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4 No.573
平成2 0年#月2 0日発行 毎月!回2 0日発行 No. 5 7 3 昭和4 7年"月$日 第"種郵便物認可 2008 せんきょう 4 社団法人 日本船主協会 海運ニュース NOxおよび SOx次期規制案、 承認される ―IMO第57回海洋環境保護委員会(MEPC57)の模様について― 寄 稿 小学校教育と船舶 ●No.573● C O N T E N T S 編集雑感 4 APRIL 2008 1 ■巻頭言 「安全な海」 への取り組み 日本船主協会 常任理事 第一中央汽船株式会社 代表取締役 社長執行役員#野村親信 2 ■海運ニュース 2 国際会議レポート 1. STCW条約・コードの包括的見直し作業が進められる ―IMO第3 9回訓練・当直基準小委員会(STW3 9) の模様― 2. NOxおよび SOx次期規制案、 承認される ―IMO第57回海洋環境保護委員会(MEPC57)の模様について― 3. 円滑なシップリサイクルのためにはすべての関係者の 協力・関与が必要との認識で一致 ―アジア船主フォーラム(ASF)シップリサイクリング委員会(SRC)第11回中間会合の模様― 4. 内外の海運関係者約1 0 0名が参加 ―CSG! ICS シッピング・ポリシー・セミナーの模様― 5. HNS条約改正議論がスタート ―1 9 9 2年国際油濁補償基金第4 0回理事会等の模様― 18 ■寄稿 小学校教育と船舶 28 ■メンバー紹介 №10 郵船クルーズ株式会社 海運統計 編集雑感 日本船主協会 企画部政策担当部長 33 表紙! 囲み記事 $2 0 0 8年海運講習会を開催 $北九州市小倉で海上技術学校、 水産高校と意見交換を行う $海運統計関係グラフ集 $日中韓国際物流セミナー (於岡山) の開催について 20 22 24 27 第一中央汽船 飯 野 海 運 川崎近海汽船 川 崎 汽 船 日 本 郵 船 商 船 三 井 三 光 汽 船 三 洋 海 運 新 和 海 運 日本船主協会 総務グループ次長 総務グループ 広報"IR 室 総務部課長代理 IR"広報グループ 情報広報チーム長 調査グループ グループ長代理兼調査チーム長 広報室マネージャー 社長室長 総務部副部長 総務グループ 総務"法規保険チームリーダー 常務理事兼総務部長 常務理事兼海務部長 常務理事兼企画部長 企画部政策担当部長 海務部労政担当リーダー 清野 鉄弥 編集後記 編集委員名簿 仙台市立柳生小学校 教頭#佐藤澄江 海運日誌(#月) 31 32 船協だより 定産業の既得権になり使命を終えても廃止できな くなることを示している」と書かれている。 そのほかにもいくつか昨年末ごろから本年はじ めごろにかけて新聞や雑誌の租税特別措置に関す る特集記事などで船舶特償が特定業界の既得権化 された租特の代表例として紹介されている。 わが国の償却制度は平成1 9年度に抜本的に改正 が図られ、 2 5 0%定率法という従来と比べて早期の 償却が可能となるような税制改正が行なわれた。 この2 5 0%定率法に船舶特償1 8%を加えて船舶取得 後5年間の償却可能範囲を計算するとわが国の場 合約6 8%となる。 一方、ドイツ、デンマーク、イギリスで7 6%、 フランスでは9 4%、アメリカは8 4%となっている。 このようにこれら国々と比べると船舶取得後5年 間の償却可能範囲が著しく劣っている。いまだに このような状況にあるので船舶特償はわが国外航 海運の国際競争力確保の観点から最低限必要な制 度である。 ねじれ国会ということでもあり、また上述のと おりすでにいろいろなところで船舶特償が既得権 化された税制の例として槍玉にあげられているよ うな状況で、同制度維持への対応は例年になく非 常に厳しいものとなりそうである。2 1年度税制改 正では海運関係の他の団体や神戸、愛媛等の有力 船主筋とも結束をはかり、関係方面にこれまで以 上に強く理解を求めていく必要がある。 トン数標準税制の法案通過も目前まで来ている が、ねじれ国会の中、ガソリン税やら日銀総裁・ 副総裁候補などの問題で国会が混乱しており、お 預けの状態となっている。また肝心な政省令の詰 めがまだできておらず現在、当協会の意見も聴し つつ、国交省、財務省が急ぎ検討しているところ である。できるだけ早期に法案が通過して早く安 心したいものだ。 ところで、来年度(平成2 1年度)税制改正であ るが、船舶の特別償却制度が平成2 1年の3月3 1日 に期限切れとなるために、本年度に同制度の延長 要望を行なわなければならない。しかし、例年以 上に環境はよくない。 例えば、本年2月2 8日の衆議院財務金融委員会 である議員が『長期にわたる企業関係租税特別措 置ということで、この一番長いものが5 0年以上続 いている。船舶の特別償却ということであります が、この船舶の特別償却を特別措置する政策目的 についてお聞かせいただきたいと思います』と切 り出して、租特の一番長いものとして船舶特償を とりあげた。国会でもすでにこのような形で話題 に取り上げられている。 また、最近の某新聞の社説でも特定業界の既得 権となった租税特別措置の代表例として船舶特償 を引き合いに出しており、 「なかには敗戦後の船舶 と船員の不足から脱出するため1 9 5 1年に導入され た『船舶の特別償却』など目的や対象を少しずつ 変えながら半世紀以上も温存されているものもあ る。政策的な狙いで設けた特例がいつの間にか特 裏 伊藤 酒矢 高山 宮本 鹿野 近 荒井 藤田 井上 半田 園田 清野 山脇 啓史 夏彦 雅久 敦 佳亮 謙二 寿雄 正樹 正数 晃 收 裕一 鉄弥 俊介 先月号に YH さんが書いていらっしゃった とおり、この欄は今年から3人のローテー ションになりました。いかがでしょうか? 個人的には上欄の「編集雑感」同様、いろ いろな考えやエピソードを聞くことができ て面白いな∼なんて思います。YHさんのお 話で計算したら今年の1月迄でジャスト連 載5 0本!よく書けたなぁ…ネタ切れも結構 実はあったんですよ∼YHさま、というとこ ろで今後も他の方の執筆をみなさまと一緒 に楽しみにしたいと思います。 (MN) せんきょう"月号 No. 573 (Vol. 49 No.1) 編集・発行人●井上 晃 発 行●平成20年!月20日 製 作●株式会社タイヨーグラフィック 創 刊●昭和35年"月10日 定 価●407円(消費税を含む。会員については会費に含めて 発行所●社団法人 日本船主協会 購読料を徴収している) 〒102!8603 東京都千代田区平河町2!6!4 (海運ビル) TEL. (03) 3264!7181 〔総務部(広報)〕 巻 頭 言 「安全な海」への取り組み 日 本 船 主 協 会 常 任 理 事 第一中央汽船株式会社 代表取締役 社長執行役員 野村親信 イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突 賠償貨物の価格の上昇、異常気象などが原因とし 事件が海難審判理事所により「重大海難事件」と て挙げられているが、船員の技量不足によるヒュ して指定された。横浜地方海難理事所に特別捜査 ーマンエラーの増加も直接的な事故増加の原因と 本部が設置され、異例の増員体制での捜査が行わ なっている。 れるようである。これまでの報道によると、この 日本では、様々な業界で、団塊の世代の2 0 1 0年 衝突事故も不適切な見張り"航法と、船内の連絡 をピークとした市場からの退場及び少子化による !引継ぎ体制の不備が原因のようであるが、些細 労働力の減少!熟練者不足に対する懸念が、所謂 なヒューマンエラーにより尊い人命が失われるこ 2 0 1 0年問題として取り沙汰されてきた。 のような海上での事故が繰り返し発生することは、 誠に残念と言うほかない。 我が海運界においても、2 0 1 0年をピークにした 新造船の大量竣工に伴い、必要とされる優良船員 我が商船の世界では、 2 0 0 7年7月に ISM コード の確保!船員教育が、正に今後の安全運航を左右 が全面強制化となり、タンカー等への事前適用を する切迫した問題として捉えられている。我々が 含めると1 0年余りが経過したことになる。サブス 事故を防止し、安全運航を維持する為になすべき タンダード船及びサブスタンダード船主!船舶管 ことは、従前と変わりなく、ISM コードに基づい 理者の排除を目的とするこの規則の適用により船 た徹底した船舶管理と各社ノウハウの詰まったマ 舶管理の適切な基準が明確化され、又、船舶の運 ニュアルをしっかり教育してゆくことであろう。 航についても各社のノウハウがマニュアルという 1 9 6 0年代後半に登場した仕組船は、厳しい国際 形で纏められ、運用されるようになり、以後の船 競争の中で生き抜くために日本海運にとって不可 舶の安全運航に大きく貢献して来たと感じている。 欠な存在となった。7 0年後半より仕組船の隻数は しかしながら、商船の運航にあってもこれらの規 増大し、我々は安全確保のため様々な外国人と付 則の施行により事故が顕著に減少し、今後も安全 き合い、船員のキーマンとして育ててきた。この 運航の確保が安泰であると言う訳ではない。実際 3 0年余りの経験!実績を活かして2 0 1 0年をピーク に昨年度、今年度の P&I 保険料は大幅なアップと とする船員問題をクリアーし、安全な海を守って なった。船舶の大型化によるクレームの大規模化、 行きたいものである。 せんきょう Apr 2008 ● 1 海運ニュース 国際会議レポート 1 STCW条約・コードの包括的見直し作業が進められる ―IMO第39回訓練・当直基準小委員会(STW3 9) の模様― IMO 第3 9回訓練・当直基準小委員会(STW3 9) 4.条約中、不整合、古くなった規定、IMO 海上 が3月3日から7日にかけて英国ロンドンにて開 安全委員会(MSC : Marine Safety Committee) 催された。今次会合の主要議題の審議結果は以下 の指示事項、技術進歩に係る事項について検 の通り。 討する。 なお、本小委員会での合意事項については、上 部委員会である IMO 海上安全委員会(MSC)にて 再度審議されることとなっている。 5.効果的な意思疎通の必要性に対処する。 6.条約遵守の柔軟性を確保し、技術革新に対 応した必要な訓練および能力証明ならびに当 直基準を確保する。 1.STCW 条約・コードの包括的見直し 前回会合(STW3 8:2 0 0 7年1月)から作業が開始 されており、各締約国政府およびNGOからの提案 について一定の整理がなされたものの、見直しにつ 7.ショートディスタンスおよび陸上部門の特 殊な性質および状況に対処する。 8.海事保安に関する事項を検討する。 (次回会 合で主要議題として扱う予定) いて検討を行う項目は広範囲なものとなっている。 現時点での見直し作業完了の目標年次は2 0 1 0年 であり、作業の原則は STW3 8において以下のとお り合意されている。 1.1 9 9 5年改正版 STCW 条約の構成と目的を維 持する。 2.現行の基準を下回らないこと。 3.条約の条(article)は改正しない。 2 ●せんきょう Apr 2008 〈条約見直しに関する作業の経過について〉 !2 0 0 6年1月(STW3 7)―現行 STCW 条約が発効 して約1 0年が経過していることから、条約の包 括的見直しを行うべきとの IMO 事務局長の提案 を受け、IMO 第8 1回海上安全委員会(MSC8 1) に承認を求めることとなった。 !2 0 0 6年5月(MSC8 1)―条約の包括的見直しの これについては、条約の規定が ILO の関連条 作業を以下のとおり二段階に分けて行うことで、 本議題を STW 小委員会の作業プログラムに組み 約と調和を図る必要の有無、現行の例外規定に 込むことが承認された。 ついて意見が分かれたため、継続審議されるこ 第一段階:見直すべき事項を特定する。 第二段階:具体的な見直し事項について関連 規定の改正の要否について検討す る。 !2 0 0 7年1月(STW3 8)―見直しを行うべき項目 の抽出を行った結果、広範囲にわたることとな ったため、作業完了目標年次が2 0 0 8年から2 0 1 0年 に延期された。 ! " 海技免状の更新時期(条約第1章) ととなった。 # 電子・電気技師資格 〈合意事項〉 !電子・電気技師を新たな資格として定義 付けすること。 !非強制規定とすることを前提に審議を継 続する。 !電気技師の能力要件は第5章にて取扱う。 船舶に搭載される電子・電気機器が複雑化し 有効期限日より遡って6ヶ月間(わが国は1 2 ていることに鑑み、機器の保守・点検を適格に ヶ月間)を更新期間とし、新しい免状の有効期 実施できる体制を確保するため、電子・電気技 限日は旧免状の有効期限日から5年後とする旨 師の資格を創設すべきとの提案(イラン等)が シンガポールが提案している。これに対してわ あった。これに対し、わが国は、通常、電子・ が国は、免状の更新可能な期間について具体的 電気機器の保守・点検は機関士が通常担当して に規定する必要はなく、各主管庁の判断に委ね いるため新たな資格を創設する必要性は低い旨 られるべきと主張したが、次回会合にて継続審 主張したが、基本的には資格を新設する方向が 議されることとなった。 支持された。 当直担当者の最短休息時間(条約第8章) しかしながら、強制化の是非については意見 当直者の疲労を予防するため、ILO 第1 8 0号条 が分かれたため、本提案の内容については機関 約の内容を STCW 条約に移植すべきとの提案 部職員の基準を定める第3章において非強制規 (EU 諸国)に対し、わが国からは、規制を受け 定とすることを前提に継続審議されることとな る対象船員の範囲が船内労働者全般となること った。 について、第8章(Watchkeeping!当直)で規 また、ブルガリア等より1, 0 0 0ボルト以上の発 定すべき事項に反している等の理由によりこれ 電機を管理する機関部職員の要件を条約の第4 に反対した。 章(無線通信員に関する基準)に新たに追加す ▲王立園芸場(WG 会場) ▲本会議場 せんきょう Apr 2008 ● 3 べき提案があった。これに対してわが国は、新 2.船舶安全配員原則の見直し たな要件は不要であるとし、追加が必要な場合 〈合意事項〉 でも、第3章(機関部に関する基準)に追加す !作業完了の目標年次を2 0 0 8年から2 0 1 0年に べき旨発言し、これをパナマ、インド、ISF 等が 変更した。 支持した。 結局、本件については非強制要件とすること 海難の多くが、船員の疲労に起因しているとの および第5章(特定の種類の船舶の乗組員に対 調査結果に基づき、船舶安全配員原則(IMO 総会 する特別な訓練要件に関する基準)で取扱うべ 決議 A. 8 9 0)の見直しについて WG にて審議され き意見が大勢を占めたため、これらについて今 たが議論が収束しなかった。 後ワーキンググループ(WG)にて検討されるこ ととなった。 ' タンカーの船長、職員・部員の訓練および能 力要件(条約第5章) 〈合意事項〉 !取扱う危険物の種類を2種類に分割し、 それぞれに能力要件を規定する。 !LNG と LPG は液化ガスとして現行通り一 つの資格とする。 現行 STCW 条約・コード第5−1規則(タン カーの船長、職員および部員の訓練および能力 このため、コレスポンデンスグループを再設置 して継続協議を行うこととなった。これに伴い、 作業完了目標年次を2 0 0 8年から2 0 1 0年に延期するこ ととなった。 船舶における最少安全配員数については、わが 国は、!国際的に一律の基準を設定するべきでは なく、"各国が疲労に至る複合的要因を総合的に 勘案して決定すべき旨主張したところ、多くの国 がこれに賛成の意を表した。 WGでは最少安全配員について、!最終目的に到 達するためのアプローチを行い、"標準的な手順に よって、#効果的に実施するとのことで合意された。 要件)を取扱う危険物の種類別に2分割するこ とについて提案があり、検討の結果以下のとお 3.プレナリーでの審議事項 り分割することで合意した上で、海上安全委員 % 会で再度審議されることとなった。 海難分析 オランダは自動車運搬船の横転事故に関し、 $第5−1−1規則:石油タンカーおよびケミ 船舶の復原性とバラスト水管理の問題は個別に カルタンカー乗組員に関する規定 検討されなければならず、条約・コードの第2 $第5−1−2規則:液化ガスタンカー乗組員 章(甲板部職員に関する基準)に新たに追加す に関する規定 べきと発言した。これをスウェーデン、マーシ 検討の過程において、液化ガスにかかる資格 ャル諸島が支持したことからバラスト水交換に 証書を LNG と LPG の2種類に分けるべきとの提 関する新たな訓練要件について今後検討される 案があったが、わが国を含め、反対意見が大勢 こととなった。 を占めたため、資格証明書の種類は一つとなっ た。 & 人的要因 ICS よりタンカー事故の絶対的な回避方法は存 それぞれの規則における職務細目については 在しないものの、陸上および船上の関係者が適 継続審議を行うこととなっており、かなり詳細に 切な手順に従って効果的に訓練されている場合 なっているものの、業界のスタンダードである には、ほとんど事故が発生していないことから、 SIGTTO 要件を基に策定されているので、 これよ 有効な Safety Culture を確立することが極めて重 り高い水準のものが求められることはないと推 要であり、その観点から条約・コードの第5章 察される。 の改正を検討すべきとの意見があった。 4 ●せんきょう Apr 2008 これを英国、スウェーデン、シンガポール等 ーションの活用についても新たな規則が必要で が支持を表明したが、いずれも陸上関係者にま あるとの意見が多かったことから、これらの点 で STCW 条約の要件を課すことについては反対 が第8章に盛込まれることについて合意した。 # した。 " BRM!ERM(船橋!機関室リソースマネジメ 船内食糧の安全性の管理等 ITF(国際運輸労連)は、船内食糧の安全性を 管理するための基準を STCW 条約に盛込むべき ント) 旨提案していた。 〈合意事項〉 これに対し、わが国から食糧等の衛生管理に "管理技能やリーダーシップに関する規定 関する規則は ILO または WHO の条約体系の中 を第2、3章に盛込む。 で担保されるべき事項であることからこれに反 "船橋!機関室におけるコミュニケーショ 対したところ、多数国が賛同したことから本提 ンの活用に関する規定を第8章に盛込む。 案は却下された。 BRM!ERM の規定をコードB(勧告指針)か らA(強制要件)に移行すべきとの米国提案に 4.その他 ついて複数国が支持を表明したため、WGにて検 討されることとなった。 WGにおいて、管理技能やリーダーシップ技能 条約・コードの包括的見直し作業のための会合 を次のとおり開催することとなった。 !2 0 0 8年9月:中間会合 は、船橋や機関室における資源活用の一部分と !2 0 0 9年2月:STW4 0 して第2章、第3章に含める点も同意された。 !2 0 1 0年1月:STW4 1 WG ではコミュニケーションとリーダーシップ !2 0 1 0年6月:改正 STCW 条約採択会議(於フィ リピン) の技能に関する新しい定義付けを行う必要があ り、さらに、船橋!機関室におけるコミュニケ 2 (海務部:田部) NOxおよび SOx次期規制案、 承認される ―IMO第57回海洋環境保護委員会(MEPC5 7) の模様について― 国際海事機関(IMO)の第5 7回海洋環境保護委 た MEPC5 3において、一層の環境負荷低減の必要 員会(MEPC5 7)が、2 0 0 8年3月3 1日から4月4日 性が認識されたことから、現行の規制を強化する まで、ロンドンにおいて開催され、船舶からの大 方向で同附属書を改正することが合意された。同 気汚染防止に関する海洋汚染防止条約(MARPOL 改正に関する具体的な検討は、2 0 0 6年4月に開催 条約)附属書!の改正、国際海運における温室効 された第1 0回ばら積み液体・ガス小委員会(BLG 果ガス対策、およびシップリサイクル等に関する 1 0)より開始され、今次会合における条約改正案 審議が行われた。 の承認を目標に、5回にわたり BLG 小委員会にお 今次会合の審議概要は以下のとおりである。 いて審議が行われていた。 ! 1.MARPOL 条約附属書Ⅵの改正について SOx 規制について 現在、船舶から排出される SOx については、 現在、船舶の排ガスに起因する大気汚染の防止 一般海域と SOx 排出規制海域(SECA)とに分け については、MARPOL 条約附属書Ⅵにおいて、窒 て、船舶が使用する燃料油中の含有硫黄分に上 素化合物(NOx)および硫黄化合物(SOx)等に関す 限値が設けられている(一般海域4. 5%、SECA る規定が定められている。2 0 0 5年7月に開催され 1. 5%) 。本年2月に開催された BLG1 2において せんきょう Apr 2008 ● 5 は、SOx 次期規制案として、全海域において1. 0 れることとなった。 %以下の低硫黄燃料の使用を義務づける案や、 SECA における規制のみを強化する案、および一 一 般 海 域 3. 5%−2 0 1 2年1月1日から 0. 5%−2 0 2 0年1月1日から(※) ※#2 0 1 8年時点で IMO が燃料油の需要" 供給量等の確認を行い、2 0 2 0年の開 始が無理と判断された場合は、2 0 2 5 年からに変更 排出規制海域 1. 0%−2 0 1 0年3月1日から 0. 1%−2 0 1 5年1月1日から 般海域と SECA に加えさらに SOx 削減を推進す る小海域(マイクロ SECA)を設け、それぞれ適 切な規制値を設定する案の3つの案が纏められ ていた。 今次会合においては、BGL1 2で纏められてい た案に加え、新たに提案された案を含めた審議 ! 新造船に対する NOx 排出基準について が行われた。審議において、排出規制の強化を 船舶に対する NOx 規制については、現在、1 急進させたい欧州諸国等は、2 0 1 8年から全海域 次規制と呼ばれる段階にあり、エンジンの定格 において留出油の使用を義務付けることを主張 回転数に応じた NOx 規制値が設定されている。 したが、燃料供給国および石油業界等は、全海 BLG 小委員会ではこれまでの会合において、今 域における留出油の供給には2 0年程度の準備期 後の NOx 削減対策として、2 0 1 1年(2次規制) 間が必要であるとの見解を示した。また、わが および2 0 1 6年(3次規制)の2段階に分けて導 入する規制内容をほぼ合意されている。 国をはじめとする船主国・海運業界は、燃料油 が安定的に確保されること、および排ガス洗浄 ! 2次規制について 装置等の代替措置が認められることが絶対条件 2次規制については、現行の規制と同様の枠 であると主張し、アジア・中東諸国は、一般海 組み(エンジンの回転数に応じた規制値を設定 域の規制値について、当面は3. 5%が限界である する方法) とし、現行規制値より1 5. 5%から2 1. 8 旨表明した。さらに、欧州諸国および米国は、 %の範囲で削減する具体的規制値について、BLG 指定海域の規制値は0. 1%とするべきと主張し、 1 2において合意されている。 今次会合における審議の結果、BLG1 2での合 議論は紛糾した。 これを受け、議長は、各国および各業界団体 意内容に特段の変更は無く、次の内容とする規 の意見を取り入れた、次の内容の折衷案を提案 則案が承認された。なお、同2次規制において した。審議の結果、同議長提案は、原案どおり 対象とされるエンジンは出力1 3 0kW を超えるエ 承認された。また、代替措置についても、同等 ンジンであり(現行規制と同様) 、エンジン本体 の効果があれば使用できる旨、規則に盛り込ま の改良によって対応が行われることとなる。 実施時期 1 3 0rpm 未満 規 制 値 (g!kWh) 現行規制値 (1次規制) 2 0 1 1年1月1日 1 3 0rpm∼2 0 0 0rpm 2 0 0 0rpm 以上 1 4. 4 現行規制比 1 5. 5%減 23) 4 4. 0×n(−0. 同 1 5. 5%∼2 1. 8%減 7. 7 同 2 1. 8%減 1 7. 0 2) 4 5. 0×n(−0. 9. 8 n=エンジンの定格回転数 " 3次規制について れている。なお、同3次規制で対象とするエンジ 3次規制については、BLG1 2において、わが ンについては、詳細な議論が行われていなかった。 国より提案を行っていた、IMO による指定海域 今次会合においては、現行規制と同様に出力 (ECA : Emission Control Area)のみに、現行規制 1 3 0kW を超えるエンジンを規制対象とするもの 比8 0%削減とする規制値を適用する案が合意さ の、同規制に対応するためには排ガス後処理装 6 ●せんきょう Apr 2008 置の設置が必要とされることを考慮し、合計推 および規制値)には特段の変更を加えず、上述 進出力が7 5 0kW 以下であって設計または建造上 の内容を踏まえ、次の内容とする規則案が承認 の理由により主管庁が達成困難と認める船舶に された。また、2 0 1 2年から2 0 1 3年に、技術開発 ついては、適用除外とすることが合意された。 の進捗状況等を踏まえ規制開始時期をレビュー 審議の結果、BLG1 2での合意事項(実施時期 実施時期 する規定も盛り込むことなった。 現行規制値 (1次規制) 2 0 1 6年1月1日 1 3 0rpm 未満 規 制 値 (g!kWh) 3. 4 2) 9. 0×n(−0. 1 3 0rpm∼2 0 0 0rpm 2 0 0 0rpm 以上 1 7. 0 現行規制比 8 0%減 2. 0 2) 4 5. 0×n(−0. 9. 8 n=エンジンの定格回転数 ! 既存船に対する NOx 排出規制について に規制を課す案(案2)の2つが纏められてい 現行の NOx 規制の対象外とされている既存船 た。 (2 0 0 0年1月1日より前に建造された船舶)に 今次会合においては、規制の実効性を考慮し ついては、 これらの船舶からの NOx 排出量は非 た上で、上述の案2を中心に議論が行われ、次 常に大きくなるとの認識の下、何らかの対策が の内容とする規則案が承認された。なお、規制 必要であるとの意見が多数を占めている。これ 適合手法を主管庁が認証する場合に、エンジン を踏まえ、BLG1 2においては、一定の大きさ以 の改造に伴う燃費悪化を2%以下とすることや、 上のエンジンに規制を課す案(案1) 、および規 改造に要する費用に対し5年間で得られる NOx 制適合手法が主管庁により認証されたもののみ 削減効果を判断指標とすることが盛り込まれた。 規制の枠組み 対象エンジンのうち、規制適合手法が認証されたもののみ規制 対 象 エ ン ジ ン 1 9 9 0年から1 9 9 9年に建造された(起工した) 船舶のエンジンのうち、シリンダー1本あたりの容積が9 0 L 以上かつ出力5, 0 0 0kW 以上のもの 規 値 1次規制値(現行規制値) 期 主管庁が規制適合手法を認証し、IMO に通報してから1年後の最初の定期検査(ただし、規制適合手 法(部品等)が入手できない場合で、主管庁に認められた場合は、次回年次検査まで延期可能) 実 制 施 時 規制適合手法の条件等 " ! " # 当該エンジンの定格出力を1. 0%以上悪化させないこと 当該エンジンの燃費を2. 0%以上悪化させないこと 適正な費用であること (改造に要する費用が一定のコストを超えないこと) 今後のスケジュールについて 間(2 0 0 8年∼2 0 1 2年)以降の新たな枠組みを2 0 0 9 今次会合において承認された改正案について 年の COP1 5において採択することが合意されたこ は、MEPC5 8 (本年1 0月)における採択、および と、これにより、国際海運からの温室効果ガス 2 0 1 0年3月の発効が見込まれている。 (GHG) 排出削減対策についても2 0 0 9年までの合 意が必要であり、そのためにも本件に関する議論 2.国際海運における温室効果ガス対策について 審議に先立ち、IMO 事務局長より、昨年1 2月の をこれまで以上に加速させることが不可欠となっ たとの報告があった。 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第1 3回締約国 続いて、今次会合に提出されている文書に基づ 会議(COP1 3)において、京都議定書の削減約束期 き、GHG 排出削減対策の基本原則、GHG 排出削減 せんきょう Apr 2008 ● 7 手法等について概要以下のとおり検討が行われた。 " ! GHG 排出削減対策に関する基本原則について GHG 削減対策について ! GHG 削減対策に関する IMO 決議案ついて デンマーク、マーシャル諸島および海運業界 2 0 0 7年7月の MEPC5 6において、各国から 団体※1から「GHG 排出削減対策に関する基本 広く GHG 排出削減手法のアイデアを収集する 原則」について共同提案があり、大多数の国が ため書面審議グループ(CG)が設置されてお これを支持した。 り、今次会合にその取り纏め結果が報告され その結果、今後の GHG に関する検討において 検討が行われた。 は、次の原則を参照することが合意された。 取り纏められた削減手法のうち、即時的に GHG の削減効果が期待できる以下に示す手法 ! 地球規模の GHG 総排出量の削減に効果 については、船主、造船所等による自主的な 的に貢献すること " 取り組みを促進するため、IMO 決議として回章 抜け道を防ぐため、拘束力を有し、か することが合意され、決議案を今後検討する つすべての旗国に平等に適用されること # こととなった。 費用に見合った削減効果が得られるこ *エンジンの燃焼効率の最適化 と $ *抵抗軽減船体!燃費効率の評価ツールの 市場歪曲性を防ぐ(少なくとも効果的 開発 に最小化する)ことができること % *陸上電源の利用 世界貿易の成長を阻害しない持続可能 *風力(凧)の利用 な環境開発に基づくこと & *CO2排出インデックス報告および環境性 目標達成型アプローチに基づくものと 能による船舶および運航者の格付け し、特定の手法に限定しないこと ' *減速航行の実施 海運産業全体における技術革新・研究 *船舶の航行管制、運航管理および荷役効 開発の促進・支援に役立つこと ( 率の改善 エネルギー効率分野における先導的技 *任意インセンティブスキームの導入 術に対応していること ) *代替燃料の使用 実用的であって、透明性があり、抜け *第3者機関による CO2排出インデックス 道がなく、管理が容易であること の評価スキームの導入 " ただし、中国、インド、ブラジル、南ア、ベ 燃料油への課金について ネズエラは、同原則の"項について、京都議定 デンマークより、CO2排出権購入を目的とし 書第2条の「共通だが差異ある責任」※2の原則 て、国際海運で使用する燃料油へ課金するこ に反しているとして、同項目の削除を求め、立 とについて提案があり審議が行われた。 場を留保している。 海運業界団体:ICS、BIMCO、INTERTANKO、INTERCARGO、OCIMF ※2 共通だが差異ある責任:『地球環境問題のような課 題は、全人類の抱える問題であり先進国はもちろん のこと発展途上国にも共通の責任がある』という主 として先進国側の主張と原因の大部分は先進国にあ り、また対処能力においても異なっているとする途 上国側の主張との両者の意見を折衷して形作られて きたもの。一言でいえば、地球環境問題に対しては 共通責任があるが、各国の責任への寄与度と能力と は異なっているという考え方 同提案に対しては、多くの国がその実効性 に懸念を表明したが、欧州各国がこれを支持 ※1 8 ●せんきょう Apr 2008 し、また同提案では更なる検討を要請してい ることから、その問題点を含め、課金の徴収 方法や運用方法など具体的な実施方法につい て検証することとなった。 # CO2排出インデックスについて ! 船舶設計時における CO2排出インデックス (設計時インデックス) 船舶の設計時において、当該船舶のエネル より、本年6月に GHG 中間会合を開催すること ギー効率がわかれば、効率の高い船舶の導入 が提案され、ノルウェーより同会合のホスト国 が促進され、結果的に GHG 排出の削減が期待 となる用意がある旨発言があった。 出来るとして、船舶のエネルギー効率を評価 事務局長提案は特段の反対もなく承認され、 するためのインデックス(設計時インデック 本年6月2 3日から2 7日の間、ノルウェーオスロ ス)の開発について提案があった。 において GHG 中間会合が開催されることとなっ 設計時インデックスについては、デンマー た。 クおよび日本が同様の概念に基づく提案を行 っているが、日本案では実海域を考慮した速 3.シップリサイクル 力のパラメーターを用いるのに対し、デンマ 2 0 0 8年1月に開催された MEPC! ISRWG3 (第3 ーク案では計画速力を用いる点が大きな違い 回シップリサイクル作業部会中間会合、本誌2 0 0 8 となっている。 年2月号P. 1 1参照)において審議未了となってい 審議において、設計時インデックスの導入 による削減効果や運用の枠組みを明確にする た条約条文案の逐条審議が行われた。 " 非締約国リサイクル施設におけるリサイクル 必要があるなどの意見があったものの、大多 ISRWG3において、非締約国であっても安全・ 数の国がその有用性を認め、今後、日本とデ 環境上適したリサイクル施設であれば締約国船 ンマークが中心となり、設計時インデックス 舶のリサイクルを認める場合の特別要件につい の開発およびその運用方法について検討を行 て審議が行われたが、同 WG では合意にまでは うこととなった。 至らず、本 MEPC5 7で引き続き検討することと ! 実際の船舶運航時における CO2排出インデ されていた。 審議の結果、本提案は否決され、非締約国の ックス(運航時インデックス) 2 0 0 5年7月の MEPC5 3において、船舶運航 リサイクル施設における締約国船舶のリサイク 時において実際に排出された CO2の量を示す ルは認められないこととなった。このため、締 運航時インデックスを算定するための暫定ガ 約国の解撤能力が十分で無い場合の方策につい イドラインが作成された。また、同ガイドラ て決議を策定することとし、コレスポンデンス インに従い、2 0 0 8年まで実船データを収集す ・グループを設置して書面審議による検討を行 ることとなっており、日本はこれまでに6 8隻 うこととなった。同決議は、2 0 0 9年5月開催の 分のデータを提供している。 条約採択会議において採択される予定である。 当該ガイドラインは、収集された実船データ に基づき算定方法等の問題点を見直し、2 0 0 9 リサイクル国によるリサイクル計画の事前承 認 年7月の MEPC5 9において最終化する予定と ISRWG3において、リサイクル計画は最終検 なっていたが、予定を一年前倒しして、2 0 0 8 査前にリサイクル国政府による事前承認を受け 年1 0月の MEPC5 8で最終化することとされた。 なければならないとする提案がなされ、審議の また、同時に、運航時インデックスを用いた 結果、概ねの支持を得たものの条約草案に取り 「効率ベース(貨物・輸送距離当たりの CO2 排出量)による国際海運からの CO2排出ベー $ # 込まれるまでには至らなかった。 今次会合においては、上記事前承認案ととも スライン」についても検討を行うこととなった。 にリサイクル計画の事前承認を[1 4]日以内(日 GHG 中間会合について 数は未確定) のタシット方式※2とする案につい 国際海運からの GHG 排出削減に関する議論を ても審議が行なわれた。 加速させる必要があることから、IMO 事務局長 席上、英国、オランダ、スウェーデン、ベル せんきょう Apr 2008 ● 9 ギー等から事前承認案を支持する意見が出る一 ている。このためわが国より、ISO と IMO との 方、マルタ、米国、ノルウェー、フランス等か 間で情報交換体制を強化するとともに、ISO に対 ら同案がうまく機能するのか疑問が示され、条 して適切な情報開示、透明性の確保を求めるべ 文を修正するべきとの意見もあった。 きとの提案を行ったところ、多数の国の支持を わが国からは、リサイクル国政府によるリサ イクル計画の事前承認制については原則支持す 得た。 # その他 るものの、タシット方式ではリサイクル計画が わが国より、条約の発効要件として、締約国 承認済みであることの証書等がないため、船主 の数、船腹量、解撤能力を勘案した案を提出し が旗国に対してリサイクル国の承認を証明でき ていたが、時間的制約のため、次回 ISRWG4に ないことから、同方式の採用は困難である旨の おいて検討することとなった。 IMO における今後の作業予定は次の通りとな 発言が行われた。 審議の結果、本提案の重要性は認識されたも っている。 のの、条文案の修正については合意には至らず、 !2 0 0 8年4月∼8月:コレスポンデンス・グル 次回 MEPC! ISRWG4(2 0 0 8年9月∼1 0月開催予 定)において更なる検討を行なうこととなった。 ※2 ープ(書面審議) !2 0 0 8年9月3 0日∼1 0月3日:MEPC−ISRWG タシット方式:「暗黙の支持・受諾」を意味する。 4(条約の逐条審議) 一定期間内に異議通告が無い限り自動的に受諾したと !2 0 0 8年1 0月6日∼1 0日:MEPC5 8 (条約案の最 見做され、発効する簡易な手続き。 " ISO 規格との関係 終化) !2 0 0 9年5月1 1日∼1 5日:条約採択会議 (於:香 ISO(国際標準化機構)では、現在、 「リサイ クル施設に関する ISO 規格」の策定作業が進め 港) !2 0 0 9年7月:MEPC5 9 (関連ガイドラインの策 られているが、同規格が条約に先がけて確定さ れると、IMO による新条約およびガイドライン 定) との間でダブルスタンダード化する懸念が生じ 3 (海務部:山崎・黒越!企画部:小松) 円滑なシップリサイクルのためにはすべての関係者の 協力・関与が必要との認識で一致 ―アジア船主フォーラム(ASF)シップリサイクリング委員会(SRC)第11回中間会合の模様― アジア船主フォーラム(ASF)シップリサイクリ 韓国船協からシップリサイクルに関する報告が以 ング委員会(SRC)の第1 1回中間会合が、2 0 0 8年3 下の通り行われ、意見交換の結果、 【資料2】のと 月1 0日、インドネシアのジャカルタで開催された。 おり共同声明が採択された。 同会合には、ASEAN、中国、台湾(SRC 事務局) 、 日本、韓国のASFメンバー船主協会から1 9名が出席 1.日本船協 した(【資料1】参照) 。当協会からは、山城聡・ ! シップリサイクル新条約の検討 当協会解撤幹事会幹事(新日本石油タンカー業務 シップリサイクル新条約に関しては、国際海 部副部長・企画グループマネージャー)および園 事機関(IMO)において、2 0 0 9年春の採択を目 田裕一・常務理事が参加した。 指して作業が進められている。2 0 0 8年1月2 1日 会合は、SRC 委員長である Arnold Wang 氏(台 より2 5日までの間、フランスのナントにおいて 湾船協会長)により議事が進められ、日本および 海洋環境保護委員会(MEPC)シップリサイクル 10 ●せんきょう Apr 2008 作業部会第3回中間会合(MEPC−ISRWG3)が 択会議日程の最終決定) 開催された。その概要は次の通り。 ―2 0 0 8年1 0月6∼1 0日:MEPC5 8 (条約案最終 !5 0 0G!T 未満の船舶で、生涯にわたり締約国 化) の管轄下の運航にのみ従事する船舶(いわゆ ―2 0 0 9年5月1 1∼1 5日:条約採択会議(於:香 る内航船)については本条約の適用を除外す る。 (ただし、海外売船されるとその時点で条 港) ! 約の対象となる) 船舶のインベントリ(有害物質一覧)の作成 実験 !本条約の要件に適った非締約国の施設でのリ 日本政府は、 2 0 0 7年1 0月から2 0 0 8年2月にかけ サイクルを認めるとの提案を検討したところ、 て船舶のインベントリの作成実験を行い、その その趣旨は評価されたものの合意には至らず、 結果をインベントリ・ガイドライン案に反映さ MEPC5 7 (2 0 0 8年3月末開催)で引き続き検討 せた上で、修正案を MEPC5 8 (2 0 0 8年1 0月開催) されることとなった。 で提案する予定。 !リサイクル手続きにおけるコマーシャルリス クを避けるため、 「リサイクル計画は、旗国に " 日本政府の基本スタンス 日本はリサイクル条約の早期採択を目指して、 よる最終検査の前に、リサイクル国の所管官 IMO での議論を促進するため、積極的にさまざ 庁により承認されるべき」とする提案がなさ まな提案を行ってきており、今後もそれを継続 れた。同提案のコンセプトについては概ねの する。日本のスタンスや提案は、海運業界を含 合意が得られたものの、条文に取り込むまで む関係者によって検討を行い、合意したもので には至らなかったため、MEPC5 7で引き続き検 ある。日本船協もその検討に積極的に参画し、 討が行われることとなった。 船主意見の反映に努めた。 !今後の予定 ―2 0 0 8年3月3 1∼4月4日:MEPC5 7 (条約案 の逐条審議) ―2 0 0 8年6月1 6∼2 0日:IMO 理事会(条約採 2.韓国船協 韓国船協では、船舶の安全と効率的な航行を損 なうことのないシップリサイクル条約案を作成す せんきょう Apr 2008 ● 11 また、現行の条約案におけるシップリサイクル るべく、関係者の作業に協力してきた。 主要な関心事としては、現存船に対する条約の 計画やリサイクルの準備、最終検査、有害物質の 適用があるが、この点では5 0 0G!T 以上の約5万 事前除去といった義務を履行することは船主にと 隻にのぼる船舶が2 0 1 3年には条約の適用を受ける って複雑で困難であることから、よりシンプルな だろうと報告されている。韓国船協としては、こ シップリサイクル手続きが策定されるべきである れらの膨大な数の現存船に対する検査の実施と証 と考える。 (企画部:小松) 書の発給といった要件を満たすことは困難だろう と懸念している。 【資料1】 ASF シップリサイクル委員会(SRC)第11回中間会合出席者 Mr. Arnold Wang Chairman of NACS ASF事務局 Mr Wang Cheng Secretary General of ASF 中国船主協会 Mr. Chen Zhengjie Director of Safety & Technology Superintendent Mr. Liu Xianhua Chief of Technical Department 委 員 長 Div of COSCO Group China Shipping Industry Co., Ltd. ASEAN 船主協会連合 インドネシア船主協会 Mr. Oentoro Surya Chairman of INSA Mr. Soenarto VC of INSA Mr. Sungkono Ali Secretary General Mr. Maman Permana Secretary Mr. Budhi Halim Head of Shipping Industry Development Mrs. Carmelita Hartoto Head of Partnership Foreign Affairs Division Mr. Gunadi Widjaja General Treasurer Division マレーシア船主協会 ベトナム船主協会 Mr. Dato’Ir Abdul Hak Amin MASA Vice Chairman Capt. Intiaz Hussein MASA Executive Secretary Mr. Tran Van Liem Head of Ship Recycling Committee of VSA, General Director of Vinashin ocean Shipping Company(Vina Shin Lines) 日 本 船 主 協 会 Mr. Do Truong Minh VSA Mr. Akira Yamashiro Assistant General Manager of Nippon Oil Tanker Corporation Mr. Yuichi Sonoda 12 ●せんきょう Apr 2008 Managing Director of JSA 韓 国 船 主 協 会 Mr. Young! Moo Kim Secretary General of KSA 台 湾 船 主 協 会 Mr. Bob Hsu Secretary General of NACS 【資料2】 共同声明 ASF シップリサイクリング委員会(SRC) 第1 1回中間会合(ジャカルタ)にて採択(仮訳) アジア船主フォーラム・シップリサイクリング委員会(SRC)第1 1回中間会合が2 0 0 8年3月1 0日にジャ カルタで開催された。本会合には、ASF メンバー船協からアセアン、中国、台湾、日本および韓国の代 表(1 9人)が出席した。出席者リストは添付のとおり。 本委員会は、台湾船主協会が主催し、SRC 委員長である Arnold Wang 氏が議事を進行した。出席者は、 インドネシア船主協会(INSA)がインドネシア・ジャカルタでの本会合を手配してくれたことに感謝の 意を表明した。 1.SRC は、IMO 海洋環境保護委員会(MEPC)で検討中のシップリサイクル条約および同条約の下で 必要なガイドラインの最近の検討状況について集中的に議論を行った。安全かつ環境上適切なシップ リサイクルは、シップリサイクル施設、船主、造船所、舶用業者および関係国政府といったすべての 関係者が協調努力しつつ積極的に追求すべきものであることを確認した。 船舶のシップリサイクル施設への円滑な移動を実施するためには、複雑でないシップリサイクル手 続きが策定されるべきである。 2.本委員会は、有害物質インベントリ(一覧表)作成に関するガイドライン案に従い、日本政府が船 舶のインベントリ作成実験を実施中であることに留意した。同実験の結果に基づいて修正されたイン ベントリ・ガイドライン案が MEPC5 8に提出されることとなる。 SRC は、有害物質のインベントリに関する共通の様式を作成することの高い重要性を認識すると同 時に、インベントリの作成には、船主がその作成にあたっての十分な情報資源と専門知識を有しない ことから、船舶の建造や設備に関する専門的な知識を有する政府、船級協会、造船所、舶用業者の全 面的な関与が必要であることを確認した。 3.SRC は、主としてシップリサイクル施設の管理、運営、監査および第三者認証を扱う ISO3 0 0 0 0シリ ーズの規格が、 シップリサイクル条約とそのガイドラインの作成に関する IMO の活動と重複している ことに懸念を表明した。シップリサイクル施設に関する同 ISO 規格は、同条約案と付属のガイドライ ンと同じ分野にわたっている。このため本委員会は、シップリサイクル施設やシップリサイクル国な どの関係者が、基礎となる文書としてどの規格!ガイダンス!ガイドラインを参照するべきなのか混 乱と疑問を持つ怖れがあるダブルスタンダードは避けるべきであるということに合意した。 4.SRC はシップリサイクル条約の今後の検討に関する作業計画に留意した。同計画では条約最終案が 2 0 0 8年1 0月開催の MEPC5 8に提出され、条約採択のための外交会議開催が2 0 0 9年5月に予定されてい る。 最後に、アジア船主は国際海運業界の主要な関係者として、より安全かつ環境上適切なシップリサ イクルを船主が推進するための方策について引き続き議論していくことを確認した。 せんきょう Apr 2008 ● 13 4 内外の海運関係者約1 0 0名が参加 ―CSG! ICS シッピング・ポリシー・セミナーの模様― 当協会は、海運先進1 8ヶ国当局間会議 (CSG※1) キャニング、世界貿易機関(WTO)などを通じた が3 7年ぶりに東京で開催されたことを機に、CSG! オープン・マーケットの維持、資質ある船員の確 ICS シッピング・ポリシー・セミナーを3月2 7日に 保などを挙げた。船舶からの大気汚染・GHG につ 海運ビルで開催した。 いては、競争力を歪めることのないよう国際海運 同セミナーには、ヨ−ガン・ハマー・ハンセン に従事する全ての船舶に同様に適用できる規制が CSG 議長(デンマーク海事局長)をはじめとする 必要であるとして、国際海事機関(IMO)におけ CSG メンバー政府、国際海運会議所(ICS※2) 、ア る作業を支持。コンテナ1 0 0%スキャニングについ ジア船主フォーラム(ASF※3)など内外の海運関 ては、既に CSG としても懸念を表明しており、引 係者約1 0 0名が出席し、同 CSG 議長、ロバート・ホ き続き注視していくとの見解が示された。さらに ー ICS 副会長、パトリック・デカベレ ICS 理事、蛯 国際海運市場は既に自由化されているが、WTO 原 裕一 貿易サービス交渉における成文化が必要とすると 国交省 ともに、自国の関係者を優遇する地域・国際規制 公一郎 商船三井営業調査室長、園田 当協会常務理事・企画部長、石原 彰 海事局国際機関条約対策室長といった国際海運界 を代表する講師により、海運政策問題やアジアの 海運市況などについての講演が行われた。 については、引き続き注視していくとした。 ロバート・ホー ICS 副会長(Fairmont Shipping (HK)社長)は「国際海運政策問題」について講 ハマー・ハンセン CSG 議長は「世界海運の傾向 演。OECD 海運委員会廃止後の海運自由化原則の と政策課題」について講演。CSG の主目的は自由 監督機関としての CSG の重要性、ならびにグロー で開かれた海運市場を維持発展させることにあり、 バルな業界である海運にはグローバルな規制が必 それを制限・阻害するような政策は排除すべきで 要とし、米国のコンテナ1 0 0%スキャニングおよび あるとともに、今回のようなセミナーは CSG と海 米国籍 LNG 船への米国人船員配乗要件を非難。ま 運業界との連携の重要性を示すものであるとし、 た、CSG で継続的に取り扱われている問題として、 また、トーマス・フリードマンの著書名「The World ベネズエラの貨物留保、ベトナムの Freight Tax、 Is Flat」 を引用し、世界経済のグローバル化と発展 インドネシアのターミナル・ハンドリング・チャ のために海運が重要であることを強調した。また、 ージなどの問題を挙げた。コンテナ1 0 0%スキャニ 目下の政策課題として、船舶からの大気汚染・温 ングについては、その後の質疑応答において、セ 室効果ガス(GHG)排出、米国のコンテナ1 0 0%ス ミナーに参加していたシンガポール船主協会から ▲ハマー・ハンセン CSG 議長 14 ●せんきょう Apr 2008 ▲会場の様子 もその実行可能性について懸念が表明された。 ICS 理事であり国際海運連盟(ISF※4) 、国際独 立タンカー船主協会(INTERTANKO※5)でも要 職に就くパトリック・デカベレ氏(Brostrom Tankers SAS 社長)は、 「世界タンカーマーケットの現 状と将来」をテーマに講演。タンカー運賃レート と原油価格との関連性の低さなど市場動向に関す る詳細なデータを示しつつ、今後のタンカー市況 について、 2 0 0 7−1 2年の間に3 0%の輸送量の伸びが 予測され、また、プロダクトタンカーの急速な増 ▲石原彰・国交省海事局外航課国際機関条約対策室長 加が見込まれるが、シングルハルタンカーのフェ 国交省海事局外航課国際機関条約対策室の石原 ーズアウトにより、2 0 1 0年まではタンカー船隊の 彰室長は、 「国際海運における CO2排出の抑制」を 伸びは抑制される、などの見解を示した。 演題に講演。国際海運からの CO2排出抑制につい ては、船舶の燃料効率の改善に焦点を当てつつ、 蛯原公一郎 商船三井営業調査室長は「アジア 全ての関係国が参加する単一の枠組みを策定すべ 海運の市場動向と船員問題」について講演。海上 きあることを強調。また、燃料効率の改善につい 輸送量と貿易額の伸びや対外直接投資の状況など ては、インデックスを用いたアプローチが有効と を示した上で、世界海運に占めるアジア貿易の伸 して、海事局が開発した波や風の影響を考慮した びを強調。また、船隊拡大に伴う船員需要の増加 1日から CO2排出指標に関する公式を示し、3月3 を指摘し、自社のリクルート・センターや船員訓 4月4日に開催された IMO 第5 7回海洋環境保護委 練施設を紹介するとともに、CSG メンバー国に対 員会(MEPC5 7)に提案したことを紹介した。 し、船員不足解消のために海運先進国政府の資金 援助が必要として協力を要請した。 園田裕一 当協会常務理事・企画部長は、 「アジ また、セミナー終了後に行われた当協会前川会 長主催レセプションにおいては、春成 誠 国交 省海事局長やセミナーに参加した内外の官民関係 ア船主フォーラム(ASF)の活動」について講演。 者が出席、一層の関係強化に向け親睦が深められ ASF の歴史や組織内容を説明するとともに、ASF た。 メンバー船主は、世界の船隊のうち3 8%をコント ※1 ロールしているとしてその重要性を強調。また、 2 0 0 7年1 0月にシンガポールに ASF 常設事務局が設 置されたことなどを紹介した。 CSG : Consultative Shipping Group 海運先進1 8ヶ国当局間会議。欧州、カナダ、韓国、シンガ ポール、日本の1 8ヶ国の海運当局によって構成。1 9 6 2年 の発足当時は、米国の保護主義的な海運政策に対処する こと等を主な目的としていたが、近年は、一部非 OECD 国等による海運規制への対応など CSG 国に共通する海運 政策対話の場。約2年毎の対米会合の他、3月2 7−2 8日 に開催された東京会合のような独自会合等を開催。現在 の議長国はデンマーク。 ※2 ICS : International Chamber of Shipping 国際海運会議所。各国船主協会を会員として1 9 2 1年設 立。本部はロンドン。海洋環境保全、船舶航行安全、海 事法制、情報システム、海運政策等について検討を行い、 IMO 等において海運業界を代表する組織として活動して いる。日本船主協会は1 9 5 7年4月に加盟。ウェブサイト は http:! !www.marisec.org!ics!index.htm ▲蛯原公一郎・商船三井営業調査室長 せんきょう Apr 2008 ● 15 ※3 ASF : Asian Shipowners’Forum アジア船主フォーラム。当協会の呼びかけで、アジア 地域船主間の相互信頼を一層緊密化させ、アジア海運の る国際組織として活動している。日本船主協会は1 9 5 7年 5月に加盟。 ウェブサイトは http:" "www.marisec.org"isf "index.htm 共存共栄を図ることを目的として、1 9 9 2年に発足した。 メンバーは、アジアの地域!国からの1 3船協(豪州、中 国、台湾、香港、日本、韓国、アセアン(インドネシア、 ※5 INTERTANKO 国際独立タンカー船主協会。1 9 7 0年設立の独立系タン マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、 カー船主の団体。石油会社系もしくは国営企業以外のタ タイ、ベトナム) )で構成されている。 ンカー船主がメンバー資格を有する。本部はオスロにあ るが、主要業務はロンドン支部で遂行されている。1 9 9 9 ※4 ISF : International Shipping Federation 国際海運連盟。各国船主協会を会員として1 9 0 9年設立。 本部はロンドン。船員の労働条件、資格、訓練、福利厚 年に新たにシンガポールとワシントンに支部を構えた。 航行の安全の確保、よりクリーンな海洋の維持、自由競 争市場の構築を掲げる。http:" "www.intertanko.com" 生など海上労働問題全般にわたる国際的な検討、処理を (企画部:本澤) 目的とする団体。IMO や ILO において、使用者を代表す 5 HNS条約改正議論がスタート ―1 9 9 2年国際油濁補償基金第4 0回理事会等の模様― 1 9 9 2年国際油濁補償基金第4 0回理事会等が2 0 0 8年 について、ノルウェー等の9カ国は、梱包貨物 3月1 1日から1 4日にかけてモナコの Sporting Com- (Packaged Goods)の最終的な受取人の把握が困 plex Monaco で開催され、HNS 条約の改正、およ 難な問題を解決するため次の改正を提案した。 び油輸送のクオリティーシッピング推進、9 2年基 金の事故処理案件等について審議された。 !梱包貨物は HNS 基金への拠出貨物から除外す る。これにより受取量の報告と基金への拠出 1.HNS フォーカス・グループ が不要となる。 HNS 条約は、危険物質および有害物質の海上輸 !一方で、梱包貨物に関わる事故への補償は引 送に関する損害についての責任と補償を規定した き続き HNS 基金より行うため、 その部分はバ もので、CLC条約とFC条約がタンカーによる汚染 ルク貨物関係者が基金へ拠出する。 損害をカバーしているのに対し、 HNS 条約は HNS !バルク貨物受取人の基金への追加負担分を減 貨物を運ぶ船舶による汚染損害に加えて火災・爆 じるために、梱包貨物の船主責任限度額を引 発等もカバーしている。 き上げる。 (具体的な引き上げ額は提案してい 本条約は1 9 9 6年にIMOで採択された後、条約批 ない) 准促進に向け様々な取組みがなされてきたが未だ 発効には至っていない。こうしたなか、2 0 0 7年1 0 また、国際 P&I グループ(IG)からは過去5 月に開催された IOPC 基金総会において「HNS 年間のHNS条約対象事故に関する統計データが フォーカス・グループ」をIOPC基金総会の下に設 提出された。それによるとHNS貨物に係る事故 置して条約批准の妨げとなっている三つの問題点 件数1 2 6件中、船主責任制限額を超えるものは2 を検討することが決定された。 件で、また総額では1億3, 7 0 0万 SDR 中、船主が 今回の初会合では、夫々の問題点について提出 1億2, 0 0 0万 SDR、HNS 基金が1, 7 0 0万 SDR であ されたPolicy Proposalsおよびそれらを集約・修正 り、殆どが現行 HNS 条約における船主責任限度 した議長提案文書に基づき審議が進められた。 額の範囲内で収まっているとの報告があった。 ! 受取人の定義 船主にとって最も影響のある「受取人の定義」 16 ●せんきょう Apr 2008 上記提案に対して、ICSは IGデータを引き合い に船主責任限度額を引き上げる必要性は生じて いないとしながらも、政治的な妥協案として穏 " 2.油輸送のクオリティーシッピング推進のため 当な引き上げであることを条件に提案を支持し の作業部会 た。また、日本は提案のコンセプトへの支持を 上記作業部会では、技術面以外からの油輸送の 表明した上で、船主責任の問題については今後 クオリティーシッピング推進を検討している。今 慎重な検討が必要とした。結局、本提案は多数 次会合では万国海法会(CMI)から、各国海法会へ の国が支持するところとなったが、船主責任制 対して実施した保険者間の情報共有と各国競争法 限の引上げ額についてはフォーカス・グループ 上の関係に関するアンケート調査結果について報 では審議はせず最終的には改正提案の議定書を 告があったが、回答数が少なく次回 WG で再度報 審議する外交会議で決定することとした。 告することとした。また、調査結果の詳細な分析 LNG 会計への年次拠出 をサザンプトン大学の専門家へ委託するとした CMI LNG会計は荷揚げ直前の権原者 (Title Holder) の提案については、基金事務局から費用面の問題 が基金への拠出者であるが、拠出者が条約の非 はないとの返答があったが、各国から十分な支持 締約国に居る場合に拠出金を確保できない可能 を得ることができなかった。 性があるとした問題について、カナダ等の8カ なお、作業部会は2 0 0 8年で結論を出すこととさ 国は、他の会計と同様に LNG 会計の基金への拠 れており、今後、議長とIOPC事務局でIOPC基金 出者を権原者から受取人に変更することを提案 総会向けにレポートを作成することとなる。 した。 同提案については、日本をはじめイタリア、 フランス、スペインおよび韓国等の LNG 輸入国 からは、批准をより困難にするものとして強い 反対があったものの、多くの国は問題への現実 的な解決策であるとして改正案を支持した。 9 2年基金に係る油濁事故処理案件について議論 された。 主な案件は以下の通り。 !Hebei Spirit なお、議長は大勢が提案を支持したと評する 事務局および韓国より概要について説明があ 一方で、反対意見があったことへも留意し、多 り、審議の結果、政府関係の債務を劣後とする くの国が批准できるような解決策の必要性を唱 ことを条件に基金からの仮払率を6 0%にするこ えた。 # 3.国際油濁補償基金理事会 拠出貨物の未報告 とが合意された。 !Prestige 英国等の9カ国は、条約を批准しても拠出貨 スペインより、同政府がプレスティージ号の 物を未報告の国には HNS 基金の補償を行わない 船級である ABS を相手に米国で起こした訴訟に ことを提案した。 ついて、IOPC 基金が Amicus Curie(法廷の友) 条約は補償を受ける権利と義務を併せ持つも ので、報告義務を履行せずに補償を受けること 公正さを欠くとして、本提案が大勢の支持を得 として書状を提出するよう要請があったが支持 されなかった。 (企画部:伊藤) た。 せんきょう Apr 2008 ● 17 寄稿 小学校教育と船舶 仙台市立柳生小学校 教頭 佐藤澄江 小学校では、様々な学習を通して「船舶が私た 手段は、船しかあ ちの生活を支える重要な役割を担っている」とい りませんでした。 うことを学んでいます。では、小学校教育の中で、 そこで、伊達政宗 船舶が、どんなところで、どのように学習されて は、木材・米など いるのか、詳しく見てみたいと思います。 の物資を運び、沿 小学校1年生では、国語の説明文(東京書籍版) 岸の土地を開発す の中に「いろいろなふね」という教材があります。 るために、松島湾 子供たちは、この説明文が大好きです。教材文の と阿武隈川を結ぶ 中には、魚をとる船、火を消す船、自動車を運ぶ 貞山運河の建設を 船などいろいろな船が出てきて、どんな役割をす 命じ、その運河は明治時代に完成しました。 るのか、どんな工夫があるのかを説明しています。 佐藤澄江氏 子供たちは、貞山運河の長さなどを調べたり、 低学年の子供たちは乗り物が大好きなので、自分 昔の人がどんな道具でどのように貞山運河を掘っ たちで船の図鑑を持ってきたり、フェリーに乗っ ていったかを学習したりすることで、長い時間と たことのある子がそのパンフレットを持ってきた 大変な思いをして貞山運河が作られたことを学び りして授業が大変盛り上がります。この説明文を ました。そして、この学習から、貞山運河が伊達 勉強した後、子供たちは、自分たちが興味をもっ 藩にとってどんなに重要なものだったのかを知る た乗り物について調べて、その働きと構造の工夫 ことが出来ました。この時、地元の方に頼んで船 を発表します。 を出していただき、貞山運河の乗船体験をしまし 4∼6年生で行われる「総合的な学習の時間」 た。このことで貞山運河の広さや重要性を更に実 では、地域の学習をしながら学びを深めていきま 感することができました。このような学習が、全 す。その中で、昔、船が重要な役割を果たしてい 国の様々な地域(海辺や川の近くの学校)で、地 たことが学習されます。私が以前勤めていた小学 域の素材を通して行われています。 校は、仙台市で唯一海水浴場があるところでした。 しかし、船舶が一番扱われているのは、3年生 学区内には、江戸時代に伊達藩が作った貞山運河 から学習する社会科においてです。3年生では、 が走っています。江戸時代は、大量の物資を運ぶ 自分が住んでいる地域や市を、4年生では県を学 18 ●せんきょう Apr 2008 習します。港や河川が地域や市、県の特色として 製品、原材料や燃料を輸入したり、部品や製品を 挙げられる場合は、その働きについて学習します。 輸出したりするために形作られたものであること 外国から日本にいろいろな原料や物資、食料を船 を学びます。6年生では、歴史の中で船舶とのか 舶で運ぶことで私たちの生活が成り立っているこ かわりを学びます。また、博物館や郷土資料館等 と、日本で生産されたものを外国に輸出するため の効果的な活用を図って、学習を展開しています。 に船舶が重要な役割を担っていることは、5年生 このように人々の苦労、努力が現代の社会を形 の日本の産業の学習でなされます。では、どのよ 作ってきたということや社会の仕組みなど、大切 うに学習されているのでしょうか。 なことが船舶を通して学ばれていることがお分か 「農業」の学習では、日本と世界の国々の食料自 りいただけたのではないかと思います。物事を教 給率を比較し、日本の食生活は外国からの輸入で え込むのではなく、子供たちが実際に体験したり、 成り立っていることを学びます。大型船で外国か 資料を見て考えたり、実際に見学してお話をお聞 ら運ばれてくる小麦の写真を見ることで、その量 きしたりすることで、内容を実感し、生きた知識 の多さに、子供たちは驚きと興味をもって学習す にすることができます。しかし、実際に体験でき ることが出来ました。 「水産業」の学習では、日本 ることは限られていて、時間的な制約があり、加 は太平洋の赤道付近など世界のいろいろなところ えて資料も十分そろわないのが現状です。先日、 で漁をしていることを習います。世界地図に表さ 日本船主協会からいただいたDVDの内容は、小学 れたグラフから、どこでどのくらいの量を獲って 校で学習する内容ととても関連があり、視覚を通 くるのかを読み取り、自分の予想と違っているこ して分かりやすく学習することが出来るものでし とを実感します。また、日本の漁業生産量は、2 0 0 た。活用させていただき感謝いたします。 海里水域で漁獲量や種類が厳しく制限されたこと 現在、教育の現場では、学力向上が大きくクロ で減っているけれど、輸入する魚の量が増えたの ーズアップされ、様々な教育改革がなされていま で水揚げ量が増えていることをグラフから学びま す。基礎的・基本的な知識の定着はもちろん大切 す。水産試験場や水産庁の情報をコンピュータや ですが、机上で学ぶだけでなく、体験させ考えさ ファクシミリで受信して、魚の獲れ具合、潮の流 せる学習(社会体験)を大事にしながら、社会に れ、水温などを確かめながら科学的に漁を行って 出たときに、自ら考えて、判断し、生き生きと活 いることを学びます。このほか養殖漁業や栽培漁 動できる人間(知識をしっかりと活用できる人間) 業などの漁業の種類や漁の仕方についても学びま を育てていきたいと思います。 す。 「工業」の学習では、自動車工業に重点を当てて 学習しています。生産した車が、外国や国内の遠 い販売店へ大型船を使って運ばれることを学びま す。その他、日本の主な工業地域や工業地帯につ いても少し学びます。 「太平洋ベルト」地帯が海沿 いに広がり、発達してきたのは、海外から部品や せんきょう Apr 2008 ● 19 2 0 0 8年海運講習会を開催 当協会は、3月2 8日に平河町の海運クラブ大ホールにおいて、主に会員会社の新入社員を対象とし た「2 0 0 8年海運講習会」を開催した。 本講習会は、 1 9 5 7年より半世紀以上に亘り毎年3月下旬に開催しており、新入社員の社会人としての 門出を祝すとともに、海運業界で働く者としての自覚と社会人として必要な心構えを育成することを 目的としている。また、多くの企業の新入・若手社員が一同に会し交流する貴重な機会ともなっている。 本年は、会員会社・関係会社等業界3 0社から総勢2 1 7名が受講した。受講生からは、 「バランスのよ いプログラムで有意義だった」「業界の方々の実体験が聞けて身が引き締まった」 「入社後の具体的イ メージがわいて仕事へのモチベーションが高まった」等、入社前に受講してよかった旨の意見が多数 寄せられた。 講師および演題等は以下の通り。 (敬称略) <プログラム> !.『若き海運人への期待』 当協会副会長(日本郵船$社長) 宮原 耕治 ―親しみやすい口調でご自身のエピソードや海運の歴 史を織り交ぜながらのご講演、仕事をしていく上で の大切なポイントや貴重なメッセージ多数。それに 共感し、モチベーションが高まった受講生がほとん ど。会場からの素朴な質問にも丁寧にお答え頂き、 感激した受講生も。 ▲宮原耕治・当協会副会長(日本郵船社長) ".講 演 「人生七転び八起き∼ジャーナリストの体験から∼」 中部大学教授(元 NHK 解説主幹) 齋藤 宏保 ―要点をおさえたレジュメと会場と対話しながら語る 口調はジャーナリストを経て現在教壇に立たれてい る氏ならではのもの。 「どんな状況でもポジティブ思 考」 、 「失敗をおそれない」等の数々の珠玉のメッセ ージに、 「今後の人生における指針としたい」との受 講生多数。 ▲齋藤宏保・中部大学教授 #.映 画 「日本の海運」(2 0 0 3年版) ―広く一般向けでドラマ仕立ての現在配布のものとは性格が異なり、 「現場映像」がふんだんに 使われた内容にメモをとる受講生も。 20 ●せんきょう Apr 2008 !.豊かな人間関係構築の基本 JAL アカデミー# 講師 土屋 圭子 ―わかりやすいレジュメと実践中心で毎年好評のマナ ー講座。1時間ながら中身の濃い内容に「入社前に 受講できてよかった」との声多し。 ▲土屋圭子・JAL アカデミー講師 ".船長講話 ケイライン・シップ・マネージメント# 船長 藤丸 明寛 ―受講生の大半が陸上職員の本講習会において、貴重 な「海上現場」からのエピソードは毎年好評。 自分の 「付加価値」を大切にとのメッセージに共感者多数。 会場からの質問にも一つ一つ丁寧にお答えいただき ました。 ▲藤丸明寛・KLSM 船長 ▲お辞儀の角度を確認中(マナー講座) ▲2 0 0名を超える受講生が聴き入る ▲会話も弾むブレイクタイム (総務部:長嶋) せんきょう Apr 2008 ● 21 北九州市小倉で海上技術学校、水産高校と意見交換を行う ―内航船員不足問題に関する海技教育機関との懇談会― 内航部会(部会長 栗林宏!・栗林商船社長)は、3月2 4日(月)北九州市小倉において、内航海 運事業者と海技教育機関(国立海上技術学校、水産高校)の教員による内航船員不足問題に関する懇 談会を開催した。 現在、内航海運における船員需給ギャップは、海事局試算によると5年後では約1, 9 0 0人、1 0年後で は約4, 5 0 0人の不足が予測されている。今回の懇談会は、内航船員不足問題について、海技教育機関と 内航海運業界との間で率直な意見交換を行い、現状認識を共有して解決策の糸口を探るため開催した ものである。懇談会では、各教育機関から最近の就職状況や内航海運に対する学生の意識などについ て説明があり、内航海運業界からは、内航船員が不足している状況について説明した。 意見交換では、深刻な内航船員不足問題の実情を認識し、各事業者は若年船員の採用について最大 限の努力をしていく旨、表明があり、一方で、内航海運事業者が教育機関に望む教育のあり方などに ついて、一定の共通認識を得ることができた。 内航部会では、今後もこうした意見交換の機会を設けていくことで、各種教育機関との共通理解を 深め、内航船員不足問題について対応していくこととしている。 (企画部:松本) ▲海技教育機関の先生方 ▲開催の挨拶をする栗林内航部会長 【資料】 海技教育機関と内航海運事業者との懇談会 参加者(順不同) 《教 育 機 関》 国 立 唐 津 海 上 技 術 学 校 指導課長 片 岡 英 明 国立口之津海上技術学校 指導課長 森 教 濱 砂 博 昭 真 山口県立山口水産高等学校 海洋技術科進路指導課 22 ●せんきょう Apr 2008 諭 海洋技術科進路指導課 教 諭 増 福 岡 県 立 水 産 高 等 学 校 教 頭 高 田 茂 明 海 洋 科 航 海 コ ー ス 教 諭 柴 原 進 教 諭 月 俣 誠 司 路 指 導 主 事 田 雄次郎 誠 長崎県立長崎鶴洋高等学校 進 路 指 導 部 機関科長 大 下 隆 主 任 川 添 博 主 任 藤 井 清 博 鹿児島県立鹿児島水産高等学校 進 路 指 導 部 熊本県立苓洋高校海洋開発科 《海運事業者》 内航部会長 船 取 締 役 社 長 栗 林 宏 ! 三 洋 海 運 株 式 会 社 取 締 役 社 長 三 木 孝 幸 取 締 役 社 長 鶴 丸 俊 輔 船 網 谷 昭 三 栗 林 内航部会 商 副部会長 九州地区船主会 議長 鶴 丸 海 運 株 式 会 社 日 部 長 船舶部海務課長 長谷部 取締役船舶本部長 今 澄 敏 夫 海 務 部 部 長 岩 本 米 三 栄 興 船 舶 株 式 会 社 海 務 部 部 長 河 内 神 戸 船 舶 株 式 会 社 常務取締役業務部長 永 井 春 久 株 式 会 社 ジ ェ ネ ッ ク 海 運 グ ル ー プ 西田井 株式会社アジアマリン 管理部担当部長 岡 本 恭 二 伯 洋 海 運 株 式 会 社 取 桑 野 株 式 会 社 商 船 三 井 九州支店長代理 白 日 本 郵 船 株 式 会 社 九州支店長代理 笹 井 稔 一 海 参 与 植 村 保 雄 長 中 本 光 夫 常務理事・企画部長 園 田 裕 一 宇部興産海運株式会社 《事 舶 事 務 本 振 興 連 盟 締 役 石 伸 治 博 俊 克 浩 新一郎 局》 船 主 協 会 理 事 海務部労政担当リーダー 山 脇 俊 介 企 画 部 課 長 松 本 隆 司 以上2 9名 せんきょう Apr 2008 ● 23 海 運 統 計 関 係 グ ラ フ 集 ∼ 海 運 統 計 要 覧 よ り ∼ 海運業界に進まれた新社会人のみなさま、また、海運関係の研究室に進まれた学生のみなさま、お めでとうございます。 新たなスタートの4月に海運業界でスタートを切ったみなさま、また、これから海運業界を目指そ うとするみなさまのご参考に、当協会で毎年発行の「海運統計要覧」の統計数値の中から、いくつか をピックアップして見やすいグラフにしてみました。統計数値もグラフにすると感覚的に捉えやすく なりますね。 今回のグラフは、 「海運統計要覧」の中の一部の統計数値からの引用です。同要覧を必要時の参照資 料として、手許に1冊置かれてはいかがでしょうか。2 0 0 8年版は初夏頃に発行予定です。ご予約は、 当協会総務部(担当:#橋 E! mail:pub! [email protected]、tel:0 3"3 2 6 4"7 1 8 1、fax:0 3"5 2 2 6"9 1 6 6) 宛に希望冊数(¥1, 0 0 0!冊 送料別)と送付先をご連絡ください。 (2 0 0 7年版は完売しました) (総務部:#橋) 世界の商船船腹量の推移(隻数ベース) 日本籍の商船(内外航)船腹量の推移(隻数ベース) 世界の商船船腹量の推移(総トン数ベース) 日本籍の商船(内外航)船腹量の推移(総トン数ベース) 24 ●せんきょう Apr 2008 総トン数ベースでみた世界の船種別構成(1 9 9 4年) 総トン数ベースでみた世界の商船船種別構成 (2 0 0 5年末) 総トン数ベースでみた日本の商船の船種別構成 (2006年央) 隻数ベースでみた世界の船種別構成(1 994年) 隻数ベースでみた世界の船種別構成(2 0 0 5年末) 世界の海上荷動量の推移(輸送距離) 世界の海上荷動量(石油)の推移(輸送距離) 世界の海上荷動量(鉄鉱石)の推移(輸送距離) せんきょう Apr 2008 ● 25 世界の海上荷動量(石炭)の推移(輸送距離) 世界の海上荷動量(穀物)の推移(輸送距離) 日本の算出地域別原油輸入量(2 0 0 5年) 日本の算出地域別鉄鉱石輸入量(2 0 0 5年) 日本の算出地域別石炭輸入量(2 0 0 5年) 日本の算出地域別穀物輸入量(2 00 5年) わが国外航商船隊船腹量推移(重量トンベース) わが国の内外航船員数の推移 26 ●せんきょう Apr 2008 日中韓国際物流セミナー(於岡山) の開催について 2 0 0 8年5月1 7日の第2回日中韓物流大臣会合の開催に併せて、岡山県と国土交通省の共催で国際 物流セミナーが開催されることとなり、現在参加申込み受付中です。 日中韓物流大臣会合は、日本、中国及び韓国の物流を担当する大臣が一堂に会し、北東アジアに おけるシームレスな物流システムの構築に向けた「行動計画」について、その進捗状況や今後の進 め方に関する意見交換を行い、3国の物流分野における協力関係の促進を図ることを目的としてい ます。日本からは国土交通大臣が、中国からは交通部長が、韓国からは国土海洋部長官が出席しま す。 この時を捉えて、開催地の岡山県と国土交通省が共催し、国際物流に関するセミナーが開催され ます。セミナーのテーマとして「東アジア物流の『準国内化』を踏まえた今後の地方港湾と海上輸 送のあり方(仮) 」を掲げ、一橋大学学長杉山武彦氏による基調講演の後、3国を代表する物流関連 企業のトップ(わが国からは宮原耕治・日本郵船社長)より、北東アジアにおける各企業の戦略や 取組みについて発表があり、聴衆者との意見交換が予定されています。セミナー後には、セミナー 参加者による懇親会が予定されています。 (詳細以下ご参照) 参加費用は無料で、現在申込み受付中です。申込みやお問合せは、以下をご参照ください。 国際物流セミナースケジュール $.主催者挨拶(岡山県石井正弘知事) %.三大臣挨拶(日本国国土交通大臣、中国交通部長、韓国国土海洋部長官) &.基 調 講 演(一橋大学 杉山武彦学長) '.発 表!(日本郵船株式会社$宮原耕治社長) (.発 表"(中海集団物流有限公司〈China Shipping Logistics〉 任暁賓〈Ren Xiaobin〉 副社長) ).発 表#(大韓通運$李国東〈Lee Kookdong〉 社長) *.質疑応答・意見交換 懇 親 会(セミナー終了後1 7:1 5を目処に開始) 日時・場所など 日 時:2 0 0 8年5月1 7日(土曜日)1 4%0 0 # 1 7%0 0 ※1 3%3 0開場 場 所:ホテルオークラ岡山別館「瑞光の間」(岡山県岡山市門田本町4#1# 1 6) アクセス:【タクシー】JR 岡山駅から約1 5分、岡山空港から約4 0分 【路線バス】「操南台団地行き」に乗車、 「ホテルオークラ岡山」で下車 【路面電車】「東山行き」に乗車、 「終点」で下車。タクシーで3分 http:" "www.okayama.hotelokura.co.jp"access"index.html 参加費用:無料。但し、事前に FAX にて申込みが必要。 参加要領:以下アドレスの参加申込フォームより4月2 8日(月)までに申込む。 http:" "www.pref.okayama.jp" (組織で探す!産業労働部!企業立地$物流推進課) そ の 他:日本語、中国語、韓国語による同時通訳 問合せ先:岡山県産業労働部企業立地$物流推進課 !入江、川上(0 8 6 # 2 2 6 # 7 3 7 5) 国土交通省政策統括官付参事官(物流政策)付!重田、大野(0 3 # 5 2 5 3 # 8 7 9 9) せんきょう Apr 2008 ● 27 メ ン バ ー 紹 介 No.10 郵船クルーズ株式会社 月竣工 主要データ ―「クリスタル・セレニティ」は2 0 0 3年7月 会社概要 会 社 名 竣工 #.客船「飛鳥$」に関連するロゴ商品の企画 郵船クルーズ株式会社 (英文名 ・販売。 NYK CRUISES CO., LTD.) 本社所在地 1 0 0 ! 0 0 0 5 東京都千代田区丸の内2 ! 3 ! 2 主要取引金融機関 設立年月日 1 9 8 9年1月5日 三菱東京UFJ銀行、住友生命 保険 資 本 金 2 0億円 株 主 日本郵船株式会社 従業員数 1 3 0名(陸上社員9 2名、海上社員3 8名) 航行区域 外航・近海・内航 事業内容 主要航路 日本近海、アジア、オセアニア、世界 !.クルーズ客船「飛鳥$」の保有、運航、ク ルーズ商品の企画開発、集客。 一周 旅行業免許 国土交通大臣登録旅行業 第8 9 2号 (1 9 9 0年6月クリスタル・ハーモ −「飛鳥$」 ニーとして竣工、 2 0 0 6年1月飛鳥$に改装) ".クルーズ客船「クリスタル・シンフォニー」 及び「クリスタル・セレニティ」を運航する ▲ロゴマーク 日本郵船%の在ロサンゼルス子会社CRYSTAL CRUISES INC. の日本地区販売総代理店。 ―「クリスタル・シンフォニー」は1 9 9 5年4 ▲代表取締役社長 28 ●せんきょう Apr 2008 今崎 慎司 ▲ASUKA のロゴマークとファンネルマーク 歴 史 1 9 8 9年1月 「クリスタル クルーズ ジャパン ホームページ紹介 株式会社」として設立 トップページ画面 1 9 9 0年9月 現社名に社名変更 http:! !www.asukacruise.co.jp! 1 9 9 1年1 0月 郵船スワイヤークルーズ株式会社を 2 0 0 0年3月 日本郵船"!飛鳥シップ"より「飛 合併 鳥」を購入 2 0 0 6年1月 CRYSTAL CRUISES INC.運航の 「クリスタル・ハーモニー」を購入、 「飛鳥!」に改装 2 0 0 6年2月 「飛鳥」を売船 2 0 0 6年3月 「飛鳥!」就航 入会日&所属案内 2 0 0 5年4月1日(京浜地区船主会所属) 所在地&周辺案内 ある社員の会社生活 ∼ホテル部所属社員のある一日∼ 「五感を豊かに刺激する」 、これが飛鳥!の食の テーマです。味はもちろん、見た目や香り、食感 ・リズムなど、あらゆる面でご満足いただけるよ うなお料理をお出ししたいと思っています。 飛鳥!のディナーでは、基本的にフランス料理 皇居を望む東京駅前の丸の内にオフィスがあり のコースを主にしていますが、クルーズによって ます。丸の内は近年の再開発でタワービルとおし は、和食や中華、イタリアンなどの食事もお出し ゃれなブティックが立ち並ぶ地区に生まれ変わり しています。また、フランス料理では、素材や味 ました。 に変化をつけて、お好みのものをお選びいただけ るメニューをご用意しています。例えば、スープ 組 織 図 なら自家製コンソメ、冷製、ポタージュのもの。 管 理 部 株 主 総 会 営 業 部 取 締 役 会 運 航 部 ツアー部 船 舶 部 メインも乗客の嗜好にあわせ数種、またデザート はケーキなどに加え、その場でアイスクリーム、 フルーツとリキュールなどをフランベ(素材にお 酒をたらし火にかけてアルコール分をとばします) した熱々のソースをかけたデザートなど。このほ か早朝のコーヒータイムから午前午後夕方のライ せんきょう Apr 2008 ● 29 トスナック、夜食もあり、終日対応しています。 では揃わないため、予め日本から追走コンテナで 長期のクルーズでは、お客さまに飽きられるこ 途中の港に送ります。2 0 0 8年の世界一周では、途 とのないよう、たとえば世界一周クルーズ約1 0 0日 中寄港地のベニスとニューヨークに、それぞれ4 0 間のディナーでは、同じメニューとなることはあ フィートコンテナ計4本を送る予定です。 りません。長期の場合、お客様の年齢層は平均約 7 0歳。洋食ばかりでなく、和食も多く盛り込みバ リエーション豊かなメニューを考えるようにして ご参考までに、昨年の世界一周クルーズで乗船 客用食料品消費量を一部ご紹介します。 精米=1 1, 2 0 0!、味噌=1, 3 4 0!、砂糖=2, 7 8 0 !、卵=1 5 0, 0 0 0個、トマト=約2 5, 0 0 0個、大根= います。 今日は、世界一周航路の途中で積込む食材につ いての打ち合わせを行いました。この準備につい 約3, 5 0 0本、牛乳=1 5, 0 0 0"、ミネラルウォーター =5 9, 4 0 0"、サラダ油=7, 2 0 0" てはかなり前からとりかかります。もちろん途中 様々な催し物やエンターテイメント、プールや の寄港地でも現地の製品の積み込みは行われます スパなどのリラクゼーション、寄港地での小旅行 が、 7 0 0名を越える日本人シニア層の乗客に、色や とともに、船上での食事はクルーズの重要な要素 形、大きさの揃った食材を用意することは容易で を占めます。より満足度の高いものを提供するた はありません。特に和食の食材は(朝・昼食は毎 め、探求は続きます。 日洋食と和食をご用意しています) 、なかなか外地 ▲ASUKA!写真(ベニスにて) 30 ●せんきょう Apr 2008 が行われた。 2 0 0 8年 3月 7回海洋環境保護委員会(MEPC)が 3 1IMO 第5 ∼ 4 ロンドンにて開催された。 !(P. 5海運ニュース参照) 4 日 3 IMO第39回訓練・当直基準小委員会(STW)が ∼ ロンドンにて開催された。 7(P.2海運ニュース参照) 日 1 0ASFシップリサイクリング委員会(SRC)中間 日 会合がインドネシアのジャカルタにて開催さ れた。 (P. 1 0海運ニュース参照) 1 0交通政策審議会海事分科会(会長:馬田一・ 日 日本鉄鋼連盟会長)の第15回会合が開催され、 新たな船舶交通安全政策のあり方について中 間とりまとめが審議された。 1 1IOPC Fund92年理事会等がモナコにて開催さ 1 6海運ニュース参照) ∼ れた。(P. 1 4 日 2 7CSG(海運先進18ヶ国当局間会議)−ICS シッ 日 ピング・ポリシー・セミナーが東京にて開催 された。 (P. 1 4海運ニュース参照) 2 7交通政策審議会港湾分科会(分化会長:黒田 日 勝彦・神戸大学名誉教授)の第29回会合が開 催され、 「わが国産業の国際競争力等を図るた めの今後の港湾政策のあり方」について答申 せんきょう Apr 2008 ● 31 船協だより 3月の定例理事会報告事項 (3月2 6日 日本船主協会役員会議室にて開催) 平成2 0年3月2 0日施行) " 船員保険法施行規則の一部を改正する省令 (厚 生労働省令第7 2号、平成2 0年3月3 1日公布、 平成2 0年4月1日施行) 政策委員会 1.トン数標準税制関連事項等 国際会議の予定(5月) 2.国際船舶への日本人船・機長配乗要件撤廃問 題 会議名:IMO 第8 4回海上安全委員会(MSC) 3.CSG! ICS シッピングセミナー!レセプション の開催について 海上安全・環境委員会 1.船舶の排ガス規制見直しへの対応 2.地球温暖化防止に関する動向 3.環境セミナー(5!2 9)の開催 4.ASF シップリサイクリング委員会第1 1回中間 会合 内航部会 1.内航船員不足問題に関する海技教育機関との 懇談会 港湾関連業務専門委員会 1.水先制度改革について 公布法令(3月) " 港則法施行規則の一部を改正する省令(国土 交通省令第8号、平成2 0年3月4日公布、 32 ●せんきょう Apr 2008 日 程:5月7日∼1 6日 場 所:ロンドン 会議名:ICS!ISF 年次総会 日 程:5月1 9日∼2 1日 場 所:アテネ(ギリシャ) 海運統計 1.わが国貿易額の推移 年 (単位:1 0億円) 輸 出 輸 入 ▲ 出超 入$ (FOB) (CIF) 月 2.対米ドル円相場の推移 (銀行間直物相場) 前年比・前年同期比(%) 年 月 年間 平均 月間 ) 最高値 最安値 輸 出 19 9 0 19 9 5 20 0 0 20 0 3 20 0 4 20 0 5 20 0 6 20 0 7 1 44. 8 1 94. 0 6 1 07. 7 7 1 15. 9 0 1 08. 1 7 1 10. 1 6 1 16. 3 0 1 17. 7 9 12 4. 3 0 8 0. 3 0 10 2. 5 0 10 7. 0 3 10 2. 2 0 10 2. 1 5 10 9. 5 0 10 8. 2 5 16 0. 1 0 10 4. 2 5 11 4. 9 0 12 0. 8 1 11 4. 4 0 12 1. 3 5 11 9. 5 1 12 3. 9 5 2 00 7年4月 5 6 7 8 9 10 11 12 2 00 8年1月 2 3 1 18. 8 3 1 20. 7 3 1 22. 6 2 1 21. 5 9 1 16. 7 2 1 15. 0 2 1 15. 7 4 1 11. 2 6 1 12. 6 7 1 07. 6 6 1 07. 8 1 1 00. 7 9 11 7. 7 7 11 9. 5 5 12 0. 9 4 11 8. 5 2 11 2. 4 0 11 3. 2 0 11 3. 8 0 10 8. 2 5 11 0. 2 0 10 5. 9 0 10 4. 7 3 9 7. 0 0 11 9. 6 0 12 1. 7 0 12 3. 9 5 12 3. 6 3 11 9. 6 8 11 5. 9 8 11 7. 6 8 11 5. 3 3 11 8. 9 5 11 0. 0 5 10 8. 2 2 10 3. 7 8 輸 入 199 0 199 5 200 0 200 3 200 4 200 5 200 6 4 1, 4 57 4 1, 5 30 5 1, 6 54 5 4, 5 48 6 1, 1 70 6 5, 6 62 7 5, 2 56 33, 8 5 5 31, 5 4 8 40, 9 3 8 44, 3 6 2 42, 2 1 7 56, 3 8 1 67, 1 6 4 7, 6 0 1 9, 9 8 2 1 0, 7 1 5 1 0, 1 8 6 1 1, 9 5 3 8, 7 8 2 8, 0 9 2 9. 6 2. 6 8. 6 4. 7 1 2. 1 7. 3 1 4. 6 1 6. 8 1 2. 3 1 6. 1 5. 1 1 0. 9 1 5. 6 1 6. 1 20 07年3月 4 5 6 7 8 9 10 11 12 20 08年1月 2 7, 5 13 6, 6 33 6, 5 65 7, 2 84 7, 0 63 7, 0 28 7, 2 70 7, 5 07 7, 2 68 7, 4 36 6, 4 08 6, 9 75 5, 8 8 5 5, 7 1 2 6, 1 8 2 6, 0 6 4 6, 4 0 2 6, 2 9 5 5, 6 3 6 6, 5 0 4 6, 4 8 0 6, 5 6 1 6, 4 9 8 6, 0 0 9 1, 6 2 8 9 2 1 3 8 3 1, 2 2 0 6 6 1 7 3 4 1, 6 3 4 1, 0 0 2 7 8 8 8 7 4 ▲ 8 9 9 6 6 1 0. 3 8. 2 1 5. 1 1 6. 2 1 1. 8 1 4. 5 6. 5 1 3. 8 9. 6 6. 9 7. 7 8. 7 0. 2 3. 5 1 5. 6 1 0. 8 1 7. 1 5. 8 ▲ 3. 2 8. 7 1 3. 3 1 2. 2 9. 2 1 0. 2 (注) 財務省貿易統計による。 (単位:千 M!T) 3.不定期船自由市場の成約状況 区分 航 海 用 船 定 期 用 船 合 計 連続航海 年次 20 0 2 20 0 3 20 0 4 20 0 5 132, 269 99, 655 シングル 航 海 (品 目 別 内 訳) 石 炭 穀 物 砂 糖 鉱 石 スクラップ 肥 料 その他 Trip Period 9 7 8 1 3 1, 2 9 1 4 3, 4 0 61 5, 1 8 2 5, 8 53 65, 1 0 5 1, 3 2 0 9 8, 3 3 5 3 0, 7 2 2 6, 0 9 7 3, 6 57 57, 0 0 1 44 2 1, 05 4 24 8 43 8 2 49 18 4, 8 90 1 72 20 8, 6 90 5 0, 47 4 8 1, 72 1 83, 398 76, 847 2, 4 1 4 2, 1 4 5 8 0, 9 8 4 3 1, 8 7 5 5, 6 2 1 7 4, 7 0 2 2 8, 5 6 6 3, 7 6 0 7 00 41, 3 9 4 1 62 41, 5 5 2 59 6 24 7 69 0 33 1 1 08 25 0, 3 86 86 28 9, 2 16 5 9, 90 6 5 3, 23 4 20 0 6 20 0 7 84, 515 73, 045 6 4 4 2 7 0 8 3, 8 7 1 2 2, 8 3 2 3, 9 6 9 7 2, 7 7 5 2 0, 4 0 1 2, 3 9 5 2 93 56, 4 8 2 44 49, 7 7 9 7 3 0 28 2 15 6 20 0 7 7 8 9 1 0 1 1 1 2 20 0 8 1 2 3 7, 479 4, 172 4, 452 2, 682 8, 692 4, 994 10, 119 5, 831 5. 932 0 0 0 0 2 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 0 3 6 1 6 5 0 0 0 7, 4 7 9 4, 1 7 2 4, 4 5 2 2, 6 8 2 8, 4 9 2 4, 9 9 4 9, 7 9 9 5, 8 3 1 5. 9 3 2 1, 8 1 8 1, 5 1 5 8 8 5 5 5 7 2, 5 6 7 1, 4 3 2 2, 7 8 2 8 8 0 1, 5 1 1 (注) !マリタイム"リサーチ社資料による。 1 8 1 1 6 7 2 5 6 4 3 5 2 4 7 2 3 7 1 6 4 8 8 1 0 8 0 0 0 0 0 0 25 0 0 5, 4 8 0 2, 4 6 0 3, 3 1 1 1, 6 5 3 5, 6 7 8 3, 2 6 0 6, 8 2 8 4, 8 6 2 4, 3 1 0 "品目別はシングルものの合計。 0 33 6, 4 94 1 0 9, 20 3 0 29 5, 3 98 1 3 9, 99 5 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 8, 7 10 2 0, 8 48 2 5, 8 05 2 1, 1 35 3 1, 3 95 2 3, 2 08 2 8, 2 65 2 4, 9 39 2 4, 7 14 1 4, 16 6 1 0, 53 3 1 3, 31 0 1 1, 45 0 9, 98 1 5, 92 3 7, 98 9 8, 60 5 6, 68 7 #年別は暦年。 せんきょう Apr 2008 ● 33 原油(ペルシャ湾!日本・ペルシャ湾!西欧) 400 400 (ドル) 100 石炭(オーストラリア!西欧)・鉄鉱石(ブラジル!中国・ブラジル!西欧) (ドル) 100 90 90 80 80 300 300 70 70 ペルシャ湾/日本 鉄鉱石 (ブラジル/中国) 60 200 200 60 50 50 石炭 (オーストラリア/西欧) 40 40 30 30 20 20 100 100 10 ペルシャ湾/欧米 10 鉄鉱石(ブラジル/西欧) 0 0 2003(年) 2004 2005 2006 2007 0 0 2003(年) 2008 2004 2005 2006 2007 2008 4.原油(ペルシャ湾!日本・ペルシャ湾!欧米) 1 2 3 4 5 6 20 0 6 最高 最低 1 80. 00 8 0. 0 0 150. 00 10 0. 0 0 106. 50 6 6. 5 0 68. 00 5 0. 0 0 77. 50 6 7. 5 0 130. 00 8 2. 0 0 ペルシャ湾!日本 20 0 7 2 00 8 最高 最低 最高 最低 75. 0 0 4 7. 5 0 11 4. 0 0 8 5. 0 0 65. 0 0 4 5. 0 0 11 0. 0 0 8 9. 0 0 90. 0 0 6 5. 0 0 5 0. 0 0 88. 5 0 6 2. 5 0 70. 0 0 6 3. 7 5 2 00 6 最高 最低 1 2 0. 00 7 5. 0 0 12 5. 0 0 85. 0 0 9 5. 0 0 57. 5 0 6 7. 5 0 55. 0 0 8 5. 0 0 55. 0 0 9 7. 5 0 70. 0 0 ペルシャ湾!欧米 20 0 7 20 08 最高 最低 最高 最低 5 7. 5 0 45. 0 0 1 80. 00 7 4. 00 5 9. 0 0 47. 5 0 1 00. 00 8 0. 00 8 0. 0 0 54. 0 0 5 5. 0 0 40. 0 0 7 2. 5 0 60. 0 0 7 0. 0 0 50. 0 0 7 8 9 10 11 12 130. 00 9 1. 0 0 130. 00 9 0. 0 0 115. 00 10 5. 0 0 71. 00 6 7. 5 0 72. 50 6 0. 0 0 65. 00 5 1. 2 5 67. 5 0 5 6. 0 0 66. 7 5 5 6. 0 0 57. 5 0 5 2. 5 0 66. 0 0 5 1. 2 5 89. 7 5 5 7. 5 0 2 25. 0 01 75. 0 0 10 2. 5 0 10 0. 0 0 10 7. 5 0 8 9. 5 0 7 0. 0 0 6 0. 0 0 5 0. 0 0 42. 5 0 4 7. 5 0 45. 0 0 5 0. 0 0 40. 0 0 5 2. 5 0 40. 0 0 12 0. 0 0 45. 0 0 20 7. 0 0 11 0. 0 0 月次 (注) !日本郵船調査グループ資料による。 $グラフの値はいずれも最高値。 80. 0 0 85. 0 0 85. 0 0 65. 0 0 60. 0 0 48. 2 5 "単位はワールドスケールレート。 #いずれも2 0万 D"W 以上の船舶によるもの。 5.石炭(オーストラリア!西欧) ・鉄鉱石(ブラジル!中国・ブラジル!西欧) 月次 1 2 3 4 5 6 オーストラリア"西欧 (石炭) 2 0 07 2 0 0 8 最高 最低 最高 最低 2 6. 5 0 ― 3 1. 8 0 3 0. 5 0 ― ― 2 7. 7 5 ― 5 1. 0 0 ― 7 5 0. 0 0 8 ― 9 ― 1 0 6 4. 0 0 5 8. 0 0 1 1 ― 1 2 (注) !日本郵船調査グループ資料による。 #グラフの値はいずれも最高値。 34 ●せんきょう Apr 2008 ブラジル"中国(鉄鉱石) 2 0 0 7 2 00 8 最高 最低 最高 最低 3 8. 0 0 4 0. 2 5 4 8. 3 0 5 2. 0 0 5 5. 0 0 5 4. 0 0 0. 0 0 2 6. 5 0 8 1. 0 0 3 8. 0 0 7 3 9. 0 0 4 4. 0 0 5 1. 0 0 4 0. 7 5 (単位:ドル!トン) ブラジル"西欧 (鉄鉱石) 20 0 7 20 08 最高 最低 最高 最低 4 9. 0 0 2 1. 5 0 5 5. 0 0 2 4. 7 5 2. 0 0 1 9. 0 0 1 6. 7 5 3 2 4. 5 0 2 4. 5 0 ― 2 9. 2 5 3 1. 0 0 2 7. 3 0 2 9. 1 0 2 8. 6 0 3 0. 0 0 2 4. 1 0 5 3. 5 0 2 7. 5 0 3 2. 8 0 2 8. 0 0 6 6. 0 0 5 9. 5 0 3 0. 1 0 7 5. 0 0 6 6. 0 0 4 7. 5 0 4 6. 5 0 8 8. 0 0 2 0. 8 0 5 4. 0 0 4 4. 0 0 9 8. 8 8 8 5. 0 0 4 0. 0 0 9 2. 0 0 8 2. 5 0 "いずれもケープサイズ(1 4万 D"W 以上)の船舶によるもの。 タンカー運賃指数 用船料指数 500 500 2000 2000 450 450 1800 1800 400 1600 1600 350 1400 1400 300 1200 1200 250 1000 400 Handy 350 300 Clean Afra 250 Suez 1000 5万以上 8.5万未満 200 150 200 800 150 600 100 400 800 8.5万以上 600 VLCC 100 50 50 400 2万以上 3.5未満 3.5万以上 5万未満 200 200 総合指数 0 0 2003(年) 2004 2005 2006 2007 2008 0 0 2003(年) 2004 2005 2006 2007 2008 6.タンカー運賃指数 月次 1 2 3 4 5 6 VLCC 中 型 1 1 2 1 6 3 1 1 6 1 6 8 8 6 1 2 7 6 3 1 0 8 7 9 1 3 2 1 0 0 1 3 8 タ ン カ ー 運 賃 指 数 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 小 型 H・D H・C VLCC Suez Afra Handy Clean VLCC Suez Afra Handy Clean 1 9 3 3 1 4 3 4 2 6 3 1 2 4 1 8 7 2 0 9 2 1 9 1 1 2 1 2 4 1 7 8 2 0 5 2 1 5 1 7 6 2 6 7 2 8 2 6 5 1 1 6 1 5 9 2 3 7 2 2 6 9 7 1 1 9 1 4 1 1 8 2 1 9 5 1 6 3 2 0 4 2 2 5 8 1 1 1 2 1 4 5 2 2 0 2 8 2 1 3 3 2 0 8 2 1 3 6 3 1 2 2 1 4 5 2 2 9 2 6 4 1 5 8 2 1 7 2 4 1 7 9 1 0 8 1 6 1 2 3 5 2 4 4 1 4 9 2 2 5 2 3 3 6 3 1 1 0 1 1 3 2 1 1 2 4 2 7 1 1 4 1 4 8 1 7 3 2 3 2 2 7 1 5 9 9 1 1 2 8 2 1 6 2 0 8 8 1 1 4 1 7 1 1 7 0 2 3 1 2 6 6 5 2 8 5 9 7 1 8 5 1 7 4 9 1 0 9 1 3 9 1 4 0 2 1 2 2 3 4 5 1 7 7 1 0 2 1 7 0 1 5 8 1 0 8 7 1 4 7 1 9 0 2 1 3 2 1 7 5 7 1 0 4 1 3 4 1 8 0 1 7 0 1 1 7 4 1 1 8 1 3 3 1 9 9 1 9 4 7 2 1 2 6 1 4 8 2 0 5 1 9 8 1 2 6 6 1 3 6 1 8 9 2 1 0 2 5 1 2 0 1 2 3 2 2 1 4 2 7 9 2 3 9 平均 1 0 0. 3 1 5 7. 3 1 8 3. 1 2 7 0. 6 2 8 6. 9 9 3. 3 1 4 1. 3 1 6 3. 9 2 2 7. 7 2 4 7. 4 (注) ! 「Lloyd's Shipping Economist」による。"タンカー運賃はワールドスケールレート。#タンカー運賃指数の5区分につい イ VLCC"1 ロ 中型"7万∼1 ハ 小型"3万∼7万トン ⃝ ニ H!D=ハンディ!ダ 5万トン以上 ⃝ 5万トン ⃝ ては、以下のとおり(∼2 0 0 3)⃝ ホ H!C=ハンディ!クリーン"全船型。 イ VLCC" ロ Suez" 0 0 0トン未満 ⃝ (2 0 0 4∼)⃝ 2 0万トン以上 ⃝ 1 2∼2 0万トン ーティ"3万5 ハ Afra"7∼1 ニ Handy" ホ Clean"全船型 2万トン ⃝ 2. 5∼7万トン ⃝ ⃝ 7.貨物船定期用船料指数 2005 月次 総合指数 BDI 2 0 0 6 総合指数 BDI 2 0 0 7 総合指数 1 2 3 4 5 6 67 7 71 5 56 5 62 4 55 2 41 2 4, 47 1 4, 51 1 4, 68 5 4, 81 0 3, 73 7 2, 58 6 2 9 4 2 9 2 3 2 1 3 2 5 3 0 4 3 5 9 2, 2 6 3 2, 3 2 8 2, 4 9 3 2, 4 9 5 2, 4 9 5 2, 7 3 9 6 3 2 5 7 7 6 4 4 7 0 7 7 1 2 7 5 9 7 8 9 10 11 12 34 2 28 5 35 2 39 1 37 6 33 2 2, 30 7 2, 16 9 2, 94 9 2, 94 9 2, 99 1 2, 62 4 4 2 1 4 7 5 5 1 8 5 2 2 4 9 3 5 9 4 3, 1 9 1 3, 6 7 2 4, 2 0 7 4, 0 5 3 4, 1 2 1 4, 3 1 8 8 7 5 9 2 0 1, 0 7 8 1, 0 4 4 1, 2 8 0 1, 2 5 1 2万∼ BDI 1. 2万 4, 7 6 2 0 4, 3 6 6 0 5, 1 7 2 5, 7 8 2 6, 5 2 1 5, 6 7 2 2万∼ 3. 5万∼ 3. 5万 5万 9 60 9 6 2 7 72 8 2 8 2 0 08 5万∼ 8. 5万∼ 総合指数 BDI 8. 5万 1, 1 34 1, 1 3 4 1, 01 8 5, 7 8 0 1, 1 58 1, 1 0 0 90 8 7, 1 8 7 7, 6 1 9 6, 6 0 1 7, 2 8 9 8, 6 1 9 1 0, 9 4 4 1 0, 6 4 7 9, 8 4 8 出所:「Lloyd's Shipping Economist」 (注) !船型区分は重量トンによる。 "用船料指数は1 9 8 5年=1 0 0。 #BDI(Baltic Dry Index)は月央値。 せんきょう Apr 2008 ● 35 係船船腹 1000 万D/W 1000 万D/W 800 800 600 600 400 400 200 200 貨物船 タンカー 0 0 2003(年) 2004 2005 2006 2007 2008 8.係船船腹量の推移 月次 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 貨 物 船 タンカー 貨 物 船 タンカー 貨 物 船 タ ン カ ー 隻数 千G!T 千D!W 隻数 千G!T 千D!W 隻数 千G!T 千D!W 隻数 千G!T 千D!W 隻数 千G!T 千D!W 隻数 千G!T 千D!W 1 2 3 4 5 6 146 146 146 147 144 150 70 8 69 2 67 1 68 5 68 3 68 9 755 750 742 764 794 796 3 4 3 3 3 2 3 2 3 2 3 4 1 2 8 1 3 0 1 2 8 1 2 8 1 2 8 2 0 3 1 7 11 5 1 1 7 21 5 2 1 7 01 5 8 1 7 01 5 4 1 7 01 5 1 2 2 71 5 1 6 2 3 6 4 2 6 7 7 6 4 4 6 1 0 6 0 6 640 642 672 625 602 600 34 34 34 34 34 35 1 3 5 1 3 5 1 2 5 1 2 6 1 2 6 1 2 8 2 05 1 83 1 89 1 79 1 89 1 76 1 90 1 90 1 91 7 8 9 10 11 12 149 152 151 152 150 151 69 4 65 0 64 7 64 9 62 3 62 3 817 680 678 682 689 640 3 2 3 2 3 2 3 2 3 4 3 4 1 0 2 1 0 2 1 0 2 1 0 2 1 3 5 1 3 5 1 5 11 4 9 1 5 11 4 6 1 5 11 5 3 1 5 11 7 7 2 0 51 8 8 2 0 51 8 7 6 0 3 5 9 3 6 5 0 7 7 1 8 0 1 8 7 1 595 581 665 812 782 745 35 33 33 38 37 36 1 2 8 1 0 4 1 0 4 1 1 4 1 1 0 1 0 9 1 91 1 50 1 50 1 65 1 60 1 58 (注) インフォーマ発行のロイズ"インアクティブベッセルズによる。 36 ●せんきょう Apr 2008 87 3 74 9 71 0 7 09 36 6 80 35 6 99 33 1 09 1 08 1 04 15 8 15 7 15 0 C O N T E N T S 編集雑感 4 APRIL 2008 1 ■巻頭言 「安全な海」 への取り組み 日本船主協会 常任理事 第一中央汽船株式会社 代表取締役 社長執行役員#野村親信 2 ■海運ニュース 2 国際会議レポート 1. STCW条約・コードの包括的見直し作業が進められる ―IMO第3 9回訓練・当直基準小委員会(STW3 9) の模様― 2. NOxおよび SOx次期規制案、 承認される ―IMO第57回海洋環境保護委員会(MEPC57)の模様について― 3. 円滑なシップリサイクルのためにはすべての関係者の 協力・関与が必要との認識で一致 ―アジア船主フォーラム(ASF)シップリサイクリング委員会(SRC)第11回中間会合の模様― 4. 内外の海運関係者約1 0 0名が参加 ―CSG! ICS シッピング・ポリシー・セミナーの模様― 5. HNS条約改正議論がスタート ―1 9 9 2年国際油濁補償基金第4 0回理事会等の模様― 18 ■寄稿 小学校教育と船舶 28 ■メンバー紹介 №10 郵船クルーズ株式会社 海運統計 編集雑感 日本船主協会 企画部政策担当部長 33 表紙! 囲み記事 $2 0 0 8年海運講習会を開催 $北九州市小倉で海上技術学校、 水産高校と意見交換を行う $海運統計関係グラフ集 $日中韓国際物流セミナー (於岡山) の開催について 20 22 24 27 第一中央汽船 飯 野 海 運 川崎近海汽船 川 崎 汽 船 日 本 郵 船 商 船 三 井 三 光 汽 船 三 洋 海 運 新 和 海 運 日本船主協会 総務グループ次長 総務グループ 広報"IR 室 総務部課長代理 IR"広報グループ 情報広報チーム長 調査グループ グループ長代理兼調査チーム長 広報室マネージャー 社長室長 総務部副部長 総務グループ 総務"法規保険チームリーダー 常務理事兼総務部長 常務理事兼海務部長 常務理事兼企画部長 企画部政策担当部長 海務部労政担当リーダー 清野 鉄弥 編集後記 編集委員名簿 仙台市立柳生小学校 教頭#佐藤澄江 海運日誌(#月) 31 32 船協だより 定産業の既得権になり使命を終えても廃止できな くなることを示している」と書かれている。 そのほかにもいくつか昨年末ごろから本年はじ めごろにかけて新聞や雑誌の租税特別措置に関す る特集記事などで船舶特償が特定業界の既得権化 された租特の代表例として紹介されている。 わが国の償却制度は平成1 9年度に抜本的に改正 が図られ、 2 5 0%定率法という従来と比べて早期の 償却が可能となるような税制改正が行なわれた。 この2 5 0%定率法に船舶特償1 8%を加えて船舶取得 後5年間の償却可能範囲を計算するとわが国の場 合約6 8%となる。 一方、ドイツ、デンマーク、イギリスで7 6%、 フランスでは9 4%、アメリカは8 4%となっている。 このようにこれら国々と比べると船舶取得後5年 間の償却可能範囲が著しく劣っている。いまだに このような状況にあるので船舶特償はわが国外航 海運の国際競争力確保の観点から最低限必要な制 度である。 ねじれ国会ということでもあり、また上述のと おりすでにいろいろなところで船舶特償が既得権 化された税制の例として槍玉にあげられているよ うな状況で、同制度維持への対応は例年になく非 常に厳しいものとなりそうである。2 1年度税制改 正では海運関係の他の団体や神戸、愛媛等の有力 船主筋とも結束をはかり、関係方面にこれまで以 上に強く理解を求めていく必要がある。 トン数標準税制の法案通過も目前まで来ている が、ねじれ国会の中、ガソリン税やら日銀総裁・ 副総裁候補などの問題で国会が混乱しており、お 預けの状態となっている。また肝心な政省令の詰 めがまだできておらず現在、当協会の意見も聴し つつ、国交省、財務省が急ぎ検討しているところ である。できるだけ早期に法案が通過して早く安 心したいものだ。 ところで、来年度(平成2 1年度)税制改正であ るが、船舶の特別償却制度が平成2 1年の3月3 1日 に期限切れとなるために、本年度に同制度の延長 要望を行なわなければならない。しかし、例年以 上に環境はよくない。 例えば、本年2月2 8日の衆議院財務金融委員会 である議員が『長期にわたる企業関係租税特別措 置ということで、この一番長いものが5 0年以上続 いている。船舶の特別償却ということであります が、この船舶の特別償却を特別措置する政策目的 についてお聞かせいただきたいと思います』と切 り出して、租特の一番長いものとして船舶特償を とりあげた。国会でもすでにこのような形で話題 に取り上げられている。 また、最近の某新聞の社説でも特定業界の既得 権となった租税特別措置の代表例として船舶特償 を引き合いに出しており、 「なかには敗戦後の船舶 と船員の不足から脱出するため1 9 5 1年に導入され た『船舶の特別償却』など目的や対象を少しずつ 変えながら半世紀以上も温存されているものもあ る。政策的な狙いで設けた特例がいつの間にか特 裏 伊藤 酒矢 高山 宮本 鹿野 近 荒井 藤田 井上 半田 園田 清野 山脇 啓史 夏彦 雅久 敦 佳亮 謙二 寿雄 正樹 正数 晃 收 裕一 鉄弥 俊介 先月号に YH さんが書いていらっしゃった とおり、この欄は今年から3人のローテー ションになりました。いかがでしょうか? 個人的には上欄の「編集雑感」同様、いろ いろな考えやエピソードを聞くことができ て面白いな∼なんて思います。YHさんのお 話で計算したら今年の1月迄でジャスト連 載5 0本!よく書けたなぁ…ネタ切れも結構 実はあったんですよ∼YHさま、というとこ ろで今後も他の方の執筆をみなさまと一緒 に楽しみにしたいと思います。 (MN) せんきょう"月号 No. 573 (Vol. 49 No.1) 編集・発行人●井上 晃 発 行●平成20年!月20日 製 作●株式会社タイヨーグラフィック 創 刊●昭和35年"月10日 定 価●407円(消費税を含む。会員については会費に含めて 発行所●社団法人 日本船主協会 購読料を徴収している) 〒102!8603 東京都千代田区平河町2!6!4 (海運ビル) TEL. (03) 3264!7181 〔総務部(広報)〕 平成2 0年#月2 0日発行 毎月!回2 0日発行 No. 5 7 3 昭和4 7年"月$日 第"種郵便物認可 2008 せんきょう 4 社団法人 日本船主協会 海運ニュース NOxおよび SOx次期規制案、 承認される ―IMO第57回海洋環境保護委員会(MEPC57)の模様について― 寄 稿 小学校教育と船舶 ●No.573●