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全日本柔道連盟Aライセンス審判員試験講習会のメモ

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全日本柔道連盟Aライセンス審判員試験講習会のメモ
■全日本柔道連盟
A ライセンス審判員試験講習会
2012/07/07 13:00~16:00 江別市野幌公民館
文責:中川秀樹(北海道中体連柔道専門委員長)
標記内容を時系列にてメモし、筆者の判断で項目とし、多少編集させて頂きました。
講師:山
﨑
立
実
先生
/
明治国際医療大学
Ritsumi Yamazaki
保健医療学部教授
1.審判規定について
□・規定は最新のものではなく、つねにルールは変化しているという認識が必要。
(ロンドン)オリンピックではなんらかの変化が見られる。
①白-青 逆になるが国内は従来通り。
青 - 白
白 - 赤
主審
主審
<ロンドンオリンピック>
<国内大会>
②開始線の撤去
最近、実際に試合をした選手からは特に不満の声はなかった(上野順恵選手の例)
国内は従来通り。
③女子の T シャツ
国際的にはメーカーのワンポイントは OK だが、国内は従来通りワンポイントを認めない。
④主審が副審の異見がなくとも訂正
インカムで審判委員がコントロールしている。
※だからといって国内ですぐに適用されるわけではなく、国際大会の様子が一人歩き(流布)する傾
向がある。正式な通達を落ち着いて待つこと。
2 .コーチの振るまい
□北京オリンピックの模様が物議を醸した。
IJF スポーツ理事の動向
2009.1.1
コーチ席撤去
2009.7.11
コーチ席をもどす
審判への文句×
2011.11.11 コーチの振るまいを規制
ドレスコード(服装)
日本のコーチが退場
※明らかな誤審をなくすため、審判員の実力を高めることこそが重要である。
3 .審判委員(ジュリー)
アジアでは、ジュリーは審判員にあまり口を出したくない傾向。(審判員の権威保持)
※ 2 段階差の技の高低についてジュリーは確認できる。(一本?…え!有効じゃないの?等)
4 .反則
帯下攻撃の誤解
肩車→釣り手をもってからくるっと回って足をもつ→ OK
外国選手が最近研究している
変則的な組み手(片側肩越し背中)→相手が足を取るように誘導→内股狙い
日本の審判は「掛け逃げ」を取るのが遅い。勇気を持って取るべき。
コンタクトレンズ→落ちたらすぐに入れさせる。審判は一緒に探す必要はない。続行不能なら相手
の棄権勝ちを宣告する。
ツメが割れた→出血なくテーピングはダメ。
出血関連→アジア大会において、一度目の止血でも流血し、負けた例がある(鼻の骨折と判明)。
主審が自分のティッシュを渡すのは×(あとで訴えられる可能性…あの紙のせいで眠くなった等)。
審判員は血のついたものに触れてはいけない。畳は係が拭く→審判員の健康、 AIDS 感染防止
ポイントを取った選手が消極的(逃げる)→シビアに反則をとるべき。
※新しいルールができると必要以上に気にしすぎる傾向があるので注意されたい。
5 .技の評価
□ラウンディング(着地)の瞬間までしっかりと見ること。
外国選手は、投げたあとローリングして後ろ袈裟固めになるまで「打ち込み」をしている。
寝技の展開はよく見ること。しかし時間稼ぎを見抜くこと。→区別する目
ピストルグリップは OK になったというのはウソ。たまたま攻撃の瞬間もっているのを国際大会では容
認する傾向がある。拡大解釈が広まっている。
「カメ姿勢」を持ち上げてひっくり返して一本という展開が国際大会では見られる。日本の審判が異
を唱えても覆られなかった。日本といえども 1/202 (国)でしかないという現実。
場内~場外→場外に出てからの返し技をしっかりと見る。副審が場外とジェスチャーしても主審は
自分の目で判断し、異なるときは合議する。勝者が勝者となるようにすること。
VTRはジュリーだけが観る。審判員は観ず、ジュリーの意見を聴取する。
※技の効果を最後まで落ち着いて見てから判断することが重要。
6 .ゼスチャー
□反則として規定されているゼスチャーは 3 種類でしかない。
ただし、選手が理解できるように様々な動作をする。
「待て」の動作は腕の水平に留意(インドとパキスタンが戦争中、両国選手の試合において主審の
「待て」と「一本」を混同され、軍隊出動…逸話)
※「場外指導」は従来通り講道館規定でも構わないが、場外ラインを指さすのが最近の動向。
7 .総合勝ち
□指導3になった時点で審判員は心の準備をするべき。
※「技あり…それまで」等
8 .指導
「場外指導」は存在するので勘違いしないこと。
オリンピック種目検証委員会(球技、パフォーマンス、格闘技、レコード等…の分類で種目の採用を
決する)において、かつてはジャケットレスリング(服を着た…)等と囁かれ、低い姿勢による攻防がレ
スリングと変わりなく…魅力がないとされた。
※組んでも技をかけられないのか、消極的なのかをしかりと見極め、安易に時間の経過だけでとる
べきではない。
9 .少年大会申し合わせ事項
「ケンケン内股等」…等の部分→大内刈り、小内刈りなど。
寝技の攻防…頸椎に危害を及ぼす可能性が認められたら「待て」をかける。抑えられたら両膝をつ
け逃げる(指導者の間違った教育)→消滅
横三角…危険なら「待て」
「腕返し」は反則負け。
「絞め技」…見込みによる一本を下すことができる。
※「安全第一」に基づく瞬間的判断が重要。
10 .補足(文責見解)
標記講習会のメモに基づくレポートなので、内容および表現の若干の過不足はご容赦ください。
明らかな誤記についてはご連絡頂けると幸いです。
柔道においては(他競技はわかりませんが…)、めまぐるしくルールや見解が変わる印象がありま
す。今後とも選手の安全を第一優先に、審判ライセンス保持者および指導者は必要以上の鋭敏な
感覚を纏わねばならぬと思うところです。
当ファイルにつきましては、柔道競技発展・向上の目的においてのみ利用を許可致しますが、それ
以外につきましてはご一報願います。
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