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光クロスコネクトシステム
通信ネットワーク技術 光クロスコネクトシステム (OXC)の開発 閉域ブロードバンドシステム (マンションITキット) NTTネットワークサービスシステム研究所 NTT未来ねっと研究所 近年のIP系トラヒックの爆発的な増加に対応するため、これまで NTTアクセスサービスシステム研究所 ブロードバンドインターネット環境の構築に向けて、光ファイバ にない新しい技術を駆使した革新的なネットワークシステムが求め の布設を地方自治体や企業が行う例が増えてきています。しかし、 られています。そこで研究所では、波長を単位とする光パスの概念 ネットワークの品質性能は通信事業者が提供する設備には及びません。 を導入したフォトニックネットワークの研究開発を進めてきました。 このような動向に対して、ユーザの利便性の向上とブロードバンド 今回、高信頼性、高安定動作が特長であるPLC*1光スイッチをベース 環境の推進を目指した新たなユーザ側のネットワークの仕組み作り としたトラヒック需要の増加に柔軟に対応できるよう増設性に優れた を検討する必要があります。 今回開発したマンションITキットは、特定地域(エリア)を対象と 2 光クロスコネクトシステム(OXC* )を開発しました。 このOXCは、8入力×8出力から64入力×64出力まで8入力×8 してユーザネットワークを光ファイバにより構築するシステムです。 出力単位で需要に応じてスイッチ規模を増減設することができます。 ユーザ主導でマンション、学校など各拠点から光によるブロード コアスイッチファブリックには、PLC光スイッチをベースとした バンド環境を推進します。マンションITキットは、研究所が開発した DC-SW* 3構成を採用し、インタフェースで収容した信号光を電気 光映像伝送技術、PDS*伝送技術および劣悪な環境での運用技術、 レベルではなく、光のままクロスコネクトします。10Gbit/s 高度なオペレーション技術など、NTTのキャリアグレード技術を 4 5 6 7 (STM* -64/OC* -192)のSDH* /SONET* インタフェースを 備え、ルータや既存SDH伝送装置などとの接続ができます。 効果的にユーザネットワークへ展開しました。 これらの技術を用いて、高速通信環境を提供する100Mbit/s高速 複数のOXCは、光ファイバ伝送路もしくは既設WDM* 8伝送路を 通信機能、地上波放送から衛星放送までのすべての周波数帯に相当 介して接続され、任意の2つのOXC装置間にSTM-64/OC-192 する2.6GHz帯に渡る広帯域な映像伝送機能、監視・制御に適した 信号を収容する光パスが定義されます。光パスは冗長系の有無に 最低帯域保証を持つ通信機能の3つの機能要素を実現しました。それ より2つのグレードを設定することが可能です。冗長の方式は、故障時 ぞれの機能は、ネットワーク規模、要求機能が多岐にわたるユーザ の信号復旧を高速で実施することができる1+1光プロテクションを ネットワーク環境に適応するため、ブロック/パッケージ単位で 採用しており、50ms以下での運用系/予備系パスの切り替えが可能 機能の追加・削除や増設・変更が可能となるよう機能独立性を持たせた です。複数のOXC装置および光パスは、監視制御装置により遠隔監視 キット化アーキテクチャを実現するとともに、それぞれの機能を 制御されます。 光波長多重伝送することによってユーザの光ファイバ設備を最大限 今後は、レゾナントネットワーク環境の実現を目標とし、クロス コネクト容量の大容量化、装置の小型経済化とGMPLS*9概念の導入 有効に活用します。 今後は、音声通信機能やセキュリティ機能など機能をキット化する とともに、高速通信環境を生かしたアプリケーション技術と連携する などの開発を行っていきます。 ことによって光ユーザネットワークを基盤とした地域コミュニティ *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 PLC: Planer Lightwave Circuit OXC: Optical Cross Connect DC-SW: Delivery and Coupling Switch STM: Synchronous Transfer Mode OC: Optical Carrier SDH: Synchronous Digital Hierarchy SONET: Synchronous Optical Network WDM : Wavelength Division Multiplexing GMPLS: Generalized Multi Protocol Label Switching の形成を目指していきます。 * PDS: Passive Double Star ●マンションITキットによるマンション構内ネットワークイメージ マンションI Tキット 映像送信装置 ●光クロスコネクトシステム(OXC)の概要 光ファイバ マンションI Tキット 宅内装置 光ファイバ伝送路 (既設WDM伝送路) 遠隔光パス 監視制御 (VHF、 UHF、 BS、 CS) 光パス ルータ 既存SDH装置 DCN* 1 OXC装置 監視制御装置 アンテナ付近室内 マンションI Tキット 構内装置 インターネット チューナー&TV O/E UNI HA(Home Automation) UNI*2 UNI フォトニック ネットワーク UNI ・10Gbit/sの光パスを提供 ・50ms以内での光パス救済 ・既設DWDM*3を介した光パス網 ビル内光幹線ケーブル 各住戸 映像伝送装置 10Mbit/s通信装置 (監視・制御信号伝送) 100Mbit/s−IP伝送装置 MDF室など インターネット *1DCN: Data Communication Network *2UNI: User Network Interface *3DWDM: Dense Wavelength Division Multiplexing 管理会社/警備会社 19