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花堂臨時委員・説明資料(PDF形式:287KB)

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花堂臨時委員・説明資料(PDF形式:287KB)
資料5
企業価値研究会におけるプレゼン資料
「買収局面における企業価値の説明のあり方について」
早
2007.11. 13.
稲 田 大
学
大学院商学研究科
経営専門職大学院(WBS)
花堂 靖仁
WASEDA BUSINESS SCHOOL
Hanado, Y., All Rights Reserved
1
プレゼン概要(Agenda):問題意識と仮説
【Ⅰ 問題意識】
M&A局面、特に「敵対的買収」にあっては、株式多数決の原理が根底
にあるとしても、株主の企業価値の源泉となる経営資源に対する理解が
進んでいないことを考えると、これまでの財務データ中心の情報提供を続
けることでよいのか。
【Ⅱ 仮
説】
1)内部マネジメント用に作成している年度損益予算や中期経営計画をその
まま開示できるならば株主にも相当に役立つであろうが、企業機密の開示
に繋がるところから、それに代わるアプローチを考える必要がある。
2)現代企業の企業価値の源泉としては財務的に表現されている経営資源
だけではなく、財務的に表現されていない経営資源が重要性を増してきて
いる。企業価値の説明に客観性を持たせるために、財務的に表現されて
いるか否かを問わず現在支配下においている経営資源が現在の収益および
キャッシュフローの裏付けとなっているという関係にもとづき、将来の収益および
キャッシュフローを生み出せる根拠を説明する方向を考える。
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2
問題意識とその背景
【Ⅰ 問題意識】
M&A局面、特に「敵対的買収」にあっては、株式多数決の原理が根底
にあるとしても、株主の企業価値の源泉となる経営資源に対する理解が
進んでいないことを考えると、これまでの財務データ中心の情報提供を続
けることでよいのか。
①
②
③
④
⑤
注射針業界の事例(テルモ株式会社の取組み)
テルモ株式会社における注射針「ナノパス33」の開発
テルモにおける持続的イノベーションによる価値創造
これまでの企業価値の捉え方 1
これまでの企業価値の捉え方 2
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3
注射針業界の事例(テルモ株式会社の取組み)
◎医療に必須の注射針であるが、技術的には
改良の余地はほとんどない、と一般には考えら
れてきた。
◎医療器具として厚生労働省からの指定価格
品となっているが、現実にはメーカー間の病院へ
の納入価格競争が激化してきていた。
◎利益率の低下から、機関投資家からはこの
分野の切捨てが示唆されてきていた。
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4
テルモ株式会社における注射針「ナノパス33」の開発
§「医療を通して社会に貢献」するための先進のイノベーション
§ オンリー・ワン・コンセプト によってマーケットを変える
伝統的円柱型注射針
対
円錐型注射針 ナノパス33
割り型テクノロジー
+
特殊溶接テクノロジー
岡野工業社長 と
テルモ 大谷内研究員
ナノパス33の量産化
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5
テルモにおける企業理念・企業ビジョン・経営フィロソフィー
に支えられた持続的イノベーションによる価値創造
◎営利性を追求するだけではなく、倫理性や誠実性が強く求めら
れる医療機器や薬品の研究開発・製造販売には、他の事業領域
では行えないチャレンジの機会がある。創業以来の企業理念に共
鳴して入社する若い人
企業理念:
「医療を通じて社会に貢献する」
企業ビジョン:
「テルモはユニークな輝く技術で、
人にやさしい医療を実現します」
経営フィロソフィー:
「人を軸にした経営」
◎大きな研究開発予算をもつ巨大医療機器会社が見落とす医
療領域を見出し、その開発に必要な研究者を先行採用・・・17年
前に機械屋集団に流体力学研究者を採用。
◎医療現場にビジネス・シーズを求めて病院回りの折に、インスリン
注射を毎日4∼5回行わなければならない小学生を持つ母親から
の「痛くない注射針はないのかしら」の問いかけに反応。流体抵抗
理論にもとづき、どうすればよいかは判ったが、どうしたら作れるかは
暗中模索であった。
◎さまざまなアイディアの試みに失敗しつつも、「患者さんからのアリ
ガトウ」を頼りに、「誰もやれないことをやれば価値を生む」との信念
のもと、岡野工業の割り型技術の協力に自社開発の溶接技術を
加えて、量産化に成功。
◎社長の「なにはともあれ、我慢してやれ」に支えられて、社内の開
発に対する抵抗を乗り越える。
注射針事業の利益では賄えない開発コストを注入し開発したナノパス33
⇒この成功に刺激された新たなチャレンジの機会を窺う若手
⇒独自の差別化を支えるイノベーションを通しての成熟品分野における参入障壁の構築
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6
企業価値の捉え方
◎時価総額:発行済み株式総数×株価
◎継続企業価値:事業価値+非事業価値=株主価値+負債価値
格
ステークホルダーの期待
価
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場
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市
株主価値
将来キャシュフロー
正味負債価値
事業価値
企業価値
非事業価値
◎本源的株主価値:将来純利益フロー (配当)の割引現在価値
7
企業価値を決めるもの
「企業価値」とは:
◆企業価値=株式の価値+負債の価値
「企業価値」はどのように計算されるのか
◆企業価値:「将来のフリーキャシュフローの現在価値合計」として算定される
◆企業価値:「投下資本」に「将来の経済付加価値(EVA)の現在価値合計」
を加えて算定される
B/Sの総資本
有利子
負債総額
企業価値
株式
時価総額
将来のフリー
キャシュフロー
の
現在価値
合計
将来の
EVAの
現在価値
合計
流動負債
流動資産
(うち短期
借入金)
投下資本
正味
運転資本
固定負債
投下資本
固定資産
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短期借入金
固定負債
固定資産
株主資本
株主資本
8
仮説 1) と その背景
仮説1)内部マネジメント用に作成している年度損益予算や中期経営計画をその
まま開示できるならば株主にも相当に役立つであろうが、企業機密の開示に
繋がるところから、それに代わるアプローチを考える必要がある。
①
②
③
④
⑤
21世紀企業における経営資源の基本的枠組み
「財務資産」と「非財務資産」の二元性
伝統的な企業情報VSこれからの企業情報
企業価値と価値連鎖(バリューチェイン)
どこで価値を創造しているのか
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9
21世紀企業における経営資源の基本的枠組み
PRISMの基本的枠組みと到達点(2003 European Intangibles Summit)
所有関係が明確で
利用・処分が決定できる
有形資産
売買と保管が可能で
所有権者から切り離しても
一般に権利が保護されて取
引可能なもの
市場評価されない
競争優位性要素
「ハード」
商品化。分離可能
有形資産
「ソフト」
分離困難で評価しにくい
無形の財貨
無形の競争優位性
無 機 質
物的資産
・原材料
・有形固定資産
・棚卸資産
・その他資産
財務資産
・現金
・現金同等物
・有価証券
・投資資産
ことを成し遂げる組織の
能力に潜在する独特な
競争優位要因
潜在する能力
生 命 力
原材料供給契約
・免許、供給割当および
フランチャイズ
登録可能な無体財産権
・版権および特許権
・フィルム、音楽、美術、科学など
の原作保護権で市場のソフトウエ
アを含む
・商標権および意匠権
競争力マップ
・示差的競争優位性
・コアコンピテンス
・ビジネスプロセス
・手順および課程
様々な能力
・リーダーシップ
・従業員の資質
・組織資産(ネット
ワークを含む)
・市場機会/レピュ
テーション機 会
・R & Dの展開
・組織更新能力
その他知的財産
・ブランド、ノウハウ、トレードシー
クレット
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10
「財務的資産」と「非財務的資産」の二元性
PRISMの基本的枠組みと到達点(2003 European Intangibles Summit)
商品化(使用中の資産)
競争優位性の源泉(待機中の資産)
金額測定の可能性・所有の明確性
測定の不可能性?・所有の不明確性
価値創造の調整装置
資本成長と財務成果の向上
有形資産
無形の財貨
リーダーシップ
無形の競争優位性
潜在する能力
資本縮減と財務成果の低下
会 社 経 営 者
ベンチャー・キャピタリスト
の視野
会 計 専 門 家
銀 行 家
ア ナ リ ス ト
の視野
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11
伝統的な企業情報 vs これからの企業情報
【財務諸表中心の伝統的企業情報】 【知的資産経営報告を含むこれからの企業情報】
※以下では伝統的企業情報に新たに加えられる特徴を挙げる
遅行指標…
期間計算・定期報告
◆ 企業実体単位の帰属計算
◆ 取引の貨幣測定・財務情報限定
◆ 歴史的報告
◆ 原価主義会計
◆ 規定された定型書類
◆ 過去志向
◆ 一律適用基準(GAAP)
◆ 非財務測定値の無視
◆ 過去の意思決定の報告
◆
先行指標…
◆ ビジネスサイクル・オンディマンド
◆ 企業とステークホルダーとの関係性
◆ 利用可能な経営資源の定性情報
◆ 現在/将来
◆ 時価ベース
◆ 包括総合情報・利用者別報告
◆ 将来志向
◆ ミッション・ビジョン・価値観の個別表現
◆ 重要な成功要因(KPI)との紐つけ
◆ 最先端の意思決定基準への対応
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企業活動と価値連鎖(バリューチェイン)
価値の創造
価値の創造
リスク・マネジメント
財
務
活
動
タックス・プランニング
広
報
活
動
ブ ラ ン デ ィ ン グ
社 会 責 任 活 動
投 資 利 益 の 実 現
編
PER等 の 投 資 指 標
再
一株当り利益に
繋がる財務データ
業
D
価値の実現
価値の実現
販 売活 動
事
製 造活 動
&
購 買活 動
バランス・
スコア・
カードによる分析
R
価値の持続
価値の持続
バリュー・ドライバーを明確にしたビジネス・モデル
財
務
資
本
物
的
資
本
組
織
資
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本
人
的
資
本
13
どこで価値を創造しているのか
企業は、事業活動および付帯活動のあらゆる局面で価値を創造する可能性を潜在させている。
自社の「バリュー・ドライバー(競合企業と比べ相対優位の価値創造を持続させる仕組み)」がどこ
にあるのかを確認し、それらを組み合わせて自社のビジネスモデルを組み立てる。
融
資
者
出
資
者
潜在的企業価値の認知による資本コスト低下による価値
物的設備提供者
顧
経営戦略との有機化、CMSの活用等による価値
リースやファブレス等による価値
ブランド・エクイティーによる価値
財
通信等の役務提供者
務
独自の流通販売システムによる価値
専用回線、コジェネ、特別割引等による価値
生産現場における改善運動等による価値
マーケティング能力による価値
労
生産要素
者
高資質学卒採用、シニア活用等による価値
仕
入
先
生 産 物
客
勤
研究開発・知財戦略
生産活動の独占による価値
教 育 訓 練
資質・能力向上による価値
管理システム
情報共有による価値
継続取引、グループ経営による価値
企業への信頼感の高まりによる価値
地
域
住
民
業界代表企業としての認知による価値
行
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政
府
14
仮説 2) と その背景
仮説 2)現代企業の企業価値の源泉としては財務的に表現されている経営資源
だけではなく、財務的に表現されていない経営資源が重要性を増してきて
いる。企業価値の説明に客観性を持たせるために、財務的に表現されて
いるか否かを問わず現在支配下においている経営資源が現在の収益および
キャッシュフローの裏付けとなっているという関係にもとづき、将来の収益および
キャッシュフローを生み出せる根拠を説明する方向を考える。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
しまむら の価値創造経営
しまむら の価値創造経営:ホームページの記述から 1
しまむら の価値創造経営:ホームページの記述から 2
価値創造ドライバー(しまむら の事例)
経営資源の構成
財務情報と非財務情報の知的資産経営情報への統合
知的資産経営情報の作成基準
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しまむら の価値創造経営
経営理念∼わたしたちの信じること∼
概要 (2005.2.20現在)
商 号 株式会社しまむらSHIMAMURA Co.,Ltd 設 立1953年(昭和28年)
資 本 金 17,086百万円 売 上 高 297,952百万円 従 業 員 9,752名
店 舗 数 しまむら 915店舗 バースデイ 53店舗 シャンブル 29店舗
ひとびとの生活が都市の中心から郊外に広ま
るにつれて、衣食住の全ての分野で郊外型店
舗が続々と誕生しています。そして、海外の
例をとるまでもなく、消費者の利便性と激し
しい競争を乗り越えて、今まさに小売業の売
り方の違いとしての新しい業態が続々と誕生
し、発展してきています。
わたしたちは新しい業態の小売業として、独
自のビジョンと技術を重視するチェーンスト
アとして、消費生活と生活文化の向上に貢献
したいと考えています。
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16
しまむら の価値創造経営:ホームページの記述から 1
◆価格政策と技術力
・・・衣料品の小売業としては格段に低い粗利益率でありながら、日本の大手量販店のなかでは最高
の営業利益率を維持しています。小売業としての、しまむらの高い運営技術力を明確に示しています。
◆マーケットリサーチ
商品部員約100名が年4回定期的にパリ・NYのマーケットリサーチをし続けています。ファッショントレン
ドの一歩先を取り込んで企画された商品は高い評価を得ています。
◆バイヤー
デイリーファッションを23部門に分け、部門のバイヤーが品揃えと販売計画を立案し、最良の商品企画
をサプライヤーと打ち合せるのがバイヤー業務です。これらに加えて、完全買取制や低い価格変更率など
が、バイイング能力の高さを証明しています。
◆発注
取り扱い商品の約60%を占める継続性をもつ商品は、高精度の自動発注システムによって在庫量
は常に適正にコントロールされています。バイヤーが個々の商品ごとに決定した仕入総数は、その商品群
の直近の状況から、自動的に全店舗毎の納品数量が割り当てられて発注されます。
◆マニュアル
ローコストオペレーションを支えるのがマニュアルです。最も優れたベテラン社員のやり方をマニュアルと考
え、全ての部署でこれを重視し、標準化と合理性を追求しています。
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しまむら の価値創造経営:ホームページの記述から 2
◆改善提案制度
社員一人一人が自分達で作ったものとしてマニュアルを重視して標準化をすすめています。この基礎と
なる改善提案は全社員から年間1万件以上が寄せられ、検討、実験の結果マニュアルは毎月更新され
続けています。
◆ドミナント開発
ドミナント出店はチェーンストアにとって運営管理、物流などの効率化と高度化の基本原則です。県の
人口10万人当たり1店舗の出店を目指しており、こうすることで知名度の向上と運営の効率化が一気に
進んで業績が目覚しく向上します。
◆適正規模と快適性
お客様の買いやすさは店舗、売場へのアクセスのしやすさと、商品の選びやすさです。デイリーファッション
の店舗としては売場の広さを1000㎡と1300㎡が最適規模と考えています。
◆スピードを追求する最新鋭物流センター
全国7ヶ所の商品センターを稼動して、全国自社物流網へと進化しています。1日の処理量が成田
空港の手荷物とほぼ同量の桶川センターでさえ、25名の定時社員と3名の管理者で運営されています。
全国を自在に移動する荷物は1個当たり宅配便の1/4以下という低コストを実現しています。
◆M社員制度
若年層よりも能力がありながらフルタイムで働きにくい中年主婦層を基本に、高い処遇と家庭を両立で
きる時間シフトをもって構成される当社独自の社員制度です。M社員の中から有能な人材を店長として
登用しています。
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18
価値創造ドライバー(しまむら の事例)
融
資
者
出
財
・営業利益率 10%
生産要素
・ストア・ブランドの打ち出し
・店舗増床率 ・店舗増加数
・平均販売単価 ・平均買い上げ点数
・客単価 ・来客数
生 産 物
・トレンド情報・コーディネート提案情報の共有
・中国配送センターにおける直接物流
教 育 訓 練
・ジョブローテーションと提案制度
管理システム
・システム開発・運営のインハウス化
企業への信頼感の高まりによる価値
地
域
・「アイベル」「思夢楽」実験店舗と都心出店
・出店候補地の自社開拓
研究開発・知財戦略
先
住
民
客
者
・地域の主婦労働力を活用するパートタイマー
M社員制度による肌理の細かい接客サービス
・自己実現意識を持ち働き甲斐を感じるM社員
による口コミリクルーティング
入
・ドミナント出店の展開と商品ライン拡大
・トレンド商品、トータル・コーディネート提案
通信等の役務提供者
仕
務
顧
配送センター間輸送のトレーラーへの切り替え
荷物1個当たり輸送単価59.2円へ低減
労
・配当性向20%
者
営業キャシュフローによる投資・財務キャシュフローを賄う
(52期)
(53期)
自己資本比率
63.8 %
65.4%
時価ベース自己資本比率 153.8%
238.5%
債務償還比率
1.2年
1.0年
インタレスト・カバレッジ倍率 57.7
104.2
物的設備提供者
勤
資
地域振興成功例として注目
行
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政
府
19
経営資源の構成
活用資源の形態
商品性
独自性
株式会社 しまむら の例
交
換
性
活 用 資 源 の 機 能
財
固
着
有
資
物
務
資
的
資
本
形
産
豊富な手元資金
郊外立地1000店舗網
本
配送センター
知的資産
無形資産
ケイパビリティー
資本市場プレミアム
機動的な
財務戦略
立案能力
新店舗設置先の
発見と開発
のノウハウ
システムのインハウス開発力
専用ソフト開発力
組
織
資 本
店舗運営マニュアル
サプライヤー協業態勢
最先端
ファッション動向の
吸収ノウハウ
人
的
資 本
パートタイマー主婦
出身の
店長
提案制度に
支えられた
高いモラール
元気に働く
母親の姿に惹かれて
自発的に応募する学卒者
性
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20
財務情報と非財務情報の統合
︵財務諸表情報︶
《実 績 情 報》
《現 状 情 報》
《予 測 情 報》
(現在)
(将来)
(過去)
期
間
計
算
・
定
過年度F/S
期
報
「決算短信」の業績予想
売上高・営業利益・
経常利益・純利益
告
当期財務諸表
次期予想財務諸表
【MD&A】
︵ 非財務諸表情報 ︶
ビ
ジ
ネ
【MD&A】
ス
サ
【 予 想 の 根 拠 】
イ
ク
◆裏づけ指標 :目標と実績およびリスクのKPI
◆経営ストーリー:いかなるビジネスモデルで、
どのように価値実現を図ったのか
(現)
中
期
経
次々期予想財務諸表
ル
開
示
◆目標およびリスクのKPI
◆いかなるビジネスモデルで、
どのように価値実現を図るのか
営
計
画
(次)中期経営計画
◎利用可能な経営資源を組み合わせ生産プロセス(購買・製造・流通・販売)を構築
◎財務・組織化・ライセンス契約等その他の価値実現方策の組み込み ◎価値創造イノベーションの可能性発見と絞込み
◎価値増幅イノベーションの維持・強化 ◎知的資産経営の効果的運営体制
(
現
経
)
営
経
哲
営
学
ビ
・
ジ
活
ョ
動
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ン
理
(次)経営ビジョン
念
21
企業価値研究会におけるプレゼンの要約と試案
【試案】
1.株主の企業価値に対する理解を深めるために、財務情報に加えて非財務情報に関する
説明を行なうことを当事者に求める。
2.被買収者は、①企業価値創造の構造とその「源泉となる経営資源(バリュー・ドライ
バー)」が何であるのかを示し、②価値創造の過程を、経営実績を基本に分析し、これに将
来の変更ないし追加要因を加えて説明する。
3.上記の手法を有効にするために、企業ないし事業について、そのビジネスサイクルの時間
軸で①と②の関係を明らかにする。その際、多くの上場会社が決算説明会で利用している、
利益実績および利益予想の構成要因分析資料を手がかりにして、この作業を進める。
4.上記2.および3.に関する説明について、買収側は、どのようにリストラクチャリングを試みる
つもりなのかを説明する。
5.この買収側の説明に対し、必要ならば被買収側が反論する。
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