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萎える日は古里の彩添えてみる
第 作 品 集 回 加西市文化祭文芸祭 50 ごあいさつ 加西市文芸祭は毎年市内外の皆さまにご参加いただき、今年で五十回を数えます。 私たちは普段何気なく言葉を使っていますが、短い言葉で気持ちを伝えることは簡単ではありません。し かし、日本人はあえて、字数を制限し凝縮することによって、言葉の力を最大限に引き出す芸術を編み出し ました。そして驚くべきことに、その伝統は一三〇〇年の長きにわたって受け継がれ、現在もこうして皆さ まに親しまれています。 紀貫之は和歌を、人の心から芽生え広がり茂る葉に例えました。 この作品集にも、多くの方々の心を種として生まれた言葉が収められています。是非、とりどりの言の葉 の輝きをお楽しみください。 最後に、この文芸祭を開催するにあたりお世話になった審査員の先生方、加西市文化連盟ならびに加西市 文芸協会をはじめとする関係者の皆さまに厚くお礼申し上げますとともに、ご参加くださいました皆さまに 深く感謝申し上げます。 平成二十八年十一月 加西市長 西 村 和 平 目 次 『 一般の部』入賞作品……………………………………………………………… 一 俳句 応募作品 … ………………………………………………………………… 一五 川柳 応募作品 … ………………………………………………………………… 三五 短歌 応募作品 … ………………………………………………………………… 五七 『ジュニアの部』入賞作品……………………………………………………… 七七 『 一般の部』 入賞作品 俳 句 総 評 森 久 美知子 第五十回目という節目の文芸祭に、総数二百四十句もの素晴しい作品に出会えることができました。俳句 を始めて未だ日の浅い方や経験を積まれた方、皆さん各々に俳句を楽しみ、生き甲斐として親しんでおられ る様子が伺えました。 さて、選をするに当り基準となることは、第一に有季です。一句に季語を必ず一つ入れることです。季重 なりは選外としました。第二に定型です。五七五の十七音の韻文のリズムに調えることです。字余り、字足 らずも選外です。第三に切字です。一句に零か一つです。その他いろ〳〵ありますが、助詞の使い方、動詞 の活用形などや、語法の誤りが見受けられ残念に思いました。 俳句は季語を詠う詩です。作者の言いたい事や考えなど、又、目の前の事柄をそのまま並べている句が多 く有りましたが、主観は抑え、具体的な物に託して客観写生の句に推敲すれば鮮明な映像が浮かび上がり、 言いたい事は余韻として読者の心に強く響いてきます。今回、そのように感動させられた句が入選句以外に も有りましたことを追記し総評と致します。 これからも一層の御健吟を祈念致します。 三 市長賞 朝明けの風嫋嫋と稲の花 四 加古川市 森 清 美 五風十雨の恵みを受けて育つ稲穂。渺渺とした田を渡る微風の中で、稔りの秋の喜びと心の安らぎを静か に噛み締めながら見詰めているのである。 稲の花の開花は、穎から小さな目立たない白い糸のようなものを垂らすが、良い条件の晴天での風媒によ 広島県三次市 錦 佳 秋 るので見過ごしがちである。が、その命短い花の一瞬を逃さずに、素直に捉えた客観写生の句である。「嫋嫋と」 が、風だけでなく、稲穂の揺らぐ様子も見え、匂いも感じられてくる。 瑞穂の国を思わせる秋の田園風景である 教育委員会賞 行く人の足音違ふ秋の暮 釣瓶落しの秋の暮の窓辺に一人寂しく佇みながら、道ゆく人の足音に耳を傾けているのである。急ぐ足音、 走る足音、子供の足音等いろ〳〵浮かぶが、美しい着物姿の女性が淑やかに歩く草履の音を想像したい。 忽ちのうちの暗闇に消えてゆく足音、しみじみとした秋の哀れを感じる句である。 傾ぎたるまゝの地震の家蔦茂る 加古川市 平 田 チヨ子 変わり果てた地震跡を目の辺りにして、暫し、呆然と立ち尽くしている作者である。ふと足元に目を遣る と、傾いたままの家に蔦が厳しい暑さの中で青々とした葉を絡ませている。悲しみは飽く迄も内に秘めたこ 大阪府池田市 太 田 省 三 西脇市 山 尾 カツヨ とで、一層深く寂しさが伝わってくる。勢いよく茂る植物の生命力に明日への希望が感じられた。 入 選 一輌のすぐに青田へ引き返す いただき 一茎の頂掴み行々子 広原町 向 井 明 美 繁昌町 惣 市 佳津子 菜の花や村に大きな忠魂碑 煩悩の渦巻く長き夜半の秋 西脇市 岸 本 悦 子 神戸市 吉 野 静 高砂市 藤 田 千賀子 奈良県葛城市 山 中 健 司 虫追ひの火の映りゐし水明り 公園の素振り百回蝉時雨 蜩や湯あがり後の薄化粧 堂塔の仏に会釈秋桜 五 手花火の音の小さく闇はじく 枝折戸の虫の音ひとつ朝まだき 六 別府町乙 西 村 和 代 加古郡稲美町 島 田 信 行 川 柳 総 評 第五十回加西市文芸祭、多くの作品をお寄せ頂き、初めて選をさせて頂きました。 宮 本 喜 明 川柳は正解の無い世界と言われています。人間を詠むもの、人間の裏も表もそして斜めからも、生きるこ との喜怒哀楽の思いを、その心底の思いをどれだけ余韻としてのこされたかを重点に置かせて頂きました。 三賞以外の入選作品については短評を加えて総評と致します。 「いい風が」では体調もよくちょっぴりいい事があってふわりと空に飛べそう、飛んでみたい。 「ふうわりと」では地球の大地に踏んばって生きているのですが、しがみつくがポイントです。 「婚活に」では親子で精一杯に心の化粧をすると表に出る声も精一杯の化粧に聞こえてくる。 「もう少し」では嫌な思い出は消えて楽しい思い出だけをのこしてる、自問自答して答えはいつも「いい ですよ」 「便利さを」ではあまりにも便利な世、軽すぎる。考える工夫する、古民家で人間らしく生きてみたい。 「ハミングが」では雑踏を離れてローカル線ひとり旅。つい口遊む兎追いしの故郷を。 七 八 「もう一度」では自分の歩んだ人生をふり返ってみる、途中下車した夕陽にも問うてみるのだが答は出て こない。 「夕焼けの向う」では背伸びしても走っても向うは見えない、たっぷりのロマンです。 「お供えの」では五万円と一万円の相応の字はどう違うのでしょうか、見付け所に感銘。 小野市 中 村 すみ子 「割引の五皿」では店に来る前から割引の五皿で止めると決めて来た、しかし五皿目の時あと少し食べる か心の葛藤があった。止めた五皿、意志の強さが生きている。 市長賞 萎える日は古里の彩添えてみる 人生も余白を歩き始めた今、長い歳月をふり返ってみることがある。時には挫折や哀しみが多くあった、 その度に自分を励ましやさしく支えてくれたもの、それは記憶の中にある古里であった。もう遠くになった 古里であるが、移ろいゆく四季の彩、山や川を渡る風の彩、そして人々の明るい表情。 不思議なことに古里の記憶はみんな生きている。作者にとって記憶の中の古里は支え励ましてくれる父親 そのものかも知れぬ。 教育委員会賞 巣立つ子へ歌い続ける応援歌 福井県福井市 中 川 潔 やっと我が子の巣立つ時、自分を送り出してくれた親の思いを初めて理解できたように思う。頑張れよと 多可郡多可町 宮 﨑 喜美子 も頑張り過ぎるなとも思う、何があっても味方、どこまでも応援し続ける事を親馬鹿と言われてもいい。そ んな作者の祈りの深さが伝わってくる。 余生とはひと日ひと日が晴舞台 はてさて余生とは、人生として答の出た後のことなのか、各人で異なるのも事実。職を辞してから趣味の 世界もよし、スポーツを楽しむもよし、ひと日を大切にしたい、その願望の裏にちらりと哀が見え隠れして いる、その事が生への思いの深さに共感できる。 九 入 選 いい風が吹くとなんだか飛べそうで ふうわりと浮かぶ地球にしがみつき 一〇 佐賀県唐津市 古 賀 由美子 西脇市 藤 原 紘 一 加東市 藤 原 進 下芥田町 宮 﨑 幸 子 婚活に声まで化粧する親子 もう少し生きていててもいいですか 神戸市 塩 谷 凉 子 神奈川県川崎市 石 関 恵 子 多可郡多可町 笹 原 浩 千葉県松戸市 中 原 政 人 西脇市 生 田 頼 夫 西脇市 今 中 多津子 便利さを少し離れて人心地 ハミングが似合うローカル線の旅 もう一度人生を問う途中下車 夕焼けの向うみたくて背伸びする お供えの額相応の字を記し 割引の五皿でやめる回る寿司 短 歌 総 評 春 日 いづみ 応募作品二一三首の内容は多彩で、全体から現代の社会の姿が、生きる人々の心が見えてくると感じまし た。作歌の過程で心が整えられるという効用がありますが、応募作品はすでに定型によく馴染み、情景、状 況をよく伝えていて、日頃の積み重ねの成果だと思います。加西市がこのような文芸祭を開くことも作品の 向上に大きく寄与しているのでしょう。 選考にあたって、一首からどれだけ広がりを感じられるかという点を重視しました。日常の場面であって も、表層的な報告に終わってしまう作品ですと、個人の感慨に留まってしまいますが、表現の工夫次第で詩 的な広がりが生れ読み手の心を揺るがします。言葉が生き生きと働くのです。たった一行の短歌が他者の心 を支えることもあります。そして作者ならではの発見や感覚を是非大切にしていただきたいと思います。一 人ひとりの作品の向上が文化を守り、導くことにつながるのです。「詩は一国の心臓」といった人がいます。 そのような気概をもちたいものです。 一一 市長賞 上流の村にしろかきはじまるを告げて泥水小川にきたり 一二 谷町 垣 内 啓 子 ある日小川に泥水が流れて来た。上流の村で「しろかき」が始まったといち早く感じる作者。田植えの前 の大切な作業に思いを馳せています。遥か離れた上流の村の出来事や様子をテレビのニュースやメールなど 文明の利器によってではなく、小川の泥水によって知るということに、新鮮さを覚えました。シンプルな場 面なのに、上流の村への親しみ、米作りへの畏敬も感じられ、農耕民族の連帯感さえ感じます。「泥水」と 福居町 楊 井 佳代子 いうマイナスのイメージの言葉が、秋の実りへの希望をもたらす言葉に変わるのです。 教育委員会賞 王冠に首飾りになりはつなつの白詰草は野原を駆くる 白詰草を摘んで編み、頭に載せたり首にかけたりして子どもたちがはしゃぎまわっている情景、白詰草を 主語にしての表現が秀逸です。「王冠」「首飾り」はおとぎ話の憧れのアイテム、素朴な野の花の心弾みが感 じられます。 風孕み山を蹴り上ぐ鯉のぼり峡に新たな金鱗光る 窪田町 後 藤 千 明 大きな鯉のぼりが勢いよく泳ぐ姿が「山を蹴り上ぐ」に見事に表現されています。「新たな金鱗」は新し い命の誕生を告げていて、五月のひかりを受けて光る様は男児の豊かな未来を示すかのよう。寿ぎの心に溢 れています。 いと 入 選 うつしみ 加東市 丸 山 義 隆 広島県三次市 錦 武 志 ひとよ 現身の温み愛しむ心地して壺に入りし妻の骨抱く 毬栗を一つ加えて着きし栗妻の故郷の山の香をもつ 奈良県宇陀市 渡 辺 勇 三 神戸市 山 岡 倭 福岡県福岡市 六月朔日 光 網引町 岡 田 笑 子 山枝町 仲 井 清 澄 山口県光市 中 原 伸 二 あの角を曲がりそこねしそのことがそのまま尾を引く一生と想ふ ほのかなる色香をのこし梅の実はボンネットの上に土用干しさる 余りにも他人事のよう原発を受け入れし国受け入れし民 鳴き続ける蜩とともに車椅子のわたしは秋を迎えに行こう 弔いの手話の指にて咲かす花白木蓮の見え来る仕種 金・銀のテープの螺旋往き来して雀おどしは風に従う 一三 白雨去り稲田はさらに濃き緑とびたつ蜻蛉の羽根をあおくす 「カタカナをならつているよ」と女の孫のひらがな書きの葉書が届く 一四 谷口町 山 野 淑 子 西脇市 内 橋 やす子 俳句 応募作品 〃 加東市 〃 大阪府八尾市 〃 島根県安来市 〃 佐賀県唐津市 〃 東横田町 〃 加東市 齋 藤 恒 義 〃 丸 山 義 隆 〃 穐 山 常 男 〃 ⻆ 森 玲 子 〃 古 賀 由美子 〃 山 本 寿 一 〃 井 上 益 子 立春や月が半分溶けている 打水をして棚経の僧を待つ 畑町 〃 鉢巻も凛凛し坊やの阿波おどり 蓮の花時移ろふも寡黙なり 始まりに闇押し上げる青簾 短冊の祖母の願ひをそっと伏せ 法事終えすぐ稲刈りと言ふ従兄弟 夏木立五十メートルほど疾走 チェンバロのゆるき調べや夏館 魚の棚渦で鍛えた半夏生 朝野道振る手に絡む蜘蛛の糸 春ストーブポッと音たてポポポポポ 新年に誓い要らぬ好好爺 〃 一七 浴衣にてそぞろ歩けり若き日や 1 2 3 4 5 6 7 8 9 14 13 12 11 10 手花火の終の火玉を愛ほしむ 山田錦の幟なびかせ青田風 鳩吹けど遥か彼方に爆撃機 駅弁の壺を清水に洗ひけり 多可郡多可町 〃 小野市 〃 加東市 〃 西脇市 西宮市 〃 大阪府池田市 〃 上芥田町 藤 原 智 史 門 脇 信 博 〃 柏 木 淑 子 〃 宮 田 賢 三 〃 片 岡 逸 美 藤久保 登 〃 太 田 省 三 〃 為 広 鈴 美 一八 梅雨晴れて五百の命羅漢寺に 明石市 〃 うなじまであじさい彩に染める雨 里芋の葉に溜まりしや雨雫 〃 ざくろ あま 汗染みの帽子そろそろ捨てやうか 打ち水にしばし憩うや石畳 音のしてお腹にずんと遠花火 露草や君の面影儚くて 一輌のすぐに青田へ引き返す 風光る翼拡げてみたくなる 道端に赤く弾けし石榴かな 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 風に散る約束ばかり落葉掃く 豊作を願ひ村中田干しかな 若鹿の骸冷たき切り通し 小さき手の小さき祈りや地蔵盆 とんがった神経ひまわりが笑う 万年筆のインク入れて夜の秋 鷹一つの句碑の真上を鷹渡る 一汁のつきたるのみの栗ご飯 岩盤の割れにくちびる水の秋 西宮市 〃 西宮市 〃 西脇市 〃 鶉野町 〃 中野町 〃 広島県三次市 〃 姫路市 〃 秋 田 成 美 〃 舟 辺 隆 雄 〃 藤 原 紘 一 〃 塩 河 和 代 〃 小 谷 みちよ 〃 錦 武 志 〃 板 谷 繁 ち 鵙鳴くや父のつぶやき日に弱し ち 一灯を自分に残す夜半の月 鏡中に入りゆく思ひ花の道 白地着る父は薩摩の人なりき 〃 一九 ひさかたの布団重たし夜の雨 42 41 40 39 38 37 36 35 34 33 32 31 30 29 一面の葉の間の蓮や風に揺る 〃 広島県三次市 繁昌町 〃 丹波市 〃 西脇市 〃 加古川市 〃 愛知県東海市 藤 原 進 〃 佐 藤 昌 樹 後 藤 幾 代 〃 石 田 信 夫 〃 山 尾 カツヨ 〃 安 井 淑 子 〃 斉 藤 浩 美 二〇 大閤も浸かりし赤湯月冴える 加東市 〃 湯のような水を使いて墓洗う 山霧の濃ゆし行く手も来し方も 〃 宮 﨑 幸 子 まだまだと迷わず五年日記買う 美しき汗の素顔に出会ひけり 焼香に紛れてゐたり鬼ヤンマ 水打ちて土の匂ひの薄暮か 鳴きつくすつもりつくつくぼうしかな 秋桜レンズの中に風を見る 一茎の頂掴み行々子 いただき マネキンの案山子の佳人鳥寄せず 帰省子のいるらし隣よりピアノ 天高し風土記の神に逢ひにゆく 下芥田町 56 55 54 53 52 51 50 49 48 47 46 45 44 43 夕立の音を残して夕暮れる 大花火感動あまた背を正し お転婆の誰か見守る水遊び 〃 中野町 〃 広原町 〃 揖保郡太子町 〃 加古川市 〃 愛知県常滑市 下芥田町 西 谷 寿 〃 中 村 清 秋 〃 向 井 明 美 〃 成 定 竹 乃 〃 金 井 矩 子 〃 沢 田 正 司 宮 﨑 幸 子 暑すぎて言葉選べぬ出会い人 夏野菜コンポに入れる汗の色 愛知県春日井市 〃 汗かいて仕事がんばる新社員 冬過ぎて耐え忍んだ芽華となる ばあちやんの夢はと問はれ初蝶来 菜の花や村に大きな忠魂碑 夏萩の乱れて咲くも客を待つ 八月の空に浮かびし晶子の詩 妻に似る人が通りし夏帽子 紅蓮や邪心持たず咲きにけり 〃 大久保 多 代 梅雨晴間「えい」と声かけシーツ干す 二一 段下町 70 69 68 67 66 65 64 63 62 61 60 59 58 57 吹き渡る風柔らかやそばの花 煩悩の渦巻く長き夜半の秋 灼きつくし西日燃えつつ山に入る 奈良県宇陀市 〃 網引町 〃 高砂市 〃 広島県三次市 〃 加古郡稲美町 〃 繁昌町 段下町 〃 渡 辺 勇 三 〃 板 井 ちさ代 〃 冨 田 卓 〃 錦 佳 秋 〃 藤 田 定 行 〃 惣 市 佳津子 大久保 多 代 二二 大き葉の蔭に真白き蓮の花 〃 高 尾 梨 佳 こ め 閑なり野菊の雨も馬の瞳も しづか 古新聞濡れて筍届きけり ひとひらのひとひらなりの落花かな 仔牛啼きてあらたな命桐の花 べ 麗らかに嬰の一歩や空の蒼 行く人の足音違ふ秋の暮 新涼や和紙で束ねし巫女の髪 秋祭り笛を持ちたる案山子かな 太鼓台神も釣られて踊る杜 とんぼうや追ふ子の網の右左 繁昌町 84 83 82 81 80 79 78 77 76 75 74 73 72 71 御巣鷹に登り秋暑の忌を修す 風のなき夜を匂はせて稻の花 仐寿生き今日もひとりやシャボン玉 花は桒を桒は花を恋ふ彼岸花 〃 岐阜県加茂郡 〃 岐阜県加茂郡 〃 京都府京都市 〃 神戸市 〃 玉野町 繁昌町 岸 本 悦 子 〃 も う も う 〃 古 川 恋 〃 馬 杉 とし子 〃 住 野 玄 〃 玉 田 幸 代 高 尾 梨 佳 は 横顔のボーイソプラノアマリリス 西脇市 〃 虫追ひの火の流れゆく田畔かな たぐろ 虫追ひの火の映りゐし水明り 釣り落とすマスで煌めく我が履歴 土用波セレブ行事と化す未来 キャンプにも名を売り拡大西瓜割り 大文字彼岸此岸にバッハの音 白砂踏む人工浜に暑の残り ソフト良し妻とクッションかき氷 〃 岡 本 輝 子 戦争の体験ばなし花菖蒲 二三 鎮岩町 98 97 96 95 94 93 92 91 90 89 88 87 86 85 滝音に聞きたき言葉消されけり 緋毛氈の茶席へ入り来落花かな 凌霄花落暉の彩や円照寺 多可郡多可町 〃 坂本町 〃 奈良県奈良市 〃 奈良県御所市 〃 上道山町 〃 明石市 鎮岩町 〃 宮 﨑 喜美子 〃 山 本 光 範 〃 和 田 康 〃 中 村 宗 一 〃 髙 井 美 里 〃 石 田 史 枝 岡 本 輝 子 二四 雷雨浴び石蛙まで庭を跳ね 〃 川 﨑 岳 史 百日紅恋に破れた形せり 飾らずに生きる気安さ冷奴 白露のこの世たっぷり生きにけり 虹かかる出窓に「風の又三郎」 青春が天にはじけてかき氷 独り身は今日もあきずに冷奴 蚊帳吊って大の字で寝る心地よさ 風鈴の響き瀬音に流されて 俎板の母ゐる音や寒の朝 雨上がり透かし浴衣の夕景色 京都府木津川市 112 111 110 109 108 107 106 105 104 103 102 101 100 99 五条坂織部焼から七哲だ 公園の素振り百回蝉時雨 〃 神崎郡市川町 京都府相楽郡 〃 神戸市 〃 加古川市 〃 下宮木町 〃 姫路市 京都府木津川市 竹 内 よし子 〃 長 尾 寿 栄 北 谷 匠 〃 吉 野 静 〃 宮 村 明 宏 〃 前 川 和 市 〃 安 井 博 子 川 﨑 岳 史 五月闇溶けて生まれる前となり 山歩く友の忘れし夏帽子 和泉町 〃 ひちてつ 日暮れまで遊びし境内さるすべり ごじょうざか お り べ やき リヤカーに絵本と子供麦の秋 法華口手を振る人と秋桜 鰯雲ぶらりと降りる北条線 山の上音踊らせて遠花火 いつまでも遺影見上げる盆用意 極楽の風の涼しき高野山 墓参りして外つ国へ旅立ちぬ 我が命医師にもらひて日日草 〃 二五 蟬時雨里の山へと声うつる 126 125 124 123 122 121 120 119 118 117 116 115 114 113 捨てボトル肩に嵩ばる山登り 桜舞う播磨横田の駅が好き 無人駅夜はもみじの舞踏会 今日の月家族そろいて縁に出る リフォームの袖吹きぬける春の風 暑いほか言葉忘れている残暑 シナリオになき人生や柿若葉 〃 加古川市 〃 神奈川県川崎市 〃 神戸市 〃 愛知県名古屋市 〃 加古郡播磨町 〃 桑原田町 山 田 修 三 〃 西 岡 旅 〃 石 関 恵 子 〃 塩 谷 凉 子 〃 岩 田 勇 〃 芳 井 恵 〃 松 尾 繁 子 二六 笹百合やあるだけの茶に舌鼓 姫路市 〃 とお 海の日の白帆見え来る瀬戸の沖 送り火や父母の霊の遠ざかる みたま 初さんまいつも炊込みご飯とす 梅花藻の煌めく流れ夏旺ん 二の腕をのたりのたりの子蟷螂 棚田から棚田に落す水の秋 〃 140 139 138 137 136 135 134 133 132 131 130 129 128 127 蓮池や雲ゆっくりと流れゆく 無人市露も束ねて売つてをり 秋日濃し五百羅漢に色はなく 〃 奈良県奈良市 〃 上道山町 〃 多可郡多可町 〃 奈良県葛城市 〃 西脇市 〃 姫路市 江 本 照 子 〃 堀ノ内 和 夫 〃 山 田 和 子 〃 宮 崎 八千代 〃 山 本 啓 〃 井 上 明 弘 〃 小 泉 志げ子 桐一葉懺悔のごとく地に臥せり それぞれの羅漢に優し春の雨 加東市 〃 じじ 大亀の軽き一掻き春の海 苺畑荒らし生きとし生けるもの 喋る媼聞き役翁の端居かな ばば 無人駅通過電車に芙蓉揺れ 今朝の秋髪切る妻の澄まし顔 行き先の書き置きなくてちちろ鳴く 俳諧の道の果てなし芭蕉林 雲の峰膨るる先のもくもくと 〃 二七 残す物みれんをためず衣更 154 153 152 151 150 149 148 147 146 145 144 143 142 141 入道が怒る俄かに降る雷雨 混濁を残して猛暑消えて行く 阿羅漢の眉目秀づる秋日濃し 切つ先の弾く実赫き大西瓜 来し方に足跡はなし蟬の殻 鉛筆を細く削りて夜の秋 姫路市 〃 加古川市 〃 加古川市 〃 西脇市 〃 加古郡稲美町 〃 加古郡稲美町 〃 都染町 〃 永 井 シゲミ 〃 松 本 忠 士 〃 平 田 チヨ子 〃 生 田 頼 夫 〃 山 口 卓 生 〃 太 田 治 美 〃 多 田 みゑ子 二八 七夕や叶はぬ夢と知りながら 〃 満月や渡る大橋瀬戸の海 秋立つや季節外れの桔梗咲き 山津浪跡の浅瀬や日向水 傾ぎたるまゝの地震の家蔦茂る 残照の軒合に鎖す虫籠窓 間引菜の笊を蛇口へ泥しぶく 逆らはず我が誕生の大暑にも 168 167 166 165 164 163 162 161 160 159 158 157 156 155 母を呼びサイダーねだる細き父 湖底より覗く家並や盆の月 掃苔や叔父の名撫づる戦没碑 孫帰り立てかけられた捕虫網 懇親会最後を飾る心天 鈴虫の鳴く声弱し夕の刻 蜩や湯あがり後の薄化粧 天高し組体操に息を呑む 朝明けの風嫋嫋と稲の花 〃 東京都八王子市 〃 都染町 〃 三木市 〃 高砂市 〃 加古川市 〃 西脇市 上 田 和 男 〃 武 藤 知 子 〃 吉 田 賢 三 〃 竹 野 一 実 〃 藤 田 千賀子 〃 森 清 美 〃 篠 原 智 里 夏座敷障子十枚開け広ぐ 亡き父のスイカねだりし声残る 加古郡播磨町 眠る児を夢ごと包む毛布かな 水底の揺るる木洩れ日水澄める 〃 水遣りに住処飛び出すちちろむし 二九 〃 182 181 180 179 178 177 176 175 174 173 172 171 170 169 〃 加古郡播磨町 〃 岐阜県岐阜市 〃 熊本県八代市 〃 奈良県葛城市 〃 西笠原町 大 江 豊 〃 藤 原 八千穂 〃 大 友 秀 明 〃 貝 田 ひでを 〃 山 中 健 司 〃 永 井 昭 子 三〇 愛知県一宮市 〃 からまつ 〃 西 村 美由紀 秋近し落葉松浮かぶ露天風呂 年老いて麦藁帽子好きになる 姫路市 〃 一条の光に解かれ大賀蓮 孫帰り軒先までも蝉しぐれ 秋うらら大樹の木末煌めきて 一斉に飛びゆく畦の蝗かな 白靴やマラソン完走威張おる 春日傘姉と携ふランドセル 亀鳴くを友と議論の夜を更かす おしろいや母に乙女の昔あり 堂塔の仏に会釈秋桜 サイレンや挑戦の夏今日かぎり のうぜんの赤が呼んでる空家かな 風鈴のまはりに遊ぶ風のあり 〃 196 195 194 193 192 191 190 189 188 187 186 185 184 183 新涼のさざなみを聞く泊り船 枯蓮や折れ刃あまたの浄土池 菜の花の光引きたる淡の路 加古郡稲美町 〃 加古郡稲美町 〃 明石市 〃 別府町乙 〃 窪田町 〃 姫路市 〃 島 田 信 行 〃 柿 本 猛 〃 長 谷 眞知子 〃 西 村 和 代 〃 後 藤 千 明 〃 黒 田 弘 子 弘法より教はる洞や秋の水 手花火の音の小さく闇はじく 〃 津 田 恵 青岬分校の窓中ほどに 枝折戸の虫の音ひとつ朝まだき 文机の折鶴揺らぐ秋の風 新涼や夕べの散歩終えるころ ひぐらしや明日は家路の峡の宿 新涼や畑へと風の通り道 里山の響く梵鐘秋の声 青き穂の波にたゆたふ稲の花 加古川市 〃 青田分け鉄路まつすぐ法華口 三一 〃 210 209 208 207 206 205 204 203 202 201 200 199 198 197 莟はや薄紅ふふむ白芙蓉 参拝の歩るき疲れのかき氷 鈴虫の音符の声は美しき 〃 神戸市 〃 大阪府三島郡 〃 明石市 〃 田原町 多可郡多可町 〃 北条町北条 山 野 倖奈子 〃 有子山 俊 之 〃 三 神 明 美 〃 柴 田 豊 子 〃 藤 井 美八子 徳 原 久 美 〃 圓 井 みよ子 三二 電線の一羽帰燕の空遠く 東京都江東区 〃 秋草や何ともなくて寂けり とり残し一房枯れて秋黴雨 〃 村 田 武 愛ねこの最後をみとりただなみだ 百日忌期して仏間の障子貼る たるは難しき不如帰 Merry widow 二度咲きの桔梗は小振り濃紫 新涼や幼を連れて詣道 赤とんぼ友の化身か我の肩 良夜なり二人の孫の婚知らせ 北播磨旅のはじまり葡萄棚 西長町 224 223 222 221 220 219 218 217 216 215 214 213 212 211 加東市 〃 加古川市 〃 明石市 〃 神戸市垂水区 〃 奈良県橿原市 〃 北条町黒駒 〃 桂 鴻 志 〃 渡 辺 しま子 〃 小 野 勝 弘 〃 植 杉 信 義 〃 上 田 康 宏 〃 塚 原 恒 子 きみが逝き席空けたまま報恩講 第一子鬼灯の実の熟れるころ 〃 内 橋 やす子 冷房をきかす廚や老の猫 苧殻屑喰はへ静かな家鴨かな すっぽんの渕に浮かびし盆のもの 新涼や米寿自祝のドレス縫ふ 瀨戸暮れぬ間にと早めの門火焚く 原子炉や空へ無数の山法師 台地より菩提寺ながむ曼殊沙華 播磨野は溜池多し稲の花 漁火の人の近さよ鉄橋過ぐ 母の手に半べそうずめ入園式 虫しぐれ故郷の山河変りなし 西脇市 〃 衝立の文字を愛でけり盆の僧 三三 〃 238 237 236 235 234 233 232 231 230 229 228 227 226 225 凌霄花雨を零して咲きにけり 掃苔や健康寿命育みぬ 240 239 三木市 〃 辻 田 己代江 三四 〃 川柳 応募作品 熊避けじゃないけど義母に鈴つける お よろこ ざせつ の つた こ はな はな さ 夢を追う挫折乗り越え花が咲く ゆめ 生きてきた喜び伝え花になる い 大病で戻った命妻のもの 色っぽい男で来いと言う柩 初孫に頰笑み貰う敬老の日 離婚式流行してるね妻ニタリ 親子です身近にあった小宇宙 ゴキブリものびのびしてる妻の留守 いい風が吹くとなんだか飛べそうで 誰からも当てにされない日の自由 無防備の地球がそろそろ怒り出す 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 〃 大阪府東大阪市 〃 西脇市 〃 畑町 〃 大阪府八尾市 〃 佐賀県唐津市 〃 島根県安来市 〃 西 岡 正 樹 〃 藤 原 幸 夫 〃 齋 藤 恒 義 〃 穐 山 常 男 〃 古 賀 由美子 〃 ⻆ 森 玲 子 三七 麦の穂が光る余生を賭けてみる 汗をかきそれでもその顔安らかに 人の顔していて鬼の面してる つら 戦争を知らない前期高齢者 駄目は駄目言える女傑の爪の垢 あの時世播磨遷都の案ありて 窓ごとに毎夜セコムに来る守宮 封印解き私流に生きてみる 二世代同居父が居間から出て来ない 逆風を三角錐が突き進む 職歴は主婦ひとすじの半世紀 大空を翔ける夢みるかたつむり 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 大柳町 〃 加古郡稲美町 〃 西脇市 〃 西脇市 〃 大阪府池田市 〃 上芥田町 〃 大 谷 勝 子 〃 藤 田 定 行 〃 片 岡 逸 美 〃 内 橋 勢 子 〃 太 田 省 三 〃 為 広 鈴 美 三八 〃 お互に自由時間を持つ夫婦 どじばかり踏んで人間やってます 父母の顔でお待ちの羅漢様 ゴキブリに戦く日本男子かな おのの 初選挙孫一回り大人備て び 新顔と盃交わし増す絆 亡母に似た羅漢思わず目が潤む かあナビの案内消えて軽いびき タダイマー声の調子は今日の孫 孫達をほどよき距離で見ていたい 反抗期どんと構える娘が立派 火種抱き自己変革をする夫婦 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 〃 多可郡多可町 〃 加東市 〃 西脇市 〃 加東市 〃 西脇市 〃 西脇市 〃 寺 尾 麦 人 〃 丸 山 義 隆 〃 松 原 茂 光 〃 宮 田 賢 三 〃 内 橋 ふで子 〃 内 橋 実三郎 三九 目を合わすだけで心が通いあう 長男の嫁それだけの事なのに おだてれば役に立たない味方増え 叱られた落書き残る廃校舎 ふうわりと浮かぶ地球にしがみつき 生きるとは真っ赤に冴える曼珠沙華 玄関で迷い切るよに傘をふる 目に見えぬ速度で迫り来る老化 五千発心の花火打ち上げる ゆれ椅子が嫌うセピアの惰眠癖 今が旬若さに出せぬ老いの味 盛典の時を問うてか桐の花 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 岡山県玉野市 〃 西脇市 〃 鶉野町 〃 中野町 〃 広島県三次市 〃 大阪府吹田市 秋 田 成 美 岩 中 幹 夫 〃 藤 原 紘 一 〃 塩 河 和 代 〃 小 谷 みちよ 〃 錦 武 志 〃 細 見 喜四郎 四〇 西宮市 石仏のうしろピエロがいる気配 婚活に声まで化粧する親子 肩書き代わりに丸太のような腕 大夕陽のみ込んで行く稲刈り機 巣立つ子へ歌い続ける応援歌 夕焼けの湿布を貼って外回り 古民家は蛇に守られなお残る 焼肉へ回転寿司へ暑気払い 懸命に生きたか問わる蟬しぐれ 無理をして大学出せば家出られ ぬるま湯の心を染める蟻の列 いつからか僕より妻がNOと言う 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 加東市 〃 広島県三次市 〃 福井県福井市 〃 愛知県東海市 西脇市 多可郡多可町 〃 西宮市 西宮市 藤 原 進 〃 佐 藤 昌 樹 〃 中 川 潔 〃 斉 藤 浩 美 中 川 桂 子 藤 原 栄 司 〃 舟 辺 隆 雄 秋 田 成 美 四一 乗り越える度に人間らしくなる 付き合いも上から目線名刺受け 生てます人間ですよ負けません 親と言う哀しさのあり雲の峰 限りなく真っ赤に咲いている孤独 「よかったね」一言もらうエピローグ よく笑うどこで生きても幸があり なぜ曲がるキュウリよ腰が痛いのか ライバルもきっとここらで蹴躓く 無理筋も美女の頼みはみんな聞く 金婚の祝い待たずに先に逝く もう少し生きていててもいいですか 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 中野町 〃 揖保郡太子町 〃 加古川市 繁昌町 〃 愛知県常滑市 〃 下芥田町 加東市 〃 中 村 清 秋 〃 成 定 竹 乃 〃 金 井 矩 子 後 藤 幾 代 〃 沢 田 正 司 〃 宮 﨑 幸 子 藤 原 進 四二 〃 感動を世界広めるオリンピック 欠点が可愛くみえる人といる 直線の父曲線の母の愛 婆よりも二センチ越したと自慢する ふるさとへ税を納めて待つメロン 地図にない自由な道を歩き出す よく動く十指明日へ予約する 卆寿すぎ善くも生きたと朝鏡 意思どうり動く五体にありがとう 青虫の時代を知らず蝶は舞う 差し出せば指にも止まる赤蜻蛉 柔道の泣いて悔しい銅メダル 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 〃 広島県三次市 〃 北条町古坂 〃 網引町 〃 明石市 〃 神戸市 〃 愛知県春日井市 〃 錦 佳 秋 〃 金 川 宣 子 〃 板 井 ちさ代 〃 長 野 峰 明 〃 菅 野 泰 行 〃 西 谷 寿 四三 しがみつくその椅子そんなにうまいのか イチローの不振にほっとする自分 侵入罪ポケモン理由の夏日かな 八月の遮断機猫とジャズが降る 夜明けからエイトビートで油蝉 生きるとはじゃんけんぽんの矜恃とも うれしい日障子の桟に見抜かれる 伝えたいことがまだありペンを持つ 遅咲きでいいよいつかは花開く 少しずつ笑顔が戻るケアハウス 頼られて断り切れず役受ける わが道を往く肩書きのない名刺 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 岐阜県加茂郡 〃 京都府京都市 〃 北条町横尾 〃 赤穂市 〃 愛知県瀬戸市 〃 奈良県宇陀市 〃 古 川 恋 〃 馬 杉 とし子 〃 高 井 節 子 〃 大 黒 政 子 〃 勝 見 孝 雄 〃 渡 辺 勇 三 四四 〃 両月町 〃 広島県福山市 〃 神戸市 〃 明石市 〃 岐阜県加茂郡 〃 辻 昇 三 〃 亀 井 千代蔵 〃 塩 谷 凉 子 〃 黒 嶋 海 童 〃 も う も う 夏休み溜まるストレス散る自由 送り火とかえれ帰れとせかす蝉 〃 中 村 宗 一 かたくなに生きて淋しい父の影 背く子へ無言の母のあの涙 「LINE」無き人生ありえぬ若さかな 日宿題すんだか親に聞く 奈良県御所市 〃 101 100 あと ドリンクを飲みつつ畑の草をひく 老いの身に日の射す路傍影薄し 照れ臭く口にしにくいこの念は 10 便利さを少し離れて人心地 野の花のいつか大輪咲かす夢 102 損得がからめばモラル消え失せる 四五 〃 97 98 99 103 104 105 106 107 108 〃 岐阜県養老郡 和 田 康 〃 細 野 晃 一 四六 奈良県奈良市 自論無くグレーゾーンへ吹き溜まる 109 118 117 116 115 114 113 112 111 宮城県石巻市 〃 多可郡多可町 〃 西脇市 〃 坂本町 〃 〃 千 田 康 治 〃 宮 﨑 喜美子 〃 小 林 裕 子 〃 山 本 光 範 〃 ああ酒よ薬と毒の間の広さ 若き日の氷の刃融けている 余生とはひと日ひと日が晴舞台 沈む日にひと日の感謝捧げよう 花活けて絆深まる家族の和 鈴虫の卵がふ化し秋を待つ 何処えやら封も切らずにマイナンバー 郵便局困らせただけマイナンバー ゴキブリも風流人の夏の季語 119 〃 見てみたい宇宙の果ての2ミリ先 に 老僧の人柄で持つ過疎の寺 110 120 129 128 127 126 125 124 123 122 121 〃 加古郡播磨町 〃 加古川市 〃 加古川市 〃 馬渡谷町 〃 三口町 〃 静岡県湖西市 〃 西 口 時 也 〃 関 本 勝 利 〃 宮 村 明 宏 〃 北 川 八重子 〃 中 倉 千恵子 〃 石 田 昇 しがらみで時を告げない鶏になり 130 咲くことを夢見て明日へ汗をかき 身の丈で生きて優しい風を知る 時止めて厳父の背をコピーする 誕生日母に貰った知恵袋 法華口空を見上げて食ぶる麺麭 北条線美人駅長と秋の風 さじ加減あすを信じて梅漬ける 草のびて地球のひげに鎌あてる 方便も言葉で出せば箔がつく ホスピスを迷うガンだと告げられて 盆が明け子猫が眠る指定席 131 四七 132 どりょくいろ どろまみれ努力色のユニホーム 神崎郡神河町 四八 藤 原 健 人 宮崎県宮崎市 〃 〃 荘 子 隆 〃 加東市 中 嶋 幸 代 〃 北 谷 匠 五輪でも野獣より姫がクローズアップ 京都府相楽郡 にんぎょう した ま 141 140 139 〃 篠山市 〃 桑原田町 〃 小野市 〃 堀 口 雅 乃 〃 松 尾 繁 子 〃 赤 井 初 枝 可能性二割せっせと労を積む 142 人はなぜ憎む残暑の石拾う 生きるまだ記念切手を買いに行く 年金で生きて居られる低姿勢 枯葉舞うシナリオ一つ変えてみる 今わ迄手放すまいぞ辞書とペン 143 腰下げの人形みくじ舌を巻く こし さ 家並みに幸せ色の灯がともる 里山を真っ赤に染めて明日は晴れ 135 シニアカレッジアンチエイジングに風になれ 133 136 134 137 138 144 153 152 151 150 149 148 147 146 145 〃 西脇市 〃 たつの市 〃 神奈川県川崎市 〃 三木市 〃 神戸市 〃 加古川市 〃 遠 藤 武 〃 井 塚 ミハル 〃 石 関 恵 子 〃 今 津 隆 〃 澤 田 昌 和 〃 赤 佐 加津子 見合い話進まず宙に浮いたまま 154 人生を今日も聞いてる縄のれん 女房を殺さぬように褒めている 然うそうと泌みる相槌海になる 天帝へ握り拳が解けない 網引駅ジブリの世界イチョウ駅 ハミングが似合うローカル線の旅 人生はひょんなことから変わるもの べっぴんに写してねえと笑う祖母 モノクロで走る青春木の校舎 オンオフのニアミス笑い合う夫婦 窓硝子に夕月ひとつ覗き見る 155 四九 156 〃 神戸市 宮 崎 八千代 〃 安 部 美 葉 五〇 多可郡多可町 糠床をくるりとまぜて漂流者 157 166 165 164 163 162 161 160 159 西脇市 〃 西宮市 〃 福岡県福岡市 〃 西脇市 〃 〃 今 中 多津子 〃 前 川 淳 〃 坂 本 比 呂 〃 生 田 頼 夫 〃 甘い風ふわり女は蝶になる 夕焼けの向うみたくて背伸びする 光陰のスピードに暦の吐息 晩節は川の流れに逆らわず 真人間になれと平手の父も泣き 這えば立て無償の愛を子へ注ぐ 下戸上戸酒が上手に仲を持つ もう一度人生を問う途中下車 人生のシャープフラットを知ってる淑女 167 〃 人は人花は咲くことのみ生るる あ だまし絵の謎の深みに夢がある 158 168 177 176 175 174 173 172 171 170 169 〃 下宮木町 〃 下宮木町 〃 西剣坂町 〃 多可郡多可町 〃 愛知県瀬戸市 〃 西脇市 〃 澤 中 朋 子 〃 澤 中 茂 〃 安 積 貴代美 〃 笹 原 浩 〃 藤 井 益 子 〃 遠 藤 多久雄 名医者に負けず劣らず名患者 178 無口でも目がしっかりと物を言う 熱気球加西の空でふうわりと 軸足をかえたらこの身軽くなる 相手みて手持ちの駒を裏返す 胸の内話せぬままに切る電話 ほどほどを肝に銘じて老いの坂 お供えの額相応の字を記し 霊柩車出て一斉に服を脱ぎ あした又歩こう未来へ続く道 積み上げた汗と努力に出た結果 青二才言われた俺も喜寿近し 179 五一 180 185 184 183 182 181 〃 高砂市 〃 加東市 〃 東京都足立区 〃 上野町 吉 野 芳 雄 〃 井 上 哲 矢 〃 黒 崎 輝 美 〃 小 野 史 〃 瀬 戸 宏 之 五二 186 埼玉県川口市 日本中寝不足にしたリオ五輪 187 金銀銅大和の夏の熱狂譜 さ えがお 郷の盆御霊鎮めて赤トンボ け ざ きん 西脇市 〃 加古川市 内 橋 律 子 〃 石 田 明 子 踏ん張った先の希望という砦 190 同病に互いを晒すまだ余震 夢ばかり膨らみ乾く言葉尻 191 今朝もまた笑顔・リハビリ目指せ金 め マイナンバータンス貯金はわかるまい 朝夕に地球を削り花づくり 風に乗る綿毛見送りプロポーズ バトン持ち陽気に踊る花火の子 引き際を違え余計な苦労する 188 189 192 201 200 199 198 197 196 195 194 193 岡山県倉敷市 〃 岡山県岡山市 〃 多可郡多可町 〃 千葉県松戸市 〃 加古川市 〃 加古川市 西脇市 向 原 康 夫 〃 佐 藤 邦 夫 〃 徳 原 久 美 〃 中 原 政 人 〃 梅 枝 茂 男 〃 津 田 恵 内 橋 律 子 健康が取り柄と言わぬ嫌われる 202 なにくそと頑張れたのは五十まで 生きている我慢の達磨若づくり カードカード生活レベル丸裸 抑留の亡父の「ふるさと」ハーモニカ 明日句会そっと囁く風の精 割り勘に下戸はつまみで元を取り 割引の五皿でやめる回る寿司 ユーモアな顔で瓢箪おもてなし 鶉野の涙を後の世につなぐ 六十路すぎなお色浴衣似合う人 じゃんけんはポンと言う前出すが勝ち 203 五三 204 213 212 211 210 209 208 207 206 205 〃 和歌山県海南市 〃 奈良県橿原市 〃 北条町古坂 〃 加東市 〃 丹波市 岡山県倉敷市 幅 茂 〃 織 部 さやか 〃 上 田 康 宏 〃 尼 崎 弘 幸 〃 丸 山 正 人 〃 野 口 百 代 向 原 康 夫 五四 214 愛知県名古屋市 恍惚の父も声援義肢選手 215 飯米に追われ一食百グラム いつかまた会えると信じ旅出とう 早歩きしてたらいつか挫折する 宇宙やらITやらででも鬼百合 傷心と冬の煉瓦の語ること 前向きに人生過ごし役こなす 古希過ぎて心ときめき動き出す 〝ココロ〟までカタカナ変換する時代 技尽くしラインの上に影ひとつ 情深い加西の街の声太し ふるさとの風の優しさブーメラン 216 225 224 223 222 221 220 219 218 217 繁昌町 〃 北条町西高室 〃 小野市 〃 加東市 〃 西脇市 〃 下道山町 愛知県名古屋市 山 端 なつみ 〃 城 谷 幸 子 〃 中 村 すみ子 〃 桂 ひろし 〃 内 橋 久 代 〃 高 橋 眞 弓 幅 茂 年金が株取引に消えて行く 226 まだまだがもうになる明日ウエディング どう方位変えても闇が横たわる 平熱になって忘れる梅の恩 萎える日は古里の彩添えてみる 古里に残してる花いちもんめ 滝仰ぐ老いらくの恋手をつなぐ 煩悩がカラカラと鳴る熱帯夜 わたくしの皮をたゆたゆフラダンス うつと言う鱗はぎとるペンでした 美しく老いる命を燃やしたい 伏せないで輝きなさい広い空 227 五五 228 230 229 神戸市 〃 相生市 繁昌町 〃 宮 田 和 〃 井 口 と志女 山 端 なつみ 五六 231 〃 広い背にやたらじゃれつく父亡き子 232 思い出がいっぱいふる里の小橋 望郷のひととき樹樹の声を聴く 忘恩をつなぎ止めてる古日記 メダルへの道に克己が積み上がる 233 短歌 応募作品 いと はいか い みたま ぬし ひと 退院せし夫に寄り添ふ散歩径桜の蕾日々ふくらみて 黒電話の頃はよかった大家族児等夢に向って巢立ちゆく 里帰りあまりしなくていいものを親を気遣う娘愛しや 世界旅夢が実らぬ貧しさをきのうもきょうも妻笑ってる 現身の温み愛しむ心地して壺に入りし妻の骨抱く うつしみ 戦いの空天翔し日もありぬ命拾いて卆寿生きおり あまがけ 細胞をひとひらひとひらめくっては風が空気を入れ換えてゆく カンヴァスに葡萄ひとつぶ描くたびに食べたくなって消える静物 いつからか決まった時刻に来る猫の重さにほっと胸なでおろす 理容師の免状貰ひ四半世紀箪笥の中まで刈毛の落つる 海眠る舵亡き舟に刻震え御霊の主を誰が鎮めん とき せつなくてただ逢いたくて廃家出で瓦礫のなかに孤り佇む 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 〃 上芥田町 〃 畑町 〃 加東市 〃 佐賀県唐津市 〃 島根県安来市 〃 西宮市 〃 為 広 鈴 美 〃 齋 藤 恒 義 〃 丸 山 義 隆 〃 古 賀 由美子 〃 ⻆ 森 玲 子 〃 藤久保 登 五九 み こ ひばかま たかね だ こ し みやいり まあきれいその一言が忘れ得ず今年も牡丹一株求む 東雲の大地音なく回れるか日の出南にわずかずれつつ 暮れなずむ多可の山並み夕日映え老いてますます恋しさつのる 孫達とほどよき距離を保ちつつ口出しせずに娘の支援する 廃屋の塀を乗り越え咲き盛る凌霄花はかの日いざなう 足腰は弱っているもこの口はお喋り食欲まだ衰えぬ 吾知らぬ秘密を暴く鱗のごとアクアブルーの母のペディキュア 光射す朝の食卓ままごとのやうに小さきおにぎり二つ 水田のまわり点々休耕田もったいないと思うは吾だけ 先人の歴史に残るふるさとの大地受け継ぎ愚直に生きる 街路樹の鈴懸の葉が散り敷けばコーヒー濾したネルの色あい すずかけ 秋風に巫女の緋袴ひるがへり鈴も高音の山車の宮入 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 加東市 〃 西脇市 〃 たつの市 〃 西脇市 〃 西脇市 〃 大阪府池田市 〃 宮 田 賢 三 〃 内 橋 ふで子 〃 武 内 栄 子 〃 大 江 美 典 〃 片 岡 逸 美 〃 太 田 省 三 六〇 〃 しか 真夜中に爆音響かせ来るバイク他に楽しみないのか君等 三回忌柱に帽子在るかがり夫の足音確と近し つま 乘る人も降りる人なき無人駅駅長さると電車は今日も 美事なるカリンの実一つ玄関に飾りて幾度ほめ言葉きく 神様と父と母とに頂きし八十路を越えて今日も健やか 毬栗を一つ加えて着きし栗妻の故郷の山の香をもつ いち早く妻がかけより曳売りの秋茄子すべて買い占めにけり 咲く藤の甘い香りに誘われて蜜吸う蜂にやさしき陽ざし 看護師になると決めたる我が孫は幼き顔の十五の春に 歳月を越えてきたるる風に聴く過ぎし日のこと行く先のこと 雄大な琵琶湖見つめてさとりたる一匙ほどのわれのこだはり ひとさじ なまいきの盛りを謳歌する孫に時の流れの早きを覚ゆ 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 高砂市 〃 鶉野町 〃 中野町 〃 広島県三次市 〃 三木市 〃 加古川市 西笠原町 小 島 和 子 〃 塩 河 和 代 〃 小 谷 みちよ 〃 錦 武 志 〃 横 田 悦 子 〃 柳 茂 堤 田 恵 子 六一 朝より大音響の熊蝉に「とと姉ちゃん」も口パクとなる こ ばた 嫁が弾くエレクトーンの「冬の旅」我が家に薔薇の香りもたらす ま 夕焼けに金色帶ぶる飛行機雲北備後路越え出雲路え伸ぶ つ 棺の中亡夫に別れの頬撫でる痛みの取れた顔は安らか 縁側で花愛でながら一句詠む人生午後の楽しみひとつ 今夜また寝返りを打ち眠れない羊数える熱帯夜かな 玉音を聴きし記憶はなけれども子ども心に安堵の思い 田植機の音リズムよく水田に苗植わりゆく小雨降る中 高砂市 藤 原 紘 一 小 島 和 子 六二 西脇市 佐 藤 昌 樹 〃 広島県三次市 〃 〃 〃 宮 﨑 幸 子 伊 藤 実千代 下芥田町 〃 加古川市 〃 沢 田 正 司 〃 愛知県常滑市 〃 〃 〃 繁 田 和 子 41 青野町 42 見上げれば選鉱所跡に残花あり葉にゆうゆうとかたつむりひとつ 神子畑の大いちょう若葉風に鳴り木陰に錆びたジャングルジム み 少しづつ自我の育ちし二歳児の兄に逆らひおもちゃ取り合ふ たまに来る孫に見せむと残し置きし胡瓜糸瓜の如く育ちぬ 37 38 39 40 43 44 45 46 47 48 若きらの手伝いくるるは頼もしき鼻歌混じりに落ち苗をさす いのち い 早朝を蝉いっせいに鳴きはじめ仕事に励めと四囲より急かす し ウォーキングの我を追い抜き若人は足音ひたひた走り過ぎたり 窓越しに生れて二日の生命見る小さき指をしきりに動かす あ 霞ゆるうすら化粧の山桜降りたる雨のあがりし朝 明け暗れの川に流るる精霊舟灯ゆらゆら淀みつ往ねり トンボ群れ追いかけし頃思い出す田舎はもはやトンボは見えず 幼な子のぶらんこゆらし笑い合う日々永遠に続くを祈る 選手皆礼に始まり礼に終ふ嘉納治五郎水脈となる 荒縄で括られ氷売られたる尺貫法は今も健在 母の顔偲ぶ心はありのまま日々を送りて母の歳越え 窓の外夢を叶える槌の音近く完成若き空気が 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 網引町 〃 神戸市 〃 相生市 〃 愛知県春日井市 〃 愛知県東海市 〃 中野町 青野町 板 井 ちさ代 〃 塩 谷 凉 子 〃 井戸本 チズ子 〃 西 谷 寿 〃 斉 藤 浩 美 〃 中 村 清 秋 繁 田 和 子 六三 地下街を迷路の如く抜けて出る日赤会議に急ぐ梅雨入り 霧底の中を走りゆく一両の玩具の如き列車 蟬の鳴く小径を行きし自転車の滴り落ちる汗はオパール 人生の終りに近付く老人を黄昏族と言ふ奴が居る 戦争の最中生き来て九十年冷戦といふ戦も知りぬ さなか 梅雨晴れのしろき舗道に電線の影絵はゆらぎつばくら奔る ほのかなる色香をのこし梅の実はボンネットの上に土用干しさる 一芸と言ふには遠き濁声の河内音頭の亡き父の唄 だみごゑ あの角を曲がりそこねしそのことがそのまま尾を引く一生と想ふ ひとよ 終着を告ぐる列車のアナウンス明日の仕事の荷を持ちて立つ 担ぎたるリュックのまま乗り込めり岩手山行き銀河鉄道 上流の村にしろかきはじまるを告げて泥水小川にきたり 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 小野市 〃 神戸市 〃 奈良県宇陀市 〃 広島県三次市 〃 谷町 網引町 〃 松 尾 鹿 次 〃 山 岡 倭 〃 渡 辺 勇 三 〃 錦 佳 秋 〃 垣 内 啓 子 板 井 ちさ代 六四 〃 藤 原 智 史 明石市 大学の校舎に向かう足取りの重きは鉛付けたるごとし 古来種よりたくさん棲んでる外来種ブルーギルからみどり亀まで ギザギザの鋸歯もつ幼の恐竜がちらしの裏より這い出しきたり 緑陰のうたたね腕より覚むる 尺取虫に測られていて かいな ネット這うごとく伸びゆく朝顔も不振で止まるイチローもまた 沈黙は答えか迷いかプロポーズいまも未知数君もしぐさも 今日もまた終戦記念日噛み締める記録の風化させぬさせまい 五輪の輪背後輝く日章旗前回バネにリオではばたく 73 74 75 76 77 78 79 80 若き日に歩いた峠還暦が蟬時雨降り思いに浸る 人間の先祖が魚だったから土曜の午後は釣り堀にゆく 父征きしビルマの空に黄金のパゴダはそびゆ父ゐるごとく ゆ 里山を支えているのは高齢者空き家が増えて動物の棲みか 81 82 83 84 明石市 藤 原 智 史 奈良県奈良市 〃 奈良県御所市 〃 中西町 〃 岐阜県加茂郡 〃 〃 和 田 康 〃 中 村 宗 一 〃 松 田 辰 子 〃 も う も う 〃 川 恋 古 〃 山 本 光 範 岐阜県加茂郡 坂本町 六五 彼れ程の時が過ぎても変わらずに青年に為る緑の峠 縁側の風鈴なりてどこからか秋しのびより鈴虫のなく 素朴にて表情豊かな羅漢様母に似ているお顔見つける 船施餓鬼情で暗きを照らせども地獄というは只縁無き世 山鉾や雪が降ろうがこの祭空を睨んで雲より高し ガラス戸に庭木の緑輝きて熱中症注意テレビに流れる 四十年飲みし薬はガン移行神仏なきと思へど完治 新しきドレス身につけ子は出社まとふ服靴社会への鎧 こまごまと現象伝えるも核心はさらりと触れて番組おわる 余りにも他人事のよう原発を受け入れし国受け入れし民 今日も無事夕食のあと絵のやうなオレンジ色の月をいただく 歩かねば呆けては困る老人車出して爽やか試歩伸ばしたり 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 西笠原町 〃 京都府木津川市 三田市 〃 神戸市 〃 山枝町 〃 多可郡多可町 坂本町 〃 柿 本 明 美 〃 川 﨑 岳 史 加 藤 容 子 〃 伊 東 民 子 〃 仲 井 清 澄 〃 宮 﨑 喜美子 山 本 光 範 六六 〃 前畑に入り込みたる黒竹の根を掘る快音朝にひびきぬ 100 指二つ出して二才と示す幼清らな瞳輝きいたり 「君がよ」のメロディ流れ口づさむ選手ら目に涙うかべて まなこ ミンミンと聞こえてくるは蝉の声はかなき命で我をはげます 傷つきしレンズの眼鏡新調すあと幾年の生は知らねど 104 立秋といえども今が夏本番みんみん蝉がせわしく鳴きて 「寂しい」とは言わず「大丈夫」だと帰りゆく娘を見送る夕焼の中 こ 勉強の厳しさの輪にやってきたハーブのお茶が座談をほどく 摘みたてのブルーベリーが稽古後の笑いの中の甘みに変わる 101 寛解の友と見上げた桜の古木聴くうれしさよ変わりないよと 人結ぶサンジュウイチモジ理系文系宙を舞ってことば潤す 黒竹の根と掘られたるアスパラの後に芽生えん極細一本 97 98 99 102 103 105 106 107 108 神戸市 〃 桑原田町 〃 倉谷町 〃 三重県名張市 〃 加東市 別所町 〃 上 田 富 子 〃 松 尾 繁 子 〃 山 本 智 子 〃 山 岡 裕 喜 〃 中 嶋 幸 代 〃 千 石 嘉代子 〃 〃 六七 113 112 111 〃 野上町 〃 山口県光市 〃 山口県光市 〃 田原町 松 末 智 行 〃 伊 藤 悦 子 〃 中 原 伸 二 〃 瀬戸内 光 〃 金 井 久 代 六八 114 別府町甲 遠くより老鶯の声聞ゆ我が補聴器に鮮やかに聞く 115 佐 伯 幸 子 116 110 今日もまた「続く」で終わるドラマ見る今日も我が名も分からぬ母と 福岡県福岡市 〃 六月朔日 光 弔いの手話の指にて咲かす花白木蓮の見え来る仕種 〃 魂の風化待つごとき顔なせるカップラーメン我に笑みかく ぐんぐんと入道雲が背をのばすその上の空絹雲流れる 若き月心空しき若人に夜を盗む猪に光穏しき 夏の花あさがほ一花さきました君の宛先宙一番地 車椅子の車輪の上にオニヤンマ翅を広げて動くともせず 鳴き続ける蜩とともに車椅子のわたしは秋を迎えに行こう 真昼間の窓を背にして君の顔影の深みへ沈みこみたり 白波がつぎつぎ天に昇りゆくさまにふくらむ入道雲は 気がねなく食べて笑ひて語らふを「平和」と思ひぬ八月十五日 117 東笠原町 109 118 119 120 121 神崎郡福崎町 加古川市 市村町 〃 神奈川県川崎市 多 田 多美子 宮 村 明 宏 川 嶋 利 美 〃 石 関 恵 子 三角と四角は丸に憧れるそれでも丸は角が欲しくて 122 126 〃 谷口町 〃 西脇市 〃 西脇市 楊 井 佳代子 〃 田 中 なつ子 〃 遠 藤 武 〃 生 田 頼 夫 先達と共に唱える般若経三十三ヶ所札所を巡る 127 王冠に首飾りになりはつなつの白詰草は野原を駆くる わが人生良きも悪しきも在へて九十五歳を今より生きん 畑の草引くは私の仕事なり九十五歳むぎわらぼうし ジイ臭い汗にまみれた夕方はあの日の父と同じにおいか 雨上がり機械に刈られし畔の草君の匂いが私は好きです 辛抱の限度を超えるこの猛暑骨の髄まで染み入る熱さ 128 六九 129 悠然とトビが弧を描く大空はどこまでも青し我がものとせん 潮の香を僅かに含んだ風だけが海の近きを思ひ出す夏 夕立の上がりし夕べいっせいに峡を揺らせりヒグラシの声 鈴の音が聴こえるような君の声僕の幸せ鳴らしてくれる 123 130 福居町 124 131 125 132 福居町 古 角 田鶴子 楊 井 佳代子 七〇 西横田町 〃 こころねのわろき兎が仲秋の今宵の月を雲に閉ぢ込む 〃 西 本 きよ子 加東市 〃 た 網引町 〃 三木市 〃 西谷町 〃 岡 田 笑 子 〃 辻 田 己代江 〃 石 野 乃倫子 池の面に姿写して藤の花そよりそよりと風は藤色 〃 岩 井 清津子 138 こくう い寢ぎわの窓に数えて五つ六つ零れて温し家の灯りは 金・銀のテープの螺旋往き来して雀おどしは風に従う 秋日和舞台ありたる摩尼殿のありがたきかな観音に会ふ 水攻めにあひし城跡沼広し豊に揺るる満開の蓮 139 燒夷弾黒雨が降るごと鶉野に真っ赤に燃える夜空忘れず 140 梅雨明けの炎天に干す梅の香に姑の顕ちくる午後のひととき 141 療法師は短歌の話も聞きくれて筋力づくりのリハビリつづく う バーコード巻かるる腕に細ぼそと八十六歳脈打ちつづく 杖わすれ来しを悔いつゝ車より降りれば意外に軽きわが足 134 142 笹倉町 オリンピック終りて寂しき老ふたり茶の間にあれこれ話題をさがす 135 〃 133 136 137 143 144 〃 北条町横尾 〃 神戸市 〃 常吉町 〃 西野々町 〃 若井町 笹倉町 〃 宮 﨑 艶 〃 杉 山 健 〃 柴 田 三智代 〃 阿 部 明 美 〃 上 坂 泰 子 岩 井 清津子 に 149 繁 田 茂 美 あ 150 クーラーの部屋にて犬とばあちゃんが大の字になり猛暑を仲良く 薄皮のすいかひからびる炎天に見つく足跡あらいぐまなるか あない 聞かでいい事は聞こえぬふりの顔老も宜しと思うときあり 新聞のクイズに挑む夜の静寂解けぬ一分は明日へ繰り越す 播磨史で農民一揆ありと知る生きる苦しみ今薄れゆく 真夏日に冷たき床で昼寝する汗が滲んで空気がゆるり 芳香を辺りいっぱい漂わせ誰酔わせるか月下美人は 大輪の月下美人が十個咲く人寝静まりし夜の静けさ 土蛙十が女の前に立ち建墓の礼とう不思議な話 148 147 146 通夜帰り月は冴え星煌めきて義兄の待つ星え逝く姉なるや 151 終活や天命などはあずけおき大根を蒔き余命たのしき 152 散歩中をポーポと光る夕蛍我が行く道を案内するがに 153 七一 154 北条町北条 145 155 156 繁 田 茂 美 七二 北条町北条 堀ノ内 和 夫 奈良県奈良市 〃 わが畑のトマトなすびは色づきて育てし喜こびかみしめており 〃 吉 野 芳 雄 さんそんぶつ らかん やまは そ いま た ま て ば こ 165 164 163 162 161 〃 窪田町 〃 西上野町 〃 神戸市 〃 東京都足立区 〃 後 藤 千 明 〃 世良田 瑞 穂 〃 大 島 一 美 〃 小 野 史 汽車ぽっぽ滑らせながら駆け走る坊やの目には戸枠も線路 166 風孕み山を蹴り上ぐ鯉のぼり峡に新たな金鱗光る 一村を沈むるダムの水膨れ里は田植えの仕度を始む 普段とは違う時間得られると大袋提げ病院に行く 千灯会闇に浮かぶ石仏はローソクの炎ゆらゆら歪む 我の目を葉陰に逃れしゴーヤの実黄色に熟れて紅き種みす 早朝の天に届けとクマゼミの歓喜の合唱いのち削りて 無職でも車を持っておしゃれして恋人もいる日本マジック 167 願掛けた三尊仏と羅漢さま山端染まりて今玉手箱 がんか 山峡の清流に架かる沈下橋猪も猿も使ひをるらむ 縁日に灯る羅漢を訪ぬれば親しき人のまぼろしの立つ 158 埼玉県川口市 157 159 160 168 〃 高砂市 〃 加古川市 〃 加古川市 〃 鈴 木 裕 子 〃 津 田 恵 〃 高 田 治 子 169 〃 高砂市 徳 原 久 美 〃 鈴 木 美 樹 多可郡多可町 上 杉 憲 一 神戸市 〃 人身事故とうオブラートに包まれて気付かぬふりするこれが日常 〃 藤 村 光 恵 175 構内の公衆電話姿消しテレカ一枚引出しにあり 西はりま天文台で内の輪も外の輪も見える土星に逢いたり 北斗七星の升から次々に流れ落ちたりゼロ等の星 撓わなる柿に負けじとみかん成り栗も大振り烏と見上ぐ 丑の日に鰻を食べる私らは江戸商人の思惑に乗る 176 七三 177 ビタビタと下手な泳ぎで上下する気持ちなごます病院のカメ 我の名を忘れし母と赤とんぼ歌いて帰る夕暮れの道 身を国に捧げし人の翔けし空羅漢も見しか紫電の翼 北条の格子戸続く街道に片陰やさしすわんなはれと 170 めぐりくる季節楽しむ花野菜我が家の畑は健康も作る 171 178 明石市 172 スズ虫の澄んだ音色がリーンリーンとばあの部屋に響く孫の部屋より 173 179 174 180 大 前 喜美乃 七四 加東市 〃 よくもまあ曽孫ら黒ん坊の顔そろへ沖縄土産の海ぶどう手に 〃 山 野 淑 子 荒壁はしとど濡れたり夕立に土と戻りて土の匂す ベテランの作りし西瓜賜はれば猛暑乗り切る妙薬とせり 谷口町 〃 187 186 185 大阪府大阪市 〃 加東市 〃 坂元町 〃 東京都江東区 谷 口 英 幸 〃 丸 山 文 子 〃 大 谷 明 美 〃 山 野 倖奈子 白雨去り稲田はさらに濃き緑とびたつ蜻蛉の羽根をあおくす 188 〃 直線に田んぼ切り裂く滑走路空耳なのかエンジン響く 189 今年また奥歯一本抜き取りて比率益々下がりゆく歳 一度しか再成しない歯の命iPSなら未来は有るか 片耳に真珠を一つ吊り下げて君に会わない夏が始まる 夏がまだ終わってくれない快晴の青にずっと飛行機雲が 猪の腹を満たししスイカ玉割れて散ばる朝の畑に 黒雲と疾風迅雷に耳掩う十分ドラマに梅雨は明けたり まっすぐに伸びし飛行機飛びし跡草野をわたる秋の風澄む 190 〃 182 〃 181 183 191 184 192 母よりも永らえし命尊くて傘寿迎えてなお夢求む 195 194 193 空豆の実はまだ小ぶり初物にケチをつけつつビールが進む 月出でぬ砂漠の果へまだ若き駱駝消えたり私をのせず しん 空洞の幹もつゆえに呼ばれおり空木の心の在り処を知らず ちか 憲法の九条守ると誓ひけり戦死の父の遺影をかかげ みかんむく力失せたるおふくろの髪を指もて静かに梳きぬ み仏を見送る夕浜家族らとともにあらばこそわれ耐ええたり 夏雲に海原映えて真珠貝の作業場明る心もあかる 199 育てたる赤き西瓜を冷やしたり孫らは食ぶ「がりがりくん」を 断捨離をせむとすれども捨てきれぬ未練ごころか節約心か 西脇市 〃 三重県志摩市 〃 加東市 〃 坂元町 〃 神奈川県横浜市 加東市 〃 内 橋 やす子 〃 浜 口 久 〃 桂 日呂志 〃 後 藤 智 子 〃 松 岡 正 人 小 林 和 代 〃 澤 比佐子 七五 三木市 「カタカナをならつているよ」と女の孫のひらがな書きの葉書が届く オリオンが見下ろす駅で木枯らしと迎えの車を待つ子は足踏み 196 197 198 200 201 202 203 204 山藤の房とたはふる風の中吾孫らの声と香りに包まる 206 205 愛犬が夜更けて啼けばおろおろと嬰児抱くがに空白むまで 盆踊りの輪とみどり子を囲む輪に加わる今宵なべてを愛でて 小さき店に独りつましく昼餉とる長きならいにわが身を嵌めて あのカーブ曲れば元気なあの頃が取り戻せそうアクセルを踏む 店頭で偶然見かけた故郷米「売れっこになれ」と体を撫でる 十六夜を出窓で待ちつつ休みいるスマホ蛍の息は光りぬ イ ザ ヨ イ 縁側でどんぐりの葉を噛み砕く我が山繭の透き通る青 山繭のふん落ちる音ひそかなり「元気ですか」と早朝点呼 207 208 209 210 211 212 213 中西町 〃 尾崎町 〃 多可郡多可町 〃 北条町古坂 三木市 〃 岸 本 洋 子 〃 山 枝 喜代美 〃 藤 本 るみ子 〃 定 行 芙久代 澤 比佐子 七六 〃 『ジュニアの部』入賞作品 俳 句 総 評 四百九十三点の応募ありがとうございます。日々変化する、昨日と違う今を生きている、自分の姿心を素 直に写生しながら十七文字に想いをかけ、詩の世界に季節も織り込み、何が言いたいかを見極めて焦点を合 わせ、「見る」「視る」「観る」に徹し一読して情景が絵となるように心がけたいのが俳句です。 季語は自然との出会いによって選ぶのですが、季語により内容を深く多く語らせるので最も力を入れてほ しい所です。ものを見て感じたことをありのままに平明にして、余韻・余情のある俳句を作ってください。 七九 市長賞 体育館バッシュのさけびひびく夏 」「一句入魂 八〇 加西中 3年 玉 田 若 菜 」の心構えで詠まれています。下五の「ひびく夏」季語の入れ方が上手。全 女子中学生らしい爽やかな美しい句です。「心底に愛と美意識を秘めて生きている証、生命の躍動感を平 明に表現する !! 多作・多捨で学んで下さい。 体のリズムも非常に滑らかに読後の安らぎすら感じられます。 !! 教育委員会賞 取りたいな中のビー玉ラムネビン 富田小 6年 藤 本 采 音 素直な可愛い句です。大人でも「取りたいな」ですね。大事なのは感動です。散歩していてハッとするこ 九会小 5年 山 端 晴 とがあるでしょう?そのハッとすることが感動なのです。どうとらえるか、表出するかなのですね。上五に 「取りたいな」を持ってきた所がこの句のポイント。立派です。 雨上がりにじが青空かけてゆく 物を見つめている実感が「青空かけてゆく」で上手に表されています。心の記録と言いますが、それで終 ることなく作句になっております。風景をよく見詰めての産物、その上の作句が生かされた佳句だと思いま す。 八一 入 選 ふくらますうきわもかおもぷくっとね せみのこえあさからつづくコンサート 虫あみでとってみたいなポケモンGO あさがおののびゆくさきに青い空 けんかしてスイカを食べて仲直り アブラゼミ命の声を響かせて 八二 北条小 3年 高 橋 奈 佑 富合小 4年 藤 原 ひより 西在田小 4年 福 井 和 富合小 5年 西 村 友 里 賀茂小 5年 岡 本 琉 奈 泉小 6年 岡 村 優 輝 九会小 6年 高 山 愛 唯 富合小 6年 井 上 陽万里 富田小 6年 山 下 あすか 九会小 6年 飯 尾 泰 成 夏の空白球を追う子供たち 夏祭り友達と行く夜の道 加西中 3年 稲 継 由 奈 加西中 3年 藤 原 未 琴 下駄たちもカラコロ笑う夏祭り 秋桜の優しさつつむさんぽ道 加西中 3年 森 井 風 詩 加西中 3年 西 脇 悠 菜 にぎやかだ金魚の家族が増えた夜 ポテト買い夜空の花火待っている 蟬の声部活の最後を盛り上げる 夏の日に川辺に響く子らの声 川 柳 総 評 本年の応募数は二六八句。総体的に素直で子どもらしい作品が多くて好感を持ちました。 川柳は自由に人の心をよんで、ユーモア意外性、それを子どもの目で発見するのがジュニア川柳です。発 想も自由表現ものびのびと作れるようになりました。 これからもふるって応募して下さい。 八三 市長賞 らかんさん色んな顔でおでむかえ 八四 北条小 6年 宮 﨑 凌 輔 らかんさんは、その時そのときの表情が変わり、なつかしさ楽しさ等親しみを感じます。子供たちの遊び も一緒に楽しく見守っています。 教育委員会賞 本読むといろんな世界へいけるんだ 賀茂小 4年 潮 見 惺 萊 西在田小 4年 福 井 和 本を読むことによっていろんな知識や経験を深め楽しい世界へのめり込んで行けます。 これからも読書にはげんで下さい。 夏野菜たっぷり食べて元気一〇〇倍 偏食をなくして野菜もいっぱい食べると、こんなに元気になるのですネ。 運動に勉強にがんばって下さい。 八五 入 選 なつしゅやくむしのおうさまかぶとむし にじ色をぜんぶまぜたらゆめの空 らかんさんみんなならんでにっこうよく カブトむし仲間とたたかいけっとうだ 楽しみは自分で見つけ拾うもの 全力の球児の服は土まみれ 背がのびて世界が変わるお正月 甲子園球児の汗についた砂 八六 宇仁小 1年 大 下 陽 嵩 西在田小 2年 小 篠 誌 織 富合小 3年 清 水 杏 詩 日吉小 5年 水 谷 亜 美 富合小 6年 松 末 倫 音 九会小 6年 清 水 翔 大 九会小 6年 長谷川 敬 人 泉小 6年 岡 村 優 輝 短 歌 総 評 今年も二六三首の多くの応募作品ありがとうございました。短歌は短歌を作ろうとする私が存在すれば十 分で、作品が作者の分身と思ってよいでしょう。今回のみなさんの作品は正直でありのままの自分自身を見 い出して一生懸命に表現していただきました。どんなにありふれた素材でも工夫をこらされたこのたびの作 品には刺激をうけました。これからも工夫の数々について自分の呼吸で焦らず愉しんで作品を作りつづけて ください。 八七 市長賞 土の中でてきたせみのへんしんだ白やみどりのきれいなドレス 八八 泉小 2年 大 谷 幸 輝 せみの幼虫がさなぎとなって地中から出てきて脱皮し成虫へ羽化していく様子を観察された作者の感動と 緊張感が伝わってきました。成虫の羽化は夕方から夜が多いので良い機会にめぐまれましたね。下句の表現 も適格です。 教育委員会賞 クラリネットわたしの音色響かせて風と一緒に飛びたつ音符 加西中 2年 小 林 麻由菜 九 会小 6年 岡 田 和 樹 演奏する作者のクラリネットの音色の響きを繊細な心理で歌にされました。機微に抒情性が通っていてリ ズムよく場面がわからなくとも普遍性がある一首となりました。 歯みがき粉力いっぱいしぼり出す何度もやりすぎ平たいチューブ 誰れもが毎日行っている歯磨きを素材として歌った生活詠となりました。健康的でさわやかな歌の内容は、 説得力のある表現で結句がなによりもこの歌の魅力となりました。 八九 入 選 九〇 いえのうらたんけんしたらホイップがこんな近くにモリアオガエル 西在田小 2年 小 篠 誌 織 加西中 2年 西 村 颯 馬 加 西中 2年 大 村 明日香 富合小 6年 時 本 宙 富田小 6年 山 下 あすか 宇仁小 5年 原 碧 生 賀茂小 4年 中 路 友 菜 ジェラートやアイスやゼリーもいいけれど夏はやっぱりじいじのすいか 泉小 4年 高 見 友 基 よう虫を育ててみたら黒アゲハみんな元気に大空にまう つゆ草で水をそめたら水色に水の上にもある夏の空 夏休みたまりにたまった宿題がかばんのおくでねむっている 夏休み友達呼んできもだめし夜空にひびく友達の声 ピッチャーに掛ける言葉をくり返す見守ることしかできない自分 最後まで一生懸命応援す周りに響くみんなの声 九一 第 回加西市文化祭文芸祭 作品集『かさい』 【文芸祭主催】加西市・加西市教育委員会・加西市文化連盟 【文芸祭主管】加西市文芸協会 字提供 加西市美術家協会 小橋流燕 題 「ふるさと加西フォトコンテスト」 紙写真 板井正和( 2016 表 最優秀賞作品) Season1 印刷 大西精版印刷株式会社 編集 加西市文芸協会 文化・観光・スポーツ課 発行 加西市ふるさと創造部 平成二十八年十一月十三日 50 九二