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ウレタン遮熱工法の実建物を用いた通年実測と排熱・伝熱

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ウレタン遮熱工法の実建物を用いた通年実測と排熱・伝熱
立命館大学大学院
理工学研究科 2012 年度 修士論文梗概
ウレタン遮熱工法の実建物を用いた通年実測と排熱・伝熱特性の定量的評価
創造理工学専攻 環境都市コース 6164110042-0 田嶋 圭一
(指導教員 近本智行)
1.はじめに
国内の住宅政策として、省エネ基準の改正・改訂によ
り住宅の高断熱・高気密化が推進されてきた。特に住宅
の断熱性能は、省エネ基準内において必要な断熱材厚み
が設けられており、各部材の物性値から熱貫流率として
壁体性能の評価が決まり、その低減が図られてきた。
一方で、通気層の排熱効果や遮熱技術が注目されつつ
あり、その評価方法を確立する必要があるが、現行の省
エネ基準では部材単体で評価され、通気層内の熱収支や
低放射率化の影響は加味されない。
そこで本研究では、構造材を囲むようにアルミを貼り、
アルミの外気側に通気層を設け、室内側から発泡ウレタ
ンを吹き付ける工法文 1) (以下、ウレタン遮熱工法)に着目
し、部材の組み合わせによる遮熱・断熱効果の定量的評
価を目指した。実大実験棟を屋内外に製作し、建物規模
実測を通して実気象下における性能把握や通気層及びア
ルミ反射材を導入した際の基本的な排熱・伝熱特性を検
証したので報告する。
2.実験概要
屋内外に、ウレタン遮熱工法を施した棟(以下、屋外を
A 棟、屋内を A´棟とする)とグラスウールを用いた充填
断熱工法を施した棟(屋外を B 棟、屋内を B´棟)を製作し
た。各壁面工法は屋内外ともに同様であり、各壁体断面
と部材熱伝達率を図 1、表 1 に示す。
2-1 屋外暴露実験棟
実気象下の性能評価を目的とし、立命館大学 BKC キャ
ンパスの屋外に暴露実験棟を製作した。図 2 に屋外実験
棟の外観を示す。各棟は 1.8m角正方形平面で、各壁面は
東西南北に正位している。また窓は設置しておらず、東
面のみ扉を設置した注 1)。
2-2 屋内実験棟
非定常状態では複雑な通気層の排熱・伝熱特性の把握
を目的とし、BKC キャンパス・風環境実験室内に屋内実験
棟を製作した。図 3 に屋内実験棟の空間断面図を示す。
各棟は 2.7m角正方形平面であり、空調機により各季節を
想定した定常状態を再現するため、実験棟の周囲に環境
調整空間を設けた文 1)。
2-3 測定概要
測定概要を表 2 に示す。通気層内風速は、外装材に設
けた穴から多点風速計を設置し、測定した。
熱電対測定点
透湿防水シート
アルミ反射材
ウ
レ
タ
屋 外 通 ン
外 装 気 樹
側 材 層 脂
発
泡
層
空
気
層
石
膏 室
ボ 内
ー 側
ド
16 15 20
85
12
グ
ラ
ス
ウ
ー
ル
石
空 膏 室
気 ボ 内
層 ー 側
ド
75
30 12
屋 外 通
外 装 気
側 材 層
16 15
148
148
ウレタン遮熱工法
充填断熱工法
図1
表1
壁体断面詳細図
部材熱伝達率
材料
石膏ボード
空気層
ウレタン樹脂発砲層
アルミ熱線反射材
通気層
外装材(サイティングボード)
石膏ボード
空気層
グラスウール
通気層
外装材(サイティングボード)
厚さ
δ[mm]
12.0
85.0
20.0
4.0
15.0
16.0
12.0
30.0
75.0
15.0
16.0
熱伝導率
λ[W/m・K]
屋外実験棟外観
熱貫流率
K[W/㎡・K]
1.05
0.95
1.91
0.52
測定概要
測定機器
測定項目
熱電対
部材間温度、室内温度、
小屋裏温度、屋外温度、
環境調整空間温度
多点風速計
通気層内風速
微差圧計
通気層内上下差圧
電力計※
エアコン消費量
全天日射計※
水平面全天日射量
※屋外実験棟のみ計測
ウレタン吹き付け
アルミ反射材
400
熱抵抗率
R[㎡・K/W]
0.213
r a=0.07
0.033
237.3
r a=0.24
0.17
0.213
r a=0.07
0.044
r a=0.07
0.17
表2
図2
単位[mm]
白熱灯
B棟
A棟
軒高
175
800
4600
2730
2425
800
外壁仕様
(ウレタン遮熱工法)
外壁仕様
(充填断熱工法)
400
室内用エアコン
(2.2kW)
125
カネライトフォーム(40mm)
図3
800 5000
3160
単位[mm]
屋内実験棟空間断面図
Actual Performance Verification by Annual Observations in Outdoor Buildings and Quantitative Evaluation of the Characteristics of
Heat Discharge and Heat Transfer by Ventilated Air Layer with Aluminum Seat in Wall
TAJIMA Keiichi
65
3.屋外暴露実験棟を用いた通年の実測調査
Case
Ⅰ-1
Ⅰ-2
Ⅰ-3
Ⅱ-1
Ⅱ-2
Ⅱ-3
Ⅲ-1
Ⅲ-2
Ⅲ-3
Ⅳ-1
Ⅳ-2
壁体工法
充填断熱工法(通気層無)
充填断熱工法(通気層有)
ウレタン遮熱工法
充填断熱工法(通気層有)
ウレタン遮熱工法
面状発熱体温度
50℃
60℃
70℃
50℃
60℃
70℃
50℃
60℃
70℃
室内側温度
━
暖房22℃
測定温度[℃]
通気層(ウレタン遮熱工法)
50
差差
45
40
35
30
25
20
0:00
4:00
図4
8:00
16:00
20:00
0:00
全天日射量
外気温度
室内温度(ウレタン遮熱工法)
室内温度(充填断熱工法)
内壁表面(ウレタン遮熱工法)
内壁表面(充填断熱工法)
40
1200
ピーク時間にズレ
測定温度[℃]
800
30
600
400
25
全天日射量[W/㎡]
1000
35
200
20
0:00
4:00
8:00
図5
12:00
16:00
0
0:00
20:00
夏期室内温熱環境比較(8/ 16)
ウレタン遮熱工法(A棟)
充填断熱工法(B棟)
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
最大値
中央値
第3四分位
第1四分位
最小値
7月
8月
図6
700
9月
10月
11月
12月
1月
室温日較差の月別統計値
ウレタン遮熱工法(A棟)
充填断熱工法(B棟)
600
500
400
300
200
100
0
屋外温度
表3
35℃
7℃
12:00
夏期通気層付近温度比較(8/26)
9月4日
図7
冷房28℃
通気層温度 4℃
通気層(充填断熱工法)
電気使用量[Wh]
図 7、表 3 に冷房エネルギー消費量の比較と実測日の
屋外環境を示す。エアコンの設定温度は 28℃とし、風向
上下、風量は自動調整とした。また、エアコンの稼働時
間は 9~19 時とした。
A 棟の冷房消費量は B 棟より抑えられており、日積算使
用量では最大で B 棟より 10%削減されていた。
4.通気層の排熱・伝熱特性の把握
4-1 定常実験概要
屋内実験棟において、表 4 の通り外気側と室内側温度
を設定し注 3)、夏期・冬期を想定した定常実験を行った。
夏期ケースにおいては、壁面への日射の影響を再現する
ため、各実験棟の外壁 1 面を面状発熱体、屋根裏空間は
白熱灯により発熱させた。また充填断熱工法の実験棟で
は、通気層の上下をスタイロフォームより密閉させて空
気層とする測定ケースについても検証した。
表4 測定ケース
断熱材表面(充填断熱工法)
55
日較差[℃]
屋外暴露実験棟において通年の実測調査を行った。測
定期間は、2012 年 7 月 23 日~2013 年 1 月 31 日とした。
3-1 日変動からみる実測結果
図 4 に夏期の通気層温度及び通気層内断熱材側温度分
布、図 5 に室内温熱環境分布注 2)を示す。両日とも日射量
が十分あり、室内空調を行っていない。
図 4 によると、A 棟の断熱材表面温度は B 棟に比べ最大
4℃低いのに対し、通気層温度は最大 3℃高くなっている。
通気層内でアルミ反射材による低放射率化を行うことで、
通気層内排熱量が増え、結果として A 棟の内壁表面温度
及び室内温度が改善されているものと考えられる。また
図 5 より、ピーク時間にずれが生じており A 棟のピーク
後も B 棟では室内温熱環境が悪化していたことから、ア
ルミによって断熱部の蓄熱作用を抑制し、熱帯夜現象を
軽減していたものと思われる。
3-2 月別統計値
図 6 に、日較差(日最高室温と日最低室温の差)の月別
平均値の統計値を示す。日較差は、夏期・中間期では主
に 4~7℃、冬期では 2~5℃で推移している。また、各季
節において A 棟の日較差は B 棟より緩和傾向にあり、年
間を通して熱貫流率以上の性能を発揮していた。特に夏
期でその傾向は顕著であり、アルミ反射材が日射等の屋
外環境の影響を最小限にしているものと思われる。
3-3 エアコン電力消費量の比較
断熱材表面温度 3℃差
断熱材表面(ウレタン遮熱工法)
60
9月4日
9月5日
9月6日
9月7日
9月5日
9月6日
9月7日
冷房エネルギー消費量
屋外環境
気温[℃]
最高
最低
32.1
22.8
35.0
24.0
30.4
24.2
34.0
22.5
電気使用量[Wh]
A棟
B棟
452.9(89.2%)
507.8
561.9(96.1%)
584.6
354.6(97.4%)
364.0
361.2(98.4%)
366.9
日照時間[h]
6.7
7.8
3.4
9.0
4-2 各部材間温度分布の比較
実測値
58.1(59.5)
61.3
(61.2)
65
59.5(58.2)
35
1615
75
30 12
CaseⅠ-2(通気層無)
CaseⅡ-2(通気層有)
69.5
(69.4)
1

2
2
4
2

対流熱伝達量の算出式
3
qcv  q1  q2  qcv1  qcv 2
qcv1  q1  qr
qcv 2  q2  qr
2
通気層
 so,1, 2,3 : 壁表面温度 [C ]、 : 放射率、Cb : 放射定数(=5.67)
1
実測値温度(計算値温度)
計算値
69.9
(69.9)
の
厚
さ
70.1
(70.0)
66.7(67.7)
64.3(66.0)
68.9(65.7)
29.7
48.1 (31.8)
(63.0)
30.0
(34.2)
55
30.7
(30.7)
31.9
(29.7)
45
35
36.3
(32.5)
34.5
34.1
25
34.8
(32.3)
34.5
27.0
1615
単位[mm]
75
30 12
27.0
1615
148
75
30 12
34.6
(37.2)
1615 20
148
26.8
85
12
148
CaseⅠ-3(通気層無) CaseⅡ-3(通気層有) CaseⅢ-3(アルミ有)
図9
部材間温度分布(面状発熱体 70℃)
実測値
計算値
23.6(24.0)
実測値温度(計算値温度)
25.0
23.8(23.3)
25.0
20.8(22.8)
20.3(21.5)
18
14
8.0
(7.4)
8.2(8.3)
7.0
6
8.4
(7.7)
13.0(10.1)
10.0(9.0)
10
16 15
単位[mm]
75
7.0
30 12
8.6(9.1)
16 15 20
85
12
148
148
CaseⅣ-1(アルミ無)
CaseⅣ-2(アルミ有)
図10 部材間温度分布(CaseⅣ)
通気層入口風速
排熱量
0.5
80
70
0.4
通気層風速[m/s]
4-4 通気層内挙動の把握
測定ケース別の通気層内風速注 4)及び排熱量を図 12 に示
す。通気層の通気による排熱量 qcv は単位横幅(1m)あた
りの通気量 Q[m2/s]を用いた次式より算出した文 3)。
Q  d v
qcv  c p    Q out   in  / l
c p : 空気の定圧比熱 [ J / kg  K ] 、 : 空気密度 [kg / m 3 ]( 1.2)
 out : 通気層出口温度 [C ] 、 in : 通気層入口温度 [C ]
l : 通気層の長さ [m] 、d : 通気層の厚さ
[m] 、v : 通気層風速 [m / s]
通
層
CaseⅢ-2(アルミ有)
62.9(66.1)
通気層内熱収支の仮定
気
12
部材間温度分布(面状発熱体 60℃)
66.7(67.3)
65
 : 各部材の熱伝導率 [W / m  K ]、 : 各部材厚さ [m]
図11
85
148
148
22
qr   12Cb T  T
 12  1 / 1 /  1  1 /  2  1
q2
4
1
1615 20
30 12
26.7
60
50
0.3
40
0.2
30
20
0.1
10
0
Ⅱ-1
Ⅲ-1
Ⅱ-2
Ⅲ-2
Ⅱ-3
Ⅲ-3
(アルミ無)(アルミ有)(アルミ無)(アルミ有)(アルミ無)(アルミ有)
図12
通気層内風速及び排熱量
0
通気層排熱量[W/m2]
 so
1
qr
75
33.4
(34.8)
23.1(22.5)
q1  1  so  1  /  1
q 2  2  2   3  /  2
放射熱伝達量の算出式
q1
27.0
1615
実測値
部材間温度[℃]
qcv 2
33.7
148
図8
75
33.3
(31.0)
33.9
27.0
単位[mm]
29.2
44.4 (30.7)
(54.9)
29.4
(32.6)
30.1
(29.8)
34.0
(31.5)
33.5
25
部材間温度[℃]
qcv1
56.4(57.0)
30.7
(29.2)
45
57.0(57.3)
60.4
(60.3)
56.8(58.3)
貫流熱量の算出式
断
熱
材
qcv
60.0
(59.9)
55
26
外
装
材
実測値温度(計算値温度)
計算値
75
部材間温度[℃]
実測値と物性値から算出した各部材間温度を比較した。
実測値は、1 階高さ中心の熱電対の値を用いた。なお、図
中の括弧無の数値を実測値、括弧付を計算値とする。
図 8、9 に夏期実験結果を示す。通気層有無(CaseⅠ・
Ⅱ)の Case を比較すると、通気層断熱材側において Case
Ⅰ(通気層無)の実測値は計算値を上回っているが CaseⅡ
(同有)では実測値が計算値を下回っており、通気層によ
る壁体性能の向上がみられた。またアルミ有無(CaseⅡ・
Ⅲ)の Case では、CaseⅢ(アルミ有)の通気層断熱材側で
CaseⅡ(同無)以上に実測値と計算値に差が生じており、
室内放射熱環境の改善がみられた。アルミ面で輻射熱成
分を除去し通気層で排熱することにより、壁体システム
全体では実際の熱貫流率以上の性能が発揮されていた。
図 10 に冬期実験結果を示す。通気層断熱材側において
CaseⅣ-1 の実測値と計算値に差が見られなかったが、Ⅳ2 では 3℃の差がみられた。アルミ面で輻射熱伝達を抑制
し、見かけの断熱性能が上がったものと考えられる。
4-3 通気層内伝熱の算定方法
通気層内の熱伝達現象に関して、日射が入射する外表
面材を加熱面とした垂直平行平板間における自然対流現
象として、図 11 文 2)のようにモデル化した。各壁体の貫流
熱量は部材間温度データと物性値より算出し、放射熱伝
達量は各壁面の表面温度から平行 2 平面間の有効放射率
を用いて求めた。また対流熱伝達量は各壁面の貫流熱量
と放射熱伝達量の差より算出した。
工法別でみると、CaseⅢの風速は CaseⅡに比べて総じ
て大きく、発熱温度が同じ場合では CaseⅡの 1.4~1.8 倍
程度の排熱量が CaseⅢの通気層内で生じていた。
4-5 通気層の排熱・伝熱特性
図 11 の算出式より求めた通気層内熱収支を図 13 に示
す。なお図示している通気層の熱収支は、通気層下端か
ら 0.5、1.4、2.3m(下端から上端までは 2.75m)の測定
点における実測値から算出したものである。
5.まとめ
ウレタン遮熱工法の性能評価を目的として、建物規模
実測により実気象下の性能を把握し、基本的な排熱・伝
熱特性を検証した。得られた知見を以下に示す。
1)実気象下での通年実測結果では、アルミの放射熱伝
達量の抑制による通気層温度の上昇がみられ、年間を通
した日較差の緩和や冷房消費量の削減がみられた。
2)部材間温度分布の結果より、ウレタン遮熱工法のア
高さ方向でみると、下層部では全 Case において両側面
ルミ面の実測値と計算値で差が見られ、特に夏期で充填
からの対流熱伝達量が大きく、断熱材への侵入熱量は小
断熱工法より室内側表面温度が有利側に働いており、熱
さい。対流熱伝達量は通気層温度と表面温度差に起因す
貫流率の不利に反し室内放射熱環境の改善がみられた。
るため、下層部は外気の影響により通気層が低温となり、 3)排熱・伝熱特性の検証結果より、通気層内の低放射
率化により放射熱伝達量が大幅に抑制される一方で、断
対流熱伝達が促進されたと考えられる。また中・上層部
熱材側で対流熱伝達による熱吸収が働いていた。しかし
をみると、CaseⅠでは空気層内の高温となった空気から
の対流熱伝達により、断熱材側への熱移動がみられるが、 ながら、排熱量の増加により断熱部への侵入熱量の削減
がみられ、見かけの熱貫流率でも大幅に改善されていた。
CaseⅡでは排熱方向に対流熱伝達が働いていた。CaseⅢ
では、通気層の低放射率化により放射熱伝達量が大幅に
表5 実験結果
削減されるとともに対流熱伝達量が大きくなり、断熱材
排熱量
熱貫流率 見かけの熱貫流率 熱抵抗値増分 通気層内風速
Case 放射率
[W/K・㎡]
[W/K・㎡]
[m/s]
[W/K・m 2]
[W/m 2]
側への侵入熱量が削減されていた。しかし、CaseⅠと同
Ⅰ-1
0.52
0.48
0.18
0.00
0.00
様に対流熱伝達による断熱材側への熱移動が働いており、 Ⅰ-2 0.9
0.52
0.51
0.05
0.00
0.00
Ⅰ-3
0.52
0.51
0.04
0.00
0.00
遮熱材を導入する際は、放射率として計算に組み込むだ
Ⅱ-1
0.52
0.47
0.24
0.22
12.7
0.9
Ⅱ-2
0.52
0.50
0.10
0.24
27.8
けでなく、再吸収等も考慮に入れることが重要である。
Ⅱ-3
0.52
0.46
0.24
0.28
41.5
Ⅲ-1
0.95
0.44
1.22
0.28
17.3
また表 5 より、壁体全体からみる見かけの熱貫流率で
Ⅲ-2 0.03
0.95
0.44
1.21
0.40
42.1
Ⅲ-3
0.95
0.42
1.31
0.47
67.3
は大幅な改善がみられ、充填断熱工法よりも優れていた。
2.75
-8.8
-6.5
2.3
25.4
31.9
76.1
73.7
通気層高さ[m]
2.2
28.5
19.7
-11.0
-9.6
100
12.8
26.3
82.9
53.1
45.6
100
46.9
0
100
通気層
17.1
56.9
11.3
通気層
3.1
5.6
5.0
95.6
91.4
97.6
100
100
59.0
17.0
32.9
100
通気層
25.1
58.5
41.2
100
-12.1
100
35.9
38.5
41.0
-2.6
83.0
10.8
82.2
96.9
29.9
0.5
32.6
18.3
95.0
100
94.4
88.7
43.1
1.9
74.9
-5.9
23.7
22.3
41.8
64.1
100
5.9
100
61.5
-17.8
23.9
27.6
67.4
100
100
16.7
13.8
94.1
-16.4
100
76.3
87.2
19.5
-13.8
24.6
81.7
98.7
58.2
100
100
83.3
1.4
-22.4
100
100
86.2
97.8
80.3
77.7
72.4
75.4
71.5
68.1
74.6
17.8
通気層
41.5
通気層
8.6
-2.0
2.4
4.4
通気層
CaseⅠ-2(通気層無) CaseⅡ-2(通気層有) CaseⅢ-2(アルミ有) CaseⅠ-3(通気層無) CaseⅡ-3(通気層有) CaseⅢ-3(アルミ有)
図13
高さ方向における通気層内熱収支
注釈
1)扉の影響を考慮に入れないため、室内側に断熱材、屋外側にア
ルミを貼る仕様とした。
2)外気温度データは、大津市のアメダスデータを使用した。
3)夏期 Case では、小屋裏を白熱灯により 45℃に制御した。測定機
器の凍結及び空調機の制約条件より、冬期外気条件を 7℃とした。
4)風速及び温度は、通気層上下端部から 150mm 地点で測定した。
参考文献
1)近本智行ら:通気層とアルミ反射材の複合工法による熱負荷低
減効果の検証(その 1),日本建築学会大会学術講演梗概集,2012.09
2)石原修ら:外張断熱通気工法における壁体内通気層の熱・通気
特性に関する研究,日本建築学会論文集 NO.502, p29-36,1997.12
3)赤坂裕、武田和大:通気層を有する外壁、屋根の遮熱・断熱効
果の計算法,日本建築学会論文集 NO.595, p33-40,2005.09
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