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平成26 年度 基礎研究費 研究成果報告書
公立大学法人横浜市立大学における研究費の取扱に関する規程 第 15 号様式の 1(第 40 条) 平成26 年度 基礎研究費 研究成果報告書 提出日:平成27 年 7 月 30 日 私は、下記研究課題に係る研究費について、以下のとおり研究成果を報告します。また当該研究費の執行につ いては、規程等を遵守し、適正に使用いたしました。 1 研究者情報 氏名(職位) : 上村 雄彦(教授) ※医学科は氏名に教室代表者名を記載 所属: 国際総合科学群人文社会科学系列 2 グローバル・タックスの効果に関する研究―気候変動ガヴァナンスを中心 研究課題名 ※50 字以内 に 3 交付額 550,000 円 5 研究概要 ※600~800 字程度で記入してください。絵、図の挿入も可 2014 年4月、科学研究費補助金(基盤研究 B)の交付を受けることができることとなった。これは 2010 年 ~2012 年に行った科研費(基盤研究 C)を継承、発展させるものであり、これまで行ってきたグローバル・タ ックスとグローバル・ガヴァナンスにかかわる研究が一定の評価を受けたものと理解している。 その研究(基盤研究 B)の目的は、地球規模課題の解決策として注目されるグローバル・タックスについて、 ①資金創出、②ガヴァナンス、③資金の使用、すなわち「上流から下流」までトータルに把握し、その効果に 関して総合的な検証を行うことである。具体的には、まずグローバル・タックスの哲学的・法的土台を明らか にし、次に、航空券連帯税を財源とする UNITAID(国際医薬品購入ファシリティ)のガヴァナンスと税の効果 を考察しつつ、グリーン気候基金のガヴァナンスと資金の効果について検討を行う。最後に、欧州で現実化し つつある金融取引税とその気候変動への適用について吟味する。これらを通じて、グローバル・タックスの効 果を総合的に評価し、政策立案に役立てることをめざすというものである。 2014 年度の基礎研究費も、この研究をさらに深く、着実に遂行するのに役立てるため、科研と同じ研究目的 を掲げて行った。とりわけ、ヨーロッパで現実になりつつある金融取引税を詳細に調査するために、2014 年 8 月から 9 月にかけて、欧州のキーパーソンにインタヴューを行い、これらグローバル・タックスの最新動向を 理解し、日本で導入するための鍵を探ることを目的として、オーストリア、ベルギー、フランスで現地調査を 行った。具体的には、オーストリア経済研究所(ウィーン) 、ブリュッセル自由大学(ブリュッセル) 、欧州委 員会(ブリュッセル) 、グルノーブル・スタンダール大学(グルノーブル) 、フランス外務省(パリ) 、シラク財 団(パリ)を訪れたが、特にシラク財団ではジャック・シラク元フランス大統領と会い、インタヴューをする ことができた。その成果は、講義や研究報告のほかに、2015 年 2 月に刊行された上村雄彦編著『グローバル・ タックスの構想と射程』法律文化社に収められている。 当時に、気候資金とそのガヴァナンスに関しても、グローバル・ガバナンス学会、国際政治学会、Academic Council of the United Nations System (ACUNS)で研究報告を行い、その成果をグローバル・ガバナンス学会 学会誌への投稿論文、ならびに前述の書籍において、論文として発表している。 脱原発に関しては、2014 年 12 月のシンポジウムで研究発表を行ったが、その成果は 2015 年度内に論文とし て執筆する予定である。 以上のように、年度初めに立てた研究計画は、ヨーロッパ出張で予想以上にハイランクのキーパーソンに会 ってインタヴューを行うことができたのみならず、これまでの研究成果を科研費から出版助成をもらって刊行 できることとなったことなど、想定以上に進展し、成果を上げることができた。 公立大学法人横浜市立大学における研究費の取扱に関する規程 第 15 号様式の 1(第 40 条) 6 研究発表(投稿準備中、投稿中、発表予定を含む) ※記載にあたっては、例えば発表論文の場合、論文名、著者名、掲載誌名、査読の有無、巻、最初と最後の頁、発表年(西暦)に ついて記入してください。記載の順番は、現在から順に発表年次を過去に遡って記載し、通し番号を必ず付してください。 <著書> 1.上村雄彦編著『グローバル・タックスの理念と射程』法律文化社、2015 年 2 月。なお、本書は、平成26 年度科学研究費助成事業研究成果公開促進費から 100 万円の補助金を得て、出版された。 <論文、報告書> 1. 「グローバル・タックスの可能性と課題」 『税理士新聞』 (2013 年 12 月~2014 年 4 月まで連載)エヌピー 通信社。 2. 「グローバル金融が地球共有財となるために―タックス・ヘイブン、 「ギャンブル経済」に対する処方箋」 日本国際連合学会編『グローバル・コモンズと国連』 ( 『国連研究』第 15 号』 )国際書院、2014 年 6 月、57-85 頁。 3. 「第三者意見」 『株式会社 NIPPO CSR レポート 2014』 、2014 年 9 月、30 頁。 4. 「グローバル・タックスと地球環境ガヴァナンス―気候資金を手掛かりに」 (2014 年度日本国際政治学会研 究大会報告論文) 、2014 年 10 月。 5. 「2014 年度国連システム学術協議会研究大会に参加して」 『財政と公共政策』財政学研究会、第 36 巻第 2 号、2014 年 10 月、71-74 頁。 6. 「気候資金ガヴァナンスに見るグローバル・タックスと地球環境ガヴァナンスの交差」 『グローバル・ガバ ナンス』創刊号、グローバル・ガバナンス学会、2014 年 12 月、31-47 頁。 <学会報告> 1. 「グローバル・タックスと地球環境ガヴァナンス―気候資金を手掛かりに」 、グローバル・ガバナンス学会 第 4 回研究大会、部会Ⅱ「複合的グローバル・ガバナンス」 (2014 年 4 月 12 日、於:同志社大学) 。 2. “Global Tax for Global Climate Governance: A Case for Climate Financing”, Workshop Panel 19: Global Tax, Global Funding and Global Governance, Academic Council of the United Nations System (ACUNS) 2014(2014 年 6 月 19 日、於:Kadir Has University, Istanbul, Turkey) 。 3. “Global Accountability of Global Finance: From regulation to global tax and governance” 、 グローバル・ ガバナンス学会第 5 回研究大会、部会“Global Accountability” (2014 年 10 月 4 日、於:専修大学) 。 4. 「気候資金ガヴァナンスに見るグローバル・タックスと地球環境ガヴァナンスの交差」 、2014 年度日本国際 政治学会研究大会、自由論題部会「グローバル/地域ガヴァナンスの諸相」 (2014 年 11 月 16 日、於:福岡国際 会議場) 。 <招待講演、メディア出演> 1. 「欧州金融取引税(FTT)の最新動向について-問われる日本の対応」 、国際連帯税創設を求める議員連盟 総会基調講演、2014 年 4 月 23 日(於:参議院議員会館) 。 2. 「どうしたら地球問題を解決できるのか?-国際連帯税の可能性」 、神奈川学園高校、2014 年 5 月 16 日(於: 神奈川学園高校) 。 3. 「グローバル・タックスって面白い!-金融取引税の可能性」 、未来バンク20周年記念講演、2014 年 7 月 公立大学法人横浜市立大学における研究費の取扱に関する規程 第 15 号様式の 1(第 40 条) 11 日(於:スーパーデラックス) 。 4. 「グローバル・タックスと地球環境ガヴァナンス―気候資金ガヴァナンスを手掛りに」 、2014 年度第 1 回グ ローバル・タックス研究会Ⅱ(科学研究費研究会) 、2014 年 7 月 19 日(於:横浜市立大学) 。 5.FM J-WAVE、JAM THE WORLD に出演、 『沈みゆく大国アメリカ』で有名な堤未果さんと対談。2014 年8月 13 日(於:FM J-WAVE) 。 6. 「グローバル連帯税に関する欧州の最新動向-金融取引税を中心に」 、グローバル連帯税推進協議会(第 2 次寺島委員会)創設記念シンポジウム、2014 年 10 月 12 日(於:青山学院大学) 。 7. 「震災の年に生まれた子どもたちの 20 歳の年に、どんな未来を渡すのか?-2041年の地球、日本のた めに」 、信頼創造財団、2014 年 10 月 17 日(於:アミタホールディングス株式会社東京本社) 。 8. 「欧州金融取引税に関する最新情報-キーパーソンを訪ねて」 、国際連帯税フォーラム、2014 年 10 月 20 日 (於:自治労会館) 。 9. 「国連デー記念 ドキュメンタリーから開発アジェンダを考える」 、国連広報センター、2014 年 11 月 2 日、 (於:中央大学) 。 10. 「なぜ地球問題は解決しないのか?-グローバル連帯税が切り開く未来」 、横浜市立南高校付属中学校講演、 2014 年 11 月 8 日(於:横浜市立南高校付属中学校) 。 11. 「欧州調査報告-欧州における金融取引税の最新動向」 、第 1 回グローバル連帯税協議会(第 2 次寺島委員 会)講演、2014 年 11 月 17 日(於:参議院議員会館) 。 12. 「脱原発への高いハードルをどう乗り越えるか」 、2014 年度 YCU 脱原発ネットワークシンポジウム、2014 年 12 月 10 日(於:横浜市立大学) 。