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スライド 0 - 経済産業省
平成23年度内外石油安定供給対策調査事業 エネルギー政策を取り巻く環境変化を踏まえた 我が国における産業構造変化調査事業 最終報告資料 2012 / 3 / 30 経済産業省 殿 アーサー・D・リトル (ジャパン) 株式会社 代表連絡先 東京都港区虎ノ門3-5-1虎ノ門37森ビル Phone : 03-3436-2196(代表) Fax : 03-3436-2197 URL : http://www.adl.co.jp 担当者連絡先 氏名 : 鈴木裕人 Phone : 03-3436-8920(直通) Mail : [email protected] 0 背景および目的 エネルギー供給環境や我が国の社会・産業を取り巻く国内外の環境変化を踏まえた、我が国の 社会・産業構造変革の在り方を検討。 背景 我が国の産業を取り巻く環境は、円高対策や財政不安 等、喫緊に取り組むべき課題が山積しており、さらに、20 11年3月11日に発生した東日本大震災以降、従来から のエネルギー供給体制の在り方が問われる中で、これま での経済・産業構造を継続していく上での大きな制約要 因となりつつあり、この制約要因を適確に分析した上で経 済・産業構造を検討することが必要となる。特に中長期的 な石油等化石燃料の価格の高騰トレンドを所与のものと した構造への転換を検討することが、石油・天然ガスの安 定供給を確保する上で必要となる。 他方、これらの我が国の産業を取り巻く課題は、全て我 が国があるいは世界経済が構造的に抱える問題であり、 また複合的につながっており、これらの構造全体を見直し ていく必要がある。そのためには、これらの課題の構造、 複合的つながりを解明するとともに、先行的に経済・産業 構造の転換を成し遂げた他国の先例にも倣い、我が国経 済、あるいは国民一人一人の暮らし方も含め、5年後、1 0年後といった中長期的スパンで考えた目指すべき姿を 検討することが必要となる。 目的 本調査では、中長期的な石油等化石燃料の価格の高 騰トレンドを所与のものとした上で、主にセミマクロなアプ ローチから、想定される中長期的な世界経済の環境変化 シナリオや他国における経済・産業構造転換の事例を踏 まえ、我が国における産業構造を分類し、個別の産業ご との強み、弱み等の現状分析を行う。その上で、各産業 のマクロ経済に与える影響を分析するとともに、構造転換 するための方策、その際に発生する影響、緩和策等を分 析する。 1 産業分析における基本的フレームワーク 「マクロ経済への貢献」と「個別産業単位(ミクロ)での競争力」の両面から、各産業のAs is→To beシナリオを分析。 マクロ経済的視点 0 ミクロ経済的視点 1 2 産業クラスター 定義 As is (BAU) シナリオ 各既存産業の マクロ経済への貢献度把握 (過去実績) 各産業内の ミクロ環境分析 (現状での市場/競争環境及び 我が国(企業)の競争優位性) 注力既存 産業 (仮説) の抽出 既存産業 競争優位獲得に向けた 産業政策上の施策(仮説) 4 新規産業 To be シナリオ 3 注力産業における 新しい 競争ポジション 競争ポジション改善による 産業 改善の クラスター マクロ経済へのインパクト試算 インパクト可視化 の定義 (産業全体としてのあるべき姿) 競争ポジション改善の ポテンシャル検証 2 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 3 0 産業クラスターの定義 基本的な考え方 一連の分析に先立ち、産業を新規・既存ごとに定義する。 産業クラスターの定義 0 分類 既存産業 産業 新規市場 検討ステップ 検討内容 現在の経済を構成する 既存業態を 網羅的に把握する • データの網羅性とアベイラビリティを鑑み、GICS分類を起点とす る 各業態の間における 連関関係を把握する (財のやりとり) • 最終需要者(エンドユーザ)からの財の流れに着目して、全体の 連関性を結節する 連関関係に着目して いくつかの産業グループに クラスタリングする • 次ページに記すような、連関関係の類型に着目して、全体をクラ スタリングする 大きな社会課題を 網羅的に把握する • 国内外の政府 / 民間 / シンクタンクなどの予想をもとに、今後の 大きな社会課題を把握する 社会課題に紐付く 確度の高い新市場を 網羅的に把握する • 上記課題の解決に資する(=今後の顕在化 / 成長が高い確度 を持って期待される)新市場を整理 4 0 産業クラスターの定義 既存産業 クラスタリングの視点 財の流れとしての連関性に着目すると、各業態は日本経済全体にとっての意味合いの観点から 3つに類型でき、(類型内での細かい差異は当然あるが)類型ごとにマクロへの影響が異な ると予想される。 産業の類型 日本経済全体にとっての意味合い • 上~下流への直線性が強い産業 ⇒系としての競争力が重要 1:1 リニア型 ※長いチェーンも短いチェーンもあり 産業間の 連関性 (財の流れ) 該当する業態の具体例 当該類型内の課題 / 施策の期待効果の類似性 • 自動車 • エレクトロニクス(半導体、 半導体製造装置、電子部 品製造受託を含む) • 不動産(建築、建材を含 む) • 食品(農業、飲食、食品小 売を含む) • 他、To Cサービスなど • どのグループも、産業バリューチェーンにお けるリーディング産業が競争力を維持し続け ることで、全体としての競争力を担保するこ とが期待 (但し、産業バリューチェーンそのものの変 化の可能性は確認が必要) • 小売 • 卸・商社・運輸 • メディア(特に広告) • どれも、競争力を強化するために特に機能 バリューチェーンにおけるポジショニングが 重要となる • また、当該産業の海外展開を強化すること で、その上流側の日本勢の海外展開を加速 できる可能性もあり • 下流側での集約が強い産業 ⇒上流側の競争力に影響可能性 N:1 アグリゲート型 ⇒次ページ参照 • 幅広い他産業の基盤となる産業 ⇒下流側の競争力に影響 1:N プラットフォーム型 • 重電・産機/大型輸送機 • 素材(化学/金属/紙・ パルプ・包装) • ビジネスサービス/IT/ 金融 • 資源 • ユーティリティ/通信 (重電・素材・ビジネスサービス) • どれも、理想的には当該業態が競争力を持 つことで、国内ユーザ企業の競争力を底上 げし、さらにその過程を通じて当該業態の競 争力が磨かれるという正のサイクルが期待 (資源・ユーティリティ) • どれも日本のエネルギー等のコストに影響し 、間接的に競争力に影響する 5 0 産業クラスターの定義 既存産業 クラスタリング結果 資源 素材 製造基盤 23 重電機設備(20104020) コングロマリット(20105010) 産業機械(20106020) エネルギー設備・サービス(101010) 石油・ガス装置・サービス(10101020)石油・ガス掘削(10101010) 建設・農業機械・大型トラック(20106010) 資源 部品 重電・産機 エンド製品 ビジネスインフラ (製造業全般に結節) 総合公益事業(55103010) 大型輸送機器 19 ※医療向けSI / 情報サービスなど 医薬品 ライフサイエンス・ ツール/サービス(35203010) 13 ヘルスケア機器・用品(351010) ヘルスケア機器(35101010)※医療用機器 ヘルスケア用品(35101020)※医療用機器 建設関連製品(20102010) ※セメントなど ※建材・合板など ヘルスケア・プロバイダー/ヘルスケア・サービス(351020) ヘルスケア施設(35102020) ヘルスケア・ ヘルスケアサービス(35102015) ディストリビュータ(35102010) 管理健康医療(35102030) 不動産管理・開発(404030) 各種不動産事業(40403010) 不動産運営会社(40403020) 不動産開発(40403030) 不動産サービス(40403040) 住宅建設(25201020) 不動産投資信託(404020) 各種不動産投資信託(40402010) ※他の不動産信託 金属 紙・パルプ・包装 不動産・建設 不動産 2 3 専門消費者サービス(25302020) ※住宅関連サービスを含む 消費者サービス 4 レストラン(25301040) 食品・農業 5 食品・生活必需品小売り(301010) 食品流通(30101020) 食品小売り(30101030) 大型スーパーマーケット・ スーパーマーケット(30101040) 薬品小売り(30101010) 小売 6 メディア 7 教育サービス(25302010) 各種消費者サービス(253020) 化学 医療・介護・福祉 医薬品(35202010) バイオテクノロジー(35201010) 建設・土木(20103010) 建設資材 (15102010) エンドユーザー 1 ユーティリティ 公益事業(5510) 水道(55104010) 独立系発電事業者・エネルギー販売業者(55105010) 電力(55101010) ガス(55101020) ヘルスケア・テクノロジー(35103010) 石油・ガス・消耗燃料(101020) 総合石油・ガス(10102010) 石油・ガス探査・開発(10102020) 石油・ガス精製・販売(10102030) 石油・ガス貯蔵・輸送(10102040) 石炭・消耗燃料(10102050) エンドユーザ接点 18 ホテル・レストラン・レジャー(253010) カジノ・ゲーム(25301010) ホテル・リゾート・クルーズ船(25301020) レジャー設備(25301030) 20 化学(151010) 基礎化学品(15101010) 総合化学(15101020) 肥料・農薬(15101030) 工業用ガス(15101040) 特殊化学品 (15101050) 包装食品・肉(30202030) 農産物(30202010) 21 飲料(302010) 醸造(30201010) 蒸留酒・ワイン(30201020) 清涼飲料(30201030) タバコ(30203010) 金属・鉱業(151040) アルミ(15104010) 各種金属・鉱業(15104020) 金(15104030) 貴金属・鉱物(15104040) 鉄鋼(15104050) 家庭用品 家庭用品・パーソナル用品(3030) 家庭用品(30301010) パーソナル用品(30301020) 14 小売(一般消費財)(2550) 家具・装飾(25201020) 家庭用品・雑貨(25201050) レジャー用品(252020) 繊維・アパレル・贅沢品(252030) 22 紙製品・林産品(151050) 林産品(15105010) 紙製品(15105020) 自動車・自動二輪 16 容器・包装(151030) 金属・ガラス容器(15103010) 包装紙(15103020) 自動車部品(251010) タイヤ・ゴム(25101020) 自動車部品・装置(25101010) エレクトロニクス 17 電気部品・設備(20104010) ※電気ケーブルなど 半導体(45301020) 航空 航空宇宙・防衛(20101010) 電子製品製造 サービス(45203020) 15 専門小売り(255040) 自動車小売り(25504050) 家具・装飾小売り(25504060) 住宅関連用品小売り(25504030) 衣料小売り(25504010) 専門店(25504040) コンピュータ・電子機器小売り(25504020) 自動車(251020) 自動車製造(25102010) 自動二輪車製造(25102020) 民生用電子機器(25201010) 家庭用電気機器(25201040) 事務用電子機器(45204010) インターネット販売・カタログ販売(255020) カタログ販売(25502010) インターネット販売(25502020) コンピュータ・周辺機器(452020) コンピュータ・ハードウェア(45202010) コンピュータ記憶装置・周辺機器(45202020) 電子部品(45203015) 半導体装置(45301010) 販売(255010) 販売(25501010) 複合小売り(255030) 百貨店(25503010) 総合小売り(25503010) (企業全般から結節) 電子装置・機器(45203010) 通信機器(45201020) 8 通信 ※分析機器 / POS機器など テクノロジー ディストリビュータ (45203030) ※情報通信機器の流通 メディア(254010) 広告(25401010) 放送(25401020) ケーブル・衛星テレビ(254025) 映画・娯楽(25401030) 出版(25401040) 電気通信サービス(5010) 無線通信サービス(501020) 無線通信サービス(50102010) 各種電気通信サービス(501010) 代替通信事業会社(50101010) 総合電気通信サービス(50101020) ソフトウェア(451030) アプリケーション・ソフトウェア(45103010) システム・ソフトウェア(45103020) ホームエンターテイメント・ソフトウェア(45103030) ソフトウェア・サービス(4510) 個人 9 IT インターネット ソフトウェア・サービス(451010) インターネット ソフトウェア・サービス(45101010) 法人 情報技術サービス(451020) 情報技術コンサルティング・他のサービス(45102010) 情報処理・外注サービス(45102020) 運輸(2030) 運送インフラ(203050) 空港サービス(20305010) 航空貨物・物流サービス(20301010) 旅客航空輸送業(20301020) 港湾サービス(20305030) 海運業(20303010) 鉄道(20303010) 高速道路・鉄道路線(20305020) 陸運(20304020) 卸・商社・運輸 10 商社・流通業(201070) 商社・流通業(20107010) クラスターの凡例 リニア型 アグリゲート型 プラットフォーム型 XXX 商業・専門サービス(2020) 商業サービス・用品(202010) 商業印刷(20201010) 環境関連・ファシリティサービス(20201010) 事務サービス・用品(20201010) 各種支援サービス(20201010) セキュリティ・警報装置サービス(20201010) XXX 専門サービス(202020) 人事・雇用サービス(20202010) 調査・コンサルティングサービス(20202010) XXX 銀行(4010) ・・・ ビジネスサービス 11 金融 12 各種金融(4020) ・・・ *分類はGICSを参照した(括弧内はGICSの分類番号) 保険(4030) ・・・ 6 0 産業クラスターの定義 新規市場 考え方 国内外の政府 / 民間 / シンクタンクなどの予想をもとに、今後の大きな社会課題を把握し、 その解決に資する(=今後の顕在 / 成長が高い確度を持って期待される)新市場を整理した。 国内外の政府 / 民間 / シンクタンクなどが 予想しているトレンドや新市場 今後の顕在化が 予見される社会課題 課題の対象レベル 発表主体(予想主体) 政府系機関の視点 民間企業の視点 シンクタンク等の視点 今後の顕在化 / 高成長が 高い確度を持って 期待される新市場 主要な社会課題 社会課題の解決に資する新市場 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 個人レベル など 海外系 など • グローバルコンサルテ • 大手民間の方針 ィング会社が認識して いるメガトレンド • 主要国政府によるイノ ‒ 中期経営計画に ベーション政策 て掲げている注 • 国連などのグローバ 目分野 ル機関が認識してい など など るメガトレンド など 各者の発表を統合・ 再整理 国内系 • 経済産業省の方針 • 大手民間の方針 ‒ 産業構造ビジョン ‒ 中期経営計画に • 総合研究所のトレンド 2010 レポート て掲げている重 点分野 など ‒ 各課の戦略室 (ヒト・法人) 国家レベル グローバル レベル 7 0 産業クラスターの定義 新規市場 検討結果 今後の社会課題が起点となって、新しい付加価値を創出しうる、いくつかの新市場が予見される 。 今後の顕在化が予見される社会課題 今後の顕在化 / 高成長が高い確度を持って期待される新市場 課題の対象レベル 主要な社会課題 人口動態の変化 人口動態の 変化 個人レベル (ヒト・法人) 消費・労働の 変化 社会保障の 変化 (労働人口の減少/高齢化の拡大) 人口の移動 (移民の流入) 働き方の多様化 消費性向のシフト (消費から利用へ) 社会保障の破綻リスク不安 国家レベル 政治的な 権力均衡 グローバル レベル 子育て支援サービス市場 高齢者生活支援サービス市場(外出支援など) 作業代替ロボット市場(サービスロボットなど) ビジネスアウトソーシング市場 SOHO支援サービス市場 予防医療市場(健康寿命延伸に資するサービスなど) 次世代医療市場(バイオ医療、オーダーメイド医療など) 移民向けサービス市場(エスニックMVNO、送金プラットフォーム) 収入二極化による社会不安 (主に先進国) 経済的な 発展 社会課題の解決に資する新市場 地域コミュニティの希薄化・過疎化 (主に新興国) 急激な都市化・工業化 “個”(NPO / 女性など)の エンパワーメント 世界経済圏のグローバル、 多極化やナショナリズム台頭 資源需給の逼迫・価格高騰 (水・食糧・資源・エネルギー) 環境問題 (森林や生物の喪失など) マイクロファイナンス(マイクロクレジット)市場 地域通貨サービス市場 スマートシティ(グリッド)市場 次世代交通市場(モーダルシフト / カーシェア / EVなど) 水ビジネス市場(上下水道含む) 付加価値源泉 (厳密には制度にも依存) 従来の 非対価型の 作業の収益化 従来作業の 効率化による 収益化 社会負担の 削減からの 収益化 新しい 社会・経済 制度の構築 からの収益化 新規の インフラ投資 からの収益化 リサイクルなど静脈ビジネス市場(都市鉱山ビジネスを含む) 農業ビジネス市場(植物工場、農業の6次産業化などを含む) 観光市場 宇宙開発・海底開発市場 新しい or これまで 見過ごされた 資源からの 収益化 新・省エネルギー市場(各種RE、燃料電池、熱供給など含む) ※手段としての産業は、別産業の構成要素となるため、ここでは記載していない (ナノテク / クラウドなど) 8 0 産業クラスターの定義 新規市場 既存産業上へのマッピング 資源 素材 製造基盤 23 エネルギー設備・サービス(101010) 石油・ガス装置・サービス(10101020)石油・ガス掘削(10101010) 建設・農業機械・大型トラック(20106010) 資源 部品 重電・産機 重電機設備(20104020) コングロマリット(20105010) 産業機械(20106020) エンド製品 ビジネスインフラ 医薬品 13 ヘルスケア機器・用品(351010) ヘルスケア機器(35101010)※医療用機器 ヘルスケア用品(35101020)※医療用機器 ※建材・合板など 高齢者支援サービス 住宅建設(25201020) 不動産投資信託(404020) 各種不動産投資信託(40402010) ※他の不動産信託 金属 紙・パルプ・包装 21 包装食品・肉(30202030) 農産物(30202010) 植物工場設備 金属・鉱業(151040) アルミ(15104010) 各種金属・鉱業(15104020) 金(15104030) 貴金属・鉱物(15104040) 鉄鋼(15104050) 飲料(302010) 醸造(30201010) 蒸留酒・ワイン(30201020) 清涼飲料(30201030) レストラン(25301040) 1次産業体験サービス 食品・生活必需品小売り(301010) 食品流通(30101020) 食品小売り(30101030) 大型スーパーマーケット・ スーパーマーケット(30101040) 薬品小売り(30101010) タバコ(30203010) 14 家庭用品 家庭用品・パーソナル用品(3030) 家庭用品(30301010) パーソナル用品(30301020) 紙製品・林産品(151050) 林産品(15105010) 紙製品(15105020) 自動車・自動二輪 16 エレクトロニクス 17 電気部品・設備(20104010) ※電気ケーブルなど PVセル / モジュール 半導体(45301020) 半導体装置(45301010) 電子製品製造 サービス(45203020) デザインハウスなど 自動車(251020) 自動車製造(25102010) 自動二輪車製造(25102020) 民生用電子機器(25201010) 家庭用電気機器(25201040) 事務用電子機器(45204010) 旅行観光市場 5 食品・農業 農業ビジネス市場 (農業の6次産業化など) 6 小売 インターネット販売・カタログ販売(255020) カタログ販売(25502010) インターネット販売(25502020) (企業全般から結節) 電子装置・機器(45203010) 8 通信 ※分析機器 / POS機器など 通信機器(45201020) 4 専門小売り(255040) 自動車小売り(25504050) 充電ステーション 家具・装飾小売り(25504060) 住宅関連用品小売り(25504030) 衣料小売り(25504010) 専門店(25504040) コンピュータ・電子機器小売り(25504020) 宇宙開発・ 海底開発市場 コンピュータ・周辺機器(452020) コンピュータ・ハードウェア(45202010) コンピュータ記憶装置・周辺機器(45202020) 電子部品(45203015) 消費者サービス 子育て支援サービス 市場 複合小売り(255030) 百貨店(25503010) 総合小売り(25503010) 15 航空 航空宇宙・防衛(20101010) (モーダルシフト / カーシェア / EV) 自動車部品(251010) タイヤ・ゴム(25101020) 自動車部品・装置(25101010) 3 販売(255010) 販売(25501010) 次世代交通市場 容器・包装(151030) 金属・ガラス容器(15103010) 包装紙(15103020) 不動産・建設 不動産 小売(一般消費財)(2550) 家具・装飾(25201020) 家庭用品・雑貨(25201050) レジャー用品(252020) 繊維・アパレル・贅沢品(252030) 22 に資するサービスなど) ※住宅関連サービスを含む 教育サービス(25302010) 各種消費者サービス(253020) 育児支援など ホテル・レストラン・レジャー(253010) カジノ・ゲーム(25301010) 旅行代理店など ホテル・リゾート・クルーズ船(25301020) レジャー設備(25301030) 産業ロボット 化学(151010) 基礎化学品(15101010) 総合化学(15101020) 肥料・農薬(15101030) 工業用ガス(15101040) 特殊化学品 (15101050) 水処理膜 予防医療市場(健康寿命延伸 専門消費者サービス(25302020) サービスロボット 20 2 高齢者生活支援サービ ス市場(外出支援など) 不動産管理・開発(404030) 各種不動産事業(40403010) 不動産運営会社(40403020) 不動産開発(40403030) 不動産サービス(40403040) 作業代替ロボット市場 化学 医療・介護・福祉 予防医療サービス (バイオ医療、オーダーメイド医療など) 医薬品(35202010) バイオテクノロジー(35201010) 建設・土木(20103010) 建設関連製品(20102010) オーダーメイド医療 ヘルスケア・プロバイダー/ヘルスケア・サービス(351020) ヘルスケア施設(35102020) ヘルスケア・ ヘルスケアサービス(35102015) ディストリビュータ(35102010) 管理健康医療(35102030) 次世代医療市場 ライフサイエンス・ ツール/サービス(35203010) ※セメントなど (各種RE、燃料電池、熱供給など) 総合公益事業(55103010) 大型輸送機器 19 ※医療向けSI / 情報サービスなど 建設資材 (15102010) エンドユーザー 1 ユーティリティ 公益事業(5510) 水道(55104010) 水ビジネス市場 独立系発電事業者・エネルギー販売業者(55105010) (上下水道含む) 電力(55101010) ガス(55101020) 新・省エネルギー市場 (製造業全般に結節) ヘルスケア・テクノロジー(35103010) 石油・ガス・消耗燃料(101020) 総合石油・ガス(10102010) 石油・ガス探査・開発(10102020) 石油・ガス精製・販売(10102030) 石油・ガス貯蔵・輸送(10102040) 石炭・消耗燃料(10102050) エンドユーザ接点 スマートシティ (グリッド)市場 18 テクノロジー ディストリビュータ (45203030) ※情報通信機器の流通 ソフトウェア・サービス(4510) 各種衛星系サービス 7 メディア 移民向けサービス市場 電気通信サービス(5010) 無線通信サービス(501020) 無線通信サービス(50102010) (移民MVNO、送金PF) 各種電気通信サービス(501010) 代替通信事業会社(50101010) 総合電気通信サービス(50101020) ソフトウェア(451030) アプリケーション・ソフトウェア(45103010) システム・ソフトウェア(45103020) ホームエンターテイメント・ソフトウェア(45103030) メディア(254010) 広告(25401010) 放送(25401020) ケーブル・衛星テレビ(254025) 映画・娯楽(25401030) 出版(25401040) 移民MVNO 送金プラットフォーム 個人 9 IT インターネット ソフトウェア・サービス(451010) インターネット ソフトウェア・サービス(45101010) 法人 情報技術サービス(451020) 情報技術コンサルティング・他のサービス(45102010) 情報処理・外注サービス(45102020) 運輸(2030) 10 卸・商社・運輸 運送インフラ(203050) 空港サービス(20305010) 航空貨物・物流サービス(20301010) 旅客航空輸送業(20301020) 港湾サービス(20305030) 海運業(20303010) 鉄道(20303010) 高速道路・鉄道路線(20305020) 陸運(20304020) リサイクル等静脈ビジネス市場 カーシェアなど (都市鉱山ビジネス等) 商社・流通業(201070) 商社・流通業(20107010) 都市鉱山ビジネス等 11 クラスターの凡例(既存) リニア型 クラスターの凡例(新規) XXX 新規産業の名称 個別の既存業態 アグリゲート型 プラットフォーム型 XXX 個別の新規産業 XXX 商業・専門サービス(2020) ビジネスサービス 商業サービス・用品(202010) 商業印刷(20201010) SOHO支援サービス市場 環境関連・ファシリティサービスSOHO支援サービス (20201010) 事務サービス・用品(20201010) 各種支援サービス(20201010) ビジネスアウト セキュリティ・警報装置サービス(20201010) 専門サービス(202020) 人事・雇用サービス(20202010) 調査・コンサルティングサービス(20202010) 金融 銀行(4010) ・・・ 各種金融(4020) ・・・ *分類はGICSを参照した(括弧内はGICSの分類番号) 保険(4030) ・・・ ソーシング市場 マイクロファイナンス 地域通貨流通・管理 12 マイクロファイナンス市場 地域通貨サービス市場 9 0 産業クラスターの定義 まとめ 新規市場には、既存業界がその担い手となることが多いため、その関係性を下記のように整理。 既存産業 1 ユーティリティ 新規市場 水ビジネス市場 (上下水道含む) 新・省エネルギー市場 (各種RE、燃料電池、熱供給など) 2 医療・介護・福祉 スマートシティ/(グリッド)市場 高齢者生活支援サービス市場 (外出支援など) 予防医療市場 (健康寿命延伸に資するサービスなど) 3 4 5 6 7 8 9 10 不動産・建設 消費者サービス 食品・農業 小売 メディア 通信 IT 卸・商社・運輸 子育て支援サービス市場 観光市場 農業ビジネス市場 (農業の6次産業化など) 移民向けサービス市場 (移民MVNO、送金PF) (都市鉱山ビジネス等) ビジネスサービス SOHO支援サービス市場 ビジネスアウトソーシング市場 12 13 14 15 16 17 18 金融 医薬品 家庭用品 航空 自動車・自動二輪 エレクトロニクス 重電・産機 20 21 22 23 大型輸送機器 化学 金属 紙・パルプ・包装 資源 1 • 既存分類「電力」内における再生可能エネルギー分野の、周辺業態(部材・ 機器など)を含めた本格産業化 • 既存の都市建設・電力の延長(IT活用の進展などの変化はあり) • 既存の介護サービスの延長 ユーティリティ 適宜、「新エネ」「省エネ」産業など、特性の異なる サブカテゴリーを分けた上での分析を想定 2 医療・介護・福祉 • 既存の健康関連サービスの延長 • 既存の消費者サービス(厳密にはTo Bも含む)の延長 • 既存の旅行関連サービスだが、他の良否者サービスと異なって「外需型」で あるため、別カテゴリーとして括り出し • 既存の農業~食品におけるチェーンの本格連携化・統合化 • 既存の通信サービスの延長 • 従来明確に商流として考えられていなかった分野であり、業態としても新し い可能性が高い • 既存のビジネスサービスの延長 不動産・建設 消費者サービス 4’ 旅行観光市場 5 食品・農業 6 小売 7 メディア 8 通信 9 IT 10 卸・商社・運輸 10’ リサイクル等静脈ビジネス市場 11 ビジネスサービス • 既存の金融サービスの延長 地域通貨サービス市場 次世代医療市場 • 既存の金融サービスの延長 (バイオ医療、オーダーメイド医療など) 4 • 既存のビジネスサービスの延長 マイクロファイナンス市場 • 既存分類「バイオテクノロジー」の、周辺業態(遺伝子医療サービス)を含め た本格産業化 12 金融 13 医薬品 家庭用品 航空 自動車・自動二輪 エレクトロニクス 重電・産機 作業代替ロボット 大型輸送機器 化学 金属 紙・パルプ・包装 資源 14 宇宙開発・海底開発市場 次世代交通市場 (モーダルシフト / カーシェア / EV) • 既存分類「航空宇宙・防衛」の、周辺業態(衛星サービスなど)を含めた本格 産業化 • 既存の交通系産業内における、方式変化(EV)・サービス化(カーシェア) 15 16 17 18 作業代替ロボット市場 19 • 既存分類「水道」の、周辺業態(部材・機器など)を含めた本格ビジネス化 分析単位としての産業クラスター 3 リサイクル等静脈ビジネス市場 11 既存産業との対応関係 • 従来まだ本格的に登場していなかった新機器であり、様々な出自のプレイ ヤによる業界構成が想定される 18’ 19 20 21 22 23 10 0 産業クラスターの定義 まとめ 参考)外需内需の切り分け 各産業クラスターの日本経済にとっての位置づけは下記の通り。 A.「外需型」 分析単位としての産業クラスター 1 ユーティリティ 2 医療・介護・福祉 3 不動産・建設 4 消費者サービス 4’ 旅行観光市場 5 食品・農業 6 小売 7 メディア プロセス系(非労働集約型)製造業 非エネルギー集約型 エネルギー集 約型 産業財 消費財 B.「内需→外需型」 組立系(労働集約型)製造業 産業財 (耐久)消費財 部品 完成品 直接型 C.「内需型」 間接(ビジネス 消費刺激貢献 インフラ)型 型 D.「外→内需型」 雇用吸収貢献 型 外国人からの 付加価値獲得 型 介護 娯楽 農業など メディア メディア メディア メディア メディア メディア 8 通信 9 IT 10 卸・商社・運輸 10’ リサイクル等静脈ビジネス市場 11 ビジネスサービス 12 金融 13 医薬品 14 家庭用品 15 航空 16 自動車・自動二輪 部品 完成品 17 エレクトロニクス 部品 完成品 18 重電・産機 18’ 作業代替ロボット 19 大型輸送機器 20 化学 21 金属 22 紙・パルプ・包装 23 資源 メディア メディア メディア メディア メディア 運輸 人材派遣 基礎化学 ファインケミカル 11 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)国内:政府系機関における重点分野 経済産業省としては産業構造ビジョンでトップダウン的に戦略分野を定めるとともに、個別原課 単位で戦略室を設置して、今後の重要産業分野に対する取組みを実施している。 経済産業省の取組み 産業構造ビジョン 産業構造ビジョン2010にて5つの戦略産業分野を発表 戦略室の設置 • 重点分野を中心に各原課内にて戦略室を設置 1. インフラ関連/システム輸出 ‒ 原子力、水、鉄道等 2. 環境・エネルギー課題解決産業 ‒ スマ-トコミュニティ、次世代自動車等 • ファインセラミックス・ナノテクノロジー・・材料戦略室 • 機能性化学品室 • 水ビジネス・国際インフラシステム推進室等 製造産業局 3. 文化産業立国 ‒ ファッション、コンテンツ、食、観光等 • ITS推進室 • 医療福祉機器産業室 • ロボット産業室 4. 医療・介護・健康・子育てサービス 5. 先端分野 ‒ ロボット、宇宙等 • 電池・次世代技術室 • 宇宙産業室 商務情報 政策局 • 情報家電戦略室 • クール・ジャパン室 • 新産業・社会システム推進室 支援エネル ギー庁 • 再生可能エネルギー推進室 • 燃料電池推進室 ※規制対策など、産業政策との関係が弱い室を除く 出所:経済産業省発表 12 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)国内:民間における重点分野(1) 国内大手製造業らが重点分野として掲げる領域は、概ね産業構造ビジョンと連関性がある。 自動車 トヨタ 日産 重工 / 重電 デンソー 日立 東芝 「産業構造ビジョン 2010 」 における戦略産業分野 • 社会イノベー ション事業( 設備投資の7 割、研究開発 投資の6割を 導入) インフラ関連/シ ステム輸出 (原子力、水、 鉄道等) 三菱重工 電気 三菱電機 パナソニック • 次世代環境 自動車 • クルマを起点 • 電気自動車 としたスマー トコミュニティ • 社会イノベー • 社会インフラ( • エネルギー・ • 低炭素化ソリ • エナジーシス ション事業( スマートコミュ 環境インフラ( ューション テム(エネル 設備投資の7 ニティやT&D • 自動車と住宅 ガスタービン • スマートグリ ギーマネジメ 設備の連携 ント、蓄電池 割、研究開発 事業の強化、 等製品~スマ ッド 投資の6割を パワエレの統 ートコミュニテ • ビル丸ごと省 • 冷熱コンディ 導入) 合) ィインフラ) エネ ショニング 文化産業立国 (ファッション、 コンテンツ、食 、観光等) • クルマを起点 とした情報サ ービス • 自動車と住宅 設備の連携 • 医療・健康な ど自動車以 外の分野へ の展開 • 社会イノベー ション事業( 設備投資の7 割、研究開発 投資の6割を 導入) 出所 グローバルビジョ ン (11年) 日産パワー88 (11年) • デジタルプロダクツ • デバイスはアナロ グイメージセンサに 集中 • 新興国市場で小型 の自動車向け機器 中期経営計画 (12年,、検討中) • 創エネ(太陽 電池、発電事 業やDCハウ ス) • 省エネ(LED) • ヘルスケア( 院内業務支 援、在宅ヘル スケア、早期 診断・治療) • セキュリティ • ロケット • 高効率ガソリンエン • 新興国を含めた乗 ジン 用車・小型商用車 シャープ • ビデオ配信サ ービスなどの エンターテイ メント 先端分野 (ロボット、宇宙 等) 政府戦略では非言及だった 各社のその他成長分野 (各社の現業が大半) キヤノン • 交通システム など輸送・社 会インフラ • 電力システム • 基幹側エネル • 交通システム ギー発電シス テム 環境・エネルギ ー課題解決産 業(スマートコミ ュニティ、次世 代自動車) 医療・介護・健 康・子育てサー ビス ソニー 中期経営計画 (11年) ああ 成長戦略VI/AD (’09年) • 健康(プラズ マクラスター など) • 知的生産ロボ ット • 人工衛星 • デジタルサイネージ • ネットワークAV • 光通信システムな • LED ど 2010事業計画 (’10年) • 医用イメージ ング GT12 (10年) • 液晶テレビ、デジタ ルイメージング、ゲ • クロスメディアイメ ージング ーム、携帯電話 • ネットワーク家電 中期経営計画 (08年) 5つの重要戦略 (’10年) • 大型液晶、液晶テ レビ事業 • 中小型液晶、携帯 電話/スマートフォン 事業 2010事業計画 (’10年) 13 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)国内:民間における重点分野(2) 国内大手製造業らが重点分野として掲げる領域は、概ね産業構造ビジョンと連関性がある。 素材(化学 / 鉄鋼) 新日鉄 三菱 ケミカルHD 富士 フィルムHD 食品 / 製薬 出光興産 JT キリン IT / 通信 武田薬品 富士通 NEC ドコモ KDDI 「産業構造ビジョン 2010 」 における戦略産業分野 インフラ関連/シ ステム輸出 (原子力、水、 鉄道等) • 機能商品に おけるGreen Business( • 高機能材料( LED / LI電池 薄膜太陽電 部材 / 有機太 池部材) 陽電池等) • 環境材料 • 風力など再生 可能エネルギ ー発電事業 文化産業立国 (ファッション、 コンテンツ、食 、観光等) • 次世代アグリ ビジネス • アグリバイオ 事業(土壌改 • 食品 質 / 緑化関連 資材) 医療・介護・健 康・子育てサー ビス • ヘルスケアソ リューション( 医薬・診断事 業) 環境・エネルギ ー課題解決産 業(スマートコミ ュニティ、次世 代自動車) 先端分野 (ロボット、宇宙 等) 政府戦略では非言及だった 各社のその他成長分野 (各社の現業が大半) 出所 • 都市開発事 業 • 新素材事業( 特に環境系) • メディカルシ ステム・ライフ サイエンス • ICTと電池を • モバイルを核 駆使してのス とした環境・エ マートグリッド コロジー事業 • 医薬品 • モバイルを核 としたメディア・ コンテンツ / 金融 ・決済 / コマース / アグリゲーション / M2M事業 • 機能性食品 • 医薬品(ヒト 抗体医薬など ) • モバイルを核 としたメディカル ・ヘルスケア事業 • モバイルを核 とした安心・ 安全事業 • 医薬品(特に 糖尿病・肥満 症、がん、中 枢神経疾患) • 海洋資源開 発等のエンジニ アリング事業 • 製鉄事業 • グラフィック • 燃料油 • 化学事業(電子材 • ドキュメント 料) • その他機能性部材 • 石油など資源開発 • たばこ事業 • 光学デバイス • 高機能材 • クラウドソリューショ • 高機能材料(FPD) ン事業 中期経営計画 (10年) 中計:APTSIS15 (’10年) ’09年度以降の 経営方針(’09年) 第3次中期経営計 画(’10年) 中期経営計画 JT11(09年) • クラウド • スマートフォンなど • 他に「新ビジネス創 • クラウド(キャリア向 のモバイルサービ け等) ス 出」も掲げるが、内 容は非言及 • クラウドサービス ビジョン2015 (06年) 11-13中期計画 (11年) 中期経営計画 (11年) 中期経営計画 V2012(’10年) 中期ビジョン 2015(11年) • モバイル • FTTH • FMBC チャレンジ2010 (07年) 14 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)国内:民間における重点分野(3) 商社・物流で産業構造ビジョン戦略領域と同様分野への取組が見られるが、他では見られず。 商社 三菱商事 三井物産 物流 伊藤忠商事 「産業構造ビジョン 2010 」 における戦略産業分野 東日本 旅客鉄道 日本郵船 • 資源エネルギ ー輸送(石油 など) インフラ関連/シ ステム輸出 (原子力、水、 鉄道等) • 資源エネルギ ー • 水事業 • 鉄道事業(含 む海外展開) • ステーション ルネッサンス (商業開発) 環境・エネルギ ー課題解決産 業(スマートコミ ュニティ、次世 代自動車) • 資源エネルギ ー(新エネ • 環境・新エネ • インフラ/ 地 IPPを含む) ルギー(太陽 球環境事業 光発電、バイ (新エネ、水、 • 都市交通プロ ジェクト開発 オエタノール 交通、環境) 生産) • 低炭素社会イ ンフラ構築 • (鉄道に閉じ ない)新しい 公共交通ネッ トワーク構築 文化産業立国 (ファッション、 コンテンツ、食 、観光等) • 食品資源分 野 • 観光開発 • 電子マネー事 業 医療・介護・健 康・子育てサー ビス 建設・不動産 鹿島建設 清水建設 小売 三井不動産 セブン&i 電力 イオン • サステナビリ ティ事業(スマ ートコミュニテ ィ / 排出権プ ロジェクト) 関西電力 • 新時代のエネ ルギー安定 供給 • シニアマーケ ット(シニア向 けの商品・店 舗の開発) • ライフケア・メ ディカルバリ ューチェーン 先端分野 (ロボット、宇宙 等) 政府戦略では非言及だった 各社のその他成長分野 (各社の現業が大半) 出所 • 物流ネットワーク( 特にアジア) • 素材分野 中期経営計画 2012 (10年) 中期経営展望 総括(10年) • 構内無線通信事業 • 物流事業(特にアジ • 建築・土木事業 ア圏 / 完成車輸送) Frontier 2010 (09年) 2020ビジョン (08年) 中期経営計画 (11年) 中期経営方針 (09年) • 建築・土木事業 • オフィスビル・商業 施設事業 • ストックマネジメント 事業(施設運営管 • 住宅分場事業 理サービス) • REIT / PE事業 中期経営方針 (10年) 新チャレンジ2016 (07年) • ネット事業の拡充 • カード事業の拡充 • ディベロッパー事 中期経営計画 (08年) • アジアマーケット、 大都市マーケット、 シニアマーケット 中期経営計画 (10年) 長期成長戦略 2030(10年) 15 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)海外:政府における重点分野 主要国の戦略領域は、環境・健康(医療)分野が中心となっている。 主要国が認識している今後の戦略領域 米国 • 米国イノベーション政策にて、「国家的優先課題に対処するためのブレークスルーの誘発」として下記分野を掲載 ‒ クリーン・エネルギー革命の推進 :新エネ、省エネなど ‒ 先進自動車技術の支援 :電気自動車や交通システムの電化など ‒ 医療技術イノベーションの促進 :医療コスト増加抑制など ‒ 科学技術を活用した 21 世紀の「大きな挑戦課題」への対処 :ナノテク技術の医療への応用や万能インフルエンザ・ワクチン 解説:「米国イノベーション戦略」の発表(NDL調査 2011) ドイツ • 包括的国家戦略ハイテク・ストラテジーにてイノベーション重点分野を設定 ‒ 健康・安全 :予防・リハビリ、患者ケア、バイオ製薬など ‒ 環境・エネルギー :再生可能エネルギー、コージェネレーション、植物バイオテクノロジーなど ‒ 学際的技術 :ナノテクノロジー、マイクロシステム、光フォトニクスなど ‒ 通信・運輸 :メタンハイドレートなどの海洋技術、インテリジェント交通、宇宙など ‒ 未来と社会 :社会科学 ドイツ 科学・イノベーションフォーラム • イノベーション政策(577 initiative)にて7大重要分野を表明し、その中で新産業創出を発表 ‒ 主力基幹産業の技術(Cash Cow) :現在の韓国を主導する主力基幹産業の高度化と技術開発 韓国 ※ 自動車、造船、機械・製造プロセス、半導体、ディスプレイ、移動通信など ‒ 新産業の創出(Green Ocean) :IT 基盤、新薬・保健医療分野での優位性確保 ※ 次世代システム S/W、ガン診断・治療、脳科学、疾患治療剤の開発技術など ‒ 知識基盤サービス(Knowledge Based Science & Technology):S/W、文化技術(CT)、デザイン産業への R&D 投資の拡大 ※ 融合型コンテンツ、先端物流、通信放送融合技術など ‒ 国家主導技術(Big Science) :宇宙、国防、原子力などの技術開発を推進 ※ 衛星体(本体・搭載ロケット)開発、次世代武器の開発、次世代原子炉技術など ‒ 懸案となっている分野(Risk Science) :狂牛病・鳥インフルエンザなど新種の疾病、部品素材など懸案事項の解決 ※ 免疫および感染疾患、食品安全性の評価、IT ナノ素子技術など ‒ グローバルな問題に対応(Mega Trend Science):原油価格の高騰、資源、環境、食糧など人類共通の問題への対応を強化 ※ 新・再生エネルギー、異常気象の予測・対応、大気環境の改善技術など ‒ 基礎・基盤・融合技術(National Platform Technology Initiative):経済的・社会的な波及効果が大きい基盤技術および融・複合技術開発を推進 ※ バイオチップ・センサー、知能型ロボット、ナノ基盤融・複合素材に関する技術など 科学技術政策の国際的な動向(国立国会図書館) 16 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)海外:民間における重点分野 特にIBMやSiemensは都市化・気候変動といったメガトレンドを今後の注力領域の起点と認識。 主要国における大手競合が認識している今後の戦略領域 地域 プレイヤ 注目しているトレンド / 分野 (括弧内はADL注釈) IBM 米国 • IBMでは毎年世界中のさまざまな国や地域で、有識者の参 加のもと、医療、環境、安全、政府の役割、企業の未来と いった今日の社会の重要課題について議論しており、その 結果をGlobal Innovation Outlookとして公表 同社Global Innovation Outlook (資源・環境を中心とした都市イ ンフラ関連) ((IT起点の)労働や人間関係 の変化) • Water • Energy & the Environment • Transportation • Security & Society • Future of the Enterprise • Business of Work & Life • Media and Content • Gaming and Leadership • A New IP Marketplace • Government (健康関連) • Healthcare (グローバル化) • Africa Siemens ドイツ • 10年先までの骨太なトレンドを策定し、重点事業領域の設 定を実施 同社プレスリリース Samsung 韓国 • Urbanization :都市化 • Climate Change :気候変動 • Shifting Demographic :人口動態 • Globalization :グローバル化 (環境起点の機会として) • 半導体メモリーや薄型テレビへの積極投資で世界首位に上 り詰めたが、「今サムスンを代表する製品は、10年以内に大 部分がなくなる(李健熙 会長)」との危機感をもとに、今後の 主力5分野を設定 日本経済新聞2011/7/13 • 太陽電池 / 車載電池 / LED (健康起点の機会として) • バイオ医薬 / 医療機器 17 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)海外:シンクタンクの見解(1) 米系コンサル・ファームは環境問題に加えて、人口動態やグローバルバランスの変化に着目。 米系グローバルファームによるメガトレンド予想 環境 環境保護主義 (Environmentalism) 資源をめぐる戦い (Race for Resources)」 人口動態変化 (Demographic Change) 社会と 文化 人口移動 (Migration) 富の再配分 (Redistribution of Wealth) ビジネスのグローバル化 (Globalization of Businesses) パワーシフト (Shift of Powers) 人口動態と 富 さらに賢くなる個人 (Educated Individualism) ライフスタイル変革 (Lifestyle Transformations) ネットワーキングと生産性 (Connectivity and Productivity) • 気候変動の監視と阻止、生物圏保護意識に基づく環境保護 • 変動結果の受容、変動結果予測に基づく新たなゲーム • • • • • • • • • 天然資源の不足による資源価格の上昇、持続可能な代替案やリサイクル、エネルギー利用効率向上の必要性 資源の偏在、非対称性 資源探索努力の増大、資源獲得競争、ナショナリズム 長寿命化による世界人口増 社会の成熟(老年人口比率の上昇) 高まる依存率、生涯収入のより公平・均一な分配の必要性 グローバル化にともなう労働人口の移動(熟練・知的労働者の東西移動、単純労働者の南北移動) エスニック・コミュニティのグローバル化 都市化とメガシティの拡大 • Bottom of Pyramidの存在感、新中流の拡大 • 収入の二極化による社会不安 • • • • • • • • • • • • 拡大するグローバル・サプライ・チェーンと増大する相互依存性、貿易増加 / グローバルな標準化と規制 新興国からの逆買収と新たなグローバル企業 人材とイノベーション能力のグローバルな獲得競争 中国の経済力拡大にともなう米国との政治的力関係の変化 新たな国家間協力・同盟関係と資源国の台頭 国境にとらわれない組織、NGO、エスニック・コミュニティなどの勢力拡大 ますます賢く洗練される消費者の複雑化する要求 文化的多様性により複雑化する要求 安全・健康を目的とした規制により高まる市場の透明性 ニ ュー・モ ビ リティと 新しいワークス タイル 伝統的家族関係の変容 社会や仕事における女性の役割の拡大 • 技術、専門特化、自動化などによる生産性向上 • さらなるデジタル化、仮想化、ネットワーキング 出所:Booz and Company 2010 “メガトレンド”より、” 2025年の世界を形作る「10のメガ・トレンド」” 18 0 参考)産業クラスター(分類)の定義 新規産業 参考情報)海外:シンクタンクの見解(2) 国連などのグローバル機関が認識している社会課題としては、環境問題が中心。 人口及び都市化: 人口増加と都市への集中 水:偏在する水資源 • 2011年には70億人に達し、2050年には90億人を突破すると見込まれる • 特に、開発途上地域における急激な都市化は、環境に悪影響を与える側面を持つ(大量消費に伴う大量の廃棄物・生 活排水の発生による、生活型の環境負荷の高まり) • 水資源の使用量は世界的に高まると予測されますが、水資源は偏在し、不足していく • 水の偏在や枯渇のため、水の入手可能性が発展の制約になりつつあり、水供給に向けて相当規模の投資が必要 食料:食料需要の増加と需給の逼迫 • 食料需要がこれまでの見通し以上に増大する可能性がある中で、生産の拡大が着実に図られなければ、食料需給は ひっ迫し、現在、上昇傾向にある農産物価格はより高い水準へとシフトする可能性 エネルギー:エネルギー需要増加と 加速する再生可能エネルギーの導入 • 世界全体のエネルギー消費量が今後も増加していくことが見込まれる中、化石燃料に比べ二酸化炭素の排出が少ない 再生可能エネルギーの重要性が増加 土地:進む森林消失と砂漠化 • 農用地面積が拡大する一方で、森林の面積は大きく減少(全陸地の約3割に相当する森林が利用され消失) • 砂漠化も、土地に関する環境問題。気候的な要因としては地球的規模での気候変動、干ばつ、乾燥化などが、また、人 為的要因としては過放牧、森林の過伐採、過耕作など 生物多様性:進む生物多様性の喪失 • 2000年には、世界の自然界に元々存在する生物多様性の約73%しか残されておらず、こうした生物多様性の急激な減 少は、文明が最初に発達した熱帯の草原や森林で生じたとされる。生物多様性の損失の背景として、自然地域の農耕 地への転換や、継続的なインフラ施設の拡大、気候変動の影響の増加が大きく関係 資源循環と廃棄物:不安定な市場と 増大する廃棄物 • 廃棄物をできる限り少なくし、より効率的な資源利用を目指した循環型社会の構築に向けた取組が、国際的規模で進め られる必要がある • また、今後需要の伸びが予想されるレアメタルについては資源量が限られたものもあり、特定の地域に偏在している 出所:国連、IMF,UNEP、IEA、FAOなどによる発表を環境省がまとめたもの(環境白書より) 19 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 20 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 既存産業 評価視点 日本経済への貢献性とグローバルでの優位性の観点から、日本における重要産業の(本検討 における)プライオリティを設定する。 評価の視点 「稼ぎ」 に対する 貢献性 (GNI) 貢献性 日本経済に どれほど 貢献しているか 国内で 生み出した 付加価値(GDP) 海外競合に対して どれほど優位性を 築けているか 軸の重み 評価基準 外需型・ 内需型 ×1 全産業の中でも高い 全産業の中でも低い ・・・ 全産業の平均程度 ・・・ (10兆円~) • 内閣府 国民経済計算 • (参考として)METI海外 事業活動基本調査 • 産業ごとの統計データ • 産業ごとの国内主要プ レイヤのIR 低い 高い 主な情報ソース 海外で 生み出した 付加価値 外需型のみ ×1 全産業の平均よりも 全産業の平均よりも ・・・ 全産業の平均程度 ・・・ 著しく低い 著しく低い (半分程度) (2倍程度) 輸出額 外需型のみ ×1 全産業の平均よりも 全産業の平均よりも ・・・ 全産業の平均程度 ・・・ 著しく低い 著しく低い (半分程度) (2倍程度) • 総務省 統計局 • 財務省 貿易統計 雇用者報酬 外需型・ 内需型 ×1 全産業の平均よりも 全産業の平均よりも ・・・ 全産業の平均程度 ・・・ 著しく低い 著しく低い (半分程度) (2倍程度) • 内閣府 国民経済計算 雇用規模 外需型・ 内需型 ×1 全産業の平均よりも 全産業の平均よりも ・・・ 全産業の平均程度 ・・・ 著しく低い 著しく低い (半分程度) (2倍程度) • 内閣府 国民経済計算 「量的」 観点からの 優位性 市場シェア 外需型のみ ×1 「質的」 観点からの 優位性 収益性 外需型のみ ×1 「国際収支」 に対する 貢献性 「雇用」 に対する 貢献性 優位性 対象産業 日本勢は 下位シェア ・・・ 日本勢が 上位~中位シェア ・・・ (2, 3番手グループ) 日本勢が トップシェア 同業界の 同業界の 同業界の グローバル大手より ・・・ グローバル大手より グローバル大手と ・・・ 著しく低い 著しく高い 同程度 (倍以上) (倍以上) • 各産業におけるグロー バルマーケットシェア / プレイヤの売上ランキ ング • 各産業における国内外 の代表的プレイヤの営 業利益率比較(IRから) 21 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 暫定評価結果:外需型産業 重点検討すべき産業(仮説)の抽出 内需型産業については、「優位性」、「貢献性」の両面で秀でた産業にフォーカスをあててミクロ な産業構造分析を優先的に実施することを想定。 9 8 金属製品 一般機械 窯業・土石製品 7 優位性 6 精密機械 パルプ・紙 輸送用機械 一次金属 5 石油・石炭製品 4 3 鉱業 2 化学 その他製造業 繊維 電気機械 食品 1 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 貢献性 本プロジェクト期間では、まずは「輸送用機械」にて深堀検討を実施することを想定。 22 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 暫定評価結果:内需型産業 重点検討すべき産業(仮説)の抽出 内需型産業については、「稼ぎ」、「雇用」の両面で貢献度の大きい産業にフォーカスをあててミ クロな産業構造分析を優先的に実施することを想定。 12 小売業 卸売業 対個人サービス(民間) 対事務所サービス(民間) 公共サービス(民間) 10 金融保険業 雇用への貢献 8 公務(政府) 建設業 サービス業(政府) 6 情報通信 運輸業 農業 4 対家計民間非営利サービス 水産業 林業 2 ガス・水道・熱供給(政府) ガス・水道・熱供給(民間) 不動産業 0 0 1 2 3 4 5 6 稼ぎへの貢献 本プロジェクト期間では、まずは「小売業」にて深堀検討を実施することを想定。 23 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 重点検討すべき産業(仮説)の抽出 貢献性 際収支に対する貢献 稼ぎに対する貢献性(GNI) 国内で生み出した 海外で生み出した 輸出額 付加価値(GDP) 付加価値 暫定評価結果(詳細) 優位性 雇用に対する貢献性 雇用者報酬の 雇用規模の 大きさ 大きさ 1 287 1 粗原料:949 1 196 1 4 1 食品 (食品・飲料等) 5 12737 1 336 ※食料など直接消費 財 3 5136 3 138 1 繊維 (化学繊維・製糸等) 1 532 1 68 ※繊維製品 1 600 1 13 1 パルプ・紙 (パルプ・紙等) 1 2343 1 粗原料:949 1 1179 1 22 3 化学 (有機・無機化学工業製品、医 薬品等) 3 7896 3 化学工業生産品:659 9 1 3125 1 44 1 石油・石炭製品 (石油精製・コークス製造等) 3 1 鉱物性燃料:1305 1 249 1 3 1 3 化学工業生産品:659 9 外需型 鉱業 (原油・天然ガス鉱業、金属工 業等) 窯業・土石製品 (ガラス・セメント等) 一次金属 (製鉄・非鉄金属精錬精製等) 金属製品 (金属線製品、建設・建築用金 属製品(サッシ、缶)等) 一般機械 (ボイラ・原動機、ポンプ・圧 縮機、建機・農機・工作機械・ 各種製造装置等) 今後要調査 5793 2791 3 鉄鋼:7985.1 非鉄:1861.7 3 金属:5010 1 2994 1 46 3 1 4301 3 金属:5010 1 4083 1 76 5 5 一般機械(資本財):1 3822 3 9489 1 1526 1 5 1 32 量的観点 質的観点 市場シェア 収益性 主要プレーヤ: 国際石油開発帝石、 共立マテリアルなど (世界シェアは調査中 日本勢はネスレ、ユニ リーバ、ペプシコなど に続き、7位にキリン、 8位にサントリー(2008) 繊維生産量ベースで は中国が64.1%、日本 は1.7%(日経業界地図 2012) 王子製紙が紙パ関連 売上ランクで世界3位 。1位の米Internation Paperとは2倍の差(日 売上ランクでは独BAS Fなどが上位を占め、 日本勢は三菱ケミカル HDが14位(2008) 主要プレーヤはJXホ ールディングス、出光 興産など 板ガラスでは1位はサ ンゴバンで、2位に旭 硝子、3位に日本板硝 子(2008) 新日鉄が粗鋼生産量 で世界5位。1位のミタ ルとの差は3倍程度(2 010) 主要プレーヤは住友 電気工業、住生活グ ループ、東洋製罐など 1 調査中 1 営業利益率比較でネ スレは14.6%、キリンは 5.6%(FY2009) 1 東レの営業利益は6% 台で推移、デュポンは EBITで12%台 3 1 営業利益率比較で王 子製紙は5%前後で推 移、米Internation Paperは7%前後で推移 三菱ケミカルHDの営 業利益率は全社全体 で5%前後で推移、独B ASFはEBITで11- 3 調査中 3 旭硝子の営業利益率 は11.7%、サンゴバンは 9.5%(FY2008) 3 08年1~3月期の売上 高営業利益率は、ア ルセロールミタル12.1 %、新日鉄 10.4% 3 調査中 5 調査中 主要プレーヤは三菱 重工、コマツ、IHIなど 3 7780 3 122 3 24 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 重点検討すべき産業(仮説)の抽出 貢献性 際収支に対する貢献 稼ぎに対する貢献性(GNI) 国内で生み出した 海外で生み出した 輸出額 付加価値(GDP) 付加価値 電気機械 (発送配電機器、民生用電気機 器等) 外需型 精密機械 (計測機器、医療機器、光学機 械・レンズ等) 輸送用機械 (自動車、鉄道、船舶、航空機 等) その他製造業 (印刷・玩具・楽器等) 農業 (農業・畜産等) 5 14093 1 1500 5 11841 1 4514 TV等AV家電は72%が 海外生産。白物も同 程度。(http://techdatabese.seesaa.net/ article/143486722.htm l)(http://www.jemat j /J /d 今後要調査 日本の自動車メーカ ーの海外生産比率既 に56.6% (http://n- 暫定評価結果(詳細) 優位性 雇用に対する貢献性 雇用者報酬の 雇用規模の 大きさ 大きさ 市場シェア 収益性 主要プレーヤは日立 製作所、東芝、ソニー 、パナソニックなど デジタル家電部門の 営業利益率はソニー0. 1%。サムスン6%(FY20 10) 重電部門の営業利益 率は日立・東芝は5% 程度 GEは15%程度(h ニコン(全社)の営業 5 3 9279 3 146 1 3 (詳細品目分類をもと にして要精査) 1 1064 1 19 5 5 資本財輸送機器:733 6 乗用車:6940 二輪車類:421 3 8025 3 119 3 8396 3 174 - 1 1864.8 ※農林水産全体 3 95.5 ※農林水産全体 主要プレーヤはホクト ・カネコ種苗・サカタの タネなど - - 1 1864.8 ※農林水産全体 3 95.5 ※農林水産全体 調査中 - - 1 1864.8 ※農林水産全体 3 95.5 ※農林水産全体 主要プレーヤはマル ハニチロ、日本水産な ど - - 5 22715 3 411 主要プレーヤは大和 ハウス工業、積水ハウ ス、鹿島建設など - - 1 3391 1 48 主要プレーヤは東京 ガスなど - - 5 38689.7 ※卸・小売の合計 5 1035.8 ※卸・小売の合計 調査中 - - 5 38689.7 ※卸・小売の合計 5 1035.8 ※卸・小売の合計 主要プレーヤはセブン &アイ、イオンなど - 1 ニコン、HOYAなど 1 4665 質的観点 資本財電気機器:108 85 家庭用電気機器:101 - 1 量的観点 1 利益率は6%前後で推 移 5 自動車は世界シェア3 0%程度(2007)* 二輪系はホンダ・ヤマ ハらが世界をリード( 1 自動車で営業利益率 比較でVWは5.6%、トヨ タは2.5%(2012)。二輪 でホンダは 1 大日本印刷、任天堂、 ヤマハなど (分野別に要精査) 1 分野別に要精査 - 1 157 水産業 (漁業・水産養殖等) 1 735 建設業 (総合・職別・設備工事等) 5 26656 3 電気:6051.4 他:4920.7 内需型 林業 - - - ガス・水道・熱供給(民間) - 卸売業 5 36129 - 小売業 5 28223 25 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 重点検討すべき産業(仮説)の抽出 貢献性 際収支に対する貢献 稼ぎに対する貢献性(GNI) 国内で生み出した 海外で生み出した 輸出額 付加価値(GDP) 付加価値 暫定評価結果(詳細) 優位性 雇用に対する貢献性 雇用者報酬の 雇用規模の 大きさ 大きさ - 金融保険業 5 23630 不動産業 5 住宅賃貸:49988.6 その他不動産:7016.4 運輸業 (陸海空運、倉庫、運輸関連等 ) 5 23503 量的観点 質的観点 市場シェア 収益性 - 5 10924 3 179 主要プレーヤ: 第一生命保険、三菱U FJフィナンシャルグル ープなど - - 1 3448 1 74 主要プレーヤは三井 不動産、三菱地所 - - 5 16628 1 331 主要プレーヤはJR東 日本、日本郵船、近鉄 エクスプレスなど - - 3 7907 3 183 主要プレーヤはNTT, NTTドコモ、NTTデー タなど - - 5 56468.6 ※民間サービスの全 体 5 1669.7 ※民間サービスの全 体 調査中 - - 5 56468.6 ※民間サービスの全 体 5 1669.7 ※民間サービスの全 体 主要プレーヤは電通、 セコムなど - - 5 56468.6 ※民間サービスの全 体 5 1669.7 ※民間サービスの全 体 主要プレーヤは日本 マクドナルドホールデ ィングス、ワタミなど - - 1 711 1 11 調査中 - - 5 10387 3 117 調査中 - - 5 20174 3 211 主要プレーヤは立法、 司法、行政、都道府県 市町村機関 - - 3 8645 3 166 調査中 - - 情報通信 (通信、放送) 公共サービス(民間) (教育、研究機関、医療、保健 衛生等) 対事務所サービス(民間) (広告、業務用物品賃貸、各種 メディア等) - - 5 26199 28869 5 32875 対個人サービス(民間) (飲食、旅館等) 5 30243 ガス・水道・熱供給(政府) (民間との違いは要確認) 1 3056 5 11436 5 29616 5 教育:4668.7 他:5332 内需型 5 サービス業(政府) (教育、研究機関、医療、保健 衛生、社会保険・社会福祉等) 公務(政府) (立法、司法、行政、都道府県 市町村機関) 対家計民間非営利サービス (医療、社会保険・社会福祉、 研究機関等) - - - - - - 26 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 新規産業 評価視点 日本への貢献性(経済・財政)とグローバルでの優位性の観点から、新規産業におけるプライオ リティを設定する。 評価の視点 軸の重み 国内外市場規模 評価基準 低い 高い 主な情報ソース ×1 兆円オーダーに 届かず ・・・ 兆円オーダーが 期待 ・・・ 十兆円オーダー が期待 • 各種市場レポートや識 者見解 ×1 特に想定 されない ・・・ 間接的な 因果関係が 想定可能 ・・・ 直接的な 因果関係が 想定可能 • 業界団体などの予想発 表 • 産業特性を鑑みた推定 限定的 ・・・ 産業の裾野が 広く、それなりに 期待可能 ・・・ 労働集約型の サービス業など 大きな雇用が期待 • 業界団体などの予想発 表 • 産業特性を鑑みた推定 特に想定 されない ・・・ 間接的な 因果関係が 想定可能 ・・・ 直接的な 因果関係が 想定可能 • 産業特性を鑑みた推定 ×1 なし (規模僅少) ・・・ あるが限定的 (一部セグメント に限定など) ・・・ あり • 各種市場レポートや識 者見解 ×1 特に想定 されない ・・・ 経済への 貢献 波及効果 ユーザ / 周辺産業への経済影響 貢献性 日本にどれほど 貢献しそうか ×1 国内雇用への貢献可能性 財政への 貢献 財政支出の改善可能性 社会保障支出の削減への貢献など 国内市場の有無 優位性 国内で競争力を培えるような市場が存在するか 海外競合に対して どれほど優位性を 築けそうか 国際展開プレイヤの有無 海外展開の担い手となりそうなプレイヤがいるか 但し、経済のみの 視点での評価も 実施 ×1 但し、経済のみの 視点での評価も 実施 多数プレイヤが 一部のプレイヤに ・・・ 海外展開に着手・ 限定される 意向を明確に表明 • 各種市場レポート • 各社プレスリリース 27 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 新規産業 評価項目(1) 各市場の評価結果は下記の通り。 貢献性 国内外市場規模 子育て支援サービス市場 5 国内の保育サービス市場 規模は3.0兆円@10年から 4.9兆円@20年 波及効果(ユーザ / 周辺産業) 出支援など) 5 国内における現在67兆円 程度のシニア市場規模は、 30年には77兆円にまで拡 大 財政への貢献 国内雇用への貢献可能性 財政支出の改善可能性 5 国内にサービス市場あり 5 長期的に少子化対策への 貢献が期待 5 あり 1 幼児用器具などの海外展 開事例はあるが、サービス としては目立たない 1 特になし 5 国内にサービス市場あり 3 (厳密には財政への直接貢 献ではないが)高齢者の資 産の流動化に貢献が期待 5 あり 5 大手ではセコムやニチイが 、また小規模プレイヤ(老 人ホーム運営のウイズネッ トなど)も、アジアなど海外 への進出に着手 5 ユーザ企業の競争力に直 接貢献 また、多数部材から構成さ れるため、周辺産業の活性 化が期待 1 2016年までに世界で百万 人以上の雇用を創出 1 特になし 5 あり 5 例えばサービスロボット分 野ではトヨタやパナソニック が海外展開を指向 3 リタイアした高齢者を活用 する専門サービスであれば 高齢者雇用に貢献(但し、 高齢者の一部のみ) 3 欧米と比べるとアウトソー シングの活用は進んでいな い 3 一部IT系プレイヤがアウト ソーシングサービスの海外 展開を推進。但し、海外大 手と比べると目立たず。 シルバーサービス振興会 (サービスロボットなど) ビジネスアウトソーシング市場 1 13年の産業ロボ世界市場 は0.5兆円、20年の国内サ ービスロボ市場は650億円 富士経済 5 5 国際ロボット連盟 (メトラ・マーテック社調査) オフショアアウトソーシング (ITアウトソーシング / BPO だけでも)の市場規模は 4,500億ドル@10年で CAGR15.9%で推移 5 ユーザ企業の競争力に直 接貢献 3 いわゆるBPOは新興国へ の拠点設置が基本なので、 国内雇用にはさほど貢献し ないと推定。 但し、リタイアした高齢者を 活用する専門サービスであ れば国内雇用に+ 国内のSOHO市場(年間オ フィス維持経費の積算)は すでに約20兆円規模 1 特になし 1 特になし 1 特になし 3 欧米と比べるとSOHOとい う形態は進んでいない 3 ブラザー工業などの一部プ レイヤがSOHO用機器で海 外展開 3 産業の裾野が広く、周辺産 業の活性化が期待(センサ デバイス、機器、コンテンツ (ゲーム)、ITサービス、リア ルサービスなど) 5 国内にサービス市場あり( フィットネス系サービスなど ) 5 長期的な医療費削減への 貢献が期待 5 あり 1 (病院向けのヘルスケア機 器ではパナソニックが海外 展開を強化中だが)予防医 療ずばりの事例は見当たら ず 1 特になし 1 専門家に限定 3 効率化などに効けば、医療 費削減への貢献も期待 5 あり 3 機器レイヤにて三洋電気な どが海外展開を指向 1 特になし 1 特になし 3 移民政策を進めるのであ れば多少貢献可能性あり 1 なし 3 KDDIが10年より米国の移 民向けMVNOサービスへ 参入 米国 XMG 調査 SOHO支援サービス市場 国際展開プレイヤの有無 女性キャリアの継続雇用が 改善され、企業の競争力に 間接的に貢献 海外も多くの国が高齢化傾 向あり 作業代替ロボット市場 国内市場の有無 3 経済産業省H23 他国先進国も同様と仮定 高齢者生活支援サービス市場(外 優位性 経済への貢献 新市場 MM総研 予防医療市場 (健康寿命延伸に資するサービスなど) 次世代医療市場 (バイオ医療、オーダーメイド医療など) 移民向けサービス市場 (エスニックMVNO、送金プラットフォーム) 3 3 メタボ予防市場は07年時 点で国内で1兆円 矢野経済 他では米国や中国などで 生活習慣病患者が増加 再生医療の市場規模は 2010年に国内で8000億円 、世界では4兆5000億円 シードプランニング 1 2015年までに60億ユーロ のポテンシャル Piran partners 28 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 新規産業 評価項目(2) 各市場の評価結果は下記の通り。 貢献性 国内外市場規模 マイクロファイナンス(マイクロク レジット)市場 3 地域通貨サービス市場 1 スマートシティ(グリッド)市場 5 マイクロファイナンス融資総 額は07年時点で370億ドル 。CAGRは45% 経済的な波及効果 (モーダルシフト / カーシェア / EVなど) 国内雇用への貢献可能性 財政支出の改善可能性 国内市場の有無 国際展開プレイヤの有無 1 特になし 1 特になし 1 特になし 1 なし 1 なし 限定的 1 特になし 1 特になし 3 地域内相互扶助の促進な どが期待 3 一部で小規模な事例あり 1 なし 関連市場規模の積算で 2020年に世界で180兆円 が期待 3 エネルギーコスト低減につ ながる可能性あり。 また、産業の裾野が幅広い 3 大きなサービス雇用を生む わけではないが、産業の裾 野が広いため雇用効果は 期待 3 コンパクトシティ的な側面か ら社会インフラコストの低減 が期待 3 スマートグリッドに関しては 市場形成は出遅れ 5 但し、オペレータや全体設 計など、案件開発の上流関 与できるプレイヤは限定的 1 スマート交通インフラ( ITS/ETC)およびEVインフ ラの市場規模は世界で 6,500億円@20年 3 エネルギーコスト低減につ ながる可能性あり。 また、産業の裾野が幅広い (車両、インフラ、サービス など) 3 大きなサービス雇用を生む わけではないが、産業の裾 野が広いため雇用効果は 期待 1 特になし 5 次世代自動車の普及目標 あり 5 但し、オペレータや全体設 計など、案件開発の上流関 与できるプレイヤは限定的 上下水・海淡化を含む管理 ・運営サービスの世界市場 規模は19兆円@07年⇒38 兆円@25年 1 特になし 1 インフラ事業であるため、 雇用は現地調達が基本 1 特になし 5 あり(但し、民間ベースでは ない) 3 旭化成が中国で(日本法人 の)廃水リサイクル用のプ ラント建設・所有・運営に着 手 3 レアメタルなどの資源調達 コスト低減につながる可能 性あり 5 労働集約型産業であるた め雇用創出効果が高いと 想定 3 社会インフラコストの低減 が期 3 都市鉱山に関して、DOWA や三菱マテリアル(国内の 銅製錬所を活用)などの一 部プレイヤが以前から取組 み 1 なし 3 「農業の6次産業化(2次産 業+3次産業)」の概念にあ るように、その裾野は幅広 い 5 労働集約型産業であるた め雇用創出効果が高いと 想定。 但し、既存業態の集積でも あるため、新規分について は精査が必要 1 特になし 5 あり(但し、小規模が多い) 3 双日などの商社が海外で アグリビジネスに参入。他 には有機栽培食物(フルー ツなどの高級品)のアジア 輸出事例もあり 5 技術的にフラッグシップとい う側面もあり、国としての技 術競争力・人材確保に貢献 可能性あり。 また、衛星サービスなどは その用途は幅広い 1 専門家が中心か 1 特になし 5 あり 3 国を挙げた輸出構想はあ るが道半ば。また、宇宙産 業の競争力も世界で7位と いう評価もあり エネルギーの安定確保や コスト低減につながる可能 性あり 3 富士キメラ総研 水ビジネス市場(上下水道含む) 財政への貢献 ドイツ銀行調査 日経BPクリーンテック研究所 次世代交通市場 優位性 経済への貢献 新市場 5 Global Water Market2008 リサイクルなど静脈ビジネス市 場(都市鉱山ビジネスを含む) 農業ビジネス市場 (植物工場、農業の6次産業化などを含む) 宇宙開発・海底開発市場 5 世界の廃棄物・リサイクル ビジネス市場規模は38兆 円@06年⇒73兆円@50年 Veolia調査 5 農業・食料関連産業の生 産額は国内でH17年に102 兆円 農林水産省H17 3 衛星サービス、衛星製造、 打上げ機、地上機器の世 界合計で1600億ドル@09 年(前年比成長率11%) 米Satellite Industry Association 新・省エネルギー市場 (各種RE、燃料電池、熱供給など含む) 5 再生可能エネルギーの市 場規模は世界で2020年ま でに50兆円規模 世界経済フォーラム 3 米調査会社フュートロン調査 世界全体で30年までに 2,000万人の雇用創出が 予測(UNEP/ILO) 1 特になし 1 限定的(風力発電や太陽熱 の市場は限定的、太陽光 発電も大規模案件は限定 的) 3 太陽光発電にてモジュール ・システムで海外勢に押さ れ気味。昨今IPP受注も見 られ始めたが、道半ば 29 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 新規産業 評価結果(経済貢献のみを評価) 純粋に経済貢献のみを考えた場合、ものづくり系では「ロボット」「宇宙」「農業」、サービス系では 「高齢者支援」「ビジネスアウトソーシング」が上位を占める結果に。 12 高齢者生活支援サービス市場 作業代替ロボット市場 次世代交通市場 10 水ビジネス市場 次世代医療市場 8 宇宙開発・海底開発市場 スマートシティ(グリッド)市場 農業ビジネス市場 優位性 ビジネスアウトソーシング市場 SOHO支援サービス市場 予防医療市場 6 子育て支援サービス市場 地域通貨サービス市場 4 静脈ビジネス市場 移民向けサービス市場 新・省エネルギー市場 マイクロファイナンス市場 2 0 0 2 4 6 8 10 12 貢献性(経済のみ) 30 1 各産業のマクロ経済への貢献度把握 新規産業 評価結果(経済・財政両面への貢献を評価) 経済に加えて、財政両面への貢献を考えた場合は、「予防医療」「子育て支援」も上位側へとシ フトする。 12 次世代交通市場 10 高齢者生活支援サービス市場 作業代替ロボット市場 農業ビジネス市場 スマートシティ(グリッド)市場 水ビジネス市場 宇宙開発・海底開発市場 8 優位性 次世代医療市場 6 予防医療市場 ビジネスアウトソーシング市場 SOHO支援サービス市場 子育て支援サービス市場 地域通貨サービス市場 4 移民向けサービス市場 2 マイクロファイナンス市場 新・省エネルギー市場 静脈ビジネス市場 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 貢献性(経済+財政) 31 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 32 2 ミクロ分析 検討のフレームワーク 下記のフレームで検討を進めることを想定。 前提となる基礎情報 方針仮説 競争環境(競争の結果としての「 市場シェア」とその変化) ‒ 背景にある自国・競合(他国)の 強み・弱み 付加価値構造 ̶ 産業バリューチェーン ̶ 機能バリューチェーン (既存産業中心) 同一産業内における各企業の 競争力分布(産業構造)の自国 ・他国比較 ‒ 競争上のポイント(KSF) ‒ 上記内での自国の優位性 グローバル市場の中における位置取 りの最適化 ̶ 注力展開地域 ̶ 注力製品セグメント(価格帯・技術方式な ど) 既存事業内での機能バリューチェーン 上でのリソース配分(コスト構造)の最 適化 ‒ 競争上のポイント(KSF) ‒ 上記内での自社の優位性 事業ポートフォリオ間におけるリソース 配分の最適化 ̶ 既存/新規、既存内、新規内 一企業としてのビジネスモデル ドライバ (市場の変曲点) 必要施策 自国としてあるべき産業構造(産業内の企業分布・産業間連携) 産業バリューチェーン上での位置取り の最適化(新規産業中心) 捉えるべき事業としてのの変曲点 市場性 ̶ 規模 ̶ 成長性 ̶ 収益性 戦略決定上の主要因子 • 左記を誘導するため施策 オプション ‒ 政府が果たすべき役割 ‒ 民間が果たすべき役割 本Phaseでは外需型産業の代表として「自動車・自動二輪車」、 内需(→外需)型産業の代表として「小売り」について例示的に個別分析を実施 33 2 ミクロ分析 サマリー 小売業界 「SCMのグローバル化・効率化」、「機能VC上下流進出による高付加価値化」、「CVS含む多業 態管理能力を生かした新興国市場開拓」が必要か。 現状 前提となる基礎情報 成長性 • グローバルでは年平均成長率3.1%(金額ベース) • 国内では年平均成長率1.1%(金額ベース) (共に@2010-15予測年) 収益性 • グローバルでは営業利益率5.3% • 国内では営業利益率3.6% (共に@2010年) 日系企業シェア 産業 バリューチェーン 上での位置取り 付加価値構造 • 上場企業の売上高ベースのシェアは食品小売で10%、専門小売で16% • 既存事業領域の成熟化を背景として、売場作り(SCの企画・運営)に不動産デベや専門 店が参入する等の動きはあるも、短・中期的にはそれほど大きな変化はない 不十分な集約化による 過当競争からの脱却 • グローバルには年間900兆円規模 • 国内では年間130兆円規模 (共に@2010年) 市場規模 変化点 あるべき ビジネスモデル 必要施策 機能VC川上進出 (SPA/PB化)お よび川下進出(+ αの高付加価値 化)で国内売上 高の底上げ 個社 • 機能VC視点から の新規領域進出 体制の構築 政府 • 産業再編支援 産業としての SCMのグローバ ル化・効率化促 進 個社 • 調達・販売物流 両面での新興国 SCMの整備 政府 • 新興国とのEDI 規格共通化の主 導 多業態管理能力 を活用した、アジ ア新興国小売産 業の開拓・近代 化加速 個社 • 海外事業展開の FS・実行体制強 化 政府 • 新興国への小売 り企業進出規制 緩和の働きかけ 競合国の位置取り • 上場企業の平均売上高が大きく(2,600億円)、集約化が進んでいる グローバル市場に おける位置取り 自国の強み・弱み • 中小企業への保護政策により、集約化が遅れている(上場企業の平均売上高は1,500億 円) 市場構造 • 先進国中心に市場は成熟している一方、新興国では人口・GDP両面から市場拡大が見 込まれる 展開地域 競合の位置取り 自国の強み・弱み • 国内大手はアジアを中心に展開を加速しており、同地域の出店数ベースでは欧米大手と 伍している状況 付加価値構造 • 食品・日用品小売はスケールメリットの効く世界であり、地理的に独立性の高いエリアで No1シェアを獲得すると高収益化が可能 • 専門小売では、衣料や家具・装飾など、スケールメリットよりもむしろSPA化などの事業戦 略上の工夫が大きく効果を持つ場合もある 競合の位置取り • スケールメリットの追求・川上進出(SPA化)、およびネットワーク効果の効くECサイトで先 行 自国の強み・弱み • 川下進出による高付加価値化では、CVSの発達や高度宅配サービスなど日本独自サー ビスに強み 競合の位置取り 事業ポート フォリオ間 における リソース配分 自国の強み・弱み • 自動車社会を前提とした業態(店舗フォーマット)の開発・展開に強み • 日本固有の業態であるCVSの様に売場(面積)を効率活用する、徒歩を前提とした都心 部向け業態に強み • 郊外型と合わせて、多様な業態をマネージして商圏の潜在購買力を最大限掘り起こす力 を持つ (これまでは(中途半端な)規模・効率追求によりGMSなどが牽引した低価格化が トレンドになっていたが、デフレを強めこそすれ、結果として小売産業としての長期低迷の 一因となっていた。しかしCVSに代表される川下でのカスタマイズ価値の取り込みやSPA やPB化の台頭により収益性を高めながら成長していく方向に変化しつつある) 海外( アジア) 市場への 展開加速 戦略決定上の主要因子 機能 バリューチェーン 上での位置取り • 欧米の大手はグローバルに事業展開を加速中 (過去には自国と異なる事業環境に苦戦した) 小売・ 他産業における 国内市場の長期低迷 産業構造 副次的効果として、自国 メーカの海外展開を促進 34 2 ミクロ分析 各産業別の分析上の想定論点(1/5) 各産業クラスター毎のミクロ分析における想定主要論点は下記の通り。 基礎情報 分析単位としての 産業クラスター 市場規模 ユーティリティ • 新興国の経済成長 • に伴う、エネルギー インフラニーズ / 都 市インフラニーズの 高まり • 先進国における再 生可能エネルギー 市場の拡大 1 2 医療・介護・福祉 3 不動産・建設 4 消費者サービス 専門消費者サービス(25302020) 教育サービス(25302010) 成長性 日系企業 収益性 シェア バリュー • チェーン 上の立 ち位置 • に大きく 依存 部材~機 器レイヤ では海外 展開 上位レイ ヤではグ ローバル プレイヤ 不在 産業VC上での 位置取り 産業構造 部材~機 器レイヤ では海外 展開 上位レイ ヤではグ ローバル プレイヤ 不在 機能VC上での 事業ポートフォリオ 間における 位置取り リソース配分 GDP 雇用 • 一連バリュー • (特にインフラ • 新興国への展 • 競争力を発揮 • 特に新興国現 • (重電系プレイ 開可能性 チェーンにおけ 案件で重要と できるセグメン 地における事 ヤなどの)総合 ト(発電方式 / 業基盤(EPC、 力の発揮可能 る付加価値構 なる)上流側に 造の把握 上下水処理な セールス)の強 性 おけるグローバ ど)の見極め 化可能性 ルプレイヤの不 在 • 周辺諸制度と の整合性担保 中長期的に高 • 多様なサービ • 齢化問題の顕 スの中からの 在化が想定さ 注力領域の見 れるアジア地 極め(介護・生 域への展開可 活支援・予防医 能性 療など) (特にIT関連で はベンチャーを 含む多数プレイ ヤが登場して いることから) 技術・事業シー ズの外部調達 の強化 • 介護事 • 業を中 心とした 付加価 値拡大 余地 • 一連バリュー • (特にインフラ • 新興国への展 • 競争力を発揮 • 開可能性 チェーンにおけ 案件で重要と できるセグメン る付加価値構 なる)上流側に ト(工業施設・ 造の把握 おけるグローバ 商業施設・住宅 • 賃貸管理事業 ルプレイヤの不 施設など)の見 在 極め への付加価値 配分(売る→貸 すへの転換) 特に新興国現 地における事 業基盤(EPC、 セールス)の強 化可能性 • 住宅賃 貸事業 での GDP総 生産 • 新興国市場の成長 • 高付加 • 機器とし • IT(含むセンサ • 異なる出自・業 • ては海外 機器)とサービ と先進国市場での 価値 態のプレイヤ間 展開プレ ス との一体化 医療費抑制 / 高齢 サービ での連携の促 イヤがい 化対策 ス/高 進 による市場創 るが、 造・付加価値獲 • 周辺諸制度と • 高齢者保有資産の 収益 サービス 得の可能性 の整合性担保 流動化可能性や財 サービ は道半ば 政支出削減への貢 スの不 献可能性 足 • 新興国の経済成長 • バリュー • に伴う、 都市インフ チェーン ラニーズの高まり 上の立 ち位置 • に大きく 依存 グローバル市場における 位置取り 展開地域 製品セグメント • 新たな業態のサー • 模倣容 • 産業とし • メーカー、小 • ビス事業の勃興に 易であ て未発 売、ユーティリ よる拡大余地 ることに 達 ティ等異業種か • シニア向けサービ よる競 らの参入可能 争激化 性 スによる拡大可能 性 細分化した市 • セグメントごと • 成長余地のあ • コアセグメント • サービス産業 場構造の中で の海外展開の るサービスセグ における機能 におけるコング メントの特定 のニッチプレー 可能性の見極 バリューチェー ロマリット化の ヤー乱立傾向 め ン拡張の動き 動向 労働分 配率向 上(一 人当た り報酬 増額) の可能 性 海外 生産比率 貿易収支 • 燃料費 調達に よる輸 入リスク • 新エネ ルギー 危機の 輸出産 業として の育成 可能性 • サービ • 労働分 ス産業 配率向 におけ 上の可 能性 る高付 加価値 化余地 各種消費者サービス(253020) カジノ・ゲーム(25301010) ホテル・リゾート・クルーズ船(25301020) レジャー設備(25301030) 4’ 旅行観光市場 • 海外からの観光客 • 観光客 • 他観光 数の成長可能性 一人当 国との • 国内におけるシニ たりの 競合関 係 ア旅行ニーズの拡 使用金 大 額 • 運輸事業者、 • 中小企業が主 • 海外でのマー • 新たな切り口で 体となっている ケティング活動 の観光資源の 旅行代理店事 発掘 ことによる経営 の必要性 業者など周辺 プレーヤーとの 体力の限界 付加価値配分 • 異業種からの 参入による活 性化可能性 35 2 ミクロ分析 各産業別の分析上の想定論点(2/5) 各産業クラスター毎のミクロ分析における想定主要論点は下記の通り。 分析単位としての 産業クラスター 5 食品・農業 6 基礎情報 市場規模 成長性 • 食物原料の価格高 • 騰によるインパクト • 健康食品市場など の新セグメント拡大 による成長 • 高付加価値化によ る単価上昇 日系企業 収益性 シェア 産業VC上での 位置取り 産業構造 ブランド • 一部商 • 原料調達にお • 海外展開余力 • アジアを中心と • 化によ 品(たば ける商社の存 のある大手企 した新興国市 在感 場への(M&Aを る付加 こ等)を 業以外に中小 含めた)展開の 価値構 除き、国 • 原料調達の観 零細企業が多 加速 造 数存在 点での農業と 内・アジ 食品加工メー アでの カーとの連携 プレゼ • 小売側(PB)と ンスに 留まる の付加価値奪 い合い メディア 8 通信 9 IT 機能VC上での 事業ポートフォリオ 間における 位置取り リソース配分 食文化としての • 小売のPBによ • 大手企業(含む る食品メーカー 商社)における “日本食”ブー との水平分業 ムに合わせた コングロマリット 化の加速 化 関連食材の提 供 GDP 雇用 海外 生産比率 貿易収支 • 農業に • 食品メ よる雇 ーカー 用吸収 による 余力 海外展 開余地 例示検討済み 小売 7 グローバル市場における 位置取り 展開地域 製品セグメント • 特に新興国でのコ • 著作権 • 日本国 ンテンツ市場拡大 問題も 内に閉 の可能性 あるな じて展 か、収 開中の 益化可 企業が 大半 能性は 要検証 • 当該産業のみ • グローバル展 • ならず。Cool 開力のあるプレ Japanとしての イヤ不在(クリ 周辺産業への エータ単位とし 波及可能性 てはボトムアッ プ的にプレゼン スあり) アジア圏(さら • 海外展開でき • コンテンツのみならず、そこからの には、欧州の る(&波及効果 プロダクト化などによる収益多様 化・強化 一部など)への も期待できる) 展開可能性 領域の見極め • トラフィックは伸長 • トラ • 日本市 • サービス、コン • 通信キャリアの • キャリアのロー • 有線通信→無 • 技術/事業シー • 従来の固定・移 ズの外部調達 するも一人当たり フィック 場の地 テンツプロバイ プレゼンスの大 カルプレイヤー 線通信、音声 動体通信事業 通信→データ 化の進行 収入は伸びず⇒通 逼迫に 盤沈下 ダー、プラット きさ(含む技 から新規事業 信周辺の付帯サー 伴う設 による フォーマー(含 術・事業開発 • 日系キャリアの 通信へのシフト (データセンタ ビスの拡大可能性 備投資 や課金PFな 海外展開も進 国内 むクラウド事業 力) ど)へのリソー 負担の キャリア 者)間での付加 • グローバルプレ 行中 ス配分余地 増大 イヤーのプレゼ の国際 価値獲得競争 ンス低下 激化 的存在 感低下 • クラウド台頭による • 特にク • コンテン • クラウド化に伴 • グローバルな • アジア圏への • 伸長が予見さ • 技術/事業シー • クラウド化によ 展開可能性 市場拡大分と既存 ラウドに ツ、SW う付加価値の 合従連衡が進 れるクラウド関 ズの外部調達 る付加価値の SIの侵食分を考慮 おける 上位シフト(HW 展する中での 産業で 連サービスで 変化を踏まえ 端末やSIビジ した市場拡大性検 収益化 の日本 日本勢の立ち のポジション確 た、事業ポート 証 立可能性 の競争 ネス・ミドルウェ 位置 モデル フォリオの見直 し(HW/SW/SI/ 力(得意 アからアプリ • レガシー領域 の見極 め サービス) 分野)の ケーション におけるクラウ SW、コンテン 見極め ド系新規プレイ ツ) ヤの台頭 • 波及効 果にも 期待 • 雇用創 出のイ ンパクト • コンテン ツ、SW 領域で の産業 集積の 可能性 36 2 ミクロ分析 各産業別の分析上の想定論点(3/5) 各産業クラスター毎のミクロ分析における想定主要論点は下記の通り。 分析単位としての 産業クラスター 10 卸・商社・運輸 10’ リサイクル等静脈 ビジネス市場 11 ビジネスサービス 12 金融 13 医薬品 基礎情報 産業VC上での 産業構造 日系企業 位置取り 市場規模 成長性 収益性 シェア • 商社の成長ポテンシャル • 総合商 • 構内製造業の • 更なる集約化 • 資源エネルギー価格高騰のイ 社、海 国際競争力変 の可能性(商 ンパクト 社、卸) 運会社 化による間接 的インパクト の国際 競争力 • メーカー、小売 との関係の中 での卸の付加 価値変化 グローバル市場における 位置取り 展開地域 製品セグメント 機能VC上での 事業ポートフォリオ 間における 位置取り リソース配分 • 口銭型ビジネスから投資型ビジネ スへのビジネスモデル転換(シナ ジー) • 原料価格高騰の影響 • 中古品市場(国内・海外)確立 による市場拡大可能性 • 規制・制度設計による市場形 成の可能性 • 市場拡大に向けた要件(ボト ルネック) • 動脈系VCとの • 大手プレイヤー • 技術、制度両 • 成立しうる対象 • 回収/処理/再販 連動性 の本格参入(組 面からの海外 物・領域の見極 プロセス間での 付加価値構造 展開の可能性 め • 3R内での優位 成)の可能性 • 回収プロセス なアプローチの 見極め の効率化、安 定調達化 • 顧客企業によるア • 高付加 • 世界的 ウトソーシングサー 価値 には日 ビス活用(水平分 サービ 本は後 進国 業)意識の高まり スの不 足 (合わせてのサー ビス品質の向上& 種類の拡大) • HWビジネスと • カテゴリーごと • アジア圏への 展開可能性 の連携、競合 の集約化の遅 れ (メーカーの サービスビジネ • 国内顧客異存 ス化) によるグローバ ル展開の遅れ • 法人向けサービス • 業務の • 世界金 の拡大余地 更なる 融市場 • アクティブシニア世 効率化 におけ 代向けの個人向け と付加 る更な サービスの拡張余 価値向 るプレ 地 上の両 ゼンス 立可能 向上余 性 地 • 他産業におけ • る海外ビジネス 拡大の支援(相 乗り)による収 益機会追求 • 国債買取を通 じた国家財政と の連動リスク • 付加価 • 値向上に よるGDP 再成長 の可能 性 海外 生産比率 貿易収支 国内雇 用増加 の可能 性 • 雇用創 出のイン パクト • 新業態創造・成長に よる付加価値・雇用 創出余地 • ユーザーである(日系)企業の潜 在ニーズの高い領域(顧客のビジ ネスプロセス)の強化 メガ銀行・証券 • 海外事業の拡 • 手薄な直接金 • 運用能力の改 • 総合型金融企 大余地 善余地 業vs専業型金 を中心の再編 融業界の強化 余地 融企業 に取り残され た、地方、中小 の事業者の再 編加速の可能 性・有効性 • 新興国市場の成長 • 各国の • 規模の • 医療バリュー • 戦略ポジション • 新興国市場で • ジェネリック市 • 技術シーズの • 場の攻略 と先進国市場での 医療制 ハンディ チェーンの中で の異なるプレー の競争力 外部調達 医療費抑制 (R&D特化型 度改革 の克服 の医薬品産業 ヤー間での合 可能性 の位置付け 従連衡 VB) • バイオ医薬で • バイオ医薬市場の のイン の存在感 勃興 パクト • 治験、製造受 託ビジネスのア ウトソーシング 雇用 GDP 医薬特化型(医 科向け特化VS 総合型)VS医 薬・医療融合型 (特にバイオ領 域) • 新サービ ス創造な どによる 付加価 値向上 余地 • R&D拠 点の国 内集積 維持 • 輸入額 の抑制 +新興 市場向 け輸出 37 2 ミクロ分析 各産業別の分析上の想定論点(4/5) 各産業クラスター毎のミクロ分析における想定主要論点は下記の通り。 基礎情報 分析単位としての 産業クラスター 14 家庭用品 家庭用品・パーソナル用品(3030)、 家具・装飾(25201020)、 家庭用品・雑貨(25201050) レジャー用品(252020)、 繊維・アパレル・贅沢品(252030) 市場規模 成長性 • 新興国市場の拡大 (例:LCC) 航空宇宙・防衛(20101010) 産業VC上での 位置取り • オープン イノベー ションに • グロー バルプ よる商品 • 新興国市場の拡大 開発効率 レゼン 向上 スの低 • ブランド さ 力による 収益格差 15 航空 日系企業 収益性 シェア • Big2vs新興国プ レーヤーの構図の 中での存在感確保 • 新市場としての宇 • 軍需産業の存在有 宙、海洋開発ビジ 無による収益力格 ネス勃興 差 産業構造 グローバル市場における 位置取り 展開地域 製品セグメント • グローバルプ • レーヤー不在 • 新興国市場で (但し、アジア のプレゼンス獲 では一定のプ 得 レゼンスあ り?) • 完成機メーカーと コンポーネントサ • グローバルな プライヤー間での 垂直統合下で • アジア市場の 付加価値奪い合 の日本の位置 い(航空) 取り込み(連 • HW開発とサービ 付け(キーコン 係)の可能性 ポーネント+素 スビジネスの付 材供給が中心) 加価値構造(宇 宙) 機能VC上での 事業ポートフォリオ 間における 位置取り リソース配分 • (日本の定位置 である)“中の 上”戦略での勝 • 算見極め • 中小型ジェット 機市場への取 り組み意義 GDP 雇用 海外 生産比率 貿易収支 小売りとの付加 価値獲得競争 • 総合型vs専業 (PBvsNB) 型 製販一体化 (SPA) • メンテナンス、 アフターマー • アジア版EADS 設立の可能性 ケットの取り込 み 16 自動車・自動二輪 部品 17 エレクトロニクス 例示検討済み • 新興国市場の拡大 • モジュー • ヘルスケア/エネル ルやセッ • 中韓勢 ト(特に ギーなどの新規プ の台頭 TV)の価 ロダクト市場の拡 格下落 大 • コスト競争の厳 • 各セグメント • (To B / To C しいセット以下 など)ごとの成 • 新興国市場で の事業レイヤ からの、システ 熟度・競争状況 のプレゼンス獲 と日系プレイヤ 得 ム・サービスレ の張り方の整 イヤへの転換 理 可能性 • 新興国における都市・産業イ • 新興国 ンフラ整備向け需要による成 競合と 長 の競争 • 円高による収益・競争力への 激化の インパクト 影響 • サービス型ビジ ネスモデル (EPCビジネ • ス、O&Mビジ ネス、製造受託 ビジネスなど) への転換余地 (必要性) 18 重電・産機 完成品 • 生産・開発機能 ヘルスケア/エ の海外移転 • ネルギーなど • 研究開発など の新規プロダク の事業機能の トでのプレゼン 産業共通プラッ ス確立 トフォームの構 築 中小企業の集 • 新市場向け製 品へのシフト 約が進まないこ • 新興国を中心 とした海外展開 • 国内生産で持 とでの国際競 の加速 ちこたえられる 争力への影響 機種の見極め (例:工作機械) • 生産拠 点の海 外移転 のイン パクト 総合メーカーvs 専業メーカー (総合型の強み の生かし方) •標準化による低コ スト化(マーケティン グ力強化)vsカスタ ムエンジニアリング • 総合メーカーvs 専業メーカー による付加価値獲 得 (総合型の強み •生産、開発機能の の生かし方) 海外移転の必要性 •ライフサイクル型ビ ジネスの拡充 • 国内雇 用維持 への貢 献可能 性 • 輸出競 争力維 持の可 能性 38 2 ミクロ分析 各産業別の分析上の想定論点(5/5) 各産業クラスター毎のミクロ分析における想定主要論点は下記の通り。 基礎情報 分析単位としての 産業クラスター 市場規模 成長性 収益性 日系企業 シェア • そもそもの市場の本格立ち上 • 産業用途での 高い競争力が がりのための要件 18’ 民生用途でも 生かせる可能 性 作業代替 ロボット 19 大型輸送機器 20 化学 21 金属 22 紙・パルプ・ 包装 • 造船業界における今後の需給 • バランス(日中韓三国志状態 の行方) • 世界的な鉄道インフラ敷設需 • 要、資源・都市開発需要の動 向(背景にある資源価格高騰・ 都市化進展のスピード) グローバルに 競争力あるセグ メントの見極め 新興国競合の 存在 資源 産業構造 • サービスとの一体 • 化による市場創 造・付加価値獲得 • 制御技術の標準 化(開発プラットフ ォームでのデファ クト獲得) グローバル市場における 位置取り 展開地域 製品セグメント 機能VC上での 事業ポートフォリオ 間における 位置取り リソース配分 多様な業種から • アプリケーション • 市場性あるアプリ の参入による融 ごとの“課題先進 ケーション領域の 見極め 合領域の創出(主 地域”との連携 導的プレイヤーの 見極め) • ICTを用いたサ • 各セグメントごと • 新興国市場で • 環境(燃費)性 • アフターサービ ービス提供のイ の市場の成熟度 のプレゼンス拡 能による差別 スなどライフサ とプレーヤーの集 大 ンパクト 化可能性の見 イクルビジネス 約度のバランス( 極め による収益の 欧州との比較) 最大化 基礎化学での 産油国・中国系 競合の勃興 電子材料領域 での韓・台税の 勃興 • ヘルスケア:欧 米競合との対 決 • 為替変動、原燃料高騰による • 新興国(中・印・ 韓、資源国)競 影響(収益性・競争力) 合の台頭による 競争環境の変 化 • 基礎化学品領域における為替 • 変動・原料価格高騰による影 響(収益性・競争力) • • 機能性材料領域における成長 ・高収益の持続性 • 原料立地型プ • 総合化学メーカ レーヤーとの競 ーの未集約に よるメリット・デ 争激化 メリット • 高付加価値川 下領域へのシ • 機能材料クラス ターの特異性 フト • 資源権益保有者 • への付加価値集 中(商社の存在価 値) • 川下展開(顧客と の摺合せ型開発) による高付加価 値化の可能性 原料調達体制の • 商社を基軸とし 強化(資源系プレ た日本連合形 イヤーとの連携 成の可能性 強化) 海底資源開発、 都市鉱山開発な ど自国内資源の 最大利用 • 為替変動、原燃料高騰による • 先進国、新興国 • 川上(原料)側 • 国内製紙業界 • アジアを中心と • 高付加価値領 • 国内生産拠点再 • 紙業内での総 競合との競争 影響(収益性・競争力) 合型vsセグメン への付加価値 における一段 した海外需要 域へのリソース 編による合理化 優位性変化の シフトの可能性 の再編余地 シフトの可能性 余地 ト専業型 の取り込み可 可能性 能性 、中国勢との競 争優位性変化 の可能性 • 川上(資源探索 • )への付加価値 集中 • 川下(リテール )事業の高付加 • 価値化の余地 • 新市場 創造に よる雇 用創出 効果 • 国内生 • 産の拡 大余地( 海外移 転とのト レードオ フ) 総合商社の存 • 資源保有国と • 輸送用燃料で • 国内生産拠点再 編による合理化 の連携 の収益最大化 在意義と専業 余地 プレイヤーとの • アジア地域に • バイオマス領 棲み分け おける加工貿 域でのプレゼン ス確立 政府系企業と 易継続的成立 の役割分担 の可能性 貿易収支 • 輸出貢 献可能 性 国際競 争力及び 生産立 地の変 化による 国内雇 用へのイ ンパクト • 基礎化学品で • 機能材料のマ • 総合型vs専業 ーケッタ育成 型 の生き残りの 可能性とその 要件 • 繊維メーカーの ポートフォリオ • 機能材料の中 組み換えから での絞り込み の学び 余地 総合商社が存 • 資源保有国と • 競争力ある素 • 在することによ の連携 材への集中の 可能性 る日本の優位 性 • 海外 生産比率 雇用 GDP • 主導するプレイヤ ーの見極め(既存 事業とのシナジー ) • グローバルアライ アンス • 為替変動、原燃料高騰による • 欧米メジャー、 資源国メジャー 影響(収益性・競争力) 23 産業VC上での 位置取り • 輸出貢 献可能 性(特に 造船) • 生産拠 • (アジア 点の海 地域向 外移転 け)輸出 のイン 競争力 パクト の持続 性 • GDP拡 • 国際競 • 争力及び 大への 生産立 継続貢 地の変 献可能 化による 性 国内雇 生産拠 点の海 外移転 の可能 性 用へのイ ンパクト • (アジア 地域向 け)輸出 競争力 の持続 性 • 生産拠 点の海 外移転 の可能 性 • 貿易収 支(輸 出+輸 入)へ のイン パクト 39 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 40 2 ミクロ分析 サマリー 輸送機器(乗用車)業界 「インフラへの業容拡大」「小型移動体のグローバル化加速」「ニッチブランド強化」が必要か。 現状 市場規模 市場性 必要施策 車(移動体)を 起点とした 社会インフラ企業へ の 業容拡大 個社 • 自動車以外の周辺事業 とのシナジーの追求 • (共同での)技術開発の 推進 政府 • 次世代のEVインフラや ITSインフラに関するグ ローバル実証の推進 • 年間7,000万台規模 成長性 • 年平均成長率4%(台数ベース) 収益性 • 営業利益率4% 競合国の位置取り 産業構造 自国の強み・弱み 市場構造 グローバル市場 における 位置取り 競争優位性 ミクロ視点 ② 方向性仮説 展開地域 競合の位置取り 自国の強み・弱み 市場構造 製品 セグメント 競合の位置取り 自国の強み・弱み 付加価値構造 機能バリューチェーン 競合の位置取り 上での位置取り 自国の強み・弱み 競合の位置取り 事業ポートフォリオ間 におけるリソース配分 自国の強み・弱み • 米国、ドイツは3社、その他国(仏、伊、韓国)は1~2社への集約が進みつつあり、 中規模メーカー以下を巻き込んだグローバルな合従連衡が再び始まりつつある • 中国に関しても、独資メーカーを中心に優勝劣敗が明確になる中で集約化が進展 • 上位3社(トヨタ、日産、ホンダ)に加え中堅メーカー数社が存続する中で、グローバ ルアライアンスから離脱した中堅メーカーの単独での生き残りが厳しくなりつつある • 中国が米国を抜いて世界最大の市場になるなど、新興国市場の比率が上昇 • BRICsを中心とした新興国攻略にリソースを集中し、高いシェアを獲得しつつある。 韓国等はさらにその先の新興国を先回りすることでシェア獲得に弾みをつけつつあ る • ASEANでは強みをもつ一方で、BRICs攻略には遅れ気味。ポストBRICs戦略も後 手に回りつつある • 新興国向けの廉価モデルが比率を高めつつあり、先進国でも燃費のよい小型車へ のダウンサイジングが進んでいる • 韓国(現代):先進国市場での小型車ニーズをとらえることに成功 • 欧米:比較的大型の高級車が売れている中国以外の市場では、必ずしも小型化ニ ーズをとらえきれていない • 燃費のよい小型車は元々お家芸であり、小型車についても独自の軽自動車規格の 中で培ったノウハウが存在 • 元々、原価低減(含む調達費)がコスト上重かったが、最近は販管費(含むR&D)の 比率が拡大 • 韓国:低コストの部品メーカーを活用した原価低減と外部活用によりR&D投資を押 さえ、マーケティング投資を徹底 • ドイツ:中東欧を中心に低コスト国への生産移管と部品共通化及びマーケティング 投資の徹底による高付加価値(プライシング)戦略で • パワートレイン技術の変曲点を捉え、低燃費技術などでの差別化を目指し、R&D 投資を各社独自で積極的に行うも、現時点では十分に成果を挙げきれず、国内生 産基盤死守のために関係会社も含め製造原価レベルで重い固定費がネックになり 、低収益傾向に • ドイツ:完成車事業の中で、他国メーカーの買収による製品ラインナップ拡充(VW) や利幅の大きい商用車事業の拡大(Daimler)などに取り組み • 非自動車事業が収益源として育ちつつある(例:トヨタの住宅事業、ホンダの汎用機 器事業) エネルギー効率に優 れた 小型移動体 メーカーとしての グローバル プレーヤー化 グローバル連合軍の 中で 差別化技術とアジア でのプレゼンスを 梃とした ニッチブランドとして の 生き残り 個社 • 小型・低燃費における 強みの堅持 政府 • 独自の軽自動車規格な どの海外打ち込み 個社 • 世界的な合従連衡の中 での、パートナリングの 強化 • 機能バリューチェーン視 点からの産業再編 政府 • 再編支援 41 2 ミクロ分析 検討範囲(輸送機器(乗用車)業界) “輸送機器”には乗用車を始め、幅広い機器が含まれるが、まずはGDPが大きな乗用車に分析 の主眼を置く。 産業規模(世界) 147 乗用車 二輪車 輸送機器産業 自動車産業 商用車 部品 3 上の定義 GICS 完成車 (兆円) 53 (兆円) 51 (兆円) 55 航空・宇宙 非自動車 (兆円) (兆円) 造船・建機・農機等 その他(鉄道・フォークリフトなど) 53 (兆円) ・・・ 日系企業シェア 概況(日本企業の競争力) 33% 高 42% 高 0.1% 低 36% 高 0.2% 低 12% 中 ・・・ ・・・ 出所:Bloomberg 42 2 市場規模・成長性 現在約7千万台規模の世界自動車市場は、2021年までに1億1千万台規模まで、年平均4%で 成長を続ける見込み。 世界自動車(販売)市場規模 販売台数( 百万台) 出所:Global Insight, Forecast Data, September 2011 より ADL作成 43 2 収益性 個社別の過去業績を見ると、欧州系、その他(韓国系)企業の収益性が高い傾向にあるほか、 一時低迷した米系も直近では大きく回復している。 主要自動車企業別収益性 過去5年(FY07-11)の平均営業利益率 業績基調 FY11 10.0 日系 2% HYUNDAI MOTOR CO 9.5 6% 9.0 6% 8.5 8.0 BAYERISCHE MOTOREN WERKE AG DAIMLER AG-REGISTERED SHARES 7.5 8% 9%* 米系 5% N¥A 直近年度の英領義駅率 欧州系 5%* 7.0 6.5 HONDA MOTOR CO LTD 6.0 NISSAN MOTOR CO LTD FORD MOTOR CO VOLKSWAGEN AG 5.5 5.0 4.5 GENERAL MOTORS CO 世界平均 4.0 3.5 回復基調 3.0 6% 2.5 N¥A 2.0 TOYOTA MOTOR CORP 回復途上 その他 (韓国系) 1.5 1.0 0.5 10% 全社平均 0.0 -4 -3 -2 -1 2.4% 出所:各社Annual Report等 より ADL作成 4% 0 1 2 3 4 5 6 過去5年の平均営業利益率 *VW, BMWは会計期間の違いによりFY10の数値 44 7 2 産業構造 主要プレイヤー 2010年時点で日系企業(グループ)はtop10に4社がランクインしている。2021年でも上位には 先進国企業(グループ)が多く、乗用車市場は当面先進国企業(グループ)が強い状況が見込 み。 自動車メーカー 販売台数別ランキング 2010年(実績) 0.0 1 TOYOTA 2 VW GROUP 3 GM 4 HYUNDAI 5 FORD 6 NISSAN 7 2021年(予測) 5.0 10.0 15.0 0.0 5.0 10.0 15.0 1:独 VW GROUP 11.3 7.1 2:日 TOYOTA 11.0 6.9 3:米 GM 4:韓 HYUNDAI 7.9 5:米 FORD 7.6 3.7 6:日 NISSAN HONDA 3.6 7:日 HONDA 8 PSA 3.5 8:欧 PSA 4.3 9 RENAULT 2.6 9:欧 FIAT GROUP 4.1 10 SUZUKI 2.5 10:欧 RENAULT 4.0 11 FIAT GROUP 2.4 11:日 SUZUKI 8.0 5.4 5.0 10.1 5.9 5.3 3.6 12 CHRYSLER LLC 1.5 12:欧 BMW 2.6 13 DAIMLER AG 1.5 13:中 SAIC 2.6 14 BMW 1.5 14:欧 DAIMLER AG 2.5 15 CHANGAN 1.4 15:米 CHRYSLER LLC 出所:Global Insight, Forecast Data, September 2011 より ADL作成 2.2 45 2 産業構造 主要プレイヤー 上位3社(トヨタ、日産、ホンダ)に加え中堅メーカー数社が存続する中で、グローバルアライアン スから離脱した中堅メーカーの単独での生き残りが厳しくなりつつある。 日 系 欧州系 米 系 日系Big3 独系Big3 米系Big3 トヨタ自動車 HEV 供給 アジア系 現代 GM VW JV DE供給 JV SAIC BMW 日産 JV ホンダ × 軽供給 DE 供給 マツダ 軽供給 資本 提携 三 菱 資本 提携 エンジン相 互供給 HEV共 同開発 FAW Ford Renault スズキ ミニバン 供給 JV Daimler EV 供給 資本 提携 PSA Fiat 資本 提携 Chrysler スバル 46 2 グローバル市場での位置取り 展開地域 市場構造 自動車市場として今後の成長市場は中国、インド等の新興国市場。 世界自動車販売台数予測(中大型トラック・バスは除く、国別) Other Norway Finland Netherlands Philippines Austria Portugal Slovenia Venezuela Hungary Australia Sweden Taiwan Romania Belgium Malaysia Slovakia S. Africa Argentina Poland Indonesia Cz. Rep. Turkey Italy Iran U.K. Thailand Canada Spain 10,000 8,000 France Mexico 531 298 4,000 275 148 367 171 337 243 173 331 205 329 358 360 368 395 1,706 329 1,560 1,654 1,699 1,720 1,383 444 1,183 2,000 1,656 1,616 1,044 1,325 456 555 521 493 478 495 486 479 481 1,763 1,859 1,944 672 799 2006 2007 2008 India Germany CAGR (’11-’20) 7.6% 1.2% 2013 2014 2015 2.4% United States Japan ▲0.8% China 4.6% 2,355 499 859 Brazil 348 297 397 366 362 S.Korea Russia 1,297 1,455 1,568 1,669 2009 2010 2011 2012 0 2020 カ 5国の中では、 インド・ 中国の成長率が高い 世界自動車販売台数( 万台) 6,000 5カ国で市場全体の 50%以上を占める 出所:Global Insight, Forecast Data, March 2010 より ADL作成 47 2 グローバル市場での位置取り 展開地域 競合の位置取り 各メーカ(グループ)ともに概ね先進国中心の地域展開を行っているが、スズキ・フォルクスワー ゲンは他社に先んじた新興国展開がなされている。 主要メーカー別販売国別比率(台数ベース、2011年見込) 米系 GM 独系 Ford Chrysler VW 日系 Daimler BMW Toyota Renault /Nissan その他(韓国)系 Honda Suzuki Hyundai 3% 途上国 ・その他 8% 5% 3% 3% 12% 9% 21% 21% 23% 中進国 6% 6% 34% 46% (ASEAN、インド、 東欧、Merucosul (ブラジル、中国、ア ルゼンチン、ウルグ アイ、パラグアイ)) 33% 30% 3% 5% 18% 34% 62% 35% 94% 73% 73% 72% 先進国 58% 51% (日本、西欧・中欧、 北米、韓国) (百万台) 55% 61% 63% 47% 33% 7 5 2 8 2 2 8 出所:Global Insight, Forecast Data, September 2011 より ADL作成 7 3 2 7 48 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント 着目すべきセグメンテーション軸 製品セグメントの視点で、業界構造にインパクトを与えうるのは、「小型化=車種セグメント構成 比率の変化」と「電動化=パワートレイン別構成比率の変化」。 捉えるべきトレンド(変曲点) 小型化 電動化 (車種セグメント別構成比率 の変化) (パワートレイン別構成比率 の変化) 49 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント 車種セグメント別比率:市場構造 BRICs市場における低価格車比率はロシアを除き、世界平均を上回る数値を示す。 特にブラジル、インドの比率が高く6割以上をLCCが構成。 参考データ ブラジルの車種構造(2014年予測) A・Bセグメントを低価格車と定義 A-Bセグメントカーの比率は約66% D~Fセグメント、SUV など LCV 80% LCV 80% D~Fセグメント、SUV など Cセグメント 66% 60% 40% 100% 100% LCV Bセグメント 60% Bセグメント ロシア車種構造(2013年予測) A・Bセグメントを低価格車と定義 A-Bセグメントカーの比率は約22% 100% Aセグメント 80% 40% 出所:グローバルインサイト 中国の車種構造(2014年予測) 80% 60% 60% Bセグメント 22% 20% Aセグメント 0% 出所:グローバルインサイト 0% Price:~15,000CHF Bセグメント size:3,700~4,200mm Price:15,001~22,000CHF Price:22,001~33,000CHF But size is really the prime indicator ※CHF:スイスフラン。1フラン=約87円 D~Fセグメント、SUVなど 40% Cセグメント 20% 出所:グローバルインサイト Cセグメント size:4,000~4,5000mm LCV 40% Cセグメント 23% Aセグメント size:~3,800mm 0% 100% D~Fセグメント、SUVなど Bセグメント セグメント定義 A~Cセグメントを低価格車と定義 A~Cセグメントカーの比率は約40% LCV Cセグメント 0% Aセグメント 出所:グローバルインサイト 20% D~Fセグメント、SUVな ど Aセグメント 20% 0% 60% 40% Cセグメント 60% 40% 20% 世界平均の車種構造(2014年予測) A-Bセグメントカーの比率は約23% A-Cセグメントカーの比率は約44% A・Bセグメントを低価格車と定義 A-Bセグメントカーの比率は約60% 100% 80% インドの車種構造(2014年予測) Bセグメント Aセグメント 中国市場では比較的大型の車種も他社製品 の摸倣により安価に提供しているため、Cセグ メントまでをLCCとして定義 中国国民は見た目を気にするため、小型車よりも安価 でデザイン性の高い中大型車を好む傾向にある 中国はコピー大国であり、比較的大型の車種の設計を コピーして安価に提供しているケースが見られる 出所:グローバルインサイト 50 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント 車種セグメント別比率:競合の位置取り 新興国展開を積極化しているスズキ、VWはA・Bセグメントの販売構成比率が高い。 主要メーカー別車種セグメント別販売構成比率(2010年) FORD A 4% B 17% GM 9% HONDA HYUNDAI 3% 10% 22% NISSAN SUZUKI TOYOTA VW GROUP 0% 4% 7% 7% 11% 9% 24% 18% 25% C 52% 23% 19% 21% 21% 38% 14% D 15% E/F 0% 12% 41% 3% 15% 17% 2% 1% 4% 16% 11% 3% SUVその他 47% 45% 35% 8% 0% 0% 15% 43% 35% 3% 29% 23% 16% 5 7 4 5 4 3 出所:Global Insight, Forecast Data, September 2011 より ADL作成 8 7 51 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント 車種セグメント別比率:競合の動向 韓国(現代)は先進国市場での小型車ニーズをとらえることに成功したが、欧米勢は比較的大型 の高級車が売れている中国以外の市場では、必ずしも小型化ニーズをとらえきれていない。 • • 韓国勢の動向 欧米勢の動向 先進国市場での小型車ニーズを捉えることに成功 比較的大型の高級車が売れている中国以外の市場では、 必ずしも小型化ニーズをとらえきれていない 米デトロイトの北米国際自動車ショーで、2012年の北 米最優秀車賞が発表された。 自動車ジャーナリストによる投票の結果、乗用車部門 では、韓国・現代自動車の小型セダン「エラントラ」が 選ばれた。 要検証 出所:時事通信 52 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント 車種セグメント別比率:日系企業の強み・弱み 日本勢にとって、燃費のよい小型車は元々お家芸であり、小型車についても独自の軽自動車規 格の中で培ったノウハウが存在。 車種セグメント別の日系企業シェア(台数ベース、2010年実績) 6 11 小型車セグメントにおける日系企業の動向 17 トヨタやホンダは、小型車にまでHEVを投入 他国シェア 61% 77% 73% • トヨタ 11年の東京モーターショーにて、燃費40km/Lの小型HEV「 AQUA」や小型EV、FCVなどを出展 • ホンダ 11年に欧州向け小型HEV車「ジャズ ハイブリッド」を発売 ダイハツやスズキは燃費30km/lの第3のエコカーを投入 日系シェア 39% A 23% 27% B C セグメント名 • ダイハツ 11年に「誰もが乗れる第3のエコカー」として、軽自動車「ミラ e:S(イース)」(燃費30km/リットル) • スズキ 12年に「第3のエコカー」として、「アルトエコ」を発表(燃費 30km/リットル) 出所:各社プレスリリース 53 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント パワートレイン別比率:市場構造(変曲点) 燃料価格上昇と燃費規制の強化の要請によりパワートレインの更なる低燃費化が求められてい る。 パワートレイン開発の二大ドライバー 燃料価格上昇 燃費規制の強化 250 200 150 一次産品価格指数 一次産品価格指数 (エネルギーを除く) エネルギー価格指 数 100 50 0 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 ※日本の数値は、燃費基準から逆算。2020年の燃費規制は審議中だが、20km/l程度と日経ATにて予測 54 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント パワートレイン別比率:開発動向 日欧米メーカーの大部分はEV/HEVや、LCCに注力する方向性。EV/HEV、LCCという同時期 に発生した異なる潮流を的確に捉えることが、今後の市場獲得の上で必須となっている。 日系OEM トヨタ 09年 欧州OEM 非トヨタ 14年 CAGR (09-14) 716万台 1070万台 8.4% 09年 14年 CAGR (09-14) 1,113万台 1,634万台8.0% プレミアム車メーカー 大衆車メーカー (BMW、Daimlerなど) (VW、FIAT、ルノー、PSAなど) 09年 14年 CAGR (09-14) 270万台 372万台 6.6% 14年 CAGR (09-14) 1,248万台 1,619万台5.3% 09年 14年 (中国市場) CAGR (09-14) 1,148万台 1,602万台6.9% 09年 14年 CAGR (09-14) 313万台 473万台 8.6% 直近の開発は減速気味 •一時はIMVプロジェクトによる 、新興国市場への参入に積極 的であったが、現状は生産調 整、計画見直しなど減速気味 多数のメーカーが注力 • (目立った動きなし) •日産、スズキなど、新興国向 け車種の開発を明言 •ホンダは国内の生産を抑制し 、海外生産体制を強化すること で、新興国市場向け車種の競 争に備える方針 欧州大衆車メーカーは低価格 車の製造元としてプレゼンス が高い •ルノー傘下のダチアは低下価 格車としてローガンを販売中 •VWは低価格車としてFOXを 保有しており、今後は7000€カ ーの開発に着手。中国市場で のプレゼンスも高い •Fiatは2009年に5000€カーの 販売を計画 低価格車ではないが、新興国 市場でのプレゼンスは高い •GMは中国でのプレゼンスが 高く、VWに続くシェア2位に位 置している。但し、低価格車で はなく、大型の高級車販売が 大多数を占める 中国地場の低価格車メーカー がグローバルOEMとして成長 中 •中国では政府方針により、今 後地場メーカーが集約され、年 産200万台クラスのOEMとな る可能性あり •チェリーなど、地場メーカーの 一部は、ブラジルなどに輸出を 開始しており、グローバル展開 も視野に入れている •自国の市場が大きいため今 後中国から最大のグローバル OEMが誕生する可能性があ る HEV,EVの開発に注力 大手はEVの開発に注力。 開発リソースの限られるメ ーカーは既存車へ逆張り •日系メーカーと提携しつつ、直 近1,2年で一気に開発を加速 •2009年のフランクフルトモー ターショーにて、欧州系メーカ ーは各社EV、PHEVを発表 •日系のOEM、電池メーカーと 提携し技術を習得 政府の後押しを受け今後開発 が加速 •米国政府は総額24億ドルを EV/HEV開発補助にあてること を発表 •GM、クライスラーは米国モー ターショーでEVを発表 •フォードも今後発表予 •GMは韓国LGに電池を発注 政府の後押しや、公害問題な どを背景としてEVへの需要が 高い •中国は国策として今後EVの 開発に注力させる方針 •インドは排ガスによる公害問 題が深刻であり、EVへのニー ズが強い LCC (新興国向け車種) •HEVの売上が好調 •EVの開発にも着手。富士重と の共同開発で早期の実用化を 目指す方向性 EV/HEV 09年 新興国OEM 米系OEM •直近1,2年で一気に開発を加 速。走行性能も追求し巻き返し を図る •三菱は2009年よりiMievの •2009年のフランクフルトモー ターショーにて、欧州系メーカ 量産を数千台規模で開始 •日産は2010年にEV車“リーフ ーは各社EV、PHEVを発表 ”を年間5万台規模で生産予定 •環境技術ではやや出遅れ気 味なため、パワーも追求し、 •ホンダはF1の開発を中止し EVでの出遅れ巻き返しを図る EVの開発にリソースを集中 •マツダは、GEの燃費改善や 方針 FCVに張っており、EVの逆張 りをしていく方針か •三菱とPSAは電気自動車の開発 で提携 •VWはEV開発で東芝と提携 55 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント パワートレイン別比率:業界構造 電動化により、これまでのOEMを頂点とした付加価値構造が、キーコンポーネントのサプライ ヤー側に移るリスクが存在。 これまでの部品開発の流れ OEMを頂点として、サプライチェーンを形成・・・ •自動車 これからの部品開発(電池周り) 電池システムのデファクトを取るべく、系列内での覇権争いが激化 •電気自動車 OEM •自動車部品 OEM •電池システム Tier1 •電子回路部品 OEM VS Tier1 VS Tier2 (電気屋) VS セル メーカー •電子回路部品 部品メーカー 部品メーカー 56 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント パワートレイン別比率:付加価値構造 総合歩留り 原料価格 60 40 2020 2019 2018 2017 2015 2014 2013 2012 2011 2016 生産技術により、歩留り向上 電極作製:90%到達後は 年間1%程度 セル作製:90%到達にて頭打ち 20 生産技術により、歩留り向上 電極:年間 2%程度 セル:年間 10%程度 0 パック化 で70% 程度に 200 180 160 高エネルギー 型 140 120 パック化 で70% 程度に 100 80 80,000 60,000 高出力型 40,000 高エネルギー型 高出力型 20,000 60 出所) 『2011 電池関連市場実態総調査』(富士経済) 他 公開情報等 よりADL作成 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 0 2013 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 0 2012 技術開発により、共にセル容量密度は年間 3%程度の向上 合わせて、パックの効率配置により、約5%の容量密度の向上 20 2011 40 2010 重量エネルギー密度[kWh/kg] 100,000 セル歩留り 80 220 容量当たりの原料価格の予測 電極歩留り 容量当たり 原材料投入コスト [円/kWh] 100 車載立ち 上りで ・・・その後は年間3%程度の低減 30%低減 2010 単位当たり 原材料価格比 / 歩留り [%] 但し、直近1~2年でセル材料価格が大幅に低下することで電池そのものはコモディティ化しつつ ある、今後は完成車メーカーが取り組むパック部分に付加価値が戻る可能性が高い。 57 2 グローバル市場での位置取り 製品セグメント パワートレイン別比率:普及に向けた要件 またEVの普及においては、車両開発と合わせインフラ整備も鍵となるが、この部分では日本も比 較的先行している。 EVを前提とした公共交通システム 三菱重工は、EVを用いた公共交通インフラ構築を企図 EVを組み込んだスマートグリッドシステム 商社や自動車部品メーカー等多くの企業が、 EVを組み込んだスマートグリッド構想を基に電力インフラ構築を企図 三菱重工の電化バス運行システム 伊藤忠商事の スマートグリッド 実証実験システム デンソーの スマートグリッド関連領域 への取組み 出所:三菱重工 事業説明会資料(2010/06/03) 出所:伊藤忠商事報道発表資料(2009)、Tech総研デンソー紹介資料(2010/03/08) 58 2 機能バリューチェーン上での位置取り 競合比較 現状では、(日本本社スタッフの人件費を含む)販管費比率の高さが日系各社共通の課題と なっている。 主要メーカーコスト構造比較(FY2010) 100% 90% 2.5% 3.8% 11.4% 6.4% 5.5% 15.5% 80% 6.1% 4.6% 10.0% 3.7% 5.1% 6.1% 5.2% 3.9% 5.6% 5.4% 11.9% 4.1% 6.7% 9.8% 5.1% 8.1% 2.1% 7.1% 14.6% 8.4% 70% 60% 営業利益率 R&D費率 50% 40% 82.2% 72.7% 79.3% 85.0% 88.9% 79.1% 販管費率 79.4% 79.4% Daimler BMW 75.1% 製造原価率 30% 20% 10% 0% トヨタ ホンダ 日系 日産 GM FORD 米系 VW 独系 •出所:各社有価証券報告書、Annual ReportよりADL分析 現代 韓国系 59 2 機能バリューチェーン上での位置取り 構造変化 自動車産業において進みつつある2方向からの構造変化=水平分業化のうち、日系企業は特 に機能バリューチェーンの水平分業化への対応が遅れている。 自動車産業における二つの水平分業化トレンド 機能バリューチェーンの水平分業化 これまで これから 完成車メーカーが 垂直統合的にほぼ 内製化 非競争領域や投資 負担が重い領域は 共通サービサーが 登場 これまで 完成車メーカー を頂点に摺合 せ(価値をコント ロール) モジュ ール 完成車 サービ ス 材料 部品 材料メ ーカー 材料メ ーカー 材料メ ーカー 系列メ ーカー 系列メ ーカー 系列メ ーカー 完成車メーカーB 材料メ ーカー キー部 品 (例: Lib) サプラ イヤー 完成車メーカ サ ー Tier1 ーA 完成車メーカ ビ サプラ ーB ス イヤー 完成車メーカ 事 ーC 業 者 完成車メーカーA 完成車メーカーC “電子化・電動化” これから 系列部品 メーカー EMS 完成車メーカー 系列部品 メーカー 完成車メーカー 開発受託会社 系列部品 メーカー 完成車メーカー 系列部品 メーカー 完成車メーカー 系列部品 メーカー 完成車メーカー 系列部品 メーカー 販 売 完成車メーカー 製 造 “ 海外メーカーとの競争激化” 開 発 調 達 産業バリューチェーンの水平分業化 完成車メーカー を頂点に摺合 せ(価値をコント ロール) 60 2 機能バリューチェーン上での位置取り 競合動向 グローバル市場での競合であるドイツメーカーや韓国メーカーは、各機能チェーンにおいて水平 分業化による効率向上に真剣に取り組んでいる。 ドイツメーカー(VWなど) 開 発 調 達 製 造 • 国内系技術コンサル(AVL、iAV)を核としてコ ンソーシアムを組成し、非競争領域の環境規 制対応技術などを開発 • 規制対応のエンジンの適合開発などでも上記 技術コンサルなどの外部リソースを活用し、 自らは付加価値の高い業務に特化 • グループ内の各社で徹底した機能モジュール 化を進めることで、モジュールそのもののコス トダウンと設計の効率化を両立(VW) • 少量車種については、Magna等の外部の独 立系車体メーカーを活用することで組立ライ ンのキャパを抑制しながら、生産を拡大 (BMWなど) 韓国メーカー(現代) • ドイツ系の技術コンサルの知見を開発のアウ トソーシング先として活用し、先端の環境技術 などの開発を加速(自らのリソースはより即効 性のあるデザインやマーケティングに集中) • 電池系の次世代のコア技術についても、ボッ シュなどの欧州メーカーとのJV設立により、ノ ウハウ獲得とスケールメリット追求の二兎を 追う • 系列の部品メーカーなどが日系完成車メーカ ーへの売り込みを強化→さらなるスケールメ リットを追求 61 2 機能バリューチェーン上での位置取り 競合比較:R&D投資 一方で売上高R&D費率に関しても、ドイツ系メーカーの方が日系メーカーよりも高い水準で投資 を行っており、実際に次世代自動車においても、EVやガソリンHEVを除けば日系メーカーはグ ローバルの中で高いシェアを獲得できない恐れも指摘されている。 次世代自動車における技術方式別日系メーカーシェア (FY2019推定) 売上高*R&D費率比較(FY2010) 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 5.8% ホンダ 日系 7.0% 日系3社平均: 4.1%4.7% トヨタ Ford 90% 80% 4.8% 日産 100% 70% 60% 4.2% 50% 米系 GM 40% 5.1% 自動車市場全 体での日本車 シェア:28% 30% BMW 独系 5.6% 10% Daimler 6.7% VW 韓国 現代 20% 0% 6.1% 2.3% 独系3社平均: 6.1% *金融事業の売上高を除いた売上高 出所:各社有価証券報告書、Annual ReportよりADL分析 出所:HIS Global Insight 62 2 機能バリューチェーン上での位置取り 競合比較:生産、販売立地 また、日系メーカーは主要国メーカーの中でも海外販売への依存度が既に高く、主要国の中で 向こう10年の間で唯一国内生産が減ることが予測されている。 海外販売比率 (直近×今後の変化率) 海外生産比率 (直近×今後の変化率) 60% 60% 日系 40% 米系 20% 欧州系 韓国系 0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中国系 40% 日系メーカー 欧州系メーカー 20% 米系メーカー 0% 20 11-20% 0% ) CY 20-40% 19 -40% 20 19 -60% 20% 40% 60% 80% 100% ~ インド系 ~ 20 11 -20% 国内生産 CAGR ( CY 海外販売比率変化率( CY 80% 80% ) -60% 韓国系メーカー インド系メーカー 円の大きさ:全生産台数(CY19) CY2012国内*生産比率 CY2011海外*販売比率 •*米系は北米、欧州系は西欧を国内と位置付け 出所:HIS Global Insight 63 2 事業ポートフォリオ間におけるリソース配分 多角化 日系大手自動車メーカーのもう一つの特徴は、本業の自動車以外の周辺事業を保有しているこ とにあり、この部分に新たな成長の可能性を見いだせないか。 日系自動車メーカーの多角化事業 各社の事業セグメント別比率 (非自動車部門の比率の比較) 0% 20% 40% 60% 80% 100% ホンダ •二輪車事業:世界シェアトップ •ガソリン汎用エンジン:世界シェア トップ •家庭用コジェネレーションシステ ムなども販売 トヨタ •住宅事業:自動車事業と接点をも ちながら、スマートコミュニティの 実証実験にも積極的に参加 ホンダ 日系 トヨタ 日産 米系 Ford GM BMW 独系 VW 現代 韓国 自動車 金融 二輪車 汎用事業その他 出所:各社有価証券報告書、Annual ReportよりADL分析 64 3 日系企業市場規模シェアの推移 日系企業による市場シェアは来年度以降に多少盛り返すものの、長期的には若干の減少傾向 で推移する見込み。 日系企業市場規模シェア推移(販売台数ベース、2012年以降は予測) 出所:Global Insight, Forecast Data, September 2011 より ADL作成 65 3 国内企業売上規模の推移 日系企業の売上高規模は金融危機後に大きく落ち込んだが、FY2011より回復基調。 国内企業売上規模推移 (兆円) 出所:Bloomberg 66 3 国内外 生産・販売比率の推移 販売における国内比率は低下し、同様に国内生産比率も漸減の傾向をたどるものと予測。 日系メーカーにおける 国内外販売比率の推移予測 日系主要メーカー*における 国内外生産比率の推移予測 (台) (台) 35,000,000 30,000,000 25% 国内販売比率 6,000,000 10% 30% 25% 国内生産台数 5,000,000 20% 系列1 4,000,000 15% 系列2 3,000,000 15% 15,000,000 国内生産比率 7,000,000 25,000,000 20,000,000 35% 8,000,000 20% 10,000,000 9,000,000 グローバル販売台数 10% 2,000,000 5% 5,000,000 5% 1,000,000 0 0% 0 0% CY 2012 CY CY CY CY CY CY CY CY CY 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 CY 2013 CY 2014 CY 2015 CY 2016 CY 2017 CY 2018 CY 2019 *トヨタ、日産、ホンダ、三菱、スズキ 出所:IHS Global Insight 67 3 労働分配率の推移 企業の労働分配率は、景況が悪化した際に雇用を守るために一時的に上昇したものの、2.5% 程度での推移が続くか (他社事例含め要追加調査) 労働分配率の推移 算出アプローチ: 各社の有価証券報告書より 従業員数 平均年間給与 を把握し、労働分配総額を算出 労働分配総額/売上高より 個社ごとの労働分配率を算出 業界の売上トップ数社の売上高で加重平 均することにより、業界水準を把握 出所:トヨタIR 68 3 投資性向の推移 企業の投資性向としては、R&D費は売上高に応じて概ね一定水準を維持しているが、設備投 資額(志保本的支出)は業績以上に大きく変動する模様。 8 2006 対売上高設備投資費( 資本的支出) 比率 7 2009 6 2008 2007 5 4 2010 3 2011 2 1 概ね4%前後 0 0 出所:日系自動車大手10社 IR資料より 3 6 対売上高研究開発費比率 69 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 70 2 ミクロ分析 検討範囲(小売産業) 世界で約900兆円の産業であり、食品・生活必需品小売、専門小売領域が大きい。日系企業は海 外展開が遅れており市場シェアは世界におけるGDPシェアとほぼ同等の10-20%程度に留まってい る。 産業規模 (内、上場企業の売上高ベース:カバー率*39%) 上場企業の (世界) 日系企業シェア 産業分類 売上規模(世界) インターネット 販売・ カタログ販売 無店舗型 食品・ 生活必需品 食品・生活必需 品小売 9 同左(訪問販売含む) (兆円) 食品・日用品等の小売、 スーパーマーケットなど 専門領域 複合領域 その他 店舗型 小売産業 専門小売 衣料、コンピュータ・電子機器 、住宅関連用品、自動車、家 具・装飾、薬品小売 など 複合小売 百貨店、総合小売り 175 (兆円) 909 (兆円) その他小売、 その他販売 106 (兆円) 45 (兆円) 15 (兆円) 14% 10% 16% 17% 23% (資本財以外の卸売業) 卸売産業 資本財卸 (資本財の卸売業) 出所:ユーロモニター資料(調査対象は約25か国)より、それらの国のGDPシェアで割り戻してADL推計 出所:Bloomberg (上場企業(2010年度)の業績ベース) *カバー率:小売産業は非上場の中小企業が運営するケースが依然多いため 71 2 ミクロ分析 市場性 市場規模・成長性(世界) グローバルでは現在約9.7兆ドルの市場が、今後2015年にかけて年率3.1%での成長を続ける 見込み。 世界小売市場規模 14 12 10 小売店売上高( 兆ドル) 8 6 10.7 4 8.5 9.0 9.2 2006 2007 9.7 10.1 10.3 10.6 2009 2010 2011 2012 11.0 11.3 11.7 2013 2014 2015 2 0 2005 2008 出所:ユーロモニター資料(調査対象は約25か国)、IBISWorld Industry Report、JETRO調査資料、野村総研レ ポートより、それらの国のGDPシェアで割り戻してADL推計 72 2 ミクロ分析 市場性 市場規模・成長性(国内) 国内市場は成熟しており、約135兆円の市場規模は過去10年間ほぼ横ばい。今後は一時的な 復興特需があるも、中長期的には横ばいで推移すると想定。 小売市場規模推移(01-15年) (兆円) 160 CAGR(’01-’10) = 0.0% 140 120 100 80 135 132 133 134 135 135 136 134 134 135 134 138 142 142 142 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 60 40 20 復興需要の 恩恵に加え、 2012年以降 は急速な円 高進行が緩 和するとの見 通しから、増 益との予想。 2014年以降 は復興需要も 落ち着くと想 定し、成長率 0%と仮定。 0 出所:商業動態統計、野村證券ニュースリリース等よりADLまとめ 73 2 ミクロ分析 市場性 主要プレイヤー 売上高のグローバルトップ10を見ると欧米系企業が大部分を占める。日系企業は、食品・生活 必需品と専門小売の各分野でそれぞれ7,8位に入っている。 食品・生活必需品小売企業の売上高 (グローバルトップ10 、FY2010) 1 WAL-MART STORES INC(米) 2 CARREFOUR SA(仏) 3 専門小売企業の売上高 (グローバルトップ10 、FY2010) 1 CVS CAREMARK CORP (米/ドラッグストア) 10.4 2 HOME DEPOT INC (米/DIY) 6.2 TESCO PLC(英) 8.4 3 WALGREEN CO (米/ドラッグストア) 6.1 4 METRO AG(独) 7.8 4 BEST BUY CO INC (米/家電) 5 KROGER CO(米) 7.2 5 LOWE'S COS INC (米/DIY) 6 RITE AID CORP (米/ドラッグストア) 6 38.2 横棒グラフでランキング COSTCO WHOLESALE CORP(米) 7.0 トップ10 8.4 4.6 4.4 横棒グラフでランキング 2.4 トップ10 7 SEVEN & I HOLDINGS CO LTD(日) 4.5 7 STAPLES INC (米/事務用品) 8 AEON CO LTD(日) 4.5 8 YAMADA DENKI CO LTD (日/家電) 2.0 9 WOOLWORTHS LTD(豪) 4.2 9 TJX COMPANIES INC (米/衣料) 1.9 SUPERVALU INC(米) 3.8 10 10 0 10 20 30 40 (単位:兆円) 2.3 KINGFISHER PLC (英/DIY) 1.6 0 2 4 6 8 10 (単位:兆円) 出所:Bloomberg 74 2 ミクロ分析 競争優位性 競合国の位置取り、自国の強み・弱み 海外の小売産業は日本に比べて集約化が進んでおり、上場企業1社当たりの平均売上高で比 較すると約2倍程度となっている。日本で集約化が進んでいない理由には、小売業そのものの 事業特性と、政策的な零細企業保護があると思量。 上場企業の平均売上高の比較(世界平均、日系企業) 日本で集約化が十分に進んでいない背景 日銭の稼げる事業のため、赤字が続い ても倒産しにくい ̶ そもそもの事業特性として、現金取引 が基本のため、資金ショートを起こし にくい ̶ 店舗・土地を担保として銀行から融資 を受けることで、赤字経営が続いても 事業の継続が比較的容易 日系企業平均の約2倍 零細小売業への保護政策? ̶ 過去には大規模小売店舗法で保護し ていた ̶ その後も、(コンパクトシティ化という 背景はあるものの)まちづくり3法など を通じて、大規模店舗の出店を一定 程度管理している (十億円) 75 2 ミクロ分析 競争優位性 分析の視点 以下4つの視点で小売産業における変局点を捉え、今後の戦略方向性を導出する。 戦略決定上の主要因子 A 小売産業における変化の方向性(要因別) A 他産業との付加価値の取り合い 集客 産業VC上での 位置取りの最適化 調達 グローバルでの SCM効率化(EDI) 販売 更なる海外市場進出 他産業からの参入 例)三井不動産、JR、ニトリ・・・ C C 機能VC川上、川下進出 ・・・ 生産/加工・組立 事業ポートフォリオ間における リソース配分の最適化 インターネット販売 調達 D SPA化、PB化 例)ユニクロ・セブン&I ・・・ 販売 サービス・保守 ビジネスモデルの選択 4% +αの 高付加価値化 例)買い場つくり、 (コンビニ・)宅配サービス・・・ 年平均成長率 (02-07 年 ) 既存事業内での機能VC上での リソース配分最適化 国内 アジアなど 海外 セット Promotion 製品 O&M Place (product) Price 投資 グローバル市場の中における 位置取りの最適化 販売 部品 材料 B B (生産・)調達・販売のグローバル化 品揃えの妙 (セレクトショップ)、 SPA化 (カタログ・訪問除く ) 3 品揃え・ PB化 利便性 2 ネットスーパー、 PB化 アウトレットパーク コンビニ 1 0 専門小売 (買い場の楽しさ作り) 食品・生活必需品(コンビニ除く) -1 その他 複合小売(百貨店) -2 複合小売( 総合スーパー) -3 5 10 20 50 100 07年のセグメント別売上高(兆円) 76 2 ミクロ分析 競争優位性 産業VC上での位置取り 既存事業領域の成熟化を背景として、売場作り(SCの企画・運営)に不動産デベや専門店・交 通機関が参入する等の動きはあるも、短・中期的にはそれほど大きな変化はないと考えられる。 ショッピングセンターの企画・運営事業への他産業 (不動産デベ、専門店、交通機関等)からの参入 産業VC上の位置取り最適化 集客 Place Price Place O&M 投資 部品 材料 セット 製品 (product) 販売 ららぽーと(三井不動産) ニトリモール(ニトリ) イオンモール(イオン) アトレ(JR) Promotion 例)三井不動産、JR、ニトリ・・・ Promotion 他産業からの参入 新しいプロモーション形態の登場 店頭ポップ(店舗・メー カ) TVCM、チラシ (広告会社) スマートカート (Microsoft, Amazon, Googleな どの個人情報を持つPfer??) 77 2 ミクロ分析 競争優位性 産業VC上での位置取り(実証実験の事例) マイクロソフトはSmartCart・Wake fern Foodと相互提携し、ビデオ広告技術を活用した次世 代ショッピングカートを大手スーパーへ導入する予定。 Microsoft / Smart Cart / Wake fern Food ショッピングカートのイメージ 次世代ショッピングカートとMSのビデオ広告技術がコラボ (概要) • 米マイクロソフトとショッピングカートの技術開発を行なっているMedia Cartと 食品卸会社のWake fern Foodは相互提携を行い、「次世代ショッピングカー ト」の開発導入計画を発表 • 米国マイクロソフトのAtlas部門の「ビデオ広告技術」が、MediaCartのショッ ピングカートに搭載される。 • Wakefern傘下のスーパーマーケットチェーンShopRiteで、2008年後半から テスト導入開始予定。 (提供サービス内容) • スキャナーで会員証を読み取りIDを入力。 • 自宅のPCで買い物リストを入力しておけば、スーパーマーケットでインターネ ットを通じて、それら確認しながら買い物できる。 • 過去の購入履歴を閲覧することもできる。 • カートが商品棚を通過すると液晶画面には、棚に置かれた商品の情報が「ビ デオ広告」として次々に表示されていく。お買い得商品や、クーポン情報、果 ては商品を使ったお勧めレシピなど、情報も多種多様にわたる予定。 • 購入商品は、バーコードでスキャンさせ、カートへ入れていく。液晶画面では 購入商品の一覧や合計金額が確認できる。 • 会計時にはレジのチェックエリアで、カートの中身の状態(購入商品が正しく スキャンされているかなど)を確認し、そのまま支払いをするだけでOK。 • 商品一つ一つにタグが付いている訳ではなく、棚にタグを付けて認識する方 式だという。 • カートの使用情報は、個人を特定する顧客情報は出さずに、広告主には広 告効果をアナライズすることが出来る有益な情報を提供し、広告効果を確認 する仕組みを持つ。 東京IT新聞 2008.2.5 モニターに広告を配信 バーコードで本人確認 目的商品までの道案内 会計での商品一括スキャン 出所:東京IT新聞 2008.2.5 78 2 ミクロ分析 競争優位性 グローバルにおける位置取り:市場構造(国内) 国内小売市場は成熟しており市場規模自体が横ばいの中、売り場面積だけ増大し続けたため販 売効率が低下傾向。単純な店舗の増加・大型化では成長に限界が来ていると考えられる。 売場面積と売場当たり売上高の推移 出所:商業統計 79 2 ミクロ分析 グローバルにおける位置取り:市場構造(海外) 競争優位性 海外市場に目を向けると、先進国は成熟している中、新興国(特にアジア)は今後も高成長を続 ける見込みとなっている。 地域別市場規模と成長率(09年実績、15年予測) 7% 6% アジア 5% 南アメリカ 09 15 3% - CAGR(‘ 4% アフリカ ) ヨーロッパ オセアニア 2% 北アメリカ 1% 0% 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 (兆ドル) 小売店売上高(2009年) 80 2 ミクロ分析 グローバルにおける位置取り:競合の位置取り、自国の強み・弱み 競争優位性 日系大手小売企業のアジア展開状況は、出店数ベースではグローバル大手と伍している状況。 今後の更なる拡大に向けては、EDIを含めた効率的なサプライチェーンの構築が求められる。 グローバル・日系大手の海外展開状況 中国展開において、ウォルマートが過去に苦戦を強いられた要因 アジア フ ー シ ア シ ン ガ ポ 台 湾 ィ マ レ ー 中 国 イ ン ド ネ シ ア イ ン ド 韓 国 香 港 タ イ ル リ ピ ン そ の 他 母 国 以 外 ォ ウ ー ル マ スーパー マーケット中心 328 5 4,557 ①当時の中国ではアメリカのようにメーカーの上位集中が進んで おらず、サプライヤの規模も小さかったため、ウォルマート(小売 り側)のバイイングパワーが強くても、十分なコスト競争力を持て なかった ②サプライヤが未成熟だったため、当初はウォルマートの強みで あった取引先との間にEDIシステムが構築できず、商品調達の 効率が悪かった ③広大な中国においては地域において嗜好が異なる等、現地化 対応が不十分だった(例:食文化の違いなど) ト ー カ ル フ 182 83 25 2 63 倉庫型スーパー マーケット中心 3,149 ル CVS(・GMS)中心 イ オ ン 65 27 セ ブ ン & ア イ 113 CVS中心 11 1,429 約40,000 出所:各社発表資料よりADLまとめ 39 13 331 0 新興国展開における押さえどころ ①適切な参入時期の見極め・迅速な参入 サプライヤ企業が一定程度成熟し、スケールメリットを十分に享 受できる段階にあり、かつ他社に後れを取らない時期を的確に 選ぶ ②ITシステムの構築(・支援) 必要に応じて現地企業をサポートすることも含めた、効率的な商 品調達体制の実現 ③ローカライズ 国際的なスケールを活かした「標準化」だけではなく、現地の人 材を活用するなどした、各地域のニーズに合った「現地化」 出所:各種二次情報よりADLまとめ 81 2 ミクロ分析 競争優位性 グローバルにおける位置取り:副次的効果 フランスの大手小売カルフールが海外へ出店した際には、食品を中心に自国製品を海外で販売し ており、「フランス食文化の輸出」・「自国製品の輸出支援」という側面も持っていると考えられる。 カルフールの事例 日本への示唆 基本的には食品スーパーであるため、海外(フラン ス以外)へ出店した際には、各国の需要特性に応じ た品ぞろえ(ローカライズ)を行う ただし、それに加えて母国の食料品等を海外地域 で販売している 日系の大手小売りが海外進出することで、日本食 文化の輸出を通じた、飲食料品産業のグローバル 化促進が可能か 日本にいては、その他消費財として一定の強さを 持っている家電産業についても、輸出促進を図れ るか 要議論 メーカ自身が自社でブランドを構築してグローバル 化するのと、どちらがより早く・効率的か 海外店舗で販売しているフランス製の乳製品や酒など 82 2 ミクロ分析 競争優位性 機能VC上での位置取り:競合の位置取り・自国の強み弱み 川上進出のSPA化・PB化、川下進出の高付加価値化にはいくつかの方向性がある。 川上・川下進出の方向性まとめ 事業セグメント間の動態 在庫リスクの大きさ 仕入 店子 製販一体 SPA,化 PB化 A-1, カテゴリキラーのSPA化 A-2, SM, GMSのPB化 販売 B 本屋・CDショップ B-3 アウトレットパーク 複数 サービス・ 保守 取扱商品カテゴリ A 単品 生産/加工・ 組立 (たなこ) インターネット販売 (楽天) (Amazon) +αの高付加価値化 B-1, 利便性:来店・持ち帰りの手間軽減。 例:CVS, ネットスーパーなど B-2, 買い場の楽しさ作り(+安さ) 例:アウトレットパークなど B-3, 品ぞろえの妙:実店舗でのディスプレ イ、web上のレコメンデーション 例:セレクトショップ、インターネット販売 カテゴリキラー A-1 SPA・SPA化した カテゴリキラー B-3 セレクトショップ CVS、 ネットスーパー B-2 B-1 百貨店 SM,GMS A-2 (PB展開なし) SM,GMS (PB展開) 83 2 ミクロ分析 競争優位性 機能VC上での位置取り:付加価値構造(食品・日用品) 事実、SM, GMSに概ね相当する食品・日用品小売の世界では(スケールメリットの大原則がある 上で)ネットスーパー、CVSの強者が高収益を獲得している。 食品・日用品小売大手の業績(FY2010) 8% 営業利益率( FY2010 ) 独立性の高い地域でNo1の地位を確保 WOOLWORTHS LTD (豪) 6 食品・日用品小売は、スケールメリッ トの効く世界 (バイイングパワーに 基づくコスト競争力:ウォルマート) グローバルNo1で高収益獲得 WAL-MART STORES INC ネットスーパー、CVS事業での成功 は、収益席の向上に大きく貢献する (TESCO, SEVEN&I) TESCO PLC (英) ネットスーパーで先行 SEVEN & I (日) その他、近隣競合との価格競争が激 化すると、全体の収益性が下落する が、独立性の高い地域でNo1の地位 を得ると、一定の収益性を確保でき る傾向 CVSで世界No.1 スケールメリット 4 競合との過当競争で低収益性に陥る (PB化は各社行っており、直接的な 差別化要因にはなっていない模様) KROGER CO (米) SUPERVALU INC METRO AG (独) (米) AEON CO LTD (日) COSTCO WHOLESALE CORP (米) CARREFOUR SA (仏) 2 0 10 20 30 売上高(FY2010) 40 (兆円) 出所:各社Annual ReportからADLまとめ 84 2 ミクロ分析 競争優位性 機能VC上での位置取り:付加価値構造(専門小売) 専門小売も、一定程度スケールメリットが効く世界ではあるが、衣料品のように商材によっては スケールメリットの追求だけでなく、SPA化よる高収益化の方向性も存在する。 専門小売大手の業績(FY2010) 25% HENNES & MAURITZ AB-B SHS (瑞,衣料) 20 営業利益率( FY2010 ) SPA化した企業 INDITEX (西,衣料) ドラッグストア、家電、DIY(ホーム センタ)の世界では一定程度、規模 の経済性が効いているものと考え られる 15 GAP INC/THE (米,衣料) TJX COMPANIES INC (米/衣料) 10 STAPLES INC (米/ 事務用品) 仕入メインの企業 HOME DEPOT INC (米/DIY) LOWE'S COS INC (米/DIY) KINGFISHER PLC (英/DIY) 5 DIXONS RETAIL PLC (米、家電) 0 0 CVS CAREMARK CORP (米/ ドラッグストア) BEST BUY CO INC (米/家電) WALGREEN CO (米/ドラッグストア) YAMADA DENKI CO LTD (日/家電) 他方、衣料品については、SPA化 を志向した企業が、高収益を獲得 している スケールメリット RITE AID CORP (米/ドラッグストア) 2 4 6 売上高(FY2010) 8 10 (兆円) 出所:各社Annual ReportからADLまとめ 85 2 ミクロ分析 競争優位性 機能VC上での位置取り:自国の弱み メーカが顧客接点を失った弊害として、家電量販店の寡占化が進むにつれ、家電メーカが買い 叩かれ、次世代への投資余力がダウンしていった。 デジタル技術によって製品の同質化が進み、顧客への低価格販売がもっとも顧客獲得と売上に結びつく 低価格販売のためには、多店舗展開や大規模店舗によって売上規模を大きくし取引先メーカーから他社よりも有利な仕入れ条件を 引き出すことが肝要である つまり、規模の拡大をバイイングパワーのアップに結びつけ、メーカーへの値引き交渉力をつけ、ライバルとの値引き競争に勝ち、参 入企業を淘汰していくという循環が家電流通市場の寡占化を進めている 過去には、海外市場や産業需要をおさえる上でも、この市場で要求される低価格と消費者の厳しい品質要求が、これまでの日本企 業の競争優位の源泉であった しかし、現在は家電流通の寡占化によって生まれた巨大な家電量販店のバイイングパワーはメーカーの収益を圧迫し、持続的な大 型投資を困難にし、グローバルな競争力を失わせる結果を招いている 週刊エコノミスト 86 2 ミクロ分析 競争優位性 事業ポートフォリオ間におけるリソース配分 国内市場での変化(事業セグメント間の動態)および海外企業との強み領域の違いを踏まえると、 国内では過去GMSなどがけん引した低価格化競争からPB/SPA化・高付加価値化へのシフト、海 外では都市型の小型店舗を武器にした出店の加速に注力していくべきと思量。 日系/海外小売企業の強み領域の違い 日系企業の今後の方向性 (特に食品・日用品分野) ウォルマート、コストコ など セブン&アイ、イオンな ど 主な業態と 店舗サイズ 大型店舗 小・中型(・大型)店舗 (倉庫型)スーパーマー CVS, 食品スーパー、 ケット、ショッピングセンタ GMSと幅広く展開 アウトレットモールなど 特徴 商圏が大きく、既存の 未近代化小規模小売 を駆逐することも 利用 パターン 車で来店し、まとめ買 い 事業セグメント間の動態 (前掲の通りSPA/PB化、高付加価値化の流れが存在) 4% インターネット販売 (カタログ・訪問除く) 3 品揃え・利便性 PB化 2 PB化 品揃えの妙 (セレクトショップ)、 SPA化 コンビニ 1 専門小売 アウトレットパーク 0 食品・生活必需品(コンビニ除く) (買い場の楽しさ作り) -1 複合小売(百貨店) -2 複合小売(総合スーパー) -3 5 10 20 50 100 07年のセグメント別売上高(兆円) 海外 商圏が小さく、大規模 店舗の隙間に立地し、 共存可能 宅配サービスにおけ る時間帯指定など CVS、食品スーパー は徒歩で来店し、直近 数日で必要な分だけ 購入 (GMSは左記同様) 既に起きつつある、「大型店による安売り競争」から「SPA/PB化」・ 「高付加価値化」へのシフト路線の継続 年平均成長率 (02-07 年 ) 都市型 (日系優位) 国内(業態別市場規模の変化) 代表企業 郊外型 (欧米系優位) 欧米系小売の既出店国に関しては、都市化・経済発展の進んだ地 域からCVS等の小型店舗を進める 欧米系小売の未出店国に関しては、まずはコスト重視の大規模店 舗から出店し、徐々にSM, CVS等の導入を進めて商圏の潜在力 を掘り起こす 出所:商業動態統計、電子商取引に関する市場調査ほか各二次情報よりADLまとめ 87 2 ミクロ分析 競争優位性 事業ポートフォリオ間におけるリソース配分:国内企業の業態別売上高推移と収益性 国内最大手のセブン&アイでは、売上高でもCVSが食料品・日用品小売を既に追い抜いており、利 益率も圧倒的に高い、稼ぎ頭となっている。 セブン&アイホールディングスにおける事業ポートフォリオ(FY2010) 10% コンビニエンスストア事業 8 営業利益率 国内のコンビニ業界は優勝 劣敗が明らかとなり、寡占化 が進みつつある 6 首位のセブンイレブン以下、 ローソン、ファミリーマートの3 強時代に突入した 4 週刊東洋経済 2 百貨店事業 0 0 1,000 スーパーストア事業 2,000 売上高 出所:有価証券報告書 注:小売以外の事業は割愛 3,000 (十億円) 88 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 89 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 小売りにおけるマクロ(GNI、海外売上比率、国内総生産)へのインパクト算出結果 推計ロジック 粗利総額≒付加価値総額と捉えることで、各産業セクターの市場規模・企業の財務データを ソースとしてGNIを推計する。 GNIの推計ロジック Step0 単純外挿 シナリオ GNI = 小売産業の名目GDP × (1/(1-海外売上高比率)) 01-10年の平均成長率を外装 (国民経済計算) 11年以降は10年実績を横置き (GICS) GNI = Σ(業態別の小売市場規模 × 業態別粗利率 × 補正率 × (1/(1-海外売上高比率)) Step1 BAU シナリオ 小売市場規模推移×業態別構成比率; 市場規模は前掲のADL推計値,構成比は 07年実績より以降不変と仮定 (商業統計、商業動態調査) 11年以降は10年 実績を横置き (GICS) 産業別の粗利総額と 付加価値総額の差分; 11年以降は06-10年 平均で推移すると仮定* (法人企業統計) GNI = Σ(業態別の小売市場規模 × 業態別粗利率 × 補正率 × (1/(1-海外売上高比率)) Step2 施策折込 シナリオ SPA化: 衣料品小売りはSPA化 を進め、10年かけてファ ストリ並に粗利を向上 すると仮定 (GICS) SCM最適化: 全小売産業はEDI等の 整備を通じ、今後10年 かけて粗利を向上する と仮定(GICS) 海外展開促進: 全小売産業は海外展開 の促進により、今後10年で セブン&Iの半分程度まで 海外売上高比率を向上する と仮定(GICS) 出所:国民経済計算、商業統計、商業動態統計、法人企業統計、各社有価証券報告書等よりADLまとめ 90 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 小売りにおけるマクロ(GNI)へのインパクト算出結果 BAUシナリオでは30兆円程度に留まる小売産業のGNIは、施策の実行により36兆円程度まで 拡大可能と推計。 小売産業におけるGNIの推移(02-10実績、11-20推計、兆円) 40 35 30 30 30 30 29 27 28 28 29 30 29 30 31 31 32 32 33 34 35 36 貢献度内訳(計5.3兆円) 25 ADL推計GNI (BAU) 20 ADL推計GNI (施策折込) 15 30 30 30 29 27 28 28 29 30 28 29 30 30 30 30 30 30 30 30 SPA化による高付加価 値化(粗利率向上;衣 料品) ⇒0.7兆円 EDI整備に伴う粗利率 向上(物流コスト削減( 粗利率向上);全業態) ⇒0.2兆円 海外展開の加速 (海外売上比率の向上 ;全業態) ⇒4.5兆円 10 5 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 出所:国民経済計算、商業統計、商業動態統計、法人企業統計、各社有価証券報告書等よりADLまとめ 注:CVSは営業利益率は高いものの粗利率で見ると他業態とほぼ同様であったため、CVS化の進展は付加価値額の向上にはそれほど大きく貢献しないと判断 91 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 92 産業としてあるべき姿 「GNI」と「貿易収支」を最終的な指標として、それに関連する各マクロ指標をミクロ分析の結果を 踏まえながら、産業としてのあるべき姿を考察した。 「産業としてのあるべき姿」 描出のステップ 産業の姿を表出させるマクロ指標 3 雇用規模 2 1 6 Step0 労働報酬 4 単純な過去(10年)トレンドを 外挿したシナリオ 国内生産 (GDP、名目) 報酬水準 + 7 その他費用+利益 輸出 市場環境。競争環境の変化の影響織り込み GNI Step1 5 特にインパクトが大きいと考えられる、 今後のエネルギー価格や エネルギーミックス等を踏まえた 「⑨貿易収支の変化」について考察 海外事業からの 付加価値生産分 (GDP×海外生産比率 /(1-海外生産比率)) 施策(民間、政府)の影響織り込み Step2 9 8 輸入 BAUシナリオ 貿易収支 注:上記のGNI推計時には所得収支が割愛されている点に留意 あるべきシナリオ ミクロ分析からの 競争ポジション改善のポテンシャルについて 各産業クラスター単位で実施した上で描出 (本プロジェクトでは前掲のように小売などを分析) 93 今年度における検討範囲 次年度の詳細検討を見越し、GNIでは新しい産業クラスターへの括り直し・Step2までの数値の 落とし込みアプローチの確立、貿易収支ではエネルギー価格等主要外部環境変化を折込んだ 将来推計までを行った。 お打合せで共有した 今年度の達成目標 Step0: 単純外挿シナリオ Step1:BAUシナリオ (大枠での外部環境変化折込) 1 国内生産 (GDP、名目) 新しい産業クラ スターへの括り 直し ⇒全産業で実施 GNIレベルで、 Step2までの数 値への落とし込 みアプローチの 確立 ⇒特定産業でサ ンプル的に実施 Step2: 施策折込シナリオ 自動車*・小売産業を サンプルとして検討・推計 (その他産業は来年度に実施予定) 2 労働報酬 3 新しい産業クラスターへの 括り直し、 日本全体(全産業クラスター) の将来推移を単純外挿で推計 雇用 規模 4 報酬 水準 (来年度に実施予定) 5 海外生産比率 自動車*・小売産業を サンプルとして検討・推計 6 (その他産業は来年度に実施予定) GNI 特にインパクトが 大きいと考えら れる、エネルギ ー価格・為替等 を中心に外部環 境変化の折込 ⇒主要品目で実 施 7 輸出 8 輸入 9 日本全体(主要品目)の 将来推移を単純外挿で推計 エネルギー価格・為替など 主要な外部環境変化の ドライバーを考察し 日本全体(主要品目)の 将来推移を推計 (産業別のStep2を踏まえて 来年度に実施予定) 貿易収支 *自動車産業はstep1まで 94 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 95 産業としてあるべき姿 現状まとめ 単純外挿ベースのシナリオでは、外需型製造業の競争力が引き続き維持されることを前提に、 貿易収支では黒字が維持されるものの雇用の観点からは報酬面での二極化がさらに進行す る。 Step0:単純外挿シナリオベースでの産業の将来像 今後(Step1, Step2)での検証ポイント 1 国内生産 (GDP、名目) 2 • 向こう10年で26兆円程度(全体477兆円の約5%に相当)の減 少が見込まれる • 各種サービス(個人向け、公共、企業向け)における創出付加 価値の拡大 • 製造業の中での中核である鉄鋼と輸送用機械によるGDP拡 大への貢献の継続性担保 • 左記3業種における生産性(付加価値)向上余地 • 輸送用機械、一般機械、一次金属における国際競争力の維 持と労働分配の継続的増加の両立の実現可能性 労働報酬 • 労働分配への貢献が大きい「サービス業」、「卸売・小売業」、「運輸 業」の主要サービス3業種だけで向こう10年間で労働報酬総額が11 兆円以上減少の可能性あり(全業種での減少分の過半数に相当) 雇用規模 • 労働者人口が1,000万人近く減る中でも、全体で200万人程度増加 する傾向 • サービス業、卸売・小売、対価家計民間非営利サービス、情報通信 業、農林水産業の5業種で約400万人の雇用増加 • これら業種の生産性向上による報酬水準上昇との両立可能 性 報酬水準 • グローバル化の進展等により大半の製造業の報酬水準が上 昇する一方で、内需型のサービス産業は報酬水準が下落し、 二極化が進行 • 主要製造業における競争力(報酬水準)維持・向上可能性 • サービス業(金融・保険、不動産、情報通信、卸売・小売)にお ける生産性(付加価値)向上策による引き上げ余地 海外生産比率 • 大半の主要産業で、海外生産比率は緩やかに上昇 • 内需型といわれる窯業・土石、食料品などの製造業の一部や 小売業などでも同様の動き • 個別産業のミクロ要因による海外展開のスピードの加速度合 • 2022年には461兆円まで減少。縮小する産業クラスターが多 い中で、医療・介護・福祉は大きな成長分野となる見込み • 各産業における競争力の改善余地 輸出 • 加工貿易の代表的産業である輸送用機器、一般機械が2022年時 点でも業種別では依然としてツートップ • 資源・エネルギー系製品の輸出金額が伸びることで金額ベースで は上記2業種を上回る可能性あり • 過去10年で輸出を大きく増加させた「(ガソリン等の)鉱物性 燃料」、「鉄鋼」、「プラスチック」、「船舶」、「非鉄金属」におけ る輸出競争力維持・拡大可能性 輸入 • 過去10年のトレンドで推移した場合、輸入総額は107兆円まで増加 • うち、鉱物性燃料、化学製品、原料品等の資源・エネルギー系の領 域での増加が約8割を占める • 原油+LNG:エネルギー価格変動インパクトの見極め • 石炭+鉄鉱石+非鉄金属鉱:鉄鋼・金属産業の国内依存度 • 医薬品:医療費の増加を踏まえた抑制策を要検討 • 2022年時点で、輸出総額:116兆円、輸入総額:107兆円とな り、貿易黒字は維持される • 輸出競争力の維持可能性 3 4 5 6 GNI 7 8 9 貿易収支 96 Step0:単純外挿シナリオ ①国内生産付加価値額(名目GDP) 向こう10年で26兆円程度(全体の約5%に相当)の減少が見込まれる。打開策としては、各種サービス(個人 向け、公共、企業向け)における創出付加価値の拡大と製造業の中での中核である鉄鋼と輸送用機械によ るGDP拡大への貢献の継続性担保が鍵。 (単位:10億円) 2 0 1 0 年実績値 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 産業 2010 不動産業:住宅賃貸業 49,989 卸売・小売業:卸売業 36,129 サービス業:対事業所サービス 32,875 サービス業:対個人サービス 30,243 政府サービス生産者:公務 29,616 サービス業:公共サービス 28,869 卸売・小売業:小売業 28,223 建設業 26,656 金融・保険業 23,630 運輸業 23,503 情報通信業:情報サービス・映像文字情報制作業 14,608 製造業:電気機械 14,093 製造業:食料品 12,737 製造業:輸送用機械 11,841 政府サービス:サービス業 11,436 情報通信業:通信業 10,006 製造業:一般機械 9,489 製造業:鉄鋼 7,985 製造業:化学 7,896 不動産業:その他の不動産業 7,016 電気業 6,051 製造業:石油・石炭製品 5,793 対家計民間非営利サービス:その他 5,332 ガス・水道・熱供給業 4,921 対家計民間非営利サービス:教育 4,669 農林水産業:農業 4,665 製造業:その他の製造業 4,514 製造業:金属製品 4,301 政府サービス:電気・ガス・水道業 3,056 製造業:窯業・土石製品 2,791 その他 14,688 小計 4 7 7 ,6 1 8 2022年予測値(過去トレンド外挿) CAGR(0 順 ( 単位1 0 1-10) 位 産業 億円) 0.7% +4.7兆円 1 不動産業:住宅賃貸業 54,656 -1.8% 37,541 +8.6兆円 2 サービス業:公共サービス -2.9% +1.4兆円 3 卸売・小売業:小売業 29,714 -7.0兆円 4 卸売・小売業:卸売業 -1.7% 29,150 -0.3% 5 政府サービス生産者:公務 28,680 -5.7兆円 6 サービス業:対個人サービス 2.2% 24,576 0.4% 7 運輸業 23,643 -2.7% 23,183 -9.7兆円 8 サービス業:対事業所サービス -2.0% 9 建設業 19,265 0.0% 18,601 -5.0兆円 1 0 金融・保険業 -0.1% 16,571 +8.6兆円 1 1 製造業:鉄鋼 1 2 情報通信業:情報サービス・映像文字情報制作業 14,356 -1.1% 13,059 +1.2兆円 1 3 製造業:輸送用機械 -1.1% 1 4 製造業:電気機械 12,279 0.8% 1 5 製造業:食料品 11,087 -1.3% 16 情報通信業:通信業 10,490 0.4% 1 7 政府サービス:サービス業 9,743 -1.1% 1 8 製造業:一般機械 8,267 6.3% +1.8兆円 1 9 対家計民間非営利サービス:その他 7,123 -1.1% 2 0 製造業:化学 6,882 -0.3% 2 1 不動産業:その他の不動産業 6,764 -4.0% 22 製造業:石油・石炭製品 6,291 0.7% 2 3 ガス・水道・熱供給業 5,020 2.4% 2 4 対家計民間非営利サービス:教育 4,696 0.2% 2 5 製造業:その他の製造業 4,382 0.0% 2 6 電気業 3,703 -3.0% 2 7 農林水産業:農業 3,231 -0.2% 2 8 政府サービス:電気・ガス・水道業 3,065 -3.1% 2 9 製造業:金属製品 2,962 0.0% 30 製造業:窯業・土石製品 2,004 -2.7% その他 10,542 -3.1% 小計 4 5 1 ,5 2 6 - 0 .5 % -26兆円 個人向け サービス: 120兆円 いかに更なる 付加価値を創造 できるか 公共サービス: 37.5兆円(+8.6兆円) どこまで肥大化 させるべきか? 企業向け サービス: 減少傾向を 食い止め、 付加価値創出 の方策はあるか? 鉄鋼+ 輸送機械で 約10兆円の増 →どこまで 実現可能か? 97 Step0:単純外挿シナリオ ②労働報酬総額 労働分配への貢献が大きい「サービス業」、「卸売・小売業」、「運輸業」の主要サービス3業種だけで向こう 10年間で労働報酬総額が11兆円以上減少の可能性があり、これは全業種での減少分の過半数に当たる。 2010年実績値 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 産業名 ( 十億円) サービス業 56,469 卸売・小売業 38,690 建 設 業 22,715 政府サービス:公 務 20,174 運 輸 業 16,628 金融・保険業 10,924 政府サービス:サービス業 10,387 製造業:電気機械 9,279 対家計民間非営利サービス 8,645 製造業:その他の製造業 8,396 製造業:輸送用機械 8,025 情報通信業 7,907 製造業:一般機械 7,780 製造業:食 料 品 5,136 製造業:金属製品 4,083 製造業:不動産業 3,448 民間 電気・ガス・水道業 3,391 製造業:化 学 3,125 製造業:一次金属 2,994 農林水産業 1,865 製造業:窯業・土石製品 1,526 製造業:パルプ・紙 1,179 製造業:精密機械 1,064 政府サービス:電気・ガス・水道業 711 製造業:繊 維 600 製造業:石油・石炭製品 249 鉱 業 196 小 計 255,584 2022年予測値(過去トレンド外挿) CAGR(2001-2010) 順位 -1.2% -7.7兆円 -0.3% -1.2兆円 -1.1% -0.4% -1.4% -2.6兆円 -0.9% -0.9% -1.9% 1.2% -2.8% 1.9% -0.2% 0.4% 0.0% -0.9% -0.2% -0.8% -0.3% 1.1% -1.4% -4.2% -2.8% -0.9% -2.3% -4.8% -0.9% -7.0% -0.5%-20.8兆円 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 産業名 サービス業 卸売・小売業 建 設 業 政府サービス:公 務 運 輸 業 製造業:輸送用機械 対家計民間非営利サービス 金融・保険業 政府サービス:サービス業 製造業:一般機械 情報通信業 製造業:電気機械 製造業:その他の製造業 製造業:食 料 品 製造業:金属製品 製造業:一次金属 製造業:不動産業 民間 電気・ガス・水道業 製造業:化 学 農林水産業 製造業:精密機械 製造業:窯業・土石製品 製造業:パルプ・紙 政府サービス:電気・ガス・水道業 製造業:繊 維 製造業:石油・石炭製品 鉱 業 小 計 ( 十億円) 48,699 37,457 19,872 19,275 13,994 10,085 10,024 9,758 9,284 8,126 7,765 7,389 5,952 5,130 3,657 3,402 3,366 3,069 3,026 1,582 950 912 839 538 333 224 82 234,789 主要サービス業 3業種のみで-11.6兆円 の減少→ 生産性(付加価値) 向上が不可欠 国際競争力を維 持し、労働分配 を増やし続ける ことができるか ? 出所:国民経済計算 同時に過去10年で労働分配の増額に貢献してきた製造業の貢献がどの程度持続するかも要見極め 98 Step0:単純外挿シナリオ ③雇用規模 一方で雇用者数自体は、労働者人口が1,000万人近く減る中でも、全体で200万人程度増加する傾向にあ り、特にサービス業、卸売・小売り、対価家九民間非営利サービス、情報通信業、農林水産業の5業種で約 400万人の雇用増加が見込める。 2010年実績値 順位 産業名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ( 万人) 民間 サービス業 1,670 卸売・小売業 1,036 建設業 411 運輸業 331 政府サービス:公務 211 情報通信業 183 金融・保険業 179 製造業:その他の製造業 174 対家計民間非営利サービス 166 製造業:電気機械 146 製造業:食料品 138 製造業:一般機械 122 製造業:輸送用機械 119 政府サービス:サービス業 117 農林水産業 96 製造業:金属製品 76 不動産業 74 民間 電気・ガス・水道業 48 製造業:一次金属 46 製造業:化学 44 製造業:窯業・土石製品 32 製造業:パルプ・紙 22 製造業:精密機械 19 製造業:繊維 13 政府サービス:電気・ガス・水道 11 鉱 業 4 製造業:石油・石炭製品 3 合 計 5,490 生産年齢人口(15~64才) 8,013 2022年予測値(過去トレンド外挿) CAGR(2001-2010) 0.7% 1.0% -2.1% -0.6% -1.1% 1.3% 0.2% -3.5% 2.4% -2.6% -0.8% -0.5% 1.4% -0.9% 2.0% -1.8% 1.0% 0.6% 0.3% -0.1% -3.1% -2.6% -1.3% -5.7% -1.9% -5.7% -0.3% 0.3% 順位 産業名 +148 +132 -93 +54 +31 +26 +200 万人 -約1,000万人 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ( 万人) 民間 サービス業 1,817 卸売・小売業 1,168 建設業 317 運輸業 308 対家計民間非営利サービス 219 情報通信業 215 政府サービス:公務 185 金融・保険業 183 製造業:輸送用機械 141 製造業:食料品 125 農林水産業 121 製造業:一般機械 115 製造業:その他の製造業 113 製造業:電気機械 107 政府サービス:サービス業 105 不動産業 84 製造業:金属製品 61 民間 電気・ガス・水道業 52 製造業:一次金属 48 製造業:化学 44 製造業:窯業・土石製品 22 製造業:パルプ・紙 16 製造業:精密機械 16 政府サービス:電気・ガス・水道 9 製造業:繊維 7 製造業:石油・石炭製品 3 鉱 業 2 合 計 5,690 増分上位5業種で 約390万人 の雇用創出 効果あり→ これら業種の 生産性をいかに高め、 一人当たり付加価値 (≒報酬額) を増やせるか? 7,133 これら業種の生産性をいかに高め報酬に回せるかが鍵 99 Step0:単純外挿シナリオ ④報酬水準 グローバル化の進展等により大半の製造業の報酬水準が上昇する一方で、内需型のサービス 産業は報酬水準が下落し、二極化が進行。 2022年予測値(過去トレンド外挿) 2010年実績値 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 産業名 政府サービス:公 務 政府サービス:サービス業 製造業:石油・石炭製品 民間 電気・ガス・水道業 製造業:化 学 製造業:輸送用機械 政府サービス:電気・ガス・水道業 製造業:一次金属 製造業:一般機械 製造業:電気機械 金融・保険業 製造業:精密機械 建 設 業 製造業:金属製品 鉱 業 製造業:パルプ・紙 対家計民間非営利サービス 運輸業 製造業:窯業・土石製品 製造業:その他の製造業 不動産業 製造業:繊 維 情報通信業 卸売・小売業 製造業:食 料 品 サービス業 農林水産業 小 計 ( 百万円) 958 887 778 709 704 673 665 647 638 635 611 569 553 534 529 526 522 502 484 482 465 454 431 374 373 338 195 466 順位 産業名 CAGR(2001-2010) 0.7% 0.0% -0.5% -1.4% -0.2% 0.5% -0.4% 0.8% 0.8% 0.7% -1.1% 0.4% 1.0% 0.9% -1.3% -0.2% -1.1% -0.8% -1.1% 0.7% -1.2% 0.9% -1.5% -1.3% 0.8% -1.9% -3.3% -42 -0.8% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 万円 出所:国民経済計算 政府サービス:公 務 政府サービス:サービス業 製造業:石油・石炭製品 製造業:輸送用機械 製造業:一次金属 製造業:一般機械 製造業:電気機械 製造業:化 学 政府サービス:電気・ガス・水道業 建 設 業 製造業:精密機械 民間 電気・ガス・水道業 製造業:金属製品 金融・保険業 製造業:その他の製造業 製造業:パルプ・紙 製造業:繊 維 対家計民間非営利サービス 運輸業 鉱 業 製造業:窯業・土石製品 製造業:食 料 品 不動産業 情報通信業 卸売・小売業 サービス業 農林水産業 小 計 ( 百万円) 1,041 886 728 718 709 706 692 688 632 626 597 596 596 532 525 514 508 457 454 451 423 411 403 362 321 268 130 424 背景につき要確認 競争力維持が 可能か要検証 生産性(付加価値) 向上策による 引き上げ余地は ないか? 100 Step0:単純外挿シナリオ ⑤海外生産比率 大半の主要産業で、海外生産比率は緩やかに上昇。内需型といわれる窯業・土石、食料品など の製造業の一部や小売業などでも同様の動きがみられる。 2009年実績値 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 業種 鉱 業 卸 売 業 輸送機械 情報通信機械 非鉄金属 小 売 業 その他の製造業 窯業・土石 化 学 その他の非製造 はん用機械 電気機械 サービス業 鉄 鋼 金属製品 情報通信業 繊 維 運 輸 業 木材紙パ 食 料 品 建 設 業 石油・石炭 09年度 68% 47% 47% 37% 34% 33% 28% 27% 25% 22% 22% 19% 18% 17% 16% 16% 16% 15% 15% 15% 5% 2% CAGR(0 1-09) 1.7% 1.3% 1.8% -2.7% 9.2% 2.8% 1.8% 5.2% 1.0% 3.5% 0.2% 4.5% 1.2% -4.7% -17.5% -2.0% -6.3% -4.0% -0.4% 2.6% 2.2% -1.3% 2022年予測値(過去トレンド外挿) 順 業種 2022年 位 1 非鉄金属 108% 2 鉱 業 84% 3 輸送機械 59% 4 卸 売 業 56% 5 窯業・土石 52% 6 小 売 業 47% 7 その他の製造業 36% 8 その他の非製造 35% 9 電気機械 34% 10 化 学 29% 11 情報通信機械 26% 12 はん用機械 23% 13 食 料 品 21% 14 サービス業 21% 15 木材紙パ 14% 16 情報通信業 12% 17 鉄 鋼 9% 18 運 輸 業 9% 19 繊 維 7% 20 建 設 業 6% 21 石油・石炭 2% 22 金属製品 1% 個別産業のミクロ要因により どの程度海外展開の スピードが加速するか? 出所:経済産業省 海外事業活動基本調査 101 Step0:単純外挿シナリオ ⑥GNI 推計の考え方 既存統計の産業分類を新たに設定した産業クラスターへ名寄せして、新産業クラスター別の GNIをそれぞれ推計し、日本としての推移を把握する。 過去実績のGNI推計ロジック 新産業クラスター別のGNI = Σ(産業別の国内売上 × 産業別の粗利率 × (産業別の粗利-付加価値補正率) × (1+産業別の海外売上比率)) 産業別のGDP, 産業別の 付加価値率から、新しい産業 クラスターへ名寄せした上で 売上規模を把握 (国民経済計算、法人企業統計) 上場企業ベースで、新しい 産業クラスター別に把握 (GICS) 上場企業ベースで、新しい 産業クラスター別に把握 (GICS) CAGR (01-10) 産業クラスター別GNI 22年 ・・・ ・・・ ・・・ XX% ・・・ ・・・ XX% ・・・ ・・・ XX% ・・・ ・・・ XX% ・・・ ・・・ XX% ・・・ ・・・ ・・・ XX% ・・・ 産業クラスター 産業クラスター 2022年のGNI推計ロジック 産業クラスター別GNI 01年 10年 産業別の粗利・付加価値の 補正率を、新しい産業クラスター に名寄せした上で把握 (法人企業統計) ・・・ ・・・ ・・・ 102 新産業クラスター 出所:法人企業統計、 GICS産業分類よりADLまとめ 23 資源 その他(関税、誤差など) 22 紙・パルプ・包装 21 金属 19 大型輸送機器 20 化学 17 エレクトロニクス 18 重電・産機 15 航空 16 自動車・自動二輪 12 金融 13 医薬品 14 家庭用品 11 ビジネスサービス 8 通信 9 IT 10 卸・商社・運輸 6 小売 7 メディア 5 食品・農業 4 消費者サービス 3 不動産・建設 2 医療・介護・福祉 1 ユーティリティ 名寄せ 複数産業に跨る産業分類 (5)電気・ガス・水道業(民間) (1)電気・ガス・水道業(政府サービス) (2)その他(対家計民間非営利サービス生産者) a.公共サービス (2)サービス業(政府サービス生産者) (4)建設業 (8)不動産業 f.窯業・土石製品 c.対個人サービス (1)教育 a.農業 c.水産業 a.食料品 b.小売業 b.放送業 c.情報サービス・映像文字情報制作業 a.通信業 c.情報サービス・映像文字情報制作業 a.卸売業 (9)運輸業 q.印刷 b.対事業所サービス (7)金融・保険業 d.化学 b.繊維 n.衣服・身回品 p.家具 r.皮革・皮革製品 l.輸送用機械 l.輸送用機械 s.ゴム製品 k.電気機械 m.精密機械 j.一般機械 l.輸送用機械 d.化学 e.石油・石炭製品 g.鉄鋼 h.非鉄金属 i.金属製品 c.パルプ・紙 b.林業 o.製材・木製品 (2)鉱業 その他(関税、誤差など) 国民経済計算における産業分類 1. 産業 (1)農林水産業 a.農業 b.林業 c.水産業 (2)鉱業 (3)製造業 a.食料品 b.繊維 c.パルプ・紙 d.化学 e.石油・石炭製品 f.窯業・土石製品 g.鉄鋼 h.非鉄金属 i.金属製品 j.一般機械 k.電気機械 l.輸送用機械 m.精密機械 n.衣服・身回品 o.製材・木製品 p.家具 q.印刷 r.皮革・皮革製品 s.ゴム製品 t.その他の製造業 (4)建設業 (5)電気・ガス・水道業 a.電気業 b.ガス・水道・熱供給業 (6)卸売・小売業 a.卸売業 b.小売業 (7)金融・保険業 (8)不動産業 a.住宅賃貸業 b.その他の不動産業 (9)運輸業 (10)情報通信業 a.通信業 b.放送業 c.情報サービス・映像文字情報制作業 (11)サービス業 a.公共サービス b.対事業所サービス c.対個人サービス 2.政府サービス生産者 (1)電気・ガス・水道業 (2)サービス業 (3)公務 3.対家計民間非営利サービス生産者 (1)教育 (2)その他 その他(関税、誤差など) Step0:単純外挿シナリオ ⑥GNI 推計の考え方(名寄せ方針初期案:産業クラスター/GDP) 国民経済計算(GDP)における産業分類を、一部分割しつつ新しく定義した産業クラスターに 名寄せした。 注:複数の産業クラスターに跨る産業はここでは一旦単純にまたがる領域数で分割した 103 新産業クラスター 出所:法人企業統計、 GICS産業分類よりADLまとめ 航空 自動車・自動二輪 エレクトロニクス 重電・産機 23 資源 22 紙・パルプ・包装 21 金属 19 大型輸送機器 20 化学 15 16 17 18 12 金融 13 医薬品 14 家庭用品 11 ビジネスサービス 9 IT 10 卸・商社・運輸 8 通信 6 小売 7 メディア 5 食品・農業 4 消費者サービス 2 医療・介護・福祉 3 不動産・建設 1 ユーティリティ 名寄せ 複数産業に跨る産業分類 電気業 ガス・熱供給・水道業 医療、福祉業 不動産業 建設業 窯業・土石製品製造業 宿泊業 生活関連サービス業、娯楽業 教育、学習支援業 食料品製造業 農業、林業 漁業 飲食サービス業 小売業 広告業 情報通信業 情報通信機械器具製造業 情報通信業 情報通信業 卸売業 運輸業、郵便業 印刷・同関連業 物品賃貸業 職業紹介・労働者派遣業 純粋持株会社 その他の学術研究、専門・技術サービス業 金融業、保険業 化学工業 繊維工業 化学工業 その他の輸送用機械器具製造業 自動車・同附属品製造業 電気機械器具製造業 はん用機械器具製造業 生産用機械器具製造業 業務用機械器具製造業 その他の輸送用機械器具製造業 化学工業 石油製品・石炭製品製造業 鉄鋼業 非鉄金属製造業 金属製品製造業 パルプ・紙・紙加工品製造業 木材・木製品製造業 農業、林業 鉱業、採石業、砂利採取業 法人企業統計における産業分類 製造業 食料品製造業 繊維工業 木材・木製品製造業 パルプ・紙・紙加工品製造業 印刷・同関連業 化学工業 石油製品・石炭製品製造業 窯業・土石製品製造業 鉄鋼業 非鉄金属製造業 金属製品製造業 はん用機械器具製造業 生産用機械器具製造業 業務用機械器具製造業 電気機械器具製造業 情報通信機械器具製造業 輸送用機械器具製造業 自動車・同附属品製造業 その他の輸送用機械器具製造業 その他の製造業 非製造業 農林水産業 農業、林業 漁業 鉱業、採石業、砂利採取業 建設業 電気業 ガス・熱供給・水道業 情報通信業 運輸業、郵便業 陸運業 水運業 その他の運輸業 卸売業、小売業 卸売業 小売業 不動産業、物品賃貸業 不動産業 物品賃貸業 リース業 その他の物品賃貸業 サービス業 宿泊業、飲食サービス業 宿泊業 飲食サービス業 生活関連サービス業、娯楽業 生活関連サービス業 娯楽業 学術研究、専門・技術サービス業 広告業 純粋持株会社 その他の学術研究、専門・技術サービス業 医療、福祉業 教育、学習支援業 職業紹介・労働者派遣業 その他のサービス業 金融業、保険業 Step0:単純外挿シナリオ ⑥GNI 推計の考え方(名寄せ方針初期案:産業クラスター/付加価値率) 法人企業統計(付加価値率)における産業分類を、一部分割しつつ新しく定義した産業クラス ターに名寄せした。 注:複数の産業クラスターに跨る産業はここでは一旦単純にまたがる領域数で分割した 104 Step0:単純外挿シナリオ ⑥GNI 推計結果 本プロジェクトにて定義した産業クラスターごとに、過去トレンドを単純外挿すると、GNIは2022年には461兆 円まで減少。縮小する産業クラスターが多い中で、医療・介護・福祉は大きな成長分野となる見込み。 産業クラスター別粗利総額の比較(2001,2010,2022年、兆円) 産業クラスター別の規模と成長率(2010,2022年、%) 4% 90,264 74,879 47,600 40,700 36,572 25,853 25,363 20,872 19,074 15,006 14,928 14,830 13,558 11,826 10,279 5,164 3,874 3,834 1,494 1,431 553 35,978 513,933 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 10年 不動産・建設 卸・商社・運輸 医療・介護・福祉 ビジネスサービス 消費者サービス 小売 金融 食品・農業 エレクトロニクス 金属 自動車・自動二輪 重電・産機 ユーティリティ 化学 通信 メディア IT 医薬品 紙・パルプ・包装 家庭用品 航空 大型輸送機器 資源 その他誤差等合計 合計 86,854 63,006 45,136 35,224 32,643 27,246 22,382 19,195 16,866 16,705 15,781 13,945 12,861 11,963 9,633 8,357 7,755 4,898 2,957 2,092 1,655 1,497 275 35,102 494,030 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 22年 不動産・建設 医療・介護・福祉 卸・商社・運輸 小売 消費者サービス ビジネスサービス 金属 金融 食品・農業 自動車・自動二輪 エレクトロニクス 重電・産機 化学 ユーティリティ IT 通信 メディア 医薬品 紙・パルプ・包装 航空 大型輸送機器 家庭用品 資源 その他誤差等合計 合計 82,507 51,814 50,051 29,222 28,053 23,576 22,064 18,945 17,168 17,144 14,315 12,646 12,147 10,544 8,879 8,834 8,202 4,565 2,092 1,895 1,589 920 109 33,967 461,248 金属 2 航空 IT 自動車・自動二輪 大型輸送機器 化学 0 通信 -2 医療・介護・福祉 小売 重電・産機 食品・農業 金融 消費者サービス 卸・商社・運輸 エレクトロニクス メディア 医薬品 (%) 01年 不動産・建設 卸・商社・運輸 ビジネスサービス 医療・介護・福祉 消費者サービス 小売 金融 食品・農業 エレクトロニクス 重電・産機 ユーティリティ 自動車・自動二輪 金属 化学 通信 医薬品 家庭用品 紙・パルプ・包装 航空 大型輸送機器 資源 メディア IT その他誤差等合計 合計 平均成長率 10-22 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 不動産・建設 全体 -0.6% ユーティリティ 紙・パルプ・包装 ビジネスサービス -4 -6 家庭用品 資源 -8 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,00 2022付加価値額(兆円) 出所:国民経済計算、法人企業統計、各社有価証券報告書等よりADL推計 105 Step0:単純外挿シナリオ ⑦輸出額 全体 加工貿易の代表的産業である輸送用機器、一般機械が2022年時点でも業種別では依然として ツートップだが、資源・エネルギー系製品の輸出金額が伸びることで金額ベースでは上記2業種 を上回る可能性がある。 2022年予測値(過去トレンド外挿) 2010年実績値 順位 産業(大分類) 1 輸送用機器 2 一般機械 3 電気機器 4 原料別製品 5 その他 6 化学製品 7 鉱物性燃料 8 原料品 9 食料品 総計 CAGR(01順位 産業(大分類) (単位:兆円) 10) 全体の 1 輸送用機器 15.3 3.6% +8.0兆円 42% 2 一般機械 13.3 3.0% +5.6兆円 12.7 1.0% +9.7兆円 3 原料別製品 8.8 6.4% +8.8兆円 4 化学製品 5 電気機器 8.0 2.6% +11.3 兆円 6 鉱物性燃料 6.9 7.1% 7 その他 1.1 22.4% 8 原料品 0.9 9.7% 9 食料品 0.4 1.2% 総計 67.4 3.6% +48.5兆円 (単位:兆円) 全体の 36% 23.2 18.9 18.5 15.8 14.3 12.4 10.9 2.9 0.5 116.0 輸送機器+一般機械: 42兆円(増分:13兆円) →輸出型の産業構造 が変わることでどこまで 輸出を維持できるか? 資源・エネルギー系製品: 49.5兆円 (増分:31.8兆円) →アジアの成長により どこまで輸出が伸ばす 余地があるか?(そもそも 産業構造としてあるべき 姿といえるか?) 出所:貿易統計 106 Step0:単純外挿シナリオ ⑦輸出額 主要品目 実際には、過去10年で輸出を大きく増加させてきた「(ガソリン等の)鉱物性燃料」、「鉄鋼」、「プ ラスチック」、「船舶」、「非鉄金属」がどの程度輸出競争力を拡大させ続けられるかが鍵。 2022年予測値(過去トレンド外挿) (単 位:兆 順位 産業(大分類) 円) 1 鉱物性燃料 12.4 2 鉄鋼 10.7 3 自動車:乗用車 10.4 4 特殊取扱品 10.2 5 プラスチック 7.3 6 船舶 6.6 7 自動車の部分品 6.0 8 非鉄金属 4.3 9 雑製品 3.5 10 原動機 3.5 11 有機化合物 3.3 12 半導体等電子部品:IC 3.3 13 食料に適さない原材料 2.9 14 電気回路等の機器 2.9 15 建設用・鉱山用機械 2.5 16 ポンプ及び遠心分離機 2.2 17 自動車:バス・トラック 2.1 18 電気計測機器 2.0 19 非金属鉱物製品 1.9 20 ゴム製品 1.7 2 0 1 0 年実績値 201 0順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 概況品名 (単位: 兆円) 自動車:乗用車 特殊取扱品 雑製品 鉄鋼 自動車の部分品 半導体等電子部品:IC プラスチック 原動機 船舶 科学光学機器 有機化合物 電気回路等の機器 半導体等電子部品:その他 非鉄金属 半導体等電子部品:電算機類の部分品 自動車:バス・トラック ポンプ及び遠心分離機 電気計測機器 鉱物性燃料 金属製品 7 .9 4 .1 3 .9 3 .7 3 .1 2 .7 2 .3 2 .3 2 .2 2 .0 1 .9 1 .7 1 .4 1 .3 1 .3 1 .2 1 .2 1 .1 1 .1 1 .0 CAGR(0 1-10) 2.3% 8.0% -1.0% 9.3% 5.6% 1.6% 9.9% 3.4% 9.4% -2.4% 4.9% 4.2% 1.2% 10.3% 1.0% 5.0% 5.5% 4.8% 22.4% 4.0% 今後どの程度 輸出競争力を 持ち続けられるか? 出所:貿易統計 107 Step0:単純外挿シナリオ ⑧輸入額 全体 過去10年のトレンドで推移した場合、輸入総額は107兆円まで増加。このうち、鉱物性燃料、化 学製品、原料品等の資源・エネルギー系の領域での増加が約8割を占める。 2010実績値 順位 報道発表品目名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 鉱物性燃料 電気機器 その他 化学製品 原料別製品 食料品 一般機械 原料品 輸送用機器 総額 2022年予測値(過去トレンド外挿) ( 単位: 1 兆円) CAGR(0 1 - 1 0 ) 17.4 8.1 8.0 5.4 5.4 5.2 4.8 4.8 1.7 60.8 8.3% 3.6% 1.4% 6.3% 3.6% -0.1% 0.5% 7.0% 1.7% 4.1% 順位 報道発表品目名 +27.6兆円 +4.3兆円 +5.8兆円 +6.0兆円 +48.7兆円 1 2 3 4 5 6 7 8 9 鉱物性燃料 電気機器 化学製品 原料品 その他 原料別製品 一般機械 食料品 輸送用機器 総額 ( 単位: 1 兆円) 45.0 12.4 11.2 10.8 9.5 8.2 5.1 5.1 2.1 107.4 増加額のうち 資源・エネルギー系 の3領域のみで 39.5兆円 の輸入増 (増加額全体の約8割) →次ページにて詳細 出所:貿易統計 108 Step0:単純外挿シナリオ 詳細 ⑧輸入額 具体的には、(最終消費向けが中心の)原油+LNGが約20兆円、工業原料向けが中心の石炭 +鉄鉱石+非鉄金属鉱で約19兆円を占める。また、化学製品の中では、医薬品の増加額が3.5 兆円と大きい。 2010実績値 順位 1 鉱物性燃料 2 原料品 3 鉱物性燃料 4 鉱物性燃料 5 鉱物性燃料 6 化学製品 7 原料品 8 原料品 9 化学製品 10 鉱物性燃料 11 鉱物性燃料 12 鉱物性燃料 13 原料品 14 原料品 15 原料品 品目名 原油及び粗油 食料に適さない原材料 液化天然ガス 石炭 石油製品 医薬品 非鉄金属鉱 鉄鉱石 有機化合物 (揮発油) (一般炭) 液化石油ガス 木材 大豆 動植物性油脂 2022年予測値(過去トレンド外挿) (単位:1 兆円) 9.4 4.6 3.5 2.1 1.6 1.5 1.5 1.4 1.3 1.2 1.0 0.8 0.3 0.2 0.1 CAGR(01 -10) 8.0% 7.0% 9.0% 12.1% 6.5% 10.6% 14.8% 15.4% 4.6% 7.8% 12.4% 4.3% -6.5% 1.4% 7.5% 順位 +14.1兆円 +5.8兆円 +6.3兆円 +6.2兆円 +6.2兆円 +6.2兆円 +3.5兆円 1 鉱物性燃料 2 原料品 3 鉱物性燃料 4 鉱物性燃料 5 原料品 6 原料品 7 化学製品 8 鉱物性燃料 9 鉱物性燃料 10 鉱物性燃料 11 化学製品 12 鉱物性燃料 13 原料品 14 原料品 15 原料品 品目名 原油及び粗油 食料に適さない原材料 液化天然ガス 石炭 非鉄金属鉱 鉄鉱石 医薬品 (一般炭) 石油製品 (揮発油) 有機化合物 液化石油ガス 動植物性油脂 大豆 木材 (単位:1 兆円) 23.6 10.4 9.8 8.3 7.7 7.6 5.1 3.9 3.4 3.1 2.3 1.3 0.3 0.2 0.1 原油+LNG で、20.5兆円増 →エネルギー 価格に影響 石炭+鉄鉱石+ 非鉄金属鉱の 3品目で18.7兆円増 →鉄鋼・金属産業の 国内依存度に影響 医薬品だけで 3.5兆円の増加 →医療費の増加 と合わせ抑制策 を要検討 出所:貿易統計 109 (ご参考)日系企業における海外収益の国内還元 日本に本社機能が残る限りにおいては、ガバナンスの一環としての国内還流は続く可能性が高 いが、今後グローバル化により地域本社制が本格導入された場合には、国内還流の必然性が 下がるリスクも存在。 昨今の還流状況 ’08年以降は • リーマンショックによる国内本社の利益減少の補填 • 外国子会社配当益金不算入制度の導入の影響 今後の還流状況に関する識者見解 • 日本企業が、海外での収益の還流を続ける一番大きい理由は、海外で 上げた収益を海外においたままにすると、何が起こるかわからないという ガバナンス上の問題が一番大きい • 但し、この視点も、一部の大手メーカーが始めているような地域本社制を 引き、地域単位で資金需要を管理する体制が整えば、減っていく可能性 は高い。エコノミクスからいえば、既に本社に収益を還流する意味はほと んどないのが現状 ADL内エキスパート(元大手繊維メーカー海外財務実務責任者) 参考)企業の地域本社制の導入状況(ここ数年間の主要事例) 2011 パナソニックが5つの地域統括会社を本社として位置づけ 2011 オリンパスがアジア・オセアニアの地域統括会社を設立 2012 オムロンがインド地域本社を設立 重工 2011 三菱重工業がインドに原動機事業の地域統括会社を設立 素材 2012 住友金属鉱山が中国に地域統括会社を設立 2010 NECがAPAC / EMEAに地域統括会社を設立 2011 DeNAがシンガポールに地域統括拠点を設立 2008 住友商事がアジア統括会社を設立 2012 三菱商事が北米に新たな地域統括組織を設立 電器 IT 商社 出所:経済産業省 製造基盤白書(ものづくり白書) 2011 110 (ご参考)日系企業における海外収益の国内還元 海外展開と国内雇用 海外展開タイプの定義 海外展開のタイプは下記の5パターンに分けられる。これらを各産業セクターと紐付け、海外展 開に積極的な企業とそうでない企業の国内雇用者数の増減を比較することで、海外展開がもた らす国内雇用への影響を分析する。 製造業 名前 現地の主な機能 A.「製造移管型」 製造 コスト削減 為替リスクヘッジ (自動車・自動二輪車) 大半の企業は製造だけでなく販売 も持っていくBの形態を取っている 製造・販売 コスト削減 為替リスクヘッジ 市場獲得 化学 金属 紙・パルプ・包装 など 三菱重工業 住友化学 ・・・ 小松製作所 ・・・ B.「製販混合展開型」 目的 該当産業セクター 海外展開に積極的な企業例 サービス業 C.「販売拠点拡大型」 販売 市場獲得 医薬品 大型輸送機器 資源 など D.「R&D拠点展開型」 R&D 現地のニーズに合った製品 開発 あまりない (敢えて言えば医薬品) あまりない 市場獲得 小売 ビジネスサービス 金融 などサービス業全般 セコムなど サービス業全般 E.「サービス拠点拡大型」 サービス提供 111 (ご参考)日系企業における海外収益の国内還元 海外展開と国内雇用 各産業クラスターにおける海外展開タイプ 各産業クラスターの売上高上位数社から推察される、海外展開タイプの振分けは下記の通り。 製造業 分析単位としての産業クラスター 1 A.「製造移管型」 B.「製販混合展開型」 C.「販売拠点拡大型」 D.「R&D拠点展開型 」 ユーティリティ 2 医療・介護・福祉 3 不動産・建設 4 消費者サービス 5 食品・農業 6 小売 7 メディア メディア 8 通信 9 IT サービス業 E.「サービス拠点拡大型」 原料調達目的も多 医療機器メーカー 45 医療専門卸・介護などが該当す ると想定 食料品メーカー 19 メディア メディア メディア メディア メディア 商社はディストリビューターとしての機能に加 え、企業に出資し製販拠点の拡大など多様な 展開 10 卸・商社・運輸 11 ビジネスサービス 12 金融 13 医薬品 2 21 41 14 14 家庭用品 5 33 74 2 15 航空 12 6 16 自動車・自動二輪 55 94 56 8 17 エレクトロニクス 73 103 97 18 18 重電・産機 11 81 64 2 19 大型輸送機器 14 37 48 0 色分けの凡例 20 化学 7 26 4 1 凡例1:最も多い展開タイプ 21 金属 4 51 5 0 22 紙・パルプ・包装 4 32 4 0 23 資源 12 22 29 1 出所:東洋経済 海外進出企業総覧より、各産業セクターの売上高の高い企業2,3社の展開拠点を集計。 凡例2:次いで多い展開タ イプで、凡例1の5割以上 112 (ご参考)日系企業における海外収益の国内還元 海外展開と国内雇用 企業比較から見た国内雇用者数への影響 アセンブリ型産業の海外展開は国内雇用者数の減少を招く可能性が高いが、一部製造工程を 国内化することで、海外展開と国内雇用の両立が可能か。 国内雇用者数の変化率 B.「製販混合展開型」 /アセンブリ型製造業(2006-2010) 積極的に海外展開 B.「製販混合展開型」 /プロセス型製造業(2005-2010) 相対的に国内重視 C.「販売拠点拡大型」 (2006-2010) 積極的に海外展開 相対的に国内重視 E.「サービス拠点拡大型」 (2003-2006) 積極的に海外展開 相対的に国内重視 積極的に海外展開 相対的に国内重視 35% 35% 35% 35% 25% 25% 25% 25% 15% 15% 30% 15% 5% 3% -5% 三菱重工 IHI 5% 2% -5% 住友化学 32% 5% 旭化成 国内売上 海外売上 の変化率 の変化率 -3% -5% 小松製作所 15% 2% 5% 酒井重工業 -5% 17% セコム 7% 綜合警備保障 国内雇用への影響 三菱重工:-11%(1.6兆円→1.4兆円) IHI:-11%(7600億円→6800億円) 住友化学:-2%(9500億円→9300億円) 旭化成:2%(1.1兆円→1.1兆円) 小松製作所:-28%(4900億円→3500億円) 酒井重工業:15%(90億円→100億円) セコム:16%(5100億円→6000億円) 綜合警備保障:11%(2500億円→2800億円) 三菱重工:1%(1.5兆円→1.5兆円) IHI:7%(4800億円→5100億円) 住友化学:73%(6100億円→1.1兆円) 旭化成:20%(3700億円→4500億円) 小松製作所:6%(1.4兆円→1.5兆円) 酒井重工業:-43%(100億円→57億円) セコム:43%(130億円→180億円) 綜合警備保障:海外売上なし • (海外売上の伸びが国内雇用に反映 されている可能性もあるが)海外拠点 数の少ないIHIは国内生産の代替が 進んでいないため、三菱重工に比べ 海外売上の伸び率に対する国内雇 用者数の伸び率が比較的大きいと考 えられる • アセンブリ型は製造従事者数が多い ため、海外展開が進み国内生産代替 が起こると、国内雇用者数へ悪影響 を及ぼす可能性が高いのではないか • 住友化学は海外売上高の増分に比 べ、国内雇用者数の変化率はかなり 小さい • プロセス型製造業は製造に携わる人 数が少ないため、海外進出により生 産代替が行われたとしても国内雇用 者への影響は小さいと考えられる • 小松製作所は海外売上高の一定部 分を国内のR&D等に投資する決まり を設けていることや基幹部分の製造 を国内に残していることから、現地需 要獲得(=海外売上高の増加)が国内 雇用の増加に繋がったと想定される • 海外での販売拠点の展開による市場 獲得と一部製造工程のブラックボック ス化(国内化)により、国内雇用者の 増加をもたらす可能性あり • 両企業の雇用者数の変化は国内売 上高の変化と相関がみられる • サービス業は現地でのサービス生成 と提供が同時に行われるため、国内 生産代替等が起こらず、海外進出に よる国内雇用者への影響は少ないと 予想される。 出所:各社有価証券報告書。比較年度は有価証券報告書の入手可能年度に依存。セコムと綜合警備保障に関しては綜合警備保障が海外展開する以前の年度で比較。 113 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 114 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計結果 外部環境変化を一定程度考慮に入れたBAUシナリオでは、今後も若干の貿易赤字が継続する 見込み。 輸出入額の推移(BAUシナリオ、01-11年実績、11-22年推計) (兆円) 120 100 79 80 73 68 67 42 84 75 52 CAGR(11-22) 3.4% 輸出合計 3.5% 輸入合計 44 40 49 77 85 51 49 42 75 82 55 61 91 98 61 57 60 70 72 80 88 95 81 67 66 66 68 70 72 75 77 80 83 85 89 92 95 54 20 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 出所:貿易統計、各種二次情報等よりADL推計 115 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計結果(内訳) 輸出では素材系・輸送用機器を中心に増大し、輸入では鉱物性燃料・医薬品・電気機器などが 増大する結果、貿易赤字が継続(若干拡大)していく見込み。 輸入額の推移(BAUシナリオ、01-11年実績、11-22年推計、兆円) 1.食料品 2.原料品 食料品 非鉄金属鉱 鉄鉱石 その他原料品 3.鉱物性燃料 原油及び粗油 液化天然ガス 石炭 その他鉱物性燃料 4.化学製品 医薬品 その他化学製品 5.原料別製品 原料別製品 6.一般機械 一般機械 7.電気機器 電気機器 8.輸送用機器 輸送用機器 9.その他 その他 計 2011 2022 増減額 5.9 1.3 1.7 2.2 11.4 4.8 2.5 3.2 1.7 4.4 6.1 5.0 8.0 1.7 8.3 68.1 5.8 2.9 2.2 2.5 15.4 11.4 3.3 4.3 5.2 7.5 9.0 5.3 11.8 2.1 9.7 98.3 -0.1 1.6 0.5 0.2 4.0 6.6 0.9 1.1 3.5 3.1 2.9 0.3 3.8 0.3 1.4 30.2 CAGR CAGR (01-10) (11-22) -0.1% -0.1% 14.8% 7.4% 15.4% 2.3% 0.9% 0.9% 8.0% 2.8% 9.0% 8.2% 12.1% 2.8% 5.7% 2.8% 10.6% 10.6% 5.0% 5.0% 3.6% 3.6% 0.5% 0.5% 3.6% 3.6% 1.7% 1.7% 1.4% 1.4% 4.1% 3.4% 鉱物性燃料・医薬品・電気器等が今後の輸入額増大の中心 鉱物性燃料は、今後も価格上昇続く(ただし上昇率は低下) 医薬品は国内メーカの特許切れ・海外メーカの新薬開発によ り輸入増加傾向が続く (電気機器については今後要精査:CAGR(11-22)は過去トレンド の横置き) 出所:貿易統計、各種二次情報等よりADL推計 輸出額の推移(BAUシナリオ、01-11年実績、11-22年推計、兆円) 1.食料品 2.原料品 3.鉱物性燃料 4.化学製品 食料品 原料品 鉱物性燃料 医薬品 プラスチック その他化学製品 5.原料別製品 鉄鋼 非鉄金属 その他原料別製品 6.一般機械 原動機 電算機類(含周辺機器) 電算機類の部分品 その他一般機械 7.電気機器 電気機器 8.輸送用機器 乗用車 船舶 その他輸送用機器 9.その他 その他 計 2011 2022 増減額 0.4 1.0 1.2 0.4 2.2 4.3 3.7 1.3 3.8 2.3 0.4 1.1 10.0 11.6 6.9 2.0 5.0 7.9 65.5 0.4 2.7 4.0 0.4 3.7 6.0 6.1 2.2 4.5 2.8 0.1 1.3 17.7 13.0 8.9 3.4 7.5 10.5 95.2 0.1 1.7 2.8 0.0 1.5 1.8 2.4 1.0 0.7 0.5 -0.3 0.1 7.7 1.4 2.0 1.3 2.4 2.6 29.7 CAGR CAGR (01-10) (11-22) 1.2% 1.2% 9.7% 9.7% 22.4% 11.2% 1.5% 0.7% 9.9% 5.0% 6.4% 3.2% 9.3% 4.7% 10.3% 5.2% 3.2% 1.6% 3.4% 1.7% -12.8% -12.8% 1.0% 1.0% 5.3% 5.3% 1.0% 1.0% 2.3% 2.3% 9.4% 4.7% 3.6% 3.6% 2.6% 2.6% 3.6% 3.5% 素材系・輸送用機器が今後の輸出額増大の中心 素材系:新興国における旺盛な需要は継続するも、今後は 中国等での新設された生産プラントが徐々に稼働を開始し、 中長期的には需給が緩和する方向へ 輸送用機器は乗用車の競争力が維持されており増大傾向 続く半面、船舶は減速傾向 (一般機械については今後要精査:CAGR(11-22)は過去トレンド の横置き)) 116 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方 輸出入額に大きな影響を与えうるドライバーとして、①エネルギー価格、②発電エネルギーミック ス、③為替レートを想定し、主要品目の将来推移へ反映する。 輸入 輸入額 = Σ(主要品目別単価 × 主要品目別数量) 貿易収支 ①エネルギー価格の変動 (原材料の輸入が多く、 加工度が低いほど影響も大) ②震災による発電エネル ギーミックスの変動 (原発に代わる火力発電 燃料の増加) 貿易収支に影響を与える 主要ドライバー ①エネルギー価格の変動 ②震災による発電エネルギー ミックスの変動 ③為替レートの変動 輸出 輸出額 = Σ(主要品目別単価 × 主要品目別数量) ③為替レートの変動 ④その他産業別要因 (日本製品の円建ての金額は 不変だが販売数量に影響) (産業ごとに市場概況を 個別検討) ④その他産業別要因 主に影響を与えると 想定される項目 117 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(①エネルギー価格変動) 資源系(特にエネルギー)は原油価格に連動する傾向にあり、過去10年間で大幅に価格が上昇 したが、今後原油価格の上昇は緩やかになる見込みであり、エネルギー資源の輸入単価の上 昇率は過去と比べて相対的に低下すると考えられる。 主要輸入品目の単価推移(01-11実績、01年基点) 原油価格の推移(01-10実績、11-22予測、USD/バレル) 資源系(特にエネルギー)は原油価格の変動との相関性が高い 120 CAGR(01-10) = 13.4% 600% CAGR(01-10) = 2.8% 100 500% 原油及び粗油 400% 80 液化天然ガス 石炭 300% 60 医薬品 鉄鉱石 非鉄金属鉱 200% 40 原油 20 100% 0% 2021 2019 2017 2015 出所:貿易統計、Energy Information Administration(米)予測、各種二次情報等よりADL推計 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 118 ご参考)Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(①エネルギー価格変動:原油市場価格と主要輸入品目単価の関係) (横軸が原油市場価格、縦軸が主要輸入品目単価の変動率。ともに01年基点。市況・震災影響の大きいと 考えられる07,08,11年は除去) 350% 500% 350% y = 0.8245x + 0.0644 R² = 0.958 300% y = 0.7674x + 0.1165 300% R² = 0.8703 250% 400% 250% 200% 300% 150% 200% 400% 200% 150% 100% 100% 0% 0% 0% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 250% y = 0.4529x + 0.3908 R² = 0.9074 150% 100% 50% 0% 0% 100% 200% 300% 液化天然ガス 0% 100% 200% 300% 400% 500% 0% 100% 石炭 原油及び粗油 200% 100% 50% 50% y = 1.0618x - 0.283 R² = 0.7787 400% 500% 180% 160% y = 0.1547x + 0.8753 R² = 0.4158 140% 120% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 0% 100% 200% 300% 200% 300% 400% 500% 400% 500% 鉄鉱石 600% 500% y = 1.2583x - 0.1406 R² = 0.7962 400% 300% 200% 100% 0% 400% 500% 医薬品 出所:貿易統計、EIA予測、各種二次情報等よりADL推計 0% 100% 200% 300% 非鉄金属鉱 119 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(②震災・エネルギーミックス変動:原子力発電所建設計画) 国内では、2020年までに約1,600万kWの原子力発電所の運転開始が計画されていたが、今回の事故でそ の見通しは立ちにくくなったため、長期電源計画は大幅な変更が避けられない状況と考えられる。 原子力と新エネシェア拡大を指向した政府計画 原子力発電所建設計画の大幅修正 原子力シェア拡大、新エネ積極導入でCO2排出量抑制を目指す計画 万kW 2020年までに合計1,618万kWの原子力発電の建設が計画されていたが 着工済み案件も含め、棚上げされる可能性が高い 原 子 力 発 電 所 建 設 計 画 政府長期エネルギー見通し 30,000 11% 4% 1% 発電設備容量 19% 20,000 19% 地熱 新エネ 完成済み 17% 水力 21% 59% 54% 49% 23% 22% 火力 10,000 60% 18% 21% 原子力 合計1,618万kW 0 1990 2005 2020 2030 *平成21年電源供給計画(資源エネルギー庁)より抜粋 出所:平成21年度 長期エネルギー需給見通し(資源エネルギー庁) 120 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(②震災・エネルギーミックス変動:原子力発電新設延期の影響) 仮に、既存の原子力発電所が電気事業連合会原子力発電プラントリストに記載されている設置年 から40年で運転停止し、新規の建設も滞ったとした場合、2020年頃までに約2,500万kW程度火力 発電を中心とした代替電源シフトが必要となり、その大部分はLNG火力になる見込み(ADL試算)。 原子力発電の新規建設停滞による発電容量低下見通し 政府の原子力発電導入目標 7,000 6,315万kW 6,015万kW 6,000 設備容量(kW) 5,000 4,000 現時点の新規建設計画分 ⇒計画凍結or中止の可能性 2010年設備容量 4,885万kW 火力発電等で補う量 ▲2,471万kW ▲4,424万kW 3,000 2020年設備容量 3,544万kW 2,000 既存原子力プラント 設備容量 • 原子力の新規建設が滞ると100万kW代 替火力が2020年までに約25基必要 • 火力発電の中では、環境性能からLNG が最有望 • 原子力発電所の発電容量2,500万kW は、設備稼働率65%と仮定すると約 1,500kWh • 現在のLNG火力発電所の発電量は約 3,000億kWhであり、2020年には約1.5 倍の燃料が必要となる見込み 2030年設備容量 1,891万kW 1,000 0 2005 2010 2015 2020 2025 2030 プラントは40年で運転停止するとして算定 出所:電気事業連合会原子力発電プラントリスト等よりADL分析 121 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(②震災・エネルギーミックス変動:LNG輸入量への影響) 発電用LNGは、2020年時点で現状の約1.5倍必要となる見通し。その他用途と合わせると、今 後10年程度は年率5%程度での輸入量増大が見込まれる。 LNG輸入量への影響試算 (十億㎥) 14 12 10 6.6 8 その他 発電用: 08年に4.1十億㎥輸入 前頁より、2020年には約50%多くの燃料が必要 発電用 6 その他: 01-08年の推移より、08年以降も過去と同等の 増大率で推移すると仮定(CAGR(01-08)=8%) 2.7 4 6.0 2 4.1 0 2008 2020 出所:電気事業連合会原子力発電プラントリスト等よりADL分析 122 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(③為替変動の影響) 一般に、素材系ほど円高時は原料調達が有利になるため輸出競争力が増し、加工度の高い品 目ほど円高時は不利になるが、自動車・船舶・電算機部品などは産業としての競争力で逆風を 跳ね返している模様。 増 素材系: 鉄鋼 非鉄 プラスチック 産業としての競争力 が高く、円高下でも 輸出減を食い止めか 円高の影響( 対輸出) 発電機 自動車・船舶 ・電算機部品 (電子部品等) 電算機 組立 減 低 輸出品目の加工度 出所:貿易統計,Bloomberg等よりADL分析 高 123 ご参考)Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(③為替変動の影響:為替レートと主要輸出品目の輸出量の関係) (横軸が為替レート、縦軸が主要輸入品目単価の変動率。ともに01年基点。市況・震災影響の大き いと考えられる07,08,11年は除去。) 200% y = 0.4692x + 0.7603 150% R² = 0.0685 100% 50% 150% 150% 100% y = 1.9406x - 1.2434 R² = 0.6243 50% 100% y = -0.9174x + 1.8629 50% R² = 0.4509 0% 0% 0% 40% 60% 80% 100% 40% 120% 乗用車 60% 80% 100% 40% 120% 60% 電算機類(含周辺機器) 80% 200% 200% 110% 150% 150% 105% y = 0.0141x + 1.0266 100% R² = 0.001 95% 40% 60% 80% 100% y = -0.5105x + 1.8859 R² = 0.062 50% 100% y = -1.3394x + 2.4962 R² = 0.667 50% 0% 100% 120% 0% 40% 120% 120% 非鉄金属 115% 100% 100% 船舶 60% 80% 100% 120% 電算機類の部分品 40% 60% 80% プラスチック (電子部品等) 150% 150% 100% y = -0.6052x + 1.7329 R² = 0.1722 50% 100% y = -0.683x + 1.7704 R² = 0.3684 50% 0% 0% 40% 60% 80% 原動機 100% 120% 40% 60% 80% 100% 120% 鉄鋼 出所:貿易統計,Bloomberg等よりADL分析 124 Step1:BAUシナリオ ⑦⑧貿易収支 推計の考え方(パラメータ一覧) 産業別の事業環境に鑑みた今後の輸出増減トレンドは以下の通り。 産業ごとの事業環境に鑑みた今後の推移見込 医薬品 パイプライン状況に鑑みて、今後は国内医薬品メーカから新薬の上市は 少なく、またブロックバスターの特許切れも相次ぐため、輸出量は減少 非鉄金属 0.7% 9.9% 5.0% 9.3% 4.7% 10.3% 5.2% 22.4% 11.2% 3.4% 1.7% -12.8% -12.8% コアコンポーネントでは比較的競争力が維持されており、近隣のセット品 メーカ向けに現状のペースで輸出が継続 1.0% 1.0% 比較的競争力が維持されており、現状のペースでの輸出が継続 2.3% 2.3% リーマンショック前に積みあがった受注残は今後数年で解消される見込 みで競争力も低下傾向のため、中長期的には成長は鈍化 9.4% 4.7% 素材系:今後は中国等での新設された生産プラントが次々と稼働開始予 定。稼働率は物流網の整備等に合わせて徐々に上がっていくため、急速 に需給が引き締まる見込みはにくいものの、中長期的には需給が緩和 する方向へ 鉱物性燃料 原動機 電算機類(含周辺機器) 電算機類の部分品 (電子部品等) 乗用車 船舶 増減トレンド実績・今後の想定 CAGR(01-10) CAGR(11-22) 1.5% プラスチック 鉄鋼 輸出競争力が低下の場合は過去成長率の 半分程度で、競争力が維持される場合は 過去トレンドと同等ペースで推移すると仮定 セット品は新興国での生産能力増強が進むため、現状のペースからや や鈍化(もしくは減少傾向が継続)して推移 出所:貿易統計,Bloomberg等よりADL分析 125 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 126 今後の検討に向けて 次年度におけるさらなる継続検討に向けて、検討事項の全体像と、それを踏まえた検討体制 設計が必要になるものと認識。 検討対象の俯瞰 検討事項の全体像 今後に向けての検討体制(相談事項) 1 • 長期的なBAUシナリオの描出(危機感の醸 成) – 「企業」「家庭」「政府」のそれぞれを考察 2• (①での課題解決に向けた)各ステークホル 政府 税 産業政策・ 規制 ダの”なすべきこと”の提示 – 既存産業の変革・生産効率向上・競争力強化に向 けた施策、マクロへのインパクトの大きさの評価 – 既存産業とのつながりを踏まえた新産業育成に向 けた施策、マクロへのインパクトの大きさの評価 – 産業全体を俯瞰しての関係性の再定義 税 公共 サービス 労働報酬・商材 企業 – 政策ベンチマーク(海外政府・国内他省庁) 家庭 (個人) 3 • 政府としての果たすべき役割に対応した ”METIとしての改革方向性仮説”の提示 労働・対価 ADL – 今後に向けての組織体制案など NRI • 3者間(METI+受託事業者2社)で の役割分担 • プロジェクト全体としてのインタラク ションの進め方 – 特に各検討主体間でのアウトプットの すりあわせや全体の取りまとめ – また、インタラクション頻度などのロジ スティクス • 検討期間(および予算) • その他進め方に関する要件 – 海外調査の重要性 – 数値化モデル構築への期待、など 0 • 原課と大臣官房とのすり合わせの側面支援 127 Contents 0 産業クラスター定義 1 各既存産業マクロ経済への貢献度把握 2 各産業内のミクロ環境分析 1 各産業クラスターごとの想定論点 2 自動車産業を例にしたミクロ分析結果 3 小売業を例にしたミクロ分析結果 3 競争ポジション改善のポテンシャル検証 4 競争ポジション改善によるマクロ経済へのインパクト試算(産業全体としてのあるべき姿) 1 Step0: 単純な過去(10年)トレンドを外挿したシナリオ 2 Step1: BAUシナリオ 5 今後の検討に向けて 付 ドイツにおけるイノベーション 128 Siemensの企業概要 事業概要 1847年の創業以来、事業・地域の拡大を進め、2010年現在はインダストリー、エナジー、ヘルス ケアの3主要セクターを展開。 Siemensの企業概要 基礎情報 事業概要 • インダストリー、エナジー、ヘルスケアの3主要セクターで構成(2010年) 創業年次 • 1847年に電信機器を祖業に創業 Industry sector 主要財務指標 (2010年) 社員数 (2010年) 展開地域 (2010年) Source : Siemens • 売上:75.9 Billion Euro • 利益:6.2 Bllion Euro (EBIT) • 405,000名 Energy sector Healthcare sector • 190カ国以上、1,000社以上の子会社で事業を展開 Cross-Sector Businesses • • • • • • • • • • • • • • • • 物流制御システム等 Industry Automation Drive Technologies モーター等 Building Technologies 火災報知システム等 OSRAM LED, 照明設備等 Industry Solutions 水処理設備等 都市移動体(トレイン)等 Mobility Fossil Power Generation 石炭・ガス発電機等 Renewable Energy 風力・太陽光発電設備等 Oil & Gas 石油・ガスの輸送設備等 Power Transmission 送電システム等 Power Distribution 配電システム等 Imaging & IT MRI 等 Workflow & Solutions 院内業務管理システム 等 Diagnostics 診断機器 等 Siemens IT Solutions and Services Siemens Financial Services 129 Siemensの企業概要 沿革(事業領域) 1847年に電信機器を祖業に設立され、以来鉄道や重電など事業ドメインを拡大してきた。 Source : Innovation@Siemens 2011 130 Siemensの企業概要 沿革(地域展開) 160年前の誕生以来、事業領域の拡大・地理的拡大を続けており、現在は190カ国以上、1,000 社以上の子会社で事業を展開。 History and Worldwide Operation of Siemens “Coupling innovative concepts and visionary ideas with a far-sighted willingness to take entrepreneurial risks in the interest of achieving enduring success, our company founder put Siemens on track to become what it is today: a global provider of leading-edge technologies. And it’s this same pioneering spirit – the spirit that made Werner von Siemens a trailblazer in electrical engineering in his day – that’s enabled our company to grow and prosper for 160 years.” “With a presence in some 190 countries, we can offer customers fast, local, tailor-made solutions. And that gives us a decisive competitive edge.” “Our roughly 405,000 employees work at 1,640 locations around the globe, including 176 R&D facilities.” “Siemens comprises Siemens AG as the parent company and a total of approximately 1,300 legal entities, including minority investments.” Siemens Annual Report 2009 Source : Siemens Annual Report 131 イノベーションに対する考え方 R&Dに対する基本思想 Siemensは自社を市場ニーズと技術を結びつけるTrendsetterと捉えており、革新的シーズの 自前開発(“サイエンス”)ではなく、その取りまとめ(“エンジニアリング”)に集中する構え。 Siemens as Trendsetter • Vast majority of Siemens’ businesses fall into the category of trendsetter. • The trendsetter innovation strategy is based on market and technology power. Achieving market power is perfectly in line with the Siemens business strategy of being number one or two in all served markets. Technology power translates into a focus on key, pace-setting technologies – and that is the task of the business units’ R&D. • However, remaining in a strong position in pacesetting technologies requires sustainable predevelopment and a research focus that is preparing for the next generation of pacesetting technologies. This is the task of the Siemens corporate R&D center. • First movers address the early adopters. They need idea leadership and a creative R&D. Since they go beyond limits, they do not necessarily rely on industrial standards. Typical first movers are specialized, small to medium sized companies or even startups. • Trendsetters combine market and technology power. They need an effective R&D, a broad and strong patent portfolio, and they control the (de facto) standardization processes. Typical trendsetters are technology-driven, medium to large companies. • Fast followers are cost leaders who need efficient R&D. They license patents and rely on existing standards. Typical fast followers are companies in low-cost countries focused on manufacturing and distribution. • The corporate research center is dedicated to linking fundamental research in universities and external research institutes to product development in the Siemens business units. Source : Technology Strategy for the Corporate Research Center of a Diversified Global Enterprise (Reinhold Achatz and Hans Jörg Heger) 132 イノベーションに対する考え方 事例:研究開発関連 代表的な研究テーマ Siemensの本社研究所(Corporate Research & Technology)における研究開発は先進的 な要素技術の研究開発よりも、「機器やシステムの設計を考えるための研究開発」が中心。 “Global Research at Siemens”に記載されているCorporate Research & Technologyの具体的な技術開発活動 材料レイヤ Materials, Hardware Design & Manufacturing Technologies (MHM) Cluster 要素ソフトウェアレイヤ 機器設計レイヤ システム設計レイヤ インフラ設計レイヤ • Materials for Tomorrow’s Lights & new coatings with Osram • Measuring technique for the operating temperatures of gas turbines • Rotor in this propulsion system using high-temp. superconductors Energy & Environment (EEE) Cluster • Creating the best design for the components & simulated individual parameters such as material strength • Design individual production concepts, including their implementation, and even draw up complete production processes Processes & Production (PRO) cluster GTF Information & Automation Technologies (IAT) Cluster • Focus on devising technologies that can harness data • Focus on devising technologies that can harness data • Optimize the user interfaces of products such as syngo.via, use crypto-chips to secure software, and ward off cyber attacks. Software, Security & Systems (SSS) Cluster • Identify the needs of the target market • (target cost) review using costeffective materials and production process • Development of versatile, inexpensive cameras that can be used in applications such as X-ray machines SMART and Cost Innovation (SMT) Cluster Sustainable Infrastructure Technologies for Emerging Markets (SIT) Cluster Source : Global Research at SiemensをもとにADL作成 • Eco-city concept • Identify the needs of individual markets or their extensive in-depth expertise regarding the technologies involved • Studying how oil and natural gas can be extracted efficiently and with minimal environmental impact Oil, Gas & Nuclear Cluster Configuration Technologies Cluster • Focuses on the entire energy conversion chain and new drive concepts and technologies for improving energy efficiency • Developing software tools that use clever algorithms to optimize complicated processes 133 イノベーションに対する考え方 事例:研究開発関連 Lighthouse Projects また、Siemens Corporate Research & Technologyは将来重要となる技術を目利きするた めのLighthouse Projectsと称する探索研究プロジェクトを展開している。 Lighthouse Projects 概要 • With its ten Lighthouse Projects, CT is sending a clear signal regarding the research areas in which Siemens plans to focus its innovative strength over the long term. • CT scientists taking part in interdisciplinary teams are now working on sustainable technologies for energy, healthcare, and industrial applications • It has been only recently (‘09) that we have publicly designated particular 10 projects as lighthouse projects. なお、Lighthouse Projectと いう考え方は、同社だけでな く、ドイツの技術系企業で一 般的に用いられている 代表例 プロジェクト例 Intelligent Power Grids (since 2009) Holistic Approach to Electric Vehicles Hydrogen As an Energy Storage Medium プロジェクト内容 • Scientists are developing a suitable grid architecture that includes components for peak load regulation and energy storage, as well as instruments that enable communication and the exchange of information between individual smart grid components. グリッド・アー キテクチャを 含めた検討 • CT researchers taking part in the E-Car Lighthouse Project are working on electric vehicle drive system technologies and fast-charging systems, as well as vehicle-grid communication solutions. EVを取り巻く 形での包括 的検討 • Researchers in the H2 Electrolyzer Lighthouse Project are now developing a high-pressure electrolyzer unit for this purpose. Making Use of Carbon Dioxide • Until now, mechanical, electrical, and software development specialists worked in relative isolation from one another, leaving synergies unexploited. • The research project therefore consolidates and analyzes expertise from many different areas in order to develop design principles that can be applied across the board. More Efficient Building Management • Building management experts recently developed the building information modeling concept for building planning, construction, and management. They use it to create a virtual building model on the basis of data collected during the building planning phase. Mining Data Treasures • Practically all research and application fields generate huge amounts of data that must be processed, analyzed, and made accessible. This is why IT specialists from CT working on the Collective Intelligence Lighthouse Project are developing new methods for transforming data into knowledge. The project focuses on energy services, personalized healthcare, personalized medicine, and databased transport applications. Thermal Management • CT experts taking part in the Thermal Management Lighthouse Project plan to generate thermal energy from waste heat. CT Indiaのヒアリングコメント Mechatronic Design Lighthouse Project • CT researchers are working with universities on the important topic of mechatronic design. • IT has great significance for all Siemens sectors, as it is used in many applications, from turbine blade design to angiography systems in the Healthcare sector. CT Indiaのヒアリングコメント Source : Global Research at Siemens 特徴 幅広い技術 領域の横断 的検討 • 我々は過去のPictures of the Future(技術長期計画) において、“スマートグリッド” の概念を早くから提唱してい た。 • そして、そのPicturesをもと にスマートグリッドに関する 大規模なLighthouse Projectsを展開している Head of CT T, Reinhold Achatz セクターごと に得られた データ・知見 を整備 (Technology Strategy for the Corporate Research Center of a Diversified Global Enterpriseより) 134 イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 ものづくり 一方、ものづくりにおいては、単純な意味でのものづくり強化ではなく、ライフサイクルやバリュー チェーンを総合的に捉えた上で最適化を狙っていく意識が強いと見受けられる。 通常の表現 開発 生産 営業 Source : Strong Regional Presence to tap the Emerging Markets automation opportunity (Siemens 2011) 135 イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 Siemensは2010年に発表した中期経営計画にて、「環境を含むインフラソリューションの展開」 「新興国向けプロダクト展開、さらにはサービスへの拡張」を成長エンジンとして表明。 Infrastructure business For example, the world’s cities increasingly need intelligent and sustainable infrastructure solutions. Nearly 3.5 billion people – more than half the world’s population – currently live in urban areas. In 2050, cities will probably be home to about 6.5 billion people – roughly 70 percent of the world’s population. As an integrated infrastructure supplier, Siemens is in a strong starting position – in particular, in the areas of ecofriendly and energyefficient solutions for cities. To tap this growth potential even more intensively with ecofriendly technologies, Siemens has set an ambitious goal for its Environmental Portfolio. By the end of fiscal 2014, the company aims to generate revenue of more than €40 billion a year with green products. Emerging countries business On a regional basis, the emerging countries will grow considerably faster in the years ahead than their industrialized counterparts. Siemens wants to significantly increase the percentage of revenue that it generates in emerging countries. From 2005 to 2010, this share rose from 19 percent to about 30 percent. The company also plans to expand its service business. The large installed base of Siemens’ products provides an excellent starting point for this expansion. One Siemens Siemens is once again increasing the emphasis on growth One Siemens growth drivers: Environmental technologies, emerging countries and services Source : Siemens press release 2010-Nov-11 イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 (1)社会インフラ事業 Siemensは‘11年には社会インフラを次なる成長機会と捉えて「Infrastructure & Cities」セク ターを設立する方針を表明した。同領域強化を視野に、Siemensの研究開発部門がイノベー ションマネジメント手法についてベンチマークした対象は日本勢であった。 • シーメンスは、ダイナミックな成長を遂げる都市やインフラストラクチャーへの投資に対して積極的な参加をすべく、4つ 目のセクターとなる「インフラストラクチャー&シティ」セクターを設立、10月1日より業務を開始 「インフラストラクチャー&シティ」の本社はミュンヘンに置き、グローバルセールスおよびマーケティングの組織も迅 速に拡張していく この新しい部門は、既存の本社資源などを活用できるため、無駄のない、効率的なものになる予定 社会インフラ 向けの セクターを新設 現在ロンドンに設立中のシティ・コンピテンス・センターに加え、アジアならびに米国にもそれぞれシティ・コンピテン ス・センターを設置。これらのセンターは、顧客およびオピニオン・リーダーとの意見交換の場を提供する格好のプ ラットフォームとして機能し、また、世界中の販売網を強化していく • 「最も成長の速い都市およびインフラの市場に参加できるよう、現在、体系的に基盤を整えているところ」 (シーメンスAG社長兼CEOのペーター・レッシャー) •Siemensの研究開発部門に2010年に行ったイノベーションマネジメントに関するマ ネジメントワークショップで、ベストプラクティスとして取り上げたのは日立や富士通 (ADLドイツ 有識者) Source : Siemens press release 2011/5/3, Atos Origin Press Release 2010/12/4 137 イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 (2)新興国展開 同社における新興国地域売上は年々順調に拡大しており、過去5年で倍以上に成長している。 Siemensにおける地域別売上高推移 (consolidate) Source : Emerging Market Strength As A Competitive edge (Siemens 2011)より イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 (2)新興国展開 新興国では先進国仕様の製品を投入しても販売が見込めなかったため、新興国現地ニーズを 織り込んでのプロダクト開発が必要となった。 新興国向けプロダクトの開発背景(中国市場における電力向けスイッチギヤの例) グローバルスタンダード仕様では 現地ニーズに訴求せず Source : Siemens in China – Accelerating our success - (Siemens 2011) 現地ニーズに合わせた 現地仕様製品の投入 イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 (2)新興国展開 Siemensは新興国向けプロダクト(SMART product)を全事業の柱の一つと位置付けており、 その開発はコーポレート研究所(CT T)の新興国拠点が推進している。 Must be high quality and comparable with global standards. SMART Product S M A R T Concept Simple Maintenancefriendly Affordable Reliable Timely to market Requirements With just the basic features Must be repairable Price in line with buying power of consumers Must be robust, to work in tough environment Suitable for rural distribution conditions To meet the diverse needs of local markets Target To be successful in the global marketplace Combination of technological and cost innovation It finds new ways to use old technologies. Approach Points The solutions are strong enough to compete in average or low-end markets and have the right price for these markets. The innovations can be future improved so that later on they can also meet the different requirements of global markets. The main focus of our SMART projects are India and China. However the goal of these projects is to provide similar cost effective technological solutions to other developing nations in the future. Germany CT Tへのヒアリングコメント SMART has grown into a worldwide strategy for Siemens, catering to the low end markets, like China and India. Siemens China, CT, Ms. HU Jing 氏 Source : Global Research at Siemens イノベーションに対する考え方 事例:事業関連 今後の注力事業 (2)新興国展開 Siemensにとって、中国はSMARTプロダクトに関する重要な対象市場国および開発国であり、 今後も現地CTが中心となっての開発を進める見込み。 SMARTのコンセプトは中国現地に設立したコーポレートテクノロジーが発端となった ‒ The concept of SMART product was brought up by the Head of Corporate Technology of Siemens China. It is a strategic concept Siemens constructs catering to emerging markets. So technically it involves every business sector such as communication, healthcare, energy and automation. But so far, the most obvious manifestation is in healthcare equipment. SMART コンセプト ‒ For example, CT system (Computed Tomography) is traditionally expensive medical equipment. And its high price (usually more than RMB 10M) deters its popularity in China’s small cities and rural areas. Siemens introduced its “SMART” CT product SOMATOMSpirit in 2007, which cost only RMB 2~3M, and achieved great success. ‒ There is also no clear distinction to judge whether a product is “SMART” or not. “SMART” is more like an idea, or philosophy. 開発は新興国現地CTが中心に進められるが、当該国だけでなく、他の国への展開も視野に入れられている ‒ SMART projects are typically headed by CT division leaders. The mainly focus of our SMART projects are India and China. However the goal of these projects is to provide similar cost effective technological solutions to other developing nations in the future. SMARTのコンセプトはCT内部だけでなく、現地での産学連携においても活かされている 開発体制 ‒ the CT in emerging countries focuses more on SMART products specifically suited for emerging markets ‒ Concept of “SMART” is utilized in every field within Siemens from university cooperation to CT technological innovation. ‒ It varies from several months to three years, depending on the scale of the project. For example, the SOMATOMSpirit machine mentioned above was introduced in 2007 and the SMART concept was brought up by late 2006, so it was developed within a year. 中国の多様なニーズを内包した巨大市場という特性を活かして、SMARTの開発を進める ‒ The biggest advantage SLC (Siemens Limited China) can leverage in China is the ever-changing market demand in China and large amounts of consumers who are willing to use new technology. China is the best place to produce “disruptive innovation” that may “change the rules of the game.” 開発姿勢 ‒ 80% of customer demand can be satisfied by mainstream technology. The 80-20 rule is commonly referred to within the CTSLC (Siemens Limited China, Corporate Technology) group because they perceive that the remaining 20% of customer demand in China will be satisfied through not mainstream existing technologies, but rather a new variation of the existing products that serve the same functional purpose but with different, possibly simpler, features in their technology. Not only will these products be designed and deployed in the emerging market, but it is CT SLC’s intention to bring these innovated products into the mainstream market through various product transformation. Source : Ms. Ping Xia; Siemens CKI China Contact, University Relationship Corporate Technology, Dr. Shun Jie, Fan, manager of automation research, CT, SLC, Mr. Fang, Tan, Strategy Marketing Manager, CT, Siemens Limited ChinaへのインタビューをもとにADLまとめ イノベーション活動における国家との関係性 研究開発予算の枠組み Siemensの本社研究所(Corporate Research & Technology)における研究開発予算の内、 5%は外部資金を活用したもの。 financing model Source : Technology Strategy for the Corporate Research Center of a Diversified Global Enterprise (Reinhold Achatz and Hans Jörg Heger) 142 イノベーション活動における国家との関係性 公的資金での研究開発(国家予算) Siemensはドイツ政府系機関からのファンディングを活用したR&Dも実施している。なお、額は 年によるばらつきが大きいが、政府の注力領域はSiemensの注力領域と類似している模様。 ドイツ政府からのファンディング推移(金額) Sum of Funding amount in m EUR Grand Total BMBF 160.1 58% BMWi 94.1 34% BMU 20.4 7% BMVBS 2.2 1% BMELV 0.9 0% 277.7 100% Grand Total ドイツ政府のファンディング方針および注力技術領域 BMBF - Federal Ministry of Education and Research BMWi - Federal Ministry of Economics and Technology BMU - Federal Ministry for Environment, Nature Conversation and Nuclear Safety BMVBS - Federal Ministry of Transport, Building and Urban Development BMELV - Federal Ministry of Food, Agriculture and Consumer Protection Source: BMBF, BMWi, BMU, BMVBS, BMELV, Interview to Federal ’Research and Innovation’ Funding Advisory Service (なお、2011年は8月末時点の確定分のみを積算。また上記は共同研究も含むが、その共同研究先や金額比率は非公開となっている) • Although basically they do not have budget limitation which a company can receive per year, the decision is based on the proposal topic and not at companies. • A lot of plans compete every year, but projects are mostly related to the hightech strategy of Germany (like for instance climate change, e-mobility, transportation, energy, high-tech , biotechnology, Nano technology and healthcare). Federal ’Research and Innovation’ Funding Advisory Service: Dr.Karen Bohme 氏 143 イノベーション活動における国家との関係性 公的資金での研究開発(国家予算) 代表例:E-DeMaプロジェクト Siemensはドイツ政府予算のもとで顧客サイド(電力会社など)との共同実証も展開しており、 代表例としては、電力会社RWEとのE-DeMaプロジェクトが挙げられる。 Model region Project coordinator Other players RWE Rhine-Ruhr Project launch SW Krefeld, Siemens, ef.ruhr, Miele, Prosyst Targets • Active clients („prosumer“) • Integrated data and energy grid • Open electronic energy market place • Clustering of small generation capacities (virtual power plant) Instruments • Active integration of the clients with incentive systems • ICT for operation management in distribution networks • „Smart Gateways“ for automated demand and generation management Characteristics • Large private and medium municipal utility • Representative urban and rural areas • Intelligent home appliances, gateways and smart metering as foundation Source: Arthur D. Little; Federal Ministry of Economics and Technology 10. Nov 2008 役割分担における特徴 • RWEがプロジェクトマネジメントに加えて、全体へ の仕様提示を担当している ‒ Within the E-DeMa project RWE sets the requirements and is responsible for the grid management • Siemensはソフトウェア開発に注力しており、ITイン フラのキーデザイナーを務める(但し、現在のフォ ーカスはまだドイツ国内のみ) ‒ Siemens’ role is to be the IT and software partner ‒ Siemens – focus on software development rather in competition with IBM (e.g. hardware algorithm) or SAP ‒ Key designer (but not alone) of the central IT infrastructure, at the moment with focus on Germany only ‒ Recognition of market potential is probable as well as ideas for commercialization 144 イノベーション活動における国家との関係性 公的資金での研究開発(EU予算) SiemensはFP7プログラムに積極参画。年によるばらつきが大きいが、 (共同受託*を含めて) 累計で600m EURのプロジェクト・ファンディングを活用した研究開発を推進してきた。 *各プロジェクトは平均約20組織ほどのチームで構成されている EUからのファンディング推移(金額) Siemensが参画しているプログラムに対する FP7のプロジェクト・ファンディング額 million € 300 250 200 150 100 50 0 2007 2008 2009 2010 2011 Source: European Commission CORDIS (なお、2011年は8月末時点の確定分のみを積算。また上記は共同研究*も含むが、その金額比率は非公開となっている) *各プロジェクトは平均約20組織ほどのチームで構成されている 145 イノベーション活動における国家との関係性 公的資金での研究開発(EU予算) テーマ領域 欧州連合からのファンディングを受けている研究テーマのポートフォリオは、ドイツ連邦からのも のとほぼ同じバランス。具体的なテーマとしても類似性が高い。 EUからのファンディング推移(テーマ) 技術分野ごとのプロジェクト数 120 100 80 60 40 20 0 FP7からのファンディング 技術分野 具体的な開発テーマのトレンド(EU) NA •- Material •- Manufacturing •- Electronics • LEDなどの発光デバイスや組込みシステムなど IT / Communication • ネットワークや次世代インターネットなど (Nokia Siemens Networksによる研究を含む) Industry • インダストリーオートメーションなど Healthcare • イメージング、バイタルデータ・レコーディング、放射線治療など 幅広いテーマに着手 Energy • スマートグリッドやガスタービンなど Infrastructure & Cities • EVインフラや公共交通など 参考:ドイツ連邦(前掲) Source: European Commission CORDIS (なお、2011年は8月末時点の確定分のみを積算。また上記は共同研究も含むが、その金額比率は非公開となっている) 146 イノベーション活動における国家との関係性 国際標準化活動 ドイツ / 欧州としての方針 グローバルにおける「デジュール標準」の役割拡大とともに、国際標準化における「一国一票制」 を有利に進められる欧州のプレゼンスが向上している。 背景 主要地域における標準化戦略 • 拡大欧州(27か国)を背景に地域規格である欧州規格(EN)をベースとした国 際標準化を推進。国際標準化機関での「一国一票制」のもとで大きな力を確立 デジュール標準の 役割が拡大 • 標準には市場で実体 的な標準となってい る「デファクト標準」や 関心ある企業グルー プが作成する「フォー ラム標準」と、国際標 準化機関が策定する 「デジュール標準」が 存在 • 国際標準がある場合 にその活用を定めた WTOのTBT協定や 政府調達協定、中国 のWTO加盟などに よって、近年は「デジ ュール標準」の役割 が拡大 欧州 ‒ 地域標準化機関(CEN、CENELEC、ETSI)と国際標準化機関(ISO、IEC、ITU)との結びつきが強い、国 際標準化機関の投票制度下では各 EU 加盟国が一票を持っているなどの強みを活かし、域内標準化の 成果を国際標準化活動へ反映させ、域外市場における欧州企業の競争力強化を図っている ‒ 欧州においては、欧州指令において必須要求事項(essential requirement)を定め、それをどのような技 術で達成するかについては、欧州標準で定めるという「ニューアプローチ」という方式が採用されている。欧 州企業は、当初は、この考えに必ずしも賛成ではなかった模様であるが、欧州流の統合した考え方が浸透 する中で、競争力向上の観点から有利になっているとの認識を持つに至っている ‒ また、研究開発活動を支援する政策を上手く活用して、企業は大学と、研究開発段階から国際標準化や世 界展開まで見据えた連携を進めている • デファクト標準に強みを持っていたが、デジュール標準への関与も急速拡大。ス マートグリッドなどのエネルギー分野などでの国際幹事獲得などを実施 米国 ‒ 元来、「市場メカニズム」を重視する傾向が強く、標準化活動も民間団体の活動を尊重してボトムアップ的 に行われていた(ASTM International や IEEE などの標準策定団体が作成した団体標準を、国家標準化 機関である ANSI(米国規格協会)が認定する仕組み) ‒ WTO/TBT 協定の発効と中国の WTO 加盟の影響により国際標準にも力を入れて きており、ISO 等にお ける幹事国引受数も急速に伸ばしている 中国 • 国際標準化の重要性に対する意識が高まり、ISOやIECにおける活動を強化。 幹事国引受けや国際提案を急速に拡大 韓国 • 産業育成の観点から、特定分野(エレクトロニクスなど)に絞った国際標準化活 動を展開 Source : 経済産業省における国際標準化への取組について(経済産業省、H23年10月)、技術の国際標準化に関する各国の戦略分析(21世紀政策研究所、2008年)など 147 イノベーション活動における国家との関係性 国際標準化活動 Siemensのスタンス 特にドイツは標準化による恩恵が大きく、幹事引受数や標準策定に向けた国家プロジェクト等 で、欧州の中でも国際標準化を推進しており、その中でSiemensの存在感は非常に大きい。 ドイツの 標準化の 重要性認識 • For Germany, the economic benefit of standardization is valued at over €30 billion per year . Siemens web site Siemens 発表 • ドイツは米国以上にIEC/ISOの幹事引受数を誇る。また最近は欧州でスマートグリッドの標準化を主導 標準化 活動における ドイツの 取組 Siemens 参画 幹事引受 • スマートグリッドの規格基準の中心的役割を担うべく、E-Energyという国家プロジェクトを組成 国家PJT ‒ 基準作成、データ保護、ビジネスモデル構築などについて各プロジェクトの担当者が共同作業を行うと同時に、 情報交換を行う。スマートグリッドの標準化のために、ICE、DKE などの標準化機関で各地域の技術開発者が 中心的役割を果たすほか、消費者データ保護のために必要な規制や再生可能エネルギーに関する法律改正 においても、E-energy のプロジェクトの情報が参考になるなど、広い効果がある ‒ 今後もドイツは、欧州で展開されるスマートグリッドの中心的役割を担うと考えられる Source : 経済産業省における国際標準化への取組について(経済産業省、H23年10月)、技術の国際標準化に関する各国の戦略分析(21世紀政策研究所、2008年)など Siemens 参画 148