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身の回りのもので電池を作ろう 化学変化とエネルギー ~化石燃料や
身のまわりのもので電池を作ろう 09 対象学年 化学変化とエネルギー∼化石燃料やいろいろな電池∼ 教科 中学校 3 理科 学年 単元 第1分野(6)化学変化とイオン ア 水溶液とイオン (ウ)化学変化と電池 関連教科・単元 時間数 中学校2学年技術分野 Bエネルギー変換に関する技 術(2)エネルギー変換に関する技術を利用したものづ くり 3 目 標 関心・意欲・態度 強力で長く使える電池を作ることを通して、エネルギーへの関心を高める。 思考・判断・表現 電極、電解質の水溶液、つなぎ方などの条件と、作った電池の性質とを関連づけて捉えることが できる。 知識・技能 2 種類の金属と電解質の水溶液の組み合わせで、電池ができることを知る。 単元における視点 ●展開例の趣旨 化学変化とイオンの単元の発展として、電池づくりを行う。これまでに、電解質の水溶液へ 2 種類の金属をふれさせる と電気エネルギーを取り出せることをイオンをもとに理解している。電池は、アルカリ電池やマンガン電池など日常生活 でよく使われるものであり、エネルギー変換でいうと、化学エネルギーから電気エネルギーに変換しているものといえる。 既習事項をもとに身近な素材を使って電池を作り、簡単に電気エネルギーが取り出せることを体験させ、エネルギーを身 近なものに感じ、エネルギーへの関心を高めていきたい。 ●単元における展開例の位置づけ 電池づくりの学習は、新学習指導要領の(6)化学変化とイオン「ア(ウ)化学変化と電池」の発展として位置づけられ、 実験方法を自ら考え、探究していく活動として設定している。中学理科の第 1 分野では、物理領域で「エネルギー」概念を、 化学領域では「粒子」概念を育成することを柱に学習を系統的に展開する。その中で「化学変化とエネルギー」と「イオン」 の学習は、それらを関連させ統合していく位置にあり、3 年間の学習の集大成となる学習にしたい。電池づくりの学習は、 これまでに学習した「エネルギー」と「粒子」概念を活用し、身のまわりの現象へ当てはめて理解を深める発展的な学習で ある。 展開計画 全 3 時限 時数 各時間の学習課題と主な学習内容 身のまわりのものを使って、強力な電池づくりの計画を立てよう。 1 備長炭、果物など身のまわりのものを使って、電池づくりの計画を立てることができる。 これまでに化学電池は、2種類の金属と電解質水溶液を用意することでできることを学んでいる。まず始めに、電池づくり の計画を立てる。電極としては、鉄、亜鉛、アルミニウム、銅、備長炭を用意する。電解質水溶液として、食塩水、スポーツ 飲料、果物など生徒たちのアイディアをもとに用意させる。これらを材料にして、各グループで電池づくりの計画を立てる。 計画をもとに、強力な化学電池を作ろう。 計画をもとに、化学電池を作成し電気エネルギーが取り出せるか確かめることができる。 2 本時では、計画をもとに化学電池を作成していく。電極の組み合わせ、選ぶ電解質の種類とその濃度、電池のつなぎ方(直 列、並列)と個数などを試行錯誤しながら、大きな電力が得られるように取り組む。得られる電気エネルギーの大小は、電子 オルゴール、LED 電球、光電池モーターを使うことで判断する。 最後に、自分たちの取り組んだ結果と活動の反省を記入する。また、電極に用いた金属の表面を使用前と比較し、変化して いることを押さえる。 58 身のまわりのもので電池を作ろう (第 1 時/全 3 時限) 時 数 1 身のまわりのものを使って、強力な電池 づくりの計画を立てよう。 時 間 ねらい 備長炭、果物など身のまわりのものを使って、電池づくりの計画を立てることができる 評価のポイント 化学電池づくりのワークシートを用意し、計画内容を以下の観点から評価する。 ・電極の組み合わせ ・電解質の種類 ・電池の個数とつなぎ方 ・グループなりのこだわりや工夫点 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 ・金属板などは、市販のものを利用することも ①電池づくりの材料を確認する。 ・電極として、金属板(鉄、亜鉛、アルミニウム、銅) 、備長炭、 アルミ箔を用意する。 ・電解質の水溶液として、食塩水、ジュース、果物、野菜など できる。 備長炭:ホームセンター 金属板セット:教材会社 電池キット:教材会社 ・教師が作り方を実演したり、あらかじめ製 ②身近なものを使って作る電池を確認する。 ・備長炭とアルミニウムを電極に、電解質の水溶液に食塩水を 使う電池 ・2つの金属板を電極に、電解質の水溶液に野菜や果物を使っ た電池 ・10 円玉(銅) 、1 円玉(アルミニウム)と食塩水を使った電池 ③強力で長く使える電池を作るために計画を立てる。 作しておいた電池を提示したりして、興味 を持たせる。 ・作り方のプリントを用意。 ・ワークシートを準備。 ・電極として何を使うのか? ・電解質の水溶液は何を使うのか? ・電池のつなぎ方は? ④グループで計画を確認する。 ・3∼4人グループでいくつか選択させ、電池 づくりに挑戦させる。 ・準備物の分担を確認する。 ⑤計画を教師に提出する。 ・計画書をもとに、評価する。また、準備物 の分担も確認する。 《活用可能な外部支援》 電力会社の出前授業で扱っている場合がある。(もよりの支社に問い合わせる。) 59 09 09 身のまわりのもので電池を作ろう (第 2 ∼ 3 時/全 3 時限) 時 数 2 計画をもとに、強力な化学電池を作ろう。 時 間 ねらい 計画をもとに化学電池を作成し、電気エネルギーが取り出せるか、確かめることができる。 評価のポイント ・電子オルゴール、LED、光電池用モーターを使い、自分たちで作った電池が、電気エネルギーを発生したか。 ・必要な電力は、光電池モーター 0.4V 用、電子オルゴール、LED の順で大きくなるように準備し、どの程度電気が得ら れたか確認する。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 ・本時は、2時限続きが望ましい。 ①自分たちの計画をもとに、電池を作る。 ・備長炭電池を作る。 キッチンペーパーに濃い食塩水をしみこませ、備長炭の上に巻 ・電極として、鉄、亜鉛、アルミニウム、銅、 き、その上からアルミ箔を巻く。導線を備長炭とアルミ箔につ 備長炭、アルミ箔を用意する。 なげる。 ・果物や野菜で電池を作る。トマトやレモンに2種類の金属板をさ ・電解質の水溶液として、食塩水、ジュース し込む。 などを使用する。また、レモンやミカンな ・10円玉と1円玉と食塩で電池を作る。 どの果物、トマトやダイコンなどの野菜を 1 円玉と同じ大きさに切った濾紙に濃い食塩水をつけ、10 円玉 使う。 と 1 円玉の間に挟む。これをいくつも直列に重ねる。55 円電池、 66 電池、77 円電池など数を増やしていく。 ・電流計、電圧計、導線・電子オルゴール ②電極の表面積や電解質の水溶液の濃度、つなぎ方なども工夫し てみる。 ・実験用LED(10Ω抵抗付き) ・キッチンペーパー・濾紙 ・光電池用モーター(0.4V) ・光電池用モーター0.4V用、電子オルゴール、 ③電極に用いた金属の表面を使用前と比較する。 LED用の順で大きな電圧が必要であることを ・アルミニウム箔は、所々穴が空いている。 ・亜鉛の表面は、とけている。 ④取り組んだ結果と感想をまとめる。 伝える。 ・ホワイトボードなどを用い、グループ毎に簡潔に発表する。 ・電極の金属がとける様子や電極から気体が 発生する様子を捉えさせる。 ・ワークシートの結果や発表からどのような 電池ができたか評価する。 発表例: ・備長炭を使った電池では、光電池モーターが回った。 ・果物電池では、電子オルゴールは鳴ったが、モーターは回らな かった。 ・果物電池を直列に2個つなぐと、1個よりも大きな電圧が得られた。 60 身のまわりのもので電池を作ろう ●その他参考資料等 ・やってみよう何でも実験第 1 巻 NHK 出版 ・おもしろ電池百科 少年写真新聞社 ○いろいろな電池のつくりかたの細かな説明 「兵庫県理化学会」を検索エンジンでサーチするあるいは(http://www.hyogo-c.ed.jp/ rikagaku/) ↓ 「実験準備マニュアル」をクリック ↓ 「実験編」をクリック ↓ 「第5章 おもしろ科学」をクリック ↓ 「8 いろいろな電池」をクリック 61 09 09 身のまわりのもので電池を作ろう 実験記録用紙 年 組 番 氏名 【課 題】身のまわりのものを使って,強力な電池をつくろう。 【目 的】身のまわりのものを使って電池を作り,発電の様子を比較する。 さらに,工夫をして 強 力な電池を作る。 【予 想】 【準備物】 LED 【方 法】 ① ② ③ ① 62 0.4V) 身のまわりのもので電池を作ろう 【実験の結果】 【この授業で分かったことや疑問点】 【取り組みを振り返り,感想を書こう】 自己評価:① 学習の意欲(A,B,C) ② 実験は成功したか(A,B,C) ③ 内容の理解 (A,B,C) 63 09