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2009年間報告PDF

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2009年間報告PDF
Okayama University Formula Project’ 09
年間報告書
2008.10~2009.11
当社は、FRP(繊維強化プラスチック)のパーツ専門メーカーとして、 FRP の強みを活かした
少量多品種生産の分野へ FRP パーツの企画、設計、試作、製造まで一貫体制でご要望に
お応えしております。また、提案型企業として製品開発のお手伝いを致します。
当社の主な受注製品
自社開発商品
製造・販売
2
Bluetooth でデータ転送可能な
CEM3-BT も発売開始
2
2009/9 版
総合製品案内
東日の主要手動式トルク機器は ISO6789 の校正手順に準拠し、EU 圏を含む海外で安心してご利用できます。
石原ラジエーター工業所
http://www.ishihara-radiator.com/
AVO/MoTeC JAPAN
http://www.motec.jp/
株式会社エフ・シー・シー
http://www.fcc-net.co.jp/
FC デザイン株式会社
http://www.fc-design.com
岡山国際サーキット
http://www.okayama-international-circuit.jp/
岡山科学技術専門学校
http://www.oist.ac.jp/
川崎重工業株式会社
http://www.khi.co.jp/index.html
協和工業株式会社
http://www.kyowa-uj.com
倉敷化工株式会社
http://www.kuraka.co.jp/
有限会社ケイマックススピード
http://www.k-maxspeed.com/.
スズキ株式会社
http://www.suzuki.co.jp/
住鉱潤滑剤株式会社
http://www.sumico.co.jp/
ソリッドワークス・ジャパン株式会社
http://www.solidworks.co.jp/
ダイハツ工業株式会社
http://www.daihatsu.co.jp/index_f.htm
株式会社テイクオフ
http://www.k-takeoff.com/index.html
テクノイルジャポン K.K.
http://www.motul.co.jp/
株式会社デンソー中国
http://www.denso-chugoku.com/
東海バネ工業株式会社
http://www.tokaibane.com/
株式会社東京アールアンドデー 厚木事業所
http://www.r-d.co.jp/
日進機械 岡山営業所
http://www.nissin-kikai.co.jp/
日信工業株式会社
http://www.nissinkogyo.co.jp/
ニッポンレンタカーサービス株式会社
岡山営業所
http://www.nipponrentacar.co.jp/
福島化工
株式会社ブリヂストン
http://www.bridgestone.co.jp
株式会社プロト
http://www.plotonline.com/
三国工業株式会社
http://www.mk392.co.jp/index2.html
三菱自動車工業株式会社 水島製作所
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
三菱マテリアルツールズ株式会社
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/index.html
株式会社ヤスヒラ
株式会社三星製作所
http://www.mstonbo.co.jp/
ラストラーダ
http://www.lastrada.ne.jp/
ライドオン岡山
株式会社レイズ
http://rayswheels.co.jp/
2009 Okayama University Formula Project
目次
1. はじめに
1.1. 2009 年度プロジェクトリーダーより
1.2. 学生フォーミュラ大会(Formula SAE)の設立に関して
1.3. OUFP の設立に関して
2. 2009 年度の OUFP
2.1.
2.2.
2.3.
2.4.
組織
メンバー
開発仕様
活動日程
3. OUFP-05 車両説明
3.1. コンセプト「加速・旋回性能の向上」
3.2. 各パーツ説明
4. 第 7 回大会全日本学生フォーミュラ大会について
4.1. 第 7 回大会結果
4.2. 各種目別考察
4.3. 第 7 回大会でのエンジントラブルに関して
5. 2009 年度チーム反省
5.1. 先行開発班
5.2. シャシ班
5.3. マネージメントと設計・製作の兼任
6. 2009 年度収支決算
7. 2010 年度チームに関して
7.1. マシンコンセプト
7.2. 2010 年度予算計画
8. 2009 年度スポンサー様一覧
-1-
2009 Okayama University Formula Project
1. はじめに
1.1. 2009 年度プロジェクトリーダーから
日頃は大変お世話になっております.この冊子には,新チーム結成時の 2008 年 10 月か
ら第 7 回大会が開催された 2009 年 9 月まで,加えて第 8 回大会出場予定の 2010 年度チー
ムが活動を始めた 2009 年 10,11 月の活動記録を掲載しております.2009 年度チームでは,
勝てる車体だけでなく,よりよいチームを目指し様々な試みを取り入れメンバーが一丸と
なって活動してきました.
様々な企業・個人の方々から数々のご支援を受け,我々は大きな問題もなくこの活動に力
を注ぐことができております.活動を支えて下さっている全ての皆様に心より御礼申し上
げます.
岡山大学 フォーミュラプロジェクト
2009 年度プロジェクトリーダー
高橋 直也
1.2. 学生フォーミュラ大会(Formula SAE)の設立に関して
学生フォーミュラ大会は 1981 年に,教室の中では優秀なエンジニアが育たないことにい
ち早く気づいた米国が『ものづくりによる実践的な学生教育プログラム』として Formula
SAE (SAE International 主催)を開催したことが始まり,現在ではアメリカをはじめ,イ
ギリス(Formula Student 1998~),オーストラリア(Formula SAE-A 2000~)で同様の大会
が開催されている.日本では全国的なものづくりコンテストとして,鳥人間コンテスト,
ソーラーカー大会,ロボットコンテストが開催されていたが,自動車技術分野においては
そのような大会は存在しなかった.その間アメリカでは Formula SAE というものづくり
コンテストの歴史を積み重ねていった.このような経緯を経て,日本では 2003 年より自動
車技術会主催のもと「全日本学生フォーミュラ大会―ものづくり・デザインコンペティシ
ョン―」として米国の Formula SAE と同様のルールに日本独自のローカルルールを加え,
大会が開催されている.
日本大会では 2009 年度で第 7 回目の開催となり,過去 6 回の開催において当初 17 チー
ムという参加校であったのに対し,第 2 回大会 34 チーム,第 3 回大会 45 チーム,第 4 回
大会 51 チーム,第 5 回大会 62 チームエントリーし,参加チームは年々増加している.第
6 回大会からは書類選考が導入され大会参加上限 65 チームとなり,海外からのエントリー
も含めて第 6 回大会 77 チーム,第 7 回大会 80 チームのエントリーとなった.
学生が主体となって大会出場用の車体の開発・製作することにより,ものづくりの本質や
そのプロセスを学び,ものづくりの厳しさ・おもしろさ・喜びを実感するだけでなく,車
体のマーケティング,企画・設計・製作,コスト管理等のものづくりにおける実践力を向
上させることが可能なため,学生に対しては自己能力向上の場として,企業に対しては将
来を担う有能な人材を発掘する場としても効果的である.
-2-
2009 Okayama University Formula Project
1.3. OUFP の設立に関して
岡山大学フォーミュラプロジェクト(以下 OUFP)は,2004 年 10 月に,1 年目のプロジ
ェクトリーダーである福原の提案のもと,機械工学科有志が集まり工学部機械工学科のバ
ックアップを受け創設された.当時のメンバーは 2 回生 6 名,1 回生 3 名の 9 名であり,
「車
が好き」であったり,「ものづくりが好き」な学生ばかりであった.
2009 年度チームメンバーの多くも機械工学科に所属しているが,工学部システム工学科,
環境理工学部所属のメンバーもおり,所属学部にまったくとらわれない活動を行っている.
2. 2009 年度の OUFP
2.1. 組織
2009 年度チームでは新しく先行開発班を設け新規パーツ・アイデアの提案・設計・製作
を行った.またフレーム班とサスペンション班を統合しシャシ班とし,より情報交換が増
え相互理解が深まることを狙った.
2.2. メンバー
以下に 2009 年度のメンバーを紹介する.4 回生が 4 名,3 回生が 4 名,2 回生が 4 名,1
回生が 6 名で構成されており,Dr はドライバー担当を示している.1 回生は 2010 年度よ
り担当を持つ.
※ ★は兼任
z
マネージメント班
工学部機械工学科 3 回生
高橋
直也
プロジェクトリーダー,コスト審査
河田
良介
プロジェクトサブリーダー,デザイン審査,Dr
工学部機械工学科 3 回生
大浦
佑介
佐々木
祐太
環境理工学部環境物質工学科 4 回生
渉外
工学部機械工学科 2 回生
会計,Dr
工学部機械工学科 1 回生
森
啓貴
z
パワートレイン班
鬼丸
裕美
吸排気系,潤滑系
工学部機械工学科 3 回生
澤田
雅人
冷却系,電装系,Dr
工学部機械工学科 2 回生
小山
恵
z
工学部機械工学科 1 回生
シャシ班
河田
良介
リーダー,フレーム,燃料系
上田
篤史
アーム,ハブ,Dr
小林
ミカ
カウル,ホームページ
★
工学部機械工学科 4 回生
環境理工学部環境数理学科 3 回生
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2009 Okayama University Formula Project
高橋
直也
ばね周り
★
板野
光司
ブレーキ,アクセル,ドライブトレイン,プレゼンテーション
工学部機械工学科 2 回生
佐々木
祐太
クラッチ,シフト,内装,インパクトアッテネータ
工学部機械工学科 2 回生
二川
卓也
青木
克也
工学部機械工学科 1 回生
竹國
友裕
工学部機械工学科 1 回生
日出
桂太
工学部機械工学科 1 回生
福島
倫明
工学部機械工学科 1 回生
z
ステアリング,アップライト
★
先行開発班
家守
進
工学部システム工学科 4 回生
藤谷
宇
工学部機械工学科 4 回生
z
河原
ファカルティアドバイザー
伸幸
自然科学研究科
図 2-1
産業創成工学専攻
溶接場(左)
,ラックアンドピニオン(右)
図 2-2
OUFP-05(2009 年度車両)
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2009 Okayama University Formula Project
2.3. 開発仕様
以下に,各部品の担当者,部材,使用工具,支援団体を示す.ほぼすべての部品製作にあ
たっては技術教官の指導を受け創造工学センターの設備を使用し,製作している.なお恐
縮ですが支援団体の敬称は省略させていただきました.
1.
吸気系
担当者
鬼丸裕美
部品・材料
エンジン,
エアクリーナー,スロットルボディー(自作:A5052),ベアリングφ8,
TPS,スプリング,ボルト(M4),ナット(M8),
リストリクター(自作:A5052),サージタンク(自作:A1050),
インジェクター,インジェクターマウント(自作:A5052),
デリバリーレール,インシュレーター,ターボホース,ホースクランプ,
ステー(A1050),ロッドエンド(M6),ボルト(M6),ロックナット(M6),
ナット(M6)
使用工具
フライス盤,ボール盤,シャーリング,TIG 溶接機,パイプカッター,
旋盤、NC 旋盤、タップ
支援団体
川崎重工業㈱(エンジン,インジェクター,インシュレーター),
岡山大学工学部機械工学科動力熱工学研究室(動力計貸出)
,K-MAX(シ
ャシーダイナモ貸出)
2.
排気系
担当者
鬼丸裕美
部品・材料
ターボチャージャ(IHI RHF3),六角柱(SUS304)ナット(M5)
エキゾーストマニホールド(自作:STKM11A,SUS304),
フランジ(SS400),ガスケット,ホースクランプ
サイレンサー(自作:A5052)グラスウール,スチールウール,
パンチングパイプ,スプリング,ボルト(M8)
使用工具
旋盤,フライス盤,ボール盤,TIG 溶接機,パイプカッター,
ワイヤー放電加工機,タップ
支援団体
川崎重工業㈱(曲げパイプ,各種ガスケット提供)
スズキ(ターボチャージャ),テイクオフ(技術支援)
3.
燃料系
担当者
河田 良介
部品・材料
インライン型燃料ポンプ,燃圧レギュレーター,燃料フィルター,
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2009 Okayama University Formula Project
フィッティング(AN6,PT1/8),メッシュホース,ワンウェイバルブ,
燃料タンクキャップ,アルミ板(A5052 t=1.5),アルミパイプ(A5052),
アルミ柱(A5052),ボルト(M8),ナット(M8),ゴムチューブ
使用工具
せん断機,ボール盤,旋盤,TIG 溶接機
支援団体
FC デザイン(株)(インライン型燃料ポンプ・燃圧レギュレーター割引提供)
4.
冷却系
担当者
澤田 雅人
部品・材料
ラジエータ,インタークーラ,A5052 板,A5052 丸パイプ,
A1050 丸パイプ,ラジエータホース(ZX-6RR 純正),
ホースクランプ,水温センサ(Kawasaki レーシングキット),
ボルト(M6),ナット(M6),鉄パイプ(SS400),鉄板(SS400)
使用工具
シェアリング,グラインダ,TIG 溶接機,ウォーターカッタ,旋盤,
やすり,耐水ペーパ,タップ
支援団体
5.
石原ラジエータ(オリジナルラジエータ特別価格提供)
潤滑系(オイルパン、バッフルプレート)
担当者
鬼丸裕美
部品・材料
オイルパン(自作:A5052),バッフルプレート(自作:A1050),
ストレーナー,オイルポンプ,各種アダプタ,メッシュホース,
潤滑オイル,ボルト・ナット(M6),ガスケット,シールテープ,
キャッチタンク,スポンジ、ブロバイホース
使用工具
旋盤,NC フライス盤,TIG 溶接機,ボール盤、タップ,パイプカッター
支援団体
ライドオン岡山(潤滑オイル割引提供),MOTUL
6.
電装系
担当者
澤田 雅人
部品・材料
MoTec M400,M800 ハーネス,ブーストコントロールバルブ,
イグニッションモジュール,タコメータ,
DL-1(データロガー),吸気温センサ,水温センサ,圧力センサ,
ストロークセンサ,油圧センサ,GPS,
キルスイッチ,ロック式カプラー(2,3,4 極),
ギボシ端子(シングル,ダブル),鍬形端子(φ6,φ8,φ10),
丸型端子(φ6,φ8,φ10),トグルスイッチ,プッシュスイッチ,
パイロットランプ(ブルー,グリーン),リレー,
シングル配線コード(0.5sq,0.75sq,1.25sq,2.0sq),
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2009 Okayama University Formula Project
平型ヒューズホルダ,ミニ平型ヒューズホルダ,ヒューズホルダ,
アースケーブル,アース用端子,A1050 板,ボルト(M6),ナット(M6),
鉄板(SS400)
使用工具
電工ペンチ,はんだごて,シェアリング,ボール盤,TIG 溶接機
支援団体
AVO/MoTec Japan(M400,ハーネス特別価格提供),
エーモン工業株式会社(電装品提供),
7.
ドライブトレイン
担当者
板野
光司
部品・材料
デファレンシャルギア(LSD),デフマウント(自作:A2017),
ドライブシャフト,ベアリング,スプロケット,グリス,ボルト,
U ナット(M10)
使用工具
フライス盤,ワイヤー放電加工機
支援団体
㈱FCC(デファレンシャルギア提供),住鉱潤滑剤㈱(グリス提供),
NTN㈱,(ドライブシャフト,ベアリング提供)
8.
フレーム
担当者
河田 良介
部品・材料
鋼管 (STKM11A),エンジンマウント(SS400),ボルト(M8,M10),
ナット(M8,M10)
使用工具
TIG 溶接機,フライス盤,パイプカッター,旋盤
支援団体
三国工業(株)(鋼管曲げ加工支援)
9.
ブレーキ関連
担当者
板野
光司
部品・材料
ブレーキペダル(自作:鉄板 SS400),マスターシリンダー,
ブレーキローター,ブレーキキャリパー,ブレーキホース,バランスバ
ー(自作),ベアリング,ブレーキフルード(DOT4),マイクロスイッチ,
トグルスイッチ,ッシャ,銅ワッシャ,ボルト,U ナット(M6)
使用工具
旋盤,フライス盤,TIG 溶接機
支援団体
NTN㈱(ベアリング提供),㈱プロト(ブレーキホース割引提供),
日信工業㈱(マスターシリンダー,ブレーキキャリパー提供)
10. アクセル関連
担当者
板野
光司
部品・材料
アクセルペダル(自作:鉄板 SS400),スロットルワイヤー,ベアリング,
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2009 Okayama University Formula Project
ボルト,U ナット(M6)
使用工具
旋盤,フライス盤,TIG 溶接機
支援団体
NTN㈱(ベアリング提供)
11. クラッチ関連
担当者
佐々木 祐太
部品・材料
クラッチワイヤー,レバー(A5052,A2027),マウント(A2027,SS400),
カラー(SS400),ボルト(M6),ナット(M6)
使用工具
フライス盤,旋盤, パイプカッター,TIG 溶接機
12. シフト
担当者
佐々木 祐太
部品・材料
PINGEL エレクトリックシフター,エーモン スイッチ,ナット(M6),
リンケージ(A2017),ロッド(A1050),アングル(t=4.0),
スイッチステイ(A1050),ボルト(M6), ロッドエンド(M6)
使用工具
フライス盤,旋盤,ボール盤,TIG 溶接機
支援団体
エーモン工業㈱(スイッチ提供),ダイハツ工業㈱(ロッドエンド提供)
13. ステアリング
担当者
二川 卓也
部品・材料
ベアリング,鉄パイプ(HTB590),鉄板(SS400,t=1.6),丸棒(SS400,
φ=20),ロッドエンド(M8),カラー(A2017),丸ラック,歯研平歯車,
ラックマウント(A2017),C 型止め輪,ユニバーサルジョイント,
ステアリングシャフト(ss400),シャフトステイ(A2017,SS400),
ステアリングホイールスペーサー(A1050),
ステアリングクイックリリース,ステアリングホイール,タイロッド
ボルト(M6,M8),ナット(M6,M8)
使用工具
フライス盤,旋盤,TIG 溶接機,パイプカッター,ボール盤,
シャーリングマシン
支援団体
NTN㈱(ベアリング提供),協和工業㈱(ユニバーサルジョイント提供)
,
WEST RACING CARS(クイックリリース,ステアリングホイール提供)
,
ダイハツ工業㈱(ロッドエンド提供),
㈱ミスミグループ本社(C リング提供),
小原歯車工業㈱(丸ラック,歯研平歯車提供)
,
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2009 Okayama University Formula Project
14. 内装
担当者
佐々木 祐太
部品・材料
TAKATA フルハーネス,ファイアーフォール(A1050),
シート(発泡ウレタン)
,フロアパネル(A1050),遮熱板(A1050),
ステイ類(SS400,t=1.0,t=1.6),ブラインドリベット,アイボルト,
ロールバーパッド,ボルト(M6),ナット(M6)
使用工具
シャーリングマシン,コンタマシン,ボール盤,電動ドリル,
ハンドリベッター
15. インパクトアッテネータ
担当者
佐々木 祐太
部品・材料
アルミ板(A5052,t=1.5),鉄板(SS400,t=1.6),発泡ウレタン,
ブラインドリベット,ボルト(M8),ナット(M8)
使用工具
シャーリングマシン,コンタマシン,電動ドリル,ハンドリベッター
16. 懸架装置(アーム)
担当者
上田篤史
部品・材料
スチールパイプ(ハイテン鋼),スフェリカルベアリング(M8,M10),
スフェリカルベアリングケース(M8,M10),ジュラルミン柱(A2017),
ロッドエンドベアリング(M8),六角材,炭素鋼板(ss400 t=10),
角パイプ,ボルト(M8,M10),ロックナット(M8,M10)
使用工具
溶接機,旋盤,手動プレス機,
パイプカッター(乾式,湿式),ペーパーサンダー,フライス盤
支援団体
MISUMI(ボルト,ロックナット)
,ダイハツ(ロッドエンド)
17. 懸架装置(ハブ)
担当者
上田篤史
部品・材料
三菱の軽自動車用ハブ Assy,ハブボルト,センターナット,
緩み止めピン,ジュラルミン柱(A2017),炭素鋼柱(フロント軸),
ベアリング(NTN),極低頭ボルト(M8),ボルト(M8),C 型リング,
ロックナット(M8)
使用工具
旋盤,フライス,手動プレス機,板のこ機
支援団体
,MISUMI
水島三菱自工,NTN(ベアリング)
18. 懸架装置(アップライト)
担当者
二川 卓也
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2009 Okayama University Formula Project
部品・材料
ベアリング,アップライト(A2027),ブラケット(A2027),シム(A1050),
カラー(A2017),ボルト(M8,M10),ナット(M8,M10)
使用工具
フライス盤,ワイヤー放電加工機,シャーリングマシン
支援団体
NTN㈱(ベアリング提供),㈱ミスミグループ本社(C リング提供)
19. 懸架装置(ベルクランク)
担当者
高橋 直也
部品・材料
AVO ダンパー,ベルクランク(SS400),カラー(SS400),プルロッド,
コイルスプリング,ロッドエンド(M8),ナット(M8),ボルト(M8),
ロックナット(M8),ゴム
使用工具
フライス盤,旋盤,TIG 溶接機,ワイヤー放電加工機,パイプカッター,
ボール盤,シャーリングマシン
支援団体
東海ばね工業㈱(コイルスプリング提供),
ダイハツ工業㈱(ロッドエンド提供)
20. 懸架装置(スタビライザー)
担当者
高橋 直也
部品・材料
鉄パイプ(HTB590),鉄板(SS400,t=6),ロッドエンド(M8),
ゴム(軸受用),鉄六角柱(SS400),ボルト(M6,M8),ナット(M8)
使用工具
フライス盤,TIG 溶接機,パイプカッター
支援団体
ダイハツ工業㈱(ロッドエンド提供)
21. カウル
担当者
小林ミカ
部品・材料
硬質発泡スチロール,樹脂(コーティング用・積層用),離型剤,
ゲルコート,ガラスマット・クロス(#210,#230,#350),
塗料(ゲルコート,サフェーサー,カラー,クリヤ)
使用工具
ディスクグラインダー,サンダー
支援団体
山陽レジン工業㈱(材料提供・ゲルコート吹付・技術指導),
岡山科学技術専門学校(塗料提供・技術指導・塗装ブース貸出),
内山工業㈱(材料提供)
,フジックス㈱(塗料提供)
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2009 Okayama University Formula Project
2.4. 活動日程
10 月 4 日
学内走行(OUFP PV 撮影)
10 月 12~13 日
第 9 回関西支部合同走行会(岡山国際サーキット)
10 月 15 日
三菱自動車株式会社水島製作所様にて第 6 回大会結果報告
10 月 19 日
日産サポート講座「知識篇講座」
10 月 22 日
構想会議にてベンチマーク決定
10 月 29 日
倉敷化工株式会社様にて第 6 回大会結果報告
学内報告会
10 月 30 日
川崎重工業株式会社にて第 6 回大会結果報告
11 月 3 日
ドライビングシミュレータ導入
11 月 7 日
知恵の見本市の車両展示
11 月 8 日
日産サポート講座「知識篇講座」
11 月 19 日
内山工業株式会社様にて第 6 回大会結果報告
11 月 12 日
タコメータのデモ
11 月 14 日
ドライビングシミュレータでの練習開始
11 日 21 日
タコメータデモ
11 月 29 日
岡山国際サーキットにて走行
12 月 17 日
川崎重工業㈱様にてエンジン支援のためのプレゼンテーション
12 月 25 日
学内報告会
12 月 28 日
岡山国際サーキット走行
12 月 29 日~1 月 7 日
OUFP 冬休み
2 月 20 日
OUFP 同窓会発足説明会
3 月 12 日
川崎重工業㈱様にてエンジン受け取り
3 月 14 日
OUFP 卒業会(OUFP 同窓会主催)
3 月 15 日
Solid Works 講習会(大阪大学吹田キャンパス)
4月3日
岡山国際サーキット走行
4月4日
岡山国際サーキット走行
4月8日
機械工学科新入生オリエンテーションにて OUFP 活動紹介
4 月 10 日
新入生歓迎コンパ
4 月 11 日
ダイハツ工業株式会社様溶接講習会
4 月 24 日
新入生歓迎コンパ
4 月 28 日
工学部案内用写真撮影
5 月 16 日
マツダ講習会
5 月 23 日
ケイマックススピード様にて車体性能測定(シャシダイ)
5 月 26~27 日
創造工学センター安全講習会
5 月 31 日
新車発表会
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2009 Okayama University Formula Project
シェイクダウン(走行不能)
6月2日
安全構造同等性フォーム提出
インパクトアッテネータデータ提出
6 月 16 日
デザインレポート提出
デザインスペックシート提出
6 月 20 日
シェイクダウン
7月1日
コストレポート郵送
7月4日
学内駐車場での走行
7月5日
岡山国際サーキットにて走行
7 月 10 日
事前車検会
7 月 12 日
関西支部合同車検界(ホンダテクニカルカレッジ関西)
7 月 24 日
全日本学生フォーミュラ大会書類選考結果発表
8月1日
学内駐車場にて走行
8 月 3~4 日
オープンキャンパス宣伝走行(工学部 1 号館前)
8月6日
山陽レジン工業㈱様にてゲルコート吹き付け
8月8日
学内駐車場にて走行
8月7日
機械の日車両展示
8月8日
学内駐車場での走行
8 月 10 日
岡山国際サーキットにて走行
8 月 17 日
山陽レジン工業㈱様にてゲルコート吹き付け
8 月 20 日
岡山国際サーキット走行
8 月 21 日
岡山国際サーキット走行
8 月 24 日
第 9 回関西支部合同走行会(北神戸サーキット)
8 月 25 日
ケイマックススピード様にて車体性能測定(シャシダイ)
8 月 26 日
岡山国際サーキットにて走行
8 月 27 日
岡山科学技術専門学校にてカウル塗装
8 月 28 日
デザイン,コストの当日プレゼンテーションの確認
8 月 29 日
学内駐車場にて走行
8 月 31 日
岡山国際サーキットにて走行
9月5日
学内駐車場にて走行
9月7日
学内駐車場にて走行
学長視察
9月8日
静岡へ向けて出発
大会前日技術車検
9 月 9 日~12 日
第 7 回全日本学生フォーミュラ大会
9 月 13 日
岡山到着
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2009 Okayama University Formula Project
10 月 3 日
学内駐車場にて走行
10 月 11~12 日
第 10 回関西支部部合同走行会(岡山国際サ-キット)
10 月 17 日
ケイマックススピード様にて車体性能測定(シャシダイ)
図 2-3
シェイクダウン(左),第 10 回関西支部合同走行会(右)
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3. OUFP-05 車両説明
3.1. コンセプト「加速・旋回性能の向上」
OUFP-05 の設計は,
「加速・旋回性能の向上」をコンセプトに,車両全体の設計目標を重
量 225kg,前後重量配分 50:50,重心高 220mm とし,エンジンのトルクアップ,車両全
体の軽量化・低重心化・マスの集中化,サスペンション機能向上に重点を置いた設計を行っ
た.主に行ったこととしては,ターボチャージャーの搭載,フレームオーバーハングの削
減,パーツレイアウト・サスペンションジオメトリの見直しである.
3.2. 各パーツ説明
z
パワートレイン
パワートレインの主な役割は,①コーナー立ち上がりのトルク特性②直線でのパワー特性,
の 2 つである.このうち,エンデュランスのように直線が少ないテクニカルなコースでは,
①のトルク特性がタイムにより影響を及ぼすと考えられる.そこで今年度車両では,スラ
ロームを含めた使用回転数域を 5000rpm~9000rpm と設定し,この領域内でハイトルク・
幅広いパワーバンドを得ることを目標とした.また使用回転数を低くすることで,NA に比
べ燃費性能が期待できると考えている.
この目標に対して,昨年度に続きターボチャージャーを搭載し,吸排気パーツの改良によ
る目標の達成,ツインインジェクションによる燃焼の効率化,インタークーラーによるト
ルク・出力の向上などを目指した.加えて,点火カットによるドライバビリティの向上,オ
イルパン自作による低重心化,自作パーツの使用による軽量化を狙った.
スロットル
目標に対し,バタフライ径を検討することで,レスポンスの向上を狙った.
流量一定かつバタフライバルブの開き角を微小とした場合,バタフライ径が小さいほど流
入断面積が小さくなり,スロットルを通過する初期流速が向上する.また,スロットル開
度 100%における最大流速も向上するため,全域のレスポンスが向上すると考えた.昨年度
はφ40mm であったので,今年度車両では純正と同じφ38mm を製作し,評価を行うこと
とした.
走行テストにおいては,φ40mm に比べφ38mm でドライバーによるレスポンスの向上
が確認された.
リストリクター
リストリクター前後での圧力損失を軽減することで,リストリクター径φ20mm を通過
できる空気流量の向上を狙った.まず,インデューサー部のファンネル形状(R)を検討した.
始めに R20,R25,R30 のモデルで流体解析を行ったところ,R25 での圧力損失が最も小さか
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った.次に R23~R27 でそれぞれ解析を行ったところ,R25 での圧力損失が一番小さいこ
とがわかった.よって,インデューサー部では R25 を採用した.
次に,ディフューザー部を検討した.リストリクター前後での圧力差が回復する傾向は,
リストリクト後の距離や角度によって異なる.今年度車両では,タービンとスロットルま
での距離はレイアウト上 100mm より長く確保することが難しいため,まずリストリクタ
ーの全長を決定した.次に,リストリクター出口の径を入口と同じφ38mm とし,リスト
リクト部から繋いだ直線に R を付けることで,なるべく距離を確保した.
また,今年度採用したスロットルと共に解析を行ったところ,リストリクター単体よりも
圧力損失が少ないことがわかった.結果としては,圧力損失を 536Pa に抑えることが出来
た.
サージタンク・吸気管
サージタンクでは,①内部容量の設定,②4 気筒等量分布,③圧力損失・エネルギー損失の
改善,を検討することで,目標の達成を目指した.
まず内部容量としては,タービンからエンジンまでを一つの体積流量と考えると,インタ
ークーラーを追加したこと,昨年度よりも低い回転数から過給を行えるようにすることか
ら,20%減の 1.3 L とした.形状としては,後端にむけてテーパー状とすることで,内部で
の流速を落とすことなく各気筒に均等に流入させることを狙った.
また,渦の発生は運動エネルギーの減少を示すため,内部での渦の発生が極力少なくなる
よう,空気が流入する角度や位置を数パターン設計し,CFD 解析を行った.結果として,
流れのベクトルが壁面に当たりにくいと渦が発生しにくくなり,また,最も手前の気筒と
の距離をある程度確保することで,どの気筒でもスムーズに流れることが得られた.
実際に昨年度車両において,この設計に基づいたサージタンクを搭載してシャシーダイナ
モ(Dynapack 式)にてテストを行ったところ,トルクピークを 6500rpm から 6000rpm に
下げることができた.よって今年度車両では,この設計に基づいたサージタンクを採用す
ることとした.しかし,トルクピーク後の落ち込みが激しいことから,まだまだ改善の余
地があると考えている.
吸気管では,昨年度の最大トルクを得られた回転数以下で同調させるため,300mm とし
た.また,中回転数領域での燃焼の効率化と気化熱での冷却効果を狙い,昨年度に続きツ
インインジェクションシステムを採用している.メインインジェクターの搭載位置は、正
と同等の距離となるようにホルダーを製作し,セカンダリインジェクターの搭載位置は,
噴射された燃料が吸気管内部に付着せず,かつシリンダー内に最短距離で入るような角度
を目指した.
インタークーラー
吸気温度の上昇を抑えることは空気の密度を高めることに繋がり,結果としてサイクルあ
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たりの発熱量が増加すると考えられる.これより今年度車両では,インタークーラーを使
用することによるトルク・出力の向上を狙った.
使用するインタークーラーは,エンジンの総排気量やターボチャージャーの容量を考慮し
て,小型のものを選択した.配置はエンジンより発する熱気を吸い込まず,流速が確保で
きる場所とした.また流体解析により,圧力損失が少ない吸気管を製作した.
排気系
昨年度車両をシャシーダイナモ(Dynapack 式)にてテストしたところ,過給を始める回
転数は 4500rpm→5500rpm と,昨年度の走行データと異なっていることがわかった.こ
れより今年度車両では,過給を始める回転数を下げることと,設定回転数域でのトルクア
ップを目標とし,設計を行った.
昨年度は 4-1 の集合方法を採用していたが,今年度は設定回転数域でのトルク向上を目的
とし,4-2-1 の集合方法を採用することとした.4-2 の集合にはクランク角度の位相差が 180
度のものを合わせることで,排気効率の向上を狙った.圧力波の干渉を避けるために 4 本
のパイプは等長を目指し,高圧力状態を保ったままタービンへ排気ガスを送れるような形
状とした.また,バンテージを巻いて周囲との断熱を行い,排気管の温度と圧力を保たせ
ることを狙った.
加えて,タービン手前までの全長を短くして排圧を向上させ,集合部の径を考慮して流速
を確保した.これらにより過給を始める回転数は下がり,トルク特性も向上しているため,
目標を達成できると考えられる.
また,タービンの配置をなるべく低い位置・エンジン寄りにすることで,低重心化とヨー
モーメントの軽減を実現した.
潤滑系(オイルパン)
純正のオイルパンは,エア噛みを防ぐためにストレーナー(吸い口)の部分が長く,高さ
が 140mm あった.これではエンジンの搭載位置が高くなるので,自作のオイルパンを取り
付けることでエンジンの搭載位置を 90mm 下げ,低重心化を実現している.
また,横 G によるオイルの偏りが原因でエア噛みが発生するため,これを防ぐためにバッ
フルプレートを取り付けている.昨年度は,ストレーナーやその他エンジン内部部品との
干渉を避けるために穴を設けていたが,代わりにプレートを曲げ加工して穴を小さくする
ことで,オイルの偏りを低減させることに成功した.
なお,タービンへの送り側のオイルラインにオリフィスを設け,適切なオイル量に調整出
来るようにしている.
冷却系
今年度のラジエータは「放熱能力の向上」を念頭に設計を行い,60km/h において 100℃
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以下で安定することを狙った.
昨年度のラジエータは前面投影面積が大きく,また進行方向に対して角度を付けすぎてい
た.そのため前面風速の分布が不均一となり,ラジエータの放熱量に損失がみられた.そ
こで前面風速の分布をなるべく均一とするため,前面投影面積を 25%減少させて角度を修
正した.これにより,昨年度と同等の放熱量となるよう狙った.
加えて,通気能力を高めるために,フィンピッチの拡大およびコア厚の縮小を行うことで
放熱量の上昇に繋がり,目標を達成できると考えられる.
また,電動ファンとシュラウドを用いることで一定の風量を確保し,風速が得られにくい
低速走行においても放熱能力を発揮できるようにしている.
小型化したことから約 42%(1750g)の軽量化となっており,ヨー慣性モーメントの軽減
に繋がっている.
ドライブトレイン
ドライブチェーンの張力を容易に調整でき整備性がよかったことから,マウント方法は昨
年同様ロッド式とし,ドライブ及びドリブンスプロケット間の距離を無段階に調節できる機
構とした.
ドライブトレインを軽量化するために,FEM 解析に基づく軽量デフマウントの設計を行
った.まずエンジンからの入力,タイヤからの入力を算出し,次にロッド部のピボット点
を変化させて解析を行った.これにより,昨年同等の強度を維持しつつ,極力軽量なマウ
ント部形状を実現した.
昨年度まで,LSD 内部のギアの潤滑にオイルを使用していた.しかしオイルシールの必
要性や,オイル漏れによる性能の低下がみられた.そこでグリースの使用を検討した.こ
れは,オイルシールの削減や性能の安定を狙ったものである.実際に昨年度車両に搭載し,
走行テストやシャシーダイナモテストを行ったところ,漏れや性能の低下はみられなかっ
たため,今年度車両にて採用することとした.
これらにより,デフマウント単体の重量は約 60%(490g)の軽量化となった.
電装系
リストリクターやターボチャージャーなど,純正 ECU では対応外となるパーツや,走行
状況による車両特性の変化が大きいため,昨年度に続きフルコンピューターである
MotecM400 を採用した.これにより,燃料噴射量や点火時期を最適化できるようになり,
状況に合わせて車体の性能を引き出すことが可能となった.また,昨年度に続き点火カッ
トシステムを採用することで,ドライバビリティの向上と 75m のタイム短縮に貢献してい
る.
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z
シャシ
フレーム
フレームに要求されていることは,各部からの入力やねじれに対する剛性の確保,かつシ
ンプルな構造による軽量化,運動性能に関わる低重心化やヨー慣性モーメントの低減であ
ると考えられる.これらをバランスよく成立させることを目指し,重量 25kg,ねじり剛
性 500Nm/deg を目標性能とした.
トラス構造を中心として入力を分散させることを基本とし,ハリ要素解析により各部材の
変位量と応力を求め,それぞれに適切な剛性の部材を配置して解析を繰り返した。特に,
フレーム中央部には様々なパーツの集約や開口部の存在があり,フレーム剛性的にもウィ
ークポイントとなっているため,サイドインパクトに規定パイプと同じ重量かつ剛性の高
いφ28.6t=1.4 のパイプを用いることで剛性を確保し,安全性を向上させた.
今年度のドライバースペース小型化の制限に対し,3D-CAD 上でレギュレーションテン
プレートをアセンブリしながら設計を進めることによって,規則範囲内でドライバースペ
ースを最小とする設計を行った.加えて,コックピットサイドの高い位置に補強部材を入
れてボックス形状を構成することで、剛性の向上を図った.これらにより,全体剛性の均
質化と軽量化を達成することが出来た.
アーム入力点をフレーム交点に持っていくこと,ドライバー及びエンジンの搭載位置を低
くすることを両立させるため,昨年度に引き続きボトム構造を採用した.コックピット下
部メンバに曲げパイプを用いることによってドライバー搭乗位置を昨年より 40 ㎜引き
下げ,低重心化に貢献した.
ドライバーポジションに関して,CAD 上で 95%lie の 2D テンプレートを用いてフロン
トフープとメインフープの高さと前後位置関係の検討を行った.モックアップを用いるこ
とによって,実際のドライバーの視線やヘルメット位置などを計測し,設計値の妥当性を
検討した.
リアボックス構造を削減することにより,軽量化とヨー慣性モーメント低減を図った.軽
量化とリアの剛性を確保する為メインフープブレースは昨年度のような取り外し式ではな
く固定式とした.このためフレーム上側からのエンジン脱着は不可能となったが,エンジ
ン下のフレーム構造を取り外し可能とすることで,フレーム底面からエンジンを脱着出来
る構造とした.これによりエンジン組み付け時間は作業員 3 人で 0.3 時間と昨年度と同等
となった.
製作において,フロントフープ以前のフロント部とメインフープ以降のリア部を別々に製
作し,最後にコックピット部で繋ぐことによって製作効率の向上を図った.
最終的な性能は重量 26kg ねじり剛性 559Nm/deg となり,昨年度フレームから約 19%の
軽量化と設計目標を達成した.
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コックピット
ドライバーの能力を最大限に発揮できるよう,操作性・整備性向上を念頭に置き設計を行
った.
昨年度に比べドライバーを寝姿勢にすることにより,重心位置の低下を図った.これによ
りドライバーの前方視界が失われたり,運転に支障が出たりしないよう,無段階調整式の
モックアップを用いて,シート角度θ,ペダル位置 L,ステアリング高さh,ステアリング
位置 a,の項目で身長 160cm~182cm の 20 人のデータを取り,ドライバーが運転しやす
いコックピットスペースを検討した.そうすることでドライバーへの負担を軽減した.モ
ックアップによる実験から,変形を防ぎたい箇所にはファイヤーウォールの側面に段をつ
け,その周辺の強度を増し,ドライバーの接触による変形を防ぐよう試みた.また,変形
の可能性が少ない箇所には薄い板を使い重量増にならないよう心がけた.
ハーネスにアイボルトを使用し,ファイヤーウォールも同時に固定することにした.これ
により一度でアイボルトとファイヤーウォールを取り外すことができ,整備性が向上した.
クラッチレバーは昨年度に続き,パドル式のクラッチを採用した.昨年度はステアリング
ホイールと同期して回転する構造にしていたが,クラッチワイヤーがステアリングホイー
ルの回転とともにねじれてしまい,ワイヤーが痛みやすかった.それを解決するため,今
年度は固定式のクラッチレバー採用した.固定式にすることによって手を伸ばす位置が定
まるので,クラッチを切る操作が安定した.また調整機構を付けることにより,クラッチ
ワイヤーのテンションを最適な状態にすることができる.パドル式クラッチレバーを採用
したことに伴い,スイッチによってシフトアップ・ダウンできる電気シフターを採用した.
以上により,コーナーリング中,ハンドルから手を離すことなくシフト操作が可能となり,
操作性が向上した.
ステアリング
車両コンセプト実現のため軽量化,さらには操作性の向上を目標とし設計を行った.
昨年度までは既製品のステアリングラックを使用していたが,今回は自作することでサイ
ズの適正化を行い,46%(1200g)の軽量化を達成した.また,車体下部に配置したことに
より低重心化に貢献した.
昨年度の操舵角は 120 度あり,スラロームなどでの切り返しの応答性向上のために,最小
限の操舵角で切り返せることを目指し,さらに固定式クラッチレバーの操作性を考慮した
結果,操舵角を左右最大 90 度とした.最小旋回半径はレギュレーションで規定されている
最小半径をもとにタイヤの切れ角を求め,加えて車体の動きを 3D-CAD 上で確認し決定し
た.結果として,タイヤ切れ角を内輪約 29 度.外輪約 21 度とした.
また,ナックル部を取り外し式とすることでナックルアームの距離を変更することができ,
最小旋回半径の検討をすることが出来るようにしている.
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ブレーキ・ペダルユニット
軽量化による基本性能向上とドライバーの操作性向上を優先課題として設計を行った.プ
ロポーショニングバルブとバランスバーを用い,過去の大会でのエンデュランスデータに
おいて測定された減速 G の範囲(1~1.5G)でブレーキの前後制動力配分が最適値に近づ
くように設定した.
昨年度のペダルユニットをもとに軽量化を図ったところ,大幅に軽量化すると強度剛性低
下が伴うことが判明した.そこで,強度剛性を維持しつつ軽量化とヨー慣性モーメントの
低減を目標として,マスターシリンダーのレイアウトを見直した.結果として,フレーム
のフロントオーバーハングを短縮することができ,大幅な軽量化とヨー慣性モーメントの低
減を実現した.特にヨー慣性モーメントの低減は,旋回性能向上に貢献するという効果も
得られた.
またペダルユニットは,調整機構を無くすことによる軽量化を検討した.CAD 上で身長
182 ㎝から 162cm まで 5 ㎝間隔でモデルを作成し,それぞれにおいてシミュレーション
を行った.結果として,ペダルユニットに調整機構が無くても,95%lie の範囲内でドライ
バーが無理なく操作できるようなユニットとなり、身長に対する適合性を保っている.こ
れらの変更により,ペダルユニットで約 25%(300g),フロントオーバーハングを 186mm 短
縮(約 1300g)し,合計約 1600g の大幅な軽量化となった.
操作性向上のために,関節の可動域とペダルの踏みやすさを考慮して,CAD 上でブレー
キペダルの初期角度,最も踏力が必要とされるときの角度を決定した.また,昨年度のペ
ダルはペダル比が大きく,俊敏な操作が困難であったため,今年度はドライバーに負担が
生じない程度にペダル比を小さくすることで,操作性を向上させた.ブレーキディスクの
固定方法としては,フローティングマウント方式を採用した.採用した主な理由は,熱応力
によるひずみ発生を抑え,安定した制動力の確保するためである.フローティングマウン
トにすることで,ピンでブレーキディスクの回転方向だけを固定し,制動時の熱による膨
張を回避することができるようになった.強度については,ピン,ブレーキディスク, ハブ
をアセンブリして FEM 解析を行い,強度的に問題がないことを確認した.また,マウント
部分だけで四輪あわせて 410g の重量削減となった.これはバネ下重量低減による路面追従
性向上にも貢献する.
サスペンション
サスペンションを設計するにあたり,
「加速・旋回性能の向上」を達成するため,システム
の要件として「タイヤの性能を限界まで引き出すこと」を考えた.
アーム
アームの設計で取り組んだことは「サスペンションジオメトリの見直し」である.アーム
はサスペンションの揺動を決定するパーツであり,タイヤの動きに重要な役割を持つ.ジ
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2009 Okayama University Formula Project
オメトリの見直しについて,昨年度まではキャンバ変化などを含めた考慮を十分にしてい
なかったため,荷重の移動量およびタイヤの動的な接地性に不明な部分が多かった.そこ
で根本的な見直しを行うことで,性能の向上に取り組んだ.具体的には、車体前面視での
ロールセンター高を Fr<Rr とし,最大バンプ・リバンプ時の左右ロールセンター移動量を極
力抑える設計とした.
これにより内輪側にも荷重が残るようになり,旋回時の左右輪トータルのコーナーリング
フォースが上昇し,コーナリングスピードの向上に繋がると考えている.加えて,キャン
バ変化は±1°程度を狙っている。これは,荷重が乗った時の対地キャンバの向上(ニュー
トラルキャンバ)と,路面接地部がタイヤ端から外に逃げることによる接地面積の減少を
防ぐことを目的としている.
実際に昨年度車両にて,目標値の妥当性を検討した.今年度車両のロールセンター高にな
るべく近く,対地キャンバがポジティブとならないようなジオメトリで新しくアームブラ
ケットを取付け,比較走行テストを行った.結果として,旧ジオメトリではコーナーリン
グ立ち上がりでリア内輪側の空転が感じられたが,新ジオメトリでは感じられなかった.
また新ジオメトリでは,減衰力を変えたことによる挙動の変化が現れ,コーナーリング時
のステア特性もアンダーからニュートラルよりに向上した.今年度車両はこれに比べロー
ルセンター移動量が少なく,またキャンバ変化なども考慮していることから,妥当性があ
ると判断した.
ステアリングタイロッドは,ロワアームのフロントメンバとほぼ等長・平行となるように
配置することで,バンプ・リバンプ時のトー変化が限りなくゼロになるようにした.これに
より,常にニュートラルなトー角が保たれ,ドライバーが安定したコーナーリングを行え
るように狙った.
アップライト
軽量化,剛性の確保のため,構造の変更・組み付け方法の工夫を行った.
今年度車両ではラック&ピニオンの位置を下部に持ってきたため,アップライト全体の形
状を見直し,適切な幅のみを取るようにした.制動時,またはコーナーリング時に想定さ
れる荷重(最大 1.5G)をかけて解析することにより肉抜きの形状を検討し,安全率 3 を目
標に軽量化を図った.また,フロント,リアともにロワアームの取り付けを挟み込み型に
することで組み付け剛性を向上させた.アッパーアームのピボット点に関しては,今年度
採用した非平行アームによる斜めからの入力に対応するため,アップライトの加工を工夫
することでブラケットを斜めに取付けられるようにした.加えて、シム式の調整機構を組
み込むことで,初期キャンバを±1.5°調整出来るようにし,タイヤの接地性に貢献してい
る.また,ブラケットのシムはボルトを完全に外さなくても調整できるようにすることで
整備性を向上させた.
ブレーキキャリパー取付部は 3D-CAD 上でブレーキローター,キャリパーとの位置関係
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2009 Okayama University Formula Project
を細かく図り,パッド面を最大限生かせるように位置を考慮した.リアに関してはアップ
ライト自体にベアリングを入れることで部品点数を少なくした.これにより昨年のアップ
ライトとベアリングハウジングの合計重量と比べて 30%(450g)の軽量化に成功した.
ホイールハブ
「加速性能の向上」を達成できるように「軽量化による慣性モーメントの低減」を考えた.
ハブはホイールを支持する重要部品であるため,フロントハブにおいてはジュラルミン削
り出しで製作し,軽量・高精度のハブを目指した.軽量化のためにブレーキディスク取り
付け位置をホイール側に寄せ,ハブをコンパクトなものにした.これによって 30%(112g)
の軽量化を達成した.
リアハブにおいては,軽量化のために分割方式とした.等速ジョイントと接続する側につ
いては信頼度の高い鋼鉄製,ホイールと接続する側については軽量化のためにジュラルミ
ン削り出しで製作した.これにより部品点数は増加するが,全体的には 50%(700g)の軽
量化を達成した.
バネ周り
今年度のショックアブソーバーまわりは車両コンセプトに基づきコンパクトかつ,低重心
を目指し設計した.
レイアウトはプルロッドを採用し,ショックアブソーバーを寝かせてフレームの底面を構
成するパイプに取り付けることで低重心化を図った.ショックアブソーバーのレイアウトは
フロント,リアともにアーム付け根より車体中心に近い位置に取り付けることで,マスの
集中化も図っている.
車体の旋回性能を高めるためには,「タイヤの性能を限界まで引き出す」よう設計された
ジオメトリを十分に活かさなければならない.そのためにはジオメトリ等の初期条件を含
め,走行時の路面状況に合わせて最適なサスペンションセッティングを行うことが重要と
なる.この目標に沿って,今年度はより幅広いセッティングを可能としたサスペンション
の設計が必要だと考えた.具体的には『スプリングおよびベルクランクの交換によるホイ
ールレートの変更』,『プリロードによる初期荷重の変更』,『ダイヤル式の減衰調整機構』,
『プルロッド長の変更による車高調整』,『スタビライザーの腕長さの無段階式調整機構に
よるロール剛性の変更』である.
昨年度車両はタイヤのストロークとショックアブソーバーのストロークの比が 2:1 ほど
と少なく,またモーションレシオも 0.5 ほどであった.そのためホイールレートや減衰を
設計値にしようとするとバネレートとショックアブソーバーの容量が大きくなり結果的に
重量増となっていた.そこで今年度車両は,前後ともストローク比を約 1:1,モーションレ
シオを約 1 とすることでショックアブソーバーとスプリングをあわせて 25%(2.5 ㎏)の軽
量化になった.
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2009 Okayama University Formula Project
タイヤとショックアブソーバーのストローク比はリンクやサスペンションセッティング
に伴い多少なりとも変化する.特に今年度はサスペンションセッティングの大きな変更が
可能な設計をしているため,ストローク量も大幅に増減する.そのストローク量の変化に
対応させるためショックアブソーバーの最大ストローク量は初期レイアウトの許す限り長
いものとした.
ベルクランクは製作工程の単純化を目指し鉄板二枚で構成し,製作性・整備性を向上させ
た.また,前後それぞれ 3 種類のものを用意することで,状況に応じて変更することが出
来る.プルロッドの長さによって多少の違いは出てくるものの,モーションレシオにして
0.95,1,1.05 である.スタビライザーは,腕部のマウントにスライド式の無段階式調整機
構を取り入れることで,より細かなロール性能のセッティングが可能となっている.
アセンブリに関しては,強度解析を行いバネ周りで使っているボルトをすべて M8 に統一
することで作業工程の単純化に成功した.
カウル
これまでフロント部分とサイド部分のカウルを分離して製作していたが,今年度車両では
一体化し,繋ぎ目を可能な限り目立たなくして一体感を持たせ,デザイン性の向上を図っ
た.
また,車両を簡略化したモデルを使って風速 60km/h での流体解析を行った(Fig.8).今
年度モデルと昨年度モデルの左側サイドカウル(ラジエーター設置場所)の内部,特にメ
インフープ面について比較して,6~12km/h の流れ効率の向上が見られた(Fig.9).
製作面では,製作段階において,原型の抜き勾配にあわせて雌型の数を増やすことで,比
較的もろく加工しやすい硬質発泡スチロールでできた原型に負担をかけず,離型にかかる
時間の短縮を図った.積層時にはガラスマット・ガラスクロスの特性を考慮し適材適所に使
用することで,軽量化を行った.また,カウル表面の硬度を上げるため,エアガンを使っ
てゲルコートを噴き付けた.さらに,塗装前段階にサフェーサーを噴き付けることで,カ
ウル表面をより美しく仕上げることに取り組んだ.
図 3-1
シャシーダイナモ(左)
,フレーム溶接(左)
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2009 Okayama University Formula Project
4. 第 7 回全日本学生フォーミュラ大会について
4.1. 第 7 回大会結果
43.50/100
コスト審査
25 位(66 チーム中)
プレゼンテーション審査 51.32/75
13 位(66 チーム中)
デザイン審査
102 /150
12 位(66 チーム中)
アクセラレーション
8.65/75
34 位(出走 39 チーム)
スキッドパッド
21.88/50
19 位(出走 38 チーム)
オートクロス
80.61/150
18 位(完走 47 チーム)
エンデュランス
0.00/400
29 位(出走 49 チーム,完走 29 チーム)
総合
307.95/1000
32 位(エントリー80 チーム)
動的競技結果
アクセラレーション
スキッドパッド
オートクロス
エンデュランス
図 4-1
第 1 走目
5.983 秒
第 2 走目
5.627 秒
第 3 走目
-
第 4 走目
-
第 1 走目
7.042 秒
第 2 走目
5.761 秒
第 3 走目
5.597 秒
第 4 走目
-
第 1 走目
1 分 20 秒 691
第 2 走目
-
第 3 走目
59 秒 297
第 4 走目
56 秒 600
耐久走行
-
燃料消費
-
暖機(左),オートクロス(右)
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2009 Okayama University Formula Project
4.2. 各種目別考察
プレゼンテーション審査
プレゼンテーション審査は,発表時間 10 分,質疑応答 5 分,残り 15 分でプロジェクター
のセットやパソコンの準備,片付けなどを行わなければならない.内容,構成,ビジュア
ル資料,発表,質問の 5 項目で評価される.
本校は,指定時間になるとすぐに準備を開始した.そして準備完了後,審査員の合図があ
るとプレゼン発表を開始した.発表は制限時間の 10 分で終わらせることができず,最後の
スライドの途中で質疑応答に入った.3 人の審査員からの質問が始まった.「製造コストの
内訳」「ターボの特性について」「その特性が初心者に扱いやすいか」について質問をされ
た.車両に関する質問は,車体に詳しい上級生に答えてもらった.事前に何度も発表準備・
練習をしていたが,本番では緊張した.
審査員からは「技術・ビジネスのバランスのとれた内容であった.製造コスト詳細など明
確にするとさらに良くなる」との評価を受けた.後日返却されたプレゼンテーションの採
点表には,内容,構成,ビジュアル資料の項目についてはかなり良いと,発表,質問では
平均並みと評価をうけた.
結果は 51.32 点で 13 位となった(75 点満点・参加校 66 校).日本大会でのプレゼンテーシ
ョンのレベルがどんどん上がっているという印象を受けた.成績向上のためには,時間を
かけてオリジナルなアイディアを考え盛り込んでいくこと,プレゼンテーションの技術を
磨くことなどが必要だと感じた.今回の反省を活かして,次回は足りなかった部分は補い,
よかった部分はより強化していきたい.
(板野 光司)
デザイン審査
デザイン審査は,レポート製作において目標・方法・結果の流れを明確にすることと内容
の充実に注力した.レポート内容に関して製作担当者と話しあう機会を数回設けることで
昨年度よりも充実した内容にすることができた.
当日審査は,発表 10 分,質疑応答 15 分,講評 5 分の計 30 分で行われた.質疑応答では
レポート・パネルに記述した内容や車両に関して質問された.
結果は 102 点で??校中 12 位となった.昨年より 6 点低い点となったが,順位に関して
は過去最高成績となった.シャシーダイナモによるエンジンの評価や電子式ブーストコン
トローラの採用,ステアリングラック自作による軽量化などが評価された.また,サスペ
ンション設計において,ジオメトリの検討・実機での評価等が評価され大きく得点を伸ばし
た.しかし,機械設計,安全性,生産性など実験評価できていない部分,レポートや発表
でのアピールが十分でなかった部分では評価が低く,今後上位を目指すには改善が必要だ
と感じた.
(河田 良介)
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2009 Okayama University Formula Project
コスト審査
コスト審査は,車両を前にした発表,質疑応答時間 20 分,部品の製造コスト削減につい
て 10 分間の合計 30 分間で行われた.今年のコスト審査は昨年までとルールが大きく変更
され,準備に手間取り製作の時間的余裕がなかった.
当日の審査ではサスペンション,カウル,フレーム,エンジンのそれぞれについて審査員
と車両を目の前にしてコスト低減方法や製造工程の正当性について議論した.今回は製
作・アセンブリ時間の短縮によっての人件費削減について強く説明したが,採点には関係
ないと指摘されまったく考慮されることはなかった.この点は来年度への課題としたい.
コストレポートの評価では図面不足などを理由に大きく減点された.これはルールの理解
度と製作時間不足が招いた結果だと考えている.
今回の結果でコスト審査にはいったい何が必要なのかということについてはっきりとし
てきたため,次大会では今大会での反省点をしっかりと踏まえ呼応得点を目指せるように
したい.
(高橋 直也)
アクセラレーション
エンジン班との話し合い不足で,エンジン担当者が想定していたよりも低いギアのみを使
用していた。練習不足も否めない。
(上田 篤史)
スキッドパッド
私自身初めて大会で走行した.全大会経験者から路面が滑りやすいという情報を聞いてい
たので,1 本目は慎重に走ることを心がけたが,ミスをしてしまいあまりタイムが伸びなか
った.その後 2 本目に挑もうとしたが,オイル漏れの指摘を受け調整が必要となり,それ
と同時にドライバー交代したので,私の走行は終了した.
今大会を終えて,車体も上位校と比べるとまだまだ差があるが,それ以上にドライビング
テクニックの差があると感じた.ドライビングシュミレーターを取り入れて,走行感覚を
つかむのには役立ったが,路面への対応力を向上するために実車での練習時間を確保する
必要があると感じた.
(佐々木 祐太)
もう少し踏んでいけたように思う。練習不足による車幅感覚の不足やサスペンションアラ
イメントセッテイングがしっかりしていなかったためか,マシンを信頼できなかった。
(上田 篤史)
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2009 Okayama University Formula Project
オートクロス
走行前,プラクティスにより路面を把握したつもりであったが,本番コースはプラクテ
ィスより若干滑りやすく感じた.初めての大会走行という緊張からかスラロームでブレー
キ踏み外したり,コーナーでのスピンなどミスをおかしタイムを残せず,自分の練習不足
や未熟さを感じた.また,上位校に比べてプラクティス走行回数が少なく,大会での時間
の使い方に改善できる点があると感じた.
(河田 良介)
自分にとって今大会のオートクロスは二年目である。昨年の経験上,一本目はコースレイ
アウト,コンデションなどを確認しながら,タイヤやエンジンのウォームアップ。二本目
はパイロンをふっ飛ばさない程度(全開 80%程度)に走るのがよいと判断した。無論これは先
発ドライバーのことも考慮に入れた判断である。
ざっと見では昨年と殆ど同じレイアウトであったが,前年度車両に比べ旋回性能が大き
く上昇していることを考えると,初めて走るつもりで挑んだほうがよいと思われた。他チ
ームの走行状況を見ていると,やはり路面ミューが今まで練習してきたコースよりも大き
く異なることが分かっていたので,全体的に丁寧に走るように心掛けた。
一本目は前述の通りに走るように心掛けた。マシン挙動に関しては,昨年よりコーナ時
の踏ん張りが増したことは確かであったが,パワーバンドが低い回転数に設定されている
ことが思ったよりもマイナス方面に働いており,コーナ脱出時にブースト圧を保持するた
めにアクセルを若干早めに開けると,リアが滑るという現象が発生した。だが意図的にこ
うしなければ脱出時に大きなラグが出てしまうため,リアの滑りをステアリング操作でね
じ込むことにした。
コースコンデションに関しては特に特筆すべき点はなかったが,路面ギャップと路面ごと
に若干ミューが違うことが気になった。レイアウトに関して言えば昨年とほぼ同等のスト
ップアンドゴーなレイアウトであったが,局地的に狭く感じるところがあった。それは特
に問題にならなかったが,コースウォーク時と明らかにパイロンが移動されているところ
があった(第二スラローム,最終パイロン)。ウォーク時には無視してもよい程度にしか感
じなかった場所から,意識しなければその先の高速コーナで失速してしまう場所に変更さ
れていた。早めに気がついて非常によかった。一本目は以上のことを確認しながら走った。
タイムは 59 秒台であった。
そして二本目。一本目に気がついたことを頭に入れながら走行した。基本的には若干イン
ベタ寄りに侵入して,脱出でリアが滑ったらステアで抑え込み,スピンやパイロンタッチ
なくゴールできるようにした。先発のドライバーがスピンしたことが自身に若干の影響を
もたらしており,全体的に丁寧な走りになってしまった。途中でそのことを意識してしま
ったせいで、コース後半のコーナ侵入時にアンダーステアを出してしまった。これにより
約 1 秒近くのロスを出してしまった。幸いにもうまくリカバリーをしたのでコースアウト
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2009 Okayama University Formula Project
は免れた。最終ラップタイムは 56 秒半であったが,もう少し根性があればもう 2 秒は縮め
られると確信した。
(澤田 雅人)
エンデュランス
エンデュランスは得点配分も大きく,パイロンタッチなどへのペナルティも大きいため,
とにかくミスをしないよう慎重に走行することを心がけた.今年度のコースはオートクロ
スとほぼ同じであり,ある程度落ち着いて走行にのぞめた.最初の 2 周は特に問題なく順
調に走行できた.しかし,エンジントラブルにより途中失格となってしまった.自分自身
にもフラッグの見落としというミスをしてしまった.今年度はトラブルなどから耐久走行
などの練習機会が少なく,車体やドライバーに余裕を持たせることができなかったように
思う.今後はトラブルを少なくしていくことや合同走行会などへ積極的に参加し,車両と
ドライバーの走行機会をできるだけ多く確保していくようにしなければならないと思う.
(河田 良介)
すべてを終えて
今回の大会はエンデュランスの途中リタイヤという結果になってしまい大変悔しい思い
をした.思い返してみると大会までの走行練習ではトラブルが多発し,思うように走行時
間を確保することができなかった.大会中もエンデュランスのときだけではなくいくつか
問題が発生し理想のように事を運ぶことができなかった.今回の大会で改めてチームが未
成熟であることを思い知らされることとなったが,今後のチームづくりでは同じような失
敗を繰り返さなくてよいチームを目指したい.
チームに関しては昨年までとは違い,マネージメントと製作担当を兼任しているメンバー
ばかりであった.やはり今回のスタイルでは作業の効率が上がらず手間のかかることが多
かった.だかといって簡単に分業できるようなメンバー構成ではないため,今後チーム運
営がうまく進むようにチームメンバー全員で考え直したいと思う.
(高橋 直也)
4.3. 第 7 回大会でのエンジントラブルに関して
概要
我が OUFP は第七回大会において目標としていた順位に達することが出来なかった.こ
れは一部の静的競技や動的競技でよい結果が出せなかったことにも原因があるが,目標に
達するどころか最終順位が大きく落ち込んだ主原因は,最も配点の高いエンデュランス競
技におけるエンジントラブルによる未完走である.
そこで来年度催される第八回大会において同様のトラブルを避けるべく,トラブルの分析
を行い,根本的な原因を究明することにした.
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2009 Okayama University Formula Project
エンデュランス走行時における状況
エンデュランスにおいて第一走者(河田)走行中,ブローバイガスがキャッチタンクより
発生,フラッグを提示されペナルティーボックスに入る.技術車検を受けた結果,オイル
キャッチタンクの固定が不十分であるとの判断により,失格処分を受ける.その直後,オ
ーバーヒートによりクーラントがオーバーフロー.
その後ドライバーから「動力が伝わらない」との報告を受け現地で確認したところ,ギア
が入っている状態で駆動輪が回転していたことからクラッチにすべりを生じていることが
明らかになった.
図 4-2
エンデュランス走行時のロガーデータ
状況分析
図 4-2 と図 4-3 を見ると分かるとおり,終盤(ブローバイガスが確認される数分前)に
おいてエンジン回転数を過回転領域内で走行させていた事が分かる.またスロットル開度
に対するエンジン回転数の上がり具合(図 4-3 参照)を見ても,終盤に近付くにつれてエ
ンジンにかかる負荷が減少していたことが確認でき,動力がしっかり路面に伝わっていな
かったことが伺える.
以上の事より,ドライバーからの意見だけでなく ECU の記録したロガーデータを分析し
てみても,エンジンに掛かる負荷が少なくなったことによるスロットル開度に対するエン
ジン回転数の急上昇,放熱量上昇によるエンジン温度の急上昇を招いていたことが確認さ
れた.そしてこれら水温上昇・吸気温上昇・エンジン過回転が主な原因となってスパーク
ノックを誘発,それによるピストン破損により,ブローバイガスが発生したものと思われ
る.
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2009 Okayama University Formula Project
図 4-3
スロットル開度に対するエンジン回転数の正常時(左)と異常時(右)
エンジン分解結果,組立報告
2009 年度のエンジン担当者(鬼丸)が大会直後エンジンを分解したところ,以下の事が
確認された.
○スパークノックによるピストン破損×2(#3 と#4).(図 4-4)
図 4-4
ピストン破損
○オイルパンに何かのギアらしい歯の破片(台形状)を確認.
○クラッチ周りの破損はなし.ただし分解できないところは目視で確認.
○スティールプレート,フリクションプレートの破損・過剰磨耗なし.(図 4-5 左).
○クラッチスプリング自然長はサービスリミット間近(図 4-5 右)であった.ただし破
損部はなし.
○プッシャーに若干の傷を確認.
またこのエンジンは他のものよりも比較的新しく(年式は同一),毎回オイルパンに確認
される金属片の量が多いとの事である.これは十分にならし運転をしていなかったことに
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2009 Okayama University Formula Project
起因すると思われる.
過去にフリクションプレートの摩耗によってクラッチが滑るという事態が発生したが,今
回に関して摩耗はなかった.(上記及び図 4-5 左参照)
図 4-5
フリクションプレートの厚み(左)とクラッチスプリングの自然長(右)
このエンジンの破損確認を行った後,組立てる際以下の処置を行った.
○ピストン交換×2(新品ではなく,使用済みの中古.但し使用限界には達していな
いもの)
○スティールプレート,フリクションプレート,クラッチスプリングの全て交換
エンジン始動確認報告
エンジン組立後,問題が解決されたかを確認する為にエンジンを今年度車体(OUFP-05)
に換装,走行テストを 11/7 に岡山大学内駐車場にて行った.主に確認する事項は,以下の
通りである.
○クラッチ接続・切断確認
○ブローバイ排出確認(ピストンの確認)
実際に走行を行った結果,
○エンジン始動問題なし.ブローバイガスの排出も確認されず.
○静止状態でのクラッチ切断・接続に関する問題はなし.一時的にクラッチが切断で
きない問題が発生したが,原因を究明し解決した結果,大会時の破損と関連性はな
かったことが分かった.
○大会時トラブル発生の際に乗車していたドライバー(河田)に走行の確認をしても
らったところ,クラッチの切断・接続の確認をし,また高回転・高負荷時でのクラ
ッチの滑りを感じなくなった,とのことである.
数分走行後,エンジンストール.再始動を試みたがセンサー系のトラブルの為,走行を終
了した.
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2009 Okayama University Formula Project
トラブル原因・解決策
以上の事より,クラッチが滑る原因はクラッチ類のオーバーホールを行っていなかったこ
とによるクラッチスプリングの疲労であると推測される.またこれに関して,二輪用に設
計されたエンジンを四輪に使用したことによる設計値以上の高負荷,さらにドライバーが
高負荷を掛けながら走行していたこと(パワースライドなど),度重なるエンジンパーツの
交換,それに伴う不十分なならし等も上記の原因の一つであり,これらの要因が重複した
結果,このような事態を招いたと思われる.
そこで来年度車体において同様のトラブルを招かない為,来年度使用エンジンの運転時
間・走行距離等を細かく記録し,定期的に点検・整備することが必要であると判断した.
また上記だけでなく,負荷が出来る限り低減するような設計にする,整備が容易なエンジ
ンレイアウトを採用するなどの外的要因の見直しも必要である.
図 4-6
失格処分を受けた際の様子
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2009 Okayama University Formula Project
5. 2009 年度チーム反省
5.1. 先行開発班
先行開発班とは,設計・製作班から独立して新規に設計・開発活動を行うものである.
過去の活動では,人員数の関係上,大会用車両の設計・製作を行うだけにとどまり,新規
に設計・開発を行うことは困難であった.そこで,先行開発班を新設することによって,
昨年度車両を基にした足回りの改良,来年度車両の設計指標獲得を目的とした足回りの動
作計測を行った.
まず,昨年度車両では,タイヤの性能を十分に発揮することができないという問題点が挙
げられたため,タイヤの性能を使い切ることを目指して改良を行った.昨年度車両の当初
のジオメトリでは,十分にグリップ力を得ることができていなかった.そこで,設計を見
直し,バンプ・リバンプ時におけるキャンバ変化と路面との関係を CAD 上で確認した.そ
の後,変更したジオメトリで実際に走行テストを行った.
次に,足回りの動作計測として,今年度車両のダンパーにストロークセンサーを取り付け,
データロガーによってダンパーのストローク量の計測を行った.これにより,実際の走行
中の足回りの変化量を数値化することが可能となり,来年度車両の設計指標とすることが
できるようになった.
このような形で先行開発班として活動を行うことで,今まで大会用車両の設計・製作にと
どまり手を出せなかった新たな取り組みを行うことができたと考える.
(家守 進)
5.2. シャシ班
2009 年度チームはそれまでのフレーム班とサスペンション班を統合し,新しくシャシ班
をつくり活動を始めた.本来フレームとサスペンションは分けられるものではない.たが
いに深く関わり合い,とくに設計の際には情報交換が必須の項目となってくる.だがそれ
までは 2 つの班に分かれていたため,コミュニケ―ション不足などがあり設計に支障をき
たすことが何度かあった.このような問題を解決するために 2009 年度チームではシャシ班
とパワートレイン班の 2 つの班で製作班は動くこととなった.
結果として,当初の目的のようにシャシ班内でのやり取りは活発に行われるようになり設
計はよりスムーズに進められるようになった.サスペンション関連担当の者はフレームに
関して,フレーム関連担当の者はサスペンションに関して知る機会が多くなり,班メンバ
ー全体の各パーツへの理解も深められた.
一方で今までなかった問題も表れることとなった.班内の人数が極端に多くなってしまっ
たことである.人数が増えたことで班内のまとまりが悪くなり,一部の者の意見しか通る
ことがなくなってしまった.また,パワートレイン班との人数バランスが崩れシャシ班で
の意見が強く出るようになってしまった.
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2009 Okayama University Formula Project
これらのようにメリット・デメリットの両面があるが全体的に判断した場合,やはりフレ
ーム班,サスペンション班,パワートレイン班の 3 本柱で設計・製作を進めることが理想
的であると考える.フレームとサスペンションの情報交換促進は,シャシ班ではなくまた
別の対策を考えるべきである.またそこにパワートレイン班も加わるとより良いと考える.
(高橋 直也)
5.3. マネージメントと設計・製作の兼任
2009 年度チームでは多くのメンバーがマネージメント担当と設計・製作担当を兼任して
いる.この二つの作業は内容が大きく異なっているため,苦労したと思う.複数のことを
同時にこなすことは非常に困難である。2009 年度チームでマネージメント班と設計・製作
班を分けなかったことで,性質が異なっているとなると,同時にこなすことが尚更難しく
なるということをあらためて知ることとなった.
ただ,マネージメントと設計・製作を分けるということが効率の面では理想的であると考
えるが,現実には分けるということが難しい.問題としては新入生は設計・製作を希望す
る場合がほとんどであるため,どうしても本人の希望を通そうとすると兼任が出てきてし
まうことである.この問題を解決するためには,マネージメント専任を任せられるメンバ
ーを募り,分業を進めることであると思う.
(高橋 直也)
図 5-1
大会最終日の集合写真
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2009 Okayama University Formula Project
6. 2009 年度収支決算
2009 年度の収支報告をいたします.最後に,多くの方よりの資金や物資のご支援,ご協
力をいただき,無事にこの 1 年間を終えることができました.支援して下さった皆様,ま
ことにありがとうございます.
項目
収入
08 年度繰越金
¥ 1,411,445
岡山大学支援金
¥ 1,400,000
スポンサー様よりご支援
¥ 1,930,000
OB 様よりご支援
¥ 67,000
メンバー負担金
¥ 576,760
雑収入
¥ 7,450
収入合計
¥ 5,392,655
項目
大会費用(宿泊費・移動費など)
材料・部品購入費
支出
金額
金額
¥ 561,521
¥ 1,245,087
走行関連費(移動費など)
¥ 356,176
運営費用(備品など)
¥ 318,479
工具等購入費
¥ 141,658
設備購入費(PC,溶接機)
¥ 822,410
企業訪問・技術養成費
¥ 48,138
支出合計
¥ 3,493,469
収支
¥ 1,899,186
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2009 Okayama University Formula Project
7. 2010 年度チームに関して
7.1. マシンコンセプト
加速・旋回性能の向上
2010 年度車両のコンセプトは、チーム内で定めたベンチマークを達成することを目的に
2009 年度と同様,「加速・旋回性能の向上」と決定した.2009 年度車両ではコンセプトで
ある加速および旋回性能の一定の向上は実現したが,今後の改善の余地がある.パーツ単
位でも,各班で年々改良を加え,データを蓄積している.この二つの性能をさらに発展さ
せ使いこなすことで,私どものチームとしては「総合順位一桁」を達成することを目標と
して掲げている.今後.2009 年度車両の高出力,低重心,操縦安定性といった要素をさら
に発展させ,目標達成に向けて設計,製作を行う.
加えて,2009 年度大会や練習走行でいくつかトラブルが出たパーツがあったため,それ
らの部品は信頼性を考慮して設計,製作を行うよう徹底いる.例を挙げると,リアサスペ
ンションの剛性,クラッチの調整機構などである.
マシンコンセプト実現のために
加速および旋回性能向上のため各班で取り組むべき課題に優先順位をつけて設計してい
る.パワートレイン班では第 1 に高トルク高パワー,第 2 に信頼性,整備性の向上を課題
に挙げた.主にターボチャージャーのブースト圧アップ,トルクバンドの高回転化,デュ
アルインジェクション等を検討している.
フレーム班では,第 1 に軽量化,第 2 に低重心化とドライバビリティーを挙げた.主にフ
レーム構造の最適化,フラットボトム化,モックアップを使用したコックピットスペース
の検討等を試みた.
サスペンション班では,第 1 に整備性の向上および信頼性,第 2 にタイヤ接地性の向上,
第 3 に軽量化を挙げた.主に,走行中にすぐにアライメントを変えられる整備性,ジオメ
トリの変更,製作時の精度・誤差の評価を試みている.
どの班でも各種計測器を用いて定量的な性能評価を行い,それを基にセッティングを行っ
ていく.
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2009 Okayama University Formula Project
7.2. 2010 年度予算計画
2010 年度は次の表のように予算計画を立てております.
項目
収入
前年度繰越金
¥1,899,186
岡山大学支援金
¥1,400,000
スポンサー様よりご支援金
¥1,900,000
メンバー負担(13 人)
収入合計
¥572,000
¥5,771,186
項目
大会費用
金額
¥600,000
材料・部品購入費
支出
金額
¥1,500,000
走行関連費
¥500,000
運営費
¥300,000
工具など
¥150,000
企業訪問・技術養成費
¥200,000
合計
¥3,250,000
収支
¥2,521,186
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2009 Okayama University Formula Project
8. 2009 年度スポンサー様一覧
社名または個人名
所在地または所属
支援内容
石原ラジエーター工業所
愛知県 岡崎市末広町 12-5
ワンオフラジエーター特別価格支援
内山工業㈱
岡山県岡山市中区江並 338 番地
活動資金,発泡スチロール支援,チームユニフォーム支援
NTN㈱
大阪府大阪市西区京町堀 1 丁目 3 番 17 号
ベアリング,ドライブシャフト支援
AVO/MoTeC JAPAN
埼玉県さいたま市岩槻区釣上新田 1449-2
製品割引支援
㈱エフ・シー・シー
静岡県浜松市細江町中川 7000 番地の 36
ディファレンシャル提供
FC デザイン㈱
広島県安芸郡府中町本町 2-1-48 藤本ビル 1F
燃料ポンプ,燃圧レギュレーター支援
エーモン工業㈱
兵庫県神崎郡福崎町南田原2077-1
電装部品支援
岡山科学技術専門学校
岡山県岡山市北区高柳東町 7-15
塗装ブース貸出
岡山国際サーキット
岡山県美作市滝宮 1210
走行場所貸出支援
川崎重工業㈱
兵庫県 明石市 川崎町 1 番 1 号(明石工場内)
エンジン,パーツ支援,パイプ支援
協和工業㈱
愛知県大府市横根町坊主山 1-31
ユニバーサルジョイント支援
倉敷化工㈱
岡山県倉敷市連島町矢柄四の町 4630
活動資金支援,光学定盤支援
㈲ケイマックス スピード
岡山県倉敷市中畝 1 丁目 6-2
シャーシダイナモ測定
山陽レジン工業㈱
岡山県岡山市南区藤田 239-19
FRP 材料支援,技術支援
スズキ㈱
静岡県浜松市南区高塚町 300
タービン支援
住鉱潤滑剤㈱
東京都新宿区西新宿 2-6-1 住友ビル 8 階
潤滑用グリースの支援
ソリッドワークス・ジャパン㈱
東京都港区高輪 3-13-1 高輪コート 5F
CAD ソフト支援
ダイハツ工業㈱
大阪府池田市ダイハツ町 1 番 1 号
ロッドエンド支援
㈱テイクオフ
大阪府大阪市都島区都島本通 1-22-15
タービン特別価格支援
テクノイルジャポン K.K.
神奈川県横浜市都筑区東山田 4-34-12
エンジンオイル支援
㈱デンソー中国
広島市中区東平塚町 4-21 デンソー広島ビル 3 階
スパークプラグ支援
東海バネ工業㈱
大阪市福島区鷺洲 3-7-27
オーダーメイドスプリング支援
㈱東京アールアンドデー(厚木事業所)
神奈川県厚木市愛甲 1516
パーツ支援
㈱東日製作所
東京都大田区大森北 2-2-12
トルクレンチ支援
日進機械(岡山営業所)
岡山県岡山市北区大元2丁目8番14号大元第1ビル
発注代行
日信工業㈱
長野県上田市国分 840
ブレーキキャリパー,マスターシリンダー支援
ニッポンレンタカーサービス㈱(岡山)
岡山県岡山市北区厚生町 2 丁目 2 番 5 号
特別価格にてトラック貸出
福島化工
岡山県岡山市南区福島 3 丁目 13-1
発泡スチロール特別価格支援
㈱ブリヂストン
東京都中央区京橋一丁目 10 番 1 号
ドライタイヤ,レインタイヤ支援
㈱プロト
愛知県刈谷市井ケ谷町桜島 5
ブレーキライン特別価格支援
三国工業㈱
岡山県玉野市玉原3丁目4番1号
パイプ曲げ加工支援
三菱自動車工業㈱ 水島製作所
岡山県倉敷市水島海岸通 1-1
活動資金支援,ハブ支援,溶接講習
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2009 Okayama University Formula Project
三菱マテリアルツールズ㈱
東京都千代田区大手町 1-5-1 大手町ファーストスクエ
切削工具支援
ア・ウエスト 21 階
㈱ヤスヒラ
兵庫県姫路市西庄甲 108
㈱三星製作所
大阪府堺市美原区黒山 457-1 美原工場 【本社機構】
活動資金支援
ラストラーダ
大阪府池田市住吉 2-3-17
レーシングシューズ,グローブ特別価格支援
ライドオン岡山
岡山県岡山市中区古京 2-6-8
特別価格支援
㈱レイズ
大阪府東大阪市長田西 2-4-7
アルミホイール特別価格支援
岡山大学工学部創造工学センター
岡山県岡山市北区津島中 3-1-1
作業場支援
ものつくり支援部門
OUFP 同窓会一同
出版元
岡山大学フォーミュラプロジェクト
〒700-8530
岡山県岡山市北区津島中 3-1-1
岡山大学工学部
学生フォーミュラ
作成者:高橋 直也
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