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ITU-R SG4(衛星業務)関連WP(第3回)会合報告 - ITU-AJ

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ITU-R SG4(衛星業務)関連WP(第3回)会合報告 - ITU-AJ
ITU-R SG4(衛星業務)関連WP(第3回)会合報告
SG4/WP会合日本代表団
(総務省 総合通信基盤局 電波部 衛星移動通信課)
1.はじめに
2.WP4A会合
2013年4月25日から5月10日の16日間にわたり、スイス国
WP4Aは、固定衛星業務(FSS)及び放送衛星業務
ジュネーブ市のITU本部において、衛星業務に関する審議を
(BSS)の効率的な軌道及び周波数利用に関する問題を扱う
所掌とするITU-R(無線通信部門)SG4(Study Group 4;
作業部会であり、Mr. J. Wengryniuk(米国)議長の下、表
第4研究委員会)のWP(Working Party)会合が開催され
1の体制で審議を行った。
たので、その概要を報告する。
今回は、WP4Cが4月25日∼5月1日に、WP4Bが4月29日
2.1 WRC-15議題1.6.1及び1.6.2(SWG 4A1a)
∼5月3日に、WP4Aが5月2日∼10日に開催され、約40か国
議題1.6は、Ku帯におけるFSSの追加分配を検討するもの
から延べ422名(WP4C:119名、WP4B:91名、WP4A:
であり、議題1.6.1では10-17GHz帯(第一地域)を、議題
212名;数値は名簿上の登録者数)が出席した。我が国から
1.6.2では13-17GHz帯(第二地域;アップリンクのみ)を検
は、総務省、国土交通省、KDDI(株)
、ソフトバンクモバ
討する。今会合では、昨年9月のWP7Cに我が国が入力した
イル(株)
、
(株)日立製作所、日本無線(株)
、スカパー
10.6-10.68GHz帯地球探査衛星業務(EESS)
(受動)とFSS
JSAT(株)
、
(株)放送衛星システム、
(一財)航空保安無
の共用検討結果がWP7Cから入力され、米国やルクセンブル
線システム協会、
(独)情報通信研究機構、
(独)宇宙航空
クからはFSSの技術的特性等が入力された。FSSの技術的特
研究開発機構から計19名が参加した。
性や被干渉システムの技術的特性、周波数共用検討に係る
表1.WP4Aの審議体制
WP/SWG
WP4A
Group 4A1
検討案件
議長
FSS及びBSSの効率的な軌道及び周波数利用
Mr. J. Wengryniuk(米国)
WRC-15議題1.1、1.2、1.6、課題1.9.1、FSS/FSS共用、FSS業務間共用
関係
Mr. D. Jansky(米国)
Mr. P. Van Niftrik
(SES WORLD SKIES)
SWG 4A1a
WRC-15議題1.6.1、1.6.2(FSSの新規分配の検討)
SWG 4A1b
WRC-15課題1.9.1(FSS 7/8GHz)
Mr. J. Conner(米国)
SWG 4A1c
WRC-15議題1.1、1.2(IMT/モバイルブロードバンド)
Mr. P. Hovstad(AsiaSat)
SWG 4A1d
FSSの業務間の共用問題
Mr. H. Henriques(米国)
Ad-hoc 4A1-1
ITU-R勧告S.1503-1関係
Mr. J. Pahl(英国)
WRC-15議題1.5、1.7、1.8、1.17、課題9.1.5、9.1.8、AP 30/30A/30B、
BSS及び地球局問題
Mr. P. Hovstad(AsiaSat)
SWG 4A2a
WRC-15議題1.5(UAS)
Mr. H. Kuhlen(ドイツ)
SWG 4A2b
WRC-15議題1.8(ESV)
Mr. I. Mokarrami(イラン)
SWG 4A2c
地球局問題
SWG 4A2d
WRC-15議題1.7(non-GSO FSS/ARNS)
Mr. D. Weinreich(米国)
SWG 4A2e
移動体プラットフォーム上の地球局(ESOMPs)
Ms. E. Neasmith(カナダ)
Ad-hoc 4A2-1
AP 30B関係
Mr. S. Blondeau(ルクセンブルク)
Ad-hoc 4A2-2
BSSの受信アンテナパターン関係
Ms. E. Alexandrova(ブルガリア)
WRC-15議題7、課題9.1.2関係
Mr. J. Wengryniuk(米国)
Group 4A2
WG of 4A Plenary
Mr. S. Doiron
(Hughes Network Systems)
ITUジャーナル Vol. 43 No. 8(2013, 8)
39
会合報告
審議の結果、各地域におけるFSSの周波数の使用を評価す
る新報告草案S.[R1.FSS]及びS.[R2R3.FSS]へ向けた作業文
2.5 WRC-15議題7(SWG 4A2d)
議題7は、衛星調整手続の見直しを検討するものであり、
書が作成された。また、米国の主張により、10-17GHz帯の
前会合(昨年9月)で作成した作業文書及び今会合へのロシ
FSSのパラメータとFSSの普及情報をまとめた新報告草案
ア提案に基づき、衛星網の使用に関する情報をITUのwebサ
S.[FSS.DEPLOYMENT]へ向けた作業文書が作成された。
イト上で公開することに関するITU-RのWorking Party of
the Special Committee(WP-SC;本年12月開催予定)へ
2.2 WRC-15議題1.7(SWG 4A2d)
議題1.7は、無線通信規則(RR)脚注5.444Aにおいて、
の連絡文書を作成し、送付した。また、今会合では、衛星
手続の現在の問題点を指摘したイランの寄与文書が入力さ
2018年1月1日前まで、移動衛星業務(MSS)の非静止
れ、次回以降継続審議するため、特に(作業文書や勧告草
(NGSO)衛星システムのフィーダーリンクに限り一次分配
案等といった)ステータスのない文書として議長報告に添付
が認められているFSS帯(地球から宇宙)の使用を見直すも
された。
のであり、米国やカナダを中心にこの期限の無期限化が検討
されてきた。今会合でも両国から寄与文書が入力され、これ
らに基づき、CPM(WRC-15へ向けたITU-Rの準備会合)の
報告書案(以下、
「CPM報告書案」
。
)が更新された。
2.6 WRC-15課題9.1.2(SWG 4A2d)
課題9.1.2は、RR第9.7号に従う衛星調整に関するRR第
9.41号の適用に使用される技術基準及び衛星の調整軌道弧
の縮小を検討するものである。前会合において、RR第9.41号
2.3 WRC-15議題1.8(SWG 4A2b)
の適用時に用いられる技術基準に関する作業文書がまとめら
議題1.8は、船上地球局(ESV)の規定(決議第902で規
れたが、単一無線局から入力される許容可能な混信に関す
定されているESVと低潮線間の最小距離やESVのアンテナ径
る記述について合意が得られていなかった。そのため、我が
等)の見直しを行うものである。今会合においては、WP5C、
国から本記述を正確なものとするための提案を行った。ロシ
イラン及びロシアから、ESVが同一帯域の地上業務に及ぼす
アからも修正提案がなされ、審議の結果、全提案が作業文
干渉を評価した新報告草案S.[ESV]へ向けた作業文書中の
書に反映された。衛星の調整軌道弧の縮小に関しては、前
各項目に対して意見を述べた文書(ESVの新技術の明確化
回同様、米国が縮小は不要との意見を主張したが、フラン
やESVの規定の見直しに係る既存ITU-R勧告の見直しの必要
スやロシアが米国に反論したため結論は得られず、今会合は
性等を指摘した文書)が入力された。そこで、今会合では、
審議模様を議長報告に添付するにとどまった。
WP5C、イラン及びロシアの意見を作業文書に入れ込むため
の作業を行い、次回会合において詳細を審議をすることとな
った。
2.7 WRC-15課題9.1.5(SWG 4A1c)
課題9.1.5は、第一地域における固定衛星業務地球局
(3.4-4.2GHz帯)支援に関する検討を行うものである。これ
2.4 WRC-15議題1.9.1(SWG 4A1b)
まで寄与文書が入力されず、WP4Aで審議されることはなか
議題1.9.1は、7/8GHz帯におけるFSSの追加分配を検討す
ったが、今回、初めて1件の寄与文書が入力された(ICAO
るものである。今会合では、WP7B(本年4月)で取りまと
からのCPM報告書案の提案)
。しかし、詳細審議は次回会
められた新報告草案S.[FSS 7/8GHz Compatibility]へ向け
合へ持ち越された。
た作業文書の素材(宇宙研究業務(SRS)とFSSの共用検
討結果等)が入力された。また、米国やロシア等から固定業
務(FS)とFSSの共用検討結果が、フランスからSRSやFSS、
2.8 VSAT関連(SWG 4A2c)
前会合では、WP4AとWP4Bの合同で超小型地球局
EESS等の各業務とFSSとの共用検討結果が入力され、これ
(VSAT)を審議したが、今会合では開催日が先であった
らの文書が作業文書に反映された。なお、WP7Bから、本議
WP4Bが先にVSATの技術・運用特性や使用例等をまとめた
題の検討対象衛星をGSO(静止軌道)に限定するのか等の
新報告草案S.[VSAT]を審議し(WP4Bの審議は本稿第3.1
質問があり(WP7Bの審議は本誌P48を参照)、WP4Aは
節を参照)
、その結果をWP4Aが審議した。WP4Aでは、イ
GSOのみを想定している(ただし、本議題はGSOに限らな
ランが、本文書で(イラン等が反対しているESOMPsを想起
い)こと等を回答する回答文書を発出した。
させる)Mobilityに言及していることに反対したため、本文
40
ITUジャーナル Vol. 43 No. 8(2013, 8)
書がESOMPsとは独立したものであることを確認した上で、
というものであったが、新規にVSATの定義や(イラン等の
我が国等の修正提案に基づき、本文書の記述をより一般的
反対によりWP4Aでの審議が停滞しているESOMPsを想起
なものに修正した。その結果、本文書は新報告案へ格上げ
させる)
“mobile platform”という文言を追加するなど、と
され、SG4(本年10月開催予定)へ上程された。
ころどころで米国の意図らしきものが垣間見られる内容であ
った。実際、VSATの定義は大きな議論となった。だが、
WP4A議長の仲裁もあり、最終的には米国提案を反映せず
2.9 ESOMPs関連(SWG 4A2e)
前会合でKa帯のFSSを用いたGSOの移動プラットフォー
に新報告草案がまとめられた。また、本文書を新報告案へ格
ム上地球局(ESOMPs:Earth Stations On Mobile Plat-
上げするための最終確認をWP4Aへ要請する連絡文書が発出
forms)の技術・運用要件の勧告化が米国から提案された
された(当該審議を引き継いだWP4Aの審議結果は本稿第
が、ESOMPsがRRにおけるFSSの定義に合致しないこと等
2.8節を参照)
。
を理由にイランが反対し、問題点をまとめた作業文書が作成
されていた。しかし、これに応える寄与文書は入力されず、
3.2 IMT衛星コンポーネント(SWG 4B2)
米国や英国等が対象帯域を地上業務に分配されていない周
今会合では、これまでの検討結果として、IMT-Advanced
波数帯に限定した新勧告の策定を提案した。これにはイラン
衛星の評価等をまとめた新報告草案M.[SAT-IMT-OUT-
が強い反対を示したが、最終的には新[ガイドライン勧告]草
COME]及びIMT-Advanced衛星コンポーネントの技術特性
案へ向けた作業文書という形式の文書が作成され、今後、
をまとめた新勧告草案M.[IMT-ADVANCED-SAT]が作成さ
詳細が審議されることとなった。また、米国等からGSOの
れた。前者については次回SG4会合へ上程されたが、後者に
ESOMPsに関する新報告やNGSOのESOMPsの免許方針に
ついては、我が国の指摘により、本勧告草案中で用いている
係る新報告の策定が提案されたが、これらの提案を基に、今
LTEという用語の商標権に係る問題や本勧告草案で3GPPの
後それぞれ既存のITU-R報告S.2223とS.2261を改訂すること
規格を引用することに知財問題を含んでいることが判明した
となった。
ため、本勧告草案を新勧告案へ格上げしてSG4へ上程する
前に、これらの問題点の解決に当たることとなった。
3.WP4B会合
4.WP4C会合
WP4Bは、IPベースのアプリケーション及び衛星によるニ
ュース中継を含むFSS、BSS及びMSSのシステム、無線イン
WP4Cは、MSS及び無線測位衛星業務(RDSS)の軌道
ターフェース、性能及び信頼性目標に関する問題を扱う作業
及び周波数有効利用に関する問題を扱う作業部会であり、
部会であり、Mr. D. Weinreich(米国)議長の下、表2の体
Mr. A. Vallet(フランス)議長の下、表3の体制で審議を行
制で審議を行った。
った。
3.1 VSAT関連(SWG 4B1)
4.1 WRC-15議題1.9.2(SWG 4C2)
日本及びロシアから新報告草案S.[VSAT]を新報告案へ格
議題1.9.2は、7/8GHz帯における海上移動衛星業務
上げすることが提案されたが、米国から本文書の大幅な修正
(MMSS)の追加分配を検討するものである。今会合では、
が提案された。米国提案の趣旨は文書全体を読みやすくする
フランス及び米国からMMSSとFSの共用検討結果が、フラ
表2.WP4Bの審議体制
WP/SWG
検討案件
議長
FSS、BSS及びMSSのシステム、無線インターフェース、性能及び
信頼性目標
Mr. D. Weinreich(米国)
SWG 4B1
衛星のアクセス手順及びVSAT関連
Mr. F. Zitchy(米国)
SWG 4B2
IMT衛星コンポーネント
Mr. D. Weinreich(米国)
SWG 4B3
他の課題
Mr. H. Kuhlen(ドイツ)
WP4B
ITUジャーナル Vol. 43 No. 8(2013, 8)
41
会合報告
表3.WP4Cの審議体制
WP/SWG
WP4C
検討案件
議長
MSS及びRDSSの軌道及び周波数有効利用
Mr. A. Vallet(フランス)
SWG 4C1
航空移動衛星(R)業務(AMS(R)S)
(決議422(WRC-12)関係)
Mr. P. Deedman(英国)
SWG 4C2
MSSの追加分配(WRC-15議題1.9.2及び1.10関係)
Mr. E. Jacobs(米国)
、
M. K. Al Awadi(UAE)
SWG 4C3
400 MHz帯周辺のMSS(WRC-15議題9.1.1関係)
Mr A. Guérin(フランス)
SWG 4C4
RDSS関係
Mr. T. Hayden(米国)
ンス及び韓国からMMSSとEESSの共用検討結果が、ロシア
基準を追加するための改訂提案があり、同勧告の改訂草案
からMMSSと既存業務の共用検討結果が入力された。また、
が作成された。加えて、今会合ではフランス及びカナダ提案
本年4月のWP7Bで取りまとめられたMMSSとEESSの共用
に基づきCPM報告書案が作成された。
検討結果やMMSSの不要発射とSRSの共用検討結果も入力
され、これらの文 書 が新 報 告 草 案 M.[MMSS 7/8GHz
SHARING]へ向けた作業文書に反映された。なお、WP7B
4.4 AMS(R)Sの周波数要求量計算手法(SWG 4C1)
決議第422に応える航空移動衛星(R)業務(AMS(R)
から、本議題の検討対象衛星をGSOに限定するのか等の質
S)の周波数要求量計算手法の勧告化作業は、前回会合に
問があり、現時点ではGSOを想定している(ただし、本議題
おいて計算手順の大部分の合意は得られたものの、計算の基
はGSOに限らない)こと等を回答する文書を発出した。
礎となる航空機地球局(AES)数の計算法に関して、我が
国、英国及び米国/カナダ提案の三つの異なる計算法が合意
4.2 WRC-15議題1.10(SWG 4C2)
されなかったために一部の項目について継続検討とされてい
議題1.10は、22-26GHz帯におけるMSSの追加分配を検討
た。今会合では早期に勧告を成立させるという各国共通の認
するものである。今会合では、中国及びロシア提案に基づき、
識が形成され、AES数の計算法が一つに絞られて作業文書
22-26GHz帯のMSSの周波数要求量に関する新報告草案
が新勧告草案へ格上げされた。本文書は次回SG4会合に向
M.[MSS KA_REQ]へ向けた作業文書が作成され、今後、
けて勧告案の合意を目指す。なお、AMS(R)Sの新規シス
2030年に向けた具体的な周波数要求量やその計算のベース
テムが導入された場合には他の計算方法も有効であることか
となる前提条件等が検討されることとなった。
ら、勧告本文に今後の検討を促す記述が追加された。
また、ロシアから入力されたMSSと既存の固定業務(FS)
間の共用検討結果やロシア及び米国から入力されたMSSと
衛星間業務(ISS)間の共用検討結果、UAEから入力され
た共用検討用のシステム特性が、MSSと既存業務間の共用
4.5 RNSSシステム特性(ITU-R勧告M.1787-1の改訂)
(SWG 4C4)
ITU-R勧告M.1787-1は、各無線航行衛星業務(RNSS)
検討に関する新報告草案M.[MSS SHARE]へ向けた作業文
のシステム特性を記載する勧告である。本勧告のAnnex 1か
書へ反映された。
ら10までに米国GPSや欧州Galileo等の各RNSSのシステム特
性が記載されており、Annex 4に日本の準天頂衛星システム
4.3 WRC-15課題9.1.1(SWG 4C3)
(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)が記載されている。
課題9.1.1は、406-406.1MHz帯のコスパス・サーサット・
前会合において、我が国からQZSSの体制を全衛星3機から7
システムの保護を検討するものであり、米国やフランス等の
機とするための提案を行い、同Annexの改訂作業が開始され
提案に基づき、当該帯域の保護に関する新報告草案M.[AI_
ていた。今会合では、我が国はバックアップ衛星2機を追加
9.1.1]へ向けた作業文書が更新された。また、フランス及び
し(総衛星数は9機)
、L5S信号を追記する提案を行った。我
ESAから、コスパス・サーサットの捜索救助装置の保護基準
が国の提案は全て受け入れられ、作業文書が勧告改訂草案
に関するITU-R勧告M.1478-2にGALILEO中軌道衛星の保護
へ格上げされた。
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ITUジャーナル Vol. 43 No. 8(2013, 8)
4.6 RNSS干渉評価方法(ITU-R勧告M.1831の改訂)
のスケジュールで開催される予定である。
・9月25日(水)∼10月1日(火) WP4C
(SWG 4C4)
ITU-R勧告M.1831はRNSSシステム間の干渉量の評価方
・9月30日(月)∼10月4日(金) WP4B
法を規定する勧告である。前々会合(昨年5月)において、
・10月2日(水)∼10日(木)
WP4A
米国から、C/Aコード(Coarse Acquisition code、コード周
・10月11日(金)
SG4
期は1 msec)におけるSSC計算において、積分時間が1
なお、CPM報告書案の提出期限(2014年8月15日(金)
)
msecより大きい受信機の場合は異なる結果が出ることを指
に合わせ、来年前半は2回開催される予定である。
摘する寄与文書が入力され、前会合において、本勧告の改
訂草案が作成されていた。今会合においては、日本提案に基
6.おわりに
づき、C/AコードのSSCの計算例に対して、技術的な背景を
より詳細かつ正確に記述するための修正を行い、次回会合へ
向け、引き続き勧告改訂草案が検討されることとなった。
CPM報告書案の提出期限に向け、今後、審議が加速化
される見通しである。そのため、我が国としても、限られた
時間とリソースの範囲内で効率的かつ効果的な対応を図る
ための戦略を練っていきたい。最後になったが、日本代表団
5.次回会合予定
次回のSG4ブロック会合は本年秋に予定されており、以下
全員に多大な尽力をいただいた上、本稿執筆においても御協
力をいただいたことに、この場を借りて深く感謝申し上げる。
マリー・テレーゼ・アラジュアニ女史の逝去
ITUはマリー・テレーゼ・アラジュアニ女史(1950-2013)の逝去を謹んでお伝えする。
マリー・テレーゼは有能かつ多才で、ITUの幾つもの仕事に多大なる貢献をしてきた。その
業績は彼女の親しみやすい顔とともによく知られていた。マリー・テレーゼはITUのいろいろ
なグループを広い見識と情熱で率いてきた。彼女と行動を共にした各国代表団の人々や同僚
にとって彼女の突然の逝去は大変寂しいことである。
マリー・テレーゼは母国フランスで電気通信 郵便監督庁(ARCEP)の設立に尽力し、電気
通信分野の公共政策について国内外で中心的な役割を果たしてきた。この業績を称え、2013
年1月1日にはフランスのレジオン・ドヌール・シュバリエ勲章の栄誉が授けられていた。
2001年以来、ARCEPの国際標準化活動を調整する責任者で、国際会議においてフランス代
表団のトップとして困難な問題に対しいつも公正な立場で有益な提案をするなど、会議の推進に貢献してきた。
マリー・テレーゼはITU-Tの研究委員会(SG)の最初の女性議長で、2004年から2012年まで国際電気通信の番号プラ
ンを担当するSG2の議長として精力的にリードしてきた。女史は2002年、2006年、2010年開催のITU全権委員会議、2010
年の世界電気通信開発会議(WTDC-12)
、2012年の国際無線通信会議(WRC-12)
、2004年、2008年、2012年の国際電
気通信標準化会議(WTSA-04、WTSA-08、WTSA-12)
、また2012年のITU世界国際電気通信会議(WCIT-12)の各会議に
おいては編集委員会の議長を務めた。さらに2000年の国際電気通信標準化会議(WTSA-2000)では副議長も務めている。
マリー・テレーゼは物理学科で製造業会社マネジメント分野のエンジニア学位を取得、さらに電気通信についても研究
を行った。1975年から2001年まで、フランステレコムに在籍、GSMプログラムや国際標準化の課長補佐を務めた。
また、欧州郵便・電気通信主管庁会議(CEPT)のITU関連事項を取り扱うグループにおいても積極的に活動した。特
にCEPTのWTSAへの対処の準備を行うプロジェクトチームのリーダーとして活躍した。
マリー・テレーゼと活動を共にしてきた人々は皆この喪失を悼んでいる。
ITUに追悼帳が用意されているので女史の御家族に追悼の言葉を記して欲しい。
(ITUウェブサイトより)
ITUジャーナル Vol. 43 No. 8(2013, 8)
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