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衛星測位工学 (毎週木曜日1限目 111教室)
衛星測位工学 (毎週木曜日1限目 111教室) 情報通信工学研究室 久保信明 講義の概要 • 目的は、衛星測位工学に関わる要素技術をおおまかに 把握すること。 • 教材は主に「精説GPS」の1章から3章。資料はこちらで準 備。 • 成績は、出席と試験の両方を考慮(5割ずつ)→試験問題 を作りにくいので出席(毎授業の理解度)を重視します。 • 毎回簡単なレポートを授業終了時に提出してもらうので、 それを出席代わりにします。 • 質問は第4実験棟の5Fの研究室へ。 • 再試験の予定はないです。 • 半分PPT、半分黒板くらいの割合です。 講義要目 第1回 はじめに(航法の歴史と無線航法) 4/12 第2回 測位衛星の代表であるGPSの概要 4/19 第3回 GPS概要つづき 4/26 第4回 GPS概要つづき 5/10 第5回 信号強度について 5/17 第6回 スペクトラム拡散について 5/24 第7回 DOPと位置推定手法について 6/7 第8回 DOPについて 6/14 第9回 DGPSについて 6/21 第10回 座標系とGPS時刻について 6/28 第11回 衛星軌道について 7/5 第12回 授業のまとめとレポート課題 7/12 はじめに • 航法とはA地点からB地点までの航路を計画したり、その航 路維持するための科学技術である。そのテーマには、広大 な海を渡航した我々の先祖には星だけを頼って船を進めた 人もいたというような、長い魅惑的な歴史がある。これらは勇 気が要ることである。なぜなら星はいつも見えるとは限らな いからである。 • 20世紀の科学は上空に人工の星を配置することによりほと んど完全にこの問題を解決した。これらの星はいつでも非常 に弱い電波信号を放射し、輝き続けている。未加工の電波 に欠けているものを賢明な設計で補い、完璧な晴天の夜間 に昔の水夫が星からかつて得ていた情報よりもはるかに多く の情報を提供している。 航法の歴史概観 • 推測航法(dead reckoning:DR)→初期の探検家(コロ ンブス)は、一航海ごとの航行距離と方位を維持することにより 出発点から相対的に位置を推定するという単純な考え方を用い た(方位は12世紀に中国で発明された磁気コンパスを利用)。 • 経度と時刻 • 天文学的方法 • 20世紀の開発:慣性航法と無線 推測航法の問題点 • 平面上と球面上の推測航法。 • 平面上の航法では北への航路と東への航路の 順を変えてもP点に達する。一方、球面上では 北向きの航路は収斂するので問題が発生。 経度について • 二地点間の経度の差は、それらの地点の地方時の 差に直接関係している。地球は24時間で360度、1 時間で15度自転している。2地点間の経度の差は2 地点間の地方時の差が分かれば決定される。ただ し正確な時計が必要。1500年代は1日に10分程度 の誤差。他にも天体観測を利用。 • 正確な時計の開発に努力がなされてきた。1657年 →約10秒/1日 1726年→月に約1秒 0度(0:00) 地方時で0:00にここを出発 (その時計を持参) 15度E(1:00) 到着時に持参した時計は 2:00。地方時は3:00 →この差より経度を計算 問題 • 緯度の1分が1海里(1854m)とほぼ等しい とする。1cmまで正確な位置を度で表わす には、整数値以下の何桁の有効数字が必 要か?(1度=60分、1分=60秒) 解答 • 1分が1854mだから、1854mは1/60度。 • 1cmは1854mの1/185400だから、1cmは (1/60)×(1/185400)度となる。 • 計算すると、0.00000008989572…… • よって8桁は必要。 新旧の航法システム • 推測航法 • 誘導システム 自身の位置を知る必要はなく、目 的地に向けることによりコースに合わせることが できる。灯台や無線ビーコン。ILS(計器着陸シス テム)なども。 • 測位システム 正しく定義された座標系において ユーザの位置を決定する。ロラン、オメガ、トラン ジットそしてGPS(GPSは速度と時刻も測定でき る)。 慣性航法 • ジャイロスコープ→物体に働く角速度を検出する計測 器(ジャイロコンパス:北を指す)。 • ジャイロスコープの空間の方向を維持する安定なある いは感性プラットフォームを提供する機能は慣性航法 システム(inertial navigation system:INS)を生み出した。 • INSは推測航法システムであり、その特性として誤差 が蓄積する(普通の精度のINSで1時間で2km)。 • GPSとINSは一方の弱みが他方の強み。INSが耐性を 持つ妨害や干渉に対して、GPSは弱い。INSに礎を置 く測位は誤差が蓄積するが、そのようなドリフトのない GPS測位結果でリセットできる。 無線航法 • 電波伝搬の基本原理を活用 • 電磁波のスペクトルは多くの競争的利用要求がある 限られた資源である。規制と強調が必要であることが 20世紀の初期に認識されたために1934年に国際電気 通信連合(ITU)が設立された。ITUは様々な無線サー ビスを持った周波数帯に電磁周波数スペクトルを分割 する。 • 無線は、航法(次)、電話、電報、レーダ、AM/FM、移 動体通信、衛星通信のさまざまなサービスが存在する。 無線周波数の類別 周波数帯 超長波(VLF) 長波(LF) 中波(MF) 短波(HF) 超短波(VHF) 極超短波(UHF) センチ波(SHF) 周波数 <30kHz 30-300kHz 30kHz-3MHz 3-30MHz 30-300MHz 300MHz-3GHz 3-30GHz 波長 >10km 1-10km 100m-1km 10-100m 1-10m 10cm-1m 1-10cm 無線航法の種類 • 長距離地上系無線航法(ロラン、オメガ、 デッカ)→VLFおよびLF • 航空用短距離の視線無線誘導システム (VOR、ILS、MLS)→VHSからSHF • 衛星航法(トランジット、GPS、GLONASS) →VHFとUHF 三辺測量 • 電波を用いて推定位置を得る技術は、通信と同じくらい古い。第 2次世界大戦中には航空機の無線航法援助の開発が加速され た(VOR、TACAN、ILS、MLS)。 • 電波伝搬の原理の最も簡単なことは、電波が既知の速度で伝 わること。よって送信局からの信号の伝搬時間が測定できれば、 送信者と観測者の間の距離が決定される。位置が分かっている 三つの送信局からの距離が与えられれば、観測者の位置が決 まる。 • 伝搬時間測定には、送信機と受信機の時計が同期している必 要がある。光速は300000000m/sなので、1μsの同期誤差は300m の距離測定誤差になる。 三辺測量の概観図 双曲線測位 観測者は既知点にある二つの局への距離差を測定する。 1対の局からの同一距離差の点の軌跡は双曲線である。 到達時間差(TDOA)システムと呼ばれる。 ドップラー効果 • ドップラー効果とは、波(音波や光波や電波など)の発 生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度に よって、波の周波数が異なって観測される現象のこと。 発生源が近付く場合には波の振動が詰められて周波 数が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて 低くなる。 観測者も音源も同一直線状を動き、音源S(Source)から 観測者O(Observer)に向かう向きを正とすると、観測者に 聞こえる音波の振動数は、 となる。ここで、f : 音源の出す音波の周波数、V : 音速、 v0 : 観測者の動く速度、vs : 音源の動く速度 音源に近づく場合 波の重要な公式 V=fλ 観測者については V+v=f’λ 以上2式より f’=f(V+v)/V 周波数は高くなる 音源より遠ざかる場合 波の重要な公式 V=fλ 観測者については V−v=f’λ 以上2式より f’=f(V−v)/V 周波数は低くなる ドップラ測位 ドップラシフトは送信源の周波数と受信周波数の差である。 上のドップラシフト曲線の形は軌道からの距離を決定する。 もし列車が時刻表に従って正確に運行し、観測者の時計が ずれていなければ自身の位置を正確に求めることができる。 問題 • 車の音の周波数(=回転数とする)を調べるために、観測者 が走行軌跡上にいたとする(実際はありえないが)。車は常 に時速360kmで直線道路を走行していたとする。観測者が 測定した車の通過前後の周波数(回転数)の差が193Hz だったとすると、車の回転数はいくつだったか? なお、回 転数はrpm(revolution per minute:1分間での回転数)で回 答すること(最後の答えは整数で)。音速は340m/sとする。 4月19日の授業 • • • • • GPSの概要 どのようにして距離を測るのか? 精密な時計の役割 位置を求めるのになぜ4つの衛星が必要か? ドップラーの演習 ノートは各自工夫しながらとるようにしてください! レポートはおそらく英訳と用語説明 おそらく、出席5割、レポート5割 GPS(Global Positioning System) 地球上のいかなる場所でも以下の2つを決定することができる ・1cmから10m以内の精度で緯度、経度、高度を ・5nsから60nsの精度で正確な時刻を GPS設計者の考察 • 能動型か受動型か?→受動型は無限のユーザ • 測位方法:ドップラ、双曲線、三辺測量→三辺測量は合理的 • パルス波信号か連続波か?→GPSは符号分割多元接続 (CDMA)の最初の普及例 • 搬送波周波数→Lバンドは折衷案 • 衛星配置と軌道→各ユーザはその位置を求めるために衛星4 機以上を視野に入れる必要があった。 • GPSの開発コストは約100億。年ごとの運用経費や維持費は約 5億ドルといわれている。 • 三辺測量技術についての古代の考えをGPSへ適合させた4つ の技術は、予測可能な軌道上の安定な宇宙プラットフォーム、 超高安定度の時計、スペクトル拡散信号、集積回路であった。 軌道について • 低高度軌道(LEO:2000km以下)→1回に10− 20分間しか見えない。ドップラシフト大、大気の 抗力大、打上げ費低、低送信電力 • 中高度軌道(MEO:5000∼20000km)→数時間 視野、打上げ費LEOより高い、衛星数は24∼36 機。GPSのために選ばれた。 • 静止軌道(GEO:36000km)→少ない衛星で全世 界カバー、高緯度地域をカバーできず、打上げ 費高 距離の決定 雷の場合、距離=伝搬時間×音速(330m/sくらい) 眼でスタート時間を、耳で到着時間を 6つの軌道面に配備されたGPS衛星 GPSによる伝搬時間 距離=伝搬時間×光速 平面内で位置を決定する時 3つの球による位置決定 時刻に関する問題 1.列車が東京駅から越中島駅に向けて時速50kmの等速で動 いているとする。東京駅を正確に9:00(正しい時刻)に出発し、 越中島駅を通過したときの自分の時計は9:08ちょうどであった。 東京−越中島間がちょうど5kmとすると、自分の時計のずれは いくらか? 2.次に、上記の自分の時計でGPS衛星から発射された電波を 受信した。衛星から正確に10:00(正しい時刻)に発射された電 波を受信した時刻は10:02分0.07秒であった。このとき、電波発 射時の衛星位置と自分の位置(静止点)との距離はいくらで あったか?電波の速度は光速(30万km/s)とする。 4つの衛星が3次元の位置を求める のに必要 衛星航法の原理 ユーザと衛星の距離測定値は信号の送信時間と受信時間から 求められるが、共通のバイアスがあり、擬似距離と呼ばれる。ユーザ の位置と時計のバイアスを求めるために、少なくとも4機の衛星が必要。 GPS→GNSS • GPSは衛星航法の唯一のシステムではない。 • 世界的に与えられている名称はGNSS(世界的航法 衛星システム) • 米国→GPS • ロシア→GLONASS • 欧州→Galileo • 日本→QZSS(準天頂衛星) • 中国→Beidu(北斗) ドップラー効果の問題 • GPS衛星の軌道運動による、地球上のあ る固定点でのドップラー周波数の計算。 4月26日の授業 (GPSとそのtechnology) • • • • GPSはどのようなセグメントから成るのか? GPS衛星はいかに構成されているか? どんな情報が地球に送られるのか? 衛星の信号がどのように生成されるのか? • 衛星からの送信時刻はどのように決定され るのか? • 「相関」とは? システム構成 スペース・セグメント GPS衛星 地上管制局 JB 利用者 ユーザ・セグメント コントロ−ル・セグメント スペースセグメント II/IIA IIR IIF 衛星数 28 21 12 初打上 1989 1997 2005 900 1100 2900 7.5年 10年 15年 50億円 40億円 34億円 衛星の型式 衛星重量(kg) 設計寿命 価格 衛星と地球の中心を結んだとき に地球上のどこを通るか 全衛星の分布 GPS衛星 全ての衛星は、同じ周波数 で原子時計によって同期 されており、時刻信号と データを送信している。 地球上で受信する信号 の強さは-158dBW程度。 通信リンクの解析 P1 P0 10 log10 dB P1 P0 例えば、1Wを基準にすると、0.1Wは -10dBWとなる。よって、-160dBWとは 10-16 Wとなる(-130dBm)。 信号電力 • 地球上で受信されるGPS信号は非常に弱い(地表面全体 にわたって一様な輻射)。衛星のアンテナ入力ポートでのR F電力は50ワット程度。 • 電気工学では広範囲の電力レベルを扱うために、デシベル 単位の対数目盛で電力比を表わす。 P1 P0 10 log10 dB P1 P0 ここで、 P1とP0は比較する電力レベルである。電力の絶対値は1Wあるいは1mW に対して、それぞれdBWもしくはdBmの単位で同様に表現できる。 -10dBWもしくは20dBmと表現される。 衛星からの信号に含まれるもの • • • • • • 衛星の時刻と同期信号 軌道情報(エフェメリスと呼ばれる) 衛星時刻(GPS時刻)を正確に求めるための補正値 おおよその軌道情報(アルマナック) 電離層の情報 衛星の健康状態 各衛星は1023個の 疑似雑音符号を持つ この符号は1msごとに繰り返されており、非常に重要な役割を持つ ・他の衛星との識別 ・信号の伝搬時間の測定 衛星の信号を生成 衛星には、4つの非常に 精密な原子時計があり、 下記の信号パルス生成の タイミングを司る 50Hzのデータパルス C/Aコードのパルス(1.023MHz) L1の搬送波位相の周波数(1575.42MHz) なお、変調方式はBPSK(Bi-Phase-Shift-Keying) 実際のデータの中身 さらに詳細な衛星内部のブロック 黒板で説明 ・C/Aコードの役割 ・10.23MHzが基本 コントロールセグメント 主な機能 • • • • 衛星軌道を監視すること 衛星健康状態の監視と維持をすること。 GPS時間を維持すること。 衛星のエフェメリス(軌道情報)と時計パラメータを推 定すること。 • 衛星の航法メッセージを更新すること。 • 衛星を維持するために操縦する指示をだすこと。必 要ならば故障した衛星を補うために配置転換を行うこ と。 ユーザセグメント • GPSの民生利用が拡大したのは、集積回路の革 新に負うところが大きい。 • 高精度用(数cm)で、1980年代中盤は10万ドル →現在は1万ドル以内。精度をあまり要求しなけ れば100ドル以内(ハンディ型)。 • 現在市場には何百種類ものモデルの受信機が 出回っている。 • 世界全体におけるGPSの製品とサービスの年間 の販売高は、2003年までに160億ドルに達する。 • GPSは商業基盤と社会基盤に欠くことのできない ものになりつつある。 ユーザ側の距離計算 67∼68msecの間に衛星を発信したC/Aコードが受信機に 届いたとする。当然、1msecの整数倍で受信することは 考えられないので、相関をとって信号を同期させることにより、 1msecの端数の値を算出することになる。 なお、1msec分のあいまいさは、1msecが300㎞に相当すること より、容易に求めることができる。 疑似距離=(67msec+0.??????????msec)× 光速 ユーザ位置の計算 • ユーザは自身の位置を求めるために、4つの衛 星の情報を必要とする。 • それは、ユーザの3次元座標と受信機の時計の ずれを求めるためである。 • 全ての衛星は同一周波数かつ異なるC/Aコード で送信(CDMA)。 • 信号の復調と識別は相関という作業によって行 われる。相関によって、前述のコードのタイミング のずれ(距離計算)も計算できる。 相関 評価について • 授業の評価ですが、毎回の出席をレポート を見て5点でつけています。欠席した人は0 点になりますので、注意してください。 • 12回のうち良い点数の10回分を計算して 50点満点です。 • さらに最後の授業でレポートの課題をだし ます。それが50点満点です。 • 合計100点となります。 5月10日の授業 • GPSの航法メッセージについて GPS衛星からどんな情報が送られてくるか? 必要最低限の情報入手に何秒必要か? フレームとサブフレームについて なぜ同じデータが繰り返し流されるのか? • 位置計算について 最初に • 航法メッセージは1秒間に50ビットの連続 データである。各衛星は下記の情報を地 球に向けて送信 ①GPS時刻と衛星自身の時刻補正値 ②自身の正確な軌道情報(エフェメリス) ③おおよその軌道情報(アルマナック) ④衛星の健康状態 データ概要 • データストリームは前にも述べたように高 周波の搬送波に変調されて送信。 • 1フレームで1500ビット(30秒かかる) • 1フレームは5つのサブフレームから成る • 全てのアルマナック情報を得るために25個 の異なるフレームが必要。よって、全ての 情報を得るには12.5分要する。ただし、、、 航法メッセージの構成 25個のフレームで全部 特徴 • 1つの衛星のみより、全ての衛星のアルマ ナック(おおよその軌道情報)情報を取り出 すことができる • 各衛星は、自分自身のエフェメリス(正確 な軌道情報)情報を自分の分のみ放送し ている。 • エフェメリスは摂動等の補正項も含むのに 対して、アルマナックはケプラーの6軌道要 素のみ。また、表現するビット数も異なる。 位置計算 (以下の項目について学ぶ) • 座標位置と時刻がどのように決定されるか? • 疑似距離とは何か? • どのように非線形の方程式を用いて、4つの 未知数を求めるのか? • GPSによって、どのくらいの精度が保障されて いるのか? GPSの公称精度 • 使用する受信機にもよるが、実際には上 記の精度よりも倍以上良い。 • DGPSを用いて1m程度まで低減可能 • 疑似距離だけでなく、搬送波位相を用いる 技術で1cm程度まで低減可能。 伝搬時間を求める原理 つづき 方程式 方程式の線形化 • 線形とは簡単に言うと、方程式が1次式で 表せること。非線形は表せないもの。 ユーザ位置の推定について 推定の続き 方程式を解く つづき 測位計算の概観 SV2 SV3 P3 P2 SV1 P1 仰角の低い順 SV4 P4 衛星時計誤差は擬 似距離に含まれて いるものとする 全ての衛星に等しい誤 差は測位計算に影響を 及ぼさないことに注意 (時計誤差等) P1 P2 P3 P4 左から、受信機時計、電離層、対流圏、マルチパス、真距離? 誤差の概要と衛星の信号 • 衛星の時計⇒10ns以内 3m以内 • 衛星の軌道⇒1∼5m • 光速⇒真空中は定数で良いが、電離層や対 流圏を伝搬する際に速度が落ちるので、もは や定数ではない。 • マルチパスやノイズ⇒環境良い場所で1m以 内。悪い場合は数m以上 • 衛星の配置⇒誤差×衛星配置の係数 誤差要因 衛星配置DOPについて • 衛星からアンテナまでの距離が正確であ れば自身の位置を正確に算出できる(解 は1点)。しかし、距離に誤差が含まれる場 合は衛星の配置によってその精度への影 響が異なる。 S1 S1 S2 S2 衛星配置について 可視衛星数とGDOP の1日の変化 良い配置と悪い配置 今日の演習 • 数値計算の分野において、ニュートン法(またはニュートン・ラプ ソン法)とは、方程式系を数値計算によって解く為の反復法によ る解法(アルゴリズム)の1つである。方程系に対する条件は領 域における微分可能性と2次微分に関する符号だけであり、方 程式系の線型性などは特に要求せず、収束の速さも2次収束な ので古くから数値計算で使用されていた経緯をもっている。 • ここでは、考える問題を f: R → R, x ∈ Rとしてf(x) = 0 となる x を求めることに限定する。このとき、x の付近に適当な値 x0 をと り、次の漸化式によって、x に収束する数列を得ることができる。 √2を上記の方法で求めよ(条件は授業で)。 5月18日 座標系について • Geoidとは何か? • なぜ地球は楕円として表現されるのか? • 世界にはなぜ200以上の異なる基準座標 系があるのか? • WGS-84とは? • 直交座標と楕円座標 • 各国の地図はどのように作成されるか? 今日のレポート • 標高、楕円体高、ジオイド高について簡単 に説明せよ→授業中に必ず説明するので 、自分でまとめてください。 最初に • GPS利用開始時の問題の1つに各国が採 用している座標系の問題があった。座標系 が異なるために、予想する位置にそのまま では表示されないということ。 • 地球科学の知識がないと、なぜGPS受信 機が、異なる基準座標に即した系を選択 する必要があるのかが理解できない。 Geoids • 地球はどのような形をしているのか?とい う疑問は何世紀にもわたって議論されてき た。 • おおよその形はGeoidで定義される。平均 海水面をスムーズにした面。 • 地球の重力は場所によって異なる。 • 実際の地球の形とは異なり、Geoidは重力 ベクトルに対して必ず90度に交わる。 図 回転楕円体(spheroid) • Geoidそのままでは、計算時に扱いが困難 なので、回転楕円体を定義 • 回転楕円体は2つのパラメータのみで定義 される 局所的な基準楕円体 • 地球中心のGeoidと楕円体は、当然、一致 するとは限らない。そこで、その差をできる だけ小さくするために、各国は独自の楕円 体基準面を定義して、できるだけGeoid(そ の国の平均海水面)に合うようにしている。 各国の基準面について 基準楕円体の例 日本はBessel楕円体を使用 6377397.155 1/299.152813 最近は世界中で統一した座標系を使用する傾向がある。 WGS-84 • (WGS-84)World Geodetic System 1984は 地球中心と楕円体の中心が一致するよう に生成されている。ECEFとも呼ばれる。 直交座標と測地座標 ローカル座標からWGS-84への変換 • 完全に座標系を変 換するには? • 3つの回転角と3つ の移動量、そして 拡大もしくは縮小係 数(合計7つ)を決 める必要がある。 実際の数値例 日本測地系の場合は、移動量に関しては、 X方向:-146m y方向:507m z方向:681m 座標系、時刻標準、人工衛星の軌道 • ユーザやGPS衛星の位置を表し、衛星の 移動を記述するための、座標系の定義。 • 瞬間の時刻と時間間隔の特性 • 衛星軌道の性質と、ある瞬間における衛 星の位置および速度の決定。 座標系 GPSではWGS-84座標系を使用している. 地球中心地球固定座標系 (米国が定めている座標系) Z軸 : 北極の方向 (地軸の平均回転軸) グリニッジ天文台 北極 Y軸 : Z,X軸と右手直交系を成す. 原点(0,0,0) 地球中心 X軸 : 経度0度の方向 直交座標と測地座標 • さきほどの地図のx,y,zで表わされる値は直交座 標系(1510886,-4463460,4283906)。→北半球に いることくらいはわかる。三角関数に強ければ、 中緯度地域くらいはわかる。 • しかし、地表面上にいるかどうか、あるいは空中 か地中か、またどの程度地表から離れているか を知ることは難しい。→測地座標系(緯度、経度、 高度)のほうがわかりやすい。 楕円体と楕円体座標系 • 世界的な基準系のためには、楕円体を、地球重心 を共通の原点にもち楕円体の回転軸をz軸とする ECEF直交座標系とあわせて定義するのが合理的。 上の関係により、ECEF直交座標系によるある地点の座標(x,y,z) が与えられれば測地座標(緯度、経度、高度)が与えられる。 高度の定義(ジオイド) • 平均海水面に全世界的にもっともよく一致する等ポテ ンシャル面は、ジオイドと呼ばれる。 • 地球の形状を表す楕円体の大きさは、ジオイドに最小 二乗法の意味でもっともよく合うように定められている。 世界測地系(WGS84) • WGS84は実質的な世界標準の国際測地系。さまざま な測地系を統一し、地図作成の作業を単純化したこと は、GPSの重要な成果である。 • 特徴→ *ECEF直交座標系 *地球形状の幾何学モデルとしての回転楕円体 *地球重力場およびジオイドの詳細 *矛盾のない基礎定数群 ジオイド高の分布 全世界におけるジオイド高は、インド南端での-104mからニューギニア における+75mまでの範囲がある。WGS84ジオイド高の全世界に わたるRMS値は約30mであり、全世界的には楕円体がジオイドに 対してこの程度の良さで合致している。 6月7日の授業 • DGPSについて 位置の推定方法 • ユーザがGPS受信機から得られる位置の品質 (または精度)は次の2つによっている。 *可視衛星数と衛星配置(DOP) *擬似距離の精度 • 擬似距離の精度に含まれるいくつかの主な誤差 要因は以下の通り。 *電離層と対流圏遅延量 *衛星のクロックの精度 *マルチパス誤差 精度は数値の相対誤差の大きさを計り, 確度は絶対誤差の大きさを計る. 正確かつ精密な測定 正確な測定 真の位置 ばらつき ばらつき 正確でも精密でもない測定 精密な測定 バイアス バイアス ばらつき(標準偏差= ばらつき(標準偏差 = ) RMS 天頂方向の写真(魚眼レンズ) 緑:可視 黄:回折 赤:直接波は届かない イメージ図 ρ3 ρ4 (x,y,z) (x(k), y(k) , z(k)) ρ2 ρ1:擬似距離 b:受信機時計のバイアス 測位計算の簡単な説明(黒板) 衛星とアンテナ間の関係式は以下の通り。 ここに、受信機時計のバイアスと各種誤差が加わる r (k ) x (k ) x 2 y (k ) y 2 z (k ) z 2 x(k ) x 残念ながら、上記の式は線形ではないので、 理論的に方程式で解くことが不可能。そこで 最小二乗法が使用される。 最小二乗法を用いた簡単な例 速度(km/h) 80 40 0 車が一定の加速度を保って走行していた。 緑丸が各秒での実測値。このとき、その 加速度を最小二乗法を用いて求める (2,54) (3,58) (1,46) 1 2 3 時間(秒) 補強システム(DGPSについて) • 測位誤差の軽減方法。結論からいうと、普通のGPS受 信機での測位精度が5mとすると、DGPSで1m程度ま で低減可能。 • 理由:大きな誤差源による誤差は互いに「遠く離れて いない」位置のユーザに対して同じように現れ、一緒 に「ゆっくり」変化する。換言すると、誤差は空間的・時 間的に相関がある。もし、受信機の位置が既知であれ ば、はっきりと測定誤差を推定できる。そのような誤差 推定値が付近のGPSユーザに与えられれば、測定誤 差を軽減するためのディファレンシャル補正値として利 用できる。DGPS(ディファレンシャルGPS)と呼ばれる。 • 上記の補正情報を、基準局から無線リンク等でユーザ に対して送信する必要がある。 ディファレンシャルGPS • GPSの誤差要因の多くは空間的な相関 GPSの誤差要因の多くは空間的な相関 があるから、離れた地点間でも測距誤差 は似ている。 • 位置がわかっている基準局で測距誤差 を求め、この誤差情報を移動局に送信、 移動局側で補正する。 基準局と同じ 測定誤差 移動局 測定誤差 基準局から誤差情報を送信 誤差要因 衛星軌道 衛星クロック 電離層遅延 対流圏遅延 マルチパス 受信機雑音 • ディファレンシャル補正の精度は移動 局ー基準局間の距離(基線長)に依存。 基準局 補正の可否 ○ ◎ ○ △ × × • 基準局受信機に加え、無線リンクなどが 必要。 備考 長基線では精度低下 よく補正できる 活動が激しいと精度低下 高度差に注意 むしろ増加 むしろ増加 説明続き • 越中島校舎をユーザ、品川校舎を基準局として、SV15番のGPS 衛星の誤差要因を考えると、 • 品川校舎のアンテナ位置は既知なので、衛星−アンテナ間の 真の距離(21000km)がわかる。これに対して、衛星クロック (3m)、電離層(10m)、対流圏(5m)、その他(50cm)の誤差が加 わったものが擬似距離として測定される。このとき、それらの誤 差量(18.5m)を測定できる。 SV15(品川) 左から衛星クロック、電離層、対流圏、その他、真の距離 これら全てを足した距離が擬似距離として品川アンテナで測定される。 SV15(越中島) 越中島でも上記の前の3つの誤差はほとんど変わらない。 よって自分で推定するよりも、品川の誤差情報を使用したほうが良い。 説明続き • このSV15の持つ誤差量を越中島のGPS受信機に教え れば、越中島のGPS受信機は良い誤差推定値を持つ ことになる。 • 越中島のGPS受信機が、この情報を持たない場合は、 単独測位で上記の誤差量をモデル等で推定して計算 しなければならない。その推定精度は、上記の品川か ら送られてくる誤差情報よりも悪いことが知られている。 • 単独測位とDGPSの違いは、下記の主要な誤差を自分 自身で推定するのか?それとも付近の基準局の誤差 情報をもらうのか?にある。 ディファレンシャルGPSの効果 20 測位誤差(北方向), m 測位誤差(北方向), m 20 0 -20 -20 0 測位誤差(東方向), m 1周波・2周波受信機による測位結果例 20 0 -20 -20 0 20 測位誤差(東方向), m ディファレンシャル処理した結果(1周波) 中波ビーコンDGPS (海上保安庁) • 既存の中波ビーコンにDGPS 既存の中波ビーコンにDGPS補正データを重畳して放送する。 補正データを重畳して放送する。 • 放送データは 放送データはRTCM RTCM--SC104 SC104フォーマットで、 フォーマットで、ITU ITU--R M.823M.823-1として規格化され ている。 • 世界中で使用されている、もっとも普及している 世界中で使用されている、もっとも普及しているDGPS DGPSシステム。 システム。 日本の整備状況 • • • • • • 世界各国の沿岸に整備中 日本では27 日本では 27局が運用中、沿岸をカバー 局が運用中、沿岸をカバー 中波なので電波が届きやすい 24時間放送、無料 24 時間放送、無料 ビーコン一体型受信機も市販 インテグリティ情報は少ない(未対応の 受信機もある) 伝送速度 送信出力 有効範囲 伝送フォーマット 200 bps 75 W 200 km以内の海上 km以内の海上 ITUITU -R M.823M.823-1 (RTCM SCSC-104) メッセージタイプ Type 3, 5, 6, 7, 9 (海上保安庁HP (海上保安庁 HPより) より) FM多重DGPS • FMラジオ放送のサブキャリアを使用して FMラジオ放送のサブキャリアを使用して データを多重化し、放送。 • 国内では衛星測位情報センター( 国内では衛星測位情報センター(GPex GPex)が )が 1997年より運用中。 1997 年より運用中。7 7基準局、放送局は JFN系列他 JFN 系列他41 41局。 局。 • 主にカーナビ用。精度は数 主にカーナビ用。精度は数m m。 • DARC DARC方式の多重データの一部に補正情 方式の多重データの一部に補正情 報を入れてある。5 報を入れてある。 5秒で 秒で1 1フレーム。数回に 一度の受信でもOK。 • 利用料金は対応受信機の価格に含まれる。 • TV放送の TV放送のFM FM音声信号や垂直ブランキング 音声信号や垂直ブランキング も利用できる。国内でも実験例あり。 (衛星測位情報センター) 開発中のSBAS(広域DGPS) (R. Fuller, Stanford Univ.) Univ.) 民生利用分野 • • • • 精密測位(mm∼cmレベル) 航空と宇宙の航法のような特殊な利用 陸上輸送と海上利用 消費者製品 精密測位 • • • • • 主に測地学者と地球物理学者が利用 地殻変動、地震、火山活動、地球自転の変動 大規模土木建造物の実時間の歪みの監視 航空機の位置や姿勢の精密測定 電離層中の電子密度、対流圏の水蒸気量の精密 な実時間調査 • 農業、建設、採鉱産業で使用される機械の実時間 制御 第2回 GPSの概要 • • • • • • • 目的・現況・政策 システム構成 信号→第3回、4回の内容含む 受信機と測定値 補強システムとDGPS 民生利用 近代化計画 目的 • 米国国防総省(DOD)の主な目的は、米軍に高精度な位値、速 度そして時刻を地球規模で提供することであった。 • 平和的な民生利用のための標準測位サービス水平100m以内 (SPS)。SA(Selective Availability)により100mに制限された。 • 国防総省が認めたユーザのための精密測位サービス。水平 10m以内(PPS)。 • 米国に敵対するものには、そのシステムの便益の完全な享受を 拒否できることであった。 • 大韓航空機の航法問題でコースを外し、ソビエト連邦に撃墜さ れた惨事によって、民間航空にGPSが有効であることが注目さ れ、レーガン大統領によって民生利用が再確認された。この10 年後にGPSの運用開始。 政策 • GPSの民生分野でのサービス拡大とともに、ずっと GPSに頼り続けることは良い事態ではないという動 きがでてきた→欧州のガリレオ • 米国は、GPSを世界標準として認めさせることを念 頭にSAを解除した。また管理体制もDODからDOD +DOTに変わった。 • 初期のGPSにおいては、DODと民生ユーザとの間 に相当な緊張があったが(米軍は、驚くべき新しい 装備品を敵国とさえも共有することにためらった)、 最近の関係は良好である。 衛星から流される信号 • 各GPS衛星はL1(1575.42MHz)とL2(1227.6MHz) と呼ばれるLバンドの二つの無線周波数を使用し て連続的に電波を送っている。 1575.42MHz=2×77×10.23MHz(衛星搭載の原子 標準の周波数) • UHFの一部。L1とL2の波長はそれぞれいくらか? (光速を30万km/sとする) • GPS衛星はさらにL3(核爆発検知システム)とL4 (他の軍事目的)も送信。ほとんど知られていない。 信号構成 • 搬送波→2つの周波数のRF正弦波信号 • 測距コード→各衛星に割り当てられていて、0と1の固有の系列。 各二進数の系列はランダムで、擬似ランダム雑音と呼ばれて いる。すべての衛星がお互いに干渉しないよう設計されている。 C/Aコード(チップレートは1.023MHz)とPコード(チップレートは 10.23MHz )の2つがある。C/Aコードは1msごとの繰り返し。P コードは1週間後に繰り返される。 • 航法データ→2進数で衛星の軌道情報などが50bpsでのせられ ている。 各コードは、排他的論理和(両方が0または1であれば0、異なれ ば1)で合成している。合成された2値信号は、2値位相変調 (BPSK)と呼ばれる方法で搬送波にのせられている。 信号の構造 0のビットでは搬送波信号は変化せず、1のビットは‐1と搬送波を 掛け算する。これは搬送波信号の位相を180度変化させること。 イメージ図 信号の電力スペクトル 上図に示すように、2値のコードによって変調すると、初めは 単一周波数に集中していた信号エネルギーが、搬送波周波数 を中心にして、C/Aコードでは2MHz、Pコードでは20MHzの広い 周波数帯域にわたって拡散する。この方法は、電力スペクトル 密度を、雑音のRF放射電力以下に減少させる。このような信号 はスペクトル拡散信号と呼ばれるが、通信と航法の利用において 多くの魅力的な特性を持つ。コードが既知であれば、信号 エネルギーは受信機で「逆拡散」できる。 →黒板で説明 スペクトルとは? • 「スペクトル」という言葉を聞いて何を連想するか? • 一般には、プリズムを用いて白色光を赤黄‥紫の7色に 分解した虹のようなものを 思い浮かべるのではないで しょうか。 光は一種の波です。赤い光の波長は長く、紫 の光は逆に短くなっています。 • 周波数(振動数)は波長の逆数ですので、赤は低い周波 数、紫は高い周波数の光に相当します。 • 白色光には、様々な波長(周波数)の光が含まれており、 プリズムによりそれぞれの成分に分解 されます。この周 波数(あるいは波長)に対する各成分の分布をスペクトル と言います。 • 光だけでなく波動で表現できる物理量すべてに、このス ペクトルという概念を適用することが可能です。 例えば、 電波や電気信号だけでなく、為替の相場等にも適用でき ます。 スペクトルの利用例 • 例えば、人間の音声信号を分析して、男女や個人の違い を識別することができます。 • ディジタルオシロスコープを用いて時間の関数として記録 し、その波形を細かく観察しても、 それらを識別することは それほど簡単ではありません。 • しかし、スペクトルアナライザという装置を用いて、周波数 の分布を調べることにより、 時間軸では判別できなかった 周波数の分布の違いを検出することが可能です。 • すなわち信号のスペクトルを分析して、その信号源を同定 したり、特徴パラメータを抽出してパターン認識に利用 す る方法があります。 さらに • ここに火星から持ち帰った岩石がある。この岩石がど のような成分から成っているかを調べること、これを分 析という。 • 各成分の有無を決定する定性分析と、各成分の含有 量まで調べる定量分析がある。 • 定量分析で得られた各成分の含有量をある順序で並 べたものをスペクトルという。 • ある物質xが成分s1,s2,…,snをそれぞれa1,a2,…,anず つ含むとき、次のように表わす。 x=a1s1+a2s2+…+ansn • 各元素はお互いに無関係、すなわち、互いに他を含 んでいないことが重要。 イメージ図 フーリエ解析(黒板で) • • • • 周波数とは フーリエ級数展開 周期信号のスペクトルは棒グラフ フーリエ係数からフーリエ変換へ PRN系列の2つの特徴 • 各衛星のPRN系列はお互いにほぼ直交してお り、2つの系列の項ごとの積の和は、互いに任 意にずらしたとしてもほとんど0である(無相関) →相互相関関数。 • PRN系列はそれ自身ともほとんど無相関であ る→自己相関関数。 • 信号の捕捉と追尾において、これらの特徴は 非常に重要である。 ASとSA(米国によるGPSの能力の制限) • AS(Anti-spoofing)→Pコードの暗号化。コードが分かっている よりも脆弱で、より多くの雑音を含んでいる。また2周波受信機 は現在も高価。 • SA(Selective availability)→衛星時計にゆれを与えて測位誤差 を通常よりも5−10倍に増大させていた(2000年5月2日に解除 された)。 信号伝搬損失と送信アンテナ利得 (黒板で説明) • 天頂の場合と低仰角衛星の場合の受信出力を 求める。 • アンテナの実効面積の説明→Pu [W/m2] の電力 密度を有する空間にある開口面積 A [m2] の受 信アンテナがすべての電波を吸収したとすれば、 給電点に現れる電力 Pi は、Pi = Pu A [W] となる. 電力密度が Pu [W/m2] の空間で、あるアンテナ の給電点に現れる電力が Pe であると仮定すれ ば、このアンテナは Ae = Pe / Pu となる面積の空 間で電波エネルギーを吸収したことになる. この Ae を実効面積と言う. 信号電力 • 地球上で受信されるGPS信号は非常に弱い(地表面全体 にわたって一様な輻射)。衛星のアンテナ入力ポートでのR F電力は50ワット程度。 • 電気工学では広範囲の電力レベルを扱うために、デシベル 単位の対数目盛で電力比を表わす。 P1 P0 10 log10 dB P1 P0 ここで、 P1とP0は比較する電力レベルである。電力の絶対値は1Wあるいは1mW に対して、それぞれdBWもしくはdBmの単位で同様に表現できる。0.1Wの電力 (P1)を考えると、この電力レベルは-10dBWもしくは20dBmと表現される。 第2の信号(P2)が100Wの電力なら、第1の信号より30dB強い。 第3の信号(P3)が200Wの電力なら、第2の信号より3dB強い。 GPS信号の受信電力レベル • 地球上のユーザが受信するレベルは、L1帯(C/Aコード)で -160dBW程度である。なんと、電力はたったの10-16Wである。 • GPSの信号はアンテナで検知されたRF雑音レベル以下(例え ば、-145dBW程度→信号波形を観測するには、少なくとも 20dB程度は必要。dBの場合、そのまま足し算引き算で換算 可能)である。受信機が雑音に隠された信号を取得し、精密 な測定を行うためには信号構造がわかっていることが必要で ある。この信号の増幅は処理利得と呼ばれる。 • 信号対雑音比(C/N)というものを定義できて、上記では、 -15dBとなる。通信の分野では、この信号対雑音比は非常に 重要なファクターである。 • 特に軍用では、信号電力が弱いことがGPSのアキレス腱であ る。民生利用でも、GPSの依存性が高まってきているので、信 号の脆弱性に関心が高い。 どのように処理利得をかせぐのか? • • 前項にも書いたように、信号を捕捉(信号としてとらえる)するために は、同調(tune)を試み、それ以後は連続的に信号の変化を追尾す る必要がある。 信号を捕捉するため、受信機は衛星から送られてくる各衛星のコー ドと同じもの(レプリカという)を発生させ、それを少しずつスライドさ せることによって自己相関を試みる。信号の自己相関特性から、レ プリカと衛星から受信した信号が一致したときに鋭いピークを示すこ とになる。このピーク分の利得によって雑音以下であった信号が意 味のあるものに変わる。 鋭いピーク 黒板で説明 相関値の生データ 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 5 25 45 65 85 105 125 受信機の内部 問題 • 伝搬距離20000kmと30000kmの地点で受 信できるGPS衛星からの信号強度を求め る。なおGPS衛星からは27W(=14.3dBW) で送信されているものとして、伝搬損失の み計算すること。またlog10300,000,000=8.5、 log10200,000,000=8.3とする。 受信機と測定値(6月8日) • GPS受信機の基本的な機能は、以下の通り。 *上空を飛行する衛星から送信されたRF信号を捕 捉すること。 *信号の伝搬時間とドップラシフトの測定を行うこと。 *衛星の位置、速度、そして時計パラメータを決定す るために、航法メッセージを解読すること。 *ユーザの位置・速度・時間を推定すること。 航空と宇宙の航法 • 指定された航空路を飛行するための慣性航法シ ステム→非精密進入。 • 精密着陸進入、自動着陸 • 米国ではWAAS、LAASと呼ばれている。 • 低軌道衛星にGPSを搭載→位置、速度、姿勢、 時刻などが得られるので、大量のセンサを取り 外し、費用の削減と衛星設備の複雑さの解消が できる→スペースシャトルも。 陸上と海上の航法 • 現在、GPSの最大の応用は陸上輸送、特に移 動体航法と追跡である。最も人気のあるものが、 カーナビ(国内累計出荷台数で2000万台以上)。 • GPSの3次元航法には最低4機必要。しかし、地 形、樹木の葉、建物等によってしばしば4機以上 の衛星を追尾することが困難→推測航法セン サーが必要(ジャイロ、磁気コンパス、走行距離 計、加速度計)。 • 海上に関しては、既に広く利用されている。石油 タンカー事故等(非常に大きな問題)では、積極 的な監視用として利用されている。 消費者市場 • 3次元測位について熟知するのは、ほとんどのユーザ にとって学術的な興味のみ。 • もしこれから向かう経路に関連して位置が与えられ、 関心のある場所や危険性のある場所が示されるなら、 非常に貴重→登山、自動車。 • テレマティクスの技術は移動中の情報を提供するもの だが、現在の位置が容易に取得できればサービスを 広げることが可能(例えば、5マイル以内のホテルに 対して、50ドル出せると提供するだけで、後は提供者 を待つ)。 • 値段の割には質のよいシングルチップのGPS受信機 がよく売れている。携帯、PDA、自動車からコンピュー タまでの広範囲に及ぶ個人所有のセキュリティデバイ スに組み込まれようとしている(緊急通報E911)。 近代化計画 • 米国の優先政策としての商業の発生がSAの停 止(誤差が100mから10m以内)につながった。 • GPSへの依存度が増すにつれて、他の懸念も発 生。GPSは信号が非常に弱く、干渉に対するスペ クトル拡散の処理利得が大きくないので、特に影 響を受けやすい→安全に関わるシステムに利用 する場合バックアップが必要。 • 今後、ガリレオ(欧州の測位衛星で既に試験衛 星打ち上げ済み。日本も準天頂衛星打ち上げ予 定)との共存や周波数の追加が行われ、サービ ス向上が期待される。 座標系、時刻標準、人工衛星の軌道 • ユーザやGPS衛星の位置を表し、衛星の 移動を記述するための、座標系の定義。 • 瞬間の時刻と時間間隔の特性 • 衛星軌道の性質と、ある瞬間における衛 星の位置および速度の決定。 基準時刻とGPS時刻 • 何百年の昔は、田植えの時期を逃さない程度に 時間を知ることができれば十分だった。今日では ナノ秒(10-9 s)あるいはピコ秒(10-12s)の精密さで 時間を測ることができる。 • 宇宙機上で精密に同期した信号を生成してその 送信時刻を測定することは、GPSの核心である→ 衛星搭載クロックの1μsの同期誤差は擬似距離に 300mの誤差を生じ、位置の計算でもこれに対応 する誤差が混入する。メートル級の測位精度が 必要ならば、各衛星の搭載クロックは数ナノ秒以 内で同期していなければならない。 時間について • 瞬間の時刻を決定するための時刻の開始時点 については、明確な物理現象はない。 • 時計とは、本質的には、周期的な現象を発生さ せ、それを数える装置である。そのような時間を 計測する際の精度は次に依存する。 *最初に設定した周波数の誤差 *周期的な現象を維持する能力(周波数安定度) 時間尺度:天文時 • 太陽を基準とした場合の時刻と恒星を基準とし た場合の時刻→1視太陽日の間に地球は公転軌 道の1/365だけ太陽のまわりを周るため、恒星に 対しては1回転より少し多く回ることになる。 • 平均太陽日はおよそ4分だけ恒星日より長い →GPS衛星の周回周期は1/2恒星日なので、地 球のまわりを2周すると水平線の同じ位置から昇 るが、その時刻が前日よりも4分だけ早くなる。 精密な時刻への需要が高まるにつれて • 1秒の長さの再定義が必要となった。予測 不能な極運動や自転速度の変動の影響を 受けない、地球の公転を基準とした新しい 時刻標準が導入された→最終的に原子時 • 1967年に国際的に合意された現行の1秒 の定義は、セシウム原子の共振周波数に 基づいている。 つづき • 原子時によりこのように定義された連続的な時間 尺度は、国際原子時(TAI)と呼ばれる。これは、 地球の自転や公転に拘束されない精密かつ一様 な時間尺度である。しかし。地球自転による時刻と の関係を捨て去るわけにもいかない→このため、 妥協として協定世界時(UTC)が考えられた。 • 1958年1月1日0時の時点では、UTCとTAIは一致 していた。2001年1月1日現在では、32秒の差 (TAI-UTC=32)である。よって、UTCとTAIは必ず 1秒の整数倍だけずれている。閏秒(地球の自転 速度に応じて)で調整。 周波数源の安定性 • 水晶発振器は短時間であれば10-9∼10-10程度の安定度を 持つが、長時間に対しては2~3桁ほど悪くなる。 • 水晶の共振周波数は温度により変化するから、温度を制御 あるいは補償する必要がある。TCXOは温度センサーによ り温度変化を補償する。 • OCXOの場合は、水晶の温度がヒータにより一定の温度に 保たれる。OCXOは3桁ほど安定度を改善できるが、電力を 要し、大きくそして高価である。 • セシウムおよびルビジウムによるクロックは、水晶と同程度 の短時間安定度を持ち、長時間に対しても10-12∼10-13の安 定度がある。さらに時間が長くなるとセシウムはOKだが、ル ビジウムはやや悪くなる。現在最も安定な原子時計は水素 メーザで、その安定度は10-15のオーダである。 異なるタイプのクロックの安定度 ホイヘンスの振り子から原子時計 に至る計時法の進歩 他の物理量と比べて時間は 最も高精度かつ精密に測定 できる。このため、1983年からは 1mの長さは原子時を用いて定義 されており、真空中で光が 1/299792458秒の間に進む 距離である。 GPS時刻 • UTCと同じように、GPS時刻は人工的に合成された時 刻。セシウム及びルビジウム周波数標準群の測定に 基づいている。 • GPS時刻とUTCとの大きな違いは2つあり、第1にリア ルタイムに生成されるものであり、第2に連続した時刻 である。GPS時刻はUTCの小数部分と1μs以内で一致 するように「制御」されている。2006年現在、ちょうど14 秒の開きがある。 • GPS時刻は1980年の運用開始から連続したエポック を刻んでいるが、1023週目でロールオーバーが起き ている。GPSの1週間は604800秒。 • GPS衛星同士のクロックは、地上側での管制により、5 ∼10ns以内の同期を保っている。 GPSの軌道と衛星位置決定 • GPSの運用には、信号の送信された時点における衛 星の位置を正確に予測する機能が不可欠。 • 各衛星が航法メッセージの一部として放送する軌道要 素に基づいて、衛星の位置は真の位置から2-3m以内 の精度で計算される。 • 実にすばらしいのは、こうした軌道要素は24∼48時間 前の測定値に基づいて予測されているということであ る。 • これらは、宇宙時代が幕を開けた1957年以来の人工 衛星に関する経験による成果である。次より、上記の 軌道要素について少し詳しくみていく。 GPS衛星の軌道と 衛星位置決定について 話のポイント ・衛星の位置はどのように求めるのか? その精度は? ・アルゴリズムとは? 概要 • 背景 • ケプラーの法則 • 理想的な楕円軌道(ケプラー6軌道要 素) • 衛星の位置と速度 背景 • GPSは衛星を利用して位置を測定するシステム であり、正確な衛星の位置を知る必要がある。 • 各衛星から放送される軌道パラメータ(放送暦: Broadcast ephemeris)を利用することによって誤 差2∼3m以内で決定される。 • 軌道パラメータは24∼48時間前に予測される。 • 上記は500年にわたる天体力学における知識の 蓄積と1957年来の人工衛星の開発経験によるも のである。(スプートニクⅠ ソビエト連邦) GPSシステム 宇宙部分 利用者部分 擬似距離など測定された データから、位置・速度 時刻を算出 6軌道面×4∼5衛星 衛星ごとにPRNコード 地上制御部分 5モニタ局からのデータをもとに主制御局 で衛星軌道、衛星時計補正値を計算し、 3つのグランドアンテナより衛星に送信 実際の軌道予測精度 精密暦(誤差10cm以内)と放送暦の差を表す Error(m) 2.5 0.0 -2.5 1 2 Time(hours) 3 4 ケプラーの法則 • 惑星は太陽を1つの焦点とする1平面上で 楕円軌道を描く。 • 惑星が太陽のまわりを回るときの面積速 度は一定である。 • 惑星の公転周期の2乗は、軌道長半径の3 乗に比例する。 天動説 不断の観測により法則性を発見 太陽を1つの焦点とする楕円軌道 b a 近地点 遠地点 ae a:長半径 b:短半径 e:離心率 面積速度一定 太陽から遠い惑星ほど、速度が遅い 実際の公転周期と軌道長半径 惑星 水星 周期T (年) 0.24 軌道長半 T二乗/(a 径a(AU) 三乗) 0.39 0.971 金星 0.61 0.72 0.997 地球 1.00 1.00 1.000 火星 1.88 1.52 1.006 地球と人工衛星の関係 • 今まで太陽と惑星の関係(ケプラーの法 則)について述べてきましたが、この関係 は地球と月の関係、ひいては地球と人工 衛星(GPS衛星)の関係にもあてはめるこ とができます。 太陽と惑星(地球) 地球と月 地球と人工衛星 万有引力の法則 • ケプラーの死後、ニュートンがケプラーの 法則に科学的な根拠を与えた。ケプラーの 発見はニュートンの万有引力の発見に大 きな貢献をした。 F GMm r 2 r r r rs rE r rs rE 運動方程式による 人工衛星の軌道 • 万有引力による衛星の地球まわりの運動 を二体問題(両者を質点とみなす)と考え る。前述のニュートンの運動方程式から算 出される。これは理想的な二体問題。 地球以外による衛星への力 • 衛星には質点と考えた地球以外に多くの 微妙な力が作用している。よって理想的な 2次曲線からずれる。このずれを摂動と呼 ぶ。以下主なもの。 1、地球の重力ポテンシャルの非球状成分 2、地球大気の抵抗 3、月・太陽の引力 4、太陽輻射圧 WGS84について • GPS衛星はWGS84という地球中心を原点とする 座標系を用いています。赤道上経度0度の方向 をx軸、そこから右回りに直交してy軸、北極方向 をz軸としています。 • 上記の座標系に対して日本測地系というものが あり、これは日本付近の地表と地球を表す基準 楕円体が一致するような楕円体を用いているの で地球中心からは各軸方向に数百mずれていま す。 ケプラーの6軌道要素 • 上記で述べた理想的な状態では、GPS衛 星の運動は地球を1つの焦点とする楕円 軌道によって特徴づけられる。この軌道は 6つのパラメータより表される。これらのパ ラメータはある時刻での衛星の位置及び 速度を決定するものである。 • 6つのうちの5つは宇宙空間での方向、軌 道の形状、大きさを決定。6つ目はある時 刻での位置を決定する。 楕円軌道の特徴を決定(2/6) • 軌道長半径(a):軌道の大きさを表す • 離心率(e):楕円のつぶれぐあいを表す b 1 2 a 2 短半径(b) 長半径(a) 離心率 e e=0で円、0<e<1で楕円、 e=1は放物線、e>1は双曲線 軌道面の向きを決定(2/6) • 軌道傾斜角(i):軌道面と赤道面のなす角 • 昇交点赤経(Ω):軌道面と赤道面の交点のうち、 衛星が赤道面を南側から北側へ通過する点 遠近点 軌道面 Ω:昇交点赤経 春分点方向 赤道面 i:軌道傾斜角 軌道面内での楕円の向き決定 (1/6) • 近地点引数:軌道面内の楕円の長軸の向き 遠近点 軌道面 Ω:昇交点赤経 ω:近地点引数 i:軌道傾斜角 赤道面 軌道面内の衛星位置決定(1/6) • 平均近点離角:ある時刻における衛星の 軌道上の位置 近地点 Ω:昇交点赤経 M:平均近点離角 軌道面 ω:近地点引数 i:軌道傾斜角 赤道面 GPS衛星の位置を実際に算出 • 放送暦や天体暦(almanac)を利用して算出。 • 通常、放送暦は2時間ごと、天体暦は1週間ごと に更新される。衛星からの電波に情報として組 み込まれている(要解読)。 • これらの暦には、前述のケプラーの6軌道要素 や、さらに摂動を考慮した予測係数等が示され ている。この予測により精度を向上させている。 • 放送暦は2∼3mの精度、天体暦は数百m∼数 kmの精度である。 天体暦(アルマナック)について 記号 内容 単位 ID HEALTH e toa i0 Ω-dot √A Ω0 ω M0 a0 a1 WEEK 衛星のPRN番号 衛星の健康状態 離心率 軌道要素の元期(基準時刻) 軌道傾斜角 昇交点赤経の時間変化率 軌道長半径の平方根 昇交点赤経 近地点引数 平均近点離角 衛星時計補正係数の0次項 衛星時計補正係数の1次項 現在時刻のGPS週番号 − − − s rad rad/s m1/2 rad rad rad s − − 実際の天体暦(アルマナック) ******** Week 65 almanac for PRN-01 ******** ID: 01 Health: Eccentricity: 000 0.4962921143E-002 Time of Applicability(s): 503808.0000 Orbital Inclination(rad): 0.9623416489 Rate of Right Ascen(r/s): -0.7897471819E-008 SQRT(A) (m 1/2): 5153.587891 Right Ascen at Week(rad): 0.8094426381E+000 Argument of Perigee(rad): -1.746035655 Mean Anom(rad): -0.1816641466E+001 Af0(s): 0.1535415649E-003 Af1(s/s): 0.0000000000E+000 week: 65 米国のUSCGのHP より取得可能。 YUMAファイルと呼 ばれており本来のア ルマナックとは少し 異なる。 GPS衛星位置算出アルゴリズム 手持ちの資料を参照 離心近点離角と真近点離角の 補足説明余弦 b a M E ae ν M:平均近点離角 E:離心近点離角 ν:真近点離角 まとめ • 衛星の軌道を表現する暦(Ephemeris) には天体暦、放送暦、精密暦等がある。 • アルゴリズムとは簡単にいうと、問題を 解決するための処理手順である。 主な誤差の要因 衛星クロック誤差 太陽光線 衛星軌道情報の誤差 電離層 電離層遅延(∼100m 電離層遅延(∼ 100m)) 周波数に依存 高度250 高度 250∼ ∼400km 400km程度 程度 対流圏遅延(∼20m 対流圏遅延(∼ 20m)) 対流圏 マルチパス 高度7km 高度 7km程度まで 程度まで