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2041KB - 一般社団法人 日本建設業連合会

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2041KB - 一般社団法人 日本建設業連合会
5
文書交換
表
5-1-2
チェックシートの例
項目
5-1
電子メールを利用した文書交換
受注者
電子メールを利用することにより,ひとりまたは複数の相
手と時間/場所の制約を受けない文書交換を行うことができ
ます。受発注者間でやりとりされる電子データの交換手段と
して,電子メールは有効な手段となります。
通信回線種別
フレッツISDN
128KB
インターネット接続形態
ダイヤルアップ接続
専用線
電子メールソフト
Outlook Express ver.5.0
Outlook Express ver.5.0
アンチウイルスソフト
ウイルスバスター2001
ウイルスバスター2001
圧縮・解凍ソフト
Lhasa ver.0.17
+Lhasa ver.0.72
ファイル分割ソフト
Jydivide ver.3.09
Jydivide ver.3.09
添付ファイル最大容量
1MB
1MB
2.メール関連
タイトルの付け方,添付
ファイル名の命名規則も取
り決めしておきます。
インターネット
電子メールによる電子データの交換
発注者
図
5-1-1
5-1-1
受注者
5-1-2
電子メールを利用するには,Web メール 注 1 などのシステム
でないかぎり電子メールソフト(「メーラー」とも呼ばれる)
が必要になります。電子メールソフトは市販品やメーカーか
ら無償で提供されているもの,フリーウエア 注 2 ,シェアウエ
ア 注 3 など多数存在します。おもな電子メールソフトを以下に
示します。
5-1-1
電子メールの送受信
代 表 的 な メ ー ル ソ フ ト と し て Microsoft の Outlook
Express(ver.5.0)を取り上げて,設定から送受信までを解説
します。
電子メールによる電子データ交換
電子メールソフト
表
発注者
1.ネットワーク関連
(1)Outlook Express の設定
1)Outlook Express を起動し「ツール」→「アカウント」
→「追加」で,「メール」を選択します。
なお、Outlook Express の初回起動時には「接続ウイザ
ード」が開始されますが,設定する内容は同じです。
主な電子メールソフト
メーラー名
Outlook Express
Eudora Pro
クラリスメール
EdMax
Shuriken
WeMail
Kenm3
ネットスケープ メッセンジャー
会社名,作者名(敬称略)
Microsoft
クニリサーチ インターナショナル
アップルコンピュータ
宮崎 年之
Justsystem
NECテレコムシステム
出村義弘
ネットスケープコミュニケーションズ
図
5-1-2
メールアカウントの作成
2)表示名欄に名前を入力します。ここに記入した名前が「送
信者」のフィールドに表示されます。
注 1.Web ブラウザを汎用の電子メールソフトとして利用する
メールサービス。Microsoft の Hotmail や excite などが有
名。Web メールを社内の標準システムにしている会社もあ
ります。
注 2.無料で利用できるソフトウェアのことで,「フリーソフ
ト」ともいいます。個人やグループがボランティアで作成
しているものが多く,インターネット上で簡単に入手でき
ます。
注 3. 一定の無料試用期間があるソフト。気にいらないとき
はアンインストールすることにより料金を払わなくとも良
いきまりになっています。気に入ったときは,代金を支払
ってそのまま使うことができます。
図
5-1-3
送信者名の入力
3)メールアドレスを入力します。
この欄には,会社またはプロバイダより与えられたメー
ルアドレスを入力します。
基本的に受発注者間でどのような電子メールソフトを使
うかは自由ですが,お互いに異なるソフトを使用した場合に
添付ファイルの扱いで問題が発生する可能性があります。ト
ラブルを避けるためにも同一ソフトを使うようにすると良い
でしょう。
また,事前協議の場などで双方のシステム環境等をチェッ
クシートなどにより確実に確認しておくことも有効な手段で
す。
チェックシートの例を表 5-1-2 に示します。
図
100
5-1-4
メールアドレスの入力
豆知識
メールアドレス
メールアドレスは自分宛てのメールを受信するために
必要なネットワーク上の住所で,「ユーザー名」と「ド
メイン名」で構成され,「ユーザー名@ドメイン名」の
ように 「@(アットマーク)」で区切られて表されます。
メールアドレスの例
taro_yamada@kensetu.co.jp
----------- ------------ユーザー名
ドメイン名
図
組織種別コード
アカウントとパスワードの設定
(2) Outlook Express の詳細な設定
1)「ツール」→「アカウント」→「メール」で,作成した
アカウントのプロパティボタンをクリックします。
ドメイン名はネットワーク上のコンピュータを特定す
る名前で,「組織名」+「組織種別コード」+「国別コ
ード」(米国のドメイン名には国別コードがありません)
から構成されています。上記のメールアドレスの例では,
このメールアドレスは,日本にある「kensetsu」という
会社の「taro_yamada」さんのものであることが分ります。
なお,組織種別コード,国別コードには次のようなも
のがあります。
組織種別コード
5-1-6
国別コード
日本
米国
国名
企業,法人
co
com
日本
jp
団体
or
org
韓国
kr
学校,教育機関
ac
edu
中国
ch
政府機関
go
gov
イギリス
uk
プロバイダ
ne
net
ドイツ
de
フランス
fr
ロシア
ru
カナダ
ca
図
国コード
5-1-7
アカウントのプロパティ設定
2)「接続」で LAN 接続/ダイヤルアップ接続の選択と詳細設
定を行います。ここで接続先を指定することにより,標準
の Internet Explorer の接続設定を無視することができま
す。
4)受信メール/送信メールサーバーを入力します。
「受信メールサーバーの種類」は,「POP3」を選択しま
す。受信メール/送信メールサーバー欄には会社やプロ
バイダから指示されたサーバー名を入力します。
図
5-1-8
接続方法の設定
3)「詳細設定」タブの「サーバーにメッセージのコピーを
置く」にチェックマークを付けることにより,作業所や自
宅で同じメールを受け取ることができるようになります。
なお,この設定を行う場合は,サーバーの資源を無駄に
使わないために,一定期間が経過した時点でメッセージを
削除するようにあわせて設定しておきます。
図
5-1-5
メールサーバの設定
5)メールアカウントとパスワードを入力します。
パスワードは入力した文字が画面に表示されませんので
注意して入力します。「次へ」をクリックしてからさらに
「完了」をクリックすると設定は完了です。
図
101
5-1-9
メッセージの保存方法
2)項目の説明
a)受信トレイ
受信したメールが保存されます。「ファイル」→「新規
作成」→「フォルダ」で任意のフォルダを作成することが
できますので,受信したメールを分類して保存することが
できます。
4)「ツール」→「オプション」→「全般」で一定時間ごと
にメールのチェックを行う設定ができます。LAN 接続や NTT
のフレッツ ISDN などの場合はこの設定を行っておくと便
利です。
b)メッセージ一覧ウィンドウ,プレビューウィンドウ
新着メール,未読メールはメッセージ一覧ウィンドウに
太字で表示されます。そのメールをクリックして選択する
ことにより,下段にあるプレビューウィンドウに内容が表
示されます。
3)メッセージ一覧ウィンドウの詳細
図
5-1-10
メッセージの送受信方法
5)「送信」タブでは,「メール送信の形式」を「テキスト
形式」にしておきます。
図
5-1-13
メッセージ一覧ウィンドウ
a)!
重要度を表わします。メール送信者が重要なメールであ
ることを伝えたいときに,「メッセージの作成」画面のツ
ールバーにある「重要度」で「重要度:高(H)」を選ぶと,
受信者のこの欄に赤い「!」が付きます。
b)クリップ
受信したメールにファイルが添付されている場合,この
欄に「クリップ」のアイコンが表示されます。
図
5-1-11
c)フラグ
受信したメールを後で見つけやすくするためなどに使
用します。フラグカラムの上部にあるフラグアイコンをク
リックすることにより,すべてのフラグ付きメッセージを
並び替えて分類することができます。「ツール」→「メッ
セージ ルール」→「メール」で,特定のメッセージを受
信した時にフラグを付けるルールを定義することもでき
ます。
メール形式の設定
(3)Outlook Express による電子メールの送受信
1)メールの受信
「送受信ボタン」を押すことによりメールの受信が始ま
ります。「ツール」→「オプション」→「全般」→「新着
メッセージをチェックする」の指定をしている場合は,設
定した一定時間ごとに自動的にメールの受信を行います。
受信したメールは受信トレイに格納されます。
d)送信者
メール送信者のメールアドレスが表示されます。
Outlook Express では,「ユーザー情報」→「名前」で
設定した内容が表示されます。
メッセージ一覧ウィンドウ表示欄
e)件名
メール送信者が「Subject」に付けたタイトルが表示され
ます。
f)受信日時
メールの受信日時が表示されます。表示される日時は
「送受信ボタン」をクリックして受信した時のものではな
く,メールサーバーが受け取った日時となります。
プレビューウィンドウ
図
5-1-12
Outlook Express の画面
102
4)添付ファイルの閲覧/保存
添付ファイルがある場合は,「クリップ」アイコンをク
リックして表示されるメニューからファイルの閲覧/保存
ができます。
メッセージウィンドウ
図
図
5-1-14
5-1-16
返信メールの形式
6)メールの送信
「新しいメール(メッセージの作成)」ボタンをクリック
すると,「メッセージの作成」ウインドウが開きます。
添付ファイルの表示
注 1)添付ファイルが圧縮されている場合には解凍の操作
が必要となります。「添付ファイルの保存...」で,任意
のフォルダに圧縮ファイルを一度保存してから「Lhasa」
等のファイル圧縮・解凍ソフトで解凍すると良いでしょ
う。
注 2)添付ファイル名に全角日本語文字が含まれている場
合,まれにファイル名が文字化けして,ファイルが開け
ないことがあります。添付ファイルの種類が分かってい
れば,「添付ファイルの保存...」で拡張子まで含めて名
前を付け替えて保存することにより開けるようになるこ
とがあります。
注 3)差出人の分からないメールの添付ファイルにはウイ
ルスが含まれている可能性がありますので,知らない人
から届いた添付ファイルは開かないほうが良いでしょう。
図
5-1-17
メールの新規作成
5)受信メールの返信
メッセージ一覧ウインドウから返事を出したい相手のメ
ールを選択し,ツールバーにある「返信」をクリックする
ことにより「メッセージの作成」ウィンドウが開きます。
メッセージウィンドウ
図
図
5-1-15
5-1-18
メッセージの作成ウィンドウ
7)メッセージ作成ウィンドウの項目
a)宛先(to)
宛先欄には送信先のメールアドレスを記入します。半角
セミコロン(;)で区切りながらメールアドレスを複数記入
することもできます。アドレス帳にメールアドレスが登録
されている場合は,「宛先」アイコンをクリックしてアド
レス帳からメールアドレスを入力することができます。
受信メールの返信
「宛先」には返信先のメールアドレスが,「件名」には
もとの件名の頭に「RE:」が付いた件名が入力されています。
メッセージウインドウに返事を書いて「送信」ボタンをク
リックすることにより返信メールを送ることができます。
図
103
5-1-19
複数のメールアドレス入力例
は添付するファイルの種類(エクセル,ワードなど)とサイ
ズ,ファイル名を記しておくと良いでしょう。また,添付
するファイルは必ずウイルスチェックを行っておきます。
添付ファイルは複数指定することができますが,トータ
ル容量には注意を払わなければなりません。おおよその目
安としては,1M バイトを越えないようにします。容量の大
きなメッセージや添付ファイルは,宛先のコンピュータシ
ステムや途中経由するネットワークに多大な負荷をかけ
る可能性があります。大きなファイルを添付する場合は,
圧縮や分割をして送るようにします。
b)CC
CC(カーボンコピーの略)欄に入力したメールアドレスに
は,「宛先」で指定した相手と同一のメールを送ることが
できます。CC でメールを送ると,受け取った相手には CC
でメールが送られたことが分かるようになっています。こ
の点が BCC と違うところです。参考程度に送りましたとい
った意味合いで使う場合が多いようです。
c)BCC
BCC は「ブラインドカーボンコピー」のことで,機能は
「CC」と同じですが,「宛先」に指定された人に「コピー
の送信先」を知らせる「CC」とは違い,「コピーを送った
こと」を隠します。 BCC の利点はそのメールが自分だけに
送られたように見えることで,互いに関係の無い複数の相
手に同一内容のメールを送るときに使います。
圧縮
d)件名(subject)
メッセージのタイトルを記入します。一般的には,受け
取った相手がメールの内容についてある程度判断できる
ように簡素に書きますが,打合せ簿などを発注者とやり取
りする場合など,事前に件名の付け方についての取り決め
がある場合はそれに従います。
「件名」に漢字を使うと文字化けして読めなくなること
がたまにあります。最近はほとんど無いようですが,漢字
件名に対応していない中継サイトも存在しますので,漢字
の使用には注意が必要です。また,電子メール全般につい
ていえることですが,「半角 カナ」,「機種依存文字」,
「補助漢字」は使ってはいけません。
圧縮
サイズの大きな
ファイルは圧縮し
て送ります。圧縮し
てもサイズが小さ
くならない場合は
分割します。
分割
分割
・・・・・
図
5-1-20
大きなサイズのファイル処理方法
8)送信
「送信」アイコンをクリックすると,メールはいったん
「送信トレイ」に移されます。「送信トレイ」に移された
メールは,「送受信」アイコンをクリックするか,「ツー
ル」→「オプション」→「全般」で指定した時間が経過す
ると送信されます。
e)本文
「メッセージの作成ウィンドウ」の下の広い入力ボック
スが本文の記入欄(メッセージウインドウ)で,ここにメー
ルの本文を書きます。一行は 60 字(漢字だと 30 字)程度で
改行すると良いでしょう。用件ははっきり書き,短いメー
ルを作成するよう心がけます。
本文の最後には「署名(シグニチャ)」を付けると相手に
対して親切です。
「フルネーム」,「メールアドレス」,「所属会社名(電話
/FAX 番号,住所)」等の情報を記入しておきます。
(署名の例)
署名 山田 太郎様
建設株式会社
「ツール」→「オプション」→「署名」で
お世話になっています。OX
建設の田中です。
署名の作成/編集ができます。
お問い合わせいただきました・・・についてですが,
:
以上,よろしくお願いいたします。
┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─
┴┬ ○×建設株式会社 田中 次郎
┬┴ 〒171-8560 東京都豊島区高田 3-31-5
┴┬ email:[email protected]
┬┴ tel.03-3984-xxxx fax.03-3984-xxxx ext.856
┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴──┴─┴─┴─┴
f)添付ファイル
「メッセージの作成ウィンドウ」で,「挿入」→「添付
ファイル」を選択すると「添付ファイルの挿入ウィンドウ」
が開きます。ここで添付したいファイルを選択し,「添付」
ボタンを押すことにより作成したメールにファイルを添
付することができます。これにより,エクセルやワードで
作成したファイル,デジタルカメラで撮影した画像等をそ
のまま電子メールに添えて送ることができます。本文中に
図
104
5-1-21
メールの送信
字化けは,これらの文字を使用しないことで解消できます。
また,HTML 形式のメールを送った場合に,相手のメール
ソフトが HTML 形式に対応していないと文字が化けている
ように表示されてしまいます。コマンドタブなどが表示さ
れて読みづらくなっているだけなのですが,受け取る相手
がパソコン初心者などの場合には混乱の原因となります。
相手が HTML 形式の電子メールに対応しているとは限りま
せんので,事前の取り決めにもよりますが,標準では「ツ
ール」→「オプション」の「送信」タブにある「メール送
信の形式」で「テキスト形式」にしておくのが無難です。
9)送信トラブル
作成したメールを送信しても,何らかの原因により正し
く送信されない場合があります。以下にいくつかの事例と
対処方法を紹介します。
a)「Returned Mail:~」という件名のメールが返ってくる
存在しないメールアドレスを送り先に指定した場合に,
「Returned Mail:~」という件名のメールが返ってきます。
「Returned Mail:」のあとに,「User unknown」と書かれ
ていた場合はメールアドレスの「@」の左側の部分のアカ
ウントが間違っています。
「 .(ピリオド)」,
「 -(ハイフン)」,
「_(アンダーバー)」などは間違えやすいので注意します。
「Host unknown(xxx.xxx.jp.: host not found)」の場合
は「@」マークの右側部分のドメイン名を間違えています。
いずれの場合も,送り先のメールアドレスを確認して,
正しいメールアドレスを指定することにより問題は解消さ
れます。
10)電子メールによる文書交換を行う前に
実際に電子メールによる文書交換を行う前に,次にあげ
ることを発注者,協力業者との間で確認しておきます。ま
た,これらの確認を行った後に,双方でメールの送受信テ
ストを行っておきます。
・メールを送受信する担当者とメールアドレス,担当者の
権限
・使用するメールソフトのバージョンとパソコン環境
・利用プロバイダとプロバイダの利用・制約条件
・トラブル発生時の代替手段
・メールの着信確認の頻度
・ウイルスチェックの有無(かならず行うようにします)
・使用するユーティリティソフトとバージョン
(圧縮・解凍ソフト,ファイル分割ソフトなど)
・タイトル名,添付ファイル名等の命名規則
・送受信可能な添付ファイルについて(方式,サイズ等)
・盗聴,詐称,改竄,否認等の不正行為発生時の対処
ちゃんと打合
せしておけば良
かったのに・・・
b)送信エラーが発生する
「サーバーへの接続は失敗しました。・・・」などのエ
ラーメッセージが表示され,今まで送れていたメールが急
に送れなくなる場合は,混雑等による一時的なトラブルの
可能性があります。このようなときは,一定時間をおいて
から再度送信してみます。
「ツール」→「アカウント」で「メール」タブを選択し,
「アカウントのプロパティ」→「詳細設定」にある「サー
バーのタイムアウト」時間を長めに設定することで解消さ
れることもあります。
(4)アドレス帳の作成
メールアドレスをアドレス帳に登録することにより,メー
ルアドレスの入力の手間と入力ミスを防ぐことができます。
1)手入力による作成
「ツール」→「アドレス帳」→「新規作成」→「新しい
連絡先」で手入力によるアドレス帳の作成ができます。
表示名とメールアドレスを入力するだけでもアドレス帳
として利用することができます。
図
5-1-23
タイムアウトの設定
c)相手に文字化けメールが届いてしまう
メールの中で「半角カナ(1byte カナ/JIS 片仮名/JIS
X0201 GR)」,「機種依存文字(丸数字など)」,「補助漢字
(旧漢字など)」を使用している場合は文字化けします。文
図
105
5-1-24
アドレス帳へのアドレス登録
(5)受信メールの分類
「ツール」→「メッセージルール」→「メール」で,受信
メールを条件により受信した時点で分類してフォルダに格納
することができます。発注者からのメール,本支店からのメ
ール,プライベートなもの等を自動的に振り分けできますの
で,メールを整理する手間を省くことができます。また,重
要な相手からのメールを強調してメッセージ一覧ウインドウ
に格納することもできます。
ルールの作成方法は,「ツール」→「メッセージルール」
→「メール」でルールの設定画面を表示して行います。
2)受信メールからの作成
登録したい相手のメールを選択して,「ツール」→「送
信者をアドレス帳に追加する」で簡単にアドレス帳に登録
することができます。必要に応じて「連絡先」欄から登録
した送信者を選んで,「右クリック」→「プロパティ」で
登録情報を編集することもできます。
※登録したい相手のメールを「連絡先」欄にドラッグ&ドロ
ップすることでも登録できます。
この例では,特定の送信者から
のメールを,特定のフォルダに振
り分ける設定を行なっています。
図
5-1-25
受信メールからのアドレス登録
ルールの条件を選択します
3)アドレスのグループ化
同じメンバーに何度もメールを送る必要がある場合は,
そのメンバーをグループとして登録することにより,宛先
メールアドレスの複数指定の手間が省けます。
「アドレス帳」→「新規作成」→「新しいグループ」で
グループを作成し,メンバーを登録します。メンバーの登
録は,
「選択」ボタンを押すとアドレス帳が開きますので,
すでに登録してあるメンバーは,アドレス帳から選ぶだけ
で登録することができます。
条件に対する処理を選択します。
具体的な条件を決めます。
「ユーザーが含まれている」をク
リックして,ルールの条件となるユ
ーザーを指定します。
図
5-1-26
アドレスのグループ化
「指定したフォルダ」をクリック
して,ルールの条件を満たした場合
に格納するフォルダを指定します。
図
106
5-1-27
受信メールのルール作成
5-1-3
2)文字コードについて
発注者と打合せ簿等の交換で電子メールを利用する場
合は,事前にお互いの環境の確認が取れているので問題は
ありませんが,一般的に電子メールでは相手がどのような
環境にあるかは分かりません。送信者には読める文字でも
相手が見ると意味の無い空白だったり,違う文字が表示さ
れたりすることがあります。電子メールでは「半角カナ
(1byteカナ/JIS片仮名/JIS X0201 GR)」,「機種依存文字
(丸数字など)」,「補助漢字(旧漢字など)」を使用しない
ようにします。電子メールで使える文字は表5-1-3のとお
りです。
ネチケット
(1)ネチケット
ネットワークを利用するにあたっては,ネチケット
(netiquette:ネットワークとエチケットをあわせた造語)と
呼ばれるネットワーク上で守るべきエチケットやルールがあ
ります。
電子メール,Webページの作成・閲覧に関するもの,メー
リングリスト,ネットニュースなどなどネットワークを利用
するにあたっていろいろなネチケットがあります。ネチケッ
トを守ることにより,ネットワークを利用する上での無用の
トラブルをさけることができます。
表
ネチケットに関しては,下記ホームページ
が参考になります。
「ネチケットホームページ」
URL:http://www.cgh.ed.jp/netiquette/
3)送り先のアドレスについて
送り先のアドレスには細心の注意をはらい,意図しない
相手にメールを送らないように注意します。間違ったアド
レスにメールを送ることはネットワーク資源を無駄に使用
することにもなります。電子メールのコストは送り手だけ
ではなく,受け手や中継者も払っていることを認識する必
要があります。
返信メールでは,自動的に返信先が指定されますが,メ
ーリングリストで届いているメールではメンバー全員に送
ってしまうことになります。
※ 重要な情報を送る場合には特に注意が必要です。意図
しない相手に送ってしまったことから発生するトラブル
など容易に想像することができるでしょう。重要度にも
よりますが,場合により電子メール以外の手段を検討す
ることも必要です。
(2)電子メールのネチケット
電子メール作成時におけるネチケットは,5-1-2で紹介し
ましたので,この章では電子メール全般についてのネチケッ
トを解説します。
1)本文
本文は用件が正しく相手に伝わるようにはっきりとかつ
簡素に書きます。一行は半角60文字(漢字では30文字)程
度 注 1 とし,行の終わりには復帰改行(CR+LF:エンター)を入
れます。また,100行以上 注 2 の長文にならないように作成し
ます。本文の事例を図5-1-28に示します。
10
15
20
25
4)署名
本文の最後には「署名(signature:シグニチャ)」を付け
ます。署名は送信者自身を表すもので,4行前後を目安にし
て,「フルネーム」,「メールアドレス」,「所属会社名(電
話/FAX番号,住所)」等の情報を記入しておきます。
30(文 字 : 漢 字 )
― ― ― ―+ ――――+ ―― ― ―+ ――――+ ――― ―+ ――――+
建設株式会社 山田
太 郎 様 [CR+RF]
お 世 話 に な っ て い ま す 。 株 本 建 設 の 岡 田 で す 。 JV 運 営 委 員 会 の [CR+LF]
開 催 日 時 に つ い て で す が ,7 月 12 日 を 予 定 し て い ま す 。 [CR+LF]
: [CR+LF]
○×建設株式会社 土木本部 山田 太郎
郵便番号 102-0039 東京都千代田区四番町 XXX
電話 03(3262)XXXX(直通) FAX 03(3264)XXXX
E-mail : [email protected]
以 上 , よ ろ し く お 願 い い た し ま す 。 [CR+LF]
----------------------------------------------------------------- [CR+LF]
岡田 広正 株本建設株式会社
zip.171-8560 豊 島 区 高 田 3-31-5 [CR+LF]
e-mail:[email protected] [CR+LF ]
図
tel.03-3984-XXXX(XXXX )[CR+LF]
----------------------------------------------------------------- [CR+LF]
図
5-1-28
電子メールで使用できる文字
種別
内容(例)
1バイト文字
ascii文字
ABCabc123!"#
2バイト文字
JIS第一水準漢字
あいうえお亜意鵜絵尾
句読点
。、,.・:;?!
括弧、引用符
(【〔[{[『""''`´
英数字記号
ABCabc123!”#
矢印
↑↓←→
ギリシャ文字、ロシア文字 αβγΣЯИ
JIS第二水準漢字*
弌丐丕个丱
*人名、地名などの特殊な固有名詞、旧漢字を
含みます。正しく表示できない場合もあります。 ネチケットは,
ネットワーク上のエチケット
5
5-1-3
5-1-29
署名の事例
5)秘密事項の取扱について
電子メールはネットワークを通して配送されます。その
とき複数のコンピュータを中継しますので,メールの内容
が第三者に読まれる可能性があります。暗号化等のセキュ
リティ対策が施されていない場合は,第三者に知られては
困る情報(社外秘情報やクレジットカード番号など)を書
かないようにします。
本文の事例
注1)RFC1468では75文字,RFC1855では65文字とされていま
す。
注2)RFC1855では100行以上を長文としています。
107
6)引用
電子メールの返事に,送られてきた元の電子メールの一
部分をコピーして利用することを「引用」といいます。引
用した部分と他の部分を明確に区別するため,引用した行
の先頭に「>」を付けます。引用を行う場合は必要なとこ
ろだけを引用するようにします。ひとつの問い合わせに答
えるために,送られてきた電子メールの全文を引用ような
ことは行ってはいけません。
郵便で送るほうが合
理的かも!?
添付ファイルのサイズは最大でも1M
バイトを超えない 注 3 ようにし,サイズ
が小さくなるようにファイル圧縮 注 4 ・
分割を行うように心がけます。
※場合によっては,フロッピー,MO,CD-R/W等の媒体を
使い,手渡し,郵送・宅配便などの手段による配信を考
慮しておく必要もあります。
「>」で始まる 行が引用
した部分。この例では,送
られてきたメールの工事
> 工事検討会を開催しますので,下記日時から都合の
検討会開催日時の問い合
良い日時を選んで
わせ部分だけを引用して,
>お知らせください。
返事を書いています。
>
7 月 11 日 午前 10 時
午後
>
7 月 12 日 午前 10 時
午後
7 月 11 日午前 10 時でお願いします。
7 月 12 日は・・・・・・・・・・・・・・・・・
:
図
5-1-30
注3)RFC1855では,50Kバイトよりも大きいファイルは送
るべきでないとしています。現在では非現実的か考え
られます。
注4)詳しくは,「5-4ファイルの圧縮方法」や「5-5ファ
イルの分割と結合」を参照のこと。
9)電子メールを受け取ったら
届いたすべての電子メールに対して,どのような場合で
も最低限 件名だけは確認しておきます。重要な電子メー
ルを受け取ったときは,ただちに返事を送ります。その時
点で返事がかけない場合でも,相手に電子メールを読んだ
ことを伝えるための簡単な返信メールを送るようにしま
す。
引用の事例
7)チェーンメール
「不幸(幸福)の手紙」の電子メール版がチェーンメール
(chain mail)と呼ばれるものです。「ウイルス情報」,「人
権問題の解決のための署名集め」など,一見善意に見える
ものから「ねずみ講」まがいの悪質なものまであります。
チェーンメールはネットワークに多大な負担を与えます。
その動機が善意であるか悪意であるかにかかわらず,チェ
ーンメールを送ることは禁止されています。チェーンメー
ルが届いてしまった場合は,無視して何もしないことが一
番の対抗手段となります。
しょうがないわね
メールは読んで
くれたみたい。で
も,返事はちょっ
と待ってほしいそ
うだよ!
忙しくて,返事を書い
てる時間が無いな~!
でも,心配させると
悪いからメールを読ん
だことだけでも返信メ
ールで知らせておく
か。
8)添付ファイル
電子メールにファイルを添付して送る場合には次の点
に注意します。
a)ウイルスチェックを行う
b)文中にファイルの情報を記述する
ファイル名,ファイルを作成したアプリケーション名等
を書いておきます。
実行予算書を送ります。
・ファイル名 jikkou.xls
・作成ソフト excel 97
・サイズ
57KB
c)ファイル名に日本語を使用する場合は注意する
通常のパソコン環境ではファイル名に日本語を使用する
ことができますが,添付ファイルに日本語を使うと受信側
でファイル名が文字化けしてしまいファイルが開けないこ
とがあります。このような場合は,添付ファイル名を半角
英数文字に変更する必要があります。
※添付ファイルの種類が分かっている場合は,受信側で拡
張子まで指定してファイル名を付け替えて保存することに
より読めるようになることもあります。
電 子 メ ー ルが 必 ず 届 くと い う 保 証
はありません。
d)ファイルサイズに注意する
添付ファイルのサイズには注意が必要です。
サイズの大きなファイルを添付して送ると,途中経由す
るネットワークや受信側に多大な迷惑をかけてしまいます。
108
5-2
(3)CD-R(シーディーアール)
CD-R は CD-Recordable の略で,1988 年に太陽誘電株式会
社が開発した記録可能な CD です。1 枚の CD-R に 600MB 以上
の記録が可能で,メディア 1 枚あたりのコスト(100 円前後)
を考えると,最もコストパフォーマンスに優れているといえ
るでしょう。保存性も高く,また,すべての CD-ROM ドライブ
で読める互換性の高さから,データの交換や配布に適してい
ます。
リムーバブルストレージを利用した
文書交換
電子メールの添付ファイルやLAN上の共有スペースを用い
て文書交換ができない場合は,リムーバブルストレージと呼
ばれる着脱可能な記憶媒体を用いて文書の交換を行います。
リムーバブルストレージは種類も多く,それぞれ特徴があ
りますので,状況に応じた使い分けが必要です。
5-2-1
リムーバブルストレージの種類
(1)フロッピーディスク
FD(エフディ),ディスケット(IBM 社の商品名)または,単
にフロッピーなどとも呼ばれています。パソコン用の記憶媒
体として,媒体の交換が可能でしかも比較的安価なため,広
く用いられています。フロッピーディスクには 8 インチ,5.25
インチ,3.5 インチなどがありますが,最近は 3.5 インチが
主流で 8 インチや 5.25 インチのものはほとんど使われていま
せん。
(ドライブ装置)
図
(8 インチ,5.25 インチメディア)
図
5-2-1
5-2-3
(CD-R メディア)
CD-R ドライブとメディア
(4)CD-RW/PD(シーディーアールダブリュー,ピーディー)
CD-RW(フィリップス/ヒューレット・パッカード/三菱化成
/リコー/ソニーの 5 社による共同開発)や PD(松下電器産業
が開発した書き込み可能な光ディスクの一種)は CD-R と同じ
容量の記録ができるうえに書き換え可能であるなど優れた特
徴があります。
CD-RW の場合,メディアの価格は CD-R よりやや高くなりま
すが,通常のパソコンで読み込める互換性をもっています。
しかし,PD は,専用ドライブが必要なため,互換性の低さに
問題点があります。
(3.5 インチメディア)
フロッピーディスクの種類
記憶容量は,640KB/720KB,1.25MB/1.44MB などがあります。
2ED やフロプティカルディスクなどの大容量のフロッピーデ
ィスクもありますが,まだ一般的ではありません。
※フロプティカルディスク(floptical disk)
ヘッドの位置決め制御を光学的に行なうことにより,
21MB の記録容量を実現したフロッピードライブ。米国
Insite Peripherals 社が開発。3.5 インチフロッピーディ
スクと互換性があり,720KB,1.44MB の 3.5 インチフロッ
ピーの読み書きもできます。
(CD-RW メディア)
(ドライブ装置)
図
(2)MO(エムオー)
データの書き込みが可能な光ディスク記憶装置で,データ
の書き込み時に磁気を利用しているので光磁気ディスクとも
いいます。ディスクのサイズには 5 インチと 3.5 インチがあ
ります。記憶容量は 5 インチで 600MB から 1.2GB,3.5 インチ
で 128MB/230MB/540MB/640MB,GIGAMO と呼ばれる 1.3GB の大
容量タイプもあります。書き換えが可能で,扱いやすさ,容
量,メディアの値段等を考えると魅力的な媒体といえるでし
ょう。
5-2-4
(PD メディア)
CD-RW/PD ドライブとメディア
(5)ZIP(ジップ)
米国 iomega 社の開発した記憶媒体のひとつで,フロッピー
ディスクをやや厚くした形状の磁気ディスクです。記憶容量
は一枚あたり 100MB あり,速度も高速でドライブ装置とメデ
ィアも比較的安価ですが,フロッピーディスクとの互換性が
ありません。米国での普及率は高いのですが,日本ではあま
り普及していないのが難点です。
(ドライブ装置)
(ZIP メディア)
図 5-2-5 ZIP ドライブとメディア
(ドライブ装置)
(メディア)
図 5-2-2 MO ドライブとメディア
109
(7)リムーバブルハードディスク
ディスク部分(記録メディア)が交換可能なハードディス
クで,高速・大容量のハードディスクの特性を持ちます。
メディアが現時点では他のリムーバブルストレージのメディ
アに比べて非常に高くなっています。
(6)DVD-RAM(ディーブイディーラム)
読み取り・書き込み可能な DVD で,記憶容量は片面メディ
アで 2.6GB,両面メディアで 5.2GB となっています。なお,
DVD ドライブには,読み出し専用の DVD-ROM,ライトワンス機
能を持つ DVD-R,書き換えが可能な DVD-RAM があります。
(DVD-RAM メディア
2.6GB/片面
TYPEⅡカートリッジ)
(DVD-RAM ドライブ装置)
(米国 CastleWood 社 ORB)
図
5-2-6
図
5-2-2
(米国 iomega 社 Peerless)
DVD-RAM ドライブとメディア
5-2-7
リムーバブルハードディスク
リムーバブルストレージの特性
リムーバブルストレージによる文書交換では,それぞれの
特徴を考慮して適切な媒体を選ぶことが大切です。
表
5-2
リムーバブルストレージの特徴・まとめ
FD
MO
CD-R
CD-RW
ZIP
DVD-RAM
リムーバブルハー
ドディスク
容量
1.25/1.44MB
128/230/640MB
640MB/700MB
640MB/700MB
100MB
2.6GB/5.2GB
4.7GB/9.4GB
2.1GB/5GB/
10GB/20GB
媒体価格
非常に安価
高価
安価
安価
高価
高価
非常に高価
装置価格
- (ほぼ標準装備)
高価
高価
高価
高価
非常に高い
低い
高い
高い
非常に低い
非常に低い
非常に低い
読込速度
遅い
速い
速い
速い
遅い
速い
高速
書込速度
遅い
遅い
非常に遅い
非常に遅い
遅い
遅い
高速
追加書込
○
○
○
○
○
○
○
書き換え
○
○
×
○
○
○
○
普及率
- (ほぼ標準装備) - (ほぼ標準装備)
メリット
記憶容量が大きい
装置の普及率が非 記憶容量が大きい
記憶容量が大きい 記憶容量が大きい 記憶容量が大きい 記憶容量が非常に
CD-ROMドライブで
常に高い
再書込みが可能
再書込みが可能 再書込みが可能 再書込みが可能 大きい
読込可能
デメリット
記憶容量が小さい
5-2-3
装置の普及率が非
装置の普及率が低 書き込みが非常に 書き込みが非常に 装置の普及率が非 装置の普及率が非
常に低く、媒体も高
い
遅い
遅い
常に低い
常に低い
価
交換の実際
交換方法としては,手渡し,郵送・宅配便の利用等があげ
られます。郵送・宅配便では梱包を厳重に行い,破損がない
ように注意します。また,相手に届くまで数日かかることも
考慮する必要があります。
リムーバブルストレージを用いて文書の交換を行うには,
交換する媒体が適切なものであるかを事前に確認しておくこ
とが重要です。
110
5-3
共有スペースを利用した文書交換
現場事務所内に LAN を構築することにより,LAN 上のファ
イルサーバー等の共有スペースを利用した文書交換が可能に
なります。また,インターネットを利用することにより,よ
り広い範囲での文書交換を行うことができるようになります。
発注者工事事務所
支
店
・ASP
・情報共有サーバー
・ストレージサービス
etc
本
インターネット
・情報共有サーバー
・ファイルサーバー
現場事務所内サーバー
現場事務所
図
5-3-1
共有スペースを利用した文書交換
111
社
5-4
・LHAユーティリティ32 v1.41
LZH,ZIP,CAB,TARの解凍・圧縮
・fromLZH v1.35
LHA,ZIP,ARJ,ISH,CAB,RAR対応多機能圧縮・展開
ソフト
・WinZip v8.0
ZIP形式対応の定番圧縮・解凍ソフト
・LHA Shell Extensions v1.52
エクスプローラから直接圧縮/解凍
・LHA32.EXE v1.06
LHA圧縮/解凍 Win32コンソールアプリ
ファイルの圧縮方法
ファイル圧縮とは,データの内容を保持したままファイル
容量を減らす処理のことで,逆に圧縮されたファイル(デー
タ)を元のファイル(データ)に復元する処理のことを「展開」
(アーカイブ・ソフトなどでは,「解凍」という用語をよく使
います)といいます。ファイル圧縮することにより,ネットワ
ーク上でのデータの送受信時間の短縮や,ハードディスク等
の記憶装置により多くのデータを記録することができるよう
になります。
圧縮には,データを展開したときに元のデータと同じもの
になる圧縮と,展開したデータに情報の損失がでることを許
す圧縮とがあります。文字情報やプログラムなどの圧縮には,
一般的にデータの損失を許さない圧縮法が用いられ,画像や
音声などでは,データにある程度の損失が出ることを許容す
ることにより圧縮率を高める圧縮方法が多く用いられます。
※同じになるものを可逆圧縮,同じにならないものを不可
逆圧縮と言います。
5-4-1
注)これらのソフトに中は、ソフト単体で圧縮・解凍が可
能なものと,外部のDLL(UNLHA32.DLL等)が必要なもの
があります。前者の方が手軽に扱えます。
5-4-3
ここでは,実際にファイルの圧縮・展開(解凍)の方法をフ
リーソフト「+Lhaca」(デラックス版)を例に解説します。
データ種類による圧縮方法
「+Lhaca」の概要
著作権者 村山 富男
文字情報・プログラムなどは,データの損失を許さない圧
縮が必要となります。Run-Length法(ランレングス法),ハ
フマン(Huffman)法などの圧縮アルゴリズムを用いたLHAや
ZIPが有名です。
画像情報,音声情報などではデータの損失を許す圧縮を用
いることが多く,JPEGやMPEG,MP3が有名です。
文書交換で使用する圧縮方法に関して,成果品となるワー
プロや表計算,CAD等のデータは,データの損失を許さないこ
とが必須条件となりますから,前者の圧縮方法を用いること
が必要です。また,PDF形式はもともと圧縮されているので,
圧縮効果はあまり期待できません。
写真等を含むイメージデータ単体を交換する場合は,デー
タの損失は多少許されることから,画像形式として圧縮をサ
ポートするJPEGやPNG,GIF,TIF等の中から,画像の色数にマ
ッチした形式を選択すればよいこととなります。
可逆式圧縮の形式は,国内ならば LHA 形式(拡張子 LZH)
を選択するのが適切です。
5-4-2
圧縮ソフトの実際
氏
[email protected]
ドラッグ&ドロップ操作でLZH/ZIP形式の圧縮・解凍が
できるLhasa風の圧縮・解凍ソフトで,デスクトップやエ
クスプローラから「+Lhaca」のアイコンに圧縮ファイルを
ドラッグ&ドロップすると解凍を,圧縮ファイル以外のフ
ァイルをドラッグ&ドロップすると圧縮を開始します。ま
た,外部DLLが不要で「+Lhaca」をインストールするだけ
ですぐに利用できるなど,初心者にも大変使いやすいもの
となっています。
最新バージョン(2002.04.01現在)
通常版
Lhaca072.EXE
Ver0.72
デラックス版 Lhaca118.EXE
Ver1.18
(1) +Lhacaのインストール
+Lhaca(Lhaca072.exe)は,作者のホームページや先に紹介
したダウンロードサイト等から入手できます。
・作者 村山富男氏のホームページ
http://www1.sphere.ne.jp/app/Lhaca/
よく使われる圧縮・展開ソフト
よく使われる圧縮・展開ソフトを以下に紹介します。
これらのソフトのほとんどは窓の杜等のダウンロードサ
イトから入手できます。
代表的なダウンロードサイト
窓の杜
URL:http://www.forest.impress.co.jp/
Vector
URL:http://www.vector.co.jp/
Lhaca118.exeフ ァ イ ル を 実 行 す る と イ ン ス ト ー ル が 開 始
します。プログラムをインストールする場所を指定するウィ
ンドウが開きますので必要に応じて指定し,OKボタンを押し
ます。デスクトップとスタートメニューのプログラムサブメ
ニューに+Lhaca関連のショートカットが作成され,スタート
メニューのプログラムサブメニュー内には+Lhacaのヘルプへ
のショートカットも作成されます。
・Explzh v3.12
エクスプローラの機能を拡張できる圧縮・解凍ソフト
・+Lhaca v0.72
ドラッグ&ドロップ操作でLZH/ZIP形式の圧縮・解凍
ができるLhasa風の圧縮・解凍ソフト
自己解凍形式までサポートした+Lhaca 1.1x系のデラ
ックス版もある
・Lhasa v0.17
LZH/ZIP形式対応の解凍専用ソフト
・LHA Expander 1.0.8
LHA形式の圧縮ファイルをラッグ&ドロップで解凍
・LHMelt v1.16c
多くのファイル形式に対応した圧縮・解凍ソフト
アイコン
図
112
5-4-1
+Lhacaのインストール
(2) +Lhacaの設定
「スタート」→「プログラム」→「Lhaca」→「+Lhaca」
を選択するか,デスクトップ上の+Lhacaのアイコンをダブル
クリックすることにより+Lhacaの設定画面が表示されます。
この設定画面では,解凍されたファイルの出力先と圧縮フ
ァイルの出力先の指定等ができます。初期値では圧縮・解凍
ファイルの出力先はデスクトップが指定されています。
また,拡張子への関連付けも簡単に行えます。
5-5
ファイルの分割
電 子 メ ー ル の 添 付 フ ァ イ ル や リ ム ー バブ ル ス ト レ ー ジ に
よる文書交換を行う場合,プロバイダや記憶媒体の制約によ
り電子データのサイズを小さくしなければならないことがあ
ります。圧縮を行ってもこの問題を解消することができない
場合は,ファイルを分割して複数に分ける必要があります。
5-5-1
おもなファイル分割ソフト
おもなファイル分割ソフトを以下に紹介します。
これらのソフトは,圧縮・解凍ソフトと同様のダウンロー
ドサイト等から入手できます。
図
5-4-2
・Jydivide
自分自身で復元する分割ファイルの作成が可能
・Concut
自己結合型に対応したコンパクトな分割ソフト
・WINTAKE
ファイルを任意の個数・大きさに分割・復元
・Easy DIVIDER
分割サイズは1.44MB/1.25MB/720KB/640KBの4種類
・PieceMaker
ドラッグ&ドロップによる一発分割が可能
・DBKLHA32
LZH書庫にも対応で圧縮と分割の同時作業が可能
+Lhaca の設定画面
(3)ファイルの圧縮・展開(解凍)
ファイルの圧縮は,エクスプローラで圧縮したいファイル
を選択後,「+Lhaca」のアイコンにドラッグ&ドロップするこ
とで行います。解凍も同様に,エクスプローラで解凍したい
ファイルを選択後,「+Lhaca」のアイコンにドラッグ&ドロッ
プすることで簡単に行えます。
5-5-2
ファイル分割ソフトの実際
Jydivide(フリーウエア,製作者 J-Y氏)によるファイルの
分割・結合例をご紹介します。(Ver3.10です)
作者ホームページ
J-Y Home
URL :http://www5b.biglobe.ne.jp/~jun-ya/
ソフトのバージョン(2002.05.01現在)
Jydivide ファイル分割
ver.3.10
Jydivide 自己復元型分割データ ver.2.00
(1)ファイルの分割
1)Jydivideを起動し,分割するファイルと分割サイズを指
定します。
自己復元型分割ファイルは,分割したファイルを本ソフ
トなしで結合できるようにするもので,上記の自己復元型
分割データをインストールすることで使用できます。
図
図
5-4-3
ファイルの圧縮方法
113
5-4-4
分割方法の設定
2)作成ファイル欄に分割したファイルが指定されますので,
必要に応じて保存先を変更します。良ければ「分割開始」
ボタンをクリックします。
3)実行確認ウィンドウが表示されますので,間違いがなけ
れば「はい」のボタンをクリックします。
図
5-4-5
(2)ファイルの結合
通常の分割では ,分割された最 初のファイル(拡張子が,
「d01」)を「元のファイル」欄に指定し,必要に応じて結合先
のフォルダを指定してから復元開始ボタンをクリックします。
なお、分割したファイルは同じフォルダ内に納める必要が
あります。
実行確認ウィンドウ
4)ファイル分割が終了すると,Jydivide終了ウインドウが
表示されますので,
「閉じる」のボタンをクリックします。
図
5-4-8
通常の分割ファイルの結合
自己復元型の場合は,エクスプローラ等で exe ファイルを
直接実行し結合します。
図
5-4-6
終了ウィンドウ
5)以上の操作により,「作成ファイル」で指定した保存先
フォルダに分割されたファイルが作成されます。
この例では ,「2_4素材加工.doc」(8,743bytes)が「2_4
素材加工.exe」と「2_4素材加工.d02~d07」の7個のファ
イルに分割されているのが分かります。
本事例は,自己復元型を作成しましたので,exeファイル
が作成されましたが,通常の場合は,「2_4素材加工.d01」
という先頭のファイルが作成されます。
この exe ファイルをダブルクリックすることにより復
元します。
図
元のファイル(その他は分割したファイル)
図
5-4-7
分割した状態
114
5-4-9
自己復元型ファイルの結合
Fly UP