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事業原簿 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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事業原簿 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
2.3 長尺線材評価・可加工性技術開発
2.3.1 はじめに
本研究項目では長尺線材評価技術開発及び可加工性技術開発を行う。長尺線材評
価技術は、長尺線材作製プロセスと一体となったもので、長尺に亘って連続して線
材を評価できる技術を開発し、その結果を長尺線材作製プロセス技術開発にフィー
ドバックすることにより、開発の効率化を図るためのものである。300m あるいは
500m にも及ぶ長尺線材を評価するためには、その測定精度とともに、現実的には
測定のスピードも重要な要素になってくる。特に応用を前提とした長尺線材評価の
ためには、非破壊的かつ効率的に評価を行うための技術開発が必要である。従って
目的に応じて異なる測定方法を採用する事が必要になってくる。また線材応用の種
類によって、許容される発生電場の大きさが異なってくるので、線材評価のために
は臨界電流値のみならず、n値の評価も重要である。さらに磁場中の特性を測定す
る事も重要である。線材の高性能化のためには、その電磁気特性を把握することと
同時に、特性を決めている要因、たとえば粒界や中間層/超電導層界面等の微細構
造を評価し、作製条件との相関を明らかにすることが重要であるので、様々な測定
手法を用いて詳細に評価することが必要である。さらには、機械的特性等可加工性
評価技術やクエンチ特性等信頼性評価技術を確立し、プロジェクト終了後、企業等
が Y 系線材を用いて機器開発を行うことを容易にする評価技術の基盤を作る。
2.3.2 長尺線材臨界電流評価技術開発(SRL)
(1) 研究開発目標
長尺線材の臨界電流分布を非破壊的かつ連続的に評価する評価技術を開発し、
それによって製造プロセスの最適化に資する。さらに、超電導線材の機器応用を見
据えて、可加工性技術の開発を行うための線材を予め非破壊的に評価する。線材応
用の種類によって、許容される発生電場の大きさが異なってくるので、臨界電流値
のみならず、n値の評価も行う。
(2) 研究経緯・手法
長尺線材の臨界電流を非破壊的に評価するために、それぞれ異なる特長を持つ直
接通電法、ホール素子法、磁気光学法の三通りの技術開発を行った。直接通電法は
実際の線材応用にもっとも近い状態で評価できることが特長である。その一方で、
通常は電流および電圧端子をハンダ付け等によって形成するため非破壊的測定法
とはならず、その後の加工性研究開発に支障をきたす。今回はそのため電極を金属
電極の押し付けによって実現する方法を採用したが、酸化物超電導体は一般に圧縮
歪に対しての強度は高いものの、開発初期においては電極部における線材の損傷が
問題になった。この問題はその後電極部形状の改良によって解決した。ホール素子
法は外部磁場による誘導で線材に電流を流すために、損傷の可能性がほとんどなく
B-Ⅲ 115
安全であるが、臨界電流値の値を求めるためにはなんらかの較正方法を必要とする
ので、評価結果の信頼性の点が課題である。磁気光学法はホール素子法と同じく外
部磁場による誘導を利用するので損傷を与えることがなく、かつ高い空間分解能を
有するという特長があるが、電流値の測定法としてはやはり間接的であること、ま
た測定に時間を要する点が課題である。
(3) 具体的成果
(a) 直接通電法
もっとも直接的に長尺線材の臨界電流を測定する方法は、実際に電流を流して、
発生する電圧を測定する方法であるが、非破壊的にこれを行うためにはハンダ付け
等により電極を形成することはできず、電極を押し付けることにより通電を行う必
要がある。測定法の原理図を図 2.3.2-1 に示す。
࿑ 2.3.2-1 ⋥ធㅢ㔚ᴺ Ic ᷹ቯⵝ⟎䈱ᮨᑼ࿑
1cm 幅 500m 長の長尺線材の Ic を、電圧端子間隔 10cm∼1m で、通電法によって
連続して測定する装置である。通電法による Ic 測定では、通常4端子法による測
定を行うが、この装置では非破壊的に測定するために電流端子及び電圧端子をはん
だ付け等で接合するのではなく、端子を線材表面に押し付けることによって測定を
行う。その際に、電極で押さえることによる線材超電導特性の劣化が発生する可能
性がある。また、連続して Ic 測定を実施するために Reel-to-Reel 方式で線材に張
力をかけて送ることを繰り返すため、張力による歪が特性劣化をまねく可能性も考
えられる。
まず、これらの影響を調べるため、線材への圧縮加重試験及び引張試験を実施し
た。圧縮加重試験の結果(図 2.3.2-2)、及び引張試験の結果(図 2.3.2-3)を基に、
装置の仕様を決定した。図 2.3.2-4 に装置の写真を示す。
B-Ⅲ 116
10
6
5
9
8
䌉䌣䋨䌁䋩
䌉䌣䋨䌁䋩
4
3
2
7
1
6
0
0
100
200
࿶❗䋨䌍䌐䌡䋩
300
400
図 2.3.2-2 線材の圧縮荷重試験㛎⚿ᨐ
0
500
1000
ᒁᒛ䋨䌍䌐䌡䋩
1500
࿑ 2.3.2-3 ✢᧚䈱ᒁᒛ⩄㊀⹜㛎⚿ᨐ
㔚ᭂㇱಽ
࿑ 2.3.2-4 ㅪ⛯ᛶ᛫ᴺ Ic ᷹ቯⵝ⟎䇯ฝ䈲ᡷༀ䈚䈢㔚ᭂㇱ䇯
製作した装置での初期の測定では、液体窒素中における電流端子と線材との接触
抵抗が大きく、その抵抗による発熱によって、電流端子直下又は電流端子近傍にお
いて測定中に線材の焼損が発生した。そのため、電流端子の大面積化や押し付け方
法の改善により接触抵抗を低減し、Ic 測定が可能となった[論文 1]。図 2.3.2-5
に 100m 長線材の Ic 分布測定結果を示す。この線材は、Ag/PLD-YBCO/PLD-CeO2
/IBAD−GZO/Hastelloy 構造で、全長での End-to-End の Ic が 200A のものである
が、製作した装置による 80cm 長ごとの Ic 測定の結果より、最小部で 190A、最高
部で 243A の分布をもつことが分かった。
超電導線材の実用に際しては、磁場中での臨界電流特性も重要な特性である。
実際に作製される線材の幅である 1cm 幅の試料について、磁場中での Ic を測定で
きる装置を導入して線材の評価を実施している。測定装置の模式図と試料ホルダの
写真を図 2.3.2-6 に示す。磁場発生には 8T 超電導マグネットを使用し、70cm 長×
1cm 幅の試料をソレノイド状に巻き付けて測定する試料ホルダ及び 2cm 長線材の外
B-Ⅲ 117
300
250
I c (A )
200
150
100
50
0
0
20
40
60
position (m)
80
100
図 2.3.2-5 直接通電法による 100m 長線材の Ic 分布測定結果。80cm ごとに測定。
ただし両端はテストに使用したため、実際には 90m について測定している
部印加磁場角度依存性を測定する試料ホルダーを作製した。今後、線材の Ic 向上
が見込まれるため、試料ホルダは 500A までの通電が可能な構造とし、500A 直流電
源を付加することにより、高 Ic 線材の Ic を 1cm 幅のまま測定可能なものとした。
長尺線材については、ソレノイド状巻線を基本としているためテープ面に平行磁場
特性のみが測定可能となる。
㐳ዤ᷹ቯ䊒䊨䊷䊑
䊶500A㔚ᵹḮ
䊶I-V․ᕈ᷹ቯ䉲䉴䊁䊛
8T䊙䉫䊈䉾䊃
ⷺᐲଐሽ᷹ቯ䊒䊨䊷䊑
࿑ 2.3.2-6 㐳ዤ䊶ᄢ㔚ᵹ⿥㔚ዉ⏛႐․ᕈ᷹ቯⵝ⟎䈱ᮨᑼ࿑䈫⹜ᢱ䊖䊦䉻䈱౮⌀
B-Ⅲ 118
70cm 長×1cm 幅の試料を巻き付けて測定する試料ホルダの作製にあたっては、線
材を筒に巻きつけたときの Ic 変化を事前に測定し(図 2.3.2-7)、Ic に影響を与え
ない曲げ直径 4.5cm を巻き付け径として、試料ホルダの設計製作を行った。
1.2
Ic/Ic(0)
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0
0
20
40
60
80
100
Bending Diameter(mm)
図 2.3.2-7
線材の曲げ特性測定結果
この装置による、線材の磁場中特性の評価例を図 2.3.2-8 及び図 2.3.2-9 に示す。
Ic(B) / Ic(0T)
1
Y-123
Er-123
Gd-123
Dy-123
0.1
B㼠c
B//c
0.01
0
2
4
6
8
磁場B (T)
࿑ 2.3.2-8 REBa2Cu3O7-X ⿥㔚ዉ⤑ Ic 䈱⏛႐ଐሽᕈ᷹ቯ⚿ᨐ
B-Ⅲ 119
1
0.6
YBCO
Gd-123
1.2
0.5
0.4
0.3
0.2
0.3
0.2
1
0.6
2
0.4
Jc (MA/cm )
2
2
0.6
1.4
YBCO on
Y2O3䍏䍐䍵䍻䍢䍼
0.7
Jc (MA/cm )
0.7
Jc (MA/cm )
0.5
0.3T
1T
3T
5T
2
0.8
0.8
Jc (MA/cm )
0.9
0.9
YBCO+YSZ
0.5
0.4
0.3
0.1
0.4
0.2
0.1
0
-50
50
ⷺᐲ䋨deg.䋩
150
0.6
0.2
0.1
0
0.8
0
0
-50
50
150
ⷺᐲ䋨deg.䋩
-50
50
ⷺᐲ䋨deg.䋩
150
-50
50
ⷺᐲ䋨deg.䋩
150
࿑ 2.3.2-9 ⒳䇱䈱⿥㔚ዉ⤑ Ic 䈱⏛႐ⷺᐲଐሽᕈ᷹ቯ⚿ᨐ
図 2.3.2-8 は、REBa2Cu3O7-X 超電導膜(RE は、Y 及び希土類元素)の Ic の磁場依
存性を評価したもので、YBCO の Y 原子を Er、Gd や Dy 原子で置換した RE-123 超電
導膜において、磁場が表面に垂直(超電導膜のc軸に平行)な場合の磁場特性が改
善されていることを確認した。図 2.3.2.9 は、YBCO 膜中にピンニングセンターを
導入するために YSZ を添加した YBCO 膜、CeO2 中間層表面に Y2O3 アイランドを形成
した上に YBCO 膜を堆積したもの、及び Gd-123 膜の Ic の印加磁場角度依存性を測
定した結果で、やはり磁場特性の改善が確認できた。これらの結果を、線材開発プ
ロセスへフィードバックしている[論文 2]。
(b) ホール素子法
以上に述べた直接通電法に対し、ホール素子法は外部磁場の印加によって超電導
線材中に超電導電流を誘起し、誘起された電流が作る磁場の大きさと分布をホール
素子アレーで観測する方法である。電流を導入するための電極を必要としないため、
試料に損傷を与える可能性がほとんどないことが特長である。また測定は高速に行
われるので、線材を一定速度で動かしながら全長に亘って比較的短時間で連続的に
測定できることも特長である。さらに同じ線材駆動系を用い、直流磁場に替えて交
流磁場を用いることにより、誘導電流の周波数依存性から、局所的 n 値を求めるこ
とができる測定技術も開発する。局所的 n 値は弱結合粒界や磁束ピンニングの特性
によって決まっているものと考えられ、線材の応用にとっては臨界電流値と並んで
重要な特性である。図 2.3.2-10 に装置の概観を示す。測定速度は最大毎秒 10mm
である。従って、たとえば 100m 長の線材の測定に3時間弱を要することになる。
B-Ⅲ 120
図 2.3.2-10
ホール素子法による長尺線材評価装置の概観
図 2.3.2-11 は SRL 名古屋研において作製された約 40cm 長の PLD 線材についての
測定である。横軸が線材の長手方向の距離、縦軸が臨界電流値を表す。線材の前後
はリードテープが接続されている。線材の全長にわたりほぼ一定の臨界電流値が測
定されている。
一方図 2.3.2-12 には THEVA 社のテスト用のテープを測定した結果を示す。この
試料は不均一な臨界電流分布をもつ線材の例であるが、1mm 程度の空間分解能で臨
界電流の変動が正しく測定されていることが判明した。
ホール素子法は線材の幅方向に 1 列に配置されたホール素子のアレー(現在の装
置では 7 個)によって、線材に侵入する磁場を測定し、その分布から臨界電流値を
求めるものである。線材はホール素子の上を一定速度で移動していくので、各ホー
ル素子が測定する値の時間変化は、線材長手方向の座標に相当する。従って、ホー
ル素子アレーが測定した7個の値を時間軸に沿ってそのまま 2 次元プロットした
ものは、線材に侵入してくる磁場の分布を 2 次元的に見たものにほかならない。こ
れは後で述べる磁気光学法で行っていることと原理的には同じである。まったく同
一の線材試料を磁気光学法及びホール素子法で観察した結果を図 2.3.2-13 に示す。
磁気光学法においては明るい部分がより多く磁場が侵入している部分である。磁場
は線材の端から侵入してくるので一般に端が明るく中心部が暗い画像が得られる
が、線材の一部に臨界電流の小さな部分があると、そこで磁場の侵入が起こり明る
B-Ⅲ 121
い部分として観察される。
䋴䋰䌣䌭
55䌣䌭
࿑2.3.2-㪈㪈 䊖䊷䊦⚛ሶᴺ䈮䉋䉎⥃⇇㔚ᵹ
࿑2.3.2-㪈2 Theva ␠⵾䈱䊁䉴䊃↪⹜ᢱ䉕
᷹ቯ䈱৻଀䇯⹜ᢱ䈲SRLฬฎደ⎇䈮䈍䈇䈩
᷹ቯ䈚䈢଀䇯
૞⵾䈘䉏䈢⚂40cm㐳䈱PLD✢᧚䇯
10mm
図 2.3.2-13 磁気光学法(上)及びホール素子法(下)による同一線
材の観察。
一方ホール素子法によるプロットでは磁場の大きな場所ほど暗く表現されてい
る。二つの図を比べてみるとほぼ完全に対応していることが分かる。但し、磁気光
学法の方が遥かに空間分解能が高い。測定に要する時間はホール素子法の方が遥か
に短いので、長尺線材の全長をまずホール素子法によって観察した上で、特に必要
を思われる部分のみを磁気光学法によって精密に観察するというように、各手法の
長所を組み合わせる測定法が有効である。
⿥㔚ዉ✢᧚䉕ታ㓙䈮ᔕ↪䈜䉎ᤨ䈮䈲⥃⇇㔚ᵹ୯䈱䈾䈎䈮䇮᳗ਭ㔚ᵹ䊝䊷䊄䈮䉋䉎ㆇ
B-Ⅲ 122
ォ╬䈻䈱ᄙ䈒䈱ᔕ↪䈪䈲䌮୯䈏㊀ⷐ䈮䈭䈦䈩᧪䉎႐ว䉅䈅䉎䈱䈪䇮䈖䉏䉕㐳ዤ✢᧚䈮䈧
䈇䈩㕖⎕უ⊛䈮᷹ቯ䈜䉎䈖䈫䉅㊀ⷐ䈪䈅䉎䇯SRL 䈮䈍䈇䈩ᦨㄭ⺃ዉᴺ䈮ၮ䈨䈇䈩⿥㔚
ዉ⭯⤑䈱ዪᚲ⊛䈭䌮୯䈱୯䉕㕖⎕უ⊛䈮᷹ቯ䈜䉎ᣇᴺ䉕㐿⊒䈚䈢[⺰ᢥ 3]䇯
これは、超電導薄膜の電流電圧特性がべき乗則に従う時、言い換えればn値がよ
く定義されるような時には、交流印加磁場によって誘導される電流を表す方程式が、
ある顕著なスケーリング則を満たすことを利用する方法である。具体的には以下の
ように行う。
微小なコイルを用いて超電導薄膜に交流磁場を印加すると超電導体には電流が
誘起され、磁場はシールドされる。印加磁場があまり大きくなければ誘起される電
流の大きさは印加磁場に比例し、その時間変化には高調波成分が含まれない。しか
し印加磁場の振幅が次第に大きくなり、誘起された電流が薄膜の臨界電流値に達す
るとそれ以上の印加磁場をシールド出来なくなる。そのような状況では誘導される
電流の時間変化に高調波成分が現れる。従って高調波成分の出現を観測することに
より、逆に薄膜の臨界電流値を求めることが出来る。この方法は誘導法と呼ばれ、
臨界電流値を非接触で求めることの出来る方法として、すでに広く行われている。
以上の説明では暗黙の内に臨界状態モデルを仮定しているが、もし超電導体が臨
界状態モデルに従うのであれば、高調波成分の出現は誘起された電流が臨界電流値
に達したときに急に起こり、かつ測定に用いた周波数によらないはずである。しか
し実際にはほとんどの場合に高調波成分の出現は徐々に起こり、かつ大きな周波数
依存性を有している。このことは、超電導体が単純な臨界状態モデルではなく、べ
き乗則に従うと考えることによって、自然に説明される。さらに、周波数依存性か
らべき乗則の指数、即ちn値を決めることが出来る。前述したスケーリング則によ
れば観測される高調波成分の大きさを印加磁場の振幅に対してプロットした曲線
は、使用する周波数によって異なるが、図形として見たときにすべて相似になり、
その相似比はn値によって決まる。従って、いくつかの異なる周波数を用いて誘導
法の測定を行い、実験的に得られた相似比からn値を定量的に求めることが出来る
のである。この方法の有効性は単結晶基板上の超電導薄膜について実証されている
が、Y 系線材も本質的には超電導体薄膜であるので同じように適用できる。
この方法を長尺線材に適用するために、ホール素子法による臨界電流測定装置に部
分的な改造を加えた。それによって、長尺線材の任意の位置において局所的なn値
を測定することが可能になった。
(c) 長尺 MO 磁束観察装置の開発
非破壊で超電導線材を評価する手段として、最も空間分解能が高い手法が MO 磁
束観察である。そこでこの手法を長尺線材に適用できるようにするための様々な基
礎検討を行った。
B-Ⅲ 123
㏜
i) MO 磁束観察で安定化 Ag 層の付いた Y 系線材の評価
MO (Magneto-Optical)磁束観察は、磁気光学効果の一種であるファラデー効果を
利用して磁束密度の2
θ
磁性体
次元マッピングを可能
2θ
とする手法である。こ
の評価方法は高温超電
導が発見された直後に
直線偏光光
偏光角度がθ回転する
SRL で独自に開発され
(linearly)
た。図 2.3.2-14 にファ
࿑ 2.3.2-14 MO ⏛᧤ⷰኤ䈮↪䈇䉎䊐䉜䊤䊂䊷ലᨐ䈱ේ
ラデー効果の原理図を
ℂ࿑
示す。ファラデー効果
とは磁性体中に直線偏
光した光が入射すると、偏光方向がある
偏光面が回転
角度θ回転する現象である。通常 MO 磁束
観察では MO インジケータ膜にミラーを付
加することによって光が磁性体中を2回
通過することによって2θ回転した光の
MO膜
偏光方向を検出する。図 2.3.2-15 にファ
ラデー効果を用いた磁束観察の配置図を
示す。鏡を有する MO インジケータ膜を超
鏡
電導体に密着させて、磁束が存在する箇
所を偏光顕微鏡を用いた検出方法によっ
磁束
超電導体
て2次元的に把握することができる。具
体的には偏光顕微鏡の偏光子と検光子が
直交するようにする(クロスニコル配置)。
図2.3.2-15 MO磁束観察配置
この配置では入射光の偏光面が回転した
場合のみ光が観測されるので、磁束が存
在する箇所のみが明るく見えることになる。ファラデー回転角が大きいほど、すな
わち磁束密度が高いほどより明るく見え、明るさは磁束密度の大きさを反映する。
したがって、明るさ分布を観察することで磁束密度分布を知ることができる。ここ
で用いる MO 膜は通常アイソレータ等に用いられる垂直磁化膜ではなく、外部磁場
のない状態では磁化が膜面に平行に揃った面内磁化 MO 膜である。面内磁化膜を用
いることで空間分解能は光学顕微鏡の分解能で決まる高い値になる。
B-Ⅲ 124
当初は IBAD/PLD 線材を用いても MO 磁束観
5 cm
察が可能であることの確認実験を行った。こ
れまで単結晶、バルクおよびデバイスの MO 観
察が可能であることは自明であったが、新し
い形態である金属基板上 Y 系薄膜材料の観察
は世界的にもほとんど例がなく SRL としても
初めての試みであった。
まず第1段階として安定化層としての銀が
ついていない線材の MO 観察を行った。超電導 ࿑ 2.3.2-16 Y ♽✢᧚䈱 MO ⷰኤ
体と MO 膜との距離が増すほど急激に MO 観察 䈱䉶䉾䊃䉝䉾䊒଀
が困難になる恐れがあったからである。実際
には試料の湾曲という新たな測定上の困難が
見出された。これは線材の成膜プロセス中にハステロイが高温にさらされるために、
バッファ層との熱膨張率の違い等から線材が幅方向に湾曲しているもので、MO 膜
で押さえ込んで観察しようとすると線材がばねのように作用して MO 膜が割れてし
まうという問題が生じた。これを克服するためにいくつかの新しい線材押え治具を
試作し、最終的には図 2.3.2-16 に示す治具を作製
試料のエッジ
した。この治具を用いることにより 10mm×50mm の
試料まで観察可能となった。
次に第2段階として安定化銀が 10vm 成膜された
線材の MO 観察を行った。図 2.3.2-17 は9分割し
て観察した線材での磁束観察の結果である。先に
述べたように明るい場所ほど磁束密度が高いこと
に相当する。図中の右および上側に試料のエッジ
3mm
40K、 500 Oe
があり、磁束がエッジから侵入していることが視
覚的に理解できる。このように、安定化銀層が存
࿑ 2.3.2-17 IBAD/PLD ✢᧚䈮
在しても MO 観察可能であることが分かった。この
䈍䈔䉎 MO ௝䈱ೋᦼ䈱ⷰኤ଀
段階で磁束が枝状の侵入をすることが分かった。
この振る舞いは数回の測定で全く一致しているこ
とから MgB2 で見られたような熱的な Flux Jump に起因するものではなく、超電導
層あるいはバッファ層の粒界に沿って磁束が侵入しているためと推察される。
第3段階として光学系の改造を行った。Y 系線材は通常 10mm 幅で作製されてい
るため、これまでの MO 観察用の光学系では図 2.3.2-17 のように幅広い視野での観
察ができず、複数回に分けて観察しなければならなかった。これでは長尺線材を観
察する場合には観察時間が長くなり、非効率的である。そこで線材試料を1視野で
観察可能なようにマクロな光学系を導入した。
B-Ⅲ 125
a (Å)
ⅱ) MO 観察用(Bi、Lu)3(Fe、Ga)5O12 膜の成膜
これまで海外製の MO 膜を購入して磁束観察
12.40
を行ってきたが、入手可能な MO 膜は最大 8mm
12.39
: GGG substrate
: Target
角であるため 10mm 幅の Y 系テープ線材を1つ
12.38
の視野で観察することができなかった。また
12.37
当初国内で MO 膜を作製できるのは名古屋工業
12.36
12.35
大学のみであったが、ここでも実験室レベル
12.34
の2∼3mm 角の MO 膜を作製しているに留ま
12.33
っていた。さらに高分解能観察のためには高
740 750 760 770 780 790
ファラデー回転角度の MO 膜が有効であること
Temperature (℃)
から、装置開発に先だって MO 膜から作製する
࿑ 2.3.2-18 MO ⤑䈱ᚑ⤑᷷ᐲ䈫
こととした。
ᩰሶቯᢙ䈱㑐ଥ
MO 膜はガーネット系の光学単結晶に YIG 系
の膜を成膜する方法を用いることとした。成
膜方法は光アイソレータなどで最も一般的な液相エピタキシー(Liquid Phase
Eptaxy: LPE)法を用いることにした。共同研究先である名古屋工業大学の技術指導
をベースとした成膜条件下で、東雲および盛岡にある 123 系用の LPE 炉を改造して
MO 膜 作 製 に 着 手 し た 。 基 板 に は 光 学 基 板 と し て 一 般 的 な 1 イ ン チ の
GGG(Gadolinium Gallium Garnet)単結晶基板、膜の組成は格子定数が GGG 基板にマ
ッチする(Bi、Lu)3(Fe、Ga)5O12 を選択した。
成膜温度によって Bi の組成が変化し、基板の格子定数 1.2383nm との格子マッチ
ングが 0.08%から 0.008%の間に制御できる過飽和温度を見出し、面内配向膜を得ら
れる条件を見出した(図 2.3.2-18)
。しかしながら、基板に起因する縞状欠陥
(striation)が発生し、このままでは MO 観察に使用できないことが判明した。縞状
欠陥が GGG 単結晶の引き上げ方向と基板への切出し方位が異なっているために生
じたことを精密 X 線回折および光学測定によって解明し、GGG 単結晶の引き上げお
よび切出し方向を同一方向(面方位[100])に指定した基板を入手し、この基板上
に(Bi、Lu)3(Fe、Ga)5O12 を成膜することにより MO 観察に適した膜を得られる条件
を見出すことができた[論文 4]。
ⅲ) 10mm 幅線材の1視野観察とマクロな欠陥の発見
ⅱ)で述べた1インチサイズの MO 膜と i)で述べた新しい線材押え治具および偏
光特性に優れた低倍率のマクロ光学系を用いることによって、幅 10mm、長さ 50mm
の線材を幅方向を1視野で測定することに成功した。図 2.3.2-19 に Y 系線材の MO
観察例を示す。ここで測定温度は 40K で、ゼロ磁場冷却後に磁束侵入の様子を観察
した。また(c)の残留磁束密度分布は 100mT まで外部磁界を印加した後に外部磁界
B-Ⅲ 126
を再びゼロとした時の磁束密度分布を示
している。この手法を用いて 50mm 幅の線
材の MO 観察を行い、いくつかののマクロ
な欠陥を発見した。
線材作製プロセス後に導入されたマク
ロな欠陥の原因として、切断、スクラッチ
および半田づけが挙げられる。図 2.3.2-19
にはさみで切断したことによって端部に
欠陥が導入されたことを示している。線材
の両端にすじ状の磁束侵入が見られるの
は切断によって欠陥が導入されたことを
によると考えられる。これ以外にも、半田
づけの部分の欠陥や、線材を先の細いピン
セット等で取り扱ったことにより生じた
スクラッチ状の欠陥などを発見した。
(a)
50mm
(b)
(c)
࿑ 2.3.2-19 ᏷ 10mm䇮㐳䈘 50mm
䈱 Y ♽✢᧚䈱 MO ⷰኤ଀䇯(a) Y ♽
✢᧚䈱శቇ౮⌀䇮(b) 30mT 䈪䈱⏛
᧤ଚ౉䇮(c) ᱷ⇐⏛᧤ኒᐲಽᏓ
iv) MO 画像からの電流分布および臨界電
流密度の計算方法の開発
MO 磁束観察像は磁束密度の分布を反映しているため、ビオサバール則を逆に解
けば原理的には電流分布を求めることができる。2 次元の電流分布は微小な電流ル
ープの和として表される。それぞれのループの電流値の1次関数として MO 膜の場
所での磁場の値を計算することができるので、連立1次方程式を解くことにより
MO 画像のデータから電流分布を求めることができる。但しこの方法では連立1次
方程式の変数の数が巨大な値となり膨大な計算時間を必要とする。そこで電流分布
が平面内で無限に繰り返していると仮定し、高速フーリエ変換を用いて電流分布を
計算する方法を採用した。図 2.3.2-20 に実際に観察した MO 像とそこから計算した
電流分布の例を示す。曲線は電流の流線を示している。ここで近似的に臨界電流モ
デルが適用可能と考えると、流線の密度から臨界電流密度が求まる。このようにし
て求めた臨界電流密度は磁化測定より求めた値とよい一致を示した。
B-Ⅲ 127
(a)
(b)
࿑ 2.3.2-20 40K で観察した Y123 系線材の MO 像と
そこから算出した電流分布
v) ホール素子法とのデータの対比
(b)で述べたようにホール素子法による長尺線材 Jc 測定装置導入したので、欠
陥抽出に関して MO 観察像とどのような対応があるかの知見を得るためにデータの
比較を行った(図 2.3.2-13 参照)
。検出部には7つのホール素子が線材の幅方向に
並んでおり、各ホール素子の位置での磁束密度を測定している。したがって、基本
的には MO 磁束観察でもホール素子法と同様のデータが得られるはずである。図
2.3.2-13 にホール素子法と MO のそれぞれによる磁束侵入の様子を示している。両
者が非常によい一致をしていることが分かった。但し、空間分解能は MO 磁束観察
の方が遥かに高い。
vi) 長尺線材用 MO 観察装置の開発
線材評価のこれまでの成果を踏まえて、欠陥位置の精密な抽出および局所的な臨
界電流密度を求めることのできる新たな長尺MO観察装置の開発を行った。図
2.3.2-21に装置の概要を、図2.3.2-22に装置の外観示す。この装置の代表的な仕様
は測定温度 20ޯ100K (±0.65%)、連続測定時の温度安定時間(すなわち撮影開始
までに必要な時間)は30sec以内、最大発生磁界は100 mTである。この装置は16 mm
角領域を一度に観察可能な仕様となっている。光学系の最後には1000:1以上のダイ
B-Ⅲ 128
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࿑2.3.2-22㩷 㐳ዤ/1ⷰኤⵝ⟎ߩᄖⷰ
$Υ
図2.3.2-23は長尺MO観察装置によって得られたTFA-MOD線材の観察結果の例であ
る。線材の先端から50cmまでのMO像を示した。また上から2番目の結果はホール素
子法によって得られた結果である。ホール素子法は高速で測定できる反面、空間分
解能が低いが、これを長尺MO観察によって補うことができることを示している。
YSN39(2)-009-10(L)-(S-16)-14.0
図2.3.2-23
100 mm
ZFC 40K 50mT
TFA-MOD線材の長尺MO観察結果例
(d) ฦ長尺線材臨界電流評価法の特徴
図 2.3.2-24 に各長尺線材臨界電流評価法の特徴の概略を図示した。横軸は測定
スピード、縦軸は測定の空間分解能を示す。三つの方法はそれぞれ異なる特長を有
している。最も空間分解能が高いのは磁気光学法であるが、測定スピードは最も遅
い。測定スピードが最も速いのは直接通電法であるが、空間分解能は最も低い。ホ
ール素子法はその中間に位置する。従って測定の目的によって三つの手法を使い分
けることが有効である。例えば、まず初めにホール素子法によって全長の評価を行
い、正常であれば次に直接通電法で臨界電流値を直接に評価した上でコイル作製等
の目的に利用し、もし初めのホール素子法による評価で部分的に特性の不十分な場
所が見出された場合は、その部分のみを磁気光学法によって観察するなどの手順が
考えられる。
B-Ⅲ 130
㜞ಽ⸃⢻
1µm
磁気光学法(SRL東京)
10µm
ⓨ㑆ಽ⸃⢻
100µm
ホール素子法
(SRL東京)
1mm
10mm
100mm
直接通電法
(SRL名古屋)
1m
1m
10m
100m
1時間で測定できる長さ
高速
࿑ 2.3.2-24 ฦ㐳ዤ✢᧚⹏ଔᣇᴺ䈱․ᓽ
(4) 達成度
長尺線材の臨界電流評価技術開発については、直接通電法、ホール素子法、磁気
光学法という異なる特長を持つ 3 通りの測定装置を開発した。いずれも非破壊的な
測定法なので、線材製造プロセスに測定結果をフィードバックするのみならず、評
価した線材をそのまま可加工性技術開発用の線材試料として使用することもでき
るようになった。またそれぞれの方法は空間分解能、測定速度、測定原理などの点
で異なる特長を有するので、目的に応じて、使い分けることができる。あるいは 3
通りの方法を組み合わせることにより、測定精度と測定効率を最適化することがで
きる。直接通電法の一環として約 70cm までの線材については磁場中の測定が可能
になった。さらに約 2cm の短尺試料について、外部印加磁場の向きを変化させな
がら 1cm 幅の線材で直接臨界電流 Ic が測定できるようになった。これらの装置は
磁場中の特性評価や人口ピン導入技術開発のために今後重要な働きをするものと
思われる。
中間目標の達成を支援するという立場からは、以上述べたとおりすでに目的は達
成されたと言える。しかしながら最終目標の 500m 対応という点からは、測定速度
や磁場・温度などの条件についてどの程度可変幅を拡大できるか等にやや不十分な
面がある。これらについては今後さらに開発を続ける必要がある。
B-Ⅲ 131
2.3.3 線材電磁気特性評価
(1) 研究開発目標
Y 系超電導線材の実用化の最大の障壁となるのが臨界電流制限因子とその分布で
ある。この制限因子の発生の事象を発見し、その原因を追求するために様々な電磁
気特性評価および微細構造分析を行い、長尺線材作製に寄与するのがこの線材電磁
気特性評価の目標である。そのためには一般的な超電導体の評価方法ではなく線材
に特化した評価方法を確立することが第1の目標である。次に新しい評価方法を用
いて得られた結果から臨界電流制限因子を特定し、線材プロセス開発へフィードバ
ックすることが第2の目標である。さらに線材を導体やコイルなどの応用を視野に
いれた交流損失低減の模索と線材加工への基礎的アプローチを行うことが第3の
目標である。
研究担当:超電導工学研究所(SRL)、九州大学、横浜国立大学、ファイン
セラミックスセンター(JFCC)
(2) 研究経緯・手法
測定のスケールから電磁気特性評価は図 2.3.3-1 で示したように大きく3つのグ
ループに分けられる。試料全体のマクロな測定を行うのが1番目の電磁特性のグル
ープである。このグループには臨界電流密度の磁界中での振る舞いを測定する
Jc-B-(θ)-T(九大)および交流損失測定およびシミュレーション(九大、横浜国
大)が属する。次世代線材を実用化するためには自己磁界だけではなく有限な磁界
プロセス開発
特性組織
電磁特性
J c- B-q- T
(九大)
九大)
交流損失
測定
(横浜国大
九大)
九大
)
MO(SRL)
䊐䉜䊤䊂䊷ലᨐ䉕↪
䈇䈩⏛᧤䉕นⷞൻ
LTLSM(九大
LTLSM(九大)
九大)
ㅢ㔚ਛ䈱✢᧚䈮ዪᚲ⊛
䈮䍸䍎䍙䍼䍎䉕ᾖ኿䈚䌖ᄌൻ
䉕⺒ข䉎㹢
䉕⺒ข䉎㹢䌊䌣ಽᏓ
䌊䌣ಽᏓ
磁気ナイフ(
磁気ナイフ(横国大)
横国大)
⏛⇇䉕ශട䈚㔚ᵹ䉕
೙㒢䈚䈩ዪᚲ⊛䈭Jc䉕᷹ቯ
೙㒢䈚䈩ዪᚲ⊛䈭
䉕᷹ቯ
࿑ 2.3.3-㪈 㔚⏛᳇․ᕈ⹏ଔ䈱䉫䊦䊷䊒ಽ䈔䈫⋧੕㑐ଥ
B-Ⅲ 132
微細組織
TEM,SEM
(JFCC,
SRL)
での臨界電流が目標値をクリアしなければならない。Jc-B-(θ)-T 測定はまさに磁
界中の臨界電流を評価するための手法䈪䈅る。さらに超電導線材に本質的に存在す
る交流損失を評価し、低減することが導体化による電力送電やコイル化による電力
貯蔵などの応用に道を拓くことになる。2番目の特性組織評価のグループには磁気
ナイフ(横浜国大)、低温レーザー顕微鏡(LTSLM、九大)および磁気光学磁束観察(MO、
SRL)の3つの異なる手法が属する。これら3つの手法はそれぞれ測定原理や観察可
能な物理量が異なっており、相補的な評価が可能であるため、ここで得られる臨界
電流制限因子の知見はプロセス開発へのフィードバックのための重要な役割を担
う。3番目は微細組織を TEM、SEM 等の電子顕微鏡を用いて評価するグループであ
る。2番目の特性評価で見出された臨界電流制限因子の原因を特定するためには線
材の断面及び平面微細組織を正しく評価しなければならない。したがってこれら3
つの評価結果を総合的に考慮することによってプロセスへの的確なフィードバッ
クが成し遂げられる。
(3) 具体的成果
線材電磁気特性評価の具体的成果を臨界電流制限因子の評価、微細構造解析によ
る欠陥の発生原因の特定および交流損失の評価と低減という3つのカテゴリに分
け、おのおのについて成果を詳説するᄾ
(a) 様々な電磁気特性評価方法による臨界電流制限因子の研究
特性組織のそれぞれの各手法を簡単に説明し、臨界電流制限因子の探索の結果に
ついて報告する。
x
2
(i) 磁気ナイフ法による各種プロセス線
材の幅方向Jc分布測定 [横浜国大]
30
磁気ナイフ法は磁界を特定の箇所以外に
Null line
0
印加することよって臨界電流を抑制し、磁
-30
界のない狭い領域の臨界電流のみを測定し、
臨界電流密度の空間分布を測定する手法で
ある。図2.3.3-2に磁気ナイフ法による臨界 unit : mm Superconducting tape
(cross sectional view)
電流密度分布測定の概念図を示す。Null
lineの上下で逆方向の磁界が存在しており、࿑ 2.3.3-2 ⏛᳇䊅䉟䊐ᴺ䈱᭎ᔨ࿑
Null lineにおいては理想的には磁界が存在
しない。磁界が印加されていないNull line付近を流れる電流と磁界が印加されて
いる部分の電流の和を求めるとNull line付近のJcが大きく反映されるので、Null
lineをスキャンして得られた臨界電流の分布から数学的変換により臨界電流密度
の幅方向の分布を求めることができる。
B-Ⅲ 133
プロセス開発へのフィードバックと、交流損失解析のための基礎データ蓄積を目
的として、各種プロセスで作製された線材の幅方向 Jc 分布を磁気ナイフ法により
測定した。測定した線材の諸元を表 2.3.3-1 に示す。表中の IBAD/PLD 法により作
製された線材についてのデータは比較用の参考データである。
表 2.3.3-1 ⏛᳇䊅䉟䊐ᴺ䈮䉋䉍 Jc ಽᏓ䉕᷹ቯ䈚䈢⹜ᢱ✢᧚
05SS2-1
04CD1-1
04SN1-2
⹜ᢱฬ䋨YNU䋩
IBAD/TFA-MOD
IBAD/MOCVD
IBAD/PLD
⵾ㅧᴺ
ၮ᧼
䊊䉴䊁䊨䉟
䊊䉴䊁䊨䉟
䊊䉴䊁䊨䉟
—
CeO2/ GZO
—
ਛ㑆ጀ
0.5 µm
0.447 µm
YBCO ጀ
1.4 µm
Ag
Ag
Ag
଻⼔ጀ
100 mm
60 mm
100 mm
㐳䈘
10
mm
10
mm
10 mm
᏷
73 A
⚂ 50 A
270 A
Ic @ ⵾ㅧర
35 ~ 40 A
68~69 A
Ic @ YNU
220 ~ 240 A
10
3E10
05SS2-1 S2S4S6S8
Section 5
Section 6
Section 7
Section 8
2
Critical current density (A/m )
Critical current (A)
300
250
200
150
S1S3S5S7
100
50
S:Section
10
2.5E10
10
2E10
20
40
60
80
10
1.5E10
0
0
Section 1
Section 2
Section 3
Section 4
100
Position (mm)
10
1E10
9
5E10
05SS2-1 (From measured I c-B)
0
-5
(a) 長手方向 Ic 分布(TAPESTAR)
図 2.3.3-3
0
Position x (mm)
5
(b) 幅方向 Ic 分布
大臨界電流 IBAD/TFA-MOD 線材(05SS2-1)の幅方向 Jc 分布
図 2.3.3-3(a)のような長手方向 Ic 分布(長尺ホール素子測定装置 TAPESTAR によ
り 測 定 ) を 持 つ IBAD/TFA-MOD 線 材 の 各 区 間 S1-S8 で の 幅 方 向 Jc 分 布 を 図
2.3.3-3(b)に示す。幅方向の均一性は必ずしもよくないが最大で 2.5 ×106 A/cm2
(2.5 MA/cm2) の Jc が得られていることがわかる。この線材の臨界電流 Ic は 220 - 240
A であったが、プロセスの改善により全幅に渡って最大 Jc に等しい Jc が得られれ
ば、さらなる臨界電流の向上が期待できる[論文 5, 6]。
B-Ⅲ 134
(ii)低温走査レーザー顕微鏡(LTSLM)を用いた超電導線材の電磁気特性評価
[九大]
図 2.3.3-4 に低温走査レーザー顕微鏡(LTSLM)の測定原理を示す。試料の両端で
電圧が測定できるようになっている。バイアス電流 Jb を流しながらチョッピング
変調し集光したレーザー光を試料に局所的に照射する。ここでレーザー光が当たっ
た場所は局所的に温度が上昇する。熱拡散距離は変調周波数に依存するが、約
2 3vm である。空間分解能は熱拡散距離と同等と考えられる。局所的温度上昇によ
って熱的に誘起された磁束フロー状態が発生する。磁束フローに伴って電圧が発生
(a)
(b)
䊧䊷䉱శ
E
Laser ON
V
Laser OFF
Jb
⚂2䇮
䇮3 㱘 m
J cJ b J c
J䌢䋺䊋䉟䉝䉴㔚
ᵹኒᐲ
J
熱拡散距離:変調周波数に依存
図 2.3.3-4
低温走査レーザー顕微鏡の測定原理
するが、これはチョッピングの変調周波数に同期したものとなる。以上はある1点
での現象であるが、同じことを試料上でレーザー光を走査することによって交流電
圧応答の分布を測定することができる。この測定は欠陥部分を直接見るわけではな
くある場所に欠陥があった場合には、その周辺で電界集中が発生するので、Jc 分布
の異なる箇所が周辺にあるという情報を得ることができる。また超電導線材には弱
結合や結晶欠陥などの電流障壁がランダムに存在しているために電流はパーコレ
ーション的に流れるので、LTSLM は欠陥近傍に局在する電界を評価するためには最
適な方法と言える[文献 38, 41, 49]。
電界集中を画像化し、理論値との対比を行うために、単一欠陥を導入することに
より人工的に電流を制限した YBCO 超電導薄膜のストリップラインを用いて LTSLM
システムの定量性を検証した結果を図 2.3.3-5 に示す。ここで図 2.3.3-5 (a)は
SrTiO3 上の YBCO 薄膜ストリップラインに単一欠陥を導入した試料の光学顕微鏡写
真である。図 2.3.3-5 (b)は、この試料の LTSLM 像を 88.5K で 1.0×104A/cm2 の電
流密度で測定した結果を光学顕微鏡写真に重ね合わせた結果である。図 2.3.3-5
(c)は局所的電界を n 値を 2.0 とした場合に理論的に計算した電界分布を重ね合わ
せたもので、電界集中の振る舞いをよく再現していることが分かる。したがって
LTSLM 像は欠陥が生じた場合の電界集中の様子を定量的に観察できると言える。
図 2.3.3-6 は LTSLM によって評価した Jc 分布と、組織との相関を調べた結果を
示す。高 Jc 領域と低 Jc 領域とで、マイクロサンプリング法により局所的断面組織
B-Ⅲ 135
の TEM 観察を行った。高 Jc 領域では、平坦な界面構造を有するのに対し、低 Jc 領
域では基材表面の roughness によって積層界面の構造に乱れがあることが明らか
となった。この面内不均一性に伴って、Jc が制限されていると考えられる。
(a)
(b)
(c)
n=2.0
T=88.5K
-100 -50
0
図 2.3.3-5 人工的単一欠陥での LTSLM 観察例 (a)光学顕微鏡写真、
(b)88.5K の LTSLM 像、(c) n=2 での理論値との比較
B-Ⅲ 136
LTSLM による局所電界計測と相補的な測定法として、走査 SQUID 顕微鏡(SSM)に
よる磁気イメージング法を確立した(経済産業省「地球環境国際研究推進事業」に
࿑ 2.3.3-6
LTSLM 䈫 TEM 䈮䉋䉎ዪᚲ⹏ଔ
おけるᚑᨐ䋩䇯磁気像より面内の電流分布を定量的に高い空間分解能をもって評価
することが可能となる。電流印加方向と垂直方向に導入された欠陥近傍の非線形電
流フローの様子を可視化した結果を図 2.3.3-7 に示す。LTSLM と SSM との連携によ
って、局所的な電界と電流密度を独立に評価することができ、線材内の電流通電機
構を詳細に調べることが可能となる。図 2.3.3-7 に欠陥近傍を電流が迂回する様子
を捉えた例を示す。
Sheet Current
[A/m]
y [ µm]
T=89.02K, I B=8.28mA
4 10
1
2 10
1
0 10
-2 10
図 2.3.3-7 走査 SQUID 顕微鏡を
用いた欠陥近傍の電流分布の評
価例。実線は理論曲線を表す。
150
0
140
130
120
1
110
-4 10
1
100
90
-1 10
2
-8 10
1
-6 10
1
-4 10
x [µm]
1
-2 10
1
0 10
0
線材をリソグラフィーで 100vm 幅のストリップラインに加工したマイクロブリッ
ジ試料を作製し、低温レーザー顕微鏡で評価した試料との欠陥部分の対応を行った。
図 2.3.3-8 に磁束残留状態の MO 像、低温走査レーザー顕微鏡(LTSLM)像および走査
SQUID 顕微鏡像(
(経済産業省「地球環境国際研究推進事業」にて導入)をまとめ
た。
B-Ⅲ 137
図から分かるように、LTSLM で電界集中が発生した場所の近くで欠陥が見出され、
表面磁束を観察する MO 観察と実際に電流を印加している LTSLM との間で相関があ
ることが判明した。また走査 SQUID 顕微鏡で弱結合と思われる領域ともよい一致を
示した[論文 7-10, 47]。
Defect
図 2.3.3-8 LTSLM、 SSM、 SEM による総合的評価の例。欠陥部位に磁束バ
ンドルがトラップされ、欠陥を迂回する電流の集中によって磁束フロー損失
が発生する様子を捉えている。
100µm
図 2.3.3-9 TFA-MOD 線材のマ
イクロブリッジにおける種々
の電磁気特性評価のコラボレ
ーションの例。上から残留状態
の MO 磁束観察像、LTSLM 像およ
び SQUID 顕微鏡(SSM)像であ
る。
(iii) 磁気光学(MO)磁束観察法を用いた各種プロセスの欠陥抽出 [SRL]
臨界電流特性の分布を評価する特性評価グループの中で、MO 磁束観察は最も空
間分解能が高い手法である。図 2.3.3-10 に MO 磁束観察の観察配置および測定原理
を示す。超電導体の表面に鏡のついた MO インジケータ膜を押付け、そこに直線偏
光させた光を入射する。磁束が存在する場合には MO 膜の磁化に垂直成分が発生す
るため、磁束のない部分とは異なるファラデー回転が生じる。これを偏光アナライ
ザーで受光することによって、磁束の存在領域を明暗分布として観察可能となる。
ここでファラデー回転角は磁界に比例する量であるため、磁束密度分布を求めるこ
とが可能となる(詳細については 2.3.2(3)(c)参照)
。
B-Ⅲ 138
偏光面が回転
面内磁化が超電導体
表 面 の 磁 束 で cant し
た成分をファラデー
回転による偏光角の
変化として検出する
MO膜
鏡
超電導体
磁束
磁化
図2.3.3-10
MO磁束観察配置と測定原理
TFA-MOD 線材の MO 観察でプロセスに起因すると思われるいくつかの欠陥を発見し
た。MO 観察に用いた TFA-MOD 線材の Ic と場所の関係を図 2.3.3-11 に示す。どの
試料でも本焼成時のガスの流れの風下側の臨界電流特性が風上側よりも低いこと
が分かった。風下の Jc が低いという結果は、共同研究先の横浜国大による磁気ナ
イフ法でも同様な結果が得られており、よく符合する。風下の Jc が低いというだ
けでなくいくつかの種類の異なる欠陥を見出した。ほとんどの試料に見られたのが
風下にある周期的な欠陥である(図 2.3.3-12 (a))
。これが風下の Jc が低いこと
Ic
~1cm
-117-2
8cm
10cm
10cm
10cm
80A
117A
3A
12A
~5cm
~5cm
10cm
112A
~5cm ~5cm
YSN23080 YSN23080
YSN23080 YSN23080
YSN23080
-3-2
-3-4
-12-2
-12-4
-117-3
࿑ 2.3.3-11 MO ⷰኤ䈮↪䈇䈢 TFA-MOD ✢᧚䈱 Ic 䈫႐ᚲ䈱㑐ଥ
の原因ではないかと考えられた。
周期的な欠陥が入る可能性としてはコーティング時のムラあるいは HF ガスの反応
炉内残留が推定されたので、膜厚ムラのおきやすい Die coating の見直しとガスの
流れとして層流状態を得ることが重要であり、基板の反りを解消するべきと提言し
た。別の欠陥としては、超電導層の欠如が挙げられる(図 2.3.3-12 (b))。超電導
B-Ⅲ 139
10mm
(a)
(b)
(c)
࿑ 2.3.3-12 TFA-MOD ✢᧚䈱᭽䇱䈭ᰳ㒱䇯⹜ᢱ᏷䈲 10mm 䈪䇮࿑䈱਄
ਅᣇะ䈏᏷ᣇะ䈫䈭䉎䇯(a) 㐳䈘ᣇะ䈮๟ᦼ⊛䈭ᰳ㒱䇮(b) ⿥㔚ዉጀ䈱
ᰳ⪭䇮(c) ᏷ᣇะ䉕ᮮᢿ䈜䉎ᰳ㒱
層が欠如していることは断面 TEM 観察から確認された。これは TFA-MOD 溶液の塗布
ムラが原因と思われるが、ハステロイ基板に傷が入っていたことから、基板の傷が
均一コーティングを妨げた可能性がある。幅方向を横断するような欠陥も観察され
た(図 2.3.3-12 (c))
。この箇所についても断面 TEM 観察を行ったが、超電導層は
欠如しておらずハステロイ基板が盛上がっていることが確認され、ハステロイ基板
の傷に沿って臨界電流値が極端に低下したことが考えられる。
これらのことをプロセス開発指針策定にフィードバックした。具体的にはハステ
ロイ基板の裏側に CeO2 あるいは Gd2Zr2O7 層を PLD 成膜することで基板の反りを解消
し、ムラの少ない Dip coating に変更した。またプロセス側でも HF ガス残留の低
減のために本焼成時のガスの流量と圧力を高めた。その結果、図 2.3.3-13 に示す
ようにこれまで見られた周期的な欠陥等が解消され、比較的均一な磁束侵入を示す
線材が作製できるようになり、その臨界電流値は2倍以上に向上した[論文 11,
12]。
10mm
࿑ 2.3.3-13 ᡷ⦟ဳ䊒䊨䉶䉴䈪૞⵾䈚䈢 TFA-MOD ✢᧚䈱 MO ↹௝䋨Ꮐ
࿑ 30mT䇮ฝ࿑ 60mT䋩
MO 磁束観察は光学顕微鏡を用いた観察手法であるため光学系の性能が分解能を
決定する。これまで用いて来た MO 磁束観察装置は約 1vm 程度の空間分解能であっ
たが、Y 系超電導線材の結晶粒径は数 100nm と微細である場合があり、前述のパー
コレーション理論を加味すると臨界電流制限因子となる微小欠陥を正しく評価す
B-Ⅲ 140
る必要がある。そこで以下のような概念で空間分解能が 500nm 以下に達する MO 磁
束観察装置を開発した。空間分解能の大部分は対物レンズの開口数に依存する。だ
が高い開口数の対物レンズの作動距離は短いため、レンズをクライオスタット内に
配置した。またファラデー回転角は磁界の強度に加えて波長に依存するため、これ
までの白色光源では1つの磁束密度に対するファラデー回転角が複数存在してし
まうことから、単一の波長でかつ輝度の高い光源を用いなければ分解能は高められ
ない。そこで 2.3.1 章で述べた MO 膜の性能指数が高い 543nm の波長を有する He-Ne
レーザーを光源に用いた。さらに光学系の分解能が高くなっても、クライオスタッ
トが振動しては分解能を高められないので、低振動型のクライオスタットと高性能
除振台を導入した。これらの概念に従い面内空間分解能が 400nm に達する MO 磁束
観察装置を新たに開発することができた。
(b) 微細構造観察から欠陥の発生原因の特定
(i) セラミックス中間層の配向性評価 [JFCC]
優れた超電導特性を有する長尺線材の開発には、金属テープ上への高配向セラミ
ックス中間層形成が必要不可欠である。IBAD 法を用いて Hastelloy 基板上に
Gd2Zr2O7 層(約 0.5μm)を形成した後、PLD 法により CeO2 層(約 3μm)を成膜すると、
X 線極点図形から計測される CeO2 層の c 面結晶粒配向度(ΔΦ)はおよそ 5°まで改
善される。この CeO2/ Gd2Zr2O7 多層膜について TEM による断面観察から配向性に関
する評価を行った。図 2.3.3-14 に CeO2/Gd2Zr2O7/Hastelloy の断面 TEM 像と電子線
回折図形を示す。(a)∼(d)の電子線回折図形は TEM 像に示す a∼d の領域に対応す
る。Gd2Zr2O7 層は多数のカラムにより構成され、電子像回折図形(d)に Gd2Zr2O7 層の
垂直方向に 004 回折が現れ、回折点にストリークが見られる。従って、Gd2Zr2O7 層
は多数の結晶によって構成され、垂直方向に c 軸配向分布を持っていることが分か
る[論文 13]。これに対し、(a)∼(c)の回折パターンは非常にシャープであり、CeO2
の 002 回折が CeO2 層の垂直方向と一致する。従って、(a)∼(c)の回折パターンは
a
a
CeO2
b
b
c
Gd2Z䌲䌲2O7
Hastelloy
c
d
d
1µ
µm
図 2.3.3-14
CeO2/Gd2Zr2O7/Hastelloy の断面
図 2.3.3-15 CeO2/Gd2Zr2O7 多層膜の
暗視野像
B-Ⅲ 141
CeO2 層が単結晶により構成され、c 軸配向が整っていることを示している。図
2.3.3-15 に CeO2/Gd2Zr2O7 多層膜の暗視野像を示す。暗視野像では、明るいコント
ラストの領域はほぼ方位が揃っていると判断できる。図 2.3.3-15 では Gd2Zr2O7 層
のカラム基調がより鮮明に現れており、それぞれのカラム上にほぼ同様な方位を有
する CeO2 結晶が形成される。これらの CeO2 結晶の幾つかは CeO2 層の膜厚増加と伴
に粒成長している。しかしながら、図 2.3.3-15 の一点破線で示すように Gd2Zr2O7
界面からおよそ 1μm 以上ではほとんど粒成長していないことが分かる。また、X
線極点図形の評価でも、CeO2 層の膜厚 1μm 以上ではΔΦがほとんど改善しないこ
とから、CeO2 層の配向改善は CeO2 結晶のオーバーグロースと密接な関係があると
結論できる。この様な解析から、CeO2 の最適膜厚は 1μm であると判断でき、CeO2
層成膜の最適時間を推定する結果を得た[論文 18]。
(ii) MO-CVD 線材の厚膜化に伴う Jc 劣化原因の特定 [JFCC]
Ic を向上させるためには YBCO 層の厚膜化が重要であるが、一定以上の厚膜 YBCO
層を形成しても Jc が低下するため Ic は期待したほどには増加しないという問題が
ある。この原因を特定するために、MOCVD 法で作製された YBCO 線材について、断
面 TEM 試料を作製し、TEM 観察を行った。その代表的な TEM 写真を図 2.3.3-16 に
示す。図 2.3.3-16 の中に示した電子線回折図形 a∼d は、TEM 写真中に a∼d で示
した場所から取得したものである。(a)で示す結晶は c 軸配向の YBCO 結晶であるが、
(d)で示す結晶は a 軸配向の YBCO 結晶であることが電子線回折図形から分かる。こ
の TEM 写真で示した領域から、他にも 2 つの a 軸配向成長した YBCO 結晶粒が確認
できた。a 軸及び c 軸配向結晶の表面高さの違いから、a 軸配向結晶は c 軸配向結
晶よりも優先的に成長すると考えられる。従ってこの MOCVD 法の成膜条件で、さら
に YBCO 層の厚膜化を試みても、YBCO 層の上部では a 軸配向結晶が支配的になると
考えられる。a 軸配向結晶の結晶粒界は、基板テープの面内方向に超電導電流がほ
࿑ 2.3.3-16 MOCVD ᴺ䈪૞⵾䈚䈢 YBCO ✢᧚䈱 TEM ౮⌀
B-Ⅲ 142
とんど流れないため、これらの a 軸配向結晶が、厚膜化しても Ic が上昇せず、Jc
が劣化する原因であると考えられる。これらの TEM 観察により、厚膜化によって、
Ic を向上させるには a 軸配向結晶の形成及び成長を抑制することが不可欠である
ことが明らかになった[論文 14]。
(iii) MOCVD 線材の線状欠陥のマイクロサンプリング TEM 観察 [JFCC]
MOCVD 法により作製した YBCO 線材について、Ic の低下した箇所について
MO(magnet-optical)法によって、欠陥部を特定した(図 2.3.3-17(a))。その欠陥部
を FIB(Focussed-Ion-Beam)法によって、断面を露出させた(図 2.3.3-17(b))
。そ
の結果、○で示した場所については、稠密な YBCO 構造であったが、×で示した箇
所は YBCO 構造が破壊されている様子が SIM 像により確認された。詳細な構造を調
べるために、正常部と異常部についてマイクロサンプリング法により TEM 試料作製
を行った。図 2.3.3-17(c)に正常部から抽出した TEM 像と電子線回折図形を示す。
この場所では、稠密でかつ CeO2 基板からエピタキシャルに c 軸配向成長した YBCO
が確認された。次に、図 2.3.3-17(d)に異常部から抽出した YBCO 層を TEM 観察し
た像を示す。電子線回折図形から、異常部位の CeO2 基板には問題がなかったが、
YBCO 層部は微細な多結晶であることが明らかとなった。以上の解析により、Ic 低
下となる原因は CeO2 などの基板に問題があるのではなく、その他の要因によって
YBCO の成長時にこれらの欠陥が形成されたことが推定できた[論文 15]。この欠陥
の原因としては組成分布の問題に帰着できると考えて、現在対策を講じているとこ
ろである。
࿑ 2.3.3-17 FIB-䊙䉟䉪䊨䉰䊮䊒䊥䊮䉫ᴺ䈮䉋䉎ᰳ㒱ㇱ䈱⸃ᨆ
B-Ⅲ 143
(iv) PLD-YBCO 膜の膜厚の増加に伴う Jc 低下の原因究明 [JFCC]
PLD 法により成膜される YBCO 層は高臨界電流密度(Jc)を有しており、さらに、高
配向 CeO2/Gd2Zr2O7 多層膜が形成された長尺金属テープに成膜が可能である。しかし
ながら、PLD 法による YBCO 層では、膜厚増加(1μm 以上)と伴に Jc が大きく低下す
るため、高い臨界電流(Ic)を有する YBCO 層の開発に大きな妨げとなっている。そ
こで、成膜条件が異なる 2 種類の YBCO 層について TEM による微細構造評価を行っ
た。1 つは、基板を固定し、基板温度 760℃で膜厚 4μm の YBCO 層(試料 A)を成
膜した。試料 A の Ic は 173A であった。もう 1 つは、reel-to-reel システムにより
基板を搬送させながら、7 回 YBCO を積層させ、膜厚 3μm の YBCO 層(試料 B)を成
膜した。試料 B では、基板温度は 810℃から YBCO の成膜を始め、積層を繰り返す
度に基板温度を上昇させ、最終段階では 830℃にした。試料 B の Ic は 293A であっ
た。
図 2.3.3-18 及び図 2.3.3-19 にそれぞれ、試料 A 及び試料 B の断面 TEM 暗視野像
を示す。a 軸配向結晶及び c 軸配向結晶の境界を破線で示す。両試料とも、CeO2 上
はほとんど c 軸配向結晶で覆われ、c 軸配向結晶に多数のらせん転位が観察される。
これらの転位から、c 軸配向結晶はらせん成長していると考えられる。試料 A では、
a 軸結晶が CeO2 層近傍から形成され、膜厚増加と伴に粒成長し、YBCO 層の膜厚が 1
μm 以上の領域では、ほとんど a 軸結晶粒により構成されていた。また、試料 A の
a 軸配向結晶はその形状から、CeO2 層直上から形成されていると考えられる。これ
に対し、試料 B では、CeO2 層直上に形成される a 軸配向結晶はほとんど観察されな
かった。図 2.3.3-19 の矢印は YBCO 層の成膜プロセスに対応する積層を示している。
図 2.3.3-19 の右側に現れている a 軸配向結晶は YBCO 層の 5 層目から形成されてい
ると考えられる。また、試料 A と同様に a 軸配向結晶が形成されると YBCO 層の膜
厚増加と伴に a 軸配向結晶が粒成長している。従って、YBCO 層の膜厚増加と伴に
Jc が大きく低下する原因は a 軸配向結晶の粒成長であると考えられる。従って、高
࿑ 2.3.3-1䋸 ⹜ᢱ A 䈱ᥧⷞ㊁ ࿑ 2.3.3-䋱䋹 ⹜ᢱ B 䈱ᥧⷞ㊁௝䇯YBCO 䉕
7 ࿁ᚑ⤑䇮ၮ᧼᷷ᐲ 810-830㷄䇮Ic=293A
௝䇯ၮ᧼᷷ᐲ 760㷄䇮Ic=173A
B-Ⅲ 144
Ic 化を目指すには a 軸配向結晶の形成を抑制することが必要であり、プロセス条件
の内で、基板温度の制御が重要であることを示すことができた。
図 2.3.3-20 に示すように集束イオンビーム(FIB)法により CeO2 界面から YBCO
層表面領域まで一度に観察できる平面試料を作製した[論文 16, 17]。図 2.3.3-21
にこの手法を用いて作製した試料 B の平面試料について平面 TEM 像及び TEM 像の破
線領域から得られた電子回折図形を示す。図 2.3.3-21 の矢印は a 軸配向結晶を示
す。電子回折図形から、a 軸配向結晶の c 面は 2 方向に分類できる。さらに、a 軸
YBCO
3 µm
Tungsten
2 µm
CeO2
Gd2Zr2O7
Hastelloy
FIB milling
࿑ 2.3.3-20 FIB ടᎿ䈮䉋䉍 CeO2 ⇇㕙䈎䉌 YBCO ጀ⴫㕙㗔ၞ䉁䈪৻ᐲ䈮
ⷰኤ䈪䈐䉎⹜ᢱ䉕૞⵾䈜䉎䈢䉄䈱ᮨᑼ࿑
配向結晶はある膜厚領域から多数観察され、TEM 平面観察でも、膜厚増加と伴に a
軸配向結晶が粒成長する様子が観察できる。さらに、a 軸配向結晶が成長すると c
軸配向結晶の間にギャップが形成されることが分かる。この様なギャップも Ic 低
下の原因であると考えられる。
YBCO⴫㕙஥
⴫㕙஥
CeO2⇇㕙஥
࿑ 2.3.3-21 ⹜ᢱ B 䈱ᐔ㕙 TEM ௝෸䈶⎕✢䈪࿐䉁䉏䈢㗔ၞ䈱㔚ሶ࿁᛬
B-Ⅲ 145
図 2.3.3-22(a)∼(d)に EDS マッピングによる Y、Ba、Cu、O の元素マップ像とマ
ッピング領域の平面 TEM 像及び TEM 像の a 軸配向結晶と c 軸配向結晶から得られた
電子線回折図形を(e)に示す。a 軸配向結晶と c 軸配向結晶の間に Y2O3 が形成され、
さらに、Y2O3 は a 軸配向結晶の c 面のみに沿って存在していることが分かる。YBCO
の c 面と Y2O3 との整合性は良いものと考えられる。
この評価結果を受けて、膜厚が増加するとともに a 軸配向結晶粒が増えないよう
に膜厚の増加と共に成膜基板設定温度を徐々に上げて行くという対策が取られ
(B-Ⅲ 2.1 章参照)、膜厚増加による Jc 低下を抑えることが可能になって来た[論
文 14]。
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
a-axis
࿑ 2.3.3-22 (a)Y䇮(b)Ba䇮(c)Cu䇮(d)O 䈱 EDS ర⚛䊙䉾䊒෸䈶
(e)䊙䉾䊏䊮䉫㗔ၞ䈱ᐔ㕙 TEM ௝䈫㔚ሶ࿁᛬࿑ᒻ
(v) HoBa2Cu3Oy 系積層線材における粒界・界面の構造 [JFCC]
HoBa2Cu3Oy(Ho123)/CeO2/ YSZ/CeO2/Ni 合金系積層線材を用いて、YSZ 中間層の表
図 2.3.3-23 Ho123/CeO2 界面の高分
解能透過電子顕微鏡像および制限視
野電子線回折パターン
図 2.3.3-24 Ho123 膜の成長軸方向
から観察した明視野像および制限視
野電子線回折パターン
B-Ⅲ 146
面粗さに対する Ho123/CeO2 積層界面の構造や Ho123 膜の粒界構造を明らかにする
ために、透過電子顕微鏡(TEM)による評価・解析を行った。臨界電流密度が高い場合
の Ho123/CeO2 界面の高分解能透過電子顕微鏡像を図 2.3.3-23 に示す。Ho123 結晶
は、下地の 3 次元的な格子の連続性を継承してエピタキシャル成長する。この時、
界面に対して垂直な(020)Ho123 面と(220)CeO2 面との間の格子ミスフィットは 1.5%以
下と小さく、格子ミスフィットが最も小さくなるような方位関係が優先的に現れる。
また、図 2.3.3-24 には図 2.3.3-23 の Ho123 膜を成長軸方向から観察した明視野像
を示す。Ho123 ⤑ో૕䈮ⷰኤ䈘䉏䉎෺᥏⇇㕙䈲੕䈇䈮ᐔⴕ䉅䈚䈒䈲ု⋥䈭㑐ଥ䈮䈅䉍䇮
Ho123 ⚿᥏ห჻䈲䈠䈱෺᥏䉕ᮮᢿ䈜䉎䉋䈉䈮ዊ௑ⷺ☸⇇䉕ᒻᚑ䈚䈩䈇䉎䈖䈫䈎䉌䇮㕙ౝ
㈩ะᕈ䈏㕖Ᏹ䈮㜞䈇䈖䈫䈏ಽ䈎䉎䇯䈖䈱 Ho123 ✢᧚䈪䈲䇮Ho123 ⤑䈱㜞䈇 2 ゲ㈩ะᕈ䉕
ታ⃻䈚䈢䈖䈫䈮䉋䉍䇮1.5MA/cm2 䈫䈇䈉ఝ䉏䈢⥃⇇㔚ᵹኒᐲ․ᕈ䉕␜䈚䈢䈫⠨䈋䉌䉏䉎䇯
(vi) SmBa2Cu3Oy ♽Ⓧጀ✢᧚䈮䈍䈔䉎 BaZrO3 ਛ㑆ጀ䈱ലᨐ [JFCC]
レーザ蒸着(PLD)法を用いて形成された SmBa2Cu3Oy(Sm123)/BaZrO3/MgO 系積層線
材における BaZrO3 中間層の有効性を明らかにするため、Sm123/BaZrO3 界面および
BaZrO3/MgO 界面の TEM による評価・解析を行った。比較的大きい格子ミスフィット
を有する Sm123/BaZrO3 界面では、互いの結晶に共通する BaO 原子面を共有するこ
とで界面エネルギーを大幅に減少させて安定な界面構造を形成することが判った。
図 2.3.3-25 には、BaZrO3/MgO 界面において BaZrO3 の特定の回折スポットを用いて
結像した暗視野像およびその電子線回折パターンを示す。BaZrO3/MgO 界面から
BaZrO3 層内には、膜厚約 50nm の範囲まで多数の結晶欠陥が形成されていることが
分かる。しかし、膜厚約 50nm 以上の領域では欠陥のコントラストが消失しており、
結晶性は良好になっている。この結晶欠陥を大幅に減少する要因として、
BaZrO3/MgO 間の格子ミスフィット、BaZrO3 結晶の臨界膜厚やすべり系の結晶面など
が関与すると考えられる。また、この BaZrO3 の結晶欠陥を減少させる挙動は、MgO
Sm123
BaZrO3
50nm
thick
Interface
100nm
MgO
࿑ 2.3.3-25 BaZrO3/MgO ⇇㕙䈱ᥧⷞ㊁௝䈍䉋䈶೙㒢
ⷞ㊁㔚ሶ✢࿁᛬䊌䉺䊷䊮
B-Ⅲ 147
結晶に限らず MgO と同一結晶構造で非常に近い格子定数を有する NiO 結晶との界面
においても同様な効果が予想される。
(vii) ᡷ⦟ဳ⴫㕙㉄ൻ䉣䊏䉺䉨䉲䊷ᴺ䈮䉋䉍㜞㈩ะൻ䈚䈢 NiO ਛ㑆ጀ䈱⚿᥏ᣇ૏ಽᏓ
[JFCC]
ᓥ᧪ဳ䈱⴫㕙㉄ൻ䉣䊏䉺䉨䉲䊷(SOE)ᴺ䈮ኻ䈚䈩ᡷ⦟ဳ SOE ᴺ䈪䈲䇮ੑᲑ㓏䈱ᾲಣ
ℂㆊ⒟䉕⚻䉎䈖䈫䈮䉋䉍㜞㈩ะ NiO ਛ㑆ጀ䈏ᒻᚑ䈘䉏䉎䇯䈠䈱ᡷ⦟ဳ SOE-NiO ⤑䈱ᓸⷞ
⊛䈭⚿᥏ᣇ૏ಽᏓ䉕ᓟᣇᢔੂ㔚ሶ࿁᛬(EBSD)ᴺ䈮䉋䉍⹏ଔ䈚䈢䇯࿑ 2.3.3-26(a)䈮ಽᨆ
㗔ၞ䈱⴫㕙⚵❱䉕␜䈜䇯ᓥ᧪ဳ SOE-NiO ⤑䈮Ყ䈼䈩⴫㕙䈱ಳಲ䈏䈾䈫䉖䈬⹺䉄䉌䉏䈭
䈇䇯࿑ 2.3.3-26(b)䈲ㅒᭂὐ࿑(IPF)䊙䉾䊒䈱㈩⦡䈫⚿᥏ᣇ૏䈱㑐ଥ䉕␜䈚䈩䈇䉎䇯࿑
2.3.3-26(c)、(d)䈲䇮䈠䉏䈡䉏 NiO ⤑䈱ᚑ㐳ゲᣇะ䈍䉋䈶ᚑ㐳㕙ౝ䈱 IPF 䊙䉾䊒䈪䈅
䉍䇮NiO ਛ㑆ጀ䈱 out-of-plane 䈍䉋䈶 in-plane 䈱⚿᥏ᣇ૏ಽᏓ䉕⴫䈚䈩䈇䉎䇯䈖䉏䉋䉍䇮
out-of-plane䇮in-plane ౒䈮䈾䈿<100>NiO ㈩ะ䈪䈅䉎䈖䈫䈏್䉎䇯䉁䈢䇮⚿᥏ᣇ૏䈱䈾䈿ឥ
䈦䈢㗔ၞ䉕৻䈧䈱⚿᥏☸䈫⷗䈭䈞䈳䇮୘䇱䈱⚿᥏☸䈲⚂ 100㱘m ೨ᓟ䈱☸ሶᓘ䈪䈅䉎䈖
䈫䈏ಽ䈎䉎䇯䈖䉏䉌䈱⚿ᨐ䈲䇮ੑᲑ㓏ᾲಣℂ SOE ᴺ䈏⿥㔚ዉ✢᧚䈱㜞㈩ะൻ䉕ታ⃻䈜
䉎਄䈪᦭ല䈭ਛ㑆ጀᒻᚑᛛⴚ䈱৻ᚻᴺ䈫䈭䉍ᓧ䉎น⢻ᕈ䉕␜ໂ䈚䈩䈇䉎䇯
࿑ 2.3.3-26 ੑ Ბ 㓏 ᾲ ಣ ℂ
SOE-NiO ⤑䈱⚿᥏ᣇ૏ಽᏓ.
(a) ੑᰴ㔚ሶ௝䇮 (b) IPF 䊙䉾
䊒䈱㈩⦡䈫⚿᥏ᣇ૏䇮 (c) ᚑ
㐳ゲᣇะ䈱 IPF 䊙䉾䊒䇮 (d)
ᚑ㐳㕙ౝ䈱 IPF 䊙䉾䊒
B-Ⅲ 148
(viii) 改良型 TFA-MOD 線材の Y123 膜形成における水蒸気分圧の影響
Cu の陽イオンに関してナ
300
フテン酸を用いた新しい原
[SRL]
料溶液を用いる改良型
TFA-MOD 法において膜組織形
成機構に関する知見を得、高
200
特性を有する膜を得ること
のできる焼成条件を明らか
Ic䌛A䌝
にすることを目的とし、本焼
100
時の水蒸気分圧を変えて作
製した Y123 本焼膜と、本焼
Heating rate in calcination
途中で急冷して作製したク
䃂 2㷄/min 䂔 5㷄/min
エンチ膜について、主に透過
0
0
5
10
15
20
25
型電子顕微鏡(TEM)を用い
てその組織を観察した。用い
P(H2O) in crystallization䌛䋦䌝
た試料は、ハステロイテープ
࿑2.3.3-27
ᡷ⦟ဳTFA-MOD✢᧚䈱Ic䈫᳓⫳
上に IBAD 法により Gd2Zr2O7
᳇ಽ࿶P(H2O)䈫䈱㑐ଥ䇯 䋲䈧䈱⇣䈭䉎᣹᷷䊧
層、さらに PLD 法により CeO2
䊷䊃䈪ᧄ὾ᚑ䈚䈢႐ว䉕␜䈚䈩䈇䉎䇯
層を成膜した基板に Y および
Ba の TFA 塩と Cu のナフテン
酸塩を含む溶液を基板上に塗布し、次に、水蒸気分圧 2.1%の酸素気流中、400℃ま
で熱処理することにより、前駆体膜中の有機金属塩を熱分解させた。これらのコー
ティングと仮焼は数回繰り返し、厚さ約 1.2 μm の厚膜を作製した。こうして作製
した仮焼膜を、アルゴンと酸素の混合気流中(酸素分圧 0.1%)
、保持温度 760℃、
水蒸気分圧は 0.8、2.1、4.2、6.3、13.5、20、25%の各分圧で、超電導層を結晶化
させる本焼成を行った。
図 2.3.3-27 に本焼時の水蒸気分圧と Ic 値の関係を示す。この図が示すように、
仮焼昇温速度の違いにより、Ic の絶対値に違いがあるものの、いずれの場合でも、
水蒸気分圧が 13.5%付近で Ic は最大値をとる傾向が見られた。仮焼昇温速度が 2℃
/min の場合で、本焼時水蒸気分圧 20%で作製した Y123 膜では、一部表面にクラッ
クの形成が観察され、25%の場合では、膜表面全体に渡ってクラックが発生してい
た。すなわち、水蒸気分圧 25%の場合はクラックが Ic 値低下の主な要因になってい
るものと考えられるが、水蒸気分圧 20%の場合には、クラックの他にも Ic 値低下
の要因があるものと推察された。しかしながら、20%以下で作製した膜について、X
線回折パターンからは、不純物や配向性について明らかな違いが見られなかった。
そのため、膜断面の TEM 観察を行い、気孔や配向していない小さな不純物の分布、
Y123 の結晶性等を調べた。
B-Ⅲ 149
図 2.3.3-28(a)∼(d)に、仮焼昇温
W
速度 2℃/min の場合で、本焼時の (a)
水蒸気分圧 0.8、6.3、13.5、20%
Y㪈23
で作製した Y123 膜の断面 TEM 写真
CeO2
㪈µm
を示す。これらの TEM 観察用試料
は FIB 法により作製した。それぞ
W
れの膜の Ic 値は、161、228、251、 (b)
114A である。Y123 膜中のコントラ
Y㪈23
ストの白い部分は、気孔に相当し、
観察と同時に行ったエネルギー分
CeO2
㪈µm
散型 X 線分光法(EDS)による組成
Ag
分析でも気孔であることを確認し
(c)
た。これらの写真に示したように、
Y㪈23
Ic 値の低い、水蒸気分圧が 0.8 お
よび 20%で作製した Y123 膜の場合、 CeO2
㪈µm
比較的大きな気孔が存在すること
がわかった。水蒸気分圧が 2.1%
(d)
W
から 13.5%までの範囲で作製した
Y㪈23
Y123 膜では、Y123 膜中の気孔は小
さく分散している様子が観察され
pores
CeO2 BaCeO3
㪈µm
た。仮焼昇温速度 5℃/min で作製
した一連の試料でも、断面を観察 図 2.3.3-28 水蒸気分圧 P(H2O) が (a)
し、水蒸気分圧が 2.1%の場合に、 0.8% ; (b) 6.3% ; (c) 13.5% and (d) 20%
で結晶化させた Y123 膜の断面 TEM 像。そ
大きな気孔が観察されることを確
れぞれの膜の Ic は 161、 228、 251、114A
認している。これらの結果から、 であった。 Ic の低い膜では多くの気孔が
Y123 膜中に大きな気孔が存在する 存在することが分かる。
場合、局所的に電界集中が起き、
Ic 値低下の直接の原因になるものと考えられ
る。(a)で述べたように低温走査レーザー顕微
鏡による電界分布の観察からも、大きな構造
欠陥がある場合、その周囲で電界集中が起こ
り、Ic 値が制限されることが明らかになって
いる。しかしながら、Y123 膜の結晶性や不純
物の分布も Ic 値の低下に影響する可能性があ
ると考えられるため、イオンミリング法によ 図 2.3.3-29 P(H2O)=4.2%で作製
り作製した薄片試料についても TEM 観察を行 した Y123 膜の断面 TEM の明視野
および暗視野像。
った。
B-Ⅲ 150
図 2.3.3-29 (a)、(b)に、比較的高い Ic 値を示す Y123 膜の例として、水蒸気分圧
4.2%で作製した Y123 膜断面の TEM 写真を示す.図 2.3.29 (a)に示すように、Y123
膜中には、大きさ 0.2 μm 程度の CuO や Y2Cu2O5 などの不純物粒子が存在していた。
また、図 2.3.3-29 (b)の(100)Y123 回折点を励起した暗視野像では、コントラスト
の違いが c 軸配向した Y123 の面内配向の違いに相当しており、面内配向のそろっ
た領域は、1 μm 程度まで成長している様子が明らかになった。
図 2.3.3-30(a)∼(c)には、低い Ic 値を持つ Y123 膜の例として、水蒸気分圧 2.
1%で作製した Y123 膜断面の TEM 写真を示す。この膜の Ic 値は 70 A で、図 2.3.3-30
(a)のように、点線で囲んで示したような大きな気孔が観察された。更に、Y123 の
粒界には、図 2.3.3-30 (b)のように、微結晶を含むアモルファス層が多く見られ
Intensity
Ba
(c)
O
F
Cu
Y
Cu
O
Cu
Point A
Y
Point B
Ba
Cu
Y
Y
0
10
Energy (keV)
20
図 2.3.3-30 P(H2O)(2.1%)で成膜した Y123 膜の断面 TEM 像。 (a)、(b)
から高い水蒸気分圧で焼成した場合よりも気孔が大きいことが分かる。
(c)は A および B 点における EDS 元素分析の結果である。
た。このアモルファス層について EDS 分析を行うと、図 2.3.3-30 (c)のように Y123
に比べて Cu の量が少なく、また、F が含まれることがわかった。この分析結果か
ら、このアモルファス層は、仮焼膜中の Y-Ba-O-F が反応せずに残ったものと考え
られる。このようなアモルファス層が存在する場合、隣り合う Y123 粒子の c 軸が
傾斜するなどの、配向性が乱れている様子が観察された。
以上の結果から、水蒸気分圧が 2.1%以下または 13.5%より高い場合には、Y123
膜中に大きな気孔が存在し、Ic 値も低くなることがわかった。Ic 値の低下には、大
きな気孔の他、Y123 配向性の乱れや粒界での不純物の存在も影響する可能性があ
るものと考えられる。
水蒸気分圧と組織形成メカニズムの関係を明らかにするため、本焼温度保持中に
クエンチして作製した Y123 膜の断面組織を TEM 観察した。
B-Ⅲ 151
BaF2
CuO
図 2.3.3-31 (a)、(b)に水蒸気分圧 13.5%、
Y2Cu2O
760℃で 20 分保持した後、急冷して作製した (a)
5
Y123 膜の断面 TEM 写真を示す。この試料では、
Y㪈23
これらの図に示すように、CeO2 中間層上ほぼ
CeO2 buffer
全体に、島状に生成した c 軸配向の Y123 が
0.䋲µm
連なり、層を形成していた。Y123 膜中および
Y123 層の上には、CuO や Y2Cu2O5、BaF2 などの
未反応粒子が見られ、それらの大きさは 0.2
μm 程度であった。また、成長した Y123 膜中
には気孔が少なく、Y123 上の多結晶層にも、
ほぼ気孔が観察されなかった。このことから、
本焼後に見られる Y123 膜中の気孔は、マト
リックス Y123 が成長した後、膜中にとり込
図 2.3.3-31 P(H2O)=13.5%、760℃
まれた未反応成分が反応して Y123 に変化し
で 20 分保持後に急冷した Y123 膜
た際、体積収縮が起こるために形成されるも
の断面 TEM 像。 (a) 低倍率像、
(b)Y123 膜と CeO2 の界面部分。
のと考えられる。実際、以下のような Y123
生成反応式から、Y2Cu2O5 または Y-Ba-O-F と BaF2 および CuO が反応して Y123 が生
成する場合、それぞれの化合物の密度を用いて計算すると 30%近くの体積収縮が起
こることが求められた。なお Y-Ba-O-F は正確な組成比が不明なため、YOF として
計算した。
(1/2)Y2Cu2O5+2BaF2+2CuO+2H2O →
YBa2Cu3O6.5+4HF
YOF+2BaF2+3CuO+(5/2)H2O →
YBa2Cu3O6.5+5HF
Y123 生成時に必要な H2O ガスおよび発生する HF ガスは多結晶層中の未反応粒子粒
界を通じて拡散するものと考えられる。
図 2.3.3-32 には低水蒸気分圧 2.1%、760℃で 60 分保持した後、急冷した Y123
膜の断面 TEM 写真を示す。図中、CeO2 中間層表面から厚み 1 μm 前後の範囲で黒く
見えるのは Y123 膜が成長した部分、その膜中で白い点線で囲んだ部分は Y-Ba-O-F、
CuO、BaF2、Y2Cu2O5 などの未反応相の一部で、EDS 分析により特定できたものは物質
名も示した。この図からわかるように、このクエンチ膜中では Y-Ba-O-F などの非
超電導相が Y123 ドメイン間に残存して、Y123 がオーバーグロースしていた。Y123
膜中にとり込まれた未反応相の大きさは、1μm 程度になっていた。これは、低水
蒸気分圧の場合、Y123 の生成反応および成長速度が遅いため、Y123 成長前方の前
駆体内で、未反応相または粒子が粗大化するためと考えられる。また、図 2.3.3-31
に示した試料と同様に、この試料の前駆体内にほとんど気孔は観察されなかった。
一方、この試料では、CeO2 中間層上に全く Y123 が成長していない部分も多く見ら
れ、Y123 の膜厚も不均一であった。このことから、低水蒸気分圧の場合は Y123 の
B-Ⅲ 152
polycrystallin
polycrystallin
BaF2
Y㪈23
BaF2
CuO
CeO2
Y㪈23
Y㪈23
Y㪈23
Y-Ba-O-F
0.䋵µm
図 2.3.3-32 P(H2O)=2.1%、760℃で 20
分保持後に急冷した Y123 膜の断面 TEM
像
CeO2
Y2Cu2O5
Y㪈23
0.䋵µm
図 2.3.3-33 P(H2O)=20%、 760℃で 20
分保持後に急冷した Y123 膜の断面
TEM ௝
過飽和度が低いため、Y123 の単位時間、単位面積あたりの核生成速度が遅くなっ
ていることが推察される。
図 2.3.3-33 には高水蒸気分圧 20%、760℃で 60 分保持した後、急冷して作製し
た Y123 膜断面の TEM 写真を示す。このクエンチ膜でも、CuO や Y2Cu2O5、Y-Ba-O-F
などが多くとり込まれながら、Y123 がオーバーグロースしている様子が観察され
た。この理由の詳細はまだ明らかではないが、高水蒸気分圧の場合は、Y123 の過
飽和度が大きく成長速度が速いので、Y123 膜中にとり込まれる未反応粒子の大き
さは小さいものの、数が多くなるものと考えられる。
以上の観察結果から、TFA-MOD 法における Y123 膜の組織形成機構について、次
のように考えられる。まず、本焼途中でクエンチした Y123 膜と本焼終了後の Y123
膜の組織を比較すると、仮焼条件や本焼時の水蒸気分圧に関わらず、本焼終了後未
反応物の量は減り、気孔の量は増える傾向が見られた。一方、Y2Cu2O5 または Y-Ba-O-F
と BaF2 および CuO が反応して Y123 が生成するとき、約 30%の体積収縮が起こるも
のと考えられる。これらの結果から、TFA-MOD 法により作製した Y123 膜について、
電流特性に大きく影響する気孔は、Y123 の成長過程において、Y2Cu2O5、BaF2、CuO
などの未反応物が反応し Y123 が生成したとき、体積収縮が起こることにより形成
されるものと考えられる。
また、Y123 膜組織形成に対する水蒸気分圧の影響については、以下のように推
測される。すなわち、水蒸気分圧が 2.1%以下と低いときには、Y123 の生成反応速
度が遅いため、未反応物が互いに反応して Y123 になる前に、それ自体で粗大化し
てしまい、結果として、Y123 膜中に多くの未反応物がとり込まれることになる。
これらの未反応物が互いに反応して Y123 になった場合、大きな体積収縮が起こる
ため、大きな気孔が発生するものと考えられる。これに対し、水蒸気分圧が 2.1
∼13.5%の間では、未反応物が粗大化する前に Y123 が成長するため、膜中にとり
込まれる未反応物は小さく、数もそれほど多くなく、大きな気孔の形成を抑えるこ
とができる。さらに、13.5%以上の水蒸気分圧になると、Y123 の成長速度は速い
B-Ⅲ 153
ものの、過飽和度が高くなるため、Y123 成長途中で取り込まれる未反応物の数が
増える。その結果、Y123 は未反応物を多くとり込みながらオーバーグロースする
ことになる。このため、プロセスの後期で、とり込まれた未反応物が反応すると、
大きな気孔が形成されるものと考えられる。
以上をまとめると、Y123 膜中の気孔の大きさは、膜の Ic 特性に大きく影響する。
それと同時に、気孔の大きさは Y123 の成長速度と深く関係し、成長速度を制御す
ることにより、膜中の気孔の生成を制御し、高特性を得ることができる。Y123 の
成長速度は、水蒸気分圧に強く依存するため、これを制御することにより、特性も
制御することが可能であると考えられ、プロセス開発における成膜条件にフィード
バックし、高 Ic 特性膜を得ることにつながった[論文 19]。
B-Ⅲ 154
Total AC loss (J/m 3/cycle)
(c) 交流損失の評価と低減および線材加工へのアプローチ
(i) 交流損失シミュレーション技術の開発 [横浜国大]
次世代線材のマクロな直流電磁特性
8
10
を組み込んだ線材電磁現象シミュレー
Jc = Jc0Bc/(Be+B0+Bc)
7
ション技術の開発は、各種機器内電磁環
10
It/Ic = 0.5
境下における線材交流損失を計算機シ
Fixed Jc0
6
10
ミュレーションにより評価する上で必
5
須である。次世代線材では非常に断面ア
10
スペクト比が高いために、線材面に平行
4
10
な磁界成分の影響が無視できるケース
2 mm
が多いという他研究の結果に基づき、1
3
4 mm
10
次元有限要素モデルを採用して、局所的
10 mm
2
10
な Jc-B 特性、幅方向 Jc 分布を考慮した
1
10
直線状線材電磁現象シミュレーション
Perpendicular magnetic field (mT)
技術、及び円環状線材電磁現象シミュレ
࿑ 2.3.3-34 ✢᧚᏷䈫ో៊ᄬ
ーション技術を開発した。前者は基礎的
8
5
It = 100 A
wc = 10 mm
6
10
10
Jc = Jc0Bc/(Be+B0+Bc)
3
Jc = Jc0Bc/(Be+B0+Bc)
7
10
3
Total AC loss / Critical current (J/m/A/cycle)
10
Total AC loss (J/m /cycle)
100
5
10
Ic0 = 120 A
Ic0 = 150 A
4
10
Ic0 = 200 A
Ic0 = 300 A
3
10
Ic0 = 400 A
It/Ic = 0.5
wc = 10 mm
4
10
3
Ic = 50 A
10
Ic = 100 A
Ic = 200 A
Ic = 300 A
2
2
10
10
1
10
100
1
10
100
Perpendicular magnetic field component (mT)
Perpendicular magnetic field (mT)
(a) ㅢ㔚㔚ᵹ䉕 100A 䈮࿕ቯ
(b) 㔚ᵹ⽶⩄₸䉕 0.5 䈮࿕ቯ
࿑ 2.3.3-35 ⥃⇇㔚ᵹ䈫ో៊ᄬ䈱⸘▚⚿ᨐ
な交流損失特性評価に有効であり、後者はソレノイドコイルのような軸対称な電気
機器巻線において機器内電磁環境評価と組み合わせて巻線 1 ターンの交流損失を
評価するために有効である((ii)参照)。以下では前者によって得られた成果を示
す。
図 2.3.3-34 は、幅の異なる 3 種類の線材について、交流垂直横磁界中で交流電
流を輸送しているときの全損失を横磁界振幅に対してプロットしたものである。損
B-Ⅲ 155
失低減の観点から幅の狭い線材の優位性が明らかである。通電電流を 100A と一定
に保って線材の臨界電流を変化させると全損失特性がどのように変わるかを示し
たものが図 2.3.3-35(a)、電流負荷率 It/Ic を一定に保って線材の臨界電流を変化
させると臨界電流で規格化した全損失(臨界電流が大きくなれば必要線材量が減る
ことを考慮)がどのように変わるかを示したものが図 2.3.3-35(b)である。これら
の図より、臨界電流の向上は、ケーブル応用など垂直横磁界成分が小さい場合に損
失低減に有効であることがわかる。
2.3.3(a)節の電磁気特性評価で判明したように磁気ナイフ法や MO 磁束観察の測
定結果が示すように線材の幅方向 Jc 分布は必ずしも一様でない。そこで、図 2.3.
3-36(a)に示すような幅方向 Jc 分布を仮定した場合の交流損失のシミュレーション
を行った。具体的には図 2.3.3-37(a)に示すような幅方向 Jc 分布を仮定し、
Jcが一様
端のJcが大きい
中央部のJcが大きい
࿑ 2.3.3-36 ੤ᵹ៊ᄬ⸘▚䈱䈢䉄䈮઒ቯ䈚䈢᏷ᣇะ䈱 Jc ಽᏓ䈱ᮨᑼ࿑
上述したモデルにより全損失を計算した。その結果を図 2.3.3-37(b)に示す。
垂直横磁界成分が小さい場合に、幅方向 Jc 分布が全損失特性に顕著な影響を与え
ることがわかる。このことは、ケーブル応用のような垂直横磁界成分の小さな応用
において、損失低減の観点から幅方向 Jc 分布に十分注意しなければならないこと
を示唆している。
表 2䋮3䋮3-2 ⏛ൻ៊ᄬ䉕᷹ቯ䈚䈢⹜ᢱ✢᧚
⹜ᢱฬ䋨YNU䋩
⵾ㅧᴺ
ၮ᧼
ਛ㑆ጀ
YBCO ጀ
଻⼔ጀ
㐳䈘
᏷
Ic @ ⵾ㅧర
Ic @ YNU
04CD1-1
IBAD/CVD
䊊䉴䊁䊨䉟
CeO2/ GZO
0䇯5 µm
Ag
100 mm
10 mm
⚂ 50 A
35 ~ 40 A
03SS1-3
IBAD/TFA-MOD
䊊䉴䊁䊨䉟
—
1䇯27 µm
Ag
100 mm
10 mm
50 A
20䇯1 A
03SS1-4
IBAD/TFA-MOD
䊊䉴䊁䊨䉟
CeO2/ GZO
1䇯27 µm
Ag
100 mm
10 mm
105 A
68䇯1 A
04SS2-1
IBAD/TFA-MOD
䊊䉴䊁䊨䉟
—
1䇯0 µm
Ag
96 mm
10 mm
⚂ 77 A
50 ~70 A
今後の電磁現象シミュレーションとの比較データ蓄積等を目的として、表
2.3.3-2 に示すような各種プロセス線材の磁化損失を横磁界の角度を変えて測定
した。磁化損失を垂直横磁界成分に対してプロットした結果を図 2.3.3-38 から図
2.3.3-41 に示す。図中で「BI」は Brandt、 Indenbom による理論値を示す。今回
測定した IBAD/TFA-MOD 線材には「反り」があったため、磁界角度が小さい場合に
B-Ⅲ 156
理論値から䈱䈝䉏䈏ᄢ䈐䈒䈭䈦䈩䈇䉎䌛ᢥ₂ 20-24䌝䇯
8
10
10
4 10
Jc distribution across conductor
J = J B /(B +B +B )
7
c
c0
c
self
ext
c
Total ACloss (J/m /cycle)
2
Critical current density (A/m )
10
10
6
10
3
3 10
10
2 10
10
5
10
4
10
Case 01 (It/Ic = 0.5)
Case 06 (It/Ic = 0.5)
3
10
Case 07 (I/I = 0.5)
1 10
t c
Case 01
Case 06
Case 07
Case 08
Case 09
Case 08 (It/Ic = 0.5)
2
10
Case 09 (It/Ic = 0.5)
1
0
10
0 10
0
2
4
6
8
1
10
Lateral position (mm)
10
100
Perpendicular magnetic field componentmT)
(
࿑ 2.3.3-37 (a) ੤ᵹ៊ᄬ⸘▚䈱䈢䉄䈮઒ቯ䈚䈢᏷ᣇะ䈱 Jc ಽᏓ䊝䊂䊦䇮
(b) (a)䈱઒ቯ䉋䉍⸘▚䈮䉋䈦䈩ᓧ䉌䉏䈢੤ᵹో៊ᄬ
90deg
75deg
60deg
45deg
30deg
7
15deg
5deg
Brandt(I c=20.1A)
Brandt(Ic =50A)
10
It/Ic0=0, 72.44Hz
10 7
5
10
10000
1000
100
10
BI
90deg
75deg
60deg
45deg
30deg
15deg
5deg
Magnetization loss (J/m 3/cycle)
3
Magnetization loss (J/m /cycle)
6
10
1
I /I =0, f=72.44Hz
t c0
10 5
1000
10
Sample 03SS1-3, /SYBCO
0.1
0.1
1
10
100
Perpendicular magnetic field component (mT)
0.1
1
10
100
Perpendicular magnetic field component (mT)
࿑ 2.3.3-38 IBAD/MOCVD ✢
࿑ 2.3.3-39
᧚ 04CD1-1 䈱⏛ൻ៊ᄬ
✢᧚ 03SS1-3 䈱⏛ൻ៊ᄬ
B-Ⅲ 157
IBAD/TFA-MOD
15deg
5deg
Brandt(Ic=68.11A)
Brant(Ic=105A)
It/Ic0=0, f=72.44Hz
7
10
3
Magnetization loss (J/m /cycle)
107
3
Magnetization loss (J/m /cycle)
90deg
75deg
60deg
45deg
30deg
5
10
1000
10
Sample 03SS1-4, /SYBCO
0.1
0.1
1
10
100
Perpendicular magnetic field component (mT)
࿑ 2.3.3-40
IBAD/TFA-MOD
✢᧚ 03SS1-4 䈱⏛ൻ៊ᄬ
I /I =0, 72.44Hz
t c0
106
105
10000
1000
100
BI
10
1
0.1
1
10
100
Perpendicular magnetic field component (mT)
࿑ 2.3.3-41
IBAD/TFA-MOD
✢᧚ 03SS2-1 䈱⏛ൻ៊ᄬ
(ii) 機器内電磁環境の評価と機器内電磁環境下での線材交流損失評価技術の開
発 [横浜国大]
電気機器の巻線の一例としてモデル・ソレノイドコイルを取り上げ、その中で、
あるターンの線材が晒される、他ターンの線材の電流が作る磁界を数値解析によっ
て求めた。解析対象のソレノイドコイルを図 2.3.3-42(a)に示す。コイル上下端の
ターンで図 2.3.3-42 (b)に示すように垂直横磁界成分が大きくなり、この部分で
(a)䉸䊧䊉䉟䊄
(b)䉮䉟䊦਄┵䈱
䉮䉟䊦
⏛⇇ಽᏓ
Analysis region
−
∂ ∂T
=
ρ
∂y ∂y
−
· ∂B
∂§
∂T
¨¨ µ 0 t s ³ F ( y ' ) ⋅
dy ' ¸¸ − 0
∂t ©
∂y
¹ ∂t
ρ sc =
モデル・ソレノイドコイル
ソレノイドコイル上端の1 , 5 ,
10層目の線材に対する外部磁界
࿑ 2.3.3-42 䊝䊂䊦䊶䉸䊧䊉䉟䊄䉮䉟䊦
ਛ䈱㔚⏛ⅣႺ
E E0 § J
¨
=
J
J c ¨© J c
·
¸
¸
¹
n −1
࿑ 2.3.3-43 㐿⊒䈚䈢౞Ⅳ⁁ Y ♽✢
᧚䈱㔚⏛⇇⸃ᨆ䊝䊂䊦
B-Ⅲ 158
交流損失が大きくなると考えられる。
このようにして数値解析によって得
Average : 7.19 X106 J/m3/cycle
6
た磁界を交流外部磁界として与えて、
8 10
図 2.3.3-43 に示すような円環状モデ
6
ルと式を用いることによって交流電
6 10
流を輸送する円環状線材の電磁現象
6
4 10
シミュレーションを行えば、円環状線
材で模擬されるあるターンの交流損
6
2 10
失を評価することができる。このよう
にして評価した図 2.3.3-42 (a)のソ
0
レノイドコイル端部の 10 ターンの線
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10
材の交流損失を図 2.3.3-44 に示す。
Layer
࿑ 2.3.3-44 䊝䊂䊦䊶䉸䊧䊉䉟䊄䉮䉟䊦䈱
このように電磁特性評価から得られ
੤ᵹ៊ᄬ
た線材特性を用い、線材アーキテクチ
ャと実際の機器のデザインを決定す
れば電磁現象シミュレーション技術を用いて超電導線材で構成された機器に発生
する交流損失をあらかじめ把握することが可能となった䌛ᢥ₂ 25, 26䌝。
7
3
Total AC loss (J/m /cycle)
1 10
(iii) 電気的・熱的測定法による交流損失評価 [横浜国大]
交流損失の測定法は大別して電気的方法と熱的方法がある。電気的測定では通電
損失と磁化損失を測定する。通電損失測定は電圧端子を矩形やスパイラルのリード
ループに配置した交流通電による4端子法が用いられ、磁化損失測定では交流磁界
中でピックアップコイル法が用いられる。交流通電・交流磁界中の全損失は通電損
失と磁化損失の和で求められる。一方、熱的測定はまず測定区間の断熱を行って直
Long duration
td1
td2
∆T
td3
Short duration
࿑ 2.3.3-45 㔚᳇⊛ᾲ⊛ᣇᴺ䈮䉋䉎ో
៊ᄬ䈱᷹ቯ㈩⟎䈱ᮨᑼ࿑
0
P1
P2 P3
࿑ 2.3.3-46 ੤ᵹ⏛⇇ශട䈮䉋䉎ᾲ
⊛੤ᵹ៊ᄬ䈱セᱜ䈱᭎ᔨ࿑
B-Ⅲ 159
流通電によって生じるジュール損失と温度上昇との関係を求めることによって任
意の電磁条件で生じる温度上昇から損失を求める手法である。ここでは直流通電で
はなく超電導線材面に垂直に交流磁界を印加した場合の磁化損失を基準として求
めた較正曲線を用いた。交流磁界で較正する利点は、直流通電では得られない微小
な損失の測定が可能となるので熱的測定法の測定精度が向上することと、較正が簡
便にできることである。
図 2.3.3-45 に本研究で用いた交流損失測定の試料配置を示す。本測定方法は従
来から用いてきた手法である。図に示すように電気的交流損失と熱的な交流損失を
測定する。電気的測定では通電損失測定用にスパイラル電圧リードループを用いる。
磁化損失測定の場合には矩形ピッ
クアップコイルを用いている。熱
的測定では断熱後に熱電対により
温度上昇の測定を行う。図
2.3.3-46 は、熱的交流損失の較正
の概念図を示している。このよう
にして求めた超電導線材の交流損
失の測定例を図 2.3.3-47 に示す。
破線で示すデータが電気的測定に
よる交流損失で、ポイント表示さ
れた熱的測定の結果とよく一致し
ていることが分かり、データの妥
当性が示された結果である。また
࿑ 2.3.3-47 㔚᳇⊛ᾲ⊛ᣇᴺ䈮䉋䉎੤ᵹ
図 2.3.3-47 は、測定周波数 64Hz
៊ᄬ䈱หᤨ᷹ቯ଀
-5
-2
付近で 5×10 ޯ5×10 J/m/cycle
の範囲で交流損失が測定可能であ
ることも示している。電気的測定法は通電電流と外部磁界との位相が同位相でなけ
れば、それぞれの測定電圧に誘導電圧が生じてしまうために測定できないが、熱的
測定では測定時には通電と磁界の印加がないために位相の制限を受けることがな
い。したがって熱的測定法は電流と外部磁界の位相を変化させた時の損失の増減を
評価できるので、たとえば三相同軸高温超電導導体などを構成する場合の損失低減
の最適化に用いることができる手法であると言える。
B-Ⅲ 160
(a)
࿑ 2.3.3-48 䋳ᧄਗ೉䈮㈩⟎䈚䈢⿥㔚
ዉ✢᧚䈱੤ᵹㅢ㔚៊ᄬ䇯(a) ᷹ቯ䈱
㈩⟎䇮(b) ✢᧚㑆〒㔌䈏 1mm 䈱႐ว
䈱᷹ቯ⚿ᨐ䇮(c) ✢᧚㑆〒㔌䈏 3mm
䈱႐ว䈱᷹ቯ⚿ᨐ
Q [J/m/cycle]
次に集合導体での損失測定について述べる。図 2.3.3-48(a)に3本の超電導線
材を平面並列配置した場合の電気的・熱的交
流損失測定の配置を示す。この配置で測定し
た通電交流損失の測定結果を図 2.3.3-48(b)、
(c)に示す。この結果から分かることは3本
の内の中心線材の損失が単独の場合よりも
小さくなるということである。この結果は隣
接導体の磁界の影響による低減であると考
えられる。
Ni 䉕ਥᚑಽ䈫䈜䉎ᒝ⏛ᕈၮ᧼䈮ᚑ⤑䈘䉏䈢
⿥㔚ዉ✢᧚䈪䈲ㅢᏱ䈱੤ᵹ៊ᄬ䈮ട䈋䈩䇮ᒝ
⏛ᕈ䊍䉴䊁䊥䉲䉴៊ᄬ䉕⠨ᘦ䈚䈭䈔䉏䈳䈭䉌䈭䈇䇯
࿑ 2.3.3-49 ᒝ⏛ᕈၮ᧼䉕↪
䈇䈢 Ho123 ✢᧚䈱⏛⇇ਅ䈪
䈱੤ᵹㅢ㔚៊ᄬ
䈠䈖䈪࿑ 2.3.3-49 䈮␜䈜ᒝ⏛ᕈၮ᧼䉕↪䈇䈢
Ho23 ✢᧚䈱⋥ᵹ⏛⇇ਅ䋨~䋲T䋩䈪䈱੤ᵹ៊ᄬ䉕᷹ቯ䈚䇮ᒝ⏛ᕈၮ᧼䈱⏛ᕈ․ᕈ䈱ᄌ
ൻ䈫៊ᄬ䈫䈱㑐ଥ䉕␜䈜䈖䈫䈏䈪䈐䈢䇯
このように電気的・熱的な交流損失が評価できるようになったことから、次は交
B-Ⅲ 161
Magnetization loss (J/m/cycle)
Magnetization loss (J/m/cycle)
流損失を低減する方法の模索を行っている。交流損失低減を目指した疑似ツイスト
線材を作製し、損失低減の効果を評価した結果を図 2.3.3-50 と図 2.3.3-51 に示す。
いづれの場合にも 27Hz から 390Hz までの範囲では測定周波数には依存しない結果
が得られた。まず Striation を入れた場合(図 2.3.3-50)には高磁場側で Brandt
の理論値よりも損失の低減が観測された。ちなみに黒印は2本の線材で測定した場
合である。次に striation を入れてはんだ付けした試料でも同様に交流磁化損失低
࿑ 2.3.3-50 Striation 䉕౉䉏䈢⇼ૃ䉿
䉟䉴䊃ዉ૕䈱౮⌀䋨਄䋩䈫⏛ൻ੤ᵹ៊
ᄬ
࿑ 2.3.3-51 䈲䉖䈣ઃ䈔䈪૞⵾䈚䈢⇼
ૃ䉿䉟䉴䊃ዉ૕䈱౮⌀䋨਄䋩䈫⏛ൻ੤ᵹ
៊ᄬ
減に効果があることが判明した[文献 27-29]。
B-Ⅲ 162
(iv)
鞍型ピックアップコイル法による交流損失評価
[九大]
超電導材料を線材・導体の形で利用する場合、最も基本的な特性の一つが交流損
失である。そこで超電導線材に特化したマクロな電磁気特性評価方法として鞍型コ
イルを用いたピックアップコイル法を確立した。この手法を用いて交流損失の発生
機構の解明や高精度測定法の確立を目指している。
18mm
࿑ 2.3.3-52 㕷ဳ䉮䉟䊦
䉕↪䈇䈢䊏䉾䉪䉝䉾䊒䉮
48.4˚ 䉟䊦䈱ᮨᑼ࿑䇯࿑ਛ䈱
9mm
䉰䉟䉵䈲⿥㔚ዉ✢᧚䈱
᷹ቯ䈮ㆡ䈚䈢ᄢ䈐䈘䈮
23.1mm
䈭䈦䈩䈇䉎䇯
23.1mm
8mm
34mm
8mm
50mm
この研究成果は、「ピックアップコイル法」による超電導線材の交流損失試験法と
して国際標準化される予定となっている。
以下に鞍型コイルを用いたピックアップコイル法による交流損失測定の原理を
説明する。ピックアップコイルが矩形である場合にはコイルの両端での磁場の歪み
が交流損失の正しい測定を困難にしてしまう。これを避けるためにフラットなコイ
ルを用いるという方法もあるが、線材を積み重ねた場合には適用できない。そこで
開発したのが鞍型コイルを用いたピックアップ法である。実際に Y123 線材の交流
損失評価に用いている鞍型コイルの形状を図 2.3.3-52 に示す。線材試料はコイル
よりも長い必要がある。また前述したように線材試料が積み重ねられた場合でも他
の手法のようにそのたびに較正曲線を求める必要がない点がこの方法の利点の一
つである[文献 30]。
図 2.3.3-53 に鞍型コイルを用いたピックアップコイル法で測定した超電導線材
の磁化ヒステリシスとそこから求めた交流損失の温度依存性を示す。測定温度範囲
は 35K から 77K である。また図 2.3.3-54 には角度依存性の測定データと測定の概
念図を示す。ここで 90d とは線材面と磁界の向きが 90°であることを表している。
磁界が線材面に平行に近づくに連れて磁化ヒステリシスが減少していることがわ
かる。これを反映して磁界とのなす角度の減少につれて交流損失が低下しているこ
とを図 2.3.3-55 に示す[文献 31]。
B-Ⅲ 163
109
WM-1.2um6L35&64&77K90d
200
(a)
10
35K
50K
-µ0M (T/m3 in SC)
Ac Loss (J/m3 cycle)
100
77K 64K
0
-100
8
(b)
107
106
105
104
-200
-2
-1
0
B (T)
1
2
77K
64K
35K
103
10-2
10-1
100
Field Amplitude (T)
࿑ 2.3.3-53 (a) 㕷ဳ䉮䉟䊦䉕↪䈇䈢⏛ൻ䊍䉴䊁䊥䉲䉴䊂䊷䉺䇮(b) ⏛ൻ䊍䉴
䊁䊥䉲䉴䈎䉌᳞䉄䈢੤ᵹ៊ᄬ䈱᷷ᐲଐሽᕈ
40
(a)
(b)
90d
θ
-µ0M (T/m3 in SC)
20
Stacked tapes
30d
15d
0
-20
-40
-1.5
-0.75
0
0.75
1.5
External
magnetic field
B (T)
࿑ 2.3.3-54 ⏛⇇䈫✢᧚㕙䈫䈱䈭䈜ⷺᐲ䈮䉋䉎⏛ൻ䊍䉴䊁䊥䉲䉴䈱ᄌൻ
B-Ⅲ 164
Pickup coil
108
64K
108
(a)
(b)
107
Ac Loss (J/m3 cycle)
107
Ac Loss (J/m3 cycle)
77K
106
105
104
106
105
104
90d
30d
15d
Eq.(3):θ=30d
Eq.(3):θ=15d
103
10-2
10-1
100
Field Amplitude (T)
90d
30d
15d
Eq.(3):θ=30d
Eq.(3):θ=15d
103
10-2
10-1
Field Amplitude (T)
࿑ 2.3.3-55 ੤ᵹ៊ᄬ䈱ⷺᐲଐሽᕈ (a) 64K (b) 77K
B-Ⅲ 165
100
(v)
マクロスケールでの電磁気特性評価による線材プロセスフィードバック
[九大]
マクロスケールでの通電特性を、四端子法を用いて測定すると共に、パーコレー
ションモデルを用いた通電特性の定式化法を用いて、任意の、温度、磁界領域にお
ける線材の臨界電流値を定量的に表現する手法を確立した。さらに、PLD 法、
TFA-MOD 法、CVD 法など各種プロセスによる線材の、低温、高磁界領域を含む広い
条件下での通電特性を評価し、プロセス改善に伴う Jc 特性の変化、プロセス間の
Jc 特性の差異について定量的に示した[文献 32, 34-37, 39, 42, 44-46]。
TFA-MOD 法による pore サイズの変化と、Jc 分布(均一性)向上の関係について
定量的に明らかとした例を図 2.3.3-56 に示す。Pore の減少によって均一性が向上
し、電流障壁となる欠陥等が減少する一方、磁界特性の比較から、ピン特性を決定
する結晶粒内の微細構造そのものはあまり変化していないと考えられる事を明ら
かとした。
また、プロセス条件の改善に伴って、Ic が 200A/cm-w ( 77K, s.f.)程度に向上
した PLD 法による YBCO 線材の電流輸送特性を、30T 近傍の高磁界に亘って測定す
るとともに、パーコレーションモデルに基づく、ピンニング特性の解析を行った。
図 2.3.3-57 に Jc-B-T 特性を示す。PLD 法による線材の 77K自己磁界中での Ic 値は
2001 年から 2004 年にかけて、約 3.5 倍に増大している。特に中・低磁界中での Jc
向上が著しい一方、転移磁界はあまり変化していない。レーザイメージング法によ
る知見と合わせて、面内配向性の向上による均一性の改善が、Ic 増大の主因である
と考えられることを示した。すなわち、結晶粒界での配向性が向上し、電流障壁と
なる欠陥等が減少する一方、ピン特性を決定する結晶粒内の微細構造そのものはあ
まり変化していないと考えられる。
࿑ 2.3.3-56 TFA-MOD ⹜ᢱ䈱⚵❱ᄌൻ䈫 Jc ဋ৻ᕈะ਄䈱䊐䉞䊷䊄䊋䉾䉪䈮
䉋䉎䊒䊨䉶䉴᧦ઙ䈱ᡷༀ
B-Ⅲ 166
Critical current density, Jc [A / m 2]
1011
θ=90o
10
10
4.2K
20.0K
30.0K
40.0K
9
10
50.0K
8
10
80.0K
7
10
0
5
77.3K
10
70.0K 65.0K
15
20
60.0K
25
30
Magnetic field, B [T]
࿑ 2.3.3-57 䊒䊨䉶䉴ᡷༀ䈮䉋䉍 Ic ୯䈏 200A/cm-w, Jc=2 MA/cm2 @ 77K, s.f.䈮
ะ਄䈚䈢 PLD ᴺ䈮䉋䉎 YBCO ✢᧚䈮䈍䈔䉎 Jc 䈱᷷ᐲ⏛⇇ଐሽᕈ䇯
ᓥ᧪䈱⹜ᢱ䈮Ყ䈼䇮․䈮䇮ਛ䇮ૐ⏛⇇ਛ䈪䈱․ᕈะ਄䈏㗼⪺䈪䈅䉎䇯
さらに、Jc の角度依存性に対するスケール則により、ランダムポイントピン、c
軸方向の相関ピン、ab 面方向の相関ピンの寄与を定量的に評価できる事を示した。
スケーリングの様子を図 2.3.3-58 に示す。これらの結果から、磁界中の特性を改
善するための、人工的なピン止め点導入や、コイル等の応用において重要となる線
࿑ 2.3.3-58 Jc 䈱ⷺᐲଐሽᕈ䈮䈍䈔䉎⇣ᣇ⊛⾰㊂䊝䊂䊦䈮䉋䉎ⷺᐲ䉴䉬䊷䊦䈫
᷷ᐲଐሽᕈ䇯(a)77.3K 䈮䈍䈔䉎ⷺᐲଐሽᕈ䈫䊤䊮䉻䊛䊘䉟䊮䊃䊏䊮䈮ኻ䈜
䉎䉴䉬䊷䊦ೣ䈮䉋䉎․ᕈ䋨ታ✢䋩䇮(b)⇣䈭䉎᷷ᐲ䈮䈍䈇䈩䉅䇮᳓ᐔ䋯ု⋥
⏛⇇䈪䈱⇣ᣇᕈ䈱Ყ䈲 3.23 䈪䉴䉬䊷䊦䈜䉎䇯
B-Ⅲ 167
材の角度依存性を考慮したプロセス開発のための評価技術として、今後の展開が期
待できる。これらの評価技術を基盤に、線材作製技術との更なる強い連携により目
標達成を目指すこととした。
(vi) 可加工性にフィードバックするための電磁気特性 [九大]
各種プロセスによって得られた線材の交流損失について、温度、磁界、角度依存
性を評価すると共に、スケール則により、任意の条件下における素線の交流損失値
を定量的に推定する手法を提出することによって、交流用コイル巻線の設計手法の
基礎を確立した。前述の図 2.3.3-55 に示したように、TFA-MOD 線材における交流
損失の角度依存性を鞍型ピックアップコイルによって評価した結果と垂直磁界中
の特性から得られる推定曲線(実線ならびに点線)は、実測と定量的によく一致し
ている事が分かる。
可加工性で重要なコイル化試験の基礎となる、一軸引張り・圧縮特性試験を行い、
機械歪みによる Jc 変化の可逆変化を図 2.3.3-59 に示すように明らかにした。具体
的には、引張・圧縮歪み共に歪率約 0.4%の範囲で Jc は可逆的な変化をすることが
分かった。さらに、低交流損失化のための素線構造の基礎となるフィラメント加工
について、線幅の Jc への影響について示すと共に、低温レーザ顕微鏡法により、
並列マルチフィラメント内の Jc 不均一性の評価が可能であることを明らかにした。
図 2.3.3-60 に、マルチフィラメント内の特性分布を可視化した例を示す[文献 33]。
Critical current density Jc (A/m2)
9
1.20 10
No.1_load
No.1_unload
No.2_load
No.4_load
No.4_unload
No.5_load
No.7_load
No.7_unload
No.8_load
No.2_unload
No.3_load
No.3_unload
No.5_unload
No.6_load
No.6_unload
No.8_unload
scale
9
1.15 10
9
1.10 10
1.05 109
9
1.00 10
8
9.50 10
8
9.00 10
-0.6
-0.4
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
Axial strain 䋨䋦䋩
࿑ 2.3.3-59 䋱ゲ࿶❗䈫ᒁ䈦䈴䉍ᱡ䉂䈮䉋䉎 Jc 䈱ᄌൻ䈱ᝄ䉎⥰䈇
B-Ⅲ 168
࿑ 2.3.3-60 ਗ೉䊙䊦䉼䊐䉞䊤䊜䊮䊃ౝ䈱ਇဋ৻ᕈ䈱นⷞൻ
B-Ⅲ 169
(3) 目標に対する成果達成度
(a) 超電導線材に最適な評価方法の確立
超電導線材に最適な評価方法を確立するという目標に対して、様々なスケールで
の電磁気特性評価技術の開発を達成した。具体的には線材の局所的な電磁気特性の
評価のために磁気ナイフ法、低温走査レーザー顕微鏡および MO 磁束観察を線材に
最適な測定方法とする技術開発を行った。また線材全体に亘るマクロな交流損失の
評価方法として、鞍型コイルを用いたピックアップコイル法による磁化ヒステリシ
ス測定方法、電気的および熱的な交流損失を測定する手法を開発した。
(b) 臨界電流制限因子の特定
上記の新しい評価方法を用いて臨界電流を制限している様子を2次元的に捉え
られることが判明した。具体的には、磁気ナイフ法や MO 磁束観察による線材の幅
方向での臨界電流密度の不均一が発見された。また線材をマイクロブリッジに加工
して低温走査レーザー顕微鏡を用いて観察した結果、電界集中が生じている部分が
発見され、他の測定とリンクして臨界電流を制限している箇所を特定することに成
功した。
(c) プロセスへのフィードバック
臨界電流制限箇所が特定されたことから、その部位で何が起こっているかを TEM
などを用いた微細組織観察により明らかにすることに成功した。具体的には、MO
磁束観察で発見された MO-CVD 線材の線状の欠陥箇所では無配向多結晶化が認めら
れ、現在プロセスで対策を講じている段階にある。また同様に MO 磁束観察で発見
された TFA-MOD 線材の欠陥について TEM による微細組織観察を行った結果、周期的
欠陥、超電導層の欠如、ハステロイに起因する欠陥等が特定され、それぞれに対し
てプロセスでの対応、具体的にはコーティング方法の変更や本焼成時のガスの流量
の増加などの措置が施されることによって、臨界電流がそれまでの2倍以上の
TFA-MOD 線材が得られるようになった。またさらに TEM による水蒸気分圧と気孔の
発生との関連が明らかになり、改良型の TFA-MOD プロセスの有効性が証明されるこ
ととなった。その際に低温走査レーザー顕微鏡で得られていた欠陥周辺での電界集
中のデータが非常に有効なバックデータとなった。IBAD/PLD 線材で厚膜化による
Jc の低下が a 軸配向成分の増加によることが厚み方向の TEM 観察より明らかとな
り、成膜時の基板温度を厚さに伴って変化させることで a 軸配向成分を低減するよ
うにプロセスが改良された。
表 2.3.3-3 に電磁気評価方法の様々な研究手法を用いて達成されたプロセスフ
ィードバックの代表例を研究手法,項目,成果およびフィードバックの順にまとめ
た。具体的な内容については 2.3.3 の各節を参照されたいが,この表から明らかな
ように,線材作製プロセスから交流損失低減方法,機器開発に向けてのシミュレー
ション構築などあらゆる研究段階に寄与することができた。
B-Ⅲ 170
研究手法
研究手法
磁気ナイフ法
研究項目
線材の Jc 分布測
定
研究成果
他グループへのフィードバック
TFA-MOD 線材の幅方
TFA-MOD プロセスにフィードバック
向に Jc 分布がある事 して溶液の粘性や塗り回数の変更に
を見出した。
より Jc の均一化に寄与した。
LTSLM 観察と MO TFA-MOD 線材の
および TEM 観察 欠陥箇所の探索
弱結合な欠陥部分で
は微細構造に変調が
あり,電界集中が生
じることが分かった
欠陥部周辺での電界集中を2次元化
することにより臨界電流の制限因子
を特定することに寄与できた
MO 磁束観察と
TEM 観察
コーティングむら,
本焼成時のガスの流
れ,基板の反りが欠
陥原因と特定した
コーティング方法,ガス流量,基板
の反り,溶液を変更することで短尺
Ic=416A 達成に寄与した
TFA-MOD 線材の
欠陥箇所の探索
Jc-B 評価と TEM TFA-MOD 線材の
観察
欠陥箇所の探索
水蒸気分圧とポア発
TFA-MOD プロセスでポア発生を押え
生および Jc 向上との
た水蒸気分圧の最適化に寄与した
関係を明らかにした
Y 系線材の磁界
磁化ヒステリシ
中交流損失の角
ス(鞍型コイル)
度依存性
磁界とのなす角度が
減少すると交流損失
が低下する事を示し
た
Jc の高い線材において超電導転移温
度に近づいた温度範囲で損失が極端
に低下することを見い出し,磁界中
での線材応用の可能性の高さを示す
事ができた
AC-loss 測定
(カロリメトリ
ック法)
集合導体の中心部や
集合導体・擬似ツ
擬似ツイストにより
イストにおける
交流損失が低減する
交流損失測定
ことを明らかにした
電磁シミュレーションへの基礎デー
タを得られ,また機器開発へ向けた
線材加工法の提言を行う事ができた
TEM 観察
IBAD/PLD 線材の
YBCO 層の a 軸析
出場所の特定
YBCO 層が厚くなるほ
ど a 軸の析出が多く
なることを見出した
多層の YBCO 成膜時の基板温度を
徐々に変え厚膜化による Jc の低下
を押えるプロセスの導入に寄与した
交流損失シミュ 機器開発設計の
レーション
指針を導く
Jc 分布がある場合の
シミュレーションを
実際の交流損失デー
タとリンクできた。
またモデルコイルの
計算を行った。
幅方向の端部の Jc が高い方が交流
損失が低減されることを見出した。
シミュレーションにより実際にコイ
ルや導体を作製する前に損失を把握
でき,線材加工方法への指針を示す
ことが可能となった
B-Ⅲ 171
(d) 交流損失低減のための基礎的検討
導体やコイルなどの応用を視野にいれた交流損失低減の模索と線材加工への基
礎的アプローチにおいて平行に並べた場合およびスタックした場合の交流損失測
定の手法が開発され、電磁解析シミュレーションにより超電導機器の設計に貢献で
きる下地が整ってきた。具体的には、電気的・熱的な交流損失を測定できるカロリ
メトリックな手法により精度の高い交流損失評価が可能となった。また鞍型コイル
を用いたピックアップコイル法による交流磁化ヒステリシスの評価法が確立し、線
材をスタックした場合や磁界とのなす角度が生じた場合でも較正データをとるこ
となく交流損失を評価できるようになった。これらの実験結果との整合性をとりな
がら電磁解析シミュレーションプログラムを開発し、概念上のモデルコイルでの交
流損失を実際の機器を作製することなく把握できるようになった。さらにアスペク
ト比を低下させることで交流損失を低減するためのマルチフィラメントでの電磁
気特性の評価により Jc の不均一が観測可能であることが示された。さらにコイル
化の基礎データとなる一軸引張り・圧縮特性を測定し、Jc が可逆である範囲が特
定された。
B-Ⅲ 172
2.3.4 信頼性評価技術開発
(1) 研究開発目標
本研究項目では、線材構成要素の熱的特性が線材の安定性に及ぼす影響を明らか
にし、これらの結果を作製プロセスへフィードバックし実用化を見通せる線材開発
を促進することを目標とする。さらに得られた知見を可加工性技術開発のための基
礎データとする。
(2) 研究経緯・手法
安定化層の厚みの伝熱挙動と超電導特性に及ぼす影響を数値的に解析・評価する
ための有限要素法計算機プログラムを開発した。さらに材料・プロセスの異なる
様々な Y 系短尺および長尺線材試料の常電導転移・伝播試験と比較することにより、
その有効性を実証した。また、過負荷パルス通電試験等を実施して、熱的・電磁気
的過渡特性を把握した。また、伝熱特性に及ぼす機械的歪の効果の評価を行った。
更に、線材の超電導特性や線材を構成している各層の熱伝導率、熱容量、界面熱抵
抗等の熱特性(面内方向及び厚さ方向の熱特性)が、線材の安定性に及ぼす影響を
明かにするための測定技術を開発した。
(3) 具体的成果
(a)最小クエンチエネルギー(MQE)評価(早稲田大学)
Y 系線材は基板上に中間層及び膜厚が 1μm 程度の YBCO 薄膜が形成されていると
いう積層テープ形状であるため、銀シースマルチフィラメント形状の Bi 系線材と
は異なる熱的挙動を示すと考えられる。そのため、従来から Bi 系線材を中心に確
立されてきた安定性・信頼性の評価基準に変わる新しい基準が必要である。Y 系線
材の常電導転移・伝播特性に対する評価基準を確立し、線材製造プロセスにフィー
ドバックすることで安定化層を含めた線材構成要素の最適化が可能となる。
Y 系線材の安定化層である Ag 層は、熱擾乱が発生した場合に超電導層を流れる
電流を分流させ発熱を抑える働きを担う。Ag 層の厚みが増加すると分流時のジュ
ール発熱の減少や線材長手方向の熱拡散の向上といった効果が得られるため、熱的
安定性は高まると考えられる。しかし Ag 層の厚みが増加すると工学的臨界電流密
度 Je が減少し、さらにコスト面でも不利になる。従って想定し得る熱擾乱の規模
を把握し、適切な Ag 層の厚みを決定する必要がある。
超電導線材の熱的過渡安定性については MQE(Minimum Quench Energy)が評価
指標となる。そこで Ag 安定化層の厚みが MQE に与える影響を評価するための数値
シミュレーションを行った。
Y 系超電導線材の常電導転移・伝播現象をシミュレートするために、(1)式に示す
熱拡散方程式を用いて数値解析を行った。
B-Ⅲ 173
C (T )
∂T
= ∇ ⋅ {k (T )∇T } + Q j (T ) + Qd (T )
∂t
(1)
ここで、 C : 熱容量、 k : 熱伝導率、 Q j : ジュール発熱量、 Qd : 擾乱熱量
である。 C と k は温度依存性を有している。
上式において非線形性を考慮し、各時間ステップ内で熱伝導率、熱容量などの物理
定数は一定であるとした。(方程式を線形近似することにより解いた。)
シミュレーションに際してはすでに行われていた実験(文献 50]を解析対象とし
た。図 2.3.4-1 に解析モデル図を示す。線材幅方向は均一であると仮定し、線材長
手方向ならびに厚さ方向の 2 次元問題とし、有限要素法により解析を行った。線材
の両端を運転温度で固定した(Dirichlet 条件)。Ag 層や基板層の厚みに比べて、
YBCO 層や中間層の厚みは非常に薄いので、線材の熱的な特性は前者が支配的であ
ると考えられる。そこで、今回の解析では Ag 層と基板層の 2 層構造モデルを採用
した。YBCO 層は両者の境界面に存在するとみなし、YBCO 層での発熱は全て境界面
から生じることとした。
図 2.3.4-1
解析モデル
Y 系線材は積層構造であるが、すでに行われていた実験[文献 50]における試料
では中間層として絶縁体(GZO と Y2O3)を使用しているため、これと比較するため
に分流電流は全て Ag 層に流れると考えた。また超電導層で発生する電圧を計算す
るために E-J 特性に基づく n 値モデルを採用した。超電導体内の電界を ESuper とし、
Ag 層の電界、電流、抵抗率、断面積をそれぞれ EAg、IAg、rAg、AAg とすると、超電導
体内の電界と Ag 層の電界はそれぞれ(2)式、(3)式で表される。
§ I sup er
E Super = E c ¨¨
© Ic
E Ag = ρ Ag
I Ag
AAg
·
¸¸
¹
n
(2)
(3)
(2)式の Ic には実験で測定された各区間の Ic を使用し、温度依存性を考慮した。超
電導体を流れる電流と Ag 層を流れる電流の合計は常に通電電流(It)となるため(4)
式が成り立つ。
B-Ⅲ 174
I t = I Super + I Ag
(4)
超電導体内の電界と Ag 層の電界が等しいとすれば、(2)∼(4)式より以下の(5)式を
導くことができる。
(I
)
n
Super
+
ρ Ag × (I c )n
Ec × AAg
(I
Super
− It ) = 0
(5)
(5)式では ISuper 以外の変数は全て温度が決定すれば一意に求まるため、(5)式の方
程式を解くことにより ISuper を求めることができる。なお、本解析では超電導層と
Ag 層間の界面電気抵抗は考慮していない。また n 値の温度依存性は考慮せずに 25
で一定として解析を行った。
実験に使用された線材の諸元は表 2.3.4-1 に示す通りである。図 2.3.4-2 には電
圧タップ・温度計・ヒーターの配置を示す。また5T における Ic の測定値は表
2.3.4-2 のようであった。シミュレーションはこれらの定数に即して行った。
Sample 1 について運転温度 60 K、外部磁場 5 T、通電電流 20 A とし、この条件に
おける MQE に相当する熱量をヒーターを用いて1秒間投入した時の発生電圧の時
間変化図を図 2.3.4-3 に示す。横軸の時間は擾乱熱を与えた瞬間をゼロとした。点
線で示した曲線が実験結果、実線で示した曲線は解析結果である。擾乱投入後、通
電電流によるジュール発熱が生じ、試料の温度は緩慢に上昇する。この緩慢な温度
上昇と共にタップ間電圧も緩やかに発生する。さらに試料の温度が上昇するに従っ
て分流電流も増加し、ジュール発熱も大きくなり、発生電圧の変化も徐々に急激に
なる。試料の温度が臨界温度を超えるとほとんど全ての通電電流は Ag に分流し、
その点で発生電圧曲線は変曲点を持つ。この条件での伝播速度は約 1.5 mm/s であ
った。
解析結果と実験結果を比較すると、電圧の立ち上がりの様子や完全に分流した後
の電圧の傾きに若干の差が見られる。しかし定性的な変化はよく一致しており、超
電導線材の常電導転移・伝播時の振る舞いを比較的精度よく再現することができた
と考える。
表 2.3.4-1
Length
Width
Ag-stabilizer
thickness
YBCO thickness
Buffer thickness
Hastelloy thickness
Tc
試料線材の諸元
Sample 1
Sample 2
150.0 mm
10.0 mm
Sample 3
10.0࡮m
20.0࡮m
30.0࡮m
0.5࡮m
1.2࡮m (GZO and Y2O3)
100.0࡮m
87 K
B-Ⅲ 175
࿑ 2.3.4-2 㔚࿶䉺䉾䊒䊶᷷ᐲ⸘䊶䊍䊷䉺䊷䈱㈩⟎
⴫ 2.3.4-2 ⹜ᢱ✢᧚䈱㐳ᚻᣇะ Ic ಽᏓ
Sample
1a)
Sample
2b)
Sample
3
Temp.
55 K
60 K
65 K
V1-V2
V2-V3
V3-V4
V4-V5
V5-V6
V6-V7
V7-V8
82 A
50 A
32 A
96 A
60 A
39 A
-
85 A
52 A
35 A
92 A
52 A
32 A
-
-
55 K
60 K
65 K
55 K
60 K
65 K
48 A
60 A
39 A
24 A
52 A
52 A
33 A
19 A
44 A
67 A
47 A
32 A
32 A
59 A
42 A
27 A
32 A
59 A
42 A
27 A
45 A
70 A
42 A
25 A
41 A
90 A
57 A
35 A
a) Sample 1 䈲㜞䈇 Ic 䉕᦭䈚䈩䈍䉍᷹ቯ䈪䈐䈭䈎䈦䈢඙㑆䈏䈅䉎䇯
b) Sample 2 䈲 60 K 䈮䈍䈔䉎 Ic 䉕᷹ቯਛ䈮ㆊᐲ䈱㔚ᵹ䉕ㅢ㔚䈚䈢䈖䈫䈮䉋䉍὾៊䈚
䈩䈚䉁䈦䈢䇯䈠䈱䈢䉄䇮55 K䇮 65K 䈮䈍䈔䉎᷹ቯ䈏䈪䈐䈩䈇䈭䈇䇯
図2..3.4-.3
常電導伝播時の電圧波形 Sample 1 @60 K、 5 T
B-Ⅲ 176
図 2.3.4-4 は運転温度 60 K における 3 つの試料の MQE を It/Ic を横軸として同
時にプロットしたものである。これより Ag 層の厚みが大きいほど MQE が大きいこ
とがわかる。また It/Ic が 0.5 付近では MQE の差が大きいが、It/Ic が 1.0 に近づく
につれて MQE の差が小さくなっていくことがわかる。
࿑2.3.4-4 ⇣䈭䉎ෘ䉂䈱Agጀ䉕
ᜬ䈧⹜ᢱ䈱MQE
࿑2.3.4-.5 Sample 1䈱MQE
䋨ㆇォ᷷ᐲ೎䋩
図 2.3.4-5 は Sample 1 の MQE を通電電流を横軸として運転温度別にプロットし
たグラフである。ある一定の通電電流において比較すると、運転温度が低いほど
MQE が大きくなることがわかる。これは、運転温度が低いほど常電導伝播が起こり
始める温度に到達させるまでの外部投入熱量が増加するためである。
実験で用いた 3 つの試料線材はそれぞれ Ic が異なり、また同一線材でも局所的
に Ic にばらつきがあるため Ag 層の厚みのみの違いによる MQE の差を測定・評価で
きていない。そこで開発した計算機プログラムを用いて、同一且つばらつきのない
Ic を仮定して数値解析を行った。解析モデルに用いた線材の諸元を表 2.3.4-3 の
Model 1 に示す。実験と同様の条件を設定した場合の MQE を図 2.3.4-6 に示す。こ
れより、Ag 層の厚みが MQE に与える影響は It/Ic の値によって違いがあることがわ
かる。
図 2.3.4-7 は Ic の温度依存性を模式的に示したグラフである。ある温度 Top で運
転しているときの臨界電流値を Ic0 とする。It/Ic0 が小さい場合は Ag 層に分流が始
まるまでの温度マージンが大きい。この場合、ヒーターによる入熱により常電導転
移を起こした後、Ag 層のジュール発熱と冷却能力の大小関係により常電導伝播が
起こるか否かが決まる。そのため、Ag 層の厚みが増加することによるジュール発
熱の減少が MQE 向上に大きく寄与する。
B-Ⅲ 177
࿑2.3.4-6 ⹜ᢱ✢᧚䈱MQE @60 K
࿑ 2.3.4-7 Ic ᷷ᐲଐሽᕈ䈱◲ᤃ࿑
It/Ic0 が 1.0 に近い場合は Ag 層に分流が始まるまでの温度マージンがほとんどな
いので、ヒーターによる入熱を開始した直後に Ag 層に分流し始める。通電電流が
大きいため、一度分流が開始されると線材の温度上昇とともに分流は加速され伝播
に至る。つまり MQE は運転温度から分流開始温度まで上昇させるのに必要な熱量に
相当し、線材の熱容量の大きさが MQE を支配していると考えられる。本解析モデル
はハステロイの厚みが 100μm であるため、Ag 層の厚みが 10μm 程度変化しても線
材全体の熱容量はほとんど変わらない。そのため、It/Ic0 が 1.0 に近い領域では Ag
層の厚みを変化させても MQE にほとんど影響しないと考えられる。
実験で使用された試料線材は外部磁場 5 T 中においていずれも臨界電流 Ic が約
50 A @60K であり通電電流の大きさは 50 A 以下であった。将来的に Ic の大きな線
材が開発され通電電流が大きくなると熱的挙動が大きく異なる可能性がある。そこ
で Ic を YBCO 線材開発の中間目標値である 300 A @77 K と仮定し、Ag 層の厚みを変
化させたときの It/Ic-MQE 特性を計算した。ただし今回は実験と同じ程度の磁場中
で使用することを想定し、比較のためここでは 300 A @60 K とした。解析モデルに
用いた線材の諸元を表 2.3.4-3 の Model 2 に示す。前述した数値解析と同じように
Ic の温度依存性を曲線で近似し、n 値は 25 で固定した。解析の結果を図 2.3.4-8
に実線で示す。図 2.3.4-6 と同じ Ag 層の厚みで比較すると曲線の概観が異なるこ
とがわかる。It/Ic が 0.1 以下の場合には Ag 層の厚みの増加が MQE 向上に大きく寄
与しているが、It/Ic が 1.0 に近づくにつれてその効果がほぼ線形的に弱まってい
る。想定将来線材では It/Ic が小さい場合でも流れる電流の絶対量が現在の試料線
材よりもはるかに大きいため、常電導転移を起こした部分の Ag 層でのジュール発
熱が非常に大きくなる。そのため、わずかな部分の分流開始が常電導伝播につなが
る。よって、MQE は線材の熱容量の大きさに支配されると考えられる。また、常電
導転移部分では急激に温度が上昇するため、線材長手方向の熱拡散による冷却効果
が十分に得られずホットスポットができやすくなる。つまり、将来的に Ic が向上
して通電電流が大きくなると、Ag 層の厚みが 10μm∼30μm 程度では常電導転移を
B-Ⅲ 178
起こした場合に線材が焼損する危険性が高いことになる。しかし、この場合におい
ても数十 mJ の MQE を有しており、低温金属系線材で問題であった機械的擾乱等に
よる常電導転移・伝播が起こる可能性は極めて低いと言える。
⴫ 2.3.4-3 ⸃ᨆ䊝䊂䊦䈮↪䈇䈢✢᧚䈱⻉ర
Length
Ag-stabilizer
thickness
Ic
Model 1
150 mm
Model 2
150 mm
Model 3
300 mm
10 ∼ 30 µm
10 ∼ 50 µm
10 ∼ 100 µm
52 A @60 K
300 A @60 K
300 A @77 K
࿑ 2.3.4-8 ዁᧪✢᧚䈱 MQE @60 K
B-Ⅲ 179
(b) 過電流パルス通電(早稲田大学)
Y 系線材の開発およびその実用化に向けて、Y 系線材、導体・ケーブル、コイル
の安定性評価基準の確立が求められ、それに基づいた安定化層の材料やその厚みの
最適化が行われていくことになる。前節でも示したように、20K 以上の温度領域で
運転されるであろう Y 系線材の MQE は数百 mJ から数 J と、同程度の線材断面積を
有する従来の低温金属系超電導線材に比べて3∼4桁大きい。その大きな熱容量に
よって、フラックスジャンプや、線材の動き・摩擦、含浸材のひび割れ・剥離等の
機械的擾乱に起因するクエンチの発生の可能性は極めて低いと言ってよい。
このように高い熱的安定性を有する Y 系線材およびこれを巻線化したコイルに
おいては、例えば、電力応用において想定される過電流パルス通電(臨界電流以上
のパルス通電)に起因する 1) 温度上昇や、2) 電気絶縁破壊、あるいは、強磁場
応用における 3) 電磁応力など、「熱・電気・機械的な要因による損傷・特性劣化
の可能性」を回避することが線材やケーブル、コイルの設計のための一つの基準、
1000
Ag
900
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
Maximum Temperature (K)
800
700
600
500
400
300
200
100
0
900
950
1000
1050
1100
1150
1200
Ipeak (A)
࿑2.3.4-9 300 K⿥ㆊIpeak @60 K
࿑2.3.4-10 ⇣䈭䉎ෘ䉂䈱Agጀ䉕ᜬ䈧⹜ᢱ
䈱ㆊ㔚ᵹ䊌䊦䉴䈮䉋䉎᷷ᐲ਄᣹
すなわち、安定化基準となると考えられる。そこで、限流器や送電ケーブル等の応
用を想定して、短時間過電流パルス通電時の温度上昇に焦点を当て、数値解析によ
る評価を行った。
J. W. Lue ら(米国オークリッジ国立研究所)は、Y 系線材に過電流パルスを印
加したときの到達温度と線材 Ic の劣化の関係を実験により評価している[文献 51]。
その結果、機器設計に当たって、パルス電流後の到達温度が 200-300 K 以内になる
ようにすれば Ic は劣化しないと報告している。
そこで、ここでは許容最高到達温度を 300 K と設定して、その温度を超える最小
のパルス電流のピーク値 Ipeak を数値解析により求めた。またパルス幅は電力系統の
保護リレー等が作動する目安時間を想定し、0.5 s とした。60K で動作中に過電流
B-Ⅲ 180
パルス擾乱が発生する状況を想定した。解析モデルに用いた線材の諸元を表
2.3.4-3 の Model 3 に示す。過電流パルス擾乱の場合、線材中の局所的な Ic の劣化
箇所でホットスポットが発生する可能性がある。そこでこの局所的 Ic 劣化の影響
も調べるため、Ic が全体で均一である線材と中央部分 5 mm の Ic が劣化している線
材について Ipeak 値を比較した。なお、
今回は定性的な傾向を調べることに重点をおいたので、Ic の温度依存性は線形であ
ると仮定した。
図 2.3.4-9 は、横軸を Ag 層の厚みとして 300 K 超過ピーク電流値 Ipeak の計算結果
をプロットしたものである。Ag 層の厚みが増加するとともにピーク電流値は増加
しているが、Ic 劣化の度合いによりその増加率が異なることがわかる。図 2.3.4-10
は異なる厚みの Ag 層を持つ、劣化箇所のない試料の温度上昇を過電流パルスの値
に対してプロットしたものである。銀の厚みが厚いほど温度上昇は小さく、かつピ
ーク電流値の増加にも鈍感であることが分る。また現在の解析モデル(77K で Ic =
300A と仮定している)においては、銀の厚みが 10μm の場合でも、パルス幅が 0.5s
であれば、900A を超える過電流に対しても温度上昇は 300K 以下に収まるという
結果が得られた。定量的な値については線材の特性を決めている様々なパラメータ
の値によるが、必要な基礎データが与えられれば、シミュレーションによって過電
流パルスによる温度上昇を予測することができるようになった。本研究により、今
後線材の Ic 等の特性に応じた Ag 層等の安定化層厚さに関した適性値が予測され、
実用化が見通せる線材作製に大きく貢献することになる。
B-Ⅲ 181
(c) 伝熱挙動に及ぼす機械的歪特性の評価(上智大学)
(i)はじめに
本研究項目では次世代線材の機械的歪による特性変化が伝熱特性に及ぼす影響を
検討している。次世代線材を用いる超電導コイル開発などにおいては、理想的な状
態での線材の伝熱特性のみならず、種々の運転条件により線材に機械的歪が生じた
状態での伝熱特性の把握も必要なためである。
その第一歩として、今年度は引張試験装置ならびに圧縮試験装置を作製し、実際
に超電導工学研究所から提供を受けた次世代線材に機械的歪を加え、特性変化を実
験的に把握した。
(ii)使用線材
引張試験および圧縮試験に使用した YBCO 線材の諸元を表 2.3.4-4 に示す。また、
比較線材として表 2.3.4-5 に示す 2 種類の Bi2223 線材(type A: 通常の Ag-Mn シ
ース材、type B: SUS 補強入り)を用い、YBCO 線材と同一の試験を行った。
表 2.3.4-4:YBCO 䊁䊷䊒䈱⻉ర
Width
10 mm
Ag
10 㱘m
ᒁᒛ⹜㛎↪ 0.6 㱘m
PLD-YBCO
࿶❗⹜㛎↪ 0.5 㱘m
PLD-Y2O3
0.2 㱘m
IBAD-Gd2Zr2O7
1.2 㱘m
Hastelloy
100 㱘m
表 2.3.4-5:比較用 Bi2223 テープの諸元
Type A
Type B
Size
3.9 × 0.25 mm
4.1 × 0.3 mm
Matrix material
Ag-Mn
Ag-Mn, SUS304 tape
No. of filaments 61
55
Ag ratio
2.9
--
(iii)引っ張り試験
引張試験に用いた装置を図 2.3.4-11 に示す。測定対象である超電導テープ(長
さ:約 40mm)を図に示すように縦に配置し、両端をプラスチックで固定する。テ
ープ下端を固定した状態で上端を上方に引き上げ、試料テープに対して引張歪を生
じさせる。引張力は図中のロードセルにより測定した。
図には描いていないが、テープの上下端近傍に電極を付け、液体窒素に浸漬し外
B-Ⅲ 182
部磁場無しの状態で、直流を通電して臨界電流 Ic(基準:1μV/cm)を測定した。
図 2.3.4-12 が得られた引張試験結果である。図で横軸は、ロードセルで測定され
ᒵ᣻ἿἕἛ
ἿὊἛἍἽ
ἁἼἕἩἄὊἊ
ឬᩓ‫ݰ‬ἘὊἩ
[ ᩿ͨ‫] ׋‬
[ ദ᩿‫] ׋‬
࿑2.3.4-11 ᒁᒛ⹜㛎ⵝ⟎
1
Normalized Ic
Normalized Ic
1
0.8
B = Self–field
T = 77 (K)
: YBCO
: Bi2223(type A)
: Bi2223(type B)
0.6
0
0.95
B = Self–field
T = 77 (K)
0.9
0
500
Tensile stress (MPa)
࿑ 2.3.4-12 ᒁᒛ⹜㛎⚿ᨐ䋱(Bi 䈫䈱Ყ
セ)
500
1000
Tensile stress (MPa)
࿑ 2.3.4-13 ᒁᒛ⹜㛎⚿ᨐ䋲
(10%ഠൻ䉁䈪)
た引張力を線材断面積で除した応力であり、縦軸は無荷重で測定した電流値で規格
化した Ic である。同図に示されるように、Bi2223 テープの場合はシース材の弱い
type A の方で 100MPa 以下の引張応力で特性が急激に劣化し、強い方の type B テ
B-Ⅲ 183
ープでも 400MPa 以下で急激に下落した。それらに比べて YBCO テープは強く、また
劣化が始まっても急激な変化はなかった。これらの違いは、構造材料の強度に起因
している。Bi テープの母材である Ag に比べて YBCO テープの基板であるハステロ
イは機械的強度が高いためである。
更に引張応力を増加させ、Ic が無荷重の初期値の 10%低下まで測定を継続した。
その結果を図 2.3.4-13 に示す。縦および横軸の物理量は前述の図 2.3.4-12 と同一
であるが、縦軸を拡大している。図 2.3.4-13 より、Nb3Sn などと同様に残留歪が開
放されるため初期値を上回る Ic が観測され、その後に引張応力の増加と共に Ic
は漸減していることが分るた。ただし 500MPa 程度の引張応力を印加しても Ic の低
下は3%であり、またその時の歪は 0.3%程度である。このような強大な引張応力
が掛かる状況は少ないと思われ、これ以下の歪の大きさでは Ag 層の伝熱特性に悪
影響が生じることは少ないと考えられる。
(iv) 圧縮試験
圧縮試験装置の概観を図 2.3.4-14 に示す。GFRP 板上に超電導テープ(長さ:約
25mm)を置き、両端を銅電極に半田付けする。その状態で上から GFRP 棒でテープ
に圧縮力を加える。GFRP とテープの接触形態は面接触であり、図中の圧縮幅(テ
ープ長手方向に GFRP が接触する長さ)は 2mm である。圧縮力は図中のロードセル
圧縮幅
Normalized Ic
1
0.9
B = Self–field
T = 77 (K)
: YBCO
: Bi2223 (type B)
: Bi2223 (type A)
0.8
0
100
200
300
Transverse stress (MPa)
࿑ 2.3.4.15 ࿶❗⹜㛎⚿ᨐ
࿑2.3.4-14࿶❗⹜㛎ⵝ⟎
にて測定する。この装置を液体窒素に漬けて、圧縮荷重を加えながらテープの Ic
を測定した。Ic 基準は、引張試験と同様に 1μV/cm である。
測定結果を図 2.3.4.15 に示す。Bi テープのうち type A の方は、圧縮荷重の増加
と共に性能が漸減しているのが明確である。一方 type B では、わずかに性能が落
ちる程度であった[文献 52]。それに対して YBCO テープは、圧縮荷重に対してわ
B-Ⅲ 184
ずかに性能が向上する結果が観測された。この理由は現在のところ不明であり、今
後 1)更に大きい応力まで測定して傾向を把握する、2)他の YBCO テープで測定
しデータを蓄積する、などが必要である。
本実験では、YBCO テープの Ag 層側から圧縮力を加えている。よってハステロイ
側から押す場合に比べ、各層への影響は著しいと思われ、例えば圧縮による Ag 層
の断面減少が伝熱特性に及ぼす影響などを検討する必要がある。
(v) まとめ
引張試験については、構成材料の機械的特性のため Bi テープに比べて YBCO テー
プは歪に強く性能劣化しにくいことが分かった。本実験条件では、500MPa 程度の
引張応力を印加しても、Ic は無荷重の初期値に対して約 97%を維持し、その際の
歪は 0.3%程度である。
また圧縮試験結果より、2 種類の Bi テープよりも YBCO テープの方が性能劣化し
にくいデータであった。ただし、圧縮により YBCO テープの Ag 層の断面減少を招い
ており、これが伝熱特性や熱的安定性に及ぼす影響は検討課題である。
なおこれらの試験に用いた YBCO テープは、表 1 に示すとおり 2 種類のみであり、
今後は多くの種類のテープにて測定を行うことにより Ag 層の厚みの違いが Ic 低下
に及ぼす影響などのデータを蓄積し、機械的歪に対する性能劣化を定量的に把握し、
伝熱特性と熱的安定性の差異に反映してゆく必要がある。
B-Ⅲ 185
(d) 面内方向熱伝導度評価(一関高専)
超電導線材がさまざまな条件下で安定に機能するには、何らかの原因で発生し
た熱が速やかに除去され、局所的な過度の温度上昇が起こらないことが必要である。
そのためには線材自身の熱伝導度が問題になる。Y 系線材は異なる熱的性質を持つ
いくつかの層からなっているが、まず各種のハステロイ基板の面内方向熱伝導を評
価した[文献 53]。その結果、熱伝導度に及ぼす高温熱処理の影響が明らかになっ
た。
࿑ 2.3.4-16 Hastelloy ၮ᧼䈱ᾲવዉᐲ䈫ᾲಣℂ
図 2.3.4-16 に、異なる熱処理を施したいくつかのハステロイ基板の熱伝導度の
実測値を示す。Nilaco 製の Hastelloy(図中 Has nilaco)は、1,100℃で 30 分の
Bright Anneal が施されており、圧延上がりの物 (図中 No.2 041111 と No.3 041118、
ISTEC から提供したもの) に比べて高い熱伝導度を示した。これは、圧延によっ
て生じた歪がアニールによって解消され、その結果、熱伝導度が上昇したものと推
測された。そこで、これを確かめるために、圧延上がりの Hastelloy(ISTEC 提供)
を 400℃アルゴンガス雰囲気中で 30 分アニールし、再び熱伝導度の測定を行った。
結果は図に示すように、アニール前に比べて 2.5 倍大きい熱伝導度が得られた。
400℃アルゴン雰囲気中アニールの試料が、1,100℃で Bright Anneal を行なった
nilaco の試料よりもさらに高い熱伝導度を示した原因については、800℃を越す高
B-Ⅲ 186
温熱処理で粒界に生ずるμ相の析出などが考えられるが、詳細は今後の課題である。
Hastelloy 基板は成膜時に 800℃程度の高温にさらされるので、その熱伝導度が
熱処理によって大きく変わるという実験事実は安定性を評価するうえで重要であ
る。この事実を踏まえて今後、最終的に線材を構成している状態での Hastelloy 基
板、中間層、超電導層、安定化層それぞれの熱伝導度を調べる必要がある。
(e) 面間方向熱伝導度評価(産総研)
Y 系線材の実用化のために必要となる熱的安定性を確保する為、伝熱挙動の構成要
素である各層の厚さ方向での熱的特性の評価技術を確立し、諸特性を評価すること
が本研究項目の目的である。
測定に使用した IBAD-PLD YBCO テープ線材(フジクラ製)の断面図を図 1 に模式
的に示す。同線材はハステロイのテープ基材上に異なる物質を何層も積層する典型
的な複合多層材料である。このため、製膜条件や製造プロセス等に強く影響を受け
る各層の熱伝導率や層間の界面熱抵抗を知るためには、実際に使用する線材と同等
の試験片で評価する必要
がある。しかしながら、
10㱘m A䌧
従来技術では基材上の薄
0.5㱘m YBCO
0.2㱘m CeO2
膜の熱特性を評価するこ
1.0㱘m Gd2Zr2O7
とは大変難しく、産総研
100㱘m 䊊䉴䊁䊨䉟
で開発してきた局所熱浸
࿑ 2.3.4.-17 IBAD-PLD YBCO 䊁䊷䊒✢᧚䈱ᢿ㕙࿑
透率測定装置(サーモリ
フレクタンス法)[文献
54]を用いて実測することを試みた。同装置の測定原理を図 2.3.4.-18 に示す。測
定対象の表面に金属薄膜(通常厚さ 100nm の
Mo 膜を使用)をスパッタ製膜し、これをスポ
ット径約 30μm の加熱用レーザで周期的に
(通
常約 500 kHz で)加熱する。加熱部位には周
期加熱による周期的な温度変化が生じるが、
この温度変化に伴う周期的な反射率の変化を
CW の検出用レーザ(ビーム径 4∼7μm)の反
射強度の周期変動として検出することにより、
表面温度の時間応答を知ることができる。こ
の装置では周期加熱光と検出光の交流成分の
࿑ 2.3.4.-18 ዪᚲᾲᶐㅘ₸᷹ቯ
間の位相差から対象物の熱浸透率を決定する
ⵝ⟎䈱᷹ቯᮨᑼ࿑
ことができる。
まず室温での予備評価として、࿑ 2.3.4.-17
のような複合多層線材の各層の熱浸透率を決定することを目標とした。そこで࿑
2.3.4.-19 に示すように、(a)Ag 安定化層付きの YBCO 線材、(b)Ag 安定化層無しの
B-Ⅲ 187
YBCO 線 材 、 (c)CeO2-Gd2Zr2O7
10㱘m A䌧
中間層テープ、(d)ハステロイ
(a)
テープの計 4 種類のテープ材
0.5㱘m YBCO
を用意した。これらを長さ 30
(b)
∼40mm(幅は 10mm)の長さに
切断し厚さ 100nm の Mo 膜をス
0.2㱘m CeO2
(c)
1.0㱘m Gd2Zr2O7
パッタ成膜し 4 種類の評価用
試験片を作製した。これらの
100㱘m 䊊䉴䊁䊨䉟
(d)
外観と光学顕微鏡による表面
観察像を図4に示す。いずれ
࿑ 2.3.4.-19 4 ⒳㘃䈱✢᧚⹜㛎 䈱ᢿ㕙࿑䇯(a)
も長手方向に反りを生じてい
Ag ቟ቯൻጀઃ䈐䇮(b)Ag ቟ቯൻጀή䈚䇮(c)
るが、吸着ステージあるいは
CeO2-Gd2Zr2O7 ਛ㑆ጀ䊁䊷䊒䇮
適正な治具を使用することで
(d)䊊䉴䊁䊨䉟ၮ᧚䊁䊷䊒
測定に支障はなかった。
但し、図 2.3.4.-20(a) からも
分るように Ag 安定化層付きの
線材については Ag 表面が粗面 (a)
であったために十分な信号強
度が得られず今のところ正し (b)
い測定を行うことができてい
ない。その他 3 種類の試験片
(c)
については十分な信号強度が
安定して得られたため、最終
的な熱浸透率の評価を行うこ (d)
とができた。今回 499 kHz の
測 定 周 波 数 で 得 た 結 果 を 表 ࿑ 2.3.4.-20 ⒳㘃䈱✢᧚⹜㛎 䈱ᄖⷰ䋨Mo
ઃ䋩 (a) Ag ቟ቯൻጀઃ䈐䇮(b)Ag ቟ቯൻጀή
2.3.4-6 にまとめる。
表 2.3.4-6 に示す熱浸透率 䈚䇮(c) CeO2-Gd2Zr2O7 ਛ㑆ጀ䊁䊷䊒䇮
は単純にはいずれも各試験片 (d)䊊䉴䊁䊨䉟ၮ᧚䊁䊷䊒
の最上層(Mo 膜を除く)の熱
浸透率に対応するものと考えてよい。但し、CeO2-Gd2Zr2O7 中間層テープに関しては
CeO2 層が 0.2μm と薄いために、CeO2-Gd2Zr2O7 両層込みの見かけの熱浸透率となっ
ている可能性もある。参考値として文献値から求められるバルクの銀の熱浸透率
32,000 Js-0.5m-2K-1 を記す。ハステロイ、YBCO の熱浸透率はバルクの銀の熱浸透率
に比べてそれぞれ 1/6∼1/8 程度であるが、CeO2(または CeO2-Gd2Zr2O7 両層込み)
の熱浸透率に比べると 4∼6 倍程度に大きいことが分かる。
今回は室温での熱浸透率測定の予備評価であったが、熱浸透率の小さな
CeO2-Gd2Zr2O7 は両層全体で 1.2μm もの厚さがあるため、この中間層は厚さ方向の
B-Ⅲ 188
熱伝達における大きな熱障壁となることが予想される。複合多層膜の(例えば超電
導クエンチ時の)伝熱解析を系統的に高精度に行うためには、今回得た各層毎の熱
特性に加え界面熱抵抗の評価や温度依存性の評価が必要である。今後は測定周波数
依存性の測定やクライオスタットを用いての極低温での特性評価を行う予定であ
る。また今回実測することができなかった銀安定化層のついた試験片での再測定に
ついても検討する。
表 2.3.4-6 4 種類の線材試験片の熱浸透率測定(測定周波数 499 kHz)結果
試験片名称
最上層
位相遅れの平均値
熱浸透率
/deg
/Js-0.5m-2K-1
Ag 安定化層付き YBCO 線材
Ag
−(測定不可)
−
Ag 安定化層無し YBCO 線材
YBCO
39.2
4300
CeO2-Gd2Zr2O7 中間層テープ
CeO2
60.8
940
ハステロイテープ
ハステロイ
34.8
6050
(4) 達成度
Y 系線材の過渡伝熱特性として,最小クエンチエネルギー(MQE)と過電流パル
ス通電時の最高到達温度を実験と解析により評価した。Y 系線材の場合低温金属系
超電導線材に比べて運転温度が高いために線材の熱容量が大きく、数十 mJ から数
J の MQE を有している。従って低温金属系線材で問題であった機械的擾乱等による
常電導転移・伝播が起こる可能性は極めて低いと言える。
安定化層の材料・厚みの最適化のための安定性の評価基準として,過電流パルス
通電時のホットスポット最高到達温度(ここでは,超電導特性の劣化が生じないよ
うな温度として 300K を想定)を仮定して,安定化層の厚さの影響を数値解析によ
り調べた。
ᒁᒛ⹜㛎䈮䈧䈇䈩䈲䇮Bi 䊁䊷䊒䈮Ყ䈼䈩 YBCO 䊁䊷䊒䈲ᯏ᪾⊛ᱡ䈮ᒝ䈒ᕈ⢻ഠൻ䈚
䈮䈒䈇䈖䈫䈏ಽ䈎䈦䈢䇯ᧄታ㛎᧦ઙ䈪䈲䇮1,000MPa ⒟ᐲ䈱ᒁᒛᔕജ䉕ශട䈚䈩䉅䇮Ic 䈲
ή⩄㊀䈱ೋᦼ୯䈮ኻ䈚䈩⚂ 93䋦䉕⛽ᜬ䈚䈢䇯
䉁䈢࿶❗⹜㛎⚿ᨐ䉋䉍䇮2 ⒳㘃䈱 Bi 䊁䊷䊒䉋䉍䉅 YBCO 䊁䊷䊒䈱ᣇ䈏ᕈ⢻ഠൻ䈚䈮䈒
䈇䈖䈫䈏ಽ䈦䈢䇯䉁䈢࿶❗ᔕജ䉕 100MPa ⒟ᐲដ䈔䈢㓙䈮䇮Ic 䈏ೋᦼ୯䉋䉍䉅 1䋦䈾䈬਄
᣹䈜䉎⚿ᨐ䈏ᓧ䉌䉏䈩䈍䉍䇮ᦝ䈮ᬌ⸛䈏ᔅⷐ䈪䈅䉎䇯੹ᓟ䈘䉌䈮ᄙ䈒䈱⒳㘃䈱䊁䊷䊒䈮
䈧䈇䈩᷹ቯ䉕ⴕ䈉䈖䈫䈮䉋䉍䊂䊷䉺䉕⫾Ⓧ䈚䇮ᯏ᪾⊛ᱡ䈮ኻ䈜䉎ᕈ⢻ഠൻ䉕ቯ㊂⊛䈮ᛠ
ី䈚䇮વᾲ․ᕈ䈻䈱ᓇ㗀䉕⺞䈼䉎ᔅⷐ䈏䈅䉎䇯
વᾲ․ᕈ⹏ଔᛛⴚ䈮䈧䈇䈩䈲✢᧚⹜ᢱ䈱㕙ౝᣇะ෸䈶㕙㑆ᣇะᾲવዉᐲ䈱੍஻⊛䈭
᷹ቯ䉕ⴕ䈦䈢䇯䈠䈱⚿ᨐ䇮䊊䉴䊁䊨䉟ၮ᧼䈱㕙ౝᣇะᾲવዉᐲ䈏ᾲಣℂ䈮䉋䉍ᄢ䈐䈭ᓇ
㗀䉕ฃ䈔䉎䈖䈫䉇䇮中間層が厚さ方向の熱伝達における熱障壁となる可能性が見出
された。
B-Ⅲ 189
2.3.5 可加工性技術
(1) 研究開発目標
本研究項目では、機械的な歪みや線材形状が素線の臨界電流、交流損失等の超電
導特性に与える影響を調べ、その知見に基づき導体やコイル形状における線材の特
性評価を実施する。得られた情報は長尺線材プロセス開発に反映させ、より高性能
な線材、巻線性に優れた線材の開発に資する。さらに高性能線材プロセス評価の一
環として、導体や小型コイルの設計および試作を行い、超電導特性試験を実施する。
またコイル巻線方式等の相違によるコイル励磁特性、熱特性等の試験を実施し、コ
イル形状における高性能線材特性を評価するとともに、伝熱挙動評価技術開発とも
有機的に連携し、線材作製プロセスの改良に役立てる。また、巻線加工性に関する
知見を得ることにより、巻線に適した線材構造の開発に資する。
さらに高温超電導 Y 系線材の機器応用として、超電導電力貯蔵装置等の高磁場マ
グネット応用を想定し、Y系テープ線材の最適コイル化手法の調査を行うとともに、
各種短尺線材の機械特性を評価し、コイル化のための基礎データ蓄積を行う。また
低コスト線材を用いて作製した小型コイルの評価をおこない、得られたデータは適
宜線材プロセスへ反映させる。
(2) 研究経緯
可加工性基礎技術開発のために Y 系線材における機械的歪と特性変化の関係を調
べた。またその際安定化銀層の厚さの影響を調査した。また 10mm 幅の線材をレー
ザーカッターにより2分割して導体試作用に提供した。小型のソレノイドコイルを
製作してその特性を調べた。
高磁場応用対応可加工性技術開発のために Y 系超電導線材のパンケーキコイル
化のフィジビリティースタディーとして Y 系線材の最適コイル化手法の調査検討
を行うとともに、各種線材の機械特性を評価し、Y 系線材コイル化のためのデータ
蓄積を行った。また Y 系超電導線材への機械的な歪印加による臨界電流等の特性変
化等について国内外の文献により調査した。
(3) 具体的成果
(a)可加工性基礎技術(SRL、フジクラ)
i) 機械的曲げ歪特性
Y 系線材をコイル等に加工する際の基本的な条件である機械的歪と特性変化の関
係を調べるため、曲げ歪を加えた試料の超電導特性と膜の表面状態への影響を調査
した。このとき、最表面に蒸着する安定化銀層の厚さを 10∼30μm の間とし、銀の
厚さの影響を調査した[文献 55]。
図 2.3.5-1 及び図 2.3.5-2に示すように、引張側においては 0.6%の歪で 20%
程の Ic 値の低下が見られるが、圧縮側においてはこれが見られない。圧縮側、引
B-Ⅲ 190
㪈.2
㪈.2
㪈
㪈
0.8
0.8
Ic/Ic0
Ic/Ic0
張側ともに、0.6%程度以上の歪がかかると膜面に破壊が起こり、歪を解除しても
Ic が回復しなくなることがある。この破壊現象は安定化銀層を 20μm 以上つける
ことで抑制が可能である。また銀層が厚いほうが歪の中立線が超電導膜の位置に接
近するため、グラフ上では同じ歪でもより曲率半径は小さくすることが出来、巻き
線加工上さらに有利になると考えられる。
0.6
77K䇭0T
0.6
0.4
0.4
Ag 10µm
Ag 20µm
Ag 30µm
0.2
Ag 10µm
Ag 20µm
Ag 30µm
0.2
77K䇭0T
0
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
㪈
0
0.2
0.4
0.6
0.8
Bending strain 䋨%䋩
Bending strain 䋨%䋩
࿑ 2.3.5-1 ⥃⇇㔚ᵹ䈱ᦛ䈕ᱡଐሽᕈ
䋨࿶❗஥䋩
࿑ 2.3.5-2 ⥃⇇㔚ᵹ䈱ᦛ䈕ᱡ
ଐሽᕈ䋨ᒁᒛ஥䋩
ⅱ)Y 系線材を用いた超電導導体の試作
高温超電導ケーブルを実系統に導入するためには、低損失化と低コスト化が極め
て重要である。その点で Y 系線材は、高 Ic、高 Jc であること、その形態が薄膜で
あることから交流損失(ヒステリシス損失)を飛躍的に小さくできること、また銀
を大量に使わないことから線材コストも Bi 系線材に比べ低く、経済性の高い超電
導ケーブルを実現することができると考えられる。そこで、本研究では製作した
10mm 幅の線材をレーザーカッターにより2分割して提供し(提供線材の2分割後
の特性に関しては 2.1.4 の項を参照)、NEDO 委託事業「交流超電導電力機器基盤技
術研究開発」プロジェクト研究にて、実際に超電導導体を試作した。使用した線材
の仕様を表 2.3.5-1 に示す。
B-Ⅲ 191
㪈
⴫ 2.3.5-㪈 ૶↪䈚䈢✢᧚䈱઀᭽
⒳㘃
IBAD PLD ✢᧚
᭴ᚑ
㌁(㪈0㱘m)/YBCO(㪈㱘m)/CeO2(㪈㱘m)/Gd2Zr2O7(㪈.2㱘m)/Hastelloy(㪈00㱘m)
ኸᴺ
ෘ䈘⚂ 0.㪈mm䇮᏷ 4䌾5mm䇮㐳䈘 㪈m䋨㪈0mm ᏷䈱✢᧚䉕䊧䊷䉱䊷䉦䉾䉺䊷䈮䉋䈦䈩䋲ಽഀ䋩
Ic
⚂ 90A/cm ᏷
⵾ㅧ
SRL ฬฎደ
試作した導体の特性について、「交流超電導電力機器基盤技術研究開発」プロジ
ェクトより以下のような報告を受けた。
・機械特性
超電導導体を製作する上で、まず 4∼5mm の Y 系超電導線材の機械特性を確認し
た。その測定結果を図 2.3.5-3 及び表 2.3.5-2 に示す。
㪈.2
㪈.2
䌙䌂䌃䌏
Bi2223
Bi2223
0.8
Ic/Ic(o)
0.8
Ic/Ic(o)
䌙䌂䌃䌏
㪈
㪈
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.2
0
0
0
200
400
Tensile stress [MPa]
0
600
0.㪈
0.2
0.3
Tensile strain [%]
0.4
࿑ 2.3.5-3 ૶↪䈚䈢 Y ♽✢᧚෸䈶ઍ⴫⊛䈭 Bi ♽✢᧚䈮
䈍䈔䉎 Ic 䈱(a)ᔕജ෸䈶(b)ᱡଐሽᕈ
⴫ 2.3.5-2
㗄⋡
ᔅⷐ઀᭽䋨⸵ኈ୯䋩 ੹࿁૶↪䈚䈢 Y ♽✢᧚ ઍ⴫⊛䈭 Bi ♽✢᧚
㪈00MPa
600MPa એ਄
㪈00MPa
0.㪈5%
0.3%એ਄
0.20%
ᦛ䈕ᯏ᪾․ᕈ
ᦛ䈕⋥ᓘ 80mm
20mm
60mm
஥࿶․ᕈ
300kgf/m
2000kgf/m
㪈000kgf/m
ᒁᒛ䉍ᯏ᪾․ᕈ
B-Ⅲ 192
䈖䉏䉌䈱⚿ᨐ䈎䉌䇮Y ♽✢᧚䈲⿥㔚ዉዉ૕䉕⵾ㅧ䈜䉎਄䈪ᯏ᪾⊛ᒝᐲ䈱ⷰὐ䈪䈲ᔅ
ⷐ仕様(許容値)を大幅に超えた強度を有していることが判明するとともに、従来
の Bi 線材に比べて機械強度として6倍以上の強度を有することが分る。このこと
はケーブル製造の際の歩留まりを向上させ、さらにその設計においても自由度が増
えることから、大幅なコストダウンを予想させる。
また、機械特性以外にも、Ic 以上の電流(オーバーカレント)を流した場合の
線材の耐性や、昇温、冷却時の結露防止策によりサーマルサイクルで劣化がないこ
とも確認された。
䊶 導体化の結果
製作した 1m 導体の諸元を表 2.3.5-3 に示す。
⴫ 2.3.5-3
㗄⋡
䊐䉤䊷䊙ጀ
Y ♽ዉ૕᭴ㅧ
ᄖᓘ න૏ ᢙ න૏
᭴ᚑ
㌃ዉ૕
㌃ዉ૕
28.40
mm
250
sq
଻⼔ጀ
CB ⚕
32.40
mm
㪈6
ᨎ
32.90
mm
32
ᧄ
33.㪈0
35
mm
mm
2
8
ᨎ
ᨎ
ዉ૕ጀ
✢᧚ጀ Y 䊁䊷䊒✢䋨䋲ጀ䋩
⛘✼ጀ
ㆤ⭁ጀ
⛘✼૕
CB
ඨวᚑ⚕
ㅊ⸥
࿑⇟
㽲
䉩䊞䉾䊒Ꮞ
䊏䉾䉼
280mm,
340mm
㽳
㽴
㽵
㽶
Y 系膜を導体の表、裏にどちらにするかについては、端末の半田付けの容易さから、
Y 膜を表面として導体化した。
導体構造の模式図および実際の写真を図 2.3.5-4 に示す。
1 2
3
4 5
࿑ 2.3.5.4 ዉ૕᭴ㅧ䈱ᮨᑼ࿑䈍䉋䈶౮⌀
B-Ⅲ 193
・Ic 測定結果
Ic 測定の結果、導体 Ic は線材の積算値(32×45A=1440A)とほぼ同じで、ケー
ブル導体製造プロセスで劣化が起きないことが確認された。また、n値も 43 であ
り、ほぼ線材のn値と同じで導体化による機械履歴でも超電導特性を損なうことが
ないことが確認された。導体としての電流電圧特性を図 2.3.5-5 に示す。電圧端子
間の距離は 70cm であった。
・交流損失
Y 系線材は、高 Ic、高 Jc であることから、導体化した場合交流損失の低減が期
待できる(2.3.3(c)(i)参照)。また超電導ケーブル導体の場合、線材にかかる磁界
はテープ面にほぼ平行であるために、その交流損失は特に小さいものとなり得る。
特にテープ幅広面に平行磁界成分しか無い理想的な円柱モデル(mono-block
model)が実現できた場合(超電導テープが隙間無く配置され、自己磁界が導体周
方向成分しか無い場合)、Y 系導体は Bi 系導体に比べてもさらに超電導層の厚さが
薄く Jc が高いために、交流損失は非常に小さなものとなる。
㪈60
Tap Voltage(㱘V䋩
㪈40
㪈20
⥃⇇㔚ᵹ䇭䋱㱘v/cm
㪈459A
㪈00
80
60
40
20
0
0
500
㪈000
DC Current(A)
࿑ 2.3.5-5 ዉ૕ Ic ᷹ቯ⚿ᨐ
B-Ⅲ 194
㪈500
㪈0
㪈
:測定値
2 層 Y 導体
(Ic=1.45kA)
Bi ♽ዉ૕䈱
ℂᗐ౞ᩇ䊝䊂䊦
Y 系導体の
理想円柱モデル
[W/m]
0.㪈
0.0㪈
㪈00
㪈000
㪈0000
㔚ᵹ[Arms]
࿑ 2.3.5-6 ੤ᵹ៊ᄬ䈱ታ᷹୯
Bi ♽ዉ૕෸䈶 Y ♽ዉ૕䈱
ෘ䉂䈎䉌ᦼᓙ䈘䉏䉎ℂᗐ⊛੤ᵹ៊ᄬ䈱୯䉕䈅䉒䈞䈩␜䈜䇯
図 2.3.5-6 に交流損失の実測値を示す。現状では線材の厚みから期待される値よ
り実際の交流損失は大きい。これは今回製作した導体では図 2.3.5-4 からも分る通
り、線材間には隙間(ギャップ)が見られ、また断面も円より16角形に近い形態
となり、理想的な円柱モデルと異なるからである。今後の課題として、実際のケー
ブル製造を考慮して、いかに理想的な円柱モデルに近づけるかが、Y 系導体の開発
課題と考えられる。
・今後の課題
まず第1に応用基盤のプロジェクトにおいて線材の Ic 向上、低コスト化、長尺
化が必要である。また、ケーブルの設計上の課題としては、垂直磁界による AC ロ
スの低減が重要であり、そのために、
①スリットにより、垂直磁界によるロスの低減(交流損失低減のスリットの形
状・配置)を図ることや、
②易加工性を利用した構造(スリットを入れて、フォーマになじませる形状)等
を、今後検討する必要がある。
・まとめ
上記のように、Y 系線材を超電導ケーブルに適用した場合、その低損失、低コス
ト性能により、「CO2 削減効果」、「経済性向上」が期待できる。また、機械特性が
良好であることから、設計の自由度が大きく、超電導ケーブルとしての信頼性向上
B-Ⅲ 195
が図れると期待される。また、電流値に対する交流損失の勾配が大きいために、負
荷率 Iop/Ic の小さいところで運用することで、特に高い信頼性と低交流損失が実
現できると考える。本研究においては他プロジェクトとの連携も密接に行いながら、
線材実用化に向けた開発を推進することができた。
ⅲ)小型テストコイルの作製
液体窒素温度領域で使用可能な磁場発生コイルの開発を念頭に、Y 系線材を用い
て初めてソレノイド形式の巻き線を行い、図 2.3.5-7 のような小型のモデルコイル
を製作した[文献 56]。
本コイルは 70m長の 10mm 幅 YBCO 線材を用いて製作した。1層 12 ターンで両サ
イドで巻き返して 22 層積層するソレノイド形式で、各層間ターン間は絶縁されて
おり、コイル内径は 60mm、高さは 130mm である。
250
0.27T
66K
0.25
200
Central field
measured by
Hall probe
0.2
150
0.15
100
0.1
Total voltage
of conductor
Voltage
in 6th layer
0.05
0
0
20
40
60
80
Ic :
114A
100 120 140
Voltage (µV)
Central Magnetic Field (T)
0.3
50
0
Operating Current (A)
࿑ 2.3.5-7 YBCO ✢᧚䉕↪䈇䈩
ೋ䉄䈩⵾૞䈘䉏䈢䉸䊧䊉䉟䊄䉮䉟䊦
࿑ 2.3.5-8 ᷫ࿶⓸⚛䋨66K䋩ਅ䈮䈍䈔䉎
䉮䉟䊦䈱 I-V ․ᕈ෸䈶ਛᔃ⏛႐
ソレノイドコイルは中途接続がなく機械的に堅牢だという特徴があるが、YBCO 線
材は薄いテープ状の形状をしているために各層間の巻き返し部分を構成する際に
過度のエッジワイズ歪がかかる等の懸念があった。
本コイルに用いた線材のゼロ磁界下における Ic は 77K、0T で 100A(1μV/m)およ
び 72A(1nV/cm)であった。この線材の n 値は 30 であった。本コイルを液体窒素
にて冷却し励磁した結果、コイルに巻いた状態での Ic として 77K においては 41A、
B-Ⅲ 196
66K においては 114A が得られた。コイルエッジ部で最初に抵抗が発生するとした
場合のロードライン解析とほぼ一致し、線材の劣化がなくほぼ設計通りのコイルが
作製できていることが確認された。さらに、66K において Ic 値以上の電流値 130A
を通電することによりコイル中心磁界の最大値として 0.27T が得られた(図
2.3.5-8)。その際、I-V カーブは極めて安定しており、コイルの温度上昇も全く見
られなかった。なお、この発生磁場は Y 系線材を用いたソレノイドコイルとしては
世界最大である。この結果は、液体窒素温度付近における大きな比熱がコイルの安
定動作に寄与していることを示唆するもので、Y 系線材の磁場発生用コイルへの応
用の展望を拓くものである。
(b) 高磁場応用対応可加工性技術(中部電力)
Y 系超電導線材コイル化のフィジビリティースタディーとして Y 系線材の最適
コイル化手法の調査検討を行うとともに、各種線材の機械特性を評価し、Y 系線
材コイル化のためのデータ蓄積を行った。䉁䈢䇮䉮䉟䊦⵾૞䈱੐೨ᬌ⸛䈫䈚䈩䇮
IBAD/CVD ✢᧚䈱ૐ᷷㜞⏛႐ㅢ㔚․ᕈᛠី䉕ⴕ䈦䈢䇯
i) コイル化手法の基礎検討
Y 系線材をコイル化する場合、巻線・絶縁・含浸・端部処理等によって線材特
性が低下しないよう、その線材の機械特性について十分評価することが不可欠で
ある。そこで、Y 系超電導線材への機械的な歪印加による臨界電流等の特性変化
等について国内外の文献により調査した。表 2.3.5-4 にイットリウム系線材の機
械特性に関する研究報告の概要を示す。
ⅱ) 各種短尺線材による機械特性評価
Hastelloy/IBAD 基板上に多段 CVD 法で YBCO 層を作製した線材等を用いて、機
械的な曲げ歪(引張・圧縮)試験、引張試験を実施し、機械特性を評価した[文
献 57]。試験では Hastelloy/IBAD 基板/CVD-YBCO 線材、Ag 基板/CVD-YBCO 線材、
Ni-3%at.W 基板、Ni-5%at.W 基板を試料として用いた。それらの諸元を表 2.3.5-5
に示す。
①曲げ(引張・圧縮)試験
曲げ歪の印加は、室温において幅 10mm、長さ 30mm の Hastelloy/IBAD 基板
/CVD-YBCO 線材の試料を YBCO 層が圧縮または引張となる曲げ方向へ曲げ、一
旦平らに戻した後、さらに小径側に曲げ、段階的に歪率を増加させた。計測は、
曲げ戻しの都度 77K 液体窒素に浸漬して四端子法により I-V 特性を測定し、臨
界電流値 Ic を求めた。曲げ歪(引張・圧縮)印加時および曲げ戻し後の臨界
電流値 Ic を曲げ歪印加前の臨界電流値 Ic(0)で規格化した値 Ic/Ic(0)をそれ
ぞれ図 2.3.5-9 に示す。0.5%程度の歪では、いずれの場合も特性低下は1割以
B-Ⅲ 197
⴫ 2.3.5-4 䉟䉾䊃䊥䉡䊛♽✢᧚䈱ᯏ᪾․ᕈ䈮㑐䈜䉎⎇ⓥႎ๔䈱᭎ⷐ
ၮ ᧼
⪺ ⠪
䍖䍼䍷䍎䍪䍽
Oak Ridge
National
Laboratory
ၮ᧼
Ni
125㱘m
Ni, NiCr ว㊄
Korea Advanced
Institute of Science 80㱘m
and Technology
RABiTS
National Institute
of Standards and
Technology,
American
Superconductor
Corporation,
ORNL
NIST,
AMSC,
ORNL
䊐䉳䉪䊤,
ਛㇱ㔚ജ
䊐䉳䉪䊤,
Super-GM
IBAD
AMSC,
Los Alamos
National
Laboratory
CSIRO
Telecommunicatio
ns and Industrial
Physics
ISD
૑෹㔚Ꮏ,
᧲੩㔚ജ
⹜ ᢱ 䋨᧚ᢱ ෘ䈘䋩
ਛ㑆ጀ
YSZ
CeO2
CeO2
20, 400
10, 20, 50
100, 150,
nm 200, 600,
nm
960 nm
CeO2
40 nm
YSZ
300 nm
CeO2
5 nm
Pure Ni,
50㱘m
Ni-5%W,
75㱘m
Ni-10%Cr-2%W
75㱘m
⚐ Ni,
50㱘m
Ni-5W
75㱘m
Hastelloy C276
200㱘m
Hastelloy
100, 200㱘m
Ni ว㊄
90㱘m
CeO2
YSZ
CeO2
1㱘m એਅ
Ni + Y2O3
YSZ
2㱘m
1㱘m એਅ
c ゲ, 2 ゲ
㈩ะ YSZ
0.5 㱘m
YSZ
0.4, 0.6-2.0
㱘m
YSZ
0.5㱘m
⿥㔚ዉጀ
PLDYBCO
0.25, 0.4,
0.5, 0.63,
1.0 㱘m
YBCO
0.1㱘nm
଻⼔ጀ
YBCO
0.3, 1㱘m
Ag
3,11,14
㱘m
YBCO
0.3, 1㱘m
CeO2
CVDYBCO
0.6-0.8㱘m
Y2O3
100 nm
PLD- YBCO
1.0㱘m
Y2O3
20-30 nm
PLD- YBCO
1, 2.4, 2.5
㱘m
Hastelloy
80㱘m
(YSZ)
YBCO
0.4㱘m
Hastelloy
80-150㱘m
YSZ
0.3, 2㱘m
c ゲ,2 ゲ㈩ะ
YBCO
1-5㱘m
⚿
ᨐ
䋼ᒁᒛ䊶࿶❗ᦛ䈕ᱡ䈮䈧䈇䈩⹏ଔ䋾
࿶❗ᦛ䈕ᱡ 0.5-0.9䋦(㱢25-15mm)䈪 Ic ૐਅ 20䋦⒟ᐲ䋨ၮ᧼㒰䈇䈢ෘ䈘䋺1.6-1.1㱘m䋩
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.2-0.4䋦(㱢32-63mm)䈪 Ic ૐਅ 20䋦⒟ᐲ䋨ၮ᧼㒰䈇䈢ෘ䈘䋺2.4-1㱘m䋩
ᦛ䈕ᱡ䈫ၮ᧼㒰䈇䈢ෘ䈘䈱⋧㑐᦭䉍
Appl. Phys.
Lett. Vol. 73
No.13 pp1904
1998
䋼ᒁᒛᔕജ䈮䈧䈇䈩⹏ଔ䋾
ᒁᒛᔕജ 100Mpa 䈎䉌 Jc ૐਅ䋨⚐ Ni䋩
ᒁᒛᔕജ 270Mpa 䈎䉌 Jc ૐਅ䋨NiCr ว㊄䋩
Supercond.
Sci. Technol.
Vol.14 pp109
2001
䋼⚐ Ni 䈫 Ni ว㊄䈱ᒁᒛᱡ䈮䈧䈇䈩⹏ଔ䋾
Ni ว㊄䈲㔚᳇ᯏེᔕ↪䈮ᔅⷐචಽ䈭ᱡ⠴ᕈ
Jc ૐਅ㐿ᆎᤨ䈱ᱡ䈫 Ag ጀෘ䈱⋧㑐䈭䈚
ᱡ䈮䉋䉎 Jc ૐਅ₸䈫 Ag ጀෘ䈱⋧㑐䈅䉍
Ni ว㊄䈲⚐ Ni 䈪 Jc ૐਅ䈫䈭䉎ᱡ 0.17%䈱⚂ 2 ୚䈎䉌 Jc ૐਅ
Jc ૐਅ㐿ᆎᤨ䈱ᒁᒛᱡ 0.28-32%䈲Ყ଀ᒢᕈ㒢⇇ᤨ䈱ᱡ 0.16%䉋䉍ᄢ䈐䈇䋨Ni-5%W䋩
ᒁᒛᱡ 0.38%䉁䈪 Jc นㅒ䋨ᱡ 0.1%ਇนㅒ䋩
Ag
䋼㕙࿶❗䈮䈧䈇䈩⹏ଔ䋾
10㱘m
⚐ Ni 䈲䇮㕙࿶❗ 100MPa 䈪 28%Jc ૐਅ䋨ኒ⌕࿕ቯᤨ䈲㕙࿶❗ 120Mpa 䈎䉌 Jc ૐਅ䇮ㆡ
⒟ᐲ ᐲ䈭ኒ⌕࿕ቯ䈮䉋䉎㕙࿶❗ᓟ䈲․ᕈะ਄䋩
⚐ Ni 䉋䉍 Ni-5W 䈱ᒁᒛ⠴ജ䇮䊟䊮䉫䊝䉳䊠䊤䉴₸䇮Ყ଀ᒢᕈ㒢⇇୯䈏䈠䉏䈡䉏 4 ୚,1.8
୚,2.5 ୚㜞䈇
Ag
䋼ᒁᒛ䊶࿶❗ᦛ䈕ᱡ䉕⹏ଔ䋾
6㱘m
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.48-0.76%䇮࿶❗ᦛ䈕ᱡ 1.1-1.6%䈪 Jc ૐਅ 20%䌛ᱡශടᤨ᷹ቯ䌝
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.60%䇮࿶❗ᦛ䈕ᱡ 1.0-1.4%䈎䉌 Jc ૐਅ䋨ਇนㅒ䋩䌛ᱡ㒰෰ᓟ᷹ቯ䌝
䋼ᒁᒛᦛ䈕ᱡ䉕⹏ଔ䋾
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.4%એਅ(ၮ᧼ෘ䈘 100㱘m 䈪㱢12.5mm)䈎䉌 Ic ૐਅ
䋼ᒁᒛᱡ䇮ᒁᒛᦛ䈕ᱡ䈮䈧䈇䈩⹏ଔ䋨n ୯⹏ଔ䈅䉍䋩䋾
ᒁᒛᱡ 0.3%,0.5%,0.7%䈪䈠䉏䈡䉏 Ic ૐਅ 0%, 3%,33%䋨YBCO 1㱘m䋩
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.15%䈎䉌 Ic ૐਅ䋨YBCO 2.4㱘m䋩
ᒁᒛᱡ 0.4%䈪ၮ᧼ᔕജ 770MPa䋨Ყ଀ᦨᄢ䋩
ᱡ 0.5%䈪䌮୯ૐਅ䈭䈚䇮0.5%⿥ㆊ䈪ᕆૐਅ
䋼࿶❗ᦛ䈕ᱡ䉕⹏ଔ䋾
࿶❗ᦛ䈕ᱡ㱢20mm 䈪 Jc ૐਅ 20%
Ag
B-Ⅲ 198
ᢥ ₂
䋼ᒁᒛ䊶࿶❗ᦛ䈕ᱡ䉕⹏ଔ䋾
࿶❗ᦛ䈕ᱡ 0.6%䈪 Jc ૐਅ䈭䈚
ᒁᒛᦛ䈕ᱡ 0.1%೨ᓟ䈎䉌 Jc ૐਅ䋨2 ゲ㈩ะ䉋䉍 c ゲ㈩ะ䈏ᄢ䋩
ᦛ䈕ᱡ䈮䉋䉎 Jc ૐਅ䈲 YBCO ጀෘ䈘䈮ଐሽ
Appl. Phys.
Lett. Vol.83
No.20 pp4223
2003
IEEE Trans.
on Appl.
Supercond.
Vol.13 No.2
pp3530 2003
Adv. in
Supercond. XI
pp781 1998
Adv. in
Supercond. XI
pp785 1998
IEEE Trans.
on Appl.
Supercond.
Vol.9 No.2
pp1494 1999
IEEE Trans.
on Appl.
Supercond.
Vol.13 No.2
pp2635 2003
Adv. in
Supercond. XI
pp793 1998
下に抑えられているが、曲げ歪による特性低下の YBCO 層厚さ依存性が確認で
きる。
⴫ 2.3.5-5 ⹜ᢱ✢᧚䈱⻉ర
ၮ᧚
ਛ㑆ጀ
⿥㔚ዉጀ
቟ቯൻ᧚
IBAD-Gd2Zr2O
CeO2
YBCO
Ag
䊊䉴䊁䊨䉟 C276
7
1㱘䌭ෘ 0.25, 0.5, 1.0㱘䌭ෘ 3-8㱘m ෘ
0.1mm ෘ
1㱘m ෘ
YBCO
ή㈩ะ Ag
䋭
䋭
0.25㱘䌭ෘ
0.2mm ෘ
㈩ะ Ni-3%W
䋭
䋭
䋭
0.1mm ෘ
㈩ะ Ni-5%W
䋭
䋭
䋭
0.1mm ෘ
㪈.2
㪈.2
(a)ᦛ䈕ᚯ䈚ᓟ䋨࿶❗䋩
㪈
㪈
0.8
0.8
Ic2/Ic(0)
Ic㪈/Ic(0)
(a)ᦛ䈕ᤨ䋨࿶❗䋩
0.6
0.4
0.6
0.4
0.2
0.2
0.25㱘mYBCO
0.5㱘mYBCO
0.25㱘mYBCO
㪈.0㱘mYBCO
0
0.5㱘mYBCO
0
0.㪈
0.2
0.3
0.4
Compressive bend strain (%)
0.5
0.6
0
0.㪈
0.2
0.3
0.4
Compressive bend strain (%)
0.5
0.6
㪈.2
㪈.2
(b)ᦛ䈕ᤨ䋨ᒁᒛ䋩
(b)ᦛ䈕ᚯ䈚ᓟ䋨ᒁᒛ䋩
㪈
㪈
0.8
0.8
Ic2/Ic(0)
Ic㪈/Ic(0)
㪈.0㱘mYBCO
0
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.2
0.25㱘mYBCO
0.5㱘mYBCO
0.25㱘mYBCO
㪈.0㱘mYBCO
0.5㱘mYBCO
㪈.0㱘mYBCO
0
0
0
0.㪈
0.2
0.3
Tensile bend strain (%)
0.4
0.5
0.6
0
0.㪈
0.2
0.3
Tensile bend strain (%)
0.4
0.5
࿑ 2.3.5-9 IBAD ၮ᧼/CVD-YBCO ✢᧚䈱⥃⇇㔚ᵹ୯ Ic 䈱ᦛ䈕ᱡଐሽ․ᕈ
②引張試験
幅 10mm、長さ 150mm 程度の線材試料に室温で長手方向に引張歪を与え、
各種試料の応力歪を測定した。測定した応力歪特性を図 2.3.5-10 に示す。
各種線材の引張強度を把握し、IBAD 基板/CVD-YBCO 線材の高い引張強度性
能を確認した。配向 Ni 系基板においてタングステン濃度を増加することで
引張強度の増加傾向がみられるが、IBAD 基板と同等の引張強度を持つため
には線材のクラッド化等の補強が必要と考えられる。
B-Ⅲ 199
0.6
500
IBADၮ᧼CVD-YBCO✢᧚
Stress (MPa)
400
300
200
㈩ะ Ni-5%W ၮ᧼
㈩ะNi-3%Wၮ᧼
ၮ᧼
㈩ะ
100
ή㈩ะAgၮ᧼CVD-YBCO✢᧚
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
Tensile strain (%)
࿑ 2.3.5-10 ✢᧚䊶ၮ᧼䈱ᔕജᱡ․ᕈ
③エッジワイズ歪試験
エ ッ ジ ワ イ ズ 歪 の 印 加 は 、 室 温 に お い て 幅 10mm 、 長 さ 50mm の
Hastelloy/IBAD 基板/CVD-YBCO 線材の試料を線材幅方向へ曲げ、一旦平ら
に戻した後、さらに小径側に曲げ、段階的に歪率を増加させた。計測は、
曲げ戻しの都度 77K 液体窒素に浸漬して四端子法により I-V 特性を測定し、
臨界電流値 Ic を求めた。歪印加時および歪戻し後の臨界電流値 Ic を歪印
加前の臨界電流値 Ic(0)で規格化した値 Ic/Ic(0)および n 値をそれぞれ図
2.3.5-11 に示す。Ic および n 値ともに 1%程度まで特性低下がみられない。
1.2
60
曲げ戻し後
ᦛ䈕ᤨ
1
50
0.8
40
n value
Ic/Ic(0)
ᦛ䈕ᚯ䈚ᓟ
0.6
曲げ時
30
0.4
20
0.2
10
0
0
0
0.5
1
Edgewise bend strain (%)
1.5
0
2
0.5
1
Edgewise bend strain (%)
1.5
2
࿑ 2.3.5-11 IBAD ၮ᧼/CVD-YBCO ✢᧚䈱 Ic 䈍䉋䈶 n ୯䈱
䉣䉾䉳䊪䉟䉵ᱡଐሽ․ᕈ
ε䋩コイルの試作・評価
䉮䉟䊦⵾૞䈱੐೨⹏ଔ䈫䈚䈩䇮IBAD/CVD ✢᧚䈱ૐ᷷㜞⏛႐ㅢ㔚․ᕈ䉕ᛠី䈚䈢䇯
ᶧ૕䊓䊥䉡䊛䈪ᶐẃ಄ළ䈚䈢䈫䈐䈱㜞⏛႐ㅢ㔚․ᕈを図 2.3.5-12 に示す。4.2K で
は線材面に垂直方向から 10T 磁場を印加された場合において 250A の Ic を持っ
B-Ⅲ 200
ている。
600
4.2 K, 㱔= 90㫦
500
Ic(A)
400
300
200
㪈00
0
0
2
4
6
B(T)
8
㪈0
㪈2
࿑ 2.3.5-12 IBAD ၮ᧼/CVD-YBCO ✢᧚ Ic 䈱㜞⏛႐․ᕈ
(4)達成度
Y 系超電導線材における機械的な歪による臨界電流等の変化等について実験的
に評価するとともに国内外の文献により調査し、コイル化のためのデータを蓄積
した。それらの知見に基づき、小型ソレノイドコイルを試作した。励磁試験の結
果、巻き線加工による特性の劣化は見られず、ほぼ設計どおりのコイル特性が実
現していることが分かった。従って、プロジェクト後半に向けて実用機器を視野
に入れたコイルの大型化や積層化を進めるための基礎は確立されたといえる。
B-Ⅲ 201
2.3.6
目標達成度
長尺線材評価・可加工性技術開発に関して、目標および成果をまとめると表
2.3.6-1 のようになる。
表 2.3.6-1
研究開発項目
目標および成果
目
標
成
果
長尺線材臨界電流評
価技術開発
長尺線材の臨界電流分布
を非破壊的かつ連続的に
評価する評価技術を開発
する
直接通電法、ホール素子法及び磁気
光学法による測定技術を開発し、長
尺線材の評価を開始した。
線材電磁気特性評価
臨界電流の向上を妨げる
制限因子を発見し,電磁
気特性評価および微細構
造分析により発生原因を
探り,長尺線材作製プロ
セスおよび加工プロセス
へとフィードバックする
マクロおよびミクロな電磁気特性
評価により,臨界電流が制限されて
いる箇所を同定し,微細構造分析に
より原因を推測してプロセスの向
上に寄与した。また交流損失評価と
シミュレーションにより機器応用
の基礎となる可加工性プロセスに
寄与した。
信頼性評価技術開発
線材構成要素の熱的特性
を明らかにし、その結果
を実用化を見通せる線材
開発にフィードバックす
る。
Y 系線材の過渡電熱特性を評価し、
低温金属系超電導線材に比べて熱
的にきわめて安定であることを明
らかにした。伝熱特性評価技術につ
いては線材試料の面内方向及び面
間方向熱伝導度の予備的な測定を
行った。
可加工性技術
機械的な歪みや線材形状
が素線の臨界電流、交流
損失等の超電導特性に与
える影響を調べ、その知
見に基づき導体やコイル
形状における線材の特性
評価を実施する。
Y 系超電導線材における機械的な歪
による臨界電流等の変化について
実験的に評価し、それらの知見に基
づき、小型ソレノイドコイルを試作
した。また細線化のための切断によ
り特性が劣化しないことを確認し、
交流損失の少ない導体化が可能で
あることを示した。
B-Ⅲ 202
2.4
高温超電導材料高度化技術開発
超電導工学研究所
研究開発目標
Y 及び希土類系線材の材料の高度化を酸素量、添加物等の最適化により目指すと
ともに、結晶粒界特性の向上と線材間接合プロセスを開発する。また、材料レベル
での特性向上を図り、線材作製プロセス開発の最適作製条件の提案や作製プロセス
への特性改善フィードバックを行ない、高性能及び低コスト長尺線材プロセス開発
目標値の実現を支援・促進させる。
2.4.1 材料特性高度化
線材開発の最終目標である 500 m 以上、300 A/cm 幅以上(77 K、0T)かつ 30 A/cm
幅以上(77 K、3 T)、作製速度 5 m/h 以上達成を目指した超電導線材の更なる特性
向上及び効率的線材開発を行うには、プロセス技術開発と同時に高温超電導体特有
の物性に関する知見を生かした材料そのものの特性向上ならびに Y 系線材作製プ
ロセスの各要素プロセス工程における最適プロセス条件の設定がプロセス開発を
促進するとともに長尺高特性線材作製における歩留まり向上につながるものと考
えられる。材料特性高度化技術開発においては、Y 系を含む希土類 123 系超電導材
料の臨界電流特性がキャリア濃度に大きく依存するという第 I 期応用基盤プロジ
ェクトで得られた知見を基に、酸素量の適正化等による臨界電流特性向上をはかる。
特に材料特性向上がキーファクターとなる磁場中高特性化に重点をおき、3T(テー
プ面垂直方向)の磁場下での臨界電流密度 Jc が自己磁場下(s.f.)の Jc の 10 %以
上となるような材料開発を行う。具体的には不純物添加等のピン止め中心導入に加
え、軽希土類元素 123 系超電導体が磁場中で高い Jc 値を示すというバルク材料に
おける知見を生かし、適切な希土類元素の選定と高 Jc 化のための微細組織最適化
を行う。
(1)研究経緯・手法
Y 系を含む希土類 123 系超電導材料は大きな酸素不定比性を有し、酸素量によっ
て材料中のキャリア濃度が大きく変化する。このキャリア濃度の変化によって、超
電導臨界温度(Tc)のみならず、臨界電流特性が大きく変化することから、それを
制御することは線材材料の高特性化につながる。
酸素量の制御は、通常、材料作製プロセス中の酸素分圧と温度をパラメーターと
して行なわれる。そこで、線材短尺試料を用いて線材の臨界電流特性を最大限に引
き出すような適正酸素量に制御するためのプロセス条件の検討を行うとともに、酸
素量制御を阻害する要因について抽出を行う。また、酸素量の制御は材料中に導入
されたピン止め中心を有効に機能させるためにも重要である。その基本的知見を得
B-Ⅲ 203
るため、不純物元素添加を行ってピン止め中心の導入を行い、ピン止め効果と酸素
量の関係について系統的に調べる。
キャリア濃度の制御は酸素不定比性に基づく酸素量制御の直接的手法と、Y と価
数が異なる Ca2+のカチオン置換による手法が考えられる。そこで、単結晶試料を用
いて酸素量・Ca 置換量の双方をパラメーターとした検討を行う。特に、カチオン
の置換に関しては、123 系結晶構造における各カチオンサイトを置換することによ
る Jc 特性への影響を検討し温度・カチオン濃度等のプロセス条件の最適化の指針
を得る。
これらの検討は、粒界の影響のない単結晶における検討から始め、短尺線材試料
を用いた組成最適化、最後に高性能長尺線材プロセスへの展開と段階を踏んで行う。
並行して電子プローブミクロ分析法や顕微ラマン分光法などの非接触評価法によ
る酸素および組成の空間分布評価手法の確立を行い、線材評価に適用する。超電導
特性の評価は、磁化率測定、磁気光学法による磁場分布観察、電気抵抗率の測定等
によって行う。
イットリウム以外の希土類元素(Nd、Sm 等)の 123 系超電導体は、これまでの
バルク材開発で示されたように、組成制御により Y 系より高い磁場中臨界電流特性
を示す可能性がある。しかしながら、作製プロセス条件によりカチオン組成に対し
固溶体生成による不定比性を示すという特徴を有していることから詳細な検討が
必要となる。そこで、線材プロセスへの適応可能な条件の下で、これらの超電導体
の特性最適化を行う。
また、高温超電導材料に内在する不均一電子状態など超電導特性不安定化因子の
解明も行い、特性安定化を図るべく線材作製プロセス開発へフィードバックし長尺
線材作製プロセス開発の目標達成を促進する。
(2)具体的成果
(a)酸素量最適化による線材材料特性の向上と酸素導入阻害要因の検討
現在、線材材料への酸素の導入は成膜後のポストアニールプロセスで行われてお
り、一般的には酸素雰囲気中500 ℃で4ޯ5時間程度加熱後炉冷という条件で行われ
ている。このプロセス条件の妥当性について検討するために、PLD法とTFA-MOD法の
2種類の方法で作製した線材試料を用いて、アニール温度(Ta)と超電導特性の関
係について系統的に調べた。
図2.4.1-1にアニール温度と超電導臨界温度(Tc)の関係を示す。アニール処理
は酸素気流中、各温度で数時間保持後急冷して酸素量を固定した。PLD試料につい
ては450 ℃(急冷)において最大のTcとなり、それより低いアニール温度では温度
とともにTc値の低下がみられている。多結晶試料と類似したふるまいがみられてい
ることから、本熱処理条件で十分に平衡酸素量に達していると考えられる。一般に
最高のTcが得られるキャリア濃度(∝酸素量)を最適ドープとし、それよりキャリ
アが不足している状態を、不足ドープ、過剰な状態を過剰ドープ状態と呼称されて
B-Ⅲ 204
いるが、Tcの変化から、本系では450 ℃(急冷)条件では最適ドープとなっており
それより低いアニール温度において過剰ドープ状態となっていると考えられる。ま
たTcの変化から現状のアニールプロセス(図中ではfurnace coolと記載)において
は、若干の酸素過剰状態になっているが、冷却速度を10 ℃/hに制御することで、
より酸素を高濃度にすることが可能であることを確認した[論文1]
。
図 2.4.1-2 に 450 ℃急冷試料と 300℃急冷試料の Jc-B 特性の比較を示すが、300℃
95
85
80
75
slow cool
furnace cool
c
T (K)
90
TFA-MOD tape
PLD tape
poly crystal
70
200 300 400 500 600
T (°C)
a
図 2.4.1-1 PLD 試料と TFA-MOD 試料についての酸素アニール温度(Ta)
と超電導臨界温度(Tc )の関係。200 ℃ޯ500 ℃において試料を 1ޯ2
時間保持後、急冷を行った。furnace cool は現状のプロセス(450 ℃から
炉冷)、slow cool は 450 ℃から 10 ℃/h で冷却を行った。
図 2.4.1-2 PLD 線材について酸素中 450 ℃急冷試料(最適ドープ試料)
と 300 ℃急冷試料(過剰ドープ試料)の Jc-B 特性の比較
B-Ⅲ 205
の方が Tc 値が低いにも関わらず高い Jc-B 特性が得られている。このことは試料中
の酸素濃度を高めること(過剰ドープ状態にすること)が、Jc の向上につながるこ
とを示している。また図 2.4.1-3 にアルゴンガス中で還元処理した後、酸素中
500 ℃からの徐冷により酸素を再導入を行った結果を示すが、超電導転移(図
2.4.1-3(a)、
(b))、Jc(図 2.4.1-3(c))、不可逆磁場曲線(図 2.4.1-3(d))のいず
れも初期値に戻ったことから、酸素量が可逆的に変化できることが確認された[論
文 2]。
107
0
Normalized χ
-1
M (10-3emu)
0.0
-2
-0.2
10
-0.4
-0.6
-0.8
-1.0
76
-3
80 84 88 92
Temperature (K)
6
0T
105
104
As prepared
Primal annealed in Ar
Re annealed in O2
103
As prepared
Primal annealed in Ar
Re annealed in O2
-4
(c)
1T
(b)
log (Jc A / cm2 )
(a)
102
0.3
5 Oe, H // c-axis
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
T / Tc
-5
10
20
30
40
50
60
70
80
7
90
(d)
6
Temperature (K)
µ0Hirr (T)
5
4
3
2
1
0
0.70
As prepared
Primal annealed in Ar
Re annealed in O2
0.75 0.80
0.85 0.90
0.95
1.00
T / Tc
図 2.4.1-3 PLD 線材について Ar 雰囲気で 200 ℃でアニールして還元
処理した後酸素を再導入した時の(a)超電導転移((b)は転移部分の拡大)、
(d)不可逆磁場曲線の変化
(c)Jc の温度依存性、
一方、MOD 試料では PLD 試料と異なり、アニール温度とともに Tc が単調に変化し
ており、本実験を行った大気圧酸素中では過剰ドープ状態には達していないことが
示唆される。図 2.4.1-4 に不可逆磁場曲線のアニール温度依存性を示すが、アニー
ル温度低下とともに不可逆磁場は高温・高磁場にシフトしており、酸素導入により
臨界電流特性が向上していることを示している。また現状のプロセスでのアニール
条件(500 ℃炉冷)では、300 ℃急冷とほぼ同等のドープ量となっていることがわ
かった。このことから MOD 線材は更なる酸素導入により特性向上の可能性があるこ
とが判明した[論文 3]。
B-Ⅲ 206
実際、低コスト長尺線材プロセス開発において、高い酸素分圧中で熱処理した試
料において良好な臨界電流特性が得られている。その原因を明らかにするために、
高酸素分圧の影響について検討を行った。図 2.4.1-5 に高酸素分圧熱処理試料(830
Torr)と熱処理によって最適ドープ状態にした試料の臨界電流の温度依存性の比較
を示すが、高酸素分圧熱処理試料の方が Tc が低いにも関わらず、臨界電流が高い
という結果が得られた。この傾向は図 2.4.1-3 に示す PLD 試料についての結果と類
似しており、TFA-MOD 試料において、高酸素圧処理により過剰ドープ状態が得られ
ること、またそれにより臨界電流密度が飛躍的に向上することが明らかとなった。
7
As-prepared
200°C quench
450°C quench
350°C quench
6
µ0Hirr (T)
5
4
3
2
1
0
78
80
82
84
86
88
90
92
94
T (K)
図 2.4.1-4
TFA-MOD 線材について不可逆磁場曲線のアニール温度依存性
7
0T
2
log ( Jc A / cm )
10
10
10
10
6
1T
5
4
30
図 2.4.1-5
40
50
60
70
Temperature (K)
80
90
TFA-MOD 線材について高酸素圧アニールによる臨界電流特性の向上
open symbol:高酸素圧アニール試料(Tc=89 K)
closed symbol: 最適ドープ試料(Tc =91 K)
B-Ⅲ 207
MOD 線材と同様に過剰ドープ試料が得にくいという現象は多結晶試料などの微
結晶粒の集合体においてもしばしばみられていた。そこで多結晶試料を用いて、出
発原料の影響、作製プロセス等、原因抽出を行ったところ、焼成雰囲気がキーファ
クターとなっていることが明らかとなった。さらに焼成雰囲気の影響について系統
的に調べた結果、表 2.4.1-1 の No.1 の条件のように原料粉を一度真空中 900 ℃で
熱処理すること及び本焼成を酸素雰囲気中で行うことが、y > 6.9 の過剰ドープ
試料を再現性よく作製するための必須条件であることが判明した[論文 4]。化学
分析より、高酸素濃度が得られる試料においては炭素含有量が 200 ppm 以下と少な
くなっており、不純物炭素量が重要な要素となっているものと考えられる。なお、
現在 PLD 線材作製用に購入しているターゲット材の分析を行ったところ、950 ppm
程度の炭素が含まれていることが明らかとなっており、線材試料の高酸素濃度化の
ためには、ターゲット材料の炭素濃度を下げることも高 Jc 化に効果的と考えられ
る。
この不純物炭素の起源としては、原料粉由来の他、焼成ガス中の二酸化炭素の存
在も考えられる。そこで、焼成ガス中の二酸化炭素濃度依存性について系統的に調
べた。㨯試料は Y2O3、㨯BaCO3、㨯CuO を混合し、真空中 900 °C×12 h 炉冷後、0、400、
㨯800、㨯2000、㨯4000 ppm の CO2 を含んだ酸素中で 900 °C×12 h 焼成後炉冷した。
一㨯部の試㨯料はさらに酸素中でアニールした。 図 2.4.1-6 に試㨯料の直流磁化率の
温度依存性を示す。純酸素中焼成試㨯料は 88 K の Tc を示しており、過剰ドープ状
態となっていることが確認されたのに対し、400、800 ppm の焼成では Tc は 93 K と
なっており過剰ドープ状態に達していない(ほぼ Tc 最高の最適ドープ)ことが示
唆される。2000 と 4000 ppm の焼成では炭素濃度が増すにつれ、Tc が大幅に低下し
た。これら試㨯料の炭素分析、格子定数(特に c㨯㨯軸長)の変化から、二酸化炭素存
在下では、炭素は炭酸基として Cu 鎖サイトを置換する形で導入されたと考えられ
る。実際の分析の結果から、YBa2(CuOx)3-z(CO3)z という組成式で表した時、400 ppm
で z = 0.01、4,000 ppm で z = 0.08 の炭酸基が Cu-O サイトを置換していること
が明らかとなった。この置換がキャリアドーピングに関与する過剰酸素の取り込み
を㨯阻害したために、400、800 ppm の焼成では過剰ドープ状態が得られなかったと
考えられる。また、さらに高二酸化炭素濃度での焼成では、炭酸基の置換量が多い
ために有効なキャリアが減少し、Tc の低下も招いたと思われる。これらの結果より、
高酸素濃度 YBCO を得るためには、可能な限り二酸化炭素を含まない焼成ガスを用
いることが望ましいと考えられる。
しかしながら、炭酸基置換効果について、単結晶試料を用いて検証を行った結果、
臨界電流特性については図 2.4.1-7 に示すように、適当な置換量で向上することが
わかった。臨界電流の向上のメカニズムはさらに詳細に検討する必要があるが、適
度な炭素濃度が特性の向上という観点から有効に働く可能性が示唆されたといえ
る。
そのほか酸素濃度制御に影響を与える可能性のある因子として、原料のカチオン
B-Ⅲ 208
表 2.4.1-1
多結晶試料の焼成条件と Tc および含有炭素量
Tc
焼成条件
Step2
Step3
(K)
No
Step1
炭素含
有量
(ppm)
1 Air,860°C,12hr,FC
Vac.,900°C 12hr, FC
O2 ,900°C 12hr, FC
88K
185
2 Air,860°C,12hr,FC
Air,860°C,12hr,FC
Air,930°C,12hr,FC
93K
629
O2 ,900°C 12hr, FC
92K
549
–
3 Air,860°C,12hr,FC
*FC: Furnace cooling at cooling rate 20°C/min
図 2.4.1-6 Y123 多 結 晶 試 料 合 成 時 に 二 酸 化 炭 素 濃 度 を 変 化
させた際の超電導転移曲線の変化
150 atm 500 䌿C
0% CO2
2% CO2
4% CO2
2
20
Jc䋨x10
30
3
A/cm 䋩
40
77K
10
0
0
10
20
30
Ba (x10
40
3
50
60
G)
図 2.4.1-7 Y123 単結晶の臨界電流特性に対する合成時の二酸化炭素濃度の
影響十分に酸素を導入するために 150 気圧酸素中 500 ℃で熱処理を行った。
B-Ⅲ 209
組成ずれが考えられる。意図的に Y、 Ba、 Cu それぞれの組成を本来の 123 組成か
ら 5 mol%過剰にしたものを作製した。いずれの試料も X 線回折測定では不純物を
検出できなかったにもかかわらず、Ba 過剰の試料では、酸素雰囲気中での昇温・
降温実験から、酸素の出入りが不可逆であった。これは原料の組成ずれにより Ba
の化合物が微量に生成し、それが酸素導入に強く影響しているものと考えられる
(図 2.4.1-8)。線材作製においても全カチオン種においてわずかな組成ずれは避け
られないが、特に Ba 過剰の場合、最も Jc 特性劣化を引き起こす要因であることが
判明し、プロセス条件の最適化の一指針を与えることができた。
(a)
(b)
(d)
図 2.4.1-8
(c)
(e)
Y123 多結晶試料における組成ずれの酸素取り込みに及ぼす影響
(a) u 5 mol%、Ba 5 mol%、Y 5 mol%過剰試料及び Y123 試料の X 線回折パターン
(b)ޯ(e)各試料について酸素中で温度を上下させた時の熱天秤重量測定結果
B-Ⅲ 210
(b)Y123 単結晶を用いた Zn 置換効果の検討と酸素濃度最適化
線材中の結晶粒内の臨界電流特性向上のために、Y123 単結晶を用いて Cu サイト
への Zn 置換効果について検討するとともに、高磁場臨界電流向上のための酸素量
の最適化を行った。
Zn 置換等の不純物置換はピン止め中心の導入というプラスの効果がある一方で、
超電導を一部阻害するため Tc を下げるというマイナスの効果がある。これらの点
に留意しながら、Jc や不可逆磁場に対する影響を調べた。
図 2.4.1-9 はアニール条件を変えて酸素量を変化させた場合の Tc の変化である。
この図からは Zn 置換により Tc が下がる度合いが見て取れる。液体窒素温度での線
材利用を考えた場合、Tc が 77 K を十分に上回る必要があるため、Zn 置換量は 0.5 %
を上回らないほうが良いことが分かる。また Zn 置換/非置換に関わらず全ての試料
において高酸素量では Tc が下がり、過剰ドープになっていることが分かる。
図 2.4.1-10(a)は Zn 非置換試料の 77K での Jc を磁化測定データから求めた結果
である。Jc 値については酸素量とある程度相関があり、過剰に酸素を導入した方が
Jc 値は高くなる傾向にあることが分かる。Zn 置換試料の場合、この効果はより顕
著に表れる(図 2.4.1-10(b))。Zn 置換によって Jc が磁場 1T 付近で増大するピーク
効果が顕著に現れるようになり、磁場中の Jc 値を高めている。これは Zn 置換によ
ってピン止め中心が導入された効果と言えるが、ピン止め中心が有効に働くために
は、酸素量が大きい方が有利であることがわかる。
図 2.4.1-9
Zn 置換 Y123 単結晶における Tc の酸素量依存性
B-Ⅲ 211
一方、不可逆磁場(Hirr)について、図 2.4.1-11 に T/Tc = 0.9 における Hirr の酸素量
依存性を示すが、Zn 置換量に依らず酸素量の増大にともない Hirr の向上がみられ
ている。このことは、酸素導入によるキャリアドーピングが高磁場特性の向上に有
効であることを示す。また、Zn 置換依存性に注目すれば、Zn 置換量が増えると
Hirr は低下する。Zn 置換は Jc についてはピーク効果のためにプラスの効果があるが、
Hirr に対しては必ずしも Jc 値の向上と対応せず、概してマイナスの効果があること
がわかる。なお、T/Tc = 0.9 でなく 77 K で比較した場合には、Hirr の低下はより顕
著に現れることになる。従って、どのような磁場・温度領域で線材を用いるのかと
いうことにより、適当なピン止め中心や酸素量を制御する必要があることが判明し
た。
(a)
(b)
図 2.4.1-10 Zn 非置換(a)および置換 Y123 単結晶(b)の Jc-B 特性の酸素量依存性
T/Tc=0.9
図 2.4.1-11
T/Tc = 0.9 における Hirr の酸素量依存性
B-Ⅲ 212
(c)Y123 単結晶を用いた Ca 置換によるキャリアドープ効果の検討
YBCO の Y の一部を Ca で置換すると、価数の違いからキャリア(正孔)が導入さ
れ、酸素導入とは異なる方法でキャリアドーピングされる。前述のように、酸素導
入により高いキャリア濃度にすることで、材料の臨界電流特性が向上するが、その
ためには比較的低温で時間をかけてアニール処理が必要であり、また導入可能な過
剰キャリア量も限られたものとなる。一方、Ca 置換をおこなった場合、酸素導入
だけでは不可能な著しい過剰ドーピングが可能となり、アニール条件とキャリアド
ープ量の関係も Ca 非置換の場合とは異なってくる。また過剰ドーピングは Tc を下
げるが、常伝導状態の電気伝導度を高めるため、粒間結合を有意に向上させるとい
う報告がある[論文 5]。第 I 期応用基盤プロジェクトにおいても、Ic の低い膜に
おいて Ca ドープにより Ic の向上がみられたという結果が得られている。以上の背
景から、本研究では Ca 置換 YBCO 単結晶を作製し、Ca 置換量と酸素量の2つのパ
ラメーターを制御することで、Ca 置換による材料高度化の可能性を検討した[論
文 6]。
図 2.4.1-12 に Ca 置換濃度を変えた時の Tc の酸素アニール温度依存性を示す。
アニール温度が低い方が、酸素が多く導入され、キャリアドープ量は多くなる。ま
ず Tc 最大値は Ca 置換によって低下していく。これは多結晶試料に関する報告と同
じ傾向であり、Ca 置換による c 軸長の変化に関連しているなどいくつかの提案が
あるが原因は不明である。アニール温度については Ca 非置換の場合、500 ℃のア
ニールで Tc は最大値をとったのに対し、Ca 置換試料では Tc 最大(最適ドープ)と
なるアニール温度が高いほうへとずれている。低温のアニール処理による酸素導入
が比較的時間のかかる行程であることを考えれば、この結果は酸素の拡散係数の高
い温度での熱処理で高特性が得られることを示唆しており、Ca 置換は線材作製プ
ロセスの効率向上につながる可能性がある。過剰ドープの程度については、Ca 非
置換の場合 450 ℃のアニールによる過剰ドーピングで Tc の最大値からの低下は 2 K
程度であったのに対し、Ca 置換試料の場合には低温アニールでの酸素注入による
Tc の低下は著しく、Ca 13 %置換の場合には 20-30 K にも及ぶ。この最も Tc が低下
した試料については、電気抵抗率などの測定からも著しい過剰ドープ状態であるこ
とが確認されており、ヨウ素滴定による酸素濃度分析からも非常に高いキャリアド
ーピング量 pޯ0.21 が見積もられている。(最適ドーピングは pޯ0.15)。
図 2.4.1-13 には Ca 非置換試料と Ca 2.5 %置換試料の 77 Kでの Jc 値を示す。
Ca 非置換試料では 550 ℃アニールの試料でのみピーク効果がはっきりと現れる。
これは酸素欠損による乱れがピン止め中心として働くことを意味している。一方
Ca 2.5 %置換試料では、測定した試料全てでピーク効果が観測されており、YBCO
の Ca 置換は酸素欠損を増やす傾向があることが原因であると考えられる。またこ
の結果は、中磁場領域の Jc 特性が Ca 置換で改善される可能性を示唆する。一方、
不可逆磁場(Hirr)に注目すれば、Ca 非置換試料では 500 ℃、450 ℃アニール試料の
Hirr が 7 テスラ以上になっているのに対し、Ca 2.5 %置換試料では 5 テスラ以下に
B-Ⅲ 213
なっておりピーク効果の出現が必ずしも Hirr の向上につながっていない。その原因
の一つとして、Ca 置換による Tc の低下が考えられる。
図 2.4.1-13 は T/Tc=0.9 での Hirr を酸素欠損量δで整理したものである。この図
からδが小さいほど、また Ca 濃度が高いほど、Hirr が大きくなることがわかる。こ
のことから、Hirr をは主にキャリアドープ量で決まっているといえる。Ca 置換によ
り著しい過剰ドープ状態を実現しつつ磁束ピン止め中心(酸素欠損)が導入される
ことが Hirr および Jc 値の向上に有利に働くのではないかと思われたが、Tc の低下と
いう要因もあり、予想に反して効果は小さいことが明らかとなった。
図 2.4.1-12 Ca 置換 Y123 における Tc の酸素アニール温度依存性
T=77K
Ca=0%
T=77K
T=77K
Ca=2.5%
図 2.4.1-13 Ca 非置換試料と Ca 2.5 %置換試料の 77K の Jc-B 特性の酸素アニール
温度依存性
B-Ⅲ 214
T/Tc=0.9
46t5r
図 2.4.1-13 T/Tc = 0.9 での Hirr の酸素欠損量δ依存性
(d)非接触評価法による酸素濃度および組成評価
線材作製プロセス条件の最適化を行うためには、前述のように酸素濃度をはじめ
超電導層の組成や結晶性の評価を行う必要がある。現時点では XRD による結晶性評
価が広く行われているが、ここでは、非破壊・非接触の酸素濃度および組成評価法
として電子プローブミクロ分析法、顕微ラマン分光法、核磁気共鳴法について検討
を行ったので報告する。
結晶粒内の酸素濃度を調べる非破壊な方法として顕微ラマン分光を用い、倍率を
上げて約 1μm の多結晶粒内のスペクトルを測定した。図 2.4.1-14 に酸素量を変化
させた多結晶試料のラマンスペクトルを示す。酸素量の変化に対応して、頂点酸素
振動モードの周波数(ޯ500 cm-1)が変化し、酸素欠損による結晶の対称性の低下に
伴うモード(ޯ600 cm-1)が現れる。また、挿入図に示すように多結晶試料におい
て XRD では検出されなかった極微量の不純物(Y2BaCuO5 等)も検出可能であること
が確認された。このことより非接触の酸素濃度および不純物評価方法として顕微ラ
マン分光が有効であることが確認された。
TFA-MOD 法で作製した Ic 値の異なる線材についてのラマンスペクトルを図
2.4.1-15 に示す。それぞれの線材において、表面状態にかなりの違いがあるもの
の、各々10 点以上でラマンスペクトルの測定を行った限りにおいて明確に不純物
とみなされるピークは検出されず、また酸素量もほぼ均一で、概ね最適ドープ状態
と判断されるものであった。しかしながら、ޯ500 cm-1 のモード(頂点酸素の伸縮
モード)の強度に差異が見られている。Ic 値の異なる試料を数点測定したところ、
このモードの強度は Ic 値との間に相関がみられた。このモードは、zz 偏光(c 軸
偏光)において強く現れるモードであり、個々の線材で、若干配向性が異なってい
B-Ⅲ 215
Intensity (a.u.)
ることを示唆している。以上のことをまとめると、現段階で作製されている線材は、
(1)酸素量はほぼ均一(最適ドープ状態)であり、(2)不純物は、顕微ラマン
分光でも検出されるレベル以下の極微量であること、(3)配向性に若干の差異が
見られる、ということである。今後の課題としては、このޯ500cm-1 の強度(zz 偏
光性)と Ic の因果関係について明らかにすることがあげられる。
また、酸素濃度評価方法として、核磁気共鳴実験も試みた。多結晶試料について
NQR(核四重極共鳴)スペクトルを測定したところ、図 2.4.1-16 に示した通り、酸
素欠損量に応じて CuO2 面内の Cu-NQR の線幅が広がる様子が観察され、酸素量の変
化によって CuO2 面にキャリアがドープされることがみてとれる[論文 4]。本方法
では、CuO2 面の電子状態の変化を知ることが出来るため、酸素濃度の他カチオン置
換の超電導特性に及ぼす影響を検討する上で重要な手法であると考えられる。
次に線材の深さ方向の組成分析の方法としてオージェ分析の検討を行った結果
について示す。表 2.4.1-2 に示すように特性が大きく異なる PLD 線材の元素の分布
についてオージェ電子分光を用いて調べた。図 2.4.1-17 に Ba で規格化したそれ
ぞれの元素のピーク強度を示す。これらの図より,高い Ic 値を示す試料1では中
央部・端部ともに安定化層 Ag の Y123 層への拡散がほとんどないことが確認された
が,試料2の端側では Ag が Y123 層にまで一部拡散している様子が観測された。
(図
中矢印)また、銀の析出している付近では、酸素濃度が低い傾向があることも判明
した。Ag の析出している部分では超電導電流パスが阻害され Ic 値低下の原因とな
っていると考えられる。以上のことからオージェ分析が Ic 値低下要因を検討する
一手段として有効であることが確認された。
図 2.4.1-14 不足ドープ、最適ドープ、過剰ドープの各酸素濃度の多結晶
試料の顕微ラマン分光スペクトル。 挿入図:多結晶試料中に存在する
不純物相 Y211 の顕微ラマン分光スペクトル。
B-Ⅲ 216
Int(Arbitary Unit)
Ic = 110 A
Ic = 4 0 A
100 200 300 400 500 600 700 800 900
Raman shift (cm-1)
T=77.3 K
Overdoped
L1 (Tc~88 K)
63
Cu(2)
65
Cu(2)
Optimally doped Oxygen
P3 (Tc~93 K) Vacancy
I1 (Tc~93 K) Effects
63, 65
Cu(2) Nuclear Spin-Echo (arb. units)
図 2.4.1-15 TFA-MOD 線材の顕微ラマン分光スペクトル
26
28
30
32
Frequency (MHz)
34
図 2.4.1-16 酸素濃度の異なる3つの多結晶試料の Cu NQR スペクトル。
上図は、酸素過剰試料(Tc = 88 K)のスペクトルで、酸素欠損の少なさを
反映して理論曲線によく一致する単一のピークが観測される。最適ドープ
試料(Tc = 93 K)では、酸素欠損に起因したピークが重畳し、線幅が広が
る。
B-Ⅲ 217
表 2.4.1-2
オージェ分析に用いた PLD 線材の特性
試料 No.
膜厚(μm)
Ic(A)
Jc(A/cm2)
1
1.0
100
1. 0×106
2
1.1
8.1
0.07×106
6
6
試料1 中央部
試料1 端部
5
Ag
4
最適ドープ
3
不足ドープ
(60K相)
Ratio to Ba
Ratio to Ba
5
O
Ag
最適ドープ
4
3
2
2
Cu
1
Cu
1
Y
Y
0
0
1.6
1.8
1.5
2.0
1.8
6
5
試料2 中央部
5
Ag
最適ドープ
Ag
不足ドープ
(60K相)
2
3 不足ドープ
(60K相)
2
1
Y
Y
0
0.6
Cu
1
Cu
0.4
O
4 最適ドープ
O
Ratio to Ba
Ratio to Ba
2.4
6
試料2 端部
3
2.1
depth ( µm)
depth( µm䋩
4
O
不足ドープ
(60K相)
0.8
1.0
1.2
1.4
0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
depth (µm)
depth (µm)
図 2.4.1-17 オージェ分析による PLD 線材の深さ方向組成分布
図中の点線は YBa2Cu3Oy 相を形成した時の Ba に対する各元素の濃度比。
測定試料の特性が悪い(臨界電流密度 0.07 MA/cm2)原因は、図中矢印
で示すように内部に銀が侵入していることと関係していると思われる。
B-Ⅲ 218
(e)希土類 123 材料の組成・合成プロセス条件の最適化
Y 以外の希土類元素(Nd、Sm 等)の 123 系超電導体は、第 I 期応用基盤プロジェ
クトにおけるバルク材開発で示されたように、組成制御により Y 系より高い磁場中
臨界電流特性を示す可能性がある。
線材材料としての適性をはかるため、Y 以外の希土類(RE)123 系物質について、
RE-Ba の相互元素置換の有無、超電導転移温度、相形成温度、相形成可能な酸素分
圧、原料粉の価格などについて、詳細な文献調査を行った。Nd などのイオン半径
の大きい軽希土類元素の 123 材料は、Tc は高いものの Ba との固溶範囲が広く、線
材プロセスにおいて組成制御のための制御因子を Y 系に比べて増すことが必要で
あるため、実用プロセスにおいては非現実的と判断し不適とした。各種条件を検討
した結果、軽元素側で RE-Ba 置換量が少ないため組成制御が容易で、相形成温度が
Y に近く、原料費も安いという利点を有する Gd 系が Y にかわる材料の第一候補で
あるという結論に至った。
そこで、PLD 法で Gd123 薄膜の成膜を行い、成膜条件ならびに最適組成の検討を
行った。
組成最適化については、(a)での検討結果から、弱結合の原因となる粒界析出物
の生成を抑制し高特性試料を得るためには Ba 過剰とならないことが必要と考えら
れる。ここで PLD 薄膜における組成ずれの影響を調べるために、Gd、 Ba、 Cu そ
れぞれの組成を本来の組成から 5 mol%過剰あるいは 5 mol%欠乏させたターゲット
を作製し、その 影響 を調べた。実際 作製 したターゲット 組成 は Gd1.05Ba2Cu3Oy
(Gd-rich)、Gd0.95Ba2Cu3O(Gd-poor)
、Gd1Ba2.1Cu3O(Ba-rich)
、Gd1Ba1.9Cu3O(Ba-poor)
、
y
y
y
Gd1Ba2Cu3.15Oy(Cu-rich)、Gd1Ba2Cu2.85Oy(Cu-poor)の 6 種類である。また基板は MgO
単結晶基板を用いた。図 2.4.1-18 に各ターゲット組成について 780 ℃および
800 ℃の二種類の温度で成膜を行った時の Jc 値をまとめる。成膜温度に関わらず
Ba-poor とした組成において、他と比較して大きな Jc 値が得られた。ラマン分光の
結果から特性の高い膜においては、不純物相やカチオン組成の乱れが抑えられてお
り、Ba 欠乏組成を出発原料として用いることでこれらの生成を抑制され、Jc 値が
向上したと考えられる。
また図 2.4.1-18 から 800 ℃の成膜条件において Gd-rich 組成において比較的大
きな Jc 値が得られている。そこで、Gd-rich と Ba-poor 組成の組み合せの組成
Gd1.05Ba1.95Cu3Oy をターゲットとして成膜を行ったところ、77 K での Jc 値が約 4.8
MA/cm2 まで向上した。図 2.4.1-19 に示すように Y 系および Gd 系の定比ターゲット
組成を用いた場合と比較して、不可逆磁場も大幅に向上している。また、77 K, 3 T
における Jc 値として約 0.5 MA/cm2 という高い値が得られており、Jc(3T)/ Jc (0) ޯ
10.4%と目標値を超える特性を示すことがわかった[論文 7]
。これらの結果は単
結晶基板上の結果であるため、今後、実際に線材プロセスに用いる中間層付金属基
板を用いて成膜条件の最適化を行っていく必要がある。
一方、Ba 過剰とならない組成とするもう1つの方策として、Ba の一部を同じ
B-Ⅲ 219
4
780㷄
800㷄
Jc (MA/cm2)
3
2
1
0
123
Gd-rich
Gd-poor
Ba- rich
Ba-poor
Cu-rich
Cu-poor
図 2.4.1-18 ターゲット組成を各元素について 5 %変化させた
時の Gd123 系 PLD 薄膜の Jc 特性の変化
図 2.4.1-19 Gd123 系 PLD 薄膜と Y123 系 IBAD-PLD 線材の
不可逆磁場の比較
Gd123 系については、定比から Gd 過剰 Ba 欠乏に
若干ずらした組成において高い特性が得られた。
B-Ⅲ 220
アルカリ土類元素であるSrに置換した組成について薄膜作製を行った。図2.4.1-20
にGdBa2Cu3Oy とBaの5%をSrで置換したGd(Ba1.9Sr0.1)Cu3Oy をターゲットとして用い
た時の薄膜のXRDパターンの成膜温度依存性を示す。Sr非置換の場合には840 ℃の
成膜でa軸成分が混入しており、また成膜温度によってTcが異なるのに対し、Sr置
換組成では実施したすべての成膜温度条件でc軸配向膜が得られている上、Tc値の
変動もない。またそれぞれの組成についてターゲット/基板間距離依存性を調べた
ところ、Sr置換組成の方がターゲット/基板間距離を多少変動させても安定にc軸
配向膜が得られることがわかった。以上の結果によりSr置換組成を用いることにつ
いて、c軸配向膜を得るための温度制御やターゲット/基板間距離制御に関する条
件緩和のメリットが見出された。この他Sr置換の利点としては、斜方晶性が緩和さ
れるためマイクロクラックを減らせること、Sr置換領域では局所的にTcが低くなっ
ていることが期待されるため、ピン止め中心として作用し磁場中Jc値が向上するな
どの可能性が挙げられる。一方、Sr置換によりTc値が低下することが広く知られて
おり、上記利点を考慮にいれてJc値を向上させるような最適組成条件を今後調べる
必要がある。
Intensity (a.u.)
a 軸成分
図 2.4.1-20 Sr 非置換および Sr 置換組成をターゲットとして用いた時の、
PLD 薄膜の XRD パターンの成膜温度依存性
B-Ⅲ 221
(f) 超電導特性不安定化因子の解明
高温超電導体が絶縁体への相転移近傍にある物質であることから、超電導組成で
あっても様々な原因で超電導状態が不安定となることが解明されつつある。そのよ
うな不安定性が線材の Jc 特性を低下させる要因になると考えられるため、本研究
では、それらの不安定性の原因追求と共に、それらを排除する方法について検討し
た。
(i)光学反射スペクトル測定による超電導キャリア密度の研究
YBa2Cu3Oy 単結晶を中心にいくつかの高温超電導体の CuO2 面内偏光の光学反射ス
ペクトルを測定した。図 2.4.1-21 に反射スペクトルから計算した光学伝導度スペ
クトルの一例を示す[論文 8]。超電導転移によって、遠赤外領域の伝導度が著し
く減少する様子が見られる。この常伝導状態と超電導状態のスペクトル差の面積を
計算することによって、超電導キャリア密度 ns (∝ λL-2:λL はロンドン侵入長)を
見積もり、超電導転移温度 Tc に対してプロットしたのが図 2.4.1-22 である。これ
を見ると、最適ドープ状態からキャリア濃度を減らしていくと、Tc 低下より遥かに
激しく超電導キャリア密度が減少することがわかる。
ケンブリッジ大学グループが比熱測定の結果から指摘していた通り、超電導キャ
リア密度(超電導凝縮エネルギーに相関)は、キャリア不足ドープ領域では急速に
低減されることが確認できた。これは、磁束ピニング力が不足ドープ領域で急激に
低下することを意味し、次世代線材開発においては、キャリアドーピングレベルを
高める(YBa2Cu3Oy の場合は酸素濃度を高める)方策が重要であるという結論が得ら
れた。
また、図 2.4.1-21 で超電導状態でも低エネルギー域に残留伝導度が見られるこ
とから、非超電導状態のキャリアの共存が示唆される。図 2.4.1-22 で見られるよ
うに、不足ドープ領域において超電導キャリア密度が激減する理由の一つには、こ
の電子的不均一状態が考えられる。超伝導キャリア密度減少による磁束ピニング力
の低下以外にも、非超電導キャリアの共存は、交流でのエネルギー損失の原因とな
り、超電導線材の実用化にとって好ましくない。このような観点からも、高温超電
導体を線材などに用いる場合には、キャリアドープ状態を不足ドープ領域に入らな
いよう、細心の注意を払う必要があると言える。
[大阪大学、東京大との共同研究]
(ii)非弾性X線散乱測定による格子の不安定性の研究
電子系の不安定化因子の一つとして、格子不安定性と連動したものが考えられる。
典型的な例が、ストライプと呼ばれる縞状の電荷偏析とそれに伴う非超電導化であ
る。このような不安定性の原因を探り、次世代線材の特性安定化に貢献するために、
本研究では YBa2Cu3Oy (YBCO)と HgBa2CuOz(Hg1201)の中性子散乱・非弾性X線散乱実
験によるフォノン分散測定を行った。
図 2.4.1-23 に Hg1201 のΓ-X 方向のフォノン分散曲線を示す[論文 9]。
B-Ⅲ 222
5000
5K
80K
150K
220K
300K
a
σ [S/cm]
4000
3000
2000
1000
0
500
1000 1500 2000 2500 3000
-1
wave number(cm )
図 2.4.1-21 反射スペクトルから計算した YBCO 単結晶の
光学伝導度スペクトル
図 2.4.1-22 いくつかの超電導体の超電導キャリア密度 ns (∝ λL-2) と Tc の関係。
Y124 と Tl2201 のデータは、他の研究グループの測定結果。また、
µSR 測定では破線のような直線の関係があることが報告されている。
B-Ⅲ 223
丸で示した実験結果と実線の理論計算結果とは、ほとんど良い一致を示しているが、
一番高エネルギーのフォノンだけは、q 0.3 付近に向かって、理論予測より低エネ
ルギーにシフトしていく様子が見られる。これは、面内の銅と酸素の伸縮モードで
あり、この格子振動モードが電子系と強く結合していること、そしてそれが通常の
電子格子相互作用ではなく、特別な周期構造を持った電荷分布と関係している可能
性が高いことがわかった。
また、そのような格子の異常は、YBCO や LSCO などの他の最適ドープ高温超電導
体にも共通して見られる性質であることもわかった。キャリアドープされていない
絶縁体ではこのような異常が見られないことが知られているため、この現象は系が
金属状態になることで発生するものと考えられる。過剰ドープ状態については今後
80
HgBa2CuO4+δ
∆1 symmetry T=55 K
Exp.
Calc. (Eu at Γ)
Calc. (A1g at Γ)
Calc. (LA)
Raman A1g
Energy(meV)
60
40
20
0
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Γ
X
r.l.u. (3+q,0,0)
図 2-4-1-23 Hg1201 の非弾性X線散乱実験から求めたΓ-X 方向の
フォノン分散
Energy (meV)
90
80
Hg1201 (∆1)
Tc ~94 K at T=55 K
LSCO (∆1)
Tc ~38 K at T=12 K
YBCO [010] (∆4)
Tc ~93 K at T=12 K
70
60
50
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
r.l.u. (q00)
図 2.4.1-24 いくつかの典型的な超電導体における Cu-O 伸縮モードの
分散曲線の比較
B-Ⅲ 224
の課題であるが、格子異常が消失しないという報告もあるため、金属状態である限
りこの格子不安定性がなくならない可能性が高い。図 2.4.1-24 が示すように、こ
の現象と超電導転移温度との間には相関が直接ないことがわかったが、どのような
条件の時に超電導特性に影響を与えるようになるのか、またそれが臨界電流特性に
与える影響については不明であり、今後更なる検討が必要である。
[大阪大学、
(財)
高輝度光科学研究センターとの共同研究]
(3)超電導長尺線材プロセス技術開発への貢献
実際の線材を用いた酸素量最適化の研究の結果から、酸素量を最大限にするよう
な酸素処理プロセスを適用することが臨界電流特性を最大限に引き出すために重
要であることを明らかにした。TFA-MOD 線材プロセス開発との連携により、TFA-MOD
線材においては高酸素圧処理が酸素導入のためにも有効であることを確認した。
またY系に代わる系としてGd系での薄膜作製を行った結果、単結晶基板上ではあ
るが、Y系を凌ぐ臨界電流特性を有することを確認した。高Jc化のためには、ター
ゲット組成をBaが少ない組成比にすることが有効であり、その結果、高磁場特性で
はJc(3T)/ Jc (0) ޯ 10.4%と目標値を超える特性を得た。このように軽希土類元
素を用いること及びターゲット組成制御(Ba過剰とならないような組成制御)が高
特性化のために重要であるという指針が得られ、長尺線材プロセス技術開発に資す
ることができた。
2.4.2 線材接合・界面特性高度化
Y 系線材材料は多結晶超電導薄膜で構成されており、数カ所の大傾角粒界等にお
ける欠陥が存在すると超電導臨界電流特性が著しく劣化することが知られている。
そのため、前節で示した材料特性高度化による結晶粒内臨界電流特性向上と共に、
結晶粒界の組成や組織制御による結晶粒界及び種々の粒界面臨界電流特性向上を
図ることが重要課題となっている。そこで、界面特性高度化においては結晶粒界面
での特性劣化原因を究明し、臨界電流特性向上のための方策を提案する。
一方、機器応用・実用化を視野に入れた時、超電導線材間の低抵抗接続が必要不
可欠である。そのため実用化に繋がる低抵抗接続の開発を行う必要がある、線材接
合技術開発においては、銀安定化層を介した低抵抗接合を検討する。開発にあたっ
ては接合部を含んだ線材特性として臨界電流 300A/cm 幅(77K,0T)を目標とする。
(1)研究経緯・手法
線材の臨界電流特性を律している結晶粒界面での特性劣化原因を究明し、防止
策を提案して線材作製プロセス開発にフィードバックする。結晶粒界面の組織観察
と共にそこにおける超電導特性評価を走査型トンネル顕微鏡や磁気光学法等によ
り実施し、線材微細組織と超電導特性の相関関係を明らかにする。また光電子分光
B-Ⅲ 225
等を用いて、表面安定性の研究を行い、表面界面の特性劣化防止に有効な材料を開
発する。
一方、線材間接合は、長尺線材を得る手段の一つとして非常に重要であり、歩留
まり向上によるコスト低減にも貢献する。線材同士の接合方法として銀安定化層を
介した接合技術の開発をおこなう。開発に際しては、まず線材特性の劣化がない温
度や圧力の範囲を調べた後に、接合特性と接合の基本パラメータ(圧力、温度、雰
囲気等)との関係から最適条件ならびに最適インサート材料を見出だすことにより、
接合面での抵抗を可能な限り抑え、線材の目標達成に貢献する。
(2)具体的成果
(a) Ca 置換による界面安定性の向上
Y123材料は、試料表面から酸素が離脱しやすいため、表面層ではキャリア欠乏状
態となり、また粒界拡散が体積拡散と比較して大きいことから、粒界面における超
電導特性低下の一因となっていると考えられる。そこで、キャリアドーピングによ
る界面安定性向上について検討を行った。具体的には、Yの一部を価数が異なるCa
で置換することでキャリアドープを行い、光電子分光やトンネル分光のような表面
に敏感な測定手法を用いて表面安定性について調べた。
図2.4.2-1に、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いたCa 12%置換Y123単結晶表面
のトンネルスペクトルを示す。通常、Y123単結晶において、測定の際に真空中にい
れた時に、表面から酸素が離脱して超電導性が低下するため、超電導ギャップの観
測が困難である。しかしながら、Ca置換試料においては図2.4.2-1に示すように明
瞭に超電導ギャップ2Δ(= 40 meV)が観測できた。このことは、Ca置換試料におい
ては、超電導秩序が観測可能なくらい表面付近まで延びていることを示し、表面で
の酸素欠損の影響が少ないことを示唆している。
また図2.4.2-2にY123単結晶 (Tc ޯ93 K) とCa置換Y123単結晶試料の光電子分光
評価から得られたフェルミ面近傍でのスペクトルの比較を示す。Y123単結晶では、
超伝導ピークと表面準位が並存しており、またスペクトルの温度依存性の測定で
100 K 以上において表面酸素を失い表面での超電導性が抑制されていることが観
測された。
これに対してCa置換Y123 (過剰ドープ試料、Tc:63-70 K) では、Y123と比較し
て超電導ピークに対する表面準位の割合が減少しており、表面が比較的安定なこと
で知られているBi2212 のスペクトルに類似した構造を示す。これはCa置換により
表面電子状態が変化し、より表面での超電導状態が安定となったことを示唆する。
Ca置換によるキャリアドーピングは常伝導状態の電気伝導度を高めるため、粒間
結合を向上させるという効果が提唱されているが、今回の結果から結晶表面の超電
導を安定化させる効果があることが明らかとなった。このことはキャリアドープに
より粒界面での超電導性の低下を防ぎ、Jc向上の可能性があることを示唆している。
[STM測定については東京大学との共同研究]
B-Ⅲ 226
図 2.4.2-1 (Y,Ca)Ba2Cu3Oy 単結晶の走査型トンネル顕微鏡によるトンネル
スペクトル。超電導ギャップ(2∆ ~ 40 meV)が明確に観測されている。
YBCO
Ca-dope YBCO
200
150
100
50
0
Binding Energy (meV)
-50
図2.4.2-2 光電子分光における(0.8-1.0π,0) の範囲でのスペクトルの
総和によるCa-YBCO とYBCO のEF近傍でのスペクトルの比較
(b)磁気光学法による粒界特性評価と酸素導入による特性向上
123 系線材は c 軸配向しているものの多結晶体であるため、実際には数多くの粒
界が存在しており、それが弱結合として働き Jc を低下させることがある。実際、
Jc は結晶配向度に依存することが報告されているが、どの角度のどのような粒界
が Jc 低下の原因となっているかの詳細は明らかになっていない。そこで粒界にお
ける臨界電流の基本特性の把握のため、バイクリスタル基板の上に LPE 法で単結晶
Y123 膜を成膜することで人工的に粒界面を作製し、磁気光学イメージング法(MOI
法)を用いて粒界特性評価を行った。バイクリスタルの研究については[001]tilt
については数多く研究されているが、[100]tilt については報告がほとんどない
B-Ⅲ 227
ことから、図 2.4.2-3 に示すようなc軸角度が少しずれた[100]tilt のバイクリ
スタルを作製し、粒界角度の影響について検討した[論文 10]
。
図 2.4.2-4 に粒界角が-8゜の試料についての MOI 法による磁束分布観察の結果
を示す。測定温度は 30 K であり、励磁過程において外部磁場を 0、0.03、0.06、
0.1 T と変化させた時、および最大外部磁場 0.3 T 印加後磁場を除去した時の残留
捕捉磁場(remanent)における画像を示す。図中で明るい部分程、磁束密度が高く
なっていることを示す。すべての磁場において粒界部での磁束密度が高くなってお
り、優先的に磁束が侵入していることが示されている。磁束侵入の度合いは臨界電
流密度の大きさにほぼ反比例することから、粒界部は他の部分に比べて臨界電流密
度が低くなっているといえる。
α
c-axis
図 2.4.2-3
c-axis
バイクリスタル試料の模式図
0.03(T)
0.06(T)
0.1(T)
Remanent
state
GB
GB
GB
GB
試 料
図 2.4.2-4 MOI 法による Y123 バイクリスタル試料(α= -8°)の
30 K における磁場侵入像。粒界(GB)を境に上側が膜面が c 軸垂直、
下側が c 軸からα°結晶が傾いている。
B-Ⅲ 228
GB
試料幅
図 2.4.2-5 30 K, remanent における MO 画像(上)とその電流分布計算結果(下)
図 2.4.2-6
MO 画像(30(K))の電流解析から求めた JcGB/JcG0 の
磁場依存性と角度の効果
得られた磁束密度分布からビオ・サバールの法則に基づき、高速フーリエ変換を
用いて電流分布の解析を行った。α= -8°の試料について得られた電流分布像の一
例を図 2.4.2-5 に示す。上側に解析に用いた MO 画像、下側に電流分分布の計算結
果を示す。右図は試料中を流れる電流値について等電流線で示したもので、電流線
が密な程沢山電流が流れていることを示す。この電流解析図から、単位断面積を流
れる電流量を求めることにより、局所的な臨界電流密度を求めることができる。こ
の方法により求めたα=±12°、±8°の粒界部における Jc 値(JcGB)を磁場に対し
てプロットしたものを図 2.4.2-6 に示す。なお Jc0は各膜の粒界を含まない部分に
おける Jc 値(H//c)である。どの試料においても外部磁場が高くなるに従い JcGB/Jc
0
は低下する傾向にあり、また、±12゜よりも±8゜の方が臨界電流密度が高い傾向
にある。同じ試料についての測定を四端子法でも行ったが、ほぼ同じオーダーの
Jc 値が得られており、MO 法の電流解析による電流密度測定は妥当な方法であると
いえる。
粒界における臨界電流密度の低下については、粒界部においての格子歪みの影響
による電子状態の変化、界面での酸素の解離によるキャリアドープ状態の変化等に
B-Ⅲ 229
よる超伝導性の低下など様々な原因が考えられる。キャリア数の減少が原因である
とすれば、粒界部に適当なキャリアドープを行なうことにより Tc などの超伝導特
性を向上させることにより、臨界電流密度の向上をはかれる可能性がある。実際、
[001]tilt 粒界において、Manhart らは 30%の Y3+を Ca2+で置換することにより、
ホールドープを行ない、24°粒界で1桁以上の粒界臨界電流密度の向上がみられた
ことを報告している[論文 11]。そこで、高圧酸素アニール処理によって酸素をさ
らに導入することで、キャリアドープを行ない粒界部の電流特性への影響を検討し
た。
高圧酸素アニールは、密閉系の雰囲気制御炉で行い、500℃, 125 130 atm で一
週間保持した。図 2.4.2-7 に、α=-8゜の試料についての高圧酸素アニール前後の
MO イメージング法による磁束分布観察画像を示す。同じ印加磁場では、アニール
後の方が粒界部も含め全体的に試料への磁場の侵入が抑えられており、Jc が全体的
に向上していることがわかる。
アニール前後について MO 画像から見積もった JcGB/JcG0 を図 2.4.2-8 に示すが、
アニール後の方が JcGB/JcG0 が高くなっている。同様の結果はα=12°においても
図 2.4.2-8
α=-8°について酸素導入前後の磁場分布の比較
B-Ⅲ 230
図 2.4.2-8
α=-8°における JcGB/JcG0 の磁場依存性に対する酸素導入の効果
得られている。また、通電測定でも同様の結果が得られた。これらの結果から、酸
素の導入が粒界臨界電流密度の向上に有効であることが明らかとなった。実際の金
属テープ上に成膜した線材においては、c 軸の配向度は高く、c 軸のばらつきの程
度を示すΔωは1°以下となっているため、ここで調べたような大きな角度の粒界
の頻度は少ないと考えられる。しかし、MOI 法による評価と組織観察により、ハス
テロイの表面に凹凸がある場合、あるいは超電導相に析出相が生成した時など、比
較的大きな傾角の[100]粒界が形成され、しかも、大きな粒界面をもつため、局
所的に Ic 値の低下を招くことが確認されている。酸素導入等により粒界電流が向
上したという本結果は、このような粒界による Ic の低下を低減させ、歩留まり向
上に結びつくと考えられる。[芝浦工大との共同研究]
(c)線材間接合技術開発
線材間接合方法として、低抵抗接合としては低融点・低抵抗の金属材を用いたは
んだ接合や、安定化層である銀同士の固相拡散接合等が考えられる。これらはいず
れも接合の際に数百℃まで母材である線材の温度を上昇させる必要があるため、そ
れによる超電導特性の劣化の有無について確認しながら、最適な接合方法、熱処理
条件について検討する必要がある。予備実験の結果、700 ℃以上の熱処理において、
超電導層の著しい劣化がみられた。またインサート材を用いた場合に、安定化銀と
インサート材の界面抵抗が問題となる可能性がある。そこで、インサート材を用い
ず安定化銀層同士を接合する拡散接合を試みた。図 2.4.2-9 のような荷重をかけな
がら熱処理する治具を作製し、その中にハステロイ上に作製された TFA-MOD 線材お
よび PLD 線材試験片の銀保護膜同士を向かい合わせて置き、加圧加熱処理した。ま
た低温での熱処理が可能な銀ナノペーストを用いた接合についても検討を行った。
B-Ⅲ 231
਄㕙࿑
஥㕙࿑
Ag layer
SUS䊗䊦䊃
䉟䊮䉮䊈䊦᧼
YBCO
図 2.4.2-9
CeO2 / GZO / Hastelloy
接合に用いた治具
Hastelloy
Hastelloy
Joined region
Ag layer
接
合
部
Ag
1mm
図 2.4.2-10 接合試料外観図
CeO2 / GZO / Hastelloy
I
YBCO
R Ag/YBCO
図 2.4.2-11
Rj
Ag layer
接合部抵抗測定の端子の配置
B-Ⅲ 232
実験はすべて 2mm 幅に切り出した線材試料を用い、接合長さは 5mm として温度・
熱処理条件の最適化を行った。図 2.4.2-10 に最適条件ににより接合した PLD 線材
試料の一例を示すが、外観上均一に接合されていることがわかる。またナノペース
トを用いた接合では、接合抵抗が他と比べて1桁高くなったため、不適と判断した。
接合界面特性の評価は、銀層により電流が短絡するのを防ぐため一部安定化銀を
エッチングした試料を用いて、図2.4.2-11のような端子配置で接合部および安定化
銀/超電導界面の抵抗値の測定を行った。その結果、接合抵抗が最低となる最適条
件の下では、PLD線材の接合試料において安定化銀/超電導界面の抵抗値は0.7 n
Ωcm2、接合部の抵抗値(安定化銀/超電導界面抵抗×2+銀-銀接合界面抵抗)は
12nΩcm2と求められた。図2.4.2-12に1cm幅の線材接合で同等の接合部抵抗値が得
られた場合の発生電圧の試算を示す。3cm以上の接合においては300 Aでޯ1μV
の発生電圧となり、線材接合部を1カ所含む場合においては、線材接合によるIc
値(1μVのcriterion)の低下がないことが見込まれる。
また、接合熱処理条件によっては PLD 線材自体の特性劣化がおきる場合があるこ
とが確認された。この特性の劣化の要因は、熱処理中に試料中の酸素が解離し、試
料のドープ状態が過剰ドープ状態から最適ドープ状態(あるいは不足ドープ状態)
に変化したためである。このことは、接合のための熱処理において、試料中の高酸
素濃度を保持するように留意する必要があることを示している。
一方、TFA-MOD 試料については、過剰ドープ試料において、低温の熱処理でも超
電導特性の低下が認められ、高酸素圧中での処理など検討する必要があると考えら
れる。
以上のように、安定化銀層を介しての拡散接合で比較的低抵抗の接合が得られる
ことが明らかとなった。実用を視野にいれると、接合サイズ、通電電流、機械的強
度など、まだまだクリアすべき課題があり、今後、これらについて検討をしていく
必要がある。
図 2.4.2-12 接合部の抵抗が 12nΩcm2、接合部における電流分布が
一様であると仮定した時の発生電圧の通電電流・接合長さ依存性
B-Ⅲ 233
(3)超電導長尺線材プロセス技術開発への貢献
単結晶あるいはバイクリスタルを用いた粒界界面の基本的物性測定の結果、Ca
あるいは酸素の導入によるキャリアドープにより、粒界特性の向上をはかれる可能
性を明らかにした。
また、線材接合については、安定化銀層を介した低抵抗接続に成功した。まだ解
決すべき課題はあるものの、長尺化や機器応用に貢献できる技術であると考える。
B-Ⅲ 234
2.4.3
目標達成度
高温超電導材料高度化技術開発に関して、目標および成果をまとめると表
2.4.3-1のようになる。
④高温超電導材料高度化技術開発
超電導長尺線材プロ
開発項目
実施目標
成
果
セス技術開発への貢
献
(1)材料特性高度化技術開発(高 Jc 化、高速化、特性均一化)
酸 素 濃 ・ 酸素量最適
度・カチオ
化による臨
ン組成最
界電流特性
適化プロ
の向上と酸
セス検討
素導入阻害
要因の検討
・ Ca、Zn、Sr
等他元素添
加検討
・ 臨界温度が最大となる酸素濃度
より過剰に酸素を含む組成が高 最適な酸素処理プ
Jc 化に有効であることを発見し、 ロセスの提案によ
実証。
る Jc 値向上
・ 残留炭素が酸素導入阻害要因と
なることを発見。
・ Cu サイトの Zn 置換ではピン止め
点導入効果により、磁場中 Jc 値
の向上を確認。ピン止め点が有効
に働くためには、酸素量が大きい
方が有利であることが判明。
・ Y サイトの Ca 置換により酸素導
入とは異なる方法でキャリアド
ーピングが可能であることを実
証。
・ Ba サイトの Sr 置換に関しては c
軸配向膜を得るためのプロセス
条件の緩和のメリットを発見。
Gd 系での薄膜が、Y 系を凌ぐ Jc 特性
希 土 類 希土類 123 系 を有することを確認。高 Jc 化のため
123 系 材 薄膜の PLD 膜 には、ターゲット組成を Ba が少ない
料検討
作製、評価、最 組成比にすることが有効であり、そ
適組成提案
の結果、高磁場特性では Jc(3T)/ Jc
(0) ޯ 10.4%と目標値である 10%
を超える特性を得た。
B-Ⅲ 235
高特性化のために
は軽希土類元素を
用いること及びタ
ーゲット組成制御
(Ba 過剰とならな
いような組成制
御)が重要である
ことを提案
酸 素 濃
度・キャリ
ア濃度の
評価技術
開発
非破壊・非接触 ・ 非接触の酸素濃度及び不純物評価
の酸素濃度及
方法として顕微ラマン分光が有 線材評価結果のフ
び組成評価法
効であることを確認。
ィードバックによ
として、電子プ ・ 核磁気共鳴法により CuO2 面の電 り線材作製プロセ
ローブミクロ
子状態の変化を検知できること ス条件の最適化
分析法、顕微ラ
が判明。酸素濃度の他、カチオン
マン分光法、核
置換の超電導特性に及ぼす影響
磁気共鳴法を
を検討する重要な手法であるこ
検討
とを確認。
・ 光学反射ス
超電導特
ペクトル測 ・ 超電導キャリア密度(超電導凝縮 キャリア濃度を高
性不安定
定による超
エネルギーに相関)は、キャリア めることが超電導
化因子の
電導キャリ
不足ドープ領域では急速に低減
相安定化のために
解明
ア密度の研
されることが確認
重要であることを
究
・ 複数の超電導体において最適ド
提案
・ 非弾性X線
ープ状態での格子異常現象を確
散乱測定に
認
よる格子の
不安定性の
研究
(2)線材接合・界面特性高度化技術開発
(2)線材接合・界面特性高度化技術開発
結 晶 粒 界 ・ Ca 置換によ
面での特
る界面安定 ・Ca 置換が結晶表面の超電導を安定
性劣化原
性の向上
化させることを発見。
因の究明 ・ 磁気光学法 ・磁気光学法による粒界特性評価を
による粒界
行い酸素導入による特性向上を確
界面特性
特性評価と
認
向上技術
酸素導入効
開発
果検討
線 材 間 接 銀 安 定 化 層 を 小片試料を用いた検討において、低
合 プ ロ セ 介 し た 接 合 技 抵抗接続を得るための熱処理条件を
ス検討
術開発
ほぼ確立
B-Ⅲ 236
キャリア濃度を高
めることが界面特
性向上にも有効で
あることを提案
2.5 市場・コスト・特許・標準化調査研究
わが国においては、近年 Bi 系超電導線材の技術が長足の進歩を遂げ、それを
用いたプロトタイプ機器の開発が報告される状況に至っている。この機器応用研究
に伴う線材への新たな課題を解決することが、Bi 系線材製造技術の飛躍的進展を
もたらしたものと考えられる。Bi 系線材に対する開発意欲が高いのは、現在実用
に供されている金属系超電導線材(NbTi、Nb3S 等)と比較して、臨界温度、臨界磁
場が圧倒的に高いことと、長尺線材製造技術が確立してきたという理由によるもの
である。
欧米諸国を見ると、米国においては DOE が SPI(Superconductor Partnership with
Industries)*プログラムの基で、Bi 系線材をベースとして下記のような多岐にわ
たる高温超電導応用機器開発を支援している。
*SPI:米国 DOE と民間企業が半額づつ資金を出して超電導機器を開発する制度
表 2.5-1
米国 SPI で進めている高温超電導材料を用いた機器開発
䊒䊨䉳䉢䉪䊃
䊃䊤䊮䉴
䊝䊷䉺䊷
(5000 㚍ജ䋩
䉬䊷䊑䊦
(200䌭,600MW)
䉬䊷䊑䊦
(6㪈0m䇮574MVA)
䉬䊷䊑䊦(350m䇮48MVA)
(ౝ 30m 䉕 Y ♽✢᧚䈮⟎឵)
⊒㔚ᯏ
(㪈00MVA)
䊃䊤䊮䉴䋨ᬌ⸛ਛ䋩
(5/㪈0MVA)
⏛᳇ಽ㔌ⵝ⟎
㐿᡼ဳ MRI
㒢ᵹེ(BI22㪈2 䊨䉾䊄䋩
ෳടડᬺ
㐿⊒⁁ᴫ(2004/7䋩
WES/SuperPower ␠
5/㪈0MVA ቢᚑ
䊨䉾䉪䉡䉣䊦␠
R&D
Ultera(Southwire䋩␠
⸳⸘/R&D䇮䊒䊨䊃ᯏቢ
AMSC/Nexans
⸳⸘/R&D
SuperPower/૑෹㔚Ꮏ
⸳⸘/R&D
GE ␠
⸳⸘/R&D/⵾ㅧ
Waukesha ␠
DuPont ␠
䊙䉫䊈䉾䊃ቢᚑ䇮ⵝ⟎⚵䉂┙䈩
䉥䉾䉪䉴䊐䉤䊷䊄␠
⸳⸘䊶⚵䉂┙䈩
SuperPower ␠
(注)これらの機器開発に用いられている超電導線材は主に Bi 系線材である。
欧州においては、EU(ヨーロッパ連合)にて Framework Program FP6 に則って超
電導線材・機器開発が実施されている。Y 系線材開発は Goettingen 大学や Nexans
B-Ⅲ 237
社が中心となって活発に進めている一方、機器開発も主に Bi 系線材を用いてデモ
機を製作している。
一例を挙げると、シーメンス社が船舶用電動機(400kW)を開発・試験済みで、
現在 4MW の電動機を開発中である。さらに限流器(Nexans 社/Accel 社)、送電ケー
ブル(Nexans 社)、トランス(Getra 社)や SMES(Ansald 社)の開発も進行中である。
それぞれの機器開発には、Y 系線材を待望しつつも現時点では長尺線材が入手で
きないため Bi 系線材を使用している。しかしながら、上表の SuperPower 社と住友
電気工業(株)が共同で開発を進めている電力ケーブルにおいては、その一部に Y
系線材を用いる計画のプロジェクトもある。これは、Y 系線材の使用が可能となれ
ば、Bi 系線材を直ちに Y 系線材に置き換えることを目論んでいる例証である。更
に最近の例では、従来 Bi 系線材を用いて限流器を開発してきた米国 AMSC 社は、ド
イツのシーメンス社と共同で、Y 系線材を用いた限流器の開発に着手したと発表し
た(Superconductor Week Feb.21,2005)。この理由として、Y 系線材のコストが将
来的には Bi 系線材よりも安くなるからだとしている。
また、磁場発生用マグネットとしての機器の多くは以下の理由により Y 系線材に
置き換える計画である。その理由は、①Bi 系線材は液体窒素温度レベルで、外部
磁場の増加に伴って流し得る電流(臨界電流)が急激に低下するという本質的な特
性上の課題があるため、高磁場発生用マグネットとして用いる場合には温度を 20K
程度にまで下げる必要がある。②Bi 系線材は多量の銀を使用せざるを得ないため、
線材が高コスト化する。
一方、Y 系線材は、液体窒素温度においても磁場―臨界電流特性は優れており、
かつ、Bi 系線材と比較して銀の使用量を大幅に削減できるので、低コスト化が可
能である。
以上の理由により、Y 系線材に対する期待は極めて高く、長尺線材製造技術の早
期確立が望まれると同時に機器開発と連携したプロジェクトの推進が重要と言え
る。
一方わが国の Y 系長尺線材の技術開発は大きく進展しており、長尺化、臨界電流
値共に世界のトップの位置にある。現状(2005 年 2 月の時点)での本プロジェク
トでの成果は、長さ 105m で、臨界電流値は 126A を達成している。この値は、2 位
の米国 IGC Super-Power 社の 100m、104A に勝っているとはいえ熾烈な開発競争で
あることには疑いの余地はない。
実用化までにはまだまだ開発要素が多いこともあり、企業が独力で次世代線材の
開発や機器開発に取り組む余裕がない。技術開発と並行して実用化・事業化を実現
するための調査も不可欠である。そこで本プロジェクトにおいて、
「市場調査」
「コ
スト低減」
「特許調査」
「標準化」等を検討するための「市場開拓委員会」を設立し、
以下のような活動を行なった。
B-Ⅲ 238
2.5.1 市場調査
平成 15 年度は各企業や工業団体を回り、高温超電導の魅力を理解してもらうと
ともにニーズ調査を行なった。調査実施対象は JR 総研(鉄道応用)、名古屋大学
(鉄鋼応用)、東芝(MRI)、造船研究協会(船舶応用)、東芝セラミックス(半導
体応用)、JASTEC(理化学応用)、日本分析器工業会(NMR,質量分析計)及び二葉
商事(製紙工場浄水用磁気分離)である。こうしたユーザー側の企業、団体の特
徴は、超電導線材応用製品開発を優れたビジネスモデルの基に進めているという
点である。
また、日本分析機器工業会主催の「分析展」(平成 15 年 9 月 幕張メッセ 入
場者約 2 万人)に出展し、超電導関心度に対するアンケート調査を実施するとと
もに普及・啓蒙に努めた。アンケート調査結果では室温超電導の出現を期待する
声が多かったが、液体窒素で超電導機器が動作することに対する期待も大きかっ
た。
「次世代超電導線材の導入によってどのような新局面が拓けるか」という前年
度の課題をもって,平成 16 年度は、線材、機器メーカーの超電導責任者から成る
「高温超電導市場開拓委員会」を設け、現在の市場規模や今後期待される市場に
ついて調査し、その情報を基に市場開拓・拡大の方策を検討した。その結果を報
告書として纏めた(高温超電導市場開拓調査 平成 17 年 3 月 超電導応用基盤技
術研究開発)。
報告書の要点は、先ず超電導市場規模の現状を認識し、次に Y 系線材が他の超電
導線材と比較してどのような優位特性を有するかを明らかにした。続いて、現時点
で考えられる応用製品について、各専門家から現状の課題、高温超電導化の利点等
について講演して頂き、各委員が纏めた。これらの情報を基にして超電導市場拡大
の方向性について検討した。
活動の一環として、開発投資規模と想定市場規模を夫々の機器について検討した
(表 2.5-2)。
B-Ⅲ 239
表 2.5-2
投資規模
開発投資規模と想定市場規模
大
10 億円ޯ
中
1ޯ10 億円
小
ޯ1 億円
市場規
模
大
100 億円ޯ
中
10ޯ100 億円
小
ޯ10 億円
ポスト ITER 用マグネット(HTS
高磁場 MRI
R&D)
電力用送電ケーブル
系統安定化、負荷変動補償用、周
波数調整用 SMES
大
超電導回転機(主に発電機)
限流器(基幹用)
重イオン加速器
リニア用マグネット
食品産業廃水処理装置
産業用 SMES(瞬低用)
市
電磁冶金電磁ブレーキ用マグネ
場
規
模
ット
風力用発電機
Si 引上げ用マグネット
大型自動車用電動機
FT-ICR(フーリエ変換イオンサイ
ポンプ・ブロア用電動機
クロトロン共鳴)質量分析装置
1GHzNMR
中
リニア用マグネット
(R&D)
変圧器
加速器(VLH)
限流器(配電用)
船舶用電動機
鉄道用変圧器(世界)
製紙産業用廃水処理装置
鉄道用変圧器(国内)
電流リード(機器用小型リード、
小 加速器、SMES 用等大型リードを
含む)
小
中
投
資
規
大
模(機器開発費用)
この表の中で、横軸には投資規模を縦軸には予想市場規模をとり、各製品がどの
分類に属するかを上記情報を基にして当て嵌めてみた。中規模製品と大規模製品と
では、市場開拓・拡大のシナリオが異なるものと考えられるために分類したもので、
来年度はこれらの精査とこの中から幾つかの製品を選別し、市場への浸透について
検討する予定である。
電線メーカーは Y 系線材に大いなる期待をもっており、機器メーカーは一刻も早
く Y 系線材でコイルを巻いてみたいという意欲を示している。後はユーザーである。
ユーザーが魅力を感じるようにするためには、大規模機器のみならず中規模機器に
B-Ⅲ 240
おいても国・NEDO の支援を得ながら機器開発を行い、ユーザーに見せることが最
も重要なことであると考えられる。
2.5.2 コスト分析
本プロジェクトでは達成すべきコスト目標が設定されており、また中間評価時点
で研究されている各種プロセスから低コスト化を目指したプロセスに絞り込む必
要がある。そのためコスト分析作業では、中間評価時点までに、プロセス選定委員
会での各 WG から報告される線材コストを統一的な算定方法で評価できるよう、コ
スト算定方法を確定することが重要である。また、最終評価時点での研究成果を基
に算定したコストに付加コスト(導体化・ケーブル化コスト、冷却コスト等)を加え
た全体コストが、市場性を持つかどうかの評価を行い事業化への課題を明確化する
ため、H17 年度からの 3 年間で事業化時点を想定した機器側から要請される線材限
界コストを調査する。
平成 15 年度、16 年度の実施内容及び成果は以下の通りである。
平成 15 年度は、14 年度に実施した線材コスト分析調査でのコスト算定式が、本
プロジェクトの研究成果の評価に使えるよう、研究開始時点の線材コストの算定を
通して、算定式の妥当性を検証した。この算定式に含まれる感度分析を通じてプロ
セス開発の一指針を得ることが最大の目的である。線材コスト算定のためには、各
WG メンバー(プロジェクト参加企業の研究者で構成)からコスト算定に必要な諸
条件のヒアリングを実施し、その結果を基にコスト試算を実施し、コスト分析結果
を各 WG にて提示してコスト低減へ向けた課題を明確化した。さらに、各 WG メンバ
ー独自で研究成果の評価と、コスト低減の有効な手だてを感度分析により即時に確
認できるようなコスト自動算定ツール(Ver.1)を構築した。
*コスト自動算定ツール:上記コスト算定式に条件設定のためのインターフェ
ース部分を追加し、研究者が条件を設定すれば自動的にコスト算定結果が得ら
れるようにしたツール(以下、コスト算定ツールと言う)
平成 16 年度は、コスト算定ツールを実際に各 WG メンバーが試用し、改善点等の
事情聴取を行い、それを基にコスト算定ツールの改善を実施した(Ver.3)
。Ver.3
ではコスト算定にあたり、基板・中間層・超電導層、安定化層の各層別にプロセス
選択(組み合わせ)が可能となるように、各層ごとに条件が詳細に設定できるよう改
善した。また、この結果他メンバーが研究しているプロセスまでも組み合わせるこ
とが可能となり、プロセス選択の自由度が広がった。本コスト算定ツール(Ver.3)
を用いて、各 WG メンバーが開発中のプロセスに対応した H19 年度時点および将来
コストを推定し、プロセス選択委員会に提案する事ができた。
1)線材コスト算定式の概要:各層のプロセスコスト(材料と製造プロセスに必要な
装置の費用)に人件費、工場コスト(建設費、運営費)、間接費を加えたものを Y 系
線材のコストと定義している。線材コストは製造された線材の臨界電流 Ic(A)と年
B-Ⅲ 241
間製造量(m)で換算される。
線材コスト(円/Am)={基板コスト(円/m)+ 中間層プロセスコスト(円/m)
+超電導層プロセスコスト(円/m)+安定化層プロセスコスト(円/m)
}÷線材最
大通電電流(A)+{工場コスト(円/Am)+人件費(円/Am)+間接費(円/Am)}
コスト算定の主要な設定条件:
以下に示す各種の条件設定を研究の方向性に応じて変更することで、そのコスト
低減へ効果確認(感度分析)が可能となる。
材料費
・材料単価、・所要量、・収率
装置費
・装置初期価格、・加工処理速度
人件費
・装置1台あたりの年間所要 MH
工場費用
・装置の大きさ、・製造環境のクリーン度(3段階)
共通事項
・臨界電流(H19 年 300A、将来 500A)
・金利(5%)、・償却年数(建物 30 年、装置 5 年)
・装置稼働率 90%、・メンテナンス係数(建物 3.6%、装置 5.0%)
・人件費単価(¥5,000/MH)、・間接費率(8.0%)
コスト分析の詳細は別途報告書を作成。
2.5.3 特許調査
本プロジェクトに参画している企業の研究者から成る委員会を ISTEC 内に設け、
国内外の特許を詳細に調査している。調査結果は毎年報告書として纏めている。
1)調査の目的:プロジェクト内外の次世代線材に関する特許を実用性の観点から
調査し、プロジェクトの研究開発戦略の構築に寄与するばかりでなく、企業に
おける事業化シナリオの策定に資することを目的とする。
2)活動経過:高温超電導関連特許を対象に、平成 15 年度はプロジェクト参加の7
者(ISTEC、フジクラ、住友電工、中部電力、古河電工、昭和電線、ファインセ
ミックスセンター)の国内特許調査を行い、平成 16 年度は残りの国内特許(国
内分)とともに、日本企業の特許を除く米国特許(米国分)を調査した。これら
から抽出した次世代線材の製作技術に関係する約 950 件については、発明内容を
技術分野や請求項の分析を行った。これらの結果は各年度の調査報告書に纏めた。
(別途報告書を作成)
B-Ⅲ 242
調査件数は以下のとおりである。
次世代線材関連特許数
調査特
平成 15 年度(7者分)
主要特許数
平成 16 年度(国内分)
主要特許数
平成 16 年度(米国分)
主要特許数
その
許件数
基材
中間層
約
32
55
217
19
45
368
3,900
6
21
84
3
0
114
約
29
27
155
35
8
254
1,900
6
13
48
2
1
85
約
37
44
196
44
20
341
2,300
12
29
41
4
5
91
超電導層
保護層
他
計
3)調査の要点
<基材技術>金属基材の 2 軸配向表面化が主要課題である。
7者分には、配向銀クラッド(’90)、金属基材の焼鈍等の前処理(’92)な
どの成立特許、配向 Ni/Ni 合金基材の表面酸化膜をバッファー膜とする SOE 法*
1
の出願がある。
国内分には、酸化等の基材表面の処理(’87)、基材表面の再結晶化(’90)、
銀基材の配向性(’93)等の国内企業の成立特許や RABiTS 法*2の2軸配向金属
基材に関する Goyal や AMSC 社の特許 3 件(’96,’00)の出願がある。
米国特許では、オークリッジ国研の Goyal 等の、配向 Ni 合金のみならず Ni ク
ラッド、低磁性合金基材上への RABiTS 法特許が 10 件成立している。ハステロイ
や SOE 基材の特許は見当たらない。
<中間層技術>無配向金属基材上に配向膜の形成、配向金属基材上への配向膜の形
成が主要課題である。
7者分には、ハステロイ基板上に2軸配向中間層を形成する本プロジェクトの
中核技術である IBAD 法*3に関して’91 年の出願以来 10 件の特許が成立、近年
は、GZO の適用や CeO2 キャップ層による配向性の顕著な改善等の出願を含め 9 件
の出願があり、実用技術へ大きく前進している。その他にもレーザ蒸着法で基板
を傾斜させる ISD 法*4(’94)、SOE 基材上へのバッファ膜の形成法(’97)、配
向 Ag 基材上への MgO 膜形成(’97)等がある。
国内分には、ロスアラモス国研の Foltyn の IBAD 中間層と金属基材との間に
Al2O3 等の接着層の配置(’96)と金属基材上に CeO2 等の絶縁層と RE123 層を交
互積層した厚膜化(’01)、仏ネクサン社の CeO2 層にドーパントを入れた格子整
合膜(’01)、AMSC 社の 2 軸配向中間層膜の表面処理(’00)等がある。
米国特許では、IBAD 関係として、IBAD レーザ蒸着法で 2 軸配向膜を形成する
もの(’95)や金属基板と IBAD 中間層の間に Al2O3 等の接着層を配置したもの
B-Ⅲ 243
(’99)等のロスアラモス国研の特許、RABiTS 関連では、CeO2 と YSZ の積層、ゾ
ルゲル法による LZO 膜、電気化学法によるエピタキシャル膜の形成など 5 件
が’99 年以降登録されている。
<超電導層技術>金属基材や中間層上に、106A/cm2 以上の臨界電流密度を持つ超電
導膜の形成とその高速化が主要課題である。
7者分には、材料関係で Y、Ho を含む RE123 系の c 軸配向薄膜(’88)、Nd123
の Nd-Ba 置換膜(’94)、相分離 RE123 系超電導体(’96)等の成立特許など、
構造・形状関連では、長尺金属基材/薄い絶縁層/超電導層の構造(’90)、配向
性や表面粗さの規定、配向金属上への超電導層形成など 9 件、IBAD 中間層と複
合した超電導層の形成関連で 10 件、ISD 中間層と複合した超電導層の形成関連
で 4 件、近年注目されている TFA-MOD 関連では 7 件、等の登録および出願がある。
その他蒸着、スパッタ、CVD 等の成膜装置関連の特許も多い。
国内分には、材料関係で、AT&T のM123(M=Y,La,Eu,Lu)系超電導体特許(’88)
が成立、審決したヒューストン大の Chu 特許(’88)では 123 構造は含まれなか
ったが、本文中に RE123(RE=La,Y,Nd,Sm,Gd,Er)の実施記載があり、Yb123 と
Dy123 は新技術事業団の笛木特許(’87)が成立している。近年はキャリアドー
プや人工ピン関連の特許の出願が目に付く。構造関係では、SuperGM のテープ基
材上の多結晶体高温超電導層(’87)、物理蒸着法関連では酸素アニール、基板
加熱等 12 件、CVD 法関連では DPM 材料などの MO 原料、装置関係等で 5 件、TFA-MOD
関連では、MIT大のトリフルオロ酢酸塩(TFA)による成膜法の Cima 特許(’98)、
AMSC 社の製法(’00)、’01 以降は国内企業・機関から 3 件出願、その他の MOD
関連で 5 件がある。
米国分では、材料関係では、前記ルーセント社(AT&T 社)の Batlogg 等の Ln123
系特許 3 件(’03)が成立したが Chu 特許は未成立、フィリップス社の酸素欠損
123 相と 211 相他を含む Y123 薄膜(’90)、カリフォルニア大の 2 元素系の RE123
(’03)等がある。物理蒸着法関連では、オークリッジ国研の多層中間層 RABiTS
上に BaF2-exsitu 法による超電導層形成(’99)や PLD の成膜条件やターゲット
に関する多くの成立特許があり、CVD 法関連では、TFA-MOD 法では MIT の Cima 等
の 3 件(’93,’01,’03)と AMSC 社のプロセス(’03)等がある。
<保護層技術>超電導特性の安定化腐食防止のため超電導層を包む保護層を形成
しなければならない。
7 者分では、超電導層上の耐酸化性金属膜の熱膨張係数や厚さ規定(’94)す
るものがある。
国内分では、超電導膜の a-b 面に銀層を密着(’88)、銀、銀合金又は貴金属
の 2μm 厚以上安定化層(’93)、アーク/プラズマ溶射による金属皮膜の形成
(’88)、Cu/貴金属の2層膜(’88)等がある。
米国分では、超電導層上へ Ag 蒸着(’91)や Ag メッキ(’90)等が成立して
いる。
B-Ⅲ 244
注) (’nn)
:
()内の数字は、日本特許は出願年、米国特許は登録年を表し、有
効年数の起算年を示す。
2.5.4 標準化
次世代線材に係わる標準化は、超電導標準化戦略の一環として、プロジェクトと
一体的推進を行っている。平成 15 年度以降つぎの標準化活動を実施した。
平成 15 年度は、現行 JIS(JIS H 7005: 超電導関連用語)の改正に資するため、
次世代線材に関する新規用語を抽出した。また、次世代線材に関連する標準化ニー
ズ調査を企画した。
平成 16 年度は、平成 15 年度に企画した次世代線材関連標準化ニーズ調査を
IEC/TC90 超電導委員会における調査と連携して実施した。標準化ニーズ調査は、
超電導産業魅力度及び超電導事業強度についてそれぞれ 3 水準設定し、線材関連企
業及びユーザーを対象として実施した。その結果、規範文書化などの標準化作業は、
現行プロジェクトにおける技術開発の進展をもう少し見極める必要があるとの判
断であった。一方、プロジェクトにおいては日々技術が進展しており、標準化のた
めのデータベースの構築を関連プロジェクト(高温超電導利用における交流損失の
評価・削減に関する研究開発)との情報交換並びに IEC/TC90 超電導委員会におけ
る調査と連携して実施した。具体的には、短尺次世代線材における交流損失試験方
法など基本的試験方法への現行規格の適用性の検討及び長尺次世代線材の臨界電
流試験技術の調査である。
以上の内容詳細は「IEC/TC90 超電導技術調査報告書 平成 16 年度版」として現在
製本中である。
B-Ⅲ 245
3.今後の研究開発計画および目標達成見込み
3.1 高性能長尺線材プロセス開発
本プロジェクトの目標として以下のものを掲げている。中間目標として、平
成 17 年度末に、長さ 200m、臨界電流 200A/cm 幅(77K, 0T)とともに磁場中に
おいて臨界電流 20A/cm 幅(77K, 3T)、また、最終目標として、最終年度 H19 年
度末に、長さ 500m以上、300A/cm 幅以上(77K, 0T)かつ 30A/cm 幅以上(77K,
3T)、コスト 12 円/Am 以下(77K, 0T)、作製速度 5m/h 以上を設定している。 表
3.1.-1 に、長さ、臨界電流値、生産速度、磁場中特性等について、目標値と H16
年度の達成値をまとめた。以上の目標に対する今後の見込みと計画を述べる。
1) 長さに関しては、中間目標 200m に対して、IBAD および PLD セリア基板作製
は、すでにフジクラ、SRL ともすでに 200m を達成している(ただし SRL ではセ
リアは 100m であるが、装置の安定性検討結果から 200m実現も支障ない)。よっ
て、中間層付き基板の中間目標はほとんど現時点で達成できたといえる。
超電導層に関しては、今年 5 月、フジクラにおいて 217m が得られた。また、
SRL でも 100m の線材が得られた。長さに関しては、既に中間目標をクリアして
いるが、フジクラの上記線材の臨界電流はまだ 88A であるので、今後、成膜条
件や YBCO 組織の検討を行い、早期に目標値の 200A をクリアする。これまでの
開発速度を考えると、1 年で倍増以上の速度で開発が進んでおり、このままのペ
ースで行けば、十分最終目標 500m も達成可能といえる。根拠としては、フジク
ラではすでに大型の 500m対応機種が入って順調に立ち上がっており、製造装置
の主要部品である、イオンガン、レーザー装置なども長時間運転に耐えるもの
であることが実証されているからである。すなわち、最終目標 500m に対しても
フジクラにおいて大型 IBAD 装置を導入済みであり、既述のとおり、順調に立ち
上げも進んでいる。これにより、製造速度も従来の 4 倍程度が見込めるので、
合理的な製造時間の中で 500m の製造が可能になると考えている。
2) 臨界電流目標に関して、中間目標 200A に対して、SRL で 90.6m 線材で 210A
を得ている。また、長さ 1-10cm の短尺線材では両者とも 360A、409A を得てい
るので十分中間目標の 200A は達成可能と考えている。しかしながら、最終目標
の 500m での 300A は、短尺で特にフジクラで 360A を達成しているので、実現可
能性は非常に高くなってきているとはいえ、長尺化での長時間安定性、および
それにともなう Ic のバラツキなどを考慮すると、短尺試料では 500A レベルの特
性が必要とされる。また、この特性も従来の数 cm 試料でなく 100m級の線材で
B-Ⅲ 246
検討することにより、500m 装置への短時間での技術移管が成立する。このため
に、SRL の目標は下記表のように 100-200m で 500A とした。さらに、現状のプ
ロセスからの高速化も図る必要があるので、100m 級での高特性化した線材作製
を行い、これをフジクラへ迅速に技術移管して、最終目標達成を行う予定であ
る。
表 3.1-1 中間、最終目標値と H16 年度達成値
(上段はフジクラ、下段*は、SRL。) 注)H19 年度は SRL は高速化、高 Ic 化に
重点をおくために、目標は 100-200mx500A とした。
H16 年度達成値
H16 年度目標値
H17 年度中
H19 年度
間目標値
最終目標値
中間層 255m、
長さ
220m*
超電導層 217m,
200m
200m
500m
100-200m*
100m*
88A(217m)
126A(105m)
360A(0.1m)
臨界電流
360A(0.02m)
200A(長尺)
値
210A(90.6m)*
250A(短尺)
200A
300A
500A*
159A (100m)*
340A (0.1m)*
409A(0.01m)*
Ic x
19,100Am
長さ
19,026Am*
40,000Am
40,000Am
150,000Am
なし
5m/h
20A
30A
中間層 0.7m/h
生産速度
超電導層 1.5m/h
中間層 1.0m/h
中間層 1-2m/h*
超電導層 1.5m/h
超電導層 3m/h*
磁場特性
(77K,
3T)
10A
18A*
20A
B-Ⅲ 247
3)磁場中臨界電流(77K, 3T)の中間目標では 20A を、また、最終目標では 30A
を掲げているが、フジクラで Ic にして 10A を得ている。また、SRL では、46m か
らの切り出した長尺線の一部で、8A を得ている。まだ、目標値の 20-30A には
改善が必要であるが、B-Ⅲ 2.1.3 で述べたように、現在、RE 系材料および人
工ピンによる Jc 改善を試みており、現在、3T の磁場中でも Ic が劣化せず、0T
の値の 1/10 程度まで改善できている(従来は、1/20-1/30)。さらに、ピンや RE
系材料の作製条件の検討で向上させることができると考えられ、磁場中の Ic に
関して十分目標達成が見込める。現実、最新のデータでは Y2O3 のピン入りの試
料で 3T の Ic=18A を得ている。
3.1.1
今後の課題と方針
表 3.1.1-1 および表 3.1.1-2 に両者の今後の目標と技術課題、方針、計画を
まとめた。フジクラでは、現在進んでいる 500m 用 IBAD、PLD チャンバーの装置
導入と立ち上げを完了させ、特に IBAD のイオンビーム制御、PLD の長時間安定
運転などの課題をクリアして、500m 化を推進する。また、SRL では長さは 100-200m
級であるが、特に重要な高速化(5m/h)と 500A(3T 磁場中 50A)を達成するべく、
高速化技術や RE、人工ピン導入による組織制御技術を開発していく。これをフ
ジクラに技術移管などの密接な連携により、最終的に 500mx300A(77K, 0T)およ
び 30A(77K, 3T)を達成する。最後に、図 3.1.1-1 に、これまでに達成した Ic と
長さの積とプロジェクト目標値を示す。このまま順調に開発が進めば、中間目
標および最終目標の達成が十分見込める。
B-Ⅲ 248
表 3.1.1-1
今後の課題と方針 “目標、課題、課題解決の方策・方針”
今年度、フジクラにより 200m 化は達成し、また、SRL により 200A も達成した。IBAD/PLD 法による中
間目標は達成可能と考える。最終目標への課題と解決方針は以下のとおりであり、これも達成できると思
われる。
目標
課題
課題解決の方策・方針
担当
中間層
IBAD 長尺化
現 状 200m か ら
500m への長尺化
IBAD 高速化
現状 1m/h から 5m
/h への高速化
スケールアップと安定 立上げ中の装置大型化による長
性
フジクラ
時間安定性の実証。
大面積蒸着。イオンビ 大型装置および新材料により高 フジクラ
ーム条件最適化、新材 速化を図る。また、イオン電流、 SRL
料 に よ る 蒸 着 速 度 向 電圧などの最適化でも高速化を
図る。
上。
IBAD 配向度と CeO2 配向度のお SRL
PLD-CeO2 高速化
IBAD 層との最適膜厚
現状の 2m/h から
組合せ。YBCO 層特性
5m/h への高速化
との最適化。
よび膜厚の最適組合せにより高 フジクラ
速化を図る。
臨界電流 300A が得られる最適
YBCO 膜厚、配向度から高速化
を図る。
超電導層
PLD-YBC 長尺化
PLD 法の長時間安定
フジクラ
現 状 217m か ら 性(レーザー照射およ 大型大面積 PLD とタンデム方式
500m への長尺化
高速化
現状 1-3m/h から
5m/h への高速化
高 Ic 化
現状 100-200A か
ら 300A(500m級)
500A(100-200m
級)
び蒸着装置)
による長時間安定成膜の実証。
レーザービームの有効
活用と最適化
マルチプルーム、マルチターン フジクラ
方 式 の 最 適 条 件 化 。 上 記 大 型 SRL
PLD による最適化。
臨界膜厚の検討、a 軸 短 尺 に よ る 左 記 の 検 討 か ら 、
配向粒子の抑制および 300A、500A が可能な膜厚、材
SRL
フジクラ
温度など成膜条件最適 料を検討し、長時間安定成膜を
化
加味して長尺試験を行う。
RE 系、人工ピン導入および厚膜 SRL
磁場中 Ic 改善
現状の 18A から 磁束ピンニングの検討
化により、短尺によりめどをつ フジクラ
30A-50A(77K, 3T) 厚膜化検討
けて、大型チャンバーにより長
へ
尺化を行う。
B-Ⅲ 249
表 3.1.1-2 今後の技術課題と計画
技術課題と計画
フジクラ
H17
H18
H19
200m 化
高速・長尺化
500mx300A 化
IBAD イオン
ビーム制御技術
PLD 長尺安定
製造技術
100-200mx500A 高
SRL
200m 化
高速化
Ic 化
IBAD、PLD 高
速化技術
超電導高 Ic 化
RE, ピ ン 導 入
技術、厚膜化技術
技術
基板提供
応用基盤 Pj 各社
応用基盤 Pj 各社
B-Ⅲ 250
200mx500A
ᦨ⚳⋡ᮡ 䊐䉳䉪䊤㐳ዤታ⸽ 500mx300A, SRL㜞I䌣䋱䋰䋰m䌸500A
10 6
10 5
⋡ᮡ୯:
1.5x105Am
さ
臨界電流値x長
77K 0T
䊐䉳䉪䊤19,026Am
88A䌸217m
(2005)
10 4
10 3
10 2
SRL
SRL18,900Am
200Ax90.6m,
(2005)
10 1
10 0
1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010
ᐕᐲ
図 3.1.1-1 H16 年度達成値と目標値:順調な開発で目標達
成の可能性が高いことを示す。
B-Ⅲ 251
3.2
3.2.1
低コスト長尺線材プロセス開発
はじめに
平成 17 年度に関しては、2.2 で紹介したプロセス群は全て中間目標を目指して
研究開発を推進する。
また、プロセス選択結果を受けてプロジェクト後半は、500m 級装置を用いた長
尺プロセス開発を実施する。2.2.5 項で詳述した通り、500m 装置プロセスとして選
択委員会の答申を受けて決定されたプロセスは TFA-MOD プロセスである。H17 年
度から 500m 級装置の導入を開始し、IBAD 中間層付金属基板を用いて目標達成を目
指すこととした。
一方、コスト分析結果によれば、将来コストとして IBAD 上の MOD 線材は 3.2 円
/Am に到達することになっている。このレベルは、様々な応用を実現することが可
能なレベルといえるが、応用サイドからは更なる低コスト化が求められ、これが将
来のマーケットサイズを決定する重要な因子であることは間違いない。この観点か
ら、コスト分析結果を解析すると、上述 IBAD-MOD 線材コストに比して、より低コ
ストが望めるプロセスの組み合わせが示されている。それらは、主に配向金属基板
を用いた線材であり、その代表的な構造として図 3.2.1-1 に示す3種類の線材が示
されている。まず、中間層及び超電導層を安価な MOD 法で作製するプロセス、また、
MOCVD 法により同様の線材を作製するプロセスが何れも2円/Am を下回る極めて低
コストが見込める結果となっている。更に、PLD 法を一部に使用しながらも MOD 法
と組み合わせ、Ho 系超電導材料を用いた高速成膜効果を加味する手法で3円/Am
以下の低コストが見込まれている。これらの検討結果を受けて、上述 500m 装置を
用いた長尺線材開発を推進すると共に、更なる低コストを見込める「極低コストプ
ロセス開発」を開発することとした。
図 3.2.1-1 コスト分析による更に低コストが望める線材構造の例
B-Ⅲ 252
3.2.2
低コスト 500m 級プロセス開発(昭和電線電纜、SRL)
MOD 法による超電導層の長尺化は H15、16 年度の研究開発により短尺の Jc 及び
Ic の向上から RTR 式や Batch 式熱処理による 100m を見通すことのできる要素技術
開発に至るまで大きな進歩が見られた。特に、SRL においてフッ素含有量が少なく、
仮焼時の昇温速度を上げることの可能な新原料(Advanced-TFA:Ad-TFA)が開発さ
れたこと、これが安定して供給されるようになったことによって電気炉の長尺プロ
セス開発が可能になった。この成果を基に、500m 級線材を作製するプロセス開発
を以下の通り実施する計画である。本開発は、現在、安定して高配向で長尺の基板
が提供可能な、CeO2/IBAD/Hastelloy 基板を用いて実施することにしている。しか
し、無論、All-MOD や他の中間層付基板に対しても適用できるものでなければなら
ず、この基板変更に関して想定される課題も視野に入れた開発を実施する必要があ
ると考える。
まず、塗布・仮焼プロセスに関して以下の通り実施する計画である。塗布・仮焼
プロセスにおいては高 Ic のために高 Jc 厚膜化を実現しなければならないが、これ
までの実績によれば、良質厚膜を得るためにはマルチコート法を用いなければなら
ない。マルチコート法とは、塗布と仮焼を繰り返して厚膜前駆体を得る手法である
が、この手法の課題として繰り返し操作が必要であることから実効的な製造速度が
遅くなることが挙げられる。この課題を解決したのが 2.2.4 で詳述したマルチター
ンシステムである。このシステムでは、塗布と仮焼を連続で繰り返し行うことが可
能であり、繰り返しによる実効速度の低下が無くなる。実際、同装置を用いて一回
の塗布・仮焼ステップと同じ速度で6回塗布膜の連続作製に成功している。一方、
その他のシステムとしては、本焼プロセスでも検討されている Batch 式焼成法が考
えられる。しかしながら、この方法では、塗布回数がすなわちプロセス日数となっ
てしまうことから、塗布・仮焼速度が遅く、低コストプロセスには適さないと考え
られる。そこで、500m 級線材用塗布・仮焼装置は、マルチターンのコンセプトを
基本とした RTR 式装置を採用することとした。具体的なスケジュールとして、炉設
計、作製、導入、立上げは平成17年度に行う。このとき基本的な仕様としては
Ic=300A を有する 500m 仮焼膜を 5m/h 以上で作製できる装置とし、
炉長、ターン数、
塗布機構、炉内ガス流制御法を決定する。設計の基本になるデータは SRL の成果を
基軸にし、これをもとにして昭和電線、SRL で設計を行い、昭和電線において装置
立上を行う。
先に述べたように、現在の Ad-TFA では高性能の超電導膜を得るために1回の塗
布厚を下げて多層塗りを繰り返す必要があることから、長時間の塗布に対して MOD
溶液の粘度が変化しないよう、また、線材の長手方向において塗布厚が均一になる
ように装置的な工夫をする必要がある。
また、Ni 系基板/MOD 中間層を作製する技術が開発された際には、All-MOD や MOD/
気相中間層付基板への塗布・仮焼も同装置で行うことになる。その際に最も異なる
B-Ⅲ 253
条件は、基板の強度である。現在開発されている Ni 系基板は Ni に微量の W 等の合
金元素を入れて合金化したものであり、その機械強度はハステロイに比べると弱い。
RTR 法で線材を熱処理する場合、高温で基板に張力をかける必要があるためその駆
動機構の張力制御には注意を払う必要がある。塗布・仮焼プロト炉を設計する際に
は、この点も考慮に入れて行う。更に、高速化を実現するには反応面積の増大と共
に、仮焼時の塗布膜突沸防止を目的とした膜厚の制御が必要であり、このためには
原料の粘性制御が必要になる。そこで、高速化を目的とした溶媒を含めた原料開発
も並行して実施することとする。
一方、本焼プロセスに関しては、RTR 式と Batch 式の両方で検討が行われている。
RTR 式は超電導工学研究所で、Batch 式は昭和電線で開発が行われており、いずれ
も H17 年度終了時点において 200m×200A の特性を得ることを目標にして研究が進
んでいる。RTR 式ではある程度の長さで焼成条件を決定すれば、線材長を長くして
も特にシステムの大幅な変更を要しないという特長がある。しかし、製造速度は炉
長によって決まり、超電導層生成反応に時間がかかる場合、目標製造速度を達成す
るための本焼炉サイズが大きくなってしまう。これを回避するためには、仮焼プロ
セスのようなマルチターン化が考えられるが、高温の炉内でのターンに関する機械
的動作の検証が必要である。また、常に未反応の線材が炉内に送り込まれて来る状
態にあって、炉内のガス流の把握と最適設計が超電導層の均一性に大きな影響を与
えることが明白であり、炉を大型化して製造速度を上げた場合、この均一性を確保
する設計が可能かどうかをシミュレーションによって見極める必要がある。Batch
式は現在の Bi 系線材で実績のある方法であり、大型炉を完備すれば、数百 m 程度
の製造能力を持つという特長がある。しかし、これはすなわち製造能力を上げるに
はその都度炉の大型化をしなければならず、設備の大型化とそれに伴う新たな投資
が必要になるというデメリットもある。また、炉が大型化した場合、最も制御が難
しくなるのは炉内のガス流の均一化である。すなわち、炉の形状によってはガス流
のデッドスペースができ、線材表面に均一にガス流を供給することが難しくなるだ
けではなく、超電導層生成の際に発生する HF ガスの炉外排出ができず、反応を阻
害してしまうことが懸念される。Batch 式炉を大型化する場合も、RTR 法と同様に
炉内のガス流の均一性を確保する設計が可能かどうかを予めシミュレーションし
ておくことが必要である。このように、いずれのプロセスにおいても長所と短所が
あり、現状の数十 m の線材作製結果だけではプロセスの優劣と可能性を決めること
が難しい。このため、平成 16 年度、平成 17 年度の長尺線材開発の状況を見て平成
17 年度の第 3 四半期を目途に本焼方式を決定する。このときは、両方式で得られ
た成果、それによって抽出された課題と解決の目途、500m 級装置を設計した場合
の温度分布・ガス流に対する制御可能性、製造速度 5m/h に対する達成可能性、導
入コスト・メンテナンスを含めた経済性などを比較検討して決定する。本焼炉の設
計、作製、導入、立上げは平成 18 年度に行う。設計の基本となるデータは SRL、
昭和電線において共同で採取し、昭和電線において装置立上げを行う。この本焼炉
B-Ⅲ 254
も基本的には CeO2/IBAD/Hastelloy 基板を用いて超電導膜を作製するという設定で
設計を行う。しかし、仮焼炉と同様、Ni 系基板/MOD 中間層を作製する技術が開発
された際には、All-MOD や MOD/気相中間層付基板を使った超電導膜の本焼も同装置
で行うことになる。その際にも基板の強度が問題となってくる可能性があり、線材
の駆動機構の張力制御部を設計する際には、この点も考慮に入れて行う。
更に、酸素アニールは、ガス圧や温度制御が上記の 2 つの電気炉に比べて精密さ
が要求されないこと、処理温度が 500℃近辺と低いことから、CeO2/IBAD/Hastelloy
基板を用いて線材を作製する限りにおいては電気炉様式に対する特別な研究開発
項目は殆んど無い。このため、現在超電導工学研究所で使用されている RTR 用電気
炉をもとに炉設計を行うことが可能であると考えられる。したがって、アニール炉
に関しては平成 17 年度に設計、作製、導入、立上げを行う。このアニール炉に関
しても前述の 2 炉と同様に、Ni 系基板/MOD 中間層を作製する技術が開発された際
には、All-MOD や MOD/気相中間層付基板を使った超電導膜のアニールも同装置で行
うことになる。したがって、アニールの際にも基板の強度が問題となってくる可能
性があり、線材の駆動機構の張力制御部を設計する際には、この点も考慮に入れて
行う。
更に、上記 500m 級装置開発と並行して目標値達成のために以下の研究開発項目
を実施する。ここでは、本焼プロセス様式にかかわらず必要となるガス流適正化の
ためのシミュレーションとこれに基づいた中規模装置による試験を実施する。特に、
均一焼成、高速化の観点でガス流条件やシステム改造提案を含めた開発を実施する。
また、目標とする Ic 値(300A/cm 幅)については線材長が 500 m へと長くなるこ
とで、構造欠陥など特性低下を引き起こす因子の存在確率が増加することが懸念さ
れる。従って、長尺化した際に短尺と同等の特性を求めることは難しいと考えられ
る。プロジェクト目標である 500 m 長で 300A の Ic 値を達成するには、安全率を考
えて短尺線材で 500A の特性が得られるプロセスを開発する必要があると考える。
500A の高い Ic を実現するには、高 Jc 超電導層のさらなる厚膜化が必要である。
これには、これまでの知見を基に、中間層の結晶粒面内配向性を向上させること、
高 PH2O 雰囲気で焼成すること、酸素熱処理の改善等の Jc 向上技術と厚膜化技術を
組み合わせた検討を行い、平成 17 年度末には短尺試料で 500 A の Ic 値の達成を目
指す。
一方、高速化技術開発に関しては本焼に選択されるシステムに強く依存する因子
といずれにも共通する因子がある。前者に関しては、システムによって上述のガス
流制御法等による高速化のアプローチを実施し、後者に関しては継続して以下の検
討を行う。代表的な共通因子としては、結晶成長速度の向上が挙げられる。YBCO
膜結晶成長速度は、これまでの基礎検討により PH2O、ガス流速、全圧等の制御によ
り高速化が可能であることが個別因子の効果としてわかっている。これらの支配因
子の複合化・適正化による特性への影響、適正な複合条件の把握等により 500m 級
装置による焼成条件の適正化へ寄与する。
B-Ⅲ 255
3.2.3
極低コストプロセス開発
(1) 高強度配向基板プロセス開発(古河電気工業、昭和電線電纜)
これまでの検討により、低 W 濃度 Ni 合金を用いた配向金属基板は 200m を越える
長さで高配向基板の作製が可能になっている。そこで、次項以降の極低コスト線材
プロセス開発に必要な配向金属基板は、この基板を基本に提供する予定である。
一方、高強度弱磁性配向基板の開発においては、平成 15 年度∼平成 16 年度に高
W 濃度 Ni 合金基板と Ni クラッド基板を開発した。NiW 合金基板では室温の 0.2%耐
力がσ0.2%=220MPa と純 Ni の約 5 倍の高強度化を達成し、磁気的特性としては圧延
後のテープの磁化損失が 1100J/m3 となり純 Ni の約 20%の弱磁性化に成功した。ま
た Ni/NiMo クラッド基板では室温の 0.2%耐力が 1.15GPa と純 Ni の約 30 倍に、圧
延後のテープの自発磁化 Ms が 0.35T と純 Ni の約 50%となり、高強度化と弱磁性化
が図られた。また Ni/NiMo クラッド基板では、結晶粒配向度Δφ=8.9°、表面粗さ
Ra=11.4nm が得られた。平成 17 年度から平成 19 年度ではクラッド配向基板の高性
能化に重点を置き、圧延条件、熱処理条件、研磨条件等の検討により、長尺線材で
配向度Δφ<5°と表面粗さ Ra<5nm を目指す。またクラッド材の設計と作製条件を
最適化し、長尺線材で耐力σ0.2%>1GPa の超高強度化を図る。更に配向度Δφ<3°
を目指して新規製法の開発を検討する。
配向基板の長尺化としては、これまでに 100m 長の純 Ni の配向基板、数 10m 級の
Ni/NiCr クラッドの配向基板を開発してきた。平成17年度から平成 19 年度では、
まず 100-200m 級のクラッド基板テープを開発する。このためには複合クラッドの
ビレット大型化、長尺熱処理技術の高度化を図る。また 500m 長のクラッド配向基
板の開発を目指して、大型クラッド化の技術開発を行う。
平成 15 年度∼平成 16 年度では低コストプロセス技術の一環として中間層の成膜
を検討した。Ni/NiMo クラッド上に SOE 法による NiO 膜では配向度Δφ=9.7°、EB
法 に よ る CeO2 膜 で は Δ φ =10 ° 、 Y123-PLD/CeO2-EB/Ni/NiMo の 線 材 構 造 で
Ic/cm=30A が得られた。また他機関との連携による成果としては、SRL と中部電力
との共同による Y123-CVD/BZO-PLD/NiO/Ni の線材構造で Jc=0.8MA/cm2、住友電工と
の共同による Ho-123-PLD/BZO-PLD/NiO/Ni の線材構造で Jc=0.2MA/cm2 が得られた。
これら配向基板を用いた Y 系超電導線材のコスト試算より、1円/Am∼3円/Am の
極低コストプロセスが実現できることが明らかとなったことより、平成 17 年度か
ら平成 19 年度では、クラッド配向基板の中間層、及びクラッド SOE 基板上の中間
層の開発を他機関との連携により効率的に行い、超電導層プロセスの高性能化と低
コスト化を目指す。
(2)全 MOD プロセス開発(SRL、昭和電線電纜)
コスト試算によれば中間層付配向基板として考えたと時、IBAD 中間層付基板に
比して配向金属基板に中間層を組み合わせた配向基板で低コストが期待できる結
B-Ⅲ 256
果となっている。特に、中間層に対して、安価な MOD 法を応用し、配向合金基板上
に中間層及び超電導層を MOD 法で作製するプロセスを全 MOD プロセスと呼び、最も
低コストが期待できるプロセスであると考えられている。この開発において、配向
Ni 基合金基板を超電導線材に応用する際に問題となるのは、Ni,W 原子が超電導層
へ拡散し Cu と置換することによる特性の低下と、MOD 法では特に熱処理過程に高
温で長時間曝されるので Ni 基板表面に酸化層を形成し、超電導層の結晶粒配向性
および特性の低下が引起こされる。このような課題に対して、主に米国のオークリ
ッジ研究所等による研究が盛んに行われている。中でも CeO2/YSZ/Y2O3 などの中間
層の組合せが Ni の拡散を抑制し、超電導層の高配向性を得るのに有効であること
などが判ってきている。All-MOD プロセスに関しては、最近オークリッジ研究所で
MOD-CeO2/ゾルゲル法-La2Zr2O7 (LZO)、サンディア研究所で MOD-CeO2/MOD-SrTiO3
(STO)の作製が行われ、それぞれ短尺ではあるが 1.7MA/cm2 程度の JC が得られて
いる。LZO はパイロクロア型結晶構造、STO はペロブスカイト型結晶構造を持ち、
共に CeO2 との格子整合性が高く、また酸素拡散係数が低く、Ni 拡散防止にも効果
があると報告されている。また CeO2 は TFA 塩との反応性が低いと同時に、格子整
合性と平坦性の両面から YBCO の高配向性が得られやすい傾向にある。
一方、日本では昭和電線において CeO2 を機軸に Ce-Gd-(Nb-)O でクラックフリー
を実現し、Ce2Zr2O7 あるいは Sm2Zr2O7 が基板金属元素の超電導層中への拡散抑制の
可能性があり、結晶粒配向制御が可能であることを確認している。
NiO 層形成や Ni 拡散に関係する、または反応性の目安となると考えられる酸
素拡散係数は、MgO や LaMnO3,SrTiO3 などのペロブスカイト型構造を持つ物質で比
較的小さな値をとることが判っている。また、ミスフィットパラメーターから見た
Ni 基合金基板および YBCO に対する格子整合性は、LaAlO3,LaGaO3,NdGaO3 などの
ペロブスカイト型酸化物、Lu2Ti2O7,La2Zr2O7,Sm2Ti2O7 などのパイロクロア型酸化
物などで高くなっている。
以上のことから、全 MOD 線材の構造としては配向 Ni 基合金基板の上に Ni 拡散
防止層となる中間層を 1∼2 層、その上に YBCO との反応性が低く、かつ結晶粒配向
性が得られ易く、耐酸性が強い CeO2 層等を形成するものが可能性の一つとして考
えられる。
研究分担としては、昭和電線が拡散バリア層を当面 Ce2Zr2O7 あるいは Sm2Zr2O7 に
固定して研究開発を進める。開発手法としては、材料特有の特性と MOD 法での組織
制御技術開発を区別することを目的として、当初は上記の拡散バリア層と CeO2 キ
ャップ層等の何れかを気相法で作製し、他方を MOD 法で作製するステップを考えて
いる。ここで、有効性を確認した後に、全てを MOD 法で作製するステップへ移行す
る。他の拡散バリア層の材料探索及びプロセス開発に関しては、上記の米国成果の
トレースも含めて SRL が担当する。ここでは、当面主に、Ce 系以外のパイロクロ
ア型酸化物、および 3 元系または 4 元系のペロブスカイト型酸化物について探索を
行う。中間層および超電導層の配向性、超電導特性が比較的良好だったものについ
B-Ⅲ 257
て、RTR 方式により 100m 程度の線材を作製し長尺線材への応用の可能性を提示す
ることを目標とする。
(3) 全 MOCVD プロセス開発(中部電力)
本研究では、全 MOCVD プロセスに関する基礎検討を実施する。これは、これまで
の多段 CVD 法による超電導層形成に加え、中間層形成技術としても多段 CVD 法の適
応可能性を検討するものである。現在、中間層の多くは、物理蒸着法により作製し
ている。このため、成膜速度が十分に上げられず、低コスト化の観点からもプロセ
ス速度向上が技術課題として指摘されている。これに対して、多段 CVD プロセスは、
超電導層の成膜に関して製造速度最大 25m/h の実績を有する技術であり、本技術を
中間層形成技術にも適応することにより、将来、超電導線材作製コストの大幅な低
減が可能となるものと期待される。
具体的には、連携研究機関から提供を受けた Ni 基合金基板等の配向金属基板を
用い、その上に各種中間層(例えば、CeO2、Y2O3、YSZ 等)を単層あるいは多層成
膜を実施した後、同じく CVD 法による超電導層の成膜を行い、超電導特性を評価す
る。平成 19 年度までに線材合成速度 20m/h、長さ 200m、臨界電流 200A を見通すこ
とが可能な技術開発を行い、極低コスト線材の作製基礎技術の確立を目指す。
平成 17 年度∼19 年度末までに下記項目について検討を行う。中間層材料の検討
としては、現在、物理蒸着法により成膜され、中間層として実績のある各種中間層
材料(例えば、CeO2、Y2O3、YSZ 等)に関して、文献調査および、CVD 法による成膜
実験を行い、CVD 中間層としての適応可能性について検証を行う。
次に、積層 CVD 中間層の検討として各種中間層材料からなる積層 CVD 中間層の成
膜を行い、結晶粒配向度、表面平滑性および基材含有元素の拡散、各積層界面での
反応等に関して検討を実施する。当初は、電子ビーム蒸着法を用いた中間層成膜を
併用することにより、研究開発の促進を図る。
また、MOCVD 中間層の高品位化として各種中間層厚みの最適化および、プロセス
の最適化による結晶粒配向度、平滑性向上に関する検討を実施すると共に、超電導
層の特性向上として多段 CVD 法によるイットリウム系超電導線材の通電特性の向
上および長尺均一性、再現性の向上を目指した研究を実施する。当初は、開発の先
行している IBAD 基板を用いた超電導層の特性向上研究を実施し、研究の進展に従
い、連携研究機関から提供される MOD 中間層基板および本研究において開発される
CVD 中間層基板へと研究を加速推進させる。
(4) Ho-PLD & MOD 複合プロセス開発(住友電気工業)
単層中間層と PLD/MOD 複合超電導層の組み合わせについて、幅広化と高 Ic 化に
より、極低コストプロセス開発を実施する。
中間層形成技術開発では、配向 Ni 合金基板上の気相蒸着法による CeO2/YSZ/CeO2
三層構造中間層を、
B-Ⅲ 258
・CeO2 等の単層中間層で代替する低コスト成膜技術開発
・大面積領域(最大 3cm 幅)で成膜する大面積成膜技術開発
を実施することにより、極低コストプロセスの実現を目的とした研究開発を行う。
基礎実験では、大面積配向金属基板上に単層 CeO2 層をエピタキシャル成長させた
後、HoBCO 超電導層を PLD 法で形成し、1∼1.5MA/cm2 級の Jc 特性が得られている。
単層中間層等の成膜には電子ビーム蒸着法やスパッタリング法等の汎用気相蒸着
法が有力となる。現有装置の成膜領域の拡大および高速成膜のための部分改造によ
り極低コストプロセスを目的とした 100m 級中間層線材試作を目指す。
超電導層形成技術開発ではフッ素フリーMOD 法の最大のメリットは大面積膜化
が容易なことであり、幅広配向 Ni 合金テープ上に形成した中間層との組合せによ
って、大面積超電導膜形成に最適なプロセスとなる。0.3μm程度の薄い膜厚では
緻密な HoBCO 層が形成され、最大の Jc は 2∼2.5MA/cm2 が得られている。一方、
0.5μm以上の膜厚では、MOD 膜中の異相やボイドが Jc 向上の阻害要因であること
が判明している。面内配向性は膜厚(0.3∼3μm)に依存しないことから、塗布条
件や焼成条件の適正化により Ic の向上が期待される。
フッ素フリーMOD 法による長尺線材化プロセス実証のための連続塗布焼成装置
(シングルターン、現有設備)では、試作可能な線材長は最大 50m 程度である。本
フェーズにおいては設備導入(幅広化、長尺焼成炉)を予定し、100m級の長尺線
材実証に取り組む。具体的には、長尺の配向 Ni 合金テープ基板上の気相蒸着法に
おける単層 CeO2 中間層等を成膜した基板上における技術開発に取り組み、極低コ
スト長尺線材化技術開発を目指す。
更なる低コスト化のアプローチとして、中間層および超電導層形成後に幅広線材
を所定の線幅(例:30mm幅から 4mm×5 本、等)に連続的に加工する技術開発を
予定する。切断時の線材の劣化防止、100m 級連続安定切断、等の開発課題に取り
組むと共に、連続 Ic 測定装置を導入して線幅加工後の長尺線材の評価を行い、更
に安価な Cu を用いた安定化層形成技術開発を安定化層複合化装置を導入すること
により実施し、工業生産手法を目指す。これにより、線材幅の自由度向上(幅広線
材から異なる幅線材が可能)を実現し、製造速度向上による低コスト化技術開発を
行う。
3.2.4
線材提供(中部電力)
本プロジェクトでは Y 系酸化物超電導材料を用いた線材プロセス開発を目的と
しているが、応用・実用化には並行して機器開発につながる可加工性技術開発にお
いて適用性の検討を推し進める必要がある。一方で、並行して酸化物超電導線材を
用いた機器開発プロジェクトがあり、このプロジェクトの成否は本プロジェクトの
今後の展開に大きな影響を与えるのは必至である。
ここで機器開発プロジェクト推進には、比較的長尺総量として大量の線材を必要
B-Ⅲ 259
とする。現状で想定している超電導ネットワーク制御技術開発でも比較的に大量の
線材を必要としている。ここで、他プロジェクトや本プロジェクト内の可加工性研
究への提供においては、高特性長尺化で先行している高性能線材(IBAD+PLD)での
提供を計画しているが、上述大量線材の提供に対しては製造速度の観点から適して
いるとはいえない。そこで、上述の SMES プロジェクトに対しては、高特性(Ic)
実現には研究開発が必要ではあるが、高速成長の実績のある MOCVD 法による線材の
提供を実施する。
3.2.5
今後の課題と方針
低コスト長尺線材プロセス開発の今後の課題と方針を表 3.2.5-1 に示す。
表 3.2.5-1 今後の課題と方針 “目標、課題、課題解決の方策・方針”
開発項目
大項目
小項目
塗布
課題
課題解決の方策・方針
担当
500m 級マルチター
SRLにおける基礎データに基づ
いて、炉長、ターン数、塗布機構、
ガス制御法を決定。
昭和
電線
高速移動時に突沸等の膜質低下を
抑制できる膜厚を制御できる粘性
と基板への濡れ性を維持できる溶
質、溶媒の選択。
SRL
昭和
電線
H17 末までにRTR式とバッチ式
焼成方式の比較を実施し、最終目標
達成により適した手法を選択。これ
を基本にした 500m 級装置の導入、
立上げ。
SRL
昭和
電線
高速化
高成長速度条件の把握と共に大面
積や大型化による装置構造的高速
化においてシミュレーションによ
り炉内温度、ガス流等の条件の検
討。
SRL
(昭和
電線)
高特性化
これまでの知見に基づいて、昇温速
度や雰囲気条件等の適性化。
SRL
(昭和
電線)
圧化数制御等による導入歪強度と
分布及び熱処理の適正化。
合金系での組成調整、貼合接合
古河
電工
ロール管理を含めた長尺安定加工
条件の確立。
昭和
電線
ン装置の設計・導入
仮焼
プロセス
高速対応原料開発
長尺化適正焼成方式
MOD/
の選択と 500m 級装
IBAD
置導入
本焼
プロセス
高強度弱磁性基板の
配向金属基板
高配向化
同長尺化
B-Ⅲ 260
全MODプロセス
全 MOCVD プロセス
適正 MOD 中間層材
料の探索
適正中間層材料の
探索
中間層の簡素化
Ho-PLD&MOD
複合プロセス
MOD 層の厚膜化
実績のある Sm-Zr-O に加えて、パ
イロクロア型、ペロブスカイト型材
料を中心に探索。中間段階では気相
プロセスでの検証や一層気相法を
組み合わせる手法も検討。
CeO2,YSZ 等の文献で報告のある
材料のCVD適応性検討から始め、
単元素層に関しては高速成膜可能
な電子ビーム蒸着法との組み合わ
せも検討
HoBCO の成膜条件の広さを生かし
て低温焼成と組み合わせ、中間層の
簡略化を検討。
PLD 膜を種膜としてできる限り薄
膜化し、この上のMOD膜を厚膜化
する事により低コスト化検討。
B-Ⅲ 261
SRL
昭和
電線
中部
電力
住友
電工
3.3 長尺線材評価・可加工性技術開発
3.3.1
はじめに
本研究項目は長尺線材を非破壊的に評価し、その結果を長尺線材作製プロセス技
術開発にフィードバックすることにより、開発の効率化を図り、さらには熱的及び
機械的信頼性評価技術を確立し、プロジェクト終了後、企業等が Y 系線材を用いて
機器開発を行うことを容易にする評価技術の基盤を作ることを最終目標としてい
る。
長尺線材の非破壊的評価技術に関しては現在までにすでに 3 通りの特徴ある評
価装置が稼動しており、今後装置の更なる安定化や測定可能条件の拡大等の改良を
行うことにより、プロジェクトの最終目標である 500m 級線材の効率的評価のた
めの態勢が比較的短期間のうちに整うことが予想される。
線材電磁気特性評価に関しては平成 17 年度以降、これまで他の超電導関連プロ
ジェクトにおいて開発された様々な評価手法を含めて、さらに多角的な評価を行い
磁場中特性を含む線材の特性向上に寄与していく。
信頼性評価技術開発及び可加工性技術に関しては、プロジェクト前半で蓄積され
た評価技術やシミュレーション技術およびすでに得られた基礎データを生かし、線
材の機器応用を視野に入れた現実的状況での機械的・熱的安定性の評価を行う。さ
らにはそれらの結果に基づいた機器設計に関する提案を行っていく。また現在まで
にすでに小型コイルの作製及び励磁に成功しているので、そこで得られた知見を生
かして、コイルの大型化や積層化を試みる。それと同時に各種の具体的な線材応用
を念頭において、実用機器に可能な限り近い試作機の製作を試みる。
3.3.2
長尺線材臨界電流評価技術開発(SRL)
すでに導入した直接通電法 Ic 測定装置に保護回路設置(H17)等を行ったうえで、
各種の線材評価を適宜実施し、各プロセスによる線材の局所特性の比較を行い、線
材作製プロセスにフィードバックしていく。同様に、長尺 Ic-B-θ特性装置を用い
て、高 Ic 1cm 幅線材の磁場特性を評価し、高性能線材作製プロセス開発にフィー
ドバックする。ホール素子法については、500m 級線材に対応するために、テープ
容量の増加、測定速度の向上を図る。また過冷却液体窒素の使用によって 77K 以下
に測定温度領域を拡大することや、磁場中測定の可能性についても検討する。
B-Ⅲ 262
3.3.3
線材電磁気特性評価
図 3.3.3-1 に示すように,電磁気特性評価は応用基盤プロジェクト内のワーキン
ググループ(線材開発プロセスや材料高度化等)およびサブグループ(長尺線材評
価,信頼性評価技術および可加工性技術)の中間に位置し,各グループから提供さ
れた試料の評価を行うとともに評価結果に基づく基礎的な提言を通してすべての
グループへのフィードバックを行う。平成 17 年度以降は平成 16 年度までに線材プ
ロセスが急速に進歩したことを受けて,より高度な評価とフィードバックを推進し
ていく。ここで電磁気特性評価,微細構造解析および可加工性基礎・低交流損失化
の3つのカテゴリについて具体的な研究項目を以下に述べる。
࿑ 3.3.3-1
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(1)電磁気特性評価 (九大,横浜国大,九工大,SRL)
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(a)局所的電磁気特性評価
高性能化、低コスト化を目指した各種プロセス線材について磁気ナイフ法および
MO 磁束観察法による幅方向 Jc 分布測定を行い、製造プロセスへの情報のフィード
バックをはかる。電磁特性の実測に基づき、電磁現象シミュレーションモデルの高
精度化を進める。幅方向 Jc 分布と交流損失についてオープンな評価環境を維持し
B-Ⅲ 263
プロセス開発を支援する。
高磁界型低温レーザ顕微鏡を用い、磁束フロー損失分布をマッピングし、組織観
察との連携によって、各種作製プロセスにおける磁界下の Ic 制限因子を明らかと
する。低温走査レーザ顕微鏡、ならびに走査 SQUID 顕微鏡、MO 磁束観察法による
磁気イメージングを駆使することによって、微少欠陥による損失発生、不安定性へ
の影響について明らかとし、作製プロセス、素線構造の最適化のための基礎データ
をフィードバックする。
最終目標に向ってさらに線材特性を高めるために,高分解能 MO 磁束観察装置を
用いて粒界における電流分布と微細組織との関連を詳細に観察し,粒界伝導を高め
るための情報を材料高度化グループにフィードバックする。
(b)マクロな電磁気特性評価
人工ピン導入試料について、量子化磁束ダイナミクスを計測し、ピン止め、磁束
クリープの影響を明らかとし、プロセス条件にフィードバックする。臨界電流の角
度依存性ならびに膜厚依存性に関して、点ピン、相関ピン力を定量的に評価し、膜
厚増大による高 Ic 化、人工ピン導入のためのプロセス条件にフィードバックする。
磁化の緩和特性による超低電界領域の E-J 特性の評価と連携し、四端子法によっ
て得られる Jc 分布との定量的関係を明らかとする。その結果を基に、直流応用の
ための低電界領域の実用性能を通電法により推定する方法を確立する。
(2)微細構造解析からのプロセス開発支援 (JFCC,SRL)
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(3)機器応用基礎技術および低交流損失化 (九大,横浜国大,SRL)
素線構造の最適化の提案と共に、構造最適化に伴う電磁気的特性変化を評価し、
作製プロセスへとフィードバックすることによって、交流用線材の作製プロセスを
確立する。導体化、コイル化に伴う付加的交流損失の増大を抑える、新規構成法を
提案すると共に、実験による検証を行う。すなわち、Y123 系線材の素線レベルの
低交流損失特性を最大限に引き出す、新たな導体化手法の提案と実証を行う。
実用環境を考慮した線材パラメータ・アーキテクチャ改良のために素線の交流損
B-Ⅲ 264
失実測データを蓄積し,臨界電流の温度、磁界、角度、電界に対する依存性を定量
的に表し、コイル巻線・システム設計の為の基礎データを提供する。コイルの交流
損失測定法を開発し、線材の損失特性との関連付けを行う。コイルのクエンチ保護
法と交流損失特性との関連を解明する。
曲げ応力下、引張応力下、高交流磁界下、さらに直流磁界+交流磁界下において
クエンチ保護対策の施された線材を含め交流損失特性データを収集する。線材に斜
にスリットを入れ張り合わせた擬似ツイスト線材の試作と特性評価および構造改
良を行い、低交流損失線材を開発する。実験測と解析により線材の交流損失の支配
パラメータの抽出を行い、機器用の線材設計を行えるルールを構築する。
鞍型ピックアップコイル法および電気的・熱的な交流損失測定法を集合導体(シ
ールド導体構造導体も含む)に適用できる技術を開発し、モデル集合導体の特性の
評価を行うことによって,集合導体の低損失化構造の解明を行う。さらに集合導体
のパルス過電流通電時の電磁気的ふるまいの解明と保護法の研究を行う。
モデルコイル/導体の交流損失特性をより高精度で定量的に評価する電磁現象シ
ミュレーション技術を開発する。モデルコイル/導体の設計を変えることにより線
材がおかれる電磁環境がどのように変化し損失がどう変化するかを検討する。交流
コイル用バンドル導体の概念設計を行う。
低交流損失大電流導体、交流マグネット用コイル、交流回転機用コイル等の中の
適当な対象について損失評価を行う。交流コイル用バンドル導体を試作し交流損失
を評価するとともに、電流分布が交流損失と安定性に与える影響について検討する。
線材、その集合体としての導体、ケーブル・コイルの交流損失評価を統合し、電気
機器(ケーブル、マグネット、回転機等)の低交流損失化のために望ましい、線材・
導体アーキテクチャと機器デザインの組みみ合わせについて検討する。
B-Ⅲ 265
3.3.4 信頼性評価技術開発
5 ヵ年の研究計画の概要は表 3.3.4.1 に示す通りであるが、プロジェクト後半も
基本的にはこれに従って技術開発を進めていく。
表 3.3.4.1
5 ヵ年の研究計画
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(a)伝熱特性評価(実験・解析)
(i) 通電・伝熱特性評価(早稲田大学)
平成16年度に引き続き、各種材料・プロセス線材について、主として過電流パ
ルス通電時の伝熱特性評価を行う。そして、安定化層の材料(Ag と Cu)
、厚み、Ic
のばらつきの影響等を明らかにし、Y 系線材の熱的安定化のための最適線材構成を
提案する。
(ii) 熱特性に及ぼす機械的歪効果の評価(上智大学)
巻線・コイル化等において重要となる機械歪特性評価として、外部磁場および運
転温度をパラメータとする曲げ特性および、連続的にくり返し曲げを加えたときの
特性劣化を実験により評価する。機械的歪を YBCO テープに生じさせ、超電導特性
が劣化している状態での伝熱特性の評価方法を検討する。YBCO テープにねじりを
加える際の機械的歪の大きさと超電導特性劣化の程度を定量的に評価するため、そ
の実験方法を検討する。
B-Ⅲ 266
(iii) 線材構成要素の熱特性測定とデータベース構築(産総研、一関高専)
ハステロイ基板の熱伝導度に及ぼされる高温熱処理の影響は 16 年度の研究で明
らかになっているが、さらに中間層蒸着時の試料温度の上昇が与える線材の熱伝導
度に対する影響を調べる。また基板+中間層+YBCO 膜+銀、及び基板+中間層+
YBCO 膜の熱伝導度の測定および評価を行い、各層の寄与を分離する。
マグネット応用の場合線材は巻き重ねて使用され、線材間の接触部分も含めて重
ね合わせた膜厚方向への熱伝導度が重要になる。そこで、複数枚の線材を重ね合わ
せ、面間及び面内の熱伝導度を測定する。
Y 系線材を構成する各層間の伝熱特性についてはその温度依存性も含めて各種
線材についてサーモリフレクタンス法により測定する。また各層ごとの熱特性に加
えて界面熱抵抗についても評価し、特性データを蓄積する。
(iv) 超電導線材の常伝導伝播可視化実験 (産総研)
産総研において開発されてきた温度分布可視化技術を用いて、過渡的な常電導伝
播現象を捕らえる試みを行う。本可視化技術は、測温対象に蛍光塗料を塗布しブラ
ックライトあるいは紫外発光 LED を励起光として対象の蛍光像より温度分布を観
測するものである。
(v) まとめ
以上の実験及び解析によって得られた知見を基にして、導体およびコイルを始め
とする応用機器の設計を可能とするための信頼性評価基準・技術の確立を目指す。
(b)信頼性評価のための解析技術の開発(早稲田大学)
(i)Y 系線材の伝熱特性の数値シミュレーション
実験的に得られた機械歪特性や線材構成要素の熱特性データを順次利用して、
シミュレーションにより、より広いパラメータ領域での線材特性を調べ、線材構造
の最適化に資する 。
(ii)冷凍機伝導冷却コイルの伝熱挙動シミュレーションおよび信頼性評価基
準・技術の確立
・NEDO「超電導電力貯蔵技術開発」プロジェクトにて開発した冷凍機伝導冷却
Bi-2223 コイルの伝熱挙動計算機プログラム(回転対称モデルを仮定。実験との
比較により妥当性確認済)を Y 系コイル用に修正する。
・ 三次元有限要素法精密数値解析のための伝熱挙動計算機プログラムを開発する。
・冷凍機伝導冷却試作コイルの伝熱挙動をシミュレーションし、その挙動を解析・
評価するとともに信頼性評価基準・技術確立のための Y 系コイルの安定性向上の
方策を探る。
B-Ⅲ 267
(c)超電導応用機器電磁界解析用計算機プログラムの開発(早稲田大学)
・多重極法を用いた三次元有限要素・境界要素併用法に基づく三次元精密電磁界解
析用計算機プログラムを開発する。現在、プログラムはほぼ完成し、バルク超電
導体を含む電磁界の解析に適用し、妥当性の評価を行っている。
・開発したプログラムを用いて、主として、超電導電動機を対象とする機器内電磁
界解析および AC ロスの精密解析を試みる。そして、AC ロス等が Y 系超電導導体・
巻線の伝熱特性や熱的安定性・信頼性に及ぼす影響を明らかにしていく。
B-Ⅲ 268
3.3.5
可加工性技術
(1)可加工性基礎技術
(フジクラ、古河電工、九大)
H17-19 年度計画
H16 年度においては、可加工性基礎技術として、銀安定化層厚さと曲げ歪特性と
の相関を調査するとともに、小型のソレノイド型液体窒素浸漬冷却コイルを作製し
て初歩的な直流励磁試験を実施し、コイル形状での長尺線材評価に着手した。
H17 年度以降については、下図に示すように、温度、磁場、励磁速度、冷却方法、
交流通電等についてより実用的な条件に近い形でのコイル形状の長尺線材評価試
験を行う。そのために磁場中での機械的剛性試験等の可加工性基礎技術及び熱的電
磁気的安定性を考慮したコイル設計・コイル加工技術の開発を行う。
H16
H1䋷
H1䋸
H1䋹
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機械的な歪みや線材形状が素線の臨界電流、交流損失等の超電導特性に与える影
響の知見を得、それに基づき、コイル形状および交流大容量導体としての評価を実
施する。それにより得られた情報は長尺線材プロセス開発に反映させ、より高性能
な線材、巻線性に優れた線材の開発に資する。
コイル状線材の交流損失評価・低減化のために、鞍型ピックアップコイル法を用
いて交流損失測定を行い、各種製法によるテープ線材の角度依存性ならびに積層枚
数や線幅による形状効果を明らかにすると共に、任意の温度・磁界下における交流
損失測定データを得る。これらの結果を基に、様々な形状の線材を用いた YBCO 試
験コイルを設計・導入し、巻線における交流損失評価法ならびに低損失化のための
B-Ⅲ 269
検討と原理検証を行う。(九州大学との共同研究)
交流大電流導体用可加工性線材評価においては、実用形状に近い超電導ケーブル
用導体形状において交流損失の基礎的技術開発を行う。導体で発生する交流磁界は、
比較的低い磁界であり、テープ面と理想的には平行となる。この場合、線材内部で
生ずるヒステリシス損失は極小となるが、実際は導体の形状上の不連続性より垂直
磁界が発生し、交流損失が十分低減できていない。そこで、超電導ケーブルに適し
た Y 系線材の構成、および Y 系線材の特性を引き出すための導体構成についての研
究を行い、Y 系線材開発へ反映させる。(ISTEC から古河電気工業へ再委託)
(2) 高磁場応用対応可加工性技術(中部電力)
(a) 小型モデルコイルの試作・評価(H17∼18 年度)
Y 系線材を用いた小型モデルコイルの試作・評価を行い、Y 系線材の可コイル
性に関する検証を行う。巻線、絶縁、端部処理、含浸等のコイル化による線材特
性への影響を評価する。また、コイル開発のベースとなる基礎データを得られる
条件を検討して小型モデルコイルを設計・製作して製作コイルの基礎特性評価を
行い、健全性検証や課題抽出を行う。これらの得られたデータ等を適時線材開発
へ反映し、研究の効率的推進を図る。
(b) コイル積層化および評価(H18∼19 年度)
小型モデルコイルの試作・評価で得られた評価結果をもとに、Y 系線材を用い
たコイルを複数個製作・積層する。積層したコイルの高磁場での電磁力特性、交
流通電特性等を評価し、Y 系線材コイルの高磁場特性を評価する。
応用基盤Ⅱ「可コイル性評価技術開発」
小型モデルコイルの試作・評価
巻線・絶縁・含浸・端末接続処理等の検討
各種線材小型モデルコイルの設計・製作・評価
積層コイルの製作・評価
コイルの設計・製作・積層・評価
B-Ⅲ 270
H17
H18
H19
3.3.6
今後の課題と方針
長尺線材評価・可加工性技術開発の今後の課題と方針を表 3.3.6-1 に示す。
表 3.3.6-1
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今後の課題と方針
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これまでに開発した長尺線材評価技術により
長尺線材臨界電流
評価技術開発
長尺線材の臨界電流分布を
中間目標の達成に寄与するとともに、最終目
非破壊的かつ連続的に評価
標達成のために、より長尺(500m)な線
する評価技術を開発する
材を高速に、また磁場中特性等を含め多角的
に評価する技術を開発する。
線材電磁気特性評
価
臨界電流の向上を妨げる制
さらなる高 Ic 化,低コスト化を目指したプロ
限因子を発見し,電磁気特性
セスに貢献できるように各電磁気特性評価法
評価および微細構造分析に
とプロセスからの情報を総合的に用いてあら
より発生原因を探り,長尺線
ゆる臨界電流制限因子の除去に寄与する。ま
材作製プロセスおよび加工
た交流損失の評価とシミュレーションから機
プロセスへとフィードバッ
器開発に必要な線材加工と線巻き方法の提案
クする
を行う。
プロジェクト前半で蓄積された評価技術やシ
線材構成要素の熱的特性を
ミュレーション技術およびすでに得られた基
信頼性評価技術開
明らかにし、その結果を実用
礎データを生かし、線材の機器応用を視野に
発
化を見通せる線材開発にフ
入れた現実的状況での機械的・熱的安定性の
ィードバックする。
評価を行う。さらにはそれらの結果に基づい
た機器設計に関する提案を行っていく。
機械的な歪みや線材形状が
素線の臨界電流、交流損失等
可加工性技術
の超電導特性に与える影響
を調べ、その知見に基づき導
体やコイル形状における線
材の特性評価を実施する。
これまでにすでに小型コイルの作製及び励磁
に成功しているので、そこで得られた知見を
生かして、コイルの大型化や積層化及び伝導
冷却方式を試みる。それと同時に各種の具体
的な線材応用を念頭において、導体化さらに
は実用機器に可能な限り近い試作機の製作を
試みる。
B-Ⅲ 271
3.4 高温超電導材料高度化技術開発
線材開発の最終目標である 500m 以上、300A/cm 幅以上(77 K、0T)かつ 30A/cm
幅以上(77K、3T)、作製速度 5m/h 以上達成を目指した超電導線材の更なる特性向上
及び効率的線材開発を行うには、引き続きプロセス技術開発と同時に高温超電導体
特有の物性に関する知見を生かした材料そのものの特性向上ならびに Y 系線材作
製プロセスの各要素プロセス工程における最適プロセス条件の設定についての検
討を行い材料高度化を図る必要がある。
また、Y 系線材材料は多結晶超電導薄膜で構成されていることから、結晶粒界の
組成や微細組織制御による結晶粒界の臨界電流特性向上を図ることも重要である。
そこで、引き続き界面特性高度化においては結晶粒界面での特性劣化原因を究明し、
臨界電流特性向上のための方策を検討提案する。
一方、機器応用・実用化を視野に入れた時、超電導線材間の低抵抗接続が必要不
可欠である。そのため引き続き実用化に繋がる低抵抗接続の開発を行う必要がある。
これらの項目の研究開発を実施することにより、引き続き高性能及び低コスト長
尺線材プロセス開発目標値の実現を支援・促進させる。
3.4.1
材料特性高度化
引き続き Y 系を含む希土類 123 導材料の臨界電流特性がキャリア濃度に大きく
依存するという第 I 期応用基盤プロジェクトで得られた知見を基に、酸素量の適正
化等による臨界電流特性向上をはかる。特に材料特性向上がキーファクターとなる
磁場中高特性化に重点をおき、3T(テープ面垂直方向)の磁場下での臨界電流密度
Jc が自己磁場下(s.f.)の Jc の 10%以上となるような材料開発を行う。具体的には不純
物添加等のピン止め中心導入に加え、軽希土類元素 123 系超電導体が磁場中で高い
Jc 値を示すというバルク材料における知見を生かし、適切な希土類元素の選定と高
Jc 化のための微細組織最適化を行う。
酸素量適性化については、H16 年度までに Y123 については臨界温度が最大とな
る酸素濃度より、過剰に酸素を含む組成が臨界電流値に関しては有利であることを
確立したが、コスト低減のためには、更に効率的なプロセス条件を検討する必要が
ある。そのために引き続き酸素熱処理条件最適化を行い、最適プロセス条件の提案
を行う。
また、平成 16 年度までに Y 系に替わる系として Gd 系での薄膜作製を行った結
果、単結晶基板上ではあるが、Y 系を凌ぐ臨界電流特性を有することを確認した。
高 Jc 化のためには、ターゲット組成を Ba が少ない組成比にすることが有効であり、
その結果、高磁場特性では Jc(3T)/ Jc (0) =10.4%と目標値を超える特性を得た。
しかしながら、上記結果は短尺・単結晶基板上での結果であることから、現状の
B-Ⅲ 272
線材作製プロセスへの適用を考慮にいれ、引き続き組成最適化の検討を行うととも
に、酸素処理の影響も調べ、特性向上を図る。併せて人工ピン止め導入の検討を行
い、高磁場特性の向上を図る。
さらに、高温超電導材料に内在する不均一電子状態など超電導特性不安定化因子
の解明も行い、特性安定化を図るべく線材作製プロセス開発へフィードバックし長
尺線材作製プロセス開発の目標達成を促進する。
これらの検討は、粒界の影響のない単結晶による基礎物性の把握、短尺線材試料
を用いた組成最適化、最後に高性能長尺線材プロセスへの展開と段階を踏んで行う。
また評価手法として、電子プローブミクロ分析法や顕微ラマン分光法などの非接触
評価法による酸素および線材組成の空間分布評価手法、磁化率測定、磁気光学法に
よる磁場分布観察、電気抵抗率の測定等の電磁特性評価法等を行い、必要に応じて
評価技術開発も行う。
3.4.2
線材接合・界面特性高度化
引き続き、線材の臨界電流特性を律している結晶粒界面での特性劣化原因を究
明し、防止策を提案して線材作製プロセス開発にフィードバックする。結晶粒界面
の組織観察と共に粒界における超電導特性評価を磁気光学法等により実施し、線材
微細組織と超電導特性の相関関係を明らかにする。また光電子分光等を用いて、表
面安定性の研究を行い、表面・界面の特性劣化防止に有効な材料を開発する。
一方、線材間接合は、長尺線材を得る手段の一つとして非常に重要であり、歩留
まり向上によるコスト低減にも貢献する。平成 16 年度までに線材同士間の接合方
法として銀安定化層を介した接合技術について、小片試料を用いた検討において、
低抵抗接続を得るための熱処理条件をほぼ確立した。今後は実用化を念頭におき、
1cm 幅・数 m 長線材での接合条件の検討および接合特性評価を行うとともに、機
械的強度評価等も行っていく。
また、「3.可加工性技術開発」との密接な連携により、機器応用を視野にいれ
た接合技術開発を行う。
これらにより、長尺線材プロセス開発目標値の実現を支援・促進させるとともに、
線材機器・システム実用化への展開のための要素基盤技術の確立を行う。
B-Ⅲ 273
3.4.2
今後の課題と方針
高温超電導材料高度化技術開発の今後の課題と方針を表 3.4.3-1 に示す。
表 3.4.3-1
今後の課題と方針
超電導長尺線材プロ
開発項目
課題
達成方針
セス技術開発への貢
献
(1)材料特性高度化技術開発(高 Jc 化、高速化、特性均一化)
・ 磁場中高特性化・ ・ 不純物添加等のピン止め中心導 磁場中高特性化のた
酸素濃度・
プロセス高速化・
入に加え、引き続き軽希土類元 めのプロセス・最適
カチオン組
特性均一化のため
素 123 系超電導体の検討を行い、 組成提案
成最適化プ
のプロセス・組成
長尺作製プロセスに適用可能な
ロセス検討
検討
適切な希土類元素の選定と高 Jc
希土類 123 ・ 長尺線材への適用
系材料検討
性検討
化のための微細組織最適化を行
う。
・ 効率的な酸素アニールプロセス
の検討
・長尺線材作製プロセ ・電子プローブミクロ分析法や顕微 線材作製プロセスへ
酸素濃度・ ス最適化支援
ラマン分光法などの非接触評価法に のフィードバックに
キャリア濃
よる酸素および線材組成の空間分布 よる線材作製プロセ
度の評価技
評価手法と電磁特性評価を有機的に ス条件の最適化
術開発
リンクさせて行い、プロセス最適化
提案を行う。
高 温 超 電 導 材 料 に 内 ・ 引き続き、分光学的手法を用い
超電導特性 在 す る 不 均 一 電 子 状
た研究を実施
く線材作製プロセス
開発へフィードバッ
不安定化因 態 な ど 超 電 導 特 性 不
子の解明
特性安定化を図るべ
ク
安定化因子の解明と
線材特性への影響
B-Ⅲ 274
(2)線材接合・界面特性高度化技術開発
・粒界特性改善による ・線材の臨界電流特性を律している ・結晶粒界面での特
界面特性高
磁場中 Jc 値の改善
度化
結晶粒界面での特性劣化原因を究
性劣化原因を究明
明。結晶粒界面の組織観察と共に粒
し防止策を提案。
界における超電導特性評価を磁気光
学法等により実施し、線材微細組織
と超電導特性の相関関係を解明。表
面・界面の特性劣化防止に有効な材
料を開発する
銀 安 定 化 層 を 介 し た 実用化を念頭におき、1cm 幅・数 m 線材長尺化、機器応
線材間接合 接合技術開発
長線材での接合条件の検討および接 用技術に貢献
プロセス検
合特性評価を行うとともに、機械的
討
強度評価等を行う
B-Ⅲ 275
3.5 市場・コスト・特許・標準化調査研究
3.5.1 市場調査
平成 15,16 年度に調査した情報を基にして、大きな波及効果が見込める大規模機
器の開発シナリオの作成及びそれに対応した線材仕様の明確化と同時に中規模機
器開発シナリオを作成する予定である。
本プロジェクトで進めている線材開発は、実用化レベルの線材作製が見通せる基
盤技術の開発を目的としている。一方、上記目的が達成されたとしても、実用機器
に適用するためには、さらに各機器に適合した性能の線材や量産化技術が必要とな
るため、機器を想定した線材開発を進めることが必須である。
例えば、米国で既に計画されている電力送電ケーブルへの次世代線材の適用と同
様、短尺ケーブルを本プロジェクトで開発されている線材をベースとしてケーブル
に適用した場合の長所や課題の明確化とか、電動機等の回転機器や DC マグネット
などに適用する際の長所や線材への課題或いは変圧器等に代表される交流使用等
を明らかにしておくことにより、早期実用化・事業化が可能となる。
本プロジェクトの「長尺線材評価・可加工性技術開発」において、これら上記機
器を想定した線材への課題等を明確にすることが計画されおり、その結果を反映し、
かつ平成 20 年度以降の量産化技術開発や極低コスト低減技術開発と相俟って、早
期の実用化が可能となる。
3.5.2 コスト分析
今後、導体化・コイル化、冷却コスト等の付加コストに関する調査を実施し、最
終評価時点での研究成果を基に算定した線材コストに、付加コストを加えた全体コ
ストの推定を行う。また市場価格の調査として、平成 13 年度に実施した「高温超電
導の産業用マグネット応用に関する調査」を最新の研究成果で見直し、既存市場で
Y 系線材が競合技術等との比較において勝ち得るためのコストを推定する。これら
の調査分析から事業化する場合のコストから見た課題の明確化と実現への方策を
提言する。
3.5.3 特許調査
平成 17 年度以降は、まず、17 年度に日本企業・機関から出願された米国特許(約
2000 件)の調査を実施し、平成 15ޯ17 年度の調査結果を基礎として、米国特許と
日本特許の関連調査を行い、特許戦略上の課題をプロジェクトへ提言する予定であ
る。
特に、日米の関連調査結果、必要性が生じた場合には、重要技術の米国特許につ
いての追跡調査(サブマリーン等の調査)も行う。
B-Ⅲ 276
3.5.4 標準化
平成 17 年度以降は、プロジェクトの技術開発の進捗を踏まえ、長尺次世代線材
の試験方法、応用機器などの係わる標準化の資するデータベースの構築を推進する。
また、これらの成果に照らし、学術国際会議など国際的なコンセンサスが得られる
場の設定を模索する。
B-Ⅲ 277
Ⅳ.実用化・事業化の見通しについて
1.実用化、事業化の見通し
(1) 成果の実用化可能性
超電導技術を利用した製品は、極めて広範な産業分野に適用できる。電気抵抗
がゼロであるという超電導の特徴を活かして、極めて大きな電流を損失なしに送
ることができる。さらに、大電流により広い空間に強い磁場を発生させることが
できるため、通常の電磁石では実現し得ない各種応用が考えられている。
このような超電導の特徴を活かせば電力、運輸、鉄鋼、化学、医療、水産・食
品、環境、電子等の各産業分野に適用が可能となる。即ち超電導技術は広範な産
業分野に適用できる基盤技術であり、新規産業を創出し得る技術である。
各産業分野における具体的な適用機器の代表例を挙げれば以下のようになる。
電力:ケーブル、エネルギー貯蔵、限流器、変圧器、発電機、核融合等
運輸:リニアモーターカー、車上変圧器、車上電動機、電気推進船用電動機等
鉄鋼:連続鋳造(電磁ブレーキ)等
化学:製紙プロセスにおけるカオリン粘土磁気分離用等
医療:MRI(磁気共鳴断層診断装置)及び高磁場並びに汎用 NMR 等
水産・食品:鮭の雌雄分別用 MRS、果物の糖度測定装置等
環境:浄水用磁気分離装置等
電子:Si 単結晶引き上げ用磁石等。
その他、科学技術研究のための高エネルギー粒子加速器や粒子検出器などにも超
電導技術は適用される。
上記適用機器の一部は、下表に示すように NbTi や Nb3Sn のような金属系の超電
導線材や高温酸化物系の Bi 系線材で製品化されたり、試験運用されたりしている。
線材
製品化されているもの
試作または試験運用の段階にあるもの
NbTi
超電導エネルギー貯蔵装置
リニアモーターカー、発電機、核融合炉
(SMES)、MRI、NMR、Si 単結晶引
(ITER の R&D)、鉄鋼連続鋳造、浄水磁気分
き上げ装置、高エネルギー加速器、 離、鮭の雌雄分離
粒子検出器
Nb3Sn
MRI、NMR、高エネルギー加速器
核融合炉(ITER の R&D)
Bi 系
電流リード
限流器、鉄道用変圧器、電気推進船用電動
機、Si 単結晶引き上げ装置、電力ケーブル、
リニアモーターカー、超電導エネルギー貯
蔵装置(SMES)
、発電機、磁気分離装置
Ⅳ 1
しかしながら、金属系線材の応用製品では、いずれも温度 4.2K(-269℃、液体
ヘリウム温度)まで冷却しなければならないことがネックとなって産業への浸透
は上表のように限られたものとなっている。
一方 Bi 系線材は、液体窒素温度近傍では磁場を加えると線材に流し得る電流が、
磁場の増加とともに急激に減少するという性質を有するため、高磁場発生用マグ
ネット線材には必ずしも適していない。しかし、温度を下げれば、たとえば 20K
程度の温度環境下では、磁場増加に対する電流減少は著しくないので、専らこの
程度の温度環境での使用が考えられている。
温度を下げて使用するということは、省エネルギーや費用の観点から以下のよ
うな不利な面を惹起する。
ある冷却負荷に対して、温度 4.2K、20K、77K のそれぞれの温度を維持するため
に必要な入力電力は、負荷の大きさにもよるが、77K の場合を1とすると、20K
では約 4 倍、4.2K では 50 倍となる。さらに、液体ヘリウム(約 1,000 円/l)と
液体窒素(約 50 円/l)の価格比は約 20 倍で液体ヘリウムの方が遥かに高価であ
り、さらに液体ヘリウムを使用する場合には必ず液体窒素が必要となる。これら
から分かるように、温度 77K(液体窒素温度)で動作が可能な超電導材料が使え
るようになると、電力使用量の削減に伴う CO2の削減が図られ、機器の運転コス
トが安価になる。
Y 系線材を用いて液体窒素温度で運転できるようになれば、軽量・小型、優れ
た操作性や省エネルギー等の観点から産業分野への普及は急速に進むものと期待
される。
本プロジェクトの中の「長尺線材評価・可加工性技術開発」において平成 17 年
度より進めている、機器を想定した線材開発は、実用化の見通しを一層確かなも
のとし、かつ早期実用化を実現するために極めて有益な研究・開発となる。想定
している機器としては電力ケーブル、瞬間電圧低下補償用 SMES、船舶用電動機、
或いは交流コイル等である。
更に、事業に供するための線材量産化技術、更なる低コスト化(極低コスト化
技術開発)のための性能向上技術や交流仕様に耐え得る低交流損失化技術などの
開発を平成 20 年度以降も機器開発と同時並行して進める必要があり、また、大規
模プロジェクトに対応できる線材製造技術も確立しておく必要がある。これらの
技術目標が達成されれば実用化・事業化が急速に進展するものと考えられる。
これらの課題が解決できれば、Y 系線材が実用化に向けて圧倒的に有利である
ため、先の Bi 系線材における機器開発の例にみるように産業技術としての適用可
能性は極めて明白であると言えよう。
上記適用機器(ケーブル、エネルギー貯蔵装置、限流器、変圧器、発電機、磁
気分離装置、電磁ブレーキ、MRI、大型計算機等)についての省エネルギー効果及
Ⅳ 2
び CO2削減効果等に関して詳細な調査がなされている(「交流超電導電力機器基盤
先導研究開発」NEDO 平成 11 年度委託業務成果報告書)。
地中電力ケーブルについての調査結果を例にとると、現状の地中電力ケーブル
の 10%が超電導に置き換わり、温度 77K(液体窒素温度)で運転することにより、
省エネルギー効果は原油換算で、68、000kl/年、CO2削減量として炭素換算で 46、
000t/年と報告されている。
また、コスト比較において、同じく地中電力ケーブルを例にとると、都市部に
おける送電容量の増加工事において、新たな洞道工事を行うよりは、超電導線を
用いて既存の管路を活用、線材の単位断面積当たりの送電容量を増加させる方が
圧倒的に安価になると考えられている。
上記調査結果は平成 11 年度に実施されたものであり、京都議定書が締結された
ことを機に今後見直しが必要である。
(2) 波及効果
本技術開発は、Y 系の線材開発であり、これが機器開発に用いられてこそ意義を
有するものである。従って本プロジェクトで開発された線材をベースとして、先述
の各機器に適用可能な線材開発を経て、例えば船舶用電動機が現実のものとなった
場合、直ちに産業用電動機の市場が拓けるものと期待できるし、鉄道用変圧器が実
現すれば電力用変圧器の市場に展開できるものと考えられる。更に、現在低温超電
導線材を用いた MRI や NMR 等のように既に市場を形成している機器にも適用でき、
あらゆる産業分野への波及効果が期待される。これらの技術的波及効果以外に経済
的・環境的波及効果も期待される。わが国の産業分野における電力消費の半分近く
が産業用電動機で占められていると言われており、これらが高温超電導電動機に置
き換わることとにより、効率が1%向上したとしても莫大な省エネルギー効果をも
たらす。
また、ここで開発された技術は核融合実験炉(ITER)建設の次に計画されている
発電実証炉に代表される大型応用にも適用できるという波及効果を生む。
(3) 事業化までのシナリオ
以下のような事業化促進のためのシナリオが考えられる。
1)将来的に高温超電導線材、とりわけ Y 系線材の市場は十分大きなものと予想され
る。
2)Y 系を始めとする次世代線材は、本プロジェクト途上においても SMES 開発やケ
ーブル開発の予備実験のために一部線材を供給しているところではあるが、本格的
な応用機器開発はプロジェクト終了後に始まるものと考えられる。製品に適用する
ためには製品毎に線材に対する仕様が異なるため、そのための線材開発期間も必要
となる。
3)それらの応用製品を市場に投入するための事業化シナリオは、民間企業が独自に
Ⅳ 3
策定するものである。
4)事業化シナリオを作成するためには、機器開発を進めて課題抽出すると共に、線
材の量産化技術、低コスト化のための特性の更なる向上化技術、交流損失低減化技
術、導体化技術、巻線技術、冷却技術等々の多岐にわたる課題がある。従って、上
記線材開発と機器・システム技術開発とが一体となって展開していくことが不可欠
である。
5)国家が主導すべき巨大な応用製品(ポスト ITER や超電導発電機、電力ケーブル、
1GHzNMR 等)以外にも、本プロジェクト終了時点から中規模機器の開発にも国の支
援を得ながら、実際の機器を開発してユーザーの関心を確かなものとしつつ企業が
事業化シナリオを作成すべきと考える。
線材開発においても、量産化技術や更なるコスト低減のための特性向上或いは長
尺線材評価技術等を継続して、企業の早期事業化の促進に寄与することが必要であ
る。
2.今後の展開
実用化・事業化に関しては、平成 17 年度中に産業用機器を対象とした現実的な
グランドデザインを描き、機器開発のシナリオを提示する予定である。
線材開発に関しては、本プロジェクトの目標達成に向けて全力を挙げて取り組む
ことは当然のこととして、機器開発に適合する線材及び導体の開発を行っていくこ
とと併せて、量産化技術、コスト低減化技術や低交流損失化技術等の開発も進めて
いくべきである。
これらの技術の見通しがつけば、企業における事業化が可能となる。
高温超電導材料は 21 世紀を担う新しい革新的技術の有力候補であるが、本フェ
ーズ終了以降、特に死の谷を越えるためには一企業の努力では困難であると考えら
れる。国の支援を得ながら、同時に同業事業者や超電導製品を使うユーザーとの連
携も常に視野に入れつつ実用化を目指していく。
事業化が軌道に乗るまでの線材開発ロードマップは下表のようになると予想し
ている。
Ⅳ 4
表
ᐕᐲ
✢
᧚
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⊒
03
04
実用化・事業化までのロードマップ
05
07
08
09
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Y♽⿥㔚ዉ✢᧚䇭䊐䉢䊷䉵㸈
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⋡
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㐳ዤ
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ૐAC䊨䉴
200A
200m
300A
500m
㪳8/Am
Ⅳ 5
500A
㪈000m
䎂㪈䌾3/Am
20
引用論文リスト
* A−Ⅲ 第Ⅰ期(平成 10 年度∼平成 14 年度)
2.研究開発の成果
2.1 次世代線材製造基礎技術
2.1.1 基板配向制御型線材の開発
1. K. Matsumoto, S. Kim, J.-G. Wen, I. Hirabayashi, T. Watanabe, N. Uno, M.
Ikeda, “In-plane aligned YBCO tapes using NiO buffer layers made by
surface-oxidation epitaxy Advances in Superconductivity”, (Proceedings
of the 11th ISS'98, Nov.16-19, Fukuoka) Vol.11 No.2 (1999) 773-776
2. T. Watanabe, T. Maeda, K. Matsumoto, N. Uno, M. Ikeda, I. Hirabayashi,
“Characterization of biaxially textured Ni-based alloy substrates”,
Advances in Superconductivity (Proceedings of the 12th ISS'99, Oct. 17-19,
Morioka) Vol.12 No. (2000) 604-606
3. T. Watanabe, K. Matsumoto, T. Tanigawa, T. Maeda, I. Hirabayashi,
“Surface-oxidation epitaxy of Ni-clad Ni-20wt% Cr and Ni-clad austenitic
stainless steel tapes for Y-Ba-Cu-O coated conductors”, IEEE Trans. Appl.
Supercond. (Proceedings of the 2000 Applied Superconductivity Conference,
Pavilion Convention Center, Virginia Beach, VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11
No.1 (2001) 3134-3137
4. T. Watanabe, Y. Ohashi, T. Maeda, M. Mimura, I. Hirabayashi,
“Fabrication of Y-Ba-Cu-O films on surface-oxidation epitaxy (SOE)
processed substrates”, IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the
2002 Applied Superconductivity Conference, Houston TX, USA, Aug. 4-9,
2002) Vol.13 No.2 (2003) 2484-2487
5. 超電導応用基盤技術開発 平成 13 年度成果報告書 pp123‐142(Ⅱ‐3)
6. 超電導応用基盤技術開発 平成 14 年度成果報告書 pp121‐133(Ⅱ‐3)
7. H. Yoshino, M. Yamazaki, H. Fuke, T. D. Thanh, Y. Kudo, K. Ando, S. Oshima,
“Improvement of in-plane alignment of grains in YBCO films on Ag tapes”,
Advances in Superconductivity (Proceedings of the 6th ISS'93, Oct. 26-29,
Hiroshima) Vol.6 No.2 (1994) 759-762
8. H. Yoshino, M. Yamazaki, T. D. Thanh, Y. Kudo, H. Kubota,
“Preparation of Ag-Cu/Ni/Ag-Cu clad tapes for YBCO superconducting tape
and its textured properties”, Advances in Superconductivity (Proceedings
of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan, Tokyo, Japan)
(Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.923-930, 2001) Vol.13 No. (2001) 923-930
引用論文1
9. H. Yoshino, H. Kubota, M. Yamazaki, T. D. Thanh, Y. Kudo,
“Properties of Ag-Cu alloy substrate for Y-Ba-Cu-O superconducting tape”,
IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2000 Applied
Superconductivity Conference, Pavilion Convention Center, Virginia Beach,
VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11 No.1 (2001) 3142-3145
10. H. Yoshino, M. Yamazaki, T. D. Thanh, “Continuous deposition of YBCO film
on Ag compJosite tape by PLD”. Advances in Superconductivity (Proceedings
of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381,
pt.2, p.917-921, 2002) Vol.14 No. (2002) 917-921
11. H. Yoshino, M. Yamazaki, T. D. Thanh, “Preparation of a 10-m-long coated
conductor on Ag-Cu/Ag-Ni clad tape by PLD”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.847-852, 2003) Vol.15 No. (2003) 847-852
12 超電導応用基盤技術開発 平成 14 年度成果報告書 pp8‐11(Ⅱ‐3)
13. 超電導応用基盤技術開発 平成 12 年度成果報告書 pp144‐150(Ⅱ‐3)
2.1.2 中間層形成技術
(a) 自己配向法中間層配向制御型線材の開発
1. K. Hasegawa, K. Fujino, K. Ohmatsu, K. Sato, Y. Sato, S. Honjo, N. Nobara,
Y. Iwata, “Characteristics of YBCO thin film tapes fabricated by pulsed
laser deposition”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 11th
ISS'98, Nov.16-19, Fukuoka) Vol.11 No.2 (1999) 793-796
2. K. Muranaka, K. Fujino, S. Hahakura, K. Ohmatsu, H. Takei, Y. Sato, S. Honjo,
Y. Takahashi, “Thin film YBCO tape with over 3 meter length fabricated
by inclined substrate deposition”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 12th ISS'99, Oct. 17-19, Morioka) Vol.12 No. (2000)
580-582
3. K. Ohmatsu, K. Muranaka, S. Hahakura, T. Taneda, K. Fujino, H. Takei, Y.
Sato, K. Matsuo, Y. Takahashi, “Development of in-plane aligned YBCO tapes
fabricated
by
inclined
substrate
deposition”,
Advances
in
Superconductivity (Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi
Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.946-951,
2001) Vol.13 No. (2001) 946-951
4. Y. Sato, K. Matsuo, Y. Takahashi, K. Muranaka, T. Taneda, K. Fujino, K.
Ohmatsu, H. Takei, “Electrical properties of YBa2Cu3O7-x tapes fabricated
by ISD method”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 13th
ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C,
Vol.357-360, pt.2, p.971-974, 2001) Vol.13 No. (2001) 971-974
引用論文2
5. Y. Sato, K. Matsuo, Y. Takahashi, K. Muranaka, K. Fujino, S. Hahakura, K.
Ohmatsu, H. Takei, “Development of YBa2Cu3Oy tape by using inclined
substrate method”, IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2000
Applied Superconductivity Conference, Pavilion Convention Center,
Virginia Beach, VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11 No.1 (2001) 3365-3370
6. T. Taneda, K. Muranaka, K. Fujino, K. Ohmatsu, H. Takei, Y. Sato, S. Honjo,
Y. Takahashi, “Enhancement of Jc and crystal alignment by reverse ISD
method”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01,
Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.944-949,
2002) Vol.14 No. (2002) 944-949
7. Y. Sato, S. Honjo, Y. Takahashi, K. Muranaka, K. Fujino, T. Taneda, K.
Ohmatsu, H. Takei, “Angular dependence of critical in YBCO tapes
fabricated by inclined substrate deposition”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe,
Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.1118-1121, 2002) Vol.14 No. (2002)
1118-1121
8. K. Fujino, M. Konishi, K. Muranaka, S. Hahakura, K. Ohmatsu, K. Hayashi,
N. Hobara, S. Honjo, Y. Takahashi, “Development of RE123 coated conductor
by ISD method”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 15th
ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2,
p.815-820, 2003) Vol.15 No. (2003) 815-820
9. K. Ohmatsu, K. Muranaka, T. Taneda, K. Fujino, H. Takei, N. Hobara, S. Honjo,
Y. Takahashi, “Development of HoBCO tapes fabricated by ISD process”,
IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2002 Applied
Superconductivity Conference, Houston TX, USA, Aug. 4-9, 2002) Vol.13 No.2
(2003) 2462-2465
10. N. Hobara, Y. Sato, S. Honjo, Y. Takahashi, K. Muranaka, K. Fujino, S.
Hahakura, T. Taneda, K. Ohmatsu, H. Takei, “Critical current of HoBa2Cu3Oy
tape fabricated by inclined substrate deposition”, IEEE Trans. Appl.
Supercond. (Proceedings of the 2002 Applied Superconductivity Conference,
Houston TX, USA, Aug. 4-9, 2002) Vol.13 No.2 (2003) 2632-2636
11. K. Hasegawa, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, “Investigation of
texture development on MgO films prepared by inclined substrate deposition
with electron-beam evaporation”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan,
Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.967-970, 2001) Vol.13 No.
(2001) 967-970
引用論文3
12. K. Hasegawa, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, “Comparative study on
texture development of MgO and YSZ films grown by inclined substrate
deposition technique”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the
14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2,
p.955-959, 2002) Vol.14 No. (2002) 955-959
(b) 複合照射法中間層配向制御型線材の開発
1. Y. Iijima, N. Tanabe, O. Kohno, Y. Ikeno, “In-plane aligned YBa2Cu3O7-x thin
films deposited on polycrystalline metallic substrates”, Appl. Phys. Lett.
Vol.60 No.6 (1992) 769-771
2. Y. Iijima, K. Onabe, N. Futaki, N. Tanabe, N. Sadakata, O. Kohno, Y. Ikeno
J. Appl, “Structural and transport properties of biaxially aligned
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buffer layers”, Phys. Vol.74 No.3 (1993) 1905-1911
3. Y. Iijima, K. Matsumoto, “High-temperature-superconductor coated
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4. M. Kimura, Y. Iijima, T. Saitoh, K. Takeda, “Continuous fabrication of
long and high Jc YBCO tapes on YSZ textured buffer layers by IBAD method”,
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Morioka) Vol.12 No. (2000) 574-576
5. Y. Iijima, K. Onabe, N. Futaki, N. Tanabe, N. Sadakata, O. Kohno, Y. Ikeno,
“In-plane texturing control of Y-Ba-Cu-O thin films on polycrystalline
substrates by ion-beam-modified intermediate buffer layers”, IEEE Trans.
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Conference, The Hyatt-Regency Hotel, Chicago, Illinois, Aug. 23-28, 1992)
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6. Y. Iijima, K. Kakimoto, K. Takeda, “Long length in-beam-assisted
deposition template films for Y-123 coated conductors”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi
Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.952-958,
2001) Vol.13 No. (2001) 952-958
7. Y. Iijima, K. Kakimoto, M. Kimura, K. Takeda, T. Saitoh, “Reel to reel
continuous formation of Y-123 coated conductors by IBAD and PLD method”,
IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2000 Applied
Superconductivity Conference, Pavilion Convention Center, Virginia Beach,
VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11 No.1 (2001) 2816-2821
引用論文4
8. Y. Iijima, K. Kakimoto, K. Takeda, “Ion beam assisted growth of fluorite
type oxide template films for biaxially textured HTSC coated conductors”,
IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2000 Applied
Superconductivity Conference, Pavilion Convention Center, Virginia Beach,
VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11 No.1 (2001) 3457-3460
9. Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, T. Kato, T. Hirayama, “Temperature and
RE elemental dependence for ZrO2-RE2O3 oxide film growth by IBAD method”,
Advances in Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27,
2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.960-964, 2002) Vol.14
No. (2002) 960-964
10. K. Kakimoto, Y .Iijima, T. Saitoh, “Fabrication of long-Y123 coated
conductors by combination of IBAD and PLD”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.783-789, 2003) Vol.15 No. (2003) 783-789
11. T. Muroga, H. Iwai, Y. Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara, Y. Iijima, T. Saito,
T. Kato, Y. Sugawara, T. Hirayama, “Pulsed laser deposition method-CeO2
buffer layer for YBCO coated conductor”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.796-800, 2003) Vol.15 No. (2003) 796-800
12. Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, “Estimation of E-J characteristics
of in a YBCO coated conductor at low temperature and very high magnetic
field”, IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2002 Applied
Superconductivity Conference, Houston TX, USA, Aug. 4-9, 2002) Vol.13 No.2
(2003) 2466-2469
13. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura, T. Saitoh, “Development
of long Y-123 coated conductors by ion-beam-assisted-deposition and the
pulsed-laser-deposition method” Supercond. Sci. Technol. (Proceedings of
the 6th European Conference on Applied Superconductivity (EUCAS 2003),
held in Sorrento, Italy, 14-18 Sep. 2003) Vol.17 No.5 (2004) S264-S268
14. 超電導応用基盤技術開発 平成 13 年度成果報告書 pp203‐238(Ⅱ‐3)
2.1.3 超電導層形成技術
1. T. Araki, K. Yamagiwa, I. Hirabayashi, K. Suzuki, S. Tanaka, “Large-area
uniform ultra high-Tc YBa2Cu3O7-x film fabricated by the metalorganic
deposition method using trifluoroacetates”, Supercond. Sci. Technol.
Vol.14 No.7 (2001) L21-L24
2. Y. Yamada, S. B. Kim, T. Araki, Y. Takahashi, T. Yuasa, H. Kurosaki, I.
Hirabayashi, Y. Iijima, K. Takeda, “Critical current density and related
引用論文5
microstructures of TFA-MOD YBCO coated conductors”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi
Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.1007-1010,
2001) Vol.13 No. (2001) 1007-1010
3. T. Araki, T. Yuasa, H. Kurosaki, Y. Yamada, I. Hirabayashi, Y. Kato, T.
Hirayama, Y. Iijima, T. Saito, “High-Tc YBa2Cu3O7-x films on metal tapes
by the metalorganic deposition method using trifluoroacetates”,
Supercond. Sci. Technol. Vol.15 No.1 (2002) L1-L3
4. T. Honjo, H. Fuji, D. Huang, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara,
“Preparation of REBa2Cu3O7-x films grown by metal trifluoroacetate
precursors”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 13th ISS
'00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C,
Vol.357-360, pt.2, p.999-1002, 2001) Vol.13 No. (2001) 999-1002
5. H. Fuji, T. Honjo, Y. Nakamura, T. Izumi, A. Takeshi, I. Hirabayashi, Y.
Shiohara, Y. Iijima, K. Takeda, “Deposition of CeO2/YSZ buffer layer on
Hastelloy substrates for MOD process of YBa2Cu3O7-x film”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi
Center Kaikan, Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.1011-1014,
2001) Vol.13 No. (2001) 1011-1014
6. J. Shibata, T. Honjo, H. Fuji, T. Araki, I. Hirabayashi, T. Hirayama, T.
Izumi, Y. Shiohara, T. Yamamoto, Y. Ikuhara, “Crystallization mechanism
of Nd1+xBa2-xCu3O7-y and YBa2Cu3O7-y films deposited by metalorganic deposition
method using trifluoroacetates”, J. Mater. Res. Vol.17 No.6 (2002)
1266-1275
7. H. Fuji, T. Honjo, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, R. Teranishi, M.
Yoshimura, Y. Iijima, T. Saitoh, “Fabrication processing of Y123 coated
conductors by MOD-TFA method”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica
C, Vol.378-381, pt.2, p.1013-1016, 2002) Vol.14 No. (2002) 1013-1016
8. 超電導応用基盤技術開発 平成 14 年度成果報告書 pp203‐238(Ⅱ‐3)
9. T. Honjo, Y. Nakamura, R. Teranishi, Y. Tokunaga, H. Fuji, J. Shibata, S.
Asada, T. Izumi, Y. Shiohara, Y. Iijima, T. Saitoh, A. Kaneko, K. Murata,
“Fabrication and growth mechanism of YBCO coated conductors by TFA-MOD
process”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 15th ISS'02,
Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.873-881,
2003) Vol.15 No. (2003) 873-881
10. H. Fuji, T. Honjo, R. Teranishi, Y. Tokunaga, J. Shibata, T. Izumi, Y.
Shiohara, Y. Iijima, T. Saitoh, “Processing for long YBCO coated
引用論文6
conductors by TFA-MOD process”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan) (Physica
C, Vol.392-396 pt.2, p.905-908, 2003) Vol.15 No. (2003) 905-908
11. Y. Tokunaga, H. Fuji, R. Teranishi, J. Shibata, S. Asada, T. Honjo, T.
Izumi, Y. Shiohara, Y. Iijima, T. Saitoh, “High critical current YBCO
thick films by TFA-MOD process” Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.909-912, 2003) Vol.15 No. (2003) 909-912
12. T. Izumi, T. Honjo, Y. Tokunaga, H. Fuji, R. Teranishi, Y. Iijima, T. Saitoh,
Y. Nakamura, Y. Shiohara, “High-Ic YBCO coated conductors by metal organic
deposition method using trifluoroacetates”, IEEE Trans. Appl. Supercond.
(Proceedings of the 2002 Applied Superconductivity Conference, Houston TX,
USA, Aug. 4-9, 2002) Vol.13 No.2 (2003) 2500-2503
13. Y. Takahashi, Y. Aoki, T. Hasegawa, Y. Iijima, T. Saito, I. Hirabayashi, T. Honjo, Y.
Yoshida,
Y.
Takai,
Y.
Shiohara,
“Preparation
of
YBCO
films
on
CeO2/Zr2Gd2O7/Hastelloy tapes by the TFA-MOD method”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan)
(Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.1024-1027, 2002) Vol.14 No. (2002) 1024-1027
14. Y. Takahashi, Y. Aoki, T. Hasegawa, T. Watanabe, T. Maeda, T. Honjo, Y.
Shiohara, “In-plane textured oxide buffer layer for the TFA-MOD method
on <100>{001} Ni tapes using MOD process”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.887-894, 2003) Vol.15 No. (2003) 887-894
15. Y. Takahashi, Y. Aoki, T. Hasegawa, Y. Iijima, T. Saito, T. Watanabe, I.
Hirabayashi, Y. Yamada, T. Maeda, T. Honjo, Y. Shiohara, “Preparation of
YBCO coated conductor by the TFA-MOD method”, IEEE Trans. Appl. Supercond.
(Proceedings of the 2002 Applied Superconductivity Conference, Houston TX,
USA, Aug. 4-9, 2002) Vol.13 No.2 (2003) 2504-2507
16. Y. Yamada, Y. Niiori, I. Hirabayashi, S. Tanaka, “Liquid phase epitaxy
of crystalline REBa2Cu3O6+࡮ films on reactive substrates using the
BaF2-BaO-CuO flux”, Physica C Vol.278 No.3&4 (1997) 180-186
17. Y. Yamada, Y. Koike, D. K. Huang, S.-B. Kim, I. Hirabayashi, H. Akata,
K. Higashiyama, “Rapid preparation of YBCO coated conductors using Ag
tapes by liquid phase epitaxy”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 11th ISS'98, Nov.16-19, Fukuoka) Vol.11 No.2 (1999)
737-740
18. Y. Yamada, T. Suga, H. Kurosaki, S. B. Kim, T. Maeda, Y. Yamada, I.
Hirabayashi, Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, “YBa2Cu3O7-࡮ deposition
引用論文7
on Ni-Cr alloy tape by liquid phase epitaxy method”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe,
Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.971-974, 2002) Vol.14 No. (2002)
971-974
19. Y. Yamada, T. Suga, H. Kurosaki, S. B. Kim, T. Maeda, Y. Yamada, I.
Hirabayashi, M. Yamazaki, H. Yoshino, T. Watanabe, “Low temperature
formation of YBCO coated conductors on textured metal tapes by liquid phase
epitaxy”, Physica C (Proc. of the 5th European Conference on Applied
Superconductivity, EUCAS 2001, held in Technical Univ. of Denmark Lyngby,
Denmark, Aug. 26-30, 2001) Vol.372-376 No.2 (2002) 828-830
20. N. Hobara, K. Kakimoto, Y. Nakamura, T. Izumi, T. Yuasa, Y. Takahashi,
K. Fujino, K. Ohmatsu, Y. Shiohara, “Development of Y-system coated
conductor on metal substrate by LPE method” Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 12th ISS'99, Oct. 17-19, Morioka) Vol.12 No. (2000)
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21. A. Hayashi, K. Hasegawa, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, “Preparation
of Sm1+xBa2-xCu3Oy film by liquid phase epitaxy”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 12th ISS'99, Oct. 17-19, Morioka)
Vol.12 No. (2000) 888-890
22. X. Yao, T. Izumi, N. Hobara, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara,
“YBa2Cu3O7-࡮/NdBa2(Cu1-xNix)3O7-࡮ double layers by liquid-phase epitaxial
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23. Y. Nakamura, N. Hobara, K. Kakimoto, T. Izumi, Y. Shiohara, “LPE process
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VI, pt.4, Houston, Texas, USA, Feb.20-25, 2000) Vol.341-348 No. (2000)
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24. T. Izumi, N. Hobara, K. Kakimoto, T. Izumi, K. Hasegawa, M. Kai, T. Honjo,
X. Yao, H. Fuji, Y. Nakamura, Y. Shiohara, “Growth of RE-Ba-Cu-O thick
film on metal substrate by liquid phase epitaxy process”, J. Cryst. Growth
(Proceedings of the first Asian Conference on Crystal Growth and Crystal
Technology, Sendai, Japan, 29 Aug.-1 Sep., 2000) Vol.229 No.1-4 (2001)
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25. T. Izumi, N. Hobara, K. Kakimoto, T. Izumi, K. Hasegawa, M. Kai, T. Honjo,
X. Yao, H. Fuji, Y. Nakamura, Y. Shiohara, “Liquid phase epitaxy processed
coated conductors on metal tapes”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan,
Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.1027-1033, 2001) Vol.13 No.
(2001) 1027-1033
引用論文8
26. T. Izumi, X. Yao, N. Hobara, K. Hasegawa, M. Kai, H. Fuji, C. Krauns, Y.
Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, “Growth of RE123 films from NiO-saturated
solution by liquid phase epitaxy”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 13th ISS '00, Oct. 14-16, Nihon Toshi Center Kaikan,
Tokyo, Japan) (Physica C, Vol.357-360, pt.2, p.1046-1049, 2001) Vol.13 No.
(2001) 1046-1049
27. X. Yao, T. Izumi, N. Hobara, M. Kuznetsov, Y. Nakamura, T. Izumi, Y.
Shiohara, “Superconducting REBCO/ME-NdBCO/MgO multilayer structure by
the liquid phase epitaxy process (RE = Y, Sm and Nd; ME = Ni, Mg)”,
Supercond. Sci. Technol. Vol.15 No.1 (2002) 23-28
28. T. Izumi, N. Hobara, K. Kakimoto, T. Izumi, K. Hasegawa, M. Kai, T. Honjo,
X. Yao, H. Fuji, Y. Nakamura, Y. Shiohara, “Coated conductor of RE-Ba-Cu-O
thick film on metal tape fabricated by liquid phase epitaxy process”,
IEEE Trans. Appl. Supercond. (Proceedings of the 2000 Applied
Superconductivity Conference, Pavilion Convention Center, Virginia Beach,
VA, Sep. 17-22, 2000) Vol.11 No.1 (2001) 2917-2922
29. X. Yao, D. Huang, K. Nomura, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara,
“Improvement of superconducting properties in YBa2Cu3O7-࡮ liquid phase
epitaxy thick-film by Ca doping”,Jpn. J. Appl. Phys. pt. 2 Vol.40 No.12A
(2001) L1314-L1316
30. T. Izumi, X. Yao, K. Hasegawa, M. Kai, Y. Tokunaga, S. Asada, Y. Nakamura,
T. Watanabe, Y. Shiohara, “Fabrication of coated conductor using LPE
process”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01,
Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.989-992,
2002) Vol.14 No. (2002) 989-992
31. M. Kai, T. Izumi, K. Hasegawa, Y. Tokunaga, S. Asada, Y. Nakamura, T. Izumi,
T. Watanabe, Y. Shiohara, “Influence of the second buffer layer for
alignment of seed films on Ni tape with NiO buffer layer”, Advances in
Superconductivity (Proceedings of the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe,
Japan) (Physica C, Vol.378-381, pt.2, p.998-1002, 2002) Vol.14 No. (2002)
998-1002
2.1.4 評価技術
1. T. Kato, Y. Iijima, T. Muroga, T. Saitoh, T. Hirayama, I. Hirabayashi, Y.
Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara, Y. Ikuhara, “TEM observations of Gd2Zr2O7
films formed by the ion-beam-assisted deposition method on an Ni-based
alloy”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 15th ISS'02,
Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.790-795,
引用論文9
2003) Vol.15 No. (2003) 790-795
2. T. Muroga, H. Iwai, Y. Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara, Y. Iijima, T. Saito,
T. Kato, Y. Sugawara, T. Hirayama, “Pulsed laser deposition method-CeO2
buffer layer for YBCO coated conductor”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.796-800, 2003) Vol.15 No. (2003) 796-800
3. K. Hasegawa, J. Shibata, T. Izumi, Y. Shiohara, Y. Sugawara, T. Hirayama,
F. Oba, Y. Ikuhara, “Improvement of superconducting properties of
SmBa2Cu3Oy films on MgO substrate by using BaZrO3 buffer layer”, Advances
in Superconductivity (Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002,
Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.835-840, 2003) Vol.15 No.
(2003) 835-840
4.超電導応用基盤技術開発 平成 14 年度成果報告書 pp213‐214(Ⅱ‐3)
5. 超電導応用基盤技術開発 平成 14 年度成果報告書 p217(Ⅱ‐3)
2.2 次世代大電流導体製造基礎技術
1. M. Sumida, Y. Nakamura, Y. Shiohara, T. Umeda, “Unidirectional partial
melting and solidification of SmBCO superconductor”, J. Mater. Res.
Vol.12 No.8 (1997) 1979-1989
2. S. Seiki, J. Maeda, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, “Fabrication
process of low resistivity connection between YBCO superconductor and
silver”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 12th ISS'99,
Oct. 17-19, Morioka) Vol.12 No. (2000) 482-484
3. A. Hayashi, K. Kurachi, S. Seiki, T. Izumi, Y. Shiohara, “Fabrication of
Sm-Ba-Cu-O superconducting rods for current leads by unidirectional
solidification”, Advances in Superconductivity (Proceedings of the 15th
ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2,
p.970-974, 2003) Vol.15 No. (2003) 970-974
4. R. Endoh, H. Kato, T. Izumi, Y. Shiohara, “Evaluation of the invasion heat
for the HTS current lead using YBCO”, Advances in Superconductivity
(Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13, 2002, Yokohama, Japan)
(Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.1167-1170, 2003) Vol.15 No. (2003)
1167-1170
5. 超電導応用基盤技術研究開発 平成 14 年度成果報告書 pp109‐114(Ⅱ‐3)
2.3 線材用結晶成長機構の解明
1. R. Teranishi, H. Fuji, T. Honjo, Y. Nakamura, T. Izumi, Y. Shiohara, J.
Shibata, T. Yamamoto, Y. Ikuhara, M. Yoshimura, “Growth mechanism of Y123
引用論文10
film by MOD-TFA process”, Advances in Superconductivity (Proceedings of
the 14th ISS'01, Sep.25-27, 2001, Kobe, Japan) (Physica C, Vol.378-381,
pt.2, p.1033-1038, 2002) Vol.14 No. (2002) 1033-1038
2. R. Teranishi, T. Honjo, Y. Nakamura, H. Fuji, Y. Tokunaga, J. Matsuda, T.
Izumi, Y. Shiohara, “Growth mechanism of YBCO film by TFA-MOD process”,
Advances in Superconductivity (Proceedings of the 15th ISS'02, Nov.11-13,
2002, Yokohama, Japan) (Physica C, Vol.392-396 pt.2, p.882-886, 2003)
Vol.15 No. (2003) 882-8
3. 長谷川勝哉,和泉輝郎,塩原融,菅原義弘,平山司,大場史康,幾原雄一,
“BaZrO3 バッファー層による MgO 基板上 SmBa2Cu3Oy 膜の面内配向性向上機構”,
日本金属学会誌, 67, 295-301 (2003).
4. F. Oba, Y. Sugawara, K. Hasegawa, T. Izumi, Y. Shiohara, T. Hirayama, T.
Yamamoto, and Y. Ikuhara, “Effectiveness of BaZrO3 buffer layer in
SmBa2Cu3Oy epitaxial growth on MgO substrate: A first-principles study”,
J. Appl. Phys., 95, 2309-2318 (2004).
引用論文11
引用論文リスト
* B−Ⅲ 第Ⅱ期(平成 15 年度∼平成 19 年度)
2.研究開発の成果
2.1 高性能長尺線材開発プロセス
2.1.1 IBAD 法中間層
1. 2004 Applied Superconductivity Conference (2004ASC) 2004 年 10 月 4 日
Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura, T. Saitoh: “Development of
long Y-123 coated conductors for coil-applications by IBAD/PLD method”
2. 2004 年秋季低温工学会 2004 年 11 月 1 日
飯島康裕 他「IBAD 法による長尺配向中間層の作製」
3.
4.
5.
6.
7.
柿本一臣 他「IBAD/PLD 法による 100m 級高 IcY 系線材の作製」
International workshop on coated conductors for applications (CCA2004)
2004 年 11 月 18 日
Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, N. Kaneko, S. Ajimura, T. Saitoh:
“Development of long Y123 coated conductors in Fujikura by IBAD/PLD
process”
Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, N. Kaneko, S. Ajimura, T. Saitoh: “Toward
industrialization of Y123 coated conductors by IBAD/PLD process”
17th International Symposium on Superconductivity (ISS2004) 2004 年 11
月 23 日、K. Kakimoto, Y. Sutoh, Y. Iijima, T. Saitoh: “Research of long
IBAD-PLD coated conductors with high quality”、Y. Iijima, K. Kakimoto,
Y. Sutoh, N. Kaneko, T. Saitoh: “The influence of bombarding ion elements
on texture improvement of IBAD-Gd2Zr2O7 films”、Y. Sutoh, K. Kakimoto,
N. Kaneko, Y. Iijima, T. Saitoh: “Mechanical bending property of YBCO
coated conductor by IBAD/PLD”
S. Miyata, T. Watanabe, T. Muroga, H. Iwai, Y. Yamada, Y. Shiohara:
“Effects of assisting and sputtering beams in IBAD method for a long tape
fabrication”, Physica C 412-414 (2004) 824-828.
宮田成紀、渡部智則、室賀岳海、岩井博幸、山田穣、塩原融、加藤丈晴、平山
司「IBAD-PLD 法による長尺 YBCO 線材の開発∼IBAD 法を用いた Gd2Zr2O7 二軸
配向長尺基板の作製∼」、金属学会 第 68 巻 9 号(2004)723-729.
宮田成紀、室賀岳海、岩井博幸、衣斐顕、渡部智則、山田穣、塩原融「IBAD
法による YBa2Cu3O7-δ高温超電導線材用に軸配向長尺基板の作製」、低温工学
39 巻 11 号(2004)572-577.
引用論文12
2.1.2 PLD 法第二中間層
8. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura and T. Saitoh: “Development
of long Y-123 coated conductors by ion-beam-assisted-deposition and the
pulsed-laser-deposition method”, Supercond. Sci. Technol. 17,
17 No 5, S264
(2004).
9. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura, T. Saitoh: “Development
of 100-m long Y-123 coated conductors processed by IBAD/PLD method”,
Physica C 412-414 (2004) 801-806.
10. Y. Sutoh, K. Kakimoto, Y. Iijima, S. Ajimura, T. Saitoh: “Preparation
of second buffer layers on IBAD tapes by PLD”, Physica C 412-414 (2004)
829-832.
11. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Yamada, T. Izumi, T. Saitoh, and Y. Shiohara:
“Research and Development of Biaxially Textured IBAD-GZO Templates for
Coated Superconductors,” MRS Bulletin, Volume 29, No. 8, pp. 564, August,
2004.
12. 須藤泰範、柿本一臣、金子直貴、飯島康裕、齊藤隆「IBAD/PLD 法による長尺
YBCO 超電導線材」、低温工学 39 巻 11 号(2004)536-540.
13. T. Muroga, T. Araki, T. Niwa, H. Iwai, I. Hirabayashi, Y. Yamada, Y.
Shiohara, Y. Iijima, T. Saitoh: “Pulsed laser deposition method-CeO2
buffer layer for YBCO coated conductor”, Physica C 392-396 (2003)
768-800.
14. T. Muroga, T. Watanabe, S. Miyata, H. Iwai, Y. Yamada, Y. Shiohara, T.
Kato, Y. Sugawara, T. Hirayama: “Rapid fabrication of highly textured
CeO2 cap layer on IBAD tape for YBCO coated conductor”, Physica C 412-414
(2004) 807-812.
15. 室賀岳海、宮田成紀、渡部智則、岩井博幸、衣斐顕、山田穣、和泉輝郎、塩原
融、加藤丈晴、平山司「IBAD-PLD 法による長尺 YBCO 線材の開発∼IBAD 中間層
上における自己配向 PLD 法 CeO2 キャップ層の検討∼」、金属学会 第 68 巻 9
号(2004)712-717.
16. 室賀岳海、宮田成紀、渡部智則、衣斐顕、山田穣、和泉輝郎、塩原融、加藤丈
晴、平山司「IBAD-PLD 法長尺 YBCO 線材の開発∼IBAD 中間層上における自己配
向 PLD 法 CeO2 キャップ層の長尺化∼」、低温工学 39 巻 11 号(2004)529-535.
2.1.3 PLD 法超電導層
17. K. Kakimoto, Y. Iijima, and T. Saitoh: “Fabrication of long-Y123 coated
conductors by combination of IBAD and PLD”, Physica C 392-396 (2003)
783-789.
引用論文13
18. Y. Iijima, K. Kakimoto and T. Saitoh: “Fabrication and Transport
Characteristics of Long Length Y-123 Coated Conductors Processed by IBAD
and PLD”, IEEE Trans. Appl. Supercond. 13, No.2, 2466 (2003).
19. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura and T. Saitoh: “Development
of long Y-123 coated conductors by ion-beam-assisted-deposition and the
pulsed-laser-deposition method”, Supercond. Sci. Technol. 17, No 5, S264
(2004).
20. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura, T. Saitoh: “Development
of 100-m long Y-123 coated conductors processed by IBAD/PLD method”,
Physica C 412-414 (2004) 801-806.
21. Y. Sutoh, K. Kakimoto, Y. Iijima, S. Ajimura, T. Saitoh: “Preparation
of second buffer layers on IBAD tapes by PLD”, Physica C 412-414 (2004)
829-832.
22. Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Yamada, T. Izumi, T. Saitoh, and Y. Shiohara:
“Research and Development of Biaxially Textured IBAD-GZO Templates for
Coated Superconductors,” MRS Bulletin, Volume 29, No. 8, pp. 564, August,
2004.
23. T. Watanabe, H. Iwai, T. Muroga, S. Miyata, Y. Yamada, Y. Shiohara:
“Advances in coated conductor development at SRL-Nagoya Coated Conductor
Center”, Physica C 412-414 (2004) 819-823.
24. 渡部智則、栗木礼二、岩井博幸、宮田成紀、室賀岳海、衣斐顕、山田穣、塩原
融「YBCO のマルチ-プルーム・マルチ-ターン PLD 成膜」、低温工学 39 巻 11
号(2004)553-559.
25. 山田穣、渡部智則、宮田成紀、室賀岳海、岩井博幸、衣斐顕、塩原融、加藤丈
晴、平山司「IBAD-PLD 法による長尺 YBCO 線材の開発∼実用化への長尺化と高
速化の検討∼」、金属学会 第 68 巻 9 号(2004)706-711.
26. 17th International Symposium on Superconductivity (ISS2004) 2004 年 11
月 24 日 T. Watanabe, H. Iwai, R. Kuriki, T. Muroga, S. Miyata, A. Ibi,
Y. Yamada, Y. Shiohara: “Development of high Ic coated conductors by
discrete multi-plume PLD”
27. H. Iwai, T. Muroga, T. Watanabe, S. Miyata, Y. Yamada, Y. Shiohara, T.
Kato, T Hirayama: “Investigation of high Jc YBCO coated conductors
prepared by PLD on a self-epitaxial CeO2 buffers”, Supercond. Sci.
Technol. 17
17, No 9, S496-S499 (2004).
28. 衣斐顕、岩井博幸、室賀岳海、宮田成紀、渡部智則、山田穣、塩原融「IBAD-PLD
法を用いた厚膜 YBCO 線材の高 Ic 化の検討」、低温工学 39 巻 11 号(2004)
567-571.
29. 17th International Symposium on Superconductivity (ISS2004) 2004 年 11
引用論文14
月 24 日 A. Ibi, H. Iwai, K. Takahashi, T. Muroga, S. Miyata, T. Watanabe,
Y. Yamada, Y. Shiohara: ”Investigations of thick YBCO coated conductor
with high critical current using IBAD-PLD method”
30. 17th International Symposium on Superconductivity (ISS2004) 2004 年 11
月 24 日 K. Takahashi, M. Konishi, A. Ibi, H. Iwai, T. Muroga, S. Miyata,
T. Watanabe, Y. Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara: “Magnetic field dependence
of critical currents in PLD RE-Ba-Cu-O(RE=Er,Dy,Gd)film prepared on CeO2
capped IBAD-GZO layers”
31. International workshop on coated conductors for applications (CCA2004)
2004 年 11 月 18 日 M. Konishi, K. Takahashi, A. Ibi, H. Iwai, T. Muroga,
S. Miyata, T. Watanabe, Y. Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara: “Growth and
characterization of PLD RE-Ba-Cu-O(RE=Er,Dy,Gd) film prepared on CeO2
capped IBAD-GZO layers”
引用論文15
2.2 低コスト長尺線材プロセス開発
2.2.2 基板製作プロセス開発
1. 高橋他、第 70 回 2004 年度
2. 高橋他、第 71 回 2004 年度
低温工学・超電導学会予稿集 p83
低温工学・超電導学会予稿集 p119
2.2.3 中間層形成プロセス開発
3. Y. Takahashi et al., ISS 2003 Abstract p131
4. S. Hahakura, K. Fujino, M. Konishi and K. Ohmatsu, “Development of HoBCO
coated conductor by PLD method”, Physica C 412-414 (2004) p931
2.2.4 超電導形成プロセス開発
5. 本庄哲吏他、「MOD-TFA 法による Y123 超電導膜の成長機構」
,日本金属学会論文
誌 66 (2002) p151-154
6. Y. Tokunaga, et al.: “Advanced TFA-MOD process of high critical current
YBCO films for coated conductors”, Cryogenics 44 (2004) p817-822
7. J.S.Matsuda, et al.:“Effects of heat-treatment conditions on
microstructure of maluti-coating Y123 films deposited by advanced TFA-MOD
method”, Phisic C in press
8. 松田潤子他、「改良型 TFA-MOD 法における Y123 膜組織形成機構と水蒸気分圧の
影響」,低温工学 39 (2004) p578-583
9. 徳永義孝他、「改良型 TFA-MOD 法を用いた仮焼条件の適正化による YBCO 線材の
高特性化」,低温工学 39 (2004) p518-521
10. 青木裕治他「改良型 TFA-MOD 法による YBCO 線材の臨界電流値向上に関する検
討」,低温工学 40 (2005) p64-68
11. H. Fuji, et al.:“Progress on TFA-MOD coated conductor development”,
Phisica C in press
12. 富士広他「TFA-MOD 法を用いた YBCO 線材の長尺化の検討」,低温工学 40 (2005)
p59-63
13. H. Fuji, et al.: “Processing for long YBCO coated conductors by advanced
TFA-MOD process” Physica C 412-414P2 (2004) p916-919
14. Y. AOKI, et al.: “Fabrication of 10-m Class Y-123 Coated Conductors Using
Continuous Reel-to-Reel Process by TFA-MOD Method” Phisica C in press
15. Y. Takahashi et al., 2004 Applied Superconductivity Conference 2MJ08
16. Y. Takahashi et al., 2004 ISS Abstract p272
17. Kashima et.al, “Long Tape Processing for Coated Conductors by
Multiple-Stage CVD Method”, Physica C (ISS2003)
18. Kashima et.al, “YBCO Coated Conductor by Multiple-Stage CVD“, Physica
引用論文16
C (ISS2004) to be published
19. K. Ohmatsu, K. Muranaka, S. Hahakura, T. Taneda, K. Fujino, H. Takei, Y.
Sato, K. Matsuo, and Y. Takahashi, “Development of in-plane aligned YBCO
tapes fabricated by inclined substrate deposition,” Physica C 357-360
(2001) 946-951
20. K. Ohmatsu, M. Ueyama, K. Hasegawa and S. Hahakura, "HoBCO Coated
Conductors by a Fluorine-Free MOD Process", CCA 2004 P17
引用論文17
2.3 長尺線材評価・可加工性技術開発
2.3.2 長尺線材臨界電流評価技術開発
1. T. Watanabe, R.Kuriki, T. Muroga, S. Miyata, Y. Yamada, Y. Shiohara, T. Kato and T.
Hirayama, “Development of Multi-Plume and Multi-Turn (MPT) PLD for YBCO Coated
Conductor”, presentation at 2005 MRS Spring Meeting
2. K. Takahashi, Y. Yamada, M. Konishi, T. Watanabe, A. Ibi, T. Muroga, S. Miyata, Y.
Shiohara, T. Kato and T. Hirayama, “Magnetic field dependence of Jc for Gd-123 coated
conductor
on
PLD-CeO2
capped
IBAD-GZO
substrate
tapes”,
Supercond.
Sci.
Technol.(submitted)
3. K.Nakao, I.Hirabayashi and S.Tajima, “Application of an inductive technique to the
characterization of superconducting thin films based on power law I-V relations”,
to be published in Physica C (Proceedings of ISS2004).
特許出願中 2004-123640
4. Kazumasa Iida, Norio Kawamae, Saburo Hoshi, Takato Machi, Takeshi Kono,
Junko Yoshioka-Kato, Noriko Chikumoto, Naoki Koshizuka, Nobuyasu Adachi
and Takashi Okuda , "Liquid Phase Epitaxial Growth of (Bi, Lu)3(Fe, Ga)5O12 Films
with In-Plane Anisotropy for Magneto-Optical Imaging”, Japanese Journal of Applied
Physics,Vol. 44, No.
4A, 2005, pp. 1734-1739.
2.3.3 線材電磁気特性評価
5. Munetake Miyashita, et al., “IBAD/TFA-MOD 法で作製された YBCO 線材試料の臨界電流密
度分布測定”,第 70 回 2004 年度春季低温工学・超電導学会 (2004).
6. N. Amemiya, et al., “Lateral Jc distribution of YBCO coated conductors”,
International Workshop on Coated Conductors for Applications (2004).
7. T. Kiss, S. Egashira, M. Yasunaga, H. Tokutomi, M. Inoue, Y. Iijima, K. Kakimoto,
T. Saitho, “Low temperature scanning laser microscopy of YBCO coated HTS tapes
(Invited paper),” Forum of Superconductivity Science and Technology News, No. 96,
pp. 8-11, Feb. 2003.
8. T. Kiss, M. Inoue, S. Egashira, M. Yasunaga, H. Tokutomi, M. Takeo, H. G. Shirinyan,
S. G. Gevorgyan, Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, "Imaging of the local dissipation
in YBCO coated tapes", Advances in Cryogenic Engineering: Transactions of the
International Cryogenic Materials Conference-ICMC", Vol. 50, pp. 677- 684, 2004
9. T. Kiss, “Critical Current Densities: Percolation and Scaling (Invited paper),”
The March Meeting of the American Physical Society, March 3-7, 2003 in Austin, Texas,
U.S.A.
10. T. Kiss, M. Inoue, T. Ohta, K. Imamura, M. Yasunaga, M. Takeo, Y. Iijima, K. Kakimoto,
引用論文18
T. Saitoh, S. Awaji, K. Watanabe, Y. Shiohara, “Transport E-J characteristics in
YBCO coated conductors (Invited paper),” The 11th international workshop on critical
currents in superconductors (11th IWCC), Nihon University Centenary Hall, Tokyo,
Japan, July 28 - 31, 2003.
11. T. Machi, et al., “MO observation on YBa2Cu3O7-࡮ coated conductors obtained by TFA-MOD
technique”, accepted to Physica C, Proceedings of ISS 2004.
12. 町 敬人, et al., “磁気光学効果による超電導線材の磁束観察”, 日本応用磁気学会誌,
Vol.28, No. 8, p891-895 (2004).
13. T. Kato, T. Muroga, Y. Iijima, T. Saitoh, I. Hirabayashi, Y. Yamada, T. Izumi, Y.
Shiohara, T. Hirayama and Y. Ikuhara, “TEM Observations of Gd2Zr2O7 Films Formed by
the Ion-Beam-Assisted Deposition Method on an Ni-based Alloy”, Physica C, 392-396
790-795 (2003).
14. T. Kato, H. Sasaki, H. Iwai, A. Ibi, N, Kashima, T. Niwa, Muroga, S. Miyata, T. Watanabe,
Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, Y. Yamada, S. Nagaya, T. Saitoh, T. Izumi, Y. Sasaki,
T. Hirayama, Y. Shiohara and Y. Ikuhara, “Transmission Electron Microscopy Studies
of YBCO Coated Conductors Prepared by Pulsed-Laser Deposition and Multiple-Stage
Chemical Vapor Deposition Processes”, Physica C, accepted.
15. 佐々木宏和,加藤丈晴,佐々木優吉,平山司,松田潤子,和泉輝郎,塩原融,鹿島直二,
長屋重夫, “MO 観察で特定した YBCO 線材の欠陥部位の SIM 及び TEM による微細構造観察”,
低温工学 特集:次世代超電導線材の開発と特性評価,39 巻 11 号,541 -546 (2004).
16. H. Sasaki, T. Matsuda,
T. Kato, T. Muroga, Y. Iijima, T. Saitoh, F. Iwase, Y. Yamada,
T. Izumi, Y. Shiohara and T. Hirayama , J. Electron, “Specimen preparation for
high-resolution transmission electron microscopy using focused ion beam and Ar ion
milling”,Microsc. FIB Special Issue, 53 (5), 497-500(2004).
17. T. Kato, T. Muroga, Y. Iijima, T. Saitoh, Y. Yamada, T. Izumi, Y. Shiohara, T. Hirayama
and Y. Ikuhara, J. Electron, “A new method for preparing plan-view TEM specimen of
multilayered films using focused ion beam”, Microsc. FIB Special Issue, 53 (5),
501-504(2004).
18. T. Kato, T. Muroga, Y. Iijima, T. Saitoh, T. Hirayama, I. Hirabayashi, Y. Yamada,
T. Izumi, Y. Shiohara and Y. Ikuhara, “Transmission Electron Microscopy Studies of
a CeO2/Gd2Zr2O7 Buffer Layer on an Ni-based Alloy for YBCO Coated Conductor”, Physica
C, 412-414, 813-815 (2004).
19. 松田潤子,et al., “改良型 TFA-MOD 法における Y123 膜組織形成機構と水蒸
気分圧の影響”, 低温工学 第 39 巻1号,(2004).
20. N. Amemiya, et al., “Total AC loss of YBCO coated conductor carrying AC transport
current in AC transverse magnetic field with various orientations”, Superconductor
Science and Technology, Vol.17, No.8, pp.983-988 (2004).
21. N. Amemiya, et al.,” Total AC loss in IBAD/PLD YBCO Coated Conductor Carrying AC
引用論文19
Transport Current in AC Extemal Magnetic Field”, International Workshop on Coated
Conductors for Applications (2003).
22. Jiang Zhenan, et al., “Y 系コーティッド超伝導線材と Bi 系多芯超伝導線材の磁化損
失
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23. Takamasa Nishioka, et al., “IBAD/TFA-MOD 法で作製された YBCO 超伝導線材の磁化損失”,
第 70 回 2004 年度春季低温工学・超電導学会 (2004).
24. N. Amemiya, et al.,” AC loss characteristics of coated conductor and the perspective
for the AC loss reduction”, International Workshop on Coated Conductors for
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25. N. Amemiya, et al.,” 円環状 YBCO 超伝導線材の電磁界解析モデル”, 平成 17 年電気学
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26. N. Amemiya, et al.,“AC loss characteristics of coated conductor and the perspective
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27. O. Tsukamoto, H. Nakayama, S. Odaka, M. Ciszek, S. Hahakura, M. Ueyama, K. Ohmatsu,
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32. 深町亮介,津田悠樹,井上昌睦,木須隆暢,竹尾正勝,鹿島直二,式町浩二,山田穣,塩
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“YBCO 高温超伝導線材
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34. T. Kiss, S. Nishimura, M. Inoue, H. Okamoto, Y. Sumiyoshi, T. Matsushita, Y. Iijima,
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引用論文20
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35. M. Inoue, S. Nishimura, T. Kuga, M. Kiuchi, T. Kiss, M. Takeo, T. Matsushita, Y.
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36. T. Matsushita, H. Wada, T. Kiss, M. Inoue, Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, Y.
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37. T. Kiss, M. Inoue, S. Nishimura, T. Kuga, T. Matsushita, Y. Iijima, K. Kakimoto,
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38. T. Kiss, M. Inoue, S. Egashira, T. Kuga, M. Ishimaru, M. Takeo, T. Matsushita, Y.
Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, S. Awaji, K. Watanabe, Y. Shiohara, "Percolative
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol. 13 No. 2, pp. 607-2610, 2003
39. 井上昌睦,木須隆暢,久我隆礼,石丸誠,竹尾正勝,松下照男,飯島康裕,柿本一臣,斎
藤隆,淡路智,渡辺和雄,塩原融, "Y1Ba2Cu3O7-δ 酸化物高温超伝導線材の強磁界中におけ
る臨界電流特性", 電気学会論文誌 A 基礎・材料・共通部門誌, Vol. 123, pp. 593-599, 2003
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40. T. Kiss, M. Inoue, M. Yasunaga, K. Imamura, T. Ohta, H. Tokutomi, Y. Tsuda, H. Sawa,
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Application 2003,2003
41. T. Kiss, M. Inoue, M. Yasunaga, H. Tokutomi, T. Yasuda, Y. Iijima, K. Kakimoto, T.
Saitoh, Y. Tokunaga, T. Izumi, Y. Shiohara, "Spatially resolved measurements of
dissipative state in HTS tapes and films by low temperature scanning laser microscopy
(invited)", Extended Abstract of 11th Japan-US Workshop on High-Tc Superconductors,
pp. 24-25, 2003
42. T. Kiss, M. Inoue, T. Kuga, M. Ishimaru, S. Egashira, S. Irie, T. Ohta, K. Imamura,
M. Yasunaga, M. Takeo, T. Matsushita, Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, S. Awaji,
K. Watanabe, Y. Shiohara, "Critical current properties in HTS tapes", Physica C:
Superconductivity, Vol. 392-396(2), pp. 1053-1062, 2003
43. M. Kiuchi, E. S. Otabe, T. Matsushita, T. Kuga, M. Inoue, T. Kiss, Y. Iijima, K.
Kakimoto, T. Saitoh, "Angular dependence of irreversibility field in Y-123 coated
tape", Physica C: Superconductivity, Vol. 392-396(2), pp. 1063-1067, 2003
44. K. Yamauchi, M. Kiuchi, E. S. Otabe, T. Matsushita, T. Kuga, M. Inoue, T. Kiss, Y.
Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, "Evaluation of E-J characteristics of YBCO-coated
引用論文21
conductor in a wide range of electric field", Physica C: Superconductivity, Vol.
392-396(2), pp. 1073-1077, 2003
45. M. Inoue, T. Kiss, T. Kuga, M. Ishimaru, M. Takeo, T. Matsushita, Y. Iijima, K.
Kakimoto, T. Saitoh, S. Awaji, K. Watanabe, Y. Shiohara, "Estimation of E-J
characteristics in a YBCO coated conductor at low temperature and very high magnetic
field", Physica C: Superconductivity, Vol. 392-396(2), pp. 1078-1082, 2003
46. Y. Fukumoto, M. Kiuchi, E. S. Otabe, T. Matsushita, H. Sawa, M. Inoue, T. Kiss, Y.
Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, "Evaluation of E-J characteristics of YBCO
coated-conductor by AC inductive method using third-harmonic voltage", Physica C:
Superconductivity, Vol. 412-414(2) , pp. 1036-1040, 2004
47. M. Inoue, S. Koyanagi, T. Kiss, K. Imamura, M. Takeo, Y. Shiohara, "Estimation of
non-uniform current flow near a transverse defect in YBCO thin film by use of scanning
SQUID microscope", Extended Abstract of international workshop on coated conductors
for applications (CCA 2004), 2004
48. M. Inoue, T. Kiss, Y. Tsuda, H. Sawa, M. Takeo, S. Awaji, K. Watanabe, Y. Iijima,
K. Kakimoto, T. Saitoh, Y. Tokunaga, T. Izumi, Y. Shiohara, "High magnetic field
properties of critical current density in Y1Ba2Cu3O7-δ coated conductor fabricated by
improved TFA-MOD process", IEEE Transaction on Applied Superconductivity, in press.
49. T. Kiss, M. Inoue, M. Yasunaga, H. Tokutomi, Y. Iijima, K. Kakimoto, T. Saitoh, Y.
Tokunaga, T. Izumi, Y. Shiohara, "Low temperature scanning laser microscopy of YBCO
coated IBAD tapes", IEEE Transaction on Applied Superconductivity, in press.
2.3.4 信頼性評価技術開発
50. H. Asai, A. Ishiyama et al.: “Quench Characteristic of YBCO Thin Film
Tape”, IEE Jpn., ASC-00-2, LD-00-2 (2000) (in Japanese)
浅井弘樹,石山敦士ら「YBCO 超電導薄膜テープ線材のクエンチ特性」
,超電導
応用電力機器研究会, ASC-00-2, LD-00-2 (2000)
51. J. W. Lue, R. C. Duckworth, and M. J. Gouge: “Over-Current Testing of HTS Tapes”,
IEEE Trans. Appl. Supercond., to be published.
52. T. Takao, T. Ito, K. Umekawa, Y. Fukasawa, H. Tanaka, M. Umeda, “Influence of
Compressive Length of Normal Stress on Degradation in Bi-2223 Tapes”, IEEE Trans.
on Applied Superconductivity, 2005 (in press).
53. 工藤
剛志、多田
大樹、亀卦川-佐々木
尚子、能登
宏七、石山
敦士、山田
穣、
和泉
輝郎、塩原
融, “YBCO 線材用ハステロイ基板及び面内中間層の熱伝導”, 2004
年 11 月 1 日、2004 年秋季低温工学・超電導学会
54. 「超電導プロジェクトにおける薄膜熱特性評価技術の開発」、加藤英幸、AIST Today
(2004.12)
“Distribution analysis of thermal effusivity for sub-mm YBCO thin
引用論文22
films using thermal microscope”, T. Yagi, N. Taketoshi and H. Kato;
Physica C, pp 1337-1342 (2004.06)
2.3.5 可加工性技術
55. 須藤泰範 他“IBAD/PLD 法による YBCO 線材の曲げ歪特性”,2004 年秋季低温工学会 2004
年 11 月 1 日
56. 2004 Applied Superconductivity Conference (2004ASC) 2004 年 10 月 4 日
Y. Iijima, K. Kakimoto, Y. Sutoh, S. Ajimura, T. Saitoh: “Development of long Y-123
coated conductors for coil-applications by IBAD/PLD method”
57. K. Shikimachi, Naoji Kashima, Shigeo Nagaya, Takemi Muroga, Seiki Miyata, Tomonori
Watanabe, Yutaka Yamada, Teruo Izumi and Yuh Shiohara "Mechanical Properties of
YBaCuO Formed on Ni-Based Alloy Substrates with IBAD Buffer Layers", IEEE Trans.
Appl. Supercond., in press.
引用論文23
2.4
高温超電導材料高度化技術開発
2.4.1 材料特性高度化
1. N. Chikumoto, J. Kato, S. Tajima, Y. Tokunaga, T. Izumi, Y. Iijima, K. Kakimoto and
T. Saitoh, “Optimization of oxygen-annealing condition in PLD and MOD YBCO tapes”
International Workshop in Coated Conductors for Applications (CCA2004).
2. J. Kato, N. Sakai, K. Kakimoto, T. Watanabe, S. Tajima, N. Chikumoto, Y. Iijima,
T.
Saitoh and Y. Yamada, “Effect of Low Temperature Annealing on Doping level and
Superconducting properties for IBAD/PLD YBCO coated conductor” Physica, in press.
3. N. Chikumoto, T. Machi, Y. Tokunaga, T. Izumi and S. Tajima, “Optimization of
Oxygenation Process in YBCO tapes Fabricated by the TFA-MOD method ”, Physica C,
in press.
4. A. Yamamoto, K. Hirose, Y. Itoh, T. Kakeshita and S. Tajima, “Effects of carbon
incorporation on doping state of YBa2Cu3Oy”, Physica C, in press.
5. G. Hammerl, A. Schmehl, R. R. Schulz, B. Goetz, H. Bielefeldt, C. W. Schneider, H.
Hilgenkamp, J. Mannhart, “Enhanced supercurrent density in polycrystalline
YBa2Cu3O7-࡮ at 77 K from calcium doping of grain boundaries ”, Nature 407 (2000) 162.
6. T. Masui, E. Ohmichi, S. Tajima and T. Osada, “Irreversibility field and coherence
length of Ca-substituted YBCO single crystals”, Physica C, in press.
7. S. Lee, K. Nakao, K. Hirose and S. Tajima,“Pulse laser deposition of Gd-123 based
films: Effects of composition and deposition parameters”, International workshop
on coated conductors for application (CCA-2004).
8. T. Kakeshita, T. Masui and S. Tajima, “In-plane charge dynamics in underdoped YBCO”,
Physica C, in press.
9. H. Uchiyama, A. Baron, S. Tsutsui, Y. Tanaka, W. Hu, A. Yamamoto, S.Tajima and Y.Endoh,
“Anomalous softening of Cu-O bond stretching phonon in tetragonal HgBa2CuO4+࡮”,
Phys. Rev. Lett. 92 (2004) 197005.
2.4.2 線材接合・界面特性高度化
10. M. Oishi, N. Chikumoto, J. Kato, S. Tajima and M. Otsuka,“Flux penetration into
grain boundary of YBa2Cu3O7-࡮ bicrystalline films with tilted surface”, Physica C,
in press.
引用論文24
【付録資料】
1.論文リスト
2.論文引用回数リスト
3.特許リスト
4.新聞発表記録
5.用語解説集
1.論文リスト
A. 第Ⅰ期(平成10年度∼平成14年度)
1)H10年度 応用基盤研究開発 成果
学会発表
タイトル
発表先
発表日
発表者
表面酸化バッファー層を有する金属基板上へのYBCO成膜
エピタキシャル自己酸化された金属基板上へのYBCO成膜
低温工学シンポジウム
低温工学シンポジウム
1998/5/19
1998/5/20
MOCVDで作製したNd1.xBa2-xCu3O7-y/MgOの結晶構造解析
Control of Stoichiometric Ratio in Crystal Growth and Solidification
Processing of Nd-123 Superconducting Oxides
Preparation of YBa2Cu3O7-y Thin Films on the Cube Textured Metallic Tape
by Hot-Wall MOCVD
Optimization of Silver Added Ba-Cu-O-F Flux for Low Temperature LPE
Growth of Y123
In-Plane Aligned YBa2Cu3O7-y Thin Films Coated by Pulsed Laser Deposition
on Textered Silver Substrates with CeO2 Buffer Layer
Orientation Behavior of RE123 Films Prepared by Chemical Solution
Deposition
Preparation of Pr2Ba4Cu6+nO14+n(n=1,2) Single Crystals under High Oxygen
Presuure
Vapor-Liquid-Solid Growth of YBa2Cu3O7-y Films by Metalorganic Chemical
Vapor Deposition
Substrate Dependence of Surface Morphology of YBa2Cu3O8-y Thin Films
Prepared by Metalorganic Chemical Vapor Deposition
Effect of MgO Buffer Layer for YBCO Films on Silver Substrates
JFCC 98年度発表会
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/1
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
M.Iwata
1998 International Workshop on Superconductivity
1998/7/12
Critical Current and Flux Pinning in NdBaCuO Single Crystals
MOCVD法により作製したYBa2Cu3O7-y薄膜の成長機構
銀基板上へのY123膜のLPE成膜:種結晶の効果
化学溶融法における有機成分除去処理の重要性
化学溶融法によるRE123膜の配向性と微構造組織
YBCO系MOCVD膜の成長過程
1998 International Workshop on Superconductivity
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
1998/7/12
1998/9/15
1998/9/15
1998/9/15
1998/9/15
1998/9/15
銀基板上へのY123のLPE成膜:低温化効果
Low Temperature Liquid Phase Epitaxial Growth of Y123 : Prospects of
Coating on Metallic Substrates
Fabrication of in-Plane Aligned YBCO Films on Polycrystalline Ni Tapes
Buffered with Self-Oxidized NiO Layer
YBCO-Coated Conductor on the Bufferd Texterd Metallic Tape by Hot-Wall
Type MOCVD
Preparation of YBa2Cu3O7-y Films on Cube-Textured Silver Tapes with Oxide
Buffer Layers
Film Orientation of RE123 Prepared by Chemical Solution Deposition
MOCVD法により作製したNBCO薄膜の表面形態
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
ASC'98
1998/9/15
1998/9/15
ASC'98
1998/9/15
ASC'98
1998/9/15
ASC'98
1998/9/15
ASC'98
電気関係学会東海支部連合大会
1998/9/15
1998/9/21
hot-wall型MOCVD装置による両面基板上へのYBCO膜の作成及び特性評価
電気関係学会東海支部連合大会
1998/9/21
高温超伝導単結晶の面内熱伝導率と不純物効果
日本物理学会 1998年 秋の分科会
1998/9/27
Y.Yamada Y.Niiori Y.Koike I.Hirabayashi H.Akata
K.Higashiyama
N.Koshizuka K.Kuroda A.K.Pradhan T.Machi K.Nakao
岩田 守宏、吉田 隆、長谷川 真人、平林 泉、高井 吉明
山田 容士、小池 良洋、平林 泉、赤田 広幸、東山 和寿
山際 勝也、柴田 潤子、平山 司、平林 泉
山際 勝也、馬 秀良、平山 司、平林 泉
吉田 隆、岩田 守宏、長谷川 真人、赤田 広幸、東山 和寿、
高井 吉明、平林 泉
小池 良洋、山田 容士、平林 泉、赤田 広幸、東山 和寿
I.Hirabayashi Y.Koike Y.Niiori Y.Yamada
K.Matsumoto
Y.Yoshida K.Higashiyama
K.Matsumoto I.Hirabayashi N.Koshizuka T.Watanabe
N.Uno M.Ikeda
M.Hasegawa Y.Yoshida M.Iwata H.Akata K.Higashiyama
Y.Takai K.Matsumoto I.Hirabayashi
T.Takahashi K.Matsumoto H.Akata K.Higashiyama
I.Hirabayashi
K.Yamagiwa X.Ma J.Junko T.Hirayama I.Hirabayashi
古藤 みどり、岩田 守宏、吉田 隆、長谷川 真人、平林 泉、
高井 吉明
石沢 恒司、長谷川 真人、岩田 守宏、吉田 隆、平林 泉、高
井 吉明
古澤 幸浩、松川 倫明、能登 宏七、姚 忻、塩原 融、小林
典男、M.Ausloos
YBa2Cu3O7-d単結晶のピーク効果に及ぼすアニール履歴の影響
RE123超伝導材料の溶融凝固時におけるRE211高温安定相粒子の挙動
YBCO/Ag超電導体における包偏晶凝固機構
Sm123膜のLPE成長初期過程
YBCO薄膜線材の常電導伝播特性
1998年 金属学会 秋期大会
1998年 金属学会 秋期大会
1998年 金属学会 秋期大会
1998年 金属学会 秋期大会
1998年度 秋季低温工学・超電導学会
1998/9/28
1998/9/28
1998/9/28
1998/9/28
1998/10/14
表面酸化エピタキシー法によるYBCO薄膜テープの作製
1998年度 秋季低温工学・超電導学会
1998/10/14
Liquid Phase Epitaxy of Y1-xNdxBa2Cu3O7-δMixed Crystal Systems
ISS'98
1998/11/16
Phase Transition and Superconductive Properties of Nd1+xBa2-xCu3O6+d
Solid Solution
ISS'98
1998/11/16
論文リスト1
松本 要
松本 要、平林 泉、腰塚 直己、渡辺 知則、宇野 直樹、池田
宏
菅原 義弘、幾原 雄一、吉田 隆、平林 泉
Y.Shiohara
M.Hasegawa Y.Yoshida M.Iwata H.Akata K.Higashiyama
Y.Takai I.Hirabayashi
Y.Koike Y.Yamada Y.Niiori I.Hirabayashi
Y.Takahashi K.Matsumoto H.Akata
I.Hirabayashi
K.Yamagiwa I.Hirabayashi
K.Higashiyama
S.Horii Y.Yamada H.Ikuta A.Matsushita Y.Yamada
I.Hirabayashi U.Mizutani
T.Yoshida M.Iwata M.Hasegawa Y.Takai I.Hirabayashi
T.Yoshida
M.Hasegawa
I.Hirabayashi
Y.Takai
岡 昭宏、小山 敏、塩原 融
神原 淳、三宅 功一、村田 清、塩原 融、梅田 高照
前田 純也、塩原 融
林 亜希美、塩原 融
金 錫範、松本 要、高橋 保夫、一野 祐亮、石山 敦士、平林
泉
松本 要、金 錫範、文 建国、平林 泉、渡部 知則、宇野 直
樹、池田 長
K.Nomura S.Hoshi E.A.Goodilin X.Yao T.Izumi
Y.Shiohara
M.Yoshizumi A.Oka E.Goodilin Y.Shiohara
Y.Ikuhara
T.Sakuma
タイトル
発表先
発表日
発表者
RE123 Superconductive Thin Fiber Current Leads Produced by Laser Heated
Floating Zone Melting
Partial Dissolution Mechanism of YBa2Cu3Ox Seed Films on MgO Substrate
during Liquid Phase Epitaxy
Fabrication Process of Twin-Free Orthorhombic Nd123 Single Crystal under
Uni-Axial Compression
Initial Growth Mechanism of Sm1+xBa2-xCu3Oy Film Prepared by Liquid Phase
Epitaxy
Development of Unidirectionally Solidified YBCO/Ag Superconducting
Current Lead
Single Crystals of Nd1+x(Ba1-ySry)2-xCu3O7±δ Solid Solution Grown by
Crystal Pulling
In-Situ Observation and Surface Morphology of YBa2Cu3O7-y Films by
Metalorganic Chemical Vapor Deposition
Rapid Preparation of YBCO Coated Conductors Using Ag Tapes by Liquid
Phase Epitaxy
Preparation of YBa2Cu3O7-y Films on Cube-Textured Silver Tapes with Oxide
Buffer Layers
The Influence of Microstructure of Calcined Films Prepared by Chemical
Solution Deposition on the Superconducting Properties
Preparation of YBa2Cu3O7-y Thin Film on the Cube Textured Silver Tape by
MOCVD
Superconducting Properties of REBa2Cu3Ox Thin Films Prepared by Pulsed
Laser Deposition Method
Single Crystal Growth and Magnetic Properties of (La,Nd)4Ba2Cu2O10
ISS'98
1998/11/16
S.Matsuoka
J.Maeda
ISS'98
1998/11/16
K.Kakimoto
Y.Ishida
ISS'98
1998/11/16
A.Oka
ISS'98
1998/11/16
A.Hayashi
ISS'98
1998/11/16
J.Maeda
ISS'98
1998/11/16
X.Yao
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
Y.Yoshida M.Iwata M.Hasegawa K.Tamura K.Isizawa
Y.Takai I.Hirabayashi
Y.Yamada Y.Koike D.K.Huang S.-B.Kim I.Hirabayashi
H.Akata K.Higashiyama
Y.Takahashi K.Matsumoto H.Akata K.Higashiyama
I.Hirabayashi
K.Yamagiwa J.Shibata T.Hirayama I.Hirabayashi
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
M.Hasegawa Y.Yoshida M.Iwata K.Ishizawa
T.Oyama
H.Akata K.Higashiyama Y.Takai I.Hirabayashi
Y.Ichino K.Matsumoto Y.Takahashi S.B.Kim
H.Ikuta
I.Hirabayashi U.Mizutani
H.Nozaki Y.Yamada H.Ikuta I.Hirabayashi U.Mizutani
LPE Growth of YBCO on Silver Substrates
ISS'98
1998/11/16
Y.Koike
AFM on YBa2Cu3O7-y Thin Films by MOCVD Using Liquid-State Sources
ISS'98
1998/11/16
Characteristics of Normal- Zone Propagation in YBCO Thin Film
Superconductors
Growth and the Transport Property of Single Crystalline PrBa2Cu4O8
ISS'98
1998/11/16
ISS'98
1998/11/16
M.Iwata Y.Yoshida M.Hasegawa K.Ishizawa
I.Hirabayashi
Y.Takai
S.B.Kim K.Matsumoto Y.Takahishi I.Ichino A.Ishiyama
I.Hirabayashi
S.Horii Y.Yamada H.Ikuta I.Hirabayashi
U.Mizutani
In-Plane Aligned YBCO Tapes Using NiO Buffer Layers Made by SurfaceOxidation Epitaxy
Solidification Processing of RE-123 Oxides
Isothermal Undercooling Solidification of RE123 Bulk Superconductive
Oxides
Fabrication Process of Twin-Free Orthorhombic Nd123 Single Crystal under
Uni-Axial Compression
Unidirectional Solidification of YBCO/Ag Superconductor for Current Lead
Application
YBCO Coated Conductors Using Ag Tapes by Liquid Phase Epitaxy
ISS'98
1998/11/22
'98MRS Fall Meeting
MRS Fall Meeting'98
1998/11/30
1998/11/30
K.Matsumoto S.B.Kim J.G.Wen
N.Uno M.Ikeda
Y.Shiohara
M.Kambara K.Miyake K.Murata
98 MRS Fall Meeting
1998/11/30
A.Oka
S.Koyama
T.Izumi
Y.Shiohara
T.Izumi Y.Shiohara
T.Izumi
Y.Shiohara
K.Kakimoto Y.Ishida
S.Matsuoka
T.Izumi
Y.Shiohara
Y.Shiohara
S.Matsuoka T.Izumi Y.Shiohara
Y.Yamada
S.Koyama
I.Hirabayashi
H.Akata
I.Hirabayashi
Y.Shiohara
K.Higashiyama
T.Watanabe
T.Umeda
Y.Shiohara
98 MRS Fall Meeting
1998/11/30
J.Maeda
MRS'98 Fall Meetings
1998/11/30
Evidence of Quasi-liquid Layer and VLS Mode of CVD Growth of YBCO:In
Comparison With LPE
PLD 法によるAg テープを用いたY123線材の検討
引き上げ法ほ用いた高温超電導単結晶のリアルタイム結晶育成シュミレーション
化学溶液法によるBuffer層の成膜
YBCO LPE成長に及ぼす基板結晶性の影響
Single Crystal Growth of Cation Substituted REBa2Cu3O7-δ Superconductors
(RE=rare earth element)
YBCO LPE 成長に及ぼす基板結晶性の影響
LPE法により作製したSm123膜の成長機構
REBCO(RE=Nd,Sm)超電導線材における接合挙動
RE系超電導バルク材料における結晶サイズ制御機構
MRS Fall Meeting
1998/11/30
第46回応用物理学関係連合講演会
第46回応用物理学関係連合講演会
第46回応用物理学関係連合講演会
日本金属学会'99春期大会
日本金属学会'99春期大会
1999/3/28
1999/3/28
1999/3/28
1999/3/29
1999/3/29
Y.Yamada Y.Koike S.-B.Kim I.Hirabayashi H.Akata
K.Higashiyama
I.Hrabayashi T.Yoshida M.hasegawa Y yamada K.mathumoto
K.Higashiyama
高橋 保夫、松本 要、赤田 広幸東山 和寿、平林 泉
江上 雅裕、草尾 幹、和泉 輝郎塩原 融
山際 勝也、松本 要、平林 泉
保原 夏朗、柿本 一臣、和泉 輝朗、塩原 融
Xin.Yao K.Nomura T.Izumi Y.Shiohara
日本金属学会'99春期大会
日本金属学会'99春期大会
日本金属学会'99春期大会
日本金属学会'99春期大会
1999/3/29
1999/3/29
1999/3/29
1999/3/29
無双晶NdBa2Cu3O7-δ単結晶の臨界電流密度-磁場特性
YBCO超電導体における接合挙動
LPE法による高品質YBCO膜の作製
YBa2Cu3Ox単結晶薄膜へのCO3基の影響
日本金属学会'99 春期大会
日本金属学会'99春期大会
日本金属学会'99春期大会
日本物理学会第54回年会
1999/3/29
1999/3/29
1999/3/29
1999/3/31
Vortex Distribution Observed by Hall-Probe Array for Overdoped Bi-2212
Crystal
Y123長尺LPE線材の作製
Proc.11th International Symposium on Superconductivity
第46回応用物理学関係連合講演会
論文リスト2
Y.Shiohara
保原 夏朗、柿本 一臣、和泉 輝郎、塩原 融
林 亜希美、柿本 一臣、和泉 輝郎、塩原 融
松岡 智、前田 純也、和泉 輝郎塩原 融
神原 淳、三宅 功一、和泉 輝郎村田 清、塩原 融、梅田 高
照
岡 昭宏、小山 敏、和泉 輝郎塩原 融
前田 純也、松岡 智、和泉 輝郎塩原 融
野村 克巳、星 三郎、柿本 一臣和泉 輝郎、塩原 融
三浦 忠将、山田 容士、小池 良洋、生田 博志、水谷 宇一
郎、平林 泉
G.Rajaram Y.Yamaguchi N.Shirakawa H.Obara A.Mumtaz
H.Bando
小池 良洋、山田 容士、高橋 保夫、松本 要、平林 泉赤田
広幸、東山 和寿
タイトル
YBCO膜の成長過程におけるY2O3中間層の効果
発表先
発表日
第46会応用物理学関係連合会講演会
発表者
PLD法によりCeO2中間層を成膜した配向銀テープへのY123系超電導膜の成膜
MOCVD法によるAg基板上へのY123薄膜の作製評価
'98秋季 第59回応用物理学会学術講演会
Non-Steady State Solidification of Supercpnducting Oxides
IUMRS-ICAM'99(Sympo-Y:Science Engineerring of Solidification)
長谷川 真人、吉田 隆、岩田 守宏、石沢 恒司、田村 憲一、
高井 吉明、平林 泉
高橋 保夫、松本 要、赤田 広幸、東山 和寿、平林 泉
長谷川 真人、石沢 恒司、吉田 隆、岩田 守宏、小山 常雄、
赤田 広幸、東山 和寿、高井 吉明、平林 泉
Y.Shiohara M.Kambara T.Izumi Y.Nakamura T.Umeda
Single Crystal Growth and LPE Thin Film Processing for RE-123
Superconsucting Materials
IUMRS-ICAM'99(Sympo-B:high-Tc Supercpondudtors)
T.Izumi Y Shiohara X.Yao K.Kakimoto A.Hayashi
論文リスト3
論文投稿
タイトル
Journal
Year
1998
Vol.
page
発表者
Physica C
Formation of Nd1+x(Ba1-ySry)2-xCu3O7±δ Solid Solution by
Crystal Pulling
Study of Oxygen Diffusion in NdBa2Cu3O7-d Single Crystal by insitu Observation of Twin Formation
Twins and Related Morphology of as-Grown Neodymium-rich
Nd1+xMa2-xCu3Oz Crystals
Effect of High Oxygen Partial Pressure Atmosphere for MeltProcessed YBCO Current Lead by Unidirectional Solidification
Journal of Materials Research
X.Yao E.A.Goodilin T.Izumi Y.Shiohara
Physica C
A.Oka
Physica C
Physica C
E.Goodilin A.Oka J.G.Wen Y.Shiohara
M.Kambara T.Umeda
Y.Imagawa K.Kakimoto Y.Shiohara
Bending Strength of YBCO/Ag Single Domain Superconducting
Current Leads
The Influence of Calcination Processes on the Superconducting
Properties of Yb123 Films Prepared by Chemical Solution
Deposition
The Influence of Calcination Processes on the Superconducting
Properties of Yb123 Films Prepared by Chemical Solution
Deposition
Physica C
J.Maeda
Applied Physics Letter
K.Yamagiwa J.Shibata
I.Hirabayashi
T.Hirayama
Physica C
K.Yamagiwa J.Shibata
I.Hirabayashi
T.Hirayama
論文リスト4
304
No.
Structural and Superconducting Properties of Biaxially Aligned
Yb123 Films Prepared by Chemical Solution Deposition
12-20 K.Yamagiwa
I.Hirabayashi
S.Koyama
Y.Shiohara
Y.Shiohara
2)H11年度
学会発表
タイトル
表面酸化エピタキシー法によるYBCO薄膜テープの作製
低温工学、超電導学会
発表日
1999/6/8
YBCO薄膜におけるクエンチ挙動の直接観察
1999年度春季低温光学、超電導学会
1999/6/8
発表先
PLD 法を用いたY123/A9テープ線材の検討
1999年春季低温工学、超電導学会
1999/6/8
High-Quality YBCO Thin Films Grown by LPE Method
Enlargement of YBCO Films by Liquid Phase Epitaxy for Electronic Device
Substrates
RE123 Superconductive Thin Fiber by Floating Zone Method for Joining
Superconducting Devices
Growth Mechanism of Sm1+xBa2-xCu3Oy Film Prepared by Liquid Phase Epitaxy
The 1999 International Workshop on Superconductivity
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
1999/6/27
発表者
松本 要、金 錫範、平林 泉、渡部 知則、宇野 直樹、池田
長
金 錫範、高橋 保夫、松本 要、高木 敏晃、町 敬人、腰塚
直己石山 敦士、平林 泉
高橋 保夫、松本 要、金 錫範、赤田 広幸、東山 和寿、平林
泉
K.Nomura S.Hoshi K.Kakimoto T.Izumi Y.Shiohara
S.Hoshi K.Nomura T.Izumi Y.Shiohara
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
S.Matsuoka J.Maeda T.Izumi Y.Shiohara
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
A.Hayashi Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
Real-Time Simulation of Single Crystal Growth for RE-Ba-Cu-O System
Growth Mechanism of Buffer Layer For YBa2Cu3O7-y Thin Film by Metal
Organic Chemical Vapor Deposition
Microstructure characterization of YBa2Cu3O7-y Films by Metalorganic
Chemical vapor Deposition Using Vapor-Liquid-Solid Growth
Crystal Growth of LPE Films for Substrates of HTS Devices
The 1999 International Workshop on Superconductivity
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
1999/6/27
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
M.Egami T.Izumi Y.Shiohara
M.Hasegawa Y.Yoshida K.Tamura Y.Sugawara T.Hirayama
Y.Takai I.hirabayashi
K.Tamura M.Hasegawa M.Iwata Y.Yoshida I.hirabayashi
Y.Takai
T.Izumi K.Nomura K.Kakimoto S.Hoshi A.Hayashi Y.Shiohara
Cation-Substituted RE Ba2Cu3O7-d Single Crystals by Crystal Pulling for
Electronic Application (RE=Rare Earth Element)
The Microstructure of Biaxially Textured YBCO Coated Conductors on
Surface-Oxidized Metallic Substrates
液相成長YBa2Cu3O7-x結晶の表面形態の添加物による変化
The 1999 International Workshop on Superconductivity
1999/6/27
X.Yao K.Nomura T.Izumi Y.Shiohara
IWCC(International Workshop on Critical Currents)
1999/7/7
結晶成長学会、第30回結晶成長国内会議
1999/7/22
MOCVD膜の成長プロセスとそのマイクロ波応用
Orientation of Films Prepared by Chemical Solution Deposition
Influence of Anion Additives on Solution Growth of YBa2Cu3O7-x Crystal
日本学術振興会超伝導エレクトロニクス第146委員会
第60回応用物理学会学術講演会
第60回応用物理学会学術講演会
1999/7/29
1999/9/1
1999/9/1
Superconducting Properties at Magnetic Fields of NdBa2Cu3Ox Thin Films
Prepared by PLD
Processing of Y-System Coated Conductor on Metal Substrate by LPE Method
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
Effect of Substrate Crystalinity for Y System Superconductor in Liquid
Phase Epitaxy
The Orientation Controle of YBa2Cu3O7-y Films by MOCVD During VLS Growth
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
K.Matsumoto I.Hirabayashi J.G.Wen T.Watanabe N.Uno
M.Ikeda
山田 容士、三浦 忠将、小池 良洋、生田 博志、水谷 宇一
郎、平林 泉
吉田 隆、高井 吉明、平林 泉
K.Yamagiwa K.Matsumoto I.Hirabayashi
Y.Yamada T.Miura Y.Koike H.Ikuta U.Mizutzni
I.Hirabayashi
Y.Ichino K.Matsumoto Y.Takahashi S.B.Kim H.Ikuta
I.Hirabayashi U.Mizutani
K.Kakimoto N.Hobara Y.Nakamura T.Izumi K.fujino K.Ohmatu
Y.Shiohara
N.Hobara K.Kakimoto Y.Nakamura T Izumi Y.Shiohara
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
M.Hasegawa T.Yoshida K.Gotou
Preparation of YBCO Tapes by Cold-Wall MOCVD
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
T.Yuasa M.Hasegawa T.Oyama H.Akata K.Higashiyama
Y.yoshida I.Hirabayashi
T.Araki K.Yamagiwa S.B.Kim K.Matsumoto I.Hirabayashi
S.Kim Y.Takai I.Hirabayashi
The Effect of Each Process on YBCO Film by MOD Methode Using TFA Salt
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
The Growth Mechanism of YBCO Film Depending on the Surface Morphorogy of
the Substrate
Growth Mechanism of CeO2 Buffer Layer on Cube Textured Silver Tapes
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
第60回応用物理学会学術講演会
1999/9/1
VLS成長を用いたYBCO膜の作製とその配向性
Non-Steady State Peritectic Solidification of RE-123 Superconducting
Oxides
Electronic Structure of Ferromagnetic Cuprate(La1-xREx)4Ba2Cu2O10
電気関係学会東海支部連合大会
Oxford -Kobe Materials Seminar
1999/9/5
1999/9/24
日本物理学会1999年秋の分化会
1999/9/27
Phase Diagram and Crystal Growth of RE123 Superconductive Oxides
第9回日米高温超電導体ワークショップ
1999/10/15
H.Nozaki T.Takeuchi K.Sada T.Mizuno E.Banno Y.Yamada
M.Terauchi Y.Saito T.Muro H.Ikuta
Yuichi Nakamura Makoto Kambara Teruo Izumi Yuh Shiohara
Effect of Fabrication Process on Jc-H Property for Untwinned Orthorhombic ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
Nd123 Single Crystal
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
Analysis of Crack Formation of Y123 Single Crystal Substrate Fabricated
by Pulling Method
Liquid Phase Epitaxy of High Quality YBa2Cu3O7-δ Films
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
A.Oka S.Koyama T.Izumi Y.Shiohara
1999/10/17
M.Egami S.Koyama N.Itoga T.Izumi Y.Shiohara
1999/10/17
K.Nomura S.Hoshi Xin.Yao K.Kakimoto T.Izumi Y.Shiohara
Preparation of Sm1+xBa2-xCu3Oy Film by Liquid Phase Epitaxy
Preparation of NdBa2Cu3Ox Thin Films and Their Superconducting
Properties in Magnetic Fields
1999/10/17
1999/10/17
A.Hayashi K.Hasegawa Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
Y.Ichino K.Matsumoto Y.Takahashi S.B.Kim H.Ikuta
I.hirabayashi U.Mizutani
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
論文リスト5
K.Tamura K.Ishizawa M.Hasegawa Y Yoshida I.Hirabayashi
Y.Takai
Y.Takahashi K.Matsumoto H.Akata K.Higashiyama
I.Hirabayashi
後藤 晃一、吉田 隆、高井 吉明長谷川 真人、平林 泉
Y.Shiohara M.Kambara T.Izumi Y.Nakamura
タイトル
Influence of Carbon and Fluorine Containing Solution on Liquid Phase
Epitaxy of YBa2Cu3O7-d
Influence of Carbon on YBa2Cu3O6+x Single Crystalline Thick Film
発表先
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
発表日
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
Preparation of Long VBCO Tapes by Cold-Wall MOCVD Method
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
Fe-Doped YBCO Single Crystals Grown by Crystal Pulling
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
Fabrication on A 1 m-Long Cube Textured Silver Tapes Buffred With
(100)CeO2 Layer For YBCO Coated Conductor
The Effects of Process Conditions on YBa2Cu3O7-x Films by MOD Method
Using TFA Salts
Transport Characteristics in YBCO thin Film Superconductors
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
Growth Mechanism of YBa2Cu3O7-y Thin Films by Metal-Organic Chemical
Vapor Deposition Using VLS Growth Mode
The Substrate Surface Morphology and the YBa2Cu3O7-x Film Growth on
Polycrystalline Silver
Deveropment of Coated Conductors in Japan
High Critical Current Density YBa2Cu3O7-δ Tapes Prepared by SurfaceOxidation Epitaxy Method
Development of Coated Conductors in Japan
The Growth of Y123 Monocrystal with High Crystallinity
Development of Y-System Coated Conductor on Metal Substrate by LPE Method
Process and Characteristics of YBa2Cu3Oy/YBa2(Cu3-xMgx)Oy Films on MgO
Substrate by LRE Method
Fabrication Process of Low Resistivity Connection Between YBCO
Superconductor and Silver
Joining of Melt-Processed RE-Ba-Cu-O Superconductor
発表者
Y.Yamada T.Miura Y.Koike I.Hirabayashi H.Ikuta
U.Mizutani
T.Miura Y.Yamada Y.Koike H.Ikuta I.Hirabayashi
U.Mizutani
T.Yuasa M.Hasegawa T.Oyama Y.Takahashi K.Matsumoto
H.Akata K.Higashiyama Y.Yoshida I.Hirabayashi
Xin Yao Akihiro Oka Teruo Izumi Yuh Shiohara
Y.Takahashi K.Matsumoto H.Akita K.higashiyama
I.Hirabayashi
T.Araki K.Yamagiwa S.B.Kim K.Matsumoto I.Hirabayashi
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
S.B.Kim Y.Takahashi K.Matsumoto T.Takagi T.Machi
N.Koshizuka A.Ishiyama I.Hirabayashi
Y.Yoshida M.Hasegawa K.Gotou S.B.Kim I.Hirabayashi
Y.Takai
D.Hung Y.Yamada I.Hirabayashi
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
1999/10/17
1999/10/17
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
I.Hirabayashi
Kaname Matsumoto SeokBeom Kim Izumi Hirabayashi Tomonori
Watanabe Naoki Uno Masaru Ikeda
Y.Shiohara
A.Jokhov T.Izumi M.Egami S.Koyama Y.Shiohara
N.Hobara K.Kakimoto Y.Nakamura T.Izumi K.Fujino
K.Ohmatsu Y.Shiohara
K.Kakimoto N.Hobara Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
S.Seiki J.Maeda Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
J.Maeda
The Effect of SrTiO3 Buffer Layer on the Growth of the YBa2Cu3O7-x and
SmBa2Cu3O6+δ Thin Films
LPE法によるSm-Ba-Cu-O 厚膜の作製
VLS 成長を用いたYBCO膜の作製とその配向性
ISS'99(12Th International Symposium on Superconductivity)
1999/10/17
1999年度秋季低温工学超電導学会
1999年度秋季低温工学超電導学会
1999/11/10
1999/11/10
SmBa2Cu3Oy膜の作製と評価
引き上げ法で作製したY123単結晶基板のクラック発生について
LPE法による高品質YBCO膜の作製(2)
日本金属学会1999年秋季大会
日本金属学会1999年秋季大会
日本金属学会1999年秋季大会
1999/11/20
1999/11/20
1999/11/20
浸漬法による低接触抵抗YBCO/Ag電極の作製
Nd1+xBa2-xCu3O6+dの酸素熱処理による相変態と超電導特性
日本金属学会1999年秋季大会
日本金属学会1999年秋季大会
1999/11/20
1999/11/20
Fabrication of Y-System Coated Conductor on Metal Substrate by LPE
Method
Solidification Processing of RE-System High-Tc Superconducting Materuals
MRS 1999 Fall Meeting
1999/11/29
1999MRS Fall Meeting
1999/11/29
K.Tamura Y.Yoshida M.Hasegawa K.Sudoh I.Hirabayashi
Y.Takai
長谷川 勝哉、林 亜希美、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
後藤 晃一、長谷川 真人、黒崎 晴彦、吉田 隆、平林 泉、高
井 吉明
林 亜希美、長谷川 勝哉、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
江上 雅裕、糸賀 尚子、小山 敏、塩原 融
野村 克己、星 三郎、林 亜希美柿本 一臣、和泉 輝郎、塩原
融
清水 晋、前田 純也、中村 雄一和泉 輝郎、塩原 融
吉積 正晃、岡 昭宏、中村 雄一和泉 輝朗、塩原 融、幾原
雄一佐久間 健人
N.Hobara K.Kakimoto Y.Nakamura T.Izumi K.Fujino
K.Ohmatsu Y.Shiohara
T.Izumi Y.Nakamura T.Umeda Y.Shiohara
S.Seiki M.Kambara Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
SOE法による高温超電導テープ線材の作製
第20回SRL研究報告会
1999/12/8
PLD法によるYBCO線材用CeO2/CUTE Ag長尺テープの検討
MOCVD法によるYBCO線材の作製
第20回SRL研究報告会
第20回SRL研究報告会
1999/12/8
1999/12/8
金属テープ材上へのYBCOのLPE成膜
第20回SRL研究報告会
1999/12/8
TFA-MOD法によるYBCO成膜のプロセス
Low Resistivity Connection Between YBCO Superconductore and Silver
Y-System Coated Conductor on Metal Substrate by LPE Method
第20回SRL研究報告会
M2S-HTSC-VI
M2S-HTSC-VI
1999/12/8
2000/2/20
2000/2/20
The Orientation Growth Mechanism of the YBa2Cu3O7-y Films During VaporLiquid -Solid Growth
Carbon Incorporated YBa2Cu3O7-d Crystal;Growth,Phase Separation and
Enhancement of Irreversibility Field
R&D of Coated Conductors in Japan
LPE Process Application to RE123 Coated Conductor
M2-HTSC-VI
2000/2/20
Y.Yoshida M.Hasegawa K.Goto I.Hirabayashi
M2S-HTSC-VI
2000/2/20
M2S-HTSC-VI
M2S-HTSC-VI
2000/2/20
2000/2/20
Y.Yamada T.Miura Y.Koike I.Hirabayashi H.Ikuta
U.Mizutani
Yuh Shiohara Natsuro Hobara
Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Teruo
Izumi Yuh Shiohara
論文リスト6
松本 要、金 錫範、渡部 智則、前田 敏彦、池田 長、平林
泉
高橋 保夫、松本 要、平林 泉、赤田 広幸、東山 和寿
湯浅 豊隆、黒崎 晴彦、高橋 保夫、小山 常雄、平林 泉、吉
田 隆、赤田 広幸、東山 和寿
須賀 俊裕、小池 良洋、山田 容士、高橋 保夫、湯浅 豊隆、
松本 要、平林 泉、赤田 広幸、東山 和寿
荒木 猛司、山際 勝也、金 錫範松本 要、平林 泉
S.Seiki J.Maeda Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
Kazuomi Kakimoto Natsuro Hobara Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Koso Fujino Kazuya Ohmatsu Yuh Shiohara Y.Shiohara
Y.Takai
タイトル
Analysis of Growth Behavior of the RE123 Crystals Using the Ternary Phase M2S-HTSC-VI
Diagram
The Non-epitaxial Growth of c-axis YBa2Cu3Ox Films on High-index Planes
M2S-HTSC-VI
of Silver
Spectiic Damage Behaviors in 180-MeV Fe-irradiated Bi2Sr2CaCu2Ox Crystals M2S-HTSC-VI
発表先
発表日
2000/2/20
発表者
Yuichi Nakamura Makoto Kambara Teruo Izumi Yuh Shiohara
2000/2/20
D.X.Huang Y.Yamada I.Hirabayashi
2000/2/20
D.X.Huang Y.Sasaki I.Hirabayashi
Y-Ba-Fe-O 薄膜上へのLPE法によるYBa2Cu3Oy 膜の結晶成長
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/22
炭素添加したYBa2Cu3O7-x結晶のピンニング特性と結晶構造Influence of Anion
Additivs on Solution Growth of YBa2Cu3O7-xCrystal
PrBa2Cu4O8における一次元鎖の電気伝導Physical Properties of PrBa2Cu4O8
Oxide with Highly Conductive 1D Chain
CeO2中間層の性状がYBa2Cu3O7-y 膜の特性に及ぼす影響The Influence of
Guality of CeO2 Buffer Layer for YBa2Cu3O7-y Film
PrBa2CuO8の不純物効果Impurity Influence of PrBa2Cu4O8
Y123系MOCVD膜のVLS成長における液体層の最適化Optimization of liquid Layer
for VLS Growth of YBCO Film Prepared by MOCVD
TFAを用いたMOD法によるYBCO 成膜の厚膜化The Thicker YBCO Films Formed by
MOD Methode Using TFA Salt
Y123系のLPE法における選択成長機構
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/22
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/22
物理学会2000年春の分科会
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/25
2000/3/28
三浦 忠将、山田 容士、黄 達祥生田 博志、平林 泉、水谷
宇一郎
山田 容士、三浦 忠将、黄 達祥、須賀 俊宏、生田 博志水谷
宇一郎、平林 泉
堀井 滋、生田 博志、中田 勝之水谷 宇一郎、山田 裕、平林
泉下山 淳一、高木 英典、岸尾 光二
樋江井 尋慶、高橋 保夫、山際 勝也、金 錫範、生田 博志柴
田 潤子、平山 司、平林 泉、水谷 宇一郎
中田 勝之、堀井 滋、生田 博志平林 泉、水谷 宇一郎
黒崎 晴彦、湯浅 豊隆、後藤 晃一、吉田 隆、平林 泉
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/22
第47回応用物理学関係連合講演会
2000/3/28
荒木 猛司、山際 勝也、金 錫範平林 泉
野村 克己、星 三郎、柿本 一臣中村 雄一、和泉 輝郎、塩原
融
野村 克己、星 三郎、Xin Yao、林 亜希美、中村 雄一、和泉
輝郎、塩原 融
前田 純也、清木 晋、中村 雄一和泉 輝郎、塩原 融
泉 徹、Yao Xin、柿本 一臣、保原 夏朗、長谷川 勝哉、中村
雄一、和泉 輝郎、塩原 融
清木 晋、前田 純也、中村 雄一和泉 輝郎、塩原 融
保原 夏朗、柿本 一臣、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
保原 夏朗、柿本 一臣、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
I.Hirabayashi
日本金属学会2000年春期大会
2000/3/29
Y123系のLPE膜における成長の選択性
日本金属学会2000年春期大会
2000/3/29
溶融凝固RE-Ba-Cu-O超電導体の接合
NiO飽和融液を用いたRE123膜のLPE成長
日本金属学会2000年春期大会
日本金属学会2000年春期大会
2000/3/29
2000/3/29
YBCO 超電導体に対する銀電極形成機構
MgO飽和融液を用いた金属基板上YBCO-LPE成膜の作製
LPE成長に及ぼす基板結晶方位の影響
Chemical Problems in Processing of the Coated Conductor : Epitaxial
Growth of YBCO on the Incomplete Metallic Substrates
RE123次世代高温超電導線材作製プロセスの開発Development of Processing for
RE123 Next Generation HTS Coated Conductores
日本金属学会2000年春期大会
日本金属学会2000年春期大会
日本金属学会2000年春期大会
Gorgon Reserch Conference on Chemistry of Electronic
Materials
電気学会全国大会
2000/3/29
2000/3/29
2000/3/29
論文リスト7
塩原 融、和泉 輝郎、中村 雄一泉 徹、保原 夏朗
論文投稿
タイトル
斜方晶無双晶Nd123単結晶の作製プロセスとJc-H 特性Fabrication
日本金属学会誌
Process of Orthorhombic Untwinned Nd123 Single Crystal and Its
Jc-H Property
Physica C
Unidirectional-Solidification of Y-Ba-Cu-O/Ag Superconducting
Rods
X-ray Absorption Study of Oxygen Configurations in YBa2Cu3O7-δ Physica C
Single Crystals Annealed by Two Step Heat Treatments
Journal
Year
1999
Vol.
No.
63
page
発表者
9 1113-1116 岡 昭宏、小山 敏、和泉 輝郎、塩原 融
1999
322 151-162
J.Maeda Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
1999
319 249-257
A.Oka S.Koyama T.Izumi Y.Shiohara
Effects of the Initial Heat-Treatment Conditions on
Microstructures of YbBa2Cu3O7-δ Superconducting Final Films
Deposited on SrTiO3(001)Substrates by the Dipping-Pyrolysis
Process
Reaction Between YBCO/Ag Superconductor and Melted Silver
Jc-H Curves for Untwinned Orthorhombic YBa2Cu3O7-δand
NdBa2Cu3O7-δ Single Crystals
Influence of Oxygen Partial Pressure on Growth Morphologies in
Unidirectionaly Solidified YBCO-Ag Superconducting Composites
Japanese Journal of Applied Physics
1999
Superconductor Science and Technology
Physica C
1999
1999
12
314
Superconductor Science and Technology
1999
12
YBCO超電導体と金属銀との溶融接合Liquid Phase Joining of YBCO
Superconducting Rod with Metallic Silver
In-plane Thermal Conductivity of Single Crystals of Zn-doped
YBCO in the Mixed State
Effect of Heat Treatment on Jc-H Curve for YBa2Cu3O7-δ Single
Crystal
The Effect of Residual Stress on Crack Propagation in a YBCO
/Ag Composite
Microstructural Control of NdBa2Cu3O7-δ Superconducting Oxide
from Highly Undercooled Melt by ccontainerless Processing
日本金属学会誌
1999
Physica C
1999
317-318
Pysica C
1999
322
Superconductor Science and Technology
1999
12
Journal of Crystal Growth
1999
200
YBCO/Ag系の擬3元素状態図と凝固挙動
Microstructures and Solidification Behavior in Y-Ba-Cu-O/Ag
Superconducting Leads
Evaluation of Thermal Expansion Coefficient of Twinned
YBa2Cu3O7-δ Film for Prediction of Crack Formation on Various
Substrates
Rapid Groeth of YBa2Cu3O7-y Film by Metalorganic Chemical
Vapor Deposition Using Vapor-Liquid-Solid Mode
Characterization of the YbBa2Cu3O7-y and YBa2Cu3O7-y Thin
Superconducting Films Prepared by Chemical Solutoin deposition
on MgO(001) Substrate
Rapid Growth of YBa2Cu3O7-y Films by Metalorganic Chemical
Vapor Deposition Using Vapor-Liquid-Solid Mode
The Substrate Surface Morphology Related YBa2Cu3O7-x Film
Growth Features on Polycrystalline Silver
Growth Mechanism of YBa2Cu3O7-y Thin Films on MgO (100)
Substrate With SrTiO(100) Buffer Layer Prepared by Metalorganic
Chemical Vapor Deposition
Effect of Heat Treatment on Jc-H Curve for YBa2Cu3O7-δSingle
Crystal
日本金属学会誌
Journal of Materials Reserch
1999
1999
38
5050-5053 J.Shibata K.Yamagiwa I.Hirabayashi X.L.Ma
J.Yuan T.Hirayama Y.Ikuhara
63
8
63
14
45-47 J.Maeda T.Izumi Y.Shiohara
269-276 A.Oka S.Koyama T.Izumi Y.Shiohara
232-237 J.Maeda T.Izumi Y.Shiohara
965-969 前田 純也、清水 晋、和泉 輝郎塩原 融
600-602 M.Matsukawa H.Furusawa K.Noto X.Yao
Y.Shiohara N.Kobayashi
65-72 A.Oka S.Koyama T.Izumi Y.Shiohara
563-565 J.Maeda Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
118-125 K.Nagashio Y.Takamura
K.Kuribayashi Y.Shiohara
6
397-405 前田 純也、塩原 融
7 2739-2750 J.Maeda Y.Shiohara
Japanese Journal of Applied Physics
Y.Yamada J.Kawashima J-G.Wen Y.Niiori
I.Hirabayashi
Applied Physics Letters
Y.Yoshida M.Iwata Y.Takai M.Hasegawa
I.Hirabayashi
X.L.Ma J.Shibata T.Hirayama K.Yamagiwa
I.Hirabayashi Y.Ikuhara
J.Electron Microscopy
Journal of Crystal Growth
Y.Yoshida M.Hasegawa M.Iwata I.Hirabayashi
Y.Takai
D.Huang Y.Yamada I.Hirabayashi
Journal of Applied Physics
Superconductor Science&Technology
M.Iwata Y.Yashida M.Hasagawa
I.Hirabayashi Y.Takai
Journal of Material Research
A.Oka S.Koyama T.Izumi Y.Shiohara
解説/総説・記事他
タイトル
酸化物超電導材料の開発動向と実用化への展望
MRS 1998 Fall Meeting 会議報告。バルク単結晶とフラックスピニン
グ
次世代線材研究開発について
Journal
日本エネルギー学会誌
FSST NEWS
Year
1999
1999
ISTECジャーナル
Vol.
No.
page
78
72
発表者
平林 泉
岡 昭宏
中村 雄一、塩原 融
論文リスト8
K.Ishizawa
3)H12年度
学会発表
タイトル
Epitaxial Growth of REBa2Cu3O7-y Films by Chemical Solution Deposition
発表先
7Th International Conference on Ceramic Processing Science
発表日
2000/5/15
発表者
K.Yamagiwa S.B.Kim I.Hirabayashi J.Shibata T.Hirayama
Preparation of YBa2Cu3O7-y Thin Films by Chemical Solution Deposition
Method on CeO2 and Y2O3 Buffer Layers
R&D of Coated Conductors in Japan
Fabrication of YBCO Coated Conductor by MOCVD
7Th International Conference on Ceramic Processing Science
2000/5/15
Topical Workshop on Coated Conductors
2000年度春季低温工学超電導学会
2000/5/26
2000/5/30
Fabrication of YBCO Coated Conductor by MOCVD
2000年度春季低温工学超電導学会
2000/5/30
Preparation of CeO2 Films for YBCO Superconducting Tapes by PLD Method
2000年度春季低温工学超電導学会
2000/5/30
Liquid-Phase Epitaxial Growth of YBa2Cu3O7-δ Films on NiO Buffer Layer
2000年度春季低温工学超電導学会
2000/5/30
Growth of RE123 Superconductors on Metal Substrates by LPE Method
2000年春季低温工学超電導学会
2000/5/31
Sm1+xBa2-xCu3Oy 膜のLPE法による作製と特性
東海若手セラミスト懇話会夏季セミナー
H.Hiei U.Mizutani H.Ikuta K.Yamagiwa Y.Takahashi S.B.Kim
I.Hirabayashi J.Shibata T.Hirayama
Yuh Shiohara
Toyotaka Yuasa Haruhiro Kurosaki Yasuo Takahashi Hiroyuki
Akata Kazutoshi Higashiyama Izumi Hirabayashi
Toshihiro Suga Yasuji Yamada Tadamasa Miura S.B.kim
Toshihiko Maeda Izumi Hirabayashi Hiroshi Ikuta Uichiro
Mizutani H.yoshino M.Yamazaki
Yasuo Takahashi Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa Yoshihiro
Hiei HIroshi Ikuta Uichiro Mizutani Hiroyuki Akata
Kazutoshi HIgashiyama Izumi Hirabayashi
Toshihiko Maeda Toshihiro Suga Yoshihiro Koike S.B.Kim
Yasuji Yamada Tomonori Watanabe Kaname Matsumoto Izumi
Hirabayashi
Yuichi Nakamura Natsuro Hobara Kazuimi Kakimoto Toru Izumi
Xin Yao Teruo Izumi Yuh Shiohara
Akemi Hayashi Katsuya Hasagawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Katsuya Hasegawa Natsuro Hobara Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Toru Izumi
Xin Yao Teruo Izumi Yuh Shiohara
X.Yao Katsumi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Masahiro Egami Naoko Itoga Satoshi Koyama Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Toshihiro Suga Yasuji Yamada Tadamasa Miura S.B.Kim
Toshihiko Maeda Izumi Hirabayashi Hiroshi Ikuta U.Mizutani
H.Yoshino M.Yamazaki
Toru Izumi Xin Yao Kazuomi Kakimoto Natsuro Hobara
Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
2000/6/8
Preparation of MgO Films on Metal Substrate as a Buffer Layer for Liquid ICMC'2000 International Cryogenic
Phase Epitaxy Processed RE123 Coated Conductor
Processing and Microstructures of LPE Grown Coated Conductors
2000 International Workshop on Superconductivity
2000/6/20
Liquid Phase Epitaxial Growth of NdBCO Superconductor
Calculation of Crack Formation of Y123 Substrate
2000 International Workshop on Superconductivity
2000 International Workshop on Superconductivity
2000/6/20
2000/6/20
Continuous Fabrication of LPE-Grown YBa2Cu3O7-d Formed on Textured Silver 2000 International Workshop on Superconductivity
Tape
2000/6/20
Growth of RE123 Crystal From the NiO Saturated Liquid by LPE Method
2000 International Workshop on Superconductivity
2000/6/20
Influence of Ba-Cu-O Compositions on Respective Y-Solubilities
The Preparation of YBa2Cu3O7-x Films on CeO2 Buffered Substrates by
Metalorganic Deposition (MOD) Method Using Trifluoroacetates
2000 International Workshop on Superconductivity
2000 International Workshop on Superconductivity
2000/6/20
2000/6/20
Liquid-Phase Epitaxial Growth of YBa2Cu3O7-δ(0<δ<1)Crystals on Textured 2000 International Workshop on Superconductivity
Nickel Substrates
2000/6/20
Robust Seed Layer for LPE Growth: Y-Ba-Fe-O Thin Film
2000 International Workshop on Superconductivity
2000/6/20
Solidification Processing of High-Tc Superconductors
Comparison of Liquid Phase and Vapor Phase Growth of YBa2Cu3O7-x
LPE法による金属基板上でのYBa2Cu3Oy層成長プロセスの開発Fabrication of
YBA2Cu3Oy Layer on Metal Substrate Using the LPE Method
NiO単結晶基板上へのPLD法およびLPE法によるYBa2Cu3Oy膜の作製Growth of
YBa2Cu3Oy Film by the PLD and LPE Method on NiO Single Substrate
RE2O3中間層上へのYBCO膜の作成The Preparation of YBCO Films on RE2O3
Buffer Layers
The Merton C,Flemings Symposium
日本結晶成長学会
2000年秋季第61回応用物理学会学術講演会
2000/6/30
2000/7/27
2000/9/3
2000年秋季第61回応用物理学会学術講演会
2000/9/3
2000年秋季第61回応用物理学会学術講演会
2000/9/3
金属と酸化物界面の電子状態The Electronic State of Metal-Oxide Interface
2000年秋季第61回応用物理学会学術講演会
2000/9/3
表面形態の異なるバッファ層上のYBCO膜の成長とその超伝導特性Growth and
Superconducting Properties of YBCO Films on the Buffer Layer with
Different Surface Morphlogies
Direct Observation of Limitation Factores for Transport Characteristics
in YBCO Thin Films
強磁性銅酸化物(La1-xREx)4Ba2Cu2O10の磁性と電子構造
2000年秋季第61回応用物理学会学術講演会
2000/9/3
Kenichi Tamura K.Sudo H.Kurosaki Y.Yoshida N.Matsunami
Izumi Hirabayashi Y.Takai
4th European Conference on Applied Superconductivity
(EUCAS99)
日本物理学会第55回年次大会
2000/9/14
S.B.Kim Y.Takahashi K.Matsumoto T.Takagi T.Machi
N.Koshizuka A.Ishiyama I.Hirabayashi
Hiroshi.Nozaki H.Ikuta T.Takeuchi Yasuji Yamada
U.Mizutani Izumi Hirabayashi
Katsuyuki Nakada Shigeru Hirii Hiroshi Ikuta Izumi
Hirabayashi Uichiro Mizutani
金属的一次元鎖を有するPrBa2Cu4O8への不純物添加効果(2)Effect of Impurities 日本物理学会第55回年次大会
on the One-Dimensional Metallic Behavior of PrBa2Cu4O8(2)
2000/6/11
2000/9/23
2000/9/23
論文リスト9
Ch.Krauns Teruo Izumi Yuichi Nakamura Yuh Shiohara
Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa
Yasuo Takahashi
Hiroyoshi Hiei Hiroshi Ikuta Uichiro Mizzutani Izumi
Hirabayashi
Toshihiko Maeda Toshihiro Suga Y.Koike S.B.Kim Yasuji
Yamada
Tomonori Watanabe Kaname Matsumoto
Izumi
Hirabayashi
Tadamasa Miura
Yasuji Yamada D.Huang Hiroshi Ikuta
Izumi Hirabayashi
Uichiro Mizutani
Yuh Shiohara Teruo Izumi Yuichi Nakamura Toru Izumi
Yasuji Yamada Izumi Hirabayashi Atsushi Takagi
Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Yuichi nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Tadamasa Miura Yasuji Yamada Toshihiko Maeda Hiroshi Ikuta
Izumi hirabayashi U.Mizutani
Hiroyashi Hiei Yasuo Takahashi Katsuya Yamagiwa S.B.Kim
Hiroshi Ikuta Junko Shibata Tsukasa Hirayama Izumi
Hirabayashi U.Mizutani
H.Furuya Izumi Hirabayashi Y.Yoshida N.Matsunami Y.Takai
タイトル
YBa2Cu3Ox細線リードの方向凝固挙動
日本金属学会2000年秋期大会
発表日
2000/10/1
YBCO結晶のLPE成長に及ぼす基板条件の影響
日本金属学会2000年秋期大会
2000/10/1
発表者
Tsuyoshi Kawase Yuichi Nakamura Teruo Izumi Kiyoshi Murata
Yuh Shiohara
Masateru Yoshizumi Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara Y.Ikuhara T.Sakuma
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Xin Yao Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Natsuro Hobara Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
熱処理中におけるNd1+xBa2-xCu3O6+δの相変態挙動
日本金属学会2000年秋期大会
2000/10/1
LPE法におけるRE-Ba-Cu-O膜の結晶成長機構
日本金属学会2000年秋期大会
2000/10/1
Microstructural Studies of YBCO Films Grown on MgO Substrate with Y-BaFe-O Seeds by Liquid Phase Epitaxy
Deposition of CeO2/YSZ Buffer Layer on Hastelloy Substrates for MOD
Process of YBa2Cu3O7-x Film
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Daxiang Huang Yasuji Yamada Izumi Hirabayashi
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Optimization of Seed Film for Fabrication of Y123 LPE Film on Metal
Substrate with MgO Buffer Layer
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Ternary Phase Diagram of SmO1.5-BaO-CuOy System for Melt Processing
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Superconducting Transition Temperature of NdBCO LPE Film on MgO Substrate ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
and Effect of Mg Diffusion
REBCO Superconductor on Ni-NdBCO Buffered MgO Substrate by Liquid Phase
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
Epitaxy Process (RE=Nd,Sm,Y)
Phase Separation of Nd1+xBa2-xCu3O6+δDuring Annealing Processing
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Directional Solidification of Y123 Thin Fiber with Change of Growth
Rates and Temperature Gradients
Intial Stage in the Liquid Phase Epitaxy of Nd123 Films;Dependence of
Growth Rate on Process parameter
LPE Processed Coated Conductors on Metal Tapes
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Hiroshi Fuji Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Takeshi Araki Izumi Hirabayashi Yuh Shiohara Yasuhiro
Iijima Kaoru Takeda
Masahiko Kai Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa Toru Izumi
Hiroshi Fuji Tetsushi Honjo Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yhu Shiohara
Maxim Kuznetsov Christian Krauns Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Xin Yao Katsumi Nomura Masateru Yoshizumi M.Kuznetsov
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Xin Yao Toru Izumi Natsuro Hobara Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Masateru Yoshizumi Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara Y.Ikuhara T.Sakuma
Tsuyoshi Kawase Yuichi Nakamura Teruo Izumi Kiyoshi Murata
Yuh Shiohara
Ch.Crauns S.Koyama T.Izumi T.Izumi Y.Nakamura Y.Shiohara
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Teruo Izumi Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Toru Izumi
Katsuya Hasegawa Masahiko Kai Tetsuji-Honjo Yao Xin
Hiroshi Fuji Yuichi Nakamura
Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Investigation of Texture Development on MgO Films Prepared by Inclined
Substrate Deposition with Electron-Beam Evaporation
Phase-Field Analyses for Y123 Crystal Growth
発表先
2000/10/14
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Masahiro Egami
Preparation of REBa2Cu3O7-x Films Grown by Metal Trifluoroacetate
Precursors
Growth of RE123 Films from NiO-Saturated Solution by Liquid phase
epitaxy
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Fabrication of YBa2Cu3Oy Layer on Metal Substrate Using the LPE
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Growth Mechanism of RE-Ba-Cu-O Film on MgO Substrate by Liquid Phase
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
Epitaxy
Non-Cuprate Thin Film as Candidate of Seed Layer for Liquid Phase Epitaxy ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
Process
2000/10/14
Effect of Zn Substitution on the One-Dimensional Metallic Behavior of
PrBa2Cu4O8
Preparation of YBCO Films on CeO2 Buffered Metallic Substrates by the
TFA-MOD Method
Fabrication of Seed/Buffer Layers on Metallic Subatrates for YBCO Coated
Conductor
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Characterization of YBa2Cu3O7-δfilm grown on NiO buffer layer by liquid- ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
phase epitaxy process
2000/10/14
Critical Current Density and Related Microstructures of TFA-MOD YBCO
Coated Conductores
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Firing Condition for Entire Reactions of Fluorides with Water Vapor in
Metalorganic Deposition Method Using Trifluoroacetate
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
Tetsuji Honjo Hiroshi Fuji Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Toru Izumi Xin Yao Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa
Masahiko Kai Hiroshi Fuji Christian Krauns Teruo Izumi
Yuichi Nakamura Yuh Shiohara
Natsuro Hobara Shigenobu Asada Tetsuji Honjo Katsuya
Hasegawa Hiroshi Fuji Masahiko Kai M.Kuznetsov C.Krauns
Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Xin Yao Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Tadamasa Yamada Yasuji Yamada Toshihiro Suga D.X.Huang
S.B.Kim Toshihiro Maeda Izumi Hirabayashi Hiroshi Ikuta
Uichiro Mizutani
Katsuyiki Nakada Hiroshi Ikuta Shigeru Horii H.Nozaki
Izumi Hirabayashi Uichiro Mizutani
Yasuo Takahashi Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa Yutaka
Yamada S.B.Kim Y.Iijima K.Takeda Izumi Hirabayashi
SeokBeom Kim Tashihiko Maeda Yasuji Yamada Toshihiro Suga
Yutaka Yamada Tomonori Watanabe Kaname Matsumoto Izumi
Hirabayashi
Toshihiko Maeda SeokBeom Kim Toshihiro Suga Haruhiko
Kurosaki Toyotaka Yuasa Yasuji Yamada Tomonori Watanabe
Kaname Matsumoto Izumi Hirabayashi
Yutaka Yamada SeokBeom Kim Takeshi Araki Yasuo Takahashi
Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki Izumi Hirabayashi
Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
Takeshi Araki Yasuo Takahishi Katsuya Yamagiwa Y.Iijima
K.Takeda Y.Yamada J.Shibata T.Hirayama Izumi Hirabayashi
Influence of the Microstructure of the SrTiO3 Buffer Layer on the
Superconducting Properties of YBa2Cu3O7-x Films
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/14
論文リスト10
2000/10/14
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Kenichi Tamura Yutaka Yoshida Kimihiko Sudoh Haruhiko
Kurosaki Noriaki Matsunami Izumi Hirabayashi Yoshiaki
Takai
タイトル
YBCO Thin Films on Multilayers Prepared by All-Chemical Solution
Deposition Processing
発表先
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
発表日
2000/10/14
発表者
Hiroyoshi Hiei Katsuya Yamagiwa Yasuo Takahashi S.B.Kim
Yasuji Yamada Junko Shibata T.Hirayama H.Ikuta Izumi
Hirabayashi U.Mizutani
Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa Toshihiko Maeda Yasuji
Yamada S.B.Kim Tomonori Watanabe K.Wada Izumi Hirabayashi
Fabrication of buffer layers and seed layers on biaxially textured Ni
tapes for YBCOsuperconducting wire
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/16
Fabrication of Buffer Layer for YBCO Coated Conductor on Cute Ag
Substrate
High Critical Current Density in a Magnetic Field of YBCO Coated
Conductors with Fluorine Induced Microstructure
ISS'00(13Th International Symposium on Superconductivity)
2000/10/16
IWCC A-HTS
2000/10/18
Processing and Properties in Thick YBCO Film Fabricated for Coated
Conductors by LPE Method
International Workshop on Critical Current and Applications
of HTS
2000/10/18
ASC2000:REBCO Coated Conductor に関する研究開発の動向
液相エピタキシー法により配向銀テープ上に成長させたYBCO膜の特性評価
Characterization of LPE-Grown on Textured Silver Tape
2段LPE法にる金属基板上へのRE123超電導層の成膜Fabrication of RE123
Superconducting Layer by Double LPE Method
MOD法によるIBAD基板上へのYBCO膜の作製Preparation of YBCO Films on IBAD
Substrate Using Metalorganic Deposition
TFA-MOD法によるYBCO線材開発-CeO2の検討-Development of YBCO
Superconducting Wire by Metalorganic Deposition Using TrifluoroacetateCeO2 Buffer Layer for Meta
TFA-MOD法によるYBCO線材開発-金属上長尺成膜のための低温化熱処理Development of YBCO Superconducting Wire by Metalorganic Deposition Using
Trifluoroacetate-Heat Treatment in Lower Temperature for Fabrication of
Long Wire on Buffered Metallic TapesTFA-MOD法によるYBCO線材開発-磁場中の臨界電流密度特性について-Development
of YBCO Superconducting Wire by Metalorganic Deposition Using
Trifluoroacetate-Characteristics of Critical Current Density in Magnetic
Field液相エピタキシー法によりNiO上に作製したYBa2Cu3O7-δ膜の特性
Characterization of YBa2Cu3O7-δ Films on NiO by Liquid-Phase Epitaxy
Process
TFA-MOD法によるYBCO線材開発-新線材作製法の実用化の可能性-Development of
YBCO Superconducting Wire by Metalorganic Deposition Using
Trifluoroacetate
配向金属テープ上に作製した中間層の検討Fabrication of Buffer Layer on
Textured Metal Substrates
LPE法によるYBCO薄膜線材の中間層及び種膜に関する検討Fabrication of Buffer
and Seed Layers for LPE Grown of YBCO Thin Film Wires
トリフルオロ酢酸を用いたMOD法による高JcYBCO薄膜の作製
低温工学協会、2000年度第5回冷凍部会/国際会議報告
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/10/21
2000/11/1
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
2000年度秋季低温工学。超電導学会(第63回)
2000/11/1
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
荒木 猛、山際 勝也、高橋 保夫金 錫範、山田 穣、湯浅 豊
隆、黒崎 晴彦、鈴木 克己、平林 泉飯島 康裕、武田 薫
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
金 錫範、山田 穣、荒木 猛、高橋 保夫、湯浅 豊隆、黒崎
晴彦、飯島 康裕、武田 薫平林 泉
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
前田 敏彦、金 錫範、須賀 俊裕黒崎 晴彦、湯浅 豊隆、山田
容士、渡辺 智則和田 克則、平林 泉
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
山田 穣、荒木 猛、高橋 保夫、金 錫範、湯浅 豊隆、黒崎
晴彦、塩原 融、平林 泉、飯島 康裕、武田 薫
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
湯浅 豊隆、黒崎 晴彦、荒木 猛、東山 和寿、平林 泉
2000年度秋季低温工学・超電導学会(第63回)
2000/11/1
第21回SRL研究報告会
2000/11/22
Development of LPE Process for Fabrication of Coated Conductors
2000MRS Fall Meeting
2000/11/27
金 錫範、前田 敏彦、山田 容士須賀 俊裕、山田 穣、渡辺
智則和田 克則、平林 泉
荒木 猛、山際 勝也、高橋 保夫金 錫範、山田 穣、湯浅 豊
隆、黒崎 晴彦、平林 泉、鈴木 克己飯島 康裕、武田 薫
Teruo Izumi Natsuro Hobara Toru Izumi Katsuya Hasegawa
Masahiko Kai Hiroshi Fuji Tetsuji Honjo Yao Xin Christian
Krauns Maxim Kuznetsov
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Xin Yao Yuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara
Yuh Shiohara Toru Izumi
Toyoaki Yuasa Haruhiko Kurosaki SeokBeom Kim Toshihiko
Maeda Kazutoshi Higashiyama Izumi Hirabayashi
Yutaka Yamada SeokBeom Kim Takeshi Araki Yasuo Takahashi
Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki Izumi Hirabayashi
Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
Teruo Izumi Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Toru Izumi
Katsuya Hasegawa Masahiko Kai Tetsushi Honjo Xin Yao
Hiroshi Fuji
前田 敏彦
須賀 俊裕、山田 容士、金 錫範前田 敏彦、黒崎 晴彦、山田
穣平林 泉、芳野 久士、山崎 六月張 庭清
中村 雄一、保原 夏朗、柿本 一臣、泉 徹、甲斐 正彦、Xin
Yao、浅田 繁信、和泉 輝郎、塩原 融
本庄 哲吏、富士 広、中村 雄一和泉 輝郎、荒木 猛、平林
泉、塩原 融、飯島 康裕、武田 薫
湯浅 豊隆、荒木 猛、高橋 保夫黒崎 晴彦、金 錫範、山田
穣、飯島 康裕、武田 薫、平林 泉
Growth Mechanism of RE-Ba-Cu-O Crystal by Liquid Phase Epitaxy Process
2000MRS Fall Meeting
2000/11/27
R&D of Coated Conductores in Japan
2000MRS Fall Meeting
2000/11/27
Metal Organic Deposition of REBa2Cu3O7-δ Films from Metal
Trifluoroacetate Precursors
Magnetic Field Dependence of Critical Current Density of MOD-TFA a
Processed YBCO Coated Conductores
2000MRS Fall Meeting
2000/11/27
MRS-2000 Material Research Society Fall Meeting
2000/11/28
TFA-MOD法による高Jc大面積YBCO膜の作製The high Jc large area YBCO film by
metalorganic deposition method using trifluoroacetates
日本におけるY-123線材開発
Development of double Layered LPE processing for coated conductor using
MgO-saturated system MgO飽和LPEプロセスを用いた二重構造超電導線材プロセス
の検討
The high Jc large area YBCO film formed by TFA-MOD methodTFA-MOD法による
高Jc大面積YBCO成膜
電気情報通信学会/専門部会(超伝導デバイス/一般)
2001/1/24
荒木 猛司、金 錫範、鈴木 克己、山田 穣、平林 泉、
超伝導科学技術研究会ワークショップ
日本金属学会 2001年春期大会
2001/3/5
2001/3/9
第48回応用物理学会関係連合講演会
2001/3/28
塩原 融
Natsuro Hobara Shigenobu Asada Maxim.S.Kuznetsov Toru
Izumi Xin Yao Masahiko Kai Christian Krauns Katsuya
Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Takeshi Araki Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki Katsuya
Yamagiwa Katsumi Suzuki Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
Preparation of CeO2 buffer layer for TFA-MOD methodTFA-MOD法に用いるCeO2
中間層の作製
第48回応用物理学関係連合講演会
2001/3/28
論文リスト11
Tetsuji Honjo Hiroshi Fuji Daxiang Huang Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yutaka Yamada SeokBeom Kim Takeshi Araki Yasuo Takahashi
Toshihiko Maeda Yasuji Yamada Izumi Hirabayashi
Toyotaka Yuasa Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki SeokBeom
Kim Yutaka Yamada Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda Izumi
Hirabayashi
タイトル
Preparation of YBCO films on Ni tapes by LPE method using MOCVD derived
buffer layers and seed layersMOCVD法による中間層・種膜を用いたNiテープ上で
のLPE法によるYBCO膜の作製
The electronic state of MgO-metal interfaceMgO-金属界面の電子状態
Fabrication of GdBa2Cu3O7-δ films by TFA-MOD method on single
crystalline substratesTFA-MOD法による単結晶基板上へのGdBa2Cu3O7-δ膜の作
成
Formation of YBCO thick film on a silver tape by low temperature LPE
method低温化LPE法による銀テープ上のYBCO厚膜の成膜
発表先
第48回応用物理学関係連合講演会
発表日
2001/3/28
第48回応用物理学関係連合会
2001/3/28
第48回応用物理学関係連合講演会
2001/3/28
第48回応用物理学関係連合講演会
2001/3/28
Fabrication of RE123 coated conductor on Ni tape by LPE process using NiO 日本金属学会 2001年春期大会
saturated solutionNi 飽和型LPE法を用いた金属テープ上へのRE123線材プロセス
の検討
A FABRICATION OF YBa2Cu3Ox SUPERCONDUCTING LONG RODS BY UNIDIRECTIONAL
日本金属学会 2001年春期大会
SOLIDIFICATION方向凝固法によるYBa2Cu3Oxの長尺プロセス
Shingle Crystal Growth of RE123 Superconductor
The 12th Chinese Conference on Crystal Growth
論文リスト12
2001/3/28
2001/3/28
発表者
Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa Toshihiko Maeda Yasuji
Yamada Toshihiro Suga SeokBeom Kim Tomonori Watanabe
Izumi Hirabayashi
Hirotaka Furuya Izumi Hirabayashi Yutaka Yoshida Noriaki
Matsunami Yoshiaki Takai
Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada Hiroshi Ikuta
Izumi Hirabayashi Uichiro Mizutani
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Toshihiko Maeda Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi T. D. Thanh Mutsuki Yamazaki Hisashi
Yoshino
Toru Izumi Xin Yao Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa
Masahiko Kai Shigenobu Asada Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Tsuyoshi Kawase Yuichi Nakamura Teruo Izumi Kiyoshi Murata
Yuh Shiohara
X.Yao T.Izumi Yuh Shiohara
論文投稿
タイトル
Preferential Growth Mechanism of YBCO Film on MgO Substrate in
Initial Stage of LPE Growth
Solid- Phase Epitaxial Growth of Oxide Buffer Materials for
REBa2Cu3O7-y (R:rare earth and Y)Superconductor
Substitution Effect on the Ferromagnetism of La4Ba2Cu2O10
Journal
Journal of Crystal Growth
Year
2000
Vol.
No.
page
発表者
228-236 Teruo Izumi Kazuomi Kakimoto Katsumi Nomura
Yuh Shiohara
11 2547-2557 Katsuya Yamagiwa Kaname Matsumoto Izumi
Hirabayashi
14 9555-9560 Hiroshi Nozaki Hiroshi Ikuta Yasuji Yamada
Akiyuki Matsushita Hiroki Takahashi Izumi
Hirabayashi Uichiro Mizutani
11
516-522 荒木 猛司、山際 勝成、平林 泉
219
Journal of Materials Research
2000
15
Physical Review B
2000
62
低温工学
2000
35
Physica C
2000
Physica C
2000
Physica C
2000
249-258 Kazuomi Kakimoto Y.Sugawara Teruo Izumi Yuh
Shiohara
335 56-60
Yuichi Nakamura Makoto Kambara Teruo Izumi Yuh
Shiohara
341-348 1981-1982 D.X.Huang Y.Yamada I.Hirabayashi
Physica C
2000
341-348 1201-1202 D.X.Huang Y.Sasaki I.Hirabayashi
Physica C
2000
341-348 603-604
Physica C
Physica C
2000
2000
341-348
341-348
2521-2524
2323-2326
Analysis of Growth Behavior of the RE123 Crystals Using the
Ternary Phase Diagram
The Non-epitaxial Growth of c-axis YBa2Cu3Ox Films on Highindex Planes of Silver
Spectiic Damage Behaviors in 180-MeV Fe-irradiated
Bi2Sr2CaCu2Ox Crystals
Effect of Oxygen Partial Pressure on Quasi-Ternary Phase
Diagram of NdO1.5-BaO-CuO System
Y-Ba-Cu-O系超電導におけるY211相粒子の粗大化Coarsening of Y211
Phase Particles in the Y-Ba-Cu-O Superconducting System
SmBa2Cu3Oy膜のLPE法による作製と特性
Phycica C
2000
341-348
2417-2420
Physica C
2000
Physica C
2000
Physica C
2000
334
77-86
日本金属学会誌
2000
64
3 184-189
日本金属学会誌
2000
64
5 307-310
液相エピタキシ法におけるYBa2Cu3O7-δ膜の高品質化
日本金属学会誌
2000
64
5 323-326
Crystal Growth and Superconductivity of Fe-Doped YBCO Single
Crystals
Orientation Behavior of REBa2Cu3O7-y(RE=Rare Earth and Y)Films
Prepared by Chemical Solution Deposition
Preparation of Bi-axially Aligned YBa2Cu3O7-δ Film on CeO2Buffered MgO by Chemical Solution Deposition
Physica C
2000
339
Japanese Journal of Applied Physics
2000
Physica C
2000
334 301-305
K.Yamagiwa H.hiei Y.Takahashi S.B.Kim
K.Matsumoto H.Ikuta U.Mizutani I.Hirabayashi
Effects of Y2O3 Layer on the Growth of YBa2Cu3O7-y Thin film by Physica C
Metal Organic Chemical Vapor Deposition
2000
336 295-299
Masato Hasegawa Yutaka Yoshida Morihiro Iwata
Koji Ishizawa Yoshiaki Takai Izumi Hirabayashi
Evidence of Mobile Ag and Growth Mechanism of theYBa2Cu3O7-y
Films Deposited on Cube Textured Ag Tape by Chemical Vapor
Deposition
MgO飽和溶液を用いた金属基板上YBCO-LPE膜の作製Fabrication of
YBCO-LPE Film on Metal Using MgO-Saturated Solution
Preferential Growth Mechanism of YBa2Cu3Oy/MgO Film by Liquid
Phase Epitaxy液相エピタキシャル成長におけるYBa2Cu3Oy/MgO結晶膜
の選択成長機構
2000
トリフルオロ酢酸(TFA)を用いるMetalorganic Deposition(MOD)法によ
るYBCO成膜とプロセス条件Fabrication of YBCO Films by
Metalorganic Deposition Using Trifluoroacetates and its Process
Conditions
Initial Growth Mechanism of YBCO Films in Liquid Phase Epitaxy
Process
Phase Diagram and Crystal Growth of RE123 Superconductive
Oxides
The Non-epitaxial Growth of c-axis YBa2Cu3Ox Films on Highindex Planes of Silver
Spectiic Damage Behaviors in 180-MeV Fe-irradiated
Bi2Sr2CaCu2Ox Crystals
Carbon Incorporated YBa2Cu3O7-d Crystal;Growth,Phase Separation
and Enhancement of Irreversibility Field
R&D of Coated Conductors in Japan
LPE Process Application to RE123 Coated Conductor
Japanese Journal of Applied Physics
Mater.Trans.JIM特集「講演論文」
334
341-348 1981-1982
Y.Yamada T.Miura Y.Koike I.Hirabayashi
H.Ikuta U.Mizutani
Yuh Shiohara Natsuro Hobara
Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Makoto Kambara Teruo Izumi Yuh
Shiohara
D.X.Huang Y.Yamada I.Hirabayashi
341-348 1201-1202 D.X.Huang Y.Sasaki I.Hirabayashi
39 2A
39 4A
M.Yoshizumi M.Kambara Y.Shiohara T.Umeda
99-105
前田 純也、野本 祐春、松岡 智和泉 輝郎、梅田
高照、塩原 融
林 亜希美、長谷川 勝哉、中村 雄一、和泉 輝
郎、塩原 融
野村 克己、星 三郎、Xin Yao、中村 雄一、和泉
輝郎、塩原 融
X.Yao A.Oka T.Izumi Y.Shiohara
452-457
K.Yamagiwa I.Hirabayashi
1719-1720 M.Hasegawa Y.Yoshida M.Iwata H.Akata
K.Higashiyama Y.Takai I.Hirabayashi
Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Katsumi Nomura Kazuomi Kakimoto Saburo Hoshi
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
日本金属学会誌
論文リスト13
Construction of SmO1.5-BaO-CuOy phase diagram in air
Journal of Materials Research
Maxim Kuznetsov Christian Krauns Masateru
Yoshizumi Toru Izumi Teruo Izumi Yuh Shiohara
Takateru Umeda
Yoshio Murase Norimitsu Murayama Yasuo
Takahashi Izumi Hirabayashi
Kosuke Nagashio Kazuhiko Kuribayashi Yuh
Shiohara
泉 徹、Xin Yao、保原 夏朗、柿本 一臣、長谷川
勝哉、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
TEM observation of epitaxy in the CeO2 films on biaxially
Physica C
textured Ag tapes for substrates of YBCO tapes
Direct growth of REBa2Cu3O7-δ(RE=Yb, Er, Y, Dy, Eu, Sm, Nd and Acta Materialia
Pr) from undercooled melt using aero-acoustic levitator
NiO飽和溶液を用いたRE123膜のLPE成長Growth of RE123 Crystal from 日本金属学会誌・特集「講演論文」
the NiO Saturated Solution by LPE Method
解説/総説・記事他
タイトル
Liquid- Phase Epitaxy Processing of RBa2Cu3O7-δ
La422相の強磁性
Journal
Superconductor Science and Technorogy
固体物理
Year
2000
2000
会議報告(ISS2000)Coated Conductor関連
TFA-MOD法によるYBCO線材化の可能性と問題点YBCO Coated Conductor
by TFA-MOD Method:Prospects and Problems
低温工学
FSST News(Forum of Sperconductivity Science and
Technology News)
論文リスト14
Vol.
No.
35
page
13 82-87
2 121-128
発表者
Y.Yamada
平林 泉、山田 容士、野崎 洋、生田 博志、水谷
宇一郎
前田 敏彦
平林 泉
4)H13年度
学会発表
タイトル
発表先
液相エピタキシャル法によるYBCO膜の超電導特性Superconducting properties of 2001年度春季低温工学・超電導学会
YBCO films formed by the liquid phase epitaxy method
発表日
2001/5/16
配向NiO/Niテープ上でのYBa2Cu3O7-δの低温液相エピタキシャル成長の検討Lowtemperature liquid-phase epitaxial growth of YBa2Cu3O7-d on NiO-buffered
textured-Ni tapes
LPE法を用いた金属基板上への成膜を目的としたYBCO成長温度の低温化Lowering
of LPE growth temperature for YBCO formation on metal tapes
LPE法によるYBCO超電導線材作製における新種膜に関する検討Fabrication of New
Seed Layer for LPE Growth of YBCO Superconducting Wires
TFA-MOD法によるYBCO線材開発-金属上でのJc化とディップコーティングDevelopment of YBCO superconducting wire and tapes by metalorganic
deposition using trifluoroacetates-High Jc YBCO films on metal stripes
and dipped YBCO films on metal tapesNi基板上へのRE123層の2段LPE成長Fabrication of RE123 superconducting layer
on Ni substrate by double LPE method
2001年度春季低温工学・超電導学会
2001/5/16
2001年度春季低温工学・超電導学会
2001/5/16
2001年度春季低温、超電導学会
2001/5/17
2001年度春季低温工学・超電導学会
2001/5/17
2001年度春季低温工学会・超電導学会
2001/5/17
TFA-MOD法によるYBCO線材開発ー反応、微細組織と臨界電流密度の関係ー
2001年度春季低温工学・超電導学会
Development of YBCO superconducting wire by metalorganic deposition using
trifluoroacetate
次世代超電導線材の開発 ∼現状の課題と今後の開発∼
超電導技術動向報告会
The process conditions for dip-coated YBa2Cu3O7-x films on metallic
2001 International Workshop on Superconductivity
substrates by TFA-MOD method
2001/5/17
2001/6/5
2001/6/24
発表者
Yasuji Yamada SeokBeom Kim Toshihiro Suga Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Ysuhiro Iijima Kazuomi Kakimoto Takashi
Saito
Toshihiko Maeda Haruhiro Kurosaki Toshihiro Suga S.-B.
Kim Yasuji Yamada Tomonori Watanabe Izumi Hirabayashi
須賀 俊裕、山田 容士、金 錫範、前田 敏彦、山田 穣、平林
泉、芳野 久士、山崎 六月、張 庭清、
金 錫範 山田 容士 須賀 俊裕 前田 敏彦 山田 穣 渡部
智則 平林 泉
荒木 猛司 湯浅 豊隆 黒崎 晴彦 飯島 康裕 斎藤 隆 山
田 穣 鈴木 克己 平林 泉
中村 雄一 泉 徹 保原 夏朗 甲斐 正彦 長谷川 勝哉 浅
田 繁信 Xin Yao Ch. Krauns & Maxim Kuznetsov 和泉 輝朗
塩原 融 渡部 智則
山田 穣 荒木 猛司 SeokBeom Kim 黒崎 晴彦 湯浅 豊隆
塩原 融 平林 和泉 飯島 康裕 斎藤 隆 柴田 潤子
塩原 融
Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa SeokBeom
Kim Katsuya Yamagiwa Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
Kaoru Takeda Yasuhiro Iijima
Haruhiko Kuosaki Takeshi Araki Toyotaka Yuasa SeokBeom Kim
Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi Yasuhiro Iijima Takashi
Saitoh
SeokBeom Kim Toshihiko Maeda Yasuji Yamada Toshihiro Suga
Yutaka Yamada Tomonori Watanabe Izumi Hirabayashi
Yutaka Yamada Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki SeokBeom Kim
Toyotaka Yuasa Yuh Shiohara Izumi Hirabayashi Yasuhiro
Iijima Takashi Saito Junko Shibata
Yssuji Yamada Toshihiko Suga Haruhiko Kurosaki SoekBoem
Kim Toshihiko Maeda Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
Preparation of YBCO films by TFA-MOD method with dip coating for coated
conductors
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Investigation of seed and buffer layers for LPE growth of YBCO coated
conductors
Issues related to development of coated conductor by TFA‐MOD YBCO and
CeO2 buffer layer
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
2001International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Low temperature fabrication of YBCO coated conductors on textured metal
tapes by liquid phase epitaxy
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Fabrication of Y123 Film on CeO2/YSZ/Hastelloy Substrates by TFA-MOD
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Preparation of Seed Film for RE123 LPE Growth on Ni tape with NiO Buffer
Layer
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Optimization of the LPE growth conditions for YBCO film on the textured
silver alloy substrate
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Fabrication of YBCO Film on Metal Tape by LEP Processing
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Overview of Japanese Developments in Coated Conductors
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Hiroshi Fuji Tetuji Honjyou Yuuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
Masahiko Kai Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa Toru Izumi
Shigenobu Asada Yuichi Nakamura Teruo Izumi Tomonori
Watanabe Yuh Shiohara
Toshihiro Suga Yasuji Yamada S.B.Kim Toshihiko Maeda
Yutaka Yamada Izumi hirabayashi T.D.Thanh M.Yamazaki
H.Yoshino
Teruo Izumi Natsuro Hobara Toru Izumi Masahiko Kai
Katsuya Hasegawa Christian Krauns Yuichi Nakamura Tomonori
Watanabe Yuh Shiohara
Yuh Shiohara
Preparation of RE123 films by pulsed laser deposition on electron-beam
2001 International Workshop on Superconductivity
evaporated, bi-axially aligned MgO buffer layers using inclined substrate
deposition technique.
Growth of RE123 Layer on MgO Buffered Metal Substrates using double
2001 International Workshop on Superconductivity
layered LPE Techiqe
2001/6/24
Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
2001/6/24
Natsuro Hobara Shigenobu Asada Toru Izumi Katsuya Hasegawa
Masahiko Kai C.Krauns Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Toru Izumi Xin Yao Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa
Masahiko Kai Shigenobu Asada Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara Tomonori Watanabe
Toshihiko Maeda Haruhiko Kurosaki Toshihiro Suga S.B. Kim
Toyotaka Yuasa Yasuji Yamada Tomonori Watanabe Izumi
Hirabayashi
Fabrication of the double LPE layerd structure on Ni substrate using NiO
saturated solution
2001 International Workshop on Superconductivity
2001/6/24
Low temperature liquid-phase epitaxial growth of YBa2Cu3O7-δthick films (IWS)International Workshop on Superconductivity
on surface-oxidized textured Ni substrate
2001/6/26
論文リスト15
タイトル
Fabrication of RE123 layer for coated conductor by double LPE process
発表先
Cryogenic Engineering Conference/International Cryogenic
Materials Conference
発表日
2001/7/16
発表者
Yuichi Nakamura Natsuro Hobara Toru Izumi Masahiko Kai
Katsuya Hasegawa Yao Xin Shigenobu Asada Tomonori
Watanabe Teruo Izumi Yuh Shiohara
MOD-TFA Processing for REBa2Cu3O7-δCoated Conductors
Cryogenic Engineering Conference International Cryogenic
Materials Conference
2001/7/16
Tetsuji Honjo Hiroshi Fuji Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara Ryo Teranishi M.Yoshimura J.Shibata
T.Yamamoto Y.Ikuhara
Development of High Critical Current TFA-MOD YBCO Coated Conductors
(CEC/ICMC)Cryogenic Engineering Conference/International
Cryogenic Materials Conference
2001/7/16
Yutaka Yamada Takeshi Araki SeokBeom Kim Haruhiko Kurosaki
Toyotaka Yuasa Yasuo Takahashi Yuh Shiohara Izumi
Hirabayashi Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
Masahiro Egami Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Phase-field analyses for faceted crystal growth using implicit scheme
IThe Thirteenth International Conference on Crystal Growth
2001/7/24
YBa2Cu3O7-d growth on metal substrate by liquid phase epitaxy method
below 900C
The 13th International Conference on Crystal Growth
2001/7/30
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Toshihiko Maeda Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Mutuki Yamazaki Hisashi Yoshino
Peritectic growth of REBa2Cu3Ox superconductive oxides by directional
solidification
Growth Mechanism of YBa2Cu3Oy Cristal by Liquid Phase Epitaxy
The Thirteenth International Conference on Crystal Growth
2001/7/30
Yuichi Nakamura Tsuyoshi Kawase Teruo Izumi Kiyoshi Murata
Yuh Shiohara
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Haruhiko Kurosaki SoekBoem
Kim Toshihiko Maeda Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
Mutsuki Yamazaki Hisashi Yoshino Tomonori Watanabe
The Thirteenth International Conference on Crystal Growth
2001/7/30
Low temperature fabricatin of YBCO coated conductores on textured metal
tapes by liquid phase epitaxy
(EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2001/8/26
Thick films growth and properties of REBa2(Cu1-xMEx)3Oz buffered RE123
superconductor by TSSG technique
Phase-field analyses for faceted crystal growth using implicit scheme
(EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2001/8/26
(EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2001/8/26
Dip-coated YBa2Cu3O7-x film by metalorganic deposition using
trifluoroacetate
(EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2001/8/28
Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa Yasuhiro
Iijima Takashi Saitoh Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
低温LPE法によるYBCO厚膜の臨界電流特性Critical currenct density of YBCO
thick film grown by the low temperature LPE method
NiO上でのYBa2Cu3O7-δ薄膜成長の検討YBa2Cu3O7-d Thin Film Growth on NiO
Substrates
TFA-MOD法による高Jc長尺YBCO成膜The High Jc YBCO tape formed by the TFAMOD Method
TFA-MOD法による単結晶基板上へのGdBa2Cu3O7-δ膜の作成(・)Fabrication of
GdBa2Cu3O7-δfilms by TFA-MOD method on single crystalline substrates
(・)
MOD-TFA法によるY123線材の厚膜化の検討Fabrication of Thicker Y123 Films
for Coated Conductor by MOD-TFA Process
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
山田 容士、金 錫範、須賀 俊裕、平林 泉、
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
前田 敏彦、黒崎 晴彦、金 錫範、渡部 智則、平林 泉
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
荒木 猛司、黒崎 晴彦、湯浅 豊隆、飯島 康裕、山田 穣、斉
藤 隆、平林 泉、
井口 俊宏、荒木 猛司、山田 穣、生田 博志、平林 泉、水谷
宇一郎、
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
TFA-MOD法によるYBCO線材化基礎技術の検討Basic Technique of Fabricating
YBCO Coated Conductor by MOD-TFA Process
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/11
長尺一方向凝固YBCO超電導体の作製及び銀電極形成Fabrications of long length
unidirectional solidified YBCO superconductor and low resistive silver
electrode
LPE法によるRE123超電導線材作製プロセスの検討Fabrication processing of
RE123 coated conductors by LPE method
RE123系超電導体の一方向凝固法における界面液相組成の解析Compositional
analysis in the liquid ahead of growth interface of unidirectionally
solidifying RE123
MOD-TFA法によるY123超電導線材作製プロセスの検討Fabrication Processing of
Y123 Coated Conductors by MOD-TFA Method
LPE法によるRE123系擬単結晶厚膜の大型化Enlargement of RE123 Quasi-single
Crystalline Film by Liquid Phase Epitaxy
LPE法におけるRE123結晶膜の選択成長機構Preferential growth mechanism of
RE123 film by liquid phase epitaxy
第62回応用物理学会学術講演会
2001/9/17
日本金属学会2001年秋期大会
2001/9/22
日本金属学会2001年秋期大会
2001/9/22
金属学会2001年秋期大会
2001/9/22
日本金属学会 2001年秋期大会
2001/9/22
日本金属学会 2001年秋期大会
2001/9/22
RE123系次世代線材研究の現状と今後の課題
金属基板上へのRE123のLPE成膜LPE Growth of RE123 on metal substrate
日本金属学会2001年秋期大会
日本金属学会
2001/9/22
2001/9/22
MOD-TFA法によるY123超電導膜の成長機構Growth Mechanism of Y123 Films by
MOD-TFA Method
Homogeneity in Jc of YBa2Cu3O7-x films by the metalorganic deposition
method using trifluoroacetaes
金属学会2001年秋期大会
2001/9/23
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
論文リスト16
Xin Yao Toru Izumi Natsuro Hobora Maxim Kuznetsov Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Masahiro Egami Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Ryo Teranishi Masahiro Yoshimura Hiroshi Fuji Tetsuji
Honjo Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro
Iijima Takashi Saitoh
寺西 亮、兼子 敦、富士 広、徳永 義孝、柴田 潤子、浅田
繁信、本庄 哲吏、和泉 輝郎、塩原 融、村田 清、飯島 康
裕、斉藤 隆
Yuichi Nakamura Susumu Seiki Akemi Hayashi Teruo Izumi
Yuh Shiohara
中村 雄一、泉 徹、保原 夏朗、甲斐 正彦、長谷川 勝哉、Xin
Yao、浅田 繁信、渡部 智則、和泉 輝雄、塩原 融
中村 雄一、川瀬 剛志、和泉 輝郎、村田 清、塩原 融
本庄 哲吏、富士 広、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融、飯島
康裕、斎藤 隆、寺西 亮、吉村 昌弘
野村 克己、星 三郎、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融
野村 克己、星 三郎、Xin Yao、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原
融、村田 岳哉、柴田 潤子、大場 史康、山本 剛久、幾原 雄
一
塩原 融
泉 徹、Xin Yao、甲斐 正彦、長谷川 勝哉、徳永 義孝、浅田
繁信、中村 雄一、和泉 輝郎、渡部 智則、塩原 融、
本庄 哲吏、富士 広、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融、柴田
潤子、山本 剛久、幾原 雄一、寺西 亮、吉村 昌弘
Takeshi Araki Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki T.Muroga
T.Niwa Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
タイトル
Bonding and Charge Distribution Calculation at Metal-Oxide Interface in
search of The Best Oxide Buffer-Substrate Combination
YBa2Cu3O7-δ deposition on Ni-Cr alloy tape by liquid phase epitaxy
method
発表先
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
発表日
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Enlargement of REBa2Cu3Oy (RE=Y, Yb) quasi-single crystalline film by
liquid phase epitaxy
Superconducting Properties of Ca-doped YBCO Thick Film by Liquid Phase
Epitaxy
YBa2Cu3O7-d Thin-film-seeded Nd1+xBa2-xCu3O7-d Thick-film Grown by Liquid
Phase Epitaxy
Fabrication of meander shaped (Y,Yb)BCO LPE films for PCS materials
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Fabrication of coated conductor using LPE process
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Fabrication of GdBa2Cu3O7-y films by the TFA-MOD method on single
crystalline substrates
Effect of tape dimensions on the critical current density of 123 coated
conductor considered with percolation analysis
Comparative study on texture development of MgO and YSZ films grown by
inclined substrate deposition technique
Growth mechanism of Y123 film by MOD-TFA process
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/26
発表者
Hirotaka Furuya Izumi Hirabayashi Yutaka Yoshida Noriaki
Matsunami Yoshiaki Takai
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Haruhiko Kurosaki SeokBeom
Kim Toshihiko Maeda Izumi Hirabayashi Yasuhiro Iijima
Kazuomi Kakimoto Takashi Saitoh
Hiroshi Fuji Tetuji Honjo Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara Ryo teranishi Masahiro Yishimura Yasuhiro
Iijima Kaoru Takeda
Masahiko Kai Toru Izumi Katsuya Hasegawa Y.Tokunaga
Shigenobu Asada Yuichi Nakamura Teruo Izumi Tomonori
Watanabe Yuh Shiohara
Daxiang Huang X. Yao K. Nomura Y. Wu Y. Nakamura T.
Izumi Y. Shiohara
Masahiro Egami Satoshi Koyama Norio Kawamae Naoko Itoga
Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
Xin Yao Daxiang Huang Katsumi Nomura Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Xin Yao Katsumi. Nomura Toru Izumi Natsuro Hobora Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Katsumi Nomura Teruo Izumi Atsushi Inoue Tomoaki Yamada
Saburo Hoshi Yoshitaka Tokunaga Masahiko Kai Masahiro
Egami Kiyoshi Murata Yuh Shiohara
Toru Izumi Yao Xin Karsuya Hasegawa Masahiko Kai
Y.Tokunaga Shigenobu Asada Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Tomonori Watanabe Yuh Shiohara
Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada Hiroshi Ikuta
Izumi Hirabayashi Uichiro Mizutani
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Fabrication processing of Y123 coated conductors by MOD-TFA method
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Influence of the second buffer layer for alignment of seed film on Ni
tape with NiO buffer layer
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
Mechanism of NdBCO film growth with YBCO seed using liquid phase epitaxy
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/25
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/26
Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
(ISS2001)International Symposium on Superconductivity
2001/9/26
Ryo Teranishi Hiroshi Fuji Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara Junko Shibata Takahisa Yamamoto
Yuichi Ikuhara Masahiro Yoshimura
Teruo Izumi Maxim Kuznetsov Christian Krauns Masateru
Yoshizumi Toru Izumi Makoto Kambara Yuichi Nakamura Yuh
Shiohara
Yuh Shiohara
High quality pulling crystals for electronic device applications.
RE-Ba-Cu-O System Pseudo-ternary Phase Diagram
PAC RIM IV; An International Conference on Advanced Ceramics 2001/11/4
and Glasses
RECENT PROGRESS IN DEVELOPMENT OF COATED CONDUCTORS IN JAPAN
PAC
and
PAC
and
Fabrication of RE123 coated conductor by LPE method
Directional Solidification of Y123 Thin Fiber with Different of Growth
Rates
LPE法高JcYBCO線材の開発
研究開発を世界最高水準に維持していくための方策-酸化物高温超電導の研究開発
を一例として-Devising Measures to Maintain R&D at the Highest Level in
the World
2インチ径大型LPE厚膜の育成とその応用Fabricarion of large LPE thick films
with 2 inches in diameter and their applications
低温LPE法によるNi合金基板上のYBCO膜YBCO films formed on a Ni-base alloy
pate by the low temperature liquid phase epitaxy method
低温LPE法によるYBCO膜の超電導特性Superconducting properties of YBCO films
formed by the low temperature liquid phase epitaxy method
NiO 上へのパルスレーザ蒸着法による YBa2Cu3O7-d 成膜YBa2Cu3O7-d thin film
growth on NiO by pulsed-laser-deposition method
TFA-MOD法によるY123線材の厚膜化の検討(2)Fabrication thicker Y123 films
for coated conductors by MOD-TFA method(2)
TFA-MOD法によるYBCO線材開発-金属上でのJcYBCOテープ-Development of YBCO
superconducting tapes by metalorganic deposition using trifluoroacetates
- High Jc dipped YBCO films on metal tapes TFA-MOD法で作成したGdBa2Cu3O7-y膜の超電導特性Superconducting properties
of GdBa2Cu3O7-y films fabricated by the TFA-MOD method
レーザー蒸着法によるBaZrO3中間層/Smba2Cu3Oy膜の作製Preparation of
SmBa2Cu3Oy Films on BaZrO3 buffer layers by Pulsed Laser Deposition
RIM IV; An International Conference on Advanced Ceramics 2001/11/4
Glasses
RIM IV: An international conference on advanced ceramics 2001/11/4
glasses
PAC RIM IV: An international conference on advanced ceramics 2001/11/4
and glasses
SRL研究報告会
2001/11/13
Marcusevansconferences
2001/11/20
Yuichi Nakamura
Katsuya Hasegawa
Christian Krauns
Tsuyoshi Kawase
Yuh Shiohara
山田 容士
塩原 融
Natsuro Hobara Toru Izumi Masahiko Kai
Shigenobu Asada Xin Yao & Maxim Kuznetsov
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Kiyoshi Murata
SRL研究報告会
2001/11/21
2001年秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
2001年秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
野村 克己、星 三郎、中村 雄一、井上 敦士、山田 智明、徳
永 義孝、甲斐 正彦、江上 雅裕、和泉 輝郎、塩原 融
山田 容士、金 錫範、須賀 俊裕、山田 穣、平林 泉、飯島
康裕、柿本 一臣、斎藤 隆、
山田 容士、金 錫範、須賀 俊裕、山田 穣、平林 泉、
第 65 回 2001 年度秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
前田 敏彦、岩井 博幸、渡部 智則、平林 泉
2001 年秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
2001年度秋期低温工学・超電導学会
2001/11/23
富士 広、本庄 哲吏、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融、飯島
康裕、斎藤 隆、寺西 亮、吉村 昌弘、
荒木 猛司、湯浅 豊隆、黒崎 晴彦、室賀 岳海、丹羽 利治、
飯島 康裕、山田 穣、斎藤 隆、平林 泉、
2001年秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
2001年秋季低温工学・超電導学会
2001/11/23
論文リスト17
井口 俊宏、荒木 猛司、山田 容士、山田 穣、生田 博志、平
林 泉、水谷 宇一郎、
長谷川 勝哉、保原 夏朗、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融、
タイトル
TFA-MOD法YBCOにおける線材開発反応、微細組織Development of YBCO
Superconducting wire by Metalorganic Deposition Using Trifluoroacetae
発表先
2001年秋季低温工学・超電導学会
発表日
2001/11/24
発表者
山田 穣、荒木 猛司、塩原 融、平林 泉、加藤 丈晴、平山
司、
All Japan Efforts on Fundamental Materials Technology Developments for
HTS Applications-Focusing on R&D of Coated ConductorsElectron Microscopy Study on Seed and its Influence in RE123 Film Growth
by Liquid Phase Epitaxy
Progress and Future Prospect of R&D on Coated Conductors in Japan
High-Tc Superconducting Current Lead (高温超電導電流リード)
欧州におけるMgB2線材開発動向から-スイス、ドイツ、英国、イタリアの最近の状
況-Development of MgB2 Wire in Europe-Switzerland,Germany,England and
ItalyNiO上のYBa2Ci3O7-δ薄膜の配向Grain alignment of YBa2Cu3O7-d thin films on
NiO
液相エピタキシャル法によるYBCO膜のピンニング機構Pinning mechanism of YBCO
film grown by the LPE method
MOD-TFA法によるY123超電導厚膜の成長機構Growth Mechanism of Thicker Y123
Films by MOD-TFA Process
PLD法により作製した(Sm1+x-y Cay)Ba2-xCu3O6+δ薄膜の成長メカニズムGrowth
mechanism of (Sm1+x-y Cay)Ba2-xCu3O6+δ thin films by pulsed laser
deposition
PLD法により作製した Sm1+xBa2-xCu3O6+δ 薄膜の臨界電流密度特性
Characterization of critical current density of Sm1+xBa2-xCu3O6+δ thin
films by pulsed laser deposition
RE-123系超電導線材の研究開発の現状と今後Current Status and Future
Prospect of R&D on RE-123 Coated Conductor
MOD-TFA法によるY123超電導厚膜の成長機構Growth Mechanizm of Y123 Films by
MOD-TFA Method
日韓応用超伝導・低温工学ワークショップ
2001/11/25
Yuh Shiohara Teruo Izumi Yoshitaka Tokunaga
(MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
2001/11/26
Daxiang Huang K.Nomura Y.Nakamura T.Izumi Y.Shiohara
2001 Japan-EU Workshop on Superconductors
2001/12/13
ファインセラミックスフェア2002
2002/2/20
未踏科学技術協会ワークショップ新金属系超伝導線材の研究開発の 2002/2/25
進展
Yuh Shiohara
Susumu Seiki
山田 穣
第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
前田 敏彦、岩井 博幸、渡部 智則、平林 泉
第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
春季第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
山田 容士、平林 泉、村瀬 嘉夫、村山 宣光、飯島 康裕、柿
本 一臣、斎藤 隆
寺西 亮、佐藤 玲、富士 広、徳永 義孝、本庄 哲吏、中村
雄一、和泉 輝郎、塩原 融、豊田 勝三郎、吉村 昌弘
須藤 公彦、一野 祐亮、吉田 隆、高井 吉明、平林 泉
第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
須藤 公彦、一野 祐亮、吉田 隆、高井 吉明、平林 泉
第49回応用物理学関係連合講演会
2002/3/27
塩原 融
金属学会2002年春期大会
2002/3/28
MOD-TFA法におけるY123超電導膜の成長モデル
日本金属学会2002年春期大会
2002/3/28
永久電流スイッチ用RE123超電導LPE膜の形状制御機構Shape Control Mechanism
of RE123 LPE Films for Persistent Current S witch Material
PROGRESS IN DEVELOPMENTS OF COATED CONDUCTORS IN JAPAN
高温超電導材料の現状と動向
Growth mechanism of high peritectic temperature Nd1+xBa2-xCu3O7-d thick
film onlow peritectic temperature YBa2Cu3O7-d seed film by liquid phase
epitaxy
RECENT DEVELOPMENTS OF COATED CONDUCTORS IN JAPAN
日本金属学会
2002/3/29
本庄 哲吏、徳永 義孝、富士 広、中村 雄一、和泉 輝郎、塩
原 融、柴田 潤子、幾原 雄一、寺西 亮、吉村 昌弘、佐藤
玲、豊田 勝三郎
和泉 輝郎、中村 雄一、本庄 哲吏、富士 広、寺西 亮、佐藤
玲、吉村 昌弘、塩原 融
甲斐 正彦、井上 敦士、星 三郎、野村 克己、Xin Yao、和泉
輝郎、村田 清、塩原 融、
Teruo IZUMI Yuh SHIOHARA
長谷川 勝哉、塩原 融
Xin Yao Katsumi Nomura Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
10th International Workshop on Critical Currents (IWCC2001)
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Fabrication of thicker Y123 films for coated conductor by TFA-MOD
MethodTFA-MOD法によるY123線材の厚膜化の検討
第64回低温・超電導学会 64th Meeting on Cryogenics and
Superconductivity
Hiroshi Fuji Tetuji Honjyou Yuuichi Nakamura Teruo
Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh Ryo
Teranishi Masahiro Yoshimura
(MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
論文リスト18
投稿論文
タイトル
Growth of Large REBa2Cu3Oy (RE=Y, Yb) Film with 2 inches
Diameter by Liquid Phase Epitaxy
Preferential growth mechanism of REBa2Cu3Oy (RE=Y, Nd) crystal
on MgO substrate by liquid phase epitaxy
Journal
Japanese Journal of Applied Physics
Year
2001
Journal of Materials Research
Initial growth mechanism of YBa2Cu3Oy crystal on MgO Substrate
by liquid-phase epitaxy
Coating Processes for YBa2Cu3O7-x superconductor by
metalorganic deposition method using trifluoroacetates
Fabrication of YBa2Cu3O7-x Film by Metalorganic Deposition
Method Using Trifluoroacetates and its Process Conditions
Role of the primary phase particles during the peritectic
solidification of Y-123 superconducting oxides
Cryogenics
2001
Journal of Materials Research
2001
Vol.
No.
40
12B
2001
16
4
Journal of Materials Research
2001
16
10
Superconductor Science and Technology
2001
14
41
16
8
page
発表者
L1362- Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura
L1364 Teruo Izumi Yuh Shiohara
979-989 Katsumi Nomura Saburo Hoshi Xin Yao Kazuomi
Kakimoto Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
2947-2958 Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
783-786 Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Junko Shibata Tsukasa
Hirayama
675-681 Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa Izumi
Hirabayashi
2229-2238 Makoto Kambara Masateru Yoshizumi Takateru
Umeda Koichi Miyake Kiyoshi Murata Teruo Izumi
Yuh Shiohara
1011-1014 Hiroshi Fuji Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Takeshi Araki Izumi Hirabayashi
Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
1050-1054 Masahiko Kai Natsuro Hobara Katsuya Hasegawa
Toru Izumi Hiroshi Fuji Tetsushi Honjo Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yhu Shiohara
Deposition of CeO2/YSZ Buffer Layer on Hastelloy Substrates for Phycica C
MOD Process of YBa2Cu3O7-x Film
2001
357-360
Optimization of Seed Film for Fabrication of Y123 LPE Film on
Metal Substrate with MgO Buffer Layer
Phycica C
2001
357-360
Investigation of Texture Development on MgO Films Prepared by
Inclined Substrate Deposition with Electron-Beam Evaporation
Phycica C
2001
357-360
Growth of RE123 Films from NiO-Saturated Solution by Liquid
phase epitaxy
Phycica C
2001
357-360 1046-1049 Toru Izumi Xin Yao Natsuro Hobara Katsuya
Hasegawa Masahiko Kai Hiroshi Fuji Christian
Krauns Teruo Izumi Yuichi Nakamura Yuh Shiohara
Growth Mechanism of RE-Ba-Cu-O Film on MgO Substrate by Liquid
Phase Epitaxy
Non-Cuprate Thin Film as Candidate of Seed Layer for Liquid
Phase Epitaxy Process
Phycica C
2001
Phycica C
2001
357-360 1377-1381 Katsumi Nomura Saburo Hoshi Xin Yao Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
357-360
983-986 Tadamasa Yamada Yasuji Yamada Toshihiro Suga
D.X.Huang S.B.Kim Toshihiro Maeda Izumi
Hirabayashi Hiroshi Ikuta Uichiro Mizutani
Preparation of YBCO Films on CeO2 Buffered Metallic Substrates
by the TFA-MOD Method
Phycica C
2001
Fabrication of Seed/Buffer Layers on Metallic Subatrates for
YBCO Coated Conductor
Phycica C
2001
Characterization of YBa2Cu3O7-δfilm grown on NiO buffer layer
by liquid-phase epitaxy process
Phycica C
2001
Critical Current Density and Related Microstructures of TFA-MOD Phycica C
YBCO Coated Conductores
2001
Firing Condition for Entire Reactions of Fluorides with Water
Vapor in Metalorganic Deposition Method Using Trifluoroacetate
Phycica C
2001
357-360
Influence of the Microstructure of the SrTiO3 Buffer Layer on
the Superconducting Properties of YBa2Cu3O7-x Films
Phycica C
2001
357-360
Fabrication of buffer layers and seed layers on biaxially
textured Ni tapes for YBCOsuperconducting wire
Phycica C
2001
357-360
Fabrication of Buffer Layer for YBCO Coated Conductor on Cute
Ag Substrate
Phycica C
2001
357-360
YBa2Cu3O7- δ/NdBa2(Cu1-xNix)3O7-δ Double Layers by LiquidPhase Epitaxial Growth for Ni-Based Tape and Wire Applications
Japanese Journal of Applied Physics
2001
論文リスト19
967-970 Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
357-360 1003-1006 Yasuo Takahashi Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa
Yutaka Yamada S.B.Kim Y.Iijima K.Takeda Izumi
Hirabayashi
357-360
979-982 SeokBeom Kim Tashihiko Maeda Yasuji Yamada
Toshihiro Suga Yutaka Yamada Tomonori Watanabe
Kaname Matsumoto Izumi Hirabayashi
357-360 1042-1045 Toshihiko Maeda SeokBeom Kim Toshihiro Suga
Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa Yasuji Yamada
Tomonori Watanabe Kaname Matsumoto Izumi
Hirabayashi
357-360 1007-1010 Yutaka Yamada SeokBeom Kim Takeshi Araki Yasuo
Takahashi Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki
Izumi Hirabayashi Yasuhiro Iijima Kaoru Takeda
40
3B
991-994 Takeshi Araki Yasuo Takahishi Katsuya Yamagiwa
Y.Iijima K.Takeda Y.Yamada J.Shibata
T.Hirayama Izumi Hirabayashi
1386-1389 Kenichi Tamura Yutaka Yoshida Kimihiko Sudoh
Haruhiko Kurosaki Noriaki Matsunami Izumi
Hirabayashi Yoshiaki Takai
938-941 Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa Toshihiko
Maeda Yasuji Yamada S.B.Kim Tomonori Watanabe
K.Wada Izumi Hirabayashi
934-937 Toyoaki Yuasa Haruhiko Kurosaki SeokBeom Kim
Toshihiko Maeda Kazutoshi Higashiyama Izumi
Hirabayashi
L266-268 X.Yao Toru Izumi Natsuro Hobara Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Effect of Volume Fraction on Coarsening of Y2BaCuO5 Particles
in Ba-Cu-O Melt
液相エピタキシ法におけるYBa2Cu3Oy/MgO膜の初期成長機構Initial
Growth Mechanism of YBa2Cu3Oy/MgO Film by Liquid Phase Epitaxy
Materials Transactions
2001
42
2
日本金属学会誌
2001
65
3
熱処理中における Nd1+xBa2-xCu3O6+δの固相変態挙動Solid State
Phase Transformation of Nd1+xBa2-xCu3O6+δduring Annealing
Processing
Large-area Uniform Ultrahigh-Jc YBa2Cu3O7-x Film Fabricated by
the Metalorganic Deposition Method Using Trifluoroacetates
日本金属学会誌(特集)
2001
65
3
Superconductor Science and Technology
2001
14
Visible influence of substrate-surface defects on YBa2Cu3O7-x
film nucleation and growth on polycrystalline silver
Physica C
2001
355
Preparation of MgO Films on Metal Substrate as a Buffer Layer
for Liquid Phase Epitaxy Processed RE123 Coated Conductor
Physica C
2001
354 424-428
Improvement of superconducting properties in YBCO LPE thick
Japanese Journal of Applied Physics
film by Ca doping
Synthesis of the coating solution for Ba2Cu3O7-x superconductor Journal of the American Chemical Society
in metalorganic deposition method using trifluoroacetates
High current capability of YBa2Cu3O7-δ film grown by liquid
phase epitaxy on Ni-Cr alloy substrate
Microstructural Studies of YBCO Films Grown on MgO Substrate
Phycica C
with Y-Ba-Fe-O Seeds by Liquid Phase Epitaxy
Ternary Phase Diagram of SmO1.5-BaO-CuOy System for Melt
Phycica C
Processing
Superconducting Transition Temperature of NdBCO LPE Film on MgO Phycica C
Substrate and Effect of Mg Diffusion
Phycica C
Phase-Field Analyses for Y123 Crystal Growth
Phycica C
Phycica C
Phycica C
Phycica C
Preparation of REBa2Cu3O7-x Films Grown by Metal
Phycica C
Trifluoroacetate Precursors
Fabrication of YBa2Cu3Oy Layer on Metal Substrate Using the LPE Phycica C
Phycica C
YBCO Thin Films on Multilayers Prepared by All-Chemical
Solution Deposition Processing
Phycica C
194-202 Daxiang Huang Yasuji Yamada Izumi Hirabayashi
Katsuya Hasegawa Natsuro Hobara Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Hiroyoshi Hiei Katsuya Yamagiwa Yasuo Takahashi
S.B.Kim Yasuji Yamada Junko Shibata T.Hirayama
H.Ikuta Izumi Hirabayashi U.Mizutani
Fabrication of RE123 coated conductor on Ni tape by LPE process
using NiO saturated solutionNi 飽和型LPE法を用いた金属テープ上
へのRE123線材プロセスの検討
Phase-field analyses for faceted crystal growth using implicit Journal of Crystal Growth
scheme
YBa2Cu3O7-d growth on metal substrate by liquid phase epitaxy
Journal of Crystal Growth
method below 900C
Peritectic growth of REBa2Cu3Ox superconductive oxides by
directional solidification
L21-L24 Takeshi Araki Katsuya Yamagiwa Izumi
hirabayashi Katsumi Suzuki Shoji Tanaka
Maxim Kuznetsov Christian Krauns Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Xin Yao Katsumi Nomura Masateru Yoshizumi
M.Kuznetsov Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Xin Yao Toru Izumi Natsuro Hobara Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Masateru Yoshizumi Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara Y.Ikuhara T.Sakuma
Tsuyoshi Kawase Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Kiyoshi Murata Yuh Shiohara
Ch.Crauns S.Koyama T.Izumi T.Izumi Y.Nakamura
Y.Shiohara
Teruo Izumi Natsuro Hobara Kazuomi Kakimoto
Toru Izumi Katsuya Hasegawa Masahiko Kai
Tetsuji-Honjo Yao Xin Hiroshi Fuji Yuichi
Nakamura
Masahiro Egami Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Tetsuji Honjo Hiroshi Fuji Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Natsuro Hobara Shigenobu Asada Tetsuji Honjo
Katsuya Hasegawa Hiroshi Fuji Masahiko Kai
M.Kuznetsov C.Krauns Yuichi Nakamura Teruo
Izumi
Katsuyiki Nakada Hiroshi Ikuta Shigeru Horii
H.Nozaki Izumi Hirabayashi Uichiro Mizutani
Phycica C
Effect of Zn Substitution on the One-Dimensional Metallic
Behavior of PrBa2Cu4O8
139-142 吉積 正晃、中村 雄一、和泉 輝郎、塩原 融、幾
原 雄一佐久間 健人
Xin Yao Daxiang Huang Katsumi Nomura Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Takeshi Araki Toshihiro Iguchi Hiroshi Ikuta
Yutaka Yamada Uichiro Mizutani Izumi
Hirabayashi
Yasuji Yamada Toshihiro Suga SeokBeom Kim
Izumi Hirabayashi Yasuhiro Iijima Kazuomi
Kakimoto Takashi Saitoh
Daxiang Huang Yasuji Yamada Izumi Hirabayashi
Applied Physics Letters
REBCO Superconductor on Ni-NdBCO Buffered MgO Substrate by
Liquid Phase Epitaxy Process (RE=Nd,Sm,Y)
Phase Separation of Nd1+xBa2-xCu3O6+δDuring Annealing
Processing
Directional Solidification of Y123 Thin Fiber with Change of
Growth Rates and Temperature Gradients
Intial Stage in the Liquid Phase Epitaxy of Nd123
Films;Dependence of Growth Rate on Process parameter
LPE Processed Coated Conductors on Metal Tapes
227-232 Teruo Izumi Sukeharu Nomoto Junya Maeda
Takateru Umeda Yuh Shiohara
175-178 野村 克己、星 三郎、中村 雄一和泉 輝郎、塩原
融
Toru Izumi Xin Yao Natsuro Hobara Katsuya
Hasegawa Masahiko Kai Shigenobu Asada Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
Masahiro Egami Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Toshihiko Maeda
Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi Mutuki Yamazaki
Hisashi Yoshino
Yuichi Nakamura Tsuyoshi Kawase Teruo Izumi
Kiyoshi Murata Yuh Shiohara
Journal of Crystal Growth
論文リスト20
Growth Mechanism of YBa2Cu3Oy Cristal by Liquid Phase Epitaxy
Journal of Crystal Growth
Low temperature fabricatin of YBCO coated conductores on
textured metal tapes by liquid phase epitaxy
Physica C
Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Haruhiko Kurosaki
SoekBoem Kim Toshihiko Maeda Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Mutsuki Yamazaki Hisashi
Yoshino Tomonori Watanabe
Xin Yao Toru Izumi Natsuro Hobora Maxim
Kuznetsov Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Masahiro Egami Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Thick films growth and properties of REBa2(Cu1-xMEx)3Oz
buffered RE123 superconductor by TSSG technique
Phase-field analyses for faceted crystal growth using implicit Physica C
scheme
論文リスト21
5)H14年度
学会発表
タイトル
Phase and Microstructure Change of High Critical Current Density TFA-MOD
YBCO Coated Conductors
発表先
The104th American Ceramic Society Annual Meeting
NiO 上にパルスレーザ蒸着法で成膜した YBa2Cu3O7-d 膜の特性
Superconductivity propertics of YBa2Cu3O7-d thin film grown on NiO by
pulsed-laser-deposition method
PLD法によるCeO2中間層の検討CeO2 buffer layers deposited by pulsed laser
deposition for YBCO
TFA-MOD法によるYBCO長尺線材プロセスの基礎技術(1)Basic tecnique of
fabricating YBCO coated conductors by TFA-MOD method
TFA-MOD法によるYBCO線材の開発-高純度溶液によるJcメカニズム-Development of
YBCO superconducting tapes by metalorganic deposition using
trifluoroacetates - High Jc structure of YBCO films derived from highly
purified coating solution YBCO結晶の結晶欠陥による磁束のピン止めFlux pinning by crystalline
imperfections in YBCO crystal
TFA-MOD法における仮焼条件の検討Calcining conditions by metalorganic
deposition method using trifluoroacetates
液相成長YBa2Cu3O6結晶のモフォロジーMorphology of YBa2Cu3O7 grown from
high temperature solution
Crystal Growth of Superconductive Oxide from Oxide Melts
High-Tc Superconducting Current Lead (高温超電導電流リード)
Magnetic Field Dependence of Critical Current Density in Sm1+xBa2-xCu3O6+
δFilms Prepared by Pulsed Laser Deposition
発表日
2002/4/29
発表者
Yutaka Yamada Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki Toyotaka
Yuasa Yuh Shiohara Izumi Hirabayashi Yasuhiro Iijima
Takashi Saitoh Junko Shibata Yuichi Ikuhara他
2002/5/18
前田 敏彦、岩井 博幸、渡部 智則、平林 泉
2002年度春期低温工学・超電導学会
2002/5/18
2002年度春期低温工学・超電導学会
2002/5/19
2002年度春期低温工学・超電導学会
2002/5/19
室賀 岳海、荒木 猛司、丹羽 利治、山田 穣、平林 泉、飯島
康裕、斉藤 隆
徳永 義孝、富士 広、寺西 亮、浅田 繁信、本庄 哲吏、和泉
輝郎、塩原 融、飯島 康裕、斉藤 隆
荒木 猛司、室賀 岳海、丹羽 利治、加藤 丈晴、柴田 潤子、
山田 穣、平山 司、幾原 雄一、塩原 融、平林 泉
2002年度春期低温工学・超電導学会
2002/5/19
2002年度春期低温工学・超電導学会
2002/5/19
2002 年度春季低温工学・超電導学会
山田 容士、須賀 俊裕、平林 泉、飯島 康裕、柿本 一臣、斉
藤 隆、村瀬 嘉夫、村山 宣光
丹羽 利治、荒木 猛司、室賀 岳海、山田 穣、平林 泉
第32回結晶成長国内会議
2002/7/31
山田 容士、平林 泉
High Temperture Materials Chemistry-XI
岐阜県関係企業等交流会
(ASC)Applied Superconductivity Conference2002
2002/8/1
2002/8/2
2002/8/4
Yuh Shiohara
清木 晋
Kimihiko Sudoh Yusuke Ichino Yutaka Yoshida Yoshiaki Takai
Izumi Hirabayashi
Fabrication of Meander Shaped RE123 LPE Films for PCS Materials
(ASC2002)Applied Superconductivity Conference
2002/8/4
Masahiko Kai Atsushi Inoue Saburo Hoshi Teruo Izumi
Kiyoshi Murata Yuh Shiohara
Carbon Expelling Scheme and Required Conditions for Obtaining High-Jc
YBa2Cu3O7-x Film by Metalorganic Deposition Using Trifluoroacetates
(ASC2002)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Progress and Future Prospect of R&D on Coated Conductors in Japan
(ASC)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Takeshi Araki Takeharu Kato Takemi Muroga Toshiharu Niwa
Touotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki Yasuhiro Iijima Yutaka
Yamada Yuh Shiohara Izumi Hirabayashi Tsukasa
Hirayama,Takashi Saitoh,
Yuh Shiohara
Microstructure of NdGaO3 new seed layer for LPE growth of YBCO Film
(ASC)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
SeokBeom kim Yasuji Yamada Hirabayashi Izumi
High-Ic YBCO Coated Conductors by Metal Organic Deposition Method Using
Trifluoroacetates
(ASC)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Growth Mechanism of YBCO Films in Metal Organic Deposition Method Using
Trifluoroacetates
(ASC)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Teruo Izumi Tetsuji Honjo Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji
Ryo Teranishi Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh Yuichi
Nakamura Yuh Shiohara
Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura Ryo Teranishi Hiroshi Fuji
Junko shibata Teruo Izumi Yuh Shiohara
Calcining Conditions for YBa2Cu3O7-x Films by Metalorganic Deposition
Using Trifluoroacetates
(ASC2002)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Toshiharu Niwa Takeshi Araki Takemi Muroga Yasuhiro Iijima
Yutaka Yamada Takashi Saito Izumi Hirabayashi Yuh Shiohara
CeO2 Buffer Layers Deposited by Pulsed Laser Deposition for TFA-MOD
YBa2Cu3O7-x Superconducting Tape
(ASC2002)Applied Superconductivity Conference
2002/8/6
Takemi Muroga Takeshi Araki Toshiharu Niwa Yasuhiro Iijima
Takashi Saito Hirabayashi Izumi Yutaka Yamada Yuh Shiohara
Improved TFA-MOD Process for High Critical Current YBCO Thick Films
(EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2002/9/14
トリフルオロ酢酸を用いて作製したGd-ba-Cu-O膜の磁場中特性 The properties
in magnetic fields of TFA-derived Gd-Ba-Cu-O films
トリフルオロ酢酸を用いて作製したRe-Ba-Cu-O(RE=Dy,Ho,Er)膜の作製
Fabrication of Re-Ba-Cu-O(RE=Dy,Ho,Er)films using Trifluoroacetate
TFA-MOD法における高純度溶液と最適焼成による高Jc-YBCO成膜
第63回応用物理学会学術講演会
2002/9/24
第63回応用物理学会学術講演会
2002/9/24
第63回応用物理学会学術講演会
2002/9/24
Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji Ryo Teranishi Junko
Matsuda Shigenobu Asada Tetsuji Honjo Teruo Izumi Yuh
Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh Tomotaka
Goto,Akimasa Yajima
井口 俊宏、荒木 猛司、山田 穣、生田 博志、平林 泉、水谷
宇一郎
井口 俊宏、荒木 猛司、山田 穣、生田 博志、平林 泉、水谷
宇一郎
荒木 猛司、室賀 岳海、丹羽 利治、加藤 丈晴、山田 穣、平
山 司、塩原 融、平林 泉
論文リスト22
タイトル
TFA-MOD法によるYBCO膜への仮焼・本焼の影響The effects of calcination and
firing on YBCO films by metalorganic deposition using trifluoroacetates
発表先
2002年秋季低温工学・超電導学会
発表日
2002/10/30
発表者
丹羽 利治、荒木 猛司、室賀 岳海、山田 穣、平林 泉、塩原
融
PLD法によるYBa2Cu3O7-x膜およびSmBa2Cu3O7-y膜の厚膜検討∼CeO2中間層上によ
る厚膜化∼Investigation of thick YBa2Cu3O7-x film and SmBa2Cu3O7-y film
prepared by PLD∼Thick films on CeO2 buffer layer∼
YBCO線材のためのCeO2中間層の検討CeO2 buffer layer by pulsed laser
deposition for YBCO coated conductor
TFA-MOD法によるYBCO膜の結晶配向制御Control crystal alignment of YBCO
Films by TFA-MOD Method
BaZrO3バッファー層によるMgO基板上SmBa2Cu3Oy膜の面内配向性向上機構
Improvement of In-plane alignment of SmBa2Cu3Oy Films on MgO Substrate by
Using BaZrO3 Buffer Layer
LPE法を用いた永久電流スイッチ用RE123/BaZrO3/MgO膜の形状制御機構Size
control mechanism of RE123 LPE films on BaZrO3 buffered MgO substrate
for PCS material
TFA-MOD法によるYBCO長尺線材プロセスの基礎技術(2)Basic technique of
fabriicating YBCO coated conductors by TFA-MOD method(2)
Growth mechanism of YBCO film by TFA-MOD process
2002年秋期低温工学・超電導学会
2002/10/31
岩井 博幸、室賀 岳海、山田 穣、和泉 輝郎、塩原 融
2002年秋期低温工学・超電導学会
2002/11/1
金属学会2002年秋期大会
2002/11/2
日本金属学会2002年秋期大会
2002/11/2
室賀 岳海、岩井 博幸、山田 穣、和泉 輝郎、塩原 融、飯島
康裕、斉藤 隆、加藤 丈晴、菅原 義弘、平山 司
本庄 哲吏、寺西 亮、柴田 潤子、徳永 義孝、富士 広、和泉
輝郎、塩原 融
長谷川 勝哉、和泉 輝郎、塩原 融、菅原 義弘、平山 司、大
場 史康、生原 幾原 雄一
日本金属学会
2002/11/4
甲斐 正彦、井上 敦士、星 三郎、小山 敏、和泉 輝郎、村田
清、塩原 融
低温工学・超電導学会
2002/11/11
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
富士 広、徳永 義孝、寺西 亮、柴田 潤子、浅田 繁信、本庄
哲吏、和泉 輝郎、、塩原 融、飯島 康裕、斎藤 隆
Ryo Teranishi Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura Hiroshi Fuji
Yoshitaka Tokunaga Junko Matsuda Teruo Izumi Yuh Shiohara
Fabrication of Zn-doped RE123 LPE films for Persistent current switch
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
materials
All Japan efforts on R&D of HTS coated conductors for future applications (ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
Improvement of superconducting properties of SmBa2Cu3Oy films on MgO
substrate by using BaZrO3 buffer layer
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
2002/11/11
Synthesizing rout of coating solution for metalorganic deposition using
trifluoroacetates
High critical current YBCO thick films by TFA-MOD process
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
RE123 LPE film on BaZrO3 buffered MgO substrate for PCS material
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
Fabrication of RE123 coated conductor using LPE process
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
Processing for long YBCO coated conductors by TFA-MOD process
(ISS2003)International Symposium on Superconductivity
2002/11/11
Fabrication and growth mechanizm of YBCO coated conductors by TFA-MOD
process
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/12
Metal-organic deposition of RE-Ba-Cu-O (RE = Dy, Ho, Er and Tm) films
using trifluoroacetates
Epitaxial growth of Nb doped SrTiO3 buffer layers on LaAlO3 substrates by
metalorganic deposition
Present status and perspective of IBAD and PLD system in SRL and selfepitaxy in PLD-CeO2 on IBAD seed layer
Effects of heat-treatment conditions on the microstructure of Y123 films
deposited by TFA-MOD method
Pulsed laser deposition method-CeO2 buffer layer for YBCO coated
conductor
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/13
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/13
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/13
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity
2002/11/13
トリフルオロ酢酸塩を用いた化学液相法による次世代線材プロセス開発
第23回SRL研究報告会
(ISS2002)International Symposium on Superconductivity 2002 2002/11/13
2002/11/27
PROGRESS IN DEVELOPMENTS OF COATED CONDUCTORS IN JAPAN
(MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
IMPROVEMENT OF IN-PLANE ALIGNMENT OF SmBa2Cu3Oy FILMS ON MgO SUBSTRATE BY (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
USING BaZrO3 BUFFER LAYER
DEVELOPMENT OF MOD PROCESSING FOR COATED CONDUCTORS USING TFA PRECURSORS (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
High-Jc YBCO Films on Metal Tapes by Optimized Calcining Process in
Metalorganic Deposition using Trifluoracetates
2002/12/2
2002/12/4
2002/12/5
(MRS Fall Meeting2002)Material Research Society Fall Meeting 2002/12/6
論文リスト23
Masahiko Kai Atsushi Inoue Saburo Hoshi Satoshi Koyama
Xin Yao Teruo Izumi Kiyoshi Murata Yuh Shiohara
Teruo Izumi Yutaka Yamada Yuh Shiohara
Katsuya Hasegawa Junko Shibata Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yoshihiro Sugawara Tsukasa Hirayama Fumiyasu Oba Yuichi
Ikuhara
Takeshi Araki T. Niwa T. Muroga T. Kato Y. Yamada T.
Hirayama Y. Shiohara I. Hirabayashi
Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji Ryo Teranishi Junko
Shibata Shigenobu Asada Tetsuji Honjo Teruo Izumi Yuh
Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh
Atsushi Inoue Masahiko Kai Saburo Hoshi Teruo Izumi Yuh
Shiohara Kiyoshi Murata
Toru Izumi Katsuya Hasegawa Masahiko Kai Shigenobu Asada
Toshihiko Maeda Yuh Shiohara
Hiroshi Fuji Tetuji Honjo Ryo Teranishi Yoshitaka Tokunaga
Jyunko Shibata Teruo Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima
Takashi Saito
Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura Ryo Teranishi Yoshitaka
Tokunaga Hiroshi Fuji Junko Shibata Shigeru Asada Teruo
Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh,Atsushi
Kaneko,Kiyoshi Murata
Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada Hiroshi Ikuta
Izumi Hirabayashi Yuh Shiohara Uichiro Mizutani
Erdal Celik Takeshi Araki Toshiharu Niwa Hiroyuki Iwai
Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi Yuh Shiohara
Yutaka Yamada Takemi Muroga Hiroyuki Iwai Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Junko Shibata Yoshitaka Tokunaga Ryo Teranishi Hiroshi
Fuji Tstsuji Honjo Teruo Izumi Yuh Shiohara
Takemi Muroga Hiroyuki Iwai Yutaka Yamada Teruo Izumi Yuh
Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saito Takeharu Kato
Yoshihiro Sugawara Tsukasa Hirayama
和泉 輝郎、本庄 哲吏、富士 広、徳永 義孝、柴田 潤子、寺
西 亮、浅田 繁信、塩原 融、丹羽 利治、山田 穣、飯島 康
裕、斎藤 隆
Yuh Shiohara
Teruo Izumi Katsuya Hasegawa Yuh Shiohara Yoshihiro
Sugawara Tsukasa Hirayama Fumiyasu Oba Yuichi Ikuhara
Teruo Izumi Tetsuji Honjo Hiroshi Fuji Yoshitaka Tokunaga
Shigenobu Asada Junko Shibata Ryo Teranishi Yuh Shiohara
Yasuhiro Iijima Takashi Saito
Toshiharu Niwa Takeshi Araki Takemi Muroga Yasuhiro Iijima
Yutaka Yamada Takashi Saitoh Yuh Shiohara Izumi
Hirabayashi
タイトル
TFA-MOD法によるYBCO線材化基礎技術の検討(・)Basic Technique of
Fabricating YBCO coated conductores by TFA-MOD Process (・)
発表先
2003年春季第50回応用物理学関係連合講演会
論文リスト24
発表日
2003/3/27
発表者
寺西 亮、兼子 敦、富士 広、徳永 義孝、松田 潤子、浅田
繁信、本庄 哲吏、和泉 輝郎、塩原 融、村田 清、飯島 康
裕、斉藤 隆
投稿論文、記事他
タイトル
Journal
Fabrication of Gd-Ba-Cu-O films by the metal-organic deposition Superconductor Science and Technology
method using trifluoroacetates
Correlation between Film Thickness and Critical Current Density Japanese Journal of Applied Physics
of Sm1+xBa2-xCu3O6+δFilms Deposited by Pulsed Laser Deposition
Year
2002
2002
Percolation analysis of the effect of tape length on the
Physica C
critical current density of 123 coated conductors
レーザー蒸着法によるSmBa2Cu3Oy膜の作製とその面内配向性向上
日本金属学会誌
Preparation of SmBa2Cu3Oy Films with Improved In-plane
Alignment by Pulsed Laser Deposition
液相エピタキシー法による大型REBa2Cu3Oy(RE=Y,Yb)結晶膜の成長と評 日本金属学会誌
価Growth and Characterization of Large REBa2Cu3Oy(RE=Y,Yb)
Cryatalline Films by Liquid Phase Epitaxy Process
2002
High-Jc YBa2Cu3O7-x films on metal tapes by the metalorganic
deposition method using trifluoroacetates
Superconductor Science and Technology
Low-temperature growth conditions of YBa2Cu3O7-δ using Ba-CuAg-O-F solvent
High critical current density scheme of YBa2Cu3O7-x films by
metalorganic deposition using trifluoroacetates
Growth model and the effect of CuO nanocrystallites on the
properties of chemically derived epitaxial thin films of
YBa2Cu3O7-x
Vol.
No.
page
発表者
1415-1420 Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Hiroshi Ikuta
L983-L985 Kimihoko Sudoh Yusuke Ichino Masakazu Itoh
Yutaka Yoshida Yoshiaki Takai Izumi Hirabayashi
15
41
371
275-284 Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
2002
66
4
320-328 長谷川 勝哉、保原 夏朗、中村 雄一、和泉 輝
郎、塩原 融、
2002
66
4
289-296 野村 克己、星 三郎、山田 智明、井上 敦士、中
村 雄一、和泉 輝郎、村田 清、塩原 融
2002
15
L1-L3 Takeshi Araki Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki
Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi Takeharu Kato
Tsukasa Hirayama Yasuhiro Iijima Takashi Saito
Journal of Crystal Growth
2002
236
221-224 Yasuji Yamada Toshihiro Suga Izumi Hirabayashi
Superconductor Science and Technology
2002
15
Journal of Applied Physics
2002
92
Dip-coated YBa2Cu3O7-x film by metalorganic deposition using
trifluoroacetate
Physica C
2002
372-376
Superconducting REBCO/ME-NdBCO/MgO multilayer structure by
liquid phase epitaxy process (RE=Y, Sm and Nd, ME=Ni, Mg)
Superconductor Science and Technology
2002
15
BaZrO3バッファー層によるMgO基板上SmBa2Cu3Oy膜の面内配向性向上機 日本金属学会誌
構Improvement of In-plane alignment of SmBa2Cu3Oy Films on MgO
Substrate by Using BaZrO3 Buffer Layer
MOD-TFA法によるY123超電導線材作製プロセスの検討Fabrication
日本金属学会誌
Processing of Y123 Coated Conductors by MOD-TFA Method
LPE法によるRE123系擬単結晶厚膜の大型化Enlargement of RE123
Quasi-single Crystalline Film by Liquid Phase Epitaxy
LPE法におけるRE123結晶膜の選択成長機構Preferential growth
mechanism of RE123 film by liquid phase epitaxy
日本金属学会誌
MOD-TFA法によるY123超電導膜の成長機構Growth Mechanism of Y123
Films by MOD-TFA Method
日本金属学会誌
Homogeneity in Jc of YBa2Cu3O7-x films by the metalorganic
deposition method using trifluoroacetaes
Physica C
Bonding and Charge Distribution Calculation at Metal-Oxide
Interface in search of The Best Oxide Buffer-Substrate
Combination
YBa2Cu3O7-δ deposition on Ni-Cr alloy tape by liquid phase
epitaxy method
Physica C
6
913-916 Takeshi Araki Izumi Hirabayashi Junko Shibata
Yuichi Ikuhara
6 3318-3325 Takeshi Araki Toshiharu Niwa Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi Junko Shibata Yuichi Ikuhara
Kazumi Kato Takeharu Kato Tsukasa Hirayama
2003
67
6
2002
66
4
2002
66
3
日本金属学会誌
Physica C
821-824 Takeshi Araki Haruhiko Kurosaki Toyotaka Yuasa
Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh Yutaka Yamada
Izumi Hirabayashi
23-28 Xin Yao Toru Izumi Maxim Kuznetsov Natsuro
Hobora Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
295-301 Katsuya Hasegawa Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yoshihiro Sugawara Tsukasa Hirayama Fumiyasu
Oba Yuichi Ikuhara
279-283 本庄 哲吏、富士 広、中村 雄一、和泉 輝郎、塩
原 融、飯島 康裕、斎藤 隆、寺西 亮、吉村 昌
弘
野村 克己、星 三郎、中村 雄一、和泉 輝郎、塩
原 融
野村 克己、星 三郎、Xin Yao、中村 雄一、和泉
輝郎、塩原 融、村田 岳哉、柴田 潤子、大場 史
康、山本 剛久、幾原 雄一
151-154 本庄 哲吏、富士 広、中村 雄一、和泉 輝郎、塩
原 融、柴田 潤子、山本 剛久、幾原 雄一、寺西
亮、吉村 昌弘
Takeshi Araki Toyotaka Yuasa Haruhiko Kurosaki
T.Muroga T.Niwa Yutaka Yamada Izumi
Hirabayashi
Hirotaka Furuya Izumi Hirabayashi Yutaka
Yoshida Noriaki Matsunami Yoshiaki Takai
Yasuji Yamada Toshihiro Suga Haruhiko Kurosaki
SeokBeom Kim Toshihiko Maeda Izumi Hirabayashi
Yasuhiro Iijima Kazuomi Kakimoto Takashi Saitoh
論文リスト25
Fabrication processing of Y123 coated conductors by MOD-TFA
method
Physica C
2002
Influence of the second buffer layer for alignment of seed film Physica C
on Ni tape with NiO buffer layer
2002
Mechanism of NdBCO film growth with YBCO seed using liquid
phase epitaxy
High quality pulling crystals for electronic device
applications.
Enlargement of REBa2Cu3Oy (RE=Y, Yb) quasi-single crystalline
film by liquid phase epitaxy
Superconducting Properties of Ca-doped YBCO Thick Film by
Liquid Phase Epitaxy
YBa2Cu3O7-d Thin-film-seeded Nd1+xBa2-xCu3O7-d Thick-film Grown
by Liquid Phase Epitaxy
Physica C
Physica C
2002
Physica C
2002
Physica C
2002
Physica C
2002
Fabrication of meander shaped (Y,Yb)BCO LPE films for PCS
materials
Physica C
2002
Fabrication of coated conductor using LPE process
Physica C
2002
Effect of tape dimensions on the critical current density of
123 coated conductor considered with percolation analysis
Physica C
Comparative study on texture development of MgO and YSZ films
grown by inclined substrate deposition technique
Growth mechanism of Y123 film by MOD-TFA process
Physica C
2002
Physica C
2002
Observation of Mesoscopic Structures in NdBa2Cu3O7 -δby SmallAngle Neutron Scattering
Calcining Profile for large-area and thick YBa2Cu3O7-x film by
metalorganic deposition using trifluoroacetates
Growth mechanism of high peritectic temperature Nd1+xBa2xCu3O7-d thick film onlow peritectic temperature YBa2Cu3O7-d
seed film by liquid phase epitaxy
Fabrication of GdBa2Cu3O7-y films by the TFA-MOD method on
single crystalline substrates
378 1013-1016 Hiroshi Fuji Tetuji Honjo Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara Ryo teranishi
Masahiro Yishimura Yasuhiro Iijima Kaoru
Takeda
378-381 998-1002 Masahiko Kai Toru Izumi Katsuya Hasegawa
Y.Tokunaga Shigenobu Asada Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Tomonori Watanabe Yuh Shiohara
Daxiang Huang X. Yao K. Nomura Y. Wu Y.
Nakamura T. Izumi Y. Shiohara
378-381 1373-1377 Masahiro Egami Satoshi Koyama Norio Kawamae
Naoko Itoga Teruo Izumi
Yuh Shiohara
378-381 1216-1221 Katsumi Nomura Saburo Hoshi Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Yuh Shiohara
378
107-111 Xin Yao Daxiang Huang Katsumi Nomura Yuichi
Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
378 1209-1212 Xin Yao Katsumi. Nomura Toru Izumi Natsuro
Hobora Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh
Shiohara
378-381 1003-1008 Katsumi Nomura Teruo Izumi Atsushi Inoue
Tomoaki Yamada Saburo Hoshi Yoshitaka Tokunaga
Masahiko Kai Masahiro Egami Kiyoshi Murata Yuh
Shiohara
378-381
989-992 Toru Izumi Yao Xin Karsuya Hasegawa Masahiko
Kai Y.Tokunaga Shigenobu Asada Yuichi Nakamura
Teruo Izumi Tomonori Watanabe Yuh Shiohara
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara
378-381
955-959 Katsuya Hasegawa Yuichi Nakamura Teruo Izumi
Yuh Shiohara
378-381 1033-1038 Ryo Teranishi Hiroshi Fuji Tetsuji Honjo
Yuichi Nakamura Teruo Izumi Yuh Shiohara Junko
Shibata Takahisa Yamamoto Yuichi Ikuhara
Masahiro Yoshimura
Seiki Miyata Kozo Osamura Jun-ichi Suzuki
Kiyoshi Kuroda Naoki Koshizuka
Takeshi Araki Toshiharu Niwa Izumi hirabayashi
Japanese Journal of Applied Physics
Advanced functional materials
Journal of Crystal Growth
2002
234
611-615 Xin Yao Katsumi Nomura
Izumi Yuh Shiohara
Physica C
Yuichi Nakamura Teruo
Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada
Hiroshi Ikuta Izumi Hirabayashi Uichiro
Mizutani
解説/総説・記事他
タイトル
Review of a chemical approach to YBa2Cu3O7-x-coated
superconductors-Metalorganic deposition using
trifluoroacetates次世代高温超伝導線材Next generation coated conductor
RE系次世代高温超伝導線材の開発Development of next generation
RE-123 coated conductor
All Japan efforts on fundamental materials technology
developments for HTS applications Focusing on R&D of coated
conductors
Journal
Superconductor Science and Technology
Year
応用物理
日本金属学会誌
2002
2002
Cryogenics
2002
論文リスト26
Vol.
No.
71
66
page
1
4
42
発表者
Takeshi Araki Izumi Hirabayashi
29-35 甲斐 正彦、和泉 輝郎、塩原 融
207-213 富士 広、和泉 輝郎、塩原 融
393-398 Yoshitaka Tokunaga Teruo Izumi Yuh Shiohara
差し替え
B. 第Ⅱ期(平成15年度∼)
1) H15年度 応用基盤研究開発 成果 学会発表
(1)高性能長尺線材プロセス開発
発表日
発表媒体(学会)
2003/5/21 2003年度春季低温工学・超電導学会
タイトル
IBAD法におけるアシストイオン電流と薄膜結晶性の相関Correlation between
ISTEC
assisting beam current and crystallinity of film in IBAD method
IBAD-PLD法YBCO線材開発-IBAD基板上におけるPLD法CeO2キャップ層の高配向化及 ISTEC
び中間層プロセスの高速化検討 (Development of YBCO coated conductors
using IBAD-PLD method - Rapid and high degree of texturing process of
buffer layer on IBAD substrate.)
ISTEC
IBAD-PLD法YBCO線材開発-IBAD法による長尺中間層形成技術の開発(Development of YBCO coated conductors using IBAD-PLD method Development of lomg-length buffer layer deposited by IBAD method.)
発表者(筆頭)
S.Miyata
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
IBAD-PLD法YBCO線材開発-実用化の検討と取り組み- (Development of YBCO
coated conductors using IBAD-PROSPECTS FOR THE PRACTICAL CONDUCTORS)
Y.Yamada
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
IBAD-PLD法YBa2Cu3O7-x線材の開発∼PLD長尺装置によるYBa2Cu3O7-x線材の高Jc ISTEC
化検討∼ (Development of YBa2Cu3O7-x coated conductoers using IBAD-PLD
method
∼Investigation of YBa2Cu3O7-x coated conductors High-Jc
prepared by Reel-to-Reel PLD machine∼)
IBAD中間層成膜におけるアシストイオンビームの状態評価
Fujikura
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
PLD法による100m級Y系線材の作製
Fujikura
K.Kakimoto
2003/6/20 応用物理学会超伝導分科会第27回春季研究会
IBAD法の高速化と長尺化の現状
Fujikura
Y.Iijima
2003/8/4 低温工学協会超電導応用研究会
2003/8/27 H15年電気学会A部門大会
PLD法による長尺線材の開発
Fujikura
T.Saitoh
PLD-IBAD法YBCO線材の開発-PLD法CeO2キャップ層の高配向化及び中間層プロセス ISTEC
T.Muroga
の高速化-㨯Development of YBCO coated conductors using PLD-IBAD method㨯
2003/9/12 CCA 2003 (International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/12 CCA 2003 (International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/12 (CCA2003)International Workshop on Coated Conductors for
Applications
2003/9/12 (CCA2003)International Workshop on Coated Conductors for
Applications
2003/9/15 (EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
Preparation of 100-m class Y-123 coated conductors by IBAD and PLD
process
Development of YBCO Coated Conductor in SRL-Nagoya Coated Conductor
Center
Enhancement of grain alignment and deposition rate of CeO2 cap layer
on IBAD tape for YBCO coated conductor
Fabrication of IBAD-Buffer Layers on Various Metal Substrates
Development of long Y-system coated conductors by IBAD and PLD method
Fujikura
High grain alignment and high rate deposition of CeO2 cap layer by PLD
method for YBCO coated conductors
Advances in IBAD-GZO Buffer Layers
ISTEC
T.Muroga
ISTEC
T.Watanabe
ISTEC
T.Muroga
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
2003/5/22 2003年度春季低温工学・超電導学会
2003/9/17 (EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2003/9/18 (EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Rapid fabrication of highly textured CeO2 cap layer on IBAD tape for
YBCO coated conductor
論文リスト27
ISTEC
Fujikura
T.Muroga
T.Watanabe
H.Iwai
Y.Iijima
Y.Iijima
ISTEC
Y.Yamada
ISTEC
T.Muroga
ISTEC
T.Watanabe
Y.Iijima
発表日
発表媒体(学会)
2003/10/28 (ISS2003)International Symposium on Superconductivity
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
タイトル
発表者(筆頭)
Preparation of 100-m Long Y-123 Coated Conductors Processed by IBAD/PLD Fujikura
Y.Iijima
Method
Preparation of Second Buffer Layers on IBAD tapes by PLD
Fujikura
Y.Sutoh
2003/11/1 Japan-US Workshop on HTSC
Development of Y-system coated conductors by IBAD and PLD method
Fujikura
K.Kakimoto
2003/12/1 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
K.Kakimoto
2003/12/2 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
Development of IBAD/PLD Process for 100-m Length Y-123 Coated
Fujikura
Conductors
ISTEC
Influence of Assisting and Sputtering Ion Beams on Films in IBAD
Process㨯IBADプロセスにおける薄膜に対するアシスト及びスパッタイオンビーム
の及ぼす影響
S.Miyata
2003/12/2 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
Fabrication of YBCO Film on CeO2 Capped IBAD Layer
ISTEC
T.Watanabe
2003/12/2 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
Development of Long YBCO Coated Conductor using Self-Epitaxial CeO2
Buffered IBAD in SRL Nagaoya Coated Conductor Center
IBAD基板上への高配向PLD-CeO2キャップ層の長尺化検討㨯Continuous
fabrication of highly textured CeO2 cap layer on IBAD tape for YBCO
coated conductor
ISTEC
Y.Yamada
ISTEC
T.Muroga
2003/12/3 2003年度 秋季低温工学 超電導学会
2003/12/3 2003年度 秋季低温工学 超電導学会
IBAD-PLD法YBa2Cu3O7-x線材の開発ޯPLD長尺装置によるYBa2Cu3O7-x線材の高Ic ISTEC
化検討ޯ㨯Investigation of YBa2Cu3O7-x coated conductors High-Ic
prepared by Reel-to-Reel PLD machine
2003/12/3 2003年度 秋季低温工学 超電導学会
PLD法によりIBAD基板上の第二中間層の配向性の改善
Fujikura
Y.Sutoh
2003/12/3 2003年度 秋季低温工学 超電導学会
IBAD/PLD法による100m級 Y-123超電導線材の開発
Fujikura
Y.Iijima
Crystal Growth of Superconductive Oxide from Oxide Metals
ISTEC
T.Izumi
2003/5/21 低温工学 超電導学会
MOD法用いたYBCO線材用中間層の開発
Showa
Y.Takahashi
2003/5/22 低温工学 超電導学会
TFA-MOD法を用いた長尺YBCO線材の開発
Showa
Y.Takahashi
200/5/22
低温工学 超電導学会
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材プロセス開発 Development of a fabrication
process of YBCO coated conductors using improved TFA-MOD method
ISTEC
Y.Tokunaga
200/5/22
低温工学 超電導学会
ISTEC
T.Niwa
2003/6/20 応用物理学会超伝導分科会第27回春季研究会
IBAD基板上CeO2中間層配向性のTFA-MOD法YBCO薄膜への影響 (Effects of
orientation degree of cap layer on TFA-MOD derived YBCO films)
Ni基配向金属基板を用いた線材開発
2003/8/6
酸化物超電導線材作製プロセスとその応用展開
ISTEC
Y.Shiohara
2003/8/18 The Korean Superconductivity Society Meeting 2003
Fabrication of YBCO Coated Conductors by Advanced TFA-MOD Process
ISTEC
R.Teranishi
2003/8/30 2003年(平成15年)秋季第64回応用物理学会学術講演会
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材化基礎技術の検討㨯Basic Technique of
Fabricating YBCO coated conductors by improved TFA-MOD Process
Improvement of TFA-MOD Process for YBCO thick films with high critical
current
Recent Progress on Development of TFA-MOD Processing for Coated
Conductors
State of the Art of CC Development (JAPAN)
ISTEC
R.Teranishi
ISTEC
Y.Tokunaga
ISTEC
T. Izumi
ISTEC
Y.Shiohara
(2)低コスト長尺線材プロセス開発
2003/5/20 低温工学 超電導学会
北海道夏期セミナー
2003/9/12 CCA2003( International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/12 CCA2003(International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/12 CCA2003(International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
論文リスト28
Furukawa
H.Iwai
T.Maeda
発表日
発表媒体(学会)
2003/9/12 CCA2003(International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/13 CCA2002( International Workshop on Coated Conductors for
Applications)
2003/9/15 (EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2003/9/15 (EUCAS)European Conference for Applied Superconductivity
2003/10/8 IUMRS-ICAM2003
2003/10/8 IUMRS-ICAM2003
2003/10/11 日本金属学会 秋期大会
タイトル
Fabrication and Characteristics of VBCO Coated Condutors by All-MOD
Process
Development of HoBCO coated conductor by PLD method
Sumitomo
S.Hahakura
Development of HoBa2Cu3Oy coated conductor by PLD method
Sumitomo
S.Hahakura
Fabrication and Characteristics of VBCO Coated Condutors by All-MOD
Process
Fabrication of Sm123 film on texture Ni substrate by PLD method㨯
Showa
Y.Takahashi
ISTEC
T.Izumi
Preparation of YBCO coated conductor on metallic tapes using MOD
process
MOD法によるY123膜組織に対する水蒸気分圧の影響㨯Effects of water partial
pressure on microstructures of Y123 films deposited by MOD method 㨯
Showa
Y.Takahashi
ISTEC
J.Matsuda
ISTEC
H.Fuji
Showa
発表者(筆頭)
Y.Takahashi
2003/10/11 日本金属学会秋季大会
MOD-TFA法によるY123超電導線材のプロセス開発
2003/10/12
ISTEC
IMPROVEMENT OF IN-PLANE ALIGNMENT AND SUPERCONDUCTING CHARACTERISTICS
OF SmBa2Cu3Oy FILMS ON TEXTURED NiO/Ni SUBSTRATE BY USING BaZrO3 BUFFER
LAYER
T.Izumi
2003/10/12 日本金属学会2003年度秋季大会
フッ化物を前駆体に用いたYBCO膜の結晶成長モデル解析(2)
ISTEC
T.Honjo
2003/10/13 IUMRS Interntional Conference in Japan
Advaced MOD processing of YBCO Films for Coated Conductors
ISTEC
T.Honjo
2003/10/27 (ISS)International
High Critical Current YBCO Films Using Advanced TFA-MOD Process
ISTEC
Y.Tokunaga
(ECS)204th Meeting of The Electrochemical Society
Symposium on Superconductivity
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Fabrication of YBCO Film by TFA-MOD Process at Low-Pressure Atmosphere
ISTEC
R.Teranishi
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Processing for long YBCO coated condutors by advanced TFA-MOD process
ISTEC
H.Fuji
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Progress and Future Prospect of R & D on Coated Conductors Japan
ISTEC
Y.Shiohara
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Fabrication of Sm123 film on the textured Ni substrate by PLD
ISTEC
T.Izumi
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
ISTEC
J.Matsuda
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
ISTEC
J.Matsuda
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
ISTEC
K.Hasegawa
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Effect of BaZrO3 Buffer Layer on Microstructure of SmBa2Cu3Oy Film
Deposited by Pulsed Layser Deposition
Effects of Heat-Treatment Conditions on the Microstructure of MultiCoating Y123 Films Deposited by Advanced TFA-MOD Method
Improvement of In-plane Alignment for Surface Oxidized NiO layer on
Textured Ni Substarte by a Two-Step Heat-Treatment
Development of HoBCO coated conductor by PLD method
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Strengthened Textured Metal Substrates for Coated Conductor Application Furukawa
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
2003/10/29 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Preparation of high Jc YBCO coated conductor on metallic tapes using
MOD process
Fabrication of REBa2CuO7-y Film by Advanced TFA-MOD Process㨯
論文リスト29
Sumitomo
S.Hahakura
T.Maeda
Showa
Y.Takahashi
ISTEC
A.Kaneko
発表日
発表媒体(学会)
2003/10/29 (ISS2003)International Symposium on Superconductivity
2003/10/29 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
2003/10/29 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Progress in Development of
タイトル
Coated Conductors by TFA-MOD Processing
ISTEC
発表者(筆頭)
T.Izumi
Long tape Processing for Coated Conductors by Multiple-Stage CVD Method Chubu Electric Power
N.Kashima
Development of all MOD Processing for Coated Conductors
Showa
T.Hasegawa
2003/11/1 Japan-US Workshop on HTSC
Properties of YBCO and suitable buffer layer for ALL-MOD process
Showa
2003/11/2 Japan-US Workshop on HTSC
Development of HoBCO coated conductor by PLD method
Sumitomo
2003/12/1 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
Processing for Coated Condutor by Modified TFA-MOD Method
ISTEC
H.Fuji
2003/12/1 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
Investigation on microstructures and growth mechanism of Y123 films
deposited by modified TFA-MOD method
Development of HoBCO coated conductor by PLD method
ISTEC
J.Matsuda
2003/12/1 (MRS Fall Meeting)Material Research Society Fall Meeting
2003/12/3 2003年度秋季 低温工学・超電導学会
2003/12/3 2003年度秋季低温工学・超電導学会
2003/12/3 2003年度秋季低温工学・超電導学会
高強度配向金属基板の作製と評価
Furukawa
2003/12/3 2003年度秋季低温工学・超電導学会
MOD法を用いたYBCO線材用中間層の開発
Showa
(3)長尺線材評価・可加工性技術開発
2003/6/5 第27回日本セラミックスス協会東海支部東海若手セラミスト懇話 Niテープ上に成膜された超電導線材用CeO2/Gd2Zr2O7中間層の微細構造解析
会
2003/6/8 日本顕微鏡学会第59回学術講演会
CeO2/Gd2Zr2O7膜の微細構造解析
2003/6/20 応用物理学会超伝導分科会主催第27回研究会
M.Konishi
Sumitomo
改良型TFA-MOD法によるYBCO 線材の高特性化㨯High performance of YBCO coated ISTEC
conductors by advanced TFA-MOD method
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材プロセスの高速化㨯High production rate
ISTEC
process of YBCO coated conductors using improved TFA-MOD method
レーザ蒸着法によるHoBCO高温超電導線材の開発
Sumitomo
2003/12/3 2003年度秋季低温工学・超電導学会
Y.Aoki
K.Ohmatsu
Y.Tokunaga
T.Honjo
K.Fujino
T.Maeda
Y.Takahashi
JFCC
T.Kato
JFCC
T.Kato
Critical current properties in YBCO coated conductors
Y系酸化物超伝導線材の臨界電流特性 (Invited)
Estimation of characteristics in YBCO-IBAD conductor by use of
percolation model
パーコレーションモデルを用いたYBCO-IBAD 線材の特性評価
Kyushu Univ
T.Kiss
Kyushu Univ
H.Sawa
2003/8/31 第64回応用物理学関係連合講演会
Angular dependence of critical current properties in YBCO coated
conductor
PLD/IBAD線材の臨界電流特性の角度依存性
Kyushu Univ
M.Inoue
2003/8/31 第64回応用物理学関係連合講演会
Current transport properties of a YBCO IBAD tape made by TFA-MOD
process
TFA-MOD 法により作製したYBCO-IBAD テープ線材の電流輸送特性
Kyushu Univ
Y.Tsuda
2003/9/27 電気関係学会九州支部56回連合大会
Current transport properties of a YBCO thick films made by Ex-situ
process
Ex-situ 法により作製したYBCO 高温超伝導厚膜の電流輸送特性
Kyushu Univ
H.Sawa
2003/9/27 電気関係学会九州支部56回連合大会
Current transport properties of a YBCO-IBAD tape made by TFA-MOD
process
TFA-MOD 法により作製したYBCO-IBAD テープ線材の電流輸送特性
Kyushu Univ
Y.Tsuda
2003/8/31 第64回応用物理学関係連合講演会
論文リスト30
発表日
発表媒体(学会)
2003/9/12 International Workshop on Coated Conductors for
Application 2003
タイトル
発表者(筆頭)
Current Transport Properties in a YBCO Coated IBAD Tape Made by TFA-MOD Kyushu Univ
T.Kiss
Process
2003/10/2 The 5th International Meeting of Pacific Rim Ceramic
Societies
2003/10/28 (ISS2003)International Symposium on Superconductivity
TEM Observation of CeO2/Gd2Zr2O7 Buffer Layer on an Ni-based Alloy for JFCC
YBCO Superconducting Tape
Advances in Coated Conductor Development at SRL-Nagoya Coated Conductor ISTEC
Center
Transmission Electron Microscopy Studies of RE123 Coated Conductors
JFCC
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
2003/10/28 The 16th International Symposium on Superconductivity
2003/11/1 The 11th Japan-US Workshop on High-Tc Superconductors
2003/11/14 International Symposium on Information Science and
Electrical Engineering 2003
2003/12/3 第69回低温工学・超伝導学会
Transmission Electron Microscopy Studies of CeO2/Gd2Zr2O7 Buffer Layer
on an Ni-based Alloy for YBCO Coated Conductor
Evaluation of E-J characteristics of YBCO-coated conductor in a wwade
range of electric field
Spatially resolved measurements of dissipative state in HTS tapes and
films by low temperature scanning laser microscopy (invited)
Critical current property in YBCO superconducting wires in very high
magnetic field up to 27T
Imaging of local inhomogeneities in a YBCO film made by TFA-MOD process
TFA-MOD法によりIBAD基板上に作製したYBCO膜の低温レーザ顕微鏡観察
JFCC
T.Kato
T.Watanabe
Y.Sugawara
T.Kato
Kyushu Univ
Y.Fukumoto
Kyushu Univ
T.Kiss
Kyushu Univ
M.Inoue
Kyushu Univ
M.Yasunaga
2003/12/3 第69回低温工学・超伝導学会
Critical current properties in a YBCO/IBAD tape made by TFA-MOD process Kyushu Univ
TFA-MOD法により作製したYBCO/IBAD線材の臨界電流特性
T.Ohta
2003/12/3 第69回低温工学・超伝導学会
Evaluation of E-J characteristics of YBCO coated-conductor
第三高調波電圧誘導法を用いたYBCO coated線材のE-J特性の評価
Current transport properties of a YBCO tape made by TFA-MOD process
TFA-MOD法によるYBCO線材の臨界電流特性
Kyushu Univ
Y.Fukumoto
Kyushu Univ
Y.Tsuda
2003/12/6 平成15年度応用物理学会九州支部学術講演会
Comparison of Jc distribution in the YBCO/IBAD tape made by different
process
異なる製膜法によって得られたYBCO/IBAD線材のJc分布比較
Kyushu Univ
H.Sawa
2003/12/15 Asian Conference on Applied Superconductivity and
Cryogenics
2004/2/12 2004 International Cryogenic Materials Conference (ICMC)
topical workshop
2004/3/30 2004年春季 第51回応用物理学関係連合講演会
Current Transport Properties in YBCO Coated IBAD Tapes
Kyushu Univ
T.Kiss
Spatially resolved measurements of inhomogeneous dissipation in HTS
conductors (Invited)
Estimation of characteristics in YBCO-IBAD conductor by use of
percolation model (2)
パーコレーションモデルを用いたYBCO-IBAD線材の特性評価(2)
Kyushu Univ
T.Kiss
Kyushu Univ
M.Inoue
2004/3/30 2004年春季 第51回応用物理学関係連合講演会
Jc degradation in a YBCO coated conductor and the variation of static
Jc distribution
YBCO線材のJc劣化とJc統計分布の変化
Kyushu Univ
Y.Tsuda
2004/3/30 日本金属学会 2004年春季大会
透過型電子顕微鏡による CeO2/Gd2Zr2O7多層膜の微細構造解析
JFCC
The effect of chemical inhomogeneities on the pinning properties of
Bi2212 single crystals
Magneto-optical studies of chemical inhomogeneities in Bi2212 single
crystals
ISTEC
N.Chikumoto
ISTEC
N.Chikumoto
2003/12/6 平成15年度応用物理学会九州支部学術講演会
(4)高温超電導材料高度化技術開発
2003/7/28 (IWCC2003)International workshop on critical currents
2003/8/28 NATO Advanced Research Workshop Magneto-Optical Imaging
論文リスト31
T.Kato
発表日
発表媒体(学会)
2003/9/23 日本物理学会2003年秋季大会
タイトル
Hg1201のZn置換効果:帯磁率とCu NQR
ISTEC
発表者(筆頭)
Y.Itoh
2003/9/23 日本物理学会2003年秋季大会
HgBa2CuO4+yの異常フォノン分散㨯Phonon anomaly in HgBa2CuO4+y㨯
ISTEC
H.Uchiyama
2003/9/23 日本物理学会2003年秋季大会
T*型銅酸化物超伝導体の面内電荷応答(III)
ISTEC
T.Kakeshita
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Phonon softening in HgBa2CuO4+δ
ISTEC
H.Uchiyama
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
ISTEC
T.Masui
2003/10/27 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
ISTEC
N.Chikumoto
2003/10/28 (ISS2003)International
Symposium on Superconductivity
Carbon-substitution effect on superconducting properties in MgB2 single
crystal
MO Observation of Flux Penetration in the High-Tc Superconductor with
Grain Boundary
The effect of Zn-substitution and Carrier doping on Vortex Pinning in
YBa2Cu3O7-δ Single Crystals
Zn-neighbor Cu Nuclear Quadrupole Resonance of Zn-doped YBCO
ISTEC
T.Masui
ISTEC
Y.Itoh
ISTEC
S.Tajima
2003/11/9 The 3rd International Workshop on Novel Quantum Phenomena
in Transition Metal Oxides
2004/1/19 文部科学省科学研究費特定領域研究「遷移金属酸化物における新 In-plane Optical Conductivity of High-Tc Cuprates: Reduced
しい量子現象」成果報告会
Superconducting Condensate and Residual Drude-like Response
2004/3/27 日本物理学会
H perpendicular to CuO2 field dependence of c-axis optical conductivity
of YBCO
2004/3/28 第51回応用物理学会学術講演会
過剰ドープYBa2Cu3O6+δ(Tc=88K)多結晶試料の作製㨯Preparation of overdoped
YBa2Cu3O6+α(Tc=88K) polycrystal
2004/3/28 日本物理学会
Photoemission spectra of over-doped YBCO-II
2004/3/30 日本物理学会第59回年次大会
Tokyo Univ
ISTEC
A.Yamamoto
ISTEC
T.Masui
ISTEC
The superconducting state of carbon-substituted MgB2 single crystals
observed by resistivity and magnetization (電気抵抗と磁化で見た炭素置
換MgB2 単結晶の磁場中超伝導状態)
論文リスト32
S.Uchida
S.Lee
差し替え
H15年度
論文
1.高性能長尺線材プロセス開発
タイトル
All Japan efforts on R&D of HTS coated conductors for future
applications
Present status and perspective of IBAD and PLD system in SRL
and self-epitaxy in PLD-CeO2 on IBAD seed layer
Pulsed laser deposition method-CeO2 buffer layer for YBCO
coated conductor
No.
392-396
Page
発表者
9-16 Teruo Izumi Yutaka Yamada Yuh Shiohara
2003
392-396
2003
392-396
Physica C
2003
391-396
777-782 Yutaka Yamada Takemi Muroga Hiroyuki Iwai
Teruo Izumi Yuh Shiohara
796-800 Takemi Muroga Hiroyuki Iwai Yutaka Yamada
Teruo Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima
Takashi Saito Takeharu Kato Yoshihiro Sugawara
Tsukasa Hirayama
783 K.Kakimoto
Growth mechanism of YBCO film by TFA-MOD process
Physica C
2003
392-396
Improvement of superconducting properties of SmBa2Cu3Oy films
on MgO substrate by using BaZrO3 buffer layer
Physica C
2003
392-396
High critical current YBCO thick films by TFA-MOD process
Physica C
2003
392-396
Processing for long YBCO coated conductors by TFA-MOD process
Physica C
2003
392-396
Fabrication and growth mechanizm of YBCO coated conductors by
TFA-MOD process
Physica C
2003
392-396
Metal-organic deposition of RE-Ba-Cu-O (RE = Dy, Ho, Er and Tm) Physica C
films using trifluoroacetates
2003
392-396
Effects of heat-treatment conditions on the microstructure of
Y123 films deposited by TFA-MOD method
Physica C
2003
392-396
Effectivity of BaZrO3 buffer layer in SmBa2Cu3Oy epitaxial
growth on MgO substrate: A first-principles study
Journal of Applied Physics
Synthesizing rout of coating solution for metalorganic
deposition using trifluoroacetates
Physica C
Epitaxial growth of Nb doped SrTiO3 buffer layers on LaAlO3
substrates by metalorganic deposition
Physica C
Fablication of long-Y123 coated conductors by combination of
IBAD and PLD
Physica C
Journal
Year
2003
Physica C
Physica C
Vol.
2.低コスト長尺線材プロセス開発
882-886 Ryo Teranishi Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura
Hiroshi Fuji Yoshitaka Tokunaga Junko Matsuda
Teruo Izumi Yuh Shiohara
835-840 Katsuya Hasegawa Junko Shibata Teruo Izumi Yuh
Shiohara Yoshihiro Sugawara Tsukasa Hirayama
Fumiyasu Oba Yuichi Ikuhara
909-912 Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji Ryo Teranishi
Junko Shibata Shigenobu Asada Tetsuji Honjo
Teruo Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima
Takashi Saitoh
905-908 Hiroshi Fuji Tetuji Honjo Ryo Teranishi
Yoshitaka Tokunaga Jyunko Shibata Teruo Izumi
Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saito
873-881 Tetsuji Honjo Yuichi Nakamura Ryo Teranishi
Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji Junko Shibata
Shigeru Asada Teruo Izumi Yuh Shiohara Yasuhiro
Iijima Takashi Saitoh,Atsushi Kaneko,Kiyoshi
Murata
900-904 Toshihiro Iguchi Takeshi Araki Yutaka Yamada
Hiroshi Ikuta Izumi Hirabayashi Yuh Shiohara
Uichiro Mizutani
922-926 Junko Shibata Yoshitaka Tokunaga Ryo Teranishi
Hiroshi Fuji Tstsuji Honjo Teruo Izumi Yuh
Shiohara
Fumiyasu Oba Yoshihiro Sugawara Katsuya
Hasegawa Teruo Izumi Yuh Shiohara Tsukasa
Hirayama Takahisa Yamamoto Yuichi Ikuhara
Takeshi Araki T. Niwa T. Muroga T. Kato Y.
Yamada T. Hirayama Y. Shiohara I. Hirabayashi
Erdal Celik Takeshi Araki Toshiharu Niwa
Hiroyuki Iwai Yutaka Yamada Izumi Hirabayashi
Yuh Shiohara
論文リスト33
3.長尺線材評価・可加工性技術開発
タイトル
TEM Observations of Gd2Zr2O7 Films Formed by the Ion-BeamAssisted Deposition Method on an Ni-based Alloy
Transmission Electron Microscopy Studies of Highly Oriented and
Biaxially Textured CeO2/Gd2Zr2O7 Buffer Layer on an Ni-based
Alloy for YBCO Coated Conductor
A new Method for Preparing Plan-View TEM Specimen of
Multilayered Films Using Focused Ion Beam
Y1Ba2Cu3O7-δ 酸化物高温超伝導線材の強磁界中における臨界電流特
性 Curitical current properties of a YBCO coated conductor in
high magnetic fields
Journal
Year
2003
Physica C
Vol.
No.
392-396
Page
790-795 T.Kato et al.
8th Asia-Pacific Conference on Electron
Microscopy (8APEM)
T.Kato et al.
Journal of Electron Microscopy
T.Kato et al.
電気学会論文誌A 基礎・材料・共通部門誌
Critical current properties in HTS tapes
Physica C
Angular dependence of irreversibility field in Y-123 coated
tape
Physica C
発表者
Vol. 123
2003
593-599 Masayoshi Inoue et al.
392-396(2) 1053-1062 Takanobu Kiss et al.
392-396(2) 1063-1067 Masaru Kiuchi et al.
Evaluation of E-J characteristics of YBCO-coated conductor in a Physica C
wide range of electric field
392-396(2) 1073-1077 K.Yamauchi et al.
Estimation of E-J characteristics in a YBCO coated conductor at Physica C
low temperature and very high magnetic field
392-396(2) 1078-1082 Masayoshi Inoue et al.
Takanobu Kiss et al.
Current Transport Properties in a YBCO Coated IBAD Tape Made by Extended Abstract of International Workshop on
TFA-MOD Process
Coated Conductors for Application 2003,
HTS:CVD&MOD
Spatially resolved measurements of dissipative state in HTS
tapes and films by low temperature scanning laser microscopy
(invited)
Extended Abstract of 11th Japan-US Workshop on
High-Tc Superconductors
24-25
Takanobu Kiss et al.
4.高温超電導材料高度化技術開発
Fabrication of Zn-doped RE123 LPE films for Persistent current
switch materials
Physica C
2003
392-396
RE123 LPE film on BaZrO3 buffered MgO substrate for PCS
material
Fabrication of RE123 coated conductor using LPE process
Physica C
2003
392-396
Physica C
2003
392-396
LPE法を用いた永久電流スイッチ用RE123/BaZrO3/MgO膜の形状制御機構 日本金属学会誌
Size control mechanism of RE123 LPE films on BaZrO3 buffered
MgO substrate for PCS material
In-plane optical conductivity of La2-xSrxCuO4: Reduced
Physical Review B
superconducting condensate and residual Drude-like response
2003
67
4
961-964 Masahiko Kai Atsushi Inoue Saburo Hoshi
Satoshi Koyama Xin Yao Teruo Izumi Kiyoshi
Murata Yuh Shiohara
965-969 Atsushi Inoue Masahiko Kai Saburo Hoshi Teruo
Izumi Yuh Shiohara Kiyoshi Murata
946-950 Toru Izumi Katsuya Hasegawa Masahiko Kai
Shigenobu Asada Toshihiko Maeda Yuh Shiohara
153-156 甲斐 正彦、井上 敦士、星 三郎、小山 敏、和泉
輝郎、村田 清、塩原 融
Setuko Tajima Y. Fudamoto T. Kakeshita B.
Gorshunov V. Zelezny K. M. Kojima M. Dressel
S. Uchida
解説/総説・記事他
タイトル
Kohn anomaly in MgB2 and related compounds by inelastic X-ray
scattering
TFA-MOD法を用いたYBCO 薄膜線材の開発Development of YBCO films
for coated conductors using TFA-MOD process
Recent Progress of R&D for Coated in Japan
Journal
Spring-8 reseach frontiers
Year
Vol.
No.
Page
溶液から作る高特性超伝導体 High performance superconductors
derived from chemical solution method
酸化物超伝導単結晶の育成技術と応用Growth techniques and
applications of superconductor single crystal
未来材料
2003
3
10
応用物理
2003
72
7
発表者
H. Uchiyama
FSST NEWS
徳永 義孝、本庄 哲吏、和泉 輝郎、塩原 融
Yuh Shiohara Akihiko Tsutai
論文リスト34
荒木 猛司
920-926 Ryo Teranishi Teruo Izumi Yuh Shiohara
差し替え
2) H16年度 応用基盤研究開発 成果
学会発表
1.高性能長尺線材プロセス開発
発表日
発表先
2004/5/24 2004年春季低温工学・超電導学会
タイトル(筆頭者)
IBAD/PLDによる高特性YBCO線材の機械的曲げ歪特性
Fujikura
発表者
Y.Sutoh
2004/5/24
2004年春季低温工学・超電導学会
長尺IBAD中間層形成におけるアシストイオンビームの影響
Fujikura
Y.Iijima
2004/5/24
2004年春季低温工学・超電導学会
IBAD/PLDによる高Ic長尺Y系線材の作製
Fujikura
K.Kakimoto
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発(1)-長尺化と高速化への取り組み-Development of Long YBCO Coated ISTEC
Conductor by IBAD-PLD Method(1)-long wire fabrication and high production rate -
Y.YAMADA
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発(3)∼IBAD中間層上における自己配向PLD-CeO2キャップ層の長尺化検 ISTEC
討∼Development of long YBCO coated conductor by IBAD-PLD method -Self-Epitaxial PLD-CeO2 cap
layer on long IBAD buffer tape-
T.Muroga
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
IBAD/PLD法による長尺YBCO線材の開発(4)-ビームスキャンによるYBCOの高速PLD成膜ーDevelopment of long
YBCO coated conductors using IBAD-PLD method-High rate deposition of YBCO films by laser beam
scanning-
T.Watamabe
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発(2) −IBAD-Gd2Zr2O7二軸配向基板の長尺化及び高速化プロセスの ISTEC
開発−evelopment of Long YBCO Coated Conductor by IBAD-PLD Method (2) - Rapid and Long Length
Fabrication of Biaxially Textured IBAD-Gd2Zr2O7 -
2004/8/30
平成16年電気学会基礎材料共通部門 全国大会
IBAD/PLD法を用いたY-123超電導線材の長尺特性
Fujikura
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演会
IBAD法で得られた二軸配向膜の結晶構造
ISTEC
2004/10/4
Development of long Y-123 coated conductors for coil-applications by IBAD/PLD method
Fujikura
2004/10/5
2004 Applied Superconductivity Conference
(2004ASC)
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
2004/10/5
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
2004/10/5
(ASC)Applied Superconductivity Conference
2004/10/5
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
2004/11/1
2004年度秋季低温工学 超電導学会
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発(1)∼IBAD中間層上における自己配向PLD-CeO2キャップ層の長尺化∼ ISTEC
Development of long YBCO coated conductor by IBAD-PLD method -Self-Epitaxial PLD-CeO2 cap layer
on long IABD tape-
T.Muroga
2004/11/1
2004年度秋季低温工学 超電導学会
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発(2)∼マルチ-ターン・マルチ-プルームによる長尺YBCO層のPLD成膜∼ ISTEC
Development of long YBCO coated conductor by IBAD-PLD method -PLD of long YBCO layers using
multi-turn and multi-plume method-
T.Watanabe
2004/11/1
2004年秋季低温工学・超電導学会
IBAD/PLD法によるYBCO線材の曲げ歪特性
Fujikura
Y.Sutou
2004/11/1
2004年秋季低温工学・超電導学会
IBAD法による長尺配向中間層の作製
Fujikura
Y.Iijima
2004/11/1
2004年秋季低温工学・超電導学会
IBAD/PLD法による100m級高IcY系線材の作製
Fujikura
K.Kakimoto
2004/11/2
2004年度秋季低温工学・超電導学会
日米における次世代超電導線材開発の現状
ISTEC
Development of long Y123 coated conductors in Fujikura by IBAD/PLD process
Fujikura
2004/11/18 International workshop on coated conductors for
applications (CCA2004)
ISTEC
Investigation of multi-deposition for high Ic YBCO coated conductor prepared by PLD on selfISTEC
epitaxial CeO2 buffers
Long and High Rate Production of IBAD Templates for YBCO Coated ConductorsYBCO線材用IBAD基板の長尺 ISTEC
化と高速化へ向けた研究
Continuous Deposition and Rapid Fabrication of Self-Epitaxial CeO2 Cap Layer by PLD method on
ISTEC
IBAD Buffer Tape for YBCO
High Rate Deposition of YBCO Films for Coated Conductors by PLD
ISTEC
論文リスト35
S.Miyata
Y.Iijima
S.Miyata
Y.Iijima
T.Watanabe
S.Miyata
T.Muroga
T.Watanabe
Y.Siohara
Y.Iijima
発表日
発表先
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/12/10 応用物理学会超伝導分科会第30回研究会
タイトル(筆頭者)
Japanese National Project of Coated Conductors
ISTEC
発表者
Y.Shiohara
Activity of R&D for Coated Conductors in Japan
ISTEC
Y.Shiohara
Research of long IBAD-PLD coated conductors with high quality
Fujikura
K.Kakimoto
The influence of bombarding ion elements on texture improvement of IBAD-Gd2Zr2O7 films
Fujikura
Y.Iijima
Mechanical bending property of YBCO coated conductor by IBAD/PLD
Fujikura
S.Sutou
Development of high Ic coated conductors by discrete multi-plume PLD
ISTEC
T.Watanabe
Investigations of thick YBCO coated conductor with high critical current using IBAD-PLD method
ISTEC
A.Ibi
Continuous fabrication of self-epitaxial PLD-CeO2 cap layer on IBAD tape for YBCO coated
conductors
高温超伝導材料の研究開発の歩み(応用編)RE123系線材の開発
ISTEC
T.Muroga
2005/3/29
(MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
春季応用物理学会シンポジウム
Development of Multi-plume and Multi-turn(MPT)PLD for YBCO Coated Conductor
ISTEC
イットリウム系超電導線材の開発
Fujikura
(MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
Thickness dependence of critical current, Ic, in PLD-YBCO coated conductor on PLD-CeO2/IBAD-GZO
buffered substrate
ISTEC
2005/3/29
2005/3/31
Fujikura
Y.Iijima
T.Watanabe
Y.Iijima
A.Ibi
2.低コスト長尺線材プロセス開発
2004/5/24
2004年度春季低温工学超電導学会
パルスレーザ蒸着法によるHoBCO薄膜線材の開発(I)
Sumitomo
S.Hahakura
2004/5/24
2004年度春季低温工学超電導学会
パルスレーザ蒸着法によるHoBCO薄膜線材の開発(II)
Sumitomo
S.Hahakura
2004/5/24
2004年度春季低温工学超電導学会
MOD法用いたYBCO長尺線材の開発
Showa
Y.Takahashi
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
ISTEC
Y.Tokunaga
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
改良型TFA-MOD法を用いたYBCO線材開発Development of YBCO coated conductors using advanced TFA-MOD
process
CVDによる長尺基板へのYBCO薄膜製作
Chubu Electric Power
T.Niwa
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
CVD法によるYBCO膜の厚膜化への取り組み
Chubu Electric Power
T.Niwa
2004/6/7
Transmission Electron Microscopic Studies on Growth Mechanism of Y123 Films Formed by Advanced
TFA-MOD Method
ホルミウム系薄膜超電導線材の開発
ISTEC
2004/6/17
(8APEM)8th Asaia-Pacific Conference on Electron
Microscopy
電気学会 超電導応用電力機器研究会
Sumitomo
S.Hahakura
2004/7/15
第196回電気材料技術懇談会
高温超電導薄膜線材の開発
Sumitomo
S.Hahakura
2004/8/16
KSS2004
Development of TFA-MOD coated conductor
ISTEC
H.Fuji
2004/8/30
電気学会基礎材料共通部門全国大会
TFA-MOD 法によるYBCO線材の開発
ISTEC
T.Izumi
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演会
TFA-MOD法によるYBCO膜の結晶モデルBasic Growth Model of YBCO film by TFA-MOD Process
ISTEC
R.Teranishi
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演学会
改良型TFA-MOD法によるYBCO膜作製
ISTEC
K.Nakaoka
論文リスト36
J.Matsuda
発表者
S.Nomoto
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
タイトル(筆頭者)
TFA-MOD法におけるYBCO膜の成長速度の数値解析Numerical Analysis for Growth Rate of YBCO conducter in ISTEC
TFA-MOD Process
High-Jc Processing for YBCO Coated Conductors by TFA-MOD Process
ISTEC
2004/10/3
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
Progress in R&D for Coated Conductors by TFA-MOD Processing
ISTEC
T.Izumi
2004/10/3
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
ISTEC
J.Matsuda
2004/10/4
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
Effects of heating rate in calcination process on microstructures of Y123 precursor and final
films formed by advanced TFA-MOD method
High Ic HoBCO Coated Conductors by PLD Method
Sumitomo
2004/10/4
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
Preparation of YBCO coated conductor by the TFA-MOD method
Showa
2004/10/6
(ASC2004)Applied Superconductivity Conference
Fabrication of Coated Conductors by Multiple-Stage CVD
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
TFA-MOD法による長尺YBCO線材の開発Development of long YBCO coated Conductor by TFA-MOD method
Chubu Electric Power
N.Kashima
ISTEC
H.Fuji
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材の特性向上
ISTEC
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
パルスレーザ蒸着法によるホルミウム系薄膜線材の開発
Sumitomo
S.Hahakura
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
無フッ素系MOD法によるホルミウム系薄膜線材
Sumitomo
K.Ohmatsu
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
配向Ni-W合金基板を用いたYBCO長尺線材の開発
Showa
2004/11/1
2004秋季低温工学・超電導学会
MOCVD法によるY系超電導薄膜の厚膜化プロセス開発
Chubu Electric Power
Efects of Heating Rate in Calcination Process for Advanced TFA-MOD Process
ISTEC
K.Nakaoka
Present Status of R&D on Coated Conductors by TFA-MOD Process
ISTEC
T.Izumi
High Production Rate of Crystallization Processing in TFA-MOD Method for YBCO Coated Conductors
ISTEC
R.Teranishi
Preparation of Long Precursor Films for TFA-MOD Coated Conductors
ISTEC
H.Fuji
Effect of Water Vapor Partial Pressure on Microstructure Evolution in T123 Films Deposited by
Advanced TFA-MOD method
Numerical Model for YBCO Growth in TFA-MOD Process(TFA-MOD法におけるYBCO成長の数値モデル)
ISTEC
J.Matsuda
ISTEC
S.Nomoto
Relationship between Jc value of Y123 film and crystallization time in the advanced TFA-MOD
process.
HoBCO Coated Conductors by a Fluorine-Free MOD Process
ISTEC
T.Tanaka
Sumitomo
K.Ohmatsu
Development of HoBCO coated conductor by pulsed laser deposition
Sumitomo
S.Hahakura
Preparation of oxide buffer layer onmetallic substrate for the YBCO tapes
Showa
発表日
2004/9/29
発表先
日本金属学会2004年秋期大会
2004/10/3
2004/11/18 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)Coated Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/20 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/20 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/20 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
Fabrication of 10-m Class Y-123 Coated Conductors Using Continuous Reel-to-Reel Process by TFA-MOD ISTEC
Method
Fabrication of Y1-xRExBa2Cu3O7-y Film by Advanced TFA-MOD ProcessMOD法によるREBa2Cu3O7-y膜の作製 ISTEC
R.Teranishi
K.Ohmatsu
Y.Takahashi
Y.Aoki
Y.Takahashi
Y.Takahashi
Y.Aoki
A.Kaneko
Development of Coated Conductors by Multiple-Stage MOCVD
Chubu Electric Power
Progress on TFA-MOD coated conductor development
ISTEC
論文リスト37
T.Mori
H.Fuji
T.Mori
発表日
発表先
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2005/3/28 (MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
2005/3/28 (MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
2005/3/28 (MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
2005/3/29 第52回応用物理学関係連合講演会
タイトル(筆頭者)
High-Ic Processing for YBCO Coated Conductors by TFA-MOD Process
ISTEC
発表者
R.Teranishi
Coating method of advanced TFA-MOD process for preparation of YBCO coated conductor
ISTEC
K.Nakaoka
Fabrication of YBCO coated conductor using advanced TFA-MOD process
ISTEC
K.Nakaoka
Transission electron microscopic studies on crystallization of YBa2Cu3O7-y films deposited by
advanced TFA-MOD method
Relationship between heating rate in the calcination and microstructure of YBa2Cu3O7-y films
formed by advanced TFA-MOD method
Development of Ho-123 Coated Conductors
ISTEC
J.Matsuda
ISTEC
J.Matsuda
Sumitomo
Numerical Simulation of TFA-MOD Process
ISTEC
S.Nomoto
Fabrication of Y1-xRExBa2Cu3O7-y Film by Advanced TFA-MOD Process
ISTEC
A.Kaneko
M.Ueyama
Fabrication of 10-m class Y-123 coated conductors using a continuous reel-to-reel process by TFA- ISTEC
MOD method
Preparation of oxide buffer layer on the cube textured Ni-W substrate for the YBCO tapes.
Showa
Y.Aoki
Y.Takahashi
Development of YBCO coated conductor using TFA-MOD technique
Showa
T.Koizumi
YBCO Coated Conductor by Multiple-Stage CVD
Realization of High Performance Coated Conductors by Advanced TFA-MOD Process
Chubu Electric Power
N.Kashima
ISTEC
T.Izumi
Investigation of the Calcination conditions for the advanced TFA-MOD Process
ISTEC
K.Nakaoka
Fabrication of Long Length YBCO Coated Conductors by Advanced TFA-MOD Process
ISTEC
Y.Aoki
TFA-MOD法によるYBCO膜の高速化プロセスの検討
ISTEC
R.Teranishi
2005/3/29
第52回応用物理学関係連合講演会
TFA-MOD法におけるガス流れ方式の数値解析による検討
ISTEC
S.Nomoto
2004/12/9
応用物理学会超伝導分科会第30回研究会
バルク材:123系材料の結晶成長
ISTEC
T.Izumi
3.長尺線材評価・可加工性技術開発
2004/5/25
2004年度春季低温工学超電導学会
IBAD-PLD法で作製した面内配向度の異なるYBCO線材の膜厚と臨界電流の関係Relationship between film
ISTEC
thickness and the critical current of YBCO coated conductors with different in-plane mosaic spread
fabricated by IBAD-PLD method
A.Ibi
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
H.Iwai
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
IBAD/PLD法によるYBCO線材高Ic化に向けた厚膜時における成膜方法の検討Investigation of the deposition
method in thick and high Ic YBCO coated conductor by IBAD/PLD
Magnetization loss of YBCO coated conductors fabricated by IBAD/TFA-MOD method IBAD/TFA-MOD法で作
製されたYBCO超伝導線材の磁化損失
Jc distribution measurement of YBCO coated conductor samples fabricated by IBAD/TFA-MOD method
IBAD/TFA-MOD法で作製されたYBCO線材試料の臨界電流密度分布測定
CVD法による銀テープ上YBCO薄膜の機械特性
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
YBCO線材の常電導転移・伝播特性評価
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
Improvement of Jc properties in YBCO coated tapes made by the TFA-MOD process TFA-MOD法により作製 Kyushu Univ
されたYBCO線材のプロセス改善による臨界電流特性の向上
論文リスト38
ISTEC
Yokohama National Univ
T.Nishioka
Yokohama National Univ
M.Miyashita
Chubu Electric Power
K.Shikimachi
Waseda Univ
H.Ushihisa
Y.Tsuda
タイトル(筆頭者)
Imaging of local dissipation in YBCO tapes by use of low temperature scanning laser microscopy 低
温走査レーザ顕微鏡によるYBCOテープ線材の局所損失観察とJc分布の評価
High fieldtransport properties in YBCO tape made by TFA-MOD process TFA-MOD法によるYBCO線材の高磁
界中における臨界電流特性
Microstructural characterizations of Y-Ba-Cu-O Coated Conductor Fabricated by Multiple-Stage
Chemical Vapor Deposition
Transmission Electron Microscopy Studies of highly oriented and biaxially textured CeO2/Gd2Zr2O7
Buffer Layer on an Ni-based Alloy for YBCO Coated Conductor
TFA-MOD超電導線材のMO観察
発表日
2004/5/25
発表先
2004年度春季低温工学 超電導学会
2004/5/25
2004年度春季低温工学 超電導学会
2004/6/7
2004/9/1
8th Asia-Pacific Conference on Electron
Microscopy
8th Asia-Pacific Conference on Electron
Microscopy
第65回応用物理学会学術講演会
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演会
Local inhomogeneity in TFA-MOD-YBCO coated conductors by use of low temperature scanning laser
microscopy
低温走査レーザ顕微鏡によるTFA-MOD-YBCO線材の局所特性評価
Kyushu Univ
H.Tokutomi
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演会
Imaging of trapped vortices in a YBCO coated conductor by scanning SQUID microscope and its
comparison to the LTSLM observation
走査SQUID顕微鏡によるYBCO線材の高感度磁気イメージングとLTSLM観察との比較
Kyushu Univ
M.Inoue
2004/9/28
電気関係学会九州支部連合大会
Kyushu Univ
T.Shoyama
2004/9/29
日本金属学会2004年秋季大会
Estimation of local inhomogeity in YBCO coated conductor by using low temperature scanning laser
microscopy
低温レーザ走査顕微鏡によるY系超伝導線材の局所特性評価
2004/9/29
日本金属学会2004年秋季大会
2004/9/29
日本金属学会2004年秋季大会
Structure formation of Superconductive Y-Oxide film fabricated by TFA-MOD Process
るY系超伝導酸化物薄膜の組織形成
CeO2/Gd2Zr2O7多層膜上に形成されたPLD-YBCO膜の微細構造解析
2004/10/6
2004 Applied Superconductivity Coference
Mechanical Properties of YBaCuO Formed on Ni-Based Alloy Substrates with IBAD Buffer Layers
2004/10/7
2004 Applied Superconductivity Coference
2004/10/7
2004 Applied Superconductivity Coference
High magnetic field property of critical current density in YBCO coated conductor fabricated by
TFA-MOD process
Ac loss properties of YBCO superconducting tapes exposed to external ac magnetic field
2004/10/8
2004 Applied Superconductivity Coference
2004/11/1
2004年度秋季低温工学 超電導学会
2004/11/1
2004/6/9
Kyushu Univ
発表者
H.Tokumitsu
Kyushu Univ
H.Sawa
JFCC
H.Sasaki
JFCC
T.Kato
ISTEC
JFCC
T.Machi
T.Kato
TFA-MOD法によ Kyushu Univ
JFCC
T.Minei
T.Kato
Chubu Electric Power
K.Shikimachi
Kyushu Univ
M.Inoue
Kyushu Univ
M.Iwakuma
Low temperature scanning laser microscopy of YBCO coated IBAD tapes
Kyushu Univ
T.Kisu
ISTEC
2004年度秋季低温工学 超電導学会
誘導法による薄膜超電導体のJc測定及びスケーリング則に基づくn値の評価Application of an inductive
technique to the measurement of Jc and n-value based on a scaling law
YBCO超電導線材の常電導転移特性評価(数値解析)
Waseda Univ
Y.Ushihisa
2004/11/1
2004年度秋季低温工学 超電導学会
YBCO超電導線材の常電導転移特性評価(実験)
Waseda Univ
H.Naka
2004/11.4
The Fifth Pacific Rim International Conference on Formation of faceted 123 crystals in superconductive REBCO oxide fabricated by infiltration-growth Kyushu Univ
Advanced Materials and Processing (PRICM-5),
method
Beijing, China
N.Mori
2004/11/12 ナノテクノロジー交流研究会 表界面ナノ制御材料分
科会
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
K.Nakao
透過型電子顕微鏡によるY系超電導線材の微細構造解析
JFCC
Contact-less characterization of thin film superconductors using an inductive technique
ISTEC
Lateral Jc distribution of YBCO coated conductors
Yokohama National Univ
N.Amemiya
JFCC
H.Sasaki
Microstructural characterizations of Y-Ba-Cu-O Coated Conductor Fabricated by Multiple-Stage
Chemical Vapor Deposition
Microstructural Characterization of YBCO Coated Conductor on Metal Tape Fabricated by Pulsed-Laser ISTEC
Deposition
JFCC
Transmission electron microscopy studies of Ho123/CeO2 interfaces fabricated by PLD
論文リスト39
T.Kato
K.Nakao
A.Ibi
Y.Sugawara
発表日
発表先
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop on Coated
Conductors for Applications
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/24 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/25 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/25 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/25 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/27 応用物理学会九州支部 学術講演会
タイトル(筆頭者)
Estimation of non-uniform current flow near a transverse defect in YBCO thin film by use of
scanning SQUID microscope
Application of an inductive technique to the characterization of superconducting thin films
ISTEC
K.Nakao
MO observation on YBa2Cu3O7-δcoated conductors obtained by TFA-MOD technique
ISTEC
T.Machi
Transmission electron microscopy studies of YBCO coated conductor fabricated by multiple-stage
chemical vapor deposition
Magnetic field dependence of critical currents in PLD RE-Ba-Cu-O(RE=Er,Dy,Gd) film prepared on
CeO2 capped IBAD-GZO layers
Transmission Electron Microscopy Studies of YBCO Coated Conductors Prepared by Pulsed-Laser
Deposition and Multiple-Stage Chemical Vapor Deposition Processes
AC loss characteristics of coated conductor and the perspective for the AC loss reaction
JFCC
H.Sasaki
Imaging of trapped vortices in YBCO coated conductors by scanning SQUID microscopy
Kyushu Univ
ISTEC
JFCC
発表者
M.Inoue
K.Takahashi
T.Kato
Yokohama National Univ
N.Amemiya
Kyushu Univ
M.Inoue
Study on local inhomogeneity in TFA-MOD coated conductors by low temperature scanning laser
Kyushu Univ
microscopy
Estimation of local dissipation in a YBCO coated tape by Low Temperature Scanning Laser Microscopy Kyushu Univ
低温走査レーザ顕微鏡によるYBCO線材中の電界集中評価
2004/11/27 応用物理学会九州支部 学術講演会
Comparison of Jc properties in YBCO coated tapes made by different condition in TFA-MOD process
成膜条件の異なるTFA-MOD法により作製されたYBCO線材の臨界電流特性比較
Kyushu Univ
2005/1/10
10th international vortex workshop
Effect of cation nonstoichiometry on the magnetic behavior of cuprate superconductor
ISTEC
2005/1/15
Y 系線材の常電導転移・伝播特性評価
Waseda Univ
2005/1/26
電気学会超電導応用電力機器・リニアドライブ合同研
究会
International Symposium on Characterization of
real materials and real processing by
transmission electron microscopy
2005/3/17
電気学会
2005/3/17
電気学会
2005/3/19
電気学会
2005/3/26
2005/3/29
(MRS 2005)Material Research Society Spring
Meeting
2005年春季第52回応用物理学会関係連合講演会
2005/3/30
2005年春季第53回応用物理学会関係連合講演会
Nanostructural Characterization of YBCO films on Metal Tape with textured buffer layer Fabricated JFCC
by Pulsed-Laser Deposition
M.Inoue
H.Tokutomi
Y.Tsuda
N.Chikumoto
A.Ishiyama
T.Kato
Tensile stress and compressive stress tests for degradation of critical current in YBCO tape YBCO Sophia Univ
S.Koizuka
テープにおける臨界電流の耐圧縮および引張応力試験
Numerical model of YBCO coated conductor ring for electromagnetic field analysis 円環状YBCO超伝導 Yokohama National Univ
線材の電磁界解析モデル
N.Amemiya
Tensile stress and compressive stress tests for degradation of critical current in YBCO tape
Sophia Univ S.Koizuka
YBCOテープにおける臨界電流の耐圧縮および引張応力試験
ISTEC
K.Takahashi
TFA-MOD超電導線材の磁気光学磁束観察(II)
ISTEC
T.Machi
Current transport properties in a YBCO/IBAD coated tape deposited by the CVD process CVD法により Kyushu Univ
作製されたYBCO超伝導線材の電流輸送特性
R.Fukamachi
4.高温超電導材料高度化技術開発
2004/7/12
2004/7/16
2004/7/23
2004/7/23
International Conference on Spectroscopies in
Strongly Reduced Superconducting Condensate in the Inhomogeneous High-Tc Cuprates: Far-infrared
Novel Superconductors (SNS2004)
Study
International Conference on Spectroscopies in
Transferred spectral weight from the pseudo-gap: magnetic field dependence of the c-axis optical
Novel Superconductors (SNS2004)
response in YBa2Cu3O6.6
International Conference Low Energy Excitation in Pseudo-gap spectral weight controlled by the magnetic field applied to the superconductivity of
Solids
underdoped YBCO
International Conference Low Energy Excitation in Electron-phonon Coupling in MgB2 and High-Tc Cuprates
Solids
論文リスト40
ISTEC
S.Tajima
ISTEC
K.Kojima
ISTEC
K.Kojima
ISTEC
S.Tajima
発表日
2004/7/26
Phonon2004
タイトル(筆頭者)
Superconductivity-induced phononic effects in high-temperature superconductors: Raman study
ISTEC
発表者
M. F. Limonov
2004/9/1
第65回応用物理学会学術講演会
PLD法で作製したYBCOテープ線材の酸素アニール処理による特性改善
ISTEC
N.Chikumoto
2004/9/12
日本物理学会2004年秋季年会
YBCOの面内光学応答(II)
ISTEC
T.Kakeshita
2004/9/12
日本物理学会2004年秋季大会
超伝導状態におけるYBCOのCuO鎖とCuO2面電子状態の相互作用
ISTEC
T.Masui
2004/9/14
2004年日本物理学会秋季大会
Bi2212単結晶によける化学組成ゆらぎと磁気特性
ISTEC
N.Chikumoto
Pulse laser deposition of Gd-123 based films: Effects of composition and deposition parameters
ISTEC
S.Lee
Optimization of oxygen-annealing condition in PLD and MOD YBCO tapes
ISTEC
N.Chikumoto
Optimization of oxygenation process in YBCO tapes fabricated by TFA-MOD method
ISTEC
N.Chikumoto
Flux penetration into grain boundary of YBa2Cu3O7-δ bicrystalline films with tilted surface
ISTEC
M.Oishi
Effects of Remaining Carbon on Overdoping in YBa2Cu3Oy
ISTEC
A.Yamamoto
発表先
2004/11/19 (CCA2004)International Workshop in Coated
Conductors for Applications
2004/11/20 (CCA2004)International Workshop in Coated
Conductors for Applications
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2004/11/23 (ISS2004)International Symposium on
Superconductivity
2005/3/24 APS Meeting
In-plane charge dynamics in underdoped YBCO
ISTEC
T.Kakeshita
Effect of Low Temperature Annealing on Doping level and Superconducting propaerties for IBAD/PLD
YBCO coated conductor
In-plane optical response in underdoped YBCO
ISTEC
J.Kato
ISTEC
T.Kakeshita
2005/3/27
日本物理学会
YBCO単結晶の磁束状態に対するCa置換効果
ISTEC
T.Masui
2005/3/29
2005年春季第52回応用物理学会関係連合講演会
Effects of composition and deposition parameters on pulsed laser deposition of Gd123-based films
ISTEC
K.Hirose
2005/3/29
2005年春季第52回応用物理学会関係連合講演会
YBa2Cu3O6+d における炭酸基置換がキャリアドーピングに与える影響
ISTEC
A.Yakamoto
2005/3/29
2005年春季第52回応用物理学会関係連合講演会
TFA-MOD法で作製したYBCOテープ線材の酸素ドープ最適化による特性改善
ISTEC
N.Chikumoto
論文リスト41
差し替え
H16年度
論文
1.高性能長尺線材プロセス開発
タイトル
IBAD-PLD法を用いた厚膜YBCO線材の高Ic化の検討Preparation of
Thick YBCO Coated Conductor with High Ic Using IBAD-PLD Method
IBAD法によるYBa2Cu3O7-δ高温超電導線材用二軸配向長尺基板の作製
Fabrication of Biaxially-textured Long Template Tapes for
YBa2Cu3O7-d
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発-IBAD法を用いたGd2Zr2O7二軸配
向長尺基板の作製-Development of Long YBCO Coated Conductor by
IBAD-PLD Method- Fabrication of Biaxially-Textured Long
Gd2Zr2O7 Tape by IBAD Method IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発∼IBAD中間層上における自己配
向PLD法CeO2キャップ層の検討∼Development of Long YBCO Coated
Conductor by IBAD-PLD Method∼Self-Epitaxial PLD-CeO2 Cap Layer
on IBAD Buffer Substrate∼
YBCOのマルチ−プルーム・マルチ−ターンPLD成膜Deposition of YBCO
Film Using Multi-plume and Multi-turn PLD
IBAD-PLD法による長尺YBCO線材の開発ー実用化への長尺化と高速化の
検討-Development of Long YBCO Coated Conductor by IBAD-PLD
Method-Long Length Conductor and Rapid Production Rate for
IndustrializationIBAD-PLD法長尺YBCO線材の開発∼IBAD中間層上における自己配向PLD法
CeO2キャップ層の長尺化∼ Development of Long YBCO Coated
Conductors Using IBAD-PLD Method∼Long Fabrication of SelfEpitaxial PLD-CeO2 Cap Layer on IBAD Tape∼
IBAD/PLD法による長尺YBCO超電導線材
低温工学
Journal
year
2004
低温工学
39
Page
11 567-571
発表者
衣斐 顕、岩井 博幸、室賀 岳海、宮田 成紀、渡
部 智則、山田 穣、塩原 融
2004
39
11 572-577
宮田 成紀、室賀 岳海、岩井 博幸、衣斐 顕、渡
部 智則、山田 穣、塩原 融
日本金属学会誌
2004
68
9 723-729
宮田 成紀、渡部 智則、室賀 岳海、岩井 博幸、
山田 穣、塩原 融、加藤 丈晴、平山 司
日本金属学会誌
2004
68
9 712-717
室賀 岳海、宮田 成紀、渡部 智則、岩井 博幸、
衣斐 顕、山田 穣、和泉 輝郎、塩原 融、加藤
丈晴、平山 司
低温工学
2004
39
11 553-559
日本金属学会誌
2004
68
9 706-711
渡部 智則、栗木 礼二、岩井 博幸、宮田 成紀、
室賀 岳海、衣斐 顕、山田 穣、塩原 融
山田 穣、渡部 智則、宮田 成紀、室賀 岳海、岩
井 博幸、衣斐 顕、塩原 融、加藤 丈晴、平山
司
低温工学誌
2004
39
11 529-535
低温工学
Vol.
No.
室賀 岳海、宮田 成紀、渡部 智則、衣斐 顕、山
田 穣、和泉 輝郎、塩原 融、加藤 丈晴、平山
司
2004
39
11 536-540
PLD-IBAD法YBCO超電導線材の開発(4)自己配向成長したCeO2膜を利用 日本金属学会誌
したYBa2Cu3O7-x超電導線材の開発
2004
68
9 718-722
Progress and future prospect of R&D on coated conductors in
Japan
Rapid fabrication of highly textured CeO2 cap layer on IBAD
tape for YBCO coated conductor
Physica C
2004
412-414
Physica C
2004
412-414
Advances in coated conductor development at SRL-Nagoya Coated
Conductor Center
Physica C
2004
412-414
Development of 100-m long Y-123 coated conductors processed by
IBAD/PLD method
Preparation of second buffer layers on IBAD tapes by PLD
Physica C
2004
412-414
801-806 Y.Iijima
412-414
829-832 Y.Sutoh
Physica C
2004
Development of long Y-123 coated conductors by ion-beamassisted-deposition and the pulsed-laser-deposition method”
Superconductor Science and Technology
2004
Growth and magnetic properties of Gd-123 film on PLD-CeO2
capperd IBAD/GZO metal tapes
Superconductor Science and Technology
Research and Development of Biaxially Textured IBAD-GZO
Templates for Coated Superconductors,
MRS Bulletin
17
須藤 泰範
岩井 博幸、室賀 岳海、渡部 智則、宮田 成紀、
衣斐 顕、山田 穣、塩原 融、加藤 丈晴、平山
司
Yuh Shiohara
807-812 Takemi Muroga Tomonori Watanabe Seiki Miyata
Hiroyuki Iwai Yutaka Yamada Yuh Shiohara
Takeharu Kato Hirokazu Sasaki Yoshihiro
Sugawara Tsukasa Hirayama
819-823 Tomonori Watanabe Hiroyuki Iwai Takemi Muroga
Seiki Miyata Yutaka Yamada Yuh Shiohara
S264 Y.Iijima
Kazuhiro Takahashi Yutaka Yamada Masaya Konishi
Tomonori Watanabe Akira Ibi Takemi Muroga Seiki
Miyata Takeharu Kato Tsukasa Hirayama Yuh
Shiohara
564 Y.Iijima
2004
29
8
2004
68
9 727-747
2004
39
11 585-592
2.低コスト長尺潜在プロセス開発
日本金属学会誌
改良型TFA-MOD法を用いたYBCO 線材の高特性化High Performance of
YBCO Coated Conductors Using Advanced TFA-MOD Method
TFA-MOD法によるYBCO膜の結晶成長モデルGrowth Model of YBCO Films 低温工学会誌
by TFA-MOD Process
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材作製における発生HF ガスの影響
低温工学学会誌
論文リスト42
徳永 義孝、松田 潤子、寺西 亮、富士 広、本庄
哲吏、和泉 輝郎、塩原 融、矢島 明政
寺西 亮、野本 祐春、本庄 哲吏、佐藤 暁拓、松
田 潤子、富士 広、中岡 晃一、青木 裕治、鬼頭
豊、和泉 輝郎、山田 穣、塩原 融
中岡 晃一、松田 潤子、富士 広、寺西 亮、青木
裕治、鬼頭 豊、和泉 輝郎、塩原 融、山田 穣、
後藤 智誉、矢島 明政
タイトル
改良型TFA-MOD法によるYBCO線材の臨界電流値向に関する検討
Journal
year
Vol.
No.
Page
低温工学学会誌
改良型TFA-MOD法におけるY123膜組織形成機構と水蒸気分圧の影響
Effects of Water Vapor Partial Pressure on Microstructure
Evolution in YBa2Cu3O7-y Films Deposited by Advanced TFA-MOD
Method
改良型TFA-MOD法を用いた仮焼条件の適正化によるYBCO 線材の高特性
化igh performance of YBCO coated conductors by calcination
condition using advanced TFA-MOD process
TFA-MOD法を用いたYBCO線材の長尺化の検討Process of Long YBCO
Coated Conductor by TFA-MOD method
低温工学
2004
39
11 578-579
低温工学
2004
39
11 518-522
Advanced TFA-MOD process of high critical current YBCO films
for coated conductors
Cryogenics
2004
Purified coating solution and growth scheme of the YBa2Cu3O7-x
superconductors in metal organic deposition using
trifluoroacetates
Fabrication of YBCO film by TFA-MOD process atl ow-pressure
atmosphere
Bulletin of the Chemical Society of Japan
2004
Physica C
2004
412-414
Physica C
2004
412-414
High critical current YBCO films using advanced TFA-MOD process Physica C
2004
412-414
Processing for long YBCO coated condutors by advanced TFA-MOD
process
低温工学
Fabrication of Sm123 film on the textured Ni substrate by PLD
Physica C
Effect of BaZrO3 Buffer Layer on Microstructure of SmBa2Cu3Oy
Film Deposited by Pulsed Layser Deposition
Physica C
Effects of heat-treatment conditions on microstructure of
multi-coating Y123 films deposited by advanced TFA-MOD method
Physica C
Improvement of in-plane alignment for surface oxidized NiO
layer on textured Ni substarte by a two-step heat-treatment
Fabrication of REBa2CuO7-y film by advanced TFA-MOD process
Progress in development of coated conductors by TFA-MOD
processing
44 817-822
77
発表者
青木 裕治、寺西 亮、鬼頭 豊、富士 広、中岡
晃一、松田 潤子、和泉 輝郎、塩原 融、山田
穣、後藤 智誉、矢島 明政
松田 潤子、徳永 義孝、寺西 亮、中岡 晃一、富
士 広、青木 裕治、山田 穣、和泉 輝郎、塩原
融
徳永 義孝、寺西 亮、富士 広、松田 潤子、本庄
哲吏、和泉 輝郎、塩原 融、山田 穣、後藤 智
誉、芳仲 篤也、矢島 明政
富士 広、寺西 亮、中岡 晃一、松田 潤子、鬼頭
豊、青木 裕治、野本 祐春、和泉 輝郎、山田
穣、塩原 融、佐藤 暁拓、矢島 明政
Yoshitaka Tokunaga Tetsuji Honjo Teruo Izumi
Yuh Shiohara Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh
Tomotaka Goto Atsuya Yoshinaka Akimasa Yajima
6 1051-1061 Takeshi Araki
920-925 Ryo Teranishi Tetsuji Honjo Yoshitaka Tokunaga
Hiroshi Fuji Junko Matsuda Teruo Izumi Akimasa
Yajima Yuh Shiohara
916-919 Hiroshi Fuji Tetuji Honjo Ryo Teranishi
Yoshitaka Tokunaga Junko Mtsuda Shigenobu Asada
Yutaka Yamada Teruo Izumi Yuh Shiohara
Yasuhiro Iijima Takashi Saitoh,Atsishi
Kaneko,Kiyoshi Murata
910-915 Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji Ryo Teranishi
Junko Matsuda Shigenobu Asada Atsushi Kaneko
Tetsuji Honjo Teruo Izumi Yuh Shiohara Yutaka
Yamada Kiyoshi Murata,Yasuhiro Iijima,Takashi
Saitoh,Tomotaka Goto,Atsuya Yoshinaka,Akimasa
Yajima
Toru Izumi Katsuya Hasegawa Shigenobu Asada
Teruo Izumi Yuh Shiohara Toshihiko Maeda
Junko Matsuda Katsuya Hasegawa Yoshihiro
Sugawara Tsukasa Hirayama Yuichi Ikuhara Teruo
Izumi Yuh Shiohara
J.S. Matsuda Yoshitaka Tokunaga Ryo Teranishi
Hiroshi Fuji Atsushi Kaneko Shigenobu Asada
Tetsuji Honjo Akimasa Yajima Teruo Izumi Yuh
Shiohara Y.Iijima,T.Saitoh
Physica C
2004
412-414
Physica C
2004
412-414
Physica C
2004
412-414
864-870 Katsuya Hasegawa Toru Izumi Teruo Izumi Yuh
Shiohara Toshihiko Maeda
926-930 Atsushi Kaneko Hiroshi Fuji Ryo Teranishi
Yoshitaka Tokunaga J.S. Matsuda Shigenobu Asada
Kiyoshi Murata Tetsuji Honjo Teruo Izumi Yuh
Shiohara T.Goto,A.Yoshinaka,A.Yajima
885-889 Teruo Izumi Yoshitaka Tokunaga Hiroshi Fuji
Ryo Teranishi Junko Matsuda Shigenobu Asada
Tetsuji Honjo Yuh Shiohara Takemi Muroga Seiki
miyata Tomonori Watanabe,Yutaka Yamada,Yasuhiro
Iijima,Takashi Saitoh,Tomotaka Goto,Atsuya
Yoshinaka,Akimasa Yajima
3.長尺線材評価・可加工性技術開発
Transmission Electron Microscopy Studies of a CeO2/Gd2Zr2O7
Buffer Layer on an Ni-based Alloy for YBCO Coated Conductor
Physica C
A new Method for Preparing Plan-View TEM Specimen of
Multilayered Films Using Focused Ion Beam
Journal of Electron Microscopy, 53 (2004)
412-414 813-818
論文リスト43
501-504
T.Kato T.Muroga Y.Iijima T.Saitoh T.Hirayama
I.Hirabayashi Y.Yamada T.Izumi Y.Shiohara
Y.Ikuhara
T.Kato T.Muroga Y.Iijima T.Saitoh T.Hirayama
I.Hirabayashi Y.Yamada T.Izumi Y.Shiohara
Y.Ikuhara
タイトル
MO観察で特定したYBCO線材欠陥部位のSIM及びTEMによる微細構造観察
低温工学
Journal
year
2004
YBCO線材の常電導転移・伝播特性評価
低温工学
2004
Vol.
No.
Page
39
11
39
11 560-566
発表者
佐々木 宏和、加藤 丈晴、佐々木 優吉、平山
司、松田 潤子、和泉 輝郎、塩原 融、鹿島 直
二、長屋 重夫
石山 敦士、柳井 正浩、植田 浩史、飯島 康裕、
斉藤 隆、塩原 融
MO observation of flux penetration into high-Tc superconductors Physica C
with grain boundaries
2004
412-414 1005-1010 Noriko Chikumoto Kimiyasu Furusawa Masato
Murakami Setsuko Tajima
AC loss properties of YBCO superconducting tapes fabricated by Physica C
IBAD-PLD technique
Evaluation of E -J characteristics of YBCO coated-conductor by Physica C
AC inductive method using third-harmonic voltage
Normal Transition and Propagation Characteristics of YBCO Tape IEEE, Trans. on Applied Superconductivity
2004
412-414
2004
412-414 1036-1040 Yosuke Fukumoto et al.
A.Ishiyama M.Yanai T.Morisaki H.Ueda Y
Shiohara T.Izumi
2563-2566 Nobuyuki Mori et al.
Formation of faceted 123 crystals in superconductive REBCO
Proceedings of the Fifth PRICM-5, (Part 4)
oxide fabricated by infiltration-growth method
AC loss characteristics of coated conductor and the perspective Physica C
for the AC loss reduction
Imaging of the local dissipation in YBCO coated tapes
Advances in Cryogenic Engineering: Transactions
of the International Cryogenic Materials
Conference-ICMC
Estimation of non-uniform current flow near a transverse defect Extended Abstract of international workshop on
in YBCO thin film by use of scanning SQUID microscope
coated conductors for applications, CCA 2004
High magnetic field properties of critical current
density in Y1Ba2Cu3O7-d coated conductor fabricated
by improved TFA-MOD process
Low temperature scanning laser microscopy of YBCO
coated IBAD tapes
Study on local inhomogeneity in TFA-MOD coated
conductor by use of low temperature scanning laser
microscopy
Transport properties in YBCO coated conductors
983-991 Maayoshi Iwakuma et al.
Naoyuki Amemiya
50
677- 684 Takanobu Kiss et al.
Masayoshi Inoue et al.
IEEE Transaction on Applied
Superconductivity
Masayoshi Inoue et al.
IEEE Transaction on Applied
Superconductivity
Physica C
Takanobu Kiss et al.
Studies of high temperature
superconductors (Advances in Research
and Applications), edited by Anant
Narlikar, NOVA Science Publishers Inc.
Commack, New York
Takanobu Kiss et al.
Masayoshi Inoue et al.
4.高温超電導材料高度化技術開発
Liquid Phase Epitaxial Growth of ( Bi, Lu)3 ( Fe, Ga)5O12 Films Japanese Journal of Applied Physics
with In-Plane Anisotropy for Magneto-Optical Imaging
Kazumasa Iida Norio Kawamae Saburo Hoshi
Takato Machi Takeshi Kono Junko Yoshioka-Kato
Noriko Chikumoto Naoki Koshizuka Nobuyasu
K. M. Kojima J. Yamanobe S. Uchida Y. Fudamoto
Setsuko Tajima
The Origin of the Parallel-field Induced Josephson Plasma Modes Physical Review B
in the Underdoped YBa2Cu3O6+x
Negative quantum interference between the electronic Raman
scattering processes of CuO-chain and CuO2-plane in heavily
overdoped (Y,Ca)Ba2Cu3O7-δ
Physical Review Letter
Takahiko Masui M. Limonov Hiroshi Uchiyama
Setsuko Tajima A. Yamanaka
Effects of carbon incorporation on doping state of
YBa2Cu3OyYBa2Cu3Oyのドーピング状態に対する炭素導入の効果
Physica C
Ayako Yamamoto Keiji Hirose Yutaka Itoh
Teruhisa Kakeshita Setsuko Tajoma
Carbon-substitution effect on the electronic properties of
MgB2 single crystals
Physical Review B
Phonon softening in HgBa2CuO4+δ
Physica C
Hiroshi Uchiyama A. Baron S.Tsutsui Y. Tanaka
W.-Z.Hu Ayako Yamamoto Setsuko Tajima Y. Endoh
The effect of Zn-substitution and Carrier doping on Vortex
Pinning in YBa2Cu3O7-δ Single Crystals
Physica C
Takahiko Masui Yusuke Takano K. Yoshida K.
Kajita Setsuko Tajima
Carbon-substitution effect on superconducting properties in
MgB2 single crystal
Physica C
Takahiko Masui S. Lee Ayako Yamamoto Hiroshi
Uchiyama Setsuko Tajima
The effect of chemical inhomogeneities on the pinning
properties of Bi2212 single crystals
Superconductor Science and Technology
2004
論文リスト44
2004
70 024504-1-7 Takahiko Masui S. Lee Setsuko Tajima
17
S79-S82 Noriko Chikumoto Kimiyasu Furusawa Masato
Murakami
タイトル
Evolution of the specific-heat anomaly of the high-temperature
superconductor YBa2Cu3O7 under influence of doping through
application of pressure up to 10GPa
Journal
J. Physics: Condensed Matter
year
Vol.
year
2004
Vol.
No.
Page
No.
Page
11 511-517
発表者
R.Lortz A.Junod D.Jaccard Y.Wang
C.Meingast Takahiko Masui Setsuko Tajima
解説/総説・記事他
タイトル
次世代線材の開発状況Trend in Development of Coated Conductors
低温工学
Journal
LPEによる超電導材料評価用磁気光学薄膜の開発
超電導材料評価用磁気光学薄膜の開発
線材開発のための材料研究(超電導技術動向報告会2004レポート)
超電導Web21 6月号
スーパーコム
Web21
2004
2004
論文リスト45
39
69
発表者
塩原 融
河野 猛、腰塚 直己
河野 猛、腰塚 直己
田島 節子
2004ᐕ䈮಴ 䈘䉏䈢⺰ᢥ䈱ᒁ↪ᢙ㪈࿁એ਄䈱⺰ᢥ䊥䉴䊃(䊂䊷䉺䈲2004ᐕᧃ⃻࿷)
total
author
cites
journal
volume
2 YAMADA, Y
SUPERCOND SCI TECH 㪈7
㪈 IWAI, H
J JPN I MET
68
㪈 MIYATA, S
J JPN I MET
68
㪈 MUROGA, T
J JPN I MET
68
page span title
PROGRESS OF PLD AND IBAD PROCESSES FOR YBCO WIRE IN THE SRLS70-S73 NAGOYA COATED CONDUCTOR CENTRE - NEW METHOD FOR A COATED
CONDUCTOR USING A SELF-EPITAXIAL PLD-CEO2 BUFFER
FABRICATION OF HIGH J(C) YBA2CU3O7-X COATED CONDUCTORS PREPARED
7㪈8-722
BY PULSED LASER DEPOSITION ON SELF-EPITAXIAL CEO2 BUFFERS
DEVELOPMENT OF LONG YBCO COATED CONDUCTOR BY IBAD-PLD METHOD 723-729
FABRICATION OF BIAXIALLY-TEXTURED LONG GD2ZR2O7 TAPE BY IBAD
DEVELOPMENT OF LONG YBCO COATED CONDUCTOR BY IBAD-PLD METHOD 7㪈2-7㪈7
SELF-EPITAXIAL PLD-CEO2 CAP LAYER ON IBAD BUFFER SUBSTRATE
2003ᐕ䈮಴ 䈘䉏䈢⺰ᢥ䈱ᒁ↪ᢙ㪈࿁એ਄䈱⺰ᢥ䊥䉴䊃(䊂䊷䉺䈲2004ᐕᧃ⃻࿷)
total author
cites
㪈㪈 MUROGA, T
journal
volume
page span title
㪈3
2532CEO2 BUFFER LAYERS DEPOSITED BY PULSED LASER DEPOSITION FOR TFA2534
MOD YBA2CU3O7-X SUPERCONDUCTING TAPE
2445PROGRESS AND FUTURE PROSPECTS OF RESEARCH AND DEVELOPMENT ON
245㪈
COATED CONDUCTORS IN JAPAN
790-795 TEM OBSERVATIONS OF GD2ZR2O7 FILMS FORMED BY THE ION-BEAMASSISTED DEPOSITION METHOD ON AN NI-BASED ALLOY
9᦬㪈6ᣣ ALL JAPAN EFFORTS ON R&D OF HTS COATED CONDUCTORS FOR FUTURE
APPLICATIONS
25㪈6GROWTH MECHANISM OF YBCO FILMS IN METAL ORGANIC DEPOSITION METHOD
25㪈9
USING TRIFLUOROACETATES
2500HIGH-IC YBCO COATED CONDUCTORS BY METAL ORGANIC DEPOSITION
2503
METHOD USING TRIFLUOROACETATES
835-840 IMPROVEMENT OF SUPERCONDUCTING PROPERTIES OF SMBA2C3OY FILMS ON
MGO SUBSTRATE BY USING BAZRO3 BUFFER LAYER
873-88㪈 FABRICATION AND GROWTH MECHANISM OF YBCO COATED CONDUCTORS BY
TFA-MOD PROCESS
IEEE T APPL
SUPERCON
9 WATANABE, T IEEE T APPL
SUPERCON
7 KATO, T
PHYSICA C
392
6 IZUMI, T
392
PHYSICA C
5 HONJO, T
㪈3
IEEE T APPL
SUPERCON
5 IZUMI, T
IEEE T APPL
SUPERCON
4 HASEGAWA, K PHYSICA C
392
4 HONJO, T
392
PHYSICA C
㪈3
㪈3
論文引用回数12
4 IGUCHI, T
PHYSICA C
392
3 FUJI, H
3 KISS, T
PHYSICA C
PHYSICA C
392
392
3 SHIBATA, J
PHYSICA C
392
2 ARAKI, T
IEEE T APPL
SUPERCON
㪈3
2 KAI, M
PHYSICA C
392
2 TOKUNAGA, Y PHYSICA C
2 YAO, X
PHYSICA C
392
386
㪈 HASEGAWA, K J JPN I MET
67
㪈 INOUE, M
PHYSICA C
392
㪈 KAI, M
IEEE T APPL
SUPERCON
J JPN I MET
㪈3
㪈 KAI, M
㪈 KISS, T
㪈 NIWA, T
㪈 SEKITANI, T
IEEE T APPL
SUPERCON
IEEE T APPL
SUPERCON
PHYSICA C
㪈 TERANISHI, R PHYSICA C
67
㪈3
㪈3
392
392
900-904 METAL-ORGANIC DEPOSITION OF RE-BA-CU-O (RE = DY, HO, ER, AND TM)
FILMS USING TRIFLUORO ACETATES
905-908 PROCESSING FOR LONG YBCO BY TFA-MOD COATED CONDUCTORS PROCESS
㪈053CRITICAL CURRENT PROPERTIES IN HTS TAPES
㪈062
922-926 EFFECTS OF HEAT-TREATMENT CONDITIONS ON MICROSTRUCTURE OF Y㪈23
FILMS DEPOSITED BY TFA-MOD METHOD
2803CARBON EXPELLING SCHEME AND REQUIRED CONDITIONS FOR OBTAINING
2808
HIGH-J(C) YBA2CU3O7-X FILM BY METALORGANIC DEPOSITION USING
TRIFLUOROACETATES
96㪈-964 FABRICATION OF ZN-DOPED RE㪈23 LPE FILMS FOR PERSISTENT CURRENT
SWITCH MATERIALS
909-9㪈2 HIGH CRITICAL CURRENT YBCO THICK FILMS BY TFA-MOD PROCESS
374-378 DEVELOPMENT AND PROBLEMS IN LIQUID PHASE EPITAXY OF HIGH
TEMPERATURE SUPERCONDUCTOR
295-30㪈 MECHANISM FOR IMPROVEMENT OF IN-PLANE ALIGNMENT OF SMBA2CU3OY
FILMS BY BAZRO3 BUFFER LAYER ON MGO SUBSTRATE
㪈078ESTIMATION OF E-J CHARACTERISTICS IN A YBCO COATED CONDUCTOR AT
㪈082
LOW TEMPERATURE AND VERY HIGH MAGNETIC FIELD
278㪈FABRICATION OF MEANDER SHAPED RE㪈23 LPE FILMS FOR PCS MATERIALS
2784
㪈53-㪈56 SIZE CONTROL MECHANISM OF RE㪈23 LPE FILM ON BAZRO3 BUFFERED MGO
SUBSTRATE FOR PCS MATERIAL
2607PERCOLATIVE TRANSITION AND SCALING OF TRANSPORT E-J
26㪈0
CHARACTERISTICS IN YBCO COATED IBAD TAPE
2747CALCINING CONDITIONS FOR YBA2CU3O7-X FILMS BY METALORGANIC
2750
DEPOSITION USING TRIFLUOROACETATES
㪈㪈6-㪈22 TRANSPORT MEASUREMENTS OF HIGH-T-C SUPERCONDUCTORS AT
MEGAGAUSS MAGNETIC FIELDS BY MEANS OF A RADIO FREQUENCY
882-886 GROWTH MECHANISM OF YBCO FILM BY TFA-MOD PROCESS
論文引用回数13
3䯺․⸵䮱䮀䮏
次世代線材に係る特許出願リスト
国内特許リスト
No. 国
出願番号
1
JP
特願平10-323951
1998/11/13
発明者
前田純也、今川有一、松岡
酸化物超電導体電流リードの製造 智、塩原融、田中昭二、岡
元洋
方法
2
JP
特願平10-325121
1998/11/16
超電導システム
3
JP
特願平11-53970
1999/3/2
酸化物超電導体と常電導体との接 前田純也、和泉輝郎、塩原
合方法
融
2003/2/18
1999/4/15
酸化物超電導導体とその製造方法 柿本一臣、保原夏朗、和泉
および酸化物超電導導体用ベース 輝郎、中村雄一、塩原融、
基材
大松一也、藤野剛三
未請求
柿本一臣、保原夏朗、和泉
輝郎、中村雄一、塩原融、
大松一也、藤野剛三
未請求
4
JP
特願平11-108610
出願日
5
JP
特願平11-108611
1999/4/15
6
JP
特願平11-295977
1999/10/18
7
JP
特願平11-338730
1999/11/29
8
JP
特願2000-159249
2000/5/29
9
JP
特願2000-246454
2000/8/15
10
JP
特願2000-341075
2000/11/8
11
JP
特願2001-67274
2001/3/9
12
JP
特願2001-145599
2001/5/15
13
JP
特願2001-206281
2001/7/6
発明の名称
松岡智、前田純也、今川有
一、塩原融、田中昭二
酸化物超電導体およびその製造方
法
多結晶薄膜とその製造方法および
酸化物超電導導体とその製造方法
多結晶薄膜とその製造方法および
これを用いた酸化物超電導導体
多結晶薄膜とその製造方法および
酸化物超電導導体とその製造方法
審査請求
2002/3/28
未請求
飯島康裕、木村、斎藤隆
2003/5/28
飯島康裕、木村、斎藤隆
2003/5/28
飯島康裕、木村、斎藤隆
泉徹、保原夏朗、柿本一
臣、中村雄一、和泉輝郎、
塩原融
酸化物超電導導体の製造方法
保原夏朗、柿本一臣、泉
徹、長谷川勝哉、中村雄一,
酸化物超電導導体とその製造方法 和泉輝郎、塩原融
種子田賢宏、藤野剛三、大
積層膜および成膜方法
松一也
本庄哲吏、富士広、中村雄
一、和泉輝郎、荒木猛、山
田穣、平林泉、塩原融、飯
島康裕、武田薫
テープ状酸化物超電導体
酸化物超電導体の製造方法及び酸 和泉輝郎、Xin Ya
化物超電導体
o、塩原融
特許リスト 1
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
登
No. 国
出願番号
出願日
14
JP
特願2001-288868
2001/9/21
15
JP
特願2001-342392
2001/11/7
16
JP
特願2001-368944
2001/12/3
17
JP
特願2002-123924
2002/4/25
発明の名称
多結晶薄膜の形成方法並びに酸化
物超電導体
酸化物超電導原料溶液の塗布装置
及びその塗布方法
長尺の薄膜線材の製造方法および
製造装置
線材の製造方法および線材の製造
装置
18
JP
特願2002-229209
2002/8/6
酸化物超電導線材
19
JP
特願2002-318477
2002/10/31
基材上に中間層を介して薄膜を形
成する方法
20
JP
特願2002-318523
2002/10/31
単結晶性薄膜
21
JP
特願2002-325812
2002/11/8
22
JP
特願2002-334073
2002/11/18
23
JP
特願2002-352519
2002/12/4
24
JP
特願2003-61668
2003/3/7
25
JP
特願2003-94792
2003/3/31
26
JP
特願2003-129228
2003/5/7
27
JP
特願2003-129368
2003/5/7
28
JP
特願2003-129369
2003/5/7
29
JP
特願2003-349683
2003/10/8
30
JP
特願2004-102404
2004/3/31
31
JP
特願2004-102405
2004/3/31
発明者
審査請求
飯島康裕,柿本一臣
青木裕治、高橋保夫、長谷
川隆代
2004/11/2
村中康二、岡山紀男
2004/10/5
藤野剛三、大松一也
室賀岳海、山田穣、荒木猛
司、平林泉、和泉輝郎、塩
原融、飯島康裕
長谷川勝哉、和泉輝郎、塩
原融、菅原義弘、平山司、
大場史康、幾原雄一
長谷川勝哉、和泉輝郎、塩
原融、菅原義弘、平山司、
大場史康、幾原 雄一
本庄哲吏、徳永義孝、和泉
輝郎、塩原融、後藤智誉、
芳仲篤也、矢島明政
青木裕治、高橋保夫、長谷
川隆代
母倉修司、藤野剛三、大松
一也
2005/2/8
酸化物超電導厚膜用組成物及び厚
膜テープ状酸化物超電導体
希土類系テープ状酸化物超電導体
及びその製造方法
高温超電導厚膜部材およびその製
造方法
酸化物超電導線材用基板および酸
化物超電導線材
山崎六月 、張庭清
前田敏彦、泉徹、長谷川勝
酸化物超電導線材用金属基板、酸 哉、浅田繁信、和泉輝郎、
化物超電導線材及びその製造方法 塩原融
テープ状酸化物超電導線の製造方 青木裕治、高橋保夫、長谷
法及びその製造装置
川隆代
高橋保夫、青木裕治、長谷
希土類系酸化物超電導体
川隆代
希土類系酸化物超電導体の製造方 高橋保夫、青木裕治、長谷
法
川隆代
多結晶薄膜及びその製造方法、酸 須藤泰範,柿本一臣,飯島康
化物超電導導体
裕,斎藤隆
飯田和昌、町敬人、川前憲
夫、星三郎、腰塚直己、奥
田高士、安達信泰
磁気光学媒体とその製造方法
磁気情報の読取・評価歩法及び装 飯田和昌、町敬人、川前憲
置
夫、腰塚直己、田中昭二
特許リスト 2
未請求
2004/12/9
2005/1/7
2005/1/7
2005/2/2
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
登
No. 国
出願番号
出願日
32
JP
特願2004-123640
2004/4/20
33
JP
特願2004-149250
2004/5/19
34
35
JP
JP
特願2004-186232
特願2004-210023
2004/6/24
2004/7/16
36
JP
特願2005-005453
2005/1/12
37
JP
特願2005-027681
2005/2/3
38
JP
特願2005-037981
2005/2/15
39
JP
特願2005-088798
2005/3/25
外国特許リスト
No. 国
出願番号
出願日
1
EP
99122529.3
1999/11/12
2
US
09/439.286
1999/11/15
3
EP
99122647.3
1999/11/13
4
US
09/440.652
1999/11/16
5
US
09/959.029
2000/4/17
6
7
8
EP
US
EP
915551.6
09/857.912
10083498.1
2000/4/17
2000/10/18
2000/10/18
発明の名称
超電導体のn値の測定方法及び測
定装置
多結晶配向中間薄膜とその製造方
法及び酸化物超電導導体とその製
造方法
多結晶配向中間薄膜とその製造方
法及び酸化物超電導体とその製造
方法
薄膜材料およびその製造方法
発明者
審査請求
中尾公一、平林泉
未請求
須藤泰範、柿本一臣、飯島
康裕
未請求
須藤泰範、柿本一臣、飯島
康裕
母倉修司,大松一也
塩原融、和泉輝郎、富士
広、鈴木賢次、岩熊成卓、
富岡章、今野雅行
超電導コイル
超電導薄膜材料、超電導線材およ
びこれらの製造方法
母倉修司,大松一也
酸化物超電導線材の製造方法及び
製造装置
須藤泰範、柿本一臣、飯島康
青木裕治、富士広、野本祐
金属有機酸塩堆積法による酸化物 春、寺西亮、和泉輝郎、塩
原融
超電導線材の製造方法
発明の名称
発明者
前田純也、今川有一、松岡
酸化物超電導体電流リードの製造 智、塩原融、田中昭二、岡
元洋
方法
前田純也、今川有一、松岡
酸化物超電導体電流リードの製造 智、塩原融、田中昭二、岡
元洋
方法
松岡智、前田純也、今川有
超電導システム
一、塩原融、田中昭二
松岡智、前田純也、今川有
超電導システム
一、塩原融、田中昭二
柿本一臣、保原夏朗、和泉
酸化物超電導導体とその製造方法 輝郎、中村雄一、塩原融、
および酸化物超電導導体用ベース 大松一也
藤野剛三
基材
柿本一臣、保原夏朗、和泉
酸化物超電導導体とその製造方法 輝郎、中村雄一、塩原融、
および酸化物超電導導体用ベース 大松一也
藤野剛三
基材
多結晶薄膜とその製造方法および酸飯島康裕、木村、斎藤隆
多結晶薄膜とその製造方法および酸飯島康裕、木村、斎藤隆
特許リスト 3
登
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
未請求
審査請求
US
US
US
No. 国
9
US
出願番号
09/890.052
出願日
2000/11/29
発明の名称
発明者
多結晶薄膜とその製造方法および
酸化物超電導導体とその製造方法
多結晶薄膜とその製造方法および
酸化物超電導導体とその製造方法
10
EP
00978005.7
2000/11/29
11
US
10/344.785
2001/6/18
酸化物超電導導体の製造方法
12
EP
1941079.4
2001/6/18
酸化物超電導導体の製造方法
13
KR
10-2003-7002076
2001/6/18
酸化物超電導導体の製造方法
14
US
09/974.972
2001/10/12
テープ状酸化物超電導体
15
US
10/467.337
2001/12/10
積層膜および成膜方法
16
EP
1273954.6
2001/12/10
積層膜および成膜方法
17
US
10/634.030
2003/8/4
酸化物超電導線材
18
EP
3016696.1
2003/8/4
酸化物超電導線材
19 PCT
JP03/13887
2003/10/29
基材上に中間層を介して薄膜を形
成する方法
20 PCT
JP03/13888
2003/10/29
単結晶性薄膜
21 PCT
JP03/14178
2003/11/7
酸化物超電導厚膜用組成物及び厚
膜テープ状酸化物超電導体
22 PCT PCT/JP2004/004587
2004/3/31
23
2004/3/12
JP PCT/JP2004/003264
酸化物超電導線材用金属基板、酸
化物超電導線材及びその製造方法
希土類系酸化物超電導体及びその
製造方法
審査請求
飯島康裕、木村、斎藤隆
飯島康裕、木村、斎藤隆
泉徹、保原夏朗、柿本一
臣、中村雄一、和泉輝郎、
泉徹、保原夏朗、柿本一
臣、中村雄一、和泉輝郎、
泉徹、保原夏朗、柿本一
臣、中村雄一、和泉輝郎、
本庄哲吏、富士広、中村雄
一、和泉輝郎、荒木猛、山
田穣、平林泉、塩原融、飯
島康裕、武田薫
種子田賢宏、藤野剛三、大
松一也
種子田賢宏、藤野剛三、大
松一也
室賀岳海、山田穣、荒木猛
司、平林泉、和泉輝郎、塩
原融、飯島康裕
室賀岳海、山田穣、荒木猛
司、平林泉、和泉輝郎、塩
原融、飯島康裕
長谷川勝哉、和泉輝郎、塩
原融、菅原義弘、平山司、
大場史康、幾原雄一
長谷川勝哉、和泉輝郎、塩
原融、菅原義弘、平山司、
大場史康、幾原 雄一
本庄哲吏、徳永義孝、和泉
輝郎、塩原融、後藤智誉、
芳仲篤也、矢島明政
前田敏彦、泉徹、長谷川勝
哉、浅田繁信、和泉輝郎、
塩原融
青木裕治、高橋保夫、長谷
川隆代
特許リスト 4
登
US
US
PCT(US,EP(英、
仏、独、伊、蘭、
デンマーク)中、韓)
PCT(US,EP(英、
仏、独、伊、蘭、
デンマーク)中、韓)
未
未
PCT(US,EP,
KR、CN)
未
PCT(US,EP,JP,KR)
未
4.新聞発表記録
発表日
2001 年 5 月 14 日
タイトル
概要
掲載誌
発表者
高特性超電導材料で 20 (株)フジクラ、中部電力(株)及び超電導工学研究所は、高特性を有するイッ 毎日、日刊工 (財)国際超電
倍 の 製 造 速 度 を 達 成 トリウム系1)超電導テープを従来の20倍の速度で作製する技術開発に成功し、 業 、 日 経 産 導 産 業 技 術 研
-10mY 系超電導線材で実 これを10m長線材で実証した。
業、日本工 究 セ ン タ г
証
フジクラが開発し、基本特許を有する IBAD 法は、高い配向性を有した中間層を
業、電気新 超電導工学研
成膜する技術でありこの上に成膜した超電導膜で従来から短尺で 100 万 A/cm2 の
聞、日経メカ 究 所
臨界電流を得ることが可能な有望な手法とされていたが、成膜速度が遅く、これ
ニカル(Web
究開部
による線材の製造速度が低いとのことから実用化線材作製に対して危惧されてい
配信)
融、(株)フジ
線材研
塩原
た。今回の成果は、IBAD 装置の大型化、同イオンビーム形状の適正化等による大
クラ、中部電力
面積安定成膜を実現し、更に配向制御性の高い新しい中間層材料の発見により達
(株)
成されたもので、従来の課題を解決し、高特性線材の高速成長を実現したもので
ある。この技術は、実際に長尺線材作製で試され、1m/h の製造速度で10m長の
イットリウム系超電導テープで 40 万 A/cm2 の臨界電流を実証した。これは、液体
窒素温度で線材断面 1 平方センチメータ当り、40 万アンペアをゼロ抵抗で通電で
きる値で、これを長尺で達成したのも世界で初めての成果である。
2001 年 9 月 19 日
金 属 テ ー プ 上 の 超電導工学研究所、フジクラ、中部電力は高温超電導材料を使った電線の 日 経 産 業 新 線 材 研 究 開 発
TFA-MOD 超電導膜で世 簡易製造法を開発した。材料を薄く塗布して製膜しコストを 1/10 以下に 聞、電気新聞 部 塩原融、和
界最高特性を実現
泉輝郎
できる。
-Y 系超電導線材開発に弾 試作した電線の暑さは1マイクロメートルのてープ状で、耐熱合金、中間
み-
層、超電導層、保護層の四層構成。
新聞発表 1
2004 年 9 月 28 日
日経産業新 名古屋高温超
高 温 超 電 導 線 材 (YBCO)
◆開発内容:世界最高特性の高温超電導次世代 YBCO 線材を開発
で世界記録を達成
◆特徴:長さ 45.8m・臨界電流 182A の積 8335A・mを達成(従来今年8月、 聞、日刊工業 電 導 線 材 開 発
г長さ×電流値 8335A・m 米国 IGC 社7000A・mを記録)
新聞、電気新 センタг
山田
(45.8m 長で臨界電 ◆今後:この線材開発が進むことにより、SMES 、MRI などの機器への 聞、中日新聞 穣
流値 182A)で大幅に記録 応用も可能になる。
更新г
2002 年 3 月 5 日
世界最長の次世代酸化物 30m 長と従来の 3 倍の長さの線材ができた。
日 経 産 業 新 (株)フジクラ
超電導線材を開発
聞、日刊工業
特性も 81 万 A/cm2 と高特性
新聞、電気新
聞
2003 年 6 月 30 日
2004 年 10 月 1 日
長さ 100、品質も良好(取 世界最長の 100m 長の線材が実現した。
日 経 産 業 新 (株)フジクラ
材による)
聞
イットリウム系酸化物超 Y 系では世界初のマグネットを製作し、高い安定性をもつことを実証し 日 経 産 業 新 (株)フジクラ
電導マグネットを開発・ た。Y 系線材で 105m、126A の IcL=13200Am を実現した。
イットリウム系酸化物超
電導線材で大幅な記録更
新
新聞発表 2
聞
用語解説集
[ あ]
アスペクト比
一般に、ある幾何学的形状について代表的な二つの方向の寸法比。本報告書では線材では
幅と厚みの比、コイルでは直径と長さの比として定義。
圧着技術
123 単結晶は脆性材料でありデバイス応用の為にスライスした単結晶基板が脆いため、取
り扱いの容易さ及び熱的・機械的強度を高めるため MgO などの補強材を高温で接合するた
めの技術。
アニール
超電層の成膜後あるいは単結晶・多結晶体作製後の熱処理。熱加工によって生じた応力(歪
み)の除去の他、とくに酸化物超電導体の場合、大きな酸素不定比性を有するため、試料
中の酸素濃度の制御のために行う重要な熱処理過程である。後者の目的の場合、酸素アニ
ールと呼称される場合もある。
アニール温度
熱処理温度のこと。
アモルファス状態
非晶質状態をいう。原子の並びに規則性を持たない状態。
安定化材
超電導体に複合化されて超電導体の安全性を増加させる常電導金属材料。銀、銅やアルミ
ニウムなどは極低温で電気抵抗が低く、熱伝導が良いために、超電導導体を良く冷却して
臨界温度以下に保つとともに外部磁束変動をダンピングし、超電導から常電導への転移を
抑える。また、転移したときでも電流をバイパスして発熱を抑え、冷媒に熱を伝達して、
冷却するので安定化材として用いられる。
安定化層
超電導線材の通電の安定ならびに超電導層保護のために、超電導層の上に設けられた導体
層。銀などの熱伝導の良い金属を用いる。
安定性、安定性マージン
超電導線の動きによる摩擦熱などの外乱(熱擾乱)が原因となり、超電導線に常電導が生
じその抵抗分によりジュール発熱した場合、冷却がその発熱量を上回り超電導状態に回復
するか、もしくは常電導部が拡大しクエンチに至るかを判断する指標。
冷媒の冷却特性や超電導線の物性値から安定性を設計する方法が提案されており、設計に
より許容しうる熱擾乱エネルギーを安定性マージンもしくはクエンチマージンと呼ぶ。
プロジェクト用語集 1
[ い]
123 系結晶構造
構成するカチオンの組成比から 123 系と呼称されている YBa2Cu3O7-δあるいは REBa2Cu3O7δ (RE:希土類元素)に共通な結晶構造。ペロブスカイト型構造から派生した構造で、Y を
挟んで上下に超電導のキャリアが存在する Cu と O からなる 2 次元正方格子 CuO2 面を配置
し、さらにその上下に BaO 層を有する。2つの BaO 層間にも CuO2 面を有するが、この面で
は a 軸方向に酸素が欠損しており、b 軸方向に Cu-O 鎖を形成していることがわかる。この
Cu-O 鎖の酸素原子は、酸素分圧や温度を変化させることで、可逆的に結合・解離が起こり、
その結果、酸素欠損量δは約 0ޯ1 まで変化する。
イオンビーム
IBAD 法において中間層を配向させるために、中間層元素をスパッタ蒸着する際に、Ar 等
をイオン化しアシストイオンビームとして材料に応じたある特定の角度から同時に照射
する。
イオンミリング
Ar などのイオンの照射により薄膜表面の原子をはじき出すことにより、薄膜を削り取って
いく加工法。
異方性
高温超電導体は層状構造を有し、CuO2 面内と、
面間とで電子の動きやすさが大きく異なる。
この違いを異方性という。異方性は不足ドープになるほど(絶縁体に近づくほど)大きく
なる。
異方的典型物質
高温超電導体はすべて異方的であるが、なかでも Bi2212 は異方性が大きい。従って、Bi2212
は超電導現象における異方性の影響を調べるためには最適の物質と言える。
インサート材料
液相拡散接合を行う際に線材同士の間に挿入する材料。一般に接合対象よりも、低い融点
をもつ金属等を用いる。
[ う]
[ え]
液相プロセス
液相を介して超電導結晶を作製するプロセス。
液体ヘリウム
ヘリウムは標準沸点が 4.21K と最も液化しにくい気体であるため、液体ヘリウムは高価で
プロジェクト用語集 2
あるが、従来の金属系超電導体の冷媒として用いられる。
エッジワイズ
矩形の超電導導体をコイル化する場合に、短辺を巻き軸に向けて巻き線の中心軸と平行に
し、長辺を半径方向と平行とする巻き方。単位長さあたりに多くの巻数を巻きつけること
ができる。
エッチング(化学エッチング)
金属表面に対する浸食作用によって金属をその表面から除去する処理技術。化学エッチン
グは化学溶解作用の利用で、金属を表面から浸食除去する方法。
エッチング加工
Ar などのイオン照射により薄膜表面の原子をはじき出すことにより、薄膜を削り取ってい
く加工工程で、ランプエッジ接合の傾斜部の形成や、界面改質バリア形成のための下部超
電導薄膜のイオン照射などの工程もこの加工の一種である
エピタキシー
ある結晶の特定の面の上に他種の結晶の特定の面が見かけ上くっついて重なり合って成
長する現象。同形の結晶の場合には結晶軸を同じくする方向に成長するのが普通。
[ お]
オイルフリー
広義にはヘリウム中に油がない状態を指すが,狭義にはヘリウムガス圧縮の際に潤滑油を
用いないことをいう.液体ヘリウム温度(4K)ではヘリウム以外の物質はすべて固化し
てしまうが,従来のヘリウム冷凍システムは油潤滑式圧縮機を用いているためヘリウム中
への油混入に非常に神経を使っている.従って潤滑油を用いない(オイルフリー)圧縮機
の開発は永く進められていたがこれまでは信頼性,効率の点で油潤滑式に劣っていた.
応力−ひずみ効果
超電導線を巻いて超電導マグネットを作製する場合、超電導体には、巻線、冷却、運転の
各過程で応力・ひずみが印加される。巻線時には巻テンションによる引張応力、コイル状
に曲げることで生じる曲げひずみ、冷却時には安定化材、巻枠、コイル構成材と超電導体
との熱収縮率の違いによって生じる引張・圧縮応力(ひずみ)、コイル運転時には電磁力
によるフープ(引張)応力などが印加される。これらの応力・ひずみを受けた超電導体は
その大きさに応じて変形し、超電導特性が変化する。
オーバーオール電流密度
多層構造を持つ 123 系線材において、基板・中間層などを含む全線材断面積で臨界電流値
を割ることにより規格化した臨界電流密度であり、実用機器設計に際して重要である。
オージェ電子分光(AES)
オージェ電子分光(AES)
オージェ電子分光は代表的な表面分析の一つで、固体の表面から数nmの深さ領域に関す
プロジェクト用語集 3
る元素分析や深さ方向分析が可能。高真空中で固体試料表面に電子線を照射すると、原子
の内殻電子が弾き出され、それによって生成した空軌道を外殻電子が補填する。このとき、
外殻電子を放出する過程で発生した電子がオージェ電子。このオージェ電子の運動エネル
ギーは元素固有であるため、発生したオージェ電子の運動エネルギーを調べることにより、
表面数nm層の元素分析を行うことができる。検出可能な元素は H,He 以外の全て。Ar
イオンエッチングを行うことで、ミクロンオーダーまでの深さ方向分析も可能となる。
[ か]
界面エネルギー
2 つの異なる相が接する境界面に存在する過剰のエネルギー。
化学結合
分子や結晶を形成する原子またはイオン間の結合をいう。一般に結合の機構によって共有
結合、イオン結合、金属結合等に分類するが、実際の化学結合はこれらに結合の混じりあ
いが多い。
化学蒸着法(CVD
化学蒸着法(CVD 法)
原料となる物質をガス状態で供給し、これを固体表面で反応させることにより少なくとも
1 種類の固体反応性生物を獲る手法をいう。原料ガスには生成物元素を含むガス(複数の
ことがある)とキャリアガス(用いられないこともある)の混合ガスが使用される。RE123
系超電導体の合成の際には、有機金属を原料ガスとして用いる、MOCVD(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition)法が多く用いられる。
化学プロセス
金属イオンおよび無機、有機化合物等の化学反応を用い、原子∼分子レベルでの化学結合
の形成や構造制御を行った前駆体を利用する合成プロセスをいう。
化学溶液法
MOD 法を参照
核四重極共鳴
核四重極共鳴
核スピン I の値が1以上の原子核は、核スピンに基づく双極子に加えて、四極子モーメン
トをもつ。この核四極子モーメントは原子核の位置における電場勾配と相互作用(電気四
重極子相互作用と呼ぶ)して、核磁気共鳴の共鳴条件に変更を与え、共鳴線のシフトや分
裂をもたらす。これを核四極子共鳴、または
核四重極共鳴と呼ぶ。物質の電子状態、原子位置、構造に関する多くの知見を得ることが
できる。
革新プロセス
超電導線材要素技術の開発において、線材に関する研究課題の中に、長尺化プロセスと革
新プロセスが揚げられている。前者は、イットリウム系を用い実用化を目指す長尺線材作
プロジェクト用語集 4
製基盤技術の確立、後者は線材特性の向上を目指した新プロセスの開発を目指したもの。
化合物
2種以上の元素の原子の化学結合によって生じた純粋物質。各元素の組成比は一般に定比
例の法則にしたがう。
仮焼
粉末(原料粉末)の予備的な熱処理。MOD の前処理も含む。
過剰ドープ状態
一般的に YBCO 系等の酸化物超電導体においては、キャリア量の低い状態では反強磁性を
示す絶縁体であり、キャリア量の増大とともに電気伝導性が現れ、超電導性を示すように
なる。その臨界温度 Tc ははじめキャリア量の増大とともに上昇するが、あるキャリア量に
おいて最高値となった後、逆に低下していく。この最高の Tc が得られるキャリア濃度を最
適ドープとし、それよりキャリアが過剰な状態(Tc がキャリア量とともに低下するキャリ
ア濃度範囲)を過剰ドープ状態(オーバー・ドープ状態)と呼ぶ。
過渡安定度
電力系統において短絡故障などの大きい擾乱が発生した場合に、発電機が脱調せず送電を
安定して継続できるか否かの安定性。一般的に、送電電力が大きく、電源から負荷までの
過渡回復電圧
回路に大きなインダクタンスが挿入された状態で故障電流を遮断した際に発生する過渡
的な回路電圧。
インピーダンスが大きい(電気的距離が長い)ほど過渡安定度は低下する。
過負荷試験
系統の事故などで事故線以外の線路に一時的に過負荷送電を行う必要がある。この時、限
流素子温度が短時間許容温度に到達するまでの時間以内に所定の過負荷電流を流すこと
ができるかを確認する試験。
カルノー効率
熱機関における最大のエネルギー効率をカルノー効率といい、
カルノー効率η= ( Th - Tl ) / Th
ただし、Th:最高温度、Tl:最低温度
で表される。カルノー効率は、作業物質が最高温度と最低温度間に等温膨張・断熱膨張・
等温圧縮・断熱圧縮の四工程で一循環する(カルノーサイクル)時に、作業物質に無関係
に最高温度と最低温度によって決まる。
カロリメトリック法
冷媒中の試料に交流電流を流したり、変動磁界を印加したりして、冷媒の蒸発ガス量、液
面降下、試料の温度上昇から損失を求める方法、最も一般的に用いられている方法である。
プロジェクト用語集 5
間接冷却型
超電導コイルを液体ヘリウム等の冷媒に直接、接すること無く冷却するタイプ。
[ き]
擬ギャップ現象
高温超電導の不足ドープ領域で超電導転移温度よりかなり高い温度からスピンや、電荷の
励起が抑えられていくようにみえる現象。スピン励起を見る磁気共鳴スペクトルや中性子
非弾性散乱だけでなく、比熱、光電子分光、トンネル分光、電気抵抗、光学スペクトルな
どで観測される。
基材(基板)
多層構造(基板、中間層、超電導層)からなる超電導線材において、基板は基本的な線材
の強度保持を担う。また配向基板では、超電導相の結晶配向性も担う。更に配向基板以外
においても作製プロセス上、その表面平坦性が中間層を介して超電導層の結晶配向性に影
響するため、その臨界電流特性を左右する因子となる。
希土類元素(RE:
希土類元素(RE: RareRare-earth element)
element)
ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの一連の元素はいずれも3価が主な原子価で性質
が類似している。これらの元素をランタノイドと総称し、周期表では、ランタンと同じ位
置に全部いれている。希土類として元素を分類したときは、ランタノイドとスカンジウム
(Sc)とイットリウム(Y)を含めている。(近角聡信等、「最新元素知識」より) ランタノ
イド類の中で、Gd よりも元素重量が軽い元素を軽希土類元素(
軽希土類元素(LRE:
軽希土類元素( LRE: light rarerare-earth
earth
elements)
elements)と呼び、通常、(LRE)Ba2Cu3O7d 系材料とした際に超電導体となる、La, Nd, Sm, Eu,
Gd が指す。これらの元素を用いた場合には、(LRE)と Ba が置換した固溶体を形成しやすく、
超電導特性が変化する。
キャップ層
バッファー層(中間層)の上に平坦性を持たせるために設けられるもの。
キャリア注入
YBCO 系において電気伝導はホールによって担われる。従って、キャリア注入は一般に、構
成するカチオンをより価数の低いもので置換する(例:3価のイットリウムイオンを2価
のカルシウムイオンで置換)かアニオンである酸素を欠損させることにより行う。
強結合状態
粒界を通過する臨界電流密度が粒内と同程度である状態を示す。高温超電導体のコヒーレ
ンス長は短いため,ナチュラルバリヤーすら存在しない理想的な接合でなければ強結合状
態にはなりにくい。
強加工
再結晶により結晶方位がそろった集合組織を作製するために、通常冷間圧延により 90%以
プロジェクト用語集 6
上の強加工した後、熱処理を行う。
強制冷却方式
液体ヘリウムなどの冷媒を加圧して導体内に流し、冷却する方法。この方式の導体には冷
媒を圧送できるような空隙を内包している。冷媒容器が不要で、ケーブルインコンジット
導体の場合は、コンジットの外周に電気絶縁を施すことができるため、耐電圧の確保が容
易などの特長がある。
共晶(共融混合物)
2成分以上を含む単一の液体から、ある温度以下で同時に晶出する2種以上の固相(結晶)
の混合物。
緊急動作試験
限流器としての緊急システムの動作確認試験を示すが、系統システムとの所掌を明確にす
る必要がある。ケーブルの場合は冷却システム監視に含めている。
銀シース Bi 系超電導電流リード
ビスマス酸化物は2次元性の強い薄片状の結晶構造を持ち、線材製造の圧延工程で銀の管
の中で良く整列し、さらに薄片間に超電導電流を妨げる障壁ができ難いため早くから線材
化が行われてきた。通常、銀の管の中に Bi 系超電導体が入れられるため、銀シース線材
と呼ばれ、この銀シース Bi 系超電導線材を用いて電流リードがつくられる。銀は熱伝導
性も良いため、電流リードに用いられる際には微量の金を添加して熱伝導率を抑えるが、
それでも線材に占める銀の比率が大きい場合、熱侵入量が大きくなる。
[ く]
クエンチ
通電中の超電導導体において熱的、電磁気的または機械的擾乱によって生じる急激かつ制
御不能な常電導転移。
クーパー対
超電導体中において、同符号の負電荷をもっているにも関わらず、格子振動などを媒介と
した引力相互作用が電子間のクーロン反発相互作用を上まわったときに形成される電子
対。
クライオスタット
被冷却物(超電導コイルなど)を収納して、その重さと発生する力などを支持できる断熱
支持構造を持った開放又は密閉構造の低温を保持する装置。超電導デバイスや回路を搭載
した試作チップはクライオスタットの中に設置されて超電導状態になる温度まで冷却さ
れる。半導体の測定器はこのクライオスタットの外の室温環境に置かれるので、チップと
測定器の間を高周波同軸ケーブル(前出)で接続して測定のための高周波信号を入出力し
なければならない。
プロジェクト用語集 7
クラック
ひび、微細割れのこと。ここでのクラックは結晶粒サイズ(ミクロンサイズ)のひびをい
う。
[ け]
欠陥構造
理想的な結晶は、原子やイオンが 3 次元的に規則正しく並んだ構造を取るが、実在の結晶
はそのような規則正しい構造のどこが狂った欠陥を必ず含んでいる。欠陥構造には、次元
の小さなものから点欠陥、線欠陥(転位)
、面欠陥(積層欠陥)がある。
結合損失
常電導物質および常電導状態にある部分に結合電流が流れることによって発生するジュ
ール損失。
結晶成長機構
結晶を成長させること結晶成長というが、一般には単結晶を作製する場合に使われること
が多い。例えば結晶性物質の融液を凝固点以下の温度にまで冷却する、あるいは蒸着法な
どでは気相から基板上に原子・分子を堆積させることにより結晶成長がおこる。これらの
成長過程において結晶成長界面において原子・分子が結晶内に取り込まれていく機構を結
晶成長機構といい、ファセット状界面の成長機構としては二次元的核形成、らせん転位等
に起因した単分子層高さのステップが表面を移動する機構が考えられることが多い。固相
多結晶体の再結晶も結晶成長ということもある。
ケーブル・イン・コンジット導体(CIC導体)
冷媒流路を内蔵した超電導撚線導体を、気密な管(コンジット)で覆ったケーブル。
ケーブル系統充電電流補償
主として地中送電線として用いられるケーブル送電線は、単位長あたりの静電容量が架空
送電線に比べて著しく大きいことから、ケーブル系統には大きい充電電流が流れ系統電圧
が上昇し、系統運用上問題となる場合がある。このような場合、現状では、変電所に分路
リアクトルを設置して、充電電流を抑制している
ゲル前駆体
金属イオンが有機化合物や水酸基によりイオン的または化学的なネットワーク構造を形
成し、さらに水などの溶媒をそのなかに含有した状態の前駆体をいう。
限界送電電力
送電線で送れる電力は、過渡安定度、定態安定度、電圧安定性、電圧降下などの諸制約に
より、熱容量以下となる場合がある。特に長距離送電線ではこの制約の影響が大きいため、
各種系統制御装置等により限界送電電力を向上させる必要がある。
プロジェクト用語集 8
顕微ラマン分光法
顕微ラマン分光法では、光学顕微鏡で拡大観察される物体の特定の局所にレーザ光を集光
してラマンスペクトルの測定を行う。ラマン分光では、系にレーザー(単一波長)をあて
た時の非弾性散乱成分を回折格子で分光し、強度を CCD で検出する。顕微鏡と組み合わせ
ることで、ޯμm レベルの局所情報を位置情報とともに得ることが可能になる。
限流器
系統に流れる短絡電流を、電路に直列に抵抗やリアクトルなどを挿入して抑制するもので
基本的に検出部、転流部(故障電流を系統から限流部へバイパスさせる)
、限流部、遮断
部(故障電流が遮断能力以内になった後電流を遮断する)
、復帰部から構成される。また、
超電導体のクエンチ現象(常時は抵抗零、クエンチ発生時は抵抗有)を利用するものも考
えられている。
限流時間
限流器にインピーダンスが発生し、限流動作を開始してから電流が遮断されるまでの時間
限流試験回路(LC
限流試験回路(LC 共振型)
共振型)
コンデンサなどにエネルギーを蓄え、インダクタンスと限流器の直列回路に放電する試験
回路。
限流試験回路(
限流試験回路(インバータ型)
インバータ型)
コンデンサなどにエネルギーを蓄え、アンプで整形して電力を供給する試験回路。
限流試験回路(
限流試験回路(系統直結型)
系統直結型)
系統から変圧器を介して限流器に電力を供給する試験回路。
限流試験回路(
限流試験回路(合成法)
合成法)
大電流と高電圧を別個に供給する試験回路。
限流試験回路(
限流試験回路(短絡発電機利用型)
短絡発電機利用型)
短絡発電機から変圧器を介して限流器に電力を供給する試験回路。
限流電流
最終限流インピーダンスを呈することによって抑制される故障電流の交流成分の実効値。
限流電流最大値
限流器によって抑制される故障電流の最大値。
限流電流動作責務
プロジェクト用語集 9
限流器単体で定めるものと遮断器動作責務との強調を強く意識するものとがある。
限流動作開始時間
故障発生後、限流動作を開始するまでの時間。
限流動作開始電流
限流器が動作開始する電流レベル。
[ こ]
高圧合成法
原料を圧力媒体内に密閉して、GPa(ギガパスカル 109Pa)のオーダーの高圧下で熱処理す
る合成手法。構成元素の陽イオンと陰イオンの圧縮率の違い、あるいは高密度相への転移
により、常圧下では合成できない超電導物質を得ることが可能となる。
高温安定 RE211 相
RE-Ba-Cu-O 系において RE123 相はその包晶温度以上で RE211 相と Ba-Cu 過剰な液相とに分
解溶融する。ここで RE211 相は RE123 相に比べ高温においても液相と安定に共存するため、
RE123 に比べ高温安定相であるといわれる。
光学伝導度スペクトル(
光学伝導度スペクトル(σ(ω))
反射スペクトルを クラマース・クロニッヒ (K-K) 変換して得る。物質による光の吸収の強さ
に対応する物理量。
光学反射スペクトル
物質表面に色々な波長の光をあてた時の反射率を波長の関数として表わしたものを反射
スペクトルという。使用波長領域は遠赤外、赤外から、可視、紫外領域に及ぶ。物質の電
子状態や格子振動を知ることができる。
高強度化機構
材料の機械的強度を高めるために考えられるモデル。合金化、複合化等が考えられている。
超電導線材は多層構造をなし、線材の強度保持は基板によりなされており、基板の材質の
強化には合金化、コア材を用いた複合化が用いられている。
合金化
2種以上の金属元素を混合したものを合金という。金属元素のほかに炭素、硅素などの非
金属元素を含むものもある。合金の組織には固溶体、共晶(共融混合物)
、化合物(金属
間化合物)あるいはそれらが共存するものなどがある。
格子対応度(格子整合度)
基板結晶と成長結晶の格子定数の差の大きさを示す度合いで(asub-aepi)/aepi で与えられる。
ここで asub は基板結晶の格子定数、aepi は成長する結晶の格子定数を取るのが一般的である。
プロジェクト用語集 10
一般に格子対応度が小さいほど配向が取りやすく、また欠陥の少ない結晶が成長できる。
高周波同軸ケーブル
無線周波数(1KHzޯ)帯で使用される同軸ケーブル。同軸ケーブルは1本の中心導体と、
これを同心的にかこむ外部の円筒形の導体とを組み合わせたもので、高周波用の伝送線と
して用いられる。
高速フーリエ変換(FFT
高速フーリエ変換(FFT)
FFT)
離散フーリエ変換に関連する変換を高速に実行する一連の計算方法。
高調波
交流の電圧・電流で周波数が商用周波数の整数倍のものをいう。電力用によく用いられる
6パルスの整流器やインバータがある場合、第5、第7高調波が発生する。高調波が超電
導発電機に流れると内部に非同期回転磁界を生じるので回転子表面に渦電流を誘導する。
超電導発電機は強力なダンパを有しているため、現用機に比べて耐量が高いと考えられる。
光電子分光
光(X 線を含む)を吸収し、そのエネルギーを得て物質から放出された電子のエネルギー
分布や角度分布を測定して、固体の電子状態に関する情報を得る手法。
交流損失
超電導体、超電導導体、又は超電導マグネットなどを変動磁界中に置いたときに発生する
損失。超電導体のヒステリシス損失、導体の結合損失及び渦電流損失、構造材料の渦電流
損失などを含む。
固相拡散機構
固体中での熱による原子の移動、拡散による反応機構をいう。
固溶体
異なる物質(元素)が互いに均一に溶け合った固相をいう。全組成域にわたって固溶体をつ
くる場合(完全固溶体、全律固溶体)と、限られた組成範囲でだけ固溶体をつくる場合があ
る。純物質の結晶構造が同じ場合には完全固溶体を形成しやすい。
[ さ]
最終限流インピーダンス
限流動作完了後に出現するインピーダンス。
再生可能エネルギー
一度に利用できる量は限られているが、その限られた範囲内で利用すれば枯渇しないエネ
ルギー源。太陽光、風力、バイオマスなどの各種エネルギーがあり、自然エネルギーとも
呼ばれる。
プロジェクト用語集 11
サブクール窒素
沸点以下まで冷却した液体窒素のこと、常圧の場合は約 63K から約 77K となる。
サブクール窒素冷却
減圧、冷凍機運転などによりサブクール状態まで液体窒素を冷却する事、またはその運転
手法。
サブチャンネル
強制冷却方式の導体において、ケーブル部とは別に設けた、冷媒を流すための流路。冷媒
を強制的に流す際の圧力損失を低減する等の効果を持つ。
酸化物超電導材料
酸化物超電導材料
化合物超電導材料の中で、特に、酸素を構成元素とする材料。主に、結晶構造はペロブス
カイト構造(金属イオン A、B と酸素イオンで構成され、ABO3 の組成を表す。)で、各サイ
トの金属イオンの置換により多様な変形が可能なもの。
産業用大型レーザ
実験室レベルで用いられるレーザ発信装置に比べ、出力が大きく長時間安定性にも優れて
いる。そのため長尺線材をレーザー蒸着法により成膜する際に、全長にわたって安定した
特性を持つ膜が成膜可能となる。
三次元的な配向組織
多結晶体において、各結晶粒の結晶方位がすべてそろった組織。
三相短絡
商用の電力系統における交流送電の形態は、電気的に120度ずつ位相の異なる3相によ
って行われている。これら3相は適切な離隔距離を保って設置されているが、ごく稀に雷
撃その他によって電気的に接触する場合があり、これを短絡と呼んでいる。特に三相短絡
とは3相すべてが短絡することである。
酸素欠損量
Y123 や RE123(RE:希土類元素)などの 123 系結晶構造では、BaO 層に挟まれた Cu-O 鎖の
酸素が欠損し易いことが知られている。この Cu-O 鎖の酸素原子は、酸素分圧や温度を変
化させることで、可逆的に結合・解離が起こり、その結果、酸素欠損量δは約 0ޯ1 まで
変化する。このδを用いて化学式では YBa2Cu3O7-δあるいは REBa2Cu3O7-δと記述される。
酸素不定比性
Y123 や RE123(RE:希土類元素)などの 123 系結晶構造では、BaO 層に挟まれた Cu-O 鎖の酸素
が欠損し易いことが知られている。化学式で記述すると YBa2Cu3O7-δあるいは REBa2Cu3O7-δ(0
プロジェクト用語集 12
≦δ≦1)となり、酸素のモル比率は6ޯ7の範囲で変化し定比とならない。
[ し]
磁気光学磁束観察
磁気光学効果(ファラデー効果)を用いた磁束観察手法。試料の上にガーネット膜あるい
は Eu カルコゲナイド膜を密着させて,試料表面の磁束を映像化する。高磁場までリアル
タイムにマクロな磁束の挙動を観察できる。
磁気光学効果
磁場と光との相互作用によって生じる効果でファラデー効果と呼ばれている。磁場中では
光の偏光面が回転するので,回転角の大きな物質を用いれば,磁束の存在を光の偏光領域
として映像化することが可能となり,磁束観察に用いることができる。
磁気抵抗測定
磁場の関数としての電気抵抗の測定。
次世代線材
ビスマス系線材を第一世代として、イットリウム系等の RE123 超電導体を用いた線材を次
世代という。ビスマス系超電導体は磁場中において特性の低下が大きいのに対し、RE123
系超電導体は磁場中でも良好な臨界電流密度特性を有することから磁場中応用に期待さ
れ、また銀シースを用いないことから低コスト化も期待されている。
磁束クリープ
磁束線がピン止め点に捕まった状態は準安定状態であり、真の平衡状態に向けての緩和、
すなわち時間がたつと対数的な減衰が起こる。この時の磁束線の運動を磁束クリープ(フ
ラックスクリープ)といい、熱揺動に起因する。バルク超電導体に捕捉された磁場も磁場
捕捉直後は急激な減衰を示し、その後安定する。
磁束相図
超電導体中の磁束系は温度や磁場の値に応じていくつかの定性的に異なった熱力学的状
態をとる。その様子を温度г磁場平面上に表したもの。現在まだ完全には確定していない。
磁束トラップ
超電導体の中の常伝導の部分あるいは比較的超電導性の弱い部分に磁束が閉じこめられ
てしまうことをいう。この磁束は超電導体にトラップされた部分がピン止めされて動けな
いため、この部分に定常的に磁束が存在しつづけるので、あたかも永久磁石がそこにある
かのように見える。この磁束が SFQ 回路に影響を与えると誤動作の原因になる。
磁束量子
超電導体又はその環を貫く磁束の最小磁束量。Φ0=h/2e=2.07×10-15(Wb)。ここで、h:プ
プロジェクト用語集 13
ランクの定数、e:電子の電荷。
収束イオンビーム(FIB)
収束イオンビーム(FIB)
電子顕微鏡システムで、電子の代わりにイオンを用いた装置。電子に比べ10万倍重い質
量(通常ガリウムイオンが使用される)の粒子線となるため、デカナノ(10-8 m)級の微細
加工に用いられる。
焼結(本焼)
仮焼を終えた粉末を用い金型等でプレス成形し、粉体の固相拡散、ネック部の成長、結晶
粒界の移動などによって連結したバルク材料を得る熱処理。
MOD 法の Y123 の結晶化処理も本焼という。
晶出(晶析、結晶化)
結晶性の物質を溶解している溶液(液相)から、核生成・成長過程を通して固相が生じる
現象を晶出と呼ぶ。多くの場合、溶媒を蒸発させて濃縮したり、あるいは温度を下げて飽
和溶解度よりも濃度を高くして結晶を固化させる。他の物質を加えて反応により溶解度の
小さい結晶を結晶化させる場合もある。
蒸着
金属または非金属材料を高真空中で加熱等により蒸発させて、ガラス、水晶板、へき開し
た結晶などの基板表面に薄膜として凝着させること。
常電導状態
超電導状態に対して、電気抵抗がゼロでない通常の電気伝導の状態をいう。超電導体に臨
界磁場より大きな磁場をかけたり、転移温度より高い温度にすると、電気抵抗はゼロでな
くなり、常電導状態が出現する。
初期結晶粒
例えば RE123 結晶を一方向凝固法等により溶融凝固する際、凝固初期において存在してい
る結晶粒を初期結晶粒と呼ぶ。
人工粒界
決まった傾角を持ったバイクリスタル基板上に超電導薄膜を成長させると同じ傾角を持
った超電導粒界が実現出来る。このようにして作られた粒界。但しミクロに見ると、基板
の傾角と全く同じ粒界のみができるとは限らない。
浸漬冷却方式
液体ヘリウムなどの沸点にある液体冷媒に超電導体を直接浸して冷却する方法。コイルを
周囲から冷却するため、温度を均一に保持しやすく、ポンプなどの特別な設備も必要とし
ないため、構造が単純になるなどの特長がある。
[ す]
プロジェクト用語集 14
ストライプ
高温超電導体において、電荷やスピンが空間的に不均一に偏る現象のこと。電荷が縞状に偏り、
縞には半分だけホールが存在し、縞方向にはホールは自由に動けるが、縞間の運動は阻害され
る、電荷の縞を挟むスピンの縞には電荷は存在しない。ホールの濃度が 1/8 のときに一部の系
でホールとスピンが縞状の秩序を示すことが中性子散乱等で観測されており、ほかの系や組成
でも動的なストライプ揺らぎがあるともされる。
スパイラル管
螺旋状に成型した配管で、導体部分と配管内部の間に空隙があるため、He などの冷媒が自
由に出入りできるという特徴がある。
スパイラル成長(渦巻き成長)
結晶の表面の中心部から縁に向かって格子の段差が発生すると、段差の部分に原子が付着
しやすくなり、扇子が開くように段差が移動して、表面と垂直な方向に渦巻き状に結晶が
成長する。
スパッタリング
原子あるいはイオンを個体(ターゲット)表面に衝突させた際に、その個体表面原子が外
部に放出される現象をいい、この放出された原子を対向する基板に堆積することにより薄
膜を形成する。種々の材料を比較的容易に作製でき、回路素子構成等のための技術として
工業的に積極的に利用されている。スパッタリングの手法として、マグネトロンスパッタ
リング、高周波(RF)スパッタリングなどがある。
スピンコーテング
薄膜形成法の一つで、回転している基板上に溶液原料を滴下し、遠心力で液相膜を形成す
る手法をいう。
スラッシュ窒素
液体窒素と微細な固体窒素が混在したゲル状の流体。固体窒素の融解潜熱は液体窒素の
比熱の約 13 倍で液体窒素よりも低温かつ熱容量が大きい。
[ せ]
成長界面
ある結晶がその結晶と構造の異なる環境相(一般には気相あるいは液相であることが多
い)から成長している時、その成長している結晶と環境相との境界を成長界面と呼ぶ。
整流器型限流器
整流器ブリッジと超電導リアクトルを組合せ、事故時のみ必要なインピーダンスを発生さ
せる限流器をいう。
プロジェクト用語集 15
接合界面
接合において、バリア層及びバリア層と下部超電導薄膜、上部超電導薄膜との境界付近の
部分を指す。
遷移金属酸化物
遷移金属元素(長周期表の 3A 7A,8,1B 中 d 殻が満たされていく元素)と酸素との化合物。
電子̅電子、電子̅格子相互作用が強く、伝導性および磁性において興味深い性質をもつ。
線間短絡
3 相のうち、任意の 2 相同士が短絡することをいう。
前駆物質(前駆体、先駆物質)
着目する生成物の前の段階にある一連の物質を指すが、一般には1つ前の段階の物質をさ
す。
[ そ]
走査型トンネル顕微鏡
トンネル効果を用いた顕微鏡。STMと呼ばれている。原子像や状態密度マップを得るこ
とができるため,磁束ピン止めセンターの候補である Nd/Ba の置換領域や種々の欠陥につ
いて形状,大きさおよび状態密度の違いを観察する。
双晶境界
RE123 系の単結晶およびそれに類する結晶配向性の高い試料では,結晶成長温度よりも低
い温度に正方晶と斜方晶の構造相転移が存在するために,冷却過程での応力緩和により双
晶が生じる。a 軸と b 軸が入れ替わっている界面を双晶境界と呼び,磁束のピン止めセン
ターの1つとなっている。
素線
ケーブルを構成する個々の線の一つ。撚線、成形撚線、編組線などの超電導線や超電導ケ
ーブルを構成する最小単位の超電導線。
ソノケニカル反応
超音波により溶液等の媒体の分子振動を促し、それにより生じる局部的な高温、高圧反応
場での化学反応をいう。
ソルボサーマル反応(水熱反応)
高温、高圧の溶媒中での溶解、分解、結晶化等の化学反応をいう。特に溶媒を水に絞った
場合を水熱反応という。
プロジェクト用語集 16
ソレノイド型
導線を同一軸に沿って均一に何回も細長く巻いたコイル。
ゾーンメルト法、浮融帯溶融法(FZ
ゾーンメルト法、浮融帯溶融法(FZ 法)
通常鉛直に保持した試料棒の一部を加熱して溶融部をつくり、その液相部を表面張力によ
って支えながら上あるいは下方に移動させることにより凝固・結晶成長させる手法。種結
晶を用いるか、初めにくびれを作ってやることにより単結晶が得られやすい。RE123 結晶
では成長初期における選択成長により単一結晶粒の成長も得られる。
[ た]
大傾角粒界
結晶粒界は、粒界での方位角の差から小傾角粒界と大傾角粒界に分けることができます。
一般に大傾角粒界の場合は、多数の空孔が入り乱れた複雑構造をとるため、電子の散乱を
受け易く、超電導体の場合、弱結合になりやすいといわれている。
帯磁率
=磁化率。磁化 M と磁場 H との関係 M=࡮H を表わす࡮をいう。常磁性体では 10-3-10-6 程度
の正の値、
反磁性体では 10-6 程度の負の値、超電導体の完全反磁性では-1/4࡮の値である。
体積拡散
固体内部の拡散。これに対し表面や粒界での拡散をそれぞれ表面拡散および粒界拡散と呼ぶ。
これらの拡散過程の活性化エネルギーは、体積<粒界<表面の順である。
大きな単結晶で
は表面や粒界は小さいので、表面拡散や粒界拡散は無視できるが、多結晶体では表面や粒界の
面積が無視できなくなり、表面拡散速度や粒界拡散速度が全体の拡散速度に大きく寄与し、場
合によっては、体積拡散をしのぐようにもなる。
第 2 相(常超電導相)
超電導特性を示す結晶(母相)の組成とは異なる組成の結晶部分(常電導相:非超電導相)
を示す。Y-Ba-Cu-O 系(Y123 系バルク体)では Y123 相(YBa2Cu3O7-d)が母相で、これ以外
の Y211 相(Y2BaCuO5)などを第 2 相と呼ぶ。結晶成長条件および組成を最適にすることで、
こうした第 2 相を意識的に母相内に微細に析出させることができる。この第 2 相は液体窒
素温度(77 K)で有効なピン止め点として働く。
第2相粒子分散制御
第2相粒子分散制御
非超電導相である第2相(Y211 相)を微細化し、超電導相である母相(Y123 相)の中に
均一分散させることでピン止め効果を大きくし、臨界電流の増加等の超電導特性向上がな
される。
第一種超電導体
超電導体に外部から磁場を与えた場合、磁場の強さが臨界磁場 Hc 以下でマイスナー効果を
示し、磁束が内部に侵入しない超電導体。臨界磁場に磁場が達すると磁束が侵入し,常伝
プロジェクト用語集 17
導状態へ 1 次転移する。Nb, V 以外の単体の超電導体はほとんどすべてこれに属する.
第二種超電導体
下部臨界磁場 Hc1 以下の磁場領域で、マイスナー状態となり、Hc1 を超え、上部臨界磁場 Hc2
までの磁場領域では磁束が侵入し混合状態となる超電導体。実用超電導体において第二種
超電導体は上部臨界磁場 Hc2 が非常に大きく、高磁場まで超電導と磁場が共存できる(超
電導状態を保つ)。ただし、電流の作用であるローレンツ力が働いて量子化磁束の運動が
起こると、電場が生じて電気抵抗が生じる。従って電気抵抗の発生を抑えるため、量子化
磁束の運動を止めるピン止めの作用が必要である。合金や酸化物系超電導体は第 2 種超電
導体である。
ターゲット機構
レーザ蒸着法等において、ターゲットはレーザ光等が照射された部分から蒸発する。その
結果、ターゲット表面でその部分だけがえぐれ凹凸が生じやすい。ターゲット表面に大き
な凹凸が生じると成膜条件が変化する等の悪影響が生じるため、長時間安定して均質な膜
を成膜するためには、レーザ光がターゲット全面に平均してあたるように、ターゲットを
回転・並進移動するためのターゲット機構が必要になる。
多元系材料、多元系酸化物、多元系固溶体
複数の元素から構成される材料、酸化物、固溶体という。
種結晶
単結晶を育成するときに、育成する結晶の方位を定めるために用いられる。引き上げ単結
晶育成法にはバルク単結晶が用いられる。123 系超電導体の LPE 成膜においても、MgO 単
結晶基板等の上に種結晶膜として 123 結晶を気相法により成膜している。
薄膜線材での中間層の最上層を種結晶層と呼ぶこともある。
種結晶作製プロセス
種結晶を作るためのプロセス。種結晶の項を参照。
ダブルパンケーキ(巻線)構造
超電導線の両端が外側に来るように、薄いバウムクーヘンのように2段巻線した2枚で一
対の軸方向に扁平なコイル。
単一粒
引き上げ単結晶において、X 線ロッキング曲線による評価で半値幅が 0.2°未満で、引き
上げ結晶育成時に内部に取り込まれたフラックスインクルージョンを含まない領域。
単結晶
任意の結晶軸に注目したとき、試料のどの部分においてもその向きが同一であるような結
晶質固体をいう。現実の単結晶は不完全結晶であって部分部分で極わずかではあるが結晶
軸の向きが変わっているのがふつうである。固体の物性には単結晶において典型的に現れ
プロジェクト用語集 18
るものが多いので物性の基礎的研究の試料として重要である。なお、人工的に単結晶を得
る方法には、結晶引き上げ法、帯域溶融法、ヴェルヌーイ法などがある。
短尺、中尺、長尺
短尺、中尺、長尺
高温超電導線材の製造基礎技術開発において、一般に1m 以上を長尺、30cm 未満を短尺、
その中間を中尺と称す。
タンデム式レーザ蒸着
2 つ以上のレーザー源を用い、光学系の操作によりレーザー源を切り替えることにより、
同一の基板上に連続して成膜するレーザー蒸着法。1 つのレーザー源で成膜中に他のレー
ザー源のメンテナンスが可能であるため、原理的には無限時間の連続成膜が可能となる。
短絡容量
電力系統の任意の地点において短絡事故が発生した場合に流れる電流を短絡電流といい、
これにその地点の定格電圧を乗じた値を短絡容量と呼んでいる。短絡電流を遮断する遮断
器などの定格は短絡容量によって決まるので、系統運用上は短絡容量の高精度の評価と適
切な管理が必要である。発電機から生じる短絡電流は次過渡あるいは次々過渡リアクタン
スによって決まるが、超電導発電機の場合これらリアクタンスの値を比較的自由に設定で
きるため、短絡容量の面からは設計の自由度が現用機に比べて高いといえる。
[ ち]
チャンバー
減圧、酸化性、還元性、不活性ガス等の雰囲気を制御するための真空容器。
中間層
基板と超電導層の間にあり、線材作製プロセスにおける加熱処理における基板と超電導層
との反応を防ぐ役割を持つ。また中間層配向型線材においてはプロセス制御により中間層
を配向させる。かつ中間層の結晶配向性、平坦性などはその上にのる超電導層の結晶配向、
超電導特性に大きく影響を与える。
中性子散乱
中性子が入射した時、物質を構成する原子核との相互作用や磁気を担う電子との磁気的相
互作用で散乱される(方向を変える)現象。本プロジェクトでは中性子のエネルギーが散
乱によって変わる非弾性散乱の観測で高温超電導体のスピンの縞状の磁気的構造を見い
出した。
超電導エネルギー貯蔵
電流の流れているコイルには、電磁エネルギーが貯えられるが、このコイルを超電導線材
でつくり、ジュール損失なしに大電力を貯蔵すること。
超電導ギャップ
超電導状態と常電導状態の自由エネルギー差(凝集エネルギー)に相当し、このエネルギ
プロジェクト用語集 19
ー分超電導下では安定化する。エネルギー差は温度上昇とともに減少し、超電導転移温度
で0(ゼロ)になる。
超電導相関長
超電導電子の波動関数の空間的な広がりの程度。超電導転移温度が高く、キャリア濃度の
低い酸化物超電導体では従来の超電導体より相関長は短く、超電導揺らぎが大きいのが特
徴である。
超電導体
ある条件の下で電気抵抗がゼロとなる物質。ある条件とは臨界温度、臨界磁場、臨界電流
密度を超えない範囲を指す。超電導体は,完全導電性、完全反磁性(マイスナー効果)、
磁束の量子化、ジョセフソン効果などの他に類を見ない特性を示すため,省エネルギー技
術など様々な応用が期待されている。また,高温超電導は 25 K(ケルビンは絶対温度の単
位で、0K=-273℃)以上に臨界温度をもつ物質で,主に銅酸化物系材料である。
超電導対破壊
超電導電子対(クーパー対)が外場(電流、温度、磁場、不純物添加他)によって壊され
て、常伝導の2つの電子になること。
超電導薄膜限流素子
セラミックスなどの基板に製膜した超電導体を用いた限流素子。1 枚の超電導膜からなる
エレメントをさす場合と、エレメントを直並列に接続した集合体をさす場合と両方用いる。
潮流
送電線や変電所などの電力系統に流れる電力のこと。
[つ]
ツイストピッチ
フィラメントまたは素線を導体軸の周りにねじる加工(ツイスト)が施された導体におい
て、フィラメントまたは素線が初期の相対位置まで最初に戻る軸長。【JIS H 7005-1999】
[ て]
低温成長プロセス
低温成長プロセス
LPE 法により 123 層を金属基板上に作製する際には金属基板と溶液の反応を抑制する必要が
ある。そのため超電導相の成膜温度をおよそ 900℃以下に低温化することにより、溶液の反
応性を小さくして 123 層を成膜する方法。
抵抗率
電気抵抗率の略語。断面積 S で長さ l の物体に長さ方向に電流を流した時の抵抗 R は、
R=(l/S) ρとなる。SI 単位系はΩm である。
プロジェクト用語集 20
定常熱負荷
超電導コイルの定常運転時において発生する熱負荷。
定態(動態)安定度
電力系統が平衡運転状態(即ち平常時)にあって、送電線 1 回線停止などの極めて微小な
擾乱が加わったときに動揺が収まり元の状態に戻るか、動揺が持続又は拡大するかの安定
性。
デイップ法
MOD 法において有機金属塩溶液を基板に塗布する手法の 1 つで、基板を溶液に浸すことに
より塗布する方法。
電圧アンシラリー
電力系統の適正な運用に必要な様々な操作・調整を行うことをアンシラリー(付加的)サ
ービスと呼んでいる。電圧アンシラリーとは系統の電圧を適切に調整・維持するための
様々な操作、調整のことである。
電圧安定性
本来は電圧制御に有効なコンデンサ、リアクトルなどの調相設備や変圧器タップなどの制
御効果が不十分となって、電圧が異常なレベルまで低下していく現象。電源からの電気的
距離が大きい重負荷の地点で問題となるケースがある。
転位導体
超電導素線を集合し大電流容量導体化する際に、絶縁された素線の位置を時計回りまたは
反時計回りに順々に移動するよう撚り合わせることにより、素線間の相互インピーダンス
を均一化し、パルス状電流または交流電流が流れても、素線間で均一に電流を流すことが
できる導体。従来の銅導体でも、変圧器巻線および電気子巻線などの大電流容量導体に使
用されている。
電荷輸送特性
電気抵抗や熱起電力(導体中に温度勾配がある時、電子状態の熱平衡からずれから生じる
電場勾配)など電荷をもつ電子や正孔が物質中を移動する振舞い。
電気化学反応
電極の電位を外部電源により制御し、反応場の酸化還元電位を任意に設定し、界面の化合
物の電子の供与(還元)
、や授与(酸化)を制御する反応をいう。
電子ビーム蒸着法
金属や酸化物等を真空中で電子ビームを照射することにより加熱蒸発させて、対向した基
板上に堆積させ蒸着を行う手法。
プロジェクト用語集 21
電子顕微鏡
電子線を用いて試料の拡大像を得る装置。この中には試料を透過した電子を電子レンズを
用いて結像する透過型(TEM)、試料表面で反射した電子を結像する反射型、集束電子線を
試料表面上に走査して各走査点からの2次電子を用いて像をつくる走査電子顕微鏡(SEM)、
加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イ
オン顕微鏡)などがある。また、入射した電子によって試料から放出される特性X線また
は試料による電子エネルギー損出スペクトルを用いて微小領域の元素分析を行うことも
できる
電子プローブミクロ分析法(EPMA)
電子プローブミクロ分析法(EPMA)
固体試料表面に細く絞られた(ミクロンからサブミクロンの大きさ)電子線照射して、試
料と電子線との相互作用により発生する特性 X 線を効率よく検出することにより、試料を
構成している元素とその量を測定する方法。
伝導面間の結合
高温超電導体の CuO2 伝導層の面内の相関は非常に強いのに対して、面間は非常に弱い。し
かし、Cu を少量 Zn(亜鉛)や Ni(ニッケル)に置換することによって、面内のキャリア
閉じ込めが解けて、面間の相関が強められる現象が見い出された。
伝導冷却
超電導コイルを冷却する際に、液体ヘリウムや液体窒素などの冷媒を用いず、冷凍機など
で発生した寒冷を熱伝導で超電導コイルまで伝えることにより、冷却する方法。
電流—電圧応答における非局在性
電流 電圧応答における非局在性
通常は試料中のある場所における電流値はその場所における電場の値だけで決まる。しか
し量子化磁束が存在すると巨視的に離れた場所における電場の値が影響を及ぼすことも
あり得る。その時電流—電圧応答が非局所的であると表現する。
電流磁気特性(効果)
磁場中の電気抵抗や電圧電流依存性を全体として表現している言い方。
電流リード
電流を常温からクライオスタット内の超電導コイルに導入する役割をもつ金属等から成
る導体。低熱侵入性に優れる酸化物超電導体等から成る。
電力動揺
電力系統に短絡事故などの擾乱が発生した後に、送電線に流れる潮流が変動したり、発電
機の出力が変動すること
電力用超電導ケーブル
電気的に絶縁した超電導体系(ケーブル導体)と、これを極低温に維持するための熱絶縁
容器から構成されたケーブル。
プロジェクト用語集 22
[ と]
銅比(銀比)
安定化材として銅・銀を用いた複合超電導線における銅・銀と超電導体との体積比(断面
積比)。
トラップ磁束
トラップ磁束
超電導体に磁場を与えたとき、内部に侵入した磁束のうち、磁場が取り除かれた後にも外
部に排出されずに残っている磁束。第二種超電導体に侵入した量子化磁束は、析出物、格
子欠陥、転位、粒界、不純物などのピニングセンタに捕捉されている。ピニング力が大き
ければ、磁場が取り除かれた後にも多くの磁束が外部に排出されずに残り、あたかも強磁
性体のようにふるまいをする。
トリフルオロアセテート(TFA:Trifluoroacetate
トリフルオロアセテート(TFA:Trifluoroacetate)
TFA:Trifluoroacetate)
トリフルオロ酢酸(CH3COOH)。酢酸と同様の構造で、炭素と直接結合している水素がフッ素
に置き換わった化合物。溶液原料から超電導線材を作製する際に使用する。
トロイダル配置、トロイダル型コイル
トカマク形核融合炉のプラズマの封じ込めなどに用いられるコイルで、複数のコイルを円
環状の磁場空間に垂直に、これを取り囲むようにドーナツ状に配置したコイル。円環状に
磁場が閉じこめられて漏れ磁界が低減されるため、SMES 等にも適用が検討されている。
トンネル分光
真空中で鋭い針状の金属チップの先を試料に近づけると、トンネル電流が流れる。そのト
ンネル電流を精密に制御することにより表面の電子状態を1オングストローム以上の水
平分解能で観測できるようにした装置が走査型トンネル顕微鏡である。特に、走査型トン
ネル分光は超電導ギャップの空間依存性など電子状態を調べる研究でも大きな成果を上
げている。
[ な]
ナノペースト
0.01μm以下のナノ粒子からなる金属ペースト。(ナノペーストは商品名)金属は粒子サ
イズがナノレベルまで小さくなると、バルク状態とは全く異なる物理特性を示す。中でも
特徴的であるのは、金属本来の融点よりもはるかに低い温度で、金属ナノ粒子が焼結する
という現象である。
ナノ粒子
ナノサイズの微細粒の呼称。ナノ(nano-)10-9 の意味の接頭語。記号は n.
[ に]
プロジェクト用語集 23
二次元核成長
二次元核成長
基板上に薄膜が成長する極初期の段階(核)の形が薄い板状となる成長様式。塊状の場合
には三次元核成長という。
2層 LPE 構造
金属基板上に LPE 法により 123 系超電導体を成膜するためには、金属基板と Ba-Cu-O 溶液
との反応を抑制する必要がある。そのため金属基板上に MgO あるいは NiO の中間層を形成
したうえで、まずその中間層元素を飽和させた溶液を用いて中間層材と溶液の反応を抑制
しつつ、中間層元素を含んだ 123 相を第1LPE 層として形成する。更に良好な超電導特性
を得るために不純物元素を含まない溶液から 123 層を第2LPE 層として成長させる。この
2 段の LPE 行程により得られる 2 層 LPE 構造が形成される。
[ ぬ]
[ ね]
熱侵入
低温容器内に室温領域から熱伝導、熱輻射などで侵入してくる熱量。熱浸入とも表記する。
熱天秤重量測定(TGA)
熱天秤重量測定(TGA)
温度やガス雰囲気を時間と共に変えながら重量測定を行い、その経時変化からその物質の化学
反応や相転位に関する知見を得る方法。YBCO 系では、温度や酸素雰囲気によって酸素が可逆的
に結合・解離することが TGA によって明らかにされた。
熱暴走
超電導線または超電導コイルにおいて、通電時の損失などによる温度上昇により超電導特
性が低下し、さらに発熱量が増加することにより温度上昇が緩やかに継続しコイルが常電
導化すること。一般にクエンチよりも時定数が長い現象であるため、通電電流の制御によ
り超電導状態に復帰させることが可能である。
[ の]
ノーマル電圧
超電導導体がクエンチして常電導状態に遷移することにより発生する電圧。超電導マグネ
ットは、一定電流で運転中に常電導転移が発生すると巻線の一部に抵抗が発生し、時間の
経過とともに常電導転移が拡大して抵抗が増大し巻線内部電圧が上昇する。このため、損
傷を受けないよういち早くノーマル電圧を検出する必要がある。
ノリス則
W.T. Norris が 1969 年頃、超電導線材の形状(楕円線材、Strip 線材)による通電損失の
理論式を示した。これをノリス則という。楕円線材の場合、通電損失は電流の 3 乗に比例
し、Strip 線材の場合は 4 乗に比例する。
プロジェクト用語集 24
[ は]
配向銀テープ
銀を冷間圧延後、熱処理して再結晶させることにより、銀結晶粒の結晶方位を 3 次元的に
そろえたテープ。
バイクリスタル
結晶方位が異なる2つの単結晶が1つの粒界面で接合しているもの。
バイクリスタル粒界接合
バイクリスタル粒界接合
結晶方位が異なる2つの単結晶を張り合わせた基板(バイクリスタル基板)上に、高温超
電導薄膜をエピタキシャル成長させることにより得られる粒界接合。
配向性
超電導層、中間層等の結晶軸の揃い方の程度を配向性という。基板面に垂直な方向(膜厚
方向,c-軸方向)への配向と、線材の長手方向の結晶の並びである面内配向(a,b-軸方向)
の2つが超電導特性、線材特性に重要な因子となる。
パイロクロア構造
硫化亜鉛タイプ構造(閃亜鉛構造)に関連の結晶構造で、A2B2X7 の組成をもつ多くの化合
物がパイロクロア構造をとる。Cd2Nb2O7,Cd2Ta2O7,Ca2Ta2O7 などの大きい2価の陽イオン(A)
と小さい5価の陽イオン(B)とを含む多数の化合物および希土類元素のチタン酸塩の多く
がパイロクロア構造を取る。
ハステロイ(Hastelloy
ハステロイ(Hastelloy)
Hastelloy)
ニッケル合金の一種で、アメリカの Haynes Stellite Co.で製造している耐熱性ニッケル
合金の商品名。組成は(54.5ޯ66.5)Ni-(15ޯ30)Mo-C-Fe(-Cr-W)系。高温において機械的
強度が高く、しかも耐酸化性に富んでいる。
バリア
ビスマス系多芯線材の交流損失低減のためには、ツイストと高垂直抵抗化の組合せが有効
であることが知られている。ビスマス系超電導線材の場合、母材に銀、銀合金を用いる限
り、この垂直抵抗を大きくできない。その解決策として、フィラメント間に高抵抗層を入
れた線材の開発が進められている。このフィラメント間の高抵抗層をバリアと言う。
バルク(bulk)
バルク(bulk)
“かたまり”のことで、広義には、セラミックス等の焼結体も含まれるが、(LRE)Ba2Cu3O7-d
系材料の場合は、通常、一旦溶解させてから結晶成長させた、溶融成長体(melt-processed
bulk)のことを示す。通常、RE123 超電導相と第2相との複合材料となっており、RE-Ba-Cu-O
系バルク等と呼ばれる。
プロジェクト用語集 25
パルス管(パルスチューブ)冷凍機
1961 年ギフォードとロングスワースによって考案された、低温部にステンレス管と蓄冷器
を持つだけの簡単な冷凍機で、熱音響効果を利用するもの。低温部に可動部がないため、
電流リードなどの他の機能との組み合わせが容易である。
半導体的面間伝導
高温超電導の不足ドープと呼ばれる(最適値より)キャリア濃度の低い領域で、2次元 CuO2
面内の電気抵抗は温度の低下と共に減少するのに対して、それに垂直な面間方向では温度
低下と共に抵抗が増加する半導体的な振る舞いがみえる現象
反応性抑制中間層
次世代線材において、超電導 123 層と金属基板あるいは中間層との反応を抑制するために
設ける中間層。
半溶融凝固現象
RE123 相はその包晶温度以上に加熱すると 211 相と液相に分解する。この 123 相に比べ高
温安定相である 211 固相粒子と液相が混じった状態を半溶融状態と呼び、そこから 123 相
が凝固成長することを半溶融凝固という。
[ ひ]
ピーク効果
臨界電流密度は通常、磁場の増加に従い単調に減少するはずであるのに対し、ある磁場で
ピークを持つという現象のことを示す。この効果は、各種超電導材料系において確認され
ており、磁場依存性の異なるピン止め機構が働くために生じる。これまでに様々な機構が
提案されているが、RE123 系において代表的な機構としては、酸素欠損や元素置換などの
格子欠陥によるものがある。
微小ホール素子
有効面積の小さなホール素子。ホール素子は磁場を測定する為の一般的なセンサー。微小
ホール素子を試料の近くに置くことにより、試料周辺の磁場の空間分布を測定することが
できる。試料全体の磁気モーメントを SQUID 等を用いて測定する方法と相補的。
微小結晶辺(マイクロファセット)
互いの結晶軸が傾いた2つの結晶粒が接触する時には化学的に粒界になりやすい面とな
りにくい面がある。従ってある傾角を持ったバイクリスタル基板上に超電導薄膜を成長さ
せるとき、場合によっては薄膜中の粒界が基板の粒界に沿うのでなく、ジグザグに折れ曲
がっていることもある。そのような場合それぞれの短い粒界を微小結晶辺と呼んでいる。
ヒステリシス損失
交流損失のうち、低周波領域で1周期当たりの損失エネルギーが周波数に依存しない成分。
ピンニング損失は磁束線の移動速度で変化しない。すなわち、低周波領域では磁束線の移
プロジェクト用語集 26
動速度が遅いため、1周期当たりの損失エネルギーが周波数に依存しない部分が損失の主
体となる。このような条件では、静的な磁場−磁化のヒステリシス曲線の面積だけで損失
が求まる。
非対称45度粒界
結晶軸の傾きが 45 度の粒界で、粒界面に関して対称でないもの。狭い意味では一方の(1
00)面と他方の(110)面が接触している粒界。長い粒界が出来やすい角度らしい。
非弾性 X 線散乱
物質に入射X線を当てて跳ね返った反射X線の非弾性散乱成分を測定する手法。この測定か
ら電荷密度等の動的な揺らぎ(動的構造因子)を知ることができる。動的構造因子は運動
量およびエネルギーに依存する物理量であるが、非弾性X線散乱ではこの両者を独立に測
定できる。この手法により、例えば低エネルギー領域で格子振動の知見を得ることができ
る。
ビードコーテング法
MOD 法において有機金属塩溶液を基板上に連続塗布するための手法の一つであり、溶液溜
からキャピラリー効果により溶液を供給して塗布する。
非平衡反応
化学反応速度等の差や準安定な化合物が選択的に生成する条件を制御し、化学平衡的には
直接生成が遅いもしくは生成しにくい反応をおこなうことをいう。
ピン止め/ピン止め中心
外部磁界を全く侵入させない(マイスナー効果)超電導体は、第1種超電導体と呼ばれて
いる。これに対して第2種超電導体では下部臨界磁場 Hc1 を超えると一部量子化磁束が侵
入した混合状態となる。この状態で外部から電流を流すと、量子化磁束はローレンツ力を
受けて動こうとするが,超電導体内の格子欠陥、析出相(絶縁相、常伝導相)、不純物、
転位、粒界等の不均質な部分に外部磁束が捕捉され動きが妨げられる。これをピン止めと
いう。ローレンツ力よりピン止め力のほうが大きければ、磁束は動かないが、電流または
磁場が増加して、ピン止め力よりローレンツ力のほうが大きくなれば、磁束が動き電圧が
発生する(電気抵抗が生じる)。このローレンツ力とピン止め力が拮抗した限界の状態に
おける単位面積当たりの電流値が臨界電流密度 Jc となる。
ピンニング力
電磁力に抗し超電導体内の量子化磁束を捕捉する力。
[ ふ]
ファセット成長機構
原子的なスケールでみて平坦な結晶面はファセット(晶癖)面と呼ばれる。ファセット面
が成長する機構としては、平坦な面上をステップが移動し1原子(分子)層ずつ成長して
プロジェクト用語集 27
いく機構が考えられており。その代表的な例の1つとしてらせん転位に起因するスパイラ
ル成長機構があげられる。
フィラメント
複合超電導線を構成する非常に細くかつ長手方向に伸ばした超電導体(超電導材料)のこ
と。
フォノン
周期的に配列した固体原子の振動(格子振動)を量子化した概念。従来の超電導体は格子
振動(フォノン)を媒介とした引力相互作用によって超電導電子対を形成している。高温
超電導体では磁気的な相互作用が重要であるという立場で(特に日本では)研究が進めら
れているが、ヨーロッパではフォノンに重きを置いた研究も多く、スピン、電荷の縞状構
造の研究を契機として日本でもフォノンの重要性が見直されている。
不可逆磁場(B
不可逆磁場(Birr)
外部磁場の増加とともに臨界電流密度は低下するが、臨界電流密度がゼロとなる磁場のこ
とを不可逆磁場 Birr という。実用上は臨界磁場よりも不可逆磁場 Birr の方が重要である。
複合照射法(IBAD:Ion
複合照射法(IBAD:Ion Beam Assisted Deposition)
Deposition)
YSZ 等の材料を蒸着時に、基板に対してある特定の角度から Ar 等のイオンビームを同時に
照射することにより、3次元的に配向した結晶膜が得られる。このようにして配向した膜
を得る手法を複合照射法(IBAD 法)という。
複合化
素材の組み合わせることを複合という。この複合化により、単一の材料より優れた特性を
もつ複合材料をつくだすことができる。最も一般的な複合材料は、主体と成る素材(マト
リックス、母材)の中に、他の微小形素材(分散材、強化材)を分散させたものである。
複素交流磁界法
試料に交流電流を与えた時試料周辺にできる交流磁場を位相の情報を含めて測定する方
法。電流と位相のあった成分を実部、位相の90度ずれた成分を虚部と見なすことにより、
複素数で表すことができる。試料中の電流分布が時間的に一定であれば(空間的には一様
でなくても)虚部はあらわれないはずであるが、実際には観測される。
不足ドープ状態
一般的に YBCO 系等の酸化物超電導体においては、キャリア量の低い状態では反強磁性を
示す絶縁体であり、キャリア量の増大とともに電気伝導性が現れ、超電導性を示すように
なる。その臨界温度 Tc ははじめキャリア量の増大とともに上昇するが、あるキャリア量に
おいて最高値となった後、逆に低下していく。この最高の Tc が得られるキャリア濃度を最
適ドープとし、それよりキャリアが少ない状態(Tc がキャリア量とともに上昇するキャリ
ア濃度範囲)を不足ドープ状態(アンダー・ドープ状態)と呼ぶ。
プロジェクト用語集 28
浮遊結晶晶出
単結晶育成あるいは LPE 成長時に過飽和を与えている溶液表面に、種結晶以外から晶出し
た RE123 結晶が浮遊することがある。これらの浮遊結晶が育成する単結晶あるいは LPE 膜
に付着すると多結晶となるため、その晶出は抑える必要がある。通常浮遊結晶は坩堝壁と
溶液の界面で核生成すると考えられるため、坩堝壁付近の溶液表面温度を高くする等の工
夫がなされる。
フライホイール
エネルギーを回転体の回転(慣性)エネルギーの形態で貯蔵する装置。国内では臨界プラ
ズマ実験装置 JT-60 のフライホイール発電機、電鉄用の電圧保持用、工場の負荷変動吸収
用で採用されているほか、各種の電力品質改善用機械軸受式のフライホイールが商品化さ
れている。また、軸受けに超電導バルク磁石による磁気軸受けを用いる研究が国内外で行
われている。
フラックスフロー(フラックスジャンプ)損失
高温超電導線内の磁束が電磁力により動くことにより生じる電磁的損失で高温超電導コ
イルの発熱の原因となる。
フラットワイズ
矩形の超電導導体をコイル化する場合に、長辺を巻き軸に向けて巻き線の中心軸と平行に
し、短辺を半径方向と平行とする巻き方。巻線時に超電導導体に加わる曲げひずみを小さ
くできる。
ブレイトンサイクル
断熱圧縮、等圧放熱、断熱膨張、等圧吸熱の4行程からなるサイクルである。圧縮比2程
度で高効率の冷凍サイクルが組める。
ブロック層
高温超電導体は層状構造で、超電導を担う CuO2 面と、キャリアを供給する働きをするブロ
ック層から成る。この脇役のブロック層を厚さを小さくしたり、不純物を添加することに
より超電導転移温度を変えたり、臨界磁界、臨界電流密度を変えたりすることができる。
分光分析法
物質の分光的特性を利用して行う化学分析。狭義には発光分光分析あるいは炎光分光分析
をさすことがあるが、一般には紫外可視分光分析、原子吸光分析、赤外分光分析、ラマン
分光分析、さらにX線分光分析、核磁気共鳴分析、電子スピン共鳴分析、マイクロ波分析
などを含めた総称。
分散型電源
需要地又はその近傍に普及しつつある比較的小規模な電源。太陽光発電、風力発電などの
自然エネルギーを利用するもの、コジェネレーション発電のように熱・電気併給による総
合エネルギー効率向上を図るもの、廃棄物発電などのように未利用エネルギーを活用する
プロジェクト用語集 29
もの等がある。
分子軌道計算
シュレーディンガー方程式に基づき、結晶中に広がった電子の分子軌道を計算すること。
これにより結晶内の電子的な性質、原子間の結合の性質などが推定できる。
分路リアクトル
電力系統の電圧−無効電力制御のために接続あるいは開放される並列リアクトル。電圧が
上昇する夜間などはこれが接続されて無効電力を吸い込み、電圧を低めるように働く。
[ へ]
変圧器高圧側至近端事故
電力系統に関わる技術的検討において、想定事故解析は重要である。系統内のあらゆる場
所で事故は発生する可能性があるが、発電機に対する影響や安定度などの検討をする上で
は、最過酷と思われる事故を想定することは必須である。変圧器高圧側至近端事故は、こ
の意味から非常によく想定事故として使われるものである。発電機の電機子に生じる電圧
を系統電圧にまで引き上げて連系する主変圧器の高圧側すなわち系統側に非常に近い地
点で短絡事故が発生したと考えるものである。
偏析
金属や合金中の不純物あるいは成分元素の分布が不均一になる現象。
[ ほ]
方向凝固ロッド材
方向凝固法により作製した棒状試料の総称。
方向凝固法
ゾーンメルト法等を用いて試料内で方向性を持たせて凝固・成長させることにより、配向
性が高く連続成長した棒状超電導体(線)を作製する方法。
包晶温度
1 つの固相がある温度以上で別の固相と液相とに分解する(あるいは液相がそれと平衡す
る固相とある温度以下で反応して別の固相を生じる)反応を包晶反応と呼び、その温度を
包晶温度と呼ぶ。例えば Y123 超電導体はその包晶温度である約 1010℃以上では Y211 相と
液相に分解溶融する。
捕捉磁場
バルク超電導体は通常の永久磁石では得られない程の高い磁場を捕捉させることができ
る。磁場を捕捉させる方法としては、磁場中で冷却し超電導状態になったところで外部磁
場を取り除く方法や静磁場やパルス磁場を使用温度(超電導状態になっている温度)で印
プロジェクト用語集 30
加する方法などがある。また、捕捉磁場を向上させるためには、臨界電流密度 Jc を高くし、
バルクのサイズを大きくすることが有効である。また、低温にすると臨界電流密度 Jc が向
上するため、捕捉磁場も大きくなる。ちなみに、世界最高レベルの磁場強度を示す Nd-Fe-B
系永久磁石の磁場強度は約 0.5T、ピップエレキバンに用いられている磁石は約 0.13Tで
あり、バルク超電導体では、条件を選べば 10T を超える磁場を捕捉させることも可能であ
る。
螢石型構造
ホタル石(CaF2)型構造は、無機化合物の代表的結晶構造のひとつ。Ca の層と F の層から
なる面心立方格子である。高温超電導体の CuO2 面(ペロブスカイト型構造)の間に、この
ホタル石型構造がブロック層として取り込まれることがしばしばある。
ボビン
超電導コイルを巻線する際の巻枠。
ホモ・エピタキシャル成長
下地となる結晶と成長する結晶が同じ材質であるエピタキシャル成長。
ホモロガスシリーズ
酸化物超電導体中で、2 次元 CuO2 面の枚数が異なるのみで、他は同一の構造を有する超電
導体系列。
[ ま]
マイクログリッド
多くの配電系統は配電用変電所を介して送電系統に同期連系しているが、今後、分散電源
が普及した場合には電力変換技術を応用して、各配電系統を他から電気的に切り離し、そ
れ自身が独立した電力系統であるようにして運転できる可能性がある。このようにして独
立した電力系統として運転される配電系統をマイクログリッドと呼ぶ場合がある。
マイスナー効果
磁場中に超電導状態にある超電導体を置いたとき、磁場が完全に超電導体から排除される
効果。超電導のもっとも基本的な性質で、超電導体の表面に超電導電流が流れ,それが作
る磁場が内部でちょうど外部磁場を打ち消すためにこの現象が生じる。
巻線型限流器、巻線型素子
超電導を用いた限流器のうち、例えば整流器型のリアクトル部に用いられるような、主と
して発生するインダクタンスを利用するものに多いが、無誘導の抵抗型も考えられる。超
電導線材をコイル巻線したものを用いた限流器をいう。またコイル組立ユニットを素子と
いう。
マトリックス 123 相
プロジェクト用語集 31
RE123 系の酸化物超電導材料は、半溶融状態から冷却、凝固するときに非超電導相で高温
安定相である RE211 相粒子を RE123 相内に取り込みながら成長する。このとき RE123 相は
マトリックス母相、非超電導相は第2相と区別される。
[ み]
[ む]
無効電力
電力系統の電圧・電流は交流であり相ごとに見た場合には瞬時電力が商用周波数の倍周波数で
変化している。この瞬時電力は、平均的な流れの分と変化する部分とに分けることができるが、
無効電力とは変化する部分のことであり、正味の電力の伝送という面からは電源と負荷との間
でやりとりされない。このため無効電力と呼ばれている。
無効電力補償装置
電力系統の無効電力が適正な値になるよう制御・調整する装置である。高圧送電系統では
線路の抵抗分が小さいため、無効電力の過不足によって電圧が左右される。そのため無効
電力(遅れ)が不足して電圧が低い箇所では無効電力を発生、逆に無効電力(遅れ)が過
剰となって電圧が高くなっている箇所では無効電力を吸収することによって、電圧を調整
する。具体的には分路リアクトルや並列コンデンサなどである。
[ め]
メカノケミストリー
固体物質に摩砕、摩擦、延伸、圧縮などの機械的エネルギーを加えることによってひきお
こされる構造、相転移、反応性、吸着性、触媒活性などの変化をいう。
メカノケミカル反応
固体物質の粉砕過程での摩擦、圧縮等の機械エネルギーにより局部的に生じる高いエネル
ギーを利用する結晶化反応、固溶反応、相転位反応等の化学反応をいう。
[ も]
[ や]
[ ゆ]
有効電力
瞬時電力のうちの平均的な流れの分のことである。電力の伝送という面からは電源と負荷
との間でやりとりされる正味の分である。このため有効電力と呼ばれている。
有機金属化合物
アルキル基のような炭化水素基や一酸化炭素などが直接の金属—炭素結合によって、金属
原子と結合した化合物をいう。
プロジェクト用語集 32
有機酸塩
有機酸と金属イオンが結合してできた塩(化合物)。
有機金属熱分解法(MOD:Metallorganic
有機金属熱分解法(MOD:Metallorganic Decomposition )
化学反応プロセスの一つで、分子レベルで有機化合物との複合体として、目的の化合物と
類似の組成を有する前駆体構造を合成し、その熱分解過程を利用する無機材料の合成法を
いう。
[ よ]
揚水発電
発電機の上部及び下部に池を設け、深夜その他の軽負荷時の供給余力を利用して下池の水
を上池に揚水貯留し、ピーク負荷時その他の必要に応じてこの水を利用して発電する方式。
電力系統の負荷率が低い場合、揚水発電を行うことにより、設備の有効利用ができるとと
もに、特に可変速型の揚水の場合、出力調整が容易であることから周波数制御に有効であ
る。
ヨウ素滴定
酸化還元滴定の1手法で、YBCO 試料の Cu の平均価数を求めることにより、酸素量を間接的に
求める。試料を酸性溶液に過剰のヨウ化カリウムとともに溶解させ、遊離したヨウ素をチオ硫
酸ナトリウム溶液で滴定することにより Cu の平均価数を求める。
溶媒・溶質
溶液または固溶体を構成する主な一つの成分をとくに溶媒といい、そのほかの成分を溶質
という。気体または固体が液体に混ざって溶液をつくる場合にはその液体を溶媒といい、
液体と液体とが溶液をつくる場合、あるいは固体と固体との混合によって固溶体がつくら
れる場合などには、多量に存在する方を溶媒とみなすことが多い。
より線
複数本の素線から構成される撚り合わせた線の集まり、またはそのような線の集まりの組
み合わせからなる超電導体。
より線次数
より線において、素線をより合わす回数。
[ ら]
ラマン散乱分光
物質に光を通すと、入射光と等しい周波数をもった強い弾性散乱と、入射光の周波数から
わずかにずれた、きわめて弱い非弾性散乱光が散乱されてくる。
この非弾性散乱光のうち、物質中を振動する原子やイオンによって散乱されるものをラマ
ン光と呼ぶ。結晶によるラマン散乱は、光学フォノン、マグノンなどの素励起と入射光と
プロジェクト用語集 33
の相互作用によって生じるので、格子振動、スピン波などの情報が得られる。
[ り]
粒界拡散
粒界での拡散。これに対し、固体内部の拡散や表面での拡散をそれぞれ体積拡散および表面拡
散と呼ぶ。これらの拡散過程の活性化エネルギーは、体積<粒界<表面の順である。大きな単
結晶では表面や粒界は小さいので、表面拡散や粒界拡散は無視できるが、多結晶体では表面や
粒界の面積が無視できなくなり、表面拡散速度や粒界拡散速度が全体の拡散速度に大きく寄与
し、場合によっては、体積拡散をしのぐようにもなる
粒界傾角
粒界で接する2つの結晶軸の成す角度のこと。ここでは人工粒界の単一の結晶辺での角度
を指す。傾角はマクロには双晶の成す角度,ミクロには透過電子顕微鏡観察による原子像
から求められる。
粒界構造
多結晶体において、結晶粒どうしの境界を粒界または結晶粒界とよぶ。また一つの結晶に
は点欠陥、線欠陥および面欠陥とさまざまな格子欠陥があるが、粒界は面欠陥の一種とみ
なすことができる。
粒界接合
高温酸化物超電導体の結晶粒界においては超電導性が弱くなっており、ある条件のもとで
は粒界部分がジョセフソン接合として働く。粒界接合は結晶粒界を人為的に作製する接合
であり、粒界の作製方法によってバイクリスタル接合、ステップエッジ接合などに分類さ
れる。
粒界伝導機構
ほとんどの場合実用材料は粒界を含んでいるので、粒界を通して超電導電流が流れる機構
の解明が重要である。粒界の障壁が高い時には粒界を流れる電流はいわゆるジョセフソン
電流と見なされる。
量子化磁束
混合状態で磁束量子Φ0 の単位に量子化された磁束のこと。超電導電流が量子化磁束の中
心の周りを渦状に流れることから、量子化磁束を渦糸(vortex)、混合状態を渦糸状態
(vortex-state)ともいう。
臨界温度(T
臨界温度(Tc)
温度上昇に伴い超電導状態(電気抵抗ゼロ)から常電導状態(電気抵抗を生じる)へと相
転移する温度のこと。
臨界磁場(H
臨界磁場(Hc)
プロジェクト用語集 34
第一種超電導体では超電導状態から常電導状態へ転移を起こすときの磁場のことを示す。
また、第二種超電導体ではマイスナー状態から混合状態への転移を起こすときの下部臨界
磁場(Hc1)、混合状態から常電導状態へ転移を起こすときの上部臨界磁場(Hc2)の総称の
ことを示す。
臨界電流密度(J
臨界電流密度(Jc)
単位断面積当たりの超電導体に抵抗ゼロで流すことのできる最大の電流値のこと。臨界温
度、臨界磁場と並んで超電導の基本特性を示す3要素の一つで、実用上重要な値。通常 Jc
と略す。超電導体の Jc が高ければ、バルク超電導体に捕捉できる磁場強度が向上する。ま
た、線材では、同じ断面積で大電流が流せるし、同じ電流値を流すのであれば、線材の断
面積、すなわち、線材の量が少なくてすむ。同じ磁場発生なら、高い Jc をもつ超電導線で
作ったコイルはコンパクトにできる。
[ る]
[ れ]
レーザーアブレーション法
ターゲットと呼ばれる高温超電導体の塊に高エネルギーのレーザーを照射し、飛散した粒
子を基板上に積層させる方法。ターゲット表面層を一気に吹き飛ばすと同時に、基板とタ
ーゲットの間に一時的にプラズマを発生させ、酸素を活性化する。
レーザー蒸着法
レーザー光照射によりターゲット材を蒸発させ、蒸発した元素をターゲットと対向させた
基板上に堆積させる手法。PLD 法参照。
レーザプルーム分布
レгザгアブレгションの際にターゲットから空間に向かってほぼ垂直方向に発生するプラ
ズマは鳥の羽毛 (plume)のような形状をしており、その中や近傍では粒子のエネルギгに
大きな空間分布がある。
冷凍機伝導冷却
超電導コイルの冷却に液体窒素や液体ヘリウムなどの冷媒を直接用いずに、冷凍機の冷却
ヘッドからの熱伝導で、超電導コイルを冷却する方式。無冷媒であるため、取り扱いが容
易になるとともに、超電導コイルの運転温度が冷媒の温度に拘束されず自由に設定できる
との利点がある。
レヤー巻き(レイアー巻き)
ソレノイドコイルの巻線方法で、コイル巻枠に対して軸方向に巻回し、層を構成していく
方法。パンケーキ巻きはターン方向がコイルの半径方向になるのに対し、レヤー巻きはコ
イル軸方向となる。
連続成膜
プロジェクト用語集 35
123 系線材作製において、金属基板を移動させながら中間層、超電導層を成膜すること。
連続組織形成条件
123 系超電導体は結晶粒界において臨界電流密度の低下が生じやすい為、良好な臨界電流
特性を得るためには試料全体が 1 つの結晶粒からなる連続成長した組織であること必要と
される。そのように 1 つの結晶粒を連続成長させるための作製条件をいう。
[ろ
[ ろ]
ローレンツ力
磁場中で運動する電子に作用する力。磁場中に置かれた第二種超電導体には混合状態にお
いて、量子化磁束が侵入し、析出物、格子欠陥、転位、粒界、不純物などのピン止め点に
捕捉されるている。この状態で外部から磁場と直交した方向に電流を流すと、量子化磁束
は磁場・電流ともに直交する方向にローレンツ力を受ける。ピン止め点におけるピン止め
力がローレンツ力より強ければ、磁束がピン止めされて電気抵抗がない状態が保たれる。
プロジェクト用語集 36
用語解説集(英字順)
[A]
AFM(Atomic Force Microscope)
原子間力顕微鏡。非常に鋭い針先(数 10 ナノメートル)で結晶の表面をなぞると原子
サイズの凹凸が針の上下振動をおこす。この変化を、針に当てた光の反射光の振れとして、
拡大して読みとる顕微鏡。
[B]
BaF2 プロセス
BaF2 を含む前駆体膜に用いて、後熱処理により超電導相を合成するプロセスの総称をいう。
前駆体膜の作製方法としては、電子ビーム蒸着や TFA-MOD 法が用いられる。
Bi2212
Bi2Sr2CaCu2Ox という化学式で表される代表的な高温超電導体。比較的大きな単結晶が得
られやすいこともあり、YBCO と共に最も良く調べられている。異方性が非常に大きい。
Bi2223
Bi2Sr2Ca2Cu3O10+࡮で超電導臨界温度は-163℃(110K)である。不純物の Pb を含まない単結
晶育成に本プロジェクトにおいて世界で初めて成功した。
[C]
CAICISS 表面評価技術
CoAxial Impact Collision Ion Scattering Spectroscopy (同軸型直衝突イオン散乱分
光)。エネルギーの小さな(数 keV)軽い元素を結晶の表面に入射すると最表面の原子によ
って散乱される。とくに、入射軸方向に散乱された軽元素のエネルギーを測定して表面の
原子の種類を決める評価法。
Ca ドープ層
カルシュウム(Ca)イオンが微量加えられた超電導層。Y123 層上にこの層を成膜し熱処理し
て結晶粒界にのみ Ca を拡散させることにより、結晶粒界における臨界電流特性の向上が
得られた。
CeO2
酸化セリウム。超電導線材の中間層(IBAD 法)に用いられる。
CIC(
(Cable In Conduit)
)
冷媒流路を内蔵した超電導撚線導体を、気密な管(コンジット)で覆ったケーブル。
プロジェクト用語集 37
Corbino 法
円板状の試料の中央と周縁に電極をつけた試料(Corbino ディスク)を用いた測定法。磁
束は試料内を円運動するのみで試料端における磁束の出入りがないので、試料端の影響を
除いた磁束の運動を調べることができる。
Cu サイト
高温超電導体は層状構造で、超電導を担う CuO2 面と、キャリアを供給する働きをするブロ
ック層から成る。Cu サイトは CuO2 面内の Cu を指し、ここに Zn(亜鉛)や Ni(ニッケル)
に少量を置換すると置換種、量に依存した超電導状態、常電導状態の変化がみられる。
COP
Coefficient of Performance の略で、冷凍機の「成績係数」である。動作温度において
発熱量 Q[W]を汲出すに必要な冷凍機の効率で、冷凍機所要動力 W[W]とすると COP=Q/W で
表される。
[D]
DCL 電流
整流器型限流器のリアクトル部に流れる直流電流をいう。
[E]
EDTA(
EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)
acid)
エチレンジアミン四酢酸をいう。無色の結晶性粉末。融点 240℃(分解)
。アルカリ土類、
希土類、遷移金属など多くの金属と極めて安定な水溶性の錯塩を形成する。
EMTP
電磁過渡現象プログラム(Electro-Magnetic Transients Program)の略。現在、British
Columbia 大学に在籍する Dommel 教授らのグループが中心になって開発したもので、
Bergeron 等価回路を用いて系統各部の要素をそれぞれモデル化し、これを組み合わせるこ
とによって広い範囲の系統構成、系統条件の電磁過渡現象を解析できるようにしたプログ
ラム。我が国では同志社大学の雨谷教授を中心とするグループが第一者である。
ET 塩
有機超伝導体中で最高の超電導転移温度(-260℃、13K)をもつ分子性超電導体。銅酸化物
高温超伝導体同様、クーパー対の引力相互作用の起源が反強磁性的交換相互作用であった
り、超電導電子対の対称性が d 波的である可能性が示唆されている。
exex-situ 法
2段以上の工程からなる超電導薄膜の製造方法。初期工程で PVD(真空蒸着、スパッタ)
等によって比較的低温で高速に前駆体膜をつくり、その後の工程の熱処理により、前駆体
膜を結晶化して超電導相を合成する。
プロジェクト用語集 38
[G]
GFRP(
GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)
Plastics)
ガラス繊維強化プラスチック。ガラス繊維と樹脂を用いてプラスチックを補強することに
よって強度を著しく向上し、宇宙・航空産業をはじめさまざまな分野で用いられている。
主な特性としては、耐熱性、電気絶縁性、さまざまな形状に対応可能、軽量かつ強度が大
きいことなどである。
GM(
GM(GiffordGifford-McMahon)方式
McMahon)方式
GM 方式冷凍サイクルは 1950 年代の終わりに Gifford により開発され、ガスの断熱膨張と
蓄熱材を用い、寒冷を発生する方式である。断熱膨張をさせるディスプレーサーの駆動方
法には、機械的に駆動する方法と、作業ガスの圧力差を利用して駆動する方法とがある。
GM 方式冷凍サイクルは効率が良いためディスプレーサーの駆動速度が遅くでき、また、内
部に使用しているシールにかかる負荷も軽いため、高性能で信頼性の高い冷凍サイクルで
ある。
[H]
Hastelloy基板
Hastelloy基板
Hastelloyは、ニッケル合金の一種で、アメリカのHaynes Stellite Co.で製造している耐
熱性ニッケル合金の商品名。組成は(54.5∼66.5)Ni-(15∼30)Mo-C-Fe(-Cr-W)系。耐熱・
耐食合金で、Y系テープ線材の無配向基板に使用されている。
[I]
IBAD(
IBAD(IonIon-BeamBeam-Assisted Deposition
金属基板と Y 系超電導体との間に設けられる YSZ 中間層を面内配向させる技術。これによ
り中間層の上に成膜される Y 系超電導体膜は、十分面内配向したものが得られる。したが
って中間層上の Y 系超電導体の成膜手段は、レーザー蒸着法(PLD)でも化学蒸着法(CVD)で
も可能となる。
Ic*特性
123 系テープ線材の臨界電流値は超電導層の臨界電流密度が同じ場合でも、超電導層の厚
み、テープの幅等により異なるため、1cm 幅あたりに規格化した臨界電流値を Ic*特性とし
て比較することがある。
inin-site 法
単一工程で行う超電導薄膜の製造方法。
IPP(Independent Power Producer)
独立電気事業者。1995 年の電気事業法改正により認められた卸供給事業者がこれに当たる。
「卸供給」とは、電力会社への電力供給であって、その規模が 1、000kW を超えかつ 10 年
プロジェクト用語集 39
以上にわたるもの、あるいは 10 万 kW を超えかつ5年以上にわたるものをいう。
ISD (Inclined
(Inclined Substrate Deposition)法線材
Deposition)法線材
レーザー蒸着法あるいは電子ビーム蒸着法において、ターゲットに対して基板をある角度
を持たせて対向させ成膜することにより、他に特別な操作することなく成膜した材料の結
晶方位が 3 次元的にそろうことが YSZ や MgO 等で見いだされている。これを利用して自己
配向した中間層を成膜し、その上に超電導層を成膜することにより得られた線材。自己配
向法線材とも言う。
[J]
JcJc-B 特性
超電導体の臨界電流密度は、磁場の大きさに対して減少する特性を示す。臨界磁場近くで
急激に減少し、臨界磁場でゼロとなる。
[K]
KCl フラックス
融点が比較的低く、目的物質(Bi2223)の溶解度が大きく、目的物質と反応せず分離が容易
な化合物(KCl)を融剤(フラックス)として選び、この KCl(塩化カリウム)溶融液中で
Bi2223 単結晶を簡便に育成することができた。
[L]
LAO
LaAlO3 の通称。123 系超電導薄膜作製の際の基板として用いられる。
LFC(Load Frequency Control)
負荷周波数制御。負荷変動は発電機出力が一定の場合、電力系統全体の周波数変動となっ
て現れる。この周波数変動量をもとに発電機の出力を制御すること。
LN2(Liquefied Nitrogen)
Nitrogen)
液体窒素。1気圧下では 77K で液化する。
LPE 厚膜単結晶
液相エピタキシャル成長により育成した、大面積・厚膜単結晶。MgO 単結晶基板上に成長
させるため、機械的強度も確保され、デバイス応用に要求される表面平坦性を得るための
研磨も容易である。
LPE(
LPE(液相エピタキシ)
液相エピタキシ)法
結晶成長の方法として、溶液から固相結晶を基板の配向性を維持させながら晶出させる方
法である。気相成長などに比べ成長速度が速く、また熱平衡に近い条件で結晶成長させる
プロジェクト用語集 40
ため厚膜化しても結晶性の低下が小さいなどの特徴を持つ。
LSAT
(La,Sr)2AlTaO6。複合ペロブスカイト酸化物の一種で、RE-123 系超電導材料と格子のマッ
チングがよい。
[M]
MgB2
銅酸化物高温超電導体や C60 の電界効果超電導以外で、最高の超電導転移温度(-234℃、39K)
をもつ化合物。青山学院大学秋光教授グループによって超電導が発見された。応用の可能
性については検討中の段階である。
MgO
酸化マグネシウム、マグネシアともいう。無色の立方晶系結晶。空気中に放置すると水、
二酸化炭素を吸収し、徐々に水酸化炭酸マグネシウムになる。代表的塩基の一つで一般に
は炉材、耐熱材の重要成分であり、123 相の溶液成長時に用いられる Ba-Cu-O 融液との反
応性が小さい数少ない材料である。
MOD 法(Metal Organic Deposition)
有機金属化合物を原料として、アモルファス状の活性な前駆体を基板表面に形成し、これ
を熱処理し結晶化することにより超電導相を得るための手法。超電導体作製において用い
られる有機金属化合物としては、オクチル酸塩、TFA 金属塩などがある。
MRI(
MRI(Magnetic Resonance Imaging)
Imaging)
磁気共鳴イメージング。磁界中に置かれた原子核が特定の周波数で共鳴する現象(NMR、
Nuclear Magnetic Resonance、核磁気共鳴)を利用し、生体内部の生理現象を画像化する
方法。
[N]
n 値(超電導)
超電導線材の電流−電圧特性を、電流を横軸として両対数グラフ化した場合の傾き。n値
が大きいほど、電流の増加に伴う電圧の発生が急激に起こる。
n 値(電気絶縁)
課電電圧の上昇に伴い部分放電が生じ、高分子材料が部分放電にさらされると、高分子材
料の放電劣化が生じる。課電電圧(V)と絶縁に至るまでの時間(t)の関係を V-t 特性と言
い、通常、経験則である逆 n 乗則(Vnt=一定)で整理できる。nは V-t 特性を両対数グラフ
化した場合の傾きとなる。
プロジェクト用語集 41
NEG123
RE123(REBa2Cu3O7-d)における RE をネオジウム(Nd)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)
の混合系とした(Nd,Eu,Gd)Ba2Cu3O7-d の略記。
Ni 基テープ
Ni(ニッケル)を主要な構成元素として含む金属基板。
NiO バッファー層
バッファー層
多層構造線材の内、基板となる Ni(ニッケル)基の材料と超電導層との反応を防ぐ役割(バ
ッファー)をもつ NiO(酸化ニッケル)膜の層をいう。
NiO 飽和 LPE 層
LPE 法により Ni 基板上に 123 相を成膜する際、Ni 基板と溶液との反応を抑制するために
溶液に NiO を予め飽和させる。この NiO で飽和した溶液から成長した 123 層を NiO 飽和 LPE
層と呼ぶことがあり、その結晶構造中に Ni 原子を固溶しているため臨界温度が低く、良
好な超電導特性を得るためにその上に NiO を含まない溶液から 123 層を成膜する。
[O]
OCMG 法(酸素制御溶融法)
Oxygen Controlled Melt Growth の略で、RE123 系バルク超電導体の結晶成長法の一種。
溶融成長(Melt Growth)法とは、一旦、超電導体の分解温度以上に加熱して溶融させて
から冷却し結晶成長を行うもので、結晶粒を大きくすることができる。通常、種結晶を用
いて一つの結晶粒のみを大きく成長させる手法が併用される。また、結晶化の際、第 2 相
である RE211 常電導相が RE123 系バルク超電導相内に析出される。この析出相がピン止め
点として作用し、高臨界電流密度および高臨界磁場を達成し、その結果として高い磁場発
生を得ることができる。LRE123(LRE:軽希土類元素)系の場合、LRE と Ba の置換による
超電導転移温度の低下が生じやすいが、結晶成長中に酸素分圧制御(Oxygen Controlled)
することでこの置換を抑制し高特性の超電導体を作製することができる。
[P]
PLD(Pulsed
PLD(Pulsed Laser Deposition)法
Deposition)法
パルスレーザー堆積法。あらかじめ雰囲気調整された成膜室内に置かれたターゲット上に、
レーザパルス光を集光し、レーザー光のエネルギーによって励起されて飛び出すターゲッ
ト物質をターゲットに対向する位置に置かれた基板上に堆積させて薄膜を形成する。
PLD プルーム形状
レгザгアブレгションの際にできるプルгムの形状は、照射レгザгエネルギгや雰囲気ガス
圧力等により大きく変化する。
PSS(
PSS(Power System Stabilizer)
Stabilizer)
プロジェクト用語集 42
電力系統あるいは同期発電機の安定度向上を目的として設置される発電機の補助励磁制
御装置。
PV 仕事入力
圧縮機の入力動力を圧力−体積線図上の積分面積で求めた値。積分値はジュール単位とな
り、変化に要する時間で割ることによりワット単位となる。
[R]
RE サイト
(RE)Ba2Cu3O7-d の化学式で表される結晶構造の中で希土類元素(RE)の占める位置。また,
Ba の占める位置を Ba サイトと呼ぶ。
RE123 系超電導体
希土類元素(RE)、バリウム(Ba)、銅(Cu)が1:2:3の元素比で構成された酸化物材料で、
、サマ
化学式 REBa2Cu3O7-d の略式表記。RE(希土類元素)をイオン半径の大きいネオジム(Nd)
リウム(Sm)等とした系は臨界温度 Tc や高磁場での臨界電流密度 Jc がイットリウム(Y)とし
た系に比べ優れており、液体窒素温度(77 K)での高磁場応用にとって重要な材料である。
RHEED(Reflection High Energy Electron Diffraction)
反射高速電子線回折という。低速電子線回折(LEED)、中速電子線回折(MEED)と並ぶ表現。
薄膜の場合には、反射電子線回折を用い、薄膜表面付近の結晶構造や成長様式の変化の観
察に利用される。
RMS 値
表面粗さの指標の一つで、平均2乗粗さ(平均値からの偏差の2乗平均値の平方根)のこ
と。
[S]
SN 転移抵抗型限流器
超電導体が常電導転移(Superconductor to Normal conductor transition:SN 転移)した
際の抵抗を利用した限流器。
SOE(Surface Oxidization Epitaxy)法
Epitaxy)法
Ni 基材の自己酸化膜 NiO を中間層として積極的に用いる中間層形成の一手法。従来、NiO
は配向中間層形成に害があるとされ、水素還元などの方法を用いて除去し、他の安定化ジ
ルコニア(YSZ)やマグネシア(MgO)の中間層を形成していた。SOE 法は逆転の発想で NiO
自体を配向化し中間層(NiO(100)配向膜)として利用した。
SQUID(superconducting quantum interference device)
ジョセフソン効果を用いて極微少な磁束を測定するための素子。超電導体で作られたリン
プロジェクト用語集 43
グ中に1個以上のジョセフソン素子を含んだ高感度の磁束計。SQUID は超電導量子干渉素
子と呼ばれ、超電導ループにジョセフソン接合を含む構造をもち、高感度な磁気センサー
として使われる。生体が活動するとき発生する微弱な磁場を検出する脳磁計、心磁計など
の生体磁気計測、微弱な電圧、電流などの高精度な物理計測などで応用されている。
[T]
T(テスラ)
磁束密度の SI 単位。1T=104G(G:ガウス)
。
TFA(トリフルオロ酢酸)前駆体
TFA(トリフルオロ酢酸)前駆体
超電導膜作製法の1つである MOD(Netal Organic Deposition)プロセスに用いられる前駆
体の1種であり、トリフルオロ酢酸塩から得られたもの。
TFATFA-MOD 法
トリフルオロ酢酸(TFA)塩を前駆体として、水蒸気雰囲気中で熱処理することにより 123
系超電導相膜を成膜する手法。
[U]
UPS(
UPS(Uninterruptible Power Supply
Supply)
無停電電源装置。変換装置、エネルギー蓄積装置(蓄電池が普通)及び必要に応じてスイ
ッチを組み合わせることによって、交流電源に停電や擾乱による電圧、周波数、波形の変
化があっても負荷に対して所定の品質の交流電力を連続して供給するシステム。
[W]
[Y]
Y(Yttrium)系線材、Y系超電導導体
Yttrium)系線材、Y系超電導導体
化学式YBa2Cu3Oyで表される超電導体、および、Yのサイトを他の希土類元素で換えたもので
超電導を示す超電導体を用いて作製した超電導線材、超電導導体。
YBCO
YBa2Cu3Oy
YBCO 種膜
液相エピタキシャル法によるテープ線材の作製において、バッファ層上に形成した面内配
向性 YBa2Cu3Oy 膜。種膜により、YBCO 超電導相をエピタキシャルに成長させることができ
る。
YSZ 層(イットリア安定化ジルコニア層)
多層構造線材に用いられる中間層の一つ。作製プロセス中に高温加熱処理があり、そのと
プロジェクト用語集 44
きに基板と超電導層との反応を防ぐ役割と、ISD 法、IBAD 法において配向を得るために用
いられる。中間層の結晶配向は超電導膜を形成するときの結晶配向性に影響を与える。
「略記号」
Nd123,
Nd123,Gd123,
Gd123,Dy123
Dy123,
23,
RE123(REBa2Cu3O7-d)における希土類元素(RE)をそれぞれネオジム(Nd),ガドリニウム
(Gd),ジスプロシウム(Dy)とした化合物の略記。
プロジェクト用語集 45
Fly UP