Comments
Description
Transcript
Keysight InfiniiMax
Agilent InfiniiMax プローブの拡張 Application Note 1601 はじめに このアプリケーション・ノートでは、 Agilent InfiniiMax プローブのプロー ブ・アンプとヘッド間での電圧、温度、 長さの動作レンジの拡張方法を紹介し ます。 低温/高温での動作 性能を広い動作温度範囲に対して検証 したり、高温/低温での不具合の原因 を特定するために、オシロスコープを 恒温室内でモニタすることが必要な場 合があります。Agilent InfiniiMax プ ローブ・アンプ(1130 シリーズ、1160 シリーズ)の動作温度は 5 ℃~ 40 ℃ ですが、プローブ・ヘッドはより広い 温度範囲で動作させることができます (表 1 を参照) 。 Agilent N5450A 延長ケー ブル・セット (図 1) を使用すると、 プロー ブ・ヘッドとプローブ・アンプ間の距 離を延長することができます。これに より、プローブ・アンプは恒温室外に 置いたまま、プローブ・ヘッドを恒温 室内で動作させることができます。 図 1 プローブ・ヘッドとプローブ・アンプに接続された延長ケーブル ただし、広い温度範囲に対してプロー ブ・ヘッドを恒温室で使用すると、プ ローブ・ヘッドの寿命に影響を与えま す。表 1 は、プローブ・ヘッドの予想 寿命を、2 列目の最大および最小動作 温度でのサイクル回数で示していま す。注記:高温で長時間動作させると、 プローブ・ヘッドが変色する場合があ ります。ケーブルの色や質感も変化す ることがあります。これは、プローブ・ ヘッドやケーブルの性能の劣化を示し ているわけではありません。 プローブ・ヘッド 動作温度範囲 寿命(サイクル回数) N5381A 12 GHz - 55 ℃~+ 150 ℃ > 250 E2677A/E2678A/ N5426A/N5451A - 25 ℃~+ 80 ℃ > 1000 差動はんだ付けヘッド 表 I プローブ・ヘッドの動作温度範囲 10.8 + db (voi_1169 ExtCbls_N5381) 10.8 + db(voi_1169_N5381) どのケーブルも同様ですが、延長ケー ブル(90 cm 長)による損失が生じ ま す。 図 2 お よ び 図 3 は そ れ ぞ れ、 1169A 13 GHz InfiniiMax プローブと N5381A はんだ付け用プローブ・ヘッ ドを組み合わせた場合の周波数および 時間での応答を示しています。赤色は 延長ケーブル使用していない時、青色 は延長ケーブルを使用した時です。図 4 および図 5 はそれぞれ、1134A 8 GHz InfiniiMax プローブと E2677A はんだ 付け用プローブ・ヘッドを組み合わせ た場合の周波数および時間での応答を 示しています。同様に赤色は延長ケー ブル使用していない時、青色は延長ケー ブルを使用した時です。- 3 dB 周波数 が著しく変化することはありませんが、 約 1 dB の帯域内損失が追加され、立上 がり時間に影響を与えています。延長 ケーブルを付けると、プローブの等価 入力雑音が約 40%増加します。 6 3 0 -3 赤:延長ケーブルなしの場合、BW>12 GHz∼13 GHz 青:延長ケーブルありの場合、BW∼13 GHz -6 -9 -12 1E8 1E9 1E10 2E10 周波数(Hz) 図 2 1169A と N5381A を組み合わせ、延長ケーブルを付けないとき(赤)と付けたとき(青)の 周波数応答 2 測定上の問題 電圧のダイナミック・レンジの拡張 1.4 3.55 + SR_F2 3.47 + SR_F1 1.2 1.0 0.8 赤:延長ケーブルなしの場合、tr1090=37ps、tr2080=26.6ps 青:延長ケーブルありの場合、tr1090=40.6ps、tr2080=26.6ps 0.6 0.4 0.2 0.0 -0.2 5.4 5.6 5.8 6.0 6.2 6.4 6.6 6.8 7.0 時間(ns) 7.2 7.4 7.6 7.8 8.0 20 + db (voi_1134 ExtCbls_2677) 20 + db(voi_1134_2677) 図 3A 1169A と N5381A を組み合わせ、延長ケーブルを付けないとき(赤)と付けたとき(青) のステップ応答 6 0 赤:延長ケーブルなしの場合、BW>7 GHz∼8 GHz 青:延長ケーブルありの場合、BW∼7 GHz -6 -9 -12 1E8 高品質アッテネータを使用すると、プ ローブ・システムの帯域幅および立上 がり時間に影響を与えることはありま せん。しかし、雑音と DC オフセット の確度とのトレードオフが生じます。 プローブ・ヘッドの最大入力電圧は± 30 Vdc なので、このレンジ以上の信号 の測定には使用できません。したがっ てプローブ・ヘッドとプローブ・アン プ間に挿入されるアッテネータには、 20 dB が実用的な限界になります。減衰 比が大きくなると、プローブ・システ ムの雑音性能と利得のみが劣化します。 3 -3 1130 シ リ ー ズ の ダ イ ナ ミ ッ ク・ レ ン ジは 5 V p-p、1160 シリーズのダイナ ミ ッ ク・ レ ン ジ は 3.3 V p-p で す。 よ り大きな信号の測定が必要な場合は、 InfiniiMax プローブでは、同軸 RF アッ テネータをプローブ・ヘッドとアンプ との間に追加してダイナミック・レン ジを広げることができます。アッテネー タを使用するとプローブのオフセット・ レンジも増えます。 1E10 1E9 2E10 周波数(Hz) 図 3B 1134A と E2677A を組み合わせ、延長ケーブルを付けないとき(赤)と付けたとき(青) の周波数応答 表 2 は、2 つの InfiniiMax プローブ・ア ンプ・シリーズに 4 種類のアッテネー タを追加した場合の、雑音(代表値)、 ダイナミック・レンジ、DC 減衰量、オ フセット・レンジを示しています。 1.2 10.4 + SR_F2 10.4 + SR_F1 1.0 0.8 0.6 0.4 赤:延長ケーブルなしの場合、tr1090=52ps、tr2080=36ps 青:延長ケーブルありの場合、tr1090=57.5ps、tr2080=50.4ps 0.2 0.0 -0.2 5.4 5.6 5.8 6.0 6.2 6.4 6.6 6.8 7.0 時間(ns) 7.2 7.4 7.6 7.8 8.0 図 4 1134A と E2677A を組み合わせ、延長ケーブルを付けないとき(赤)と付けたとき(青) のステップ応答 3 プローブ・ アンプ 追加した アッテネータ ダイナミック・ レンジ オフセット・ レンジ 雑音(代表値) プローブ・ システムの 公称 DC 減衰比 1130 シリーズ None 5 V p-p ±12V 3 mV RMS 10:1 1130 シリーズ 6 dB 10 V p-p ±24V 7.8 mV RMS 20:1 1130 シリーズ 12 dB 20 V p-p ±48V* 16.7 mV RMS 40:1 1130 シリーズ 20 dB 50 V p-p ±120V* 41.7 mV RMS 100:1 1160 シリーズ None 3.3 V p-p ±16V 2.2 mV RMS 3.45:1 1160 シリーズ 6 dB 6.6 V p-p ±32V* 6.3 mV RMS 6.9:1 1160 シリーズ 12 dB 13.2 V p-p ±64V* 13.2 mV RMS 13.8:1 1168A/69A シリーズ 20 dB 33.3 V p-p ±160V* 33.4 mV RMS 34.5:1 *: プローブ入力部での DC 電圧の使用可能レンジは ±30 Vdc に制限されます。 注記: 上記の数値は、N5380A のデュアル SMA プローブ・ヘッドには適用されません。N5380A の最大入力電圧の仕様は 2.28 Vrms なので、アッテ ネータを追加した大きな信号の測定には適していません。 適切なプローブ減衰比の設定 Infiniium オ シ ロ ス コ ー プ の ソ フ ト ウェアは、接続されているプローブを 検出しますが、デフォルト設定では追 加のアッテネータが考慮されていませ ん。挿入したアッテネータに合わせて 測定値や設定値をオシロスコープに表 示するには、Channel Setup メニュー に移動して、プローブが接続されてい るチャネルを選択し、スケーリングを 調整します。 図 5 Channel Setup メニュー 4 Channel Setup メニューで、“probes”をクリックします。 図 6 Probe Setup メニュー 次の画面で、“Configure probing system”をクリックします。 図 7 Probe Setup メニュー 次に“User defined probe”を選択します。 5 図 8 Probe Setup メニュー 公称減衰比の値を前述の表から入力します。 プローブ・システムの校正 (オプション) 最高の確度を実現するには、校正済み DC 出力をオシロスコープの Aux Out から使用し、プローブとアッテネータ を校正します。Utilities メニューに移 動して“Calibration”を選択します。 “Aux” の 下 の ド ロ ッ プ ダ ウ ン・ メ ニューで“dc”を選択します。 プローブに何も接続しないで、 “Vavg” 自動測定を使用して、平均電圧を測定 します。次に Aux Out からの dc 出力 電圧を、プローブ校正フィクスチャ E2655B を使用して測定します。2 つ の測定値の差に基づいて、プロービン グ・システムの適切な減衰比を計算し、 User-defined Probe Setup メニューに 入力します(図 8 を参照)。 6 アッテネータの購入方法 18GL アッテネータは、プローブ・ア ンプ本体内のコネクタに完全に固定さ れないようにデザインされています。 GPO ア ッ テ ネ ー タ は Aeroflex/Inmet このために、アッテネータとプロー 社から購入できます。アッテネータ ブ・アンプ間には、必ず GPO(オス)‐ の Web ページは、http://www.aeroflexinmet.com/PDFILES/18G-ATT.pdf です。 GPO(メス)アダプタを使用してくだ さい。図 8 を参照してください。適切 なアダプタは Tensolite 社の P914-2CC 18G シリーズではなく、必ず 18GL シ (パーツ番号) です。 リーズを指定してください。18G シリー ズは強力なデタント・メカニズムを備 えていて、取り外し用ではありません。 18GL シリーズは緩い保持力を備えて いますが、プローブ・ヘッドを損傷す ることなく外すことができます。 Aeroflex/Inmet 社 の パ ー ツ 番 号 は 18GL-XX で、XX は必要な減衰量(dB) です。例えば、20 dB アッテネータの パーツ番号は 18GL-20 です。 アッテネータ GPO オス‐メス・ アダプタ 図 9 アッテネータおよびアダプタの組み立て プローブ・アンプとプローブ・ ヘッド間の延長 プローブ・アンプとプローブ・ヘッド 間の距離を延ばした方が良い場合があ ります。例えば、複数の大きなプラグ イン・カードが搭載された高密度シス テムではプローブ・アンプを入れるス ペースが狭すぎたり、プローブ・ヘッド・ リードが短くてプロービング・ポイン トに届かない場合などがあります。プ ローブ・ヘッド延長ケーブル N5450A は、このような場合に有用です。 7 Remove all doubt 電子計測UPDATE www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan Agilent からの最新情報を記載した電子メール を無料でお送りします。 Agilent Direct www.agilent.co.jp/find/agilentdirect 測定器ソリューションを迅速に選択して、使用 できます。 Agilent Open アジレント・テクノロジーでは、柔軟性の高 い高品質な校正サービスと、お客様のニーズ に応じた修理サービスを提供することで、お 使いの測定機器を最高標準に保つお手伝いを しています。お預かりした機器をお約束どお りのパフォーマンスにすることはもちろん、 そのサービスをお約束した期日までに確実に お届けします。熟練した技術者、最新の校正 試験プログラム、自動化された故障診断、純 正部品によるサポートなど、アジレント・テ クノロジーの校正・修理サービスは、いつも 安心で信頼できる測定結果をお客様に提供し ます。 また、お客様それぞれの技術的なご要望やビ ジネスのご要望に応じて、 アプリケーション・サポート システム・インテグレーション ● 導入時のスタート・アップ・サービス ● 教育サービス ● ● www.agilent.co.jp/find/open Agilent は、テスト・システムの接続とプログ ラミングのプロセスを簡素化することにより、 電子製品の設計、検証、製造に携わるエンジニ アを支援します。Agilent の広範囲のシステム 対応測定器、オープン・インダストリ・ソフトウ ェア、PC 標準 I/O、 ワールドワイドのサポートは、 テスト・システムの開発を加速します。 など、専門的なテストおよび測定サービスも 提供しております。 世界各地の経験豊富なアジレント・テクノロ ジーのエンジニアが、お客様の生産性の向上、 設備投資の回収率の最大化、測定器のメイン テナンスをサポートいたします。詳しくは: www.agilent.co.jp/find/removealldoubt www.lxistandard.org LXIは、GPIBのLANベースの後継インタフェー スで、 さらに高速かつ効率的なコネクティビティ を提供します。Agilentは、LXIコンソーシアム の設立メンバです。 アジレント・テクノロジー株式会社 本社〒 192-8510 東京都八王子市高倉町 9-1 計測お 客様窓口 受付時間 9:00-18:00(土・日・祭日を除く) TEL ■■ FAX ■■ 0120-421-345 (042-656-7832) 0120-421-678 (042-656-7840) Email [email protected] 電子計測ホームページ ● www.agilent.co.jp 記載事項は変更になる場合があります。 ご発注の際はご確認ください。 © Agilent Technologies, Inc.2009 Published in Japan, May 18, 2009 5989-7587JAJP 0000-00DEP