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中国経済情報レポート(H28 年度 Vol.1)

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中国経済情報レポート(H28 年度 Vol.1)
中国経済情報レポート(H28 年度
Vol.1)
○装備製造業の標準化と品質高度化の計画を実施へ
4 月 6 日に開催された国務院常務会議は、
「装備製造業標準化及び品質高度化計画」の
実施を決定した。標準化によって製造力の向上をリードして、供給改善、需要拡大、製造
業の高度化を狙うため、
「中国製造2025」計画とともに、世界先進水準に照準を合わ
せ、工業基盤と智能製造、グリーン製造の標準化及び品質向上のプロジェクトを実施し、
ロボット、先鋭な軌道交通設備、農業機械、高性能医療器械等を重点分野として標準化の
新しい突破を図ろうとする。また、職人精神の高揚、精緻さへの追求を求め、消費者に好
まれる創意的で高品質の製品をより多く生産するようとアピールした。
○流通業のインターネット導入へ拍車
国務院は、コストダウンや内需拡大及び就職増加を図るため、流通業のインターネット
導入促進の方針を発布した。主な取り組みとして、1)情報インフラ施設及び輸送手段の
立ち遅れを改善し、知能的物流システムを構築し、農村部でのブロードバンドの建設を強
化する等、ハード上のネックポイントを解消する;2)共有型のビジネスサービスプラッ
トフォームを構築し、電気料金の優遇や貨物輸送事業取扱いの規制緩和等、ソフト上の制
約を排除する;3)伝統型商業企業のネットワーク化、知能化、情報化のリノベーション
を推進し、インターネットに依存した資源配置、市場開拓を支持し、実体型店舗の家賃引
き下げを誘導する等、Online-Offline の融合的発展を促進する。
○ロボット産業の 5 ヵ年計画を公布
工業及び情報化部、発展改革委、財政部は合同して、
「ロボット産業発展計画(2016-2020
年)
」を公布した。
「計画」は今後の 5 年間で、ロボットに使われるキーパーツとハイエン
ド産品の重大な突破を実現し、ロボットの品質的信頼性、市場保有率及びトップ企業の競
争力の大幅な向上を目標としている。また、アーク溶接ロボット、真空(クリーナー)ロ
ボット、全自主型 AI 産業ロボット、人間と協同作業可能なロボット、両腕型ロボット、
重載 AGV、消防救援ロボット、手術ロボット、AI 型公共サービスロボット、AI 型介護用
ロボットの 10 種類を重点突破の対象として指定した。
○商務部、対外貿易企業の現状調査を実施
商務部は今年の 2 月下旬から 3 月上旬にかけて、広東、江蘇等の 20 省へリサーチグル
ープを派遣し、対外貿易企業の現状調査を行った。同調査は、全国輸出総額の 7 割を占め
る家電、自動車等の輸出主力の 20 業種をめぐって、延べ 200 社の代表的な企業を実地訪
問してヒアリングし、また 3000 社に対し、アンケート調査を行った。調査対象の企業は、
政府が打ち出した対外貿易の政策を評価し、従来の大規模化や安価なコストによって支え
てきた高度成長から構造調整や革新創造によって高度化への転換が迫られている認識を
持ちながらも、国際市場の需要不足、輸出コストの高騰、人民元為替レートの不安定、資
金調達難や高利子等の不利な要素が輸出の成長を妨げていると指摘した。
○越境 EC の小売商品輸入にかかる税制を改定
財政部等の3省庁は 4 月 8 日から、越境 EC による小売商品の輸入にかかる新税制の実
施を通知した。要旨として、従来、課税金額が 50 元未満の商品に対する免税扱いを廃止
した;輸入商品への適用税率は従来の「行郵税(10%)
」ではなく、貨物貿易並みの関税
及び増値税、消費税を適用する;増値税と消費税は当面、全商品に対し基準税率の 7 割を
課す;関税は消費者個人ベースで、1 回 2000 元、年間合計 20000 元の取引金額を超えな
かった場合は免除し、その限度を超えた場合は一般貿易の関税率を適用する。結果として、
個人消費者が越境 EC 事業者を通じて海外商品を購入する場合、最低でも商品価格の
11.9%に相当する納税金額が上乗せされる。また、越境 EC の税制調整に合わせて、個人
旅行者の携行及び郵送による輸入商品への関税率(行郵税)も品目によって、15%、30%、
60%の 3 ランク(従来は 10%、20%、30%、50%の 4 ランク)へ改定した。尚、個人旅
行客の持ち込み商品の価額が 5000 元未満の場合、関税免除の規定は変更しなかった。
○越境 EC、小売輸入商品のポジティブリストを発布
財政部、発展改革委、工業情報化部、農業部、商務部、税関総署、税務総局等の 11 部
門は 4 月 7 日付け、「越境電子商務小売輸入商品リスト」を発布し、翌日から実施に入っ
た。目的は工業原材料等の商品を「個人向け越境 EC」に混じって、通常な貿易秩序のか
く乱を防ぐためと言う。リストには、8 桁の HIS コードを持った商品を合計 1142 品目掲
載しており、食品飲料、アパレル、履物、家電および一部の化粧品、紙おむつ、児童玩具、
魔法瓶などが含まれ、中国市場で需要があって、郵便や宅急便によって郵送可能なものが
殆どである。リストの内容は、消費需給の変化に応じて適時に修正される。対象商品は輸
入に際して、税関への許可書類の提示が免除されるが、検疫検査は国の関連法規に従うも
のとする。一方、リストに無かった商品は、一般貿易の取扱いにされ、貿易契約やインボ
イス及び原産地証明等の通関書類の提出を求められる。それに先立って財政部等は、郵送
または旅行者携行による個人用商品の輸入関税を 4 月 8 日から調整する通知を発布した。
○一部地域で、市場進出ネガティブリストの制度を試行
国家発展改革委、商務部をはじめ、関係省庁と共同して取りまとめた「市場進出ネガテ
ィブリスト草案(試行版)
」は4月9日に発布され、中国で投資経営を禁止する業種、分
野、事業内容を合計 328 項目取り上げ、その内、禁止は 96 項、制限は 232 項となってい
る。同「草案」は、まず天津、上海、福建、広東の4省・市で試行される。試行によって
改革進展状況及び市場各方の意見を聞き入れ、リストの調整及び改善を進めていく。市場
進出ネガティブリストは 2015 年末から 2017 年末にかけて一部地域で試行を始め、2018
年から全国統一の制度として導入する予定である。
○企業の社会保険金負担を段階的に軽減
国務院は企業の負担軽減、活性化促進、就職増加及び従業員の現金収入増加を図るため、
2016 年 5 月 1 日からの 2 年間、企業が納付する従業員基本養老保険金を引下げることを
決定した。具体的に、企業納付分の比率が 20%(従業員平均賃金ベース)を超えた地方
は 20%へ引下げ、既に 20%になった地方は 2015 年末時点の基金累計残高が 9 か月分の給
付総額を超えた場合、段階的に 19%へ調整できる。そして、失業保険納付率は現行の2%
から、段階別に 1-1.5%へ引き下げる。その内、個人納付分の比率は 0.5%を超えないも
のとする。さらに、住宅積立金の納付比率は 12%を上限とする。生産経営が困難に陥っ
た企業は納付比率を引き下げる以外、法に従って積立金納付の猶予を申請し、収益改善後、
納付比率の引き上げまたは納付猶予分の追納によって通常納付の状態へ回復できる。上記
の措置によって、企業に延べ 1000 余億元の負担が軽減できる見込みである。
○1-3 月、国民所得の伸びが GDP に及ばず
国家統計局は、1-3 月の全国民 1 人あたりの可処分所得が 6619 元で、前年同期比で名
義上 8.7%増加し、物価指数を控除した実質増加が 6.5%と発表した。伸び率が同期間の
GDP(域内総生産額)成長率の 6.7%には及ばなかった。国家統計局が 2014 年から「都市・
農村部一体化の居住世帯調査」の結果を公布し始めた以来、1 人あたりの可処分所得の伸
びが GDP の成長率を下回ったのは初めてである。
○戸籍制度改革、一部地方で入籍条件を緩和
上海市戸籍制度改革意見の発布に従って、全国では 29 省が戸籍制度改革案を打ち出し
た。農業戸籍と非農業戸籍の区分廃止は各地に共通したもので、また入籍のハードルを引
き下げて条件を緩和した地方も少なくない。国務院は 2014 年に「戸籍制度改革の一層推
進に関する意見」を発布し、都市・農村を統一した戸籍登録制度を整備し、農業と非農業
の戸籍区分及びその変形である「青印戸籍」の廃止を要求した。また、鎮(日本の町に相
当)及び小都市への入籍制限を全面解除、中型都市への人口転入を徐々に開放、大都市へ
の入籍を合理的に条件設定、特大都市の人口規模を厳格的にコントロールする方針を明ら
かにした。それに対して、四川省、河南省、山西省等は、より緩和的な戸籍転入の条件を
打ち出した。
○無店舗販売の商品も実店舗同等の管理監督を実施
「流通分野の商品品質監督管理弁法」は 5 月 1 日から実施され、実体を持った商店、ス
ーパー、市場、売店等及びインターネット、テレビ、電話、郵便、直販等の無店舗方式に
よって販売される商品への監督管理が一本化となった。「弁法」はネガティブリストの形
で、国家基準に合格しなかったもの、失効・変質のもの、生産期日改竄等のものを販売し
てはならない商品として明示した。商品に問題発生の場合、関係機関はオンライン及びオ
フラインの商品に対して抜き取り検査を実施し、検査の結果はいずれにも適用される。ま
た、不合格の商品が人間の健康や安全及び財産に関わる場合、販売停止の上、同商品の供
給側にも法的責任を追求し、処罰を与えるものと規定した。
○一部機電産品の輸出へ課税金を全額還付
国務院は、対外貿易の安定回復及び好転促進を図るため、輸出税還付の政策調整等を含
む若干の措置を発布した。その一環として、カメラ、撮影機、内燃式エンジンなどの機電
産品について、課税金は全額還付を原則として、欠けずに速やかな還付を確保する。また、
輸出税還付の1類企業の比率を徐々に高めて、優良企業のモデル効果を広げようとした。
○加工貿易業務へてこ入れ、承認手続きの廃止、中西部への移転促し
国務院は、全国範囲で加工貿易業務の承認手続きを廃止し、健全な事後監督管理のシス
テムを整備し、財政・土地・金融の政策を活用して、加工貿易の中西部地域への移転を支
持する一連の方針を打ち出した。要旨として、中西部地区は加工貿易産業向けの土地供給
を強化し、東部地区は批准を経て、事業者転出後の跡地を商業、観光、養老事業へ転用で
きる;加工貿易事業者が合法的に取得した工業用地は契約の約定に従って、土地譲渡金の
分割払いを認める;各省が確定した優先発展の産業に合致した工業案件には基準価格の 7
割まで、土地譲与の最低価格として認める;条件に合致した税関特殊監督管理区域では貨
物の分類監督管理を試行し、条件にあった企業には増値税一般納税人の資格を付与する。
○資源税の全面改革案を公布、7 月から一部地方の水資源税を試行
財政部と国家税務総局は「資源税改革の全面推進に関する通知」を発布し、7 月 1 日か
ら全面的に資源税を導入することを決定した。改革案の要旨は、1)課税の対象範囲を拡
大;2)すべての鉱産物へ価格ベースの課税を適用;3)鉱産資源にかかる基金や費用の
徴収を整理;4)地方によって資源税の合理的税率水準を確定;5)税収優遇政策の合理
的な設定等から構成されている。但し、2010 年以降、価格ベースの課税を実施してきた
原油、天然ガス、石炭、レアアース、タングステン、モリブテンの 6 品目は暫く現状維持
とした。また、水資源税の試行は 7 月 1 日から、河北省で開始するとした。
○広州交易会、3 年ぶりの増加へ
5 月 5 日に閉幕した「第 119 回広州輸出商品交易会」は、来場バイヤー数と成約高が 3
年ぶりに前期比の減少から微増へ反転した。主催者の発表によると、今回の広州交易会へ
来場した海外バイヤー(登録数)は 210 カ国・地区の 185596 人で、前年比 0.43%増加し、
輸出成約高は延べ 1822 億 8800 万元(約 280 億米ドル相当)で、同 0.1%増加した。海外バ
イヤーの構成比を見ると、
「シルクロードと洋上シルクロード」沿線国家の増加が目立っ
て、全来場者数の 43.97%を占めている。一方、先進国及び伝統的輸出相手国では、米国
(2.6%増)
、カナダ(2.54%増)
、EU(0.77%増)などが全般的に安定な様相を見せてい
る。
○「越境 EC」通関手続きの改定、1 年間の実行猶予に
4 月 8 日から実施を開始したばかりの「越境 EC」通関手続きの改定は、事業者からの反
発と消費者の発注数激減等を受けて、一部地域で 1 年間の実行猶予と決定された。4 月 25
日の夜、財政部は「越境 EC による小売商品の輸入にかかる過渡期の監督管理措置に関す
る財政部関税司責任者の談話」を公開し、国務院の批准を得て、
「越境電子商務小売輸入
商品リスト」
(第一弾と第二弾を含む)の関連規定について 1 年間の実行過渡期を設ける
旨を税関及び質監総局へ通知した。越境 EC の試行認可を早期に取得した天津、上海、杭
州、寧波、広州、深せん、重慶等の 10 都市に限り、2017 年 5 月 11 日までの過渡期にお
いて、保税倉庫入荷時の通関伝票の審査を不要とし、化粧品、赤ちゃん幼児向け調剤粉ミ
ルク、医療器械、特殊食品(健康食品、特殊医学用途調剤食品等を含む)の初回輸入に際
しての許可書類、登録または届出を要求しない。但し、4 月 7 日に改定した税率及びポジ
ティブリストの規定は維持する。
○新エネルギー自動車への投資、過熱気味か?
2015 年 1 月から 2016 年 3 月にかけて、新エネルギー自動車の新規プロジェクトは 30
件を超え、予定投資総額が延べ 1000 億元超、計画生産能力が延べ 300 万台と伝えられて
いる。近年から、中国政府は一連の措置を打ち出して、新エネルギー自動車の開発や使用
普及に力を入れてきた。それを受けて、新エネルギー車はホットな人気産業になって、国
内外の自動車製造企業は新規投資や拡大投資が目立っている同時に、一部大手 IT 事業者
もブームに乗って、新エネルギー自動車の開発製造を自社の発展戦略に盛り込んで、相次
いで進出してくる。工業及び情報化産業部によると、2015 年、中国新エネルギー自動車
販売台数は 50 万台に近くなった。一方、製造業が全般的に不景気になった背景で、地方
政府は地方経済の牽引役を新エネルギー自動車へ期待して、
「自動車産業パーク」の建設
に熱意を注ぎ、各地ではプロジェクトが乱立し、バブル化の懸念が高まっている。
○土壌汚染の対策に関わる政令を発布
国務院は「土壌汚染防止対策行動計画」
(俗称「土壌 10 か条」
)を発布した。2020 年に
中国全土の土壌汚染深刻化の進行を抑制し、土壌環境品質の全般的安定化を維持し、農業
用地と建設用地の安全性を基本的に保障し、土壌環境リスクをコントロールできる目標を
掲げ、土壌の汚染調査、汚染退治の法律整備、未汚染土壌の保護強化、土壌の除染と修復
などを含む取り組みを明記している。2013 年の「大気 10 か条」、2015 年の「水 10 か条」
の発布に続き、土壌汚染対策の発布及び実施によって、土壌環境の整備をめぐる産業チェ
ーンが形成し、大規模なニーズが期待される。
○上海ディズニーリゾート、年間売上げが 330 億元の見込み
大手オンライン観光事業者である携程(Ctrip)はこのほど「上海ディズニー観光報告」
を発布した。それによると、同リゾートにおける中国各地の観光客の 1 人当たりの消費金
額は 2219 元前後で、仮に年間来場者数が延べ 1500 万人とすれば、売上げ総額は 330 億元
超えの見込みである。現在まで、同社が予約を受け付けたディズニーリゾートを含んだ団
体、個人及び入場券商品のデータをベースにして、今年の来場者数は約 730 万人と推定さ
れる。また、1 人あたりの消費金額では、北京、成都、広州、瀋陽などの長距離都市から
の観光客が 2500-3000 元で、一方、ローカルの上海や近所の江蘇、浙江省は同 1200 元前
後だった。但し、生活水準の向上に従い、観光客は価格よりも快適さを求める傾向が強く、
5星と4星のホテルや団体商品を選ぶ比率は全体の9割を占め、3星のエコノミプランを
選択したのが1割未満と報告されている。
○化学品の事故予防を強化、危険な企業は生産停止も
国家安全生産監督管理局は、危険化学品や花火、爆竹による大事故を防止するため、各
地の政府に向けて通知を発布した。それによると、企業がホスゲン、液体塩素、液体アン
モニア、硝酸アンモニウム、硝酸グアニジンなどの危険化学品を扱う場合、その保管場所
と周辺環境との距離が安全基準を満たさなければ、操業を認めない;学校や幼稚園、病院、
高齢者施設、交通施設、商業施設、文化施設、観光施設、住宅密集地などの周辺に所在す
る企業は、安全リスクを低減できなければ、生産停止や移転または閉鎖などの強制措置を
取る規定も盛り込んでいる。また、各地の政府には、それぞれの管轄地域で、危険化学品
と花火、爆竹のリスク状況を正確に調査して把握し、リスク分布状況をデータベースにす
る事を求めている。
○2020 年まで、個人の海外資産取得が 13 兆元増加か
中国経済の成長鈍化及び不動産市場のリスク増大を懸念して、海外投資へ目を向ける富
裕層が増えている。興業銀行とボストンコンサルティング社は北京で「中国プライベート
バンク 2016 年度報告書」を発表した。それによると、現在、中国の個人資産における海
外資産の割合は 4.8%と低いものの、2020 年まで、それが 9.4%に上がり、新規増加の市
場規模が 13 兆元になると予測した。2015-2020 年、富裕層が投資に使用可能な金融資産
は年間 15%増加し、同期間 GDP の予期成長率 6.5%を明らかに上回る。また、2015 年に
発生した中国の金融・投資市場の激動によって、富裕層は投資多角化の意欲が一層強まっ
て、海外資産の取得へ関心が高まっている。
○2015 年の EC 取引高が 20 兆元超、前年比 27%増加
中国国際電子商務センターは「2015 中国電商(EC 事業者)報告」を発表した。2015 年
に中国の EC(電子商取引)による取引高は前年比 27%増加の 20 兆 8000 億元に達し、そ
の内、インターネットによる商品の小売総額は 3 兆 8800 億元で、同 33.3%増加した。イ
ンターネットによる商品の売上高は社会消費財小売総額の 10%強を占めている。2015 年、
小売業が販路拡大の一環として、オンライン販売のシェア拡大に力を入れ、BtoC 事業者
の比率が始めて CtoC を超えて、51.9%になった。また、商品に限らず、飲食、家政サー
ビス、自動車レンタル、医療などのサービス分野も急ピッチの展開を遂げてきた。
○健康食品の登記・届出、7 月 1 日から新規定を施行
「健康食品登記及び届出管理弁法」は 7 月 1 日から正式な施行に入った。新規定は先ず、
健康食品の登記・届出の主体を生産企業に限定し、協力企業から産品批准書類を入手し生
産を下請けする OEM 生産方式は認めないものとした。また、同一の企業は同じ成分配合を
持って、名称の異なる健康食品を登録し、あるいは同じ名称を持って、成分配合の異なる
健康食品を登録してはならない。そして、健康食品には不実、誇張、絶対論的な用語、予
防や治療効果の明示または暗示など、消費者の誤解を招く用語を使用してはならないと明
記した。国家食薬監総局によると、現在、健康食品の批准書類は国産品が 15793 件、輸入
品が 749 件ある。
○7 月 1 日から、海外食糧の輸入に許可が必要
「出入国食糧検疫検査監督管理弁法」は 2016 年 7 月 1 日より実施される。それによっ
て、許可を取得しなかった海外の食糧は中国市場へ販売できなくなった。
「弁法」は、中
国向けの食糧輸出は、リスク分析に合格し、かつ輸出元の公的機関によるリスクコントロ
ール措置が取れるものでなければならない;輸出企業は中国側が要求した品質要求を満た
す責任があるなどと規定した。また、リスクを抑えるため、市場進出の規制及び検疫許可
の制度を導入する。
○上半期の外資導入、全般的に成長維持
商務部の発表によると、1-6 月で、新規設立の外国投資企業は前年同期比 12.5%増加の
13402 社、実行ベースの外国投資金額は同 5.1%増加の 4417 億 6000 万元(約 694 億ドル)
となった。実行ベースで、上位 10 カ国・地区からの投資金額は全体の 94.6%を占め、シ
ェアが前年同期比 2.8%拡大した;進出地域別で、西部地区は同 29.5%増加、東部地区は
7%増加となった。大型案件は多く、投資総額が 1 億ドルを超えた新規設立の案件は 380
件、1 億ドルを超えた増資の案件は 210 件だった;M&A による外資進出は同 5.2%増加の
674 件で、金額は同 14.2%増加の 921 億元(約 140 億ドル)に達し、伸びが目立っている。
産業別で、サービス業は前年同期比 8%増加、製造業は同 2.8%減、また、サービス業へ
の外資導入金額は全体の 70.4%を占め、製造業を大幅に上回っている。外資進出が急伸
の分野は、情報技術(305.9%増)
、デジタルコンテンツ及び関連サービス(67.9%増)
、
研究開発及び設計関連(34.9%増)
、医薬製造(107.8%増)
、医療機器設備及び計装機器
製造(74.9%増)などがある。
○商標登録、便利化改革を推進
国家工商総局は「商標登録便利化の改革推進強化に関する工商総局の意見」を発布し、
インターネットや地方局での受理を逐次に導入して、2017 年から、インターネット、申
請人所在地の商標受理機関または商標局の登録受付窓口のいずれかによって商標登録が
可能になる。今年から、四川省雅安、浙江省台州は地方局での商標登録申請受理の改革試
行を開始し、地方の管理機関が商標受理の窓口を設置し、業務を代行する。また、北京以
外の地方で、商標審査協力センターを設立して、商標審査等の業務を分担する。そのほか、
インターネットによる商標登録申請は、適用対象者を商標代理機構から、すべての申請人
へ拡大し、申請内容を商標登録から商標権利の延期、譲渡、抹消、変更などの業務へ拡大
する。
○下げが止らぬ国有企業の収益性
財政部は 2016 年上半期の国有企業の運営実績を発布した。1-6 月で、全国の国有企業
及び国有資本支配企業の売上総額は前年同期比 0.1%減の 21 兆 3875 億元、利益総額は同
8.5%減の 1 兆 1272 億元で、その内、中央系企業は同 9%減の 7983 億元、地方国有企業
は同 7.1%減の 3288 億元となった。6 月末時点、国有企業の資産総額は同 15.2%増加の
125 兆 9539 億元、負債総額は同 17.8%増加の 83 兆 5497 億元だった。業種別の収益性で
は、医薬、建設工事、不動産は前年同期比で大幅な増加を遂げた反面、石油、化工及び石
油化学は大幅に下落し、鉄鋼、非鉄金属等は赤字のままだ。一方、石炭業界の国有企業の
黒字転換は注目を引いている。
以上
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