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機能材料工学科 准教授 久米 徹二
工学部 046 研究室見学 ナノテク・材料 半導体クラスレートの基礎物性と応用 機能材料工学科 准教授 久米 徹二 e-mail: [email protected] 当研究室では「半導体クラスレート」と呼ばれる新材料の研究開発を行っています。 金属のように電気を通す一方、ガラスのように熱を伝えにくい特殊な性質を持っています。 この性質により、熱を電気に変える熱電変換素子への応用が期待されています。 金属のように電流を 流しやすい。 ガラスのように熱を 伝えにくい 。 熱の流れ 電流 太陽電池への応用も有望視される材料です。 Q.クラスレートって何? A.日本語では、包接化合物と呼ばれ、原子(ホスト)が 「かご」を作り、その中に他の原子(ゲスト)を取りこんで います。 (ホスト=Si、Geなど、ゲスト=Na、Baなど) Q.半導体って何? A.Si(ケイ素)やGe(ゲルマニウ ム)に代表される電子材料。集積 回路や太陽電池など、様々な電 子部品に使われています。 鳥(ゲスト:Na) カゴ(ホスト:Si) Q.クラスレートの何をしらべているの? A.当研究室では、ラマン散乱という方法を用 いて原子の振動数を観測しています。 振動数から、原子同士がどのように結びつ いているかが分ります。 レーザー光 Q.クラスレートはどうやって作るの? A.元素を混合して、熱や圧力を加えることで 作ります。 1:1 Si 熱処理 650 ºC Ar中 ラマン散乱光 (原子の振動の情報) 散乱光には、原子の振動の情 報を含むラマン散乱光が含ま れています。これを観測、解析 することで、原子振動が分りま す。 Na NaSi クラスレート作製装置 真空熱処理 340~ 430 ºC Si clathrate