...

バスICカードデータから所要時間及び移動履歴へのデータ変換方法

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

バスICカードデータから所要時間及び移動履歴へのデータ変換方法
バスICカードデータから所要時間及び移動履歴へのデータ変換方法に関する検討*
The method of converting bus smart card data to travel time and bus trip data*
絹田裕一**・矢部努**・中嶋康博**・牧村和彦**・齋藤健***・田中倫英****
By Yuichi KINUTA**・Tsutomu YABE**・Yasuhiro NAKAJIMA**
Kazuhiko MAKIMURA**・Ken SAITO***・Tomohide TANAKA****
*Keywords:バスICカードデータ,ITデータ
**正員 (財)計量計画研究所 道路計画研究室
(東京都新宿区市ヶ谷本村町2-9、
TEL03-3268-9911、FAX03-5229-8081)
***
有限責任中間法人 バス共通ICカード協会
****
国土交通省道路局企画課道路経済調査室
2.ICカードの導入状況
図1は、PASMOサービス開始以降の、バスにおけるICカ
ードの利用者数、利用回数(ICカードでの支払い回数)を
示したものである。サービス開始直後の平成19年4月のI
Cカードの利用回数は、延べ660万回(1日あたり約22万
回)に及んだ。また、その後も利用者数は増加しており、
平成20年6月現在で、1日あたりの平均ICカード利用回数
は約90万回、1ヶ月間で延べ2,700万回に達している。
89
78 80
2,500
80
68
61
2,000
44
1,500
1,000
100
22
25
28
33
34
47
49
60
51
39
40
20
500
平成19年
ICカード利用者数
6月
5月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
9月
10月
8月
7月
6月
0
5月
0
日平均利用回数(万回/日)
3,000
4月
2007年3月、首都圏の私鉄・バス事業者によって、SUI
CAとの相互利用が可能なPASMOのサービスが開始された。
乗合バスにおいては、当初約30の事業者でサービスを開
始し、最終的には約100事業者にまで拡大する予定であ
る。2008年6月現在50事業者以上にまで達しており1)、
一枚のICカード乗車券で首都圏のほとんどの鉄道やバス
をシームレスに利用できる環境が急速に整ってきた。高
齢社会の到来や環境意識の高まり等、近年、交通をとり
まく環境に変化が現れ始め、その一例として、これまで
モータリゼーションの進展に押されてきた陸上公共交通
を見直す機運が高まりつつある。また、エネルギー効率、
高齢者等の交通弱者に対する平等な移動機会提供という
視点に立つと、公共交通を有効に活用しながら交通円滑
化を図り、環境負荷の小さな交通体系を確立していくこ
とは時代の要請でもある。
このような社会情勢を背景として、ICカード乗車券
の導入には、利用者、事業者、及び社会全体から多くの
期待が寄せられている。このうち、社会全体に及ぼす効
果としては、①運賃支払いの時間が短縮することによる
バスのスピードアップ、②それに伴いバスの停車時間が
短くなることによる道路交通への影響緩和(後続車両の
待ち時間短縮、環境影響低減)、③バスのサービスレベ
ル向上による公共交通の活性化(利用者の増加)等があげ
られる。
一方、交通計画立案者の立場からの期待として、ICカ
ードシステムの導入により、乗車・降車停留場や時刻等、
これまで把握することが困難であった情報を容易に入手
できることがあげられる。路線毎のバスのパフォーマン
スを客観的なデータにより把握することができれば、公
共交通利用促進施策や、それに資する各種のインフラ整
備等、効果的・効率的な施策を検討していく上で有用な
データとなると考えられる。
本稿では、上記の点を踏まえ、ICカードに記録される
バス停での乗降に関するデータからバスの走行履歴デー
タや利用者の移動履歴データへの加工方法と、そのデー
タベースの構成について検討するものである。
利用カード数(万枚/月)、利用回数(万回/月)
1.はじめに
平成20年
ICカード延べ利用回数
日平均利用回数
図1 ICカード利用者数、利用回数の推移(バス)
3.データ活用ニーズの整理
ICカード乗車券の基本的なデータ構造は、カードをユ
ニークに特定する「固有ID」(同一カードであるかを判
定するためのIDであり、個人情報等は含まない)、料金
収受に必要な「乗車・降車停留所」、「乗車・降車時
刻」で構成されている。これらを追跡することにより、
停留所ベースでのパーソントリップを把握することがで
き、さらに、バスの停留所通過時刻を把握することも可
能となる。したがって、ICカード乗車券のデータ(以降、
ICカードデータ)を上手に加工・処理することによって
有力な交通データとして活用できる可能性を秘めている。
例えば、バスのパフォーマンスを客観的なデータに基づ
いて計測することで、バスの走行性からみて阻害箇所を
定量的に示すことができ(図2)、公共交通利用促進とい
う視点にたった施策の優先順位付けを行うことも可能と
なる。
4.交通データとしての活用を想定したICカードデータ
の基本設計
(1)データ活用ニーズを踏まえたリクワイヤメント
表2に示したデータ活用を行うためには、バスの走行
やICカード利用者の移動をトレースできるデータとして
整備することが重要である。また、そのためには、表3
に示す要件を具備するデータベースを構築することが必
要である。
表3 データ作成上のリクワイヤメント
情報の分類
2)
図2 バスの走行上の阻害箇所(名古屋市の例 )
データの内容
■区間の所要時間、利用者数
・区間(バス停間、交差点間)の所要時間や利用者
数が把握できること
■ICカードの移動履歴
・バスICカードが通過したICカードの移動履歴を
保持すること
■①~②を分析する際に必要となる固定情報
・バスの系統毎に停車する停留所を把握できるこ
と(系統情報)
・バス系統毎の経路を把握できること(系統経路
情報)
・バスの系統毎に基準となる運行情報(例えば平
均的な所要時間など)を把握できること(系統運行
情報)
・PASMOを採用する全事業者の全バス停でユニー
クな位置やID等の情報(停留所情報データ)
①バスの走行履歴
表2では、ICカードデータが有用と考えられるデータ
活用場面を検討した。バスの走行履歴や利用者の移動履
歴を把握することにより、「道路計画立案」、「需要予
測」、「事業評価」等の様々な場面で分析の基礎データ
として有用であると考えられる。本稿では、これらのデ
ータ活用を前提としてデータ収集方法の検討やシステム
の基本設計を行う。
②バス利用者の移
動履歴
③バスの運行に関
する固定情報
表2 道路行政におけるデータ活用方策案
分野
データ分類
活用例(案)
内容
評価指標
区間
データ
移動
履歴
道路計画立案
需要予測
●
ボトルネック箇所の バスの走行上ボトルネックとなる ・バス停間所要
抽出
箇所の抽出
時間 等
●
公共交通の時間信頼 時刻表での所要時間に対して一定 ・時刻表からみ
性の評価
レベル以上の遅れ時間が発生する た遅れ時間ラン
割合を把握
ク別の発生割合
●
道路施策の優先順位 バスの利便性向上を目的とした道 ・交差点間隔の
付け
路事業を実施するために,バスの 乗車人員 等
(バス利便性向上) 走行からみた重要区間を把握
●
交通手段分担モデル ・モデル推定のサンプルとなるRP ・OD間所要時間
の基礎データ
データとして活用
・主要道路区間
・交通手段分担モデル構築に必要 所要時間 など
なLOSデータ(特に所要時間)の精
度向上
●
●
交通結節点の 交通結節点を整備による利用者数 ・利用者数
評価
の増減、乗り継ぎ時間の把握
・乗り継ぎに要
する所要時間
・同一ODでの経
路選択性向 等
●
●
効果計測、事 ・バス優先施策の施策タイプ毎の ・所要時間
後検証
効果計測(定時性の向上等)
・旅行速度
・今後の渋滞対策の知見としてフ ・渋滞損失時間
ィードバック
・遅れ時間割合
等
●
道路事業の評価
道路事業の実施により,バスの定 ・所要時間
(バイパス整備、道 時性の向上を把握
・旅行速度
路拡幅、等)
・渋滞損失時間
・遅れ時間割合
等
●
TDM パークアンド ・パークアンドライド施策による ・利用バス停・
バスライドの 該当停留所でのバス乗車人員の変 駅の変更者数
効果計測
化を把握
・時間短縮
・都心への自動車流入の減少によ
等
るバスの所要時間短縮を把握
●
道路行政マネジメン ・渋滞損失指標のモニタリング
・渋滞損失時間
ト(渋滞損失時間の ・道路の信頼性指標のモニタリン ・信頼性指標
計測)
グ
●
路上工事マネジメン ・科学的データに基づく路上工事 ・停間所要時間
ト
の計画立案
・旅行速度
・路上工事の影響把握
等
●
公共交通優先施策
公共交通サービス水 等時間マップ等、都市圏における ・等時間移動圏
準のモニタリング 公共交通からみた道路のサービス 域
水準を定量化、モニタリング
(2)データ作成ロジック
a.バスの走行履歴情報
「バスの走行履歴情報」は、バス停への到着時間、出発
時間をもとに、バス停間や交差点間の所要時間を算定し
たものである。
バスICカード乗車券システムでは、ICカードを車載
器にタッチした際に、固有IDや時刻が記録される。した
がって、均一運賃制のバスにおいては運賃支払い時、対
距離運賃制のバスにおいては乗車時と降車時の運賃支払
い時の時刻が記録される。乗降客のいるバス停(均一運
賃制の場合は乗車のあるバス停)においては、車載器に
記録された時刻をバス停通過時間とみなすことにより、
バス停間の所要時間を算定することができる(図3)。
事業評価
バス停①
A氏
バス停③
バス停②
バス停⑤
バス停⑥
バス降車時刻
(C氏の乗車時刻)
バス乗車時刻
B氏
①→②の所要時間
=乗車時刻の差分(B氏-A氏)
バスの所要時間
バス停④
バス降車時刻
(C氏の乗車時刻)
バス乗車時刻
①→②の所要時間
=乗車時刻の差分(C氏-A氏)
C氏
バス乗車時刻
③から乗車する利用者がいないため不明
マネジメント
図3 バス停間の所要時間の算定方法
乗降客の多いバス停では、複数のICカードの時刻が
記録されるため、該当バス停における最初の時刻を「到
着時刻」、最後の時刻を「出発時刻」とみなすことによ
り、「停車時間」を除外した所要時間を算定することが
可能となる。また、表4に示す系統経路情報と組み合わ
せ、デジタル道路地図(DRM)にマッチングすることによ
り、バス停間の所要時間を道路状況の分析に活用しやす
い交差点間の所要時間として整備することも出来る。
b.バスの乗車人員の算定
車載器にタッチしたICカードの枚数をカウントする
ことにより、ICカードを利用した乗車人員を算定するこ
とが可能となる。対距離運賃制のバスでは、乗車時、降
車時の両方でICカードを使用するため、乗降バス停を特
定することが可能であり、各停留所間の乗車人員が算定
できる(図4)。一方、均一運賃制のバスにおいては一般
的には乗車時のみICカードを利用するため、「降車バス
停」を把握できず、停留所間の乗車人員は算定出来ない。
しかしながら、ICカード利用の総数、すなわち、「累
計」の乗車人員を把握することは可能である。
バス停①
バス停②
バス停④
バス停③
バス停④
(3)データベースの設計
表4は、ICカードデータのデータベースの構成を示し
たものである。表3に示すデータリクワイヤメントを満
たすために、①~⑨の9つのデータベースで構成されて
いる。
①~④はバスの走行履歴のデータである。③はバス
の一走行毎にバス停間の所要時間、乗車人員をデータ化
したものである。また、④はバスの一走行毎にDRM区間
の所要時間、乗車人員をデータ化したものである。また、
①~②はこれを集計したデータであり、バス停間やDRM
区間を対象に時間帯毎の集計値として所要時間、乗車人
員をデータ化している。
⑤はICカード利用者の移動を、バス停の連続として
トレースできるようにデータ化している。
⑥~⑨は、バス停や系統等の固定情報をデータ化し
たマスタである。全事業者のデータを同時に扱えるよう
にユニークなデータを付与し、また、全データについて
「開始日」、「終了日」を設定することにより、マスタ
の有効期間についても管理している。
表4 ICカードデータのデータベース
分類
データベース
乗車時刻:7:12
①DRM間集計データ
乗車時刻:7:17
バス停通過時刻は,
ICカード乗車券に
記録された利用者
の乗車時刻
乗車時刻:7:12
所要時間:7分
利用者数:1人
7:12
所要時間:5分
利用者数:3人
7:17
所要時間:4分
利用者数:4人
7:21
所要時間:4分
利用者数:3人
7:32
日付、開始時間帯、事業者ID、上流停留所ID、上流停留所停車
②バス停間集計データ 時間、上流停留所乗車人員、下流停留所降車人員、下流停留所
ID、停留所間距離、走行台数、道路所要時間平均、運行所要時
間平均、最長道路所要時間、最短道路所要時間、道路所要時間
の標準偏差、運行遅れ時間、乗車人員、総乗車人員
図4 ICカードによる乗車人員の算定方法
c.バス利用者の移動履歴情報
バスに設置された車載器によって収集されたICカー
ドの情報はデータセンターに送られ、一括管理される。
ここで、「固有ID」(カード毎にユニークなIDであり、
個人情報等は含まない)をキーとしてカード毎の利用履
歴を集約し、ICカード利用者の移動履歴情報(カードを
利用したバス路線、場所、時刻)としてデータ化する。
d.バスの運行に関する固定情報
従来、バスの運行管理に必要な各種の固定データであ
る経路情報やバス停情報等は事業者毎に管理されてきた。
しかしながら、ICカードデータを活用する際には、これ
らの情報は、共通のルールの下に体系づけられることが
必要である。今回のシステム設計においては、参加全事
業者のバス系統や、経路、バス停に対してユニークなID
を付与している。また、バス停の位置は緯度・経度で表
現すること、バスの経路は、DRMリンクの連続として表
現すること等、後々一般的なGISデータと連携した分析
に耐えうるようなデータとして整備する。
日付、開始時間帯、DRMバージョン、メッシュ番号、上流DRMノ
ード番号、下流DRMノード番号、リンク長、停留所ID、対距離
バス走行台数、均一バス走行台数、平均所要時間、最長所要時
間、最短所要時間、区間乗車人員、均一バス総乗車人員
日毎・時間帯毎の走行台数・所要時間・乗車人員をバス停間で
集計したデータ
乗車時刻:7:21
バス停通過時刻 7:05
上段:データ概要、下段:データ項目
日毎・時間帯毎の走行台数・所要時間・乗車人員をDRM区間で
集計したデータ
乗車時刻:7:05
バスの走行
履歴
バスの一走行毎の所要時間・乗車人員をDRM区間毎に示したデ
ータ
③DRM間個別データ
事業者ID、事業者系統ID、往路復路フラグ、車両番号、リンク
順番号、DRMバージョン、メッシュ番号、上流ノード番号、上
流ノード通過日、上流ノード通過時刻、下流ノード番号、下流
ノード通過時刻、リンク長、停留所有無フラグ、停留所ID、所
要時間、区間乗車人員、総乗車人員、バス種別フラグ
バスの一走行毎の所要時間・乗車人員をバス停間毎に示したデ
ータ
事業者ID、事業者系統ID、往路復路フラグ、車両番号、バス停
④バス停間個別データ 間番号、上流停留所ID、上流停留所通過日、上流停留所通過時
刻、上流停留所停車時間、上流停留所乗車人員、上流停留所降
車人員、下流停留所ID、下流停留所通過日、下流停留所通過時
刻、停留所間距離、道路所要時間、運行所要時間、乗車人員、
総乗車人員、バス種別フラグ、運行遅れ時間
ICカードの
⑤移動履歴データ
移動履歴
ICカードを利用した停留所を移動履歴として示したデータ
固有ID、日付、時刻、事業者ID、事業者系統ID、往路復路フラ
グ、乗降フラグ、停留所ID
バスの系統を、停車するバス停の連続として示したデータ
⑥系統情報データ
事業者ID、事業者名、事業者系統ID、往路復路フラグ、系統
名、バス停間番号、上流停留所ID、下流停留所ID、停留所間距
離、開始日、終了日
バスの系統毎の経路を、走行する道路のDRMリンクの連続とし
て示したデータ
固定情報
⑦系統経路情報データ 事業者ID、事業者系統ID、往路復路フラグ、DRMバージョン、
リンク順番号、メッシュ番号、上流ノード番号、下流ノード番
号、リンク番号、リンク長、開始日、終了日
⑧系統運行情報データ
⑨停留所情報データ
バスの系統毎に,発車時間帯別の基準となる所要時間(平均的
な所要時間)を示したデータ
事業者ID、事業者系統ID、往路復路フラグ、運行日フラグ、起
点発車時間帯、基本時間、開始日、終了日
対象となる全事業者でユニークなバス停のデータ
停留所ID、停留所名、経度、緯度、開始日、終了日
5.データの適用性の検討
ここでは、4章で提案したデータベースを用いて、カ
テゴリ別に速度の傾向を見る上での基礎集計を行う。ま
た、バスレーンの効果を速度変化の視点から検討する。
(1)バスの旅行速度
①平土休別時間帯別平均旅行速度
1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)におけ
るバスの平均旅行速度は、日中で概ね15km/h程度である。
また早朝、夜間は日中に比べやや速度が高い傾向にある。
また、平日の通勤時間帯は、土曜日や休日に比べ速度が
低下している。(図5)
(2)バスレーンの効果の把握
図8は、バス専用レーンの施策実施箇所付近のバスの
時間帯別リンク別平均旅行速度を示したものである。荻
窪駅付近のバス専用レーンでは、規制かかっている通勤
時間帯の該当区間のバスの旅行速度が20km/h以上となっ
ており、規制されていない時間帯と比べバスの走行性が
確保されていることが明らかとなった。
青梅街道(四面道~高円寺陸橋)上り
バス専用レーン
(AM7~9)
1都3県計
平均旅行速度(km/h)
25
平日
土曜
休日
20
15
10
(時間)
18時台
17時台
16時台
15時台
14時台
13時台
12時台
11時台
10時台
9時台
8時台
7時台
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22
バスICデータ
12
1.74988
1.86
1.85 2
12
2
12 1
11.8562 11.884
12
1.82
12
12 1.93 11.779
1.57202
13
2.476377
2
12
12.475
2.892609
12.51041792
12.56718247
12.57192466 12.083
2.696
13
2.66958
2.694158
2
2.474
12
1.69993
1.73
1.74 2
12
2
12 1
1.82042 11.808
12
1.71
12
12 1.85 11.759
1.49959
12
1.930301
1
12
12.014
2.285511
11.9510933
12.05154556
12.0123124 11.536
2.129
12
2.14184
2.251583
1
2.134
12
1.74626
1.82
1.83 2
12
2
12 1
1.92704 11.925
12
1.83
12
12 2.03 11.905
1.50489
12
1.854198
1
12
11.94
2.242958
11.91850778
11.94276398
11.90400317 11.479
2.129
12
2.08937
2.069297
1
1.978
11.39462583
12
11.7812
1.95
1.96 2
12
2
12 1
1.98798
12.01
12
1.95
12
12 2.07 11.923
11.6988
12
11.63715
1
12
11.805
1.998389
11.72817302
11.75523321
11.71938274 11.232
1.879
12
11.8972
1.910848
1
1.799
13
11.8543
2.05
2.05 2
12
2
12 1
2.08147 12.043
12
1.97
12
12 2.16 11.926
1.67002
11
1.426912
1
11
11.534
11.68271
11.5060279
11.55781481
11.49266335 11.075
1.569
12
1.60649
1.693524
1
1.657
13
1.95728
2.14
2.14 2
12
2
12 1
2.22635 12.232
12
2.09
12
12 2.26 12.144
1.78641
12
1.840732
1
12
11.975
2.141428
11.89947831
11.94695766
11.91148126 11.395
1.947
12
1.95041
1.919552
1
1.803
12
1.92524
2.13
2.11 2
12
2
12 1
2.27366 12.241
12
2.14
12
12 2.33 12.162
1.79356
12
2.119958
1
12
12.263
12.30203
12.08922536
12.16521219
12.051596 11.822
12.36
13
2.39403
2.344907
2
12.35
11.64514966
12
2.14631
2.37
2.37 2
12
2
12 1
12.4249 12.408
12
2.33
12
12 2.41 12.238
1.90055
15
4.412384
4
15
14.485
4.892095
14.51859206
14.5571024
14.54237134 13.995
4.772
15
4.58155
4.669412
3
4.384
13
2.46174
2.53
2.52 2
12
3
13 2
2.69665 12.723
12
2.53
13
12 2.82 12.566
2.29119
17
6.116377
5
17
16.369
6.695575
16.29113924
16.22332486
16.18596961 15.439
6.384
17
6.28729
6.404195
4
13
2.62099
2.74
2.75 3
13
3
13 2
12.9044
12.97
13
2.94
13
13 3.04 12.499
2.62053
21
9.854161
9
21
20.39 20.336847
20.31302801
20.18751155
19.95122178 19.227 20.431
20
0.07538
20.351906
13
12.5582
2.67
2.68 3
13
3
13 2
2.97387 13.007
13
2.91
13
13 3.03 12.641
2.61724
22 20.767958
0
22
21.398 21.348599
21.36014027
21.19821429
21.2868 20.189 21.414
21
1.21256
21.481183
13
2.59729
2.88
12.9 3
13
3
13 2
3.19523 13.149
13
3.11
13
13 13.1
2.73908
21
8
21
19.844
19.74924078
19.65015426
19.59163516 18.698 20.201
20
9.77708
9.927482
四
面
道
5
5
3.9km
時間帯(時台)
13.03
9.431996
9.995163
荻
窪
駅
前
~12.5km/h
12.5~15km/h
15~20km/h
20km/h~
図5 平土休別時間帯別平均旅行時間
12.05783133
N≒1,000~10,000
3
3 12.552
13
2
2.64
12
2.39
1
3 2
2 2
2.135425
1.92
12
2.007818 1
1.79
2.46185
2.646 3
2.47 3
2.431 2
12.3821
2.622
12 12.594
0.92 3
13
2.702 2
2.78443
13
2.53
2 2.54
2.573748
2.795
13
13
13 3
13
2
3 3
2.73
2.724
3 12.7 12.411
2.11
3 2.11 12.253
12
2
2 1.97 1.85544 2
1.18
12
2.12 2
2.03
2.15 1.87
12 2
12
11.6763062 2
2 12.146
12
2
2.17
12
1.94
1
2 2
2 2
11.73251
1.55
12
1.582313 1
1.48
2.44926
2.385 2
2.57 2
2.542 3
2.50725
12.39
13 12.482
1.24 2
12
2.341 2
2.43626
12
2.56
2 2.53
2.558929
2.398
13
12
12 3
12
2
2 3
2.29
12.21
2 2.24 12.112
2.337
1.95
2 1.84 12.067
11
2
1 11.7 1.59214 1
1.08
12
1.75 2
1.88
1.94 11.8
12 2
12
2
2 12.049
12
2
2.12
12
1.72
1
2 2
2 2
1.695701
11.5
12
1.593899 1
1.47
12.2052
2.088 2
2.25 2
2.169 2
2.19323
2.073
12 12.159
0.87 2
12
2.107 2
2.19987
12
2.33
2 2.31
2.308725
2.164
13
12
12 2
12
2
2 2
2.13
2.134
2 2.09
11.92
2.212
2.727
2.13
2 1.95 12.121
11
2
1 1.53 1.44654 1
1.02
12
1.71 2
1.77
11.8 1.69
12 2
12
11.13812155
2
2 11.629
12
1
1.45
11
1.08
1
1 1
1 1
11.10065
0.92
11
0.922084 0
0.83
2.37441
2.532 3
2.33 2
2.306 2
2.50713
2.553
12 12.312
0.81 3
13
2.367 2
2.45386
13
2.29
2 2.29
12.50291
12.55
13
12
12 2
12
2
2 3
2.36
2.404
3 2.26 11.824
2.228
2.32
3 2.39 12.528
12
2
2 1.84 1.59098 1
1.18
12
12 2
1.91
2.04 1.67
12 2
12
11.01732761
2
2
11.61
12
1
1.62
11
1.28
1
1 1
1 1
1.152976
11
11
1.044836 1
0.93
2.85917
2.793 3
2.55 3
2.735 3
2.80199
2.788
13 12.837
1.13 3
13
12.78 3
2.97748
13
2.68
3 2.71
2.870682
2.849
13
13
13 3
13
2
3 3
12.8
2.756
3 2.89 12.482
2.874
2.38
3 2.46 12.636
12
2
2 1.99 1.84468 1
1.38
12
12.2 2
12.1
2.34
12
12 2
12
2 11.822
12
1
1.78
11
1.41
1
2 2
2 1
1.552121
1.41
12
1.417476 1
11.3 3.06501
12.96 3
2.82 3
3.006 3
2.93509
2.936
13 13.007
1.16 3
13
3.101 3
3.10222
13
2.98
3 3.02
3.024147
3.069
13
13
13 3
13
3
3 2
2.98
2.987
3 2.99 12.561
3.068
2.75
3 2.82 12.895
12
2
2 12.3 2.18342 2
1.77
12
2.41 2
2.33
2.55 2.14
13 2
13
2
3 12.361
12
2
2.25
12
1.72
1
2 3
3 2
1.944841
1.76
12
1.795281 1
1.61
2.93405
2.841 3
2.61 3
2.867 3
2.82007
2.883
13 13.036
1.25 3
13
3.109 3
3.19929
13
3.02
3 3.05
3.074086
3.104
13
13
13 3
13
3
3 3
13.2
3.058
3 13.4 12.908
3.344
2.96
3 3.04
13.1
12
2
2 1.72 1.58418 2
11.2
12
2.09 2
1.98
2.12 1.86
12 2
12
13.75237042
4
5 14.177
15
4
4.58
14
4.02
3
4 4
4 3
3.907163
13.4
14
3.711572 3
3.53
2.84294
2.789 2
2.55 3
2.823 3
2.71814
2.653
13
12.68
0.97 3
13
2.795 3
2.84354
13
2.72
3 2.71
2.717353
2.783
13
13
13 3
13
3
3 2
2.85
2.677
3 2.88 12.501
2.962
2.84
3 2.94 13.022
12
2
2 1.87 1.75897 2
1.48
12
2.07 2
2.05
2.13 1.94
12 2
12
5.943
15.25509897
6
6
15.62
16
6
6.22
15
5.49
4
6 5
5 5
5.388838
4.86
16
5.079497 4
4.87
12.5611
2.533 2
2.33 3
2.624 3
12.4542
2.518
13 12.552
0.86 2
13
2.877 3
2.90295
13
2.76
3 2.75
12.68909
2.791
13
13
13 3
13
3
3 2
2.81
2.612
2 2.89 12.547
2.882
2.86
2 2.92 12.917
12
2
2 2.16 1.94661 2
1.52
12
2.42 3
2.38
2.48 2.24
13 2
12
8
9.903
18.04651926
9
8 18.319
20
9
9.52
18
7.81
5
8 7
7 6
7.103471
6.53
18
6.844543 6
6.96
2.97674
13.02 2
2.74 3
3.055 3
2.85942
2.879
13 13.044
1.19 3
13
3.135 4
3.12602
13
3.01
3 3.01
2.928429
13
13
13
13 3
13
3
3 3
13
2.898
3 13.1 12.809
3.185
3.02
3 3.06 13.169
12
2
2
12 1.88232 2
1.45
12
2.34 2
2.25
2.45 2.21
12 2
12
9
21.02
18.17813825
9
8 18.379
20
0
9.56
19
7.43
5
9 7
7 6
7.675477
6.88
18
17.30036 7
7.58
2.60917
12.72 3
2.49 2
2.493 3
2.60889
2.661
13 12.674
0.92 3
13
3.117 3
3.20641
13
3.24
3 3.22
3.086976
3.105
13
13
13 3
13
3
3 3
2.82
2.886
2 2.82 12.908
3.395
13
3 3.12 13.117
11
1
1 1.41 1.34415 2
1.15
12
1.85 2
1.82
1.93 1.82
12 2
12
7
9.559
18.31779086
9
8 18.364
20
0
9.61
19
8.38
6
0 8
7 7
8.861789
8.26
20
8.575069 7
8.69
3.11965
3.133 3
3.14 3
3.009 3
3.12874
3.185
13 13.311
2.13 3
13
3.713 3
3.54945
14
3.82
4 13.8
3.575935
3.586
13
13
13 3
13
3
3 3
2.99
3.132
3
3.588
3.14
3 3.17 13.248
12
1
2 1.79 1.83009 2
1.65
13
2.61 2
2.69
2.68 2.63
13 2
13
11.2548699 2
杉
並
区
役
所
前
バスレーンの影響と
考えられる
13 13.128
五
日
市
街
道
入
口
高
円
寺
陸
橋
下
図8 荻窪駅付近のバスレーンの効果
②道路種類別平均旅行速度
図6は、1都3県の道路種類別平均旅行速度を示したも
のである。道路の規格による速度差は小さく、何れの道
路種類においても13~18km/h程度である。また、平日は、
道路の規格によらず土曜日や休日よりも速度が低い傾向
にある。
平均旅行速度(km/h)
0
直轄国道
その他国道
主要地方道
一般都道府県道
指定市の一般市道
その他の道路
5
10
15
20
25
14.4
15.0
16.0
平日
土曜
休日
16.1
15.8
17.0
14.1
14.4
15.2
13.3
13.8
14.6
16.8
16.8
17.7
14.7
14.9
15.6
図6 道路種類別平均旅行速度
③都心部の面的な旅行速度の分布
都心部では、周辺に比べ旅行速度が低い傾向にあり、
10km/h未満の区間が多く存在している。湾岸地域や、環
八の外側では15km/h以上の区間もみられる。(図7)
6.おわりに
本稿では、首都圏のバス共通ICカード乗車券導入に
際し、ICカードから収集できるデータを公共交通の現況
把握や公共交通施策立案のベースデータとして活用する
ことを前提として、データ作成・加工方法やデータベー
ス構成を検討したものである。実際に、PASMOのサービ
ス開始以後、本稿の検討内容に基づいてデータの収集・
蓄積がなされている。また、収集されたデータの基礎集
計を行い、算定される旅行速度が妥当であることを示す
ことができた。さらに、バス専用レーンがバスの走行性
向上に寄与していることも客観的なデータに基づいた効
果として示すことができた。
今後、環境負荷の小さな交通体系の構築、交通円滑
化を目指し、バスの走行性という視点から各種の道路施
策の効果計測や、公共交通利用促進施策の検討といった
場面でデータ活用を図っていきたいと考えている。
《謝辞》
本稿では、国土交通省よりデータを提供頂いた。ここに記し
て謝意を表す。
《参考文献》
1) (株)パスモ:http://www.pasmo.co.jp/
(凡例:平均旅行速度/平日12時間)
20km/h~
15~20km/h
12.5~15km/h
10~12.5km/h
~10km/h
図7 都心部のリンク別平均旅行速度
2) 中嶋・絹田・牧村・森川・森本・森川:走行履歴データ
を用いたバス優先施策の事後評価に関する研究,土木計
画学研究・講演集,Vol.34,2006.12
Fly UP