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ダイハツ:九州に高効率の軽自動車生産体制を構築、開発

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ダイハツ:九州に高効率の軽自動車生産体制を構築、開発
2016/4/5
ダイ ハツ :九州に高効率の軽自動車生産体制を 構築、開発拠点も設置 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
ダイハツ:九州に高効率の軽自動車生産体制を構築、開発拠点も設置
新型 Tanto の牽引で、2008年4~9月期の軽自動車市場シェアは 34.3%
2008.12.2 No.733
2008年度業績見込みは、4.5% の増収、14.1% の営業減益
新型 Tanto の牽引で、2008年4~9月期の軽自動車市場シェアを 34.3% に拡大
九州に高効率の軽自動車生産体制を構築、開発拠点も設置
既存工場設備を刷新、軽自動車と小型車生産それぞれを専用ライン化
海外事業:インドネシアで海外生産を拡大、日本向けを含む輸出も拡大
要 約
ダイハツの連結業績は、6期連続の増収増益だった2007年度に続いて、2008年度 4~9月期も増収増益。
2008年度通期見込みは (08年11月発表)、販売台数は 98.2万台 (当初計画を 1.9万台下方修正したが、07年度比
で 3.9% 増)。売上高も 1兆 7,800億円で当初計画を 300億円上回るが (07年度比 4.5% 増)、営業利益は当初計画
を 50億円下方修正して 560億円 (同 14.1% 減)。
2006年度にシェア 1位となった軽自動車の国内販売は、06年度の 30.3% から、07年度は 32.4%、08年4~9月期は
34.3% と、シェア拡大を続けている。ダイハツは、軽自動車トップシェアの継続が、当面の最大のテーマとしている。
ダイハツは、2007年12月に軽自動車専用の大分第 2完成車工場を稼動、08年 8月には軽自動車エンジン生産に
特化した久留米エンジン工場を稼働した。軽自動車用を生産する福岡の新 CVT 工場も09年 7月に生産を開始す
る計画。開発拠点を福岡に新設する構想も明らかにしており、高効率な軽自動車一貫生産体制を九州に構築しつ
つある。
これらの新工場群は、いずれも軽自動車専用とすることで SSC (シンプル、スリム、コンパクト) 化による効率化を徹
底、収益向上が可能な軽自動車ビジネスモデルの確立を目指すとしている。さらに、技術的・コスト的に優れた軽自
動車の開発/生産を、グローバルに通用するコンパクトカーづくりにもつなげていくとしている。
2008年度業績見込みは、4.5% の増収、14.1% の営業減益
ダイハツの連結業績は、6期連続の増収増益だった2007年度に続いて、2008年度 4~9月期も増収増益で、売上高
は 8,808億円 (07年度 4~9月期は 8,187億円)、営業利益は 279億円 (同 251億円)。売上台数は、国内販売、海
外販売、受託・OEM車とも増加し、合計で 69.7万台 (同 63.8万台)。
しかし、2008年度通期見込みは、売上高は 1兆 7,800億円で当初計画を 300億円上回るが (07年度比 4.5% 増)、
海外販売計画を 41.4万台から 39.2万台に下方修正、営業利益も 50億円下方修正して 560億円としている (同
14.1% 減)。
ダイハツの連結販売台数 (台)
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度見込み
4月発表
2008年
11月発表
4-9月
4-9月
←
267,635
285,984
国内販売台数
550,693
563,777
586,240
570,653
軽自動車
532,695
550,738
567,301
561,628
263,153
282,870
小型車
17,998
13,039
18,939
9,025
4,482
3,114
海外販売台数
267,823
286,708
342,423
374,286
414,000
392,000 179,601
195,876
ダイハツ車合計
818,516
850,485
928,663
944,939 1,001,000
982,000 447,236
481,860
国内受託車
177,635
187,372
262,512
245,368
119,781
120,025
OEM車台数
2,474
9,184
27,801
15,412
28,549
海外受託車
63,865
95,452
97,090
55,409
66,903
http://www.marklines.com/ja/report/rep733_200901
36,187 109,549
590,000
2007年
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受託・OEM (注)
販売台数合計
243,974
292,008
387,403
391,104
429,000
←
1,062,490 1,142,493 1,316,066 1,336,043 1,433,000
190,602
215,477
1,411,000 637,838
697,337
(注) 受託・OEM には、トヨタへの供給に加えて、2007年度から富士重工が欧州販売している Justy (Boon ベース)
. と、08年11月に富士重工が国内発売した DEX (COO ベース) を含む。
単独ベースの生産・輸出台数 (1,000台・基)
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度見込み
2007年
2008年
4月発表
11月発表
4-9月
4-9月
国内生産台数
870
909
1,078
1,031
1,053
1,023
-
-
エンジン受託生産
257
369
385
434
577
←
185
206
海外生産用部品
258
296
293
380
455
443
189
218
輸出台数 (注)
101
107
148
157
153
123
78
72
(注)輸出台数は、完成車+CKD。ダイハツは、2008年度の輸出台数計画の下方修正に伴って、国内生産計画も
105.3万台から 102.3万台に下方修正した。
ダイハツの連結業績概要 (100万円)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度見込み
2007年
2008年
4月発表
11月発表
4-9月
4-9月
ダイハツ車売上高
988,547
1,132,973
1,196,125
1,210,000
1,240,000
568,444
613,079
国内売上高
729,039
773,055
792,795
800,000
840,000
371,032
408,065
海外売上高
259,508
359,918
403,330
410,000
400,000
197,412
205,013
受託・OEM
359,424
504,151
506,476
540,000
250,214
267,761
売上高合計
1,347,972
1,637,124
1,702,602
1,750,000
818,659
880,840
営業利益
48,638
54,373
65,201
61,000
25,074
27,910
経常利益
50,360
60,207
66,563
61,000
26,208
31,148
当期純利益
33,523
34,730
34,940
32,000
12,642
17,138
研究開発費
47,803
46,724
44,213
45,000
←
22,063
22,202
設備投資
114,039
77,500
111,749
93,000
←
48,545
42,244
減価償却費
52,577
65,143
66,487
85,000
←
30,614
38,319
←
1,780,000
56,000
59,000←
資料:ダイハツの決算短信
新型 Tanto の牽引で、2008年4~9月期の軽自動車市場シェアを 34.3% に拡大
ダイハツは国内軽自動車市場で、2006年度に初めてシェア 1位となり (30.3%)、07年度もシェアを 32.4% に拡大、
08年 4~9月期も 34.3% として、シェア 1位を続けている。08年 4~9月の軽自動車販売は、市場全体が 2.4% 縮小
したなかで、07年12月に発売した新型Tanto の好調により、07年比 4.5% 増の 30.0万台に達した (07年は 28.7万
台)。
ダイハツは、高水準で推移している軽自動車市場でナンバーワンになったことは、現場の自信や士気が高まる等の
効果が大きく、シェア1位を継続することが、現在の最大のテーマとしている。
ダイハツ:新型 Tanto を2007年末に発売、08年 4~9月は月販 13,583台
(注)
1.
03年11月発売の初代 Tanto は子育て中の家族をターゲットとし、平均月販 8,000台を記録した。
2.スズキが08年 1月に発売した Tanto タイプの新モデル Palette は、室内長 2,025mm、室内幅 1,280mm、室内
高 1,365mm、ホイールベース長 2,400mm。Palette は、センターピラーを残し、運転席側・助手席側の両側に
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スライドドアを装備している。
3.三菱自動車が08年 9月に発売した新型 Toppo も、軽乗用車クラス最大の 1,430mm の室内高による、広々とし
た室内空間を訴求している。ただし、室内長は 1,800mm、室内幅は 1,275mm で、Tanto と Palette よりは小さ
い。
大分工場で生産する最初の新型車 Move Conte を、2008年 8月に発売
ダイハツは08年 8月、新モデル Move Conte を発売した。流線型の Move、丸みをおびた Move Latte に対し
て、Move Conte はシンプルな四角いスタイル。20代後半から30代前半の働く女性をターゲットに、月販目標は
4,000台。Move Conte は、07年12月に稼動した新工場の大分第 2工場で生産する最初の新型車で、搭載エンジ
ンも08年 8月に稼動した久留米エンジン工場で生産する。
資料:ダイハツ広報資料 07.12.17/08.8.25, 日刊自動車新聞 08.8.26
日本の軽自動車市場:ダイハツ/富士重工/スズキの新車販売台数とシェア
新車販売台数 (1,000台)
販売シェア
市場全体
ダイハツ
スズキ
富士重工
その他
ダイハツ
スズキ
富士重工
2003年度
1,861.2
540.8
569.9
143.3
607.2
29.1%
30.6%
7.7%
2004年度
1,881.0
567.8
600.0
162.9
550.3
30.2%
31.9%
8.7%
2005年度
1,948.4
591.9
625.5
140.7
590.3
30.4%
32.1%
7.2%
2006年度
2,030.6
616.2
605.5
157.6
651.3
30.3%
29.8%
7.8%
2007年度
1,893.0
612.8
587.3
135.0
557.9
32.4%
31.0%
7.1%
2007年4-9月
896.3
287.2
275.0
66.8
267.3
32.0%
30.7%
7.5%
2008年4-9月
874.8
300.1
277.4
59.8
237.5
34.3%
31.7%
6.8%
資料:全国軽自動車協会連合会
(注) ダイハツ、トヨタ、富士重工の 3社は、08年 4月、開発・生産における新たな協力関係に合意した。発表によれ
1. ば、富士重工は経営資源を主力商品分野に集中するため、2009年後半以降、軽自動車生産から徐々に撤退
し、ダイハツが OEM 供給する。
2.富士重工は、現在の軽自動車 5車種と (Stella, Subaru R1, Subaru R2, PLEO, 商用車 Sambar)、販売規模
(07年度 13.5万台、08年4~9月 6.0万台) が維持可能な供給をダイハツに要請しているとされる。
3.スズキは、2006~07年度に輸出用小型車を増産するため、相良新工場稼動まで、軽自動車を減産すると発表し
た (06年 8月)。新工場は08年 7月に稼働したが、海外での小型車販売が好調のため、当面は輸出用小型車生
産を優先するとしている (新工場稼動時点)。
ダイハツのモデル別国内新車販売 (1,000台)
2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度
Mira
ESSE
軽自動車
143.6
127.1
2008年度 2007年 2008年
見込み
4~9月 4~9月
103.8
92.5
105.3
84.0
49.8
48.5
28.0
46.6
33.1
28.0
15.5
16.1
Move
183.6
194.9
189.2
199.2
199.1
210.0
98.6
87.6
Atrai Wagon
14.9
10.0
26.4
19.3
21.5
18.0
9.1
8.6
Naked
5.6
Terios Kid
13.8
13.7
12.0
Max
23.8
10.0
2.8
http://www.marklines.com/ja/report/rep733_200901
- 10.5
0.0 7.3
7.0
3.6
3.1
3/7
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Sonica
19.7
5.5
4.0
3.0
2.0
Copen
8.1
7.2
6.6
6.0
6.0
5.0
2.6
3.1
Tanto
35.1
94.5
92.7
110.1
112.3
152.0
48.7
83.1
Hijet Truck
69.7
70.2
72.6
63.9
65.8
60.0
31.2
26.4
Hijet Cargo
39.2
40.8
57.4
52.7
51.3
52.0
24.9
25.4
軽自動車合計
537.6
568.4
591.4
620.5
607.2
620.0
287.0
304.1
15.1
9.7
6.8
4.6
2.0
2.2
1.7
Boon
小型車
Storia
1.7
0.1
0.0 YRV
1.6
0.8
0.2
COO
BEGO
Atrai
0.0 8.8
1.9
2.0
0.8
0.7
3.3
5.2
2.0
1.9
1.0
0.7
7
3.8
2.2
0.0 Others
1.3
1.1
0.5
0.1
0.1
4.1
0.1
0.1
小型車合計
8.3
19.3
13.7
21.0
8.6
10.0
4.0
3.1
545.9
587.7
605.1
641.5
615.9
630.0
291.0
307.2
国内販売合計
資料:ダイハツ決算補足資料。2008年度見込みはダイハツ発表。
(注)新型 Tanto の牽引により、08年10月には、国内販売合計が 55,125台に達して、自動車メーカー別販売台数で
スズキと日産を上回って、トヨタに次いで初めて国内 2位となった。
九州に高効率の軽自動車生産体制を構築、開発拠点も設置
ダイハツは九州に、高効率な軽自動車生産体制を構築中で、2007年12月に稼働した新完成車工場、08年 8月に稼
動した新エンジン工場に続いて、子会社の新工場が09年 7月に CVT 生産を開始する。SSC (シンプル、スリム、コ
ンパクト) 化ノウハウを活用した高生産性の新工場群により、軽自動車の収益性向上が可能なビジネスモデルの確
立を目指すとしている。
2007年12月に稼働、Mira と、08年 8月に発売した新モデル Move Conte を生産している大分第 2工場は、年産能
力は第 1工場と同じ 23万台 (2直・定時) だが、軽自動車専用工場としたことで、投資額を第 1工場の 400億円から
235億円に圧縮した。(09年後半から富士重工に供給する OEM 車も、第 2工場で生産する)。
2008年 8月に稼働した久留米エンジン工場も、軽自動車用エンジン生産に特化することで、建屋建設費を除く設備
投資額を約 40% 圧縮する等、大幅に効率化した。
2009年 7月に生産開始予定の新 CVT 工場の月産能力は 1.8万基で、用地費を除く工場投資額は 80億円。アル
ミ部品は久留米エンジン工場が供給する。既存の滋賀(竜王)工場と合わせ、ダイハツの CVT 月産能力は 3.6万基
に倍増する。08年 4~9月にダイハツが販売した軽乗用車の CVT 搭載率は 48% だが、搭載比率を一気に高める
方針とされる。
福岡県に開発拠点を新設し、2010年に稼動予定
ダイハツは、大分第 2工場の竣工式で、九州に開発拠点を新設する構想を明らかにした。九州の完成車年産能力
が 48万台となったことから、久留米エンジン工場の周辺に開発拠点を新設し、開発から生産までの一貫体制を構築
するとしている。
ダイハツ:九州地区に、高効率の軽自動車専用生産体制を構築
軽自動車専用工場の大分第 2工場が、2007年12月に稼動
大分(中津)第 2工場が07年12月に稼動し、Mira 生産を開始した。年産能力は 23万台 (2直・定時)。年産能力は
第 1工場と同じだが、第 2工場は軽自動車専用工場で、ロボットのスリム化なども進め、建屋面積は第 1工場の 11
万㎡ に対して約 5万㎡。投資額も第 1工場の 400億円に対して 235億円。ダイハツは、第 2工場を、グローバル
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ダイ ハツ :九州に高効率の軽自動車生産体制を 構築、開発拠点も設置 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
に通用する低コスト・高品質な車づくりを実現する、シンプル、スリム、コンパクトな工場としている。
ダイハツは、大分第 2工場の稼動により、高負荷状態が続いている既存工場の操業適正化も図るとしている。ま
た、09年末から富士重工に供給する OEM 車も、第 2工場で生産する。
(注) 大分第 2工場は軽自動車専用工場だが、リッターカー生産までは対応可能とされる。
久留米エンジン工場が、2008年 8月に操業開始
久留米エンジン工場が08年 8月に操業を開始した。設備投資額は約 100億円 (土地・造成費用を除く)。年産能
力は 21.6万基で (2直・定時)、軽自動車用 3気筒 KF 型エンジンを生産し、大分工場に全量供給する。九州での
生産により、エンジンの輸送リードタイムが 3日から 2.5時間に短縮され、輸送費の 75% 削減が可能。
久留米工場は、大分第 2工場などで培った SSC (Simple, Slim, Compact) 化のノウハウにより、滋賀工場第 1地
区の KF エンジン専用ラインとの比較で、建屋建設費を除く設備投資額を約 40%、建屋容積を約 60%、加工組付
けライン長を約 50% 削減し、工程数も約 20% 効率化したとされる。
(注)
1.
滋賀工場第 1地区に一極集中していた エンジン生産のリスク分散の狙いもあるとされる。
2.久留米工場は、原価に占める設備償却費率が高いエンジン工場の特色を踏まえて、競争力強化に取り組んだと
される。ダイハツは、そこで培ったノウハウを、海外のエンジン工場にも横展開する方針。
軽自動車用 CVT を、2009年から九州でも生産
ダイハツは九州で軽自動車用 CVT も生産する。子会社の明石機械工業が、福岡県に新工場を建設、09年 7月
に生産を開始し、大分工場で生産する Mira と Move Conte に供給する。月産能力は 1.8万基。投資額は 80億
円 (用地費を除く)。CVT ケースなどのアルミ部品は、久留米エンジン工場が供給する。
ダイハツは06年 6月に発売した Sonica に自社開発 CVT を初搭載し、08年 4~9月に販売した軽乗用車約 25万
台の CVT 搭載率は 48%。既存の滋賀工場の CVT 月産能力は 1.8万基で、九州での生産によって、CVT 月産
能力は 3.6万基に倍増する。
(注) 明石機械工業は兵庫県でダイハツ車向け MT を生産しており、ダイハツ出資は 68.2%。
2010年を目処に、開発拠点も設置
ダイハツは2010年 4月を目処に、福岡市に開発センター(仮称)を開設する計画。九州で生産するダイハツ車のア
ッパーボディーや内装部品を開発するとともに、製造技術に精通したエンジニアも育成し、開発から生産までの一
貫体制を構築する。開発機能を持つことで、九州地区にサプライヤーを育成し、緊密な関係を構築して原価低減
を進めることも狙い。
資料:ダイハツ広報資料 08.12.19/08.8.29, 日刊自動車新聞 07.12.20/08.8.30/08.11.14,
日刊工業新聞 07.12.20/07.12.27/08.4.15/08.5.23
既存工場設備を刷新、軽自動車と小型車生産それぞれを専用ライン化
ダイハツは、大分第 2工場の稼動で、既存工場のラインにゆとりが生じることから、フル稼働してきた本社工場、滋賀
工場、京都工場の老朽化した設備を刷新していく計画。
生産車種も再編し、本社工場と京都工場は小型車、滋賀工場と九州工場は軽自動車中心とし、一部で混流生産は
残るが、効率の高い専用ラインとしていく方針とされる。
ダイハツグループの主要国内工場
年産能力
稼動開始
本社(池田)工場第 1地区
1939年
本社(池田)工場第 2地区
1961年
(1,000台)
生産
240
生産品目
(1,000台)
エンジン 1,300
http://www.marklines.com/ja/report/rep733_200901
2007年度
プレス部品, 機械加工部品など
297
Move, ESSE, Sonica, Boon/Passo,
Terios Kid, COO/bB, Justy, DEX
エンジン, トランスミッション,
5/7
2016/4/5
ダイ ハツ :九州に高効率の軽自動車生産体制を 構築、開発拠点も設置 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
滋賀(竜王)工場第 1地区
1974年
CVT 216
軽合金鋳造など
滋賀(竜王)工場第 2地区
1989年
240
274
Move, Move Latte, Tanto, Mira Gino
京都工場
1973年
180
167
Succeed, Probox, Sienta, Porte
九州第 1工場
2004年
Atrai Wagon, Hijet Truck/Cargo,
480
Bego/Rush, Mira
292
九州第 2工場
2007年
Mira, Move Conte
久留米工場
2008年
エンジン 216
軽自動車用 KF 型エンジン
CVT 新工場
2009年
CVT 216
軽自動車用 CVT
資料:ダイハツ DATA BOOK 2008, その他
(注)
1.
年産能力は08年 3月末時点 (新工場は計画能力)。
2.青色表記の生産モデルのうち、Justy と DEX は富士重工への OEM 車、他はトヨタからの受託車。
3.Justy は Boon (トヨタの Passo と姉妹車) をベースモデルとする富士重工の欧州市場モデルで、OEM 供給は
07年秋から。DEX のベースモデルは COO (トヨタの bB と姉妹車) で、富士重工が08年11月に国内発売した
(月販目標 500台)。
海外事業:インドネシアで海外生産を拡大、日本向けを含む輸出も拡大
ダイハツの海外売上台数は (単独決算ベースの完成車輸出および現地生産台数)、2006年度の 44.1万台が、07年
度に 53.8万台に急拡大したが、08年度計画は 56.6万台の微増にとどまる (08年11月発表)。
海外生産は、ダイハツの最大拠点マレーシアで、2008年度生産が 19.4万台に微減するが (07年度は 19.7万台)、
年産能力を拡充したインドネシアでは、トヨタブランド車の輸出拡大もあって、23.1万台に拡大する計画 (同 16.5万
台)。
ダイハツの海外地域別売上台数
単独決算ベースで、単位は 1,000台。日本からの輸出は完成車+CKD、海外生産は日本からの
海外生産用部品輸出台数。マレーシアとインドネシアの生産には、トヨタからの受託生産を含む。
2004年度 2005年度
日本からの輸出
アジア
欧州
中近東
中南米
アフリカ
2007年度
2008年度
2007年
2008年
計画
4-9月
4-9月
15.1
12.2
10.7
10.4
11.7
5.1
5.6
マレーシア
138.2
193.2
171.8
197.4
194.0
104.4
97.1
インドネシア
110.8
95.1
115.8
164.7
231.0
75.9
110.2
中国
2.4
1.4
0.0
4.4
5.3
3.6
2.7
合計
251.4
289.7
287.6
366.5
430.3
183.9
210.0
266.5
301.8
298.2
376.9
442.0
189.0
215.6
日本からの輸出
6.6
3.1
2.4
1.8
2.0
1.1
1.2
日本からの輸出
32.3
35.0
60.2
65.2
47.5
32.2
29.0
海外生産 (イタリア)
7.0
6.7
5.6
7.4
8.0
4.0
3.7
欧州合計
39.3
41.7
65.8
72.6
55.5
36.1
32.7
日本からの輸出
17.6
22.3
33.7
41.0
31.8
19.0
18.0
日本からの輸出
20.1
21.9
26.3
21.5
12.3
11.8
9.1
6.1
4.7
1.5
4.4
海外生産
アジア合計
大洋州
2006年度
海外生産
ベネズエラ
中南米合計
20.1
21.9
26.3
27.6
17.0
13.3
13.4
日本からの輸出
10.0
12.8
14.6
17.5
17.7
8.6
8.9
日本からの輸出
101.7
107.3
147.7
157.5
123.0
77.7
71.8
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2016/4/5
ダイ ハツ :九州に高効率の軽自動車生産体制を 構築、開発拠点も設置 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
合計
海外生産
258.4
296.3
293.2
380.0
443.0
189.4
218.0
合計
360.1
403.6
440.9
537.5
566.0
267.1
289.9
資料:ダイハツ(単独)決算補足資料
(注)2008年度計画は08年11月のダイハツ発表。日本からの輸出の当初計画は 15.3万台だった (08年 4月発表)。
マレーシア:Myvi と ViVA が好調で、Perodua がシェア 1位
マレーシアでダイハツベース車を生産/販売する Perodua は、06年度からマレーシア市場シェアが 30% 超で、第
1位。05年に Boon ベースの Myvi、07年に Mira ベースの ViVA を発売し、08年に Myvi をマイナーチェンジし
た。08年 4~9月は Myvi と ViVA とで 8.4万台を販売した (ダイハツベース Perodua ブランド車販売の 9割強)。
インドネシア;年産能力を 15万台から 20万台に拡充、小型商用車 Gran Max を新投入
ダイハツは07年末、インドネシア子会社の Astra Daihatsu Motor (ADM) 工場内に第 2ラインを新設し、年産能
力を 15万台から 20万台に拡充 (2直・定時)、小型商用車の新モデル Gran Max 生産を開始した。総投資額は
100億円。
ADM の08年 4~9月生産は 11.7万台で、うちトヨタ車 (Rush, Avanza, Town Ace, Lite Ace) が 7.3万台。金利
上昇やローン与信厳格化などの影響で、市場縮小懸念がある08年度下半期も、上半期を多少上回るとしており、
08年度生産計画は 23万台。
また、マレーシアとタイ等への Toyota Avanza、日本への Toyota Town Ace/Lite Ace、中近東・アフリカ・ベネズ
エラ等への Daihatsu Terios 等の輸出で、08年 4~9月の輸出比率は、初めて 20% に達した。
(注) トヨタ車の Rush は Daihatsu Terios (日本では Bego)、Avanza は Daihatsu Xenia と姉妹モデル。
小型商用車 Gran Max を、2007年11月に発売
ダイハツは07年11月、ADM が生産する Gran Max を発売した。セミキャブスタイルのピックアップとバンで、
1300/1500cc エンジンを搭載している。インドネシアで生産・販売していた Zebra (Hijet ベース) 後継車だが、
Gran Max はグローバル車として新たに開発した新モデル。月販目標は 2,300台。
08年 4~9月のインドネシアでのダイハツブランド車販売は、07年比 57% 増の 4.4万台。シェアは、07年度の
11.5% から、08年4~6月 12.6%、7~9月 13.6% に拡大している。
トヨタ:Gran Max ベースの Town Ace/Lite Ace を日本で発売
Gran Max はトヨタとの共同企画モデルで、トヨタは Gran Max ベースの Town Ace/Lite Ace をダイハツから
OEM 調達し、日本で08年 1月に発売した。トヨタが日本で発売する初のアジアからの輸入車で、月販目標は
1,500台。
資料:ダイハツ広報資料 08.11.7, トヨタ広報資料 08.1.9, その他
出典:マークラインズ
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