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野球のユニフォーム生地に 使われるニットの経編 大正時代に見附で
①Yシャツ・ブラウスの技術 がすり 唯 一 の 経 編( た て あ み ) 機 で 編 ま れ た ニ ッ ト で す。 経 編 は、 織 物 と 緯 編 (よこあみ) の中間のような編地がで き、 薄 く て 伸 縮 性 の あ る 生 地 を 作 る こ と が で き ま す。 1 本 の 糸 で 編 地 を がポイントのポロ 自然で美しい編目 で も ら う こ と で、 る、 ニ ッ ト で 編 ん 附の繊維産業の特色の一つであ プ な ど で 済 ま せ る と こ ろ を、 見 常 で あ れ ば、 安 価 で 簡 単 な テ ー 元のトリコロールのラインも通 が 編 ん だ 緯 編 の ニ ッ ト で す。 首 ポ ロ シ ャ ツ の 襟 ・ 袖 は、 第 一 ニットマーケティング株式会社 ニットの緯編(よこあみ) ポロシャツの襟・袖は 伸 縮 性、 速 乾 性 に 優 れ て い ま す。 ポリエステル100%で作られる た め、 薄 く て 丈 夫。 通 気 性 が よ く、 安 定 し て い ま す。 数 本 の 糸 を か け て 編 む の で、 編 地 が 作 る 緯 編 と 異 な り、 複 数 の 筬 ( お さ ) 生地を発注したメーカーにより、プロ野 球球団、野球・ソフトボールの日本代表 ユニフォームなどが作られています。 手 間 が か か り 高 価 な 織 絣 に 対 し て、 手軽に絣模様が楽しめる染め絣とし て、 大 正 初 期 に 見 附 で 誕 生 し た の が、 「マンガン絣」です。白絣(白地に紺・ 黒などの絣模様を施した布)が中心 年 代 ま で 見 附 を 中 心 に、 亀 田 ・ で、 夏 の 着 物 に 用 い ら れ ま し た。 昭 和 年 その後、「マンガン絣」は昭和 か ら 年 に か け て 編 集 さ れ た「 見 附 昭 和 初 期 ま で 大 流 行 し ま し た。 附 の 綿 織 物 の 生 産 量 1 位 に な る な ど、 と し て 人 気 を 集 め、 大 正 9 年 に は 見 に「 マ ン ガ ン 白 絣 」 は 見 附 の 特 産 品 江 な ど で も 生 産 が 行 わ れ ま し た。 特 村 松 な ど の 越 後 の 各 産 地 や 浜 松・ 近 30 大正時代に見附で生まれた 「マンガン絣」の染め加工 見附オリジナル・クールビズシャツ「M・T・K」のYシャツ・ブラ ウスに使われているのは、大正時代に見附で誕生し、 一世を風びした「マ 水やお湯に布を通し、おがくずと薬 品を洗い落とします。その後、大きな洗濯 機で布を洗い、必要に応じて「ちりめん加 工」などを行います。 ㈱ハニーインターナショナルが作 る 野 球 ユ ニ フ ォ ー ム の 生 地 は、 県 内 4 ンガン絣」。現在は、世界で唯一、見附の職人だけが手掛ける、自然に 糸にのりをつけて糸巻きを作った 後、経糸整経機(上)で糸を模様の順に配 置します。横に 3 千~4千本の糸が並び ます。この時に絡まないように綾(あや) を取ります。次に、織機が筬(おさ)の音 を響かせながら、布を織っていきます。 洗い・仕上げ 優しい染め加工で作られています。 ②ポロシャツの技術 整経→織り付け われているのは、プロ野球球団や、野球の日本代表チームのユニフォー 300 ~ 400 本の糸を幅 50㎝くら いの大きなビーム(ミシンボビンを大き くしたようなもの)に巻き取ります。巻 き取ったビームは、重さ約 40kg にもなり、 クレーンで持ち運びを行います。 を 用 い て、 一 本 の 針 に 対 し て 同 時 に 1 ム生地にも使われる、県内唯一の経編のニット。薄くて丈夫な生地を 見附オリジナル・クールビズシャツ「M・T・K」のポロシャツに使 野球のユニフォーム生地に 使われるニットの経編 (たてあみ) 染色(マンガン染め) 生産することができるのが特徴です。 整経 ま す。 を 使 っ た 商 品 は、 高 級 品 と な っ て い な布として取り扱われ、「マンガン絣」 か 月 以 上 か か る た め、 現 在 で は 希 少 ま す。 糸 染 め か ら 織 り 上 げ る ま で 3 今でも職人の勘を頼りに作られてい て 作 業 工 程 に 加 減 が 必 要 に な る た め、 法です。天候や気温、風の強さによっ 出 す、 自 然 に 優 し い 独 特 な 染 め の 技 ガンの酸化還元作用を利用して柄を ン 絣 」 の 加 工 は、 熱 を 使 わ ず に マ ン リードだけになっています。「マンガ 現在、「マンガン絣」を手掛けるの は、 世 界 で 唯 一、 庄 川 町 の ㈱ ク ロ ス し て 使 わ れ た と さ れ て い ま す。 す。 見 附 市 の 特 色 を 打 ち 出 す も の と 市史」の装丁として使用されていま 49 商品に関する問い合わせ:第一ニットマーケティング株式会社☎ 66 ‐ 4513 2 シャツができまし た。 生地の生産から縫製・販売まで見附で行われています。今年は、6 月1日から数量限定・市内特別価格で販売中! 市内直販だからこそ実 現できる価格です。 〇「マンガン絣(がすり)」を用いたYシャツ・ブラウス(6,000 円~) 〇プロ野球球団のユニフォーム生地の生産技術を活用して作ったポロシャツ(5,300 円~) 【販売店舗】・ネーブルみつけ内「みらい市場」 ・ファクトリーブランドショップ「プリメイラ」(第一ニットマーケティング株式会社工場内) 【商品開発協力企業】縫製・販売など:第一ニットマーケティング株式会社(見附市柳橋町) Yシャツ・ブラウス生地:株式会社クロスリード(見附市庄川町) ポロシャツ生地:株式会社ハニーインターナショナル(見附市本所1) マンガン加工 3 58 M.T.K 見附オリジナル・クールビズシャツ 模様が掘られた金属のロールに酸 化剤(または還元剤)の入ったのりを付け、 布に模様を付けていきます。移染しないよ うに、布におがくずをふりかけ、還元反応 を促します。その後、空気を吹き付ける 機械で酸化を促し、柄を定着させます。 番外編:製品化 エム ティ ケー 塩化マンガンなどいくつかの薬品を 溶かした水溶液に糸を順番に入れて、手作 業で染めます。湿度や気温、素材により濃 度の調整などが必要となる神経を使う作業 です。染めた後、専用の機械で糸を洗い、 完全に酸化させます。 1 経編機にボビンを乗せ、糸を1本 1本手作業でセットします。複数の筬で経 方向に糸を出し編立を行います。筬が複数 になるほど複雑な模様が表現できます。1 ロット約 5 千mの生地が作られます。 4 2013. 6●広報見附 2013. 6●広報見附 5 経編 2