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Oracle SuperCluster:データセンターとアプリケーション向けのセキュアな

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Oracle SuperCluster:データセンターとアプリケーション向けのセキュアな
Oracle SuperCluster:
データベースとアプリケーションのための
セキュアなクラウド・インフラストラクチャ
Oracle ホワイト・ペーパー | 2015 年 11 月
目次
免責事項 ......................................................................... 1
概要 ............................................................................. 2
はじめに ......................................................................... 3
業界でもっとも高度なセキュリティ ............................................ 4
追加コストの不要なセキュリティ・レベルの強化 ............................. 5
世界最速のエンジニアド・システム ............................................ 6
最高のパフォーマンスを実現するための設計 ................................. 6
卓越したコスト効率 .......................................................... 7
迅速なサービス・デリバリ ................................................. 7
要件の拡大に対応できる、柔軟な構成とシームレスなアップグレード・パス ..... 8
クラウド・サービスに向けた最高の効率 ..................................... 8
デプロイメント、取得、運用コストの削減 ................................... 9
ミッション・クリティカルなアプリケーションに対応する最高のサービス・レベル
....................................................................... 10
統一された管理とパッチ適用による運用の簡素化 ............................ 11
Oracle SuperCluster のユースケースと TCO.......................................... 12
ユースケース 1:HP および IBM の競合システムの置換え .......................... 12
ユースケース 2:高性能アプリケーションのエンジン ............................ 13
ユースケース 3:SPARC と Oracle Solaris アプリケーションの集約 ................ 13
結論 ............................................................................ 14
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
免責事項
以下の事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を
唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。マテリアルやコード、
機能の提供をコミットメント(確約)するものではなく、購買を決定する際の判断材料になさらな
いで下さい。オラクル社の製品に関して記載されている機能の開発、リリース、および時期につい
ては、弊社の裁量により決定されます。
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
概要
IT システムの侵害のために、毎年、数百億ドルもの規模で損失やリスクが生じています。また、こ
のような侵害の頻度と規模は急速に拡大していると見られています。現代の企業が外部からアクセ
ス可能な Web ベースのアプリケーションやモバイル・デバイス、ソーシャル・メディアを採用し、
その使用を急速に拡大するにつれ、ハッキングに対する脆弱性が飛躍的に高まっています。これら
のシステムの脆弱性が高まるにつれ、また、これらのシステムが企業の業務に不可欠になるにつれ、
侵害の直接コスト(トランザクションの損失やビジネスの中断)と間接コスト(顧客の維持と獲得、
ブランド価値、罰金、訴訟)も増加しています。ミッション・クリティカルなシステムを定義付け
る品質の 1 つとしてセキュリティが浮上してきており、シンプルな可用性や操作性といった従来の
懸案事項よりも重要視されています。
このようにセキュリティが新たに重要視されるのと平行し、現代の企業は、顧客のセルフケアや電
子商取引、サプライ・チェーンの管理だけでなく、リモート資産の監視、インターネット接続され
た複数のシステム(オートマトン)との統合やソーシャル・メディア・プラットフォームとの統合
を包括するよう、日常業務に IT アプリケーションを採用し、その使用を急速に拡大しています。
企業で利用できる膨大な量のデータが飛躍的に増加しており、しばらくの間はこれが続く見込みで
す。膨大な量の情報に対処し、経営上の意思決定をしていく者にとって、リアルタイムの分析機能
は不可欠なツールとなっていますが、その情報を理解し、その情報に基づいて意思決定を迅速かつ
適切に行うためには、新しいテクノロジーが必要となっています。
また、この 10 年間で IT システムの規模と多様性が増すにつれ、これらのシステムを管理、保守す
るのが徐々に難しくなっており、要するコストも増加しています。企業は新たな収益源の確保、収
益の向上、および大幅なコスト削減を実現する、新しいテクノロジーの革新的な使用法を見い出し、
それを進展させるというプレッシャーに常にさらされています。テクノロジーの標準化によって俊
敏性とコスト管理を推進するという前世代のアプローチは、市場で失速しており、クラウドやエン
ジニアド・システムのような新しいアプローチが、もっとも期待できる方法として浮上してきてい
ます。前者の場合、不可欠であるが、必ずしも差別化されていないインフラストラクチャやプラッ
トフォームの導入と運用において、伴うコストや複雑さを完全に排除できるという点に明らかに魅
力がありました。ただし、すべての企業やすべてのワークロードで、共有のパブリック・クラウド
を十分に活用できるわけではありません。このような企業は依然として、IT における不要な複雑さ
を軽減するよう努めていますが、特定の高価値ワークロードに対応するハードウェアとソフトウェ
アの垂直統合を、オンプレミスで容易に導入できるパッケージとして提供する、エンジニアド・シ
ステムに目を向けています。信頼できるベンダーからアプリケーション向けのターンキー・プラッ
トフォーム/インフラストラクチャとして提供されるプライベート・クラウドの概念は、コストの
削減、セキュリティの向上、アプリケーションの使用可能性の向上、および IT の俊敏性の強化を
達成するために推奨されるアプローチとなっています。
SuperCluster M7 は、データベースとアプリケーション向けのセキュアなクラウド・インフラスト
ラクチャです。要求の厳しい環境で幅広いアプリケーションに対応し、運用の簡素化、クラウド指
向のユーザー自己管理機能、予測可能な高性能を最大限提供することで、オラクルのパブリック・
クラウドを補完するように設計されています。Oracle Database で稼働している既存のアプリケー
ションでコード行の変更なしに高度なスケーラビリティと卓越したパフォーマンスを実現する独自
機能と、特に OLTP 本番アプリケーションのリアルタイム分析における Oracle Database 12c リ
リースとの協調設計により、SuperCluster M7 はプライベート・クラウドの実装とレガシー・アプ
リケーションの集約に最適な選択肢となっています。
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
はじめに
Oracle SuperCluster は、Oracle Database とアプリケーションの集約に適したセキュアなエン
タープライズ・クラウド・インフラストラクチャです。お客様はデプロイメント期間を短縮し、高
度な信頼性と稼働時間を確保しながら、統合プラットフォーム上で Oracle Database や Java、さま
ざ ま な ビ ジ ネ ス ・ ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 高 速 化 で き る と い う メ リ ッ ト を 得 ら れ ま す 。 Oracle
SuperCluster(図 1)はビジネス・アプリケーション・ソリューションのデプロイメントに基準を
設定することで、テスト済みの完全な製品から最大の顧客価値を引き出します。
図1:SuperCluster M7の最小構成と最大コンピュート構成
Oracle SuperCluster は、卓越したビジネス成果をもたらす統一プラットフォームに、 Oracle
SPARC ハードウェア、Oracle Solaris オペレーティング・システム、仮想化、ストレージ、ネット
ワーク、システム管理を統合したエンジニアド・システムです。
Oracle SuperCluster エンジニアド・システムには以下の Oracle テクノロジーが組み込まれていま
す。
» Software in Silicon テクノロジーを搭載した SPARC M7-8、および SPARC M6-32
» Oracle Solaris オペレーティング・システム
» Oracle VM Server for SPARC による仮想化
» Oracle Solaris ゾーン
» Oracle Exadata X5 Storage Server と Oracle Exadata Storage Server Software
» Oracle ZFS Storage Appliance
» InfiniBand QDR ネットワーク
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
» Oracle Enterprise Manager Ops Center 12c
» Oracle Exalogic Elastic Cloud ソフトウェア(オプション)
» Oracle Solaris Cluster(オプション)
上記コンポーネントが一体となってアプリケーションからディスクまでのソリューションを迅速に
デプロイできるようにすることで、最小限のインフラストラクチャコストで、最高のセキュリティ
とパフォーマンスを実現します。Oracle SuperCluster はデータ圧縮、クエリー、OLTP 応答時間を
最大 10 倍高速化するとともに、分析、Java ミドルウェアのパフォーマンスを飛躍的に向上させま
す。システムは稼働準備の整ったテスト済みの状態で出荷されるため、デプロイメント期間は数か
月から数日に短縮されており、製品固有の特別な拡張機能が組み込まれています。このオラクル製
品独自の拡張機能を他のベンダーが複製したり、お客様が別途取り付けたりすることはできません。
これまで、オラクルは、IBM や HP で構成したシステムから、設備投資コストと運用コストを削減す
る統合ソリューションへ移行する支援をし、お客様には SuperCluster の価値を実感していただい
ています。
Oracle SuperCluster は多層構成アプリケーションのデプロイメントとデータセンターの集約に最
適なプラットフォームです。Oracle SuperCluster ソリューションの統合手法は、運用コストを削
減し、サービス・デリバリ・レベルを高めて、データセンターの複雑さを解消しようと努める組織
にとって魅力的なアプローチです。Oracle SuperCluster を通じて、お客様は既存のデータセン
ターとシームレスに一体化するソリューションとともにクラウドおよび仮想化テクノロジーをセ
キュアにデプロイできます。既存のアプリケーションから Oracle SuperCluster への移行はスムー
ズに実行でき、お客様のコンピューティング要件の拡大に合わせて容量を拡張できます。Oracle
Solaris 11 でのアプリケーションの実行に加えて、 Oracle Solaris 10、Oracle Solaris 9、
Oracle Solaris 8 で稼働している既存のアプリケーションを引き続き Oracle SuperCluster M6-32
で実行できます。つまり、11,000 を超える ISV アプリケーションをこのプラットフォームで実行で
きるということです。また、オラクルは Oracle SuperCluster に関連する Oracle Optimized
Solution とユースケースを今後も開発していくことで、お客様がデータセンター運用にこのソ
リューションを採り入れる最善の方法を十分理解できるようにします。これまでに、 Oracle EBusiness Suite 、 Oracle PeopleSoft 、 SAP 、 Java ミ ド ル ウ ェ ア ・ ア プ リ ケ ー シ ョ ン ( Oracle
WebLogic Server な ど ) を 含 む 幅 広 い エ ン タ ー プ ラ イ ズ ・ ア プ リ ケ ー シ ョ ン を Oracle
SuperCluster に移行することで、実行時の品質が上がり、費用対効果が大きくなることが実証され
ています。ここからは、Oracle SuperCluster によるビジネス上のおもなメリットについて説明し
ます。
業界でもっとも高度なセキュリティ
Oracle SuperCluster M7 は、アプリケーションからチップにいたるまで、スタックのすべてのレイ
ヤーに業界でもっとも高度なセキュリティを提供します。エンジニアド・システムとして Oracle
SuperCluster M7 は、アプリケーション、データベース、サーバー、オペレーティング・システム、
ネットワーク、ストレージ、およびシステム管理の完全なスタックとなっており、Oracle エキス
パートによって統合され、事前に構成、調整、およびテストが行われています。ソリューション・
スタックの各レイヤーに業界をリードするセキュリティ機能が配備されます。これらの機能を利用
することで、Oracle SuperCluster M7 はエンタープライズ・ワークロード向けのもっともセキュア
な プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と な り ま す 。 Oracle SuperCluster M7 で は 、 イ ン ス ト ー ル 時 に Oracle
SuperCluster M7 がさらにセキュアになるように、Oracle エキスパートがこれらのセキュリティ設
定の多くを事前に構成しているため、セキュアな運用を確保するために構成する必要があるセキュ
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
リティ対策を数多くのテクノロジーに実装するシステム管理者とセキュリティ担当者の作業が軽減
されます。SuperCluster M7 の追加設定なしに使用できるセキュリティ制御により、組織は事前に
構成、テスト、検証されたシステムの価値を実現し、セキュリティに関して安心感が得られます。
Oracle SuperCluster は、データベースとアプリケーションを高速かつ卓越したセキュリティと信
頼性で実行する、マイクロプロセッサとサーバーの画期的な設計であるオラクルの Software in
Silicon テクノロジーを搭載しています。Silicon Secured Memory は独自機能であり、メモリへの
ソフトウェア・アクセスをハードウェアで監視することで、アプリケーション・データに対する不
正な操作を検出、防止します。これにより、バッファ・オーバーフローなどのソフトウェア脆弱性
がマルウェアによって悪用されるのを阻止できます。ハードウェア・アプローチである Silicon
Secured Memory 機能は、従来のソフトウェアベースの検出ツールよりもはるかに高速であるため、
パフォーマンスにそれほど影響を及ぼすことなく、本番環境でセキュリティ・チェックを実行でき
ます。また、各プロセッサ・コアに業界最高速の暗号化アクセラレーションが搭載されているため、
IT 組織はパフォーマンスにほとんど影響を及ぼすことなくエンド・ツー・エンドのデータ暗号化と
セキュアなトランザクションを提供できます。追加の投資なしにデフォルトで、データ保護と暗号
化セキュリティを容易に有効化できます。
追加コストの不要なセキュリティ・レベルの強化
電子的な侵入や盗用の企てが史上最高に増加しているために、セキュアな通信とデータ保護の重要
性がこれまでになく高まっています。Oracle SuperCluster で使用されている SPARC サーバーは、
専用の暗号化アクセラレータ・カードを搭載した競合システムよりも大幅に多くの暗号化処理を、
システム・オーバーヘッドを最小限に抑えたままでサポートします。暗号化アクセラレータは各
SPARC プロセッサに組み込まれているため、追加費用なしでハードウェア暗号化が提供されます。
パフォーマンスの低下や、暗号化用の追加ハードウェアの取得によるコスト増と複雑化を伴うこと
なく、IT 組織はよりセキュアにトランザクションを実行できます。
Oracle SuperCluster には優れたセキュリティ機能がオペレーティング・システム・レベルで組み
込まれているため、管理者は強力なセキュリティ・ポリシーを実装できます。Oracle Solaris は複
数のセキュリティ・テクノロジーを組み合わせることで、ファイル整合性の監視、ユーザー権限と
プロセス権限の検証、全システム・イベントのエンド・ツー・エンドの監査証跡の保持を可能にし
ます。ネットワーク・リソースの不適切な使用は、セキュアなデフォルト・ネットワーク構成を通
じて防止されます。この構成は多数の使用されていないネットワーク・サービスを無効化して、攻
撃にさらされるリスクを軽減します。読み込み専用仮想マシン(Immutable Solaris ゾーンとも呼
ばれる)は、アプリケーション管理者および侵害されたアプリケーションが、システムを攻撃にさ
らすような、仮想マシン構成の不注意による変更や意図的な変更が行われないようにします。
Oracle Solaris には独自のユーザー権限/プロセス権限管理テクノロジーが搭載されており、ユー
ザーやアプリケーションに対してそれぞれの作業を実行するのに必要な最小限の機能のみを付与す
ることによってリスクを軽減します。これらの拡張機能を利用するためにアプリケーションを変更
する必要はありません。データ・セキュリティに関して言うと、システム管理者はファイル情報の
変更を監視することで、システムで発生し得る攻撃を検出できます。Oracle Solaris は、管理者が
変更を容易に追跡し、コンプライアンスを維持できるように、デジタル署名されたバイナリを利用
しています。
コンプライアンス・レポートの自動化により、セキュリティ専門家とシステム管理者は、IT システ
ムがセキュアであり、定められた標準やベスト・プラクティスに準拠していることを簡単かつ迅速
に確認できます。Oracle SuperCluster は、Center for Internet Security(CIS)と Security
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
Technical Implementation Guide(STIG)の両方のセキュリティ・ベンチマークに対応しており、
Payment Card Industry PCI-DSS に準拠しています。
世界最速のエンジニアド・システム
最高のパフォーマンスを実現するための設計
お客様が求めているのは、ワークロード要件に合わせて調整可能で、古いハードウェアで稼働する
アプリケーションの集約に高いパフォーマンスを提供する、柔軟でスケーラブルなプラットフォー
ムです。エンジニアド・システムによるオラクルのアプローチは、データベースおよびミドルウェ
ア・アプリケーションに対して飛躍的なパフォーマンスの向上を実現することが実証されています。
Oracle SuperCluster は Oracle Exadata ソリューションと Oracle Exalogic ソリューションのソフ
トウェアを組み合わせることで、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)および Java
ミドルウェアに対して最大 10 倍というパフォーマンスの向上を同じレベルで実現します。
また、Oracle SuperCluster は SPARC サーバーと、InfiniBand で統合されたサーバーおよびスト
レージのネットワークを利用しているため、ユーザーに対するパフォーマンスと応答時間が飛躍的
に向上します。
オラクルの SPARC サーバーは、パフォーマンス・ベンチマークの世界記録を多数獲得しています。
データベース、ミドルウェア、すべての主要なアプリケーション・カテゴリで獲得したベンチマー
ク・パフォーマンスの世界記録により、Oracle SuperCluster の SPARC サーバーが多様なワーク
ロ ー ド に 対 し て 高 性 能 と 価 格 性 能 比 を 実 現 す る こ と が 実 証 さ れ て い ま す 。 さ ら に 、 Oracle
SuperCluster に内蔵されたオラクルの InfiniBand スイッチは、最大で標準ネットワークの 5~8 倍
のパフォーマンスを実現します。つまり、Oracle SuperCluster 上のデータは従来型のデプロイメ
ントよりも大幅に高速に移動します。オラクルの SPARC サーバー、ストレージ、ネットワーク製品
の統合は、Oracle SuperCluster が追加設定なしに卓越したパフォーマンスを発揮するように、何
百人月におよぶエンジニアの作業によって改良されてきました。
In-Memory SQL Acceleration も、Oracle SuperCluster M7 のデータベース・サーバーとアプリ
ケ ー シ ョ ン ・ サ ー バ ー で 利 用 で き る 独 自 の Software in Silicon 機 能 で す 。 In-Memory SQL
Acceleration は、Oracle Database 12c の Oracle Database In-Memory で使用されるようなデータ
ベース・プリミティブを処理するためにチップのシリコン上に特に設計されたアクセラレータに
よって実装されています。このアクセラレータは、データにフルのメモリ速度で動作し、プロセッ
サの非常に高いメモリ帯域幅を利用します。そのため、インメモリ・クエリが大幅に高速になり、
プロセッサ・コアは他の有用な作業を実行できるように解放されます。また、このアクセラレータ
によって圧縮データを即座に処理できるため、さらに大規模なデータベースをメモリに保持したり、
所定のデータベース・サイズに対して構成するサーバー・メモリ容量を低減したりできます。
ユーザーは、サーバー利用率を大幅に増加させるか、OLTP 処理に影響させることなく、データ・サ
イズよりも大幅に少ないメモリを用いてデータベースでインメモリ分析を高速に実行できます。
Software in Silicon アクセラレーション・エンジンの In-Line Decompression(SPARC M7 プロ
セッサの機能)ユニットは、使用可能なメモリ容量を大幅に増加させます。単一のプロセッサに搭
載されたこのユニットは、16 の解凍用 PCI カードまたは 60 基の CPU コアと同等の卓越したパ
フォーマンスでデータ解凍を実行します。これにより、圧縮されたデータベースをメモリに格納し
ながら、このデータベースに対してアクセスと操作をフル・パフォーマンスで実行できます。
In-Memory SQL Acceleration 機能と In-Line Decompression 機能を組み合わせて使用すると、パ
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
フォーマンスと容量が向上するため、メモリ容量、帯域幅、および CPU コアを最大限に活用でき、
パフォーマンスが飛躍的に向上します。
また、Oracle Exadata Storage Server を統合した完全構成の Oracle SuperCluster ラックは、卓
越した IOPS のストレージ・パフォーマンスと高速のクエリ・スループットを実現し、データベー
スとデータウェアハウスの処理が高速化され、他のプラットフォームよりも素早く結果を提供でき
ます。
Oracle SuperCluster は、Exadata Storage Server Software が実行されている Oracle Exadata
Storage Server にデータ集中型の SQL 操作をオフロードする、独自のテクノロジーを搭載していま
す。これらが連携して動作することで、Oracle Exadata の Exadata Smart Scan 機能、Exadata
Storage Server Software の Storage Indexes 機 能 、 Oracle Exadata の Exadata Smart Flash
Cache 機能、Oracle Exadata の Exadata Smart Flash Logging 機能、Exadata Storage Server
Software のフラッシュ・キャッシュ圧縮、I/O Resource Manager 機能、ネットワーク・リソース
管理、Oracle Exadata の Exadata Hybrid Columnar Compression 機能を含む、強力な独自テクノロ
ジーを提供します。
SQL 操作が Exadata Storage Server にオフロードされ、ディスクからデータが読み取られると、す
べてのストレージ・サーバーでデータのフィルタリングと処理が即座に並行して実行されます。
Oracle Exadata Storage Server へのオフロードにより、データベース・サーバーの CPU 使用率が
低減され、ストレージとデータベース・サーバー間で移動されるデータの量も大幅に低減されます。
Exadata Smart Flash Cache は、I/O 操作を高速化することで、Oracle Database の処理を大幅に向
上させます。Exadata Smart Flash Cache はデータベース・オブジェクトをインテリジェントに
キャッシュすることで、物理的な I/O 操作を回避し、データベース・ロギングを高速化します。
Oracle Exadata Storage Server は 、 高 度 な 圧 縮 テ ク ノ ロ ジ ー で あ る Hybrid Columnar
Compression 機能を提供します。この機能により、データ圧縮レベルが 10 倍以上になり、データ転
送の効率が桁違いに向上します。これらの機能と、製品が装備している他の数多くの機能の組合せ
が、Oracle SuperCluster の卓越したパフォーマンスの基盤となっています。
Oracle Database 12c の Oracle Database In-Memory は、最先端のインメモリ・パフォーマンスを
実現します。機能を制限したり、妥協や複雑さ、リスクを受け入れたりする必要はありません。
Oracle Database 12c の Oracle Database In-Memory は、Oracle Database と互換性のあるほぼす
べての既存のアプリケーションにデプロイできます。デプロイメントはスイッチを入れるのと同じ
ように簡単です。アプリケーションを変更する必要はありません。Oracle Database 12c の Oracle
Database In-Memory は、Oracle Database のスケールアップ、スケールアウト、ストレージ階層化、
可用性、セキュリティの各テクノロジーと完全に統合されており、業界でもっとも強力な機能と
なっています。Oracle Database 12c の Oracle Database In-Memory を Oracle SuperCluster で使
用すると、本番環境のオンライン・トランザクション処理で分析結果が高速かつリアルタイムで得
られるため、ビジネス上の意思決定を迅速かつ容易に行えます。
Oracle JD Edwards EnterpriseOne アプリケーション、Oracle PeopleSoft アプリケーション、
Oracle Siebel アプリケーション、Oracle E-Business Suite、Oracle Hyperion アプリケーション
などの Oracle Applications でインメモリ機能を使用すると、トランザクション・データの運用を
可視化できます。バッチ処理しか想定できなかったアプリケーション処理が、今ではリアルタイム
で実行できるようになりました。
卓越したコスト効率
迅速なサービス・デリバリ
Oracle SuperCluster を使用したオラクルの統合アプローチでは、すべてのコンポーネントを別々
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
に入手して組み立て、配線するよりも大幅に迅速にアプリケーションおよびビジネス・サービスを
インストールして実行できます。それぞれの Oracle SuperCluster エンジニアド・システムは同一
であるため、統合スタックはテスト済みの状態で提供され、これまでのように数か月ではなく数日
から数週間でデプロイして実行できます。お客様に提供される構成は Oracle エンジニアリングが
使用していたものとまったく同じであり、構成上の固有の問題や複雑なオプションをトラブル
シューティングする必要はありません。したがって、Oracle SuperCluster は高度に最適化および
統合されたプラットフォームとして既存のデータベースやミドルウェア、顧客アプリケーションを
実行するだけでなく、全システムが同一であるために容易にサポートできます。
既存のデータセンター内にある他のシステムとストレージには、SPARC サーバーの各コンピュー
ト・ノードに内蔵された 10Gb Ethernet の NIC 経由で接続できます。既存の SAN ストレージへの接
続に対応することで、Oracle エンジニアド・システムへの段階的な移行も可能になります。また、
オプションのファイバ・チャネル接続を使用すれば、従来のストレージ・サブシステムから Oracle
SuperCluster に統合された Oracle Exadata Storage Server のインスタンスへのデータ・マイグ
レーションが容易になります。
要件の拡大に対応できる、柔軟な構成とシームレスなアップグレード・パス
エンタープライズ・ソリューションをデプロイしているお客様はしばしば、現行業務を中断せずに
将来的に演算処理能力を拡大して増強できる能力を求めます。オラクルのエンタープライズ・クラ
ス・サーバーは、ビジネス・ニーズに合わせて処理能力とメモリ容量をシャーシ内でアップグレー
ドできる機能を何年も前から提供しています。Oracle SuperCluster にも同様のアプローチが採用
されており、お客様は最初に、組織のワークロード要件に適したラック構成を購入しておき、ユー
ザーが必要になったときに、将来の成長に合わせて追加のコンピュート・ノードとストレージ・
サーバーで拡張できます。SuperCluster M7 には低コストの柔軟な構成も導入されており、中小規
模企業の場合でも、適切なサイズのシステムをデプロイし、ビジネス・ニーズの変化に応じて容量
をシームレスに追加できます。さらに、複数の Oracle SuperCluster システムをつないで Exadata
Storage Expansion Rack に接続すると、より大規模なデプロイメントを実装できます。
Oracle Database 11g Release 2 以降にアップグレードまたは移行する準備が整っていない場合は、
Oracle SuperCluster のコンピュート・ノードにファイバ・チャネル・カードを実装して、既存の
ストレージと SAN インフラストラクチャに接続できます。この機能はまた、データベース処理のパ
フォーマンスを向上するために Exadata Storage Server のインスタンスで Oracle Database 11g
Release 2 以降を利用するときに、Oracle SuperCluster にデータを移行する目的にも使用できま
す。ただし、SAN への投資を保護するために、より長期的に SAN 環境に接続する必要がある場合は、
Oracle SuperCluster でサード・パーティ製品を含むその他のデータベースを実行できます。唯一
の注意事項は、このソリューションでは Exadata Storage Server システムによる高速化は実現さ
れない点です。それでも、古い Oracle Database インスタンスから Oracle Database 11g Release
2 以降へのアップグレードを進行中のお客様が、Oracle Database 11g Release 2 以降へのアップ
グレードが完了するまでの間に Oracle SuperCluster による集約のメリットと高いパフォーマンス
を活用したいと考える場合は有効な戦略になります。
クラウド・サービスに向けた最高の効率
Oracle SuperCluster は、お客様がクラウド・サービスを「追加設定なし」で迅速に提供し、サイ
ロ化した分散型 IT モデルから柔軟で効率の高いサービス・デリバリ・モデルへと円滑に移行する
ために有効です。クラウド向けの Oracle Optimized Solution for Oracle Database as a Service
などの Oracle Optimized Solution サービスに付属するテンプレートを使用することで、老朽化す
る資産の運用コストを削減し、さらに社内アプリケーション・ユーザーに対して、より柔軟なサー
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
ビス環境を提供できます。企業では、24 時間 365 日の可用性、セキュアなマルチテナント機能、お
よび大幅に簡素化された管理、パッチ適用、サポート・モデルを備えたエンタープライズ・クラウ
ド・サービスを迅速に導入できます。その結果、エンドユーザーの生産性が向上し、使用率が改善
され、IT コストが削減されることにより、より的確にビジネス・ニーズに対応できる俊敏性に優れ
たセキュアなデータベース環境が実現します。
クラウド・サービス向けに Oracle SuperCluster を使用すると、見積り、廃止ポリシー、ショー
バックを使用してクラウドを管理、制御できるため、エンドユーザー組織が使用状況を把握して十
分な情報に基づく決定を下せるようになります。さらに、Oracle VM Server for SPARC による仮想
化を使用することで、さまざまなパフォーマンス、容量、可用性の特性を持つデータベースおよび
アプリケーションのプロビジョニングが可能になり、費用対効果に優れた方法で SLA を管理できま
す。ビジネス・ニーズの変化に合わせてデータベースを動的に拡大および縮小でき、自社開発アプ
ローチよりも 5 倍迅速にデプロイできるため、迅速な価値の実現と投資収益率の向上につながりま
す。Oracle SuperCluster を使用したオラクルのクラウド・サービスは、競合するソリューション
と比べて最大 4 倍の価格性能比を実現し、運用コストを削減することで収益率を向上します。
デプロイメント、取得、運用コストの削減
オラクルのエンジニアド・システムに対する戦略は、すぐに実行できる事前統合済みシステムを提
供することで、IT インフラストラクチャのコストと複雑さを軽減することです。全スタックを 1 社
のベンダーが提供する Oracle SuperCluster は、IT 環境の購入、デプロイメント、サポートを簡素
化し、関連するコストを削減します。一般に、Oracle SuperCluster およびエンジニアド・システ
ムに関連する最大のコスト削減領域の 1 つは、これまでのように数週間から数か月かけることなく、
数日で IT 部門がアプリケーションを移行して稼働開始できる能力に基づいています。システムは
出荷前後に Oracle エンジニアによってテストされ、迅速なクラウド・サービスのデプロイメント
と Oracle Database およびその他のビジネス・アプリケーションの集約を円滑かつ容易に実施する
ための 40 ページにわたるテスト計画を含んでいます。Oracle SuperCluster をすでに使用している
お客様の話によると、出荷された従来型サーバーの開梱、ラック 搭載、配線、テスト、構成、
チューニングには数週間から数か月かかっていましたが、Oracle SuperCluster ソリューションは
わずか 3~5 日で使用開始できました。さらに、お客様はシステムが稼働中になってからわずか数
週間で、完全な本番環境に移行できます。この期間短縮によってコストが削減され、IT 担当者は別
の重要なビジネス課題や次のアプリケーション実装に集中できるようになります。
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
Oracle SuperCluster の実装でのさらなるコスト削減は、取得コストと運用コストの低減を含む総
所有コスト(TCO)の削減からもたらされます。サーバー資産の数を減らし、データベース、ミド
ルウェア、アプリケーションを 1 つに統一された高性能プラットフォームで実行することで、保守、
電力、冷却装置、設置面積にかかる月次コストを削減できます。Exadata Storage Server のインス
タンスを統合した Oracle SuperCluster で提供されるストレージを利用すると、ストレージ・コス
ト も 大幅 に削 減で き ます 。デ ー タベ ース に Oracle Exadata Hybrid Columnar Compression と
Oracle Advanced Compression を使用すると、格納するデータ量が少なくなるため、最終的にバッ
クアップするデータ量も減少します。
Oracle SuperCluster はストレージを内蔵しているため、高コストな SAN ベース・ストレージを継
続的に追加する必要性が軽減または解消されます。保守対象のシステムとストレージが減少するた
め、環境を維持するための IT 管理者の作業も軽減されます。これらの資産を別の目的に利用する
ことで、別の重要な IT 課題に着手したり、データセンター内の自動化の推進やコスト削減に取り
組んだりすることができます。もう 1 つの節約領域はソフトウェア・ライセンス・コストの節約で
す。オラクルの SPARC サーバーは、競合する CPU アーキテクチャと比べて有利な Oracle ソフト
ウェア・ライセンス係数を提供しており、Oracle SuperCluster では、データベースに使用してい
る CPU 数のみに対してライセンスが必要になるオプションを選択できます。Oracle VM Server for
SPARC と Oracle Solaris ゾーンは、Oracle ZFS Storage Appliance のレプリケーション・ライセ
ンスおよびクローニング・ライセンスと合わせて、追加料金なしで Oracle SuperCluster に含まれ
ています。
まとめると、Oracle SuperCluster はリスクを軽減してコストを節約するために有効です。オラク
ルは事前に構成されテストが実施された統一ソリューションを提供することで、異機種環境のサ
ポートに伴う多数の不定要素(パッチ適用、ドライバなど)を解消しています。業務をクラウド・
コンピューティング・モデルに移行する動きは、セルフサービス、メータリング、チャージバック
機能を通じて大きな標準化の機会を生み出しています。Oracle SuperCluster は標準化を求める
ニーズに対応し、IT サービスが実際に金銭的な価値をユーザー部門にもたらしていることを企業が
明らかにできるようにします。
ミッション・クリティカルなアプリケーションに対応する最高のサービス・レベル
ハードウェア冗長性、複数の I/O パス、高度なクラスタ化テクノロジーが組み込まれた Oracle
SuperCluster は、データベースとその他の「常時利用可能」なビジネス・アプリケーションにミッ
ション・クリティカルなレベルの可用性を提供します。これらの機能はホットスワップ機能やシス
テム・パーティショニング・オプションによるハードウェアの可用性に加えて、Oracle Solaris の
予測的自己修復機能と障害管理機能を通じてお客様のアップタイム要件に対応します。より高い
アップタイム要件に対応するため、Oracle SuperCluster はスタック内の各レベルにクラスタ化機
能を含む可用性を組み込んでいます。Oracle Solaris オペレーティング・システムを実行する
SPARC システムは信頼性に定評があり、ハードウェア・レイヤーでホットスワップ・コンポーネン
トとホットプラグ・コンポーネントに対応しています。システム全体が各種アプリケーションを使
用して継続的にテストされており、パッチ・セットはお客様にリリースされる前にテストされてい
ます。これらの機能と活動により、プラットフォームに対する計画停止時間の必要性が飛躍的に低
下し、計画外停止時間の発生回数も減少します。
Oracle Solaris Cluster は高い可用性を実現するとともに、従来型および仮想化されたデータセン
ター内のすべてのソフトウェア層にまたがるディザスタ・リカバリを可能にします。 Oracle
Solaris Cluster は Oracle Solaris 向けに設計されたクラスタ化ソリューションであり、Oracle
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
SuperCluster の冗長性機能と信頼性機能を活用できるように最適化されています。アプリケーショ
ンとデータベースの大規模ポートフォリオを組込みでサポートしており、Oracle SuperCluster 構
成に含まれる Oracle VM Server for SPARC と Oracle Solaris ゾーンに基づく仮想化デプロイメン
ト向けに幅広いオプションを提供しています。
Oracle SuperCluster は高可用性のクラスタ化をデプロイするための理想的な環境と事前統合済み
のハードウェア・クラスタ、事前テスト済みのプラットフォームを提供するため、配線時のエラー
やハードウェア互換性に関する問題は発生しません。ネットワーク、ストレージ、サーバー、接続
性に対する組込みの冗長性とシームレスな統合が含まれており、オペレーティング・システムとク
ラスタ化ソフトウェアを使用した入念なテストを受けています。Oracle SuperCluster と Oracle
Solaris Cluster を組み合わせることで、データセンターのあらゆる層で、ミッション・クリティ
カルなアプリケーションに対して最高のサービス・レベルを維持できます。
Oracle Solaris Cluster は、カーネル・レベルで Oracle Solaris と統合された唯一の HA ソリュー
ションです。これによって、即時の耐負荷性システム障害検出が実現されるため、1 秒以内に復旧
を開始できます。Oracle Solaris Cluster はサーバー・ノード、ストレージ、ネットワーク・コン
ポーネント、オペレーティング・システム、仮想マシン、および Oracle SuperCluster 上で稼働す
るアプリケーションを監視します。アプリケーション固有のポリシー・ベース・リカバリ・アク
ションによって、エンド・ツー・エンドの復旧時間が大幅に短縮されます。マルチノードの高可用
性を実現する Oracle Solaris Cluster と Oracle SuperCluster エンジニアド・システムの緊密な
統合は、信頼性を強化して停止時間を最小化するために、オラクルによって広範囲にわたってテス
トされています。
統一された管理とパッチ適用による運用の簡素化
IT 資産のデプロイメントと運用を成功させるための最重要側面の 1 つはシステム管理にあります。
多くのお客様が社内のプライベート・クラウド・デプロイメントを構築したいと考えていますが、
従来のサーバーよりもはるかに管理しやすく、費用対効果に優れた Oracle SuperCluster はこの戦
略に完全に当てはまります。Oracle SuperCluster に統合された Oracle Enterprise Manager Ops
Center を使用すると、スタック内の全ハードウェア・コンポーネントと仮想化テクノロジーを包括
的に管理できます。Oracle Enterprise Manager Ops Center は、アプリケーションのデプロイメン
ト先が物理マシンであるか仮想マシンであるかに関係なく、同じ方法でアプリケーション・スタッ
クを管理できるようにすることで、管理にかかる時間を短縮し、複雑さを軽減します。これにより、
一貫性のある管理手法とツールを容易に使用できるだけでなく、管理効率が向上し、複数の異種
ツールを連携させることによるエラー発生のリスクも軽減されます。
Oracle Enterprise Manager Ops Center は、Oracle SuperCluster のハードウェア・インフラスト
ラクチャ全体にまたがるライフサイクルの管理に必要な基本要素を提供します。お客様は、状態
チェックや事前予防的サポート、リソースの監視と測定などの定期的な保守作業を実施できます。
また、Oracle Enterprise Manager Ops Center は仮想環境に対する強力な管理機能を提供していま
す。Oracle VM Server for SPARC や Oracle Solaris ゾーン、直感的な GUI インタフェースなどの
テクノロジーにより、仮想マシンの管理が改善されています。
Oracle Enterprise Manager Ops Center に加えて、Oracle SuperCluster が提供するパッチ適用と
アップグレードの統一プロセスにより運用効率が向上します。複雑でしばしば時間のかかるパッチ
適 用 と ア ッ プ グ レ ー ド 用 保 守 期 間 が 必 要 に な る 従 来 の サ ー バ ー 環 境 と は 異 な り 、 Oracle
SuperCluster はソフトウェアとシステムの更新に関してよりシームレスで一体化したプロセスを提
供するように設計されています。組込みのハードウェア診断機能は、自動サービス・リクエスト機
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
能 で あ る 「 Phone home 」 を 提 供 し て い ま す 。 ま た 、 テ ス ト 済 み の 標 準 構 成 に よ り 、 Oracle
Advanced Customer Support からの事前予防的なアドバイスが提供されます。Oracle SuperCluster
では重要なソフトウェア更新や必須のパッチ、機能拡張、新規リリースが自動化されているため、
これらの管理から推測に頼った作業が除外されることでリスクが軽減され、リソースが解放されま
す。アップグレードと拡張は事前にテストされた状態で提供され、一本化された集中サービス窓口
でシステム全体の管理とパッチ適用が実施されているため、お客様は安心して運用できます。
Oracle SuperClusterのユースケースとTCO
このセクションでは Oracle SuperCluster のユースケースを紹介し、その他の製品と比較して
Oracle SuperCluster を評価するときに考慮の対象となる価格性能比上の優位性について説明しま
す。オラクルには、これまでに多数の競合プラットフォームを Oracle SuperCluster で置き換えた
実績があり、お客様の移行を支援する準備が整っています。紹介するすべてのユースケースを通じ
てお客様にもたらされる最大のメリットは、初期のシステム構成から本番稼働までの期間の短縮で
す。複数のお客様が 1 か月未満で本番稼働を開始しています。
ここで取り上げるユースケースは次のとおりです。
» HP および IBM のレガシー・プラットフォームを集約するための、低コストで最高の価格性能比
を発揮するプラットフォームとしての Oracle SuperCluster
» 幅広いエンタープライズ・アプリケーション・デプロイメントに高いパフォーマンスを提供す
るための Oracle SuperCluster
» SPARC サーバーを集約するための最適なプラットフォームとしての Oracle SuperCluster
ユースケース1:HPおよびIBMの競合システムの置換え
このユースケースでは、データベース、ミドルウェア、ビジネス・アプリケーションを実行する既
存の HP および IBM サーバーを集約するために、Oracle SuperCluster エンジニアド・システムを低
コスト・プラットフォームとして使用することを推奨しています。これらの競合システムを実行す
るお客様の多くが、管理しやすいクラウド的な運用モデルを実現して、費用対効果の高い統合プ
ラットフォームで既存の環境を一新したいと考えています。Oracle SuperCluster は、費用対効果
に優れた方法で競合プラットフォームからプライベート・クラウド・サービスに移行しながら、取
得コストを節約し、クラスタ化機能を通じて高水準の信頼性を実現する手段を提供しています。ま
た、Oracle SuperCluster が持つ汎用性により、データベース・レイヤーやミドルウェア・レイ
ヤーに対応できるだけでなく、マシン上にホストされた Oracle アプリケーションやサード・パー
ティ・アプリケーションのパフォーマンスを向上することができます。
一例を挙げると、中南米にある製薬メーカーは、IBM UNIX サーバー、x86 システム、EMC ストレー
ジで構成された混合システム環境に Oracle JD Edwards EnterpriseOne SP12 と Oracle9i Database
Release 2 を 実 装 し て お り 、 こ れ ら を 集 約 す る ソ リ ュ ー シ ョ ン を 探 し て い ま し た 。 Oracle
SuperCluster は、既存の混合サーバーを刷新して集約を実現しながら、ソフトウェア・スタックに
さらなるワークロードを追加するための最適なエンジニアド・システムとしてオラクルから提案さ
れました。
Oracle SuperCluster に 移 行 し た お 客 様 は 、 Oracle SuperCluster 上 の Oracle ZFS Storage
Appliance に接続された Oracle Database 11g Release 2 のバッチ処理で 34 倍のパフォーマンス向
上を達成しました。Oracle Database のバッチ・レポート処理は最大 153 倍、受発注処理は 2.5 倍
の改善を実現しました。Oracle SuperCluster のドメイン構成はお客様のアーキテクチャ専用に設
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
計され、Oracle Database ドメインと JD Edwards EnterpriseOne に対して最適な CPU リソースとメ
モリ・リソースが割り当てられました。お客様は迅速なデプロイメントからメリットを得ており、
統合ソリューションを一元管理してすべてのコンポーネントに対するテクニカル・サポート窓口一
本化する形態に移行することで、将来的に運用コストが削減されると予想しています。
ユースケース2:高性能アプリケーションのエンジン
本 書で前述 したと おり、 Oracle SuperCluster に 組み込ま れた多数 のテク ノロジ ーは Oracle
Database や Oracle Fusion Middleware、ビジネス・アプリケーションのパフォーマンスを向上し
ます。ビジネス上の観点から見ると、これは迅速な成果とより良い意思決定、さらには社内外の利
害関係者に対する SLA の改善を意味します。2 番目のユースケースでは、データセンターの複数階
層にまたがる新規アプリケーションのデプロイに対して、Oracle SuperCluster を超高速エンジニ
アド・システムとして使用する例を紹介します。
グローバルな大手テクノロジー・メーカーが、Oracle Database 11g、Oracle E-Business Suite、
Oracle Fusion Middleware の新しいホスティング環境として Oracle SuperCluster を評価しました。
お客様が行ったのは、Oracle Database 11g Release 2 への移行に対する価値証明(POV)を定義す
るためのパフォーマンス評価です。全体として、パフォーマンス・テストでは現在の環境と比べて
平均で 3 倍、最大で 5 倍のパフォーマンス向上が示されました。Oracle SuperCluster を使用する
ことで、お客様はデータベース層とアプリケーション層を 1 つに統合する単一プラットフォームで
レガシー・システムを簡素化しながら、アプリケーションとデータベースのパフォーマンスを向上
する目的を達成しました。
ユースケース3:SPARCとOracle Solarisアプリケーションの集約
Oracle Solaris を実行する SPARC システムのインストール・ベースは何十万もあり、きわめて多い
です。インストール後 3 年以上経過したシステムの場合、Oracle Solaris オペレーティング・シス
テムに関する投資とスキルセットを保護しながら、運用コストを削減できる可能性があります。
Oracle SuperCluster は、もっとも効率的な方法で SPARC サーバー資産を移行し、デプロイメント
と保守に付随するコストを削減しながらパフォーマンスを飛躍的に向上するための手段を提供しま
す。オラクルの推定では、古い SPARC および Oracle Solaris 資産を Oracle SuperCluster に集約
することで、5 年間で最大 5 倍の TCO 削減を実現できます。
大手通信およびメディア企業は、SPARC サーバー上で稼働するデータベースおよび通信アプリケー
ションを集約するためのプラットフォームとして Oracle SuperCluster を評価しました。Oracle
SuperCluster を使用することで、お客様は Oracle Database 11g Enterprise Edition と共通基幹
通話環境のワークロードを統合できました。現在、この単一プラットフォームは一元管理されてお
り、さらなる集約を通じて将来的な拡張が可能です。パフォーマンス・テストの結果では、Oracle
Database 用のデータ(OLTP)を圧縮することで、10 倍の圧縮率と 7 倍のパフォーマンス向上が示
されました。また、Oracle Database の機能である Oracle Recovery Manager (Oracle RMAN)に
よって I/O スループットが 5 倍に向上し、バックアップにかかる時間がわずか 5 分の 1 に短縮され
ました。最後に、現在のサーバーと比べてクエリーのパフォーマンスが 60~90 倍に向上しました。
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
結論
オラクルは Oracle SuperCluster エンジニアド・システムを通じて、ハードウェアおよびソフト
ウェア製品によるスタック全体を利用することのパワーと可能性を実証し続けており、緊密に統合
された包括的なソリューションを使用して卓越した顧客価値とコスト削減を実現することを目指し
ています。
Oracle SuperCluster は、セキュアでない、老朽化したレガシー・プラットフォームに悩まされて
いる企業にとっても、プライベート・クラウド・モデルへの移行を目指して新規アプリケーション
をデプロイしようとする企業にとっても、理想的な統合ソリューションです。個々の状況に関係な
く、お客様は飛躍的なパフォーマンス向上からメリットを得て、日常的な事業運営方法を拡張し、
根底から一変することができます。一本化されたサポート窓口や、ソフトウェアの取得およびサ
ポート・コストの削減、将来的な変化に対応するシステムによる日常業務への影響を最小限に抑え
たアップグレードを活用することで、取得コストと運用コストが削減され、迅速に TCO の削減を実
現できます。
Oracle SuperCluster は強力な Oracle エンジニアド・システムであり、迅速なデプロイと容易な管
理を実現するテスト済みの完全なパッケージにより、セキュアなクラウド・インフラストラクチャ
のデプロイメントを実現する高度なセキュリティ、卓越したパフォーマンス、高い費用対効果を発
揮するソリューションを提供します。
Oracle SuperCluster:データベースとアプリケーションのためのセキュアなクラウド・インフラストラクチャ
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