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こちら - ケア・インターナショナル ジャパン

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こちら - ケア・インターナショナル ジャパン
アフガニスタン国
アフガニスタン国
「コミュニティ運営による初等教育プロジェクト
コミュニティ運営による初等教育プロジェクト」
プロジェクト」
第 2 年度・前期
年度・前期 活動報告書
活動報告書
(2012 年 2 月~2012
月~2012 年 7 月)
<カピサ州の学校に通う 2 年生の子供たち>
2012
2012 年 9 月
公益財団法人
公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
Ⅰ 事業の概要
学校設立や教師育成などを通じて、2,550
学校設立や教師育成などを通じて、2,550 名の子どもたちに教育の機会を
1.背景
1.背景/課題
背景/課題
アフガニスタンは経済指標が世界でも最も
低い国です。その原因は、タリバン政権時代を
含む長い紛争にあります。子どもたち、特に女
子は、タリバンの支配下にあった 1990 年代半
ばから 2001 年までの間、同国の一番の被害者
であり、女子は学校へ行くこと、そして教鞭を
とることを禁じられ、公式な教育を受けること
ができませんでした。1990 年の終わりまでに、
通学できた女子は全体のわずか5%に過ぎま
せん。
事業地の1つ「パルワン州」の様子
2.事業の目的
2.事業の目的
本事業では、遠隔農村地域であり、行政サービスや学校が不足しているパルワン州とカピ
サ州の女子に対して、良質な初等教育を提供することを目指します。女性の学校運営委員や
教師の育成及び能力向上を図り、女子が就学し易い環境を促進します。女性の学校運営委員
や教師がお手本となることで、自主性や意思決定能力など、女子が社会活動へ参加できる能
力を向上することも大きな目的の一つです。
3.目標と期待される成果
3.目標と期待される成果
本事業では 5 年間で、
年間で、2,550
2,550 名(女子は 70%以上)
%以上)へ教育機会
へ教育機会を提供
機会を提供し、女性の学校運営
委員及び教師の育成を行い、女性が社会活動へ参加する能力の向上を目指します。
(期待される成果)
① コミュニティが運営する学校として 85 校(教室)が設立
校(教室)が設立される。
② 85 名の教師が
名の教師が育成される。
③ コミュニティで構成される学校運営委員会メンバー228
学校運営委員会メンバー228 名の能力が向上する。
4. 事業期間
2011 年 2 月~2015 年 12 月(5 年間)
5. 対象者
・直接受益者:
2,550 名の男女(7~9 歳)
(うち女子は約 7 割:1,785 名)
・間接受益者:
① 85 名の教師(女性は約 1 割:4 名)
② 228 名の学校運営委員会メンバー
(女性は約 5 割:114 名)
③ 教育省の職員 20 名
2
パルワン州
カピサ州
6. 事業の実施体制
子どもたちが継続してコミュニティが運営する学校で勉強し、小学校の「卒業資格」を受
けるためには、効率的な事業の実施体制が必要です。当事業では、当財団ならびに CARE アフ
ガニスタンが、地域住民・学校運営委員会・教師や教育省と協力し、持続的な運営管理体制
を構築します。
Ⅱ 第2年度・前期の活動
前期の活動概要
の活動概要
(2012 年 2 月~2012 年 7 月)
コミュニティが運営する学校 50 校を運営管理
~2012 年 3 月から新規 20 校を設立、1 年次から開校した 30 校の生徒は 2 年生に進級~
2012 年 2 月にカピサ州、パルワン州で再度調査を行い、住民の教育への関心が強く、公立
学校が存在しない 14 の村を追加で選定しました。それら 14 村の民家・寺院・公民館を活用
し、コミュニティが運営する学校を 20 校
しました。 在、それら 20 校では、小学校 1
年
ルの 業を行っており、58 名(412 名女子)の
が通学します。 存の 0 校で
は 909 名( 4 名女子)の 2 年 が学 をしています。 在、
で 1,492 名(7 割:1,07
名が女子)が 50 校の学校で
に勉強しています。
生レベ 授
66
3
開始
生 習
元気
現
生徒
現 合計
既
3
6
20 名の新任教師の育成と 30 名の既存教師のコーチング
今期は新たに開設した学校で指導する 20 名の教師を地域住民から選定しました。そのうち
9 名(約 5 割)は女性です。彼らは基礎教授法・識字・算数・副教科指導法など 4 種類の小
学生指導法に関する研修を受けました。学校運営委員会、教育省の職員、そして CARE の職員
は、毎週、教師の教え方をモニタリングし、教師の指導力が向上するように助言を行ってい
ます。なお、昨年度に訓練を受けた 30 名の教師の指導状況も併せてモニタリングし、全生徒
が良質の教育を受けられるよう、全教師の指導力向上に向けて助言し、励ましています。
「学校運営委員会」60 名(20 の新設校)へ研修を提供し、
既存の委員 90 名のモニタリングを継続
新規の学校運営委員会メンバー60 名(30 名が女性)が 3 月から活動を開始し、毎週例会を
行っています。メンバーは学校が子どもの通学状況を確認した上で、遅刻・欠席のある子ど
もについては、家庭訪問を通じて両親に教育の重要性を理解してもらい、生徒全員が通学で
きるように最善を尽くします。彼らは住民の動機づけ、学校管理、紛争解決に関する研修も
受講しました。また CARE の職員は、第 1 年次から活動する委員会メンバー90 名の活動状況
についてもモニタリングし、1 年間の活動を振り返るリフレッシャー研修を行いました。
Ⅲ 受益者の声と活動の成果
中間試験に、1,492 名の全生徒が合格
言葉 ド
作文 ゲ ム
作 物語 発表 様々 工夫
法 適
結
均 点以 績 中 試験 合
遊 感覚 算数
課外
物 習得
よ
授
生徒
科
平
当事業では、
カー を用いての
や ー を通じて び
で行う
、また
活動では自 の
の
等、
な
をしながら能動的に 事を
できる うな教
を 用しています。 果、50 校の学校に通学する 1,492 名の
全員が全教 について
80
上の成 で 間
に 格しました。
3
子どもの成長と地域社会の変化を促していく
様 履修内容 習得
よ 導
生 中 有 知識 得 彼 生
よ 多様
取 入
例え 保健
喫煙
栄養 ラ
料 方法 導
結 生徒 喫煙
だ父親 親戚
煙 始
生徒 栄養 ラ
料 母親 庭 作
生徒
族 有 知識 広
様 確認
族
改善 よ
よ 更 導 欲 高
コミュニティ運営の学校の教師 50 名は、子どもたちが公立学校と同 の
を
で
きる うに指 すると同時に、 活の で 効な
を て、 らの 活の質を向上できる
うに
な活動を り れています。
ば、
の時間には、
の害や
バ ンス
のとれた 理の
を指 しています。その 果、
から
の害を学ん
・
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禁 を めたり、
から
バ ンスのとれた 理を
が家 で ったりなど、
か
ら家 に 効な
が まっています。こうした 子を
し、教師たちは、子どもの成長
と家 や地域の
を り促していける う、 なる指 意 を めています。
学校の図書コーナーの意義・広がり
み
み
書室 ゲ ム 楽器
取 組み よ 創造
伸
書 ナ
読み 識字
具 保
よ 慮
学校運営委員会は、学校の でなく、学校の図 コー ーの管理も行っています。これに
り、子どもたちの ではなく地域住民も本を
、
能力を向上することにつながりま
した。また、図
では ー ・
・運動用 も 管し、子どもたちが
リ ー
ン
活動にも り
、 り
的な能力も ばせる うに配 しています。
よ
レク エ ショ
コミュニティ運営による学校が、教育省に認可
常に教育省と協力して活動を進めているため、新設の 20 のコミュニティ運営の学校が 6 月
に教育省に正式に認可されました。生徒はこれら 20 の学校を卒業した後、
「小学校認定資格」
を得て、中学校に進学ができます。昨年度に開設した 30 の学校も、同様に、昨年 6 月に教育
省の認可を得ています。
Ⅳ 課題
当事業を開始してから、1,492 名の子どもたちが基礎学力を向上し、生活に役立つ知識を
得て、家族の生活の向上に貢献しています。更に 50 校のコミュニティ運営の学校がある 27
村の人々(約 17,906 名)も教育の重要性を理解するようになりました。今後も、このようなコ
ミュニティ運営による学校を増設し、複数年間継続して運営することが、子どもたちが教育
を受ける権利を守る観点から最も重要です。そのため、日本の外務省ほかからの資金の確保
に加えて、アフガニスタン教育省との連携強化(教科書の無償配布・公立校教師によるモニ
タリング等)など、当事業の拡大と継続への更なる努力が必要となっています。
Ⅴ 今後の活動計画
今後の活動計画
第 2 年度・後期(2012 年 8 月から 2013 年 1 月)の活動計画は、以下の通りです。
* 20 名の新任教師を対象としたリフレッシャー研修の実施
* 生徒の期末試験の実施
* 学校運営委員会、教育省、CARE による合同モニタリングの実施
* 第 3 年度に設置するコミュニティセンター建設のプランニング
*
4
以上
<活動写真>
国語の時間に発表する女の子
パルワンの学校で勉強する子どもたち
学校運営委員と保護者が協力して教室を
教師を対象とした識字指導法研修
きれいにするためペンキ塗りをする様子
教材・文具を配布する様子
5
子どもたちが作ったハンディクラフト
アフガニスタンからのストーリー
コミュニティが運営する学校(
コミュニティが運営する学校(CBS
学校(CBS)の普及
CBS)の普及により
)の普及により、地域社会に良い変化が見えてきています
により、地域社会に良い変化が見えてきています
ケア・インターナショナル・ジャパンは 2011 年 3 月からパルワン州とカピサ州において、Community Based
Schools (CBS)を運営しています。アフガ二スタンの遠隔地では公立学校へのアクセスが悪いため未就
学児童が多数います。そういった子どもたちが勉強できるように、私たちは村人と協力し 50 の CBS を設立
し、1,492 名(うち
名(うち女子
うち女子 1,076
1,076 名)が通学できるようになりました。CBS を管理するのは村人から構成される
学校管理委員会で、学校管理委員会は子どもたちの家庭の問題も解決し、より良い学習環境をつくれる
ように、努めています。
CBS ができてから、村人は教育に関心をもつようになり、良い変化が見えてきました。例としてカピサ州と
パルワン州の CBS に通うビルケスちゃんとラヒラちゃんの事例を紹介します。
「家事と通学を両立できるようになったビルケスちゃん」
カピサ州のビルケス(8 歳)は、頻繁に遅刻や欠席をしていました。心配した
学校運営委員会は家庭訪問をし、両親に話を聞きました。すると、母親が
怒った口調で訴えました。「私はビルケスが通学し始めてから家事を一人で
すべてやっていて、すごく大変です。女の子にとっては、勉強より家事の手
伝いが大切だと思いませんか?ビルケスは学校に行かないで、私の手伝
いをするべきです。」保護者からこういったコメントがあるのは深刻な問題で
あるため、学校運営委員会は会議を開き、どうやって怒っている母親を説
得し、ビルケスが欠席・遅刻しないようにできるか、解決策を検討しました。
会議の後、学校運営委員は再度の家庭訪問をして、まず最初に、イスラム教の教えに関連付け、女子教
育の重要性を分かりやすく両親に説明しました。そして両親が納得したところで、ビルケスが通学して宿
題も行うが、残った時間で母親の家事も手伝うことを提案しました。 学校運営委員が上手に両親に説明
したので、怒っていた母親も納得し、ビルケスが遅刻しないで通学できるように協力すると約束してくれま
した。
「栄養のある献立をお母さんに教えられて、うれしい!」
パルワン州のレヒラ(右写真)は、読み書きができず質素な暮らしを営む家族の
もとに生まれました。父親は路上で絵ハガキを売って生計の足しにしています。
レヒラや家族が食べるのは、たいてい栄養が偏った同じメニューの食事です。
レヒラは家でいつも同じ食べ物が出てくるのを不満に思い、もっと色々な食事
がしたいとずっと思っていました。
ある日、学校で栄養についての授業がありました。色々な野菜を食べることが
体にどういった効果をもたらすか、限られた予算のなかで栄養バランスのとれ
た食事をするにはどうしたらよいかについて先生が講義しました。翌日、先生
が復習のために、栄養について学んだことをレヒラに教室で発表するように促しました。レヒラは「昨晩、学
校でならった料理を家族のために作りました。今後、お母さんも栄養バランスを考えた献立を作れるように、
野菜と栄養について分かり易く説明した絵とノートを残しました」と話してくれました。レヒラの両親は、レヒ
ラを誇りに思っており、「家族に栄養の大切さを教えてくれて、娘に感謝しています」と話してくれました。
以上のように、当事業を開始してから、子どもが通学することの重要性を両親が理解するようになったと同
時に、実際に家庭生活への便益も認識するようになってきています。子どもが学んだ知識を家庭の中で
伝え、実践することで、子どもたちが教育を受けるだけではなく、家族と地域社会全体が変わってきていま
す。今後も、この事業が、子どもたちと彼らの家族、地域社会の発展に貢献できるように、私たちは活動を
継続していきます。
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