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よ う こ そ フ ー ガ の 森 へ よ う こ そ フ ー ガ の 森 へ

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よ う こ そ フ ー ガ の 森 へ よ う こ そ フ ー ガ の 森 へ
バ
ッハほど多様な魅力を持った音楽を書いた人はいないで
しょう。バッハのメロディ、バッハのハーモニー、バッハのリ
ズム……音楽の全ての要素に、バッハの個性が刻印されていま
「フーガの技法」ってどんな作品?
1751年の初版は、19曲のフーガと4曲のカノン、1曲のコラー
今
回の山手プロムナード・コンサートでは、
4台のヴィオラ・ダ・
ルから成るものの、ベルリン国立図書館にあるバッハの自筆譜と
ガンバによるいわゆるガンバ・コンソートに、コルネット、オー
は曲の配列や内容が異なっていて、構成や曲順に関しては現在
ボエ・ダ・カッチャ、
トロンボーン、ファゴット、そして 2 台の鍵盤
でも研究者のあいだに議論があります。
自筆譜によれば基本的には次の6グループの音楽から成り
す。そのバッハの音楽を他から際だたせているもの、それは何と
楽器を加えた特殊な楽器編成で演奏します。
ヴィオラ・ダ・ガン
言っても
「フーガ」
という作曲技法でしょう。多声音楽において、
バは低音の独奏楽器としてよく知られていますが、今回は、
ヴァ
立っています。
「テーマ」
と呼ばれる旋律が、種々の規則に従って異なる声部の
イオリンと同じ音域をもつ珍しい高音用のヴィオラ・ダ・ガンバが
①単純フーガ
間で模倣され、掛け合うのが「フーガ」です。フーガというタイト
活躍します。
ヴァイオリンに比べると遙かに柔らかい音色で、ル
②反行フーガ(主題がその転回した形で応答されるフーガ)
ルは、イタリア語の「逃げる」
という意味の言葉から発したので、
ネッサンス/バロック当時には「貴族の楽器」
として称賛されたも
③複数の主題によるフーガ(二重フーガ、三重フーガ)
日本語ではかつて「遁走曲」
と呼ばれましたが、逃げる者があれ
のです。
④鏡像フーガ(ひとつのフーガの楽譜の下に鏡をおいて映し出
ば、追いかける者もあります。音楽におけるこの追いかけっこが、
バッハの音楽におけるスリルと興奮、そして深い感動の源泉なの
今
回用いるコルネットは、やはりルネッサンスからバロックにか
けて特に教会音楽の分野で好まれた、
「木と皮で出来た
したかたちでも、きちんとした音楽になるフーガ)
⑤2声のカノン
バ
金管楽器」です。この楽器をトロンボーンと共に用いると、神秘
⑥3つの主題のためのフーガ
ッハの主要な作品には、それがカンタータや受難曲のよう
的でこの世のものとは思われない響きとなります。オーボエ・ダ・
ただし、これらの演奏に関するバッハによる具体的楽器指定は
な教会音楽でも、管弦楽組曲やブランデンブルク協奏曲
カッチャとは「狩のオーボエ」の意。湾曲した管にラッパのような
のようなオーケストラ曲でも、フルートやヴァイオリンのための室内
頭部の付いたこの中音用のオーボエは通常のオーボエとは全く
楽曲でも、チェンバロやオルガンのような鍵盤音楽でも、多数の
似て非なる響きがします。
です。
フーガが含まれているのは周知の通りです。そして、彼は生涯
の最後の数年間に、自分のフーガとの取り組みの総決算をして、
それを2つの作品にまとめ上げました。それが、
《ロ短調ミサ曲》
と
《フーガの技法》です。
《ロ短調ミサ曲》は合唱フーガの集大成
ようこそ
フーガの森へ
∼異次元のバッハ∼
こ
のような珍しい楽器の組み合わせによる「別世界のアンサ
ンブル」が作り出す妙なる響きによる《フーガの技法》の特
別な世界は、まさに「異次元のバッハ」
と呼ぶにふさわしいものと
なるでしょう。
オーボエ・ダ・カッチャ
ありません。
演奏前に13 時15 分から
プレ・トークを開催します!
ヴィオラ・ダ・ガンバ
音楽監督・渡邊順生とコンサート・ソムリエの朝岡聡が
であり、
《フーガの技法》は全てが単一の主題から紡ぎ出されま
渡邊順生
す。これらの作品は、音楽史上の不滅の金字塔であると共に、
チェンバロ
音楽が最も偉大であった『バロック』
という時代への挽歌となった
のです。
コルネット
開演前にプレ・トークを行います。
「フーガの技法」
を実
際に聴く前に、作品のツボと聴きどころを分かりやすくお
話します。これを聞いてから本番演奏に臨めば「フーガの
森」が興味深く楽しめる事、請け合い!
山
手プロムナード・コンサートでは、今年と来年の 2 度にわた
11月25日(日)は是非 ! プレ・トークから会場に足をお
り、これらのバッハ最晩年の傑作を取り上げることとなりま
運びください。
した。
まず、今年の秋が
《フーガの技法》
、
そして来年の秋には
《ロ
短調ミサ曲》を演奏します。
《フ
ーガの技法》は、その中に含まれる2 組のフーガを除いて、
トロンボーン
他は全てチェンバロ独奏のために作曲されました。しか
し、この作品の特殊な性格と偉大さを一般にわかりやすく伝える
※当日、使用する楽器とは異なります。
ために、様々な楽器のための編曲が試みられています。
お話:朝岡聡
濱田芳通
コルネット
江崎浩司
オーボエ
宮下宣子
トロンボーン
田 將
ファゴット
平尾雅子
ヴィオラ・ダ・ガンバ
神戸愉樹美
ヴィオラ・ダ・ガンバ
福沢 宏
ヴィオラ・ダ・ガンバ
櫻井 茂
ヴィオラ・ダ・ガンバ
崎川晶子
チェンバロ
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