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化学第26講

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化学第26講
第2章
物質の変化と平衡
電離平衡②
緩衝溶液
弱酸とその塩の混合水溶液(または,弱塩基とその塩の混合水溶液)は,少量の酸や
塩基を加えても,pH はほとんど変化しない.このような作用を緩衝作用といい,緩
衝作用をもつ溶液を緩衝溶液という.
例えば,酢酸と酢酸ナトリウムの混合水溶液は,以下の変化を起こすことにより,
緩衝作用を示す.
①
酸を加えたとき
CH3COO + H+ → CH3COOH の変化が起こるため pH は大きく減少しない.
②
塩基を加えたとき
CH3COOH + OH → CH3 COO + H2O の変化が起こるため pH は大きく増加し
ない.
緩衝溶液の水素イオン濃度
例
Ca mol/L の酢酸と Cs mol/L の酢酸ナトリウムの緩衝溶液の水素イオン濃度
(酢酸の電離定数を Ka とする. )
[H  ] 
18
Ca
Ka
Cs
第 26 講
電離平衡②
19
第2章
物質の変化と平衡
次の物質を含む混合水溶液の中から,緩衝作用を示すものを全て選べ.
①
塩酸と塩化ナトリウム
②
アンモニアと塩化アンモニウム
③
酢酸と塩酸
④
酢酸と酢酸ナトリウム
⑤
塩化ナトリウムと塩化カルシウム
⑥
水酸化ナトリウムと硝酸ナトリウム
20
第 26 講
電離平衡②
次の文章を読んで,以下の問いに答えよ.
酢酸水溶液に酢酸と等しい物質量の酢酸ナトリウムを加えて溶かした場合を考えてみる.
酢酸ナトリウムは強電解質で,ほぼ完全に電離するので,水溶液中では,酢酸ナトリウムに
由来する( A )の濃度が増加するため,( B )の原理により,
CH3COOH
の平衡は(
C
CH3COO-+H+
)が生成する方向に大きくかたよる.従って,酢酸と酢酸ナトリウムの混合
水溶液の pH は酢酸が単独に溶けている場合よりも( D )なる.
この混合水溶液に少量の強酸を加えると,酸の電離で生じた(
(
C
た(
E
)が(
A )と反応して
)になる.一方,この混合水溶液に少量の強塩基を加えるときは,塩基の電離で生じ
F
)が(
合水溶液中の(
C
)と反応して除かれる.そのために,少量の強酸や強塩基を加えても,混
E )の濃度はほぼ一定に保たれる.
酢酸と酢酸ナトリウムの混合水溶液のように,少量の酸や塩基を加えても pH をほぼ一定
に保つはたらきを有する水溶液を( G )という.
問 1 ( A )~( G )に当てはまる語句または人名などを次の(ア)~(シ)から選び,記号で
答えよ.
(ア) 大きく
(イ) 小さく
(ウ) 緩衝溶液
(エ) 標準溶液
(オ) 酢酸
(カ) 酢酸イオン
(キ) 水素イオン
(ク) ナトリウムイオン
(ケ) 水酸化物イオン
(コ) 水のイオン積
(サ)
(シ) ヘンリー
ルシャトリエ
問 2 0.10 mol/L の酢酸水溶液 100 mL に,酢酸ナトリウム 0.010 mol を溶かし,酢酸-
酢酸ナトリウム緩衝液をつくった.酢酸ナトリウムを加えたときに水溶液の体積の変化
はないものとして,この緩衝液の pH を求めよ.酢酸の電離定数を Ka= 2.0  10 5 mol/L
とし,必要があれば以下の値を用いよ. log10 2  0.30
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