び アルミホイールの設計・評価技術の開発

CAE技術の開発(構造解析、流体解析、鋳造解析など)
コアコンピタンス技術代表例
自動車用 高機能鋳物
鋳造技術
新製品
新技術
■耐熱鋳鋼・鋳鉄材
材料
■高靭性鋳造材
(合金設計)
■軽合金材料
CAE
設計・評価
鋳造技術
設計・評価
材料
■薄肉高品位鋳造技術
■短納期試作(RP-DSM)
CAE
■排気系・足回り 台上耐久
評価技術(疲労・衝撃・振動)
■湯流れ・凝固解析
■流体解析、熱応力解析
■構造解析、振動解析
鋳造メーカーの取組むべき方向
課題
No.
1
マーケティング力 強化
2
差別化技術の明確化と強化(製品(特性)・ものづくり力(品質・生産性))
3
技術の共有化(拠点間・グローバル)
4
グローバル人財の育成(現地ローカル・日本人)
5
技術情報漏洩対策、障害特許リスク対策(技術・商標)
技術情報漏洩対策
障害特許リスク対策
秘密保持契約(情報開示・来場時)
海外特許出願・商標登録強化
(競合、マーケットを考慮)
情報開示時の自己防衛
積極的な差別化技術の権利化
退職、転職時の契約 など
重要技術障害特許リスクの評価・対策
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