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斉藤さん講義資料

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斉藤さん講義資料
自律分散協調論 第8回
「P2P システムにおける
インセンティブとフェアネス」
今日のメニュー
„
„
„
„
慶應義塾大学 政策・メディア研究科
代講: 斉藤 賢爾 (特別研究助手)
„
課題レビュー
コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
貨幣の正体
さまざまな価値交換フレームワーク
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
„
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
モラルハザードと信用モデル
課題: フィクションにおける自律分散
協調システム
課題レビュー
„
自律分散協調システムが登場する未来的なフィ
クション (映画、小説等) をひとつ紹介せよ。
„
„
„
„
„
„
課題: フィクションにおける自律分散協調システム
提出状況と傾向
未来の事故の博物館
出題者による解答例
提出状況と傾向
„
„
25人中 8人が提出 (授業当日 9:30 現在)
傾向
„
„
„
„
„
„
社会に投入した際に何が起こるかという視点
マクルーハンのテトラッドにおける「反転」
「強化」「衰退」「回復」もそれぞれ困難を引き起こす可能性がある
ロードマップはリアリティが薄いものが多いと感じました
新しい技術は新しい事故を生みます
„
未来の事故の博物館
„
想像以上に面白いレポートが集まりました
ロボット/人工知能系が多かったようです
事故の可能性に言及したレポートは意外と少なかったです
„
„
„
1. そのシステムが自律分散協調的である根拠は何か。
2. そのシステムをノンフィクションの世界に移し換える
際の困難は何か。
3. その困難を克服するコストを支払ってさえも、その
システムの導入にはメリットがあるとの前提に立ち、
実際の導入に向けた、未来へのロードマップを描け。
塚田さん「22世紀ネコ型ロボットの自律分散協調
システムについて」
„
„
„
ロボットは人間と同等か、物品と同等か
ロボットが犯す失敗をどう裁くか
遠山さん「モビルドールシステムにおける自律分
散協調」
„
都市計画家ポール・ヴィリリオによる考察
„
戦闘意欲を失くした/戦闘不能になった敵でも攻撃を
続行
外部からのクラッキング
1
24世紀の経済に向けて
出題者による解答例
「スタートレック」
„
„
未来のお金は?
物体複製機 (レプリケータ) がもたらす帰結
„
これらは結局のところ現在の問題である
24世紀の経済のための SF 考証:
物体複製機 (レプリケータ)
„
“The economics of the future are somewhat different.
You see, money doesn’t exist in the 24th century… The
acquisition of wealth is no longer the driving force in our
lives. We work to better ourselves and the rest of
humanity.”
- Jean-Luc Picard
24世紀の経済とは
„
„
„
レプリケータはワープ航法と並び、スタートレックの世界
を支える中核的技術
„
食料の生産
„
物体転送機 (トランスポータ)
„
„
„
„
飢餓の解消、貧富の差の消失
「未来の経済は、ちょっと違っているのです。24世紀には、
お金は存在しないのですよ。…富の獲得は、もはや私た
ちの生活の駆動力ではありません。私たちは、自分と社
会をよりよくするために働いているのです」
- ジャン=リュック・ピカード
24世紀の経済は現在の問題である
„
私たちは事実上無制限に複製可能な資源を持っている
„
„
物体を情報化し、情報を転送し、転送先で物体を再現する
コピー機と FAX の関係
当然、トランスポータも事故を生みます
情報がそれである
情報の複製について、分からなくなったときはレプリケー
タに置き換えて考えると分かる (かも)
„
„
レプリケータがもたらす恩恵
レプリケータの使用に制限は必要か/可能か
„
„
レプリケータの製造コストは?
„
„
レプリケータ自体を複製すればよい!
レプリケータ自体に限らず、製造コストの極端な低下が起きる
„
物理資源は有限である
24世紀の経済を考えること≒21世紀のデジタル経済を考
えること
今日のメニュー
„
„
„
„
„
課題レビュー
◎コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
貨幣の正体
さまざまな価値交換フレームワーク
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
„
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
コモンズの悲劇とインセンティブ整
合性
„
„
„
コモンズ (共有地) の悲劇
コモンズの悲劇と P2P
インセンティブ整合性と戦略への耐性
モラルハザードと信用モデル
2
コモンズ (共有地) の悲劇
„
„
„
共有地を使う牧場主は、自分が所有する牛の群れに、牛を 1頭増や
すべきだろうかと考えます
牛を増やすことで、その人は利益を得ますが、放牧地に生えている
草には限りがあるので、他のみんなは、そのコストに苦しむことにな
ります。
放牧主は、でも、コストは他の人が負担するのだから、自分の身は
痛まないので、どんどん、牛を追加してもよいと判断します。
コモンズの悲劇は P2Pシステム
に深く関係する
„
有限の資源を分かち合うことに関する問題
„
„
„
„
„
„
„
生物学者ハーディンが 1968年に雑誌に寄稿した例
共有地を利用する各人が自分の最大利益を追求したとすれば、先を
争って資源を消費し、荒廃に向かってまっしぐらに突き進むことになりま
す
人々にレプリケータを与えて放置すると、おそらくこの問題に直面します
コモンズの悲劇は何故、起きる
のか
„
„
„
ゲームのルールが適切でない
„
Incentive-compatible なルール形成へ
メカニズムデザイン
Consequence (帰結) を自分が被らない
価値の適切な表現形とは?
その表現形を用いた交換のフレームワークとは?
考えるべきこと
„
„
各自のインセンティブとシステム全体の目的が互
換でない
„
„
„
インセンティブ整合性 (Incentive-compatibility)
„
参加者の利己的な振る舞いが、システムの期待され
る挙動に結びつく
今日のメニュー
„
„
„
„
„
Multicast Cost Sharing
Inter-domain Routing
Web Caching
Peer-to-Peer File Sharing
Distributed Task Allocation
Other Application-Layer Overlay Networks
どんな性質が必要か
„
„
„
„
戦略への耐性 (strategy-proof)
„
どの参加者にも、嘘をつくことを合理化できるだけのインセン
ティブがない
„
„
共謀への耐性 (group-strategy-proof)
„
グループが共謀してメカニズムをだますことで、何人かの参
加者が利益を得るなら、そのグループの中の最低ひとりの参
加者が被害を受ける
課題レビュー
コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
◎貨幣の正体
さまざまな価値交換フレームワーク
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
モラルハザードと信用モデル
3
お金は何故、役に立つか
貨幣の正体
„
„
„
お金は何故、役に立つか
お金は何故、役に立たないか
24世紀には何故、お金は存在しないのか
お金は何故、役に立つか
お金は何故、役に立つか
この例から分かること
今日のメニュー
„
„
紙幣は偽物であっても役に立つことがある
そもそも紙幣に本物はない
„
„
„
通用するという共同幻想が成立していれば通用する
さまざまな交換媒体を作れる可能性がある
利用されていない資源の解放を促し、交換を促進
„
„
„
この例は、借金ではなく物資/サービスを求めている場合にも適用可能
欲望の二重の一致の解消
お金は何故、役に立たないか
„
„
„
„
„
„
お金は何故、役に立つか
„
„
„
課題レビュー
コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
貨幣の正体
◎さまざまな価値交換フレームワーク
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
(例では最初、役に立っていなかった)
希少であり、それ自身が目的化しやすい
交換の対象はいつか朽ちるが、交換媒体は永遠である
コモンズの悲劇を解消するのではなく、生み出す媒体
„
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
モラルハザードと信用モデル
4
さまざまな価値交換フレームワーク
„
„
„
„
ふたつの潮流
自由な貨幣システムへの要求
朽ちる貨幣
P2P 的補完貨幣システム
P2P システムにおける協調のメ
カニズム
„
インセンティブとフェアネス
„
P2P オークション問題
„
„
„
„
ふたつの潮流
„
„
P2P システムにおける協調のメカニズム
補完貨幣 (地域通貨) とその電子化
前々回のスライドから
„
„
隣接する 3つのノードにオークションの告知のフォワードを依頼
その 3つのノードからしか入札がなかった
競争相手を減らす戦略が採られた
„
„
利己的な参加者がピアグループを形成するネットワーク
で、いかにシステム全体の要求仕様を満たすか
„
„
„
P2P を考察する際のメトリック
„
„
適切な交換媒体を導入することで解決する
そのような交換媒体も P2P でなければならない
そのメカニズムのインセンティブとフェアネスは?
性能
匿名性
可用性
堅牢性
Open 性
„
Open であることによる有用性
„
Open であることによる事故
„
„
補完貨幣 (地域通貨) の電子化
„
補完貨幣 (地域通貨) とは
„
„
„
一般に地域通貨の成功は短命
„
„
„
„
事務局の負担が大きい
初代の事務局は適切に動機づけられている
中央への依存と盲目的な与信システムから、システムとして脆弱
電子化し、省力化することで貨幣システムを延命する
„
„
それでも事務局が駄目になったら終わる
災害などの緊急時に経済システムを補完できない
„
Administration-free
„
„
„
„
„
„
電子化の意義 (2) 事務局そのものの不在へ
„
貨幣システムを P2P にする理由がある
自発的に開始できる
適切に消滅する
Interference-free
他の経済から独立している
一般に補完貨幣 (地域通貨) はこの部分に注力
Free location
„
„
„
„
戦略的な参加者
自由 (Free) な貨幣システムへ
の要求
現在の「経済」では流通しにくい価値を支える交換媒体と流通の体系
電子化の意義 (1) 事務局運営の省力化
自発性、持続性、進化の可能性
どこでも使える
コミュニティ間で互換性がある
実空間+インターネット
„
„
インターネットで利用可能
ただしインターネットとの接続性は前提としない
5
古代エジプトの貨幣
(出典: Wikipedia)
…興味深い例としては、モロコシなどの穀物を倉庫に預
けた「預り証」が、貨幣として使われたこともある
現在の通貨と違うのが、穀物は古くなると価値が落ちると
いことである…結果として、貨幣を何かと交換して手に入
れたら、出来るだけ早く他の物と交換することが行われ
たため、流通が早まった…その結果として古代エジプト
の経済が発達したといわれ…
また、ローマの影響下で現在のような通貨が使われるよ
うになった結果、『価値の減っていく貨幣』による流通の
促進が止まり、通貨による富の蓄積が行われるようにな
りエジプトの経済が没落したという意見もある
„
朽ちる貨幣
„
„
適切に消滅する、実在する (した) 貨幣
„
„
古代エジプトの貨幣
スタンプ紙幣
„
スタンプ紙幣
„
„
„
ゲゼル理論に基づく
1930年代に世界各地で実施
紙幣の裏面に、単位期間ごと
に有料のスタンプを貼付しない
と使用できない
„
„
スタンプを貼らなければならな
くなる前に使おうとするので、
流通速度が上がる
当時のデフレ不況の克服に一
役かった
P2P 的補完貨幣システム
„
負債に基づく電子貨幣
„
„
„
„
その他のシステムは
„
„
資源の自己率を表現するもの
ではない
自由でオープンな貨幣システム
i-WAT (1)
„
i-WAT
Geek Credit
Ripple
„
欲望の二重の一致の解決の面で弱いものが多い
負債が流通しない
ワット券の例
概要
„
„
ゲゼル研究会の森野栄一氏が開発したワットシステ
ムを、PGP (Pretty Good Privacy) を応用することでイ
ンターネット上に移植した貨幣システム
ワットシステム
„
„
„
„
ワット券 (一種の借用証書) が交換の媒体
ワット券は紙とペンで誰でも作成が可能
ワット券を振り出すことで借りが生まれ、いつかワット券が
戻ってくることで借りを清算する
裏書の連鎖により連帯する
6
ワット券の流通
自由でオープンな貨幣システム
i-WAT (2)
„
特徴
„
„
„
互いに正当だと考えられる公開鍵を持つ利用者が、
PGP形式で電子署名したメッセージを交換することで、
ワット券の移動を電子的に表現
振出人がワット券の所有の移動をモニタすることで偽
造 (二重使用) を防止
ワットシステムからシステムの可塑性、持続性、自発
性に優れた多中心的設計を引き継ぐ
i-WAT 券の視覚表現
減価する i-WAT
Geek Credit
Ripple
„
„
i-WAT と異なる設計思想によるワットシス
テムの電子化
偽造 (二重使用) の検出を清算時に行う
„
„
„
„
ワットシステムと異なる設計思想による IOU (負
債) ネットワーク
Alice が Carole に支払いたいとき
„
より簡易なプロトコル
戦略への耐性は?
„
„
„
„
Alice と Bob が互いに信用し、
Bob と Carole が互いに信用するなら
Alice が Bob に支払い、Bob が Carole に支払う
プライバシーを重視
戦略への耐性は?
7
今日のメニュー
„
„
„
„
„
課題レビュー
コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
貨幣の正体
さまざまな価値交換フレームワーク
◎i-WAT: The Internet WAT System
„
„
„
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
„
„
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
モラルハザードと信用モデル
被災地の復興支援
i-WAT の応用
いわゆる P2P システムへの適用の
他に、実空間との組み合わせによる
さまざまな応用が検討されています
ATP (Associating Transportation
and Pedestrians)
„
CITROEN OSMOSE にインス
パイアされる
„
„
„
„
ゲゼル研究会での議論が進行
中
„
„
2000年パリモーターショーで
発表されたコンセプトカー
ヒッチハイクをサポートする自
動車
交通量を削減することで環境
に貢献する
i-WAT のアーキテクチャ
„
5階層モデル
km ベースのワット
ATP 貨幣
„
„
i-WAT 拡張部による実現
km や運転時間によるクレジッ
ト
8
5階層モデル
i-WAT コア
„
„
ちょっと公開鍵暗号系について
i-WAT プロトコル
公開鍵を使った暗号化
ちょっと公開鍵暗号系について
„
„
„
公開鍵を使った暗号化
電子署名
公開鍵をめぐる問題
電子署名
公開鍵をめぐる問題
9
電子署名で保証するが…
i-WAT における取引
3種類の取引
„
„
1. 振出取引 (Issuing)
„
2. 通常取引 (Circulation)
„
3. 清算取引 (Redemption)
„
„
„
貸付人が i-WAT 券を第三者に送る
i-WAT 券が振出人に戻ってくる
署名の連鎖により連帯する
„
振出人が清算に失敗すると貸付人が、貸付人が失敗
するとその次の受取人が、…というように責任を負う
„
i-WAT プロトコル
振出人が i-WAT 券を振り出し、貸付人に送る
i-WAT プロトコル
i-WAT プロトコル
減価する i-WAT
„
時間が経過すると、額面が小さくなるような i-WAT 券
„
„
„
„
森野氏により減価するワット紙券も設計されています
減価するワット/i-WAT の主な違いは時間の解像度です
どのように減価するかを振出人が指定する
さて、貸付人はそのような i-WAT 券を受け取るだろうか
10
減価する i-WAT 券の意味
減価型 i-WAT のモデル
„
振出人を W0, 貸付人を W1, n番目の受取人を
Wn とする
„
„
„
„
„
„
Wi (1 ≦ i ≦ n) は W0 を助けたい
しかしそのために支払うコストを最小にしたい
Wi が使用する時点での券の実効額を Vi とする
清算時点での実効額を Vr とする
Wi は pi の確率で清算に失敗する
Wi の信用回復のコストを CTi とする
„
一般に信用回復のコストは券1枚の額面より高いもの
とする
減価型 i-WAT の展開形ゲーム (1)
減価型 i-WAT の展開形ゲーム (2)
減価型 i-WAT の展開形ゲーム (1)
減価型 i-WAT の展開形ゲーム (2)
11
消滅する貨幣
„
„
振出人の負債が減ることは、それをバックアップ
する立場にある貸付人や、署名チェインの最初
の方に現れるプレイヤーにとっても実は有難い
最終的に、減価の結果、負債がゼロになるときに、
減価する i-WAT は最も安定し、ゲーム理論で言
う均衡が生まれる
„
„
相手の口座情報を知る上での問題
„
„
分散監査 (2)
振出人
説明
その人
清算済み
収入と支出のバランス
その人
未清算
負債・赤字
×
他人
所有中
貸付・黒字
×
他人
使用済み
収入と支出のバランス
意味
„
隠された負債を見つける方法
„
信憑性
„
„
„
„
×: 嘘をつく理由がある
T.-W.J.Ngan, et al., “Enforcing fair sharing of peer-to-peer
resources,” IPTPS 2003
„
„
1. ランダムな周期で、ランダムに選んだ参加者から、他人から受け取っ
た券を教えてもらう
2. その券 (X) の振出人から、振り出した券を教えてもらう
3. 振り出した券のリストが X を含んでいないとすれば、振出人は負債 X
の存在について嘘をついている
隠された貸付を見つける方法
„
“Fair Sharing” の直接的な利用が可能
„
その情報が正しいという保障は?
嘘をつかないことへのインセンティブは?
どのくらい困っていて、どのくらいすでに援助されたか
を貸付人は知る必要がある
相手の評価値は i-WAT の口座情報からどのように計算
されるか
„
それぞれの参加者が、過去の取引実績にもと
づいて、相手の口座に関する情報を再構成し
なければならない
„
しかし振出人にモラルハザードのおそれがある
分散監査 (1)
„
i-WAT は口座情報を集中管理しない
この仕組みが動くためには、振出人が困窮して
いる、ということは公知であるという条件が必要
„
„
„
1. ランダムな周期で、ランダムに選んだ振出人から、振り出した券を教
えてもらう
2. その券 (X) の現在の所有者から、他人から受け取った券を教えても
らう
3. 受け取った券のリストが X を含んでいないとすれば、その人は貸付 X
の存在について嘘をついている
上のふたつは互いのメッセージの意図を隠すので、嘘をつきにくい
今日のメニュー
„
„
„
„
„
課題レビュー
コモンズの悲劇とインセンティブ整合性
貨幣の正体
さまざまな価値交換フレームワーク
i-WAT: The Internet WAT System
„
„
„
„
„
モラルハザードと信用モデル
i-WAT の応用
i-WAT のアーキテクチャ
i-WAT コア
減価する i-WAT
◎モラルハザードと信用モデル
12
モラルハザードとは
„
„
本来は、単に倫理的な障害という意味では
ない
システムがリスクに対する保護機構を準備
することにより、利用者がかえってリスクの
高い行動を起こすという問題
„
„
例: 保険にかかっているからといって危険な行
動を率先して行う
例: 信号があるからといってスピードを出す
i-WAT の信用モデル
モラルハザードへの耐性
„
考えられるハザード (i-WAT の場合)
„
„
„
„
„
„
„
„
秘密(鍵)の漏洩
裏付けのない鍵署名
裏付けのない完全信用
過剰な振出
承認の遅延
デフォルト (債務不履行)
(集団による) 詐欺
耐性
„
基本的には、ハザードを起こす主体にリスクが生じる
ような設計が必要
Geek Credit/Ripple の信用モデル
まとめ
„
24世紀の経済に向けて
„
„
„
„
„
お金はコモンズの悲劇を生む交換媒体
お金以外の交換媒体の可能性
負債に基づく P2P 電子貨幣 i-WAT
„
„
„
http://www.media-art-online.org/iwat/
貨幣の正体
„
„
お金が存在しない世界
製造コストの極端な低下
24世紀の経済≒21世紀のデジタル経済
ご清聴ありがとうございました
i-WAT コア
減価する i-WAT
モラルハザードと信用モデル
„
因果応報なデザイン
13
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