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1 1. 序 2 2. シナリオの実施:ゲームのプレイ 8 3. プレイの
1. 序 2 7. ビークル 36 1.1. コンセプト 1.2. コンポーネント 2 2 2. シナリオの実施:ゲームのプレイ 8 2.1. キャンペーンとシナリオの選択 2.2. マップの配列 2.3. 編組 8 8 8 3. プレイの手順 10 7.1. 命令 7.2. ビークルの活性化 7.3. 移動 7.4. 輸送 7.5. ビークルの活性化とアクション 7.6 対戦車戦闘の解決 7.7. 対戦車戦闘の結果 36 37 37 37 39 40 40 8. 視認性 41 8.1. 照明弾 8.2. 暗視装置 8.3. 煙幕 41 41 41 9. 敵 41 9.1. 接敵可能性 9.2. 敵戦力の登場 9.3. 視認 9.4. 敵のアクション・チェック 9.5. 地雷原、ブービートラップ、クレイモア地雷 9.6. 狙撃兵 9.7. 指揮官 9.8. 間接砲撃観測員 9.9. 敵の弾薬 9.10. 敵のビークル 41 42 44 44 45 45 45 46 46 46 46 3.1. 3.2. 3.3. 3.4. 3.5. 3.6. 3.7. 3.8. 自軍上級 HQ イベントフェイズ 防御シナリオ:敵軍アクション・フェイズ 自軍命令フェイズ 10 10 10 攻撃シナリオと威力偵察での敵軍アクション・フェイズ 11 両軍(自軍と敵軍)捕虜確保・撤退フェイズ 両軍(自軍と敵軍)ビークルフェイズ 両軍(自軍と敵軍)戦闘フェイズ 整理フェイズ 12 12 12 12 4. 指揮統制 14 4.1. 命令ポイント 4.2. アクション 4.3. 通信(連絡) 14 14 21 5. 移動と地形 23 5.1. 移動 5.2. 地形 23 25 6. 歩兵戦闘 28 10. 回復、再編成、経験 28 29 30 31 32 32 33 34 35 10.1. 10.2. 10.3. 10.4. 10.5. 10.6. 6.1. 6.2. 6.3. 6.4. 6.5. 6.6. 6.7. 6.8. 6.9. 戦闘手順 兵器の種類と制限 火力(VOF) 主射撃方向(PDF) 擲弾攻撃 集中射撃 間接砲撃任務 弾薬 戦闘効果 Translation: “Survivor” Suzuki 1 回復と再編成 経験ポイントの獲得 ユニットのレベルアップ 補充兵 交代 複数ステップのユニットの経験レベル 46 47 47 47 47 47 11. 勝利条件 48 11.1. 失敗したシナリオの再挑戦 11.2. 解任 48 48 分隊の内訳 49 1. 序 1.1.3. シナリオ 各キャンペーンには 7 つのシナリオがあるが、「単独」で 1 シナリオをプレイすることもできる。そのため、ブリーフィン グ・ブックの各シナリオに対応したシナリオ・インストラクショ ンには、そのシナリオ独自のルールと表が掲載されてい る。 “Fields of Fire”(射界)は、第二次世界大戦(WWII)からベ トナム戦争までの期間の戦闘を、歩兵中隊の指揮官(通 常は大尉)を任じてプレイするソリテアゲームである。この 役割のもとで、史実に基づくキャンペーンを構成する一連 のシナリオを遂行する。キャンペーンの期間中、麾下の部 隊は経験を重ねて成長し、負傷兵が出たら補充要員を受 け入れる。 シナリオのプレイは、準備と実行の 2 段階に大きく分けら れる。準備とは、シナリオの設定・立案作業を指す。実行 は移動とアクションにあたり、一連のフェイズで区切ったゲ ームターンをプレイしてゆく。ターンの間、麾下の部隊は 命令を受け、それをアクションに転化する。敵戦力は、ル ールやシナリオの表にしたがって、自動的に登場し、アク ション・チェックでアクションを処理する。プレイの手順は、 プレイヤーが攻撃側か防御側かによって若干異なる。 1.1. コンセプト ゲームのプレイには、カードのデッキ(山札)2 つ(地形デッ キとアクションデッキ)、担当中隊と敵の部隊(ユニット)の 構成員を表すカウンターと種々のマーカーを使う。地形デ ッキで、シナリオをプレイするマップを作る。アクションデッ キは、指揮統制から戦闘等の行動の解決に至るまで、ゲ ームの多くの手順で使用される。 1.2. コンポーネント 1.1.1. 縮尺 a. 陸上の縮尺 陸上の縮尺は抽象化されている。各地形カードは地理的 な区域を表し、その広さは中隊指揮官が、声や手信号で 部隊の指揮統制を無理なく実行できる広さである。区域の サイズは地形にもよるが、錯雑地で 10~20 メートル、もう 少し開けた地形で 40~100 メートル以上である。そのため、 距離と視認線も抽象的なものとなっている。 プレイに使用するコンポーネントには何種類かある。本項 では、コンポーネントに関する情報を記し、以降でそれら をどう組み合わせて使うかについて述べる。 ゲームに含まれているものは以下のとおり。 ・本ルールブック ・ブリーフィング・ブック ・55 枚のカードからなるノルマンディ地形デッキ ・55 枚のカードからなる朝鮮半島地形デッキ ・55 枚のカードからなるベトナム低地地形デッキ ・50 枚のカードからなるアクションデッキ ・4 枚の両面刷りのヒント・カードと 1 枚のリシャッフル・カー ド ・5 シートの 5/8 インチのカウンターとマーカー(計 880 個) ・1 枚の両面刷りの 11 インチ×17 インチサイズのプレイヤ ー・エイド・カード(表類) ・2 枚の両面刷りの 8.5 インチ×11 インチサイズのプレイヤ ー・エイド・カード(表類) ・1 枚のコマンド・ディスプレイ(片面のみ) ・1 枚の両面刷りのシナリオログ(消耗品) b. 時間的尺度 1ターンの時間幅も抽象化されており、基本的に 5~30 分 の範囲である。シナリオは、定められたターン数の間続き、 通常は 10~12 ターンである。ターンに制限があるのは、 疲労と小火器弾の消費の累積的な影響を含めているから である。 c. ユニット(部隊)の規模 歩兵ユニットは 2~3 のステップ(戦力段階)を有し、各ステ ップは 2~3 名の兵士を表す。2~3 ステップのユニットを分 隊と呼び、1 ステップのユニットを班と呼ぶ。車両や航空機 のユニットは、1 両の車両や 1 機の航空機を表す。 1.2.1. 地形カード キャンペーンごとに、当該地域にみられる地勢を表す地 形デッキがある。各シナリオの指示にしたがって地形カー ドを縦横の格子状にランダムに並べて、プレイをするマッ プを作る。 1.1.2. キャンペーン 3 つのキャンペーンから 1 つを選ぶ。これで、使用できるユ ニット、装備、達成すべきシナリオが決まる。ブリーフィン グ・ブックの対応するキャンペーン・インストラクションには、 投入可能な戦力と装備、遭遇する敵戦力が記載されてい る。 2 例A LOS 境界線 がる。地形カードの下にある丘陵カードをずらして置くと判 別しやすくなる(5.2.2.)。 Slow:車両は進入したら停止 地形 特記 No:車両は進入不可 事項 市街掩蔽物 掩蔽 E. LZ の余地 ヘリコプターを使用するキャンペーンでは、この表記があ る カ ー ド は 、 着 陸 地 帯 (Landing Zone, LZ) に 使 え る (7.3.2.)。 間接砲撃 VOF 修整 F. 掩蔽物の余地 掩蔽物とは、カード内でより防御効果の高い場所を見つ けて、活用することを抽象的に表したものである。これを軍 では、「微地形」と呼んでいる。カードの左下に、数字の入 ったアイコンがある(大抵は樹木か建物)。この数字は、カ ード内で見つけられる掩蔽物マーカーの上限を示す。カ ードの中央下にも、数字の入ったアイコンがある。この数 字は、掩蔽物を探し出す際に引くカードの枚数である (5.2.3.)。 非市街掩蔽物 掩蔽物確保でカ ードを引く枚数 A. 掩蔽 左上の丸で囲まれた数字は、カードの地形に固有の防御 値を示し、このカードに存在する全ユニットが利点を得る。 一部のカードは 2 つの数値が併記されている。暗緑色の 境界線を横断する射撃に対しては大きい方の数字を使う。 白い境界線を横断してくる曲射榴弾砲や迫撃砲による間 接砲撃や、当該カード内からの射撃に対しては低い方の 数字を使う。迫撃砲の直接照準射撃については、カード の境界線の色にしたがう。 G. 高度/複数階 一部のカードの右上にアイコンがあるが、これは高度差 (±1 レベル)ないしは複数階の建物の有無を示すもので ある(5.2.2.)。 B. 地耐力 戦車のアイコンに“SLOW”や“NO”と記されていれば、当 該カードの地耐力が、車両に制限を課すものとなってい る。”SLOW”は、車両が当該カードに入った際に停止しな くてはならないことを意味する。“NO”は、車両が当該カー ドに入れないことを意味する(7.3.1)。 I. スタック制限 カードに書かれていないが、どのカードも片方の陣営で最 大 16 ステップと 4 ビークルが存在できる。ステップがビーク ルに乗っていれば、この制限に換算しない。 H. 間接砲撃 VOF 修整 カードに炸裂アイコンがあれば、間接砲撃火力(Incoming Volume of Fire, Incoming VOF)の修整にアイコン内の数 字を適用する(6.3.2.)。 1.2.2. アクションカード アクションカードは、どのキャンペーンでも使用する。多く の「伝統的な」ウォーゲームでチャートやダイスが果たす 目的を、このゲームではアクションカードが果たす。 C. 視認境界線 各カードの周縁には白や暗緑色の線分で描かれた境界 線がある。暗緑色の境界線は視認線(LOS)を遮断するが、 白い境界線は遮断しない(5.2.1)。1 枚の地形カードには 最大 8 枚のカードが接するため、各カードの境界線は 8 つの部分に分かれる。対角線上の隣接カードから射撃が 来た場合、対応する角の実線部分を用いる。直交して隣 接するカードから射撃が来た場合、対応する辺の破線部 分を用いる。 A. 命令セクション カードの左上のセクションには 2 つの数字が記されおり、 左上のヘルメット内に大きな数字、その右下の米軍星章 の中に小さい数字がある。ヘルメット内の数字は、HQ が 活性化した際に使用できる命令の回数を示す。星章内の 小さい数字は、HQ が活性化していない時に使用できる命 令の回数を示す(イニシアティブという)。 D. 丘陵 丘陵カードの上に地形カードを乗せて、乗せたカードの 高度を 1 レベル上げる。複数の丘陵カードを載せてプレイ することもあり、この場合はカード 1 枚につき 1 高度ずつ上 3 例B Contact(接敵) Cover(掩蔽物) Rally(回復) のいずれか カード番号 活性化による 命令ポイント Spotted(視認) Concentrated Fire(集中射撃) Grenade!(擲弾[手榴弾]) Call for Fire(砲撃要請) Infiltration(浸透) アイコンのいずれか イニシアティブ による命令ポ イント 歩兵射撃 セクション 対戦車値 命中効果セクション ラ ン ダ ム数 字 セクション 上級 HQ イベント B. アクション試行セクション 中央の大きなセクションには、特定のアクションの試みが 成功したか否かを示す、種々のアイコンや絵が載ってい る。 ていないカードを引き終える。 1.2.3. ユニット ビークルでないユニットは、歩兵ユニットであり、識別記号、 シンボル、火力(VOF)、ステップ数、射程値が記載されて いる。 C. 歩兵射撃セクション カードの左側のセクションには、-4 から+6 の数字と HIT (命中)、PIN(釘付け状態)、MISS(失中)の文字が縦に記 されている。数字は、火力、掩蔽物、その他様々な条件を 加味した最終的な修整値である。HIT、PIN、MISS の文字 は、目標が有効な攻撃を受けたかどうかを示す。 A. 分隊 分隊は、2~3 ステップのユニットであり、ゲームにおいて 主体となる機動歩兵戦闘ユニットである。 火力 S=小火器 A=自動火器 H=重火器 G!=擲弾(手榴弾) S!=狙撃兵 D. 命中効果セクション アクション試行セクションの下にあり、歩兵ユニットに命中 した時に、目標ユニットの経験レベル(ベテラン、一線級、 新任)に応じて受ける効果を決めるのに使う。 E. ランダム数字セクション(R#) カードの下部にあるのが、ランダムな数字を出すセクショ ンである。多くのゲーム上の目的から、種々の選択肢から ランダムにどれかを選ぶことが要求される。上の数字が選 択肢の数で、下の数字が結果である。例えば、3 つの選択 肢からどれを使うのかを決めるには、単に 1 枚のカードを 引き、3 の列を見る。2 が 3 の下にあると、2 つ目の選択肢 を使うことになる。 ユニットの ID 射程 P=至近距離 C=近距離 L=遠距離 V=超遠距離 ステップ B. 司令部(HQ) 1 ステップのユニットで、中隊の指揮要員とし て機能する。表(おもて)面には、VOF も射程 も記されていない。これは指揮モード面であり、 自身や他のユニットにアクションを実行させる時はこの面 を使う。裏面は火力班面で、VOF と射程が記されている。 この面は、ユニットが直接的に交戦し、主たる指揮機能を 制限する際に使う。 F. カードを引く アクションデッキの無作為性が十分で、適正な配分結果を 得られるよう、大半のアクションにはカードを引くことが要 求される。求められる枚数全部を引いて結果を判定するこ と。何か結果を出すまで引き続けることも、少ない枚数で やめることも不可である。リシャッフル・カードが出たら、こ れを抜いて再度シャッフルし、リシャッフル・カードをデッキ の真ん中あたりに戻す。再度シャッフルしたら、まだ引い C. 前進観測員(FO)/弾着観測員 1 ステップのユニットで、その目的は、迫撃砲 や曲射榴弾砲による間接砲撃任務を要請し たり、近接航空支援を管制することである。表 面には VOF と射程が記されておらず、これは観測員とし ての面となる。裏面は火力班面で、VOF と射程が記され 4 ており、ユニットが直接的に交戦する際に使う。火力班面 では、砲撃要請ができない。 A. 戦闘マーカー(VOF、PDF、十字砲火) 赤色のマーカーである。戦闘解決時に戦闘 修整を求めるのに使う。 D. 重火器班 1 ステップのユニットで、機関銃、ロケット弾発 射機、迫撃砲、無反動砲といった、特定要員 が扱う火器の操作班を表す。 B. 暴露状態/釘付け状態マーカー 移動時に暴露状態になったユニットには、マ ーカーの表面を使い、戦闘時に釘付け状態 になったユニットには裏面を使う。各面には 修整値があり、マーカーを乗せたユニットの戦闘修整に加 味する。 E. ビークル 各ユニットは、単機の車両や航空機を表す。 カウンターにおさまりきれない情報は、ビーク ル・対戦車兵器表に記載されている。 C. 戦術統制マーカー 指揮官がマップに置いて、火力と機動の統制 の一助とする戦術統制マーカーを表す (2.3.4) F. 制限アクション班(LAT) 強襲班、火力班、担送班、無力化班に分類 される、1 ステップのユニットである。プレイの 最中に戦闘や命令によって登場するもので、 それぞれ独自の制限が課せられる。 D. 掩蔽物マーカー 掩蔽物マーカーには 3 種類(基本掩蔽物、市 街掩蔽物、野戦構築物)ある。カード内にあ って、より大きな掩蔽を与える特定の場所を 表す(5.2.3)。 G. 負傷兵 戦死や戦傷によって戦闘能力を喪失した 1 ス テップのユニットである。能力は何もない。後 送や捕虜の可能性があるため存在する。 E. 弾薬 弾薬は、ある種の兵器についてのみ記録をと り、シナリオログに記しておく。ただし、弾薬が 戦場で輸送された場合、このマーカーで弾薬 を表す。各マーカーの数字は、弾薬ポイント数を示す。 H. 幕僚 中隊 HQ や、それより上級の HQ を補佐する 1 ステップのユニットである。中隊レベルでは、 先任将校(Executive Officer, XO)や曹長(first Sergeant, 1stSgt)である。上級 HQ のレベルになると、幕僚 には、連隊長(Regimental Commander, Rgt Cmdr)、旅団 長 (Brigade Commander, Bde Cmdr) 、大 隊長 (Battalion Commander, Bn Cmdr) 、 大 隊 作 戦 将 校 (Battalion Operations Officer, BN S-3)が含まれる。中隊と上級の 2 つのレベルは、ゲームにおいて別々の働きをする。大隊 の幕僚ユニットの経験レベルは一線級とみなす。 F. 接敵可能性/情勢 接敵可能性マーカーと情勢マーカーはとも に、シナリオの最中での敵の登場を規定す るのに使用する(9.1.)。 G. 天候/視認性 視認性マーカーは、現在の視認性が戦闘修 整に与える影響を確認するのに使う。 I. 伝令 何の能力値もない 1 ステップのユニットである。 無線や電話による連絡網が使えない時に、 中隊 HQ と小隊 HQ が通信できるようにする。 1.2.5. プレイヤー・エイド A. シナリオログ(両面刷り、消耗品) 1 回のシナリオで 1 枚のシナリオログを使い、以下の情報 を記録する。 ・中隊編成 ・ユニットの経験レベル ・負傷兵 ・使用可能/消費した弾薬 ・使用可能/完了した砲撃任務 ・使用可能な信号弾について事前指定したアクション J. アセット 無線、電話、電話線、信号弾発射機といった 様々な装置を表すカウンターである。通常は、 配置の労とマップが乱雑になるのを軽減する ため、コマンド・ディスプレイに置く。 1.2.4. マーカー ”Fields of Fire”では、メモ書きや記憶しておくべき情報を 減らすため、様々な情報マーカーを使う。 5 隊の HQ から命令を受ける。第 1 小隊の HQ は、中隊 HQ の隷下である。中隊 HQ は大隊 HQ の隷下であり、大隊 HQ は連隊 HQ の隷下にある。つまり、第 1 小隊のユニット は、第 1 小隊 HQ、中隊 HQ、大隊 HQ、連隊 HQ、ないし はそれらの幕僚から命令を受けられるが、第 2 小隊 HQ か らは命令を受けられない。制限アクション班は、どの HQ や幕僚ユニットからでも命令を受けられる。 ・シナリオに投入されないユニットないしはステップ B. プレイヤー・エイド・カード これには、プレイに必要な表類が載っている。 C. コマンド・ディスプレイ これは、数字の列とカウンター控置欄の描かれた片面刷り のシートである。数字の列は、ターンと蓄えた命令ポイント を記録するのに使う。無線、電話、信号弾発射装置のよう なアセットを、HQ と指揮官に分配するための控置欄もある。 また、後送負傷兵やマップから取り除かれたユニットを置く 欄もある。 命令とアクション HQ は、命令ポイントを使用することで指揮統制を行使す る。HQ が命令ポイントを多く持っていれば、それだけ麾下 のユニットを命令して、目標を達成させる能力が大きくなる。 1 個の HQ は、アクションカードを 1 枚引くことで、命令セク ション(1.2.2.A)に記されている、活性化/イニシアティブ命 令ポイントを得る。次いで、HQ はアクションを起こすため の命令ポイントを消費することで、ユニットは移動、射撃、 回復といった様々なアクションを実行に移す(4 章)。 D. ブリーフィング・ブック この冊子には以下の情報が掲載されている。 ・使用方法を説明した導入部 ・各キャンペーンについて、中隊編成や使用可能な装備 を記したキャンペーン・インストラクションと、登場する敵戦 力の組成を記した敵戦力表がある。 ・21 個のシナリオの各々について、準備、プレイ、終了と 経験の判定に必要な全情報が、シナリオ・インストラクショ ンに詳しく記載されている。通常、各シナリオ・インストラク ションの最初のページに米軍戦力の情報が記載され、そ の次のページに敵戦力の情報が記載されている。 ・各キャンペーンの史実情報(訳注:未訳) 差し替え ユニットの差し替えとは、戦闘やアクションの結果としてユ ニットの能力が変化することをいう。プレイの過程で、ステ ップ、班、LAT が、種々の LAT に差し替わる。 経験レベル ユニットの経験度が、アクションが成功する可能性を左右 する。経験を積んだユニットであれば、アクションを成功さ せる可能性が高くなる。全ての歩兵ユニットは、新任、一 線級、ベテランのいずれかの経験レベルを持つ。ユニット は、ブリーフィング・ブックのキャンペーン・セクションに記 された経験レベルでキャンペーンを開始する。シナリオの 最中に中隊は経験ポイントを獲得し、これによって次回の シナリオに生き延びたユニットの経験レベルが向上する。 1.2.6. 用語や概念 隣接 あるカードの隣にカードがあれば、そのカードは隣接して いる。対角線上のものを含め、1 枚のカードに隣接しうるカ ードは 8 枚になる。 アセット アセットとは、指揮統制に活用する機材のことである。アセ ットには、信号弾発射器(煙幕弾と照明弾。4.3.6.)、無線 機(4.3.5.)、電話(4.3.4.)がある。普通は HQ と幕僚が、これ らの機材を携えている。使用準備が整うまで、コマンド・デ ィスプレイの所定の欄に置いておく。 統制状態のユニット 制限アクション班でない歩兵ユニットを指す。 照明(下) 地形カードが照明弾によって照らされていることを指す。 歩兵ユニット ビークルでないユニットは、歩兵ユニットである。ルールで ユニットという用語が使われていれば、これは歩兵ユニット のことを指している。 分属 各シナリオ・インストラクションには、当該シナリオで使用で きる追加のユニットがある。シナリオの開始前に、それぞれ を 特 定 の HQ に 割 り 当 て 、 シ ナ リ オ ロ グ に 記 録 す る (2.3.3.)。 再編成 再編成とは、プレイから取り除かれた中隊 HQ や小隊 HQ の補充として(シナリオからシナリオの合間に)統制状態の ユニットを現地昇格させるか、2~3 個の班から 1 個分隊を (シナリオ間に)プレイに復帰させることを意味する (10.1.)。 指揮系統 全ユユニットは、シナリオ開始時には特定の HQ に属して いる。HQ は、隷下のユニットと HQ、そして自身に対して のみ発令できる。例えば、第 1 小隊のユニットは、第 1 小 6 1.2.7. 一般的な略語 ステップ ステップとは、ユニットの規模を示す基本単位である。ユニ ットは、1~3 のステップを持ち、各ステップは 2~4 人の兵 士を表す。2~3 ステップのユニットは、プレイの最中に自 発的ないしは戦闘の結果として、別々のユニットに分割さ れることがある。ユニットの所有する兵器は多様なため、ル ール末尾に各種ユニットの分割方法について図示されて いる。 火力に関する略語 S –小火器火力(Small Arms Fire) A –自動火器火力(Automatic Weapons Fire) H –重火器火力(Heavy Weapons Fire) G! – 擲 弾 / ロ ケ ッ ト 弾 発 射 機 火 力 (Grenade/Rocket Launcher Fire) S! –狙撃火力(Sniper Fire) 班 班とは、1 ステップのユニットを指す。ゲームで使用する班 には何種類かある。 ・FO 班-前進観測ユニットのことで、曲射榴弾砲、迫撃砲、 航空機といった盤外部隊による火力支援を与える。 ・重火器班-特殊な兵器とそれを扱う操作班からなるユニ ットのことで、機関銃、無反動砲、迫撃砲が含まれる。 ・制限アクション班(LAT)-戦闘効果フェイズに、命令か戦 闘結果によって登場するユニットを指す。名称のとおり、 能力には制限が課せられている。LAT とは、4 種の LAT (突撃班、火力班、担送班、無力化班)を指す総称的な略 語である。 指揮統制班-HQ、幕僚、伝令ユニットを指す。 距離(射程)に関する略語 P –至近距離(同一カード)(Point Blank Range) C –近距離(隣接カード)(Close Range) L –遠距離(2 枚先のカード)(Long Range) V –超遠距離(3 枚先のカード)(Very Long Range) 一般的な略語 BDE –旅団(Brigade) BN –大隊(Battalion) CAS –近接航空支援(Close Air Support) CO –中隊(Company) FAC –前線航空統制官(Forward Air Controller) FO – 前進観測員(Forward Observer) FM –砲撃任務(Fire Mission) FPF –最終防御射撃(Final Protective Fire) FPL –最終防御線(Final Protective Line) HQ –司令部(Headquarters) LAT –制限アクション班(Limited Action Team) LOS –視認線(Line of Sight) MTR –迫撃砲(Mortar) NCM –(最終的な)戦闘修整(Net Combat Modifier) NET – 通 信 網 ( 電 話 や 無 線 ) Network (Phone or Radio) PDF –主射撃方向(Primary Direction of Fire) PLT –小隊(Platoon) RCL –無反動砲(Recoilless Rifle) RGT –連隊(Regiment) RKT – ロケット弾発射機(Rocket Launcher) SGT –軍曹、曹長(Sergeant) SQD –分隊(Squad) TM – 班(Team) VOF – 火力(Volume of Fire) XO –先任将校(Executive Officer) ビークル ヘリコプター、装軌車両、半装軌車両、装輪車両を指す(7 章)。 プレイから取り除く(除去) 分隊が 2 ステップより減って火力班になるとか、班が担送 班、無力化班、負傷兵に差し替えとなるなど、他のカウン ターと交換されるユニットは、マップから取り除かれる。この ようにして取り除かれたユニットは、再編成でしか戻ってこ れない(10.1)。 戦闘ユニット 戦闘ユニットには、統制状態ユニット、突撃班、火力班、 VOF が印刷されたユニットがある。 占領、掃討、確保されたカード 地形カード内に最低 1 個の自軍ユニットがあれば、そのカ ードは占領されている。敵ユニットや接敵可能性マーカー がなければ、そのカードは掃討されている。占領かつ掃討 されている地形カードは確保されている。掃討されている かどうかを決めるのに、敵の負傷兵や VOF マーカーは無 視する。 1.2.8. エキスパンション ルールの概念やカードのアイコンの中には、本ゲームで 使用されないものがある(朝鮮半島の地形デッキの着陸 地帯や一部の夜間観測装置等)。これらについては、別 7 個に販売されるモジュールや” C3i Magazine”の記事で紹 介される拡張シナリオで使われる予定である。 2. シナリオの実施:ゲームのプレイ ゲームは、実際的な範囲内で、歩兵指揮官が自身の職責 をいかに果たすべきかを追求している。指揮官による部隊 の指揮には 8 つの手順がある。 ・任務の受命 ・準備命令の発令 ・仮計画の立案 ・移動の開始 ・偵察 ・計画の遂行 ・発令 ・監督 2.2.1. 地形カードの配置 (シナリオの詳細で別記なければ)地形デッキをシャッフル し、所要枚数の地形カードをランダムに配置する。格子状 に配置する際は、列の間に若干の隙間を空ける。こうすれ ば、丘陵の存在がすぐ分かり(訳注:ずらして置くため)、 カードの間に置くマーカー用のスペースができる。シナリ オが進むにつれ、敵戦力の登場によりマップを拡張するこ とがあるため、地形デッキは手許に置いておく。 2.2.2. 視認性、情勢、接敵可能性のマーカー配置 シナリオの詳細には、今回のシナリオの視認性が記されて いる。各シナリオは、情勢―接敵なしマーカーを置いて開 始する。マップの上の方に視認性マーカーと情勢マーカ ーを置く。シナリオ・インストラクションには、接敵可能性マ ーカー配置セクションもあり、使用する接敵可能性マーカ ーの種類が記されている。これは、9.1.2 に従い地形カー ドに置く。 最初の 7 手順は、第 1 ターンが始まる前に行うが、重要性 は劣らない。 2.1. キャンペーンとシナリオの選択 WWII-ノルマンディ、朝鮮戦争-ナクトン、ベトナム戦争 -第 3 軍団のキャンペーンから 1 つ選ぶ。キャンペーン開 始時であれば、1 つめのシナリオから始める。フルキャン ペーンを始める代わりに、キャンペーンの 1 シナリオだけ をプレイすることもできる 。いずれにせよ、ブリーフィング・ ブックの中隊戦闘序列で、使用可能な戦力とシナリオ・イ ンストラクションを確認する。特にシナリオ開始時の情報に ついては、シナリオの詳細のセクションをよく確認する。 2.3. 編組 編組とは、ある任務を達成するために、軍隊の組織に分 属させたり、抽出することをいう。例えば、1 個小隊を火力 基盤にしたい時は、機関銃を分属して火力を増し、与えら れた任務の達成に貢献できるようにする。 2.3.1 シナリオログの記入 シナリオログに印刷されている情報について説明は不要 であろう。これに、シナリオ・インストラクションの情報をその まま転記できる。使用可能なユニット全てについての経験 レベルと携行弾薬、使用可能な火力支援に関する情報を 書き留める。 2.2. マップの配列 シナリオの詳細には、マップ作成に地形カードを縦横何 枚必要とするかが記されている。縦列は、左から右へ縦に カードを置く枚数を指し、横列は手前から奥へ水平方向 に置いてゆく列数を指す。よって、4 縦列で 3 横列のマッ プは図のようになる。別記なければ、地形カードのおもて を上にして置く。史実キャンペーンにおいて使用できるマ ップ(訳注:本来の意味での地図)の質が粗悪なシナリオ については、カードを裏にして置くように指示される。 2.3.2. コマンド・ディスプレイへのアセット割り当て コマンド・ディスプレイを使いやすい位置に広げる。使用 可能な通信や信号に用いるアセットを、該当する控置欄 に任意に割り当てる。 2.3.3. シナリオログに分属と信号弾に関する情報を記入 シナリオログに基本編制の変更点と、分属ユニットの名称 を書き留める。シナリオの最中に、これらを変更することは できない。シナリオ・インストラクションで、今回のシナリオ に使用可能と記されたユニットを分属できる。さらに、キャ ンペーン・インストラクションで中隊の一部として記載され 8 横列の上に置かれる。これら 4 つの統制線によって、プレ イヤーのユニットがシナリオの間は出られない 1 個の矩形 を形成する。敵ユニットがこの矩形の外に置かれることは あり、プレイヤーのユニットはそれらと射撃戦はできるが、 矩形から離れることはできない。統制点には、攻撃発起位 置(Attack Position, AP)、主目標(Primary Objective, OBJ 1)、副次目標(Secondary Objective, OBJ 2)がある。これら の統制点はシナリオ・インストラクションに従って配置する が、配置場所にはある程度の裁量が与えられている。AP は、目標に至る前の最後の掩蔽地とされ、両目標に接近 できる場所を指定するとよい。両目標は、いったん占領し たら固守できるような、防御に適した所(=掩蔽値が高い) が望ましい。 ているが、小隊レベルでは配属されていないユニット(重 火器分隊等)を個々の小隊 HQ に分属させることができる。 別記なければ、分属ユニットは一線級の経験レベルでシ ナリオを開始する。中隊に不可欠なユニットは、規定どお りに経験を獲得する。小隊に分属するユニットは、当該シ ナリオの間は、あらゆる点において小隊の一部とみなす。 加えて、信号弾の意味も書き留めておく。実際の指揮官と ほぼ同じように、立案時間が短くなったら、独自の作戦規 定(Standard Operating Procedure, SOP)を定めるとよい。 例えば、グリーンスター・パラシュート(訳注:落下傘で宙を 漂う発煙弾)はカード 1 枚分の前進、レッドスター・クラスタ ーは射撃停止の意味と指定できる。 B. 防御シナリオ 防御シナリオで使用する統制線は、主抵抗線(Main Line of Resistance, MLR)だけである。これは、敵の攻撃を食い 止めようとする個所の前方にある統制線である。米軍ユニ ットは(前哨を除き)中間準備エリアと MLR の間に配置す る。MLR の配置箇所についてはシナリオ・インストラクショ ン を参 照 す る 。 防 御 シナ リ オ で は、 戦 闘 前 哨 (Combat Outpost, COP)統制点を加えることができる。これは、MLR より前方に 1 個小隊までの戦力を配置する陣地で、MLR に来る前に敵の攻撃態勢を混乱、分裂させるよう意図した ものである。さらに、最終防御線(Final Protective Lines, FPL)と最終防御射撃(Final Protective Fires, FPF)もある が、これは防御射撃計画に用意されたものである。詳細に ついては戦闘ルールで述べる(6.4.2.と 6.7.2.)。 2.3.4. 戦術統制マーカーの配置 戦術統制マーカーは、機動と火力支援を調整し、また味 方への誤射を防ぐために使用する種々の統制標示である。 指揮官は、戦術地図に統制標示を描きこむが、プレイヤ ーは、それを表すマーカーを用いる。特定種のシナリオに 使う戦術統制マーカーもあれば、そうでないものもある。戦 術統制マーカーには、1 枚のカードに使う統制点と、戦線 を示す統制線の 2 種類がある。統制線は、縦横の列の継 ぎ目に沿うものである。シナリオの種類は、シナリオ・インス トラクションのシナリオの詳細に記載されている。 A. 攻撃シナリオ 攻撃シナリオの統制線は、左右の境界線、攻撃開始線 (Line of Departure, LOD)、フェイズ・ライン(Phase Lines, PL)、進出限界(Limit of Advance, LOA)である。 C. 威力偵察 威力偵察シナリオにも、主抵抗線を含むことができる。こ れは、偵察を開始するにあたり自軍戦線の位置を標示す るものである。これ以外で威力偵察に使う戦術統制マーカ ーは、いずれも統制点である。偵察活動では、経路点で 示した経路をたどる。経路は、交差したり折り返すことがあ るので、1 枚のカードに複数個の経路点を置くこともある。 最も遠い地点を示すのに主目標マーカー(OBJ 1)を使う。 威力偵察の最中に、信号弾で指示できる集結地点を作る こともできる(ないしは計画時に事前指定する) ・LOD は、攻撃のための公式的な開始線を表す。これは、 マップに沿って水平に置く。 ・PL は、隣接するユニットと連携、前進するために使う。2 個までの PL をマップと水平に置ける。信号弾と共に主要 なアクションに使える。 ・左右の境界線は、ユニットの前進を禁止するものである。 (縦列に沿って)垂直に置き、いったん置かれたらそれを 越えてはならない。ただし、敵ユニットはこの境界線の外 に置かれることはあり、プレイヤーのユニットはそれに対し 応射はできるが、境界線を越える移動はできない。 D. 汎用的な戦術統制マーカー ある種の戦術統制マーカーは、どのシナリオにも使え、計 画時に使うことも、シナリオ進行中に使うこともできる。これ には、着陸地帯(LZ, 7.3.2.)、負傷兵収容地点(5.1.4.)、医 療後送 LZ(5.1.4)、事前指定目標(6.7.4.)がある。また、シ ナリオに使用できる FPF マーカー(6.7.2.D)も置く。ヘリコ プターは、LZ 戦術統制マーカーで指定されたカードにし か着陸できない。負傷兵は、負傷兵収容地点や医療後送 LZ から後送される。迫撃砲や曲射榴弾砲による間接砲撃 任務の迅速化をはかるため事前指定目標標示を使える。 ・LOA は水平方向の境界を定めるもので、シナリオの最中 にそれを越えることはできない。境界線と同様、LOA の向 こうに敵ユニットが存在することはあり、プレイヤーのユニッ トはそれに応射はできるが、境界線を越える移動はできな い。シナリオに別記なければ、LOD は中間準備エリアと横 列 1 の間の線であり、左右の境界線は、初期設定マップ の左右の端にあり、LOA は、初期設定マップの一番上の 9 ・中間準備エリアに存在できるユニット数に制限はない。 ・ヘリコプターは、ヘリコプター中間準備エリアにいるか、 マップ上にいるかのどちらかである。 ・通信目的では、主中間準備エリアの全カード間で視認 線は通じている。つまり、中間準備エリアでは、ユニット間 の LOS を必要とする無線を使える。中間準備エリアでは 電話線は不要である(中間準備エリアの全カードには電 話線が走っている)。ヘリコプター中間準備エリアにはどこ からも LOS は通じない。 ・裏面を上にした地形カードを、中間準備エリアの代用と して使える。 FPF マーカーがあれば、盤外の砲撃部隊は速射を行え る。 2.3.5. 中間準備エリアと航空強襲計画 大抵の軍事作戦では、きたる任務に備えるため、部隊の 事前集結地域がもうけられている。多くのシナリオでも使 われるこの地域を中間準備エリアとよび、基本的にマップ 外の横列になった概念上のカードである。ヘリコプターの 移動に際しては、マップと隣接しない中間準備エリアを 2 エリア与えられる。1 つは揚収エリア、もう 1 つは途上エリア となり、両方とも LZ の行き来に使われる。 2.3.6. 航空強襲計画 一部のシナリオは、航空強襲ないしは搭載移動によって 開始できる。ヘリボン・シナリオでは、シナリオ計画時に着 陸計画(7.4.5)を立案する。中隊全体を乗せられないことも ありうる。分隊は 1 ステップを陸上に残すことができるが、 そのことはシナリオログに記しておく。 中間準備エリアには以下のルールを適用する。 ・中間準備エリア内のユニットは射撃できず、射撃を受け ることもないが、通常の移動により主(非ヘリコプター)中 間準備エリアからマップに出入りする。 ・ユニットは、主中間準備エリアの概念上のカード間を地 形カードと同じように移動できる。 ・ユニットは、マップからヘリコプター中間準備エリアのどち らにも入る(もしくは出る)ことはできず、2 つの地域間を移 動することもできない。 3. プレイの手順 3.2.1. 敵軍上級 HQ イベントフェイズ(第 2 ターンに開始) 自軍上級 HQ イベントフェイズと同じ働きをするが、敵軍の イベントはシナリオ・インストラクションの別の箇所に列挙さ れている。 計画と配置が終わったら、シナリオを 1 ターンずつプレイし てゆく。各ターンは、フェイズとインパルスに分割される。 シナリオが、攻撃シナリオ、威力偵察、防御シナリオである かによって手順は異なる点に注意する(最初の 2 つは同じ 手順)。 3.1. 自軍上級 HQ イベントフェイズ 第 2 ターンより、アクションカードを 1 枚引く。それに HQ ア イコンがあれば、さらに 1 枚のアクションカードを引いて下 部の R 値を確認し、シナリオ・インストラクションを見て、ど のイベントが起きるのかを判定する。その中には、イベント をこのターンに達成させた場合にのみ経験ポイントを得る ものがあるが、これをするのは任意である。ほかに差し迫 ったことがあると思えば、経験ポイント獲得を見逃しても構 わない。上級 HQ イベントで消費が必要な命令ポイントは、 中隊 HQ が消費する。 3.2.2. 敵軍アクションチェック・セグメント 第 1 ターンは除いて、PC マーカーをシナリオ・インストラク ションの指示に従って、配置する(初期配置時に PC マー カーは配置済みなので第 1 ターンにはこれをする必要は ない)。マップ上の敵ユニットごとに実行するアクションをチ ェックする。この時、上級 HQ のイベントによる制限に留意 する。敵が占領するカードをチェックする順序はランダム に決める。選ばれたカードにいる複数の敵ユニットのチェ ックは、優先アクション・チェック表に記載の状態に従って、 上から順に行う。 3.3. 自軍命令フェイズ このフェイズでは、自軍中隊のユニットに、移動と戦闘に 関連したアクションを実行させる。ユニットは、命令ポイント を消費し、命令を受けることでアクションを実行する。命令 フェイズでユニットがアクションできるようにする(訳注:以 降は活性化と表現)順序は、大隊、中隊、小隊へと上級か ら下位の指揮系統を伝う。HQ は、上級 HQ によって活性 3.2. 防御シナリオ:敵軍アクション・フェイズ 2 つある、どちらの敵軍アクション・フェイズも同じものであ る。プレイの手順でいつ起こるかは、シナリオの種類によ って変わる。 10 化させられるか、自身がイニシアティブを取って活性化す る。活性化させられる HQ は、イニシアティブを取る時より も多くの命令ポイントを得やすい。4.1 項で説明するように、 命令ポイントを得るために引くカードの枚数は、HQ の経 験レベルと HQ のおかれた状況による修整を受ける。この フェイズに、ビークルのユニットを活性化した時は、活性化 マーカーを置いて、ビークルフェイズに使用できることを忘 れないようにしておく。 アクション(4.2.)を行う。小隊 HQ の命令ポイントは、この小 隊 HQ の小隊に所属ないしは分属したユニットだけが消 費できる。経験レベルや昼夜の別に基づく最大値まで命 令ポイントを蓄えることもできる。前に蓄えておいた命令ポ イントを消費することもできる。1 個の小隊 HQ/中隊幕僚 ユニットの命令ポイントを消費し終えるのを待ってから、他 のユニットから与えられる命令ポイントを消費する必要性 はない。 3.3.1. 活性化セグメント A. 大隊 HQ インパルス 大隊 HQ がマップ上になくとも、中隊 HQ が大隊 HQ と通 信がとれていれば、中隊 HQ は自動的に活性化する。大 隊 HQ がマップ上にいれば、中隊 HQ は最大許容命令ポ イントとして日中シナリオにおいては 6 ポイント、夜間シナリ オにおいては 4 ポイントを得る(コマンド・ディスプレイの数 字欄には、備忘のためこの制限値が記されている)。つい で、通信が維持されている自軍ユニットについて命令ポイ ントを消費する(これには中隊 HQ を活性化することも含 む)。大隊 HQ の命令ポイントを蓄えておくことはできない。 1 個の小隊 HQ/中隊幕僚ユニットの命令ポイントを消費し 終えるのを待ってから、他のユニットから与えられる命令ポ イントを消費する必要性はない。 3.3.2. イニシアティブ・セグメント A. 中隊 HQ インパルス(活性化してない場合) 前のセグメントで中隊 HQ を活性化していない場合、アク ションカードを 1 枚引き、(米軍星章内にある)イニシアティ ブ命令ポイントを修整したものを(4.1.2.)、このターンに与 えられる命令ポイントとする。活性化セグメントの命令イン パルスと同じように、命令ポイントを消費(4.2.)したり、蓄え ておく。 注:上級 HQ の指揮官(連隊/旅団長、大隊長、大隊 XO/S-3)がマップ上にいれば、大隊 HQ はマップ上にい るものとみなす。 B. 小隊 HQ インパルス(活性化してない場合) 前のセグメントで活性化していない小隊 HQ のそれぞれに ついて、アクションカードを 1 枚引き、イニシアティブ命令 ポイントを修整した数値(4.1.2.)を、このターンに与える命 令ポイントとする。活性化セグメントの命令インパルスと同 じように、命令ポイントを消費(4.2.)したり、蓄えておく。小 隊 HQ の命令ポイントは、この小隊 HQ の小隊に所属ない しは分属したユニットだけが消費できる。 C. 中隊幕僚インパルス(活性化してない場合) 前のセグメントで活性化していない中隊幕僚のそれぞれ について、1 命令ポイントを与える。活性化セグメントの命 令インパルスと同じように、命令ポイントを消費(4.2.)したり、 蓄えておく。 B. 中隊 HQ インパルス 中隊 HQ が、大隊 HQ によって活性化した場合、アクショ ンカードを 1 枚引き、(ヘルメットの絵柄の中に記載の)活 性化命令ポイントをカード枚数修整表(4.1.2.)で修整して、 このターンに与えられる命令ポイントとする。ついで、アク ションメニュー(4.2)に従い命令ポイントを、通信がとれてい る自軍ユニットのアクションのために消費し、アクションを 実行させる。経験レベルと昼夜の別に基づく最大値まで 命令ポイントを蓄えることもできる。前に蓄えておいた命令 ポイントを消費することもできる。 D. 基本イニシアティブ・インパルス アクションカードを 1 枚引き、イニシアティブによる命令ポイ ントに等しい数値を命令ポイントとして、任意のユニット(複 数可)に対して消費する(4.2.)。発令に HQ や幕僚ユニット は必要としない。シナリオが威力偵察であれば、数値を半 分にして、端数を切り捨てる。通常のカード枚数の修整は 適用しない。 このインパルスでは、小隊 HQ や中隊幕僚を活性化させる こともできるが、以前のターンに派遣された統制状態の伝 令と同じカードにいるという条件がつく。伝令を中隊 HQ に 戻し、暴露状態とする。戻ってきたのと同じインパルスに、 この伝令を派遣することはできる。 3.4. 攻撃シナリオと威力偵察での敵軍アクシ ョン・フェイズ C. 小隊 HQ・中隊幕僚インパルス 前のインパルスで活性化した小隊 HQ や中隊幕僚のそれ ぞれについて任意の順番でアクションカードを 1 枚引き、 修整(4.1.2.)を加えた命令ポイントを与える。ついで、命令 ポイントを消費して、通信が維持されている自軍ユニットの 3.2 と同じ手順を踏むが、例外として各ターンのアクション チェック・セグメントに新たな PC マーカーを置かず、シナリ オの最後まで初期配置時に置いたマーカーを使う。敵軍 上級 HQ イベントは即座に実施する。イベントの影響を受 けるユニットについては、このターンはそれ以上のアクショ 11 今ある間接砲撃/航空攻撃 VOF マーカーを取り除く(6.7.)。 砲撃任務予定マーカーを裏返す。必要に応じ、情勢マー カーを変える。 ン・チェックを行ってはならない。 3.5. 両軍(自軍と敵軍)捕虜確保・撤退フェイ ズ 無力化班や担送班が、カードに単独で存在しており(=そ のカードに他の自軍部隊がいない)、敵の統制状態のユ ニット、強襲班、火力班のいずれかが同じカードに存在し ていれば、捕虜となる。キャンペーン・インストラクションの 指示で捕虜をとらない場合、捕虜ユニットは自動的に負傷 兵に差し替わる(捕虜を得た側が捕虜を撃つ)。そうでな ければ、VOF が印刷されたステップが、捕虜となったステ ップをいくつでも監視、移送できる。移送するには、監視 兵を移動させ、捕虜を無条件に監視兵とともに移動させる。 捕虜となったユニットは、他のユニットと同じように VOF に さらされるが、負傷や釘付け状態を除く結果は無視する。 各陣営とも、VOF マーカーがあるカードにいる無力化班 で、釘付けや捕虜になっていないものは、カード 1 枚分撤 退させる。撤退先の優先度は、VOF がなくて、より高い掩 蔽物を得られ(=掩蔽物修整が今いるカードよりも高い地 形カード)、その班にとって盤端ないしは LZ へ近づくカー ドである。撤退する無力化班には、暴露状態マーカーを 乗せる。 3.6. 両軍(自軍と敵軍)ビークルフェイズ 活性化したビークルは移動/射撃ができる(7 章)。両陣営 の車両が活性化したら、交互に移動/射撃をするが、攻撃 シナリオや威力偵察では自軍プレイヤーが先手で、防御 シナリオでは後手になる。ビークルの戦闘は全て実行する。 これらのユニットの活性化が終わったら、活性化マーカー を移動/射撃済みの面に裏返す。 B. 接敵可能性マーカーの評価 接敵可能性マーカーと自軍ユニットの両方が存在する地 形カードのそれぞれについて、接敵可能性を判定する。 これには、PC マーカーの種類と接敵可能性カード表 (9.1.5.)に示された情勢レベルに基づいて何枚かのアクシ ョンカードを引く。アクションカードの 1 枚に” Contact”(接 敵)の文字が記されていれば、接敵となる。 接敵となれば、情勢マーカーの状態を即座に変える。敵 ユニットとの接敵であれば、当該シナリオの接敵可能性表 から、登場する敵戦力はどれになるのかを判定する。当該 シナリオの PC 配置表と配置ルール(9.2.)に従い、その戦 力をマップに置く。自軍ユニットは、VOF マーカーや PDF マーカーを置くことで、登場したユニットと自動的に交戦す る。シナリオログに、この新たな敵ユニットを書き加える。 3.7.2. 戦闘効果セグメント 最初に、射撃の失中発生時(6.9.1.)と同様に、VOF マーカ ーのないカードにいるユニットから釘付け状態マーカーを 取り除く。次に、6.9 にしたがい、VOF マーカーのあるカー ドにいる歩兵ユニットごとに、戦闘修整(6.1.2.)を求め、1 枚 の アク ショ ン カー ド を引 いて、射 撃 の効 果 を 判定 する (6.1.3.)。ユニットに命中すれば、アクションカードをもう 1 枚引いて、ユニットの経験レベルに応じた命中効果を判 定する。また、このターンに引き起こされた地雷原 VOF 攻 撃を解決する(9.5.)。全ての戦闘を解決したら、戦闘結果 による VOF マーカーと PDF マーカーの変化を更新し(6.3 と 6.4)、地雷原は、“Draw”面に返す(9.5.)。 3.8. 整理フェイズ 信号弾、照明弾、煙幕、暴露、移動/射撃、集中射撃、擲 弾、擲弾失中のマーカーを取り除く。WWII と朝鮮戦争の シナリオでは、負傷兵収容地点の戦術統制マーカーのあ る地形カードに降ろされた負傷兵は、後送される。防御シ ナリオでは、判定されていない PC マーカーを取り除く。 3.7. 両軍(自軍と敵軍)戦闘フェイズ このフェイズに全歩兵の戦闘を実行する(6.1)。これは、今 のターンが扱う時間に生じた累積的な交戦活動を抽象化 したものである。 3.7.1. 火力セグメント 火力(VOF)、主射撃方向(PDF)、集中射撃、擲弾、擲弾失 中、十字砲火のマーカーにより、戦闘修整を求める。敵軍 アクション・フェイズ、命令フェイズ、戦闘フェイズのいずれ かにおいて、マップ上の状況が変わったら、これらのマー カーを取捨する。 A. 砲撃任務の更新 12 活性化による 命令ポイント イニシアティブ による 命令ポイント 命令の例 1. 上級 HQ がマップにいなければ、中隊 HQ は自動的に活性化する。アクションカードを 1 枚引いて、左上のヘルメット の図柄にある大きい方の数字を命令ポイントとする。 2. 第 3 小隊 HQ が同じカードにいるが、これは掩蔽物マーカーの下にいない。中隊 HQ は、1 命令ポイントを消費して、 第 3 小隊 HQ を活性化させる。 3. 活性化幕僚/小隊 HQ セグメントで、第 3 小隊 HQ はアクションカードを 1 枚引き、左上の命令ポイントを受け取る。 4. 第 3 小隊 HQ は 1 命令ポイントを消費して、第 3 小隊第 1 分隊に移動を命じる。 5. 中隊 HQ が第 3 小隊第 1 分隊に直接命令を与えることができたが、中隊には 9 個分隊と重火器班が複数おり、能率性 に問題があった。可能な限り、指揮系統を活用するのがベストである。 6. 中隊 HQ は、隣のカードにいる第 2 小隊 HQ と SCR536 無線で連絡がとれている。無線、電話、信号弾、伝令は、どれ も HQ によるユニット命令能力を他のカードにまで広げる働きをする。第 2 小隊 HQ を活性化するため 1 命令ポイントを消 費する。 7. ついで第 2 小隊 HQ は、第 2 小隊第 2 分隊に何かをさせるために 1 命令ポイントを消費する。 注:中隊 HQ は、直接に第 2 小隊第 2 分隊を命令することはできない。この分隊は無線機を持っていないためである。 9. 仮にどちらの小隊 HQ も活性化していない場合、イニシアティブをとるためにカードを引き、右の四角の中の小さい方 の数字を命令ポイントとして受け取る。 13 4. 指揮統制 “Fields of Fire”の核は、HQ や幕僚が命令ポイントを得て、 それをアクションに交換し、自身や他のユニットを操作す ることにある。命令ポイントをアクションに交換することを、 命令(発令)と呼ぶ。これは、HQ が口頭や書面による命令 を与えて、HQ の意図を効果的に伝えるという行為を抽象 化したものである。命令ポイントの制限は、HQ の時間、指 導力、状況把握力の制限を表している。制限はあるが、命 令ポイントは貯めて後のターンで使うことができる。これは、 HQ が戦闘計画を作成するための時間を費やしていること を表している。 4.1. 命令ポイント 4.1.1. 命令ポイントの獲得 命令フェイズの該当するインパルスにおいて、HQ と幕僚 のそれぞれに命令ポイントを与える。HQ や幕僚が、指揮 系統で上級にある HQ によって活性化させられた場合、ア クションカードのヘルメットの図柄にある活性化による命令 ポイントを使う。活性化しなければ、星章内のイニシアティ ブによる命令ポイントを使う。命令ポイントを得るためにカ ードを引く時に、命令ポイントを貯めておきたいのか、それ まで貯めておいた命令ポイントを使いたいのかを決めて おく。そして、以降の制限にしたがいつつ、ポイントを合計 して即座に消費する。 引く時は、修整後の命令ポイントがゼロになることもある。 攻撃シナリオや防御シナリオであり、基本イニシアティブ のためにカードを引くのであれば修整はしない。威力偵察 シナリオでは、基本イニシアティブの値は半分にして、端 数は切り下げる。これは中隊の一部しか使用しないためで ある。 4.1.3. 命令ポイントの制限 日中のシナリオでは、HQ や幕僚が 1 インパルスで消費で きる命令ポイントは最大 6 となる。制限視認性下(=視認 性修整が+1 を超える)のシナリオでは、最大値は 4 となる。 HQ や幕僚は、自身の経験レベルに基づき、命令ポイント を貯めて後で使うことができる。その要領は以下のとおり。 ・新任では日中で最大 3、制限視認性下では最大 2 ・一線級では日中で最大 6、制限視認性下では最大 4 ・ベテランでは日中で最大 9、制限視認性下では最大 6 コマンド・ディスプレイに該当する HQ の蓄積命令ポイント (Saved Commands)マーカーを置いて、貯めた命令ポイン トを記録する。インパルスで消費した命令ポイントを記録 するには、HQ の命令ポイント配分(Commands Allocated) マーカーを使う。代わりに、シナリオログに総計を記録して おくこともできる。 4.1.2. 命令ポイントの修整 (活性化セグメントかイニシアティブ・セグメントかに関わら ず)命令ポイントを得るためにカードを引いたら、アクション カードの数値を以下にとおり修整する。 4.1.4. HQ と幕僚の火力班 HQ と幕僚が火力班の面を表にしていれば、自身にしか 発令できない。さらに、上級 HQ によって活性化できず、イ ニシアティブを得るためにカードを引かなくてはならない。 HQ と幕僚が、強襲、担送、無力化の班に差し替わってい れば、再編されるまで発令はできない。 A. HQ や幕僚が、 ・釘付け状態であれば-1 ・新任であれば-1 ・ベテランであれば+1 ・掩蔽物マーカー(野戦構築物も含まれる)の下にいれば +1 4.2. アクション HQ や幕僚と連絡がとれている(4.3.)隷下のユニット(1.2.6. の指揮系統の制限にしたがう)のアクションには、その HQ や幕僚の命令ポイントを消費する。基本イニシアティブ・イ ンパルスは、HQ、幕僚、連絡を必要としない特例である。 ユニットは、1 インパルスにおいて、複数のアクションを実 行できるが、1 種類のアクションは 1 インパルスに 1 回しか できない。例えば、1 つのユニットに断線した電話線の修 復と伝令の任命を同じインパルスに命令できるが、さらに 伝令の任命を命令することはできない。 B. HQ や幕僚のいるカードに、 ・小火器(S)の VOF があれば-1 ・自動火器(A) の VOF があれば-2 ・重火器(H)、狙撃兵(S!)、間接砲撃の VOF があれば-3 C. 情勢が「接敵なし」であれば+1 上級 HQ により活性化させられた HQ は、修整値に関わら ず最低 1 は命令ポイントを得る。イニシアティブでカードを アクションには、無条件にできるものと、試行が必要とされ 14 るものがある。 ・無条件にできるアクションは命令ポイントを消費した直後 に実行する。これには、アクションカードを引く必要はな い。 ・アクションを試行するには、まずアクションカードを引く。 掩蔽物確保を除き、基本的に引く枚数は 2 枚である。掩 蔽物確保に引くカードの枚数は、地形カードに記載され ている。 試行するユニットの経験レベルに応じてカードを引く枚数 を修整する。視認については、視認試行カード修整表に 従う。試行が成功するか否かは、何を試行するのかによっ て変わってくる(後述する個別の事例を参照)。 試行可能なアクションは、4 部門に分類されるが、これは 参照の便を考えての分類に過ぎない。全てのユニットが全 てのアクションをできるわけではない。その制限について は後述しており、プレイヤー・エイド・カードのアクション・メ ニューには要約を載せている。アクションは、名称、必要 命令ポイント、命令の種別(無条件に成功なのか試行の 必要があるのか)、発令者(命令ポイントを消費するユニッ ト)、命令受命可能なユニット、内容の詳細が記載されて いる。基本イニシアティブ・インパルスに命令ポイントを消 費する際は、受命者が同時に発令者である。 以降の表に適用される注記を挙げる。 1. (±)は、経験レベルに応じてカードを引く枚数を修整す ることを意味する。受命者がベテランであれば 1 枚増え、 新任であれば 1 枚減らす。アクションを試行するユニットの 経験レベルであって、命令ポイントを消費する HQ や幕僚 の経験レベルではない点に注意。 2. 「カード」としか表記されていなければ地形カードを指 す。アクションカードを指すときは、略記していない。 3. 小隊のアクションを実行する時は、小隊 HQ を小隊内 の 1 ユニットとみなしてカードを引く。 4. 指揮系統や通信上の制限については表内で明記しな いが、どれについても適用する。 15 4.2.1. 指揮統制アクション 名称 ポイント カード 発令者 受命者 詳細 a. 隷下の HQ か幕僚を活性 1 引く必要なし HQ か幕僚 隷下の HQ か幕僚 発令者と受命者は、指揮モード面であること(3.3.1) b. 訓示 1 引く必要なし HQ か幕僚 隷下ユニット なんらかの試行が失敗したら宣言。さらに 1 枚カードを引く。 c. 信号弾の使用 1 引く必要なし HQ か幕僚 信号弾のアセットを所持 コマンド・ディスプレイのアセットを、使用ユニットのいるカードに使用済み面を上にして置く。 する統制状態のユニッ シナリオログに、この信号に関連するアクションが記されていれば、惹起されるアクションを ト 全て実行/試行する(4.3.6、第 8 章)。 小隊内の統制状態ユニ 受命者を 1 ステップ減らし、受命者のいるカードに小隊 HQ を戻す。経験レベルは新任とな ット る。 化 d. 小隊 HQ の再編成 e. 中隊 HQ の再編成 1 1 引く必要なし 引く必要なし 中隊 HQ か幕僚 大隊 HQ か中隊 中隊幕僚か小隊 HQ 幕僚 マップにいて指揮モード面の、以下のユニットのいずれか(記載の順で優先)から中隊 HQ を 再編成する。中隊先任将校、中隊曹長、第 1 小隊 HQ、第 2 小隊 HQ、第 3 小隊 HQ、第 4 小隊 HQ。 f. 伝令の任命 g. 伝令の派遣 h. 伝令の解任 i. ビークルフェイズに、ビー 1 1 1 1 引く必要なし 引く必要なし 引く必要なし 引く必要なし クルか対戦車戦闘能力のあ 中隊 HQ 統制状態ユニット、強襲 受命者を 1 ステップ減らし、受命者のいるカードに伝令を置く。いかなる時も、同時に 2 名の 班、火力班 伝令がいてはならない(4.3.2)。 統制状態の伝令ユニッ 伝令を、次のターンに活性化させたい小隊の HQ か幕僚へと移動する。伝令には暴露マー ト カーを乗せる(4.3.2)。 統制状態の伝令ユニッ 伝令を取り除き、伝令や中隊 HQ と同じカードにいる統制状態のユニットで少なくとも 1 ステ ト ップを吸収できるものに 1 ステップ加える。 指揮系統内の 非釘付け状態の、ビー 当該ユニットに活性化マーカーを置く。これは、ビークル移動・戦闘フェイズに移動や射撃を HQ か幕僚 クルか対戦車戦闘能力 する(7.2、7.5)。 中隊 HQ 中隊 HQ る歩兵ユニットを活性化 j. 無線/電話を別の通信網 のある歩兵ユニット 1 引く必要なし HQ か幕僚 に切り替える 無線か電話を所持する 同種の無線か電話を、取り除かれたものと交換する。例えば、SCR300 大隊戦術通信網が ユニット 破壊された場合、SCR300 間接砲撃指揮通信網を、SCR300 大隊戦術通信網に切り替える ことができる(4.3.4、4.3.5)。 k. 切断された電話線の修復 1 引く必要なし 切断面の電話線 切断面の電話線マーカ マーカーと同じカ ーと同じカードにいる統 ードにいる HQ か 制状態のユニット 電話線マーカーを通常面に戻す(4.3.4)。 幕僚 l. 新たな戦術統制マーカー の指定 1 引く必要なし HQ か幕僚 発令者である HQ か幕 僚自身 16 命令ポイントを消費する HQ と同じカードに、新たな戦術統制マーカーを置く(2.3.4)。 4.2.2. 移動アクション 名称 a. 隣接カードへ移動 ポイント 1 カード 引く必要なし 発令者 HQ か幕僚 受命者 詳細 暴露マーカーの乗っていない統制状 ユニットを隣接するカードに移動させ、暴露マーカーを乗せる。移動先に掩蔽物が 態のユニット(場合によっては LAT) あれば、掩蔽物マーカーの下に置くことができる。塹壕、掩蔽壕、トーチカの掩蔽 物マーカーの下から、隣接カードにあるこういった掩蔽物マーカーの下に移動した ら、暴露マーカーを乗せない(5.1)。 b. 1 個小隊を隣接カードへ移 2 引く必要なし 小隊 HQ 動 当該小隊に属し、同じカードにいて暴 当該小隊内の各ユニットは、「隣接カードに移動」アクションをする(5.1)。 露マーカーの乗っていない統制状態 の全ユニット c. 隣接カードへの浸透の試 1 み 浸透アクションと HQ か幕僚 して 2 枚(±)引く。 暴露マーカーの乗っていない統制状 今いるカードか浸透先のカードに VOF マーカーがあること。2 枚(±)のアクションカ 態のユニット(場合によっては LAT) ードを引く。浸透アイコンがあれば、試行は成功となる。ユニットを隣接カードへ移 で、A と矢印のシンボルも H VOF もな 動させるが暴露マーカーは乗せない。浸透先に掩蔽物カードがあれば、掩蔽物マ いもの。 ーカーの下に置くことができる。試行に失敗すれば、通常の「隣接カードへ移動」 アクションをする(5.1)。 d. 1 個小隊で隣接カードへの 2 浸透の試み 浸透アクションと 小隊 HQ して 2 枚(±)引く。 当該小隊に属し、同じカードにいて暴 当該小隊内の各ユニットは、「隣接カードに浸透」アクションをする(5.1)。 露マーカーの乗っていない統制状態 のユニット(場合によっては LAT)で、A と矢印のシンボルも H VOF もないも の。 e. 掩蔽物確保の試み 1 掩蔽物ナンバー HQ か幕僚 統制状態のユニット(場合によっては カードの掩蔽物の余地を超えてはならない。ユニットのいるカードの掩蔽物ナンバ (±) だ け カ ー ド を LAT)で掩蔽物マーカーの下にないも ーの数(±)だけアクションカードを引く。掩蔽物アイコンがあれば、試行は成功とな 引く。 の。 る。ユニットを新たに置いた掩蔽物マーカーの下に置き、暴露状態とする。試行に 失敗したら何もしない(5.2.3)。 f. 掩蔽物の出入り g. 掩蔽物への/からの浸透 1 1 の試み 引く必要なし 浸透アクションと HQ か幕僚 HQ か幕僚 して 2 枚(±) 引 統制状態のユニット(場合によっては ユニットを掩蔽物マーカーの下に置き、暴露状態とする(1 回のアクションで、掩蔽 LAT) 物マーカーの下から別の掩蔽物マーカーの下に移動できる)(5.2.3)。 暴露マーカーの乗っていない統制状 ユニットのいるカードには VOF マーカーがあること。2 枚(±)のアクションカードを引 態のユニット(場合によっては LAT) く。浸透アイコンがあれば、試行は成功となる。ユニットを掩蔽物マーカーの下に く。 置くが暴露マーカーは乗せない(1 回のアクションで、掩蔽物マーカーの下から別 の掩蔽物マーカーの下に移動できる)。試行に失敗すれば、通常の「掩蔽物の出 入り」アクションをする(5.2.3)。 h. 輸送 1 引く必要なし HQ か幕僚 統制状態のユニット(場合によっては ユニットは、今いるカードないしは別のユニットから装備を回収する。ビークルは、 LAT) 弾薬、負傷兵(5.1.3)、歩兵ユニットを乗せたり降ろしたりする(7.4)。 17 4.2.3. 回復アクション 名称 ポイント カード 発令者 a. 釘付け状態マーカーを取 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 り除く試み b. 無力化班を担送班に差し 替える試み c. 担送班を火力班に差し替 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 える試み d. 火力班を強襲班に差し替 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 える試み e. 強襲班を火力班に差し替 1 引く必要なし HQ か幕僚 える試み f. ユニットを火力班面から表 受命者 詳細 釘付け状態マーカー 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、釘付け状態マー のあるユニット カーを取り除く。試行に失敗したら何もしない。 釘付け状態でない無 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、無力化班を担送 力化班 班に差し替える。試行に失敗したら何もしない。 釘付け状態でない担 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、担送班を火力班 送班 に差し替える。試行に失敗したら何もしない。 釘付け状態でない火 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、火力班を強襲班 力班 に差し替える。試行に失敗したら何もしない。 釘付け状態でない強 強襲班を火力班に差し替える。 襲班 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 に返す試み 発令する HQ か幕僚自 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、ユニットを表に返 身か、釘付け状態でな す。試行に失敗したら何もしない。 い火力班で、表が重火 器班、FO、HQ のもの g. 班の分遣 1 引く必要なし HQ か幕僚 統制状態の 3 ステップ 分隊を 2 ステップ面に返し、1 個の強襲班か火力班を今いるカードに置く。 からなる分隊 h. 分隊補充 1 引く必要なし HQ か幕僚 統制状態の 2 ステップ 班を取り除き、分隊を 3 ステップ面に返す。 からなる分隊と釘付け 状 態 で ない 火 力 班 か 強襲班 i. 分隊再編成の試み 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 釘付け状態でない強 襲班や火力班 2、3 個 2 枚(±)のアクションカードを引く。回復アイコンがあれば、試行は成功となり、2 個ないしは 3 個 の班を取り除き、以前に取り除かれた 2 ステップないしは 3 ステップの分隊に差し替える。試行 に失敗したら何もしない。 j. ユニットを火力班面に返す 1 引く必要なし HQ か幕僚 火力班面 のある統制 状態のユニット 18 ユニットを火力班面に返す。 4.2.4. 戦闘アクション 名称 ポイント カード 発令者 a. 視認の試み 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 b. 集中射撃の試み 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 受命者 詳細 統制状態のユニット(場合 2 枚(±)のアクションカードを引く。引く枚数は視認修整表の修整を受ける。十字線アイコンがあ によっては LAT) れば、試行は成功となり、PC?マーカーを 1 個取り除く。試行に失敗したら何もしない(9.3)。 統制状態のユニット(場合 2 枚(±)のアクションカードを引く(6.2 にしたがい、三脚架の機関銃による射撃では追加で 1 枚 によっては LAT)で、S、A、 引く)。カードに十字線アイコンがあり、目標のユニットが視認されており、かつ射撃ユニットの A/S、H の VOF のもの 射程/LOS 内にあって、PDF に沿っていれば、試行は成功し、目標ユニットに集中射撃マーカー を置く。試行に失敗したら何もしない(6.6)。 c. 1 個小隊による集中射撃 2 2 枚(±)引く。 小隊 HQ の試み d. 擲弾攻撃の試み 1 2 枚(±)引く。 HQ か幕僚 同じカード内の同じ小隊の ユニットごとに 2 枚(±)のアクションカードを引く(6.2 にしたがい、三脚架の機関銃による射撃で 統制状態のユニット(場合 は追加で 1 枚引く)。カードに十字線アイコンがあり、目標のユニットが視認されており、かつ射 によっては LAT)で、S、A、 撃ユニットの射程/LOS 内にあって、PDF に沿っていれば、試行は成功し、目標ユニットに集中 A/S、H の VOF のもの全て 射撃マーカーを置く。試行に失敗したら何もしない(6.6)。 統制状態のユニット(場合 2 枚(±)のアクションカードを引く。手榴弾アイコンがあれば、試行は成功となり、擲弾攻撃を 1 によっては LAT) 回行う。同じカードにいて、VOF 能力のある非釘付け状態の敵ユニットに対して試行が成功し たら、その敵は無償で 1 回の擲弾攻撃をする。試行に失敗すれば、目標カードに擲弾失中 VOF マーカーを置き、敵味方問わずこのカードにいる全員に対し、それによる戦闘修整が適用 される(6.5)。試行に成功しても、攻撃解決前に目標が他のカードへ移動したら、擲弾失中とみ なす。 e. 1 個小隊による擲弾攻撃 2 2 枚(±)引く。 小隊 HQ の試み f. FO による砲撃要請の試み 1 n 枚(±)引く。 HQ か幕僚 同じカード内の同じ小隊の 当該小隊に属する各ユニットが、擲弾攻撃を試行する。ただし、いくつ失敗しても、擲弾攻撃失 統制状態のユニット(場合 敗 VOF マーカーは 1 個しか置かない(6.5)。試行に成功しても、攻撃解決前に目標が他のカード によっては LAT) へ移動したら、擲弾失中とみなす。 統制状態の FO シナリオ・インストラクションが指示する枚数(±)のアクションカードを引く(6.7.5 による事前指定 がなされていれば 1 枚追加で引く)。カードに炸裂アイコンがあり、砲撃要請の要件(6.7.1)を満 たしていれば、試行に成功する。シナリオログに記した使用可能な砲撃任務を 1 つ消費し、目 標カードに砲撃予定マーカーを置く(6.7)。 g. 盤外砲撃部隊への砲撃 1 n 枚(±)引く。 HQ か幕僚 要請の試み 発令者である HQ か幕僚 シナリオ・インストラクションが指示する枚数(±)のアクションカードを引く(6.7.5 による事前指定 自身 がなされていれば 1 枚追加で引く)。カードに炸裂アイコンがあり、砲撃要請の要件(6.7.1)を満 たしていれば、試行に成功する。シナリオログに記した使用可能な砲撃任務を 1 つ消費し、目 標カードに砲撃予定マーカーを置く(6.7)。 h. 盤上迫撃砲への間接砲 撃要請 1 引く必要なし HQ か幕僚 発令者である HQ か幕僚 発令者の LOS 内で、迫撃砲の射程内にある、視認された敵のいるカードに VOF マーカーを置 自身 く。諸制限については 6.7.4 を参照。 次ページへ続く 19 i. 射撃停止 j. 射撃目標変更 k. FPF/FPL の射撃 1 1 1 引く必要なし 引く必要なし 引く必要なし HQ か幕僚 HQ か幕僚 中隊 HQ 1 カード内の全員(命令を 当該カードにいる者から生じた VOF/PDF を取り除くが、自動的に LOS 内で一番近い非視認状 受けていない者も含む) 態の敵へ射撃を開始する(敵ユニットのいるカードに味方がいなければ、である)(6.4)。 1 カード内の全員(命令を VOF/PDF を任意の方向へ移し、発令者の LOS 内の別のカードを攻撃する(誰もいないカード 受けていない者も含む) も可)(6.4)。 防御ミッションにおいて、 FPF については、受命者のいるカードに砲撃(射撃)予定マーカー置く。FPL については、FPL FPF や FPL の任務を負う マーカーの矢印が指す LOS 上に重火器 VOF マーカーを置く(6.4)。 統制状態のユニット全て 20 4.2.5. 釘付け状態ではないユニットや、LAT ではないユ ニットは、「統制状態」にあるとみなされる。釘付け状態や LAT のユニットでは、実行ないしは試行できるアクションに 制限がある。これらの制限は、LAT 制限表にまとめてある。 釘付け状態のユニットは、4.2.2.f.の移動アクションの試行 できる。 担送班(新任) 可能とする移動アクション(4.2.2) a. 隣接するカードが中間準備エリアであるか、VOF がな く自軍が占領するカードであれば、そこへ移動する。 c、e、f、g、h。小隊アクションを除く全アクション。 可能とする回復アクション(4.2.3) c. 担送班から火力班への差し替え試行。 釘付け状態 (下記の LAT の制約に先んじて適用する) ・VOF を全釘付け状態 VOF 面にする。 ・(マーカーに記載されているとおり)戦闘修整に+1 可能とする戦闘アクション(4.2.4)はなし。 無力化班(新任) 可能とする移動アクション(4.2.2) a. 隣接するカードが中間準備エリアであるか、VOF がな く自軍が占領するカードであれば、そこへ移動する。 可能とする移動アクション(4.2.2) a. 隣接するカードが中間準備エリアであるか、VOF がな く自軍が占領するカードであれば、そこへ移動する。 e. 掩蔽物確保を試みる。 可能とする回復アクション(4.2.3) b. 無力化班から担送班への差し替え試行。 可能とする回復アクション(4.2.3) a. 釘付け状態マーカーを取り除こうと試行する。 可能とする戦闘アクション(4.2.4)はなし。 可能とする戦闘アクション(4.2.4)はなし。 4.3. 通信(連絡) 強襲班(一線級) 可能とする移動アクション(4.2.2) a、c、 e、f、g、h。小隊アクションを除く全アクション。 ユニットにアクションの実行を命令するには、発令者(命令 を下す HQ や幕僚)が受命者と通信できなくてはならな い。 可能とする回復アクション(4.2.3) e. 強襲班を火力班に差し替え。 h. 分隊補充。 i. 分隊再編成の試行。 4.3.1. 視覚・口頭による通信 声や手信号による基本的な通信方法である。視覚・口頭 による通信には、両ユニットが同じカードにおり、釘付け状 態でなく、また、同じ掩蔽物マーカーの下にいるか、どちら も掩蔽物マーカーの下にいないことが条件となる。例外と して、受命者が、釘付け状態マーカー除去や訓示アクショ ンを試行する時は、釘付け状態にあってもよく、視覚・口 頭による通信がとれているものとみなす。 可能とする戦闘アクション(4.2.4) a、b、d、i、j。小隊アクションと観測を除く全アクション。 火力班(新任) 可能とする移動アクション(4.2.2) a. 隣接するカードが中間準備エリアであるか、VOF がな く自軍が占領するカードであれば、そこへ移動する。 c、e、f、g、h。小隊アクションを除く全アクション。 4.3.2. 伝令 伝令は同時に 2 人まで存在できる。使用しない時は、コマ ンド・ディスプレイに置く。伝令は、自動的に中隊 HQ と一 緒に移動する。伝令は、中隊 HQ が相応するアクションを 命令することで、任命、派遣、解任される。基本的に、伝 令が戦闘フェイズに命中を受けず、釘付け状態にもならな ければ、中隊 HQ は次のターンに隷下の HQ や幕僚を活 性化できる。 可能とする回復アクション(4.2.3) d. 火力班から強襲班への差し替え試行。 h. 分隊補充。 i. 分隊再編成の試行。 4.3.3. 通信網 指揮統制を支援するため、無線・野戦電話(RT)網が確立、 維持される。電話や無線を使いたければ、シナリオ立案時 にその選択をする。RT は、定められた通信網でしか通信 可能とする戦闘アクション(4.2.4) a、b、d、i、j。小隊アクションを除く全アクション。 21 できない。電話や無線のカウンターはそれぞれ、属する通 信網を示す。ユニットは、喪失ないしは破壊された RT に つき 1 命令ポイントを払うことで、同種の RT を使う異なる 通信網に交換することができる。RT 網の構成は、通信目 的によって以下のように決まる。 1) 中隊戦術通信網 中隊の戦術統制に使われ、中隊 HQ は隷下の幕僚や小 隊指揮官との通信が可能になる。中隊 HQ の RT は、中隊 戦術通信網の中枢となる。小隊 HQ、幕僚、重火器班の使 用する RT は、中隊戦術通信網で通信をとるには中隊 HQ の RT と接続しなくてはならない。FO、大隊幕僚、連隊幕 僚は、この通信網で通信できない(大隊の幕僚は、中隊 HQ と一緒にいれば、中隊戦術通信網を使用できる)。 2) 大隊戦術通信網 大隊の指揮統制に使われ、これで大隊 HQ は大隊の幕僚 や中隊 HQ と通信ができる。中隊 HQ の RT が電話であれ ば、大隊戦術通信網で通信をするには、中間準備エリア と接続しなければならない。中隊 HQ と大隊 HQ(と大隊の 幕僚)だけが、この通信網で通信ができる。 3) 間接砲撃指揮通信網 間接砲撃任務の統制に使い、間接砲撃 FO は中隊の火 力支援にあたる砲兵部隊と通信ができる。間接砲撃 FO の RT が電話であれば、間接砲撃指揮通信網で通信をす るには、中間準備エリアと接続しなければならない。間接 砲撃 FO だけが、この通信網で通信ができる。 4) 迫撃砲指揮通信網 迫撃砲任務の統制に使い、迫撃砲 FO は中隊の火力支 援にあたる迫撃砲部隊と通信ができる。迫撃砲 FO の RT が電話であれば、迫撃砲指揮通信網で通信をするには、 中間準備エリアと接続しなければならない。迫撃砲 FO だ けが、この通信網で通信ができる。 5) 航空支援管制網 航空支援任務の統制に使い、FAC は中隊の火力支援に あたる航空機と通信ができる。FAC の RT が電話であれば、 航空支援管制網で通信をするには、中間準備エリアと接 続しなければならない。FAC だけが、この通信網で通信 ができる。 4.3.4. 野戦電話 野戦電話を所持するユニットは、他のカードにいるユニット、 マップ外のユニット、同じカードでも別のエリア(掩蔽物)に いるユニットと通信できる。中隊戦術通信網の野戦電話は、 同一か隣接するカードにいる中隊 HQ の電話と自動的に 接続する。中隊戦術通信網以外の通信網の野戦電話は、 中間準備エリアの隣接カードにいれば、マップ外の支援 22 部隊と自動的に接続する。 野戦電話同士がカード 2 枚以上離れていれば、切れ目の ない電話線マーカーで接続しなければならない。ユニット を移動させた時に、カード 1 枚につき 1 個の電話線マーカ ーを敷設することができる。これにはアクションを必要とせ ず、敷設するユニットがカードを離れたら自動的に置かれ る。電話を所持するユニットのいるカードに電話線マーカ ーがなくとも電話連絡はできるが、(中隊戦術通信網で は)中隊 HQ や(その他の通信網では)中間準備エリアま での間にあるカードそれぞれに 1 個の電話線マーカーが 必要である。ユニットが電話線マーカーを所持している時 にしか電話線を敷設できない。中隊が使用できる電話線 マーカーは 8 個だけである。電話線マーカー1 つで、電話 や電話網をいくつでも利用できる。他のアセットと同じよう に、シナリオ開始時に電話線マーカーをユニットに割り当 てる。 戦闘効果フェイズに間接砲撃 VOF と電話線マーカーが 存在するカードでは、2 の1の確率(訳注:カードのランダ ム数字の 2 の欄で 1 を出す)で電話線が切断する。電話 線の切断を判定するには、アクションカードを 1 枚引き、ラ ンダム数字セクションの 2 の列を見る。それが 1 であれば、 電話線マーカーを切断面に裏返し、電話線が復旧するま で通信できない。以降の命令フェイズに復旧のアクション をすることで電話線を復旧できる。 電話を所持するユニットが負傷兵となったら、2 の1の確率 (訳注:カードのランダム数字の 2 の欄で 1 を出す)で電話 は破壊される。アクションカードを 1 枚引き、ランダム数字 セクションの 2 の列を見る。それが 1 であれば、電話は破 壊され、取り除く。2 であれば、マップに電話マーカーを置 く。それを別のユニットに拾わせ、使いことができる。 4.3.5. 無線機 無線機があれば、他のカードにいるユニットや、同じカー ドにいるが片方が掩蔽物にいて片方がそうでないユニット 同士で通信できる(若干の例外がある)。シナリオ・インスト ラクションには、使用できる無線機の機種が指示されてい る。コマンド・ディスプレイの適正な枠に無線機を置く。無 線技術が無線機の有効性を決め、時代ごとに以下の機種 が使用される。 初期型携帯無線機(SCR536):限定的な通信力のため、 SCR-536 では視認線内(日中とみなし、煙幕は無視して 考える)でしか無線通信ができない。SCR-536 は、釘付け 状態であるか、掩蔽物マーカーの下にあっては機能しな い。 令は妥当なものである。 マンパック VHF –FM 無線機(SCR300, PRC25, PRC77, PRC119)及び車載無線機:シナリオ・インストラクションで 別記していなければ、同一通信網の無線機同士でマップ 上のどこでも通信できる(キャンペーン特有の地形の一部 は峻険で無線通信を妨害する)。 信号弾を装備するユニットが、信号弾発射の命令を受け ており、その信号弾発射機に関連するのがただ 1 つのア クションであり、関連するアクションの実施要件(例えば、 LOS が通っているとか、要求される状態にある)を満たして いる限り、どのようなアクションの着手にも信号弾を使用で きる。 改良型携帯無線機(ICOM, PRR, PRC148, PRC152):これ を使用する分隊は、中隊 HQ と通信できている小隊 HQ だ けでなく、同一/隣接するカードにいる所属小隊 HQ とも通 信できる。 A. 発色信号弾 発色信号弾は、LOS に係わらずマップ上のどこからでも視 認できる。信号に使える発色信号弾には、レッドスター・パ ラシュート(Red Star Parachute, RSP)、グリーンスター・パラ シュート(Green Star Parachute, GSC)、レッドスター・クラス ター(Red Star Cluster, RSC)、グリーンスター・クラスター (Green Star Cluster, GSC)の 4 種類ある(携帯型の照明弾 は実質的に信号弾であるが、信号目的に使わず、夜間シ ナリオにおいて暗夜の影響を緩和するのに使う。8.1 参 照)。 無線機を所持するユニットが負傷兵となったら、2 の1の確 率(訳注:カードのランダム数字の 2 の欄で 1 を出す)で無 線機は破壊される。アクションカードを 1 枚引き、ランダム 数字セクションの 2 の列を見る。それが 1 であれば、無線 機は破壊され、取り除く。2 であれば、マップに無線機マ ーカーを置く。それを別のユニットに拾わせ、使いことがで きる。 4.3.6. 信号弾 信号弾発射機には、信号、照明、発煙という 3 つの基本的 な目的がある。信号弾発射のアクションは、使用目的に係 わらずみな同じである。発色する照明弾や信号弾など、ロ ケット弾の形で空中から発射するものは、発射ユニットと同 じか、隣接するカードに置くことができる。 B. 煙幕 HC(高密度)か WP(黄燐)の煙幕を、隠蔽効果を与えるた めに使用できる。キャンペーン・インストラクションには、使 用できる煙幕展張器が記載されている。WP 煙幕は、遮掩 効果のみならず戦闘効果も兼ね備えている。WP 煙幕は、 他の信号弾と同じように展張できるし、擲弾攻撃アクション の試行時に展張することもできる。擲弾攻撃の一環として 展張する場合、試行は通常どおり行うが、擲弾攻撃の結 果に加えて WP マーカーを展張する。WP 煙幕は、遮掩目 的の砲撃任務の一環として、もしくは航空攻撃の要件とし て発生することもある(間接砲撃任務のルール参照)。HC 煙幕と WP 煙幕は、マーカーに記載の防御隠蔽効果を与 え、煙幕があるカードにいる全ユニットは、カードの外に射 撃できない。しかし、カード内には射撃はできる。煙幕は 陸上レベルに発生し、信号として使用するには煙幕に通 常の LOS が引けなければならない。煙幕は全高度レベル の視認線を遮断する。 信号弾は、発色煙幕か発色信号弾のいずれかである。キ ャンペーン・インストラクションには、中隊に配備する信号 弾が記載されている。次いで、各色・各種類について特定 のアクションを指定し、シナリオログにその対応関係を記 す。信号に LOS が通る全ユニットは、それを見た時にとる アクションを行うか試行する。 信号弾で、単に「回復する」という指示はできないが、釘付 けマーカーを取り除く試行といった、具体的な回復アクシ ョンの指示はできる。また、指示される命令は条件付きの ものとできるが、一度に 1 つの命令しか出せず、選択肢は 出せない。可能であれば、地理的な位置や戦術戦術統制 マーカーを指向する命令にできる。例えば、「主目標に隣 接していれば、その目標カードに浸透を試みよ」という命 5. 移動と地形 5.1. 移動 かす。移動には、カード内での移動と別のカードへの移動 の 2 つの基本形がある。 マップ上の歩兵ユニットは、命令フェイズに命令ポイントを 消費して、移動アクションを取得/命令することで移動する。 移動アクションを取得したら、即座にユニットを物理的に動 移動に共通する基本ルールは以下のとおり。 23 ・浸透に成功しない限り、移動するユニットには暴露マー カーを乗せる。 多くのシナリオにおいて、マップの下端に隣接して概念上 のカードからなる中間準備エリアがある。中間準備エリア の概念上のカード間を移動する時は、暴露マーカーは乗 せない。そのため、命令フェイズにおいて、移動のための 命令ポイントがある限り、中間準備エリアの概念上のカー ドを複数枚移動することが可能となっている。 ・暴露マーカーを乗せたユニットを移動させられないが、1 ターンの間(4.2 により 1 インパルスの間ではない)に暴露 マーカーを乗せていないユニットの移動は続けられる。 ・1 枚のカードに 16 ステップと 4 両を超えてユニットを存在 させられない(1.2.1I)。 5.1.3. 装備やユニットの輸送 ユニットやビークルの輸送アクションによって、アセット、負 傷兵、捕虜、弾薬、兵を乗せたり、降ろしたりすることがで きる。このアクションは、ユニットが持つ装備の回収や遺棄、 ビークルへのユニットの乗降、ビークルへの装備の積載や 卸下という 3 種類の状況に利用できる。 ・浸透を試行するには、今いるカードか目的地のカードに VOF マーカーがなくてはいけない。 ・VOF 能力が矢印付き(三脚装着)の H か A となっている ユニットは、浸透を試行できない。 A. 輸送力 ユニットやビークルによるアセット輸送数に制限はない。ア セットに加え、ユニットやビークルは、負傷兵、捕虜、弾薬 1 種、(ビークルに限り)ユニットのステップのうちどれかを 輸送できる。ユニットの 1 ステップは、1 ポイントの輸送能力 がある。ビークルの輸送能力は、ビークル・対戦車兵器表 に記載されている。輸送能力 1 ポイントにつき、以下の 1 種目を輸送できる。ユニットが負傷兵になったら輸送能力 を喪失し、現在所持しているものをカード内に遺棄する。 ・VOF 能力が矢印付き(三脚装着)の H か A となっている ユニットは、暴露マーカーを乗せていれば自身の VOF 能 力を使えない。 ・上記以外のユニットは、暴露マーカーが乗っていても通 常通り戦闘に参加できる。 ・整理フェイズに暴露マーカーを全て取り除く。 5.1.1. カード内での移動 1枚のカードの中での移動に関しては、上記に加えて以 下のルールがある。 種目 負傷兵 捕虜 MG の弾薬 MTR の弾薬 RCL か RKT の弾薬 歩兵ユニットのステップ ・掩蔽物マーカーの下にいるユニットは、掩蔽物確保は試 行できない。 ・暴露マーカーの乗っているユニットは、掩蔽物確保や掩 蔽物の出入りを試行できる。 ビークル 1 1 6 2 3 1 歩兵 1 制限なし 6 2 3 0 B. 回収と遺棄 ユニットは、暴露マーカーが乗っているか否かに係わらず、 自身の輸送能力の範囲内で回収や遺棄ができる。回収さ せるにはユニットに命令せねばならないが、遺棄には別途 命令をする必要はない。回収をしたユニットには暴露マー カーを乗せるが、暴露せずに遺棄するだけであれば、暴 露マーカーを乗せる必要はない。別のユニットに、弾薬な ど遺棄した装備を拾わせるには、回収を命令しなくてはな らない。 ・1 枚のカードに塹壕、掩蔽壕、トーチカのマーカーが複 数存在していれば、暴露状態とならずにその間を行き来 できる。 5.1.2. 別のカードへの移動 別のカードへの移動に関しては、上記に加えて以下のル ールがある。 ・誰もいないか、自軍が占領している掩蔽物マーカーのあ るカードに進入する場合、移動ユニットは直接掩蔽物マー カーの下に移動できる。 C. ビークルへの乗降 ビークルは、暴露マーカーが乗っているか否かに係わら ず、7.4 の輸送能力の範囲内でユニットを乗降させること ができる。搭乗させる(これは命令フェイズに起こる)には、 ビークルに命令を与えなければならないが、降ろす(これ はビークルフェイズに起こる)には別個の命令は不要であ ・隣接するカードに、塹壕、掩蔽壕、トーチカのいずれか のマーカーが存在していれば、暴露状態とならずにその 間を行き来できる。 24 る。搭乗か降車(機)のいずれかに関わったビークルとユ ニットの両方に暴露マーカーを置く。 D. ビークルへの装備の積載/卸下 ユニットは、暴露マーカーが乗っているか否かに係わらず、 ビークルの輸送能力の範囲内で、ビークルに積載したり、 ビークルから装備を卸下することができる。積載や卸下を するには、ユニットに命令を与えなければならない。積載 か卸下のいずれかに関わったビークルとユニットの両方に 暴露マーカーを置く。 5.1.4. 負傷兵の後送 どのキャンペーンやシナリオであっても、負傷兵をマップ から無事に後送させることで経験ポイントを得られる。 WWII や朝鮮戦争のシナリオでは、負傷兵収容ための戦 術統制地点を、シナリオ開始前かシナリオ開始後に指定 する。いったん指定したら、変更できない(次の挑戦時は 変更可)。 ベトナム戦争のシナリオでは、7.4.5 に従い LZ から揚収エ リアへとヘリコプターで後送させるか、(作業を指揮する) HQ か幕僚ユニットがいる医療後送 LZ の戦術統制地点に そのまま降ろすかの、2 通りの方法で負傷兵を後送できる。 シナリオ開始前か開始後に 1 箇所の LZ を医療後送 LZ に指定できる。これはシナリオの間に変更できるが、一度 に 1 箇所しか存在できない。同じターンに 1 箇所の LZ を、 通常の LZ と医療後送 LZ を兼ねたものとして使うことがで きる。 負傷兵を適切な地点まで輸送して降ろしたら、負傷兵は 概念上の救急車両やヘリコプターによって後送されるもの とみなし、整理フェイズに負傷兵は取り除く。獲得した経 験ポイントと次のシナリオに戻ってくる負傷兵を数えるため、 コマンド・ディスプレイの該当する枠に後送した負傷兵を 置く。 て置くのか、伏せて置くのかが指示されている。これは、 史実で使用された地図の正確性を反映している。伏せて 置いた時は、(中間準備エリアではなく)マップに実際に存 在するユニットの LOS の範囲までは表にする。プレイの最 中に、自軍の非航空機ユニットから LOS が通れば、裏返 してあるカードを表にする。裏にしたカードが丘陵であれ ば、非丘陵カードが出るまでカードを引く。 5.2.1. 視認線 視認線(LOS)は、1 枚のカードから 8 枚の隣接するカード 及びその先へと引いた、8 本(のみ)の直線をたどる(よっ て、2 枚先のカードから対角線上には LOS は引けない)。 隣接するカード全てに無条件で LOS を引ける。さらにもう 1枚先のカードへの LOS は、どちらかの境界線が暗緑色 であれば遮断される。そのため、隣接するカードより遠くに LOS を引くには、両辺とも白い境界線でなくてはいけない。 通常の視認性では、他より高い場所から引いても、最大 LOS 距離は超遠距離(3 枚)となる。これには今いるカード は含めない。制限視認性であれば、最大 LOS 距離は近 距離(隣接。8.0)に低下する。次のページの LOS の例を 参照するとよい。 5.2.2. 高度 高所にいるユニットは、それより低いレベルの遮断地形を 超えて LOS を引くことができる。尺度は相対的なため、レ ベルごとの実際の高さはキャンペーンによって異なる。複 数階建物カードの上階掩蔽物マーカーや丘陵は、それぞ れ 1 レベル高くなる。どのシナリオでも、基本高度はレベ ル 1 である。丘陵はレベル 2 である。丘陵にある上階掩蔽 物はレベル 3 である。間に暗緑色の境界線があっても、高 い高度からは低い高度を飛び越えて見ることができる。つ まり、レベル 2 にいるユニットは、レベル 1 の地形カードを 飛び越えて見ることができるが、レベル 2 の地形カードを 飛び越えて、その先にあるレベル 1 の地形カードを見るこ とはできない。 A. 丘陵 丘陵カードは高度を 1 レベル上げる。丘陵は、掩蔽修整を 与えない。丘陵カードを引いたら、もう 1 枚カードを引いて 丘陵の上に置き、その地形が丘陵上にあることを示す。地 形カードの下に複数の丘陵カードがあってもよく、その場 合は各々が高度を 1 レベル上げる。裏返しにしていたカ ードが丘陵であれば、それが表になった時に、別の地形 カードを引いて置く。特定の地形があるカードを引くまで、 丘陵カードを連続して引く枚数に制限はなく、それぞれが 高度を 1 レベル上げる。複数の丘陵があってもカードへ出 入りする能力は変わらず、LOS の利点を与えるだけである。 丘陵カードの暗緑色の LOS 境界線は、それに乗る非丘陵 地形カードの白い境界線を無効とする。 5.2. 地形 地形カードに VOF マーカーがあれば、そのカードにいる 者には戦闘修整として、掩蔽値が与えられる。カードによ っては掩蔽値が 2 つあり、スラッシュで区切られて左の方 が大きな値になっている。PDF が暗緑色の境界線を横断 する時は高い値を適用する(境界線の角は、対角線上の PDF を扱えるようになっている)。1 枚のカードに複数の PDF があれば、高い値を適用する。擲弾、間接砲撃、航 空攻撃 VOF マーカーについては、低い値を適用する。カ ードに炸裂アイコン(1.2.1H)があれば、間接砲撃 VOF に 対してはアイコン内の値を適用する。 シナリオ・インストラクションには、地形カードの表を上にし 25 B. 複数階建物 複数階建物(Multi-Story)と記された地形カードは、1 レベ ルを超える高さの建物を含んだ市街地を指す。複数階建 物カードで建物(掩蔽物)を見つけたユニットは、その建物 の上階へ移動でき、これによりユニットのいる高度は 1 レベ ル上がる。複数階建物の上階に移動するユニットには上 階 (Upper Story) 掩 蔽 物 マ ー カ ー を 乗 せ る 。 教 会 塔 (Church Tower)マーカーは、上階掩蔽物マーカーと同じ ものであるが、教会の地形カードでしか使えない。 ーの下に置けるステップ数に制限はないが、一度に片方 の陣営のユニットしか、掩蔽物マーカーの下に存在できな い。 ただし、同じ掩蔽物マーカーの下に多くの部隊を詰め込 むと、間接砲撃や擲弾に対する脆弱性が増す。1 個の掩 蔽物マーカーの下にいる 3 ステップを超える 1 ステップに つき、各ユニットは擲弾や間接砲撃 VOF の攻撃で-1 の修 整を受ける。例えば、1 個の掩蔽物マーカーの下に 5 ステ ップいれば、全部が掩蔽物による+1 の修整を得るが、3 ス テップの制限を 2 ステップ超過しているので、擲弾 VOF で 攻撃されれば、-2 の修整も受けてしまう。最終的な修整は -1 になる。捕虜になった LAT1 個は、スタック超過につい ては 1 個のユニットとみなす。 複数階建物カードで掩蔽物を見つけたら、上階掩蔽物マ ーカーと、地上階を示す普通の掩蔽物マーカー(5.2.3C) の両方を得る。命令、戦闘、移動の点から、個々の掩蔽物 マーカーの使用を検討する。ユニットは、2 つの掩蔽物マ ーカー間を移動できるし、掩蔽物なしの状態と上階掩蔽 物マーカーを直接に行き来できる。 掩蔽物マーカーには 3 種類ある。 A. 基本掩蔽物(COVER)マーカー 戦闘修整に 1 を加える。これは、地形カードの掩蔽物の余 地に換算する。 5.2.3. 掩蔽物 掩蔽物は、標準的な戦術地図にみられる地形上の特性 で、しばしば「微地形」と呼ばれる。詳細については下記 で説明する。掩蔽物マーカーが占領されているかを判断 する際には、掩蔽物マーカーの下の敵負傷兵は無視す る。 B. 野戦構築物マーカー シナリオ・インストラクションには、使用可能な野戦構築物 が記されている。これには、蛸壺、塹壕、掩蔽壕、トーチカ のマーカーがある。これは、地形カードの掩蔽物の余地に 換算しない。 掩蔽物は、射撃からの防御に役立ち、地形カードの基本 掩蔽値を増す。地形カードには、存在できる掩蔽物マー カーの最大数が記されている。掩蔽物マーカーは、カード の地域内で他とは区別される場所を表している。いったん 発見されれば、掩蔽物マーカーはシナリオの最後まで存 在する。マーカーに特記されていない限り、掩蔽物マーカ 26 横列 3 横列 2 横列 1 盤外中間準 備エリア 例では、第 3 横列の左端のカード(カード 53 番)にある四角形は、米軍ユニット A を表し、同じ列の右端のカード(カード 49 番)にある円は米軍ユニット B を表す。それ以外の小さな四角形や円は敵ユニットを表す。 米軍ユニット A ・隣接するカードには常に LOS が通るので、米軍ユニット A からは、LOS 遮断境界線や視認する側の高さに関係なく、13 番と 38 番のカードにいる敵ユニットを視認することができる。 ・さらに、視認ユニットがいるカードの LOS 遮断境界線は問題とはならないので、米軍ユニット A からは 33 番のカードにい るユニットにも LOS が通じる。 ・しかし、米軍ユニット A は、今いる複数階建物カードの上階にいる場合にのみ、40 番のカードにいる敵ユニットに LOS が 通る。上階にいれば、38 番のカードの LOS 遮断境界線は無視して、40 番のカードに LOS を通せる。 ・米軍ユニット A は、19 番のカードにいる敵ユニットを見ることはできない。LOS は、直線的にしか引けないためである。こ のカードだと、LOS は 1 枚のカードに直進してから、1 枚のカードを対角線沿いに通さねばならない(もしくはその逆)ため、 不可である。 米軍ユニット B ・隣接しているため、33 番と 19 番のカードにいる敵ユニットのどちらにも LOS が通る。 ・49 番のカードの LOS 遮断境界線は無視できるため。35 番のカードにいるユニットに LOS が通る。 27 カードの掩蔽物の余地に換算する。市街地掩蔽物判定表 には、キャンペーン別に使用する掩蔽物マーカーが列記 されている。キャンペーンごとに、市街地形カードで掩蔽 物が確保された際に、通常の掩蔽物(瓦礫を表す)、木造 建物、石造建物のどれになるかその見込みが記されてい る。結果が木造建物か石造建物で、カードに複数階建物 か教会のシンボルがあれば、建物マーカーに加え、上階 建物マーカーか教会塔マーカーを得る(5.2.2B)。上階建 物マーカーや教会塔マーカーは、地形カードの掩蔽物の 余地に換算しない。(複数階建物を含め)市街地掩蔽物 は、どの高度の LOS も遮断しない。 掩蔽壕やトーチカのマーカーは、限られた数のステップを 収容できる。この数はマーカーの括弧内に記載されてい る。また、これらの射界は、マーカーの矢印が示す範囲に 限定されている。この矢印は、掩蔽壕やトーチカのマーカ ーの方位と同方向に向けておかねばならない。シナリオ 開始時に(使用できるとして)米軍の掩蔽壕やトーチカを 配置する時は望む方位に向けられる。敵の掩蔽壕やトー チカについては、接触してきたユニットに矢印を向ける。 マーカーの方位は変更できず、マーカーの下(内部)にい るユニットは、矢印の指す方向にしか射撃できない。 C. 市街地掩蔽物 このマーカーは、農場、村落、複数階建物、教会等、市街 掩蔽物のシンボルが描かれたカードに使う。これは、地形 6. 歩兵戦闘 基本的な戦闘は自動的に生じる。これには、命令もアクシ ョンも要求されない。既に交戦中でなければ、LOS が通り、 視認されている敵ユニットが射程内にいれば、無条件か つ即時に射撃を開始する。命令フェイズ、敵軍アクション・ フェイズ、戦闘フェイズに起きた戦闘行動の解決は全て、 ターンの終わりに近い戦闘フェイズにまとめて行われる。 また、戦闘は、1 枚のカードとそこにいる全員に影響を及 ぼす。歩兵戦闘の基本的な要素には、火力(VOF)と主射 撃方向(PDF)の 2 つある。これらは、ユニットの射撃の程度 と方向を示す。 6.1. 戦闘手順 (明確化/追加) 非交戦ユニットは、自軍ユニットの移動、敵ユニットの移動、 新たなユニットのマップ上への配置のいずれかによって、 LOS 内に敵ユニットがいれば交戦状態となる。ユニットが 交戦状態になれば、敵ユニットのいるカードに VOF マー カーを置く。このカードが交戦ユニットのいるカードでなけ れば、2 枚のカードの間に PDF マーカーも必ず置く。 射撃戦が既に生じているカード(=敵と自軍のユニットが 占めているか、PDF マーカーがある)にユニットが進入した ら、進入ユニットは既に行われている射撃戦に加わる。た だし、VOF マーカーを調整する必要があるかもしれない。 6.1.1. 射撃開始 このゲームでは、目標とするカードに、VOF マーカーと (目標カードが射撃ユニットのいるカードでなければ)PDF マーカーを置くことで、ユニットは「射撃開始」(交戦)する。 これは、ターンの間に生じるいくつかの事象により起こる。 視認された敵が占領するカードが同時に複数枚視野に入 った場合、以下の優先順位で攻撃する。 1. 一番近いカード 2. 一番高い VOF のあるカード 3. ランダム ・敵のアクション・チェックにより、敵ユニットが自軍ユニット の LOS 内に移動してくる。 LOS 内の敵ユニットであっても、敵と自軍のユニット両方を 含むカードであれば、無条件で攻撃するわけではない。し かし、いったん攻撃すれば、カードに両軍一緒に占めるこ とになっても、命令なしで射撃を停止したり、目標を変更 することはない。射撃目標の変更や停止には、射撃目標 変更ないしは射撃停止の命令を出すか、ユニットを別のカ ードに移動させるしかない。交戦することは、ユニットのア クション実行能力に影響しない。 ・接敵可能性の判定により、視認された敵ユニットが登場 する。 (明確化/追加) 交戦ユニットは、射撃中止、射撃目標変更、別のカードへ ・自軍ユニットが移動して、視認された敵ユニットの視界 (LOS)に入る。 ・視認によって、それまで視認されていなかった敵ユニット があらわになる。 28 確認して、どの結果が生じたのかを判定する。命中であれ ば、即座にアクションカードをもう 1 枚引く。中央下部分に ある目標ユニット経験レベル(6.9.2)の下の命中効果欄を 見る。全ての結果は即座に適用する。全ての戦闘は同時 に解決されるものとみなすため、戦闘解決が完了するまで VOF と PDF のマーカーを変更してはならない。 の移動のいずれかを命令されるか、敵ユニットが交戦ユニ ットのいるカードに進入する(この時は、ユニットの PDF マ ーカーを取り除き、VOF を自身のカードに置く)までの間、 同じカードに射撃を続ける。交戦ユニットは、単に目標カ ードに敵ユニットがもういないとか、目標カードないしは PDF 沿いに煙幕が生じたからという理由では射撃を止め ない。ただし、PDF 沿いの煙幕は射撃を遮断し、射撃ユニ ットのカードにある煙幕によって、ユニットは射撃を中止す る。 6.2. 兵器の種類と制限 VOF マーカーの種類は、より強力なユニットが加わったり、 射撃ユニットの弾薬が枯渇したり、射撃ユニットが釘付け 状態になることで変わりうる。弾薬の問題や班に差し替え となったせいで、ユニットが使用する兵器の種類が変わっ て、射撃が及ぶ距離も減ることがある(VOF や PDF のマー カーを手前に寄せる)が、何もないカードを撃つことになっ ても、他の要素は変えない。 兵器の種類と VOF は関連しているが、別記すべき細目が いくつかある。これについては、各種兵器の特性をまとめ た兵器特性表を参照のこと。 小火器 ライフル、サブマシンガン、弾倉給弾式の機関銃は小火 器(S)VOF を形成する。代わりに自動火器(A)VOF を形成 できるユニットもあるが、これは至近距離に限られる。 戦闘フェイズに VOF が変化しても、新たな VOF はこの戦 闘フェイズが終わるまで影響を及ぼさない。 小火器の弾薬は記録しないが、A VOF ユニットについて は記録する(6.8.1 の MG 弾薬を参照) 以上の指針は、敵ユニットにも同じく適用する(例外:妥当 な目標がいなくなったカードには、射撃を続行しない。敵 は射撃停止の命令を受けたものと考える)。 機関銃(MG) ベルト給弾式の機関銃を指し、二脚架か三脚架を装着し ている(カウンターで A の上に矢印があるものは三脚架装 着)。自動火器(A)VOF を形成する。機関銃の弾薬は記録 しておかねばならない。三脚架を装着した機関銃は射程 が長く、接地射や最終防御線(FPL)射撃の能力を持つ。 また、照準具の安定性が高く、連続射撃能力があるおか げで、集中射撃を試行する際には追加で 1 枚のカードを 引く。しかし、暴露マーカーが乗っていれば、浸透や射撃 はできない。 6.1.2. 戦闘修整(NCM) 戦闘フェイズに各ユニットの戦闘修整(NCM)を求め、射撃 の効果を判定する。その計算式は以下のとおり。 NCM=一番小さい VOF +視認性、照明弾、観測装置による修整 +防御ユニットの状態と掩蔽物に基づいて適用される全 ての修整 +上記以外の、狙撃兵、集中射撃、複数 PDF、擲弾失中 などといった、適用される全ての修整 迫撃砲 迫撃砲の射撃には、盤外から撃つもの、盤上で 2、3 基の 迫撃砲を扱う 1 個の分隊によるもの、盤上で 1 基の迫撃砲 を扱う 1 個の班によるものがある。自身のいるカードを目標 とすることはできない。建物、掩蔽壕、トーチカの掩蔽物マ ーカーの下や、+3 のジャングルないしは林の地形カード から撃つことはできない。暴露マーカーが乗っていれば、 浸透や射撃はできない。迫撃砲の砲弾は記録しておかね ばならない。 大抵は、全ての修整要因が存在するわけではなく、同じ 状態(釘付けや掩蔽物確保等)のユニットは同じ NCM とな るので、カード内のユニットを状態別にグループ分けすれ ば簡単になる。いくつかの修整は、ある種の射撃や特殊 な状況にしか適用されない。 NCM は最小で-4、最大で+6 である。-4 を下回る NCM は -4 とみなし、+6 を上回る NCM は+6 とみなす。 ロケット弾発射機/無反動砲 建物、掩蔽壕、トーチカの掩蔽物マーカーの下から撃つ ことはできない。軽ロケット弾発射機や無反動砲は、擲弾 (G!)VOF を持つ。三脚架を装着した重火器版では、重火 器(H)VOF を持つ。暴露マーカーが乗っていれば、浸透 や射撃はできない。パンツァーファウスト(WWII でドイツ軍 が使った対戦車ロケット弾)は車両に対してしか使えない が、それ以外は対戦車戦闘と対歩兵戦闘の両方に使える。 6.1.3. 戦闘解決 戦闘解決時には、VOF マーカーのあるカードにいるユニ ットごとにアクションカードを 1 枚引く。アクションカードの左 側に-4 から+6 の NCM と命中(HIT)、釘付け(PIN)、失中 (MISS)の結果がある(6.9.1)。ユニットに適用される NCM を 29 ロケット弾と無反動砲の砲弾は記録しておかねばならない。 ある種のロケット弾発射機は、標準的なユニットの弾薬とし て登場し、消費される。これには、パンツァーファウストや B40/RPG2/7 ロケット弾がある。 手榴弾/破片手榴弾 同じカードに対してしか使えない。数は記録しない。 小銃擲弾(ライフルグレネード) 一部のユニットには、シナリオ開始時に 1 回分の小銃擲弾 が充当される。これは次のシナリオまで補給されることはな い。使ったらそれでなくなり、ユニット間で譲渡し合うことも できない。高射角で発射する兵器であるため、迫撃砲と同 様に建物、掩蔽壕、トーチカの掩蔽物マーカーの下から 撃つことはできない。 VOF の基本原則は、1 枚のカードには最良の VOF が適 用され、高い値よりも低い値のほうが良い。釘付け状態で なければ、射撃ユニットが置く VOF マーカーは、ユニット の VOF による。基本 VOF マーカーの効果は、カード全体 に及ぶ。対して特殊 VOF マーカーは、カード内の特定ユ ニットなどというふうに、効果の適用方法は様々である。 VOF マーカーは、視認されていないユニットにも効果は及 ぶ。 基本 VOF マーカーは、以下の手順で置く。 a. 異なるカードから射撃がなされた場合、射撃に関与し たユニットの個数やカードの枚数に関係なく、カードの左 上に基本 VOF マーカーを 1 個置く。VOF マーカーは、全 射撃ユニットの最良の(一番低い)VOF を反映したものと なる。VOF は、陣営に関係なくカードにいる全員に適用さ れる。 40mm 擲弾発射機 (グレネードランチャー)(ベトナム戦争~) 米軍の 40mm 擲弾発射機は、小銃擲弾よりも弾道がかなり 低いため、建物、掩蔽壕、トーチカの掩蔽物マーカーの 下から撃つことができる。40mm 擲弾発射機の弾薬は小さ く軽量で、標準携行量も大きいことから、数を記録しておく 必要はない。ベトナム戦争からのユニットで G! VOF の上 付き文字が記載されているものは、40mm 擲弾発射機を装 備しているものと考える(6.8)。 b. 両陣営のユニットが 1 枚のカードに存在し、かつ他のカ ードからの射撃がない場合、2 個の VOF マーカーを置く。 左上に最良の自軍基本 VOF マーカーを置き、左下に最 良の敵軍基本 VOF マーカーを置く。 6.3.1. 基本 VOF VOF は、カウンターに印刷されており、使用には命令を要 しない。対戦車戦闘(7.6)の修整に限り、白い円内の VOF を使う。ビークル・対戦車兵器表に記載のユニットは、射 程によって異なる修整値となっており、対戦車戦闘に限り、 この表の修整値を使い、対歩兵戦闘時はユニットに記載 の VOF を使う。 装甲戦闘車/戦車 中/重戦車はいずれも重火器 VOF を持っている。これは 車載の機関銃と砲を合わせたものである。弾薬は記録す ること。弾薬が尽きたら、マップから取り除く。 弾薬切れのユニット 1 ステップの重火器ユニット(MG、迫撃砲、ロケット弾発射 機、無反動砲等)の弾薬が無くなり、それの火力班面に S VOF があれば、火力班面に裏返す。1 ステップを超える重 火器ユニットであったり、火力班面が S VOF ではない 1 ス テップの重火器ユニットが弾薬切れを起こしたら、ユニット に弾薬切れマーカーを乗せる。これはカウンターの記載 に関係なく、弾薬を回収できるまでは、射程が近距離の S VOF となる。弾薬切れの火力班の重火器ユニットは、弾 薬を回収するまでは表面へと回復できないが、回収したら 表面に回復する。弾薬を回収したら即座に弾薬切れマー カーを取り除いて、回復アクションをせずに射撃を再開で きるわけである。弾薬切れマーカーを乗せたユニットは、 新たな VOF で戦闘を継続し、9.9 によるマップからの退去 は要求されない。 全ユニット釘付け時(P)の NCM:+2 1 枚のカードに射撃する全ユニットが釘付け状態であれば、 このマーカーを使う。 小火器(S)による NCM:+0 自動火器(A)による NCM:-1 重火器(H)による NCM:-3 突撃銃(A/S) VOF が A/S のユニットは突撃銃を装備しており、至近距 離(同一カード)では自動火器 VOF マーカーを、それ以 外の距離では小火器 VOF マーカーを形成する。 6.3.2. 特殊な VOF この VOF には、命令と特別な手順に従う必要がある。地 雷 VOF の配置方法については 9.5 を参照する。 6.3. 火力(VOF) VOF マーカーは、1 枚のカードに投入される火力を示す。 30 擲弾(G!)による NCM:-4 か-3 擲弾攻撃の試行に成功したら、1 個のユニットか、1 個の 掩蔽物マーカーの下にいる全ユニットに擲弾攻撃 (Grenade!)VOF マーカーを置く。1 個の目標に対して複数 の擲弾 VOF による攻撃を行え、これは累積する。VOF に は、雨/雪、霧、煙幕、視認性による修整は適用しない。 米軍とドイツ軍の擲弾は-4 の修整で、北朝鮮、ベトコン、 NVA の擲弾は-3 の修整となる。 擲弾失中による NCM:-1 擲 弾 攻 撃 の 試 行 に 失 敗 し た ら 、 擲 弾 失 中 (Grenade! Miss)VOF マーカーを置く。この効果はカード全体に及ぶ。 失敗した試行回数にかかわらず、置くマーカーは 1 個だ けである。擲弾失中には、視認性の修整は通常どおり全 て適用される。 上付き文字 G! G!の上付き文字があるユニットは、基本武装に加えて、擲 弾かロケット弾発射機を装備しており、近距離で擲弾攻撃 を試行することができる。これは、基本 VOF 攻撃または擲 弾攻撃の試行に加えてなされるものである。 集中射撃による NCM:-1 集中射撃のアクションの試行に成功したら、1 個のユニット に集中射撃(Concentrate Fire)VOF マーカーを乗せる。そ のカードにある VOF と累積し、1 個の目標に対して複数の 集中射撃による攻撃を行える。 狙撃兵(S!)による NCM:目標には-3、カードには+0 狙撃兵は、目標とするカードの中の 1 ユニットに対し -3VOF で攻撃する。それ以外には小火器 VOF を乗せる。 この特殊 VOF は、目標とするカードの中のランダムに決め た 1 ユニットを対象とする。暴露マーカーの乗せたユニット がいれば、これらの中から目標を決める。命令のためカー ドを引く際に、狙撃兵は重火器 VOF と同様の効果をカー ド内の全 HQ に及ぼす。狙撃兵の VOF マーカーは、同じ カードにある他の VOF マーカーと共存できる。他の VOF マーカーは、狙撃兵の目標でないユニットになおも効力を 及ぼす。狙撃兵がいる間は、各戦闘フェイズにおいて狙 撃目標を選択しなおす。 十字砲火による NCM:-1 2 つ以上の PDF が 1 枚のカードに向けられた時に、カード に十字砲火(Crossfire)VOF マーカーを置く。これは他の VOF マーカーと累積する。1 枚のカードに十字砲火マー カーを複数個置けない。釘付け状態のユニットでも十字 砲火を形成できる。 務予定(Pending Air Mission)のマーカーを 1 枚のカードに 置く。戦闘フェイズにこのマーカーを、間接砲撃 (Incoming!)か航空攻撃(Air Strike)の面に返す。間接砲撃 マーカーや航空攻撃マーカーは、カードを通過する LOS を遮断する。次の戦闘フェイズの開始時にマーカーを取り 除く。NCM の修整は射撃部隊によって異なる。また、目標 となる地形カードに炸裂アイコンがあれば、アイコン内の 数字を間接砲撃修整に適用するが、航空攻撃には適用 しない。この VOF には、雨/雪、霧、煙幕、視認性による修 整は適用しない。間接砲撃マーカーにある-1 の修整は、 車両目標に使う。非車両ユニットが目標の時に使う修整は、 観測ユニットに記載されている。 6.4. 主射撃方向(PDF) ユニットが別のカードに VOF を形成する時、PDF マーカ ーを置く。マーカーは、射撃ユニットのいるカードの端に、 目標とするカードへ矢印を向けて置く。1 枚のカード内の 全ユニットが、この PDF に沿って射撃する。逆方向からも PDF がある場合、PDF マーカーを 2 本の矢印がある面に 返して、マップが込み入らないようにする。PDF があるから といって、他の方向への観測や砲撃要請を試行する能力 は制限されない。既に PDF マーカーのあるカードに移動 してきたユニットは、この PDF に沿って射撃を開始する。 PDF マーカーを配置した後は、射撃が行われているカー ドにいる全ユニットは、a) 射撃目標変更または射撃停止、 b)全ユニットがカードから退出する、c)敵が同じカードに入 ってくる、のいずれかが起きるまでは、PDF に沿って射撃 を続ける。射撃目標変更のアクションによって、射撃を別 方向に向けられる。射撃停止のアクションによって、PDF マーカーを取り除く。VOF が印刷されたユニットの射程、 LOS 内に敵ユニットがいれば、PDF マーカーを置かねば ならないことに留意する。射撃停止をしたユニットでも、射 程、LOS 内に敵ユニットがいれば、自動的に一番近い敵 ユニットに射撃を開始する(新たな PDF マーカーの配置が 強制される)。集中射撃や非同一カードへの擲弾攻撃の アクションは、PDF 沿いにしか試行できない。自軍の VOF マーカーを乗せられている、そのカードで唯一の敵ユニッ トが、LOS 内で同じ PDF 沿いの別のカードへ移動したら、 そのユニットへの自軍の射撃は新たなカードへと追随する。 敵ユニットが自分と同じカードに入ったため、PDF を失っ たユニットは、進入してきたユニットへと射撃対象を切り替 える。米軍ユニットは、別の米軍ユニットのいるカードを通 る射撃を開始しない。しかし、あるカードに対して既に PDF を形成している米軍ユニットは、別の自軍ユニットが そのカードに移動してきても射撃を続行する。 6.4.1. 接地射 通常、PDF 沿いに別のカードへ射撃する時、一番近い PDF 沿いで LOS 内の敵がいるカードに VOF が及ぶ。た 間接砲撃/航空攻撃による NCM:-3 から-7 砲撃要請に成功したら、砲撃予定(Pending Fire)か航空任 31 のアイコンがあれば、試行は成功する。 だし、三脚架を装着した機関銃ユニットは、PDF 沿いで LOS 内にある複数のカードに VOF が及ぶ。これは全カー ドが同一高度であることが条件である。 同じユニットか掩蔽物マーカーを対象に、複数の擲弾攻 撃を行える。擲弾の VOF は、他の擲弾攻撃と累積するが、 他の種類の VOF とは累積しない。例えば、ある地形カー ドに自動火器 VOF(-1 修整)があり、1 個のユニットが 2 つ の擲弾攻撃を受ける場合、このユニットへの修整-8 であり、 -9 ではない(算出後、一番低い NCM となりうるのは-4)。 これ以外のユニットは、自動火器 VOF による-1 の修整を 受ける。整理フェイズに擲弾攻撃マーカーを取り除く。 6.4.2. 最終防御線(FPL) 防御シナリオでは、三脚架を装着した機関銃に FPL 戦術 統制マーカーを置ける。1 個の FPL は、FPL マーカーの矢 印が指す 1 本の対角線(のみ)に効果が及ぶ。 FPL 戦術統制マーカーのある機関銃は、自動的に射撃を 開始するわけではない。これは、中隊 HQ から FPF/FPL の射撃アクションの実行を命令されなくてはいけない。い ったん射撃を開始したら、弾薬が尽きるか、射撃停止命令 を受けるまで射撃を継続する。 擲弾攻撃が失敗したら、目標のカードに擲弾失中 VOF マ ーカーを置く(既にそれがあれば置かない)。カード内に いるもの全てがこの効果を受ける。このカードの戦闘効果 を解決したら失中マーカーを取り除く。 FPL は、対角線 PDF 沿いの全カードに重火器 VOF を生 じさせる。制限視認性の影響は受けず、1 ターンにつき 2 弾薬ポイントを消費する。 1 ステップの重火器班(機関銃、ロケット弾発射機、無反動 砲、その他類似した兵器)が、擲弾攻撃の試行時に”Jam” (弾詰まり)と書かれたカードを引いたら、兵器の深刻な故 障に見舞われる。これは、シナリオの終わりまで火力班面 に返しておく。敵ユニットと同一のカードにいるユニットな いしは、通常の VOF の上に G!と記載されているユニット は、PDF と同じ方向の隣接カードにいる敵ユニットに対し 擲弾攻撃を試行できる。 6.4.3. 超過射撃 三脚架を装着した機関銃や重火器 VOF のユニットは、自 身より 1 レベル以上低い高度にいる自軍ユニットの頭上越 しに射撃できる。超過されるカードに VOF は乗せない。例 えば、三脚架を装着した機関銃がレベル 2 の丘陵におり、 自軍ユニットがレベル 1 の隣接カードにおり、遠距離にい る敵ユニットがレベル 1 かレベル 2 にいる場合、この機関 銃は敵ユニットに射撃でき、自軍がいるカードには VOF は置かれない。この逆も同じである。つまり、レベル 1 のカ ードにいる三脚架を装着した機関銃は、隣接するレベル 1 の自軍ユニットを超えて、より高い高度にいる目標に射撃 できる。迫撃砲には、自軍部隊を頭越しに射撃することに 何の制限も課せられない。 6.6. 集中射撃 集中射撃とは、LOS 内で PDF 沿いにいる特定目標に基 本 VOF に加えて与える VOF を表す。集中射撃では、-1 の戦闘修整が適用される。S、A、 A/S、H のいずれかの VOF がカウンターにある統制状態のユニットであれば、射 程内で LOS が通る PDF 沿いの目標に対して集中射撃を 試行できる。1 つの掩蔽物マーカーないしはランダムで選 んだ視認されている敵ユニット 1 個を目標とできる。 6.5. 擲弾攻撃 VOF の印刷されたユニットであれば、同じカードにいる敵 ユニットに擲弾攻撃を試行できる。G! VOF と射程が印刷 されたユニットであれば、射程内に擲弾攻撃を試行できる。 VOF の上に G!と印刷されたユニットであれば、隣接カード にいる敵ユニットに擲弾攻撃を試行できる。 2 枚のカードを引くが、これは射撃ユニットの経験レベル (および、三脚架を装着した機関銃を射撃するのであれば プラス 1 枚)による修整を加減する。カードの 1 枚に十字線 のアイコンがあれば試行は成功する。試行が失敗しても、 特別なことは起きない。 擲弾攻撃は自動的なものではなく、擲弾攻撃のアクション を試行しなくてはいけない。敵味方問わず、統制状態の ユニットが同じカードから擲弾攻撃の試行を受けたら、(試 行の成否にかかわらず)このユニットは試行したユニットに 対して無償で擲弾攻撃を試行できる。擲弾攻撃は、特定 の 1 ユニットないしは掩蔽物マーカーを対象とする。試行 時にアクションカードを引く枚数は基本的に 2 枚で、これを 経験レベルで加減する(例えば、経験レベルが新任の火 力班は 1 枚しか引かない)。引いたカードの 1 枚に手榴弾 試行が成功したら、目標に集中射撃マーカーを乗せる。 目標が掩蔽物マーカーであれば、このアクションは掩蔽物 マーカーの下にいる全ユニットに影響する。集中射撃のア クションは、基本 VOF に代わるものではないので、1 個の ユニットで両方の VOF を置くことができる。集中射撃の効 果は累積する。 射撃ユニットが弾薬を記録するものであれば、1 ポイントで なく 2 ポイントの弾薬を消費する。ターン終了時に集中射 32 6.7.2. 使用可能な砲撃任務の種類 A. 榴弾効力射(HE) 砲撃任務の中では最も一般的な種類で、敵に損害を与え ることを意図したものである。 撃マーカーを取り除く。 1 ステップの重火器班(機関銃、ロケット弾発射機、無反動 砲、その他類似した兵器)が、集中射撃の試行時に”Jam” (弾詰まり)と書かれたカードを引いたら、兵器の深刻な故 障に見舞われる。これは、シナリオの終わりまで火力班面 に返しておく。 B. 同時弾着(TOT) 最初の一斉砲撃で全砲弾が同時に着弾する、より複雑な 砲撃任務である。効果的であるが、時間と計画の手間が かかる。 6.7. 間接砲撃任務 C. 煙幕/黄燐(WP) 煙幕展張任務では、自軍部隊の移動を遮蔽するか、航空 攻撃の目標を標示するために煙幕を形成する。WP 展張 任務は、HE と煙幕を組み合わせたもので、爆発と遮蔽の 効果がある。しかし、煙幕ないしは HE の単一の砲撃任務 に比べればそれぞれの有効性は低い。WP は、たいてい 航空攻撃の目標を標示するために使われる。 砲撃任務とは、曲射榴弾砲、迫撃砲、航空攻撃による支 援要請を指す。シナリオ・インストラクションには、a)使用適 格者、種類、引くカードの枚数、b)砲撃任務の回数、c)支 援にあたる部隊名が記されている。砲撃要請のアクション をするには、必要条件を満たしているかを確認し、砲撃任 務の種類を選んで、試行を判定する。 6.7.1. 砲撃要請の必要条件 可用性 要請するには、使用可能な砲撃任務が残っていなくては ならない。シナリオ・インストラクションの「使用可能な砲撃 支援」の「FM 数」列には、使える砲撃任務数が記載されて いる。使ったらシナリオログに記録する。 D. 最終防御射撃(FPF) 防御シナリオで使われる、事前に砲撃区域の指定がなさ れた砲撃任務である。要請があれば、砲撃部隊は、中止 命令を受けるか、弾薬切れになるまで速射を行う。この砲 撃任務の目的は、敵の突撃を頓挫させることにある。シナ リオで、FPF が使用可能と記載されていれば、シナリオ開 始前に観測員の LOS 内で自軍の存在しないカードに FPF マーカーを置く。 使用適格者 使用可能な砲撃支援表のカード枚数列には、砲撃要請 のアクション実施に、どのユニットが使えるかが記載されて いる。指定の支援部隊への砲撃要請には記載のユニット しか使えない。 E. 照明 夜間シナリオでは、落下傘付照明弾を発射して照明す る。 LOS 観測員から、目標に LOS が通らなくてはならない。 F. 航空攻撃 現実世界の指揮官にとって、この砲撃任務は普通の砲撃 要請よりも複雑なもので、ヘリコプターや固定翼機によっ て行われる。航空攻撃を試行する前に、まず標示する必 要がある。着色煙幕によって目標に一番近い自軍地点を 標示するか、目標への WP 砲撃任務で標示する。 通信 資格のある観測員は、適切な発令者と通信がとれていなく てならない。中隊戦術通信網や大隊戦術通信網の通信 であれば、追加の命令を伴わずに要請を中継できる。 G. 大隊砲撃任務 HE や TOT の砲撃任務のバリエーションが大隊砲撃任務 で、これには曲射榴弾砲だけが使える。引いたカードに 3 個の炸裂アイコンがあり、シナリオ・インストラクションで大 隊砲撃任務が使用可能とうたっていれば、大隊砲撃任務 を実施する。本来の目標カードに接する 2 枚の地形カード を選び、これらにも砲撃予定マーカーを置く。この 2 枚の カードは観測員の LOS 内でなくともよい。 (明確化/追加) 視認された敵のいるカードにしか砲撃要請を命令できな い。視認されていないユニットや PC マーカーしかないカ ードには砲撃要請を命令できない。シナリオによっては、 中隊 HQ が(時には小隊 HQ も)砲撃要請ができる。これ は、中隊戦術通信網や(中隊 HQ の場合)大隊戦術通信 網を経由して可能となる。カードを引く枚数は、実際の観 測員に基づいて決まる。HQ ではカードを引く枚数が少な いのは、手順の効率が FO より低いことを表している。 6.7.3. 砲撃任務試行の解決 実施する砲撃任務の種類に応じて、シナリオ・インストラク ションに記載された枚数のアクションカードを、経験レベル 33 の修整をした上で引く。そのうちの 1 枚に炸裂アイコンが あれば、試行に成功する。成功したら、目標に砲撃予定 マーカーを置き、シナリオログに砲撃任務 1 回の消費を記 録する。不成功であれば、マーカーは置かず、砲撃任務 の消費もない。VOF セグメントの開始時に砲撃予定マー カーを全て(炸裂アイコンのある)間接砲撃の面に返す。 間接砲撃につきものの危険性の 1 つに「砲弾未到達」があ る。手順の複雑さに、戦闘によるストレスが加わると、意図 する目標に着弾しないことがある。引いたカードに“Short” の単語がある炸裂アイコンがあれば、弾着がそれる。砲撃 部隊が曲射榴弾砲か迫撃砲であれば、LOS に沿って観 測員にカード 1 枚分近いところに砲撃予定マーカーを置く。 ただし、観測員が自身の位置に砲撃要請している(=観 測員が目標カードにいる)場合は、隣接するカードをラン ダムに 1 枚選び、そこに砲撃予定マーカーを置く。航空攻 撃で Short”のあるカードを引いたら、標示に隣接するカー ドをランダムに 1 枚選び、そこにマーカーを置く。 6.7.4. マップ上の迫撃砲 マップ上の自軍の迫撃砲には、2 通りの照準(目標攻撃) 方法がある。直接照準は、迫撃砲の操作班が目標を観測 できる時に行う。この方法では、他の歩兵ユニットと同じよ うに射撃する。1 ステップの迫撃砲班は、直接照準しか用 いることができない。 6.7.5. 事前指定目標 シナリオによっては、盤外曲射榴弾砲(迫撃砲は不可)が 事前指定目標を設定してシナリオを開始できる、という指 示がある。この場合、任意のカード 1 枚に目標(Target)マ ーカーを置く。また、あるカードへの盤外曲射榴弾砲や盤 外迫撃砲による砲撃任務が成功した後で、そのカードに 目標マーカーを置くこともできる。砲撃部隊 1 つにつき、1 個しか目標マーカーを置くことができない。異なる目標に 砲撃したら、目標マーカーを取り除く。 FO による砲撃要請(4.2.4.F)の試行や、盤外砲撃ユニット (4.2.4F)による目標マーカーのあるカードへの砲撃要請の 試行では、カードを引く枚数を 1 枚増やす。 6.8. 弾薬 限られた弾薬をやりくりすることは、現代の歩兵戦闘の重 要な一面である。敵味方双方について、弾薬を必要とす るユニットの弾薬消費は、シナリオログに記録しておく。弾 薬マーカーは、盤上で弾薬を移動させる時にだけ使う。弾 薬マーカーは基本的な種類のものしか用意されていない。 シナリオによっては、互換性のない口径が異なるものが登 場するので、シナリオログにその旨書き留めておくこと。マ ーカーの数字は、弾薬ポイント数を示している。 6.8.1 弾薬の種類 機関銃の弾薬(MG AMMO) 1 ポイントは、200~300 発ほどの銃弾を表す。ユニットの 1 ステップにつき、6 ポイントまで運搬できる。ユニットが A VOF の射撃をするたびに 1 弾薬ポイントを消費する。集中 射撃のアクションに成功したら 2 ポイント消費する。FPL の あったターンには 2 ポイント消費する。 間接照準は、マップ外の曲射榴弾砲や迫撃砲のように観 測員を使った間接砲撃である。2~3 ステップの迫撃砲ユ ニット(史実では、おおむね迫撃砲班とか迫撃砲小隊と称 される)だけが、間接照準を用いることができる。間接照準 を用いる際には、マップ上の迫撃砲は中隊戦術通信網を 使って通信を行う。目標に直線的な LOS を引けなくともよ いが、迫撃砲がいるカードを除いて、カードで数えた(対 角線上も含む)射程内に目標がいなくてはならない。 (明確化/追加) 適切な戦術通信網上のユニットと通信がとれているマップ 上の迫撃砲ユニットに、砲撃要請を命令することができる。 直接照準で射撃をする(=H の能力を持った分隊であれ、 G!の能力を持った班であれ、LOS が通じるカードに迫撃 砲で射撃する)時は、これ以外の直接射撃と全く同じよう に扱う(例外:迫撃砲は常に自軍ユニットの頭上越しに射 撃できる)。そのため、PDF を置き、十字砲火の要件に寄 与できる。そして、他の直接射撃と同様、射撃が通過する カードの境界線の影響を受ける。(2~3 ステップの迫撃砲 分隊だけが行える)間接照準で射撃をする時は、PDF を 置かず、十字砲火の要件に寄与しない。地形効果につい ては間接砲撃と同じものとして扱う(=低い方の数字を使 う。また、一部のカードでは-1 を使う)。 34 WWII のシナリオでは、ドイツ軍分隊は機関銃を装備して いることがある。同じく、NVA が登場するベトナム戦争のシ ナリオでは、NVA 分隊も機関銃を装備している。こういっ たユニットの弾薬は記録する必要があり、LMG(ドイツ軍) や MG(NVA)の弾薬として受け取る。分隊の機関銃の弾薬 が切れた時は、弾薬切れマーカーを乗せ、VOF はマーカ ーに記載のものへと落ちる。また、(WWII のドイツ軍分隊 のように)いくつかのユニットは、一度に運搬できる量を超 えた弾薬を所持して登場する。 迫撃砲の弾薬(MTR AMMO) 1 ポイントは、6~8 発の砲弾を表す。ユニットの 1 ステップ につき、2 ポイントまで運搬できる。迫撃砲を撃つたびに (命中か失中かに関係なく)1 ポイントを消費する。 無反動砲の弾薬(RCL AMMO) 1 ポイントは、2~3 発の砲弾を表す。ユニットの 1 ステップ につき、3 ポイントまで運搬できる。無反動砲を撃つたびに (命中か失中かに関係なく)1 ポイントを消費する。 釘付け状態のユニットの VOF は、全釘付け状態 VOF とな る。 ロケット弾の弾薬(RKT AMMO) バズーカ、RPG、パンツァーファウストを装備するユニット は、この弾薬を使う。1 ポイントは、2~3 発の砲弾を表す。 ユニットの 1 ステップにつき、3 ポイントまで運搬できる。一 部の分隊はロケット弾発射機を装備しており、その弾薬の ためのカウンター(パンツァーファウストと RPG/B40)がある。 重くかさばるロケット弾は、使用したら記録をとらねばなら ず、弾薬切れとなったら、ユニットは近距離 G!能力を失う。 ベトナム戦争より米軍ユニットは、上付き G!能力を有する 40mm 擲弾発射機を装備している。この兵器の弾薬は小 ぶりで相当量の数を運搬できることから、1 つのシナリオの 間に弾薬切れを起こすことはない。 C. 命中 ユニットに釘付け状態マーカーを置く。さらに、もう 1 枚カ ードを引いて、命中の効果を確認する。 6.9. 戦闘効果 戦闘効果フェイズに、全ての歩兵(ビークルは不可)の戦 闘を解決する。全戦闘は同時に行われるものとみなす。 VOF マーカーのあるカードに存在するユニットごとに戦闘 の効果を解決する。ユニットごとに、6.1.2 の式にしたがっ て戦闘修整(NCM)を出す。NCM を求めたら、アクションカ ードを 1 枚引き、カードの左側にある射撃結果欄の NCM を見る。修整値の横に効果が記されている。結果は、失中 (MISS)、釘付け状態(PIN)、命中(HIT)の 3 通りある。引いた カードが命中の結果であれば、次に命中の効果を解決す る。もう 1 枚カードを引き、カード中央下部の命中効果欄 の目標ユニットに与える効果を確認する。 6.9.2 命中効果欄 アクションカードの命中効果欄は、ユニットの経験レベル で分別されている。各経験レベルの下には、アルファベッ トが 1~2 文字ある。命中したユニットの経験レベルに対応 する列を見る。各文字は、ユニットの 1 ステップが差し替え となる制限アクション班を示している。ユニットが 1 ステップ しかないのに、結果は 2 文字であれば、左側の文字だけ 適用する。命中効果の解決は、ユニットへの射撃による物 理的な効果と士気への影響が合わさったものであるため、 ステップがどのようなものであっても、戦闘効果によってい ずれかの制限アクション班に差し替わる。例えば、無力化 班は担送班へと、状態が改善して差し替わることがある。 命中効果には以下のものがある。 C=負傷兵 1 ステップを 1 個の負傷兵ユニットに差し替える。負傷兵の 状態はシナリオの最後まで続き、回復はできない。これに 移動や戦闘をさせることはできない。速やかに他のユニッ トを使って後送させるべきである。負傷兵に対して戦闘解 決はしない。 P=無力化班 1 ステップを 1 個の無力化班に差し替える。もとのユニット は取り除く。 6.9.1. 射撃結果欄 欄の左列には、目標ユニットの NCM として-4 から+6 の数 値がある。右列には、命中、失中、釘付け状態のいずれ かの射撃結果が記されており、これは歩兵ユニット相手の 戦闘で適用する。その効果は以下のとおり。 L=担送班 1 ステップを 1 個の担送班に差し替える。もとのユニットは 取り除く。 A. 失中 効果なし。ユニットが釘付け状態であれば、釘付け状態マ ーカーを取り除く。 F=火力班 1 ステップを 1 個の火力班に差し替える。ユニットの裏面が 火力班であれば、火力班面に裏返す。そうでなければユ ニットは取り除き、該当する国籍の汎用的な火力班に差し 替える。国籍によっては、VOF 能力の異なる火力班が混 在する。この時は、火力班に差し替えるのに、より強力な VOF 能力を持つものにはできない(6.3.1 に記載の VOF 修整が低いほど、VOF はより強力である)。 B. 釘付け状態 ユニットに釘付け状態マーカーを置く。釘付け状態のユニ ットは以下のアクションしか行えない。 ・回復アクション:釘付け状態マーカーを取り除く試行。 A=強襲班 ユニットの裏面が火力班でなければ、1 ステップを 1 個の 汎用的な強襲班面に差し替える。もとのユニットは取り除く。 ユニットの裏面が火力班であれば、火力班面に裏返す ・移動アクション:掩蔽物確保の試みか、隣接カードへの 移動ができる。ただし、移動先は味方が占領しており、 VOF マーカーがないことが条件である。 35 (例外:裏面が兵器の種類の異なる別の火力班であれば、 強襲班に差し替え)。既に火力班面であれば、そのままに しておく。1 個のユニットについて、1 ステップを除いて全て 差し替えたら、最後に残ったステップは自動的に火力班 に差し替える。VOF 能力が A の分隊は、常に射撃手がつ く機関銃が装備されているが、班に分割したら、最後にで きる班が A の VOF 能力を持つ。各種分隊が、適合する VOF 能力を持った火力班に分割される時の内訳につい ては巻末の図を参照する。 7. ビークル このゲームは、歩兵に焦点を合わせているが、20 世紀に は多様なビークルが、歩兵の支援に使われた。” Fields of Fire”に登場するビークルには、車両とヘリコプターの 2 種 の基本種がある。車両はカードからカードへと移動させる。 ヘリコプターは、着陸時か低空飛行時に置く。ビークルの 移動やそれに対する戦闘は、ビークル移動・戦闘フェイズ に行う。移動と戦闘は、このフェイズの間に生じるため、移 動が戦闘によって中断することもあるが、その後で移動を 続行する。ビークル・対戦車兵器表で許されていれば、移 動と戦闘の両方ができる。ビークル・対戦車兵器表には、 全ビークルの関連データが網羅されている。簡便のため、 ビークルに対する戦闘は全て対戦車戦闘と呼ぶ。 7.1. 命令 るビークルを基本イニシアティブによって活性化できる。 ヘリコプターを、歩兵小隊 HQ に分属させることはできな い。 トラックやジープのようなビークルは、乗員が限られていた り、無線が装備されておらず、シナリオ・インストラクション では車両小隊の一部とされていない。ジープ等の小型車 には乗員がいない。ユニットが乗れば、このユニットは運 転者とみなされる。トラックには少数の乗員がいるが、普通 は無線が搭載されていない。移動するには命令を与えな くてはならない。いずれかの HQ や幕僚ユニットないしは 基本イニシアティブによって、トラックを移動目的で活性化 することができる。 移動できないことを除き、全ての点においてビークルとみ なされる対戦車砲や対空砲がある。ビークル・対戦車兵器 表の機動性の列に、×で記されている。 7.1.1. 概要 歩兵ユニットのようにビークルも、機能する指揮系統の一 部として小隊や中隊に編成される。車両・砲は小隊となる が、ヘリコプターは飛行中隊を組む。車両小隊には小隊 HQ があり、ヘリコプター中隊には飛行中隊長がいる。車 両小隊 HQ と飛行中隊長は、同じ小隊や中隊のビークル しか活性化できない。歩兵の小隊 HQ と違って、自身の小 隊や中隊に命令できる上に、戦闘・輸送ユニットとして機 能する。ビークルには、複数の作業を実施するに足る乗 員がいるためである。 攻撃ヘリ、前進観測(FAC)機、固定翼ガンシップ(AC47)に ような航空機は、特例的に扱われる。 小隊や中隊内の全ビークルは、独自の無線網を有してい る。小隊 HQ と飛行中隊長は、自身の小隊や中隊内の全 員と常時通信を維持している。また、ベトナム戦争やそれ 以降の時代のシナリオでは中隊戦術通信網で、WWII や 朝鮮戦争のシナリオでは大隊戦術通信網で通信ができる。 命令フェイズにおいて、中隊 HQ は(他の小隊 HQ や幕僚 ユニットを活性化させるのと同じように)車両小隊 HQ ない しは飛行中隊長を活性化できる。中隊 HQ によって活性 化されない時は、小隊 HQ イニシアティブ・インパルスで HQ のためにカードを引く。他の HQ や幕僚ユニットのよう に命令ポイントを蓄積できる。中隊 HQ、個々の車両小隊 HQ ないしは飛行中隊長しか、所属するビークルを活性化 できないが、シナリオ開始前にビークルを特定の小隊に 分属させた場合は別である。また、小隊や中隊に所属す 36 7.1.2. 攻撃ヘリ 攻撃ヘリは、近接航空支援任務と同じ方法で要請する。 要請に成功したら、攻撃ヘリは活性化する。任意のビーク ル移動・戦闘フェイズにおいて、カードに直接置く。これは カードからカードへと「飛行」しない。そのため、置いたカ ードでしか、臨機対戦車戦闘にさらされることがない。置 いた時に臨機対戦車戦闘をチェックする。 臨機対戦車戦闘で損害を受けなければ、2 機による VOF 攻撃を、目標カードと(望めば)隣接する 1 枚のカードに対 して行う。損害を受けないのが 1 機だけであれば、目標カ ードにしか攻撃できない。攻撃ヘリ任務でも「未到達」射 撃が適用されるが、1 枚の新たな目標カードだけが攻撃を 受ける。 攻撃ヘリは、さらに 1 ターン滞空できる(計 2 ターン)。2 タ ーン目に異なる目標を攻撃させたければ、再度要請しな ければならない。でなければ、もともとの目標に 2 度目の 攻撃を自動的に行うが、前のターンと同じく臨機対戦車戦 闘による損害が生じうる。 7.1.3. 前進観測(FAC)機 FAC 機は、無条件で活性化でき、追加で 4 ターン滞空で きる(計 5 ターン)。各ターン、盤外砲撃ユニット(ただし、 固定翼機か攻撃ヘリの航空支援に限る)の砲撃要請を 1 回試行でき、また 1 個の WP マーカーで目標を標示できる。 WP ロケット弾の射程は近距離である。 FAC 機は、ビークル移動・戦闘フェイズにおいて、任意の カードに直接置く。これはカードからカードへと「飛行」しな い。そのため、置いたカードでの臨機対戦車戦闘にしかさ らされることがない。ベトナム戦争のシナリオでは、攻撃ヘ リと FAC 機は、小火器、自動火器、12.7mmHMG からしか 損害を受けない。 入ることはできない(1.2.1B)。射撃後に車両を移動させる ことはできないが、ビークル・対戦車兵器表の「移動後射 撃」の列に数字があれば、射撃前の移動ができる(7.5C)。 7.3.2. 航空移動 ヘリコプターが登場したら任意のカードに置き、カード伝 いに移動しない。置いたカードでの対戦車戦闘からしか 損害を受けることはない。ヘリコプター相手には、移動目 標であることによる+1 修整は適用しない。 ビークル・対戦車兵器表の「輸送力」に数字があるヘリコ プターは、輸送ヘリである。輸送力がなければ、攻撃ヘリ である。輸送ヘリは離着陸し、攻撃ヘリは攻撃航過するも のと考える。輸送ヘリは、強行着陸、補給物資や増援の搬 送、負傷兵の後送に使えるが、マップに置くには活性化さ せねばならない。輸送ヘリは、着陸地帯(LZ)統制点のある カードにしか置けず、着陸地帯統制点にできるのは、ヘリ コプターのアイコンのあるカードに限られる。輸送ヘリをマ ップに最初に置いて以降の着陸には、まず別のユニットが 信号弾を使って、指定の LZ を標示しなくてはならない。攻 撃ヘリは、航空支援任務の要請で使えるようになる。 7.1.4. 固定翼ガンシップ(AC47) ベトナム戦争のシナリオにおいて、ガンシップは高高度を 飛び、対戦車戦闘で損害を受けることはない。これは夜間 シナリオしか飛ばない。FAC と同じように、ビークル移動・ 戦闘フェイズにおいて、無条件で活性化して任意のカー ドに直接置く。以降のターンにどのカードにも移動でき、 いったん使用可能となればシナリオの最後まで滞空でき る。置いたら、今いるカードや隣接するカードのうち 3 枚に 重火器 VOF と空中投下照明弾を置ける。砲撃要請のアク ションを継続する必要はない。 7.4. 輸送 ビークルカウンターの括弧内の数字は、輸送可能なステッ プ数を示す。また、そのステップ数が所持できる最大許容 範囲内の装備も輸送できる(5.1.3)。 7.2. ビークルの活性化 7.4.1. 搭乗 歩兵ユニット(1.2.3 により非ビークルを指す)や負傷兵を ビークルに搭乗させるには、命令フェイズに輸送アクショ ンを行う。輸送アクションを行うビークルには(既に乗って いなければ)暴露マーカーを乗せる。ビークルの下に搭乗 する歩兵ユニットを置く。ビークルフェイズに、ビークルを 通常どおり移動させられる。シナリオ開始時にビークルユ ニットの下に置くことで、搭乗した状態でシナリオを始めら れる。 歩兵とは対照的に、ビークルは 1 ターンに 1 回しか活性化 の機会はない。命令セグメントにビークルを活性化させ、 備忘のため活性化マーカーを乗せる。活性化するのは命 令セグメントであっても、ビークル移動・戦闘フェイズにな るまでアクションはできない。 活性化したビークルしか移動や戦闘を行えない。活性化 していないビークルでは、他のビークルの射撃や移動に 対応(臨機)しての戦闘しかできない。活性化したビークル は、一度に 1 つずつ、活性化が終わるまで移動と射撃を 行わせる。敵味方双方のビークルが活性化する場合、攻 撃側を先手としてアクションを交互に行う。アクションを終 えたら、活性化マーカーを移動/射撃(MOVE FIRE)面に 裏返し、整理フェイズに全マーカーを取り除く。 7.4.2. 降車(降機) ビークルフェイズにおいて、ビークルの移動前か移動後に、 搭乗兵を降ろすことができる。降ろすための命令を出す必 要はない。降りた搭乗兵とビークルには、暴露マーカーを 乗せる。 装備 ビークルから装備や弾薬を降ろすには、命令フェイズにお いてビークルに輸送アクションを行わせる。輸送アクション を行うビークルには(既に乗っていなければ)暴露マーカ ーを乗せる。ビークルフェイズに、ビークルを通常どおり移 動させられる。 7.3. 移動 7.3.1. 陸上移動 車両は、カードからカードへと無制限の枚数のカードを陸 上移動できる。しかし、地耐力が“SLOW”のカードに入れ ば移動を止めなくてはならず、地耐力が“NO”のカードに 37 7.4.3 ジープやトラックへの乗車 ジープには乗員がおらず、搭乗したユニットが運転者を務 める。ジープとトラックは非装甲である。搭乗する歩兵ユニ ットは、戦闘効果セグメントにおいて、他の歩兵ユニットと 同じように射撃でき、また射撃を受ける。また、目標車両内 の乗車兵として、対戦車戦闘では不利な影響を被る。車 両が移動したら、輸送されている搭乗兵は暴露状態となり、 車両から掩蔽を得ることもない。 7.4.4. 戦車への跨乗 必要であれば、ユニット、負傷兵、弾薬を戦車に載せるこ とができる。戦車は、ビークル・対戦車兵器表の「輸送力」 までのステップ数を輸送できる。輸送中の戦車は、登場兵 が降車し、負傷兵や弾薬を卸下するまでは、攻撃できな い。対戦車攻撃の目標となった戦車に乗る歩兵ユニットは、 戦車が炎上、撃破、釘付け状態になれば、命中の結果と なる。命中の効果は即座に判定する。この効果を受けた 搭乗兵は即座に降車させ、暴露マーカーを乗せ、続く戦 闘効果フェイズに暴露マーカーの影響を適用する。戦闘 効果フェイズには、他の歩兵ユニットと同じように搭乗兵を 攻撃できるが、搭乗兵は自身の VOF を持たない。戦車が 移動したら、輸送されている搭乗兵は暴露状態となり、戦 車から掩蔽を得ることもない。 7.4.5. ヘリ強襲 ヘリ強襲は、大抵シナリオの最初のターンの着陸から始ま るが、強襲のタイミングはプレイヤーの裁量に任される。ヘ リ強襲には、ビークルへの命令とヘリコプターの移動のル ールを適用する。ごく少数機のヘリコプターで中隊を支援 できるが、そのせいで同時に中隊全体を LZ へ輸送できる ほどの収容力は通常ない。この時は、一部の分隊を強襲・ 火力班に分割する班分遣アクションを行い、ユニットの何 ステップかを中間準備エリアに残さなくてはいけなくなる。 第一波を降ろした後、後続の着陸波を空輸する必要性が あるだろう。 搭載済みのヘリコプターは、任務を中止して帰投する前 に、1 ターン盤上を遊弋することができる。そのため、第 3 ターンの着陸計画を第 4 ターンに遅らせることができる。し かし、第 4 ターンに着陸しなければ、揚収エリアへと帰還し なければならない。そのため、再び搭載できるようになる には 2 ターン余計にかかる。 デザイナーズノート:空中強襲中隊は完全戦力で 12 機の ヘリコプターからなる。これは、3~5 機のヘリコプターから なる 2~3 個の飛行中隊に編制される。単一の空中強襲 中隊で、着陸支援、負傷兵後送、再補給をすることがよく あった。 手順 1. 着陸地帯を選ぶ。ヘリコプターがマップに進入する予 定のターンの命令フェイズに、LZ に移動するヘリコプター の第一波を活性化する。LZ の中には、十分なヘリコプタ ーが着陸できるよう、最大 3 枚のカードにわたる広さのもの がある。 2. 続くビークル移動・戦闘フェイズにおいて、LZ カードに 第一波を置く。数機の UH-1「スリックス」(部隊輸送ヘリ)を 着陸させ、部隊を降ろして LZ を確保する。LZ が敵ユニッ トの射程内であれば、着陸したヘリは臨機対戦車戦闘に さらされる。 3. 次のターンの命令フェイズに、適切な HQ は、第二波 を LZ に移動させ、第一波を LZ から離れるよう命令するこ とができる。LZ の火力支援力を増すため、さらに数機の UH-1 スリックスから中隊の一部を降ろすことができる。続く ビークル移動・戦闘フェイズにおいて十分な命令ポイント があれば、第一波を出発させ、第二波は部隊を降ろすこと ができる。 4. 以後のいずれかのターンの命令フェイズに、第三波以 降を活性化して LZ へ移動できる。これには、重量のある 部隊や中隊の残余を運ぶ大型の CH-47 重輸送ヘリを含 めてもよい。続くビークル移動・戦闘フェイズにおいて十分 な命令ポイントがあれば、先行波を出発させ、現行波は部 隊を降ろすことができる。強襲計画が完結するまで、これ を繰り返す。それから、中隊をまとめて目標へと向かわせ る。目標を確保したら(ベトナム戦争では通常、地域の掃 討となる)、同じか、新たな保全された LZ から手順を逆に して中隊を抽出できる。 ヘリコプターの活動は、2 つのマップ外の概念的な地域に よって規定され、1 つは揚収エリア、もう 1 つは途上エリアと 呼ぶ(これらのエリアを表すのに、使用していない 2 枚の 地形カードを裏にして用いる)。あるターンにおいてヘリコ プターは、揚収エリアでユニットと弾薬を乗せ、同じターン にここを発って途上エリアへ来る。2 ターン目にマップ上の LZ カードに入り、搭乗兵や弾薬を降ろし、負傷兵を回収 することができる。3 ターン目に、途上エリアへ来て、4 ター ン目に揚収エリアに帰還して、負傷兵を降ろし、新たな搭 乗兵や弾薬を載せる。よって、揚収エリア、途上エリア、マ ップ、途上エリア、揚収エリアを往復するのに 4 ターンかか る。搭載済みのヘリコプターを途上エリアに置いてシナリ オを開始できる。こうすれば、第 1 ターンに着陸を始めら れる。 着陸計画の一例 (選択肢の一つであり、強制するものではない) 第一波: 3 機の UH-1(各機 3 ステップ搭載可能)計 9 ステップ 完全戦力の小隊は 12 ステップである。各分隊は 1 ステッ 38 ら、射撃ユニットのいるカードに存在する VOF をまず解決 し、次いでこのユニットの対戦車戦闘を解決し、最後に、 LOS の通じる対戦車戦闘可能ユニットからの臨機射撃を 解決する。 プを残置する(残すステップがあるとして)。 スティック 1– 1st PLT HQ [1], 1/1st PLT (-) [2] = 3 ステッ プ スティック 2– Wpns / 1st PLT [1], 2/1st PLT (-) [2] = 3 ス テップ スティック 3– Wpns / 1st PLT [1], 3/1st PLT (-) [2] = 3 ス テップ デザイナーズノート:航空機に割り当てた部隊は、スティッ クとかチョークと呼ばれる。 制限 強襲波を次から次へと着陸させる必要はなく、着陸計画 に遅れを組み入れてもかまわない。状況によっては、ヘリ コプター全機を LZ に行き来させられるほどの命令ポイント がないこともあるし、安全に降ろすには危険すぎると感じる こともあるだろう。また、強襲計画では、カード 1 枚には最 大 4 個しかビークルが存在できない点も考慮せねばなら ない(1.2.1I)。ヘリコプターの機数が、ビークル移動・戦闘 フェイズの終了時において LZ の収容力を上回っていたり、 同じターンに LZ の収容力を超えるヘリコプターが着陸し ようとしたら、超過した分の着陸を即座に中止させる。VOF マーカーのあるカードに着陸したら、搭乗兵を降ろす前に その射撃を受ける。ビークル移動・戦闘フェイズの開始時 に LZ カードにいるヘリコプターは、他機を着陸させるため に離陸できる。 7.5. ビークルの活性化とアクション 命令フェイズにビークルないしは対戦車戦闘能力のある 歩兵ユニットを活性化して、ビークル移動・戦闘フェイズに 以下のアクションのいずれか1つを実行できる。ビークル・ 対戦車兵器表の「移動後射撃」列には、ユニットが移動後 の射撃アクションができるか否かが記されている。 B. 移動 逆に、移動後の射撃アクションができない活性化車両は、 移動したら射撃ができない。移動する際には、まず移動を 開始するカード(訳注:今いるカード)にある VOF を解決 する。これに生き残れば、別のカードに移動する。そのカ ードに VOF マーカーがあれば、即座にこれを解決する。 最後に、LOS の通じる対戦車戦闘可能ユニットからの臨 機射撃を解決する。 臨機射撃を解決し、活性化車両が生き残っていれば、(移 動の制限で問題がなければ)移動を続けられる。カードご とに VOF と臨機射撃を解決する。全活性化車両の移動と 戦闘が完了したら、活性化しなかった自軍の全車両は、 それらが存在するカードにある VOF の攻撃を受ける。 (明確化/追加) VOF が車両に影響するのはこの時だけである。対戦車戦 闘解決・修整表を適用して射撃を解決する。 移動車両に対する VOF 解決は、ビークル・対戦車兵器表 にない兵器についてのものである。そのため、VOF があっ て、ビークル・対戦車兵器表のも載っている兵器は、移動 車両を(VOF と砲撃修整で)2 度攻撃するということはない。 砲撃修整でのみ攻撃する。 C. 移動後射撃 移動後射撃列に数字が入っているものは(0 であっても)、 上述のように移動して、何らかのカードに進入した後で射 撃できる。しかし、射撃をしたら移動を止めなくてはならな い。 A. 射撃 車両やヘリコプターへ射撃することを対戦車戦闘と呼び、 これができるユニットを対戦車戦闘可能ユニットと呼ぶ。ユ ニットが、対戦車戦闘を実施できるのは、ビークル移動・戦 闘フェイズに限られる。歩兵目標(対戦車戦闘可能か否か、 ビークル・対戦車兵器表に載っているか否かは関係ない) への射撃は、戦闘効果フェイズに実施する。 活性化した車両ユニットで移動後の射撃アクションができ ないものについては、射撃したら移動はできない。他の活 性化車両の移動や射撃に応じて臨機射撃(下記参照)を してしまうと、もう別のアクションができなくなる。命令フェイ ズに対戦車戦闘のため活性化した、対戦車戦闘可能歩 兵ユニットにとって、ビークル移動・戦闘フェイズにできる アクションは射撃だけである。移動の代わりに射撃をした D. 臨機射撃 活性化車両が移動や射撃をしたら、臨機ユニットの射撃を 受ける可能性がある。臨機ユニットとは、活性化していな い車両や対戦車能力を持った歩兵、まだ射撃をしていな い活性化した車両や対戦車能力を持った歩兵を指す。こ ういったユニットは、LOS 内で射撃や移動をした車両に対 して射撃できる。臨機ユニットが射撃するのに命令ポイント を消費する必要はない。臨機射撃に対して臨機射撃をす ることはできない。 E. 視認 釘付け状態にない活性化車両は、射撃する代わりに LOS 内にいる非視認敵ユニットに対し視認を試行できる。他の 視認の試行と同じ手順で、視認を試行する。この活性化 39 A. 航空機以外のビークルに対する戦闘結果 1) 炎上 ビークルを炎上する残骸に差し替える。要員の各ステップ は負傷兵に差し替える。 車両は、射撃したものと同様に扱う。 7.6 対戦車戦闘の解決 まず、ビークル・対戦車兵器表で射撃ユニットの名称と「距 離」を交差照合して、射撃ユニットの砲撃修整を求める。こ れに、「防御値」の列にあるビークルの防御値を加える。 目標ユニットのカードに存在する掩蔽修整を加える。射撃 ユニットに移動後射撃の能力があり、これが移動した場合、 「移動後射撃」の列にある修整を加える。最後に、対戦車 戦闘解決・修整表の該当する修整を加える。最終的な修 整結果を対戦車修整とよぶ。アクションカードを 1 枚引き、 それに記された対戦車値に対戦車修整を加減して、最終 的な合計値を出す。対戦車戦闘解決・修整表の下にある 対戦車攻撃解決表を見て、対戦車戦闘の結果を判定す る。 ビークル・対戦車兵器表で射撃ユニットに速射能力があり、 目標がヘリコプターでなければ、対戦車戦闘の結果が-4、 -2、0、2、4 で速射成功となる。速射成功したユニットは、も う 1 回対戦車戦闘を行え、速射が成功する限り射撃を継 続できる。ヘリコプター相手では速射はない。 (37mm 砲のような小口径の兵器である)G! VOF のビーク ルや対戦車能力ユニットが射撃したら、異なる手順にした がう。この時は、擲弾攻撃試行の手順をとる。これに成功 したら上述の手順にしたがい(=対戦車修整を求め、カー ドを引いて対戦車値を出し、修整値を加減する)、対戦車 攻撃解決表から対戦車戦闘の結果を判定する。 2) 撃破 ビークルを残骸に差し替える。要員と搭乗兵の各ステップ は、火力班に差し替えた上で、各々命中の結果となる。命 中は、戦闘効果フェイズに起きたものと同じように解決す る。この班は、残骸マーカーの下に置くが、暴露マーカー を乗せる。 3) 撤退 ビークルの要員は、「逃げるが勝ち」と結論する。このビー クルと搭乗兵を、シナリオの最後まで取り除いておく。 4) 釘付け状態 ビークルに釘付け状態マーカーを乗せ、制圧されている ことを示す。釘付け状態のビークルは、対戦車戦闘の目 標になった際に-1 の修整がつく。釘付け状態では、視認 は試行できない。対戦車戦闘で射撃をする時は+1 の修整 がつく。ビークル移動・戦闘フェイズの終了時に釘付け状 態マーカーを取り除くが、このフェイズにいかなる形態の 攻撃も受けなかった場合に限られる。 5) 失中 効果なし。 B. ヘリコプター(や FAC 機)に対する戦闘結果 1) 撃墜―破壊 ヘリコプターを炎上する残骸に差し替える。要員と搭乗兵 の各ステップは負傷兵に差し替える。 7.7. 対戦車戦闘の結果 車両もヘリコプターも戦闘解決方法は同じだが、戦闘結 果は異なる。全ての対戦車戦闘の結果に対し、以下の概 念を適用する。 2) 撃墜―軟着陸 ヘリコプターを残骸に差し替える。要員と搭乗兵の各ステ ップは、火力班に差し替えた上で、各々命中の結果となる。 命中は、戦闘効果フェイズに起きたものと同じように解決 する。この班は、残骸マーカーの下に置くが、暴露マーカ ーを乗せる。 ・残骸マーカーは、掩蔽物マーカーと同じような掩蔽効果 を生む。これは、地形カードの掩蔽物マーカーの最大許 容数(1.2.1F)には換算しないが、車両のスタック上限には 加味する。これは LZ にも適用される。 3) 任務中止―損傷 ヘリコプターを即座に途上エリアへ移動する。シナリオの 残りの間、支援できないほどの損傷を受けたものと考える。 次のターンにヘリコプターと搭乗兵は、揚収エリアに帰還 着陸するが、ここから離れることはできない。降ろした搭乗 兵は、別の損傷を受けていないヘリコプターを使って飛ぶ ことができる。 ・炎上する残骸マーカーは、掩蔽効果を生まないが、車両 のスタック上限(1.2.1F)には加味する。これは LZ にも適用 される。炎上する残骸から生じる煙幕は、同じカードにある 他の炎上する残骸のものとは累積しない。炎上する残骸 から生じる煙幕は、LOS を遮断する。 ・ビークル・対戦車兵器表には、各ビークルの要員の規模 がステップ数で記されている。 4) 任務中止―非損傷 ヘリコプターは今のアクションを中止するが、以降のター 40 ンもシナリオの支援はできる。ヘリコプターを即座に途上 エリアへ移動するが、次のターンにマップに再進入させら れる。搭乗兵は乗せたままである。 5) 失中 効果なし。 8. 視認性 視認性マーカーは、夜間や制限視認性のシナリオにおけ る視認の試行や戦闘結果を修整するものである。修整値 がすぐわかるようマーカーはマップのそばに置く。戦闘修 整(NCM)に+0 から+5 の範囲で修整を適用する。視認性修 整が+2 以上の場合、このシナリオは制限視認性の影響下 にある。擲弾と間接砲撃 VOF は、視認性修整の影響を受 けない。制限視認性の間は、照明や暗視装置がなければ、 最大 LOS 距離は、近距離(隣)になる。 8.1. 照明弾 キャンペーン・インストラクションには、使用可能な照明弾 が記されている。照明弾は夜間シナリオ(視認性が月光 下)で使われ、発射源は数種ある。これは、夜間による制 限視認性の影響を抑えるために使う。照明弾は、雨/雪や 霧では役に立たない。照明弾を使用するか照明弾砲撃任 務を要請することで、1 枚のカードに照明弾マーカーを置 く。照明弾マーカーには、視認性修整を減らす修整値が 1 つか 2 つ記されている。照明弾マーカーのあるカードには、 マーカーの上の修整値を適用する。(もしあれば)下の修 整値は、隣接する全てカードに適用する。照明弾修整に 視認性修整を加えたものは、+0 を下回ることはない。照明 弾の効果を受けるカードは照明されている。照明されてい るカードに対しては通常の射程が及ぶ。整理フェイズに照 明弾マーカーを取り除く。 (明確化/追加) 照明弾は、視認性が月明かりとなっているターンが 1 ター ンでもあれば、どのシナリオでも使用できる。 8.2. 暗視装置 8.2.1. アクティブ赤外線暗視装置(IR) これには小火器やビークルに搭載する赤外線照射器と受 光器がある。これを装着したユニットが至近距離(同一カ ード)で射撃する時は、視認性修整を適用しない。これを 装着したビークルが、短距離(隣接)のカードへ射撃する 時は、視認性修整を適用しない。 8.2.2. パッシブ赤外線暗視装置(IR) これには暗視ゴーグルとスターライトスコープがある。性能 は使用時期によって変わるので、キャンペーン・インストラ クションでは装置の有効性について特記している。パッシ ブ赤外線暗視装置を装着したユニットは、視認性に関係 なく最大射程まで射撃できる。これを装着したユニットが 射撃する時は、どの距離であれ視認性修整を適用しない。 パッシブ赤外線暗視装置に照明が加わっても何の効果も もたらさない。 8.2.3. 熱映像照準器 熱映像照準器を装備したユニットは、視認性に関係なく、 また雨/雪、霧、煙幕があっても最大射程まで射撃できる。 これを装着したユニットが射撃する時は、どの距離であれ 視認性修整を適用しない。 8.3. 煙幕 煙幕は、人工的な形態の制限視認性である。煙幕は、信 号弾、砲撃任務、炎上する残骸によって生じる。煙幕には、 HC 煙幕、WP 煙幕、曲射榴弾砲や迫撃砲(間接砲撃 VOF マーカー)によって跳ねあげられる泥や塵埃がある。 煙幕のあるカードに LOS は引けるが、そこから先には通せ ない。HC や WP の煙幕があるカードにいる者は、間接砲 撃と擲弾攻撃を除いて、煙幕による防御の利を得る。複数 の煙幕があっても累積はせず、一番防御効果のあるもの だけを適用する。 9. 敵 動、接敵可能性の判定といった、マップ上の状況変化に 応じて、情勢レベルを見直し、更新する。すぐ見えるよう、 マップの上にある視認性マーカーの横に情勢(Current Activity)マーカーを置く。以下、情勢レベルを低い順に記 す。 9.1. 接敵可能性 敵との接触は、情勢レベルと相関関係にある。情勢は流 動的なもので、条件が変化すれば即座に変わるものであ る。敵軍アクション・チェック、命令フェイズでの自軍の移 41 1. 接敵なし(NO CONTACT) マップに VOF や PDF のマーカーがなく、敵ユニットが視 認されていない。 のカードにランダムに PC マーカーを置くよう指示されてい るものがある。この場合、16 個ある A マーカー全部、16 個 ある B マーカー全部、16 個ある C マーカー全部を用意し て混ぜ、”?”面は上にして 25 個をマップに置く。(反撃な ど)ある種の出来事によって 1 枚のカードに 2 個の PC マ ーカーがある場合、下位のアルファベット(A が最上級)を 取り除く。 2. 接敵(CONTACT!) カードの 1 枚に VOF マーカーがある。敵ユニットがいなく とも、米軍ユニットが VOF マーカーを置けば、接敵扱いと なる。 9.1.3. 防御シナリオにおける PC マーカーの初期配置 防御シナリオでは、敵軍アクション・チェック時にシナリオ・ インストラクションの指示にしたがい、PC マーカーを何枚 かのカードないしは列全体に置く。それから、通常の判定 をする。置いたターンの終了時に判定しなかった PC マー カーは取り除く。 3. 交戦(ENGAGED!) 複数のカードに VOF マーカーがある。敵ユニットがいなく とも、米軍ユニットが VOF マーカーを置けば、交戦扱いと なる。 4. 激戦(HEAVILY ENGAGED!) 複数のカードに VOF マーカーがあり、最低 1 枚には敵味 方双方のユニットがいる。 9.1.4. 反撃 攻勢シナリオの中には、特定ターンに、ないしは敵の上級 HQ のイベントの結果として、反撃がある。反撃ターンの間、 インストラクションで指示する種類のカードで米軍が存在 するものに PC マーカーを置く。イベントの指示により、反 撃は何ターンかにわたって起こることもある。シナリオによ っては、反撃専用の異なる敵戦力が登場することがある。 これでも、シナリオのプレイの手順は攻勢シナリオに準ず るが、次から 3 ターンないしはシナリオ終了のどちらか先に 来るまでの間、強襲戦術のアクション・チェック(9.4)がなさ れる。 9.1.1. 接敵可能性マーカー 接敵可能性(POTENTIAL CONTACT, PC)マーカーは、 接敵(9.2)の種類と位置を規定するものである。シナリオに よっては、マーカーは移動できるが、これは潜在的な敵の 移動を表している。マーカーは両面ある。片面には A、B、 C のアルファベットがある。もう片面には”?”マークがある。 アルファベットは、接敵の確率と脅威度を表している。A が 最も脅威度が高く、C は一番低い。 9.1.2. 攻勢シナリオと威力偵察における PC マーカーの 初期配置 攻勢シナリオでは、シナリオ準備時にマップに PC マーカ ーを置く。シナリオ・インストラクションでは、カードの列ごと にどの種類の PC マーカーを置くか、アルファベットの面を 上にするのか”?”の面を上にするのか、そしてその置き方 について述べている。自軍ユニットのいないカードごとに 1 個の指定された種類のマーカーを置く。シナリオの中には、 PC マーカーに加えて敵戦力を置くように指示しているも のがある。 シナリオで、異なるアルファベットの PC マーカーをランダ ムに置くよう指示されていれば、各アルファベットの PC マ ーカーを、置かれる地形カードの数だけ用意する。全 PC マーカーの”?”面を上にしてから完全に混ぜて、”?”面を 上にしたままマップに所要の個数置く。例えば、シナリオ・ インストラクションで、B と C のマーカーをランダムに 8 個置 くように述べていれば、8 個の B マーカーと 8 個の C マー カーを混ぜ、これら 16 個のうち 8 個を”?”面を上にしてラ ンダムに置く。特定のアルファベットの PC マーカーが足り なければ、そのアルファベットのマーカーを全部用意し、 それから他のアルファベットの PC マーカーを同じ個数用 意する。例えば、ベトナム戦争のシナリオの中には、25 枚 9.1.5. PC マーカーの判定 多くのシナリオは、PC マーカーの除去を基本とする。VOF フェイズ時に、PC マーカーのあるカードに米軍ユニットが いれば、接敵可能性を判定し、マーカーを取り除く。PC マ ーカーの”?”面が上になっていれば、アルファベットのある 面に裏返してから判定する。複数の PC マーカーを判定 する時は、アルファベット順に行う。同じアルファベットが 複数あれば、ランダムに順番を決める。マーカーの判定に は、接触可能性カード表(ヒントカードにもある)で、マーカ ーのアルファベットと情勢レベルを交差照合して、カードを 引く枚数を求める(「自動的」であれば、カードを引かずに 接敵となる)。接敵となれば、シナリオ・インストラクションを 見て、PC マーカーのアルファベットにしたがって接敵対象 の種類を確認する。 ビークルは、PC マーカーの判定をせずに地形カードを通 過することができる。ビークルが移動を終えたカードに限り、 接敵を判定する。 9.2. 敵戦力の登場 接敵時に、以下の 2 段階のプロセスを踏んで、接敵する 敵ユニットの種類と配置を決める。 42 9.2.1. 基本的な手順 接敵が生じた PC マーカーにつき以下の手順を踏む。 いものとする。 最初に、敵の種類と配置状況を決める。アクションカード を 1 枚引き、10 の下のランダムの数字を見る。PC マーカ ーのアルファベットに対応する、シナリオ・インストラクショ ンの接敵可能性表内の数字と照合して、登場する敵戦力 を確認する。これは、キャンペーン・インストラクションの敵 戦力表に記載の戦力と相応している。敵戦力表には、 VOF/PDF マーカーを置くか、ユニットは自動的に視認さ れて置くか、ユニット配置表で「戦力表の配置にしたがう」 という結果になった時の置き方、マップに置くユニットの種 類と数が記されている。複数のユニットが記載されていれ ば、+記号で結ばれたユニットを一緒に同じカードに置く。 /で分けたユニットは、別々のカードに置く。こうして、同時 に複数の方向から複合的な接敵が起こることがある。シナ リオログの裏面に敵のユニットや弾薬に関する情報を記す。 一部でもカウンター数を超えたため登場戦力を置けない 時は、本来の登場戦力を無視し、全数が使用できるユニ ットの種類を含む戦力を登場させられるまで、カードを引 き続ける。 9.2.2. 特例的な配置 ・配置結果が「戦力表の配置にしたがう」となった場合、キ ャンペーンの戦力表の配置列を見て、接敵の起きたカー ドと同一カードにユニットを置くのか、隣接カードに置くの か、現時点での最大 LOS 距離に置くのかを決める。隣接 ないしは最大 LOS 距離に置くよう指示があれば、方向を 得るためユニット配置表でカードを引いてゆく。 ・最大 LOS 距離にユニットを配置する時は、このユニットは 接敵を惹起したユニットを視認できなくてはならない。これ は、敵ユニットの射撃開始によって接敵が生じることを表し ている。 ・地雷は、接敵可能性の判定(9.5)をしたユニットと同じカ ードに置く。 ・視認されていない敵戦力には、“?”マークを上にした PC マーカーを乗せ、これが非視認状態であることを示してお く。 ・敵戦力は PC マーカーのあるカードに進入できる。この時 は、PC マーカーを置いたままにしておく。 次いで、敵の方向と距離を決める。アクションカードを 1 枚 引き、10 の欄の下のランダムの数字を見る。シナリオ・イン ストラクションのユニット配置表の数字とつき合わせ、配置 結果を確認する。この配置結果は、接敵が生じた地形カ ードから見た敵戦力の方向と距離と示している。方向は、 マップに対するプレイヤーの位置から見たものとなる(例え ば、正面とは、プレイヤーから見てマップの上方向への隣 の横列で、左横とはプレイヤーから見た左側となる)。シナ リオ・インストラクションには、敵が視認されているか、それ が可能だとして掩蔽物内にいるか、またその種類が記され ている。/の右にあるユニットを、同じ戦力の別のユニットと 同じカードに置いてはならない。別のカードが決まるまで 配置をチェックし続ける。 ・配置ターンに VOF/PDF を出さない敵戦力は、以降のタ ーンに米軍ユニットと同じように無条件で射撃を開始す る。 (明確化/追加) 配置表の結果として、米軍ユニットのいるカードに敵戦力 が登場することは問題ない。既に別の敵ユニットの PDF 沿 いにあるカードには敵戦力を置けない。 ・敵ユニットが、別のカードにある PC マーカーを通して射 撃するような位置に配置されるのであれば、射撃ユニット および目標ユニットと同一高度にある PC マーカーを取り 除く。敵は故意に味方を通過するような射撃をしないから である。敵は、低い高度にいる味方の頭上越しには射撃 する。 (明確化/追加) 既に敵ユニットがいるカードに敵戦力を置くことはできない (例外:+があれば、一緒になって置かれる)。置いた敵ユ ニットは、必ず配置を惹起したユニットを目標とする(例 外:ベトナム戦争のシナリオに限り、敵ユニットは、これを 惹起しなかった米軍ユニットのいるカードに登場すること があり、その時は惹起させたユニットでなく、同じカード内 に射撃する。ベトナム戦争ではトンネルが広汎に使用され ていたことを表している)。配置場所のせいで、敵ユニット が登場を惹起した米軍を適正な目標とできない場合は、 再度カードを引いて違う配置場所にする。この要件が満た されるまでカードを引き続ける。戦力が置けない場所であ れば、再度カードを引いて違う戦力を出す。要件を満たせ る登場可能な戦力が存在しなければ、この接敵は全くな ・敵戦力は、敵の VOF マーカーのあるカードには入れな い。この場合、適正な場所となるまでカードを引く。逆も同 様である。つまり、敵ユニットのいるカードに敵の VOF は 置けない。たとえ、これが米軍ユニットに視認されていない 敵であっても置けない。 ・戦力に指揮官が含まれていれば、ランダムにそれを選 ぶ。 43 (明確化/追加) あるカードにおいて最低 1 ユニットの敵が視認されていれ ば、そこにいる全ユニットは視認される。非視認状態の敵 ユニットが、視認されている敵ユニットのいるカードに進入 しても、その逆の場合であっても等しく視認される。 ・指定された種類のユニットは 1 個だけ置く。ただし、戦力 にこれより多い個数が明記されていれば別である。 ・シナリオ・インストラクションには、初期設定の掩蔽レベル が記されている。同一カードに置く戦力内の全敵ユニット を、指定の掩蔽物マーカーの下に置く。ただし、ユニット の戦力表に別種の掩蔽物が記されていれば、代わりにそ れを使う。「暴露マーカー」と記されていれば、掩蔽物マー カーはなく、暴露マーカーを乗せる。単に「掩蔽物マーカ ーの下」と書かれていれば、+1 掩蔽物マーカーの下に置 く。「掩蔽物なし」と書かれていれば、掩蔽物マーカーは使 わない。 非視認状態の敵ユニットを故意に目標とすることはできな い。非視認状態の敵ユニットが、自軍 VOF の影響を受け るのは 2 通りしかない。 1) 大隊砲撃任務を受け、隣接するカードの 1 枚か両方に 非視認状態の敵がいる。 2) 非視認状態の敵ユニットが、既に自軍 VOF のあるカー ドに登場する(一例として、米軍ユニットが何もないカード に射撃しており、PC 配置の結果として敵がそのカードに 置かれる場合があげられる)。 敵ユニットを、(使用可能だとしても)上階掩蔽物マーカー の下に置くことはできない。 ・敵戦力の配置に伴って、地形カードを置くことになり、マ ップが最初よりも拡張されることがある。シナリオ・インストラ クションに明記されている場合は別として、プレイヤーのユ ニットは最初の境界線から出ることはできない。中間準備 区域にまで拡張されることもある(この時は、2.3.5 にしたが い米軍の盤外移動ができるよう、中間準備区域も拡張す る)。マップを拡張するには、山札から地形カードを引き、 必要な箇所に置く。丘陵カードであれば、まずそれを置い てから、その上に乗せる非丘陵カードが出るまでカードを 引く。 9.4. 敵のアクション・チェック 全敵ユニットについて、シナリオ・インストラクションに記載 の敵の「戦術」と優先アクション・チェック表にしたがい、実 行するアクションをチェックする。優先アクション・チェック 表には、釘付け状態/LAT、攻勢、防御の 3 種ある。攻勢 と防御のチェック表は、敵の戦術で列分けされている。シ ナリオ・インストラクションで敵の優先条件と戦術を確認し、 全てのアクション・チェックについて対応する列を使う。釘 付け状態や LAT のユニットは全て、釘付け状態/LAT 優 先アクション・チェック表でチェックする。どの表についても、 該当する戦術列の上から下に見ていき、ユニットに当ては まる最初の事例を見つける。敵のいるカードをチェックす る順序はランダムに決める。各カードについては、釘付け 状態や LAT のユニットを先にチェックしてから、統制状態 のユニットをチェックし、最後に指揮官をチェックする。カ ードを 1 枚引いて、該当する事例に対応するランダムな数 字欄から、どのようなアクションや試行をとるかを決める。こ のアクションの実行や試行をしてから、次の敵ユニットに移 る。 ・敵戦力の登場にしたがい、情勢マーカーを変更する。 (明確化/追加) 優先アクション・チェック表による結果として後退となり、そ のせいでマップから離れることになっても、マップは拡張し ない。代わりに、そのユニットは取り除く。 9.3. 視認 敵ユニットの多くは、非視認状態で登場する。非視認状態 はカード内の全部に適用される。たとえ、非視認状態の敵 ユニットが自軍ユニットを攻撃しているかもしれないとして も、自軍ユニットは非視認状態の敵ユニットを攻撃できな い。敵戦力表にしたがい、一部の敵ユニットは、無条件で 視認された状態で置かれる。敵ユニットを視認するには、 視認の試みとして 2 枚のカードを引く。これは、視認試行 カード修整表による修整を受けるが、最低 1 枚は引ける。 一部の修整は、視認を試行するユニットに係わるものであ るが、その他は視認対象の敵ユニットに係わるものである。 非視認状態の敵ユニットが、視認されている敵ユニットの いるカードに進入すると、自動的に視認される。自軍戦力 は、常に敵から視認されているものとみなす。 44 自軍ユニットを攻撃していない敵ユニットは、LOS 内に移 動してくる自軍ユニットを攻撃しなくてはならない(VOF マ ーカーと PDF マーカーを置く)。これにはカードを引く必要 はない。自軍のいるカードが LOS 内に複数あれば、ステッ プ数で一番大きい目標を攻撃する。ステップ数が同じであ れば、敵 PDF はランダムに決める。(弾薬切れなど)別の ルールによるアクションが強制されるユニットについては、 アクション・チェックはしない。 自身のいるカードで複数の目標から選択する時は、一番 大きな目標を選ぶ。同じ大きさであればランダムに選択す る。 敵ユニットのいるカードに米軍ユニットが進入してきたため、 これに射撃目標を切り替えたら、敵ユニットの PDF は無く なる。 移動する敵ユニットには、移動する米軍ユニットと同じ制 限が課せられる。そのため、後退や掩蔽確保を含め、移 動する敵ユニットには暴露マーカーを乗せる。さらに、6.2 で述べたある種のユニットは、暴露マーカーを乗せると射 撃できない。 って使用可能となる。これは、シナリオ開始時に、米軍ユ ニットのいるカードかその隣に置くが、1 枚のカードに複数 個は置けない。クレイモア地雷のあるカードに、敵ユニット が進入するか登場したら、全ての敵ユニットの移動を済ま せた後に、-4 地雷原攻撃を行う。複数のユニットが対象と なれば、ランダムに 1 個を選ぶ。1 回使用したらクレイモア 地雷を取り除く。 9.6. 狙撃兵 後退の結果となった敵ユニットは、米軍から離れるように 後方 3 枚(盤端であれば 2 枚)のカードのどれかに移動す る。最優先の後退先は、どの米軍ユニットからも LOS 外と なるものである。次に優先されるのは、一番地形効果の高 いカードである。優先条件があてはまるカードが複数あれ ば、ランダムに決める。 敵優先アクション・チェックでカードを引いた結果が、敵ユ ニットが適正に実行できないもので、その代替案も記され てない場合や、ユニットの現状にあてはまる列がない場合、 この敵ユニットは何もしない。 9.5. 地雷原/ブービートラップ/クレイモア地雷 地雷原(Mines!)VOF マーカーは、ユニットが接敵可能性 を判定した結果、同一カードにおかれる。このカードにい る全ユニットは敵味方含め、即座に地雷チェックをする。 マーカーに記載のとおり、ユニットごとにアクションカードを 3 枚引く。その中に炸裂アイコンがあれば、命中となる。地 雷原マーカーを爆発面に裏返して、戦闘効果セグメントに 命中を解決するための備忘とする。歩兵ユニット相手では、 地雷の VOF は-4 であり、対戦車では、VOF は-2 となる。 地雷原は、制限視認性の影響は受けない。 狙撃兵に接敵したら、アクションカードを 1 枚引いて、シナ リオ・インストラクションの接敵配置表にしたがい狙撃兵の 配置場所を判定する。ただし、狙撃兵は、惹起したユニッ トからみて最大 LOS 距離に非視認状態で置く。狙撃兵は 擲弾で攻撃することができ、米軍の擲弾攻撃の目標となっ た時に無償で擲弾攻撃ができる。狙撃兵は、視認される まではマップにとどまり、狙撃兵の登場を惹起したカード へ攻撃し続ける。これが視認され、統制状態であれば、ア クションチェック・セグメントごとに自軍ユニットの LOS 外に 出るようにカード 1 枚ずつ移動する(LOS 外に出られない 場合、一番地形効果の高いカードへ)これを、全自軍ユニ ットの LOS 外に出るか、マップを退出するまで続ける。マッ プから退出したら、取り除く。目標カードに目標が存在しな い場合、狙撃兵は LOS 内で一番近い自軍ユニットのいる カードへ攻撃する。目標の候補が複数あれば、ステップ数 の一番多いものを攻撃する。これでも候補が複数となれば、 ランダムに決める。 (明確化/追加) 狙撃兵は、敵軍優先アクションのルールに左右されず、本 項のルールだけに規定される。しかし、釘付け状態や LAT になれば、他のユニットと同じように敵軍優先アクショ ンのルールに従う。 狙撃兵に適正な目標が存在しなければ、別の目標が現 れるまでそのままの位置にとどまる。 以降、地雷原のあるカードに敵味方を問わず歩兵ユニット や車両が進入したら、ユニットごとにカードを 3 枚引いて炸 裂アイコンがでるかをチェックする。これは地雷原が発見 されたターンでも、それ以降のターンでも適用される。地 雷原のあるカードを出る時は、地雷原炸裂チェックをする 必要はない。地雷原は撤去できない。 ビークルが、狙撃兵の目標カードに移動してきたら、狙撃 兵から H VOF でなく S VOF で攻撃される(H は特定の目 標にしか効果がない)。しかし、狙撃兵の目標選択時に既 にビークルがカードにいれば、ビークルも目標選択過程で 狙撃対象になりえ、選択されたら H VOF で狙撃されること になる。 ブービートラップは地雷と同じやり方で登場する。ブービ ートラップは持続するものではなく、1 回しか炸裂しない。 ブービートラップが登場したら、無条件で 1 個のユニットに 対して-4 地雷原攻撃を行う。このカードに複数のユニット がいれば、ランダムに 1 個を選ぶ。ブービートラップ・マー カーというものはない。登場したら擲弾攻撃マーカーを使 う。 9.7. 指揮官 敵の指揮官が存在する時は、指揮官と通信がとれている 敵ユニットによるアクション試行には追加で 1 枚のカードを 引く。カードに敵指揮官しかいなくなれば、最初の敵軍ア クションチェック・セグメントに火力班面に裏返す。 クレイモア地雷は、シナリオ・インストラクションの指示によ 45 (明確化/追加) 各敵指揮官に能力的な差異はない。 9.9. 敵の弾薬 敵の弾薬と砲撃任務は、シナリオログの裏に記録しておく。 整理フェイズに、非視認状態の弾薬切れの敵ユニットは 取り除く。視認されている統制状態の敵ユニットで弾薬切 れのものは、アクションチェック・セグメントごとにカード 1 枚 ずつ自軍ユニットから離れるように移動し、これを自軍ユニ ットの LOS 外に出るか、盤外に退出するまで続ける。マッ プから退出したら、取り除く。移動経路は、より大きな掩蔽 を得られるところで、かつ一番近い自軍ユニットから遠ざ かるものとする。 9.8. 間接砲撃観測員 接敵可能性の判定により、惹起したユニットのカードに敵 の間接砲撃 VOF マーカーを置く。間接砲撃 VOF を統制 する観測員は必ずいる。アクションカードを 1 枚引き、シナ リオ・インストラクションの接敵配置表にしたがい観測員の 位置を判定するが、惹起ユニットからみて最大 LOS 距離 に非視認状態で置く。初回の砲撃は、カードを引かずに 無条件で起こる。 (明確化/追加) 弾薬切れマーカーを乗せたユニットは、新たな VOF で戦 闘を継続できるので、9.9 のルールにしたがって盤外へ出 る必要性はない。 観測員が統制状態で、砲撃任務が残っていれば、以下の 優先順位で砲撃要請を継続する。 1. この砲撃による VOF マーカーのあるカード内のユニッ ト 2. LOS が通じるビークルのあるカード 3. LOS が通じる一番ステップ数の多いカード 4. 同一ステップ数のカードが同距離にあれば、目標はこ れらからランダムに決める。 9.10. 敵のビークル (初回を含めた)砲撃任務数、戦闘修整、初回以降の砲 撃要請(敵軍アクションチェック・セグメントに試行)で引く カードの枚数は、シナリオ・インストラクションに記載されて いる。砲撃要請が成功した時だけ、1 砲撃任務消費される。 全砲撃任務を消費したら、統制状態の観測員は取り除く。 敵のビークルは、アクション・チェックで登場し、ビークルフ ェイズに移動や戦闘のため活性化できる。シナリオ・インス トラクションには、敵のビークルが活性化した際の独自の 優先条件が書かれている。両陣営のビークルが活性化す る時は、攻撃側が先手となり、以降は交互に活性化する。 10. 回復、再編成、経験 担送班、強襲班、一般火力班)に差し替わったら、もとの ユニットへと回復させることはできない。これらが、シナリオ の最中に得られる一番良い状態は、(一般)火力班か強 襲班である。しかし、これらの班の 2 個か 3 個を、除去され た 1 個歩兵分隊に再編成することはできる。よって、実際 的に正規の分隊は、回復と再編成によってシナリオの最 中に、もとの統制状態のカウンターに復帰できる。一方で、 重火器、FO、HQ のユニットは復帰できない。 シナリオの間、減少状態にあったユニットを、回復や再編 制によって増強することができる。経験ポイントを消費する ことで、シナリオとシナリオの合間にユニットの経験レベル を上げることができる。また、ユニットをレベルアップさせた り、補充することもできる。 10.1. 回復と再編成 回復アクションに成功することで、ユニットの状態を小さい 数字のものから大きい数字のものへと増強できる。 1. 2. 3. 4. LAT がどのユニットからできたものかを記録する方法は、 意図的につくっていない。LAT に減少したユニットは、ごく 少人数の集団となっている。強襲班は、概念的には他の ゲームでいう「狂暴化」に似たもので、戦闘の重圧に対す る反応として、敵を攻撃したいという抑えがたい衝動を持 ったものである。 無力化班 担送班 火力班や強襲班 統制状態ユニット ユニットが戦闘の結果(6.9.2)、LAT カウンター(無力化班、 46 (明確化/追加) シナリオ開始時よりも火力が増えるような回復はできない。 軽傷の兵士が中隊に復帰することで、ベテランとなることも ある。1 つのシナリオで負傷兵 4 ステップにつき 1 ステップ をベテランとして補充する(端数切捨て)。補充兵ステップ は、中隊内のどのユニットに加えても構わない。 10.2. 経験ポイントの獲得 キャンペーン・インストラクションに記載の補充兵ステップ を中隊に割り当てたら、個々のユニットの最終的な経験レ ベルを決める。経験レベルの異なるステップを統合(10.5) したら、全ステップは統合後の経験レベルで、次のシナリ オに出る。HQ や幕僚のユニットを再編成するために補充 ステップを使うこともできるが、再編成後のユニットの経験 レベルは新任となる。 中隊は、シナリオで任務を達成することで経験ポイントを 得る。シナリオ・インストラクションには、任務別に与えられ るポイントが記されている。 (明確化/追加) 敵負傷兵を輸送する必要はないが、掃討によるポイントを 得るにはカードを掃討しなくてはならない。 シナリオが成功裡に終われば補充ステップを受け取るが、 シナリオの再挑戦時には受け取れない。 カードが掃討されているか否かは、シナリオ終了時に決ま る。シナリオの最中に掃討したが、シナリオ終了前に敵に 再占領されたカードについてポイントは生じず、1 枚のカ ードを 2 度掃討したからといって 2 倍のポイントは得られな い。 (明確化/追加) 復帰するベテラン兵のステップは、キャンペーン・インスト ラクションに記載の補充兵に加えてのものである。例えば、 WWII で米軍は 6 ステップ喪失したら、新任兵の 6 補充ス テップとベテラン兵の 1 補充ステップを得る。 10.3. ユニットのレベルアップ 経験ポイントを消費するか、負傷状態から戻すことで、ス テップをレベルアップさせる。レベルアップは、シナリオか らシナリオへの合間に行い、シナリオの最中にはしてはな らない。1 ステップを、新任から一線級へとレベルアップす るには 1 経験ポイントかかる。1 ステップを、一線級からベ テランへとレベルアップするには 3 経験ポイントかかる。一 度に 1 レベルしかレベルアップできない(訳注:シナリオの 合間に新任→ベテランは不可)。1 つのシナリオが完了し たら、以下の手順を順番に行う。 得られるベテラン兵の数を決めるために負傷兵を数える 時は、後送したか否かに関係なく全負傷兵を換算する。 ただし、終わったばかりのシナリオに生じた負傷兵だけを 数え、シナリオからシナリオにわたって繰り越さない。 10.4. 交代 キャンペーンによっては交代があり、キャンペーン・インス トラクションにしたがい中隊からベテラン兵のステップが出 てゆく。 •経験ポイントを計算する。 •シナリオ終了時に LAT となっているステップ全部を新任 にレベルダウンする。 •ステップをレベルアップさせる。 •補充兵を加える。 10.5. 複数ステップのユニットの経験レベル 2 ステップのユニット ベテラン+(新任か一線級)=一線級 一線級+新任=新任 シナリオ・インストラクションにしたがい、中隊に割り当てた 分属ないしは支援のステップ(工兵、重火器中隊等)をレ ベルアップさせるためには、経験ポイントを使えない。消 費されなかった経験ポイントは失われる。 3 ステップのユニット ベテラン×2+新任=一線級 ベテラン×2+一線級=ベテラン 一線級×2+どれでも=一線級 新任×2+ベテラン=一線級 新任×2+一線級=新任 ベテラン+一線級+新任=一線級 (明確化/追加) 威力偵察シナリオでは、偵察ごとに別個のシナリオとみな される。そのため、偵察から偵察の合間に得た経験ポイン トを蓄積、消費する。 10.4. 補充兵 補充兵はたいてい新任であるが、シナリオを終えた後で、 47 11. 勝利条件 キャンペーンでは、次のシナリオに行くには、今のシナリオ を成功裡に完了させなくてはならない。シナリオ・インスト ラクションには、シナリオ完遂の要件と、シナリオに挑戦で きる回数が記されている。完遂に失敗した時に限り、再挑 戦できる。 ・再挑戦するシナリオについても、ターン、砲撃支援任務、 弾薬ポイント、アセットは、元のシナリオと同じである。 11.2. 解任 シナリオ・インストラクションに記載の挑戦回数内にシナリ オを完遂できなければ、キャンペーンの失敗となる。上級 司令部は、プレイヤーを解任する。言い換えると、キャン ペーンの最初のシナリオからやり直さねばならない。 11.1. 失敗したシナリオの再挑戦 シナリオに再挑戦する時は以下の手順を踏む。威力偵察 シナリオで、最初の偵察の後に行われる全ての偵察につ いても適用するが、偵察と偵察の合間にマップを作成しな おした場合は除く(これは別の地域であることを表す)。 ・直前の挑戦で得た経験ポイントを割り当てるが、補充兵 は加えない。補充兵は、シナリオ完遂まで待たねばならな い。 ・十分な数が残っていれば、LAT から分隊を再編成でき、 自動的に回復する。残った LAT は、火力班として残る (注:再挑戦時だけでなく次のシナリオに入る前にも行 う)。 ・自軍が確保したカードに自軍ユニットを再配置する。掩 蔽物の下に置ける。 ・敵の無力化班、担送班、負傷兵を取り除く。 ・敵の捕虜となった自軍ユニットを取り除く(注:再挑戦時 だけでなく次のシナリオに入る前にも行う)。 ・発見された掩蔽物マーカーや地雷原はそのままにして おく。 ・掩蔽物マーカーの下にいる敵ユニットはそのままにして おく。その下にいない敵ユニットは、カード内で一番掩蔽 効果の高い掩蔽物の下に置く。 ・炎上する残骸を残骸にする。 ・釘付け状態マーカーを取り除く。シナリオログを新しいも のにする。 ・貯めた命令ポイントはなくなる(注:再挑戦時だけでなく 次のシナリオに入る前も同様)。 48 分隊の内訳 ドイツ軍(国防軍) シナリオ 1 のみ その他のシナリオ ドイツ軍降下猟兵 北ベトナム軍(PAVN) 米軍(WWII&朝鮮戦争) または(ランダムに決める)* 全シナリオ 米軍(ベトナム戦争) 北朝鮮軍(NKPA) 米軍工兵隊(WWII&朝鮮戦争) ベトコン(VC) 米軍工兵隊(ベトナム戦争) 米軍迫撃砲隊 *上の方に決まったら、残っている弾薬を 2 個の MG ユニットに配分する。 49 訳注 1) この和訳ルールは、GMT Games ウェブサイトからダウンロードできる Final Rules に、以降発生した膨大なエラッタ/明確 化を反映させたものです。それらは「最終ルール」の文中に溶け込ませたものもあれば、(明確化/追加)と注記の上、付け 足したものもあります。用語の和訳には、適正な軍事用語をあてたものもあれば、意図してウォーゲーマーに馴染みの深 い訳語にしたものもあります。 2) ルール内の「自軍ユニット」とは、全て米軍ユニットを指します。 3) 「マップ」は「盤」と言い換えていることがあります(盤外や盤端など)。 4) ルール把握上問題がなければ、ユニットによる「占領」は単に、「いる」とか「存在する」という言葉に言い換えていること があります。 5) 輸送に関するルールの「装備」には負傷兵や捕虜も含みます。 6) 便宜上、ヘリや攻撃機の攻撃も「砲撃」と呼んでいる箇所があります。 7) 16 ページから 20 ページの表の「発令者」と「受命者」は、特に明記がなければ 1 つです。 以上 50