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“改正 FIT法"“ 電カシステム改革"“パリ協定 成長エンジン
改 正 FIT法 “ 改正 FIT法 "“ 電カシステム改革"“ パ リ協定"が 成長エンジン 転機を迎える日本の太陽光発電市場は、今後 どう変化していくのか。 太陽光発電協会 (JPEA)の 亀田正明事務局長は、3つ の成長エ ンジンに期待 し、2030年 までに累積導入量 100GWを 目指丸 2012年 7月 、 固 定 価 格 買 取 制 度 割減少 した。 (FIT)が 開 始 されて以 来、 日本 の太 陽 加えて 2017年 4月 1日 から“ 改正 FIT 光 発 電 市 場 は急 激 な成 長 を遂 げ てき 法 "が 施 行 され ることが決 定 している。 た。太 陽光発電協会 (JPEA)に よれば、 FITは 制度開始以来、再生可能 エ ネルギ ピークを迎 えた 2014年 度の太 陽電池 ー (再 エ ネ)の 導入を加速する役割を担 つ モジュールの国内出荷額は 9,216MW てきた。 しかし、今後 は国民負担 を抑制 を記録。制度開始後 3年 で、太 陽光発 しつつ 、再 エ ネをバ ランス良 く、長期 安 電の導入量は 5倍 に達 した。 定 的 に導入させる制度へ とシフトする。 しかし、電力会社の系統接続制約問 新 たな制 度 では、買取 価 格 につ いて 題 とそれ に伴 う出力市1御 ルールの導入 は、年度毎 に発電 費用 に適 正 利潤 を上 や買取価格 の低減などが影響 し、2015 乗 せ して決 定 していた従 来 の方 式 か ら、 年度の国内出荷量は7,136Mヽ Vと 約 2 大規模太 陽光発電等 では入札方式 の導 太■光発電協会 亀田正明事務局長 図1再 生可能エネルギー発電設備の導入状況等について呼成28年 4月 末時点 ) 導入容量 (万 kW) 新規認定分 前月比 1 累計 403 +97 2,428 風カ +2 50 中小水カ +1 17 地熱 +0 1 バイオマス +2 合計 +109 (住 宅 ) (※ 3) 太陽光 (非 住宅) (万 新規認定分 +8 太陽光 認定容量 (※ 1) 2,952 1 前月比 累計 470 +5 469 26 -53 7,476 253 +0 284 +0 78 +0 8 +1 371 -47 8,686 0 1 kW) (※ 1) 883 ■11「 新規認 定分」とは 本制度開始後に新たに認定を受けた設備 ※2「 移行諮定分Jと は 再 エネ特措法 (以 下 「法」というJ施 行規則第 2条 に規定されてぃる、法の施行の日において既に発電を開始 していた設備 もしくは、法附則第 6条 第 1項 に定め る特例太陽光発電設備 (太 陽光発電の余剰電力買取制度の下で買取対象となっていた設備 )で あって、本制度開始後に本制度へ移行した設備 ヽ13太 陽光 1住 宅)に ついて、前年度 (平 成 26年 3月 での導入状況の公表においては 導入時期が法施行日の前か後かで分類 しておりましたが、平成 26年 度 (平 成 26年 4月 )か らは、 'ま 「新規認定Jか「移行認定 Jか の分類 本制度開始後に新たに認定を受けた設備 を明確に分類するため、 20166資 源 エネル キー庁より 出典 :「 FT制 度見直しの詳細制度設計等について」 28 2016 AU環 境ビジ稼 図2日 本の太陽電池国内出荷量推移 また、こうした買取単価の高 い未 稼働 案 件 は、国民 負担 を見かけ上増加 させる 0 0 W 0 0 0 。 M 0 9 要 因 となっていま丸 買取価 格 40円 や 36円 案 件 も多 く、低 い価 格 となった直 近の 24円 案件 の導入を阻害 していま丸 7136MW 系統 連 系 の 問題 で も見 かけ上 混 雑 し ││││ 5000 ている状 況 を作 り出 し、 事 業 性 の高 い 4000 案 件 が スムーズ に連 系で きない状 態 を 3000 作 り出 していると見 られま丸 電 力系統 2000 1000 0 卜 へ の 接 続 制 約 問題 も、 こうした未 稼 働 2012 年度 案 件 の見かけ上の 発電 容量 が 組 み込 ま れていることが要 因の一つで丸 事業性 赤 ■ 12012年 8月 改 定 ヒ シ ン 「 lMW以 上 lMW以 上 lMW以 上 ― 累積 導 旭 の低 い未稼 働案 件 を本来 の事 業性 の高 い発 電 事 業 案 件 に置 き換 えていくこと 年間導 入量 ︵ GW︶ で、今後 の太 陽光 発電 のさらなる普及 に 向 けて取 り組 むべ き課 題 が 明 らかにな ると思 います」と話蔦 ちなみ に 資 源 エ ネル ギ ー 庁 が まと めた FITの 導 入 。買取・ 認 定 状 況 (平 成 28年 4月 時 点 )に よる と、 認 定 容 量 は 79.45GW、 出典 」PEA出 荷 統 計 資 料 より うち 導 入 容 量 は 28.31GWだ 。 つ ま り現 状 で は 約 50GWの 未 稼働案件 が眠 つていること になる。 これ らの案 件 の 中 の事 業 性 の 低 いものが、コスト効率 的で事 業性 の高 入を、また住宅用では1子 来 のコス トロ標 エ ネの最大 限 の導入 と国民 負担 抑制の い新 たなものに変 わ ってい くことが望 ま れる。 に向 けてあ らか じめ 価 格 遁 減 スケ ジュ 両立、長期 安 定 的 な電 力供 給 などの課 ール を決 める方 式 へ の移 行 を行 うこと 題 に応えることで、現状 を打 破 し安定 的 で発電 コス トの低 減化 を促蔦 に太 陽光 発電 の 普及を促 進 する基 本 的 こうした状 況 の 中、 日本 の太 陽 光 発 なエ ンジンとなるという。 卸売電力市場の電力で需給を調整 2つ 目の成 長 エ ンジンは “電 カ システ 特 に効果 が 期 待 されるのが、太 陽光 ム改革 "で ある。亀 田氏 は「再 エ ネを多 発電 の未稼働案 件 の解消 だ。“ 改正 FIT 量 に導入 している再 エ ネ先 進 国で は、ほ 法 "で は未 稼 働 案 件 を整 理するために、 とん どの 国が同 時 並 行 的 に電 カ システ 日本の太陽光発電産業の成長を牽 引 し 従来 の 《設備認定 》から発電事 業面 から ム改革 を進 めていますら分 散電 源、とく ていく3つ の成長エ ンジンを指摘する。 適切かどうかを確認する《事業認定》ヘ に太 陽 光 や風 力のように天 候 や 自然 条 それが “ 改正 FIT法 と認定制度を大きくシフトする。 件 などに左 右 され、 出力が 変 動 する電 電 市場 は、今後 どのように変化 していく のか。 JPEAの 亀田正明事務局長は、今後、 革 "“ "“ 電 カシステム改 パ リ協定 "の 3つ である。 未稼働案件問題の解消に期待 “ 改正 FIT法 "は 、各再 エ ネの電 源特 性 を踏 まえたバ ランスの取 れた導入、再 亀田氏は「太陽光発電業 界で は未稼 源 をスムーズに効 率 よく導 入するには、 働案件が整理 されることをいちばん期 系統 のフレキシビリティーが重 要 にな り 待 していますЪ未稼働案 件 は膨大な数 ます。 に及び、事業性の低 い案件が相当数含 まれています。 “ 電 カ システム改 革 "を 通 じて柔 軟 性 の高 い電 力系統 を構 築 し、適 切 に運 用 ilttts ".a 2or6.AU 29 「島 図 3 層ul金重ヨ ¬ 改正 FIT法 送配電買取におけるJヽ 売電気事業者へ の引渡 し方法 <改 正法第 17条 に基 づ く引渡 しの詳細 型 甲 焉 (省 令事項 )> '生― 刊・而巌 酔 ■ 場 □ 1颯 的 刊 卿 に 口 酬 て い 覇 芦 │_ 可πが著淋面… 1)電 源 ・供 給 先 固定型 L¬ ■ 発電 。小売双方の間に契約が成立 していることが条件 = │■ 地域 をまた ぐ場合 は、連系線 の確保 が必要 2 項 │ つ と して措 置 ■ 利用 できる場合は ●市場が存在 していない地域 (沖 縄 ・離島等 1市 場が存在 していても使えない場合等 (災 害時等 ) ) 気事業者にはkW,│け が渡さIる 出典 「FT制 度見直しの:1細 制度設計等についてJ20166資 源エネルキー庁より することで再 エ ネを電 カ システムの 中 に で取 り入れ られている成 功 モデルで丸 かねばならないということであり、そう 上手 に組 み込 む ことが 不 可 欠 にな りま ドイツで は全 電 力の うち3害 J程 度 を再 しなけれ ば経 済 的 には、 再 エ ネ導 入の す」と“ 電 カ システム改革 "に 期待する。 エ ネで賄 つているにもかかわ らず、出力 コス トなどを遥 かに上 回 る気候 変 動 に 抑制 は 1%以 下 だといわれています。 伴 う膨 大 な負の コス トを支 払 わなけれ 中で も注 目され るの は 2020年 に導 入予定の ≪発送電 分離 ≫だ。“ 改 正 FIT 島国であるなど日本が ドイツと異 なる 法 "で は導入される≪発送電分離 ≫に備 点 もあ ります が、 制 度 や システムの改 再 エ ネ導 入などによる世 界全 体 での え、再 エ ネの買取義 務 を一 i発 電気事 業 善 、市場 メカニ ズムなどの活用 によって ≪脱 炭素化 ≫への潮流 は、太 陽光 発電 者 から送 配電事 業者 に移 した。 再 エ ネをさらに受 け入れ る余 地 を作 れ にとつて強力 かつ継続 的なサポー トにな るはずです」と中長期的な市場の展開を ります」と亀 田氏 。 この 移 行 により送 配電 事 業 者 は、再 エ ネを含めた電 力 需 給 の バ ランスをと る役 割 を集 中的 に担 うことになる。そ し て送配電 事 業 者 は、 買取 った FIT電 力 を卸電 力取 引市場 を通 して小売電 気 事 業者 に引き渡丸 見据える。 ばならなくなります。 こうした太 陽 光 発電 市 場 に押 し寄 せ る変化 の波 を勘 案 し、JPEAで は 2015 “ パ リ協定 "は 太陽光発電普及ヘ の強力、長期的なサポー ト 年 3月 に改 訂 した産 業 ビジ ョン「2030 そ して 3つ 目が、 2015年 12月 、 気 に取 り掛 かるという。 ただ し、2030年 候変動枠 組 条約締結 会議 (COP21)で 年 に向けた確 かな歩み」の 内容 の見直 し 取引量 が増大 し、再 エ ネで生 まれる変動 パリ パ リ協 定 "が 合意 されたことだ。“ “ の 累 積 導 入 見 通 しである 100Gヽ ′ V(日 ・ 本 の電 力需要 1兆 kWhの 10%)は その 電 力の需 給 調整 を飼 力取引市場 の仕 協定 "で 特 に重要 なのは、今世 紀 末 まで まま据 え置く。 組 みを活用 して賄う可能性 が生 じる。系 に国際社 会 が ≪脱 炭 素 化 ≫≪ゼ ロエ ミ 亀 田氏 は「太 陽光 発 電 は純 国産 エ ネ 統活用の幅が広がり、太陽光 発電などの ション社 会 ≫を実 現する長 期 目標 を明 ル ギーであ り、 すべ ての国 民 の財 産 で 再 エ ネ電 気 を抑 制することなくフルに活 確 に示 したことだ。 す。 社 会 に貢 献する立 派 な産 業 である このため卸 電 力取 引市 場で の電 力 の '電 用する余地が生 まれるということだ。 「COP21で 明 らか にな った ことは、 という意 識 もって、 これ か らも持 続 的 亀 田氏 は「電 力の 買取 義 務 を送 配 電 人類 は今世 紀 末 までに化石燃 料 に頼 ら な太 陽光 発電 の 普及を目指 します」と結 事業 者 が担 う仕組みは、既 にドイツなど な い新 たなエ ネルギー 社 会 を作 つて い ン ド。 30 2016 AU環 境ビジな 「島 日 T理 lu術 弓ご 太陽光発電システム環境を 整えるために太陽電池リサイグルOlリ ユース彗術の開発は必須 │ │ 急激 に普及する太 陽光発電 を背景 に、モジュールの リサイクル・リユース技術の確立が急がれてい る。 トレー ドォフ の関係 にある処理 技術の低 コス ト化 と有価物の回収 のバ ランスをどうとるのか、 実証段階に入った国立研究開発 法 人新 エ ネルギ ー・産業 技術総合開発 機構 (NEDO)の リサイクルプロジェクト ―‐ 当 面 の 目 標 は コ ス ト5円 /W ンの廃 棄 モ ジュール が 発 生 する可 能 性 成 28年 度 ∼30年 度 ). NEDO新 があると想定 され る。 エ ネルギー 部 太 陽 光 発 電 改正 FIT法 の施行 に伴 い、 「再生 口 「能 しか し、太 陽電 池の リサ イクル処理 に エ ネルギー 発電 事 業 を廃 止する際 の 発 グループ主 査 の南悌 二氏 は「低 コス トリ つ いては、 いまだ 十 分な技 術 や手 法 が 電 設 備 の取 扱 いに関する計 画 が適 切 で サイクル事 業 につ いては 26年 度 か らの 確 立 されていないの が現 状 だ「 FSプ ロジェクトを経て、現 在はセカンド あること」が 再 生 エ ネ発 電 事 業 の 認 定 基 準 として示 された。 こう した 中、 NEIDOで は ` 平成 26年 ステ ップ として具 体 的 なコ ストロ標 5円 度 か ら太 陽 光 発 電 リサイクル技 術 開 発 /Wを 太 陽 光 発 電 事 業 業 者 には事 業 の 計 プ ロジェクトを1桐 始 した.NEDOで は 画f2階 から太 陽光 発電 設備の適 切 な リ す。 その際 、 リサ イクルのポ イントにな 以 前か ら太 陽電 池 リサ イクルに関わる要 サ イクル 計 画 を組 み込 むことが 義 務 付 るのが 太 陽電 池セ ル とカバ ー ガラスの 素技 術の影1発 に取 り組 み 、2010年 には けられることになる。固定価格 買取 制度 間 を充 てんするEVA封 止 材 をどのよう テストプラン トを構築 。 に分離・除去するかにあ りますt封 Jl材 掲 げて実 証 を行 っている最 中で の 導 入により太陽 光 発 電 が急 増 し、 発 現 在、委託事 業 により以 前か らの取 り 電事 業 が 終了 した後 の 発電 設備 が 放 置 は長 期 階1の 発電 を可 能 にするため、 熱 組み も含めて5テ ーマの 低 コ ストリサ イ され る事 態 に懸 念 が 高 まっているか ら や湿 気 などの 影 響 を低 減 化 しようと強 クル実 証事 業 と2テ ーマの 低 コス トリユ だ。実 際、2040年 頃 には、約 80万 ト 固 に接 着 しているので、除去 しにくt」 と ース技 術開発事 業 が実 施 されている (514 1 話丸 HrFtst?.z 20t6 AU 3 | │■L面 面玩蔦 リサイクルのポイントはEVA封 止材の処理方法 図 廃棄モジュールの排出予測 2040年 には約 80万 トンの廃 棄モジュール発生 を予測 900,000 800,000 例 えば「汎 用 リサイクル処理ライン」 (実 証 :新 菱 )で はEVAを 700,000 世600,000 量500,000 異400,000 熱処理する技 術 により結晶型、薄膜 型、CISの リサ イクルに対応 できる。まずアルミ枠を外 300,000 し、バックシー トを肖1り 取 つてから、500 200,000 100,000 度の高熱炉 で蒸 し焼 きにする。EVAは 熱分解 でガス化し、残 った銀、 シリコ ン、ガラスなどの有価物 を回収する。 こ の処理装置の特徴はサーマル・リサイク 0 芝 628■ 032343638404244464850(年 太 陽 雷 池 モ ジ ュー ル 排 出 早ス ● 鋳 命 20 図 循環社会 システムの構築 循 環型社 会システム構築 によりPV発 電の社 会定着 をはかる ′ 用 し、処理 コストを削減する。 もう一つは機 械式 で 200度 に熱 した ― レ リサイクフ 技術の開発 ホットナイフをガラスとEVAの 間に差 し 込んで分離する方式 (実 証 :浜 田、エヌ・ピ ス テ シ 会 社 f 循環型 ,レ │レ │1目 リユース 技術 の開発 ー・シー)だ 。ガラスを回収 した後はEWЪ ヘ る (実 証 :ソ ーラーフロンテイア)。 リデュース 図 低 コス トリサイクル技術の開発 口 扇≡目LFフ 万罫石ス=二軍篇 カラスの分 離 EVAハ クシート′)除 去 金 属 ●含 も有 1正 じ 囮 ルを破 砕する方 法 (実 証 :三 菱 マテ リア …‐ ` 分 PII "F)'I和 分離 ⊂ 亜 :三 ⊃ ≡ 三 ⊃E三亜 ≡ ≡ ≡ 二 ]E三亜 亘 亜 三 三 亜 ル)と 化学 薬 品 を使 って結 晶型 モジュー 実証 中 であるが、5つ の方 法 いずれ にも -1百 ′ … その 他 に、機 械 式 で結 晶型 モジュー ルを溶 解する方 法 (実 証 :東 邦 化 成 )も :::││ 目 目 日 を削り取 って有価物を回収する。 この方 式の特徴 はガラスを割らずに板状のまま できる。同様 にホットナイフを用 いた方 式をCISに 応用することも検討 されてい ) ) ルの手法を取 り入れていることで、焼却 の際 に発生する熱 エ ネルギーを回収・利 回収できることで、ガラスに不純物が混 入せず高 価 で買い取られることが期 待 ) 25 30年 出典 「太陽光発電設備等のリユース リサイクル・適正処分に関する報告書J(2015環 境省 ホ ットナイフ剥l離 11肖 1 1 EVAの 破 砕 ローラー 資源 の分別 壼 焼 却 分 角準 ― 申――――申´′ 溶 剤 による剥 離 ヽ 、___口 ____ロ ーー〔 フ 褒 耳 董 一 長 一 短 がある。 EVAの 化 '由 魏 ■ 丞省 塵 λ 蝙 またリサイクルの低 コスト化 には、低 出舞 株 式 会 社 浜 Ⅳ 株 式 会 社 エカ ビー シー し売 却 益 を費 用 に補 填する方 法 があ が違 つてくる。 マーケテイングと合わせ 事業性 を実証 しなければならないでしよ 生産 コストを下げるために「高価 な材料 を使わなくなってきています。将来的 に る。有価物回収の観点からポイントにな るのが、もつともボリュームの 多いガラ う。ただ有価物 は価格変動 があるので、 難 しい局面もでてきます。処 理 コストと は処理 コス ト自体 をいかに下 げるかが スの処理 だ。 有価物の回収のバランスをはかりながら 各社 がそれぞれ事業戦 略を描 くことが コスト処理技術 の開発 と有価物を回収 「ガラスを回収 するというゴールは一 緒 ですが、仕上 がりの形状、品質、価 格など回収事業 者ごとに、アプ ローチ 32 2016 AU環 境ビジな 必要」と南氏 。 さらにモジユールメーカー もパ ネルの 重要 になる」とする。 価格、保証が課題となるリユース市場 低 コ ス トリユ ース 技 術 に つ いて は、 NEDOは 今年 6月 に 2つ の案 件 を採択 │ ― 図 モジュール 低 コス ト分解処理技術の開発 。 実証 この や り方 で は使 用 で きないパ ネ ルの 輸 送 コス トも負担 する ことになる。 そこ 処理 工 程 で、解 体現 場で簡 便 に分別する技 術を 蒜 ヽ │ │ 金属 一 ‐― 開 発。 PVラ ボに組み込 み トラックで運 搬 し、現地 での分別を目指丸 もう一 つ の「使 用済 み太 陽電池の低 コ スト修復技術」(開 発 :ジ ー・エム・ジーエ コエナ ジー)は 太 陽電 池モジュール を低 フレーム除 去 残 留 EVA の除去 ホットナイフ ガラス分 離 出典 :写 回収 有価 物 真提供 オ 朱式会社浜田′株 式会社 エヌ ピー シー コス トで簡便 に修復 するとともに、処分 するパ ネル を減 らすという効 用 もある。 開発する修 復 技 術 の対 象 とする不 具合 は 3つ ある。一 つはパ ネルに付帯 するジ 図 低 コス トリユース技術の開発 ャンクションボ ックスに実 装 されたバ イ 魂 結 線 解 除/ハ ネル 取 り外 し 架 台解体 ― 「 へ 計I墓応篇 ¨鯉 曇 雇積 J努 「 : 合 の交 換 技術。2つ 目は損傷 したバ ック シー トの修 復 技 術。 そ して、3つ 目がセ ルとセル をつ なぐ配 線 (リ ボ ン電 線 )を 修理 した後 にもう一 度、封止材 を埋 め込 `粽 _11:罠 -1___… パ スダイオー ドが断線 や ショー トする場 _´ むための技 術 だ。 EVAを もと通 りに埋 め込 む には 装 置 が必 要 で コス トもかか ]l― るが、RTVと いう室 温で固まるシリコー リユ ース :太 陽 光 発 電 技 術 研 究 組 合 図 使 用済み太 陽電池の低 コス ト修復技術の開発 ン材 に置 き換 えることで、修復 コス トの 削減 を図る。 しか し、 こうしたリユース技 術 の確 立 が、リユースパ ネルの需要 にどう結 びつ 故障したセル , 昌ゴ げ Ц 一 カバーガラス 一 パックシート いてい くのか。 南氏 は「新 品 パ ネルの価 格 が下が り、 セル 長寿 命化 も進 む中で、リユースで買 つた リボン電線 パ ネルは保証 も付 いていない。そのあた 出興 :シ ー エム シーエコエナ シー株 式 会 社 りをどう担 保するか という問題 があ りま 丸 今後 はまだ リユース市場 を立 ちあが し、2030年 までにコス ト180円 /Wの ければきっちり検 査 ができるが、かけす つていない中 で、技 術 開発 とともにリユ 実現 を目指 し、 開発をスター トする。 ぎるとコス トが 高 くなる点 です」と技 術 ース需要 に目を配 りながら、求め られる 的な課題 を指摘 する。 品質 を確 保 していくかが、 リユース市場 リユースで は発電 設 備 の 解 体 後、 モ ジュールを回収・運 搬 し、外観・安 全性 「On― Siteで のモ ジュール 分 別技 術」 を形 成 して い くためのポイントになるで の検 査、出力性 能浪1定 によリリサイクル (開 発 :太 陽光 発電 技術研 究組 合)は 現 するものと修復可能なものを分 別 し、リ 地 で分 別 作 業 をすることでパ ネルの 輸 どちらにしても、太 陽光 発電 システム ユース業 者 に委 託する。その際、南氏 は 送 コストを抑 制 しようという試 みだ。通 が 社 会 に定 着 して い く環 境 を整 えるた 「 リユース過程 にかかるコストがかかり 常、 メガソーラーなどが廃 業 する場 合、 めにも、太 陽電 池 の リサイクル・リユース 過 ぎると新 品 のモジュールと価 格差が 解体 事 業者 が発 電 設備を解 体 し、 リユ 技術 の 開発 は欠かせない。 なくなり、売れません。問題は時間をか ースの工 場 に運 んで 分 別する。 しか し、 しょう」とみる。 環境 ビジネス 2016 AU 33 ︱ 特 別 :金Лヨ 改 正 FIT法 ︱ 発電所 に適したO&Mサ ービス導入が事業者の課題 ︲ 太陽光発電事業のリスクを低減する O&Mの 重要性がクローズ アップされて いる。 O&Mサ ービス事 業 には様 々な業 界 から参入する例 も多く、 どのサ ービス事業者を選ぶ のかが 発電事業者 にとって課題 となつている。 0&Mサ 2X2の 保守ス ー ビスとは顧 客 に合わ ペースを確保 したMタ イプ せカスタマイズして提供するもの 固定価格買取制度 (FIT)が 改正され、 太 陽 光 発 電 事 業 の 認 定 基 準 として「適 切 に点検・保守 を行 い、発電量の維持 に 努 めること」が義 務 付 けられる。現 在 の FIT法 に基づ き認 定 を受 けている事 業 独 自の M字 型 アレイエ 法 で 単位 面 積 あた りのバ ネル 数 を増 加 従 来 シス テ ム 目― 者 も、適切 な事 業運営 を確 保するために 事業計画 の作成・提 出が必要 となる。 FIT開 始 当初、太 陽光 発電 システム はメンテナンスフリーで も安 定性・安 全 出力数百 kWの 中規模案件からメガ 性 が担保で きる発電 システムであるとの で、投 資回収 を図るには、適切 な点検 。 誤解がまか り通 っていた。 しか し、実 際 保守管 理 の もとで長 期 間、安 定 的 に発 ソーラーまで○&Mサ ービスを提 供す は長 期 間屋 外で 日差 しや風 雨 にさらさ 電量 を確 保することが求 め られて いる。 るNTTフ ァシリティーズ ソーラービジ れ劣 化 し、製 品不良 による故 障 も発 生 こうした中で現 在、あらためて太 陽光 ネス本部 ソリューション営 業部 の 自田 する。故 障へ の対応 が遅 れれば事 業 収 発電 事 業 の リスクを低 減 する○ &Mの 「○&Mサ ービスとは基本的 慶一郎氏 は 益が大 きく損 なわれ ることも、 多くの発 重要性 が クローズアップされている。 に個 々のお客 さまに合わせてカスタマイ 電事業 者 が経 験 していることだ。 また年 々、 買取 価 格 が低 減 化 する中 しか し、○&Mサ ービス事 業 には様 々 ズした形で提供するサービスで現 ただ な業 界から参入する例 も多く、サ ービス し、太陽光発電システムは電気 設備な メニ ューか ら価格 帯 まで多種 多様 で、ど ので、出力 50kW以 上のものには安全 のサービス事 業 者を選 ぶのかが発電 事 性を確保するために点検が法的に義務 業者 にとって課 題 となっている。 けられています。○&Mサ ービスはそう 例 えばサ ービスメニ ューに限 つて も、 遠 隔監視 サービスではストリング単位の まの要望に応 じて付加するオプションメ サービスを導入する必要があるのか、あ ニューか ら構成されています」と話丸 るいは パ ワコン単 位 で十 分なのか。 サ NTTフ アシリテイーズ ソーラービジネス本部ソリューション営業部 ービスの 品 質 とコス トの 兼 合 いを見 極 自田慶 ―郎氏 めることが難 しい。 1 34 2ot6 AU ilEEt?t したベーシックな基 本 メニューとお客さ 不具含情報のデ…タベースを共有 し、全国にサー ビス拠点を展開 太 陽光発電所のリスク例 盗 理 タ ー 0 1 ヽ 1 バワーコンテンシ→ナー PCSi ´ 収容箱 姥 ぱ 製 品 不良 経 年劣化 系統 異 常 受電 盤 変圧 器 ハ ネルメーカ倒 産 設備 不具 合 同社の基 本 メニュー も法的に義務付 ル 。ノウハ ウを身 につけた人 材 をサービ などに直面 して慌 てることになります」 けられた定期的な設備点検に加え、遠 ス拠 点 に配 置 で きる体 制 が整 備 されて 隔監視サービス、故障受付から駆付け。 いること」を挙 げる。 と警告する。 「航空写真などでざっくり面積を浪1っ 一 次措置までのサービス、部品交換サ NTTフ アシリティーズの太 陽光 発電 て設 置容量をだしたが、実際に現場に ービスなど発電所の安定 した運営に必 へ の取 り組 み は 1962年 、 玄 界 灘 の 小 行 ってみると起伏 があったり、調整池が 要なサービスから構成される。 島 の公 衆電 話用無 線機 の 自立電 源 とし 必要であつたりして設備認定 通 りの容 オプションメニューは電気主任技術 て太 陽電池 を導入 したことに始 まる。以 量を達成できないなどのケースも増えて 者 による業務委託 サービス、発電量が 来、 同 社 は 自社 の 太 陽 光 発 電 所 を開 います」と白田氏。そうした中で NTT 妥当かどうか診断する発電診断 サービ 発・運営 するとともに、顧客 の 発電所 の ファシリティーズがこの 6月 に発表 した ス、出力低下探索を行う不良パ ネルサー EPC、 ○&Mを ワンストップで実施 する Fソ ーラーパッケージMタ イプが注日さ ビスや不法侵入を防止するセキュリティ システムインテグ レー タとして知 られて れている。南向 けのパ ネルを東西方向 サービスや除卓サービスなどだ。 いる。現在、O&Mサ ービスを提 供する に傾斜させる独 自のM字 型アレイエ法 「○&Mサ ービスはこうした基本 とオ 発電 所 は 自社 発電 所 も含めて全 国 297 で単位面積 当たりのパネル数を増 加。 プションサービスをお客 さまの要望に応 カ所 (525Mヽ V)。 全 国 260ヵ 所 にサー 1.5haの 敷地を例 にすると太陽電池パ じて、様 々な構成に組み合わせますも当 ビス拠 点を展 開 し、電気主任技術 者 (三 ネル容量を最大 40%、 年間発電量を最 社の場合はます 長年蓄積 してきた故障 種 )約 1800名 を擁 する。 大 30%増 加できるという。 しかも、パ ケースの実績 データなどからシミュレー ネル容量を40%増 加 しながらM字 型ア ションして得た故 障発生頻度を基 に、設 白田氏は「自社で発電事業を行うこと は長期的運用のためのノウハウ・技術を 備規模、パ ワコンが集中型か分散型か 蓄積 し○&Mサ ービスに活かすこと、加 も確保 した。 などの設備 構成、買取価格、サービス えて売電収益で投資回収するお客 さま 白田氏は「安全性、保守性を考慮しな 導入のイニ シャルコス ト、 さらにお客さ の目線にたって発電事業を捉えることが がら、24円 時代 に対処し事業性をより まの志 向や予算規模などを参 考 にシミ できるというメリットがあります」という。 高めたい。認定後 3年 ルールに間に合わ ュレーションし事業性が最大 になるよう な提案をいたします」(白 田氏 安 全 性 、保 守性 を担 保 するため に ) こうしたサ ービスを提 供する事 業 者 を選ぶポイントとして、自田氏 は「サービ も保 守スペースが 必 要 その白田氏が買取価格が低減化する レイの下 に約 2m× 2mの 保守 スペース せて設備認定通 りに発電所を稼働 した いなど、多くの引き合いがあり、すでに 具体 的な案 件 でレイアウト作業を始め ています」と手 ごたえを感 じている。 ス事業 の基盤 として豊富な不具合情報 中で、敷地 一杯 に太 陽光 パ ネルを敷き 発 電 事 業 者 には ポ ス トFIT期 を迎 のデータベースを保有 していること。そ 詰め、保守 スペースを用意できないと え、事 業性 を高 めるためにも発 電 所 の うしたデータを活用 した点 検や遠 隔監 いうリスクを抱えた発電所を多く見かけ 安 全性 、保守 性 に配 慮 し、 いかに自社 視 システムと連 携 し、全国 レベルで故 「当初は気付かないが 5年 後、 るという。 に適 つた○ &Mサ ー ビスを導 入するか 障対応できるように情報を共有 し、スキ 10年 後 にパ ネル交換やケーブルの劣化 が重 要 な課題 となつている。 暉境 ビジネス 2016 AU ● 35 1 企 歯 PAI FIT法 不具合の要因となる太陽電池モジュールの部材 モジュールの部材であるEVA封 止 材 がモジュール の 寿命や故 障 の要 因 となるとの三井 化学 の研究 。実証 にモジュー ルメーカー も注 目 !同 社 の展開する太陽光発電所のライフスサイクルーー 設計、建設、検収、運転、転売 。証券化 、運 転終了まで のすべ てのフェーズに及ぶ診断・コンサルティング事業 の中 での部材検証 について聞 いた。 太陽光発電のライフサイクル 全体で診断・ コンサル展開 質診断の引き合いが増えています」と話 丸 三 井 化 学 で は 2014年 3月 か ら太 陽 固 定 価 格 買取 制 度 (FIT)改 正 に伴 光 発電 に関する診 断 ・コンサルティング い、8月 1日 以 降、太 陽 光 発 電 認 定 案 事 業 を開始 した。 同社では愛 知 県 田原 件が運 転 開始前 に太 陽電 池 のメーカー 、 市 の 50MWの メガ ソーラー (7社 共 同 種類 を変更で きるようにな ったこ 事業 )保 有 し、開発 から運 転 までを手 掛 改正前のルールでは、設備認定 後、大 塩田剛史氏 ける。 して発電 所計画診 断、パ ネル品質診 断、 陽電 池 を変 えれ ば調 達 価 格が見直 され また茂 原実 証 発電 所 (335日 〃 )と 袖 るため、事 実 上、変更することがで きな ケ浦 ミニ 発電 所 (12kヽV)は 、保守 や診 発電所不 具合解析、発電 所価値 査定 な /た ルールの 変 更 により、 か った。 こうし 断 に必 要 な技 術 やデー タを収 集するた どをレポーティングしてア ドバ イスする。 運 転 開始前 の案 件で円高 の 影響 などか めの実証施 設 として活用 している。 ら安 価 な外 資 系 メーカーのパ ネルに変 更 しようという動 きもある。 三 井 化学 の診 断・コンサルティング事 業 は、太 陽光 発電所 のライフスサイクル 封 止 材 が 要 因 で モ ジ ュー ル に 不具合 が発 生 三井 化学 次世代事 業 開発室 の技 術 リ ー ー 設計、建設、検収、運 転、転売・証 三 井 化 学 の 太 陽電 池モ ジュール品 質 ー ダー 、塩 田剛 史氏 は「この ところ、大 券 化 、運 転終了までのすべ てのフェーズ 診断 の最大 の特長 は、部 材 であるEVA 陽電 池 モ ジュールの 変 更 を考 えて いる に及ぶ。 クライアントは発電事 業者、案 封止 材 というファクターを加 えてモ ジュ 発電 事 業 者 の方などか ら、 パ ネルの 品 件 に融 資する銀 行 が 多く、第二者機 関 と ールの 性 能 や 寿 命を診 断 することだ。 モジュールは表 面を強化 ガラス、底辺 を バ ックシー トでセ ルを挟 み こむが、その セルの周 りを覆 っているのが EVA封 止 材。柔 らかな透 明な樹脂 で、モジュール の信 頼性 を担保する重 要 な部 材 だ。 塩 田氏 は「我 々は 10年 ほどの部 材 の 研 究 を通 じて、EVA封 Jl材 やパ ックシ ー トが異 なることによって、モジュールの 信頼性 が変わることを解明 しました。 し かも同一 の型 式 のパ ネルで も、たとえば 三井化学の PV診 断事業 36 2016 AU環 境ビジネス 現 在 の もの と3カ 月の もの を比 べ ると、│