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(5) 利用者、出店者マッチング事業 ① 課題整理と企画立案 施設稼働率

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(5) 利用者、出店者マッチング事業 ① 課題整理と企画立案 施設稼働率
(5) 利用者、出店者マッチング事業
① 課題整理と企画立案
施設稼働率向上と施設の賑わい感創出という 2 つの視点から教室利用を増やすことが必要とされた。B-FLAT に出
店する利用者の中には教室開催に必要な技術を持った人が多く、また出店者の作品を見た来店者の中から教室開催
のニーズもあったことから、双方を適切にマッチングすることが施設稼働率の向上、施設の賑わい感創出につながると考
えられた。しかし、出店者の中でこれまでに教室を開いた経験のある人は少なく、教室を開くとなると尻込みしてしまうこと
が懸念された。そこで、講師、生徒双方の教室参加の敷居を下げる試みとして、B-FLAT が体験講座を企画することとし
た。また、新規に B-FLAT に関わる人材を発掘する上でも、施設利用の敷居を下げる体験講座が必要とされた。
体験講座は、統括ディレクターの発案で「集い」と名付けられ、その運営計画を協議した。講師にとって、金銭面で負
担にならない料金設定と教室開催に慣れていない人が当日のプログラムを考える上で適切な時間設定を検討し、BFLAT 出店者やディレクターの人脈で他の施設で教室を開いている人に対して「集い」開催を打診することとした。
● 講師が体験講座のプログラムを作成するのに負担とならないことを考慮し、教室開催時間は 3 時間以内
とする。
● 「集い」開催料は 3,000 円とする。
● 「集い」開催は原則 1 講座、1 回までとし、その後は正規の料金で教室開催を行う。
② 体験講座「集い」の成果
体験講座「集い」は 2005 年 10 月から行われ、2006 年 2 月までに以下の講座が開催された。プリザーブドフラワー教
室、ビーズスキル&純銀クロッシェ等「集い」を行った後、B-FLAT で定期的に教室開催を行われるようになった教室もあ
り、施設稼働率向上に向けた成果があがった。
ものづくり体験
● プリザーブドフラワー体験教室
● トール&デコラティブ体験講座
● ビーズ純銀クロッシェ体験教室
● 木彫り体験教室
● ファンタジック水彩画体験講座
● 彫刻グラス体験教室
● リース作り 1 日講座
● 洋服の作り方アドバイス
● パーチメントクラフト 1 日講座
● パッチワーク体験講座
● フラワーアレンジメント 1 日講座
● 絵手紙 1 日講座
● 編み物 1 日講座
● パンフラワー1 日講座
● 布ぞうり体験教室
● お針箱講習会
技術体験
● かんたん楽しい日常英会話教室
● お茶とお菓子を楽しむ会
● 美しい字の書き方講座
● 四柱推命等の占い勉強会
● ギター特別講習
● すぐに役立つ楽しいパソコン&ホビー講座
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- 布ぞうり体験教室 -
- 絵手紙 1 日講座 -
- プリザーブドフラワー体験教室 -
- ファンタジック水彩画体験教室 -
- 彫刻グラス体験教室 -
- ビーズ純銀クロッシェ体験教室 -
- ギター特別講習 -
- 美しい字の書き方講座 -
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(6) 広報媒体再編
① 「B-FLAT news」のフォーマット作成
「B♭にゅうす」は B-FLAT の出店スケジュールや、イベント情報を地域に発信する媒体として、開業後毎月、月初め
に新聞折り込みが行われ、また来店者に店頭で配布されていた。発行部数は 8,000 部で、裏面に地域店舗の広告を取
り、その広告費で発行されていた。
B-FLAT の運営を再編するにあたり、旧「B♭にゅうす」はインパクトに欠けるため、再編することになった。
課題
● 「B♭にゅうす」本編が縦使いなのに対して、裏面が横使いで編集されており、見にくい。
● 明確なフォーマットがないため、毎回編集に時間を要し、編集者の負担が大きい。
● 展示・販売と教室の差が明確でない。
再編方針
● 「B♭」から「B-FLAT」に名称を変更したことから、「B♭にゅうす」についても「B-FLAT news」と名称
を変更する。
● 月間スケジュール欄は必要。展示・販売、教室、「集い」の差を明確にし、特に新しい企画である「集
い」は目立つようにする。
● 左面には、「集い」の情報、B-FLAT のイベント情報を載せる。
● 地域の商業文化インキュべーション施設として、地域情報についても一定の枠を設け掲載する。
- 再編前の「B♭にゅうす」(表面) -
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- 「B-FLAT news 11 月号」 -
② ホームページ再編
昨今の施設 PR、情報発信において web 環境は重要なツールである。検討の際にも、「施設の情報を常に更新し、ど
んな出店、教室が予定されているのか、一目で分かるようにしたい」、「ブログ形式で、写真等も用いながら、その週の様
子が分かるようにしたい」といった意見があった。新たに加わったディレクターの中に web 作業の経験者がいたこともあり、
ホームページの再編は徐々に行われた。
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(7) 夜間利用システム再編
① 夜の部の運営条件
カフェの部ディレクター辞職後、18:00 以降の定期運営の目途が立たない中、昼間の利用者どうしが知り合いはじめ
たこともあり、夜間を交流のための気軽な貸し切りスペースとして利用することとなった。
使用料等の料金設定は、昼の部の利用料金から設定し、運営計画を立案した。
● ディレクター非常駐の貸スペース利用が基本
● 時間=18:30~21:30(3.0 時間)が基本
● 昼の部半日(3.5 時間)の費用=6,000 円、うち人件費=800×3.5=2,800 円
● 夜の部基本料金=(6,000-2,800)÷3.5×3.0+900(時給 1.0 時間分)=3,643 円→4,000 円(場所代)
● ディレクター常駐の場合の人件費=900×3.0=2,700 円
● 厨房設備利用料、料理持ち込み料=2,000 円(一律)
● 飲食を伴う場合、1 人 1,000 円から対応
- 「貸切 ROOM」チラシ -
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② アコースティックナイトの企画、実行支援
● アコースティックナイト運営計画
貸切ルームの利用促進には、施設側で試行的に催しを行い、利用イメージを発信することが得策だとの考えから、以
前からカフェの部で実施していた、地域にゆかりのあるミュージシャン等が出演する音楽イベント「アコースティックナイト」
を貸切ルームとして企画、実行することとなった。B-FLAT 運営者との協議の結果、運営計画を以下のように立案した。
● ディレクター常駐が基本
● チャージ=800 円/人(周辺相場)
● 採算の考え方=800×5 人で基本料金採算
● 飲食を行うことが前提→発生する人件費は飲食費で得る
● 飲食単価は 1,500 円を想定(5 人の場合=7,500 円)
運営計画をもとにサウンドアクション出演者とアコースティックナイトの出演可能性について協議した結果、出演可能
性は一定みられたものの、場を盛り上げるための集客とチャージ料の適切な設定が課題とされた。ミュージシャンとの協
議の結果得られた知見は以下のとおりである。
● 自分自身が楽しい場であれば、ミュージシャンは参加する。
● B-FLAT が本当にアコースティックナイトを開催したいと考えていることが出演の前提条件。
● 音楽演奏があれば客が集まるという考えでは、ミュージシャンは出演しない。
● 集客は B-FLAT の役割。出演者が自身の固定客を連れてくることに期待するのは間違い。
● チャージ料 800 円は高い。チャージを取るのであれば、1drink 付きで 1,000 円の方がよい。
集客方法については広く一般に募集をかける一方で、人的ネットワークを活用し客を集めることが確実な方法とされた。
B-FLAT 運営者と協議した結果、主婦を主な顧客とする昼の部の人的ネットワークでは、演奏する音楽の種類の問題か
ら集客は難しいとされたため、学生等まちづくりに関心の高い層や他地区で同様の事業を営む経営者等に広報し、集
客することで、夜間利用のイメージを発信することを重視した。
一定の参加が得られる目途がたったため、運営収支計画を以下のように立案した。出演候補者から問題とされたチャ
ージ料については、参加の敷居を下げるため取りやめ、代わりに 1drink 制を採用することとした。
出演条件を確定させた後、候補者に対して出演を打診し、3 組の出演が得られることになった。
● 条件整理
・10 名参加予定、内出演者 4 名
・出演者には、最初の 1drink(600 円)と料理 1 品(300 円)をサービス
・原価率=4 割として試算
● 収入の部
A. 客単価=1, 750 円と設定した場合
(1drink=600 円+drink メニュー1 品=500 円+飲食メニュー2 品程度=650 円)
・10 名(内出演者 4 名)参加で採算可能
・飲食収入=1,750 円×6 名+850 円×4 名=13,900 円
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・飲食利益=13,900 円×0.6=8,340 円
B. 客単価=1, 450 円と設定した場合
(1drink=600 円+drink メニュー1 品=500 円+飲食メニュー1 品程度=350 円)
・12 名(内出演者 4 名)参加で採算可能
・飲食収入=1,450 円×8 名+550 円×4 名=13,800 円
・飲食利益=13,800 円×0.6=8,280 円
● 支出の部
・基本使用料(場所代)=4,000 円(3 時間+人件費 0.5 時間分)
・人件費=900 円×3 時間=2,700 円
・ミュージシャン飲食費原価=900 円×0.4×4 名=1,440 円
・合計支出=8,140 円
● アコースティックナイト運営支援
A. 夜間利用システム飲食メニューの検討
事業収支計画検討の結果、採算の目途が立ったため、アコースティックナイト Vol.4 の開催が決定した。開催にあたり、
夜間利用システム確立のためのメニューを検討し、①1 人のディレクター対応可能なこと、②B-FLAT の雰囲気に合うこ
と、③音楽や会話を楽しみながら少しつまめるような軽食を中心とすること等の条件を整理し、下記のメニューを用意す
ることとなった。ドリンクメニューは豊中駅前でバーを開く店主の協力等を受け、内容を充実させた。
B. アコースティックナイト Vol.4 の開催
アコースティックナイト Vol.4 は 2005 年 11 月 17 日に
FOOD MENU
開催された。
当日は、予定されていた 3 組の出演者に加え、2 組の
飛び入り参加があった。来店者は予定していた来店者に
加え、チラシによる来店者が 3 名あり、計 13 名であった。
予定していた出演者が 30 分程度、飛び入り参加の出
演者は 10 分程度の演奏を行い、演奏ごとに 10 分の合間
を取って、アコースティックナイトの開催主旨の説明や料
理の注文、出演者の演奏の準備の時間とした。
♪ 焼き和そば
¥500
♪ ヒジキの健康サラダ
¥300
♪ 野菜の豚肉巻き
¥300
♪ もやしとタコの豆板醤炒め
¥300
♪ 紅茶煮豚
¥300
♪ ジャガイモ&ベーコン
¥300
♪ シンプル トマトサラダ
¥300
DRINK MENU
♪ ビール
¥500
♪ チューハイ
¥400
♪ ソフトドリンク
¥300
♪ ボジョレヌーボー2005
¥時価
- アコースティックナイト Vol.4 メニュー -
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- アコースティックナイト Vol.4 チラシ -
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- チラシをみた飛び込み客もあり会場は満員に -
- アコースティックナイトの趣旨説明 -
- サウンドアクションにも参加する男性シンガー -
- サウンドアクション常連の男性ユニット -
- 飛び入り参加者によるバイオリンの演奏 -
- 豊中駅前で初めて演奏する男女ユニット -
- B-FLAT でギター教室を開いている講師の演奏 -
- 演奏を聴きながら料理を楽しむ参加者 -
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(8)音楽の集い ―「Healing Music in B-FLAT」―
① 音楽イベント継続開催の検討
夜間利用システム再編時に、貸切ルーム事業の中で行ったアコースティックナイトは、以前カフェの部で「音楽が日常
的に楽しめるカフェ」というコンセプトのもと運営されていたイベントであった。ディレクター辞職後、カフェの部を休業する
にあたり、音楽イベント継続開催の検討を行った。
カフェの部は、地域内で育まれてきた音楽文化を日常的に楽しみ、音楽文化のすそのを広げるための事業であり、音
楽イベントはその目に見える形での成果であったことから、今後も継続的に実施していくことが望ましいとされた。
継続運営の方法を検討する中で、マネージングディレクターから地域の中で周知されるようになってきた昼の部の雰
囲気に合った音楽イベントとしたいという意向があった。また、「アコースティックナイト」という名称では、昼の部の主なタ
ーゲットである主婦層には伝わりにくいとの意見から、「Healing Music in B-FLAT」と改められることとなった。
② 「Healing Music in B-FLAT」の開催
「Healing Music in B-FLAT」は、2006 年 2 月末時点までに計 3 回開催された。出演者、提供するお菓子等は、昼の
部のネットワークを活用し用意されている。
参加者は主婦層がメインであったが、一時期ギターを趣味とし、仕事を引退するにあたり改めて取り組み出したという
男性客もみられ、小規模ながらも施設の雰囲気に合った催しとなった。また、3 回目のイベントでは、近隣の音楽教室に
通う生徒が演奏を行う等、B-FLAT の新しい音楽ネットワークづくりにも貢献している。概要は以下の通りである。
サブタイトル
X’mas の集い
ギターミニコンサートと
ギター・ウクレレ教室体験会
春待ちコンサート
~ギターとフルートの共演~
開催日時
2005 年
12 月 23 日
15:00~17:00
2006 年
1 月 18 日
14:00~15:30
2006 年
2 月 25 日
11:00~13:00
内容
参加者
・B-FLAT のギター教室講師による演奏会
・ギター教室生徒の飛び入り演奏
出演者 2 名
参加者 8 名
・B-FLAT のギター教室講師による演奏会
・ウクレレ演奏の体験会
出演者 1 名
参加者 6 名
・B-FLAT のギター教室講師による演奏
出演者 3 名
・地域音楽教室に通う生徒によるフルートの 参加者 4 名
演奏
・ギターとフルートの共演
- Healing Music in B-FLAT 概要 -
- B-FLAT のギター教室講師による演奏 -
- 団塊の世代の男性客も参加 -
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