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平成27年度 横浜市小学校算数教育研究会 研究計画 「数学的な思考力

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平成27年度 横浜市小学校算数教育研究会 研究計画 「数学的な思考力
5月 5学年部会資料
平成27年度
1
横浜市小学校算数教育研究会
研究計画
研究主題
「数学的な思考力・表現力を高める子を育成する算数科学習」
~身に付ける力を明確にした授業づくり~
2
研究主題の設定について
(1)これまでの研究の成果と課題
本研究会では、平成24年度から26年度までの3年間にわたり、研究主題「数学的な思考力・表
現力を高める子を育成する算数科学習」~子どもが数学的に表現することができる授業を通して~
を設定して、
「表現すること」に焦点をあてた研究を進めてきた。
その中で、
・数学的な表現を相互に関連付ける学習活動を充実させること
・各学年で身に付けさせたい表現方法とその系統を明らかにして授業を行うこと
・単元における数学的な考え方を明確に捉えて授業を行うこと
などが子どもの思考力・表現力を高めることに繋がることが明らかになった。
しかし、一方で
・数学的に表現することの必要感をもたせるための授業展開を工夫すること
・子どもの主体的な学びを引き出すための「問い」を設定すること
・子どもが主体的に学び、必要感をもって数学的に表現できるようにするための授業展開を
工夫すること
・表現することを意識するあまり、表現させることが授業の目的となってしまったこと
などの課題も明らかになった。
(2)研究の方向性
学習指導要領において「考える能力と表現する能力とは互いに補完し合う関係にある」と示されて
いるが、本研究会でも思考することと表現することは表裏一体であると捉えている。筋道立てて考え
を進めたり、よりよい考えを創り出したりすることができる子どもは、自分の考えを進んで表現し高
めることができることが、これまでの研究から明らかになっていることから、思考力と表現力を共に
高めていけるように指導していく必要があると考えた。
「表現力」をより確かなものにして表現の質
を高めたりするためには、思考対象を明確にすることが求められていると言える。
そこで、平成27年度はこれまでの研究主題を継続しながらも「思考力」にも焦点をあてた研究を
進めることとした。
教師が十分に教材分析をした上で、子どもに何をしっかり教え、何を引き出すのかを明確にして授
業に臨むことが、子どもに思考すべき対象をはっきりと提示することに繋がり、それによって思考力
も表現力も共に高められると考える。そのためには、指導者が単元・授業において「子どもに身に付
けさせたい力」を明確にすることが重要であり、それを具現化するための授業展開~学びの文脈~に
ついて検討することが必要になる。身に付ける力を明確にした授業づくりに向けて、その単元の学習
を通して身に付けるべき知識・技能は何か、数学的な考え方で重要なことは何か、さらには学習や生
活の中で活用できるどのような汎用的な能力を身に付けることができるのかなど、身に付ける力を
整理した上で、実践提案をもとに協議し、授業改善・授業力向上へ繋がることを目指す。
1
3
研究の視点
研究主題「数学的な思考力・表現力を高める子を育成する算数科学習」に迫るために、次のような研
究の視点をもって進める。
視点1 単元における身に付ける力の明確化
授業を通して子どもがどのような力を付けるのかを明確にするために、授業者が学習指導要領や
解説書、横浜版学習指導要領などを丁寧に読み解くことが大切である。研究会では、どのような力を
設定したのかを提案し、その妥当性について協議していく。
身に付ける力を以下の3つの視点から整理する。
① 算数・数学固有の知識・技能
教科にはそれぞれ固有の知識・技能があり、これを確実に身に付けることが大切である。し
かし、単なる習得で終わることなく、それらが問題解決に活用できる状態で身に付けておく必
要がある。
② 数学的な見方や考え方
数学的な思考や表現をより確かで深いものにするものであり、これを活用することで質の高
い課題解決を可能にして、学びが発展していく。
③ 算数・数学を通して身に付ける汎用的な能力
教科を超えて他教科や日常生活に活かせる見方や考え方、態度の育成を目指す。絶え間なく
変化し続ける社会、そして決められた正解のない世の中を生き抜いていく子どもたちには、自
ら問題解決し続けることが求められるが、これはそのために不可欠な力であるといえる。
例えば、2年「かけ算」の学習においては、次のように整理することができる。
① 算数・数学固有の知識・技能
・乗法の意味理解 ・1位数同士の計算
② 数学的な見方や考え方
・統合化 ・一般化 ・形式化
③ 汎用的な能力
・事象の観察を通して、数理的に処理すること
・場面が拡張された場合においても、論理的に思考し表現すること
視点2 子どもの的確な実態把握
国や横浜市の学力・学習状況調査等の問題・結果を分析し、子どもの実態を的確に捉え単元構成を
することも併せて大切となる。
「身に付ける力」の視点から子どもをとらえ「何ができていないのか」
「ここまではできるが、できないことは何か」
「それにはどのような原因が考えられるか」などを分
析し協議していく。
視点3 思考力・表現力を育成するための指導の工夫
子どもの実態と対応させて身に付ける力の分析をしたら、その力をしっかりと身に付けられるよ
うな授業を具体的につくらなければならない。授業で子どもが思考対象といかに関わり、思考結果が
成果としてどのように表現されているかを振り返ることが大切である。身に付ける力をより確かな
ものにしていくための授業展開について考えたい。
授業展開の事前検討を通して、設定した力を身につけるための指導の工夫が適切であるかを協議
する。そして、子どもが自ら問いをもち問題を解決していく中で、思考が深まり表現の質が高まるよ
うな指導のあり方を明らかにする。
視点1・2・3は具体的な授業づくりの過程で議論されるものである。どんなに授業がスムーズに流
れていても、身に付けるべき力が明確になっていなければ、子どもの思考は深まらず、適切な表現もで
きない。逆に、身に付けるべき力が明確でも教材や発問の選択を間違えば、その力は身に付かない。授
業展開の事前提案では、この3つの視点を適宜組み合わせながら協議することで研究主題の実現を目
指していくこととする。
2
4
研究の方法
(1)毎月の研究会の進め方
Ⅰ 実践報告(15:30~15:45)
1 提案者による実践報告
・授業の事前提案での研究討議を受けて変更した点や、授業における子どもの具体的な姿
について検討する。特に、
「身に付ける力」の妥当性や「指導の工夫」を行った実践で
の子どもの反応については丁寧に提案する。
2 参会者による実践報告と質疑
・研究主題と視点に沿って、参会者の方の実践との比較と、報告に対しての質疑で進め
る。
3 講師の先生からの指導・講評(5分間)
Ⅱ 授業の事前提案(15:50~16:45)
1 提案者による概要説明
・単元における「身に付ける力」の捉えについて
・
「思考力・表現力を育成するための指導の工夫」について
→身に付ける力を達成するための指導の工夫について
→児童のつまずきや実態に即した指導の工夫について
→指導の工夫と思考力・表現力の育成とのつながりについて
・単元計画について。
2 本時の模擬授業
・ポイントをしぼって模擬授業をする。
・参会者は予想される児童の反応を答える。
*授業のダイジェスト版とならないように心がける。
3 提案についての研究討議
・研究主題、部会テーマに沿って討議していく。
→身につける力は妥当性、児童の実態の把握と指導への反映、指導展開の工夫
4 講師の先生からの指導・講評(10分間)
Ⅲ 次回提案に向けての相談(16:45~)
1 次回の授業提案者と正副部会長・役員による相談
2 その後、必要に応じて正副部会長・役員が提案者と電話やメール等での提案内容の確認
(2)年間研究計画
月
日
種
別
内
容
4月22日
総会・講演会
5月13日
会員研究会1
6月10日
会員研究会2
7月
1日
会員研究会3
実践報告①
授業の事前提案②
9月
2日
会員研究会4
実践報告②
授業の事前提案③
10月7日
会員研究会5
実践報告③
授業の事前提案④
11月4日
会員研究会6
授業研究会事前研
12月2日
授業研究会(各学年部会
1月13日
会員研究会7
2月10日
第二次教育研究大会
3月
年度末総会
2日
研究計画提案
授業の事前提案①
6会場
実践報告④
3
)*できれば8会場
5 研究の内容
(1)提案の形式について
ア 授業スタイル提案資料
提案月日
学校名
提案者氏名
平成27年度 横浜市小学校算数教育研究会
◇月 ◇学年部会【授業スタイル提案】資料
1 単元名
2 学年・組・人数
3 単元について
(1) 身に付ける力
「
」
◇年◇組(◇名)
*学習を通して身に付けさせたい力について 3
つの視点から整理して記述する。
【算数・数学固有の知識・技能】
【数学的な見方や考え方】
【算数・数学を通して身に付ける汎用的な能力】
(2)子どもの実態
・本単元の内容に関する子どもの実態を文章で記述する。
横浜市学力・学習状況調査の結果や、実態調査などの客観的なデータをも
とに、子どもの学習状況と課題を丁寧に分析する。
(3)思考力・表現力を育成するための指導の工夫
・設定した力を身に付けることができるための手立てや、子どもが問題を解
決していく中で思考が深まり表現の質が高まるような指導の工夫 につい
て、具体的に記述する。
4 単元目標
5 指導と評価の計画
(1)評価規準
(2)指導計画
・横浜版学習指導要領指導資料(赤本)や評価の手引き(緑本)を参考
にする。
6 本時目標
7 本時展開案
8 板書計画
・提案者の主張が明確になるように、A4(縦)1~2枚程度に簡潔にまとめる。
・最終的な板書のイメージを A4(横)1枚にまとめる。
実際に書いた写真も可
※事前提案では、提案の前半(10分間)で上記項目の1~8について、提案の趣旨が明確になるよう
に説明をします。
※後半(10分間)では、本時展開の中で提案の中心となる部分について取り上げ、板書計画と照らし
合わせながら、授業スタイル(模擬授業形式)で提案します。
4
イ 実践報告資料
提案月日
学校名
提案者氏名
平成27年度 横浜市小学校算数教育研究会
◇月 ◇学年部会【実践報告】資料
1 単元名
「
」
2 学年・組・人数
◇年◇組(◇名)
3 単元について
(1)身に付ける力
(2)子どもの実態
(3)思考力・表現力を育成するための指導の工夫
4 単元目標
・事前検討と同じ資料を載せるが、
5 指導と評価の計画
協議での修正を加え、太字で表す
(1)評価規準
など強調して 修正点がわかるよ
(2)指導計画
うに記述する。
6 本時目標
7 本時展開案
8 板書計画
9 授業記録
時間
学習活動と教師の発問
分
1 学習課題を把握する。
T1「
」
・
子どもの活動
C1「
」
・特に身に付ける力に関わる部分や、提案の主張に関わる部分については、吹き出しや
強調をするなどして、分かりやすくなるように示す。
・必要に応じて、授業の様子が分かる画像(板書、子どもの活動など)や、子どものノ
ートやワークシートなどを載せる。
9 考察
・
「身に付ける力」について、それらのとらえが適切であったのかどうか、授業を通し
て明らかとなった具体的な子どもの姿で記述する。
・また、
「思考力・表現力を育成するための指導の工夫」についても、単元を通して取
り組んだことや、本時の中で提案の中心として取り上げた部分について、具体的な
子どもの姿としてその成果や課題を記述する。
※実践報告では、授業の記録を参照しながら、考察の部分について報告をします。
※報告にあたっては、授業を通して明らかとなった具体的な子どもの姿が明確になるようにします。
5
≪提案の書式例≫
平成27年5月13日
提案者 渡邊 督之(永野小学校)
平成27年度
5月5学年部会
横浜市小学校算数教育研究会
【授業スタイル提案】資料
1
単元名
「形も大きさも同じ図形を調べよう(合同な図形)
」
2
学年・組
横浜市立
永野小学校 5年3組(37名)
3 単元について
(1)身に付ける力
本単元において合同という新たな観点で図形を観察するという力の育成が大切であることは、こ
れまでの横浜市算数研究会で何度か提案されてきたところである。その力に焦点をあてた提案が多
いが、本単元で身に付けるべき力はそれだけでない。そこで本提案では横浜版学習指導要領の図形
領域の身に付ける力にもあげられる「論証」という力の育成に焦点をあてた提案をしていきたい。
小学校学習指導要領解説 算数編158ページには、「かいたり、作ったりした図形が合同であ
るかどうかを確かめたり、条件にあっているかを確かめたりする活動によって、確かな根拠を基に
説明する態度を育てることができる。
」とある。さらに、平成23年度 一種研究員 研究紀要の
中で田名部和美研究員は、
「中学校での図形学習は論証が中心になるが、その準備としての図形の
理解とともに、論証ということについての学習も小学校の図形指導で行われていくべきである。」
と述べている。中学校学習指導要領解説によれば、
「もともと論証とは、ある事実が正しいことを
まず自分が納得し、他人を説得する手だてである」とあるため、
「論証」と「確かな根拠を基に説
明すること」を同義だととらえると、上記の二つは共に、確かな根拠を基に説明する力の育成が大
切だと述べていることが分かる。
その力の育成に焦点を当てるため、直観的に知ったものを対象にして既習であることを根拠に説
明したくなるような場面を設定し、その経験を積むことができるようにしていきたい。ただ、その
力は他領域、または国語科や理科などの他教科においても育成できるものである。しかし、図形の
学習は帰納的に考えたり類推的に考えたりして、論理的な考え方を使って図形の定義や性質をつか
んでいくため、図形領域の指導において常に意識しておきたい力となる。
【算数・数学固有の知識・技能】
○図形の合同についての理解
○図形が決まる必要な条件に着目して、合同な図形をかくこと
【数学的な見方や考え方】
○物事を図形の構成要素などに着目して観察し、的確にとらえること
○論理的な考え方
【汎用的な能力】
○確かな根拠を基に説明する能力
(2)子どもの実態
7
右の問題は平成25年度全国学力・学習状況
調査 算数 A6である。正答は4番であるが、
正答率は 60.9%で約4割の子どもが誤答してい
た。その調査のパンフレットにも次のように紹
介されている。
解答類型を見てみると、2番を選んでいる子
どもが 22.9%もいる。合同な図形をかくために
必要な条件を理解するためには、合同な三角形
をかいたり、作ったりする算数的活動を充実す
ることで、条件を見出すことができるようにす
ることが必要である。合同な三角形をかくため
に必要な構成要素の数を見出した後、三つの組
み合わせで「三角形が決まる」ことを、根拠を
基に自分の言葉で説明できるようにしたい。
そうすることで、合同の作図の条件の理解が
よりできるようになり、さらには目標となって
いる図形の合同についての理解が深まると考え
る。
(3)思考力・表現力を育成するための指導の工夫
①易から難へ、特殊から一般へ、合同な図形をかくために必要な構成要素を段階的に考えていく
昨年度の研究の課題として、「子どもの主体的な学びを引き出すための 問い の設定」があげら
れていた。確かな根拠を基に説明する力を身に付けるためには、説明する活動を行うこと自体も大
切になるが、説明しようとする意欲も重要となってくる。
一般三角形は、三つの構成要素の組み合わせで合同な図形をかくことができる。しかし、円や正
方形は、半径や一辺の長さといった一つの構成要素が分かれば合同な図形をかくことができる。ま
た、長方形は二辺の長さといった二つの構成要素が分かれば合同な図形をかくことができる。
まずは正方形や円といった特殊な図形の合同な図形をかくための条件を考え、次に長方形やひし
形といった図形の合同な図形をかくための条件を考えていく。その経験をした後、一般三角形はい
くつの構成要素が分かれば合同な図形をかくことができるのか考えることで、説明しようとする意
欲をもつことができるようにしていきたい。
②考えた三つの構成要素の組み合わせが、合同な図形であるかどうか確認する
上述したように三角形の合同な図形をかくための条件として「三つの角の大きさを測る」と回答
した子どもが2割以上いる。三つの構成要素の組み合わせによって、三角形の合同な図形をかくこ
とができるということは分かっていても、一辺の長さを決めておかないと三角形の大きさが決まら
ないことに気付いていないと考えられる。三つの構成要素の組み合わせの中でも、「三つの角の大
きさを測る」という条件だけでは、大きさが変わること気付かせておくことも大切であると考え
る。
4
単元目標
C(1) 図形についての観察や構成などの活動を通して、平面図形についての理解を深める。
イ 図形の合同について理解すること
5
指導と評価の計画(全8時間)
8
算数への関心・意欲・態度
多角形の図形の性質や関
係などに着目して考察処
理したり、論理的に考え
たりすることの楽しさや
よさに気付き、進んで生
活や学習に活用しようと
している。
時
1
2
数学的な考え方
多角形についての観察や
構成などを通して、日常
の事象について論理的に
考え表現したり、そのこ
とを基に発展的、統合的
に考えたりしている。
数量や図形についての技能
図形を構成する要素や位
置関係に着目して、多角
形をかいたり、作った
り、基本的な図形の性質
を用いて、図形を調べた
り構成したりするなどの
技能を身に付けている。
指導内容
学習活動の概要
合 同 の 意 味 ・既習の平面図形(正方形・長方形・平行
の理解
四辺形・ひし形)を真ん中で半分に切っ
たり、対角線で分けたりして二つの形に
分けたとき、形も大きさも同じ形ができ
ることを想起する活動の中で、ぴったり
重なる形を合同と呼ぶことを理解する。
合同な図形
の性質の理
解
・対象となる図形を切り取って重ねたり
(折って重ねる)、写し取ったりする活
動の中で合同の意味を理解する。
・対応する辺の長さや角の大きさが等しい
ことを理解し、それぞれの対応関係を順
序立てて説明する。
数量や図形についての知識・理解
多角形についての感覚を
豊かにするとともに、そ
の意味や性質、図形の合
同について理解してい
る。
具体の評価規準
知図形の合同について理解してい
る。
技二つの合同な図形について、ずら
したり、回したり、裏返したりし
て置かれた場合でも、その位置に
関係なく、辺と辺、角と角の対応
を付けることができる。
知合同な図形は、対応する辺の長
さ、対応する角の大きさがそれぞ
れ等しいことを理解している。
関合同な三角形を作図したり、構成
したりしようとしている。
3
(
本
時
)
・
4
合同な三角
形の作図
・図形が合同になるための条件を、特殊な
図形から段階的に考察する。
・合同な三角形をかくために必要な辺の長
さや角の大きさを選びかく。またかく手
順を筋道立てて説明することができる。
・三つの角の大きさを利用しても、三角形
の大きさが決まらないことに気付く。
〈合同な三角形をかくための必要な条件〉
○二等辺三角形や正三角形は辺の長さをコ
ンパスで写し取って作図した経験から。
→(1)3辺(辺AB・辺BC・辺CA)の長さ
○平行四辺形は二つの辺とその間の角を利
用して作図した経験から。
→(2)2辺の長さとその間の角の大きさ
(例:辺AB・辺BC・角B)
○4年生で角の大きさを学習した後、二等
辺三角形を底辺とその両端の角を使って
9
考合同な三角形についてかき方を考
え、合同な三角形をかくために必
要な構成要素を見出している。
技合同な三角形を、対応する辺の長
さや角の大きさに着目し、作図す
ることができる。
作図した経験から。
→(3)1辺の長さとその両端の角の大きさ
(例:辺BC・角B・角C)
5
合同な三角形
の作図の練習
・合同な三角形の作図になれる。
技合同な三角形を、作図することが
できる。
6
7
合同な四角
形の作図
合同な四角形
の作図の練習
・合同な三角形の作図を基にして合同な四
角形の作図の方法を考える。
(三角形と同様にして、第4 点目の決め
方を考える。)
・四角形の対角線に目をつけ、合同な三角
形を2回かけばよいことに気付く。
・合同な四角形の作図になれる。
考合同な四角形についてかき方を考
え、言葉や図を用いて表したり、
かき方を振り返ったりして、合同
な四角形をかくために必要な構成
要素を見いだしている。
技合同な四角形を、作図することが
できる。
8
本単元の知
識・技能の定
着・確認
・合同という視点で基本とする図形を見な
おすと共に、既習の作図経験と結び付け
て理解できるようにする。
関身の回りから、合同な図形を見付
けようとしている。
関合同な図形を作図したり、構成し
たりしようとしている。
6
本時目標
合同な三角形についてかき方を考え、合同な三角形をかくために必要な構成要素を見いだし、かいた
三角形が合同な三角形であることを説明することができる。
7
本時展開(本時3/8)
子どもの学習内容と教師の指導
1 問題を把握する。
指導上の留意点・評価
・円、正方形、長方形、三角形
のある形を見せ、写し取るた
めには図形に着目する必要が
あることに気付くようにす
る。
・全ての辺の長さを測る必要が
ないことを説明することで、
既習の図形の構成要素に着目
できるようにする。
ポスターになっている右の家の形を同じ
形で写し取りたいが、写すこともできない
し、動かすこともできない。
・長さを測ればいい。
・角度も必要じゃないかな。
○では、全ての辺の長さを測ってみましょう。
・全部測るのは大変だよ。
・そんなことしなくてもわかるよ。
・円とか正方形とかは全部測らなくてもいい
よ。
○円や正方形のような図形があるのですか。
・あるよ。
・円、正方形、長方形、三角形がある。
・円と正方形は1か所の辺の長
○そう、それぞれ円、正方形、長方形、三角形になっています。一つ
さが分かれば合同な図形を写
一つ見ていきましょう。円はどの部分が分かれば写し取れますか。
し取れることに気付くことが
10
・半径が分かれば写し取れるよ。
できるようにし、測らなくて
○一か所?
もよい部分があることに目を
・そう。
向けさせるようにする。
○本当に?やってみますね。
・やっぱりできた。
○では、正方形は・・・
・一か所でいいよ。
・え、角の大きさも必要じゃないの。
・いや、全部直角だから図る必要はないよ。
・辺の長さもすべて等しいから、一か所測れば写し取れる。
○やってみましょう。
・やっぱりできた。
・2か所の構成要素が作図に必
○じゃあ、長方形も一か所でいいですね。
要な図形を見せることで、段
・いやいや、長方形はだめ。
階的に必要な構成要素が増え
・辺の長さが2通りあるから、2か所測らないと。
ていることを意識させるよう
・向かい合う辺は長さが等しいから、2か所でいい。
にする。
・角の大きさは直角だから測らなくていいけど。
○やってみましょう。
・やっぱり2か所でよかった。
・これまでに見てきた図形より
○じゃあ最後、三角形も2か所・・・
も一般的な三角形を見せ、い
・ん?4か所?
くつの構成要素を測る必要が
・いや、3か所?
あるのか、という問いをつか
・6か所じゃない?
めるようにする。
○全部測ると、角の大きさ3か所、辺の長さ3か所だから、6か所で
すね。
・でも、全部測らなくてもかけると思うよ。
○じゃあ、何か所測ればよいか考えてみましょうか。
2
考合同な三角形についてかき方
一つ目の課題を把握する。
三角形は、何か所測れば写し取れるか考えよう。測るのは・・・
・辺の長さ
・角の大きさ
・3か所でよかった。
○3か所だったらどこを測ってもいいんですか?
・いや、そういうわけでもないかも。
3
を考え、合同な三角形をかく
ために必要な構成要素を見出
している。
技合同な三角形を、対応する辺
の長さや角の大きさに着目
し、作図することができる。
A
二つ目の課題を把握する。
どの3か所を測れば合同な三角形がかけるか、説明しよう。
・1か所の辺の長さと、その両端の角の大きさを測ればかける。
「辺BCを写し取って、角Bと角Cの大きさを測って直線をひけば、
B
C
交わった点がAになって、合同な三角形ができる。
」
・2か所の辺の長さと、その間の角の大きさを測ればかける。
・3か所の構成要素の組み合わ
「辺BCと辺BAを写し取って、角Bの大きさを測って直線をひけ
せを見つけ出す際、その方法
ば、辺ACは写し取らなくてもいい。
」
でもとの図形と違う図形にな
・3か所の辺の長さを測ればかける。
る可能性がないか、確認する
「辺BCを写し取って、辺BAと辺CAをコンパスで写し取ったら、 よう声をかける。
交わった点がAになって、合同な三角形ができる。
」
11
4 三つの構成要素の組み合わせについて考察する。
○三つとも辺の長さを測っているけれど、3か所の角の大きさを測っ ・3か所の構成要素の組み合わ
ても、合同な三角形はかけるんじゃないですか。
せの中でも、合同な図形にな
・かけないよ。
らないものがあることを確認
・だって、辺がないと角の大きさは決まらないよ。
し、少なくとも1か所の辺の
・辺の長さを1か所でも決めないと、大きさが変わってしまうよ。
長さが必要であることに気付
けるようにする。
12
13
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