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稲城市住宅マスタープラン(平成25年3月発行)(PDF:4499KB)

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稲城市住宅マスタープラン(平成25年3月発行)(PDF:4499KB)
はじめに
本市は、新宿副都心から25㎞圏にありながら、多摩丘陵の
緑や多摩川の清流に代表される豊かな自然環境に恵まれ、
多摩川を水源とし市内を網目状に流れる用水路、豊かな水
資源を活用し栽培される特産品の梨、遠景にのぞむことの
できる緑地など、市民生活に水と緑が深く関わり、首都圏
近郊の閑静な住宅都市として発展してきました。
本市をとりまく環境と市民ニーズをふまえ、各世代がそ
れぞれのライフスタイルに応じて快適な生活を実現するた
めに、
「緑につつまれ、活動的で豊かな居住を実現する住宅・住環境づくり」を基
本理念とした「稲城市住宅マスタープラン」を、平成7年3月に策定しました。
その後、住宅施策の方向や市民の意識、社会環境などが大きく変化し、国にお
いては、
「住生活基本法」が施行され、ここに掲げられた基本理念や基本施策を具
体化し推進するための「住生活基本計画(全国計画)」が策定されました。
本市においても、市民意識や住宅事情の変化のほか、未曾有の被害をもたらし
た、東日本大震災や集中豪雨などの自然災害、エネルギーなどの課題に対応する
ため、耐震化、省エネルギー化など、住宅の質の向上が求められてきております。
そのため、これまでのマスタープランの基本的な事柄を継承しつつ、これらの
課題に対応した施策の再構築を図るため、
「稲城市住宅マスタープラン」の改定を
行いました。
この新たな、
「 稲城市住宅マスタープラン」の基本理念である「緑につつまれ
もが
安心して住み続けられる
iある住まい
誰
いなぎ」を基に住宅施策を推進し、
誰もが誇りと愛着を持って、住み続けていくことができる快適な住まい・住環境
づくりを、市民と行政、事業者等が連携し、協働して進めてまいりたいと考えて
おります。
今後とも皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
最後になりましたが、本マスタープランの改定にあたりまして、市民の皆様並
びに改定委員の方々に、お力添えをいただきましたことを、心より御礼を申し上
げます。
平成25年3月
稲城市長
目
次
第1章 改定の目的と位置づけ
1-1 住宅マスタープラン改定の背景と目的 ………………………………
1
1-2 住宅マスタープランの位置づけ ………………………………………
2
第2章 住宅を取り巻く現状
2-1 稲城市の概況 ……………………………………………………………
3
2-2 人口・世帯の状況
………………………………………………………
4
2-3 上位関連計画 ……………………………………………………………
8
2-4 住宅環境の状況 …………………………………………………………
20
2-5 住宅施策の状況 ………………………………………………………… 24
2-6 住宅・住環境に関する市民意識調査 ………………………………… 28
第3章 住宅施策の課題
3-1 住宅・住環境を取り巻く状況 ………………………………………… 39
3-2 住宅・住環境に関する課題
…………………………………………… 43
第4章 住宅施策の理念・目標
4-1 住宅施策の理念 ………………………………………………………… 44
4-2 住宅施策の目標 ………………………………………………………… 45
第5章 住宅施策の展開
5-1 住宅施策の体系 ………………………………………………………… 48
5-2 住宅施策の展開 ………………………………………………………… 50
5-3 住宅施策内容の一覧
…………………………………………………… 68
5-4 「iある住まい いなぎ」の取り組み方針
………………………… 76
5-5 地域特性と主な取り組み ……………………………………………… 77
第6章 計画の実現に向けて
6-1 住宅施策の推進体制
…………………………………………………… 85
6-2 計画の進行管理 ………………………………………………………… 86
参考資料
資料1 稲城市住宅マスタープラン改定の経緯 ……………………………… 87
資料2 関連データ ……………………………………………………………… 95
資料3 用語解説
………………………………………………………………… 100
第1章
改定の目的と位置づけ
1-1 住宅マスタープラン改定の背景と目的
1.背景と目的
本市では、平成7年3月に、バブル崩壊をはじめとした社会経済情勢の急激な変化によ
り、多大な影響を受けた住宅問題への対応、多様化した価値観への対応や高齢者・障害者
への配慮がゆきとどいた「人にやさしい」まちづくり、安全で災害に強い住まいづくり等
への要求の高まりなどの社会的背景を受け、本市をとりまく環境と市民のニーズをふまえ、
各世代がそれぞれのライフスタイルに応じて快適な生活を実現するために、新しい視点か
ら総合的な住宅施策を展開していく「稲城市住宅マスタープラン」を策定しました。
「稲城市住宅マスタープラン(平成7年3月)」では、
「緑につつまれ、活動的で豊かな
居住を実現する住宅・住環境づくり」を基本理念とし、5つの基本目標を掲げ、計画期間
を平成3年度から平成12年度として、様々な住宅施策に取り組んできました。
その後、国の住宅政策は、平成18年6月、本格的な少子高齢社会、人口・世帯減少社会
の到来を目前に控え、現在及び将来における国民の豊かな住生活を実現するため「住生活
基本法」が制定され、同年9月には、「住生活基本法」に掲げられた基本理念や基本的施
策を具体化し、推進するための「住生活基本計画(全国計画)」が策定されました。
現在、「稲城市住宅マスタープラン(平成7年3月)」の策定から18年が経過しており、
これまでのマスタープランを継承しつつ、「住生活基本法」及び国の「住生活基本計画」、
東京都の「東京都住宅マスタープラン」に基づき、本市の住宅事情の変化や住宅の耐震化、
省エネルギー化への対応など、新たな課題に対応した施策の再構築を図り、市民・行政・
事業者等の連携と協働による住宅施策の推進を図るため、「稲城市住宅マスタープラン」
の改定を行いました。
2.計画の期間
本計画の期間は、平成24年度(2012年度)から平成33年度(2021年度)までの10年間と
します。
また、本計画は、進捗状況及び社会経済情勢の変化等をふまえ、必要に応じて見直しを
行います。
目標年次:平成33年度(2021年度)
-
平成24年度(2012年度)から10年間
-1-
-
1-2 住宅マスタープランの位置づけ
1.住宅マスタープランの位置づけ
本計画は、稲城市の将来像を示す「第四次稲城市長期総合計画(平成23年3月)
」のほ
か、本市の都市計画の観点からまちづくりの基本的な方針を示した「稲城市都市計画マス
タープラン(平成25年3月)
」を上位計画とします。
また、住生活基本法に基づき、国が策定した住生活基本計画や東京都住宅マスタープラ
ンと整合し、
「第二次稲城市保健福祉総合計画(平成24年3月)」をはじめとした関連計画
との連携を図りながら、住宅施策を展開する指針として位置づけます。
図1-1 住宅マスタープランの位置づけ
国・東京都
稲
住生活
基本計画
(全国計画)
城
市
第四次稲城市長期総合計画
「緑につつまれ 友愛に満ちた市民のまち 稲城」
稲城市都市計画マスタープラン
住宅施策
東京都住宅
マスタープラン
その他施策
整合
連携
稲城市住宅マスタープラン
住宅施策の総合計画
第二次稲城市保健福祉総合計画
第二次稲城市環境基本計画
稲城市地域防災計画
稲城市耐震改修促進計画
東京都
社会資本総合
整備計画
稲城市緑の基本計画
稲城市景観基本計画
(地域住宅計画)
など
2.住宅マスタープラン改定体制
稲城市住宅マスタープランの改定にあたっては、本市の住宅ストック等に係る現状、住
宅施策に関わる既定計画、今後の住宅施策の課題を整理し、上位計画である「第四次稲城
市長期総合計画」の基本的な理念・目標に沿った本市独自の住宅施策を検討するため、学
識経験者・関係行政機関職員・市民等によって組織される「稲城市住宅マスタープラン改
定委員会」及び、庁内関係各課で組織される「稲城市住宅マスタープラン改定庁内検討会」
における審議を経て策定しました。なお、「稲城市住宅マスタープラン改定庁内検討会」
の下部組織として庁内関連各課で組織した検討部会を「稲城市住宅マスタープラン改定庁
内検討会(作業部会)
」として設定しました。
-2-
第2章
住宅を取り巻く現状
2-1 稲城市の概況
1.位置
本市は、新宿副都心から西南に約25㎞離れて位置し(東経139度30分29秒、北緯35度38
分5秒)、南多摩地区の東端にあります。また、東南部より西部にかけて神奈川県川崎市
と接し、北部は多摩川を隔てて府中市と調布市に接し、西部は多摩市に接しています。
市域は、東西、南北ともに約5.3㎞に広がり、面積は17.97㎞2の広さとなっています。
図2-1 稲城市の位置
2.地形
本市の地形は、北側の境界線にあたる多摩川を一辺として、ほぼ三角形をなしています。
南側には多摩川に並行して標高約45から80mのなだらかな多摩丘陵(最高海抜162m)が
あり、また本市の中央部には三沢川が流れ、市を西北部と東南部に二分しており、大丸地
区に谷戸川が西北部から東南部へと流れています。
3.産業
本市の事業所数の推移をみると、平成8年から平成11年及び平成13年から平成16年にか
けた事業所数の減少とその後の増加が特徴として挙げられ、平成21年現在、第3次産業は
全体の約7割を占めています。
従業者数の推移をみると、第2次産業が減少傾向にあるのに対し、第3次産業は増加傾
向にあります。
(P95参考資料編:図1、図2参照)
-3-
2-2 人口・世帯の状況
1.人口・世帯数の推移
本市の人口・世帯数の推移をみると、人口は、昭和45年には約3万人でしたが、昭和45
年の平尾団地の入居、昭和63年からの多摩ニュータウンの入居、土地区画整理事業等によ
り、平成22年には84,811人となり、平成12年から10年間で15,576人増加し、昭和50年から
35年間でほぼ倍増しています。
世帯数も平成22年は34,883世帯と増加傾向にあり、平成12年から10年間で8,052世帯増
加しています。
世帯人員は徐々に減少しており、平成22年は2.43人となり、平成12年から10年間で0.15
人減少しています。
図2-2 人口・世帯数の推移
(人/世帯)
(人)
85,000
84,811
3.62
76,492
3.47
3.22
65,000
43,924
45,000
48,154
3.50
69,235
3.12
4.00
62,806
58,635
50,766
3.00
2.88
2.68
2.58
2.51
2.43
2.50
34,883
30,817
26,831
23,473
25,000
30,457
20,391
8,519
12,664
14,938
2.00
1.50
16,295
5,000
1.00
昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年
人口
平成2年
世帯
平成7年
平成12年 平成17年 平成22年
世帯人員
[資料:国勢調査]
-4-
2.地区別人口の推移
本市の地区別人口の推移をみると、矢野口地区と若葉台地区では人口が増加しています。
図2-3 地区別人口の推移
(人)
17,500
15,000
12,500
10,000
7,500
5,000
2,500
0
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
矢野口
東長沼
大丸
百村
坂浜
平尾
押立
向陽台
長峰
若葉台
H22
H23
[資料:住民基本台帳]
3.人口動向の推移
本市の人口動向の推移をみると、自然動態で死亡よりも出生が多く、社会動態で転出よ
りも転入が多くなっています。
図2-4 人口動向の推移
(人)
7,500
6,357
6,226
5,267
4,950
4,734
4,388
4,338
5,161
5,166
5,000
4,087
4,759
3,929
4,081
4,115
4,025
4,138
2,500
0
734
776
731
804
823
794
763
866
386
434
429
450
444
457
484
528
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
出生
死亡
転入
平成21年
平成22年
転出
[資料:住民基本台帳]
-5-
4.年齢別人口
本市の年齢別人口の推移をみると、平成22年の年少人口(0~14歳)は12,954人で、構
成比は徐々に減少しています。平成22年の生産年齢人口(15~64歳)は56,784人、老年人
口(65歳以上)は14,660人であり、平成2年から20年間の構成比の推移をみると、生産年
齢人口は7.2%減少し、老年人口は10.8%増加しており、平成22年の本市の高齢化率は
17.4%となっています。
なお、年少人口・老年人口の構成比を東京都の市部で比較すると、本市は少子化・高齢
化のどちらも市部の中で最も低く、現時点では少子高齢化は深刻化してない状況です。
しかし、地区別高齢化率をみると、平尾地区では平成17年時点で20%を超えています。
また、多摩ニュータウンの向陽台地区(昭和63年入居開始)、長峰地区(平成7年入居開
始)においては、ニュータウン開発時に同世代の居住者が一斉に入居したことによる居住
世代の偏りが生じていることから、今後、平尾地区同様、多摩ニュータウンにおいても高
齢化や子ども世代の流出による人口の減少が進んでいくことが予測されます。
(P7:図2
-7参照)
表2-1 年齢別人口の推移(3区分)
年少人口
(0~14歳)
11,022 人
10,041 人
10,521 人
11,827 人
12,954 人
年次
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
生産年齢人口
(15~64歳)
43,490 人
47,030 人
50,705 人
53,679 人
56,784 人
※不詳は除く
老年人口
(65歳以上)
3,868 人
5,300 人
7,983 人
10,888 人
14,660 人
[資料:国勢調査]
図2-5 年齢別人口構成比の推移(3区分)
(%)
100.0
6.6%
8.5%
11.5%
14.3%
17.4%
73.3%
70.2%
67.3%
80.0
60.0
74.5%
75.4%
40.0
20.0
18.9%
16.1%
15.2%
15.5%
15.3%
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
0.0
年少人口(0~14歳)
生産年齢人口(15~64歳)
老年人口(65歳以上)
[資料:国勢調査]
-6-
図2-6 年少人口・老年人口の割合(東京都の市部)
(%)
25.0
清瀬市
24.0
あきる野市
東久留米市
青梅市
23.0
東村山市
22.0
東大和市
狛江市
老
高 年
21.0
齢 人
口
化
町田市
立川市
八王子市
多摩市
↑老年人口平均値
日野市
小平市
西東京市
20.0
武蔵村山市
昭島市
福生市
武蔵野市
羽村市
国立市
国分寺市
19.0
調布市
小金井市
三鷹市
府中市
18.0
稲城市
←年少人口平均値
17.0
10.0
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
年少人口
16.0
(%)
少 子 化
[資料:平成22年国勢調査]
図2-7 地区別高齢化率
(%)
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
矢野口
東長沼
大丸
百村
坂浜
平成12年
平尾
押立
向陽台
長峰
若葉台
平成17年
[資料:国勢調査]
-7-
2-3 上位関連計画
1.東京都住宅マスタープラン(平成24年3月)
(1)計画の期間と位置づけ
平成23年度(2011年度)から平成32年度(2020年度)までの10年間を計画期間とし、
住生活基本法に基づく住生活基本計画(都道府県計画)としての性格をあわせ持つも
のです。
(2)今後10年間において重視する視点
“首都・東京にふさわしい高度な防災機能を備えた居住の実現”を目指して、今後
10年間の都の住宅政策においては、以下の4つの視点を重視して、必要な施策を重点
的に実施していきます。
視点1:高度な安全性を備えた市街地の構成要素としての住宅や、
地域・社会の中で生活を支える居住の実現
従来からの住宅単体としての質に加え、
◇良好な市街地を構成する要素としての住宅の質
◇地域・社会の中で生活を支えるという観点からの住まいの質
の向上を図ります。
視点2:既存ストックが抱える課題解決のための適切な対策と既存ストックの
有効活用による質の高い住生活の実現
大量に供給、蓄積された住宅ストックが更新時期を迎えている
中、既存の住宅・住宅市街地を適切に維持・管理・更新・再生
することにより、資産として将来世代に継承します。
視点3:都民の多様なニーズへの対応など、公民の連携による市場機能の充実・強化
公的主体による住宅の直接供給や補助金による市場の誘導に限
界が見られる中、多様な主体が市場の中でそれぞれの役割を果
たしつつ、消費者である都民が豊かさを享受できる住宅市場を
形成します。
視点4:多様な主体・分野との連携による様々な世帯に適切に対応できる
住宅セーフティネット機能の再構築
住宅セーフティネットに対するニーズが多様化している中、多
様な主体・分野との連携により、様々な世帯に適切に対応でき
る住宅セーフティネットを確立し、居住の安定を確保します。
-8-
(3)住宅政策の目標と施策展開
今後10年間の都の住宅政策における、より具体的な10の目標を設定し、その実現に
向け取り組んでいきます。
【10 の目標】
【取り組む施策】
災害に強い住宅・住宅市街地
目標1
エネルギー自立型で低炭素な住宅・住宅市街地
安全で安心な住宅・住宅市街地の形成
良好な住環境に配慮したまちづくり
高齢者の居住の安心の確保
目標2
地域における生活サービスとの連携
子育て世帯の居住への支援
目標3
マンションの管理適正化・再生
マンション管理の適正化、マンション再生の誘導
目標4
公共住宅ストックの有効活用
公共住宅ストックの有効活用
目標5
郊外住宅市街地等の活性化
郊外住宅市街地等の活性化
目標6
既存住宅活用の推進
既存住宅活用の推進
住宅取引におけるルールづくり
目標7
市場におけるルールづくり
賃貸住宅の魅力の向上
住宅市場の誘導
目標8
良質な住宅を供給する市場の整備
空き家の流動化
公共住宅でのセーフティネット機能の強化
目標9
支援を必要とする世帯の居住の安定確保
多様な主体・分野との連携によるセーフティネット
目標 10
地震災害からの復興
地震災害からの復興
-9-
(4)重点供給地域
住生活基本法第17条第2項第六号に基づく住宅の供給等及び住宅地の供給を重点
的に図るべき地域として、以下の事項が定められています。
<多摩部>
安全で快適な住環境の創出、維持・向上、住宅の建替え、供給等に関する制度・
事業を実施又は実施の見込みが高い地域について、重点供給地域として指定します。
表2-2 稲城市の重点供給地域
重点供給地域の名称
面積(ha)
主な計画・整備手法
図面番号
多摩ニュータウン地区
293
新住宅市街地開発事業(完了)
地区計画(一部決定済)
稲.1
坂浜・平尾地区
212
土地区画整理事業(事業中及び計画中)
地区計画(一部決定済)
稲.2
3
公営住宅建替事業(事業中)
地区計画(決定済)
稲.3
南山東部地区
87
土地区画整理事業(事業中)
地区計画
稲.4
平尾三丁目地区
33
分譲マンション建替事業
地区計画
稲.5
「東京における緊急輸送道路沿道建築物
の耐震化を推進する条例」
稲.6
大丸地区
川崎街道沿道(稲城市)地区
3
[資料:東京都住宅マスタープラン別冊]
図2-8 重点供給地域
- 10 -
2.第四次稲城市長期総合計画(平成23年3月)
(1)計画の期間
基本構想の期間は、平成23年度(2011年度)から2020年代初頭までとしています。
基本計画は、平成23年度(2011年度)を初年度とし、平成32年度(2020年度)を目
標年度とする10ヵ年計画としています。
(2)将来都市像
『緑につつまれ 友愛に満ちた市民のまち 稲城』
ともにつくろう 笑顔あふれる 元気なまち
(3)想定人口
平成32年(2020年)における人口を、9万2千人と想定しています。
(4)まちづくりの基本目標
○だれもが健康で安心してともに暮らせるまちづくり
○人と文化を育むふれあいのあるまちづくり
○だれもが心豊かに暮らせる平和で安全なまちづくり
○環境にやさしく活力あふれるまちづくり
○水と緑につつまれたやすらぎのあるまちづくり
○市民とともに歩むまちづくり
(5)土地利用の方向性
①平坦地(既成市街地)
多摩川・三沢川沿いの平坦地に開けた既存の市街地には、地域性に富んだ歴史や文
化があるため、これらを大切にしつつ、水や緑を活かしたうるおいのある生活空間の
創出と生活環境の向上を目指したまちづくりを進めていきます。
また、駅を中心とした生活利便性の向上を図り、安全で安心な暮らしを支える生活
拠点づくりを進めていきます。
②三沢川左岸丘陵地(多摩ニュータウン区域等)
市域のほぼ中央部に流れる三沢川の左岸側の丘陵地は、多摩ニュータウン事業を中
心として開発が進められてきました。多摩ニュータウン区域は、計画的な都市基盤の
整備がされており、住宅・商業・業務などの多機能をあわせ持つ複合的で利便性の高
いまちの成熟を図ります。
また、多摩ニュータウンの隣接地域については、ニュータウン地域と整合のとれた
一体的なまちを目指します。多摩サービス補助施設については、引き続き返還運動を
進め、広域的な自然公園としての整備を目指します。
- 11 -
③三沢川右岸丘陵地
三沢川の右岸の丘陵地は、里山の風情のあるまとまった民有の緑が多く残されてい
ます。しかし、こうした緑も適切な維持管理が行われず荒廃した雑木林、低利用農地、
乱開発によるスプロール化など多くの問題を抱えています。こうした問題を解決し、
持続性のある良好な緑空間の確保・再生・保全を図りながら安全な市街地を形成する
ため、計画的なまちづくりを進めていきます。
④平尾地区
歴史・文化資源が多くみられ落ち着いた緑地景観の残る地域と、平尾団地や土地区
画整理事業などにより、市内で最も早く市街地整備に取り組み、都市基盤の整備が進
められた地域に分けられます。地域の自然的環境や歴史・文化資源を活かし、既存市
街地環境の改善・更新を図り、生活環境の向上と他の地域との連続性が図れるよう、
快適なまちづくりを進めていきます。
図2-9 土地利用の方向性、4つの地域
南多摩駅
平坦地
(既成市街地)
稲城長沼駅
矢野口駅
三沢川左岸
丘陵地
(多摩ニュータウン区域等)
稲城駅
京王よみうりランド駅
三沢川右岸
丘陵地
若葉台駅
平尾地区
(6)施策の目標(安全で快適なまちづくり)
【住宅環境の向上】
成熟社会に対応した暮らしやすい快適な住環境の整備を推進するとともに、ライフ
スタイルの多様化や家族構成の変化、高齢化社会などに対応した多様な住宅供給の誘
導を計画的に推進しています。
- 12 -
3.稲城市都市計画マスタープラン(平成25年3月)
(1)計画の位置づけ
稲城市都市計画マスタープランは、平成23年度からスタートした「第四次稲城市長
期総合計画」に即しつつ、中長期的な視野に立って、都市全体の土地利用をはじめ、
道路・公園といった都市施設等の配置や整備方向を示すもので、今後、個別・具体の
都市計画を行うための基本的な指針としての役割を担っています。
第四次稲城市長期総合計画のほか、本市の第二次稲城市環境基本計画や第三次稲城
市農業基本計画など他分野の計画との調整・連携しつつ、本市の将来のあるべき姿を
示していきます。
稲城市都市計画マスタープランは、本市の都市計画を運用するための根拠となると
ともに、本計画を上位計画とする部門計画に反映され、個々のまちづくりを進める指
針としていきます。
(2)まちづくりの基本方針
①まちづくりの目標像
『~水・緑に親しみ 人とふれあう生活都市
稲城~』
②まちづくりの基本的な方向
「水・緑に親しみ
人とふれあう生活都市
稲城」を実現するには、「どのような
まちづくりを進めていくのか」、また、その進め方として「どのようにまちづくりに
取り組んでいくのか」
、大きく二つにわけて方向を設定します。
《どのようなまちづくりを進めていくのか》
●水・緑・人とのふれあいが活力を創出するまちづくり
地域に根ざした多様な活動・交流の場を大切にし、豊かな水・緑資源を介し、多く
の人々がふれあうことのできる豊かなまちづくりを進めます。日常生活やレクリエー
ション活動などを通じ、地域内外のさまざまな市民がふれあい、そのふれあいの中か
ら、まちの活力を創出し続けることができるようなだれにもやさしいまちを目指しま
す。
●やすらぎとうるおいに満ちた生活が息づくまちづくり
多摩丘陵と多摩川に包まれ、水・緑資源の豊かな住環境を維持するとともに、少子・
高齢社会を迎えるなかで、子どもからお年寄り、障害者など、だれにも安全・安心で
利便性が高く、また、暮らしやすいユニバーサルデザインに配慮した環境づくりを進
めます。地域の状況にあわせたまちづくりに取り組み、地域ごとの特色や魅力を高め、
わがまちへの愛着と誇りを持って生活できるまちを目指します。
- 13 -
●環境負荷低減に向けた低炭素型まちづくり
生活にやすらぎとうるおいを与える水・緑資源を、まちづくりに活かし、生活空間
へと取り込んでいくとともに、さまざまな都市活動の中で世界共通の課題である地球
環境への負荷低減に向けた低炭素型まちづくりや環境と共生するまちづくりを進め
ます。また、地域環境にやさしく、動植物にもやさしいまちを目指します。
●安全・安心して暮らせる災害に強いまちづくり
大規模災害の発生などが懸念されるなかで、狭あい道路の解消、生活道路の整備や
緊急時の避難路の確保など、都市基盤整備による防災機能の充実を図るとともに、市
民の生命や財産を守り、安全で安心して暮らせる自然災害に強いまちづくりを目指し
ます。
《どのようにまちづくりに取り組んでいくのか》
●みんなでつなぎ、受け継ぐまちづくり
まちづくりの目標像を実現していくためには、市民一人一人がまちづくりに関心を
持ち、そして取り組み、その個々の取り組みが全体へと広がっていくことが大切です。
市民の心のよりどころとなる水・緑、歴史・文化、コミュニティを、次世代の市民へ
と受け継いでいくことにより、成熟した活力ある魅力高いまちを目指します。
(3)土地利用の基本方針
①商業・業務地(中心地区や広域連携拠点に配置)
商業機能や業務機能を軸に、全市を対象とした広域的な交流や市民活動に資する機
能の誘導を目指します。
②地域支援機能集積地(生活拠点を担う地区に主に配置)
日用品を扱う商店や飲食店、健康・福祉などの身近な生活サービスを提供する機能
の誘導を目指します。
③産業用地
生活拠点とともに本市の働く場、既存大規模工場等が立地する場としての土地利用
を図ります。
④複合機能誘導地(幹線道路沿道などに主に配置)
商業や業務、流通、集合住宅など様々な機能の誘導を目指します。
⑤集合住宅地(多摩ニュータウンや平尾などの集合住宅が集積する地区、幹線
道路沿道などに配置)
集合住宅を主とした土地利用を目指します。
- 14 -
⑥一般住宅地(主要生活道路沿道は中層住宅など)
戸建て住宅をはじめとした、
住宅を主とした土地利用を目指
します。
⑦地域資源活用型
集合住宅地や一般住宅地の中
でも、特に樹林地や農地などの
地域資源を活かしたまちづくり
を目指します。
⑧交流谷戸地
農地や樹林地、屋敷林の落ち
着いた風情ある谷戸地として、
農地や樹林地を活用した市民交
流の場づくりを目指します。
⑨レクリエーション交流緑地
多摩川河川敷や多摩サービス
補助施設など、水・緑資源を活
かした市民交流や憩いの場とし
て活用していきます。
⑩ゴルフ場
既存ゴルフ場を緑の環を形成する緑地として位置づけます。
⑪コミュニティ保全緑地(農地を含む)
緑の環を形成する民有斜面樹林や農地を主とし、市民参加を視野に維持・管理・保
全を目指します。
⑫公園
市民交流の場、憩いの場とな
る拠点的な都市公園・緑地とし
て活用していきます。
- 15 -
図2-10 土地利用の基本方針
- 16 -
4.関連計画
ここでは、東京都住宅マスタープランにおいて、住生活基本法第17条第2項第六号に基
づく住宅の供給等及び住宅地の供給を重点的に図るべき地域である「重点供給地域」とし
て位置づけられている南山東部地区及び坂浜・平尾地区におけるまちづくり計画について
整理します。
(1)南山東部土地区画整理事業の概要
本地区は、市域南東に位置し、高低差約60mの危険な崖地の処理や急カーブ、急勾
配である主要幹線道路の整備改善など、この地域が抱えた様々な課題を土地区画整理
事業により抜本的に解決するとともに、地区周辺市街地との連続性が確保され緑豊か
な市街地の創出を目指しています。
○事業名称:南山東部土地区画整理事業
○施行者 :南山東部土地区画整理組合
○設立認可日:平成18年4月12日
○第1回事業計画変更認可日:平成20年9月29日
第2回事業計画変更認可日:平成24年2月24日
○施行期間:平成18年度から平成31年度(14ヵ年間)
○施行面積:約87.46ha
○事業費 :約406億円
○計画人口:7,600人
○減歩率 :68.16%(合算減歩率)
○都市計画施設:多摩都市計画道路7・4・5号東長沼矢野口線
:多摩都市計画道路3・4・12号読売ランド線
:多摩都市計画道路3・4・16号稲城南多摩線
:多摩都市計画公園第 4・4・3 号奥畑谷戸公園
図2-11 南山東部土地区画整理事業の位置図
- 17 -
(2)稲城上平尾土地区画整理事業の概要(坂浜・平尾地区)
本地区は、市域南西に位置し、近年宅地開発による宅地化が急速に進められている
一方で、介在的に農地や山林が残されていることから、土地区画整理事業により無秩
序な市街化の進行を未然に防止するとともに、都市施設が整備され農地と住宅が調和
した市街地の創出を目指しています。
○事業名称:稲城上平尾土地区画整理事業
○施行者 :稲城上平尾土地区画整理組合
○設立認可日:平成22年7月29日
○第1回事業計画変更認可日:平成24年4月18日
○施行期間:平成22年度から平成29年度(8ヵ年間)
○施行面積:約25.1ha
○事業費 :約87億5千万円
○計画人口:1,000人
○減歩率 :48.52%(合算減歩率)
○都市計画施設:多摩都市計画道路3・4・17号坂浜平尾線
:多摩都市計画道路3・4・36号小田良上平尾線
図2-12 稲城上平尾土地区画整理事業の位置図
- 18 -
(3)稲城小田良土地区画整理事業の概要(坂浜・平尾地区)
本地区は、稲城上平尾土地区画整理事業に隣接した地区であり、農地や牧場が残さ
れているものの、上平尾地区同様に近年宅地開発による宅地化が急速に進められてい
ることから、土地区画整理事業により無秩序な市街化の進行を未然に防止するととも
に、農地と住宅が調和した日々の暮らしの中で自然と農を楽しめるようなまちづくり
を目指しています。
○事業名称:稲城小田良土地区画整理事業
○施行者 :稲城小田良土地区画整理組合
○設立認可日:平成24年12月25日
○施行期間:平成24年度から平成32年度(9ヵ年間)
○施行面積:約29.3ha
○事業費 :約101億円
○計画人口:1,760人
○減歩率 :53.90%(合算減歩率)
○都市計画施設:多摩都市計画道路3・4・17号坂浜平尾線
:多摩都市計画道路3・4・36号小田良上平尾線
:多摩都市計画公園第5・5・5号小田良谷戸公園
図2-13 稲城小田良土地区画整理事業の位置図
- 19 -
2-4 住宅環境の状況
1.住宅ストックの状況
(1)住宅数の推移
本市の住宅数の推移をみると、住宅総数は急激に増加しているものの、居住世帯の
ない住宅の割合(空き家率)は1割以下となっています。
住宅総数は、平成20年の住宅・土地統計調査によると、34,170戸であり、20年間で
2倍以上増加(15,870戸増)しています。
図2-14 住宅数の推移
0
昭和58年
10,000
20,000
カッコ内は空き家率
2,110(8.7%)
22,020
平成10年
(戸)
920(5.0%)
17,380
平成5年
40,000
990(6.1%)
15,030
昭和63年
30,000
24,120
平成15年
3,780(13.5%)
2,770(9.1%)
27,830
平成20年
2,770(8.1%)
31,400
居住世帯あり
居住世帯なし
[資料:住宅・土地統計調査]
(2)居住の状況
①戸数の推移
本市の戸数の推移をみると、持家率は近年増加傾向にあり、平成20年の住宅・土地
統計調査によると52.9%となっています。また、借家率は44.6%であり、このうち民
営借家は30.7%、公的借家は13.9%となっています。
図2-15 戸数の推移(所有関係別)
0%
昭和58年
昭和63年
20%
40%
60%
43.8%
38.6%
15.0%
15.0%
平成10年
40.8%
18.4%
50.9%
10.8%
34.3%
13.9%
公的借家
1.9%
33.1%
16.0%
52.9%
持家
2.3%
47.2%
41.1%
平成20年
100%
38.9%
12.3%
平成5年
平成15年
80%
民営借家
6.5%
32.0%
1.1%
30.7%
2.5%
給与住宅
[資料:住宅・土地統計調査]
- 20 -
②住宅の構造の割合
本市の住宅の構造の割合をみると、平成20年の一戸建では9割以上、長屋建では6
割以上が木造又は防火木造となっています。共同住宅では、1~2階建ての住宅は5
割以上が木造又は防火木造となっており、3階建て以上になると鉄筋・鉄骨コンクリ
ート造がほとんどを占めています。
(P96参考資料編:図3参照)
③建築時期の割合
本市の建築時期の割合をみると、耐震設計基準が改正された昭和56年より前に建築
された住宅は、持家では23.3%、公的借家では52.6%、民営借家では11.1%、給与住
宅では8.9%となっています。
図2-16 建築時期の割合(所有関係別)
0%
持家
20%
3.9%
40%
17.9%
14.0%
60%
25.8%
80%
100%
36.9%
1.5%
3.7%
公的借家
26.2%
26.4%
19.4%
24.3%
1.7%
民営借家
8.1%
32.9%
25.4%
30.6%
1.3%
給与住宅
7.4% 5.9%
60.2%
25.0%
1.5%
昭和35年以前
昭和36~45年
昭和46~55年
昭和56~平成2年
平成3~12年
平成13~20年9月
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
④居住面積水準の割合等
本市の居住面積水準の割合をみると、平成20年の持家では、最低居住面積水準未満
世帯の割合は0.2%であるのに対し、民営借家では33.6%と高くなっています。
また、本市の住宅の規模をみると、持家と借家では、住宅の規模に大きな差が生じ
ています。
(P96参考資料編:図4、P97参考資料編:図5参照)
(3)高齢者世帯の割合
本市の高齢者世帯の割合をみると、平成20年の高齢単身世帯(65歳以上の単身世帯)
の52.8%は借家に居住し、高齢者のみ夫婦世帯(65歳以上の夫婦世帯)の71.6%は持
家に居住しています。
図2-17 高齢者世帯の割合(所有関係別)
0%
高齢単身世帯
20%
40%
60%
47.2%
高齢者のみ夫婦世帯
80%
100%
による「高齢者のみ夫婦
52.8%
71.6%
※:住宅・土地統計調査
世帯」とは、いずれか一
28.4%
方のみが65歳以上の夫
婦又は、夫婦とも65歳以
持家
借家
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
- 21 -
上を示す。
(4)高齢者のための設備の推移
本市の高齢者のための設備の推移をみると、平成20年の高齢者のための設備がある
住宅の割合は持家では年々増加傾向にあり74.8%ですが、借家では36.7%と低い水準
にとどまっています。
図2-18 高齢者のための設備の推移(所有関係別)
0%
20%
持家
〔平成10年〕
〔平成20年〕
借家
60%
80%
68.6%
31.4%
39.4%
60.6%
78.3%
21.7%
持家
25.2%
74.8%
借家
100%
46.4%
53.6%
借家
持家
〔平成15年〕
40%
63.3%
36.7%
設備がある
設備はない
※:住宅・土地統計調査による「高齢者のための設備」とは、以下の5項目を指します。
①手すりがある
②またぎやすい高さの浴槽
③廊下などが車椅子で通行可能な幅
④段差のない屋内
⑤道路から玄関まで車椅子で通行可能
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
(5)住宅の耐震化の状況
本市の住宅の耐震化の状況をみると、耐震設計基準が改正された昭和56年以前に建
築された住宅は4,356棟あり、このうち耐震改修を行った住宅は117棟、耐震診断結果
により耐震性を満たす住宅は746棟となっています。これらに、昭和57年以降に建築
された住宅を加えた耐震性を満たす住宅の合計は9,738棟であり、本市の住宅の耐震
化率は73.6%と推計されています。
表2-3 住宅の耐震化の状況
住宅
種別
昭和56年以前の住宅
耐震改修
耐震性を
済み
満たす
住宅
構造
a
木造
戸建
住宅
昭和57年
以降の住宅
住宅総数
耐震性を
満たす住宅
耐震化率
d
e=a+d
f=b+c+d
f/e
c
3,788
110
441
5,956
9,744
6,507
66.8%
190
0
23
1,498
1,688
1,521
90.1%
3,978
110
464
7,454
11,432
8,028
70.2%
木造
242
7
179
559
801
745
93.0%
非木造
136
0
103
862
998
965
96.7%
計
378
7
282
1,421
1,799
1,710
95.1%
4,356
117
746
8,875
13,231
9,738
73.6%
非木造
計
共同
住宅
b
[単位:棟]
合計
[資料:稲城市耐震改修促進計画(平成22年3月)
]
- 22 -
(6)省エネルギー設備のある住宅の割合
本市の省エネルギー設備のある住宅の割合をみると、平成20年の持家では、二重サ
ッシ又は複層ガラスの窓の設置状況は1割程度となっていますが、太陽熱を利用した
温水機器や太陽光を利用した発電機器の設置状況はわずかとなっています。また、借
家の設置状況は持家の1/4程度となっています。
(P97参考資料編:図6参照)
(7)公的賃貸住宅の状況
①供給状況
本市の公的賃貸住宅の供給状況をみると、平成24年3月31日現在、公共住宅(都営
住宅・都民住宅・市営住宅等)が1,319戸、公社一般賃貸住宅(東京都住宅供給公社
住宅(以下、
「公社住宅」という。))が1,671戸、独立行政法人都市再生機構住宅(以
下、
「UR賃貸住宅」という。
)が1,402戸の計4,392戸が供給されています。
(P98参考
資料編:表1、表2参照)
②公共住宅の概要
本市の公共住宅の概要をみると、平成24年3月31日現在、都営住宅が1,164戸、都
民住宅が145戸、市営住宅等(市借上の高齢者住宅)が10戸供給されています。この
うち、昭和40年代に供給された大丸地区の都営住宅は、築48年が経過しています。
また、住戸タイプは、世帯向けの2DKから3DKが主流となっており、一部の団
地で小規模世帯向けの1DKタイプも供給されています。
(P98参考資料編:表1参照)
③公社住宅・UR賃貸住宅の概要
本市の公社住宅・UR賃貸住宅の概要をみると、平成24年3月31日現在、公社住宅
が1団地1,671戸、UR賃貸住宅が5団地1,402戸供給されています。このうち、昭和
40年代に供給された平尾住宅は、築43年が経過しています。
また、住戸タイプは、単身者及び小規模世帯向けを含めた様々なバリエーションが
供給されています。
(P98参考資料編:表2参照)
(8)民間住宅の状況
①新設着工戸数の推移
本市の新設着工戸数の推移をみると、平成17年度から平成19年度までは年間1,000
戸を超える水準が続いていましたが、平成20年度から減少しています。
また、住宅種別をみると、持家はほぼ一定ですが、貸家は平成21年度に大幅に減少
し、分譲住宅は平成19年度に増加したものの、平成20年度に大幅に減少しています。
(P99参考資料編:図7参照)
②家賃の状況
本市の家賃の状況をみると、平成20年現在、民営借家の1畳当たりは4,684円であ
り、近隣の多摩市などと概ね同水準となっています。(P99参考資料編:図8参照)
- 23 -
2-5 住宅施策の状況
1.住環境の整備
(1)居住面積水準の目標に対する状況
「稲城市住宅マスタープラン(平成7年3月)」では、居住面積水準の達成目標を
次のように設定しました。
目標1.最低居住面積水準未満世帯の解消をできる限り早期に達成する。
目標2.1戸当たり概ね70㎡となる良質な住宅の新規供給と狭小な住宅ストックの
更新を進め、現状の供給において概ね1戸当たり10㎡の拡大を目指す。
目標1の平成15年※1の達成状況をみると、民営借家の最低居住面積水準の達成状況
が8割未満となっていますが、公営住宅等やUR賃貸住宅・公社住宅では大幅に向上
しており、居住面積水準の目標達成に向け順調に推移しています。
表2-4 最低居住面積水準の達成状況
稲城市住宅マスタープラン
(平成7年3月)
区分
平成15年の達成状況
総数
80.6%
86.6% (+ 6.0%)
持家
95.8%
96.0% (+ 0.2%)
借家
71.0%
83.0% (+12.0%)
公営住宅等
43.9%
87.3% (+43.4%)
UR賃貸・公社
50.0%
89.6% (+39.6%)
民営
76.4%
79.7% (+ 3.3%)
給与住宅
81.1%
93.3% (+12.2%)
:
「稲城市住宅マスタープラン(平成7年3月)」より向上
[資料:平成15年住宅・土地統計調査]
表2-5 第八期住宅建設五箇年計画による最低居住面積水準
世帯人員
最低居住面積水準
1人
18㎡
(中高齢単身:25㎡)
2人
29㎡
3人
39㎡
4人
50㎡
5人
56㎡
(高齢単身含む:56㎡)
6人
66㎡
(高齢夫婦を含む:66㎡)
※1:平成20年の住宅・土地統計調査結果は、住生活
基本計画(全国計画)により示された新しい基準
(居住面積水準)となるため、平成15年の住宅・
土地統計調査結果を用いています。
- 24 -
目標2の平成20年の達成状況をみると、借家平均の床面積水準は70㎡をまだ達成し
ていませんが、新設については概ね10㎡の拡大という目標を達成しています。
表2-6 既存・新設住宅別1住宅当たりの延床面積
稲城市住宅マスタープラン
(平成7年3月)
既存1住宅当たり床面積
新設1住宅当たり床面積
稲城市平均
57.78 ㎡
60.10 ㎡
持家平均
89.34 ㎡
108.32 ㎡
借家平均
37.93 ㎡
39.87 ㎡
:10 ㎡拡大を達成
平成20年の達成状況
既存1住宅当たり床面積
新設1住宅当たり床面積
稲城市平均
71.91 ㎡ (+14.13 ㎡)
79.48 ㎡ (+19.38 ㎡)
持家平均
96.79 ㎡ (+ 7.45 ㎡)
115.46 ㎡ (+ 7.14 ㎡)
借家平均
43.94 ㎡ (+ 6.01 ㎡)
57.25 ㎡ (+17.38 ㎡)
[資料:平成 20 年住宅・土地統計調査(既存住宅)
、統計いなぎ(新設住宅)
]
(2)良質な住宅ストックの形成
公共住宅供給の推進としては、都営住宅の建替えと更新を要請し、大丸地区にある
老朽化した都営住宅の建替え整備が進められています。
持家住宅建設・改善への支援としては、平成22年3月に「稲城市耐震改修促進計画」
を策定し、持家に対する耐震診断、改修の誘導・支援として「木造住宅耐震診断助成
制度」などを実施しています。
また、分譲マンション、賃貸マンション、社宅など民間で供給される集合住宅の居
住水準、住環境水準を向上させるとともに、共用部分におけるバリアフリー仕様の普
及や駐車場の十分な確保、不燃化等防災への配慮、また交通面でも安全な住環境の形
成を図るため、「稲城市宅地開発等指導要綱」や「東京都福祉のまちづくり条例」を
活用して住宅等の建設に対する指導を行い、安全で住みやすい住宅・住環境を誘導し
てきました。
(3)ファミリー層の定住化の促進
ファミリー層の定住化の促進と持家取得の円滑化を図るため、
「生活資金融資あっ
せん制度(住宅資金)
」を実施し、持家希望者への支援を行ってきました。
- 25 -
(4)高齢者等の居住の安定
高齢者等が自立して安全かつ快適な生活が送れるよう、高齢者の生活に対応した住
まいの環境整備の支援では、住宅改修の促進として地域包括支援センターによる住宅
改修相談や介護保険サービスとの連携によるバリアフリー化に向けた住宅改修が行
われています。また、居住の支援としては、民間住宅の居住が難しい高齢者等に対し、
相談を実施するとともに「家賃債務保証制度」等の支援事業を実施しました。
(5)文化の薫る、うるおいのある住まいづくり
良質な住宅地においては、都市の利便性と自然の豊かさを両立させるため、本市の
貴重な緑の保全や生産緑地等を身近な緑として活用を図るとともに、集合住宅や宅地
開発にあたっては、敷地内緑化の推進に関する指導や生垣整備の支援により緑豊かな
住宅地の創出に努めてきました。また、新しい市街地の形成にあたっては、高断熱化
や太陽光等の自然エネルギーを活用した環境への負荷が小さく、安全性の高い住まい
の整備に努めてきました。
さらに本市では、各地域が河川空間や丘陵等の貴重な環境要素、公園や民間レクリ
エーション施設を備えているため、住宅供給、住環境整備にあたっては、これらを地
区のレクリエーション空間、景観整備に活用し、地域ごとに特徴ある住まいづくりを
行ってきました。また、住宅供給にあたっても、地区計画制度等の活用により、地区
の都市景観に合った形態や色彩の誘導を図り、地形等の背景に調和した住宅地を形成
してきました。
(6)住まいづくりとまちづくりの連携
宅地化農地は住宅及び住宅地を供給するための有効な土地として、土地区画整理事
業等による基盤整備と生産緑地との共存を図りつつ、まちづくりを進めることを基本
に、農地の実態や農地所有者の意向等に応じた施策展開を図り、良質な住宅供給と潤
いのある住宅地形成を進めてきました。
また、市街地特性に応じた良好な住宅・住環境の整備として、既成市街地における
基盤整備のほか、面的整備が困難な住宅地における住環境の改善を図るため、宅地化
農地等を活用した良質な宅地開発等の誘導等、公共による措置を講じながら、地区施
設整備と一体となった良好な住まい・住環境づくりを進めてきました。
住宅と店舗、住宅と工場が併存する地区では、店舗については賃貸経営の推進と建
物更新、工場については緑化や環境改善と混在の解消等を区画整理事業により進めて
きました。
なお、新市街地においては、良質な建物誘導等により、居住者の流動等による住環
境の悪化を防ぎ、住民の自主的なまちづくりをアダプト制度等で支援しながら地区の
計画的な保全を行ってきました。
- 26 -
2.住宅・住環境に関連する主な施策の状況
本市で現在実施されている住宅・住環境に関連する主な施策は、以下のとおりとなりま
す。
表2-7 住宅・住環境に関連する主な施策
分野
施策・事業名
担当課
稲城市景観色彩ガイドライン
都市計画課
JR南武線連続立体交差事業
区画整理課
多摩ニュータウン地域施設建設
市街地整備課
まちづくり
区画整理課
土地区画整理事業
市街地整備課
防災・防犯ほか
福祉
環境
稲城市宅地開発等指導要綱
都市計画課
地区計画制度
都市計画課
自然環境の保護と緑の回復に関する条例
緑と建設課
生垣造成補助金
緑と建設課
みどりのツリーバンク制度
緑と建設課
木造住宅耐震診断助成制度
防災課(消防)
稲城市商工会住宅改修等補助金
経済課
家具転倒防止器具助成制度
防災課(消防)
防犯活動実施団体などへの防犯資機材支給
総務課
生活資金融資あっせん制度(住宅資金)
経済課
東京都福祉のまちづくり条例
障害福祉課
障害者に対する住宅設備改善費の助成
障害福祉課
住宅改修給付/住宅設備改修給付
高齢福祉課
稲城市まちをきれいにする市民条例
環境課
家庭雑排水吸い込み穴の清掃
環境課
合併浄化槽設置事業補助金
環境課
電動生ごみ処理機購入費の一部補助
環境課
その他生ごみ堆肥化容器等補助
環境課
水洗便所改造促進資金助成制度
下水道課
融資あっせん制度(下水処理)
下水道課
- 27 -
2-6 住宅・住環境に関する市民意識調査
1.市民意識調査(アンケート調査)の概要
(1)調査目的
稲城市住宅マスタープランの改定にあたり、本市の居住者を対象とした市民意識調
査を行い、統計資料等では把握できない実際の居住状況、住まいや住環境に対する意
見・要望、今後の住宅施策のあり方等の市民意識を把握することを目的として実施し
ました。
(2)調査対象
本市全域で地区別の現状を把握するため、住民基本台帳から20歳以上の市民2,000
名を無作為に抽出しました。
(3)調査方法
配布・回収方法:郵送による配布・回収
記
入 方
式:無記名回答方式
配布・回収期間:配布 平成23年11月19日発送
回収
平成23年11月30日締切
(4)回収数と回収率
本調査の回収率は44.3%であり、年代別の配布数、回収数及び回収率は、以下のと
おりとなります。
表2-8 回収数と回収率(年代別)
年代
配布数
回収数
回収率
20歳代
270
67
24.8%
30歳代
411
165
40.1%
40歳代
431
173
40.1%
50歳代
276
132
47.8%
60歳代
335
199
59.4%
70歳代
201
116
57.7%
80歳以上
76
30
39.5%
無回答
―
4
―
2,000
886
44.3%
合計
- 28 -
2.市民意識調査(アンケート調査)の結果
(1)住宅・住環境に関する評価
①全体の評価
現在居住している住宅の評価をみると、「住宅の広さ・間取り」、「安全性(手すり
などの設置や段差解消)
」
、
「居住環境(採光や換気性能)」に対する評価が比較的高く、
「省エネ対策」は0.055ポイントと最も低くなっていますが、全ての項目でプラス評
価がされており、全体的な満足度は比較的高くなっています。
また、住環境の評価をみると、「緑や水辺などの自然環境」、「景観・自然環境の美
しさや豊かさ」が1.0ポイントを上回り評価が高く、
「医療施設や福祉施設の充実」が
0.232ポイント、
「周辺の道路の歩行時の安全性」が0.334ポイントと低くなっている
ものの、全ての項目でプラス評価がされており、全体的な満足度は比較的高くなって
います。
図2-19 住宅の評価
不満
-1.5
図2-20 住環境の評価
普通
-1.0
-0.5
0.0
満足
0.5
1.0
①住宅の広さ・間取り
不満
1.5
-1.5
満足
0.5
1.5
0.480
0.232
④公園や子どもの遊び場
0.369
1.0
0.632
③医療施設や福祉施設の充実
0.789
④遮音性
0.0
②通勤・通学の利便性
0.652
③安全性
-0.5
①買物、娯楽などの日常生活の利便性
0.776
②台所や浴室の設備
普通
-1.0
0.599
⑤断熱性
0.462
⑤緑や水辺などの自然環境
⑥耐震性
0.449
⑥近所づきあいなど近隣とのコミュニティ
0.598
⑦防犯性
0.444
⑦騒音・大気汚染などの少なさ
0.613
⑧居住環境
満足:+2P
1.030
⑨治安や災害に対する安全性
0.055
⑩住宅ローンや家賃の負担の程度
評価ポイント
⑧景観・自然環境の美しさや豊かさ
0.784
⑨省エネ対策
1.063
0.560
⑩周辺の道路の歩行時の安全性
0.437
やや満足:+1P
多少不満:-1P
- 29 -
不満:-2P
0.334
で換算
②地区別の住宅の評価
地区別の住宅の評価をみると、百村地区、向陽台地区、長峰地区、若葉台地区では、
全体の評価結果(赤線)よりもほとんど全ての項目でプラス評価がされており、全体
的な満足度は非常に高くなっています。特に長峰地区では、「安全性(手すりなどの
設置や段差解消)
」が非常に高評価となっています。
しかし、坂浜地区、平尾地区では全体の評価結果よりも各項目の評価が低く、特に
坂浜地区では、
「断熱性(冷暖房の効率性)」、
「耐震性(地震等に対する強さ)」、
「防
犯性」の3項目、平尾地区では「省エネ対策」はマイナス評価となっています。
(P31:
図2-21参照)
③地区別の住環境の評価
地区別の住環境の評価をみると、百村地区、若葉台地区では、全体の評価結果(赤
線)よりもほとんどの項目でプラス評価がされており、全体的な満足度は高くなって
います。また、向陽台地区では、「緑や水辺などの自然環境」、「景観・自然環境の美
しさや豊かさ」が非常に高評価となっています。
しかし、矢野口地区、坂浜地区、押立地区、長峰地区では全体の評価結果よりも低
くなっている項目が多くあり、特に坂浜地区、長峰地区では、「日常生活の利便性」、
「通勤・通学の利便性」
、
「医療施設や福祉施設の充実」の3項目、矢野口地区、東長
沼地区、坂浜地区、押立地区では「周辺の道路の歩行時の安全性」がマイナス評価と
なっています。
(P32:図2-22参照)
評価ポイント
満足:+2P
やや満足:+1P
- 30 -
多少不満:-1P
不満:-2P
で換算
図2-21 地区別の住宅の評価
矢野口
-1.5 -1.0 -0.5
東長沼
0.0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
大 丸
-1.5 -1.0 -0.5
0. 0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
普通
満足
百 村
-1.5 -1.0 -0.5
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
普通
満足
普通
満足
押 立
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
普通
普通
満足
不満
-1.5 -1.0 -0.5
満足
不満
0. 0
0.5
1.0
1.5
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
不満
普通
満足
不満
1.5
凡
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
例:
全体
地区
評価項目: ①住宅の広さ・間取り
不満
普通
満足
普通
満足
0.0
0.5
1.0
1.5
普通
満足
0.0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
若葉台
-1.5 -1.0 -0.5
1.5
長 峰
-1.5 -1.0 -0.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
1.0
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
向陽台
0.0
0.5
平 尾
-1.5 -1.0 -0.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
0.0
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
坂 浜
0.0
-1.5 -1.0 -0.5
②台所や浴室の設備
③安全性
④遮音性
⑤断熱性
⑥耐震性
⑦防犯性
⑧居住環境
⑨省エネ対策
⑩住宅ローンや家賃の負担の程度
- 31 -
普通
満足
図2-22 地区別の住環境の評価
矢野口
-1.5 -1.0 -0.5
東長沼
0.0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
大 丸
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
普通
満足
百 村
-1.5 -1.0 -0.5
不満
普通
満足
坂 浜
0.0
0.5
1.0
1.5
不満
普通
満足
押 立
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
0.5
1.0
1.5
不満
普通
不満
普通
満足
不満
-1.5 -1.0 -0.5
満足
普通
満足
0.0
0.5
不満
0.0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
普通
満足
1.5
満足
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
-1.5 -1.0 -0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
普通
満足
不満
普通
凡
例:
全体
地区
評価項目: ①買物、娯楽などの日常生活の利便性
不満
1.0
普通
若葉台
-1.5 -1.0 -0.5
1.5
長 峰
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
1.0
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
向陽台
0.0
0.5
平 尾
-1.5 -1.0 -0.5
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
0.0
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
不満
-1.5 -1.0 -0.5
②通勤・通学の利便性
③医療施設や福祉施設の充実
④公園や子どもの遊び場
⑤緑や水辺などの自然環境
⑥近所づきあいなど近隣とのコミュニティ
⑦騒音・大気汚染などの少なさ
⑧景観・自然環境の美しさや豊かさ
⑨治安や災害に対する安全性
⑩周辺の道路の歩行時の安全性
- 32 -
満足
(2)定住意向
①地区別の居住継続意向の構成比
地区別の居住継続意向の構成比をみると、全体では、「今後も住み続けたい」が
44.9%と最も多く、「当分は住み続けるが、将来はわからない」の38.6%をあわせる
と83.5%が居住継続意向を示しています。なお、
「いずれは住み替えたい」と「住み
替え予定あり」をあわせると15.0%となっています。
地区別では、「今後も住み続けたい」が最も多いのは坂浜地区で61.8%となってお
り、「今後も住み続けたい」と「当分は住み続けるが、将来はわからない」をあわせ
ると居住継続意向が90%を超えているのは、押立地区、若葉台地区となっています。
また、
「いずれは住み替えたい」が最も多いのは平尾地区で19.3%、
「住み替え予定
あり」が最も多いのは百村地区で6.8%となっており、
「いずれは住み替えたい」と「住
み替え予定あり」をあわせた住み替え意向が最も多いのは、平尾地区で21.1%となっ
ています。
図2-23 地区別の居住継続意向の構成比
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
44.9%
全体
70.0%
80.0%
38.6%
90.0%
100.0%
1.5%
12.6%
2.4%
3.0%
矢野口
44.4%
34.3%
16.6%
東長沼
43.7%
35.7%
15.1%
46.2%
大 丸
38.5%
50.0%
百村
34.1%
61.8%
坂浜
23.5%
39.4%
平尾
38.5%
1.7%
3.2%
2.3%
9.0%
5.1%
1.2%
9.1%
6.8%
11.8%
2.9%
1.0%
19.3%
1.8%
56.8%
押立
38.6%
2.3%
2.3%
38.4%
向陽台
48.5%
44.2%
長峰
37.2%
46.3%
若葉台
11.1%
1.0%
1.0%
18.6%
45.6%
6.6%
0.8%
0.7%
今後も住み続けたい
当分は住み続けるが、将来はわからない
いずれは住み替えたい
住み替え予定あり
無回答
- 33 -
②年代別の居住継続意向の構成比
年代別の別住継続意向の構成比をみると、「今後も住み続けたい」が最も多いのは
70歳代で63.8%となっています。70歳代と80歳以上では、「今後も住み続けたい」と
「当分は住み続けるが、将来はわからない」をあわせると居住継続意向が90%を超え
ており、居住継続意向が高くなっています。
また、
「いずれは住み替えたい」が最も多いのは20歳代で28.4%となっており、
「住
み替え予定あり」が最も多いのは30歳代で4.2%、
「いずれは住み替えたい」と「住み
替え予定あり」をあわせた住み替え意向が最も多いのは20歳代で31.4%となっていま
す。
図2-24 年代別の居住継続意向の構成比
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
44.9%
全体
70.0%
80.0%
38.6%
90.0%
100.0%
12.6%
1.5%
2.4%
20歳代
17.9%
50.7%
35.8%
30歳代
46.7%
40.5%
40歳代
3.0%
13.3%
39.9%
44.7%
50歳代
28.4%
4.2%
15.0%
40.9%
3.5% 1.1%
11.4%
1.5%
1.5%
53.3%
60歳代
32.2%
12.1%
1.4%
1.0%
63.8%
70歳代
28.4%
56.7%
80歳以上
33.3%
3.4%
2.7%
1.7%
6.7%
今後も住み続けたい
当分は住み続けるが、将来はわからない
いずれは住み替えたい
住み替え予定あり
無回答
- 34 -
3.3%
(3)高齢者が暮らしやすくするための重点施策
高齢化対策として必要な施策・支援の構成比をみると、全体では、「自立して生活
できるための在宅サービスの充実」が16.8%と最も多く、「高齢者の生活に対応した
自宅の改善などへの支援」が13.4%、
「高齢者が安心して暮らせる地域の支え合いや
助け合い活動の支援・育成」が12.8%、
「誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進」
が12.6%となっています。
また、65歳以上の家族構成員がいる回答者では、
「自立して生活できるための在宅
サービスの充実」が18.2%と最も多く、「高齢者の生活に対応した自宅の改善などへ
の支援」が17.5%、「誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進」が13.2%となって
おり、この3つの項目の構成比は全体よりも上回っており、より一層自立支援や自宅
改修支援などの要望が高いことがうかがえます。
図2-25 高齢化対策として必要な施策・支援の構成比
13.4%
高齢者の生活に対応した自宅の改善などへの支援
17.5%
高齢者が入居しやすく住み続けられる
民間賃貸住宅の整備
5.4%
4.0%
12.6%
13.2%
誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進
8.8%
高齢者の利用を考慮した公共交通機関の整備
6.6%
8.6%
8.3%
安全な住まい・住環境の推進
11.8%
10.6%
低所得でも入居できる公的な住宅の整備
16.8%
18.2%
自立して生活できるための在宅サービスの充実
高齢者が安心して暮らせる地域の支え合いや
助け合い活動の支援・育成
12.8%
12.8%
8.1%
6.9%
高齢者が積極的に社会活動に参加するための支援
1.1%
1.1%
その他
全体
0.6%
0.8%
無回答
0.0%
- 35 -
65歳以上がいる世帯
10.0%
20.0%
(4)子育てしやすいまちにするための重点施策
①子育てしやすい住宅の構成比
子育てしやすい住宅の構成比をみると、全体では、
「防犯性が確保されていること」
が24.7%と最も多く、
「子育てに十分な広さを備えていること」が19.8%、
「シックハ
ウス対策など子どもの健康に配慮されていること」が17.4%と続いています。
また、15歳未満の家族構成員がいる回答者では、
「防犯性が確保されていること」
が30.4%と最も多く、
「子育てに十分な広さを備えていること」が21.7%、
「シックハ
ウス対策など子どもの健康に配慮されていること」が20.7%、
「遮音性が確保されて
いること」が17.0%となっており、この4つの項目の構成比は全体よりも上回ってい
ます。
図2-26 子育てしやすい住宅の構成比
19.8%
21.7%
子育てに十分な広さを備えていること
16.1%
17.0%
遮音性が確保されていること
17.4%
20.7%
シックハウス対策など子どもの健康に
配慮されていること
24.7%
防犯性が確保されていること
30.4%
7.4%
6.8%
バリアフリー化など事故防止が
配慮されていること
現在(過去にも)子育てに関わって
いないのでわからない
9.0%
0.2%
1.8%
2.7%
その他
無回答
全体
15歳未満がいる世帯
3.8%
0.5%
0.0%
- 36 -
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
②子育てしやすい環境の構成比
子育てしやすい環境の構成比をみると、全体では、「保育所などの施設の充実」が
24.3%と最も多く、「治安・防犯面での安全性の確保」が22.0%となっており、この
2項目で約半数を占めています。
また、15歳未満の家族構成員がいる回答者では、
「治安・防犯面での安全性の確保」
が24.6%と最も多く、より一層安全性の確保に対する意向が高いことがうかがえます。
図2-27 子育てしやすい環境の構成比
保育所などの施設の充実
24.3%
23.8%
治安・防犯面での安全性の確保
22.0%
24.6%
8.2%
子育てに関する相談や支援サービスの充実
5.7%
9.3%
公園やキッズルームなど子どもの遊び場の整備
13.1%
2.3%
2.0%
子育て世帯の公的住宅への優先入居
3.9%
2.0%
子育てしやすい住宅の整備(防音対策等)
6.0%
7.9%
子育て世帯に対する家賃の補助
10.1%
地域の教育環境の充実
13.3%
8.1%
6.1%
地域や隣近所とのコミュニティ活動の充実
無回答
全体
1.4%
1.2%
その他
15歳未満がいる世帯
4.4%
0.3%
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
(5)住宅・住環境に関する施策の方向性
住宅・住環境に関する施策の方向性の構成比をみると、全体では、「自然や緑を活
かした稲城らしい景観づくり」が16.5%と最も多く、「通勤・通学や買物など、日常
生活の利便性の向上」が13.7%、
「高齢者や障害のある人でも安心して暮らせる住宅・
住環境づくり」が13.2%となっています。
また、65歳以上の家族構成員がいる回答者では、
「高齢者や障害のある人でも安心
して暮らせる住宅・住環境づくり」が16.7%と最も多く、全体では構成比が低かった
「住宅リフォームや増改築に対する支援」が5.5%、
「住宅の耐震診断・改修への支援」
が4.2%となっており、高齢化等に対応する安全・安心な住まいづくりへの施策・支
援に対する関心がみられます。(P38:図2-28参照)
- 37 -
また、15歳未満の家族構成員がいる回答者では、全体回答と同様に「自然や緑を活
かした稲城らしい景観づくり」が15.0%と最も多く、「道路や歩道、公園等が整った
住環境づくり」が12.7%、「防犯などの安全性の向上」が12.4%となっており、子育
てしやすい環境の構成比で最も多かった「治安・防犯面での安全性の確保」と同様の
傾向となっています。
図2-28 住宅・住環境に関する施策の方向性の構成比
2.6%
1.9%
2.6%
優良な住宅地の供給
13.7%
11.9%
13.6%
通勤・通学や買物など、日常生活の利便性の
向上
16.5%
15.9%
15.0%
13.2%
16.7%
自然や緑を活かした稲城らしい景観づくり
高齢者や障害のある人でも安心して暮らせる
住宅・住環境づくり
8.3%
10.1%
9.7%
10.6%
災害に強い住環境づくり
4.7%
3.5%
子育て世帯に対応した良好な住宅・住環境づくり
環境に優しい住まいや住環境づくり
10.1%
9.7%
道路や歩道、公園等が整った住環境づくり
住宅の耐震診断・改修への支援
住宅リフォームや増改築に対する支援
住宅困窮者に対する支援
10.4%
9.2%
12.4%
防犯などの安全性の向上
市民参加による住まいづくりの推進
その他
無回答
12.7%
3.0%
2.7%
2.3%
3.7%
4.2%
2.9%
3.8%
5.5%
3.3%
2.6%
2.2%
2.1%
マンションなどの集合住宅を適切に維持・管理
するための活動の支援
住宅・住まいに関する情報提供・相談体制
の充実
8.3%
3.5%
3.2%
3.4%
1.0%
1.0%
1.1%
0.7%
1.0%
0.3%
0.4%
0.3%
0.6%
0.0%
1.4%
0.5%
0.0%
- 38 -
全体
65歳以上がいる世帯
15歳未満がいる世帯
10.0%
20.0%
第3章
住宅施策の課題
3-1 住宅・住環境を取り巻く状況
1.現状のまとめ
(1)本市の現状と動向
①少子高齢化への対応
本市においては、多摩ニュータウン事業や土地区画整理事業などの都市基盤整備に
よるまちづくりを展開し、他地域からの子育て世代を中心とした人口の転入により、
人口増加傾向が続いており、第四次稲城市長期総合計画においては、平成32年の想定
人口を9万2千人と設定しています。
また、年少人口も比較的高い割合で推移することが予想されていますが、高齢者の
人口の割合は東京都の市部で比較すると最も低いものの、高齢化は進行しています。
このため、人口構成の変化や価値観の変化により、多様化する住宅ニーズに対する
柔軟な対応が求められています。(P6:図2-5、P7:図2-6参照)
②住宅開発地における高齢化への対応
すでに定住人口の地域格差が顕在化してきており、既成市街地の一部では、人口減
少と高齢化が進行しています。
例えば、平尾地区では、一時期に大規模な住宅地や住宅団地が開発されたため、居
住者の年齢層に偏りがみられ、高齢化が顕著となっています。このことから、今後、
多摩ニュータウン地区においても同様の現象が起こることが予測されるため、高齢者
が住み慣れた地域で安心して暮
らしていけるような住まいづく
りや生活をサポートする仕組み
づくりを進めていくことが必要
です。
また、高齢者だけではなく、ま
ちの活力の基となる若い世代が
住み続けられるような工夫も必
要です。
(P7:図2-7参照)
- 39 -
③豊かな自然環境や地域の特徴を活かした住環境整備
多摩丘陵の中でも貴重な緑が残る多摩サービス補助施設をはじめ、丘陵の樹林地や
多摩ニュータウン地区周辺の斜面緑地などは、本市の大きな魅力の一つとなっており、
これらの緑資源の維持管理と住宅地の緑化、景観整備を促進し、住環境の魅力の更な
る向上を図っていくことが必要です。
また、多摩ニュータウン地区や平尾地区、既成市街地のうち都市基盤整備が完了し
た地区では、これまで公園や道路、公共公益施設が適切に配置され、良好な居住環境
が形成されています。この居住環境を今後も維持し、また、これら整備された都市基
盤等と豊かな景観資源を活かして、更なる住環境の魅力づくりを進めることが必要で
す。
さらに、南山東部地区や坂浜地区、平尾地区は、丘陵の樹林地や谷戸地の農地など
の自然的資源に恵まれ、落ち着いた風情のある景観を残す地区ですが、現在、これら
の地区において土地区画整理事業が進められています。これらのまちづくりを進める
にあたっては、樹林地や農地を活かしつつ、魅力あるまちを形成していくことが必要
です。
(2)住宅ストックの状況
①高齢者世帯に対応した住まいづくり
本市の高齢者世帯の割合をみると、平成20年では、高齢単身世帯の52.8%は借家に
居住しており、借家のうち高齢者のための設備がある住宅の割合が36.7%であること
を考えあわせると、高齢者が安心して住み続けられるように住宅のバリアフリー化な
どへの対応が必要です。また、高齢者のみ夫婦世帯の71.6%は持家に居住しているこ
とからも、住宅の改修や適切な維持管理について、安心して相談できる体制づくりも
必要です。
(P21:図2-17、P22:図2-18参照)
②子育て世帯に対応した住まいづくり
本市の居住面積水準の割合をみると、平成20年の持家では最低居住面積水準未満世
帯の割合は0.2%であるのに対し、民営借家では33.6%と高くなっていることから、
特に子育て世帯などについては、世帯規模に応じた適正な広さの住宅を確保できるよ
うな支援の検討も必要です。
(P96参考資料編:図4参照)
③住宅の耐震化の促進
本市の住宅のうち、平成20年の持家では23.3%、民営借家では11.1%が耐震設計基
準が改正された昭和56年より前に建築された住宅となっています。稲城市耐震改修促
進計画においては、本市の住宅の耐震化率は73.6%と推計されており、平成27年度に
住宅の耐震化率を90%にすることが目標とされているため、引き続き住宅の耐震化を
積極的に進めていくことが必要です。(P21:図2-16参照、P22:表2-3参照)
- 40 -
④環境負荷に配慮した住まいづくり
本市の住宅のうち、省エネルギー設備のある住宅の割合が低いこと、人口増加や新
たな建築物の立地等により、排出される二酸化炭素の量は増加傾向にあることを考え
あわせると、低炭素社会の実現に向け、住宅においても省エネルギー設備の普及を促
進することが必要です。
⑤住宅困窮者への対応
社会的要請として、都営住宅を
はじめ民間賃貸住宅等も含めた
住宅市場全体での住宅セーフテ
ィネットの構築及び機能の向上
が必要です。
2.住宅・住環境に関する市民意識
「稲城市住宅マスタープラン改定に伴う市民意識調査」の結果によると、本市の特性で
ある「水や緑が豊かで稲城らしい景観づくり」と連動した総合的な住環境整備や、今後進
展していく少子高齢化に対応した施策の充実等が求められています。
(1)優先的に取り組むべき施策
優先的に取り組むべき施策としては、
「高齢者や障害のある人でも安心して暮らせ
る住宅・住環境づくり」や「子育てしやすい施設やサービスの充実」、
「若年層の定住
化への対応」など、今後進展していく少子高齢化に対応し、更なる定住を促す施策が
望まれており、環境負荷低減など、昨今の社会情勢に対応した「住宅の省エネルギー
化対策」などへの対応が求められていると考えられます。
(2)継続的に取り組むべき施策
継続的に取り組むべき施策としては、
「自然や緑を活かした稲城らしい景観づくり」
、
「通勤・通学や買物など、日常生活の利便性の向上」、
「道路や歩道、公園等が整った
住環境づくり」などが多く挙げられ、水や緑が豊かで稲城らしい景観づくりと連動し
た総合的な住環境整備が望まれていると考えられます。
(3)重点的に取り組むべき施策
重点的に取り組むべき施策としては、
「治安や防犯性の確保」や「高齢者の生活に
対応した自宅の改善などへの支援」などが挙げられており、安全・安心な住まいづく
りへの対応が求められていると考えられます。
- 41 -
3.住宅施策の取り組み状況
関連各課で取り組んできた住宅・住環境に関する施策の実施・取り組み状況をふまえて、
今後の住宅施策の方向性を整理すると、以下のとおりとなります。
(1)定住を促す地域特性に応じた住まいづくり
①少子高齢社会に対応した住まいづくり
今後の少子高齢社会の進展を見据えた対応として、総合的な子育てしやすい環境づ
くりや、防犯面にも寄与できる住まいづくりが求められています。
②誰もが安心して暮らせる住まい・まちづくり
誰もが安心して暮らせる住まい・まちづくりへの対応として、住宅困窮者に対しソ
フト的な施策を整えていく必要があります。
③水と緑を活かした稲城らしいまちづくりと市民参加
本市の最大の特徴である豊かな自然や水と緑を活かした稲城らしい景観づくりを
進めるとともに、豊かな自然環境の保護やアダプト制度をはじめとした市民によるま
ちづくりとして、市民が「自分たちのまちである」という意識の醸成を図り、市民参
加を推進していく必要があります。
(2)環境にやさしく、安全・安心な住まいづくり
①環境にやさしい住まいづくり
環境にやさしい住まいづくりとして、住宅の省エネルギー化の促進と周知・啓発を
はじめ、身近な緑の拠点づくりプロジェクトとの連携を図り、市民自らが自然や環境
の守り手となる市民意識の醸成を図る必要があります。
②防災・防犯に優れた住まいづくり
安全・安心な住まいづくりとして、既存住宅の耐震化促進を図るととともに、地域
の防犯力の向上をはじめとした安全性の向上を目指す必要があります。
③暮らしやすさの向上を目指した住まい・まちづくり
iバスの利便性向上をはじめ、景観に配慮した駅前広場・駐輪場整備、歩道や生活
道路等の安全性の確保等により、日常生活の利便性の向上を目指した住まい・まちづ
くりを進めていく必要があります。
- 42 -
3-2 住宅・住環境に関する課題
本市の住宅施策を検討するため、現状のまとめをふまえ、住宅・住環境に関する課題を
以下のとおり整理しました。
1.誰もが安心して暮らせるまちづくりへの対応
◇住まいの耐震性、質の向上
◇防災・防犯性の向上
◇環境負荷の少ない住まいづくり(省エネルギーなど)への対応
2.多様化する市民ニーズへの対応
◇いつまでも快適に暮らせるための住まい・住環境づくり
◇少子高齢社会に対応した住まい・住環境づくり
◇住宅セーフティネット機能の向上(住宅困窮者への対応)
3.想定人口9万2千人を見据えた更なる定住化への対応
◇地域特性(景観・緑等)を活かした魅力的な住まい方の実現
◇「暮らしやすいまち」としての整備
◇コンパクトな市域を活かした「暮らしやすさ」の向上
- 43 -
第4章
住宅施策の理念・目標
4-1 住宅施策の理念
「稲城市住宅マスタープラン(平成7年3月)」の基本理念である「緑につつまれ、活
動的で豊かな居住を実現する住宅・住環境づくり」を基に、上位計画である第四次稲城市
長期総合計画における将来都市像「緑につつまれ 友愛に満ちた市民のまち 稲城 -と
もにつくろう 笑顔あふれる
元気なまち-」の実現に向けて、本市にふさわしい住宅施
策の基本理念を、以下のとおり設定します。
<基本理念>
緑につつまれ
誰もが
安心して住み続けられる
iある住まい
いなぎ
-背景-
●本市は、多摩丘陵の緑や多摩川の清流など豊かな自然環境に恵まれ、長い歴史の
中で伝統や文化を育みつつ、首都圏近郊の住宅都市として発展してきました。
●多摩ニュータウン事業や土地区画整理事業などの住宅地開発においては、水と緑
のうるおい空間を活かすことで、良好な居住空間を創出し、住みやすさを誇るま
ちとして評価されています。
●多くの人々が住み続けたいと思う稲城市とするためには、快適性や住みやすさに
加え、誰もが安全かつ安心して住める住環境を整えていく必要があります。
-「iある住まい いなぎ」とは-
●稲
城
の「i」:若く活力に富む地域として持続していくためには、利便性が
よく豊かな自然環境を身近に感じることができ、人をひきつ
ける魅力である「稲城らしさ」を高めていくことが必要です。
●愛
着
の「i」:まちが成熟期を迎えつつある中、快適な住環境の形成と保全
のためには、これからも豊かな自然環境の中で、市民が「自
分たちのまち」として誇りと愛着を持てる住環境づくりを進
めていくことが必要です。
●い つ で も の「i」:いつでも・どんな時にでも、また、子どもからお年寄りまで、
いつの・どの世代の市民も、安全で安心して暮らせる住まい
づくりを進めていくことが必要です。
これらの要素が融合した「iある住まい
な住まいづくりを目指します。
- 44 -
いなぎ」を理念とし、他に誇れる快適
4-2 住宅施策の目標
基本理念を受け、今後の住宅施策を推進していくために、以下の目標を掲げます。
目標Ⅰ:誰もが安全・安心に暮らせる住まいづくり
1.安全で質の高い住まいづくり
これからの住まいづくりには、市民の生命・財産を守るため、より一層の安全性・耐久
性が確保された質の高い住まいづくりが求められます。
そのため、高品質な住まいづくりを目指すとともに、既存の住宅についても、適正な維
持管理やリフォーム等の実施により、誰もが安全・安心に住み続けられる住まいづくりを
目指します。
2.防災・減災と防犯に優れた住まいづくり
東日本大震災による防災意識の向上や首都圏直下型地震の発生確率の高まりなどを受
け、誰もが安全・安心に暮らすことのできる防災性や災害による被害を最小限に抑える減
災への取り組みと、防犯性に優れた住宅ストックの形成が求められています。
そのため、災害に強く質の高い住まいづくりを目指すとともに、誰もが安全・安心に暮
らせる住まいづくりとして、治安維持や防犯性の向上を目指します。
3.環境負荷の少ない住まいづくり
低炭素社会の構築は、地球規模で取り組むべき課題となっていることから、本市におい
ても、地球環境へ配慮した住まい・住環境づくりについての継続的な取り組みが求められ
ています。
そのため、第二次稲城市環境基本計画で目指す環境像「『人と自然、そして社会の絆で
未来につなぐまち
稲城』~大地に息づく自然や資源を大切にする成熟社会に向けて~」
の実現に向け、住宅の省エネルギー化やCO2排出量の抑制など、住まいづくりの観点か
ら、地球環境にやさしい住まいづくりを目指します。
- 45 -
目標Ⅱ:多様化する市民ニーズに対応した住まい・住環境づくり
1.長く快適に暮らせる住まい・住環境づくり
更なる定住化を進めるためには、単身期から子育て期、高齢期などのライフステージに
よって求める住宅のタイプは異なることから、多様な世帯に対応した住まいづくりが必要
となります。また、居住者の高齢化、建物の老朽化が進む大規模な住宅団地では、計画的
な修繕・建替えや関連する公共施設の維持・充実により、新たな居住者を呼び込み、多様
な世代・世帯が暮らすことができる団地再生への支援が求められています。
そのため、ライフステージ・ライフスタイルが変わっても地域に住み続けられる仕組み
づくりや団地再生支援など、多様化する市民ニーズに対応し、市民が長く快適に暮らせる
住まい・住環境づくりを目指します。
2.少子高齢社会に対応した住まい・住環境づくり
本格的な少子高齢社会の到来を前に、既成市街地の一部では、人口減少及び高齢化が進
行しており、定住人口の地域格差が生じています。また、高齢者だけではなく、まちの活
力の基となる若い世代が安心して住み続けられるような住まい・住環境づくりが求められ
ています。
そのため、高齢化が顕著な地域や、今後高齢化が急速に進むと予測される地域では、高
齢者が住み慣れた地域で住み続けられるための支援などにより、高齢者が自立可能な住環
境づくりを目指します。
また、子育て世代などに配慮した子育てしやすい住まいづくりや、子どもたちが安全・
安心に暮らせる防犯性の高い住環境づくりにも取り組んでいきます。
3.住宅困窮者への対応
低所得者・災害被災者などの住宅困窮者の安定した居住の確保を支援するため、都営住
宅を主体に、公社住宅やUR賃貸住宅等による住宅セーフティネットの補完に取り組みま
す。
- 46 -
目標Ⅲ:「稲城らしさ」の更なる充実を目指した住環境づくり
1.水と緑を活かした稲城らしい住環境づくり
本市の既成市街地や新しいまちづくりが進められている地区においては、安全性や快適
性を高め、土地区画整理事業の推進などによる良好な居住環境の形成が進められています。
また、豊かな自然環境と共生する住宅地においては、自然と調和した居住空間の形成に
努め、地域の立地特性に応じた良好な住環境づくりが求められています。
そのため、多摩ニュータウン地区周辺の斜面緑地など、
「稲城らしさ」を代表する緑資
源の維持管理と住宅地の緑化などの促進、多摩川・三沢川、丘陵の樹林地、多摩サービス
補助施設などの自然的環境を活かした水と緑のネットワークの形成などにより、都市の利
便性を享受しつつも、豊かな自然を身近に感じられる「稲城らしい」住環境づくりに取り
組みます。
2.「iある住まい
いなぎ」の推進による移住・定住の促進
個人の価値観や生活様式の多様化にあわせた住宅供給を促進していくことが求められ
ている一方、高齢者や子どもが安心して過ごせる環境づくりなど、深刻化しつつある少子
高齢化、防災・防犯などの観点からも、良好な地域コミュニティの維持・形成が求められ
ています。
そのため、身近に感じられる豊かな自然環境や魅力的な景観など「稲城らしい」住環境
づくりに加え、市民が地域に誇りと愛着をもって生き生きと暮らし、お互いに支えあい、
次世代に継承できる豊かな地域社会の実現を目指し、まちづくりや人づくりを通じて更な
る魅力・付加価値を高める「iある住まい
いなぎ」の推進により、活力に満ちた地域を
持続させていくための移住・定住の促進に取り組みます。
また、若年層の移住・定住を促進するため、共働きが増えている子育て世帯等が無理な
く働けるような職場環境の整備や、買物などをはじめとした身近な生活利便施設の充実な
ど、総合的な「暮らしやすさ」の向上により、職・住のバランスがとれた「稲城らしい」
住環境づくりに取り組みます。
3.コンパクトな市域を活かした「暮らしやすさ」の向上
「iある住まい いなぎ」の推進による「暮らしやすさ」の向上の一環として、コンパ
クトな市域を最大限に活かし、住まいの身近なところで買物や医療、福祉サービス等を受
けられる利便性の高い住環境づくりや、安全な道路環境整備など、「どこでも便利・どこ
でも安心」な「稲城らしい」住環境づくりに取り組みます。
- 47 -
第5章
住宅施策の展開
5-1 住宅施策の体系
本市の住宅施策の体系は、以下のとおりとします。
基本理念
目標
施策の方向
1.安全で質の高い住まいづくり
Ⅰ.誰もが安全・安心に
緑につつまれ 誰もが 安心して住み続けられる iある住まい いなぎ
2.防災・減災と
暮らせる
防犯に優れた住まいづくり
住まいづくり
3.環境負荷の少ない住まいづくり
1.長く快適に暮らせる
住まい・住環境づくり
Ⅱ.多様化する市民ニーズに
2.少子高齢社会に対応した
対応した
住まい・住環境づくり
住まい・住環境づくり
3.住宅困窮者への対応
1.水と緑を活かした
稲城らしい住環境づくり
Ⅲ.「稲城らしさ」の
2.
「iある住まい
更なる充実を目指した
いなぎ」の
推進による移住・定住の促進
住環境づくり
3.コンパクトな市域を活かした
「暮らしやすさ」の向上
- 48 -
施策の展開
(1)住宅の質の向上
-①高品質な住まいづくりの促進
(2)既存住宅のリフォームやメンテナンス等
-①適切なリフォームの促進
の促進
(3)マンションの適切な維持管理
②福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化の促進
-①適切な維持管理の促進 ②相談体制の充実
(1)災害等に対する住宅の安全性の確保
-①住まいの防災・減災対策の促進
(2)市街地の防災性・安全性の向上
-①火災・震災に強いまちづくりの推進
②住宅防火対策の推進
②下水道管の耐震化促進
③防災対策の推進
(3)防犯性の高い住まいづくりの促進
-①防犯性に優れた住宅の普及促進
②子どもの安全確保の推進
③地域コミュニティの防犯力の向上
(1)低炭素型の住まいづくりの促進
-①省エネ住宅の普及
②循環型社会の形成促進
③スマートコミュニティの実現に向けた取り組み
④新エネルギーの利用拡大に向けた仕組みづくり
(2)住まいづくりにあわせた緑化促進
-①新しいまちづくりにおける緑化の推進
②環境負荷を緩和する緑化の推進
④効果的な緑化の手法推進
③まちの特性に応じた緑化の推進
⑤緑化を進める仕組みづくりの活用
(1)既存住宅の流通推進
-①良質な住宅ストックの流通促進
(2)住宅団地の再生に対する支援
-①住宅団地再生のための支援
②空き家の有効活用についての検討
(3)住まいの健康配慮の促進
-①シックハウス対策の普及・啓発
(1)高齢者の居住の安定確保
-①福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化促進
②魅力あるまちづくりのための支援
②アスベスト対策の推進
②高齢者の住まいの確保に向けた周知
(2)高齢者の自立支援
-①住み慣れた自宅で暮らし続けるための仕組みづくり
(3)子育てしやすい環境づくり
-①子育てに配慮した住宅の普及・啓発
②誰もが暮らしやすい住環境づくりの促進
②子育てしやすい住まいづくりの推進
(1)民間賃貸住宅に入居しやすい仕組みづくり -①誰もが安心して入居できる仕組みづくり
(2)住まいを安定的に確保できる環境づくり
-①低所得者などへの対応
(1)市街地の整備
-①土地区画整理事業の推進
(2)「稲城らしさ」の保全・充実を目指した
-①「稲城らしさ」の維持・保全と充実
③下水道の整備
住宅地の整備
②中心地区と生活拠点の整備
④既成市街地における公園整備
②自然と共生する空間・景観づくりの推進
(3)稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び
守り手の育成
(1)「iある住まい
②住宅セーフティネットの補完
-①水と緑の継承と創造の推進
②市民自らが守り手となる意識醸成
いなぎ」の推進
-①「iある住まい
いなぎ」として付加価値を高めるまちづくりの推進
②市民が愛着をもって進める「iある住まい
(2)職・住のバランスが取れた市街地の形成
-①買物等の生活利便性の向上
(1)公共交通機関の利便性の向上
-①駅前広場の整備等による利便性の向上
(2)身近な道路の安全性の確保
-①活力を与える道づくり
いなぎ」の推進
②働く場の環境づくり
②iバス利用者の利便性の向上
②暮らしを支える道づくり
③安心・安全・生活の道づくり
- 49 -
5-2 住宅施策の展開
「5-1 住宅施策の体系」で設定した目標を達成するための基本的な施策の方向性は、以
下のとおりです。
目標Ⅰ:誰もが安全・安心に暮らせる住まいづくり
Ⅰ-1.安全で質の高い住まいづくり
Ⅰ-1.(1)住宅の質の向上
長期にわたり快適に使用可能な質の高い住宅ストックを形成していくため、国の
「長期優良住宅制度」の周知とともに、「住宅性能表示制度」の更なる周知により、
市民が安心して優良な住宅が取得できる環境づくりに取り組みます。
《施策内容》
①高品質な住まいづくりの促進
○パンフレットやホームページ、広報等により、国の「長期優良住
宅制度」及び「住宅性能表示制度」に関する情報を発信し、周知
を図ります。
Ⅰ-1.(2)既存住宅のリフォームやメンテナンス等の促進
市民が安心して住宅のリフォームやメンテナンスを行えるよう、関係団体と連携し
「あんしん住宅リフォーム相談窓口(公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセン
ター)」の利用促進をはじめ、各種リフォームやメンテナンスに関する情報提供や相
談体制を整備します。
また、高齢者等に対する住宅改修や障害者に対する住宅設備改善の制度など福祉施
策を活用した住宅改修の支援を引き続き行い、住まいのバリアフリー化を進めます。
《施策内容》
①適切なリフォームの促進
○パンフレットやホームページ、広報等により「あんしん住宅リフ
ォーム相談窓口」の利用促進を図ります。
○住宅リフォーム又は耐震補強を市内の建築業者で施行する場合
に、一部補助を行う稲城市商工会の「稲城市商工会住宅改修等補
助金」の周知と利用促進を図ります。
○パンフレットやホームページ、広報等により民間事業者等と連携
し実施している住宅リフォーム相談の周知を行い、利用促進に努
めます。
- 50 -
②福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化の促進
○高齢者に対する「住宅改修給付及び住宅設備改修給付」に継続し
て取り組みます。
○障害者に対する「住宅設備改善費助成」に継続して取り組みます。
○住宅改修に利用できる「稲城市生活資金融資あっせん制度」を継
続します。
Ⅰ-1.(3)マンションの適切な維持管理
分譲マンションの適切な維持管理や修繕・改修の促進による長寿命化が進められる
とともに、建替えなども円滑に進められるよう、マンション管理組合などに対し「東
京都優良マンション登録表示制度(公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンタ
ー)」の普及や、関係団体と連携して、維持管理や建替えに関わる国や東京都の施策
について情報提供を行うとともに、相談体制の充実に努めます。
《施策内容》
①適切な維持管理の促進
○パンフレットやホームページ、広報等により「東京都優良マンシ
ョン登録表示制度」の周知を図ります。
○計画的な修繕・改修等が円滑に進むよう、東京都の「マンション
改良工事助成」の周知を図ります。
②相談体制の充実
○マンション管理士会等の関係団体や民間事業者と連携して、マン
ションの維持管理や建替えに関する情報提供について検討しま
す。
○マンション管理士会等の関係団体や民間事業者と連携して、改修
及び建替えに関する様々な相談や、各専門家とのネットワーク形
成など相談体制の構築を検討します。
- 51 -
Ⅰ-2.防災・減災と防犯に優れた住まいづくり
Ⅰ-2.(1)災害等に対する住宅の安全性の確保
「稲城市耐震改修促進計画」に基づき、今後とも耐震改修の必要性や重要性につい
て、継続的な支援や啓発により、市内の住宅の耐震化を促進します。なお、分譲マン
ションの耐震化等については、アドバイザー派遣制度や耐震改修補助制度等の導入を
検討します。
また、住宅の防火診断の対象住戸を拡充し、住宅防火対策を促進します。
《施策内容》
①住まいの防災・減災対策の促進
○「木造住宅の耐震改修補助事業」を継続し、耐震化を促進します。
○マンションの建設に際し、引き続き防災倉庫設置を要請します。
○マンション等の防音性の高い住戸において、新たな防災無線難聴
世帯解消策の検討を行います。
○パンフレットやホームページ等からの情報発信などにより、家具
転倒防止策の普及・啓発に努めます。
○マンション耐震診断及びマンション耐震改修補助事業の導入を
検討します。
②住宅防火対策の推進
○高齢者世帯で実施している住宅の防火診断を継続するとともに、
高齢者世帯以外の住宅についても実施し、住宅の防火対策を推進
します。
- 52 -
Ⅰ-2.(2)市街地の防災性・安全性の向上
稲城市都市計画マスタープランで位置づけられた火災・震災に強いまちづくりの推
進として、緊急輸送道路や避難路沿道の建築物の不燃化促進、防火・準防火地域の指
定による建築物の面的な不燃化促進に取り組みます。なお、都市計画道路については、
防災に配慮した無電柱化を図ります。
また、行政側で行う耐震化や防災対策などとともに、市民による防災推進などの仕
組みづくりを進めます。
《施策内容》
①火災・震災に強いまちづくりの推進
○南山東部地区や坂浜地区において、防火・準防火地域の指定によ
る不燃化を促進します。
○都市計画道路の無電柱化に継続して取り組みます。
○多摩川スーパー堤防事業に継続して取り組みます。
○防災性・安全性確保の面から、引き続き空き地の環境保全に取り
組みます。
○緊急輸送道路や避難路沿道建築物については、住宅の改修等にあ
わせて不燃化に向けた啓発を進めます。
②下水道管の耐震化促進
○下水道施設耐震化計画を策定し、防災拠点や避難所に連結する管
路や幹線などの耐震化に取り組みます。
③防災対策の推進
○新たな浸水被害が生じないよう雨水排水整備計画の策定に取り
組みます。
○防災無線デジタル化と難聴世帯解消策の推進に取り組みます。
○地域の防災活動に関する相談・助言等を行い、市民防災組織の結
成を促進します。
○生垣造成や、そのために既存ブロック塀を撤去する場合に工事費
の一部を補助する「生垣造成補助金制度」について、対象区域の
拡大等による充実を図ります。
○一定規模の宅地開発において、防災倉庫設置場所の確保について
周知・誘導を検討します。
- 53 -
Ⅰ-2.(3)防犯性の高い住まいづくりの促進
防犯を考慮した住宅の建て方や、子どもの安全確保を目的とした防犯灯や防犯設備
の設置の普及をはじめ、地域コミュニティでの防犯まちづくりの促進など、防犯性の
高い住まいづくりに取り組みます。
《施策内容》
①防犯性に優れた住宅の普及促進
○パンフレットやホームページ等からの情報発信などにより、「東
京防犯優良マンション・駐車場認定制度」の周知を図ります。
②子どもの安全確保の推進
○子育てしやすい環境づくりと環境負荷の少ないまちづくりの一
環として、交通安全や防犯に資する防犯灯及び街路灯のLED化
事業に取り組みます。
③地域コミュニティの防犯力の向上
○下校時間の見守りなどを行う防犯ボランティア団体の育成支援
に引き続き取り組みます。
○携帯メールによる不審者情報など地域安全情報の発信に引き続
き取り組みます。
○防犯講演会等の開催を通じて防犯意識の啓発を図ります。
- 54 -
Ⅰ-3.環境負荷の少ない住まいづくり
Ⅰ-3.(1)低炭素型の住まいづくりの促進
国や東京都の環境配慮型の設備設置への支援制度の普及を図るとともに、窓や外
壁・天井・床等の断熱改修や改修時における省エネリフォームなど、環境負荷の小さ
い住まいづくりの「住宅の省エネリフォームガイドブック」による情報提供などによ
り、既存の住まいにおいても環境負荷低減を目指した取り組みを行います。
また、循環型社会の形成や新エネルギーの利用拡大に向けた仕組みづくりの検討を
行い、環境意識の啓発を図ります。
《施策内容》
①省エネ住宅の普及
○パンフレットやホームページ等からの情報発信などにより、都の
「住宅の省エネリフォームガイドブック」の周知を図ります。
○国や東京都の制度を活用し、住宅用太陽光発電システム等の普及
に取り組みます。
○パンフレットやホームページ等からの情報発信などにより、「東
京都マンション環境性能表示制度」の周知を図ります。
②循環型社会の形成促進
○家庭用生ごみ処理機器等の購入費一部助成制度を継続し、ゴミの
減量化を推進します。
○循環型社会の形成を目指し、樹林地における間伐材等の木質ペレ
ット化について検討します。
③スマートコミュニティの実現に向けた取り組み
○「ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)」の導入
に向けた普及・啓発に取り組みます。
④新エネルギーの利用拡大に向けた仕組みづくり
○新エネルギー利用機器等の導入に対する支援制度の導入を検討
します。
- 55 -
Ⅰ-3.(2)住まいづくりにあわせた緑化促進
稲城市都市計画マスタープランに基づき、既成市街地における緑の創出を図るとと
もに、稲城市緑の基本計画や第二次稲城市環境基本計画と連携を図り、建物の温度上
昇の抑制など、環境に優しい住まいづくりの観点から、建物緑化や敷地の緑化を進め、
住まいの緑の創出を図ります。
《施策内容》
①新しいまちづくりにおける緑化の推進
○地区計画の拡充により緑化を図ります。
○緑化率条例の導入を検討します。
②環境負荷を緩和する緑化の推進
○公共施設をはじめとして、壁面や屋上緑化などの建物緑化により
市街地の緑化に努めます。
○市民による緑化活動を支援するため、緑のカーテン普及事業を継
続し、住宅地の緑化に努めます。
③まちの特性に応じた緑化の推進
○まちの玄関である駅前広場においては、地域の特色を活かした緑
化に取り組みます。
④効果的な緑化の手法推進
○主要な道路の沿道においては、街路樹等による緑化を推進します。
○地域のシンボルになっている樹木などの保全を検討します(シン
ボルツリーの指定検討)
。
⑤緑化を進める仕組みづくりの活用
○生垣造成や、そのために既存ブロック塀を撤去する場合に工事費
の一部を補助する「生垣造成補助金制度」について、対象区域の
拡大等による充実を図ります。 〔再掲〕
○住宅建築のために、樹木の仮移植が必要となった場合の仮移植場
の提供や、樹木が不用となった方と樹木を求める方とのあっせん
をする「みどりのツリーバンク制度」の利便性の向上と周知に努
めます。
- 56 -
目標Ⅱ:多様化する市民ニーズに対応した住まい・住環境づくり
Ⅱ-1.長く快適に暮らせる住まい・住環境づくり
Ⅱ-1.(1)既存住宅の流通推進
国の「住宅性能表示制度」の普及・啓発や、不動産取引やリフォームに関する情報
提供・相談体制の充実を図るなど、既存住宅を安心して取得できる環境づくりや空き
家の有効活用などを検討します。
《施策内容》
①良質な住宅ストックの流通促進
○パンフレットやホームページ、広報等により、国の「住宅性能表
示制度」に関する情報を発信し、周知を図ります。
〔再掲〕
○住宅市場において住宅を安心して売買できるよう、パンフレット
やホームページ、広報等により、東京都の「安心して住宅を売買
するためのガイドブック」の周知を図ります。
②空き家の有効活用についての検討
○空き家の有効活用の方向性を探るため、市内の空き家についての
実態調査の実施を検討します。
○民間事業者と連携して、福祉や子育てをはじめとしたコミュニテ
ィ活動の拠点などの空き家の利活用について協議を行います。
- 57 -
Ⅱ-1.(2)住宅団地の再生に対する支援
更新時期を迎える住宅団地などでは、居住者が中心となり、団地再生に向けた自発
的な取り組みが展開されつつあるため、各種情報提供や相談体制の充実など再生に向
けた課題解決支援に努めます。
《施策内容》
①住宅団地再生のための支援
○計画的な修繕・改修等が円滑に進むよう、東京都の「マンション
改良工事助成」の周知を図ります。
〔再掲〕
○マンション管理士会等の関係団体や民間事業者と連携して、マン
ションの維持管理や建替えに関する情報提供について検討しま
す。
〔再掲〕
○マンション管理士会等の関係団体や民間事業者と連携して、改修
及び建替えに関する様々な相談や、各専門家とのネットワーク形
成など相談体制の構築を検討します。 〔再掲〕
○管理組合への適切な支援を行うために必要となる基礎資料とし
て、市内に立地しているマンションの状況についてデータベース
の活用を検討します。
②魅力あるまちづくりのための支援
○地区計画により魅力あるまちづくりを展開することで、新しい居
住者を呼び込み、様々な世代・世帯が暮らすことができる団地と
して再生できるよう取り組みます。
○日常的な買物等の利便性が損なわれないよう、地域全体の活性化
支援策の検討を進めます。
- 58 -
Ⅱ-1.(3)住まいの健康配慮の促進
居住者の健康に配慮した住まいづくりを目指して東京都の「住まいの健康配慮ガイ
ドライン」等による情報提供を行うとともに、既存住宅におけるアスベスト含有製品
の使用について表示する国の「住宅性能表示制度」の活用やアスベスト飛散防止に関
する指導により、健康に配慮した住まいづくりを進めます。
《施策内容》
①シックハウス対策の普及・啓発
○東京都の「住まいの健康配慮ガイドライン」の普及等による健康
に配慮した住まいづくりの啓発に取り組みます。
②アスベスト対策の推進
○パンフレットやホームページ、広報等により、国の「住宅性能表
示制度」に関する情報を発信し、周知を図ります。
〔再掲〕
○「稲城市アスベスト飛散防止に関する指導要綱」により引き続き
アスベスト対策に取り組みます。
○アスベストの改修工事を施工する場合に利用できる「稲城市生活
資金融資あっせん制度」を継続します。 〔再掲〕
Ⅱ-2.少子高齢社会に対応した住まい・住環境づくり
Ⅱ-2.(1)高齢者の居住の安定確保
高齢になってもできるだけ住み慣れた自宅で暮らせるよう、介護保険等による生活
や身体状況にあわせた住宅リフォームを促進します。
また、高齢者等の世帯に対し、緊急時対応や安否確認などの見守りサービスを提供
する「あんしん居住制度(公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター)」の
周知や、「東京シニア円滑入居賃貸住宅情報登録・閲覧制度(公益財団法人東京都防
災・建築まちづくりセンター)」等の周知を図ります。
- 59 -
《施策内容》
①福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化促進
○高齢者に対する「住宅改修給付及び住宅設備改修給付」に継続し
て取り組みます。
〔再掲〕
○住宅改修に利用できる「稲城市生活資金融資あっせん制度」を継
続します。
〔再掲〕
②高齢者の住まいの確保に向けた周知
○パンフレットやホームページ、広報等により、「あんしん居住制
度」及び「東京シニア円滑入居賃貸住宅情報登録・閲覧制度」の
周知を図ります。
○「高齢者入居支援制度(保証)」を継続し、保証人が確保できな
い高齢者世帯の入居や居住継続の支援に取り組みます。
Ⅱ-2.(2)高齢者の自立支援
可能な限り自宅で暮らし続けることができるよう、地域コミュニティによる、高齢
者見守りネットワークの構築や、高齢者が安心して生活できる環境づくりに取り組み
ます。また、歩行者の移動の円滑化などに取り組み、誰もが暮らしやすい住環境づく
りを進めます。
《施策内容》
①住み慣れた自宅で暮らし続けるための仕組みづくり
○高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるように、高齢者見
守りネットワークシステムの充実に努めます。また、東京都住宅
供給公社等との連携・協力によって、都営住宅、公社住宅等の居
住者にかかる安否確認や緊急時対応が図られるよう同公社等と
協議・調整を行います。
○身体上慢性疾患があり、日常生活において常時注意を要する状態
にある単身者及び高齢者のみ世帯を対象とした緊急通報システ
ム設置事業について、対象者の拡充を検討します。
②誰もが暮らしやすい住環境づくりの促進
○高齢者や障害者等はもちろん、歩行者の誰もが安心してスムーズ
に移動できる、バリアフリー化による歩行空間の整備を進めます。
○iバスの運行をはじめ、高齢者が移動に負担を感じる高低差等の
地形に配慮した交通環境の形成に努めます。
- 60 -
Ⅱ-2.(3)子育てしやすい環境づくり
子どもの安全や子育て世帯の居住に配慮した住宅の普及のため、東京都の「子育て
に配慮した住宅のガイドブック」の普及・啓発とともに、子どもから高齢者まで様々
な世代の交流の場の充実や防犯面の充実、身近な遊び場の整備推進などにより、子育
て世帯が安心して暮らせる環境整備に取り組みます。
《施策内容》
①子育てに配慮した住宅の普及・啓発
○子どもの安全や子育て世帯の居住に配慮した住まいの工夫など
について、東京都の「子育てに配慮した住宅のガイドブック」な
どの普及・啓発に取り組みます。
○子育て支援機能が併設されたり、子育て世帯の居住に配慮した住
宅の供給を促進するため「子育て優良マンション認定制度」の導
入を検討します。
②子育てしやすい住まいづくりの推進
○下校時間の見守りなどを行う防犯ボランティア団体の育成支援
に引き続き取り組みます。
〔再掲〕
○携帯メールによる不審者情報など地域安全情報の発信に引き続
き取り組みます。
〔再掲〕
○公園・広場の新規整備が難しい既成市街地において、借地公園制
度の活用による公園整備に取り組みます。
○子育てしやすい環境づくりと環境負荷の少ないまちづくりの一
環として、交通安全や防犯に資する防犯灯及び街路灯のLED化
事業に取り組みます。 〔再掲〕
○子どもやその保護者同士が交流できる場として、ふれあいセンタ
ーの利用を促進します。
- 61 -
Ⅱ-3.住宅困窮者への対応
Ⅱ-3.(1)民間賃貸住宅に入居しやすい仕組みづくり
民間賃貸住宅において入居制限を受けやすい要配慮世帯(高齢者、障害者、子育て
世帯や外国人等の世帯)が入居しやすい仕組みづくりとして、
「家賃債務保証制度(財
団法人高齢者住宅財団)
」等の普及・啓発に努めます。
《施策内容》
①誰もが安心して入居できる仕組みづくり
○パンフレットやホームページ、広報等により、要配慮世帯が賃貸
住宅に入居する際の家賃債務等を保証し、賃貸住宅への入居を支
援する「家賃債務保証制度」の普及・啓発に努めます。
Ⅱ-3.(2)住まいを安定的に確保できる環境づくり
国の「住宅手当緊急特別措置事業」の周知をはじめとして、低所得でも安定した居
住を確保できる施策の展開や住宅セーフティネットの補完として、公社住宅、UR賃
貸住宅の活用などを検討します。
《施策内容》
①低所得者などへの対応
○パンフレットやホームページ、広報等により、国の「住宅手当緊
急特別措置事業」の周知を図ります。
○低所得世帯等が低金利で利用できる「生活福祉資金貸付」を継続
します。
○「母子・女性福祉資金の貸し付け・相談」をはじめ、ひとり親世
帯への支援に引き続き取り組みます。
②住宅セーフティネットの補完
○都営住宅を主体としつつ、住宅困窮者が利用できる低家賃の住宅
セーフティネットの補完として、公社住宅やUR賃貸住宅などの
住宅ストックの利活用について検討します。
- 62 -
目標Ⅲ:
「稲城らしさ」の更なる充実を目指した住環境づくり
Ⅲ-1.水と緑を活かした稲城らしい住環境づくり
Ⅲ-1.(1)市街地の整備
想定人口9万2千人を見据えたまちづくりとして、第四次稲城市長期総合計画に基
づく土地区画整理事業の推進や中心地区と生活拠点の整備などに取り組みます。
《施策内容》
①土地区画整理事業の推進
○水と緑を活かした稲城らしい住環境づくりを進め、土地区画整理
事業による市街地の整備に引き続き取り組み、新たな住宅需要に
対応します。
②中心地区と生活拠点の整備
○利便性の高いまちづくりの一環として、駅前広場周辺の整備を図
るJR南武線連続立体交差事業に引き続き取り組みます。
③下水道の整備
○良好な衛生環境の形成のため、汚水排水整備事業に引き続き取り
組みます。
④既成市街地における公園整備
○公園・広場の新規整備が難しい既成市街地において、借地公園制
度の活用による公園整備に取り組みます。
〔再掲〕
Ⅲ-1.(2)「稲城らしさ」の保全・充実を目指した住宅地の整備
豊かな自然環境や良好な景観資源等を有する「稲城らしさ」の保全と更なる充実を
目指して、稲城市都市計画マスタープランに基づき、地域特性(景観や緑等)を活か
した地区計画の拡充や、稲城市景観基本計画に基づく住宅地の形成などに取り組みま
す。
- 63 -
《施策内容》
①「稲城らしさ」の維持・保全と充実
○地区計画の拡充により住宅地のまちなみや住環境の維持・向上を
図ります。
○市内のまちなみ景観の維持・保全を図るため、建築物の色彩につ
いての基準となる「稲城市景観色彩ガイドライン」の周知に取り
組みます。
②自然と共生する空間・景観づくりの推進
○水と緑を活かした稲城らしい住環境づくりを進め、土地区画整理
事業による市街地の整備に引き続き取り組み、新たな住宅需要に
対応します。 〔再掲〕
○既成市街地においても、地区計画制度の導入や高さ規制によるま
ちなみづくりに取り組みます。
Ⅲ-1.(3)稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び守り手の育成
稲城市緑の基本計画の「水と緑の継承と創造」の推進による、多種多様な生物の生
態系確保に資する取り組みを通じて、うるおいのある環境を保全し「稲城らしい」豊
かな自然環境を市民共有の財産として次世代に継承していくため、市民自らが守り手
となる意識醸成などに取り組みます。
《施策内容》
①水と緑の継承と創造の推進
○「稲城市における自然環境の保護と緑の回復に関する条例」に基
づき、本市の豊かな自然環境の保全を前提とした「自然環境保全
地域の指定・拡充」に取り組みます。
○身近な水辺空間の環境維持のため、市民が楽しめる親水機能と生
態系に配慮した水路整備事業を引き続き推進します。
○「稲城市における自然環境の保護と緑の回復に関する条例」に基
づき、貴重な樹木を保存樹木に指定し、緑の保全に努めます。
②市民自らが守り手となる意識醸成
○市民が主体となった管理を行うことにより、地域の特性にあった
管理や公共施設の有効活用などが可能となる「稲城市公共施設ア
ダプト制度」を引き続き促進します。
○豊かな里山の森を育てる樹林地管理ボランティアの育成支援に
取り組みます。
- 64 -
Ⅲ-2.「iある住まい
いなぎ」の推進による移住・定住の促進
Ⅲ-2.(1)「iある住まい
いなぎ」の推進
「稲城らしい住環境の魅力(iある住まい
いなぎ)」を高め、市外からの移住や
更なる定住を推進するため、第四次稲城市長期総合計画に基づく土地区画整理事業な
どのまちづくりの推進により付加価値を高め、今まで以上に市民が誇りと愛着を持て
る「暮らしやすいまち」の実現に取り組みます。
《施策内容》
①「iある住まい
いなぎ」として付加価値を高める
まちづくりの推進
○水と緑を活かした稲城らしい住環境づくりを進め、土地区画整理
事業による市街地の整備に引き続き取り組み、新たな住宅需要に
対応します。 〔再掲〕
○既成市街地においても、地区計画制度の導入や高さ規制によるま
ちなみづくりに取り組みます。 〔再掲〕
○市内のまちなみ景観の維持・保全を図るため、建築物の色彩につ
いての基準となる「稲城市景観色彩ガイドライン」の周知に取り
組みます。
〔再掲〕
○防犯・福祉等に資する自治会や防犯ボランティア団体等への支援
に引き続き取り組みます。
○身近に豊かな自然を感じ、うるおいのある景観に資する散策路の
整備に努めます。
○誰もがわかりやすく、市民に親しまれる公共サイン計画の策定に
努めます。
②市民が愛着をもって進める「iある住まい
いなぎ」の推進
○土地区画整理事業をはじめ、公園整備など様々な分野において、
市民参加・市民協働のまちづくりに取り組みます。
○土地区画整理事業実施区域以外でもエリアマネジメントの導入
を促進し、市民・行政・事業者等が一体となって進める「iある
住まい いなぎ」を推進します。
○市民が愛着をもって稲城らしいまちづくりを自らの手で進めて
もらうため、まちづくりに興味のある人たちを対象としたリーダ
ー育成講座や勉強会の開催など「iある住まい いなぎ」の担い
手育成支援を検討します。
- 65 -
Ⅲ-2.(2)職・住のバランスが取れた市街地の形成
職・住のバランスのとれたまちづくりとして、買物など生活利便性の向上や子育て
施設、医療・福祉施設の利便性確保や商業・工業・建設業関連施策との連携による「働
く場」の環境づくりなど、
「暮らしやすさ」の更なる向上に努めます。
《施策内容》
①買物等の生活利便性の向上
○地域の魅力アップや賑わいの創出を目指し、商工会と連携して
「商工会支援事業」を引き続き進めます。
○それぞれの地域において買物等の利便性が確保できるよう、「稲
城市商業活性化プラン」の推進及び策定に引き続き努めます。
②働く場の環境づくり
○若年層の定住促進のため、身近な場所で働ける環境づくりの一環
となる「新規創業等支援事業」を引き続き進めます。
Ⅲ-3.コンパクトな市域を活かした「暮らしやすさ」の向上
Ⅲ-3.(1)公共交通機関の利便性の向上
コンパクトな市域の利点を最大限に活かし、本市においては「どこからでも便利」
を実感できる公共交通機関の再構築を目指し、iバスの利便性向上のため、路線の新
設、見直し、増便に取り組みます。
《施策内容》
①駅前広場の整備等による利便性の向上
○利便性の高いまちづくりの一環として、駅前広場周辺の整備を図
るJR南武線連続立体交差事業に引き続き取り組みます。
〔再掲〕
○駅を利用する自転車利用者のために、鉄道事業者と協議を進め有
料自転車等駐車場の整備を図るとともに、利用促進に取り組みま
す。
②iバス利用者の利便性の向上
○市域の一体化と公共公益施設への交通手段の充実を図るため、i
バス(コミュニティバス)の路線の新設、見直し等に取り組みま
す。
- 66 -
Ⅲ-3.(2)身近な道路の安全性の確保
本市においては「どこでも安心」を実感でき、誰もが安心して利用できる安全な道
づくりを目指して、第四次稲城市長期総合計画に基づく道路や歩道整備、安全施設の
拡充により、
「暮らしやすさ」の向上に取り組みます。
《施策内容》
①活力を与える道づくり
○広域幹線道路を補完し、市域の移動の円滑化と利便性の向上に向
けて、主要幹線道路の整備事業に取り組みます。
②暮らしを支える道づくり
○狭あい道路の解消や誰もが安心して利用できるよう、安全な生活
道路の整備事業に取り組みます。
③安心・安全・生活の道づくり
○誰もが安心して利用できるよう、歩道の切り下げ勾配の緩和改善
などに努めます。
○道路を健全な状態に保持する道路維持管理の充実を図ります。
○子育てしやすい環境づくりと環境負荷の少ないまちづくりの一
環として、交通安全や防犯に資する防犯灯及び街路灯のLED化
事業に取り組みます。 〔再掲〕
- 67 -
5-3 住宅施策内容の一覧
凡例
施策凡例
出典
<既>
既存施策
(四):第四次稲城市長期総合計画
<拡>
拡充施策
(環):第二次稲城市環境基本計画
<新>
新規施策
(緑):稲城市緑の基本計画
<国>
国が実施している施策
(マ):稲城市都市計画マスタープラン
<都>
東京都が実施している施策
<財>
財団法人が実施している施策
目標Ⅰ:誰もが安全・安心に暮らせる住まいづくり
Ⅰ-1.安全で質の高い住まいづくり
推進する施策
担当課
(1)住宅の質の向上
①高品質な住まいづくりの促進
◇長期優良住宅制度の周知
<国>
・都市計画課
◇住宅性能表示制度の周知
<国>
・都市計画課
(2)既存住宅のリフォームやメンテナンス等の促進
①適切なリフォームの促進
◇あんしん住宅リフォーム相談窓口の利用促進
◇稲城市商工会住宅改修等補助金
◇住宅リフォーム相談の周知
<財>
<既>
・都市計画課
・経済課
<既>
・都市計画課
・経済課
②福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化の促進
◇住宅改修給付及び住宅設備改修給付
<既>
・高齢福祉課
◇障害者に対する住宅設備改善費助成
<既>
・障害福祉課
◇稲城市生活資金融資あっせん制度
<既>
・経済課
(3)マンションの適切な維持管理
①適切な維持管理の促進
◇東京都優良マンション登録表示制度の周知
◇マンション改良工事助成の周知
<財>
<都>
・都市計画課
・都市計画課
②相談体制の充実
◇維持管理や建替えに関する情報提供
<新>
◇関係団体等との連携による相談体制の検討
・都市計画課
<新>
- 68 -
・都市計画課
実施時期(10 年間)
前期
後期
Ⅰ-2.防災・減災と防犯に優れた住まいづくり
推進する施策
担当課
(1)災害等に対する住宅の安全性の確保
①住まいの防災・減災対策の促進
◇木造住宅の耐震改修補助事業
・都市計画課
<既>(四)
・防災課(消防)
・経済課
◇防災倉庫設置の要請
・防災課(消防)
<既>
◇防災無線難聴世帯解消策の検討
◇家具転倒防止策の普及・啓発
・防災課(消防)
<新>
・防災課(消防)
<既>
◇マンション耐震改修補助事業の導入検討
・都市計画課
<新>
・防災課(消防)
②住宅防火対策の推進
◇防火診断の実施
・予防課(消防)
<拡>
(2)市街地の防災性・安全性の向上
①火災・震災に強いまちづくりの推進
・都市計画課
◇防火・準防火地域の指定による不燃化促進
(南山東部地区、坂浜地区)<既>(マ)
◇都市計画道路の無電柱化
・都市計画課
<既>(四)
・緑と建設課
・区画整理課
・市街地整備課
◇多摩川スーパー堤防事業
◇空き地の環境保全
・区画整理課
<既>(四)
・環境課
<既>
◇緊急輸送道路や避難路沿道建築物の不燃化
<既>(マ)
・都市計画課
②下水道管の耐震化促進
◇下水道施設耐震化計画の策定
・下水道課
<既>(四)
③防災対策の推進
◇雨水排水整備計画の策定
◇防災無線デジタル化と難聴世帯解消策の推進
◇市民防災組織の結成促進
◇生垣造成補助金制度の充実
・下水道課
<既>(四)
<既>(四)
・防災課(消防)
<既>
・緑と建設課
<拡>(緑)
◇防災倉庫設置に向けた周知・誘導
・防災課(消防)
・防災課(消防)
<新>
- 69 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
推進する施策
担当課
実施時期(10 年間)
前期
後期
(3)防犯性の高い住まいづくりの促進
①防犯性に優れた住宅の普及促進
◇東京防犯優良マンション・駐車場認定制度の周知
<財>
・都市計画課
②子どもの安全確保の推進
◇防犯灯及び街路灯LED化事業
・管理課
<拡>
・市街地整備課
・区画整理課
・緑と建設課
③地域コミュニティの防犯力の向上
◇防犯ボランティア団体の育成支援
◇地域安全情報の発信
<既>(四)
・総務課
<既>
・総務課
◇防犯意識の啓発(防犯講演会等)
<既>
・総務課
Ⅰ-3.環境負荷の少ない住まいづくり
推進する施策
担当課
(1)低炭素型の住まいづくりの促進
①省エネ住宅の普及
◇住宅の省エネリフォームガイドブックの周知
◇住宅用太陽光発電システム等の普及
・都市計画課
<都>
・環境課
<国><都>
◇東京都マンション環境性能表示制度の周知
<都>
・都市計画課
<既>(環)
・環境課
②循環型社会の形成促進
◇家庭用生ごみ処理機器等購入費の一部助成
◇樹林地における間伐材等木質ペレット化の検討
<新>(環)
・市街地整備課
③スマートコミュニティの実現に向けた取り組み
◇ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の普及・啓発
・環境課
<新>(環)
④新エネルギーの利用拡大に向けた仕組みづくり
◇機器等の導入に対する支援の検討
・環境課
<新>(環)
(2)住まいづくりにあわせた緑化促進
①新しいまちづくりにおける緑化の推進
◇地区計画の拡充による緑化推進
◇緑化率条例の導入検討
・都市計画課
<既>(緑)
・都市計画課
<新>(緑)
②環境負荷を緩和する緑化の推進
◇壁面や屋上緑化などの建物緑化の推進
◇緑のカーテン普及事業
<既>(緑)
・緑と建設課
・環境課
<既>(緑)
③まちの特性に応じた緑化の推進
◇駅前広場における地域の特色を活かした緑化
<既>(緑)
・区画整理課
・緑と建設課
- 70 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
推進する施策
担当課
実施時期(10 年間)
前期
後期
④効果的な緑化の手法推進
◇沿道の緑化推進
・緑と建設課
<既>(緑)
◇シンボルツリー指定の検討
・緑と建設課
<既>(緑)
⑤緑化を進める仕組みづくりの活用
◇生垣造成補助金制度の充実
・緑と建設課
<拡>(緑)
:再掲
◇みどりのツリーバンク制度の利便性の向上と周知
<既>(緑)
・緑と建設課
目標Ⅱ:多様化する市民ニーズに対応した住まい・住環境づくり
Ⅱ-1.長く快適に暮らせる住まい・住環境づくり
推進する施策
担当課
(1)既存住宅の流通推進
①良質な住宅ストックの流通促進
◇住宅性能表示制度の周知
・都市計画課
<国>:再掲
◇安心して住宅を売買するためのガイドブックの周知
<都>
・都市計画課
②空き家の有効活用についての検討
◇空き家の実態調査の実施検討
・都市計画課
<新>
◇民間事業者との連携による利活用の協議
・都市計画課
<新>
(2)住宅団地の再生に対する支援
①住宅団地再生のための支援
◇マンション改良工事助成の周知
・都市計画課
<都>:再掲
◇維持管理や建替えに関する情報提供
・都市計画課
<新>:再掲
◇関係団体等との連携による相談体制の検討
・都市計画課
<新>:再掲
◇マンション状況把握のためのデータベースの活用の検討
<新>
・都市計画課
②魅力あるまちづくりのための支援
◇地区計画の指定
・都市計画課
<既>(四)
◇地域全体の活性化支援策の検討
・経済課
<新>(四)
(3)住まいの健康配慮の促進
①シックハウス対策の普及・啓発
◇住まいの健康配慮ガイドラインの普及等
・都市計画課
<都>
②アスベスト対策の推進
◇住宅性能表示制度の周知
・都市計画課
<国>:再掲
◇アスベスト飛散防止に関する指導
<既>
・環境課
◇稲城市生活資金融資あっせん制度
<既>:再掲
・経済課
- 71 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
Ⅱ-2.少子高齢社会に対応した住まい・住環境づくり
推進する施策
担当課
(1)高齢者の居住の安定確保
①福祉施策と連携した住まいのバリアフリー化促進
◇住宅改修給付及び住宅設備改修給付
◇稲城市生活資金融資あっせん制度
・高齢福祉課
<既>:再掲
・経済課
<既>:再掲
②高齢者の住まいの確保に向けた周知
◇あんしん居住制度の周知
・高齢福祉課
<財>
◇東京シニア円滑入居賃貸住宅情報登録・閲覧制度の周知
◇高齢者入居支援制度(保証)
<財>
・高齢福祉課
・高齢福祉課
<既>
(2)高齢者の自立支援
①住み慣れた自宅で暮らし続けるための仕組みづくり
◇高齢者見守りネットワークシステムの充実
◇緊急通報システム設置事業の拡充検討
・高齢福祉課
<拡>
・高齢福祉課
<拡>
②誰もが暮らしやすい住環境づくりの促進
◇歩行空間のバリアフリー化
・市街地整備課
<既>(マ)
・区画整理課
・緑と建設課
◇地形に配慮した交通環境の形成
・管理課
<既>(マ)
(3)子育てしやすい環境づくり
①子育てに配慮した住宅の普及・啓発
◇子育てに配慮した住宅のガイドブックの普及・啓発
<都>
・都市計画課
・子育て支援課
◇子育て優良マンション認定制度の導入検討
<新>
・都市計画課
・子育て支援課
②子育てしやすい住まいづくりの推進
◇防犯ボランティア団体の育成支援
◇地域安全情報の発信
<既>(四)
:再掲
・総務課
<既>:再掲
◇借地公園制度の活用による公園整備
◇防犯灯及び街路灯LED化事業
・総務課
<新>(緑)
・緑と建設課
・管理課
<拡>:再掲
・市街地整備課
・区画整理課
・緑と建設課
◇ふれあいセンターの利用促進
・子育て支援課
<新>
・生活福祉課
- 72 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
Ⅱ-3.住宅困窮者への対応
推進する施策
担当課
実施時期(10 年間)
前期
後期
(1)民間賃貸住宅に入居しやすい仕組みづくり
①誰もが安心して入居できる仕組みづくり
◇家賃債務保証制度の普及・啓発
・都市計画課
<財>
・生活福祉課
・高齢福祉課
・障害福祉課
・子育て支援課
(2)住まいを安定的に確保できる環境づくり
①低所得者などへの対応
◇住宅手当緊急特別措置事業の周知
◇生活福祉資金貸付(住宅資金)
◇ひとり親世帯への支援
・生活福祉課
<国>
・生活福祉課
<既>
・生活福祉課
<既>
②住宅セーフティネットの補完
◇公社住宅等の利活用の検討
・都市計画課
<新>
目標Ⅲ:
「稲城らしさ」の更なる充実を目指した住環境づくり
Ⅲ-1.水と緑を活かした稲城らしい住環境づくり
推進する施策
担当課
(1)市街地の整備
①土地区画整理事業の推進
◇土地区画整理事業
・区画整理課
<既>(四)
・市街地整備課
②中心地区と生活拠点の整備
◇JR南武線連続立体交差事業
・区画整理課
<既>(四)
③下水道の整備
◇汚水排水整備事業
・下水道課
<既>(四)
④既成市街地における公園整備
◇借地公園制度の活用による公園整備
<新>(緑)
:再掲
- 73 -
・緑と建設課
実施時期(10 年間)
前期
後期
推進する施策
担当課
実施時期(10 年間)
前期
後期
(2)「稲城らしさ」の保全・充実を目指した住宅地の整備
①「稲城らしさ」の維持・保全と充実
◇地区計画の拡充
・都市計画課
<既>(四)
◇稲城市景観色彩ガイドラインの周知
・都市計画課
<既>
②自然と共生する空間・景観づくりの推進
◇土地区画整理事業
・区画整理課
<既>(四)
:再掲
・市街地整備課
◇地区計画制度の導入や高さ規制によるまちなみづくり
<既>(マ)
・都市計画課
(3)稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び守り手の育成
①水と緑の継承と創造の推進
◇自然環境保全地域の指定・拡充
◇水路整備事業
・緑と建設課
<既>(四)
・緑と建設課
<既>(四)
◇保存樹木の指定
・緑と建設課
<既>(緑)
②市民自らが守り手となる意識醸成
◇稲城市公共施設アダプト制度の促進
・緑と建設課
<既>(緑)
・管理課
◇豊かな里山の森を育てる樹林地管理ボランティアの育成支援
・緑と建設課
<新>(緑)
Ⅲ-2.「iある住まい
いなぎ」の推進による移住・定住の促進
推進する施策
担当課
(1)「iある住まい いなぎ」の推進
①「iある住まい
いなぎ」として付加価値を高めるまちづくりの推進
◇土地区画整理事業
・区画整理課
<既>(四)
:再掲
・市街地整備課
◇地区計画制度の導入や高さ規制によるまちなみづくり<既>(マ)
・都市計画課
:再掲
◇稲城市景観色彩ガイドラインの周知
◇自治会集会施設建設費補助
◇自治会新規設立支援
◇散策路の整備
<既>:再掲
・総務課
<既>(四)
・総務課
<既>(四)
・緑と建設課
<既>(四)
◇公共サイン計画の策定
・都市計画課
<新>(四)
②市民が愛着をもって進める「iある住まい
◇市民参加・市民協働のまちづくりの推進
・都市計画課
いなぎ」の推進
・区画整理課
<拡>
・市街地整備課
・都市計画課
- 74 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
推進する施策
◇エリアマネジメントの導入促進
担当課
<拡>
実施時期(10 年間)
前期
後期
・区画整理課
・市街地整備課
・都市計画課
◇「iある住まい
いなぎ」の担い手育成支援
<新>
・区画整理課
・市街地整備課
・都市計画課
(2)職・住のバランスが取れた市街地の形成
①買物等の生活利便性の向上
◇商工会支援事業
・経済課
<既>(四)
◇稲城市商業活性化プランの推進と策定
<既>(四)
・経済課
②働く場の環境づくり
◇新規創業等支援事業
・経済課
<既>(四)
Ⅲ-3.コンパクトな市域を活かした「暮らしやすさ」の向上
推進する施策
担当課
(1)公共交通機関の利便性の向上
①駅前広場の整備等による利便性の向上
◇JR南武線連続立体交差事業
<既>(四)
:再掲
・区画整理課
◇有料自転車等駐車場整備事業
<既>(四)
・管理課
②iバス利用者の利便性の向上
◇iバス運行事業
・管理課
<既>(四)
(2)身近な道路の安全性の確保
①活力を与える道づくり
◇主要幹線道路の整備事業
・緑と建設課
<既>(四)
・区画整理課
・市街地整備課
②暮らしを支える道づくり
◇生活道路の整備事業
・緑と建設課
<既>(四)
③安心・安全・生活の道づくり
◇歩道の切り下げ勾配の緩和改善
・緑と建設課
<既>
・管理課
◇道路維持管理の充実
・緑と建設課
<既>
・管理課
◇防犯灯及び街路灯LED化事業
・管理課
<拡>:再掲
・市街地整備課
・区画整理課
・緑と建設課
- 75 -
実施時期(10 年間)
前期
後期
5-4 「iある住まい いなぎ」の取り組み方針
「5-2 住宅施策の展開」において、本市の住宅施策の基本的な展開方向を示しまし
たが、住宅施策は多分野にわたり、これまで以上に多様な取り組みが求められています。
したがって、多分野を横断する住宅施策を、基本理念である「緑につつまれ 誰もが
安
心して住み続けられる iある住まい いなぎ」に関する視点からみた展開方針を、以下
に示します。
1.稲城の「i」
~総合的な暮らしやすさの向上に向けた取り組み~
市民に評価されている「水と緑が豊かで稲城らしい景観づくり」と連動した総合的な住
環境整備を進め、
「暮らしやすいまち」として総合的に評価されるためには、多方面にわ
たる付加価値を高める取り組みが必要となります。
そのため、土地区画整理事業等で生み出される新しいまちだけでなく、既成市街地の利
便性の向上に資する商業の活性化や、若年世帯や子育て世帯の関心が高い治安維持や防犯
性の確保をはじめ、身近な子どもの遊び場の確保や高齢者の自立支援に資する地域コミュ
ニティの活性化など、ソフト・ハードにわたって誰もが暮らしやすい環境づくりの促進に
総合的に取り組みます。
2.愛着の「i」
~「自分たちのまち」として愛着を育む取り組み~
市内に居住、転入してくる若年層世帯に「ずっと住み続けたい」、
「稲城で子育てがした
い」と思われるような魅力的な住宅施策を展開することにより、「自分たちのまち」とし
て愛着を感じ、若年層の定住化につながるとともに、将来的なまちの活力を生み出す原動
力ともなります。
そのため、「自分たちのまち」を自分たちの手で造っていく・守っていくという意識を
醸成し、公共施設アダプト制度をはじめ、各種ボランティア活動や市民、事業主等の主体
的な取り組みとなるエリアマネジメントの推進など、地域の活力が回復・維持、増進し、
地域の資産価値の維持・向上という相乗効果を生み出す施策に総合的に取り組みます。
3.いつでもの「i」
~住まいの防災・防犯対策の取り組み~
いついかなる時も、安全な住まいづくりの取り組みは欠かすことのできないものです。
基本的には個々の所有となる住宅の安全確保については、市民自らの手で積極的に取り組
むことが必要ですが、市全体として市民の安全確保の観点から防災・防犯のまちづくりを
進めるため、これまで以上に耐震化に対する取り組みの支援や防犯に資する施策を推進し
ていきます。
また、従来から取り組んでいる木造住宅の耐震化のほか、マンションの耐震化も促進す
るため、補助制度の導入検討、各種関連業界団体との連携体制の構築などの住まいの防災
対策の促進に総合的に取り組みます。
- 76 -
5-5 地域特性と主な取り組み
「5-4 「iある住まい
いなぎ」の取り組み方針」において、多分野を横断する住
宅施策の展開方針を示しましたが、本市を概ね多摩川や三沢川沿いの平坦地(既成市街地)、
三沢川左岸丘陵地、三沢川右岸丘陵地、平尾地区の4つの地域に分け、地域ごとに地形や
住まい・住環境の課題等が異なることから、各地域の特性を活かし、以下の6つの地域別
に主に取り組むべき施策を示します。
図5-1 地域区分図
- 77 -
1.平坦地(既成市街地)
図5-2
(1)概況
平坦地
多摩川に接して東西に広がる平坦な地形で、地域内
にはJR南武線が地域のほぼ中央を、京王相模原線が
地域の南側を走り、住宅と梨やぶどうを中心とする果
樹園が混在する市街地が広がる地域であり、矢野口地
区、東長沼地区、大丸地区の一部及び押立地区で構成
されています。
稲城市都市計画マスタープランによると、現在の土
地利用の割合は住宅が約30%で最も多く、次に田畑・
果樹園が約12%となっています。また、地域内には中小規模の工場や流通施設が点在
し、土地利用の混在がみられます。
(2)課題
本地域はJR南武線と京王相模原線とあわせて5つの駅があり、市内では最も鉄道
の利便性が高く、これらの駅を中心に徒歩での移動を主体とした生活が営める地域と
なっていますが、市民意識調査では身近な道路の安全性の確保についての要望も高い
ことから、安全・安心な道づくりが求められています。(P32 参照)
また、駅周辺地区は中心地区や生活拠点として位置づけられており、駅を中心とし
た生活利便性の向上や防災・減災と防犯に優れた住まいづくりが求められます。
(3)住宅施策の主な取り組み
稲城市都市計画マスタープランにお
ける地域づくりの目標像である「水・
緑・人が育む市民生活を中心としたま
ち」の実現を目指し、安全で安心な道づ
くりとして「身近な道路の安全性の確
保」を進めます。
また、本市の新しい顔となる駅前広場
の整備をはじめとした「市街地の整備」や「
「稲城らしさ」の保全・充実を目指した
住宅地の整備」により、利便性の向上と住環境の整備を図り、防災・防犯性なども含
めた安全で安心して暮らせる住まいづくりに取り組みます。
《主な施策》
1.身近な道路の安全性の確保 (P67)
2.市街地の整備 (P63)
3.「稲城らしさ」の保全・充実を目指した住宅地の整備 (P63)
4.災害等に対する住宅の安全性の確保 (P52)
5.市街地の防災性・安全性の向上 (P53)
6.防犯性の高い住まいづくりの促進 (P54)
- 78 -
2.三沢川左岸丘陵地
(1)概況
本市のほぼ中央を流れる三沢川の左岸側の丘陵地で、多摩ニュータウン事業を中心
として計画的な都市基盤の整備が進められ、住宅・商業・業務などの多機能をあわせ
持つ地域であり、向陽台地区、長峰地区、若葉台地区、坂浜地区と百村地区の一部及
び大丸地区(多摩サービス補助施設)で構成されています。
稲城市都市計画マスタープランによると、現在の土地利用は、多摩サービス補助施
設の樹林地や稲城中央公園などの公園といった緑系の土地利用が約29%を占め、住宅
系の土地利用は約14%となっています。また、ニュータウンの造成事業は完了してお
り、まちの成熟化の段階へ入ってきています。
図5-3
三沢川左岸丘陵地A
(2)課題
①三沢川左岸丘陵地A
本地域のうち向陽台地区、長峰地区及
び若葉台地区は、丘陵地を活かした住宅
地の開発が進められ、最寄りの駅から徒
歩圏外にも住宅地が多い地域となってい
ますが、市民意識調査では買物等の日常
生活や通勤・通学の利便性について要望
も高いことから、日常生活の利便性の向
上が求められています。
(P32 参照)
- 79 -
図5-4
三沢川左岸丘陵地B
②三沢川左岸丘陵地B
本地域のうち百村地区及び坂浜地
区は、豊かな自然環境と調和した住
宅地となっていますが、一部狭あい
道路などがみられ、市民意識調査で
は防犯や周辺道路の安全性が求めら
れていることから、住環境の改善・
向上を図っていく必要があります。
(P32 参照)
(3)住宅施策の主な取り組み
①三沢川左岸丘陵地A
稲城市都市計画マスタープランにおける地域づくりの目標像である「多摩丘陵の緑
を抱く、活力とふれあいに満ちた住宅市街地の形成」の実現を目指し、iバスの利便
性の向上などにより誰もが快適に移動できるよう、「公共交通機関の利便性の向上」
に取り組みます。
また、今後の高齢化の進展を見据え、高齢でも住み慣れた地域で暮らしていくこと
ができるよう、住民によるコミュニティ活動などを通して高齢者等が自立可能な住ま
いづくりとして「高齢者の自立支援」と、買物等の生活利便性の向上を目指した「職・
住のバランスが取れた市街地の形成」に取り組みます。
《主な施策》
1.公共交通機関の利便性の向上 (P66)
2.高齢者の自立支援 (P60)
3.職・住のバランスが取れた市街地の形成 (P66)
②三沢川左岸丘陵地B
豊かな自然環境と調和した緑豊かな住宅地の維持のため「稲城らしい「水と緑」の
継承と創造及び守り手の育成」に取り組むとともに、高齢化の進展を見据え、「高齢
者の居住の安定確保」として福祉施策と連携した住宅のバリアフリー化促進を進めま
す。また、狭あい道路の整備など「身近な道路の安全性の確保」を進め、誰もが安心
して暮らし続けられる良好な住環境づくりに取り組みます。
《主な施策》
1.稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び守り手の育成 (P64)
2.高齢者の居住の安定確保 (P59)
3.身近な道路の安全性の確保 (P67)
- 80 -
3.三沢川右岸丘陵地
(1)概況
三沢川や鶴川街道に沿って市域の東西に広がる地域で、地域の大半が丘陵地となり
ます。また、鶴川街道沿いや清水谷戸・小田良谷戸など谷戸を中心に農地や集落が点
在する地域であり、矢野口地区、東長沼地区、百村地区のそれぞれ京王相模原線の南
側及び坂浜地区の一部で構成されています。
稲城市都市計画マスタープランによると、現在の土地利用は、森林が約32%を占め、
公園・緑地・スポーツ施設(約26%)と田畑・果樹園(約12%)を含むと地域の約2
/3以上が緑系の土地利用であることが特徴となっています。
また、矢野口地区、東長沼地区、百村地区にまたがる南山東部土地区画整理事業を
はじめ、坂浜地区の新しいまちづくりに向けた検討など、既存の緑地や農地を活かし
た次世代に向けたまちづくりが進められています。
図5-5
三沢川右岸丘陵地A
図5-6
三沢川右岸丘陵地B
(2)課題
①三沢川右岸丘陵地A
本地域は南山東部地区土地区画整理
事業により、既存の緑地等を活かしたま
ちづくりが進められており、新たに転入
してくる若年世帯の定住化に向けた施
策の展開が求められています。
また、京王よみうりランド駅周辺や丘
陵地等の緑地については、地域の魅力と
して活用・保全するために、地域全体で
守り・育てていくことが求められています。そのため、市民・行政・事業者等が積極
的に住環境づくりに参加する仕組みづくりを検討していく必要があります。
- 81 -
②三沢川右岸丘陵地B
本地域は既存の緑地や農地を活かした
まちづくりが進められており、今後の高齢
化の進展を見据えた生活利便性の向上と
交通環境の改善が求められています。
また、市民意識調査では身近な道路の安
全性の確保についての要望が高いことか
ら、安全・安心な道づくりが求められてい
ます。
(P32参照)
さらに、高齢者の自宅改修や自立支援な
ど、高齢者や障害のある人でも安心して暮らせる住宅・住環境づくりが求められてい
ます。
(3)住宅施策の主な取り組み
①三沢川右岸丘陵地A
稲城市都市計画マスタープランにおける地域づくりの目標像である「多様な緑が人
をつなぐ、うるおいとふれあいのあるまち」の実現を目指し、土地区画整理事業によ
る「市街地の整備」に引き続き取り組みます。また、多摩丘陵の緑地や農地を活かし、
自然環境などに配慮された新たな住宅地づくりとして、新たに転入してくる若年世帯
などに向けた「低炭素型の住まいづくりの促進」や「子育てしやすい住まいづくりの
推進」
、
「公共交通機関の利便性向上」についての施策を展開します。
また、身近な自然環境・景観資源である里山の保全を進めるため、
「稲城らしい「水
と緑」の継承と創造及び守り手の育成」に取り組むとともに、エリアマネジメントの
推進など市民自らが主体となって取り組んでいけるような活動の支援に取り組みま
す。
《主な施策》
1.市街地の整備 (P63)
2.低炭素型の住まいづくりの促進 (P55)
3.子育てしやすい環境づくり (P61)
4.公共交通機関の利便性の向上 (P66)
5.稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び守り手の育成 (P64)
- 82 -
②三沢川右岸丘陵地B
豊かな自然環境と調和した緑豊かな住宅地の維持のため「稲城らしい「水と緑」の
継承と創造及び守り手の育成」に取り組むとともに、
「公共交通機関の利便性の向上」
や「身近な道路の安全性の確保」などにより、日常生活を支える機能の充実・強化に
取り組みます。
また、起伏のある地形でも子どもからお年寄りまで誰もが安心して住み続けられる
住まいづくりとして、
「高齢者の自立支援」や「防犯性の高い住まいづくりの促進」
に取り組みます。
《主な施策》
1.稲城らしい「水と緑」の継承と創造及び守り手の育成 (P64)
2.公共交通機関の利便性の向上 (P66)
3.身近な道路の安全性の確保 (P67)
4.高齢者の自立支援 (P60)
5.防犯性の高い住まいづくりの促進 (P54)
4.平尾地区
(1)概況
図5-7
本市の南側に位置し、三方を川崎市に囲まれ、市内
では早い時期に計画的な市街地整備と都市基盤整備
が進められたため、本市の中でも独自の生活圏を形
成している地域です。
稲城市都市計画マスタープランによると、現在の
土地利用は、平尾団地、土地区画整理事業が行われ
た平尾地区などを中心に、住宅を主とした土地利用
が拡がり、地域の約27%程度を占めています。また、
天神通りからつながる平尾中央通り沿道には、商店
などが分布しているとともに、平尾団地のセンター地
区では、商業店舗や公共公益施設の立地がみられます。
- 83 -
平尾地区
(2)課題
本地域は平尾団地の開発から40年以上が
経過し、居住者の高齢化が進行するなど人
口減少が進み、本地域の生活・コミュニテ
ィの維持が困難となりつつあることから、
既成市街地の住環境の改善及び適切な更新
を図り、高齢化の進行に対応していくとと
もに、新たな付加価値の創出等により魅力
を向上させ、まちの活力を生み出す若年層
世帯の移住・定住を進めていくことが求められています。
(3)住宅施策の主な取り組み
稲城市都市計画マスタープランにおける地域づくりの目標像である「メインストリ
ートに結ばれた生活・交流が地域活力を創出する住宅市街地の成熟」を目指し、平尾
団地については、地域への愛着や地域づくりへの共通意識が生まれているため、地域
住民の創意のもと魅力ある成熟したまちへと変革していくための支援として、「住宅
団地の再生に対する支援」に取り組みます。
また、平尾中央通りを軸とした生活・交流の中心地づくりの一環として、
「職・住
のバランスが取れた市街地の形成」や「公共交通機関の利便性の向上」をはじめ、
「高
齢者の自立支援」や「子育てしやすい住まいづくりの推進」、公社住宅やUR賃貸住
宅の利活用による「住宅セーフティネットの補完」など、多世代が住まうことができ
る住環境づくりに取り組みます。
《主な施策》
1.住宅団地の再生に対する支援 (P58)
2.職・住のバランスが取れた市街地の形成 (P66)
3.公共交通機関の利便性の向上 (P66)
4.高齢者の自立支援 (P60)
5.子育てしやすい環境づくり (P61)
6.住まいを安定的に確保できる環境づくり (P62)
- 84 -
第6章
計画の実現に向けて
本計画の基本理念である「緑につつまれ 誰もが 安心して
住み続けられる iある住まい いなぎ」の実現に向けて3つ
の目標を設定し、この目標を計画の期間内に確実に実施するために、市民・行政・事業者等
の主体の連携を図ることが必要です。
また、10年間の計画の期間において、進捗状況や施策の成果を確認しつつ、見直し時期の
検討など計画の進行管理が必要となります。
6-1 住宅施策の推進体制
1.市民・行政・事業者等の連携と協働
多岐にわたる住宅施策の推進のために、行政はもとより、市民、住宅関連事業者、まち
づくりNPO等が、住まいや住まいづくりに関わる立場によってそれぞれの役割を積極的
に果たし、本計画の基本理念である「緑につつまれ
誰もが
安心して住み続けられる
iある住まい いなぎ」の実現と目標の達成に向けて連携していくことが必要です。
そのため、行政が実施する事業等においても、良好な居住環境や地域の価値を維持・向
上させるための市民・事業者等の主体的な取り組みを支援し、協働で進めることができる
ような仕組みづくりに取り組んでいく必要があります。
2.市民の役割
市民は自らが住まい手である一方、住まいづくりの担い手として、「自分たちのまち」
を自分たちの手で造っていく・守っていくという意識を高め、住まいやまちづくりに関心
をもつことが大切です。また、様々な住まいやまちづくり活動への主体的な取り組みを通
じて、「自分たちのまち」として愛着を持ち、住まい・住環境づくりに取り組んでいくこ
とが必要です。
3.行政の役割
行政は本計画の推進のため、都市計画をはじめとするまちづくり施策、福祉施策、環境
施策、防災施策及び防犯施策等と密接な連携を図り、「緑につつまれ
誰もが
安心して
住み続けられる iある住まい いなぎ」の基本理念に基づく、住まい・住環境づくりの
総合的かつ計画的な施策の展開を図ります。
また、住宅セーフティネットや住宅市場への対応など、専門的あるいは広域的な対応が
必要な施策については、東京都や住宅関係機関、住宅関連事業者との連携を図ります。
- 85 -
4.事業者等の役割
住宅関連事業者は、住まいづくりの担い手として、専門性や技術力を活かし、良質な住
宅・住宅地の供給により、「緑につつまれ
まい
誰もが
安心して住み続けられる
iある住
いなぎ」の基本理念に基づく、住まい・住環境づくりに寄与することが期待されま
す。
また、住まいの安全性や品質・性能の確保、賃貸等のサービスの提供については、市民
が安心して民間住宅市場を活用することができるよう、市場の公平性や健全性の確保に努
めるとともに、市民への情報提供や住宅に関する相談体制等の充実に向け、行政と連携を
図ることが期待されます。
6-2 計画の進行管理
本計画は、住宅施策の総合計画として、また、関連分野との調整に関わる指針となる計
画として、積極的な運用を図ります。
1.推進と運用
本計画の基本理念を基に、住宅施策の展開に取り組みます。
関連分野の計画策定や施策展開にあたっては、本計画との整合を図るとともに、住宅施
策に関わる計画や施策との連携や調整を図ります。
本計画を基に、東京都や東京都住宅供給公社、独立行政法人都市再生機構など、住まい
づくりに関連する機関・団体との協議や調整を図ります。
2.点検
所管部署において、住宅施策の展開の中で示した実施時期及び達成状況を定期的に把
握・分析し、社会情勢や市民意識などをふまえ、基本理念や目標の検証及び施策の必要性
や改善点を確認していきます。
3.見直し
上記の点検作業及び社会経済情勢の変化をはじめ、国や東京都の住宅施策の動向、法律
や条例・制度の創設、本市の長期総合計画や関連計画の改定・策定状況等をふまえ、必要
に応じて見直しを行います。
- 86 -
参 考 資 料
資料1 稲城市住宅マスタープラン改定の経緯
1.稲城市住宅マスタープラン改定委員会等の委員名簿 ……………………
87
2.稲城市住宅マスタープラン改定委員会設置要綱
…………………………
89
3.稲城市住宅マスタープラン改定検討報告書 ………………………………
90
4.稲城市住宅マスタープラン改定委員会の経過 ……………………………
91
5.稲城市住宅マスタープラン改定経過 ………………………………………
93
資料2 関連データ
1.産業の状況 ……………………………………………………………………
95
2.住宅ストックの状況 …………………………………………………………
96
3.公的賃貸住宅の状況 …………………………………………………………
98
4.民間住宅の状況 ………………………………………………………………
99
資料3 用語解説 …………………………………………………………………… 100
資料1
稲城市住宅マスタープラン改定の経緯
稲城市住宅マスタープランの改定にあたり、
「稲城市住宅マスタープラン改定委員会」
を設置し検討を行い、その結果を市長に報告しました。
また、下部組織として庁内関係各課で組織した「稲城市住宅マスタープラン改定庁内検
討会」及び「稲城市住宅マスタープラン改定庁内検討会(作業部会)」を設置し、検討を
行いました。
1.稲城市住宅マスタープラン改定委員会等の委員名簿
(1)稲城市住宅マスタープラン改定委員会
区 分
委員長
氏
松本
名
役
職
社会情報学部
等
教授
考
学識経験者
暢子
大妻女子大学
健一
多摩市都市計画審議会特別委員会委員
多摩市街づくり審査会委員
府中市土地利用調整審査会委員
八王子市まちづくりアドバイザー
町田市まちづくりアドバイザー
建築・環境分野
淑徳大学
福祉分野
関係行政機関職員
委員
宇野
委員
鏡
委員
渡辺
正信
東京都都市整備局
委員
久野
暢彦
UR都市機構東日本都市再生本部
第6エリア市街地整備第2チーム
プロジェクトチームリーダー
諭
林
備
コミュニティ政策学部
住宅政策推進部
建築分野
教授
企画担当課長
健一郎
東京都住宅供給公社
住宅計画部
住宅計画課長
平成23年度
赤塚
慎一
東京都住宅供給公社
住宅計画部
住宅計画課長
平成24年度
委員
進藤
典吾
稲城市都市計画審議会委員
委員
笠井
弘人
市民委員
井上
一彦
稲城市
都市建設部
部長
平成23年度
榎本
佳則
稲城市
都市建設部
部長
平成24年度
榎本
佳則
稲城市
都市建設部
参事
平成23年度
磯貝
博
稲城市
都市建設部
参事
平成24年度
委員
市民委員
行政委員
委員
委員
- 87 -
(2)稲城市住宅マスタープラン改定庁内検討会
職
名
会
長
所
都市建設部
属
役
職
緑と建設課長
副会長
福祉部
高齢福祉課長
委
員
企画部
企画政策課長
委
員
総務部
総務課長
委
員
生活環境部
経済課長
委
員
生活環境部
環境課長
委
員
福祉部
委
員
都市建設部
都市計画課長
委
員
都市建設部
管理課長
委
員
都市建設部
区画整理課長
委
員
都市建設部
市街地整備課長
委
員
消防本部
消防本部
子育て支援課長
警防課長(平成23年度)
防災課長(平成24年度)
(3)稲城市住宅マスタープラン改定庁内検討会(作業部会)
所
属
企画部
企画政策課
企画政策係
総務部
総務課
総務係
生活環境部
経済課
商工係
(平成23年度)
商工観光係(平成24年度)
生活環境部
環境課
環境政策係
生活環境部
環境課
環境保全係
福祉部
高齢福祉課
高齢福祉係
福祉部
子育て支援課
児童係
都市建設部
都市計画課
都市計画係
都市建設部
都市計画課
景観と地区計画係
都市建設部
緑と建設課
道水路工事係
都市建設部
緑と建設課
緑と公園係
都市建設部
管理課
交通対策係
都市建設部
区画整理課
事業係
都市建設部
区画整理課
南武線・三駅整備係
都市建設部
市街地整備課
事業調整係
消防本部
警防課
防災課
防災係(平成23年度)
防災係(平成24年度)
都市計画課
開発指導係
〔事務局〕
都市建設部
- 88 -
2.稲城市住宅マスタープラン改定委員会設置要綱
平成23年10月13日 市長決裁
(設置)
第1条 稲城市住宅マスタープラン(以下「住宅マスタープラン」という。)を改定す
るため、稲城市住宅マスタープラン改定委員会(以下「委員会」という。
)を置く。
(職務)
第2条 委員会は、住宅マスタープランの改定に関する指導及び助言を行う。
(構成及び運営)
第3条 委員会は、次の各号に定める委員をもって構成する。
⑴
学識経験者
3名
⑵
関係行政機関職員
3名
⑶
市民
2名
⑷
稲城市職員
2名
2
委員会の委員の中から、市長が指名をする委員長を置く。
3
委員長は、委員会を代表し、会務を総理する。
4
委員長に事故のあるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理
する。
(任期)
第4条 委員の任期は、住宅マスタープランの改定が完了するまでとする。
(会議)
第5条 委員会は、必要に応じて委員長が招集する。
2
委員長は、必要と認めるときは、委員以外の者を会議に出席させることができる。
(庶務)
第6条 委員会の庶務は、都市建設部都市計画課において処理する。
(委任)
第7条
この要綱に定めるもののほか、委員会について必要な事項は、委員長が別に
定める。
付
則
この要綱は、平成23年10月13日から施行する。
- 89 -
3.稲城市住宅マスタープラン改定検討報告書
平成24年12月25日に、稲城市住宅マスタープラン改定委員会から稲城市長にあて、
「稲城市住宅マスタープラン改定検討報告書」が提出されました。
稲城市住宅マスタープラン改定検討報告書
平成24年12月25日
稲城市住宅マスタープラン改定委員会
- 90 -
4.稲城市住宅マスタープラン改定委員会の経過
会議名
回数
改定委員会
第1回
開催日
平成23年11月10日
主な議題等
(1)稲城市のまちづくりについて
(2)改定のスケジュールについて
(3)稲城市を取り巻く現状について
(4)アンケート調査について
第2回
平成24年2月28日
(1)これまでの経緯について
(2)市民アンケート結果について
(3)住宅施策の課題の方向性について
第3回
平成24年7月5日
視察(市内10地区)
(1)これまでの経緯について
(平成23年度作業報告)
(2)平成24年度改定スケジュールについて
(3)住宅施策の基本理念と目標について
第4回
平成24年11月1日
(1)今後のスケジュールについて
(2)改定素案について
第5回
平成25年2月18日
(1)これまでの経緯について
(2)パブリックコメントの実施結果について
(3)稲城市住宅マスタープラン改定案について
- 91 -
会議名
回数
開催日
庁内検討会
第1回
平成23年9月28日
第2回
平成24年1月31日
第3回
平成24年3月5日
第4回
平成24年6月25日
第5回
平成24年10月18日
主な議題等
(1)改定のスケジュールについて
(2)改定の方向性について
(3)アンケート調査について
(1)第1回改定委員会の報告
(2)アンケート調査集計結果について
(3)住宅施策の課題の方向性について
(1)住宅施策の課題について
(2)第2回改定委員会の報告
(3)住宅施策の事例紹介
(1)平成23年度住宅マスタープラン改定作業報告
(2)平成24年度改定スケジュールについて
(3)基本理念について
(4)基本目標について
(5)想定される施策案について
(1)今後のスケジュールについて
(2)改定素案について
第6回
平成24年11月29日
(1)第4回改定委員会の報告
(2)改定素案について
作業部会
第7回
平成25年2月12日
(1)これまでの経緯について
(2)パブリックコメントの実施結果について
(3)稲城市住宅マスタープラン改定案について
第1回
平成23年10月4日
(1)アンケート調査について
第2回
平成23年12月27日
(1)アンケート調査集計結果について
(2)住宅施策の課題の方向性について
第3回
平成24年1月20日
(1)アンケート調査結果の分析について
(2)住宅施策の課題について
第4回
平成24年3月5日
第3回庁内検討会と合同開催
第5回
平成24年6月25日
第4回庁内検討会と合同開催
第6回
平成24年8月30日
第7回
平成24年9月26日
(1)施策案について
(2)成果指標案について
(3)関係各課ヒアリングについて
(1)施策案について
(2)成果指標案について
(3)住宅マスタープランのとりまとめについて
第8回
平成24年11月19日
(1)今後のスケジュールについて
(2)改定素案について
第9回
平成25年2月12日
第7回庁内検討会と合同開催
- 92 -
5.稲城市住宅マスタープラン改定経過
(1)平成23年度
改定の背景と目的等
・背景と目的
・位置づけ
・改定の概要
H23.7.11
都市計画審議会
現況調査
・位置、地勢
H23.9.28
第1回庁内検討会
・人口、産業状況
・住環境
など
住宅環境の現状把握
・住宅ストック状況
・高齢者世帯の居住状況
H23.10.4
第1回
作業部会
上位・関連計画の把握
・住宅の耐震化状況
・公共賃貸住宅の状況
・地域特性、特徴的な事項
など
・都の住宅施策
・市の住宅関連施策
H23.11.10
第1回改定委員会
市民意識調査
(アンケート調査)
・調査票設計
H23.12.27
・調査実施(H23.11)
・集計、分析
第2回
作業部会
住宅施策の課題
・住宅を取り巻く現状から
H24.1.20
第3回
作業部会
の課題
・市民意識調査からの課題
・住宅施策の実施・取り組
み状況からの課題
H24.1.31
第2回庁内検討会
H24.2.28
第2回改定委員会
H24.3.5
第3回庁内検討会
第4回作業部会
- 93 -
住宅施策の理念・目標
・基本理念
・施策の目標
(2)平成24年度
H24.4.13
建設環境委員会
H24.5.25
都市計画審議会
H24.6.25
住宅施策の展開
・施策の体系
・基本施策
第4回庁内検討会
第5回作業部会
計画実現に向けて
・役割と推進体制
・達成目標
・具体的施策
H24.7.5
第3回改定委員会
H24.8.30
第6回
作業部会
H24.9.26
第7回
作業部会
H24.10.18
改定素案作成
第5回庁内検討会
H24.11.1
第4回改定委員会
H24.11.19
第8回
作業部会
H24.12.25
改定検討報告書提出
H24.11.29
第6回庁内検討会
H25.1.28
H25.1.16 からH25.2.5 まで実施
パブリックコメント
建設環境委員会
H25.2.12
第7回庁内検討会
第9回作業部会
H25.2.13
都市計画審議会
H25.2.18
第5回改定委員会
改
定
- 94 -
資料2
関連データ
1.産業の状況
本市の事業所数の推移と従業者数の推移は、以下のとおりです。
図1 事業所数の推移(産業分類別)
(事業所)
2,500
2,000
1,500
1,443
1,517
604
622
1,576
1,615
1,429
1,647
1,732
524
531
1,438
1,000
500
0
630
576
568
499
0
2
3
4
7
6
5
10
昭和61年
平成3年
平成8年
平成11年
平成13年
平成16年
平成18年
平成21年
第1次産業
第2次産業
第3次産業
[資料:昭和 61 年~平成 18 年は事業所統計調査、平成 21 年は経済センサス基礎調査]
図2 従業者数の推移(産業分類別)
(人)
25,000
20,000
11,499
15,000
8,828
12,641
13,911
10,881
18,813
12,269
16,368
10,000
5,000
0
9,460
9,454
8,368
7,533
7,142
7,015
5,655
5,716
0
15
39
61
95
88
92
87
昭和61年
平成3年
平成8年
平成11年
平成13年
平成16年
平成18年
平成21年
第1次産業
第2次産業
第3次産業
[資料:昭和61年~平成18年は事業所統計調査、平成21年は経済センサス基礎調査]
第1次産業:農林漁業
第2次産業:鉱業、建設業、製造業
第3次産業:電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業、飲食店、
金融・保険業、不動産業、サービス業、公務、他に分類されないもの
- 95 -
2.住宅ストックの状況
(1)住宅の構造の割合
本市の住宅の構造の割合は、平成20年現在、以下のとおりです。
図3 住宅の構造の割合(建て方別)
0%
20%
一戸建
40%
60%
26.8%
80%
100%
1.6%
69.1%
4.0%
長屋建
22.0%
共同住宅
(1~2階)
共同住宅
(3~5階)
共同住宅
(6~10階)
8.0%
44.0%
20.7%
22.0%
20.7%
37.5%
0.3%
2.2%
17.6%
3.5%
0.9%
87.7%
9.6% 0.1%
1.7%
95.6%
共同住宅
(11階以上)
4.4%
100.0%
木造
防火木造
鉄筋・鉄骨コンクリート造
鉄骨造
その他
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
(2)居住面積水準の割合等
本市の居住面積水準の割合等は、平成20年現在、以下のとおりです。
図4 居住面積水準の割合(所有関係別)
0%
〔最低居住面積水準〕
持家
20%
40%
60%
80%
100%
99.8%
0.2%
86.0%
公営の借家
14.0%
88.8%
機構・公社の借家
11.2%
66.4%
民営借家
33.6%
76.8%
民営借家(非木造)
23.2%
88.2%
給与住宅
11.8%
〔誘導居住面積水準〕
67.8%
持家
公営の借家
21.2%
民営借家(非木造)
給与住宅
78.8%
36.6%
機構・公社の借家
民営借家
32.2%
63.4%
13.1%
86.9%
26.6%
73.4%
47.4%
52.6%
水準以上
水準未満
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
- 96 -
図5 居住室の畳数の割合(所有関係別)
0%
持家
20%
8.4%
40%
19.7%
60%
80%
27.7%
100%
41.9%
0.4% 1.9%
借家
30.2%
25.2%
21.4%
15.8%
4.4%
3.0%
12畳未満
12~18畳未満
18~24畳未満
24~30畳未満
30~36畳未満
36畳以上
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
(3)省エネルギー設備のある住宅の割合
本市の省エネルギー設備のある住宅の割合は、平成20年現在、以下のとおりです。
図6 省エネルギー設備のある住宅の割合
0%
太陽熱を利用した温水機器等がある
太陽光を利用した発電機器がある
二重サッシ又は複層ガラスの窓がある
(すべて)
5%
10%
15%
1.7%
0.4%
0.5%
0.2%
10.9%
2.6%
11.8%
二重サッシ又は複層ガラスの窓がある
(一部)
3.0%
持家
借家
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
- 97 -
3.公的賃貸住宅の状況
(1)公共住宅の概要
本市の公共住宅の概要は、平成24年3月31日現在、以下のとおりです。
表1 公共住宅の概要
種別
団地名
都営住宅
主な所在地
多摩ニュータウン向陽台団地
建設年度
向陽台4-5
1987
85
3DK
向陽台6-9
1989
135
2DK-4DK
稲城アパート
大丸630
1965-1980
70
2DK-3DK
大丸アパート
大丸630
2004-2007
300
1DK-3DK
稲城第2アパート
大丸82
1967-1975
204
2DK-3DK
多摩ニュータウン長峰二丁目団地
長峰2-9
1995
30
2DK-3DK
多摩ニュータウン長峰三丁目団地
長峰3-8
1993
293
1DK-4DK
稲城松葉アパート
矢野口1780-1
1976
47
3DK-4DK
1,164
多摩ニュータウン向陽台団地
向陽台4-5
1986
95
2LDK-3LDK
多摩ニュータウン向陽台六丁目団地
向陽台6-9
1989
50
3LDK-3LDK+S
計
市営住宅等
住戸タイプ
多摩ニュータウン向陽台六丁目団地
計
都民住宅
管理戸数
145
ジョイハウスたまがわ
押立410-3
1996
合計
10
1DK-2DK
1,319
[資料:東京都、東京都住宅供給公社、稲城市]
(2)公社住宅・UR賃貸住宅の概要
本市の公社住宅及びUR賃貸住宅は、平成24年3月31日現在、以下のとおりです。
表2 公社住宅・UR賃貸住宅の概要
種別
公社
住宅
UR
賃貸
住宅
団地名
平尾
主な所在地
平尾3-1-1
多摩ニュータウン
ファインヒルいなぎ
多摩ニュータウン
ファインヒルいなぎ
多摩ニュータウン
ファインヒルいなぎ
多摩ニュータウン
ファインヒルいなぎ
多摩ニュータウン
ファインヒルいなぎ
リベレ向陽台
ビュープラザ向陽台
ビスタノーレ向陽台
長峰・杜の一番街
ビューコート若葉台
建設年度
管理戸数
住戸タイプ
1970
1,671
1988-1989
380
1LDK-4LDK
向陽台4-4-2
1990
214
1K-4LDK
向陽台6-11
1992
188
1LDK-4LDK
長峰3-2
1992
401
1LDK-4LDK
若葉台4-33
1999
219
1LDK-4LDK
向陽台5-10
計
2DK-3K
1,402
合計
3,073
[資料:東京都住宅供給公社、独立行政法人都市再生機構]
- 98 -
4.民間住宅の状況
(1)新設着工戸数の推移
本市の新設着工戸数の推移は、以下のとおりです。
図7 新設着工戸数の推移
(戸)
1,500
1,189
1,120
1,107
1,000
828
643
491
500
461
154
174
0
505
442
0
平成17年度
持家
0
平成18年度
貸家
515
414
125
437
187
123
7
733
平成19年度
3
122 174
0
平成20年度
給与住宅
平成21年度
分譲住宅
総数
[資料:東京都統計年鑑]
(2)家賃の状況
東京都の市部の民営借家の家賃の状況は、平成20年現在、以下のとおりです。
図8 家賃の状況(民営借家の1畳当たりの家賃の状況)
0
八王子市
立川市
武蔵野市
三鷹市
青梅市
府中市
昭島市
調布市
町田市
小金井市
小平市
日野市
東村山市
国分寺市
国立市
福生市
狛江市
東大和市
清瀬市
東久留米市
武蔵村山市
多摩市
稲城市
羽村市
あきる野市
西東京市
2,000
4,000
6,000
8,000
4,736
4,820
6,748
6,277
3,325
5,268
4,104
5,663
4,544
5,806
4,989
5,067
4,247
5,879
5,192
3,857
6,077
3,939
4,262
4,099
3,931
4,926
4,684
3,633
3,259
5,083
[資料:平成20年住宅・土地統計調査]
- 99 -
資料3
あ
用語解説
行
■アダプト制度
市が管理する道路・水路・公園・緑地などの公共施設を、市民が義務的活動ではなく自らの
活動と責任で、市と協働で緑化・美化・清掃活動など管理する制度。稲城市では、平成14年8
月から稲城市公共施設アダプト制度として始まった。
■あんしん居住制度
高齢者の入居支援として、利用者(高齢者等)の費用負担により、見守りサービス(緊急時対
応サービス、24時間電話相談)や、万一の場合における葬儀の実施や残存家財の片付けを行う、
(財)東京都防災・建築まちづくりセンターが実施している制度。
■安心して住宅を売買するためのガイドブック〈東京都〉
住宅購入者の利益の保護、住宅の品質確保の促進及び住宅に係る紛争の迅速かつ適正解決を
図ることを目的として平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」
をふまえ、欠陥住宅の発生を未然に防止し、住宅取得の際の不安を少しでも解消することを目
的として、住宅取得時に際し留意する必要がある事項をまとめたガイドブック。
■生垣造成補助金制度
本市では街並み景観の向上や地震時のブロック塀などの倒壊による災害の発生を防止する
ため、道路に接する部分の緑化を推進しており、その一環として、生垣を造ったり、生垣を造
るために既存ブロック塀を撤去したりする場合、造成費の一部を補助する制度。
■稲城市景観色彩ガイドライン
景観づくりの大切な要素のひとつである建築物等の色彩に関するルールを示し、地域の個性
を活かした色彩景観の形成を進めていくための具体的な事項をまとめたもの。建築物等の色彩
(色あい(色相)、明るさ(明度)、鮮やかさ(彩度))について、景観的な視点で誘導を図る
ための手引書。
■稲城市商工会住宅改修等補助金
稲城市民かつ、対象住宅の所有者に対し、住宅のリフォーム工事又は耐震補強工事を市内の
業者が施行した場合、その経費の一部を商工会が補助する制度。
■稲城市生活資金融資あっせん制度
生活資金(教育資金、住宅資金、出産資金)の調達が一時的に困難な市民に対し、稲城市が
取り扱い金融機関に融資あっせんする制度。
- 100 -
■エリアマネジメント
地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等
による主体的な取り組み。
■屋上緑化
建物の屋上を利用して緑化空間を創出する方法。太陽熱の遮断と植物の蒸発散にともなう潜
熱の移動(蒸発潜熱)等により、建築物の冷暖房に要するエネルギー消費の低減、ヒートアイ
ランド現象の緩和、二酸化炭素や大気汚染物質の吸着等の効果がある。
か
行
■介護保険制度
40歳以上の人を被保険者(保険加入者)とした市町村が運営する社会保険制度。
被保険者になると保険料を納め、介護が必要と認定されたときに、費用の一部を支払って介
護サービスを利用することができる。
■借上げ公営住宅
民間の土地所有者等が建設した賃貸住宅を、地方公共団体が借り上げ、公営住宅として供給
する住宅。
■給与住宅
社宅、公務員住宅などのように、会社、団体、官公庁などが所有又は管理して、その職員を
職務の都合上又は給与の一部として居住させている住宅。
■居住面積水準
住生活基本計画(全国計画)において定められた居住面積に関する目標値で、世帯人員に応
じて健康的で文化的な住生活を営む基礎として、必要不可欠な住宅の面積に関する水準である
「最低居住面積水準」と、世帯数に応じて豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタ
イルに必要と考えられている住宅の面積に関する水準である「誘導居住面積水準」がある。
■緊急通報システム
慢性疾患等で常時注意が必要な高齢者に無線発報器等(ペンダント等)を貸与し、急病等の
緊急時に民間緊急通報事業者等に通報するシステム。
■緊急輸送道路
震災時の緊急輸送や応急活動を担う防災拠点等を結ぶ輸送ネットワークとして、道路管理者
が指定する道路。
- 101 -
■減災
災害時において発生し得る被害を最小化するための取り組み(ダメージコントロール)
。
■高齢化率
65歳以上の高齢者人口が、全人口に占める割合。
■高齢者見守りネットワーク
ひとり暮らし高齢者等が住み慣れた地域で安心して自立した生活を継続できるように支援
する。地域住民や協力機関が見守り、問題や異変等に気付いた時に対応するための仕組み。
■子育てに配慮した住宅のガイドブック〈東京都〉
安心して子どもを産み育てられる住まいづくりが広く行われることを目指し、住宅事業者や
都民が子育てに配慮した住宅を検討する際に役立つ技術的なポイントをまとめたガイドブッ
ク。
さ
行
■最低居住面積水準
住生活基本計画(全国計画)において定められた居住面積に関する目標値で、世帯人員に応
じて健康で文化的な生活を営む基礎として、必要不可欠な住宅の面積に関する水準。
単身者25㎡
2人以上の世帯10㎡×世帯人数+10㎡
・3歳未満:0.25人、3歳以上6歳未満:0.5人、6歳以上10歳未満:0.75人として算定す
る。ただし、これらにより算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人とする。
・世帯人数が4人を超える場合は、上記面積から5%を控除する。
・次の場合は、上記の面積によらないことができる。
①
単身の学生、単身赴任者等であって比較的短期間の居住を前提とした面積が確保
されている場合
②
適切な規模の共用の台所及び浴室があり、各個室に専用のミニキッチン、水洗便所
及び洗面所が確保され、上記の面積から共用化した機能・設備に相当する面積を減じ
た面積が個室部分で確保されている場合。
■シックハウス対策
建築材料・内装材等から発散する化学物質による室内空気汚染などに起因する健康への影響
(いわゆるシックハウス症候群)を防止するための、厚生労働省・文部科学省の基準に基づく
対策。
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■借地公園制度
個人や企業などが保有する遊休地等を、地方自治体が土地を購入することなく借地方式によ
り都市公園として整備することで、効率的な都市公園の整備促進を行う制度。土地所有者には、
一定の条件のもとに税の減免措置がある。借地契約の終了などの場合には、都市公園の区域の
廃止が行える。
■住宅困窮者
住宅市場において、自力では適正な居住水準の住宅を確保できない世帯。
■住宅性能表示制度〈国〉
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく制度で、外見や簡単な間取り図等からで
は分かりにくい住宅の性能を10の分野にわたって等級や数値で表示するもの。
■住宅セーフティネット
経済的な危機に陥っても最低限の安全を保障する社会的な制度や対策の一環として、住宅に
困窮する世帯に対する住宅施策のこと。
■住宅手当緊急特別措置事業〈国〉
離職者であって就労能力及び就労意欲のある者のうち、住宅を失っている者又は失うおそれ
のある者を対象として、原則6ヶ月間(最長9ヶ月間)、賃貸住宅等の家賃として住宅手当を
支給するとともに、再就職に向けた支援を行う事業。
■住宅・土地統計調査
住宅に関する実態並びに土地の保有状況、その他住宅等に居住している世帯に関する実態を
5年ごとに調査し、住宅・土地関連諸施策の基礎資料を得ることを目的とした調査。
■住宅の省エネリフォームガイドブック〈東京都〉
住宅の省エネルギー性能の向上を図るためのリフォーム(省エネリフォーム)を検討する際
に役立つ技術情報、効果、実施事例などについて取りまとめたガイドブック。
■新耐震基準
地震に対して建築物を安全に設計するための基準で、昭和56年の建築基準法(施行令)改正
により導入された耐震基準は「新耐震基準」と呼ばれている。中規模の地震(震度5強程度)
に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めてまれにしか発生しない大規模の地震(震度6強か
ら震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない性能水準を規
定している。
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■スーパー堤防事業
堤防の市街地側に盛り土をして堤防の幅を高さの30倍に広げ、その上に住宅などを建設する
事業。
■スマートコミュニティ
スマートグリッドやホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)による消費エネル
ギーの最適化をはじめ、公共交通システムや公共サービスなど、あらゆる側面から社会的イン
フラ及び社会システムを統合的に管理・制御するという概念。また、管理制御が実現されたコ
ミュニティのこと。
た
行
■耐震改修促進計画
耐震改修促進法に基づき、災害に強いまちづくりを実現するために、平成22年3月に策定し
た計画。
■耐震基準
一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない住宅が建築されるよう、建築基準法で定
められた基準。
■地域包括支援センター
介護保険法の改正により、平成18年度から各市町村に設置され、地域住民の心身の健康の保
持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、地域住民の保健医療の向上及び福祉
の増進を包括的に支援することを目的として、包括的支援事業等を地域において一体的に実施
する役割を担う中核的機関。
■地区計画
ある一定のまとまりを持った地区を対象に、安全で快適な街並みの形成や、良好な環境の保
全等を目的に、都市計画法に基づいて市町村が都市計画に定めるもの。土地利用、細街路や小
公園等の小規模な公共施設の配置及び規模、建築物に関する制限や緩和を計画事項とする。
■長期優良住宅
長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき、所管行政庁により認定される住宅で、劣
化対策、耐震性、可変性、省エネルギー性などの性能を有し、長期にわたり良好な状態で使
用できる住宅。認定を受けた住宅は様々な税制優遇の適用がある。
■低炭素社会
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を、低く抑えた社会。
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■東京シニア円滑入居賃貸住宅
高齢者の多様なニーズに対応するため、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅で、東京都で定め
る一定の基準を満たすもの。
■東京都福祉のまちづくり条例
すべての都民が基本的人権を尊重され、自由に行動し、社会参加できるまちを実現させるた
め、平成7年3月に施行。条例では、円滑に利用できるようにするための整備基準を定め、建
築物、道路、公園、公共交通施設など、不特定かつ多数の者が利用する部分を有する施設に対
して適合努力義務を課している。
■東京都マンション環境性能表示制度
「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)に基づき、大規模マン
ションの環境性能に関する情報を、マンションを購入しようとする人に提供することによって、
環境に配慮したマンションに関する選択肢の提供、環境に配慮したマンションが高く評価され
る市場の形成、マンション建築主の自主的な取組の促進を実現することを目的とした制度。
■東京都優良マンション登録表示制度
建物(共用部分)の性能と管理の両面において、一定の水準を確保する分譲マンションを「優
良マンション」として、認定・登録し、公表する制度。
■東京防犯優良マンション・駐車場認定制度
空き巣や不法侵入などの侵入犯罪に対応するため、防犯性能設計に配慮したマンション及び
駐車場を推奨し、広く普及させることにより、犯罪に強いまちづくりを目指すことを目的とし
て、平成16年10月1日から運用開始された制度。
は
行
■バリアフリー
高齢者や障害者等が日常生活をする上で、障害(バリアー)となるものを除去する(フリー)
という意味。もともとは建築用語として登場し、建物内の段差の解消など物理的障害の除去と
いう意味合いが強いものの、より広く障がいのある人の社会参加を困難にしている社会的、制
度的、心理的な全ての障壁の除去という意味で用いられる。
■壁面緑化
つる植物やツタ類などで建物の外壁を覆ったり、ベランダにフラワーポットや花壇などを設
置して外部から見える緑化空間を創出する方法。太陽熱の遮断と潜熱消費による建築物の冷暖
房に要するエネルギー消費の低減、ヒートアイランド現象の緩和、二酸化炭素や大気汚染物質
の吸着等の効果がある。
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■ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)
IT技術の活用により、人に代わって家電機器等の最適運転や照明のオン・オフ、更にはエ
ネルギーの使用状況をリアルタイムで表示する等、家庭におけるエネルギー管理(省エネ行動)
を支援するシステム。
ま
行
■マンション改良工事助成制度〈東京都〉
分譲マンションの適正な維持管理の促進を目的として、建物の共用部分の外壁塗装や屋上防
水、バリアフリー化など、計画的に改良・修繕する管理組合に対し、(独)住宅金融支援機構
と連携した助成(利子補給)を実施するもの。
■マンション管理士
マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づく国家資格で、管理組合の運営、管理
規約の改正、大規模修繕工事などマンションの管理に関する様々な問題に対して、専門的知識
や経験をとおして解決を支援するための有資格者。
■緑の基本計画
都市緑地法に基づき、緑地の保全や緑化の推進に関して、その将来像、目標、施策などを定
めるもの。
や
行
■家賃債務保証制度
高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯、外国人世帯および解雇等による住居退去者世帯が賃
貸住宅に入居する際の家賃債務等を保証し、賃貸住宅への入居を支援する制度。
■ユニバーサルデザイン
年齢や障害の有無などにかかわらず、すべての人にとって使いやすいデザイン。
ら
行
■リフォーム
傷んでいるところを直して長持ちさせたり、住む人の生活の変化にあわせて便利にしたりと、
大切な住宅により長く、より快適に住み続けるために行うもの。大きく分けると、増築、改築、
改装、修繕などがある。
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稲城市住宅マスタープラン
発 行 日 平成25年(2013年)3月
発
行
稲城市
〒206-8601 稲城市東長沼2111
電話 042-378-2111(代表)
編
集
稲城市都市建設部都市計画課
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