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ROEとキャッシュフローによる経営改革
1997 No.437 9 ROEとキャッシュフローによる経営改革 −企業に欠ける資本コスト概念と投資の経済性分析 公認会計士 高田 慎三郎 氏 ●経営環境の歴史的変化−ハイリスク・ハイリター ン時代 現在の日本は明治維新、太平洋戦争に次ぐ「第三 の歴史的大転換期」にあるといわれる。戦時下の官 民協調による経済資源の政策的優先配分(1940年体 制)の下での間接金融体制が、戦後の資金不足下で の経済再建期にもそのまま継続されたが、この体 制は驚異的とも思える成功を収めた。しかし、戦 後の復興期は欧米にモデル(到達目標)があり、日 本全体ではリスクが小さく投資機会が豊富な時代 (ローリスク・ハイリターン)だったから、資金の有 効利用を検討する必要はほとんどなく、その社内 体制もなかった。また間接金融中心で銀行借入が 多く、自己資本比率が極端に低かったから、経営 者は株主を意識する必要はなく、借入利息をカバ ーした経常利益の最大化が経営目標として合理的 な時代でもあった。 1980年代後半の資本自由化により、直接金融体 制に移行し、ローリスク・ハイリターンからハイリ スク・ハイリターンの時代へと経営環境が大きく変 化した。この時期に企業は資金余剰時代への対応 体制、つまり資金を有効に使うノウハウ(資金運用 の効率化機能)を身に付けるべきであった。 資金余剰時代、ハイリスク・ハイリターンの時代 に必要な経営機能は、資金運用の効率化と成長の 持続であり、経営目標は資本効率指標ROE(自己資 本利益率)の向上とキャッシュフローの拡大にあ る。国際基準(グローバル・スタンダード)はROEと キャッシュ獲得能力が評価尺度となっており、国際 会計基準ではキャッシュフロー計算書が貸借対照 表、損益計算書と並ぶ基本財務諸表と位置付けされ ている。 ●必要ROEとしての資本コスト−損益計算書に表 れないコスト 資本コストとは、投資家が要求する最低収益率 主 な 記 事 ◆ユーザ事例 *三井海上火災保険−データ・ウェアハウスを「本部情 報系システム」に活用 (16面) *金沢信用金庫−新情報系システム構築 (9面) *ベルシステム24 −Vantiveを活用しコールセンター・ (必要ROE)である。投資家が、確定利付きの国債で はなく見返りの保証のないリスク資産である株式 を選択するのは、ハイリターン、つまり国債以上の 見返り(配当と値上り益)を期待するからである。 株価の値上りは、長期的には市場の要求する資本 コスト以上のROEを達成した株式に与えられるの であり、必要ROEを達成できない株式は投資対象 とならないために株価は下落し、株式市場で淘汰 されることになる。 従来、時価発行増資の資金コストが銀行借入コ ストよりも低いとの誤った認識が経営者の一部に 存在していた。この場合の資金コストは配当のこ とであるが、投資家が少額の配当のみで満足する はずがないのであって、株価が値上がりせず投資 家のリターンが国債利息よりも低ければ、投資家 は株式よりも確定利付きの国債の購入を選択する のは自明の理である。 ●企業に欠ける財務機能−資金の効率的運用 財務機能とは資金の調達と運用(キャッシュフロ ー)を有効に管理すること、つまり株式・金融市場 から投資・貸付を受けて必要リターン(必要ROEと 配当、支払利息)を返す「資金の調達機能」と、社内 の各事業に資金を有効配分(投資)して必要収益を 回収する「資金の運用機能」である。 1940年体制以後、資金不足の時代が50年近く続 き、しかも戦後の経済発展期は投資機会が豊富で あったから、従来の財務・経理部門の仕事は資金量 の確保(資金調達)のみであって、もう一方の資金 の運用機能が忘れられていた。今後は、将来収益 を生む事業に必要資金を投資できる能力と、必要 収益の回収をチェックする能力が要求される時代 となったことを経営者は認識すべきである。 ●投資の経済性分析−ROEとキャッシュフローの 枠組みを決めるもの ハイリスク・ハイリターン時代の経営において重 サービス事業を積極展開 (7面) *サンライズ貿易−商品先物情報提供サービスを強 化 (6面) * 道情報システム−分散ツールDSmgr+で障害監 視を実現 (10面) 要な点は、将来に向かっての投資が経営の枠組み を決めるということであり、投資が資金運用のポ イントであるということである。ここでいう投資 とは、設備投資のみでなく、研究開発投資、情報シ ステム投資、人材・教育投資など、当面の収益の獲 得には必ずしも必要でない将来のためのすべての 支出を含む広い概念である。 投資の経済性分析は会計手法ではなくキャッシ ュフロー分析(DCF法)で行われる。DCF法とは、投 資の結果として予測されるキャッシュフロー(資金 の収入と支出)を、時間の経済的価値とリスクを考 慮した割引率で現在価値に換算して経済性を判断 する方法の総称である。 キャッシュフローで分析するのは、会計処理に は恣意性が介入する余地があり客観性に問題があ ること、費用・収益は会計の知識を要するのに対し てキャッシュフローは会計の素人でも理解できる ため 経営現場でも検討できることなどがその理由 であるが、逆にキャッシュフローの予測は職人芸 的であり、熟練した判断力と洞察力が必要であると されている。 しかし我が国では、経済性工学(経済性分析の理 論と技術)によりキャッシュフロー分析が理論的に 体系化されており、すでに製造部門においては自動 車業界を中心に、設備投資の経済性検討として実践 利用されている。 従来の財務会計や業績評価会計と比較するとキ ャッシュフロー分析は、過去や現在ではなく将来 に向かっての意思決定であること、期間計算だけ ではなくプロジェクト計算を含むことなど、発想 の視点が従来とは異なるため実践では戸惑われる 面も見受けられる。 しかしハイリスク・ハイリターンに対応するに は、ROEとキャッシュフローによる経営管理体制 の確立が必要とされる時代である。 *住友不動産ホーム−「トータル・ハウジング・シス テム」を構築 (8面) ◆IT最前線 *電気事業の規制緩和と情報システム (12面) *MOSAに基づくMAPPER新製品群 (13面) *電子マネー元年 (14面) *間違いだらけのDSS構築 (15面) ◆News From Unisys *スタディ案内人(Navi)シリーズ販売開始/「イント ラネット・イネーブラ」提供開始 (11面) 特集: CTIが実現する新たなマーケティング展開 ◆日本ユニシスのホームページ=http://www.unisys.co.jp/ 特 集 CTIが実現する新たなマーケティング展開 CTIによる新マーケティングの展開 株式会社野村総合研究所 経営コンサルティング部 主任コンサルタント いまなぜCTIなのか 最近新聞や雑誌でCTI (Computer Telephony Integration)という言葉を目にすることが多くなっ 袖山 欣大氏 扱わない新しい直販商品を販売し、その商品に関す ントの再定義や新商品の開発、部門評価などに応用 る維持管理業務をコールセンターを使って行うこと していく。 などが可能となる。 このように、顧客を中心とした営業系システムの (3)Multiplicity 統合化を全社レベルで実行していこうというのが た。CTIは単に電話とコンピュータの融合技術の総 これは顧客への接触チャネルの多様化を指す。す CAM(Customer Asset Management)や ECRM 称であり、その言葉自体は20年以上も前から存在 なわち、従来営業社員のみが顧客への対応窓口であ (Enterprise Customer Relationship Management)と呼 し、決して新しいものではない。それが最近とみに ったものを、それ以外のチャネルに広げていこうと ばれている考え方であり、これを実現するソフトウ 話題となっているのは、2つの理由がある。 いうものである。 ェアはCIS(Customer Interaction Software)と呼ばれ 1つは、この技術が企業活動、とりわけ営業やマ CTIを使うことにより、営業社員ではコンタクト ーケティングの分野の課題解決に対して非常に有用 することのできないセグメントの顧客をコールセン CISは非常に成長率の高いアプリケーション分野 なソリューションを提供することが認識されてきた ターを営業窓口として囲い込んだり、営業社員に会 であり、VantiveをはじめとするCISベンダは高成長 からであり、もう1つは技術進歩や規制緩和によっ わなくても済む用件をコールセンターで受けて営業 を続けている。 てCTIを使ったシステムを構築できる環境が整った を効率化し、その対応履歴をコールセンターと担当 からである。 営業が共有することで、顧客に対して両者が同じ質 営業・マーケティング分野で有効な ソリューションを提供 ている。 「いかに日本的風土に適合させるか」が成功への の対応を行うことが可能になる。 シーズ面でも規制緩和やCTI技術の一般化が進ん コールセンターなど、CTI技術を使ったアプリケ でいる。98年の早い段階から全国的に実施される ーションは、日本は米国に比べてはるかに遅れてい 現在、営業・マーケティング分野でのキーワード 予定の発信者番号表示サービス(発IDサービス)によ る。米国ではすでに企業戦略の中にコールセンター を挙げると、次の3つに集約される。CTI技術は、 り、かかってきた電話からの顧客の特定がより容易 が有力なツールとして位置づけられており、現在興 これらに対し有効なソリューションを提供している。 になる。 味の中心は技術面での優位性や、よりコスト効率を (1)Mass customization また、マイクロソフトやノベルなどのベンダ主導 これは、より多くの顧客に対してカスタマイズさ れた商品やサービスを提供することを意味する。 これを行うためには個々の顧客(個客)のニーズ 上げるためのインターネット・コールセンターや、 でTAPIやTSAPIと呼ばれるCTI用のアプリケーショ 顧客対応の質をより向上させるためのコール分析ツ ン・インタフェースが標準化されてきており、CTI ールに向かっている。それに対し、日本ではまだコ を実現するためのコストは急速に下がっている。 ールセンター運営そのもののノウハウが確立されて と、企業にとってのその個客の重要性をできるだけ いる企業さえ少なく、一部の先進企業を除いて戦略 顧客をキーにして営業系システムを統合化 事前に判断し、適切な担当者が効率よく対応しなけ との融合はまだこれからというのが現状である。 ればならない。 日本企業において、米国のCTI技術の動向や、そ 営業担当者が直接対応しなければならない重要顧 図にCTIを使った営業系システムの例(製造業向 客を除けば、あとは組織としていかにさまざまな顧 け)を示す。このシステムは、顧客や商談、商品・技 行指標として参考になることは間違いない。ただし、 客の情報をシステマチックに収集・管理し、それに 術などの情報を集中管理する営業フロント・システ 注意すべきことは、米国におけるCTIの流れや企業 基づいて適切な対応できるかが重要となってくる。 ムを中心に、大口顧客には担当営業が直接モバイル 戦略が、即日本に応用できるとは考えないことであ 最近では、顧客の企業にとっての関係をそのデモグ 端末をもって営業を行い、マス顧客はCTIを使って る。 ラフィック(属性:趣味や家族構成など)から判断す コールセンターが効率よく顧客の対応を行うもので るのではなく、トランザクション(取引履歴やコン ある。 れを使ったマーケティング戦略の事例は、日本の先 米国の事例の中では、よくローコストでシステマ チックなコール・ハンドリングや、集まった顧客情 タクト履歴など)から行うようになってきた。この 営業フロント・システムからの受注情報や引き合 報の分析・利用の側面が強調されているが、これは 意味からも、組織的に顧客との接点履歴を収集でき い情報は、生産・購買部門から参照可能なほか、コ 米国のように電話に対して心理的障害がなく、人件 る仕組みを持っている企業が競争優位を得られる可 ールセンターで答えられないような技術的な内容 費・システム費用の合理化が絶対正義であることが 能性が高くなってきている。 は、テクニカル・サポートに対応画面ごと転送され 前提になっている。 CTI技術を使うことで、顧客との接点である受注 るようになっている。最終的にはこれらの顧客対応 これに比べ、日本ではそれ以前に、まず有望顧客 窓口やカスタマー・サポートなどのコールセンター 情報をデータ・ウェアハウスに蓄積し、顧客セグメ にいかに電話をかける気を起こさせるかがまず最初 において、かかってきた電話から顧客を 特定し、その過去の取引履歴などから顧 SFA 客の重要性やニーズを判断して適切なオ ペレータが対応したり、顧客との対応状 況を記録した画面ごと他のオペレータに セールス ダウンロード (Mobile) アップロード 商談 顧客 とが可能となる。 (2)Disintermediation CTI これは中間の排除、すなわち顧客と企 業との間をできるだけ簡素化し、顧客の ものである。ここでいう「中間」とは、生 マス 顧客 また、かかってきた電話から適切な顧 営業フロント・システム 訪問 大口 顧客 電話を回して、スムーズな対応を行うこ 顔が直接見えるようにしていこうという に問題となる。 CTIを用いた営業系システム 技術 客ニーズを引き出すことは、日本語の言 大口需要動向 受 注 処 理 シ ス テ ム 語そのものの曖昧さもあり、意外に難し 生産・購買 反発も予想されるため、効率化の切り札と 受注内容 するためにはもうひと工夫が必要である。 しかし反面、日本では定着率のよい正 社員を使ったきめ細やかな対応が可能な ほか、カスタマー・サポートなどでは、イ 引き合い 受注担当 商品 ンターネットなどの他メディアに積極的 商品情報 テクニカル サポート 問い合わせ 損保であれば代理店、製造業であれば販 自動転送 社や問屋など、顧客との間に介在する組 織のことを意味する。 関するニーズを吸収したり、代理店では 2 1997年9月1日第437号 に情報を流すことで顧客の「自習」を促し、 結果として効率のよいコールセンター運 営が行える可能性もある。 このように、今後は米国で発展してき CTI技術を使うことによって、たとえば カスタマー・サポートから顧客の新製品に い。自動音声応答に関してはまだ根強い SFA=Sales Force Automation マーケティング データベース データ・ウェアハウス たCTI技術をベースにしながら、それをい かにうまく「日本的」に解釈して定着でき るかが成功の鍵となると考えられる。 UN ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 ユニシスが提供するCTIソリューション 日本ユニシス株式会社 ソフトウェアビジネス部 CTIソリューション室 部長 ●電話サービス機能 CTI製品の位置づけ PBXが持つ主な電話サービス機能を次のように整 CTI(Computer Telephony Integration)は狭義には、コ ンピュータによるPBXの制御技術と理解されるが、 佐々木 健夫 Unit)との連携機能 IVRはオペレータが顧客との会話において、受け 理してみることができる 答えが定型的な会話をコールフロー(簡易なGUI機能 ①転送サービス で登録)とともに音声応答装置に音声メッセージを 広義にはこの技術を用いて構築されたコールセンタ 自動(着信)転送、不在転送、話中転送、応答遅延 登録しておき自動会話機能を提供する。オペレータ ーやUnified Messaging、さらにその上位に位置づけ 転送、特定呼転送(ISDNの相手による転送) の負荷軽減、24時間対応など活用の範囲が多い。 られるヘルプデスクなどの業務システムまでも含め ②会議通話サービス る場合がある。 ③自動呼配分(ACD機能を活用し、着信呼を内線に ここでは、狭義のCTIと密接に結びついたコンピ ュータとの連携技術について述べる。 ⑤PBXに関する統計機能の提供 インターネットとの連携機能 均等配分する) ④その他のサービス ピックアップ・サービス、コールバック・サービス、 PBXの回線交換機能、電話サービス機能 キャンプ・オンサービス、指定時間呼び出しサー を行っており、この情報を見た顧客からの問い合わ ビス、キャッチ・ホン・サービスなど せに関し、1つの仕組みを作ることができる。 コンピュータ、特にデータベースとPBXとその電 話サービス機能の連携によりプロフィット性の高い コールセンターを構築することができる。 顧客が必要な情報(顧客番号、電話番号など)を入 CTIサーバの機能 (図1) 図1 コンピュータ・ネットワークと電話回線ネットワークの結合 各企業はインテーネットを活用して各種情報提供 力し、ホームページ上で設定した“Call Me”ボタ ンを押すことによりWebサーバからCTIサーバを経 CTIサーバはPBXの制御系インタフェースを介し て接続され、そのソフトウェアで交換機能を制御す 由し、その顧客に発呼しオペレータと会話をするこ とが可能となる。 る。その他の各種付加サービス機能をミドル・ソフ Internet これらのソフトウェアはPBXの機能と依存度が高 AP DB サーバ CTIサーバ く各社独自のソフトウェアとなっているのが現状で PBX ある。 ●各種の付加機能 ・ ・ ・ ・ 公 衆 回 線 網 業務処理部分でのOAシステムとの連携 トウェアと連携し実現しているものがある。 Webサーバ LAN CTI クライアント DDE IVR オペレータ オペレータ オペレータ ACD Vantive クライアント 以上、CTIと密接に結びついたコンピュータとの ①PBXの回線交換機能の制御 連携技術について述べてきたが、ハードウェア技術 ②CTIクライアント・ソフトウェアと連動し、情報/ の進展により、PBXの機能のほとんどは1枚のハー データの授受を行い、次のような機能を実現す ドウェア・ボードとミドル・ソフトウェアの連携で実 る。 現できる状況であり、規模・目的に応じて製品選択 *Screen Popup機能 (IVR:Interactive Voice Response, ACD:Auto Call Distributor) 業務処理部分でOAシステムと連携し、電子メー ル、FAXなどを活用し各種情報提供を行う。 の幅が大きくなってきている。 顧客からの電話の呼の転送とともにオペレータ 日本ユニシスの対応 のPC上に該当する顧客情報などを表示する。 PBXの主な機能は、局線(1次局、2次局)接続イン *Call Back機能 タフェース部分と、局線と局線間を接続するスイッ 顧客の会話の途中で、Call Back要求があった場合 チ機能部分、その他の機能部分に大きく分けること などに、指定された電話番号に発呼する。 ができる。 *PreView Dialing機能 日本ユニシスでは小規模コールセンター向けの CTIソリューションとしてWindowsNTサーバ上に PBX、ACD、IVRなどの対応ハードウェア・ボード ●回線交換機能 オペレータが顧客に発呼する場合、事前にその とミドル・ソフトウェア群を組み合わせて実現した ①局(1次局)線インタフェース部分には次のものが 顧客に関する情報を確認した後、発呼する。 CTIサーバとCAMを実現するアプリケーション・パ ある *Predictive Dialing機能 ッケージVantive Enterpriseとを連携したCAM plus CTI *アナログ局線、アナログ専用線インタフェース 顧客リストとオペレータの空き状況を見て自動 ソリューション・プロダクト「Tiny Call Center」 *デジタル専用線インタフェース 的に順次発呼し、応答のあった呼をオペレータ (図2)の提供を計画している。 *ISDN局線インタフェース に転送する。 *パケット網インタフェース ②局(2次局)線インタフェース部分の主要なものに は次のものがある *アナログ電話機インタフェース *アナログ多機能電話インタフェース *デジタル多機能電話インタフェース *ISDN内内線インタフェース *コンピュータ・インタフェース *中継台インタフェース ③デジタル・スイッチ(局線と局線間の接続を行うス イッチ機能) *Power Dialing機能 顧客リストより自動的に順次発呼し、応答のあ 性に富んだシステムとして製品化を進めている。 UN った呼をオペレータに転送する。 図2 小規模CTI構成図(Tiny Call Center) 顧客リストより順次、発呼する。 Internet *Soft Phone機能 Webサーバ コンピュータ上に実現したソフトウェア電話。 Vantive サーバ ③発信者番号通知サービスとの連携 NTTが今年度中に開始するサービスで、このサー CTI サーバ ビスとScreen Popup機能を併用することにより着呼 と同時に顧客を特定することが可能となり、オペレ ータの効率的な会話が可能となる。 *局線間の接続の仕方などを制御、統計情報を蓄積 ④PBXの付加装置との連携 *ACD(AutoCall Distributor)機能 ⑤付加機能の部分 呼着信時、オペレータを自動的に選択(選択のロ *音声蓄積装置、音声応答装置、FAX網インタフェ ジックは事前登録)する機能。 ースなど にも対応するための拡張機能も配慮しており、柔軟 *Progressive Dialing機能 ④制御系のインタフェース部分 するコンピュータへの接続 これはコールセンター・ネットワーク規模の拡大 ・ ・ ・ ・ 公 衆 / 回 線 網 PBX LAN CTI クライアント DDE IVR ACD オペレータ オペレータ オペレータ Vantive クライアント *IVR(Interactive Voice Response) 、VRU(Voice Response 3 特 集 CTIが実現する新たなマーケティング展開 ユニシスのUM(ユニバーサル・メッセージング)技術 日本ユニシス株式会社 サーバシステム部 UMSプロジェクト 部長 ユニシスのユニバーサル・メッセージングへの関わり 川嶋 正捷 たり、不在であったり、機器が故障していた場合に 人には、外出先でしかも自分の都合のよい時に電子 は当然通信はできない。忙しい人とか社外で働く人 メールにアクセスができる。また、3つの変化とは ユニシスがUM(Universal Messaging)技術に最初に にとって、必ずしも時間効率が良いとはいえないの サーバに対する指定を変えることにより実現され 関わったのは、いまから10年以上も前に遡る。 が同期通信のあり方である。図1に示すように非同 る。1つは到着通知をさせない指定も可能なこと。 AT&Tが6つの地域電話会社に分割された後、 期通信では、通信相手との間に必ずサーバと呼ぶコ 顧客と商談中に呼出しベルが鳴るのは困りものであ NYNEXやPacific Bellが加入者サービスのために考案 ンピュータが介在し一時的に通信相手の代行をして る。2つ目はメールの内容を指定するFAX装置に出 したのが、音声メール、特番サービスなどの音声サ くれる。 力させることも可能。3つ目は在席している場合に ービス商品である。ユニシスは、これらの地域電話 したがって、送信者はサーバのメールボックスに 会社と共同で音声サービス商品を開発したのがUM メッセージを残して通信を一時終了するが、受信者 技術への関わりであった。IVR(Interactive Voice はサーバからメッセージが届いたり、または定期的 Response)と呼ばれるコンピュータによる音声応答機 にサーバの中のメール・ボックスを覗くことで最終 能、音声蓄積・音声メール機能を開発し、電話事業 的にメッセージのやりとりを完了できる。 者に提供した。ユニシスはこれをNAP(Network は自分のPCのCRT画面に到着通知を表示させ、メ ールの転送を指示することができる。 メーリング・サービスの多様化に対応 2点目は「メーリング・サービスの多様化」である。 性質の異なるメディアの統合を目指すUM Application Platform)と命名し、今日のUM技術の基礎 を築き上げることになった。 UM機能は、音声メールを電話機で聞いたり、メッ セージを追加して第三者に転送するなど音声メール NAPで音声・FAXメールの発展に寄 ユニシスが、過去に培ってきた音声メール・FAX 本来の機能を利用して、FAXメールを所定のFAX装 メールの技術に、電子メールの良さを統合した新し 置に出力することはもちろんのこと、PCで音声メ いサービスを提供する機能がユニバーサル・メッセ ールを聞くことも、またFAXメールをCRT画面に表 音声メール機能は、その簡便さと話し手の微妙な ージング(UM)機能である。そして、このUM機能を 示して確認することも可能である。さらには、音声 ニュアンスまで相手に伝わる特性が認められて他の 提供するシステムをUMSと呼んでいる。UM機能を やFAXを電子メールに添付して相手先に送信するこ 通信業者も次々に導入を始めたが、同業の通信事業 簡単に表現すると「まったく性質の異なるメディア ともできる。 者の要望によりFAXメール機能もNAPに取り込み、 (音声、FAX、電子メール、イメージデータ)を一元 図2を参考に、一元化と統合という意味を再度確 より充実した商品へと機能拡張を行った。今日では 化し、統合すること」を目指している。そして、私 認してみる。一元化とは、それぞれのデータをデジ アメリカ合衆国をはじめ、ヨーロッパ、アフリカ、 達の身の周りにある機器(電話機、FAX、PCなど)を タル化(一元化)してサーバ内に蓄積することを意味 東南アジア、南アメリカ諸国の26カ国56ユーザがこ 使って、自由に必要なデータにアクセスするために、 する。また、統合とはユーザが望むアクセス手段 の機能を享受している。ユニシスにとって幸いした UMサーバと呼ぶ機器はデータの蓄積、配信、変換、 (電話機やPCなど)に応じた形にデータを変換・加工 ことは、より多くの電話加入者に利用されたことに 認識などの機能を実行する。UMSの良さは1年365日、 しユーザにメディアの持つ特性を意識させないこと よって、基本ソフトウェアVNMS(Voice Network 1日24時間“いつでも、どこでも、しかも単一の機 を意味する。 Management System)の信頼性の向上やアプリケーシ 器で”すべてのメディア・データにアクセスが可能 ョン・プログラムUVMS(Universal Voice Management な点にある。 System)の充実に寄与すると同時に、膨大なノウハ ウを蓄積でき、開発ツールやシステムを支える管理 ユニシスの提唱するユニバーサル・メッセージン グ機能はこうした各種メディアを一元的に管理し、 近々、リリース予定のUM 1.5の機能を例にとり、 融合させることと定義づけることができる。 具体的な使用例を1、2点紹介してみる。 今後の計画 ツールの開発を促したことである。これは音声メー 便利な「テキスト・ツー・スピーチ」機能 ル・FAXメールの分野におけるユニシスの先進性の 今後のUM機能には、OCR機能、音声認識機能さ 現れと信頼の証にほかならない。 同期通信と非同期通信 1点目は「テキスト・ツー・スピーチ」機能。Aさん らには自然言語認識機能の取り込みを予定してい は電子メールを受け取ったが、Aさんは例のごとく る。UM上で音声認識機能が実現すると、電話番号 外出中である。Aさんはサーバにメールが到着した を音声でダイヤルするとか、コンピュータの入出力 ユニシスが音声メール・FAXメールを開発してい 場合、自分の携帯電話へ転送する指定をして外出し 機器を音声で制御するとか、音声による受注・発注、 た時期を同じくして、一方ではインターネットによ たので、サーバはAさんの携帯電話に電子メールが 情報検索、ホテル予約、座席予約などさまざまな用 る電子メールが瞬く間に普及した。非同期通信とい 到着したことを通知する。Aさんは自分の暗証番号 途の広がりが考えられる。さらには、EC/CALS機能 うものの便利さ、時間資源の効果的な活用によるビ を入力(Aさんを確認)して、電子メールの読み上げ の開発を計画し、文字データの統合までも包含して ジネス効率の高さが認識された一面もある。この非 を携帯電話で聞くことができる。 いく予定である。こうしたUM機能が広く普及する 同期通信に対して、同期通信とは通常の電話機や この機能には、1つのメリットと3つの変化が可能 FAXの場合には、必ず通信相手を呼出した後に通信 である。メリットとは、音声メールと同じ簡便さを を開始することをいう。しかし、相手が話中であっ 享受できることである。Aさんのように外出の多い 図1 同期通信と非同期通信 同期通信 非同期通信 機能ボックス 電話機 電話機 (PDC、PHS) 蓄積 サーバ FAX FAX 変換 FAX 同期通信は、通信相手と直接に会話、 通信を行う。 4 1997年9月1日第437号 電子メール サーバ 電子メール 非同期通信は、サーバがメッセージ蓄積機能を 有し、間接通信を行う。 電子メール 機能ボックス 認識 分解 電話機 FAX FAX UN 随分と変わってくることだろう。 図2 データの一元化と統合 電話機 電話機 と、私達の生活様式も、会社のビジネスのあり方も 検索 変換 一 元 化 電話機 (PDC、PHS) 組立 転送 FAX 添付 合成 電話機、電子メールなどのアクセス手段と機能ボックス内の機能は任意に選択され、 電子メール>電話機、FAX>電子メールのようにメディアが統合される。 電子メール ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 ユニシスのコールセンター構築に対するアプローチ Customer Asset Management CAM plus CTI 日本ユニシス株式会社 ソフトウェアビジネス部 CTIソリューション室 担当課長 顧客中心主義のCustomer Asset Managementの構築 サービス・リペア支援システム。 渡部 弘毅 CAM plus CTIを実現する例 ④Vantive Quality 企業がコールセンターを構築する目的は、顧客サ 顧客からの指摘があった欠陥や苦情に関するトラ 自動車販売会社が新モデルの車を発表し、新聞広 ポートの充実やOne to oneマーケティングの実践に ッキングをエンジニアリング部門に回し品質向上を 告に掲載したとする。新聞にはパンフレット希望の おいて効果を果たすことである。したがって、その 図るシステム。 コール先としてコールセンターの電話番号が記載さ 目的達成のために最も重要なことは顧客情報を中心 ⑤Vantive Helpdesk れている。 としたデータベース・アプリケーションを作成する ことであり、CTI技術を導入することではない。こ 興味を抱いたお客様がコールセンターに電話をし 社内従業員からの各種問い合わせなどを支援する てくる。この際、すでに取り引きのあるお客様であ システム の顧客中心システムの構築において、米国において 各アプリケーション・モジュールが顧客や製品情 ればそのオペレータはその顧客情報をPC画面に表 注目を集めているビジネス・テクノロジー戦略が 報などを共有し、顧客中心の業務プロセスの実現を 示させてOne to oneの対応が可能となる。顧客情報 Customer Asset Management(CAM)である。 可能としている。コールセンターという観点でみる をすばやく取り出す技術としてCTI技術、たとえば と、Vantive SupportとVantive Salesが使用される。 発信者番号表示認識技術や音声応答技術が使用され CAMとは顧客を企業にとっての資産と考え、そ る。 の価値を増やすために部門を超えて取り組もうとい う考え方であり、CAMを実現することにより、顧 CAM plus CTIを実現するコールセンタ 次にオペレータはあらかじめ用意されているアン ケートをお客様に回答していただく。本アンケート 客を獲得すると同時に優良顧客化し1人の顧客から より多くの利益を享受することができるというもの である。 には回答内容による点数づけがあり、お客様の購買 企業がコールセンターを構築する目的は、顧客サ 意欲をシステムが自動判定できる。 ポートの充実やOne to oneマーケティングの実践に CAM構築を支援するVantive Enterprise そして、このCAMを構築するソリューション・ア おいて効果を果たすことである。そのためにはコー パンフレット送付を約束して電話を切り、コール ルセンターを顧客中心システムの中の1つの機能と 情報を保存する。すると、ワークフローの機能によ 位置づけ、拡張性のあるインフラ作りが必要となる。 り資料送付担当へ、この顧客情報とともに仕事が引 (1)顧客のライフサイクルの広がり き継がれる。またアンケート結果により、システム プリケーションで注目されているのがVantive セールス・リード(照会)を獲得することや受注を が有望と判断した顧客の情報はやはりワークフロー Enterpriseである。Vantive Enterpriseは米国Vantive社が 受けるだけの単一目的を対象としたシステム化では の機能によりセールス・マネージャのもとに、セー 開発したソフトウェアで、現在本分野で最も評価の なく、顧客のライフサイクルすべてにわたって対応 ルス案件フォローの仕事として引き継がれる。営業 高い製品であり、ワールドワイドで350社以上の実 できるコールセンターのインフラ作りが必要とな マンはSales Force Automationシステムに導かれなが 績がある。Vantive Enterpriseは次の5つのアプリケー る。そのためには統一された顧客情報を顧客のライ らセールスを進めていく。 ション・モジュールによってCAMを実現しようとし フサイクルに合わせて引継ぎおよび情報共有できる ている。 仕組みが必要となる。 (図1参照) 図ると容易に実現できる。 また、セールス部門から顧客サポート部門への顧 (2)企業の対応組織の広がり ①Vantive Support (図2参照) 本例は、Vantive Salesを中核としてシステム化を 顧客からの各種問い合わせ・回答をスピーディか コールセンターは顧客中心システムの1つの機能 客情報と仕事の引継ぎもVantive Supportの適用によ つ確実に実施するためのカスタマ・サポート/サービ である。したがってコールセンターで得られた情報 って可能となり、Vantive Enterpriseを活用すればセー ス・システム。 を他の部門(逆もしかり)へ業務とともに引継ぎがで ルスの始まりから顧客サポートまでコールセンター ②Vantive Sales きるインフラを作成しておく必要がある。 を含めた一貫した業務システムの構築が可能とな キャンペーン管理やセールスの照会・商談管理な る。 コールセンターのみのシステム化に注力すると、 どセールス・フォース・オートメーション・システム。 顧客中心システムの拡張性がなくなる危険性が出て コールセンターを、顧客中心システムの1つの機 ③Vantive Field Service くる。CAMの考え方をもとにコールセンターを構 能と位置づけ、CAM plus CTIを実現することにより 築するとインフラとしての拡張性が出てくる。 可能となるのである。 技術者を派遣する業務に焦点をあて、オンサイト 図1 Vantive Enterprise UN 図2 コールセンターを活用したチームセリング・モデル例 ‐CAMを実現する5つのApplication‐ スタッフ部門 お客様 Vantive Support Vantive Quality 外部顧客からの各種 問い合わせ受付用の カストマ・サポート/サ ービス・システム ソフトウェアのソー スコード・コントロー ルを含む一元管理シ ステム Van ti Va d V a nti v e H e l p 社内ユーザを対象と した ITイン フ ラ な ど のヘルプデスク用途 Vantive Enterprise antive Sale V s antive Supp or V t uality Q ve Vantive Helpdesk 販促ツールの送付 nt es k iv eF v i e l d S er 資料送付担当 商品に興味 ic e Vantive Sales キャンペーン・マネジメン ト、コンタクト・マネジメ ントなど、セールス・フォ ース・オートメーション機能 Vantive Field Service サポート・データベース と連携し、 オンサイト・サ ービス、 リペアなどにフォ ーカスしたシステム スクリプト 自動ワークフロー 電話問合せ 興味なし セールスリード (照会)の作成 購買意欲 有望 コールセンター 会社 地域 契約 営業部門 個人 購入履歴 問合せ履歴 営業マン データ保存 自動ワークフロー (ノーティフィケーション) Sales Manager エスカレーション 商談管理 Customer Asset Management 5 特 集 CTIが実現する新たなマーケティング展開 サンライズ貿易 商品先物情報提供サービスを強化 音声/FAXサービスを活用 サンライズ貿易では電話系システムとコンピュー 銘柄ごとのチャート、市場ごとの約定値段一覧表、 タ・システムを連携して国内/海外の先物市場の約定 市場ごとの市況解説、ニュース&トピックスなどが 値と市況解説を音声とFAXで提供する「音声/FAXサ 用意されている。 ービス」を昨年12月1日から開始している。 (4)口座照会FAXサービス この情報提供サービスの仕組みは下図に示すとお りである。 国内/海外の相場情報は、複数の情報ベンダー、 サンライズ貿易本社、同社シカゴ支社などの多様な 本システムはユニシス音声応答システム(NAP)を 会員の取引口座の残高照会要求を電話で受け付け ベースに開発されたもので、同システムの活用は情 て、その要求に基づく残高情報をサンライズ・コン 同社の情報提供体制の特徴は、質・量ともに、豊 報提供の充実を通じて、新規お客様の獲得や既存お ピュータセンターからお客様が指定したFAXへ出 富な情報をリアルタイムに、しかも市況解説付き 客様への満足度向上に資する同社情報戦略の一環を 力する。同サービスの利用には、会員番号とパスワ で24時間提供し、お客様が簡単に利用できるとこ 成すものである。 ードの入力が必要で、これによりセキュリティが確 ろにある。 ルートから最新情報がリアルタイムに入力される。 保されている。 競争のポイントは提供情報の質とスピード 情報提供サービスの充実を差別化戦略の中核に 情報提供サービスの特徴 サンライズ貿易は、貴金属、穀物、砂糖、繊維、 ゴムなどの先物取引の委託売買およびこれらに関わ る情報サービスなど行っている企業である。 「金融ビックバンに象徴される このサービスは5カ年事業計画の中の情報サービ 情報提供サービスの特徴は次のとおり。 ス体制の確立の一環として開始されたものである。 (1)国内全取引所の商い銘柄のすべてを網羅 「その狙いとするところは、お客様サービスに徹 国内の全取引所で実質的に商いされている全銘柄 する情報戦略こそが、他社との差別化を図り、競争 規制緩和、自由化の流れは当業 を網羅して、約定値と市況解説を提供している。 が激化する中で勝ち抜くための有力な武器となると 界も含めて避けて通れない状況 (2)充実した海外市況解説の提供 考えているからである。今回の音声/FAXサービス となっており、今後優勝劣敗の はその第一歩であり、今後も企業理念に掲げている 海外市場もほぼすべてを網羅し、米国情報は現地 激しい競争が予想される。それ シカゴから情報を直接入力している。 ファイナンシャル・アドバイザーとして価値ある情 に勝ち抜くには『お客様一人ひ (3)24時間サービスの実現 報の提供に徹せられるように、本システムをさらに とりのファイナンシャル・アドバ 本サービスの実施にあたり、ユニシス音声応答シ イザーとして常に価値ある情報 ステム(NAP)によるアウトソーシング・サービスを を提供し、豊かなライフプラン 関根 達郎氏 長)。 なお、約定値/市況解説音声サービスは、無料で 利用し、24時間サービスを実現している(ただし毎 づくりのお役に立つ企業を目指す』という企業ポリ 月第2日曜日と第4日曜日は、システム保守点検の シーを貫くことにある。 ためサービスを休止)。 その実践のために、同社では時々刻々と変化する 前進させていきたいと考えている」(関根取締役部 提供しており、その利用方法は簡単である。 『(**)****-****』をダイヤルし、音声ガイダンス に従って操作すれば初めての人でも利用できる。有 なお、ユニシスのアウトソーシング・サービスを 商品情報や価格情報をリアルタイムに収集・分析し 利用した狙いは、 効な情報が入手できるとあってアクセス件数は増 て、高精度な情報としてお客様に提供する情報系シ *自社運用に比べ初期投資コストを削減できる え、月々3万件以上利用されている。 ステムの整備充実を進めており、今回のCTI技術を *NAPは大手チケット販売会社の音声応答に活用 応用した音声/FAXサービスもその中の1つの試みで ある」(サンライズコンピューターセンター取締役部 長 関根 達郎氏)。 ■株式会社サンライズ貿易 ◆上場商品の先物取引の委託売買、商品ファンド、オ プション取引、純金積立および現物取引を行ってい る商品先物取引企業。 ◆本社=東京都豊島区高松1-1-11 ◆代表者=北山 明代表取締役 ◆従業員数=482名 ◆関連会社=㈱サンライズコンピューターセンター ◆使用機種=A14-321(業務系ホスト)、A14-D11E(情報 系ホスト)、A11-411(開発/バックアップ機) されるなど実績がある *ポート数と処理量による従量制料金で拡張に気を 配る必要がない *東京以外にサービスを拡張するときユニシスのネ 多彩な情報を音声とFAXで提供 ットワークを活用できる などを挙げている。 今回提供を開始したサービス概要は次のとおり。 UN 音声/FAX情報サービス・システム概要図 (1)約定値音声サービス 国内/海外の相場情報をもとに各商品単位/限月単 定値を音声情報として提供するサービスである。 音声による約定値情報は、各情報ベンダから配信 ㈱サンライズ貿易 シカゴ支社 海外相場情報入力 ㈱サンライズ貿易 本社 位(先物取引の売買約定を最終的に決済する日)の約 FAXボックス情報入力、会員マスタ登録 会員マスタ登録 A14障害時相場情報入力 複数の情報 ベンダー 海外市況解説(音声) 市況解説(音声)入力 されるデータを音声に変換しているので、FAXに よる情報に比べて、よりリアルタイム性が高い情報 を提供できる。 A14-D11E 相場 ファイル A14-321 A18-422 FAXボックス 口座照会 2200/403 FAXボックス 口座照会 FAXボックス ログ (2)市況解説音声サービス 各商品を同社独自にグルーピングしてグループ単 相場DB 相場DB 口座DB 位の市況解説のコメントを音声情報として提供する 会員マスタ 照会情報 照会情報 サービスである。国内市況では貴金属、大豆・トウ 音声システム アプリケーション VOICE ファイル FAXSP NAP 会員マスタ サンライズコンピューターセンター 産物、アジア市場農産物、経済指標などの市況解説 NIU 相場照会 が聞ける。 ∼ (3)約定値/市況解説FAXサービス 上記と同様に国内/海外の相場情報をもとに各商 品単位/限月単位の約定値やグループ単位の市況解 説コメントをFAX情報として提供している。 主なメニューとしては、国内/海外の先物市場の 6 1997年9月1日第437号 FAX ボックス U-MS/FAX モロコシ、小豆・繭糸など、海外市場ではシカゴ穀 物、ニューヨーク石油、ロンドン非鉄、北米市場農 U-MS/PC FAX ボックス FAXボックス ログ FIS ユニシス・アウトソーシングセンター 日本ユニシス情報システム㈱ NIU:ネットワーク・インタフェース・ユニット FIS :ファクシミリ・インタフェース・システム 音声サービス 口座問い合わせ お客様 FAX情報サービス 公衆回線網 東京×8 U-net網 東京×2 大阪×2 ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 ベルシステム24 Vantiveを活用し コールセンター・サービス事業の積極展開を図る One to oneマーケティングを事業の根幹に据える CTI活用のポイント「データベー ベルシステム24は、1対1の対話型マーケティング CTIを効果的に活かすためのポイントとして、山 という新しい概念を武器に、24時間、365日、企業 田氏は次のような点を指摘している。 と顧客の多様なニーズに応え、急成長を遂げるテレ *使用目的を明確にする マーケティングのトップ企業である。 CTIは規模、内容、目的によっていろいろな使用 コミュニケータ対応風景 同社は、電話やFAXなどの情報メディアを駆使し て販売促進や市場開発に関する情報あるいは顧客情 形態が考えられる。銀行のテレホン・バンキングの *顧客データベースとの結合 ように目的が明確な場合に最も効果を発揮する。 報を収集し、それらをクライアント企業のマーケテ One to oneマーケティングの要となるのは、顧客 CTIは見込み客の開拓から顧客の維持管理に至るマ ィング活動のために提供している。最近急速に伸び データベースである。Vantiveは既存の顧客データベ ーケティング・プロセスに対応した形で活用すべき ている通信販売の受注受付や移動体通信分野などの ースとの連携機能が優れている。また、データベー である。 “すべてをコールセンターで”ではなく、 顧客管理業務などへ事業を拡大し、テレマーケティ スの整備は進んでいるがカスタマー・サポートの仕 時には人が直接対応する必要があることも念頭に入 ング企業No.1の地位を不動のものにしている。 組みがないといった企業にも適用しやすい。 れておくべきであろう。 *現場での開発に適したツールが充実 *データベースを整備・充実する 同社では、One to oneマーケティングを事業展開 の根幹に据えている。顧客(消費者)のニーズは多様 コールセンターは企業の方針やマーケティング戦 一番重要な点がデータベースの整備である。顧客 化し、すでに「十人十色」を越えて「一人十色」の時代 略、プロモーションなどの変更や改善に迅速に対応 とのコミュニケーション履歴など十分なデータの裏 となり、企業もそれに対応したマーケティング戦略 して、仕組みを自在に発展させていく必要がある。 づけがないと、CTIは充分な効果を得られない。企 をとらねばならない。その戦略の根幹は、消費者の そのときツールが現場で柔軟にカスタマイズできる 業によってはデータベースを全社用、営業用といっ ニーズを個別に捉え、企業と個人が、コミュニケー かどうかがポイントになる。Vantiveには豊富なオブ た形で分散して保有しているケースも多いが、統合 ションを適切にとり合える体制づくりにある。同社 ジェクトが用意されており、現場での変更・改善が データベースを整備することが重要である。 では、これをマーケティング・パラダイムの転換と 迅速に行える。 *各種のメディアの統合化を図る 捉え、「大量生産・大量宣伝・大量販売によるマーケ *豊富な実績 ットシェア獲得」から「One to oneマーケティングに よるカスタマーシェア獲得へ」を目指している。 たとえば顧客の履歴データも、電話、FAX、パソ アメリカではNo.1のシェアを持ち、国内の顧客に も知名度があり、事例も多彩である。 コンなど各種のメディアで活用できる仕組みが必要 である。 同社では、今後のマーケティングの展開において CTIでローコストなOne to oneマーケティングを追 コールセンターの実際例 CTI技術を、新たなマーケティング推進のツール、 高付加価値サービスとローコスト・オペレーション 同社が指向する顧客サポートの充実やOne to one ではCTIによるコールセンターとは、どのような マーケティングの実現に欠かせない手段がCTIを活 ものか、同社が開発した損害保険会社向けのシステ 用したコールセンターである。同社では、CTIをプ ムをもとに紹介しよう。 大競争時代を勝ち抜くポイントとなるとき、同社は ロスペクト獲得のためのローコストなツールと位置 ◆コールセンターから展開するSFA/CAMの損保業 CTI技術の活用によって、一元化された質の高いサ づけている。 推進の立役者と位置づけている。 サービスの重視、顧客満足の向上が、これからの 界向けシステム例 ービスを提供し、他との差別化を図ろうとしている。 同社 社長室 広報担当 サブマネ 顧客からの問い合わせ、顧客への加入勧誘、顧客 しかし、そこではあくまでも、「基本に忠実に、着 ージャー 山田 俊英氏は「コール へのサービス提供という企業と顧客との関わりをコ 実に一歩ずつ」と強調している。CTIというツールか センターは電話、FAX、パソコ ールセンターから展開している例である。 らの発想ではなく、それをどう活用するかをはっき ン、インターネットなど、さま ①顧客からの問い合わせ (画面1) り意識しつつデータの整備に取り組めと勧めてい ざまなメディアを統合化した形 顧客のプロファイルを問い合わせのトリガー、ア る。山田氏はこれを“Not CTI but Database”と表現 でハンドリングできる点が重要 ンケートによるステータスなどの把握により、より している。CTI活用の真髄がここにあるように思え である。CTIを活用することによ 明確なターゲット・マーケティングが可能となる。 る。 りこれが可能になる。また、ス 山田 俊英氏 キルを考慮して適切なコミュニケータにコールを割 ②顧客への加入勧誘 (画面2) 顧客からの問い合わせから収集したプロファイル り当てたり、複数のクライアントを担当する場合は、 をもとに、その顧客の重要性やニーズを判断し、より的 それぞれに対応した情報を画面に表示できるなど、 確なセールスがコールセンターを利用して行える。 CTI技術は大きな効果を発揮する」と語っている。 ③顧客へのサービス提供 (画面3) 顧客へのサービスの一環であるトラブル時のサポ Vantiveの統合機能を評価 ートを、コールセンターから業者との連携等で顧客 UN ■株式会社ベルシステム24 ◆電話をはじめ、コンピュータ、FAXなど、あらゆる通信 メディアを利用し、企業のマーケティング活動をサポー トするテレマーケテング事業のNo.1企業。 ◆本社所在地=東京都豊島区南池袋2-16-8 ◆代表者=園山 征夫社長 ◆設立=昭和57年9月 ◆売上高=270億円 ◆従業員数=社員780名/コミュニケータ9,000名 へ直接質の高いサービスを低コストで提供できる。 同社では、Customer Interaction Software(CIS)の導入 検討を進め、日本ユニシスの提案するVantiveを導入 画面1 顧客からの問い合わせ 画面2 顧客への加入勧誘 画面3 顧客へのサービス提供 した。その選定理由として、次の点を挙げている。 *幅広いアプリケーションへの対応 コールセンターでは、見込み客の獲得、顧客維持 のためのリテンション・マーケティング、One to one マーケティング、ヘルプデスクの展開など多彩な用 途が見込まれる。Vantiveはこうしたニーズに対応で きる幅広い機能を持っている。しかも、コールセン ターの発展形態に応じて機能を追加しつつ進化させ ることができる。 7 要望に応じて、外観透視図、鳥瞰図 などの設計プランを出力する。また、 製造工業情報システム インテリア・プランなどビジュアル 化した提案ボードを作成して提示す る。同時に仮契約用の概算積算と図 面(平面図・立面図)を作成する。 ②仮契約後、基本プランの修正を経て、 プランを確定して確定図、壁量計算 書、矩計図、見積書を作成する。 住宅設計システム『Hcad/ws2』で 『トータル・ハウジング・システム』を構築 ③本社CADセンターでは仮契約後の変 更を一括して処理するとともに、確 意匠設計から積算・構造設計・発注支援までの一貫処理を実現 住友不動産ホーム 定したデータを受けて工事用の施工 す仕組みを実現 図面(展開図・設備図・構造図)と木拾 2×4工法は木材の組合せで組み上げ い表(使用する構造材のすべてを数 ていくが、その部材の1本1本を積算数 量化した一覧表)を作成する。 量情報として一覧化した木拾い表を自 ④さらに構造図、木拾い情報は資材部 動作成するようにした。この積算数量 門にも回され、部材の発注データと 情報を資材部門の発注システムに渡す して活用される。 仕組みを作り込み、本年8月からその 住友不動産ホームでは、日本ユニシスの住宅設計システム『Hcad/ws2』を 導入して、同社が設計、販売する2×4工法の注文住宅と企画型住宅の意匠設 運用も開始した。このシステムにより、 計、積算、構造設計、さらに発注システムと連動した発注支援までを一貫し て支援する『トータル・ハウジング・システム』を構築し、営業段階から設 計・施工段階に至る大幅な生産性と精度の向上、工期の短縮などを実現して Hcad/ws2の採用で実現した 新システムの特徴 いる。 一般的に住宅CADシステムを構築す る場合、意匠設計を立ち上げてから構 ■住友不動産ホーム株式会社 ◆同社は、住友不動産が2×4(ツーバイ フォー)工法の本場、アメリカで長年 にわたり培ってきた建築技術をベース に、日本の気候風土と生活様式に合わ せた住宅を提供することを狙いに昭和 57年に設立された。2×4工法による 高級注文住宅を主力商品として建売住 Hcad/ws2導入の経緯−お客様のご 注文により柔軟に応えるために 住友不動産ホームは、高気密・高断 宅やビル、マンションなどの賃貸事業 用建物へも積極的に取り組んでいる。 ◆本社=東京都新宿区西新宿2-4-1 ◆代表者=江口 浩一社長 ◆資本金=3億円 ◆売上高=476億円(平成8年度) ◆従業員数=607名 アクト3ブレス外観 資材部門では発注用データの再入力が 不要となり、より精度の高い発注業務 処理が可能となった。 (3)提案ボードの活用などでさらなる 営業支援機能を強化 造設計に進むというプロセスを経る 営業支援面では平面図・立面図のみ が、今回は意匠設計と構造設計をわず ならず鳥瞰図や透視図も迅速作成を実 か1年弱で稼働させている。「普通この 現したほか、インテリア・プラン、エ 種のシステムを1年で開発することな クステリア・プランなどをビジュアル ど考えられない。カスタマイズを含め にプレゼンテーションできる提案ボー 1年弱という短期間で稼働できたこと ド・システムを活用し、お客様の要望 図、施工図の作成、発注支援といった はHcad/ws2の設計思想が非常に優れて に沿った設計プランを提示するなどさ ハウスメーカーとしての一貫処理を可 いたからである」(池本部長)と評価し らなる営業支援の強化を図っている。 能とする日本ユニシスのHcad/ws2にシ ている。 今回実現されたトータル・ハウジン ステムを切り替えることになった」 従来、提案ボードは写真やカタログ などを切り貼りし、営業担当者が約半 熱の2×4工法技術をもとに、お客様の (首都圏事業本部設計部長 池本 祐一郎 グ・システムの主な特徴は次のとおり。 日かけて作成していたが、今回のシス 要望にオーダーメイドで最大限応える 氏)と語っている。 (1)補助職による施工図面の内製化を テム化により、2時間程度で美麗な提 高級注文住宅を提供している。同社が 住宅設計にCADを導入した時期は古 く、昭和63年より主に営業支援用の平 面図、立面図ならびに見積書の作成を 行っていた。 営業支援から施工・発注支援まで のトータル・システムを実現 実現 案ボードの作成が可能となっている。 従来、施工図面の作成は主として設 (4)邸別矩計(かなばかり)図や3階建対 計事務所に外注していたが、今回 応も実現 現在、新システムは東京・千葉・神奈 Hcad/ws2によって設計技術者だけでな 部位ごとに各種パターンを標準化し 川・埼玉・大阪・京都・神戸・仙台のほか、 く、設計知識を余り持たない補助職で これを組み合わせることにより施工用 しかし、 「最近は住宅の設備・構造面 各拠点に配備されたHcad/ws2と本社 も施工図面の作成が可能となった。 の邸別矩計図(住宅全体の断面図)の作 での機能が向上し、顧客の要望も複雑 CADセンターをISDN回線でネットワ 補助職による内製化のため、構造部 化、多様化しているのに対し、従来の ーク接続した総システム台数37台から 材データを追加するとともに標準納ま ズを反映して3階建対応も図っている。 CADでは十分な対応が難しくなった。 なる構成となっており、合わせて りが自動的にコンピュータで配置され (5)標準化の推進で工事段階の生産性 特に図面と見積書が連動できず、整合 Hcad/ws2と連動した形で利用が可能な るように自動化機能を強化した。その 向上に寄与 性をとることが困難で業務上の種々の パソコン・ベースの提案ボード・システ 結果、最短でも7日を要していた施工 Hcad/ws2の導入にあたり、事前準備 不都合を生じる原因となってきた。そ ムともLAN接続されている。その基本 図面の作成が、補助職でも3日で完成 として部品や構造設計などの標準化作 こで、設計上の自由度の高さを保ちつ 的な業務の流れは次のとおりである。 することが可能となった。 業を細部にわたり進めてきたが、その つ、当初プランの作成から積算、実施 ①営業拠点では設計担当者がお客様の (2)積算数量情報を発注システムへ渡 結果、工事段階での生産性向上に寄与 成を可能にしたほか、最近の顧客ニー する効果が出てきている。 「標準化さ 提案ボード(左) 邸別矩計図と木拾い表(右) れたため現場での施工が容易になり、 精度の向上と工期短縮にもつながって きている」(池本部長)。 今後は他の商品分野にも拡大予 定 池本部長は、今後のCAD開発の目標 について、「我々が眼目としていた施 工図面の内製化率は、現在60∼70%の ところまできた。早く80%を達成した い。また、今回は、まず主力商品の高 級注文住宅用に開発を進めたが、今後 は分譲住宅など他の商品分野にも拡大 していきたい」と語っている。 8 1997年9月1日第437号 UN ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 金融情報システム 研修風景 戦略的情報分析を自在に展開する 新情報系システムを構築 工するデータは基幹系システムから取 り込んだ流動性預金、定期性預金、融 資などの過去2年分の月次データと1カ 月分の日次データである。 本部職員はじめ利用者は汎用検索ツ 金沢信用金庫 ールBusinessObjectsを駆使して自在な 情報加工を行える。これは、 創業90年を迎えた金沢信用金庫ではクライアント/サーバ型の「新情報系シ BusinessObjectsが、①マウス操作のみ ステム」を構築し、8月1日から稼働を開始した。 で検索できる、②RDBの構造やSQLな このシステムは、還元帳表を電子化し本部∼全営業店を広域情報通信網で どの知識が一切不要(業務で使ってい 新情報系システム画面 *個々の顧客ごとの固有のニーズに対 結び、パソコンから必要帳表をタイムリーに検索することによりレスペーパ る日常用語でデータ検索できる)、③ 応したOne to oneマーケティングの ー化を図るとともに、エンドユーザ部門での二次加工を容易に実現すること Excelとの連動で検索データの二次加 展開 を目指して構築されたものである。 工が容易などの特徴があるからであ ■金沢信用金庫 ◆明治41年に創業、本年度で90年を迎 えた。「あなたと未来づくり−わたく したちは愛と信頼をテーマに」を企業 理念に地域金融機関として幾多の苦難 の時代を乗り越え、いまや石川県はも とより北陸随一の信用金庫として発展 を遂げている。 戦略的マーケティングを支える 情報系システム る。 客をセグメント化し、採算性も考慮 各部門のユーザは顧客名、預金高、 ◆本店所在地=金沢市香林坊1-3-8 ◆代表者=湯澤 重直理事長 ◆預金量=4,040億円 ◆店舗数=44店 ◆役職員数=705人 −平成9年3月末− したメリハリのある顧客対応 商品名など日常用語を使って条件を指 *渉外係が面談時にヒアリングした情 定して検索し、そのデータをExcelに 報、アンケートによる個人顧客情報 貼り付けて自由に加工している。 や個人事業主・法人情報など、地域 たとえば、ローンの当初の貸出日か 年8月1日より本部での運用を開始した。 *取引状況の明確な分析基準により顧 金融機関ならではの情報をもとに、 ら10年目を迎えるお客様という条件で 顧客をセグメントし、顧客ニーズに 顧客明細を出したり、55歳以上で、こ 対応したマーケティングの展開 システム構築には、オープンで使い れから年金給付を受ける人や受給資格 やすい製品が採用された。たとえば、 者の中で受給口座がまだ指定されてい ビッグバンに向けて情報システム の さらなる強化・拡充を目指す 一定の地域を営業基盤とする地域密 サーバにはデータ・ウェアハウス構築 ない人を把握して渉外活動に役立てる 着型という優位性を活かして発展して をローコストで実現するためにPCサー ことも可能になる。あるいは、普通預 同金庫では、本年下期に営業店での きた地域金融機関も、厳しい競争の渦 バを採用、OSには、WindowsNT3.5、 金残高と他の商品の利用状況などを比 運用を開始し、来年度からは、電子メ 中にあり、金融ビッグバンを目前に競 データベースにはOracle7.3を採用し 較して顧客についての一定の法則性を ールを含めたグループウェアを新情報 争の激化はさらに拍車がかかってい た。クライアントはWindows95を搭載 探ることも可能になる。 系システムに移行させ、文書管理の分 る。これまでの地域金融機関としての したDOS/V PC200台を導入し、使い勝 手に優れ、利用者がさまざまな角度か 情報を活用した戦略的なマーケティン ら分析を可能にする検索ツール 新情報系システムでマーケティン グ、 商品開発力の強化を支援 野まで広げていく。 優位性を維持・発展させるには、顧客 グが強く要請され、経営のポイントも BusinessObjectsや加工ツールExcelを搭 新情報系システムの運用で、同金庫 ALMなど)との連携を進めていく。さ ここに集約されてきている。 載した。 では出力帳表を画面で検索することに らに、これと同時並行的に対外ネット 次のステップとして、既存のサブシ ステム(人事、不動産、収益管理、 それを情報システム面から支えるの さらに、本部と全営業店をLAN/ よるレスペーパー化を実現するととも ワーク化に本格的に取り組み、しんき が情報系システムであり、これを活用 WANで接続しネットワーク化した。ま に、検索データを組み合わせて、顧客 ん情報システムセンター、全国信用金 して、戦略性、利便性の高いサービス た、部店サーバ(6台)のデータベースは 動向や収支データを細かく分析し、マ 庫協会、全国信用金庫連合会などとの の提供とマーケティングの展開につな 2台ずつを同じ内容に設計し障害対応 ーケティング力や商品開発力の強化な 業界内ネットワークへの対応を行い、 がる情報分析が求められている。 や負荷分散に備えている。 ど、次のような効果を期待している。 さらに、現在実施中のパーソナル・バ *顧客サイドに立った利便性の追求を ンキング(残高照会など)に加えてデリ 中心に置いた金融商品・サービスの バリ・チャネルの多様化に対応した顧 迅速な開発 客向けのネットワーク・サービスを推 こうしたニーズには、従来のホスト 集中型システムでは必ずしも充分に応 えられなかった。そこで、柔軟で、使 BusinessObjectsで多面的分析を容易に 現在、新情報系システムで分析・加 いやすく、コストの安い、より多角的 金沢信用金庫では、こうした狙いか ら、クライアント/サーバ型の新情報 系システムを構築したものである。 オープンで使いやすさを追求し た システムを構築 開発は昨年11月にスタートし、同金 進していく。 新情報系システム構成図 な分析を誰もが行える新たな情報系シ ステムが求められてきた。 (図参照) 全店サーバ Windows NT 本部ビル 本部 理事・電算部長 中村 聰氏は「金融 2200シリーズ ORACLE データベース 情報系 データベース Ethernet LAN センター 機関はビッグバンを控え、どうやって 本店営業部 来年度を初年度とする経営3カ年計画 ・・・・ Business Objects Business Objects クライアント クライアント ルータ プリンタ プリンタ ORACLE データベース 部店サーバ Windows NT 6台 Business Objects クライアント ORACLE データベース 部店サーバ Windows NT プリンタ プリンタ Business Objects クライアント ルータ められ、日本ユニシスがSIを行い、本 [ライフサービスセンタ] プリンタ Business Objects クライアント [営業店] ためには情報システム面からの支援は ス戦略に新情報システムをどう結びつ ルータ 庫電算部門、ユーザ部門、日本ユニシ ス、ソフトバンク金沢などによって進 のもとで具体的に対応していく。その 不可欠であり、営業戦略、顧客サービ ISDN ルータ 生き残るか模索している。当金庫では、 43店舗 けていくかを検討中である。今回の情 報系システムは、その基盤として機能 プリンタ Business Objects クライアント するものである」と語っている。 UN [営業店] 9 ワーク単位、セグメント単位)や システム構成や配置図および接 社会公共情報システム 続図をビジュアルに表示するな どして、システム全体の容易な 管理を実現している。 一方、DSmgr/フォールトは DSmgr/コンフィグと連動して、 ネットワーク構成の中の障害発 生箇所の通知や、資源使用量の 「しきい値」超過の監視と報告、 分散システム運用管理ツール プロセス稼働状況の監視などを 「DSmgr+ 」によって効率的な障害監視を実現 監視画面 担うものである。 ブザー鳴動機能を付加し、 障害の早期検知を実現 同社独自のユニークなDSmgr への + 道情報システム 付加機能として異常発生時のブザー鳴 り、シェルを当直員が起動することに より、コンソール画面に起動・終了メ ッセージを出し処理結果を印字すると ともにDSmrg+の監視端末にも起動・終 了メッセージを表示している。 動による通知機能がある。これは障害 「指令室とコンピュータ室が離れた JRグループの情報通信分野における中核企業の鉄道情報システム(株)では が発生したとき、メッセージ表示のみ ところにあるので、スケジュール通り UNIXサーバ「U6000」を核に、再構築された分散処理系の通運業システム(全 通情報システム)の運用に分散システム運用管理支援ツール「DSmgr+」を採用 ならず、ブザーを鳴動させる仕組みで にジョブが実行され、正常に終了した ある。同社中央システムセンター貨物 かどうかはコンピュータ室に行かない した。DSmgr+は障害監視と稼働状況管理に活用され、システム運用管理の システム課 副主任 藤川 耕作氏は、 と分からない。そこで作業の実行ごと 効率化を実現している。 「当社の場合、運用監視は運用専任の にDSmgr+の通知機能を使って指令室 当直員が行っている。当直員は本シス の監視端末に起動と終了メッセージを テムだけでなく、複数のシステムを同 送り、表示できるようにした。便利な 時に監視しているので障害が発生して ジョブ監視機能として活用している」 ■ 道情報システム株式会社(略称:JR システム) NET」などの運営管理を行っている。 ◆本社所在地=東京都千代田区丸ノ内16-5 ◆代表者=林 宏之社長 ◆従業員数=450名 ◆設立=昭和61年12月 ◆旧国鉄の民営分割時に国鉄本社の情報 システム部門を中心に誕生した会社 で、JR旅客6社、JR貨物が出資して設 立されたJRグループの情報通信分野 における中核企業。JRの旅客販売サ ービスの頭脳である「MARS」や全国規 模の高度付加価値情報通信網「JR- も画面表示だけでは気付かないことが (藤川副主任)。 ある。そこで、ブザー鳴動で障害発生 分散システム運用管理支援ツー ル 「DSmgr+」について を知らせる仕組みを作った。当社のよ うな特殊事情のあるサイトでは非常に役 立つ検知機能であろう」と語っている。 能などがある。 JRコンテナの迅速・確実な輸送 を支える全通情報システム 障害発生時の切替処理の仕組み 運用管理の効率化を狙いDSmgr+を活用 「DSmgr+」は、UNIX機とPCで構成さ れる分散システムを統合的に運用管理 するツールで、小規模から大規模まで 全通情報システムでは障害対応のた の分散システム(1台∼数万台構成)に 簡単な荷造りで、安全・確実にお客 全通情報システムは、UNIXサーバ めに「Ready Reserve」ソフトウェアを使 柔軟に適用、拡張できるのが特徴。全 様の荷物を指定の場所へ届けるのがJR 「U6000/550」×2台(運用機と予備機)を って、サーバの運用機と予備機との間 通情報システムは小規模構成のため コンテナ輸送である。JRコンテナ取扱 ホストに、監視サーバ「U6000/100」、 で、一定間隔によりハートビート(運 DSmgr/コンフィグとDSmgr/フォールト 拠点は全国に約150カ所展開され、貨 監視端末「U6000DT」などで構成され、 用機と予備機が互いに相手が正常に稼 が適用されたが、このほかにも 物情報処理のためにフレンズ・システ 通運事業者側の端末(214台)とはINS回 働しているかどうかを確認する動作) ●DSmgr/リリース(ソフトウェア/ファイ ムが構築されている。 線で結ばれている。 を行っている。 ル配布管理):分散システムを構成 一方、全国300社近い通運事業者で その運用管理に分散システム運用管 DSmgr で運用機にハードウェア障 構成する全国通運事業協同組合連合会 理 ツ ー ル D S m g r +の 諸 機 能 の う ち 害の発生が検知されたとき、運用機で (全通協)がUNIXサーバ「U6000」をベー DSmgr/コンフィグ(構成情報管理機能) 使用していた資源(ネットワーク、デ スに構築したのが、全通情報システム とDSmgr/フォールト(障害管理機能)が ィスク)を予備機に自動的に引き継ぎ、 ステムで実行するバッチ・ジョブの (ジーネット=Z-NET)である。このシ 導入された。 (図1) システム・ダウン時間を最小限にとど 管理 + する管理ノード(サーバ、クライアン ト)へのソフトウェア配布の管理 ●DSmgr/ジョブ(ジョブ管理):分散シ DSmgr/コンフィグは、システムを構 められる仕組みとなっている。ただ通 ●DSmgr/バックアップ(バックアップ/ 運事業者に提供するデータ提供機能、 成するハードウェア機器とその稼働状 信回線の切り替えは当直員による手動 リストア管理):分散システムを構 通運事業者間の配送料金などの精算を 況の管理を行うものである。この機能 でスイッチを切り替える方式となって 成するサーバおよびクライアントの 行う交互計算機能、JRコンテナのオン によって、管理領域をツリー構造にし いる。 データ資源のバックアップ/リスト ライン予約などを行うフレンズ結合機 て管理するグルーピング管理(ネット ステムは、JRコンテナの貨物情報を通 図1 全通情報システム構成図 バッチジョブについてはシェルを作 図2 DSmgr の管理アプリケーション + ア処理の管理 ●DSmgr/パフォーマンス(性能管理): 分散システムを構成する機器の性能 DSmgr+ 指令室 SMView マネージャ DSmgr/コンフィグ DSmgr/フォールト U6000/100 監視端末 DSmgr/コンフィグ DSmgr/フォールト DSmgr/コンフィグ DSmgr/フォールト エージェント U6000/550(1) データ・ファイル DSmgr/コンフィグ 構成情報管理 DSmgr/フォールト 障害管理 DSmgr/リリース ソフトウェア/ファイル管理 DSmgr/ジョブ ジョブ管理 DSmgr/バックアップ バックアップ/リストア管理 DSmgr/パフォーマンス 性能管理 DSmgr/アカウント 稼働統計管理 エージェント U6000/550(2) コンピュータ室 SMS連携機能 マネージャ :1 U6000/100サーバ エージェント:2 U6000/550 ( (2)は開発用サーバ兼(1) のバックアップ用サーバ) 10 1997年9月1日第437号 の管理機能 ●DSmgr/アカウント(稼働統計管理): 分散システムのシステム資源の使用 量に応じた課金処理の管理 ●DSmgr/SMS(SMS連携機能):マイク ロソフト社のSystem Management Server(MS-SMS)と連携してSMS配下 のパソコンの統合管理 など豊富な管理アプリケーションが用 意されている。 Tivoli Management PlatformTM オブジェクト指向管理基盤 (図2) UN ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 今後の企業における情報システムの主 大会は、青森市「ホテル青森」を中心に 流となるイントラネットに関し、シス 10月16日(木)∼18日(土)まで開催され 「スタディ案内人(Navi)シリーズ」の販売開始 テム・デザインの際の基本となる標準 る。 的なシステム・モデルとここに実装さ 第1日目には、RAB青森放送に勤務 「SkillNavigator」ラインナップ強化 れる高品質な製品を組み合わせ「プロ の傍ら、作家・詩人・イラストレータ・ ダクト・セット」として提供する。 作曲家・歌手・CMディレクターと多彩 マルチメディアによる個別学習システム 日本ユニシスは、マルチメディア技 術 を 利 用 し た C A I シ ス テ ム 「SkillNavigator(スキルナビゲータ)」を拡 したGUIにより、マウスを使って誰 もが簡単に操作できる。 ③CD-ROM1枚で動作可能なためイン ストール作業から解放される。 充し、利用形態の多様化対応実現、 また、システムを構築し活用するた な活躍をされている伊奈かっぺい氏の めの各種サービス群を次の10のメニュ 「津軽の文化と伝統」の記念講演をはじ ーとして体系化し「イントラネット・イ め、元日本鉄道建設公団青函建設局長 ネーブラ」として提供する。 北村 章氏の「世界最長の海底トンネ ①コンサルティング・サービス ルに挑む」、青森県教育庁文化局の岡 導入の容易性を追求した、新たなライ ④実際に日本ユニシスの教育サービス ンナップとしてスタンドアロン環境で に携わる講師陣のノウハウを充分に *基盤構築コンサルティング 田 康博氏の「三内丸山遺跡が秘めた古 CD-ROM1枚で作動するランタイム版 生かしたコースウエアを豊富に用意。 *AP開発実装支援コンサルティング 代の謎」、棟方志功記念館館長 福井 平 *セキュリティ・コンサルティング 内氏の「棟方志功の世界」など、青森な 所にかかわらず、個人のペースで学 *導入後診断コンサルティング らではの興味深い特別講演が予定され 習ができる。また1枚のCD-ROMで ②環境提供サービス ている。 タを利用した学習支援)システムで、 複数の人が学習することが可能。 *サーバ構築サービス マルチメディア関連技術を利用するこ 「スタディ案内人(Navi)シリーズ」の *クライアント構築サービス とにより、視覚と聴覚に訴えた教育効 価格は、 各コースウェアとも1万2,800円。 ③アプリケーション構築サービス 紹介される。 果を高めた学習システム。見やすくわ ●問い合わせ先 日本ユニシス パーソナルコンピュータ事 業部 事業企画室 柴田 *TEL:(03)5546-4550 *E-mail:Snavi-info@unisys.co.jp ④運用支援サービス ●参加申込・問い合わせ先 ユニシス研究会事務局 *TEL:(03)5546-7366 *FAX:(03)5546-7409 *E-mail:[email protected] *http: //www.unisys.co.jp/JUUA /97-fall/index.htm 「スタディ案内人(Navi:ナビ)」の販売 を開始した。 「SkillNavigator」は、CAI(コンピュー かりやすいユーザ・インタフェースに より、学習者の理解を高め、知識・技 術の向上をサポートするCAIシステム として、販売開始後約3,000 本の販売実績をあげている。 「スタディ案内人(Navi)シ リーズ」の主な特徴は、次の とおり。 ①従来の「SkillNavigator」のス タンドアロン版から一部 の管理機能と、 オーサリ ング(教材作成)機能を外 し、低価格で提供。 ⑤学習履歴の保存機能により、利用場 スタディ案内人(Navi)シリーズ・コースウェア一覧表 Windows3.1版 Lotus1-2-3入門(Ver.R5J) Windows入門(Ver.3.1) Excel入門(Ver.5.0) Excel応用(Ver.5.0) Excelマクロ(Ver.5.0) Word入門(Ver.6.0) Access入門(Ver.2.0) PowerPoint入門(Ver4.0) 一太郎入門(Ver.6.3) ②Windows 3.1版、Windows NT版、Windows 95に対応 Windows95版/NT版 LotusNotes入門(Ver.R4.5J) Windows95入門 Excel95入門(Ver.7.0) Excel95応用( Ver.7.0) Word95入門(Ver.7.0) PowerPoint入門(Ver.7.0) Access95入門(Ver.7.0) Excel97入門 Excel97応用 Word97入門 PowerPoint97入門(平成9年9月予定) Access97入門(平成9年9月予定) イントラネツト構築支援サービス体制を強化 「イントラネット・イネーブラ」提供開始 *デスクトップあんしんサービス *I-Netクリニック・サービス ⑤ネットワーク構築コンサルティン グ・サービス さらに、「最新IT動向とその戦略的 活用」と題し、ユニシスの取り組みが ⑥グループウェア・コンサル&構築サ ービス *ロータスノーツ関連サービス *Exchange関連サービス ⑦コンテンツ作成サービス 「ユニシスインフォメーション・ マネジメント・フォーラム’97」 東京・大阪・名古屋で開催 *コンテンツ作成サービス *コンテンツ作成支援サービス 日本ユニシスは、「メガ・コンペ ⑧PC簡単インストール・サービス ティションを生き抜く情報革命」 ⑨接続/アウトソーシング・サービス をテーマに、「ユニシスインフォ ⑩教育サービス メーション・マネジメント・フォー これらのプロダクト・セットと各種 ラム’ 97」を開催する。システム課 サービス群はソリューションとして従 題のみならず、経営課題・ビジネ 来の汎用機によるシステムとの連携、 ス課題を解決するソリューショ デシジョン・サポーシ・システムとの ンを提供するInformation 連携、エキストラネット構築の基盤と Management Companyとして、 “企 しての位置づけを持つ。 業の情報革命を支援する”当社 日本ユニシスは、イントラネット・シ どのグループウェアを中核とした各種 ステム構築にあたつてのサービス体系 サービスの提供を一段と強化しロータ として「イントラネット・イネーブラ」 ス社、マイクロソフト社の認定資格保 ユニシス研究会 を8月1日から提供を開始するとともに 有者によるシステム構築業務全般にわ 「秋季全国大会」開催迫る *東京=11月13日(木)/14日(金) 関連サービスを含めたサービス体制を たるシステム構築サービスを提供す 大幅に強化した。 る。 10月16日(木)・17日(金)・18日(土)青森 *名古屋=11月27日(木)/28日(金) さらにNotes、Exchange、Staffwareな 「イントラネット・イネーブラ」では、 UN の姿勢を明示する。 ◆開催日程 *大阪=11月19日(水)/20日(木) 平成9年度ユニシス研究会秋季全国 8月発行のSRA(ソフトウェア・リリ-ス・アナウンスメント) Software Release Announcement(SRA)は、弊社製品をご利用いただいている方のために、サポート・サービスの一環として、毎月1回発行するものであり、当月リリースされた新規ソフトウェアやバージョンアップをご案内し、ソフトウェア導入のご検討を いただくためのものです。ご要望のソフトウェアがありましたら、弊社営業員までお申し付けくださいますようお願い致します。なお、下記の8月発行SRAの内容は、すべてパソコン通信HELPパックで参照できます。 【ClearPathサーバ】 ●HMP IXシリーズ *システム運用・管理 EBRS 3R3 ●HMP NXシリーズ *データベース DataExtractor/NX 1.0 *ユーティリティ 電子帳票システム UNIREP−V 3.00 *WindowsNT環境 DataExtractor/NX(PCクライアント) 1.0 ●ITASCA・2200・1100 *言語・開発環境 SORT/MERGE 16R1B−2B *システム運用・管理 EBRS 3R3 *日本語情報処理 文字ファイル・タイプ3 サービス・プログラム 1R3D ●Aシリーズ *ユーティリティ 電子帳票システム UNIREP−V 3.00 【オープン・プロダクト・システム】 ●USF *OS関連 S-J.SOLARIS/S-SOLARIS 2.5.1 Hardware:4/97 *言語・開発環境 S-[J.]C/C++ 4.2 S-[J.]FOR 4.2 S-[J.]TERMWARE 2.0 S-[J.]TERMWARE 2.0 S-PROF PASCAL 5.0 S-A. SHOP 3.0 構造化トランザクション定義言語 STDL 開発キット 1.5.1 構造化トランザクション定義言語 STDL ランタイム・キット 1.5.1 構造化トランザクション定義言語 STDL DCEインタフェース 1.5 構造化トランザクション定義言語 STDL WSクライアント・キット 1.3 *データベース INFORMIX−SQL AJ6.05.UD1 INFORMIX−4GL AJ6.05.UD1 INFORMIX−4GL RDS AJ6.05.UD1 INFORMIX−4GL ID AJ6.05.UD1 *システム運用・管理 EX−Changer 2.2 S−J.DISK SUITE 4.1 *日本語情報処理 U−OS2 2R1A ●HPシリーズ *日本語情報処理 NUL 日本語機能 1R2B ●PC *OS関連 AQUANTAシリーズ XVision 7.0 *マイクロソフト製品 Aquantaシリーズ StandbyServer NT V1.21 1R1A 11 サービス アドバンスト・コンサルティング・サービス(5) 電気事業の規制緩和と情報システム 日本ユニシス株式会社 社会公共マーケティング部 エネルギーコンサルティング室長 図2 情報による価値創造と意思決定 電気事業の規制緩和 規制緩和は、1980年代から国内外の 自由競争の促進の観点から、世界的な 料金水準の内外格差が拡大し、産業界 ル経済の崩壊後、日本型経済の将来性 を中心に低廉な電気料金の実現への要 に対する不安が指摘され、国内外に開 請が高まった。具体的には、表1、表2 かれた経済社会の活性化を目指した規 の施策が行われた。 表1 電気事業法の改正(平成7年) ●小売供給事業への参入条件の整備 ●発電事業への新規参入の拡大 ・一定条件による特定電気事業者の参 ・卸電気事業への参入の自由化 入 ・入札制度の導入 ・卸託送の活性化 ●電気設備の保安規制の合理化 ●負荷平準化のための料金制度の見直し ・選択約款の設定と公表を前提とした届 ・国の直接関与のあり方の見直し ・技術基準のあり方の見直し 出制 ●電力会社の兼業規制の緩和 ・電気工作物の区分の見直し ・経営効率化や経営資源の有効活用がで きる事業についての許可制の廃止 表2 経済構造の変革と創造のためのプログラム(平成8年) ●高コスト構造是正の一環として、 「2001年までに国際的に遜色のないコスト水準とすること」 ●これに対し、電力業界は、 「現在の電気料金の値下げの方向性を表明」 電力会社の経営課題 題を解決するために、短期的かつ即効 の展開 *電力関連会社を含めたグループ力の 強化と効率化 的な施策の展開と将来を見据えた中長 ②中長期的な主な施策 期的な施策展開が重要課題となってい *電源のベストミックス化 る。 * 本 格 的 な DSM(Demand Side (図1) ①短期的な主な施策 Management)の推進 *設備投資/保守コスト削減 *本格的なエネルギー競合時代に向け *業務運営の効率化による組織運営コ ストの削減 情 報 価値創造 意思決定 事 例 「電気料金」 というデータ 「20%削減」 という情報 経常利益が ─XX億円 経営層 による判断 コスト 削減施策 態となってきている。 制緩和の積極的な推進が政策面で大き 電気事業の“社会的使命の継続”と データ 電気事業においては、1990年代半ば 国内においても、1990年初めのバブ “コスト削減”という相反する経営課 情報活用 サイクル くクローズアップされてきた。 からの急激な円高を契機として、電気 潮流となっている。 た企業力の強化 などである。 *負荷平準化機器の積極的な販売活動 すなわち、現在の業務運営を前提と いままでの情報システムは、定型的 務置換型のシステム化として効果を上 げてきたが、その効果は、ほぼ飽和状 図1 電力会社の経営課題 電力の安定供給と 電気事業の経営効率化 12 1997年9月1日第437号 各種施策 ・短期 ・中長期 ◆電気事業の社会的使命 ●低廉かつ高品質の電気の安定供給 ●お客様サービス向上 ●地域社会の発展への貢献 テムは、前述したように業務処理の効 率化を目的とした業務置換型である。 いる。 したがって、定型処理/非定型処理/意 今後は、前述した各種経営課題を解 思決定支援が複合的に混在する業務プ 決するための情報システムは、新たな ロセスにおいて、定型処理のみがプロ 視点によるシステム化が重要となる。 セスとして、システム化されているの ①経営革新への情報システムの活用 が現状である。他の非定型処理や意思 情報システムは、経営資源の1つと して重要な役割を担っているが、現在 および将来の経営に対する大きな変化 決定支援は、未システム化か別システ ムとして存在している。 また、他部門との連携については、 に柔軟に対応できるシステム化が緊急 ホスト・コンピュータ上でファイルと 課題である。 して連携されているものの、業務連携 *情報による価値創造と意思決定 プロセスとして連携されていることは 高度情報化時代において、多種多様 な情報が容易に入手できる環境になる 少ない。 *情報共有と活用 一方、最近の電子メール、インターネ 各業務システムの情報は主にホス ットに代表される「情報過多」「情報の ト・コンピュータ上で共有されているが 氾濫」の時代であるともいえる。その 各自が活用できる環境は、まだ未整備 中で有用な情報を選択し、活用するこ の状況であり、他部門の情報に関して とで新たな価値の創造と意思決定が可 は紙ベースの情報が多く、活用のため 能となる。すなわち、図2のサイクル の再入力が必要となるケースが多い。 で人間の判断と情報システムとの協調 このような状況の中で、経営課題に 作業ができる新たな情報処理環境が必 対応していくためには、前述した「情 要となる。 報活用サイクル」による業務革新およ ②業務革新への情報システムの活用 びコスト削減施策などを支援するシス 情報システムは、前述したように業 務処理の効率化に大きな効果を発揮し てきた。今後の経営課題に柔軟に対応 テム化が重要となる。 ●業績評価制度の見直しとシステム化 電力会社における業績評価制度は、 していくためには、いままでの業務運 会社ごとに差はあるもののいくつかの 営の抜本的な見直しとそれに対応した 制度が実施されており、電気事業の社 新たな情報システムが必要となる。 会的使命を反映して、「サービス面」 在の組織形態(部門化/階層化組織)が形 な業務処理の効率化を主目的にした業 各部門別に構築されている業務シス した業務処理の効率化には限界がきて 電気事業の使命を達成する目的で現 情報システム化の新たな視点 ◆コスト増大の主要因 ●設備関連のコスト増 ●負荷率の悪化 ●電源開発の長期化 下平 知明 「収支面」「安全面」を中心とした評価項 目となっている。 成されており、発電・送電・販売を一貫 今後に予想される一層の規制制度改 して遂行する業務運営もこれを前提に 革によるさらなる競争原理の導入が図 行われている。 られる中、社会的使命の遂行を前提と 現時点では、グループ制の導入/部・ し、私企業としての収益性や成長性を 課の廃止/職位階層の短縮などの組織 維持していくためには、社内に競争原 のフラット化への改革および本店・支 理を導入し、個人あるいは組織の動機 店・事業所の役割の変革と権限委譲な づけを明確にした目標管理体制の整備 どの業務運営の改革が行われている と客観的評価基準による業績評価の見 が、この巨大な組織・業務運営を短期 直しが必要となってきている。 間で変革することは非常に難しく、新 現在の電力会社にとっては、部門 たな情報技術をトリガとした業務革新 別・地域別の業績管理会計の導入は難 が重要となる。 しい状況ではあるが、情報技術を活用 ●情報技術による業務革新 した積極的な取り組みが課題である。 *業務プロセスと情報連携 UN ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 IT 最前線 MOSA(MAPPER Open Systems Architecture)に基づくMAPPER新製品群 日本ユニシス株式会社 サーバシステム部 4GLソフトウェア室 課長 MapconKissは、開発者が極力コード MAPPER製品開発の新フレームワーク「MOSA」 MOSA(MAPPER Open Systems Architecture)とは、MAPPER製品開発 拡張 *データベース・ソフトウェアとして の機能拡張 で、最新の業界標準やITをMAPPER 以下に、MOSAに基づき新たに提供 ワークである。図1は、 を開始した新製品群を紹介する。 MAPPERの機能拡張の ・WWW対応 ・GUI対応 能拡張 ーション機能拡張 MAPPER *アプリケーション開 MapconKissクライアントで生成され たコードやオブジェクトは、 ctu から部品として再利用、共用できる。 部品の再利用により標準化を徹底し、 A( PP MA ER m ste Sy en p O s c Ar インテグレーション ・PCソフトとの連携 ・RDBとの連携 ・分散ネットワーク対応 RAD (Rapid Application Development) ・アプリケーションの開発・保守 の生産性向上 ・GUI環境での帳票設計支援 発環境としての機能 新たなGUIを提供する「MFW2」 MFW2(MAPPER for Windows レベル ③従来の会話機能、ラン機能も使用可 WWW連携機能を搭載した「WNT5.3.1」 「WNT5.3.1(MAPPER for Windows NT 既存のMAPPERアプリケーション レベル5.3.1)」は、Windows NT4.0 Server も、画面表示部分のコードをHTMLに 対応のMAPPERである。Netscape 置換すればブラウザをフロントエンドに NavigatorやInternetExplorerなどの各種 したシステム、 すなわちイントラネットへ WWWブラウザから、MAPPERのデー と容易に変身させることができる。図4は、 タベースやアプリケーションをアクセ 従来のMAPPERで開発した人事アプリケ スできるWWW連携機能を提供する。 ーションを画面表示部分をHTMLに置き WWW連携機能は、MAPPERを使用 換えブラウザから実行したものである。 2)は、Windows 95/NT4.0 Workstation対 能 したEUC環境をさらに強化するもの 応を行った32bitアプリケーションで、 MFW1.0やDW(デザイナー・ワーク で、WWWと連携した新しい情報共有 新しいGUIを提供する。 主な特徴は次のとおりである。 ①Windowsのマナーに基づくGUI ベンチ)で提供していた従来のGUIも 継続して使用可能である。 図4 WWW連携機能によるアプリケーション実行例 のスタイルを実現する。 WWW連携機能は、NTサーバ上の MFW2は、単体でローカルなシステ 市販Webサーバを介してMAPPERのユ MGI(MAPPER Graphical Interface)とい ムとしても稼動するし、パススルー機 ーザ・アプリケーションとインタフェ うユーザ・インタフェースによりExcel 能によりホスト/サーバのクライアン ースをとる。WWW連携機能を使用す と同様なGUIを提供するため、すべて トとしても稼動する。さらに、他の ることで、ユーザはMAPPER ランと の操作をマウスで行える。 MAPPERサーバやMFWからのアクセ HTMLを組み合わせたアプリケーショ スも許すという優れた特徴を持つ。 ンを開発できる。 図2は、MAPPERブラウザから任意 図3 「MapconKiss」によるフォーム作成例 hi te MOS としてのインテグレ ても短期間でアプリケーションの開発 ト類は、ライブラリ化し複数の開発者 データベース ・ODBC対応 ・レポート桁数拡張 ・パラレル化 ・パフォーマンス向上 *グルー・ソフトウェア 成例である。 し、管理できる。保存したオブジェク re ) (End User Computing) *EUC環境としての機 構築できるような工夫がなされてい MapconKissサーバのリポジトリに保存 EUC 基づき開発される 方向性を表している。 図3は、MapconKissによるフォーム作 が可能である。 図1 MAPPERの機能拡張の方向性 このアーキテクチャに ランの品質を高めることができる。 の記述を行わずにアプリケーションを る。MAPPERのランを熟知していなく の基本となる新しいアーキテクチャ にいち早く取り入れるためのフレーム 白井 久美子 のレポートを選択しレポート・ビュー アで表示したところである。 図2 「MFW2」によるレポート表示画面例 EUCツール「BOX」 ②最大8画面まで同時使用可能 従来のMFW1.0では提供していなか EUCツール「BOX」は、EUC環境の充 った複数画面同時使用が可能となっ 実に必要な各種機能を提供する。代表 ータを取り込むことを可能とする。 た。一方の画面ではローカル・データ 的なものとして、Excel/Lotus連携機能 *RDB検索機能 ベースをアクセスし、もう一方の画面 やRDB検索機能がある。 ではパススルー機能を用いてサーバ上 *Excel/Lotus連携機能 らのシートからMAPPERレポートにデ OracleなどのRDBから任意データの 検索実行を可能とする。検索の対象と のデータベースをアクセスすることも マウスによる簡単な操作でMAPPER なる表や列の選択指示、表と表との結 できる。また、MFW2間でのpeer to レポートのデータをExcelやLotusのシ 合キーの指定、検索条件の指定などす peerなやりとりも可能である。 ートへ挿入したり、またその逆にそれ べてGUI環境で行える。 GUIアプリケーション開発・保守ツール「MapconKiss」 「MapconKiss」は、MFW上で稼動す るGUIアプリケーションの開発/保守ツ *クライアント/サーバ型の分散開発 環境を提供 最新ITを積極的に取り込んだMAPPER製品の提供を推進 以上、 MOSAに基づくMAPPER新製 をすでに提供している。Clear2000/ 品のいくつかを紹介した。日本ユニシ MAPPERは、2000年対応を行うための ールで、RADツールとしての機能を備 *オブジェクト指向のアプリケーショ スは、今後も最新のITを積極的に取り 方法論(作業手順、ツールを使用した えている。従来のMQS(MAPPER Quick ン開発環境を提供し、作成したフォ 込んだMAPPER製品の提供を行ってい 具体的な作業方法、留意事項など)と Screen : GUI画面作成ツール)に比べ次 ーム(画面)やコードをライブラリに く予定である。 支援ツールからなる。Clear2000/ のような点で機能強化が図られてい 格納し、部品として再利用すること る。 が可能 最後に、緊急の課題となりつつある MAPPERを使用すると、2000年対応に 西暦2000年対応について少しふれてお 関する作業工数をツール未使用の時に *ポイント・アンド・クリックによる簡 *イベント・ドリブン型のプログラム く。日本ユニシスは、MAPPERアプリ 比べ30%∼50%削減することができ 単な操作でGUIアプリケーションの を自動生成し、ユーザによるコード ケーションシステムの西暦2000年対応 る。詳しい紹介は次号で行う予定であ 開発および保守が可能 作成を最小化することが可能 のため、Clear2000/MAPPERという製品 る。 UN 13 IT最前線 「電子マネー」 電子マネー元年―実験段階から実用化へ 日本ユニシス株式会社 新事業企画開発部 市場開発室 課長代理 西木 重信 今秋より、電子マネーの実用化を目指した大型実験プロジェクトが日本でもい ドでオープンループ型でも、価値その 質的には外部から内部メモリを読みと よいよ本格的にスタートします。今年10月には神戸にてVISAキャッシュの実験が ものを持たずに残高情報のみを持つ残 ることができない。ICカードが電子財 行われ、その後も、98年1月から郵政省のICカード型電子マネー実験が埼玉・大宮 高管理方式である。電子財布方式は銀 布として使用される理由はこのような にて、98年6月にはVISAキャッシュ・渋谷実験、98年10月には都市銀行の電子マネ 行がお金にサインをするので安全性が セキュリティの高さにある。ICカード ー・新宿実験などが予定されています。また、米国サイバーキャッシュ社は、米 高くなる一方、データ量が多い分、残 は、今後、電子マネーとしての入れ物 国ですでに実用サービスが開始されている電子決済サービスを今年10月から日本 高管理方式より処理速度が遅いことな としてだけではなく、クレジットカー でも開始すると発表しました(日経新聞97年8月6日)。 ど、それぞれにメリット、デメリット ドや銀行キャッシュカード、個人情報 このように、現在、国内外の企業が電子マネーのデファクト・スタンダードを がある。セキュリティに関しては、独 管理など、さまざまな分野で利用され 目指し、しのぎを削ってサービスを展開しようとしています。今年5月にVISAと 自の暗号方式による認証技術を用い安 るようになり、1枚で複数のアプリケ マスターカードがSET1.0を発表したことにより、今後は、インターネット上での 全性を確保している。また、ブライン ーションを利用できる多機能型ICカー 安全なクレジット決済が可能になるとともに、電子マネーとクレジットカード機 ド署名などの技術を使ってお金の匿名 ドへと進化していく。このプラットフ 能が統合され、あらゆる電子決済を1枚のICカードで行うことができるようにな 性を維持しているため、利用者のプラ ォームとして現在注目されているのが ってきます。 イバシーは完全に保護されている。そ MULTOSとJavaCardである。 の他、分割利用が可能なことなど、 ます。事例では、NTTが開発した電子マネーシステムを採りあげます。このシス NTTの電子マネーは現金に最も近いシ MULTOS(high-security Multi-Application Operating System)は、ICカードの基本ソフ テムは、国産唯一の電子マネーとして、いま非常に注目されています。また、電 ステムであるといえる。 トであり、Mondex Internationalが現在 今回はこの「電子マネー」をテーマとして、最新事例や技術動向を中心に解説し 子決済普及の鍵となるICカードの最新技術動向についても解説します。次回は、 ECを支える要素技術としてのセキュリティについて採りあげる予定です。 電子マネーの種類 しかし、このシステムにも実現に向 開発を進めている。MULTOS上には複 けていくつかの課題がある。まず、不 数のアプリケーション・ソフトをダイ 正使用が行われたときの検出のタイミ ナミックに組み込んだり取り外したり した。国産唯一の電子マネーシステム ングである。不正使用が行われると、 することができる。MULTOSは、PC である。今年1月から5月の間、情報通 これをリアルタイムに検出することは におけるWindowsを目指しているので 現在、電子マネーと呼ばれるものに 信研究所が主催するECN(エレクトロ できない。お金が発行機関に戻された ある。 はさまざまな形態が存在するが、その ニック・コマース・ネットワーク)プロ 時に初めてチェックされ検出される。 利用技術や形態により、一般的には以 ジェクトにおいてNTT電子マネーの実 したがって、実際の運用としては、電 アプリケーション・ソフトが利用でき 下のように分類されている。 証実験が実施された。今後は、97年度 子マネーに有効期限を設けるなどし るICカードで、96年10月にJavaSoftが仕 ●格納媒体による分類 一方、JavaCardは、Javaで書かれた から3カ年計画で実施される郵政省主 て、あるサイクルで発行機関に電子マ 様を公開した。現在、VISA 電子マネーの格納媒体による分類と 導のサイバービジネス協議会での実証 ネーが戻るような仕組みが必要とな InternationalはJavaCardをベースにした して、ICカードの中に電子マネーとい 実験および98年10月から都市銀行と る。 ICカードシステムを開発中である。 う価値を表すデータを格納し、リアル NTTが共同で行う実証実験が予定され ショップでの使用を前提にした「ICカ ている。 ード型」と、利用者のパソコンに電子 財布ソフトをインストールし、ネット では、NTTの電子マネーシステムの 流れを簡単に説明する。 (図参照) また、現在の仕様では、転々流通す JavaCardは、Cardletと呼ばれるJavaアプ る間に電子マネーに情報が追加される リケーション、Cardletを開発するため ためデータ容量が大きくなり、ICカー のAPIおよびクラスライブラリ群であ ドの容量に収まらなくなる可能性があ る JavaCard API、 JavaCard Virtual る。これらの課題は、今後の実験を通 Machineなどから構成される。ICチッ して改善が図られていくであろう。 プ上にCardletをロードし、用途に応じ ワークを介して電子マネーのデータを このシステムの参加者としては、電 送受信する「ソフトウェア型」に分けら 子マネーの利用者、商店、電子マネー れる。ソフトウェア型はネットワーク を発行する発行機関、利用者登録を行 上のバーチャル・ショップでの使用を う登録機関、電子マネーの預け入れ、 前提としていることから「ネットワー 引き出しを行う金融機関が存在する。 Mondex、VISAキャッシュ、NTT電 ク型」と呼ばれる場合もある。 ●流通形態による分類 て自由に組み替えることができる。 次世代ICカード・プラットフォーム 現在、JavaCard APIのバージョンは 1.0であるが、今年10月にはセキュリ まず、利用者は電子マネーを利用す 子マネーなど、代表的な電子マネーシ ティやコミュニケーション機能、 るために登録機関において利用者の登 ステムは電子マネーの入れ物としてIC EMV対応などを追加したバージョン 録を行う。利用者は電子マネーを引き カードを使用している。ICカードは、 2.0を公開する予定である。このよう 電子マネーを利用者から利用者へと譲 出すために金融機関に電子マネーの発 集積回路を1つのチップとして組み上 にMULTOSとJavaCardの基本的なコン 渡することができ、現金に近い流通性 行を依頼する。この時金融機関は電子 げ、カード内に埋め込まれている。ま セプトは同様であり、利用する側とし を持つ「オープンループ型」と、一定の マネーではなく、電子マネー発行チケ た、製造時に物理的・電気的な解析を ては、1つのアプリケーションソフト 取引に使用が限定され、電子マネーは ットのようなものを利用者に返す。利 防止する手段が施されているため、実 を相互に利用できることが望まれる。 発行体、利用者、商店へと流通し、必 用者はそのチケットを電子マネー発行 ず発行体に還流する仕組みの「クロー 機関に送り、ここで初めて発行機関が また、流通形態による分類としては、 ズドループ型」に分けられる。 子マネーは利用者のICカードに格納さ み合わせたものであるが、その中でも、 れる。利用者は電子マネーで現金と同 価値の転々流通性があり、持ち運びが 様にリアルショップでの買い物の決済 容易な「ICカード・オープンループ型」 手段として利用できるほか、ネットワ の電子マネーが最も現金に近い性質を ーク上のバーチャル・ショップでの利用 持つ。この代表的なシステムが、英国 や、個人間での受け渡しも可能である。 のMondexとNTTの電子マネーである。 国産の電子マネーシステム をICカードの中に格納する電子財布方 式である。また、格納された価値を 転々流通させるオープン・ループ型で 所と共同で電子マネーシステムを開発 もある。Mondexの場合は同じICカー 1997年9月1日第437号 ⑪二重使用の検出 たせると表明している。両陣 営の今後の展開に注目した 発行機関 登録機関 ⑤発行依頼 ②許可証 発行 い。 ⑩還流 ⑥発行 金融機関1 金融機関2 ④チケット発行 ⑨預入れ ③換金依頼 利用者1 利用者2 ⑦支払い (譲渡) UN <参考文献> ①利用者 登録 NTTの電子マネーは、価値そのもの 96年9月にNTTは日本銀行金融研究 14 上でJavaが稼動する機能を持 ⑫不正者追跡 電子マネーを発行する。発行された電 実際のシステムはこれらの機能を組 Mondexは将来的にMULTOS NTT電子マネーシステムの概要 商店 ⑧支払い 出典:日本電信電話株式会社 *「電子マネー及び電子決済に関する 懇談会報告書」(大蔵省) *「日経デジタルマネーシステム 1997・4月号/特別版1997年②」(日経 BP) *岩村 充著 「電子マネー入門」(日経 文庫) *「コンピュートピア1997・8月号」(コ ンピュータ・エージ社) *MULTOS http://www.multos.com/ *JavaCard API http://java.sun.com/commerce ユニシス・ニュース 1997年9月1日第437号 IT最前線 間違いだらけのDSS構築 DSS構築のトータル・アプローチ 企業にダイナミズムと活力を与えるDSS が見たいのか」「ほしい情報とは何か」 必要がある。 というニーズに応える視点から構築を (4)ユーザ自ら考え、実行する 進めるのではなく、「自分たちに与え DSSの世界を育てる中心的役割を担 ビジネスのやり方を変え、企業競争力 られた目標は何か」「その中で、問題は うのは、エンドユーザである。その役 を高めることが可能になる。 何か」「商品が売れないのはなぜだろ 割は「考える」「実行する」「判断する」こ う」「顧客に向かって何をすべきだろ とにある。一方、情報シテム部門は、 う」といった業務に与えられた目標、 それを「整備する」「支援する」「コーデ 具体化されてきた。しかし、最近では、 あるいは価値を明確にした上で構築に ィネートする」役割に徹することが必 情報技術の発展を受けて、経 取り組むべきである。 要となる。 DSS(意思決定支援システム)はこれ まで、情報技術の制約から主に経営者、 あるいは企画部門など限られた範囲内 DSSの適用分野は、図1のように多 で意思決定を支援するシステムとして 岐にわたっている。 図1 DSSの適用分野 営者層や企画管理層だけでな く、日々顧客と接し、いろい データベース マーケティング ろなデシジョンをしている担 当者層も含めた企業内の全レ ベルのビジネス・ユーザの意 マーケ ティング 顧客獲得 ・保持 顧客購買行動 の分析 思決定支援を可能にするシス 商品開発 テムとして位置づけられてい 商品別収益 シミュレーション る。 DSSを導入することによっ キャンペーン 実施・評価 営業活動 支援 販売戦略 販売履歴 客に合った商品 コール センター 企業の「知力」を上げ、 ビジネスのやり方を変える。 そして生き残り、成長する。 リスク 管理 経営計画 統計手法の応用 外部環境予測 管理会計 商品別 部門別 収益管理 自ら考えるということは、単なるト (2)全体構想の確立 CRM 顧客リレーションシップ管理 業績管理 営業マン別 業績管理 外部環境予測 シミュレーション て、企業全体の「知力」を上げ、 「間違い」に学ぶDSS構築のアプローチ 企業全体(エンタープライズ)の活動 ライ・アンド・エラーを実行することで は、情報の動き(データ・モデリング) はない。目標設定・実施・評価・見直し で表わすことができる。 を繰り返し、スパイラル・アップさせ、 このモデルを作ることによって、業 自分自身で活力、創造力、実行力、考 務系データの意味が明確になり、統合 察力、判断力、顧客満足度獲得力を生 的に体系づけ、組織としてあるべき情 み出していくことである。 報を明らかにすることが可能になる。 このためには、推進体制の整備や計 次に、企業全体、部門、それぞれが 画的な人材育成など組織的な取り組み 持つべき情報とその責任を明確にし、 が必要となる。 長期的視野に立って、DSSシステム構 (5)最新最適なITの活用 具体的にDSSを構築するに当たって 造と機構の構想を立案する。 は、まずアーキテクチャを確立し、そ さらにDSSを構築、成長させていく DSS構築に当たって、陥りやすい間 業務ニーズは、経営トップや管理職 ための段階的行動計画を立案する。 の中で「変えてはならない部分」と「変 (3)小さく始めて大きく育てる えていく部分」を切り分ける必要があ 違いとして以下の点が挙げられる。 の異動、市場環境の変化、技術の進歩 (1)壮大な構想 などによってニーズは常に変化する。 変化に迅速、柔軟に対応できるよう る。 情報システム部門が中心になって これではいつまでたっても構築にと に身軽なシステムが望まれる。そして 「変えてはならない部分」は、論理的 DSS構築を進めていく場合、通常、ま りかかれないし、完成しても効果は少 DSSの効果を確認しながら、ダイナミ なデータモデルであり、「変えていく ずエンドユーザのニーズの把握から始 ない。そこで「安定したニーズとは何 ックに変化する企業活動に呼応してス 部分」にそのときどきの最新最適なIT めるが、エンドユーザからは、さまざ か」をしっかり見極める必要がある。 パイラルにシステムを成長させていく を採用し、機能向上を図る。 まな要求が山のように寄せられる。そ (5)最新ITを把握していない の中には思いつきの要求も多い。ユー 情報技術は日進月歩の世界である。 ザのニーズだからといって、すべてを 常に最新の情報技術を把握し追随し、 取り上げ壮大な構想を描いて、構築に 上手に使いこなす努力が必要となる。 取りかかるとコストがかかりすぎて失 (6)エンドユーザ不在/隔離 敗に帰すケースが多い。 DSS構築のための要素技術 企業の情報システム全体像とDSSの 要求されたDSSに最適なプラットフ 位置付けを表わしたのが図2の「エンタ ォームとネットワークを選定し構築す ープライズ・モデル概念図」である。 る技術。 不備があったり、データが適切な形で DSSは図の「データベース検索・抽出サ *データ・ウェアハウス構築 最初は小さなモデルから始めるべき 保持されない、あるいは情報提供のタ ービス」の部分に相当する。 であるが「小さく始めて、そのまま」と イミングが遅いと、エンドユーザは使 いうことでは進歩はない。利用の実態 わなくなる。 要素技術を整理しておく必要がある。 分析技術。 を追跡し、継続的に修正しながらニー (7)ツール、プラットフォームの選択 *ビジネス・システム・モデリング *協業基盤構築 (2)構想なき実行 ズの変化に迅速対応し、常に鮮度の高 いデータベースを維持する必要がある。 (3)目的不在で効果が見えない エンドユーザの必要とするデータに から入る 具体的に構築する上で、次のような 築技術、OLAP/データマイニングなど 実世界(ビジネスの場)に着目し、企 データを情報として活かし、協業す 業にとってあるべきDSSをモデル化 るための基盤で、グループウェア、ワ DSSを構築できるという考えを持つ人 し、企画する技術。 ークフロー、イントラネットなどの技 *システム基盤構築 術が挙げられる。 ツールとプラットフォームが揃えば どのようなシステムでも目的が明確 が非常に多い。DSSを構築する上でこ にされなくては役に立たない。DSSは、 れらは不可欠であるが、もっと重要な 経営管理、顧客管理など経営寄りの発 ことは、DSSの目的である「経営を変 想から構築されるものである。したが え、ビジネスを変える」という視点か って、トップダウンでデザインしてい ら、まずニーズをつかみ、必要な仕組 くことが重要な要件となる。 みづくりから始めることが成功への第 (4)不安定なニーズからスタート 一歩である。 DSS構築を成功に導くためのアプローチ を何のために導入するのか、どのよう きアプローチとして、次の5つを挙げ なビジネスにどのように活用するの ることができる。 か、それを明確にした上で構築に取り (1)ビジネス指向であること かかることが絶対の要件になる。 UN 図2 エンタープライズ・モデル(概念図) コア・ビジネス・システム (中核業務システム) ミッション・クリティカル・アプリケーション (基幹業務システム) ビジネス・サポート・アプリケーション (業務支援システム) 業務支援DB 基幹業務DB 外部・市販DB 経営支援DB DSS構築を成功させるために採るべ DSSは情報技術指向ではない。DSS データベース/データマート設計・構 データベース検索・抽出サービス(データ・ウェアハウス) 業務管理DB エグゼクティブ・サポート・ ビジネス・マネジメント・ アプリケーション アプリケーション (経営支援) (業務管理) マネジメント・サポート・システム (管理支援システム) 履歴DB 運用支援DB オフィス情報支援DB アドミニストレーティング・ サポート・アプリケーション (運用支援) オフィス・インフォメーション・ サポート・アプリケーション (オフィス情報支援) アドミニストレーティング・サポート・システム (運用支援システム) このためには、エンドユーザの「何 15 金融情報システム なり仮説・検証 超並列サーバを中核に大規模な データ・ウェアハウスを構築 を繰り返して高 度な分析に挑戦 できる環境が整 システムはその中核に超並列オープ データ・ウェアハウスを「本部情報系システム」に活用 大量データの高速検索、加工・分析に威力 規制緩和をにらみ情報活用基盤を強化 三井海上火災保険 三井海上火災保険では、情報活用基盤の強化を目指して「本部情報系シス テム」のためのデータ・ウェアハウスを構築し、運用を開始した。 ンサーバ「OPUS」を採用、データベー った。 スは「Oracle7」、データ検索エンジンに *操作性に優れ 汎用検索ツール「BusinessObjects」、デ 使いやすいシ ータ加工ソフトに「Excel」を配し、ク ステムを実現 ライアント(検索用端末)には合計27台 利用者は、非 のWindowsNTという構成である。サー 定型問い合わせ バ(千葉ニュータウン本社ビル)とクラ ツールBusiness イアント(東京・駿河台本社)とは64kbps Objectsと加工ツ の専用回線で接続されている。 ールExcelの知識だけでシステムを活 駿河台本社ビル (図参照) 用できる。導入当初は一定のリテラシ データ・ウェアハウスには、主に代 教育が必要であったが、現在ではほと 理店や契約関係のデータが蓄積されて んどの利用者にExcelなどコンピュー いる。データ・ウェアハウスの規模は、 タ活用の知識が普及している。 ディスク容量が500GB、データ件数は *新商品の開発が短期間で可能 大小合わせて約6,800万件、最大規模 従来の情報系システムでは、基幹シ 大量の基幹データを高速に検索、加工・分析ができるデータ・ウェアハウス のもので1,300万件にのぼるものもあ ステムからのデータ抽出、検索・分析 の活用により、商品開発、営業支援など戦略的な情報活用基盤が一層強化さ る。データベースの数は約150に及ん プログラムの作成を経て実際に利用で れることになる。 でいる。稼働中のデータ・ウェアハウ きるまで数カ月かかっていた。新シス スとしては、きわめて大規模なシステ テムでは、検索プログラムの作成が不 ムである。利用部門は、本社の商品開 要となり、必要なデータをデータ・ウ 発、営業推進、事務管理部門など合計 ェアハウスに取り込むだけで実用に供 15部門に達している。 することができる。時間の短縮は、自 ■三井海上火災保険株式会社 ◆大正7年10月、三井物産を母体として 誕生以来、損害保険業界のビッグスリ ーの1つとして、その牽引車的役割を 果たしてきた。一昨年に21世紀にか けての情報中枢および本社バックオフ ィスとなる千葉ニュータウン本社ビル を竣工、情報基盤の強化・拡充を推進 している。 ◆本店=東京都千代田区神田駿河台3-9 規制緩和への対応の一環として 情報系システムを強化 ◆代表者=井口 武雄社長 ◆従業員数=9,000名 ◆正味保険料=6,400億円(平成9年3月) ◆使用機種(ユニシス・システム)=超並 列オープンサーバ「OPUS2000」、エ ンタープライズ・サーバ「2200/600シ リーズ」「同500シリーズ」、UNIXワー クステーション「USファミリ」ほか。 由化対応やビジネス・スピードの向上、 ユーザは、データ・ウェアハウスを、 BusinessObjectsを介して検索し、その また情報システム部門の負荷の軽減、 データをExcelによって自由に加工で バックログの解消にも効果を発揮して きる。こうした強力かつ簡易な検索・ いる。 加工ツールを活用することによって、 ◇ を作り、新商品開発のスピードアッ 利用者は業務知識だけで必要な情報を 小佐野氏は今後の課題について、 プを図る。 即座に入手できることになる。 「規制緩和に起因した新しい業務ニ ーズに対応していく上で、情報システ データの質、操作性、応答速度を ポイントに 検索処理は数時間から数分に、 新商品開発期間も大幅に短縮 データ・ウェアハウスの構築には利 データ・ウェアハウス活用による利 などによる商品・サービスの多様化や、 用部門との連携がその成否を決めると 点として次のような点が挙げられてい CPUの使用状況、ネットワークの負荷、 異なった業態間との競合などに迅速、 いわれる。同社では、95年から約1年 る。 クライアントの利用時間帯など稼働統 柔軟に対応できる情報システム基盤の をかけてユーザ部門に対してヒアリン *大量データの高速検索を実現 計を整備し、ユーザの利用状況を正確 整備が要請されている。特に、急速に グを行い、利用方法を明確にした上で 結果が出力されるまでの時間は、従 に把握して対応していく。また継続的 進む規制緩和に対応するには利用部門 データの選択やデータベースの設計に 来の情報系システムでは1案件で1∼2 な利用促進を目指して、人事ローテー を中核に据え、従来以上に情報の共有 取り組んだ。 時間もかかる場合があった。これを数 ションに合わせた教育を実施し、高度 分単位へと飛躍的なスピードアップを な情報活用スキルをユーザサイドに定 実現した。この結果、ユーザはさまざ 着させていくことも必要である」と語 まな切り口からの検索・加工が容易に っている。 金融ビッグバンへの対応など、保険 業界をめぐる経営環境は、厳しい競争 が避けられなくなっている。規制緩和 化・戦略的活用を可能にする情報活用 基盤の整備が不可欠である。 情報システム部 運用企画担当課長 小佐野 清氏は次のように語っている。 こうした対応への一環として、同社 「データ・ウェアハウスの構築には利 では、エンドユーザ・コンピューティ 用目的、利用すべきデータ内容などの ングを積極的に推進し、次のような狙 基本的な戦略を明確にし、利用するデ いから、データ・ウェアハウスを導入 ータの質を確保し、高速なレスポンス し、超並列技術を利用した情報系シス と優れた操作性を実現することが重要 テムの強化に取り組んできた。 である。我々は、これらのすべての点 *企業内に蓄積された膨大な基幹デー をクリアしたものと自負している。プ タを意思決定に役立つ情報として整 ラットフォームの選定についてはハー 理・統合して活用できる新しい情報 ドウェア性能の評価はもとより、C/SS システム環境を確立する。 の構築面で実績があり、システム・サ *大量データの高速検索、加工・分析 ポート力を高く評価して日本ユニシス を可能にし、事業内容の正確な把握 の超並列オープンサーバ『OPUS』に と問題点の発掘が行えるシステムを 決定した」。 実現する。 *データの多元的な分析や将来予測な どを迅速に可能にするシステム環境 96年1月にOPUSを設置、3月よりデ ータ・ウェアハウスの構築に着手し、 ムの活用はますます重要性を増してく る。システムをできるだけ効果的に活 用するため、データ整備をはじめ、 UN 本部情報系システム構成図 基幹システム OPUS2000データ・ウェアハウス 本店スタッフ 向けデータベース データ件数:6800万 データベース:約150 CPU:Pentium66MHz 16ノード メモリ:128MB/ノード ディスク:548GB Oracle7 SQL*Net 千葉ニュータウンセンターLAN 専用回線 64Kbps 駿河台本社LAN 検索端末27台 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ WindowsNT3.51 同左 S QL*NE T B usinessObjects E xcel 12月から本番稼働を開始した。 発行 日本ユニシス株式会社 広報部 広報室 〒135 東京都江東区豊洲1-1-1 (03)5546-4111 発行人 山下 宗久 編集人 武井 浩 制作 ピー・アールセブン 発行日 1997年9月1日 ISSN 0915-051X 16 1997年9月1日 第437号 ◆社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも弊社の見解を表明しているわけではありません。