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エネルギー分野
エネルギー分野
資源に乏しいわが国が、将来にわたり持続的発展を達成するために
は、革新的なエネルギー技術の開発、導入・普及によって、各国に先
んじて次世代型のエネルギー利用社会の構築に取り組んでいくことが
不可欠である。他方、エネルギー技術開発は、長期間を要するととも
に大規模投資を伴う一方で将来の不確実性が大きいことから、民間企
業が持続的な取組を行うことは必ずしも容易ではない。このため、政
府が長期を見据えた将来の技術進展の方向性を示し、官民双方がこの
方向性を共有することで、将来の不確実性に対する懸念が緩和され、
官民において長期にわたり軸のぶれない取組の実施が可能となる。
先般、策定された「新・国家エネルギー戦略」や「エネルギー基本
計画」においても、エネルギー技術戦略策定の必要性が明記されてい
る。このため、「新・国家エネルギー戦略」が想定する2030年という
長期の時間設定の中で、超長期エネルギー技術ビジョン(2005年10月
策定)を参考にしつつ、2006年11月策定のエネルギー技術戦略マップ
2006をベースとし技術戦略マップ2007を作成した。
2007年5月の総理イニシアティブ「クールアース50」を受け、「世
界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減する」
という長期目標を達成するためのエネルギー分野における革新的な技
術開発について検討をした、「Cool Earth-エネルギー革新技術計画
(2008年3月策定)」【参考資料1】をもとに、足下の2030年頃までの
見通しに変更があったものについては、技術戦略マップ2008において
修正を行った。
エネルギー分野の技術戦略マップ
Ⅰ.検討の手順
技術戦略マップは、政策目標を実現するために必要な技術を要
素技術を含めて抽出した技術マップ、技術開発の進展を時間軸に
沿って示した技術ロードマップ、及び技術開発とそれ以外の関連
施策を併せて示した導入シナリオから構成されている。
本技術戦略マップの作成にあたっては、まず、先般策定された
「新・国家エネルギー戦略」における政策の柱を踏まえ、①総合
エネルギー効率の向上、②運輸部門の燃料多様化、③新エネル
ギーの開発・導入促進、④原子力の利用、そして、⑤化石燃料の
安定供給確保と有効かつクリーン利用、の5つの政策目標を設定
した上で、これらに寄与する主なエネルギー分野の技術を抽出し
た。
①総合エネルギー効率の向上
②運輸部門の燃料多様化
③新エネルギーの開発・導入促進
④原子力利用の推進と
その大前提となる安全の確保
⑤化石燃料の安定供給確保と
有効かつクリーンな利用
次に、抽出した技術を時間軸展開することによりロードマップ
の作成を行い、技術開発及びその成果が導入されるにあたって必
要となる関連施策を整理した導入シナリオの作成を行った。
Ⅱ.技術の特徴付けについて
エネルギー技術分野全体を俯瞰するため、有識者にアンケート
調査を行い、5つの政策目標に対する寄与について定性的な評価
を行った。
評価項目
内
容
政策目標に関する指標
①総合エネルギー
効率の向上
転換部門における「エネルギー転換効率向上」、産業部門における「製造
プロセス効率向上」、民生・運輸部門における「省エネルギー」など、GDP
あたりの最終エネルギー消費指数を向上することに寄与する技術
②運輸部門の燃料
多様化
バイオマス由来燃料、GTL(Gas to Liquid)、BTL (Biomass to Liquid) 、
CTL (Coal to Liquid)などの新燃料、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池
自動車)など、運輸部門の石油依存度を低減することに寄与する技術
③新エネルギーの
開発・導入促進
太陽、風力、バイオマス等を起源とするエネルギーに関連する技術の開
発・導入促進に寄与する技術。また、再生可能エネルギーの普及に資す
る新規技術、エネルギー効率の飛躍的向上に資する技術、エネルギー源
の多様化に資する新規技術など「革新的なエネルギー高度利用技術」も
含む。
④原子力利用の推
進とその大前提と
なる安全の確保
2030年以降においても、発電電力量に占める原子力発電の比率を30∼
40%程度以上とすることに寄与する技術。負荷平準化等、原子力利用の
推進に資する技術や安全確保に資する技術も含む。
⑤化石燃料の安定
供給とクリーン・有
効利用
化石資源の開発・有効利用技術、CCT(クリーン・コール・テクノロジー)な
どのクリーン利用や、資源確保に資する技術
Ⅲ.エネルギー技術全体の俯瞰図について
評価結果を基に、5つの政策目標に対する寄与を示したエネル
ギー技術全体を俯瞰するマップを作成した。
放射性廃棄物処理処分
■地層処分
■余裕深度処分
■浅地中処分
その他革新炉
■超臨界圧水冷却炉、中小型炉 等
高速増殖炉サイクル
■高速炉
■燃料サイクル
高効率発電機
▽超電導発電機
省エネ住宅・ビル
▽☆パッシブ住宅・ビル
電力系統制御
▽★分散電源活用技術
地熱発電
☆地熱バイナリー発電
☆高温岩体発電
☆マイクロ地熱発電
▽●◇省エネ型鉄道
高効率内燃エンジンム
▼●◇ガソリンエンジン
▼●◆ディーゼルエンジン
クリーンエネルギー自動車
▽○◇天然ガス自動車
▼●◆ハイブリッド自動車
▽○◇高性能船舶
石炭利用
○☆◇石炭水素化熱分解技術
③新エネルギーの開発・導入促進
新燃料活用技術
●◇GTL等新燃料と石油の共利用技術
天然ガス利用技術
●◆天然ガス液体燃料化技術(GTL)
○◇天然ガスからの次世代水素製造技術
○◇天然ガス等からのLPガス合成技術
石油精製技術
○◇高度脱硫液体燃料製造技術
• 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術
が寄与する政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、
○:運輸部門の燃料多様化、☆:新エネルギーの開発・導入促
進、□:原子力利用の推進とその大前提となる安全の確保、◇:
化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
• 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、そ
の寄与が大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示
し、技術名は、赤字・下線付きで記載した。
石炭利用
◇低品位炭燃焼技術
◇次世代石炭粉砕技術
◇石炭灰の高度利用技術
◆石炭無灰化技術
◆低品位炭改質技術
◇石炭乾留ガス無触媒改質技術
◇石炭乾留ガス有効利用技術
◇高効率石炭転換技術
ガス供給技術
◇ガス輸送技術
◇ガス貯蔵技術
重質原油利用技術
◆高過酷度接触分解等
重質油高度対応処理技術
重質原油利用技術
○◇低品油からの
高オクタン価ガソリン製造技術
石油精製技術
○◇石油残渣コークス・ピッチからの
◇石油精製ゼロエミッション化技術
水素製造技術
○◆重質油からの合成軽油製造技術(ATL)
天然ガス利用技術
LPガス利用技術
◇天然ガスのハイドレート化
○◇LPG/DME混合燃料利用技術
輸送・利用技術
バイオマス燃料製造
☆◇石炭付加バイオマス燃料製造技術
石炭火力発電
★◇バイオマス・石炭ハイブリッド発電
石炭利用
☆◆石炭ガス化多目的利用技術
新燃料活用技術
●☆◇バイオマス等非在来石油高度活用技術
バイオマス・廃棄物エネルギー利用
○★バイオマス資源供給
電力貯蔵
▽●☆ニッケル水素電池
▼●★リチウムイオン電池
▼○☆キャパシタ
超重質油高度分解・利用技術
◆オイルサンド油等の高度分解・処理技術
◆オイルサンド・ビチュメン等の超臨界水等
熱分解技術
◆オイルサンド・ビチュメン等の高度利用
高度石油利用技術
・活用技術
○◇石油からの水素製造・輸送技術
②運輸部門の
燃料多様化
水素製造
○★◇ガス化水素製造 水素製造
○◇石炭利用CO2回収型水素製造技術
バイオマス燃料製造
○☆◇ジメチルエーテル(DME)
石炭利用
○★◇ガス化BTL製造
○◆石炭液化技術(CTL)
高効率コージェネ
▼☆◇燃料電池コージェネ
燃料電池
▽☆◇リン酸形燃料電池(PAFC)
クリーンエネルギー自動車
▼☆◆溶融炭酸塩型形燃料電池
▼●☆◆プラグインハイブリッド自動車
(MCFC)
▼●☆◇電気自動車
▼★◆固体酸化物形燃料電池
▼●★◇燃料電池自動車
(SOFC)
▽○☆◇水素エンジン自動車
燃料電池
▼●★◇固体高分子形燃料電池
(PEFC)
▽○☆◇ダイレクトメタノール形
燃料電池(DMFC)
石炭開発技術
◆石炭高度生産・選炭技術
◇石炭地下ガス化技術
○◇自動車用新燃料利用技術
○◇自動車燃費向上・排ガスクリーン化燃料技術
▽○◇高効率海運システム ○◇環境負荷低減オフロードエンジン技術
▽○◇高性能航空機
水素輸送・供給
バイオマス燃料製造
○★水素パイプライン
●★アルコール発酵
●☆圧縮水素輸送・供給
●★セルロース系のエタノール化
●☆液体水素輸送・供給
●★バイオディーゼル燃料(BDF)
水力
●☆水素ガス供給スタンド安全対策技術
○☆メタン発酵
☆中小規模水力発電
○☆水素発酵
水素貯蔵
●☆無機系水素貯蔵材料
バイオマス・廃棄物エネルギー利用
水素製造
●☆合金系水素貯蔵材料
☆ごみ固形燃料(RDF)・古紙廃プラ固形燃料(RPF)
○☆固体高分子水電解
○☆炭素系水素貯蔵材料
☆下水汚泥炭化
○☆高温水蒸気電解
○☆有機系水素貯蔵材料
☆バイオマス・廃棄物直接燃焼
●☆アルカリ水電解
バイオマス燃料製造
●☆水素貯蔵容器
★バイオマス・廃棄物ガス化発電
☆バイオマス固形燃料化 ○★光触媒水素製造
風力発電
★陸上風力発電
★洋上風力発電
★マイクロ風力発電
風力発電
★系統への影響抑制技術
水素利用
▽☆水素燃焼タービン
▽☆雪氷冷熱利用
▼◇ガス・石油エンジンコージェネ
▼◇ガスタービンコージェネ
エネルギーマネージメント
▼☆□◇エネルギー利用最適化・負荷平準化技術
高効率送変電
▼☆■◇大容量送電
熱輸送
蓄熱
未活用熱源利用
▽☆潜熱輸送
▽☆潜熱蓄熱
▽☆雪氷熱利用
▽☆顕熱輸送
▽☆顕熱蓄熱
▽☆河川熱利用
▽☆吸収/吸着
▽☆都市排熱利用
高効率空調
による熱輸送
▽☆地中熱利用ヒートポンプ
太陽熱利用
☆太陽熱発電
☆太陽熱利用給湯
☆太陽熱利用空調
▽☆圧電変換
海洋エネルギー利用
☆波力発電
☆潮汐・潮流発電
☆海洋温度差発電
太陽光発電
★結晶Si太陽電池
★薄膜Si太陽電池
★化合物結晶系太陽電池
★薄膜CIS化合物系太陽電池
★色素増感型太陽電池
太陽光発電
★系統への影響抑制技術
電力系統制御
☆電圧制御技術
☆周波数制御技術
☆潮流制御技術
★系統安定化技術
★広域監視制御技術
☆事故復旧技術
電力系統制御
☆□系統保護技術
電力貯蔵
▽☆□NaS電池
高性能パワエレ
▼高効率インバータ
CO2回収
◆CO2燃焼前回収
◆CO2燃焼後回収
◇酸素燃焼CO2回収
非在来型化石資源開発
◆コールベッドメタン増進回収技術 (ECBM)
◆オイルサンド等重質油生産・改質技術
◆非在来型ガス開発・生産回収技術
◆メタンハイドレート資源開発技術
化石資源開発(在来・非在来型化石資源共通技術)
◆油ガス層把握技術
石炭火力発電
◆原油・天然ガス掘削・開発技術
◇微量物質排出削減技術
◇フロンティア地域化石資源掘削・開発技術
先進交通システム
◆原油・天然ガス増進回収技術(EOR・EGR)
▼◇高度道路交通システム(ITS)
◆環境調和型油ガス田開発技術
▽◇人流モーダルシフト
▼◇物流モーダルシフト
▼◆製鉄プロセス
▼◆石油精製プロセス
▽◇セメントプロセス
▼◇非鉄金属プロセス
▼◇ガラス製造プロセス
▽◇セラミックス製造プロセス
▼◇産業間連携
▽◇高効率工業炉・ボイラー
▼◇コプロダクション
省エネ型産業プロセス
▼◆次世代コークス製造法
▽◇新還元溶解製鉄法
▼◇石油化学プロセス
▽◇製紙プロセス
▼◇化学素材プロセス
▽◇組立・加工プロセス
CO2貯留
◆CO2海洋貯留
◆CO2地中貯留
▼◇コンビナート高度統合化技術
⑤化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用
石油精製技術
▽◇省燃費・高耐久性潤滑油開発技術
LPガス利用技術
▽◇LPガス高効率
石炭火力発電
燃焼機器技術
▽◇IGHAT
▼◇A-PFBC
高効率天然ガス発電
▼◆A-USC
▼◆高温ガスタービン
▼◆IGCC
▽◇アドバンスド高湿空気
▼◆IGFC
燃焼ガスタービン発電
▼◆A-IGCC/A-IGFC
▼◆燃料電池/ガスタービン
複合発電 高効率コージェネ
電力貯蔵
▽★新電力供給システム
▽☆超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)
▽☆超電導フライホイール
エネルギーマネージメント
▽☆レドックス・フロー電池
▼☆地域エネルギーマネージメント
未利用微小エネルギー電力変換
▽☆マイクログリッド
▽☆熱電変換
電力貯蔵
▽□可変速揚水発電
高効率送変電
▼省エネトランス
高性能デバイス
▽Siデバイス
▼SiCデバイス
▼窒化物デバイス
▼ダイヤモンドデバイス
▽CNTトランジスタ
▽省エネLSIシステム
省エネ型産業プロセス
▽LSI製造プロセス
高効率空調
▽高効率吸収式冷温水器
▼高効率ヒートポンプ
▼超高性能ヒートポンプ
省エネ型ディスプレイ
▽高効率PDP
▽高効率LCD
▽LEDディスプレイ
▼有機ELディスプレイ
▼省エネ型情報機器
省エネ型ネットワーク通信
▽大容量高速ネットワーク通信・光ネットワーク通信
電力貯蔵
□海水揚水発電
□地下揚水発電
□圧縮空気電力貯蔵(CAES)
軽水炉サイクルから高速増殖炉サイクルへの
円滑な移行のために必要な技術
■回収ウラン転換前高除染プロセス
軽水炉核燃料サイクル
■遠心法ウラン濃縮
■MOX燃料加工
軽水炉
■軽水炉高度化利用
■廃止措置技術
■次世代軽水炉
④原子力利用の推進と
その大前提となる安全の確保
エネルギーマネージメント
▼HEMS
▼BEMS
省エネ型家電
▽省エネ型冷蔵庫・冷凍庫
▽待機時消費電力削減
高効率厨房機器
▽高効率ガスバーナー調理器
▽高効率IH調理器
省エネ住宅・ビル
▼高断熱・遮熱住宅・ビル
▼高気密住宅・ビル
①総合エネルギー効率の向上
高効率照明
▽高効率蛍光灯
▼高効率LED照明
▼有機EL照明
▽次世代照明
高効率給湯器
▼高効率ヒートポンプ給湯機
▽高効率給湯器
▽高効率暖房機器
▽潜熱回収給湯器
エネルギー技術 −俯瞰図−
Ⅳ.技術マップ・技術ロードマップ・導入シナリオの見方
○技術マップ
エネルギー分野全体から2030年頃までに実用化され、5つの政
策目標に寄与すると思われる235個の技術を洗い出し、それぞれ
の政策目標の達成に寄与する技術別に、分類・整理してリストと
して示すともに、下図のように一次エネルギー/二次エネルギー
/最終エネルギー消費のエネルギーの流れ、電気/熱/燃料等の
エネルギーの形態、産業/民生/運輸の需要部門別に整理を行い
図示した。
民生
水素
産業
水素
燃料
電気
熱
燃料
電気
二次エネルギー
自然エネルギー
化石資源
熱
石炭
太陽
一次エネルギー
水力
石油
天然ガス
非在来型化石燃料
水素
海洋
地熱
バイオマス
供給部門
転換部門
原子力
燃料
運輸
エネルギーの流れ
風力
エネルギー輸送
電気
最終需要部門
○技術ロードマップ
それぞれの政策目標達成に寄与する技術について、技術開発を
推進する上で必要な要素技術・課題、求められる機能等の向上、
技術開発フェーズの進展等を時間軸上にマイルストーンとして展
開した(技術スペックの記載にあたっては、分野別推進戦略や他
分野のロードマップを参考とした)。
市場ニーズ・社会ニーズを実
現するためのシステム・プロ
セス・製品などの技術群
性能目標、コスト目標等
エネルギー技術
研究開発段階
実証試験段階
導入段階
普及段階
個別技術
要素技術・課題等
政策目標に対する寄与の評
価が可能なレベルで細分化
した技術
研究開発により、各要素技術
がほぼ確立あるいは課題等が
解決される時期。ただし、導入
時期もあわせ、今後の技術の
進展および技術以外の要因に
より時期は前後する。
技術が実現し、設備・製品が量産化さ
れて市場に導入される時期。通常の
導入支援策を前提とし、経済性、技術
の実現可能性など総合的に考慮。
転換、産業部門などの大型設備は1
号機導入、民生・運輸部門などでは市
場で競合できる時期を表す。
※各ロードマップの線の色は、主として属する技術分野を表す。
緑:省エネ技術 青:新エネ技術 橙:電力・ガス技術
赤:原子力技術 紫:燃料技術
○導入シナリオ
5つの政策目標毎に、国内外の背景、エネルギー政策の動向、
主な技術開発および関連施策、その政策目標を達成するための共
通関連施策について整理した。
Ⅴ.改定のポイント
2007年5月の総理イニシアティブ「クールアース50」を受け、
「世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半
減する」という長期目標を達成するためのエネルギー分野におけ
る革新的な技術開発について検討をした、「Cool Earth-エネル
ギー革新技術計画(2008年3月策定)」【参考資料1】をもとに、
足下の2030年頃までの見通しに変更があったものについては、技
術戦略マップ2008において修正を行った。
Ⅵ.政策目標に寄与する技術の
「技術マップ」・「技術ロードマップ」・「導入シナリオ」
① 総合エネルギー効率の向上
(①−1)目標と将来実現する社会像
1970年代以来、官民をあげて省エネルギーに取り組み、産業構造の転換
や新たな製造技術の導入、民生機器の効率改善等により相当程度の成功を
収めてきた。今後、「新・国家エネルギー戦略」に掲げる、2030年までに
GDPあたりのエネルギー利用効率を約30%向上を実現していくためには、
産業部門はもとより、全部門において、総合エネルギー効率の向上に資す
る技術開発とその成果の導入を促進ことが不可欠である。
(①−2)研究開発の取組み
関連技術を5つ分類した。
○燃料を省く、または効率的に利用することによる製造プロセスの抜本的
な効率化を図るための「超燃焼システム技術」
○余剰エネルギーを時間的・空間的な制約を超えて利用し、エネルギー需
給のミスマッチを解消するための「時空を超えたエネルギー利用技術」
○生活スタイルの変化に伴う民生部門でのエネルギー消費量の増加に対応
し、高効率機器とITとの融合により省エネルギーを図るための「省エ
ネ型情報生活空間創生技術」
○運輸部門のエネルギー消費量の削減に向け、輸送機器の効率化とモーダ
ルシフト等利用形態の高度化により省エネルギーを図るための「先進交
通社会確立技術」
○幅広い分野で使用される半導体等のデバイスの高性能化により省エネル
ギーを図るための「次世代省エネデバイス技術」
なお、省エネルギー技術に関しては、別途とりまとめている。
【参考資料2:省エネルギー技術戦略2008】
(①−3)関連施策の取組み
• 事業者単位の規制体系の導入
• 住宅・建築物に係る省エネルギー対策の強化
• セクター別ベンチマークアプローチの導入と初期需要創出(高効率機器の
導入補助等)
• トップランナー基準の対象機器の拡充等
• アジアにおける省エネルギー対策の推進を通じた我が国の国際競争力向上
• 国民の省エネルギー意識の高まりに向けた取組
(①−4)改訂の主たるポイント
• 大幅な製鉄プロセスからのCO2排出量削減が期待できる「水素鉄鉱石還
元技術」「CO2分離・回収」、「廃熱回収技術」を「製鉄プロセス」の
要素技術として追加した。
• 今後の金属材料の軽量化などに重要と考えられる「高機能チタン合金プロ
セス」等を含む【非鉄金属プロセス】を寄与が大きいと思われる技術に位
置づけた。
• 太陽光発電システムや高機能ディスプレイの普及に伴って需要が大幅に増
大すると考えられるガラスの製造において、「プラズマ等利用インフライ
トメルティング気中溶解)技術」等の【ガラス製造プロセス】を寄与が大
きいと思われる技術に位置づけた。
• 特に産業部門における加熱・乾燥プロセスの効率向上に寄与すると考えら
れる「蒸気生成ヒートポンプ」を【高効率ヒートポンプ】の要素技術とし
て追加した。
• ITの更なる普及や高速ネットワークの普及に伴って大幅に増大すると考
えられるサーバやデータセンター等の省エネが重要と思われ、「省エネ型
情報通信システム(サーバ、データセンター等)」を「省エネ型情報機
器」要素技術として追加した。
• 今後の太陽電池の効率向上に重要と考えられる「多接合化技術」を【太陽
電池】の要素技術として追加した。
• 近年の技術進歩が著しい【有機ELディスプレイ】を寄与が大きいと思わ
れる技術に位置づけた。
• 情報機器や自動車など幅広い分野で利用されるデバイスについて、【Si
Cデバイス】のみでなく、【窒化物デバイス(GaN、AlN)】および
【ダイヤモンドデバイス】も寄与が大きいと思われる技術に位置づけた。
• 最近の技術動向を反映し、【電気自動車】の性能目標等の見直しを行った。
▽●◇省エネ型鉄道
石油
石炭
水素
(電気)
先進交通社会確立技術
▼●☆◆プラグインハイブリッド自動車
▼●☆◇電気自動車
クリーンエネルギー自動車
▼●★◇PEFC
▽☆◇PAFC
▼☆◆MCFC
▼★◆SOFC
燃料電池
▽☆熱電変換
▽☆圧電変換
未利用微小エネルギー電力変換
z 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術が寄与する
政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、○:運輸部門の燃料多
様化、☆:新エネルギーの開発・導入促進、□:原子力利用の推進とその大
前提となる安全の確保、◇:化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
z 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、その寄与が
大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示した。
z 「総合エネルギー効率の向上」への寄与が大きいと思われる技術名を、赤
字・下線付きで記載した。
自然エネルギー
▼●★◇燃料電池自動車
▽○☆◇水素エンジン自動車
クリーンエネルギー自動車
非在来型化石燃料
天然ガス
化石資源
①「総合エネルギー効率の向上」に寄与する技術の
技術マップ(整理図)
▽○◇高性能航空機
▽○◇高効率海運システム
▽○◇高性能船舶
▼●◇ガソリンエンジン
▼●◆ディーゼルエンジン
燃料
▽◇省燃費・高耐久性潤滑油開発技術
高効率内燃エンジンム
運輸
▼◇高度道路交通システム(ITS)
▽◇人流モーダルシフト
▼◇物流モーダルシフト
先進交通システム
▽○◇天然ガス自動車
▼●◆ハイブリッド自動車
クリーンエネルギー自動車
高効率コージェネ
▼◇ガス・石油エンジンコージェネ
蓄熱
▽☆水素燃焼タービン ▼◇ガスタービンコージェネ
▽☆潜熱蓄熱
▼☆◇燃料電池コージェネ 熱輸送
▽☆顕熱蓄熱
▽◇IGHAT
▽☆潜熱輸送
▼◇A-PFBC
▽☆顕熱輸送
未活用熱源利用
(水素)
▽☆吸収/吸着による熱輸送
▼◆A-USC
時空を超えたエネルギー利用技術
▽☆雪氷熱利用
▼◆IGCC
▽☆河川熱利用
▼◆IGFC
熱
▽☆都市排熱利用
▼◆A-IGCC/A-IGFC
石炭火力発電
水素利用
▽★新電力供給システム
▽☆マイクログリッド
▽高効率吸収式冷温水器
▼高効率ヒートポンプ
燃料電池
▼超高性能ヒートポンプ
▽○☆◇DMFC
▽☆地中熱利用ヒートポンプ
▽☆雪氷冷熱利用
▼高効率ヒートポンプ給湯
▽高効率給湯器
▽潜熱回収給湯器
高効率給湯器
高効率空調
▽高効率暖房機器
▽高効率ガスバーナー調理器
▽高効率IH調理器
▼高断熱・遮熱住宅・ビル
▼高気密住宅・ビル
▽☆パッシブ住宅・ビル
省エネ住宅・ビル
省エネ型情報生活空間創生技術
▼HEMS
▼BEMS
▼☆地域エネルギーマネージメント
▼☆□◇エネルギー利用最適化
・負荷平準化技術
民生
▽高効率蛍光灯
▼高効率LED照明
▼有機EL照明
▽次世代照明
高効率厨房機器
▽高効率PDP
▽高効率LCD
▽LEDディスプレイ
▼有機ELディスプレイ
▽省エネ型冷蔵庫・冷凍庫
▽待機時消費電力削減
高効率照明
省エネ型ディスプレイ
省エネ型家電
エネルギーマネージメント
▽大容量高速ネットワーク通信
・光ネットワーク通信
▽□可変速揚水発電
▽☆SMES
▽☆超電導フライホイール
▽☆□NaS電池
▽☆レドックス・フロー電池
▽●☆ニッケル水素電池
▼●★リチウムイオン電池
▼○☆キャパシタ
電力貯蔵
石油精製技術
▼◆高温ガスタービン
▽◇アドバンスド高湿空気
燃焼ガスタービン発電
▼◆燃料電池/ガスタービン
複合発電
▽◇LPガス高効率燃焼機器技術
▽◇高効率工業炉・ボイラー
高効率天然ガス発電
▽超電導発電機
電気
▼☆■◇大容量送電
▼省エネトランス
高効率送変電
▼省エネ型情報機器
省エネ型ネットワーク通信
▽省エネLSIシステム
高性能デバイス
▼高効率インバータ
高性能パワエレ
▽★分散電源活用技術
電力系統制御
高効率発電機
▼◇コンビナート高度
統合化技術
▼◇産業間連携
▼◇コプロダクション
産業
LPガス利用技術
▼◆次世代コークス製造法
▼◆製鉄プロセス
▽◇新還元溶解製鉄法
▼◆石油精製プロセス
▼◇石油化学プロセス
▽◇セメントプロセス
▽◇製紙プロセス
▼◇非鉄金属プロセス
▼◇化学素材プロセス
▼◇ガラス製造プロセス
▽◇組立・加工プロセス
▽◇セラミックス製造プロセス
省エネ型産業プロセス
超燃焼システム技術
▽LSI製造プロセス
▽Siデバイス
▼SiCデバイス
▼窒化物デバイス
▼ダイヤモンドデバイス
▽CNTトランジスタ
高性能デバイス
次世代省エネデバイス技術
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(1/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
①「総合エネルギー
①「総合エネルギー
効率の向上」
効率の向上」
エネルギー安定供給技術
超燃焼システム技術
1101 次世代コークス製造法
1102 製鉄プロセス
1103 新還元溶解製鉄法
1104 石油精製プロセス
1105 石油化学プロセス
1106 セメントプロセス
1107 製紙プロセス
1108 非鉄金属プロセス
1109 化学素材プロセス
1110 ガラス製造プロセス
1111 組立・加工プロセス
1112 セラミックス製造プロセス
高効率工業炉・ボイラー
コプロダクション
産業間連携
コンビナート
高度統合化技術
高効率発電機
水素利用
高効率天然ガス発電
1121 高効率工業炉・ボイラー
1131 コプロダクション
1141 産業間連携
1151 コンビナート高度統合化技術
1161 超電導発電機
3341 水素燃焼タービン
5511 高温ガスタービン
5512 アドバンスド高湿分空気燃焼
ガスタービン発電(AHAT)
5513 燃料電池/ガスタービン
複合発電
LPガス利用技術
石炭火力発電
で示す。
個別技術
環境適合技術
省エネ型産業プロセス
赤字
5532 LPガス高効率燃焼機器技術
5611 石炭ガス化高湿分空気燃焼
ガスタービン発電(IGHAT)
5612 アドバンスド加圧流動床発電
(A-PFBC)
5613 先進超々臨界圧火力発電
技術(A-USC)
5615 石炭ガス化複合発電技術
(IGCC)
5616 石炭ガス化燃料電池
複合発電技術(IGFC)
5617 次世代高効率石炭ガス化
発電技術(A-IGCC/A-IGFC)
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(2/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
①「総合エネルギー
①「総合エネルギー
効率の向上」
効率の向上」
エネルギー安定供給技術
時空を超えたエネルギー
利用技術
1201 ガス・石油エンジンコージェネ
1202 ガスタービンコージェネ
1203 燃料電池コージェネ
エネルギーマネージメント
1211 HEMS (Home Energy
Management System)
1212 BEMS (Building Energy
Management System)
1213 地域エネルギー
マネージメント
1214 エネルギー利用最適化・
負荷平準化技術
1221 大容量送電
高効率送変電
1222 省エネトランス
未活用熱源利用
3251 雪氷熱利用
3252 河川熱利用
3253 都市排熱利用
未利用微少エネルギー
電力変換
燃料電池
3261 熱電変換
3262 圧電変換
3301 リン酸形燃料電池(PAFC)
3302 溶融炭酸塩形燃料電池
(MCFC)
3303 固体酸化物形燃料電池
(SOFC)
3304 固体高分子形燃料電池
(PEFC)
3305 ダイレクトメタノール形燃料
電池(DMFC)
マイクログリッド
新電力供給システム
3501 マイクログリッド
3511 新電力供給システム
電力系統制御
電力貯蔵
3525 分散電源活用技術
3531 可変速揚水発電
3535 超電導磁気エネルギー貯蔵
(SMES)
3536 超電導フライホイール
3541 NaS電池
3542 レドックス・フロー電池
3543 ニッケル水素電池
3544 リチウムイオン電池
3545 キャパシタ
熱輸送
3551 潜熱輸送
3552 顕熱輸送
3553 吸収/吸着による熱輸送
蓄熱
で示す。
個別技術
環境適合技術
高効率コージェネ
赤字
3561 潜熱蓄熱
3562 顕熱蓄熱
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(3/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
①「総合エネルギー
①「総合エネルギー
効率の向上」
効率の向上」
省エネ型情報生活空間
創生技術
1301 高断熱・遮熱住宅・ビル
1302 高気密住宅・ビル
1303 パッシブ住宅・ビル
高効率空調
1311 高効率吸収式冷温水器
1312 高効率ヒートポンプ
1313 超高性能ヒートポンプ
1314 地中熱利用ヒートポンプ
1315 雪氷冷熱利用
高効率給湯器
1321 高効率ヒートポンプ給湯機
1322 高効率給湯器
1323 潜熱回収給湯器
高効率暖房機器
1331 高効率暖房機器
高効率厨房機器
1341 高効率ガスバーナー調理器
1342 高効率IH調理器
高効率照明
1351 高効率蛍光灯
1352 高効率LED照明
1353 有機EL照明
1354 次世代照明
省エネ型ディスプレイ
1361 高効率PDP
1362 高効率LCD
1363 LEDディスプレイ
1364 有機ELディスプレイ
省エネ型情報機器
省エネ型家電
1371 省エネ型情報機器
1381 省エネ型冷蔵庫・冷凍庫
1382 待機時消費電力削減
省エネ型ネットワーク通信
で示す。
個別技術
環境適合技術
省エネ住宅・ビル
赤字
1521 大容量高速ネットワーク通信・
光ネットワーク通信
エネルギー安定供給技術
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(4/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
①「総合エネルギー
①「総合エネルギー
効率の向上」
効率の向上」
先進交通社会確立技術
1401 高度道路交通システム(ITS)
1402 人流モーダルシフト
1403 物流モーダルシフト
高効率内燃エンジン
2101 ガソリンエンジン
2102 ディーゼルエンジン
クリーンエネルギー自動車
2111 天然ガス自動車
2112 ハイブリッド自動車
2113 プラグインハイブリッド自動車
2114 電気自動車
2115 燃料電池自動車
2116 水素エンジン自動車
省エネ型鉄道
高性能船舶
高効率海運システム
2201 省エネ型鉄道
2301 高性能船舶
2302 高効率海運システム
高性能航空機
2401 高性能航空機
石油精製技術
5302 省燃費・高耐久性潤滑油
開発技術
次世代省エネデバイス
技術
省エネ型産業プロセス
高性能デバイス
1113 LSI製造プロセス
1501 Siデバイス
1502 SiCデバイス
1503 窒化物デバイス(GaN、AIN)
1504 ダイヤモンドデバイス
1505 CNTトランジスタ
1506 省エネLSIシステム
高性能パワエレ
で示す。
個別技術
環境適合技術
先進交通システム
赤字
1511 高効率インバータ
エネルギー安定供給技術
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(1/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
省エネ性の向上
21%
23%
1101
生産性向上
従来の3倍
1101 省エネ型産業プロセス
コークス製造コストダウン -18%
-20%
1101
既存コークス炉のリプレース
多目的転換炉
1101
1101
次世代コークス製造法
次世代コークス製造法(SCOPE21)
1101
高反応性新塊成物導入
一般炭・鉄鉱石接着結合技術、フェロコークス製造技術
1101
廃プラ・バイオマス利用技術
1101
副生水素(COG)の利用最適化/水素エネルギーシステム
劣質原料使用技術(石炭)
1101
1101
CO2分離・回収技術
1102
排熱回収技術
1102 省エネ型産業プロセス
1102
溶融還元製鉄法(DIOS)
次世代圧延技術(難加工性特殊鋼等)
創資源・創エネルギー型高炉
1102
1102
製鉄プロセス
革新的電磁鋼鈑技術
高温耐熱耐食鉄鋼材料
劣質原料使用技術(石炭・鉄鉱石)
1102
電磁気力利用鋳造技術
鋳片表層改質による循環元素無害化技術
水素鉄鉱石還元技術
1102
電気炉ダスト回生技術
超微細粒熱延鋼鈑製造技術、回転炉床有用金属回収技術
1102
新焼結プロセス 事前炭化式ガス化溶融プロセス
熱・冷延統合プロセス
1102
高微粉炭比操業下でのダスト排出量低減
断熱型鋳造システム 化学プロセスとのコプロダクション エネルギー(鉄/ガス)併産技術
1102
1103
1103 省エネ型産業プロセス
1103
1103
1103
新還元溶解製鉄法
新還元溶解製鉄法(ITmk3) 直接還元製鉄法(FASTMET)
電炉希釈バージン鉄製造(DRIC)
1103
1103
電炉用HBI製造プロセス
希少金属分離回収技術
1103
断熱型鋳造システム 特殊鋼材高洗浄・高機能化技術
1103
化学プロセスとのコプロダクション
1103
1104
1104 省エネ型産業プロセス
低水素消費型ガソリン脱硫技術 (水素消費率:60%)
1104
高効率プレート熱交換器技術 (CO2削減:2万t/年・基)
1104
1104
石油精製プロセス
コンビナートエネルギー高度利用技術・低位熱回収システム
1104
1104
1104
1104
1104
省エネ型プラスチック製品製造技術(SPM)
1105
気相法ポリプロピレン製造技術(触媒開発)
1105 省エネ型産業プロセス
低エネルギー分解技術(ナフサの接触分解プロセス・膜分離)
1105
1105
1105
石油化学プロセス
内部熱交換型蒸留プロセス(HIDiC)
1105
ガソリン基材・石油化学原料高効率製造技術
1105
古紙等からの化学原料等製造技術、バイオマスからの石油代替成形材料の製造技術
1105
超臨界流体を利用した化学プロセス技術
コプロダクション サステナブル・カーボン・サイクル・ケミストリー(SC3)
1105
分離膜装置による水処理
1105
1106
1106 省エネ型産業プロセス
1106
1106
1106
セメントプロセス
廃棄物原料化技術
1106
省電力ミル
1106
高効率乾燥炉
1106
廃棄物ガス化によるコプロダクション
1106
1106
1107
1107 省エネ型産業プロセス
1107
1107
1107
製紙プロセス
黒液回収ボイラーの高効率化
1107
パルプ化工程の省エネ
植物遺伝子組み換え技術
1107
苛性化工程の効率化
黒液・バイオマスガス化技術
1107
抄紙方法効率化
バイオマスIGCC
バイオマスIGFC
1107
分離膜装置による水処理
バイオマス利用によるコプロダクション
1107
1108
1108 省エネ型産業プロセス
1108
1108
1108
非鉄金属プロセス
加工技術
高効率精錬
材料・複合化材料技術(水素貯蔵材料など)
1108
金属リサイクル技術
熱電発電材料製造技術
1108
合金製造技術(高機能チタン合金プロセス)
高純度金属材料製造技術
1108
断熱型鋳造システム
1108
1108
化学産業のエネルギー
1109
使用量を2005年レベル
1109 省エネ型産業プロセス
の2/3に削減を目指す
1109
プロセス最適化技術(低温・低圧・高選択化、プロセス数削減、マイクロ波利用)
1109
1109
化学素材プロセス
触媒技術
バイオ技術
1109
ガス分離技術
バイオリファイナリー
分子状酸素の利用
1109
エネルギー回収
製鉄とのコプロダクション
1109
マテリアル再利用
SC3の高度利用
1109
分離膜装置による水処理
1109
1110
1110 省エネ型産業プロセス
1110
小規模での実用化
中規模での実用化
大規模での実用化
1110
1110
ガラス製造プロセス
1110
ガラス成形・除冷工程に関する省エネ技術
1110
プラズマ等利用インフライトメルティング(気中溶解)技術
1110
高効率カレット加熱技術 等
1110
1110
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(2/12)
No. エネルギー技術
個別技術
1111
1111 省エネ型産業プロセス
1111
1111
1111
組立・加工プロセス
1111
1111
1111
1111
1111
1112
1112 省エネ型産業プロセス
1112
1112
1112
セラミックス製造
1112
プロセス
1112
1112
1112
1112
1121
1121 高効率工業炉・ボイラー
1121
1121
1121
高効率工業炉・ボイラー
1121
1121
1121
1121
1121
1131
1131 コプロダクション
1131
1131
1131
コプロダクション
1131
1131
1131
1131
1131
1141
1141 産業間連携
1141
1141
1141
産業間連携
1141
1141
1141
1141
1141
1151
1151 コンビナート高度統合技術
1151
1151
1151
コンビナート
1151
高度統合化技術
1151
1151
1151
1151
1161
1161 高効率発電機
1161
1161
1161
超電導発電機
1161
1161
1161
1161
1161
3341
3341 水素利用
3341
3341
3341
水素燃焼タービン
3341
3341
3341
3341
3341
5511
5511 高効率天然ガス発電
5511
5511
5511
高温ガスタービン
5511
5511
5511
5511
5511
5512
5512 高効率天然ガス発電
5512
5512
5512
アドバンスド高湿分
5512
空気燃焼ガスタービン
5512
発電(AHAT)
5512
5512
5512
2010
2015
2020
2025
2030∼
動力回生システム (省エネ率25%)
切削性向上(クーラント装置等)
非鉄金属加工技術
高度機械加工システム
動力回生システムの小型化・他分野への応用
セラミックの製造に
要するエネルギーを
2005年レベルの1/2
に削減を目指す
低温プロセス技術、複合加熱プロセス技術
プリカーサ利用技術
溶媒最適化
完全リターナブル化
ボイラー効率:17%程度向上
工業炉エネルギー効率:約10%∼30%向上
高効率燃焼技術
再生燃焼技術
酸素燃焼技術
伝熱技術
次世代高性能ボイラー
高性能工業炉
ガス化技術(部分酸化法)
原料多様化
高効率化
低コスト化
石油コンビナートのエネルギー有効利用
次世代ガス化技術
製鉄・化学プロセスのコプロダクション
石油精製高度機能融合技術開発
熱ピンチ・エネルギーカスケード利用
物質ピンチ
物質再生産業間連携
IEMS(産業集積地のエネルギー管理システム)
ILEN(産業集積地の地域エネルギー・ネットワーク)
次世代型エネルギー・化学原料併産型高効率ガス化技術
副生成物利用技術
LNG冷熱利用技術
水素統合利用技術
未利用分解留分高度利用技術
未利用分循環再生マルチ処理技術
超電導技術
風力用発電機実証
電力用発電機実証
大容量化
1700℃級GT適用
高効率酸素製造技術
超耐熱材料
送電端効率
52%HHV(1500℃級GT)
56%HHV(1700℃級GT)
コンバインドサイクル(ACC) 高耐熱材料
高耐食材料
超高純度金属材料
燃焼ガス高温化技術
セラミックタービン
1500℃級
高湿分機器(圧縮機、再生器、燃焼器)開発
水素燃焼技術
水蒸気用凝縮器
水蒸気用翼冷却技術
1700℃級
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(3/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5513
送電端効率(HHV)
5513 高効率天然ガス発電
60%HHV(1500℃級GT)
5513
5513
5513
燃料電池/ガスタービン
高温ガスタービン
大容量高温形燃料電池
5513
複合発電
高圧対応スタック・モジュール技術
5513
ハイブリッドシステム技術
5513
耐久性向上
5513
5513
5532
5532 LPガス利用技術
5532
5532
5532
LPガス高効率燃焼
ターボジェット式コンロ燃焼・伝熱技術
5532
機器技術
高効率機器開発
5532
排気ガス処理技術
5532
5532
5532
5611
送電端効率 49%(AHAT)
49%(IGHAT)
5611 石炭火力発電
5611
5611
5611
石炭ガス化高湿分
空気吹き石炭ガス化技術
酸素吹き石炭ガス化技術
5611
空気燃焼ガスタービン
多炭種対応技術
湿分利用ガスタービン技術
5611
発電(IGHAT)
高効率酸素製造技術 乾式ガスクリーニング技術
5611
5611
5611
5612
5612 石炭火力発電
5612
5612
5612
アドバンスド加圧
加圧流動床炉(ガス化炉、脱硫炉、酸化炉)開発
5612
流動床発電
炭種拡大
バイオマス混焼
5612
(A-PFBC)
高温乾式脱硫
5612
脱塵性能向上
5612
5612
5613
5613 石炭火力発電
送電端効率
5613
42%HHV(600℃級)
46%HHV(700℃級)
48%HHV(750℃級)
5613
5613
先進超々臨界圧火力
ボイラー・タービン新合金開発
5613
発電(A-USC)
高温弁開発
5613
高温耐熱鋼溶接技術
5613
5613
5613
5615
送電端効率 41%HHV(250 MW実証機)
5615 石炭火力発電
46%HHV(1500℃級GT・湿式ガス精製)
5615
48%HHV(1500℃級GT・乾式ガス精製)
50%HHV(1700℃級GT・乾式ガス精製)
5615
5615
石炭ガス化複合発電
空気吹き石炭ガス化技術
5615
(IGCC)
多炭種対応技術
高温ガスタービン技術(1700℃級)
5615
高効率酸素製造技術
5615
乾式ガスクリーニング技術
5615
5615
5616
5616 石炭火力発電
プラント規模/送電端効率 実証機(1000 t/d級)
商用機(600 MW級/送電端効率55%HHV)
5616
5616
5616
石炭ガス化燃料電池
多炭種対応技術
酸素吹き石炭ガス化技術 高温形大容量燃料電池
5616
複合発電(IGFC)
乾式ガスクリーニング技術
5616
精密ガスクリーニング技術
5616
高温ガスタービン技術
5616
高効率酸素製造技術
5616
5617
送電端効率
57%HHV(A-IGCC)
5617 石炭火力発電
65%HHV(A-IGFC)
5617
5617
5617
次世代高効率石炭
低温高効率石炭ガス化技術
5617
ガス化発電
高温形大容量燃料電池
5617
(A-IGCC/A-IGFC)
高温ガスタービン技術
5617
5617
5617
1201
1201 高効率コージェネ
1201
1201
1201
ガス・石油エンジン
ミラーサイクルエンジン
マイクロガス/石油エンジン(HCCI方式)
1201
コージェネ
スターリングエンジン
1201
超希薄燃料による高効率化
セラミックエンジン
1201
高圧縮比化による高出力化・コンパクト化
1201
EGR等による低NOx化
1201
1202
1202 高効率コージェネ
1202
1202
1202
ガスタービンコージェネ
熱電可変型ガスタービン、再生サイクルガスタービン、マイクロガスタービン
セラミックタービン
1202
1202
タービン翼製作技術
1202
希薄予混合燃焼技術
1202
排熱利用技術
1202
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(4/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
1203
1203 高効率コージェネ
1203
1203
1203
燃料電池コージェネ
発電効率・総合効率向上
1203
低コスト化、量産化技術
1203
長寿命化
1203
燃料電池技術
PEFC
SOFC
1203
PAFC
MCFC
1203
1211
1211 エネルギーマネージメント
1211
1211
1211
HEMS
1211
(Home Energy
ネットワーク連携制御
最適制御・設計技術
1211
Management System)
需要/供給計測予測技術
1211
エネルギー貯蔵技術
1211
1211
1212
1212 エネルギーマネージメント
1212
1212
1212
BEMS
高効率化・省電力化BEMS
超省エネ型次世代BEMS
1212
(Building Energy
統合化・フレキシブルBEMS
1212
Management System)
ネットワーク連携制御
最適制御・設計技術
1212
需要/供給計測予測技術
1212
エネルギー貯蔵技術
1212
1213
1213 エネルギーマネージメント
1213
1213
1213
地域エネルギー
LEN(Local Energy Network)
CEMS(Cluster Energy Management System)
1213
マネージメント
TEMS(Town Enegy Management System)
1213
HEMS・BEMS協調制御技術
1213
新エネルギーネットワーク化
1213
エネルギー貯蔵技術
1213
1214
1214 エネルギーマネージメント
1214
1214
1214
エネルギー利用
エネルギー利用最適化・評価技術
1214
最適化・負荷
太陽光・風力発電等の供給予測
1214
平準化技術
需要側の負荷平準化技術
1214
系統/分散エネルギーシステム連携制御技術
1214
1214
1221
1221 高効率送変電
1221
UHVC(超高圧交流送電、1,000 kV)
1221
1221
大容量送電
送電電圧の昇圧
長距離大容量送電
1221
送配電ロスの低減
自励式大容量交直変喚器
高効率大容量交直変換器
1221
Y系超電導変圧器
1221
Y系超電導送電
大容量直流送電技術
1221
1221
1222
1222 高効率送変電
1222
1222
1222
省エネトランス
低損失柱上変圧器
超電導変圧器
1222
アモルファス変圧器
1222
1222
1222
1222
3251
3251 未活用熱源利用
3251
3251
3251
雪氷熱利用
直接熱交換冷風循環方式
3251
融解水熱交換冷水循環方式
3251
高効率熱交換方法
3251
搬送動力低減技術
3251
貯雪氷庫の低熱損失化
3251
3252
3252 未活用熱源利用
3252
3252
3252
河川熱利用
ヒートポンプ利用技術
3252
環境影響評価技術
3252
3252
3252
3252
3253
3253 未活用熱源利用
3253
3253
3253
都市排熱利用
ヒートポンプ技術
3253
蓄熱技術
3253
有効利用のための都市基盤整備
3253
3253
3253
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(5/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
3261
3261 未利用微小エネルギー
3261
電力変換
3261
3261
熱電変換
熱電変換効率向上
3261
高性能熱電変換素子
3261
微細加工技術
3261
低コスト化
3261
3261
3262
3262 未利用微小エネルギー
3262
電力変換
3262
3262
圧電変換
圧電変換効率向上
3262
高性能圧電変換素子(Pbフリー)
3262
微細化高技術
3262
低コスト化
3262
3262
3301
システム価格
3301 燃料電池
60∼100万円/kW
30∼60万円/kW
20∼30万円/kW
3301
3301
3301
リン酸形燃料電池
電極触媒技術
3301
(PAFC)
低コスト化
セル・スタック技術
3301
耐久性向上
高電流密度化
3301
適用用途拡大
システム制御技術
3301
3301
3302
システム価格
3302 燃料電池
30∼80万円/kW
20∼30万円/kW
3302
3302
3302
溶融炭酸塩形
電極触媒技術
小規模コジェネ
ガスタービンとの複合発電
3302
燃料電池(MCFC)
低コスト化
セル・スタック技術
CO2分離・回収
3302
耐久性向上
高電流密度化
3302
3302
3302
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(発電装置部。家庭用は貯湯槽を含む想定価格)
3303
小容量(∼数kW、コジェネ)
40%、4万時間、約100万円/kW
>40%、9万時間、<25万円kW(家庭用30∼40万円/kW)
3303 燃料電池
中容量(数十∼数百kW,コジェネ)
42%、4万時間、約100万円/kW
>45%、9万時間、<20万円/kW
3303
ハイブリッド(分散電源・事業用)
約60%、4万時間、数十万円/kW
>60%、9万時間、<10万円/kW
3303
3303
固体酸化物形
劣化機構解明
周辺機器の最適化
小規模コジェネ
中規模コジェネ普及
3303
燃料電池(SOFC)
耐久性向上(4万時間→9万時間)、燃料多様化
ハイブリッドシステム普及
3303
低コスト化(高出力化、新規材料、量産化技術)
ガスタービンとの複合発電
3303
次世代ハイブリッドシステム(高圧運転対応)
CO2分離・回収
3303
3303
3304
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(定置用、kWあたり)
3304 燃料電池
32%、4万時間、数百万円
>34%、>4万時間、<約50万円
>36%、9万時間、<40万円
3304
耐久性向上(4万時間→9万時間、燃料多様化)
3304
3304
固体高分子形
劣化機構解明
家庭用コジェネ
自動車用PEFC
3304
燃料電池(PEFC)
高温・低加湿対応技術
新規直接形PEFC
3304
白金量低減
白金代替触媒
3304
耐被毒触媒
MEA・セパレータ等量産技術
3304
膜内水分制御
3304
3305
エネルギー密度
500 Wh/L
1000 Wh/L
1000 Wh/L
3305 燃料電池
出力密度
100 mW/cm2
200 mW/cm2
200 mW/cm2<
3305
耐久性
5000時間<
1万時間
1万時間<
3305
3305
ダイレクトメタノール形
PC、携帯用
超低クロスオーバー膜
3305
燃料電池(DMFC)
低コスト化
低膨潤膜
3305
耐久性向上
高活性触媒
3305
3305
3305
3501
3501 マイクログリッド
3501
3501
3501
マイクログリッド
太陽光・風力・バイオマスエネルギー利用
3501
需給制御技術
電力・熱融通技術
3501
電力品質維持技術・系統連系制御技術
3501
電力貯蔵技術
3501
蓄熱・熱輸送技術
3501
3511
3511 新電力供給システム
3511
3511
3511
新電力供給システム
自律需給制御
拠点電力貯蔵技術
需要端電力貯蔵技術
3511
多品質供給
電力貯蔵装置協調制御技術
系統との協調制御
3511
分散電源AVR(自動電圧調整)/AQR(自動無効電力調整)技術
3511
分散電源広域出力予測技術
3511
3511
3525
3525 電力系統制御
3525
3525
3525
分散電源活用技術
単独運転防止検出技術高信頼度単独運転防止技術
個別最適運転
高度事故時対応
エネルギーマネジメント協調
3525
分散電源出力予測技術
無瞬断自律運転移行技術
3525
高度単独運転防止検出技術
自立運転制御技術
3525
アクティブネットワーク制御
高機能素子利用インバータ
3525
3525
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(6/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
3531
3531 電力貯蔵
3531
3531
3531
可変速揚水発電
ポンプ水車の高性能化
高性能インバータ
3531
高落差・大容量化
軸受損失の低減技術
3531
3531
3531
3531
3535
3535 電力貯蔵
3535
低コスト化(系統安定化用:5万円/kW以下、負荷変動補償用:14万円/kW以下)
3535
3535
超電導磁気エネルギー
負荷変動補償・周波数調整用SMES(十数kW∼数十kW)
3535
貯蔵(SMES)
系統安定化用SMES
3535
超電導コイル材 (金属系を超える酸化物コイルの高磁場化(Bi系、Y系))
3535
冷凍システムの高効率化(平均故障間隔:5千時間→2万時間以上)
3535
交直変換システム
3535
3536
3536 電力貯蔵
3536
1 MW、50 kWh級実証
1 MW、50 kWh級
3536
3536
超電導フライホイール
軸損失低減(0.5Wkg以下)
大容量化
並列運転制御による大容量化(MWh級)
3536
低コスト化
3536
高信頼化
3536
3536
3536
3541
3541 電力貯蔵
電力品質向上用
3541
負荷変動補償
3541
3541
NaS電池
大型固体電解質管製造技術
3541
セラミックス/金属接合技術
3541
安全設計技術
3541
量産化による低コスト化
3541
3541
3542
3542 電力貯蔵
電力品質向上用
3542
負荷変動補償
3542
3542
レドックス・フロー電池
高性能電解液
3542
効率向上
3542
コンパクト化
3542
低コスト化
3542
3542
3543
3543 電力貯蔵
3543
ハイブリッド車用
負荷変動補償
3543
3543
ニッケル水素電池
高出力密度化
3543
高容量化
3543
自己放電特性改善
3543
長寿命化
3543
3543
3544
3544 電力貯蔵
プラグインハイブリッド車、電気自動車用
3544
モバイル用 ハイブリッド車用
風力・太陽光発電の安定化
3544
3544
リチウムイオン電池
高エネルギー密度化
3544
サイクル性能向上
3544
安全性向上
3544
低コスト化
3544
3544
エネルギー密度 4 Wh/kg(モジュール)
20 Wh/kg(デバイス)
3545
出力密度
1.5 kW/kg(モジュール)
10 kW/kg(デバイス)
3545 電力貯蔵
民生用
3545
電力品質維持用
運輸用
3545
3545
キャパシタ
電気二重層キャパシタ
低コスト化
新概念に基づくキャパシタ
3545
エネルギー密度向上
レドックスキャパシタ
3545
ナノカーボン電極材料
ハイブリッドキャパシタ
3545
3545
3545
3551
3551 熱輸送
3551
3551
3551
潜熱輸送
低温潜熱輸送技術
中温熱バッチ輸送
高温熱バッチ輸送
3551
高温・高密度化
真空断熱材
3551
低コスト化
3551
3551
3551
3552
3552 熱輸送
3552
3552
3552
顕熱輸送
耐熱・高断熱化技術
真空断熱熱輸送
3552
低コスト化
真空断熱材
3552
3552
3552
3552
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(7/12)
No. エネルギー技術
個別技術
3553
3553 熱輸送
3553
3553
3553
吸収/吸着による
3553
熱輸送
3553
3553
3553
3553
3561
3561 蓄熱
3561
3561
3561
潜熱蓄熱
3561
3561
3561
3561
3561
3562
3562 蓄熱
3562
3562
3562
顕熱蓄熱
3562
3562
3562
3562
3562
1301
1301 省エネ住宅・ビル
1301
1301
1301
高断熱・遮熱住宅・ビル
1301
1301
1301
1301
1301
1302
1302 省エネ住宅・ビル
1302
1302
1302
高気密住宅・ビル
1302
1302
1302
1302
1302
1303
1303 省エネ住宅・ビル
1303
1303
1303
パッシブ住宅・ビル
1303
1303
1303
1303
1303
1311
1311 高効率空調
1311
1311
1311
高効率吸収式冷温水器
1311
1311
1311
1311
1311
1312
1312 高効率空調
1312
1312
1312
高効率ヒートポンプ
1312
1312
1312
1312
1312
1313
1313 高効率空調
1313
1313
1313
超高性能ヒートポンプ
1313
1313
1313
1313
1313
1314
1314 高効率空調
1314
1314
1314
地中熱利用ヒートポンプ
1314
1314
1314
1314
1314
2010
2015
2020
真空断熱材
パッケージ化
耐久性改善
低コスト化
潜熱蓄熱材(PCM)
潜熱回収材
空調利用技術
高密度・高温化
季節間利用実証
低損失化
低損失化
躯体化
圧力制御蓄熱
真空断熱材
自己制御蓄熱
2025
2030∼
高エクセルギーバッチ輸送
効率向上
低コスト化
効率向上
低コスト化
熱損失係数 2.7 W/m2・K(Ⅳ地区)
住宅性能表示制度等の整備・拡充・普及
1.6 W/m2・K (欧米並)
低熱伝導率断熱材料(真空断熱材、セラミック膜等)
低熱貫流率窓ガラス 調光ガラス
日射遮蔽
断熱工法、外断熱
相当隙間面積(C値)
2-5 cm2/m2
熱交換換気システム
室内空気室改善技術
揮発性有機化合物(VOC)吸着建材・センサ
調湿建材
空調エネルギー
40 kWh/m2・年
15 kWh/m2・年
10 kWh/m2・年
自然通風
自然光利用
蓄熱
温熱・気流・光シミュレーション技術
設計・評価技術
冷房COP(HHV)
二重効用 1.2→1.6
三重効用吸収式冷温水器
排熱利用形三重効用冷温水器
腐食抑制技術
高効率化・コンパクト化
排熱利用技術
コスト(現状比)
機器効率(現状比)
3/4倍
1.5倍
潜熱・顕熱分離空調(HPデシカント)
定格COP向上、部分負荷効率向上
搬送動力低減技術
発電・給湯などの多機能化
蒸気生成ヒートポンプ
定格COP
水冷:6、空冷:5
高性能圧縮式HP 水冷媒冷凍機、井戸循環型HP
排熱回収型HP
汎用ダブルバンドルHP
膨張動力回収システム ケミカルHP
水冷:8、空冷:6
APF:10以上
ハイドレート冷凍機
水冷媒HP
トライバンドルHP
自己昇温型ケミカルHP
地中熱源ヒートポンプ
地中熱交換器の低コスト・高効率化
低コスト掘削技術
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(8/12)
No. エネルギー技術
個別技術
1315
1315 高効率空調
1315
1315
1315
雪氷冷熱利用
1315
1315
1315
1315
1315
1321
1321 高効率給湯器
1321
1321
1321
高効率ヒートポンプ
1321
給湯機
1321
1321
1321
1321
1322
1322 高効率給湯器
1322
1322
1322
高効率給湯器
1322
1322
1322
1322
1322
1323
1323 高効率給湯器
1323
1323
1323
潜熱回収給湯器
1323
1323
1323
1323
1323
1331
1331 高効率暖房機器
1331
1331
1331
高効率暖房機器
1331
1331
1331
1331
1331
1341
1341 高効率厨房機器
1341
1341
1341
高効率ガスバーナー
1341
調理器
1341
1341
1341
1341
1342
1342 高効率厨房機器
1342
1342
1342
高効率IH調理器
1342
1342
1342
1342
1342
1351
1351 高効率照明
1351
1351
1351
高効率蛍光灯
1351
1351
1351
1351
1351
1352
1352 高効率照明
1352
1352
1352
高効率LED照明
1352
1352
1352
1352
1352
1353
1353 高効率照明
1353
1353
1353
有機EL照明
1353
1353
1353
1353
1353
2010
2015
2020
2025
2030∼
直接熱交換冷風循環方式
融解水熱交換冷水循環方式
高効率熱交換方法
搬送動力低減技術
貯雪氷庫の低熱損失化
COP
3.2
5.0
520万台
普及目標
自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機
瞬間式ヒートポンプ給湯機
高効率化・小型化 高効率圧縮機、高効率熱交換器、膨張動力回収技術
寒冷地対応
低コスト化
施工簡易化
高効率ガスエンジン給湯器
高効率排熱回収
発電などの多機能化
潜熱回収型給湯器
潜熱回収材
潜熱回収用熱交換器
低コスト化
ヒートポンプ利用技術
高効率輻射熱利用技術
高効率燃焼技術
低NOx化技術
ガスセンサー技術
高効率燃焼技術
低NOx化技術
ガスセンサー技術
高効率化(インバーター・加熱コイルの低損失化)
オールメタル対応化技術
発光効率、寿命
50∼100 lm/W
1万時間
高効率蛍光材料
高効率無水銀蛍光灯
熱損失低減技術
発光効率、寿命
65 lm/W
4万時間
100 lm/W
200 lm/W
6万時間
高効率LED素子
白色LED用蛍光材料(高効率近紫外励起蛍光材料)
光センサー/人感センサーとの組み合わせ
低コスト化
発光効率
100 lm/W
寿命
高輝度白色EL
高効率化
長寿命化
大面積化
200 lm/W
6万時間
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(9/12)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
1354
1354 高効率照明
1354
1354
1354
次世代照明
高効率高演色白色光源
1354
マイクロキャビティ
1354
クラスター発光
1354
蓄光技術、燐光材料
1354
光伝送技術
1354
1361
発光効率
1361 省エネ型ディスプレイ
1.5 lm/W(40"、全白色表示時)
10 lm/W
1361
1361
1361
高効率PDP
映像用高効率放電方式
高効率PDPパネル
1361
高効率蛍光材料
1361
発光効率改善
1361
低コスト化
1361
1361
1362
発光効率
1362 省エネ型ディスプレイ
2 lm/W(全白色表示時)
10 lm/W(60")
1362
1362
1362
高効率LCD
高効率白色光源
高透過率パネル
1362
高精細化
低損失オプティカル新機能部材技術
1362
大型化
低コスト化
1362
低消費電力化
高効率バックライト
1362
1362
1363
1363 省エネ型ディスプレイ
1363
1363
1363
LEDディスプレイ
デバイスの高効率化
1363
発光材料
1363
素子
大型化
1363
薄膜技術
低コスト化
1363
1363
1364
発光効率
70 lm/W
1364 省エネ型ディスプレイ
寿命@千cd/m2 1万時間
5万時間
10万時間
1364
1364
1364
有機ELディスプレイ
携帯情報機器用
大画面化
1364
発光効率改善
フレキシブル化
1364
長寿命化
1364
1364
1364
1371
100∼200GB/∼200Mbps 500GB∼1TB/∼1Gbps
1371 省エネ型情報機器・システム 光ディスク容量
通信速度
1∼100GB/s
5∼500GB/s
1371
1371
1371
省エネ型情報機器
高効率デバイス
1371
・システム
高効率ストレージ・メモリ
省エネ型情報通信システム(サーバ、データセンター等)
1371
アプリケーションチップ技術
1371
VM(仮想マシン)技術、組み込みソフト技術
1371
ネットワーク・光通信
HEMSとBEMSの統合
1371
1381
熱伝導率 0.0025 W/m・K
0.001 W/m・K
0.001 W/m・K
0.0005 W/m・K
1381 省エネ型家電
電力消費量
450 kWh/年
400 kWh/年
1381
1381
1381
省エネ型冷蔵庫
真空断熱
ヒートポンプ利用冷蔵・冷凍庫
1381
・冷凍庫
BEMS/HEMS連携最適制御
1381
1381
1381
1381
1382
1382 省エネ型家電
待機時消費電力 1 W
100 mW以下
50 mW以下
1382
1382
1382
待機時消費電力削減
省電力電源モジュール
1382
1382
1382
1382
1382
1521
1521 省エネ型ネットワーク通信
1521
1521
1521
大容量高速ネットワーク通信
通信ケーブル素材製造技術
1521
・光ネットワーク通信
省電力ルータ・スイッチ技術
BEMS/HEMS連携最適制御
1521
ネットワークアーキテクチャ技術
1521
1521
1521
1401
1401 先進交通システム
1401
1401
1401
高度道路交通システム
プローブ情報利用信号技術
信号連携エコドライブ
信号連携グリーンウェーブ走行
1401
(ITS)
道路交通情報通信システム
TDM(交通需要マネジメント)
1401
ナビゲーションシステム
交通管理最適化
1401
安全運転支援システム
自動運転・隊列走行(高速道路)
自動運転・協調走行
1401
1401
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(10/12)
No. エネルギー技術
個別技術
1402
1402 先進交通システム
1402
1402
1402
人流モーダルシフト
1402
1402
1402
1402
1402
1403
1403 先進交通システム
1403
1403
1403
物流モーダルシフト
1403
1403
1403
1403
1403
2101
2101 高効率内燃エンジン
2101
2101
2101
ガソリンエンジン
2101
2101
2101
2101
2101
2102
2102 高効率内燃エンジン
2102
2102
2102
ディーゼルエンジン
2102
2102
2102
2102
2102
2111
2111 クリーンエネルギー自動車
2111
2111
2111
天然ガス自動車
2111
2111
2111
2111
2111
2112
2112 クリーンエネルギー自動車
2112
2112
2112
ハイブリッド自動車
2112
2112
2112
2112
2112
2113
2113 クリーンエネルギー自動車
2113
2113
2113
プラグインハイブリッド
2113
自動車
2113
2113
2113
2113
2114
2114 クリーンエネルギー自動車
2114
2114
2114
電気自動車
2114
2114
2114
2114
2114
2115
2115 クリーンエネルギー自動車
2115
2115
2115
燃料電池自動車
2115
2115
2115
2115
2115
2116
2116 クリーンエネルギー自動車
2116
2116
2116
水素エンジン自動車
2116
2116
2116
2116
2116
2010
2015
2020
2025
2030∼
新交通システム
軽量軌道交通(LRT)
ガイドウェイバス
コミュニティEVバス
デュアルモードビークル(DMV)
バイモーダル物流システム(道路→鉄道、船舶)
デュアルモードトラック
汎用標準化送配システム(ICタグの高度利用)
インテリジェント集配システム
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
低摩擦材料表面制御
部分負荷効率向上のための気筒停止
パワートレイン技術
高圧縮比化
リーンバーン燃焼
最適傾斜機能鍛造軽量部材
高効率・低エミッション燃焼技術
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
低摩擦材料表面制御
予混合圧縮自着火(HCCI)
最適傾斜機能鍛造軽量部材
航続距離の長距離化
天然ガス吸蔵材料
燃料タンクの軽量化
ガス供給インフラの拡充
動力回生システム
エンジン効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
低摩擦材料表面制御
バッテリー性能(現状比)
一充電走行距離
最適走行制御技術
航続距離
130 km
バッテリー性能(現状比)
バッテリーコスト(現状比) 1/2
1.5倍
40 km
モータ効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
200 km
1.5倍
1/7
3倍
1/10
約500 km
約7倍
約1/40
モーター効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
航続距離
400 km
耐久性
3,000時間(5年)、2万回起動停止
車両価格(ICV比) 3∼5倍
スタックコスト
5,000円/kW
800 km
5,000時間(10年)、6万回起動停止
1.2倍
4,000円/kW
モーター効率向上(高温運転化、触媒高活性化、新触媒等)
燃料電池スタック耐久性向上(電解質膜改良等)
高密度水素貯蔵技術
水素供給システム
水素製造技術
車体軽量化
低コスト化(白金代替触媒、量産化)
水素エンジン効率化
水素搭載技術
水素製造技術
低コスト化
水素供給システム
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(11/12)
No. エネルギー技術
個別技術
1402
2201
2201 省エネ型鉄道
2201
2201
2201
省エネ型鉄道
2201
2201
2201
2201
2201
2301
2301 高性能船舶
2301
2301
2301
高性能船舶
2301
2301
2301
2301
2301
2302
2302 高効率海運システム
2302
2302
2302
高効率海運システム
2302
2302
2302
2302
2302
2401
2401 高性能航空機
2401
2401
2401
高性能航空機
2401
2401
2401
2401
2401
5302
5302 石油精製技術
5302
5302
5302
省燃費・高耐久性
5302
潤滑油開発技術
5302
5302
5302
5302
1113
1113 省エネ型産業プロセス
1113
1113
1113
LSI製造プロセス
1113
1113
1113
1113
1113
1501
1501 高性能デバイス
1501
1501
1501
Siデバイス
1501
1501
1501
1501
1501
1502
1502 高性能デバイス
1502
1502
1502
SiCデバイス
1502
1502
1502
1502
1502
1503
1503 高性能デバイス
1503
1503
1503
窒化物デバイス
1503
(GaN、AlN)
1503
1503
1503
1503
1504
1504 高性能デバイス
1504
1504
1504
ダイヤモンドデバイス
1504
1504
1504
1504
1504
2010
2015
2020
車体軽量化
2025
2030∼
ハイブリッド車
車載変圧器
回生エネルギー利用
高信頼度知能化船
電動化
燃料電池
軽量化
船舶形状最適化
エンジン廃熱回収
陸運との連携
ハブ港ネットワーク化
炭素系複合材利用拡大などによる軽量化
ジェットエンジンの高効率化
更なる省エネ化
環境性、経済性、安全性等の一層の向上
省燃費潤滑油製造技術
GTL由来品等からの潤滑油製造技術
SiC/GaN基板技術(高品質/大口径化/低コスト化)最先端LSI設計(省エネ化率向上)
ダイヤモンドパワーデバイス
極端紫外線露光システム
インクジェット法等によるデバイスプロセス技術
SiC/GaN素子量産(整流素子)
SiC/GaN素子量産(スイッチング素子)
ウエーハ口径(パワーデバイス)
6"
8"
300 mm
製造プロセス技術(ウェーハ口径拡大、微細加工技術、超接合形成、薄ウェーハ)
素子構造の改良
新規素子構造
高電流密度化、高温動作化
ソフトスイッチング技術、マトリックスコンバータ技術
ウエーハ口径
3"
ウエーハ転位密度
10 4 cm -2
4"
6"
10 3 cm -2
10 2 cm -2
50 cm -2
10 cm -2
製造プロセス技術(ウェーハ口径拡大、ウェーハ転位密度減少)
注入面チャネル移動度向上、酸化膜信頼性向上
ノーマリーオフ型MOSFET
ウエーハ口径
2"
ウエーハ転位密度
10 5 cm -2
3"
4
10 cm
4"
GaN系ヘテロエピ成長技術
ウエーハ口径
4∼10㎜
ウエーハ転位密度
10 5 cm -2
5"
-2
10 3 cm -2
SBD (Schottky Barrier Diode)
HFET (Hetero-junction Field Effect Transistor)
2"
3"
4"
10 3 cm -2
10 2 cm -2
10 cm -2
ウェーハ大口径化
エピ成長技術
プロセス・デバイス化技術
①「総合エネルギー効率の向上」
に寄与する技術の技術ロードマップ(12/12)
No. エネルギー技術
個別技術
1505
1505 高性能デバイス
1505
1505
1505
CNTトランジスタ
1505
1505
1505
1505
1505
1506
1506 高性能デバイス
1506
1506
1506
省エネLSIシステム
1506
1506
1506
1506
1506
1511
1511 高性能パワエレ
1511
1511
1511
高効率インバータ
1511
1511
1511
1511
1511
2010
2015
2020
2025
CNT (Carbon Nano Tube)成長制御技術
CNT電気特性制御技術
デバイス構造設計
製造プロセス開発
消費電力
12.4 mW/百万トランジスタ 4.2mW/百万トランジスタ
0.42 mW/百万トランジスタ
システムLSI(SoC, System on a Chip)
アプリケーションチップ技術
微細化技術
自発光オンチップディスプレイ技術
ダイナミック制御LSI技術
外部光活用型有機EL発光素子技術
超低損失SiCスイッチング素子
インバータ設計技術の高度化
インバータ化技術
ディペンダブルLSI技術
2030∼
①「総合エネルギー効率の向上」に向けた導入シナリオ
転換部門における「エネルギー転換効率向上」、産業部門における「製造プロセス効率向上」、
転換部門における「エネルギー転換効率向上」、産業部門における「製造プロセス効率向上」、
民生・運輸部門における「省エネルギー」などにより、エネルギー消費効率を2030年度までに少
民生・運輸部門における「省エネルギー」などにより、エネルギー消費効率を2030年度までに少
なくとも30%改善することを目指す。
なくとも30%改善することを目指す。
2005
国
内
外
の
背
景
2010
2015
2020
新・国家エネルギー戦略
2025
2030∼
GDPあたりの最終エネルギー
消費指数を2030年度までに
約30%向上
(ローリング)
京都議定書第1約束
期間
将来枠組み(ポスト京都)
エネルギー効率向上により
総一次エネルギー消費量を
20%削減(2020年)
AN ENERGY POLICY FOR EUROPE
石炭火力発電等の発電効率向上
超燃焼システム技術
燃焼利用を可能な限り省いた革新的製造システム技術、従来燃焼とは異なる反応制御型燃焼・物質再生燃焼などの燃焼高度化技術など
産業プロセスの省エネ化
物質・エネルギーの併産
高温耐熱耐食材料等部材の開発
送配電の損失低減・大容量化
蓄熱・熱輸送
高効率ヒートポンプの普及
高効率コージェネの普及
ESCO、ESPなどの省エネビジネスの発展
エネルギーマネージメントの推進
時空を超えたエネルギー利用技術
エネルギー需給のミスマッチ(不一致)を「時間」・「空間(場所)」を超えて利用するためのエネルギー貯蔵・輸送技術など
燃料電池
省エネ投資の事業価値評価の整備・エネ革税制・低金利融資
電力貯蔵
ITを活用したエネルギー管理システムの開発・普及
融資・税制等による省エネ住宅の普及
住宅・ビルの高断熱化・省エネ
エネルギーマネージメント(HEMS/BEMS/地域)の推進
情報通信機器・システムの省エネ
住宅性能表示制度等の整備・拡充・普及
省エネ型情報生活空間創生技術
高度情報化・ライフスタイル変化、高齢化社会などによるエネルギー消費増大を抑え、快適で効率的な情報生活空間を実現する技術
高効率空調・給湯器の普及
家電製品(照明・ディスプレイ等)の省エネ
トップランナー方式の効果的運用、ラベリング制度の活用
先進交通システムの普及・モーダルシフトの推進
燃費改善(車体軽量化、エンジン高効率化)
荷主と輸送事業者の連携
先進交通社会確立技術
自動車税のグリーン化、自動車取得税の軽減化など
輸送機器の効率化とモーダルシフト等利用形態の高度化による省エネ技術
ハイブリッド自動車
プラグインハイブリッド自動車
電力供給インフラの整備
電気自動車
燃料電池自動車
水素供給インフラの整備
LSI省エネ
次世代省エネデバイス技術
幅広い分野で使用される半導体等のデバイスの高性能化による省エネ技術
パワーデバイス(情報機器、家電、分散電源、産業機器、大電力機器)の高性能化
次世代デバイスの標準化
共
通
関
連
施
策
総
合
エ
ネ
ル
ギ
ー
主
な
技
術
開
発
お
よ
び
そ
の
関
連
施
策
エネルギー・物質利用の産業間連携
事業者単位の規制体系の導入
住宅・建築物に係る省エネルギー対策の強化
セクター別ベンチマークアプローチの導入と初期需要創出(高効率機器の導入補助等)
トップランナー基準の対象機器kの拡充等
アジアにおける省エネルギー対策の推進を通じた我が国の国際競争力の向上
国民の省エネルギー意識の高まりに向けた取り組み
効
率
の
向
上
② 運輸部門の燃料多様化
(②−1)目標と将来実現する社会像
ほぼ100%を石油に依存する運輸部門は、わが国エネルギー需給構造
上、最も脆弱性が高く、その需給構造の次世代化は、将来に向けた早急な
対策が不可欠な課題となっている。
「新・国家エネルギー戦略」に掲げる目標(2030年に向け、運輸部門の
石油依存度が30%程度となることを目指す)の実現のためにも、官民が
中長期的な展望・方向性を共有しつつ、技術開発と関連施策を推進してい
くことが必要である。
(②−2)研究開発の取組み
○バイオマス由来燃料
地域における実証的な取組が進みつつあるが、供給インフラの未整備や、
燃料利用の際の利便性に関する制約等の課題が存在する。このため、こう
した課題の解決に向け、バイオマス由来燃料の導入促進に向けた実証実験
の推進や供給インフラの整備に加え、低コストなエタノール製造技術等の
技術開発を推進することが必要である。
○天然ガスを起源とするGTL(Gas to Liquid)
ディーゼルエンジンでの活用が可能であり、また、硫黄分等を含まない
ため環境面で優れた新たな形態の燃料として注目されている。今後、バイ
オ マ ス 由 来 の BTL ( Biomass to Liquid ) や 石 炭 由 来 の CTL ( Coal to
Liquid)とともに、これら合成液体燃料の製造技術の早期確立を図ること
が必要である。
○燃料電池自動車
走行距離の拡大、燃料電池本体の抜本的低コスト化や耐久性の向上等の
技術の確立とともに、水素製造および水素供給に係わるインフラの整備、
並びにそれらの安全対策の確立が不可欠である。
○電気自動車
近年急速に普及しているハイブリッド自動車の技術をさらに進め、搭載
する電池の性能を向上させることにより、プラグインハイブリッド自動車、
さらには電気自動車の技術開発を推進することが必要である。
(②−3)関連施策の取組み
• 公共的車両への積極的導入
• 燃料基準の策定・改定
• アジアにおける新エネルギー協力
• 国際標準化による国際競争力向上
(②−4)改訂の主たるポイント
• 太陽光や風力発電による電力を利用した水素製造技術として、【アルカリ
水解】のみでなく【固体高分子水電解】も寄与が大きいと思われる技術に
位置づけた。
• 燃料電池自動車などの普及のためには、水素の輸送・供給システムの整備
が必須であり、既に実績のある【圧縮水素輸送・供給】および長距離の輸
送に必要な【液体水素輸送・供給】を寄与が大きいと思われる技術に位置
づけた。
• 水素貯蔵として、燃料電池自動車等で実績があり改良が進められている
【水素貯蔵容器】および【無機系水素貯蔵材料】等を運輸用の水素貯蔵方
法として寄与が大きいと思われる技術に位置づけた。
●☆◇バイオマス等非在来石油高度活用技術
●◇GTL等新燃料と石油の共利用技術
水素
▼●★◇燃料電池自動車
▽○☆◇水素エンジン自動車
クリーンエネルギー自動車
▼●★◇PEFC
▽○☆◇DMFC
燃料電池
▼●☆◆プラグインハイブリッド自動車
▼●☆◇電気自動車
クリーンエネルギー自動車
z 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術が寄与する
政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、○:運輸部門の燃料多
様化、☆:新エネルギーの開発・導入促進、□:原子力利用の推進とその大
前提となる安全の確保、◇:化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
z 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、その寄与が
大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示した。
z 「運輸部門の燃料多様化」への寄与が大きいと思われる技術名を、赤字・下
線付きで記載した。
●☆無機系水素貯蔵材料
●☆合金系水素貯蔵材料
○☆炭素系水素貯蔵材料
○☆有機系水素貯蔵材料
●☆水素貯蔵容器
水素貯蔵
●☆圧縮水素輸送・供給
●☆液体水素輸送・供給
○★水素パイプライン
●☆水素ガス供給スタンド安全対策技術
○◇石油残渣コークス・ピッチからの水素製造技術
新燃料活用技術
水素輸送・供給
○☆水素発酵
バイオマス燃料製造
○★◇ガス化水素製造
重質原油利用技術
○◇天然ガスからの次世代水素製造技術
天然ガス利用技術
電力貯蔵
運輸
▽●☆ニッケル水素電池
●☆固体高分子水電解
▼●★リチウムイオン電池
○☆高温水蒸気電解
▼○☆キャパシタ
●☆アルカリ水電解
水素製造
電気
○★光触媒水素製造
②「運輸部門の燃料多様化」に寄与する技術の
技術マップ(整理図)
▽●◇省エネ型鉄道
▽○◇高性能航空機
水素製造
水素製造
原子力
○★バイオマス資源供給
バイオマス
自然エネルギー
●★アルコール発酵
●★セルロース系のエタノール化
●★バイオディーゼル燃料(BDF)
○☆◇ジメチルエーテル(DME)
○★◇ガス化BTL製造
○☆メタン発酵
バイオマス燃料製造
○◇石炭利用CO2回収型水素製造技術
水素製造
非在来型化石燃料
天然ガス
石油
石炭
○◇石油からの水素製造・輸送技術
高度石油利用技術
○☆◇石炭水素化熱分解技術
石炭利用
○◇低品油からの高オクタン価ガソリン製造技術
○◆重質油からの合成軽油製造技術(ATL)
重質原油利用技術
○◇LPG/DME混合燃料利用技術
LPガス利用技術
●◆天然ガス液体燃料化技術(GTL)
○◇天然ガス等からのLPガス合成技術
天然ガス利用技術
○◇自動車用新燃料利用技術
○◇自動車燃費向上・排ガスクリーン化燃料技術
○◇環境負荷低減オフロードエンジン技術
化石資源
○◆石炭液化技術(CTL)
石炭利用
○◇高度脱硫液体燃料製造技術
高度石油利用技術
▽○◇高効率海運システム
▽○◇高性能船舶
燃料
石油精製技術
▼●◇ガソリンエンジン
▼●◆ディーゼルエンジン
高効率内燃エンジンム
▽○◇天然ガス自動車
▼●◆ハイブリッド自動車
クリーンエネルギー自動車
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(1/2)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
②「運輸部門の燃料
②「運輸部門の燃料
多様化」
多様化」
赤字
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
バイオマス由来燃料
バイオマス燃料製造
3201 アルコール発酵
3202 セルロース系のエタノール化
3203 バイオディーゼル燃料(BDF)
3204 ジメチルエーテル(DME)
3205 ガス化BTL製造
3206 メタン発酵
バイオマス・廃棄物
エネルギー利用
3208 水素発酵
3215 バイオマス資源供給
GTL等の合成液体燃料
5521 天然ガス液体燃料化技術
(GTL)
天然ガス利用技術
5523 天然ガスからの
次世代水素製造技術
5524 天然ガス等からの
LPガス合成技術
石炭利用
5633 石炭液化技術(CTL)
5634 石炭水素化熱分解技術
燃料電池自動車・
水素関連技術
クリーンエネルギー自動車
2115 燃料電池自動車
2116 水素エンジン自動車
燃料電池
3304 固体高分子形燃料電池
(PEFC)
3305 ダイレクトメタノール形燃料
電池(DMFC)
水素製造
3311 石炭利用CO2回収型
水素製造技術
3312 ガス化水素製造
3313 固体高分子水電解
3314 高温水蒸気電解
3315 アルカリ水電解
3316 光触媒水素製造
水素輸送・供給
3321 圧縮水素輸送・供給
3322 液体水素輸送・供給
3323 水素パイプライン
3324 水素ガス供給スタンド
安全対策技術
水素貯蔵
3331 無機系水素貯蔵材料
3332 合金系水素貯蔵材料
3333 炭素系水素貯蔵材料
3334 有機系水素貯蔵材料
3335 水素貯蔵容器
高度石油利用技術
で示す。
5203 石油残渣コークス・ピッチから
の水素製造技術
5311 石油からの水素製造・
輸送技術
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(2/2)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
②「運輸部門の燃料
②「運輸部門の燃料
多様化」
多様化」
赤字
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
電気自動車・電力貯蔵
クリーンエネルギー自動車
2113 プラグインハイブリッド自動車
2114 電気自動車
電力貯蔵
3543 ニッケル水素電池
3544 リチウムイオン電池
3545 キャパシタ
その他・共通技術
高効率内燃エンジン
2101 ガソリンエンジン
2102 ディーゼルエンジン
クリーンエネルギー自動車
2111 天然ガス自動車
2112 ハイブリッド自動車
省エネ型鉄道
高性能船舶
高効率海運システム
高性能航空機
2201 省エネ型鉄道
2301 高性能船舶
2302 高効率海運システム
2401 高性能航空機
5202 低品油からの高オクタン価
ガソリン製造技術
重質原油利用技術
5204 重質油からの合成軽油
製造技術(ATL)
石油精製技術
5301 高度脱硫液体燃料製造技術
高度石油利用技術
5312 自動車用新燃料利用技術
5313 自動車燃費向上・
排ガスクリーン化燃料技術
5314 環境負荷低減オフロード
エンジン技術
新燃料活用技術
5321 バイオマス等非在来石油
高度活用技術
5322 GTL等新燃料と石油の
共利用技術
LPガス利用技術
5531 LPG/DME混合燃料利用技術
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(1/6)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
3201
3201 バイオマス燃料製造
3201
ETBE導入 21万kl
3201
3201
アルコール発酵
(糖・デンプン系)
C5糖のエタノール変換効率向上
3201
低コスト資源作物
3201
ETBE安全性確認
3201
インフラ整備
3201
3201
3202
3202 バイオマス燃料製造
3202
3202
3202
セルロース系の
糖化プロセス効率化
大規模エタノール製造技術
3202
エタノール化
(木質・稲わら等) C5糖のエタノール変換・発酵効率向上
エネルギー回収効率向上 製造コスト低減
3202
リグニン等バイプロの有効利用
蒸留・脱水工程の省エネ
3202
収集運搬効率化・低コスト化
廃液処理技術
糖分解酵素の開発
3202
未利用木質資源の利用
酵母機能改変等によるバイオプロセス効率化
3202
3203
3203 バイオマス燃料製造
3203
自己消費型BDF利用
地産地消型BDF利用
3203
3203
バイオディーゼル燃料
連続エステル化製造
水素化分解法
3203
(BDF)
高品質化・製造コスト削減
3203
グリセリン等バイプロ有効利用
低コスト資源作物
3203
3203
3203
3204
3204 バイオマス燃料製造
3204
3204
3204
ジメチルエーテル(DME)
間接DME合成法
直接DME合成法
3204
DME自動車
3204
DME燃料電池等の利用技術
3204
DME貯蔵・供給技術
3204
3204
3205
3205 バイオマス燃料製造
3205
3205
3205
ガス化BTL製造
BTL製造技術
3205
バイオマス/廃棄物ガス化技術
BTL製造効率の向上
3205
FT合成技術
低コスト化
3205
効率的廃棄物収集システム
3205
3205
3206
3206 バイオマス燃料製造
3206
大規模施設・工場導入
中小規模施設・工場導入
3206
3206
メタン発酵
下水汚泥・畜糞
発酵効率向上
3206
・食廃等WET系
可溶化技術
3206
発酵菌改良
直接燃焼との組合せシステム
3206
プロセス最適化
下水処理場内の電気・熱利用
3206
都市ガスとの混焼
設備低コスト化
3206
3208
3208 バイオマス燃料製造
3208
3208
3208
水素発酵
嫌気性水素発酵技術
光合成細菌による光水素生産技術
3208
二段発酵(水素+メタン)技術
水素生産菌株(高温耐性)探索・育成
3208
高効率フォトバイオリアクター
3208
高効率化・低コスト化
水素発酵微生物の高密度化
3208
3208
3215
3215 バイオマス・廃棄物
3215
エネルギー利用
3215
3215
バイオマス資源供給
林地残材等の効率的収集技術
3215
列状間伐等による伐採・搬出の効率化・低コスト化
3215
燃料作物生産技術(遺伝子操作・低環境負荷肥料・省水資源)
3215
3215
3215
5521
5521 天然ガス利用技術
パイロットプラント実証
5521
7 bbl/d
500 bbl/d実証
5521
5521
天然ガス液体燃料化
液体燃料(GTL)製造
5521
技術(GTL)
合成ガス製造技術 (累積6,600時間の安定的運転)
5521
FT合成技術 (コバルト系触媒の高生産、安定的生産)
5521
水素化分解技術
5521
スケールアップ手法、運転技術
5521
5523
5523 天然ガス利用技術
5523
5523
5523
天然ガスからの次世代
水蒸気改質+PSA
水素透過型メンブレンリアクタ
CO2分離型水素製造
5523
水素製造技術
CO2分離膜
5523
5523
5523
5523
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(2/6)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5524
5524 天然ガス利用技術
5524
5524
5524
天然ガス等からの
天然ガス・石炭・CO2等からのLPG合成技術
5524
LPガス合成技術
合成触媒長寿命化
5524
触媒再生技術
5524
5524
5524
5633
設備規模(国内)
3,000 t/d
6,000 t/d
5633 石炭利用
設備規模(中国)
3,000 t/d
6,000 t/d
5633
1 t/d試験装置(PSU)(インドネシア) アジア地域への普及のための研修
5633
5633
石炭液化技術(CTL)
アップグレーディング技術 褐炭液化技術の適用検証
5633
ガス化技術
技術者・運転員研修
5633
FT合成技術
商用装置設計建設
5633
5633
5633
5634
5634 石炭利用
5634
5634
5634
石炭水素化熱分解技術
パイロット試験実証試験
5634
多炭種対応技術
5634
高稼働・信頼性確立
5634
コプロダクション技術
5634
5634
航続距離
400 km
800 km
2115
耐久性
3,000時間(5年)、2万回起動停止
5,000時間(10年)、6万回起動停止
2115 クリーンエネルギー自動車
車両価格(ICV比) 3∼5倍
1.2倍
2115
スタックコスト
5,000円/kW
4,000円/kW
2115
2115
燃料電池自動車
モーター効率向上(高温運転化、触媒高活性化、新触媒等)
2115
燃料電池スタック耐久性向上(電解質膜改良等)
2115
高密度水素貯蔵技術
2115
水素供給システム
水素製造技術
2115
車体軽量化
低コスト化(白金代替触媒、量産化)
2115
2116
2116 クリーンエネルギー自動車
2116
2116
2116
水素エンジン自動車
水素エンジン効率化
2116
水素搭載技術
2116
水素製造技術
2116
低コスト化
水素供給システム
2116
2116
3304
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(定置用、kWあたり)
3304 燃料電池
32%、4万時間、数百万円
>34%、>4万時間、<約50万円
>36%、9万時間、<40万円
3304
耐久性向上(4万時間→9万時間、燃料多様化)
3304
3304
固体高分子形
劣化機構解明
家庭用コジェネ
自動車用PEFC
3304
燃料電池(PEFC)
高温・低加湿対応技術
新規直接形PEFC
3304
白金量低減
白金代替触媒
3304
耐被毒触媒
MEA・セパレータ等量産技術
3304
膜内水分制御
3304
3305
エネルギー密度
500 Wh/L
1000 Wh/L
1000 Wh/L
3305 燃料電池
出力密度
100 mW/cm2
200 mW/cm2
200 mW/cm2<
3305
耐久性
5000時間<
1万時間
1万時間<
3305
3305
ダイレクトメタノール形
PC、携帯用
超低クロスオーバー膜
3305
燃料電池(DMFC)
低コスト化
低膨潤膜
3305
耐久性向上
高活性触媒
3305
3305
3305
水素価格(水素製造全体)
3311
150円/Nm3
80円/Nm3
40円/Nm3
3311 水素製造
3311
5 t/d パイロットプラント
3311
3311
石炭利用CO2回収型
CO2同時吸収型石炭利用水素製造技術(HyPr-RING)
3311
水素製造技術
吸収剤リサイクル技術
CO2回収技術
3311
3311
3311
3311
3312
3312 水素製造
3312
3312
3312
ガス化水素製造
部分酸化改質
石炭ガス化
水素分離膜技術
3312
水蒸気改質 オートサーマル改質
バイオマスガス化
3312
ガスクリーンアップ
3312
CO2回収技術
3312
3312
3313
3313 水素製造
3313
3313
3313
固体高分子水電解
セパレータの低コスト化
更なる低コスト化
3313
MEA製造方法改良
耐久性向上
3313
高電流密度化によるコンパクト化
3313
酸素過電圧抑制触媒
3313
貴金属削減
3313
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(3/6)
No. エネルギー技術
個別技術
3314
3314 水素製造
3314
3314
3314
高温水蒸気電解
3314
3314
3314
3314
3314
3315
3315 水素製造
3315
3315
3315
アルカリ水電解
3315
3315
3315
3315
3315
3316
3316 水素製造
3316
3316
3316
光触媒水素製造
3316
3316
3316
3316
3316
3321
3321 水素輸送・供給
3321
3321
3321
圧縮水素輸送・供給
3321
3321
3321
3321
3321
3322
3322 水素輸送・供給
3322
3322
3322
液体水素輸送・供給
3322
3322
3322
3322
3322
3323
3323 水素輸送・供給
3323
3323
3323
水素パイプライン
3323
3323
3323
3323
3323
3324
3324 水素輸送・供給
3324
3324
3324
水素ガス供給スタンド
3324
安全対策技術
3324
3324
3324
3324
3331
3331 水素貯蔵
3331
3331
3331
無機系水素貯蔵材料
3331
3331
3331
3331
3331
3332
3332 水素貯蔵
3332
3332
3332
合金系水素貯蔵材料
3332
3332
3332
3332
3332
3333
3333 水素貯蔵
3333
3333
3333
炭素系水素貯蔵材料
3333
3333
3333
3333
3333
2010
2015
2020
2025
2030∼
シール技術
インターコネクタ技術
大電流密度化技術
運転圧力の高圧化
低コスト化
総合効率の向上
高電流密度化
発生水素の高圧化
可視光応答型光触媒
格子欠陥の少ない光触媒調製法
活性化エネルギーの低い水素生成サイトの構築
反応装置基礎検討
輸送価格
高強度金属材料技術
軽量化
高圧水素圧縮機技術
圧縮効率向上
圧力・容量最適化
10円/Nm3
7円/Nm3
高圧水素ディスペンサ技術
高速充填技術
耐久性向上
低コスト化
輸送価格
3円/Nm3
内槽タンク支持構造技術
タンク断熱法改善
高効率液化システム技術
磁気冷凍技術
液水容器断熱性能向上
液体水素ディスペンサ・流量計技術
耐久性向上
低コスト化
パイプラインの技術基準策定
工業用水素輸送
炭素鋼鋼管と溶接部の材料検討
施工条件の確立
漏洩検知技術の確立
摺動部・可動部の保持方法・シール材
短距離(周辺・家屋)
水素配管方法
水素計測技術
基準・規格の見直し
安全性検討と例示規準作成
ステーション安全計装システム
高速充填への対応(通信、プレクール)
ボイルオフ低減
アラネート系
アミド・イミド系
ボロハイドライド系
複合系 など
低コスト化
ステーション総合効率の改善
保安業務の効率化
予防保全システム
有望材料系の探索と材料組成の最適化
ハンドリング技術の確立
吸蔵・放出温度の低下
反応速度および耐久性の向上
副反応生成物等の放出抑制
水素吸蔵・放出速度の向上技術
劣化機構の解明と対策案検証
新規材料の探索
水素放出温度の低温化
高水素吸蔵量材料の構造設計または合成指針の確立・適用
(新規形状、化学修飾、元素置換、複合化など)
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(4/6)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
3334
3334 水素貯蔵
3334
3334
3334
有機系水素貯蔵材料
高性能水素放出触媒
3334
水素ステーション用輸送技術
3334
有機ハイドライド貯蔵技術
3334
3334
3334
3335
水素車載量
3335 水素貯蔵
3 kg
5 kg
7 kg
3335
3335
3335
水素貯蔵容器
圧縮水素容器
高強度材料
3335
液体水素容器
耐久性向上
3335
ハイブリッド(高圧水素貯蔵材料容器)
3335
軽量・コンパクト化
3335
断熱性能向上
3335
5203
5203 高度石油利用技術
5203
5203
5203
石油残渣コークス
ピッチの粘結材利用技術
水素製造プロセス技術
5203
・ピッチからの
水素製造触媒技術
5203
水素製造技術
5203
5203
5203
5311
5311 高度石油利用技術
5311
5311
5311
石油からの水素製造
水素貯蔵・輸送・供給技術
灯油吸着脱硫技術
5311
・輸送技術
灯油等改質オフサイト水素製造技術
灯油改質触媒技術
5311
膜分離技術
自動車オンボード改質技術
5311
SOFC用熱自立型改質器システム技術
5311
5311
2113
バッテリー性能(現状比)
1.5倍
2113 クリーンエネルギー自動車
一充電走行距離
40 km
2113
2113
2113
プラグインハイブリッド
モータ効率向上
2113
自動車
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
2113
最適走行制御技術
車体軽量化
2113
電力供給システム
2113
2113
航続距離
130 km
200 km
約500 km
2114
バッテリー性能(現状比)
1.5倍
3倍
約7倍
2114 クリーンエネルギー自動車
バッテリーコスト(現状比)
1/2
1/7
1/10
約1/40
2114
2114
2114
電気自動車
モーター効率向上
2114
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
2114
車体軽量化
2114
電力供給システム
2114
2114
3543
3543 電力貯蔵
3543
ハイブリッド車用
負荷変動補償
3543
3543
ニッケル水素電池
高出力密度化
3543
高容量化
3543
自己放電特性改善
3543
長寿命化
3543
3543
3544
3544 電力貯蔵
プラグインハイブリッド車、電気自動車用
3544
モバイル用 ハイブリッド車用
風力・太陽光発電の安定化
3544
3544
リチウムイオン電池
高エネルギー密度化
3544
サイクル性能向上
3544
安全性向上
3544
低コスト化
3544
3544
エネルギー密度 4 Wh/kg(モジュール)
20 Wh/kg(デバイス)
3545
出力密度
1.5 kW/kg(モジュール)
10 kW/kg(デバイス)
3545 電力貯蔵
民生用
3545
電力品質維持用
運輸用
3545
3545
キャパシタ
電気二重層キャパシタ
低コスト化
新概念に基づくキャパシタ
3545
エネルギー密度向上
レドックスキャパシタ
3545
ナノカーボン電極材料
ハイブリッドキャパシタ
3545
3545
3545
2101
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
2101 高効率内燃エンジン
低摩擦材料表面制御
2101
2101
2101
ガソリンエンジン
部分負荷効率向上のための気筒停止
2101
パワートレイン技術
高圧縮比化
2101
リーンバーン燃焼
2101
最適傾斜機能鍛造軽量部材
2101
2101
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(5/6)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
2102
2102 高効率内燃エンジン
2102
2102
2102
ディーゼルエンジン
高効率・低エミッション燃焼技術
2102
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
2102
低摩擦材料表面制御
2102
予混合圧縮自着火(HCCI)
2102
最適傾斜機能鍛造軽量部材
2102
2111
2111 クリーンエネルギー自動車
2111
2111
2111
天然ガス自動車
航続距離の長距離化
2111
天然ガス吸蔵材料
2111
燃料タンクの軽量化
2111
ガス供給インフラの拡充
2111
2111
2112
2112 クリーンエネルギー自動車
2112
2112
2112
ハイブリッド自動車
動力回生システム
2112
エンジン効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
2112
低摩擦材料表面制御
2112
2112
2112
2201
2201 省エネ型鉄道
2201
2201
2201
省エネ型鉄道
車体軽量化
ハイブリッド車
2201
車載変圧器
2201
回生エネルギー利用
2201
2201
2201
2301
2301 高性能船舶
2301
2301
2301
高性能船舶
高信頼度知能化船
2301
電動化
燃料電池
2301
軽量化
船舶形状最適化
2301
エンジン廃熱回収
2301
2301
2302
2302 高効率海運システム
2302
2302
2302
高効率海運システム
陸運との連携
ハブ港ネットワーク化
2302
2302
2302
2302
2302
2401
2401 高性能航空機
2401
2401
2401
高性能航空機
炭素系複合材利用拡大などによる軽量化
2401
ジェットエンジンの高効率化
更なる省エネ化
2401
環境性、経済性、安全性等の一層の向上
2401
2401
2401
5202
5202 重質原油利用技術
5202
5202
5202
低品油からの
低級ナフサ有効利用技術
5202
高オクタン価
新規ナフサ異性化触媒技術
5202
ガソリン製造技術
高オクタンガソリン製造流動接触分解触媒技術
5202
高オクタンガソリン製造触媒技術
5202
5202
5204
5204 重質原油利用技術
5204
5204
5204
重質油からの合成
重質油のガス化技術
5204
軽油製造技術(ATL)
FT合成技術
5204
水素化分解技術
5204
5204
5204
5301
5301 石油精製技術
5301
5301
5301
高度脱硫液体燃料
石油系液体燃料の高度脱硫技術
5301
製造技術
高度脱硫触媒
5301
高度脱硫プロセス
5301
5301
5301
②「運輸部門の燃料多様化」
に寄与する技術の技術ロードマップ(6/6)
No. エネルギー技術
個別技術
5312
5312 高度石油利用技術
5312
5312
5312
自動車用新燃料
5312
利用技術
5312
5312
5312
5312
5313
5313 高度石油利用技術
5313
5313
5313
自動車燃費向上・
5313
排ガスクリーン化
5313
燃料技術
5313
5313
5313
5314
5314 高度石油利用技術
5314
5314
5314
環境負荷低減
5314
オフロードエンジン技術
5314
5314
5314
5314
5321
5321 新燃料活用技術
5321
5321
5321
バイオマス等非在来
5321
石油高度活用技術
5321
5321
5321
5321
5322
5322 新燃料活用技術
5322
5322
5322
GTL等新燃料と石油の
5322
共利用技術
5322
5322
5322
5322
5531
5531 LPガス利用技術
5531
5531
5531
LPG/DME混合燃料
5531
利用技術
5531
5531
5531
5531
2010
2015
2020
2025
2030∼
バイオ燃料・GTL等新燃料とガソリン・軽油との混合の燃料技術
混合燃料対応自動車技術
最新ディーゼル車対応燃料技術
自動車燃費向上技術
アンチノック性向上技術
HCCI等の次世代自動車対応燃料技術
排ガス等高精度大気シミュレーション技術
低セタン価対応エンジン技術
定置式・汎用ディーゼルエンジン用低セタン価燃料開発技術
超低セタン価対応技術
石油とバイオマス燃料の共利用技術
バイオマス燃料精製処理技術(エタノールの膜分離精製など)
GTLとの混合利用
石炭液化油との混合利用技術
他のクリーン液体燃料利用技術
混合燃焼試験、耐久試験等
混合燃料に対する機器耐久性向上
DME/LPG直噴ディーゼル技術
②「輸部門の燃料多様化」に向けた導入シナリオ
バイオマス由来燃料、GTL、BTL、CTLなどの新燃料、電気自動車や燃料電池自動車などの導
バイオマス由来燃料、GTL、BTL、CTLなどの新燃料、電気自動車や燃料電池自動車などの導
入により、現在ほぼ100%の運輸部門の石油依存度を2030年までに80%程度とすることを目指
入により、現在ほぼ100%の運輸部門の石油依存度を2030年までに80%程度とすることを目指
す。
す。
2005
国
内
外
の
背
景
2010
2015
2020
新・国家エネルギー戦略
2025
2030∼
運輸部門の石油依存度を
2030年度までに80%程度に
(ローリング)
バイオ燃料シェアを
14%に(2020年)
Renewable Energy Roadmap
Renewable Energies in the 21st Century
プラグインハイブリッド車の導入・普及
燃料電池車の大量普及
とうもろこしのセルロースエタノールの製造コスト低下
Advanced Energy Initiative
2017年にバイオ燃料等350億ガロン供給
(一般教書演説2007)
バイオマス由来燃料導入目標(2010年度)
50万kL(原油換算)
エタノール/ETBE製造
E3車導入
バイオマス由来燃料
含酸素化合物の混合上限規定見直し
海外エタノール/BDF導入
BDF/DME製造
バイオマス由来燃料供給インフラの整備
燃料規格の整備
主
な
技
術
開
発
お
よ
び
そ
の
関
連
施
策
合成液体燃料の製造
GTL等の合成液体燃料
GTL(天然ガス)製造
CTL(石炭)製造
DME直接合成
ディーゼルシフトの推進
BTL(バイオマス)製造
燃料電池の高性能化
燃料電池自動車の導入・普及
水素燃料タンク軽量化
燃料電池自動車および水素関連技術
水素製造(水電解水素製造、ガス化水素製造など)
水素貯蔵/輸送
水素供給インフラの整備・安全対策
自動車税のグリーン化、自動車取得税の軽減化など
電池・車体の軽量化、モーター・電力変換効率の向上
プラグインハイブリッド自動車
電力供給インフラの整備
電気自動車の導入・普及
電気自動車
電池の高性能化
ニッケル水素電池
リチウムイオン電池 先進型リチウムイオン電池
トップランナー方式の効果的運用、ラベリング制度の活用
燃費改善(車体軽量化、エンジン高効率化)
新燃料とガソリン/軽油との混合利用
その他・共通技術
先進交通システムの導入・モーダルシフトの推進
荷主と輸送事業者の連携
共
通
関
連
施
策
公共的車両への積極的導入
燃費基準の策定・改定
アジアにおける新エネルギー協力
国際標準化による国際競争力向上
運
輸
部
門
の
燃
料
多
様
化
③ 新エネルギーの開発・導入促進
(③−1)目標と将来実現する社会像
太陽光、風力などの再生可能エネルギーの利用は、例えば、わが国の太
陽光発電の導入量が世界のトップレベルとなるなど一定の実績を上げてき
た。新エネルギーの導入は、資源の再生可能性、二酸化炭素の排出量が少
ないなどの環境性の双方に優れる。しかしながら、一次エネルギー供給に
占める割合は依然として低い状況である。これは、エネルギー変換効率や
設備利用率が他のエネルギー源に比べて低いこと、系統連携や電力品質の
問題などによるところが大きい。
これらの課題解決に向けた技術開発の推進及び新エネルギーの導入促進
のための関連施策の実施により、「新・国家エネルギー戦略」に示された
目標(2030年までに石油依存度が40%を下まわる水準を目指す)に貢献し
ていくことが期待される。
(③−2)研究開発の取組み
○太陽光発電
わが国の太陽電池生産量、導入累積量は既に世界のトップレベルである
が、一層の導入拡大のためには、経済性の改善、変換効率の向上、原材料
の供給安定化等、様々な課題がある。これらの課題解決のためには、シリ
コン系太陽電池としては、薄膜化によるシリコン使用量の低減や多接合な
どの高効率化が重要であり、非シリコン系太陽電池としては、化合物(C
IS)系薄膜太陽電池、色素増感太陽電池等の高効率化、耐久性向上等に
向けた技術開発が重要である。
○風力発電
近年急速に導入・普及が進んでいる。今後、さらに大型化、低コスト化
などにより風力発電の普及を進める必要がある。また、気象条件等により
発電の出力変動が大きい太陽光発電や風力発電の導入には、電力品質や電
力系統の安定化に資する技術開発と併せて、RPS法による市場拡大や、関連
周辺産業の育成、ベンチャービジネスに対する支援等を推進することが必
要である。
○バイオマス・廃棄物の利用
エタノールやBDF(バイオ・ディーゼル燃料)などの自動車用燃料の製造
技術とともに、バイオマスや廃棄物のガス化発電などの技術開発が重要で
ある。また、それぞれの地域の特性を踏まえた地産・地消型のエネルギー
需給システムの確立が必要である。
○燃料電池
燃料電池については、世界のトップレベルにあり、早期の実用化を目指
した開発を集中的に実施することが重要である。このうち、燃料電池自動
車については、航続距離の向上、抜本的な低コスト化、耐久性の向上等を
目指した技術開発が重要である。定置用燃料電池については、発電効率の
向上、耐久性の向上等を図るための技術開発が重要となる。また、燃料と
なる水素の安全で効率的な製造・輸送・貯蔵に係る技術開発も必要である。
これらの技術開発と併せて、関連周辺産業育成のための取り組みや、実証
実験、導入支援等の取り組みを推進することが必要である。
(③−3)関連施策の取組み
• 事業者支援補助金等による初期需要創出
• 新エネルギー・ベンチャービジネスにたいする支援の拡大
• 新エネルギー産業構造の形成
• 電気事業制度・ガス事業制度の在り方の検討
(③−4)改訂のポイント
• 今後の太陽電池の効率向上に重要と考えられる「多接合化技術」を【太陽
電池】の要素技術として追加した。
• ガスタービンとの複合発電が期待できる【溶融炭酸塩形燃料電池(MCF
C)】および【固体酸化物形燃料電池(SOFC)】の要素技術に、さら
なるCO2排出量削減が期待できる「CO2分離・回収」を追加した。
• 商用化に向けた開発が行われている【固体高分子形燃料電池(PEF
C)】の次世代のタイプの燃料電池として、例えば「新規直接形PEF
C」が期待されており、これを要素技術として追加した。
• 定置用燃料電池などの水素利用の促進のために、【水素パイプライン】を
寄与が大きいと思われる技術に位置づけた。また、水素貯蔵として【合金
系水素貯蔵材料】を寄与が大きいと思われる技術に位置づけた。
○☆水素発酵
バイオマス燃料製造
水素
●☆無機系水素貯蔵材料
●☆合金系水素貯蔵材料
○☆炭素系水素貯蔵材料
○☆有機系水素貯蔵材料
●☆水素貯蔵容器
水素貯蔵
▽☆◇PAFC
▼☆◆MCFC
▼★◆SOFC
▼●★◇PEFC
▽○☆◇DMFC
燃料電池
▽☆水素燃焼タービン
水素利用
産業
z 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術が寄与する
政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、○:運輸部門の燃料多
様化、☆:新エネルギーの開発・導入促進、□:原子力利用の推進とその大
前提となる安全の確保、◇:化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
z 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、その寄与が
大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示した。
z 「新エネルギーの開発・導入促進」への寄与が大きいと思われる技術名を、
赤字・下線付きで記載した。
▼●☆◆プラグインハイブリッド自動車
▼●☆◇電気自動車
▼●★◇燃料電池自動車
▽○☆◇水素エンジン自動車
運輸
○★水素パイプライン
●☆圧縮水素輸送・供給
●☆液体水素輸送・供給
●☆水素ガス供給スタンド安全対策技術
水素輸送・供給
▼☆◇燃料電池コージェネ
高効率コージェネ
民生
▽☆超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)
▽☆超電導フライホイール
▽☆□NaS電池
▽☆レドックス・フロー電池
▽●☆ニッケル水素電池
▼●★リチウムイオン電池
▼○☆キャパシタ
☆ 電圧制御技術
☆ 周波数制御技術
☆ 潮流制御技術
★ 系統安定化技術
▽★分散電源活用技術
★ 広域監視制御技術
☆□系統保護技術
☆ 事故復旧技術
クリーンエネルギー自動車
●☆固体高分子水電解
○☆高温水蒸気電解
●☆アルカリ水電解
水素製造
▽☆熱電変換
▽☆圧電変換
○★光触媒水素製造
水素製造
○☆◇石炭水素化熱分解技術
☆◆石炭ガス化多目的利用技術
石炭利用
○★◇ガス化水素製造
水素製造
●★アルコール発酵
●★セルロース系のエタノール化
●★バイオディーゼル燃料(BDF)
○☆◇ジメチルエーテル(DME)
○★◇ガス化BTL製造
○☆メタン発酵
☆◇石炭付加バイオマス燃料製造技術
バイオマス燃料製造
電力系統制御
未利用微少エネルギー電力変換
★系統への影響抑制技術
風力発電
▼☆■◇大容量送電
高効率送変電
電気
③「新エネルギーの開発・導入促進」に寄与する技術の
技術マップ(整理図)
●☆◇バイオマス等非在来石油高度活用技術
燃料
☆バイオマス固形燃料化
バイオマス燃料製造
☆ごみ固形燃料(RDF)・
古紙廃プラ固形燃料(RPF)
☆下水汚泥炭化
☆バイオマス・廃棄物直接燃焼
★バイオマス・廃棄物ガス化発電
☆地熱バイナリー発電
☆高温岩体発電
☆マイクロ地熱発電
地熱発電
☆波力発電
☆潮汐・潮流発電
☆海洋温度差発電
海洋エネルギー利用
海洋
風力発電
☆中小規模水力発電
水力
風力
地熱
太陽光発電
電力貯蔵
▽☆マイクログリッド
▼☆地域エネルギーマネージメント
▼☆□◇エネルギー利用最適化
・負荷平準化技術
エネルギーマネージメント
▽☆パッシブ住宅・ビル
省エネ住宅・ビル
★系統への影響抑制技術
★結晶Si太陽電池
★薄膜Si太陽電池
★化合物結晶系太陽電池
▽★新電力供給システム
★薄膜CIS化合物系太陽電池
★色素増感型太陽電池
太陽光発電
熱
☆太陽熱発電
☆太陽熱利用給湯
☆太陽熱利用空調
太陽熱利用
★陸上風力発電
★洋上風力発電
★マイクロ風力発電
水力
太陽
バイオマス
○★バイオマス資源供給
バイオマス・廃棄物エネルギー利用
新燃料活用技術
(熱)
(電気)
★◇バイオマス・石炭混焼発電
石炭火力発電
非在来型化石燃料
天然ガス
石油
石炭
化石資源
自然エネルギー
▽☆雪氷熱利用
▽☆河川熱利用
▽☆都市排熱利用
未活用熱源利用
▽☆潜熱蓄熱
▽☆顕熱蓄熱
蓄熱
▽☆潜熱輸送
▽☆顕熱輸送
▽☆吸収/吸着による熱輸送
熱輸送
▽☆地中熱利用ヒートポンプ
▽☆雪氷冷熱利用
高効率空調
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(1/3)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
③「新エネルギー開発・
③「新エネルギー開発・
導入促進」
導入促進」
赤字
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
太陽・風力エネルギー
太陽光発電
3101 結晶Si太陽電池
3102 薄膜Si太陽電池
3103 化合物結晶系太陽電池
3104 薄膜CIS化合物系太陽電池
3105 色素増感型太陽電池
3106 太陽光発電の系統への
影響抑制技術
太陽熱利用
3111 太陽熱発電
3112 太陽熱利用給湯
3113 太陽熱利用空調
風力発電
3121 陸上風力発電
3122 洋上風力発電
3123 マイクロ風力発電
3124 風力発電の系統への
影響抑制技術
バイオマス・地熱・
海洋エネルギー等
バイオマス燃料製造
3201 アルコール発酵
3202 セルロース系のエタノール化
3203 バイオディーゼル燃料(BDF)
3204 ジメチルエーテル(DME)
3205 ガス化BTL製造
3206 メタン発酵
3207 石炭付加バイオマス
燃料製造技術
3208 水素発酵
3209 バイオマス固形燃料化
バイオマス・廃棄物
エネルギー利用
3211 ごみ固形燃料(RDF)/
古紙廃プラ固形燃料(RPF)
3212 下水汚泥炭化
3213 バイオマス・廃棄物直接燃焼
3214 バイオマス・廃棄物ガス化
発電
3215 バイオマス資源供給
地熱発電
3221 地熱バイナリー発電
3222 高温岩体発電
3223 マイクロ地熱発電
海洋エネルギー利用
3231 波力発電
3232 潮汐・潮流発電
3233 海洋温度差発電
水力
未活用熱源利用
で示す。
3241 中小規模水力発電
3251 雪氷熱利用
3252 河川熱利用
3253 都市排熱利用
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(2/3)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
③「新エネルギー開発・
③「新エネルギー開発・
導入促進」
導入促進」
赤字
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
バイオマス・地熱・
海洋エネルギー等(続き)
未利用微少エネルギー
電力変換
3261 熱電変換
3262 圧電変換
5321 バイオマス等非在来石油高度
活用技術
新燃料活用技術
石炭火力発電
5614 バイオマス・石炭
混焼発電技術
燃料電池・水素関連
クリーンエネルギー自動車
燃料電池
2115 燃料電池自動車
2116 水素エンジン自動車
3301 リン酸形燃料電池(PAFC)
3302 溶融炭酸塩形燃料電池
(MCFC)
3303 固体酸化物形燃料電池
(SOFC)
3304 固体高分子形燃料電池
(PEFC)
3305 ダイレクトメタノール形燃料
電池(DMFC)
水素製造
3312 ガス化水素製造
3313 固体高分子水電解
3314 高温水蒸気電解
3315 アルカリ水電解
3316 光触媒水素製造
水素輸送・供給
3321 圧縮水素輸送・供給
3322 液体水素輸送・供給
3323 水素パイプライン
3324 水素ガス供給スタンド
安全対策技術
水素貯蔵
3331 無機系水素貯蔵材料
3332 合金系水素貯蔵材料
3333 炭素系水素貯蔵材料
3334 有機系水素貯蔵材料
3335 水素貯蔵容器
水素利用
3341 水素燃焼タービン
石炭利用
5634 石炭水素化熱分解技術
5635 石炭ガス化多目的利用技術
その他革新利用
高効率コージェネ
1203 燃料電池コージェネ
省エネ住宅・ビル
1303 パッシブ住宅・ビル
高効率空調
1314 地中熱利用ヒートポンプ
1315 雪氷冷熱利用
クリーンエネルギー自動車
2113 プラグインハイブリッド自動車
2114 電気自動車
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(3/3)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
③「新エネルギー開発・
③「新エネルギー開発・
導入促進」
導入促進」
エネルギー安定供給技術
共通・その他技術
1213 地域エネルギー
マネージメント
1214 エネルギー利用最適化・
負荷平準化技術
高効率送変電
マイクログリッド
新電力供給システム
電力系統制御
1221 大容量送電
3501 マイクログリッド
3511 新電力供給システム
3521 電圧制御技術
3522 周波数制御技術
3523 潮流制御技術
3524 系統安定化技術
3525 分散電源活用技術
3526 広域監視制御技術
3527 系統保護技術
3528 事故復旧技術
電力貯蔵
3535 超電導磁気エネルギー貯蔵
(SMES)
3536 超電導フライホイール
3541 NaS電池
3542 レドックス・フロー電池
3543 ニッケル水素電池
3544 リチウムイオン電池
3545 キャパシタ
熱輸送
3551 潜熱輸送
3552 顕熱輸送
3553 吸収/吸着による熱輸送
蓄熱
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギーマネージメント
赤字
3561 潜熱蓄熱
3562 顕熱蓄熱
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(1/10)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
発電コスト(太陽光発電)
23円/kWh
14円/kWh
7円/kWh
3101
モジュール製造コスト
100円/W
75円/W
50円/W
3101 太陽光発電
モジュール変換効率
3101
13∼14.8%
16%
19%
22%
3101
3101
結晶Si太陽電池
極薄スライス技術 100μm極薄基板
超薄型結晶Si太陽電池
3101
50μm極薄基板
3101
高品質インゴット製造技術 長寿命モジュール
極薄高効率化
3101
新材料開発
3101
新構造技術
3101
3102
3102 太陽光発電
モジュール変換効率
3102
10%
12%
14%
18%
3102
3102
薄膜Si太陽電池
ワイドギャップ新材料
高効率・高生産性セルプロセス
3102
界面制御技術
多接合化技術
3102
高生産性対応セル構造技術
3102
3102
3102
3103
3103 太陽光発電
モジュール変換効率(集光)
3103
28%
35%(集光時)
40%(集光時)
3103
3103
化合物結晶系太陽電池
(Ⅲ∼Ⅴ族化合物系)
Ⅲ∼Ⅴ族系新規材料
3103
多接合化技術
3103
安価基板使用セルプロセス技術
3103
高集光型システム
3103
3103
3104
3104 太陽光発電
モジュール変換効率
3104
10∼12%
13%
18%
22%
3104
3104
薄膜CIS化合物系
ワイドギャップCIS系新材料
3104
太陽電池
界面制御技術
多接合化技術
3104
CISセル製造技術
大面積・高生産性セルプロセス
大面積・高効率セル構造(多接合)
3104
3104
3104
3105
3105 太陽光発電
3105
モジュール変換効率 6%
10%
15%
3105
3105
色素増感型太陽電池
大面積化
高効率化
高効率固体型色素増感太陽電池
3105
新色素・高効率セル構造
多接合化技術
3105
モジュール製造技術
3105
3105
3105
3106
3106 太陽光発電
3106
3106
3106
太陽光発電の系統
発電量予測技術
自立度向上システム
3106
への影響抑制技術
多機能インバータ
3106
電力貯蔵技術
3106
3106
3106
3111
3111 太陽熱利用
3111
3111
3111
太陽熱発電
バイオマス等との複合発電システム
3111
集熱効率向上
熱・電気複合システム
3111
ヘリオスタット技術
3111
蓄熱・熱交換システム
3111
3111
3112
3112 太陽熱利用
3112
3112
3112
太陽熱利用給湯
太陽熱集熱システム
太陽光発電とのハイブリッド化
3112
3112
施工技術
3112
建材一体化
3112
イニシャルコスト低減
3112
3113
3113 太陽熱利用
3113
3113
3113
太陽熱利用空調
太陽熱集熱システム
3113
蓄熱技術
3113
施工技術
3113
建材一体化
3113
イニシャルコスト低減
3113
3121
3121 風力発電
3121
3121
3121
陸上風力発電
高性能低風速型風車
3121
複合材料開発
3121
制御システム技術
風力発電量予測技術
3121
電力安定化対策技術
3121
系統連系制御技術
3121
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(2/10)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
3122
3122 風力発電
3122
3122
3122
洋上風力発電
着床型
セイリング型
3122
フローティング型
3122
風力発電量予測技術
エネルギー変換・貯蔵技術
3122
電力安定化対策技術
3122
系統連系制御技術
3122
3123
3123 風力発電
3123
3123
3123
マイクロ風力発電
翼設計技術(効率向上、静音化)
3123
施工技術
3123
低コスト化
3123
3123
3123
3124
3124 風力発電
3124
3124
3124
風力発電の系統への
風力発電量予測技術
3124
影響抑制技術
電力安定化対策技術
3124
系統連系制御技術
3124
3124
3124
3201
3201 バイオマス燃料製造
3201
ETBE導入 21万kl
3201
3201
アルコール発酵
(糖・デンプン系)
C5糖のエタノール変換効率向上
3201
低コスト資源作物
3201
ETBE安全性確認
3201
インフラ整備
3201
3201
3202
3202 バイオマス燃料製造
3202
3202
3202
セルロース系の
糖化プロセス効率化
大規模エタノール製造技術
3202
エタノール化
(木質・稲わら等) C5糖のエタノール変換・発酵効率向上
エネルギー回収効率向上 製造コスト低減
3202
リグニン等バイプロの有効利用
蒸留・脱水工程の省エネ
3202
収集運搬効率化・低コスト化
廃液処理技術
糖分解酵素の開発
3202
未利用木質資源の利用
酵母機能改変等によるバイオプロセス効率化
3202
3203
3203 バイオマス燃料製造
3203
自己消費型BDF利用
地産地消型BDF利用
3203
3203
バイオディーゼル燃料
連続エステル化製造
水素化分解法
3203
(BDF)
高品質化・製造コスト削減
3203
グリセリン等バイプロ有効利用
低コスト資源作物
3203
3203
3203
3204
3204 バイオマス燃料製造
3204
3204
3204
ジメチルエーテル(DME)
間接DME合成法
直接DME合成法
3204
DME自動車
3204
DME燃料電池等の利用技術
3204
DME貯蔵・供給技術
3204
3204
3205
3205 バイオマス燃料製造
3205
3205
3205
ガス化BTL製造
BTL製造技術
3205
バイオマス/廃棄物ガス化技術
BTL製造効率の向上
3205
FT合成技術
低コスト化
3205
効率的廃棄物収集システム
3205
3205
3206
3206 バイオマス燃料製造
3206
大規模施設・工場導入
中小規模施設・工場導入
3206
3206
メタン発酵
下水汚泥・畜糞
発酵効率向上
3206
・食廃等WET系
可溶化技術
3206
発酵菌改良
直接燃焼との組合せシステム
3206
プロセス最適化
下水処理場内の電気・熱利用
3206
都市ガスとの混焼
設備低コスト化
3206
3207
3207 バイオマス燃料製造
3207
3207
3207
石炭付加バイオマス
バイオマス・石炭ブリケット燃料製造技術
3207
燃料製造技術
乾燥・微粉化技術
3207
木質/炭化物−微粉炭混焼技術
3207
大量ペレット化
3207
3207
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(3/10)
No. エネルギー技術
個別技術
3208
3208 バイオマス燃料製造
3208
3208
3208
水素発酵
3208
3208
3208
3208
3208
3209
3209 バイオマス燃料製造
3209
3209
3209
バイオマス固形燃料化
3209
3209
3209
3209
3209
3211
3211 バイオマス・廃棄物
3211
エネルギー利用
3211
3211
ごみ固形燃料(RDF)・
3211
古紙廃プラ固形
3211
燃料(RPF)
3211
3211
3211
3212
3212 バイオマス・廃棄物
3212
エネルギー利用
3212
3212
下水汚泥炭化
3212
3212
3212
3212
3212
3213
3213 バイオマス・廃棄物
3213
エネルギー利用
3213
3213
バイオマス・廃棄物
3213
直接燃焼
3213
3213
3213
3213
3214
3214 バイオマス・廃棄物
3214
エネルギー利用
3214
3214
バイオマス・廃棄物
3214
ガス化発電
3214
3214
3214
3214
3215
3215 バイオマス・廃棄物
3215
エネルギー利用
3215
3215
バイオマス資源供給
3215
3215
3215
3215
3215
3221
3221 地熱発電
3221
3221
3221
地熱バイナリー発電
3221
3221
3221
3221
3221
3222
3222 地熱発電
3222
3222
3222
高温岩体発電
3222
3222
3222
3222
3222
3223
3223 地熱発電
3223
3223
3223
マイクロ地熱発電
3223
3223
3223
3223
3223
2010
2015
2020
2025
2030∼
嫌気性水素発酵技術
二段発酵(水素+メタン)技術
高効率化・低コスト化
光合成細菌による光水素生産技術
水素生産菌株(高温耐性)探索・育成
高効率フォトバイオリアクター
水素発酵微生物の高密度化
公共施設等での普及拡大
ペレット・チップ・ブリケット化
バーナ改良
乾燥・微粉化技術
自動化ストーブ・ボイラ 製造の自動運転化
量産化・低コスト化
収集・前処理技術・後処理技術
圧縮梱包技術
化石燃料との共利用技術
炭化燃料化システム
有害物質除去技術
化石燃料との共利用技術
大規模コージェネ
中小規模コージェネ
チップ化・ペレット化
乾燥技術
高効率バーナ・ボイラ
自動運転化技術
設備コスト低減
実用規模実証
ガス化改質・高含水バイオマスのガス化効率向上
熱化学再生ガス化
低カロリー対応ガスエンジン技術
集塵・タール処理技術
燃料電池発電システム技術
セメント製造への原料・燃料利用
林地残材等の効率的収集技術
列状間伐等による伐採・搬出の効率化・低コスト化
燃料作物生産技術(遺伝子操作・低環境負荷肥料・省水資源)
地熱資源探査・評価技術
低コスト掘削技術
熱貯留層モニタリング・管理技術
スケール対策・腐食対策技術
環境影響評価技術
地下深部地熱探査技術
地熱貯留層高精度評価技術
坑井掘削技術
地熱資源探査・評価技術
低コスト掘削技術
スケール対策・腐食対策技術
環境影響評価技術
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(4/10)
No. エネルギー技術
個別技術
3231
3231 海洋エネルギー利用
3231
3231
3231
波力発電
3231
3231
3231
3231
3231
3232
3232 海洋エネルギー利用
3232
3232
3232
潮汐・潮流発電
3232
3232
3232
3232
3232
3233
3233 海洋エネルギー利用
3233
3233
3233
海洋温度差発電
3233
3233
3233
3233
3233
3241
3241 水力
3241
3241
3241
中小規模水力発電
3241
3241
3241
3241
3241
3251
3251 未活用熱源利用
3251
3251
3251
雪氷熱利用
3251
3251
3251
3251
3251
3252
3252 未活用熱源利用
3252
3252
3252
河川熱利用
3252
3252
3252
3252
3252
3253
3253 未活用熱源利用
3253
3253
3253
都市排熱利用
3253
3253
3253
3253
3253
3261
3261 未利用微小エネルギー
3261
電力変換
3261
3261
熱電変換
3261
3261
3261
3261
3261
3262
3262 未利用微小エネルギー
3262
電力変換
3262
3262
圧電変換
3262
3262
3262
3262
3262
5321
5321 新燃料活用技術
5321
5321
5321
バイオマス等非在来
5321
石油高度活用技術
5321
5321
5321
5321
2010
2015
2020
2025
2030∼
立地・資源量調査技術
発電効率の高効率化
耐腐食材料
蓄電技術
立地・資源量調査技術
発電効率の高効率化
耐腐食材料
蓄電技術
熱機関サイクル効率向上
システム大型化
設備コスト低減
養殖などの多目的化
新規ダム構造・新工法
水車技術
建設コスト低減技術
保守の省力化技術
直接熱交換冷風循環方式
融解水熱交換冷水循環方式
高効率熱交換方法
搬送動力低減技術
貯雪氷庫の低熱損失化
ヒートポンプ利用技術
環境影響評価技術
ヒートポンプ技術
蓄熱技術
有効利用のための都市基盤整備
熱電変換効率向上
高性能熱電変換素子
微細加工技術
低コスト化
圧電変換効率向上
高性能圧電変換素子(Pbフリー)
微細化高技術
低コスト化
石油とバイオマス燃料の共利用技術
バイオマス燃料精製処理技術(エタノールの膜分離精製など)
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(5/10)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5614
5614 石炭火力発電
5614
5614
5614
バイオマス・石炭
石炭-バイオマス混焼技術
5614
混焼発電
石炭バイオブリケット製造技術
5614
石炭粉砕技術
5614
下水汚泥スラリー化技術
5614
5614
航続距離
400 km
800 km
2115
耐久性
3,000時間(5年)、2万回起動停止
5,000時間(10年)、6万回起動停止
2115 クリーンエネルギー自動車
車両価格(ICV比) 3∼5倍
1.2倍
2115
スタックコスト
5,000円/kW
4,000円/kW
2115
2115
燃料電池自動車
モーター効率向上(高温運転化、触媒高活性化、新触媒等)
2115
燃料電池スタック耐久性向上(電解質膜改良等)
2115
高密度水素貯蔵技術
2115
水素供給システム
水素製造技術
2115
低コスト化(白金代替触媒、量産化)
2115
2116
2116 クリーンエネルギー自動車
2116
2116
2116
水素エンジン自動車
水素エンジン効率化
2116
水素搭載技術
2116
水素製造技術
2116
低コスト化
水素供給システム
2116
2116
3301
システム価格
3301 燃料電池
60∼100万円/kW
30∼60万円/kW
20∼30万円/kW
3301
3301
3301
リン酸形燃料電池
電極触媒技術
3301
(PAFC)
低コスト化
セル・スタック技術
3301
耐久性向上
高電流密度化
3301
適用用途拡大
システム制御技術
3301
3301
3302
システム価格
3302 燃料電池
30∼80万円/kW
20∼30万円/kW
3302
3302
3302
溶融炭酸塩形
電極触媒技術
小規模コジェネ
ガスタービンとの複合発電
3302
燃料電池(MCFC)
低コスト化
セル・スタック技術
CO2分離・回収
3302
耐久性向上
高電流密度化
3302
3302
3302
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(発電装置部。家庭用は貯湯槽を含む想定価格)
3303
小容量(∼数kW、コジェネ)
40%、4万時間、約100万円/kW
>40%、9万時間、<25万円kW(家庭用30∼40万円/kW)
3303 燃料電池
中容量(数十∼数百kW,コジェネ)
42%、4万時間、約100万円/kW
>45%、9万時間、<20万円/kW
3303
ハイブリッド(分散電源・事業用)
約60%、4万時間、数十万円/kW
>60%、9万時間、<10万円/kW
3303
3303
固体酸化物形
劣化機構解明
周辺機器の最適化
小規模コジェネ
中規模コジェネ普及
3303
燃料電池(SOFC)
耐久性向上(4万時間→9万時間)、燃料多様化
ハイブリッドシステム普及
3303
低コスト化(高出力化、新規材料、量産化技術)
ガスタービンとの複合発電
3303
次世代ハイブリッドシステム(高圧運転対応)
CO2分離・回収
3303
3303
3304
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(定置用、kWあたり)
3304 燃料電池
32%、4万時間、数百万円
>34%、>4万時間、<約50万円
>36%、9万時間、<40万円
3304
耐久性向上(4万時間→9万時間、燃料多様化)
3304
3304
固体高分子形
劣化機構解明
家庭用コジェネ
自動車用PEFC
3304
燃料電池(PEFC)
高温・低加湿対応技術
新規直接形PEFC
3304
白金量低減
白金代替触媒
3304
耐被毒触媒
MEA・セパレータ等量産技術
3304
膜内水分制御
3304
3305
エネルギー密度
500 Wh/L
1000 Wh/L
1000 Wh/L
3305 燃料電池
出力密度
100 mW/cm2
200 mW/cm2
200 mW/cm2<
3305
耐久性
5000時間<
1万時間
1万時間<
3305
3305
ダイレクトメタノール形
PC、携帯用
超低クロスオーバー膜
3305
燃料電池(DMFC)
低コスト化
低膨潤膜
3305
耐久性向上
高活性触媒
3305
3305
3305
3312
3312 水素製造
3312
3312
3312
ガス化水素製造
部分酸化改質
石炭ガス化
水素分離膜技術
3312
水蒸気改質 オートサーマル改質
バイオマスガス化
3312
ガスクリーンアップ
3312
CO2回収技術
3312
3312
3313
3313 水素製造
3313
3313
3313
固体高分子水電解
セパレータの低コスト化
更なる低コスト化
3313
MEA製造方法改良
耐久性向上
3313
高電流密度化によるコンパクト化
3313
酸素過電圧抑制触媒
3313
貴金属削減
3313
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(6/10)
No. エネルギー技術
個別技術
3314
3314 水素製造
3314
3314
3314
高温水蒸気電解
3314
3314
3314
3314
3314
3315
3315 水素製造
3315
3315
3315
アルカリ水電解
3315
3315
3315
3315
3315
3316
3316 水素製造
3316
3316
3316
光触媒水素製造
3316
3316
3316
3316
3316
3321
3321 水素輸送・供給
3321
3321
3321
圧縮水素輸送・供給
3321
3321
3321
3321
3321
3322
3322 水素輸送・供給
3322
3322
3322
液体水素輸送・供給
3322
3322
3322
3322
3322
3323
3323 水素輸送・供給
3323
3323
3323
水素パイプライン
3323
3323
3323
3323
3323
3324
3324 水素輸送・供給
3324
3324
3324
水素ガス供給スタンド
3324
安全対策技術
3324
3324
3324
3324
3331
3331 水素貯蔵
3331
3331
3331
無機系水素貯蔵材料
3331
3331
3331
3331
3331
3332
3332 水素貯蔵
3332
3332
3332
合金系水素貯蔵材料
3332
3332
3332
3332
3332
3333
3333 水素貯蔵
3333
3333
3333
炭素系水素貯蔵材料
3333
3333
3333
3333
3333
2010
2015
2020
2025
2030∼
シール技術
インターコネクタ技術
大電流密度化技術
運転圧力の高圧化
低コスト化
総合効率の向上
高電流密度化
発生水素の高圧化
可視光応答型光触媒
格子欠陥の少ない光触媒調製法
活性化エネルギーの低い水素生成サイトの構築
反応装置基礎検討
輸送価格
高強度金属材料技術
軽量化
高圧水素圧縮機技術
圧縮効率向上
圧力・容量最適化
10円/Nm3
7円/Nm3
高圧水素ディスペンサ技術
高速充填技術
耐久性向上
低コスト化
輸送価格
3円/Nm3
内槽タンク支持構造技術
タンク断熱法改善
高効率液化システム技術
磁気冷凍技術
液水容器断熱性能向上
液体水素ディスペンサ・流量計技術
耐久性向上
低コスト化
パイプラインの技術基準策定
工業用水素輸送
炭素鋼鋼管と溶接部の材料検討
施工条件の確立
漏洩検知技術の確立
摺動部・可動部の保持方法・シール材
短距離(周辺・家屋)
水素配管方法
水素計測技術
基準・規格の見直し
安全性検討と例示規準作成
ステーション安全計装システム
高速充填への対応(通信、プレクール)
ボイルオフ低減
アラネート系
アミド・イミド系
ボロハイドライド系
複合系 など
低コスト化
ステーション総合効率の改善
保安業務の効率化
予防保全システム
有望材料系の探索と材料組成の最適化
ハンドリング技術の確立
吸蔵・放出温度の低下
反応速度および耐久性の向上
副反応生成物等の放出抑制
水素吸蔵・放出速度の向上技術
劣化機構の解明と対策案検証
新規材料の探索
水素放出温度の低温化
高水素吸蔵量材料の構造設計または合成指針の確立・適用
(新規形状、化学修飾、元素置換、複合化など)
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(7/10)
No. エネルギー技術
個別技術
3334
3334 水素貯蔵
3334
3334
3334
有機系水素貯蔵材料
3334
3334
3334
3334
3334
3335
3335 水素貯蔵
3335
3335
3335
水素貯蔵容器
3335
3335
3335
3335
3335
3341
3341 水素利用
3341
3341
3341
水素燃焼タービン
3341
3341
3341
3341
3341
5634
5634 石炭利用
5634
5634
5634
石炭水素化熱分解技術
5634
5634
5634
5634
5634
5635
5635 石炭利用
5635
5635
5635
石炭ガス化多目的
5635
利用技術
5635
5635
5635
5635
1203
1203 高効率コージェネ
1203
1203
1203
燃料電池コージェネ
1203
1203
1203
1203
1203
1303
1303 省エネ住宅・ビル
1303
1303
1303
パッシブ住宅・ビル
1303
1303
1303
1303
1303
1314
1314 高効率空調
1314
1314
1314
地中熱利用ヒートポンプ
1314
1314
1314
1314
1314
1315
1315 高効率空調
1315
1315
1315
雪氷冷熱利用
1315
1315
1315
1315
1315
2113
2113 クリーンエネルギー自動車
2113
2113
2113
プラグインハイブリッド
2113
自動車
2113
2113
2113
2113
2010
2015
2020
2025
2030∼
高性能水素放出触媒
水素ステーション用輸送技術
有機ハイドライド貯蔵技術
水素車載量
3 kg
5 kg
7 kg
圧縮水素容器
高強度材料
液体水素容器
耐久性向上
ハイブリッド(高圧水素貯蔵材料容器)
軽量・コンパクト化
断熱性能向上
1700℃級GT適用
高効率酸素製造技術
超耐熱材料
水素燃焼技術
水蒸気用凝縮器
水蒸気用翼冷却技術
パイロット試験実証試験
多炭種対応技術
高稼働・信頼性確立
コプロダクション技術
多炭種対応技術
バイオマス等とのハイブリッドガス化技術
ガスクリーニング技術
発電効率・総合効率向上
低コスト化、量産化技術
長寿命化
燃料電池技術
PEFC
PAFC
空調エネルギー
40 kWh/m2・年
石炭ガス化コプロダクション
代替天然ガス製造
CO2分離・回収
SOFC
MCFC
15 kWh/m2・年
10 kWh/m2・年
自然通風
自然光利用
蓄熱
温熱・気流・光シミュレーション技術
設計・評価技術
地中熱源ヒートポンプ
地中熱交換器の低コスト・高効率化
低コスト掘削技術
直接熱交換冷風循環方式
融解水熱交換冷水循環方式
高効率熱交換方法
搬送動力低減技術
貯雪氷庫の低熱損失化
バッテリー性能(現状比)
一充電走行距離
最適走行制御技術
1.5倍
40 km
モータ効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(8/10)
No. エネルギー技術
個別技術
2114
2114 クリーンエネルギー自動車
2114
2114
2114
電気自動車
2114
2114
2114
2114
2114
1213
1213 エネルギーマネージメント
1213
1213
1213
地域エネルギー
1213
マネージメント
1213
1213
1213
1213
1214
1214 エネルギーマネージメント
1214
1214
1214
エネルギー利用
1214
最適化・負荷
1214
平準化技術
1214
1214
1214
1221
1221 高効率送変電
1221
1221
1221
大容量送電
1221
1221
1221
1221
1221
3501
3501 マイクログリッド
3501
3501
3501
マイクログリッド
3501
3501
3501
3501
3501
3511
3511 新電力供給システム
3511
3511
3511
新電力供給システム
3511
3511
3511
3511
3511
3521
3521 電力系統制御
3521
3521
3521
電圧制御技術
3521
3521
3521
3521
3521
3522
3522 電力系統制御
3522
3522
3522
周波数制御技術
3522
3522
3522
3522
3522
3523
3523 電力系統制御
3523
3523
3523
潮流制御技術
3523
3523
3523
3523
3523
3524
3524 電力系統制御
3524
3524
3524
系統安定化技術
3524
3524
3524
3524
3524
2010
2015
航続距離
130 km
バッテリー性能(現状比)
バッテリーコスト(現状比) 1/2
2020
200 km
1.5倍
1/7
2025
2030∼
約500 km
約7倍
約1/40
3倍
1/10
モーター効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
LEN(Local Energy Network)
CEMS(Cluster Energy Management System)
TEMS(Town Enegy Management System)
HEMS・BEMS協調制御技術
新エネルギーネットワーク化
エネルギー貯蔵技術
エネルギー利用最適化・評価技術
太陽光・風力発電等の供給予測
需要側の負荷平準化技術
系統/分散エネルギーシステム連携制御技術
UHVC(超高圧交流送電、1,000 kV)
送電電圧の昇圧
送配電ロスの低減
自励式大容量交直変喚器
Y系超電導送電
長距離大容量送電
高効率大容量交直変換器
Y系超電導変圧器
大容量直流送電技術
太陽光・風力・バイオマスエネルギー利用
需給制御技術
電力・熱融通技術
電力品質維持技術・系統連系制御技術
電力貯蔵技術
蓄熱・熱輸送技術
自律需給制御
拠点電力貯蔵技術
多品質供給
電力貯蔵装置協調制御技術
分散電源AVR(自動電圧調整)/AQR(自動無効電力調整)技術
分散電源広域出力予測技術
拠点電圧制御機器
自律分散無効電力制御
発電機励磁制御
調相設備(コンデンサ、リアクトル)
変圧器タップ切り替え器、逆潮流対応型電圧調整器(SVRなど)
FACTS(Flexible AC Transmission System)機器
拠点周波数制御
AFC(自動周波数制御)
ガバナーフリー
系統連系潮流制御技術
SVC(静止型電圧調整器)
STATCOM(自励式無効電力補償装置)
需要端電力貯蔵技術
系統との協調制御
分散型電力貯蔵機器無効電力制御
分散協調電圧制御
分散機器ネットワーク化
系統電源LFC(負荷周波数制御)機能向上
分散型自律負荷平準化
拠点負荷平準化
需要端電力貯蔵機器
拠点電力貯蔵装置
分散需給統合制御技術
分散協調LFC/EDC(経済負荷配分制御)
分散機器ネットワーク化
UPFC(統合電力潮流制御装置)
SiC機器
需要地系統におけるループコントロール
中規模SMES
BTB(直流分割)/LPC(ループコントローラ)・LBC(バランスコントローラ)
系統安定化制御
分散電源高度制御技術
SVC(静止型電圧調整器)など
高速度大容量遮断器
系統安定化技術(状態推定SSCなど)
分散協調安定化制御
高度ネットワーク切替技術
高精度故障点標定技術
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(9/10)
No. エネルギー技術
個別技術
3525
3525 電力系統制御
3525
3525
3525
分散電源活用技術
3525
3525
3525
3525
3525
3526
3526 電力系統制御
3526
3526
3526
広域監視・制御
3526
保護技術
3526
3526
3526
3526
3527
3527 電力系統制御
3527
3527
3527
系統保護技術
3527
3527
3527
3527
3527
3528
3528 電力系統制御
3528
3528
3528
事故復旧技術
3528
3528
3528
3528
3528
3535
3535 電力貯蔵
3535
3535
3535
超電導磁気エネルギー
3535
貯蔵(SMES)
3535
3535
3535
3535
3536
3536 電力貯蔵
3536
3536
3536
超電導フライホイール
3536
3536
3536
3536
3536
3541
3541 電力貯蔵
3541
3541
3541
NaS電池
3541
3541
3541
3541
3541
3542
3542 電力貯蔵
3542
3542
3542
レドックス・フロー電池
3542
3542
3542
3542
3542
3543
3543 電力貯蔵
3543
3543
3543
ニッケル水素電池
3543
3543
3543
3543
3543
3544
3544 電力貯蔵
3544
3544
3544
リチウムイオン電池
3544
3544
3544
3544
3544
2010
2015
単独運転防止検出技術高信頼度単独運転防止技術
2020
2025
個別最適運転
分散電源出力予測技術
高度単独運転防止検出技術
アクティブネットワーク制御
2030∼
高度事故時対応
エネルギーマネジメント協調
無瞬断自律運転移行技術
自立運転制御技術
高機能素子利用インバータ
高度系統監視・制御
高度情報化インフラ整備
次世代広域監視・制御保護
センサー付開閉器
プロトコル標準化
高度需給制御
低コスト制御用通信
ネットワークセキュリティ
広域計測システム(WAMS)
高機能メータリング
系統保護リレー
機器保護リレー
高速度大容量遮断器 高速事故除去
アダプティブリレー
LC共振限流器
超電導限流器
高信頼化保護技術
SF6代替機器
事故復旧協調
半導体遮断器
分散電源自律事故復旧
高度分散電源自律/転送停止技術
エネルギーマネジメント協調
高度自動復旧技術
半導体遮断器
低コスト化(系統安定化用:5万円/kW以下、負荷変動補償用:14万円/kW以下)
負荷変動補償・周波数調整用SMES(十数kW∼数十kW)
系統安定化用SMES
超電導コイル材 (金属系を超える酸化物コイルの高磁場化(Bi系、Y系))
冷凍システムの高効率化(平均故障間隔:5千時間→2万時間以上)
交直変換システム
1 MW、50 kWh級実証
軸損失低減(0.5Wkg以下)
1 MW、50 kWh級
大容量化
低コスト化
高信頼化
電力品質向上用
負荷変動補償
大型固体電解質管製造技術
セラミックス/金属接合技術
安全設計技術
量産化による低コスト化
電力品質向上用
負荷変動補償
高性能電解液
効率向上
コンパクト化
低コスト化
ハイブリッド車用
負荷変動補償
高出力密度化
高容量化
自己放電特性改善
長寿命化
モバイル用
ハイブリッド車用
高エネルギー密度化
サイクル性能向上
安全性向上
低コスト化
プラグインハイブリッド車、電気自動車用
風力・太陽光発電の安定化
並列運転制御による大容量化(MWh級)
③「新エネルギーの開発・導入促進」
に寄与する技術の技術ロードマップ(10/10)
2010
2015
2020
No. エネルギー技術
個別技術
エネルギー密度 4 Wh/kg(モジュール)
20 Wh/kg(デバイス)
3545
出力密度
1.5 kW/kg(モジュール)
10 kW/kg(デバイス)
3545 電力貯蔵
民生用
3545
電力品質維持用
運輸用
3545
3545
キャパシタ
電気二重層キャパシタ
低コスト化
3545
エネルギー密度向上
レドックスキャパシタ
3545
ナノカーボン電極材料
ハイブリッドキャパシタ
3545
3545
3545
3551
3551 熱輸送
3551
3551
3551
潜熱輸送
低温潜熱輸送技術
中温熱バッチ輸送
3551
高温・高密度化
真空断熱材
3551
低コスト化
3551
3551
3551
3552
3552 熱輸送
3552
3552
3552
顕熱輸送
耐熱・高断熱化技術
3552
低コスト化
真空断熱材
3552
3552
3552
3552
3553
3553 熱輸送
3553
3553
3553
吸収/吸着による
真空断熱材
3553
熱輸送
パッケージ化
3553
耐久性改善
3553
低コスト化
3553
3553
3561
3561 蓄熱
3561
3561
3561
潜熱蓄熱
潜熱蓄熱材(PCM)
季節間利用実証
効率向上
3561
潜熱回収材
低損失化
低コスト化
3561
空調利用技術
3561
高密度・高温化
3561
3561
3562
3562 蓄熱
3562
3562
3562
顕熱蓄熱
低損失化
効率向上
3562
躯体化
真空断熱材
低コスト化
3562
圧力制御蓄熱
自己制御蓄熱
3562
3562
3562
2025
2030∼
新概念に基づくキャパシタ
高温熱バッチ輸送
真空断熱熱輸送
高エクセルギーバッチ輸送
③「新エネルギーの開発・導入促進」に向けた導入シナリオ
太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入促進や燃料電池など革新的なエ
太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入促進や燃料電池など革新的なエ
ネルギー高度利用を促進することにより、2030年までに石油依存度が40%を下まわる水準を
ネルギー高度利用を促進することにより、2030年までに石油依存度が40%を下まわる水準を
達成することに寄与する。
達成することに寄与する。
2005
2010
2015
2020
新・国家エネルギー戦略
国
内
外
の
背
景
2025
2030∼
(ローリング)
2020年までに
再生可能エネルギーの
割合を20%に
AN ENERGY POLICY FOR EUROPE
Advanced Energy Initiative
2015年にPVのコスト競争力確立
2030年までに
太陽光発電コストを
火力発電並みに
太陽光発電の変換効率向上・低コスト化
シリコン系太陽電池の普及
化合物系・新コンセプト太陽電池の導入・普及
RPS法等による市場拡大
太陽・風力
公共機関における率先導入
風力発電の発電効率向上・大型化
陸上風力発電の普及
地産地消型エネルギービジネスの育成
洋上風力発電の導入・普及
分散電源の系統への影響抑制技術、新電力供給システム、分散電源活用技術
電力系統の安定化・品質維持
系統と分散電源の協調
電力系統制御・電力貯蔵
電力貯蔵性能の向上・普及
バイオマス由来運輸燃料(エタノール/ETBE/BDF/DME/BTL)製造
バイオマス・廃棄物エネルギー利用(ガス化発電等)
公共機関における率先導入
バイオマス・廃棄物・地熱等
RPS法等による市場拡大
その他再生可能エネルギーの利用
燃料電池の高効率化・低コスト化
固体高分子形(PEFC)
燃料電池自動車の導入・普及
燃料電池
溶融炭酸塩形(MCFC)
固体酸化物形(SOFC)
ガスタービン/燃料電池複合発電
燃料電池コージェネレーションの普及(民生・産業) PEFC、PAFC、MCFC、SOFC
ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車
運輸用合成液体燃料の製造
天然ガスコージェネレーションの普及
その他革新的エネルギー利用
ヒートポンプの利用
石油残渣ガス化・石炭ガス化・クリーンコール技術(IGCC、IGFC等)
ベンチャー企業による多様化な技術革新の活性化
共
通
関
連
施
策
新
エ
ネ
ル
ギ
ー
主
な
技
術
開
発
お
よ
び
そ
の
関
連
施
策
非在来型化石燃料の利用
事業者支援補助金等による初期需要創出
新エネルギー・ベンチャービジネスに対する支援の拡大
新エネルギー産業構造の形成
電気事業制度・ガス事業制度の在り方の検討
の
開
発
・
導
入
促
進
④ 原子力利用の推進とその大前提となる安全性の確保
(④−1)目標と将来実現する社会像
原子力発電は供給安定性に優れ、運用時にCO2を排出しないクリーンな
エネルギー源である。安全確保を大前提に核燃料サイクルを含む原子力発電
を着実に推進していくことは、エネルギー安全保障の確立と地球環境問題と
の一体的な解決の要であり、わが国エネルギー政策の基軸をなす課題である。
世界的に見ても、米国が原子力発電の発展と核不拡散の両立を目指した国
際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)構想を提唱し、欧州各
国においても地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から原子力発電を
評価する気運が高まる等、核燃料サイクルを含む原子力発電を推進する動き
が急激に進展しつつある。
このような状況を踏まえ、わが国が「新・国家エネルギー戦略」に掲げる
目標(2030年以降においても、発電電力量に占める原子力発電の比率を30
∼40%程度以上にすることを目指す)の実現を図る。
(④−2)研究開発の取組み
上記の達成のためには、高速増殖炉サイクルの早期実用化、2030年前後の
既設軽水炉代替需要へ対応する次世代軽水炉開発、軽水炉技術を前提とした
核燃料サイクルの確立、放射性廃棄物対策など、技術的に解決すべき課題が
山積しており、こうした課題解決に向けた技術開発を着実に進めるとともに、
これらの取り組みと併せて、原子炉の新・増設のための投資環境の整備や、
人材育成、わが国原子力産業の国際展開への支援等を推進することが必要で
ある。
(④−3)関連施策の取組み
• 電力自由化環境下での原子力発電の新・増設の実現
• 資源確保戦略の展開
• 次世代を支える人材育成
• 中小型炉の海外市場への展開、我が国原子力産業の国際展開支援
• 原子力発電拡大と核不拡散の両立に向けた国際的枠組み作りへの積極的関与
• 国と地域の信頼強化
(④−4)改訂の主たるポイント
• 途上国や島嶼国等での利用が期待されている第4世代原子炉を含む【超臨界
圧水冷却炉、中小型炉 等】を寄与が大きいと思われる技術に位置づけた。
民生
水力
☆□系統保護技術
電力系統制御
産業
▽□可変速揚水発電
□海水揚水発電
□地下揚水発電
電力貯蔵
z 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術が寄与する
政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、○:運輸部門の燃料多
様化、☆:新エネルギーの開発・導入促進、□:原子力利用の推進とその大
前提となる安全の確保、◇:化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
z 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、その寄与が
大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示した。
z 「原子力利用の推進とその大前提となる安全の確保」への寄与が大きいと
思われる技術名を、赤字・下線付きで記載した。
■超臨界圧水冷却炉、中小型炉 等
その他革新炉
■高速炉
■燃料サイクル
高速増殖炉サイクル
■回収ウラン転換前高除染プロセス
軽水炉サイクルから
高速増殖炉サイクルへの円滑な
移行のために必要な技術
④「原子力利用の推進とその大前提となる安全の確保」
に寄与する技術の技術マップ(整理図)
運輸
▼☆□◇エネルギー利用最適化
・負荷平準化技術
エネルギーマネージメント
▼☆■◇大容量送電
高効率送変電
□圧縮空気電力貯蔵(CAES)
▽☆□NaS電池
電力貯蔵
■軽水炉高度化利用
■廃止措置技術
■次世代軽水炉
■浅地中処分
■余裕深度処分
■地層処分
電気
軽水炉
放射性廃棄物処理処分
■遠心法ウラン濃縮
■MOX燃料加工
軽水炉核燃料サイクル
原子力
自然エネルギー
④「原子力利用の推進とその大前提となる安全性の確保」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(1/1)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
④「原子力利用の推進とその
④「原子力利用の推進とその
大前提となる安全性の確保」
大前提となる安全性の確保」
赤字
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
原子炉・核燃料サイクル
軽水炉
4101 軽水炉高度化利用
4102 廃止措置技術
4103 次世代軽水炉
軽水炉核燃料サイクル
4111 遠心法ウラン濃縮
4112 MOX燃料加工
軽水炉サイクルから高速炉
サイクルへの円滑な移行の
ために必要な技術
4121 回収ウラン転換前
高除染プロセス
高速炉サイクル
4131 高速炉
4132 燃料サイクル
4144 超臨界圧水冷却炉、
中小型炉 等
その他革新炉
放射性廃棄物対策技術
放射性廃棄物処理処分
4201 浅地中処分
4202 余裕深度処分
4203 地層処分
その他・電力系統技術
など
エネルギーマネージメント
1214 エネルギー利用最適化・
負荷平準化技術
高効率送変電
電力系統制御
電力貯蔵
で示す。
1221 大容量送電
3527 系統保護技術
3531 可変速揚水発電
3532 海水揚水発電
3533 地下揚水発電
3534 圧縮空気電力貯蔵(CAES)
3541 NaS電池
④「原子力利用の推進とその大前提となる安全性の確保」
に寄与する技術の技術ロードマップ(1/2)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
4101
4101 軽水炉
4101
大間原子力発電所運開
4101
4101
軽水炉高度化利用
全炉心MOX燃料軽水炉の開発・設計
4101
全炉心MOX燃料利用技術
4101
出力増強
4101
保守・補修技術
4101
4101
4102
4102 軽水炉
ふげん廃止措置
ふげん廃止措置完了
4102
東海発電所廃止措置 敦賀1号機営業運転終了
東海発電所廃止措置完了
軽水炉発電所廃止措置本格化
4102
4102
廃止措置技術
解体技術
4102
除染技術
4102
解体廃棄物処理技術
4102
4102
4102
4103
4103 軽水炉
軽水炉発電所リプレース需要
4103
基本設計・安全審査・建設等
次世代軽水炉初号機運開
4103
4103
次世代軽水炉
フィージビリティスタディ
4103
概念設計・要素技術開発
4103
4103
4103
4103
4111
4111 軽水炉核燃料サイクル
4111
商用プラントへの導入
4111
4111
遠心法ウラン濃縮
遠心分離機単機開発
4111
遠心分離機カスケード試験
4111
カスケード試験装置・運転試験
4111
4111
4111
4112
4112 軽水炉核燃料サイクル
4112
商用プラントへの導入
4112
4112
MOX燃料加工
小規模ウラン試験
4112
実規模ウラン試験
4112
小規模MOX試験
4112
実規模MOX試験
4112
4112
4121
4121 軽水炉サイクルから高速炉サイクルへの
第二再処理工場に関する検討及び必要な技術開発
4121
円滑な移行のために必要な技術
4121
4121
回収ウラン転換前
高速炉サイクル実用化研究開発
4121
高除染プロセス
・軽水炉サイクルから高速炉サイクルへの移行シナリオ策定等
4121
・高除染プロセスに関する基礎試験等
4121
・再処理工学の枠組み構築
4121
4121
もんじゅ運転再開
4131
革新的技術の採否判断
4131 高速炉サイクル
実証炉の概念設計提示
実証炉の実現
(2050年より前
4131
実用化に至るまでの研究開発計画の提示
の商業炉開発)
4131
4131
高速炉
高速炉サイクル実用化研究開発
4131
・概念検討
4131
・実証炉に係る実プラント技術開発及びコア要素技術開発
4131
4131
4131
4132
革新的技術の採否判断
4132 高速炉サイクル
実証施設の概念設計提示
実証施設の実現
4132
実用化に至るまでの研究開発計画の提示
4132
4132
燃料サイクル
高速炉サイクル実用化研究開発
4132
・概念構築
4132
・燃料サイクル(再処理、燃料)に係る要素技術開発
4132
4132
4132
4144
4144 その他革新炉
4144
中小型炉
4144
4144
超臨界圧水冷却炉
GIFやGNEP等の国際協力の進展も踏まえつつ基盤的研究を推進
4144
中小型炉 等
4144
4144
4144
4144
4201
4201 放射性廃棄物処理処分
4201
4201
4201
浅地中処分
低レベル放射性廃棄物浅地中ピット処分技術(日本原燃が発電所廃棄物を対象に処分実施中)
4201
低レベル放射性廃棄物浅地中トレンチ処分技術(日本原子力開発機構がJPDR解体実地試験で実施)
4201
ウラン廃棄物や長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)等に係る浅地中処分技術
4201
4201
4201
④「原子力利用の推進とその大前提となる安全性の確保」
に寄与する技術の技術ロードマップ(2/2)
No. エネルギー技術
個別技術
4202
4202 放射性廃棄物処理処分
4202
4202
4202
余裕深度処分
4202
4202
4202
4202
4202
4203
4203 放射性廃棄物処理処分
4203
4203
4203
地層処分
4203
4203
4203
4203
4203
1214
1214 エネルギーマネージメント
1214
1214
1214
エネルギー利用
1214
最適化・負荷
1214
平準化技術
1214
1214
1214
1221
1221 高効率送変電
1221
1221
1221
大容量送電
1221
1221
1221
1221
1221
3527
3527 電力系統制御
3527
3527
3527
系統保護技術
3527
3527
3527
3527
3527
3531
3531 電力貯蔵
3531
3531
3531
可変速揚水発電
3531
3531
3531
3531
3531
3532
3532 電力貯蔵
3532
3532
3532
海水揚水発電
3532
3532
3532
3532
3532
3533
3533 電力貯蔵
3533
3533
3533
地下揚水発電
3533
3533
3533
3533
3533
3534
3534 電力貯蔵
3534
3534
3534
圧縮空気電力貯蔵
3534
(CAES)
3534
3534
3534
3534
3541
3541 電力貯蔵
3541
3541
3541
NaS電池
3541
3541
3541
3541
3541
2010
本格調査
安全審査
2015
2020
2025
2030∼
埋設施設建設
発電所廃棄物や長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)等に係る余裕深度処分技術
文献調査
概要調査
精密調査
処分施設建設
処分開始
高レベル放射性廃棄物地層処分技術(地質環境調査評価技術,処分場設計・安全評価技術等)
長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)地層処分技術(廃棄体化技術、処分場設計・安全評価技術等)
エネルギー利用最適化・評価技術
太陽光・風力発電等の供給予測
需要側の負荷平準化技術
系統/分散エネルギーシステム連携制御技術
UHVC(超高圧交流送電、1,000 kV)
送電電圧の昇圧
送配電ロスの低減
自励式大容量交直変喚器
Y系超電導送電
系統保護リレー
機器保護リレー
長距離大容量送電
高効率大容量交直変換器
Y系超電導変圧器
大容量直流送電技術
高速度大容量遮断器 高速事故除去
アダプティブリレー
LC共振限流器
超電導限流器
高信頼化保護技術
SF6代替機器
ポンプ水車の高性能化
高落差・大容量化
事故復旧協調
半導体遮断器
高性能インバータ
軸受損失の低減技術
高落差・大容量化
高耐食性材料
地下地盤構造把握技術
巨大地下施設建設技術
揚水ポンプ性能向上
環境影響評価
地下地盤構造把握技術
都市型CAES
圧縮空気貯蔵技術
圧縮空気貯槽建設コスト低減
ガスタービン発電とのコンバインド
電力品質向上用
負荷変動補償
大型固体電解質管製造技術
セラミックス/金属接合技術
安全設計技術
量産化による低コスト化
④「原子力利用の推進とその大前提となる安全性の確保」
に向けた導入シナリオ
2030年以降においても、発電電力量に占める原子力発電の比率を30∼40%程度以上にする
2030年以降においても、発電電力量に占める原子力発電の比率を30∼40%程度以上にする
ことを目指すため、高速増殖炉サイクルの早期実用化、既設軽水炉代替へ対応する次世代軽
ことを目指すため、高速増殖炉サイクルの早期実用化、既設軽水炉代替へ対応する次世代軽
水炉の開発、軽水炉技術を前提とした核燃料サイクルの確立、放射性廃棄物対策などの技術
水炉の開発、軽水炉技術を前提とした核燃料サイクルの確立、放射性廃棄物対策などの技術
開発を推進する。
開発を推進する。
2005
国
内
外
の
背
景
2010
2015
2020
2025
新・国家エネルギー戦略
NP 2010
Gen IV
AFCI
GNEP
2030∼
(ローリング)
+50 GWe以上(∼2020) Advanced Recycling Reactor
Gen III+炉
Gen IV炉実用化
Nuclear Fuel Recycling Center
軽水炉・軽水炉核燃料サイクル
軽水炉の高度化利用
既設軽水炉の廃止措置
安全確保を大
前提とした軽
水炉・軽水炉
核燃料サイク
ルの推進
主
な
技
術
開
発
お
よ
び
そ
の
関
連
施
策
フィージビリティ
スタディ
確証
試験
機器設計
/開発
単機
開発
概念設計・要素技術開発
基本設計/安全審査/建設等
MOX燃料加工工場
建設
MOX燃料加工工場の操業
確証試験
カスケード試験
次世代軽水炉の運転
全炉心MOX燃料軽水炉の運転
新型遠心分離機導入
軽水炉サイクルから高速増殖炉サイクルへの合理的な移行技術の確立
高速増殖炉(FBR)サイクル
もんじゅ改造工事等/性能試験/運転
高速増殖炉サ
イクルの早期
実用化
高速増殖炉サイクル実用化
研究開発
<実証炉>
基本設計/安全審査/詳細設計/建設・試験
実証炉運転
ホット工学規模試験
関連サイクル実証施設
放射性廃棄物処理処分
低レベル放射性廃棄物の浅地中処分の実施
放射性廃棄物
対策の着実な
推進
低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分の実施
地層処分技術の確立
文献調査
概要調査
精密調査
最終処分施設の建設
原子力利用推進に資する電力系統技術
広域的運営の
促進
電力系統の制御・大容量送電の実施
揚水発電等による電力貯蔵
需要側での負荷平準化の推進
電力自由化環境下での原子力発電の新・増設の実現
共
通
関
連
施
策
2050年より
前の商業炉
開発
資源確保戦略の展開
次世代を支える人材育成
中小型炉の海外市場への展開、わが国原子力産業の国際展開支援
原子力発電拡大と核不拡散の両立に向けた国際的枠組み作りへの積極的関与
国と地域の信頼強化
高レベル放射性
廃棄物/TRU廃棄物
地層処分の実施
原
子
力
利
用
の
推
進
と
そ
の
大
前
提
と
な
る
安
全
の
確
保
⑤ 化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用
(⑤−1)目標と将来実現する社会像
化石燃料資源の大宗を輸入に依存するわが国にとって、その安定供給の
確保は国家安全保障に直結する課題である。このため、石油・天然ガス等
の安定供給確保を目指し、わが国企業による資源国における資源開発等に
対する支援等の施策を進めることが重要である。
資源開発に関し、実績に優る欧米メジャーの優位性、中国、インド等新
興エネルギー需要国の資源獲得に向けた積極的な動きの中、わが国が資源
国に対する交渉上の優位性を獲得するためには、資源獲得能力の強化に資
する先端的な技術開発を推進することが重要である。
(⑤−2)研究開発の取組み
技術開発としては、石油製品等を効率的に製造するためのコンビナート
高度統合技術等の石油有効利用技術、非在来型石油資源の精製技術、新た
な天然ガス田の開発に資すると考えられるGTL(Gas To Liquid)製造
技術等の天然ガス利用技術、EOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進
回収法)技術、メタンハイドレート生産技術等の石油・天然ガスの探鉱開
発・生産技術、供給安定性に優れた石炭の高効率なガス化技術や新たな用
途開拓につながる改質技術等の開発に重点的に取り組むとともに、これと
併せて、資源国との関係強化に向けた取組や、新燃料等の供給インフラ整
備の検討、実証事業等を推進することが必要である。
(⑤−3)関連施策の取組み
• 資源国等との総合的な関係強化(研究開発の推進・協力、人材育成・技術
移転、経済関係強化など)
• 化石燃料のクリーンな利用の開拓
(⑤−4)改訂の主たるポイント
• 大幅な製鉄プロセスからのCO2排出量削減が期待できる「水素鉄鉱石還
元技術」「CO2分離・回収」、「排熱回収技術」を「製鉄プロセス」の
要素技術として追加した。
• ガスタービンとの複合発電が期待できる【溶融炭酸塩形燃料電池(MCF
C)】および【固体酸化物形燃料電池(SOFC)】の要素技術に、さら
なるCO2排出量削減が期待できる「CO2分離・回収」を追加した。
• 一部、石油・ガス増進回収(EOR)等で実用化されている【CO2燃焼
後回収】は大規模実証が進められているが、本格的な普及は【CO2地中
貯留】の実現と同時と考え、2020年頃から本格的普及が始まるとした。
• 【CO2地中貯留】は海外を中心に大規模な実証プロジェクトが計画され
ているが、CO2回収とあわせた低コスト化が必要であるとともに、わが
国の地中貯留ポテンシャルは現時点では限定的と考えられることから海外
との国際連携が必要であること、およびゼロエミッション石炭火力の本格
的普及の時期を考慮し、2020年頃から本格的普及が始まるとした。
超重質油高度分解・利用技術
◇微量物質排出削減技術
◆CO2燃焼後回収
石炭火力発電
◆CO2地中貯留
◆CO2海洋隔離
CO2回収
CO2貯留
自然エネルギー
燃料電池
▼●★◇燃料電池自動車
▽○☆◇水素エンジン自動車
クリーンエネルギー自動車
▼◇高度道路交通システム(ITS)
▽◇人流モーダルシフト
▼◇物流モーダルシフト
先進交通システム
運輸
水素
⑤「化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用」
に寄与する技術の技術マップ(整理図)
▽○◇高性能航空機
▽●◇省エネ型鉄道
▼●★◇PEFC
(電気)
新燃料活用技術
○◇GTL等新燃料と石油の共利用技術
z 技術名の前に記した色抜きの記号(▽○☆□◇)は、その技術が寄与する
政策目標を示す(▽:総合エネルギー効率の向上、○:運輸部門の燃料多
様化、☆:新エネルギーの開発・導入促進、□:原子力利用の推進とその大
前提となる安全の確保、◇:化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用)。
z 特に政策目標への寄与が大きいと思われる技術については、その寄与が
大きい政策目標を、色塗りの記号(▼●★■◆)で示した。
z 「化石燃料の安定供給とクリーン・有効利用」への寄与が大きいと思われる
技術名を、赤字・下線付きで記載した。
▼●☆◆プラグインハイブリッド自動車
▼●☆◇電気自動車
クリーンエネルギー自動車
○◇石油からの水素製造
・輸送技術
▽○◇高性能船舶
▽○◇高効率海運システム
高度石油利用技術
○◇天然ガスからの次世代
水素製造技術
○◇石炭利用CO2回収型水素製造技術
○★◇ガス化水素製造
水素製造
●☆◇バイオマス等非在来石油高度活用技術
新燃料活用技術
★◇バイオマス・石炭混焼発電
石炭火力発電
天然ガス利用技術
○☆◇石炭水素化熱分解技術
☆◆石炭ガス化多目的利用技術
石炭利用
○◇石油残渣コークス・ピッチ
からの水素製造技術
重質原油利用技術
○☆◇ジメチルエーテル(DME)
○★◇ガス化BTL製造
バイオマス燃料製造
☆◇石炭付加バイオマス燃料製造技術
▽○◇天然ガス自動車
▼●◆ハイブリッド自動車
燃料
○◇高度脱硫液体燃料製造技術
▽◇省燃費・高耐久性潤滑油開発技術
◇石油精製ゼロエミッション化技術
石油精製技術
○◇自動車用新燃料利用技術
○◇自動車燃費向上・排ガスクリーン化燃料技術
○◇環境負荷低減オフロードエンジン技術
高度石油利用技術
バイオマス燃料製造
◆オイルサンド油等の高度分解・処理技術
◆オイルサンド・ビチュメン等の超臨界水等熱分解技術
◆オイルサンド・ビチュメン等の高度利用・活用技術
クリーンエネルギー自動車
▼●◇ガソリンエンジン
▼●◆ディーゼルエンジン
高効率内燃エンジンム
▽○☆◇DMFC
燃料電池
▼☆□◇エネルギー利用最適化
・負荷平準化技術
エネルギーマネージメント
(民生)
重質原油利用技術
○◇LPG/DME混合燃料利用技術 ○◇低品油からの高オクタン価ガソリン製造技術
▽◇LPガス高効率燃焼機器技術 ○◆重質油からの合成軽油製造技術(ATL)
◆高過酷度接触分解等重質油高度対応処理技術
LPガス利用技術
◇天然ガスのハイドレート化輸送・利用技術
●◆天然ガス液体燃料化技術(GTL)
○◇天然ガス等からのLPガス合成技術
天然ガス利用技術
▼◆次世代コークス製造法
CO2回収
石炭火力発電
▼◆製鉄プロセス
◆CO2燃焼前回収
▽◇新還元溶解製鉄法
▽◇IGHAT
◇酸素燃焼CO2回収
▼◆石油精製プロセス
▼◇A-PFBC
高効率送変電
化石資源
▼◇石油化学プロセス
▼◆A-USC
石炭利用
▼☆■◇大容量送電
▼◆IGCC
▽◇セメントプロセス
◇低品位炭燃焼技術
石炭開発技術
産業
▼◆IGFC
▽◇製紙プロセス
◇次世代石炭粉砕技術
石炭 ◆石炭高度生産・選炭技術
▼◆A-IGCC/A-IGFC
▼◇非鉄金属プロセス
電気
○◆石炭液化技術(CTL)
◇石炭地下ガス化技術
▼◇化学素材プロセス
◇石炭灰の高度利用技術
燃料電池
▼◇ガラス製造プロセス
◆石炭無灰化技術
▽☆◇PAFC
化石資源開発
▽◇組立・加工プロセス
◆低品位炭改質技術
▼☆◆MCFC
(在来・非在来型化石資源共通技術)
▽◇セラミックス製造プロセス
◇石炭乾留ガス無触媒改質技術 石油
▼★◆SOFC
◆油ガス層把握技術
◇石炭乾留ガス有効利用技術
高効率天然ガス発電
▼◇コンビナート高度統合化技術
◆原油・天然ガス掘削・開発技術
◇高効率石炭転換技術
▼◆高温ガスタービン
熱
◇フロンティア地域化石資源掘削・開発技術
▼◇産業間連携
▽◇アドバンスド高湿空気
◆原油・天然ガス増進回収技術(EOR・EGR)
天然ガス
燃焼ガスタービン発電
◆環境調和型油ガス田開発技術
▼◇コプロダクション
高効率コージェネ
▼◆燃料電池/ガスタービン
燃料電池
▼◇ガス・石油エンジンコージェネ
複合発電
▼★◆SOFC
非在来型化石資源開発
▼◇ガスタービンコージェネ
ガス供給技術
▼●★◇PEFC
非在来型化石燃料 ◆コールベッドメタン増進回収技術(ECBM)
▼☆◇燃料電池コージェネ
◇ガス輸送技術
▽○☆◇DMFC
◆オイルサンド等重質油生産・改質技術
◇ガス貯蔵技術
◆非在来型ガス開発・生産回収技術
◆メタンハイドレート資源開発技術 バイオマス
ガス
▽◇高効率工業炉・ボイラー
省エネ型産業プロセス
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(1/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と
⑤「化石燃料の安定供給確保と
有効かつクリーンな利用」
有効かつクリーンな利用」
赤字
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
非在来型石油資源
の活用技術
5101 コールベッドメタン増進回収
技術(ECBM)
非在来型化石資源開発
5102 オイルサンド等重質油生産・
改質技術
5103 非在来型ガス開発・
生産回収技術
5104 メタンハイドレート資源開発
技術
5322 GTL等新燃料と石油の
共利用技術
新燃料活用技術
石油高度有効活用技術
省エネ型産業プロセス
産業間連携
1104 石油精製プロセス
1105 石油化学プロセス
1141 産業間連携
コンビナート高度統合技術
1151 コンビナート高度統合化技術
高効率コージェネ
1201 ガス・石油エンジンコージェネ
1203 燃料電池コージェネ
高効率内燃エンジン
2101 ガソリンエンジン
2102 ディーゼルエンジン
クリーンエネルギー自動車
2112 ハイブリッド自動車
5201 高過酷度接触分解等
重質油高度対応処理技術
重質原油利用技術
5202 低品油からの高オクタン価
ガソリン製造技術
5204 重質油からの合成軽油
製造技術(ATL)
高度石油利用技術
5203 石油残渣コークス・ピッチから
の水素製造技術
5311 石油からの水素製造・
輸送技術
石油クリーン利用技術
石油精製技術
5301 高度脱硫液体燃料製造技術
5302 省燃費・高耐久性潤滑油
開発技術
5303 石油精製ゼロエミッション化
技術
高度石油利用技術
5312 自動車用新燃料利用技術
5313 自動車燃費向上・
排ガスクリーン化燃料技術
5314 環境負荷低減オフロード
エンジン技術
新燃料活用技術
5321 バイオマス等非在来石油
高度活用技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(2/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と
⑤「化石燃料の安定供給確保と
有効かつクリーンな利用」
有効かつクリーンな利用」
赤字
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
石油・天然ガスの深鉱・
開発・生産技術
化石資源開発(在来・非在
来型化石資源共通技術)
5401 油ガス層把握技術
5402 原油・天然ガス掘削・開発
技術
5403 フロンティア地域化石資源掘
削・開発技術
5404 原油・天然ガス増進回収技術
(EOR・EGR)
5406 環境調和型油ガス田開発
技術
超重質油高度分解・
利用技術
5411 オイルサンド油等の
高度分解・処理技術
5412 オイルサンド・ビチュメン等の
超臨界水等熱分解技術
5421 オイルサンド・ビチュメン等の
高度利用・活用技術
天然ガス・LPガスの
利用・流通技術
クリーンエネルギー自動車
2111 天然ガス自動車
ガス供給技術
高効率天然ガス発電
5501 ガス輸送技術
5502 ガス貯蔵技術
5511 高温ガスタービン
5512 アドバンスド高湿分空気燃焼
ガスタービン発電(AHAT)
5513 燃料電池/ガスタービン
複合発電
天然ガス利用技術
5521 天然ガス液体燃料化技術
(GTL)
5522 天然ガスのハイドレード化
輸送・利用技術
5523 天然ガスからの次世代
水素製造技術
5524 天然ガス等からの
LPガス合成技術
LPガス利用技術
5531 LPG/DME混合燃料利用技術
5532 LPガス高効率燃焼機器技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(3/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と
⑤「化石燃料の安定供給確保と
有効かつクリーンな利用」
有効かつクリーンな利用」
赤字
で示す。
個別技術
環境適合技術
エネルギー安定供給技術
石炭のクリーン利用技術
省エネ型産業プロセス
1101 次世代コークス製造法
1102 製鉄プロセス
1103 新還元溶解製鉄法
3207 石炭付加バイオマス燃料
製造技術
バイオマス燃料製造
水素製造
3311 石炭利用CO2回収型
水素製造技術
3312 ガス化水素製造
石炭開発技術
5601 石炭高度生産・選炭技術
5602 石炭地下ガス化技術
石炭火力発電
5611 石炭ガス化高湿分空気燃焼
ガスタービン発電(IGHAT)
5612 アドバンスド加圧流動床発電
(A-PFBC)
5613 先進超々臨界圧火力発電
技術(A-USC)
5614 バイオマス・石炭混焼発電
技術
5615 石炭ガス化複合発電技術
(IGCC)
5616 石炭ガス化燃料電池
複合発電技術(IGFC)
5617 次世代高効率石炭ガス化
発電技術(A-IGCC/A-IGFC)
5620 微量物質排出削減技術
石炭利用
5631 低品位炭燃焼技術
5632 次世代石炭粉砕技術
5633 石炭液化技術(CTL)
5634 石炭水素化熱分解技術
5635 石炭ガス化多目的利用技術
5636 石炭灰の高度利用技術
5637 石炭無灰化技術
5638 低品位炭改質技術
5639 石炭乾留ガス無触媒改質
技術
5640 石炭乾留ガス有効利用技術
5641 高効率石炭転換技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術マップ(技術リスト)(4/4)
※それぞれの政策目標への寄与が大きいと思われる個別技術を
政策目標
中分類
エネルギー技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と
⑤「化石燃料の安定供給確保と
有効かつクリーンな利用」
有効かつクリーンな利用」
エネルギー安定供給技術
その他・共通技術
1106 セメントプロセス
1107 製紙プロセス
1108 非鉄金属プロセス
1109 化学素材プロセス
1110 ガラス製造プロセス
1111 組立・加工プロセス
1112 セラミックス製造プロセス
高効率工業炉・ボイラー
コプロダクション
高効率コージェネ
エネルギーマネージメント
高効率送変電
先進交通システム
1121 高効率工業炉・ボイラー
1131 コプロダクション
1202 ガスタービンコージェネ
1214 エネルギー利用最適化・
負荷平準化技術
1221 大容量送電
1401 高度道路交通システム(ITS)
1402 人流モーダルシフト
1403 物流モーダルシフト
クリーンエネルギー自動車
2113 プラグインハイブリッド自動車
2114 電気自動車
2115 燃料電池自動車
2116 水素エンジン自動車
省エネ型鉄道
高性能船舶
高効率海運システム
高性能航空機
バイオマス燃料製造
2201 省エネ型鉄道
2301 高性能船舶
2302 高効率海運システム
2401 高性能航空機
3204 ジメチルエーテル(DME)
3205 ガス化BTL製造
燃料電池
3301 リン酸形燃料電池(PAFC)
3302 溶融炭酸塩形燃料電池
(MCFC)
3303 固体酸化物形燃料電池
(SOFC)
3304 固体高分子形燃料電池
(PEFC)
3305 ダイレクトメタノール形燃料
電池(DMFC)
CO2回収
5711 CO2燃焼前回収
5712 CO2燃焼後回収
5713 酸素燃焼CO2回収
CO2貯留
で示す。
個別技術
環境適合技術
省エネ型産業プロセス
赤字
5721 CO2地中貯留
5722 CO2海洋隔離
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(1/11)
No. エネルギー技術
個別技術
5101
5101 非在来型化石資源開発
5101
5101
5101
コールベッドメタン
5101
増進回収技術
5101
(ECBM)
5101
5101
5101
5102
5102 非在来型化石資源開発
5102
5102
5102
オイルサンド等重質油
5102
生産・改質技術
5102
5102
5102
5102
5103
5103 非在来型化石資源開発
5103
5103
5103
非在来型ガス開発
5103
・生産回収技術
5103
5103
5103
5103
5104
5104 非在来型化石資源開発
5104
5104
5104
メタンハイドレート
5104
資源開発技術
5104
5104
5104
5104
5322
5322 新燃料活用技術
5322
5322
5322
GTL等新燃料と石油の
5322
共利用技術
5322
5322
5322
5322
1104
1104 省エネ型産業プロセス
1104
1104
1104
石油精製プロセス
1104
1104
1104
1104
1104
1105
1105 省エネ型産業プロセス
1105
1105
1105
石油化学プロセス
1105
1105
1105
1105
1105
1141
1141 産業間連携
1141
1141
1141
産業間連携
1141
1141
1141
1141
1141
1151
1151 コンビナート高度統合技術
1151
1151
1151
コンビナート
1151
高度統合化技術
1151
1151
1151
1151
1201
1201 高効率コージェネ
1201
1201
1201
ガス・石油エンジン
1201
コージェネ
1201
1201
1201
1201
2010
2015
2020
2025
2030∼
CO2圧入・メタン回収技術
CO2挙動モニタリング技術
ビチュメンのオンサイト改質技術
オイルサンド層からのビチュメン増進回収技術
重質原油の増進回収技術
先進・複合型オイルシェール開発技術
ビチュメンの油層内改質技術
CBM(コールベッドメタンガス)生産性向上
タイトガス・シェールガス生産性向上
深部天然ガス開発技術
CO2非分離型低コスト生産システム
海洋産出試験
陸上産出試験
資源量評価
生産手法開発
環境影響評価手法開発
探査・解析技術
資源量評価技術
高度MH生産技術
環境影響評価
GTLとの混合利用
石炭液化油との混合利用技術
他のクリーン液体燃料利用技術
低水素消費型ガソリン脱硫技術 (水素消費率:60%)
高効率プレート熱交換器技術 (CO2削減:2万t/年・基)
コンビナートエネルギー高度利用技術・低位熱回収システム
省エネ型プラスチック製品製造技術(SPM)
気相法ポリプロピレン製造技術(触媒開発)
低エネルギー分解技術(ナフサの接触分解プロセス・膜分離)
内部熱交換型蒸留プロセス(HIDiC)
ガソリン基材・石油化学原料高効率製造技術
古紙等からの化学原料等製造技術、バイオマスからの石油代替成形材料の製造技術
超臨界流体を利用した化学プロセス技術
コプロダクション サステナブル・カーボン・サイクル・ケミストリー(SC3)
分離膜装置による水処理
石油コンビナートのエネルギー有効利用
石油精製高度機能融合技術開発
熱ピンチ・エネルギーカスケード利用
物質ピンチ
物質再生産業間連携
IEMS(産業集積地のエネルギー管理システム)
ILEN(産業集積地の地域エネルギー・ネットワーク)
次世代型エネルギー・化学原料併産型高効率ガス化技術
副生成物利用技術
LNG冷熱利用技術
水素統合利用技術
未利用分解留分高度利用技術
未利用分循環再生マルチ処理技術
ミラーサイクルエンジン
超希薄燃料による高効率化
高圧縮比化による高出力化・コンパクト化
EGR等による低NOx化
マイクロガス/石油エンジン(HCCI方式)
スターリングエンジン
セラミックエンジン
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(2/11)
No. エネルギー技術
個別技術
1203
1203 高効率コージェネ
1203
1203
1203
燃料電池コージェネ
1203
1203
1203
1203
1203
2101
2101 高効率内燃エンジン
2101
2101
2101
ガソリンエンジン
2101
2101
2101
2101
2101
2102
2102 高効率内燃エンジン
2102
2102
2102
ディーゼルエンジン
2102
2102
2102
2102
2102
2112
2112 クリーンエネルギー自動車
2112
2112
2112
ハイブリッド自動車
2112
2112
2112
2112
2112
5201
5201 重質原油利用技術
5201
5201
5201
高過酷度接触分解
5201
重質油等高度対応
5201
処理技術
5201
5201
5201
5202
5202 重質原油利用技術
5202
5202
5202
低品油からの
5202
高オクタン価
5202
ガソリン製造技術
5202
5202
5202
5203
5203 高度石油利用技術
5203
5203
5203
石油残渣コークス
5203
・ピッチからの
5203
水素製造技術
5203
5203
5203
5311
5311 高度石油利用技術
5311
5311
5311
石油からの水素製造
5311
・輸送技術
5311
5311
5311
5311
5204
5204 重質原油利用技術
5204
5204
5204
重質油からの合成
5204
軽油製造技術(ATL)
5204
5204
5204
5204
5301
5301 石油精製技術
5301
5301
5301
高度脱硫液体燃料
5301
製造技術
5301
5301
5301
5301
2010
2015
発電効率・総合効率向上
低コスト化、量産化技術
長寿命化
燃料電池技術
PEFC
PAFC
2020
2025
2030∼
SOFC
MCFC
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
低摩擦材料表面制御
部分負荷効率向上のための気筒停止
パワートレイン技術
高圧縮比化
リーンバーン燃焼
最適傾斜機能鍛造軽量部材
高効率・低エミッション燃焼技術
代替燃料・混合燃料利用エンジン技術
低摩擦材料表面制御
予混合圧縮自着火(HCCI)
最適傾斜機能鍛造軽量部材
動力回生システム
エンジン効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
低摩擦材料表面制御
HSFCCプロセス開発技術
分解ガス成分異性化触媒技術
重質油対応直接脱硫触媒技術
残油分解触媒技術
分解軽油水素化分解触媒技術
低級ナフサ有効利用技術
新規ナフサ異性化触媒技術
高オクタンガソリン製造流動接触分解触媒技術
高オクタンガソリン製造触媒技術
ピッチの粘結材利用技術
水素製造プロセス技術
水素製造触媒技術
水素貯蔵・輸送・供給技術
灯油吸着脱硫技術
灯油等改質オフサイト水素製造技術
灯油改質触媒技術
膜分離技術
自動車オンボード改質技術
SOFC用熱自立型改質器システム技術
重質油のガス化技術
FT合成技術
水素化分解技術
石油系液体燃料の高度脱硫技術
高度脱硫触媒
高度脱硫プロセス
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(3/11)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5302
5302 石油精製技術
5302
5302
5302
省燃費・高耐久性
省燃費潤滑油製造技術
GTL由来品等からの潤滑油製造技術
5302
潤滑油開発技術
5302
5302
5302
5302
5303
5303 石油精製技術
5303
5303
5303
石油精製
廃触媒削減技術
新規環境対応低廃棄物ガソリン基材製造技術
5303
ゼロエミッション化技術
余剰脱硫硫黄利用技術
5303
重質油汚染土壌浄化技術
5303
ガソリン汚染土壌浄化技術
5303
5303
5312
5312 高度石油利用技術
5312
5312
5312
自動車用新燃料
バイオ燃料・GTL等新燃料とガソリン・軽油との混合の燃料技術
5312
利用技術
混合燃料対応自動車技術
5312
5312
5312
5312
5313
5313 高度石油利用技術
5313
5313
5313
自動車燃費向上・
最新ディーゼル車対応燃料技術
5313
排ガスクリーン化
自動車燃費向上技術
HCCI等の次世代自動車対応燃料技術
5313
燃料技術
アンチノック性向上技術
排ガス等高精度大気シミュレーション技術
5313
5313
5313
5314
5314 高度石油利用技術
5314
5314
5314
環境負荷低減
低セタン価対応エンジン技術
5314
オフロードエンジン技術
定置式・汎用ディーゼルエンジン用低セタン価燃料開発技術
5314
超低セタン価対応技術
5314
5314
5314
5321
5321 新燃料活用技術
5321
5321
5321
バイオマス等非在来
石油とバイオマス燃料の共利用技術
バイオマス燃料精製処理技術(エタノールの膜分離精製など)
5321
石油高度活用技術
5321
5321
5321
5321
5401
5401 化石資源開発
5401
(在来・非在来型化石資源共通技術)
5401
5401
油ガス層把握技術
探査・埋蔵量評価技術(石油システム解析等、埋蔵量把握)
探査・埋蔵量評価技術(高度地震探鉱技術)
5401
油ガス層評価技術(フラクチャー油層解析等の油層特性把握)
油ガス層評価技術(炭化水素直接探査法)
5401
ダイナミックモデリング
5401
5401
5401
5402
5402 化石資源開発
5402
(在来・非在来型化石資源共通技術)
5402
5402
原油・天然ガス掘削
高度掘削・生産技術(レーザー掘削など)
5402
・開発技術
高度生産施設(デジタルフィールド、腐食モニタリング技術等)・パイプライン技術
5402
中小ガス田開発技術
5402
5402
5402
5403
5403 化石資源開発
5403
(在来・非在来型化石資源共通技術)
5403
5403
フロンティア地域
フロンティア地域(大水深)開発技術
5403
化石資源掘削
フロンティア地域(極地・氷海域等)開発技術
5403
・開発技術
5403
5403
5403
5404
5404 化石資源開発
5404
(在来・非在来型化石資源共通技術)
5404
5404
原油・天然ガス増進
CO2圧入法、ガス攻法
改良型水攻法
ケミカル攻法
5404
回収技術
熱攻法
微生物攻法
5404
(EOR・EGR)
フラクチャリング等坑井刺激法
5404
界面張力低減技術
5404
層内モニタリング技術
5404
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(4/11)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5406
5406 化石資源開発
5406
(在来・非在来型化石資源共通技術)
5406
5406
環境調和型
微生物利用枯渇油層内メタン再生技術
5406
油ガス田開発技術
地下微生物利用硫化水素除去技術
5406
生産水の坑底分離と非処理水圧入技術
5406
坑井掘削堀屑の地下圧入技術
5406
枯渇ガス田CO2回収
5406
5411
5411 超重質油高度分解・利用技術
5411
ディル・ビット35%以上、シン・ビット50%以上混合処理可能な触媒・プロセス技術開発
5411
5411
オイルサンド油等の
水素化分解技術
5411
高度分解・処理技術
流動接触分解技術
5411
水素化分解触媒開発
5411
5411
5411
5412
5412 超重質油高度分解・利用技術
5412
オイルサンドビチュメンを90%以上分解可能なプロセス技術の確立
5412
5412
オイルサンド・ビチュメン等の
超臨海水による脱金属技術等 超臨界における水による重質油分解技術
5412
超臨界水等熱分解
亜臨界における水による重質油分解技術
5412
技術
5412
5412
5412
5421
5421 超重質油高度分解・利用技術
5421
硫黄分10 ppm以下ガソリン・経由の製造技術確立
5421
5421
オイルサンド・ビチュメン等の
合成原油処理用触媒技術
5421
高度利用・活用技術
熱分解(コーカー)最適化技術
5421
改質触媒技術
5421
石化原料転換技術
5421
5421
2111
2111 クリーンエネルギー自動車
2111
2111
2111
天然ガス自動車
航続距離の長距離化
2111
天然ガス吸蔵材料
2111
燃料タンクの軽量化
2111
ガス供給インフラの拡充
2111
2111
5501
5501 ガス供給技術
5501
5501
5501
ガス輸送技術
ガス導管敷設技術
高効率輸送技術
5501
パイプラインモニタリング
インテリジェント導管材料
5501
ガスセンサ技術
天然ガスハイドレート(NGH)輸送
5501
地震センサ・遠隔監視
5501
設備検査技術
5501
5502
5502 ガス供給技術
5502
5502
5502
ガス貯蔵技術
ガスセンサ技術
気密構造設計
天然ガス高圧貯蔵
5502
地震センサ・遠隔監視
高性能プラグ
岩盤貯蔵
5502
設備検査技術
施工コスト削減
5502
5502
5502
5511
送電端効率
5511 高効率天然ガス発電
52%HHV(1500℃級GT)
56%HHV(1700℃級GT)
5511
5511
5511
高温ガスタービン
コンバインドサイクル(ACC) 高耐熱材料
5511
高耐食材料
セラミックタービン
5511
超高純度金属材料
5511
燃焼ガス高温化技術
5511
5511
5512
5512 高効率天然ガス発電
5512
1500℃級
1700℃級
5512
5512
アドバンスド高湿分
5512
空気燃焼ガスタービン 高湿分機器(圧縮機、再生器、燃焼器)開発
5512
発電(AHAT)
5512
5512
5512
5513
送電端効率(HHV)
5513 高効率天然ガス発電
60%HHV(1500℃級GT)
5513
5513
5513
燃料電池/ガスタービン
高温ガスタービン
大容量高温形燃料電池
5513
複合発電
高圧対応スタック・モジュール技術
5513
ハイブリッドシステム技術
5513
耐久性向上
5513
5513
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(5/11)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
5521
5521 天然ガス利用技術
パイロットプラント実証
5521
7 bbl/d
500 bbl/d実証
5521
5521
天然ガス液体燃料化
液体燃料(GTL)製造
5521
技術(GTL)
合成ガス製造技術 (累積6,600時間の安定的運転)
5521
FT合成技術 (コバルト系触媒の高生産、安定的生産)
5521
水素化分解技術
5521
スケールアップ手法、運転技術
5521
5522
5522 天然ガス利用技術
5522
500トン/dの製造システム確立
5522
5522
天然ガスのハイドレート化
冷熱利用NGH製造技術
NGH製造技術
5522
輸送・利用技術
NGHコンテナ輸送技術
NGH船輸送技術
5522
NGH再ガス化・利用技術
5522
5522
5522
5523
5523 天然ガス利用技術
5523
5523
5523
天然ガスからの次世代
水蒸気改質+PSA
水素透過型メンブレンリアクタ
CO2分離型水素製造
5523
水素製造技術
CO2分離膜
5523
5523
5523
5523
5524
5524 天然ガス利用技術
5524
5524
5524
天然ガス等からの
天然ガス・石炭・CO2等からのLPG合成技術
5524
LPガス合成技術
合成触媒長寿命化
5524
触媒再生技術
5524
5524
5524
5531
5531 LPガス利用技術
5531
5531
5531
LPG/DME混合燃料
混合燃焼試験、耐久試験等
混合燃料に対する機器耐久性向上
5531
利用技術
DME/LPG直噴ディーゼル技術
5531
5531
5531
5531
5532
5532 LPガス利用技術
5532
5532
5532
LPガス高効率燃焼
ターボジェット式コンロ燃焼・伝熱技術
5532
機器技術
高効率機器開発
5532
排気ガス処理技術
5532
5532
5532
省エネ性の向上
21%
23%
1101
生産性向上
従来の3倍
1101 省エネ型産業プロセス
コークス製造コストダウン -18%
-20%
1101
既存コークス炉のリプレース
多目的転換炉
1101
1101
次世代コークス製造法
次世代コークス製造法(SCOPE21)
1101
高反応性新塊成物導入
一般炭・鉄鉱石接着結合技術、フェロコークス製造技術
1101
廃プラ・バイオマス利用技術
1101
副生水素(COG)の利用最適化/水素エネルギーシステム
劣質原料使用技術(石炭)
1101
1101
CO2分離・回収技術
1102
排熱回収技術
1102 省エネ型産業プロセス
1102
溶融還元製鉄法(DIOS)
次世代圧延技術(難加工性特殊鋼等)
創資源・創エネルギー型高炉
1102
1102
製鉄プロセス
革新的電磁鋼鈑技術
高温耐熱耐食鉄鋼材料
劣質原料使用技術(石炭・鉄鉱石)
1102
電磁気力利用鋳造技術
鋳片表層改質による循環元素無害化技術
水素鉄鉱石還元技術
1102
電気炉ダスト回生技術
超微細粒熱延鋼鈑製造技術、回転炉床有用金属回収技術
1102
新焼結プロセス 事前炭化式ガス化溶融プロセス
熱・冷延統合プロセス
1102
高微粉炭比操業下でのダスト排出量低減
断熱型鋳造システム 化学プロセスとのコプロダクション エネルギー(鉄/ガス)併産技術
1102
1103
1103 省エネ型産業プロセス
1103
1103
1103
新還元溶解製鉄法
新還元溶解製鉄法(ITmk3) 直接還元製鉄法(FASTMET)
電炉希釈バージン鉄製造(DRIC)
1103
1103
電炉用HBI製造プロセス
希少金属分離回収技術
1103
断熱型鋳造システム 特殊鋼材高洗浄・高機能化技術
1103
化学プロセスとのコプロダクション
1103
3207
3207 バイオマス燃料製造
3207
3207
3207
石炭付加バイオマス
バイオマス・石炭ブリケット燃料製造技術
3207
燃料製造技術
乾燥・微粉化技術
3207
木質/炭化物−微粉炭混焼技術
3207
大量ペレット化
3207
3207
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(6/11)
No. エネルギー技術
個別技術
3311
3311 水素製造
3311
3311
3311
石炭利用CO2回収型
3311
水素製造技術
3311
3311
3311
3311
3312
3312 水素製造
3312
3312
3312
ガス化水素製造
3312
3312
3312
3312
3312
5601
5601 石炭開発技術
5601
5601
5601
石炭高度生産
5601
・選炭技術
5601
5601
5601
5601
5602
5602 石炭開発技術
5602
5602
5602
石炭地下ガス化技術
5602
5602
5602
5602
5602
5611
5611 石炭火力発電
5611
5611
5611
石炭ガス化高湿分
5611
空気燃焼ガスタービン
5611
発電(IGHAT)
5611
5611
5611
5612
5612 石炭火力発電
5612
5612
5612
アドバンスド加圧
5612
流動床発電
5612
(A-PFBC)
5612
5612
5612
5613
5613 石炭火力発電
5613
5613
5613
先進超々臨界圧火力
5613
発電(A-USC)
5613
5613
5613
5613
5614
5614 石炭火力発電
5614
5614
5614
バイオマス・石炭
5614
混焼発電
5614
5614
5614
5614
5615
5615 石炭火力発電
5615
5615
5615
石炭ガス化複合発電
5615
(IGCC)
5615
5615
5615
5615
5616
5616 石炭火力発電
5616
5616
5616
石炭ガス化燃料電池
5616
複合発電(IGFC)
5616
5616
5616
5616
2010
2015
2020
水素価格(水素製造全体)
150円/Nm3
80円/Nm3
2025
2030∼
40円/Nm3
5 t/d パイロットプラント
CO2同時吸収型石炭利用水素製造技術(HyPr-RING)
吸収剤リサイクル技術
CO2回収技術
部分酸化改質
水蒸気改質 オートサーマル改質
石炭ガス化
バイオマスガス化
ガスクリーンアップ
CO2回収技術
石炭資源総合評価高度化技術
石炭高度選炭技術
水素分離膜技術
石炭高度生産技術
(石炭・ガス併産技術、難条件石炭開発技術など)
石炭地下ガス化技術
石炭地下ガス化技術
モニタリング技術・環境影響評価 送電端効率 49%(AHAT)
空気吹き石炭ガス化技術
多炭種対応技術
高効率酸素製造技術
49%(IGHAT)
酸素吹き石炭ガス化技術
湿分利用ガスタービン技術
乾式ガスクリーニング技術
加圧流動床炉(ガス化炉、脱硫炉、酸化炉)開発
炭種拡大
バイオマス混焼
高温乾式脱硫
脱塵性能向上
送電端効率
42%HHV(600℃級)
46%HHV(700℃級)
48%HHV(750℃級)
ボイラー・タービン新合金開発
高温弁開発
高温耐熱鋼溶接技術
石炭-バイオマス混焼技術
石炭バイオブリケット製造技術
石炭粉砕技術
下水汚泥スラリー化技術
送電端効率 41%HHV(250 MW実証機)
46%HHV(1500℃級GT・湿式ガス精製)
48%HHV(1500℃級GT・乾式ガス精製)
空気吹き石炭ガス化技術
多炭種対応技術
高効率酸素製造技術
50%HHV(1700℃級GT・乾式ガス精製)
高温ガスタービン技術(1700℃級)
乾式ガスクリーニング技術
プラント規模/送電端効率
多炭種対応技術
実証機(1000 t/d級)
商用機(600 MW級/送電端効率55%HHV)
酸素吹き石炭ガス化技術 高温形大容量燃料電池
乾式ガスクリーニング技術
精密ガスクリーニング技術
高温ガスタービン技術
高効率酸素製造技術
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(7/11)
No. エネルギー技術
個別技術
5617
5617 石炭火力発電
5617
5617
5617
次世代高効率石炭
5617
ガス化発電
5617
(A-IGCC/A-IGFC)
5617
5617
5617
5620
5620 石炭火力発電
5620
5620
5620
微量物質排出削減技術
5620
5620
5620
5620
5620
5631
5631 石炭利用
5631
5631
5631
低品位炭燃焼技術
5631
5631
5631
5631
5631
5632
5632 石炭利用
5632
5632
5632
次世代石炭粉砕技術
5632
5632
5632
5632
5632
5633
5633 石炭利用
5633
5633
5633
石炭液化技術(CTL)
5633
5633
5633
5633
5633
5634
5634 石炭利用
5634
5634
5634
石炭水素化熱分解技術
5634
5634
5634
5634
5634
5635
5635 石炭利用
5635
5635
5635
石炭ガス化多目的
5635
利用技術
5635
5635
5635
5635
5636
5636 石炭利用
5636
5636
5636
石炭灰の高度利用技術
5636
5636
5636
5636
5636
5637
5637 石炭利用
5637
5637
5637
石炭無灰化技術
5637
5637
5637
5637
5637
5638
5638 石炭利用
5638
5638
5638
低品位炭改質技術
5638
5638
5638
5638
5638
2010
2015
2020
2025
2030∼
送電端効率
低温高効率石炭ガス化技術
高温形大容量燃料電池
高温ガスタービン技術
微量物質挙動把握
微量物質計測技術
微量物質捕集技術
低燃料比炭燃焼技術(共粉砕、混焼、スラッギング対策)
高燃料比炭燃焼技術(バーナー開発、超微粉砕技術)
バイオマスとの共粉砕技術
粉砕動力低減技術開発
超微粉砕技術開発
設備規模(国内)
3,000 t/d
6,000 t/d
設備規模(中国)
3,000 t/d
6,000 t/d
1 t/d試験装置(PSU)(インドネシア) アジア地域への普及のための研修
アップグレーディング技術
ガス化技術
FT合成技術
褐炭液化技術の適用検証
技術者・運転員研修
商用装置設計建設
パイロット試験実証試験
多炭種対応技術
高稼働・信頼性確立
コプロダクション技術
多炭種対応技術
バイオマス等とのハイブリッドガス化技術
ガスクリーニング技術
セメント製造技術
繊維化技術
ベンチ試験
製造技術検討
パイロット試験
製造技術確立
コークス利用技術
粘結材適用試験 実炉によるコークス試験
ハイパーコール製造技術
GT利用技術
GT適用試験(加圧)
GT適用実証試験
GT適用試験(常圧)
実証試験
パイロット試験
褐炭等脱水技術
油中褐炭改質技術(UBC)
褐炭流体化技術
石炭水スラリー化技術
改質コスト $7/t以下
製品燃焼性等試験
全体システム・経済性確認
石炭ガス化コプロダクション
代替天然ガス製造
CO2分離・回収
57%HHV(A-IGCC)
65%HHV(A-IGFC)
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(8/11)
No. エネルギー技術
個別技術
5639
5639 石炭利用
5639
5639
5639
石炭乾留ガス無触媒
5639
改質技術
5639
5639
5639
5639
5640
5640 石炭利用
5640
5640
5640
石炭乾留ガス
5640
有効利用技術
5640
5640
5640
5640
5641
5641 石炭利用
5641
5641
5641
高効率石炭転換技術
5641
5641
5641
5641
5641
1106
1106 省エネ型産業プロセス
1106
1106
1106
セメントプロセス
1106
1106
1106
1106
1106
1107
1107 省エネ型産業プロセス
1107
1107
1107
製紙プロセス
1107
1107
1107
1107
1107
1108
1108 省エネ型産業プロセス
1108
1108
1108
非鉄金属プロセス
1108
1108
1108
1108
1108
1109
1109 省エネ型産業プロセス
1109
1109
1109
化学素材プロセス
1109
1109
1109
1109
1109
1110
1110 省エネ型産業プロセス
1110
1110
1110
ガラス製造プロセス
1110
1110
1110
1110
1110
1111
1111 省エネ型産業プロセス
1111
1111
1111
組立・加工プロセス
1111
1111
1111
1111
1111
1112
1112 省エネ型産業プロセス
1112
1112
1112
セラミックス製造
1112
プロセス
1112
1112
1112
1112
2010
2015
2020
2025
2030∼
実証試験
パイロット試験
実ガス試験
システム確認試験
無触媒COG合成ガス製造技術
水素製造技術
ベンチ試験
パイロット試験
実証試験
低圧メタネーション技術
MTB(Methane To Benzene)技術
CO2分離回収技術
予備調査
基礎試験
ベンチ試験
パイロット試験
ラジカル連鎖反応技術
低温作動・電子励起作動触媒
プラズマ石炭ガス化技術
廃棄物原料化技術
省電力ミル
高効率乾燥炉
廃棄物ガス化によるコプロダクション
黒液回収ボイラーの高効率化
パルプ化工程の省エネ
苛性化工程の効率化
抄紙方法効率化
植物遺伝子組み換え技術
黒液・バイオマスガス化技術
バイオマスIGCC
分離膜装置による水処理
加工技術
高効率精錬
金属リサイクル技術
合金製造技術(高機能チタン合金プロセス)
断熱型鋳造システム
バイオマスIGFC
バイオマス利用によるコプロダクション
材料・複合化材料技術(水素貯蔵材料など)
熱電発電材料製造技術
高純度金属材料製造技術
化学産業のエネルギー
使用量を2005年レベル
の2/3に削減を目指す
プロセス最適化技術(低温・低圧・高選択化、プロセス数削減、マイクロ波利用)
触媒技術
ガス分離技術
エネルギー回収
マテリアル再利用
バイオ技術
バイオリファイナリー
分子状酸素の利用
製鉄とのコプロダクション
SC3の高度利用
分離膜装置による水処理
小規模での実用化
中規模での実用化
大規模での実用化
ガラス成形・除冷工程に関する省エネ技術
プラズマ等利用インフライトメルティング(気中溶解)技術
高効率カレット加熱技術 等
動力回生システム (省エネ率25%)
切削性向上(クーラント装置等)
非鉄金属加工技術
高度機械加工システム
動力回生システムの小型化・他分野への応用
セラミックの製造に
要するエネルギーを
2005年レベルの1/2
に削減を目指す
低温プロセス技術、複合加熱プロセス技術
プリカーサ利用技術
溶媒最適化
完全リターナブル化
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(9/11)
No. エネルギー技術
個別技術
1121
1121 高効率工業炉・ボイラー
1121
1121
1121
高効率工業炉・ボイラー
1121
1121
1121
1121
1121
1131
1131 コプロダクション
1131
1131
1131
コプロダクション
1131
1131
1131
1131
1131
1202
1202 高効率コージェネ
1202
1202
1202
ガスタービンコージェネ
1202
1202
1202
1202
1202
1214
1214 エネルギーマネージメント
1214
1214
1214
エネルギー利用
1214
最適化・負荷
1214
平準化技術
1214
1214
1214
1221
1221 高効率送変電
1221
1221
1221
大容量送電
1221
1221
1221
1221
1221
1401
1401 先進交通システム
1401
1401
1401
高度道路交通システム
1401
(ITS)
1401
1401
1401
1401
1402
1402 先進交通システム
1402
1402
1402
人流モーダルシフト
1402
1402
1402
1402
1402
1403
1403 先進交通システム
1403
1403
1403
物流モーダルシフト
1403
1403
1403
1403
1403
2113
2113 クリーンエネルギー自動車
2113
2113
2113
プラグインハイブリッド
2113
自動車
2113
2113
2113
2113
2114
2114 クリーンエネルギー自動車
2114
2114
2114
電気自動車
2114
2114
2114
2114
2114
2010
2015
2020
2025
2030∼
ボイラー効率:17%程度向上
工業炉エネルギー効率:約10%∼30%向上
高効率燃焼技術
再生燃焼技術
酸素燃焼技術
伝熱技術
次世代高性能ボイラー
高性能工業炉
ガス化技術(部分酸化法)
原料多様化
高効率化
低コスト化
熱電可変型ガスタービン、再生サイクルガスタービン、マイクロガスタービン
次世代ガス化技術
製鉄・化学プロセスのコプロダクション
セラミックタービン
タービン翼製作技術
希薄予混合燃焼技術
排熱利用技術
エネルギー利用最適化・評価技術
太陽光・風力発電等の供給予測
需要側の負荷平準化技術
系統/分散エネルギーシステム連携制御技術
UHVC(超高圧交流送電、1,000 kV)
送電電圧の昇圧
送配電ロスの低減
自励式大容量交直変喚器
Y系超電導送電
長距離大容量送電
高効率大容量交直変換器
Y系超電導変圧器
大容量直流送電技術
プローブ情報利用信号技術
信号連携エコドライブ
道路交通情報通信システム
TDM(交通需要マネジメント)
ナビゲーションシステム
交通管理最適化
安全運転支援システム
自動運転・隊列走行(高速道路)
信号連携グリーンウェーブ走行
自動運転・協調走行
新交通システム
軽量軌道交通(LRT)
ガイドウェイバス
コミュニティEVバス
デュアルモードビークル(DMV)
バイモーダル物流システム(道路→鉄道、船舶)
デュアルモードトラック
汎用標準化送配システム(ICタグの高度利用)
インテリジェント集配システム
バッテリー性能(現状比)
一充電走行距離
最適走行制御技術
航続距離
130 km
バッテリー性能(現状比)
バッテリーコスト(現状比) 1/2
1.5倍
40 km
モータ効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
200 km
1.5倍
1/7
3倍
1/10
モーター効率向上
高性能二次電池(高エネルギー密度化・長寿命化・低コスト化)
車体軽量化
電力供給システム
約500 km
約7倍
約1/40
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(10/11)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
航続距離
400 km
800 km
2115
耐久性
3,000時間(5年)、2万回起動停止
5,000時間(10年)、6万回起動停止
2115 クリーンエネルギー自動車
車両価格(ICV比) 3∼5倍
1.2倍
2115
スタックコスト
5,000円/kW
4,000円/kW
2115
2115
燃料電池自動車
モーター効率向上(高温運転化、触媒高活性化、新触媒等)
2115
燃料電池スタック耐久性向上(電解質膜改良等)
2115
高密度水素貯蔵技術
2115
水素供給システム
水素製造技術
2115
車体軽量化
低コスト化(白金代替触媒、量産化)
2115
2116
2116 クリーンエネルギー自動車
2116
2116
2116
水素エンジン自動車
水素エンジン効率化
2116
水素搭載技術
2116
水素製造技術
2116
低コスト化
水素供給システム
2116
2116
2201
2201 省エネ型鉄道
2201
2201
2201
省エネ型鉄道
車体軽量化
ハイブリッド車
2201
車載変圧器
2201
回生エネルギー利用
2201
2201
2201
2301
2301 高性能船舶
2301
2301
2301
高性能船舶
高信頼度知能化船
2301
電動化
燃料電池
2301
軽量化
船舶形状最適化
2301
エンジン廃熱回収
2301
2301
2302
2302 高効率海運システム
2302
2302
2302
高効率海運システム
陸運との連携
ハブ港ネットワーク化
2302
2302
2302
2302
2302
2401
2401 高性能航空機
2401
2401
2401
高性能航空機
炭素系複合材利用拡大などによる軽量化
2401
ジェットエンジンの高効率化
更なる省エネ化
2401
環境性、経済性、安全性等の一層の向上
2401
2401
2401
3204
3204 バイオマス燃料製造
3204
3204
3204
ジメチルエーテル(DME)
間接DME合成法
直接DME合成法
3204
DME自動車
3204
DME燃料電池等の利用技術
3204
DME貯蔵・供給技術
3204
3204
3205
3205 バイオマス燃料製造
3205
3205
3205
ガス化BTL製造
BTL製造技術
3205
バイオマス/廃棄物ガス化技術
BTL製造効率の向上
3205
FT合成技術
低コスト化
3205
効率的廃棄物収集システム
3205
3205
3301
システム価格
3301 燃料電池
60∼100万円/kW
30∼60万円/kW
20∼30万円/kW
3301
3301
3301
リン酸形燃料電池
電極触媒技術
3301
(PAFC)
低コスト化
セル・スタック技術
3301
耐久性向上
高電流密度化
3301
適用用途拡大
システム制御技術
3301
3301
3302
システム価格
3302 燃料電池
30∼80万円/kW
20∼30万円/kW
3302
3302
3302
溶融炭酸塩形
電極触媒技術
小規模コジェネ
ガスタービンとの複合発電
3302
燃料電池(MCFC)
低コスト化
セル・スタック技術
CO2分離・回収
3302
耐久性向上
高電流密度化
3302
3302
3302
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に寄与する技術の技術ロードマップ(11/11)
2010
2015
2020
2025
2030∼
No. エネルギー技術
個別技術
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(発電装置部。家庭用は貯湯槽を含む想定価格)
3303
小容量(∼数kW、コジェネ)
40%、4万時間、約100万円/kW
>40%、9万時間、<25万円kW(家庭用30∼40万円/kW)
3303 燃料電池
中容量(数十∼数百kW,コジェネ)
42%、4万時間、約100万円/kW
>45%、9万時間、<20万円/kW
3303
ハイブリッド(分散電源・事業用)
約60%、4万時間、数十万円/kW
>60%、9万時間、<10万円/kW
3303
3303
固体酸化物形
劣化機構解明
周辺機器の最適化
小規模コジェネ
中規模コジェネ普及
3303
燃料電池(SOFC)
耐久性向上(4万時間→9万時間)、燃料多様化
ハイブリッドシステム普及
3303
低コスト化(高出力化、新規材料、量産化技術)
ガスタービンとの複合発電
3303
次世代ハイブリッドシステム(高圧運転対応)
CO2分離・回収
3303
3303
3304
発電効率(HHV)、耐久性、システム価格(定置用、kWあたり)
3304 燃料電池
32%、4万時間、数百万円
>34%、>4万時間、<約50万円
>36%、9万時間、<40万円
3304
耐久性向上(4万時間→9万時間、燃料多様化)
3304
3304
固体高分子形
劣化機構解明
家庭用コジェネ
自動車用PEFC
3304
燃料電池(PEFC)
高温・低加湿対応技術
新規直接形PEFC
3304
白金量低減
白金代替触媒
3304
耐被毒触媒
MEA・セパレータ等量産技術
3304
膜内水分制御
3304
3305
エネルギー密度
500 Wh/L
1000 Wh/L
1000 Wh/L
3305 燃料電池
出力密度
100 mW/cm2
200 mW/cm2
200 mW/cm2<
3305
耐久性
5000時間<
1万時間
1万時間<
3305
3305
ダイレクトメタノール形
PC、携帯用
超低クロスオーバー膜
3305
燃料電池(DMFC)
低コスト化
低膨潤膜
3305
耐久性向上
高活性触媒
3305
3305
3305
5711
5711 CO2回収
5711
5711
5711
CO2燃焼前回収
ガス化ガス・改質ガスからのCO2分離
5711
化学吸収法
膜分離法
5711
物理吸収法
5711
5711
5711
5712
分離回収コスト
5712 CO2回収
4,200円/t-CO 2
2,000円/t-CO 2
1,000円/t-CO 2
5712
(さらに分離膜の実用化で1,500円台に)
5712
5712
CO2燃焼後回収
化学吸収法
膜分離法
5712
物理吸収・吸着法
5712
排熱有効利用
5712
5712
5712
5713
5713 CO2回収
5713
5713
5713
酸素燃焼CO2回収
酸素膜分離技術
高効率酸素製造技術
5713
IGCCでの実証試験
5713
CO2回収技術
5713
5713
5713
5721
5721 CO2貯留
5721
実証試験
大規模実証試験
5721
5721
CO2地中貯留
石油・ガス増進回収(EOR・EGR)
5721
CO2地中挙動モニタリング・予測技術
帯水層貯留
5721
貯留層賦存量調査と利用拡大
炭層固定
5721
地中貯留システムコストの低減
枯渇油・ガス層貯留
5721
影響評価・安全性評価手法
5721
5722
5722 CO2貯留
5722
5722
5722
CO2海洋隔離
CO2の海洋拡散・生物影響の科学的理解
5722
拡散シミュレーション実験によるマッチング
溶解希釈(固定式)
5722
生物影響モデルと実験によるマッチング
溶解希釈(移動式)
5722
環境影響評価・安全性評価
深海底貯留隔離
5722
5722
⑤「化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用」
に向けた導入シナリオ
石油・天然ガス等の化石燃料の安定供給確保を目指し、資源獲得能力の強化に資する先端
石油・天然ガス等の化石燃料の安定供給確保を目指し、資源獲得能力の強化に資する先端
的な技術開発の推進するとともに、環境負荷低減のために化石燃料の効率的かつクリーンな
的な技術開発の推進するとともに、環境負荷低減のために化石燃料の効率的かつクリーンな
利用を促進するための技術開発・導入を目指す。
利用を促進するための技術開発・導入を目指す。
2005
2010
2015
2020
新・国家エネルギー戦略
国
内
外
の
背
景
2025
2030∼
(ローリング)
AN ENERGY POLICY FOR EUROPE
2030年までに
ニア・ゼロエミッション
化石燃料発電所
European Strategic Thecnology Planの推進
(クリーンエネルギー技術開発)
Advanced Energy Initiative クリーンコール開発
化石資源開発・増進回収・生産技術の向上
石油・天然ガス開発企業
に対する支援の強化
原油・天然ガス増進回収(EOR・EGR)
非在来油ガス田開発・生産
資源確保指針の策定
フロンティア地域開発に係わる
国際的枠組み作り
石油・天然ガス・石炭の探鉱・開発・生産技術
備蓄制度等の緊急時対応の充実・強化
天然ガス地下貯蔵・NGH輸送システム技術の導入
・コールベッドメタン増進回収技術(ECBMR)
パイプライン等のインフラの効率的な整備
供給インフラの整備・相互連結・第三者利用の促進
石炭の高度生産・選炭
補助金・税制優遇などによる
初期需要創出
燃料規格の整備
産業プロセスでの高効率利用
石油精製プロセス
コンビナート高度統合化 など
石油・天然ガスの有効利用技術
重質油高度精製処理
運輸部門での高効率利用
天然ガス自動車
ハイブリッド自動車 など
高効率天然ガス発電の導入
天然ガス液体燃料(GTL)の運輸部門での利用
重質油からの合成軽油(ATL)製造
オイルサンド等非在来型石油資源の先進精製・高度有効利用
供給源の多様化
高度分解・処理技術の導入・普及
オイルサンド等非在来化石資源の利用技術
コールベッドメタンの増進回収(ECBM)
メタンハイドレート資源開発
・商業的産出の拡大
石炭火力発電の発電効率向上
IGCC
IGFC
A-USC
A-IGCC/
A-IGFC
石炭のクリーン利用技術
産業プロセスでの有効利用
次世代コークス製造 など
低品位炭の改質・有効利用
石炭ガス化による多目的利用
石炭液化燃料(CTL)の運輸部門での利用
CCSの安全実証と社会受容性形成
CO2回収貯留の適用・拡大
CO2回収貯留(CCS)
国際的・社会的合意の獲得、国内関連法令・国際ルールの整備
燃焼後回収
燃焼前回収
地中貯留
海洋貯留
バイオマスとの混合利用の適用・拡大
その他・共通
物質・エネルギーの併産
化石燃料からの効率的水素製造・利用
共
通
関
連
施
策
資源国等との総合的な関係強化(研究開発の推進・協力、人材育成・技術移転、経済関係強化など)
化石燃料のクリーンな利用の開拓
ー
主
な
技
術
開
発
お
よ
び
そ
の
関
連
施
策
民生/産業部門での高効率利用
高効率コージェネ
高効率工業炉・バーナー など
石炭地下ガス化
化
石
燃
料
の
安
定
供
給
確
保
と
ク
リ
ン
・
有
効
利
用
の
促
進
【参考資料1】
Cool Earth-エネルギー革新技術計画
平成 20 年 3 月
経済産業省
「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」
目 次
1. はじめに
2. 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術について
(1) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術の絞り込みの考え方
(2) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術「21」
(3) 2050 年に向けたエネルギー技術開発ロードマップ
3. エネルギー革新技術開発における国際的な連携の推進について
(1) 世界におけるエネルギー技術開発の現状・技術ロードマップ策定の状況
(2) 国際連携のあり方
(3) エネルギー分野における国際連携の現状と今後の方向性
4. エネルギー技術面から見た 2050 年の社会システムの姿
5. おわりに−計画の着実な実施に向けて−
(別添) Cool Earth-エネルギー革新技術の技術開発ロードマップ
(参考) 「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」有識者会議委員一覧
1. はじめに
平成 19 年 5 月 24 日、地球温暖化に関する総理のイニシアティブ「美しい星50(クー
ルアース50)」が発表され、この中で、世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比し
て 2050 年までに半減するという長期目標が提案された。この目標の実現は、従来の
技術の延長では困難であり、革新的技術の開発が不可欠であるとされている。
平成 19 年 6 月に開催されたハイリゲンダムサミットでは、気候変動が主要テーマの
一つとなり、「2050 年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するこ
となどを真剣に検討する」こと、技術開発については、「エネルギー安全保障を強化す
るとともに、気候変動を抑える鍵である」との位置づけで G8 首脳の合意が得られた。
エネルギー分野において、世界トップ水準の技術を有する我が国は、世界をリード
できる技術分野に研究開発資源を重点化し、技術開発を加速・推進することにより、我
が国の競争力を強化・維持しつつ、技術は我が国の貴重な資源であるとの認識に立っ
た上で、国際的な連携を強力に推進し、世界全体での 2050 年までの大幅削減に積極
的に貢献していくことが必要である。
このため、2050 年を見通した上で、エネルギー分野における革新的な技術開発の
具体的な取組のあり方について検討を進めてきた。検討にあたっては、まず、2050 年
の大幅削減に向け我が国として重点的に取り組むべき技術を特定した上で、長期に
わたる技術開発を着実に進めるためのマイルストーンとして、各技術の開発に向けた
ロードマップを作成した。次に、大幅削減は、国際的な協調なくしては達成しえないと
考えられることから、技術開発に関する国際的な連携のあり方を検討した。特に、長期
的な視点に立って技術開発を着実に進めるには、各国が技術開発の方向性を共有す
ることが必要であり、ロードマップを軸とした国際連携のあり方について検討を行った。
本報告書は、こうした検討内容を、「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」として、と
りまとめたものである。
1
2. 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術について
(1) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術の絞り込みの考え方
2050 年の大幅削減に向けて、効果的、効率的にエネルギー技術開発を推進するた
め、我が国が重点的に取り組むべきエネルギー革新技術開発を、以下の要件で絞り
込んだ。
大幅削減を実現するには、既に実用化されている技術の改良と普及が重要である
ことは言うまでもないが、今回の検討では、既存技術の延長線上にない、革新的な技
術を検討の対象とした。
① 2050 年の世界における大幅な二酸化炭素削減に寄与する技術
(a) 技術の普及に要する時間を考慮し、2030 年までには実用化が期待される技
術
(b) 普及に要する時間が短い技術については、2030 年以降に実用化が期待さ
れるものも対象
② 以下のいずれかの方法を通じて、飛躍的な性能の向上、低コスト化、普及の拡
大等が期待できる革新的な技術
(a) 新たな原理の活用、既存材料の新活用を含めた材料の革新(例:新構造・
新材料太陽電池、燃料電池の白金代替触媒等)
(b) 製造プロセスの革新(例:水素を還元材として用いる革新的製鉄プロセス
等)
(c) 要素技術が確立した技術をシステムとして実証(例:二酸化炭素回収・貯留
技術)
③ 日本が世界をリードできる技術(要素技術について強みを要する技術を含む)
(2) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術「21」
上記の考え方に基づいて以下の「21」の技術を選定した。図1は、低炭素エネルギ
ーの利用拡大とエネルギー効率の向上、供給側技術と需要側技術の双方の観点から、
これら21技術を大別したものである。
(発電・送電部門)
⃝ 高効率天然ガス火力発電
⃝ 高効率石炭火力発電
⃝ 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
⃝ 革新的太陽光発電
⃝ 先進的原子力発電
2
⃝ 超電導高効率送電
(運輸部門)
⃝ 高度道路交通システム(ITS)
⃝ 燃料電池自動車
⃝ プラグインハイブリッド自動車・電気自動車
⃝ バイオマスからの輸送用代替燃料製造
(産業部門)
⃝ 革新的材料・製造・加工技術
⃝ 革新的製鉄プロセス
(民生部門)
⃝ 省エネ住宅・ビル
⃝ 次世代高効率照明
⃝ 定置用燃料電池
⃝ 超高効率ヒートポンプ
⃝ 省エネ型情報機器・システム
⃝ HEMS/BEMS/地域レベルの EMS1
(部門横断的な技術)
⃝ 高性能電力貯蔵
⃝ パワーエレクトロニクス2
⃝ 水素製造・輸送・貯蔵
なお、21技術は、現時点の知見に基づいて選定を行ったものである。今後の研究
開発やブレークスルーにより、現在萌芽的な段階にある技術が大幅な二酸化炭素削
減に貢献できる技術となることも考えられる。例えば、陸上に比べ風況がよく稼働率の
向上が期待できるため、主に欧州において技術開発が進められている洋上風力発電
等、今回選定していない技術についても、基礎研究の進捗状況、海外における開発状
況等に応じて追加を行うなど柔軟に対応していくことが必要である。
1
2
HEMS/BEMS/地域レベル EMS: EMS は、Energy Management System の略で、HEMS(House Energy
Management System)は家庭、BEMS(Building Energy Management System)はビル・建物におけるエネル
ギーを管理し、エネルギー利用の最適化を図る技術。地域レベル EMS はより広域的なエネルギー管理シ
ステムを指す。
パワーエレクトロニクス:発電、送配電、蓄電、電気機器で使われる半導体等を活用したインバータ等の技
術を指す
3
(図1)重点的に取り組むべきエネルギー革新技術
効率向上
エネルギー供給側
低炭素化
③二酸化炭素回収・ ④革新的 ⑤先進的原子力発電
貯留(CCS)
太陽光発電
①高効率天然ガス ②高効率石炭火力発電
発電・送電
発電・送電
火力発電
断熱管
⑥超電導
高効率送電
⑦高度道路交通
運輸
運輸 システム
エネルギー需要側
産業
産業
⑧燃料電池自動車 ⑨プラグインハイブリッド自動車・電気自動車 ⑩バイオマスか
らの輸送用代替
燃料製造
⑫革新的製鉄プロセス
⑪革新的材料・製造・加工技術
民生
民生 ⑬省エネ住宅・ビル
⑯超高効率
ヒートポンプ
部門横断
部門横断
超電導シールド層
絶縁層
超電導導体
⑭次世代高効率照明
⑰省エネ型
情報機器・システム
⑲高性能電力貯蔵
⑮定置用燃料電池
⑱HEMS/BEMS/地域レベルEMS
⑳パワーエレクトロニクス
4
21 水素製造・輸送・貯蔵
③CCS
(再掲)
(3) 2050 年に向けたエネルギー技術開発ロードマップ
実用化まで長期のリードタイムと多大な研究開発投資を必要とする技術開発を推進
するには、官民がその方向性を共有することが不可欠である。このため、選定された2
1技術分野について、より詳細な技術を対象に、専門家の知見を踏まえ、実用化にい
たるまでの展開を時間軸に沿って示した技術開発ロードマップを策定した(別添)。具
体的には、実用化の時期や技術の進展の道筋、普及に向けた課題等を示した。
この技術開発ロードマップは、国内外の技術動向の変化等に対応して、定期的に見
直しを行い、関係者で技術開発の方向性を共有していくことが重要である。
(発電・送電部門)
○ 高効率天然ガス火力発電
・ 技術概要
他の化石燃料に比べて環境負荷が少ない天
然ガスを燃料とし、ガスタービンと蒸気タービンの
双方を利用する複合発電技術や高湿分空気利
用ガスタービン技術。
ガスタービン技術の性能向上により、発電効率
が現行の 52%(送電端3、HHV4。以下、同じ)から
56%まで向上すれば、二酸化炭素排出量は約
7%、60%まで向上すれば約1割の削減が可能で
ある。技術的には、二酸化炭素回収・貯留技術
(Carbon Dioxide Capture and Storage)との組み
合わせにより、二酸化炭素排出をほぼゼロにす
ることが可能である。
出典:東京電力(株)「川崎火力発電所全景」
出典:三菱重工資料より
・ 技術開発ロードマップ
発電用ガスタービンは、1980 年代初頭以降、年間約 20℃のペースで燃焼温
度の高温化が進み、熱効率が改善してきた。我が国は、世界に先駆けて
3
4
送電端:発電端は発電機から発生した電力をベースに計算したものであり、送電端は発電端電力か
ら発電所内の機器などに使われる電力を差し引いた電力をベースに計算したもの。
HHV(Higher Heating Value):燃料のもつ発熱量を表示する際の条件を示すもので、高位発熱量基
準(HHV)では燃料中の水分および燃焼によって生成された水蒸気の凝縮熱(蒸発潜熱)を発熱量
として含む。低位発熱量(LHV)基準では蒸発潜熱を加算しない。従って低位発熱量基準の発電効
率は高位発熱量基準よりも石炭火力発電で発電効率(%,HHV)×1.05 程度、天然ガス火力発電で
発電効率(%,HHV)×1.1 程度高い値になる。
5
1500℃級のガスタービンを実用化し、発電効率 52%を達成しており、本分野を
リードしている。しかし、世界市場でのシェアで我が国は 10%程度であり、GE、
シーメンスといった欧米のメーカーが大きくシェアを有するとともに積極的な技
術開発を進めている中で、我が国の優位性は予断を許さない状況にある。
このため、1700℃級ガスタービンの開発に取り組むことにより、2015 年頃に、
発電効率 56%の実用化を目指し、高温耐熱・耐食材料や冷却技術、セラミック
遮熱コーティング等の開発を推進する。さらに、2025 年頃には、燃料電池とガ
スタービン、蒸気タービンの組み合わせにより、発電効率が 60%まで向上する
ことを目指して技術開発を推進する。この際には、大容量燃料電池の開発が
大きな課題となる。
1700℃級ガスタービンの開発は、石炭ガス化複合発電等、他の発電技術に
も適用可能な重要技術であり、米国においてもエネルギー省(DOE)の High
Efficiency Engines and Turbines Programs により国家的な支援の下で技術開
発が進められている。我が国においても、産学官の連携の下、着実な技術開
発により早期の実用化、実証運転による信頼性の確立等を図ることが期待さ
れる。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
ガスタービンを構成する圧縮機・燃焼器・タービンの各要素技術の高度化に
加えて、低公害燃焼を行うための排気再循環による燃焼技術の開発が必要で
ある。本技術は、排ガス中の二酸化炭素濃度を高め、二酸化炭素分離回収の
効率を向上させることにも貢献することが期待される。
また、ガスタービン技術は、空力、熱力、燃焼、材料等の広範囲で高度な設
計技術・製造技術を必要とすることから、産学官の連携の下、技術開発を通じ
た若手技術者の育成、知識の融合を図りつつ、技術開発を進めることが必要
である。
こうした技術開発に加えて、知的財産権に配慮しつつ、先進国さらには電力
需要の増加が見込まれる新興国の需要に向けて、海外電力供給事業者へ日
本の技術・ノウハウ等を提供し、海外における高効率天然ガス火力発電を普
及促進することが必要である。
○ 高効率石炭火力発電
・ 技術概要
石炭は可採埋蔵量が多く、石油・天然ガスなどと比較して経済性に優れてお
6
り、エネルギー安定供給上重要な資源であ
る。我が国の石炭火力発電技術は、亜臨
界圧発電(C)に始まり、超臨界圧発電(S
C)、超々臨界圧発電(USC)を実用化し、
発電効率を向上させてきた。しかし、他の
化石燃料に比べて燃焼時の二酸化炭素排
出量が多いという環境制約を克服するため、 出典:電源開発㈱ 「EAGLE」
さらに発電効率を向上させた先進的超々
臨界圧発電(A-USC)や、石炭ガス化複合発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池
複合発電(IGFC)といった技術開発が進められている。
<先進的超々臨界圧発電(A-USC)>
現行の微粉炭火力発電等の蒸気条件を高温化・高圧化することにより発電
効率を向上する技術。
<石炭ガス化複合発電(IGCC)・石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)>
IGCC は、石炭をガス化し、ガスタービンおよび蒸気タービンにより複合発電
する技術。
IGFC は、さらに燃料電池と組み合わせることにより、発電効率を向上させる
技術。燃料電池から排出される熱を回収してガス化に活用することで発電効率
を高める次世代の IGFC(A-IGFC)により、さらなる削減を期待できる。
発電効率が現行(USC)の 42%(送電端、HHV。以下、同じ)から 57%まで向
上すれば、二酸化炭素排出量は約 3 割、65%まで向上すれば約 4 割の削減が
可能である。さらに、CCS と組み合わせることにより二酸化炭素の排出をほぼ
ゼロにすることも期待できる。
・ 技術開発ロードマップ
蒸気タービンやボイラー技術は、ア
ルストム、シーメンスなどの欧州メーカ
ーとともに、三菱重工、東芝、日立など
が世界的にビジネス展開しており、技
術的に世界を牽引している。また、近
年の中国、インドにおける急激な電力
需要増大を背景に、上海、東方、ハル
ピンという中国の三大企業及びインド
の国営重電会社の BHEL が、日米欧
の主要メーカーとの技術協力を通じて、
7
(図2)世界蒸気タービンシェア(出力)
世界蒸気タービンシェア(出力)
その他
30%
上海( 中)
19%
2006
Total:
83.1GW
東方( 中)
12%
東芝( 日)
5%
アルストム
シ ーメンス
( 仏)
( 独)ハルビン
11%
5 % ( 中) BHEL( 印)
10%
8%
出典:三菱重工調べ
出典:三菱重工調べ
圧倒的な世界シェア5(図2参照)を有するに至っており、民間ベースの技術移
転が段階的に進展していることが伺える。
A-USC は、既存の微粉炭火力発電プラントと同様のシステム構成、運用性
を有することから、新規の電源開発に加え、今後見込まれる石炭火力のリプレ
ース需要に対しても有効な技術である。
我が国は世界に先駆けて 600℃級の USC を実用化した実績を有し、技術的
な優位性を有する。新規の高温耐熱材料や耐熱鋼の革新的溶接技術の開発
を進め、2015 年頃に 700℃級で発電効率 46%、2020 年頃に 48%の実用化を
めざし、技術開発を推進する。
IGCC は、微粉炭火力発電で利用が困難な低灰融点炭にも適した技術であ
り、利用可能炭種の拡大を通じて、エネルギーの安定供給にも貢献することが
できる。海外では、現在、ブフナム(蘭)、プエルトリヤーノ(スペイン)、ワバッシ
ュ・リバー(米)及びタンパ(米)の4基の IGCC プラントが商用運転中である。こ
れらのプラントはいずれも、発電端出力が約 300MW で、酸素吹きガス炉を採
用しており、1990 年代後半に運転を開始しているが、いずれも発電効率は
40%程度である。
我が国では、より高い発電効率の実現を目指した技術開発が既に実証段階
にある。今後、実証プラント(250MW、発電効率 41%)の運転を通じた信頼性、
安全性、経済性、保守性の確立を図る。
さらに、2010 年頃には、湿式ガス精製方式により、発電効率 46%、2015 年
頃には、乾式ガス精製方式により、発電効率 48%、2025 年頃には、1,700℃級
ガスタービンの採用により、発電効率 50%まで向上することを目指す。
長期的には、2030 年以降、ガスタービンの排熱をガス化炉に回収し、水蒸気
改質を行うことでガス化効率をさらに向上させ、発電効率を 57%にまで向上さ
せる次世代 IGCC の実用化も期待できる。
IGFC は、現在、パイロットプラントによる基盤技術開発が行われている段階
にある。既に石炭から精製されたガスで燃料電池が作動することが確認されて
いるが、大容量燃料電池を開発しこれを組み合わせたシステムを確立し、信頼
性の向上とコスト低減を図ることにより、2025 年頃には発電効率 55%の実現を
目指す。
さらに長期には、燃料電池における排熱を回収し、水蒸気改質によるガス化
に活用することで発電効率を高める次世代の IGFC(A-IGFC)の実用化が期待
され、発電効率 65%の実現が期待される。
5
2006 年の出力シェアベース(原子力タービンを含む)
。三菱重工調べ。
8
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
A-USC 、IGCC/IGFC は、その特徴に応じて、今後東アジアを中心に見込
まれる石炭火力発電の増加に対して、エネルギー安定供給および二酸化炭素
削減対策の観点から特に需要が高い技術である。特に IGCC/IGFC は CCS と
組み合わせた実証プロジェクトが各国で計画されており、こうした取組を視野に
入れつつ、着実な技術開発による効率向上と設備導入を図っていく必要があ
る。
今後、効果的な石炭関連技術開発を進め、我が国が技術の優位性を維持
していくためには、大学等における材料や触媒技術等の基礎研究と、民間主
体の大型実証プロジェクトの連携を強化し、幅広い人材を育成しつつ技術開
発を推進することが必要である。
○ 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
・ 技術概要
CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)は、火
力発電等の大規模排出源の排ガスから二酸化炭素
を分離・回収し、それを地中または海洋に長期間にわ
たり貯留または隔離することにより、大気中への二酸
化炭素放出を抑制する技術。石炭火力発電と組み合
わせることによりゼロエミッション化も可能となる(ゼロ
エミッション石炭火力発電)。
CCS は、二酸化炭素の分離・回収、輸送、圧入及
び貯留という4つの機能から構成され、技術開発の中
出典:三菱重工資料より「CO2
核となるのは、分離・回収技術と貯留技術である。分
回収長期実証試験プラ」
ント全景
離・回収には、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、
物理吸着法及び深冷分離法がある。貯留には地中貯留と海洋隔離があり、地
中貯留には、帯水層貯留、石油・ガス増進回収(EOR)、枯渇油・ガス層貯留及
び炭層固定がある。また、海洋隔離の方式には、溶解希釈(固定式、移動式)
及び深海底貯留隔離がある。
・ 技術開発ロードマップ
CCS 技術は、近年、大気中の二酸化炭素を短期間で大幅に削減する有力
なオプションとして国内外で注目を集めている。欧米では積極的に技術開発が
進められるとともに、石油増進回収の技術としては実用化が進展している。我
9
が国においては、1980 年代末から基礎研究が進められ、これまでに圧入量が
1万トンレベルの小規模な実証試験が実施され、貯留安定性等の検証が進め
られている。
CCS コストの約 6 割以上は、分離・回収コストとされ、これを低減することが
実用化を進める上での課題となっている。このため二酸化炭素分離膜や高効
率な吸収液等の要素技術の確立が求められている。
分離・回収コストは、現在、4200 円/t-CO2 程度であり、これを 2015 年頃に
2000 円台、2020 年代には、1000 円台(IGCC 等における二酸化炭素膜分離
法)に低減させることを目指し、技術開発が進められている。
引き続き、国内の地中貯留ポテンシャル調査等を進めるとともに、早期に火
力発電等の大排出源を対象とした大規模実証に着手し、2020 年までに実用化
の目途をつけることを目指して技術開発を推進する。また、国内の貯留ポテン
シャル(貯留量、貯留コスト)が現時点で限定的であるため、二酸化炭素の海
外輸送も検討の対象とすべきである。このため、早期に二酸化炭素輸送船の
設計等に着手するとともに、EOR 等互恵的な共同事業実施の可能性を有する
中東産油国等への海外輸送の実現可能性についても検討を加速化する。
一方、CCS の実施には、分離・回収や圧縮圧入等の追加的なエネルギーが
必要であり、IPCC の報告によれば、CCS のない同規模の発電所と比較して、
10∼40%の追加エネルギーが必要ともされている。このため、一連の要素技
術をトータルシステムとして、より大きな規模で実証する等の検討を積み重ね
つつ、システム全体の効率向上に向けた技術の開発を進めることが必要とな
る。
また、長期の貯留安定性を確保するための高精度な挙動解析・モニタリング
技術の開発や、貯留システムの安全を担保するための二酸化炭素挙動予測
技術の開発が必要である。長期的には、貯留ポテンシャルの拡大が課題であ
り、地中貯留においては非構造性帯水層の活用等の技術についても検討が必
要である。
海洋隔離技術は、海に囲まれた我が国の貯留ポテンシャルを大きく拡大す
る。国際的・社会的合意の形成を図りつつ、より長期的な課題として、実現に
向けた検討を進めることが必要である。また、海底下地中貯留のモニタリング・
安全評価を通じて関連技術を開発し、海洋隔離技術の認知度を高めることも
不可欠である。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
CCS 技術については、米国やカナダ、欧州、豪州、中国等においても開発が
進められており、大規模な実証プロジェクト及び商業プロジェクトも複数計画・
10
実施されている。
我が国における貯留ポテンシャルは現時点で限定的と考えられることから、
炭素隔離リーダーシップ・フォーラム(CSLF, Carbon Sequestration Leadership
Forum)やアジア太平洋パートナーシップ(APP, Asia-Pacific Partnership on
Clean Development and Climate)等の国際連携を通じて情報交換を行うこと、
海外の大型プロジェクトへの参加を通じて技術やノウハウの蓄積を高めつつ実
証に向けた取り組みを推進していくことが必要である。
また、CCS 技術は、EOR のように商業的に CCS が行われている場合を除き、
経済的インセンティブを伴わないことから、今後実施に向けた官民の協力につ
いて検討が必要である。さらに、環境影響評価、国内関連法令や国際ルール
の整備、CCS に関する信頼醸成と社会的受容性の確保が課題であり、IEA 等
を通じ国際的に連携しつつ検討を進めるなど、普及に向けた環境整備を着実
に進めることが必要である。
また、CCS は、産油国における EOR にも活用できることから、我が国の資源
安定供給確保の観点からも技術開発を推進していくことが必要である。
現時点では海洋隔離の科学的・社会的な認知が十分ではないが、国際的・
社会的合意の形成の過程にあっては、海洋隔離の基本となる技術として開発
中の海水中二酸化炭素濃度の海洋生物への影響評価技術の成果を、海底下
地中貯留のモニタリング・安全評価に活用すること等を通じて、海洋隔離技術
開発の実績と安全性に対する認知度を高めていくことも不可欠である。
○ 革新的太陽光発電
・ 技術概要
量子ナノ型等の新材料・構造による飛躍的
な効率の向上、有機系太陽電池技術や超薄
膜化等により低コスト化を図る太陽光発電技
出典:大阪市水道局「柴島浄水場太陽光発電システム」
術。太陽電池は、運用時の二酸化炭素排出
http://www.city.osaka.jp/suido/b_guide/kankyo/ta
iyoukou.html
が無く、技術の進展度合いに応じて、第一世
代、第二世代、第三世代に分類される。
<第一世代>
結晶シリコンを活用した太陽電池であり、現在
実用化されている太陽電池の主流である。
<第二世代>
薄膜シリコン、薄型結晶シリコン太陽電池、化
11
出典:NEDO
合物系薄膜太陽電池、有機材料・色素を活用した有機系太陽電池等。薄膜化
することによりコスト要因となっているシリコンの使用量を低減したり、シリコン
の代替材料を活用したりすることによって低コスト化を図る太陽電池。
<第三世代>
量子ナノ構造等、新材料・新構造を活用することにより、飛躍的な効率の向
上とコストの低減を図る太陽電池。
既に実用化された第一・第二世代の技術の普及を拡大しつつ、研究段階に
ある第二・第三世代の技術開発を、中長期的な視野の下、推進することが必
要である。
・ 技術開発ロードマップ
我が国の本格的な太陽電
(図3)太陽電池の累積導入量の推移
(図○)太陽電池の累積導入量の推移
池技術の開発は、1974 年の
300
サンシャイン計画に始まり、
286.3
その後 30 年余りにわたる技 250
術開発により、効率向上、低 200
191.0
170.9
142.2
コスト化、導入普及施策が進 150
113.2
86.0
104.4
められた結果、生産量、累積 100
63.7
62.4
45.2
43.1 37.6 47.9
13.3
33.0
7.7 9.1 10.0
5.0 5.8 6.7
導入量は世界トップ水準に 50 1.94.4 2.4
27.8 27.5
3.1 4.3
6.0 8.8 5.4 20.9 13.9 19.5
4.2
2.8
11.7
0.6 0.9 1.2 1.8
21.2
7.0 11.4 16.8
0
ある。
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
近年、ドイツが累積導入量
で日本を上回る一方、日本
の生産量の伸びが鈍化していることから太陽電池産業における日本の地位は
相対的に低下している(図3
(表1)企業別の太陽電池生産量
参照)。中国の Suntech は近
2006年生産量 対前年比
企業名
年生産量が急増し、2006 年に
(MW)
(%)
(%)
1
シャープ(日本)
434.0
17.4
101.5
日本の太陽電池モジュール専
2
Q-Cells(ドイツ)
253.1
10.1
152.5
業メーカーである MSK を買収
3
京セラ(日本)
180.0
7.2
126.8
4
Suntech(中国)
157.5
6.3
192.1
するなど、大きく力をつけてお
5
三洋電機(日本)
155.0
6.2
124.0
り、企業別生産量でも日本の
6
三菱電機(日本)
111.0
4.4
111.0
7
MOTECH(台湾)
110.0
4.4
183.3
シャープ・京セラやドイツの
8
Schott Solor(ドイツ)
83.0
3.3
101.2
Q-Cells に次ぐところまで来て
9
SunPower(フィリピン)
62.7
2.5
272.6
10
Isofoton(スペイン)
61.0
2.4
115.1
いると言われている(表1参
照)。米国でもベンチャー企 出典 ㈱資源総合システム資料より経済産業省作成
業による積極的な技術開発
が進められており、我が国の優位性は予断を許さない状況にある。
ドイツ
日本
アメリカ
注1 出典:Trends in Photovoltaic Applications/IEA/PVPS(2005年現在)
注2 IEA PVPS参加国:オーストラリア、オーストリア、カナダ、スイス、デンマーク、ドイツ、スペイン、フランス、英国、イスラエル、イタリア、日本、
韓国、メキシコ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、米国、ポルトガル
12
我が国では大学、民間企業ともに世界トップレベルの研究が行われており、
この地位を維持するためには、中長期的視野の下、産学官が連携して技術開
発とその成果の普及に努めることが不可欠である。
第一世代の太陽電池技術である結晶系シリコン太陽電池については、2005
年度に住宅用太陽光発電に関する導入補助金が終了し、マーケットが成熟し
た段階に入っており、今後は、比較的普及が遅れている公共施設や産業施設
等における普及拡大に向けた導入を促進することが必要である。
近年、太陽電池の急激な生産量増加によって世界的なシリコン供給不足が
生じ、製造コストを高める一因となっている。このため、シリコン使用量を低減さ
せた薄膜シリコン太陽電池や積層型薄膜シリコン太陽電池も実用化されつつ
あるが、さらに使用量を大幅に低減させつつ効率向上を目指した超薄型結晶
シリコン太陽電池や超高効率薄膜太陽電池に加え、有機薄膜、色素増感材料
型等のシリコン以外の原料を用いた有機系太陽電池の開発が進められている。
これらの第二世代の太陽電池技術については、2020 年における発電コストを
14 円/kWh、変換効率を 10∼19%、2030 年に発電コストを火力発電並みの 7
円/kWh、変換効率を 15∼22%6に向上することを目指し着実な技術開発を実
施する必要がある。また、太陽光を集光しつつ、異なる吸収波長を持つ材料を
多接合化して広帯域の波長感度を持たせることで効率向上を行う集光型の多
接合型太陽電池の開発により、2030 年までに変換効率 40%を目指した技術
開発を推進する。
長期的には、2050 年に向けて、現在の結晶シリコンを活用した太陽電池技
術の発電効率 10∼15%程度を大幅に超える発電効率を有し、コストを大幅に
低減できる画期的な太陽電池技術が求められる。具体的には、量子ナノ構造
を活用して利用できる太陽光の波長領域を拡大しつつ高効率化を図る技術、
あるいはこれまでにない新規概念の原理を活用した太陽電池技術等の開発を
推進することが必要である。
これらのいわゆる第三世代の太陽電池については、その多くが基礎研究レ
ベルにあることから、大学や研究機関における基礎研究を強化しつつ、長期的
な視野で取り組み、2030 年以降に変換効率を 40%以上に向上させる技術の
確立を目指して取り組むことが必要である。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
第三世代の革新的太陽電池については、前述のとおり、未だ基礎研究レベ
ルで原理現象がようやく確認された段階にあるため、我が国に COE を整備し、
6
効率は、太陽電池モジュールの効率を指す。化合物、有機色素等、材料によって、変換効率は異
なることに注意。詳しくは別添の技術開発ロードマップ参照。
13
国内外のトップクラスの研究者を招聘した集中的な研究開発が必要である。
また、大規模太陽光発電を系統に連系する場合や小規模であっても集中的
に連系する場合には、系統全体の電圧や周波数等に影響を及ぼす。例えば、
太陽光発電は天候等に応じて出力が変動するため、系統容量に対して、一定
程度以上の割合を連系させた場合、通常の需要変動あるいは事故時の電源
の脱落と同様に、系統全体の周波数を変動させる事が考えられる。この対策
のためには、電力貯蔵技術を用いた需給管理技術による出力の安定化や系
統連系技術等が必要である。
太陽電池の技術開発に加え、こうした技術開発の進捗にあわせて、フィール
ドテスト、公共部門における率先導入、RPS 制度、グリーン電力証書制度等の
導入促進策を適切に組み合わせ、官民一体となった活動を推進することにより、
優れた技術開発の成果を円滑に市場に導入していくことが必要である。
○ 先進的原子力発電
・ 技術概要
供給安定性に優れた原子力は、我が国で唯
一のクリーンな基幹電源である。また、原子力
は、経済成長に必要な電力を比較的低コストで
安定的に供給できるため、二酸化炭素の排出
削減と経済発展の両立に資するエネルギー源
である。
2050 年に向け、現在国内外で主流となって
いる軽水炉実用技術の改良と高速炉等の革新
的新型炉等の先進的原子力発電技術の開発
が必要である。具体的には、安全性、経済性、
信頼性等を大幅に向上させる次世代軽水炉の
技術開発、ウラン資源の利用率を飛躍的に高
める高速炉サイクル技術、途上国や島嶼国等
の電力需要に対応可能なコンパクトな中小型
炉の技術開発がある。
出典: (独)日本原子力研究開発機構
高速増殖炉「もんじゅ」
中小型炉
(例:350MWe-IMR)
6m
内装型制御棒
駆動機構
2次系主配管
18m
蒸気発生器
原子炉容器
=1次系
炉心
・ 技術開発ロードマップ
出典:経済産業省補助事業資料
我が国は現在 55 基の軽水炉を有し、原子力
発電比率は約 30%、計画外停止頻度も各国に比べ格段に小さい等、技術開
発から設計・製作、建設、運転のいずれの分野においても、世界最高水準の
(出典:経済産業省補助事業資料)
14
技術レベルと人材、産業の厚みを有している。他方、我が国の原子炉メーカー
は海外市場への対応が遅れており、我が国独自開発の原子炉の国際的な認
知度は低い。また、これまで国内電気事業者の個別の要請に応じ、サイト毎に
カスタマイズされた原子力発電所を設計・建設してきたことから、炉型の標準化
が進んでいない。
海外市場の急速な拡大が見込まれる中、米国、フランス、ロシアの原子炉メ
ーカーは、各国政府のバックアップの下、世界の新規建設市場への参画を目
指して積極的なビジネスを展開している。韓国の原子炉メーカーは一部のコン
ポーネントでは競争力を持っている。また、中国では、海外から導入した技術を
もとに、国産炉の開発を進めている。このような中、我が国においても、投資リ
スクが高い技術分野や波及効果の高い技術分野について、国が予算措置を
講じながら技術レベルの維持・向上を図る必要がある。
今後、2030 年前後に見込まれる国内の代替炉建設需要に対応するため、
我が国のこれまでの軽水炉の開発・運転実績を活用しつつ、安全性、経済性、
信頼性等の飛躍的な向上を目指した次世代軽水炉の技術開発を推進する。
具体的には、使用済燃料の発生量を低減する技術や、免震技術等の開発を
行う。他方、世界的な原子力回帰や国際協調が進む中、我が国が技術開発を
実施するに当たっては、国内のみならず海外市場も視野に入れ、世界標準を
獲得し得る革新技術の開発と国際標準化に向けた官民一体の取組が必要で
ある。
また、ウラン利用効率の飛躍的な向上と放射性廃棄物の大幅な減少を可能
とする高速炉サイクル技術について、2025 年までに実証炉及び関連サイクル
施設を実現するとともに、2050 年より前の商業化を目指し、技術開発を推進し
ていく。技術開発にあたっては、国際原子力エネルギー・パートナーシップ
(GNEP, Global Nuclear Energy Partnership)、第四世代原子力システム国際フ
ォーラム(GIF, Generation IV International Forum)等の多国間及び二国間の国
際協力を通じ、世界標準炉の位置づけの獲得を目指して取り組むことが重要
である。
さらに、次世代軽水炉等の大型炉とは異なる市場を対象として、我が国が有
する技術を海外市場に展開するため、途上国や島嶼国等におけるニーズに対
応した中小型炉に係る技術開発を推進する。具体的には、GNEP 等の国際的
枠組みの下で、我が国原子力産業の国際展開と我が国の経験と技術を活か
した国際協力を推進しつつ革新的要素技術の開発を進め、大幅なコンパクト
化、メンテナンスコストの低減を通じた経済性の向上を実現することを目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
15
次世代軽水炉の技術開発については、国内のみならず海外市場も視野に
入れ、世界標準を獲得し得る革新技術の開発と国際標準化に向けた官民一
体の取組が重要である。
また、高速炉サイクル技術の開発については、国内における技術開発を着
実に推進するとともに、主要な開発国である日・米・仏での開発協力を戦略的
に展開することが必要となる。これらの取組に加えて、核不拡散、原子力安全
及び核セキュリティ等を確保した原子力の利用拡大を目指し、原子力発電を新
規建設しようとする国に対する制度整備のノウハウ支援、人材育成協力、金融
面の支援に取り組むことが必要である。
○ 超電導高効率送電
・ 技術概要
断熱管
超電導は、特定の物質が低温に冷やされ
超電導シールド層
絶縁層
た時に電気抵抗がゼロになる現象であり、
超電導導体
電流が流れる際のエネルギー損失の低減
を可能とする技術である。このうち超電導に
なる臨界温度が液体窒素の沸点(77K)よ
り高いものを一般に高温超電導物質と呼び、
出典:NEDO
この高温超電導線材を送電ケーブルに活
用することにより、現行 5%程度の送電ロスを、この技術を適用する区間で 1/3
程度に削減することも可能である。今後の都市部における電力需要の増大や
途上国における一部電力系統の構築において、送電ロスを抑え、電力エネル
ギーの効率的な利用に資する技術である。
・ 技術開発ロードマップ
これまで、ビスマス系高温超電導物質の発見等、高温超電導分野で我が国
が果たした役割は極めて大きい。特に、ビスマス系高温超電導線材及びその
ケーブルについては、現在、世界でも一部国内メーカーのみが供給できる等、
我が国が世界の開発をリードしている。また次世代のイットリウム系線材の技
術開発では住友電工、昭和電線ホールディングス、フジクラ、古河電工、中部
電力などの企業が国家プロジェクトに参画し、米国のスーパーパワー社等と、
競い合いをしながら世界の技術開発を牽引している。
まずは、ビスマス系超電導ケーブルの実証により、実用化を推進するととも
に、長期的には、2020 年以降の実用化が見込まれるイットリウム系線材による
16
超電導送電の技術開発が進められている。これらは、我が国、国家プロジェク
トとして計画しているほか、我が国企業は世界の超電導送電プロジェクトに重
要な役割を担っている。具体的にはイットリウム系線材の技術開発として、さら
なる送電容量の向上、低コスト化を目指しており、線材の長尺化、低コスト化の
ための技術開発や、冷却の高効率化、大型化を進めているところである。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
超電導送電は送電ロスの低減のみならず、大容量の送電が可能になること
から、都市部の電力需要対策として地中ケーブルへの活用が期待される。導
入にあたっては、線材及び冷凍機技術の開発に加え、低損失のケーブル接続、
変圧器や送電を安定的に行うための技術もあわせて必要となる。加えて、線
材の長尺化や大容量化の技術開発により、将来的には、長距離大容量送電
や再生可能エネルギー導入にも資するその他の電力機器としての導入も期待
できる。
超電導技術は、我が国が優位性を有する分野であり、技術の円滑な市場へ
の導入を図ることで国際的な環境問題への解決に貢献するため、我が国が率
先して ISO・IEC の活動を通じた国際標準化にも取り組んでいる。
また、海外で先導的な研究の知見を有する研究機関と長期的な視点で協力
を行うことが効果的である。
(運輸部門)
相互情報交換
○ 高度道路交通システム(ITS)
制御機
・ 技術概要
ITS(Intelligent Transport Systems)
は、最先端の情報通信技術を用いて
人と道路と車両とをネットワークで結ぶ
ことにより、交通事故、渋滞などといっ
た道路交通問題を解決するとともに、
高度情報化社会に適応した新しいクル
マ社会を目指した交通システムであ
る。
エネルギー・環境対策面の効果とし
17
制御機
相互情報交換
制御機
相互情報交換
制御機
出典:エネルギーITS研究会資料より
ては、ITS を活用した自動車の走行方法の改善や交通流の改善・円滑化によ
る走行燃費の向上が期待されている。ITS による二酸化炭素削減を効率的に
実施していくためには、国際的に通用する効果評価手法を確立する事が重要
である。エネルギーITS 研究会が行った試算では、ITS の利用によって1台の
自動車が1km 走る際に排出する二酸化炭素を 2050 年には 25%以上削減7す
ることが可能とされている。
・ 技術開発ロードマップ
省エネルギーに資する ITS を構成する技術は、比較的短期に実用化が期待
されるものから、長期的な実現に向けて基礎的な研究を組み合わせる必要が
あるものまで多岐に渡っており、難易度、削減効果を考慮しつつ効率的に進め
ていく必要がある。また、エネルギーITS を構成する技術群は、自動車電子の
将来技術として有望なものばかりであることから、技術開発の推進に当たって
は、戦略的な取り組みが求められる。
2040∼50 年に実用化が見込まれ、効果が高く、技術的難易度の高い運転
制御・隊列走行の協調走行(自動運転)の実現に向けては、現状の技術を活
用しつつ、道路環境、信号情報といった外部情報の取り込みを順次実現しな
がら、段階的に高度化していくというシナリオが考えられる。そのため、信号制
御の高度化、運転制御・隊列走行の技術的課題解決に向けた段階的な取り組
みが重要となる。
まずは、短期的に効果が期待されるプローブ情報を利用した信号制御機能
の 2012 年の実用化を目指しつつ、さらに信号連携エコドライブなどの信号制御
の高度化および運転制御・隊列走行の研究開発に早期に着手し 2020 年代に
順次実用化することを目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
現状、ITS 技術は安全対策として積極的に活用されているものの、地球温暖
化対策としての取り組みは始まったばかりである。こうした技術・サービスの効
果評価が、実用化・展開に係る政策判断、投資判断に際して非常に重要とな
る。そのため、国際的に信頼される効果評価方法の確立についても早急に検
討着手することが望まれる。
また、実証事業・モデル事業を通じて技術の有用性を国内外にアピールする
ことが必要である。このため、技術開発に併せて、欧米と共同研究やシンポジ
ウム等を通じての技術交流等、早期に大きな成果が期待される手法の導入を
推進する。さらに、国際的に通用する二酸化炭素削減効果評価手法を開発し、
7
エネルギーITS研究会資料より
18
その国際標準化を推進する。
○ 燃料電池自動車
・ 技術概要
水素を燃料とし、燃料電池で発電した電気により、
走行する自動車。白金代替触媒等の活用による
大幅な低コスト化、水素貯蔵材料の高性能化によ
出典:トヨタ自動車「FCHV」
るガソリン車並みの航続距離の実現を目指す。二
酸化炭素排出量はガソリン車の 1/3 程度に低減可
能8である(図4参照)。さらに、燃料である水素を再
生可能エネルギー等から製造する場合、または化
石燃料資源から製造する場合においても、CCS と
出典:ホンダ「FCX CONCEPT」
組み合わせることで、二酸化炭素排出の大幅削減が可能である。
(図4) Well to WheelCO2 総排出量計算結果まとめ
出典:JHFC総合効率検討結果報告書
・ 技術開発ロードマップ
我が国は、燃料電池システム技術・電池技術開発にこれまで積極的に取り
組んできており、自動車メーカーが独自開発の燃料電池自動車を実用化する
8
Well to Wheel CO2 総排出量で評価した数値:Well to Wheel総排出量とは、発電用燃料の採掘,
発電、水素の精製,輸送,貯蔵,充填等のエネルギー・プロセス全体の効率と、自動車単体の効
率(燃費)を総合評価して算定した排出量。電気については、我が国の現在の電源構成で発電が
行われるものと仮定している。
19
等、産学において世界最先端の技術を有している状況にある。他方、本格的
な普及に向けては、依然としてガソリン車と比較して克服すべき技術課題は多
い。
第一の課題はコストの低減である。1台1億円程度とも言われている現状か
ら 100 分の 1 程度のコストダウンが必要である。燃料電池システムは、量産効
果を見込むと、実用目標コスト 4000 円/kW の 3∼5 倍までに到達していると考
えられるが、今後、コスト要因である白金触媒の使用量低減や代替のための
触媒技術の開発が必要である。耐久性については、10 年以上の耐久性向上
に向けた電解質膜の開発が必要となる。さらに、ガソリン車と同等の航続距離
500km を可能とするため、燃料である水素をコンパクトかつ低コストに貯蔵する
ための技術開発として、高圧水素容器に代わる貯蔵技術が求められる。
こうした技術開発により、コスト面では、車両価格を 2010 年に ICV(内燃機関
自動車)比で 3∼5 倍、2020 年に 1.2 倍まで低減することを目指す。耐久性につ
いては、2010 年に 3000 時間、2020 年に 5000 時間まで向上させることを目指し、
航続距離は 2010 年で 400km、2020 年で 800km まで向上させることを目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
技術開発の強化に加えて、実証試験、標準化の推進等を一体的に進めてい
くことが必要である。具体的には、公共的車両への積極的導入を推進しつつ、
水素ステーションを活用した実証試験で得られる成果を適切に基礎研究にフィ
ードバックして、コストの抜本的な低下や耐久性の向上等を目指すことが必要
である。
また、技術開発の進捗に応じて、水素インフラの検討を進めていくことも必要
である。このため、燃料の品質や水素ステーションに係る基準・標準化に関す
る国際的な議論にも積極的に参加する。
さらに、基礎的な技術開発を加速するためには、水素経済のための国際パ
ートナーシップ(IPHE, International Partnership for the Hydrogen Economy)と
いった国際的枠組みを活用し、各国が有する最先端の技術動向等を踏まえつ
つ効果的に技術開発を推進していくことが必要である。
○ プラグインハイブリッド自動車・電気自動車
・ 技術概要
プラグインハイブリッド自動車は、電池を家庭等の外部電力で充電し、内燃
機関と併用するハイブリッド自動車。近距離は充電電力によるモーター駆動で
20
走行することによって、走行条件等にもよるが、二
酸化炭素排出量は、ガソリン車の約 1/2∼1/3 程
度に低減することが可能である。
電気自動車は、従来の内燃機関のかわりに、
バッテリーに充電した電力を動力源としてモーター
で走行する自動車で、二酸化炭素排出量はガソリ
ン車の約 1/4 程度に低減することが可能である。
(図4参照)
また、プラグインハイブリッド自動車・電気自動
車に原子力発電や再生可能エネルギー等の割合
の高い電力を使用すれば、二酸化炭素排出の大
幅削減が可能となる。その他、夜間電力により充
電することで、電力負荷平準化といった効果も期
待できる。
出典:「プラグインハイブリッド自動車」
http://www.autobloggreen.com/200
7/09/05/picture-edf-toyota-priusplug-in-charging-station/
出典:三菱自動車「電気自動車 i MiEV」
・ 技術開発ロードマップ
電動自動車用のバッテリーに (表2)リチウムイオン電池の世界シェアランキング
リチウムイオン電池の世界シェアランキング
は、我が国がこれまで強みを有
2000年
2005年
メーカー名
シェア
メーカー名
シェア
する携帯電話等の小型バッテリ
三洋電機
三洋電機
1
日
33% 1
日
28%
三洋GSソフトエナジー
三洋GSソフトエナジー
ーとは大きく異なる耐久性・容量
2 ソニー
日
21% 2 ソニー
日
13%
拡大が求められる。
3 松下電池工業
日
19% 3 サムソンSDI
韓
11%
我が国の電池産業は世界シ
4 東芝
日
11% 4 松下電池工業
日
10%
ェアも高く優位性があると考えら
5 NECトーキン
日
6.4% 5 BYD
中
7.5%
れるものの、米国、欧州、韓国、
6 日立マクセル
日
3.4% 6 LG化学
韓
6.5%
中国では政府を中心に、近年、
7 BYD
中
2.9% 7 天津力神
中
4.5%
自動車用バッテリーの開発が活
8 LG化学
韓
1.3% 8 NECトーキン
日
3.6%
発化し、海外の電池メーカーも
9 サムソンSDI
韓
0.4% 9 日立マクセル
日
3.3%
自動車用電池の開発を積極的
出典:インフォメーションテクノロジー総合研究所より経済産業省作成
に進めており、我が国の優位性
が脅かされる懸念が高まっている。特に、中国・韓国の我が国技術の吸収速
度はめざましい。リチウムイオン電池について、2000 年の世界シェアでは BYD
(中国)2.9%、LG 化学(韓国)1.3%、サムソン SDI(韓国)0.4%程度であったが、
2005 年には BYD が 7.5%、LG 化学が 6.5%、サムソン SDI については 11%ま
でシェアを伸ばし世界シェア3位まで躍進している(表2参照)。相対的に我が
国の世界シェアは 50%以下になるなど、東アジアにおけるモバイル電池の生
21
産が急増している。
こうした中、引き続き我が国が優位性を維持していく上では、一層の技術開
発を推進することが必要となる。プラグインハイブリッド自動車、電気自動車そ
れぞれに求められるバッテリー性能も異なるため用途に応じたバッテリーの開
発が必要である。
プラグインハイブリット自動車は、現状では、電気走行可能な距離が 13km 程
度にすぎない。電気走行での航続距離を延長するには、電池のエネルギー密
度向上や小型化等の技術的な課題を残しているが、自動車メーカーで実用化
に向けた取組が進められており、公道走行の国土交通大臣認定を取得するメ
ーカーもあるなど、実用化は近い状況にあると考えられる。普及段階に至るま
でには、現行のハイブリッド自動車への活用を目指して開発されているリチウ
ムイオン電池では、安全性、耐久性、ロバストネス、エネルギー密度が不十分
であり、これら性能の向上と低コスト化が必要となる。こうした課題への対応に
向けた技術開発を推進し、2015 年頃にはリチウムイオン電池のバッテリー性
能を 1.5 倍、コストを 1/7 に低減することを目指す。
本格的な電気自動車の実現に向けては、一層の航続距離の拡大と大容量
かつ低コストなバッテリーの開発が必要であり、リチウムイオン電池では限界
があるとも言われているため、これとは異なる新たなバッテリーの開発が必要
となる。
現状、エネルギー密度 100Wh/kg、価格 800 万円9と試算されている容量とコ
ストを、2020 年には容量を現状比 3 倍、コストを 1/10、2030 年には容量を現状
比 7 倍、コストを 1/40 として、ガソリン自動車並みのコストで航続距離を 500km
まで拡大させることを目指して技術開発に取り組む。
また、キャパシタについても、今後、急速充放電が可能という長所を活かして、
ハイブリッド自動車や電気自動車等の補助電源などでの普及が期待され、キ
ャパシタと酸化還元反応を用いる二次電池の反応を組み合わせたハイブリッド
キャパシタの開発が進められている。長期的には、高速充放電性能を維持し
たハイブリッドキャパシタの開発に向けた基礎研究も必要である。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
電気自動車は、技術開発の進展に伴って本格的に普及することが期待され
る。まずは用途限定のコミュータ用としての技術開発を民間企業主導で進める。
その後のより技術的課題の大きい一般国民向けのコミュータ用やガソリン自動
車並みのコストや航続距離を達成する電気自動車については基礎研究の飛
9
「次世代自動車用電池の将来に向けた提言」
(2006 年 8 月)より、40kWh の電池を搭載した場合
の試算。
22
躍的な進展が鍵となることから、産学官が一体となって技術開発を進めること
が必要である。
また、技術開発のみならず、円滑な導入普及に向けて、安全性の確保のた
めの標準化・規格化の検討、充電スタンドの整備やカーナビによるスタンドへ
の誘導等の電池切れに対する不安の解消、初期需要の創出に向けた充電イ
ンフラ設置費用の低減といった課題についても検討を進めていくことが必要で
ある。
さらに、今後、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動
車の普及にともなって、長期的観点から、モーターに使用される希土類元素
(レアアース)の、代替材料の開発を進めることが必要である。
○ バイオマスからの輸送用代替燃料製造
・ 技術概要
セルロース系バイオマスか
ら微生物や酵素の利用、ガス
化等により、液体燃料を製造
する技術である。バイオエタノ
出典:NEDO等
(出典:NEDO等)
エタノール製造
ールの活用やクリーンディー
ゼル車の普及に伴う軽油代替燃料の利用により二酸化炭素排出を削減するこ
とが期待される。ライフサイクルでの二酸化炭素削減効果の検証が必要なも
のの、これらのバイオ燃料は京都議定書上、カーボンニュートラルとされており、
相当量の供給が可能となれば削減効果が期待できる。
・ 技術開発ロードマップ
我が国は、伝統的に発酵技術に強みがあり、発酵系企業を中心として技術
的な優位性を有するものの、利用可能なバイオマスが比較的少なく、林地伐採
などのバイオマス収集も高コストであるといった課題がある。
バイオエタノールについては、食料と競合せず大きな資源量の確保が可能
なセルロース系バイオマスからのエタノール製造コストの低減が課題となって
いる。こうした課題に対応するため、バイオマスからセルロースを分離する前処
理技術や、低コストでエタノールを製造するためのセルロースの高効率な糖
化・エタノールへの変換を可能とする微生物・酵素の探索・開発等が必要であ
る。
欧米でも国を挙げた積極的な技術開発が進められており、とくに米国ではベ
23
ンチャー企業を中心として、セルロースの利用に向けた技術開発が活発化して
いる。我が国においても、現存する農林業から発生するものを主体とした原料
(稲わらや林地残材等)からの製造コストを 2015 年にベンチマーク(指標)とし
て 100 円/L、さらに、ガソリンとの価格競争力や米国等の開発計画を勘案し、
大量に生産が可能な資源作物等を利用し抜本的な技術革新を目指して 2015
年に製造コスト 40 円/Lをベンチマーク(指標)として達成するよう技術開発に
取り組む。このためには、遺伝子組み換え技術を活用した微生物や酵素の利
活用技術、高効率な光合成能を有するエネルギー作物等の開発が必要とな
る。
また、バイオマスのガス化及び化学合成反応により軽油代替燃料を製造す
る BTL(Biomass-to-liquid)では、未活用の排熱が利用できるような低温でのガ
ス化技術の開発が必要となる。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
技術開発と並行して、実証事業を通じて普及を促進しつつ、経済性や安定
供給性といった課題の克服について、検討を進めることが必要である。また、
導入に際しては、エタノール等の混和による排ガス性状の悪化や安全性への
影響を考慮し、国民の安全安心を確保し消費者保護を徹底する観点から、品
質確保のための法制度の整備も併せて進めることが不可欠である。
BTL については、将来の導入を見据え、政府によるクリーンディーゼル車の
率先導入等を通じたディーゼル車の普及促進により、軽油代替燃料の導入の
ための素地をつくっていくことが必要である。
(産業部門)
○ 革新的材料・製造・加工技術
・ 技術概要
世界最高水準の省エネレベルを実現する我が国製
造業において一層の省エネを実現するための製造プロ
セスや、これによる省エネ材料技術。具体的には、
¾ プラズマ等を利用しガラス溶融を行うことによ 出典:NEDO
「革新的ガラス溶融プロセス」
り、従来の 1/3 程度に省エネを可能とする省エ
ネガラス製造技術
¾ 非鉄金属材料製造プロセスの抜本的な効率改善技術
24
¾ 微生物機能を活用したバイオマスからの化学品製造等の技術
¾ 河川水等に係る水処理に伴うエネルギー消費を大幅に低減させる分離
膜技術
¾ 航空機等の輸送機器の省エネ化に向けた
材料技術や革新的設計技術
¾ 蒸気生成ヒートポンプ等による加熱プロセス
出典:MRJ(Mitsubishi Regional Jet)
技術
が挙げられる。
・ 技術開発ロードマップ
産業部門においては、これまでも積極的に省エネが進められてきたが、更な
る効率改善を図るには、従来の発想を超えた抜本的なプロセス改善等が必要
である。
<ガラス製造プロセス>
エネルギー多消費産業の一つであるガラス製造プロセスについては、140 年
以上にわたり、基本的な製造方法の革新は行われていないが、抜本的なプロ
セス改善・省エネに向け、プラズマ等技術を活用し瞬時にガラスの微粒造粒原
料を溶解させる技術の開発を推進する。これにより、ガラス溶融工程が半日以
下のプロセスを確立し、2015 年頃に小型炉の実用化、2030 年までに大型炉の
実用化を目指す。
<非鉄金属材料製造プロセス>
非鉄分野においては、例えば工業的規模での金属チタン製錬技術について
は、現行法の発明以来、基本的な製造プロセスの革新は行われていない。現
行の製錬法はバッチ方式のため、工業規模の装置においても反応から冷却ま
で 2∼3 週間を要し、抜本的なプロセス効率の改善が望まれている。
このため、一連のプロセスを連続化することにより、大幅な省エネを実現す
る新製錬法の確立に向けて技術開発を推進し、2010 年代には工業的実用化
を目指す。
<化学品製造プロセス>
現在の石油化学製造プロセスについて、抜本的な低炭素化を図るため、原
料としてバイオマス由来材料を活用したバイオリファイナリー技術等の開発を
推進する。現行の技術では生産効率の向上、製造コストの低下が必要であり、
これらの課題を克服するため、化成品製造の中間体である基幹物質や生産量
の多い汎用化成品等の製造プロセス開発を行う。
<その他産業プロセス>
25
河川水等における水処理は、世界的に大幅なエネルギー使用の増加が懸
念されており、効率的に微量の有害物質及び微生物を除去し水質を浄化する
ための分離膜技術の開発を推進する。
<航空機等の輸送機器の省エネ化に向けた材料技術や革新的設計技術>
炭素繊維複合材の飛躍的な普及を目指し、次世代の小型ジェット旅客機を
対象として複合材の抜本的な低コスト化等の技術開発を推進し、燃費の 20%
以上の改善を図る等、航空機や自動車等の輸送機器の省エネルギー化に向
けて、材料技術や革新的設計技術の開発を行う。
<産業横断的な省エネ技術>
産業横断的なプロセス技術の一つであるコプロダクションは燃焼プロセスに
おいて、発生するエクセルギー損失を電力あるいは水素等の物質として回収
する技術である。石油化学プロセス等、様々な製造プロセスへの適用可能性
が考えられる技術であり、IGCC や IGFC への活用も考えられる。
蒸気も産業横断的に、様々な加熱、乾燥プロセスに幅広く活用されているも
のの、その製造プロセスは長い間革新的なものは導入されていない。このため、
空気の熱と電力により効率よくエネルギーを活用するヒートポンプを活用し蒸
気を生成するプロセスの開発を推進する。圧縮機の高温耐久性技術、熱交換
器の効率化等の課題があるが、こうした課題を解決し、2020 年頃に COP4.0 の
達成を目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
産業部門における省エネルギー技術の導入を円滑に進めるためには、産学
官の連携による基盤技術開発から、段階的に、大規模の技術開発を推進し、
円滑な導入を進めていくことが必要である。このためには、技術開発に加え、
必要に応じて、税制、金融面での支援措置の検討等を行うことが必要である。
○ 革新的製鉄プロセス
・ 技術概要
一貫製鉄プロセスで7割程度のエネルギーを使
用する製銑工程での抜本的な二酸化炭素排出量
削減を目指す技術。具体的には、高炉ガスからの
二酸化炭素分離回収技術及びコークスの一部代
替に水素を還元材として用いた製鉄技術。
26
出典:新日本製鐵㈱ 君津第四高炉
ガス処理
コークス炉ガス
・ 技術開発ロードマップ
高炉ガス
コークス炉
副生ガス
我が国の製鉄プロセスは、これま
ex.CH +H O →3H +CO
廃熱(顕熱)
水素増幅技術
で、省エネルギー設備の導入によ
高炉
る排熱回収や廃棄物のリサイクル
H :65%
H
CO :35% H
を通じて世界最高水準のエネルギ
CO2分離回収技術
酸
素
触媒+CO → 触媒/CO (分離) 水素鉄鉱石
ー原単位を達成してきたが、一段
還元技術
加熱= 廃熱
の二酸化炭素削減を図るためには、 銑鉄
CO
CO
省エネ設備の導入といった従来型
高炉ガス循環技術
の対応には限界があり、長期的な
CO 貯留技術
転炉
視点で技術開発に取り組むことが
必要となる。
海外では国際鉄鋼協会(IISI)において各国の鉄鋼技術者による議論が進め
られている他、欧州では EUROFER(欧州鉄鋼連盟)を中心とした ULCOS プロ
ジェクトにより技術開発が進められている。我が国においても、具体的には、
2030∼50 年の実用化を目指し、二酸化炭素濃度が高い高炉ガスから効率良く
二酸化炭素を分離するために新たな吸収液を開発するとともに、吸収液の再
生に製鐵所内の未利用低温排熱を利用する技術の開発に取り組む。また、コ
ークス製造時に発生する副生ガスを触媒により改質し、増幅した水素を活用し
て鉄鉱石を還元する技術の開発などを推進する。これらの技術の組み合わせ
により製鉄プロセスからの二酸化炭素の3割程度削減を目標とする。
(コークス消費量減少=CO2減少)
コークス
4
2
2
2
2
2
化学吸着法
2
2
2
社会への水素供給
2
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
コークス炉ガスにおける触媒を用いた低エネルギーでの水素の増幅は、ベ
ンチプラントレベルでその挙動が確認されている段階である。水素による還元
技術を含めて、産学官の連携の下、着実に技術開発を進めていくことが必要
である。
高炉での副生ガス等、大規模な可燃性ガスからの二酸化炭素回収技術に
ついては、工業的に可能な経済性レベル、連続操業時の安定化技術の確立
が必要である。このためには、吸収液の開発や工場排熱適用範囲の拡大など
技術的な開発が課題となる。
一方、両技術ともに、実行時には製鉄所内の大幅なエネルギーバランスの
変化を伴うため、大幅な二酸化炭素削減のためには、外部から製鉄所内へ低
炭素電力の供給が不可欠である。
我が国は革新的開発プログラム(COURSE50)において、こうした技術開発を
推進するとともに、国際鉄鋼協会(IISI)やEUの共同プログラムへ積極的に参
27
画し、欧州諸国の最新技術動向を把握するとともに、基礎的基盤的な分野に
おける共同研究の可能性を検討する。
(民生部門)
○ 省エネ住宅・ビル
・ 技術概要
新規断熱材料等による高断熱・遮熱、室内空気質改善技術などによる住宅・
ビルの省エネ技術。マルチセラミックス膜を用いた断熱材の開発により、建物
の壁、更には窓の断熱が可能。高断熱・遮熱化などにより空調エネルギーを
1/2 に削減可能であり、二酸化炭素削減に貢献することが期待できる。
・ 技術開発ロードマップ
我が国の断熱材の技術は向上しており、グラスウール(0.05 W/m・K 程度)か
ら、発泡樹脂系断熱材(0.02 W/m・K 程度)などが実用化されている。住宅等の
熱損失の3割はサッシ、扉等の開口部からの損失である。ガラスの複層化など
の断熱技術が進展し、普及も拡大しつつあるが、窓ガラスを空気層を挟んで複
層化しているため、ある程度の断熱性能が得られるものの、壁内の断熱に比し
て、高い断熱性能を求めることは難しい。
このため、今後、これら断熱材を上回る性能を有する技術として、真空断熱
材の開発を推進する。マルチセラミックス膜を用いた新断熱材料は熱を伝える
三要素(格子振動、対流、輻射)のいずれも抑えることが可能であり、高強度
(圧縮)断熱セラミックス粒子技術、セラミックス・ポリマー複合化技術、高効率
輻射防止コーティング技術、透視性高性能断熱材技術などを駆使することに
より、伝導率 0.002 W/m・K、熱貫流率 0.3 W/m2・K の超断熱壁材料、熱伝導
率 0.003 W/m・K、熱貫流率 0.4 W/m2・K の超断熱窓材料の開発し、2015 年頃
の実用化を目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
住宅・ビル等の断熱材・真空ガラスの普及拡大にあたっては、省エネ法 10や
品確法11により市場拡大を誘導するとともに、一定の技術水準を有する製品の
導入支援を通じて、優れた技術を有する製品の円滑な導入を促進していくこと
10
11
エネルギーの使用の合理化に関する法律
住宅の品質確保の促進等に関する法律
28
が必要である。必要に応じ、融資や税による支援の検討も必要である。
○ 次世代高効率照明
・ 技術概要
現在の蛍光灯を大幅に上回る発光効率を有し、
高演色性を有した照明技術。高効率 LED 照明、
有機 EL 照明、マイクロキャビティー等次世代照
明の技術で、白熱灯の発光効率(15-25 lm/W)
や 蛍 光 灯 ( 80-100 lm/W ) を 超 え る 効 率 ( 150
lm/W)の達成により二酸化炭素の削減が可能。
白熱灯(一般消費用全ランプの消費電力量の
出典:有機エレクトロニクス研究所
約 9.6%)、および蛍光ランプ(同、約 73.1%)を全 http://www.organic-electronics.jp/future/
て 150 lm/W の次世代高効率照明に置き換える 「松下電工 有機 EL ペンダント照明 試作」
と、照明の消費電力は約 1/2 にまで削減可能と見込まれる。光センサーや人
感センサーとの組み合わせや、HEMS や BEMS に組み込むことにより、更なる
消費電力削減も可能であり、二酸化炭素削減に貢献することが期待できる技
術である。
・ 技術開発ロードマップ
LED 照明については、更なる高効率化のため高効率 LED 素子の開発、白色
LED 用高効率蛍光材料の開発等を推進し、2010 年頃に 100lm/W、2020 年頃
に 200lm/W の実現を目指す。有機 EL 照明については、発光効率は現状で白
熱電球程度であるが、理論限界は蛍光灯の2倍以上と高く、発光効率の改善
や、長寿命化に向けた技術開発を推進し、2020 年頃に 100lm/W、2030 年頃に
200lm/W の実現を目指す。さらに高効率な次世代照明としては、マイクロキャ
ビティーやクラスター発光といった技術があるが、基礎的な研究段階にあり、長
期的な視点で必要な技術開発を進める。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
我が国が有する材料技術の優位性を活用しつつ、産学官の連携の下で技
術開発を推進することが必要であり、技術開発の進展に応じて、省エネトップラ
ンナー制度の活用等による普及を促進する。
29
○ 定置用燃料電池
・ 技術概要
水素などの燃料と酸素などの酸化剤の電気化学
反応により熱を経由せずに直接電力を取り出す技
術。化学エネルギーから直接電気エネルギーへ変
換するため、理論的な発電効率が高く、システム規
模の大小にあまり影響されないことから、コジェネシ
ステムとして高い総合効率(>80%HHV)が可能とな
るものもあり、二酸化炭素削減に貢献することが期
待できる技術。ノートパソコン、携帯電話などの携帯
機器から、自動車、民生用・産業用コジェネ、発電所
まで多様な用途・規模をカバーするエネルギー源と
して期待されている。
出典:京セラ
http://www.kyocera.co.jp/news/2007/01
03.html
「家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC)
コージェネレーションシステム」
・ 技術開発ロードマップ
燃料電池には、電解質の種類によって、固体高分子形燃料電池(PEFC)、
固体酸化物形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)があり、そ
れぞれの技術に応じた用途、開発が必要となる。また、既に実用化段階にある
技術としては、リン酸形燃料電池(PAFC)やアルカリ電解質形燃料電池(AFC)
などがある。
我が国では、着実な技術開発及び導入支援により、既に約 2200 台 12 の
PEFC が市場に導入されている。海外企業の多くは実証、開発段階にあるが、
米国 Plug Power 社の PEFC や同じく米国の Fuel Cell Energy 社の MCFC など
は市場導入が始まっている。
PEFC は、薄膜の固体高分子膜を電解質として用いる燃料電池で、作動温
度が常温から 90℃と低温であるため、起動停止や取り扱いが容易であり、出
力密度が高いために小型化が比較的容易である。家庭用コジェネの他に、モ
バイル機器や自動車用としても開発されている。システム価格の低減、耐久性
の向上、発電効率の向上が課題であり、Pt 代替触媒開発や、電解質膜の改良、
新規な電解質膜の開発等が必要となる。2020∼30 年頃に、現在 kW あたり 400
∼500 万円程度のシステム価格を 40 万円、耐久性を現在の 4 万時間から 9
万時間、発電効率を現在の 32%から 36%まで向上させることを目指し、技術
開発を推進する。
SOFC は、酸化物イオンの透過性が高いイオン伝導性セラミックスを電解質
12
2008 年 3 月現在
30
として用いる。家庭用コジェネ、分散電源、大規模発電への活用が期待される。
作動温度は 700∼1000℃と高温で排熱の利用が有利である。石炭を含む多様
な燃料が使用可能であり、ガスタービンと組み合わせることにより 60%以上
(HHV)の高い発電効率が得られる。また、高価な白金触媒が不要との特徴も
有する。作動温度が高温のため、材料劣化等の課題があり、今後、低コスト化、
耐久性の向上、発電効率の向上が課題であり、2020 年頃に発電効率 40%、
耐久性 4 万時間、kW 当たりシステム価格 100 万円を実現することを目指し、技
術開発を推進する。
MCFC は、炭酸リチウムや炭酸カリウムのような溶融炭酸塩を電解質として
用いる燃料電池であり、水素に限らず天然ガスや石炭ガス、さらにバイオガス
を燃料とすることが可能である。また空気極側に燃焼排ガスを投入して運転を
行うと、燃料極側に排ガス中の二酸化炭素を濃縮回収できる特長があるため、
CCS を行なう場合の二酸化炭素回収手段としての活用が試みられている。
2030 年頃にはガスタービンとの複合発電への適用も見込まれる。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
PEFC は、早期本格商用化に向け、研究開発と同時併行的に大規模実証が
進められ、商品性の追及、見極めが行われている状況。技術開発とあわせ、
実証事業の一層の大規模化を通じて、初期需要の形成に向けた取り組みを推
進することが必要である。
SOFC は、700W家庭用コジェネなど小型機の開発が急速に進展しているが、
実証事業を通じた取り組みにより、課題である商用機としての耐久性・信頼性
の確立を図ることが必要である。大規模電源用には、なお時間を要するが、米
国においても大型 SOFC の技術開発が進められており、我が国においても着
実に技術開発を推進していくことが必要である。
技術開発とのその普及に向けた実証事業に加えて、海外市場展開を視野に、
IEC を通じ国際標準化に向けた取り組みを進めることが必要である。
○ 超高効率ヒートポンプ
・ 技術概要
ヒートポンプは、熱を移動させることにより、空調および給湯に必要な熱を得
る技術。化石燃料の燃焼による暖房・給湯と異なり、空気熱や地中熱を介して
太陽熱をアクティブに利用することにより 100%を遥かに超える効率を達成す
ることが可能である。
31
民生部門の二酸化炭素排出の約 5 割を
占める空調・給湯等に適用可能であり、従
来から飛躍的に高い効率のヒートポンプ技
術により一層の削減が期待される。産業部
門においても空調・プロセス冷却・加熱に適
用可能である。
出典:(株)コロナ 「デザインエコキュート」
・ 技術開発ロードマップ
我が国は二酸化炭素冷媒による高温給湯技術を世界に先駆けて実用化す
るなど、世界トップレベルの高効率ヒートポンプ技術を有しており、輸出・海外
生産などグローバルに事業を展開している。特に二酸化炭素冷媒による高温
給湯技術は、わずか 6 年間で 100 万台普及を達成した実績がある。一方、中
国企業も二酸化炭素冷媒による高温給湯器の開発に着手するなど、世界的な
競争が始まりつつある。
現時点でも我が国の家庭用ヒートポンプエアコンは COP が 6 以上であり、欧
米のヒートポンプエアコンの 2.2∼3.8 に比べ高効率であることが、IPCC第4次
レポートでも評価されている。
一方で大型のターボ冷凍機では近年日本企業の技術進展により、高効率機
器が導入されているが、従来、アメリカンスタンダードトレイン社など米国企業
が市場を席巻している分野であり、高い技術力を有している。
ヒートポンプ技術は低コスト化と効率向上が課題である。冷媒や熱交換器の
効率向上等、要素技術の開発を通じて、2030 年にコストを現状の 3/4、効率を
1.5 倍、2050 年にはコストを 1/2、効率を 2 倍まで向上させることが期待される。
この他の技術課題としては、設置性向上および材料使用量低減のための小型
化、設置可能地域拡大のためのさらなる寒冷地対応(暖房・給湯・融雪用途)
などの課題があり、こうした課題の克服に向けた取り組みが必要となる。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
燃焼式暖房・給湯器、低効率ヒートポンプ冷房機と比較して、高効率ヒートポ
ンプはイニシャルコストが高いことが課題であり、政策支援などにより市場化・
普及までの期間短縮を図ることが必要。具体的には、省エネトップランナー制
度や導入普及事業を通じて、現行技術の一層の導入普及を進めつつ、技術開
発を推進していくことが必要である。また、欧米ではヒートポンプによる熱利用
を再生可能エネルギーとして評価する動きもあり、海外の動静を踏まえ、必要
に応じて国内での扱いを検討する余地もある。
32
○ 省エネ型情報機器・システム
・ 技術概要
ネットワークを流れるデータ量の大幅な増加に
伴う IT 機器による消費電力量の増大に対処する
ため、環境調和型 IT 社会を構築する個別のデバ
イスや機器に加え、ネットワーク全体での革新的
な省エネルギーを実現する技術。これにより、IT
機器消費効率を2倍に向上することが期待でき
る。
・ 技術開発ロードマップ
電子・情報技術は、機器の省エネ化はもとより、
高度な制御・管理による生産・流通・業務の効率
出典:シャープ(株)
化を通じて、あらゆる経済・社会活動の生産性向
(上)「次世代液晶テレビ」
(下)「エアコン室外機(インバータ)回路」
上、エネルギー効率の向上を可能とし、環境負
荷の低減に大きく貢献している。
一方、本格的な IT 化に伴い、動画像の送配信や各種 IT サービスが普及し、
社会で扱う情報量は 2025 年には約 200 倍になると見込まれている。情報爆発
に伴って IT 機器の台数が大幅に増加するとともに、機器毎の情報処理量が急
増し、その結果、IT 機器による消費電力量は、2025 年には 5 倍になると見込ま
れるなど、深刻な課題になりつつある。米国ではデータセンターの消費電力量
が過去 6 年間で倍増し、世界的にも大きな問題として認識されつつある。
環境調和型 IT 社会の構築を図るため、個別のデバイスや機器のエネルギ
ー効率向上に加え、ネットワークシステム全体の抜本的な省エネ技術開発、い
わゆる「グリーン IT」の技術開発を推進する。
具体的には、今後情報流通の核となるデータセンター及びそれを構成する
サーバに対する省エネ技術として、データセンター向けの省エネ型空調、情報
負荷に応じたエネルギーマネジメント技術、サーバ・電源装置の高効率化に向
けた技術開発を、2015 年頃の実用化を目途に推進する。
また、省エネ型ネットワークの構築に必要な省電力ルータ等のネットワーク
機器について、例えば、2015 年にデータ流量に応じて、ダイナミックに消費電
力を最適化する革新的ルータにより、ルータ単体の消費電力量 30%削減を目
指す等の技術開発を推進する。
ディスプレイについては、液晶バックライトの更なる高効率化技術開発により
33
2012 年頃には、消費電力量を現状から半減し、52V 型液晶テレビで 2.7kWh/
年・インチを目指す。発光効率が高く、大画面化が容易で演色性の高い有機
EL ディスプレイについては、2010 年頃に発光効率 70lm/W を目指すとともに、
2020 年頃に耐久時間 5 万時間を目指して技術開発を推進する。
次世代低消費電力デバイスは、2022 年に線幅 11nm の実現を目指して微細
化や新構造トランジスタ等の技術開発を推進する。これにより、現状の線幅
65nm に対して、消費電力を 1/10 程度に低減が可能である。また、更なる消費
電力の低減に向けて、ヘテロジニアスマルチコア技術等の開発を推進する。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
IT・エレクトロニクスの活用による一層のエネルギー効率の向上を図るため、
産学官の連携により技術開発とその普及を一体的に進めていくことが必要。具
体的には、産学官のパートナーシップで設立した「グリーン IT 推進協議会」によ
るシンポジウムの開催等により、省エネ推進のための啓発活動や国際連携を
図っていく。また、トップランナー制度の活用により、省エネ製品・システムの導
入普及の促進を図る。長期的視点から、家庭、オフィスビル等の直流化など抜
本的な省エネ技術についても検討を行う必要がある。
○ HEMS/BEMS/地域レベル EMS
・ 技術概要
住宅やビル、さらには地域内でネットワークを介してエネルギー計測・管理を
行う省エネ技術。
HEMS/BEMS は、IT 等の活用により、家庭・業務用ビル等において、室内環
境・エネルギー使用状況を把握しながら、エアコン、照明などの機器をネットワ
ーク化して運転管理することによってエネルギー消費量の削減を図るシステ
ム。
HEMS/BEMS 更に地域レベル EMS により、二酸化炭素排出量は 10∼15%
削減可能。
地域レベルの EMS は、IT 技術、ネットワーク等を活用し、HEMS/BEMS と系
統、分散電源を連携制御することにより省エネを図るシステムであり、更なる二
酸化炭素削減に貢献することが期待できる技術。
・ 技術開発ロードマップ
HEMS/BEMS 技術としては、通信ハードウェア技術、家庭内/建物内センサ
34
ーネットワーク(全機器間通信)、マイクロセンシング技術、予測技術といった技
術の開発が必要である。地域レベルの EMS 技術としては、HEMS/BEMS 技術
に加え、地域コジェネシステムや太陽光発電等の再生可能エネルギーとの連
携技術、電気・熱などのエネルギー利用最適化・評価技術、蓄熱・電力貯蔵の
ための技術の開発が必要である。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
上記の技術開発を推進しつつ、技術開発の進捗に応じた段階的な導入を推
進していく。具体的には、HEMS/BEMS については、効率的なトータル・エネル
ギー管理システムとして実証することが重要である。直流給電化等の省エネ技
術等に加え、包括的な省エネルギーサービスを提供する ESCO 事業を推進す
るなかで、ビジネスモデルを構築することが必要である。
さらに、より広域的なエネルギーマネジメントを図るための地域レベルの
EMS 技術についても、再生可能エネルギーや分散型電源と系統との調和を図
りつつ、実証によりその効果を検証していくことが必要である。
(分野横断的な技術開発)
○ 高性能電力貯蔵
・ 技術概要
太陽光、風力等の再生可能エネルギーの大規模な系統連携や電気自動車
等の普及に必須となる蓄電池、高出力密度を有するキャパシタを活用した電
力貯蔵技術等がある。ハイブリッド自動車・電気自動車の普及、太陽光・風力
などの再生可能エネルギーの導入拡大などにより二酸化炭素排出量を削減に
つながる。電力負荷平準化の効果も期待できる。
・ 技術開発ロードマップ
(自動車用の電力貯蔵技術については、プラグインハイブリッド自動車・電気
自動車の記述(P22,23)を参照)
前述のとおり、我が国の電池技術は、モバイル機器用を中心に、我が国の
電池メーカーが世界をリードしてきたが、市場シェア及び技術開発の面でも、米
国、欧州、中国、韓国といった国々で国を挙げた取り組みが進展しており、我
が国の優位性については予断を許さない状況となっている。
35
定置型の電力貯蔵システムとしては電力負荷平準化用に揚水発電が実用
化されているが、立地制約が少なく需要端に設置して送変電ロスを低減でき電
力品質向上などの機能も付加できる蓄電池システムの開発が進められ、NAS
電池13 の実用化が実現している。風力・太陽光発電併設用には、電力負荷平
準化用以上に長寿命、低コストで補機消費電力の少ない電池の開発が求めら
れている。ニッケル水素電池については、新エネルギーの負荷平準化用として
有望ではあるが、より大電流の充放電が可能でメンテナンスの容易な電池の
開発が求められている。
さらに、リチウムイオン電池は充放電効率が高いという特長も含めて有力な
候補であるが、大容量化、長寿命化、低コスト化に課題がある。リチウムイオ
ン電池については、モバイル用の延長上ではなく、定置用途で要求される性能
に対応した開発が必要である。安全性が高く高容量の正極材料、合金系など
の負極材料、高導電性・高安全・安価な電解質、高信頼性・安価なセパレータ
などの開発による高性能・長寿命・高安全性・安価な改良型リチウムイオン電
池の開発が必要である。2030 年に、太陽電池や風力発電と同等の寿命(20
年)、コスト 1.5 万円/kWh の実現を目指し、技術開発を推進する。
キャパシタは、電気二重層キャパシタが電力貯蔵(無停電電源装置)や、太
陽光発電や風力発電等の出力平準化や瞬時負荷変動によるフリッカ補償に
利用されつつあるが、より一層の高性能化と低コスト化が必要である。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
今後、バックアップ電源用途、風力・太陽光発電の安定化用途をはじめとす
る自動車用途以外への大型リチウムイオン電池の普及と、これによる量産効
果の顕在化が期待される。このため、バッテリー本体の技術開発に加えて、電
池の寿命の保持と安全性確保のために電池の電圧、温度、圧力などをモニタ
するための安価なセンサ技術や系統安定化に必要な大容量バッテリーの構築
に向けて多くの電池セルを組み合わせて使用するために必要な電池モジュー
ル化技術と電池モニタ・制御技術、電池モジュール運転技術、電池システムに
マッチした高効率インバータ直流コンバータの開発を合わせて推進することが
必要である。また、技術開発のみならず、リチウム等の電池用希少金属のリサ
イクルクチェーンの確立や、海外においても技術開発が加速する中で、成果の
円滑な市場展開に向けた標準化・規格化に向けた検討が必要である。
○ パワーエレクトロニクス
13
液体ナトリウムと液体硫黄、特殊セラミックスを利用した蓄電池。鉛蓄電池と比較してエネルギ
ー密度が大きい。
36
・ 技術概要
パワーエレクトロニクス技術は、
発電、送配電、蓄電、電気機器で
使われる次世代半導体等を活用し
たインバータ等の省エネルギー技
術。
インバータは、モーターなどの産
業・輸送機器や各種電源装置、情
報機器、家電、電力分野における
直流送電や可変速揚水装置、電力
出典:(左)(独)産総研 Φ100mm 4H-SiC 単結晶
品質改善機器など民生、運輸、産
(右)安川電機 インバータ
業、転換と幅広い分野に多く用いら
れている。
パワーエレクトロニクス用半導体は、このインバータの省エネ化を通じて、多
くの機器のエネルギー効率を向上させる。例えば、SiC デバイスの適用により
ハイブリッド自動車や電気自動車などの輸送部門においては 2∼10%程度(負
荷状態により変化)、コンピュータ用電源については 4∼5%程度、ポンプ・ファ
ンの電動機駆動用に用いられる汎用インバータなどの産業分野においても、
約 2%程度の効率向上がそれぞれ SiC デバイスの適用により期待できる。さら
に電力分野においても、損失の低減に寄与するとの報告がある。
・ 技術開発ロードマップ
シリコン半導体を中心とした省エネ技術に加え、今後の革新的な技術進展を
もたらすブレークスルーとして、SiC や GaN14の新たなデバイスの実用化が期待
されている。
SiC のデバイス製造に関しては、基板(ウェーハ)上にエピタキシャル膜が安
定して成長する技術を開発し、大口径で高品質の基板が低コストで供給される
ことが重要である。次に、製造効率の高いプロセス、デバイス技術の確立が必
要である。さらに、従来よりも高い動作温度にも耐えうる実装技術、ソフトスイッ
チングや高周波対策などの周辺技術の確立も必要である。
GaN については、SiC 以上の高周波数パワーデバイスの実現も期待が高く、
14
SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)は、次世代の主役となる化合物半導体であり、Si(シリコン)
に比べロスの低減が可能である。現状では、結晶成長の容易さ、コスト、熱伝導率などの違いに
より、GaNは中耐圧(数百ボルト)分野、SiCは高耐圧大電力用デバイスとしての期待が高い。
37
通信、電力変換、航空・宇宙分野への応用に向けて研究開発が進められてい
る。大電力用途には縦型デバイスの出現が待たれている。
ダイヤモンドデバイスは究極のデバイスとも言われている。米国はその実現
の困難さから開発を断念しているが、我が国では、SiC や GaN と競合できるデ
バイスの実現に向けて研究開発が進められている。
こうした中、SiC、GaN 系パワーデバイスについて 2015 年頃の実用化を目指
す。量産性及びデバイス特性の指標であるウェーハ口径及びウェーハ転位密
度15について、SiC パワーデバイスについては、2008 年頃にウェーハ口径 4 イ
ンチ、ウェーハ転位密度 103cm-2、2015 年頃に 6 インチ、ウェーハ転位密度
102cm-2 を目指して技術開発を推進する。
GaN 系パワーデバイスについては、2010 年頃にウェーハ口径 3 インチ、ウェ
ーハ転位密度 104cm-2、2020 年頃に 4 インチ、2030 年頃にウェーハ転位密度
103cm-2 を目指して技術開発を推進する。
ダイヤモンドデバイスについては、2020 年頃の実用化を目指し、2010 年頃
にウェーハ口径 2 インチ、ウェーハ転位密度 103cm-2、2020 年頃に 3 インチ、
ウェーハ転位密度 102cm-2 を目指して技術開発を推進する。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
日米欧で熾烈な技術開発競争が行われているが、基板供給については特
定の企業の寡占状態にある。半導体分野については、我が国のプロセス、デ
バイス、実装技術は世界的にもトップレベルにある。パワーエレクトロニクスで
国際競争力を獲得するには、こうした優位性を活かしコンソーシアム方式で効
率的にリソース(資金、設備、人)を投入し、関係者をネットワーク化しながら技
術開発を推進することが必要である。また、技術開発と合わせて、技術の国際
標準化に向けた取り組みを推進することが必要である。
○ 水素製造・輸送・貯蔵
・ 技術概要
燃料電池自動車や定置用燃料電池に利用
する水素を高効率かつクリーンに製造・輸送・
出典:経済産業省JHFCプロジェクト
貯蔵するための技術。再生可能エネルギー
「水素ステーション」
の利用、CCS との組み合わせにより製造した
水素を、燃料電池自動車の燃料などとして利用することにより、二酸化炭素削
15
ウェーハ転位密度とは、線状の格子欠陥の密度、ウェーハの欠陥指標として用いる。
38
減に貢献することが期待できる。
・ 技術開発ロードマップ
水素の製造技術については、化石燃料からの製造、水電解、再生可能エネ
ルギーの活用といった技術がある。化石燃料からの水素製造技術は成熟して
いるが、今後、改質効率の向上やオンサイト用ステーション向け製造装置の小
型化が課題である。水電解については、固体高分子やアルカリ水電解といった
技術があり、効率や耐久性、経済性の向上といった課題がある。再生可能エ
ネルギーからの製造技術としては、バイオマスからの水素製造等があるが、木
質系原料等のガス化技術は既に熱利用で実績のある技術であり、水素への
改質効率向上等プロセスの最適化が課題である。また、メタン発酵や水素発
酵は、効率のよい発酵菌の探索等、研究段階にある。
水素の輸送方法は、トレーラーによる圧縮水素輸送、液体水素輸送、有機
ハイドライドによる輸送に加えて、パイプライン輸送が考えられる。鋼製容器を
用いた圧縮水素輸送は既に実績があり、一層の高圧化や複合材料容器を用
いた輸送量の増大が課題である。液体水素輸送では、液化プロセスの効率化
や液体水素ローリー、液体水素コンテナの断熱性能の向上が課題となる。
2020 年頃に、高圧輸送で 7 円/Nm3、液体輸送で 3 円/Nm3 にまで低下させるこ
とを目指し、技術開発を推進する。
水素貯蔵では、ガスによる貯蔵、液体水素による貯蔵、水素吸蔵合金による
貯蔵技術がある。高圧ガスによる貯蔵では、35 MPa から 70 MPa への高圧化
や容器の低コスト化が課題である。液体水素貯蔵では、輸送技術と同様、液
化プロセスの効率化や液体水素ローリー、液体水素コンテナの断熱性能の向
上が課題である。水素吸蔵合金を用いた貯蔵では、材料探索や耐久性の向上、
ハイブリッドタンクの開発が課題であり、こうした課題の解決に向けた技術開発
を推進する。
こうした技術開発により、2020 頃に水素価格を、40 円/Nm3 まで低下させるこ
とを目指す。
・ 効果的な技術開発とその成果の普及に向けた課題
化石燃料由来の水素製造を行なう場合には、より一層の二酸化炭素削減を
図るため二酸化炭素回収・貯留技術との組み合わせについても検討が必要と
なる。また、ニア・ゼロエミッションの水素を製造するためには、再生可能エネ
ルギー等の利用技術の高度化が重要である。
さらに、普及を支える技術として、水素供給インフラの整備や水素安全検知
等の安全対策、制度見直しや法整備が必要である。水素エネルギーの国際的
39
な普及に向けて、ISO、IEC、SAE 等の標準策定の場で日本がリーダーシップを
とることが重要である。
水素エネルギーは、黎明期では、小型もしくはガソリンスタンドへの併設タイ
プのオンサイト改質から導入が始まり、水素需要が立ち上がった後は、オンサ
イト/オフサイトのベストミックスになっていくと見込まれる。水素源では、導入当
初は低コストの化石燃料改質が主流であるが、技術開発の進展に伴い、二酸
化炭素フリーの再生可能エネルギー等の水素に移行することが期待される。
供給インフラについては、黎明期は、化石燃料改質器一体型の定置用燃料
電池やガソリンスタンドにおける水素スタンドの併設からの利用が進展し、技
術・需要の進展に合わせ、水素ステーションや水素低圧パイプラインを用いた
ローカル水素供給システムの活用が進むと見込まれる。将来は、ローカル水
素供給システムとコンテナ等による大規模生産拠点からの輸送との最適な組
み合わせによって、全国規模の水素供給インフラが構築されることが期待され
る。
40
3. エネルギー革新技術開発における国際的な連携の推進について
(1) 世界におけるエネルギー技術開発の現状・技術開発ロードマップ策定の状況
(停滞する世界のエネルギー研究開発投資)
昨年来、国連、G8サミットをはじめ多くの国際的な議論の場で、気候変動問題への
対応としてのエネルギー技術開発の重要性が指摘されている。しかし、エネルギー分
野における研究開発投資は近年停滞傾向にあるなど、以下に示す状況にある。
(図5、6、7参照)
¾ 世界のエネルギー技術開発投資は、二度にわたる石油危機を受けて増加した
ものの、その後の原油価格の安定に伴い、1980 年をピークに停滞している。
¾ 実用化までに長い時間と大規模な投資を伴うことから、民間企業が持続的に投
資を行うことは必ずしも容易でなく、政府研究開発投資の果たす役割が大きい。
¾ エネルギー分野の政府研究開発投資では原子力分野の占める割合が大きい。
¾ 国別の政府研究開発投資では、日米欧が世界を牽引している。
¾ 日本の政府研究開発投資は総額で世界最高水準にあり、エネルギー安全保障
の確保と気候変動問題への対応という課題に積極的な投資を行っている。
(図5)エネルギー技術開発に関する重要性の認識の高まり
「美しい星50」(平成19年5月)
• 我が国は本年5月24日に「美しい星50(Cool Earth 50)」というパッケージを提案。
【世界全体の排出量削減のための長期戦略の提唱】
○「世界全体の排出量を現状から2050年までに半減」という長期目標を世界共通目標として提案。
○その達成のため「革新的技術の開発」と「低炭素社会づくり」という長期ビジョンを提示。
G8ハイリゲンダムサミット成果文書(平成19年6月)
G8ハイリゲンダムサミット成果文書(平成19年6月)
「技術は、エネルギー安全保障を強化するとともに、気候変動を抑える鍵である。我々は、すべての
エネルギー生産及び使用分野において、持続可能な、炭素集約度のより低いクリーンなエネルギーの
気候に優しい技術の利用を、緊急に開発、展開、促進しなければならない。」
気候変動に関する日米両政府間のハイレベル協議(平成19年8月)
技術革新における日米協力の重要性、及び、エネルギー効率の重要性について意見が一致。
APEC首脳会議「気候変動に関する独立首脳宣言」 (平成19年9月)
低排出・ゼロ排出技術の共同研究、開発、普及及び移転は、気候変動に取り組むための我々の共通の努
力において極めて重要になるであろう。
エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合(平成19年9月)
我が国が主張する革新的技術の必要性についても各国の賛同が得られた。
日米首脳会談(平成19年11月)
○経済成長を維持しつつ、地球温暖化防止とエネルギー安全保障を両立させるために、革新的技術開発
の推進及び原子力の平和的利用を可能とするために協力していくことで一致。
○クリーンエネルギーと気候に関する技術の研究開発において引き続き主導的役割を果たすと共に、日
本及び米国が実施しているようなこれら技術の研究開発への公的資金の増額を他の主要経済国に慫慂
する。 (日米協力ファクトシート)
気候変動枠組み条約締約国会合(平成19年12月)
バリ行動計画の要素の一つとして、革新的技術の研究開発協力を位置付け。
41
(図6)米国の官民研究開発投資及び先進国のエネルギー分野における政府研究開発投資の推移
18,000
原油価格
16,000
原油価格
14,000
百万米ドル
12,000
10,000
8,000
6,000
先進国(上位11か国)の政府研究開発投資
4,000
米国の研究開発投資(民間)
2,000
米国の研究開発投資(政府)
0
1974
1977
1980
1983
1986
1989
1992
1995
省エネルギー
化石燃料
再生可能エネルギー
水素・燃料電池
その他電力、貯蔵技術
その他の技術
1998
2001
2004
原子力・核融合
出典: IEA
(出典:JGCRI 「Global Energy Technology Strategy」)
(注)原油価格:85年まではアラビアン・ライト原油、
86年以降はドバイ原油
(図7)各国のエネルギー分野における政府研究開発投資(2005 年)
英国
129.9
$ million
伊
独
320.5
513.2
仏
523.4
3017.8
米
日本
3905.3
1250
EU
0
1000
2000
3000
4000
5000
出典:IEA(EUについては、EC資料より 2007 年データを記載)
※原子力を除いた政府研究開発投資は米(2,573$million)、日(1,397$million)、独(343$million)
伊(221$million)、英(90$million) (出典:IEA)。
(日・米・欧における技術開発ロードマップ策定の動き)
技術開発を効果的、効率的に進めるため、克服すべき課題や求められる機能向上
を時間軸上に明示した「技術開発ロードマップ」を策定する努力が、国内外において進
められている。例えば、技術革新のスピード・競争の激しい半導体分野では、産官学
が 連 携 し て 国 際 半 導 体 技 術 ロ ー ド マ ッ プ ( International Technology Roadmap for
Semiconductors)を策定し、技術革新を牽引している。
エネルギー分野の技術開発においても、我が国は、新・国家エネルギー戦略に基づ
き、長期的な技術開発ロードマップを示した「エネルギー技術戦略(平成19年4月)」を
策定している。米国においても、気候変動の対応に必要な研究開発を支援するため、
100 年先を見越して、短期・中期・長期的に取り組むべき技術開発ロードマップ等を示
42
し た 「 気 候 変 動 技 術 プ ロ グ ラ ム ・ 戦 略 計 画 ( Climate Change Technology
Program/Strategic Plan)」を平成 19 年に策定している。欧州では、2020、30、50 年を
見据え、気候変動問題への対応に向けた欧州域内の技術戦略が策定されている。こ
のように、日米欧において、長期を見通した気候変動・エネルギー技術開発の重要性
を踏まえた技術戦略や技術開発ロードマップ策定の動きが進展している。
(2) 国際連携のあり方
気候変動問題の解決に向けエネルギー分野の技術開発を強化、加速するには、世
界が連携して研究開発投資を確保し着実に技術開発に取り組むことが必要である。
長期的にわたる継続的な取組が必要なエネルギー分野の技術開発について、国際連
携を効果的に進め、技術開発を国際的に加速していくための方策としては、以下の内
容が考えられる。
(技術開発ロードマップの国際共有)
現在、世界の技術開発の進捗を継続的に確認し、促進する仕組みは存在しない。
国際的な連携も、アドホックに特定の技術について進展しているのが現状であり、体
系的に協力を促進する仕組みはない。このため、まずは、各国の技術開発や国際連
携の現状を分析しつつ、各国や地域において策定されつつある技術開発ロードマップ
等、長期的な技術開発の方向性を共有し、世界におけるエネルギー技術開発をより体
系的に推進していくことが必要である。この結果、いつ頃までにどのような技術を実用
化し、利用可能とするのかについての共通認識が醸成され、各国・地域は、技術開発
の現状や進捗を確認し合いながら、目標達成に向けて研究開発投資を確保し、着実
に技術開発を進めることが期待できる。また、各国で実施されている様々な技術開発
の全体を俯瞰することも容易になり、新たに国際連携を深め、取組を加速すべき分野
を特定することも可能になる。このため、IEA とも連携し、各国・地域が技術開発ロード
マップを共有しつつ、着実に技術開発に取り組むための協力の枠組みの構築の検討
が必要である。
(国際連携による研究開発の加速)
技術革新のスピードが競争力を左右する中で、世界の動向に目を懲らしつつ、海外
の研究機関とも連携し、必要な研究開発リソースを補完しながら効率的に研究開発を
進める企業が増えている。エネルギー技術開発の分野でも、国際的な連携によって研
究開発を行うことが有効である。
国際連携による研究開発には、我が国単独では対応できない長期かつ大規模な投
資を必要とするリスクの高い研究や実証プロジェクトにおけるリスク分散、我が国にな
43
い技術シーズ、研究人材の活用による研究開発の加速、情報交換を通じた海外にお
ける先端的な技術動向、知見の迅速な把握による研究開発の効率化、国際標準化の
推進等による成果の市場導入の円滑化、といったメリットが期待できる。
(国際連携を進める上での留意点)
技術開発・普及の最終的な担い手である民間企業の研究開発意欲を妨げることなく
国際連携を進めるには、知的財産の保護や意図せざる技術流出の防止に配慮し、競
争と協調の適切なバランスをとることが不可欠である。
例えば、日中間のビジネスベースでの省エネ技術協力を進めている省エネルギー
環境ビジネス協議会においては、両国政府が参加した委員会を設置し、モデルプロジ
ェクトを指定した上で、知財への配慮を含め、問題の未然防止、事後解決を図るといっ
た工夫をしつつ、技術移転が進められている。開発された技術の円滑な移転のために
は、こうした取組により政府ベースで知財への配慮について予め議論し対応しておくこ
とも必要である。
(3) エネルギー分野における国際連携の現状と今後の方向性
既に、原子力、ゼロエミッション石炭火力発電、燃料電池等の多様な研究段階にあ
る技術について、国際協力が進展している(図8参照)。これらには、情報交換のみを
主体とするものから、各国で資金負担し、テーマを分担して協力して取り組むものまで、
様々な連携がある(図9参照)。
一箇所もしくは複数の拠点に研究者が集まり研究開発を行うケースは、資金額が大
きいITERのように限定的であり、資金・リソースの分担を行う場合には、各国内で実
施した研究開発成果を持ち寄るケースが多い。他方、情報交換については、IEA にお
ける実施協定の活動等、多くの技術、研究開発の広範なステージを対象に実施されて
いる。
こうした状況を踏まえると、まずは情報交換をベースとした連携を図り、既に進展し
ている国際パートナーシップにおける取組を拡充しながら、技術の状況や各国のニー
ズ等を踏まえて、新たな連携による研究開発の実施を検討することが適当である。
44
(図8)エネルギー分野における技術協力の現状
名称
発足年月
目的
加盟国/パートナーシップ国
国際エネルギー機関(IEA)
実施協定
1974年
11月
IEA加盟国におけるエネルギー研究開発を支援するため19
75年に設立された協力の枠組み。省エネ、再生可能エネル
ギー、化石燃料といった技術分野や、気候変動対応といった
横断的な分野において、現在、41の協定が締結されており
、研究開発、実証、普及に関する情報交換等を行っている。
日欧米各国を含めた、IEA加盟国及び非加盟国が各国の関
心に応じて参加。
第4世代原子力システム国
際フォーラム
(GIF)
2000年
1月
国際協力の下に第4世代原子力システムの研究開発を進める
ことを目的に設置。ナトリウム冷却炉、超高温ガス炉、ガス
冷却高速炉、超臨界圧水冷却炉、鉛冷却高速炉、溶融塩炉の
6つのシステムを2030年頃を目途に国際協力で開発。
12ヶ国1機関(日本、米国、カナダ、英国、フランス、ス
イス、ロシア、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ、中国
、韓国、ユーラトム)
フューチャージェン
プロジェクト
(FutureGen Project)
2003年
2月
ゼロエミッション型石炭火力発電所の実現を目指し、石炭を
ガス化し高効率で発電するシステムとCO2を地中貯留するシ
ステムを併せてフルスケールで実証する多国間協力事業。
現在、プロジェクトを見直し中であり、今後、CCSに焦点
をあてたものとする。
現在、検討中。
炭素隔離リーダーシップ・
フォーラム
(CSLF)
2003年
6月
二酸化炭素分離・輸送・貯留等に関する費用対効果に優れた
技術開発を促進し、炭素隔離技術の国際的な受容性を高め実
用化を推進。
21ヶ国1地域(日本、米国、カナダ、英国、ドイツ、フラ
ンス、イタリア、オランダ、ノルウェー、デンマーク、ギリ
シャ、ロシア、EC、ブラジル、メキシコ、コロンビア、オ
ーストラリア、南アフリカ、中国、インド、韓国、サウジア
ラビア)
水素経済のための国際パー
トナーシップ
(IPHE)
2003年
11月
水素及び燃料電池技術の研究開発、実証、商業化を促進。ま
た、政策や基準等の標準化を促進するための場を提供。
16ヶ国1地域(日本、米国、カナダ、英国、ドイツ、フラ
ンス、イタリア、ロシア、ノルウェー、アイスランド、EC
、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、インド、
中国、韓国)
クリーン開発と気候に関す
るアジア太平洋パートナー
シップ
(APP)
2005年
7月
アジア太平洋地域において、増大するエネルギー需要、エネ
ルギー安全保障、気候変動問題へ対処することを目的に、
CO2回収型酸素燃焼石炭火力発電の日豪共同実証プロジェク
トであるCallide Aプロジェクトの推進等、クリーンで効率的
な技術の開発・普及・移転のための地域協力を推進。
7ヶ国(日本、米国、カナダ、豪州、韓国、中国、インド)
国際原子力エネルギー・パ
ートナーシップ
(GNEP)
2006年
2月
原子力発電の拡大と核不拡散及び安全の確保の両立を目指す
。高速炉及びサイクル施設の建設並びに高速炉技術、サイク
ル技術及び中小型炉技術等の研究開発を推進。
20ヶ国(日本、米国、フランス、イタリア,中国、ロシア
、オーストラリア、ブルガリア、ガーナ、ハンガリー、ヨル
ダン、カザフスタン、リトアニア、ポーランド、ルーマニア
、スロベニア、ウクライナ、カナダ、韓国、セネガル)
※2008年3月現在
(図9)国際連携の形態に基づく現行の国際協力のマッピング
情報交換のみ
研究成果等
の持ち寄りに
よる連携
【情報交換】基礎研究から実用化、実証、商業化まで幅広く情報交換を実施
(例:IPHE、多くのIEA実施協定)
【情報交換+共同研究】
研究段階にある技術につ
いて、各国がリソースを提
供するなど共同研究。
(例:AIST-ロスアラモス共
同研究、IISIブレークスループ
ログラム、GIF)
【情報交換+共同研究】
開発段階にある技術に
ついて、共同研究又は
情報交換を実施。
(例:CSLF)
【標準化】
技術の普及促進の
ための標準化
(例:ISO)
【情報交換+共同研究開発】
研究開発段階にある技術について、共同研究開発又
は情報交換を実施。(例:GNEP)
拠点におい
て集中研究
資金等リソース
面でも協力
【共同実証】
各国が資金等リソース
を提供し、技術の大規
模実証を実施
(例:Callide A)
【共同研究】
基礎的な段階にあり、か
つ大規模なリソースを要
する技術開発について各
国がリソースを提供し、共
同研究するケース
(例:ITER)
研究
実証
開発
45
商業化・市場投入
(既存の枠組みを活用した国際連携の推進)
上記のとおり、現状でも数多くの国際パートナーシップが立ち上げられており、これ
らの活動をベースとして、更に連携を強化していくことが必要である。具体的には、以
下の技術について、連携を推進していくことが考えられる。
⃝ 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
APP や CSLF 等を通じ、CCS 技術のうち先進的な技術(分離膜やモニタリング
技術)の開発に係る連携を強化する。また、我が国における貯留ポテンシャルが
現時点で限定的であることから、Callide A といった海外実証プロジェクトにおい
て、官民一体の枠組みにより、我が国技術の優位性を実証していくとともに、海
外の研究機関や実証プロジェクトとの連携を強化する。また、IEA 等を通じ、環境
影響評価や社会的受容性の確保といった技術の普及面での環境整備について
連携を強化する。
⃝ 燃料電池
IPHE における情報交換を強化しつつ、円滑な海外展開を念頭に、水素燃料
等の規格基準に関する国際標準化を推進する。二国間においても、水素貯蔵材
料に関するロスアラモス研究所との技術情報交換、共同研究を通じて、連携を
強化していく。
⃝ 先進的な原子力発電
高速炉技術については、GNEP 及び GIF の枠組みの中で、日米を中心に炉の
設計概念、設計要求、燃料の基本仕様等について検討を実施し、各国の知見を
共有しつつ研究開発を加速化する。
中小型炉技術については、日米協力の枠組みの中で、IAEA 等が行った途上
国のニーズ調査等を基に設計要件をとりまとめ、既に検討されている設計概念
を調査する。また、中小型炉に関する互恵的な技術分野で共同研究開発の検討
を進める。
○ 高度道路交通システム
省エネルギーに資する ITS を推進するため、毎年開催される ITS 世界会議の
場において、日米欧三極の連携を強化する。具体的には、環境・エネルギーに
資する ITS の技術動向等を定期的に情報交換し、自動運転・協調走行の開発に
係る情報交換を行うワークショップの共同開催、二酸化炭素削減効果評価手法
の共同開発等連携を強める。
ITS を海外にも普及させるためには ISO/TC204(ITS)で行なわれている国際
標準化を推進する必要がある。我が国は TC 副議長、WG14(走行制御)議長を
確保するなど国際標準化の議論をリードする立場にあるところ、省エネルギーに
資する ITS について諸外国と連携しつつ推進する。
46
(新たな国際連携の推進)
さらに加速が必要な分野や、国際的に協力が不足していると考えられる分野につい
ては、新たな国際連携を検討していくことも必要である。また、既に国際協力が行われ
ている分野についても、プロジェクトやパートナーシップ間の連携を強化していくことが
必要である。具体的には、以下の技術について、連携を推進していくことが考えられ
る。
⃝ 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
CCS 技術については、これまでの知見を活用し、中国、豪州等での海外実証
プロジェクトの推進に貢献するとともに、我が国の実証面でのノウハウの蓄積を
図る。さらに、IEA 等と協力の下、内外の複数のプロジェクト間の連携を促進する
ための仕組みの構築を検討する。また、二酸化炭素回収・貯留技術に焦点をあ
てた新しい枠組みでの FutureGen に対し、我が国としても積極的な参画を行う。
⃝ 革新的太陽光発電
アカデミアレベルで基礎研究がスタートしたばかりの第三世代の太陽光発電
技術について、研究拠点を我が国に整備するとともに、海外からの優秀な人材
の招聘やシンポジウム開催を通じて、海外研究機関とのネットワークを構築する
とともに、IEA の活動とも連携しつつ、各国における研究開発動向の情報交換を
行う。
○ 高性能電力貯蔵
前述のとおり、我が国は電池技術では今なお優位性を有するが、新規正極材
料は殆どが欧米の研究者により開発されてきているように、新規材料の開発で
は基礎研究者の層が厚く、研究資金の豊富な欧米の研究に依存している。この
ため、海外の研究機関と基礎研究部分で連携を検討することが必要である。さ
らに、円滑な海外市場展開に向けて、電池技術の国際標準化・規格化を推進す
る。
⃝ 超電導高効率送電
超電導送電については、海外で進められている超電導ケーブルの実証プロジ
ェクトに我が国企業が積極的に参加し、実証研究の促進に貢献することにより、
技術の早期普及に向けた連携を強化する。
また、高温超電導材料の研究開発について、海外で先導的な研究の知見を
有する研究機関と長期的な視点での協力を行うことが有効と考えられるため、
各国における研究開発動向の情報交換等を行う。
⃝ 革新的製鉄プロセス
製鉄プロセスについては、国際鉄鋼協会(IISI)や EU の共同プログラムへの参
47
画により、欧州諸国の最新技術動向を把握するとともに、基礎的基盤的な分野
における共同研究の可能性を検討する。
⃝ 省エネ型情報機器・システム
国際シンポジウムの開催により、IT による環境貢献を国内外に発信し、グリー
ン IT の有効性について、共通認識を醸成するとともに、各国の研究開発動向に
ついて情報共有を行い、革新的な省エネ技術開発を加速する。また、他の国際
的な取り組みとの連携により、取り組みの強化を図る。
今後、こうした技術についての国際連携を推進していくとともに、技術革新の加速が
求められる中で、上記以外にも、国際連携により効率的に技術開発を進めることが有
効と考えられる分野が存在する可能性もあることから、我が国の技術開発の進展や海
外の動向等に応じて、二国間や多国間の枠組みを通じた連携を柔軟に検討していくこ
とが必要である。
4.エネルギー技術面から見た 2050 年の社会システムの姿
(2050 年エネルギー起源二酸化炭素排出量半減のイメージ)
2005 年に約 270 億トン16と推計されている世界のエネルギー起源二酸化炭素排出
量を 2050 年に半減しようとする場合、世界経済が順調に成長を続けると仮定すれば、
二酸化炭素換算で約 400 億トンを越えるエネルギー起源二酸化炭素排出量の削減を
行う必要があるとされている17。
ここでは、今回選定されたエネルギー革新技術が大規模な削減へどのように寄与
するかについて、技術の開発がロードマップに沿って進展し、技術開発が加速的に進
むと想定した試算 18を基に検討を行った。また、こうした技術が導入された社会システ
ムの姿についても描いてみた。
16
17
18
IEA ”World Energy Outlook 2007”
IEA “Energy Technology Perspective”等
(財)エネルギー総合工学研究所試算
48
(図10) 2050年世界のCO2半減に至る削減への
エネルギー革新技術別の寄与度(試算)
高効率火力発電・CCS, 12%
先進的原子力発電, 12%
革新的太陽光発電, 7%
産業部門(水素還元製鉄・
革新的材料等), 8%
その他(既存技術の普及
等), 40%
民生部門の省エネ機器(ヒー
トポンプ、燃料電池、IT機器
等), 11%
次世代自動車(燃料電池、
電気自動車、バイオマス
等), 11%
試算に織り込まれている「21」の革新技術全体で、半減に要する削減量の約 6 割を
占めており、2050 年の二酸化炭素排出量半減のためには、革新技術の開発とその普
及が不可欠であることが示唆される(図10)。本試算においては、技術としては、CCS、
原子力、太陽光といった発電分野の技術と運輸分野の技術の寄与度が比較的高いが、
半減を達成するためには、どれか一つの技術で十分ということなく、産業・民生部門を
含め、あらゆる部門で技術開発に総力を挙げて取り組むことが必要であり、我が国が
リーダーシップを発揮していくことが必要である。
【試算からイメージされる 2050 年の社会システムの姿(例)】
2050 年に二酸化炭素を半減させた社会システムのイメージを展望してみる。
革新的技術の恩恵を受け、世界は、持続的な成長を達成しつつも、効率化・低
炭素化が徹底的に進展した社会が実現されている。需要側では、IT 機器による
エネルギー消費の最適化等により大幅な省エネが実現されるとともに、次世代
自動車の大幅な普及による地球にやさしいクルマ社会が実現している。供給側
では、革新的な太陽光発電や原子力、CCS 技術等によるゼロエミッション化が
進展したエネルギー供給システムの下で、大幅な削減が実現される。こうした
高度なエネルギー需給システムの確立により、豊かな生活と二酸化炭素の大幅
削減が両立した持続可能な社会が望まれる。
49
<発電・送電等転換部門>
火力発電について、CCS による二酸化炭素の削減が行われ、発電の高効率化
とともに、ゼロエミッション化が進展している。
また、安全確保を大前提として、先進的原子力発電の利用拡大が進展する。
再生可能エネルギーの導入も大幅に進展しており、特に、太陽光発電は、火
力発電並みにコストが低下するため、導入が加速する。住宅では建物壁面での
活用等、用途が飛躍的に拡大するとともに、メガワット級の太陽光発電も可能
となる。こうした大規模なソーラー発電所等に蓄電池が併設され、系統安定化
が円滑に行われる。
また、特に都市部における電力需要に対応し、超電導を用いた高効率送電シ
ステムが導入されるとともに、地域の特性を活かしつつ、系統と調和した形で、
再生可能エネルギー、燃料電池といった分散型電源の導入が進展している。
<産業部門>
エネルギー多消費産業の一つである製鉄プロセスは、高炉からの効率的な二
酸化炭素分離吸収技術の開発、水素還元の一部導入により二酸化炭素排出が大
幅に削減される。
化学品製造プロセスにおいても、バイオマスによる化学品生産が進展する。
多くの産業で用いられる蒸気など熱需要に対してもヒートポンプ技術が導入
されるなど、低炭素化された製造プロセスが進展している。
<運輸部門>
運輸部門においては、従来型の内燃機関を用いた自動車に代わり、電気自動
車、燃料電池自動車、バイオマス系燃料の導入が進展している。ITS による交
通流の適切な制御が行われるとともに、電気自動車や燃料電池自動車の普及と
相まってエネルギー効率の大幅改善が実現している。こうした電気自動車・燃
料電池自動車の大幅導入を支えるための電気スタンド・水素燃料スタンドも整
備されている。
<民生部門>
定置用燃料電池や冷暖房・給湯分野への高効率なヒートポンプの導入、高度
に断熱された省エネ住宅・ビルが導入され、省エネが大きく進展している。省
エネ家電や機器、パワーエレクトロニクスの導入や家電、情報機器の省エネ化
が進み、家庭用の太陽光発電と併せて、IT の活用によりエネルギーが無駄なく
計測・管理されるなど社会の省エネ化が進んでいる。また、夜間の余剰電力を
電気自動車の充電に活用するなど、有効活用が行われている。
50
5.おわりに−計画の着実な実施に向けて−
(技術開発の進捗に応じた適切な官民の役割分担)
策定した技術開発ロードマップに沿って政府が研究開発投資を行う際には、市
場化に近い段階にある技術については応分の民間負担を得る等、技術開発の進捗
状況を踏まえた適切な官民の役割分担が必要である。また、技術開発の進捗状況
に応じ、基礎的な研究開発を進めるべきもの、実用化・実証研究に重点的に取り
組むべきものの双方に、適切な資源配分を行うことが必要である。
また、産学官の緊密な連携とともに、業種間の垣根を越えた連携によって、技
術の開発とその成果の普及を推進していくことが必要である。
(研究開発成果の円滑な普及・市場導入)
公的機関への率先導入といった導入支援、国際標準化のための議論への積極的
な参加、必要な制度・インフラの整備の検討等を併せて進めることにより、本計
画に基づく技術開発の成果の導入・普及を促進していくことが必要である。
(技術開発ロードマップの定期的な見直し等)
技術開発競争が激化し、技術革新のスピードが増加している中で、ロードマップに
示されたマイルストーンを柔軟に見直していくことが必要である。本計画は10年間を第
1フェーズとして推進し、今回策定した技術開発ロードマップについては、産学官の関
係者の議論を踏まえて定期的に見直しを行うこととする。
51
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【参考資料2】
省エネルギー技術戦略
2008
平成20年4月
経済産業省 資源エネルギー庁
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
省エネルギー技術戦略2008
目次
1. 省エネルギー分野の技術戦略
2. 超燃焼システム技術の技術戦略マップ
3. 時空を超えたエネルギー利用技術の技術戦略マップ
4. 省エネ型情報生活空間創生技術の技術戦略マップ
5. 先進交通社会確立技術の技術戦略マップ
6. 次世代省エネデバイス技術の技術戦略マップ
7. その他
・ 省エネルギー技術戦略研究会 委員名簿
添付資料
・ 用語集
省エネルギー分野の技術戦略
1.背景
世界的な原油価格の高騰、化石燃料の資源的制約、京都議定書の達成およびポスト京都の一
層の推進などエネルギーをめぐる課題がクローズアップされてきている。エネルギーの使用合理
化(省エネルギー)の推進、エネルギー利用効率の向上は、これらの課題に対する確実、かつ重
要な対策である。
国民に信頼されるエネルギー安全保障の確立、エネルギー問題と環境問題の一体的解決によ
る持続可能な成長基盤の確立およびアジア・世界のエネルギー問題克服への積極的貢献を目標
として、2006年5月、「新・国家エネルギー戦略」が策定された。ここでは、2030年に向けて官民
で共有すべき数値目標が設定され、エネルギー使用合理化の一層の推進を行い、30%以上の
最終エネルギー消費効率の改善を行うことなどが盛り込まれた。
さらに、平成19年5月24日、「美しい星50(クールアース50)」が発表され、世界全体の温室効
果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減するという長期目標が提案された。こうした長
期目標の実現は、従来の技術の延長では困難であり、革新的技術の開発が不可欠であるとされ
ている。従って、温室効果ガス排出量に密接な関係があるエネルギー分野において、世界トップ
水準の技術を有する我が国は、エネルギー使用合理化分野も含め、 2050年までの二酸化炭
素排出の大幅削減に向け、世界をリードできる技術分野に研究開発資源を重点化し、技術開発を
加速・推進することにより、我が国の競争力を強化・維持しつつ、国際的な連携を強力に推進し、
世界全体での大幅削減に積極的に貢献していくことが必要である。
我が国が1970年代以来取り組んできたエネルギー使用合理化は、新たな製造技術の導入等
により相当程度の成功を収めてきた。2050年も見据え、今後30年にわたり同様の成果をあげ続
けるためには、産業、民生および運輸の全部門において、最終エネルギー消費効率の向上に資
する技術開発とその成果の受入を促していくことが不可欠である。
2.省エネルギー技術戦略
新・国家エネルギー戦略では、30%以上の最終エネルギー消費効率を改善していくための方
策の大きな柱として、長期的視点に立った省エネルギー技術戦略を策定し、省エネルギー技術開
発および支援の重点化を行うことが示された。
省エネルギー技術戦略は、2030年に向けてエネルギー使用合理化技術を日本の国際社会に
おける「産業競争力の源泉」とし、資源制約・環境制約を乗り越え、尊敬される「世界一の省エネ国
家」の実現を目指すことを掲げ、産官学や異なる事業分野、メーカーとユーザーなど様々な主体
間での連携を促すことで革新的な技術開発を推進するとともに、今後想定される社会的経済的ニ
ーズに対応し、目指すべき技術開発のステージを広く関係者間で共有していくことを狙って策定さ
れている。
3.技術課題の抽出および重点技術分野
エネルギー消費は人間活動の基本であり、生活における節エネルギー、利用機器の効率改善、
エネルギー供給方式の最適化など、エネルギーの使用合理化技術は、あらゆる人間活動に関連
1-1
する広範な技術であるが、特に消費分野のエネルギー便益を損なわないニーズ技術を考慮した
エネルギー使用合理化技術や、エネルギー流通分野におけるエネルギーを高温から低温まで上
手に使い回すための技術を重要な技術としている。また、需要サイド、ニーズ志向の開発要請が
強く、個々の分野における漸進・改良型の技術開発も重要である。他方、大きなブレークスルーを
実現するためには、異なる事業分野等様々な主体間の連携、シナジー効果が必要である。
したがって、ここではまずエネルギー使用合理化技術を省エネポテンシャル、技術成熟度、他
分野への波及効果等を総合的に評価し、幹となる重要な技術が抽出されている。さらに、技術開
発の相互連携によりシナジー効果が発揮され、社会システムの変革にあわせたエネルギー使用
合理化技術開発が促進されるよう、抽出された技術を分野・部門を横断する形で組合せて、5つ
の重点技術分野に整理されている。
重点技術分野
・超燃焼システム技術
・時空を超えたエネルギー利用技術
・省エネ型情報生活空間創生技術
・先進交通社会確立技術
・次世代省エネデバイス技術
本戦略においては、効率的な技術開発を可能とするため、技術を個別具体的なプロセスやシ
ステムに落とし込んで考えるのでははく、複数あるいは多くのプロセス/システムに共通する、言
い換えれば開発や実用化の波及効果の大きな要素技術を技術群から抽出し、技術体系を俯瞰す
るように可能な限り行った。しかしながら、この方法には多くの専門に細分化された技術体系にな
じんだ技術者や研究者にとって技術を把握しにくいという問題点もある。そこで、エネルギーの使
用合理化に対する寄与が高い、あるいはエネルギー消費削減の効果が質・量的に大きいと期待
されるプロセスやシステムを必要に応じて適用分野例に記入することにした。
4.重点化した省エネルギー技術分野の概要
1) 超燃焼システム技術
産業部門においては、これまでも積極的に省エネ対策が進められてきており、現状の業態に
おける既知の対応策は既に着手され、更なる効率改善を図るには、従来の発想を超えた抜本
的なプロセス改善等が必要である。産業分野の中でエネルギー消費比率の上位にある鉄鋼・
非鉄、石油精製、化学、窯業・セラミックスなどのプロセス産業では化石燃料を燃焼させて得た
熱エネルギーの利用がエネルギー消費の多くを占めている。特に、無為の燃焼利用は最小化
したうえで、燃焼工程そのものを最大限高効率化し、生成される熱エネルギーを極限まで有効
利用することが、産業分野における抜本的なエネルギーの使用合理化/CO2排出量削減につ
ながるとの認識から、燃焼利用を可能な限り省いた革新的な製造システム実現に向けた技術
開発を積極的に進めること、と同時に従来型燃焼とは異なる反応制御型燃焼、熱物質再生燃焼
やプロセス複合型燃焼など燃焼高度化技術を併せて「超燃焼システム技術」と定義する。
具体的には、最適な温度をうまくつくり、化石燃料の持つエネルギーを高効率に利用するとい
う観点から、上述の燃焼高度化・複合化技術の開発を進め、製造工程に使用される燃焼工程を
1-2
代替・補完する革新的な技術開発を推進していくことが必要である。
更には、プロセスに関連し、省エネに必要な部材開発を進めていくとともに、産業間連携によ
るエネルギーの有効利用や物質とエネルギーの併産(コプロダクション)等の技術開発を実施し
ていく。
2) 時空を超えたエネルギー利用技術
熱や電気等のエネルギーを蓄積したり、移動したりする場合にはロスが発生する。工場にお
いて発生する余剰エネルギー(廃熱)は、近隣に需要がなければ、時間的・空間的輸送が困難
であることから、十分に利用されないまま排出されることが多い。他方、民生部門等のエネルギ
ー需要は各地に存在する。このようなエネルギー需給のミスマッチに対して、例えば蓄熱技術
により、「時間」、「空間(場所)」のミスマッチ(不一致)を解消した「時空を超えたエネルギー利
用」が実現すれば、大幅なエネルギー使用合理化が実現する。究極は、夏の熱を冬に暖房用と
して使う、冬の冷熱を夏の冷房に活用する、というエネルギー最適利用社会が実現する。
しかしながら、現状では産業分野と民生分野での使用時間帯や場所、エネルギーの質や量
が異なるため利用できずに廃棄されることが多い。また、民生分野においては、時間的ミスマッ
チにより熱や再生可能エネルギーが有効に利用できない場合がある。
このように、エネルギーの需要と供給とのバランスを図るうえで制約条件となっている「時間」、
「空間(場所)」のミスマッチ(不一致)を技術によって解消し、産業分野では使えなくても民生部
門ではまだ使えるようなエネルギーを捨てることなく使いまわすという、エネルギーの高効率利
用を達成する技術を実現していくことが重要である。
具体的には、「熱エネルギー」、「電気エネルギー」、「化学エネルギー」の3形態により、エネ
ルギーの貯蔵、輸送を行うことを想定する。「熱エネルギー」では、長距離の輸送が困難となっ
ている現状を踏まえ、潜熱蓄熱、吸収・吸着、真空断熱パイプラインなどの技術による解消を図
る。「電気エネルギー」では、貯蔵が困難となっている現状を踏まえ、蓄電の高度化を図ってい
く。また、水素、合成ガス、天然ガスなどの「化学エネルギー」は、貯蔵・輸送が比較的容易であ
ることから、コプロダクションなどによるエネルギー回収、燃料電池やコジェネレーションなどの
分散型エネルギー利用技術の連携によりその利用を進めることが必要である。
最後に、需要側と供給側の計測と動向予測、制御技術の確立などにより、これらの3形態を
最適に活用するための最適評価方法を確立していくことが、実際の導入にあたっては、重要な
要素となるため、この分野における研究開発も進めていく。
3) 省エネ型情報生活空間創生技術
民生家庭・業務部門では、これまで主要な家電品や事務機器などにトップランナー基準を適
用するなどの、エネルギーの使用合理化推進策をとってきた結果、個別の機器の効率は大幅
に向上してきた。しかし、高度情報化、豊かさを求めるライフスタイルの変化、および高齢化社
会への推移などに伴って、エネルギー消費は継続的に増加しており、これを賢く抑制し、快適で
効率的な生活・業務環境の実現を図る技術の開発、普及が求められる。
このためには、まずは機器自体のエネルギー使用合理化を一層進めることが重要である。特
に、エネルギー消費の大きい冷暖房・給湯用のヒートポンプ技術の小型・高性能化、高い発光
効率を可能とするLEDや有機EL等の光源技術、次世代省エネ型ディスプレイ、今後、エネル
1-3
ギー消費の飛躍的伸びが予想される大容量・高速通信を低消費電力で実現するための通信装
置、ネットワーク関連機器の技術等の省エネ技術の開発が必要である。
また、建物・生活環境の省エネ技術として、自然エネルギー活用も含めた住宅・ビル躯体(構
造体、窓,断熱・遮熱材等)の省エネ化や、住宅・ビルの範囲を超えた、クラスター型のエネル
ギー・マネージメント・システムを含む面的エネルギーマネージメント技術の確立が重要である。
さらには、IT技術との融合を進め、人の好みや行動パターンに応じた制御技術、センサー技術
の開発等によるエネルギー利用の最適化を推進する。
4) 先進交通社会確立技術
現在、自動車燃費の改善や物流部門の効率化などの省エネ対策は取組が進んできているも
のの、運輸部門の大幅なエネルギー消費量の削減は思うように進んでいない。自家用乗用車
および貨物自動車のエネルギー消費量は運輸部門の消費量の8割強を占めることから、先進
交通社会の確立に向けた最重要課題は、自動車によるエネルギー使用を削減するための技術
開発であると考えられる。
省エネによる先進的な交通社会を確立するためには、自動車の電動化が重要である。先進
的な自動車技術として電気自動車や燃料電池自動車、ハイブリッド車等の自動車電動化の技
術開発を進めるが、これらの価格や技術レベル面での課題を考慮すると内燃機関(あるいはエ
ンジン)の一層の低燃費化、また双方につながる技術として車輌軽量化等の高度化を進めるこ
とも必要である。
また、自動車の利用形態の高度化(走行の円滑化)を進めることも、重要なエネルギー使用
量削減の取組であり、円滑な交通流体策の実現のため、車両間通信技術や交通制御システム
の開発等のITS高度化のための技術開発を進めていく。
更には、乗用車から公共交通への移行や、トラックから他の物流システムへの転換を促進す
るために、バイモーダルシステムを確立していくための技術開発を進める。具体的には、路面
電車のように併用軌道走行と一般道路の両方を走行可能なシステムや超小型車両による共同
利用システム、市街地内での荷捌きを行う小型貨物電気自動車などの開発が必要である。
5) 次世代省エネデバイス技術
現代社会は、半導体シリコン(Si)を中核とするエレクトロニクスに支えられており、その省エ
ネ化は重要な課題である。Siを中心とする従来のデバイスの省エネ化に加え、さらなる低損失
デバイスの実現も要請されている。また、100V 程度以上の素子耐圧が要求されるパワーデバ
イス分野では、Siを中心とする従来のデバイスの省エネ化に加え、さらなる低損失デバイスの
実現も要請されている。例えば、SiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体を用いたデバイス
の通電状態でのオン抵抗値は、原理的には従来のSi半導体と比較して約2桁低くなる。この結
果、半導体デバイスで消費される結果として電力損失が大幅に削減されることから、大きな省
エネ効果が期待される。
半導体デバイスとしては、LSIに代表される電子デバイス、インバーターなどのパワーデバイ
ス、情報通信分野における高周波デバイス、光化デバイス等があげられるが、中でも、パワー
デバイスについては、民生部門から産業、運輸部門まで広範囲に用いられるものであり、高効
率化のニーズが高い。このため、SiC、GaN、ダイヤモンド等のパワーデバイスに係る技術開
1-4
発を推進していくことが重要である。この他、ディスプレイ技術、照明技術についてもベースとな
るデバイス技術としての観点からの開発が必要である。
5.今後の推進に向けて
“省エネルギー技術戦略2008”の策定にあたっては、昨年4月に公開した“省エネルギー技
術戦略2007”をもとに、経済産業省及びNEDOが各種学術団体の全面的な協力のもと、“省エ
ネルギー技術戦略2007”に記載された技術の整理ならびに追加すべき技術の提案をつうじた評
価を実施し、さらに数ヶ月に渡る有識者による研究会での検討等を踏まえ見直したものである。
その結果として、“省エネルギー技術戦略2008”では、複数の重点技術課題に跨る技術や、省エ
ネルギーに特に大きな寄与が期待される個別重要技術を示した。今後、ホームページ等で内容
を公表するとともに、シンポジウム等を活用しながら、広く意見を求めることとし、内容を適宜見直
していく予定である。
また、2008年度以降の省エネルギープログラムの策定や、NEDO省エネ技術開発提案公募
事業での優先的な採択を図っていくなど、省エネルギー技術戦略の実現に向けて、予算の重点
配分を進めることとする。
なお、今回策定した省エネルギー技術戦略は、エネルギー技術全体の技術戦略マップの一部
として位置づけられるとともに、今後の技術進展等に応じて、定期的にローリングされるものであ
る。
また、2030年に向けては、省エネルギー技術戦略の推進と併せて、助成措置や税制、若しく
は規制等と通じた初期需要の創出促進策などを積極的に組み合わせつつ、技術革新とそれを受
け入れる社会システム側の変革との好循環を確立していくことが重要である。
1-5
1-6
(情報通信・制御の分野で電力を損失なく高
速度で有効に利用する技術、各分野技術で
の省エネを下支え)
次世代省エネデバイス技術
光をうまくつくる
効率の良い回路を
うまく使う
スイッチングロスの
少ない電源・通信
用デバイスを使う
常温に近い条件を
使う
非素材系
最適な温度をうまく
つくる
自動車
その他
(人や物の移動・運搬にエネルギー源を
無駄なく有効に利用する技術)
先進交通社会確立技術
1,000PJ/年
3,813PJ/年(2003年度)
運輸
エネルギーをうま
く出し入れする
民生
交通機関をうまく協
働させる
動力・照明他
矢印はエネルギーの流れ
(最終エネルギー消費量は平成16年
度版総合エネルギー統計による)
エネルギーを
うまく管理する
快適な照明環境
をうまくつくる
快適な空調環境
をうまくつくる
厨房
快適な情報空間
をうまくつくる
公共交通へうまく
シフトさせる
1,000PJ/年
給湯
4,462PJ/年(2003年度)
冷暖房
交通量をうまく制御
する
(ITS)
エネルギーをうま
く運ぶ
化学・熱・電気の
総合エネルギー
効率を向上する
エネルギーをうま
く蓄える
(エネルギーの需要・供給において
時間と空間の制約を解消する技術)
時空を超えたエネルギー利用
技術
非製造業
低燃費走行の交通
インフラを作る
(ITS)
自動車を低燃費で
走行させる
エンジンの性能を
向上させる
可能な限り
連携する
窯業紙パ
7,637PJ/年(2003年度)
化学
化学反応をうまく
利用する
損失の少ないデバ
イスを使う
1,000PJ/年
鉄鋼
産業
省エネ型情報生活空間創生技術
(快適で効率的な生活・業務環境を実現する
技術)
超燃焼システム技術
余すところなくエネルギーを利用し尽くし、資源制約・環境制約を乗り越え、
尊敬される「世界一の省エネ国家」を実現
(化石燃料の持つエネルギーを
高効率に利用する技術)
省エネルギー技術戦略「全体技術マップ」
超燃焼システム技術の技術戦略マップ
~化石燃料の持つエネルギーを高効率に利用する技術~
Ⅰ.基本的な考え方
これまでも産業部門においては積極的にエネルギーの使用合理化対策が進められてき
ており、現状の業態における既知の対応策は既に着手されている。更なる効率改善を図る
には、従来の発想を超えた抜本的なプロセスの改善等が必要である。産業分野の中でエ
ネルギー消費比率の上位にある鉄鋼・非鉄、石油・石化、化学、窯業・セラミックスなどの
プロセス産業では化石燃料を燃焼して得た熱エネルギーの利用がエネルギー消費の多く
を占め、特に、燃焼ガスを加熱に使う場合や蒸気を発生させユーティリティとして使用する
場合に、材料や装置の耐熱性等の制限によって燃焼ガスの温度を高くできないことや、効
率的なカスケード利用がなされていないことなどから、無用に廃熱を多く発生させる結果と
なっている。
従って、無為の燃焼利用は最小化したうえで、燃焼工程そのものを最大限高効率化し、
生成される熱エネルギーを極限まで有効利用することが、産業分野における抜本的なエネ
ルギー使用合理化/CO2排出量削減につながる。そこで、燃焼利用を可能な限り省いた
革新的なエネルギーシステム実現に向けた技術開発を積極的に進めること、と同時に従
来型燃焼とは異なる反応制御型燃焼、熱物質再生燃焼やプロセス複合型燃焼など燃焼高
度化技術を併せて「超燃焼システム技術」と定義する。「超燃焼システム技術」によって実
現される廃熱最小化を目指した省エネルギー型の産業構造、エネルギー利用体系のシナ
リオを検討し、その実現のための長期的視点に立った革新的な技術戦略を策定した。
具体的には、最適な温度をうまくつくり、化石燃料の持つエネルギーを高効率に利用す
るという観点から、上述の燃焼高度化・複合化技術の開発を進め、従来の燃焼工程を代替
あるいは補完する革新的な技術開発を推進することが必要である。
さらには、産業間連携によるエネルギーの有効利用や物質とエネルギーの併産(コプロ
ダクション)等の技術開発を効率よく実施していくことが重要である。
Ⅱ.導入シナリオ
本技術戦略は、さまざまな産業分野をカバーし、それぞれの分野について燃焼高度化、
エネルギーの使用合理化プロセス及び材料開発、統合化システム構築という階層の異な
る技術課題を含む。物理的なスケールで言えば、材料からプロセスへ、プロセスからシス
テムへと発展的に技術の実用化が展開されると考えられるが、ベースとなる現状技術のレ
ベルがそれぞれ異なるので、早期実用化が可能な技術や早期の開発着手が必要な技術
から順に開発を推進し,エネルギーの使用合理化をできるだけ早期かつ着実に実現できる
ようにシナリオを構成する。
Ⅲ.技術マップ及びロードマップ
1.技術マップ
技術マップとして、温度レベルを意識した技術課題の仕分けに、化学反応によるエネル
ギー使用合理化プロセス技術と、横串としてのシステム統合化技術を加えて全体構成とし
た。
2-1
2.重要技術の考え方
①最適な温度をうまくつくる
「化石燃料を燃やすならばできるだけ高効率に」との視点から、熱を作る側の燃焼技
術について、効率=生成物/(投入材料+エネルギー)を向上させることを評価軸に据
えた。燃焼による加熱が避けられないプロセスにおける、エネルギー使用合理化を達成
するために必要な技術として、より高温で燃焼することによるエクセルギー損失最小化を
可能とする技術、低・中高温廃熱の回収・再生および化学再生技術など、燃焼の高度
化・複合化技術を取り込んだ。さらには、これら技術を実現するための極限環境材料技
術や燃焼診断技術などもまとめた。
また、燃焼利用を可能な限り省き、高効率に最適な温度をつくる技術として、電磁気
力を利用する技術を取り込んだ。これに関連し、省エネ型情報生活空間創生技術とまた
がる技術であるヒートポンプ利用技術を「最適な温度をうまくつくる」ための技術として「高
効率加熱化技術」の項目に集約した。
②化学反応をうまく利用する
鉄鋼、化学分野」などの生産プロセスにおいて、新たな化学反応プロセスを導入する
ことによってエネルギーの使用合理化に、多大な寄与が期待される技術に主眼をおい
た。
電池材料,触媒,分離材料などに共通するナノレベル固体構造制御技術,反応器を
はじめとするマイクロ空間利用技術,製造プロセスの低温化などの,製造や発電などの
プロセスの効率を飛躍的に向上させるのに不可欠なプロセス高度化技術を重点的に抽
出した。
③可能な限り連携する
プロセスインテグレーション技術を適用したコプロダクション・システムは、化学・製鉄
等の製造プロセスと発電等のエネルギー転換プロセスを複合化した新しいシステムの構
築により、物質生産とエネルギー生産を同時に高効率に行うことにより化石燃料の使用
量を極限まで小さくし、トータルの CO2 排出量を大幅に低減することを目指したシステム
である。個々のプロセスの効率化によっては成し得ない燃料消費の削減を可能とするプ
ロセスインテグレーション技術を重点的に抽出した。
産業間連携では、各産業で過不足が生じる物質やエネルギーを業種の壁を越えて利
用することにより、エネルギーの使用合理化を図ろうとしている。大規模な産業間連携の
うち,熱・化学エクセルギーの再生技術,エクセルギーカスケード,ヒートポンプ等の概念
に立脚した技術を重点とした。
④常温に近い条件を使う
生物機能を利用した省エネ型循環産業の構築に資することを目的として、原料・燃料
転換(植物や微生物などを利用したバイオリファイナリーなど)で必要となる投入エネル
ギーの削減、物質生産から廃棄物処理における省エネルギー(汚泥処理などの高度化
など)等の技術を重点化した
3.ロードマップ
ロードマップは技術マップで提示された課題について技術開発の時期、普及時期を示
した。
2-2
超燃焼システム技術の導入シナリオ
2010
2015
2020
2025
2030
最終エネルギー消費効率改善 30%
新・国家エネルギー戦略
石油依存度 40%
国
内
外
の
背
景
京都
議定書
将来枠組み
(ポスト京都)
クールアース50(2050年に温室効果ガス半減)
原油価格は高水準で推移する見込み
ー
化シ熱
・
,
度
熱ケ物
複
回ン質
合
生ス変
燃
利の換
焼
用最利
高適用
酸素燃焼・酸素富化燃焼による廃熱
低減技術
革新製鉄プロセス
廃熱再生および未利用物質高効率回収、
制御ブースト技術、高温再加熱技術
実燃焼器・システムへの展開
次世代ボイラ、汎用VRC
120℃超ヒー
トポンプ
排熱利用120℃レベルヒートポンプ
ー
最
適
な
温
度
を
う
ま
く
つ
く
る
ヒ
ト
ポ
ン
プ
利
用
高性能化
(期間CO
P:7以
上)
高効率空調用ヒートポンプ
高性能化(期間COP:10以上)
潜熱・顕熱分離
寒冷地向け
低外気温(-25℃)稼動 :
COP8
低外気温(-25℃)稼動 :
COP6
地中熱利用ヒートポンプ給湯・暖房機
ガラス製造プロセス
電
力
・
電
磁
気
利
用
高温下の短時間プロセ
ス(酸素バーナー、プラ
ズマ加熱)
スケール
アップ
技術
歩留ま
り向上
小規模の実用化
中規模の実用化
チタン合金創製プロセス
30%の
低コスト
化
2-3
実適用先の拡大
2010
研
究
開
発
化
学
反
応
を
う
ま
く
利
用
す
る
反
応
・
物
離
質
利
移
用
動
高
度
分
応還
利元
用反
(
ンテプ
グロ
コ レセ
プ ス
ロシイ
ン
ー
ョ
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ッ
ー
可
能
な
限
り
連
携
す
る
ネ ユ
テ
ク
利ト テ
用ワ
・
リ
常
件温
をに
使近
うい
条
導
入
促
進
・
関
連
施
策
I
E
M
S
、
I
L
E
N
バ
イ
用
オ
技
高
術
度
活
2015
2020
2025
2030
高機能ナノポーラス材料の量産化技術
高性能複合材料製造
有機バインダの低減化技術開発
バインダレス造形技術の開発
セラミックス製造プロセス
プリカーサ設計・合成・プロセス化技術開発
水利用合成プロセス、水系スラリー利用プロセス
リターナブルセラミックス
製造プロセス
プリカーサを用いた低温(~100℃)セラミッ
革新的製鉄プロセス
クス製造プロセス
高反応性新塊成物、高炉低温操業原理
廃プラ、廃タイヤ活用(高炉還元材比の )10%削減
革新的製鉄プロセス
継続的効率化推進
従来法(部分酸化法) 原料多様化(石油残渣、石炭→低品位炭、バイオマ
ス等)、高効率化、コスト低減
工業プロセスのエクセルギー損失 電力・物質のコプロ
低減
ダクション
次世代ガス化(エ
ガス化(合成ガス製造)
クセルギー再生
)技術
熱ピ
ンチ
熱ピンチ 大規模実証化
物質ピンチ(水素、水 etc)、
物質再生 プロトタイプ
IEMS/I
LEN
FS
実用化
物質ピンチ 実証試験
IEMS、ILEN 実証試験
実用化
バイオリファイナリー
収集可能な原材料の選
定(ソフト・ハードバイオマ バイオリファイナリーによる化学品生産
技術の実用化
ス、食品廃棄物など)と糖
質への変換・回収の実現
トップランナー制度等による普及促進
産官学連携した研究開発の推進
国民への情報提供
IEA等を通じた国際連携の推進
2-4
生産物質
のライン
ナップ
※太字:重要技術
※青字:クールアース50ー革新技術計画に関連する技術
超燃焼システム技術 技術マップ
技術分野
分野
コンセプト
分野構造
大項目
中項目
備考
小項目
低温緩慢燃焼
高効率工業炉、ボイラー、熱化学再生ガス化、 高温ガ
スタービン等
酸素燃焼・酸素富化燃焼による廃
熱低減技術
高効率工業炉、ボイラー、石油精製プロセス、石油化
学プロセス、化学素材プロセス等
熱・物質変換利用シー
廃熱再生および未利用物質高効
ケンスの最適化,熱回
率回収、制御ブースト技術、高温
生利用高度複合燃焼
再加熱技術
伝熱高度制御技術
製鉄プロセス、次世代コークス製造等
着火燃焼高度制御技術
容積型小型エンジン、微粉炭ボイラー等
極限環境材料(金属, 高温耐熱耐食材料・部材技術、高
セラミック)
度材料コーティング技術
高効率圧縮技術
膨張動力回収技術、高効率熱交
換技術
低環境負荷冷媒技術
プラズマ加熱,プラズマ・燃焼複合
高効率加熱化技
化技術)
電力・電磁気利用(含 電気溶融、電気分解技術
術
耐熱耐食材料開発)
マイクロ波・誘導加熱技術
ヒートポンプ利用
高均質加熱・選択的迅 燃焼合成技術、気中加熱/溶解
速加熱技術
技術
高効率加工技術 耐摩耗材料利用
低温熱間加工技術
触媒反応利用
高性能触媒・光触媒
ナノ多孔体構造制御技術
反応・物質移動高度分 高選択技術
低温・定圧・高選
革新的分離
離利用
択・高速化技術
(膜/電極利用技術)
化学反応をうまく
第三体導入技術、反応・分離複合
非平衡利用
利用する
化技術
還元温度制御技術
還元反応利用
水素利用低炭素還元技術
プロセス高度化技
術
マイクロ空間反応場利用 マイクロリアクタ技術
エクセルギー再生 プロセスインテグレー
技術
ション技術
可能な限り連携
する
産業間連携技術
高効率工業炉、ボイラー等、高温ガスタービン,石炭
ガス化複合発電技術等
高効率ヒートポンプ給湯機、高効率ヒートポンプ、地中
熱利用ヒートポンプ、産業用、水冷媒冷凍機等
ガラス製造プロセス、化学プロセス、セラミック製造プ
ロセス等
製鉄プロセス、非鉄金属プロセス、製紙プロセス等
ヒートポンプ(吸着剤急速再生),非平衡変換プロセ
ス,高効率蒸留,製紙プロセス等
ガラス製造プロセス,セラミック製造プロセス等
製鉄プロセス等
化学素材プロセス、製鉄プロセス等
化学素材プロセス、等高選択的ガス透過メンブレンリ
アクタ-、燃料電池用電解質膜等
メンブレンリアクター,排ガス処理,ケミカルズ合成等
劣質原料・低温還元製鉄プロセス、化学素材プロセス
等
化学素材プロセス、セラミック製造プロセス、時空間分
布制御反応器等
コプロダクション技術
製鉄プロセス、石油化学プロセス、セメントプロセス、
製紙プロセス、化学素材プロセス、発電・加熱インテグ
レーション、加熱プロセスインテグレーション、鉄・炭素
系資源複合変換、次世代高効率石炭ガス化発電技術
等
ケミカルルーピング技術
ケミカルループ燃焼,ケミカルループ水素製造、CO2ア
クセプタ法等
ユーティリティー・ネット
ピンチテクノロジー
ワーク利用
コンビナート連携、エココンビナート構築、水素・水ピン
チ、物質カスケード/リサイクルマネージメント、サス
ティナブルカーボンサイクル化学体系、発電のインテ
グレーション等
産業用地域エネル
ギー管理システム(IE
MS) 、産業用地域エ ネットワークモデル化・設計技術
ネルギー・ネットワーク
(ILEN)
コンビナート高度統合化技術,産業・民生連携,
IMES,ILEN等
有用宿主生物創製技術
化石燃料
常温に近い条件
に極力頼ら
を使う
ない
高温還元反応触媒反応シミュレーション,燃焼・改質
反応系高度設計技術,熱化学反応データベース,各
種燃焼モニタリング・診断技術等
バイオマス,廃棄物,新燃料,水素・合
成ガス,ディーゼル,アルコール,DME 各種燃焼機器、バイオマスガス化、合成ガス製造等
等対応燃焼
新燃料燃焼技術
化石燃料
をうまく使う
製鉄プロセス、高効率熱交換、蒸留、輻射伝熱促進技
副生物利用エネルギー・物質再生技
術
プロダクト最大化・高度
化・高機能化
燃焼シミュレーション・診断技術
最適な温度をうま
くつくる
製紙プロセス、製鉄プロセス、石油精製プロセス、腐
食性ガスからの熱回収、石油化学プロセス、廃蒸気再
生ハイブリッド発電等
(高効率熱交換,輻射伝熱促進技術な 術等
ど)
燃焼の高度化、複
合化技術
プロセス副生物利用
超
燃
焼
シ
ス
テ
ム
技
術
適用分野例
低環境負荷型プロ
バイオ高度活用技術
セス技術
酵素開発技術、糖化,発酵技術
成分分離技術(セルロース、リグニン
等),選択的分解前処理技術
高速伝熱技術 マイクロ空間伝熱場利用 マイクロリアクタ技術
低燃料で エンジンの性能を
エンジン改良技術 ガソリンエンジン
走行する
向上させる
(先進交通社会確立技術)
HCCI(希薄予混合圧縮着火燃焼)
2-5
バイオマスリファイナリー(コンビナート)、非石油系由
来材料製造、排水・廃棄物処理プロセス、高機能窒素
除去(硝化、脱窒)、高機能化活性汚泥処理等
バイオリファイナリー、非石油系由来材料製造等
マイクロ熱交換器等
超燃焼システム技術ロードマップ
コンセプト
大項目
中項目
小項目
低温緩慢燃焼技術
2010
2020
低温緩慢燃焼、燃焼速度・温度制御
酸素燃焼・酸素富化燃焼
による廃熱低減技術
熱・物質変換利用
シーケンスの最適
化,熱回生利用高度
複合燃焼
2030
速度・温度制御型燃焼技術開発
酸素燃焼:
酸素富化燃焼
廃熱再生および未利用物
質高効率回収、制御ブー
スト技術、高温再加熱技
術
凝縮潜熱回収、高エクセルギー化、高温再燃焼
中高温腐食性ガス熱回収
高炉、転炉スラグ熱回収
革新製鉄プロセス
実燃焼器・システムへの展開
高効率熱交換、輻射伝熱促進
伝熱高度制御技術
断熱型鋳造システム開発
溶融金属の連続測温技
術
融合と全体システム構築
セラミックス製造プロセス
低温合成、低温焼成等の低温プロセス技術の開発
燃焼の高度化、複合
化技術
製鉄プロセス副生物・発生物の資源化・再利用
プロセス副生利用技 副生物利用エネルギー・
術
物質再生技術
着火燃焼高度制御技術
プロダクト最大化・高
度化・高機能化技術
新燃料燃焼技術
最適な
温度を
うまく
つくる
速度・温度制御型燃焼技術
バイオマス,廃棄物,新
燃料,ディーゼル,アル
コール等対応燃焼
高効率圧縮技術
実燃焼器・システムへの展開
素反応データベース構築
燃焼シミュレーション・診
断技術
高温耐熱耐食材料・部材
極限環境材料(金
技術、高度材料コーティン
属・セラミック)
グ技術
実燃焼器・システムへの展開
鉄鋼製造エネルギー(鉄/ガス)併産プロセス)
水素等副生物利用燃焼技術
反応器内流体モデル連成モデル、高効率クリーン燃焼プロセス
耐超高温耐熱材料、耐高温・腐食複合環境材料
鉄鋼材料の革新的高強度・高機能化
耐熱等材料・部材
コーティング技術
実燃焼器・システムへの展開
バイオマス、社会廃棄物、
新燃料(水素・合成ガス・ハイドレート)対応燃焼
スケールアップFS
次世代ボイラ、汎用VRC
高効率、低圧力場圧縮技術
120℃超圧縮、熱交換、
作動流体技術
120℃超ヒートポンプ
排熱利用120℃レベルヒートポンプ
高機能ナノテク材料、フィルム材料量産技術
膨張動力回収技術
高効率熱交換技術
高効率乾燥プロセス
小型化展開(高効率蓄熱材、マイクロコンプレッ
サ)
高効率熱交換技術
高効率空調用ヒートポンプ
高性能化
(期間COP:7以上)
高性能化(期間COP:10以上)
潜熱・顕熱分離
次世代型吸収・吸着・ハイブリッド熱源機
廃熱回収
動力回収
トライバンドルヒートポンプ
汎用ダブルバンドル
高効率加熱化技術
低外気温稼動空気熱源技術
ヒートポンプ利用
低温駆動冷凍システム
低環境負荷冷媒技術
低環境負荷冷媒技術
水冷媒冷凍機
水冷媒ヒートポンプ
自己昇温型ケミカルヒートポン
プ
ケミカルヒートポンプ
高効率熱交換技術
ヒートポンプ給湯機
寒冷地効率向上技術
低外気温(-25℃)稼動ヒートポンプ給湯器
COP6
低外気温(-25℃)稼動ヒートポンプ給湯器
COP8
地中熱利用ヒートポンプ給湯・暖房機
2-6
コンセプト
大項目
中項目
小項目
2010
2020
プラズマ加熱,プラズマ・
燃焼複合化技術
2030
チタン合金創製プロセス、合成樹脂、繊維製造プロセス
スケールアップ
技術
30%の
低コスト化
歩留まり向上
実適用先の拡大
石炭メルターを用いた溶鉄製造、希少金属分離回収、合金鉄製
造
電気溶融、電気分解技術
電力電磁気利用
鋳片表層改質
電気溶融、電気分解
プロセス基盤技術・設備技術研究、スケールアップ・
最適化研究
実用化の検討、実適用先の拡大
高効率加熱化技術
最適な
温度を
うまく
つくる
マイクロ波・誘導加熱技術
マイクロ波加熱
誘導加熱
マイクロ空間反応
場
(マイクロリアク
ター、ナノ空孔な
ど)
高均質加熱・選択的
迅速加熱技術
高均質加熱・選択的迅速
加熱技術
チタン合金創製プロセス、高機能材料製造
電磁波などエネルギー投入による非平衡プロセス
ガラス製造プロセス
高温下の短時間プロセス
小規模の実用化
中規模の実用化
次世代熱間加工プロセス
高効率加工技術
耐摩耗材料利用
低温熱間加工技術
プロセス基盤技術・設備技術研究、スケールアップ・最適
化
工業生産の開始
希少金属分離回収、合金鉄製造
プロセス排ガス浄化技術(光触媒)
太陽光利用水素製造プロセス技術
製鉄副生ガ
ス利用による
クリーンエネルギ
への転換
触媒反応利用
サステイナブル・カーボンサイクル化学体系(SC3)の高度利用
高性能触媒・光触媒
ファインケミカル製造
量論・塩素酸化からの転
換
過酸化水素利用拡大
直接酸素酸化
高効率酸化触媒の開発
ナノ多孔体構造制御技術
高機能ナノポーラス材料の量産化技術
高選択技術
高性能複合材料製造
有機バインダの低減化技術開発
バインダレス造形技術の開発
プリカーサ設計・合成・プロセス化技術開発
セラミックス製造プロセス
水利用合成プロセス、水系スラリー利用プロセス
リターナブルセラミックス製造プロセス
化学反
応をうま 低温・定圧・高選択・
く利用す
高速化技術
る
触媒担持技術/担体の組
成・
構造・形態・物性の制御技
術
固定化分子触媒、固定化酵素触媒
分子触媒・酵素の設計技術
反応・物質移動高度
分離利用
プリカーサを用いた低温(~100℃)セラミックス製造プロセス
新構造エンプラ製造触媒(iPP、sPS)
非定常操作によるプロセス強化
革新的分離
(膜/電極利用技術)
高選択的反応場
(メンブレンリアクターなど)
高選択的膜技術(ナノ、サブナノスケールでの多孔体構造制御技術と原子レベ
ル化学組成制御)
高温作動膜技術
電磁波などエネルギー投入による非平衡プロセス
2-7
コンセプト
大項目
中項目
低温・定圧・高選択・
非平衡利用
高速化技術
化学反
応をうま
く利用す
る
還元反応利用
プロセス高度化技術
小項目
2010
2020
2030
ラジカル注入反応プロセス
第三体導入技術、反応・
分離複合化技術
排ガス処理
高反応性新塊成物
高炉低温操業原理
廃プラ、廃タイヤ活用
(高炉還元材比の10%削減)
還元温度制御技術
水素利用低炭素還元技
術
継続的効率化推進
劣質原料・環境対応型革新製銑プロセス
革新的製鉄プロセス
メンブレンリアクター
高度制御反応場の構築
メンブレンリアクター部材としてC1化学反応系への適用
マイクロ空間反応場
マイクロリアクタ技術
利用
従来法(部分酸化法) 原料多様化(石油残渣、石炭→低品位炭、バイオマス等)、高効率化、コスト低減
コプロダクション
工業プロセスのエクセルギー損失低減
自己熱再生型工業プロセス
エクセルギー再生技 プロセスインテグ
術
レーション
次世代ガス化(エクセル
ギー再生技術)
ケミカルループ燃焼
ケミカルルーピング技
術
可能な
限り連
携する
電力・物質のコプロダクション
ユーティリティー・
ピンチテクノロジ-
ネットワーク利用
ケミカルループ水素製造、CO2アクセプタ法
熱ピンチ 小
規模
熱ピンチ 大規模実証化
実用化
物質ピンチ(水素、水 etc)、物質再生 プロト
タイプ
物質ピンチ 実証試験
産業間連携技術
産業用地域エネル
ギー管理システム
ネットワークモデル化・設
(IEMS)、産業用地域
計技術
エネルギー・ネット
ワーク(ILEN)
IEMS/ILEN
FS
実用化
IEMS、ILEN 実証試験
有用宿主生物創製技術
可溶化適合
菌の探索・育
種
固体発酵適合
菌の探索
機能的微生物集団のデザ
インと人工的創成
有用菌の探索
/
主要菌の取得
好気・嫌気処理窒素除去、活性汚泥処理、堆肥化処理
有用生物等の効率的解析と改変技術
物質生産のための実用作物の作製
常温
に近い 低環境負荷型プロセ
バイオ高度活用技術
ス技術
条件を
使う
ゲノミクス、プロテオーム、メタボロームによる
総合的な物質生産代謝の解析
酵素開発技術
糖化,発酵技術
特殊条件で機能する酵素のスク
リーニング特殊条件で使用可能な
宿主・ベクター系の開発
物質生産のための産業用汎用微生物の創出
人工進化による特殊条件
耐性酵素の創出
特殊条件で機能する
酵素反応系の構築
物質
変換
の高
効率
化
特殊条件耐性酵素の設計
成分分離技術(セルロー
ス、リグニン等),選択的
分解前処理技術
次世代型製造技術(高効率バイオリアクター、コンピューター培養制御)
収集可能な原材料の選定(ソフト・ハード
バイオマス、食品廃棄物など)
と糖質への変換・回収の実現
2-8
バイオリファイナリーによる化学品生産技術の実用
化
生産物質の
ラインナップ
時空を超えたエネルギー利用技術の技術戦略マップ
~エネルギーの需要・供給において時間と空間の制約を解消する技術~
Ⅰ.基本的な考え方
産業プロセスでは利用されずに廃熱となるエネルギーは民生分野では利用価値のある
場合が多く、産業分野から民生分野等へエネルギーを受け渡すことによってエネルギー消
費の抑制が可能である。しかしながら、現状では産業分野と民生分野では発生と需要時間
帯や場所、さらにはエネルギーの質と量が異なるために産業廃熱はほとんど民生利用され
ていない。また、民生分野においては、時間的ミスマッチにより熱や再生可能エネルギー
が有効に利用できない場合が少なくない。
このように、エネルギーの需要と供給とのバランスを図るうえで制約条件となっている「時
間」、「空間(場所)」のミスマッチ(不一致)を技術によって解消し、産業分野では使えなくと
も民生部門ではまだ使えるエネルギーを捨てることなく民生で利用し尽くすため、エネルギ
ーの需要と供給において、時間と空間の制約を解消し、いままで利用されていなかったエ
ネルギーの利用を達成する技術戦略を策定した。
具体的には、エネルギーをうまく蓄え、うまく運ぶという観点から、3形態のエネルギー、
すなわち、「熱エネルギー」、「電気エネルギー」、「化学エネルギー」の貯蔵と輸送を行うこ
とを想定する。「熱エネルギー」の場合は、長距離の輸送が困難である現状を踏まえ、相変
化物質や化学反応利用による潜熱蓄熱やバッチ輸送、蓄熱槽/パイプラインの高断熱化
による熱輸送ロスの低減などの技術を通じて熱エネルギーの供給と需要のミスマッチの解
消を図る。貯蔵が困難である「電気エネルギー」については、蓄電技術の高度化や送電ロ
スの低減を図っていく。水素、合成ガス、天然ガスなどの「化学エネルギー」は、貯蔵・輸送
が比較的容易であることから、産業ではコプロダクションなどによるエネルギー回収技術を、
民生側では燃料電池やコージェネレーションなどの分散型エネルギー利用技術の革新が
期待されるので、これらの連携により、これまでできなかった化学エネルギーを橋渡しとし
たエネルギーの使用合理化の実現を図る。
更には、エネルギーの供給と需要の計測と動向予測、制御技術の確立などにより、3形
態のエネルギーを最適に活用するための基盤を形成することが実際の技術導入にあたっ
ては重要な要素となるため、この分野における研究開発も積極的に推進する。
特に、時空を超えたエネルギー利用技術は、超燃焼システム技術や省エネ型情報生活
空間創生技術など他の重要技術課題との連携が重要である。ヒートポンプや吸収式冷凍
機などにより「熱エネルギー」の質を高め利用率を向上することや、インバータなどによる
電力品質維持技術により太陽光や風力などの「電気エネルギー」の質を高めることにより、
より高度なエネルギー利用を目指す。また、熱電発電や、高品質なエネルギーと排熱の組
合せによる発電により、余剰のエネルギーを余すことなく利用し尽くしていく。
Ⅱ.導入シナリオ
時間、空間の各ミスマッチを「熱エネルギー」、「電気エネルギー」、「化学エネルギー」貯
蔵、輸送を行うことによって解消し、産業分野における余剰エネルギーの利用と、民生分野
のエネルギーの有効利用を実現することを念頭に置き、「熱」、「電気」、「化学エネルギー」
3-1
のそれぞれに関する技術と、変換および質の向上によってこれら3つの形態を有機的に結
びつける技術の将来像を描き、予測される技術の成熟度を基に技術導入を展開するシナ
リオを作成した。
中低温(60~120℃レベル)の蓄熱技術との組み合わせによるヒートポンプ給湯機/暖
房機の普及拡大、蓄電池の高性能化による自然エネルギー導入の促進、水素貯蔵、輸送
技術とコプロダクションとの連携などを中心として、これら「熱」、「電気」、「化学エネルギ
ー」の3つの形態を有機的に組み合わせてエネルギーの使用合理化を実現する技術の早
期確立や3分野の技術的な融合を進めることも重要な施策とした。
Ⅲ.技術マップ及びロードマップ
1.技術マップ
「熱エネルギー」、「電気エネルギー」、「化学エネルギー」の3形態により、エネルギーの
貯蔵、輸送を行うことを想定し、それぞれの有効利用技術、これらの連携を有機的にする
質の向上と転換技術、さらにはこれらを最適に活用するための評価技術をマップにした。
2.重要技術の考え方
選定した主な重要技術は以下のとおりである。
“エネルギーをうまく蓄える”
(1) 蓄熱技術
①顕熱・潜熱利用技術
(躯体化潜熱蓄熱、60~120℃レベル中温潜熱蓄熱技術、潜熱蓄熱低熱損失・機能
化技術等)
②化学反応利用
(塩化物、酸化物-水系化学材料利用技術、熱プロセスへのハイブリッド技術等)
③制御、シミュレーション技術利用
(蓄熱インテグレーション技術、ユーテリティ-スケジューリング技術等)
特に中温域(~120℃)の蓄熱では、貯湯槽の小型化によるヒートポンプ給湯機/暖房
機普及拡大を目的とした60~75℃レベルの潜熱蓄熱技術が求められている。蓄熱材料
として古くから知られている Na2SO4・10H2O などの無機材料や有機材料であるパラフィンの
利用が考えられる。120℃レベルであれば人口甘味料として使用されている材料が、潜
熱量が大きく、かつ安全性にも優れており、中温域の潜熱蓄熱材として有望である。さら
に添加剤を加えることにより相変化温度と潜熱蓄熱量を制御することが可能となる。中
温域での蓄熱には多価アルコールを中心とした蓄熱材料開発が今後有望となってくると
考えられるが、有機材料の探索は十分でなく、今後の検討の進展が期待される。
(2) 蓄電技術
①化学反応利用
(高電流密度化、高効率充放電技術、変動発電量平準化技術等)
②電気利用
(電気2重層キャパシタ技術)
3-2
充放電可能な二次電池が、高密度化の達成とともに様々な分野で利用されているが、
リチウム・イオン電池やニッケル水素電池においても価格の低下は、世界的な需要の増
加と希少資源の重要性のため十分に見込めない。この分野では日本は世界をリードする
立場にあり、希少資源を使わない高性能電池の開発は日本の技術の生き残りのために
も最重要課題である。
電池が量的に確保できても十分に安価になるには普及の促進が必要である。「安価な
夜間電力を貯蔵」して「高価な昼間の電力を節約する」のがひとつの方策である。また電
池の寿命の問題もある。そこで、プラグイン・ハイブリッド車への充電をより積極的に利用
することが考えられる。電池を交換可能にすれば、昼間も家庭や職場に充電池が存在す
ることになり、電力系統全体でその有効利用を図ることができる。
太陽光発電・風力発電および負荷の電力変動の吸収も重要な課題である。充電量を
変動させて負荷電力平準化を実現するようなシステムが求められる。電池の充電電流を
変動させること自体は困難ではないが、所有者の利便性と電池の寿命や充電効率への
悪影響を最小限にするような配慮と制御が必要と考えられる。
“エネルギーをうまく輸送する”
(3) 熱輸送技術
①連続輸送
(高断熱技術)
②バッチ輸送
(サーマルプラグイン技術、コンテナ高断熱技術、移動体用冷熱蓄熱技術)
(4) 送電技術
① 低電気抵抗/直流送電利用
(超電導利用技術、高性能交流直流変換技術、直流出力分散電源との直接接続等)
送配電系も含め現用の電力システムでは、既に機器の高効率化が実現されているも
のの、効率をわずかにでも改善することができれば、大きな省エネルギーにつながる。超
電導技術は、電気抵抗がゼロになるという特長を有しており、電流が流れる際のエネル
ギー損失の大幅な削減を可能とする。交流の超電導ケーブルでは,低インピーダンスの
送配電回路を構成できることから,電力系統の高安定度を維持した状態で電力の融通
能力の向上が期待できる。また、直流を用いれば、超電導ケーブルはより一層の効果を
持つと考えられる。交流・直流の電力変換技術がキーテクノロジーのひとつになる。
直流出力分散電源(太陽光発電・燃料電池、など)の普及のためには電力変換装置の
小型軽量化の必要性が高くなる。高周波化がキーテクノロジーの一つであるが、磁性材
料中での損失が顕著になってくる。部品の中では磁性材料の進歩が不足していると感じ
られる。その重要性が認識されるべきであると思われる。今後、自動車などの輸送機器
においても、モータやインバータが多用されるようになると同様の要請が出てくると考えら
れる。
“化学・熱・電気の総合エネルギー効率を向上する”
(5) 需要・供給の計測・動向予測技術、最適評価・設計手法
① シミュレーション、モニタリング、システム最適化利用
(エネルギー消費シミュレーション解析技術、システム構築・最適化技術等)
3-3
基幹発電機の起動・停止や出力調整の操作を減らし、高効率運転域の維持を可能と
する平準化運用・制御技術(太陽光・風力等の大量導入時においても基幹電源側への影
響が少なくなるような、エネルギー貯蔵や負荷のマネジメント技術)を電力システムに適
用することによって、基幹電源の発電効率が改善できれば、省エネ効果を得ることが可
能となる。
3.ロードマップ
ロードマップにおいては、技術マップの項目の技術開発の時期と普及時期について
時間軸に展開した。効率向上を主とする課題については、極力目標値を示し開発の目
安とした。
3-4
時空を超えたエネルギー利用技術の導入シナリオ
2010
2015
2020
2025
2030
最終エネルギー消費効率改善 30%
新・国家エネルギー戦略
石油依存度 40%
国
内
外
の
背
景
京都
議定書
将来枠組み
(ポスト京都)
クールアース50(2050年に温室効果ガス半減)
原油価格は高水準で推移する見込み
短距離、短時間を
超える省エネルギー
技術の確立
潜
熱熱
技利
術用
蓄
ー
エ
ネ
ル
ギ
研
究
開
発
を
う
ま
く
蓄
え
る
化
蓄学
熱反
技応
術利
用
長距離、長時間を
超える省エネルギー
技術の確立
ヒートポンプ給湯機
高密度(200%以上)
60~120℃用蓄熱材
次世代給湯用蓄熱
100~300℃
中温域
(複合材料等)
エネルギープロセスへの蓄熱技術のハイブリッド化
300℃高温域
(酸化物ー水系
等)
小型分散電源からの低温排熱回収、
車輌室内への熱供給、乾燥など
包括的な排熱回収システム
自然エネルギー発電、電気動力化車両
化
蓄学
電反
技応
術利
用
ー
エ
ネ
ル
輸
ギ
送
す
を
る
う
ま
く
連
続
輸
送
送抗抵
電/電
利直気
用流抵
革新技術による
時空の超越
レドックスフロー、Na/S電池
充放
高出力化、高電流密度化、サイクル寿命改善
電効
(寿命:2010年ー10年) (寿命:2030年ー20年)
率向
上
ニッケル水素、リチウムイオン、ゼブラ電池など
低温潜
真空断熱技術
熱輸送
(0℃未
次世代高効率潜熱蓄熱輸送
満)
(高密度化、軽量化)
高効率熱輸送
高効率送電
DC125kV級
154~275kV、数GW
3-5
2010
導
入
促
進
・
関
連
施
策
2015
2020
2025
2030
ヒートポンプの導入
促進
熱,電気,化学エネルギー
3分野の技術融合の促
進
省エネ効果の大きな余剰・未利用エネルギー利用への補助
エネルギー・ネットワーク・インフラの整備
規制緩和、特区の利用
産業と民生の融合を可能にする都市計画
3-6
※太字:重要技術
※青字:クールアース50ー革新技術計画に関連する技術
時空を超えたエネルギー利用技術 技術マップ
技術分野
分野
コンセプト
分野構造
大項目
中項目
備考
小項目
適用分野例
躯体顕熱蓄熱技術、長期顕熱蓄熱(年間、季間な
ど)技術、高機能熱隔離技術
躯体化潜熱蓄熱、高温・高密度化潜熱蓄熱
技術、昇華熱利用技術
顕熱・潜熱利用
高効率ヒートポンプ給湯機、暖房/給湯用
蓄熱、乾燥プロセス、機関駆動熱源、高度
(無機水和塩、溶融共 60~120℃レベル中温潜熱蓄熱技術
晶塩、有機利用)利用 (耐熱カプセル化、懸濁化、エマルション化技 氷蓄熱、モバイル蓄熱等
術)
潜熱蓄熱低熱損失・機能化技術
アクティブ技術(圧力制御型、多温度型、自己
制御型)
蓄熱技術
時
空
を
超
え
た
エ
ネ
ル
ギ
化学反応利用
塩化物、酸化物-水系化学材料利用技術、 暖房、給湯、乾燥プロセス、機関駆動熱源、
高度氷蓄熱等
熱プロセスへのハイブリッド技術
吸収・吸着利用
シリカゲル-水系,ゼオライト-水系,活性炭-アン
モニア系物理材料利用技術
吸着式冷凍機,デシカント空調、ハイブリッ
ド熱再生デシカント空調等
蓄熱インテグレーション技術、ユーテリティー
制御、シミュレーション スケジューリング技術、センサレス高度統合
蓄熱システム全般等
技術利用利用
蓄熱制御技術、多点計測制御型高度蓄熱制
御技術,学習機能付加制御,高度追従制御
エネルギーをうま
く蓄える
ー
利
用
技
術
高電流密度化、高効率充放電技術(エネル
化学反応利用(二次電 ギー密度、充放電効率、寿命の向上)、変動 大容量(NaS、レドックスフロー),中容量
(ニッケル水素、リチウムイオン、ゼブラ電池
池)
発電量平準化技術、高効率DC/DC変換回 など)、モバイル用電池等
路技術
蓄電技術
電気二重層キャパシタ技術(エネルギー密
度、充放電効率、寿命の向上)
電気利用
余すところ
なくエネル
ギーを利
用しつくす
運動エネルギー
超電導利用
貯蔵技術
高速充放電システム等
超電導コイル技術(大電力、高速応答、充放電効
超電導磁気エネルギー貯蔵等
率、超電導線材の向上)
高効率軸受技術
超電導フライホイール等
タンク耐圧技術,高速充填技術,高効率液化技
化学エネルギー 水素、ガス、液体燃料化 術,ボイルオフ低減技術,低動力圧縮技術,水素 燃料電池発電,水素燃焼,水素ステーショ
吸蔵技術,水素キャリア液体燃料技術,酸素製造
利用利用
ン、IGCC、IGFC等
貯蔵技術
技術(高効率燃焼・発電),インフラ設計、ガス化技
術、合成燃料製造技術
連続輸送
熱輸送技術
バッチ輸送
エネルギーをうま
く輸送する
送電技術
高断熱技術(真空、高機能流体)
配送配管、蓄熱槽、低抵抗輸送等等
マイクロカプセル化技術、エマルション化技
術、スラリ-分散性制御
0℃以下、氷スラリー、潜熱マイクロカプセ
ル、エマルジョン熱輸送等
長距離建物間冷媒搬送技術、高効率熱輸送・直
膨張型高効率熱交換技術
低抵抗輸送等
サーマルプラグイン技術、コンテナ高断熱技 雪氷熱輸送、サーマルプラグイン(移動体空
調)、中低温潜熱輸送、高エクセルギーバッ
術、移動体用冷熱蓄熱技術
チ輸送等
超電導利用技術(大容量電力輸送技術、省 大容量送電、限流器、省エネトランス、船舶用
エネ電圧電流変換技術、省エネ故障電流限 モータ、電力・産業用モータ等
低電気抵抗/直流送 流技術)
電利用
高性能交流直流変換技術、直流出力分散電
源との直接接続, 直流機器への最適直流配 大容量送電等、高速通信等
線システム技術
熱電変換利用
化学エネルギー
水素利用
輸送技術
熱電発電材料技術、ノンフロン型媒体利用技術、
低温度差発電、熱電発電等
排熱ガスタービン回収発電
バッチ可搬技術、吸蔵合金軽量化技術、高圧充
填圧縮技術、断熱技術
水素利用エネルギー輸送等
物質・エネルギーのカ
物質(水素、水 等)ならびに熱ピンチテクノロ 化学プラントなど各種プラント、IEMS、ILEN
輸送適正化技術 スケード利用、シミュ
等等
ジー、インフラ設計の適正化技術
レーション利用
需要・供給の計
シミュレーション、モニ エネルギー消費シミュレーション解析技術、
3形態を最 化学・熱・電気の
測・動向予測技
エネルギー消費量予測、エネルギー管理シ
適に活用 総合エネルギー
タリング、システム最 エネルギー消費量モニタリング技術、システ テム、マイクログリッド等
する
効率を向上する 術、最適評価・設 適化利用
ム構築・最適化技術
計手法
3-7
時空を超えたエネルギー利用技術 ロードマップ コンセプト
大項目
中項目
小項目
顕熱蓄熱
躯体顕熱蓄熱技術
長期顕熱蓄熱技術
2010
2020
2030
低熱損失化
次世代高効率躯体蓄熱
躯体化
熱隔離槽・高機能熱隔離躯体
季間熱利用
高機能熱隔離技術
小型・高温蓄熱
潜熱蓄熱
高温・高密度化技術
顕熱・潜熱利用
高温・高密度化(~800℃)
圧力制御蓄熱 多温度型蓄熱 自己制御
蓄熱
昇華熱利用技術
次世代昇華潜熱蓄熱材
60から120℃中温蓄熱
技術
(耐熱カプセル化、懸濁
化、乳化技術)
高密度(200%以上)・60~120℃用蓄熱材
(カプセル化、懸濁化、乳化)
昇華潜熱蓄熱
次世代給湯用蓄熱
潜熱を利用した地中蓄熱技術
低熱損失・機能化
低熱損失・機能化技術
モバイル蓄熱、曇天太陽暖房
蓄熱技術
躯体化
躯体化蓄熱
100℃以下蓄熱
エネル
ギーをう
まく蓄える
CaCl2-H2O系
利用実証試験
100-300℃中温域
MgCo(OH)系利用
実証試験
300℃以上高温域
CaO-H2O、MgO-H2O利用
実証試験
化学反応利用
高密度パッシヴ蓄熱
エネルギープロセスへの蓄熱技術のハブリッド化
センサレス高度統合蓄
熱制御技術
多点計測制御型高度蓄
熱制御技術
制御、シミュ 高度追従、学習機能付
レーション技術 加制御
利用利用
蓄熱予測技術
蓄電技術
化学反応利用
(2次電池)
蓄熱インテグレーション技術
ユーテリティスケジューリング技
術・融合技術
高電流密度化
高効率充放電技術
変動発電量平準化技術
高度予測制御
多点計測技術
センサレス高度統合蓄熱制御
多点計測制御型高度蓄熱制御システム
基礎技術開発、実証試験
需要量・時間、季間変動、効率
蓄熱DB開発 システム開発 実プラント適用
充放電効率向
上
レドックスフロー、Na/S電池
高出力化、高電流密度化、サイクル寿命改善
(寿命:2010年ー10年) (寿命:2030年ー20年)
ニッケル水素、リチウムイオン、ゼブラ電池
タンク耐圧技術
化学エネル
ギー貯蔵技術
ボイルオフ低減技術
水素利用
水素吸蔵技術
耐久性の向上、高強度材料の開発
高圧タンク
ボイルオフ低減、容器の軽量化・コン
パクト化
液体タンク
材料探索、性能向上
3-8
水素貯蔵材料
コンセプト
大項目
中項目
連続輸送
小項目
高断熱技術
マイクロカプセル化技
術
エマルション化技術
スラリ-分散性制御
2010
2020
2030
真空断熱技術
低温潜熱輸送
(0℃未満)
次世代高効率潜熱蓄熱輸送(高密
度化、軽量化)
超長距離建物間冷媒搬送
高効率熱搬送・直膨型高効率熱交換
真空断熱パイプライン
熱輸送技術
コンテナ・建物高断熱技
術(100℃以上)
耐熱・高断熱化(100℃以上)
中温熱バッチ輸送(~120℃)
エネル
ギーをう
まく輸送
する
バッチ輸送
高温・高密度化(~80
0℃)技術
吸収吸着利用技術
超電導利用技術
低電気抵抗利
用/直流送電
利用
高性能交流直流変換技
術
超電導利用技術
物質ならびに熱ピンチテ
物質・エネル クノロジー
輸送適正化技
ギーのカスケー
術
ド利用
高温・高密度化(~800℃)
需要・供給の
計測・動向予
測、最適評価・
設計手法技術
高エクセルギーバッチ輸送
Lc>300~500A/cm、2~3円/Am@77K
数百m~1km、AC66kV級
5~10kA
DC125kV級
154~275kV、数GW
熱ピンチ実証
物質ピンチ、物質再生プロトタイ
プ
データ収集・シミュレーショ
ン技術
エネルギー消費シミュ
レーション解析技術
シミュレーショ
エネルギー消費量モニ
ン、モニタリン
タリング技術
グ、システム最
適化利用
システム構築・最適化技
術
高温熱バッチ輸送
パッケージ化、耐久化
送電技術
3形態のエ
ネルギー
(化学、
熱、電気)
を最適に
活用する
地域熱ネットワーク(効率向上)
実証
シナリオ作成・検証技術
調査・計測・評
価 予測手
法確立
制御技術の確
立 連携手
法の確立
評価手法確立・設計手法確立
規模別連携システム設計・
社会システム設計
3-9
導入・普及
省エネ型情報生活空間創生技術の技術戦略マップ
~快適で効率的な生活・業務環境を実現する技術~
Ⅰ.基本的な考え方
民生(家庭・業務)部門では、ライフスタイルの変化に伴って運輸部門と並んでエネルギ
ー消費が大きく伸びてきた傾向が今後も加速すると予測される。エネルギー消費量増大の
要因は、エレクトロニクス技術の進展に伴う空調機器や情報機器、照明機器、自動化機器
などの広範な普及にあり、抜本的な解決のためには、現在の豊かな生活や十分な便益を
維持しつつエネルギーの使用合理化を達成する技術の開発・導入を始めとする実効的な
対策の実施が求められている。
家庭やオフィス等では、エネルギー消費の大きな部分を占める冷暖房、給湯などの熱利
用の効率化が従来からの重要な課題である。また、ライフスタイルの変化の観点からは、
全室空調の増加、大画面テレビや高度情報化機器の増加、大型冷凍・冷蔵庫の普及拡大、
夜型生活による照明電力の増加などは、生活の高度化とエネルギー消費の抑制という、相
反する課題を満たす技術開発が重要となることを示している。この増エネ要因に対し、トッ
プランナー方式による各機器の省エネを進めるとともに、自動的にしっかりと省エネする仕
組みとして、人の好みや行動パターンに応じたエネルギー・マネージメントの普及を促進す
るなどの積極的な対応が必要になってきている。その際に快適性の向上や見守りや異常
検知など安全性向上のシステムなどとも一体的に取り組み、更なる普及に努めることが重
要である。
また、高齢化社会の到来は介護・自立支援用ベッド、電動車椅子、家庭用昇降機などの
ロボット化が進展することが予想される。ロボット化した各機器の省エネ化技術を開発、促
進し、加えて住宅・建築物など各主体から有用エネルギーを外部環境に廃出しない取組み
や、自然エネルギーの取込みも必要である。このためには、民生分野における電気、熱、
水素エネルギーの回生、蓄積、転換などの新しい技術開発が不可欠である。そして、この
開発に即したエネルギー利用技術の開発や、既存のエネルギー供給インフラとの連携・協
調技術の開発、さらにはクラスター型エネルギーマネージメントシシステム(CEMS)を含
む面的エネルギー・マネージメント技術を含む相互連携技術の開発が急務である。
一方、ビルのインテリジェント化や新しい情報ビジネスの拡大等に伴い、通年冷房を行う
ビルが拡大し、延べ床面積あたりのエネルギー消費原単位や空調運転時間が増大する傾
向にある。このため、冷熱源設備機器や空調動力におけるエネルギーの使用合理化対策
や建物構造及び機能建材によるエネルギーの使用合理化のみでなく、熱需要を増大させ
ている情報機器や照明及びそれらへの電力供給設備、さらにこれらの機器・設備を構成す
る半導体などを含む電気・電子部品や動力部品の発熱低減のようなエネルギーの使用合
理化対策や、オンサイト分散型電源・エネルギー貯蔵、ヒートポンプ技術の高度有効利用
技術開発も重要である。
Ⅱ.導入シナリオ
民生(家庭・業務)部門では、住宅やビルなどの躯体や家電機器、事務機器、ユーティリテ
ィ設備等のハードウェアの省エネを技術開発の促進やトップランナー規制等で推進すると
共に、日々の生活・業務環境でエネルギーの使用方法の改善、すなわちソフトウェア的、シ
ステム的な省エネを推進することが重要である。特に住宅やビルは一度建設すると簡単に
改修はできないことから躯体や設備が組み上がった状態での総合的な性能を事前に精度
4-1
よく予測評価するための技術が重要である。
高度情報化社会の広がりと共に普及が進みつつある情報ネットワークを活用したエネル
ギー・マネージメントシステム(HEMS/BEMS 等)は、重点課題として関連の新技術開発や
導入・普及を促進する必要がある。また、HEMS/BEMS の設置はそれ自体のエネルギー消
費によって増エネになることから、待機電力の極小化や、導入・普及によって生じる省エネ
効果と利便性の向上効果を十分に評価した上で適切な箇所に設置を進めることが肝要で
ある。さらに、加速的な普及に向けては快適性の向上や安全性の向上などの付加的なサ
ービスと一体となった省エネ技術の開発を進める必要がある。
家庭やオフィス等の現状から判断すると、「エネルギーの使用合理化」は必ずしもエネル
ギー使用機器・設備のコスト・パーフォーマンスや事業の自立性という観点からは十分な力
を持ち合わせていない。少子高齢化社会における「安心・安全」や「情報サービス」などと合
わせた多様なサービス体系に組み込むことにより、コスト低減や導入の加速化を進める必
要がある。加えて、民間レベルでは回避し難い事業リスクを緩和し、「エネルギーの使用合
理化」が事業として自立、強化できるための諸方策を、国のレベルでも積極的にとる必要が
ある。
Ⅲ.技術マップ及びロードマップ
1.技術マップ
「快適で効率的な生活・業務環境の実現」に必要不可欠なエネルギーの使用合理化技術
開発を、「Ⅰ.基本的な考え方」に従い、“快適な空調環境をうまくつくる”、“快適な照明環
境をうまくつくる”、“快適な情報空間をうまくつくる”、“安心な生活空間をうまくつくる”およ
び“エネルギーをうまく管理する”に区分し、省エネポテンシャルと技術の成熟度、経済性、
及び他分野への波及効果の観点から重要度の高い以下の技術課題を選定し、技術マップ
を作成した。なお、家庭やオフィス等へのエネルギー供給関連の技術については他の重要
技術課題で整理されているので以下ではエネルギー需要サイドから必要な技術を取上げ
た。
2.重点技術の考え方課題
選定した重要技術は以下のとおり。
“快適な空調環境をうまくつくる”
(1) 能動的空調、給湯技術
① ヒートポンプ利用
② 潜熱・顕熱分離利用
③ 高効率抜熱方式利用
④ 制御技術利用
CO2 ヒートポンプ空調機/給湯機など、空調/給湯機の小型・高性能化技術による、よ
り一層のエネルギーの使用合理化を図る次世代技術の研究開発は、空調/給湯が民生
部門の5割超を占めており、高効率機器の投入/普及の効果は大きい。
潜熱顕熱分離空調は、「顕熱処理の空気吹き出し温度上昇による効率向上」や「暖房時
の加湿効率向上」など、大きな効果が期待できる。インバータ熱源機の最適統合制御は、
部分負荷運転が多いケースや冬季冷熱負荷があるケースにおいて、大きな削減効果を
発揮する。また、人感センサー、CO2 センサーなどの活用と建物利用者間の協調および
最適制御ロジック構築により、削減効果が期待できる。
4-2
(2)
①
②
③
受動的空調技術
自然換気利用(自動協調換気制御)
断熱・遮熱利用(超高性能断熱材、断熱性可変システム等)
窓の高機能化(超高断熱ガラス、日射透過率可変ガラス、インテリジェント窓システム
等)
④ 日射遮蔽化(外装日射制御システム)
⑤ ヒートアイランド対策(太陽エネルギー高反射処理)
室内外の温度差による浮力、風力による自然換気を機械換気と適切に組み合わせるこ
とにより、送風機のエネルギーを節約できる。
断熱・遮熱技術は、躯体、設備のいずれにも有用なので期待は大きい。建物の負荷を
ゼロに近づけるためは必須の技術であるが、今後の内部発熱の増加次第では年間冷房
が必要になるかもしれず、超高性能の前に従来型の適切な断熱と気密で対応することも
必要である。
窓の高機能化は、負荷をゼロに近づけるためには必須であり、窓材料の改善・開発とそ
の普及による効果は大きい。
ヒートアイランド対策である近赤外域での高反射は、色(可視域)の自由度を損なわず
実現可能であり、可視域の反射率向上も重要である。屋上緑化よりも低コストで効果が大
きい。
(3) 受動的給湯技術
① 再生可能なエネルギー利用(自然エネルギー連成型潜熱回収技術、建材一体型太陽
熱利用等)
太陽熱給湯器の普及の鍵はデザインであり、建材一体型の機器の開発は普及に欠か
せない。システムを高度化する余地はある。
“快適な照明環境をうまくつくる”
(4) 新光源技術
① 新素材利用(省エネ高演色性光源技術)
② 蓄光、昼光利用(蛍光材料/蓄光材料、光ダクト、ライトシェルフ、自動ブラインド等)
照明分野もエネルギー消費が多い分野であり、使用目的に応じた照度抑制と合わせて、
大きな省エネルギー効果が期待される。白熱灯、ハロゲンからの代替が期待される。高
効率LED照明は、建築の内装材に組み込まれることにより新しい照明環境が実現できる。
一方、有機EL照明は、面発光の長所を生かして室内照明の全面代替が期待される。い
ずれも色調変更などの付加機能も期待できる。
昼光を有効に利用するシステムはオフィスでは一般的になっているが、家庭では普及し
ていない。ニーズに対応できるシステムが開発されれば普及の可能性は大きい。光ダク
トは地下階などへの応用範囲は広い。
(5) 照明システム技術
① 新デザイン、制御利用
照度を感知して照明器具を制御するシステムは、既に多くの新築建物で採用されてい
る。人感センサーなどの活用と建物利用者間の協調および最適制御ロジック構築により、
削減効果が期待される。
“快適な情報空間をうまくつくる”
(6) ディスプレイ技術
4-3
① 新デバイス利用(有機EL技術、LED技術、省エネPDP、省エネLCD等)
② システム技術利用(高機能システムディスプレイ)
省エネ PDP、省エネ LCD、高分子有機 EL、高機能化システムディスプレイ等の次世代
の省エネ型ディスプレイ及び関連技術の研究開発である。省エネ PDP に関しては,プラズ
マチューブアレイの省エネ化効果が大きい。高機能化システムディスプレイは極限ゲート
構造TFTにより消費電力が低減できる。
(7) 省エネ型高速通信技術
① フォトニックネットワーク技術
(半導体レーザ、超電導ネットワークデバイス通信装置、光通信用合波回路機能光源
モジュール、次世代高速通信機器技術等)
② システム制御技術利用
(データ配置最適運用技術、省エネ型ネットワークアーキテクチャ技術等)
通信に関する電力消費の中で、圧倒的な割合を占め、かつ今後も大幅な伸びが予想さ
れているデータセンタおよび関連情報通信機器への対策強化が最も有効であることから、
これらの省電力化に注力することが必要である。また情報通信機器は、性能強化に伴う
消費電力の増加抑制へ向け、今後も継続的な低消費電力化への取組みが必要である。
“エネルギーをうまく管理する”
(8) エネルギー・マネージメント技術
① 待機電力削減、待機電力削減、新デバイス利用
(建築設備の待機電力省エネ化技術、電源のパワーマネジメント技術等)
② 環境性認識行動
(人の好みや行動パターンも考慮した最適省エネ運用制御、HEMS 等の要素としての
高度情報化対応技術、デジタル情報機器相互運用基盤開発)
空調、照明、ディスプレイ、通信機器等の情報家電そのものの省エネ化を進めるととも
に、これらをネットワーク化して更なる省エネを始めとする付加サービスを組み込める技
術開発。
情報家電機器間で相互に情報を交換してエネルギーの制御をするためには,エネルギ
ーを扱っている電源部を自由にコントロールすることが不可欠である。そのためには,機
器の電源部の制御を従来のアナログ制御からデジタル制御に変えることが有効である。
また、住宅やビルでの高効率な冷暖房・給湯・調理・照明等の効果的な組込み、人の好み
や行動パターンに応じた制御技術(HEMS/BEMS)の開発、及び当該技術の効果把握や予
測手法の開発、ならびに住宅・ビル全体での総合的な省エネ性能、環境性能、利便性向
上などを事前に精度よく予測する技術の開発が必要である。
(9) 相互連携技術
① 面的エネルギー・マネージメント技術利用
(HEMS/BEMS と再生可能エネルギー・未利用熱利用との有機的連携)
② ネットワーク利用
(ユビキタス・センサ・ネットワーク、BA/FA 統合プラットフォーム技術等)
③社会システム技術利用(環境調和型コンパクトシティ)
従来は別々に開発されてきた HEMS、BEMS 及び排熱回収システム、蓄エネルギーシス
テムなどが有機的に連携する仕組みづくりが重要な課題である。これには、自然エネル
ギーの利用やバイオマスなどの再生エネルギーの利用も組み込むべき課題である。ただ
4-4
し、有機的連携には、まず、各主体が最大限のエネルギーの使用合理化対策を実施し、
その上でエネルギーを融通しあう主体は地域内での省エネルギー最適化とエネルギー供
給に責任を持つことが肝心である。都市全体の構成や運用などの改善を目指す環境調
和省エネ都市プランや既存のエネルギー供給インフラと連携・協調する社会システム技
術や、都市、ビル内の人と物の移動に関わるエネルギー消費の低減技術開発も重要な
課題である。また、加速的な普及に向けて快適性の向上や安全性の向上などの付加的
なサービスと一体となった省エネ技術の開発を目指す。
また、高効率設備を統合してエネルギーを革新的に低減させたゼロエネルギー住宅、
ゼロエネルギーオフィスや、さらに発展させたエネルギー生産住宅、ゼロカーボンオフィ
ス等に関する技術開発も重要である。
3.ロードマップ
上記2.により選定した重要技術について、今後の技術課題を中長期的視点から整理し、
ロードマップとして示した。
4-5
省エネ型情報生活空間創生技術の導入シナリオ
2010
2015
2020
2025
2030
最終エネルギー消費効率改善 30%
新・国家エネルギー戦略
石油依存度 40%
国
内
外
の
背
景
京都
議定書
クールアース50(2050年に温室効果ガス半減)
原油価格は高水準で推移する見込み
快
適
な
空
調
環
境
を
う
ま
く
つ
く
る
気自
利然
用換
躯体利用高効率輻射空調
インバータ熱源システム最適統合制御
自動協調空調制御(人感セン
サー等)
高効率LED照明 有機EL照明 ス利新
プ用デ
レ バ
イデイ
ス
)
フ
ォ
ー
2030年 2030年 143 lm/W
有機ELディスプレイ(消費電力) 2030年 現状比
プラズマディスプレイ(消費電力) 171 lm/W
1/3
2030年 現状比 1/3
液晶ディスプレイ(テレビ:消費電力) 2030年 現状比 1/3 ルーター等通信機器の低電力化
ッ
ク
ネ
デシカント空調
10kWh/m2年
間欠空調(パッシブリズミング空調)
新
素
材
利
用
ワ
空調エネルギー アダプティブ空調
制
御
技
術
利
用
( ィ
ク ト
技 ニ
ト
術
ッ
快
適
な
情
報
く空
る間
を
う
ま
く
つ
自動協調換気制御
熱潜
利
分熱
用
離顕
を快
う適
まな
く照
つ明
く環
る境
研
究
開
発
将来枠組み
(ポスト京都)
フォトニックネットワーク、光通信用合波回路機能光源モジュール
4-6
2010
、
スデ減 待
力
利バ
機
削
用イ新 電
ー
エ
ネ
ル
ギ
を
う
ま
く
管
理
す
る
環
行
境
動
性
利
認
用
識
相
互
術連
携
技
2015
2020
2025
デジタル情報機器相互運用基盤開発(デジタル制御
電源技術)
コミッショニング支援システム(BEMS)
コンシューマーズビヘイビア(環境性認識行動)
HEMS等の要素としての高度情報化対応技術
分散型/再生可能エネルギーの面的利用
環境調和型コンパクトシティ
補助金・税制改革などによる初期需要創出
導
入
促
進
・
関
連
施
策
トップランナー方式の効果的運用
生活空間高効率機器・省エネシステム導入促進事業
人の好みや行動パターンに応じた
CEMS導入・促進&付帯サービス事業化導入
促進事業
ビルオーナーの省エネ活動推進メリットに関
するビジネスモデル構築
4-7
2030
※太字:重要技術
※青字:クールアース50ー革新技術計画に関連する技術
省エネ型情報生活空間創生技術 技術マップ
分野構造
技術分野
分野
コンセプト
大項目
中項目
能動的給湯技術 ヒートポンプ利用
(超燃焼システム技術)
小項目
高効率ヒートポンプ給湯機
低外気温稼動空気熱源ヒートポンプ給湯機
再生可能エネルギー利用 自然エネルギー連成型潜熱回収技術
受動的給湯技術 (太陽光、バイオマス、地熱
建材一体型太陽熱利用
など)
自然換気利用
自動協調換気制御
断熱・遮熱利用
省
エ
ネ
型
情
報
生
活
空
間
創
生
技
術
超高性能断熱材、断熱性可変システム
超高断熱ガラス(Low-E複層、真空断熱等)、日射透過率可変ガラ
ス(液晶調光、熱制御等)
受動的空調技術 窓の高機能化
インテリジェント窓システム(ダブルスキン、自動ブラインド等)
快適な空調環境
をうまくつくる
日射遮蔽化
外装日射制御システム(自動制御庇、外付けブラインド)
ヒートアイランド対策
太陽エネルギー高反射処理(近赤外域)
高効率ヒートポンプ
ヒートポンプ利用
(超燃焼システム技術)
低外気温稼動空気熱源ヒートポンプ、地中熱利用冷暖房技術
地中埋設型熱交換技術、住宅排熱回収技術、寒冷地効率向上技
能動的空調技術 潜熱顕熱分離利用
高効率抜熱方式利用
吸収・吸着技術、輻射熱技術
高効率抜熱技術
アダプティブ空調技術
快適で効
率的な生
活・業務環
境を実現す
る
快適な照明環境
制御技術利用
インバータ熱源システムの最適統合制御、自動協調空調制御(人
感センサー等)
新素材利用
省エネ高演色性光源技術(高効率LED照明、有機EL照明)
蛍光材料,蓄光材料の開発
新光源技術
蓄光利用、昼光利用
をうまくつくる
昼光・蓄光ハイブリッド
光ダクト、ライトシェルフ、自動ブラインド
照明システム技
新デザイン、制御利用
術
新デバイス利用
ディスプレイ技術
システム技術利用
クラスター発光光源,マイクロキャビティー光源
自動協調照明制御(人感センサー等)、ゾーン・タスクアンビエン
ト、色調変更照明技術
有機EL技術(大画面化)、LED技術
省エネPDP(プラズマチューブアレイ)
省エネLCD(開口率,バックライト効率,バックライト制御、電子
ペーパー)
高機能システムディスプレイ(極限ゲート構造TFT)
半導体レーザ、次世代高速通信機器技術
フォトニックネットワーク技 超電導ネットワークデバイス
術
光通信用合波回路機能光源モジュール技術
快適な情報空間
をうまくつくる
省エネ型高速通
信技術
システム制御技術利用
データ配置最適運用技術、省エネ型ネットワークアーキテクチャ技
術
レーザ利用
微細加工技術、光波制御技術
電子レベル磁場利用
高密度記録技術
シミュレーション利用
トラフィック短期変動予測技術
建築設備の待機電力省エネ化技術、電源のパワーマネジメント技
待機電力削減、新デバイス 術
利用
エネルギーマネジ
メント技術
環境性認識行動利用
人の好みや行動パターンも考慮した最適省エネ運用制御
(HEMS、BEMS、CEMS、コンシューマーズビヘイビア(環境性認識
行動))
HEMS等の要素としての高度情報化対応技術、デジタル情報機器
相互運用基盤開発)
HEMS/BEMSと再生可能エネルギー・未利用熱利用との有機的連
面的エネルギーマネジメン 携
ト技術利用
エネルギーをう
まく管理する
相互連携技術
ネットワーク利用
ユビキタス・センサ・ネットワーク
BA/FA統合プラットフォーム技術
予測・評価手法(CAPD等)
社会システム技術利用
環境調和型コンパクトシティ
公共交通機関へ
走行量を低
うまくシフトさせ
減させる
他機関の利用
交通機関の協働技術
る
(先進交通社会確立技術)
4-8
公共交通機関への転換
省エネ型情報生活空間創生技術ロードマップ
コンセプト
大項目
中項目
小項目
2010
自動協調換気制御
断熱・遮熱利用
断熱性可変システム
2030
自動協調換気制御
自然換気利用
超高性能断熱材
2020
超高性能断熱材
壁:熱伝導率:0.002W/mK
熱貫流率:0.3W/m2K
窓:熱伝導率:0.003W/mK
熱貫流率:0.4W/m2K
断熱性能可変システム
受動的空調技術
2.7W/m2K 断熱性能
超高断熱ガラス
窓の高機能化
日射透過率可変ガラス
日射透過率可変ガラス(液晶調光、熱
制御等)
インテリジェント窓システ
ム
快適な
空調環
境をうま
くつくる
日射遮蔽化
1.6W/m2K
超高断熱ガラス(Low-E複層、真空断熱等)
インテリジェント窓システム(ダブルスキン、自動ブラインド)
外装日射制御システム(自動制御庇、外付けブラインド)
外装日射制御システム
太陽エネルギー高反射処
ヒートアイランド対策
理(近赤外域)
吸収・吸着利用
輻射熱利用
高効率抜熱方式利
用
10kWh/m2年
潜熱顕熱分離空調
デシカント空調
高効率抜熱技術
アダプティブ空調技術
能動的空調技術
空調エネルギー
15kWh/m2年
40kWh/m2年
潜熱顕熱分離利用
躯体利用高効率輻射空調
アダプティブ空調
間欠空調(パッシブリズミング空調)
制御技術利用
インバータ熱源システム
の最適統合制御
インバータ熱源システム最適統合制御
自動協調空調制御(人感センサー等)
自動協調空調制御(人感
センサー等)
受動型給湯技術
自然エネルギー連成型潜
熱回収技術
再生可能エネルギー
利用(太陽光、バイ 建材一体型太陽熱利用
オマス、地熱など) (給湯)
自然エネルギー連成型潜熱回収技術
建材一体型太陽熱利用(給湯)
建材一体型太陽光発電
建材一体型太陽光発電
省エネ高演色性光源技
術
高効率蛍光灯熱損失提言技術(発光効率) 100 lm/W
高効率LED照明
170 lm/W
白色LEDデバイス技術(デバイス発光効率)
200 lm/W 220 lm/W 240 lm/W
白色LED照明
87 lm/W 122 lm/W 146 lm/W 171lm/W
新素材利用
長寿命化 10000時間 40000時間 60000時間
高輝度化 3000cd/m2 5000cd/m2 8000cd/m2 10000cd/m2
新光源技術
有機EL照明
快適な
照明環
境をうま
くつくる
有機ELデバイス技術(デバイス発光効率)
20 lm/W
60 lm/W 100 lm/W 有機EL照明
18 lm/W 56 lm/W 蛍光材料,蓄光材料の開
発
蓄光利用、昼光利用 昼光・蓄光ハイブリッド
光ダクト、ライトシェルフ、
自動ブラインド
クラスター発光光源,マイ
クロキャビティー光源
新デザイン、制御利
照明システム技術
用
自動協調照明制御、ゾー
ン・タスクアンビエント、色
調変更照明技術
蛍光材料,蓄光材料の開発
昼光・蓄光ハイブリッド
昼光利用
)光ダクト、ライトシェル・自動ブラインド(
クラスター発光光源,マイクロキャビティー光源
自動協調照明制御(人感センサー等)
4-9
95 lm/W 150 lm/W
143lm/W
コンセプト
大項目
中項目
小項目
有機EL技術(大画面化)
2010
2020
2030
有機ELディスプレイ(サイズ、据置型)
テレビ 20型 60型 100型
PCモニタ 17型 19型
有機ELディスプレイ(消費電力、据置型)
現状比 1 1/3
省エネPDP
新デバイス利用
プラズマディスプレイ(消費電力、据置型)
現状比 1 1/2 1/3
ディスプレイ技術
省エネLCD
バックライト技術(据え置き型)
LEDバックライトシステム
液晶ディスプレイ(消費電力、テレビ)
現状比 1 1/2 快適な
情報空
間をうま
くつくる
システム技術利用
高機能システムディスプ
レイ
半導体レーザの開発
フォトニックネット
ワーク技術
省エネ型高速通信技
術
エネルギーマネジメ
ント技術
エネル
ギーをう
まく管理
する
セル構造 新3電極 新セル
紫外線発光効率向上
Xe分圧比向上 チューブ構造 新規放電ガス
駆動技術 低電力アドレス駆動、放電モード制御
光学技術 高透過・低反射フィルタ、 色純度・コントラスト向上フィルタ
相互連携技術
高機能化システムディスプレイ(極限ゲー
ト構造TFT)
電子ペーパ
半導体レーザ
ルーター等通信機器の低電力化、
超電導ネットワークデバイス
超電導ネットワークデバイ
ス
フォトニックネットワーク、光通信用合波回路機能光源モジュール
光通信用合波回路機能
データ配置最適運用技術、
システム制御技術利用 省エネ型ネットワークアー
キテクチャ技術
微細加工技術
レーザ利用
電子レベル磁場利用 高密度記録技術
トラフィック短期変動予測技
シミュレーション利用
術
建築設備の待機電力省
待機電力削減、新デ
エネ化技術、電源のパ
バイス利用
ワーマネジメント技術
人の好みや行動パターン
も考慮した最適省エネ運
用制御
環境性認識行動利
用
HEMS等の要素としての
高度情報化対応技術、デ
ジタル情報機器相互運用
基盤開発
HEMS/BEMSと地域コジェ
面的エネルギーマネ ネ,再生可能エネル
ギー・未利用熱利用との
ジメント技術利用
有機的連携
ユビキタス・センサ・ネット
ワーク
ネットワーク利用
相互連携技術
次世代高速通信機器技
術
1/3
BA/FA統合プラットフォー
ム技術
高電圧直流給電技術
量子情報通信技術
デジタル情報機器相互運用基盤開発(デジタル制御電源技術)
機器のエネルギー消費効率向上技術
コミッショニング支援システム(BEMS)
コンシューマーズビヘイビア(環境性認識行動)
HEMS等の要素としての高度情報化対応技術
分散型/再生可能エネルギーの面的利用
センサネットワーク応用技術
BA/FA統合プラットフォーム技術
予測・評価手法(CAPD等)
予測・評価手法
高断熱・高効率設備 ゼロエネルギー住宅・オ
統合利用
フィス
ゼロエネルギー住宅・エネルギー生産住宅、ゼロエネルギーオフィス・ゼロカーボンオフィス
社会システム技術利 環境調和型コンパクトシ
用
ティ
環境調和型コンパクトシティ
4-10
先進交通社会確立技術の技術戦略マップ
~人や物の移動・運搬にエネルギー源を無駄なく有効に利用する技術~
Ⅰ.基本的な考え方
現在、自動車燃費の改善や物流部門の効率化などの省エネ対策は取組が進んできて
いるものの、運輸部門のエネルギー消費量の削減は思うように進んでいない。自家用乗用
車および貨物自動車のエネルギー消費量は運輸部門の消費量の84%を占めることから、
先進交通社会の確立に向けた最重要課題は、自動車によるエネルギー使用を削減するた
めの技術開発であることは言うまでもない。
将来の先進交通社会を見据えるには、都市や地域の人々の移動欲求と物資のスムー
ズな移動を満足させつつエネルギーを節約してゆく必要があり、コンパクトシティなどの都
市構造の改造も視野に入れた人流・物流の交通マネージメント、燃料資源の需給構成、生
活者のニーズなどを加味した交通体系などを考慮することが重要である。従来、自動車技
術は個々の単体技術として進化してきた。将来の先進交通社会を見据えるのは、これら単
体技術の進化に加えて、昨今の情報通信技術を組み入れた IT や ITS に代表される自動車
社会のありかた、すなわち車の“かしこい”使い方やエネルギー管理システムとしてのネット
ワークを考慮する必要がある。
具体的には、エンジンの効率向上、自動車の低燃費走行、交通流のインテリジェント制
御による低燃費走行可能な交通インフラの構築、燃料の改善、エネルギーの需給バランス、
さらに公共交通へのシフトなど交通機関をモーダルシフトし協働させるなどの観点から、技
術開発を進めていく必要がある。
Ⅱ.導入シナリオ
優先度の高い技術を中心にしたシナリオは次のとおりとなる。
1.自動車単体では、短期的には材料や構造等を進化させた車両軽量化及びハイブリッド
車で対応し、長期的には水素の供給インフラ整備と標準化を基礎に燃料電池自動車の
実用化と普及を図る。その間、廃熱エネルギーの利用や HCCI(希薄予混合圧縮着火)燃
焼により内燃機関の効率向上に努めるとともに、高度化バッテリ技術を基礎に電気自動
車、プラグインハイブリッド自動車の実用化と普及を図る。
2.自動車の使い方、走行方法などでは、短期的には省エネルギー運転につながる意識改
革を実施し、2010 年以降では省エネ走行支援技術、交通需要マネージメント、モーダル
シフト、交通流制御・緩和技術、車車間通信(プローブカー普及)による交通情報提供技
術、インテリジェント物流システム技術が、将来的にはインフラ協調型・路車協調型交通
管理、バイモーダルLRTなど社会システムの変革が期待されている。
3.実施主体は、ITS 関連のインフラや制度に関連する技術は国が、自動車の商品性とサ
ービスの向上とに繋がるテーマは民間で開発し導入する。また、省エネに大きく効果の
ある技術はシステム開発の必要があるので、産学官連携で開発し導入することが肝要
である。そして、開発する技術は、グローバルな展開が出来るように国際標準化を推進
し、国際競争力強化に貢献することが肝要である。
Ⅲ.技術マップ及びロードマップ
5-1
1. 技術マップ
走行に要する燃料消費の低減を目的として、パワープラント分野として、エンジン、電
気動力化、自動車単体として、駆動系ロス、走行抵抗、さらに代替燃料を検討、加えて、
走行以外の省エネルギー技術、ロスエネルギーの再利用技術を検討した。また、走行方
法改善による燃料消費低減を目的として、ITS を中心とした車の使い方や人と物との移
動などを総合的に捉え、総合交通情報提供システム、公共交通のサービス向上、モビリ
ティマネージメント、環境 ITS、街づくり、評価技術、社会受容性、各ステークホルダの役
割分担、総合施策などについて検討した。その結果を技術マップとしてとりまとめた。
2. 重要技術の考え方
低燃料で走行する分野で検討したのは、パワープラント分野として、エンジン、電気動力
化、自動車単体として、駆動系ロス、走行抵抗、さらに代替燃料を検討、加えて、走行以外
の省エネルギー技術、ロスエネルギーの再利用技術である。
走行方法を低減させる分野で検討した技術は、ITS を中心とした車の使い方や人と物との
移動などを総合的に捉えたものである。検討すべき項目を大きく分けると、総合交通情報
提供システム、公共交通のサービス向上、モビリティマネージメント、環境 ITS、街づくり、評
価技術、社会受容性、各ステークホルダの役割分担、総合施策などが考えられるが、それ
らをより具体化して国が実施主体となる技術開発課題を抽出した。
優先度の高い技術は以下のとおり。
“低燃料で走行する”
(1) エンジンの性能を向上させる
①ディーゼルエンジン
乗用車のディーゼル化は省エネルギーに大きな効果のある分野であるが、ディー
ゼル乗用車の増加がもたらす石油精製設備に及ぼす影響、Well-to -Wheel を考慮し
た CO2 排出量削減の調査および普及のための PR も重要である。
②ガソリンエンジン
先進的燃焼技術としての HCCI(希薄予混合圧縮着火)燃焼のコンセプトに最適な
燃料、要求される混合気濃度を形成する燃料の供給法、燃焼温度・圧力の簡便な測
定法・制御法の開発とそれらに関する各専門グループの技術力結集が重要である。
(2) 自動車を低燃費で走行させる
①電気動力化
電気動力化の大前提としての蓄電技術の開発(システムの小型・軽量化、蓄電率
向上)がきわめて重要である。長期的には燃料電池車の要素技術(固体高分子形燃
料電池、オンボード水素貯蔵技術の高度化、スタックの高度化/低温作動化)の研究
開発や水素インフラの構築が必要とされる。さらにベストミックスとしての都市内交通
システムの社会・経済的な評価を行うモデルの開発が重要である。
②走行抵抗の低減と軽量化
走行抵抗・空気抵抗の改善は常に必要である。また、衝突強度を満足した超軽量
化車両による燃費低減が期待される。
“走行量を低減させる”
(3) 交通量をうまく制御する(ITS)
①省エネ運転技術の向上
エコドライブを自律的に実現する運転支援技術、路車協調型アイドリングストップと
それにともなうエアコン対応技術、エンジン ON-OFF 頻度大に伴う排出ガス後処理技
5-2
術に加え、燃費表示インジケータやアイドリングストップの装着義務付け、年間燃料
使用量に基づく課税制度などの検討も重要である。また、エコドライブの市民への普
及を目的とした国と自治体の役割分担や支援プログラムの推進が挙げられる。
②交通制御・管理技術
交差点のミクロな視点での交通要素のシミュレーションと、それによる最適な交差
点の構造設計や最適信号制御、交差点の交通容量に応じた群管理/動的信号制御
などの交通制御の高度化、プローブ情報を活用した動的経路誘導システム(P-DGRS)
に代表される交通情報等をセンターに集中管理して経路誘導に約立てるセンター型
動的経路誘導技術や路車協調型信号制御が重要である。
③交通情報提供・管理情報技術
道路路面情報/交通渋滞ミクロ情報/気象情報/事故情報等様々な自動車走行に
関するリアルタイムの情報収集と情報提供を可能とするプローブ情報システムの開
発、通過交通量の低減による渋滞回避のための料金の差別化、交通情報提供等に
よる誘導などの旅行前情報提供、プローブ装置の積極的採用のためのインセンティ
ブの検討が重要である。
(4) 低燃費走行の交通インフラをつくる(ITS)
①交通流緩和技術
渋滞箇所の改善として、交差点のミクロな視点での交通要素シミュレーションと、そ
れによる最適な交差点構造や最適信号制御、交差点の交通容量に応じた動的信号
制御による渋滞の最小化を図るボトルネックの交通流解析、高速道路等の合流部の
車線による交通容量の改善技術、渋滞現象の具体的解析手法とノードにおける交通
流のスムーズ化技術などの合流部支援システム、サグにおけるドライバーへの速度
情報提供や知的クルーズ制御(高機能車間距離制御式オートクルーズ(ACC))技術
などの開発及び対策評価用交通量シミュレーションの構築が重要である。
②車両システム技術
架線なしでの給電システムや急速・非接触充電の廉価なシステムを実現するバイ
モーダルシステム、LRT 導入とバイモーダルシステムの費用対効果評価、評価用シミ
ュレーション技術が重要である。
(5) 公共交通へうまくシフトさせる
①交通機関の協働技術
自動車と鉄道による物流の効率化として、貨物輸送の鉄道へのモーダルシフトの
ための施設整備、鉄道における夜間時間の弾力的使用の拡大が重要である。
(6) 交通機関をうまく協働させる
①インテリジェント物流システム技術
インテリジェント物流システムの構築が重要である。また、共同配送システムによる
都市内配送の効率化も重要である。
3.ロードマップ
技術マップで提示された課題の中から重要な技術項目を選び、技術開発の時期、
普及時期を示した。ポイントは次のとおり。
(1)ディーゼルエンジンとガソリンエンジンでは 2010 年から 2020 年に大幅な省エネ技術
が実現する。将来はHCCIが期待される。
(2)ハイブリッド自動車は普及が進み、2020 年までに電気自動車とプラグインハイブリッ
5-3
ドを加え技術開発が進む。
(3)車両の軽量化は常に積極的に進められる。
(4)駆動系ロスと走行抵抗・空気抵抗の改善は常に進められてきたが 2015 年までにさら
に進化する。
(5)車の使い方では、通信技術とインフラの高度化に伴い、2010年以降に渋滞緩和の
技術が実用化・普及がなされる。
(6)省エネルギー効果の大きい物流では交通機関の相互利用が進み、2015年以降に
その普及が進む。
(7)交通情報が密になり無駄な走行をしなくてすむように、2015年以降インフラに関す
る交通流関連技術の実用化が進む。
(8)根本的な対策としての都市計画に関わる技術は2010年から2030年にわたり開発
されることが期待される。
5-4
先進交通社会確立技術の導入シナリオ
2010
2015
2020
2025
2030
最終エネルギー消費効率改善 30%
新・国家エネルギー戦略
石油依存度 80%(輸送)
国
内
外
の
背
景
京都
議定書
将来枠組み
(ポスト京都)
クールアース50(2050年に温室効果ガス半減)
原油価格は高水準で推移する見込み
デ
ィー
エ
ン
ジ
ン
の
性
能
を
向
上
さ
せ
る
ゼ
ル
エ
ン
ジ
ン
NOx触媒低温活
性の改善、DPF再
生温度の低温化
後処理技術高度化
超高圧化・多段
噴射技術
噴射系向上、小型高加給化
燃焼制御技術
HCCI(稀薄燃焼化)
ンガ
ジ
エソ
ン
ンリ
HCCI(稀薄燃焼化)
HEV(新蓄電技術)
低コスト・高効率電動モーター
自
動
車
を
低
燃
費
で
走
行
さ
せ
る
電
気
動
力
化
給電技術((非接触送電
システム)・充電制御の
高度化
PHEV
BEV
蓄電技術
システムの小型化・軽量化、蓄
電率向上
燃料電池車
モータ技術
低コスト・高効率電
動モーター
走
の
行
低
抵
減
抗
有料駐車場
インフラ整備・標準化
高強度、高硬度、軽量、高靭
性、耐衝撃性、車両構造、高
電圧化
車両軽量化
5-5
2010
研
究
開
発
交
通
量
を
う
ま
く
制
御
す
る
低
燃
費
ラ走
を行
つの
く交
る通
イ
ン
フ
導
入
促
進
・
関
連
施
策
省
エ
ネ
向運
上転
技
術
の
省エネ運転促進のための市民参加活動
促進、自治体による市民参加省燃費活動
交通制御の高度化
路車協調型交通管理技術
路車協調型交通管理技術 (路車協調
型信号制御)
プローブカー情報提供技術
道路交通実態の詳細把握 プ
ローブ情報システム 各種交通
データの相互利用
渋滞箇所の改善
道路交通信号等のボトルネックの交通流解析、合
流部支援システム、サグにおけるドライバーへの
速度情報提供 知的クルーズ制御(高機能ACC)
車
両
シ
術ス
テ
ム
技
交
通
技機
術関
の
協
働
2030
運転方法
改善
交
和
通
技
流
術
緩
交
通
協
機
働
関
さ
を
せ
う
る
ま
く
2025
エコドライブ支援技術、ア
イドリングストップ
供交
報・通
技管情
術理報
情提
協交
働通
技機
術関
の
2020
省エネ走行支援技術
交
管
通
理
制
技
御
術
・
く公
シ共
フ交
ト通
さへ
せう
るま
2015
小型化・軽量化
自動車の小型化と
軽量化
バイモーダルLRT技術
連結開放の自動化、動力の電動
化、混在交通での車線誘導化、
導入効果予測
自動車・鉄道貨物輸送の高効率化
モーダルシフト
インテリジェント物流システム技術
インテリジェント集配システム、物流効率技術、帰り荷
物システム、物流システム体系の構築
高効率都市内配送技術
共同配送システム
関連法規の新技術
対応
1)安全確保のため
の規準強化
2)補完技術と併せ
た規制緩和
ITS
事業免許等の柔軟措置
1)総合ITSへの協力レベルで差別化
2)共同利用EV車の保有主体へのインセンティ
ブ
3)不急輸送への(免税)恩典付与
効果評価とモニタリング、標準化、国際展開、制度的対応、社会受容
性確保
5-6
※太字:重要技術
※青字:クールアース50ー革新技術計画に関連する技術
先進交通社会確立技術分野 技術マップ
技術分野
分野
コンセプト
分野構造
大項目
中項目
小項目
ディーゼルエンジン
エンジンの性能を
エンジン改良技術
向上させる
先
進
交
通
社
会
確
立
技
術
ガソリンエンジン
乗用車用後処理技術の高度化
乗用車用噴射系の向上・小型高過給化
HCCI(希薄予混合圧縮着火燃焼)
軽油の低硫黄化
高圧縮比化
連続可変バルブ/可変気筒
可変圧縮(膨張)比
HCCI(燃焼制御技術)
オクタン価向上
低燃料で
走行する
HEV(ハイブリッド電気自動車)
PHEV(プラグインハイブリッド電気自動車)
BEV(バッテリー電気自動車)
蓄電技術
FCEV (燃料電池車)
モーター
インフラ整備と標準化
電気動力化技術 電気動力化
自動車を低燃費
で走行させる
走行抵抗の低減
エンジンフリクション低減
トランスミッション多段化・CVT化
タイヤ転がり抵抗の低減
空気抵抗低減
ロスエネルギーの利用
低温エネルギー(排ガス、冷却水)の有効活用
駆動力向上技術 動力のロス削減
抵抗削減技術
車両軽量化
熱回収
エネルギーをうま
回生ブレーキ技術 ロスエネルギー回収利用 高効率回生ブレーキ技術
く出し入れする
走行支援技術
省エネ運転技術の向
上
省エネ走行支援技術
運転方法の改善(省エネルギー運転につながる意識改革の取り組み)
ドライバの特性や状態に応じた円滑走行支援技術
道路利用の効率化
TDM (交通需要マネジメ
ント) 技術
交通量をうまく制
御する(ITS)
交通量の削減
交通制御・管理技術
ETC利用の拡大
交通需要マネジメント
モビリティ・マネジメント手法の適用
交通制御の高度化
路車協調型の交通管理
インフラ協調支援
旅行前(出発前)情報提供
交通情報提供・管理情
総合情報提供
報技術
プローブカー情報提供 (交通パフォーマンス指標に関する情報収集の強化)
車両生成情報基盤技術
交通機関の有効利用
交通流緩和技術
走行量を 低燃費走行の交
低減させる 通インフラをつくる
(ITS)
渋滞箇所の改善
バスのインテリジェント化
交通流の緩和
駐車施設技術
駐車場マネジメント
自動運転
小型化・軽量化
バイモーダルなシステム(電車とバス機能を融合したゴムタイヤLRT)
車両システム技術
自動車共同利用 システム
公共交通へうまく
シフトさせる
他機関の利用
交通機関の協働技術
公共交通機関への転換
自動車と鉄道・船舶の貨物輸送の効率化
船舶運行システムの最適化
荷役時間の短縮化
輸出入コンテナのトレーラ輸送の効率化
物流の効率化
インテリジェント物流シ
インテリジェント物流システム
ステム技術
交通機関をうまく
協働させる
自動車によらない配送
地下鉄利用都市内配送
都市内配送の効率化
コミュニティ電気自動車バス
都市のデザイン
都市計画関連技術
路面電車のバリアフリー化
コミュニティ計画
(関連施策)
パーキング政策、需要管
人と物の移動量 交通需要の適正化
ロードプライシング、需要管理
理
適正化による走
輸送・移動の不要
移動と通信の置き換え、
行量低減
TV会議、職住近接複合都市
化
土地利用、都市計画
5-7
先進交通社会確立技術ロードマップ
コンセプト
大項目
中項目
小項目
乗用車用後処理技術の高度化
2010
2020
2030
NOx触媒低温活性の改
善、DPF再生温度の低温化
後処理技術高度化
乗用車用噴射系の向上・小型高過
給化
超高圧化・多段噴射技術
噴射系向上、小型高加給化
ディーゼルエンジン
HCCI(希薄予混合圧縮着火燃
焼)
燃焼制御技術
HCCI(稀薄燃焼化)
軽油の低硫黄化
軽油の低硫黄化
エンジン
の性能 エンジン改良
を向上さ
技術
せる
ディーゼルエンジン
高圧縮比化
高オクタン価ガソリン製造時のCO2発生
高圧縮比化
連続可変バルブ/可変気筒
高負荷領域におけるノック抑制
連続可変バルブ/可変気筒
ガソリンエンジン
可変圧縮(膨張)比
可変圧縮(膨張)比
(燃料性状に則した最適圧縮比)
HCCI(燃焼制御技術)
HCCI(稀薄燃焼化)
オクタン価向上
オクタン価向上
ガソリンエンジン
HEV(新蓄電技術)
低コスト・高効率電動モーター
HEV(ハイブリッド電気自動車)
PHEV(プラグインハイブリッド電
気自動車)
バッテリー性
能 1倍
バッテリー性能 1.5倍
3倍
バッテリー性能 7倍
給電技術((非接触送電システム)・
充電制御の高度化
PHEV
BEV(バッテリー電気自動車)
コミューターEV等の拡大を
前提としたシステム開発
電気動力化技
電気動力化
術
BEV
蓄電技術
蓄電技術
FCEV (燃料電池車)
モーター
システムの小型化・軽量化、蓄電率向上
固体高分子形燃料電池、オンボード水素貯蔵技術高
度化、スタック高効率化/低温作動
燃料電池車
自動車
を低燃
費で走
行させる
インフラ整備と標準化
モータ技術
低コスト・高効率電動モーター
水素供給/充電システム/無接触充電等の国際標準化
有料駐車場 インフラ整備・標準化
エンジンフリクション低減
駆動力向上技
動力のロス削減
術
エンジンフリクション低減
トランスミッション多段化・CVT化
2ピストンリング、低摩擦コーティング、エンジン補機類
T/M多段化・CVT 化
多段化による駆動力の最適利用
タイヤ転がり抵抗の低減
抵抗削減技術 走行抵抗の低減
空気抵抗低減
空気抵抗低減
高強度、高硬度、軽量、高靭性、耐衝撃性、
車両構造、高電圧化
車両軽量化
省エネ
熱回収
エネルギーを
うまく出し入れ
する
走行以外の省エネ
エアコン高効率化
灯火器省電力化
パワーステアリング省エネ化
トラックキャビンエアコン高度化
車両軽量化
エアコン高効率化
トラックキャビンエアコン高度化
ロスエネルギーの利 低温エネルギー(排ガス、冷却水)
用
の有効活用
回生ブレーキ ロスエネルギー回収
高効率回生ブレーキ技術
技術
利用
灯火器省電力化
パワーステアリング省エネ化
低温エネルギー(排ガス、冷却水)の有効利用
高効率回生ブレーキ技術
5-8
コンセプト
大項目
中項目
小項目
2010
省エネ走行支援技術
2020
2030
省エネ走行支援技術
エコドライブ支援技術、アイドリン
グストップ
省エネ運転技術の
走行支援技術
向上
運転方法の改善(省エネルギー運
転につながる意識改革の取り組
み)
運転方法改善
省エネ運転促進のための市民参加活動促進、自治体
による市民参加省燃費活動
円滑走行支援技術
ドライバの特性や状態に応じた円
滑走行支援技術
道路利用の効率化
ETC利用の拡大
ドライバ運転特性認識技術、ドライバ状態認識技
術、エージェント技術、ドライバへの伝達デバイス
技術
道路利用効率化(道路利用予約、料金差別)
ETC改善と設置道路拡大、
ETC違反車両追跡技術、ス
マートインターチェインジ採
用の拡大、DSRC(境狭域通
信)技術の拡大
道路整備拡張、道路利用予約料金差別化
ETC利用拡大
TDM (交通需要マネ
ジメント) 技術
交通需要マネジメント
交通需要マネジメント
スマートプレートシステム、交通需要の平準化、ロードプライシング
モビリティ・マネジメント手法の適
用
交通量
をうまく
制御す
る
モビリティ・マネジメント
TFP(Travel Feedback Program)
交通制御の高度化
交通制御の高度化
信号同期速度制御-信号制御の高度化
路車協調型交通管理技術
交通制御・管理技術
センター型動的経路誘導技術、路車協調型
信号制御、交通違反車両検知技術
路車協調型の交通管理
交通量の削減
路車協調型交通管理技術 (路車協調型信号制御)
インフラ協調支援 (路車間協
調システム)
インフラ協調支援
旅行前(出発前)情報提供
路車間協調システム、交通情報提供の充
実、交通インシデント検知技術
旅行出発前情報
(最適時間予測
システム)
旅行出発前情報 (車量誘導システム)
最適旅行時間予測技術、車両誘導システム
総合情報提供
交通情報提供・管理
総合情報提供
情報技術
道路交通情報の総合交通提供、動
的経路誘導システム(P-DGRS)、観
光情報などの諸情報提供
プローブカー情報提供技術
プローブカー情報提供 (交通パ
フォーマンス指標に関する情報収
集の強化)
道路交通実態の詳細把握 プローブ情報システ
ム 各種交通データの相互利用
車量生成情報基盤技術
車両生成情報基盤技術
路車間通信技術
交通機関の有効
利用
交通機関の有効利用
交通機関別の旅行情報の充
実、交通結節点情報、駐車場
情報の充実、車車間通信技術
渋滞箇所の改善
交通流緩和技術
渋滞箇所の改善
道路交通信号等のボトルネックの交通流解析、合流部支援
システム、サグにおけるドライバーへの速度情報提供 知的
クルーズ制御(高機能ACC)
バスのインテリジェント化
バスロケーション
システム
路線バスの居住性高度
化
公共交通優先システム(PTPS)、バスロケーションシステムの高度化、公
共交通路線バスの高度化
低燃費
走行の
駐車施設技術
交通イン 交通流の緩和
フラをつ
くる
駐車場マネジメ
ント
駐車場マネジメント
駐車場情報提供の高度化、駐
車場予約誘導システム、駐車施
設の増加と高度化
自動運転
自動運転
路側検知技術、隊列走行
小型化・軽量化
小型化・軽量化
自動車の小型化と軽量化
車両システム技術
バイモーダルなシステム(電車と
バス機能を融合したゴムタイヤ
LRT)
バイモーダルLRT技術
連結開放の自動化、動力の電動化、混在交通で
の車線誘導化、導入効果予測
オンディマンドの高度化
自動車共同利用 システム
小型一人用車両
EV共同利用システム(車両返却・管理技術の高度化)
5-9
コンセプト
大項目
中項目
小項目
公共交通機関への転換
公共交
通へうま
交通機関の協働技
他機関の利用
くシフト
術
自動車と鉄道・船舶の貨物輸送の
する
効率化
2010
2020
2030
公共交通機関への転換
P&R(パークアンドドライブ)、交通エコポイントシステム、プローブ
パーソンシステム
自動車・鉄道貨物輸送の高効率化
モーダルシフト
船舶運行システムの最適化
船舶運行システムの最適化
船舶の知能化、航行支援の高度化
荷役時間の短縮化
荷役時間の短縮化
RORO船などの荷役に対応したバース(複数ランプウエ
イ)、バースの可動技術、搬送装置
輸出入コンテナのトレーラ輸送の
効率化
コンテナトレーラ輸送の効率化
オンデマンドシステム
インテリジェント物流システム
物流の効率化
インテリジェント物流システム技術
インテリジェント物流
システム技術
インテリジェント集配システム、物流効率技術、帰り荷
物システム、物流システム体系の構築
自動車によらない配送
自動車によらない配送
搬送機器の高度化電動化、台車・アシスト式電動
自転車等の利用、蓄電装置の開発
交通機
関をうま
く協働さ
せる
地下鉄利用都市内配送
地下鉄利用都市内配送
貨物運搬が可能な鉄道車両、荷物の固定技
術
都市内配送の効率化
高効率都市内配送技術
共同配送システム
コミュニティ電気自動車バス
コミュニティEVバス
充電システムの高度化、非接触集電システ
ム、急速蓄電システム、オンデマンドの高度化
バリアフリー路面電車技術
路面電車のバリアフリー化
都市のデザイ
都市計画関連技術
ン
路面電車の低床化
コミュニティ計画
通信による移動の置
き換え
コミュニティ計画
PDS(パーキングデポジットシステム)、都市機能と車の機能を見直した環境安全に配慮した持続可能な都市
計画、コミュニティと一体となった省エネ理解活動の推進
5-10
次世代省エネデバイス技術の技術戦略マップ
~情報通信・制御の分野で電力を損失なく高速度で有効に利用する技術~
Ⅰ.基本的な考え方
現代社会は、半導体シリコン(Si)を中核とするエレクトロニクスに支えられており、その省
エネ化は重要な課題である。メモリやロジック等の低電圧 LSI 分野ではデバイスの微細化、
低電圧化、リーク電流抑制、寄生インピーダンスの低減、ならびにパワーマネージメント回
路技術により省エネ化が進んでいる。一方、100V 程度以上の素子耐圧が要求されるパワ
ーデバイス分野では、Siを中心とする従来のデバイスの省エネ化に加え、さらなる低損失
デバイスの実現も要請されている。例えば、SiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体を
用いたデバイスの通電状態でのオン抵抗値は、原理的には従来のSi半導体と比較して約
2桁低くなる。この結果、半導体デバイスで消費される結果として電力損失が大幅に削減さ
れることから、大きな省エネ効果が期待される。
次世代省エネデバイス全般について、(1)省エネを目的とする技術開発、(2)省エネ効果
量が大きい技術、(3)将来、需要が急拡大すると予想され、省エネを進めるべき技術の 3
つの視点からデバイス技術を整理し、家電機器から産業、運輸分野におけるパワーデバイ
ス技術、LSIに代表される、広く世の中で用いられている電子デバイスの省エネ化技術、情
報通信及び情報家電分野における高周波デバイス技術、光化デバイス技術及び省エネ分
野にパラダイムシフトを生む可能性のある未来デバイス技術をエネルギーの使用合理化
の重要課題として抽出した。
中でも、パワーデバイスについては、民生部門から産業、運輸部門まで広範囲に用いら
れるものであり、低損失化のニーズが高い。このため、SiC、GaN、ダイヤモンド等のパワ
ーデバイスに係る技術開発を推進していくことが重要であるため、パワーデバイスについて
の技術マップ等を作成した。
また、デバイス技術(微細化技術、実装技術、混載技術、設計技術、アプリケーションチッ
プ技術、組込ソフト技術等)、光化技術、未来デバイス技術(有機半導体技術、超電導技術、
光制御技術等)、照明用デバイス技術、ディスプレイ用デバイス技術を追加した。
具体的には、「損失の少ないデバイスを使い」、「スイッチングロスの少ない通信用デバイ
スを使い」、「効率のよい回路をうまく使い」、「光をうまくつくる」という観点から、上述のパワ
ーデバイス技術、照明用デバイス技術、ディスプレイ用デバイス技術等の開発を進め、エ
ネルギー消費の少ないデバイスを利用できるようにする必要がある。
Ⅱ.導入シナリオ
1.次世代省エネデバイスに関する標準化を進める。
2.LSI省エネ技術、Siデバイス技術(IGBT、超接合デバイス)、SiCデバイス技術(低オン
抵抗/大容量化)、GaNデバイス技術(ノーマリーオフ、低オン抵抗、大容量化)、ダイヤ
モンドデバイス技術についての研究開発を進めて、その製品分野における早期実用化・
普及を図る。
3.高品質SiC基板メーカーの早期育成と同時にSiC、GaN用量産装置の開発を図る。欧
州におけるEMI規制によりスイッチングに伴う雑音や損失が小さいSiCやGaNを用いた
高耐圧SBDの市場を拡大し、SiC基板のコスト低減と品質向上を図る。また、省エネ家
6-1
電/新エネ関係の支援により、小容量SiC、GaN素子の市場を拡大することにより、基板
のさらなるコスト低減と品質向上により産業応用への展開を図る。
当面Siデバイスの改良により省エネに対応する。SiC、GaNの高品質結晶技術の実現と
普及に伴い、Siデバイスは徐々にSiC、GaNデバイスに置き換えられ、一層の省エネ化が
達成される。さらにダイヤモンドについても、結晶技術の進展によりデバイスへの応用が期
待できる。これを効率的に推進するためには、トップランナー方式や省エネ装置導入の補
助などの行政面での技術革新促進策も必要である。
Ⅲ.技術マップ及びロードマップ
1.技術マップ
他の重点技術分野の標記に合わせて、技術マップを作成した。
2.重要技術の考え方
各デバイスにおいて、デバイスを実現するために鍵となる技術を重要技術として取り上げ
た。選定された重要技術は以下のとおりである。
“損失の少ないデバイスを使う”
(1)
パワーデバイス製造技術
①SiC利用
ウェハー口径の拡大と品質の向上が急務である。近年、品質は向上し、マイクロパイプ
欠陥は1個/cm2 レベルまで減少してきた。しかし、転位欠陥は、良好な状態で数千から
1万個/cm2 程度であり、特別な条件でしか、数百個/cm2 レベルが得られない状態であり、
劇的な減少が急務である。プロセス技術では、ノーマリーオフ型のSiC MOSFETの実
現のために注入面でのチャネル移動度やゲート酸化膜の長期信頼性寿命の向上が重要
である。デバイス技術においては、整流素子としてSBDが市販されスイッチング電源に
使われ始めている。また、スイッチング素子としてJFET/SITがサンプル出荷されてい
るが、ノーマリーオン型であり、使い勝手が悪い。このため、SiCデバイス普及の障害とな
っている。SiC市場を拡大するためにノーマリーオフ型のMOSFETの実現が重要であ
る。
SiC半導体デバイスのSiデバイスに対する損失低減効果は今後10年間で70~90%
と予想され、省エネデバイスとしての研究開発を重点的に行なうべき分野である。一方、
実用化への道程を考えると、現在のSiC結晶基板コストはSiに比較し数100倍といわれ
ており、SiC結晶の低価格化が必須の課題である。米国ではDARPAのプロジェクトで
国が材料を買い上げ、高品質低価格基板の量産化を促す制度で築かれてきた特定企業
の群を抜いた技術力、生産能力に対して、我が国おいては、基板生産者の自助努力だけ
で欧米との競争に勝てる要素は全く無い。基板結晶の低コスト化と共に重要な課題はシ
ステムとしての省エネ効果の実現であり、そのためにはパッケージ技術を含めた総合的
なデバイス技術の開発が必須である。
②GaN利用
低コスト化のために、Si あるいはサファイヤ基板上のGaN-SBD、ノーマリーオフ型で
高耐電圧に有利な縦型デバイスの開発、およびGaN-HFETデバイスの製品化促進が
6-2
重要である。通電状態でのコラプス問題(抵抗増加問題)を解決する必要があるが、整流
素子は、SBDのサンプル出荷が始まった。また現在は、耐圧600V系を中心に開発が進
められているが、EVやHEV等へ市場を拡大するには、1200Vクラスへの耐圧の向上も
必要と考えられる。
GaN半導体デバイスのSiデバイスに対する損失低減効果は今後10年間で70~90%
と予想され、SiC技術と共に省エネデバイスとしての研究開発を重点的に行なうべき分
野である。一方、実用化への道程を考えると、SiC結晶基板と同様にコストが高く、高品
質結晶の低価格化が必須の課題である。基板結晶の低コスト化と共に重要な課題はシ
ステムとしての省エネ効果の実現であり、そのためにはパッケージ技術を含めた総合的
なデバイス技術の開発が必須である。
(2)パワーデバイス回路・実装技術
①パワーデバイス共通
(低寄生インピーダンス・低熱抵抗・高電流密度・高温実装、受動部品の小型・低損失・耐
熱性向上)
“スイッチングロスの少ない電源・通信用デバイスを使う”
(3)
高周波デバイス技術
①InP/GaAs高周波用HFET/HBT利用
(ウェハーおよびエピ成長高精度大口径化、高周波集積回路低損失化、送受信アン
テナ高効率化、低消費電力型高周波デバイス等)
(4)
光化技術
①光スイッチ利用(低損失オプティカル部材製造技術、光インターコネクト技術等)
今後通信技術が一層の発展を示す事は間違いない。情報を伝達するために人間や物
を動かす必要がなくなるという面からエネルギーの使用合理化に寄与すること以外に、
情報の円滑な伝達・蓄積により社会活動の全ての面で一層の高効率化が図れるからで
あり、このための技術開発を積極的に進める必要がある。しかし、たとえばネットワークの
ルーター技術を例にとると、現在のシステムは負荷の大小に関係なく常にほぼフルパワ
ーで動作しており、そのためのエネルギーロスが大きいのが現状である。既にマイクロプ
ロセッサなどでは広く実用化されているが、負荷による動作状態の制御など、通信システ
ムや、データ処理や加工に使用するレーザ利用のエネルギーの使用合理化の研究開発
が必要である。
“効率のよい回路をうまく使う”
(5)デバイス設計組み込み技術
①Si利用(混載技術、組み込みソフト技術、高集積化、低消費電力化、設計効率化、PF
C、SoC技術等)
“光をうまくつくる”
(6)光半導体技術
①LED利用
(光利用効率,温度特性、光取り出し効率,放熱技術,点灯回路技術,蛍光材料開発
等)
(7)有機半導体技術
6-3
①有機EL利用
(光利用効率,輝度劣化対策,TFT特性、光取り出し効率,放熱技術,点灯回路技術
等)
照明のエネルギーの使用合理化を図るため、エネルギー効率の高いデバイスの開発
が必要である。世界の全エネルギーの約10%が照明に使われていると言われており、こ
の効率を2倍にすればそれだけで人類の使用する全エネルギーを5%削減できるため、
非常にインパクトが大きい。現在の蛍光灯は光変換効率が約20%であるため、技術開
発の目標はこれより高い値となる。たとえば有機 EL 照明デバイス等、これまであまり利
用されてこなかった原理で動作するデバイスにもその可能性があるため、他の可能性も
含め、新原理デバイスの積極的な開発を進めていく必要がある。
一方,ディスプレイ用デバイスに関しては、現在主流となっている液晶デバイスの光利
用効率が約1~3%程度であり、さらなるディスプレイのエネルギーの使用合理化を図る
ことが必要である。そのためには、有機 EL デバイス、PDP デバイス、液晶デバイスなど、
既存技術の一層の高効率化を進めると共に、新原理に基づく高効率発光デバイスの開
発を進めていく必要がある。技術的な目標値は3~5%以上であり、この目標が達成でき
れば世界標準技術としての地位も確立できる可能性があるため、日本の将来の基幹技
術として世界の省エネルギーに貢献できる技術に育成する。
3.ロードマップ
技術マップから選定した上記重要技術について、中長期的視点から検討して、マイルスト
ーンを設定した。ポイントは以下のとおり。
①結晶口径の大型化に伴う製造技術の複雑化、微細加工技術の進歩に伴うデバイス寸
法の微細化、高集積化、低コスト化の実現を克服するために、結晶品質の向上と基板
の大口径化が絶え間なく行なわれる。この技術開発に遅れる事は、国際的な競争に敗
れる事になる。
②これに伴って、デバイスの高耐圧化、大電流化、高効率化という流れを先取りする技
術開発の促進策が必須である。
③加えて、システムとしての性能を向上することが必須であり、このためたとえば待機電
力の削減なども含めた応用面から見たロードマップ策定が今後の課題である。
具体的な技術目標は以下の通りである。
①パワーエレクトロニクスというカテゴリーにおける、応用分野、システム側から検討した
技術マップ、ロードマップの策定が必要である。
②Siパワーデバイス技術は、当面の主流デバイスとして10年間に30~50%の損失低
減が見込めるが、欧米との熾烈な競争に勝ち残るためには、大口径(200mm~300
mmΦ)ニュートロンドープ施設など、高品質シリコン基板を量産するためのインフラ整
備が必須である。
③SiC、GaNパワーデバイス技術においては、Siデバイスに対する損失低減効果は今後
10年間で70~90%と予想されるため重点的な研究開発が必要である。特に、高品質、
低価格基板技術がSiを置き換えるためには必須であり、そのための施策が必要である。
また、パッケージ技術を含めた総合的システムとしての省エネ技術の検討が必須であ
る。中期的にはトップランナー方式や省エネ装置や基板材料の改善や量産技術導入
への補助などの技術革新促進策も必須である。
④照明やディスプレイ用のデバイス技術のエネルギーの使用合理化に向けた技術開発
6-4
は、効率を2倍にすることによって5%という世界的規模の省エネルギーを達成できる
分野であり、新技術の導入が大きなインパクトを与えるため、重点的な投資が必要で
ある。
⑤今後の高度IT社会を予見すると、IT機器の待機電力低減も大きな課題である。パワー
デバイスの省エネ化だけで対応できる課題ではないが、レーザ利用も含めたシステム
としての省エネ化の大きなテーマであり、今後集中的な検討が必要である。
6-5
次世代省エネデバイス技術の導入シナリオ
2010
2015
2020
2025
2030
最終エネルギー消費効率改善 30%
新・国家エネルギー戦略
石油依存度 40%
国
内
外
の
背
景
京都
議定書
将来枠組み
(ポスト京都)
クールアース50(2050年に温室効果ガス半減)
原油価格は高水準で推移する見込み
デ
バ
技イ
術ス
製
造
微細化技術、実装技術、設計技術、多品種少量生産
32nm 微細化技術
11nm
デバイス技術(微細化技術、実装技術、混載技術、設計技術、アプリケー
ションチップ技術、組込ソフト技術等)、光化技術、受動部品技術
パ
ワ
ー
損
失
の
少
な
い
デ
バ
イ
ス
を
使
う
製
造
デ
技
バ
術
イ
ス
電力変換装置の高パワー密度化
10W/cc
50W/cc
100W/cc
SiCパワーデバイス/インバータ
・家電、分散電源:PV燃料電池、産業機器/HEV/EV (スイッチ
ング素子)
・配電系機器
情報機器
(整流素子)
GaNパワーデバイス/インバータ
・家電、産業機器、無線基地局(スイッチング素子)
・車載レーダ等
高圧電源
情報機器電源
高密度実装、システムパッケージ化、負荷一体型の進展
ー
回パ
路ワ
・
実デ
装バ
技イ
術ス
汎用インバータ
HEV
電流密度:300A/cm^2 500A/cm^2
レーダ・通信基地用
耐熱性:200~250℃ 300℃ 6-6
350℃
2015
2010
ッ
ス
源
イ
・
通
チ
信
ン
用
グ
デ
ロ
バ
ス
イ
の
ス
少
を
な
使
い
う
電
効
率
う
の
ま
よ
く
い
使
回
う
路
を
デ
バ高
術イ周
ス波
技
光
化
技
術
デ
バ
イ
術ス
設
計
技
(
術光
利 半
用L導
E体
D技
)
術有
機
利
有半
用
機導
E体
L技
(
)
光
を
う
ま
く
つ
く
る
2020
2025
2030
携帯電話基地、レーダ
低消費電力高周波デバイス
低損失オプティカル部材製造技術、光インターコネクト技術
消光比; 10dB 50dB
>80dB
混載技術、組み込みソフト技術、高集積化、低消費電力化(アプリケーショ
ンチップ技術)、設計効率化,PFC、SoC(Si利用技術)
1/3以下 SoC技術(高集積、低消費電力:実装面積)
1/10
<1/10
光利用効率,温度特性(ディスプレイ)、光取り出し効率,放熱技術,点灯回路
技術,蛍光材料開発(照明)
発光効率: 200 lm/W
220
240
光利用効率,輝度劣化対策,TFT特性(ディスプレイ)、光取り出し効率,放熱
技術,点灯回路技術,リン光材料開発(照明)
発光効率: 60 lm/W 100
150
Si 情報機器、家電、分散電源、産業機器、大電力機器
導
入
促
進
・
関
連
施
策
SiC 情報機器 産業機器、自動車、電鉄 配電系機器
GaN 情報機器 家電、分散電源 車載レーザー等
ダイヤモンド 情報機器~配電系計器
EUのEMI規制
素子量産拡大
省エネ家電普及支援/
新エネ支援
6-7
※太字:重要技術
※青字:クールアース50ー革新技術計画に関連する技術
次世代省エネルギーデバイス技術 技術マップ
技術分野
分野
コンセプト
分野構造
大項目
中項目
小項目
デバイス製造技術 Si利用
微細化技術、実装技術、設計技術、多品種少量生産
中性子照射ドーピング技術(大口径化・均一化)
微細加工化
ウェハ大口径化、SOIウェハ化
高集積化、複合化
MOSFETの低抵抗化(SJ形成ピッチの微細化)
破壊耐量向上
ダイオードの低損失化・低ノイズ化
IGBTの低損失化(薄ウェハ化)
シミュレーション技術
プロセス・デバイスシミュレーション
Si利用
次
世
代
省
エ
ネ
ル
ギ
回路シミュレーション、熱・電磁界シミュレーション
連成シミュレーション
ー
ウエハ大口径化、低転位密度化、低コスト化
エピ成長低転位密度化
チャンネル移動度向上
酸化膜耐熱性・寿命向上
デバイス特性向上、高温高信頼化
デバイス大容量化
デ
バ
イ
ス
技
術
パワーデバイス
製造技術
少ない発
熱量で仕
事をする
SiC利用
デバイスシミュレーション
損失の少ないデ
バイスを使う
単結晶ウェハ大口径化、低転位密度化
デバイス構造エピ成長膜の高品質化
ヘテロエピ成長ウエハ低転位密度化
ノーマリオフ化、低導通損失化、スイッチング低損失化
複合集積化・高機能化
GaN利用
デバイスシミュレーション
ウエハ大口径化
エピ成長低転位密度化
デバイス形成プロセス
デバイス特性向上
デバイスシミュレーション
ダイヤモンド利用
パワーデバイス共通
(ショットキーダイオー
パワーデバイス ド、JFET/SIT、PINダイ
回路・実装技術 オード、
BJT/Thy/IGBT、
MESFET利用)
固体レーザ利用
レーザ応用技術
スイッチングロス
の少ない電源・通
信用デバイスを使
う
少ない発
熱量で
データを扱
う
効率のよい回路
をうまく使う
高周波
デバイス技術
光化技術
光半導体技術
少ない熱
損失で発
光させる
液晶技術
プラズマ技術
受動部品の小型・低損失・耐熱性向上
ファイバーレーザ利用
半導体レーザ利用
例起用レーザ
InP/GaAs高周波用
HFET/HBT利用
ウエハおよびエピ成長高精度大口径化
高周波集積回路低損失化
送受信アンテナ高効率化
低消費電力型高周波デバイス
GaNデバイス利用
ストレージ・メモリ利用
スイッチング用HFET
ストレージ技術、不揮発性メモリ技術
光スイッチ利用
低損失オプティカル部材製造技術、光インターコネクト技術
ガスレーザ利用
混載技術、組み込みソフト技術、高集積化、低消費電力化(アプリケーション
チップ技術)、設計効率化、PFC、SoC技術
フォトニックネットワーク利 ユビキタス対応の無線等物理的制約を受けない高度通信機能、移動体通信、光ルー
用
タ、光スイッチ
LED利用
有機半導体技術 有機EL利用
光をうまくつくる
集積化・負荷一体型実装
高速制御・デジタル制御
ソフトスイッチング・マトリクスコンバータ
高調波・EMI対策、通信機能
ウェハ装置、前工程、後工程、LCD基盤製造、リソグラフ、レーザアニール
リソグラフ、レーザCVD、レーザドーピング、LCDアレイ製造、レーザ割断・穴あけ、
レーザマーキング
通信用、加工用
デバイス設計技術 Si利用
ネットワーク
・通信技術
低寄生インピーダンス・低熱抵抗・高電流密度・高温実装
光利用効率,温度特性(ディスプレイ)、光取り出し効率,放熱技術,点灯回路技
術,蛍光材料開発(照明)
光利用効率,輝度劣化対策,TFT特性(ディスプレイ)、光取り出し効率,放熱技
術,点灯回路技術,リン光材料開発(照明)
液晶ディスプレイ利用
輝度/面積、輝度/電力、コントラスト、視野角、応答速度
プラズマ発光利用
セル構造
紫外線発生効率
材料開発
6-8
次世代省エネルギーデバイス技術ロードマップ
コンセプト 大項目
中項目
デバイ
ス製造 Si利用
技術
小項目
微細化技術、実装技術、
設計技術、多品種少量生
産
中性子照射ドーピング
技術(大口径化・均一
化)
ウェハ大口径化、SOI
ウェハ化
2010
線幅: 2020
32nm 2030
11nm
ウェハー口径:6" 8"
ウェハー厚み:85μm
300mm
65μm
微細加工 0.25μm 0.13μm 90nm
微細加工化
SJ形成:10μmピッチ
4μmピッチ
45nm
21mμmピッチ 1μmピッチ
TCAD、連成シミュレーションの変化: 10^7ASIC対応 3次元対応
Si利用
高集積化、複合化
MOSFETの低抵抗化
(SJ形成ピッチの微細
化)
破壊耐量向上
ダイオードの低損失
化・低ノイズ化
IGBTの低損失化(薄
ウェハ化)
パワー
デバイ
ウエハ大口径化
ス
ウエハ低転位密度化
製造技
術 SiC利用 チャンネル移動度向上
酸化膜耐熱性・寿命向
上
損失の少
ないデバ
イスを使う
単結晶ウエハ大口径
化、低転位密度化
GaN利 スイッチング低損失化
用
ヘテロエピ成長低転位
密度化
ウエハ大口径化
エピ成長低転位密度
化
ダイヤモ デバイス形成プロセス
ンド利用
集積化・複合化の進展 :
^
10nm
5mΩcm^2, 0.6kV 2.5mΩcm^2, 1.2kV 1mΩcm^2, 1.2kV
40mΩcm^2, 1.2kV 15mΩcm^2, 1.2kV 5mΩcm^2, 1.2kV
^
耐熱:175℃ 200℃ 225℃
5kV:10mΩcm^2 10kV;<10mΩcm^2
^2
電流高密度化、高温動作、低損失化
4"
cm^2/Vs
高速鉄道
6"
10^3/cm^2
10^2/cm^2
50/cm^2
100
10/cm^2
200 50 150℃ー30年 250℃-30年
2インチ、DD~10^4cm^-2
4インチ、 10^4cm^-2 5インチ、 ~10^3cm^-2
10mΩcm^2、0.6kV 1mΩcm^2、0.6kV
ノーマリオフ化
0.5mΩcm^2、0.6kV
GaN/Si基板 6インチ 8インチ 10インチ
GaN/SiC基板 4インチ 5インチ
DD :(GaN/Si基板) <10^9cm^-2
< 10^7cm^-2
4-10mm
10^5/cm^2
1" 2"
3"
10^4/cm^2
高速成長:0.5μm/h
10^3/cm^2
4"
10^2/cm^2
2
絶縁破壊電圧 1.7MV/cm
デバイス特性向上
<10nm
3
2.4MV/cm
10/cm^2
5
4MV/cm
10
5.7MV/cm
動作温度 125℃ 250℃ 400℃
信頼性 125℃10万h 250℃10万h
高密度実装、システムパッケージ化、負荷一体型の進展
低寄生インピーダン
ス・低熱抵抗・高電流
密度・高温実装
電流密度:250A/cm^2 500A/cm^2
汎用インバータ
耐熱性: 200℃ 225℃ 集積化・負荷一体型実
パワー
装
デバイ
パワーデ 高速制御・デジタル制
ス
御
バイス共
回路・
通
実装技
ソフトスイッチング・マト
術
リクスコンバータ
高調波・EMI対策、通信
機能
受動部品の小型・低損
失・耐熱性向上
高圧電源
情報機器電源
HEV
250℃
TCAD、連成シミュレーションの変化
情報機器電源
高速制御、デジタル制御の進展
ソフトスイッチング、マトリックスコンバータの進展
高調波・EMI対策、通信技術の進展
電力系統
高速鉄道、電力系統
耐熱性:175℃ 200℃ 250℃
6-9
高速鉄道
レーダ・通信基地用
コンセプト 大項目
中項目
小項目
固体レー ウエハ装置、前工程、
ザ利用 後工程、LCD基板製造
固体UV
レ-ザ
利用
リソグラフ
レーザアニール
エキシマ リソグラフ、レーザCVD
レーザドーピング
レーザ利
損失の少 レーザ 用
LCDアレイ製造
ないデバ 応用技
イスを使う
術 CO2
レーザ割断・穴あけ
レーザ利
レーザマーキング
用
ファイ
バーレー
ザ利用
高周波
デバイ
スイッチ
ス
ングロス 技術
の少な
い電源・
通信用
デバイス
を使う 光化技
術
効率の
よい回
路をうま
く使う
通信用・加工用
LD利用
励起用レーザ
高周波
用HFET
利用
低消費電力型
高周波デバイス
GaNデ
バイス利 スイッチング用HFET
用
2010
2020
Nd系 Yb系
2030
LCD基盤・パネルのリペア装置
CVD、イオン注入
高品位な微細加工装置
KrF ArF XeCl
エキシマレーザーを使用する露光装置
レーザ割断、リペア
基板加工・マーキング装置
シングルモード ダブルモード
ファイバー付き高出力LD装置
波長変換短波長レーザ
LD励起Nd:YAGレーザ
低消費電力高周波デバイス
低消費電力高周波デバイス
携帯電話基地、レーダ
サーバ電源
家電インバータ
汎用インバータ
ストレー
ストレージ技術、不揮
ジ・メモリ
発性メモリ技術
利用
光メモリ: 1GB/cm^2
光スイッ 低損失オプティカル部
チ利用
材製造技術
消光比; 10dB 50dB
>80dB
SoC技術(高集積、低消費電力:実装面積1/3以下 1/10
<1/10
設計技
Si利用
術
混載技術、組み込みソ
フト技術、高集積化、
低消費電力化(アプリ
ケーションチップ技
術)、設計効率化、
PFC、SoC技術
フォト
ネット
ニック
ワーク
ネット
・通信
ワーク利
技術
用
ユビキタス対応の無線
等物理的制約を受け
ない高度通信機能、移
動体通信、光ルータ、
光スイッチ
光利用効率,温度特性
(ディスプレイ)、光取り出
光半導
LED利用 し効率,放熱技術,点
体技術
灯回路技術,蛍光材料
開発(照明)
光をうま
くつくる
有機
有機EL
半導体
利用
技術
光利用効率,輝度劣化
対策,TFT特性(ディス
プレイ)、光取り出し効
率,放熱技術,点灯回
路技術,リン光材料開
発(照明)
100 >10^4
データ転送速度: 50Gbps >100Gbps
発光効率:
200 lm/W
発光効率: 60 lm/W
6-10
光半導体技術(LED利用)
220
有機半導体技術(有機EL利用)
100
240
150
省エネルギー技術戦略研究会 委員名簿
役名
氏名
所属・役職
委員長
横山 明彦
東京大学 大学院
工学系研究科 電気工学専攻 教授
委員
赤井 誠
(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門
主幹研究員
委員
石井 勝
東京大学 生産技術研究所
教授
(電気学会 副会長)
委員
神本 武征
東京工業大学
名誉教授
(自動車技術会 省エネルギー技術戦略検討委員会 委員長)
委員
佐藤 春樹
慶応義塾大学 大学院
理工学研究科 開放環境科学専攻 教授
委員
杉山 大志
(財)電力中央研究所 社会経済研究所
重点課題責任者
委員
林 潤一郎
北海道大学
エネルギー変換マテリアル研究センター 教授
(化学工学会 エネルギー部会長)
委員
疋田 知士
(財)エネルギー総合工学研究所
研究理事
委員
山本 俊二
三菱電機株式会社
先端技術総合研究所 所長
委員
横堀 誠一
武蔵工業大学
工学部 原子力研究所 教授
(日本伝熱学会 副会長)
委員
吉野 博
東北大学 大学院
工学系研究科 教授
(日本建築学会 省エネルギー技術戦略2007評価のための特
別調査委員会 副委員長)
(五十音順)
7-1
1/23
Double bandle heat pump
Tri-bandle heat pump
ダブルバンドルヒートポンプ
トライバンドルヒートポンプ
マルチサーマルヒートポン
プ
motor driven heat pump
電気式(圧縮式)ヒートポン
プ
ケミカルヒートポンプ
多段ヒートポンプで高温温熱、中温温熱、中温冷熱、低温冷熱、極低温冷熱、潜熱を同時
に取り出すことができる。各温度帯で熱エネルギーの授受を行うことで排熱を最小限に抑
える。
熱エネルギーインフラストラクチャーとして温水、冷水、蒸気を用いるケースが多く、その3
温度領域を同一機器でまかなうことができるヒートポンプ熱源機。ダブルバンドル同様、
排熱も回収し有効利用が可能。
冷温水同時取り出しのヒートポンプをいう。ヒートポンプ熱源機で冷水を製造する際に生じ
る温排熱を大気中に放出せず、回収して温水を同時に製造を行う為、高効率運転が可能
である。また熱源機が一元化され設備容量の縮小も可能である。
電動モーターを用いて圧縮機(往復式、回転式、遠心式)で冷媒を機械的に圧縮し、冷温
熱を得るシステムのこと。一般的に成績係数(COP)が高い。
熱エネルギーを輸送する熱機関。圧縮式(電気式)、吸収式、吸着式、熱電子式などがあ
る。ただし、特別な説明がない限り、圧縮式を指す。圧縮式はボイル・シャルルの法則に
より気体を圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる現象を利用して熱エネル
ギーを移動させるもの。理論効率は(逆)カルノーサイクルで表すことができる。一般的に
は輸送効率を高めるために、熱輸送媒体(熱媒または冷媒)の液相−気相の相変化(蒸
発・凝縮潜熱)も利用する。
液相−気相の相変化ではなく、可逆的な化学反応に伴う発熱・吸熱を利用するものをケミ
カル(化学)ヒートポンプという。ある与えられた状態(圧力、温度など)での平衡状態か
ら、別の平衡状態に変えたときに起こる化学反応を利用するため、原理的には平衡状態
を変えない限りエネルギーの散逸が生じないので、蓄熱システムに適する。
ヒートポンプ
Heat pumps
COPは高低温度条件等を標準状態にして測定した成績係数である。しかし、実条件にお
いては季節により高低温度条件は一定ではなくCOPはその都度変わる。このため冷房期
間や暖房期間を決めて、その期間での高低温度条件におけるCOPを計算する。
超燃焼システム技術 用語集
日本文
英文
内容
蒸気再圧縮(VRC)式ヒート Vapor re-compression
水を冷媒としたオープンサイクルヒートポンプは蒸気再圧縮(VRC)式ヒートポンプとして各
ポンプ
種溶液の蒸留・濃縮などの用途で採用されている。例えば、乾燥工程にて発生する高温
の蒸気を更に圧縮し高温加熱源とし熱交換器で発生蒸気を凝縮するヒートポンプと乾燥
工程を組み合わせたシステムは乾燥室内の熱をムダなく利用できるため、省エネルギー
効果が高い。
成績係数
coefficient of performance 加えられた仕事または熱の何倍の熱を移動させたかの比率によって冷凍機・ヒートポンプ
の効率を表す性能指数。
理想的な場合次のような関係が成り立つ。
* ヒートポンプの成績係数 = 冷凍機としての成績係数 + 1
* 低温熱源と高温熱源の温度差が小さいほど大きくなる。
期間COP
COP
項目
VRCヒートポンプ
2/23
シンジオタクチックポリスチ SPS
レン
シンジオPS
イソPP
エンジニアリングプラスチッ
クス
アイソタクチックポリプロピ Iso-PP
レン
エンプラ
メタロセン触媒を用いた高機能性を有する次世代型ポリスチレン。
「耐熱性:100℃以上」・「強度:49.0MPa 以上」・「曲げ弾性率2.4GPa以上」あるプラスチッ
クス
メタロセン触媒を用いた高機能性を有する次世代型ポリプロピレン。メタロセン触媒はメタ
ロセン化合物と有機金属化合物を組み合わせた触媒系。この触媒により、特に立体規則
性に優れたポリマーが数多く得られるようになった。
植物由来の樹脂、生分解性プラスチック
ポリ乳酸
PLA
Poly Lactic Acid
ガスハイドレートは水包接化合物とも呼ばれ、水素結合による水分子のカゴ状構造の中
に他の物質の分子が入り込んだ構造を持つ。内包物質によりメタン(CH4)ハイドレートや
二酸化炭素(CO2)ハイドレートがある。
ハイドレート
C1-Chemistry
石炭、バイオマス、重質油をガス化して得られる合成ガス(CO、H2)から、エチレン、プロ
ピレン、BTX を生産し、さらにプラスチックなどの化学品を生産する。製品は廃棄物として
ガス化プロセスに入れることより合成ガスとし原材料にリサイクルする。これにより、必要
とする原料資源量を大幅に削減する。この化学体系をサステイナブル・カーボンサイクル
化学体系(SC3)と呼ぶ。
合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)やメタン、メタノールといった炭素数が1の化合物
を原料に用いて、炭素数が1の化合物の相互変換をしたり、炭素数が2以上の化合物を合
成する技術法のことであり、有機工業化学の1分野である。
原料炭を乾燥、予熱しコークス炉に装入し、急速に昇温することにより粘結性を向上さ
せ、資源量の少ない強粘結炭の配合比低減、コークス強度向上を達成し、また予熱及び
乾留時間の大幅短縮によって大きな省エネルギー効果を挙げる21世紀型コークス製造プ
ロセス開発プロジェクトの名称
一酸化炭素と水素の混合ガス。石炭や天然ガス、重質油、石油排ガス、オイルシェール
やバイオマスなどから水蒸気改質、部分酸化などにより作られる。
サステイナブル・カーボン
サイクル化学体系
Super Coke Oven for
Productivity and
Environmental
enhancement toward the
21st century
二酸化炭素(CO2)を吸収(化学的、物理的)法や分離(膜、吸着、深冷)法で回収し、地中
への貯留や海洋への隔離を行う技術
超燃焼システム技術 用語集
英文
内容
Clean Coal Technology
かっての石炭のダーティーなイメージを払拭し、小さな環境負荷で高効率に石炭を利用す
る新技術の総称。排煙の高度脱硫/脱硝/脱塵、燃焼灰の高度処理、石炭の改質/無灰
化/液化、ガス化コンバインドサイクル等による発電効率向上/CO2削減等、現在開発中
または実用化しつつある様々な技術を包含する。
二酸化炭素(CO2)回収・貯 Carbon Dioxide Capture
留
and Storage
日本文
合成ガス
C1化学
SC3
SCOPE21
CCS
CCT
項目
3/23
工学などにおける設計上の概念で、システムを構成する要素となるもの。いくつかの部品
的機能を集め、まとまりのある機能を持った部品のこと。
モジュール
鉄スクラップの再使用処理工程での有害元素(銅、錫等)の無害化を実現するため、プラ
ズマ及び電磁気技術を用いて鋼材表層を均一かつ安定に溶融するとともに、所定濃度の
無害化元素を溶融部に添加する技術
誘導結合型熱プラズマ中に微粒子状のガラス原料を供給し、ガラスの気中溶解を行うこと
により、ガラス溶解を高速で行う技術。ガラス原料の粒径が100μm程度であればほぼ
100%のガラス化反応が数μsで完了する。
アクアフロート法の原理は、溶融ガラスを成形に適した温度(粘性)領域で、含水多孔質
基材の上に流下して、ガラスの持込素地顕熱により瞬時に生成した蒸気膜の上にガラス
素地自身を浮上保持しつつ、張力を掛けて成形するものである。
石炭、重質油、バイオマス等を部分酸化法によって合成ガスとし、精製してガスタービンで
利用し、排ガスから蒸気を生成し蒸気タービンで利用し発電する技術。ボイラで直接燃焼
して蒸気タービンのみに利用するランキンサイクルよりも発電技術として高効率であると
共に、合成ガスの一部を水素または化学合成用(C1化学)の原料ガスとして用い物質とエ
ネルギーを併産するコプロダクション・システムとしても利用できる。合成ガスを精製する
過程でCO2を分離し、CO2フリーの水素発電システムにすることも可能である。
鋳片表層改質
インフライティングメルト法
アクアフロート法
IGCC
Integrated Gasification.
Combined Cycle
ピンチテクノロジーにより熱エネルギーフローを解析する手法。
熱ピンチ
Module
プラントや工場で使われる全ての熱エネルギーを整理し、設備ごとの熱需要と排熱供給
に係るデータとしてそれぞれ解析して、熱融通の最適状態を調べる手法。
アクリロニトリルを50%以上含む基ポリマーを主成分とする耐薬品性、ガスバリヤー性、
保香性、薬品性分の低吸着性、剛性等の特長を持ったプラスチック。主な用途は、食品包
装、医薬品、化粧品包装、化学薬品包装、電子部品搬送容器など。
ある化学物質を製造する場合、その原料となる前駆物質の総称。例えば、PAN系炭素繊
維のプリカーサはアクリル長繊維であり、これを焼成して製造する。
ピンチテクノロジー
ガス化複合発電
ポリアクリロニトリル
PAN
Polyacrylonitrile
Precursor
先駆物質
プリカーサ
分離膜を利用し物質分離(ガス、液体)を行う装置
超燃焼システム技術 用語集
英文
内容
Propylene oxide
プロピレングリコール(ポリエステル樹脂原料ほか)、ポリプロピレングリコール(ウレタン
フォーム原料ほか)、顔料、医薬品中間体、殺菌剤などの原料
membrane reactor
日本文
酸化プロピレン
プロピレンオキサイド
メンブレンリアクター
PO製造
項目
4/23
リグニン
吸着法
高圧PSA法
Lignin
産業用地域エネルギー管
理システム
IEMS
産業用地域エネルギー・
ネットワーク
次世代高効率ガス化燃料 Advanced Integrated
電池複合発電
Gasification Fuel Cell
Combiend Cycle
ILEN
IGCCが利用するガス化プロセスは部分酸化法であるのに対し、吸熱反応である水蒸気
改質を組み合わせ、廃熱のエクセルギーを利用して水素リッチガスに転換することにより
エネルギーの化学再生を行う次世代型ガス化複合発電サイクルであり、従来型のIGCCよ
りも更に発電効率が高くなる。
地球上のバイオマスの大部分を占める木質系バイオマスは、主に樹木からなり、セル
ロース(45%)、ヘミセルロース(30%)、リグニン(25%)などの成分で構成されている。光
合成を通して莫大な量のリグニンが年々地球上に蓄積していますが、それに匹敵する量
のリグニンが微生物により分解されている。これを化学工業原料やエネルギー源として利
用する。
A-IGCCと同様に、IGFCのガス化プロセスに吸熱反応である水蒸気改質を組み合わせ、
廃熱のエクセルギーを利用して水素リッチガスに転換することによりエネルギーの化学再
生を行う次世代ガス化燃料電池複合発電サイクルであり、従来型のIGFCよりも更に発電
効率が高くなる。
Industrial Energy
産業集積地のエネルギー管理システム。
Management System
産業用地域エネルギー・ネットワークを通じて相互融通されるエネルギーの利用を総合的
に最適化するための管理システムであり、CEMS、TEMSの産業版。
IT技術を活用し、各工場・ユーティリティーセンターでのエネルギーの使用状況・発生状況
をリアルタイムで把握するとともに、生産計画に基づく予測情報を考慮し、ピンチ・テクノロ
ジーを用いたモデルによって、コンビナート全体のエネルギーの量と質の需給バランスを
同時に最適化する。
Industrial Local Energy
産業集積地の地域エネルギー・ネットワーク。
Network
コンビナート等の産業集積地において、工場または地域のユーティリティー・センターで発
生するエネルギー並びに産業用汎用ユーティリティーの過不足を相互融通し産業間連携
を図る。電気、各種圧力の蒸気、水素、合成ガス、酸素、窒素、各種純度の工業用水、冷
却水等々を含む。
Pressure Swing Adsorption 吸着剤の詰まった吸着槽へ圧縮した空気を送り込むと、不必要なガスは吸着剤に吸着さ
れ必要なガスのみが分離される。吸着されたガスは吸着槽を大気圧まで戻すことで脱着
される。この加圧、減圧を繰り返すことでガスを分離精製する。窒素PSAでは吸着剤は
カーボンモレキュラシーブで酸素、炭酸ガス、水蒸気等を吸着し、酸素PSAでは合成ゼオ
ライトで窒素、炭酸ガス、水蒸気等を吸着する。
次世代高効率ガス化複合 Advanced Integrated
発電
Gasification. Combined
Cycle
超燃焼システム技術 用語集
日本文
英文
内容
ガス化燃料電池複合発電 Integrated Gasification
石炭、重質油、バイオマス等を部分酸化法によって合成ガスとし、高度に精製・改質して
Fuel Cell Combiend Cycle 燃料電池で高効率発電すると共に、ガスタービン複合サイクルを組み合わせる3重の複
合サイクルであり、IGCCよりも更に発電効率が高い。燃料電池の形式により精製改質ガ
スの要求品質、排ガス温度、排ガス中の残留未反応ガス等が異なるので、組み合わせ方
式が異なるが主として高温型燃料電池であるSOFCが想定されており、その高温排ガスと
精製ガスのうち燃料電池に適さない成分を直接ガスタービン燃料に供給する。
A-IGFC
A-IGCC
IGFC
項目
5/23
ジメチル・エーテル
DME
生体触媒を用いて生化学反応を行う装置の総称。バイオリアクターを用いた場合、通常
の触媒反応器にくらべ穏和な条件で反応が行える他、副生成物が少ない、工程が少な
い、収率がよいなどの利点があることが多い。現在、バイオリアクターの生体触媒には、
酵素などの生体高分子や、微生物、植物あるいは動物細胞などが用いられる。
ここでは、狭義に遺伝子操作により人工的に構築された遺伝子組み換え生物を意味す
る。宿主生物種としては、微生物あるいは植物である。
生物が触媒する反応を利用して、バイオマスや廃棄物なども含む再生可能な資源から化
学品原材料やエネルギー物質を生産する技術の総称。米国生まれの新規造語である。
固体高分子型燃料電池の電解質にはアメリカのデュポン社が開発した水素イオン導電性
の商品名ナフィオン115 が用いられている。この電解質膜の動作温度は80℃程度であり、
より高温動作の水素イオン導電性膜の開発が行われている。
宿主生物
バイオリファイナリー
非ナフィオン
超燃焼システム技術 用語集
英文
内容
Bulking
汚泥処理において糸状菌等の細菌が異常に増殖し沈殿槽でもこれらが絡み合ったまま
沈降もせず圧密もせず上澄水が出来ない現象。沈殿槽で汚泥が分離できず、汚泥があ
ふれ出る。
Dimethyl Ether
メタノール2分子を脱水反応させエーテル結合したもので、スプレー剤等として利用されて
いる。メタノールを経ずに、天然ガス、炭層メタンの水蒸気改質、石炭やバイオマス等のガ
ス化によって得られる合成ガスから直接製造する技術が実証、確立されつつある。LPG
に近い物性で容易に液化してハンドリングに優れ、LPGの代替燃料、燃料電池用等のク
リーンな次世代燃料として期待されている。セタン価が高くディーゼルエンジン向きであ
り、酸素含有率が高く黒煙が出ないため、環境負荷の少ないディーゼル燃料としても期待
されている。
化石燃料の保有するエネルギーを単に燃焼して熱エネルギーとして利用するだけでなく、
複合的かつ多様に利用することによって損失を最小限とする技術、あるいはそのようなエ
ネルギー利用方式の総称。代表例として、機械エネルギーや電気エネルギーに転換でき
なかった残余の熱エネルギーを化学反応に利用して水素等の燃料に転換し、エネルギー
と物質とを併産する方法等がある。
バイオリアクター
コプロダクション
膨化
日本文
項目
バルキング
6/23
Phase change material
PCM
吸収
Chemical Heat Thermal
Energy Storage
ある物質が他物質に内包される現象。熱サイクルではガス吸収が利用される。ガス吸収
には物理および化学吸収がある。
物理吸収:気体と液体間で化学反応を伴わず溶解度又は気液平衡関係で吸収・放出が
設定される。
化学吸収:気体と液体間で化学反応が起こり生成物を含めた溶解度又は気液平衡関係
で吸収・放出が設定される。
相変化潜熱蓄熱材料。氷(~0℃)、塩化ナトリウム(~-22℃)、酢酸ソーダ(~55℃)、
フッ化リチウム(~850℃)等、目的とする温度域で種々の材料がある。
カプセルボール内部に塩化ナトリウム等の潜熱蓄熱体を充填した潜熱蓄熱体。貯槽への
蓄熱体の充填密度を高めるとともに熱媒体の流路を確保するため球形の蓄熱体が開発
されている。
化学反応を利用して熱の出し入れをする。水酸化カルシウム(消石灰)に低圧下で250~
500℃ の熱を加えると、炭酸カルシウム(石灰石)を経て酸化カルシウム(生石灰)になり
これを貯蔵する。貯蔵生石灰に水を掛けると、500℃余りの反応熱を放出する。化学蓄熱
は、分離した物質を別々の場所に保管し、必要な時に反応させ生じる反応熱を利用する。
取り出す圧力や温度を蓄熱時と変えることにより、蓄熱時よりも多くの熱を取り出したり、
蓄熱時よりも高温の熱を取り出したりすることも出来る。
カプセル・ケミカル蓄熱材
化学蓄熱
建物の構造躯体などを利用するパッシブ蓄熱と蓄熱材を利用するアクティブ蓄熱にニ分
類 される。アクティブ蓄熱は、システム蓄熱とも呼ばれ、熱を生産する熱源機器と消費す
る 負荷との間に蓄熱材を介在させて両者の時間的なズレを調整するシステムである。
融解熱や気化熱などの転移熱を利用して熱の出し入れをする。氷の融解熱は大気圧下
で334J/gなので、1g 当たりに334Jの熱(仕事)、水の気化熱は大気圧下で2260J/g な
ので、1g当たりで2260 Jの熱(仕事)の貯蔵・放出できる。顕熱蓄熱の2~3桁大きい。
アクティブ蓄熱
Latent Heat Thermal
Energy Storage
時空を超えたエネルギー利用技術 用語集
英文
内容
Sensible Heat Thermal
物質の熱容量あるいは比熱を利用して熱の出し入れをする。水の比熱は約4.2J/g・℃な
Energy Storage
ので、1g当たりに4.2Jの熱(仕事)を貯蔵・放出できる。
スラリーとは細かい固体粒子が水中に懸濁している、あるいは固体と液体 との混合物を
言う。潜熱媒体の一つとして、ハイドレート(包接水和物)がある。包接水和物は、水分子
が網状構造など(包接格子)をつくり、その隙間にゲスト分子(水和剤)が入り込んだ構造
をなす化合物である。水和物を生成する水和剤としてはさまざまな物質があり、フロンガ
スやメタンガスなどのガスをゲスト分子としたガス系包接水和物が知られている。水和剤
の一例としてテトラn-ブチルアンモニウム塩がある。
日本文
スラリー蓄熱システム
潜熱蓄熱
顕熱蓄熱
項目
7/23
GTL
インバータ
Gas to Liquid
圧縮機に遠心式を採用した圧縮式の冷凍機。ターボ冷凍機の構造は回転している羽根
車(インペラー)の遠心力により冷媒ガスを放射状に吹き飛ばして加速し、その後、出口に
設けたディフューザで徐々に減速させ、その分、圧力が高まっていく方式。羽根車とディ
フューザを組み合わせた単純な構造であることが特長。遠心力を利用しているため回転
数が数千~数万rpmと高い。回転の駆動源にはモーター、蒸気タービンなどが使用され
る。
逆変換器すなわち直流電力を交流電力に変換する装置。これに対してコンバータ((順)
変換器)すなわち交流電力を直流電力に整流する装置がある。燃料電池、太陽電池等の
直流電源の場合は変換部と配電系統に接続するための保護機器を含めてインバータ、
モータ制御等の交流電源からの場合はコンバータ部、インバータ部、保護機器を含めてイ
ンバータと呼称する。
天然ガスを原料としてFT(フィッシャー・トロプシュ)反応により製造された灯軽油等の合成
液体燃料。
吸着式冷凍機
centrifugal refrigerator
水分の吸脱着性能に優れた乾燥剤で、ゼオライト、シリカゲル等がある。
デシカント(除湿)空調とは、一般的にゼオライト、シリカゲル等の乾燥剤(吸湿剤)を用い
て空気中の湿気を除湿して空調するシステムである。
ターボ冷凍機
desiccant
時空を超えたエネルギー利用技術 用語集
英文
内容
ある物質が他物質表面に接着する現象。物理吸着と化学吸着がある。
物理吸着:分子間引力によって吸着する現象で、加熱などのエネルギーを加えることによ
り吸着分子を分離する。
化学吸着:表面に残留している酸素や水素からなるさまざまな化合物の官能基のイオン
結合により吸着する。外部エネルギーを加えても簡単には分離せず、吸着物質にもより
が、やがて分解される。
吸収式冷凍機とは、冷媒(水)と吸収剤(臭化リチウム)を用い冷水製造過程で加熱を必
要とする冷凍システムのこと。低温の蒸発器で冷媒である水を蒸発させることにより熱を
奪い冷水を製造する。吸収式冷温水器は冷暖の切り替えにより温水も供給可能なシステ
ムのこと。
真空下でシリカゲルと水を利用し、再生行程と吸着行程の2工程を交互に繰り返し、冷熱
を発生させる。
再生工程:固体吸着剤を温水で加熱し、吸着していた冷媒蒸気を脱着し、冷却水が通っ
ている凝縮器で冷媒を凝縮する。
吸着工程:固体吸着剤を冷却水で冷却し、冷媒蒸気を吸着する。このとき冷水が通ってい
る蒸発器から冷媒液が蒸発しその潜熱で冷却する。
乾燥剤、吸湿剤
日本文
吸収式冷凍機・冷温水器
デシカント
吸着
項目
8/23
コンバインドサイクル、複合 Combined Cycle
サイクル
ガスタービンコンバインドサ Gas Turbine Combined
イクル
Cycle
CC
GTCC
Gas Turbine
ガスタービン
Gas Engine
Solid Oxide Fuel Cells
GT
固体電解質型燃料電池
SOFC
ガスエンジン
溶融炭酸塩型燃料電池
MCFC
ガスタービンサイクルと他の熱サイクルを組み合わせた複合サイクルの略称。
熱エネルギーを機械エネルギーに転換する複数の熱サイクルを組み合わせる複合サイク
ルのこと。ガスタービンによるブレイトンサイクルと、蒸気タービンによるランキンサイクル
の組み合わせ等が代表的である。得られた回転動力をそのまま利用する場合と、発電機
を回して電気として利用する場合とがある。
ガス燃料を利用する連続式エンジン。空気をコンプレッサーで圧縮して燃焼器に供給し、
連続燃焼させ、得られた高温高圧ガスをタービンで膨張させて回転動力を得る。回転動
力をそのまま利用する場合と、発電機を回して電気として利用する場合とがある。
ガス燃料を利用するレシプロ(往復動)エンジン。ガソリンエンジンから転用された火花点火
式のオットーサイクルエンジンと、ディーゼルエンジンから転用された助燃液体燃料を噴
霧して圧縮点火するディーゼルサイクルエンジンとがある。複数のシリンダーで位相をず
らせて圧縮/膨張を繰り返し、クランクシャフトで回転動力を得る。回転動力をそのまま利
用する場合と、発電機を回して電気として利用する場合とがある。
電解質として酸素イオン(O2-)が移動する安定化ジルコニアやランタン・ガリウムのペロ
ブスカイト酸化物などのイオン伝導性セラミックスを利用した燃料電池。発電に必要が導
電性を得るために動作温度は700℃~1000℃程度である。
時空を超えたエネルギー利用技術 用語集
英文
内容
Dimethyl Ether
メタノール2分子を脱水反応させエーテル結合したもので、スプレー剤等として利用されて
いる。メタノールを経ずに、天然ガス、炭層メタンの水蒸気改質、石炭やバイオマス等のガ
ス化によって得られる合成ガスから直接製造する技術が実証、確立されつつある。LPG
に近い物性で容易に液化してハンドリングに優れ、LPGの代替燃料、燃料電池用等のク
リーンな次世代燃料として期待されている。セタン価が高くディーゼルエンジン向きであ
り、酸素含有率が高く黒煙が出ないため、環境負荷の少ないディーゼル燃料としても期待
されている。
Fuel Cell
燃料から直接電力に変換する直接発電装置。燃料を改質した水素と酸素(空気)の反応
エネルギーを電力に変換する水素・酸素燃料電池が実用化されている。イオン導電性電
解質(膜)の片面に水素、他面に酸素を供給し、水素・酸素反応が持つ化学ポテンシャル
により電解質中のイオンを一方向に動かす事により発電する。電解質の種類により、固体
高分子型(PEFC)、アルカリ電解質型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、
固体電解質型(SOFC)等がある。
Molten Carbonate Fuel Cell 電解質として炭酸イオン(CO3--)が移動する溶融した炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸カリウ
ムなど)を使用した燃料電池。溶融炭酸塩を溶融し、発電に必要が導電性を得るために
動作温度は600℃~700℃程度である。
GE
燃料電池
日本文
ジメチル・エーテル
FC
DME
項目
9/23
バッチ輸送
連続輸送の反対語。回分輸送。エネルギーをガス燃料、液体燃料、高温流体としてパイ
プラインで連続的に輸送したり、電流として電線で連続的に輸送したりする代わりに、蓄
熱体、蓄エネルギー物質等としてトラック等で往復輸送する方式。
熱電材料の性能はZ=S2/κρによって優劣が比較される(Sはゼーベック係数と呼ば
れる熱電能、κは熱伝導率、ρは電気抵抗率)。また、Zを無次元化したZTも性能指数と
して用いられる(Tは動作温度で絶対温度)。ZT値=1は、従来これを超える材料が得られ
ず一つの壁であったが、近年、この壁を越す材料が得られるようになっている。
ZT値
性能指数Z×作動温度T
キャパシタ(コンデンサー)は薄い誘電体を電極で挟んだ構造で電気の充放電する部品で
ある。誘電体は誘電率が大きく薄いほど高性能である。表面積が極めて広い活性炭を電
極として、この活性炭表面に特殊な有機分子を吸着させ、これを誘電体として用いる。誘
電体層が分子レベルの厚さであり、極めて薄いものとなる。吸着した有機分子は僅かな
電位差で容易に破壊されるため、耐圧は数Vと非常に低く、通常複数の素子を直列にして
用いる。電力の蓄積用に使用され、近年電気自動車などの電源として注目されている。
英国Beta Research & Development Ltd.が主に電気自動車用に開発したナトリウム/塩
化ニッケル二次電池
電気二重層キャパシタ
Zebra battery
電解質イオンとしてリチウムを用い、かつ金属状のリチウムを電池内に含まない二次電池
の総称である。代表的な構成としては負極に炭素、正極にコバルト酸リチウムなどのリチ
ウム遷移金属酸化物、電解質に炭酸エチレンや炭酸ジエチルなどの有機溶媒+六フッ化
リン酸リチウムといったリチウム塩を使った物が挙げられるが、負極、正極、電解質それ
ぞれの材料は、リチウムイオンを移動し、かつ電荷の授受により充放電可能であればよ
いので、非常に多くの構成をとりうる電池である。
リチウムイオン電池
ゼブラ電池
正極に水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金、電解液に水酸化カリウム水溶液(KOH
aq.)を用いたものである。
ニッケル水素電池
時空を超えたエネルギー利用技術 用語集
英文
内容
redox cell
レドックス (Redox) とは、酸化還元 (Reduction/Oxidation) を示す略語。二種類の化学種
の酸化と還元が不活性電極表面で生じる電気化学システムであり、現在のレドックスフ
ロー電池では、正極液に4価のバナジウム、負極液に3価のバナジウム硫酸溶液を使用
し、タンクに貯蔵した両極液をポンプでセルに送液・循環しながら充放電する。
硫黄を正極(+)に、ナトリウムを負極(-)に、両極を分離する固体電解質にβアルミナを利
用した二次電池である。特に、大規模の電力貯蔵用に作られ、昼夜の負荷平準などに用
いられる。従来の鉛蓄電池に比べて体積、重量が1/3程度とコンパクトである。
日本文
Na/S電池
項目
レドックスフロー電池
10/23
熱電発電とは、金属や半導体などの電気を通す材料の両端に温度差を与えると電力が
発生する「ゼーベック効果」と呼ぶ現象を利用した直接発電方式。ビスマステルル
(Bi2Te3)、鉛テルル(PbTe)、シリコンゲルマ(SiGe)等の半導体熱電材料がある。
熱電発電
時空を超えたエネルギー利用技術 用語集
英文
内容
エネルギーのうちでもエクセルギー率、すなわち有効エネルギー率の高いエネルギーは
高温であるとか、放熱すると凝固するとかの問題から、パイプライン等で連続輸送しようと
すると保温やパイプの耐熱のためにコストが嵩む。一方エクセルギー率の高い蓄エネル
ギー物質は体積当たりのエネルギー密度が大きい場合が多いので、バッチ輸送の経済
性が成立することが期待される。このような点から余剰エネルギーをできるだけ高エクセ
ルギー物質に転換して、時空を超えて輸送する方法、およびそのための技術。
ガスタービン等の連続エンジンの反対語。往復動エンジン。ガソリンエンジン、ディーゼル
エンジン及びこれから発展したガスエンジン等を指す。複数のピストンで圧縮、着火、膨
張、排気を繰り返し、ピストンを往復動させ、クランクシャフトで回転動力に転換する。
日本文
レシプロエンジン
項目
高エクセルギバッチ輸送
11/23
HCFC
クロスオーバーシーズナル
蓄熱
ハイドロクロロ フルオロ
カーボン
代替フロン
圧縮式冷凍機の主要冷媒
CFC: クロロフルオロカーボン(Chloro Fluoro Carbon)
HCFC: ハイドロクロロフルオロカーボン(Hydro Chloro Fluoro Carbon)
HFC: ハイドロフルオロカーボン(Hydro Fluoro Carbon)
同一蓄熱槽を冷凍・冷房・暖房・加熱など多温度帯で利用することにより、蓄熱槽効率、
年間稼働率の向上を図るもの。単位面積・体積あたりの熱利用率の向上や季節間での
稼動率も向上するため設置面積・体積を縮小化により蓄熱システムの設置阻害要因を取
り除くことが見込まれる。
欧州では夏場の温熱を蓄え冬の暖房に使う季節間蓄熱がある。これに、冬の冷熱を蓄え
夏の冷房に使う機能も付加し、温熱を蓄えながら同時に冷熱を放熱する(冬場は冷熱を
蓄え温熱を放熱)ことで年間で熱収支をバランスさせる蓄熱システムをいう。
蓄光材料とは、昼光・蛍光灯(電灯)・ブラックライトなどのエネルギーを吸収して一時的に
蓄え、これを徐々に放出して発光する材料。光を与えれば、何度でも吸着蓄積し発光を繰
り返す。
光源の効率を現すもので、単位電力あたりの全光束 lm/W (ルーメン毎ワット)で現す。
単位の定義とエネルギー保存の法則により発光効率が 683 lm/W を超えることはない。
光束(単位lm(ルーメン))とはランプから発せられる可視光の総量。
電流を流すと発光する半導体素子の一種。アノード(anode)とカソード(cathode) の2つの
端子があり、アノードに正、カソードに負の電圧をかけると、数ボルトの電圧で 電流が流
れ、発光する。
クラスターとは葡萄の房を意味する(数十~数百個の)原子・分子の集まりであり、クラス
ターにマイクロ波を照射することによって得られるクラスターからの熱放射を光源として利
用する。従来の白熱電球と原理同じだが白熱電球よりも高温に加熱することができる。こ
れによりクラスター光源は白熱電球よりも効率のよい演色性を持ち、かつ長寿命の次世
代光源となる。
タングステン表面に1平方ミリメートル当り百万個以上の空洞(キャビティ)を形成したマイ
クロキャビティ放射体は赤外線を徹底的に抑制して、発光効率を飛躍的に向上できる白
熱フィラントとして利用できる。また、このような放射体は小型太陽熱冷房システムを実現
できる高効率太陽熱吸収体としても期待される。
多温度帯利用蓄熱システ
ム
Luminous efficacy
Light Emitting Diode
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
Plasma Display Panel
Liquid Crystal Display
organic
電圧をかけると発光する物質を利用したディスプレイ。発光体を ガラス基板に蒸着し、5
electroluminescence
~10Vの直流電圧をかけて表示を行う。発光体にジアミン類など の有機物を使うことから
有機ELと呼ばれる。
ハイドレートとは、水の結晶の中に他の分子が入り込み、クラスレート化合物を生成したも
のです。クラスレート化合物とは、三次元の骨組みをとる結晶の隙間に他の分子が一定
比で閉じこめられた状態の化合物のことを指す。
ランプ効率
発光ダイオード
日本文
プラズマディスプレイ
液晶ディスプレイ
ハイドレート
発光効率
昼光・蓄光ハイブリッド
マイクロキャビティー光源
クラスター発光光源
LED
PDP
LCD
有機EL
項目
12/23
アクチュエータとはモータやエアシリンダ、油圧シリンダ、ピエゾ(圧電素子)等、動力を発
生する装置や物質の総称であるが、 油圧シリンダ等、直線運動をする駆動装置のことを
指す例が多い。 (例:油圧アクチュエータ)
室内全体を適温に空調するのではなく、通常人のいない場所(アンビエント域)は許容で
きる範囲内で温度を高く設定し、人のいる場所(タスク域)だけを適温に制御する快適性と
省エネルギーの両立を狙った空調。
タスクアンビエント空調
冷温水同時取り出しのヒートポンプをいう。ヒートポンプ熱源機で冷水を製造する際に生じ
る温排熱を大気中に放出せず、回収して温水を同時に製造を行う為、高効率運転が可能
である。また熱源機が一元化され設備容量の縮小も可能である。
ダブルバンドルヒートポンプ
アクチュエータ
空気の温度と湿度を別々に処理することで高効率化と快適性を目指す空調システム。除
湿にはデシカント(除湿)空調という一般的にゼオライト、シリカゲル等の乾燥剤(吸湿剤)
を用い、温度調整には圧縮式ヒートポンプを用いる。このデシカント空調とヒートポンプ冷
暖房機を有機的に組み合わせた空調システムをいう。
デシカントハイブリッドヒート
ポンプ
Double bandle heat pump
蒸気を熱源とした、再生器で2段階の熱利用を行うものである。蒸気が夏季も供給される
病院・ホテル・工場で用いられるほか、信頼性を高めたヘビーロードタイプが地域熱供給
で導入されている。バーナーの燃焼で再生器を直接熱し3段階の熱利用を行うものも開発
されている。高温再生器が高温高圧となるためボイラー・圧力容器としての規制を受ける
が、COP1.6以上が可能である。
多重効用吸収式冷温水器
CO2 refrigerant heat pump CO2を冷媒とした圧縮式ヒートポンプを採用した給湯機
water heater
電気モータに代わりガスエンジンで圧縮機を駆動する圧縮式ヒートポンプ
volatile organic compounds 健康への影響が懸念され、揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称であ
り、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれる。
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
代替フロン
Global Warming Potential CO2を基準にして、温室効果ガスそれぞれの温室効果の程度を示す数値。それぞれの
ガスの寿命が異なるため、温室効果算出期間の長さによって値は変化する。IPCC第2次
評価報告書(100年間での計算)での温暖化係数は、CO2比で、メタンは21倍、亜酸化窒
素は310倍、フロン類は数百~数万倍である。
吸収式冷凍機とは、冷媒(水)と吸収剤(臭化リチウム)を用い冷水製造過程で加熱を必
要とする冷凍システムのこと。低温の蒸発器で冷媒である水を蒸発させることにより熱を
奪い冷水を製造する。
吸収式冷温水器は冷暖の切り替えにより温水も供給可能なシステムのこと。
揮発性有機化合物
日本文
ハイドロフルオロカーボン
温暖化係数
吸収式冷温水器
ガスエンジンヒートポンプ
CO2ヒートポンプ給湯器
VOC
HFC
GWP
項目
13/23
ユビキタスの語源はラテン語で、いたるところに存在する(遍在)という意味。インターネッ
トなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を指し、ユビキタ
スが普及すると、場所にとらわれない働き方や娯楽が実現出来るようになる。
ubiquitous
Internet Protocol
BA:Building Automation
FA:Factory Automation
ユビキタス
IP対応通信
BA/FA統合プラットフォー
ム技術
ビルや工場設備の制御をインターネットやイントラネットで統合するIP技術。
従来その市場が異なることからそれぞれ独自に技術開発が行われ、ネットワークやアプリ
ケーションなどが異なる製品とシステムが供給されてきた。しかし、情報通信技術の普及
により両分野での汎用化が進みつつあり、ビルや工場設備の制御を同一のネットワーク
で統合する方向が出てきた。これによって住環境と生産現場のエネルギー管理を一体化
することが可能となり、複数主体でのエネルギー連携も今後促進する。
調光ガラスとは、ガラスの透過率・反射率・色などを可逆的に変化させることのできるガラ
スのことで、特に窓ガラスとして用いることで、省エネルギー効率の高いガラスが実現でき
るものと期待されている。調光ガラスには、電気的に変化させるエレクトロクロミックガラ
ス、温度で変化するサーモクロミックガラスなどがある。
低放射ガラス
調光ガラス
ローイーガラス
ペアガラスとは、2枚の板ガラスをスペーサーにより一定間隔に保持し、周囲を封着剤で
密封してスペーサー内の乾燥剤により、内部の空気を常に乾燥状態に保った断熱性の高
いガラス。
放射率が低いガラス。放射率が低いため室内の暖房エネルギーを室内に反射することが
できる。太陽熱は透過し室内熱の放射が低いため、断熱性を向上させる。通常のガラス
の放射率0・85に対して、lowーe(ローイー)ガラスは0.1以下。
ペアガラス
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
水熱源空調システムにおいて可変パラメーターとして流量と温度がある。部分負荷に対
Variable Water
応する場合に搬送動力を低減させるVWV( 変流量制御:Variable Water Volume)と熱源
Volume/Variable Water
機器の効率を上げるVWT(設定値変更制御:Variable Water Temperature)は相互に影響
Temperature
を及ぼすため、それぞれを独立した制御として考えるのではなく、総合的な判断で最適な
設定を行うことが省エネルギー上重要である。個々の最適からシステムの最適にインテグ
レートしていく必要がある。
熱交換には温度だけを交換する顕熱交換と顕熱(温度)と潜熱(水蒸気)も交換する全熱
交換の二つの方法がある。全熱交換は、外気の温度も湿度も混合中和する。すなわち、
外気湿度80%、室内湿度60%の場合、外気の80%の湿度を70%程度にまで落とし
て、室内に吸気する。外気湿度40%とし、室内湿度60%の場合50%程度まで外気の湿
度を上げて室内に吸気する。
2枚の透明電導膜付きプラスチック・フィルムに液晶シートを挟んだガラス窓。電圧が加え
られていない時は、液晶が不規則に並んでいるので不透明であるが、電圧をかけると液
晶が一定方向に整列するので透明になる。透明なガラスを瞬時に不透明に、また不透明
から透明に変化させる機能を備えた瞬間調光ガラス。
複層ガラス
日本文
変流量/変温度制御
スマートウィンドウ
全熱交換システム
項目
VWV/VWT制御
14/23
Storage Area Network
SAN
サーバとストレージ間を接続する専用のネットワークです。広義には、ストレージ統合、異
種サーバ間データ共有、ストレージ統合管理の実現にまで言及する広い概念です。現在
は、ファイバチャネルを用いて、サーバとストレージをネットワークのように接続する形態
が実用化されており、一般的にはこれが 「SAN」 と言い習わされている。
より対線や同軸ケーブル、光ファイバーなどを使って、同じ建物の中にあるコンピュータや
プリンタなどを接続し、データをやり取りするネットワーク。
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
センサーネットワークの技術基盤としての短距離無線通信規格の一つ。アドホックにネット
ワークを構築できるなど設置が容易であるほか、省電力で低コストという利点がある。そう
いった特長から空調・照明・セキュリティなどのビルディングオートメーションや家電・ホー
ムオートメーション、工場系のプラントモニタリングなどのアプリケーション・プロファイルが
順次策定されている。
Energy Service Provider
需要家におけるエネルギーの利用、調達に関するマネジメントのアウトソーシングサービ
ス。ESCOが省エネプロジェクトのアウトソーシングであり何らかの設備導入を事業の主
体とするのに対し、ESPはモニタリングに始まり、最適な設備の運転や設定などを行う省
エネチューニングから中長期の省エネ計画の策定などマネジメント領域を事業の主体とす
るところに特徴がある。
Radio Frequency Tag
RFタグは、非接触ICチップを使った記憶媒体とアンテナを埋め込んだプレート(タグ)で、
Integrated Circuit Tag
衣類や電化製品などの商品に取り付けて使用する。RFタグには取り付けた商品の商品
情報などが書き込まれており、人の出入りの激しい店舗において商品の万引き防止など
セキュリティに使われるほか、倉庫や運送など物流の場面では商品を取り出さずに検品
できるなどの利点がある。RFID(Radio Frequency IDentification:電波方式認識)はRFタ
グを自動認識するシステム。
従来のWebでは一方的に情報を発信するが、Web 2.0では双方向で情報交換を行う。特
徴として、
(1)ユーザーによる情報の自由な整理
従来のWebでは、ディレクトリ型に整理して配置する。Web 2.0では、ユーザーの手によっ
てこれらの枠組みに捉われることなく、自由に情報を配置できる。
(2)リッチなユーザー体験
従来のWebでは、HTMLなどを利用してサービスが提供される。Web 2.0では、Ajax技術等
を応用してサービスを構築し、豊かなユーザ体験を提供できる。
Erbium Doped Fiber
Erbiumは希土類(Rare Earth)元素 のひとつで、石英光ファイバーにErbiumをドープしたシ
Amplifier
ングル・モード・ファイバー。1.47ミクロンのレーザでコア中のEr3+イオンを励起することに
より1.55ミクロンの波長の信号を増幅できる。放射線や紫外線を吸収して蛍光を発するの
で放射線や紫外線のセンサーとしても利用できる。
Local Area Network
ジグビー
日本文
LAN
EDFA
WEB2.0対応情報家電
RFタグ/ICタグ
ESP
ZigBee
項目
15/23
Local Energy Network
LEN
ある地域にあるビル群、団地等のBEMS、HEMSをネットワークし複数主体が連携しエ
ネルギーの効率利用を行うシステム。現状の地域熱供給事業およびさらに広範な地域に
おいてBEMS、HEMSを利用してエネルギー需給調整を行う。
ITを活用し民生業務用施設において省エネルギー制御を行うとともにエネルギー管理に
よって環境性や省エネ性の改善を支援するシステム。
Building Energy
Management System
BEMS
電話回線の伝送速度を高速化する技術。送信側キャリアーの出力レベルを回線によって
調整する。このことによりPCM化による高調波歪を避けることが可能になる。PCM(Pulse
Code Modulation)とは、 音声データをデジタル化する方式で、音質はサンプリング周波数
と量子化ビット数で設定される。
光合分波回路は、波長の異なる複数の光信号を1つの出力に合波したり、多重化された
波長の異なる複数の光信号を波長ごとの複数の出力に分波する機能を持つものであり、
光波長多重伝送システムに必要な回路デバイスである。
光分岐結合回路は、1つの光信号を2個以上の出力に分岐したり、2個以上の入力信号
を1個の出力に結合する機能を持つものであり、光加入者への光信号の分配やノードに
おける分岐・挿入や信号のモニターなどに使用される。
フォトニックネットワークとは、伝送、 多重化、 多重分離、 スイッチング、 ルーティングな
どのネットワーク転送機能を光領域で行うネットワークである。
民生業務・家庭、あるいは産業分野を問わず、複数主体が有機的に連携するためのエネ
ルギーマネジメントシステム。自然エネルギー・再生エネルギー利用との連携や熱の地域
での有効利用の仕組みづくりなど今後技術開発が必要となる。
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
Node
ノードとは、「結び目」のあることを指した用語で、ネットワークに接続された機器や、ネット
ワークとネットワークを接続する機器、いわゆるワークステーション、クライアント、ネット
ワークユーザ、あるいは パソコン、ハブのことをさし、サーバやプリンタなどの周辺機器も
含めた総称。また、パソコン通信サービスでは、ユーザーが電話をかけるアクセスポイント
などをノードと呼ぶ。ノードはケーブルなどのリンクを経由して他のノードと通信することが
できる。
エッジノードとは、網とその他の網を接続するために用いられるノードで、ルータやVPN装
置などを指す。コアノードとは網内のトラヒックを伝送するために中継されるノードのことで
ある。コアノードはトラヒックを高速に処理するために、単純な機能だけを実装すべきであ
り、エッジノードにおいて可能な処理は、全てエッジノードにおいて処理することで、コア
ノードの負荷を減らす。
提供サービス、付加機能の拡大にフレキシブルに対応できるエッジノードに関する技術
Storage Area Network
クライアントPCとサーバーをつなぐイーサネットLANとは別に,サーバーとディスク装置や
テープ装置などのストレージ間をつなぐ専用ネットワークをSAN(Storage Area Network)と
呼ぶ。SANノードとはストレージ装置を称して呼ぶ。
Home Energy Management ITを活用し民生家庭分野において省エネルギー制御を行うとともにエネルギー管理によっ
System
て環境性や省エネ性の改善を支援するシステム。
日本文
HEMS
面的エネルギーマネジメン
ト
フォトニックネットワーク
光通信用合波回路
アダプティブパワー制御
フレキシブルノード
SANノード
コアノード/エッジノード
ノード
項目
16/23
CEMS
熱利用家電
M&V技術
CAPD
次世代スマートグロース研
究
ESCO
コミッショニング
TEMS
項目
省エネ型情報生活空間創生技術 用語集
英文
内容
Town Energy Management 都市レベルで、BEMS、HEMSをネットワークし面的エリアにおいて複数主体が連携しエ
System
ネルギーの効率利用を行うシステム
Commissioning
それぞれのシステムに対して、システムが設計趣旨に合致した性能を発揮するように、設
計、施工ならびに機能試験が行われ、運転保守が可能な状態であることを検証する過程
環境 ・エネルギー並びに使い易さの観点から使用者の求める対象システムの要求性能
を取りまとめ、設計・施工・受渡しの過程を通して、その性能実現のための性能検証関連
者の判断 ・行為に対する助言・査閲・確認を行い、必要かつ十分な文書化を行い、機能
性能試験を実施して、受け渡されるシステムの適正な運転保守が可能な状態であること
を検証すること
Energy Service Compa (従前の利便性を損なうことなく)省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、その
ny
顧客の省エネルギーメリットの一部を報酬として享受する事業である。 また、ESCO事業
者は、事業の遂行にあたり、顧客との間において、エネルギーサービス契約を締結し、一
定の省エネルギー効果を保証する。
Cluster Energy
Management System
民生用(住宅および業務用)の一次エネルギー消費で約50%を占める冷暖房 給湯の熱
需要を分散電源排熱で賄える社会システムへ移行するための段階的ソフト+ハード技
術。発電用の一次エネルギー消費と再生可能エネルギー利用のみで、熱需要のためだ
けに一次エネルギー消費することを避ける社会システム構築を段階的に目指す総合技術
開発。大幅な民生用エネルギー消費削減を目指す社会インフラ技術・制度。熱需要のあ
るところに熱需要にあった容量の電源を置き、過不足する電力を自由にグリッドに出し入
れできるエネルギーシステム構築を目指す。ITを利用した知的設備・機器制御による
HEMSやBEMSなどはCEMSを進めるための重要な技術の一部。
アメリカのサスティナブルな都市政策の一つ。長期の視点と全体最適の観点から従来自
治体レベルで進められていた都市計画を州政府レベルで展開するという成長抑制策であ
る。都市中心部と校外を包括的に把握することによって都市の効率的制御を可能にし、
環境負荷を最小限に抑える政策で、連邦環境保護局が中心となって「スマートグロース・
ネットワーク」が発足している。わが国においても問題が顕在化している中心市街地や少
子高齢化に伴う都市のあり方など特に都市をコンパクト化する技術は今後研究が必要で
ある。
C(Check)・A(Action)・P PDCAとは、P(Plan)・D(Do)・C(Check)・A(Action)という省エネ活動の「計画」「実施」
(Plan)・D(Do)
「監視」「改善」サイクルを表す。このサイクルの順番はC(Check)から始めるべきだとの主
張がある。
省エネルギーの効果を検証する技術で計測計量に関する手法なども含まれる総合的な
計測計量及び検証に関わ Technology of
技術。一般にはESCO事業において省エネルギープロジェクトが削減したエネルギーの量
る技術
Measurement &
を証明あるいは監査するための方法として用いられる技術で、契約段階でその手法に関
Verification
し合意をとる必要があるため国際的なプロトコルとしてIPMVPなどが提唱されている。今
後ESCO事業のみならずエネルギーの削減量を評価することは省エネの推進において
重要な要素になる。
白物家電のうち、冷蔵庫、エアコン、給湯機、食器洗い乾燥機、生ごみ処理機、洗濯乾燥
機、調理家電など製品の目的に加熱・冷却が求められる家電製品をいう。
日本文
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Hybrid Electric Vehicle
Hybrid Electric Vehicle
Hybrid Electric Vehicle
Electric Vehicle
Fuel Cell Vehicle
Homogeneous Charge
Compression Ignition
Continuously Variable
Transmission
パラレルHEV
シリーズHEV
シリーズパラレルHEV
EV
FCV
HCCI
CVT
電気自動車
燃料電池車
燃料と空気をあらかじめ混合させた予混合気をシリンダーに送り圧縮する。高圧縮するこ
とにより予混合気は加熱され自己(自然)着火する機関。
長所は火炎伝播限界を超えた希薄燃焼が可能であるため低公害、高効率、均一燃焼、
火炎温度の低下により低Noxである。
課題として、着火時期、燃焼期間の制御が未確立、未燃HC、COの排出量が多い。
シリーズ方式はモータが最大出力を供給する必要があり、小型・軽量・低コスト化に適し
ない。一方、シリーズ方式は乗用車ほど低コスト化要求が厳しくないバス、鉄道車両や潜
水艦で実用化されている。
シリーズ・パラレル併用では、最大出力時にエンジンとモータが半分ずつの負荷を担うた
め小型・軽量・低コスト化の適している。
エンジンで発電機をまわし、その電気でモーターを回して駆動する方式。
エンジンとモーターが並列に配置され、ともに車輪を駆動する方式。発進時には電気モー
ターで、巡行時はエンジンで、加速時にはエンジンとモーター両方で駆動する。
近年、欧米を中心とする各都市において都市内の道路交通渋滞緩和と環境問題の解消
を図るために導入が進められている新しい交通システムであり、諸外国においては従来
の路面電車との違いを意識して、「路面のみならず地下、高架も走行でき、市街地では歩
行者との共存、郊外では専用化された軌道を高速走行する近代的な高性能な車両を使
用するシステムである。」とされている。
先進交通社会確立技術 用語集
英文
内容
Radio Frequency
RFタグ/ICタグを自動認識するシステム。
Identification
Radio Frequency Tag
RFタグは、非接触ICチップを使った記憶媒体とアンテナを埋め込んだプレート(タグ)で、
Integrated Circuit Tag
衣類や電化製品などの商品に取り付けて使用する。RFタグには取り付けた商品の商品
情報などが書き込まれており、人の出入りの激しい店舗において商品の万引き防止など
セキュリティに使われるほか、倉庫や運送など物流の場面では商品を取り出さずに検品
できるなどの利点がある。
Intelligent Transport
最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークする ことにより、
Systems
交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい 交通システ
ム。
Electronic Toll Collection 検札所の通過をスムーズ に行うために自動で料金を精算するシステム。
Light Rail Transit
無段変速機
日本文
電波方式認識
LRT
ETC
ITS
RFタグ/ICタグ
RFID
項目
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エコノミ走行支援
走行支援システムは、(1)情報提供機能(2)警報機能(3)操作支援機能という3つの機能でド
ライバーを支援する。走行時の安全性を確保しより経済的な走行を支援する。
パワーを必要としない場合には、バルブ制御により4気筒のうち3気筒を休止(燃料供給中
止)あるいは4気筒すべてを休止する。これにより燃料消費量を抑え、低燃費も実現する。
可変気筒エンジン
variable cylinder engine
パワーを必要としない場合には、バルブ制御により4気筒のうち3気筒を休止(燃料供給中
止)あるいは4気筒すべてを休止する。これにより燃料消費量を抑え、低燃費も実現する。
気筒停止
家庭用電源で電池を充電できるハイブリッド車。一般的なハイブリッド車よりも電池の容量
を増やすことで,モータによる電気自動車モードで走行できる距離を長くする。長距離走
行や高速走行などはエンジンとモータによるハイブリッド車モードで駆動する。
バイモーダルとは、線路上とともに道路上も走行可能な車両システム。線路上では高効
率な電動機で道路上ではエンジンで走行する。
identifier
船の中にトレーラーが自走して乗り込むことが 可能な構造となっており、クレーンを使わ
ずに直接貨物の積み降ろしが出来る船
メタノール2分子を脱水反応させエーテル結合したもので、スプレー剤等として利用されて
いる。メタノールを経ずに、天然ガス、炭層メタンの水蒸気改質、石炭やバイオマス等のガ
ス化によって得られる合成ガスから直接製造する技術が実証、確立されつつある。LPG
に近い物性で容易に液化してハンドリングに優れ、LPGの代替燃料、燃料電池用等のク
リーンな次世代燃料として期待されている。セタン価が高くディーゼルエンジン向きであ
り、酸素含有率が高く黒煙が出ないため、環境負荷の少ないディーゼル燃料としても期待
されている。
エタノール と石油系ガスであるイソ. ブテンを合成して生成する物質。現行の品質確保法
上では、ガソリンの含酸素率の上限値が1.3%となっていることから、ETBEでは7%程度まで
混入可能と見られる。バイオマス由来の燃料(バイオ燃料)として、バイオガソリンと呼ば
れることもある。
より対線や同軸ケーブル、光ファイバーなどを使って、同じ建物の中にあるコンピュータや
プリンタなどを接続し、データをやり取りするネットワーク。
バイモーダルカー/トラック
車両IDシステム
プラグイン・ハイブリッド車
Roll On Roll Off Ship
RORO船
ロールオンロールオフ船
Local Area Network
エチル・ターシャリー・ブチ
ル・エーテル
ETBE
Dimethyl Ether
先進交通社会確立技術 用語集
英文
内容
Gas to Liquid
天然ガスを原料としてFT(フィッシャー・トロプシュ)反応により製造された灯軽油等の合成
液体燃料。
LAN
ジメチル・エーテル
日本文
DME
GTL
項目
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車両のホイール部にモーターを内蔵したシステム。各車輪にそれぞれモータを内蔵するこ
とで従来のエンジンからの駆動伝達部分(駆動軸、ディファレンシャル等)を省略できる。
利用者は携帯電話等で乗車予約ができ、またバス停ではバスの位置、待ち時間、目的地
の到着時間を知る事ができる。運転手には予約情報により運行ルートの変更を指示す
る。これによりバスの利便性を高めつつ、ムダな走行を低減する小型バスシステム。
材料はどの部分をとってもみな同じ機能や性質を持つが、例えば、表面は耐熱性があり
背面は機械的強度が強い材料が求められる場合がある。異なる性質の材料を単純に張
り合わせるのではなく、境目をなくすように、連続的に異なる材料を混ぜあわせて作り、機
能がなだらかに変化(傾斜)する材料。
インホイールモーター
デマンドバスシステム
傾斜機能部材
Functionally Graded
Materials
ある時間毎に(例えば30秒程度)バスから送信される位置情報(緯度・経度)を元にバスの
運行情報を表示するシステム。
バスロケシステム
ドライバーによっては安心感からどうしても幹線道路を選択する傾向にある。そのために
需要にアンバランスが生じて特定の道路に車が集中して渋滞が発生する状況になってい
る。各車線毎に、かつ各車両毎に、それぞれの目的地・走行上の条件等を考慮し,最適な
走行車線、直進右左折等の走行方向を指示するとともに地域に適正に交通流を配分す
る。
路車間通信は、道路に設置された無線設備(基地局及び空中線)と車両に搭載された車
載器から構成し、基地局と車載器の間で双方向の無線通信を行う。この無線信号の届く
範囲は数十m程度に限られており、その区域内で情報を瞬時に交換する路車間通信方
式。
車と交差点が無線通信により直接情報を交換し、信号を安全かつ無停止で通過する、多
くの車が高密度で通過できるよう制御する交差点
先進交通社会確立技術 用語集
英文
内容
Dynamic Route Guidance 幹線道路だけでないすべての道路からの交通情報を利用し、過去の蓄積情報から曜日・
System
時刻・天候別の経路、所要時間を予測し 、リアルタイム情報から蓄積情報を修正・更新し
ながら交通情報を動的にドライバーに提供する技術。
道路の構造上、交通渋滞が起こりやすい場所。高速道路において、下り坂がゆるやかに
上り坂に変化するような場所は、下り坂では自然にスピードが出ているが、前の車は上り
坂であるため自然にスピードが落ちる場所のことをいう。
日本文
サグ
交差点高知能化
狭域路車間通信
経路配分誘導
項目
動的経路誘導
20/23
電磁干渉
スイッチングロス
EMI
Eoff
集積回路
絶縁ゲート型バイポーラト
ランジスタ
インテリジェントパワーモ
ジュール
接合型電界効果トランジス Junction Field-Effect
タ
Transistor
LSI
IC
IGBT
IPM
JFET
LSI
Large Scale Integration
Intelligent Power Module
Insulated Gate Bipolar
Transistor
Integrated Circuit
ヘテロ構造電界効果トラン Heterostructure Fieldジスタ
Effect Transistor
Electric Vehicle
Hybrid Electric Vehicle
Gate Commutated
Turn−off
Electromagnetic
Interference
Switching Loss
HFET
ゲート転流形ターンオフ
deep反応性イオンエッチン Deep Reactive Ion Etching シリコンの複雑な構造物を製作するためなどに広く用いられている。微細加工に適した高
グ
精度のエッチングが可能。
Deep RIE
EV
HEV
GCT
バイポーラ接合トランジスタ Bipolar Junction Transistor P型とN型の半導体を接合したもので、エミッタ・ベース・コレクタと呼ばれる端子を持つ一
般的なトランジスタ
IC(集積回路)の同義語。
MOSFETをゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタ。ゲート・エミッタ間の電圧で駆動
され、入力信号によってオン・オフができる自己消弧形であるため、大電力の高速スイッ
チングが可能。
電力を制御するパワーMOSFETやIGBT などのパワーデバイスの駆動回路や自己保護機
能を組み込んだパワーモジュール。従来の種々のIGBTに合わせた駆動回路や保護回路
の設計が不要となり、制御回路の低速フォトカプラでの絶縁が可能になるなどの効果があ
る。
PN接合を逆バイアスして形成された空乏層領域をゲート電圧で増減しチャネル制御する
トランジスタ。
トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基板の上に装着し、各種
の機能を持たせた電子回路。
異種の半導体が接する界面を流れる電流量を、この電流に垂直な方向に電界を加えるこ
とで制御することのできるトランジスタの総称。
電気自動車
ハイブリッド自動車
ゲートドライブ回路と素子を低インダクタンスの積層基板で接続することにより、インダクタ
ンスを低減した、省エネ型サイリスタの1形態。
不要な電磁波によって他の機器に影響を与え、希望する電磁気信号に障害が起こるこ
と。
スイッチ素子が「オン」から「オフ」あるいは「オフ」から「オン」に変わる過渡的な期間にお
いて、スイッチ素子で発生する電力損失。
セラミックス構造材料として使われている材料で、近年、実用的な半導体素子材料にも
なっている。
BJT
Silicon Carbide
シリコンカーバイト
インジウムにリンを加えることで、化合物半導体となる。高速電子デバイス用結晶、
MISFET、半導体デバイス太陽電池、赤外線用半導体レーザ素子などに利用される。
SiC
Indium Phosphide
次世代省エネデバイス技術 用語集
英文
内容
Gallium Nitride
主に青色発光ダイオードに用いられる半導体材料。
インジウムリン
日本文
窒化ガリウム
InP
GaN
項目
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PN間に電気抵抗の大きな半導体層をはさみ少数キャリア蓄積効果を大きくし逆回復時間
を長くしたダイオード。高周波スイッチングに使用される。
パーソナルコンピューター
衛星通信用の屋外機器
電荷を運ぶ「キャリア」に自由電子が使われる半導体。高純度のケイ素(シリコン:Si)の中
に、ケイ素より価電子数の一つ多い5価元素のヒ素(As)などをごく微量混ぜることにより生
成される。ダイオードやトランジスタ などの半導体素子は、n型半導体とp型半導体を組み
合わせることによって生まれる。
電荷を運ぶ「キャリア」に正孔(ホール)と呼ばれる電子の欠落が生まれ、これが移動する
ことによって電流が生じる半導体。高純度のケイ素(シリコン:Si)の中に、ケイ素より価電
子数の少ない3価元素のホウ素(B)を加えることにより生成される。
酸化皮膜と半導体の境界面
ゲート部分が半導体の酸化皮膜上の金属電極になっているトランジスタ。
金属、絶縁体、半導体の境界面
ゲート部分が金属電極と半導体の直接接合になっているトランジスタ。
オン抵抗
ショットキーバリアダイオー Schottky Barrier Diode
ド
シリコン制御整流素子
RonA
SBD
SCR
金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオード。スイッチン
グ特性が優れているため、標準ロジックICの高速化、オーディオ機器の電源回路、スイッ
チング電源で使用される。
FETがオン状態のときの、FETのドレイン電極とソース電極間の抵抗値に素子の面積を掛
けたもの、オン抵抗が小さいほど挿入損失が小さくなります。
Silicon Controlled Rectifier サイリスタの別名
Specific on-resistance
Reverse conducting IGBT
逆導通IGBT
Positive-Negative junction p型半導体とn型半導体を接合したもの、またはその接合点。整流性、エレクトロルミネセ
ンス、光起電力効果などの現象を示すほか、接合部には電子や正孔の不足する空乏層
が発生する。
Reverse Blocking IGBT
逆阻止IGBT
逆阻止IGBT
PN接合
PN接合
P-intrinsic-N Diode
逆導通IGBT
PiNダイオード
PiNダイオード
Personal computor
RB-IGBT
パーソナルコンピューター
PC
Out Door Unit
n-type semiconductor
Metal Semiconductor
Field-Effect Transistor
Metal-InsulatorSemiconductor Interface
Metal Oxide
Semiconductor FieldMetal Oxide
Semiconductor Interface
p-type semiconductor
次世代省エネデバイス技術 用語集
英文
内容
Multi Chip Module
基板の上に、むき出しのシリコンチップを複数個を搭載したモジュール。立体的構造がと
れるため、従来のパッケージよりも面積を節約することができる。
RC-IGBT
屋外機器
金属半導体形電界効果トラ
ンジスタ
金属/絶縁体/半導体界
面
金属酸化膜型電界効果トラ
ンジスタ
金属酸化膜/半導体界面
日本文
マルチチップモジュール
ODU
n型半導体
p型半導体
MOS界面
MOSFET
MIS界面
MESFET
MCM
項目
22/23
ワイマックス
WiMAX
エピ欠陥、エピ積層欠陥
ゲート酸化膜
高周波用HFET
電流コラプス
サイリスタ
Schottky Barrier Diode
ショットキーダイオード、
ショットキーバリアダイオー
ド
エピ欠陥
ゲート酸化膜
高周波用HFET
電流コラプス
サイリスタ
ショットキーダイオード
Thyristor
Gate Oxide
High frequency
heterojunction field effect
transistor
Current Collapse
Epitaxial defects
burid epitaxial layer
埋め込みエピ
埋め込みエピ
Wafer
ウェーハ
ウエーハ
Worldwide Interoperability
for Microwave Access
コレクタ-エミッタ間飽和電 collector-emitter
圧
saturation voltage
Technology Computer
Aided Design
TCAD
Vce(sat.)
Silicon on Insulator Wafer
SOIウエーハ
システムオンチップ、システ System on Chip
ムLSI
SoC
Superjunction device
金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオード。スイッチン
グ特性が優れているため、標準ロジックICの高速化、オーディオ機器の電源回路、スイッ
チング電源で使用される。
GaN系トランジスタにおける表面トラップの影響により大電力動作時にドレイン電流が低下
する問題
3つ以上の接合部を持った半導体素子の総称。最も広く用いられているSCR(商品名、3
極伝導サイリスタ)やトライアック(商品名、3極双方向サイリスタ)などがある。
MOSFETのゲート領域における絶縁膜。酸化Siの膜が多く使用される。
高周波デバイスに使用するHFET
エピタキシャル層に部分的にエッチングをしてできた孔に再度異なる伝導型のエピタキ
シャル層を再成長するもの。
素子の性能を阻害する基板上に結晶成長させた薄膜中における欠陥。欠陥の種類は複
数あり、種類によって素子に及ぼす影響は異なる。
ICチップの製造に使われる半導体でできた薄い基板。シリコン製のものが多く、これを特
に「シリコンウェハ」と呼ぶ。
高速通信光・メタル回線の敷設やDSL等の利用が困難な地域で、ラストワンマイルの接続
手段として期待されている無線通信技術の一規格。
トランジスタのベース電流に対して、コレクタとエミッタの間にかかる最低限の(飽和状態
時の)電圧。
電子デバイスやその作製プロセス、システムをコンピュータ上で開発、モデリング、最適化
する手法。
Si基板と表面Si層の間にSiO2を挿入した構造の基板。トランジスタの寄生容量を減らせる
ため、動作速度向上と消費電力削減に効果がある。
マイクロプロセッサ、チップセット、ビデオチップ、メモリなどの機能を1つのチップに集積し
たもの。実装面積が縮小し、消費電力も複数チップに比べ抑えられる。
P型とN型の柱が交互に存在することにより高耐圧と低抵抗を実現した半導体素子
次世代省エネデバイス技術 用語集
英文
内容
Static Induction Transistor 半導体のpn接合により電流をオン/オフするタイプのトランジスタ。チャネルが半導体内部
にあり、界面の影響を受けずにすむため、損失低減に有利。
超接合素子
日本文
静電誘導トランジスタ
SJ素子
SIT
項目
23/23
ワイドバンド半導体
Matrix Converter
Micropipe
Normallyon
Heteroepitaxial Growth
Normallyoff
Doping
Dislocation Density
Dislocation
Channel mobility
Switching Heterojunction
field effect transistor
Softswitching
switching regulator
vacuum device
バンドギャップの大きい半導体。III-V族半導体、特にGaNなど窒化物半導体が含まれる。
発光ダイオードなどの光半導体、低損失のパワーデバイスなどへの応用がある。
三相交流電力を別の周波数,電圧の交流電力に直接変換するもの。
エピタキシャル欠陥のひとつ。マイクロパイプと呼ばれる孔状の欠陥が生じるもの。
ゲートに電圧を印加していないと電流が流れない素子のこと。ほとんどのパワー素子がこ
の型である。
ゲートに電圧を印加していない時にも電流が流れるパワー素子。
薄膜結晶成長技術のひとつ。基板となる結晶の上に基板とは異なる物質の結晶成長を
行い、下地の基板の結晶面にそろえて配列する方式。
電子や正孔(キャリア)の濃度調整、禁制帯幅などのバンド構造や物理的特性などの制
御など、半導体の性質を変える目的で、結晶に少量の不純物を添加すること。
エピタキシャル欠陥のひとつ。 結晶がその中のある面に沿ってずれることによって生じ
る。
転位欠陥が起きたときの、転位欠陥の規模を示す指標。ある一定領域における転位欠陥
面積の量。
トランジスタ(MOSFET)の性能指標の一つで、トランジスタ内を電子が流れる速度を表わ
す。この数値が大きいものほどトランジスタのオン抵抗が下がり、動作スピードが速い。
半導体スイッチのターンオンまたはターンオフ時の電圧、電流波形を変形させ,スイッチン
グ損失を小さくさせると共にサージ電圧または電流を低減させる方式。スイッチング電源
の省エネルギーに貢献する。
電力を変換・調整するためにスイッチング素子(電気回路の一部をON/OFFできる素子)
を用いた電源装置。特に、直流電力を別の直流電力に変換するDC-DCコンバータ、およ
び交流電力を一定の直流電力に変換する整流装置によって構成された電源装置を指す
ことが多い。
スイッチングデバイスに使用するHFET
真空中の電子の運動を利用する電子デバイス。
次世代省エネデバイス技術 用語集
英文
内容
Schottky barrier metal
金属と半導体との接合がショットキー障壁になる金属のこと
ワイドバンド半導体、ワイド Wide Band Gap
ギャップ半導体
Semiconductors
マイクロパイプ欠陥、中空
貫通欠陥
マトリックスコンバータ
マイクロパイプ欠陥
マトリックスコンバータ
ノーマリーオン
ヘテロエピ成長、ヘテロエ
ピタキシャル成長
ノーマリーオン
ヘテロエピ成長
転位欠陥
転位欠陥
ノーマリーオフ
チャネル移動度
チャネル移動度
ノーマリーオフ
ソフトスイッチング
ソフトスイッチング
ドーピング
スイッチング用HFET
スイッチング用HFET
ドーピング
スイッチング電源
スイッチング電源
転位密度
真空デバイス
真空デバイス
転位密度
日本文
ショットキー電極
項目
ショットキー電極
Fly UP