Comments
Description
Transcript
抗体を用いた有害赤潮生物のモニタリング
畷、1急 これからのI 緯 職露 零;lIiiii霧 .、jil1 MIliji ;jlIW鞠識i露i蕊蝋蕊蕊 覇蕊罷 特集「これからの赤潮学」に寄せて 今井一郎 鎚騨世, ii蕊鍵: 沿岸域においては,河川が流入するところでは平 野が発達することから人口集中が生じ,それに伴っ `恒例のことになりつつある3)。 て活発な人間活動が営まれる。すなわち,生物とし て国際的にも認識され,政府間海洋学委員会 有害有毒赤潮の問題は,重要な海の環境問題とし ての人間は食物の摂取と排泄を行い,また様々な物 (IntergovernmentalOceanographicConⅡnission:IOC) を生産消費する。その結果,大規模な廃水の流入に においてもThelOCHarmfnlAlgalBloomProgramne として取り組まれている。また,海洋研究科学委員 よって沿岸水域の富栄養化が著しく進行する傾向 がある。この問題は,先進国,途上国を問わず世界に 共通するものであり,このような観点から地球環境 会(ScientificCommitteeonOceanicResearch:SCOR) 問題の1つとして位置付けることができる')。海域 (IOC-UNESCO)の共同で,G1obalEcologyand の富栄養化により,窒素やリンといった栄養物質が 豊富に存在するようになると,この環境変化に敏感 に反応して海域の基礎生産者である微細藻類が大 OceanographyofHarmfUlAlgalB1ooms(GEOHAB) Progranmeが取り組まれ,赤潮発生機構の解明や予 量に増殖するようになり,しばしば海が着色するよ うになる。このような海水の着色現象は「赤潮」と呼 策定し提供している。さらに,北太平洋(北緯30度 ばれる。現場海域で観察された赤潮の例を図1に紹 学機構(NorthPacificMarineScienceOrganization: 介する。富栄養化した海域で最もポピュラーなのは め,春~秋季に沿岸域で普通に発生する。赤潮の名 PICES)においてもHarmfUlAlgalBloomSection (HABSection)が設置されており,毎年の会合でナ ショナルレポートが報告され,有害有毒赤潮に関 はこの夜光虫赤潮に由来する。夜光虫は学名 するワークショップやシンポジウム等が持たれて (/VDcrj/"cqsc〃j"α"s)にあるように,波や生物の遊 いる。その他には,各国の有害有毒赤潮の発生事例 泳等の刺激によって神秘的なリン光を発する。 について共通のデータベースを構築するための努 珪藻赤潮である。夜光虫赤潮は文字通り海を赤く染 と政府間海洋学委員会一国連教育科学文化機関 察に向けて取り組むべき研究について研究計画を 以北)に面する6ヵ国で構成される北太平洋海洋科 チャールズ・ダーウィンがビーグル号に乗ってブラ 力が為されている4)。因みにPICESの名称は,北 ジル沖を航行していた時,「リン光で明々と輝いた 大西洋20ヵ国で構成される海洋探査国際委員会 海は,素晴らしく,最も美しい眺めだった」と日記に 書いたとのことである2)。コクロディニウム赤潮 は,近年,日本だけでなく韓国でも猛威を振るう。韓 国沿岸で発生した本種の赤潮が,日本海沿岸の府県 (InternationalCouncilfOrtheExplorationoftheSea: ICES)を意識して,その北太平洋版(PacificICES)と にまで運ばれて沿岸の魚介類を蕊死させることも, Prefaceforthespecialtopicoftheforefrontofstudieson harmfUlalgalbloomsinJapan のことである。 わが国では,水産庁や環境省,文部科学省の研究 助成がなされてきた。古くは赤潮研究会が組織さ れ,大学や国,自治体の研究者達が活発に活動して いた。現在も水産庁の委託事業等が継続されてい る。これらの成果として,赤潮に関する書籍がかな lchirolmai/DivisionofAppliedBiosciences,GraduateSchool り多く出版されてきた5-23)。今回の特集は,これま 科応用生物科学専攻海洋環境微生物学分野) でに取り上げられていなかった新しい研究のアブ ofAgriculture,KyotoUniversity(京都大学大学院農学研究 A9z4abioノo8yoSeibutsuKenkyushaCo.,Ltd. 海洋と生物蝋l721voL29no512007403 鱸これから…警鐘轍 鑿 の ■■ Eヨーヨー~可「 ̄1 凸」 ローチの結果や,以前に比べて格段に進歩した研究 Ⅱ 缶■ PRK,噂ゥ 鈎翰秤q 。,■E;自 ・FA の ⑪、牢 ,i4自警熟 Ⅱ 戸 =&Ⅲ {し鈩 IM1MMIl」 L 切。. 0口 P あれば望外の弊びである。 引用文献 ロ中 咄 る。赤潮研究の新たな展開に少しでも資することが 。 、,7.F等身ロ汀 ▲ について,気鋭の若手が中心に執筆したものであ 急I 蕊 d w蝿 上 l)今ブ|:一郎:海を守る-瀬戸内海における徽栄養化と有害有瀧 赤潮の発生.I、:地球珊境学のすすめ(京ilflりく学地球環境学研究 会編箸),九瀞,叩j(,pp、200-216,2004. 2)レイチェルカースン:われらをめぐる海(}|F実男:訳).319pp, 早川書房,東京,1977. 3)宮原一陸・氏艮介・llllll東山・松)'二芳碍・ili川哲也・鬼塚lIilU: 2003年9)1に11本海l」1陰沿岸海域で発l1LたCOC/'/o〔ノノノ!I!("’ ノ〕・ノjW・iAoj〔/esMllrgKIIef赤潮,l]本プランクトン学会報,52: 11-18.2005. 留 L」 4)今ij1:一郎・板愈茂・渡辺康窓・灯)||】IilI・祇代康夫:PICES有寄 口」 磯iw-w識…r-… iL「蔵微細藻類部1111における[1本の対応状況,日本プランクト ン学会報,52:50-53,2005, 5)花岡賢・入江春彦・上野福三・飯塚11N二・岡市友利・岩'1Hf英雄: 内湾赤Flillの発4k機棚.lO5pp,Ll4に水産資源保該lMi会ロ東京, 1972. 6)IJlIm友逝:赤潮.198pp,識談社サイエンティフィク,jに京, 1976. 7)岩llIif英雄:赤iIli1-その発生に関する諸1MⅡlln-.126pp,海洋,ll ■ ユ -1} lllL東京,1976. 8)村上彩男・小1llVjill足・木イ;ilクiⅡ|(|j・半111V史郎:Niji戸|ブリ海の赤i1lリ|ハン ドブック.213pl],瀬戸lノリ海水産|)M発lili祇会,神戸,l98q 9)赤i1lリI研究会編集委員会(編):赤iilllに1%する近年の知見と研究 の問題点.274ppI1本水産資源保誠協会ロ東京,1980. 10)日本水産学会(綱):赤潮一発生機椛と対策.l43pp,恒星社厚 生闇,東京,1980. 11)'-1本水産学会(綱):7丁赤プランクトンー発生・作川機#'1・輝成 分.l35pp,Ifi星社jljr化llll,来京,1982. 12)福代康夫(i11,,i):L17lfプランクトンー生物学と生態学.l25pp,li:【 星社厚#kl机)に京,1985. 13)[1本水産資源保誕協会:赤潮生物研究指針.740pp,秀和,東 京,1987. 14)岡市友利(縮):赤潮の科学.294pp,lTi星社厚生間,東京,1987. 15)門田元(綱):淡水赤潮.290pp,恒星社厚生闇,東京,1987. 16)福代康夫・筒1UiI秀llr1・千原光雄・松llYU!」1兆(iM):1コ本の赤iii1l化物 一写真と解説一.407pp,|ブリ、老協lllil,Ⅱ〔京,1990. 17)瀬戸内海の赤111リ|プランクトン.111:'1海洋24(1):1-73,海洋Ⅱ」, 図'1 日本および韓国で発生した赤潮の写三 A:2007年811611に大阪湾の淀川ililljⅡ・近で観察され た確藻赤潮。透lリ1度は約1m。 B:2007年6112511午後8時頃,夜光山川〈11Mの発生し ているtlI勢湾をiILTl「方而に向かって川M堂する熱水メLよ り観察されたイjDt山の発光。波の,|iⅡ激によって発光す る。三頭大学1111トド'1リ[し氏の提供による。 C2006年8月711にI肺国腿水llfi「11で棚察された有害渦 #1毛藻コクロディニウム(COCノノノ。(ノノ"j,""ノ)。Mデノゾハ・たんS)赤 }1M.赤潮水と非赤1111叩l<の境界がIリ]暗にlXIリリできる。 D:Cと同じ'1に赤illリ1発唯水域で赤111リlMlX除のために粘土 Ii1(「1丁を行っていたり,リ「]船。鍵il1【業-iPfの班iilIjで,'1}動する。 404海洋と生物I72voL291'0.512007 版1京京,1992 18)石111祐三郎・菅原lr1i(綱);赤潮と微生物一理境にやさしい微 化物農薬を求めてユ26pp,恒星社厚ノヒ141,Jに京,1994. 19)liW市友利(編):赤潮の科学第二版.337pp,恒星社厚生閲,東 京,1997. 20)イTljl祐三郎・本城凡夫・if1代康夫・今ソ|:一郎(綿):有害・有毒赤 i1Iリlの発生と子クilル〕ろ察.256pp,n本水醗資源保誠協会,東京, 2000. 21)行瀧微細藻類.「11:'1海洋33(10):685-749,海洋出版,東京. 2001. 22)広:1(TIIl1互・今ヅ|:一郎・石丸隆(編):有害・有藤藻類ブルームの ~r防と駆除.l50pp,,M星社厚生闇,東京,2002 23)今ルー郎・福代康夫・広イTI111互(編):貝諏研究の最先端.l49pp, Iri晶祉厚」k間,」I〔京,2007. ■ ■ 搗宅 露篭■ il1 i1Il i鶴 l《に:,::」:!■L:,:f1:L:。>:f1p::]掌!=!:《ロ:ロヨロ::( ::f_:.$↓=;\_:!:.↓:-7'も:可:::」2;:13-:f:=;:t:」:121:, 抗体を用いた有害赤潮生物のモ 鱗 ニタリング 白石智孝・今井一郎 △Ⅱ。、。‐→。》い■し“九叱弄 ..Ⅲ,蔽灘畿溺 岳Ⅱ)熱蕊 ‐|引一“・紗(外分②平 い》Ⅱ|‐|紗r》■。(や》 へ騨一》》潔一 瀧羅蕊韓簿 群》》密》 瀧」‐幹]Ⅲ蕊毯鞘 j一》剖皿識密》{》》》》》 川一釦一》》》]Ⅲ品呼》午( {騨森》》》 ・汁・抄,死へ騨群 邪叩.‐鐘辮韓 ・・・‐』雑然』騨群 鍾鐸癖鐸 ←Ⅱや幾W坤呑稚沮説〉、 }岫蕊蕊鑑 ・・・蕊’叩⑫藍c 帝‐》癖》擁》鐸鐸 ←》》》辨鍔》鍔辮 織》一》辮糯 算鱒》飴§堺 →“。》‐》歎粋謎〈》 一・。』山平》+‐》品騨wX 織辮辮騨 一一》》》》》鍵 …..←’;亀 。“‐.Ⅱ蜂舗]捗令平 銭‐》】+→〉〉齢統韓 ‐|‐|小諺‐淵→〉韓へ 辮難辮辮 麹午鍵錘歸 一J》へ』w叩栖》雄秒ww -M灘織譲 一川・咀籾w蛭鞍群 一Ⅱ『『却却。》恥{幹Ⅲ》》 一m一叩》》》》》》冊》》》 wlm-‐困・唖蒋峨坤 .。|・‐瀞辮鞠斡 皀帥‐紬。浮心》淵心血 .’.’‐妙L軒・詫士PH 宮宮川}。‐却叶蛆》争迅叶革] 『》‐帥‐綜絡鞭媚〈器》 ‐。ⅡwJw午戦魂群← ‐Ⅱ‐い←‐》〈丹響韓無 |→’八・mや牝配分一小叫( ■一Ⅲ■》 》 》 濾過濃縮の後に観察が行われる場合もある。現場試 料中には多種多様なプランクトンが多数存在する 有害赤潮は世界中の沿岸海域で発生するように ため,赤潮藻を見落とすことも多い。また,濾過濃縮 なり,その原因生物は珪藻,渦鞭毛藻,ラフィド藻な は細胞の破損やフィルターへの吸着を引き起こす ど多種多様である])。有害赤潮は養殖及び天然魚介 ことがあり,細胞密度を過小評価するケースが多 類の大量整死を引き起こし,甚大な漁業被害を与え かった。さらに,光学顕微鏡下での赤潮藻の種の同 てきた。赤潮による被害の防除策として,様々な物 定は,主に形態やサイズ,遊泳様式等を基準に行わ 理的,化学的方法が考えられてきたが,コストや生 態系への影響等の問題から実際の赤潮防除に応用 鏡下では識別不可能な類似種も多く存在するため, された例はほとんどない。近年,赤潮藻を特異的に 精確な同定と計数は困難であった。 殺滅する細菌が海水中や海藻表面に高密度に存在 ■ 、。jwl‐口岫ロ純一和#社 、 ‐‐》一癖←叩←津(や 1鱸はじめに 通Ⅲ》辮燕一 一一・。】‐0$》叫乢】十出 一‐〉へⅡ》》》》》》 土‐》‐|:.・ず【(・〆 ‐・型溌、》訳ふい H’鵠ユー引鞠}ぺ‐》今 、..F一.い,影・平’辞N 稗‐「巾Ⅲ》訓壹型小吋汗( ;一・‐・】踊轄黙 壹凸】‐一W壹咄》》》拙》》》 ‐一‐一‐》.Ⅱ.』。“‐叱鉾叩』》》 】。」騨離‐》』い韓澤 燕‐十‐鴬へ篭 .調蕊韓灘 一‐‐一‐》》‐斜無》歎韓 ‐心Ⅲ叩←総熊幹織韓 u群釧・仏一誌隷幹無 Ⅲ.←‐誹韓緊伊 一‐総論議‐》]》韓 →‐癖Ⅱ蝋巾》》沖》蝦 十‐‐.Ⅲ謡無縛謡( 眼》‐穀』軒。》【》》紙]ww独 ‐|‐・岬一議離錘鞠 蒔鉾鐸》蒋 舞鰍然‐鍔辨罐咀 紳・‐←Ⅱ鏡‐騨騨瀕吊 ←)’一川鐇》辮辮 .?難‐+舎呼瀦潅難 壺.》態憩鐡熱 蕊鰯jiiiilL lF9】鐘辮議辮騨ら燕翰 れてきたが,経験や熟練を必要とする上,光学顕微 我が国では,様々な地域で沿岸漁業や養殖業が営 することが明らかとなっており2,3),それらの殺藻 まれている。赤潮藻のモニタリングは日本中の内湾 細菌を用いた生物学的防除法が注目を浴びている や沿岸域で必要とされており,特に赤潮が発生する が,未だ実用化には至っていない。したがって,養殖 時期は各現場で複数の定点を設けて高頻度に行わ 海域で赤潮が発生すると餌止めや生贄の避難と れる。赤潮藻の増殖に適した環境では,赤潮藻は盛 いった消極的対策しかとられていないのが現状で んに細胞分裂を繰り返し,急速に個体群を増大させ あり,赤潮の発生をいかに早く把握するかが被害軽 る。さらに,風や潮流によって細胞が集められ突然 減の鍵となっている。赤潮発生の初期過程を把握す 赤潮が形成されることもある。したがって,赤潮藻 るためには,赤潮藻のモニタリングを行い,個体群 を低密度時から精確に同定,計数でき,かつルーチ 動態を明らかにする必要がある。そして,発生予察 ンワークに適用できる簡便,迅速なモニタリング方 を通じた赤潮被害の軽減には赤潮藻と環境要因の 法が求められている。 モニタリングが不可欠である。 従来の赤潮藻のモニタリングは,現場海水を採水 2鍵抗体を用いた有害赤潮生物の検出 形態的に同定が困難な生物を簡易かつ迅速に同 後,海水中の細胞を光学顕微鏡下で観察,同定しな がら計数するというものである。観察に用いる試料 定する方法の1つに,抗体を用いた検出法がある。 は1m/程度で,低密度の時はフィルターを用いた 抗体は免疫動物(マウスやラット等)の免疫反応を 利用して得られ,目的生物を特異的に認識する抗 Monitoringofharmftllredtidemicroalgaeusingantibodytech- 体を作製することができる。抗体を用いた識別.検 nlque 出法は特異`性が高く,微細藻類や細菌の検出に用 TomotakaShiraishi,IchiroImai/GraduateSchoolofAgri- culture,KyotoUniversity(京都大学大学院農学研究科) Keywords:antibody,HCjemccJpsqcj'℃"ノarjs9"α"zα,Indirect Huorescentantibodytechnique,Monitoring,Overwintering, populationdynamics,Redtide A9LlabioノogyoSeibutsuKenkyushaCo.,Ltd. いられてきた2,4)。抗体法を用いた有害赤潮藻の識 別.検出に関しては,これまでにラフィド藻の C/、がo"eノノα属5-7),渦鞭毛藻の肋""jα〃叱加otoj8), GWodj川'"α"”oノ"m9)について報告がなされてき 海洋と生物鱗l721voL29no512007437 畷これからの赤潮警鐘露 揮魚‐鋼会ノリT増、…:,布蕊・熱$'千鞭⑤、担鏡-F籍~鐸きい誇躬Ⅱ餌勺、盃露・~ ̄鼠』鏡・嬬・繍出賢鐵も・坪撮り§-イリ甲塘、.`ずPい…バーh・鬮縣へ。“F引き綜弟・fU漁,、衡濁割撞?鐸卜.鐸騒鰕鐸馳?鋪?ザル鐸WW??.PペPl4P&手鯲臼!極3,…侭2F曲琶ぃ鶚F鐘>・rf1製?、aqV?;!、帯..ご錘,円、`溥《???1,2?ツHP;段'旱?金、戸句学、"。■屯 た。それぞれの赤潮藻種に対して特異的な抗体が作 〃・cml〃/Mlamaは,魚類には全く影響を及ぼさ 製され,その反応特異性が試験された。赤潮藻以外 ず,本来植物プランクトンの捕食者である二枚貝 にも,有毒種のA/eXaMrmm'qmare,ZSe1o), (カキ,アサリ,真珠貝等)を殺してしまうというユ G)wz"M"〃〃Care"qtLlmu),P!/iiesjMapiscicjda12), Ae脚do-"jrzsc加川"ge"s'3)や,Browntide形成種の Azlreococc"sq"op/Zag&ノツセグe"sl“5),単細胞藍藻 Sy"eChOCOCCmSSPp16)など,様々な微細藻類に対して ニークな特徴を持つ18,19)。本藻は1988年,高知県浦 抗体を用いた検出法が報告されている。しかしなが 県英虞湾においては真珠貝を大量難死させて約30 ら本法を用いて現実に定量的に現場の微細藻類の 億円の被害を引き起こし21),1998年には広島湾に モニタリングを行った例はんα,zop/m8qゲセだ"sや Sy"echococcJlsspp・に関する研究を除いてほとんど おいて養殖カキに対して約40億円にも上る蕊死被 なく,継続的に現場海域で本法を用いて個体群動態 ノ内湾で初めて確認され,以降本藻の赤潮発生は西 日本の沿岸域に広く拡大した20)。本藻による赤潮は 多くの漁業被害を生じさせており,1992年の三重 害を引き起こした22)。本種の大きさは長径20.0~ を調べた例はSwchococc"ssppに関する研究以 28.811m(平均23.91LL、),短径13.8~20.011m(平均 17.31um)23)で,他の赤潮藻と比べてサイズが比較的 外,知る限り皆無である。 小さく,従来の光学顕微鏡下での観察では現場海水 抗体を用いて様々な微細藻類を特異的に検出す 試料中の検出が困難である。また,本種が出現する ることが可能でありながら現場モニタリングに応 沿岸域と同じ海域には形態のよく似た類似種が生 用されなかったのは,これまでの抗体法の研究が, 息するため,光学顕微鏡観察による種の厳密な識別 現場での継続的なモニタリングを意識していな は困難と言える。本種の最終的な同定は,細胞外被 かったからに他ならない。つまり,抗体を用いた有 の最外層に位置する鱗片(0.2叩)の形状確認を基に 害藻類のモニタリング方法を確立するためには,採 するため,透過型電子顕微鏡観察が必要である24)。 水後の固定や濃縮,集藻から抗体反応,落射蛍光顕 この同定法は現場では現実的でないため,本種によ 微鏡観察に至るまで,確実に対象生物種の細胞を回 る赤潮のモニタリングにおいて迅速な対応ができ 収し検出できる方法を開発しなければならない。し ない。本種は細胞表面がフィルターに吸着されやす かし,これまでの報告では,有害種を特異的に認識 いため,フィルター濾過による濃縮には適さない'7)。 する抗体を作製し,その種特異性を試験しただけの そのため,これまで現場水域では,赤潮発生時など 研究がほとんどである。また,集藻方法として遠心 高密度の時にしか本種を検出,計数できなかった。 分離によって細胞を楠集した例が多いが,遠心分離 本種の発生~消滅に至る個体群動態の全貌はほと では最大でも50m/しか処理することができず,低 んど明らかにされていなかった。 密度時の定量に適していない。さらに,一部の細胞 Hci,MMM!α''0αの個体群動態の全貌を明らか が遠沈管の壁面に吸着されたり,細胞から糸状物を にすることを目的として,本種を特異的に識別で 射出して沈降せず上清に懸濁されたままになり,細 きるモノクローナル抗体を用いて間接蛍光抗体法 胞を100%回収することができない場合が多い。こ によるモニタリングを行った。間接蛍光抗体法の内 のように,有害赤潮生物の識別,検出に抗体法が有 容の概略は以下の通りである(図1)。まず,目的藻 効であることは示唆されてきたが,現場におけるモ 腫(今回はHcj'MarjM`α、α)を抗原とする-次抗 ニタリングに有効かどうかはほとんど検証されて 体を作製し,その抗体を目的藻種と反応させる。さ こなかった。 らに,その-次抗体を抗原として作製されたFITC S霧現場モニタリングヘの応用 (Fluoresceinisothiocyanate)標識抗体を二次抗体と して反応させることで,目的藻種を標識することが 近年,Shiraishieraノ.'7)はモノクローナル抗体を用 できる。落射蛍光顕微鏡を用いて青色励起光下で観 いた間接蛍光抗体法による有害赤潮渦鞭毛藻 察すると,抗体が特異的に反応した部分がFITC由 f/CremccJPsac伽,/αrjs9"α、αの定量的なモニタリン グ法を開発し,現場海域においてモニタリングを継 来の緑色の蛍光を発するため,容易に目的藻種を確 認することができる。FITC標識の有無及び形態観 続的に行った。 察による判断が同時に行えるため,目的藻種の同 438海洋と生物霧l721voL29no512007 月~?,J9~句、.!爵、。_戒憩、.』争ミ群)、卜伊鱒、w即蕊.盛筑・釦鋳`託!;鶏_ず命牛へ;9句蝿.#嫌、.q鰯9、貯悪NhF鰹9弾§鍵斜:鐸財'-.,\9号ドヒ、,鍔喘?能.9繩鷺、.録s>-dqEfl9.,V省器.》鏑、.-日\串,ErE・鐘?,識??iz125pT..“;?M2簿▽:JfPb'・・ヅーバ轟介・戸汽弔平;字〒炭、,゛「去玲1,.'母?、写-毎F、。..-搦巳ママ執・)気宇?覇..,鐸しべ,予忽■、$、-,7弔矛、’』ヂナか・・・~~、 蝉露蘂れからの赤潮学蝿 トに変化することが知られている25)。抗体は,鎧板 定・識別を簡便かつ正確に行うことができる。 を持つ栄養細胞を認識するものと,テンポラリー 培養細胞を用いてモノクローナル抗体の反応特 異性を調べ,モニタリングに実際に使用できるか検 シストを認識するものを作製し,混合したものを 討した。Hcj〃"ノMs9"qmaは鎧板を有する渦鞭毛 一次抗体として用いた。それぞれの一次抗体を抗 藻であるが,環境の悪化によってしばしば鎧板を脱 原とするFITC標識抗体を混合して,二次抗体と ぎ捨て,不動で球形~楕円形のテンポラリーシス した。モノクローナル抗体の反応特異`性の試験に, H、cノノMarjs9"α、α7株,形態が類似した近縁種を 含む渦鞭毛藻12種24株とラフィド藻4種,珪藻 -次抗体(抗Heterocapsa -… 乳 4種,緑藻1種,ユーグレナ藻1種を用いた。 火 各培養株をホルムアルデヒドで固定(最終濃度 0.37%)した後に,間接蛍光抗体法に供した。間接蛍 _録0 鷺… 光抗体法の概略を図2に示す。以下のように藻類細 胞にモノクローナル抗体を反応させ,特異性を調べ 0-亀ノム た。まず,SudanblackBで染めた(青灰色に染まる) …ダ夢…0 c拝畠 、'し 孔径3.011mのヌクレポアフィルターを濾過器に セットした。固定試料を濾過器に注ぎ,約1m/にな -』、9 るまで濾過濃縮した。試料を全て濾過すると,フィ ルター上に捕集された細胞に他の粒子も付着して しまい,抗体の反応を阻害することがあるため,試 料を少し残した。PBS(phosphate-bufferedsaline(-)) =『.「rJf-r」nF 落射蛍光顕微鏡で観察 5m/を添加して2回洗浄した後,再び,試料が1mノ 図1蟻間接蛍光抗体法の原理 程度になるまで濾過した。モノクローナル抗体を添 固定試料 RTC標識二次抗体 lE1iif:j’ 窯 薦 Z や  ̄ 十 窯 窯 ば ハ ーーー [] [)]~20C 窯 P●。。◆ ̄● ̄ ̄-- ̄●●●●●も● 爺 -し =/ 了う -し 無蛍光イマージヨンオイルで封入 倒立型落射蛍光顕微鏡 による観察に供す 濾過し,フィルター上に捕集 図2鐸モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法の概略17) 海洋と生物議I721voL29no512007439 蝿これからの赤潮曝露露 `#蕊鍜騒縛癖:鐵蕊:f灘再議螺蕊蝋翻:鐸):鱗薙辮ヅ蕊?瀞(、懲呈譽鰕鐸蒋蕊:臥癖:鶴翻熱:ペサ蕊搦韓:薑:露:.:?織鐸i、Jャ簿§::鐸\>情lI111i#:薑!;#灘i,;M1;爵Iャ+爵11;P!=辮;;#?11犠將:鰯騨二W111$:111鴇11儀蕊;;!;11蕊:蕪1瀞h鍵シ:蕊;鐸灘鐸鼻鐸騒鐸h鐇鴛:蕊R豐溌ウヒ鰕鱗、 加し,室温(20~25.C)で10分間反応させた。PBS 5mノを添加して2回洗浄した後,再び,試料が1m 程度になるまで濾過した。次に,二次抗体を添加し, 室温で10分間反応させた。PBS5m/を添加して 2回洗浄した後,濾過によりフィルター上に細胞を 捕集した。そのフィルターをスライドグラスに載 せ,無蛍光イマージョンオイルで封入し,落射蛍光 顕微鏡を用いて青色励起光下で観察した。本種に対 してはブロッキング処理をしなくても細胞の検出, 計数に不都合はなかった。 モノクローナル抗体の反応特異性を調べた結果, H、c舵"〃is9"αmαは7株とも観察した全ての細胞 が染色されており,100%陽性であった。栄養細胞と テンポラリーシストのどちらも陽性を示した。その 他の種は,AJejm"〃"msppを除いて全て陰性で あった。H、cノノMq"剛α"zαとAJexα"`伽msppは鎧 板表面上に同じ抗原決定基を有している,あるいは 抗原決定基は異なるが,このモノクローナル抗体は どちらの抗原決定基も認識できると考えられる。し かし,AJexα"d伽mspp.はH、c舵Ll/αrjs9"α、αよりも 明らかにサイズが大きく,形態もより球形に近く, 容易に識別できるため,モニタリングには影響しな かった。以上から,本モノクローナル抗体は主にH ci""ノarjMlqmaを特異的に認識し,形態的特徴の観 察と組み合わせることにより,現場試料におけるモ ニタリングに有効に用いることができると言える。 次に,本法が実際に現場のモニタリングに応用で きるかを検討するため,三重県英虞湾においてモニ なかった場合は合計1/の試料を処理して,観察,計 数を行った。光学顕微鏡を用いた従来の計数法で は,採水試料1m/中のH、cノノ℃"/αrjMJamaの細胞を 光学顕微鏡下で観察・計数することにより,その細 胞密度を求めた。 間接蛍光抗体法による継続的なモニタリングを 行った結果,毎年5月~11月までHcj'MtJ"M`αmα 細胞が検出され,L33cellsノー'という低密度時から のH・cj'MariMJamaの検出が可能であることが 判明した(図3)。一方,光学顕微鏡を用いた従来の 計数法によるモニタリング結果によると,夏季の 高密度時しか細胞を検出できず,103CellM-l(l cellmノー')を超える密度の時でも見落とされる傾 向があった(図3)。以上から,本法は従来の検出法 の約1,000倍の高い感度を持ち,低密度時からの H、c舵"ノarjs9"αmαの個体群動態を把握するために は,モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法が 有効な方法となることが明らかとなった。これま で,様々な有害藻において,lcellmノー1未満という 低密度時からの個体群動態を報告した例は肋花川 〃伽。rojの研究26)以外にはなく,HCj""〃iMJama に関しては最初の報告であった。 4鱸個体群動態の解明 本項では,間接蛍光抗体法を用いたモニタリング によって初めて明らかにされた,Hererocapsa cj,Mα,/叩α",αの個体群動態と越冬に関する知見 について紹介する。三重県英虞湾'7)と高知県浦ノ内 タリングを行い,個体群動態を調査した。2001年4 月~2005年3月まで,英虞湾の赤崎定点(水深8.5 湾27)においてモニタリングを行い,個体群の挙動を m)で月1~5回の頻度でサンプリングを行った。 0,,5m,B-1m(海底上1m)層から,各1ノ採水 英虞湾での調査項目は前項で述べた通りである。 2001年4月~2005年3月の英虞湾赤崎定点にお し,モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法 (図2)と,光学顕微鏡を用いた通常の計数法により 採水試料中のHc舵"/Qrj剛α、αの細胞密度を調べ た。間接蛍光抗体法では,以下の前処理を施した。採 水した海水試料をホルムアルデヒドで固定(最終濃 度0.37%)し,大きなゴミやプランクトンを取り除 くために目合い30叩のプランクトンネットで固 定試料を濾過した。適量(0.1~200m、の試料を濾 過器に注ぎ,前述の間接蛍光抗体法に供して細胞密 度を求めた。1つの試料について3回計数を行い, 3回の計数でHc加川/M`α、αの細胞が検出され 440海洋と生物蟻l721voL29no512007 調査した。 けるH・cj'MarjM`α腕αの細胞密度の経時変化を 図3に示した。モノクローナル抗体を用いた間接蛍 光抗体法によるモニタリング結果によると,2001 年は5月14日に初めてHc加川'j剛α〃α細胞が 確認された(5m層で13.3cellsノー',B-lm層で 6.67cellsノー')。この時の水温はそれぞれ19°C,18°C であった。その後,細胞密度は水温の上昇に伴って 増加し,2001年は7月23日にB-lm層で最高値 1.26×105cellsノー'を記録した(水温23.2°C)。8月 以降,細胞密度は減少し,11月26日に細胞が最後 に検出された(6.67cellsj-I,水温16.4°C)が,12月 一Cロ ー弓 一豆 一皇 一皀 二つ一 一つ『 〈一亀 一亀 熱H一 鯲酔 。 一一一 鍜澤 一一 一 F ロー- 一が 』 ヨ 人▼國翻降津罫卉蕗人〉國燕S岡爾寧鮮餅 .》酬一 Ⅲ 」 璽露 溺画 P""βで。、丘 ● T- 鞠5口が 戸ケー 一息 一日 C 奄勢 ■ ヨ ロ -- 罰0 』蕊糺融 徽岸 》 約 鞠 一豆 一宅 鞠 一一司一気 ◆● ●■■■ s 「(- ■-■ Gn ‐_▲ ̄ 津_ 王心剤 声ゴ =LニニZ =。 , 戸■廿一 。『秘 H-4r- --J ぶ4A 6コ 上 一己 一○一 へ一s 一豆 一息 一皀 一豆 ●の●●■ HEUL 念項 可庁 ■可 当熱 抑← 幻『■4 日 毒 岸● 房 ..、甲=胃u 曄埠 4ロロニ⑮ ● ̄凸●□●け ●か● ̄し● ●’■’■■■ ̄□ P●■Ⅱ■●●'■ +⑧ 薄旦 閂二 F了 ●●●●●タ -J「妹 T 一見 一○二 へ一s 」_ 閂更三 輿ご面 ヰビ乢色Yam 悼。。⑤ 画。①一 ヨ 関。◎、 シ」シ◎。「シ」シ◎□「シ」シ◎□「シ」シ◎ロ「 F円些 知FqF4 「■ 、■ 獣 I see 、や$垣 。岸ロ -.= ■ 餌 …、崖 、一計n日 の ̄⑥。●C● 完一一一 句■H- 宇悔Q士常= = l』 震 ロ 詩麓 -つ=ひ ̄■ 二・画■ ■印・匹毛■□ 壷トュ  ̄ 1 ごm淀爾》、s画伯、血鼎臥奎茜一胖諒匪吠昔砕く 伜J汁。ごs捕眸四s』捕代画戴S憐響酢剖で.① 工弓m-川芭&八蛍】登山罵謎吠昔(因1房日嗣ぷ①・ヨ ・の」}の{‐一.昊前」①・得。0.,血mm-川却訓両四・鶴×]C② 8-』の』「](、日嗣・美節電・moC)酢剖難で汁。@工厘 蒸・雷茜醐洞戸蓮暘庁』】血巨、一川奎二画ご山瓢惑一川 莎庄映苦汁(]・題8一重‐])受莇]望。、)麓】]m』、 、垣蘓》画Cs補、血冊a琶茜一胖莎医吠芦舛〈叶J 汁・国○冨捕EC重令岱画煎S誌鏑嗽引で汁・勘繍』⑭ 皿1』me魚筈鼓盈亘叶Ne研丑創再琶茜一」l岡 眸慈匪吠昔叶昏J汁・垣.、言ミミ菖冒ミ。S奎霄瑚 岡代呉節庁S亜行動弧舛孟囲戦諭□昔(、八三二 一川》美莇ひご、。n厘片S覇三郷一冊H繭強莎医映昔》 受莇強剛三郷、琶茜畷岡強醐三風回戦皿①苦汁・輔 ]Cooに『S覇一m一胖謙匪吠昔がn代興舜ごソo汁・ 撒鳳鵡一川苛ごパー叶筈節戦訓ラ覇翌一川一胖蔚畏各一川 罰〉総代肝替蟻ヨ凹一ぐ○一口しロpm-gS←一一 Ⅱ蛍一)Y珂酢謡蔀で汁巴云捕国、』、ご》⑩四・ 叶図△(、冨邑三国昌》冒官①囲・⑬『)酢呂凹)一Ⅱ引斗。Mm 画一)に団酎可J汁・菰、苦汁奉呈凹醐岡S歳覇濁声 囲煎感垰茸宴蕪一川肝か起・・ミミミ菖冒ミ。S仙巾Ⅱ 昏、]一熊o輔共FM、」ロローヰ)で営寡餅通っ計 岡ぺいキビ乢一)尽珂酢可J汁・噸冊諏ぺ二日代国曰噸 捕巨工州ぺり国斯(、[」Ⅳ、〔。、)ペ瓢。]1画回S篭 訓雪緬謹」己鵡一川苛っぺ一腓.ご宣紺図工1画Sm 針繭再慰補時斬団畔叶う庁蝿削①昔小・ 駅か。’計・碗慨一胖笑鼓功」◎。の酔引回小n代ご》①》 ・ミミミ菌ミミ・引謹S認時一爪代’Uハ苗嵐艸輸其ぺい 〈僻。片靱斗小計S》剛S耕鳳鵡再囲いご〉一川西. ロロ芦ベラ小路)・撒蝿穂。|胖剛柵S笑罰強ざ。、尚 一胖芒。、臥駅ご》ご。、に「ペヱ胖聴園d川叶う代鑑 画.、言ミロ昌倉ロミロご】匡罷刺計斗小代叫削小・筑 醐紐雰一川肝が起・s句ミミ菖冒ミ&S側嵐聴崗筈莇 図山轤川佃洞洲凧〉鵬一、針。小工の(の一dOmbmmC言こむ「一mQこ①ョ、琶茜醐岡S粛覇陽一丘一劃) 細胞密度(celIsノー') 00m 107 St、1 106 台2m ■ ハ ハ 104 AA Iヘ 103 LQ.▲へ._ rYkA-d1 ) 102 召yV-風匡-J・ベヨソミ西~ -口 _/ ’01 VVV iViii r <100 105 (T}の二の。)遡紺塁墨 q P 豆~可 -- ̄ 108 St,5 107  ̄ 106 105 104 二二」 103 102 ( 〆 ロ「 P ■ 101 <100 直  ̄ # ノ R ハ 'V(▲」L /P臼戸 ■ 四世7, h ■§)nW恥JL ノ I HVTミヨLAハノ U  ̄ -- ̄ ̄ ̄ FAJAODFAjAO 20042005 サンプリング曰 図4霧高知県浦ノ内湾における |知県浦ノ内湾におけるHererocapsac/rcuノョノa/Squama細胞密度の経時変化 (Shi「aishietaA27)を改訂) c伽//Ms9“、α細胞が検出された。St、1における これまでHcj,Marjs9"α'"αについては,越冬可 細胞密度と水温は,それぞれ0m層で203cellsノー'’ 能な耐久性シストが発見されたことはない。冬に水 13.8°C,2m層で357cellsノー'’13.8°Cであった。 温が,0°Cを下回らない内湾では,浦ノ内湾と同様 SL5でもH・cjrcul/MS9Llamα細胞が検出された に栄養細胞で越冬している可能性が考えられる。そ (160~200cellsノー'’10.5°C)。細胞密度は,2004 のような海域では,個体群動態の把握のために冬季 年は夏まで低密度で推移した。秋に細胞密度は上 のモニタリングが必要である。前述の英虞湾のよう 昇し,10月6日にはSL5の2m層で最高2.80× な冬に水温が10°Cを下回るような内湾では,本種 l0lcellsノー'を記録(26.9°C)した。細胞密度は11月 は越冬できないと推定される。そのような海域で 5日以降徐々に減少したが,冬も次の春も低密度で は,暖かい海域から本種が移入している可能』性が挙 はあるが細胞が検出された。2005年は冬~夏は低 げられる。いずれにしても,二枚貝の養殖を行って 密度で推移し,春や初夏に検出限界以下になること いる海域では本種の調査,監視が必要である。 があった。夏から秋にかけて細胞密度は上昇し,10 月4日に赤潮を形成(SL5の0m層で最高細胞密 S轤おわりに 度1.23×107cellsノー'’26.9°C)した。赤潮はすぐに 間接蛍光抗体法は,落射蛍光顕微鏡下で細胞を観 崩壊し,11月には細胞密度は各定点で1.6×103 察しながら同定,計数を行う定量法である。した cellsノー'以下にまで低下した。浦ノ内湾においては, がって,対象種に特異的に反応した抗体が発する蛍 〃.α'MMs9"αmqは周年を通して検出され,冬~ 光を観察するだけでなく,細胞の形態,サイズ,葉緑 春にも継続的に検出された。この冬季の期間,水温 体が発する自家蛍光等を観察するので,崩壊した細 は常に10°C以上であったことから,この水域は本 胞や細胞質が漏出した細胞の残骸,非特異的な蛍光 種にとって生存可能な環境であり,栄養細胞で越冬 を計数対象から排除することができる。前述のよう できると結論される。そして,越冬細胞が翌年の赤 に,採水試料中の細胞をフィルター上に濾過捕集す 潮のシードポピュレーションとなると考えられる。 ることにより,試料を大量に処理でき,低密度から 442海洋と生物霧l721vol29no512007 FHVP用へ〕在中口、遠目9翁.。-F.:罐凝号?GTB企織田、HV銭岑間二日論.z55PQb、鍾弦.ブマ塀矧qG命八’錘包、必玲八;鐸いざ鍔早.罪詮.割 ̄、,1年守田、扣寺。■Ⅵ、、罫、、,会舛・やニゥヤや.,屍巴蝕一’二毎座含HP舞了式T2二宮寒瑠?錘、LVe9T牙パ輯~ペニルーヨ宍-尺?什汐へニヰL・・鐸~・■ ̄、<諄÷.、=今も公巧へ…Pt公一′勾弄今・〆弄別←禽一へ の検出,計数を可能とした(lcelMlでも検出可)。 以上から,間接蛍光抗体法は高感度かつ高精度であ り,Hereノ℃ccJPsac伽"ノarjMJQmαに対しては有用な 現場モニタリング方法であることが実証された。他 の有害有毒微細藻類に対しても本法を適用してい けば,個体群動態の把握を可能とし,赤潮の発生予 知につながると期待される。 しかし,本法は水柱の微細藻類のモニタリングに しか適用できない。底泥試料に対しては,多量の泥 粒子が抗体の藻類への反応を阻害するだけでなく, フィルター上に捕集された多量の泥粒子が落射蛍 □ の生物学的特徴,ノ":岡市友利編「赤潮の科学一第2版」,恒星 社厚生闇,東京,1997,pp43-113. 2)Imai,1.,T、Sunahara,T・Nishikawa,YHori,RKondoandS・ Hiroishi:FluctuationsoftheredtideHagellatesC/】α"o"e"αspp. (Raphidophyceae)andthealgicidalbacteriumCymphagqsp、inthc SetolnlandSea,Japan.〃α7.Bjoノ.,138:1043-1049,2001. 3)Imai,1.,,.Fujimaru,T、Nishigaki,M・KurosakiandHSugita: Algicidalbacteriaisolatedfromthesurfaceofseaweedsfromthe coastofOsakaBayintheSetolnlandSea,Japan.A/〉..』・McJr、Scj., 28:319-323,2006. 4)VrielingE.G,A・Draaijer,W・』.M・vanZeijl,L・Peperzak,W W.C.GieskesandMVeenhuis:Theeffectoflabelingintensity, estimatedbyreal-timeconfOcallaserscanningmic「oscopy,onnow cytometricappearanceandidentificationofimmunochemicallyla- beledmarinedinoflagellates・ノ.Pノlyco/、,29:180-188,1993. 5)HiroishiS,AUchida,K・NagasakiandY・Ishida:Anewmethod た,対象種が低密度で他の植物プランクトンが多量 CAq"Olleノノαα"r/9脚αandChα"o"e"α'"α'j"α(Raphidophyceae)by 量を多くしなければならないが,フィルター上には おびただしい量のプランクトンが捕集されるため, 落射蛍光顕微鏡下で対象種を検出,計数するのはや はり困難であり熟練が必要である。 形態的に同定が困難な生物を簡易かつ迅速に同 定する方法には,免疫学的手法の他に分子生物学的 手法が挙げられる。近年,特異的かつ高感度に有害 赤潮生物を検出.定量するためにreal-timePCR法 が開発されている29,30)。real-timePCR法は同定と定 量が同時に行われ,種特異性と検出感度が高い。し かし,real-timePCR法を用いて継続的に有害赤潮 藻のモニタリングを実施した例はない。これは,試 foridentificationofinter-andintra-speciesoftberedtidealgae meansofmonoclonalantibodies・ノ.Phycoノ.,24:442-444,1988. 6)UchidaA.,KNagasaki,S・HiroishiandY,Ishida:Theapplica‐ tionofmonoclonalantibodiestoanidentificationofCハロrro"cノノα 〃lα'・"lqandCノJα"o"eノノαα"ri9Zイα、MノW〃SLイノsα〃GqAAaiW,55: 721-725,1989. 7)NagasakiK.,A・Uchida,SHiroishiandY・Ishida:Anepitope recognizedbythemonoclonalantibodyMR-21whichisreactive withthecellsurfaceofC/iα"o"eノノα"!α'7"qTypell・MPpol7Slljsq〃 OaAAqMj,57:885-890,1991. 8)NagasakiK.,AUchidaandY、Ishida:Amonoclonalantibody whichrecognizesthecellsurfaceofredtidealgaG)'"!"odj"i"'〃 〃q8ClsaAje"s2.MPpo〃Sllisα〃GaAAqmhj,57:1211-1214,1991 9)VrielingEG.,L、Peperzak,WW.C.GieskesandM・Veenhuis: DetectionoftheichthyotoxicdinoflagellateC)'mdj"/"'"(Cf) αlイノゼommandmorphologicallyrelatedG)wl"odj"imJ〃speciesusingmonoclonalantibodies:aspecificimmunoIogicaItooLノWr・ ECCI、ノロノ℃8.SEr.,103:165-174,1994. 10)AdachiM.,Y、SakoandYJshida:Theidentificationofconspe‐ cificdinoflagellatesAlexq"。'・』""Zrα"zαだ"sefromJapanandThai- landbymonoclonalantibodies・ノVjppo〃Su(isα〃GaAAaバノ1人59: 327-332,1993. 料の処理工程が煩雑であることと,従来の抗体法と 11)MendozaH.,V、L・Rodas,S、GGil,AAguileraandECostas: 同様に,現場モニタリングへの応用を意識した研究 Theuseofpolyclonalamiseraandblockingofantibodiesinthe identificationofmarinedinoflagellates:species-specificandclone‐ specificantiseraagainstGyl""odi"iZlmandAノexq"。'・illm・ノ.Exp. がなされていないことに起因する。また,従来の光学 顕微鏡を用いた計数法では,低密度時の定量が困難 8 蕊引用文献 l)福代康夫・松岡數充・今井一郎・高橋正征・渡辺正孝:赤潮生物 光顕微鏡観察による対象種の検出を困難にする。ま に存在する試料では,対象種を検出するために濾過 ヴ 鋒鰯電れからの赤潮学蝿 なため,有害種が低密度の場合,real-timePCR法に よって得られた数値が本当に現場のデータを示して いるのかどうかを証明する手立てがなかった。今回 紹介したように,Hcノノ℃L,ノα"s9"qmaに関しては,現場 海水で低密度から検出・定量可能な間接蛍光抗体法 が確立されている。したがって,H・cml/αriS9Ljama を対象としたreal-timePCR法の技法が開発されれ ば,現場における定量結果の正当性を間接蛍光抗体 法によって立証できよう。今後,様々な有害赤潮藻 の定量法として,より簡便なreal-timePCR法が研 究,開発されると考えられるが,real-timePCR法の 有効性を確認するためにも,抗体を用いた高感度定 量法が必要である。 〃α「.B/OII、Ecol.,186:103-115,1995. 12)LinS.,T、N、Feinstein,H・ZhangandE・LCarpenter:Develop‐ mentofanimmunofluorescencetechniquefOrdetecting」El化srerra pmcjcj“.」VarMイノAノgae,2:223-231,2003. 13)BatesS.S、,CLeger,B、A・KeaherandDM、Anderson:Discriminationbetweendomoic-acid-producingandnontoxicfOrmsofthedia- tomハe"。。-"〃Zsc/ljqpH"82"srusingimmunofluorescence・ノVar・ ECOノ.PノU9.Se'..,100:185-195,1993. 14)AndersonD.M、,B、A・Keafer,DMKulis,R、M・WatersandR、 Nuzzi:Animmunofluorescentsurveyofthebrowntidechrysophyte AⅣreD(・DCC"Jrq"op/lq8`:iift?'.e"salongthenortheastcoa5tofthe UnitedStates・ノ.Pノα'7A'0〃Res.,15:563-580,1993. 15)CaronD.A、,MRDennett,,.M・Moran,R、A・Schaffner,D・L Lonsdale,C、LGobler,R・NuzziandT・LMcLean:Development andappIicationofamonoclonal-antibodytechniqueforcounting Al《'1eococafsq'10pノJagqノグセグだ"3,analgacausingrecurrentbrowntides inthemid-AtlanticUnitedStates・Apノフノ.E"l'ノノU肱川/〔・mbjo/、,69: 5492-5502,2003. 16)CampbellL、andEJ、Carpenter:Characterizationofphycoeryth- rin-containingSy"ecAococcLlsspp・popuIationsbyimmunonuores‐ cence、ノ.P/α"Aro,1尺“.,9:1167-1181,1987. 海洋と生物霧l721voL29nq512007443 17)ShiraishiT.,S・Hiroishi,KNagai,J・Go,T・YamamotoandL Imai:Seasonaldistributionoftheshellfish-killingdinofIagellate HaemaZpsaci”zイノqrj9Hq'"αinAgoBaymonitoredbyanindirect Huorescentantibodytechniqueusingmonoclonalantibodies.Pノα'1A‐ 『o〃Be"巾osReJr・’2:49-62,2007. 18)NagaiK.,Y・Matsuyama,T・Uchida,MYamaguchi,MJshimura, 24)IwatakiM.,GHansen,T・Sawaguchi,S・HiroishiandY・Fukuyo: InvestigationsofbodyscalesintwelveHeremcapsqspecies (Peridiniales,Dinophyceae),includinganewspecies〃、 pseIイdo"./9"2msp・nov・Ph)'COノo8ja,43:394-403,2004. 25)UchidaT.,SToda,YMatsuyama,M,Yamaguchi,YKotaniand THonjo:Interactionsbetweentheredtidedinoflageuate A・Nishimura,S、AkamatsuandTHonio:ToxicityandLD5olevels oftheredtidedinoflagellateHelelDcapsacj'rllノα'73911α',Taonju‐ venilepearloysters、A9ⅣαcⅣ"皿だ,144:149-154,1996. 26)板倉茂・今井一郎・伊藤克彦:広島湾における赤潮渦鞭毛藻 Effectofanaturalpopulationoftheharmfuldinoflagellate Helemcapsqc/花zイノα'・iJ9"α"iaonthesurvivalofthepearloyster Pi"cradtJ九carα・FMerjesScj.,66:995-997,2000 Sakamoto,MYamaguchiandLImai:IdentificationofoverwinteF 19)NagaiK.,Y、Matsuyama,T、Uchida,S・AkamatsuandTHonjo: 20)MatsuyamaY.,T・Uchida,THolljoS.E・Shumway:Impactsof theharmfUldinoHagellate,〃αe”capsaci'℃lイノarjs9Llα'"α,onsheル fishaquacultureinJapan・ノ.S/ieノ版shRes.,20:1269-1272,2001. 21)松山幸彦q永井清仁・水口忠久・藤原正嗣・石村美佐・山口峰生・ 内田卓志・本城凡夫:1992年に英虞湾において発生した Hde'℃mpsQsP、赤潮発生期の環境特性とアコヤガイ整死の特 徴について.日本水産学会誌,61:35-41,1995. 22)本城凡夫:有害プランクトンによる漁業被害の発生状況とそ の問題点,〃,:石田祐三郎・本城凡夫・福代康夫・今井一郎編「水 産研究叢書48有害・有毒赤潮の発生と予知・防除」,日本水産 資源保護協会,東京,2000,pp、4-17. 23)HoriguchiT:Heに'10Ca脚aci'℃』イノarjs9"α"jasp・nov.(Peridiniales, Dinophyceae):anewmarinedinof1agellatecausingmassmortalityofbivalvesinJapanPhvcoノ.R“.,43:129-136,1995. Here'℃αJノパacihczイノaris9ⅨamaandGy'""odi"jlイノ"'"jlBimoro/inlabo‐ ratoryculture・ノ.Exp、MJr・Bjoノ.ECO/、,241:285-299,1999. GW",Iodj,,ilィ,,!〃Q8avaAje"se出現密度の季節変化南西水研研 報,23:27-33,1990. 27)ShiraishiT.,S・Hiroishi,STnino,T・Ishikawa,Y,Hayashi,S・ ingvegetativeceIIsofthebivalve-killingdinoflagellateHEremcapsq c"℃zイノα'・jF9zイα"lainUranouchiInlet,KochiPrefecture,Japan.ns/i‐ eriessci.(i"p''2Js). 28)YamaguchiM.,SItakura,K・Nagasaki,Y・Matsuyama,T・Uchida andLImai:Effectsoftemperatureandsalinityonthegrowthof theredtidenageIlates雄lIelDaZpsaci'℃【イノarjs9mmα(Dinophyceae) andCWQ"o"eノノd1'erlwc"ノosq(Raphidophyceae).J、P/α"Ar。"Res., 19:1167-1174,1997. 29)GalluzziL.,APenna,E・Bertozzini,M・Vila,EGarcesandM・ Magnani:Developmentofareal-timePCRassaWOrrapiddetec- tionandquantificationofAノexzJ'zdrj""''"j"〃"",(aDinoflagellate). APPノ.Zn''i、ルM/cl1obioノ.,70:1199-1206,2004. 30)KamikawaR.,J・Asai,T・Miyahara,K・Murata,KOyama,S・ YOshimatsu,TYOshidaandY・Sako:Applicationofareal-timePCR assaytoacomprehensivemethodofmonitoringharmfulalgae・ Mcm6esEノルノ、".,21:163-173,2006. Abstract:HarmfUlredtideshavegivenseriousimpactsonfisheriesindustriesespeciallyaquaculture throughouttheworldItisessentialtograspthepopulationdynamicsofredtidemicroalgaefOrfOrecastingtheredtideoccurrencesandthemitigationoftheexpecteddamages・Consecutivemonitoringofred tidespeciesishenceimportant・Theconventionalmonitoringmethodwithlightmicroscopywasdifficult fOrtheaccurateidentificationandenumerationinsomecases,andwasnotpracticalwhenharmfUlspecieswaspresentatlowdensity、Immunologicalmonitoringmethodusingantibodytheoreticallyallows specificdetectionHowever,theantibodytechniquehashardlybeendevelopedfOrthepracticalfield monitoringRecently,wedemonstratedthatanindirectHuorescentantibodytechniquewasfeasiblefOr thespecificdetectionandsensitivequantificationofbivalve-killingdinoHagellateHeremcapsa c舵"/αrj9q"α'72α・Thecellscouldbedetectedandenumeratedfromdensitiesaslowaslcellノー1.The populationdynamicswasclarifiedastothisspeciesbytheantibodytechniquefOrthefirsttimeinAgo Bay,MiePrefecture・Andfnrther,wefbundH.c此"ノcJrjs9"α'"aactuallyoverwinterinUranouchiI、let, KochiPrefecture,asvegetativecellsinwatercolumnsJtisnowimportanttodevelopthemonitoring methodsofotherharmfnlalgalspeciesusingantibodytechniquesfOrunderstandingpopulationdynamicsofthosespeciesandfOrecastingtheoccurrencesofredtides. 444海洋と生物鐵l721voL29no512007 ,. 38)Cann-Moisan,C,Caroff,』.,Hourmant,A、,Videau,CandF Rapt:Quantitativeanalysisofpolyaminesattracelevelsbyhigh‐ perfbrmanceliquid-chromatographyinhigh-saltsolutions-applicationtoseawater・ノo"'"αノq/Lj9"jdChml"αrograph)'’17: 1413-1417,1994. 39)Lee,CandN、0.GJDrgensen:Seasonalcyclingofputrescine andaminoacidsinrelationtobiologicaIproductioninastratified coastalpond,Biogeocノ!e"ljsW)'’29:131-157,1995. 40)Maestrmi,S、T、,MBalode,CBecheminandLPurina:Nitrogenous 44)Feige,J・LandEM・Chambaz:Polyamineuptakebybivine adrenocorticalcells.B/oc/IemjcaaBiOp/7yJricaAclq,846:93-100, 1985. 45)Garica-Femandez,AJ.,Rodriguez,R、A、,Perez-Pertejo,YandR Balana-Fouce:Characterizationofputrescineuptakeinhamster amelanocyticmelanomaAMEL-3.Moノcc"んsα"。αノハ,21:127- 135,2005. 46)Bagin,N、,Antognoni,P.,Tnssoni,AandRPistocchi:Polyamine binding,transportandcompartmentationinplants.BⅢノノe"〃q/『/ze PoノMAaJde"7),q/・sCje"Ce:B/Oノo8/cα/SCje"Ce,42:307-320.1995. organicsubstancesaspotentialnitrogensources,forsummer phytoplanktoninthegulfofRiga,easternBalticSea.Pノα"Aro〃Bioノogyα'1.ECOノog)'’46:8-17,1999. 47)Gonzalez,NS,CCerianiandLD・Algranati:Differential polyaminesongrowth,toxicity,andTbxinprofileofDinoHageUate AノピXq"drju""'"illL(""ルノCl"wqノq/FoodHVgi2"jcsSocien↑q/m- pq'1,44:49-53,2002. 48)Nishibori,N、,Matuyama,Y、,Uchida,T・Moriyama,T、,Ogita, 2440-2443,1991. 49)Nishibori,N、,YUasa,A、,Sakai,M、,FUjihata,S、,SNishio:Free 41)Hwang,,.-F.,Y・-H・LuandTNoguchi:Effectsofexogenous 42)Parenik,BandR.M・MMorel:Amineoxidaseasofmarine phytoplankton.Appノノedq"。E"W'℃""1e"『ロノノVjc1℃bjo/o8)'’57: 43)Pantqja,S、,Lee,C,Marecek,J・F・andBP・Palenik:Synthesis anduseoffluorescentmoIecularprobesformeasuringceUsur‐ faceenzymaticoxidationofaminoacidsandaminesinseawa‐ ter.A"αノWicαノBjoc/lemism'’211:210-218,1993. regulationofputrescineuptakein7rypq'1o”"lacr"zjandother trypanosomatides・Biocノカe"1にαノα〃dBiophysjcqノResedrch Co,""l""/cqrjo"3,188:120-128,1992. Y、,Oda,M、andHHirota:Spatialandtemporalvariationsi、free polyaminedistributionsinUranouchilnlet,Japan・Marine Cノle"1曲1m'’82:307-314,2003. polyamineconcentrationsincoastalseawaterduringphytoplankton bloom.FバノIcrjesScje"Ce,67:79-83,2001. Abstract:Thedistributionpatternsofpolyaminesdifferamongthetaxonomicclasses・Thema]or polyamineidentifiedinRaphidophyceaewasspermidine,andthatofDinophyceaewasnorspennineln 脱化to"emacosrarLlm(Bacillariophyceae)putrescine,spermidineandnorspermidinewerethemajor polyamines・ Inc/tα"o"eノノαα""9"αandHejWnFJg'"qaAaWwo(Raphidophyceae),concentrationsofspennidineshowed amarkedincreaseduringtheperiodofexponentialgrowthphaseandalinearcorrelationwasobserved betweenthefreesperrnidinecontentofthecellsandthegrowthrate・Thelinearcorrelationwasalso observedbetweenthecontentoffreenorspermidine,thema]orpolyamineinDinoHagellates,andthe growthrateofKmle"iα〃A伽orojandAにxα"dri""Zcqlfe"e"α・ DFMO(DL-q-Difluoromethylomithine),thesuicideinhibitorofODC(Ornithinedecarboxylase), reducedthemaximumgrowthyieldsofC.α""9"qandH.αAas/zjwo,K・〃k〃orojandA.cα/e"e"α,and ODCappearstobethekeyenzymeinpolyaminebiosynthesisduringthegrowthofthesealgae・The maximumgrowthyieldsofC.α〃〃9"qandH.αkashjwowerereducedbytheadditionofMGBG (Methylglyoxalbis-guanylhydrazone),whichinhibitstheconversionofputrescinetospermidineandof spennidinetospermineThereducedgrowthyieldscouldberecoveredbytheadditionofspermidineinto themedium・Itisthoughtthatfi・eespermidineplaysasignificantroleinthegrowthofC.α"ri9"αandH alcas/zjwQ Thedecreasesindiaminopropaneandspermineconcentrationsweredemonstratedduringtheculture experimentsofK'7zjA伽oroj,C、α'7〃9"αandHaノIEas/ljwocultureJntheS・cosrammculture,spermine concentrationalsodecreased,butonlyslightly、TheseresultssuggestthattheinCorporationandoxidative degradationofpolyamineswereprocessedbythesealgae.C、α"rj9"αandH.αAzJshjwoexcretedpolyamines, especiallyspermidine,andS、cosmjW"Zmainlyexcretedputrescinetotheculturemedium・Obvious increasesofpolyamineConcentrationswerenotobservedinthemediumofK〃叱加Omi,andtheresults suggestthatK.〃IC伽oMdonotexcretepolyaminesoutsidethecelL ThusthepolyaminesinseawaterpossiblyplayanimportantroleincontroUingthegrowthofalgae, includingHABspecies,throughaffectingcellularpolyaminecontents. 海洋と生物鱗l721voL29no512007453 ■■■■⑬④醗騨皿Ⅲ これからの JJ1lqpl1pl11瓦 鱗 有害有毒赤潮生物の出現と 分類の歴史的経過 今井一郎 ILP ◇昨幻灯午‐》 ー』砧争拙} .‐‐ず比引 Jhj化》一イ {『‐『一冊一》 l‐》四・]⑫(。 ‐‐‐‐、Ⅲ(》》 一‐』‐一m》』》 弔小.〈へ〆品孵汚‐ 冒・β似。①■‐■ 巧‐』泥両腕か卯pf 「P守乢P幻》(B脾■ 1蟻有害有毒藻類ブルームとは ニー|‐必)酢助埋扣や ,鞠iiiliiiil碑, !:!「瀞fW聯轤辮溌瀞騨溌獅i「織蕊鱗溌溌鴬ヅiW欝溌騨騨蕊蕊 る。3)に属する有害赤潮は,主に生け贄で飼育され ているブリ,カンパチ,マダイ,ヒラメ,トラフグ等 富栄養化した沿岸水域において頻繁に発生する の大量鶴死を引き起こすことから,養殖漁業者に 赤潮は,水中の微小生物,特に微細藻類の大量増殖 とって大きな脅威となっている。また,珪藻類は海 域の一次生産者として本来は重要な生物群である や集積の結果生ずる海水の着色現象のことをい う。光合成能力を持つ微細藻類は,基礎生産者とし が,4)の珪藻赤潮は,ノリの養殖が行われている時 て海洋生態系における生物生産の根幹をなす重要 期にその養殖海域で,ノリの必要とする栄養塩(特 な生物群である。しかし種類によっては,増殖や集 に窒素)を珪藻類が消費し尽くした場合に「ノリの 積の結果赤潮を形成し,人類や海洋生物に悪影響 色落ち」を引き起こす。その場合,珪藻類は有害な赤 を与えるものが存在する。そのような微細藻は,国 潮生物とされる。珪藻赤潮は魚介類を鼈死させるわ 際的には"HarmfUlAlgae,,(有害有毒藻類)と称され, それらが個体群を増加させる現象は"HarmfUlAlgal けではないので,他の鞭毛藻等による魚介類の蕊死 Bloom=HAB"(有害有毒藻類ブルーム)と呼ばれ 被害額は,ノリ養殖の方が魚類養殖よりも大きい場 る。現在,HABは表1のように4つに類型化されて 合が多い。 いる!)。1)は通常無害な生物であるが,大量に増 殖・集積する場合があり,赤潮発生後の死滅・分解の を伴う有害赤潮と区別する必要がある。一般に漁業 2蟻沿岸域における赤潮の発生 過程において,水中の酸素が急激に消費され魚介類 わが国沿岸域における赤潮の発生件数は,高度経 を鶴死させてしまうことがある。2)の有毒ブルー 済成長を始めた1960年代より海域の著しい富栄養 ムでは,原因生物自身が強力な毒を保有しており, 化に伴って急激に増加した。養殖業を含む沿岸漁業 二枚貝やホヤ類等が餌として有毒微細藻類を摂食 の盛んな瀬戸内海における,赤潮発生件数の経年的 することにより,それらの体内に毒が蓄積され,人 な変化2)を図1に示した。当初,瀬戸内海全域にお 間がこれらを食べて中毒するというものであり,こ いて,年間50件以下の発生件数であったのが,1970 のような事件は世界中でしばしば起こってきてい 年代に急激に増加し1976年に最高値の299件を る。また,食物連鎖を介して毒が転送され,トドやペ 記録した。1972年に発生したシャットネラ赤潮に リカン等が鍔死したという事件も報じられている。 より,史上最大の71億円にも上る養殖ハマチの整 有毒ブルームは,海水が着色するまでに原因生物が 死被害が起こり(1,420万尾姥死),これを契機とし て「播磨灘赤潮訴訟」が提訴されたのはあまりにも 増殖しなくても,貝類による毒の蓄積は普通に起こ OccurrencesofharmfUlalgaeandhistoricalprogressoftaxonomy 有名な話である。この事件を背景として,1973年に 「瀬戸内海環境保全臨時措置法」が制定され,1978 lchirolmai/DivisionofAppliedBiosciences,GraduateSchool 年には特別措置法として`恒久法化された。このよう 科応用生物科学専攻海洋環境微生物学分野) な法的整備と1973年末に始まったオイルショック ofAgriculture,KyotoUniversity(京都大学大学院農学研究 KeywordS:diatom,dinoflagellate,harmfulalgae, raphidophytaredtide,taxonomy 454海洋と生物鯵l721voL29no512007 の影響により,その後赤潮の発生件数は減少に転 じ,1980年代の後半には年間約100件程度にまで A9lイ〔lbmmg),oSeibutsuKenkyushaCo.,Ltd. 表1鱒HarmfulalgalbIoomのタイプ分け') l)大量増殖赤潮:基本的には無害であるが,高密度に達した場合には溶存酸素の欠乏等を引き起こして魚介類を轄死さ せる。 原因生物:00")'qLl/αxpo/)'8m'"',Z。,Ⅳocli/Ulcasc/""/ノα'1s,71r/chodesmjL""eMhraa"",Scr卯sieノノα/'1ocノloidea 2)有毒ブルーム:強力な毒を産生し,食物連鎖を通じて人間に害を与えるもの。海水が着色しない低密度の場合でも毒 化現象(特に二枚貝で)がしばしば起こる。 原因生物 麻痒性貝毒:A/exc"jdljⅨ''1/α'"α'で"s2,A.cα/e"eノノα,G)〃"j1odillj""icarellα"""等 下痢性貝毒:Dj"OPA)'sis/bl7mD.αα{''1",α/α,P'D'Uce'"'wlM'"α等 記憶喪失』性貝毒:Psezldo-"ilZscAin,Mriserjes,P.α"sノノMs等 神経性貝毒:KtJ,,e,Tiqb花vis シガテラ毒:Oq,"bje,zノノSc"s'0x/α(s 3)有害赤潮:人間には無害であるが養殖魚介類を中心に大量姥死被害を与えるもの。 原因生物:Charlfo,,eノルα""9脚α,C,"α('1α,CO,'qrq,C・ve〃mMosa,Hereroslg,"ααAashiwo,Hererocapsq cj,℃"ノαr/S9"α,,,α,ノ、me"/α,,lMri,"・'0i,COCハノM"j","PCノWjAojdeS,C/,,WOC伽"、ノノ"apo/yノepis等 4)珪藻赤潮:通常は海域の基礎生産者として重要な珪藻類が,海苔養殖の時期に増殖して海水中の栄養塩類を消費し, 海苔の品質低下を引き起こして漁業被害を与えるもの。 原因生物:Ellcα'"p/αZodjq〔WS,Cosci"odjsaイswqi/esjj,C/merocelUsspp.,Sk山rolzel"qcoslQrl"'0,7Massjos"qspp., RhiZOS山"iqjmbrjcQm等 300 霧辻 150 00 50 0 」L 」|_ LZ L ,’ [ ,’ ’' L ̄ E ’ ’U / ’’ ’ ,■ 二 ■’ 1 』 1 」 L ! Ⅱ 11 200 ’1 250 ’ ! ’ 6768697071727374757677787980818283848586878889gOgl92g3g4g5g6g7g8ggOOO1020804 年(西暦) 図1蟻瀬戸内海における赤潮発生件数と漁業被害件数の経年推移2) になった。しかしながら,このレベルは維持された で約2.3万km2)にも及ぶ超大規模な赤潮が春~初 状態で現在に至っている。 夏に発生するという。 赤潮の発生が最盛期であった時代には,大阪湾, 瀬戸内海の赤潮で漁業被害を伴った発生件数は, 播磨灘,燧灘,あるいは周防灘のような海域全体を 以前は年間30件を超えることもあったが,近年は 占めてしまう大規模な赤潮の発生も希ではなかっ 年間'0件前後で推移している。また,赤潮による漁 たが,近年では赤潮発生の規模と期間が縮小傾向に ある。因みに,経済成長の著しい中国では,揚子江河 口のはるか沖合において約2万km2(瀬戸内海全域 業被害額は,瀬戸内海全体で年平均20億円弱と言 われている。 海洋と生物鰯l721voL29no512007455 S鱸有害赤潮藻類 与える規模の赤潮は発生しなくなっていたが,2003 年夏季に久しぶりにシャットネラ赤潮が播磨灘で わが国沿岸域で大きな漁業被害を与えている,代 表的な有害赤潮生物を図2に示す。ラフィド藻の 発生し,10億円を超える被害を与えた。それ以後, シャットネラ赤潮は復活の様相を呈し,しかもそれ C/zarro"e"αα"rJ9“,C・'7marj"α,Covam(合わせて まで漁業被害の実績のなかったCharroM/αoVarα シャットネラと称される),H伽msjgmaa伽/zjw。(ヘ による赤潮が新たに発生し3),養殖魚類を整死させ テロシグマ),渦鞭毛藻の/VOC"/,lcascj"/ノノノα"s(夜光 るようになったのは特筆されるべきである。シャッ 虫),Kare"jα伽kjmoM(カレニア),HererocapsQ トネラは耐久性のあるシストを形成するのでイ),赤 潮の発生は非発生の翌年にも継続すると予想され, cj,MZJ伽9脚α"、(ヘテロカプサ),およびCDCハノ(M"jL"〃 Po1yMパノ伽(コクロディニウム)が重要な有害赤潮 生物として挙げられる。最も大きい漁業被害を与え 注意深いモニタリングが必要である。 カレニアによる赤潮は古くから正式に報告され てきたのはシャットネラであり,渦鞭毛藻のカレニ ており,1903年に三重県英虞湾,1933年に同五ヶ所 アとヘテロカプサがこれに続き,近年はコクロディ 湾,そして1957年には山口県徳山湾と,高度経済成 ニウムが台頭してきている2)。 長時代以前からである。その後もコンスタントに西 シャットネラによる赤潮は1969年に広島湾で初 日本の各水域で赤潮を引き起こし,魚介類の蕊死被 めて発生が確認され,その後1989年までほぼ毎年 害を与え続けている。 のように発生して養殖漁業に被害を与え続けてき ヘテロカプサはユニークな赤潮生物であり,本来 捕食者である二枚貝類を逆に殺滅するという特徴 た。興味深いことにその後は,1億円以上の被害を 図2簿わが国沿岸域における代表的な有害赤潮藻類。魚類を蕊死させるラフイド藻,Chartone//aamqua(A),Charrone//a ma"、a(B),Charrone//aのシスト(C),Hete「OS/gmaakas/7/wo(D):赤潮渦鞭毛藻Nocr//ucasc/ntノノノans(E,夜光 虫),魚介類を蕊死させる/<are、/Bm/k/moto/(F),=枚貝を蕊死させるHereノbcapsac/「Cu/ar7Squama(G),魚介 類を蕊死させるCoch/odm/umpo/yMko/des(H) スケールは,Eが10011m,その他は20um。 456海洋と生物籍l721voL29no512007 け :鶴鐇-19鍔1s、鐸§;鱗螺鯛$lil簿:難癖;蟻鎗蕊騨懸禽:鰯鱗.#鱒識懸騨蕊鐸雄辮侭騨kJ潔蕊蕊蕊蕊篭蕊蕊鐵驍】-4鋒F潔鞠;$蕊息:鐸’fIS鐸急騨:f;{鮒・;.,曾議】鷺fff群、$11;§1,鶚?;鴬;:パミド駕翁昭鴎ifl1?!;w苣弩#!{!?;f:、ニド$\齢?甥I鵠串堅j9#!?!$5.4?fY9P-;.:3F鰯1E#H1$像購嘩I99f:1.-グミ19§し1-婿fF1929-婿193念:.#寵1F’ 鱒嬢電れからの赤潮学畷 を有する5)。本種は1988年に高知県浦ノ内湾で初 赤潮を発生させ,魚介類を蝿死させている8)。本種 めて赤潮の発生が認められ,数億円規模の大量のア は今後も厳重な注意の必要な赤潮生物と言える。 サリを鶏死させた。翌1989年には博多湾でもアサ リを姥死させ,1992年には三重県英虞湾で約30億 4蟻有毒藻類 円に上る轄死被害を真珠貝養殖業に与えた。瀬戸内 わが国における代表的な有毒藻類を図3に示し 海では広島湾におけるカキ養殖への被害が著しい。 た。表1に示した有毒ブルームの中で,わが国沿岸 1995年と1997年に赤潮が発生した後,1998年に において発生が確認されているのは麻痒性貝毒と は被害額約40億円にも上る大量のカキが鶴死させ 下痢`性貝毒である。 麻揮」性貝毒はフグ毒に似た強力な神経毒であり, られた。 コクロデイニウムは,1975年に九州南西部の八 この毒を生産・保有する微細藻類をカキ,ホタテガ 代海において,赤潮の発生とそれに伴う若干の魚類 の整死被害が初めて認められた。その後も九州沿岸 イ,ヒオウギガイ,イガイ,アカザラガイ,アサリ等 の有用二枚貝類やホヤ類が摂食すると,毒が貝等の 域や太平洋に面した沿岸域で小規模に赤潮を起こ 体内に蓄積される。このようにして毒化した貝類を していたが,2000年の夏季には八代海において約 ヒトが摂食した場合に,麻痒性貝毒中毒に罹患す 40億円にも上る養殖魚の繁死被害を引き起こし6), る。原因藻類としては,渦鞭毛藻のA化xaMrjMm 危険な赤潮生物として大きな注目を集めるように なった。本種は,韓国でも1995年に大規模な赤潮に careMJα(図S,E),A・rama7e"se,G)wz"M川加 care"α、、(図3,F)が代表的である。麻痒性貝毒は, よって764億ウォンにも上る養殖魚類の大量整死被 1980年代前半までは主に北日本の沿岸域で発生し 害を招き,以後,粘土散布等の対策を講じているもの ていたが,1990年代になる頃より瀬戸内海や九州 のほぼ毎年のように蕊死被害が起こっている7)。ま 沿岸域でも頻繁に発生するようになり現在に至っ た,九州や韓国沿岸で発生した本種の赤潮は,対馬暖 ている9)。麻痒性貝毒の場合は可食部19当たりの 流に運ばれ日本海沿岸の各地において小規模ながら 毒量が4MU(マウスユニット)を超えると市場へ 図a響わが国沿岸域における代表的な有毒藻類。外国で記憶喪失性貝毒の原因となっている珪藻Pseudo-n/rzsch/asp (A),下痢性貝毒を保有する付着性渦鞭毛藻P「orocenrrumノノma(B),下痢性貝毒の原因生物とされている渦鞭毛 藻D/nophys/SfO「t//(C),D/nOphys/sacum/nara(D),麻痒性貝毒の原因となる渦鞭毛藻A/exandr/umcatene//a (E),Gymnodnumcatenatum(F) スケールは全て2011m。 海洋と生物鱸l721voL29no512007457 畷これからの赤潮學霞露 :辮・蝿騨鎌:-,鐘魁勵111鶴零:鐸:擦灘:`熱醸熟鐸醗爾』鐸i鰻#蝉?:#織繍鴎:::癖,銭§:鐸、:、譽癖::鐸…総i衞:像講:總騨鐸蕊蕊翰:`騨糯#ilW;;?i-.:;,!?;;》↑鬘蝋ガキゼ!?!::鬘41;121$!:二.《《f鷺1鴛申鰊::《;11?;11:惜働:$11111$w";11;i11b:、綴$1$;11?:、望1$\111F-.イガ!;1311>ギガ;2$、:$!!;!:?":ffiH11;?`學#11112:.:l;$;#i1R鷺`j#fF99も膠`,315?!》@.!;$切豊$:-m:‘Y、ミヤjゼザズミw:『:、 の出荷が自主規制される。今春(2007年)の大阪湾 べきであろう。そのためには,充分なモニタリング においてはAmmaだ"Scが大量に発生し,わずか十 数個の毒化したアサリの摂食によってヒトが死に と情報の開示,および情報の周知が必要である。 至る可能性があるほどまでに高度な毒化が認められ た。A化Xα"drM属やGcare"α、"1は非常に耐久性 5《鑿代表的な有害有毒藻類の分類について の高いシストを形成するので,-度発生が確認され 赤潮や貝毒の原因となる微細藻類に関しては,昔 から発生していたものもあるが,特に有害赤潮に関 ると以後もその水域に定着してしまう場合が多い しては近年の沿岸域の富栄養化の進展に伴って新 ことから,これからも厳重な監視が必要である'0)。 たに赤潮を形成し始めた生物種が多い。その場合, これまで報告がないため,赤潮が発生し始めた初期 下痢性貝毒は,脂溶性の毒に起源を発する下痢性 食中毒である。麻痒性貝毒と同様に,二枚貝類等が 有毒な微細藻類を摂食して毒化し,それをヒトが摂 食すると発症する。原因生物としては,渦鞭毛藻の Dj"OphySjMWjj(図3,C),,.αCM'"伽、(図3,,),お よび海藻等に付着する渦鞭毛藻(図S,B)等が報告 されている。下痢性貝毒は可食部19当たり0.05 MUが規制値であり,これを超えると出荷の自主規 制が行われる。貝毒による出荷の自主規制は,毒化 した貝が鼈死するわけではないので,被害額の算定 がきわめて難しいのが大きな問題点である。下痢性 貝毒に関しては,原因生物と言われる,./b伽が大 の頃には分類と同定に混乱が生じるのが普通であ る。わが国沿岸に生息する主要な有害有毒藻類の分 類と同定に関して,表2に種名や呼称の歴史的な変 遷を取りまとめた。分類学の進歩と展開に伴って, 多くの重要種について属名や種名の変更等が普通 に認められる。 5-1蟻ラフイド藻とディクティオカ藻 ラフィド藻綱(Raphidophyceae)は,不当毛植物門 (Heterokontophyta,黄色植物門Chromophyta,または オクロ植物門Ochrophytaとも呼ばれる)に属する 量に出現する瀬戸内海においては,貝の毒化がほと んど認められず,毒化と原因生物の対応関係が明`快 比較的小さい分類群の生物であり,緑色鞭毛藻綱 ではない。さらに,これまでDj'mph)'川属のいかな る種においても培養が不可能であったため,真に DmOp/lysis属の生物種が毒を生産しているのかと いった基本的な研究さえ不可能であった。しかし, 2006年秋にコペンハーゲンで開催された国際有害 有毒藻類会議において,,.αc"〃"α、の培養に成功 フィド藻には沿岸域において赤潮を形成する種が多 (Chloromonadophyceae)と称されることもある。ラ く,しかもその被害は甚大である。主要な属として は,CM、',ビノノヒJ属,Fj伽c叩sα属,およびHEremsi帥α 属がある。 C/mrro"ビノノα属には7種が記載されており14-16),そ のうち基準種のC・MMsqを除く6種(C、α'zrj9"α, したというブレイクスルーの研究報告がなされたこ C・globosa,C・marj〃α,C・〃〃伽α,C・oVara,C・ とから11),今後の飛躍的な研究の進展が期待される。 per'"c脇ノosQ)が生息すると報じられている。わが国 その他の貝毒としては,記憶喪失性貝毒が要注意 におけるシャットネラ赤潮は1969年に広島湾で発 といえる。この貝毒では,珪藻片e"`o-"illZsc/zia属 生がみられ,ミドリムシの新属新種として (図S,A)のかなりの種で毒(ドーモイ酸)生産と保 有が報じられている12)。わが国沿岸域にも有毒種が He〃e"/〃ノノαα"jj9"αと命名された17)。その後,本種 生息しているが,まだこの毒が規制値を超えるまで HDjMノ、、α'伽Subrahmanyanl8)と同一か近縁の種と に貝類に蓄積されたことはない。しかしながら,分 離培養された培養細胞からはドーモイ酸が検出さ れており13),これからも監視が必要であろう。 養殖の貝類については毒のモニタリングがなさ はインド西岸で赤潮を発生させた緑色鞭毛藻の 考えられ,ホルネリアとしばらく呼ばれることに なった。ところが文献調査が進むにつれて,H,、,j"α はCs"6sα/Sαと同一種とする報告19)があり,した がってわが国沿岸に発生するものもChar、"e"α属 れ,基準値を超えると出荷が自主規制されるので, 通常の小売店から入手した貝類を摂食して貝毒に に属するのが妥当とされた。 よる食中毒が発生することは,まずあり得ない。天 然貝の採捕摂食による中毒の発生にも注意を払う 藻類の分類と同定に威力を発揮するようになっ 458海洋と生物鱗l721voL29no512007 近年,遺伝子を用いた分子的手法が発展し,微細 た。l細胞だけを材料にLSUrDNAの塩基配列を 表2蟻わが国沿岸に生息する主要な有害有毒微細藻の分類の歴史的な変遷 種名 文献 呼称あるいは種名の変遷 ラフィド藻(Raphidophyceae) Chα"Olleノノαα"lMi9“(Hada)Onoミドリムシ藻EMr1℃pljeノノqsp.,Hcl"icM"'叩iαα"1j9IJa →緑色鞭毛藻Ho"Iピノノノα',Iarj,!αか類似種→C/iα"O"ピノノαα"r/9,イq FibmcapsQノapo"jca Bor'yococα(ssp.,Exlハ'jqeノノqsp→F/bmcQpsn/apo"jcq TbriumietTakano→C/M1"。"eノノα/αpolljcqが提案される→Fノapo"jca 渦鞭毛藻E'"0,,,osig",aQAqsノ,nW)→Here,,ojil8",QaAashjwo Heremsj8"laQAashiwo →Heremsig"7αcar'erqe→Here”Sig"maAqsノカノwo 14,15,17~19,26 25~28 29~31,33,34 (Hada)HadaexHaraetChiharaHeremsjg"!αj"ノα,!`ノノCa→Heremsl8",QaAas/,iwo ディクテイオカ藻(Dictyochophyceae) 球形ホルネリア→ラフィド藻CAα"o"eノノqg/o6osu Djco'oc/iα/1MMJvar・smpediq →Dicn,ocノ,αβMavar・smpedjaの骨格のない細胞 Pse"doc/zα"o"eノlqlノer'wcLMosq 16,20 (HaractCmham)HosoiざI1anabeaQノ.ラフイド藻C/'α"o"eノノa!'e'.'・MCL'/o8q→門α(`oc/'α"。''ellIQ1ノe″LにⅨノCsα 16,21 渦鞭毛藻(Dinophyceae) Aノera'mIrm"'属00'')'α‘イノα兀属→P'1〔)「ogollyamノux属,Oess"eljll"'属→A化.、"。'/Ⅸ"l属 COCノ1ノodj"jwllType-'78Yatsusbiro,COCノjノodi'1jl""here、/0bar""1類似種 COC/Modj"iLィ"lpoM'jkoMes 58,59 Margalef→Coch/0./"ill''1po/yArjAojdes HaehocapSQCj比'イノQrjs9llq"lQ Horiguchi 51,52 55,56 Here'Dcqpsasp、→HeノピノDC(Jpsacノノr"/αris9uイα"ln Knだ"jα"Diki"zoroiOW"'Iodi"/【イ"1Type-,65→GV"l"odi"ju""〃a8qsqAje"Sc 39~42 (MiyakeetKominamiexOda)→GW"''0.i"'11"lllliAj'"oroi→Kα'で"/α,,,ノハノ,'10'oノ G)''10`ノノZil"'lal1'℃oノ"'"sensuBraarudandHeimdal(1970)→K[J'で"jα'"jkj,,10(o, 43,44,46 HansenetMoestrup Kq”"iapapノノノo"qcaJ HaywoodetSteidinger P、'1OCB"rrm"!〃】i"i'"Ⅸ〃 (PavillaId)Schiller nkqyα"'αcノadoc/、o'"q deSalasetaL Km℃,IiQb”y((その前はGW,1,10./"jI",16だ,,e)とよばれていた種 48 P,wwoCe,""",,,"aria-化bo",.iαeとよばれる場合もあった OWl717odj"j""lType'84K→GW""odj"ilイノ"pJルノ1cm'"→7hAα),α,"αc/α(ノocノ',D",q 49,50 珪藻(Bacilla「iophyceae) PSG"dlo-"jrZschjQ属ノVirZmchia属→PSα(do-,ljlZschia属 12,16 繊毛虫(CiIiopho「a) ノVvrio'1eaar"bm (Lohman)Jankowski Mespdj"jU"〃'w6rz"〃→Mw7o'lecrn'wbrn 解読し,Cg/060sαが実はディクティオカ藻の1種 DjclWchα/iiMavar・sraPedjQの骨格を持たない形 態の細胞であることが明らかになった20)。また,C yer'wc"/Csαにおいても18SrDNAの解析と微細構 62 海で赤潮を引き起こした際にEXMaeノノaSp、26)ある いはBotD'ococ〔wssp27)と仮称されていた。その後, Fj伽caPsa属をC/tatro"eノノα属に包含するという主 張もみられたが28),承認されず現在に至っている。 造の観察の結果,ディクティオカ藻に属することが HEre'mgmaaAasノノノwo赤潮は1966年に広島県福 判明し,Ae伽c/1αがo"eノノα1ノer'wαイノCsαの学名が新た 山市沖で初めて発生し,渦鞭毛藻の,種として に提案されている21)。ディクティオカ藻に属する他 E"romosj81"αqkaWwoと命名された29)。次に,三重 の種では,Djc'yocノmSPec"/Llmがやはり骨格を持た 県五ヶ所湾で起こった赤潮の原因生物を羽田は新 ない細胞を持っており,赤潮を形成して魚類を鞄死 属新種のHeremoszgmaj"/α"djcaと記載報告し,E させることが知られている22,23)。このように,デイ aAaSAiWoもこの新属に移してH・akashjwoと種名 クティオカ藻はラフィド藻と混同される傾向が強 を組み替えた30)。その後,詳しい形態学的な検討が く,分類に混乱が生じていたが一段落したように思 加えられ'Heremsjgl"α属の2種については形態学 的な差がほとんどないとされ,併せてHeremsIgma われる。 Fjbrocapsα/apo,,jcaには溶血`性の毒があると aAaSh/WOとするのが妥当と結論された3,)。これに 報じられており,注意が必要である24)。本種も正 対しTaylorは,米国ウッヅホールでなされた鞭毛 式な種名の記載報告25)がなされる前には,瀬戸内 藻類に関する観察報告32)を根拠に,本種の種名を 海洋と生物鱗I721voL29no512007459 鶴これからの赤潮夢霞謬 ‐ねE窮一毎残一戸弓、’今靜a-坪今キーク?7勺、-錘喚.…A′~、.。…、-曰npが一台999.挿私、究め、ペーヘ錘?、‐'何口参・‘;鐘E、,蕊PVC。,.▲-.J蜂奔守予盈秘-.-…会・勾呵PP.F--肉白魚⑥."9蕊L-.余鈍一メロ699゜、‘字鷺甲や卓⑬中日ゼーィ錨唱,-.打§W承、-99???!.冬軸4Fいら’Jウ虹坐-,軒?;■ぬ】.「帛獣QT学.分?鼻二,`?■、笹P9n9V、,Jq9P9:.HO9?P9-打。7匙 Hererosjgllzacqnferae(Hulburt)Taylorとすること を主張した33)。しかしながらThrondsenにより, 類の分類が整理されつつある。 培養株の詳しい精査の結果を基に分類されたH 生が報じられている種であるが,1965年に長崎県 大村湾で大規模な赤潮を形成した39)時には分類が aAuMjwoの呼称が妥当という提案がなされ34),それ が受け入れられて現在に至っている。このように, H・qkashiwoの分類は混迷の歴史を辿った。さらに, 本種は過去にOlMzMsc"M,jWsCarterか近縁種 として扱われることが多かった。詳しい検討がなさ れた結果,0.〃jeL`sはHaAaWwoとは全く異なる 肋”"jα,"jkimorojは前述の様に戦前から赤潮発 整理されておらずO脚"od〃"、Type-,65と仮称 され,様々な研究が推進され始めた。そして分類学 的検討の結果,本種はO脚"加川"z〃qgasakje"se と命名された40)。しかしその後,1933年に三重県五ヶ 所湾で発生した赤潮の原因生物(o川"Mj"j"、 底生』性の別の生物であることが判明した35)。以上か ",/肋"oroj)41)との比較検討が行われた結果,G・ ら,それまで日本各地で赤潮を形成した種,ケンブ "αgaSakje"ScはG'"j肋"orojの新参シノニムであ リッジ・カルチャーセンター(CCAP)ならびにテキ るという結論が得られ,本種はG・〃伽CMとする サス大学カルチャーコレクション(UTEX)に0. ことが提案された42)。現在は以上のような再編に 〃eLlsという名称で維持されていた藻種は,全てH・ 従い,K[Mだ"jα〃A/"zorojとなっている。 ahMiwoであると結論付けられ,長年の混乱がよう やく整理された。 ところでK・"1伽"oroiはコスモポリタン種であ り,わが国だけでなくヨーロッパやオーストラリ ところで,CAatroMノα属の主要な3種について ア等の各地で魚類整死を伴う有害赤潮を形成して rDNAを用いた検討がなされた。その結果は驚くべ いる。ヨーロッパでは,1966年にノルウェーにお きものであり,CaM9Lla,Cmqr伽,CoWJrqの3 いて沿岸で養殖しているマスの蕊死事件が起こ 種は,rDNAに関しては全く同じ塩基配列を示した り,その時の赤潮原因生物がGWd伽``mα"花・ノ皿、 という36)。これら3種は,培養株の観察に基づくな とBraarudandHeimdalによって同定された43)。そ らば形態観察による種の識別はさほど困難ではな の後この種は特にヨーロッパで繰り返し赤潮を起 いが,逆に遺伝子の観点からは極めて近縁(ほぼ同 こし漁業被害を与えるようになり,そして分類学的 種?)な生物ということになる。これらは何れも強 い魚毒性を有することから,分子識別が将来可能と な検討がなされ,当時Gy'""od伽"""αgasakje"Scと の関係が指摘された44)。G))、。』川maLlheo伽の原記 なることがモニタリングの進展の観点から期待さ 載45)は米国ウッヅホールから得られた標本を用い れる。 てなされており,原記載によく合う培養株がウッヅ 5-2蟻渦鞭毛藻 ホール近郊から得られたことから,Hansenらは 様々な産地のO)wmodj川加〃A〃orojと上述のG, 渦鞭毛藻類の中では,無殼のギムノディニウム科 αⅨ,でoノ"〃について,形態,遺伝子,光合成色素を中 に属する種に有害有毒なものが比較的多い。特に多 心に分類の比較研究を行った46)。得られた結果に くの種を擁するGy'""odノノ川"属とGyl1odj川"1属 よると,ヨーロッパやオーストラリアの有害種は は,横溝の段差が細胞長の1/5以上か否かという人 日本産のG〃伽CMと同種であり,ヨーロッパに 為的な基準によって分けられてきた。しかし現実に おいて赤潮で漁業被害を与えBraarudandHeimdal は,この境界基準付近の種や境界を跨って段差の変 によってG、α皿,でoノz`、と最初に同定され,以後それ 異のある種が存在しており,研究者によって見解が に従って同定されたG、α"”o/LmZは,G伽AC〃oroiと 異なる場合もあり,基準は暖昧なままであった。 同一であるというものである。新たに得られたG Daugbjergらは分子的手法を活用し,LSUrDNAの 塩基配列を調べ,微細構造や光合成色素等を主たる α",,eol""1は,G"zi伽orojとは明らかに異なってい 基準にして分類学的検討を行い,qwz"odj加川属と GWod伽""'属をAkashjWo,O川"odjlWm, る。また,高山らがGvMj剛、α""ommではないか と提唱した和歌山県田辺湾産の株47)については,別 物であると述べられている46)。 Gwodj川、,肋だ"jα,およびKModj川、の5属に わが国沿岸では,神経性貝毒を生産する肋”"ja 再編整理した37.38)。この方向で現在,無殻渦鞭毛藻 bnevjsと形態の酷似する生物が生息するが,分子的研 460海洋と生物霧l721vol29no512007 FF再ボ冷・、-P,P\鼎中貼.,FH鰯,韓今礒段今、J,鐡・.-㎡fW、6銭分,’ィ鉾枳ヴサリhhwF爵n、<稗脅-.鋪PT3wh鰯?,.;襯縄へ・鏑くい>鱗暴く俄斡八・ざV騨鰈.譲蛭、鋪..、断や~=…令、。■・臼田魁・罰鱈、.・:鐘-:..`,鐸…癩予一二揮滉垈伶Mvf9T--1,R困劣~,盛゛・公学齢学`fP9ゥ得、・・シギⅥ?wvf白,壇''ギモF・・冷芯等ir・ぞfqFyb今’'1強「野。.,」山:F1今.:頷坪中 騨露電れからの赤潮学鶴 究により,別種のK、p〃ノノノo,,aceαであることが判明 連鎖群体を形成する珪藻は,pseMdo-"伽c肋属にす した帽)。また,1984年に鹿児島湾で有害赤潮を発生さ ることが提案され‘0),現在に至っている。 せG川"0.伽MzType-'84Kと仮称された種は49), Gy"z"od伽`加川ノノCML,"zを経て現在はnkayqma ,L`6,L`、)62)は,細胞内にクリプト藻を共生させて ClqdIOC伽、αと呼ばれている50)。 COCノカノocノノ"jzlmpo/yMlcoi`esは,プエルトリコ 沿岸から発見され記載された。日本では,八代海 繊毛虫の1種Myrj。"ecm,w伽(以前はMesodj"川 光合成を行っていると信じられてきた。M・'wbra はクリプト藻の葉緑体だけでなく核をも奪い (karyoklepty),その核によって同時に奪った葉緑体 において赤潮を形成し養殖魚類をしばしば蕊死さ とミトコンドリアの機能を調節させるといった,い せたものはCoch/odj"〃"Type-,78八代型と仮称 わばオルガネラ牧場を営む生活様式であることが され51),熊野灘沿岸で魚類に被害を与えたものは 報じられている6,)。本種によって,養殖のカキの赤 COCハノM"j",Meremノobar"、類似種と仮称された 変が起こることがあり,その場合,商品価値が下落 が,YUkiandYOshimatsuによってCpoノyMlMdes と同定された52)。分類学的な問題点としては 能であった下痢'性貝毒原因プランクトン 0,cカノodj"川cate"α/"'"Okamuraとの記載の比較が Dj"ophysis属の生物種を培養するための餌生物と あり,記載報告からは両者の相違は確認されておら して基本的に重要であるu)。 ず,原記載のタイプ産地から試料を得て,分類学的 な検討が必要であろう53)。またシスト形成54)につい ても重要な形質であり,現場観察と室内実験の両方 から慎重に検討すべきであろう。 する。本種は前述したように,これまで培養の不可 S鱗おわりに 沿岸域の富栄養化が進行すると赤潮の発生頻度 が高くなるのは,瀬戸内海における歴史が明快に教 HejemccJPsqcj,℃JMqrjs9"αmαは,赤潮を起こし始 えてくれる(図1)。赤潮は一般に河口域や沿岸域, めた最初から分類が明らかでなかった。三重県英 港湾のような富栄養環境でよく発生するが,種類に 虞湾で1992年に真珠貝に大被害を与えた頃から よってはごく沿岸よりもやや沖合を発生域として 伽ehOC叩SqSPと仮称されるようになり55),最終的に Horiguchiによって新種として記載がなされた56)。 態学的特`性が異なり,また発生する海域毎に環境特 本種は日本で初めて確認されるより以前に,香港付 性が異なるため,発生機構を理解し,モデルを構築 近から得て固定保存されていた赤潮海水試料の中 して発生予察をするためには,種類別,海域別に調 から確認されており57),水産物の移動や船舶のバラ 査研究を行う必要がある。それによって初めて,予 スト水,あるいは海流に乗って日本に来たものと想 察や対策のための基礎が確立できる。 定されている。 好むものもいる。赤潮の発生は,原因種毎に生理生 赤潮の原因生物は単細胞の微細藻類であり,日常 麻癖性貝毒の原因となるAノa、"伽1,,0属について の生活では馴染みがなく,高校を卒業するまでの教 は,当初CO"yaLlノαx属として記載されていたが, Pmrogo"yaM'x属やOess"e,i"、属が使用されるよ 育課程で「環境問題としての赤潮」をチラシと習う だけで,微細藻類の生理生態は垣間見ることさえな うになった。このような混乱を回避するために, い。各種毎に,極めてユニークな生物特性を有する 1989年の有毒植物プランクトンの国際会議におい 微細藻類は,生物学的研究の対象として大変魅力的 て,Aノe、"。'伽属に統一していくことが決まり現 である。例えば,世界最大の漁業被害を与える 在に至っている5859)。 シャットネラは,単細胞生物であるにもかかわら 5-3鍵その他の藻類 記憶喪失性貝毒の原因となるAe"〃"jrZschia属 ず,高等植物でいえば種に相当するシストを形成 するし,夏に赤潮を形成する種であるがそのシス トは発芽能の獲得のために冬の低温期間を4ヵ月 の種はわが国沿岸域にも広く分布している。世界で 以上必要としており,高等植物に引けを取らない 初めて1987年にカナダのプリンスエドワード島で 面白い生物的特性を示す。またこのシストは,様々 この貝毒が発生した際には,Mtzschjap",18e,zsf な種において,船舶や水産物の移動に伴って分布 mMM・jesとして同定された'2)。その後,このような 域の拡大に大きな役割を果たしている。卒業論文や 海洋と生物霧l721voL29no、512007461 鶴これからの赤潮響“ '薙功■・燕、一々捧一鰻が・・伯BGT$ず〃…--鐘、列…今~1-勧・・』、壷・謡ご靜低・~之-A堵…狩窕-.…い,ベ…’鐸、-.-゜、,鉄、’癖へ,2~-231しぞ‐・録唖向WNN・…、-1胃§…`d錘(..`j型Pp・-巧輔妬qqP錦一":ラ、.、錆Pや≦鞄g解??、-ず`V令へjyUN+_袋9,宅翰、.-口P?、.、9?$?。_凸翰、.今簿篝.`p詔、b-忽$55、. 修士論文に係わる研究の過程で,出てきた結果を見 ながら,時折,「オオーッ!」と学生と共に思わず声を 上げることがある。まさに「センス・オブ・ワンダー =神秘さや不思議さに目をみはる感性」田)が刺激さ れた瞬間である。 これまでの日本は,大量生産,大量消費,大量廃棄 の社会経済システムを基本に動いてきており,それ によって環境破壊や多くの生物の絶滅を招く等, 様々な問題が起こっている。これからは,好むと好 まざるとに係わらず持続可能な循環型社会を構築 しなければ,人類に明日はない。そのような観点か ら,環境教育は重要な意味を持つであろう。そして 環境教育の場として海は格好の場である。潮干狩り や磯遊び,釣り等は,子供の頃からの楽しい思い出 として刷り込まれている。海を守ることと環境教育 は密接に関連するであろうし,子供の頃から「セン ス・オブ・ワンダー」を刺激された経験を持つ人は, 環境を守る「サポーター」としてこれからの社会で 重要な役割を演ずると思われる。 研究は,「群盲,像を撫でるが如し」と考えている。 出てくるデータは基本的に断片的であり,時に矛盾 と思える場合もある。それらのデータは,初歩的ミ スのない限りそれぞれ一片の真理を含んでいるで あろう。部分的な知見をジグソーパズルのように組 み合わせ,そして「bigpicture」を理解しようとする。 その過程で「センス・オブ・ワンダー」がどれほど問 われ,刺激されることであろうか?若い人達に, この「オオーッ!」と鯰る瞬間を経験して戴きたいも のである。そして大きな発見をした時には,背中か ら頭の天辺に電流が走り,髪の毛が逆立つものであ る64)。これは一生の間にそう有るものではないが, 研究を一生の生業として目指す人には,努力と精進 を経て-度は是非経験して戴きたいと思う。臨済宗 中興の祖と称される白隠慧鶴は,その生涯において 鯵引用文献 1)今井一郎:赤潮の発生一海からの警告一.遺伝,54(9):30-34, 2000. 2)Imai,L,M、YamaguchiandY・Hori:Eutrophicationandoccur‐ rencesofharmfUlalgaIbloomsintheSetolnlandSea,Japan.Pノα"ん '0〃Be"ノノノosRes.,1:71-84,2006. 3)高辻英之・飯田悦左・高山晴義:2004年に広島県沿岸で発生し たCノlα"。"eノノaoWJrd・広水研報,23:19-22,2005. 4)Imai,LandKItoh:CystsofCノlarro"ビノノαα""9"αandC'"αrj"α (Raphidophyceae)insedimentsofthelnlandSeaofJapan.β"". Pノα'WollSoc・JP",35:35-44,1988. 5)Matsuyama,Y、,T・Uchida,T・HonjoandSEShumway:Impacts 2001. 6)Kim,,.-L,S・Nagasoe,Y・Oshima,Y・-HYOon,N・ImadaandT、 Honjo:AmassivebloomofCocハノodj"i""1poMrMEojdleJinthe YatsushiroSea,Japanin2000hl:Steidinger,K、A、,』.H、Landsberg, C、RTbmasandG.A、Vargo(eds.),HarmfUlAlgae2002,Florida FishandWildLifeConservationCommissionandlOC-UNESCO, SLPete,Florida,pp、83-85,2004. 7)金鶴均・斐憲民・李三根・鄭昌洙:韓国沿岸における有害 赤潮の発生と防除対策.、:有害・有毒藻類ブルームの予防と駆 除(広石伸吾・今井一郎・石丸隆編),恒星社厚生閣,東京,pp、 134-150,2002. 8)宮原_隆・氏良介・'11田東也・松井芳房・西川哲也・鬼塚剛: 2003年9月に日本海山陰沿岸海域で発生したCOCハノodi,1i",〃 '0M'祓加セs『Margalef赤潮日本プランクトン学会報,52:11-18, 2005. 9)今井一郎・板倉茂:わが国における貝毒発生の歴史的経過と 水産業への影響.ノノ,:貝毒研究の最先端一現状と展望(今井一 郎・福代康夫・広石伸吾編),恒星社厚生閣,東京,pp、9-18,2007. 10)Anderson,DM.:Physiologyandbloomdynamicsoftoxic A/era"drjl"〃species,Withemphasisonlifecycletransition,肱: Anderson,,.M、,A・DCembellaandGM、Hallegraeff(eds.), PhysiologicalEcologyofHarmfUlAlgalBlooms,Springer,BerIin, pp、29-48,1998. 11)Park,M、G、,S、Kim,H、S・Kim,G,Myung,Y、G・KangandW Yih:FirstsuccessfUlcultureofthemarinedinoHagellateDjl7”んysis qal"1ilm『α、A9"α1.Mjcmb・ECO/、,45:101-106,2006. 12)Bates,S、S・andV・LTrainer:Theecologyofharmfuldiatoms・ I、:Graneli,EandJ.T・Turner(eds.),EcologyofHarmfulAlgae, Springer,Berlin,pp、81-93,2006. 13)小瀧裕一:記憶喪失性貝毒原因プランクトンー珪藻におけるド ウモイ酸の分布と毒生産機構.月刊海洋,33:725-731,2001. 14)Ono,C・andH・Tnkano:Chα"Olleノノαα"ri9側α(Hada)combnov., anditsoccurrenceontheJapanesecoast.β"〃・nAaiReg、Fisノ7. Res.Lα6.,102:93-100,1980. 15)原慶明・千原光雄:日本産ラフイド藻シャットネラ(Cソ、",,eノル) の微細構造と分類.藻類,30:47-56,1982. 16)Hara,Y、,KDoiandM・Chihara:FournewspeciesofCM'0"eノノα (Raphidophyceae,Chromophyta)fromJapan.〃''.J、PAycoL,42: 407-420,1994. 「大`悟数回,小悟数知れず」といわれている。研究の 17)Hada,Y、:TheflagellataexaminednompollutedwatersoftheIn- 世界となんと似ていることであろうか?! 18)Subrahmanyan,R:Onthelife-historyandecologyofHol"eノノノα 〃!。'・"jagen・etsp・nov.,(Chloromonadineae),causinggreendis- 謝辞 無殻渦鞭毛藻の分類に関して貴重なご助言を戴い た,前広島県水産試験場の高山晴義博士,ならびに水 産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所赤潮環 境部の山口峰生博士に心から感謝申し上げます。 462海洋と生物蟻l721voL29no512007 し oftheharmfuldinonagellate,HeremcCJpsqci'℃"ノqris9namq,on shellfishaquacultureinJapan・ノ.SAe/版s/iRes.,20:1269-1272, landSea,Setonaikai.βⅨ//・Pノα'1A'o"SOCルル,20:112-115,1974. colorationoftheseaandmortalityamongmarineorganismsoff theMalabarCoast、ノノldjα〃ノ.FM.,1:182-203,1954. 19)Hollande,A・andM・Enjumet:Suruneinvasiondeeauxduport d,AlgerparCノjarrolleノノamlbsaノsα(Hor"eノノiα''mri"αsub.) Biecheler、RemarkssurlatoxicitedecetteChloromonadine・BLl〃・ 刀・aMP"b/、SrルA9LイノαイノferPecノIBCasrjgl/o"e,Ⅳ.S、8:273-280, 1957. 20)高野義人・山口晴生・坂本節子・山口峰生:分子系統学的解析を 用いたラフィド藻d1arlo,,eノノq8ノobosaの分類学的再評価2006 Q r繍穐・中…,鐸洋癖;・燐X、分懸;」:H9鋒,:、1浄丁舗競:1翰私刊鈴,梶韓:?,.#蕊1;IFf1qPY・'篠鍵?;鶴織舞1.Vf輪W;鶴,_瀞垂心1W,;':螺!:緯f蒋錬ツド..…,§鋳,、パPf`M-.…パ瀞1群、-辱く卍毘・へ.'軋寮:1号・-・胃ぞザ?シド釧・f2;9。、.:ヨDP?9、日田n$鱈(し笹0,.f感,?bk鐸.鳧…-'へ,参:…・-~談分?;.E多鐡:賢錺:9,も 年日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会講演要旨 集,214,2006. KominamiexOdaと0W""odj"jL"11〃αgqsqAie"seTakayamaet Adachiの種形質の再評価.日本プランクトン学会報,38:53- Y、Sako:ProposalofハeIldochα〃。"`ノノαl'Br'wczイノoJagen・nov., 43)Braarud,T・andB・RHeimdal:BrownwaterontheNorwegian Chq"o"ピノノawrJwcロノOSα,basedonl8SrDNAphylogenyandul- trastructuralcharacteristics・Phycoノ.RaIr.,55:185-192,2007. 44)Partensky,P.,DVaulot,A、Coute,andA・Sournia:Morphologi‐ unarmouredstages.K、、α"MceWde'7.M6.sC/Sk、B/Cl.Sハル37:1- 45)Hulburt,BM.:ThetaxonomyofunarmoredDinophyceaeofshal- 21)Hosoi-T1anabe,S、,DHonda,S,Fukaya,LOtake,Y、Inagakiand comb・NOM(Dictyochophyceae)fbrafbrmerraphidophyceanalga 22)Moestrup,0.andHAThomsen:Dicn'ocノlaspedイノⅨ"1 (SilicoHagellata,Dictyochophyceae),Studiesonarmouredand 56,1990. 23)Jochem,F・andBBabenerd:NakedDicハノoc/IaSpecM"'u-anew typeofphytoplanktonbloomintheWestemBaltic・Mar・Bjoノ.,103: 373-379. ▽ 24)DeBoer,M、K、:MazeofToxicity:Fiblocapsaノapo"'Ca (Raphidophyceae)inDutchcoastalwaters、205pp,VanDenderen b.v、,Groningen,Netherland,2006. 25)Tbriumi,S・andHTklkano:AnewgenusinChloromonadophyceae fromAtsumiBay,Japan.B"ノノ.7bAQiReg・Fjsh.Res.Lα6.,76:25- 35,1973. 26)岩崎英雄:赤潮鞭毛藻に関する研究一V1.1970年,備後灘に 出現したE'"'”rie"αsp.とExZハ'iqeノノqsp.について.日本海洋 学会誌,27:152-157,1971. 27)岡市友利:浅海の汚染と赤潮の発生.ノ":内湾赤潮の発生機構, 日本水産資源保護協会,東京,pp、58-76,1972. 28)LoebIichlll,AR・andK・Fine:Marinechloromonads:Morewidely distributedinneriticenvironmentsthanpreviouslythought.P'℃c Bioノ.SOC・WhsA.,90:388-399,1977. 29)Hada,Y、:ProtozoanplanktonofthelnlandSea,SetonaikaiLThe Mastigophora、81イノノ.SlィZlィgaJ"''12Wb"12〃lFCoノノ.ノWr・Sci.,13:1- 26,1967. 30)Hada,Y、:ProtozoanplanktonofthelnIandSea,SetonaikailLThe mastigophoraandSarcodina、Bzイノノ.Slに"8〔""i"eWb"lel(COノノ.ノV、'. Scj.,14:1-28,1968. 31)Hara,Y、andM・Chihara:Morphology,ultrastructureandtaxonomy oftheraphidophyceanalgaHeremnri8maaAash/wo.Bor.〃α8.,7b‐ Ayo,100:151-163,1987. coastinautumnl966.AM・MJ8.Bor.,17:91-97,1970. calandnuclearanalysisofthebloom-formingdinoflagellates GWmノノ"i""lcfα〃reom"landGy"l"od/"/Ⅳ"1〃αgasαAialsE・ノ. PA),CO/、,24:408-415,1988. lowembaymentsofCapeCod,Massachusetts.β/o/、B"ノノ.,112: 196-219,1957. 46)Hansen,G、,NDaugbjergandP、Henriksen:Comparativestudy ofGw""o〔ノノ"i""1'"j〃"WoノandGyl""odi"ill"1口"ノゼoノu"",comb・ nov.(=GylY,。i"jlィ''0α1"でo/Jイノ")basedonmorphology,pigment composition,andmoleculardata・ノ.PAycoノ.,36:394-410,2000. 47)高山晴義・松岡敷充・福代康夫:わが国沿岸で採集された無殻 渦鞭毛藻GWUdi""'''1α`"℃0m'"Hulburtの分類学的検討.日本 プランクトン学会報,45:9-19,1998. 48)吉松定昭:香川県における有毒プランクトン種及び西日本に おける有毒底生性渦鞭毛藻類種の出現動向.マリントキシン研 究会ニュース,23:5-7,2006. 49)Onoue,Y、,K・Nozawa,K、Kumanda,K・TakedaandTAramaki: OccurrenceofatoxicdinoHagellate,"Gy"!"od/"〃'〃Type-,84K” inKagoshimaBay.Bロノノ.ノア"、SOC・Sc/、Fバノ1.,51:1567,1985. 50)DeSalas,M.P.,CLS・Bolch,L・Botes,GNash,S、W・Wright andGM・Hallegraeff:7hAαyα"lQgen・nov.(Gymnodiniales, Dinophyceae),anewgenusofunarmoreddinoHagellateswithsig‐ moidapicalgrooves,mcludingthedescriptionoftwonew§pecieS・ ノ.P〃)'COノ.,39:1233-1246,2003. 51)Onoue,Y、,K・Nozawa,KKumanda,KTakedaandT・Aramaki: ToxicityofCocノllodj"/z"〃Type’78Yatsushirooccurringin YatsushiroSea・Blイノノ.〃"・SOC、Scj.Fバカ.,51:147,1985. 52)Yuki,KandS、Yoshimatsu:Twofish-kiIlingspeciesof Cocノlノodi"j[ィ"lfromHarima-Nada,SetolnlandSea,Japan・ノノl: Okaichi,丁.,nM.AndersonandT・Nemoto(eds),RedTides:Bi‐ ology,EnvironmentalScience,andTbxicology,Elsevier,NewYork, pp、451-454,1989. 53)松岡數充・岩滝光儀:有害無殻渦鞭毛藻COC/,ル`ノノ"/",〃 33)Tnylor,P.』.R:Thetaxonomyofharmfulmarinephytoplankton・ poMriAo/desMargalef研究の現状(総説).日本プランクトン学 34)Throndsen,L:NoteonthetaxonomyofHerelnsig"jaqAasノノノwo (Raphidophyceae).P/Iycoノo8iq,35:367,1996 35)Hara,Y,LInouyeandM・Chihara:Morphologyandultrastruc‐ tureofOノisfAodisc"sノ`(rα(s(Raphidophyceae)withspecial「efer- 54)Kim,C-J.,H・-G.Kim,C-H、KimandH-M、Oh:Lifecycleofthe 36)Hosoi-Tnnabe,S,LOtakeandY・Sako:PhyIogeneticanalysisof H2'cmcd"sqsp、赤潮発生期の環境特'性とアコヤガイ蝿死の特 GiOr.Bor.〃αノ.,126:209-219,1992. 、 70,1991. 32)Hulburt,E:Flagellatesfrombrackishwatersinthevicinityof WOodsHole,Massachusetts.J、Phycoノ.’1:87-94,1965. ク 韓露電れからの赤潮学畷 encetothetaxonomy・Bo1.MJ8.,7bAyo,98:251-262,1985. noxiousredtidenagellatesC〃α〃o"eノノロqM9lイα,C・〃!α'./"α,C、 oyam,andCvel・'wα`/Csα(Raphidophyceae)basedontherRNA genefklmily.nsノierjesScj.,72:1200-1208,2006. 37)Daughjerg,N、,GHansen,J、LarsenandOMoestrup:Phylogeny ofsomeofthemajorgeneraofdinonagellatesbasedonultrastruc‐ tureandpartialLSUrDNAsequencedata,includingtheerection ofthreenewgeneraofunarmoureddinoflagellates.Pノハ'CDノogiq、 39:302-317,2000、 38)高山靖義:神経性貝毒原因プランクトンの分類・生態.月刊海 洋,33:732-735,2001. 39)飯塚昭二・入江晴彦:1965年夏期大村湾赤潮時の海況とその 被害一IL後期赤潮とその生物学的特徴について.長崎大学水 産学部研究報告,21:67-101,1966. 40)Tnkayama,HandR・Adachi:GW"'1o(ノノ'7jlイ"lllagasaA/ellsesp・nov., 会報,5138-45,2004. ichthyotoxicdinonagellateCCc/lノodl/"i""7poMEr/ADjdesinKorean coastalwaters.〃α、戒(ノAノgα2,6:104-111,2007. 55)松山幸彦・永井清仁・水口忠久・藤原正嗣・石村美佐・山口峰生・ 内田卓志・本城凡夫:1992年に英虞湾において発生した 徴について.日本水産学会誌,61:35-41,1995. 56)Horiguchi,T、:HaemcapSacj1℃lイノarjs9L(α"lasp、nov.(Peridiniales, Dinophyceae):Anewmarinedinonagellatecausingmassmortal‐ ityofbivalvesinJapanPノlyco/、RCS.,43:129-136. 57)Iwataki,M、,M、W・WongandYFukuyo:Newrecordof He/elocapsacj'α(ノarm911α'"α(Dinophyceae)fromHongKong・ FMBrjesSci.,68:1161-1163,2002. 58)福代康夫・PPholpunthin:渦鞭毛藻ペリデイニウム目ゴニオ ラヅクス科AノeXα'1`'八"''rα'"α'で'1se(Lebour)Balechノノ1:日本の 赤潮生物(福代康夫・高野秀昭・千原光雄・松岡敷充編),内田老 鶴圃,東京,pp、94-95,1990. 59)Balech,E:TheGenusA/exα"dl・jl('〃Halim(Dinoflagellata).151 pp.,SherkinlslandMarineStation,Sherkinlsland,CO・Cork,Ire‐ land,1995. aredtidefOrmingdinophyteintheadjacentwatersofJapan.B皿". Pノα"Aro〃SOC・ルノ1,31:7-14,1984. 60)Hasle,G、R、:PseL`do-"jlZschiaasagenusdistinctfrom/V/rZscルノα (Bacillariophyceae).J、P/i)'COノ.,30:1036-1039,1994. (MSjI)の赤潮と硫酸銅の効果.動物学雑誌,47:35-48,1935. 42)高山晴義・松岡敷充:G)'''1"。`ノノ"/"'〃'"ノハノ"joloノMiyakeet Retentionoftranscriptionallyactivecryptophytenucleibythecili- 41)尾田方七:O)'"''1odilnjJ("11"ノハノ''1oroiMiyakeetKominamin・sp. 61)Johnson,M、.,DOldach,CF、DelwicheandD.K・Stoecker: ateMvr/o"ecrα'wbm./W/"だ,445:426-428. 海洋と生物蟻l721voL29no、512007463 62)Krainer,K・-H、andW・Foissner:RevisionofthegenusAsAellasjd Blochmann,1895withproposaloftwonewspeciesanddescriptionofRhabdo“AE"αSIIα'"j"j"'αn.9.,,.sp・(Ciliophora, Cyclotrichida).J、PmroZooノ.,37:414-427,1990. 63)レイチェルカースン:センス・オブ・ワンダー(上遠恵子訳・ 森本二太郎写真)62pp,新潮社,東京,1996. 64)今井一郎:シスト探索顛末記.南西水研ニュース,37:2-3, 1987. Abstract:Alongwithseriouseutrophicationinthel960sandl970s,theincidentsofredtidesmarkedlyincreasedinfrequencyandscaleinthecoastalseaofJapanlncaseoftheSetolnlandSea,the maximumincidentof299wasrccordedinl976,buttheincidenthassinceexhibitedadecreasingtrend, reachingaboutlOOperyearinthelatel980sbyvirtueofregulationbylaw,andthisvaluehasbeen maintainedthereaftersofarThenoxiousredtidemicroalgaecausinghugefisherydamagebyfish-kill areC/iα"o"eノノαα""9"α,C〃mrj'zα,CowJmandHeremsjg"TaaAqs/Ziwo(Raphidophyceae),andKn”"iα 〃k伽orojandCoc/Zノoaj川mpoかMkojdes(Dinophyceae).Themaximumfisherydamage(deathofl4、Z millionyellowtails)was7.lbillionyen(caUS$60million)causedbyCα"rj9LlainHarima-Nadain l9721ntoxicblooms,thedinoflagellateA化xα"cノri""lrq"mだ"sehasnewlybecomedominantintheSeto InlandSeaandKyushuareainthespringseasonfroml990s,causingtoxicityinshort-neckedclalnsand じ □ culturedoystersalmosteveryyear・Asaresultoftaxonomicalexaminationanddiscussion,thescientific namesoftoxicandfish-killingspecieshavebeenarrangedandchangedfrequentlyThechangewaslisted uphistoricallyconcerningimportantharmfulspeciesforthenewcomerpeopleofthestudyfieldof harmfUlalgalblooms. 巴 464海洋と生物霧l721voL29no512007