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CTBTと核実験の禁止

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CTBTと核実験の禁止
2010/04/17 第一回前期会議勉強会
CTBT と核実験の禁止
文責
後藤
香菜子
プレゼンの目的
・CTBT について知ろう!
・「核実験の禁止」が核軍縮・不拡散に与える影響を知ろう!
???なぜ核実験は行われるの???
① 核兵器の(①
開発 ・
改良
)のため
→新たに核兵器を開発したり、今ある核兵器の性能を向上させるためには、核実験
は必要不可欠とされている。
② 他国への示威のため
→「核実験を行う」という行為そのもので、自国が核兵器で攻撃できることや、そ
の性能の良さを他国に示すことができる。
1、 CTBT 成立までの経緯
•広島・長崎への原爆投下、第五福竜丸事件1などで、核の被害が
一般人にまで及んだ。
国際世論の
•「核の放射能は恐ろしい!核実験は禁止すべきだ!!!」
高まり
PTBT成立
CTBT成立
•1963年、部分的核実験禁止条約(=PTBT)が成立。
•地下での核実験は禁止されていなかった。
•1994年、ジュネーブ軍縮会議でCTBT締結に向けた交渉開始。
•1996年、国連総会でCTBTが成立。核爆発を伴うすべての核実
験が禁止された。
―――――――――――――――
1954 年 3 月にアメリカがビキニ環礁で実施した水爆実験で、危険水域外にいた日本のマグロ漁船「第
五福竜丸」の乗船員が放射能を浴び、一人が死亡した事件。その他の乗船員も後遺症が見られるなど、
核兵器に直接関係のない一般市民が深刻な被害を受けたことで世界中に衝撃を与えた。
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2010/04/17 第一回前期会議勉強会
CTBT と核実験の禁止
2、 CTBT の特徴
1996 年、国連総会で「包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear Test Ban
Treaty=(②
CTBT
)
)」が採択された。
大気中での核実験
地下での
核実験
水中での核実験
① すべての空間における核爆発を伴うあらゆる実験の禁止
→それまで禁止されていなかった「
(③
地下
)での核実験」を含め、核爆
発を伴う実験はすべて例外なく規制の対象となり、核軍縮・不拡散への大きな一歩となっ
た。
② 検証制度
→条約の順守を検証するために、国際監視システム、現地査察などからなる「検証
制度」を設置した。
③ CTBTO(包括的核実験禁止条約機関)
→条約独自の国際機構である「CTBTO」が創設された。上記の検証制度を運営する
など CTBT の実効性を確保する役割を果たしている。
④ 発効要件
→CTBT の発効には特定の 44 カ国もの批准が必要とされた。その中には、
(④
NPT
)に加盟せず事実上の核兵器国となっていたイスラエル、イン
ド、パキスタンなども含まれている。
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2010/04/17 第一回前期会議勉強会
CTBT と核実験の禁止
3、CTBT の意義
核実験をする目的
・新たな核兵器の開発
・今ある核兵器の改良
① 核不拡散
②「質」の面での核軍縮
③世界の緊張緩和
核実験を禁止
すると?
・他国への示威行為
① 「新たな核兵器の開発」ができない
→新たに核保有国が出現することを抑えられ、核不拡散につながる。
② 「今ある核兵器の改良」ができない
→今ある核兵器の「(⑤
質
)
」を向上させることを抑えられ、
「量」
の面での核軍縮を補完して真の核軍縮に貢献する。
③ 「他国への示威行為」ができない
→核兵器開発競争が無くなることで、各国間の緊張が緩和することに加え、国
際社会全体で核軍縮・不拡散を進めていこうとする流れが生まれる。
※その他・・放射能による環境破壊の防止など
●NPT との関連について●
*NPT での「核兵器国」「非核兵器国」の差
・・CTBT ではどこの国がしようとも、核爆発実験はすべて禁止。
*NPT での未批准国
・・CTBT では「事実上の核兵器国」を発効要件国の中に組み入れた。
→CTBT は NPT を補完・強化する役割を担っている!
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2010/04/17 第一回前期会議勉強会
CTBT と核実験の禁止
4、CTBT の問題点
① 「爆発を伴わない」核実験という抜け道
→未臨界実験 2、コンピュータ・シミュレーションなどが禁止されていないという抜け
道があり、結局核兵器の改良ができる余地は残されている。
② 発効に必要な国の批准が足りず、(⑥
未発効
)のままである
→現在、CTBT の署名国は 182 カ国、批准国は 151 カ国である。条約発効に必要な国
の批准が完了しておらず、いまだ発効に至っていない。
◇発効要件国とその署名・批准の状況
未署名・未批准の発効要件国(3カ国)
未批准の発効要件国(6カ国)
インドネシア・中国・イスラエル・イラン
インド・パキスタン・北朝鮮
エジプト・アメリカ合衆国
まとめ
・CTBT とは、すべての空間における核爆発を伴うあらゆる実験を禁止した条約で
ある!
・核軍縮・不拡散において「核実験の禁止」は大きな役割を果たす!
*参考文献*
・黒沢満 編著、
「軍縮問題入門」
、東信堂、2005 年
・原子燃料政策研究会「包括的核実験禁止条約の意義とその問題点」
http://www.cnfc.or.jp/j/proposal/asia97/saito.html
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未臨界実験・・核が「核爆発」を起こす直前で止める実験。核爆発を伴わない核実験。
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