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「攻めの農林水産業」の優良事例

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「攻めの農林水産業」の優良事例
参考資料2
「攻めの農林水産業」の優良事例
Ⅰ 青森力の結集による販売活動の強化
1 新青森駅「あおもり旬味館」での県産品販売
2 ブランド化促進モデルの創出(ミニふじの事例)
3 青森県産品愛用応援キャンペーンの実施
Ⅱ 安全・安心で優れた青森産品づくり
4 大区画ほ場における湛水直播栽培による飼料用米の団地栽培について
(東青地域県民局地域農林水産部)
5 渇水に対応した関係機関の連携による良質米生産対策(中南地域県民局地域農林水産部)
6 直播及び疎植栽培による飼料米の生産拡大(三八地域県民局地域農林水産部)
7 にんにく産地におけるイモグサレセンチュウの総合的防除対策の推進
(上北地域県民局地域農林水産部)
8 加工・業務用野菜モデル産地の育成による県内野菜産地の強化・支援対策について
9 次世代を担う和牛の種雄牛づくりについて ~ついに7頭目の基幹種雄牛が誕生か?~
Ⅲ 山・川・海をつなぐ「水循環システム」の再生・保全
10 農地・水保全管理支払対策の取組事例(三戸町「横沢地区自然を守る会」)
Ⅳ 農山漁村を支える多様な経営体の育成
11 新規作物の導入・販売多角化で「地域経営」推進
12 企業による農業・農村支援活動
Ⅴ 魅力あふれる食文化・農山漁村文化の発信
13 「あおもり食育検定」の実施による食育の推進
Ⅵ 農商工連携による産業づくり
14 地域で排出されるもみ殻等の未利用バイオマスを暖房に利用した鉢花栽培
15 6次産業化で築く夢ある畜産~地域農業の活性化を目指して
漆畑善次郎、しづゑさん夫妻(十和田市)
(第15回全国草地畜産コンクールで農林水産省生産局長賞受賞)
16 本県初の「森林の二酸化炭素吸収源対策としてのJ-VER(カーボンオフセットクレジ
ット)の創出及び販売」
17 土産物販売業者と食品製造業者が連携した馬肉レトルトカレーの商品開発
18 農協(生産者)と食品製造業者が連携したバサラコーンペーストの製造とそれを使ったソ
フトクリームの商品化
19 加工原料の切換による県産原料の利用拡大と付加価値の向上
20 調味ギバサの商品化
21 はたはた煮干しの商品化
22 いかなんばん味噌の商品化
23 八戸さばブランド化への取組
24 水産業と農産加工の異業種連携による商品開発
25 地域特産品開発による地域興しの支援
26 バラ焼きライスバーガーの商品化
Ⅶ 東日本大震災からの迅速な復旧と創造的復興
27 「東北を元気に!がんばろう東北応援フェア」の開催
28 東日本大震災で被災したいちご産地の再生(三八地域県民局地域農林水産部)
29 「東北復興応援植樹~東北の元気、日本の元気を青森から~」の実施
課
名:総 合 販 売 戦 略 課
グループ名:戦略推進グループ
【優良事例・1】
新青森駅「あおもり旬味館」での県産品販売
1
取組主体の概要
〈社団法人青森県物産振興協会〉
・(社)青森県ふるさと食品振興協会と(社)青森県物産振興協会が統合し発足
(平成22年4月)
・会員数:828団体(H23.11月現在)
・事業内容:県産品の販路拡大、農商工連携による県産品の開発、物産展の開催、
アンテナショップの運営など
・運営店舗:あおもり北彩館4店舗
(「東京店」、「アスパム店」、「三内丸山店」、「新青森駅店」)
2 取組内容
(1)平成22年12月の東北新幹線全線開業とともに、新青森駅構内「あおもり旬味
館」内に出店し、安定した売上げを上げている。
販売商品は、農林水産加工品や地酒を中心に、県内各地で古くから愛されている
「街のおやつ」や県内事業者との共同開発商品、さらに県内初の地酒自販機の導入や、
ペットのお土産コーナー設置など、他の店舗との差別化を図っている。
(2)常設売場での販売に加えて、催事スペースでは、年間を通じて、県内事業者による
県産品販売(出店者:1週間毎に入れ替わり)が行われている。
(3)また、催事スペースを活用して、産直施設、加工グループの販売力強化に向けた
「チャレンジショップ あおもり産直市」を定期的に開催し、地場産品、加工品の直
売に取り組んでいる。
売上状況
期 間
4~6月
7~9月
10~12月
(単位:百万)
あおもり北彩館
催事
「新青森駅店」
スペース
(常設店舗)
51
31
106
51
61
28
【チャレンジショップの様子】
3
今後の取組方向
次年度も、催事スペースの中で、県産品販売、産地直売施設、加工グループの販売力
強化に向けたチャレンジショップの定期的開催を含め、事業者による県産品販売に取り
組む。
- 1 -
課
名:総 合 販 売 戦 略 課
グループ名:ブランド推進グループ
【優良事例・2】
ブランド化促進モデルの創出(ミニふじの事例)
1
概 要
「ミニふじ」は、三戸町にある小さいりんごながら「ふじ」の
特性をもち食感のよさと長期保存のメリットがある。だが、アル
プス乙女など観賞用と同じ位置付けをされ、安く市場(1個あた
り約20円で取引)に出回っていた。容器自体も透明で安価なイ
メージのある入れ物で出荷していた。
「ミニふじ」については、首都圏マーケットのニーズに合致し
た大きさのりんごであること、また、首都圏メディアで紹介され
た経験がなく、PRの可能性が高い食材であることに着目し、ブランドモデルの事例と
して以下の通り展開を実施した。
2
取組内容
首都圏マーケットに合致しているサイズであり、特徴あるもの
として容器を変更、1個ずつ丁寧に仕切る形とし、高級感を演
出。更なる演出のため、雑誌「自遊人」通販サイト「オーガニッ
クエクスプレス」での取扱商品化を実施。また、メディアミック
ス(※1)を活用した販売促進モデルを構築するため、以下の取
り組みを実施した。
6月 メディア向けPR資料の作成(観光局と連動しPR活動開始)
10月 青山スパイラルにおけるメディア・バイヤー向け試食会で
披露
10月 通販サイト「オーガニックエクスプレス」にて商品販売開
始
11月 青山スパイラル1F「スパイラルカフェ」における限定販
売
11月 HP「青森のうまいものたち」特集11月号で紹介
11月 TBS「はなまるマーケット」における紹介
11月 「まるごと青森ブログ」で紹介
11月 九州朝日放送「アサデス。九州山口」における紹介
11月 ecute大宮における販売
11月 雑誌「自遊人」にて紹介
- 2 -
容器変更で高級感を演出
メディア向PR資料化
12月
JR会報誌「大人の休日ミドル」にて紹介予定
※1:複数のメディアへ展開し消費者への露出を高めること。
全国メディアでの紹介
これらの取り組みにより、番組・媒体露出から通販
サイトへの効率的な誘導が図られ、当初予定していた
2月までの100ケース販売を大幅に上回る約450
ケースを販売し、予定よりも早い1月中で販売終了見
込みとなった。
また、例年観賞用りんごとして注文を受けていた
が、ほぼ全量「ミニふじ」として出荷され、前年の倍
にあたる卸値で出荷され、例年3月中まで扱われるも
のが2月前半で在庫切れが見込まれるほどの反響がみ
られた。
売上推計は前年度1,600千円に対し、今年度3,200千
円が見込まれる。
全国メディアでの紹介
3
今後の取組方向
複数のメディア露出により、今後も注目され、本県
及び三戸町にとって強力な販売ツール及び観光コンテ
ンツになることが見込まれるものの、現状では生産者
が1名で数量に限度があるため、生産者の拡大及び継
続的なPR活動の展開により、短期間でのブランド化
を図る。
通販サイト月間売上トップを獲得
更に、ブランド化促進モデル創出事業を通じ、その
他の素材・製品についても、同様の展開による短期間でもブランド化素材・製品の創出
を図ることとしたい。
- 3 -
課
名:総 合 販 売 戦 略 課
グループ名:地産地消グループ
【優良事例・3】
青森県産品愛用応援キャンペーンの実施
1
取組主体の概要
青森県ふるさと産品消費拡大協議会
(キャンペーン参加店、協賛団体と県で組織)
2 取組内容
(1)趣旨
県産品(食料品、飲料等)を500円以上購入し、レシートを添えて応募すると、
抽選で県産品等が当たるキャンペーンを実施し、県民の地産地消に対する意識付
けを高める。
(2)実施期間
平成23年10月15日(土)~11月30日(水) 46日間
(3)参加店舗
313店
(道の駅、産直施設、スーパー、百貨店、生協、宿泊施設など)
(4)実施結果
①応募数
28,004点
②抽選及び景品発送
12月12日に抽選を実施して当選者1,350名を決定し、12月16日から20日にかけて景
品(県産りんご、県産米、にんにく、ながいも、参加店商品券など)を発送。
3
今後の取組方向
ふるさと産品消費県民運動協力店の登録拡大に努めるほか、平成24年度キャンペー
ンの実施時期、展開方法等について、関係者の意見を参考にしながら検討していくこ
ととしている。
(28,000通を超えた応募ハガキ)
- 4 -
課
名:農 産 園 芸 課
グループ名:稲作振興グループ
【優良事例・4】
大区画ほ場における湛水直播栽培による飼料用米の団地栽培について
(東青地域県民局地域農林水産部)
1 取組主体の概要
(1)取組主体名:農事組合法人上小国ファーム(構成員数54名)
(2)経営規模等:90ha(全面積を利用権設定して法人に集積)
(3)品目別作付面積(H23年):
① 水稲 47.5ha(うち主食用米 26.1ha、飼料用米 21.4ha)、② 大豆 8.6ha、
③ そば 2.6ha、④ にんにく 1.4ha、⑤ アピオス 0.25ha、⑥ 飼料作物 25ha、
⑦ その他 4ha
2 取組内容
(1)技術対策
・ほ場整備事業による
大区画化
・暗渠工事施行の有無
による湛水直播栽培
(有、飼料用米)、移
植栽培(無、主食用)
を行った。
・湛水直播による飼料用米の団地栽培(21.4ha)に取り組んだ。
(2)取組結果
・直播栽培初年目であったが出芽・苗立ちも順調で、雑草防除も適切に行われ、調
査ほの坪刈収量は495kg/10a(全刈収量平均372kg/10a)。
・移植栽培対比で経費は87%、労働
<経営収支の試算(10a当たり)>
時間は56%と大区画ほ場のメリッ
区分
移植栽培① 直播栽培② ②/①*100
トを発揮してる。
3
収量(kg)
552
372
67%
収入(千円)
112
83
74
経費( 〃 )
68
59
87
今後の取組方向
所得( 〃 )
44
24
55
現在、直播栽培は飼料用米でのみ取り
労働時間(h)
18
10
56
組んで入るが、次年度は水管理等の栽培
管理を適切に行うことができるほ場では、主食用米での取組を検討している。
- 5 -
課
名:農 産 園 芸 課
グループ名:稲作振興グループ
【優良事例・5】
渇水に対応した関係機関の連携による良質米生産対策
(中南地域県民局地域農林水産部)
1
取組主体の概要
平成22年の猛暑により、中南管内の米は高温障害を受け、著しい品質低下を招いた。
買ってもらえる米づくりを進める中にあって、品質の維持は絶対条件であり、これを達
成するためには、生産指導のみならず、用排水の整備・管理に携わる関係機関・団体と
も連携する必要があることから、土地改良区等を含めた「中南地域良質米生産対策会
議」を開催した。
<中南地域良質米生産対策会議>
構成機関:管内の市町村、JA、土地改良区、ひろさき広域農業共済組合、
地域農林水産部(農業普及振興室、りんご農産課、農村計画課)
2 取組内容
(1)情報の共有化
・水稲の生育状況やそれに応じた栽培管理について、農業普及振興室から生育調査
毎に生産情報を発行し、関係者が共通認識のもとで生産者へ対応できるようにし
た。
(2)技術対策
以下について、協議し、対応等を確認した。
・障害不稔危険期から登熟期までの水管理と病害虫防除に関する技術対策
・用水確保に必要な対策
・生産者への周知方法
(3)渇水対策
・主要ダムの放流時期と量を設定(開花~登熟までの用水確保を要望)
・番水制の実施、受益末端までの用水確保(現地確認、生産者への協力呼びかけ)
【受益末端までの用水の状況を確認】
3 今後の取組方向
(1)平成23年産米の作柄と品質に関する解析と次年度の対策について協議する。
(2)本年の活動や連携から見出された課題とその対応策の検討する。
- 6 -
課
名:農 産 園 芸 課
グループ名:稲作振興グループ
【優良事例・6】
直播及び疎植栽培による飼料米の生産拡大
(三八地域県民局地域農林水産部)
1 取組主体の概要
(1)取組主体名:農事組合法人くらいし(構成員数127名)
(2)設立年:平成19年3月
(3)品目別作付面積(H23年)
【乾田直播の播種作業】
①水稲:35.3ha(内作業受託12.6ha)
内訳 食用米
8.3ha(移植4.6ha、湛水直播3.1ha、モチ0.6ha)
飼料用米 27.0ha(疎植20.2ha、乾田直播6.8ha)
②大豆:31.8ha(内水田転作27.4ha)
③野菜: 4.0ha(ねぎ1.8ha、山ウド1.0ha、にんにく0.3ha、シャクシナ0.4ha、
大根0.5ha)
2 取組内容
(1)背景
・稲作の省力化と受託面積の拡大、複合部門(野菜)の強化のため、平成19年に水
稲の湛水直播栽培と乾田直播を試験的に導入し、平成21年より食用米を対象に本
格栽培を開始した。
・戸別所得補償制度により湿田に適した転作作物として飼料用米作付が認められた
ことから、平成22年に飼料用米の安定生産と低コスト化に対応するため、乾田直
播に加えて疎植栽培(坪40株)に取り組んだ。
(2)結果
・乾田直播と疎植栽培により、平成23年度の飼料米の作付面積を27.0haと平成21年
表 経営収支試算(H22年度、10a当たり)
の4.8haの5.6倍に拡大した。
食用米
飼料用米
・稲作の省力化により、野菜類の
作業名
直播区
疎植区
対照区
品目が平成21年の2品目から5品 収量(kg)
392
629
615
64
102
100
目に増やし、合計作付面積を平 収量比
種苗及び育苗経費(円)
1,920
13,080
28,224
成21年の1.7haから4.0haに拡大
労働時間(時間)
11.0
11.9
12.7
した。
労働時間比
87
94
100
注)水稲の育苗施設が無いため苗はJA育苗センターから購入
3 今後の取組方向
(1)低コスト技術のレベルアップにより飼料米の生産面積拡大と収量の安定化を図り、
作業受託面積を拡大する。
(2)稲作の省力化を進め、収益性の高い野菜類(特ににんにく)の生産面積を拡大する。
- 7 -
課
名:農
産
園
芸
課
グループ名:野菜・畑作振興グループ
【優良事例・7】
にんにく産地におけるイモグサレセンチュウの総合的防除対策の推進
(上北地域県民局地域農林水産部)
1
取組主体の概要
JA十和田おいらせ野菜振興会にんにく部会(にんにく栽培面積307ha、生産者数800名)
2
取組内容
近年、イモグサレセンチュウの被害が拡大し、
収量や品質の低下を招いていることから、平成
21年度から、産地における防除技術の体系化や
指導体制の整備など、総合的防除対策を推進し、
徐々に取り組む地域を広げてきた。
平成23年度は県単事業を活用し、管内に5つ
の協議会を設立して、被害軽減に向けた取組を実
施した。
(1)管内の作付ほ場(384ha)における線虫被害
【講習会】
の実態を把握するため、生産者向けの自己診断(自然乾燥法)を励行し、被害診断支
援を行った結果、54haで被害を確認した。
(2)被害が確認された生産者に対しては、個別指導を実施するとともに、特に被害が著
しいほ場(15ha)については、県単事業や十和田市単独事業の活用を誘導し、新規ほ
場への作付や土壌消毒による線虫防除対策を実施した。
(3)産地における防除技術の普及・拡大を図るため、JAの線虫防除マニュアルの作成を
支援した。
(4)産地の防除体制がより強化されたことにより、被害発生農家が優良種子の確保や防
除対策を着実に実施するようになり、これまでの取組が周辺地域へも波及している。
3
今後の取組方向
(1)県単事業の活用し、JA主体の被害実態調査の実施誘導する。
(2)管内全体の防除体制の整備と防除技術の普及拡大を図る。
- 8 -
課
名:農
産
園
芸
課
グループ名:野菜・畑作振興グループ
【優良事例・8】
加工・業務用野菜モデル産地の育成による県内野菜産地の強化・支援対
策について
1
取組主体の概要
加工・業務用野菜の生産拡大に向けて、加工・業務用野菜産地育成事業によりモデル
集団を2集団育成した。
〈モデル集団〉
①JA十和田おいらせ(おいらせ町)
品目:サラダ用キャベツ、面積:12ha
出荷先:県外加工製造業者
②JA青森トマト部会東つがる支部(蓬田村)
品目:サンドイッチ用トマト 面積:13a
出荷先:全国展開するファーストフード店
【キャベツ収穫】
2 取組内容
(1)背景
国内の野菜需要は、食の外部化が進み、今後も加工・
業務用需要が増加傾向にある中で、県内野菜産地の加
工・業務用への取組拡大に向けてモデル産地を育成
し、その取組を県内全域へ普及拡大する。
(2)結果(モデル産地の取組結果)
【トマト「富丸ムーチョ」】
①JA十和田おいらせ(おいらせ町)
加工・業務用キャベツの品種比較試験ほの設置、現地検討会の開催及び実需者との
加工原材料の適正検査の実施等により、契約先への安定供給体制が確立された。
②JA青森トマト部会東つがる支部(蓬田村)
業務用トマト栽培の実証展示ほの設置及び現地検討会の開催等により、品種特性を
生かした栽培技術と収量性が確認された。
3 今後の取組方向
(1)加工・業務用野菜モデル産地等におけるさらなる取組拡大に向けた産地懇談・商談
会の開催等による実需者と産地とのマッチング支援の強化を図る。
(2)新たな加工・業務用野菜生産品目の取組拡大や低コスト・省力栽培技術の確立に向
けた生産技術実証と機械整備事業の活用について支援する。
- 9 -
課
課
名・グループ名:畜
産
課・経営支援グループ
名・グループ名:
(地独)青森県産業技術センター・畜産研究所
【優良事例・9】
次世代を担う和牛の種雄牛づくりについて
~ついに7頭目の基幹種雄牛が誕生か?~
1 取組主体の概要
(1)本県では、県、県産業技術センター畜産研究所、各地域の和牛改良組合など関係団
体が連携しながら、和牛の種雄牛づくりに取り組んでいる。
(2)種雄牛候補の生産場所
①畜産研究所和牛改良技術部
年間5頭
②
〃
資源部
年間5頭
③各地域の和牛改良組合(10か所) 年間10頭
2 取組内容
(1)種雄牛づくりのしくみ
①計画交配(優良種雄牛×優良雌牛)→②生産・育成→③技術センターが選抜・購入
→④直接検定(対象牛の発育等能力調査)→⑤現場後代検定(対象牛の子牛の肉質等
肥育能力調査)→⑥選抜→⑦県基幹種雄牛 ※①から⑦まで5~6年を要する。
(2)これまでの成果
①県基幹種雄牛「第1花国」は、全国のトップクラスの種雄
牛となり、全国から多くの購買者が本県の家畜市場に来場
し、子牛価格が大きく伸びた。
①これまでに、6頭を基幹種雄牛に指定し、現在は、平成
20年度に指定された「第2花国」だけが生存。
(3)新たな県基幹種雄牛候補
【第1花国】
①今年度、現場後代検定が終了した「優福栄」(平成18
年12月17日生まれ、父「福栄」、和牛改良資源セン
ターが受精卵により生産)を父とする肥育牛の成績が極
めて優秀。
本県でこれまでに実施してきた現場後代検定種雄牛
40頭中の成績では、脂肪交雑3位、枝肉重量5位とい
ずれも高いが、特に、上物率91%は歴代1位であり、
その能力の高さを示している。
【優福栄】
②平成24年3月、県和牛改良推進協議会の了解を経て、県基幹種雄牛へ指定する予
定
3 今後の取組方向
(1)「優福栄」は、「第1花国」とは別系統であるため、県内で飼育されている繁殖雌牛
の約2割を占める「第1花国」の娘牛への交配に期待できる。
(2)県内生産者への利用PRを行うとともに、10月に長崎県で開催される全国和牛能
力共進会などの場を活用して、全国の関係者に対する本牛のPRを積極的に進める。
- 10 -
課
名:農 村 整 備 課
グループ名:生産基盤整備グループ
【優良事例・10】
農地・水保全管理支払対策の取組事例
(三戸町「横沢地区自然を守る会」)
1 取組主体の概要
(1)名
称:横沢地区自然を守る会
(2)構 成 員:農業者、婦人会、消防団などの地域住民12人
(3)活動区域:三戸町大字蛇沼字横沢集落一円
2
取組内容
集落内のほぼ全員が参加して実施しているイワナの放流や植栽活動をはじめ、水路の
補修作業等を通じて、「自分たちもやればできる」という自信が生まれ、「自分たちの地
域は自分たちの力で守る」という意識が高まっている。
また、地域住民が、リーダーの役割をそれぞれ分担しながら、お互いを支え合う体制
が構築され、活動を展開している。
【子供たちも参加してのイワナの放流】
3
【地域住民の参加による植栽活動】
今後の取組方向
遠方からの来訪者(釣り人等)に対して、共同活動の賛助者となってもらえるよう、
広報活動を行うこととしている。
- 11 -
課
名:構 造 政 策 課
グループ名:担い手育成グループ
【優良事例・11】
新規作物の導入・販売多角化で「地域経営」推進
1
取組主体の概要
りんご+水稲地帯である弘前市の鬼楢地域は、個別農家が収益性の高いりんご作業に
特化するため、水稲作業を集約化し、低コストで収益性の高い効率的な水田経営を展開
することとし、昭和47年に農事組合法人鬼楢営農組合(組合長:千葉正則氏)を設立し
た。
現在、役員14名(組合員120名)
、経営面積81haで、水稲のほか、大豆、小麦、飼料用
米等を作付けしており、加えて、収益力を高めるため新たな作物の導入を模索している。
また、地元小学校の農業体験に協力するなど地域貢献にも取り組んでおり、「地域経
営」を目指した取組が進められている。
2 取組内容
(1)小麦の生産量拡大
小麦の収益性の拡大を図るため、栽培方法の改善を検討し、超密植栽培に取り組ん
だ結果、収穫量は10a当たり210kg(昨年は150kg)を達成した。
(2)新作物の導入
新たな作物導入による収益拡大をねら
いとしてミニトマト(品種名:アンジュ
レ)やアスパラガスを導入し、新規雇用
を創出(作業時期平均8名)している。
(3)販売の多角化
販売の多角化を目指す最初の試みとし
て、無人直売所(8月)を設置し、ミニ
トマトの販売を開始した。
◀ミニトマトの選果作業
直売所の開設▶
(4)地域貢献活動
地元の小学校へ学校田(3a)を提供し、田植、収穫、脱穀、餅つきなど小学生の
農業体験に協力したほか、耕作放棄地の復元を実施した。
3
今後の取組方向
以下の項目について経営の発展に取り組む。
・作付作物の面積当たり収穫量の向上
・新規作物に係る栽培技術の習得と売上の向上
・農地集積による規模拡大の推進と作業効率の向上
・地域貢献活動の取組拡大により地域経営を推進
- 12 -
課
名:構 造 政 策 課
グループ名:農村活性化グループ
【優良事例・12】
企業による農業・農村支援活動
1
取組主体の概要
社会貢献活動に関心のある県内外の企業が農作業等の活動を通じて、県内各地の農山
村地域を支援している。
2 取組内容
(1)平成23年度の取組状況
東日本大震災等の影響による企業の体力低下により、前年度を大幅に下回ることが
予想された支援活動であるが、前年度における各企業へのPR活動等が効を奏し、県
内外の10企業214人(当初比127人増)の社員が、県内14地区において、稲わらの収集、
畑の除草作業や野菜の収穫、りんごの摘果や収穫、畜産の各種飼育作業などの農作業
支援活動を35回(当初比23回増)実施した。
(2)受入農家等の反応
今年度は、新規参入の企業が全体の6割を占めた。実
施企業からは、「活気ある農家と交流ができて、元気を
もらうことができた。」「農業の楽しさと厳しさを学ぶ
ことができた。」など、感想が寄せられた。
一方、受入先の農村からも「支援企業は前年度に比べ
て作業に慣れて、労働力支援となることがわかった。」
「平日は人手不足になるため大変助かった。」と好評で
あった。また、ほとんどの企業と受入先の農村が支援活
動の継続を希望していた。
【稲わらの収集支援】
(3)連携活動の情報発信
企業と受入先農村の連携活動を支援するホームペー
ジを作成し、今後の自発的活動の展開に向けた環境を
整備した。
3
今後の取組方向
ホームページ等を活用し、企業による農業・農村支援
活動のPR、支援活動希望企業と受入先のリストの公開
等、支援活動を推進する。
【あおもり農業・農村支援活動HP(制作中)】
- 13 -
課
名:食の安全安心推進課
グループ名:企 画 調 整 グ ル ー プ
【優良事例・13】
「あおもり食育検定」の実施による食育の推進
1
取組主体の概要
県
2 取組内容
(1)県民一人ひとりが、食への理解を深め、自発的に周囲に食育を普及啓発していくと
ともに、「あおもりの食」の素晴らしさを自信と誇りを持って県内外に発信していく
機運を高めるため、本県の豊かな農林水産物や食文化などに関わる知識を認定する
「あおもり食育検定」を実施した。
(2)受験資格は「青森県の農林水産物と食文化を愛する方」で、事前に無償配付したテ
キストの内容から4肢択一方式の100問を出題し、70問以上の正解と、検定会場
での講演聴講を合格条件として、平成23年11月19日(食育月間の食育の日)に
県内3会場で開催した。
(3)受検者425人の90%に当たる383人が合格となり、あおもりの食育に関する
知識に精通した者として認定。認定者のうち58人(平成24年2月1日現在)が
「あおもり食育サポーター」に新たに登録した。
【平成23年度あおもり食育検定実施状況】
区 分
受検者① 合格者② 合格率②/①
青森会場
180人
162人
90%
八戸会場
137人
124人
91%
弘前会場
108人
97人
90%
計
425人
383人
90%
【講演の様子(八戸会場)】
3
【検定試験受検状況(青森会場)】
今後の取組方向
次年度も「あおもり食育検定」を実施し、引き続き食育の理解促進と普及啓発を図
る。
また、検定合格者に対し、県から食育に関する資料や研修会案内等の情報を提供す
るとともに、「あおもり食育サポーター」へ誘導することで、食育指導者層の拡大に
つなげる。
- 14 -
課
名:農 産 園 芸 課
グループ名:冬の農業推進グループ
【優良事例・14】
地域で排出されるもみ殻等の未利用バイオマスを暖房に利用した鉢花栽培
1
取組主体の概要
・取組事業主体名
・設立年月日
・栽培品目・面積
高田農産資源利用組合(田舎館村)
平成21年11月10日
鉢物、ポット苗・80a(うち加温50a)
2 取組内容
(1)もみ殻ボイラーの実証(平成21年度)
地域で発生するもみ殻やりんご剪定枝を燃料としてハ
ウス暖房に活用するため、県内企業と共同でバイオマス
ボイラーを試作し、実証試験を実施した。
・地産地消型エネルギー活用「冬の農業」再生事業を活
用
・栽培品目 鉢花(プリムラ、シクラメン、ベコニア等)
・燃料削減割合 90%
・もみ殻使用量 1.5立米/1日
【プリムラの育種】
(2)実証後の取組(平成22~23年度)
・地域の協力によりもみ殻の収集体制を確立
・実証データを基に企業と共同で、燃焼効率を改善
・副産物であるくん炭をホームセンターへ販売
3
今後の取組方向
・手軽で安価な実用型機器の開発を県内企業に働きかけ
バイオマス暖房機の普及拡大を目指す。
- 15 -
【バイオマスボイラー】
課
名:畜
産
課
グループ名:飼料環境グループ
【優良事例・15】
6次産業化で築く夢ある畜産~地域農業の活性化を目指して
漆畑善次郎、しづゑさん夫妻(十和田市)
(第15回全国草地畜産コンクールで農林水産省生産局長賞受賞)
1 取組主体の概要
(1)経営内容:自給飼料の生産・販売、肉用牛の生産・販売、焼肉店「牛楽館(ぎゅう
らくかん)
」の経営
(2)労働人数:7人(本人、妻、長男、長男の嫁、妻の弟、雇用者2人)
(3)経営面積:牧草地53ha(公共牧場等借地)、水田14.5ha(うち水稲2ha、牧草12.5
ha)、稲わら収集 120ha
(4)飼養頭数:87頭(繁殖雌牛25頭、育成牛2頭、子牛10頭、肥育牛50頭)
2
取組内容
漆畑氏の経営は、家族労働を中心に、従来の肉用牛生産・販売中心の経営から、消費
者まで直結した6次産業化を実現しており、地域農業の維持・活性化の模範となる事例
である。
特に、加工・販売部門である焼肉店では、地元消費者へ向け、自ら肥育した「十和田
湖和牛」を年間5~6頭提供しており、地元産ブランド牛を扱ったアンテナショップの
役割を果たしている。併せて、飼料生産部門では、牧草地65.5ha、稲わら収集120haを
活用し、牧草や稲わらを生産・販売しており、公共牧場と転作田の有効活用により地域
の飼料自給率向上に寄与している。
本事例は、利用率が低下している公共牧場や耕作放棄地を抱える地方自治体、6次産
業化を目指す生産者にとって、地域農業の活性化につながるモデル事例であり、本コン
クールで高く評価された。
3 今後の取組方向
(1)焼肉店を経営するなど
事業内容が多岐にわたっ
ているため、現在の家族
経営から法人化への移行
を実現する。
【漆畑さん御一家】
【漆畑さんが利用している牧草地】
(2)地域の畜産農家の高齢化による作業の受託等、農地の集積と効率生産によって、今
以上に低コストで高品質な自給飼料を地域の畜産農家に提供し、地域全体の飼料自給
率の向上を図る。
- 16 -
課
名:林
政
課
グループ名:企画グループ
【優良事例・16】
本県初の「森林の二酸化炭素吸収源対策としてのJ-VER(カーボン
オフセットクレジット)の創出及び販売」
1
2
取組主体の概要
県
取組内容
地球温暖化防止対策に加え県民の生活を守るために重要な役割を果たす森林の多面的
機能を持続的に発揮させていくため、本県で初めて県営林を対象に、環境省が進めるJ
-VER(カーボンオフセット・クレジット)制度を活用した森林づくり活動を実施し
た。
(1)森林吸収量のクレジット化及び販売実績
ア 森林の測量等を行い、環境省の認証機関
からJ-VERクレジットの認証を取得(認
証取得クレジット507t-CO2)
イ 県内の企業等に直接訪問・営業を行いク
レジットを販売
ウ クレジットの販売状況(平成24年1月31日
現在 160t-CO2、2,520千円販売)
販売先:青森銀行、みちのく銀行、青い 【青森銀行及びみちのく銀行との契約締結式】
森信用金庫、カルビー(株)
エ クレジットの創出・販売により、新たな森林整備の資金を獲得
3
今後の取組方向
J-VER制度について、実施を希望する県内の森林所有者や森林組合から問い合わ
せがあるため、森林所有者が森林整備に意欲的に取り組めるよう制度を普及し、社会全
体で森林整備を支える気運を醸成する。
- 17 -
課
名:あおもり食品産業振興チーム
【優良事例・17】
土産物販売業者と食品製造業者が連携した馬肉レトルトカレーの商品開発
1
取組主体の概要
中核事業者
(有)すぎやま
平成元年創業。飲食・小売販売業。七戸十和田駅構内等で4店舗で
土産物店を経営しており、地元食材を使ったオリジナル商品の開発
にも力を入れている。
連携事業者
(株)サンカツ
大正9年創業。農産加工品製造業。
2
取組内容
(有)すぎやまが土産物店を出店している七戸十和田駅開業1周年を記念したご当地レ
トルトカレーの商品開発を行うため、(地独)青森県産業技術センター下北ブランド研
究所が開発したオリジナルレシピと(株)サンカツの製造技術による連携により、馬肉レ
トルトカレー「100万馬力カレー」を商品化した(食産業連携共同プロジェクト事業
を活用)。
県産馬すね肉、県産にんにく及び横浜町産菜種油を使用し常温販売可能な商品として
おり、七戸十和田駅や新青森駅などで販売し、売れ行き好調となっている。
柔らかい馬すね肉と菜種油であっさりと仕上げた「100万馬力カレー」
3 今後の取組方向
(1)想定よりも売れ行きが好調だったため、増産により対応している。
(2)特産物を商品化しアピールすることで、七戸町や下北地域の魅力を発信し、地域の
活性化を目指している。
- 18 -
課
名:あおもり食品産業振興チーム
【優良事例・18】
農協(生産者)と食品製造業者が連携したバサラコーンペーストの製造
とそれを使ったソフトクリームの商品化
1
2
取組主体の概要
中核事業者
青森農業協同組合
連携事業者
三浦醸造(青森市油川)
1971年創業。味噌・醤油の醸造業、農産加工品の製造業。
小ロットでのジャム加工委託、山菜加工などの実績多数。
取組内容
青森農業協同組合の特産とうもろこし「バサラコーン」の認知度向上と下位等級品の
付加価値向上を図るため、東青地域県民局のマッチング支援により、青森市にある三浦
醸造と連携し、業務用バサラコーンペーストとそれを使ったソフトクリームを商品化し
た。(食産業連携共同プロジェクト事業を活用)
商品化に当たっては、(地独)青森県産業技術センター農産物加工研究所の技術指導
を受けながら試作製造を行ったので、共通意識を持って商品開発を進められた。
今年度は、道の駅を訪れる地元消費者や観光客をターゲットにバサラコーン入りソフ
トクリームを限定販売したところ、特有の風味とツブツブ感が好評だったため、ペース
トは外食産業や菓子製造業などの業務用加工品としてPR販売中である。
さらに、連携事業者の三浦醸造でも、ペーストを使った自社商品を開発中である。
ツブツブのとうもろこし感じられる
バサラコーンペースト(500g袋)
バサラコーン入りソフトクリーム
3 今後の取組方向
(1)今年度製造したペーストを使って、観光客の増える春からソフトクリームの販売を
再開し、通年販売していく。
(2)通年利用できる一次加工品を積極的にPRし、バサラコーンを使った商品が増えて
いくきっかけにしていきたい。
- 19 -
課
名:あおもり食品産業振興チーム
【優良事例・19】
加工原料の切換による県産原料の利用拡大と付加価値の向上
1
取組主体の概要
中核事業者
北彩漁業生産組合
平成15年設立。魚類養殖業・水産食品製造業。
連携事業者
(株)駒嶺商店
昭和36年創業。水産加工品製造・販売業。
十和田おいらせ農業協同組合(十和田湖支店)
平成22年設立。合併エリアは、2市5町3村の広範囲におよび県
内最大の野菜産地となっている。
2
取組内容
北彩漁業生産組合が製造している海峡サーモン切身加工品等で使用している他県産の
塩を(株)駒嶺商店で製造している「津軽海峡の塩」に、炊き込みご飯の素等で使用して
いる他県産の野菜を十和田おいらせ農業協同組合で出荷している「乾燥しいたけ」等県
産野菜に切り替えることにより、付加価値の向上を図った(あおもり食産業づくり加速
化事業を活用)。
既存商品で扱っていた他県産原材料を県産原料に切り替えることにより、県産原料の
利用・加工拡大につながっている。
県産塩を使用した海峡サーモン切身加工品
県産野菜を使用した炊き込みご飯の素
3 今後の取組方向
(1)津軽海峡で飼育された海峡サーモンと県産塩及び県産野菜の組み合わせによるオー
ル青森県産原料使用を情報発信することにより、新たな取引先の拡大等、販路拡大を
目指している。
(2)地元の生活改善グループが製造している味噌と海峡サーモンを組み合わせた新たな
加工品開発による県産原料の利用拡大も計画されている。
- 20 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:食品総合研究所
【優良事例・20】
事例タイトル 味付けギバサの商品化
調味ギバサの商品化
1
取組主体の概要
風合瀬漁協女性部加工部会は、平成21年度に加工、販売に意欲を持つ女性部員が立ち
上げ、現在会員数は6名。
平成22年度には有限会社おさかな企画(大分県)の指導を受け、針で眠らせて肉質を
向上させ、ほぼ無菌状態で冷凍刺身パックにしたサケを「深浦旬眠サーモン」として販
売を開始。
休日には、「道の駅ふかうら・かそせいか焼き村」において、いかのゴロ味噌焼き等
の実演販売等、生産者が主体となった加工、販売に意欲的に取り組む。
2
取組内容
同加工部会では、低利用であった地元産のギバサ(アカモク)について商品化を検討し
ており、食品総合研究所へ加工指導を依頼した。
食品総合研究所でギバサのボイル塩蔵の加工方法やミートチョッパーを使用した細切
方法、調味や衛生的な処理方法を指導し、調味ギバサが商品化した。
いか焼き村及びアスパム(青森市)での、いか焼き村出店時に販売され好評であった
(販売価格200円)。
ギバサ醤油漬(わさび味)
3
ギバサ醤油漬(唐辛子味)
今後の取組方向
地元産ギバサの付加価値向上、及び販路拡大を目指すための技術支援を継続する。
- 21 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:食品総合研究所
【優良事例・21】
はたはた煮干しの商品化
1
取組主体の概要
鰺ヶ沢漁業協同組合は、組合員数207名で、スルメイカ、ヤリイカ、ヒラメ、カレイ
類、マダラが主要な漁獲魚種。
海の駅わんどに直売店を持ち、鮮魚だけでなく、漁協加工部の加工品を販売するなど
加工、販売にも取り組む。
2
取組内容
鰺ヶ沢漁協では、近年大量に漁獲され魚価が低迷しているハタハタの利用を模索して
おり、食品総合研究所では、ハタハタを使用した新規加工品を数種類開発し、鰺ヶ沢漁
協へ試作品を提示し、その中から商品化要望のあったハタハタ煮干しについて、現場に
即した煮熟や乾燥方法等の加工指導を行い、商品化した。
はたはた煮干し
3
今後の取組方向
商品の改良等技術支援を継続する。
- 22 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:食品総合研究所
【優良事例・22】
いかなんばん味噌の商品化
1
取組主体の概要
五戸水産株式会社(八戸市)は、昭和13年に創業の水産加工会社
女性の感性を生かした商品開発が特徴で、ネットショップ、ブログ等にも力を入れ、
青森県産の水産加工品の消費拡大に非常に積極的である。
2
取組内容
五戸水産では、食品総合研究所の指導を受けながら、数年前からスルメイカを使用し
たイカそぼろを商品化し販売している。
そぼろの食感やスルメイカの原料費が高い等の問題があったため、改良の相談を受け、
食品総合研究所において、安価なアメリカオオアカイカを使用し、加熱方法の見直しや
長期保存が可能な製法で新たなイカそぼろを開発した。
技術移転を行い、イカそぼろを使用した「いか肉みそ」が商品化された。
いか肉みそ
3
今後の取組方向
商品の改良等技術支援を継続
- 23 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:食品総合研究所
【優良事例・23】
八戸さばブランド化への取組
1
取組主体の概要
八戸前沖さばブランド推進協議会は、八戸市商工会議所構成員がメンバーとなり、観
光誘客促進や水産業振興など地域経済の活性化に貢献することを目的に設立。
当協議会は、八戸前沖で漁獲されるサバの付加価値と消費者の認知度を高める地域ブ
ランド形成に取り組む。
2
取組内容
八戸前沖さばブランド推進協議会は、ブランド化の一環
としてサバに含まれる粗脂肪含量に一定の基準を設け、基
準を満たしたサバを「八戸前沖さば」として認定している。
食品総合研究所では、八戸港に水揚げされるさばの粗脂
肪含量を測定し、そのデータを県内企業およそ31団体に
対し、メールによる速報配信を年間に約40回程度実施。
協議会ではその測定データを基に、ブランドとして認定
する漁獲期間を決定している。
協議会ブランドマーク
3
今後の取組方向
・平成22年度から取り組んでいる「現場で実施可能なサバ脂質量簡易測定法」を開発
し、業界自身による脂質測定を目指す。
・平成23年度から実施している、船上凍結など高鮮度のさばを対象とした地域資源の
付加価値を高める製品づくりを推進する。
- 24 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:下北ブランド研究所
【優良事例・24】
水産業と農産加工の異業種連携による商品開発
1
取組主体の概要
地域特産物開発を活性化するため、地域間連携・異業種連携を推進していたところ、
むつ市大畑町で海峡サーモンを生産、加工、販売している「北彩漁業生産組合(水産
業)」とむつ市脇野沢で下北産の大豆、米を使用して味噌を製造している「つつじ生活
改善グループ(農産加工)」の連携により新商材を開発している。
2
取組内容
下北ブランド研究所では、地域に対し加工品開発や加工技術の指導を行っており、北
彩漁業生産組合に対しては、新商品開発・品質管理技術等を、つつじ生活改善グループ
に対しては、味噌作り技術を支援している。
刺身に味噌を付けて食べるという発想の実現化に向け、北彩漁業生産組合とむつ市脇
野沢つつじ生活改善グループの連携を促し「生ちゃんちゃん」を商品化した。
海峡サーモンの生ちゃんちゃん
3
今後の取組方向
一商品では、定番化は難しいため、シリーズ商品の開発による、連携強化を支援する。
- 25 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:下北ブランド研究所
【優良事例・25】
地域特産品開発による地域興しの支援
1
取組主体の概要
大間町の「大間風(やませ)生活改善グループ」は、大間町の観光ガイドのほか、ハ
マナスジャムなど地域の特産物の開発を行い、地域興し活動を実施しているグループ。
2
取組内容
大間風生活改善グループは、地域特産のマグロなどの水産物を活用した加工品開発に
取組み、下北ブランド研究所が、加工品開発や加工技術支援を行い、農産加工グループ
としては珍しいレトルト加工品を商品化した。
大間風の水産物を活用したレトルト加工品
3
今後の取組方向
基幹となる商品ができた大間風生活改善グループでは、企業化など組織のレベルアッ
プに取り組んでいることから、研究所としても関係各機関と連携した支援を実施する。
- 26 -
課
名:(地独)青森県産業技術センター
グループ名:農産物加工研究所
【優良事例・26】
バラ焼きライスバーガーの商品化
1
取組主体の概要
(株)十和田ミートは、食肉の生産・処理加工・卸販売を業としているが、新幹線新
青森駅開業に伴い、新設されたA-FACTORY内で、十和田バラ焼きをメインとしたレスト
ランを運営し、これと同時に新たな商品開発に取り組む。
2
取組内容
同社は、新幹線の車内販売や土産品として、農産物加工研究所の支援の下、平成22
年度に「八甲田牛ジャーキー」を商品化し、これに続くアイテムとして、バラ焼きライ
スバーガーの開発に着手した。
研究所では、ライスバンズの開発について検討を重ねた結果、ナガイモをつなぎに使
用することで、独特の食感をもったバンズを開発。
同社では、これを委託加工し商品化した(現在は、コスト削減を図るため、自社でバ
ンズを製造)。
3
今後の取組方向
同社で企画したアイデアを商品化につなげていくため、今後とも技術的支援の継続
と既存製品の品質向上等へ協力していく。
- 27 -
課
名:総 合 販 売 戦 略 課
グループ名:宣伝・販売グループ
【優良事例・27】
「東北を元気に!がんばろう東北応援フェア」の開催
1
概要
東日本大震災からの早期復興を実現するため、本県の提案により、東北六県が一致団
結し、大手量販店と連携して東北の産品を全国の消費者にお届けする「東北を元気に!
がんばろう東北応援フェア」を開催し、東北の元気を全国へアピールした。
2 取組内容
(1)東北を元気に!がんばろう東北応援フェア開催結果
会期
企業名
内 容 等
6月 9日(木)
イオン
イオン品川シーサイド店を旗艦店舗として全国
~6月13日(月)
のイオン約400店舗で開催
6月22日(水)
セブン
東北管内のイトーヨーカドー全10店舗で開催
~6月26日(日)
&アイ
6月29日(水)
セブン
全国のイトーヨーカドー約150店舗で東北・
~7月 3日(日)
&アイ
北海道北のうまい物市として開催。
6月30日(木)
イオン
全国のイオン約420店舗のほか、マックスバ
~7月 4日(月)
リュでも開催
7月20日(水)
セブン
全国のイトーヨーカドー約120店舗で開催
~7月24日(日)
&アイ
7月29日(金)
イオン
全国のイオン約400店舗で開催「東北うまい
~8月 2日(火)
もの祭り」として開催
(2)東北六県の連携事項
① 知事トップセールの実施
応援フェアのスタートにあたり、東北六県を代表して本県知事が6月8日にイ
オン品川シーサイド店で来店者に東北の元気をPR
② 東北六県知事連盟による共通メッセージの発信
③ 東北六県共通のキャッチフレーズ、ロゴの使用
【東北六県の産品をPR】
- 28 -
課
名:農
産
園
芸
課
グループ名:野菜・畑作振興グループ
【優良事例・28】
東日本大震災で被災したいちご産地の再生
(三八地域県民局地域農林水産部)
1
取組主体の概要
八戸市市川地区は県内トップのいちご産地であり、八戸苺生産組合及び八戸農協いち
ご・夏秋いちご専門部の2つの組織がいちご生産を担っている。
同地区は3月11日の東日本大震災の津波で被災し、奥入瀬川流域及び五戸川流域を中
心に家屋や農地が浸水等の被害を受けた。いちごのハウスでは全壊35棟(79.2a)、中破
14棟(35.5a)、浸水37棟(88.0a)の被害を受けた。
(1)八戸苺生産組合
① 組合長:石田 和弘
② 構成数:55名
(うちハウス被災16名)
(2)八戸農協いちご・夏秋いちご専門部
① 専門部長:日登 光一
② 構成数 :34名
(うちハウス被災2名)
2
3
【 被 災 直 後 ( 3月 15日)】
取組内容
八戸市との連携により以下の対策を実施した結果、
被害ほ場では除塩対策が実施され、補助事業の活用に
よりハウスを復旧した。
なお、除塩対策を実施したほ場では、いちご定植後
の塩害は見られないが、井戸水の塩分は現在も依然と
【 ハ ウ ス 復 旧 後 ( 10月 14日 )】
して高く、灌水に使用できない状況にある。
・八戸市、生産者団体と被害状況及び対策について協議(3月~4月)
・土壌及び井戸水塩分モニタリング調査(定期調査3月~10月)
・除塩対策巡回指導(3月~9月)
・被災園芸施設復旧支援事業説明会(5月23日、6月7日、9月5日、12月15日)
・被災園芸施設復旧支援事業実施支援
今後の取組方向
(1)井戸の再掘削等の対策について補助事業活用等により支援していく。
(2)除塩実施後のほ場の生育状況を見ながら塩害の有無を確認していく。
- 29 -
課
名:林
政
課
グループ名:企画グループ
【優良事例・29】
「東北復興応援植樹~東北の元気、日本の元気を青森から~」の実施
1
取組主体の概要
森林所有者、旅行会社、県(林政課、観光国際戦略局)
2
取組内容
「東北の元気、日本の元気を青森から」のテーマのもと、県観光部局、旅行会社等と
連携し、海岸防災林等森林整備の重要性と東北の先頭に立って大震災からの復興に歩み
出す本県の姿を内外にアピールし誘客を促進するため、津波の猛威から人家等を守った
海岸防災林へのクロマツ植樹と、復興への願いを込めて青森県の木「青森ヒバ」を植え
る植樹ツアーを実施した。
(1)東北復興応援植樹ツアー概要
日
時
場
所
植栽樹種 植栽本数 参加者数
平成23年7月 八戸市市川町 クロマツ
平成23年10月 むつ市城ヶ沢 ヒ
備
考
1,600本
511名
飛砂防備保安林で実施
600本
136名
(株)東芝が苗木を提供
バ
(2)その他
ア 先進的な取組として、来年度の林業白書に掲載される見込み
イ 首都圏からの来客者数が647人となったほか、中央スポーツ紙に特集記事が掲載
3
今後の取組方向
来年度も旅行会社により復興植樹ツアーが実施予定であり、誘客により観光産業のみ
ならず食を通じた農林水産業活性化と地域経済への波及効果が期待されるため、関係者
と連携し、積極的に取り組む。
- 30 -
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