...

2006-2011 - 科学技術振興機構

by user

on
Category: Documents
1697

views

Report

Comments

Transcript

2006-2011 - 科学技術振興機構
さきがけとは?
科学技術イノベーションの源泉を生み出す
ネッ
トワーク型研究
(個人型)
概要
■ 研究期間
■ 研究実施場所
採択された年度より原則3年間または5年間のいずれかになります。
原則として、既存の施設を活用していただきます。研究契約を締結することにより、
所属機関において研究することが可能です。
■ 研究費
1課題あたり、
3年間の課題
(3年型)
で総額3,000∼4,000万円程度、
5年間の課
題
(5年型)
で総額5,000∼1億円程度
(研究補助者の人件費含む)
となります。
■ 参加形態
■ 研究契約
JSTは、個人研究者が研究を実施する研究機関と委託、共同等の研究契約を締結します。
■ 知的財産権
兼任や専任等の形態で参加頂き、研究期間を通してJSTに所属していただきます。
①兼任として想定される方 ・大学に籍を持つ方
・独立行政法人研究機関に籍を持つ方
・国公立試験研究機関に籍を持つ方
・財団法人研究機関に籍を持つ方
②専任として想定される方
・ポストドクトラルフェロー
・現在の所属機関を退職される方
委託研究契約に基づいた研究により生じた知的財産権は、
原則として、
研究機関
に帰属します。
■ 研究成果の発表および評価
研究期間中、
国内外にて積極的に研究成果の発表を行っていただきます。研究期
間終了時には、
一般公開である研究報告会において、
研究成果の報告を行っていた
だきます。
また、
研究終了時には事後評価を行い、
研究終了後追跡評価を行います。
なお、
これらの研究成果および評価は一般公開し、
社会還元を図ります。
目的
国が定める戦略目標の達成に向けて、
独創的・挑戦的かつ国際的に高水準の発展が見込まれる先駆的な
課題達成型基礎研究を推進し、
イノベーションの源泉となる成果を世界に先駆けて創出することを目指します。
特徴
1
強力な研究推進サポート体制
さきがけ研究者は、研究総括が運営する研究領域の中で、
自ら立案した研究課題を責任をもって推進します。研究推進にあたって、
研究総括や領域アドバイザーからさまざまな助言・指導を得ることができます。JSTは、特許出願や広報活動等を支援します。
2
領域会議による異分野交流・人脈形成
年2回の合宿形式の研究報告会
(領域会議)
では、
研究総括、
アドバイザーや同じ研究領域の異分野を含む研究者との議論等に
よって研究構想の深化・発展が図れ、
さきがけ研究終了後も続くネットワークが形成されます。
3
ライフイベントへの対応(なでしこキャンペーン)
育児、介護などのライフイベント時には、研究を一時中断することができます。最大1年間の研究期間延長が可能です。
4
研究機関に所属していなくても応募が可能
採択時に研究機関等に所属していない方も、適切にさきがけ研究を推進できると認められる場合、JSTが雇用する
「専任研究者」
として研究を実施することができます。
研究提案の方法の詳細については、
募集専用ホームページに掲載します。募集専用HPへのご案内、
募集時期、
さきがけホームページ
募集の概要については、
(http://www.jst.go.jp/)
、
新聞発表、
メールマガジンにてお知らせします。
JSTホームページ
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/
CONTENTS
研 究 進 行 領 域
さきがけとは?
研究領域紹介(進行領域)
「再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出」
「エネルギー高効率利用と相界面」
「二酸化炭素資源化を目指した植物の物質生産力強化と生産物活用のための基盤技術の創出」
「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」
「太陽光と光電変換機能」
「光エネルギーと物質変換」
「疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出」
「生体における動的恒常性維持・変容機構の解明と制御」
「ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術」
「細胞機能の構成的な理解と制御」
「炎症の慢性化機構の解明と制御」
「脳神経回路の形成・動作と制御」
「エピジェネティクスの制御と生命機能」
「iPS 細胞と生命機能」
「脳情報の解読と制御」
「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」
「超空間制御と革新的機能創成」
「分子技術と新機能創出」
「新物質科学と元素戦略」
「光の利用と物質材料・生命機能」
「ナノシステムと機能創発」
「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」
「情報環境と人」
「知の創生と情報社会」
研究領域紹介(終了領域)
「革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス」
「生命現象の革新モデルと展開」
「数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索」
「RNA と生体機能」
「界面の構造と制御」
「ナノ製造技術の探索と展開」
「物質と光作用」
「生命システムの動作原理と基盤技術」
「代謝と機能制御」
「光の創成・操作と展開」
「構造制御と機能」
「生命現象と計測分析」
「構造機能と計測分析」
「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」
「量子と情報」
「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」
「情報、バイオ、環境とナノテクノロジーの融合による 革新的技術の創製」
「生体分子の形と機能」
「情報と細胞機能」
「情報基盤と利用環境」
「ナノと物性」
「生体と制御」
「光と制御」
「合成と制御」
「認識と形成」
「秩序と物性」
「相互作用と賢さ」
「機能と構成」
「協調と制御」
「タイムシグナルと制御」
「変換と制御」
「組織化と機能」
「情報と知」
「形とはたらき」
「状態と変革」
「素過程と連携」
「遺伝と変化」
「知と構成」
「場と反応」
「構造と機能物性」
「光と物質」
「細胞と情報」
索引
研 究 終 了 領 域
2
4
6
9
12
15
18
21
23
26
28
31
34
38
41
44
47
49
51
54
57
60
63
65
68
72
74
75
76
77
78
79
80
81
83
84
85
86
87
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
110
111
112
113
114
115
116
117
118
120
1
さきがけ領域一覧
研究進行領域 24 領域 692 課題
キーワード
研究領域名
エネルギーキャリア
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出
相界面
エネルギー高効率利用と相界面
二酸化炭素資源化
二酸化炭素資源化を目指した植物の物質生産力強化と生産物活用のための基盤技術の創出
藻類バイオエネルギー
藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出
太陽光
太陽光と光電変換機能
物質変換
光エネルギーと物質変換
疾患代謝
疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出
恒常性
生体における動的恒常性維持・変容機構の解明と制御
構造生命科学
ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術
細胞構成
細胞機能の構成的な理解と制御
慢性炎症
炎症の慢性化機構の解明と制御
脳神経回路
脳神経回路の形成・動作と制御
エピジェネティクス
エピジェネティクスの制御と生命機能
iPS
iPS 細胞と生命機能
脳情報
脳情報の解読と制御
ナノエレクトロニクス
素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成
超空間制御
超空間制御と革新的機能創成
分子技術
分子技術と新機能創出
元素戦略
新物質科学と元素戦略
光の利用
光の利用と物質材料・生命機能
ナノシステム
ナノシステムと機能創発
ビッグデータ
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化
情報環境
情報環境と人
知の創生
知の創生と情報社会
研究終了領域 42 領域 1218 課題についてはP72 以降をご覧下さい。
PRECURSORY RESEARCH
FOR EMBRYONIC SCIENCE
AND TECHNOLOGY
18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
研究総括・副研究総括
発足年度
募集
課題数
江口 浩一
平成25年
募集有
4
P4
平成23年
̶
32
P6
平成23年
̶
31
P9
平成22年
̶
28
P12
平成21年
̶
36
P15
平成21年
̶
39
P18
平成25年
̶
7
P21
平成24年
募集有
26
P23
平成24年
募集有
23
P26
平成23年
̶
39
P28
平成22年
̶
37
P31
平成21年
̶
45
P34
平成21年
̶
40
P38
平成20年
̶
30
P41
平成20年
̶
37
P44
平成25年
募集有
13
P47
平成25年
募集有
11
P49
平成24年
募集有
28
P51
平成22年
̶
34
P54
平成20年
̶
40
P57
平成20年
̶
40
P60
平成25年
募集有
6
P63
平成21年
̶
36
P65
平成20年
̶
30
P68
(京都大学 大学院工学研究科 教授)
ページ
笠木 伸英
(東京大学 名誉教授/
科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フェロー)
磯貝 彰
(奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授)
松永 是
(東京農工大学 学長)
早瀬 修二
(九州工業大学大学院 生命体工学研究科 研究科長/教授)
井上 晴夫
(首都大学東京人工光合成研究センター センター長/特任教授)
小田 吉哉
(㈱エーザイ バイオマーカー&パーソナライズド
メディスン機能ユニット プレジデント)
春日 雅人
(国立国際医療研究センター 総長)
若槻 壮市
(米国SLAC国立加速器研究所 光科学部門
教授/スタンフォード大学 医学部 教授)
上田 泰己
(東京大学 大学院医学系研究科 教授)
高津 聖志
(富山県薬事研究所 所長)
村上 富士夫
(大阪大学 大学院生命機能研究科 教授)
向井 常博
(西九州大学 学長/佐賀大学 名誉教授)
西川 伸一
(JT生命誌研究館 顧問/NPO オール・アバウ
ト・サイエンス・ジャパン
(AASJ)代表理事)
川人 光男
(
(株)
国際電気通信基礎技術研究所 脳情報
通信総合研究所 所長/ATRフェロー)
桜井 貴康【CREST担当】
(東京大学 生産技術研究所 教授)
横山 直樹【さきがけ担当】
(
(株)
富士通研究所 フェロー)
黒田 一幸
(早稲田大学 理工学術院 教授)
加藤 隆史
(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
細野 秀雄
(東京工業大学 フロンティア研究センター/
応用セラミックス研究所 教授)
増原 宏
(台湾国立交通大學 理学院応用化学系
輿分子科学研究所 講座教授)
長田 義仁
(理化学研究所 基幹研究所 客員主管研究員)
喜連川 優
(国立情報学研究所 所長/
東京大学 生産技術研究所 教授)
柴山 悦哉
(東京大学情報基盤センター 教授)
石田 亨
(京都大学大学院 情報学研究科 教授)
中島 秀之
(公立はこだて未来大学 学長)
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造
とその利用のための革新的基盤技術の創出
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/202ecarrier.html
戦略目標
再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア
利用基盤技術の創出
研究領域の概要
本研究領域は、再生可能エネルギーを安定的・効率的に利用する水素エネルギー社会の実
現に向け、再生可能エネルギーを化学エネルギーの貯蔵・輸送の担体となるエネルギーキャリア
に効率的に変換し、さらに、エネルギーキャリアから電気エネルギー、水素、動力等を取り出して
利用する基礎的・基盤的技術の創出を目指します。そのために、電気化学・触媒化学・材料
研究総括
江口 浩一
京都大学 大学院工学研究科 教授
科学・プロセス工学といった分野の垣根にとらわれない異分野間の融合型研究を推進します。
例えば、風力・太陽光などの再生可能エネルギーを利用してエネルギーキャリアを効率的に直接
合成するための電解合成、触媒合成、電極・反応場材料に関する研究、太陽熱・地熱を用
いた熱化学プロセスによりエネルギーキャリアを合成するための研究を対象とします。また、エネ
ルギーキャリアを燃料として用い電気エネルギーを取り出す直接燃料電池や、エネルギーキャリア
領域アドバイザー
秋鹿
岡田
酒井
村田
研一
佳巳
夏子
謙二
堤 敦司
出来 成人
増田 隆夫
松本 信一
水野 雅彦
山内 美穂
放送大学 客員教授
千代田化工建設株式会社技術開発ユニット 技師長
から低温で高効率に水素を取り出す脱水素技術に関する研究も含みます。
本研究領域では、研究が先行している有機ハイドライド、アンモニアを水素含有率、変換効率、
住友電気工業株式会社 NEXT センター 主幹
安全性において凌駕する新規エネルギーキャリアの合成・利用に資する先導的な研究を推奨しま
財団法人エネルギー総合工学研究所
プロジェクト試験研究部 副参事
す。一方で、これら既知のエネルギーキャリアを対象とする研究であっても、これまで想定されて
東京大学生産技術研究所 特任教授
きた合成・利用・貯蔵運搬方法とは異なる、新たな着想に基づく独創的な技術であれば、本研
山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター 副センター長
究領域の対象とします。
北海道大学大学院工学研究院 教授
トヨタ自動車株式会社エネルギー調査企画室 主査
住友化学株式会社石油化学品研究所 上席研究員
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
准教授
●扉絵は、再生可能エネルギーから製造されるエネルギーキャリアから取り出された水素の利用による輝ける未来をイメージした
ものです。
4
エネルギーキャリア
平成
中温領域で作動する直接アンモニア形
水素膜燃料電池の創製
年度採択研究者[3期生]
25
青木芳尚
北海道大学大学院工学研究院 准教授
同上
水素透過性合金アノード、プロトン伝導
性アモスファス電解質ナノ薄膜およびプ
ロトン―電子混合伝導性カソードを組み
合わせた水 素 透 過 膜 燃 料 電 池
(HMFC) を作製して、酸素イオン拡散
過程を経ず単一プロトン輸送によって駆
動する燃料電池システムを創成します。これにより直接ア
ンモニアを燃料とした中温作動燃料電池を実現します。
鉄族クラスター分子触媒の創出と
エネルギーキャリアの合成
大木靖弘
名古屋大学大学院理学研究科 准教授
同上
本研究では、再生可能エネルギーに由
来する電 気エネルギーから化 学エネル
ギーへの、高効率変換法の開発を目指
します。 窒素とプロトンと電子から常温・
常圧でアンモニアを生成する酵素ニトロ
ゲナーゼに着想を得た新しい触媒として、
鉄族元素からなる高反応性のクラスター分子群を創出し、
ニトロゲナーゼに倣うアンモニア合成反応をはじめとした、
エネルギーキャリアの高効率合成に利用します。
低エクセルギー損失・CO2 無排出燃焼の実現
に向けたアンモニア燃焼化学反応機構の解明
中村 寿
東北大学流体科学研究所 助教
同上
本研究では、独自に開発した「温度分
布制御マイクロフローリアクタ」を用い
て、従来手法で実施できなかった中低
温 域( 約 600-1200 K )のアンモニ
ア燃 焼 化 学 反 応 機 構の検 証・開 発を
行います。これにより、低エクセルギー
損失アンモニア燃焼器の設計開発に必要不可欠な基盤
整 備を行います。 以って、アンモニアによる高 効 率・
CO 2 無排出燃焼の実現に資することを目的とします。
ゼロエミッションを実現するアンモニア
燃焼触媒の物質設計と応用
日隈聡士
熊本大学大学院自然科学研究科 助教
京都大学学際融合教育研究推進センター 特定助教(産官学連携)
太陽集光熱を用いた大量合成が想定さ
れるソーラーアンモニアをカーボンフリー
な燃料として位置づけ、次世代燃焼器
へ広く展開する上で鍵となる燃焼触媒の
材料設計を確立します。アンモニアの燃
料としての優位性を発揮するために、低
温着火を可能にするとともに窒素酸化物の生成を抑えて窒
素と水のみ生成するゼロエミッションを達成する触媒を創出
します。 本研究の成果は化石燃料の代替と再生可能エネ
ルギーの製造から利用に至る真の脱炭素化を可能にします。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
5
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/
research_area/ongoing/101soukaimen.html
戦略目標
エネルギー利用の飛躍的な高効率化実
現のための相界面現象の解明や高機能
界面創成等の基盤技術の創出
構造規制相界面における重たい
23
フォトンの利用
年度採択研究者[1期生]
と相界面
5
平成
エネルギー高効率利用
池田勝佳
5挑
超低電力マグノンデバイスの
基盤技術創出
北海道大学大学院理学研究院 准教授
同上
関口康爾
光エネルギーの有効利用には、光を効
率的に捕まえる技術と電気や化学エネ
ルギーに無駄なく変換する技術の確立
が不可欠です。 本研究では、光エネル
ギーを重たいフォトンとして電極表面に集
め、機能性分子ユニットの3次元集積に
よって精密に設計・構築した光機能性界面に作用させること
で、光エネルギー変換過程の飛躍的な効率向上を目指しま
す。 電極界面の原子レベル制御によって、このような概念
が初めて実現可能になります。
慶應義塾大学理工学部 専任講師
京都大学化学研究所 特定助教
光・熱・電磁信号からスピン信号への
高効率エネルギー変換機能および新規
スピン機能界面を創出します。 固体素
子中のスピン信号は強磁性 / 非磁性界
面におけるキャリア変換に支配されます。
本研究では、
これまで注目されていなかっ
た、界面を超高速で伝搬する表面マグノンに着目し、全
く新しい概念である超高速・超低電力マグノンデバイスの
基盤技術を創出します。
5
高圧水電解三相界面における
限界物質輸送の実験的探究
伊藤衡平
九州大学大学院工学研究院 教授
同上
第一原理統計力学による太陽電池・光触媒
界面の動作環境下電荷移動・励起過程の解明
館山佳尚
物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 グループリーダー
同上
高圧水電解を使うと、常圧の水から高
圧の水素ガスを直接、かつ効率よく製
造できます。しかし高圧下であるが故に
生じるガス透過の問題、すなわちカソー
ド極で生成された水素ガスがアノード極
に透過して損失となる問題を解決する必
要があります。また、過電圧に伴う損失も更に低減する
必要があります。 本研究ではシステム的側面から組み込
み可能な対流、ぬれ性、浮力の3つの効果により、水電
解三相界面からのガスの離脱性を限界まで高め、高圧水
電解の限界性能を目指します。
高精度電子状態計算と統計サンプリン
グ手法を様々な形で組み合わせた「 第
一 原 理 統 計力学 」 計 算 技 術を構 築・
利用することにより、色素増感太陽電
池 系・ 光 触 媒 系( 主 に TiO2 電 極 )
の動作環境(室温・常圧)下熱平衡
状態における固液界面の電荷移動(酸化還元)
・光励
起過程の微視的メカニズムを明らかにし、エネルギー変換
効率の向上に向けた理論的設計と固液界面の原子・電
子スケールの観点からの学理構築に取り組みます。
東京大学大学院工学系研究科 教授
SiC MOSFET の抵抗損失低減
のための界面制御技術
金属−空気二次電池可逆空気極
における三相界面
本研究領域は、豊かな持続性社会の実現に向けて、エネル
喜多浩之
研究総括
笠木 伸英
東京大学 名誉教授/
科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フェロー
研究総括補佐
橋本 和仁
ギー利用の飛躍的な高効率化を実現するため、エネルギー変換
・ 輸送に関わる相界面現象の解明や高機能相界面の創成など
の基盤的科学技術の創出を目的とします。
具体的には、様々な相界面現象の基礎学理や制御 ・ 最適
化技術を深化させることによって、エネルギー損失の大幅な減少
を可能とする相界面、あるいは、高効率エネルギー利用のため
の新たな高機能相界面を創造することに挑戦します。そのため
には、ナノ、メソ、マクロといった異なるスケールの現象を統合
的に解析 ・ 設計するための技法、相界面構造を制御・最適化
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
パワーデバイス用の SiC-MOSFET は
オン 抵 抗 の 低 減 が 求 められています。
本研究ではヘテロ固相界面の精緻な制
御に基づいた新しいプロセスを適 用し、
デバイス特性の向上を実証します。SiC
と絶縁膜の界面では、 SiC 酸化に伴う
欠陥形成を抑制しながら良質な絶縁膜を形成することで
キャリア移動度の向上を図り、また SiC と金属の界面に
対しては、界面障壁を制御することでコンタクト抵抗を低
減する技術を構築します。
宮崎晃平
京都大学大学院工学研究科 助教
同上
高容量で安全性の高い次世代蓄電池
である金 属−空 気 二 次 電 池の空 気 極
(可逆空気極)における相界面現象に
着目し、高効率・長寿命な可逆空気極
を構築するための三相界面設計指針を
創出することを目指します。 触媒層内で
のガス、イオン、電子のエネルギーキャリア分布を解明し、
新規な三相界面形成物質の探索を通じて可逆空気極の
高効率化を図り、エネルギー・環境問題に対処するため
の世界最先端エネルギー技術を構築します。
するための理論的手法などを開拓することなどが必要です。さら
に、これらの先端的な基礎研究の成果を、実際の機器やシス
テムの設計に効果的に適用し、それらの飛躍的性能向上、低
炭素化、低コスト化に繋げることが重要です。
したがって、本研究領域では、エネルギーの高効率利用に向
けた相界面におけるエネルギー変換・輸送機構の解明、マルチ
スケールの相界面現象を総合的に解析・設計するための計測、
モデリング、シミュレーション技術の開発、相界面構造を制御・
最適化するための数理科学的な手法などの基盤技術を創出する
とともに、機器やデバイスの理論的最高性能を実現するための
高機能相界面を創成することを最終目標とします。こうした目標
を達成するために、既存の専門分野を越えた、あるいは異なる
分野の科学的知識を融合した、総合的な取り組みを奨励します。
領域アドバイザー
6
魚崎
岡島
加藤
金村
㓛刀
高木
竹中
浩平
博司
昌子
聖志
資彰
英典
信之
中込
花村
山田
吉田
秀樹
克悟
明
英生
物質・材料研究機構 ナノ材料科学環境拠点 拠点長
トヨタ自動車株式会社技術統括部 主査
北海道大学大学院理学研究院 教授
首都大学東京大学院都市環境科学研究科 教授
京都大学大学院工学研究科 教授
東京大学大学院理学系研究科 教授
奈良女子大学男女共同参画推進室キャリア開発支援本部
キャリアコーディネータ
千葉大学大学院工学研究科 教授
東京工業大学大学院理工学研究科 教授
東京工業大学大学院理工学研究科 教授
京都大学大学院工学研究科 教授
ナノ構造界面を利用した環境親和型
熱電半導体の創成
塩見淳一郎
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
高効率エネルギー変換に向けた
革新的イオン機能界面設計
八代圭司
東北大学大学院環境科学研究科 准教授
東北大学多元物質科学研究所 講師
熱を電気に直接変換する熱電変換は排
熱 再 利 用 技 術として期 待される一 方、
素 子 の 変 換 効 率 の 低いことが 課 題と
なっています。そこで本研究では、ナノ
結 晶 構 造がランダムに分 布した「ナノ
構 造 化バルク熱 電 材 料 」 の豊 富な界
面を利用してフォノンや電子の輸送を制御し、熱電変換
効率の向上を目指します。そのために原子レベルの物理
から素子性能までを統一的に取り扱う解析ツールを構築
し、原理原則に基づいた材料設計を行います。
環境・エネルギー材料として期待される
イオン導電性酸化物の更なる高性能化
を図ることで、燃料電池や水素分離膜
などの高効率化、大幅なコストダウンが
期待できます。 本研究では、従来の置
換固溶を基礎とした高性能化手法に代
わり、高機能ヘテロ界面の設計などイオン伝導性を飛躍
的に向上させる界面エンジニアリングによる革新的な材料
設計の基盤技術を確立することを目指します。
原子分解能電磁場計測電子顕微鏡法の
開発と材料相界面研究への応用
自己組織化集合能による高触媒
活性サイトのプログラマブル合成
柴田直哉
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
材 料 の 相 界 面を制 御し、 先 進エネル
ギー・環境材料開発に応用していくため
には、その原子構造や局所電磁場分布
を原子レベルで解明し、相界面機能発
現の本質を理解することが不可欠です。
本研究では、サブ Å 分解能を有する走
査透過型電子顕微鏡をベースに、電子線と原子レベル
の電磁場との相互作用を高度に計測する世界初の電子
顕微鏡法を開発し、エネルギー・環境材料、デバイス界
面研究に積極的に応用することを目指します。
保田 諭
北海道大学大学院理学研究院 講師
同上
高効率な酸素還元活性サイトをもつ非
貴金属燃料電池カソード触媒の合成技
術を確立します。 原料分子のもつ自己
組 織 化 集 合 能を利 用し、 酸 素 還 元 活
性サイトの原子位置、電子状態、分布
を自在にデザインし、 制 御 導 入が可 能
な合成手法を開発します。 酸素還元活性サイトをナノレベ
ルで厳密に最適化することで高効率な酸素還元界面を持
つ新奇なカソード触媒を創製することを目指します。
安田琢麿
金属酸化物層での被覆を利用した
電極触媒の高機能化
九州大学大学院工学研究院 准教授
同上
竹中 壮
ソフトマターとしての特 性を有する液 晶
半導体は、従来の二極化した結晶およ
びアモルファス有 機 半 導 体とは異なる、
自己修復能やフレキシビリティーを兼ね
備えた新しい電子機能材料です。 本研
究では、液晶半導体分子が形成するナ
ノからマイクロメートルに至る階層間での分子集積・配向
構造を解明し、これらの超構造や相界面を能動的に制御・
活用した高機能ソフトマターエレクトロニクスデバイスの創
出を目指します。
九州大学大学院工学研究院 准教授
同上
平成
年度採択研究者[2期生]
東北大学金属材料研究所 准教授
同上 助教
スピン角運動量の流れ「スピン流 」を
媒介として、身の周りにありふれた様々
な環境エネルギーを回収利用する発電・
省エネデバイス技 術の創出に挑 戦しま
す。 本 研 究では、 磁 性 体 / 金 属 相 界
面における新しいエネルギー変 換 原 理
「スピン有 効 温 度エンジニアリング」を駆 使することで、
光吸収によるスピン流生成効果を重点的に開拓し、絶縁
体を含むあらゆる物質中の未利用エネルギーを有効活用
するための基礎技術の確立を目指します。
理化学研究所田原分子分光研究室 研究員
理化学研究所基幹研究所 研究員
固体高分子形燃料電池の本格的普及
に向け、電極触媒の高機能化が求めら
れています。 本研究では、独自に開発
したシリカでの被 覆 法によるPtカソード
触 媒の高 活 性 化・高 耐 久 性 化を目的
に、シリカ層 内での分 子、イオン種の
拡散挙動、シリカ層と電極活性点界面の構造を明らかに
します。ここで得られた知見を基に、シリカ被覆Pt電極触
媒の基礎学理を構築すると共に、高活性・高耐久性を
有する電極触媒の設計指針の獲得を目指します。
本研究では、溶液中に埋もれた実用的
な相界面の顕微分光を可能にする新規
非線形顕微分光法を開発します。この
方法を用いて、リチウムイオン電池をは
じめとする様々な材料界面における分子
構造とその空間分布を明らかにすること
で、材料設計に分子科学的な根拠を与えることを目指し
ます。
電極相界面極限利用を実現する
高効率フロー電池
固液界面その場 XPS 測定による
酸素還元反応機構の解明
近畿大学理工学部 准教授
同上
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
同上
フロー電池は、蓄電量が可変でメンテナ
ンス性も高く、電力の負荷平準化並び
に自然エネルギーの大規模電力貯蔵な
ど、我が国の電力の安定供給と高効率
利用につながる蓄電デバイスとして期待
できます。 本 研 究では、マイクロ流 体
技術と電池技術を融合して、電極相界面の極限的利用
を実現し、優れた充放電効率と高い出力を達成する高効
率フロー電池の創成を目指します。
金属膜を持つ表面微細構造による
放射エネルギーの波長制御
戸谷 剛
北海道大学大学院工学研究院 准教授
同上
強誘電性配位高分子は、金属イオンと
有機配位子からなる新たな無機・有機
複合型強誘電性材料であり、アモルファ
スシリコンに匹敵する高いキャリア移動
度と、長寿命な光励起キャリアを生成す
ることが見出されています。 本研究では、
この材料を用いた強誘電性配位高分子複合界面の創製
と高効率な光電変換素子への応用を目指します。
本研究は、ヒートポンプの排熱部から周
囲空間への放熱において、対流伝熱に
加え、金属膜被覆の表面微細構造を有
する伝熱面を採用して放射伝熱を飛躍的
に増進し、ヒートポンプ効率を大幅に向上
することを目指します。このために、表面
微細構造による電磁波の放射・吸収における波長選択メカ
ニズムを解明し、大気での放射吸収が少ない放射波長の制
御を達成し、低価格、大面積、大量生産可能な波長選択
性を持つ放熱器の開発を目指します。
自己組織化を活用した超ナノ結晶
人工光合成デバイスの構築
新しい半導体固相界面による
新規グリーンデバイスの開発
北海道大学大学院理学研究院 講師
同上 助教
冨岡克広
科学技術振興機構 さきがけ研究者
同上
本研究では、光増感分子と触媒分子を
ナノメートルサイズの多孔性結晶へと精
密集積させる手法を用いて、人類の夢
の反応である人工光合成に挑戦します。
分子レベルで各機能性分子を配列制御
することで結晶表面から多孔体内部へ
のエネルギー勾配と特異な微小反応場を作り出すナノ光
反応界面制御により、これまでにないエネルギー獲得型
光触媒システムの構築を目指します。
シリコンとI
I
I−V族化合物半導体からな
る半導体固相界面に生じる新しい物性
を利用することで、エネルギーを効率良く
“創る・貯める・使う”素子(グリーンデ
バイス)を開発します。 具体的には、エ
ネルギーを創り貯める素子として、高効
率ワイヤレス型水素生成セルを作製し、
また、省エネルギー
素子として、低電力トランジスターを開発することで、とり
わけ電子・輸送産業のエネルギー高効率利用に貢献する
基盤技術の確立を目指します。
高効率光電変換デバイスの実現に向けた
III 族窒化物のマルチバンドエンジニアリング
リチウムイオン電池電極材料のセラミック
ス二相境界における物質移動の動力学
サン リウエン
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
ICYS-MANA 研究員
同上
幅 広い波 長 領 域に対 応する直 接 遷 移
型の III 族窒化物半導体は、優れた高
効 率な光 電エネルギー変 換デバイスを
構成できます。 本研究では、高効率エ
ネルギー利用のための新たなI
nGaNの
多層ナノ界面変調のコンセプトを実証す
ることで、高I
n組成のI
nGaNのp型化を実現し、高効率
な光電変換デバイスの実現に挑戦します。
増田卓也
中山将伸
名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授
同上
環境・エネルギーデバイスとして注目され
る蓄電池の高出力化と高効率化のため
には、電池内部でのイオン輸送能の向
上が必要です。 本研究では、二相共存
系の電極反応をモデルとして計算と実験
を融合させたアプローチから、相境界で
のイオン輸送機構を定量的に解明します。このような基
礎研究から電池の設計指針を得て、電気自動車の高出
力型車載電池開発や、すべてセラミックスから構成される
全固体電池の実現に結びつけます。
5
5 年型
挑 大挑戦型
物質・材料研究機構先端的共通技術部門 主任研究員
同上 ナノ材料科学環境拠点 特別研究員
これまで活 躍の場が真 空 中に限られて
いたX線光電子分光法(XPS)を固液
界 面に応 用し、 電 極や触 媒の酸 化 状
態・表面吸着種を反応が起こっている
その場で観察することが可能なシステム
を構 築します。この手 法を用いて、 長
年にわたって燃料電池やリチウム空気電池の性能向上の
妨げとなってきた酸素還元反応のメカニズムを解明し、従
来材料の問題点を顕在化させることによって、理想的な
電極材料の設計指針の獲得を目指します。
25
界面微細センサ開発とマルチスケール数値解析による
熱・物質輸送−電気化学反応の連成現象の解明
年度採択研究者[3期生]
大久保貴志
津島将司
平成
強誘電性配位高分子複合界面の創製と
光電変換素子への応用
小林厚志
二本柳聡史
挑
スピン流を用いた革新的エネルギー
24
デバイス技術の創出
内田健一
埋もれた材料相界面研究のための
極限的非線形顕微分光法の開発
相界面
液晶半導体のメゾスコピック超構造を
活用した有機電子デバイスの開発
荒木拓人
横浜国立大学工学研究院 准教授
同上
固 体 高 分 子 形 燃 料 電 池( PEFC )は、
クリーンで高効率なため次世代の自動車
用、家庭用分散電源として期待されて
います。この PEFC の触媒層やその近
傍における熱・物質輸送と相変化およ
び電気化学反応の連成現象、ひいては
反応の律速段階を整理・解明するためのマイクロセンサ
アレーとマルチスケールのモデリング技 術の開 発を行い、
触媒性能を限界まで引き出す最適な界面構造設計技術
を構築します。
カーボン導電剤とバインダーの構造制御
による電子物質輸送界面の高効率化
井上 元
京都大学大学院工学研究科 助教
同上
各 種 電 池の高 性 能 化のために電 子 伝
導性の向上が重要ですが、カーボン導
電剤のナノ構造と接触界面の状態、さ
らに電極層内の分散性は十分理解され
ていないのが現状です。 本研究では実
際の凝集形態と接触界面抵抗に着眼し
た、 電 子 伝 導 評 価を実 測と解 析 の 両 面から行います。
また塗布乾燥操作における偏在状況を把握して、電子物
質輸送界面の制御技術を開発し、そして各種電池に適用
して新たな技術革新に繋げることを狙いとします。
計算科学的手法による省電力・
低損失デバイス用界面のデザイン
小野倫也
大阪大学大学院工学研究科 助教
同上
低電力損失パワーデバイスや省電力エ
レクトロニクスデバイスの実 現をめざし、
独自に開発した実空間手法に基づく第
一 原 理 計 算 法と熱 統 計力学を用いて、
高機能界面構造の設計と作成プロセス
の提案を行います。リーク電流や移動
度低下の原因解明とその解決手段の提案を計算科学手
法で行い、実験グループと協力して機能を実証します。さ
らに、計算科学手法によりデバイス用の界面構造や作成
プロセスを設計する基盤技術を構築します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
7
金属−強誘電体界面で実現する新形態
触媒デザイン
狩野 旬
岡山大学自然科学研究科 准教授
同上 講師
平山朋子
同志社大学理工学部 准教授
同上
金属−強誘電体が界面接合した系にお
いて、新形態触媒をデザインする研究
を行います。 強誘電体は自発分極を有
しており、常誘電相に特有な電子状態
により接触するガス等の酸化還元反応
を促進させることが可能となります。 金
属と強誘電体の選択より、期待する触媒作用に最適な
電子状態を実現し、適材適所の触媒デザインを目指します。
機 械 工 学 技 術において、 要 素 間の摩
擦およびそれに伴う摩耗の発生に関す
る諸問題は極めて重要な課題です。 本
研 究では、 摺 動 機 構 付き中 性 子 反 射
率計や赤外分光計等の独自の最新機
器を用いて摺動界面の直接観察を行い、
超低摩擦特性を発現する相界面の構造とメカニズムを明
らかにします。また、得られた知見に基づいてそのような
超低摩擦特性を発現する相界面の設計指針の提示を行
うとともに、新しい相界面の創成を目指します。
相界面の動的構造観察のための
波長分散型表面X線回折計の開発と応用
マグネシウムイオンを用いた電気化学デバイス
創成のための電極/電解質界面設計
白澤徹郎
東京大学物性研究所 助教
同上
機能が発現している相界面で構造がど
のように変わっているか。相界面の機能
を理 解 するために 欠くことのできない、
最も基本的で重要なテーマです。 本研
究では相界面の構造変化を原子スケー
ルからナノスケールまでその場観察でき
る時分割表面X線回折計を開発します。この方法を相界
面の動的過程の理解と新規材料開発に役立てます。
飛躍的石油増進回収のための油水反応
レオロジー界面の創成
長津雄一郎
東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授
同上
現存する油田からいかに多くの石油を採
取するか、すなわち石油増進回収は重
要な課題です。 石油回収では油層内の
石油とそれを置換するために圧入される
流 体との相 界 面 現 象が回 収 効 率 低 下
の 要 因となっています。 本 研 究 では、
圧入流体に水溶液を用い、石油との互いに混ざり合わな
い二液体界面での化学反応によって界面張力と界面レオ
ロジーを変化させることにより飛躍的な石油増進回収を実
現する油水反応レオロジー界面の創成に挑戦します。
物質輸送と界面反応を最適にするための
電極微細構造のメソスケール制御加工
長藤圭介
東京大学大学院工学系研究科 講師
同上
燃料電池の電極におけるイオン・電子・
ガスは、 複 雑な 3 次 元 微 細 構 造 経 路
の中で輸送され、その経路同士の界面
で化学反応します。この複雑な輸送経
路の抵抗を下げることが、発電デバイス
としての理論効率までに引き上げるため
の重要なファクターと言えます。 本研究では、この抵抗を
最大限に低減するためのメソスケールレベルでの電極微
細構造設計に着目し、その最適構造の制御加工法を開
発することを目指します。
多孔体内三相界面における
熱流動解析に基づく熱輸送革新
長野方星
名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 准教授
同上
熱エネルギーの有効利用において熱輸
送 技 術が 重 要となります。 本 研 究は、
長 距 離 熱 輸 送デバイスとして高い省エ
ネ効果が期待される毛細管力駆動型二
相流体デバイスの革新的性能向上を図
るため、マイクロキャピラリー内における
固気液三相界面の熱流動現象の解明と物理モデル化を
行います。また、最適多孔体相界面構造の提案、マル
チスケールな統合解析・設計により、革新的熱エネルギー
輸送デバイスの創出を目指します。
8
超低摩擦摺動メカニズムの解明と
新規相界面の創成
松井雅樹
三重大学工学研究科 客員准教授
同上 特任准教授
マグネシウムイオンを用いた二次電池は、
資源が豊富で安価なだけでなく、高容
量化が期待できます。しかしながら、金
属 マグネシウムを負 極 に 用 いた 場 合、
現状の電解液では耐電圧が低く、セル
電圧を上げる事が困難です。 本研究で
は、マグネシウム金属と電解液の界面に人工的な皮膜を
形成し、耐電圧の高い電解液中での可逆なマグネシウム
の溶解析出を実現し、リチウムイオン電池を越える高エネ
ルギー電池を実現します。
ための基盤技術の創出
http://www.jst.go.jp/presto/plantsci/
戦略目標
二酸化炭素の効率的資源化の実現の
ありとあらゆる光環境下において効率の
良い光合成を維持するため、葉緑体で
は、さまざまなたんぱく質が連動して機能
しています。しかし、それらが葉緑体内
で実際にどのような振る舞いをしている
かは分かっておらず、光環境変化に適
応する仕組みはまだ完全に理解されていません。 本研究
では、ライブセルイメージングによって、その振る舞いを可
視化し、植物の光環境適応機構の実態を明らかにするこ
とを目指します。
ための植物光合成機能やバイオマスの
利活用技術等の基盤技術の創出
東京大学大学院理学系研究科 准教授
同上
植物細胞の中にはさまざまな細胞小器
官が存在し、それらは膜交通と呼ばれる
仕 組みにより結ばれています。 私 達は
最近、植物特有の膜交通経路が、塩
ストレス応答や病原菌との相互作用に
おいて重要な役割を果たしていることを
突き止めました。 本研究では、その仕組みを解明するとと
もに、この膜交通経路を最適化し、塩ストレスや病気に
強い植物を作出し、植物バイオマスや食料の増産、それ
に伴う二酸化炭素資源化効率の上昇を目指します。
磯貝 彰
奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授
本研究領域では、植物の光合成能力の増強を図
るとともに、光合成産物としての各種のバイオマスを
活用することによって、二酸化炭素を資源として利
活用するための基盤技術の創出を目的とします。
具体的には、植物の物質生産能力の基本である
光 合 成 の 制 御 機 構を光 合 成 産 物 の 代 謝 や 転 流、
及び窒素同化などとの相互作用も含めて統合的に
理解し、それに基づいて光合成能力を向上させる基
盤技術についての研究を推進します。また、植物の
多様な環境への適応機構の解明に基づいた光合成
農業生物資源研究所遺伝資源センター 任期付研究員
同上
塩害が原因で不耕作地帯となっている
土地は、全世界で8億ヘクタール存在し
ます。したがって、この広大な土地で栽
培 可 能な耐 塩 性 作 物を開 発できれば、
二酸化炭素の資源化は一挙に達成され
ると考えられます。 アズキの 仲 間には、
耐塩性に優れた野生種がいくつもあり、中には2%の食
塩水に浸かっても生育できるものもあります。そこで本研
究は、これら耐塩性野生種の適応機構を解明し、新たな
作物開発へと応用する道を拓くことを目指します。
5
膜交通の機能改変による
高機能植物の開発
上田貴志
研究総括
内藤 健
二酸化炭素資源化
力強化と生産物活用の
岩井優和
耐塩性機構の解明
科学技術振興機構 さきがけ研究者
理化学研究所基幹研究所基礎科学特別研究員
相界面
Vigna 属野生種群が独自に獲得した
ライブセルイメージングによる
23
光環境適応機構の実態解明
年度採択研究者[1期生]
指した植物の物質生産
5
平成
二酸化炭素資源化を目
細胞内自己組織化制御と生体ナノマシンの
開発による新規木質バイオマス素材の創出
小田祥久
国立遺伝学研究所新分野創造センター 准教授
東京大学大学院理学系研究科 助教
木質系バイオマスを利用する高付加価値
多置換芳香族化合物の精密合成手法の創出
中尾佳亮
京都大学大学院工学研究科 教授
同上 講師
化石資源に頼らない「 木材を利用した
医 農 薬および機 能 材 料などのものづく
り」の実現を目指し、これを実現するた
めの基盤技術を確立します。 具体的に
は、未利用の木質系バイオマス、特に
リグニンおよびその分 解 生 成 物を、 均
一系遷移金属触媒によるクロスカップリング反応や環化
付加反応によって多置換ベンゼンやピリジンに変換するた
めの一般的手法を開発します。
植物生産能の高度利用に向けた
「植物 iPS 遺伝子」の応用展開
中島敬二
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 教授
同上 准教授
本 研 究 課 題では、 独自の木 質 細 胞 培
養 系を駆 使し、セルロース微 繊 維を自
在に制御する技術を開発し、加工しや
すく有用な木質バイオマス素材を創出し
ます。この研究により木質バイオマスか
らのエネルギー生産・バイオマテリアル
生産の効率を飛躍的に上昇させ、エネルギー的に自立し
たバイオマス利用の確立に貢献します。さらに新規バイオ
マスリファイナリを可能にする斬新なセルロースマテリアル
の開発を目指します。
植 物を利 用して再 生 可 能エネルギーを
生産するためには、光合成能力やバイ
オマス生産能力の高い植物や細胞株を
作り出し、それらを大規模に培養したり
栽培したりする必要があります。この研
究では、分化した植物細胞を受精直後
の胚の状態にリセットし、そのまま増殖を続けさせる遺伝
子を発見しました。この遺伝子を使って高機能な細胞を作
り出したり、有望な植物株を効率的に繁殖させたりする技
術の開発を目指します。
オーキシンによる植物の器官
形成制御技術の開発
バイオマス生産性の向上を指向した
概日時計のシステム生物学
能力向上や炭素貯留能向上、及び有用バイオマス
産生のための基盤技術の創出を目指します。さらに
は、植物の物質生産能力を最大限に活用するため
のバイオマス生合成・分解機構の理解とその活用
理化学研究所環境資源科学研究センター 上級研究員
理化学研究所植物科学研究センター 上級研究員
笠原博幸
にあたり、二酸化炭素を資源化する革新的技術の
オーキシンは植物の成長や分化の制御
において中心的な役割を果たす植物ホ
ルモンです。その量を特定器官の形成
期に増加させることにより、器官サイズ
の増大や、有用物質の増産が可能にな
ります。 本研究では植物の細胞間を緩
やかに移動する新しいタイプのオーキシンの機能を利用し
て、特定器官のサイズを制御する新技術を開発します。
これを基盤としてバイオマスや作物、有用二次代謝物な
どの生産性向上を目指します。
植物のバイオマス生産性は、さまざまな
遺伝的要因と環境要因によって決まる
ため、その理解にはシステム生物学の
アプローチが不可欠です。 本研究では、
環境応答の一環である「概日時計」を
システム生 物 学の手 法によって解 析し、
環境に応答したバイオマス生産性の理解を目指します。さ
らにその知見を基にして、時計の中心因子の機能を人工
的にデザインし、バイオマス生産性が向上した植物の創
出に挑みます。
植物の鉄センシング機構解明による
生産力の強化
肥料有効利用型植物の作出基盤
開発までを見据えた、植物科学研究とバイオマス利
活用研究の連携や融合にも取り組みます。
領域アドバイザー
坂
志朗 京都大学大学院エネルギー科学研究科 教授
佐々木 卓治 東京農業大学総合研究所 教授
佐藤 文彦 京都大学大学院生命科学研究科 教授
篠崎 一雄 (独)理化学研究所環境資源科学研究センター センター長
田中 良和 サントリーグローバルイノベーションセンター㈱
研究部 部長
土肥
西澤
長谷
東山
義治
直子
俊治
哲也
(公財)高輝度光科学研究センター 理事長
石川県立大学生物資源工学研究所 教授
大阪大学蛋白質研究所 教授
名古屋大学 WPIトランスフォーマティブ
生命分子研究所 教授
福田 裕穂 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
副学長・教授
山谷 知行 東北大学大学院農学研究科 教授
横田 明穂 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス
研究科 教授(∼ H24.4)
小林高範
科学技術振興機構 さきがけ研究者
石川県立大学生物資源工学研究所 特別研究員
植物の生育には鉄が必要ですが、多く
の不良土壌では、植物は鉄を十分に吸
収することができません。 植物は鉄欠乏
に応答して、種々の遺伝子を発現誘導
することによって鉄を利用しようとします
が、その根本となる鉄欠乏シグナルと鉄
センサー分子の実体は分かっていません。 本研究では、
これらの実体を解明することにより、植物の鉄欠乏応答
の全貌を明らかにするとともに、植物生産性の強化に向
けた新たな技術と知見を提供します。
中道範人
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授
名古屋大学高等研究院 特任助教
技術の研究を推進します。これらの研究を推進する
三輪京子
北海道大学地球環境科学研究院 准教授
北海道大学創成研究機構 特任助教
植物バイオマス生産では、食糧生産と
競合しないこと、省エネルギーで高生産
することが必要です。 本研究では食糧
生産に適さない肥沃度の低い環境でも
少ない施肥で、高い生産性を持つ植物
の作出基盤づくりを目指します。 生育に
必要な栄養である窒素・リン・ホウ素に注目し、「葉の栄
養濃度は低いが高いバイオマス量を示す」シロイヌナズ
ナ変異株を単離し、植物の栄養の利用効率を向上させる
新たな遺伝子資源の発掘に取り組みます。
●扉絵は、二酸化炭素を利用して様々な植物が生長し、二酸化炭素資源化を実現することをイメージしたものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
9
埼玉大学研究機構環境科学研究センター 准教授
同上 総合研究機構環境科学研究センター 准教授
維管束木部の細胞で形成される二次細
胞壁は、持続的で再生可能なリグノセ
ルロースバイオマスとして注目されており、
質的量的な向上を目指した研究が数多
く展 開しております。 一 方で二 次 細 胞
壁 量を減 少させることは、 家 畜 飼 料の
消化率向上や効率的なパルプ生産に有効であることが知
られています。 本研究では、二次細胞壁形成を負に制御
する転写因子を活用することでリグノセルロースバイオマス
量を抑えた植物体の作出を目指します。
平成
化学反応性に則した
リグニン高分子構造の解析
年度採択研究者[2期生]
24
秋山拓也
東京大学大学院農学生命科学研究科 助教
同上
東京工業大学応用セラミックス研究所 助教
同上
本研究では、現在化石資源に依存して
いるエンジニアリンングプラスチックなど
の必須化学品原料を、バイオマス由来
の含酸素炭化水素類を材料として、環
境低負荷な化学プロセスで獲得するた
めの基 盤 技 術の構 築を目的としていま
す。 高機能な固体触媒の創出およびその高機能化・高
性能化を図ることにより、環境低負荷と高い効率を併せ
持つ、バイオマス資源を原料としたバルクケミカル、ファ
インケミカル合成の基礎技術を確立します。
フィールドオミクスによる野外環境応答の
解明
永野 惇
科学技術振興機構 さきがけ研究者
京都大学 日本学術振興会特別研究員(PD)
葉内 CO2 拡散を促進する葉肉組織形態の
改良を通じたイネ光合成能力の飛躍的向上
安達俊輔
農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所 任期付研究員
農業生物資源研究所農業生物先端ゲノム研究センター イネゲノム育種研究ユニット 日本学術振興会特別研究員 PD
トウモロコシなどの C4 植 物は、イネを
含む C3 植物とは異なる独自の光合成
システムを持つことによって高い光合成
能力を発 揮しています。 イネの C4 植
物 化は重 要な光 合 成 改 良 戦 略ですが、
イネ遺伝資源を積極的に活用することに
よって C4 植物化することなく光合成能力を飛躍的に向
上できる可 能 性もあります。 本 研 究では、 葉の内 部の
CO 2 拡散に着目して、この飛躍的向上を達成する遺伝
的・生理的メカニズムの解明に取り組みます。
包括的物質輸送促進による
生産強化技術の開発
岩本政雄
農業生物資源研究所植物科学研究領域 植物生産生理機能研究ユニット 主任研究員
同上
木質化した細胞壁にはリグニンが多く含
まれますが、この高分子構造を理解する
ことにより木質系バイオマスの有効利用
への貢献が期待できます。リグニンの基
本構造を保持したまま低分子化すること
ができれば、木部細胞壁のほぼ全ての
成分をバイオマスとして高付加価値に利用するための道
筋を示すことができます。 本研究では、その低分子化反
応の際に要となる化学構造の詳細を示し、リグニンの高
分子構造の実態解明に迫ります。
実験室とは異なり、温度や光などが刻一刻
と複雑に変化する野外環境下では、植物
はどのように環境に応答しているのでしょう
か? 本研究では、野外で栽培したイネのト
ランスクリプトームやメタボロームのデータを
収集し、栽培地の気温や日射量などの気
象データと統合的に解析することで、この問題にアプローチし
ます。植物の栽培における野外と実験室のギャップを埋める
本研究は、これまでに実験室で蓄積された膨大な知見を現実
の問題解決につなげるための基盤となります。
植物内でさまざまな栄養物質輸送の促
進が期待される転写因子遺伝子群につ
いて、制御する輸送関連遺伝子・栄養
物質の特定及び、輸送能力の測定等
を実施することで、栄養物質輸送に関
わる詳 細な機 能を解 明します。さらに、
遺伝子機能を利用した、生産力強化を導くための研究を
行います。 将来的には、転写因子遺伝子群の栄養物質
輸送能力を向上させることで、光合成能力を低下させず
に生産力を強化させる技術の開発を目指します。
植物ミトコンドリアゲノム人為改変技術と
雄性不稔植物の作出
セルロース/ヘミセルロース/リグニン分解酵素
群の集積・近接化による協働作用の創出
アブシシン酸シグナル伝達の中枢ネットワークを
標的とした次世代型環境ストレス耐性植物の創成
有村慎一
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
同上
平野展孝
日本大学工学部 准教授
同上
梅澤泰史
東京農工大学農学研究院 准教授
同上
植 物ミトコンドリアは二 酸 化 炭 素 資 源
化・物質生産力強化のための重要な改
良ターゲットです。しかしながらいまだに
そのゲノムを人為的に改変することがで
きないため、潜在能力を生かしきれてい
ません。 本研究は、人工制限酵素など
を用いて植物ミトコンドリアゲノム上の標的遺伝子破壊・
改変に挑戦します。また、この過程でF1ハイブリッド育種
に重要な細胞質雄性不稔系統の作出、並びに新規遺
伝子導入技術の確立に取り組みます。
次世代バイオ燃料製造分野における植物
性バイオマスの効率的酵素糖化には、セ
ルロース/ヘミセルロース/リグニン分解酵
素群の協働作用の創出が重要と考えられ
ます。本研究では、糖質(セルロース/ヘ
ミセルロース)画分に対して高分解活性を
示す酵素複合体(セルロソーム)を対象に、その酵素組成
―糖化活性相関の解明と、
酵素集積・近接化によるセルロソー
ムとリグニン分解酵素群の協働作用のための基盤技術の創出
を目標とした研究を行います。
アブシシン酸( ABA )は主要な植物ホ
ルモンの一つで、植物のさまざまな環境
応答をコントロールしています。このよう
な ABA の 作 用は、 SnRK2 と呼ばれ
るタンパク質リン酸化酵素と密接な関係
にあることがわかっています。 本課題で
は、この SnRK2 によるシグナル伝達を人為的に制御し
て、植物の乾燥耐性や耐塩性等を改良するための要素
技術を検討し、劣悪環境下における植物生産力の向上
につながるような研究を目指します。
ショ糖過剰ストレス耐性に関わる転写と
mRNA分解の協調制御
雑種強勢の分子機構の解明と
その高バイオマス作物への活用
イネ生殖分子機構の解明と操作を
基盤としたアポミクシスへの挑戦
千葉由佳子
北海道大学大学院理学研究院 准教授
北海道大学創成研究機構 特任助教
藤本 龍
神戸大学大学院農学研究科 准教授
新潟大学大学院自然科学研究科 助教
笠原竜四郎
科学技術振興機構 さきがけ研究者
名古屋大学大学院理学研究科 ERATO 東山ライブホロニクスプロジェクト 研究員
植物にとってショ糖は生育およびバイオ
マスに影 響を与える重 要な要 素であり、
その量は厳密に調節されています。 私
はこれまでにショ糖応答に関連した遺伝
子 発 現 制 御では、 転 写 制 御に加えて
mRNA分解制御が重要な役割を担って
いることを見出しています。 本研究ではその協調制御シス
テムを解明することによって、植物の持つ優れた環境適
応能力をバランスよく増強し、環境変化に強い植物を作
成することにつながる知見を得ることを目指します。
植 物 の 生 産 量を増 加させるためには、
バイオマスの増加に関する分子機構の
解明や、それに関わる遺伝子の同定が
必 要です。 本 研 究では、 収 量 増 加に
対する効果が既に明らかとなっている雑
種強勢に関わる遺伝子の同定を試みま
す。また、同定された遺伝子の機能を明らかにし、育種
の効率化、高バイオマス作物の作出に活用し、ナタネ等
の有用作物の生産量の増加を可能にしたいと考えていま
す。
日本人の主食であるイネは、現在もなお農業
上極めて重要なアポミクシス系統が作出され
ていません。 アポミクシスは、受精を伴わず
に種子などの繁殖体を生産する生殖過程の
総称であり、コムギなどではアポミクシス系統
が見出されています。そこで、シロイヌナズナ
で研究者が開発した効率的なスクリーニング法と遺伝子の改変に
より、イネでのアポミクシス系統の作出を目指します。また、アポ
ミクシス系統に優良な形質を効率的に導入、固定する事でバイオ
マスを増やすなどして、二酸化炭素の資源化に貢献します。
バイオマス生産性を支配している細胞機能
転換転写制御ネットワークの人工構築
光合成と連動するバイオポリマー合成系
の構築
低窒素で持続可能な二酸化炭素資源化の
ための中心代謝バランス制御機構の解明
塚越啓央
名古屋大学 PhD 登龍門推進室 特任講師
名古屋大学大学院生命農学研究科 特任助教
植物の根は外環境と密接に関わり、根の
バイオマス向上は植物全体のバイオマス生
産性の向上につながります。 本研究では、
根端の分裂から伸長への機能転換を司る
UPBEAT1(UPB1)が制御する転写ネッ
トワークに着目します。多色蛍光ライブイメー
ジングとシステム生物学を組み合わせ、UPB1転写ネッ
トワーク
の人工構築を試みます。最終的には根の細胞機能転換の人
工制御によって根の成長を促進し、それを通じて植物全体の
バイオマス生産性の向上を図る技術を創出します。
10
中島清隆
25
年度採択研究者[3期生]
山口雅利
固体ルイス酸による高効率バイオマス変換:
植物由来の炭化水素類の必須化学資源化
平成
転写抑制因子を活用した
リグノセルロース低含有植物の作出
松本謙一郎
北海道大学大学院工学研究院 准教授
同上
本 研 究では、 植 物が持つ二 酸 化 炭 素
の固定能力と微生物が持つポリエステ
ルの合 成 能力を融 合させ、 新たなバイ
オマテリアルを生産するシステムを構築
します。 植 物が光 合 成により合 成する
化合物から、ポリエステルの原料となる
モノマーを合成し、それを重合させることでポリエステルを
得ます。これらの反応を可能にするために、天然には存
在しない新たな代謝経路を構築し、植物細胞内で機能さ
せることを目指します。
草野 都
理化学研究所環境資源科学研究センター統合メタボロミクス研究グループ 客員主幹研究員
同上 上級研究員
植 物の生 育は炭 素・窒 素 代 謝の相 互
作用( CN バランス)によって制御され
ます。 二酸化炭素を効率よく資源化す
るためにはこの仕組みを理解することが
重 要です。 本 研 究では窒 素 欠 乏 条 件
で植物の生育が妨げられる原因が、あ
らゆる生物が持っている中心代謝内の代謝物群のバラン
スで制御されることに着目します。その仕組みを解明し、
荒れた土地でも健やかに生育する品種の選抜に応用でき
る基盤技術を開発します。
西條雄介
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 准教授
同上
植物は、環境中の微生物の存在や危
険度を的確に察知し、効果的に防御反
応を展開して病原体から身を守っていま
す。 植物免疫を支える根幹として重要
な役割を果たしているのは、パターン受
容体と呼ばれる免疫センサー同士が織
りなす機能性ネットワークです。 本研究では、パターン受
容体ネットワークの仕組みを解明するとともに、その適切
な活用によって持続的で物質生産とも調和が取れた耐病
性植物の作出を目指します。
二酸化炭素資源化
パターン受容体ネットワークによる高精
度・持続型の植物防御システムの開発
変動する光環境下における光合成制御
メカニズムの解明と応用展開
矢守 航
千葉大学環境健康フィールド科学センター 助教
同上
光 合 成は植 物のバイオマスを決 定する
最も重要な代謝です。 ほとんどの光合
成研究では、定常状態における光合成
の環境応答制御メカニズムやその能力
強化が焦点となっています。しかし、植
物の受ける光 強 度は一日を通して常に
変動しており、必ずしも一定ではありません。そこで本研
究課題では、変動する光環境下における光合成反応の
仕組みを解明し、その成果に基づき、変動光環境下でも
高い光合成機能を持つ植物の創出に挑みます。
フルフラールを出発原料とする汎用
高分子モノマーライブラリの構築
橘 熊野
群馬大学理工学研究院 助教
同上
非可食バイオマス資源であるセルロール・
ヘミセルロースから、様々なフラン誘導体
が製造されています。つまり、フラン誘導
体の利用拡大は二酸化炭素固定化推進
に繋がります。 本研究では、フラン誘導
体の一つであるフルフラールを原料に用
いて、化学的手法によって既存の汎用高分子モノマーと汎
用高分子の合成方法の確立を行うとともに、研究過程に合
成されるバイオマス由来化合物群のライブラリ化を行い、新
規バイオマス材料を創成するための基盤とします。
植物の全身性クロストークを支える長距離・
高速カルシウムシグナルの解明と応用
豊田正嗣
科学技術振興機構 さきがけ研究者
ウィスコンシン大学(マディソン校)植物学部 日本学術振興会・海外特別研究員
バイオマスを増産するためには、全身性
のクロストーク(相互シグナル伝達)機
構の解 明および環 境 耐 性 植 物の作出
が有効です。 本研究では超高感度カル
シウムイオンバイオセンサーを用 いて、
全身性長距離・高速カルシウムシグナ
ル伝達機構および植物の耐病害虫応答の 1 つである全
身獲得抵抗性の解明を目指します。 更にハイスループット
ケミカルスクリーニング法を確立し、環境耐性強化植物お
よび新規病害制御剤の創出を目指します。
光環境に応じた光呼吸の新規適応機構の
解明とその改変による植物生産性の向上
松下智直
九州大学大学院農学研究院 准教授
同上
光 呼 吸は、 大 気 中での 光 合 成による
CO 2 固定速度を 30 ∼ 50% も低下さ
せる大きなマイナス反応であるため、光
呼吸を人為的に制御しようとする試みは
これまで盛んに行われてきましたが、未
だに大きな成功には至っていません。 本
研究では、最近発見した光呼吸の光環境変化に対する
新規適応機構の仕組みを解明し、さらに改変することで、
光呼吸経路を人為的に制御し、植物生産性を向上させる
ことに挑戦します。
木質バイオマスの全炭素成分有効利用を
目指した触媒化学変換技術の開拓
山口有朋
産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センター チーム長
同上 主任研究員
本研究では、植物が成長の際取り込ん
だすべての二酸化炭素を資源化するこ
とを目的として、木質バイオマスの全炭
素成分をプラスチック原料などの有用化
学 物 質へと変 換する技 術を確 立します。
固体触媒を用いた化学変換により、木
材チップ等の木質バイオマスそのものを反応物として構成
成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンの全て
を有用化学物質に変換する技術を開発します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
11
バイオエネルギー創成の
22
自己溶菌藻と発現ベクターを組み合せた有用物質生産・回収
による排気 CO2 ガス再利用資源化のための基盤技術創成
年度採択研究者[1期生]
機能解明と制御による
平成
藻類・水圏微生物の
朝山宗彦
茨城大学農学部 教授
同上 准教授
暗所で光合成を行う藻類の創生
鞆 達也
東京理科大学理学部 教授
同上 准教授
シアノバクテリア ABRG5-3 は、増殖
能が高く、光合成能の指標である光合
成色素を細胞内に多く蓄積し、遺伝子
操作も可能な新種株です。また培養条
件に応じ「自己溶菌」します。
本研究では、排気 CO2 ガスを藻培養に
用いた光合成産業への活用を視野に入れ、広域宿主で
複製可能な藻発現ベクターによる有用物質の高効率生産
ならびに自己溶菌藻利用を組み合せた生産物の画期的な
簡便回収法開発に資する基盤研究を行います。
光合成は光エネルギーを利用して営まれ
る、生物の生存を支える根本的な反応
です。 酸 素 発 生 型の光 合 成は、 可 視
光が利用されています。しかし、赤外光
を用いて光合成を行うことが可能になれ
ば、可視光の存在しない暗闇でも酸素
発生型光合成を駆動でき、新たなエネルギーの創生につ
ながります。 本研究では、近赤外に吸収極大をもつクロ
ロフィルを藻類の光化学系に組み込み、新規な光合成
および生物の創生を目指します。
機能改変技術等を用いた成長速度制御
バイオ燃料高生産のための炭素固定能を
強化したスーパーシアノバクテリアの創成
真核藻類のトリグリセリド代謝工学
に関する基盤技術の開発
や代謝経路構築等の基盤技術の創出
蘆田弘樹
ための基盤技術の創出
http://www.jst.go.jp/presto/bioenergy/
戦略目標
水生・海洋藻類等による石油代替等の
バイオエネルギー創成及びエネルギー生
産効率向上のためのゲノム解析技術・
神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 助教
次世代バイオエネルギー生産生物として
期 待されるシアノバクテリアの 光 合 成
炭素固定能強化は、この生物のバイオ
燃料生産性を向上させるために必須で
す。 本 研 究では、 光 合 成 炭 素 固 定 酵
素 ルビスコと C O 2 濃 縮 細 胞 小 器 官
カルボキシソームの量的強化、外来性優良ルビスコ過剰
発現により、炭素固定能を強化したスーパーシアノバクテリア
の創成を目指します。このように創成するスーパーシアノ
バクテリアをエタノール高生産に応用します。
中村友輝
アカデミア・シニカ植物 微生物學研究所 助研究員
マックス・プランク植物育種学研究所
アレクサンダー・フォン・フンボルト財団 リサーチフェロー
本研究では、バイオディーゼルの原料と
なる油脂を、藻類を用いて大量生産す
る新 技 術 の 開 発を目 指します。 まず、
藻類が油脂をどのように合成・備蓄して
いるかを分子レベルで明らかにし、その
知見をもとに新規の遺伝子改変法や分子デザインなどの
工学的技術を駆使して、任意の質と量をもつ油脂を自在
に生産する技術の確立を目標とします。
5
研究総括
松永 是
東京農工大学 学長
本 研 究 領 域は、 藻 類・水 圏 微 生 物を利 用した
バイオエネルギー生産のための基盤技術創出を目的
とします。 藻類・水圏微生物には、高い脂質・糖類
蓄 積 能 力や 多 様な炭 化 水 素 の 産 生 能 力、 高い
増 殖 能力を持つものがあることに着目し、これらの
ポテンシャルを活かした、バイオエネルギー創 成の
ための革新的な基盤技術の創出を目指します。
藻類由来光合成器官の電極デバイス化と
バイオ燃料変換系への展開
天尾 豊
大阪市立大学複合先端研究機構 教授
大分大学工学部 准教授
高増殖性微細藻の合成を目指した
微細藻代謝フラックス制御機構の解明
蓮沼誠久
神戸大学自然科学系先端融合研究環 准教授
同上 講師
濃緑色単細胞微細藻類であるスピルリナ
の 水 中における効 率 的な酸 素 発 生 型
光 合 成 機 能に着目し、スピルリナ由来
の葉緑体あるいは光合成膜を固定した
電極を用いて、水と二酸化炭素を作動
媒体とし、太陽光エネルギーで発電しな
がら二酸化炭素を削減します。さらに低炭素燃料の代表
でもあるメタノールを同時に生産できる革新的な光電変換
系の構築を目指します。
微 細 藻 類は、 光を利 用して CO 2 から
糖質エネルギーを生産することが可能で
あり、水生であることから食糧や土地利
用との競合を回避することができ、バイ
オエネルギー生産のための有望な生体
システムと言えます。 本 研 究では、 微
細藻の生体システムを制御する物質代謝機構を精密に解
析できる新規代謝解析手法の開発により、増殖性を決定
する因子を特定し、これを強化することで微細藻由来のエ
ネルギー生産の向上を目指します。
糖代謝ダイナミクス改変による
ラン藻バイオプラスチックの増産
グリコーゲンから油脂へ:
シアノバクテリア変異株の代謝改変
具 体 的には、 近 年 急 速に発 展したゲノミクス・
プロテオミクス・メタボロミクス・細胞解析技術等を
含む先端科学も活用し、藻類・水圏微生物の持つ
バイオエネルギーの 生 産 等 に有 効な生 理 機 能 や
代謝機構の解明を進めるとともに、それらを制御する
ことによりエネルギー生産効率を向上させるための研
究を対象とします。さらに、バイオエネルギー生産に
付随する有用物質生産や水質浄化等に資する多様
な技術の創出に関する研究も含みます。
将来のバイオエネルギー創成につながる革新的技
術の実現に向けて、生物系、化学系、工学系など
の幅広い分野から新たな発想で挑戦する研究を対象
とします。
領域アドバイザー
石倉 正治 王子ホールディングス株式会社研究開発本部 開発研究所
小山内 崇
バイオプラスチックは、石油由来のプラ
スチックに変わる素材として期待されて
いますが、製造コストの面から利用が限
られています。 本研究では、光合成細
菌であるラン藻を用いて、生分解性ポリ
エステルであるポリヒドロキシアルカン酸
( PHA )の増産を試みます。 特に、シグマ因子や転写制
御因子に着目し、代謝ダイナミクスを改変したラン藻を作
製し、安価で環境に優しいバイオプラスチック生産系の
確立を目指します。
乾燥・細胞壁破壊・有毒抽剤使用を不要にする
藻類からの燃料抽出技術の創出
バイオエタノール研究室 上級研究員
井上
大倉
大竹
大森
嵯峨
竹山
田畑
民谷
横田
横山
勲
一郎
久夫
正之
直恒
春子
哲之
栄一
明穂
伸也
筑波大学生命環境系 教授
東京工業大学 名誉教授
大阪大学大学院工学研究科 教授
東京大学 名誉教授
弘前大学食料科学研究所 所長・教授
早稲田大学理工学術院 教授
(公財)かずさDNA研究所 所長
大阪大学大学院工学研究科 教授
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 教授
鳥取環境大学環境学部 教授
理化学研究所環境資源科学研究センター 客員研究員
理化学研究所植物科学研究センター 基礎科学特別研究員
神田英輝
名古屋大学大学院工学研究科 助教
(財)電力中央研究所エネルギー技術研究所 主任研究員
従来の、微細藻類からのバイオ燃料製
造技術では、多量の培養液を蒸発させ
たり、細胞壁を破壊したり、抽出するた
めに、多くのエネルギーや有毒な薬品を
要するなどの、環境負荷の問題がありま
した。 本 研 究では、 新たに液 化ジメチ
ルエーテルを抽剤に利用することで、乾燥・細胞壁破壊・
有毒抽剤を不要とし、さらに水資源の再利用も可能な、
『製造工程もクリーンで環境に優しい』微細藻類からのバ
イオ燃料の製造技術を創出します。
日原由香子
埼玉大学大学院理工学研究科 准教授
同上
シアノバクテリア Synechocystis sp.
PCC6803 の SII0822 転写因子欠損株
では、細胞体積が野生株の 5 倍、細胞あ
たりのグリコーゲン蓄積量は野生株の 10
倍にも達します。本研究では、さまざまな酵
素遺伝子を欠失・導入して、この株の代
謝改変を行い、高蓄積しているグリコーゲンを、脂肪酸に変換
し、最終的には油脂として蓄積させることを目指します。
バイオマス高度利活用を志向した
人工代謝システムの創出
本田孝祐
大阪大学大学院工学研究科 准教授
同上
微生物の発酵機能を担う代謝酵素群を
自由自在に組み合わせ、さまざまな化学
品を生産できる人工代謝システムを開発
します。この手法を用いて、第3世代バ
イオ燃料としての実用化が期待されるブ
タノールの生産に取り組み、これまでの
発酵プロセスを圧倒的に凌駕する生産効率を達成するこ
とを目標とします。
●扉絵は、太陽光を使って地球を豊かにする藻類の可能性は無限大であることをイメージしたものです。
(日原由香子研究者提供)
12
挑
増川 一
神奈川大学光合成水素生産研究所 客員研究員
同上
水素発生する生物の多くは低酸素濃度
条件を必要としますが、一部のラン藻は、
窒素固定反応の副産物として酸素存在
下でも水素を生産できます。しかし、そ
の水素生産性は現状では低いため、窒
素固定酵素にアミノ酸置換による変異
を導 入し、 酵 素の水 素 生 産 活 性を増 強します。さらに、
ラン藻を改良し、窒素固定酵素を酸素から保護する異型
細胞の形成頻度を増やし、酸素存在下の水素生産性の
大幅な向上を目指します。
首都大学東京都市教養学部 准教授
中央大学理工学部生命科学科 助教
田村 隆
ラン藻由来アルカン合成関連酵素の活
性を向 上させた変 異 体を創 出し、ラン
藻によるバイオ燃料生産の高効率化を
目指します。2つの相補的アプローチで
研 究を進めます。 (1) X線 結 晶 構 造 解
析により酵素の立体構造を解明し、高
活 性 化の合 理 的 設 計を行います。 (2) 新たなオミクス
技術であるミュータノーム解析(網羅的な変異解析)に
より、高活性変異体の経験的設計を行います。
岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授
岡山大学大学院自然科学研究科 准教授
燃料電池は、水素と空気から直接電力
を取り出す夢の発電法として注目されて
います。その水素を大量に製造するため
に微生物のヒドロゲナーゼ (H2ase) が
期 待されてきました。しかし H2ase は
空気中の酸素に弱く、実用化は困難で
した。 本 研 究では、 比 較 的 酸 素 耐 性が 高いとされる
新型 H2ase に対して京速スパコンを用いた蛋白質量子
計算を行い、大気中でも水素生産が可能な H2ase を
開発します。
筑波大学生命環境系 助教
東京薬科大学生命科学部 研究員
硫酸性温泉紅藻の金属回収機構の解
明により、 循環型エネルギーを利用した
レアメタルリサイクルシステムの開発を行
います。このシステムでは、 金 属 精 製
や金属廃棄物処理から生じるレアメタル
の回収と水質浄化の工程で生じる CO 2
を固定してバイオ燃料を生産することで、カーボンニュート
ラルな金属リサイクルの達成を目指します。
24
ラン藻ポリケチド合成酵素を用いた
脂質生産
年度採択研究者[3期生]
年度採択研究者[2期生]
東京大学大学院総合文化研究科 准教授
同上
蓑田 歩
これまでバイオマスとしての利用が検討
されてきた微 細 藻 類は単 細 胞 性であり、
そこでは、1つの細胞内で光合成を始め
とするさまざまな生体反応が行われ、バ
イオマスを生 産しています。 そのため、
代謝系とその制御システムは非常に複
雑なものになっています。 本研究では、数百の細胞がつ
ながった糸状性シアノバクテリアが作る機能分化した細胞
ヘテロシストを利用して、細胞間での分業による効率的な
バイオアルコール生産システムを開発します。
好気条件下で水素 (H2) 製造反応を触媒
する [NiFeSe] 型ヒドロゲナーゼの分子構築
ラン藻由来アルカン合成関連酵素の
高活性化
新井宗仁
得平茂樹
循環型エネルギーを利用した硫酸性温泉
紅藻によるレアメタル回収システムの開発
平成
平成
23
糸状性シアノバクテリアを用いた細胞間
分業による効率的バイオアルコール生産
藻類バイオエネルギー
ラン藻の窒素固定酵素ニトロゲナーゼを
利用した水素生産の高効率化・高速化
粟井光一郎
静岡大学大学院理学研究科 准教授
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点 特任助教
本研究では、窒素固定能を持つ糸状性
ラン藻 Anabaena sp. PCC 7120 株
で、ポリケチド合成酵素を用いた脂質生
産を行います。この株は、窒素欠乏条
件でポリケチド合成酵素によって脂質の
一種、超長鎖脂肪酸アルコールを合成・
蓄積することが知られています。この仕組みを利用し、光合
成能・窒素固定能を維持したまま、遺伝子改変によって
高効率に脂質を合成し、さらに蓄積または細胞外に放出
する株を作出します。
挑
微細藻における
オイル産生代謝機構の解明
伊藤卓朗
慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任助教
慶應義塾大学 先端生命科学研究所 特別研究員
生物界最速シャジクモミオシンを利用した
植物成長促進システムの開発
富永基樹
理化学研究所ライブセル分子イメージング研究チーム 専任研究員
理化学研究所基幹研究所 専任研究員
藻類由来フェリチンの機能強化による
ナノマテリアル生産システムの創成
岩堀健治
科学技術振興機構 さきがけ研究者
同上
一部の単細胞緑藻はストレスにより増殖を
停止し細胞内に中性脂質を蓄積する事が
知られており、次世代バイオ燃料源として
期待されています。 本研究では、緑藻の
モデルである Chlamydomonas reinhardtii
を用いて、安定同位体を利用した経時的メ
タボローム解析により代謝の流れを解明し、中性脂質を高度
に生産させる品種改良法の構築を目指します。
本 研 究では、 植 物ミオシンに 生 物 界
最速のシャジクモミオシン、あるいは低速
タイプミオシンのモータードメインを融合
することにより、 植 物の原 形 質 流 動 速
度を人 工 的 に 調 節します。 高 速 化 に
よる植物大型化や低速化による小型化
によって、人工的な植物サイズ制御システムを確立します。
原形質流動は植物共通の輸送システムであることから、
将来的には、食糧やバイオマスに関連した有用植物への
応用展開を図ります。
本 研 究では低 濃 度 金 属イオン環 境で
機 能することができる特 殊な藻 類 由 来
フェリチンタンパク質 のバイオミネラリ
ゼーション能力を強化し、コントロールする
ことで種々の極限環境でも生育可能な
藻類細胞の開発と有用金属回収を目指
します。 本研究によって、海洋や鉱山、工場などの廃水
や廃棄物から極低濃度の有用金属を回収し、直接ナノ
電子デバイス作製を行うバイオナノマテリアル生産システ
ムの構築が可能となります。
水圏生物のマイクロミラーによる
エネルギー変換伝達機能の獲得
微細藻類ユーグレナの
新規形質転換法の開発と応用
高脂質含有円石藻の形質転換技術の
確立と有用脂質高生産に向けた応用
岩坂正和
広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所 教授
千葉大学大学院工学研究科 准教授
中澤昌美
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 助教
同上
遠藤博寿
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京大学大学院農学生命科学研究科 特任助教
本研究は水圏生物に特有の水中“マイ
クロミラー”を利用し、太陽光エネルギー
を回収する新技術の創成を目指します。
水 圏 微 生 物 体 内のフォトニック結 晶や
魚 類ウロコの色 素 胞に含まれるグアニ
ン 結 晶 板 などの 構 造 色 系 組 織 が 、
低摩擦・低エネルギーのロスによってブラウン運動を起こす
メカニズムを解明し、このマイクロミラーの配向を磁気的
に制御することで、微細な光制御機構による光エネルギー
変換伝達の効率化を水圏生物から獲得します。
ユーグレナ(ミドリムシ)は、大気濃度
から 40%までの幅広い濃度の CO 2 の
もと光合成を行い、ワックスを作る能力
を持っています。ワックス生産能を 2 倍
にすると、生産・抽出など全ての工程を
踏まえた「 CO 2 排出ゼロ」を達成でき
ます 。 本 研 究 では 世 界 初 のミドリムシ 核 ゲノム 形 質
転換系を確立し、これまで研究してきたミドリムシ独自の
代 謝 系を制 御することで、 真にカーボンニュートラルな
バイオ燃料生産を目指します。
円石藻は世界中の海に広く分布し、二
酸化炭素を大量に固定することで海洋
の炭 素 循 環に大きな役 割を担っている
微細藻類です。 中でも Pleurochrysis
carterae は、脂質の含有量が高く、大
量培養が可能なことから次世代のバイオ
エネルギーの原材料として期待されています。本研究では、
同種の形質転換技術の確立を軸とし、脂質代謝系の解
析および燃料として有用な脂質を効率よく生産する株の
作出を目指します。
超高効率でイソプレノイド燃料をつくる
藻類の創製
多様な光スイッチの開発による
細胞外多糖生産の光制御
クロロフィルの光毒性を利用した植食性
原生動物の繁殖抑制農薬の開発
梅野太輔
千葉大学大学院工学研究科 准教授
同上
シアノバクテリアのイソプレノイド経路を
大規模に再構築し、これに独自に開発
した進 化 工 学 法によって鍛えた、 高 活
性なテルペノイド酵 素 群を導 入します。
最終的に得られた遺伝子経路は、ポータブル
な形でクラスター化し、組み換え系の確立
しているその他の藻類への移植を試みます。 二酸化炭素
を原 料として、あらゆる内 燃 機 関に対 応する、 多 様な
テルペン燃料を供給するバイオ生産システムの開発を目指し
ます。
成川 礼
静岡大学大学院理学研究科 講師
東京大学大学院総合文化研究科 助教
光合成生物は光合成を効率よく行うため
に、さまざまな光センサーを駆使し、変
動する光環境に馴化しています。
一方、近年、光合成を利用したバイオ
エネルギー生 産が注目されていますが、
実際的な産業利用のためには、生産効
率の向上が必須課題となっています。 本研究では、光
センサーとその制御系の新たな組み合わせを創出すること
で、 多 様な光スイッチを開 発し、 効 率 的な細 胞 外 多 糖
生産系の確立を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
柏山祐一郎
福井工業大学工学部 講師
立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構
ポストドクトラルフェロー
藻 類 培 養の現 場では、 培 養 地に侵 入
する原生動物による食害が大きな問題
です。 本 研 究では、 原 生 動 物が 持つ
「クロロフィルの光毒性(活性酸素を発
生させる能力)を回避する代謝系 」に
おいて解毒機構を解明し、その機能を阻害する酵素阻害
剤を開発することで、原生動物を駆除する技術を確立しま
す。 将来的には、食害を抑制し、屋外開放系における高
効率・低コストな有用藻類生産の実現を目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
13
付加帯エネルギー生産システム創成
に向けた基盤技術の開発
木村浩之
静岡大学大学院理学研究科 講師
静岡大学理学部 講師
南西日本の太平洋側に分布する、厚い
堆積層「付加帯」の深部地下水に含ま
れる微生物群集を利用したエネルギー生産
システムの創成に向けた基盤技術を開発
します。 特に、微生物群集の網羅的遺
伝子応答解析を試み、水素ガス・メタン
生成を担う微生物共生メカニズムについての理解を深めます。
さらに、広範囲の付加帯地域にて深部地下水、遊離ガス、
微生物群集の解析を試み、高効率のエネルギー生産が期待
できる付加帯エリアの特定を目指します。
藻類の光吸収制御のための
理論的基盤の確立
斉藤圭亮
東京大学大学院工学系研究科 助教
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット 特定研究員
単一の波長の光しか吸収できない藻類
を別の波長も吸収できるように改変でき
れば、今まで利用できなかった光を活用
できます。 本研究では、光吸収波長域
を自在 に 変えるだけでなく、 アンテナ
タンパク質間のエネルギーの流れも最適
化する変異体の創成を目指し、タンパク質構造に基づく
理論解析を行います。これにより藻類の光吸収チューニ
ング技術の基盤を確立し、あらゆる藻類によるバイオエネ
ルギー生産効率の飛躍的な向上を狙います。
巨大光捕集器官クロロソームを利活用した
生理活性物質・脂質の大量蓄積系の構築
塚谷祐介
東京工業大学地球生命研究所 WP
I研究員
立命館大学総合科学技術研究機構 研究員
弱 光 環 境で生 育する光 合 成 微 生 物は
糖脂質膜で覆われた光捕集体「クロロ
ソーム」を持ち、その内部には多量の
色 素 分 子が 存 在します。 本 研 究では、
色 素 合 成 系を制 御して b - カロチン
色素等の生理活性物質をクロロソーム
小胞内に大量に蓄積するための基盤技術を構築します。
さらにクロロソームの生 合 成 過 程を明らかにして、その
内部および小胞膜へ移行する物質の選択を自在に操り、
応用性の高い物質生産系の開発を目指します。
14
異分野融合による自然光エネルギー
変換材料及び利用基盤技術の創出
市川 結
半導体量子ドットの多重励起子生成と
太陽電池への応用
信州大学大学院総合工学系研究科 教授
同上 繊維学部 准教授
光 捕 集・ 伝 達システムを有 する有 機
薄膜太陽電池の創出を目指します。 有
機薄膜太陽電池は,省エネルギー製造
プロセスで大面積生産が可能であること
から有用な次世代太陽電池として注目さ
れていますが、エネルギー変 換 効 率が
未だ不 十 分です。さまざまな波 長の光を吸 収する積 層
構造にエネルギー伝達のための一方向的な励起移動の
仕掛けを組み入れることで、太陽光スペクトルを有効活用し、
変換効率の向上を目指します。
沈 青
電気通信大学大学院情報理工学研究科 准教授
同上 電気通信学部 助教
半導体量子ドットに関して、1 個のフォトン
から多重励起子(MEG)を効率的に生成
出来ることが最近発見され、その現象を利
用した半導体量子ドット増感太陽電池の変
換効率の向上に向けた研究が期待されて
います。 本研究では、ナノ構造 TiO2 光
電極に対して、半導体量子ドッ
トを増感剤として適用し、
1)MEG 効果の発現と向上に関わるメカニズムの解明と実験
条件の最適化を行い、2)各ナノ接合光機能界面の改質と
制御に還元し、光電変換効率の向上を目指します。
挑
5
5挑
高分子太陽電池の新発電原理の
分子論的探求
大北英生
研究総括
早瀬 修二
九州工業大学大学院生命体工学研究科 研究科長/教授
本研究領域では、次世代太陽電池の提案につな
がる研究を対象とします。化学、物理、電子工学等の
幅広い分野の研究者の参画により異分野融合を促
京都大学大学院工学研究科 准教授
同上
55
交互分子積層により結晶性を制御した高
性能太陽電池の研究開発
當摩哲也
金沢大学理工研究域サステナブルエネルギー研究センター 准教授
(独)産業技術総合研究所太陽光発電研究センター 研究員
高効率な有機太陽電池を創出するため
には、 光 吸 収による励 起 子 生 成から、
励 起 子 拡 散、 電 荷 分 離、 電 荷 輸 送、
電 荷 収 集 にわたるすべての 素 過 程を
正確に理解し、マクロ物性をミクロな素
過程と結び付けて素子特性を評価する
研究開発が不可欠です。 本研究提案では、これら一連
の素過程をレーザ分光法により解明し、高効率化のため
の本質を明らかにするとともに、次世代太陽電池の創出
のための新発電機構を探究します。
有 機 薄 膜 太 陽 電 池に使 用される有 機
半導体は、従来法による作製では有機
半 導 体が凝 集し、 特 性が大きく低 下し
ます。 この 解 決 手 段として交 互 分 子
積層膜形成法を提案します。この手法
により凝集性の高い半導体材料を導入
しても凝集過程前に膜形成が完了するため、高品質の
有 機 膜の作 製が可 能です。 交 互 積 層のため p-n 接 合
面積増大による光起電流増大とタンデム化による光起電
圧上昇を達成でき、10%を超える変換効率が期待できます。
瞬間結晶化によるガラス基板上への
超高性能多結晶 Si 薄膜形成
量子界面制御による半導体量子ドット
増感太陽電池の開発
北陸先端科学技術大学院大学グリーンデバイス研究センター 准教授
同上 マテリアルサイエンス研究科 助教
大平圭介
盤技術の構築を目指します。
フラッシュランプアニール(FLA)を用いた
瞬間結晶化により、安価なガラス基板上
に形成される、膜厚 1 μ m 以上の高品
質多結晶シリコン(poly-Si)薄膜の結晶
化は、周期凹凸構造を形成しながら平面
方向に進行します。 本研究では、この
結晶化機構を明確化するとともに、周期構造と太陽電池特性
との関連性を明らかにすることで、太陽電池用材料としての
高 品 質 化への指 針を得て、 効 率 15% 以 上の低コスト
薄膜 poly-Si 太陽電池を実現するための基盤技術を確立します。
半導体量子ドットは、サイズに依存して、
光学特性並びにポテンシャルエネルギー
レベルが変化する現象を示します。この
量子ドットを電荷輸送性を持つ金属酸化
物 半 導 体と組 み 合わせると、 光 励 起
された量子ドットから金属酸化物への電
荷移動が可能となります。 本研究では、この電荷移動の
速 度 並びに収 率を制 御する因 子を解 明し、さらに界 面
量子ナノ構造を制御することによって、高効率太陽電池
の開発を行います。
プラズモニクスを利用した
高効率・超薄膜太陽電池
量子切断・波長変換による
太陽光発電高効率化
ト系高性能太陽電池の研究や、従来とは異なるアプ
ローチによるシリコン系、化合物系太陽電池の研究
を対象とします。同時に、
まったく新しい原理に基づい
た太陽電池の創出につながる界面制御技術、薄膜・
結晶成長、新材料開拓、新プロセス、新デバイス構
造などの要素研究も対象とします。次世代太陽電池
橘 泰宏
ロイヤルメルボルン工科大学 Associate Professor
大阪大学大学院工学研究科 講師
進し、未来の太陽電池の実用化につながる新たな基
具体的には、色素増感系、有機薄膜系、 量子ドッ
太陽光
戦略目標
層間励起移動を用いた光捕集系を
有する広帯域有機薄膜太陽電池
藻類バイオエネルギー
http://www.jst.go.jp/presto/solar/
21
年度採択研究者[1期生]
光電変換機能
平成
太陽光と
の創出という視点を重視し、理論研究から実用化に
55
向けたプロセス研究にわたる広域な研究を対象とし
ます。
岡本晃一
領域アドバイザー
阿澄 玲子
産業技術総合研究所電子光技術研究部門
分子集積デバイスグループ グループ長
安達 千波矢 九州大学未来化学創造センター 教授
岡田 至崇 東京大学先端科学技術研究センター 教授
櫛屋 勝巳 昭和シェル石油(株)エネルギーソルーション事業本部
担当副部長
小長井 誠
近藤 道雄
東京工業大学大学院理工学研究科 教授
清水 正文
瀬川 浩司
中嶋 一雄
エネルギー・環境研究所 代表
東京大学先端科学技術研究センター 教授
FUTURE-PV Innovation 郡山センター
JX 日鉱日石エネルギー(株)研究開発本部
中央技術研究所 エグゼクティブリサーチャー
韓
礼元
田部勢津久
京都大学大学院人間・環境学研究科 教授
同上
枯 渇する化 石 資 源に替わり、 太 陽 光
発電に期待が集まっています。 本研究
ではプラズモニクスを用いた新しいアプ
ローチにより、太陽電池の飛躍的な光
電変換効率の改善と、超薄膜化による
コスト削減を目指します。プラズモニクス
の太陽電池応用は近年注目されており、その実用化が期
待されています。そこで、これまで独自に培ってきたプラ
ズモニック発光増強技術を応用することにより、初めての
実用化達成を目指します。
太 陽 光の短 波 長 成 分の光 子を 2 つに
切断して、太陽電池の発電効率を向上
できる材 料の開 発を目指します。 特に
波長 0.5 μ m 以 下の光 子を全て吸 収
し、 1 μ m 光子に分裂させれば、電子
- 正孔対を最大効率で発生させることが
できます。 量子切断は、希土類イオンの電子準位を効果
的に利 用して、 波 長 変 換する現 象です。 4f-5d 許 容
遷移で、紫外から 0.5 μ m までの波長域の光を 200%
の量子効率で長波長変換する材料を開発します。
マイクロ波法によるドナー・アクセプター
系薄膜中の光誘起電荷ナノダイナミクス
ホットキャリア太陽電池へ向けた
キャリア間相互作用制御の探索
産業技術総合研究所イノベーション推進本部
上席イノベーションコーディネータ
チームリーダー
錦谷 禎範
九州大学先導物質化学研究所 准教授
(独)科学技術振興機構 さきがけ研究者
物質・材料研究機構環境・エネルギー材料部門太陽光発電
材料ユニット ユニット長(H22.5 ∼)
平本 昌宏
自然科学研究機構分子科学研究所
分子スケールナノサイエンスセンター 教授
藤平 正道
吉川 暹
東京工業大学大学院 名誉教授 (H24.1 ∼ )
京都大学エネルギー理工学研究所 特任教授
佐伯昭紀
大阪大学大学院工学研究科 助教
同上 産業科学研究所 特任助教
バルクヘテロジャンクションに代表される
ドナー・アクセプター含有薄膜中で、光
パルス照 射により過 渡 的に生 成した電
荷キャリアが引き起こすナノスケール電
気 伝 導 度とそのダイナミクスについて、
マイクロ波を用 いた非 接 触 時 間 分 解
測定を行います。 測定・解析、理論・計算、材料から
多面的に有機太陽電池の基礎科学にアプローチし、新
たな光電気特性評価手法の確立と新規光機能性材料の
開発を目指します。
太野垣 健
京都大学化学研究所 准教授
同上 助教
マルチエキシトン生成やオージェ過程な
ど、 半 導 体ナノ構 造で顕 著となる多 体
キャリア効果について、超高速レーザー
分光とナノ構造の制御を用いて解明しま
す。キャリア間の相 互 作 用を制 御し利
用する方法を開拓し、従来の太陽電池
においては熱として散逸されていた光励起キャリアの余剰
エネルギーを有効に利用するホットキャリア太陽電池の原
理実証を目指します。
●扉絵は、太陽光が地球上のあらゆる再生可能エネルギーの源であり、化石燃料に代わり世界を支える原動力になることをイメー
ジしたものです。(岡本晃一研究者提供)
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
5 5 年型 挑 大挑戦型 次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
15
次
シート状高分子を用いた
光エネルギー変換材料の創製
江 東林
分子科学研究所物質分子科学研究領域 准教授
同上
本 研 究では、シート状 高 分 子が 提 供
する特異な空間構造に着眼し、幅広い
波長領域にわたって効率的な光捕集が
可能なアンテナ分子の人工的な構築を
目指します。ならびに「方向性を持たせ
た高速励起エネルギー伝達」を実現し、
「 巨大な内部表面を介した効率的な電荷分離 」、そして
「二相連続性から生まれた電子・ホールの独立輸送経路
の確保」などの過程が連鎖して働く革新的な光エネルギー
変換材料の創製を狙います。
カルコパイライト型リン化物を
用いた新規太陽電池の創製
野瀬嘉太郎
京都大学大学院工学研究科 准教授
同上 助教
Si 多結晶インゴットの
高効率化に向けた有機薄膜太陽電池用
の長波長光吸収層材料の開発
梅山有和
組織制御技術の開発
京都大学大学院工学研究科 准教授
同上 助教
藤原航三
東北大学金属材料研究所 准教授
同上
有機薄膜太陽電池は、資源的制約の
少なさや加 工の容 易さといった有 機 物
の特徴を活かすことでコストの大幅な低
減が可 能であり、 次 世 代のエネルギー
デ バイスとして 注 目を集 めています。
本 研 究では、 有 機 薄 膜 太 陽 電 池の光
活性層に用いるナノカーボン複合体・共役系高分子など
の材料開発や、それらの複合薄膜中での相分離構造の
ナノレベルでの最適化により、実用化に向けたエネルギー
変換効率の向上を目指します。
本 研 究 では、 Si の 融 液 成 長 過 程 に
おいて多結晶組織が形成していくメカニ
ズムおよびその制御方法を解明します。
この基礎研究をベースとして結晶粒サイ
ズ、 粒 方 位、 粒 界 形 状、 粒 界 性 格、
亜 粒 界( 転 位 )などの多 結 晶 組 織が
制御された矩形の Si 多結晶インゴットの成長技術を開発
します。 本 技 術により、 高 品 質・高 均 質な Si 多 結 晶
インゴットの実現を目指します。
高効率有機薄膜太陽電池を目指した
新規半導体ポリマーの開発
次世代有機薄膜太陽電池創出のための
近赤外色素の開発
尾坂 格
(独)理化学研究所創発物性科学研究センター 上級研究員
広島大学大学院工学研究院 助教
村中厚哉
(独)理化学研究所内山元素化学研究室 専任研究員
(独)理化学研究所基幹研究所 基礎科学特別研究員
近年、化合物半導体太陽電池として、
銅 イン ジ ウ ム ガリウ ム セ レ ン 化 物
が実用化されています。しかし、
( CIGS )
希少元素であるインジウムやガリウムに
は供給や価格の問題があります。
本 研 究では、 CIGS と同じカルコパイ
ライト構造を持ち、安全で豊富な元素で構成される亜鉛
すずリン化物に着目し、原子配列制御および添加元素に
よる特性制御、薄膜作製プロセスの確立を行い、安価
で高効率な太陽電池の実現につなげていきます。
有 機 薄 膜 太 陽 電 池の高 効 率 化におい
て、新規材料の開発は欠かすことがで
きません。 中でも、ポリマー材料は現在
最も高い効率を実現する材料として注目
されています。 本研究では、高いキャリ
ア輸 送 能をもつオリジナルな縮 合 多 環
芳 香 族 ユニットを用いて、 分 子 科 学 的アプローチから
高性能半導体ポリマー材料創出を目指します。
有 機 薄 膜 太 陽 電 池は次 世 代 の 太 陽
電池として将来が期待されていますが、
他のタイプの太 陽 電 池に比べると低い
変換効率に留まっています。本研究では、
高 効 率 有 機 薄 膜 太 陽 電 池 創出のため
の革新的有機 p 型半導体として、 800
− 1200nm の 光を効 率 的に吸 収し、フラーレン類を
n 型半導体として用いた場合に高い光電変換を可能にする
低分子系近赤外色素を開発します。
有機薄膜太陽電池の劣化機構の
ミクロ解明と耐久性向上
電子スピンコヒーレンスによる
有機太陽電池基板の電子伝達機能の解明
色素増感太陽電池のレドックス種の
拡散挙動解明と高効率化への提案
5
丸本一弘
筑波大学数理物質系 准教授
同上
本研究では、高感度高精度かつ分子レベ
ルでミクロ評価が可能な電子スピン共鳴
(ESR)の解析手法と、有機薄膜太陽
電池の作製技術との異分野融合による革
新的技術により、有機薄膜太陽電池研究
で現在大きな問題の一つとなっている、電
荷蓄積に伴う素子の劣化機構をミクロな観点から解明します。
この劣化機構についての知見に基づいて、素子構造を改良し、
特性を評価するとともに、耐久性の大幅な向上を目指し、
有機太陽電池の実用化に貢献します。
小堀康博
神戸大学大学院理学研究科 教授
静岡大学理学部 准教授
柳田真利
(独)物質 ・ 材料研究機構環境エネルギー材料部門 主幹研究員
同上 次世代太陽電池センター 主幹研究員
色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽
電池の不均一系基板において効率よく
電子・正孔輸送を行う表面・界面状態
をナノメートルスケールで鑑 定する方 法
論を確立します。 光照射初期に生成す
る電荷分離状態において、電子スピン
関数の干渉で生じる量子コヒーレンスの効果を時間分解
電 子スピン共 鳴 法で計 測します。 不 均 一な各 分 子 の
立体配置に対して、電子軌道の重なりを表す相互作用を
決定し、光電変換効率の高い基板状態を評価します。
色 素 増 感 太 陽 電 池における電 解 質 溶
液中の電荷輸送や酸化還元反応に関
わるヨウ素イオン 種 の 挙 動 に 着目し、
干渉光学的手法や高輝度放射光の回
折・散乱手法などによって、電解質溶
液バルク中および TiO2/ 電 解 質 溶 液
界 面 近 傍におけるヨウ素イオン種の分 布や動 的 構 造を
直接的に計測・解析します。これらの微視的な結果と太陽
電池特性を比較し、イオン液体を電解質溶液とする信頼
性の高い色素増感太陽電池の高効率化を目指します。
高不整合材料による
中間バンド太陽電池の創製
DFT 計算を駆使したπ軌道の精密制御
5
超低速電子線源を用いた有機半導体の
伝導帯の直接観測法の開発
吉田弘幸
京都大学化学研究所 助教
同上
有機薄膜太陽電池は、2 種類の性質の
異なる有機半導体を接触した構造をもち、
光照射により正電荷をもつ「ホール」と
負電荷をもつ「電子」に分離することで発
電しますが、これまで、電子の伝導を担う
伝導帯の電子構造を解明するよい研究手
段はありませんでした。本研究では、超低速電子線を用いて
有機半導体に損傷を与えずに精度よく伝導帯を調べる新しい
解析法を開発します。この成果は、有機薄膜太陽電池の動作
解明や発電効率の向上につながると期待できます。
家 裕隆
大阪大学産業科学研究所 准教授
同上
有機薄膜系太陽電池に応用可能な電
子 輸 送 型( n 型 )半 導 体 材 料が実 質
フラーレン誘導体のみの現状において、
次 世 代 太 陽 電 池 の 実 用 化 に 向けた
新機軸の n 型半導体材料の開拓が切
望されています。 本研究では有機合成
化学・構造有機化学を基盤とした化学分野の領域から、
有機薄膜系太陽電池における n 型の新材料開発に挑戦
します。 本 研 究を通じて革 新 的な分 子 設 計 指 針を確 立
させることで、実用化に向けた新たな基盤技術を開拓します。
16
ホスト材料に対して電気陰性度の大きく
異なる元 素をわずかに導 入した高 不 整
合材料を用いると、本来のバンドギャッ
プ中に新たなバンドが形成され、 3 つの
光学遷移過程を創出できます。これに
より 1 つの材料でありながら太陽光スペ
クトルを幅広くカバーすることができ、高効率化が期待さ
れています。 本研究では、テルル化亜鉛をベースとした
高不整合材料の基礎特性を明らかにし、これを用いた中
間バンド太陽電池の開発を目指します。
相互侵入型相分離ポリマーの合成と
3D ナノ構造有機薄膜太陽電池への応用
東原知哉
山形大学大学院理工学研究科 准教授
東京工業大学大学院理工学研究科 助教
バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池
の 光 電 変 換 層において、 p/n 有 機 半
導体それぞれの凝集による変換効率の
頭 打ちやデ バイスの 長 期 劣 化などの
問 題が 山 積しています。 本 研 究では、
p/n 有 機 半 導 体 のどちらにも相 溶し、
かつ 高 い 電 荷 移 動 度を有 する新 規π共 役 系ブロック
共重合体や異相系フラーレン誘導体を開発します。これ
らを界面活性剤として利用する新たな切り口により、電池
特性の高効率化と長期安定化を目指します。
京都大学化学研究所 准教授
同上
色素増感型太陽電池の各動作過程で
の徹底的な効率化を指向した独自の分
子 設 計に基づいて、 太 陽 電 池の高 性
能化を可能にするπ電子系色素材料の
開発に取り組みます。 分子内配位結合
をもつ含窒素π電子系骨格を鍵骨格に
用いて、 DFT 計算を駆使した具体的な標的分子の設計
により、π軌道の広がりとエネルギーレベルを精密に制御
した一連の有機色素材料を開発し、これにより有機太陽
電池の光電変換効率の飛躍的な向上を目指します。
23
光捕集アンテナ構造を組み込んだ
光合成型光電変換デバイスの創製
年度採択研究者[3期生]
年度採択研究者[2期生]
有機薄膜系太陽電池に応用可能な
n 型半導体材料の開発
若宮淳志
平成
平成
22
田中 徹
に基づく有機色素材料の開発
佐賀大学大学院工学系研究科 准教授
同上
浅岡定幸
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科 准教授
同上
植物の光合成反応では、光を効率よく
吸収するアンテナ色素系、電荷分離を
司る反応中心、電荷を輸送する電子伝
達系が、それぞれ空間的に分離して存
在し、協働することによって高い光電変
換効率を実現しています。 本研究では、
完全垂直配向シリンダー型ミクロ相分離薄膜の相分離界
面をテンプレートとして、光捕集部と電荷分離・輸送部を
構築し、光合成反応中心の構造と機能を人工系で再現
した、光電変換デバイスの作製を目指します。
荒木秀明
長岡工業高等専門学校物質工学科 准教授
同上
量子ナノ構造を利用した新型高効率
シリコン系太陽電池の開発
黒川康良
赤外線集中加熱による
太陽電池用単結晶シリコンの作製
東京工業大学大学院理工学研究科 助教
同上
綿打敏司
希少元素であるインジウムや毒性のセレ
ンを含まず豊富で安価な銅・スズ・硫黄
からのみ構成される銅スズ硫化物系光
吸収材料を用いて、大規模量産化に適
した新型化合物薄膜太陽電池の開発を
行います。 銅スズ硫化物薄膜は、太陽
電池に適した特性を持つと知られる一方で未知な部分も
多く、この材料の基礎物性を把握し、最適な作製プロセ
スを確立することで、高効率で安価な化合物系薄膜太陽
電池の創出を目指します。
元 素 戦 略 上、 有 利なシリコンのみを発
電層として用いて高効率積層型太陽電
池を作製するにはシリコンのバンドギャッ
プを制御する必要があります。本研究で
は、シリコンナノワイヤ( SiNW )を用
いた量子閉じ込め構造を採用することに
よりこれを実現し、表面パッシベーション技術を SiNW 発
電層の高品質化に利用します。さらに、量子効果を取り
入れたデバイスシミュレータによる解析により、 SiNW 太
陽電池の設計を同時に行います。 新規酸窒化物を用いた
ピエゾ電界誘起量子井戸型太陽電池の創製
放射光を利用した有機薄膜太陽電池の
エネルギー損失解析
板垣奈穂
九州大学大学院システム情報科学研究院 准教授
同上
多重量子井戸を用いた太陽電池は、理
論効率が 60% を超える第 3 世代太陽
電池として期待されていますが、その井
戸型ポテンシャルのために光生成キャリ
アの多くが井戸内で再結合するという本
質的な課題を抱えています。本研究では
“酸窒化物半導体”という新しい材料と“ピエゾ誘起バン
ドエンジニアリング”を用いた新しいアプローチにより、量
子井戸型太陽電池の飛躍的な光電変換効率の向上と低
コスト化を目指します。
櫻井岳暁
太陽光
5
挑
レアメタルフリー新型化合物系
薄膜太陽電池の開発
山梨大学大学院医学工学総合研究部 准教授
同上
単結晶シリコン太陽電池の変換効率は
高いことが知られていますが、製造コス
トは他の太陽電池に比べると高いものと
なっています。 本研究では、変換効率
の高いシリコン太陽電池の基板に n 型
シリコン単結晶が用いられている点に注
目し、この n 型シリコン単結晶の大口径化と組成の均一
化による低コスト化を傾斜鏡型の赤外線集中加熱炉の集
光方式の工夫により実現することを目指します。
筑波大学数理物質系 准教授
同上 講師
有機薄膜太陽電池におけるエネルギー
損失機構を解明するため、放射光を利
用した界 面 物 性 研 究に取り組みます。
放射光は構成元素や分子の選択励起
が可能であり、これを用いると有機分子
の複 雑な構 造 変 遷・電 子 状 態 変 化の
解析が行えます。 本研究では、光電変換過程において、
ドナー・アクセプタ界面で起こる、電荷分離反応や熱失
活過程を放射光により詳細に解析し、エネルギー損失機
構の全容を明らかにすることを目指します。
5
波長可変な顕微過渡吸収分光を用いた光電変換系
における電荷捕捉サイトおよび光退色過程の解明
片山哲郎
大阪大学ナノサイエンスデザイン教育センター 特任助教
大阪大学大学院基礎工学研究科 特任助教
光電変換過程の高効率化を目指した
有機界面の精密制御
但馬敬介
(独)理化学研究所創発物性科学研究センター チームリーダー
東京大学大学院工学系研究科 講師
電荷捕捉と色素の光退色は、有機系太陽
電池の効率化、長期安定動作を阻む最も
大きな問題です。しかし実際の太陽電池で
は、試料の空間不均一性により、その因
子の直接的解明は困難でした。本研究で
は、新規の超高速時間分解顕微分光測
定装置を開発・応用し、電荷捕捉サイトや光退色の因子を時
間・空間両面から解明します。これらの結果から、効率の良
い光電変換分子系の設計指針を提出し、高効率な有機太陽
電池の開発に貢献します。
有機薄膜太陽電池の高効率化を目指し
て、ドナー/アクセプター材料の分子レ
ベルおよびナノレベルの界面構造が光
誘 起 電 子 移 動および再 結 合 過 程に及
ぼす影響について、低表面エネルギー
物 質の表 面 偏 析や、 温 和な条 件での
薄膜転写など、実験的な手法によって明らかにします。こ
れまでの混合バルクヘテロ接合のような単純なアプローチ
では、到達不可能であった有機薄膜太陽電池における
究極の理想的構造の構築を目指します。
機能性結晶粒界による超高品質
シリコン結晶の実現
酸化チタンとジシアノメチレン化合物の界面
錯体を用いた新型有機系太陽電池の開発
沓掛健太朗
東北大学金属材料研究所 助教
同上
本研究では、通常の方法では得られな
いような、さまざまな構造の粒界を、複
合 種 結 晶 基 板を用いることでバルクの
Si 結 晶 中に制 御して形 成し、 Si 結 晶
中の粒 界の未 知の物 性を明らかにしま
す。この基礎研究をもとに、粒界の機
能(転位・点欠陥・不純物・歪みを吸収する)を利用し
て、 太 陽 電 池 用 の 超 高 品 質・低コスト・高 歩 留りの
Si 結晶の実現を目指します。
藤沢潤一
(独)科学技術振興機構 さきがけ専任研究者
東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 特任准教授
酸化チタン( TiO2 )とジシアノメチレン
化 合 物( TCNX) からなる界 面 錯 体を
用いた新原理に基づく有機系太陽電池
の研究開発を行います。 有機系太陽電
池は、 表 面に化 学 結 合した TCNX 分
子から TiO2 伝導帯への電荷遷移によ
り、 TiO2 に直接電子注入ができる新型太陽電池です。
本研究では、高効率光電変換の実現を目指して、太陽
電池の物性制御とそれを基盤とした高効率化に取り組み
ます。
挑
ギャッププラズモンによる光学的に厚く
物理的に薄い高効率太陽電池の創製
久保若奈
(独)科学技術振興機構 さきがけ専任研究者
理化学研究所基幹研究所 基礎科学特別研究員
ギャップ構造体の光学的・物理的特徴
を利用し、光学的に厚く物理的に薄い
新 規 太 陽 電 池を創 成します。ギャップ
間のみに光電変換素子を充填した際の、
ギャッププラズモン特性の活用とギャップ
電極の構築によって、電荷の拡散距離
が短い薄 膜セルでありながら、 光 吸 収 効 率の高い新 規
太陽電池が実現できます。 構築した太陽電池ナノセルを
ウェハースケールでアレイ化し、実用レベルの電力抽出を
目指します。
ヘテロエピタキシーを基盤とした
高効率単結晶有機太陽電池
宮寺哲彦
(独)産業技術総合研究所太陽光発電工学研究センター 博士型任期付研究員
同上 研究員
高 効 率 有 機 太 陽 電 池の実 現のために、
高度に制御された素子作製手法である
「有機ヘテロエピタキシー」の開拓を行
います。 新 規 結 晶 成 長 技 術を確 立し、
理想的な構造の太陽電池を作製するこ
とで、有機半導体の基礎メカニズム解
明に発展させていきます。 素子作製技術の開拓と基礎
メカニズムの解明を通して、将来にわたって有機太陽電池
を発展させるための基盤となる技術・知見を構築すること
を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
17
時間分解 X 線構造解析法による
21
光エネルギー変換機構の分子動画観測
http://www.chem-conv.jst.go.jp/index.html
戦略目標
異分野融合による自然光エネルギー
変換材料及び利用基盤技術の創出
年度採択研究者[1期生]
物質変換
5
平成
光エネルギーと
足立伸一
ナノ構造体の階層的構造制御による
光機能性材料の創製
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 教授
同上 准教授
光によるエネルギー変換反応を分子構
造の時間変化として直接観測することは
すべての 化 学 者 の 夢です。 本 研 究は、
シンクロトロン放射光 X 線のピコ秒パル
ス特 性を最 大 限に利 用することにより、
光エネルギー変換プロセスを、あたかも
動画を観るように直接観察する方法論を提案します。こ
の測定手法は、光エネルギー変換プロセスの高効率化に
向けた設計指針を与えることが期待されます。
伊田進太郎
九州大学大学院工学研究院 准教授
熊本大学大学院自然科学研究科 助教
厚さ約 1nm、四方の広さが数百 nm ∼
数 µm 程度の形状を持つ二次元半導体ナ
ノシートは、光励起で生成した電子と正孔
の電荷分離が非常に大きいため、それを有
効利用できる構造を設計できれば、高効率
で可視光に応答する光電変換膜や水分解
光触媒などを創製できる可能性があります。本研究では、様々
な禁制帯幅をもつ半導体ナノシートの作製技術を開発し、それ
を階層的に積層した新しいタイプの光電変換膜や水分解光触
媒の開発を目指します。
次
機能分離型色素を用いた
高効率水分解系の構築
阿部 竜
研究総括
井上 晴夫
首都大学東京人工光合成研究センター センター長/特任教授
本研究領域では、人類にとって理想的なエネル
ギー源である太陽光による広義の物質変換を介して、
光エネルギーを化学エネルギーに変換・貯蔵・有効
可視光エネルギーを駆動力とする
触媒的有機分子変換システムの開発
京都大学大学院工学研究科 教授
北海道大学触媒化学研究センター 准教授
稲垣昭子
首都大学東京大学院理工学研究科 准教授
東京工業大学資源化学研究所 助教
太 陽 光を用いて効 率良く水を分 解して、
クリーンエネルギーである水素を製造でき
るプロセスを実現するために、有機色素
と無機半導体を組み合わせた新規な光
触媒反応系を研究します。 植物が行っ
ている光合成の「 2 段階光励起機構」
を模倣し、水の分解反応における水素生成反応には新
規開発した機能性有機色素を、一方の酸素生成反応に
は無機酸化物半導体を用い、両者の特性をそれぞれ活か
すことによって、高効率な水素製造を目指します。
本研究は、太陽光の主要成分である可
視光エネルギーを精密有機合成反応へ
利用しうる触媒システムの開発を目指す
ものです。 現在、太陽光エネルギーは
電気・熱エネルギーとしての利用のみが
着目され、応用開発が進められています。
本研究は、この無尽蔵で膨大なエネルギー源である太陽
光エネルギーを制御しながら物質変換、すなわち様々な有
用な化合物を生み出すエネルギー源として用いることに着
目したものです。
光機能性巨大π共役系化合物の創製
蛋白質工学的アプローチによる
高効率ギ酸生産藻類の設計
利用し得る高効率システムの構築を目指した、独創
的で挑戦的な研究を対象とします。
5
具体的には、半導体触媒や有機金属錯体による
光水素発生、二酸化炭素の光還元、高効率な光
捕集・電子移動・電荷分離・電子リレー系、光化
学反応場の制御、水分子を組み込んだ酸化還元系、
ナノテクノロジーを駆使した光電変換材料、高効率
光合成能を有する植物、藻類、菌類などの利用技
術、光を利用したバイオマスからのエネルギー生産、
光合成メカニズムの解明などが含まれます。 光化学、有機化学、材料科学、ナノテクノロジー、
バイオテクノロジーなど幅広い分野から、将来のエネ
ルギーシステムへの展開を目指した革新的技術に新
荒谷直樹
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 准教授
京都大学大学院理学研究科 助教
伊原正喜
信州大学農学部 助教
東京大学大学院工学系研究科 特任助教
本研究では、分子設計の自由度が高い
有機分子の特長を生かした光電変換素
子の開発など、太陽電池の基礎研究と
して新物質の創製に取り組みます。 多
環式芳香族化合物を基軸とした平面状
および曲面状に共役系の拡がった化合
物を合成し、その光学特性を評価します。 本研究の目標
は「 斬新な機能性π共役系の構築 」であり、現代有機
化学の手法を駆使して、よりデザイン性の高い炭素材料
の開発を目指します。
ギ酸は、 次 世 代エネルギーである水 素
へと容 易に変 換でき、 水 溶 性であるた
めに水素よりも輸送や貯蔵が容易です。
本研究では、藻類が太陽エネルギーを
吸収して、様々なバイオエネルギーへと
変換することを利用し、藻類の光合成
機構を分子レベルで改変して、高効率で安価にギ酸を生
産できるシステムの構築を目指します。
光反応中心・光受容体蛋白質における
光反応の分子制御
[Fe]- ヒドロゲナーゼの
しい発想で挑戦する研究を対象とします。
領域アドバイザー
石谷 治
伊藤 攻
伊藤 繁
喜多村 曻
工藤 昭彦
嶋田 敬三
沈 建仁
瀬戸山 亨
東京工業大学大学院理工学研究科 教授
東北大学 名誉教授(H23.7 ∼)
名古屋大学 名誉教授(H22.12 ∼)
北海道大学大学院理学研究院 教授
東京理科大学理学部 教授(H22.12 ∼)
首都大学東京大学院理工学研究科 客員教授
岡山大学大学院自然科学研究科 教授(H24.1 ∼)
三菱化学株式会社/株式会社三菱化学科学技術研究センター
フェロー・執行役員/瀬戸山研究室 室長
高木 克彦 (財)神奈川科学技術アカデミー 研究顧問
立命館大学大学院生命科学研究科 教授
民秋 均
5
石北 央
東京大学大学院工学系研究科 教授
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット 特定助教
高効率な光エネルギー変換反応・光合成
の仕組みを工業的に応用するため、光励
起電子移動反応が注目されています。しか
し、光合成反応中心蛋白質は、巨大色素・
膜蛋白質複合体であり、実験で測定する
にはしばしば困難を伴います。本研究では、
蛋白質立体構造に基づき、電子移動の支配因子である「酸
化還元電位」を理論計算で解析します。プロトン移動反応や
周辺アミノ酸の電位への影響も算出し、光合成の酸素発生
反応・電子移動反応機構の解明を目指します。
(H24.1∼)
堂免
橋本
藤田
真嶋
松永
宮坂
一成
和仁
恵津子
哲朗
是
博
東京大学大学院工学系研究科 教授(∼ H22.8)
大阪大学産業科学研究所励起分子化学研究分野 教授
東京農工大学 学長(∼ H22.8)
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
●インターナショナル・アドバイザリー・ボード
根岸 英一 パデュー大学 特別教授
徳丸 克己 筑波大学 名誉教授(H22.9 ∼)
朴
鐘震 高麗大学校材料化学科 教授(H22.9 ∼)
ビビアン ヤン 香港大学化学科 教授(H22.9 ∼)
トーマス マイヤー ノースカロライナ大学チャペルヒル校
特別栄誉教授(H22.9 ∼)
嶋 盛吾
マックスプランク陸生微生物学研究所 Biochemistry Group Leader
同上
[Fe]- ヒドロゲナーゼの鉄錯体活性中心
の生合成機構を明らかにします。 本酵
素はメタン生 成 菌で発 見され、 新 規に
構 造を解 明したヒドロゲナーゼであり、
水 素ガスの 分 解と発 生を触 媒します。
本研究によりこの鉄錯体の大量調製を
実現することで電極触媒などへの応用研究が可能となり、
本酵素を模擬した触媒合成のための化学的基礎を構築で
きます。さらに水素貯蔵システムの開発にも発展すること
が期待できます。
5挑
東京大学大学院工学系研究科 教授
ブルックヘブン国立研究所化学科 シニアケミスト
活性中心鉄錯体の生合成
ペプチド折り紙で創る
二酸化炭素多電子還元触媒
石田 斉
北里大学大学院理学研究科 准教授
同上
光合成のように光エネルギーを利用して
二酸化炭素を他の物質に変換するため
に、 優れた二 酸 化 炭 素 多 電 子 還 元 触
媒が望まれています。そのためには、二
酸化炭素還元に伴うプロトン共役が重
要となります。 本 研 究では、
“ペプチド
折り紙”という手法を用いて、二酸化炭素還元能を有す
る金属錯体触媒の活性部位近傍にプロトン供与性官能
基を自在に配置した触媒を開発し、二酸化炭素からメタ
ノールやメタンを製造することを目指します。
光合成膜タンパク質分子集合系の
機構解明
出羽毅久
名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授
同上
光合成の初期過程では、数種類の膜タ
ンパク質・クロロフィル色素複合体が特
殊な集合体を形成し、それらが協同的
に連 動して機 能しています。 本 研 究で
は、分子集合体の動作機構を分子レベ
ルで明らかにすることにより、究極の物
質・エネルギー変換システムとしての光合成システムを分
子集合系として理解し、太陽光を利用した新規なエネル
ギー変換・炭素固定化システムの構築へと展開します。
●扉絵は、人工光合成の構築と光合成メカニズムの解明・バイオマスによる物質変換などのイメージを表したものです。
18
中島裕美子
産業技術総合研究所 主任研究員
京都大学化学研究所 特定助教
本研究は、ホスファアルケン系配位子
を用いて、鉄錯体の電子状態制御に取
り組むことで、 鉄 錯 体を用いた二 酸 化
炭素の高効率光還元反応の達成を目指
します。 電子的に極めて柔軟な特性を
持つホスファアルケン系 配 位 子を用い
れば、鉄錯体反応性の電子レベルでの理解が可能となり
ます。 得られた知見に基づき鉄錯体反応場を精密設計す
ることで、反応の高効率化が期待できます。
複合体解析による
光合成エネルギー変換の完全理解
栗栖源嗣
光エネルギー変換過程における
固/液界面構造のその場計測
大阪大学蛋白質研究所 教授
同上
野口秀典
水素発生などの有用酵素反応について、
光合成のエネルギーを使って駆動するモ
デル細胞を設計出来れば、有用物質を
高収率で生産することが可能となります。
しかし、 モデル 細 胞 の 人 工 創 成 には、
エネルギー変換に関連した代謝反応ネッ
トワーク全体を原子レベルで理解する必要があります。 本
研究では、「有用酵素反応を光駆動するモデル細胞創成
にむけ、複合体解析による光合成レドックス代謝ネットワー
クの完全理解」を目指します。
物質・材料研究機構ナノ材料科学環境拠点 チームリーダー
同上 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 研究員
物質変換
5次
ホスファアルケン系配位子を持つ鉄錯体を
触媒とする二酸化炭素の高効率光還元反応
光エネルギー変換反応の多くは、固体
と溶液の界面で進行しています。しかし、
これまで溶液層の存在により界面の構
造や反応を詳細に調べることは困難でし
た。 本 研 究では、「 光 」を使った界 面
選択的な分光法を適用することで、固
/液界面の電子構造、分子構造、さらには反応の素過
程に関する情報を「その場」で得る手法の開発を行いま
す。この手法により光エネルギー変換反応の高効率化へ
向けた材料設計指針の確立を目指します。
5
水の可視光完全分解を可能にする
高活性酸素発生触媒の創製
正岡重行
自然科学研究機構分子科学研究所 准教授
九州大学大学院理学研究院 助教
分子性酸化物を用いた高効率な
水の完全酸化触媒の創生
定金正洋
籠型分子の内部に展開する
光−物質変換機能触媒の創出
広島大学大学院工学研究院 准教授
同上
舩橋靖博
本研究では、現代のエネルギー問題を
解決するための人工光合成技術である
水の可視光完全分解を、有機物と金属
イオンからなる金属錯体を用いて実現さ
せることを目標としています。 特に、金
属錯体による水の分解を達成するため
の鍵となる高活性酸素発生触媒の創出を目指します。
太陽光を用いて水を水素と酸素に分解
する反応は、真にクリーンな水素エネル
ギーを得る究極の方法です。この反応
を効 率よく進めるための今 一 番の課 題
は水から酸素への酸化反応の効率の向
上です。 ポリオキソメタレートとよばれる
分子性金属酸化物は高い酸化安定性と有機錯体のよう
に自在に分子構造設計が可能であるという特徴を兼ね備
える酸化触媒として優れた材料です。この特徴を活かし
高効率な水酸化反応触媒の創生に挑みます。
水素生成型太陽電池を目指した
水の光酸化ナノ複合触媒の開発
光合成による高効率エネルギー変換と
水の酸化機構の解明
大阪大学大学院理学研究科 教授
名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授
「籠」 状の分子内部に、遷移金属イオ
ン、補助配位子、補酵素分子などを組
み込み、 光エネルギーを利 用した物 質
変換システムに寄与する分子性触媒群
を構築します。籠分子の中に閉じ込める
ことで、酸化還元を行う反応活性中心
が、構造変化しながらも散逸せずに協同的に働く状況を
維持できます。 光励起を利用した水素発生と酸素発生、
温室効果ガスの還元、燃料アルコールの酸化や、酸素
の 4 電子還元を行う触媒を創出します。
5
八木政行
新潟大学大学院自然科学系 教授
同上
太 陽 光を電 気エネルギーに変 換すると
同時に水から水素を生成する水素生成
型太陽電池の創製を目指します。 太陽
光により水素のような高エネルギー有用
物質を生成するためには、水を電子源と
して利 用することが 不 可 欠であるため、
水の光酸化系の構築は重要です。 本研究では、独自に
合成した多様な高活性の水の酸化ナノ触媒と可視光電
荷分離系を機能的に融合した水の光酸化ナノ複合触媒
を合成して革新的な水の光酸化系の構築に挑戦します。
平成
安定デバイス創製に向けた
光合成光反応制御機構の解明
年度採択研究者[2期生]
22
伊福健太郎
京都大学大学院生命科学研究科 助教
同上
杉浦美羽
愛媛大学プロテオサイエンスセンター 准教授
愛媛大学無細胞生命科学工学研究センター 准教授
超解像蛍光顕微鏡による珪藻の
バイオミネラリゼーションの解析
堀田純一
山形大学大学院理工学研究科 准教授
ルーヴェン・カトリック大学 上級博士研究員
植 物やラン藻などは、 光 合 成によって
非常に高い効率で太陽光エネルギーを
化合物の形で貯蔵し、同時に水を酸化
して酸素を放出して、地球上の全ての
好気的生物の生存を支えています。し
かし、光合成のしくみについては不明な
点が多く、これを分子レベルで理解することは、環境とエ
ネルギーの問題の解決を考える上でとても重要です。 本
研究では、光合成による高効率なエネルギー変換と水の
酸化のしくみを明らかにすることを目指します。
光合成生物である珪藻における、ナノ
構造を有するシリカ被殻の形成(バイオ
ミネラリゼーション)を、光の回折限界
を超えたナノスケールの解像度を持つ 3
次 元 超 解 像 蛍 光 顕 微 鏡により解 析し、
そのメカニズムを明らかにします。さらに、
蛍光性シリカ被殻を創製してナノ光デバイス等への応用を
検討し、太陽光エネルギーによるナノデバイスの直接生
産や、二酸化炭素の吸収を伴う有用資源回収法として
の可能性を探ります。
光アンテナにナノ粒子や分子を
集める・観る・反応させる
表面バンドエンジニアリングに
よる高性能水分解光触媒の創生
坪井泰之
大阪市立大学大学院理学研究科 教授
北海道大学大学院理学研究院 准教授
前田和彦
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
東京大学大学院工学系研究科 助教
光 合 成の初 発 段 階において、 光 化 学
系 II 色素タンパク質複合体が行う水分
解 - 酸 素 発 生 反 応は、 地 球 上の光エ
ネルギー/物質変換を支える最も重要
な反応です。 一方で、光化学系 II は水
を酸 化する激しい 酸 化 力を生じるため、
とても不安定な側面も有しています。 本研究は、植物が
持つ光化学系 II を適切に制御し、安定化するメカニズム
を分子レベルで解明し、光合成酸素発生反応を人為的
に利用するための基盤を築くことを目指します。
プラズモニック ・ ナノギャップ(光ナノア
ンテナ )は、 光 捕 集 機 能 だけでなく、
増強輻射力による物質(ナノ粒子 ・ 分
子)の捕捉機能も有しています。 本研
究では、光ナノアンテナにおいて「光子」
と「 反 応する物 質 」を同 時に同じナノ
空間に局在した状態を作り出し、相互作用(反応物質
の光吸収)のチャンスから光反応の効率までを飛躍的に
増大できるような、全く新しい概念に基づく高効率な光反
応システムの構築を目指します。
半導体微粒子の光触媒作用を利用した
水の分 解 反 応は、クリーンな水 素エネ
ルギーを作り出すための究極の反応とし
て注目されています。 本 研 究では、 光
触媒粒子の表面欠陥制御を通じて、水
分解反応に重要な役割を果たす表面バ
ンド構造の最適化を図り、可視光で高効率に水を分解で
きる光触媒系の構築を試みます。ひいては、将来の太陽
エネルギーを利用したクリーンなエネルギー生産システムの
構築に資する新技術の創生を目指します。
油生産緑藻の葉緑体と細胞全体の生理
との相関を見る多角的顕微分光分析
光合成で駆動する新しい生物代謝
光化学的手法による天然有機色素の
金属バインディング機能創出
熊崎茂一
京都大学大学院理学研究科 准教授
同上
光と無機栄養のみで育つ微細藻類から燃
料が生産できれば環境調和型で永続的な
エネルギーが得られます。しかしながら、ラ
イフサイクル全体のエネルギー収支は未だ
マイナスであり、微細藻類の油生産能力を
最大限に引き出す必要があります。本研究
では、細胞内部で進行する油生産とそれを支える葉緑体活動
を多角的に調べられる顕微分光システムを開発し、藻類研究
に利用していきます。効率的なバイオ燃料生産に役立つ細胞
利用法の開発を目指します。
永島賢治
神奈川大学光合成水素生産研究所 プロジェクト研究員
首都大学東京大学院理工学研究科 准教授
光合成電子伝達で働くクロロフィルは基
本的に強い酸化剤ですが、光エネルギー
を吸収すると強い還元剤として働き、電
子伝達反応を駆動するポンプとして機能
します。 本研究では、遺伝子操作によ
りこの光 駆 動ポンプからの電 子 流に分
岐を作り出し、水素の発生や窒素酸化物の還元など生
物由来のエネルギー代謝経路と新しいリンクを作ることを
目指します。 光エネルギーを利用した有用物質の生産や
環境浄化を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
村橋哲郎
自然科学研究機構分子科学研究所 教授
大阪大学大学院工学研究科 准教授
共役ポリエン系有機色素は、動植物中
に広く存在する重要な光機能性分子で
す。 本研究では、光化学的手法を用い
ることにより、共役ポリエン系有機色素
が1分子あたり複数個の金属原子をバイ
ンドする能力を持つことを実証することに
取り組みます。また、新しく創製した共役ポリエン系色素
−多核金属複合化合物の反応性、光応答性、レドック
ス応答性などの性質を解明することを目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
19
5挑
太陽光と新規酸素吸収酸化物を用いた
燃料生成
山崎仁丈
科学技術振興機構 さきがけ研究者
カリフォルニア工科大学 客員研究員
作田絵里
本 研 究では、 太 陽 光と新 規 酸 素 吸 収
酸化物を用いて水素、合成ガス、メタ
ンおよびメタノールなどの燃料生成を目
指します。 酸素吸収酸化物の周りに酸
素があるとその酸素を吸収しますが、水
蒸気が存在する場合には水蒸気から酸
素のみを吸収し水素を生成します。 本研究では、この方
法による燃料製造の高効率化に必要な酸化物特性を熱
力学的および速度論的に調べ、その高効率化を目指しま
す。
平成
光化学系 II 複合体の酸素発生反応の
構造化学的な手法による原理解明
年度採択研究者[3期生]
23
梅名泰史
アリールホウ素化合物による化学的
光エネルギー変換への展開
大阪市立大学複合先端研究機構 特任准教授
大阪大学蛋白質研究所 特任研究員
北海道大学大学院理学研究院 助教
同上
古谷祐詞
自然科学研究機構分子科学研究所 准教授
同上
アリールホウ素化合物は、大変興味深
い電気・光化学特性を示し、さまざまな
材料への応用が期待されている化合物
群です。しかし、これまでアリールホウ
素化合物を光触媒系へと応用した例は
ほとんどないため、これらの化合物群を
用いた新しい光化学的な物質変換システムを提案するとと
もに、世界的にほとんど行われていない遷移金属錯体を
含めたアリールホウ素化合物の光化学研究の進展を目指
します。
光触媒や光受容蛋白質など、さまざまな
光エネルギー変換系では、水分子が密
接に関係しています。 本研究では、高
度に配向した試料調製方法を確立する
とともに、新しい時間分解偏光赤外分
光計測法を開発し、光エネルギー変換
系での水 分 解やプロトン移 動などの過 程において時々
刻々変化する水分子の姿を明らかにします。それにより高
効率な光触媒の設計、光受容蛋白質の改変手法を提案
し、配向試料の調製を通じて実践します。
金属錯体の配位および配位子の機能を
利用した CO2 還元触媒の創製
光によって引き起こされるヒドリド移動反
応を利用したエネルギーポンプ系の構築
佐藤俊介
(株)豊田中央研究所先端研究センター 研究員
同上 副研究員
松原康郎
科学技術振興機構 さきがけ研究者
ブルックヘブン国立研究所化学部門 リサーチ・アソシエイト
生命活動に必須の酸素ガスは、植物や
藻類に含まれる光化学系 II 膜蛋白質複合
体による光合成反応によって生産されてい
ます。この蛋白質の活性中心にはマンガン
とカルシウムの金属錯体が存在し、この分
子の触媒作用により、水を分解して酸素
分子を放出しています。本研究は、この錯体の原子レベル
の立体構造と X 線結晶構造解析による各 Mn 原子の電荷
状態の分析から、この蛋白質における酸素発生の化学反応
機構を明らかにすることを目指します。
本 研 究 は、 金 属 錯 体 の 配 位 能 力と、
付属する配位子の特徴を用いて、新た
な CO 2 還 元 触 媒 の 開 発を行 います。
最終的には、開発した錯体触媒を半導
体光触媒に連結・ハイブリッド化するこ
とで、水を電子源とした CO 2 の光還元
反応系の構築を実現させます。
ヒドリド ( プロトンが 2 電子還元されたも
の ) の移動反応は、生体内での電子輸
送を担う補酵素がヒドリドを蓄える / 放出
する際に起こる重要な反応です。 本研
究では、このヒドリドを出し入れする際に
必要とされるエネルギーが化合物によっ
て異なることに注目し、低いエネルギーのヒドリド化合物か
らより高いエネルギーを持つヒドリド化合物への可視光を
利用する変換反応、すなわちヒドリドの光ポンプ反応を開
発します。
ナノコンポジット光触媒を用いた
反応サイト分離型 CO2 固定化系の構築
カーボンニュートラルエナジーイノベーションを目指した
層状粘土化合物による水中での二酸化炭素の光還元
高効率な二酸化炭素還元を
目指した新規光触媒の創製
横野照尚
九州工業大学大学院工学研究院 教授
同上
寺村謙太郎
CO 2 を効率よく、メタノールなどの燃料
に変換する CO 2 固定化系の構築を行
います。 可視光下で高い還元力を持つ
高 表 面 積 型グラファイト状 窒 化 炭 素と、
同じく高い酸化力を持つ形状制御された
反 応サイト分 離 型 酸 化チタン光 触 媒を
用いたナノコンポジット光触媒を開発します。 酸化反応が
酸化チタンナノ材料上で、還元反応がグラファイト状窒
化炭素上で進行する高効率ナノコンポジット CO 2 還元用
システムの構築を目指します。
京都大学大学院工学研究科 准教授
京都大学大学院工学研究科 講師
恩田 健
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京工業大学大学院総合理工学研究科 特任准教授
森本 樹
本研究では、地球温暖化の原因として
考えられている二酸化炭素を、効率よく
吸着する特殊な表面を持ち、同時に光
エネルギーを化学エネルギーへと変換可
能な新 規 の 光 触 媒 材 料を開 発します。
工場や家庭から排出される二酸化炭素
を除去するのみならず、再び人類に有益な資源として利
用することを目指します。
5
新しい時間分解赤外振動分光法を用いた
複雑な光エネルギー変換過程の解明
長澤 裕
大阪大学大学院基礎工学研究科 准教授
同上
高効率な光エネルギー変換システムを構築
するために、絶対反応速度論を凌駕した
超高速の電子移動反応系の理解と構築を
目指します。そのためには、超高速のドラ
イビング・フォースとなるコヒーレントな核波
束運動や溶媒の「慣性応答」をフェムト
秒非線形時間分解分光法により観測・制御します。さらに、
超高速反応に最適化された微視的環境「反応のゆりかご」
を構築するため、時間分解小角 X 線散乱の手法等によりそ
の過渡構造の解明を目指します。
新しい人工光合成系を目指した
ナノ粒子超構造の構築
褐藻類の光合成アンテナに結合した
色素の構造と機能の解明
京都大学化学研究所 助教
筑波大学大学院数理物質科学研究科 助教
本研究は、それ自体が機能性を持った
ナノ粒子を組み合わせて協奏的に機能
させることにより、高効率の人工光合成
系の実現を目指します。 人工光合成系
を構築するためには、粒子の数と位置
関係の厳密な制御が必要ですが、この
ような空間制御を可能とする技術はありませんでした。 本
研究では、ナノ粒子に対して異方的な結合能を与える特
殊な配位子を利用し、ナノ粒子の空間配置の制御を行い
ます。
東京工科大学コンピューターサイエンス学部 専任講師
東京工業大学大学院理工学研究科 助教
光エネルギーを用いた二酸化炭素還元
光 触 媒 反 応は発 展 途 上の段 階にあり、
決定的な欠点として、ターンオーバー頻
度が低い、水中で有効に働く系がない
ことが挙げられます。これらを解決するた
めに、多電子還元反応が促進されるよ
うに、複数の光触媒を空間的に規制した位置に固定化し
た新規光触媒系や、人工光合成に不可欠な水中での触
媒反応の実現を目指して、炭酸イオンや炭酸水素イオン
を標的とする光触媒を創製します。
5
超高速電子移動のドライビング・フォースと
反応場の解明
本研究では、高効率、高機能化を目指
して複雑化する化学的光エネルギー変
換系の動的過程を明らかにするための
新しい分光法を開発します。 特に、分
子の構 造や電 荷の変 化に敏 感な振 動
スペクトルに着目し、光エネルギー変換
過程における振動スペクトル変化を、超高速、高感度、
高分解能で測定可能な新しい時間分解赤外振動分光装
置を製作し、光エネルギー変換系の高効率、高機能化
に貢献することを目指します。
坂本雅典
20
様々な光エネルギー変換系における
水分子の構造・機能相関解明
藤井律子
大阪市立大学複合先端研究機構 准教授
同上 特任准教授
太 陽 光を利 用する上で、 効 率よく光エ
ネルギーを集める光 捕 獲 機 能は極めて
重 要です。コンブ・ワカメ・モズクなど
の褐 藻 類 ( 海 藻 ) では、 海のカロチン
色素であるフコキサンチンがタンパク質
に結合して「光合成アンテナFCP」を
作り、ここで青緑色の光を特に効率よく利用しています。
本研究では、この仕組みを試験管内で再現する複合凝
集系を作成することにより、フコキサンチンの高効率光捕
獲機能を分子の構造の観点から解明します。
5挑
光励起キャリアーの動きと
エネルギー制御
山方 啓
豊田工業大学大学院工学研究科 准教授
同上
光触媒のエネルギー変換効率は光励起
キャリアーの再結合速度と反応分子へ
の電荷移動速度で決まります。この光
励起キャリアーの“動き”は触媒の組成
や構造に支配されるため、どのような構
造のときに活性が向上するのか、キャリ
アーの根本的な“動き”を理解する必要があります。 本
研 究では時 間 分 解 分 光 測 定を用いてこの光 励 起キャリ
アーの“ 動き”を理 解しながら、 触 媒の構 造を制 御し、
太陽光を用いた水分解光触媒を実現させます。
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/106sikkan.html
物質変換
疾患における代謝産物の解析および代謝制御に
基づく革新的医療基盤技術の創出
戦略目標
疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出
研究領域の概要
本研究領域は創薬・診断・予防といった医療応用を見据え、生体内化合物の動態解析を出
する技術の創出を目的とします。
疾患代謝
発点とした、疾患を反映する代謝産物等の探索およびその情報に基づく標的分子の分析を加速
具体的には、新規疾患関連因子の発見につながる超高感度検出技術、見出された因子の
研究総括
小田 吉哉
((株)エーザイ バイオマーカー&パーソナライズドメディスン
機能ユニット プレジデント)
同定技術・定量計測技術、そしてこれらのスループットを飛躍的に高める技術や多種因子同時
分析技術、各種情報技術等を開発します。また、既知の生理活性化合物が作用する代謝産
物やタンパク質、代謝経路の特定を通じて、医療応用につなげるための標的分子を解析する一
連の技術群の開発・高度化もあわせて行います。これらの成果により技術的アプローチを多様
化し、医療応用を目指す上で標的となりうる生体内分子を核としたヒト疾患制御の概念実証に貢
献します。
領域アドバイザー
本研究領域ではナノテクノロジー、合成化学、工学等の分野とライフサイエンスの融合研究を
飯田 順子 (株)島津製作所分析計測事業部
積極的に支援し、イノベーションの源泉を涵養します。また、対応する CREST 研究領域とは
ライフサイエンス事業統括部 担当部長(MS)
京都大学大学院薬学研究科 教授
石濱 泰
上杉 志成 京都大学物質 - 細胞統合システム拠点 教授
浦野 泰照 東京大学大学院薬学系研究科・医学系研究科
教授
北野 宏明
事実上一体となって運営し、緊密に連携します。そのため、独立した研究者として各研究課題
を担うさきがけ研究者には、CREST 研究領域と有機的なつながりを持ったバーチャル・ネットワー
ク型研究所の一員としての活躍にも強く期待します。
特定非営利活動法人システム・バイオロジー
研究機構 会長
澤田 拓子 塩野義製薬(株)
専務執行役員・グローバル医薬開発本部長
曽我 朋義
富澤 一仁
福崎 英一郎
眞野 成康
慶應義塾大学先端生命科学研究所 教授
熊本大学大学院生命科学研究部 教授
大阪大学大学院工学研究科 教授
東北大学病院 教授、薬剤部長
●扉絵は、疾病などの異常を抱えている人の体の中を見ると、代謝物やタンパク質修飾の異常があり、それらを見たり化合物を
作用させることにより治すことをイメージしたものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
21
平成
G タンパク質共役型受容体の活性化に
影響を及ぼす代謝物の同定
年度採択研究者[1期生]
25
井上飛鳥
東北大学大学院薬学研究科 助手
同上
西田基宏
自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター 教授
九州大学大学院薬学研究院 准教授
G タンパク質共役型受容体( GPCR )
は、ヒトにおいて約 900 種類も存在し、
各々が異なる代 謝 物を認 識して様々な
生命現象や疾患に関わります。 本研究
では、 GPCR の結 合 分 子を網 羅 的に
探索し、疾患関連分子の作用標的を明
らかにします。 得られた知見は、疾患のメカニズムを解明
するとともに、創薬に大きく貢献することが期待されます。
生 活 習 慣に起 因する心 血 管 疾 患の原
因として酸化ストレスが古くから指摘され
ていますが、医療に直結する酸化還元
(レドックス)バランスの制御機構につい
ては未だ明らかにされていません。 本研
究では、 求 核 性の高い活 性 硫 黄 化 物
の体内動態に着目し、硫黄循環・代謝を基軸とした新奇
レドックス恒常性制御基盤を構築することで、糖尿病合
併症の予防・治療につながる革新的な医療基盤技術の
創出を目指します。
タンパク質の動的機能の理解に基づく新たな疾患
バイオマーカー・創薬標的分子探索法の開発
脂質ラジカル選択的蛍光・質量分析マルチ
プローブの開発と疾患モデルへの適用
小松 徹
東京大学大学院薬学系研究科 特任助教
同上
本研究では、特定の代謝経路を制御す
るタンパク質を、その動的機能に基づい
て網 羅 的 に 探 索し、 新 規 バイオマー
カー、創薬標的として確立することを目
指します。このために、特定の酵素活
性を検出する有機小分子蛍光プローブ
を用いたタンパク質探索手法を確立し、これを基盤技術と
して「未解明の翻訳後修飾」に関わる酵素活性の検出
を通じた活性本体タンパク質の探索と、疾患に関連した
タンパク質の機能評価を行います。
創薬標的の同定・解析を可能とする
革新的ツールの創製
重永 章
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 講師
同上 助教
創 薬 研 究において、 生 理 活 性 物 質が
標的とするタンパク質の同定や機能解
明は不可欠です。また、標的タンパク
質結合能の高い化合物の探索も必須と
なります。 本 研 究では、 既に発 見した
新 反 応を基 盤とし、 標 的タンパク質の
効率的精製や細胞内でのラベル化を可能とするツールを
開発します。さらにこれらを用い、標的未知生理活性物
質の標的同定・機能解明に挑戦するとともに、細胞内で
の標的タンパク質結合能評価系の構築を目指します。
タンパク質分子上に形成される
アダクトーム解析法の確立
柴田貴広
名古屋大学大学院生命農学研究科 助教
同上
酸化ストレスや炎症条件下において生
成される酸化脂肪酸類は、タンパク質と
反応し多種多様な付加体を形成します。
こうしたタンパク質修飾付加体は、疾患
実態を反映するよい指標となるものと考
えられます。 本研究では、タンパク質修
飾 構 造 複 合 体を”タンパク質アダクトーム”として捉え、
修 飾 付 加 体 の 網 羅 的 解 析 法 の 確 立を行います。また、
この解析方法を利用して疾患特異的なマーカーの同定を
目指します。
代謝経路フラックスイメージング法による
" 局所 " 疾患代謝の解明
杉浦悠毅
科学技術振興機構 さきがけ研究者
同上
ヒト疾患治療に有用な、創薬のターゲットと
なり得る異常代謝”経路”の同定には、
(培
養細胞ではなく)疾患モデル動物での機序
解明が欠かせません。しかし、主に試料調
整等の技術的な困難さから、生体臓器中で
の疾患代謝の実態はこれまで十分には解明
されて来ませんでした。 本研究では、疾患臓器で異常を来たし
た " 局所 " において、「どの細胞種」が、「どのような代謝経路
の異常」を惹起しているのかを可視化する「代謝経路フラックス
(流束)のイメージング質量分析法」の確立を目指します。
22
硫黄循環・代謝を基軸とした生体
レドックス恒常性制御基盤の構築
山田健一
九州大学大学院薬学研究院 准教授
同上
脂質過酸化物の代謝産物が、疾患に
密接に関与していることが報告されてい
ます。しかし、この代謝の開始点である
脂質ラジカルは、反応性が極めて高い
などの理由により従来法では検出が困
難でありました。そこで本研究では、脂
質ラジカルを鋭敏に捉え、さらに結合した分子の構造解
析も可能な新たな技術の確立を目指します。さらに疾患モ
デルにも適用します。その結果、これまでにない全く新し
い疾患関連因子の発見が期待されます。
平成
生体における動的恒常性
維持・変容機構の解明と
制御
http://www.jst.go.jp/presto/hody/
戦略目標
先制医療や個々人にとって最適な
診断・治療法の実現に向けた生体
褐色脂肪―骨格筋間の
新たな臓器間ネットワークの解明
年度採択研究者[1期生]
24
梶村真吾
カリフォルニア大学サンフランシスコ校糖尿病センター幹細胞研究所 准教授
同上
を理解・制御するための技術の創出
骨を要とする多臓器恒常性維持機構の
解明
個体の発育の恒常性を調節する
器官間液性因子ネットワークの解明
脳・神経による骨代謝制御を介した骨髄造血シ
ステムコントロールという多臓器間ネットワークの
存在をこれまでに見出してきました。そして、こ
のような機能的ネットワークが体中ほぼ全ての臓
器に存在すると考えられています。しかし、本研
究は、これまでの脳の制御機能とは違った角度
から、体中を俯瞰する末梢臓器「骨」の新たな制御機能の解明を
目指します。その知見は臓器間ネットワークを利用し、既存の薬剤に
よる本来の薬効と違った利用法による新たな治療や効果的に予防し
ていく先制医療への応用が期待されます。
丹羽隆介
筑波大学大学院生命環境科学研究科 准教授
同上
生物の発育過程が個体の内外の環境に
応じて柔軟に調節されるに当たり、個体を
構成する様々な器官からのシグナルがいか
にして発育の進行を協調的に支配するの
か、その分子機構については不明な点が
多く残されています。 本研究は、分子遺
伝学的技術の発達したモデル生物ショウジョウバエを用い
て、発育段階調節のキープレーヤーであるステロイドホルモ
ンの生合成が、個体の様々な器官からの液性因子シグナル
によって調節される分子機構の解明を目指します。
恒常性
神戸大学医学部附属病院 講師
同上
疾患代謝
春日 雅人
科学技術振興機構 さきがけ研究者
理化学研究所基幹研究所 研究員
胎生期、幼児期の栄養状態が、成人
になってからの生活習慣病発症に影響
するという、 胎 児プログラミング 仮 説
(DOHaD) は、実験的解析が困難であ
るため、 科 学 的 検 証は進んでいません。
本研究では、モデル動物ショウジョウバ
エを用いて、内外の環境スト レスによるエピゲノム変化と
その遺伝を解析し、ストレスがどのように生活習慣病など
の発症に影響するかを明らかにし、新たな予防・診断・
治療法への展開を目指します。
片山義雄
研究総括
成 耆鉉
肥満は、摂取と消費エネルギー調節に
関わる恒常性の破綻に起因します。 筋
肉と褐色脂肪は最大のエネルギー消費
器官ですが、最近の研究から、この間
に密接な臓器間ネットワークが存在する
ことが 分かってきました。 本 研 究では、
褐色脂肪と骨格筋の間をつなぐ新たな液性因子を同定
し、その生体内におけるエネルギー代謝・糖代謝の恒常
性維持に関わる機能の解明を目指します。
における動的恒常性の維持・変容
機構の統合的解明と複雑な生体反応
胎児プログラミング仮説の分子機構の
解明と医療への応用
国立国際医療研究センター 総長
本研究領域は、生体をひとつの恒常性維持機構
としてとらえ、生体の動的な恒常性の維持・変容機
構を解明するとともに、老いや生活習慣病等の疾患
のメカニズムの解明に挑戦する研究を対象とします。
恒常性維持・変容を支える細胞内
分解系オートファジーの生理的意義
久万亜紀子
東京大学大学院医学系研究科 助教
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 助教
超長寿げっ歯類ハダカデバネズミを用いた
「積極的老化予防」 機構の解明
三浦恭子
北海道大学遺伝子病制御研究所 講師
慶應義塾大学 日本学術振興会特別研究員 SPD
生 体は合 成と分 解を繰り返し、 盛んに
代謝回転しています。その動的な営み
において、分解産物を材料に元と同じ
ものを作れば恒常性が維持され、違うも
のを作れば変容が生まれます。すなわち、
分 解 系は恒 常 性の維 持・変 容の駆 動
力であると捉えることができます。 本研究では、細胞内の
主要な分解系であるオートファジーに焦点を当てます。オー
トファジーの生理的役割を理解することで、恒常性維持・
変容機構の解明を目指します。
ハダカデバネズミは平均 28 年という超
長 寿げっ歯 類であり、 今までに自然 発
生腫瘍が確認されたことが無いという特
徴をもちます。 本研究では、このハダカ
デバネズミを新たなモデル動物として起
用し、分子生物学的手法を駆使するこ
とにより、老化耐性機構に関与する遺伝子群の同定と機
能解析を行います。 最終的には、マウスやヒトにおいて
老化耐性機構を再現することを目指します。
以上の視点を踏まえて、神経系・免疫系・内分
ヒト生体ホメオスタシス維持の安定化および
撹乱に寄与する新規生理活性物質の同定
冬眠を可能とする生体状態の可視化と
その誘導メカニズムの解明
泌系・血液系等の既に構築されている学術領域を
佐伯久美子
このような研究を推進することにより、生命体を統合
的に理 解することが 可 能になり、 対 症 療 法でない、
生体全体を理解した上での診断・治療法の開発や
年齢・ライフステージに応じた最適な医療の実現を
目指します。
具体的には、下記の視点をもった研究を推進します。
( 1 )多臓器間の機能ネットワークを体系的に捉える
視点
( 2 )恒常性維持機構の時間的変化を捉える視点
( 3 )疾患の原因としての恒常性維持機構の破綻を
捉える視点
超え、生体を 1 つの機構としてとらえた、分野横断
的な研究を対象といたします。
領域アドバイザー
植木
黒川
小室
小安
浩二郎
峰夫
一成
重夫
東京大学大学院医学系研究科 特任教授
東京大学大学院医学系研究科 教授
山口良文
東京大学大学院薬学系研究科 助教
同上
ヒト生体恒常性維持機構は、適切な解析
ツールがなく未解明な点が多く残されてい
ます。 本研究では、罹患者増加が社会
問題となっている虚血性疾患とメタボリック
シンドロームを標的に、ヒトES/i
PS細胞
分化誘導技術を適用し創成した画期的な
研究ツールである、ヒトES/i
PS細胞由来の高機能性血管
内皮細胞と高機能性褐色脂肪細胞を用いて、生体恒常性
維持の安定化と撹乱に寄与する新規生理活性物質を同定
し、副作用のない治療法の開発を目指します。
冬眠は、寒冷かつ餌の枯渇といった極限環境
を、代謝活動を劇的に減少させ低体温状態で
乗り切る驚異的な現象です。しかし、冬眠でき
る哺乳類と、私たちヒトを含む多くの冬眠出来な
い哺乳類との差は何なのか、殆どわかっていま
せん。本研究では、冬眠制御に重要な脳中枢
と末梢臓器との相互作用という観点から、冬眠可能な生体状態の実
体を最新の解析技術を用いて明らかにし、その制御機構に迫ることを
目指します。その知見は、虚血再灌流障害予防、神経変性疾患、
糖尿病予防などさまざまな医学的応用が期待されます。
腸管 IgA 抗体による腸内細菌制御機構の
解明と応用
血管の動的恒常性の破綻による
疾患進展機構の解明
東京大学大学院医学系研究科 教授
理化学研究所統合生命医科学研究センター
センター長代行
反町 典子
国立国際医療研究センター研究所
分子炎症制御プロジェクト プロジェクト長
内匠 透
竹田 秀
理化学研究所脳科学総合研究センター シニアチームリーダー
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
細胞生理学分野 教授
丹沢 和比古 第一三共株式会社 顧問
本田 賢也 理化学研究所統合生命医科学研究センター
チームリーダー
水島 昇
箕越 靖彦
望月 敦史
国立国際医療研究センター研究所 室長
同上
東京大学大学院医学系研究科 教授
自然科学研究機構生理学研究所 教授
理化学研究所望月理論生物学研究室
主任研究員
新藏礼子
長浜バイオ大学バイオサイエンス学部 教授
同上
腸内細菌叢のバランスの崩れが、多く
の病気の原因になることが最近わかって
きました。 腸内細菌叢をコントロールす
るにはリンパ球が作る IgA 抗体がとても
重要ですが、どのように腸内細菌に働き
かけているかよくわかっていません。 本
研究では、IgA 抗体が腸内細菌にどう働くかに着目し、よ
り良い腸内環境を作るための有用な IgA 抗体を明らかに
します。そして、その IgA 抗体を口から飲むことでいろい
ろな病気の治療や予防への応用を目指します。
渡部徹郎
東京薬科大学生命科学部 教授
東京大学大学院医学系研究科 准教授
血管は全ての臓器に分布し、生体の恒
常性を維持しますが、その異常はがん・
心疾患などの生命に関わる疾患を引き
起こします。 血管内皮細胞は内皮間葉
移行という過程を経て間葉系細胞へと
分化し、がんや心疾患などの病態を進
行させます。 本研究では、内皮間葉移行を生体内でリア
ルタイムに観察するシステムを構築し、その分子機構の
解明を目指します。 得られた知見は内皮間葉移行が関連
する疾患の治療法の開発に役立つことが期待されます。
●扉絵は、内部環境を一定の状態に保つ働きである恒常性をやじろべえに見立て、関連するDNA、化合物、免疫細胞などイメージ
したものです。(丹羽研究室 恩田美紀さん提供)
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
23
平成
栄養摂取バランスの崩れによる恒常性維
持機構の破綻メカニズムの解明
年度採択研究者[3期生]
25
岩部真人
東京大学医学部附属病院 特任助教
同上
久保田浩行
九州大学生体防御医学研究所 教授
東京大学大学院理学系研究科 特任准教授
運動器の動的恒常性を司るロコモ・
サーキットの解明
中島友紀
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 独立准教授(分野長)
同上
現 代 人は過 栄 養の時 代を迎え、 生 活 習
慣 病、 心 血 管 疾 患、 癌 等により寿 命が
短縮しています。 栄養摂取バランスが崩
れると、生体では、恒常性維持機構が破
綻し、長期ストレス応答のため、細胞間
の相互作用や臓器連関が正常に働かなく
なります。 栄養に対する代償システムの恒常性維持機構を
アディポネクチンとその受容体という切り口を中心として、そ
の破綻メカニズムと破綻により生じる疾患の分子メカニズム
を解明し、先制医療等の実現への貢献を目指します。
血中インスリンの時間パターンは複数の
分泌パターンからなっており、これらのパ
ターンとインスリン作用や糖尿病の関連
が 報 告されています。 つまり、 糖 尿 病
の原因の一因はインスリン時間パターン
の作用不全がもたらす恒常性維持機構
の破綻であると考えられます。 本研究ではこれらのメカニ
ズムを明らかにし、糖尿病をインスリン時間パターンの作
用不全による恒常性維持機構の破綻と捉え、そのメカニ
ズムを明らかにすることを目指します。
運動など力学的ストレスが増えると骨と
筋肉は丈夫になります。 一方、力学的
ストレスが減る宇宙空間や寝たきり状態
では骨と筋肉は弱くなることを、人類は
経験的に理解しています。しかし、骨と
筋肉がどの様に環境変化に応答し組織
を再構築していくかは、いまだ十分には理解されていませ
ん。 本研究では運動器の主軸となる骨と筋肉の臓器連
環クロストークを明らかにし、運動器の動的恒常性の制御
と破綻メカニズムの解明を目指します。
中枢神経傷害における神経回路による恒常性
機能の破綻と回復メカニズムの解明
組織修復における幹細胞
―免疫システム連関機構の解明
脳と末梢器官の新たな恒常性維持
クロストーク機構の解明
上野将紀
科学技術振興機構 さきがけ研究者
シンシナティ小児病院医療センター発生生物学部門 客員研究員
佐藤 卓
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京医科歯科大学難治疾患研究所 特任助教
中村和弘
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット 准教授
同上 講師
中枢神経系が傷害を受けると、神経回
路網の破綻により恒常性維持機構が失
われ、 重 大な機 能 障 害をもたらします。
その後失われた機能は、残存した神経
回路の可塑的変化により変容し、病態
の回 復 過 程が大きく左 右されます。 本
研究では、運動および自律神経、免疫制御の神経回路
に着目し、傷害後に変化する神経回路の実体を明らかに
することで、神経回路が及ぼす恒常性の破綻および回復
過程の全貌を明らかにすることを目指します。
組 織 損 傷 後の修 復 過 程には、自然 免
疫細胞が重要な役割を果たすことが知
られていますが、その一 方で、 組 織 修
復過程において、その起点となる組織
幹細胞に対して、これらの免疫系がどの
ように影響するのかについては、ほとん
ど明らかにされておりません。 本研究では、組織恒常性
の維持における、この免疫系と組織幹細胞の機能連関
を明らかにし、そこで得られた知見の、再生医療や癌幹
細胞を標的とした抗がん治療への応用を目指します。
脳と末 梢 器 官の間で絶えず繰り返され
る情報伝達、脳−末梢クロストークは生
命維持の根幹を担う恒常性維持システ
ムです。 本研究は、独自に開発した遺
伝子改変ラットに in vivo 生理学、光
遺伝学、神経解剖学などの手法を適用
することによって、脳−末梢クロストークの核心部分の仕
組みを個体レベルで解明します。この研究成果は、恒常
性維持機構の破綻によって生じる様々な疾患の根本的
治療法の開発に貢献することが期待されます。
皮膚の恒常性維持機構からアレルギー
クロストークへの展開
中枢・末梢・時間を統合した代謝生理
学的ネットワーク機能の解明
精神疾患における行動制御系の破綻
原理の解明と新規診断技術の開発
椛島健治
京都大学大学院医学研究科 准教授
同上
志内哲也
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 講師
同上
中村 亨
東京大学大学院教育学研究科 特任准教授
同上 特任助教
皮膚は、さまざまな外的ストレスに曝され
ながらもバランスを保っています。私たち
は、「 皮膚バリア破壊によりアレルゲン
が侵入し、皮膚ホメオスタシス維持機構
の 破 綻によりアレルギーが 成 立します。
その進展が喘息などの皮膚以外のアレ
ルギーの発症に繋がる」、というを考えを持っています。そ
こで、皮膚免疫・アレルギー、皮膚バリア破壊の観点か
ら皮膚のホメオスタシス機構を解明し、アレルギーの新し
い治療応用の基盤を形成したいと考えています。
生体内のエネルギー代謝は、一つの細
胞や組織で完結することなく、中枢を介
した神経性および液性経路により個体
全 体で制 御されています。また、 個 体
内の状態や外環境刺激のタイミング、ラ
イフステージなど「時間」の要素によっ
て、その作用は変貌し、高次脳機能にも影響を及ぼしま
す。 本研究では、中枢−末梢間の代謝調節機構に時間
軸を加えた、代謝生理学的ネットワークシステムの解明を
目指します。
多くの精神疾患で行動異常がみられるこ
とから、精神疾患患者では、行動制御
系の動的恒常性の破綻が生じていると
考えられます。このような観点から精神
疾患を捉えることにより、行動異常の客
観的評価指標の開発と、行動制御系
の動力学的背景の解明を行います。これにより、行動制
御系の恒常性維持機構とその破綻の原理を解明するとと
もに、疾患の発症・進行を早期に検知・予測する技術
の創出を目指します。
女王蜂における寿命制御機構の解明
生活習慣病における自然免疫系と代謝
内分泌系との機能的クロストークの解明
マクロファージを軸とする細胞間・多臓器間
連携による心臓恒常性維持機構の解明
鎌倉昌樹
富山県立大学工学部生物工学科 / 生物工学研究センター 講師
同上
長井良憲
富山大学大学院医学薬学研究部 客員准教授
同上
藤生克仁
東京大学システム疾患生命科学による先端医療技術開発拠点 特任助教
同上
女王蜂と働き蜂は 20 倍以上の寿命差
があり、両者の比較によって寿命の制
御機構の違いを明確に解析することが
期待できます。 本研究では、女王蜂分
化誘導因子であるロイヤラクチンの下流
で発 現 制 御を受ける因 子、 DNA メチ
ル化による発現制御因子、 small RNA やクロマチン修
飾の制御因子がミツバチの寿命やクロマチン修飾に及ぼ
す影響を解析することで、未だ解明されていない女王蜂
の寿命制御機構の解明を目指します。
免疫系は様々な組織・器官において代
謝 産 物やストレス応 答を察 知し、 生 体
の恒常性維持に関わる重要な生命シス
テムの一つと考えられます。 本研究で
は、 生 体 恒 常 性 維 持 機 構の破 綻モデ
ルとして、「生活習慣病における慢性炎
症」と「肥満」に着目し、自然免疫系と代謝内分泌系
との機能的なクロストークが代謝内分泌系の恒常性を維
持し、その破綻が生活習慣病の発症へと繋がるメカニズ
ムの解明を目指します。
心不全・突然死といった心疾患は、心
筋 細 胞の異 常のみで生じるのではなく、
心臓を構成する多種の細胞、多種の臓
器が関与していると考えられていますが、
その実態はよく分かっていません。 本研
究では、 心 臓 内での細 胞 間 相 互 作 用、
心臓・脳・腎臓間での臓器間連携のネットワークに焦点を
あて、ネットワークを構成する因子の同定および新たな心臓
恒常性維持機構、また、その破綻機構を解明します。得ら
れた成果により新規治療法の開発が期待されます。
RNA 分解による生体恒常性維持機構の
解明と制御
内皮細胞を起点とした心血管系の
恒常性維持機構の解明と制御
病態における中枢神経系と心血管系の
臓器間連関の解明
久場敬司
秋田大学大学院医学系研究科 准教授
同上
DNA の遺 伝 情 報は RNA 合 成を介し
てタンパク質が合成されますが、不要と
なった RNA は分解されて次の RNA 合
成の原料となる核酸を産生することが知
られています。しかしながら、本研究で
は RNA 分解という現象を新しい切り口
から調べることにより、病気の発症におけるエネルギー代
謝と遺伝子発現調節の新しい相互作用の関係を明らかに
します。 心不全、がん、感染症の診断、治療に新しい
概念をもたらすことが期待されます。
24
血中インスリンの時間パターンによる
恒常性維持機構の解明
中岡良和
大阪大学大学院医学系研究科 助教
同上
心血管系の恒常性維持には液性因子
を介した内皮−心筋間相互作用が重要
な役割を果たします。 最近、胎生期の
冠血管発生で内皮―心筋相互作用が
重 要な役 割を担うことが分かってきまし
た。 本 研 究 は 心 筋 から 分 泌され る
angiopoietin-1 に焦点を当てて、生理的・病理的条
件下での冠血管新生や肺高血圧症病態でのその役割の
解明を目指します。 得られた知見は、関連する心血管病
の新規治療法の開発に役立つと期待されます。
村松里衣子
大阪大学大学院医学系研究科 准教授
同上 助教
炎症や外傷により中枢神経組織が傷つ
くと、中枢神経系の機能だけでなく末梢
臓器の機能も障害されます。 全身の症
状を改善させるためには、傷ついた中枢
神経組織を修復させる治療が有望と考え
られますが、神経組織の修復を促すメカ
ニズムには不明な点が多くあります。 本研究では、心血
管系が分泌する因子が、中枢神経組織を修復させること
を示します。 得られた成果により、中枢神経系の恒常性
を回復させる分子標的治療法の開発が期待されます。
身体疾患で惹起される免疫変容が起こす
神経回路恒常性の破綻と精神症状の解明
和氣弘明
自然科学研究機構生理学研究所 准教授
自然科学研究機構基礎生物学研究所 助教
様々な身体疾患や老化に付随する精神
症 状の病 態の解 明・治 療 法の早 急な
開発が求められています。 本研究では
臓器疾患によって惹起される免疫シグナ
ルを介して体循環系免疫細胞が異常型
コミュニケーターとして、神経系の免疫
細胞に作用するメカニズムを同定し、それによって変容し
た神経系の免疫細胞が神経細胞のシナプスの制御機構、
髄鞘の恒常的制御を破綻させ精神症状を表出するメカニ
ズムを解明することを目指します。 恒常性
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
25
先端的基盤技術
http://www.jst.go.jp/presto/struct-lifesci/
戦略目標
24
多様な疾病の新治療・予防法開発、
食品安全性向上、 環境改善等の
産業利用に資する次世代構造生命
科学による生命反応・相互作用分
子機構の解明と予測をする技術の
新規赤外分光法と XFEL 結晶構造解析の
融合によるタンパク質の動的精密構造解析
年度採択研究者[1期生]
目指した構造生命科学と
平成
ライフサイエンスの革新を
久保 稔
理化学研究所播磨研究所 専任研究員
兵庫県立大学大学院生命理学研究科 准教授
革新的低温電顕単粒子像解析法による
筋収縮制御機構の解明
藤井高志
理化学研究所生命システム研究センター 特別研究員
同上
タンパク質の機能発現機構を解明するためには、
機能部位の化学反応を原子・電子レベルで追跡
する必要があります。本研究では、フェムト秒赤
外レーザーを用いた新規の時間分解赤外分光法
とXFEL(X線自由電子レーザー)を用いた時間
分解X線結晶構造解析を組み合わせて、機能部
位の構造および化学反応性を実時間で追跡できる基盤技術を開発しま
す。この技術をチトクロム酸化酵素(酸素還元/プロトンポンプ反応)
に応用し、この酵素の反応機構の全容を解明することにより、光合成
系と並んで重要な呼吸系のエネルギー変換システムの解明と応用につなげます。
革新的低温電子顕微鏡法を駆使するこ
とにより筋肉の収縮制御を担う”
細いフィ
ラメント”の構造を高分解能で解明しま
す。これにより、カルシウムイオンが細
いフィラメントに結合することによりどのよ
うな構造変化がおきるかを原子レベルで
可視化します。 本研究により、遺伝性心筋症の原因が
原子レベルで明らかになると考えられ、創薬などの開発戦
略に役立つことが期待されます。
構造から迫る細胞内輸送マシナリー
立体構造に基づく化学プローブ設計と
蛋白質の機能制御・局在イメージング
創出
昆 隆英
研究総括
私たちの体を構成する細胞は、効率的
な物質輸送システムを内包していて、そ
の機 能は生 命 活 動に必 須です。 本 研
究では、多くの未解決問題が残されて
いる細胞中心方向への輸送システムに
ついて、その原子メカニズム解明を目指
します。まず、心臓部である分子モーター『ダイニン』の
力発生機構を原子レベルで決定します。さらに、輸送マ
シナリー全体の高次複合体構造を明らかにすることで輸送
メカニズムの構造基盤解明を目指します。
細胞内のタンパク質は、外部刺激に応じて
さまざまなシグナルを他の異なるタンパク質
に伝えることが知られており、その伝達様
式は、複雑なネットワークを形成しています。
本研究では、タンパク質標識法と化学プ
ローブを利用して、このネッ
トワーク状のシグ
ナル伝達様式を一つ一つに分解して解明する技術を開発しま
す。また、タンパク質の細胞内における機能と動態を同時に
蛍光可視化する方法を開発し、疾病時におけるシグナル伝達
異常の把握と創薬ターゲッ
トの探索に貢献します。
Sec タンパク質膜透過装置の
次世代構造生物学
顕微鏡による膜蛋白質1分子の 3 次元
構造変化・機能マッピング
法政大学生命科学部 教授
大阪大学蛋白質研究所 准教授
堀雄一郎
大阪大学大学院工学研究科 助教
同上
若槻 壮市
米国 SLAC 国立加速器研究所光科学部門 教授/
スタンフォード大学医学部 教授
本研究領域は、先端的ライフサイエンス領域と構造生物学との融合に
よりライフサイエンスの革新に繋がる「構造生命科学」と先端基盤技術
の創出を目指します。すなわち最先端の構造解析手法をシームレスに繋げ、
原子レベルから細胞・組織レベルまでの階層構造ダイナミクスの解明と予
測をするための普遍的原理を導出し、それらを駆使しながら生命科学上重
要な課題に取り組みます。
具体的には、様々な生命現象で重要な役割を果たしているタンパク質
を分子認識のコアとして位置づけ、以下の研究を対象とします。
(1)タンパク質同士または核酸や脂質等の生体高分子との相互作用や、
糖鎖修飾、ユビキチン化、リン酸化、メチル化などの翻訳後修飾及び
生体内外の化合物による時間的空間的な高次構造の変化等を階層
的に捉えることにより機能発現・制御機構を解明する研究
(2)ケミカルバイオロジー等の手法による将来の分子制御、分子設計に
資する研究
(3)結晶構造解析、溶液散乱、核磁気共鳴(NMR)
、電子顕微鏡、
分子イメージング、質量分析、計算科学、バイオインフォマティクス、各
種相互作用解析法等、様々な位置分解能、時間分解能(ダイナミク
ス)
、天然度(in situ から in vivo)で構造機能解析を行う新規要素
技術開発
(4)要素技術を相補的かつ相乗的に組み合わせることで、重要な生命現
象の階層構造ダイナミクスの解明をめざす相関構造解析法の創出
こうした目標達成に向け、最先端の構造生物学的アプローチとの融合
により生命科学上の挑戦的なテーマを独自の視点で取り組む研究、また
は、独自に開発した革新的構造機能解析手法で細胞分子生物学、医学、
薬学分野の重要な課題解決に取り組む研究を奨励します。
領域アドバイザー
稲垣 冬彦
北海道大学先端生命科学研究院
次世代ポストゲノム研究センター 特任教授
岩田
小椋
上村
木下
栗栖
京都大学大学院医学研究科 教授
想
利彦
みどり
タロウ
源嗣
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 独立准教授
東京大学大学院理学系研究科 助教
政池知子
東京理科大学理工学部 講師
学習院大学理学部 助教
合成されたばかりのタンパク質を輸送す
るSecタンパク質膜透過装置は生命必
須のマシナリーであり、ダイナミックな相
互作用変化や構造変化を伴うとされてい
ますが、その分子メカニズムの詳細は不
明です。 本 研 究では、このタンパク質
膜透過機構を解明すべく、新たな研究手法を取り入れた
構造生物学的解析を行います。 本研究成果は、生体膜
を越えたタンパク質の輸送のみならず薬剤など様々な物質
輸送の理解の基盤となります。
膜に組み込まれた蛋白質の「写真を動
画 に 」 することが 本 研 究 の目標です。
光学顕微鏡を用いて、ダイナミックに変
わる各 部 位のコンフォメーションと機 能
の関係を明らかにしたいと考えました。そ
こで、膜蛋白質とその基質に目印の蛍
光分子を結合し、蛋白質が働いている最中の3次元での
向きを1分子でリアルタイムに観察します。 研究対象とし
てまず、 複 数の状 態の結 晶 構 造が 明らかにされている
Ca2+-ATPase を選びました。
アクチンフィラメント網動態の
電子顕微鏡法による階層的理解
DNA 複製フォーク複合体の構築原理
及び遷移・制御機構の解明
成田哲博
名古屋大学大学院理学研究科 准教授
名古屋大学大学院理学研究科 助教
アクチンフィラメントは、 細 胞を動かし、
細 胞 の 形を決め、 細 胞 同 士を接 着し、
細胞を分裂させます。 電子顕微鏡法を
用いて、アクチンフィラメントの形 成 開
始機構、分解機構の解明、細胞内に
おけるアクチンフィラメントとその結合蛋
白質の空間分布の決定を行い、原子座標レベルから細
胞レベルに至る広い階層における、アクチンフィラメント
のダイナミクスとその制御機構を明らかにします。
東北大学加齢医学研究所 教授
真柳浩太
九州大学生体防御医学研究所 助教
同上
遺伝情報の継承の根幹をなすDNAの複
製には、多数の蛋白質因子が関わり、巨
大な超分子複合体を形成して、綿密な制
御を通じてその機能を発揮します。本研究
では、このような複雑な系に対して、単粒
子解析、電顕トモグラフィー技術、結晶
解析、変異体解析、計算機によるモデリング技術等の、多
角的なアプローチと要素技術の開発により、未だ解明されて
いない複製フォーク複合体の構築様式や反応機構について
の統合的知見の獲得を目指します。
帝人ファーマ株式会社生物医学総合研究所 課長
大阪大学微生物病研究所 教授
大阪大学蛋白質研究所
蛋白質構造生物学研究部門 教授
阪下 日登志
アステラス製薬株式会社
研究本部創薬化学研究所 主席研究員
杉尾 成俊
三菱化学株式会社開発研究所イオン交換樹脂
開発室 室長
高木 淳一
大阪大学蛋白質研究所
附属蛋白質解析先端研究センター 教授
永田
中村
濡木
原田
宮脇
吉田
京都産業大学総合生命科学部 教授
和宏
春木
理
慶恵
敦史
稔
塚崎智也
大阪大学蛋白質研究所 所長
東京大学大学院理学系研究科 教授
京都大学物質−細胞統合システム拠点 教授
理化学研究所脳科学総合研究センター 副センター長
理化学研究所吉田化学遺伝学研究室 主任研究員
挑
ATP 作動性陽イオンチャネル P2X
受容体の時空間ダイナミクスの解明と制御
服部素之
東京大学大学院理学系研究科 特任助教
オレゴン健康科学大学ヴォーラム研究所 ポストドクトラルフェロー
ATP は生体内のエネルギー通貨として広
く用いられています。その一方で、細胞外
シグナル分子としての ATP の重要性が近
年明らかになりつつあります。 ATP 作動
性陽イオンチャネル P2X 受容体は細胞
外 ATP シグナル 伝 達における主 要な
ATP 受容体であり、創薬ターゲットとして注目を集めています。
本提案では、P2X 受容体を対象とし、構造・機能解析とそ
のための技術開発を行い、そのダイナミクスの理解と受容体
を標的とした創薬の実現を目指します。
膜超分子モーターの相関構造解析による
分子メカニズムの解明
村田武士
千葉大学大学院理学研究科 准教授
千葉大学大学院理学研究科 特任准教授
V-ATPase は ATP 依 存のプロトンポ
ンプとして機能する膜超分子モーターで、
骨粗鬆症やがん等の疾病にも関与して
います。 本 研 究では、これまでに得た
V-ATPase の研究結果とノウハウを土
台にして、X 線結晶構造解析、計算機
シミュレーション、単一分子回転計測、質量分析等の複
数手法をつなげる相関構造解析を行い、 V-ATPase の
詳細な分子メカニズムを解明することにより、関連する疾
病原因の理解と治療法開発に貢献します。
●扉絵は、細胞内でのタンパク質同士あるいはタンパク質と他の分子の相互作用をイメージしたものです。
26
クロマチン構築に連携した
転写 dynamics の構造解明
山田和弘
科学技術振興機構 さきがけ研究者
スイス連邦工科大学チューリッヒ校分子生物学・生物物理学研究所 オーバーアシスタント
DNA にヒストンが結合したヌクレオソー
ム構造は、 RNA ポリメラーゼの転写に
物理的障壁となり、この排除にクロマチ
ンリモデル因子やヒストンシャペロン因子
との協 調が必 要とされます。 最 新の研
究で PAF1c 複 合 体が、これら因 子と
ポリメラーゼを束ねるハブ (hub) の役目を持つことが示さ
れました。 本研究では、この PAF1c の結晶解析を基に、
ヌクレオソームを排除する本巨大マシナリーの構造機構解
明を目的とします。
平成
転写基本因子 TFIID の結晶構造解析を
介したクロマチン転写制御機構の解明
安達成彦
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 特別助教
同上
佐藤匡史
名古屋市立大学大学院薬学研究科 准教授
同上
糖鎖はタンパク質が適切な完成品となっ
て出荷されるための細胞内品質管理の
標識になっています。 本研究では、糖
タンパク質品質管理機構の根幹をなす
“小胞体糖タンパク質フォールディング装
置”に焦点を当て、 X 線結晶構造解析、
超高磁場 NMR 分光法、 X 線小角散乱、重水素標識
を利用した中性子小角散乱を縦横に活用した相関構造
解析を遂行することにより、その分子作動メカニズムを統
合的に理解することを目指します。
原子間力顕微鏡を駆使した膜中イオン
チャネル集団動作機構の革新的理解
角野 歩
科学技術振興機構 さきがけ研究者
福井大学医学部 日本学術振興会特別研究員
ナノスケール細胞内位置情報・3次元超微細膜構造を基盤
とするオートファジーたんぱく質ネットワークの相関構造解析
濱崎万穂
大阪大学大学院医学系研究科 准教授
大阪大学大学院医科学研究科 助教
細胞内膜動態を伴う細胞機能は多岐に
亘り、 膜 動 態を制 御するタンパク質の
局 在 変 化や膜 動 態の詳 細な情 報は必
須です。 本研究では複雑な膜動態を伴
う細胞機能オートファジーを課題とし、ナ
ノスケールでタンパク質の細 胞 内 位 置
情報を取得可能な新しい光学顕微鏡・電子顕微鏡相関
法と、電子線トモグラフィーによる3次元超微細膜構造観
察を組み合わせ、タンパク質の分子構造から膜動態まで
をシームレスに繋ぐ相関構造解析に挑戦します。
タンパク質構造ダイナミクス解明を
目指した緩和モード計算機科学
光武亜代理
慶應義塾大学理工学部 専任講師
同上
転写基本因子 TFIID は、クロマチン構
造を形成したゲノム DNA から転写反応
を活性化する分子機構の中心因子であ
り、細胞内外から到達する情報を転写
反応の ON/OFF へと変換する情報集
約 装 置です。 本 研 究 提 案では、 X 線
結晶構造解析・単粒子解析・X 線小角散乱等の手法を
組み合わせて TFIID 及び TFIID を含む巨大複合体の立
体構造を解析し、 TFIID によるクロマチン転写制御機構
と情報集約機構を解明します。
イオンチャネルは細胞膜のイオン透過を
制御する膜タンパク質で、生命の維持
に必 要 不 可 欠です。イオンチャネルは
一 分 子 の 機 能 解 析が 進んでいますが、
実際の細胞膜中でも孤立した一分子と
して 働くかは 不 明 です。 本 研 究 では、
原子間力顕微鏡を基盤とするイオンチャネル構造とイオン
電流の同時計測技術を開発し、チャネルの集団化を含む
動作機構を直接的に解明します。 得られた知見はチャネ
ルを標的とした精密な薬剤開発へ繋がります。
原 子レベルで構 造 変 化を追 跡する際、
分子シミュレーションは強力です。 近年、
長時間シミュレーションが可能になってき
て、 動 的な解 析 手 法 の 開 発が 重 要と
なってます。 本研究では、得られた複雑
な動きから遅い動き(モード)を抜き出
す新規の動的解析手法の開発を主に行います。そして遅
い動きと機能の相関について調べます。 将来的に、これ
まで開発してきた方法を駆使しペプチドとタンパク質の会
合系の分子認識機構の解明を目指します。
細胞内 NMR 計測法による
タンパク質の構造多様性解析
Argonaute による遺伝子発現制御
膜タンパク質の構造変化と物質輸送の
1分子同時計測技術の開発
猪股晃介
理化学研究所生命システム研究センター 特別研究員
同上
機構の構造生物学的基盤
中西孝太郎
オハイオ州立大学化学・生化学科 アシスタントプロフェッサー
メモリアルスローンキャタリング癌センター シニアリサーチサイエンティスト
RNA を使って遺 伝 子 発 現を制 御する
RNA 干渉の機構を理解すべく、その中
心的役割を担うタンパク質 Argonaute
生命活動の重要な担い手であるタンパ
ク質は、その立体構造を「柔軟かつ多
様に変化させ機能を発揮する」という一
面を持ちます。 本 研 究では、 生きた細
胞内環境において、タンパク質の構造
や動態を原子レベルで解明できる細胞
内 NMR(核磁気共鳴)計測法を駆使し、「タンパク質
立体構造の多様性 」を明らかにします。さらに本手法を
薬剤標的等に適用し、基盤技術の一つとして創薬研究
等に貢献する事を目指します。
と基 質の複 合 体の立 体 構 造を原 子 分
解 能レベルで決 定します。 得られた構
造から仮説を派生させ、それらを生化学
的・物理的手法を用いて検証します。その結果、 RNA
干渉の医療的応用を目指す科学者に、構造学的基盤と
新しい概念を提供し、本研究が技術の発展や新たなアイ
デアを生み出す土台となることを目指します。
NMR による脂質二重膜中における
GPCR の動的構造平衡の解明
立体構造にもとづく次世代ゲノム編集
ツールの創出
上田卓見
東京大学大学院薬学系研究科 助教
同上
西増弘志
ゲノム DNA を配 列 特 異 的に切 断でき
る人工ヌクレアーゼは次世代ゲノム編集
ツールとして注目されています。しかし、
人 工ヌクレアーゼによる DNA 切 断 機
構は不明な点が多く残されています。 本
研究課題では、X 線結晶構造解析と構
造情報に基づく機能解析により、人工ヌクレアーゼによ
る DNA 切断機構の解明を目指します。さらに、立体構
造情報に基づき、任意の DNA 配列を切断できる効率的
な人工ヌクレアーゼの開発を目指します。
新規高速原子間力顕微鏡で解き明かす
ミオシン V の化学 - 力学エネルギー変換機構
ウイルスゲノム転写装置の動態解析
金沢大学理工研究域バイオ AFM 先端研究センター 准教授
同上
本研究では、探針で触りながら生体分
子の“構 造”と“動き”を同 時に観 察
することができる高 速 原 子 間力顕 微 鏡
の特徴を活かし、観察対象の特定の部
位だけを強く触りながらビデオイメージン
グすることができる新 規の可 視 化 実 験
技術を開発します。そして、その革新的分子イメージング
技術を応用することによって、モータータンパク質であるミ
オシン V の化学 - 力学エネルギー変換のメカニズムを解
明します。
野田岳志
東京大学大学院工学系研究科 助教
同上
生 体 膜には物 質 輸 送を担う膜タンパク
質が存在し、恒常的な細胞内外の環境
を維持しています。 近年、様々な疾患
がこれら輸送に関わる膜タンパク質の異
常に起 因することが同 定され、 各々の
作動原理を理解することが急務とされて
いました。 本研究では、ナノ反応容器を利用して、膜タ
ンパク質の物質輸送と構造変化を 1 分子単位で同時に
計測できる技術を新規開発し、構造機能相関の直接的
な解明から、それらの作動原理の理解を試みます。
東京大学大学院理学系研究科 助教
同上
GPCR は、 神 経 伝 達 物 質やホルモン
等の受容体であり、現在市販されてい
る薬の約 1/3 が GPCR に作用します。
本研究では、生理的条件に対応する脂
質二重膜中における、 GPCR の動的
構造平衡を NMR により解明して、活
性化および制御の機構を明らかにします。 本研究により、
細胞内シグナルの一部だけを活性化することで、副作用
が出にくくなるような薬を開発する指針を提示できるように
なることが期待されます。
古寺哲幸
渡邉力也
構造生命科学
年度採択研究者[3期生]
25
小胞体糖タンパク質フォールディング装置
作動メカニズムの解明
東京大学医科学研究所 准教授
同上
ゲノムから mRNA が合成される転写反
応は、セントラルドグマの第一ステップで
あり、あらゆる生物に普遍的な生命現象
です。本研究では、インフルエンザウイル
スゲノムの転写装置である vRNP 複合体
をモデルとして、転写反応中のゲノム転
写装置の構造変化をリアルタイムで解析します。 vRNP
複合体の動態およびその動作機構を明らかにすることで、
構造学的観点から転写機構を解明することを目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
27
http://www.jst.go.jp/presto/synbio/
戦略目標
生命現象の統合的理解や安全で有効性の
高い治療の実現等に向けた in silico / in
vitro での細胞動態の再現化による細胞と細
胞集団を自在に操る技術体系の創出
23
人工遺伝子回路を利用して
発生現象に迫る
年度採択研究者[1期生]
理解と制御
平成
細胞機能の構成的な
石松 愛
ハーバードメディカルスクールシステムバイオロジー部門 ポストドクトラルフェロー
東京工業大学大学院総合理工学研究科 特別研究員
無細胞合成生物学による
人工二次代謝産物の発見と生産
後藤佑樹
東京大学大学院理学系研究科 助教
同上
生物の形作りでは、多くの細胞が協調
することで、全体として意味のある形が
作られます。 その 仕 組 みに 迫るには、
細胞間の相互作用ダイナミクスの解明
が 必 須です。 本 研 究では、 遺 伝 子の
発現ダイナミクスをプログラムできる「人
工遺伝子回路」を利用し、時計細胞集団での相互作用
ダイナミクスを明らかにします。 特に、サイズが大きく変化
する発生過程で、なぜ安定なパターン形成が可能かとい
う問いに焦点をあてた研究を行います。
細 菌 内に存 在する二 次 代 謝 産 物の生
合成酵素は、さまざまな特殊な骨格を持
つ化合物の産生に関わっています。 本
研究では、これら酵素と翻訳反応とを試
験管内で再構成し、 in vitro 人工生合
成システムを創成します。この系を活用
することで、非天然型の基質を用いた無細胞生合成を可
能にし、実際に新規生理活性を有する『 人工二次代謝
産物 』の発見を目指します。さらに人工二次代謝産物を
産生する人工細胞の創成にも取り組みます。
動物胚の頑強な相似性を保証する
発生場スケーリングのシステム制御機序
細胞形状と運動の
自己組織的挙動の理解と操作
5
猪股秀彦
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター チームリーダー
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 研究員
澤井 哲
東京大学大学院総合文化研究科 准教授
同上
発生過程では、限られた空間の中に複
雑な構造が時間とともに構築されていき
ます。このとき、胚全体のサイズに応じ
て各々の局所パターン形成は拡大 • 縮
小され、相似性を維持する機構(スケー
リング)が存在する必要があります。 本
研究では、パターン形成に重要なパラメーターを in vivo
で計測し、定量データをもとにスケーリングが保証されるモ
デルの構築、さらに局所と全体の多重パターン形成の機
序の解明を目指します。
アメーバ状 細 胞の形 状 変 化と移 動は、
外部刺激への応答と、運動ダイナミクス
とが柔軟なテンポとタイミングで調和して
進行します。 本研究では、この知覚系
と駆 動 系の双 方の自己 組 織 化に注目
し、モデルシミュレーションからの予測と
実験結果とを相互に照らし合わせ、非平衡・非線形系に
固有の動力学を捉えます。そして、これらの相互的なクロ
ストークから発現する細胞固有の制御特性の巧みさを理解
し、操作することを目指します。
には、
構成的アプローチによる植物の
生物時計の組織特異的な役割の解明
染色体複製系の周期的駆動にむけた
回路の再構成
1) 細胞機能を担う生体分子やその複合体の論理的
遠藤 求
研究総括
上田 泰己
東京大学大学院医学系研究科 教授
本研究領域は、細胞機能の再構成・設計と制御を
試みることを通じて生命の本質に迫ろうとする研究を
対象とし、生命システムの理解や広範な応用をもたら
すコンセプトや基盤技術の創出を目指します。具体的
あるいは効率的な設計や制御
2) ゲノム・代謝ネットワーク・無細胞翻訳系・細胞
膜分裂など、細胞機能のインフラを支えるプロセス
の再構成・設計や制御
3) シグナル伝達・遺伝子ネットワーク・細胞間コミュ
ニケーションなど細胞の高次機能を実現するプロセ
スの再構成・設計や制御
4) 細胞組織・器官・個体システムの再構成・設計
や制御
京都大学大学院生命科学研究科 助教
同上
末次正幸
立教大学理学部 准教授
ニューカッスル大学細胞生物学研究所 研究員
植物の生物時計は環境変化に対応する
ためのメカニズムであり、多くの遺伝子の
発現制御に関わっています。植物の生物
時計にも動物で見られるような時計機能
の組織特異性が存在すると予想されます
が、技術的な問題点からこれまであまり検
証されてきませんでした。本研究では、個体レベルの構成的
アプローチにより時計遺伝子の発現リズムを組織特異的に
測定する系を開発することで、植物個体における生物時計
の組織特異的な役割の解明を目指します。
本研究では、染色体複製を周期的に繰
り返すような回路の構築に挑戦します。
原 始 的な生 命 体 である大 腸 菌 では、
フィードバックループを含む既知の複製
開始制御の分子ネットワークにより、染
色体複製の周期性を説明できます。そ
こで、このネットワークの再構成により試験管内で周期的
複製を再現することをゴールとし、あわせて数理的アプロー
チおよび 枯 草 菌を用いた合 成 生 物 学 的アプローチによ
り、再構成のための理論の検証を進めます。
細胞内環境操作法による
疾患モデル細胞の創成
非平衡人工細胞モデルの
時空間ダイナミクス定量解析
5) 細胞機能の設計や制御を目指して化学・物理・
情報科学・生命科学などの異分野が輻合し、オー
プンイノベーションを実現するための枠組みやその構
築などに関する研究が含まれます。 他に類をみない
発想に基づく基礎研究とともに、医療やエネルギー
問題などに将来貢献しうる野心的な研究も対象とし
ます。
領域アドバイザー
上田
岡田
影山
菅
杉本
竹内
永井
西田
野地
水島
卓也
清孝
龍一郎
裕明
亜砂子
昌治
健治
栄介
博行
昇
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
自然科学研究機構 理事
加納ふみ
東京大学大学院総合文化研究科 助教
同上
セミインタクト細 胞リシール法は、 細 胞
質の交換を可能にする技術です。 本研
究では、病態組織から調製した病態細
胞質を正常細胞の細胞質と交換するこ
とにより、 病 態 環 境を再 現した「 疾 患
モデル 細 胞 」を創ります。 それにより、
疾患時に細胞内で生起する分子ネットワークの異常・攪
乱をモニターし、病態に至る分子メカニズムの解明を目指
します。さらに、病態改善因子(化合物など)を探索す
るシステムを構築します。
瀧ノ上正浩
東京工業大学大学院総合理工学研究科 講師
同上
本研究では、非平衡な条件下にある人
工 細 胞の時 空 間ダイナミクスを定 量 的
に 解 析するための 基 盤 技 術を構 築し、
構成的アプローチによって、非平衡な
条件下で時間発展し続ける分子集合体
としての生命システムの解明を目指しま
す。マイクロ流体工学によりマイクロサイズの空間・液体・
界面を制御して非平衡人工細胞を創り、生物物理学的
手法により人工細胞内外の生体高分子反応の時空間ダ
イナミクスの定量解析を実現します。
京都大学ウイルス研究所 教授
東京大学大学院理学系研究科 教授
東北大学大学院生命科学研究科 教授
東京大学生産技術研究所 教授
大阪大学産業科学研究所 教授
京都大学大学院生命科学研究科 教授
東京大学大学院工学系研究科 教授
東京大学大学院医学系研究科 教授
挑
分子複合体と動物個体での機能を結ぶ
1分子可視化計測
茅 元司
東京大学大学院理学系研究科 助教
同上
たんぱく質1分子の機能が、多分子複
合 体から細 胞、さらに組 織、 個 体へと
上 位 階 層 へ 移っていく過 程 において、
どの様に各階層の機能に関わっていくか
を明らかするために、本研究では骨格筋
ミオシンに着目します。ミオシン分 子 複
合体を再構成した in vitro 実験系からマウス筋肉内にお
いて、固有のミオシン1分子の挙動を高精度で捉えるイメー
ジング技術を開発し、階層構造を上がっていく中でのたん
ぱく質1分子の機能発現を明らかにします。
バクテリア再構成法の開発
田端和仁
東京大学大学院工学系研究科 助教
同上
たんぱく質やDNAを集め、混ぜ合わせ
ても細胞を再構成することはできません。
それは、細胞にあった膜とたんぱく濃度
という状態が失われているためと考えま
す。そこで本研究では、マイクロデバイ
スを用い、これらの状態を失うことなくバ
クテリアを再構成する方法を開発します。 本研究では、こ
のような研究を通して、個々の細胞機能が統合され、生
物というさらに複雑なシステムが作り出される原理に迫りま
す。
●扉絵は、さまざまな分野の知恵や技術を融合し細胞や個体を「創る」という大挑戦をイメージしたものです。
28
5
カイメンが工学的に優れた骨格構造を
自律的に構築するメカニズムの解明
船山典子
細胞走化性の再構築
京都大学大学院理学研究科 准教授
同上
井上尊生
カイメンは骨片というパーツを秩序立って
組み上げ、カイロウドウケツなどにみる
骨片骨格を形成します。この建築工学
的に優れた構造は、従来の発生理論で
は説明出来ず、未知の仕組みで構築さ
れると考えられています。 本研究は、作
業を実行する細胞種を同定した先行研究の上に、複数
種の細胞が外界の環境情報を読み取りつつ、細胞同士
の相互作用により秩序だった骨片骨格を構築する仕組み
を解明、その新規方法論の利用の可能性も探ります。
有糸分裂紡錘体におけるミクロな
力学反応の再構成
ジョンズホプキンス大学大学院医学系研究科 アソシエイトプロフェッサー
同上 アシスタントプロフェッサー
島本勇太
本研究では、細胞走化性の分子機序のう
ちで最難関かつ最後の課題として認識され
ている極性化プロセスの分子機序を解明し
ます。その際に新たな摂動ツールの開発も
行います。これらの知見・技術に基づき、
細胞走化性をコンピューター上、および試
験管内で再構築し、更なる細胞走化性の理解を深めることが
本研究の目的です。将来は、血管新生、胚発生、創傷治癒、
免疫防御、がん転移など、細胞走化性が関与するさまざまな
生命現象の理解と医療への応用につなげていきます。
ロックフェラー大学化学・細胞生物学研究所 ポストドクトラルアソシエイト
同上
有糸分裂紡錘体は、細胞増殖や分化
に必須の遺伝情報分配装置であり、そ
の動作原理の解明はバイオロジーの中
心的課題の1つです。 本研究では、紡
錘体の主構成要素である分子モーター
と細胞骨格フィラメントの相互作用を顕
微鏡下で再構成し、そのミクロな力学特性を明らかにしま
す。これにより、紡錘体の駆動メカニズムを要素間の力
学反応の組み合わせとして理解し、正確な遺伝情報の継
承を支えるシステムの解明につなげることを目指します。
挑
分子輸送から解く生命の起源:構造 , 情報 , 輸送の
動的結合の解明と新たな分子操作技術の確立
京都大学白眉センター 特定助教
ロックフェラー大学物理学・生物学研究センター ポストドクトラルフェロー
物質と生命の境界はどこにあるのでしょ
うか。 本研究ではRNAなどの高分子を
濃縮・分離させる非平衡輸送現象を解
明し、新たな生命物理学の体系を創出
することでこの問いに答えます。さらに、
輸送現象のマテリアルに依存しない捕
捉力を利用することで、自由自在に分子を操作し細胞機
能や組 織を組み立てる革 新 的な技 術の確 立を目指しま
す。
梅原崇史
記憶の具現化
理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター ユニットリーダー
理化学研究所生命分子システム基盤研究領域 上級研究員
杉 拓磨
ヒトの遺伝子発現は塩基配列情報だけ
でなく、エピジェネティック情報によって
制御されています。しかしこれまで、エピ
ジェネティック情報を含むゲノム(エピゲ
ノム)の再構成は技術的に困難でした。
本 研 究では生 化 学と遺 伝 子 工 学の技
術革新を通して、様々なエピジェネティック情報を含んだ
「エピヌクレオソーム」を試験管内で精密に再構成します。
これにより、エピゲノムの物性と遺伝子発現等に及ぼす
影響を定量的に理解します。
科学技術振興機構 さきがけ研究者
京都大学大学院工学研究科 研究員
これまで記憶について多くのメカニズムが見
いだされましたが、記憶の実体は何かという
問いに明確な答えは得られていません。本
研究では、線虫C.e
l
egansの神経回路を
1ニューロン単位で分子操作することで人
工的に記憶を構築し、その実体に迫ります。
構築の指標として記憶過程の分子状態および神経活動状態
の定量化を行い、構築原理を検証します。記憶の具現化の
試みは、同時に多細胞生物への構成的アプローチの試金石
になりうると考えます。
細胞構成
前多裕介
「エピヌクレオソーム」の精密な再構成に
よる遺伝子発現制御解析
5
細胞分裂周期の in vitro 再構成への
挑戦
持田 悟
熊本大学大学院先導機構 特任助教
同上
生 命としての条 件である自己複 製 能の
中でも最も根源的な素子であるDNAの
複製は、試験管内での再構成がすでに
成 功しています。 本 研 究では次なる段
階、
「細胞分裂」の再構成を目指します。
細胞分裂を駆動するたんぱく質リン酸化
に必要な脱リン酸化酵素の特定、およびその制御機構
の解明をまず進め、次いでこれにリン酸化酵素を加えて
細胞分裂のサイクルを試験管内で再構成する事が本研
究の目標です。
戎家美紀
進化的・構成的アプローチによる
哺乳類型大脳皮質層構造の再設計
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター ユニットリーダー
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット グループリーダー
野村 真
多細胞生物の発生過程では、もとは均
質であった細胞達が異なる細胞運命を
辿りはじめます。そのきっかけの1つが、
隣接する細胞間で正のフィードバックが
働いて、わずかな差を増幅し、細胞間
の対称性を破ることです。 本研究では、
この細胞間フィードバックを再構成し、細胞運命の非対
称化の定量的条件や最小限の遺伝子回路を同定します。
またその発展形として、分化する細胞の比率の制御を目
指します。
京都府立医科大学大学院医学研究科 准教授
同上
複雑な形態を持つ我々哺乳類の大脳皮質
は、よりシンプルな爬虫類型の皮質から進
化したと推測されていますが、どのような胚
発生システムの変更が進化の過程で行わ
れたのかについては、謎に包まれたままで
す。本研究では、実際に爬虫類皮質の構
成要素を人為的に改変し、試験管内、あるいは発生する胚
の中で、爬虫類皮質を哺乳類型皮質に転換することを試みま
す。この操作を通して、2億年前に遡る哺乳類皮質の起源と
進化の過程を明らかにすることを目指します。
平成
挑
年度採択研究者[2期生]
人工細胞作出に向けた
24
人工脂質二重膜と生体膜の違いの解明
池ノ内順一
九州大学大学院理学研究院 准教授
京都大学大学院工学研究科 准教授
脂質分子は、細胞膜を構成する主たる
構 成 成 分ですが、 脂 質 分 子の化 学 的
性質・物理的性質の多様性の意義や、
細 胞 膜 上での分 布や動 態の制 御につ
いて未 解 明な点が 数 多く残っています。
本研究では、生きた細胞の細胞膜の構
築にかかわる分子を、試験管内で人工脂質二重膜に組
み込み、それによって生じる膜の質的変化を調べることに
よって、どのような原理で、生きた細胞の細胞膜が持つ
膜の性質が再現され得るかを明らかにします。
近年、光で神経の興奮 / 抑制を制御す
るオプトジェネティクスという技術が、神
経 回 路を調べる新たな手 法として神 経
科 学に革 新を起こしています。この時
中心的な役割を果たすのがロドプシンな
どをはじめとする光 受 容タンパク質です
が、本研究では新しい機能を持ったロドプシンをデザイン
することで、光で特定の細胞だけに任意の遺伝子を発現
させる、これまでにない“創る”オプトジェネティクスの創
出に挑みます。
岡部弘基
細胞挙動の解析から構成的に理解するその
集合体としての植物過敏感反応誘導機構
東京大学大学院薬学系研究科 助教
同上
別役重之
脳内情報を担う動的回路としての
「細胞集成体」の計測と制御
佐藤正晃
科学技術振興機構 さきがけ研究者
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
脳の情報表現を担う動的回路の理論とし
て、カナダの心理学者 Hebb は協調的に
働く神経細胞の集団が随時形成する機能
回路である「細胞集成体」の概念を提唱
しました。本研究では、場所の記憶を担う
海馬の神経回路を対象に、仮想現実環境
における学習課題を遂行中の動物において高解像度の in
vivo 深部脳神経活動イメージングを行うことで、この「細胞
集成体」様回路の時空間的活動パターンを網羅的に計測か
つ制御し、その動作原理の理解を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京大学教養学部 特任助教
" 植物の過敏感反応(HR)は強力で重要
な耐病性システムですが、その制御機構は
まだよく分かっていません。 本 研 究では、
HR が起きている組織中の個々の細胞の挙
動に注目し、異なる活性を持つ細胞の相互
作用として HR を捉え直します。具体的には、
生細胞で防御応答を可視化する技術や、1細胞レベルで標的
細胞の遺伝子発現を誘導する技術を組み合わせることで、最小
単位での HR 再構成系を構築し、数理モデル化を通して、HR
誘導機構を構成的に理解し、解明することを目指します。
本研究では、「従来の生理活性分子の働きを主
体とした細胞機能の制御機構に、細胞の局所
温度が重要な役割を果たしている」という仮説
の実証を目指します。具体的には、重要な生体
分子としてmRNAに着目し、独自の生細胞高感
度イメージング法や細胞内局所加熱法を用いて、
生細胞内の温度によるmRNAのダイナミックな状態変化とそれに伴う
翻訳の調節を詳細に観察することにより、実際に温度がどのように細
胞機能に関与するかを解明します。将来は、細胞機能の制御技術と
して、生命科学・医工学などへの応用につなげていきます。
25
高次脳機能情報処理の再構成に向けた
恐怖記憶の読み取りと操作
年度採択研究者[3期生]
名古屋工業大学大学院工学研究科 助教
同上
細胞内局所温度が司る
細胞機能発現の解明
平成
光で“創る”オプトジェネティクスへの
挑戦
井上圭一
細胞間フィードバック回路による
細胞運命の制御
揚妻正和
科学技術振興機構 さきがけ研究者
コロンビア大学生物科学科 博士研究員
大脳皮質は、認知・行動などの高次機
能を担っておりますが、その複雑な神経
回路の動作原理は未だ十分に理解され
ていません。 本研究では、大脳皮質に
保存される「恐怖記憶」に着目し、最
新の光学的手法による観察・制御を通
して、人工的な記憶の「再構築」を目標とします。 高次
脳機能達成における「 最小構成単位 」を導き出し、新
たな理解と提案を行うとともに、恐怖に関する研究という
点で医療への応用にもつなげていきます。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
29
生物時計中枢における細胞ネットワーク
の計測・制御と再構成
榎木亮介
北海道大学大学院医学研究科 助教
同上
小柳光正
大阪市立大学大学院理学研究科 准教授
同上
多細胞系からなる複雑なヒト臓器の
人為的構成
武部貴則
横浜市立大学大学院医学研究科 准教授
横浜市立大学医学部 助手
哺乳類の生物時計中枢である視交叉上
核は、ヘテロな性質を持つ細胞が相互連
絡して多振動体を形成する階層的細胞
ネットワークです。 本研究では視交叉上
核の細胞集団を光イメージングにより長期
計測し、細胞や領域特異的な光制御を
行い、数理解析とモデル構築により再構成することで、階
層的細胞ネットワークの作動基盤を解明します。また自由行
動動物の脳深部からの生体内計測を確立し、動物行動と
細胞活動の相関解析を可能とします。
多くの細 胞 機 能は、 細 胞 内 情 報 伝 達
因子の濃度変化によって調節されます。
本 研 究では、 光の「 色 」 依 存 的に細
胞内情報伝達因子の濃度を制御するこ
とで、細胞機能やその先にある高次機
能を、これまでにない時空間的精密さで
制御するツールの開発を目指します。このツールを用いて
細胞機能を再現する、あるいはかく乱することで、細胞機
能から、いかに生命システムが創られるかを探ります。
臓 器を創り出すための第 一 段 階として、
立体的な臓器の原基(たね)を構成す
る技術を開発しました。 本研究では、ヒ
ト臓 器 原 基の自己組 織 化が生じるプロ
セスに必要な多細胞集団の諸条件を明
確化するとともに、立体組織形成の駆
動力を明らかにします。さらに、更なる成熟化に必須とな
る内部および外部環境の場の要件を解明し、培養系を
再設計することで iPS 細胞から自在にヒトの臓器を創出
するための技術体系の確立を目指します。
デグロン変異細胞創出のための
基盤技術開発
血流による血管ネットワークの
制御と再現
なぜ夢を見るのか ∼トランスジェニック
マウスによるレム睡眠の操作と解析∼
鐘巻将人
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 准教授
同上
佐藤有紀
九州大学大学院医学研究院 講師
熊本大学大学院先導機構 特任助教
林 悠
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 助教
同上
植物ホルモンオーキシンが植物内におい
て引き起こす分解反応を非植物細胞に移
植することにより、ごく短時間に標的タン
パク質をオーキシン依存的に分解する方
法を開発しました。 本研究ではこの独自
開発したオーキシン誘導デグロン(AID)
法を利用して、1.5 ∼ 2 ヶ月以内に内在性因子を自由に発
現調節できるヒト培養細胞の創出を目指します。また、AID
法を発展させるための技術改良にも取り組みます。
血管は、中枢から末梢まで血流量に対
応した階層的なネットワークパターンを持
ちます。 血管網形成過程における血流
の役 割を明らかにするため、 本 研 究で
は、血管へ「第2の心臓」を取り付け、
人為的な血流の操作を試みます。これ
により、血流と血管内皮細胞の挙動の関係を明らかにし、
計算機によるシミュレーションで血管網の形成過程を再現
します。究極的な目標は、血流の操作だけで血管ネットワー
クを制御することです。
夢を生じるレム睡眠は、哺乳類や鳥類
に固有の生理状態であり、脳の高次機
能に関わると期待されます。しかしなが
ら、その生理的役割は未だ大きな謎で
す。 本研究では、レム睡眠制御細胞群
の同定・操作により実現した、世界初
のレム睡眠遮断マウスを用いて、夢やレム睡眠の意義を
解明します。 将来的には、睡眠を含む様々な脳のマクロ
な活動状態が個々の細胞や脳領域に及ぼす意義につい
て、統合的に理解することを目指します。
細胞膜模倣リン脂質非対称膜による自己
再生産可能な人工細胞モデルの創成
精子幹細胞の寿命と精子形成への
寄与の動態解明
非侵襲脳刺激による脳領域間の
情報伝達効率の制御
神谷厚輝
神奈川科学技術アカデミー人工細胞膜システムグループ 研究員
同上
篠原美都
京都大学大学院医学研究科 助教
同上
森島陽介
ベルン大学精神科病院 グループリーダー
ベルン大学精神科病院精神神経生理学部門 シニアリサーチアソシエイト
細胞膜の内膜と外膜はリン脂質分子が
非対称に分布し、様々な細胞機能に影
響を与えています。これまでに、細胞膜
構造を模倣した非対称膜リポソーム(人
工小胞)作製に成功しています。 本研
究では、この非 対 称リポソームに細 胞
分裂に必要な生体分子を適切な濃度(数)
・部位に再
構成し、細胞内環境を模倣した状態で分裂過程の観察・
同定を行います。さらに、分裂に必要な最小構成因子を
探ることにより生命の起源にも迫ります。
精子形成の源である精子幹細胞はマウ
スで2−3万 個ですが、 少 数の幹 細 胞
のみ活性なのか多数の幹細胞が同時に
精 子を作るのか等、その動 態は明らか
ではありません。 本研究では精子幹細
胞移植法で再構成した精巣で、マーキ
ングした幹細胞の挙動を調べることにより、精子形成に
寄与する幹細胞数や寿命の長さを測定し、シミュレーショ
ンによって精子形成系の再現を試みるとともに、遺伝子
操作による幹細胞動態の制御を目指します。
脳は情 報を処 理・変 換して行 動を司る
器官です。 脳のネットワーク内の同期的
な活動がネットワークの情報伝達を制御
していると長年考えられてきましたが、そ
の実態は未だ謎のままです。 本研究で
は非侵襲脳刺激を用いて脳のネットワー
クを操作し、その変化を測定する手法を確立し、この長
年の問いに答えます。さらにこの手法を用いて適応的行
動の神経メカニズムの解明、精神神経疾患の認知機能
の改善への応用を目指します。
分裂様式の操作による細胞運命の
制御と個体構築原理の追究
力のベイズ推定から解き明かす
組織の変形と力
電界誘起気泡インジェクションメスによる
分子操作と再構成
清光智美
名古屋大学大学院理学研究科 助教
ホワイトヘッド研究所 HFSP 長期フェロー
多細胞体の構築には、細胞数を増やす
「対称分裂」と細胞種を増やす「非対
称 分 裂 」 の 正 確 な 制 御 が 必 須 です。
本提案では、まずオプトジェネティクスを
用いて、分裂面決定因子の「局所的」
な局在操作を行い、細胞分裂の対称・
非対称性を自在に操作する技術の確立を目指します。そ
して、この操作技術を用いて、細胞分裂面の制御、およ
び細胞の形質・運命の変換メカニズムを、細胞および個
体レベルで明らかにすることに挑戦します。
細胞機能の制御・設計に向けた
アロステリックタンパク質の人工設計
古賀信康
自然科学研究機構分子科学研究所 准教授
ワシントン大学生化学科 博士研究員
アロステリック蛋白質は、リガンド結 合
や光などの外部入力により立体構造を
変化させ、スイッチのように機能の発現
を制 御しています。このようなアロステ
リック蛋白質を計 算 機および生 化 学 実
験を用いて設計することにより、アロス
テリック蛋白質の機能発現原理を解明します。さらに、細
胞機能の制御・設計に貢献する機能性蛋白質の創成に
向けて、アロステリック蛋白質を自在に設計する合理的
手法の確立を目指します。
30
光の色を使った細胞内情報伝達因子の
時空間的に精密な制御
杉村 薫
京都大学物質−細胞統合システム拠点 助教
同上
引き伸ばされては折り畳まれる胚、六角
形状の細胞で敷き詰められた組織、生
き物の形づくりは機械的な力によって司
られています。 本研究では、力のベイズ
推定、摂動実験、力学モデリングを統
合した独自のアプローチを展開し、ミクロ
スコピックな分子の活性から、機械的な力を介して、マク
ロスコピックな組織の物性、変形を階層横断的に解き明か
していきます。さらに、細胞集団の変形と力を操作し構成
的に理解することを目指します。
神経スパイク列の再構成から迫る神経
活動依存的な神経回路形成機構の解明
竹内春樹
科学技術振興機構 さきがけ研究者
福井大学医学部 特命准教授
高 等 動 物の神 経 回 路 形 成においては、
遺伝的プログラムによる基本的なシステ
ム構築のあと、臨界期に神経活動に依
存した回路の精緻化が行われることが知
られています。しかし、電気的なスパイ
クとして検出される神経活動がどの様に
回路形成に関与するのかについては、ほとんど明らかにさ
れてきませんでした。 本研究では、光遺伝学の手法を駆
使して、神経活動の主導的な役割の解明を目指します。
山西陽子
芝浦工業大学機械工学科 准教授
同上
本研究では指向性電界誘起マイクロナ
ノバブル列 現 象を活 用し、その気 泡の
気液界面に遺伝子などの高分子を封入
して打ち出すことにより高効率なインジェ
クションを局所的に狙った位置に行いま
す。 気液界面には固相・液相・気相な
どあらゆる相が封入可能であり、気泡列が収縮するととも
に、気液界面に付着していた分子が濃縮され,タンパク
質結晶をはじめ細胞膜等を生み出す新しい再構成技術の
確立を目標としています。
挑
炎症の収束機構の分子基盤の
22
確立と慢性疾患への適用
http://www.inflam.jst.go.jp/index.html
戦略目標
年度採択研究者[1期生]
解明と制御
平成
炎症の慢性化機構の
炎症の慢性化機構の解明に基づく、
がん・動脈硬化性疾患・自己免疫
疾患等の予防・診断・治療等の医
療基盤技術の創出
有田 誠
慢性炎症における活性酸素シグナル伝
達制御の分子基盤
理化学研究所統合生命科学研究センター チームリーダー
東京大学大学院薬学系研究科 准教授
炎 症の遷 延 化および慢 性 化の分 子 機
構の一つとして、一旦生じた炎症が適
切に収束するためのしくみがうまく機能し
ていない可能性が指摘されています。そ
こで本研究では、炎症の収束を担う細
胞や内 因 性の抗 炎 症 性 代 謝 物を網 羅
的に特定し、「治らない炎症」を基盤病態とする慢性疾
患の病態を分子レベルで理解することを目指します。 将
来 的には、 炎 症の収 束 機 構を活 性 化する新しい創 薬・
治療戦略への応用が期待されます。
澤 智裕
東北大学大学院医学系研究科 准教授
熊本大学大学院生命科学研究部 准教授
本研究課題では、活性酸素のシグナル
伝達分子としての機能に着目し、慢性
炎症において過剰に作られる活性酸素
がどのような働きをしているのか、を明ら
かにすることを目的としています。これは、
従 来の活 性 酸 素 毒 性に基づく抗 酸 化
治療とは全く異なる切り口であり、これまでに知られていな
い新しい炎症の制御分子・シグナル伝達の発見と、それ
らを標的とした治療法や診断法の開発を目指した研究を
推進します。
5
上皮のがん原性炎症が駆動する
非遺伝的腫瘍悪性化の分子基盤
高津 聖志
富山県薬事研究所 所長
本研究領域は、生体防御反応であるにもかかわらず、
炎症が慢性化することによって生体に悪影響を引き起
こす現象の実体解明に向けた研究、すなわち、炎症
の慢性化とその維持機構、および炎症の慢性化が疾
患を惹起・進行・重症化する機構の時空間的な解明
に挑戦する研究を対象とします。このような研究を推進
することにより、炎症の慢性化が関与するさまざまな疾
患や臓器不全の予防や治療、創薬につながる新たな
医療基盤の創出を目指します。
具体的には、下記の視点をもった研究を推進します。
1)分子や細胞の階層から迫る研究に加え、組織
や臓器の階層から迫る視点
杉浦悠毅
がんの悪 性 化には、 遺 伝 子の突 然 変
異による“ 遺 伝 的 ”な変 化だけでなく、
細胞間の相互作用を介した“非遺伝的”
な細胞変化が重要な役割を果たしてい
ます。 本研究では、ショウジョウバエ遺
伝学を駆使して、非遺伝的ながんの悪
性化を駆動すると考えられる“がん原性炎症”の実態とそ
の分子機構を明らかにしていきます。これにより、細胞間
コミュニケーションを介した組織レベルのがん悪性化の基
本原理の解明を目指します。
科学技術振興機構 さきがけ研究者
浜松医科大学分子イメージング先端研究センター 特別研究員
間質細胞と実質細胞の相互作用を担う
脂質性炎症メディエーター分子は強力な
生理活性を持ち、その存在は時空間的
に高度に制御されています。これらの産
生や分解の異常の解明は、炎症慢性
化の過程の理解に重要ですが、これま
でに“どこ”に存在するかを可視化する手段はありません
でした。 本研究提案では、これまでに局在可視化手段の
なかった生理活性脂質のイメージング法の確立とそのヒト
慢性炎症疾患群への応用を提案します。
慢性炎症
研究総括
京都大学大学院生命科学研究科 教授
神戸大学大学院医学研究科 特命准教授
細胞構成
井垣達吏
質量分析イメージングによる
炎症メディエーター分子の局在産生の可視化
5
細胞老化シグナルからみた慢性炎症と
癌進展の新しい発症メカニズムの解明
大谷直子
東京理科大学理工学部 教授
(公財)癌研究会癌研究所 主任研究員
正常細胞に DNA ダメージなどの発癌ス
トレスが加わると、不可逆的増殖停止で
ある細胞老化が誘導されます。 細胞老
化をおこした細胞はすぐには死滅せず生
体 内に長 期 間 生 存し、 大 量の炎 症 性
サイトカインを分 泌し続けるため、 慢 性
的な炎症を引き起こす可能性が示唆されています。 本研
究では非免疫細胞の細胞老化という新しい視点から、慢
性炎症の分子機構を解析し、慢性炎症と発癌や個体老
化との関係解明を目指します。
ミトコンドリアのストレス受容・応答機構と
炎症制御
武田弘資
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
東京大学大学院薬学系研究科 准教授
細胞のエネルギー産生の場であるミトコ
ンドリアは、細胞がさまざまなストレスを
受けた際、容易に傷害を受けてその機
能を失うだけではなく、細胞死を誘導す
る信号などを発信することで細胞の運命
にも大きな影響をもたらす細胞内小器官
です。そのため、ミトコンドリア自身がストレスを受容し、ス
トレスに応 答する機 構を持っていると考えられています。
本研究では、そのような機構と炎症の慢性化との関連を
探ります。
2)細胞や組織、臓器間の相互作用、個体全体で
のダイナミクスなど、慢性炎症を複雑系として捉える視点
3)エピジェネティクスや機能性非コード RNA など、
他生命科学分野からの視点
4)遺伝子産物、生理活性物質、細胞やそれらの
動態を検出・測定する技術的な分野からの視点
5)慢性炎症の制御による関連疾患を標的とした創
薬などの医療応用を見据えた視点
領域アドバイザー
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
烏山 一
佐田 政隆 徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部 教授
反町 典子 国立国際医療研究センター研究所分子炎症制御
プロジェクト プロジェクト長
戸邉
長田
福井
古市
三浦
宮坂
宮園
山村
一之
重一
宣規
泰宏
正幸
信之
浩平
隆
富山大学医学部第一内科 教授
京都大学大学院医学研究科 教授
九州大学生体防御医学研究所 教授
イオンバランス破綻による
自己免疫疾患の重症化機構の解明
大洞將嗣
東京医科歯科大学 名誉教授
東京大学大学院医学系研究科 教授
国立精神・神経医療研究センター神経研究所 部長
領域運営アドバイザー
松原 謙一 株式会社 DNA チップ研究所 取締役名誉所長
武田憲彦
東京大学大学院医学系研究科 特任助教
同上
カルシウムやマグネシウムなどのイオンは、
生 体の機 能や正 常な発 生に非 常に大
切です。これらのイオン濃 度は厳 密に
制御され、その破綻は様々な重症疾患
を引き起こします。特にカルシウムはシグ
ナル伝達にも関与する非常に重要なイ
オンです。 本研究は、様々な自己免疫疾患モデルを用い
て、自己免疫疾患の発症や重症化メカニズムをカルシウ
ム調節機構の視点から解明し、新規治療法の開発に繋
がる基盤技術の確立を目指します。
心 不 全の主な病 態の一つは心 筋 組 織
の持続的炎症です。 慢性炎症により引
き起こされる心室拡張障害は、生命予
後増悪させるものの、未だその治療法
はありません。 不全心の組織は特に低
酸素状態にあると考えられます。本研究
では低酸素誘導性転写因子 HIF を介した低酸素応答が
心不全及び心室拡張障害において重要な役割を果たし
ていると考え、この役割に注目することで分子機構の解
明および今後の治療薬開発基盤の形成を目指します。
C 型レクチンによる
マウス生殖モデルを用いた、
老化が誘導する炎症メカニズムの解明
炎症反応制御機構の解明
西城 忍
(株)ジーンケア研究所 会長
東京大学大学院薬学系研究科 教授
九州大学生体防御医学研究所 准教授
東京医科歯科大学歯と骨の GCOE 特任准教授
低酸素シグナルによる炎症制御の解明と
循環器疾患治療への応用
千葉大学真菌医学研究センター 特任准教授
同上
C 型レクチンは糖鎖を認識する分子群
で、リガンドを認識後、細胞内にシグナ
ルを伝達し炎症性メディエーターの産生
を強力に誘導する分子や、逆に抑制性
シグナルを伝える分子など多様な生物活
性を示します。そのため、 生 体の恒 常
性 維 持における寄 与はとても大きいことが予 想されます
が、 未だに全 容は明らかではありません。 本 研 究では、
C 型レクチンを中心に炎症の惹起、および終息の機構を
個体レベルで解明することを目指します。
廣田 泰
東京大学医学部付属病院 助教
焼津市立総合病院産婦人科 医長
近年、高齢妊娠による早産のリスク上
昇や慢性炎症の早産発症への関与が
指 摘されているが、その機 序は未だ不
明 です。 本 研 究 では、 子 宮 特 異 的
p53 欠損マウスモデルを用いて、細胞
老化調節の鍵である p53 や p21 が子
宮の慢性炎症や早産へ与える影響を観察し、老化が誘
導する炎症の分子メカニズムを検討します。さらに、早産
のメカニズムや新たな早産予防法の可能性についても検
証したいと考えています。
●扉絵は、古代ローマ時代に記載された発赤・発熱・疼痛・腫脹という炎症の四主徴に機能障害を加えた古典的なイラストです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
31
5
IL-33 産生を伴う慢性疾患と加齢や肥満により増加したナチュラル
ヘルパー細胞が Th1/Th2 バランスの破綻を惹起するメカニズムの解明
茂呂和世
理化学研究所統合生命科学研究センター 上級研究員
慶應義塾大学医学部 助教
最近、慢性疾患では IL-33 と呼ばれる
情 報 伝 達 物 質(サイトカイン)が体 内
で放出されることがわかってきました。 私
たちが 発 見したナチュラル ヘ ル パー
( NH ) 細 胞 は IL-33 に 反 応 す ると、
免疫関連疾患を誘導するサイトカインを
たくさん分泌します。そこで、慢性疾患における NH 細
胞の動態を調べ、効果的に働きを抑える方法を開発する
ことで様々な疾患の予防や治療が可能になるのではない
かと考え研究を行っています。
炎症制御に向けた腸管制御性 T 細胞の
誘導機構の解明
新 幸二
理化学研究所統合生命医科学研究センター 上級研究員
東京大学大学院医学系研究科 特任助教
炎症性腸疾患は難治性の慢性疾患であり、
根治的な治療法の開発が急務となっていま
す。これまでの研究により腸内細菌叢の構
成異常が炎症性腸疾患の発症に関与して
いることが明らかになってきており、腸内細
菌の人為的操作による治療法の検討が求
められています。そこで、本研究では、ヒト腸内細菌を用いて
腸炎の抑制に重要な免疫抑制細胞の誘導メカニズムを明らか
にし、腸内細菌を用いた炎症性腸疾患に対する新たな治療
法の開発を目指します。
慢性炎症における免疫細胞動態の
神経性制御機構の解明
鈴木一博
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授
同上
「 病は気から」と言われるように、神経
系による免疫系の制御機構の存在は古
くから知られています。しかし現在でもな
お、その分子レベルでのメカニズムは十
分に理解されていません。 本研究では、
慢 性 炎 症の根 底にある免 疫 細 胞の動
態に注目し、その神経系による制御メカニズムを明らかに
することによって、「 病は気から」の分子基盤を解明し、
慢性炎症の新しい治療法の開発につなげることを目指し
ます。
5
T 細胞記憶のエピジェネティク調節による
慢性炎症制御
山下政克
愛媛大学大学院医学系研究科 教授
(財)かずさ DNA 研究所ゲノム医学研究室 室長
免疫・炎症研究における
オプトジェネティクスの創生
岡田峰陽
炎症反応を負に制御する
分子機構の解明
理化学研究所統合生命医科学研究センター チームリーダー
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター ユニットリーダー
田中貴志
理化学研究所統合生命医科学研究センター チームリーダー
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター ユニットリーダー
慢性炎症は、長期間にわたる感染やス
トレス応答により、免疫反応の司令 塔
である T 細胞が異常な免疫記憶を獲得
することが一因となり発症します。
T 細胞記憶は、エピジェネティックな分
子機構で制御されています。そこで、炎
症の慢性化機構を T 細胞記憶エピジェネティクスの観点
から解析することで、慢性炎症制御およびエピゲノム創
薬のための分子基盤を創出し、将来的には難治性炎症
疾患の診断・治療への応用・展開を目指します。
自己抗原や環境抗原に反応する抗体は、
様々な慢 性 炎 症 病 態を引き起こします。
これらの病態形成には、抗体産生の司
令塔となる T 細胞サブセットの機能変化
が深く関わっていると考えられます。 本
研究では、光刺激による遺伝子改変技
術を導入した新しい免疫イメージング法を開発することによ
り、これらの T 細胞サブセットの体内動態と機能変化を
疾患モデルにおいて追跡し、その病態形成における役割
を解明することを目指します。
炎 症 反 応は本 来は生 体に必 須の防 御
機構ですが、過剰になると慢性炎症性
疾 患や自己免 疫 疾 患を引き起こします。
本研究では、炎症反応を制御する LIM
蛋白ファミリーの役割を解析することによ
り、 炎 症 反 応の負の制 御を担う多くの
分子群を同定し、炎症反応の負の制御機構の全容を分
子レベルで明らかにすることを目指します。
ナチュラルキラー T 細胞による
炎症慢性化機構の解明と制御
マクロファージの活性化調節による
慢性炎症の制御
炎症誘導因子による炎症抑制機構の解明と
慢性炎症制御技術基盤の確立
5
渡会浩志
東京大学医科学研究所 特任准教授
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター 上級研究員
気管支喘息のうち非アレルギー喘息の
発症機序は不明のままですが、その中
でもウイルス感 染や大 気 汚 染に伴う重
篤 喘 息やステロイド非 感 受 性 喘 息など
は、ナチュラルキラー T( NKT )細 胞
が発症に関与することが明らかにされつ
つあります。 本研究提案では、炎症性 NKT 細胞の生
体内における役割を明らかにするとともに、主に非アレル
ギー喘息の慢性炎症化メカニズムの解明とその予防対策
を提供することを目的とします。
秋田大学大学院医学系研究科 講師
同上
中江 進
マクロファージ( M φ)の活性化状態(分
化形質)には多様性があり、特定の分
化形質にある M φがそれぞれ、慢性炎
症の起始から終結までの素過程におい
て関与することが示唆されています。 本
研究では、慢性炎症を発症する疾患モ
デルマウスを用いて、慢性炎症性病態の成立で鍵を握る
M φを特定し、また、 M φの分化形質を規定する細胞内
因子を同定することで、 M φの分化調節による慢性炎症
の制御を目指します。
東京大学医科学研究所 特任准教授
同上
「炎症」は異物の侵入に対する自己防
御 に 必 要な免 疫 応 答です。 一 方で、
過 度 の 炎 症は自分自身にも有 害なた
め、生体には自然に炎症を鎮静化する
機構が存在します。 本研究では、炎症
が誘導されたあと、炎症の鎮静化へとど
のようにして切り替わるのか、その仕組みの解明を目指し
ます。これにより、生体が本来持っている炎症の鎮静化
機構を人為的に作動させ、難治性慢性炎症疾患の制御
法の開発基盤の創出を目指します。
平成
5挑
年度採択研究者[2期生]
腸管上皮細胞の粘膜免疫防御における腸管上皮特異的ホメオボッ
23
クス蛋白質 CDX2 によるオートファジー制御機構とその役割の解析
青木耕史
佐々木純子
福井大学医学部 教授
京都大学院医学研究科 助教
形質細胞様樹状細胞による
炎症慢性化機構と制御
佐藤克明
癌の転移前診断の確立と治療を
めざして
宮崎大学医学部 教授
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター チームリーダー
腸上皮細胞は腸管粘膜免疫のバリアー
として特異的で重要な役割を担います。
近年、そのバリアーとしてオートファジー
機 能が重 要であることが分かりました。
本 研 究では腸 管 上 皮 細 胞に特 異 的に
発 現するホメオボックス蛋白質 CDX2
によるオートファジー活 性 化 機 序( ATG7 制 御 機 序 )、
炎症性腸疾患と付随する大腸癌発症における CDX2 と
ATG7 の役割を解析し、慢性炎症性腸疾患の治療標的、
治療戦略の提案を目指します。
本研究では、pDCs 特異的消失マウス
および pDCs 機能分子欠損マウスを用
いた炎症性自己免疫疾患モデルにおい
て、 炎 症 反 応と抗 原 特 異 的 T 細 胞 免
疫 応 答の惹 起・進 行・重 症 化の解 析
を行います。これらの解析により、炎症
制御の破綻による炎症の慢性化とこれによる免疫病態の
発症・増悪における形質細胞様樹状細胞 (pDCs) の役
割とその分子基盤を解明することを目指します。
腸管センチネル細胞を標的とした炎症性
腸疾患治療法の開発
脳組織傷害後の慢性炎症における
免疫制御機構の解明
平塚(中村)佐千枝
東京女子医科大学医学部 准教授
同上
癌の転移を防御することは、癌の根治をめ
ざす上で必須です。癌には転移しやすい臓
器があり、マウスの実験では、原発癌が発
生増殖した時、転移予定先の臓器に、転
移前から転移に有利な土壌を作ることが明
らかになってきました。しかし、現状、ヒトで
もこの現象が起きているかは不明です。本研究では、癌を有
する患者さんの臓器が、転移前に転移が起こりやすい炎症様
状態になっているかを検討し、転移初期あるいは転移前診断
の確立と防御を目指します。
5
浅野謙一
東京薬科大学生命科学部 准教授
同上
腸管では食物や常在細菌と平和的な共
存関係が成立しています。しかし、寛容
が破 綻すると非自己に対して過 剰な免
疫 反 応が 惹 起され炎 症 性 腸 疾 患が 発
症すると考えられています。 粘膜固有層
に存在する複数のマクロファージや樹状
細胞の中でも、抗原の侵入を監視し免疫を活性化する
「衛兵=センチネル細胞」は、炎症の慢性化に特に重要
です。 本研究では、センチネル細胞に標的を絞った、腸
管特異的免疫制御療法の開発を目指します。
32
七田 崇
慶應義塾大学医学部 助教
同上 特別研究助教
脳 神 経 組 織 の 慢 性 炎 症では、マクロ
ファージやミクログリアなどの炎 症 細 胞
が炎症の慢性化と終息に重要な役割を
担っています。 炎症細胞は脳神経組織
に浸潤する際に、脳内因子によって何
らかの調整を受けることで炎症促進また
は抑制に働くようになると考えられます。本研究ではこのよ
うな脳内因子や炎症細胞の機能を網羅的に解析すること
によって、炎症の終息と組織の修復に至るためのメカニ
ズムを解明し、新規治療法の開発を目指します。
生理活性脂質リゾホスファチジルセリンによる全身性
エリテマトーデス疾患発症抑制メカニズムの解析
巻出久美子
東北大学大学院薬学研究科 助教
同上
リゾリン脂質メディエーターは、 G タンパ
ク質共役型受容体を介して生体内にお
いて 様 々な機 能を発 揮します。 最 近、
マウスにおいてリゾリン脂質の一つであ
るリゾホスファチジルセリン(リゾ PS )が、
全身エリテマトーデスなどの自己免疫疾
患を抑制する作用を有することがわかってきました。 本研
究では、リゾ PS が免疫抑制作用を示すメカニズムを明ら
かにすることを目指します。さらに、新たな自己免疫疾患
治療薬としての可能性を探ります。
長寿・老化モデルマウスを用いた
慢性炎症機構の解明
南野 徹
新潟大学医学部 教授
千葉大学大学院医学研究院 講師
幸谷 愛
東海大学医学部 准教授
東海大学創造科学技術研究機構 特任准教授
炎症性マクロファージによるリソソームの
開口放出機構
華山力成
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授
同上
これまでの研究によって、加齢とともに
臓 器に慢 性 炎 症がおこり、それらが原
因となって、生活習慣病などの加齢に
関連した病気が発症することがわかって
きました。このような加齢に伴う慢性炎
症は、長寿を示すマウスで抑制されてい
ること、逆に老化するマウスでは亢進することもわかってい
ます。そこで本 研 究では、 長 寿・老 化マウスを用いて、
加齢に伴う慢性炎症の機序を解明することで、新しい治
療の開発を目指します。
EB ウィルスが引き起こす癌では、ウィル
ス感染に伴う炎症が癌発生に深く関与
します。 炎症細胞がないと腫瘍細胞は
生存できません。元来ウィルス感染細胞
を排除しようと集まった炎症細胞が、い
つの間にかウィルス感染癌細胞を支持
するように変化するわけですが、そのメカニズムは未だ明
らかではありません。そこで、新しい細胞間コミュニケーター
である「 分泌性小分子 RNA 」からそのメカニズムの解
明を試みます。
免疫細胞のマクロファージは慢性炎症
の発症に中心的な役割を担います。マ
クロファージは炎症時に死細胞や細菌
を貪食し、リソソームという細胞小器官
で融解するものの、融解できない残渣を
リソソーム内の酵素とともに細胞外に放
出します。 放出された酵素は周囲の細胞を壊死させ、慢
性炎症を惹起すると考えられます。 本研究では、マクロ
ファージによるリソソームの開口放出の分子機構を同定
し、慢性炎症発症との因果関係を明らかにします。
MAPK 経路の分子イメージングによる
T 細胞活性化遷延機構の解明
アルツハイマー病の病態悪性化と
炎症反応の相互作用の解明
ピロリ菌感染の慢性胃炎において中心的な役割を
果たす長鎖 ncRNA の網羅的探索の試み
理化学研究所統合生命医科学研究センター 上級研究員
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター 上級研究員
MAP キナーゼ( MAPK )経 路は、さ
まざまな細 胞において活 性 化 認 識から
転写に至る重要なシグナルネットワーク
であり、その破綻は炎症性疾患の発症
や病態と深く関わっています。 本研究で
は、 慢 性 炎 症を誘 導する T 細 胞 活 性
化遷延のメカニズム解明に向けて、活性化シグナルユニッ
トである T 細胞受容体マイクロクラスターと MAPK との
相 互 関 係を明らかにし、 分 子イメージングの 視 点から
MAPK 経路の包括的理解を目指します。
平成
年度採択研究者[3期生]
炎症に伴う microRNA 機能不全が惹起する
炎症性発癌の病態解明と制御法の開発
大塚基之
東京大学医学部附属病院 助教
同上
斉藤貴志
理化学研究所脳科学総合研究センター 副チームリーダー
同上
脳という特殊環境下における炎症反応
の慢 性 化は、 加 齢に伴い高 次 機 能へ
様々な影響を及ぼしていると考えられま
す。 本研究では、新規アルツハイマー
病モデルマウスと炎症関連遺伝子改変
マウスとの交配マウスの解析により、ア
ルツハイマー病の病態悪性化における炎症反応の役割に
ついて、分子レベルでの解明に取り組みます。 最終的に
は、アルツハイマー病の予防・治療・発症遅延に貢献す
る創薬標的を見出すことを目指します。
佐野元昭
慢性腎炎発症マウスモデルを用いた
発症機序の解明
代謝ストレスによる
炎症の慢性化機構の解明
炎症の慢性化は自己免疫疾患など様々な
病気を引き起こしますが、その実態解明ま
で至っていません。最近、本研究者らはウ
イルスセンサー分子 MDA5 に点変異を持
ちループス腎炎様病態を示すマウスを得まし
た。本研究では、このモデルマウスを用い、
自然免疫機構の欠陥による炎症の慢性化、ウイルス感染との
関わりという2つの切り口から炎症慢性化機構の解明に取り組
みます。さらにヒトのループス腎炎に対する予防、治療法の新
たな確立を目指します。
内因性リガンドによる進化的に保存された
自然免疫活性化機構の解明
倉石貴透
東北大学大学院薬学研究科 助教
同上
がんや肥満などの生活習慣病には「慢
性炎症 」が深く関与しています。 慢性
炎症の発生・維持には、 NF- κ B タン
パク質の活性化が重要です。これまで
に、 NF- κ B を活 性 化する新しいシグ
ナル伝 達 経 路を見いだしており、 本 研
究では、
その経路に関わるすべての因子を明らかにします。
それにより、生活習慣病につながる未知の要因が見いだ
され、新たな疾患予防薬のターゲットが見つかることが期
待できます。
タンパク質に翻訳されることのない長鎖
非コード RNA (ncRNA) が細 胞 活 動
において重要な役割を担っていることが、
ごく最 近 の 研 究から分かってきました。
本研究ではピロリ菌感染胃炎から胃癌
への発癌過程を研究モデルとして、次
世代シークエンサーを用いて多数の臨床検体をゲノム網
羅的に解析することにより、慢性炎症及び発癌において
中心的な役割を果たす長鎖 ncRNA を同定することを目
指します。
慶應義塾大学医学部 講師
同上
心不全はすべての心疾患の終末像であり、
日本人の主たる死亡の原因のひとつです。
肺うっ血による呼吸困難は、生活の質を著
しく低下させます。従来の神経体液性因子
の阻害、利尿剤だけでは、心不全の予防、
治療に十分とは言えません。 本研究では、
心筋梗塞による心不全モデルを用いて、心筋梗塞後の炎症
過程を増悪させる機序、終焉に向かわせる機序、肺うっ血の
機序を明らかにして、免疫学的介入による新規心不全治療法
の開発を目指します。
京都大学ウイルス研究所 准教授
同上
札幌医科大学医学部 准教授
同上
炎症の制御に基づく
心不全の予防と治療
慢性胃炎や慢性肝炎などの持続炎症は、
当該臓器の癌を高率に惹起します。 近
年、 遺 伝 子 発 現 制 御 に 関 わ る
microRNA という分 子 群が 炎 症や発
癌に関わる可 能 性が示 唆されています。
本 研 究では、 microRNA の機 能を制
御する薬剤と炎症発癌マウスモデルを用いて、持続炎症
に伴って生じる microRNA の機能変化と発癌との関連
に着目し、炎症に続発する癌の原因を解明し予防法や新
規治療法の開発をめざします。
加藤博己
丸山玲緒
慢性炎症
横須賀 忠
24
癌細胞由来小分子 RNA による
炎症細胞の制御
菅波孝祥
東京医科歯科大学院医歯学総合研究科 准教授
東京医科歯科大学難治疾患研究所 准教授
動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸
は、代表的な代謝ストレスであり、メタ
ボリックシンドロームの病 態 基 盤となる
「脂肪の過剰蓄積」と「慢性炎症」を
繋ぐ鍵分子です。すなわち、脂肪組織
に 蓄えきれない 過 剰な飽 和 脂 肪 酸が、
血中を介して全身に作用し、様々な臓器の機能障害をも
たらすと考えられます。 本研究では、生体内における「飽
和脂肪酸の流れ」に注目して、飽和脂肪酸により誘導さ
れる慢性炎症の分子機構を明らかにします。
慢性炎症性疾患における
病因性二重鎖 RNA の解析
中村能久
シンシナティ小児病院内分泌部門 アシスタント・プロフェッサー
ハーバード公衆衛生大学院遺伝子及び複雑疾患学部 研究員
肥 満・2型 糖 尿 病やアルツハイマー型
認 知 症では、 疾 患 発 症 の 一 因として、
肝細胞や神経細胞といった実質細胞に
おいて炎症性反応が誘導され、細胞機
能に障害が起きることが挙げられていま
す。 本研究では、内在性二重鎖 RNA
の機能に注目し、両疾患における炎症性反応の共通・
相違点を精査し、慢性炎症性疾患に共通する分子基盤
の解明を目指します。 将来的には、内在性二重鎖 RNA
を標的にした新しい治療の開発が期待されます。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
33
http://www.jst.go.jp/presto/neuronet/index.html
戦略目標
神経細胞ネットワークの形成・動作
の制御機構の解明
末梢入力に依存した
21
神経回路形成のロジック
年度採択研究者[1期生]
動作と制御
5
平成
脳神経回路の形成・
今井 猛
抑制系による大脳皮質神経回路網の動作制御
機構の解明−機能イメージングと光刺激法の併用による解析−
理化学研究所発生・再生総合研究センター チームリーダー
東京大学大学院理学系研究科 特任助教
惣谷和広
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
同上
近 年の研 究で、 決 定 論 的な神 経 接 続
の分子機構についてはかなり解明されて
きましたが、高等動物においては末梢か
らの入力に依存してボトムアップで中枢
神経系の回路が構築される分子機構は
依然としてよく分かっていません。 本研
究では、脳の特定の神経カラムで遺伝学的操作を行うた
めの技術開発を行うとともに、これを利用して、中枢神経
系において末梢入力依存的に特異的な神経接続が形成
される分子機構を明らかにします。
外界の環境がどのように脳内の三次元
神経回路網空間に表現されているのか
を理解することは、脳機能の解明にとっ
て非常に重要です。 本研究では、新し
い脳機能イメージングと光刺激法を用い
て、特に抑制系の視点から神経回路網
の動 作 制 御 機 構 解 明を目指します。 神 経 回 路 網 内の
ニューロンの多数同時記録解析が進めば、外界からの情
報が脳内でどのように処理されているのかを知る一つの糸
口となることが期待されます。
成体脳ニューロン新生の機能的意義
精神発達障害原因解明のための
Neuroligin/Neurexin モデルの確立
5
今吉 格
研究総括
村上 富士夫
大阪大学 大学院生命機能研究科 教授
本研究領域は、脳の統合的理解を目指し、新た
な視点に立って脳を構成する神経回路の形成やそ
の動作原理ならびにその制御機構の解明に挑戦す
京都大学次世代研究者育成センター 白眉研究者
同上 ウイルス研究所 特定研究員
哺乳類の成体脳でのニューロン新生が、
高次脳機能に果たす役割の解明を目指
します。 成体脳で産生される新生ニュー
ロンに対して遺伝的操作が可能な遺伝
子改変マウスを用いて、ニューロン新生
の機能的意義の解析を行います。 成体
脳ニューロン新生の理解を深めることで、脳血管障害な
どによる脳損傷や神経変性疾患に対する、細胞移植医
療などの再生医療や、脳機能の改善の実現に向けた重
要な基礎知識が得られるものと期待されます。
科学技術振興機構 さきがけ研究者
慶應義塾大学医学部 特別研究講師
川内健史
具体的には、神経回路や脳の機能単位である神
細胞の中には多くの区画化された領域(細
胞内機能ドメイン)があり、それぞれが機
能分担を行いながら細胞機能を発揮してい
ると考えられていますが、生物個体の中で
これらの領域がどのような役割を果たしてい
るかは意外にも未解明な状況にあります。
本研究では、脳が働くための基盤となる脳神経回路がどのよう
にして形成されるかという問題に対して、細胞内機能ドメインの
役割から解析し、脳の形成機構およびその破綻による脳疾患
の機構に迫ります。
の獲 得、 単 一 神 経 細 胞における情 報 処 理、 神 経
細胞間の情報伝達やその可変性、神経細胞のネッ
トワークとしての機能発現や可変性、さらには複雑な
ネットワークの集合体である領域・領野等の形成機
構および動作原理、ネットワークの制御機構の研究
を対象とします。また、グリア細胞など神経細胞以
信州大学医学部 教授
自然科学研究機構生理学研究所 准教授
Neuroligin および Neurexin は、シ
ナプス末端で互いに結合する細胞接着
因子で、シナプス認識・機能獲得に関
与していると考えられています。自閉症
患者から発見されたこれらの遺伝子変異
をマウスのゲノム上で再現し、これらの
変異が起こすシナプス異常と自閉症様行動との関係をマ
ウスの個体レベルで研究します。 同時にこれらのマウスを
自閉症モデルマウスとして評価・検討し、自閉症研究の
ためのツールとして確立することを目指します。
5
細胞内機能ドメインが大脳皮質形成に果
たす役割の解明
る研究を対象とします。 経核・層構造の形成、領域や神経細胞の特異性
田渕克彦
脳神経地図の形成と認識を司る
分子基盤解明
千原崇裕
東京大学大学院薬学系研究科 准教授
同上 助教
脳は、神経情報の受け渡し場である「シ
ナプス」を脳内に適切に配置することに
より、神経回路網の情報処理能力を高
めています。 本研究では、神経細胞の
樹状突起と軸索が相互作用しながら神
経組織におけるシナプス配置様式である
「 神経地図 」を脳内に自己組織的に形成する過程の分
子機構を明らかにし、神経回路形成の基本戦略解明を目
指します。
外の神経系の細胞の役割や、神経細胞数の維持
形成や動作原理の解明の飛躍的発展につながるよ
うな、革新的な基盤技術の創出も対象とします。
匂いに対する特異的な行動や情動を
制御する神経ネットワーク
小早川 高
領域アドバイザー
上村 匡
岡本 仁
京都大学大学院生命科学研究科 教授
貝淵 弘三
影山 龍一郎
狩野 方伸
川口 泰雄
小坂 俊夫
立花 政夫
能瀬 聡直
平田 たつみ
藤田 一郎
虫明 元
柚崎 通介
名古屋大学大学院医学系研究科 教授
理化学研究所脳科学総合研究センター
副センター長
5
挑
の機構に関わる研究も含みます。さらに、神経回路
大阪バイオサイエンス研究所神経機能学部門 研究員
同上
膜電位の時空間計測における、
次世代技術開発
筒井秀和
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 准教授
大阪大学大学院医学系研究科 助教
哺乳類の匂いに対する情動や行動を制
御するメカニズムを、 遺 伝 子 操 作の手
法を用いて神経回路レベルで解明する
独自の研究を進めます。 情動とは生存
のために必 須となる本 能を呼び 起こす
心の働きであり、本研究の成果は私た
ち自身の心を理解する従来にない視点を与えます。
細胞は、いわば小さな電池で、膜に電 差
を持っています。 脳内の神経回路では、
その膜電位の変化が、電気信号として高
速に伝播しています。脳での情報表現や
処理過程の理解は、現代科学の究極の
対象の一つですが、膜電位の時空間動
態を高速・高感度で測る方法がなく、大きな課題となってい
ます。本研究では、ナノスケールで起きる光物理現象や蛋白
質 - 膜電位相互作用に関する知見を動員し、次世代の膜電
位時空間計測技術の確立を目指します。
中脳神経回路網による
価値情報の形成機構の解明
小脳のシナプス刈り込みと
機能的神経回路形成の機構解明
京都大学ウイルス研究所 教授
東京大学大学院医学系研究科 教授
自然科学研究機構生理学研究所 教授
九州大学大学院医学研究院 教授
東京大学大学院人文社会系研究科 教授
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 准教授
大阪大学大学院生命機能研究科 教授
東北大学大学院医学系研究科 教授
慶應義塾大学大学院医学研究科 教授
小林 康
大阪大学大学院生命機能研究科 准教授
同上
本 研 究では嫌 悪、 報 酬 条 件 付け課 題
遂行中のサルの中脳ニューロン記録に
よる神 経 回 路のダイナミクス的 理 解か
ら、嫌悪、報酬学習に関わる脳内価値
予側情報の保持、符号化機構を明らか
にします。そして、脳の長期記憶(シナ
プス記憶)の書き込みと読み出し、脳内情報の短期的
保持、学習誤差信号計算機構といった脳科学、情報科
学の重要な問題に挑みます。
橋本浩一
広島大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
東京大学大学院医学系研究科 准教授
小脳の神経細胞のひとつであるプルキ
ンエ細胞は、生後直後には複数の登上
線維により支配されていますが、過剰な
登上線維は生後発達中に徐々に減少し、
成熟動物ではたった 1 本を残して除去さ
れます(シナプスの刈り込み)。 本研究
では、最新の研究手法を駆使して、 1 本の登上線維が
選別され過剰な入力が除去される機序を解析することによ
り、シナプス刈り込みの原理を明らかにすることを目指しま
す。
●扉絵は、神経科学の父とも言われているカハールが 100 年前に考えた海馬の神経回路図です。
34
運動・精神機能を司る大脳基底核神経
回路の制御機構
疋田貴俊
京都大学大学院医学研究科 特定准教授
大阪バイオサイエンス研究所システムズ生物学部門 研究員
大脳基底核は運動・精神機能を司り、障
害によりパーキンソン病、 薬 物 依 存 症、
統合失調症などの精神神経疾患を引き起
こします。大脳基底核において特定の神
経伝達のスイッチングを行う可逆的神経伝
達阻止法を開発し、生体における神経回
路の制御機構を解析します。さらに精神疾患モデルにおける
大脳基底核神経回路の制御異常を解析し、脳神経回路の
動作原理とその異常を明らかにすることによって、精神神経
疾患の治療法の開発へつなげます。
最 近、 成 体 哺 乳 類の網 膜において神
経新生が起こる事が明らかになってきま
した。しかしながら、神経新生の効率は
非常に低く、現状では、変性した網膜
の自己修復はまだまだ夢物語です。 本
研究では、遺伝子導入によって網膜幹
細胞からの神経新生効率を高めるための方法論の確立を
目指します。また、成体網膜における神経新生から新規
の視覚回路形成に至るまでの一連のプロセス全てを可視
化して詳細に解析します。
魚類の神経系は、成長に伴って常に新
たな神経回路の再構築を続けます。 本
研究は、ゼブラフィッシュの側線神経系
をモデルに、成体における神経発生を、
細胞・分子レベルで調べることによって、
新しい神 経 回 路 形 成のメカニズムを解
明します。 将来的には、聴覚器官の再生医療につなが
る知見が得られ、神経組織がいかにして多様な形態を獲
得するのか、という基本的な問題を明らかにできます。
佐藤 純
金沢大学医薬保健研究域脳肝インターフェースメディシン研究センター 教授
同上 フロンティアサイエンス機構 特任准教授
ショウジョウバエ視覚中枢は産生順と相
関した多様な神経細胞の産出、細胞移
動を伴う層 構 造・カラム構 造 形 成など、
ほ乳 類の脳においてもみられる神 経 発
生の様々な重要な要素を合わせ持ちま
す。さらに高度な神経遺伝学的ツール
が利用可能であり、行動実験によって神経回路の機能を
解析することが可能な優れたモデル系です。このようなハ
エ視覚中枢の特徴を利用して、機能的な神経回路が形
成されるメカニズムを明らかにします。
挑
後天的な音声コミュニケーションの
22
神経機構とその発達メカニズムの解明
安部健太郎
挑次
神経伝達物質の動的分子挙動解析を
実現する革新的技術の開発
京都大学大学院医学研究科 講師
京都大学大学院生命科学研究科 助教
山東信介
九州大学稲盛フロンティア研究センター 教授
同上
鳴禽類はヒトと同様に、音声によるコミュ
ニケーション能力を後天的に獲得します。
本研究では、鳴禽類が音の並びを指標
に音声情報を識別する能力の情報処理
メカニズム、およびそれを可能にする神
経メカニズムとその発達のメカニズムを
明らかにすることにより、ヒトの言語理解など、高度音声
情報処理に関わる神経メカニズムの生物学的基盤を明ら
かにすることを目的とします。
脳神経回路は電気化学応答によって支配
されていますが、これを誘起・制御する事
象として神経伝達物質が媒介する細胞間
相互作用があります。電気化学応答を計
測するための手法は革新的な進歩を遂げ
ていますが、そのプロセスである神経伝達
物質の挙動を追跡することは現状でもほとんど実現できていま
せん。 本研究では、分子レベルでの神経回路動作機構の
理解に向け、神経伝達物質のリアルタイム解析を可能にす
る革新的技術開発に挑戦します。
繊毛が神経回路形成・維持・機能発現
に果たす役割とその分子メカニズム
臨界期を制御する
ホメオ蛋白質の新しい役割
脳神経回路
京都大学物質・細胞総合システム拠点 研究員
ハーバード大学遺伝学部門 研究員
ショウジョウバエ視覚系における
機能的な神経回路形成機構の解明
情報・システム研究機構新領域融合研究センター 特任研究員
新潟大学超域研究機構 准教授
年度採択研究者[2期生]
松田孝彦
和田浩則
平成
成体網膜におけるニューロン新生・新規
回路形成の可視化と制御
機械刺激受容体と神経軸索組織の
構築基盤
次
脳回路網の再編成における
睡眠の役割
宮本浩行
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
同上
私たちが日々経験する「 眠り」は脳科
学上の大きな謎の一つです。 睡眠は記
憶・学習などの脳機能に重要な役割を
持つと考えられていますが、記憶システ
ムの複雑さゆえ睡眠機能の統合的な理
解は容易ではありません。 本研究は視
覚系をモデルとして「 睡眠によって脳が作りかえられる」
ことの実験的証拠を見出し、神経回路動作の理解と制
御に踏み込んでいくことを企図します。
大森義裕
大阪大学蛋白質研究所 准教授
(財)大阪バイオサイエンス研究所発生生物学部門 副部長
繊毛は、細胞の表面からアンテナのように
突き出した構造で、外部の情報をキャッチ
するセンサーとして働きます。 本研究では、
神経回路の形成・維持と視床下部におけ
る摂食行動の制御をテーマとして、繊毛が
神経系で果たす役割を明らかにします。本
研究により、神経細胞の繊毛が情報入力装置として働くメカ
ニズムを解明し、繊毛異常が引き起こす病態である神経変性
疾患、肥満、糖尿病などの診断や治療法の確立につなげる
ことを目指します。
5挑
脳内分子変化と電気生理学的・行動学的
変化の統合解析
山口 瞬
岐阜大学大学院医学研究科 教授
神戸大学医学研究科 准教授
杉山清佳
新潟大学医歯学系 准教授
同上
子どもの脳の成長過程には、経験に応
じて回路が作られる「臨界期」という特
別な時 期があります。 臨 界 期に作られ
た回路は生涯個性として保たれることか
ら、幼いころの体験・経験が重要視され、
幼児教育の対象にもなっています。 本
研究では、脳細胞の発達・成熟により臨界期が制御され
る仕組みを明らかにしていきます。 大人の脳で安全に臨
界期を活性化することができれば、回路の再構築などの
治療法の開発に貢献すると期待されます。
5
聴覚神経回路での入力依存的な
神経活動制御
久場博司
脳の左右非対称性形成機構と
その生理学的意義の解析
名古屋大学大学院医学系研究科 教授
京都大学大学院医学研究科 准教授
竹林浩秀
記 憶や学 習が形 成されるときには、 脳
内の特定の神経細胞で遺伝子が働くこ
とが知られていますが、 脳 内の電 気 信
号の変化や実際の行動変化とどのよう
に関係しているのかは明らかになってい
ません。 本 研 究では、 遺 伝 子が働くと
その神経細胞が発光するトランスジェニックマウスを用い
て、遺伝子・電気生理・行動を同時に解析し、それらの
関係性を明らかにすることで、記憶・学習のメカニズムの
解明を目指します。
神 経 活 動 は 神 経 回 路 の 形 成、 維 持、
最 適 化に重 要だと考えられていますが、
その詳細は明らかでありません。 本研究
では、構造と機能が明確な脳幹の聴覚
神 経 回 路において、 神 経 活 動の発 生
部位である軸索起始部の変化として生
じる新規の神経可塑性のメカニズムと機能的意義を調べ
ることにより、特定の神経回路機能が入力依存的に獲得
され、維持される分子・細胞基盤を明らかにします。
本能機能を司る視床下部神経回路操作と
行動制御
大脳皮質の微小回路の学習に
関連した可塑性
新潟大学大学院医歯学総合研究科 教授
熊本大学生命科学研究部 准教授
脳の機能に左右差があることは広く知ら
れています。 例えば、ほとんどの人は、
言語を司る中枢が左半球にあります。ま
た、利き手は約 9 割が右です。しかし、
これまで脳の左右差形成メカニズムはほ
とんど知られていませんでした。 本研究
は、新規の脳左右差を可視化する遺伝子改変マウスを用
いて、脳の左右非対称性の形成機構を明らかにします。
さらに、行動解析を通して脳の非対称性の生理学的意義
の解明を目指します。
5
山中章弘
名古屋大学環境医学研究所 教授
自然科学研究機構生理学研究所 准教授
摂食行動や睡眠覚醒などの本能機能は
視床下部の神経細胞によって制御され
ていますが、神経活動によって本能行
動発現がどのように調節されているのか
はよく分かっていません。 本 研 究では、
睡眠覚醒調節に重要な神経の光操作
を可能にする分子を発現させた遺伝子改変動物を用いて
行動解析を行い、睡眠覚醒調節機構を明らかにします。
小宮山尚樹
カリフォルニア大学サンディエゴ校 Assistant Professor
同上
私たちの行動は、個々の神経細胞の調
和の取れた活動の下に成り立っていま
す。 神経細胞の活動を決定する重要な
単位の一つは、神経細胞同士が数百μ
m の中で複雑な回路を形成する微小回
路です。しかし、微小回路が学習行動
中にどのように活動し、変化するのかは、ほとんど分かっ
ていません。 本研究では、微少回路の学習に関連した
可塑性を分子レベル、細胞レベルで解明します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
リン酸化による大脳辺縁系情動回路
修飾機構の解明
竹本‐木村さやか
東京大学大学院医学系研究科 助教
同上
外界の環境に応じて情動行動が変化す
る際、 脳 内の神 経 細 胞ではどのような
変化が起きているのでしょうか?本研究
では、情動を担う大脳辺縁系に多く存
在するタンパク質リン酸化酵素に着眼し、
回路修飾過程を分子的な側面から解明
します。 更に、情動回路の操作が可能となる新たな遺伝
子改変マウスを作出し、最先端の分子脳科学の手法を
用いて回路理解の推進を目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
35
脳の内的環境を制御する
神経伝達機構
田中暢明
大脳皮質細胞構築における
血管発生制御機構の意義
北海道大学創成研究機構 特任助教
京都大学大学院医学研究科 研究員
水谷健一
動物の脳は、個体の気分などに応じて、
たとえ同じ刺激入力が入っても、異なる
感 覚、 行 動 や 情 動を引き起こします。
個体の気分などには、モノアミンや神経
ペプチドなどの神経伝達物質の出力の
関与が示されています。 本研究は、ショ
ウジョウバエの遺伝学的手法を駆使して、こうした伝達物
質の感覚情報処理における役割を明らかにし、曖昧に「気
分」とくくられてきた脳の内的環境がどのように生み出され
ているのかを調べることを目的とします。
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
同上
自発行動リズムを制御する
体内時計神経回路基盤の解明
大阪大学大学院歯学研究科 特任准教授
同上
シナプス可塑性に関わる RNA 群の
革新的イメージング法の開発
年度採択研究者[3期生]
23
複雑かつ精緻な神経回路網を構築する
ために、神経突起先端部に現れる成長
円錐は、細胞外環境に呈示される多種
多様な軸索ガイダンス因子に導かれて正
しい標的まで辿り着きます。 本研究では、
成長円錐が生体内で複数のガイダンス
因子の異なる空間情報を統合する細胞内シグナル伝達メ
カニズムを解明します。さらに、そのシグナルを自らの適切
な運動性に変換し、正確な経路選択や軸索分枝を行うた
めの普遍的な仕組みを解明します。
中村 渉
発生過程の大脳皮質実質に形成される
微小血管の発生が、神経幹細胞の時
間 特 性・領 域 特 性と如 何に同 期 的に
進 行し、 結 果として高 度に秩 序 立った
大脳皮質細胞構築、および神経回路
構 築を可 能とするのかについて、その
分子機構の解明を目指します。本研究による神経幹細胞
の運命制御機構に関する新たな視点が、内在性神経幹
細胞・内在性血管内皮前駆細胞を利用した中枢神経系
の再生医学の実現に寄与することが期待されます。
平成
神経軸索ガイダンスを制御する
普遍的シグナル伝達の時空間解析
戸島拓郎
同志社大学大学院脳科学研究科 准教授
同上 高等研究教育機構 特任准教授
阿部 洋
佐藤 隆
チュービンゲン大学統合神経科学センター ジュニア・グループ・リーダー
同上
私たちは、日々、様々な感覚情報や記
憶に基づいて行動します。このような行
動に至る意思決定は、脳内でどのよう
に形成されているのでしょうか?本研究で
は霊長類の眼球運動をモデルに用いて、
前頭葉内部の神経回路が情報を統合し
眼球を動かす指令を出す様子を明らかにしていきます。 特
に、最先端のイメージング技術と分子生物学的手法を霊
長類に用いることにより、脳の高次機能を神経回路レベ
ルで理解することを目指します。
局所コネクトミクス:抑制性局所
神経回路発達の細胞種特異的解析
谷口弘樹
マックスプランク・フロリダ研究所脳神経回路形成・機能部門
グループリーダー
コールドスプリングハーバー研究所神経科学部 ポストドクトラルフェロー
神経細胞内の mRNA をイメージングす
るための革新的なプローブを開発します。
微量 RNA を検出するためにプローブの
高 感 度 化、 及び 複 数 RNA の同 時 観
察を可能とするために多色プローブの開
発を進めます。さらに、シナプスの可塑
性に関わる複数の mRNA 群を標的にしたプローブを作
成し、神経細胞における内在性 mRNA の動態を直接イ
メージングし、その輸送と局所での翻訳過程との相関を解
析することを目指します。
抑制性神経細胞の多様性は、神経回
路に異なる抑制性制御を与え、神経活
動の安定化、リズム生成に貢献し、複
雑な神経演算を可能にすると考えられて
います。 本研究では、最先端の遺伝学
的 技 術を駆 使し、 興 奮 性 錐 体 細 胞 上
の抑制性神経入力をサブタイプごとに可視化し、その結
合様式を明らかにします。 脳に埋め込まれた抑制性局所
神経回路の”解剖学的暗号”を読み解くことにより、脳
機能、脳疾患への理解が深まることが期待されます。
柔軟な判断を可能にする神経回路の
動作原理の解明と制御
体温の概日リズムを制御する分子機構と
神経回路ネットワークの解明
宇賀貴紀
私たちは、視床下部・視交叉上核におよ
そ一日の周期を刻むサーカディアン時計を
備えています。一方、睡眠や食事に関連
する生理機能には数時間周期で変動する
ウルトラディアンリズムがあることが知られて
いるものの、その制御機構は明らかではあ
りません。本研究では、そのウルトラディアンリズム機能神経
回路機構を同定します。一日のリズムとともに、さらに細分化
したタイミングを制御する体内時計を理解することで、心身の
健康な生活タイミングを明らかにします。
北海道大学大学院薬学研究院 准教授
理化学研究所基幹研究所 専任研究員
霊長類の高次脳機能を担う
大脳皮質神経回路の可視化と制御
順天堂大学医学部 先任准教授
同上 准教授
行川(濱田)文香
シンシナティ小児病院小児眼科部門 アシスタント・プロフェッサー
同上
ヒトはどのようにして柔軟に判断をし、多
様な選択を行うことができるのでしょうか。
本研究では、柔軟な判断の神経回路モ
デルとして新たに「 Leaky integrator
仮説」を提案します。そして、
2つのルー
ルに基づき、判断の内容を柔軟に切り
替えるタスクスイッチ課題をサルに訓練し、大脳皮質 MT
野と LIP 野の神経活動記録と電気刺激を用いて、本仮
説を検証します。
私達の体温は、一日の周期で約1℃変
動します。この体 温リズムは、 恒 常 性
の維持だけでなく、睡眠にも深く関係し
ています。 例えば、私達は朝体温が上
昇すると覚醒し、夜体温が下降すると眠
くなります。しかし、体温リズムがどのよ
うに制御されているのか、ほとんど明らかになっていません。
本研究ではショウジョウバエの行動を指標として、体温リ
ズムを制御する概日時計の分子機構の解明と神経回路
ネットワークの解明を目指します。
ガイダンス因子シグナルで普遍的に
駆動されるシグナル伝達経路の解明
神経グリア相互作用としての
概日リズム制御系の新たな理解
5
行動の概日リズムを制御する
神経回路構築の分子基盤
名越絵美
ジュネーブ大学遺伝・進化学科 アシスタント・プロフェッサー
ベルン大学細胞生物学研究所 グループ・リーダー
京都大学大学院生命科学研究科 助教
同上
早坂直人
山口大学大学院医学研究科 准教授
近畿大学医学部 講師
外界の環境や体内の生理状態に適した
行動を発現することは動物個体の生存
に不可欠ですが、行動を制御する脳内
の神経回路の動作原理のほとんどは謎
に包まれています。 本研究では、比較
的簡単な神経系を持ちながら、人間に
も共通する多様な行動を示すショウジョウバエを用い、睡
眠覚醒のパターンに代表される行動の日周リズム(概日リ
ズム)を制御する神経回路の動作原理と形成の分子機
構の解明を目指します。
神経軸索は様々なガイダンス因子に導
かれて標的細胞に到達し、複雑な神経
回路を形成します。ガイダンス因子は誘
引作用を持つもの、反発作用を持つも
のに分 類され、 神 経 細 胞 先 頂 部の成
長円錐は、それらの情報を感知・統合し、
基質との接着を巧みに変化させ、かじとりをします。 本研
究は、特に、G 蛋白質による細胞接着のポジティブフィー
ドバック機構に着目し、軸索ガイダンスで普遍的に駆動さ
れる情報伝達機構の解明を目指します。
行動を制御する脳の仕組みは、これま
で長い間 神 経 回 路で語られてきました。
しかし、 近 年、グリア細 胞の能 動 的な
役割が次々に明らかになり、脳の機能
発現の主役のひとつである可能性が高
まっています。 本研究では、環境に適
応するために獲得された体内時計の優れた柔軟性や可変
性に注目し、その仕掛けを解く鍵がグリアにあるのではな
いか、という仮説を検証します。そして、神経グリア回路
による行動制御の普遍的な原理に迫ります。
光遺伝学を用いた前頭前野シナプスと
個体レベル行動との関連解析
神経細胞における膜タンパク質選別輸送
システムの順遺伝学による解明
グリシン作動性シナプスの
活動依存的形成と臨界期の分子基盤
林(高木)朗子
東京大学大学院医学系研究科 助教
ジョンズホプキンス大学精神行動科学 リサーチアソーシエイト
前 頭 前 野は高 次 脳 機 能の中 枢であり、
様々な精神疾患の責任部位と考えられ
ていますが、分子レベルでの調査が遅
れています。 本研究では、疾患関連遺
伝子操作をウイルスを用いて前頭前野
特異的に行い、経時的 in vivo スパイ
ンイメージングと前頭前野関連行動解析を行います。さら
に各種光遺伝学プローブを用いて同領域スパインを特異
的に操作し、行動変化の誘発を試みることにより、スパイ
ン形態と個体レベルの行動との因果関係を示します。
36
生沼 泉
佐藤明子
広島大学大学院総合科学研究科 准教授
名古屋大学大学院理学研究科 GCOE 特任准教授
機能的な神経細胞ネットワークが形成さ
れるには、 個々の神経細胞が、軸索 ・
シナプス ・ 樹状突起などの高度に分化
した機能ドメインを形成 ・ 維持する必要
があります。その基盤として、 各機能ド
メインに特有のタンパク質を適切に輸送
する、選択的で調節性の細胞内選別輸送システムがある
と考えられています。 本研究では、ショウジョウバエ光受
容ニューロンを用い、各々の膜ドメインへの選別輸送に関
わる遺伝子を網羅的に探索します。
平田普三
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 准教授
国立遺伝学研究所 新分野創造センター 准教授
シナプスは活動、すなわちシナプス伝達
により、その形態や受容体の密度など、
その特性が変化することが知られていま
す。これまでに、グリシン作動性シナプ
スの活 動 依 存 的 形 成・維 持を、 発 生
過程の動物個体で解析する実験系を構
築し、シナプス形成・維持にシナプス入力の必要な時期
( 臨界期 ) が存在することを見いだしました。 本研究で、
シナプスの活動依存的形成・維持とその臨界期制御の
分子基盤を解明します。
遊泳運動を規定する神経回路の発生と
動作原理の解明
堀江健生
筑波大学生命環境系 助教
筑波大学下田臨海実験センター日本学術振興会特別研究員
歩行運動や遊泳運動は、動物が行う最
も基本的な行動です。 本研究では、神
経細胞がわずか 100 個しかない原始的
な脊索動物ホヤを用いて、遊泳運動を
規定している神経回路の発生と動作原
理を、細胞レベル、遺伝子レベルで解
明します。さらに、ホヤの運動神経回路モデルと脊椎動
物の運動神経回路モデルを比較することで、脊索動物間
に保存された普遍的な神経回路の発生と動作原理を明ら
かにすることを目指します。
個々の記憶情報をコードする
神経回路の解析と制御
京都大学次世代研究者育成センター 特定准教授
同上 准教授
脳神経回路
松尾直毅
個々の記憶情報はそれぞれ脳内でどの
様に区 別して記 録され、 必 要に応じて
適切に引き出されるのでしょうか? 本研
究では、機能的神経ネットワークの活動
を選択的に操作することのできる独自の
遺 伝 子 改 変マウスを開 発し、これらを、
巧妙な行動テスト、イメージングなどの手法を用いて解析
することによって、実体の捉えがたい“記憶”という現象
の神経基盤に迫ります。
5
光による細胞内輸送と
シナプス可塑性の制御
松田信爾
慶應義塾大学医学部 講師
同上
シナプス可塑性は記憶・学習の基礎過
程と考えられており、その実体はシナプ
ス後部におけるグルタミン酸受容体の一
種( AMPA 受容体)の数の変化です。
しかし、AMPA 受容体数の変化と記憶・
学習行動との直接の関連性については
明らかになっていません。 本研究では AMPA 受容体の
数を光照射で変化させる技術を開発し、記憶・学習過程
を統合的に解明します。また、ゴルジ体やミトコンドリアの
制御技術も開発します。
シグナル分子の活性化観察と操作による
シナプス可塑性機構の解明
村越秀治
自然科学研究機構生理学研究所 准教授
Duke 大学神経科学科 研究員
神経回路の形成、機能の基礎となるシ
ナプス結合の可塑性は、スパイン内の
情報伝達系によって制御されていると考
えられますが、その機構はほとんど分かっ
ていません。 本 研 究では、シグナル伝
達分子活性化イメージングと光を用いた
シグナル分子操作法を用いて、シナプス可塑性の分子機
構を単一シナプスレベルで解明し、神経回路の理解へと
繋げます。
中枢シナプスオーガナイザーによる標的認識と
特異的シナプス形成の調節機構の解明
吉田知之
富山大学大学院医学薬学研究科 講師
東京大学大学院医学系研究科 講師
脳機能発現の基盤となる中枢シナプス
形成の一端は、シナプスオーガナイザー
と呼ばれる、シナプス前終末と後終末を
誘導する活性を持つ一部の細胞接着分
子によって担われています。本研究では
シナプスオーガナイザー自体が作り出す
スプライス多様性によって多様なシナプス結合の特異性
が 維 持される機 構を明らかにすると共に異なるシナプス
オーガナイザー間の相互作用によってシナプス形成が調
節される基本原理の解明を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
37
ヒストン H3K36 メチル化酵素 WHSC1 によ
21
る核構造体を介した新規転写制御機構の解明
http://www.epigenetics.jst.go.jp/index.html
戦略目標
細胞リプログラミングに立脚した幹
細胞作製・制御による革新的医療
基盤技術の創出
年度採択研究者[1期生]
制御と生命機能
5
平成
エピジェネティクスの
浦 聖恵
千葉大学理学部 教授
大阪大学大学院医学系研究科 助教
向井 常博
西九州大学 学長/佐賀大学 名誉教授
本研究領域は、エピジェネティクスの制御と生命
機 能の解 明という視 点をもった研 究を対 象とします。
より詳しくは、エピジェネティクスの制御機構の解明、
加藤太陽
細胞のエピジェネティック制御を臨床応
用するためには、遺伝子の活性化だけ
でなく不 活 性 化の分 子 機 構を理 解しな
ければなりません。なかでも、特定遺伝
子座を特異的に不活性化することで細
胞のアイデンティティーに貢献するヘテ
ロクロマチンの理解は非常に重要です。 本研究は遺伝学
的解析に有利なモデル生物である分裂酵母を実験材料と
して用い、遺伝子座特異的に遺伝子の不活性状態を確
立する分子機構の解明を目指します。
DNA メチル化・脱メチル化による
エピジェネティック制御の分子基盤
細胞老化のエピジェネティクスと
その破綻による発癌機構
京都大学大学院工学研究科 特任研究員
同上 助教
本研究では、構造生物学的手法を用いた
多角的なアプローチにより、発生・分化、
癌化や iPS 細胞作成時のリプログラミング
の過程において重要な役割を たす DNA 脱
メチル化の分子基盤を明らかにします。 X 線
構造解析による原子レベルでの知見とクロ
マチン再構成系、磁気共鳴測定法を用いたタンパク質の動的
挙動解析により、DNA 脱メチル化因子のクロマチン上での機
能発現機構を探究します。得られた構造基盤に基づいて人為
的に細胞内の DNA 脱メチル化制御法の可能性を探究します。
東京大学分子細胞生物学研究所 特任准教授
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット 特定助教
岡田由紀
ジェネティクスの多様性や異常がかかわる疾患の解
近年急速に需要が高まっている幹細胞
研究およびその応用技術開発の一環と
して、本研究では、精子幹細胞と成熟
精子におけるヒストン修飾を中心としたエ
ピジェネティック調節機構を、高速シー
クエンサー等を用いた網羅的解析によっ
て検討します。 本研究成果は将来的に、生殖工学や不
妊治療等への応用に有用な基礎的知見を提供できると
期待されます。
ティクスの生命機能としての分子基盤を明らかにする
事で、細胞リプログラミングに立脚した幹細胞作製・
制御による革新的医療基盤技術の創出を目指しま
す。
具体的な研究内容としては、 1 )動植物を問わず
さまざまなモデル生物を用いてエピジェネティクスの制
金田篤志
千葉大学大学院医学研究院 教授
東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授
正常細胞は、癌遺伝子が活性化すると
癌化を防ぐために細胞増殖を永久に停
止する「細胞老化」というしくみを持っ
ています。 本研究では、細胞老化とい
う生 体 防 御 機 構 に 必 須なエピジェネ
ティック機構とそれに制御されるシグナル
ネットワークを解明し、この機構が破綻することで細胞老
化が回避され発癌の原因となる異常を同定します。 癌遺
伝子活性化における発癌機構の解明と、癌細胞を老化
させる新たな治療法の確立を目指します。
5
精子細胞の分化・成熟過程における
ヒストン修飾の重要性の解明
様々な生命現象とエピジェネティクスの関わり、エピ
析を対象とします。それらの研究を通してエピジェネ
島根大学医学部 助教
同上
染色体を構成するヒストンのメチル化酵素
WHSC1 は、様々な転写制御因子と協
調して遺伝子発現を制御し、その異常はヒ
ト 4 番染色体欠損による 4p- 症候群を引
き起こします。本研究では疾患モデルマウ
スなどを用いて Whsc1 の機能解析を行
い、転写制御因子と細胞核構造を機能的に結びつけたヒス
トン修飾による普遍的な遺伝子発現調節機構を解明すること
を目指します。さらに転写異常疾患の発症機構や個人差、
細胞未分化性の問題をヒストン修飾制御から明らかにします。
有吉眞理子
研究総括
ヘテロクロマチン確立メカニズムの解明
ヘテロクロマチン修飾除去
メカニズムの解析
佐瀬英俊
沖縄科学技術大学院大学植物エピジェネティクスユニット 准助教
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所総合遺伝研究系 助教
不活性化した遺伝子は DNA メチル化
やヒストンの修飾といったヘテロクロマチ
ン修飾を伴っており、再活性化のために
はこれらの修飾が除去される必要があり
ます。しかしながらその重要性にも係わ
らずこのヘテロクロマチン修飾除去メカ
ニズムについてはほとんど理解が進んでいません。 本研
究では遺伝学的解析に優れた植物をモデル系として、多
くの生物に共通したヘテロクロマチン修飾除去メカニズム
の解明を目指します。
御機構をいろいろな角度から追求し、明らかにする、
挑次
2 )エピジェネティクスの個体差・多様性を探るとと
もに、エピジェネティクスの異常にもとづく疾患の解
析を行なう、 3 )エピジェネティクスの解析や制御に
資する技術の開発を行う、といった課題が考えられま
す。
領域アドバイザー
牛島 俊和
角谷 徹仁
金児−石野 知子
古関 明彦
国立がん研究センター研究所 上席副所長
国立遺伝学研究所総合遺伝研究系 教授
東海大学健康科学部 教授
理化学研究所統合生命医科学研究センター
免疫器官形成研究グループ グループディレクター
佐々木 裕之 九州大学生体防御医学研究所 所長/教授
白髭 克彦 東京大学分子細胞生物学研究所 教授
眞貝 洋一 理化学研究所主任研究員研究室
眞貝細胞記憶研究室 主任研究員
田嶋 正二
中西 理
大阪大学蛋白質研究所エピジェネティクス研究室 教授
広瀬 進
国立遺伝学研究所 名誉教授
医薬基盤研究所創薬支援戦略室(iD3)
西日本統括部長
化学基盤高性能 DNA メチル化
可視化系の確立
岡本晃充
東京大学先端科学技術研究センター 教授
理化学研究所岡本独立主幹研究ユニット 独立主幹研究員
エピジェネティクス制御化合物の
創製と応用
鈴木孝禎
京都府立医科大学大学院医学研究科 教授
名古屋市立大学大学院薬学研究科 講師
エピジェネティクスの異常に基づく疾患
の解析を効率的・定量的に行うための、
DNA メチル化のイメージング解析に資
する技 術の開 発を行います。ここでは、
DNA メチル化部位を配列選択的に可
視化する系を化学的に構築します。 研
究者が有する化学的知見に立脚して、任意の DNA メチ
ル化領域を in vitro 系、 in vivo 系で蛍光イメージング
する手法にまで展開し、エピジェネティクス研究のブレーク
スルーをもたらす技術を開発します。
エピジェネティクス制御化合物は、生命
現象を理解するための重要なツールとな
り、治療薬として応用できる可能性があ
ります。 本研究では、エピジェネティク
ス機構において重要な役割を担うヒスト
ン脱アセチル化酵素、ヒストン脱メチル
化酵素の特異的阻害剤を創製します。 つぎに、得られた
低分子阻害剤の疾患モデルに対する効果を観察すること
で、エピジェネティクスが関与する疾患のメカニズムを理解
し、疾患の治療指針を導き出します。
エピジェネティックな遺伝子発現
切り替わりメカニズムの解明
Gene body メチル化の生物学的意義と
沖 昌也
福井大学大学院工学研究科 准教授
同上
酵 母をモデ ル 生 物として 用 い、 同じ
DNA 配列を持っているにも関わらず分
裂を繰り返すと遺伝子の発現状態が変
化する領域を見いだしました。この領域
に蛍光タンパク質 EGFP を挿入し、単
一細胞における遺伝子発現切り替わり
の状態を観察した結果、数世代維持された後に切り替わ
り、再び数世代維持された後に切り替わることを明らかに
しました。 本研究では、このエピジェネティックな現象につ
いての分子レベルでのメカニズム解明を目指します。
分子機構の解明
鈴木美穂
自然科学研究機構基礎生物学研究所
発生生物学領域 招へい研究員
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 研究員
近年、網羅的手法によりヒト全ゲノムに
おける DNA メチル化の解析が進められ
ています。その過程で、 DNA メチル化
は“ gene body ”つまり遺 伝 子 の 転
写領域部分に集中して付加されているこ
とが明らかにされました。 本研究は無脊
椎 動 物 カタユウレイボヤをモデ ル に、
gene body メチル化の分子機構と機能を解明し、DNA
メチル化に新たな意義付けを見出すことで従来の真核生
物の基本転写制御研究に一石を投じます。
●扉絵は、エピジェネティクス制御に重要な役割を果たす様々なクロマチン形態・修飾と、生物(生命)との関連をイメージした
ものです。(岡田由紀研究者提供)
38
次
哺乳類の初期発生を制御する
メチル化エピゲノムの解明
立花 誠
挑
神経変性疾患における
系統的網羅的エピジェネティクス解析
徳島大学疾患酵素学研究センター 教授
京都大学ウイルス研究所 准教授
岩田 淳
ヒストンのメチル化は DNA のメチル化
と共に、高等真核生物の主要なエピジェ
ネティックマークの 1 つです。 DNA の
メチル化は哺乳類の胚発生を通してダイ
ナミックに変 動することが分かっている
一方で、ヒストンのメチル化修飾の動的
変動に関しては不明の部分が多くあります。本研究によっ
て、哺乳類の初期発生におけるヒストンのメチル化修飾
のダイナミズムを明らかにし、その生物学的な意義を明ら
かにします。
発生を制御するヒストン修飾動態の
in silico 解析
東京大学大学院医学系研究科 特任准教授
同上
夏目やよい
ヒトの脳は生まれたときから持つ遺伝情
報設計図を利用して、常に最適化しな
がらダイナミックに変化しつつ成長します
が、その過程でどのように設計図を利用
しているか、その内容自体に変化はない
のか等、その機構は全く不明です。 本
研究では、老化や成長過程における設計図のエピジェネ
ティックな変化や異常が、アルツハイマー病やパーキンソ
ン病といった神経変性疾患の発症原因と関係するのでは
ないとかという仮説を立て、その検証をめざします。
科学技術振興機構 さきがけ研究者
京都大学化学研究所 特定研究員
DNA を巻き取っているヒストンには、遺
伝 子の働きを調 節するために様々な物
質が結合(修飾)します。 近年、ヒス
トン修飾には非コード RNA が関わって
いることがわかってきました。 本研究で
は、ショウジョウバエの卵から成虫にな
る段階においてヒストン修飾がどのように変化していくの
か、非コード RNA がどのように関わっているのか、その
変化が発生をどのように調節しているのかを情報科学の
手法を用いて網羅的に明らかにします。
次
クロマチンのメチル化修飾消去機構の
解明
九州大学生体防御医学研究所感染ネットワーク研究センター 准教授
同上 助教
中央研究院植物及微生物学研究所 博士研究員
アイルランド国立大学ゴールウェイ校 リサーチ・アソシエート
西村泰介
長岡技術科学大学生物系・技学イノベーションセンター 准教授
ジュネーブ大学 上級研究員
細 胞のリプログラミングは生 命の発 生、
再 生の本 質 的な制 御であり、きわめて
重要です。しかし、リプログラミングのメ
カニズムは解明されておらず、その最大
の謎がクロマチンのメチル化 修 飾 消 去
機構です。 本研究では、その制御因子
を探索、同定し、制御因子の生物学的な作用を分子レ
ベル・細胞レベル・個体レベルで解析し、リプログラミン
グにおけるクロマチンのメチル化修飾消去機構の解明を
目指します。
植物は RNA 分子を介してその塩基配
列と相 補 性を持つ DNA 領 域に DNA
のメチル化を導入し、遺伝子発現を制
御する機構を持っています。しかし、現
在のところ、 RNA 分子がどのような分
子 機 構によってメチル化の対 象となる
DNA 領域を見つけるのか不明です。 本研究では、遺伝
学 的 手 法を用いて RNA 分 子がメチル化の対 象となる
DNA 領域を見つけるために必要なタンパク質因子を同定
し、その分子機構の解明をめざします。
DNA メチル化は動 物と植 物で共 通に
観察されるクロマチン修飾の一つで、遺
伝子の発現を制御することが知られてい
ます。しかし DNA メチル化がどのように
クロマチン構 造を変 化させて、 遺 伝 子
の発現を制御するのか、その機構はほ
とんど明らかにされていません。 本研究では、植物を研究
材料とした遺伝学的アプローチによって単離された突然
変異体を用いて、 DNA メチル化の下流で働く因子を同
定し、その作用メカニズムの解明をめざします。
新規ポリコーム群・トリソラックス群の
探索
エピジェネティクス制御の
多様性と進化
腸内共生系における
エピジェネティックな免疫修飾
西岡憲一
佐賀大学医学部 助教
同上
各種幹細胞の分化段階では、それぞれ
に特異的なマスター制御遺伝子が細胞
の運命を決定しています。このマスター
制御遺伝子の発現を調節するのがポリ
コーム群・トリソラックス群と呼ばれる遺
伝 子 群の産 物です。 近 年、 幹 細 胞の
分化だけではなく、がん細胞の悪性化にも係わっているこ
とが明らかになってきました。 本研究では、新規の哺乳類
ポリコーム群・トリソラックス群遺伝子を網羅的に同定す
ることによって幹細胞研究の基盤を強化します。
平成
Immortal DNA 機構解明への挑戦
年度採択研究者[2期生]
22
菅野達夫
DNA メチル化の下流で働く
作用メカニズムの解明
飯田哲史
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 助教
同上
染色体複製によって生じた姉妹染色体の
うち一方の鋳型 DNA 鎖に由来する染色
体を特異的に選択する染色体分配は、し
ばしば非対称な細胞分裂で観察され、幹
細胞における細胞の分化や老化抑制の制
御に関与している可能性が考えられます。
本研究では酵母をモデルとして、さまざまな生物種に応用可
能な染色体の鋳型 DNA 鎖同定技術を確立し、鋳型 DNA
鎖選択型の染色体分配を制御する新しいエピジェネティクス
制御機構の解明をめざします。
北野 潤
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 特任准教授
東北大学大学院生命科学研究科 助教
長谷耕二
慶應義塾大学薬学部 教授
理化学研究所免疫系構築研究チーム 上級研究員
表現型可塑性や性染色体転座は、ヒト
においても見られる普 遍 的な現 象です。
本研究では、トゲウオ科魚類のイトヨを
モデル生物として、表現型可塑性のエ
ピジェネティクス機構、さらに、性染色
体転座がエピジェネティクス制御に与え
る影響を明らかにし、エピジェネティクス制御の集団間変
異の適応的意義と進化遺伝機構の解明をめざします。
免疫系は最も高度に発達した高次生命
システムの一つです。 近年、免疫系の
成立においてエピジェネティックな制御
が必須な役割を果たすことが明らかにな
りつつありますが、その仕組みには不明
な点が数多く残されています。 本研究で
は共生細菌による免疫エピゲノム修飾機構を明らかにす
ることで、免疫関連疾患の病態解明と治療技術の確立
へ向けた分子基盤の構築をめざします。
がんの組織多様性に関わる
エピジェネティクス可塑性とその制御機構
セントロメアを規定する新規エピジェネ
ティックマーカーの探索と同定
近藤 豊
名古屋市立大学大学院医学研究科 教授
愛知県がんセンター分子腫瘍学部 室長
堀 哲也
固形がんは腫瘍内で組織多様性を示す
ことが多く、高い転移・浸潤能を持った
細胞が存在すると治療上で大きな問題
となります。 本研究では、組織多様性
を獲 得する機 序ががん細 胞 の 可 塑 性
( 柔 軟 性 )に起 因すると考え、 臨 床 検
体およびマウスモデルを用いて、発がんの早期からがん
細胞の可塑性を制御するエピジェネティクス機構について
解析します。さらにその分子基盤を標的とした小分子化
合物を同定し、革新的ながん治療法の確立をめざします。
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 助教
同上
細胞分裂において生物が正確な染色体
分 配を行なうためには、セントロメアが
重要な働きを担います。セントロメアの
形 成は、 DNA 配 列に依 存しない、エ
ピジェネティックな分子機構によると考え
られています。しかし、何を目印に多数
のセントロメアタンパク質がセントロメア領域へ集合してい
るのか不明です。 本研究では、セントロメアを規定する目
印を探索・同定し、セントロメアの形成メカニズムの解明
をめざします。
5
次
細胞運命に関わるポリコーム群制御の
切り換え機構
磯野協一
理化学研究所統合生命医科学研究センター 上級研究員
理化学研究所免疫器官形成研究グループ 上級研究員
クロマチンの高次構造に影響を与えるポ
リコーム群タンパク質は多くの分化関連
遺伝子を抑制します。そのポリコーム群
による抑制とその解除は細胞運命の決
定に必要ですが、その分子制御機構は
十分に理解されていません。 本研究で
は、生細胞内で形成されるポリコーム群構造体に注目し、
その形態変化によるポリコーム群の制御機構と、その形
態変化が分化シグナルによって誘導されることを解明しま
す。
小分子 RNA による
エピゲノム形成の分子機構
齋藤都暁
慶應義塾大学医学部 准教授
同上
多細胞生物のゲノムは膨大な転移因子
に占められています。 転 移 因 子はその
名前が示すようにゲノム内を転移するこ
とでコピー数を増大させます。 生物はゲ
ノムにとって脅威となる転移因子を抑制
する機構を持っており、最近、小分子
RNA が転移因子の抑制過程に関与することが発見され
ました。 本研究ではモデル動物としてショウジョウバエを用
い、小分子 RNA による転移因子の抑制機構を分子レ
ベルで解明します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
エピジェネティクス
束田裕一
RNA シグナルを介した DNA の
メチル化の分子機構の解明
両生類の再生を支える
エピジェネティクス機構の解明と応用
牧 信安
科学技術振興機構 さきがけ研究者
デイトン大学 上級研究員
イモリなどの両生類は我々と同じ脊椎動
物であるにもかかわらず、高い再生能力
を持ち、体のほとんどの組織を再生でき
ます。この高い再生能力は、脱分化・
分化転換などのユニークな生命現象に
よって支えられています。 本研究では、
両生類の再生機構をエピジェネティックな視点で解明し、
再生医療への応用をめざします。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
39
哺乳類細胞を用いたヒストンの
逆遺伝学的解析技術の開発
山口雄輝
東京工業大学大学院生命理工学研究科 教授
東京工業大学大学院生命理工学研究科 准教授
ヒストンは多 様な化 学 修 飾を受けます。
この化学修飾がエピジェネティックな情
報を担っていると考えられますが、化学
修 飾を施す酵 素 群の研 究は進む一 方、
化学修飾を受ける側のヒストン残基自体
の機能解析は、技術的な理由により立
ち後れています。 本研究では、哺乳類細胞のヒストン残
基一つ一つの機能を明らかにする新しい実験系の開発を
行ない、エピジェネティクス研究を強力に推進する基盤技
術の確立をめざします。
平成
免疫細胞の運命維持における
エピジェネティック制御機構
年度採択研究者[3期生]
23
伊川友活
理化学研究所統合生命医科学研究センター 上級研究員
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター 研究員
X 染色体再活性化ライブイメージング
技術を用いた幹細胞研究
小林 慎
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京医科歯科大学難治疾患研究所 特任講師
X 染色体再活性化は、幹細胞の多能
始原生殖細胞の内因性リプログラミング
機構による幹細胞制御
林 克彦
九州大学大学院医学研究院 教授
京都大学大学院医学研究科 講師
性を評価できる指標として注目を浴びる
ようになりましたが、これまでのところ簡
便なモニター法は報 告されていません。
本研究では X 染色体の再活性化をライ
ブイメージングとして検出する方法を確立
し、それを利用し「リプログラミング」の実体の理解を目
指します。 研究の成果はヒト ES 細胞の効率的な作製に
寄与すると期待でき、再生医療の発展に大きな影響を与
える可能性があります。
次世代の個体を作るための生殖細胞は、
最終的に全能性をもつ配偶子になるた
めに、発生・分化の過程で構築された
エピゲノムを再構築(リプログラミング)
しています。 本研究では、独自の培養
系を用いて、生殖細胞の源である始原
生殖細胞がもつ内因性リプログラミング機構が iPS 細胞
のエピゲノムの再構築、多能性の維持、および生殖幹
細胞への分化や個体発生能にどのように影響するか、そ
の解明を目指します。
ヒストン修飾の動態を
可視化検出するための系の確立
三胚葉分化直前の条件的
ヘテロクロマチン形成の発生生物学的意義
佐々木和樹
科学技術振興機構 さきがけ研究者
科学技術振興機構 ERATO 宮脇時空間情報プロジェクト 研究員
平谷伊智朗
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター チームリーダー
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 助教
T 細 胞 及び B 細 胞は感 染 防 御におい
て中心的な役割を果たしています。これ
らリンパ球(免疫細胞)は骨髄幹細胞
から作られますが、その分化・成熟過程
においてそれぞれの細胞の運命がどのよ
うに制御・維持されるのか明らかではあ
りません。 本研究では、 T 細胞及び B 細胞の生成過程
において、その運命がエピジェネティックにどのように制御
されているのかを解明する事を目指します。
エピジェネティクスは遺伝子の塩基配列
によらない発現制御機構であり、ヒスト
ンのアセチル化・メチル化・リン酸化な
どの化学修飾がその中心の一つを担っ
ていると考えられています。このヒストン
の化学修飾を可視化検出することを可
能にする蛍光プローブをシリーズで揃え、分化誘導・再
生の際に細胞内で起きるエピジェネティックな動態変化を
解明することを目指します。
マウス初期発生時期に形成される条件的
へテロクロマチンは、その後の発生・分
化過程を通して体細胞において安定的に
維持されるため、細胞の分化状態の維持
に関与していると考えられますがその詳細
はほとんど明らかになっていません。 本研
究では、この初期発生時期に起こる条件的ヘテロクロマチ
ン形成の分子基盤を解明し、これを人為的に操作することで
その発生生物学的意義を明らかにすることを目指します。
環境変動にともなう転移因子と
宿主のゲノム応答
複合体解析から挑む
動的エピゲノム制御と多様性
記憶タグとして機能する
エピジェネティクスの解明
伊藤秀臣
北海道大学大学院理学研究院 助教
同上
田上英明
名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科 准教授
同上
平野恭敬
京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター 特定准教授
(財)東京都医学総合研究所運動・感覚システム研究分野 客員研究員
本研究では環境ストレスにより活性化す
るトランスポゾンと宿主ゲノムの遺伝的
なゲノム変化とエピジェネティックな変化
を総 合 的 に理 解することを目指します。
現在までに高温ストレスで転移したトラン
スポゾンを含む子孫でストレス耐性が得
られています。この個体にどのような遺伝的、もしくはエピ
ジェネティックな変化が起きているのかを調べ、また、その
トランスポゾンの転移制御が、いつ、どこでおこるのかを
植物の組織レベルで解析します。
エピジェネティクスは可塑的でありながら、
ダイナミックな平衡状態にあります。 本
研 究では、 新 規クロマチン制 御 因 子
HiTAP1 の分 子 機 能から細 胞 増 殖や
寿 命といった生 命 現 象との 関 連 性と、
酵母から植物、ヒトにおけるエピゲノム
制御の共通性や多様性を明らかにします。さらに、エピゲ
ノム機能制御システムのスナップショット複合体解析を行
い、新しい解析ツールを用いた生化学的スクリーニング法
の開発を目指します。
人を含めた動物は、記憶を獲得し、獲
得した記憶を正確に保持することで、記
憶 に 即した 行 動をとることができます。
人においては、 過 去のあらゆる記 憶を
保持することにより、人格が形成される
といっても過言ではないでしょう。しかし
ながら、記憶保持のメカニズムは驚くほどわかっていませ
ん。 本研究では、エピジェネティクスが今まで謎であった
記憶保持メカニズムの一つであるという新しい概念の提唱
を目標とします。
気分障害患者脳試料における
シトシン修飾状態の解析
FACT を介したクロマチンリモデリング
ヒストン糖修飾を介する
エピジェネティクスの制御機構
5挑
岩本和也
東京大学大学院医学系研究科 特任准教授
同上
津中康央
科学技術振興機構 さきがけ研究者
国際高等研究所 アシスタントフェロー
藤木亮次
かずさ DNA 研究所ヒトゲノム研究部 博士研究員
東京大学分子細胞生物学研究所 助教
重篤な精神疾患である双極性障害や大
うつ病の発症の分子メカニズムはほとん
ど明らかにされていません。 近年の研究
により、様々な環境要因が脳内のエピ
ジェネティックな状態に影響を与えてい
る可能性が示唆されています。 本研究
では、主にヒト死後脳試料を用い、気分障害とエピジェネ
ティクスとの関わりの解明を目指します。また、得られた
知見を基に診断・鑑別に資するバイオーマーカーの探索
を行います。
エピジェネティックな遺伝子発現制御は
クロマチンの動的構造変化に依存して
行われるために、その分子機構を理解
する事が分子生物学における重要な研
究課題であります。 本研究では、クロマ
チン構造変換過程において中心的役割
を果たし、エヒジェネティックな遺伝子発現制御にも関与
しているリモデリング因子 FACTを介したクロマチンリモデ
リング機構を立体構造の観点から明らかにする事を目指し
ます。
ヒストン修飾は、 DNA のメチル化となら
び、エピジェネティクスの制 御を支える
大きな柱です。 本研究では、最近見出
したヒストンの糖修飾について、これを
解析する抗体ツールの開発とその生物
学 的 意 義の解 明を目指します。さらに、
ヒストン糖修飾とその他修飾のクロストークを明らかにする
目的で、クロマチン免疫沈降法( CHIP )と高感度質量
分析( MS )を組み合わせた CHIP-MS 法の新規開発
にも挑戦します。
エピジェネティック治療を目指した
心不全の病態解明
コヒーシンによるクロマチン構造変換の
可視化と制御機構の解明
転写抑制機構の解明
金田るり
慶應義塾大学医学部 特任講師
同上 特任助教
慢性心不全の病態において「エピジェ
ネティック変化 」が重要であることが明
らかになってきました。 正常心と不全心
とでは核内ヒストン蛋白 H3 リシン 4 お
よびリシン 9 のトリメチル化領域の分布
が大きく異なります。 本研究では「心不
全特異的エピジェネティック変化 」に焦点をあて、ヒスト
ン修飾酵素阻害薬による心不全新規治療法の開発を目
指すとともに、疾患特異的ヒストン修飾を制御する機能
性 RNA の同定を試みます。
40
機構の構造基盤
西山朋子
名古屋大学高等研究院 特任講師
ウィーン分子病理学研究所 博士研究員
姉妹染色分体間の接着に不可欠である
コヒーシンは、近年、その転写制御因
子としての重要性が明らかにされつつあ
ります。コヒーシンによるクロマチンの高
次構造変換が転写制御を可能にしてい
ると推測されていますが、直接的な証拠
はなく、その分子メカニズムは謎に包まれています。 本研
究ではコヒーシン依存的なクロマチンの構造変換を直接
可視化することで、コヒーシンによる遺伝子発現制御メカ
ニズムの解明を目指します。
Long non-coding RNA による
増井 修
理化学研究所統合生命医科学研究センター 研究員
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター 研究員
ゲノム DNA から転写される RNA の大
半はタンパク質をコードしておらず、それ
らはノンコーディング RNA と呼ばれてい
ます。 近年、ノンコーディング RNA の
多くがゲノム上の転写を調節する役割を
果たしていることが明らかになってきてい
ますが、その作用メカニズムはよく分かっていません。 本
研究では X 染色体不活性化を引き起こす Xist RNA を
モデルとして、他のノンコーディング RNA に共通する転
写調節機構の解明を目指します。
20
戦略目標
iPS 法と核移植法の比較による
年度採択研究者[1期生]
http://www.ips-s.jst.go.jp/index.html
平成
iPS 細胞と生命機能
荒木良子
細胞リプログラミングに立脚した幹
細胞作製・制御による革新的医療
基盤技術の創出
細胞リプログラミング技術を用いた
免疫細胞再生医療の開発
初期化機構の解明
放射線医学総合研究所研究基盤センター 室長
同上 先端遺伝子発現研究グループ チームリーダー
独自に開発してきた 2 つの技術を用い
て、
「 iPS 」生成に伴うトランスクリプトー
ムの変 化をウイルス感 染 直 後から、 更
に、もうひとつの有効な初期化法である
「核移植」で生じるエピジェネティックな
変化を網羅的に解析します。 両者の結
果の比較から、初期化に関与する遺伝子の同定を試み、
iPS 生成の分子レベルでの理解にチャレンジします。
北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
清野研一郎 聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター 准教授
癌や感染症に対する新規免疫細胞療法
の開発において iPS 細胞を利用した再生
医療的アプローチが期待されます。しかし、
現 在の技 術では、 皮 膚 細 胞 等 由 来の
iPS 細胞からは治療に必要な有用免疫細
胞を狙い通り作り出すことは難しいものがあ
ります。本研究では iPS 細胞作製法に免疫細胞の遺伝子
再構成という特徴を活かした新しいコンセプトを導入することで
“欲しい”免疫細胞を大量に調製する技術を確立し、画期的
な新規免疫細胞療法を開発することを目指します。
次
多発性嚢胞腎患者由来の
iPS 細胞を用いた病態解析
西川 伸一
JT生命誌研究館 顧問/ NPO オール・アバウト・サイ
エンス・ジャパン(AASJ)
代表理事
研究総括補佐
山中 伸弥
京都大学 iPS 細胞研究所 所長(∼ H22.3)
本研究領域は、 iPS 細胞を樹立する技術によっ
て大きなブレークスルーがもたらされると考えられる分
野、すなわち、細胞のリプログラミング、分化転換、
幹細胞生物学などを対象とします。これまでにはない
富澤一仁
多 発 性 嚢 胞 腎は、 腎 嚢 胞 のみならず、
肝膵臓の嚢胞や脳動脈瘤など、多彩な
臓 器 に症 状を生じる遺 伝 性 疾 患です。
動物モデルを用いた研究が行われてい
ますが、未だ有効な治療法は存在しま
せん。 本 研 究では、 同 疾 患の複 数の
患者皮膚より iPS 細胞を樹立し、腎臓、肝臓、膵臓及
び血管に分化させ、試験管内で嚢胞や動脈瘤形成を模
倣するモデル系を構築します。この系を用いて、詳細な
病態解析、新規治療薬のスクリーニング等を行います。
iPS 細胞を臨床応用するためには、iPS 細胞
の安全性が十分保証されている必要性があり、
ウイルスベクターを使用しない安全な iPS 細胞
作製技術が望まれています。本研究では、遺
伝子を導入するのではなく、遺伝子産物である
蛋白質を直接細胞に導入することにより iPS
細胞を作製する技術開発を行います。蛋白質を導入した場合、染
色体への影響が無く、また速やかに分解されるため長期間細胞に
影響を及ぼしません。本研究を通して安全な iPS 細胞作成技術を
開発し、iPS 細胞の臨床応用に繋げたいと考えています。
体細胞核移植における
リプログラミング促進技術の開発
任意細胞の樹立法開発
岸上哲士
近畿大学生物理工学部 教授
同上 講師
升井伸治
体細胞クローンや iPS 細胞の作製技術
はともに体細胞をリプログラミングして全
能 性 や 多 能 性をもたせる技 術ですが、
効率が低いという共通の問題を抱えてい
ます。 本研究では、これまでに研究者
が開発に成功したヒストン脱アセチル化
酵素阻害剤( HDACi )を用いた新しい体細胞クローン
技術の成果をもとに、新規リプログラミング促進技術の開
発を目指します。
自由で創 意に満ちた発 想による基 礎 研 究とともに、
医療などに将来貢献できる基礎研究も対象とします。
具体的には、 1 )リプログラム機構の分子レベル
熊本大学大学院生命科学研究部 教授
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 准教授
京都大学 iPS 細胞研究所 講師
国立国際医療センター研究所細胞組織再生医学研究部 室長
再生医療を行う上で、移植する細胞を
患者自身の体細胞から直接誘導できれ
ば、治療を受けるまでの時間は大幅に
短縮され、拒絶反応の心配も無くなりま
す。 人工的に細胞の性質を変えるため
にはいくつかの遺伝子をセットで作用さ
せることが必要ですが、そのセットを決められる方法がない
ため、どれを作用させればいいのかわかりませんでした。こ
の研究では、 iPS 細胞の作製技術を応用することで遺伝
子セットを決める方法の開発を行います。
5
での解 析に基づくリプログラミング技 術の高 度 化・
iPS 細胞を用いたヒト疾患
簡便化、 2 )幹細胞分化転換過程の解析と人的調
モデルマーモセット作製法の確立
節、 3 )iPS 細胞を用いたエピジェネティック過程の
佐々木えりか(財)実験動物中央研究所マーモセット研究部 室長
松田 修
サル類の ES 細胞はキメラ個体形成能
力を持たないため、 ES 細胞を用いた遺
伝子改変疾患モデルの作出は実現して
いません。 iPS 細胞は再生医療に重要
な役割を果たすだけではなく、 ES 細胞
に代わって発生工学の重要なツールとな
ると考えられます。 本研究によって iPS 細胞を用いて、よ
りヒトに近いサル類のヒト疾 患モデル動 物が作出されれ
ば、再生医療技術の臨床開発において精度の高い有効
性・安全性の評価が可能になると期待されます。
現在、iPS 細胞の誘導にはレトロウイル
ス・ベクターが用いられていますが、臨
床に応用する際には、ホスト染色体へ
のインテグレーションに起因する発癌な
どの有害事象が問題となります。 本研
究は、効率のよい安全で新しい iPS 細
胞の誘導技術を、非ウイルス的な方法を用いて確立する
ことを目指します。
肝細胞分化関連遺伝子の導入による
皮膚細胞からの肝細胞作製技術
リプログラミングによるがん細胞エピジェネ
ティック異常の起源解明とその臨床応用
分子機構解析、 4 )iPS 細胞を駆使する疾患発症
機構の解析、 5 )ヒト疾患モデルの構築などの研究
が含まれます。
領域アドバイザー
石野 史敏
岡野 栄之
相賀 裕美子
中内 啓光
丹羽 仁史
東京医科歯科大学難治疾患研究所 教授
iPS
研究総括
京都大学 iPS 細胞研究所 准教授
科学技術振興機構 ICORP 研究員
エピジェネティクス
長船健二
蛋白質導入法による
iPS 細胞作製技術開発
(公財)実験動物中央研究所応用発生学研究部 部長
非ウイルス的手段による
iPS 誘導法の確立
京都府立医科大学大学院医学研究科 教授
同上 准教授
慶應義塾大学医学部 教授
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 教授
東京大学医科学研究所 教授
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター
プロジェクトリーダー
自治医科大学分子病態治療研究センター 教授
花園 豊
春山 英幸 第一三共 RD ノバーレ(株) 代表取締役社長
鈴木淳史
九州大学生体防御医学研究所 教授
九州大学生体防御医学研究所 特任准教授
近年、細胞の周辺環境や遺伝子発現パ
ターンに人為的操作を加えることで、その
細胞がおかれた分化状態を強制的にリセッ
トして全く別の機能を持つ細胞を生み出せ
ることが明らかとなりました。この新知見に
基づき、本研究では皮膚細胞に適切な遺
伝子導入と培養条件を提供することで、皮膚細胞から肝細
胞を直接作製する技術を開発します。将来的には患者本人
の皮膚細胞から肝細胞を作製し、移植や薬剤反応性テスト
の生体材料に用いることを目指します。
山田泰広
京都大学 iPS 細胞研究所 教授
岐阜大学大学院医学系研究科 講師
塩基配列の異常を伴わない、エピジェネ
ティック異常が、発がんに重要な役割を
果たしていることが明らかになりつつあり
ます。 本研究では、リプログラミングの
技 術を用いて、がん細 胞のエピジェネ
ティック異常をリセットすることを試みます。
リセット後のがん細胞のエピジェネティック修飾変化を解析
することで、がんにおけるエピジェネティック異常の起源を
同定し、その知見を新たながん治療開発へと発展させるこ
とを目指します。
●扉絵は、多能性因子を体細胞に導入することにより樹立された iPS 細胞(induced pluripotent stem cell:人工多能性
幹細胞)において、そのコロニーの中心より iPS 細胞が分化しているさまをイメージしたものです。(原案提供:山中伸弥教授)
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
5 5 年型 挑 大挑戦型 次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
41
平成
5
年度採択研究者[2期生]
Klf ファミリーによる
21
生殖細胞の特性に基づく新しい
リプログラミング手法の開発
幹細胞機能制御の分子機構
依馬正次
滋賀医科大学動物生命科学研究センター 教授
筑波大学大学院人間総合科学研究科 講師
本研究は、繊維芽細胞の iPS 細胞へ
の初 期 化や ES 細 胞の幹 細 胞 機 能に
極めて重要な転写因子である Klf5 によ
る、内部細胞塊の ES 化の分子機構を
解 明するとともに、 内 部 細 胞 塊から原
始外胚葉への遷移の分子機構を明らか
にします。また、ヒト iPS 細胞を、より未分化な細胞に
変換することで、より扱いやすいヒト多能性幹細胞の開発
を目標にします。
永松 剛
九州大学大学院医学研究院 助教
慶應義塾大学医学部 助教
渡部徹郎
生殖細胞は次世代に遺伝子を繋ぐ唯一
の細胞であり、受精を経て再び全能性
を獲得することができます。 生殖細胞は
iPS 細胞や ES 細胞などの多能性幹細
胞との類似点も多くあります。これまで
に生殖細胞で発現している機能因子に
よって体細胞を多能性幹細胞にリプログラミングし得ること
を見出しました。さらに生殖細胞から得られる知見を体細
胞リプログラミングにおいて検討し、メカニズムの解明やよ
り良いリプログラミング方法の確立を目的とします。
5
科学技術振興機構 さきがけ研究者
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 研究員
房木ノエミ ディナベック(株)細胞治療・再生医療ユニット リーダー
iPS 細胞は体細胞に多能性関連因子
を人為的に導入することで誘導されまし
たが、多細胞生物は生体内において多
能性細胞を体細胞から得る戦略を採りま
せん。 多 能 性とは生 体 内 においては、
本 来 的には生 殖 細 胞 系 列で潜 在 的に
維持される性質であるという概念の下、始原生殖細胞に
おける多能性関連遺伝子の制御機構、後成ゲノム情報
再編集機構を分子レベルで解析し、 iPS 細胞誘導過程
の分子機構との統一原理の解明を目指します。
センダイウイルス (SeV) ベクターは細胞
質増殖型で非染色体組込型を特長とす
る、純国産 RNA ウイルスベクターです。
SeV ベクターを用いてヒト iPS 細胞を
効 率よく誘 導し、「 染 色 体が 無 傷 の 」
外来因子フリーな iPS 細胞取得に成功
しました。この技術を更に発展させるための検討と、適応
細胞種の拡大、また SeV ベクターの有用細胞分化技術
への応用をはかり、 iPS 細胞の再生医療応用への加速
化に貢献します。
iPS 技術による
順遺伝学による
iPS 細胞生成機構の解析
大日向康秀
科学技術振興機構 さきがけ研究者
遺伝性血管疾患の発症原因として、遺
伝子変異という遺伝的要因と他のエピ
ジェネティック要因の主にどちらに起因す
るのか不明な場合が多く、治療法開発
の妨げになっています。 本研究では病
的状態にある血管内皮細胞から iPS 細
胞を作製することで、まずエピジェネティック要因を除外し、
そこから得られた血管内皮細胞を解析することにより、病
態発症が何に起因しているか特定し、新規治療方法の
開発を目指します。
22
染色体異常症候群における
合併症の発症メカニズムの解明
年度採択研究者[3期生]
センダイウイルスベクターを用いた安全な
iPS 細胞作製と分化誘導
東京薬科大学生命科学部 教授
東京大学大学院医学系研究科 准教授
平成
5挑
始原生殖細胞形成機構と
iPS 誘導機構の統一原理
リプログラミング技術を用いた
遺伝性血管疾患の新規治療標的の同定
北畠康司
大阪大学大学院医学系研究科 助教
同上 医学部附属病院 特任助教
ダウン症候群をはじめとする染色体異常
症ではさまざまな合 併 症が見られます。
しかしこれらの症状が染色体のどのよう
な作用によって起こるのかについてはよ
く分かっていません。 本 研 究では染 色
体異常症候群における合併症の発症メ
カニズムの解明を目指し、疾患特異的ヒト iPS 細胞を用
いて解析を行います。 将来的にはこれをさらに発展させ、
臨床的知見に基づいた小児難治性疾患の病態解明と治
療法の確立を目指します。
5
血液、血管内皮細胞の誘導
片岡 宏
科学技術振興機構 さきがけ研究者
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 研究員
iPS 細胞から効率的かつ生理的な状態
に近い血液細胞を試験管内で誘導する
ことを目標とします。 新規に見出した遺
伝 子 発 現 調 節 因 子 etv2 を iPS 細 胞
に導入してより生理的な血液、血管細
胞の誘導が可能と考えています。 etv2
は血液、血管系の細胞に運命決定された最も初期の集
団に一過性に発現するマーカーであり、これを指標に血
管、血液の前駆細胞を iPS 技術を応用して純化、大量
培養し組織再生に使用可能とすることを目指します。
リプログラミングを制御する
クロマチン因子の作用機序の解明
栗崎 晃
産業技術総合研究所幹細胞工学研究センター チーム長
同上 器官発生工学研究ラボ 主任研究員
堀江恭二
奈良県立医科大学医学部 教授
大阪大学大学院医学研究科 准教授
マウス培養細胞において、多数の遺伝
子を迅速に破壊する新たな技術を開発
しました。 本研究では、この技術を用い
て、 iPS 細胞生成過程を制御する遺伝
子群を同定することを目指します。この
方法は、個々の遺伝子に対する既成概
念を排除した上で遺伝子探索を行えることに特徴があり、
全く予想できない知見につながる可能性が高く、この特
徴を生かして、 iPS 細胞研究に新たな局面を切り開くこと
を目指します。
ウサギを用いた iPS 細胞総合
(完結型)評価系の確立
本多 新
宮崎大学テニュアトラック推進機構 テニュアトラック准教授
理化学研究所遺伝工学基盤技術室 協力研究員
現時点では体細胞から iPS 細胞を作り
出すには、 長 い 培 養 時 間を必 要とし、
その効率も低いことが問題となっていま
す。 本研究では、予備実験から DNA
の高次構造を緩めると考えられるクロマ
チンリモデリング因子を利用し、 iPS 細
胞化因子を効果的に細胞内で働かせるための地ならしが
できると考えられます。この方法を詳しく調べることによっ
て、これまで分からなかった iPS 細胞が作られる仕組みの
一部が明らかにできると期待されます。
本研究はヒト型の ES 細胞を生じるウサ
ギから iPS 細 胞 株を樹 立し、これを用
いた安全性評価系の充実を目指します。
ウサギから樹 立した iPS 細 胞 株を、 他
動物種で確立されたシステムにより分化
誘導し、ヒト型疾患モデルウサギに移植
した後に、その治療効果や安全性を検討します。 ES 細
胞だけでなく、核移植由来 ES 細胞との比較も可能であ
るウサギで総合モデルシステムを構築し、 iPS 細胞研究
を安全な医療応用へ導きます。
細胞リプログラミングの
段階的制御
細胞周期操作による
新規卵原幹細胞の樹立
疾患 iPS 細胞を用いた
大脳皮質構造形成メカニズムの解明
下島圭子
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京女子医科大学統合医科学研究所 研究生
本 研 究では、 微 細なゲノムコピー数 異
常が 脳 の 形 成 に与える影 響 について、
疾患特異的 iPS 細胞を用いて検証する
ことを目指します。 具体的には、これま
での研究でゲノムコピー数異常を明らか
にした脳形成障害をみとめた症例から疾
患特異的 iPS 細胞を樹立し、神経系細胞に分化誘導さ
せ、大脳皮質構造の形成メカニズムの解明と治療に向け
た研究を行います。
純然たるヒト iPS/ES 細胞の樹立、
維持および増殖機構の解析
高島康弘
ケンブリッジ大学 研究員
同上
本研究では、完全にリプログラミングされ
た真のヒト iPS 細胞を樹立し、ヒト胚性幹
(ES)細胞 /iPS 細胞の株間における多
様性のみならず、同一細胞株内における
不均一性という問題を解決する事を目標と
します。具体的には、完全にリプログラミ
ングされた iPS 細胞の効率的かつ簡便な樹立方法と培養条
件の確立、将来の再生医学研究の中心となるヒト ES/iPS
細胞の樹立、マウスやヒトという種間を越えた ES 細胞の維
持機構の理解を目指します。
5
佐藤 伸
岡山大学異分野融合先端研究コア 准教授
同上 助教
動 物にはリプログラミングを行える能力
が生来備わっています。 成体の分化し
た細胞が発生過程で得た運命決定を遡
ることで、再生に役立つ多分化能を持
つ細胞を作り出します。 本研究ではこの
リプログラミング機構を独自に発展させ
た画期的なモデル系を用いて追及します。リプログラミン
グの本質をとらえることで、リプログラミングの簡易化・高
度化に貢献します。
42
李 知英
東京医科歯科大学難治疾患研究所 特任講師
東京医科歯科大学歯と骨の GCOE 拠点 GCOE 特任講師
マウスの胎児期の雌生殖巣と卵巣また
は iPS 細 胞から、 卵 原 幹 細 胞の増 殖
能力を高めるため細 胞 周 期を操 作する
新たな方法を用いて卵原幹細胞の樹立
を行い、試験管内で卵原幹細胞から卵
子様細胞を分化誘導し、最終的にはこ
れらの卵子様細胞から体外受精による子孫作製を可能に
することを目指します。これらの研究が成功すれば、卵原
幹細胞と卵子様細胞の培養が可能となり、不妊治療や
再生医療にその技術が応用出来ると期待されます。
心臓細胞未分化性と
クロマチン結合因子群
竹内 純
東京大学分子細胞生物学研究所 准教授
同上
心筋分化過程で、未分化細胞維持機構の
理解や、一旦分化した細胞を心臓前駆細胞
あるいは心臓幹細胞に巻き戻す方法の開発
は、多くの組織再生・創製に寄与すると考え
られます。本研究では、エピジェネティックシ
グナルのクロマチン結合因子に着目し、心臓
前駆細胞・心臓幹細胞の誘導メカニズムを明らかにします。さら
に、線維芽細胞等から iPS 細胞を介さずに直接心筋のみならず
心臓構成細胞を誘導する方法を確立し、線維化症などで苦しむ
重症心不全患者の新しい治療法開発への貢献を目指します。
連鎖解析と iPS/ES 技術を用いた
遺伝性疾患遺伝子同定法の開発
伊達英俊
東京大学医学部附属病院 特任助教
同上
遺伝性疾患の原因遺伝子が存在する候
補領域を決定する連鎖解析は、家系の大
きさや同一疾患家系の集積に依存してお
り、単一家系での連鎖解析で候補遺伝子
を絞り込むことは非常に困難です。本研究
では、患者由来の細胞から iPS/ES 技術
を駆使して、in vitro で病変部位細胞を再現し、患者特異
的な転写産物と連鎖解析による候補遺伝子の 2 群に重複す
る遺伝子から一家系のみで疾患の原因遺伝子を効率よく同
定することを目指します。
人為的核内環境制御による
高品質 iPS 細胞の誘導
京都大学 iPS 細胞研究所 特定拠点助教
同上
iPS
堀田秋津
山中4因子による iPS 細胞誘導は非効率
でばらつきが大きいため、いかに高品質で
安全な iPS 細胞を再現性よく樹立出来る
かが大きな課題となっています。本研究で
は、低品質な iPS 細胞が高品質な状態
へ変換される過程において、種々の核内
構造変化が引き起される事に注目し、数々の候補因子を用い
てこれらの核内構造を人為的に操作することを試みます。核
内環境を ES 細胞に近づける事で、実用化に耐え得る新規
iPS 細胞作製法の開発を目指します。
挑
実験人類遺伝学の確立
武藤太郎
科学技術振興機構 さきがけ研究者
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 助教
本研究では、遺伝病をもたらす遺伝的変
異をヘテロ接合性で保持する1人のヒトか
ら、その変異遺伝子座を同定するための
遺伝学を展開する事を目標とします。具体
的には、変異の保持者の細胞を初期化し、
減数分裂を行わせ、染色体の相同組み
換えを起こした直後の細胞を改めて初期化します。このことに
より、遺伝的変異をホモ、ヘテロ、無しのいずれかで受け継
ぐ娘細胞クローンの集団を作製し、それらの遺伝学的解析に
より、疾患遺伝子座の同定を目指します。
リプログラミング技術で解く
細胞分化と時計機構の関係
八木田和弘
京都府立医科大学大学院医学研究科 教授
大阪大学大学院医学系研究科 准教授
概日時計は、ほぼ全身の細胞に備わって
いる基本的生命現象です。うつ病やがん
など様々な疾患との関連性が知られていま
すが、現在でも、概日時計の原理の理解
が不十分なため、外部環境の乱れが疾患
の発症につながる分子基盤はよく分かって
いません。 本研究では、ES 細胞の分化やリプログラミング
技術を応用した概日時計の成立機序の解析を通して、時計
機構の動作原理を明らかにし、環境適応の破綻が疾患につ
ながる仕組みの理解を目指します。
分化・発生を理解する
多次元定量計測技術の基盤開発
渡邉朋信
理化学研究所生命システム研究センター チームリーダー
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任助教
人 工 多 能 性 幹 細 胞( iPS 細 胞 )は、
生命倫理・拒絶反応問題を回避できる
幹細胞として、生物学・医療分野への
大きな貢 献が期 待されています。 本 研
究では、 iPS 細胞のリプログラミングや
分 化 誘 導を、 複 雑な遺 伝 子 発 現や蛋
白質間相互作用、あるいは、細胞間ネットワークの状態
遷移として記述し理解することを目的とし、 iPS 細胞の分
化・組織形成過程における蛋白質・細胞の「局在・機能・
動態の網羅的定量計測」技術の基盤開発を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
43
他者と自己の戦略的行動モニタリングと
20
その脳内情報表現
http://www.jst.go.jp/presto/bmi/
戦略目標
運動・判断の脳内情報を利用する
ための革新的要素技術の創出
年度採択研究者[1期生]
制御
5
平成
脳情報の解読と
磯田昌岐
関西医科大学医学部 准教授
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
実社会において意思決定や行動企画を
行うには、自己の行動情報(行動意図、
行 動 内 容、 行 動 結 果 )と他 者の行 動
情報を同時にモニターし、それらを統合
することが重要です。 本研究はこのよう
な自他行動のモニタリングとそれに基づ
く行動企画を実現する脳内メカニズムを明らかにします。
得られる知見は神経経済学などの応用脳科学分野に進
展をもたらし、また自他関係やコミュニケーションの脳科学
的理解を促進することが期待されます。
ドパミンーセロトニン相互抑制による
報酬・嫌悪情報処理機構
中村加枝
関西医科大学医学部 教授
同上
私たちが行動を決定する際、脳は、期
待される報酬と、罰やコストの量との両
方をバランスよく計算します。 本研究で
は、神経伝達物質であるドパミン・セロ
トニンが相互に関係しながらこの計算を
しているという仮説を、伝達物質を含む
神経細胞の発火パターンの記録や薬理学的実験によっ
て検証します。 検証結果に基づいて、新しい意思決定や
学習の働きを表わす回路図を提案し、それを応用した精
神疾患の治療に役立つ情報を提供します。
5
非線形多様体学習による脳情報表現と
その BMI 技術への応用
末谷大道
研究総括
川人 光男
(株)国際電気通信基礎技術研究所
脳情報通信総合研究所 所長/ ATR フェロー
本研究領域は、運動・判断の脳内情報を利用す
るための革新的要素技術の創出を目的とし、脳科
学の基礎的研究と社会に大きな貢献をすることが期
鹿児島大学理学部 准教授
同上
EEG や NIRS など、様々な脳イメージ
ング手法で測定される脳情報をどのよう
な形式で表現するかという問題は、優れ
た BMI 技術を開発する上で重要な鍵と
なります。 本研究では脳内ダイナミクス
の非線形性、特に状態空間におけるア
トラクタやサドルなどの非線形構造に着目します。そして、
遅延座標系による多変量時系列データの幾何学化とカー
ネル法を軸とする非線形多様体学習に基づいた脳情報
表現法の構築を目指します。
脳卒中の機能回復の機序の解明と
BMI の基礎的応用
服部憲明
森之宮病院神経リハビリテーション研究部 部長
同上 研究員
本研究では、脳卒中によって生じる運
動障害の機序を詳しく調べ、さらに患者
が持っている運動学習能力を事前に調
べることで、リハビリ治療の効果を予想
します。また、 現 在、 運 動 障 害のある
患者のために、患者の意図を直接読み
取り、機械を操作する技術の研究開発が行なわれていま
すが、どのような情報を脳のどの部 から取り出すのが適
当かについて、磁気共鳴画像( MRI )などを用いて解明
します。
5
意図した方向を解読し移動車を操作する
BMI の開発
同志社大学大学院脳科学研究科 准教授
京都産業大学コンピュータ理工学部 助教
BMI 学習による神経可塑性変化の
非侵襲多角計測
花川 隆
国立精神・神経医療研究センター脳病態総合イメージングセンター 部長
国立精神・神経センター神経研究所 室長
待される応用分野をつなぐ、探索的研究や革新的
高橋 晋
技術開発を対象とします。
本研究は、独自に開発したマルチニュー
ロン活 動 の 長 期 間 記 録 法と、マルチ
ニューロン活動を正確かつリアルタイム
に分離する手法を統合することで、行動
している動物の神経回路網が表現する
情報を正確にオンラインで解読する方法
を確立します。そして、意図した移動方向という高次な脳
情報を海馬神経回路網の活動から解読することで、動物
が自ら全方向移動車を操作し目標へ到達する BMI を開
発し、更に海馬の機能的役割を解明します。
脳が身体を介さず直接機械を操作する
BMI は、脳卒中や脊髄損傷の後遺症
に苦しむ人々の社会復帰を援助する技
術として期 待されています。 BMI の使
用を学ぶ際に、脳は自らの可塑性によ
りダイナミックに変化していきます。この
脳の柔らかさを活かし、脳と機械が協調して進化する未来
志向の BMI 技術開発に取り組みます。
情動的意思決定における
脳内分子メカニズムの解明
単一ニューロン分解能の神経活動記録・
制御技術の開発と応用
具体的には、ブレインマシンインタフェース(BMI)
、
ニューロリハビリテーション、ニューロマーケティング、
ニューロエコノミクス、ニューロゲノミクス、ニューロ
エシックスなどの応用分野に資する研究と一体的に、
脳の活動から情報を読み出し操作するための脳情報
解読制御技術等の基礎的な研究を進めていくことが
期待されます。このような観点から、本研究領域では、
脳科学とその応用分野の広がりに対応して、計算・
実 験 神 経 科 学、 工 学、 臨 床 医 学、 基 礎 生 物 学、
経 済 学を含む社 会 科 学、 心 理 学を含む人 文 科 学、
情報学など多方面の研究者を対象とします。
高橋英彦
領域アドバイザー
自然科学研究機構生理学研究所 教授
伊佐 正
入來 篤史 理化学研究所脳科学総合研究センター
シニアチームリーダー
大須賀 美恵子 大阪工業大学ロボット工学科 教授
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 教授
太田 淳
加我 君孝 東京医療センター臨床研究 ( 感覚器 ) センター
京都大学大学院医学研究科 准教授
放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター 主任研究員
林勇一郎
京都大学医学研究科メディカルイノベーションセンター 特任助教
大阪バイオサイエンス研究所システムズ生物学部門 共同研究員
ヒトは個人の利得を最大限にしようと、合
理的に振舞うとする理論では説明できな
い非 合 理な意 思 決 定( 例:利 他 行 為、
モラル判断、ギャンブル)を時に行います。
これらの人間らしい意思決定には情動が
関与しています。 情動的意思決定に関
連する脳部位を fMRI で同定し、PET で得られるドパミン
等の情報や、薬物による影響を併せて検討し、情動的意
思決定の分子機構を明らかにします。この手法を応用し、
情操教育や精神疾患の診断に役立てます。
脳がどのように運動や知覚といった生理
現象を引き起こすかを知るには、脳活動
を測定するだけでなく人為的に制御する
ことが必 要です。しかし、 行 動 中の動
物の脳活動を単一ニューロン分解能で
制御する方法は確立していません。 本
研究では、多数のニューロン活動を単一ニューロン分解
能で自由に制御できる内視鏡電極法を開発します。さらに
これを用いてニューロンの活動パターンがどのような生理
的役割を担っているかを直接検証します。
情報理論と情報縮約による
適応的デコーディング
機能的神経回路形成の可視化と誘導
名誉センター長
片山
神崎
西條
佐倉
笹井
容一
亮平
辰義
統
芳樹
日本大学 医学部長/教授
東京大学先端科学技術研究センター 教授
高知工科大学制度設計工学研究センター 教授
東京大学大学院情報学環 教授
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター
グループディレクター
清水 公治 京都大学医学部附属病院
先端医療機器開発・臨床研究センター
医療機器開発支援室/大学院医学研究科 室長/特任教授
下條 信輔 カリフォルニア工科大学生物学部 教授
銅谷 賢治 学校法人沖縄科学技術大学院大学学園神経計算ユニット 教授
宮井 一郎 大道会森之宮病院 院長代理
高橋宏知
東京大学先端科学技術研究センター 講師
同上
脳活動から脳内情報を解読するために
は、脳活動のどのような特徴に情報が
潜んでいるかを知る必要があります。さ
らに、脳が経験や学習、状況に応じて
情報処理方法を変化させていることも考
慮する必要があります。 本研究では情
報理論や情報縮約といった数理的手法を用いて、情報
の在り処を特定し、さらに、それらが経験や学習、状況
に応じてどのように変化していくかを考察したうえで、優れ
た脳情報解読手法を構築します。
山田麻紀
東京大学大学院医学系研究科 特任研究員
(株)三菱化学生命科学研究所分子加齢医学研究グループ 主任研究員
イメージに対応する脳活動を誘導・測定
できれば、身体障害者がイメージ通りに
機械を動かすことができます。 本研究で
は、脳で可塑的変化を起こした神経細
胞シナプスの選択的可視化により脳活
動が記憶や学習につながるルールの解
析を行い、それを活用して神経細胞の活動誘起による機
能的神経回路形成誘導を目指します。まず分子生物学・
細胞生物学的手法を駆使して基盤技術を開発します。
●扉絵は、脳・神経細胞とそれと連結して動くロボット・インターフェースをイメージしたものです。
44
5
次
視覚系をモデルとした、
情報処理の基盤をなす神経回路の解析
吉村由美子
自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター 教授
名古屋大学環境医学研究所 准教授
本研究では、遺伝子改変マウスと電気
生理学的手法を組み合わせた実験を行
い、大脳皮質でみられる情報処理がど
のような神経回路により行なわれている
かを明らかにします。また、固有の感覚
入力を失った感覚野が、他の感覚の情
報処理に参加し、失われた感覚機能を代償することが知
られていますが、効率よく機能を回復する方法とその仕組
みを調べます。 以上の解析による成果は BMI や神経リ
ハビリテーション法の開発への応用が期待されます。
喜多村和郎
人工神経接続による
ブレインコンピューターインターフェイス
東京大学大学院医学系研究科 准教授
同上 助教
平成
自然科学研究機構生理学研究所 准教授
ワシントン大学医学部 訪問研究員
本研究では、患者さん自身の損傷され
ずに残った神 経と四 肢を有 効 利 用し、
神経代替装置を介して神経同士を繋ぐ
「 人 工 神 経 接 続 」 によるブレインコン
ピューターインターフェイス( BCI )技術
により、自分自身を「制御し」、
「感じる」
ことのできるシステムの構築を目指します。 具体的には、
脊髄損傷モデル動物での機能再建とパーキンソン病モデ
ル動物での不随意運動が出たときに電気刺激を与え症状
を緩和する治療的 BCI を試みます。
5
BMI を介した観察者間の
知覚共有技術の開発
機能的シリコン神経ネットワークの構築
河野 崇
東京大学生産技術研究所 准教授
同上
林 隆介
脳回路の発火活動の大多数は外部情
報と直 接 関 連を持たない自発 活 動で、
この自発活動を通じて脳回路は自らを自
己編成しています。 本研究では、回路
編成の法則を発見することで自発活動
のパターンを予測し、さらに自由自在に
パターン情報を書き込むことを目指します。 脳回路の動作
原理や学習則の理解が深まるだけでなく、脳回路の制御
と解読、人工回路の設計などについても貢献ができます。
神経細胞の電気生理学的機能をまねた
電子回路(シリコンニューロン)を組み
合わせてシリコン神経ネットワークを構築
し、リアルタイムで神経ネットワークの機
能を模倣するシステムを実現します。 数
学 的 手 法を積 極 的に用いることにより、
より低消費電力・コンパクトな回路を可能とし、複雑で自
律的なアクチュエータ・ロボット制御やBMIデバイスの高
機能化、小型低消費電力化、ロバストで自律的な情報
処理システムの実現を目指します。
実行動下動物における方向情報の
脳内表現と変換機構の解明と展開
光学的 BMI による
感覚・運動情報の解読と応用
産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門 研究員
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
脳情報を伝達することで、同一知覚体
験の共有を支援するブレイン・ブレイン・
インターフェースの 開 発を目指します。
動 物モデルを用いたシステム開 発と検
証実験を行い、知覚決定に関わる脳内
情報処理を解明します。このシステムの
ようなコミュニケーション・ツールの拡大により、将来的に、
人間同士の創造的な協調作業が可能になります。
脳情報
年度採択研究者[2期生]
東京大学大学院薬学系研究科 教授
同上 准教授
西村幸男
脳の情報処理を理解するためには、そ
の基盤となる局所神経回路のはたらきを
知ることが 不 可 欠です。 本 研 究では、
2 光子イメージング技術を駆使すること
で、個体脳( in vivo )の大脳皮質に
おいて、 局 所 回 路の感 覚 情 報 表 現や
安定性、可塑性を1シナプス・1ニューロンレベルの空間
解像度で明らかにします。これにより、BMI 技術に欠くこ
とのできない、皮質局所回路の機能構築に関する核心
的な知見を得ます。
次
神経回路網が示す自発的可塑性の
21
ルール抽出と制御
池谷裕二
感覚情報をコードする
局所神経回路の機能構築
5挑
小川宏人
北海道大学大学院理学研究院 准教授
同上
駒井章治
大脳皮質への神経活動入力による
機能回復促進
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 准教授
同上
動 物は刺 激のやってきた方 向を認 識し
て、自分がどちらへ移動するかを決めま
す。そのためには、脳の中で「刺激が
来た方向」という情報を取り出して脳の
中で表現し、それを「自分が向かおうと
する方向」に変換しなければなりません。
本研究では、コオロギにいろいろな方向から音や風の刺
激を与えて、刺激を受け取った時や歩行しようとしている
時の脳の活動を光を使って計測し、「方向」の表現と変
換を行う神経システムを明らかにします。
これまでの脳波を用いた機器の制御で
は難しかった微 細な指の動きや感 覚を、
訓練することなく再現する技術を開発す
ることを目指します。「光」を用いること
により、多数の神経細胞の活動を、よ
り選択的に記録可能になることが想定さ
れます。さらには選択的に神経回路を刺激することも可能
となり、積極的なリハビリへの応用も想定されます。
脳機能画像と多チャンネル electrocorticogram
融合による言語機能関連 BMI の開発
感覚帰還信号が内包する
運動指令成分の抽出と利用
肥後範行
産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門 主任研究員
同上 脳神経情報研究部門 主任研究員
ニューロリハビリテーションのひとつに脳
電気刺激があり、本研究では機能代償
に関わる神経活動を入力する新たな脳
刺激法の確立を目指します。運動のタイ
ミングに合わせた神経活動入力が機能
回復に及ぼす効果を行動学的に評価し、
従来型電気刺激法との相違を検証します。さらに回復の
背景にある脳神経システムの変化を、遺伝子発現や解
剖学の手法を用いて明らかにします。
5
鎌田恭輔
旭川医科大学脳神経外科 教授
東京大学医学部附属病院 講師
複数の文字を見せて、脳表面に留置し
た 電 極 から認 知 関 連 機 能 脳 皮 質 電
(ECoG) を検 出します。 ECoG により
脳皮質の周波数成分の経時的・局在
変化を解析し、脳機能連合パターンを
解 読 し て 言 語 機 能 出 力 Brainmachine interface との融合を目指します。ヒト脳機能
信号を確実に捉えるために、電極を置く場所は術前に同
様の課題による機能 MRI 、 脳磁図の結果を参考にしま
す。
関 和彦
モチベーションの脳内機構と制御
国立精神・神経医療研究センター神経研究所 部長
生理学研究所発達生理学研究系 助教
感覚帰還信号は生物のすべての運動に
よって自動的に生じ、中枢神経系に戻っ
てくる信号です。 本研究では、生物が
この帰還信号をどのように用いて運動を
コントロールしているのかを明らかにしま
す。 特に感覚帰還信号が脊髄固有神
経回路を経由して直接筋肉を駆動するメカニズムに注目
し、感覚帰還信号を強化することによって損傷脳の運動
制御を支援し、リハビリテーションを促進する方法を開発
します。
南本敬史
放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター チームリーダー
同上 主任研究員
我々の行動を支配するモチベーションは、
報酬などの外的要因と欲 求という内的
要 因によって動 的に制 御されています。
本研究では、2 要因に基づいてモチベー
ションを制御する神経機構の探索・モデ
ル化を行い、モチベーションを外部から
制御することでそのモデル検証し、最終的にシステムから
分子レベルまで統合されたモチベーション制御モデルの構
築を目指します。 得られたモデルは、うつ病の診断・治療
といった応用が可能です。
挑
リアルタイム TMS 制御による
脳情報処理の操作的検証
北城圭一
理化学研究所脳科学総合研究センター 連携ユニットリーダー
同上 副チームリーダー
ヒトの脳活動状態をモニタし、その状態
に応じてリアルタイムで TMS(経頭蓋
磁気刺激)により脳活動を操作し、知
覚状態と脳活動状態との因果関係を検
証します。 特に脳の大域的な振動同期
活動に注目し、これをリアルタイムに操
作制御し、脳の振動同期活動と知覚状態の因果関係を
操作的に検証する革新的なシステム神経科学的手法とし
て開発し、その有効性を実証します。
記憶獲得維持の分子システムの解明∼
記憶の消去は可能か?
竹本 研
横浜市立大学医学部 助教
同上
海 馬は記 憶を司る重 要な脳 の 領 域で、
これまでは in vitro において海馬シナプ
ス応答に関する分子機構が研究されて
きましたが、今後は実際の動物個体の
学習記憶システムを深く理解することが
重 要 で す。 本 研 究 で は、 開 発した
AMPA 受容体の acute な機能破壊技術を用いて、1ス
パインレベルでの「記憶の消去」に挑戦することで、特
に複数の記憶が混じり合わず獲得維持される分子システ
ムの解明を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
情動記憶形成と消去を担う扁桃体局所
回路の制御機構の解明と応用
渡部文子
東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター 准教授
東京大学医科学研究所 助教
恐怖などの情動は、危険な場所や刺激
を記憶するなど、私たちの生存維持にと
ても大切です。 本研究では、恐怖学習
の成立とその消去に関与する細胞群を、
特殊な遺伝子改変マウスを用いて可視
化します。さらに分 子・細 胞 生 物 学 的
手法と電気生理学的手法を駆使して、その神経回路レ
ベルの調節機構を明らかにします。 本研究成果から恐怖
記憶の消去を制御するヒントが得られ、 PTSD などのリハ
ビリテーションへの応用が可能となります。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
45
平成
MEG を用いた知覚における
時間情報のデコーディング
年度採択研究者[3期生]
22
天野 薫
光・電気マイクロチップによる高分解能ニューラル
インターフェースとニューロ -LSI 融合 BMI の開発
情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター 主任研究員
東京大学大学院新領域創成科学研究科 助教
徳田 崇
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 准教授
同上
音や光がいつ生じたのかという知 覚の
時 間 的な側 面を、 MEG によって非 侵
襲的に計測した脳活動から解読するモ
デルを提案します。さらに、この解読技
術と刺激の操作を組み合わせ、モデル
の内部変数に対応した脳活動や知覚の
変化を定量的に解析することで、時間情報の脳内表現を
解明します。情報表現を理解するための研究手法の確立
を目指すとともに、脳信号に基づく車のブレーキシステム
など実社会への応用の可能性も追求します。
生体埋め込み LSI 技術を用いて、光と
電気によって神経細胞を刺激・計測で
きる多機能ニューラルインターフェースマ
イクロチップを開 発し、 革 新 的な BMI
技術の実現を目指します。マイクロチッ
プを用いた in vitro および in vivo で
の新しい BMI 技術を実証するとともに、チップ上の培養
神経細胞システムとマイクロチップの演算機能をリンクさ
せた『ニューロ -LSI 融合システム』の基礎メカニズムを
探求・構築します。
ショウジョウバエ脳において
聴覚情報処理を行う神経基盤の解明
社会ダイナミックスの多様性を
脳活動から読む進化型強化学習
質量顕微鏡法による
神経伝達物質のイメージング
矢尾育子
浜松医科大学メディカルフォトニクス研究センター 准教授
関西医科大学医学部 講師
本研究では、脳情報の時空間的制御
の解 明をコンセプトに、 神 経 活 動 依 存
的な神経伝達物質の動態を明らかにし
ます。 神 経 伝 達 物 質 可 視 化のための
ツールとして質 量 顕 微 鏡 法を取り入れ、
脳情報の可視化を行い、統合的な理解
をはかります。この理解は、脳のはたらきの解明のみなら
ず、神経伝達物質放出異常に関与する多くの神経疾患
の治療への手がかりとなり、リハビリテーションなどに重要
な新規のアプローチとなることが期待されます。
5
名古屋大学大学院理学研究科 教授
現実予測に基づく現実感喪失感覚の
分子・神経メカニズム解明
情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター 主任研究員
玉川大学脳科学研究所 グローバル COE 准教授
上川内あづさ 東京薬科大学生命科学部 助教
春野雅彦
本研究では、情報処理に関わる全ての
神経細胞を高い解像度で解析し、特定
の神経の活動を可視化したり制御したり
することが容易なショウジョウバエの脳を
モデルとして、高次聴覚神経が形成す
る神 経 回 路 構 造の決 定、 音 刺 激と各
神経回路の活動パターンの相関の解明、各神経回路の
活動制御による行動変化の解析を行います。これにより、
聴覚情報の符号化と情報処理様式を解明し、ショウジョ
ウバエを用いた脳情報解読制御技術を整備します。
社会行動における個人差のメカニズムを
記述する進化型強化学習モデルを構築
します。このモデルでは社会行動に対し
て各人が持つデフォルトの好みと、戦略
的思考による行動選択に対し遺伝と学
習の 2 要因を考えベイズ統合することで、
脳活動と社会ダイナミックスの観点から個人差を説明しま
す。さらに、モデルをリアルタイム脳活動計測に応用し、
各人の個性と脳活動の状況に応じた働きかけで行動の頻
度を変えられるか見ることで因果性についても検討します。
5
電気、化学、光学的マイクロ / ナノニュー
ロプローブアレイの開発
河野剛士
豊橋技術科学大学工学部 准教授
同上
5
ベイジアンネットに基づく視覚皮質モデルと
高次視覚野からの認知的情報の解読
細谷晴夫
脳 神 経の基 礎 研 究から次 世 代 神 経 計
測も含めた幅広い分野の神経電極技術
となる、 電 気、 化 学、 光 学 的な“マイ
クロ / ナノニューロプローブアレイデバイ
ス”を開発します。 本研究のデバイス技
術は、
“ 選 択シリコンウィスカー結 晶 成
長法”を用いたものであり、今回の申請ではこの技術とこ
れまでの研究実績を基に、大脳皮質用マイクロプローブ、
ナノプローブ、薬剤投与用化学的プローブ、光学的プロー
ブアレイデバイスの実現を目指します。
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京大学情報理工学系研究科 講師
大 脳 皮 質の視 覚 系は、 階 層 的な組 織
構造によって、複雑な視覚認知を行っ
ています。 本研究では、そのような視覚
系のモデルを「ベイジアンネット」という、
確率論の強力な後ろ盾のある理論を用
いて構 築し、 今まで未 知な面の強かっ
た高次の視覚野の性質をシステマティックに再現・予測し
ます。さらにその BMI の応 用として、 fMRI による高 次
視覚皮質の活動記録から、見ている物に関する認知的
な情報を解読する手法を考案します。
挑
脳の構造的・機能的
左右非対称性の解明
玉田篤史
新潟大学大学院超域学術院 准教授
理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
末梢神経損傷によって誘導される
上位中枢神経回路の改編と動作原理
宮田麻理子
東京女子医科大学医学部 主任教授
同上 教授
脳はマクロな構造としてはほぼ左右対称
ですが、ヒトでは左大脳半球に言語機
能が局在するなど、機能的には左右非
対称です。ミクロなレベルで脳にどのよ
うな非対称構造があるのか、それがどの
ように機能的非対称性を生み出すのか
という未解明の謎に、モーター分子による回転運動という
斬新な視点から挑戦します。 本研究は、高次精神機能
の情報処理機構、精神・神経疾患の制御に関して重要
な知見をもたらすと期待されます。
神経損傷によって上位中枢神経系では
神経回路の配線と機能が変化すること
が知られ、その機構の解明は脳障害後
の代償機能の解明や、脳機能回復に
向けた新たな治療法の開発のために極
めて重要です。 本研究では遺伝子改変
マウスを用いて触感覚求心性線維の体部 位局在情報を
可視化し、生体下で電気生理学的・解剖学的解析を同
時に行うことで、末梢感覚神経損傷による上位中枢神経
回路の改編原理とその動作機構を明らかにします。
多電極同時記録データから高次認知機能を
支える脳部位間の機能的つながりを解明する
脳情報の解読による幼児特有の認知的
世界の解明
5
土谷尚嗣
モナシュ大学 准教授
カリフォルニア工科大学 博士研究員
意識や注意などの高次認知機能は、短い
時間スケールにおける、神経細胞集団間の
「機能的つながり」の強さの変化によって支
えられています。機能的つながりのメカニズ
ムを明らかにするためには、高い時間解像
度で多くの電極から同時に神経活動を記録
し、それを解析しなければなりません。本研究では、多電極デー
タを、電極 X から電極 Y という情報の流れの方向性までを含め
て解析し、膨大で複雑な多次元データを直感的に理解できるよ
うに視覚化し、統計処理する方法の開発を目指します。
46
森口佑介
上越教育大学大学院学校教育研究科 准教授
同上
子どもにしか知覚できない存在がいると
いう報告は、発達心理学の研究などか
ら繰り返し指摘されています。しかしなが
ら、大人には知覚できないことから、科
学的に関心が払われることはありません
でした。 本 研 究では、 幼 児を対 象にし
た脳情報解読技術を確立し、その技術を駆使することで、
これらの存在について科学的に検証することを目指します。
この技術を応用し、言語が未発達な乳幼児の心理・生
理状態の推定に役立てます。
放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター サブリーダー
山田真希子 同上 分子神経イメージングセンター分子神経イメージンググループ 博士研究員
現実感喪失感覚とは、周囲の状況から
現 実 味が失われるという奇 妙な感 覚で
す。 本研究では、現実予測による感覚
と実際に入力された現実感覚との間に
生じる誤差感覚を現実感喪失感覚とし
て捉えます。そして、 神 経 活 動と分 子
情報との関係を明らかにし、現実感喪失感覚の脳内メカ
ニズム解明を目指します。
素材・デバイス・システム融合による
革新的ナノエレクトロニクスの創成
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/203nanoele.html
戦略目標
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバ
イス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成
研究領域の概要
本研究領域は、材料・電子デバイス・システム最適化の研究を連携・融合することにより、
用化しイノベーションにつなげる道筋を示していくことを目指します。
脳情報
情報処理エネルギー効率の劇的な向上や新機能の実現を可能にする研究開発を進め、真に実
本研究領域で目標とするような、桁違いの情報処理エネルギー効率の向上と新機能提供の達
研究総括(CREST担当)
桜井 貴康
東京大学生産技術研究所 教授
成には、単に微細化技術の進展だけに頼るのではなく、革新的基盤技術を創成することが必要
です。これらは、インターネットや情報端末などをより高性能化し充実してゆくのに必須であるとと
もに、
センサやアクチュエータなどを多用して物理世界と一層の係わりをもった新しいアプリケーショ
ンやサービスを創出するのにも役立ちます。
具体的な研究分野としては、新機能材料デバイス、炭素系や複合材料・単原子層材料など
新規半導体や新規絶縁物を利用した素子、量子効果デバイス、低リークデバイス、新構造論
理素子、新記憶素子、パワーマネージメント向け素子、物理世界インターフェイス新電子デバイス、
非ブール代数処理素子などのナノエレクトロニクス材料や素子が考えられていますが、これらに限
定することなく、新規機能性材料や新材料・新原理・新構造デバイスの追求を進めていきます。
一方、これらを真のイノベーションにつなげるためには、アプリケーションやシステム、アーキテク
横山 直樹
チャ、回路技術などがシナジーを持って連携あるいは融合する必要があります。そのために、実
株式会社富士通研究所 フェロー
領域アドバイザー
秋永 広幸 (独)産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門
総括研究主幹
用化を見据えることによる、素材技術やデバイス技術の選別や方向性の最適化を積極的に推進
します。
このような領域横断的な科学技術の強化ならびに加速によって、革新的情報デバイス基盤技
ナノエレクトロニクス
副研究総括(さきがけ担当)
術の創成を目指します。
上田 大助 京都工芸繊維大学ナノ材料・デバイス研究
プロジェクト推進センター 特任教授
楠 美智子 名古屋大学エコトピア科学研究所 教授
笹川 崇男 東京大学応用セラミックス研究所 教授
高井 まどか 東京大学大学院工学系研究科 教授
平山 祥郎 東北大学大学院理学研究科 教授
(株)東芝研究開発センター 首席技監
福島 伸
中部大学総合学術研究院 客員教授
水谷 孝
武藤 俊一 北海道大学大学院工学研究院 特任教授
森村 浩季 日本電信電話(株)マイクロシステムインテグレーション研究所
グループリーダー、主幹研究員
●扉絵は、赤く燃えたぎる集団を表し、日本の半導体産業の再生をイメージしたものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
47
平成
アメーバ計算パラダイム:時空間ダイナ
ミクスによる超高効率解探索
年度採択研究者[3期生]
25
青野真士
東京工業大学地球生命研究所 准教授
同上 研究員
岡田直也
科学技術振興機構 さきがけ研究者
筑波大学大学院数理物質科学研究科 大学院生
水素終端 4 族単原子層を用いた
室温動作新機能素子の創成
安武裕輔
東京大学大学院総合文化研究科 助教
同上
環境に効率的に適応する粘菌アメーバ
のユニークな並列処理法に学んだ「ア
メーバモデル」は、有名な組合せ最適
化問題である充足可能性問題の膨大な
解 候 補の中から、 従 来 最 速の確 率 的
局所探索手法より桁違いの高速で正解
を発見できます。アメーバモデルをナノ電子素子や量子ドッ
トなど様々なナノデバイスで実装し、タンパクの構造予測
など様々な応用で威力を発揮する、超小型・超低消費電
力のデバイスを開発する方法論を確立します。
遷移金属内包シリコンクラスターを単位
構造とする新しい半導体薄膜の化学気
相反応成膜法を開発します。これによっ
て、膜の材料構造や組成を原子レベル
で 制 御し、 超 高キャリア 濃 度、 Si や
Ge との理想的な接合特性、バンドエン
ジニアリングや高移動度といった既存の Si 材料科学では
成し得ない物性を追究します。この膜を用いてトランジス
タの高性能化を実現し、情報機器の低消費電力化、高
速化に貢献します。
水 素 終 端Ⅳ 族 単 原 子 層はバルクⅣ 族
半導体とは異なる機能 ( 高電子移動度、
直接遷移化 ) の発現が期待されている
新 規 機 能 性 材 料です。 本 研 究では水
素終端ゲルマニウム単原子層を作製し、
① 電 界 効 果トランジスタの 動 作 実 証、
②発光・受光素子機能と歪によるバンド変調との新規融
和素子、③光・電子スピン注入・検出能評価に関する
研究を行い、革新デバイスを下支えする新規機能性材料
と新規能素子の創成を目指します。
二次元原子薄膜の積層システムの創製
とナノエレクトロニクスへの展開
カイラル磁気秩序を用いた
スピン位相エレクトロニクスの創成
強誘電体と機能性酸化物の融合による
不揮発ナノエレクトロニクス
吾郷浩樹
九州大学先導物質化学研究所 准教授
同上
多様な原子薄膜からなる積層システムを
気相成長法( CVD 法)により連続合
成、あるいは多重転写を行うことにより、
世の中に存在しない人工的な原子積層
材料を創出するとともに、層間へのイン
ターカレーションや自己組織化膜との融
合を通じて、新たな電気・光機能性を創出し、フレキシブ
ルで省電力な次世代ナノエレクトロニクス材料へと展開し
ていきます。
スピンホールエンジニアリングによる
省エネルギーナノ電子デバイスの創出
安藤和也
慶應義塾大学理工学部 専任講師
同上
戸川欣彦
大阪府立大学大学院工学研究科 准教授
大阪府立大学21世紀科学研究機構 特別准教授
カイラル磁 性 体において固 有に現れる
“巨視的スピン位相秩序”を用い、スピ
ン位相エレクトロニクスを創成します。こ
れは磁気の根源である電子スピンの位
相を制御し操るための基盤技術となりま
す。 巨視的スピン位相コヒーレンスに起
因して発現する量子機能を活用し、情報処理技術を格段
に向上させるための基盤原理(マルチビット化や高速ソリ
トン伝達など)を創出し、革新的情報処理磁気デバイス
を創製するための道筋をつけます。
階層融合型機能的冗長化による次世代
低電力デバイス向け高信頼化設計
原 祐子
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 助教
ナノ領 域における電 流−スピン流 変 換
効率の制御・増幅原理「スピンホール
エンジニアリング」の開拓により、スピ
ンホール効 果を基 軸とした超 省エネル
ギーナノスピントロニクス技術を創出しま
す。 電荷・スピン輸送の空間分離とい
う著しい特長により、スピンホール効果による超高効率ス
ピン流生成が可能となります。 本研究は、既存デバイス
原理の延長線上にはない省エネルギー「スピンホールデ
バイス」を実現します。
本研究では、次世代低電力デバイスに
よるシステムの低消費電力化・高信頼化
を実現する設計手法を開発します。 次世
代低電力デバイスは、今まで以上に信
頼性・寿命が大きな問題です。 機能冗
長化という新たな高信頼化手法を確立し、
システムの各階層から包括的に適用することで、コスト・
信頼性・消費電力効率の改善を目指します。 更に、最新
FPGA や ASIC でプロトタイプを作成し、定量的に本研
究提案の有効性を評価します。
有機・シリコン融合集積フォトニクスによる
超高速電気光学デバイス
単原子膜ヘテロ接合における機能性
一次元界面の創出とエレクトロニクス応用
井上振一郎
情報通信研究機構未来 ICT 研究所 主任研究員
同上
宮田耕充
首都大学東京大学院理工学研究科 准教授
同上
本研究は、巨大な電気光学( EO)効
果を発現する有機π共役材料とシリコン
ナノ構造プラットフォームとを融合すること
で光と電気信号をナノ空間内で自在に制
御し、 超 高 速・極 低 消 費エネルギー・
高集積型の EO 変調デバイスや光・電
子融合回路の実現を目指します。 100GHz を超える超高
速性や温度無依存化などの新機能性を追求し、CMOS
フォトニクスなどの従来素子では不可能な光・電子融合技
術の新領域を開拓します。
本研究では、「 単原子膜 」における異
種物質の接合を実現し、接合部に生じる
「1次元界面」のナノエレクトロニクス応
用を目指します。 特に、研究者らが独自
に取り組んできたグラフェン・窒化ホウ素
( BN )等のヘテロ接合界面における構
造制御と機能開発に関する研究を発展させ、極限的な微
細伝導チャネルを活かした電界効果トランジスタや単原子
厚デバイスを実現する手法を開拓します。
極薄ナノ金属酸化膜をもつ
抵抗変化型メモリ
高いデバイス機能を有するナノスケール
トポロジカル磁気テクスチャの理論設計
大野武雄
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 准教授
同上
酸素中性粒子ビームを用いた極薄ナノ
金属酸化膜の新規な形成手法を確立し、
それを用いたイオンと原子の移動に基づ
く抵抗変化型メモリの試作とその動作実
証を試みます。メモリ素子をナノサイズ
化してスイッチング現象に寄与するイオ
ンと原子の数を数えられる程度にまで減らすことで、0.1pJ
以下の低消費電力、0.1V 以下の低しきい値電圧および
0.1ns 以下の高速スイッチング時間を目指します。
48
遷移金属内包シリコンクラスターを用いた低消費
電力トランジスタ材料・プロセスの創出
望月維人
青山学院大学理工学部物理・数理学科 准教授
同上
磁気デバイスにおける「 高密度化 」と
「 省電力化 」 の革新的な飛躍を目指し、
1.ナノスケールの小さいサイズ、2.低
い閾値外場、3.外乱に対する安定性と、
4.高い動作温度といった高いデバイス
機能を併せ持つ新しい「ナノスケールト
ポロジカル磁気テクスチャ」を磁性体中に実現する方法
を理論的に設計・探索し、それらを光、熱、電場、電流
などの外部パラメータにより効率的に生成、消去、駆動
する方法を理論的に解明します。
山田浩之
産業技術総合研究所電子光技術研究部門 主任研究員
同上
本研究では、強誘電ナノスケール超薄
膜において必 然 的に生じるリーク電 流
(トンネル効果)を積極的に活用した新
しいタイプの抵抗変化スイッチング機能
を開拓します。 特に、電極材料に活
用しうる金 属 材 料と強 誘 電 体との間の
界面に着目してその特徴や役割を体系的に追究し、明ら
かになった界面機能をさまざまな酸化物材料の特長を駆使
して最適化することにより、不揮発メモリ機能の高性能化
を目指します。
単一電子量子回路の集積化へ向けた
基盤技術の開発
山本倫久
東京大学大学院工学系研究科 助教
同上
量子力学的な波の状態を保つコヒーレン
トな電子には、エネルギーの損失や発熱
を伴わないという特徴があります。 本研
究では、電子が出払った空乏化した電
気回路に電子を1個単位で注入し、そ
のコヒーレントな伝播を利用して量子演
算を実行する素子を集積するための技術を開発します。こ
の技術を用いて高いエネルギー効率を持つ演算回路を実
現すると共に、究極の情報処理能力を持つ量子計算機
の基盤技術を確保します。
超空間制御と革新的機能創成
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/107space.html
戦略目標
選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙
構造制御技術による新機能材料の創製
研究領域の概要
本研究領域では、環境・エネルギーや医療・健康をはじめとする社会的ニーズに応えるべく、
「時
代を創る」新物質・材料の創製に向けて、物質中の空間空隙を高度に設計・制御する「超
空間制御技術」を確立し、従来の空間利用の常識を超える革新的機能の創出を目指します。
具体的には、エネルギー変換材料、化学物質の貯蔵・輸送・分離・変換を可能にする材料、
研究総括
黒田 一幸
早稲田大学理工学術院 教授
分子認識材料、医用材料、構造材料、電子材料等への利用に向けて、高度に設計・制御し
た空間空隙を革新機能創成の場として捉えた先駆的・独創的な研究を推進します。
加えて、将来的な素材化 、プロセス化の技術の流れを意識し、空間空隙の合成化学の側面
と、最先端計測及び計算による機能解明等、広い観点を背景とした挑戦的なアプローチを有す
領域アドバイザー
伊藤
陰山
金子
北川
小谷
耕三
洋
克美
進
元子
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
京都大学大学院工学研究科 教授
信州大学環境・エネルギー材料科学研究所 教授
る研究を目指します。
世界を牽引し、物質・材料開発研究のフロンティア開拓を期待できる挑戦的・意欲的な研究
に取り組みます。
京都大学物質−細胞統合システム拠点 拠点長 / 教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構
機構長 / 教授
株式会社三菱化学科学技術研究センター
瀬戸山研究室 室長
堂寺 知成 近畿大学理工学部理学科 教授
中山 智弘 科学技術振興機構研究開発戦略センター
エキスパート
平野
藤田
水野
宮田
愛弓
誠
哲孝
浩克
東北大学医工学研究科 准教授
東京大学大学院工学系研究科 教授
超空間制御
ナノエレクトロニクス
瀬戸山 亨 三菱化学株式会社 フェロー・執行役員/
東京大学大学院工学系研究科 教授
キヤノン株式会社技術フロンティア研究センター 室長
●扉絵は、人類の飽くなき探究心・想像力から、様々な社会問題を解決に導く超空間制御技術が次々と生み出されていく様を
表現したものです。
49
平成
細孔性結晶を用いた微量薬物の
分解・代謝過程の可視化
年度採択研究者[1期生]
25
猪熊泰英
東京大学大学院工学系研究科 講師
同上 助教
立川貴士
神戸大学大学院理学研究科 准教授
大阪大学産業科学研究所 助教
細孔性結晶に微量の化合物を染みこま
せて単結晶 X 線構造解析をする技術を
用いて、薬物の微量分解・代謝物を正
確に構造決定するための新しい分析技
術の確立を目指します。また、この技術
を使ってステロイド剤の代謝マップの作
成やプロドラッグの分解・代謝過程の解明を行い、これ
らの変換過程を結晶構造によって可視化することを行い
ます。
金属酸化物ナノ粒子が三次元的に規則
正しく配列した超構造体である金属酸化
物メソ結晶を開発します。 結晶面、粒
子間接合界面、細孔空隙を含む不均一
な反応場で起こる分子拡散や物質変換
過程を1分子レベルで蛍光観測すること
で、これまで明らかにされていなかった反応の特異性を見
出します。さらに、メソ結晶の構造的・物理化学的特徴
を生かした異種材料との複合化により、メソ結晶を基盤と
した新たな高効率光エネルギー変換系を構築します。
イオン結晶の階層的構築と
吸着・輸送・変換場への応用
応力で自在に変形する超空間をもつグラフェン系
柔軟多孔性材料の調製と機能開拓
内田さやか
東京大学大学院総合文化研究科 准教授
同上
西原洋知
東北大学多元物質科学研究所 准教授
同上
イオン結 晶は等 方 的で密な構 造を有し、
一般に細孔や空隙の構築には適さない
と言えます。 本研究では、分子性イオン、
電荷/サイト比のミスマッチの活用によ
りイオン結晶格子内に細孔・空隙を構
築します。イオン性吸着点、微小細孔
や空隙、構造柔軟性といったイオン結晶に特有な特長を
生かし、吸着・輸送・変換機能を開拓します。
本研究では、スポンジのように柔軟なグ
ラフェン系の多 孔 性 材 料を調 製します。
スポンジを圧縮/復元させるのと全く同
じ要領で、本材料は応力によって可逆
的に圧縮/復元することができ、それに
伴い材 料 内 部のナノ細 孔が 微 小 化 /
復元します。 本研究の大きな目的の 1 つは、多孔性材
料のもつナノサイズの「空間」を動的に機能する「超空
間」に進化させ、革新的な機能を創出することです。
分子レベルで制御された次世代キラル
超空間の創製と機能開拓
遷移金属酸化物薄膜で形成された
メソ空間での固体触媒機能の発現
生越友樹
金沢大学理工研究域物質化学系 准教授
同上
野村淳子
東京工業大学資源化学研究所 准教授
同上
本研究では、柱状面性キラル環状分子
を組み上げて、完全有機の 1 次元チュー
ブ及び 3 次元ネットワークキラル超空間
を創 製します。それらをもとに、キラル
化合物の分離、センシング、重合、円
偏 光 発 光 材 料への応 用や、キラル炭
素材料への展開を行います。 最終的には安価・簡便性
とキラリティーという高度な機能を兼ね備えた次世代を担う
空間空隙材料の創製を目指します。
遷移金属酸化物薄膜で形成された均一
なサイズと規則配列を有するメソ空間を
構築し、遷移金属酸化物の選択により、
空 間の親・疎 水 性 制 御および 固 体 触
媒機能の発現を目指します。 空間の親・
疎水性の制御により選択的な取り込み
と効率的な排出が行われる系を構築します。また、薄膜
を用いることにより、バルク表面とは異なる触媒能の発現
が期待できます。さらにヘテロ元素を単核で導入し、単離
されたヘテロ元素に特徴的な触媒特性を調べます。
高次ナノ超構造体の空間空隙を主導パラメータ群
とする高効率光電変換物質の計算科学的デザイン
電荷分離空間の創製と
革新的機能の展開
金 賢得
京都大学大学院理学研究科 助教
同上
樋口雅一
京都大学物質 - 細胞統合システム拠点 助教
同上
高次ナノ超構造体におけるナノ素子内・
素子間の空間空隙を“多くの自由度を
持ったパラメータ群”と捉え、これを操
作することで、バルク結晶や孤立ナノ素
子では達成できない光励起物性・機能
を計算科学的に予測していきます。 特
に、フォノン散逸を抑制したり、複数の電荷を生みだせる
新しい光励起現象を追究できる時間依存第一原理数値
実験法を完成させ、超高率光電変換を実現する革新的
空間空隙デザインを計算科学的に先導します。
空間材料として表面電荷が分離した電
荷分離空間材料を提案します。 電荷分
離空間材料は、有機分子・気体分子
と特異的な相互作用が想定され、例え
ば、 水 素、 天 然ガス等の吸 蔵 材 料へ
の応用等、次世代エネルギー問題の解
決に貢献できると期待しています。 新規材料の合成手法
開発・機能発現の機構解明、および体系化を行います。
ゼオライト骨格中へテロ原子の
直接観察とサイト制御
階層的ナノ空間内の擬高圧光反応による
新規導電材料の創製
阪本康弘
科学技術振興機構 さきがけ研究者
大阪府立大学21世紀科学研究機構ナノ科学材料研究センター 特別講師
規則性ミクロ多孔質材料であるゼオライト
の骨格中へテロ原子は、規則的に配列
したもの以外はその正確な位置は明らか
にされておらず、触媒利用など活性点の
精密制御が必要な系において大きな課題
となっています。 本研究では sub-Å の
超高分解能をもつ最先端電子顕微鏡法を用い、電子線照
射によるダメージが大きいゼオライトの骨格構造を原子分解
能でイメージングする手法を開発し、ヘテロ原子位置の同
定と制御を目指します。
50
ナノ粒子の高次空間制御による
高効率光エネルギー変換系の創製
藤森利彦
信州大学環境・エネルギー材料科学研究所 准教授
信州大学エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点 准教授
空間には、そのスケールに依存して①物
質を閉じ込め(サブナノメートル)、②光
を閉じ込め(サブミクロン)、さらに③光
を増幅する(ナノメートル)3つの作用が
あります。 本研究では、これらの3つの
作用を同時に発現するハイブリッド空間
を創り出し、その空間にトラップされた光を利用して、ユビ
キタス元素の中でも非金属としてしられる物質群の導電材
料化を目指します。
メソポーラス材料を基盤とする
新規フォトニクス材料の創製
村井俊介
京都大学大学院工学研究科 助教
同上
酸化物のメソポーラス周期構造体を出
発材料に、プラズモニック結晶およびメ
タマテリアルを作製します。 得られた構
造に、表面プラズモンポラリトン励起に
伴う赤外から可視領域の周波数をもつ
高密度電場を発生させ、それらの周波
数に対応する分子振動・格子振動やバンド間電子遷移
を選択的に励起する技術の開発を通じて、高効率・高密
度かつ高選択的な物質変換・エネルギー変換科学を展開
します。
24
戦略目標
環境・エネルギー材料や電子材料、
健康・医療用材料に革新をもたら
す分子の自在設計『分子技術』の
構築
万能性基幹分子による
再生型エレクトロニクス創生
年度採択研究者[1期生]
http://www.jst.go.jp/presto/moltech/
intro/index.html
平成
分子技術と新機能創出
青木伸之
加藤 隆史
東京大学 大学院工学系研究科 教授
天然脂質に見られるような低分子界面
活性剤は、水中で自然に自己組織化し、
ミセルやヘキサゴナルやラメラといった
機能性分子集合体を形成します。これ
らは、濃度や温度に依存し、容易に形
態を変 化します。 本 研 究では、この自
己組織化理論を低分子から逐次組織化し反応する精密
重合技術に適用し、形状やそのサイズを直接コントロール
できる“選択的ナノ組織化直接水系重合法”を確立し、
新規なナノ分子材料の構築を目指します。
高性能有機材料創出のための分子描像に立脚
した大規模量子伝導計算理論の確立とその応用
超分子構造体の光誘起形態変化と
光駆動物質輸送
伊藤 忠
富士フイルム株式会社R&D統括本部
高機能材料研究所 所長
彌田 智一 東京工業大学資源化学研究所 教授
尾﨑 雅則 大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻
科学技術振興機構 さきがけ研究者
筑波大学数理物質系 助教
超分子構造体は有機分子が水中で特
有の配列状態になったものです。 光反
応性有機色素を用いて超分子構造体を
作ると、分子の形状が光反応前後で大
きく変化して、構造体の形態や運動性
も光可逆的に変化させることが可能にな
る場 合があります。 本 研 究では、この性 質を利 用して、
水中での光駆動物質輸送を目指します。 例えばベシクル
形成による物質取り込みと輸送や、ブラウン運動モーター
による物質輸送を目標としています。
pDNA の量子化折り畳み構造形成の
液相界面を利用した
高配向性機能分子膜の創製
解明と遺伝子送達への応用
長田健介
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
教授
剣萍
正也
紀弘
和男
牧浦理恵
大阪府立大学21世紀科学研究機構 特別講師
同上
本研究では、標的とする細胞へ治療用
遺伝子を送達する遺伝子キャリアの開
発を行います。 第一に注力するのはDN
Aがどのように折り畳まれ、キャリアに
パッケージングされるのかという遺 伝 子
キャリアの構造形成原理を理解すること
です。その上で遺伝子発現に至る各ステージにおける特
性評価を行い、治療戦略に最も適しているパッケージン
グ構造へ制御する“オーダーメード型遺伝子キャリア”を
創製し、遺伝子治療効果を飛躍的に向上させます。
有機材料を用いた光電変換素子におい
て、電荷を効率良く分離させる場を多く
設け電子・正孔の迅速な移動パスを構
築する研究開発が重要なテーマとなって
います。また、素子作製は簡便で低エネ
ルギープロセスであることが実用化には
不可欠です。 本研究では、液相界面で分子が自己組織化
しかつ配向する仕組みを利用して、電子供与性分子のカ
ラムと電子受容性分子のカラムがナノレベルで交互に規
則配列した分子膜を作製する技術を確立します。
核酸ナノ構造を活用したトポロジカル
超分子合成技術の創成
炭素π共役系分子錯体の
非平衡単分子界面科学
葛谷明紀
関西大学化学生命工学部 准教授
同上
本研究では、さまざまな合成分子を、知
恵の輪(カテナン)、フラフープ(ロタ
キサン)、結び目、といった複雑なトポロ
ジー(かたち)に正確に組み上げる新し
い技 術を開 発します。そのために、 設
計通りの種々のナノ構造を自在につくる
手法が確立している DNA を、トポロジーを制御するため
の道具として最大限に活用します。
村田靖次郎
京都大学化学研究所 教授
同上
構 造の明 確な単 分 子 同 士の界 面を創
出することができれば、これまでは不可
能であった界面の分子レベルでの理解
が可能となります。 本研究では、炭素π
共役分子の内部に原子を閉じ込めると
いう手法により、熱力学的に非平衡な
単分子界面を創出します。 得られた分子錯体において、
包接化学種の核スピンと電子スピン制御、サブナノ空間
内部での化学反応、並びに機能性材料としての応用等
の分子技術へと展開します。
東京大学大学院薬学系研究科有機合成化学教室
教授
菊池 裕嗣 九州大学先導物質化学研究所融合材料部門
龔
澤村
清水
瀧宮
京都大学大学院工学研究科 助教
同上
実用化のための有機材料研究で重要な
点は、 無 限の多 様 性を持つ有 機 分 子
性材料の中からいかにしてトランジスター
や太陽電池などに有用な高性能材料を
構 築できるかにあります。 本 研 究では、
分子レベルから数値計算により高精度
に伝導物性を解析・予測できる量子論的伝導計算手法
を確立し、これを用いて高性能有機材料創出のための分
子設計の指針を提案します。
教授
金井 求
東口顕士
分子技術
領域アドバイザー
福井大学大学院工学研究科 准教授
同上
超空間制御
本研究領域は、分子を基盤とする新材料・新デバ
イス・新プロセス等の創出のため、分子の働き・振舞
いを自在に制御する「 分子技術 」を開拓・確立し、
分子材料に関する我が国の学問と産業力のさらなる発
展と新たな展開を強力に推進すること、さらに社会の持
続的発展に貢献することを目的とします。明確に設定し
た分子材料の機能創出のための分子構造の設計・合
成・変換技術、分子の集合・複合構造の創成・制
御技術、分子機能発現技術、デバイス化・プロセス
化の創成技術に関する、革新的・挑戦的および独創
的「分子技術」の研究を対象とします。さらに、設計
→変換→集合・複合化→機能発現→材料化→デバイ
ス・プロセス化の技術の流れを意識した挑戦的アプロー
チを含有する共通基盤性の高い研究、理論・シミュレー
ションと分子設計・変換を融合する研究など、分子材
料の根幹技術に関する研究が含まれます。 具体的に
は、機能創出を明確に見据えた分子の設計・合成・
変換技術、1次元・2次元・3次元の分子集合体・複
合体の秩序構築技術、電荷やイオンの振舞いを制御
するエネルギー・デバイス材料構築技術、高選択的に
分子・イオンを人工膜・ミセルなどの集合構造により輸
送する環境・医療材料の構築技術などに関する基盤
的研究から材料化への流れを総合的に意識した研究、
さらに分子の計測・解析技術に関する研究など、「分
子技術」の創成に資する先端的・独創的・根本的研
究を重要な対象とします。
杉原伸治
既存の半導体素子は複数種類の金属で
構成されているため、再生再利用プロセ
スが妨げられています。本研究では、
フラー
レン分子を「万能性基幹分子:PS分子」
として利用する、再生型フレキシブルエレク
トロニクスの構築に挑戦します。フラーレ
ン分子間の結合状態の違いで「金属」、「半導体」、「絶
縁体」の機能を創発し、フラーレンだけで電子回路を構成し
ます。使用後の再利用も可能で、プロセスもドーピングなど
が不要になる画期的なフレキシブルデバイスとなります。
石井宏幸
研究総括
千葉大学大学院融合科学研究科 准教授
同上
ナノ分子材料を目指した
自己組織化高分子の精密直接水系重合
北海道大学大学院先端生命科学研究院 教授
北海道大学大学院理学研究院化学部門 教授
電気化学工業㈱ 常務執行役員・研究開発部長
理化学研究所創発物性科学研究センター
創発分子機能研究グループ グループディレクター
東京大学大学院理学系研究科 教授
西原 寛
長谷川 美貴 青山学院大学理工学部化学・生命科学科 教授
京都大学工学研究科合成・生物化学専攻 教授
浜地 格
辺見 昌弘 東レ(株)理事・水処理事業部門担当、研究本部担当
谷田部 俊明 帝人株式会社 常勤監査役
中部大学 教授・分子性触媒研究センター長
山本 尚
JSR(株)執行役員/戦略事業副担当
渡邉 毅
「π電子系を動かす」 技術に基づく
新規機能材料の創出
齊藤尚平
名古屋大学物質科学国際研究センター 助教
同上
π電子系化学は、有機 FET 、有機ディ
スプレイ、 有 機 太 陽 電 池といった現 代
の有機エレクトロニクスを根底から支えて
います。 特に、どのように目的に応じた
π共役分子を設計するかは、これらの材
料の性能を直接左右することから、全て
の電子材料にとっての死活問題となります。 本研究では、
「π電子系を動かす」というアイデアのもと、さまざまな動
的物性を備えた分子群を開発し、次世代の光電子機能
材料を創出することを目指します。
バイオミメティック分子技術と
自己組織化による磁性機能素子の創出
藪 浩
東北大学多元物質科学研究所 准教授
同上
本 研 究では、 表 示 素 子 等に展 開 可 能
な磁場応答型機能性素子の創出を目指
します。そのために、 色 素 材 料、およ
び磁性応答材料表面をバイオミメティッ
ク接着分子により被覆する技術、並び
に独自微粒子作製法である自己組織化
析出(SORP)法により、球(粒子)の半分ずつが異
なる色を有し、磁場により回転するヤヌス型微粒子を作製
する技術を開発します。
●扉絵は、分子技術の多様性と、その展開による地球環境・人類への貢献をイメージしたものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
51
平成
磁気液晶効果とフォトニック構造を
利用した有機磁気光学素子の開発
年度採択研究者[3期生]
25
内田幸明
大阪大学大学院基礎工学研究科 助教
同上
景山義之
北海道大学大学院理学研究院 助教
同上
反応性分子の自己集合による
精密グラフェン化学修飾技術の開発
田原一邦
大阪大学大学院基礎工学研究科 助教
同上
今後、光集積回路の小型化・高速化
のために、三次元的な光学素子が重要
になると考えられます。 ニトロキシドラジ
カル( NR )液晶の磁気液晶効果を発
見し、コレステリック( N* )液晶を用い
た微 小 球エマルション三 次 元 全 方 位
レーザー発振に成功したことを受け、本研究では、 N* 相
を示す NR 液晶を利用して、三次元光導波路に利用でき
る磁気光スイッチに応用可能な、強い磁気キラル二色性
を発現する液晶材料を創出します。
小さな分子の動きによって、目で見るこ
とのできる物体の運動を人工的に作り出
すことは、 挑 戦 的 な 課 題 です。 また、
物体が動いた時に、その内外でどのよう
な化学的変化が起きているかを調べる手
段は、多くありません。 本研究では、自
己組織化、光異性化、酸解離反応といった、分子の特
徴を活用し、物体の方向性をもった運動を創出します。さ
らに、ミクロな領域で起きている事象について、先端計測
法の開発によって明らかにします。
グラフェンは様々な用途が期待される新
炭素素材です。 本研究では、設計され
た反応性有機分子の固液界面における
自己集 合を用いる独 創 的なアプローチ
にもとづいて、周期的なグラフェンの化
学修飾を達成し、「 分子によりグラフェ
ンの性質を精密に制御する技術」を確立します。 多様な
用途に供する修飾グラフェンの作成を可能とする共通基
盤性が高い化学修飾技術を確立します。
結合を操って構築する創造性分子鎖:
位置・配列・形態の制御による機能創出
蛍光の blinking を自在に操る
分子技術の創出
炭素二次元シートの自在合成と機能創出
大内 誠
京都大学大学院工学研究科 准教授
同上
本研究では、高分子炭素鎖に対し、そ
の側 鎖 機 能 団の「 位 置 」 や「 配 列 」、
鎖の「 形 態 」が 制 御された「 創 造 性
分子鎖 」を構築します。その制御を実
現するために、
「生成」「再生」「切断」
「 可逆活性化 」など結合特性を操るた
めの仕組みが組み込まれた新しい分子鎖合成法を確立し
ます。さらに得られる創造性分子鎖を基盤として、複数
機能団の協調が関与すると考えられる有機材料の機能創
出に貢献する分子技術を開発します。
多官能性三次元骨格群の構築と
生体融合型物質生産システムの創製
大栗博毅
北海道大学大学院理学研究院 准教授
同上
川井清彦
大阪大学産業科学研究所 准教授
同上
仁科勇太
岡山大学異分野融合先端研究コア 准教授
同上 助教
車の方向指示器(ウインカー)や様々
な警告灯に光の点滅が利用されているよ
うに、人の目は感度良く光の点滅を識別
できます。 本研究では、病理診断や様々
な分子・物質の分析に利用できる、光
をあてると点滅して光る( blinking する)
非常に見つけやすい分子標識の開発を目指します。 光の
点滅は、分子 1 つ、あるいは 1 つの分子集合体から放
たれるため、極微量、究極的には分子 1 つを検出できる
技術につながると期待されます。
黒鉛の酸化により得られる酸化グラフェ
ンは、グラフェンの前駆体となるのみなら
ず、金属・高分子・有機物との複合化
による新たな機能の創出が見込める材
料です。 本研究においては、①酸化グ
ラフェンの形成過程を明らかにし、メカニ
ズムに基づく酸化グラフェンの自在合成法の確立、②酸
化グラフェン複合体を合成し、触媒・電池・導電膜・発
光材料への応用を目指します。
分子化学構造そして機械電気特性の
超高分解能測定の実現
フェムト秒電子プローブで探索する
機能性有機物質の光誘起ダイナミクス
川井茂樹
University of Basel Department of Physics Senior Researcher
同上
羽田真毅
科学技術振興機構 さきがけ研究者
University of Hamburg MPSD, CFEL, Miller group Senior Scientist
分子を形作る骨格や立体化学を系統的
に改変し、複数の官能基を様々な空間
配置で提示した化合物群を自在に迅速
合成する分子技術を展開します。 多様
な立体構造を持つ単量体群の優れた分
子認識能力を顕在化させ、分子複合化
様式を合理的に制御する技術を体系化します。 多官能
性単量体の三次元化学構造に立脚して生体適合性分子
素材を設計・創製する分子技術を確立し、触媒機能の
付与により先導的な物質生産法の開発に取り組みます。
単分子内または単分子間に働く機械特
性と電 気 特 性を”原 子 分 解 能レベル”
でその場観察測定を実現することを目的
とします。 更に、分子内の各サイトごと
の化学反応性を化学修飾したローカル
プローブで検 出する事を目的とします。
その為に、究極の検出感度を有する極低温超高真空原
子間力顕微鏡を新規に開発します。 本研究はさきがけプ
ロジェクト『 分子技術と新機能創出』の中で”分子の測
定計測技術”の確立を目指します。
本研究では、フェムト秒の時間分解能
を有する新しい電子線回折・分光装置
を開発し、光と有機物質の相互作用に
よる分子の動的挙動を観察します。 光
誘起反応における機能性有機物のダイ
ナミクスを原子レベルで測定し、新たな
機能性有機材料の創出のための現象観察・物性評価の
プラットフォームを確立することを目標とします。
ポリマーブラシ付与複合微粒子添加系
ポリマー/イオン液体ブレンド膜の開発
人工塩基対による低分子化
核酸アプタマー薬物複合体の創製
超微細加工分子材料の
創成と自己組織化技術
大野工司
京都大学化学研究所 准教授
同上
木本路子
理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター 上級研究員
同上
早川晃鏡
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
同上
マイクロイオン伝導パスを有する全く新し
いタイプの複合組織体である、ポリマー
ブラシ付与複合微粒子添加系ポリマー
/イオン液体ブレンド膜が、イオニクス
材 料の分 野に新しい局 面を拓く「シー
ズ」となりうるという認識のもとで、合成
化学、機能・物性解析、デバイス開発的アプローチから
包括的に研究し、グリーンイノベーションの推進に貢献す
ることを目指します。
本研究では、人工塩基対による遺伝情
報拡張技術を利用した核酸抗体「核酸
アプタマー」 作成法を拡張し、低分子
化核酸アプタマー薬物複合体を作成す
る分子技術を構築します。 人工塩基を
介して薬剤を連結した核酸ライブラリか
ら、標的タンパク質へ高親和性を示す核酸アプタマー薬
物複合体を創製し、さらに、標的分子との相互作用情報
に基づき低分子化することで、新規低分子化医薬品候
補化合物を見出す分子技術の確立をめざします。
分子の自己組織化を利用する次世代微
細加工技術として、新しい微細加工分
子材料の開発とそれに適した自己組織
化技術の確立を目指します。 微細加工
に適した自己組織化分子材料の設計と
合成により階層構造を創出し、従来技
術では成し得なかった加工サイズの超微細化と形状の多
様化を追求します。 分子技術を駆使した微細加工技術の
確立を目指し、次世代エレクトロニクス技術の発展に貢献
します。
革新的有機半導体分子システムの創出
スライド型ナノアクチュエータの開発に
向けた基盤技術の確立
高分子の劣化と破壊:
量子化学と統計物理の融合
岡本敏宏
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
同上
本研究では、独自の「屈曲型パイ電子
系コア」分子システムを基盤とし、分野
横断型アプローチにより、これまでの有
機半導体材料の常識を覆す革新的な有
機半導体分子システムを開発し、実用
的な観点からの有機半導体材料の学術
基盤を構築します。 多岐にわたる研究経歴で培った、分
子の電子状態制御技術、分子集合体制御技術、溶液
プロセス技術を駆使して、得られる有機半導体材料の迅
速な社会導入を目指します。
52
ヘテロ集積分子集合体の
方向性をもった遊泳
武仲能子
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門 主任研究員
同上 研究員
環境センシングや、配管内部の破損個
所の修復を行う 1 cm 角程度の小型ロ
ボットの駆動部となりうるような、筋肉模
倣の一次元スライド型ナノアクチュエー
タの開 発を目指して、その基 盤 技 術の
確立を行います。 具体的には、基板や
運動物体表面への機能性分子膜の修飾によってラチェッ
ト機構を作製し、それを用いて光エネルギー供給から基板
上の物体の異方的スライド運動を取り出すシステムを完
全人工物で構築します。
樋口祐次
東北大学大学院工学研究科 助教
同上
安 全 性の観 点から高 分 子 材 料の耐 久
性低下の防止は急務の課題となってい
ます。この課題の解決には、化学反応
による劣化が起こる原子スケールを扱う
量 子 化 学と、 耐 久 性を特 徴 付けるメゾ
スケールを扱う統計物理の併用・融合
が必要となります。そこで、第一原理分子動力学法・粗
視化シミュレーション・数理モデルを併用することで、原子・
メゾスケール間を統一的に理解し、高分子の劣化メカニ
ズム解明から安全性への貢献を目指します。
スピン多重度制御による
超光電変換デバイスへの実展開
夫 勇進
山形大学大学院理工学研究科 准教授
同上
π共役系分子において励起状態・電荷
移 動 状 態でのスピン多 重 度は、 有 機
EL や有機太陽電池デバイスの光電変
換効率に関わる重要な因子です。 分子
構造・分子軌道と励起エネルギー準位、
エネルギー移動、励起子寿命の相関を
明らかにし、スピン多重度変換の制御による新しい超高
効率光電デバイスを創出、材料からデバイス開発までを
一気通貫する 「有機πエキシトニクス」 としての新分子技
術を切り開きます。
タンパク質疾患治療技術を指向した、タンパク質
機能を肩代わりする合成分子の開発
村岡貴博
東北大学多元物質科学研究所 助教
同上
タンパク質が持つ機能を、総合的、か
つ定量的に模倣した合成分子開発、言
い換えれば「機能の全合成」を目指しま
す。 細胞膜上で、リガンド分子との脱着
により可逆的に機能をオン・オフする膜タ
ンパク質をターゲットとし、その動的機能
を模倣した合成分子開発行います。これにより、膜タンパ
ク質を肩代わりする合成分子を得ることができ、例えば異
常タンパク質の代役となる合成分子を開発し、タンパク質
疾患に対する医療分子技術としての応用が期待されます。
生体膜分子の力学的理解と
ナノバイオデバイスへの新展開
村越道生
鹿児島大学大学院理工学研究科 准教授
同上
分子技術
私達の体に備わる巧みな分子機能を利
用することで、全く新しいシステムの創
生が期待できます。 耳の感覚細胞のタ
ンパク質であるプレスチンは、今ある圧
電素子に比べ数万倍高い電気−機械
変換効率を有する夢の分子です。しか
し取扱いが難しく、人工利用された例はありません。 本研
究では、プレスチンを自在に利用するための分子技術を
構築し、これまでにないエネルギー変換等を実現するナノ
バイオデバイスの開発に取り組みます。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
53
http://www.elest.jst.go.jp/index.html
戦略目標
レアメタルフリー材料の実用化及び超高保磁力・超高靱性等
の新規目的機能を目指した原子配列制御等のナノスケール物
質構造制御技術による物質・材料の革新的機能の創出
22
金属間化合物を活性点とする貴金属
フリー排ガス清浄化触媒の開発
年度採択研究者[1期生]
元素戦略
平成
新物質科学と
阿部英樹
新しい電子移動パラダイムに基づく
有機触媒の創製
物質・材料研究機構半導体材料センター 主任研究員
同上
本研究は、貴金属需要の過半を占める
自動車排ガス触媒における貴金属元素
の完全無使用化に挑戦します。 第 1 に、
貴金属元素を一切含まず、しかも貴金
属と同等以上の排気ガス清浄化活性を
発 揮する触 媒 化 合 物を、 触 媒 表 面の
電子状態と反応化学種吸着強度の相関を基にして探索
します。 第 2 に、独自開発のナノ粒子液相合成法によっ
て触媒化合物ナノ粒子を合成し、自動車実装が可能な
「貴金属フリー排ガス触媒」を実現します。
非バルク的環境を活用した
次世代材料の理論設計
有田亮太郎
研究総括
細野 秀雄
東京工業大学フロンティア研究センター/
応用セラミックス研究所 教授
物質の機能は、それを構成する元素と不可分な関係
にあることが知られています。しかし、元素の数は 100
あまりに過ぎず、そのうち実際に材料に使えるものは、資
源や毒性などの制約のために、数が限定されてきていま
す。よって、社会を支え要求に応える材料を産み出すた
めには、これまでの各元素に対するイメージを刷新し、新
しい可能性を切り開く成果が研究者に求められています。
物質 ・ 材料分野の飛躍的進展には、ナノ領域の科学と
技術の開拓が不可欠であるとの共通の認識から、世界
各国でその研究が重点的に行われてきています。これか
らは、その基盤の上に各国の特質を反映した施策が実
行される時期です。「元素戦略」 は、天然資源に乏しい
我が国が世界に先駆けて開始した研究施策のひとつで、
これまで希少な元素を駆使して実現してきた有用な機能
を、できるだけありふれた元素群から知恵を絞って実現し
ようというものです。これは学術的には、持続可能な社
会のための新しい物質科学を確立することを意味します。
本研究領域は、資源、環境、エネルギー問題などを
解決するグリーン・イノベーションに資するべく、クラーク
数上位の元素を駆使して、ナノ構造や界面・表面、欠
陥などの制御と活用による革新的な機能物質や材料の
創成と計算科学や先端計測に立脚した新しい物質・材
料科学の確立を目指します。
領域アドバイザー
相田 卓三
掛下 知行
北川 宏
佐々木 高義
瀬戸山 亨
田中
田中
谷垣
玉尾
常行
中嶋
中山
野崎
真島
村井
山口
山根
若井
勝久
健
勝己
皓平
真司
敦
智弘
京子
豊
眞二
周
久典
史博
東京大学大学院工学系研究科 教授
大阪大学大学院工学研究科 教授
京都大学大学院理学系研究科 教授 ( ∼ H23.11)
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 フェロー
三菱化学株式会社/株式会社三菱化学科学技術
研究センターフェロー・執行役員/瀬戸山研究室
室長
理化学研究所創発物性科学研究センター チームリーダー
東京大学大学院工学系研究科 准教授
希少元素を含まない新規超伝導体の
電場誘起キャリアドーピング法による開発
東京大学総合文化研究科 准教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 助教
東北大学大学院理学研究科 教授
理化学研究所 研究顧問・グローバル研究クラスタ長
東京大学大学院理学系研究科 教授
慶應義塾大学理工学部 教授
科学技術振興機構研究開発戦略センター エキスパート
東京大学大学院工学系研究科 教授
東京工業大学応用セラミックス研究所 教授
奈良先端科学技術大学院大学 特任教授
東京大学大学院工学系研究科 教授
東北大学多元物質科学研究所 教授
東京工業大学応用セラミックス研究所
教授(H25.2∼)
可 視 光 領 域 に 吸 収を持 つ 共 役 型ド
ナー・アクセプター連結系分子が、長
寿命かつ強力な酸化還元力を持つ光触
媒となることを発 見しました。この触 媒
は、湿式色素増感太陽電池に用いられ
るルテニウム錯 体 並みの起 電力を有し、
活性種にも類似点が見られます。 本研究では、この新し
い有機触媒の化学を深化させるとともに、従来の金属錯
体では不可能な有機触媒特有の反応の開発やナノ配向
制御による新現象・新機能の創発を目指します。
佐藤和則
大阪大学大学院工学研究科 准教授
大阪大学大学院基礎工学研究科 特任准教授
本研究提案では、第一原理電子状態
計 算とモンテカルロ法およびフェーズ
フィールド法を用いて高 効 率 太 陽 電 池
材 料 のマテリアルデザインを行います。
ナノスケールで発現するスピノダル分解
を利用して、半導体ナノ構造を空間配
置と形状を制御した状態で自己組織化させる方法をデザイ
ンし、効率的な増感および電子 - 正孔輸送を行う高効率
量子ドット増感太陽電池開発の指針を与えます。
ユビキタス元素を用いた
高性能熱電変換ナノ材料の創成
中村芳明
大阪大学大学院基礎工学研究科 准教授
同上
液 体 窒 素の沸 点、 77K を越える温 度
で超 伝 導を示す高 温 超 伝 導 体は物 性
物理学者の夢であり、産業応用の上で
も重要です。最大 160K で超伝導を示
す銅酸化物高温超伝導体は絶縁体に
不純物元素を混ぜて超伝導体を作り出
す「化学ドーピング」によって開発されました。 本研究で
はシリコンのトランジスタ技術を応用した新しい材料開発
手法、「 電場誘起ドーピング」によって材料探索の幅を
広げ、新しい超伝導材料を実現します。
未利用熱を電気エネルギーに変換する
熱電材料においてレアメタルが使用され
ています。 本研究は、高い電子状態密
度を有する超 高 密 度 量 子ドット( 擬 0
次 元 系 )と量 子ドットミニバンド( 1 次
元系)の結合系を利用することで熱電
変換性能向上を図るというアイデアに基づき、シリサイド
半導体の量子ドット結合系の作製技術を開発することで、
高い熱電変換性能を有するレアメタルフリー熱電材料の
創成をめざします。
ユビキタス元素を用いた
高活性光触媒の開発
酸化物エレクトロニクスのパラダイム
シフトを目指したアトムエンジニアリング
梅澤直人
物質・材料研究機構環境エネルギー材料部門 主任研究員
同上 光触媒材料センター 主任研究員
酸化チタンの性能を遥かに凌ぐ高活性
光 触 媒をユビキタス元 素のみを用いて
開発し、太陽光エネルギーを利用したグ
リーン・イノベーションの達成を目的とし
ます。 バンド構造の制御、欠陥密度の
低減、ナノ粒子凝集化、高活性表 の
予測等の指針に沿って、限られた元素の組み合わせから
光触媒活性を最大限に引き出せる材料を理論的に設計
し、実験的に合成・評価します。 戦略的に開発を進める
事で、優れた材料の発見が強く期待されます。
一杉太郎
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 准教授
同上
本研究では、原子レベルでの構造作製
/ 評価に立脚する酸化物薄膜物性研究
を行います。 特に、デバイス作 製にお
いて大きな課題となっている、本来の機
能が発現しない dead layer の要因解
明と活性化に取り組みます。 原子レベ
ルでの薄膜物性解明とその積極的制御を通じて酸化物エ
レクトロニクスのパラダイムシフトを目指し、
“新物質科学と
元素戦略”に寄与していきます。
挑
京都大学大学院工学研究科 教授 (H24.1 ∼ )
東京工学大学理工学研究科 教授(H24.12 ∼)
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
同上
ナノスピノダル分解による
高効率太陽電池材料の設計
3 次 元 的に一 様でない 非自明な環 境
( 非バルク的 環 境 )で実 現する特 異な
電子状態を活用した理論物質設計を行
います。 計 算は概 念 先 行 型の机 上の
空論ではなく、実験研究にその成果が
直 接 還 元されるように、すべて第 一 原
理計算を基礎におき、対象物質・系の個性を忠実に反
映したものにします。その中でクラーク数の高い、身の回
りにありふれた元 素だけから高い機 能をもつ磁 性 材 料、
熱電材料などを実現させるという課題に挑戦します。
上野和紀
小西玄一
有機化学による擬元素創製への
アプローチ
遠藤恆平
金沢大学理工学域 准教授
早稲田大学高等研究所 助教
地球上で一般的に扱える 90 にも満た
ない 原 子 に 強く依 存する社 会 構 造は、
昨今のレアメタル問題にも見られるよう
に、 大きな 歪 みを生 み 始 めています。
原 子という制 約から、 人 間の手による
元 素 創 製へと展 開することで、 希 少な
資源に依存せざるをえない社会から脱却することが可能に
なります。 原子同士の精密かつ自在な配列法の開発から
元素機能の発現を目指すことで、より自由度の増した社
会発展へと貢献することを目的としています。
ナノ自己組織化を用いたスピン注入型
超高効率熱電素子の開発
水口将輝
東北大学金属材料研究所 准教授
同上
エレクトロニクスの各種素子が微細化す
るのに伴い、その発熱の問題が深刻化
しており、局所的な冷却が可能であるハ
イパワー冷却素子の開発が急務となっ
ています。 本研究では、原子レベルで
立体的に位置制御した磁性ナノ細線を
自己組織的に作製し、「スピン注入型超高効率熱電素
子」の創製を目指します。これにより、安価かつ環境に
優しい元素の組み合わせのみで、極めて小型で冷却・発
熱能力の高い熱電素子の実現が可能になります。
●扉絵は、新たな鉄系超電導体の発見につながった、セメント素材が伝導体となることを解明した 12CaO・7Al2O3 エレクトライ
ドの格子モデル像です(細野総括提供)
54
イオン伝導パスを有する
分子結晶電解質の創製
守谷 誠
遷移金属フリーのアニオン
二次電池の開発
静岡大学理学部化学科 講師
名古屋大学エコトピア科学研究所 助教
中野秀之
(株)豊田中央研究所無機材料研究部 主任研究員
同上
堀毛悟史
京都大学工学研究科 助教
同上
固体電解質を用いる全固体電池は、電
池の安全性とエネルギー密度を現行の
リチウムイオン電池から飛躍的に向上さ
せられる次世代電池として期待されてい
ます。 本研究は入手容易な元素からな
る有機分子を自己集積させることにより、
革新的な固体電解質材料として「高速イオン伝導を可能
にするイオン伝導パス」と「 電極との密着性を向上させ
る適度な柔軟性」を併せ持つ分子結晶電解質を開発し、
全固体電池の実現に貢献するものです。
リチウムイオン二次電池は車載用電源と
して普 及し始めています。 本 研 究では、
リチウムイオン二 次 電 池 並みのエネル
ギー密度と、キャパシタに匹敵する出力
密度と安全性を兼ね備えた蓄電デバイ
スを、コバルトやニッケル等の遷移金属
を用いずに構築することを目標とします。そのため、電気
化学的酸化・還元に伴い、アニオンを吸蔵・脱離可能
なイオン化シリコンを創製し、アニオンを電荷担体とする
新原理蓄電デバイスに挑戦します。
固体中でイオンが高速で流れる化合物
は、電池の固体電解質として性能の鍵
を握る材料です。 本研究では既存材料
では 実 現 が 難しいイオン 伝 導 機 能を、
金属と有機物から組み上がる「錯体集
積体」を駆使して創出します。 特にこれ
らの構造ダイナミックス・固体界面場・金属欠陥などの特
性を利用し、無加湿・中温度領域の高プロトン伝導、高
OH- イオン伝導を実現し、燃料電池のエネルギー効率の
劇的向上・貴金属フリー化を行います。
新規異常高原子価物質における
革新的機能の開発
SiO2 ナノ多結晶体:超高靭性
高硬度を有する新材料の開発
低配位汎用元素を鍵とする
機能性物質科学の開拓
山田幾也
大阪府立大学 21 世紀科学研究機構 講師
愛媛大学大学院理工学研究科 助教
西山宣正
本 研 究 課 題 で は、 10 万 気 圧・
1000 ℃以 上という超 高 圧 高 温 条 件を
用いて、ユビキタス元素からなる新規物
質を探索し、各元素が持つ潜在可能性
を引き出すことを狙います。 特に、異常
高原子価イオンが秩序配列した結晶構
造をターゲットとして、これまでに知られていない革新的機
能の発現を目指し、機能材料開発における潜在可能性を
広げることを目標とします。
平成
酸化物半導体表面における
新機能の探索
石坂香子
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
ドイツ電子シンクロトロン研究所放射光施設 ビームラインサイエンティスト
愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター 准教授
近畿大学理工学部 准教授
理化学研究所基幹研究所 副ユニットリーダー
本研究では、硬く割れにくいセラミックス
である ナノ 多 結 晶 ス ティショバ イト
( NPS )の実用化を目指します。 NPS
は硬質材料として、広く使用されている
炭 化タングステンよりも優れています。
NPS は地球上に最もありふれた成分で
あるシリカ( SiO2 )からできているので、それを実用化で
きれば、レアメタルであるタングステンの消費量を大幅に
抑えることができます。 NPS は来るべき持続可能社会に
適合した硬質材料です。
本 研 究は、 配 位 数の少ない低 配 位 構
造を有するケイ素などの汎用典型元素
や 鉄などの 汎 用 遷 移 金 属を鍵として、
従来の化学結合論や磁性研究の常識
の枠を超える新しいパイ共役電子系や
磁性材料の開発を行います。 未だ知ら
れていない「低配位汎用元素」の持つ物性や機能を深
く理解して利用することにより、元素戦略の観点から機能
性物質科学の新領域を開拓し、新しいサイエンスに立脚
した革新的な材料研究の開発に貢献します。
「フェイク分子」法による多孔性金属錯体空間の超精密
ポテンシャル制御とオンデマンド二酸化炭素分離機能発現
単原子層デザインによる希少金属フリー
超高磁気異方性薄膜の開発
野呂真一郎
結晶の表面近傍における電子系は内部
の固体そのものにはない機能を引き出し
ます。これまですでに透明電極や光触
媒として実 用 化されているものもあり、
新たな物質探索手法のひとつとして注目
され始めています。 本研究では、ありふ
れた材料でありながら、元素の種類により様々な性質を示
す酸化物半導体の表面を対象とし、電子分光とレーザー
を組み和わせた手法を用いて、表面に現れる電子構造の
解明とその光応答の探求を目指します。
松尾 司
北海道大学電子科学研究所 准教授
同上
薬師寺 啓
(独)産業技術総合研究所ナノスピントロニクス研究センター 主任研究員
同上
既存吸着分離材料であるゼオライトと比
較してより高効率に二酸化炭素を分離
できる多孔性金属錯体の開発を行いま
す。 本研究では、表面分子固溶に基づ
く「フェイク分子」法により、従来分子
合成技術では構築不可能な”
仮想分子”
を構築し、吸着ポテンシャル場を”超精密”に創出するこ
とで、オンデマンドな二酸化炭素分離機能発現を目指しま
す。
コンピュータのゼロ待機電力化による劇
的な消費電力削減を可能とする、磁性
体エレクトロニクス(スピントロニクス)
の超高性能化を目指します。これまでは
貴金属やレアアースに頼った開発がほと
んどでしたが、 本 研 究では、 原 子の配
列に特徴的なデザインを付与するという、これまでにない
新しい切り口を開発の柱とすることで、安価で入手容易
な金属のみによる、性能向上のブレークスルーにチャレン
ジします。
次世代半導体材料を目指した
螺旋π共役分子の創製
粒界エンジニアリングで創る
超高保磁力ユビキタス磁石
元素戦略
年度採択研究者[2期生]
23
固体イオニクス未開領域を拓く
錯体集積体の創出
5
フェルミ準位近傍の微細電子構造と特徴的フォノン分散を
利用した環境調和型熱電材料と機能性電子材料の創製
竹内恒博
豊田工業大学エネルギー材料研究室 教授
名古屋大学エコトピア科学研研究所 准教授
畠山琢次
関西学院大学理工学部化学科 准教授
京都大学化学研究所 助教
有機エレクトロニクスの革新に資する
ユビキタス有機材料の開発
ユビキタス元素を用いた革新的
ナノポーラス複合材料とデバイスの創成
辻 勇人
東京大学 大学院理学系研究科 准教授
同上
本研究では、炭素、酸素、窒素等のあり
ふれた元素から、エネルギー・環境問題
解決に資する革新的機能性物質の創製を
目指します。 特に、クラーク数第一位の
酸素を鍵とする環状化合物である「フラン」
が縮環したπ共役系分子に注目します。分
子構造を自在に修飾することで、分子配列を制御し、電荷
移動度が高い材料の開発を図るほか、新たな原理の省エネ
ルギー型発光素子や太陽光エネルギーの有効利用による高
効率太陽電池の開発等を行います。
藤田武志
東北大学原子分子材料科学高等研究機構准教授
同上
近年、電解液中で合金中の特定の元
素のみを溶出する方法(脱合金化)に
よって新奇なナノポーラス金属が生成さ
れ、バイオ生体分野、化学分野、エネ
ルギー分野にまたがり、大きな学術領域
が形成されていることがわかってきました。
本研究では、その特長のある3次元構造と表面特異性に
着目し、ユビキタス元素を用いたナノポーラス金属と機能
性材料の複合材料を用いることで、革新的なデバイスの
創成に取り組みます。
5
5 年型
挑 大挑戦型
レアアースを含まず、ネオジム磁石以上
の高 保 磁力を持つ小 型 磁 石の創 製に
挑戦します。 強力擬似永久磁石として
の素質を持つ高温超伝導バルクは、超
高保磁力の起源となる永久電流が結晶
粒界で数%以下に抑制される「弱結合」
というアキレス腱を持ちます。 本研究では単一粒界を用い
た起源解明、固体化学的手法による弱結合の克服・軽
減に有効なプロセス設計を通じて、液体ヘリウムフリーで
動作可能な超高保磁力磁石を実現します。
24
新規高スピン偏極材料の探索と原子配列
制御に伴う電子状態と物性変化
年度採択研究者[3期生]
有機薄膜太陽電池、有機 FET 、有機
EL の高 効 率 化を可 能とする次 世 代の
有機半導体材料として螺旋π共役分子
を創製します。 具体的には、多環式芳
香 族 炭 化 水 素 類の炭 素 骨 格にホウ素
や窒素といったヘテロ元素を導入(元素
ドーピング ) することで、 分 子 構 造を変えることなく
HOMO・LUMO エネルギーを最 適 化します。 そして、
その配列を高度に制御することでデバイス性能の飛躍的
向上を目指します。
東京大学 大学院工学系研究科 助教
同上
平成
第一原理計算や高分解能角度分解光
電子分光などの先端的な研究手法を駆
使すれば、熱電物性を支配する電子構
造とフォノン分散に関する情報が得られ
ます。 本 研 究では、これらの情 報を最
大限に活用することで、熱電材料を環
境に優しい合金系において、廃熱から電力を回収できる
環境調和型熱電材料と、自動車や電子機器におけるエ
ネルギー利用効率を高めることが可能な機能性電子材料
を創製することを目指します。
山本明保
梅津理恵
東北大学金属材料研究所 准教授
東北大学金属材料研究所 助教
高 度 情 報 化 社 会に向けて高 速・大 容
量・低消費電力デバイスの開発が強く
望まれており、スピントロニクスという分
野では実用温度で安定な高スピン偏極
材料の発見が待たれています。 本研究
では、今までにない合金系でその新規
高スピン偏極材料の探索を行うと同時に、物質の原子配
列を制御し、理想的な電子状態を有限温度において如
何に実現させるかに着目し、材料の性能を最大限に引き
出す革新的なデバイスの創製を目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
55
超過冷却液体を用いたナノスケール
複合材料の創製
岡田純平
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 助教
同上
関 真一郎
理化学研究所創発物性科学研究センター ユニットリーダー
東京大学大学院工学系研究科 助教
本研究は、液体を保持するための容器
が不要な無容器プロセシングを用いて人
為的に大きな過冷却状態を実現し、通
常では得られないような新しい相や、新
しい機能を持つ材料の創製を目指します。
特に、 Si の超過冷却液体を急冷凍結
することによって、半導体領域と金属領域がナノスケール
で共存する準安定相 Si を作り、高い熱電性能をもつ材
料を実現します。
磁性体中で現れる「スキルミオン」と呼
ばれるナノサイズ の 渦 状スピン粒 子を、
メモリ素子における新たな情報担体とし
て活用することを目指します。スキルミオ
ンは、かつて商用化された磁気メモリの
一種である「バブルメモリ」の大容量化・
省電力化・レアアースフリー化に貢献することが期待され
ており、本研究では特に、スキルミオンを伴う新物質の開
拓と形成条件の解明、電場・光によるスキルミオンの制
御を目標とします。
革新的磁石材料の為の超高圧合成法に
よる新規磁性化合物の探索
自発分極変調を機軸とする物質探索と
機能開発
亀川厚則
東北大学大学院工学研究科 准教授
同上
塚﨑 敦
東北大学金属材料研究所 教授
東京大学大学院工学系研究科 特任講師
本研究では、高い磁化と保磁力の起源
となる高い結晶磁気異方性を持った新
しい磁性化合物の探索を行います。 高
圧合成法などを冶金学的な合金探索手
法として取り入れて、 高い磁 化を持つ
Fe など磁性元素をベースに、使用量を
抑えたレアアース(希土類元素)と窒素など軽元素を組
み合わせて結晶磁気異方性を発現させ、新しい永久磁
石材料の候補化合物の創製を目指します。
本 研 究では、 薄 膜 結 晶の組 成を連 続
的に制御することで、自発分極量の変
調された物質の開拓を目指します。そう
して作られる薄膜構造内では、組成傾
斜に対 応した電 界を生じており、 元 来
不活性なドーパントの活性化率を高めた
り、バンド構造の変化を及ぼしたり、と従来の単調組成
の薄膜とは異なる物性の発現が期待できます。 様々な元
素を使ってこの分極変調効果を活用することで、薄膜物
質科学の新機軸開発に取り組みます。
界面電子軌道混成を利用した新物質創生と
超省電力磁化反転技術の開発
スピンのナノ立体構造制御による
革新的電子機能物質の創製
紅林秀和
ユニバーシティカレッジロンドン電子工学科 講師
ケンブリッジ大学物理学部 博士研究員
中辻 知
東京大学物性研究所 准教授
同上
本 研 究では、クラーク数 第 四 位である
鉄を用い、その超薄膜化と界面効果に
着目することでバルクの鉄には本来存在
しない機能性を引き出し、新しい界面磁
性材料の創製に挑戦します。 特に今回
注目する機 能 性は電 荷 /スピンシグナ
ル変換です。電荷/スピンシグナル変換の高効率化が進
めば、磁性体の不揮発性を利用した安価な低消費エネル
ギーデバイス構築の可能性が生まれます。
強磁性体を用いるこれまでのメモリ材料
開 発においては、 動 作 原 理の制 約 上、
レアアースや貴金属に頼った研究開発
が主流となっている。ここでは反強磁性
体に着目し、スピンのナノ立体構造を制
御することで現れる新しいホール効果の
メモリ特性を利用して、クラーク数上位の元素による不揮
発性メモリの開発を目指す。特にホール素子として動作す
る電子機能物質を開拓するのみならず、その制御に必要
な新しいホール効果の機構解明を行う。
ヒドリド酸化物の直接合成による
新規機能性材料の探索
ユビキタス量子ドットの創製と
光エネルギー変換材料への展開
小林玄器
自然科学研究機構分子科学研究所 准教授
神奈川大学工学部 助手
ヒドリド( H- )酸 化 物は新 奇 物 性を発
現しうる材料として注目されていますが、
現状でヒドリド酸化物を直接合成するた
めの有効な方法は無く、ヒドリドを含有
できる物質系は限られています。このた
め、物質探索の領域は狭く、ヒドリド含
有と物性との関連性も解明されていません。 本研究では、
ヒドリド酸化物を直接合成する手法を確立し、ヒドリドイオ
ン導電性や新たな電子物性を有する新規機能性材料の
開発を目指しています。
グラファイトの電子状態制御による
新規触媒の創成
近藤剛弘
筑波大学数理物質系 講師
同上
グラファイトは異種元素と相互作用をし
た場合やジグザグエッジと呼ばれる端の
部分や欠陥部周辺で、エッジ状態と呼
ばれる局在化した電子準位を出現させま
す。 本研究では、グラファイトのエッジ
状態の出現位置、密度、エネルギー準
位を化学的および物理的手法を駆使して緻密に制御し、
高価で希少なレアメタルである白金族金属の触媒機能を
凌駕する高い選択性と触媒活性、および耐久性を持つ
新たな触媒材料を創成します。
56
磁気バブルメモリの刷新に向けた、
スキルミオンの結晶学と電磁気学の構築
宮内雅浩
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
同上
本研究では、無毒、安価な量子ドットを
基にした太陽光発電や人工光合成シス
テムを開発します。 大量製造が可能な
化学溶液法を駆使し、特異な量子効果
が発現するように粒子のサイズや形状を
制御し、エネルギー変換効率と耐久性
を高めるため粒子界面のナノ構造を高度に設計して薄膜
電極システムへ展開します。 従来の化合物半導体太陽
電池や植物の光合成の効率と同等の性能を目指します。
平成
光の利用と物質材料・
生命機能
http://www.jst.go.jp/presto/raisha/index.html
戦略目標
最先端レーザー等の新しい光を用い
た物質材料科学、生命科学など先
端科学のイノベーションへの展開
プラズモニック物質の波動関数の
光制御とその応用
年度採択研究者[1期生]
20
井村考平
早稲田大学理工学術院先進理工学部 准教授
自然科学研究機構分子科学研究所 助教
分子間相対配置の操作による
光化学過程の能動的制御
高木慎介
首都大学東京大学院都市環境科学研究科 准教授
同上
プラズモニック物質(貴金属ナノ構造)
は、特異な光電子特性を示すため、情
報通信や化学分析の先進材料として有
望です。 本研究では、励起光パルスの
時間・偏光特性の操作によりプラズモ
ニック物質の機能をアクティブに制御し、
そのポテンシャルを飛躍的に向上させます。また、人工分
子の創成や新しい光計測・光反応制御法を実現し、新し
い原理や現象を探求します。これにより、次世代に繋が
る研究分野を開拓することを目指します。
光 化 学 過 程は、 時 間と距 離( 空 間 )
に強く依存する化学過程です。 本研究
では、距離(空間)の軸を制御し思い
通りの光化学過程を進行させ、
“光をよ
り有効に使い尽くす”ことを目的とします。
ナノ層状化合物上における色素分子の
配列・配向制御技術“ Size-Matching Effect ”を更
に発展させ、色素分子間の相対配置を制御する事による
新奇な光化学過程の能動的制御技術の確立を目指しま
す。
超高速分光による熱反応過程の
直接観測と機構解明
ナノサイズ高輝度バイオ光源の開発と
生命機能計測への応用
5
岩倉いずみ
研究総括
増原 宏
台湾国立交通大學 講座教授
(応用化学系及分子科学研究所)
本研究領域は光との相関を新しい光源から探るこ
とにより、情報通信、ナノテクノロジー・材料、ライ
フサイエンス、環境・エネルギー等の諸分野において、
神奈川大学工学部物質生命化学科 准教授
電気通信大学 日本学術振興会特別研究員
永井健治
大阪大学産業科学研究所 教授
北海道大学電子科学研究所 教授
より合理的な新反応・新機能性材料開
発を試みる際には、従来からの試行錯
誤的手法ではなく遷移状態構造を含む
詳細な反応機構の解明が必須になりま
す。 超短パルスを用いた遷移状態の直
接観測と理論計算とを相補的に用いて、
反応機構の本質を解明することを試み、新しい機構解析
の手法として、新反応・機能性材料合成などへの有力な
指針を与えることを目指します。
天然ナノ発光タンパク質であるルシフェ
ラーゼの発光強度を試験管内分子進化
により大 幅に向 上させ、かつ様々な波
長 変 異 体も開 発します。これらの高 輝
度発光タンパク質を“ナノスケール局所
照明光源”として利用することで、生細
胞内のタンパク質 1 分子観察や小動物個体内の生理機
能を実時間で観察可能にします。また、発光基質を細胞
内で産 生させることで“ 発 光の完 全自動 化 ”も達 成し、
究極のバイオイメージング法を確立します。
時空間波形制御技術の開発と微小空間
領域での非線形分光計測への応用
軟X線レーザーによる時間分解分子軌道
イメージング
神戸大学分子フォトサイエンス研究センター 特命准助教
同上 特命助教
本研究課題では超短パルス光の振幅や
相を時 間、 空 間 領 域の 2 次 元で同 時
に波形制御する新規手法の開発を行い、
さらに 3 次非線形分光法と融合するこ
とにより、微小空間領域での分光計測
に挑 戦します。 本 手 法により試 料 部を
走査することなく、3 次元のイメージングが可能となり、従
来の手法では実現が難しかった微小空間領域での分光
計測、化学反応や様々な緩和過程の 子制御の新たな
可能性を開拓します。
アト秒のパルス幅を持つ軟X線 (XUV)
レーザーを用いて、化学反応途中にお
ける分子の電子準位の変化および分子
軌道の形状変化を、新規に開発する時
間分解の光電子分光法および2波長を
用いた時 間 分 解・分 子 軌 道イメージン
グ法により実時間測定します。 本研究により、従来は困
難であった軟X線・アト秒領域の時間分解分光法を確立
するとともに、電子構造や軌道の変化という観点からの
化学反応研究の新展開を目指します。
不凍タンパク質作用発現機構の解明を目
指したその場光観察
光による生命のダイナミズム・不均一性・
確率性の可視化
超長波長のレーザー、放射光、極微弱光、単一光
子レベルの光も想定し、光の本質に迫る研究、光
を使い尽くす研究、光でのみ可能になる合成・物性・
機能の研究、光によって実現するプロセス、光が関
わる細胞機能、光で初めて解き明かされる生体組織、
光でのみ制御できる生命機能、これに加えてリアル
光の利用
対象とするものです。
元素戦略
太田 薫
具 体 的 には、 光 源として高 出 力、 超 短 パルス、
新倉弘倫
早稲田大学理工学術院先進理工学部 准教授
カナダ国立研究機構ステーシー分子科学研究所 博士研究員
これまでにない革新技術の芽の創出を目指す研究を
な材料や生物を対象とした光計測法、イメージング
次
法の研究などが含まれます。
領域アドバイザー
石原 一
伊藤 繁
小原 實
熊野 勝文
小杉 信博
佐々木 政子
七田 芳則
中島 信昭
三澤 弘明
美濃島 薫
三室 守
宮脇 敦史
吉原 經太郎
大阪府立大学大学院工学研究科 教授
名古屋大学 名誉教授(H22.5 ∼)
慶應義塾大学 名誉教授
東北大学マイクロシステム融合研究開発センター 研究員
自然科学研究機構分子科学研究所 研究総主幹
東海大学 名誉教授
京都大学大学院理学研究科 教授
北海道大学低温科学研究所 教授
同上 准教授
西村 智
自治医科大学分子病態治療研究センター 教授
東京大学医学部 日本学術振興会特別研究員
極地の動植物を凍結から護る不凍タン
パク質は、 食 品の低 温 保 存や冷 凍 食
品の品質保全、低温医療などへの応用
が期 待されていますが、その作 用 機 構
は未だ想像の域を出ていません。 本研
究では,高分解光学系を新たに開発し、
氷結晶表面上のステップ(分子高さの段差)およびラベ
ル化した個々の不凍タンパク質を直接観察することで、不
凍タンパク質作用機構の解明を目指します。
生きた動物で細胞・遺伝子を「見て」働き
を「知る」技術を開発し、三大疾病の克
服を目指します。高速・深部・高解像度で
の生体内イメージング技術を改良・開発し、
新たな形態・機能プローブを適応すること
で、光を用いた遺伝子発現の生体内での
可視化を目指します。生体でのダイナミックな細胞動態、特に
不均一性や確率的な応答、その複雑性を可視化することによ
り、本手法を病態動物に適応し、複雑病変から形成される生
活習慣病の背景にある慢性炎症病態の本質に迫ります。
光機能性・制御性蛋白質による
細胞・個体操作
単一分子蛍光計測で探る
キラリティーの本質
大阪府立大学大学院理学研究科 特任教授
北海道大学電子科学研究所 所長/教授
電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授
京都大学 教授(∼ H23.2)
理化学研究所 脳科学総合研究センター 副センター長
自然科学研究機構分子科学研究所 名誉教授
領域運営アドバイザー
フランス カール デシュライバー
ヨハン ポプキンス
シモン ワイス
祭 定平
佐崎 元
ルーバンカトリック大学 名誉教授(H21.12 ∼)
ルーバンカトリック大学 教授(H25.2 ∼)
カルフォルニア・ロサンゼルス校化学・生化学・生理学科 教授 (H22.4 ∼ )
台湾国家実験研究院儀器科技研究中心 所長(H23.4 ∼)
須藤雄気
岡山大学大学院医歯薬総合研究科 教授
名古屋大学大学院理学研究科 助教
光による物質操作は、高い空間分解能
と時間分解能を実現できます。 本研究
は、光受容蛋白質で細胞機能を操作す
ることを目的とし、生命反応が「いつ・
どこで・どのように・どれぐらい」 起こっ
ているかを明らかにします。 特にキナー
ゼ活性化・不活性化、及び転写調節は生命科学分野で
極めて重要な研究課題であり、本研究では、これを人為
的に制御し、他の手法ではわからない新しい情報を得ま
す。
深港 豪
北海道大学電子科学研究所 助教
九州大学工学研究院 助教
分 子のキラリティー( 不 斉 )は生 命 現
象 に 密 接 に 関 わる 重 要 な 性 質 です。
常の分子集団系では、分子それぞれに
不斉が存在しても、ラセミ混合物では不
斉を議 論できません。もし、 分 子 一つ
一つの不斉を測定できれば、たとえラセ
ミ混合物においても不斉の議論が可能となります。 本研
究では、単一分子蛍光計測を応用し、円偏光励起およ
び円偏光蛍光により分子一つ一つのキラリティーを直接
測定することを目指します。
●扉絵は、燦然と光を放つ太陽の周りに、光を使った様々な幅広い研究に取り組む者が集まった様子をイメージしたものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
57
光に依存した新規窒素固定酵素の創成
藤田祐一
名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授
同上
クロロフィル生合成系の最終段階の還
元反応には、光に依存する酵素と依存
しない酵 素が存 在しており、 後 者の酵
素はニトロゲナーゼと構造的に類似して
います。ニトロゲナーゼは、窒素分子を
アンモニアに変換する農業的に大変重
要な酵素ですが、酸素で容易に破壊される脆弱な酵素で
もあります。 本研究は、クロロフィル生合成系の光に依
存する酵素を改変することで、光に依存して反応する新
規なニトロゲナーゼの創出を目指します。
平成
真空紫外域の低次数高調波による
超高速分光
年度採択研究者[2期生]
21
足立俊輔
京都大学大学院理学研究科 准教授
東京大学物性研究所 助教
光応答性核酸による単一細胞内での
光遺伝子制御
X線非線形回折を利用した
局所光学応答解析
北海道大学創成研究機構 助教
玉作賢治
生物は、遺伝子を「いつ・どこで・どの程
度」発現させるかを精密に制御し体を形成
しています。 特に発生初期では特定の
mRNA が細胞内で局在化し、その後の
細胞運命を大きく左右しています。本研究
では、
“光”を使い単一細胞内において任
意のタイミングで、任意の期間、任意の mRNA を疑似的に
局在化させ、高い時空間分解能で生命情報を取得・操作で
きる新手法を開発します。この技術は万能細胞の分化制御な
ど、あらゆる生命研究の革新的基盤技術になると考えます。
ものを見る(調べる)とき、どこまで細
かく見ることが出来るかは最終的に波長
が決めると信じられてきました。 本研究
では、X線領域の非線形光学現象を利
用して、この“常識”を覆します。すな
わち、ものを見る( 調 べる) 波 長から、
分解能を決める波長を切り離します。これによって様々な
応用に深く関わる長波長(低エネルギー)での光学応答
を、X線のÅ空間分解能でものを見る手法の開発を目指
します。
光化学反応を駆使した
分子結晶成長過程の制御
生きた細胞内での生命機能分析用
プローブのレーザーを用いたその場作製
奥津哲夫
群馬大学学術研究院 教授
同上 准教授
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授
ニコラス アイザック スミス 同上 大学院工学研究科 特任講師
これまでレーザー光の超短パルス化にお
ける空白領域であった、近紫外・真空
紫外域 ( 波長 100-400 ナノメートル )
での超短パルス光源を、最新のレーザー
技 術による高 調 波 発 生により実 現しま
す。この波長領域は、多くの有機・生
体分子の最外殻電子の励起に必要なエネルギーに対応
していることから、物理・化学・生物等の広範な分野に
対するインパクトを与えると考えます。
光を化学物質に照射すると結晶が成長
する仕組みをタンパク質の結晶育成法
に応用し、タンパク質の光化学反応に
より結晶核を生成させ、結晶成長が始
まる瞬間を捉えて、質の良い結晶を作る
方法を研究します。また、膜タンパク質
のように水に溶けづらく結晶化が難しいタンパク質を結晶
化する方法を光化学反応の利用によって可能にします。
これらの研究成果はゲノム創薬の発展に貢献すると考え
ます。
エアロゾル微小水滴のレーザー捕捉・
顕微計測法の開発と展開
誘導ラマンによる高感度光学活性検出及
び高分解能イメージング
石坂昌司
広島大学大学院理学研究科 准教授
北海道大学大学院理学研究院 助教
理化学研究所ビームライン基盤研究部 専任研究員
理化学研究所石川X線干渉光学研究室 専任研究員
小笠原慎治 理化学研究所前田バイオ工学研究室 基礎科学特別研究員
小関泰之
東京大学大学院工学系研究科 准教授
大阪大学大学院工学研究科 助教
生 命 体の基 本 構 成 単 位である細 胞の
詳細な解析を行うために、本研究では、
新しいナノ加工技術を用いて細胞内部
の加工、細胞のより深い理解、細胞の
より正 確な観 察や、さらには、 細 胞 活
性の光制御も可能にする直接的手法を
開発します。さらに、レーザー光の照射、電場の局所的
増強、細胞の熱応答を組み合わせ、ナノ計測技術からフォ
トダイナミックスによる療法にわたる応用をめざします。
微小液滴と超短光パルスの
構造制御による超広帯域光変換
畑中耕治
(台湾)中央研究院應用科學研究中心 副研究員
東京大学大学院理学系研究科 准教授
降雨、降雪の初期過程である気相から
水滴が発生するメカニズムならびに過冷
却微小水滴が凍結するメカニズムを明ら
かにし、地球温暖化に関わる重要な物
理定数を得ることを目指します。そのため
に気相の温度と湿度を制御可能なレー
ザー捕捉・顕微分光システムを構築し、雲の発生や降雨(降
雪)に関わるエアロゾル水滴の物理・化学過程を光学顕
微鏡下で人工的に再現するとともに、これを単一の微小水
滴レベルで分光計測・解析する基盤技術を開発します。
誘導ラマン散乱顕微法は、レーザーの
量子限界に迫る低雑音性を活用し、生
体を染色せずに高コントラストかつ高感
度な 3 次元イメージングを実現する新し
い手法です。 本研究では、誘導ラマン
散乱という光・物質間相互作用の特徴
を最大限に活用し、新しいキラリティ分光手法や超解像
手法へ技術的展開を図ることで、生体分子や生体組織
の無染色イメージング技術の革新を目指します。
本研究では適切な構造の液滴試料に対
して、パルス幅 内で周 波 数ならびに偏
光変化を制御したフェムト秒レーザーを
照射することでパルス X 線と THz 光を
発生させることを目指します。液滴とレー
ザーパルスの構造を最適化することで超
短光パルスを無駄なく使い尽くし超広帯域光変換を達成
します。
リモート励起ラマン分光を用いた
ナノ計測法の開発とその展開
共振器位相整合非線形光学の
開拓と新光源への応用
蛍光イメージングによる
幹細胞挙動解析法の創成
Universiteit Leuven
雲林院 宏 Katholieke
Katholieke Universiteit Leuven 理学部 上級博士研究員
財津慎一
理学部 准教授
物質や生体のマクロな性質を理解する
ためにはミクロな世界で起こる化学反応
を解明する必要があります。 光学顕微
鏡はそれらを可視化する強力な手段です
が、その空間分解能はしばしば生体機
能を解明するのに不十分です。 本研究
では、プラズモン光導波路を用いて、回折限界に縛られ
ない高空間分解能を可能にし、かつ細胞内の分光をも可
能にするリモート励起ラマン分光によるナノ計測法を開発
することを目的としています。
九州大学大学院大学院工学研究院 准教授
同上
独自の 発 想 に基 づく新しい 学 術 領 域
「共振器位相整合非線形光学」を切り
開きます。「分散制御型高フィネス共振
器 」 により初めて誘 起される非 線 形・
量子光学現象の観測を行います。この
方 式を基 礎として、 共 振 器 内で励 起さ
れた分子のコヒーレントな運動を変調機構とし、 10 テラ
ヘルツを超える繰り返し周波数で超短光パルスを放射す
る全く新しい光源である「分子変調モード同期レーザー」
の実現を目指します。
樋口ゆり子
京都大学学術融合教育研究推進センター 特定講師
京都大学大学院薬学研究科 特定助教
幹細胞は、筋肉、神経などへの多分化
能を有するため次世代の治療システムと
して期 待されています。 本 研 究では、
細 胞 内の分 子 発 現 機 構を利 用し、 幹
細胞の接着や分化などの挙動に応答し
てスイッチが on/off するように設計した
蛍光標識法を開発し、幹細胞が、いつ、どこで、どのよ
うに分化するかの可視化を目指します。 得られた情報によ
り、幹細胞の体内動態制御および分化制御が可能にな
り、新規細胞療法の開発へとつながります。
5挑
量子相関光子による光化学反応制御
岡 寿樹
新潟大学研究推進機構超域学術院 准教授
大阪大学大学院工学研究科 特任助教
従来の光化学反応制御法は、光を「電
磁 波 」とした理 論に基 づいています。
本研究では、光を量子論的に取り扱う
ことで初めて取り扱えるもうひとつの自由
度「 量子相関 」を化学反応制御に積
極的に利用し、光化学反応の更なる効
率的制御を実現します。また量子相関が持つ「非局所性」
を利用した効率的なエネルギー移動の制御法を探求し、
新奇な光化学反応制御の構築を理論の立場から目指しま
す。
58
原子位相ロックを用いた
究極的時計レーザー安定度の追求
志賀信泰
科学技術振興機構 さきがけ研究者
情報通信研究機構光・時空標準グループ専攻研究員
原子時計のポテンシャルを最大限に活
かした究極の計測、制御法の提案と実
現を目指します。 従来は安定な原子の
振り子の周波数に、安定化したいレー
ザー(マイクロ波)の周波数を合わせる
手法を用い、レーザーの安定度向上が
図られてきました。 本研究は原子の振り子の位相にレー
ザーの位相を合わせることで安定度の飛躍的な改善を追
究し、周波数、時間、長さ、位置、重力等の精密測定
分野に新たなパラダイムを打ち立てることを追求します。
モジュールの組み合わせによる
光機能蛋白質の創出
増田真二
東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター 准教授
同上
光 受 容 体 蛋白質は、 特 定の色の光に
応じて構 造を変 化させます。その構 造
変化は、 別のタンパク質により認識され、
情報が伝わり、最終的に具体的な機能
をもった蛋白質の活性を調節します。こ
の光情報伝達は、いくつかの蛋白質の
部品(モジュール)の組み合わせで多様化していることが
わかってきました。 本研究では各モジュールの機能を組み
合わせ、任意の酵素活性と遺伝子発現を自在に制御す
る技術の確立を目指します。
高強度レーザーによる超多価
イオン生成と新規化学反応の開拓
八ツ橋知幸
大阪市立大学大学院理学研究科 教授
同上 准教授
レーザーが創り出す強い光を用いること
で、物質から瞬時に多数の電子を引き
剥がして超多価状態を創り出し、大きな
エネルギーを有するイオンを望みの方向
に放出させることができます。これにより
方向性を持った高エネルギーイオンの発
生や固体中での局所的な高密度イオンの発生、液体中
での高密度電子ビームの発生を達成し、有益な新規化
学反応の開拓を目指します。
平成
転送光学に基礎をおく超解像顕微鏡と
メゾ機構のその場観察
年度採択研究者[3期生]
22
岩長祐伸
物質・材料研究機構先端フォトニクス材料ユニット 主任研究員
同上 量子ドッ
トセンター 主任研究員
凝縮系波動関数の
時空間マニピュレーションとイメージング
香月浩之
奈良先端科学技術大学院大学物質創成研究科 准教授
分子科学研究所 助教
連続発振原子波レーザーの開発と
微細加工技術への応用
単一イオンと単一光子間の
量子インタフェースの実現
岸本哲夫
電気通信大学大学院情報理工学研究科 准教授
電気通信大学先端領域教育研究センター 特任准教授
金属ナノ粒子配列における
プラズモン特性の分子制御
哺乳類のUV感覚にせまる
光センサー蛋白質の機能解明
大気中および生体中の
界面光反応のその場計測
江波進一
京都大学次世代研究者育成センター 特定准教授
カリフォルニア工科大学 日本学術振興会海外特別研究員
超高感度分光法と新規質量分析法、さ
らに光分解用レーザーを組み合わせたこ
れまでにない界面光反応のその場計測
装置を開発します。この手法で得られる
情 報は微 小 液 滴の表 面 部 分 厚さ数 Å
∼ nm に存在する化学種のダイナミック
な組成変化であり、これを用いて大気中および生体中で
重要な役割を果たしている界面光反応の本質的解明を目
指します。 本研究が完成すると地球環境問題対策・健
康影響評価の両方面で革新的な発展が見込まれます。
光機能性量子ドットを用いた
単一分子神経活動イメージング
小阪田泰子
京都大学物質ー細胞統合システム拠点 特定拠点助教
スタンフォード大学 博士研究員
神経は、外界からの刺激などにより、常
に機能的に変化を起こすことで生命の
機能を維持しています。 本研究では光
スイッチ可能な量子ドットを開発し、光ナ
ノ加工技術と一分子計測法と組み合わ
せ、光による in vivo でのリアルタイム
単一分子イメージングを可能にし、神経のネットワークを光
により解き明かすことを目指します。
小島大輔
東京大学大学院理学系研究科 講師
同上
太陽光線の紫外領域の成分( UV )は
様々な動物種で環境情報として利用さ
れますが、このような「 UV 感覚」はヒ
トでは見つかっていません。ところが私た
ちは最近、新たな UV センサー蛋白質
をマウスにおいて発見し、この UV セン
サーがヒトでも機能する可能性を見出しました。そこで本
研究提案では、この新規 UV センサー蛋白質がどのよう
な生体機能に関与するかを調べることにより、哺乳類の
UV 感覚の生理的役割に迫ります。
光による熱の固有状態の創成と
波動制御の実現
是枝聡肇
立命館大学理工学部 物理学科 准教授
東北大学大学院理学研究科 助教
「熱は拡散するもの」という常識に反し
て、ある種の結晶においては「 熱の波
動」、すなわち「熱の固有状態」が存
在することがわかってきました。 本研究
では、レーザーを駆 使することによって
「 熱の波動 」のコヒーレントな励振を試
みます。また、これを用いて物質における様々な素励起
や相転移への劇的な変調を試みます。さらに究極的には
「熱の共振器」の構築や、「熱のレーザー」の実現を目
指していきたいと考えています。
フェムト秒光波制御による
超高速コヒーレントスピン操作
佐藤琢哉
九州大学大学院理学研究科 准教授
東京大学生産技術研究所 助教
反強磁性体は一般にスピン歳差運動の
周波数が数テラヘルツに達し、超高速
スピン 操 作 の 可 能 性を秘 めています。
本研究では、反強磁性体に円偏光フェ
ムト秒光パルスを照射することで、外部
磁場や外部電場を必要としない高効率
でテラヘルツクラスの相制御・光スイッチングを目的としま
す。また、任意に光波制御されたフェムト秒光パルスを用
いて、磁性体のコヒーレントな超高速スピン操作・磁化
反転を目指します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
高橋優樹
University of Sussex Department of Physics and Astronomy 研究員
サセックス大学 博士研究員
目標は、単一イオンと単一光子の量子
状態の間の自在な変換を行う量子インタ
フェースを実 現することです。 光ファイ
バー共振器と一体となった画期的なイオ
ントラップにより、イオン‐光 子 間の強
結合が史上初めて達成されると考えられ
ます。これにより非常に高性能な単一光子源や量子ネッ
トワークの実現が可能となるだけでなく、イオントラップ研
究と光科学そのものを仲介する要素技術が生まれること
が期待されます。
広範な藻類のもつ転写因子型
光受容体の機能解析とその応用
高橋文雄
立命館大学生命科学部 助教
東北大学学際科学国際高等研究センター 研究教育支援者
水域の主な一次生産者である黄色植物
から発 見された転 写 因 子 型 光 受 容 体
オーレオクロムを用い、その作用機構を
解明します。また他の未解明の光受容
体についても探索を行います。そして海
産立国である日本における藻類の基礎
的知見の検索および応用技術の革新に寄与します。
光の利用
光によって金 属ナノ粒 子に誘 起される
局在表面プラズモンはナノ粒子内の電
子の集団振動が原因です。そこで金属
ナノ粒子配列を作製し、有機分子に近
接させることで期待される電子的な相互
作用とプラズモンの特性(プラズモン振
動数・電場増強度・プラズモン状態の寿命など)への影
響を観察し、プラズモンの長寿命化と長距離伝播の可能
性を探索します。
山梨大学大学院医学工学総合研究部 准教授
同上 助教
数ミクロン程度の大きさの誘電体内部に
は内面を全反射して周回するような光の
幾何学的共鳴状態があり、光電場が局
在しています。 一方、微小誘電体を周
期的に並べたフォトニック結晶ではバン
ド端付近で光電場が局在し共鳴状態を
形成しています。 本提案ではこれら光電場の空間構造を
磁気光学効果を用いて変調させ、『光の散乱の様子を変
える散乱場特性制御 』及び『 光の伝搬方向を変化させ
る光の伝搬特性制御』を目指します。
移 動 光 格 子 技 術を用いた全 光 学 的 手
法によって連続的な高繰り返しのボース
凝縮( BEC )生成法を実現することを
目標としています。この手法が確立する
と、 真の連 続 運 転 型 連 続 波 原 子レー
ザーそれ自身が研究の対象となるばかり
でなく、原理的に複数原子種の同時捕獲が可能となるた
め、その汎用性は高い。また、応用の観点からは、原子
レーザーの実現により、原子線描画技術のフラックスと分
解能の飛躍的向上が期待されます。
筑波大学数理物質科学研究科 助教
同上 研究員
東海林 篤
マクロスコピックな量子凝縮系を対象と
して、その量子状態の位相や振幅を光
位相変調、波束干渉の手法により、二
次元空間内で制御して読み出す技術を
開 発します。この技 術を応 用して、 固
体系を用いた量子情報処理や、固体中
での励起子状態の時間・空間発展の様子をイメージング
の手法によって可視化することを目標とします。 様々な励
起 子の形 態とデコヒーレンス過 程について調べることで、
量子性が失われる原因に迫ります。
人工的に作るサブ波長構造体、すなわ
ち、メタマテリアルにおける転送光学の
手法を活用して超解像光学レンズを実
現し、その超解像レンズを核心要素とす
る超 解 像 光 学 顕 微 鏡を構 築することを
目指します。さらにその超解像顕微鏡を
用いて、 10 ナノメートルから 1 マイクロメートル程度のメ
ゾスコピックな空間スケールが鍵となる特長的な動的現象
を厳選して、その場観察し、
メカニズムを解明していきます。
江口美陽
磁気光学効果を利用した
光の伝搬特性制御
二光子励起で発生させるガス状細胞
情報伝達分子を駆使したストレス計測
中川秀彦
名古屋市立大学大学院薬学研究科 教授
名古屋市立大学大学院薬学研究科 准教授
ガス状細胞情報伝達分子の1つである
一酸化窒素( NO )と関連分子に着目
し、細胞・組織中で作用位置・タイミン
グを精 密に制 御する手 法を開 発します。
光 照 射 依 存 的に、 NO や関 連 分 子を
選択的かつオルガネラ特異的に発生す
る新規ドナー化合物と、パルスレーザーによる二光子励
起の光特性を組み合わせ、精密な制御を実現します。こ
の手法は NO の生物学進展に貢献し、関連疾患の治療
法開発に結びつくことが期待できます。
光分解性バイモーダルナノパーティクルの
開発と、がんの可視化と治療への応用
産業技術総合研究所健康工学研究部門 主任研究員
バスデバンピライビジュ 同上
ナノ粒 子を応 用すると、 高 効 率でがん
の検出と治療を実現できる可能性がある
ことが知られています。しかし そのサイ
ズが大きいので、体内の必要な場所に
輸送する効率、および使用後、体外へ
排 泄する効 率が 悪いことが 問 題です。
本提案ではこれらの問題を解決するために光を駆使しま
す。すなわち、その場で光を用いて調製し、使用後は光
分解できる新しい蛍光ナノ磁石を創製し、さらにこれをが
んの選択的な可視化と治療に応用します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
59
平成
ナノシステムと
機能創発
http://www.jst.go.jp/presto/emergence/
戦略目標
プロセスインテグレーションによる次
世代ナノシステムの創製
温度制御自己組織化システムの設計と
ナノ粒子高次構造による機能発現
年度採択研究者[1期生]
20
岩堀健治
長田 義仁
理化学研究所基幹研究所 客員主管研究員
北海道大学 名誉教授
本研究領域は、ナノテクノロジーにおけるトップダ
松村幸子
がん研究会がん研究所 特任研究員
癌研究会癌研究所蛋白創製研究部 研究員
本研究では、金属および化合物半導体
からなるさまざまなナノ粒子を保持する事
ができる耐 熱 性 球 殻 状タンパク質 に
DNA で作 製した温 度 応 答 性タグを非
対称にデザインする事で、温度制御に
よるナノ粒子三次元積層構造の自動作
製を目指します。この技術によりさまざまなナノ粒子の積
み重ねが可能となり、これをデバイス作製に応用する事に
より今までのものを凌駕する新機能ナノ電子デバイスの創
出が期待されます。
腫瘍環境という外部環境に応答して自
発的にサイズや性状を変化させ、薬物
の集積能やプローブ能の強化、細胞標
的能力などの機能を創発する自律型ナ
ノキャリアの作製を目指します。 腫瘍環
境特異的に高発現している酵素に着目
し、その基質ペプチドを中心に合理的設計によって自己
組織化能力や標的指向性などを組み込みます。 生体適
合性高分子や無機材料との融合により、環境適応的に
進化するナノキャリアシステムの開発を行います。
ナノ界面特異的バイオ接合分子を用いた
多元ナノ結晶集合
メタマテリアルの自己組織的作製と
ナノリソグラフィーへの応用
梅津光央
研究総括
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 研究員
同上
適応進化的に機能創発する
ナノキャリアの開発
東北大学大学院工学研究科 准教授
同上
藪 浩
東北大学多元物質科学研究所 准教授
同上 助教
本研究は、有機・無機材料結晶面を自
発的に識別し結合できるペプチド・抗体
分子断片を構成要素として、積み木細
工 様 式で自在なバイオナノ接 合 分 子を
ペプチド・蛋白質工学的に発想・調製
します。そして、バイオナノ接合分子を
用いた、不均一界面結晶構造が設計されたナノ結晶粒
子を合成し、ナノ粒子表面構造とバイオナノ接合分子の
架橋プログラムに沿った異種ナノ結晶粒子のフラクタル
的ボトムアップ集合を確立します。
波長よりも小さい金属 - 誘電体の周期
構造は、負の屈折率を持ち、回折限界
以下の光を投影できるメタマテリアルと
なることが報告されています。 本研究で
は、自己組織化により内部にナノサイズ
の相分離構造を持つブロックコポリマー
微粒子を作製し、ナノメッキ技術により金属化することで、
紫外・可視光領域におけるメタマテリアルを作製します。
これをレンズに用いることで、回折限界を超えるナノリソグ
ラフィー技術の確立を目指します。
階層構造を有する ATP 駆動型
ソフトバイオマシンの創製
次世代磁気記録媒体に向けた
ナノ構造制御システムの構築
5
北海道大学大学院理学研究院 准教授
同上 助教
角五 彰
の駆使、あるいはそれらの手法の融合によって、要
生体システムでは創発的な機能が発現
されており、システムの構成要素の総和
とは異なった機能を持ちます。このよう
な非線形的な機能発現は生体のシステ
ムが 階 層 構 造を有することによります。
生 体の階 層 構 造は各々の構 成 要 素が
化学エネルギーを散逸しながら能動的に自己組織化するこ
とで組み上げられます。 本研究では、生体分子モーター
を能動的に集積することで自律的に機能創発する ATP
駆動型ソフトバイオマシンの創製を目指します。
分 子の自己組 織 化からなる集 合 体は、
原子・分子サイズより一回り大きいサイ
ズを有し、自発的に規則配列するという
特徴があります。 本研究では、この分
子集合体をナノ構造体の鋳型として用
い、トップダウン方式によって微細加工
された基板を用いることによって、所望の位置で自己組織
化を行わせ、さらには分 子 集 合 体の向きを自在に操り、
自律的に高次機能を創発するシステムを構築します。
三次元人工細胞アレイからなる
化学チップの創成
超分子型フラーレンを用いた
in vivo イメージング試薬の開発
素の単なる総和や重ね合わせではない自律的、非
線形的に新たな機能を生み出す(
“創発する”
)研
究を推進し、次世代ナノシステムの構築を目指します。
具体的には、生命科学、物質科学、精密工学、
電子工学、医用工学、知能情報工学などの様々な
分野における、自律的機能創発のしくみの解析・解
明、あるいは機能を創発するシステムのナノレベル
山内悠輔
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者
同上 若手独立研究者
ウン手法の技術の高度化、精密なボトムアップ手法
での設計・創製等、独創的・挑戦的な研究を対象
とします。
領域アドバイザー
新井 史人
生田 幸士
居城 邦治
今堀 博
宇佐美 光雄
江刺 正喜
須賀 唯知
染谷 隆夫
田口 善弘
中西 八郎
原
正彦
原田 慶恵
三谷 忠興
山下 一郎
渡辺 順次
佐々木善浩
京都大学工学研究科 准教授
東京医科歯科大学生体材料工学研究所 准教授
山越葉子
スイス連邦工科大学有機化学研究室 講師
ペンシルバニア大学医学部 Assistant Professor
微量の化学プロセスを安全、迅速、か
つクリーンに取り扱うことができるマイク
ロ化 学チップ の 開 発は、 医 療、 環 境、
エネルギー問題を解決し、サステイナブ
ル社会を実現するための喫緊の課題で
す。 本研究では、ガラスやシリコンなど
に代わり「人工細胞」をボトムアッププロセスにより自己
集積したバイオチップを開発し、プロテオーム創薬やテー
ラーメード医療への応用に向けた次世代ナノシステムを具
現化します。
本研究では、疾患特異的に発現してい
るタンパク質をターゲットとした新 規 in
vivo イメージング剤を開発します。 分子
デザインは、 造 影 剤 部 分となる Gd 内
包型フラーレン、タンパク質基質となる
リガンドペプチド部分、フラーレンを包接
するキャビタンドから構成され、 MRI 造影活性の向上と造
影活性の On/Off を包接化合物による内包・解離によっ
てコントロールすることを目指します。
東京工業大学大学院総合理工学研究科 教授
DNA セルフアセンブリによる
分子による分子の操作を可能にする Molecular
京都大学物質 - 細胞統合システム拠点 教授
ナノシステムの創製
Total Analysis Systems (MTAS)
名古屋大学大学院工学研究科 教授
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
北海道大学電子科学研究所 教授(H22.3 ∼)
京都大学大学院工学研究科 教授
株式会社R&V 代表取締役
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授
東京大学大学院工学系研究科 教授 東京大学大学院工学系研究科 教授 中央大学理工学部 教授
5
東北大学本部事務機構 監事(名誉教授)
北陸先端科学技術大学院大学グリーンデバイス研究センター 名誉教授
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 客員教授
東京工業大学大学院理工学研究科 教授(H22.3 ∼)
田川美穂
名古屋大学大学院工学研究科 准教授
東京大学大学院総合文化研究科 特任研究員
ナノテクノロジーにおける重要課題の一
つとして、分子や微粒子などのナノ部品
をボトムアップ的にアセンブリするための
プログラマブルな技 術 の 開 発がありま
す。 本 研 究では、 DNA タイル( 数 本
の DNA 分 子で作られた方 形 状のナノ
構造体)をセルフアセンブリして構築した DNA タイルア
レイを足場として、ナノ部品をプログラマブルにアセンブリ
し、トップダウン的な微細化技術の限界を超える技術の開
発を目指します。
横川隆司
京都大学大学院工学研究科 准教授
立命館大学理工学部 専任講師
本研究は、マイクロ・ナノマシニング技
術 に 代 表されるトップダウンの 手 法と、
生体由来のタンパク質を利用したボトム
アップの手法を融合することによる、分
子 分 析システ ム( Molecular Total
Analysis Systems, MTAS ) の 基
本原理の構築を目指します。確定的で信頼性の高いデバ
イス製作技術のナノスケール化と、分子レベルでのタンパ
ク質の自己組織能が相補的に機能するナノシステムの創
成が可能となります。
●扉絵は、機能創発をキーとして自己組織化や体内の血管で働くナノロボットをイメージしたものです。
60
平成
ナノ格子制御による薄膜キャパシタ構造の作製と剥離・
転写・接合によるナノ電子部品用実装技術の確立
年度採択研究者[2期生]
21
一木正聡
産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センター 研究チーム長
東京大学大学院工学系研究科 准教授
ナノ構造を利用した
高感度質量分析総合システムの開発
高見澤淳
ナノ形状設計に基づく人工神経細胞膜セ
ンサーの創製と機能発現
首都大学東京大学院理工学研究科 特任助教
首都大学東京大学院理工学研究科 特任助教
平野愛弓
東北大学大学院医工学研究科 准教授
同上
ナノレベルでの高度な結晶格子の構造制御
により、ナノキャパシタ、圧電薄膜等のナノ
電子部品を高密度に製作・集積化し、次世
代エレクトロニクスデバイス向けナノ実装技術
の基盤技術の確立を目標とします。本研究
では、ナノ格子の結晶整合 / 不整合性を活
用して、基本構造の結晶成長を実現し、フィルムベースの常温
接合技術のためのナノ表面機構を明らかにします。さらに、実装
プロセス技術としてのシステム化・装置化を図ることで従来は不
可能であった高性能ナノ電子部品の内蔵実装を実現します。
質量分析分野における高感度なイオン
化技術の開発は生体試料の微量質量
分析を行う上で避けることのできない重
要課題であり、現在試料基盤としてさま
ざまなナノ構造が積極的に利用され始め
ています。 本研究では、これらのナノド
メインの空間特異性や階層構造を理解しながらドメイン内
部・界面を利用したイオン化試薬の合成や高感度イオン
化法の開発を行い、測定スループットの向上と生体微量
代謝物への適用を目指します。
本研究では、細胞膜を模した脂質二分
子膜(人工細胞膜)を半導体加工技
術との融合により構築し、神経伝達物
質レセプターチャネルを膜中に埋め込む
ことにより、人工神経細胞膜センサーを
創製します。 ナノメートルスケールで形
状を制御した微細孔を作製し、その中で脂質二分子膜を
形成することにより人工細胞膜の安定化を行い、安定化
二分子膜を用いたイオンチャネルセンサーやアレイを構築
し、薬物スクリーニング等への応用を目指します。
細胞運動・機能を操作する
ナノ・マイクロメカニカルシステムの構築
生体粒子 vault の立体構造情報を
基盤とした新規 DDS の戦略的開発
ナノ・スピンモーターの開発
5
木戸秋悟
九州大学先導物質化学研究所 教授
同上
田中秀明
大阪大学蛋白質研究所 助教
同上
廣畑貴文
細胞は、それらが接着した材料表面上
の硬い領域に向かって移動するメカノタ
クシスと呼ばれる走行性を示します。 本
研究では、細胞を培養する際の人工材
料の表面に、硬い領域や軟らかい領域
の分布を精密設計することで、細胞の
運動方向や、細胞が定住する領域をコントロールする最
適化技術を開発します。 材料の微視的力学場の設計に
よるメカノタクシスの自在な制御に基づいて、細胞機能の
新しいベクトル操作材料の構築を目指します。
病気の治療に使われる薬剤は時として
両刃の剣となり、副作用によって患者さ
んを苦しめてしまうことがあります。こうし
た問題の解決策の1つとして薬剤を目的
とする場 所に必 要な量だけ運 搬するド
ラッグデリバリーシステム( DDS )の開
発が注目されています。 本研究では、生体内に存在する
巨大なカプセル粒子 vault を利用した DDS を立体構造
情報に基づいて戦略的に開発し、 DDS 開発における新
たなモデルケースを確立します。
ナノシステムの大規模集積化に向けた
高速電子線露光法の開発
分子デザインによるリピッド・ワールドの
創発
英国ヨーク大学電気学科 准教授
同上 講師
現在のナノロボティクスにおいて、重要
な課題である高効率で微細化された駆
動系の組み込みの解決策として、本研
究では電子スピンを利用したスピンモー
ターの 開 発を行 います。 具 体 的 には、
金属磁性体研究と半導体研究に関する
知見を駆使し、ナノスケール永久磁石の電気的制御によ
るナノモーターを実現しようとするものであり、将来のナノ
システム作製における非常に重要な基幹技術となると期
待される。
5
木村建次郎
神戸大学大学院理学研究科 准教授
同上 講師
豊田太郎
東京大学大学院総合文化研究科 准教授
千葉大学大学院工学研究科 助教
ナノ電気メスによる
高精度細胞センシング・加工システム
山西陽子
芝浦工業大学機械工学科 准教授
東北大学大学院工学研究科 助教
細胞がソフト界面の自己組織化に基づ
いてダイナミクスを創発するという観点か
ら分 子をデザインし、 両 親 媒 性 分 子の
自 己 集 合 体 の 自 己 増 殖、 自 律 遊 走、
分子コミュニケーションという3つのダイ
ナミクスを示す化学反応システムを創り、
リピッド・ワールドという原始細胞モデルの創発を目指しま
す。 微細加工技術や界面選択的分光技術でこれらダイ
ナミクスを計測して作動原理を解明することで、指向的な
化学進化モデルを提唱します。
本研究では、ナノスケールの高周波電
気メスを製作し、ナノスケールの細胞加
工技術を構築します。 銀ナノワイヤを電
気メスとして使用し、銀ナノワイヤ表面
の導電性を自己組織化膜によって絶縁
し、細胞センシングを行います。トップダ
ウンからボトムアップの要素が融合し、
マイクロからナノオー
ダーにわたる大きなダイナミックレンジで革新的低侵襲細
胞加工技術を確立し、遺伝子工学や発生工学などの分
野の発展に大きく貢献します。
ナノ細線状半導体光触媒システムの開発
Nano から Micro への精密自己組織化で
ブロックコポリマーテンプレートによる
3 次元ナノパーツの創成
拓く円偏光有機レーザーの創製
齊藤健二
新潟大学企画戦略本部若手研究者育成推進室 テニュアトラック助教
東京理科大学理学部 助教
本研究では、水分解または犠牲試薬存
在 下で水 素や酸 素 生 成 反 応に活 性を
示す粉末光触媒の高機能化法の確立
を目指し、金属錯体を基盤とした合成法
を適用して種々の構成元素からなるナノ
細 線 状 半 導 体 光 触 媒 群を創 製します。
本合成法の汎用性を明らかにするだけでなく、ナノワイヤー
の高次組織化過程を理解することで、光触媒反応に有
利な機能の創発を実現します。
内藤昌信
物質・材料研究機構環境再生材料ユニット 主幹研究員
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 助教
横山英明
ナノシステム
極 限 微 細 化 技 術において、 電 子 線 露
光の高速化は最も重要な研究課題です。
従来の“一筆書き電子線露光法”では
多大な時間とコストを要し、量産には向
きません。 本 研 究では、「 電 子の短 波
長性」と「電子線の軌道制御性の良さ」
を最大限に生かした量産型の高速電子線露光装置の開
発を目指します。
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
同上
Nano の分子素子を Micron まで精密・
正確にボトムアップし、トップダウン加工
技 術と融 合するための手 法として、 分
子認識・自己組織化・クリックケミストリー
を駆 使した「 超 分 子クリック重 合 」 の
確立を目指します。 強円偏光発光分子
をマクロモノマー化した後、超分子クリック重合によりナノ
プレハブ集積化し、無欠陥の円偏光発光性 Micron 膜
を創製することで、多波長発光・偏光可変型の有機円
偏光レインボーレーザーを実現します。
ブロックコポリマーの自己組織化は古く
から知られ、ラメラ・ジャイロイド・シリン
ダー・球のドメインを周期構造とする相
分 離 構 造を形 成します。 本 研 究では、
超臨界二酸化炭素中で、自己組織化し
たブロックコポリマーの構造を膨潤させる
ことにより構造転移を誘起し、減圧により二酸化炭素を
除去することで、様々な「形」を持ったポリマーナノパー
ツを創出し、新しいボトムアップ加工技術の基盤を提供し
ます。
高分子ナノマテリアルの
光アクティブ制御と機能探索
創発的機能制御性ペプチドアプタマーの
創成
挑
制御された単分子/環境半導体ナノ構造を
素材とした発光素子創製
白幡直人
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者
物質・材料研究機構ナノセラミックスセンター 主任研究員
環境低負荷型半導体内部での励起キャ
リアの三次元的な量子閉じ込めと高密
度有機単分子被覆を技術融合した液相
プロセスに基づき、紫外 - 可視域の各
波長帯において高輝度に発光する「単
分子/半導体」ナノ構造体を合成しま
す。さらに、当該発光体を素材とした発光素子構造を半
導体微細加工技術により構築し、環境負荷が低く、低コ
ストのナノフォトニクスデバイス創製を目指します。
永野修作
名古屋大学大学院工学研究科 准教授
同上 助教
ブロック共重合体薄膜は、高分子 1 つ
分の大きさに相当するようなメゾスコピッ
ク(ナノよりひとまわり大きい)スケール
の相分離構造を形成します。 本研究で
は、この相分離構造の配向(向きや方
向)を、光の照射だけで自在に操る技
術を確立し、ナノ粒子などのナノ材料のテンプレートとして
用いることで、従来のナノテクノロジーの概念にない“ア
クティブ”にナノ構造が動く高分子ナノマテリアルを創出し
ます。
5
5 年型
挑 大挑戦型
和田 章
理化学研究所基幹研究所 専任研究員
同上 研究員
人工ペプチドライブラリーの中から、標
的分子に特異的に結合する「ペプチド
アプタマー」を安定的に創出するための
「新規リボゾームディスプレイ法」を開発
します。さらに、金属錯体などとの融合
による新たな自己集合性機能をもたせる
ことで、タンパク質や細胞などの生物機能を効率的に制
御する「ナノ構造を有したペプチドアプタマー」の創成を
目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
61
平成
5挑
年度採択研究者[3期生]
膜マイクロマシニング技術を基盤とする
22
共創的再生医療プラットフォームの構築
池内真志
東京大学先端科学技術研究センター 助教
名古屋大学大学院工学研究科 COE 特任助教
有機ナノクリスタルの発光プロセス変換に
よる新規バイオイメージングシステムの開発
藤内謙光
大阪大学大学院工学研究科 准教授
同上
3 次元メゾスコピック・エンジニアリングに
よる有機アクティブレーザー光源の創出
古海誓一
物質・材料研究機構応用フォトニック材料グループ 主幹研究員
物質・材料研究機構光材料センター 主任研究員
ポリマー薄膜による 3 次元マイクロ・ナ
ノデバイスの作製技術「 MeME プロセ
ス」(トップダウン)と、 静 電力と相 分
離現象を利用した「ナノファイバーカプ
セル」(ボトムアップ)の、 2 つの膜マ
イクロマシニング技術を融合・発展させ
ます。 幹細胞の分化、増殖をコントロールすると同時に、
組織再生の時空間的ステージに応じて、自らの内部構造
や誘導因子放出などの機能を更新できる、新概念の共
創的再生医療用プラットフォームを開発します。
本研究では、固相状態において化学刺
激および物理刺激により動的に分子の
凝集状態を変換し、発光プロセスを制
御することによって劇的に発光挙動を変
化させる、ダイナミック発光変調物質の
開発を行います。この発光変調物質を
ナノクリスタル化し、有機情報伝達物質(生体低分子)
が関与する生命機構の解明を目指した、新規バイオイメー
ジングシステムの創製に挑戦します。
本研究では、数百 nm のメゾスコピック
3 次元空間を制御して、次世代フォトニッ
クシステムに繋がる新しい有機アクティ
ブレーザー光 源の研 究を行います。 微
小 粒 子が自発 的に 3 次 元 規 則 配 列し
た集積体の中に、メゾスコピックな光学
空間を高精度で加工できる 3 次元光リソグラフィー技術を
確立し、局所的な内部電場増強や高効率レーザー発振
を実証します。 有機材料の特徴を最大限に引き出して、
高性能で高効率なレーザー光源の創出を目指します。
ナノギャップ金属構造を利用した
赤外・テラヘルツ光検出システム
疎水領域を有する核酸を用いた機能創出
ボトムアップ組織形成術による
生体組織システムの構築
上野貢生
北海道大学電子科学研究所 准教授
同上
堂野主税
大阪大学産業科学研究所 准教授
同上 助教
松永行子
ナノギャップを有する金属ナノ構造を用
いて、従来とは全く異なった原理で動作
する赤 外・テラヘルツ( THz )波を周
波数選択的に検出する光センサーを構
築することを目的とします。 数 nm 以下
のナノギャップ金 属 構 造が示す高い光
電場増強に基づく急峻な電場勾配を利用して、輻射力に
よる高分子ゲルの体積相転移を誘起し、 MEMS 技術を
利用した光の物理的計測方法を確立して赤外・テラヘル
ツ波の検出に応用します。
遺伝をつかさどる DNA は、高精度な分
子認識能と自己組織化能を有する機能
性 分 子です。 本 研 究では、 細 胞 膜に
代表される脂質二重膜のような疎水環
境下において機能を発揮する、疎水領
域をもつ 人 工 DNA を創 製します。 疎
水領域を有する DNA を用いて、脂質二重膜表面・膜
内に精 密に制 御された微 細 構 造を構 築することにより、
分子認識や膜間シグナル伝達など、脂質二重膜を舞台と
する様々な機能を実現します。
ナノ半導体配列構造を用いた
情報処理機能創製
ナノプロトニクス現象を利用した
化学素子化燃料電池の開発
東京大学生産技術研究所 特任講師
東京大学生産技術研究所 特任助教
本研究では、細胞周辺環境を制御した
三次元組織構築法を確立します。 均一
に制御されたマイクロゲルと細胞を構成
要 素として三 次 元 組 織を再 構 成します。
さらに、三次元組織中に物質を能動的
に供給しうる生体組織システムを構築し、
細胞のリモデリングを促し再構成組織の機能創発を実現
します。
次
小寺哲夫
東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センター 助教
同上
長尾祐樹
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 准教授
東北大学大学院工学研究科 助教
量子ナノ構造近接相互作用により
創発する先端光機能
宮内雄平
京都大学エネルギー理工学研究所 特任准教授
京都大学化学研究所 特別研究員
人工原子中のスピン間相互作用により
情報処理機能を創発する新原理デバイ
スの動作実証を行います。この過程で、
シリコンナノ構造を利用した初の量子情
報処理素子の実現だけでなく、フラスト
レート系物理の解明も目指します。 相互
作用を制御可能な「人工原子フラストレート系」において、
メモリー効果等の非平衡ダイナミクスを実現し、その動作
原理を解明することで、次世代ナノシステムに必要な新
物質作製の設計指針を与えます。
本研究では、有機ポリマーの自己組織
化だけでなく、 3 次元のマイクロメートル
オーダー空間内において原子レベルの
精 度での分 子 配 列・位 置 制 御や異 種
機 能 性 分 子 同 士のピンポイント結 合を
利用したボトムアッププロセスと MEMS
によるトップダウンプロセスを融合させます。 独自に見い出
すことができたプロトン伝導促進現象を利用した化学素子
としてのナノプロトニクス燃料電池の開発を目指します。
単層カーボンナノチューブ等の量子ナノ
構造間の近接相互作用を利用して光物
性を支配する励起子(エキシトン)ダイ
ナミクスを巧みに制御することで、量子
ナノ構造固有の光物性を超えた新たな
先端光機能の創発を目指します。 各種
量子ナノ構造の複合化により、量子情報デバイスのため
の単一光子発生や超高効率太陽電池を可能にする光吸
収増強、高効率マルチエキシトン生成等の革新的光機能
を実現する新たな手法を開拓します。
三次元パターンを利用した
新規細胞走性の開発
発熱ナノカプセル粒子の鋳込成型体を用
いた瞬間接着技術の創成
スマートセンシングのための
ナノオブリック圧電体の創製
5
角南 寛
北海道大学大学院先端生命科学研究院 研究員
北海道大学大学院先端生命科学研究院 研究員
兵庫県立大学大学院工学研究科 准教授
同上
本 研 究は、これまでに見出した細 胞が
三次元パターンのエッジを好んで強く接
着する特性を用いて、三次元パターン
のエッジを利用した遊走方向の制御技
術を確立するものです。 更に細胞が三
次元パターンのエッジから受ける機械的
なシグナルを時空間的に追跡し、新たな走性を発現するメ
カニズムの解明も行います。 本技術は細胞診断や細胞
分離技術などへの応用が期待されます。
本研究では、ナノ粒子生成のボトムアッ
プ手 法と MEMS プロセスのトップダウ
ン 手 法 とを 融 合 させ、 1 秒 未 満 で
700 ℃相 当の熱 量を瞬 間 発 生 可 能な
発熱素材を創製し、これを熱源とした Si
ウェハの瞬間はんだ接着法の確立を目
指します。 Al ナノ粒子に Ni をナノコートした AlNi ナノカ
プセルを素材とし、本接着法により、
ほぼ 0W のエネルギー
でウェハを接着でき、低エネルギー・低コストな“エコ接
着技術”として CO 2 削減に貢献します。
電界による磁化スイッチングの実現とナノス
ケールの磁気メモリの書込み手法への応用
機能性ペプチドを用いたナノシステムの
創製
千葉大地
東京大学大学院工学系研究科 准教授
京都大学化学研究所 助教
ハードディスクや研究開発が進む磁気メ
モリでは、微小磁石の磁化方向をスイッ
チさせて情報を記録しています。 記録密
度の向 上に伴い、より省エネルギーな
書込手法が求められています。 本研究
では、ナノ磁石に電界を印加することで
磁化方向をダイレクトに制御し、外部からの磁界や電流
の印加を必要としない、新たな磁化スイッチング手法を目
指します。 半導体と磁性体の技術を融合し、これまでに
ないアイデアを提案・実証していきます。
62
生津資大
早水裕平
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授
ワシントン大学 研究員
近年のナノテクノロジーにおいて、バイ
オ・ナノ界面の制御は最も重要な研究
課題のひとつです。 本研究では、固体
表面で特異的に自己組織化する機能性
固体吸着ペプチドを用い、ナノ材料とバ
イオ材 料 の 複 合システムを構 築します。
ペプチドの精緻な設計に加え、トップダウン手法によって
作製されるナノ材料テンプレート上で、ペプチドおよびバ
イオ材料の自己組織化を制御し、自律的に機能する新規
ナノシステムの創製を目指します。
山田智明
名古屋大学大学院工学研究科 准教授
東京工業大学大学院総合理工学研究科 特任助教
本 研 究では、 安 全 安 心 社 会の構 築に
欠かせないスマートセンサーシステムを支
える発電素子材料として、ナノオブリック
(傾斜)構造化した新規圧電材料を創
製します。 結晶核のファセット構造を起
点とする自己組織化したボトムアップ成
長技術を用いて、圧電体が自立傾斜成長したナノ構造を
実現し、従来より飛躍的に大きな機械 - 電気変換性能
の実現を目指します。
液晶自己組織化にドライブされた
スイッチャブル・メタマテリアルの創製
吉田浩之
大阪大学大学院工学系研究科 助教
同上
液晶はディスプレイの代名詞と言えるほ
ど私たちの社会に浸透していますが、最
大の魅力は自発的配向能を有すること
です。本研究では液晶の自発的配向能
を利 用してナノ物 質の3次 元・大 面 積
配列を行い、ナノ物質と液晶配向場の
相互作用をナノ分解能顕微鏡により明らかにします。また
液晶−ナノ物質複合媒質の光学応答を理論的・実験的
に解析し、電場などの外場によりスイッチング可能なフォト
ニックメタマテリアルの実現を目指します。
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術
の創出・体系化
http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/204bigdata.html
戦略目標
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な
情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化
研究領域の概要
ICT の社会浸透や、実世界から情報収集するセンサーや計測・観測機器の高度化と普及に
伴い、様々な分野で得られるデータは指数関数的に増大し、多様化し続けています。これらのビッ
グデータの高度な統合利活用により、新しい科学的発見による知的価値の創造や、それらの知
識の発展による社会的・経済的価値の創造やサービスの向上・最適化などにつながる科学技
研究総括
喜連川 優
国立情報学研究所 所長/
東京大学生産技術研究所 教授
術イノベーションが期待されています。
本研究領域では、ビッグデータの複数ドメインに共通する本質的課題を解決し、様々な分野の
ビッグデータの統合解析を可能にする次世代基盤技術の創出・高度化・体系化を目指します。
具体的には、大規模データを圧縮・転送・保管する大規模管理システムの安定的運用技術や、
多種多様な情報を横断して検索・比較・可視化して真に必要となる知識を効率的に取り出す技
術、これらを可能にする数理的手法やアルゴリズムなどの開発を推進します。これらの研究の推
進にあたり、ビッグデータから社会における価値創造に至るシステム全体の設計を視野に入れ、
ICT 以外の分野との積極的な連携・融合によって社会受容性の高い次世代共通基盤技術の
創出・高度化・体系化に取り組みます。
また、本研究領域では、関連領域の「科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッ
柴山 悦哉
グデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化」で得られる次世代
東京大学情報基盤センター情報メディア教育研究部門
教授
アプリケーション技術やデータを共有・活用するなどの連携を推進します。
ナノシステム
副研究総括
領域アドバイザー
明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 教授
荒川 薫
東京大学 名誉教授
石塚 満
岩野 和生 三菱商事株式会社企画業務部 兼 ビジネスサービス部門
顧問
上田 修功 日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所
機械学習・データ科学センタ長主席研究員(上席特別研究員)
田中 英彦 情報セキュリティ大学院大学 学長
井 潤一 Microsoft Research Asia(マイクロソフトリサーチ
アジア)Principal Researcher (首席研究員)
徳田 英幸 慶應義塾大学環境情報学部 教授
東北大学大学院情報科学研究科システム情報
徳山 豪
科学専攻 教授
ビッグデータ
東野 輝夫 大阪大学大学院情報科学研究科 教授
室田 一雄 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
安浦 寛人 九州大学 理事・副学長
領域アドバイザー(さきがけ専任)
北川 博之 筑波大学システム情報系 教授
山西 健司 東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学
専攻 教授
国際・領域運営アドバイザー
Calton Pu Georgia Institute of Technology
School of Computer Science
Professor and J. P. Imlay Jr. Chair in
Software
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
63
平成
ビッグデータ統合利活用のための法制度のあり方に
関わる総合的日米欧比較研究による制度設計
年度採択研究者[3期生]
25
生貝直人
東京大学大学院情報学環 特任講師
情報・システム研究機構新領域融合研究センター 融合プロジェクト特任研究員
ビッグデータの利活用を図るために必要
な法律・政策上の措置につき、政府と
産業界の連携に基づく「共同規制」と
いう政策手法を念頭に置いた、総合的
な制度設計の研究を行います。 特に重
点的な検討を行うプライバシー分野につ
いては、匿名化やプライバシー影響評価等の法的取扱い
につき、 EU や米国等の取り組みを子細に参照・比較す
る作業を行うと同時に、アンケート手法を用いた法制度へ
の消費者受容の計量研究を行います。
統計的潜在意味解析によるデータ駆動
インテリジェンスの創発
佐藤一誠
東京大学情報基盤センター 助教
同上
「ビッグデータからの価値創造」に対し、
「データ駆動インテリジェンス」という概
念により1つの見通しを与えます。「デー
タ駆 動インテリジェンス」とは、「 人 工
知能 」や「 人間の知能 」に並ぶ、新
たな知のカテゴリで「 人間の知能 」に
対して補完的な役割を果たします。 具体的には「データ
駆動インテリジェンス」の創発を可能にする統計的潜在
意味解析の体系化を行い、複数の応用研究においてそ
の有用性を示します。
透過的データ圧縮による高速かつ
省メモリなビッグデータ活用技術の創出
田部井靖生
(独)科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京工業大学 ERATO 湊離散構造処理系プロジェクト 研究員
バイオインフォマティクス、ケモインフォ
マティクスなどの分野に存在するビッグ
データを対象として、普遍的なデータ処
理課題を抽出し、その課題を数理的な
立 場から問 題を定 式 化します。 そして、
ビッグデータ処 理に適 応 可 能な高 速か
つ省メモリなデータ処理手法の開発を目指します。
多様な構造型ストレージ技術を統合
可能な再構成可能データベース技術
松谷宏紀
慶應義塾大学理工学部 講師
同上
リレーショナルデータベースに加え、特定
用途に特化した構造型ストレージ技術を
適材適所で組み合わせることで高効率な
情 報 基 盤を実 現できる。 本 研 究では、
多様な構造型ストレージ(キーバリュー
型、カラム指向型、ドキュメント指向型、
グラフ型)の処理エンジンを FPGA 上に実現し、それぞれ
専用ハードウェアとして実行することで、ソフトウェアによる
処理と比べて桁違いの高スループット、低消費電力、高
実装密度を実現します。
金融ビックデータによるバブルの
早期警戒技術の創出
水野貴之
情報・システム研究機構国立情報学研究所情報社会相関研究系 准教授
同上
金融取引と全世界で配信される投資家
向けニュースのビックデータに対して、統
計物理学・統計学・機械学習・自然言
語処理・マクロ経済学のデータ分析手
法を複合的に利活用し、バブルや金融
危機の前兆時のニュースの特徴を明ら
かにすることによって、早期にバブルや金融危機の警報
や注意報を発信する技術を創出します。これにより、デー
タドリブンの金融政策への道筋を作ります。
64
非テキストデータと接続可能な
テキスト解析・推論技術の開発
宮尾祐介
情報・システム研究機構国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 准教授
同上
本研究では、センサーデータやソーシャ
ルデータなどのビッグデータと、それを分
析・解釈した結果を表すテキストを統合
的 に 意 味 解 析する技 術を開 発します。
これにより、ビッグデータの自動解釈に
よるテキスト化、テキストに書かれた情
報の実データに基づく検証、テキスト化された知識と未知
のデータの情報を統合した意味推論などが実現し、ビッグ
データ解析の研究開発サイクルの大幅な効率化を目指し
ます。
21
戦略目標
集団としての人間の行動軌跡解析と
場のデザイン
年度採択研究者[1期生]
http://www.human.jst.go.jp/
平成
情報環境と人
和泉 潔
人間と調和する情報環境を実現す
る基盤技術の創出
多人数インタラクション理解のための
会話分析手法の開発
東京大学大学院工学系研究科 准教授
産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター 主任研究員
本研究では、実社会で相互作用する複
数の人間の行動データから、集団として
の人間行動モデルを構築するための情
報処理技術を開発します。本技術によっ
て、チーム作業を行う物理環境や社会
経済活動を行う情報環境において、頑
強性・安定性を向上させる空間や制度の設計を支援する
ことを目指します。さらには解析結 果を現場にフィードバッ
クし、有効性検証や具体的な利活用形態の検討を行い
ます。
高梨克也
京都大学学術情報メディアセンター 産学連けい研究員
京都大学学術情報メディアセンター 特定助教
グループでの情報交換や合意形成は現
代社会の重要な活動の一つです。こう
した活動の効率を向上させる情報処理
技術の開発には、まず多人数インタラク
ションの理解に資する手法を開発しなけ
ればなりません。 本研究では、実社会
のミーティングのフィールド調査を中心とし、従来主に 2
者間の会話を対象としていた会話分析の手法を拡張しま
す。また、開発した手法をミーティングなど、多様な多人
数インタラクションの現場に適用します。
5
長期インタラクション創発を
可能とする知能化空間の設計論
尾形哲也
研究総括
石田 亨
京都大学大学院情報学研究科 教授
本研究領域は、人とのインタラクションが本質的
な知的機能の先端研究を行い、その成果を情報環
境で共有可能なサービスの形で提供し、さらに研究
世界の子ども達をつなぐ
遠隔操作ロボットシステム
早稲田大学理工学術院基幹理工学部 教授
京都大学大学院情報学研究科 准教授
田中文英
本研究では、人間とロボットを含む知能
化空間が互いの予測と適応を繰り返す
ことで、動的に発展していくコミュニケー
ション(事象やそれを表すサイン)に着
目します。 実環境変化を予測する順モ
デルを構 築し、これを能 動 的な環 境 認
知、言語への変換、さらに人間行為の予測に適用します。
このモデルから、知能化空間が身体の一部となったかの
ような“さりげない長期支援”の設計論を構築し、多様な
システムへの適用を図ります。
本研究では、子ども達が海外の教室に
置かれたロボットを遠隔操作することに
よって、現地の活動にリアルタイムに参
加可能な「ロボット留学システム」を開
発します。 本システムにより子ども達は
ロボットを通して海外の子ども達と物理
的にインタラクションできるのみならず、対話は相手に応じ
て自動翻訳され、手軽かつ安価にリアルな留学体験をす
ることができるようになります。さらにここでのマルチモーダ
ル体験は記録・再生が可能です。
ラーニングログを用いた
協調学習情報基盤の開発
力覚信号処理技術に基づく
リハビリ支援ネットワーク
5
九州大学基幹教育院 教授
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 准教授
領域内外の他のサービスとのネットワーキングにより
緒方広明
複合的な知能を形成していくことを目指すものです。
本 研 究では、 次 世 代 の e-Learning
環境として、日常生活での学習の体験
映像をラーニングログとして蓄積し、他
の学習者と共有することで、知識やスキ
ルの獲得を支援する、協調学習の情報
基 盤を開 発し,大 学などで実 践を行い
評価します。 特に、その場所や時間など学習者の周囲の
状況に適した情報を学習者に知らせ、学習者の環境や
ニーズと調和して適切な情報コンテンツを提供し、学習プ
ロセスを支援する学習環境の構築を目指します。
具体的には、人とのインタラクションが本質となる、
ユビキタスコンピューティング、アンビエントインテリ
ジェンス、知能ロボット、コミュニケーションやグルー
プ行動支援などを実現するための知的機能の先端
研究、ユーザビリティテスト、エスノグラフィ、統計
分析など、利用現場における知的機能の評価研究、
さらに研究成果を社会に提供するためのサービスコン
東京大学情報理工学研究科 特任准教授
筑波大学大学院システム情報工学研究科 准教授
辻 俊明
埼玉大学工学部 准教授
同上 助教
本 研 究では、リハビリ支 援 機 器をイン
ターネットに接 続し、リハビリ運 動の応
答値をサーバに記録するシステムを開発
します。 本システムでは運動データに機
能に基づく力覚信号処理を施すことによ
り理 学 療 法 士のノウハウを抽 出し、 再
利用可能なライブラリとして保存します。 収集された膨大
なデータに基づいてリハビリ動作の効果とリスクを数値化
することで、個々の症例に合ったリハビリ動作の再生や
統計に基づく精緻な評価が可能となります。
ピューティングを用いた知的機能のネットワーキング
5
研究を対象とします。
触覚の時空間認知メカニズムの解明に
基づく実世界情報提示
領域アドバイザー
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター 教授
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
筑波大学大学院システム情報工学研究科 教授
静岡大学創造科学技術大学院 教授
神戸大学大学院工学研究科 教授
京都大学 学際融合教育推進研究センター
デザイン学ユニット 特定教授
本 研 究は、 実 世 界での最 適な情 報 提
示 手 法として触 覚に着目し、 触 覚を用
いた情報提示が持つ高い潜在能力を引
き出すことを目指します。 触覚による情
報提示は,リアルタイム性と直感性に優
れ、視聴覚を阻害しないことから、実世
界での情報提示手段として高い潜在能力を持つと考えら
れます。 本研究では、実世界情報提示で主要と思われる
閲覧と誘導という二つの行動について、皮膚感覚の時空
間特性に基づいた最適設計論を確立します。
長谷川晶一
東京工業大学精密工学研究所 准教授
電気通信大学電気通信学部 准教授
人 の 行う作 業 には記 述できない 知 識、
即ち暗黙知が多く含まれています。この
暗黙知を蓄積し、再利用可能な集合知
とすることができれば、作業と結果の改
善や支援、作業内容の検討や討議の
支援など多くの応用が考えられます。 本
研究では、作業を認識し、物理モデルとセンサモデルの
シミュレーションによる同定処理によって、作業プロセスを
計測環境に依存しない形式に変換します。これによりネッ
トワーキングによる作業集合知を構築します。
情報環境
公立はこだて未来大学 副学長・教授
電気通信大学情報理工学部 准教授
同上 電気通信学部 准教授
ビッグデータ
五十嵐 健夫
井佐原 均
石黒 浩
片桐 恭弘
葛岡 英明
竹林 洋一
塚本 昌彦
中小路 久美代
梶本裕之
5
作業プロセスの環境非依存化による
作業集合知の形成
橋田 浩一 東京大学大学院情報理工学系研究科
ソーシャル ICT 研究センター 教授
美濃 導彦 京都大学学術情報メディアセンター 教授
森川 博之 東京大学先端科学技術研究センター 教授
山田 敬嗣 NEC NEC Asia Pacific Pte. Ltd.(兼)
NEC Laboratories Singapore Senior
Vice President(兼)Top
学習進化機能に基づく
スパイラル・ケアサポートシステム
髙玉圭樹
電気通信大学情報理工学部 教授
同上 電気通信学部 准教授
本研究では、高齢化社会における介護
支援に焦点を当て、高齢者・介護士・
経 営 者それぞれが抱える問 題を解 決し、
介護の質を向上させるスパイラル・ケア
サポートシステムの 構 築を目指します。
特に、学習進化機能を導入することに
より、高齢者毎に対応した介護支援を実現し,その有効
性を実際の介護福祉施設で検証します。 更に、医療と
比べて体系化されていない介護支援システムの標準化と
デファクトスタンダードを追求します。
大規模 web 情報とライフログによる
実世界認識知能の構築
原田達也
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
同上 准教授
本研究では、実世界で利用可能な視覚
を中心としたマルチモーダルデータを認
識する知能の構築を目指します。 実世
界認識知能の構築には知識獲得が必
要 不 可 欠ですが、このために大 規 模
web データによる一般的知識の獲得と
ライフログによる個人適合した知識の獲得を行います。こ
の応用例として、認識機能をゴーグル型ウェアラブルデバ
イスに実装し、人の視覚情報を言葉で書き下し、記憶を
言葉で検索可能とするシステムを開発します。
●扉絵は、情報環境と人のつながりにより、研究と社会サービスがグローバルに融合された姿を表したものです。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
65
インタラクション理解に基づく
調和的情報保障環境の構築
坊農真弓
情報・システム研究機構国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 准教授
情報・システム研究機構国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 助教
5挑
5
遺伝子解析と人工知能技術を用いた
パーソナルゲノム情報環境の提案と評価
実世界指向ユーザインタフェース実現の
ための動作認識基盤の確立
城戸 隆
理研ジェネシス バイオインフォマティクス部 マネージャ
同上
寺田 努
神戸大学大学院工学研究科 准教授
同上
情報機器の発展はろう者の生活に大き
な変化をもたらしてきました。 例えばポケ
ベルや携帯メールは外出先での連絡を
可 能にし、自宅で FAX を待つ従 来の
生活を一変させました。 今後は映像通
信技術の発展に伴い、手話を用いた映
像による社会参画の機会が増えると予想されます。 本研
究では、遠隔地にいるろう者と聴者が対等に議論可能な
場として、映像通信技術を用いた調和的情報保障環境
の構築とそのガイドライン作成を目指します。
遺 伝 子 解 析と人 工 知 能 技 術に基 づく、
画期的な遺伝子情報サービスの基盤技
術構築を目指します。 特に、レイティン
グシステムによって蓄積された個人属性
と遺伝子情報との関連性をもとに、より
信頼性の高い遺伝子リスクを予測する
ための計算モデルを構築し、さらに遺伝子リスク知識が
人々に与える影響を評価します。 個人のゲノム情報から
病気のリスクや個性を予測したり、病気の原因解明、新
たな科学発見につながる技術です。
本 研 究では、 実 世 界における人とコン
ピュータとの自然なインタラクションを実
現するために、ユーザの状況や動作を
高度に理解し、それをユーザインタフェー
スに応用するための基盤技術を確立しま
す。 人間の複合動作の分解や、即時
性を高めた動作認識などの要素技術により、実世界にお
いて認識技術をインタフェースに適用する場合に生じる問
題を解決したシステムプラットフォームを構築します。
脳活動の推定に基づく
適応的な環境知能の実現
発話行動の階層的理解に基づく
相互適応型音声インタラクション
広領域・非装着型視線検出技術の開発
山岸典子
情報通信研究機構情報通信融合研究センター 主任研究員
(株)国際電気通信基礎技術研究所脳情報研究所 主任研究員
今 後のユビキタス環 境では、ユーザの
意 図を理 解し、「 欲しいところに欲しい
情報が、ちょうどよいタイミング」で提供
されることが望まれます。 本 研 究では、
ユーザに適応的な環境知能の実現を目
指し、脳活動の推定に基づいて、時々
刻々と変化するユーザの注意の方向や知的作業に対する
準備状況を推定する手法を開発します。これにより、情
報通信技術の恩恵を自然に受けることができる適応的、
親和的かつ能動的な情報環境を実現します。
大阪大学産業科学研究所 教授
京都大学大学院工学研究科 准教授
中澤篤志
京都大学大学院情報学研究科 准教授
大阪大学 サイバーメディアセンター 講師
平成
年度採択研究者[2期生]
本研究では、人間とシステムが相互に
適応できる音声インタラクションの実現
を目指します。 使いやすい音声対話イン
タフェースを実現するには、システムが
個々のユーザに適応するとともに、シス
テムの能力をユーザに伝える枠 組みも
必要になります。 音声インタラクション中に現れる様々な
発話現象を包括的に捉えることにより、柔軟な音声対話
戦略の実現に取り組みます。
視線検出は現代・次世代の情報環境を構
築するために重要かつ必須な技術です。し
かし従来のシステムは、実験室環境での使
用が想定されているため、視線検出の対象
領域は限られており、被験者に特殊なデバ
イスを装着する必要がありました。本研究で
は実生活シーン等を対象にし、特殊なセンサを装着せず高精度
な視線検出を実現するシステムを開発します。基本的なアイデ
アは、時空間のパターン光をプロジェクタで環境に投影し、そ
の眼球上での反射光をカメラで検出し解析するというものです。
行動の記号化を基盤とした身振り・言語を通じて
コミュニケーションするロボットの知能設計
人刺激・計測 MEMS を用いた
効果的な環境知能伝達方法の開発
5
自然言語処理による
22
診断支援技術の開発
荒牧英治
駒谷和範
京都大学学際融合教育研究推進センター 特定准教授
東京大学知の構造化センター 講師
5
高野 渉
東京大学大学院情報理工学系研究科 講師
同上
三木則尚
近年、カルテの電子化やインターネットに
接続可能な医療機器により大量の医療
データの収集/利用が可能となっており、
これらを活用することで、将来的には高度
な診断支援や遠隔医療が実現可能である
として大きな期待がよせられています。しか
し、現状では、大量のデータ処理を人手に頼るしかなく、情
報処理技術による支援が望まれています。以上の背景のもと、
本研究では、診療記録や患者コメントといった医療テキストを
対象にそこから臨床情報を抽出する技術を研究開発します。
環境を含んだ身体運動情報の記号と自
然言語を結び付ける数理モデルを構築
することによって、身振り手振りや言語
を用いて人間とコミュニケーションするロ
ボットの知能を設計します。 人間の言動
の大規模なデータを記号・言語の統計
的ネットワークとして学習します。 人間の傍らにいるロボッ
トが人間の言動を知覚・理解・深読みしながら、運動を
伴うタスクを協調して行う支援、適切な情報を提供する支
援の実現を目指します。
迅速な災害対応のための空間を用いた
情報統合技術の確立
物理ベースデザインのための
インタラクティブ情報環境の構築
慶應義塾大学理工学部 准教授
同上 専任講師
環境知能の実現により、人が有益な情
報をリアルタイムかつオンサイトに享受で
きるようになります。 本研究では、環境
知能伝達の有効性を評価するためのプ
ラットフォームを、人を刺激する触覚ディ
スプレイ、またその応答を行動および認
知レベルで計測する透過型眼鏡式視線検出システム、フ
レキシブル脳波計測電極などの人刺激・計測 MEMS を
新たに開発することにより構築し、これを用いて効果的な
環境知能伝達方法を開発します。
挑
井ノ口宗成
新潟大学災害・復興科学研究所 助教
同上 災害復興科学センター 特任助教
東京大学大学院総合文化研究科 助教
同上
擬人化を利用した
人間の認知能力補助インタフェースの開発
実世界コンテンツを創造/活用するための
ミドルウェア
筑波大学大学院システム情報工学研究科 助教
情報・システム研究機構国立情報学研究所 特任研究員
本研究では、複雑な機器・環境情報を、
擬人化表現を介して理解可能な形に翻訳
する、認知補助擬人化インタフェースを開
発します。 人間は年齢・文化に関わらず、
形状・動作・反応時間などの表出をトリガー
として、外界の環境に対し対話者を投影
する先天的な特性を持っています。本研究では、環境に対し
センサやアクチュエータを部分的・選択的に取りつけ、この
特性を促進します。環境情報や状態遷移などを、人間の認
知能力に収まる範囲で伝えることを目指しています。
塚田浩二
はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科 准教授
お茶の水女子大学お茶大アカデミックプロダクション 特任助教
実世界の身近な生活環境には多様なコ
ンテンツが 溢 れていますが、それらを
Web サービスに代表される情報環境の
コンテンツと同じように活用することは容
易ではありません。また、生活空間では
情報環境よりはるかに多様な利用状況
が存在するため、コンテンツを適切な手段で提示すること
も困難です。そこで本研究では、生活環境において多様
なコンテンツを手軽に創造/活用するためのミドルウェア
を構築します。
筑波大学図書館情報メディア系 / 知的コミュニティ基盤研究センター 教授
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科 准教授
本研究では、ソーシャル・ヒューマンコ
ンピュテーション系ソフトウェア等を含む、
人と計 算 機が共に適 切に働くことが必
要なデータ指向ソフトウェアを迅速に開
発するためのプログラミング言語・環境
の研究を行います。 人をゲームに従って
動く”合理的情報源”とモデル化し,プログラムの明示的
な構成要素とする事により、人と計算機を一つのシステム
とみなしたアドホックでないプログラミングを実現する技術
基盤の確立に挑戦します。
23
集合記憶の分析および歴史文書からの
知識抽出手法の開発
年度採択研究者[3期生]
本研究では、折紙構造や張力構造のよ
うに、部材の物理的性質を最大限に利
用した物理ベースデザインをパーソナル
なものづくりに展開することを目的とし、
そのためのインタラクティブな情報環境
を構築します。物理的拘束とデザイン条
件の双方を満たすデザイン空間でのインタラクションを通じ
て、専門的知識が無くても使えるシステムを目指します。
さらに、ものづくりの専門家や研究者の知識やノウハウを
直感的な形で利用可能とします。
森嶋厚行
平成
災 害 現 場では消 防や警 察 等の機 関が
個別の目的で情報を収集するため、対
応 者は目視 確 認 による情 報 統 合を行
なっています。このため全 体 的な状 況
把握が遅れ、迅速な対応が阻害されて
います。 本研究では、異なる質の情報
を空間的に統合する目視確認過程を空間オントロジーとし
てモデル化し、位置情報を情報集約のキーとした情報統
合技術、及びそれを支える基盤を実現します。 本研究成
果は、異分野の知見統合の基盤技術となります。
大澤博隆
66
舘 知宏
人と計算機の知の融合のための
プログラミング言語と開発環境
アダム ヤトフト
京都大学大学院情報学研究科 准教授
同上
本研究では、ニュースアーカイブや電子
化された文書といった歴史文書から知識
を抽出することで、
“計算機による歴史
学”を支援することを目指します。 歴史
文書から有用な知識を抽出するために、
歴史文書内のトピックおよびその関係性
をモデル化するための計算フレームワークを提案します。
また、大規模なテキストマイニングを行うことで、社会の
中で過去がどのように記憶、利用されるかを分析し、集
合記憶の調査を行います。
知識の自動獲得・構造化に基づく
情報の論理構造とリスクの分析
岡崎直観
東北大学大学院情報科学研究科 准教授
同上
情報環境での人間行動モデルに基づく
知識・情報取引メカニズム設計論の構築
櫻井祐子
九州大学大学院システム情報科学研究院 准教授
同上
ウェブやソーシャルメディアなどの新しい
情報環境により、情報の流通が加速す
る一方、偏った情報やデマなどの拡散
による社会の混乱や不安が増大してい
ます。 本研究では、ネット上で言及され
ている物・事態に関する知識を計算機
がロバストに獲得・活用する言語処理技術を基盤として、
流通している情報の背後にある論理構造を解析し、その
整合性を分析することで、安全・危険に関する多角的な
判断材料を人や社会に提供します。
ネットワーク上での 社 会 活 動において、
公平性や効率性を満たす合意形成メカ
ニズム設計論を確立します。 情報環境
が人間の意思決定に与える影響を考慮
した取 引メカニズムを設 計するために、
実行動データに基づくボトムアップ型の
データ解析技術とゲーム理論に基づくトップダウン型の行
動戦略の概念を融合した行動モデルを構築します。 人々
が安心して知識や技能を提供できるクラウドソーシングの
場への適用を目指します。
インターネット環境が脳と認知
機能へ与える影響の解明
ソーシャル・プレイウェアによる
社会的交流支援
金井良太
サセックス大学心理学 准教授
ロンドン大学認知神経科学研究所 研究員
鈴木健嗣
本研究では、実世界における人々の身
体接触や空間移動、および表情表出と
いった社会行動の計測と情報提示を通
じ、遊びや社会的交流の体験を支援・
拡張する情報物理環境を提供する
「ソー
シャル・プレイウェア」を開発します。こ
こでは、装着型デバイスによる生体拡張技術や情動計測
を応用し、人々に親和的な物理世界と情報環境の結合を
目指すとともに、広汎性発達障がい児を対象とした実証
実験を通じて社会性形成支援に挑戦します。
解析過程と応用を重視した再利用が
容易な言語処理の実現
福祉機器安全設計のためのマルチモーダル
評価情報の統合基盤構築
科学技術振興機構 さきがけ研究者 情報・システム研究機構ライフサイエンス総合データベースセンター 特任助教
硯川 潤
安全な福祉機器の開発には、障害者・
高 齢 者の身体 特 性や生 活 状 況を的 確
に反映した評価プロセスが欠かせません。
本研究では、ユーザニーズの深い理解
に立脚しながら適切な評価環境を設定
し、多様な評価情報を統合的に収集・
解釈するための、評価支援手法の構築
を目指します。 特に、エスノグラフィで得られる質的評価
データと定量データの関係性分析に重点を置き、心理・
情緒面を含んだ多角的な安全・安心の評価を実現します。
マルチスケール身体モデルに基づく
運動評価技術の開発とその応用
生命のうごきが聞こえる:生命動態情報の
可聴化による「生き様」の理解
広島大学大学院工学研究院 准教授
同上
本 研 究では、 都 市 規 模の社 会 現 象の
高速かつ正確に扱うために、個人の移
動や業務プロセスを含む詳細なミクロモ
デルと抽象化した数千人規模の挙動を
高速に計算するマクロモデルを統計的
手法や機械学習によって連結する複合
階層モデルを開発します。 複合階層モデルを実装した都
市エリアシミュレータや網羅的な分析手法を用いて、防
災、交通、マーケティングの施策を定量的に評価し、安全・
安心で効率的な都市の設計を支援します。
筑波大学大学院図書館情報メディア系 助教
筑波大学生命領域学際研究センター 研究員
人 間の聴 覚は、 視 覚に比べて、 時 間
変動に鋭敏で多数の情報を並列に理解
できます。 分子生物学や脳神経科学な
どの生 命 科 学 領 域では、 生きたままの
生体の様子を捉える技術がめざましく発
展していますが、視覚での観察が主流
です。そこで本研究では、認知心理学や音楽理論の知
見を活用し、生命の「うごき」を音に変換します。 生命
の躍動、つまり「生き様」を聴覚からとらえる技術を確立し、
観察・分析タスクの質的な転換を目指します。
情報環境
本研究では、人の筋・腱・骨格の大雑
把な機構的・力学的性質を表現する筋
骨格モデルと、運動指令から筋収縮が
発生するメカニズムを説明する筋収縮モ
デルとを組み合わせたマルチスケールな
身体モデルを構築し、生体力学的根拠
をもって運動の効率性・制御性を評価する指標を検討し
ます。さらにこれを情報環境と組み合わせることで、個人
適応する知的空間、動作意図に応じたアシストを実現す
るデバイス制御手法の開発を行います。
寺澤洋子
産業技術総合研究所 サービス工学研究センター 研究員
同上 国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉
機器開発部 福祉機器開発室長
同上 研究員
本研究では、より自然な動作ができ、か
つ再利用の容易な自然言語処理システ
ムを構築します。そのために解析過程に
ついて人間同様の制約を課したモデル
を構築し、機械翻訳・QA・文献テキス
トマイニングなど実応用タスクで評価しま
す。 応用を含めた実装を組合せやカスタマイズの容易な
標準化言語資源群として整備し、誰でも即座に大規模
処理まで実行可能な形で提供することで、幅広い資源共
有ネットワークの実現を目指します。
栗田雄一
山下倫央
筑波大学大学院システム情報工学研究科 准教授
同上 講師
本研究では、インターネットがもたした情
報 環 境の変 化が、 人 間の脳と認 知 能
力に与える影響を明らかにします。ウェ
ブ上での行 動をブラウジングのスピード、
マルチタスクの度合い、ソーシャルメディ
アの利用度の観点から定量化し、これ
らが個人の認知特性や脳構造の形態的特徴と対応して
いるという仮説を検証します。また、ネット環境に初めて
触れる人たちの追跡調査を行い、脳構造と認知機能へ
の因果的影響の確立を目指します。
狩野芳伸
複合階層モデルを用いた都市エリア
シミュレーションの開発と利用方法の確立
5挑
グループコミュニケーションの解明に
基づく車椅子型移動ロボットシステムの開発
小林貴訓
埼玉大学理工学研究科 助教
同上
車 椅 子 利 用 者と介 護 者の会 話は重 要
ですが、人手不足から、介護現場では
一 人の介 護 者が複 数の車 椅 子を無 理
な姿勢で移動させている状況があります。
本研究は,グループで会話しながら移動
する際の人の振る舞いや位置関係とコ
ミュニケーションの関係性を明らかにし、その知見に基づ
いて健常者のグループが楽しく会話しながら歩くのと同じよ
うに、自動的に複数同行者に追従できる車椅子型の複
数協調移動ロボットシステムを開発します。
立体的メディアのための人間の知覚特性に
基づく情報提示表現手法の開拓
藤木 淳
科学技術振興機構 さきがけ研究者
(財)国際メディア研究財団 研究員
本研究では、立体空間をメディアと捉え、
立体による有用な情報提示手法の開拓
を目指します。 視認性を向上させる要素
として人間の知覚特性に着目し、立体
造 形 物を構 成する最 小 構 成 要 素の間
隔や大きさを調整することで閲覧者に立
体的な視覚効果を知覚させたり、素材とする専用ロボット
の動きから空間の状態を知覚させたりすることで、閲覧者
の注意を引き付け、低コストで効果的な情報提示が行え
る情報表現技法を開発します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
67
20
戦略目標
大規模グラフ系列からの
知識体系化と理解支援手法の開発
年度採択研究者[1期生]
http://www.jst.go.jp/presto/info/
平成
知の創生と情報社会
猪口明博
多様で大規模な情報から『 知識 』
を生産・活用するための基盤技術
の創出
中島 秀之
公立はこだて未来大学 学長
本研究領域は、多様もしくは大規模なデータから、
有用な情報である「 知識 」を生産し、社会で活用
するための基盤的技術となる研究を対象とします。
関西学院大学理工学部 准教授
大阪大学産業科学研究所 助教
寺沢憲吾
公立はこだて未来大学システム情報科学部 准教授
北海道大学大学院情報科学研究科 博士研究員
近年の情報化社会において、蓄積され
た複 雑で大 規 模なデータから有 用な知
識を獲 得 することは 重 要な課 題 です。
WWW のリンク構 造、 人 間 関 係、 生
体ネットワークなどは時間の経過とともに
変化する複雑で大規模なネットワークで
すが、構造の変化に着目した研究は、現時点で十分にな
されていません。 本研究では、変化するネットワークをグラ
フ系列で表現し、そこから特徴的パターンを探索・発見す
る分析技術の開発を目指します。
手書き文字や保存状態の悪い文書など、
従来の技術では「 取り扱いにくい」も
のであった文 書 画 像データを、 画 像 特
徴 量に基づく擬 似コード変 換 技 術を用
いて「取り扱いやすい」データに変換し
ます。これにより、近年加速度的に流
通量を増している文書画像データベースを対象として、ウェ
ブ検索で一般に用いられているような全文検索が可能とな
るとともに、さらに進んだ統計解析による知識の抽出・知
識の創出を目指します。
ロボットの視覚・触覚を用いた
環境情報獲得手法の開発
健康被害を監視するための多言語
ウェブサーベイランスシステム
大野和則
研究総括
擬似コード変換と統計解析による
文書画像からの知識抽出
東北大学未来科学技術共同開発センター 准教授
同上 大学院情報科学研究科 助教
実世界に存在する未知の情報や変化す
る情報をロボットが自ら集め、地図を構
築することを目指します。 本 研 究では、
その基盤技術となる実世界の物体情報
を視覚と触覚を用いて自ら集める移動ロ
ボットの知能を開発します。 視覚情報と
は対象の形状・色・動きに相当し、触覚情報は対象とロ
ボットの接触位置と接触力に相当します。 視覚情報に基
づき“仮説を立て”
、触覚情報により“仮説の確認”を行
い、未知情報を獲得します。
ナイジェル コリアー
情報・システム研究機構国立情報学研究所
情報学プリンシプル研究系 准教授
同上
感染症の拡大を阻止するには、公衆衛
生の専 門 家や政 府が多くのソースから
信頼できる情報をタイムリーに得る手段
が 必 要です。 本 研 究では、 健 康 被 害
の監視対象範囲を広げると共に、アジ
ア太平洋地域の諸言語で、発生例の
深刻度の自動的な判断や、複数の情報の組合せによる
状況の把握などの課題を解決することを目指します。
5
仮説世界と物理世界の
相互浸透モデリングによる知の創生
京都大学大学院情報学研究科 講師
同上
時空間解析に基づくインターネット異常
トラフィックの検出とそのデータベース化
大羽成征
新的な技術、統計数理科学を応用した分析・モデ
科学的な「知」は、観測データを物理
世界(物理モデルに基づく仮想世界)
に当てはめ、科学的仮説を検証すると
いう過程から「創出」されますが、ここ
では物理世界の作り方が知の枠組みを
規 定することになります。 本 研 究では、
物理世界を作るうえで仮説検証性能を最重要視してリアリ
ティをあえて度外視する新コンセプト「仮説世界ベースモ
デリング」を提唱し、その理論的枠組みの整備発展と方
法論としての有効性の実証を目指します。
本研究では、インターネット利用者の安
全を脅かす異常トラフィック(ワーム、
ウィ
ルス等)のマクロな時間・空間変動を
統計的に理解することを目指します。 従
来の時系列解析とは異なる二次元画像
解 析に基づく異 常 検 出アルゴリズムを
確立するとともに、2000-2010 年に渡るトラフィックデー
タを用いて異常トラフィックの統計的特性を明らかにしま
す。
大規模並列化による
ハイパフォーマンス人工知能技術
マルチソースデータ高度利用のための
統計的データ融合
ル化技術、あるいは実社会から得られる多様なデー
タを構造化・分析して知識を抽出する技術、センサ
による情報取得やシミュレーション結果等の複数のリ
ソースから新たな知識を創出する技術などの基盤技
術に加えて、獲得した知識を実社会に適用するため
に必要とされる、シミュレーション、データの可視化、
新しい情報社会の仕組みを支える応用技術などに関
福田健介
情報・システム研究機構国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系 准教授
同上
具体的には、大規模データを処理するための革
する研究が含まれます。
領域アドバイザー
岸本章宏
麻生 英樹 産業技術総合研究所知能システム研究部門
人工知能技術において代表的な手法で
ある探 索アルゴリズムは、 大 規 模な空
間を探 索し、 有 益な情 報を求めるため
の基 盤 技 術です。 本 研 究では、 大 多
数の計算機を利用した並列計算によっ
て、探索アルゴリズムの超高速化を行
い、現状の計算機で取り扱えるデータよりも、はるかに大
規模なものを取り扱うことを可能にします。その一例として、
ゲームとプランニングを研究題材として取り扱い、これら
の題材で、高性能なシステムを開発します。
政策意思決定やマーケティングにおいて正
確な予測や推論を行うためには、全調査
対象に対して各変数が測定されている「シ
ングルソースデータ」を得ることが必要です
が、研究目的やコストを考慮すると多くの
困難が予想されます。本研究では、調査
対象の背景情報を利用することで、変数によって調査対象
者が異なるデータの集合である「マルチソースデータ」からシ
ングルソースデータをシミュレートし補完する統計的なデータ融
合手法の開発を目指します。
大規模画像データの潜在情報抽出に
基づく画像生成
ネットワーク理論と機械学習を用いた
ウェブ情報の構造化・知識化
主任研究員
有村 博紀 北海道大学大学院情報科学研究科 教授
高野 明彦 国立情報学研究所連想情報学研究開発センター
センター長/教授
林
林
晋
幸雄
京都大学大学院文学研究科 教授
樋口
堀
安田
鷲尾
知之
浩一
雪
隆
統計数理研究所 所長
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
准教授
東京大学大学院工学系研究科 教授
IBM アイルランド研究所 研究員
公立はこだて未来大学システム情報科学部 助教
星野崇宏
名古屋大学大学院経済学研究科 准教授
同上
関西大学社会学部 教授
大阪大学産業科学研究所 教授
島野美保子
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東京大学生産技術研究所 特任研究員
画像を手軽に扱える現在、コンピュータビ
ジョンは 2 次元画像と実世界とをつなぐ重
要な分野です。 本研究では、web 上に
存在する大量の画像のような、自由な条
件下で撮影された大規模画像データを用
い、対象の情報を抽出する技術の確立を
目指します。物理モデルベースと事例ベースを融合するという
コンセプトによって、大規模画像データの潜在的な情報を有
効活用し、1 枚の画像のみからでは獲得できなかった反射モ
デルの構築、画像生成や画質改善を実現します。
松尾 豊
東京大学大学院工学系研究科 准教授
同上
本研究では、ネットワーク理論と機械学
習に基づく、画期的なウェブ情報の統
合・知識化アルゴリズムの構築を目指し
ます。 特に、エンティティ(人物や組織、
物質、製品名等)のネットワークに着目
し、目的に応じた予測のための構造化
技術を構築します。 大量のウェブ情報に書かれたエンティ
ティ間の構造を抽出し、目的に応じて知識として利用する
ための基盤であり、ウェブの次世代「 知識エンジン」に
つながる技術です。
●扉絵は、グラフ・文章・幾何学・確率モデルなどが関連し合うことで、世界を理解し表現する新しい様式が次々と生まれてゆく
さまを表現したものです。(大羽研究者提供)
68
平成
物語構造に基づく情報編纂基盤技術
年度採択研究者[2期生]
21
赤石美奈
法政大学情報科学部 教授
東京大学大学院工学系研究科 准教授
ベイジアンテレビ:取材・配信・編集を
自動化した緊急情報メディア
北本朝展
人間は、多くの情報から必要な箇所を抜
き出し、つなぎ合せ、状況に応じた文脈
に沿って、新たな情報を生成することがで
きます。 本研究では、大量に蓄積された
情報を機械的に処理して、大量の情報
の中に隠された潜在的な物語を紡ぎ出す
ことを目標とします。このために、物語構造モデルを導入し、
文書の意味を解釈せずに、文書から得られる表層的な特徴
量を基に、物語構造を抽出し、文書を分解・再構成する、
ナラティブ連想情報アクセス・フレームワークを構築します。
金融市場における相転移の
時空間構造の自動抽出と予測
情報・システム研究機構国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 准教授
同上
高田輝子
大阪市立大学大学院経営学研究科 准教授
同上
本 研 究では、リアルタイム性が重 要な
緊急情報を対象に、ベイズ時系列モデ
ルを用いた取材・配信・編集の自動化
を行う「ベイジアンテレビ」を構築します。
情報の個別化が困難というテレビの弱
点と、能動的な情報探索を要求すると
いうウェブの弱点を解消するために、立ち上げておくだけ
で重要な情報が配信されるというテレビのようなプッシュ型
メディアをデザインし、台風情報を題材とした「デジタル
台風 TV 」を実社会に展開します。
金融バブルのような相転移現象の制御
や予測は重要な課題です。しかしこうし
た異常現象はデータが少なくノイズが大
きい一方、多くの要因が絡む複雑な構
造を有するため、データから帰納的に本
質的構造を抽出するのは原理的に困難
です。 本研究では、大規模データを有効活用する頑健か
つ効率的な統計手法を用いて金融バブルの時系列構造
を可視化し、発見された有用なパターンを基に因果関係
解明や予測の高精度化を目指します。
圧縮データ索引に基づく巨大文書集合
からの関連性マイニング
空間的な情報システムの設計開発支援
システム
挑次
マルチエージェントの交渉と協調に基づく
集合的コラボレーション支援システムの開発
伊藤孝行
名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授
同上
坂本比呂志
九州工業大学大学院情報工学研究院 教授
九州工業大学大学院情報工学研究院 准教授
次世代データ同化:自動モデル化と
情報フロー抽出技術開発
実社会情報ネットワークからの
プライバシ保護データマイニング
上野玄太
情報・システム研究機構統計数理研究所モデリング研究系 准教授
同上 助教
大 規 模データから有 用な知 識を得るに
は、よいモデルを立て、 情 報の流れを
汲みとることが重要ですが、それらを実
現することは容易ではありません。 本研
究は、データとモデルを組み合わせる
「データ同 化 」 の技 術を基 盤とし、 (1)
モデルの高性能化・省コスト化、 (2) モデルが捉えた情
報の流れの抽出、の方法を系統的に開発するものです。
専門家に頼らない再モデル化、入力データ量を凌ぐ大量
のモデル出力の動的な解析を可能にします。
佐久間 淳
筑波大学大学院システム情報工学研究科 准教授
同上
ネットワーク技術の発展により「誰とどこへ
行って何をした」「誰が誰にメールした・電
話した」といった経済活動や人間同士の関
係、人間とサービスの関係など、個人の生
活に密接に関係した情報の蓄積が可能に
なりつつあります。詳細度の高い個人情報
は悪用を防ぐための慎重な取り扱いを要しますが、私たちの生
活を支援する画期的なサービスを生み出す源泉ともなります。
本研究では、ネットワーク構造をもつプライベートな情報の保護
と活用を両立させる知識発見技術の構築を目指します。
コンピュータと通信ネットワークからなる
情報空間は実空間と連係した新たな空
間を構 成しつつあります。 本 研 究では、
空 間のデザインを本 質 的な要 素とする
情報システムの設計開発を支援するシ
ステムを構 築します。 情 報 空 間と実 空
間とを綜合した環境をデザインする基盤的な技術となるこ
とを目指し、デザイン思考的なプロセスに着眼点を置いた
設計の道具とプロセスの研究を行います。
22
問題構造の解析に基づく組合せ最適化
アルゴリズムの自動構成
年度採択研究者[3期生]
ニュース記事や特許、遺伝子データな
どの 多 様なテキストデータの 洪 水から
データ同士の重要な関連性を取り出す
要求が高まっています。 本研究は、デー
タ圧縮の理論を応用して冗長な部分を
削ぎ落とすことで重要情報を特定し、こ
れまでは困難であった巨大なテキストデータの集まりから、
埋もれた知識の発見を目指します。
慶應義塾大学環境情報学部 准教授
同上
平成
人間の社会生活の基盤となる根源的な
活動であるコラボレーションをソフトウェ
アで効果的に支援することで、よりよい
社会の形成を目指します。 本研究では、
集合的コラボレーションの形態の一つと
して、大規模な意見集約に注目し、意
見集約のための自動合意形成支援機構を試作・評価し
ます。具体的な応用システムとして大規模な人数を前提と
した共同設計支援システムを開発し、その有用性と課題
を実験により明らかにします。
中西泰人
梅谷俊治
大阪大学大学院情報科学研究科 准教授
同上
産業や学術の幅広い分野において日々
新たに生じる現実問題を解決する際に、
適切なモデルとアルゴリズムを選択する
ことは専門家でない利用者にとって困難
な作業であり、これが組合せ最適化手
法の普 及を妨げる要 因となっています。
本研究では、入力データからアルゴリズムの性能向上に
役立つ構造を発見して、問題の特徴に応じたアルゴリズ
ムを自動的に構成する、知識発見手法に基づく新たな組
合せ最適化手法の確立を目指します。
5
大規模データに対する
高速類似性解析手法の構築
宇野毅明
情報・システム研究機構国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系 教授
同上
密度比推定による大規模・高次元
データの知的処理技術の創生
杉山 将
東京工業大学大学院情報理工学研究科 准教授
同上
大規模会話データに基づく
個別適合型認知活動支援
大武美保子
千葉大学大学院工学研究科 准教授
東京大学人工物工学研究センター 准教授
本研究では、ロボット制御、脳波解析、
自然言語処理、信号画像処理、生命
情 報 処 理などの 応 用 分 野に共 通する
データ解析問題に対して、数理的な裏
づけのあるデータ解析手法を開発し、こ
れらの応 用 分 野に技 術 的なブレイクス
ルーを起こすことを目指します。 具体的には、特徴抽出、
外れ値検出、条件付き密度推定などの基礎的なデータ
処理課題を、確率密度関数の比の推定問題として統一
的に定式化し、アルゴリズム開発を行います。
本研究では、話すことと聞くことをバラン
スよく行う双方向会話を発生させる支援
技 術『 共 想 法 』を用いて大 規 模 会 話
データを収集し、大規模会話データから
認知的な特徴を抽出する技術を開発す
るとともに、得られた特徴に応じて一人
ずつに最も効果的な認知活動支援を提供する技術を開発
します。 高齢者の認知機能維持向上に対し、会話によ
る前向き介入が与える効果検証を目指します。
映像分析による知識の抽出と、
その利用による新たな映像合成
インフルエンザ感染伝播のデータ同化
モデルによる解析・予測技術
高精度でスケーラブルな多項関係予測の
実現
岡部 誠
電気通信大学情報理工学部 助教
マックスプランク情報科学研究所 博士研究員
本研究では、現在容易に利用できるよ
うになった大 量 の 映 像データに着目し、
それらを分析して知識を抽出し、効率よ
く再利用を可能とするデザインツールの
構築により、容易で直感的な映像製作
環境の実現を目指します。 具体的には、
抽出された動きに関する知識を用いて絵画、写真を動か
す技術、 3 次元的な知識を利用した映像の視点変更を
可能にする技術、動きと音声の関係に基づいた音声合
成技術などの開発を行います。
鈴木秀幸
東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授
東京大学生産技術研究所 准教授
新型インフルエンザのパンデミック発生
回避や被害軽減のための方策を検討す
る際には、感染伝播モデルによる解析・
予測が有効であると期待されますが、単
なる数値シミュレーションではモデルと現
実との乖 離が問 題となります。 本 研 究
は、データ同化技術を導入することにより、現実のデータ
との整合性の取れたシミュレーションを実現し、感染伝播
モデルによる解析・予測を行うための数理的基盤技術を
開発します。
5
5 年型
挑 大挑戦型
鹿島久嗣
知の創生
データの解析にかかる時間はデータサイ
ズの増加よりも大きな割合で増加するた
め、大規模データの解析には非常に長
い時間がかかります。 本研究では、デー
タ解析に用いる基本的なデータ処理で
ある類似性の検出に対して、計算理論
の技術を用いることで計算時間の増加を加速度的に抑え
込むようなアルゴリズムの開発を行ない、既存のグループ
分けや異常検出、重要度算出など様々な手法に対して、
100 倍を超える高速化を目指します。
東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授
同上
様々な分野において情報基盤が急速に
整いつつある今、集められたデータを有
効に活 用するための解 析 技 術、とりわ
け、迅速で賢い意思決定を助ける予測
技 術の重 要 性が増しています。そして
近年、予測の対象は、個々のデータか
ら、より一般的な「データの間の関係」へと移行しつつ
あります。 本研究では、「いつ誰が誰と何に何をする」な
どのヒト・モノ・コトの間の複雑に入り組んだ関係を高精
度で予測する技術の実現を目指します。
次 H23 最先端・次世代研究開発支援プログラムへ移行
研究者の役職について……上段:現在の所属 下段:応募時の所属
69
組合せ論的計算に基づく
超高次元データからの知識発見
河原吉伸
大阪大学産業科学研究所 准教授
大阪大学産業科学研究所 助教
著しいデータ取得技術の向上を背景に、
様々な工学的問題において、数千∼数
十万次元といった極めて高次元なデータ
を扱う場 面が増えています。 本 研 究で
は、劣モジュラ性と呼ばれる離散構造を
用いる事により、 超 高 次 元データにお
いて、組合せ論的計算に基づく厳 密な解 析を実 現する
データマイニング技術の基盤を構築します。そして遺伝子
データ解析や自然言語処理などの諸問題へ適用し、新た
な科学的・社会的知見の獲得を目指します。
自然言語テクストの高精度で
頑強な意味解析とその応用
バトラー アラステア
科学技術振興機構 さきがけ研究者
東北大学高等教育開発推進センター 研究員
無制約の日本語および英語の自然言語
テクストから高精度の形式的意味表示
を自動的に得るための一般的な手法の
確立と、その結果をデータベースとして
推論のための世界知識の構築に生かす
方法を開発します。 頑強で正確な文の
意味の解析により、テクストの含意の認識、検索、テク
スト要約、自動応答、機械翻訳等、自然言語処理のす
べての課題への貢献を目指します。
計算論的メディア操作の形式化
浜中雅俊
筑波大学大学院システム情報工学研究科 講師
同上
本研究では、メディアデザインの操作を
束演算の組み合わせで表現することに
よって、専門家の操作の事例を蓄積し、
それを再 利 用することを可 能とするシス
テムを構築します。 一般のユーザによる
コンテンツ制作を容易にし、制作の楽し
みを味わうアミューズメント性をもつだけでなく、プロのデザ
イナーにとっても生産性をあげる技術の一つとして貢献で
きるシステムを目指します。
高性能ストリーム・コンピューティング
環境の構築
山際伸一
筑波大学システム情報工学研究科 准教授
高知工科大学情報学群 准教授
マイクロマシン技術の発展により、加速
度センサや地磁気センサといった、ヒト
の動きや行動を数値として記録すること
が可能になっています。 映像を出力する
イメージセンサも同様であり、ヒトの行動
に周囲の環境を加味した解析が可能に
なっています。 本研究では、ヒトの社会活動にリンクする
センサから時々刻々と生成される高精細なデータストリーム
から「知識」を生成するシステムの実現に向け、新しい
計算基盤技術を確立します。
能動センシングによる日用柔軟物の
情報知識化とその応用
山崎公俊
信州大学工学部 助教
東京大学 IRT 研究機構 特任助教
生活環境に存在する布などの柔軟物体
に関して、自律ロボットがそれを能動的
に操作したり、人が扱っている様子を観
察するなどして対象情報を集め、衣類の
しわなどに着目した特徴抽出を行い、一
般化した知識として保存する方式を確立
します。そして、その知識の有効利用法として、自律ロボッ
トが生活環境下で布製品を発見し、その状態を認識しな
がら効率よく畳む行動などに適用します。
70
研 究 終 了 領 域
研究領域紹介
(終了領域)
《研究終了領域》 42領域
研究期間
平成19年度
∼24年度
平成18年度
∼23年度
平成17年度
∼22年度
平成16年度
∼21年度
平成15年度
∼20年度
平成14年度
∼19年度
研究期間
平成13年度
∼18年度
平成12年度
∼17年度
1218課題
領域名
研究総括
革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス
佐藤 勝昭(東京農工大学 名誉教授)
生命現象の革新モデルと展開
重定 南奈子(奈良女子大学 名誉教授)
数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索
西浦 廉政(東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授)
RNAと生体機能
野本 明男(微生物化学研究会 理事長/微生物化学研究所 所長)
界面の構造と制御
川合 眞紀(理化学研究所 理事)
ナノ製造技術の探索と展開
横山 直樹(産業技術総合研究所グリーン・ナノエレクトロニクスセンター 連携研究体長)
物質と光作用
筒井 哲夫(九州大学 名誉教授)
生命システムの動作原理と基盤技術
中西 重忠((財)大阪バイオサイエンス研究所 所長)
代謝と機能制御
西島 正弘(昭和薬科大学 学長)
光の創成・操作と展開
伊藤 弘昌(東北大学 名誉教授)
構造制御と機能
岡本 佳男(名古屋大学 特別招へい教授)
生命現象と計測分析
森島 績(京都大学 名誉教授)
構造機能と計測分析
寺部 茂(兵庫県立大学 名誉教授)
デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術
原島 博(東京大学 名誉教授)
量子と情報
細谷 曉夫(東京工業大学大学院理工学研究科 教授)
シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築
土居 範久(中央大学理工学部 教授)
情報、バイオ、環境とナノテクノロジーの融合による
革新的技術の創製
潮田 資勝(物質・材料研究機構 理事長)
領域名
研究総括
課題数
ページ
生体分子の形と機能
郷 信広(理化学研究所放射光科学総合研究センター 上級研究員)
23
P93
情報と細胞機能
関谷 剛男((財)佐々木研究所 研究所長/理事)
32
P94
情報基盤と利用環境
富田 眞治(京都大学物質−細胞統合システム拠点 特定拠点教授/事務部門長) 17
P95
ナノと物性
神谷 武志(情報通信研究機構フォトニックネットワーク プログラムコーディネーター)
28
P96
生体と制御
竹田 美文(岡山大学 特任教授/インド感染症共同研究センター長)
* 22
P97
光と制御
花村 榮一(東京大学 名誉教授)
* 22
P98
合成と制御
村井 眞二(奈良先端科学技術大学院大学 特任教授)
* 28
P99
認識と形成
江口 吾朗(熊本大学 元学長)
33
P100
秩序と物性
曾我 直弘(滋賀県立大学 理事長/学長)
28
P101
相互作用と賢さ
原島 文雄(首都大学東京 学長)
20
P102
機能と構成
片山 卓也(北陸先端科学技術大学院大学 元学長)
20
P103
協調と制御
沢田 康次(東北工業大学 学長)
* 27
P104
タイムシグナルと制御
永井 克孝(三菱化学(株)
顧問)
* 39
P105
変換と制御
合志 陽一(筑波大学 監事)
* 30
P106
PRECURSORY RESEARCH
FOR EMBRYONIC SCIENCE
AND TECHNOLOGY
課題数
戦略目標
ページ
33
新原理・新機能・新構造デバイス実現のための材料開拓とナノプロセス開発
P74
35
生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出
P75
31
社会的ニーズの高い課題の解決へ向けた数学/数理科学研究によるブレークスルーの探索
P76
29
医療応用等に資するRNA分子活用技術(RNAテクノロジー)の確立
P77
34
異種材料・異種物質状態間の高機能接合界面を実現する革新的ナノ界面技術の創出とその応用
P78
29
ナノデバイスやナノ材料の高効率製造及びナノスケール科学による製造技術の革新に関する基盤の構築
P79
28
光の究極的及び局所的制御とその応用
P80
38
生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出
P81
33
代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御に関する基盤技術の創出
P83
24
光の究極的及び局所的制御とその応用
P84
37
プログラムされたビルドアップ型ナノ構造の構築と機能の探索
P85
32
新たな手法の開発等を通じた先端的な計測・分析機器の実現に向けた基盤技術の創出
P86
40
新たな手法の開発等を通じた先端的な計測・分析機器の実現に向けた基盤技術の創出
P87
16
メディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出
P89
15
情報通信技術に革新をもたらす量子情報処理の実現に向けた技術基盤の構築
新しい原理による高速大容量情報処理技術の構築
P90
医療・情報産業における原子・分子レベルの現象に基づく精密製品設計・高度治療実現のための
次世代統合シミュレーション技術の確立
P91
情報処理・通信における集積・機能限界の克服実現のためのナノデバイス・材料・システムの創製
非侵襲性医療システムの実現のためのナノバイオテクノロジーを活用した機能性材料・システムの創製
環境負荷を最大限に低減する環境保全・エネルギー高度利用の実現のためのナノ材料・システムの創製
P92
12
*5
13
* 11
研究期間
領域名
研究総括
課題数
ページ
平成11年度
∼16年度
組織化と機能
国武 豊喜(北九州産業学術推進機構 理事長)
31
P107
平成9年度
∼15年度
情報と知
安西 祐一郎(日本学術振興会 理事長)
44
P108
形とはたらき
丸山 工作(大学入試センター 元理事長)
38
P110
状態と変革
国府田 隆夫(東京大学 名誉教授)
38
P111
素過程と連携
大嶋 泰治(大阪大学 名誉教授)
38
P112
遺伝と変化
豊島 久真男(理化学研究所 研究顧問)
31
P113
知と構成
鈴木 良次(金沢工業大学研究支援機構 特任教授/ 顧問)
31
P114
場と反応
吉森 昭夫(大阪大学 名誉教授)
31
P115
構造と機能物性
高良 和武(東京大学 名誉教授)
24
P116
光と物質
本多 健一(東京大学 名誉教授)
24
P117
細胞と情報
大沢 文夫(大阪大学/名古屋大学 名誉教授)
24
P118
平成9年度
∼14年度
平成6年度
∼11年度
平成3年度
∼8年度
*ポスドク参加型
革新的次世代
デバイスを目指す
確率共鳴を利用した新しい情報処理の
ためのナノデバイスと集積化
ナノ構造制御した光生成磁束量子デバイス
の創製
Si/III-V族半導体超ヘテロ界面の機能化と
葛西誠也
川山 巌
冨岡克広
北海道大学大学院情報科学研究科 准教授
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
准教授
科学技術振興機構 さきがけ研究者
誘電体スピントロニクス材料開拓と
スピン光機能
オンチップ光配線用窒化物基板の創製と
システム熱設計支援
分子配列制御による有機トランジスタの
高性能化
齊藤英治
寒川義裕
中野幸司
東北大学金属材料研究所 教授
九州大学応用力学研究所 准教授
東京農工大学大学院工学研究院 講師
分子を介したスピン流の制御
サーモエレクトロニクスを指向した
基礎材料の開発
誘電体トランジスタを用いたスピン操作
小林 航
大阪大学大学院基礎工学研究科
助教
低電力スイッチ素子の開発
材料とプロセス
2007-2012
白石誠司
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
研究総括
筑波大学大学院数理物質科学研究科
助教
佐藤 勝 昭
中村浩之
東京農工大学 名誉教授
研究領域の概要
スピントロニクスデバイス用
室温ハーフメタルの探索
ワイドギャップ酸化物における界面機能
開発
有機・無機半導体ヘテロ構造を用いた
新規デバイスの開発
高橋有紀子
須崎友文
西永慈郎
物質・材料研究機構磁性材料センター 主幹研究員
東京工業大学応用セラミックス研究所
准教授
早稲田大学高等研究所 准教授
標として、環境やエネルギー消費に配慮
スピン偏 極の外 的 制 御とチューナブル
スピン源の創製
光配線LSI実現に向けたGeナノ光電子
集積回路の開発
光制御型有機単一電子デバイスの開発
しつつ高速・大容量かつ高度な情報処
谷山智康
竹中 充
千葉大学先進科学センター 助教
理・情報蓄積・情報伝達を可能とする新
東京工業大学応用セラミックス研究所 准教授
東京大学大学院工学系研究科 准教授
フェムト秒パルス・レーザによる
超高速スピン制御・計測
量子ドットを用いた単電荷・スピン・光機
能融合デバイス
各種ナノカーボン構造体の自在実装
具体的には、高移動度ワイドギャップ
半導体材料、スピントロニクス材料、高
塚本 新
中岡俊裕
早稲田大学先進理工学部 教授
日本大学理工学部 講師
上智大学理工学部 准教授
限らず、将来のデバイス化を見据えた新
縦型立体構造デバイス実現に向けた
半導体ナノワイヤの開発
Si系半導体ナノ構造を基礎とした単一電子
スピントランジスタの開発
しい材料または構造及びプロセスの開
深田直樹
浜屋宏平
東脇正高
九州大学大学院システム情報科学研究院
准教授
情報通信研究機構未来ICT研究所
総括主任研究員
デバイス応用に向けたスピン流と熱流の
結合理論
ワイドギャップ強磁性半導体デバイス
グラフェン量子ドットを用いた新機能素子
の実現
村上修一
東京工業大学大学院理工学研究科 教授
東京大学大学院理学系研究科 准教授
東京大学生産技術研究所 准教授
π共役高分子鎖内の超高速電荷輸送を
利用した有機トランジスタ
ワイドギャップ半導体中の単一常磁性発光
中心による量子情報素子
電子相関を利用した新原理有機デバイス
の開発
この研究領域は、CMOSに代表され
る既存のシリコンデバイスを超える革新
的な次世代デバイスを創成することを目
野口 裕
しい材料の開拓およびプロセスの開発
を図る挑戦的な研究を対象とするもので
す。
温超伝導体を含む強相関系材料、量子
野田 優
ドット材料、ナノカーボン材料、有機半導
体材料などが挙げられますが、
これらに
拓に向けた独創的な研究が含まれます。 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクト
ニクス研究拠点グループリーダー
領域アドバイザー
粟野 祐二 慶應義塾大学理工学部 教授
東京大学大学院
岡本 博
福村知昭
III族酸化物/窒化物半導体複合構造の
界面制御とデバイス応用
町田友樹
新領域創成科学研究科 教授
小田 俊理 東京工業大学量子ナノエレクトロ
ニクス研究センター 教授
工藤 一浩 千葉大学大学院工学研究科 教授
五明 明子 日本電気(株)人事部
キャリアアドバイザ
小森 和弘 産業技術総合研究所
安田 剛
水落憲和
山本浩史
物質・材料研究機構材料ラボ融合
領域研究グループ 主任研究員
大阪大学大学院基礎工学研究科
准教授
自然科学研究機構分子科学研究所
教授
ナノ磁性体集結群の新奇な磁気特性の
究明
スピン量子十字素子を用いた新規な高性能
不揮発性メモリの創製
電子光技術研究部門 副研究部門長
高梨 弘毅 東北大学金属材料研究所 教授
谷垣 勝己 東北大学大学院理学研究科 教授
名西
之 立命館大学グローバルイノベーション
研究機構 教授
波多野 睦子 東京工業大学大学院
理工学研究科 教授
藤巻 朗
山口明啓
海住英生
兵庫県立大学高度産業科学技術
研究所 准教授
北海道大学電子科学研究所 助教
計算科学手法によるナノカーボン素子の
設計と物性予測
ナノキャパシタ構造を用いた低環境負荷
メモリの開発
若林克法
組頭広志
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニ
クス研究拠点 独立研究者
大学共同利用機関法人 高エネルギー加
速器研究機構物質構造科学研究所 教授
名古屋大学大学院工学研究科 教授
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
極性ワイドギャップ半導体フォトニック フォトニック結晶ナノ共振器シリコンラマン
ナノ構造の新規光機能
レーザーの開発
74
片山竜二
高橋 和
東北大学金属材料研究所 准教授
大阪府立大学 21 世紀科学研究機構
講師
[第1期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第2期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
[第3期生]
平成 21 年度採択研究者
2009 ∼ 2012
生命現象の革新
モデルと展開
2007-2012
病原体抗原型と宿主免疫の共進化動態
の解明・将来流行予測
生物社会における協力的提携パターンの
理論的解明
有殻原生生物骨格の力学特性解明と
モジュラー構造物への展開
佐々木 顕
大槻 久
岸本直子
総合研究大学院大学先導科学研究科
教授
総合研究大学院大学先導科学研究科
助教
摂南大学理工学部 講師
細胞膜 - 細胞質結合反応系による細胞
情報処理の動作原理の解明
細胞間相互作用により双安定状態を
維持する人工遺伝子回路
の解析
表現型の進化モデルと系統種間比較から
適応進化を明らかにする計
算行動生態学
理 化 学 研 究 所 発 生・再 生 科 学 総
合研究センター ユニットリーダー
木賀大介
沓掛展之
東京工業大学大学院総合理工学研究科
准教授
総合研究大学院大学先導科学研究科
助教
細胞運動解析のためのマルチレイヤー
モデル構築
栄養モジュール間相互作用に着目した
食物網維持機構の解明
情報処理の最適性からとらえる
分子・細胞・発生現象
柴田達夫
研究総括
重定南奈子
菅原路子
近藤倫生
小林徹也
千葉大学大学院工学研究科
特任准教授
龍谷大学理工学部 教授
東京大学生産技術研究所 准教授
大脳基底核回路網のハイブリッドシステム
モデリング
花芽形成の遺伝子制御ネットワーク:
一斉開花結実現象を分子
レベルから解明する
環境適応から解き明かす代謝ネットワーク
の設計原理
佐竹暁子
九州工業大学大学院情報工学研
究院生命情報工学研究系 助教
奈良女子大学 名誉教授
研究領域の概要
多様な生命現象に潜むメカニズムの
舘野 高
北海道大学大学院情報科学研究科
教授
解明に資する斬新なモデルの構築を目
指す研究であって、治療、防疫、環境保
全などに貢献できる予測力や発展性に
真正粘菌に学ぶ時間・空間に対する
原始的インテリジェンス
富む研究を対象とします。
手老篤史
具体的には、環境へ適応しつつ合目
九州大学マス・フォア・インダストリ
研究所 准教授
北海道大学大学院地球環境科学
研究院 准教授
生体3次元特有の形態の解明手法の構築
昌子浩登
竹本和広
歴 史 統 計を活用した非 特 異 的 感 染 症
対策の予防効果推定
京都府立医科大学大学院医学研究
科
助教
西浦 博
化学反応から細胞集団までをつなげる
数理モデルの構築と応用
体内時計に見る植物システムの創発原理
富樫辰也
野々村真規子
千葉大学海洋バイオシステム研究
センター 教授
日本大学生産工学部 助教
大阪府立大学大学院工学研究科
助教
上皮組織のかたちづくりを理解する
グループ構造をもつネットワーク上の
感染症伝播モデル
数理モデルを利用した植物ウイルス生態
の理解と応用
増田直紀
宮下脩平
University of Bristol
Department of Engineering
Mathematics Senlor Lecturer
科学技術振興機構 さきがけ研究者
ランダムグラフによるゲノム進化の
確率モデリング
サンゴメタ集団の存続可能性と
環境変動への応答予測
望月敦史
間野修平
向草世香
理化学研究所望月理論生物学研究室
主任研究員
情報・システム研究機構統計数理
研究所数理・推論研究系 准教授
科学技術振興機構 さきがけ研究者
時間発展する樹状経路構造上の
信号伝播様式
神経系の過渡応答特性から神経系に
おける情報キャリアを解明する
生態と適応のフィードバック関係における
新たな展開
元池育子
山野辺貴信
吉田丈人
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
助教
北海道大学大学院医学研究科 助教
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
形態形成ダイナミクスの新しいモデリング
手法の構築
細胞内シグナル伝達の
定量的数理モデリング
生物進化の2大理論の統一的理解
森下喜弘
青木一洋
理 化 学 研 究 所 発 生・再 生 科 学 総
合研究センター ユニットリーダー
京都大学大学院生命科学研究科
講師
明治大学大学院先端数理科学研究科
准教授
生物多様性の統合理論の構築:
ゲノムから生態系まで
AIDSワクチン開発への理論的介入
−SHIV感染実験と数理モ
デル−
バクテリアのパーシスタンス現象と
原始的な表現型適応
岩見真吾
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
香港大学李嘉誠医学院 助理教授
的的に機能していると見られる生命シス
テムの、遺伝子発現、細胞の機能と動き、
発 生・形 態 形 成 、免 疫 、脳の高 次 機 能 、 性的二型の進化と生息環境に関する
基本原理の解明
生物社会の形成、生態系などの制御機
構や、老化や疾病などのメカニズムに対
して統合的かつ数理科学的な理解を可
福田弘和
能にするモデルの構築を通じて、課題解
決への手がかりを与える革新的で基盤
的な研究を対象とします。
三浦 岳
九州大学医学部 教授
領域アドバイザー
合原 一幸 東京大学生産技術研究所 教授
有田 正規 東京大学大学院理学系研究科
准教授
九州大学大学院理学研究院 教授
巌佐 庸
岡田 清孝 自然科学研究機構 研究担当理事
岸野 洋久 東京大学大学院
農学生命科学研究科 教授
郷
信広 京都大学 名誉教授
嶋田 正和 東京大学大学院
総合文化研究科 教授
本多 久夫 兵庫大学健康科学部 教授
三村 昌泰 明治大学大学院
生体分子相互作用のネットワーク構造の
力学的解明
先端数理科学研究科 教授
山口 陽子 理化学研究所脳科学総合研究
センター チームリーダー
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
山内 淳
京 都 大 学 生 態 学 研 究センター 教授
九州大学理学研究院 准教授
形態形成を引き起こす力学過程の解明: 遺伝子重複による生命システム複雑化の
分子・細胞・組織をつなぐ
進化モデル
石原秀至
印南秀樹
東京大学大学院総合文化研究科
助教
総合研究大学院大学先導科学研究科
准教授
若野友一郎
若本祐一
[第1期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第2期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
[第3期生]
平成 21 年度採択研究者
2009 ∼ 2012
75
数 学と諸 分 野 の
数学と計算機科学の連携による数理
モデルの大域的計算理論
協働によるブレーク
幾何学的変分問題の解の大域解析と
その応用
真軌道によるシミュレーションの実現と
その応用
荒井 迅
小磯深幸
斉藤朝輝
北海道大学大学院理学研究院
准教授
九州大学マス・フォア・インダストリ
研究所 教授
公立はこだて未来大学システム
情報科学部 准教授
ウェーブレットフレームを用いた
視覚の数理モデル
振動子理論の生物・化学・工学・医療
分野への応用
揺らぐ結び目構造の数理
新井仁之
郡 宏
九州大学大学院理学研究院 助教
東京大学大学院数理科学研究科
教授
お茶の水女子大学大学院人間
文化創成科学研究科 准教授
水圏環境力学理論の構築
統計モデル多様体の普遍的な性質の
ベイズ予測理論への応用
非線型マクロ経済モデルのための
フレームワークの構築
田中冬彦
田村隆志
大阪大学大学院基礎工学研究科
准教授
大阪府立大学学術研究院第2学群
准教授
臨床医療診断の現場と協働する
数理科学
代数的符号理論による組合せ構造の
解析と量子符号への応用
非線形情報理論:環境雑音を活用する次
世代情報処理の実現
水藤 寛
原田昌晃
寺前順之介
岡山大学大学院環境生命科学
研究科 教授
東北大学大学院情報科学研究科
教授
大阪大学大学院情報科学研究科
准教授
科学工学モデルの安定性に関する
計算機援用解析
システム生物学に関わる情報と
記述の諸問題
情報論理学の新パラダイムがもたらす
生物現象の計算構造の解明
スルーの探索
2007-2012
坂上貴之
京都大学大学院理学研究科 教授
研究総括
西浦 廉 政
東北大学原子分子材料
科学高等研究機構 教授
研究領域の概要
本 研 究 領 域は、数 学 研 究 者が 社 会
坂上貴洋
的ニーズの高い課題の解決を目指して、
諸 分 野の研 究 者と協 働し、
ブレークス
ルーの探索を行う研究を対象とするもの
です。謂わば21 世紀におけるデカルト流
長藤かおり
春名太一
浜野正浩
の数学的真理とベーコン流の経験則の
カールスルーエ技術研究所
客員教授
神戸大学大学院理学研究科 助教
科学技術振興機構 さきがけ研究者
シャノン限界の実現と次世代情報通信
理論の構築
力学系における不安定対称解の探査と
制御の新展開
中野 張
平岡裕章
水口 毅
東京工業大学大学院イノベーション
マネジメント研究科 准教授
九州大学マス・フォア・インダストリ
研究所 准教授
大阪府立大学大学院工学研究科 准教授
するだけではなく、
それらの数学的研究
自己組織化としての皮膚バリア機能の
数理解析
情報幾何学の計算論的神経科学への
応用
非線形放物型方程式の解の爆発と
その応用
を通じて新しい数 学 的 概 念・方 法 論の
長山雅晴
三浦佳二
溝口紀子
北海道大学電子科学研究所 教授
東北大学大学院情報科学研究科
助教
東京学芸大学教育学部 准教授
輸送と渋滞に関する諸現象の
統一的解析と渋滞解消
非記号計算の基礎理論の構築と
構造学習への応用
西成活裕
石川 博
東京大学先端科学技術研究センター
教授
早稲田大学理工学術院大学院
基幹理工学研究科 教授
蓄積との統合を目指すものです。
諸分野の例として、材料・生命・環境・
情 報 通 信・金 融などが 想 定されますが 、 保険型金融商品のリスク分散メカニズム
社会的ニーズに対応した新しい研究課 の解明
題の創出と解決を目指すものであればこ
の限りではありません。
諸 分 野の研 究 対 象である自然 現 象
や社会現象に対し、数学的手法を応用
提案を行うなど、数学と実験科学の融合
を促進する双方向的研究を重視するも
のです。
領域アドバイザー
赤平 昌文 筑波大学数理物質系数学域
特命教授
龍谷大学 副学長/常務理事
池田 勉
織田 孝幸 東京大学大学院
数理科学研究科 教授
「計算機システムの科学」のための数学
蓮尾一郎
東京大学大学院情報理工学系 講師
一宮尚志
離散アルゴリズムに対する品質保証技術
インフルエンザウイルスの遺伝子変異に
内在する数学的構造の探求
小田 忠雄 東北大学 名誉教授
小野 寛晰 北陸先端科学技術大学院
大学先端融合領域研究院
特別招聘教授
高橋
津田
長井
宮岡
理一 (株)コンポン研究所 取締役
一郎 北海道大学電子科学研究所 教授
英生 関西大学システム理工学部 教授
礼子 東北大学大学院
数学を応用した動力学シミュレーション法
の開発
牧野和久
京都大学数理解析研究所 准教授
岐阜大学大学院医学系研究科 准教授
伊藤公人
北海道大学人獣共通感染症
リサーチセンター 准教授
理学研究科 教授
山口 智彦 産業技術総合研究所
ナノシステム研究部門 部門長
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
確率過程の統計推測法の基礎理論
およびその実装
吉田朋広
符号・暗号のための代数曲線論
川北素子
滋賀医科大学医学部 准教授
東京大学大学院数理科学研究科
教授
ヤング測度による高分子共重合体の微
細構造の解明及びヤング
測度の展開
大下承民
岡山大学大学院自然科学研究科
准教授
76
非平衡系における界面張力の数理物理学
北畑裕之
[第1期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
千葉大学大学院理学研究科
准教授
[第2期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
[第3期生]
平成 21 年度採択研究者
2009 ∼ 2012
RNAと生体機能
2006-2011
「純和製リボザイムDSL 」を基盤とした
RNA工学の開発
井川善也
北畠 真
富山大学大学院理工学研究部
教授
京都大学
ウイルス研究所 助教
終止コドンを介した
mRNA動態制御機構の
解明と応用
伊藤耕一
東京大学大学院
新領域創成科学研究科 教授
研究総括
紫外線によって生じるRNA損傷の
修復機構
RNA末端合成プロセス装置の分子基盤
富田耕造
産業技術総合研究所
バイオメディカル研究部門
グループ長
パイ電子充填型人工核酸の創製と活用
細胞質持続発現型RNAベクター
上野義仁
西村 健
岐阜大学応用生物科学部 教授
岐阜大学工学部生命工学科 助教授
筑波大学大学院
人間総合科学研究科 助教
ショウジョウバエをモデル系とした
mRNA型non-coding
RNAの解析
RNA依存性RNAポリメレースと
そのクロマチン構造維持機構
影山 裕二
国立がん研究センター研究所
がん幹細胞研究分野 分野長
野本 明 男
微生物化学研究会 理事長/
微生物化学研究所 所長
研究領域の概要
本研究領域は、RNA 分子の多様な
機能を明らかにしRNAの生命体維持に
関する基本原理についての理解を深め
ると同時に、RNA 分子の医療応用等に
神戸大学
自然科学系先端融合研究環遺伝子
実験センター 准教授
線虫を用いたRNAi反応機構の
遺伝生化学的解析
関して、個 人の独 創 的な発 想に基づく 田原浩昭
革 新 的な技 術シーズの創出を目指しま 筑波大学大学院
人間総合科学研究科 研究員
増富健吉
RNA品質管理機構を介した
遺伝子発現制御
山下暁朗
横浜市立大学大学院
医学研究科 講師
核内mRNA型ノンコーディングRNAが
関わる新規細胞内
プロセスの解明
中川真一
理化学研究所基幹研究所
准主任研究員
葉緑体における新機能RNAの合成と
安定化技術の開発
西村芳樹
京都大学大学院
理学研究科 助教
mRNPリモデリングによる
mRNAの活性制御
松本 健
理化学研究所基幹研究所
専任研究員
HIV-1転写伸長を制御する
non-coding RNAの
機能解析
水谷壮利
微生物化学研究所
基盤生物研究部 博士研究員
small RNAとエピジェネティック制御
宮川さとみ
大阪大学大学院
医学系研究科 特任助教
す。
具体的には、生命現象を支え制御す
るRNA の新たな機 能を探 索する研 究 、 RNAi複合体形成の生化学的解析
および既知のRNA 機能の活用を目指し
泊 幸秀
た研 究が 対 象です。後 者 の 研 究には、 東京大学分子細胞生物学研究所 教授
機 能 性 RNA のデザインや機 能 向 上を
マサチューセッツ州立大学医学部
ポストドクトラルフェロー
植物におけるRNAサイレンシング経路への
導入機構の解明
吉川 学
農業生物資源研究所
植物科学研究領域主任研究員
目指す技術、機能性 RNAにより細胞機
能を制御する技術、
1分子レベルで特異
細胞質の機能RNA・RNPの
品質管理機構
組 織・細 胞に送 達するドラッグ・デリバ
リボウイルス創薬:ウイルスに学ぶ
RNA分子の可能性と
その応用
リー・システム技術などに関するものが含
朝長啓造
兵庫県立大学生命理学研究科 教授
まれ 、先 端 医 療 技 術 等 へ の 機 能 性
京都大学ウイルス研究所 教授
的 RNAを検出する技 術 、RNAを標 的
吉久 徹
RNA 分子の新たな活用技術の開発へ
とつながることが期待される研究が対象
となります。
PPR蛋白質ファミリーの解析と
RNA調節酵素への応用
中村崇裕
九州大学大学院
農学研究院 准教授
米山光俊
RNAゲノムを用いた悪性腫瘍の
診断・治療法の開発
mRNA選択的プロセシングを制御する
領域アドバイザー
伊庭 英夫 東京大学医科学研究所 教授
大野 睦人 京都大学ウイルス研究所 教授
奥野 哲郎 京都大学大学院農学研究科
教授
堅田 利明 東京大学大学院薬学系研究科
教授
坂本 博
神戸大学大学院理学研究科
教授
塩見 春彦 慶應義塾大学医学部 教授
杉本 亜砂子 東北大学大学院生命科学研究科
教授
永田 恭介 筑波大学大学院人間総合科学研究科
教授
古市 泰宏 (株)ジーンケア研究所 会長
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学医学部
教授
水本 清久 北里大学 名誉教授
細胞内ウイルスセンサーによる
非自己RNA認識様式の
解明
中村貴史
鳥取大学
千葉大学
真菌医学研究センター 教授
細胞暗号の解明
黒柳秀人
医学部 准教授
東京医科歯科大学
難治疾患研究所 准教授
RNAによる生命反応制御機構の
構造的基盤の解明
小分子RNAによる
植物のゲノム動態制御
沼田倫征
佐藤 豊
産業技術総合研究所
バイオメディカル研究部門
研究員
名古屋大学大学院
生命農学研究科 准教授
細胞周期とリボソーム生合成制御の
連携システムの解明
藤原俊伸
名古屋市立大学大学院薬学研究科 教授
RNAによる染色体分配制御機構の解析
杉山智康
筑波大学大学院
生命環境科学研究科 助教
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
RNA-タンパク質複合体による
細胞核機能・構造制御
奥脇 暢
筑波大学大学院
人間総合科学研究科 准教授
ヌクレオチドの分子認識能を基盤とした
tRNAアミノアシル化機構の
解明と応用
[第1期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
田村浩二
[第2期生]
東京理科大学基礎工学部
教授
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第3期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
77
界面の構造と制御
半導体スピンバンドエンジニアリングと
デバイス応用
細胞膜の界面分子構造と機能性の解明
大矢 忍
北海道大学
触媒化学研究センター 准教授
東京大学大学院
工学系研究科 准教授
2006-2011
表面化学反応立体ダイナミクスの解明
岡田美智雄
叶 深
時間分解表面増強赤外吸収分光法による
光受容タンパク質単分子膜の
動的挙動の解析
安宅憲一
ベルリン自由大学物理学科
シニアサイエンティスト
固液界面におけるダイナミックな
相互作用の制御
テラヘルツ波の単一光子検出と
近接場センシング
大阪大学
科学教育機器リノベーションセンター
教授
吉田直哉
生嶋健司
工学院大学工学部 准教授
東京農工大学工学部 准教授
制御された単分子-金属接合系の
構築およびその物性制御
電極ギャップに発現する
単分子ダイナミックス
抵抗検出型核磁気共鳴による
電子スピン偏極測定法の開発
木口 学
大島義文
川村 稔
東京工業大学大学院
理工学研究科 教授
大阪大学
超高圧電子顕微鏡センター
特任准教授
理化学研究所基幹研究所
専任研究員
強磁性金属/半導体界面制御による
スピントランジスタの創製
三相界面の化学組成と電子状態の解明
研究領域の概要
齋藤秀和
本研究領域は、異種材料・異種物質
産業技術総合研究所
ナノスピントロニクス研究センター
チーム長
スタンフォード大学 SLAC 研究所
スタッフサイエンティスト
半導体へテロ界面のスピン軌道相互作用
制御による電気的スピン
生成・検出機能の創製
研究総括
川合 眞紀
理化学研究所 理事
小笠原寛人
東北大学大学院
工学研究科 准教授
状態間の接合界面に着目し、新たなナ
ノ界面機能および制御技術の創出およ
好田 誠
ナノ金触媒の反応中における
表面・界面構造変化の
直視解析
単一分子DNAの
ナノポアシークエンシング
ます。
キラル金属錯体ネットワーク膜の製造と
VCD/RASコンカレント
測定法の開発
具体的には、異なる物質系の界面に
佐藤久子
川﨑忠寛
大阪大学産業科学研究所 助教
愛媛大学大学院
理工学研究科 教授
名古屋大学大学院
工学研究科 助教
機能性へテロ界面による
放射光STMによる
ナノ構造の分析と制御
酸化物界面への電気的・磁気的機能性の
付加と制御
びその応用を目指す研究を対象としてい
おける構造および機能を制御し、
さらに
田中裕行
高付加価値を有する機能を創出するに
は、最新の分子工学、界 工学、薄膜工
学、精密材料創製化学、ナノメカニクス、 Si系高効率薄膜太陽電池
精 密 分 子 操 作 、表 面 反 応ダイナミクス、 末益 崇
齋藤 彰
塚﨑 敦
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
大阪大学大学院
工学研究科 准教授
東北大学金属材料研究所 教授
強磁場走査トンネル分光法による
単一分子のスピン計測
ナノコヒーレント界面の
構造計測と機能設計
高次構造制御による膜タンパク質機能
発現リポソームの構築
高田正基
柴田直哉
野村慎一郎
東京大学大学院
工学系研究科 准教授
東北大学大学院
工学研究科 准教授
興奮性固液ナノ界面での
物質ベクトル輸送
有機単結晶シートのヘテロ接合による
高機能ナノ界面の創製
ナノ構造制御薄膜を用いた細胞界面の
制御による組織チップの創製
ベルの新しい独創的着想を活かした要
中西周次
竹谷純一
松崎典弥
素研究なども対象にしています。
パナソニック
(株)
グリーンマテリアル開発室
主任技師
大阪大学産業科学研究所 教授
大阪大学大学院
工学研究科 助教
領域アドバイザー
静電エネルギーの発散を利用した
人工界面相の創成と制御
固液界面酸化還元反応の理論的反応
設計技術の構築
細胞膜表層上のナノ糖鎖の
精密集積構造の構築
荒川 泰彦 東京大学生産技術研究所 教授
東京工業大学イノベーション研究推進体
猪飼 篤
ファン ハロルド
館山佳尚
森 俊明
スタンフォード大学
応用物理学科 教授
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
グループリーダー
東京工業大学大学院
生命理工学研究科准教授
光応答分子探針を利用した
界面相互作用の抽出計測
光・環境-応答型多層界面
金ナノロッドの創製
ナノ界面空間での電気二重層制御を利用した
一分子電気インピーダンス
計測法の創成
精 密 加 工などの分 野における、ナノス
ケールレベルの界面の観測や分析手法
の 開 発およびそれによる知 識 の 蓄 積 、
界面のナノ構造制御技術などが不可欠
であり、
これら広い観点を背景とした着想
をもつ研究を対象とします。
一方、細胞や組織などの生体関連物質
(株)
サムスン横浜研究所
主任研究員
をデバイスの一部として扱う研究におい
て、界面は重要な機能を担うが、現時点
では開 拓 的な研 究 分 野であり、個 人レ
特任教授
小野 崇人 東北大学大学院工学研究科
教授
片岡 一則 東京大学大学院工学系研究科
教授
新海 征治 崇城大学工学部 教授
高柳 英明 東京理科大学理学部 教授
夛田 博一 大阪大学大学院基礎工学研究科
福井賢一
新留琢郎
大阪大学大学院
基礎工学研究科 教授
熊本大学
大学院自然科学研究科 教授
細菌ナノファイバーの構造と
接合界面の制御
分子間トンネル効果顕微鏡による
単一分子分析法の開発
堀 克敏
西野智昭
名古屋大学大学院
工学研究科 教授
大阪府立大学
21 世紀科学研究機構 講師
分子応答性材料を用いたインテリジェント
インターフェースの創製
超短パルス光による振動励起を用いた
表面反応制御
宮田隆志
渡邊一也
名古屋大学大学院
工学研究科 教授
京都大学大学院
理学研究科 准教授
教授
塚田 捷
東北大学原子分子材料科学高等
研究機構 教授
野地 博行 東京大学大学院工学系研究科
教授
福谷 克之 東京大学生産技術研究所 教授
松本 吉泰 京都大学大学院理学研究科
山本貴富喜
東京工業大学
大学院理工学研究科 准教授
教授
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
78
[第1期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第2期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第3期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
ナノ製造技術の
探索と展開
2006-2011
有機・無機ナノ複合体の創製と
精密微細構造制御
有機ナノ結晶を用いた次世代型
光機能材料の創出
被覆共役ポリマーの合成とそのナノ分子
デバイスへの応用
赤松謙祐
笠井 均
寺尾 潤
甲南大学
フロンティアサイエンス学部教授
東北大学多元物質科学研究所
准教授
京都大学大学院
工学研究科 准教授
SWNT量産用自動直径制御合成システムの 有機化学手法による
構築とSWNT加工プロセス
カーボンナノチューブの
キラリティ制御
強磁性絶縁体超薄膜を用いた
新規スピントロニクスデバイスの
創製
斎藤 毅
櫻井英博
長浜太郎
産業技術総合研究所ナノチューブ
応用研究センター 研究チーム長
自然科学研究機構分子科学研究所
准教授
北海道大学大学院
工学研究院 准教授
金属ナノギャップ電極による抵抗スイッチ
効果の発生メカニズムの解明
高性能有機ナノ結晶トランジスタの
低環境負荷製造法の開発
ナノ構造スピン系の電界制御
内藤泰久
長谷川裕之
北海道大学大学院
理学研究院 特任助教
産業技術総合研究所
ナノスピントロニクス研究センター
研究員
生体分子モーターを動力源とした
マイクロマシン
基本論理素子に向けたナノスピンバルブ
構造の選択形成
異種分子接合型ナノワイヤーの
精密構造制御と機能
研究領域の概要
平塚祐一
原真二郎
堀 顕子
この研究領域は、ナノテクノロジーの
北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科
准教授
北海道大学
量子集積エレクトロニクス研究センター
准教授
北里大学
理学部 助教
単層マルチカラーエレクトロクロミック材料
酸化物へテロナノワイヤ構造体による
不揮発性メモリ素子の創製
率 に製 造するための 技 術 群 に関わる
バンド構造制御による
カーボンナノチューブ
電子材料の創製
様々な現象を、ナノスケール科学により
前田 優
基礎技術の開発
研究総括
横山 直樹
産業技術総合研究所連携研
究体グリーン・ナノエレクトロニ
クスセンター 連携研究体長/
(株)富士通研究所 フェロー
(独)産業技術総合研究所
ナノシステム研究部門
野崎隆行
本格的な実用化時期に必須となる「ナ
ノ製造技術」の基盤を提供することを目
的とし、ナノデバイスやナノ材料を高効
解 明することを目指す独 創 的な研 究を
樋口昌芳
物質・材料研究機構
先端的共通技術部門 グループリーダー
東京学芸大学教育学部 准教授
柳田 剛
大阪大学
産業科学研究所 准教授
対象とするものです。
具体的には、応用を目したナノ構造の
界面場を用いたナノ材料集積化技術の
設計・創製技術、ナノ材料の高再現性・ 創製
大規模生産技術、様々なナノ加工技術 松井 淳
の統合など、ナノスケール科学に基づき
超尖鋭プローブによる
局在場制御と新材料創成
藤田淳一
東北大学多元物質科学研究所
助教
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
3次元ナノ光造形マルチモールディング
生体ナノ粒子を模倣した
医療用金属ナノ粒子の創製
製 造の効 率 化・低 環 境負荷 化をもたら
す研究であり、新しいナノスケール科学
に基づく方法論の創出や革新的な技術
展開に資するための独創的な研究が含
まれます。
領域アドバイザー
雨宮 好仁 北海道大学大学院情報科学研究科
教授
居城 邦治 北海道大学電子科学研究所
教授
上田 修
金沢工業大学大学院工学研究科
教授
魚崎 浩平 (独)物質・材料研究機構ナノ材料科学
環境拠点 拠点長
大島 まり
東京大学大学院情報学環 /
生産技術研究所 教授
木村 紳一郎 超低電圧デバイス技術研究組合
丸尾昭二
横浜国立大学大学院工学研究院
准教授
村上達也
ラージスケールナノ精度加工・計測・転写
プロセスの構築
相変態を利用したバルク熱電材料の
ナノ構造化
京都大学
物質-細胞統合システム拠点 助教
三村秀和
池田輝之
東京大学大学院工学系研究科
カリフォルニア工科大学
材料科学分野 客員研究員
准教授
高規則性陽極酸化ポーラスアルミナによる
膜乳化
柳下 崇
ナノ半導体への不純物ドーピング効果の
解明と低抵抗ナノフィルム
半導体の創製
首都大学東京大学院
都市環境科学研究科助教
内田 建
SWNTの電子構造/カイラリティ制御に
向けた精密合成法の探索
電界誘起二次元伝導層の
熱起電力と制御
東京工業大学大学院
理工学研究科 准教授
副プロジェクトリーダー
谷口 研二 奈良工業高等専門学校 校長
鳥光 慶一 NTT 物性科学基礎研究所
主席研究員
中村 志保 (株)東芝研究開発センター
研究主幹
吾郷浩樹
太田裕道
九州大学先導物質化学研究所
准教授
北海道大学
電子科学研究所 教授
医療応用に向けた
磁気ナノ微粒子の開発
グラフィン融合助剤を用いた高強度軽量
カーボンワイヤーの創製
一柳優子
佐藤義倫
横浜国立大学大学院
工学研究院 准教授
東北大学大学院
環境科学研究科 准教授
ナノ光リソグラフィーによる
金属ナノパターン
作製技術の開発
方向性結合手を有するナノ粒子の製造
及び応用技術の開発
上野貢生
科学技術振興機構
さきがけ研究者
平本 俊郎 東京大学生産技術研究所 教授
福井 孝志 北海道大学量子集積エレクトロニクス
研究センター センター長/教授
堀池 靖浩 物質・材料研究機構 名誉フェロー
松本 和彦 大阪大学産業科学研究所 教授
ケント州立大学液晶研究所
横山 浩
教授
(∼H20.3)
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
北海道大学電子科学研究所
准教授
[第1期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第2期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第3期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
鈴木健二
79
物質と光作用
2006-2011
光誘起巨大磁気抵抗を有する
分子素子の創出
多重機能性混合原子価集積型金属錯体の
開発
高純度ダイヤモンドの高分解分光と
光機能の探索
生駒忠昭
大久保貴志
中 暢子
新潟大学
自然科学系自然構造科学系列
教授
近畿大学理工学部
准教授
京都大学大学院理学研究科
准教授
プラズモニクスに基づく
高輝度発光デバイスの開発
遷移金属酸化物の軌道自由度と
光の相互作用
クリック型反応による有機光電子機能
材料の創製
岡本晃一
勝藤拓郎
道信剛志
九州大学先導物質化学研究所
准教授
早稲田大学理工学術院
教授
東京工業大学大学院理工学研究科
特任助教
カーボンナノチューブの電界発光
光ポンピング法を偏極源とした
固体超偏極技術の開発
光を介した量子ドット集合系のコヒーレント
相互作用の制御
東京大学大学院工学系研究科
准教授
後藤 敦
宮島顕祐
物質・材料研究機構
極限計測ユニット主幹研究員
東京理科大学理学部
講師
局在プラズモンを利用した電荷分離
分子コンパスの創製と配向制御による
光機能発現
キラル光化学の励起波長制御
瀬高 渉
大阪大学工学研究科
助教
加藤雄一郎
研究総括
筒井 哲夫
九州大学 名誉教授
研究領域の概要
立間 徹
東京大学生産技術研究所 教授
徳島文理大学香川薬学部
准教授
本研究領域は、
「 光機能を物質から取
楊 成
り出す」、
「 光を用いて物質の本質を調
べる」、
「 光を用いて機能物質を創成す
メタルベース構造を用いた
有機発光トランジスタ
光と磁気・電気の相関による
新規相転移現象の創製
関連物質などの凝集体(固体、薄膜、分
中山健一
所 裕子
子集合体、液晶、ゲルなど)に対する光
山形大学大学院理工学研究科
准教授
筑波大学大学院数理物質科学研究科
准教授
酸化物の形態制御による
微小光共振器の形成
超分子集合体に基づく太陽電池の創製
電子状態と光との相互作用に関係する
化学と物理を対象とします。それらを応用
藤田晃司
慶應義塾大学理工学部
准教授
る」
という観点で、有機物、無機物、生物
の作用について新しい角度から多面的
に追求する研究を対象とするものです。
具体的には、物質が演出する多様な
した将来の革新的なフォトニクス・エレク
京都大学大学院工学研究科
准教授
羽曾部 卓
トロニクス技術につながる光機能材料・
電 子 機 能 材 料の創出、光デバイス・電
子デバイスの原 理 探 索や作 製 技 術 確
立、生物関連物質の利用技術開拓、超
高純度物質の合成とその物性計測、デ
バイス応用のための利用環境下での物
有機ナノサイズ凝集体の光
アンチバンチング現象の解明
ランダム構造内の欠陥領域を利用した
光局在モード制御
増尾貞弘
藤原英樹
関西学院大学理工学部
准教授
北海道大学電子科学研究所
准教授
超分子色素モジュールによる
高機能光学材料の創製
光機能性有機強誘電結晶の創製
矢貝史樹
千葉大学工学部 准教授
立教大学
理学部 准教授
有機導電性化合物の光による
高効率合成
単一不純物を利用した光機能性半導体
量子素子の創出
山田容子
池沢道男
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科 教授
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 准教授
テラヘルツ波による有機電子物性の解明と
有機デバイス検査法の開発
発光性メカノクロミックプローブの開発
山本晃司
北海道大学大学院工学研究院
教授
質の安定性と信頼性の追求などの研究
も含まれます。
領域アドバイザー
森本正和
赤木 和夫 京都大学大学院工学研究科
教授
伊藤 弘昌 東北大学 名誉教授
井上 佳久 大阪大学工学研究科 教授
入江 正浩 立教大学理学部 教授
カートハウス オラフ 千歳科学技術大学光科学部 教授
(H20.4∼)
菊池 裕嗣 九州大学先導物質化学研究所 教授
(H20.4∼)
楠本 正
出光興産
(株)
先進技術研究所
上席主幹研究員
下田 達也 北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科 教授
徐 超男
産業技術総合研究所
生産計測技術研究センター
研究チーム長( H20.4 ∼)
玉田 薫
九州大学先導物質化学研究所
教授
十倉 好紀 東京大学大学院工学系研究科
教授
濵口 宏夫
東京大学大学院理学系研究科
教授
宮崎 英樹 物質・材料研究機構先端フォトニクス
材料ユニット グループリーダー(H20.4∼)
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
80
福井大学
遠赤外領域開発研究センター
准教授
伊藤 肇
デザインされた光場によるナノ複合体の
力学制御
GHz-サブTHz電磁波が誘起する分子内電荷の運動を
利用した電気特性評価技術の開発
飯田琢也
関 修平
大阪府立大学
21 世紀科学研究機構 特別講師
大阪大学大学院工学研究科
教授
光-分子間の力学作用による
ナノ化学反応場の創製
有機レーザートランジスタの創製
竹延大志
[第1期生]
伊都将司
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
早稲田大学理工学術院先進理工学部
准教授
[第2期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
[第3期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
大阪大学大学院工学研究科
助教
生命システムの
動作原理と
多ニューロン活動を可視化して
脳回路システムに迫る
互作用に支配される細胞集団の
協調的振る舞い
細胞光制御を用いた
神経グリア相互作用の解明
池谷裕二
堀川一樹
松井 広
東京大学大学院薬学系研究科
准教授
徳島大学
東北大学大学院医学系研究科
大学院ヘルスバイオサイエンス
研究部 特任教授
准教授
基盤技術
視覚情報の分解と統合の
生体制御システム
2006-2011
研究総括
中西 重忠
(財)
大阪バイオサイ
エンス研究所
所長
研究領域の概要
河崎洋志
真核細胞のin vivo ロバストネス解析
守屋央朗
金沢大学医薬保健研究域 教授
岡山大学異分野融合先端研究コア
特任准教授
脳・神経系における「情報の変換」の
解明を目指して
細胞の動的情報感知機構と
ナノバイオメカニクス
木村幸太郎
山本希美子
大阪大学大学院理学研究科
特任准教授
東京大学大学院医学系研究科
講師
モデル共生系における創発的機能発現
メカニズムの解明
胸腺依存的な免疫寛容を制御する
基盤技術の開発
高坂智之
秋山泰身
山口大学農学部 助教
東京大学医科学研究所
准教授
多様な機能分子の相互作 用と作 用 機
神経前駆細胞の非対称分裂に関与する
分子装置の解析
環境適応に関わる時空間パターン形成
現象の分子ネットワーク
序を統合的に解析して、動的な生体情
眞田佳門
岩崎秀雄
報の発現における基本原理の理解を目
東京大学大学院理学系研究科
准教授
早稲田大学理工学術院 教授
RNAポリメラーゼの安定性に関わる
宿主因子の探索
リズミカルな連続運動の神経基盤の解析
の理解をもとに、細胞内、細胞間、個体
レベルの情報ネットワークの機能発現の
新矢恭子
大阪大学大学院生命機能研究科
准教授
本研究領域は、生命システムの動作
原 理の解 明を目指して、新しい視 点に
立った解析基盤技術を創出し、生体の
指す研究を対象とします。
具体的には、近年の飛躍的に解析が
進んだ遺伝情報や機能分子の集合体
機構、例えば生体情報に特徴的な非線
神戸大学大医学部付属医学医療
国際交流センター 准教授
木津川尚史
形で動的な反応機構などを、新しい視点
に立って解析を進めることによって生命
システムの統合的な理解をはかる研究
を対象とします。
さらには、生体情報の発現の数理モ
細胞膜形態決定の動作原理の解明
末次志郎
東京大学分子細胞生物学研究所
准教授
デル化や新しい解析技術の開発など基
匂いに対する忌避行動を規定する
神経回路の解明
小早川令子
(財)
大阪バイオサイエンス研究所
室長
盤技術の創成を目指した研究も対象と
しますが、生命現象の実験的解析と融
合した研究を重視するものです。
味覚により惹起される行動と情動の
神経回路基盤
脳内を縦横に結ぶ意思決定リンク
杉田 誠
広島大学大学院
医歯薬学総合研究科 教授
産業技術総合研究所
システム脳科学グループ
主任研究員
分子モーターシステムの制御理論構築と
その実験的検証
小脳長期抑制を発現・維持する分子機構の
時間的・空間的制御
田中裕人
田中敬子
情報通信研究機構未来 ICT
研究センター 主任研究員
韓国科学技術研究院
主任研究員
タイミングの予測に関与する
脳ネットワークの検証
生体内細胞の周辺環境物性
認識システムの解明
小村 豊
領域アドバイザー
岡田 清孝 自然科学研究機構 研究担当理事
川人 光男 (株)国際電気通信基礎技術研究所
脳情報研究所
所長/ATRフェロー
(H18.6∼H22.3)
郷 通子
情報・システム研究機構
理事( H18.6 ∼ H18.12 )
後藤 由季子 東京大学分子細胞生物学研究所
教授
近藤 滋
大阪大学大学院
生命機能研究科 教授
豊橋技術科学大学 学長
榊 佳之
桜田 一洋 (株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
理学博士、
シニアリサーチャー
田中真樹
原田伊知郎
北海道大学大学院医学研究科
東京工業大学
教授
大学院生命理工学研究科
特任講師
サルfMRIによる視知覚機構の
脳ネットワーク解析
花粉管ガイダンスの動的システムの解明
中原 潔
名古屋大学トランスフォーマティブ
生命分子研究所 教授
笹井 芳樹 理化学研究所発生・
再生科学総合研究センター
グループディレクター
京都大学大学院医学研究科 教授
武藤 誠
垣生 園子 東海大学 名誉教授/
順天堂大学医学部 客員教授(H19.3∼)
高知工科大学総合研究所 教授
東山哲也
平野 俊夫 大阪大学 総長
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
レーザー誘起光集合制御による
神経細胞内分子動態の
時空間ダイナミクスの解明
シナプス強度を決定する
基本原理の解明
細川千絵
自然科学研究機構生理学研究所
准教授
産業技術総合研究所主任研究員
研究員
深田優子
[第1期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第2期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
81
植物分裂組織の再生システム
伊藤寿朗
テマセック生命科学研究所
主任研究員
重力受容を可能にするオルガネラ動態制御の
分子基盤
森田(寺尾)美代
名古屋大学大学院生命農学研究科
教授
アメーバ運動の伸長収縮システムを
用いた生物リズムの解明
岩楯好昭
山口大学大学院医学系研究科
准教授
母性因子依存的初期胚分裂の特異性と
個体発生の保証機構の解明
大杉美穂
東京大学総合文化研究科
広域科学専攻 准教授
植物の概日振動子の観測と相互作用の
検出
小山時隆
京都大学大学院理学研究科
准教授
網膜ON・OFF回路基盤と視覚行動制御
メカニズムの解析
小池千恵子
立命館大学薬学部 准教授
核・細胞質間コミュニケーションと
微小管の連携機構の解明
佐藤政充
東京大学大学院理学系研究科
助教
自然免疫反応におけるシェディングの
役割と制御機構
白壁恭子
慶應義塾大学
医学部・微生物学免疫学教室
特任講師
1分子追跡によるラフト量子化信号
システムの解明
鈴木健一
京都大学物質-細胞統合システム拠点
准教授
指の個性の決定メカニズムの
定量発生生物学による解明
鈴木孝幸
名古屋大学理学部 助教
植物表皮組織における気孔パターン形成の
動的ネットワーク
鳥居啓子
ワシントン大学生物学部 教授
可視化を通して解析する消化管粘膜
免疫系の誘導維持機構
本田賢也
理化学研究所統合生命医科学
研究センター チームリーダー
細菌べん毛蛋白質輸送装置の
動作機構の解明
南野 徹
理化学研究所
統合生命医科学研究センター
チームリーダー
82
[第3期生]
平成 20 年度採択研究者
2008 ∼ 2011
代謝と機能制御
炎症反応の収束に関わる
脂質性メディエーターの
代謝と網羅的解析
蛍光ATPプローブを
用いたATP代謝の解析
東北大学大学院
薬学研究科 教授
有田 誠
京都大学
白眉センター 特定准教授
二次代謝酵素の機能開拓と
新規生物活性物質の創製
脂質ヒドロペルオキシドによる
細胞機能制御と疾病との
関連の解析
細胞内の蛋白質代謝を管理する
ストレス応答機構の解明
東京大学大学院
薬学系研究科 教授
今井浩孝
北里大学薬学部 准教授
群馬大学
先端科学研究指導者育成ユニット
講師
オーファン受容体の
脂質天然リガンドの探索
脳神経ネットワーク形成における
脂質機能の網羅的解析
オーキシン調節による植物の
成長制御機構の解明
生理活性リゾリン脂質の多様性と
その意義の解明
青木淳賢
2005-2010
阿部郁朗
研究総括
西島 正弘
石井 聡
秋田大学大学院
医学系研究科 教授
理化学研究所統合生命科学
研究センター チームリーダー
榎本和生
(財)大阪バイオサイエンス研究所
研究部長
今村博臣
岩脇隆夫
酒井達也
新潟大学大学院自然科学研究科 准教授
昭和薬科大学 学長
研究領域の概要
本研究領域は、細胞内の代謝産物を
機能性RNAによる代謝調節の
分子基盤の解析
硫酸化糖鎖の組織特異的な
機能発現機構の解明
稲田利文
川島博人
中野雄司
東北大学大学院
薬学研究科 教授
静岡県立大学薬学部 准教授
理化学研究所基幹研究所 研究ユニットリーダー
オートファジーによる選択的代謝経路と
その破綻による病態発生
オルガネラのpHによる
タンパク質輸送の制御
小松雅明
前田裕輔
ブラシノステロイド情報伝達による発生と
自然免疫制御の分子機構
解析し、細胞機能を効率的に制御する
ことを可能とする基盤的な技術に関して、
「肥満症」におけるエネルギー・脂質代謝
個人の独創的な発想に基づく革新的な 制御と血管新生制御との
技術の芽の創出を目指す研究を対象と 連関の解明
します。具体的には、脂質、糖、アミノ酸、 尾池雄一
核 酸 関 連 物 質などの代 謝 産 物 群の体
熊本大学大学院生命科学研究部
教授
(財)東京都医学研究機構
東京都臨床医学総合研究所
副参事研究員
大阪大学微生物病研究所
准教授
系的あるいは網羅的解析、代謝産物情
胞の代 謝 経 路のモデル化とシミュレー
気孔開閉と細胞膜 H +-ATPaseの活性
調節機構の解明
代謝産物の変化情報に基づく
心筋機能制御法の確立
老化シグナルにより制御される
代謝ネットワークの解明
ション、代 謝 経 路を制 御する化 合 物の
木下俊則
佐野元昭
南野 徹
名古屋大学大学院
理学研究科 准教授
慶應義塾大学医学部 准教授
慶應義塾大学医学部 講師
新潟大学医学部 教授
プリオン凝集体の代謝産物に着目した
細胞機能制御
複合系の代謝制御−アブラムシ細胞内
共生系をモデルとして
報に基づく細 胞 状 態の評 価・分 類 、細
予測と設計、新機能を付与した細胞の
作製などに関して、新たな方法論の創出
や技術展開の契機となることが期待され
る研究であり、
それぞれの要素技術から
細胞制御研究までを対象とします。
「骨代謝」における破骨細胞の
細胞融合と代謝制御
田中元雅
重信秀治
宮本健史
理化学研究所脳科学総合研究センター
チームリーダー
自然科学研究機構
基礎生物学研究所
特任准教授
慶應義塾大学医学部
特別研究准教授
細胞膜脂質による分裂軸方向の制御と
がん化に伴う変化
受容体活性調節タンパクの機能解明と
血管新生および
血管合併症治療への応用
新規蛋白質NMLによる
ATP代謝制御ネットワークの
解明
新藤隆行
村山明子
信州大学大学院
医学系研究科 教授
筑波大学大学院
生命環境科学研究科 講師
耐病性植物作出を目指した植物細胞死の
制御系の解明
オートファジーにおける
脂質膜組織化機構の解明
癌浸潤転移における細胞膜脂質代謝及び
ドメイン構造の機能解析
初谷紀幸
中戸川 仁
山口英樹
北海道大学大学院医学研究科
特任助教
東京工業大学フロンティア研究機構
特任助教
国立がん研究センター研究所
ユニット長
シナプス機能におけるS−アシル化動態の
時空的解析
異物排出トランスポーターによる
細胞機能制御の解明
領域アドバイザー
新井 洋由 東京大学大学院薬学系研究科
教授
稲垣 暢也 京都大学大学院医学研究科
教授
豊島文子
京都大学ウイルス研究所 教授
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所
所長
木下 タロウ 大阪大学免疫学フロンティア研究センター
副拠点長/微生物病研究所 教授
斉藤 和季 千葉大学大学院薬学研究院
教授
鈴木 明身 東海大学糖鎖科学研究所
教授 / 所長
鈴木 紘一 東京大学 名誉教授
( H17.6 ∼ H22.4 )
田口 良
東京大学大学院
医学系研究科 客員教授
寺部 茂
兵庫県立大学 名誉教授
( H17.6 ∼ H19.5 )
冨田 勝
慶應義塾大学先端生命科学研究所/
環境情報学部所長/学部長
永井 良三 自治医科大学 学長
(株)島津製作所ライフサイエンス研究所
西村 紀
技術顧問
深見 希代子 東京薬科大学生命科学部 教授
正木 春彦 東京大学大学院
農学生命科学研究科 教授
深田正紀
西野邦彦
自然科学研究機構生理学研究所
教授
大阪大学産業科学研究所
准教授
分泌性ホスホリパーゼA2群の
分子種固有の機能の解明
ストレス応答破綻としての
メタボリックシンドロームと
動脈硬化の分子機構解明
村上 誠
(財)東京都医学研究機構
東京都臨床医学総合研究所
副参事研究員
眞鍋一郎
東京大学大学院医学系研究科
特任准教授
横田 明穂 奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科 教授
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
胎生期低栄養による成長後の
代謝異常発生機序の解明と
その予防戦略の開発
細胞の極性形成に関わる
膜ドメインの形成・
維持機構の解明
[第1期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
由良茂夫
池ノ内順一
[第2期生]
京都大学大学院
医学研究科 研究員
京都大学大学院
工学研究科 准教授
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第3期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
83
光の創成・操作と
展開
2005-2010
光伝導アンテナによる光電場の
直接検出
光格子によるアトムトロニクスのための
デバイス開発
芦田昌明
木下俊哉
大阪大学大学院
基礎工学研究科 教授
京都大学大学院
人間・環境学研究科 准教授
高強度超短パルス短波長光中の
原子分子ダイナミクス
光技術による生体幹細胞の分化制御
−再生医療実現化にむけた
光技術の創成−
石川顕一
研究総括
東京大学大学院
工学系研究科 准教授
櫛引俊宏
位相コヒーレント真空紫外パルスによる
精密原子分光
光子数確定パルスの空間制御理論
井戸哲也
東京医科歯科大学
教養部 准教授
情報通信研究機構
経営企画部企画戦略室
プランニングマネージャー
防衛医科大学校医用工学講座
准教授
越野和樹
伊藤 弘昌
東北大学 名誉教授
位相制御光による量子的分子操作と
極限計測技術への展開
プラズモニック・メタマテリアルの創製と
新奇光デバイスへの展開
研究領域の概要
大村英樹
田中拓男
本研究領域は、光の本質の理解、光
産業技術総合研究所
計測フロンティア研究部門
主任研究員
理化学研究所基幹研究所
准主任研究員
に関わる新しい現象・物性の解明、光の
制御と光による物質の制御に関する新
しい概念・手法の探求などに関して、個
人の独創的な発想に基づき、将来もたら
されると期待される新パラダイムを見据
トポロジカル光波シンセシス
尾松孝茂
高次高調波のコヒーレンスを利用した
分子動画観測
千葉大学大学院
工学研究科 教授
板谷治郎
分子光変調による超高繰り返し
超短パルス光の発生
多光子波束による物質の
非線形光学応答
東京大学物性研究所
准教授
えたこれまでにない研究を対象とするも
のです。
具体的には、赤外、可視光、紫外のみ
ならず広範な領域の光の発生・伝搬・検
知の手法・技術や素子等に関する研究、 桂川眞幸
光と物 質の局 所 的 相 互 作 用に関する
電気通信大学
先端領域教育研究センター
准教授
ナノ光学素子中のプラズモンダイナミクスの
フェムト秒映像化
テラヘルツ電磁波による
高速電子スピン操作
久保 敦
永井正也
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 助教
大阪大学大学院
基礎工学研究科 准教授
原子波回路を用いた
物質波ソリトンの光学的制御
量子ドットによる光・量子メモリの創出と
高光非線形性の探求
熊倉光孝
早瀬潤子
福井大学大学院
工学研究科 准教授
慶應義塾大学
理工学部 准教授
コヒーレント物質波制御による
電子・光子の操作
デコヒーレンスフリーな非発散波束の
生成と量子制御への応用
長谷宗明
前田はるか
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 准教授
青山学院大学
理工学部 教授
光電子ホログラフィーによる
レーザー場反応追跡
フラクタル構造による光制御可能性の
探索と光機能素子の創製
研究、光による原子・分子の制御、光の
波長・振動数、位相、エネルギー密度な
どの光の本質の理解に関する研究など
であって、新たな原理の発見、方法論の
創出や革新的な技術展開の契機となる
ことが期待される研究を対象とします。
領域アドバイザー
伊澤 達夫 東京工業大学 理事 / 副学長
占部 伸二 大阪大学大学院基礎工学研究科
清水亮介
電気通信大学大学院
情報理工学研究科 教授
教授
枝松 圭一 東北大学電気通信研究所 教授
江馬 一弘 上智大学理工学部 教授
桜井 照夫 産業技術総合研究所光技術研究部門
招聘研究員
笹木 敬司 北海道大学電子科学研究所
教授
栖原 敏明 大阪大学大学院工学研究科
教授
張 紀久夫 大阪大学 名誉教授
筒井 哲夫 九州大学 名誉教授
富永 淳二 産業技術総合研究所
菱川明栄
宮丸文章
名古屋大学大学院
理学研究科 教授
信州大学
理学部 准教授
キャビティQEDによる
原子と光子の量子操作
重力波検出技術が拓く
超巨視的量子性の物理
青木隆朗
三代木伸二
早稲田大学
先進理工学部 准教授
東京大学宇宙線研究所
准教授
覧具 博義 東京農工大学 名誉教授
赤外サイクルパルス光波による
分子振動ダイナミクスの追跡
強高度レーザーによる超高分解能4次元
時空イメージング
※領域アドバイザーの所属・役職は領域終了時
芦原 聡
森下 亨
東京農工大学大学院
共生科学技術研究院
准教授
電気通信大学
情報理工学部 助教
ナノ電子デバイス研究センター
主幹研究員
納富 雅也 日本電信電話(株)
物性科学基礎研究所
グループリーダ/ 主幹研究員
野田 進
京都大学大学院工学研究科
教授
緑川 克美 理化学研究所基幹研究所
主任研究員
横山 弘之 東北大学未来科学技術共同研究センター
教授
84
[第1期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
[第2期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第3期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
構造制御と機能
2005-2010
研究総括
多孔性蛋白質結晶のナノ空間化学
井上将行
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 教授
岩浦里愛
インテリジェント生物素子の創製
創造型ナノ空間を用いた精密高分子合成
片平正人
植村卓史
分子内包によるカーボンナノチューブ
機能材料の創製
京都大学
エネルギー理工学研究所 教授
京都大学大学院工学研究科
准教授
ヘテロ原子間相互作用に基づく
分子集合と機能発現
小林健二
構造制御と機能評価による
酸化物熱電材料の創成
奥田哲治
適材適所の構造構築を実現する
アロステリック制御分子の
協同的自己集積法の開発
静岡大学理学部 教授
鹿児島大学大学院
理工学研究科 准教授
河合英敏
光と機能性流体の融合による
先端ナノ材料の創製と評価
高分子ナノシリンダーによる
ナノ回路・配線技術の開発
フォトリソグラフィーを活用した糖鎖
ナノデバイスの構築
齋藤健一
鎌田香織
今場司朗
広島大学
自然科学研究支援開発センター
教授
科学技術振興機構
ERATOグループリーダー 農業・食品産業技術
総合研究機構食品総合研究所
主任研究員
分子ワイヤ・シンセサイザー
光機能性有機分子結晶の
固体物性制御
分子性固体内微小空間の
動的制御と機能化
京都大学エネルギー理工学研究所 教授
小畠誠也
高見澤 聡
大阪市立大学大学院工学研究科 教授
横浜市立大学大学院
生命ナノシステム科学研究科
教授
ポリマー結合ペプチドのビルドアップと
機能探索
蛋白質ナノチューブを用いた
バイオ超分子の創製
自己組織化配線法による超高集積分子
デバイスの創製
東京大学大学院
薬学系研究科 教授
岡本 佳 男
名古屋大学
特別招へい教授
研究領域の概要
この研 究 領 域は、ナノサイズの材 料
上野隆史
や構造を、原子・分子レベルでの制御を
基礎に造り上げる科学技術に、
これまで
にない新しい考え方や手法を導入し、欲
しい構 造を欲しいタイミングで欲しい場
所に積み上げて造ることを目指す挑 戦
DNAを鋳型としたナノファイバーの
構造制御
電位依存性チャネルの完全化学合成と
新機能創製
坂口浩司
的な研究を対象とするものです。
農業・食品産業技術
総合研究機構食品総合研究所
主任研究員
岡崎俊也
産業技術総合研究所
ナノチューブ応用研究センター
チーム長
東京理科大学理学部 准教授
例えば、原子・分子レベルでの制御に
よりナノサイズの物質、組織、空間などを
創製し、必要な分子構造、空間構造、テ
小松晃之
谷口正輝
東京大学
先端科学技術研究センター
教授
中央大学理工学部 教授
大阪大学産業科学研究所
教授
高分子メゾスコピックダイヤモンド構造の
構築
メタル化ペプチドを用いる金属の組成・配列・空間
配置制御と異種金属集積型
分子デバイスの創製
次元規制型フラーレン超分子を
素材とする新規材料創製
ンプレート構 造 、デ バイス構 造などを、 芹澤 武
様々なスケールで起こる現象と結びつけ
て設計し構築するプロセス、およびその
応用を目指した機能探索などの研究が
含まれます。
領域アドバイザー
相田 卓三 東京大学大学院
高野敦志
名古屋大学大学院工学研究科
准教授
高谷 光
京都大学化学研究所付属元素科
学国際研究センター 准教授
中西尚志
物質・材料研究機構
ナノ有機センター 主幹研究員
工学系研究科 教授
明石 満
入江 正浩
大阪大学大学院
工学研究科 教授
立教大学理学部
教授
岩本 正和 東京工業大学資源化学研究所
教授
長田 義仁 理化学研究所基幹研究所
樹木状金属集積体を用いたスピン空間の
創出と機能開拓
学研究科 客員教授
反応性分子が拓くπ共役系分子の
多様性と機能
江 東林
棚谷 綾
羽村季之
自然科学研究機構
分子科学研究所 准教授
お茶の水女子大学大学院
人間文化創成科学研究科
准教授
関西学院大学理工学部
准教授
超分子ナノクラスターのキラル科学
ペプチド分子の自己集合による
ナノ空間の創製
アニオン応答性組織構造の創製と
機能探索
副所長
鯉沼 秀臣 東京大学大学院新領域創成科
機能性芳香族フォルダマーの構築と
動的立体制御
小松 紘一 福井工業大学工学部
津田明彦
澤本 光男 京都大学大学院工学研究科
神戸大学大学院理学研究科
准教授
松浦和則
前田大光
鳥取大学大学院工学研究科
教授
立命館大学総合理工学院
准教授
自己集合性動的
分子システムの開発
集積型金属錯体ナノ粒子を利用したスピン依存
単電子デバイスの構築
合金ナノ粒子の構造制御と
水素機能性発現
平岡秀一
山田真実
山内美穂
東京大学大学院
総合文化研究科 教授
東京農工大学大学院工学研究院
特任准教授
九州大学カーボンニュートラル・
エネルギー国際研究所 准教授
1次元分子細線へのキャリア注入と
新機能素子開発
分子手術法による新規内包フラーレン類
合成と機能開発
3次元錯体空間を活用したπ共役ナノ集
積体の構築と機能
自励振動高分子を用いた機能性表面の
創製
吉田 亮
教授
(H19.9∼)
教授
竹田 美和 名古屋大学大学院工学研究
教授/小型シンクロトロン光研究センター長
田中 順三 東京工業大学大学院
理工学研究科 教授
玉尾 皓平 理化学研究所基幹研究所
所長
(H17.6∼H19.8)
横山 直樹 (株)富士通研究所フェロー/ナノエレクトロニクス
センター長
(H17.6∼H18.7)
吉川 研一 京都大学大学院理学研究科
教授
赤井 恵
村田靖次郎
吉沢道人
大阪大学大学院
工学研究科 助教
京都大学化学研究所 教授
東京工業大学
資源化学研究所 准教授
3次元空間の精密有機建築化学
炭素鋳型法による低次元性ナノ金属化
合物のビルドアップ型創製
酸・塩基液晶の鋳型重合による新規多孔
性材料の創成
村橋哲郎
石田康博
自然科学研究機構
分子科学研究所 教授
理化学研究所
創発物性科学研究センター
チームリーダー
伊丹健一郎
名古屋大学大学院
理学研究科 教授
東京大学大学院
工学系研究科 教授
[第1期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
[第2期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第3期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
85
生命現象と計測分析
2005-2010
時間と共に離合集散を繰り返す分子機械の
X線小角散乱・動的構造解析
ラマン円偏光二色性分光による
生体分子の動的構造解析
無線・無電極振動子たんぱく質
マイクロアレイの創製
秋山修志
海野雅司
荻 博次
名古屋大学大学院理学研究科
講師
佐賀大学大学院工学系研究科
准教授
大阪大学大学院基礎工学研究科 准教授
記憶形成の脳内イメージング
プローブラベリングによる
タンパク質間相互作用解析
不透明な生体内における細胞内小分子の
可視化と光制御法の開発
石本哲也
富山大学大学院
医学薬学研究部 助教
王子田彰夫
小澤岳昌
九州大学大学院薬学研究院 教授
東京大学大学院理学系研究科
教授
生命現象分析のための小分子転写因子
創成
光受容タンパク質を利用した新しい
遺伝子機能解析法の開発
コヒーレント・ラマン内視分光鏡による
生体組織の in vivo 計測
上杉志成
岡野俊行
加納英明
京都大学
物質 - 細胞統合システム拠点
教授
早稲田大学理工学術院
先進理工学研究科 准教授
東京大学大学院理学系研究科
准教授
蛋白質電顕画像を用いた自動 in silico
擬似結晶構造解析法の開発
熱揺らぎを利用した粘弾性測定による
1分子内部運動の解析
セミインタクト細胞を用いた蛋白質の
一生の可視化解析
小椋俊彦
川上 勝
加納ふみ
産業技術総合研究所
バイオメディカル研究部門 主任研究員
北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科 講師
東京大学大学院総合文化研究科
助教
的な発想に基づく革新技術の芽の創出
オンチップ多電極刺激計測系による
細胞ネットワークの構成的理解
ES細胞由来肝組織装置による
薬物動態計測システム
高圧力による分子間相互作用
変調イメージング
を目指す研究を対象とするものです。
金子智行
田川陽一
西山雅祥
具体的には、細胞内の種々の化学過
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 准教授
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 准教授
京都大学大学院理学研究科
助教
の新規な計測・分析技術等を対象としま
神経活動の in vivo 高速イメージングと
光操作
タンパク質1分子モーション
キャプチャー技術の開発
ビデオフレーム液中原子分解能AFMの
開発
す。生命系科学技術における斬新な成
喜多村和郎
谷 知己
福間剛士
東京大学大学院医学系研究科
准教授
Cellular Dynamics Program,
Marine Biological Laboratory
Associate Scientist
金沢大学
フロンティアサイエンス機構
特任准教授
2段階ビオチン化反応を利用した
タンパク質解析
MRI・蛍光同時計測による生体内分子・
細胞イメージング法の開発
多周波電子核2重共鳴法による
酸素発生機構の解明
研究総括
森島 績
京都大学
名誉教授
研究領域の概要
本研究領域は、生命現象の解明のた
めに必要な新たな原理や手法に基づく
計測・分析の技術に関して個人の独創
程の計 測・分 析や細 胞から個 体 、生 態
系などのミクロからマクロに至る多様な
スケールでの生命現象を解明するため
果の発掘を目指した新たな方法論の創
出や技術展開の契機となることが期待
される研究を対象とします。また生命現
象に関 連の深い環 境の計 測 分 析も含
みます。
領域アドバイザー
末田慎二
森田将史
九州工業大学大学院
情報工学研究院 准教授
大阪大学
免疫学フロンティア研究センター
特任助教
科学技術振興機構
さきがけ研究者
超高分子量蛋白質の分子形態変化を
観測するNMR技術
DNA/タンパク質間相互作用の高精度
1分子多次元解析
蛋白質工学的手法による細胞内環境の
計測
八代晴彦
石渡 信一 早稲田大学理工学術院
教授
神原 秀記 (株)日立製作所
フェロー
北川 禎三 兵庫県立大学大学院
生命理学研究科 特任教授
桐野 豊
徳島文理大学
学長
(H19.4∼)
楯 真一
横田浩章
若杉桂輔
広島大学大学院理学研究科
教授
京都大学
物質 - 細胞統合システム拠点
講師
東京大学大学院総合文化研究科 准教授
生体分子計測用THz帯CARS分光
イメージング装置の開発
細胞情報解析のための超高精度・
高速位相計測システム
谷 正彦
渡邉恵理子
福井大学
遠赤外領域開発研究センター
教授
電気通信大学
先端領域研究センター 特任助教
細胞内生体分子間ネットワークのリアル
タイム検出法の開発と
細胞生物学的応用の検討
生細胞内における蛍光蛋白質による
力発生の3次元可視化
寺田純雄
理化学研究所
生命システム研究センター
チームリーダー
栗原 和枝 東北大学原子分子材料科学
高等研究機構 教授
田村 守
清華大学医学院
高級訪問学者
(H23逝去)
長野 哲雄 東京大学大学院
薬学系研究科 教授
難波 啓一 大阪大学大学院
生命機能研究科 教授
藤吉 好則 京都大学大学院
理学研究科 教授
柳田 敏雄 大阪大学大学院
生命機能研究科 特任教授
東京医科歯科大学大学院
医歯学総合研究科 教授
時空間を制限した細胞内シグナルの発生
とその計測
1分子超解像空間分析法の開発
中西 淳
オリンパス
(株)精密技術開発本部
主任研究員
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
独立研究者
86
渡邉朋信
池滝慶記
広狭域2重2光子励起顕微鏡による神経
回路網の計測
1分子同時計測技術による
タンパク質翻訳操作
松崎政紀
上村想太郎
自然科学研究機構
基礎生物学研究所 教授
理化学研究所横浜研究所 ユニットリーダー
[第1期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
[第2期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
[第3期生]
平成 19 年度採択研究者
2007 ∼ 2010
構造機能と計測分析
2004-2009
極性基が配列した低エントロピー型
分子認識アレイの開発
多角入射分解分光法の構築:
光計測の新たな概念
フェムト秒時空間画像計測システムの
創成
阿部 肇
長谷川 健
粟辻安浩
富山大学大学院
医学薬学研究部 准教授
京都大学化学研究所
教授
京都工芸繊維大学大学院
工芸科学研究科 准教授
プローブ間の協同性を利用した
高感度遺伝子解析法
状態選別XAFS分光
新規時計関連タンパク質の
探索法の開発
井原敏博
日本女子大学理学部 准教授
林 久史
熊本大学大学院自然科学研究科
准教授
今西未来
京都大学化学研究所 助教
ニ量体検出原理による
新規免疫測定法の開発
超分子化学に基づく修飾タンパク質の
蛍光分析法の開発
近接場THz光と電位の複合顕微鏡開発:
電子輸送の新観察法
上田 宏
林田 修
河野行雄
東京大学大学院工学系研究科
准教授
福岡大学理学部 教授
東京工業大学大学院
理工学研究科 准教授
細胞生命現象解明に向けた高次光
機能性分子の精密設計
マイクロ流体界面計測法の開発
ゲノムDNAの超迅速な塩基配列決定法
研究領域の概要
火原彰秀
浦野泰照
小寺一平
東京大学生産技術研究所
准教授
北海道大学電子科学研究所 博士研究員
本研究領域は、新現象の発見と解明
東京大学大学院
薬学系研究科・医学系研究科
教授
核酸ポリメラーゼ解析とDNA1分子
シーケンスへの応用
リポソームアレイによる膜タンパク質の
機能解析法
研究総括
寺部 茂
兵庫県立大学
名誉教授
のために欠くことのできない計測・分析
技術に関して、個人の独創的な発想に
基づくこれまでにない革 新 技 術の芽の
三重鎖核酸形成を基盤とする
革新的DNA分析
創出を目指す研究を対象とするものです。 小比賀 聡
平野 研
竹内昌治
大阪大学大学院薬学研究科
教授
産業技術総合研究所四国センター
健康工学研究センター 研究員
東京大学生産技術研究所
准教授
造や機能に関する計測・分析技術、
また
生体単一分子ダイナミクスの
多次元計測法
光解離性修飾基を用いた蛋白質の
構造と機能の新規研究法
環境や生態の計測・分析技術などに関
影島賢巳
廣田 俊
一二三恵美
関西医科大学教養部物理学教室
教授
奈良先端科学技術大学院
大学物質創成科学研究科 教授
大分大学全学研究推進機構
教授
修飾DNAをセンサ素材とする
新しいバイオセンサの開発
先端的ナノトライボロジー計測による
情報記憶装置の革新
具体的には、生体物質の構造や機能
に関する分 析 技 術や生 命 現 象の計 測
技術、原子・分子レベルにおける物理・
化学現象や物性および表面・界面の構
して、新たな方法論の創出や、技術展開
インフルエンザウイルスを計測・除去可能な
「スーパー抗体酵素」
の契機となるような研究を対象とします。
また、計測・分析技術に関してブレー
クスルーをもたらすことが期 待される試
料前処理、試薬、
ソフトウェア等の重要
な関連技術をも対象とします。
桒原正靖
福澤健二
群馬大学大学院工学研究科
准教授
名古屋大学大学院工学研究科
教授
生体情報分子の先端的可視化計測法の
開発
コインシデンス分光法による
複合表面解析
電子増強振動分光法の開発と応用
由井宏治
東京理科大学理学部 准教授
領域アドバイザー
家 泰弘
東京大学物性研究所
所長/教授
大島 忠平 早稲田大学理工学術院
教授
大橋 裕二 いばらき量子ビーム研究センター
コーディネーター
佐藤守俊
間瀬一彦
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所 准教授
高感度テラヘルツ光学活性計測技術の
開発
原子時計精度での超高分解能レーザー
分光計測
島野 亮
御園雅俊
東京大学大学院
理学系研究科 准教授
福岡大学理学部 准教授
スピン偏極−イオン散乱分光法の開発
生細胞内分子を見るデグロンプローブの
開発
神原 秀記 (株)日立製作所
フェロー
(H18.11∼)
北森 武彦 東京大学大学院工学系研究科
教授
坂入 実
(株)
日立製作所中央研究所
主管研究長
庄子 習一 早稲田大学理工学術院
教授
白木 靖寛 東京都市大学
副学長
鈴木 孝治 慶應義塾大学理工学部
教授
田中 信男 京都工芸繊維大学
名誉教授
田中 通義 東北大学
鈴木 拓
物質・材料研究機構
量子ビームセンター 主幹研究員
三輪佳宏
高感度3次元蛍光X線分析装置の開発
界面のキラリティを捉える
非線形顕微分光の開発
名誉教授
(H17.7∼)
筑波大学大学院
人間総合科学研究科 講師
馬場 嘉信 名古屋大学大学院工学研究科
教授
前田 瑞夫 理化学研究所基幹研究所
主任研究員
渡會 仁
大阪大学大学院理学研究科
教授
辻 幸一
大阪市立大学大学院
工学研究科 教授
八木一三
再衝突電子を用いたアト秒分子内
電子波束の測定
新規分離・分析場としての
ナノチャンネル集合体
新倉弘倫
山口 央
早稲田大学理工学術院
茨城大学理学部 准教授
准教授
北海道大学
大学院地球環境科学研究院
教授
[第1期生]
平成 16 年度採択研究者
2004 ∼ 2007
[第2期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
87
非弾性光電子分光による
表面・界面振動解析
荒船竜一
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
独立研究者
ナノスケール分解能スピン共鳴原子間力
顕微鏡の開発
安 東秀
東北大学金属材料研究所 助教
オミクス解析用超微小エレクトロスプレー
法の開発
石濱 泰
京都大学大学院薬学研究科
教授
高速超伝導転移端マイクロカロリメータの
開発
大野雅史
東京大学大学院工学系研究科 特任助教
毒性型アミロイドオリゴマーの
高感度検出
迫野昌文
科学技術振興機構
ERATO 研究員
マイクロバイオブロッティング
分析システムの開発
佐藤記一
群馬大学大学院工学研究科
准教授
価電子をその場観測する顕微軟X線
発光分光法の開発
初井宇記
理化学研究所
放射光科学総合研究センター
XFEL 研究開発部門 チームリーダー
時間分解X線磁気円二色性分光法の
開発
松田康弘
東京大学物性研究所 准教授
タンパク質の新規電気化学定量法の
開発
吉田裕美
京都工芸繊維大学大学院
工芸科学研究科 准教授
[第3期生]
88
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
デジタルメディア
作 品 の 制 作を支
デザイン言語を理解する
メディア環境の構築
アート表現のための実世界指向インタラ
クティブメディアの創出
金谷一朗
筧 康明
大阪大学大学院工学研究科
准教授
慶應義塾大学環境情報学部
准教授
物語性を重視する
デジタルメディアの
制作配信基盤
空間型メディア作品を強化する7つ道具
型対話デバイス
桐山孝司
立命館大学情報理工学部
教授
援する基盤技術
2004-2009
東京芸術大学大学院映像研究科
准教授
「感性リアル」表現の
制作支援を目的とした
CG技術の開発
木村朝子
Locative Mediaを利用した
芸術/文化のための
視覚表現技術開発
研究総括
佐藤いまり
野口 靖
原島 博
情報・システム研究機構
国立情報学研究所 准教授
東京工芸大学芸術学部 准教授
MEMSテクスチャスキャナ
折紙のデジタルアーカイブ構築のための
基盤技術とその応用
東京大学 名誉教授
研究領域の概要
長澤純人
東北大学大学院工学研究科
講師
三谷 純
子どもの知育発達を促す
デジタルメディアの作成
れを実 現するための新しい基 盤 技 術を
感覚運動統合がなされた
自律バーチャルクリーチャーの
創生
創出する研究を対象とします。
長谷川晶一
中央大学文学部 教授
本 研 究 領 域は、情 報 科 学 技 術の発
筑波大学大学院システム情報
工学研究科 准教授
展により急速な進歩を遂げたメディア芸
術という新しい文化に係る作品の制作
を支える先進的・革新的な表現手法、
こ
具体的には、
コンピュータ等の電子技
山口真美
東京工業大学精密工学研究所
准教授
術を駆使した映画、アニメーション、ゲー
ムソフト、
さらにはその基礎となるCGアー ドレミっち:成長する
ト、
ネットワークアート作品等の高品質化 仮想演奏者の構築
(多次元化も含む)
を目的とした映像や
画像の入力・処理・編集・表示技術、
イン
浜中雅俊
筑波大学大学院
システム情報工学研究科 講師
ターフェイス技術、
ネットワーク技術等に
関する研究を行います。視覚や聴覚以
外の感覚の表現をも可能とする人工現
感触表現の制作支援を目的とした視触覚感
覚ディスプレイ技術の開発
実感技術、現実空間と人工空間を重畳
串山久美子
させる複合現実感技術等も含みます。ま
た、デジタルメディアとしての特徴を生か
首都大学東京システムデザイン学部
教授
した斬新な表現手法の研究、快適性や
安全性の観点から人間の感性を踏まえ
た表現手法の研究、物語性に優れた作
品の制作を可能にする高度なコンテン
ツ制作手法の研究、誰もが自由にデジ
「意図的なランダムな行為」の創出方法の
解明
後安美紀
(株)国際電気通信基礎技術研究所
客員研究員
タルメディア作品の制作を効率的に行う
ことが出来るソフトウェア・ハードウェアに
関する研究なども対象とします。
全天周と極小領域映像を扱うための入出
力機器の研究開発
橋本典久
領域アドバイザー
武蔵野美術大学映像学科
非常勤講師
秋山 雅和 日本大学大学院法学研究科 客員教授
井口 征士 宝塚造形芸術大学
メディア・コンテンツ学部 教授
加藤 和彦 筑波大学大学院システム情報
工学研究科 教授
人間の知覚に基づいた色彩の
動的制御システムの構築
武藤 努
(財)国際メディア研究財団
研究員
陣内 利博 武蔵野美術大学造形学部 教授
慶應義塾大学大学院
舘
暲
メディアデザイン学科 教授
為ヶ谷 秀一 女子美術大学大学院美術研究科
教授
土井 美和子(株)東芝研究開発センター
首席技監
触・力覚の知覚特性を利用した
新たな芸術表現の基盤研究
渡邊淳司
NTTコミュニケーション科学基礎研
究所人間情報研究部 主任研究員
中津 良平 シンガポール国立大学工学部
教授
馬場 哲治 元(株)バンダイナムコゲームス
研究部長
松原 健二 (株)コーエー
代表取締役執行役員社長 COO
[第1期生]
平成 16 年度採択研究者
2004 ∼ 2007
[第2期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
[第3期生]
平成 18 年度採択研究者
2006 ∼ 2009
89
量子と情報
2003-2008
量子縺れ最適回復プロトコル導出を可能
にする量子状態の判定・
測定法
量子通信路の可逆性と情報理論的・
幾何学的保存量の評価
石坂 智
電気通信大学大学院
情報システム学研究科 准教授
日本電気(株)中央研究所
主任研究員
研究総括
細谷 曉 夫
東京工業大学大学院
理工学研究科 教授
小川朋宏
固有ジョセフソン接合と超伝導共振器を
用いた量子状態制御の研究
単一分子分光による
固体中の単一スピンの観測
北野晴久
松下道雄
青山学院大学理工学部 准教授
東京工業大学大学
院理工学研究科 准教授
単一量子ドットにおける
多光子量子操作
新しい核磁気共鳴を用いた核スピンの
量子状態制御
黒田 隆
遊佐 剛
物質・材料研究機構
量子ドットセンター 主幹研究員
東北大学大学院理学研究科
准教授
多体量子系としての
量子計算機の分析
研究領域の概要
清水 明
東京大学大学院総合文化研究科
教授
本研究領域は、量子力学的現象を利
用した情報処理を実現するために、量子
力学と情報処理の間に横たわる諸問題
の解決に資する研究を対象とするもの
量子鍵を用いた
次世代量子暗号プロトコル
です。
村尾美緒
具体的には、量子もつれ効果の強さ
東京大学大学院理学系研究科
准教授
と情報処理能力の関係についての理論
的・実証的な研究、新しいアルゴリズム
の創出、量子状態の評価技術、記憶方
法、量子情報の高密度伝送方式、通信
量子ビット構築へ向けてのヘリウム液面
電子量子ドットの研究
における符号化・誤り訂正・情報セキュリ
池上弘樹
理化学研究所中央研究所
専任研究員
ティ等、安全かつ高速の情報処理を実
現するための 基 盤を拡 充する抜 本 的 、
革新的な研究を対象とします。
領域アドバイザー
今井 浩
超伝導クパー対を使用した電子 EPR 対
高密度ビームの開発
趙 福來
(株)
日立ハイテクノロジーズ
研究開発本部 技師
東京大学大学院情報理工学系研究科
教授
井元 信之 大阪大学大学院基礎工学研究科
教授( H17.4 ∼)
枝松 圭一 東北大学電気通信研究所 教授
小澤 正直 名古屋大学大学院情報科学研究科
教授
光学実験を手段とした量子情報処理の
ための量子力学的
物理現象の研究
長谷川 祐司
ウィーン工科大学 客員教授
北川 勝浩 大阪大学大学院基礎工学研究科
教授
佐々木 雅英 情報通信研究機構新世代ネットワーク
研究センター グループリーダー
高木 伸
富士常葉大学環境防災学部
教授
竹内 繁樹
北海道大学電子科学研究所
教授
蔡
代数的量子情報処理技術の研究
濵田 充
玉川大学学術研究所 准教授
兆申 日本電気(株)中央研究所
ナノエレクトロニクス研究所 主席研究員
南 不二雄 東京工業大学大学院理工学研究科
教授
山本 喜久 情報・システム研究機構
国立情報学研究所 教授
量子非局所性を用いた情報処理に
おける不可逆性
森越文明
日本電信電話(株)物性科学基礎
研究所 研究主任
異種原子組み替えによる固体表面量子
ビットの実現
阿部真之
大阪大学大学院工学研究科
准教授
測定過程を使った非古典的な原子集団
スピン励起の生成と制御
[第1期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
[第2期生]
平成 16 年度採択研究者
2004 ∼ 2007
[第3期生]
平成 17 年度採択研究者
2005 ∼ 2008
宇佐見 康二
Niels Bohr 研究所 研究員
90
シミュレーション技
術 の 革 新と実 用
超効率的高分子物性機能計算システム
の開発
分子スケール差を統合する
代謝シミュレーション
青木 百合子
有田正規
九州大学大学院総合理工学研究院
教授
東京大学大学院
新領域創成科学研究科 准教授
相関電子系の新しい大規模計算
アルゴリズム
神経系の双方向マルチスケールシミュレータ
の開発
今田正俊
大武 美保子
東京大学大学院工学系研究科
教授
千葉大学大学院工学研究科
准教授
相対論的分子理論プログラムの開発
骨リモデリングシミュレーションで挑む
テーラーメイド再生医療
化基盤の構築
2002-2007
中嶋隆人
研究総括
東京大学大学院工学系研究科
准教授
手塚建一
特異値分解法の革新
による実用化基盤の構築
計算機による特異的抗体設計法の確立
中村佳正
千葉大学大学院薬学研究院
准教授
土居 範 久
岐阜大学大学院医学系研究科
准教授
中央大学理工学部 教授
研究領域の概要
この研究領域は、計算機科学と計算
京都大学大学院情報学研究科
教授
星野忠次
科 学が 連 携することにより、
シミュレー
ション技術を革新し、信頼性や使い易さ
マイクロ流体デバイス開発のための流体
も視 野に入れて、実 用 化の基 盤を築く −構造連成共振現象逆解析
研究を対象とするものです。
松本純一
具体的には、物質、材料、生体などの
ミクロからマクロに至るさまざまな現象を
産業技術総合研究所
先進製造プロセス研究部門
研究員
遷移金属イオンを含む生化学分子の
電子論的精密計算
前園 涼
北陸先端科学大学院大学
情報科学研究科 講師
シームレスに扱える新たなシミュレーショ
ン技 術 、分 散したデータベースやソフト
ウェアをシステム化する技術、
また、計算
離散・連続複合系の
分散最適化シミュレーション
手法の飛躍的な発展の源となる革新的
室田一雄
なアルゴリズムの研究や、基本ソフト、情
東京大学大学院情報理工学系研究科
教授
報 資 源を取り扱いやすくするためのプ
ラットフォームあるいは分野を越えて共通
に利用できる標準パッケージの開発など
が含まれます。
ハイブリッド型分子動力学シミュレーション
の開発
山本量一
京都大学大学院工学研究科
准教授
領域アドバイザー
大蒔 和仁 産業技術総合研究所
研究コーディネーター
小柳 義夫 工学院大学情報学部
生物型飛行の力学シミュレータの構築
劉 浩
千葉大学工学部 教授
学部長 / 教授
武市 正人 東京大学大学院情報理工学系研究科
研究科長 / 教授
寺倉 清之 北陸先端科学技術大学院大学
先端融合領域研究所
特別招聘教授( H19.10 ∼)
東倉 洋一 情報・システム研究機構国立情報学
研究所 副所長 / 教授
三浦 謙一 情報・システム研究機構国立情報学
DNAナノデバイス創製における
シミュレーション技術の確立
川野聡恭
大阪大学大学院基礎工学研究科
教授
研究所 教授
宮原 秀夫 大阪大学 総長
( H14.11 ∼ H18.3 )
矢川 元基 東洋大学工学部 教授
量子分子動力学法に基づく化学反応対応型
連成現象シミュレータの開発
久保百司
東北大学大学院工学研究科
准教授
水素系量子シミュレーション技術の構築
立川仁典
横浜市立大学大学
院国際総合科学研究科 教授
ダイナミックボンド型
大規模分子動力学法の開発
[第1期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第2期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
[第3期生]
平成 16 年度採択研究者
2004 ∼ 2007
渡邉孝信
早稲田大学理工学術院 准教授
91
情報、バイオ、環境と
ナノテクノロジーの
体外からの刺激情報伝達による
ナノデバイス機能制御
生体システムを集積化した素子・システム
の創製と実用化
青柳隆夫
加藤 大
物質・材料研究機構生体材料研究領域
ユニット長
東京大学大学院薬学系研究科
特任准教授
生体反応の光制御を目指した人工核酸
デバイスの創製
テーラーメイド分子集積による
機能性三次元空間創製
浅沼浩之
竹内俊文
名古屋大学大学院工学研究科
教授
神戸大学大学院工学研究科
教授
マイクロ・ナノマシニングを用いた
水晶振動子型
分子認識チップの創製
強磁性金属ナノコンポジット膜を用いた
Left-Handed Materialsの
実現と応用
融合による革新的
技術の創製
2002-2007
安部 隆
冨田知志
新潟大学大学院自然科学研究科
教授
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科 助教
走査型相互作用分光顕微鏡の開発と
ナノ構造創製への応用
ナノサイズ一次元構造の
電子物性評価
新井豊子
長谷川 幸雄
金沢大学理工研究域数物科学系
教授
東京大学物性研究所 准教授
研究総括
潮田 資 勝
(独)物質・材料研究機構
理事長
研究領域の概要
この研 究 領 域は、情 報 通 信 、バイオ、 超臨界流体ジェット法の開発による分子
環境に係わるナノテクノロジー分野にお 認識メカニズムの解明
シリコンをベースとする新光機能素子の
創製
いて、個人の独創的な発想に基づくこれ
石内俊一
深津 晋
までにない新技術、新物質、新システム
東京工業大学資源化学研究所
助教
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
自己集合膜を利用したストレスの制御と
パターニング
光応答型インテリジェント核酸を用いた
遺伝子操作法の開発
板倉明子
藤本健造
物質・材料研究機構
ナノ計測センター 主幹研究員
北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科 教授
出に向けた研究、現在まだ原理の解明
微細加工によるナノバイオ情報解析
デバイス創製
Siナノ結晶を増感材とした
等の段階にとどまっている現象を次世代
一木隆範
森脇和幸
のデバイスやシステムのコンセプトに結
東京大学大学院工学系研究科
准教授
神戸大学大学院工学系研究科
准教授
領域アドバイザー
バイオナノポアを用いた
1分子センサーの開発
特異的なDNA配列に結合する蛋白質の
設計システム開発
井出 徹
河野秀俊
油谷 浩幸 東京大学国際・産学共同研究センター
光産業創成大学院大学 教授
日本原子力研究開発機構
量子ビーム応用研究部門
主任研究員
精密分子認識に基づく人工DNAの創成
とナノ材料への応用
電流誘起磁壁移動型磁気メモリの開発に
向けた理論研究
等の創製を目指した新しいルートを切り
拓く挑戦的な研究を対象とするものです。
具体的には、ナノスケールにおける物
理現象に係わる研究、化学や生物系新
材料の機構・機能等に係わる研究、
セン
シング、操作、制御等の技術の基盤とな
る研究、既存技術の限界に挑戦する新
しい情報通信、バイオ、環境の技術の創
光導波路増幅器の創製
びつける研究等が含まれます。
教授
江刺 正喜 東北大学未来科学技術共同研究
センター 教授
関
一彦 名古屋大学大学院理学研究科
教授
髙柳 邦夫 東京工業大学大学院理工学研究科
教授
名取 俊二 農業生物資源研究所 理事
八田 一郎 福井工業大学
井上将彦
多々良 源
富山大学大学院医学薬学研究部
教授
首都大学東京都市教養学部
准教授
ナノ空間ネットワークの構築による
超集積場の創製
プラズモニック光学素子の解析と設計
大久保 達也
東京大学大学院工学系研究科
特任講師
原子力技術応用工学科 教授
馬場 寿夫 日本電気(株)
エグゼクティブエキスパート
原
正彦 東京工業大学大学院総合理工学
研究科 教授
和佐 清孝 横浜市立大学理学部
東京大学大学院工学系研究科
教授
田丸博晴
客員教授( H16.4 ∼)
郷
信広 日本原子力研究開発機構
生命科学研究統括 / 特別研究員
志賀 昭信 ルモックス技研 化学コンサルタント
寺倉 清之 北陸先端科学技術大学院大学
先端融合領域研究院 特別招聘教授
土井 正男 東京大学大学院工学系研究科
教授
酸化チタン上に析出した銀ナノ粒子の
多色フォトクロミズム
∼新現象の機構解明と
応用展開
アナログ&デジタル融合
高分子ナノシミュレーション
増渕雄一
京都大学化学研究所 准教授
大古善久
産業技術総合研究所 研究員
平尾 公彦 東京大学大学院工学系研究科
教授
藤原 毅夫 東京大学大学総合教育研究センター
特任教授
集積-融合増幅型ナノ粒子
センシングシステムの開発
メタマテリアルの熱伝導率予測
尾上慎弥
九州工業大学工学部
教授
協立化学産業(株)
研究開発部 研究員
92
宮崎康次
[第1期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第2期生]
平成 16 年度採択研究者
2004 ∼ 2007
生 体 分 子 の 形と
機能
2001-2006
水和情報を取入れた蛋白質
相互作用解析法の確立
蛋白質の「配列−構造−安定性」相関の
系統的解析
伊倉貞吉
高野和文
東京医科歯科大学
大学院疾患生命科学研究部
助教授
大阪大学大学院工学研究科
助教授
oxidative protein foldingに関わる シャペロニンの役割の解明による
細胞因子の構造・機能解明と
その工学的利用
稲葉謙次
田口英樹
九州大学生体防御医学研究所
特任准教授
東京大学大学院
新領域創成科学研究科 助教授
2種のプロスタグランジン合成酵素の
構造ゲノム科学およびプロテオミクスに基づく
新規の遺伝暗号翻訳装置の同定と
機能発現メカニズムの解明
構造解析と医薬品への応用
井上 豪
研究総括
郷 信 広
理化学研究所放射光科学
総合研究センター 上級研究員
研究領域の概要
大阪大学大学院工学研究科
助教授
濡木 理
たんぱく質の構造機能相関を利用した
構造からの機能予測法
蛍光標識アミノ酸の導入による
タンパク質の
新規構造機能解析法の開発
木下賢吾
東京大学医科学研究所 准教授
この研究領域は、遺伝情報が機能と
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 教授
芳坂貴弘
北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科 助教授
して発現するのを支えている物理的実体
としての生体分子(タンパク質)
に焦点を
効率的なタンパク質
折りたたみ法の確立
あて、物理学、化学等の物質科学の原
色素タンパク質による生体機能の
時空間的な不活性化法の確立
分子進化工学的手法による新規トポロジーを
有する蛋白質の探索
理に基づき、
その立体構造形成の仕組
永井健治
松浦友亮
みや立体構造に基づく機能発現の仕組
北海道大学電子科学研究所
教授
大阪大学大学院情報科学研究科
准教授
新規機能創製を目指した酵素蛋白質の
立体構造・触媒機構の
系統的解析
薬剤耐性化問題の克服を目指した
多剤排出蛋白質の薬剤
認識機構の解明とその応用
長野希美
村上 聡
産業技術総合研究所生命情報工学
研究センター 主任研究員
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 教授
みを研究するとともに、今急速に蓄積が
進んでいるゲノム情報等を対象としたバ
イオインフォマティクス的 手 法を用いた
研究も対象とするものです。
具体的には、
タンパク質等の立体構
造の実験的決定・理論的予測、物性研
究、相互作用や複数の分子からなる超
分子構造体の解析に関する新しい研究
方法の開発等の基礎的研究と共に、合
2 光子励起法を用いた生体膜融合分子 タンパク質オルガネラ移行と遺伝子発現の
機能の顕微解析とシステム化
非侵襲的時空間解析法の確立
根本知己
小澤岳昌
自然科学研究機構生理学研究所
助教授
東京大学大学院理学系研究科
教授
領域アドバイザー
機能性分子素子の構築を目指した
脂質膜の物性に関する
基礎的研究
極低温電子線断層法によるセプチン系
超分子構造体の解析
板井 昭子 (株)医薬分子設計研究所
早川枝李
京都大学大学院医学研究科
先端領域融合医学研究機構
助教授
理 的 薬 物 設 計 、生 物 的 機 能の工 学 的
利用を目指した応用的研究等が含まれ
ます。
代表取締役
(H13.10∼H14.4)
北川 禎三 豊田理化学研究所 フェロー
桑島 邦博 東京大学大学院理学系研究科
教授
五條堀 孝 情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 教授
( H13.10 ∼ H17.7 )
近藤 滋
名古屋大学大学院理学研究科
教授
月原 冨武 大阪大学蛋白質研究所 教授
中野 明彦 東京大学大学院理学系研究科
教授
西川 建
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 教授
( H14.5 ∼)
東京女子医科大学国際統合医科学
インスティテュート 助教
木下 専
癌・パーキンソン病の解明を目指した
ユビキチンリガーゼ複合体の
結晶構造に関する基礎的研究
蛋白質1個における
局所的構造変化の可視化
水島恒裕
学習院大学理学部 准教授
西坂崇之
名古屋大学大学院工学研究科
助手
タンパク質機能の構造揺らぎの
検出と制御
ミクロな化学反応過程がもたらすマクロな
タンパク質機能発現の分子物理
水谷泰久
林 重彦
大阪大学大学院理学研究科
教授
京都大学大学院理学研究科
助教授
タンパク質選別輸送装置の
人工膜小胞への再構成
マイコプラズマ滑走運動の分子メカニズム
佐藤 健
大阪市立大学大学院理学研究科
教授
吉田 賢右 東京工業大学資源化学研究所
教授
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
宮田真人
生体光エネルギー変換の分子機構
̶光化学系II複合体の構造と
機能の解明及びその応用
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
沈 建仁
[第2期生]
岡山大学大学院自然科学研究科
教授
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
93
情報と細胞機能
1分子からの定量的解析によるシナプス
活性化機構の解明
芦高 恵美子
大阪工業大学大学院工学研究科
教授
2001-2006
(財)佐々木研究所 研究所長
/理事
研究領域の概要
この研究領域は、細胞がプログラム化
された遺伝子情報(内的情報)
を持って
いることや、環境等に由来する多くのシ
グナル
(外的情報)
の作用で様々な影響
を受けている観 点から、これらの情 報と
斎藤通紀
理化学研究所発生・再生科学総合
研究センター チームリーダー
東北大学医学部附属病院 講師
九州大学生体防御医学研究所
助教授
白根道子
染色体ゲノムの機能領域を区分する
バウンダリーエレメントの
解明とその応用
有糸分裂チェックポイント遺伝子CHFRの
がん診断・治療への応用
北海道大学大学院医学研究科
助教授
石井 浩二郎
札幌医科大学医学部内科学第一講座
講師
神経難病におけるタンパク質
リフォールディング・
分解能検出系の構築
シナプス回路形成機構の
ゲノム遺伝学的解析と
精神研究への応用
膜型増殖因子の持つ細胞増殖の
アクセル機能とブレ−キ解除
機能の分子機構の解明
小坂 仁
曽根雅紀
東山繁樹
神奈川県立こども医療センター
臨床研究機構 神経内科科長
東邦大学理学部 講師
愛媛大学大学院医学系研究科
教授
睡眠時呼吸障害と痴呆との関係解明
2 光子励起法で解析する開口放出関連
角谷 寛
蛋白質の作用機序と
糖尿病の病態解明への応用
核マトリクス結合蛋白質による
RNP再構築と分配機構の解明
京都大学大学院医学研究科
助教授
細胞機能との関わりを独創的で斬新な
吉田秀郎
京都大学大学院理学研究科
助教授
膜輸送分子Protrudinによる神経突起
形成機構の解明と
神経再生への応用
大場雄介
関谷 剛 男
単一細胞での網羅的遺伝子発現解析に
よるマウス生殖細胞
決定機構の解明
有機アニオントランスポーター遺伝子群の ミトコンドリア病発生制御分子の
機能解明と制がん剤
認識機構の解明
デリバリーへの応用
秋光和也
阿部高明
香川大学農学部 教授
生きたマウスにおけるがん遺伝子
産物活性化の観察
研究総括
セン サ ー 型 転 写 因 子 とセン サ ー 型
RNaseによる生体防御
ネットワークの解明
久留米大学分子生命科学研究所
講師
高橋倫子
東京大学大学院医学系研究科
特任講師
手法、アプローチで明らかにすることによ
豊田 実
廣瀬哲郎
産業技術総合研究所生体情報
解析研究センター チーム長
り、生命システムの謎に挑む研究を対象
とするものです。
がん抑制遺伝子RB1CC1の機能解明と Wntシグナルによる神経細胞の
がん克服への挑戦
ネットワーク形成制御
具体的には、
これら情報と細胞との相
核内受容体コファクターによる脂肪形成
の制御
互作用の結果として発症するがん、痴呆
亀井康富
茶野徳宏
三木裕明
東京医科歯科大学難治疾患研究所
助教授
滋賀医科大学医学部 助教授
大阪大学蛋白質研究所 教授
ゴルジ体の多様性と
その生理学的意義の解明
糖鎖構造マスターコントロール遺伝子群
による細胞機能の制御と
創薬研究への応用
ユビキチンと分子シャペロンの連携による
細胞機能制御機構の解明
三菱化学生命科学研究所
グループリーダー
豊田英尚
東京都臨床医学総合研究所
主席研究員
疾病の発症、進行におけるリン脂質因子の
生体内動態解析
組織特異的なアイソフォームの関与する
新しい細胞内
ネットワークの解明
新規試験管内誘導システムによる
分化再生研究
西 毅
京都大学再生医科学研究所付属
幹細胞医学研究センター 助教授
など高齢者の疾患、アトピー性皮膚炎な
どのアレルギー疾 患など様々な疾 病の
病因解明ならびにその克服のための方
法の探索に関する研究等が含まれます。
後藤 聡
領域アドバイザー
大阪大学微生物病研究所 教授
菊谷 仁
渋谷 正史 東京大学医科学研究所 教授
下遠野 邦忠 京都大学ウイルス研究所 教授
中島 元夫 ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)
ニュービジネス&テクノロジートランスファー
ディレクター
佐々木 雄彦
秋田大学医学部 教授
千葉大学大学院薬学研究院
助教授
大阪大学産業科学研究所
特任助手
野田 哲生 癌研究会癌研究所
村田茂穂
山下 潤
所長 / 細胞生物部長
半田 宏
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 教授
古市 泰宏 (株)ジーンケア研究所 会長
若林 敬二 国立がんセンター研究所 副所長
94
環境ストレスに応答する細胞内情報伝達
機構の解明
武川睦寛
東京大学医科学研究所 助教授
小脳失調症関連遺伝子の機能解明と
治療に向けた標的遺伝子の
導入技術開発
平井宏和
群馬大学大学院医学系研究科
教授
新素材キャピラリーガス検出器による
細胞機能解析
低酸素シグナルによる生体機能調節機構の
解明と疾患治療への応用
門叶冬樹
牧野雄一
山形大学理学部 助手
旭川医科大学内科学講座
特任講師
ミトコンドリア病の病態発現機構の解明
と遺伝子治療法の探索
受精の膜融合を制御する分子メカニズムの
解明と不妊治療への応用
中田和人
宮戸健二
筑波大学大学院生命環境科学研究科
准教授
国立成育医療センター研究所
生殖細胞機能研究室長
転写伸長反応の制御を介した細胞機能
発現機構の解明
脳のナトリウムレベルセンサーの解明と
生活習慣病克服への応用
山口雄輝
渡辺英治
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 准教授
自然科学研究機構基礎生物学研究所
助教授
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第2期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
情報基盤と
利用環境
マルチPCクラスタ上での
数値最適化問題求解
アプリケーションの開発
ハードウェアアルゴリズムの
進化的合成に関する研究
合田憲人
東北大学大学院
情報科学研究科 助手
東京工業大学大学院
総合理工学研究科助 教授
2001-2006
超高速ホログラフィ専用計算機システム
伊藤智義
千葉大学工学部 教授
本間尚文
再帰性光通信技術を用いたユビキタスな
情報空間の創生
稲見昌彦
慶應義塾大学
大学院メディアデザイン研究科
教授
並列実行環境に依存しない高性能数値
計算ライブラリ
安全で低消費エネルギーな
プロセッサに関する研究
研究総括
片桐孝洋
井上弘士
富田 眞 治
東京大学情報基盤センター
特任准教授
九州大学大学院
システム情報科学研究院
助教授
履歴に基き再構成するマイクロプロセッサ
の研究
超分散マイク・スピーカーによる
複数の音焦点形成
佐藤寿倫
加賀美聡
福岡大学工学部 教授
産業技術総合研究所
デジタルヒューマン研究センター
チーム長
次世代電子商取引のための
質感再現技術の構築
主記憶上のデータの高速かつ高信頼な
処理の実現
京都大学
物質−細胞統合システム拠点
特定拠点教授/事務部門長
研究領域の概要
この研究領域は、10 億個のトランジス
タがチップ上に集積できる時代およびイ
ンターネットでコンピュータ利 用 環 境が
激 変 する 時 代 に おける 、新しいコン
ピュータシステムの基 盤 技 術と利 用 技
津村徳道
術に関連した研究を対象とするものです。 千葉大学工学部 助教授
宮崎 純
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 助教授
具体的には、超高機能化、超高性能
化、超省電力化、
モバイル化、情報家電
化などを視野に入れたコンピュータシス
チップ間ダイレクト光接続による高バンド
テム(アーキテクチャ、ネットワーキング、 幅コンピューティング
言語・コンパイラ、 )、超大規模集積 成瀬 誠
OS
システム設計技術( DA/CAD )、および
情報通信研究機構第 1 研究部門
主任研究員
インターネット・マルチメディアを中心とし
た新しい利用に関する基礎研究が含ま
超微細LSIにおける
オンチップ高速信号
関 連 性を保ちながら行う研 究に加えて、 伝送技術の開発
れます。また、ハードウェアシステムとの
全く新しい原理に基づいたコンピュータ
橋本昌宜
や新しい知的なコンピュータ応用研究等
大阪大学大学院
情報科学研究科 助教授
が含まれます。
自律再構成可能な論理デバイスの実現
飯田全広
領域アドバイザー
熊本大学工学部 助教授
今井 良彦 松下電器産業(株)
システムエンジニアリングセンター
所長( H16.7 ∼)
笠原 博徳
早稲田大学理工学術院
教授
河田 亨
元シャープ(株)河田研究所
フェロー/ 所長
所長( H17.6 逝去)
木戸出 正継
奈良先端科学技術大学院
大学情報科学研究科 教授
櫛木 好明 松下電器産業(株)
常務役員
( H13.8 ∼ H16.7 )
坂井 修一
東京大学大学院
情報理工学系研究科 教授
中島 浩
京都大学
学術情報メディアセンター 教授
思考支援とコミュニケーションのための
3次元CG製作・
利用技術の開発
五十嵐健夫
東京大学大学院
情報理工学系研究科 教授
柔軟なユビキタスカメラ環境の構築と
広範囲対象追跡への応用
浮田宗伯
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 准教授
中田 登志之 日本電気(株)中央研究所
主席技術主幹
林 弘
(株)富士通研究所
常務取締役
安浦 寛人 (株)ジーンケア研究所 会長
松藤 千弥 九州大学大学院
システム情報科学研究院 教授
制御フローコードとアドレス計算コードの分離
による新しいプロセッサ
アーキテクチャの研究
吉瀬謙二
東京工業大学大学院
情報理工学研究科 講師
水本 清久 北里大学 名誉教授
命令列の多重入出力構造を利用した
演算高速化
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第2期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
中島康彦
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 教授
95
ナノと物性
2001-2006
カーボンナノチューブの非線形および
磁気光学特性の研究
ナノ強磁性半導体におけるスピン注入
磁化反転の研究
ピーポッドヘテロ接合量子効果
デバイスの創製
市田正夫
大岩 顕
大野雄高
甲南大学理工学部 助教授
東京大学大学院工学系研究科
講師
名古屋大学大学院工学研究科
助手
ナノプロセシング技術による
高性能ガス吸蔵体の創製
新しい多面体ナノ炭素物質の創製と
機能発現
生体・溶液系ナノデバイス研究の為の
微小流体チップ開発
王 正明
尾上 順
高村 禪
産業技術総合研究所
エネルギー技術研究部門
主任研究員
東京工業大学
原子炉工学研究所 助教授
北陸先端科学技術大学院大学
助教授
半導体ナノ構造中に現れる新スピン物性
の制御と応用
副格子交換ヘテロ構造半導体の
高度制御
1nmサイズ分子素子伝導物性
およびその制御
研究総括
古賀貴亮
近藤高志
塚越一仁
神谷 武 志
北海道大学大学院
情報科学研究科 助教授
東京大学大学院
工学系研究科 助教授
理化学研究所低温物理研究室
先任研究員
エピタキシャル強磁性トンネル接合を
用いた強磁性体/
半導体融合デバイス
界面ナノ構造制御によるワイドギャップ
半導体の機能融合と
パワーデバイスへの展開
−サイズ効果フリー高誘電体の創製−
菅原 聡
須田 淳
舟窪 浩
東京工業大学大学院
理工学研究科 助教授
京都大学大学院工学研究科
講師
東京工業大学大学院
総合理工学研究科 助教授
量子ドット中のキャリアスピン操作
錯体型人工DNAを用いた金属イオン
配列制御と機能発現
情報通信研究機構
フォトニックネットワーク
プログラム ディレクター
研究領域の概要
この研究領域は、原子・分子レベルで
制御された物質、
それらの集合体、異種
材 料の複 合 、
さらに組 成や構 造をナノ
メーターレベルで制御・加工した材料、
す
なわち「ナノ材料 」に関する研究を対象
竹内 淳
早稲田大学理工学術院 教授
2次元ナノレイヤー積層による
新規誘電特性の発現
田中健太郎
名古屋大学大学院理学研究科
教授
とするものです。
具体的には、機能材として従来のバ
ルク材にない特異な能力を発揮すること
が期待される究極の人工物質であるナ
ノ材料が、今後情報、医療、エネルギー
等、
あらゆる産業分野を支える技術とな
る状況を踏まえ、新規ないし高度な機能
ナノスケール機能調和人工格子による強
相関電子デバイスの創製
田中秀和
大阪大学産業科学研究所
助教授
町田友樹
時空間制御光を用いた単一量子ドットの
量子状態制御
極限光ナノプローブによる半導体
ナノ構造の波動関数
イメージング・操作
発現を目指した材料設計、合成・形成の
方法、
またナノ物性評価やデバイス試作
に関する研究等が含まれます。
戸田泰則
領域アドバイザー
量子ホール系における核磁気共鳴を
利用した固体量子
ビット素子の開発
東京大学生産技術研究所
助教授
北海道大学大学院工学研究科
助教授
松田一成
無機ナノ粒子・有機・細胞三元複合体に
よる生体活性材料の開発
ナノ複合体を用いた遺伝子治療による
内科的再生医療
古薗 勉
山本雅哉
国立循環器病センター研究所
室長
京都大学再生医科学研究所
助手
ナノ新材料開発のための
表面微小構造解析法
による原子位置決定
超Gbit-MRAMのための
単結晶TMR素子の開発
京都大学化学研究所 助教授
青柳 克信 東京工業大学
総合理工学研究科 教授
荒川 泰彦 東京大学
先端科学技術研究センター
教授
小倉 睦郎 産業技術総合研究所
光技術研究部門
グループリーダー
片岡 一則 東京大学大学院
工学系研究科 教授
川畑 有郷 学習院大学理学部物理学科
教授
神原 秀記 (株)日立製作所中央研究所
フェロー
水野清義
湯浅新治
九州大学大学院総合理工学府
助教授
産業技術総合研究所
エレクトロニクス研究部門
センター長
超ヘテロ・ナノ結晶の創製と
光・電子新機能
自己組織化ナノ有機分子による
機能性集合体の構築
渡辺正裕
磯部寛之
東京工業大学大学院
総合理工学研究科 助教授
東北大学大学院理学研究科
教授
半導体人工原子・分子における
高周波電子スピン操作
光・電波境界領域における高機能・
低消費電力量子
カスケードレーザーの開発
曽根 純一 日本電気(株)
基礎・環境研究所 所長
樽茶 清悟 東京大学大学院工学系研究科
教授
横山 浩
産業技術総合研究所
ナノテクノロジー研究部門
研究部門長
ウィルフレッド ヴァン デル ウィ−ル
Twente University,
Institute for Nano Technology,
Research Program Director
大谷啓太
強相関ナノ電子構造の光誘起協同現象
による超高速スイッチング
酸化物量子井戸構造を用いた
発光素子及び
光非線形性素子の開発
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
大友 明
[第2期生]
東北大学金属材料研究所
助手
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
岩井伸一郎
東北大学大学院理学研究科
助教授
96
東北大学電気通信研究所
助手
生体と制御
2001-2006
研究総括
竹田 美 文
岡山大学 特任教授/
岡山大学インド感染症
共同研究センター 所長
研究領域の概要
ウイルス潜伏感染機構の解明と
その制御法の確立の試み
上田啓次
坂口末廣
浜松医科大学医学科 教授
徳島大学
酵素学研究センター 教授
ゲノム情報を応用したA群レンサ球菌
感染症の制御法の確立
新規な腸管出血性大腸菌
感染症治療薬の創製
川端重忠
西川喜代孝
大阪大学大学院歯学研究科
教授
同志社大学生命医科学部
教授
粘膜病原細菌の感染に対する
ワクチン開発を目指した
新戦略の構築
細菌毒素の宿主細胞内輸送機構の解明
と新規治療法開発の試み
鈴木敏彦
大阪大学微生物病研究所
特任助教授
琉球大学大学院医学研究科
教授
機能や病原微生物との関わりに着目し
藤永由佳子
自己免疫性関節炎における骨破壊の
分子機構の解明と
その制御法の確立
自己抗体誘導性関節炎のメカニズムと
その制御機構の解明
高柳 広
筑波大学大学院
人間総合科学研究科 講師
この研究領域は、感染症、アレルギー、 東京医科歯科大学
免疫疾患等の発症のメカニズムを生体
プリオン病の治療とワクチン開発のための
基盤構築
松本 功
大学院医歯学総合研究科
教授
て、分子レベル、細胞レベルあるいは個
感染および抗腫瘍免疫における交差性
生体制御機構の意義
体レベルで解析することにより、
これらの
田中義正
疾患の新しい予防法、治療法の基盤を
京都大学大学院医学研究科
特定准教授
和田昭裕
プロテオーム解析による赤痢アメーバの
病原機構の解明
マラリア原虫の酸化ストレス応答メカニズ
ムの解明と新規治療戦略
野崎智義
河津信一郎
群馬大学大学院医学系研究科
教授
帯広畜産大学
原虫病研究センター 教授
築く研究を対象とするものです。
ヘリコバクター・ピロリの空胞化致死毒素
の作用機序解析と
新しい治療戦略
長崎大学熱帯医学研究所
講師
具体的には、病原微生物のゲノム解
析によって明らかとなった情報や、
ヒトゲ
ノム計画の進展によって得られたゲノム
情報を利用したワクチンの開発や遺伝
性 疾 患 の 解 析 、あるいは生 体 防 御 反
応・免疫応答に関わる分子の生体レベ
ルでの解析による免疫系疾患の病因解
赤血球期マラリア原虫の細胞増殖と
脂質代謝・輸送の
法の探索を目指す研究等が含まれます。 分子機構の解明
明、およびそれらに対する新しい治療方
三田村俊秀
領域アドバイザー
笹川 千尋 東京大学医科学研究所 教授
群馬大学 学長
鈴木 守
竹田 泰久 中外製薬(株)
戦略マーケティングユニット
部長
国立国際医療センター研究所
適正技術開発・移転研究部
室長
リンパ球の分化を制御する転写調節機構
の解明と治療への応用
谷内一郎
理化学研究所免疫・
アレルギー科学総合研究センター
チームリーダー
ウイルスとの共生:生まれながらにしてもつ
自然抵抗性機構の解明
オートファジーによる細胞内侵入性細菌の
排除機構の解析と応用
宮沢孝幸
中川一路
京都大学ウイルス研究所
助教授
東京大学医科学研究所
助教授
自然免疫による微生物認識の
分子機構の解明
宿主応答を司る細胞骨格制御機構の
解明とその応用
光山 正雄 京都大学大学院医学研究科
教授
湊 長博
京都大学大学院医学研究科
教授
宮村 達男 国立感染症研究所 所長
山西 弘一 医薬基盤研究所 理事長
理化学研究所免疫・
渡邊 武
牟田達史
福井宣規
東北大学大学院
生命科学研究科 教授
九州大学生体防御医学研究所
教授
サイトカイン受容体による初期Th1
誘導機構の解明
免疫制御性T細胞の分化メカニズムの
解明とその免疫疾患治療
への応用
アレルギー科学総合研究センター
ユニットリーダー
吉田裕樹
佐賀大学医学部 教授
堀 昌平 理化学研究所免疫・
アレルギー科学総合研究センター
ユニットリーダー
ウイルス感染を制御する
特異的レセプター群の
解明と新制御法の開発
荒瀬 尚
大阪大学微生物病研究所
教授
新しいウイルスゲノム改変系を利用した
難治性ウイルスの
病原機構の解明
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
川口 寧
[第2期生]
東京大学医科学研究所
助教授
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
97
光と制御
強相関遷移金属酸化物における
光機能の探索
2001-2006
東 正樹
香取秀俊
東京工業大学
応用セラミックス研究所 教授
東京大学大学院工学系研究科
教授
光制御可能な細胞発光素子の創製
光と原子の間の量子情報
ネットワークの実現
近江谷克裕
研究総括
花村 榮 一
東京大学
名誉教授
産業技術総合研究所
バイオメディカル研究部門
研究部門長
上妻幹男
2光子誘起高分子化に伴うフォトニック
結晶の作製とその応用
小型超高精度レーザー原子時計の実現
孫 洪波
京都大学大学院工学研究科
准教授
吉林大学(中国)
教授・学部長
光子数状態の生成と制御−光子数マニピュ
レーションの実現−
研究領域の概要
シュタルク・アトムチップによる
コヒーレント原子操作
竹内繁樹
東京工業大学大学院
理工学研究科 准教授
杉山和彦
有機−無機ハイブリッド
低融点ガラスを用いた
フォトニクス材料の創製
北海道大学電子科学研究所
教授
高橋雅英
質の相互作用や光機能性材料創製に
半導体をベースとした磁気光学結晶の
開発とデバイス応用
光合成系の人為操作及び
光反応制御
関する研究を対象とするものです。
田中雅明
橋本秀樹
具体的には、非線形光学材料、発光
東京大学大学院工学系研究科
教授
大阪市立大学大学院
理学研究科 教授
とナノクラスター、
フォトニクス結晶、
それ
光化学的に構造制御した
ナノ複合機能材料の創製
原子直視法によるナノコンタクトの
光機能探索
らのハイブリッド化と微細加工など、
さま
鳥本 司
木塚徳志
名古屋大学大学院工学研究科
教授
筑波大学大学院
数理物質工学域 教授
強相関物質表面での光励起状態の
光電子分光
インテリジェント光駆動分子機械の構築
溝川貴司
東北大学多元物質科学研究所
教授
この研 究 領 域は、受 光と発 光 、光の
伝達制御、スイッチング等に用いられる
光デバイス等の実 現に向けて、光と物
大阪府立大学大学院
工学研究科 教授
および光記録材料を始めとした光機能
性材料実現のため、半導体、酸化物結
晶、分子複合体を用い、薄膜、超微粒子
ざまな形態制御を受けた新規物質創製
に関する研究等が含まれます。
領域アドバイザー
阿部 修治 産業技術総合研究所
ナノテクノロジー研究部門
副研究部門長
石田 晶
日本大学大学院知的財産研究科
客員教授
井元 信之 大阪大学大学院
基礎工学研究科 教授
内田 慎一 東京大学大学院理学系研究科
教授
東京大学大学院
新領域創成科学研究科
准教授
放射光X線粉末構造解析による
光誘起相転移の研究
金原 数
光技術・ナノ構造・認識分子の融合による
環境診断素子の開発
守友 浩
周 豪慎
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
産業技術総合研究所
エネルギー技術部門
主任研究員
光センサータンパク質による
細胞機能の制御
テラヘルツ繰り返し高安定外部同期型
パルス光源の開発
北川 禎三 兵庫県立大学生命理学研究科
特任教授
腰原 伸也
東京工業大学
大学院理工学研究科 教授
小林 功郎 東京工業大学精密工学研究所
副所長 / 教授
野田 進
伊関峰生
高坂繁弘
東邦大学薬学部 准教授
古河電気工業株式会社
ファイテルフォトニクス研究所
研究主査
光転写調節メカニズムと新規光センサー
量子閉じ込めモット絶縁体における強相
関系の光学構築
京都大学大学院工学研究科
教授
覧具 博義 東京農工大学大学院
共生科学技術研究院 教授
岡野俊行
早稲田大学理工学術院 教授
ファン ハロルド
スタンフォード大学応用物理学科
教授
局在プラズモン増強を使った
光倍高調波による
バイオチップの高密度化
梶川浩太郎
東京工業大学大学院
総合理工学研究科 教授
磁性誘電体における
誘電関数の磁場制御
[第1期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第2期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
勝藤拓郎
早稲田大学理工学術院 教授
98
合成と制御
集積型生物活性物質の合成と
機能制御に関する研究
遷移金属錯体触媒の精密組織化と応用
有本博一
北海道大学大学院理学研究院
教授
浜地 格
金属アート錯体創製による
芳香族化合物の多様化
スピン波動関数変調型
有機フェリ磁性体の開拓
異種ポルフィリノイドの創製
内山真伸
塩見大輔
理化学研究所
内山機能元素化学研究室
准主任研究員
大阪市立大学大学院理学研究科
助教授
九州大学大学院工学研究院
教授
遷移状態相補的反応場の設計と
不斉触媒化
天然物の構造モチーフを基盤とした
機能性分子の開発
フォトクロミック情報処理システムの構築
金井 求
徳山英利
東京大学大学院薬学系研究科
教授
東北大学大学院薬学研究科
教授
九州大学大学院工学研究院
助教授
機能性ホウ素化合物の
デザイン・創製・新反応
不飽和炭化水素類を活用する
精密合成反応
生体高分子組織化の可逆的制御と
機能材料への展開
杉野目道紀
中村正治
和田健彦
京都大学大学院工学研究科
教授
京都大学化学研究所 教授
東北大学多元物質科学研究所
教授
象・新反応・新概念に基づく新しい化学
配位子としての水の特性を生かした
触媒反応
次世代型天然物合成を目指した
基礎的研究
の展 開 、
さらには新 合 成 手 法と新 機 能
袖岡幹子
西川俊夫
物質の創製に関する研究を対象とする
理化学研究所
袖岡有機合成化学研究室
主任研究員
名古屋大学大学院
生命農学研究科 助教授
合成法、
などに加え、有機系・有機無機
閉殻構造を有する多核有機金属分子の
合成と機能創出
細胞を標的とする機能性ペプチドの
開発と展開
複合系物質、分子エレクトロニクス材料
直田 健
二木史朗
大阪大学大学院基礎工学研究科
教授
京都大学化学研究所 教授
DNA-ドラッグ間相互作用の精密制御
糖鎖迅速合成と多様性指向型合成への
挑戦
2001-2006
研究総括
村井 眞 二
奈良先端科学技術大学院大学
特任教授
研究領域の概要
この研究領域は、材料化学などの領
東北大学大学院生命科学研究科
教授
澤村正也
巨視的応答性を有する
超分子ポリマーの創製
京都大学大学院工学研究科
教授
古田弘幸
松田建児
域における有 用な物 性と機 能を持った
新物質創製に対する要請に応え、新現
ものです。
具 体 的には、有 機 合 成の革 新 的 手
法・革 新 的システム、高 分 子の革 新 的
など優れた機 能を持つ新 物 質・新 材 料
へのアプローチが含まれます。
領域アドバイザー
中谷和彦
大阪大学産業科学研究所 教授
眞鍋史乃
理化学研究所
細胞制御化学研究室 研究員
相田 卓三 東京大学大学院工学系研究科
教授
井上 佳久 大阪大学大学院工学研究科
教授
澤本 光男 京都大学大学院工学研究科
教授
柴崎 正勝 東京大学大学院
薬学系研究科 教授
有機エレメントπ電子系の構築と組織化
山口茂弘
蛋白核外移行を制御する
生物活性物質の合成
名古屋大学大学院理学研究科
教授
村上啓寿
機能性ナノ錯体の創製
スピン非局在型有機中性ラジカルの
創製とその電子構造・
物性の解明
玉尾 皓平 理化学研究所
大阪大学大学院薬学研究科
寄附講座教授
フロンティア研究システム
システム長
銅金 巖
(株)住化技術情報センター
前社長( H13.8 ∼ H16.12 )
中村 栄一 東京大学大学院理学系研究科
山口 正
早稲田大学理工学術院 助教授
森田 靖
教授
大阪大学大学院理学研究科
助教授
中浜 精一 産業技術総合研究所
臨海副都心センター
研究コーディネーター
山本 嘉則 東北大学大学院理学研究科 教授
重縮合における分子量と
分子量分布の制御
新しいリビングラジカル重合による
有機ナノ分子合成
横澤 勉
山子 茂
神奈川大学工学部 教授
京都大学化学研究所 教授
ケイ素単体表面構造をもつ配位不飽和
ケイ素分子の創製
d-f遷移金属混合型錯体による
岩本武明
侯 召民
東北大学大学院理学研究科
助教授
理化学研究所
有機金属化学研究室
主任研究員
触媒的不活性炭素結合切断反応の
設計・開発・展開
水の特異性を活かした新反応系の開発
忍久保 洋
[第1期生]
垣内史敏
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
名古屋大学大学院工学研究科
教授
[第2期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
[第3期生]
平成 15 年度採択研究者
2003 ∼ 2006
慶応義塾大学理工学部 教授
新反応場の構築
99
認識と形成
2000-2005
モルフォゲンシグナル分子の濃度調節
による病的組織の修復
細胞系譜マッピングによる哺乳類の
胚軸形成機構の解析
ptf1a 遺伝子導入による異所性膵
安達(山田) 卓
藤森俊彦
川口義弥
学習院大学理学部生命科学科
教授
基礎生物学研究所
京都大学大学院医学研究科
助手
昆虫の変態時に見られる神経回路網の
再編成機構
神経細胞の軸索成長の
基本的メカニズム
粟崎 健
湯浅(河田)純一
杏林大学医学部 准教授
米国ノースウェスタン大学医学部
研究員
神経細胞が極性を獲得する機構
左右相称動物の共通祖先の
ボディープランの究明
弾性線維の形成と再生の分子機構
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科
准教授
秋山(小田)康子
関西医科大学薬理学講座
教授
1分子計測による細胞性粘菌の
走化性応答の解析
軟骨に特異的な遺伝子機能による
軟骨分化制御の解明
腎臓発生の分子生物学的解析と
その応用
上田昌宏
浅原弘嗣
西中村隆一
大阪大学大学院生命機能研究科
産学官連携研究員
東京医科歯科大学
医歯学総合研究科 教授
熊本大学発生医学研究センター
教授
大脳皮質の生後発達の分子基盤
神経細胞のダイナミクスにおける
情報統合機構
稲垣直之
研究総括
江口 吾 朗
熊本大学
元学長
研究領域の概要
生物は、内的あるいは外的要因を認
初期発生研究部門 教授
JT 生命誌研究館
組織誘導の機能解析
神経軸索側枝の形成機構
川崎能彦
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 助教
中邨智之
奨励研究員
識して、
フレキシブルに形づくりを営み、
ま
た部分的欠損を自ら修復しようとします。
サイトカイニン合成酵素による植物形態
このような生 物に固 有の能力に注目し、 形成の制御
遺伝子、分子、細胞等生物の構成要素
柿本辰男
の機能に基礎を求め、生物の形づくりと
大阪大学大学院理学研究科
助教授
岩里琢治
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所
形質遺伝研究部門 (教授)
服部光治
眼の形態形成制御遺伝子の
機能的カスケードの解明
メダカ未分化生殖腺の
精巣への分化のしくみ
名古屋市立大学大学院
薬学研究科 助教授
形の修復を制御している細胞内や細胞
間の認識、情報伝達、各種調節因子の
機能的カスケードなどについて研究する
線虫における生殖顆粒の機能解析
ものです。
川崎一郎
単に個体発生や再生のみならず、細
沖縄科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科
太田訓正
松田 勝
熊本大学大学院医学研究科
教授
宇都宮大学バイオサイエンス教育
研究センター 准教授
ハキリバチによる昆虫の空間認識と
巣の形成機構の解析
成長円錐の運動解析による神経細胞
形成へのアプローチ
神経回路網形成の分子
情報伝達システムの解明
加藤 薫
柳 茂
胞そのものの構造形成をはじめ、生体防
御系・内分泌系・神経系などによる生体
の恒常性維持機構、
さらには個体集団
の形成などに関する研究を含みます。
金 宗潤
領域アドバイザー
京都大学再生医科学研究所
研究員
(独)産業技術総合研究所
脳神経研究部門 主任研究員
東京薬科大学生命科学部
教授
井出 宏之 東北大学大学院生命
科学研究科 教授
大箸 信一 金沢工業大学
ゲノム生物工学研究所 教授
岡田 清孝 自然科学研究機構 研究担当理事
東京大学大学院理学系研究科
坂野 仁
粘菌を用いた認識と形成の
数理解析によるアプローチ
胎児形成におけるDNA複製酵素系の
制御機構
培養系での魚類始原生殖細胞からの
個体創生技術の確立
高松敦子
桑原一彦
吉崎悟朗
早稲田大学理工学部
助教授
熊本大学大学院医学薬学研究部
講師
東京海洋大学海洋生物資源学部門
教授
嗅覚神経回路の形成と再生の分子基盤
初期発生における母性RNAの
時空間的制御機構
細胞運動制御の単分子スペックル法
による総括的解析
中村 輝
渡邊直樹
理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
チームリーダー
東北大学大学院生命科学研究科
教授
教授
笹井 芳樹 理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
グループディレクター
( H13.4 ∼ H15.3 )
竹市 雅俊 理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
センター長( H13.4 ∼ H15.3 )
熊本大学工学部 学部長
谷口 功
藤澤 幸夫 大阪大学知的財産本部
特任教授
安田 國雄 奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科
学長 / 教授
坪井昭夫
奈良県立医科大学
先端医学研究機構
生命システム医科学分野 教授
鳥類中枢神経系の可塑的な形態形成
浜﨑浩子
遺伝子機能によるテントウムシ斑紋の
パターン形成機構
北里大学大学院
医療系研究科分子神経生物学
教授
新美輝幸
多様な中枢神経系のプロトカドヘリンに
よる形態形成の制御
ほ乳類の精子形成を支える
幹細胞の究明
平野伸二
吉田松生
理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
研究員
京都大学大学院医学研究科
助手
形態形成時の受容体による
位置情報の提示機構
脊椎骨形成の制御遺伝子ネットワークの
系統発生学的解析
平本正輝
和田 洋
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所
JSPS 特別研究員
筑波大学生命環境科学研究科
助教授
名古屋大学大学院
生命農学研究科 助教
山森 哲雄 自然科学研究機構
基礎生物学研究所 教授
100
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
秩序と物性
2000-2005
セラミックスの超微細秩序構造と
機能発現
光による強相関電子系の秩序制御と
高次物性応答
半導体超格子構造の創出と光機能発現
幾原雄一
長田 実
上智大学理工学部 講師
東京大学工学部 教授
物質・材料研究機構物質研究所
主任研究員
強誘電性有機低分子のナノレベル
秩序制御と電子物性
強相関電子系の非線形光学特性の解明
と新光機能材料の探索
酸化還元活性金属錯体液晶における
動的構造と物性制御
石田謙司
岸田英夫
張 浩徹
京都大学大学院工学研究科
講師
名古屋大学大学院工学研究科
准教授
京都大学大学院工学研究科
助手
二元金属集積体の異成分挿入による
磁気光学特性の制御
層状酸化物の選択的組成制御と
新機能の開拓
欠陥エンジニアリングによる
新規強誘電機能の発現
竹岡裕子
大場正昭
下山淳一
野口祐二
九州大学大学院理学研究院
教授
東京大学工学部 准教授
東京大学先端科学技術
研究センター 准教授
有機-無機ハイブリッド型
水素吸蔵ポリマーの創製
点欠陥秩序の対称性と
特異なマルチスケール現象
π共役系高分子の完全配向制御と
光・電子デバイスへの展開
北川 宏
任 暁兵
村田英幸
京都大学大学院理学研究科
教授
物質・材料研究機構材料研究所
主幹研究員
北陸先端科学技術大学院大学
材料科学研究科 准教授
的に明らかにして、高性能・新機能の金
秩序̶無秩序人工格子による
新規誘電性の発現
イオン伝導体のナノ配列制御と
新規機能の発現
属・無機・有機・複合材料の創出に結び
田畑 仁
前川英己
つけようとするものです。
東京大学大学院工学系研究科
教授
東北大学大学院工学研究科
准教授
研究総括
曾我 直 弘
滋賀県立大学
理事長/学長
研究領域の概要
物質の低次元化、非晶質化、ハイブ
リッド化などにより生じる構造や組織上
の秩序性の変化と物性との関連を原理
例えば、秩 序・無 秩 序の制 御と物 性
評価、種々の物性と秩序性との相関の
定量 的評価、構造・組織秩序性と外場
低次元固体の電子秩序ダイナミクスと
応答性、電子・原子・分子の相互作用と シートプラズモン
機能発現などに関する研究、およびこれ 長尾忠昭
単一次元鎖磁石の
構造秩序性と磁性制御
宮坂 等
らの応用研究を含みます。
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス
研究拠点 独立研究者
東北大学大学院理学研究科
准教授
領域アドバイザー
ゾル-ゲル系における階層的
多相秩序構造と担体機能
ホウ素系ネットワーク物質における
物性制御
相澤 龍彦 トロント大学
国際・産学共同研究センター
教授
安藤 健
中西和樹
森 孝雄
京都大学大学院理学研究科
准教授
物質・材料研究機構物質研究所
主幹研究員
光波アンテナによる
輻射場の制御と発光特性
セラミックス薄膜構造のナノオーダ秩序
制御と光電気化学物性
宮崎英樹
森口 勇
物質・材料研究機構
量子ドットセンター グループリーダー
長崎大学工学部 准教授
分子配列制御した
低次元秩序構造による
有機発光素子の高機能化
磁気・電気分極が共存する複合分極
金属錯体の創製と新機能
柳 久雄
東京大学大学院理学系研究科
教授
GE 東芝シリコーン(株)
技術研究所長
伊藤 節郎 旭硝子(株)中央研究所
特別研究員
( H14.6 ∼)
遠藤 忠
昭栄マテリアル
(株)
常務取締役
奥居 徳昌 東京工業大学大学院
理工学研究科 教授
河本 邦仁 名古屋大学大学院工学研究科
教授
春田 正毅 首都大学東京
環境調和技術研究部門 教授
板東 義雄
物質・材料研究機構物質研究所
教授
松重 和美 京都大学 副学長
物質・材料研究機構
三友 護
名誉研究員
( H12.4 ∼ H14.5 )
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科 教授
大越慎一
制御されたナノ粒子の
秩序配列と磁気特性
高分子発光材料の高次構造と光特性
米澤 徹
京都大学化学研究所 准教授
梶 弘典
東京大学大学院理学系研究科
助教授
電子線リソグラフィーによる炭素系
ハイブリッド構造膜の
創製と高機能化
ゼオライトを用いた高集積秩序構造体の
創製と電子物性制御
岩村栄治
荒川化学工業(株)研究所
主任研究員
産業技術総合研究所
界面ナノアーキテクトニクス
研究センター 主任研究員
非晶質ポーラスシリカの微細構造制御と
光機能発現
有機-無機複合ピラー構造の
周期配列制御と機能発現
内野隆司
瀬川浩代
神戸大学理学部 准教授
物質・材料研究機構
環境・エネルギー材料部門 主任研究員
小平哲也
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
101
相互作用と賢さ
2000-2005
インテリジェント・バイオマイクロラボラトリ
Webにおけるコミュニティの発見
新井史人
村田剛志
名古屋大学大学院工学研究科
教授
東京工業大学大学院
情報理工学研究科 助教授
人間と共に移動する生活支援ロボット
認識と演出の相互作用に基づくコミュニ
ケーションロボットの実現
大矢晃久
筑波大学大学院
システム情報工学研究科
助教授
今井倫太
非線形動力学的手法による
群知能ロボット
賢くなる2次元神経回路網による
パターン認識
慶応義塾大学理工学部 助教授
菅原 研
工藤 卓
東北学院大学教養学部 助教授
産業技術総合研究所
セルエンジニアリング研究部門
研究員
情報検索における対象知識獲得
支援システムの構築
人間とロボットの相互関係形成のための
構造化学習
高間康史
久保田直行
首都大学東京
システムデザイン学部 准教授
首都大学東京
システムデザイン学部 准教授
が相互作用としての物理的関係と情報
分散配置されたデバイスと相互作用し
賢くなる知的空間
環境・防災モニタリング用小型2重反転
回転翼機の開発
交換によって、
さらに賢くなる人工の空
橋本秀紀
砂田 茂
間形成に関して研究するものです。
東京大学生産技術研究所
助教授
大阪府立大学大学院
工学研究科 助教授
ロボット、学習機能、微小機械、人工現
成長するネットワーク型知能と
人間中心システム
環境とのインタラクションによる
空間構造の獲得
実感、
メカトロニクス、新システムの設計
山口 亨
友納正裕
首都大学東京
システムデザイン学部 教授
千葉工業大学
未来ロボット技術研究センター
副所長
領域アドバイザー
新世代ナノ計測の開発と
生体分子への応用
学習によるシーン理解の研究
石島 辰太郎 首都大学東京
石島秋彦
東京工業大学
像情報工学研究施設 助教授
研究総括
原島 文 雄
首都大学東京
学長
研究領域の概要
人間の知力と行動力を最大限に発揮
させる人工生命体と呼ぶべきシステムを
構築しようとするものです。人間と機械
例えば、情 報の感 知と命 令の集 積・
融 合 化 、スマートアクチュエータ、イン
ターフェースなど構成要素のほか、知能
や構築に向けての研究などを含みます。
システムデザイン学部 学部長
井上 悳太 (株)コンポン研究所 顧問
タマティエルオー
(株)
井深 丹
名古屋大学大学院工学研究科
助教授
長谷川修
代表取締役社長
河内 啓二 東京大学大学院工学研究科
教授
小菅 一弘 東北大学大学院工学研究科
教授
人間行動を補助する
マッスルスーツの開発
人間・環境適応型知的歩行支援システム
小林 宏
東北大学大学院工学研究科
助教授
東京理科大学工学部 助教授
平田泰久
谷江 和雄 首都大学東京
システムデザイン学部 教授
福田 敏男 名古屋大学大学院工学研究科
教授
油田 信一 大阪大学知的財産本部
特任教授
安田 國雄 筑波大学 理事 / 副学長
人とロボットの共生と学習に関する研究
柴田崇徳
産業技術総合研究所
知能システム研究部門
主任研究員
弾性表面波皮膚感覚ディスプレイの開発
高﨑正也
埼玉大学工学部 助手
人体へ適応化するウェアラブル・
フルイドパワーの開発
塚越秀行
東京工業大学大学院
理工学研究科 助教授
無意識情報から生成される物語り技法
102
土佐尚子
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
京都大学学術情報メディアセンター
特任教授
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
機能と構成
2000-2005
効率的で正しいプログラムの自動生成
小川瑞史
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 特任教授
橋本政朋
超高速I/O指向オペレーティングシステム
探索と知識の融合がもたらす
知能の創造と進化
河合栄治
研究総括
片山 卓 也
北陸先端科学技術大学院大学
元学長
研究領域の概要
飯田弘之
超計算:ソフトウェア自動生産のための
新領域探求
ハードウェア・プログラミングによる
超細粒度並列処理
グリュック ロバート
井口 寧
コペンハーゲン大学
コンピュータ科学部 助教授
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学センター 助教授
理論領域と実用領域を結ぶ
新しいプログラミング単位
刺激応答型実時間システムの
自動検証技術:安全性・
信頼性技術の開発
河野真治
琉球大学工学部 助教授
となる理論の研究を行うものです。
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 教授
大崎人士
産業技術総合研究所
システム検証研究センター
研究員
持った情報システムの構築を目指し、
そ
本的技術や先進応用事例および基礎
産業技術総合研究所
情報技術研究部門 研究員
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 助
これからの社会を支える高度な機能を
のための構成や構築方法に関して、基
ユビキタス環境を支えるプログラミング
言語システム
インターコミュニケーション・プログラミング
関口龍郎
大規模分散アルゴリズム開発及び
性能評価のツール構築
東京大学大学院
情報理工学系研究科
特別研究員
デファゴ クサビエ
論と環境、テスト・検証技術、形式的手
計算状態パーソナル・スクラップブック
法、高信頼性技術、ユーザインタフェー
リチャード リー ポッター
広域分散共有メモリ機構を支援する
最適化コンパイラ
スなどの研究を含みます。
CREST「情報社会を支える
新しい高性能情報処理技術」
研究領域 専任研究員
丹羽 純平
オブジェクト指向分析モデルの
形式的構築法と検証法
プログラミング言語の制御構造の
意味論的分析
例えば、
ソフトウェア、ネットワーク、
プ
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 特任助教授
ロセッサ、分散・実時間・埋め込みシステ
ム、セキュリティ、設計・実装・進化方法
領域アドバイザー
青山 幹雄 南山大学数理情報学部
教授( H13.4 ∼)
阿草 清滋 名古屋大学大学院
情報科学研究科
研究科長 / 教授
青木利晃
長谷川真人
北陸先端科学技術大学院大学
安心電子社会研究センター
特任助教授
京都大学数理解析研究所
助教授
オブジェクトとメディアによるソフトウェア
構造化
Webアプリケーション指向
ソフトウェアモデリング
神谷年洋
結縁祥治
産業技術総合研究所
情報技術研究部門 研究員
名古屋大学大学院
情報科学研究科 助教授
市川 晴久 日本電信電話(株)
NTT 先端技術総合研究所
所長
岩野 和生 日本アイ・ビー・エム(株)
取締役( H12.4 ∼ H13.3 )
菊野 亨
大阪大学大学院
情報科学研究科 教授
中島 秀之 公立はこだて未来大学 学長
東京大学
南谷 崇
先端科学技術研究センター
教授
湯淺 太一 京都大学大学院情報学研究科
教授
米崎 直樹 東京工業大学大学院
プログラムのメタレベルを表現・操作する
言語機構
亀山幸義
筑波大学大学院
システム情報工学研究科
助教授
情報理工学研究科 教授
スケルトン並列プログラムの最適化
胡 振江
東京大学大学院
情報理工学系研究科 助教授
実時間マルチタスク処理を支援する
プロセッサアーキテクチャ
田中清史
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 助教授
高信頼性Webサービス
中島 震
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
情報・システム研究機構
国立情報学研究所 教授
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
103
協調と制御
2000-2005
自然現象・社会動向の予兆発見と利用
音声分節化のしくみと発達
推論・思考を可能にする神経回路
大澤幸生
岡ノ谷一夫
坂上雅道
東京大学大学院工学系研究科
准教授
理化学研究所
脳科学研究センター
チームリーダー
玉川大学学術研究所 教授
オープンネットワークのための
基盤システムソフトウェア
大脳̶小脳連関の協調的情報処理
分散管理された計算機の
高度な協調利用
加藤和彦
東京都医学研究機構
東京都神経科学総合研究所
部門長
田浦健次朗
音楽分野におけるデザイン再利用と
その展開
微生物群によるオーガナイズド
バイオモジュール
片寄晴弘
橋本浩一
関西学院大学理工学部 教授
東北大学大学院
情報科学研究科 教授
筑波大学大学院
システム情報工学研究科 教授
時間順序の脳内協調表現
北澤 茂
順天堂大学医学部 教授
研究総括
筧 慎治
東京大学大学院
情報理工学系研究科 助教授
沢田 康 次
東北工業大学
学長
研究領域の概要
人間・社会・環境のそれぞれで生成さ
生体の力学的な信号に基づく
コミュニケーション
議論や会話における音声言語情報の
分析とモデル化
小池康晴
河原達也
東京工業大学精密工学研究所
助教授
京都大学
学術情報メディアセンター 教授
量子ビットを用いた知能デバイス
数値演算的手法による文字列処理
佐藤茂雄
篠原 歩
東北大学電気通信研究所
助教授
東北大学大学院
情報科学研究科 教授
Improvised Network:自律的に再構
成するモバイルネットワーク
れその間で伝達される情報の特徴抽出・
モデル化、
「 協調」的情報処理(コミュニ
ケーション)
する様式とその「制御」、
さら
にそれを実現するための手法を研究しま
す。
例えば、
インテリジェントなデバイスとシ
ステム、
ブレインコンピューティング、言
語的・非言語的コミュニケーション、異種
感覚情報・身体制御に関する発達過程
情報の統合シミュレーション、大量デー
高谷理恵子
タの高速処理による意思決定支援シス
福島大学人間発達文化学類
助教授
西尾信彦
領域アドバイザー
知的創造作業を支援する
インタラクションパタン
運 動 ・ 思 考 ・ 感
脳内協調制御メカニズム
有川 節夫
石川 正俊
伊藤 貴康
乾 敏郎
九州大学 理事 / 副学長
中小路久美代
本田 学
東京大学 理事 / 副学長
京都大学
学際融合教育推進研究センター
特定教授
国立精神・神経センター
神経研究所 部長
非言語コミュニケーションの
脳内機能メカニズム
感覚ノイズによる脳機能の活性化手法
中村克樹
東京大学大学院教育学研究科
教授
テムの研究などを含みます。
石巻専修大学理工学部 教授
京都大学大学院情報学研究科
教授
大森 隆司 北海道大学大学院
情報科学研究科 教授
竹林 洋一 静岡大学情報学部 教授
東倉 洋一 情報・システム研究機構
国立精神・神経センター
神経研究所 部長
立命館大学情報理工学部
教授
性
の
山本義春
国立情報学研究所
教授 / 副所長
徳田 英幸 慶應義塾大学環境情報学部
教授
宮原 秀夫 大阪大学 総長
乳幼児における人工物・メディアの
発達的認識過程
神経活動のスパイク揺らぎと
機能的アーキテクチャー
開 一夫
岡田真人
東京大学大学院総合文化研究科
助教授
東京大学大学院
新領域創成科学研究科 教授
人間共生型インターフェイス
実世界指向の具象化プログラミング
前田太郎
岡田義広
NTTコミュニケーション
九州大学大学院
システム情報科学研究院
助教授
科学基礎研究所 主幹研究員
濃度制御に基づく
DNAコンピューティング
シグナル伝達機構のシステム解析
山本雅人
東京大学大学院理学系研究科
教授
北海道大学大学院
情報科学研究科 助教授
104
黒田真也
共生関係への移行に伴う遺伝子代謝
ネットワークの再編成
知覚と記憶の協調による
視覚認知の成立過程
四方哲也
齋木 潤
大阪大学大学院
情報科学研究科 教授
京都大学大学院
人間・環境学研究科 助教授
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
タイムシグナルと
制御
2000-2005
脊椎動物の神経系幹細胞の分化と
非対称分裂のプロセス
渋谷 彰
若松義雄
星野幹雄
筑波大学大学院
人間総合科学研究科 教授
東北大学大学院医学系研究科
講師
国立精神・神経医療研究センター
神経研究所 研究部長
環状遺伝子の形成と
その生物学的意義
神経系におけるスフィンゴ糖脂質
ミクロドメイン超分子構造
の機能発現と制御
医薬品創製標的としての
G蛋白質共役受容体の
膜移行の分子機構
下田修義
研究総括
永井 克 孝
三菱化学株式会社
顧問
研究領域の概要
生物は、
自らが一旦遺伝子の内にセット
(制御)
したプログラムを、環境変化に応
じてリセットすることにより、生命を維持し
ようとしている。こうした仕組みとその応用
について研究するものです。高齢化への
方策に向け、個体から細胞、
ゲノム、分子
に至る様々な階層的次元で生命を時間
的存在として捉えようとする研究などを含
みます。
例えば、配偶子形成は成長から加齢
に至るタイマーのリセット機構、幹細胞の
存在や再生は個体レベルでのタイムプロ
グラムのリセット機構であり、
また老化はそ
の機構の能力低下として理解できます。
領域アドバイザー
浅島 誠
東京大学大学院総合文化研究科
教授
Rho類似G蛋白質の神経回路網形成に
免疫グロブリン受容体を介した
生体防御機構
果たす役割
国立長寿医療センター
再生再建医学研究部 室長
笠原浩二
横溝岳彦
東京都臨床医学総合研究所
独立研究員
九州大学大学院医学研究院
教授
免疫の調節機構、
その制御と
新しい治療コンセプト
新規蛍光プローブの創製による
機能分子の細胞内可視化
RNAポリメラーゼII機能障害による
清野研一郎
菊地和也
岡澤 均
北海道大学
遺伝子病制御研究所 教授
大阪大学大学院工学研究科
教授
東京医科歯科大学
難治疾患研究所 教授
構造トポロジーを用いた細胞内蛋白質の
生涯プログラム
大脳神経系前駆細胞の生死の制御と
その生理的意義
高田彰二
後藤由季子
Non-coding RNAと
エピジェネティックな修飾の
協調的遺伝子発現制御
京都大学大学院理学研究科 教授
東京大学
分子細胞生物学研究所 教授
神経変性の解析
佐渡 敬
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 助手
神経幹細胞の分化過程と
神経回路網の再構築
加齢に伴う学習・記憶低下の
遺伝子プログラム
“老化遅延”
を目指した新たな内分泌
因子の同定と応用
田中光一
齊藤 実
下村伊一郎
東京医科歯科大学
大学院疾患生命科学研究部
教授
東京都神経科学総合研究所
部門長
大阪大学大学院
医学系研究科・生命機能研究科
教授
大脳皮質における機能的領野の
パターン形成機構
骨髄由来血管前駆細胞の同定と
機能解析
蛋白翻訳後側鎖アミノ酸付加の
分子機構
田辺康人
佐田政隆
瀬藤光利
三菱化学生命科学研究所
グループリーダー
東京大学大学院医学系研究科
客員助教授
浜松医科大学
分子解剖学研究部門 教授
老化により生じる神経細胞死を
抑制する遺伝子
減数分裂期の染色体機能部位における
プロテインプロファイリング
造血幹細胞の自己複製を誘導する
生態学適所の解明
中野裕康
篠原 彰
高倉伸幸
順天堂大学医学部 講師
大阪大学蛋白質研究所 教授
大阪大学微生物病研究所
教授
長期記憶の分子機構の探索
小胞体タンパク質品質管理機構に関わる
PNGaseの構造と機能
染色体動態の時空間制御技術の開発
鈴木 匡
久留米大学分子生命科学研究所
教授
石川 冬木 京都大学大学院生命科学研究科
教授
金澤 一郎 国立精神・神経センター 総長
佐邊 壽孝 大阪バイオサイエンス研究所
第一研究部 部長
鈴木 紘一 東レ(株)先端融合研究所 所長
谷口 直之 大阪大学大学院医学系研究科
尾藤晴彦
東京大学大学院医学系研究科
助教授
大阪大学大学院医学系研究科
特任助教授
教授
谷口 克
理化学研究所免疫・アレルギー科学
総合研究センター センター長
中野 洋文 協和発酵工業(株)
バイオフロンティア研究所 所長
鍋島 陽一 京都大学大学院医学研究科
教授
本間 好
高橋考太
福島県立医科大学医学部付属
生体情報伝達研究所 教授
アルツハイマー病から脳の老化制御機構を探る: 嗅神経回路の形成と再構築の分子機構
新たなAmylospheroid
芹沢 尚
仮説提唱と検証
雄の生殖細胞への卵子型インプリントの
導入−雄どうしは
交配できるか?
星美奈子
畑田出穂
三菱化学生命科学研究所
グループリーダー
群馬大学生体調節研究所付属
生体情報ゲノムリソースセンター
助教授
クロマチンの動的構造変換による
遺伝子発現の制御
フコース修飾によるNotch情報伝達の
制御機構
三木裕明
中山潤一
松野健治
東京大学医科学研究所
助教授
理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
チームリーダー
東京理科大学基礎工学部
助教授
免疫細胞遺伝子構築の人為的制御
染色体分配の制御機構の解明
雌雄両配偶子形成の共通原理の解明
山下政克
深川竜郎
三浦 猛
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 助教授
愛媛大学農学部 教授
眼の再生を支える幹細胞システムの
解明とその医学応用
細胞骨格の動的再構成による
細胞形態と分化の制御
小阪美津子
理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター
ユニットリーダー
細胞内1分子測定でみる
増殖と分化の情報
佐甲靖志
大阪大学大学院
生命機能研究科 助教授
(財)
かずさDNA 研究所
ゲノム医学研究室 室長
クロマチン情報が親鎖から娘鎖に
維持伝承される機構
蛋白質工学的手法によるタイムシグナル
の人工制御系の構築
網 膜 光 受 容
運命決定機構と再生
柴原慶一
若杉桂輔
古川貴久
水島 昇
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 助教授
東京大学大学院総合文化研究科
准教授
大阪バイオサイエンス研究所
部長
東京大学大学院医学系研究科
教授
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第2期生]
体
細
胞 の
哺乳動物におけるオートファジーの役割と
その制御機構
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
105
変換と制御
2000-2005
水を変換プロセスに利用した
廃ガラスの再資源化
高分子結晶工学を基盤とする
有機材料設計
高効率バイオリサイクル
共生システムの解明
赤井智子
松本章一
大熊盛也
産業技術総合研究所関西センター
主任研究員
大阪市立大学大学院
工学研究科 教授
理化学研究所中央研究所
副主任研究員
光電池を目指したエネルギー変換素子
生体膜表面に吸着する環境ホルモンの
計測システム
表面に形状選択的活性点を持つ
固体触媒
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科 助教授
叶 深
片田直伸
北海道大学
触媒化学研究センター 准教授
鳥取大学工学部 助教授
界面を反応場とした
触媒的脱水縮合反応
池田篤志
研究総括
環状DNAを用いた人工光合成系の構築
異相界面微粒子触媒による合成反応
居城邦治
池田 茂
北海道大学電子科学研究所
教授
大阪大学
太陽エネルギー化学研究センター
助教授
国嶋崇隆
超分子相互作用を用いた環境調和型
物質変換プロセス
ナノ構造体を用いた光合成型エネルギー
変換系の構築
ホウ素の輸送を利用した
生物制御と環境浄化
小西克明
今堀 博
藤原 徹
北海道大学大学院
地球環境科学研究科 助教授
京都大学大学院工学研究科
教授
東京大学
生物生産工学研究センター
准教授
機能性炭素反応種を用いた合成反応
pH制御による水中物質変換反応
新藤 充
小江誠司
情報変換・機能制御性を持つ
分子刺激応答性ゲル
九州大学先導物質化学研究所
助教授
九州大学未来化学創造センター
教授
宮田隆志
プロテインメモリーを利用した低温高機能
超臨界二酸化炭素による
高効率カルボニル化反応
バンド構造制御による水素製造用
高効率光触媒
神戸学院大学薬学部 助教授
合志 陽 一
筑波大学
監事
研究領域の概要
省資源、省エネルギー、
さらには環境
調和型の物質変換プロセスを目指すた
め、新規化学反応やエネルギーの創出、
それらの利用効率の向上や制御などの
研究を行います。
例えば、錯体や反応触媒、反応プロセ
関西大学化学生命工学部
教授
スや生成分子のデザイン、
エネルギー変
換、無害化の促進、計測制御技術の開
発及びリサイクルの実現を目指した廃棄
物の資源化などに関する研究を含みます。 酵素のデザイン
田村厚夫
榧木啓人
葉 金花
神戸大学大学院
自然科学研究科 講師
東京工業大学 特別研究員
物質・材料研究機構
光触媒材料センター センター長
グループ長( H14.5 ∼)
廃熱から電気を作る環境にやさしい
セラミックス
微生物によるリン酸ポリマー蓄積機構の
解明と利用
大阪大学大学院工学研究科
教授
寺崎一郎
黒田章夫
早稲田大学理工学部 教授
広島大学大学院
先端物質科学研究科 教授
ポリウレタン分解酵素の修飾と機能改変
非水系でのナノ集合体と生体分子の融合
による機能変換と制御
領域アドバイザー
稲葉 道彦 (株)東芝技術企画室
河田 聡
小泉 英明
(株)
日立製作所中央研究所
主管研究長( H12.4 ∼ H14.4 )
小宮山 宏 東京大学 総長
寺前 紀夫 東北大学大学院理学研究科
教授
古屋 富明 (株)東芝研究開発センター
グループ長( H12.4 ∼ H14.4 )
中島(神戸)敏明
筑波大学大学院
生命環境科学専攻 助教授
前田 瑞夫 理化学研究所 主任研究員
御園生 誠 製品評価技術基盤機構
後藤雅宏
九州大学大学院工学研究院
教授
理事長
宮村 一夫 東京理科大学理学部 教授
矢木 修身 東京大学大学院工学系研究科
教授
安原 昭夫 東京理科大学環境保全室
化学物質管理部門長
層状ニオブ・チタン酸塩の層間修飾と
光活性を利用する機能化
無公害な電気−力−光の多元エネルギー
変換素子
中戸晃之
徐 超男
東京農工大学大学院
生物システム応用科学研究科
助教授
産業技術総合研究所
生産計測技術研究センター
研究チーム長
光と相互作用するエネルギー変換
高分子系の構築
核酸シャペロン機能を持つ高分子設計と
DNA解析への展開
中野 環
丸山 厚
北海道大学大学院工学研究科
教授
九州大学先導物質化学研究所
教授
C1資源を活用する不斉触媒反応
電子・分子・イオンの流れを制御する
金属ナノ構造
野崎(玉尾)京子
106
東京大学大学院工学系研究科
教授
村越 敬
蛋白質フラスコを用いた
高効率酵素型触媒
環境調和型ハイブリッド光エネルギー
変換材料
林 高史
伊原 学
大阪大学大学院工学研究科
教授
東京工業大学
炭素循環エネルギー研究センター
助教授
北海道大学大学院理学研究科
教授
[第1期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第2期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
[第3期生]
平成 14 年度採択研究者
2002 ∼ 2005
組織化と機能
1999-2004
動的高分子ナノ組織体による生体高分子
の認識・応答・機能制御
強磁場を用いた超微細組織化による
耐熱合金の強靭化
筋肉タンパク自己組織化ゲルによる
ソフトナノマシンの創製
秋吉一成
木村好里
龔 剣萍
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 教授
東京工業大学大学院
総合理工学研究科 助教授
北海道大学大学院
先端生命科学研究院 教授
個々の原子・分子追跡と2次元組織化膜
成長ダイナミクス
核酸・多糖複合体における
分子認識メカニズムと
遺伝子工学への応用
ナノ力学理論の開発と力学的制御による
表面機能発現
山梨大学
クリーンエネルギー研究センター
助教授
櫻井和朗
成蹊大学理工学部 教授
ナノ電極/有機分子組織体による
次世代電子素子の創出
金属ナノ粒子超格子の創製とナノ電子
デバイスへの応用
バイオインターフェイスにおいて組織化
された水分子の機能
小川琢治
寺西利治
田中 賢
大阪大学大学院理学研究科
教授
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
山形大学大学院
理工学研究科 教授
細胞情報と化学情報を相互変換する
分子の創製と機能
DNA二重らせんを電子機能・構造単位と
する単一分子素子
脂質−膜タンパク質ドメインの制御による
ナノプラントの構築
片山佳樹
中野幸二
出羽毅久
九州大学大学院工学研究院
教授
九州大学大学院工学研究院
助教授
名古屋工業大学大学院
工学研究科 准教授
生体膜で働くプロトン駆動のナノマシン
自己組織化単分子膜を用いた
DNAセンサーの構築
犬飼潤治
研究総括
国武 豊 喜
北九州産業学術推進機構
理事長
研究領域の概要
ナノメーターサイズの極 微 単 位が組
佐々木成朗
北九州市立大学
国際環境工学部 教授
織 化され、単 純な構 造から複 雑な組 織
体へと転換する過程においては、
ミクロ
電極表面上での分子集合組織変化
からマクロに至るいずれのサイズでも、 −動的機構の解明と
組織構造を保つ境界として界面が重要 機能発現−
となります。このような観点に基づき、組
織化と界面がもたらす機能について研
相樂隆正
野地博行
東京大学大学院工学系研究科
教授
中村史夫
タンパク質表面構造を対象とする
認識・変換素子の創製
氷内部および界面に存在する
気体分子の拡散と組織化
浜地 格
深澤倫子
京都大学大学院工学研究科
教授
明治大学理工学部 助教授
長崎大学工学部応用化学科
教授
東レ株式会社先端研究所
研究員
究するものです。例えば、分子膜の関与
するさまざまな働き、単一構造の観察と
蛋白質の折れ畳み過程の
機能化、組織化の基礎として分子認識、 実時間測定とその応用
構造のヒエラルキー、組織化・構造のダ 高橋 聡
イナミクス、ナノ構造体(材料)組織や機
東北大学多元物質科学研究所
教授
能、及びこれらの応用研究を含みます。
領域アドバイザー
板谷 謹悟 東北大学大学院工学研究科
教授
岩本 正和
東京工業大学資源化学研究所
教授
生越 久靖 福井工業高等専門学校 校長
( H11.4 ∼ H12.3 )
梶山 千里 九州大学 総長 雀部 博之 千歳科学技術大学 学長
南後 守 名古屋工業大学応用科学科
金属原子による低次元微細構造の形成と クーロンブロッケードによる階段状変位
発現する物性の制御
電流の測定とその応用
無電解めっきのサイズ依存性と
ナノ光デバイスへの応用
南任真史
真島 豊
物部秀二
理化学研究所中央研究所
先任研究員
東京工業大学
セラミックス研究所 教授
東洋大学工学部 助教授
ミクロ安定化半導体スーパーヘテロ界面
の高度光機能化
遷移金属酸化物の動的構造の
実時間測定
深津 晋
森 茂生
東京大学大学院
総合文化研究科 准教授
大阪府立大学総合科学部
助教授
教授( H12.4 ∼ H17.3 )
藤平 正道 東京工業大学生命理工学部
教授
村田 朋美 北九州市立大学
国際環境工学部 教授
村山 徹郎 三菱化学(株)
有機エレクトロニクス研究所
チーフサイエンティスト
“N-混乱ポルフィリン”を基盤とする
回転リレー式輸送素子の
創成と組織化
古田弘幸
九州大学大学院工学研究院
教授
複数のサブユニットから成るテーラーメイド
人工酵素の創製
森井 孝
京都大学大学院
エネルギー理工学研究所 教授
コヒーレンス場におけるデンドリマー組織
体のマクロな光電子機能
分子ピラミッドによる
機能性ナノ組織体の創出
横山士吉
青井啓悟
九州大学先導物質化学研究所
教授
名古屋大学大学院
生命農学研究科 教授
分子的に精密設計した色素集合体の
二次元配列と光学的応用
両親媒性ディスク状化合物の自己組織化
とナノデバイスへの応用
カートハウス オラフ
木村 睦
千歳科学技術大学
総合光科学部 教授
信州大学繊維学部 助教授
液晶秩序のナノ組織化による
高速電気光学効果の発現
スフィンゴ脂質の自己組織化と細胞機能
清川悦子
[第1期生]
菊池裕嗣
平成 11 年度採択研究者
1999 ∼ 2002
京都大学大学院医学研究科
講師
[第2期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
[第3期生]
平成 13 年度採択研究者
2001 ∼ 2004
九州大学先導物質化学研究所
教授
107
情報と知
化学反応のニューラルモデル化による
定量的反応予測の実現
WWW上を仮説探索する
推論システムの構築
筑波大学大学院
システム情報工学研究科 教授
佐藤寛子
山本章博
国立情報学研究所
情報プリンシプル研究系
准教授
京都大学大学院情報学研究科
教授
利用目的に応じた情報の組織化と
自動編集
選 択 的 聴 取 を 行 動 的 に
測定する装置の開発
佐藤理史
高橋雅治
名古屋大学大学院工学研究科
教授
旭川医科大学医学部 教授
モバイルオブジェクト・コンピューティング
加藤和彦
1997-2003
分散実時間システムにおける時間概念の ドメイン指向のソフトウェア開発環境
抽象化および形式化
千葉 滋
田辺 誠
東京工業大学大学院
宇部工業高等専門学校 講師
情報理工学研究科 助教授
創造的な情報デザインの協調的支援
技術に関する研究
次世代応用指向データモデルの開発
研究領域の概要
中小路久美代
慶應義塾大学理工学部
准教授
情 報の面から人 間の知 的 活 動をサ
京都大学
学際融合教育推進研究センター
特定教授
研究総括
安西 祐一郎
日本学術振興会
理事長
遠山元道
ポートする新しい情報処理システムの構
築を目指し、
ソフトウェアを中心とした基
盤的情報科学と先端的情報技術の研
並 列 分 散 制 御 用 実 時 間
アーキテクチャの研究
主辞駆動句構造文法を用いた
言語獲得モデル
究を行います。
山﨑信行
鳥澤健太郎
例えば、分散処理、ネットワーク、アー
慶應義塾大学理工学部
助教授
情報通信研究機構
ユニバーサルコミュニケーション研究所
室長
開 か れ た 環 境 に お け る
実行時プログラム変換
人物行動を伝えるための
知的映像撮影と編集
キテクチャ、知的情報処理、
マルチメディ
ア、
ヒューマンインタフェース、脳型コン
ピューティング、計算モデル、アルゴリズ
ムなどに関する基礎研究、
あるいは様々
な分野への応用などの研究を含みます。 浅井健一
中村裕一
お茶の水女子大学理学部
助教授
筑波大学機能工学系 助教授
EMアルゴリズムの数理的研究
及びその工学的応用
Visibility Programmingの研究
池田思朗
日本電信電話(株)
NTTコミュニケーション
科学基礎研究所 主任研究員
領域アドバイザー
久間 和生 三菱電機(株)
先端技術総合研究所 所長
( H10.5 ∼)
情報・システム研究機構 助教授
後藤 滋樹 早稲田大学理工学部 教授
鈴木 良次 金沢工業大学
人間情報システム研究所 所長
( H11.4 ∼ H15.3 )
田中 譲
北海道大学大学院情報学研究科
教授( H10.5 ∼)
西尾 章治郎 大阪大学大学院
情報科学研究科 教授
( H10.5 ∼)
プログラミング言語処理系の部品化
一杉裕志
原田康徳
新しい舞踊の創造のために脳で採択
される評価関数の検討
産業技術総合研究所
ヒューマンテクノロジー研究部門
主任研究員
星野 聖
聴覚障害・言語障害を持つ読者のための
テキスト簡単化技術に
関する研究
超広域高性能計算環境の基礎的研究
筑波大学機能工学系 助教授
橋田 浩一 産業技術総合研究所
社会知能技術研究ラボ
研究ラボ長( H10.5 ∼)
松山 隆司 京都大学大学院
情報学研究科 教授
米澤 明憲 東京大学大学院
情報理工学系研究科 教授
乾健太郎
松岡 聡
東京工業大学
学術国際情報センター 教授
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 助教授
知の個人空間における履歴情報、蓄積・ エキスパートの情報処理モデルの構築
管理・検索に関する研究
松原 仁
川嶋稔夫
はこだて未来大学
はこだて未来大学
システム情報科学部 教授
システム情報科学部 教授
ユーザの視点を取りいれた学習ソフト
デザインの研究
自 律 最 適 化 を 支 援 す る
資源割り当て方式の研究
楠 房子
松本 尚
多摩美術大学美術学部
教授
情報・システム研究機構
助教授
位相空間データベースの
時空間データへの応用
近未来の並列処理に適した実装用言語
黒木 進
九州工業大学大学院
情報工学研究科 教授
広島市立大学情報科学部
助教授
108
八杉昌宏
[第1期生]
平成 9 年度採択研究者
1997 ∼ 2000
[第2期生]
平成 10 年度採択研究者
1998 ∼ 2001
情報と知
最適パターン発見にもとづく高速テキスト
データマイニング
有村博紀
1997-2003
感性の開拓のための方法論構築
−デザインのパーソナル化
に向けて−
北海道大学大学院
情報科学研究科 教授
諏訪正樹
学習・生成・予測に基づく能動的な
視覚認知の神経計算様式
文字列データ圧縮に基づく高速知識
発見システムの構築
中京大学情報理工学部 教授
安藤広志
竹田正幸
国際電気通信基礎技術研究所
主任研究員
九州大学大学院
システム情報科学研究院 教授
知覚情報基盤における
実世界情報の獲得と表現
音楽における創造活動を
触発支援するシステム
石黒 浩
西本一志
大阪大学大学院基礎工学研究科
教授
北陸先端科学技術大学院大学
知識科学教育研究センター
助教授
人工社会・経済モデルによる意思決定
支援システムの構築
模倣学習によるマルチエージェント
システムの構成
和泉 潔
野田五十樹
東京大学大学院工学系研究科
准教授
産業技術総合研究所
情報技術研究部門
主任研究員
広域分散環境のためのセキュアな
オペレーティングシステム
プログラミング言語としての自然言語
∼推論システムと人間の思考∼
河野健二
戸次大介
電気通信大学電気通信学部
講師
お茶の水女子大学大学院人間文
化創成科学研究科 准教授
自律的通信パケットによる
動的ネットワーク
ヴァーチャルアクターのための
動画像処理と動作生成
佐藤一郎
星野准一
情報・システム研究機構
国立情報学研究所 教授
筑波大学機能工学系 講師
ヒトの発達過程における
身体性とモジュール性
情報理論的に安全な秘密鍵共有法
多賀厳太郎
東北大学情報シナジーセンター
助教授
東京大学大学院教育学研究科
教授
水木敬明
プログラムの性能を理論的に考慮した
コンパイラの検証と構築
南出靖彦
筑波大学電子・情報工学系
講師
グラフによる細胞内メカニズムの
記述と推論
有田正規
東京大学大学院
新領域創成科学研究科
准教授
自然言語による知識の表現と利用
黒橋禎夫
京都大学大学院情報学研究科
教授
リアルタイム音楽情景
記述システムの構築
後藤真孝
産業技術総合研究所
情報技術研究部門 上席研究員
共有仮想空間における
リアルタイム3次元通信
斎藤英雄
慶應義塾大学理工学部
教授
[第3期生]
平成 11 年度採択研究者
1999 ∼ 2002
[第4期生]
平成 12 年度採択研究者
2000 ∼ 2003
109
形とはたらき
1997-2002
Moleculicsを実現する
空間の形状制御
斎藤恭一
東京大学大学院工学系研究科
教授
千葉大学工学部 教授
東京工業大学大学院
生命理工学研究科 教授
機能集積型高次構造を有する
人工レセプター
心臓が大きく強くなるしくみの研究
動的らせん分子の創製と応用
阪本英二
八島栄次
久保由治
国立循環器病センター研究所
室長
名古屋大学大学院工学研究科
教授
骨形成過程に関わる遺伝子群の解明
小守壽文
研究領域の概要
生 物 、無 生 物などに見られる多 様な
低分子化合物による蛋白質の形と
はたらきの制御
脊椎動物の脳の細胞系譜の解析
弓場俊輔
長崎大学大学院
医歯薬学総合研究科 教授
袖岡幹子
形の作り直し−再生現象の
分子生物学的解析−
2 つ の T - b o x 遺 伝 子 産 物 A s - T と 巻貝の左右性とはたらき
As-T2の形とはたらき
浅見崇比呂
丸山 工 作
大学入試センター
元理事長
生体高分子の自己組織化と分子進化
三原久和
大久保達也
埼玉大学工学部 准教授
研究総括
タンパク質多層集積構造によってバイオ
技術を飛躍させる研究
理化学研究所
袖岡有機合成化学研究室
主任研究員
産業技術総合研究所
ニューロニクス研究グループ
リーダー
西川(清水)慶子
高橋弘樹
科学技術振興機構
CREATE 特別研究員
総合研究大学院大学
基礎生物学研究所 助教
アサガオ
(Ipomoea nil)のモデル植物
化に関する研究
横紋筋収縮調節タンパク質複合体の
構造解析
脳のセグメント構造に見られる
パラレルプロセッシング
武田壮一
小田洋一
国立循環器病センター研究所
心臓生理部 室長
名古屋大学大学院理学研究科
教授
クロロフィル分子集合体の超分子
構造形成と機能発現
1分子の3次元像再構成法に基づく分子
モータ作動機構の探索
武藤悦子
民秋 均
片山栄作
理化学研究所武藤研究ユニット
ユニットリーダー
立命館大学大学院
生命科学研究科 教授
東京大学医科学研究所 教授
ランダム配列からの
機能性蛋白質の創出
葉とシュートの分化に関する
分子生物学的解析
プラナリアにおける生殖戦略転換機構
四方哲也
塚谷裕一
弘前大学農学生命科学部 准教授
大阪大学大学院
情報科学研究科 教授
東京大学大学院理学系研究科
教授
磁性フォトニック・クリスタルの構造と
機能に関する基礎的研究
花の形を作る遺伝子系の起源と進化
井上光輝
自然科学研究機構
基礎生物学研究所 教授
信州大学理学部 准教授
「 形 」とその意 義 、できかた、相 互 作 用 、
系の形成、環境への適応などの「はたら
き」
を研究するものです。
例えば 、
「 形 」を利 用した分 子 認 識 、 仁田坂英二
分子集合体の構築、
それら集合体によ
九州大学大学院理学研究院
助教
る高 次 構 造の形 成 、できあがった高 次
構造の機能、高次構造の究極な「形」で
ある生命、動植物でみられる寄生、共生、 微小管を介した情報伝達の
擬態などによる系の形成、環境への適 一分子イメージング
応に関する研究などを含みます。
領域アドバイザー
岩槻 邦男 放送大学 教授
佐藤 矩行 京都大学大学院理学研究科
教授
鈴木 正昭 岐阜大学大学院医学系研究科
小林一也
教授
瀬高 信雄 物質・材料研究機構 顧問
慶應義塾大学理工学部 教授
星 元紀
柳田 敏雄 大阪大学大学院
生命機能研究科 教授
吉里 勝利 広島大学大学院
理学理学研究科 教授
豊橋技術科学大学
電気・電子工学系 教授
低分子アンサ型化合物の
化学的情報伝達機能
鹿又宣弘
早稲田大学先進理工学部
教授
色受容ユニットの配列パターンと
視覚機能
野生マウスの体内回路網形態と行動
蟻川謙太郎
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 准教授
総合研究大学院大学
生命共生進化学 教授
人工触媒で水aが付加する反応の
位置や立体を制御する
徳永 信
九州大学大学院理学研究院
教授
脳細胞の活動と形態変化の
高速高分解能計測
相同組換え時にDNAを回転させる
蛋白質RecA
藤崎久雄
西中太郎
(株)
ニコン大井製作所
主任研究員
科学技術振興機構
ERATO 研究員
篩管を通じたmRNAや蛋白質の
長距離移行
頭部の形成に関わる分子機構
藤原 徹
JT 生命誌研究館 主任研究員
橋本主税
東京大学
生物生産工学研究センター
准教授
線虫の化学走性行動の分子遺伝学:
神経回路の形とはたらき
細胞内情報伝達機構の
1分子イメージング
共生藻を利用した原生動物の
生存戦略の多様化
上島 励
古賀誠人
船津高志
細谷浩史
東京大学大学院理学系研究科
准教授
九州大学大学院理学研究院
准教授
東京大学大学院薬学系研究科
教授
広島大学大学院理学研究科
教授
絶滅した生物の生態をコンピューターを
用いて再現する
細胞内小器官ゴルジ体はなぜ特徴的な
層板構造をとるのか
微小脳の高次中枢のモジュール構造と
情報表現
宇佐見義之
近藤久雄
水波 誠
神奈川大学工学部 准教授
九州大学大学院医学研究院
教授
東北大学大学院
生命科学研究科 准教授
軟体動物の特異な遺伝現象に関する
基礎的研究
110
小出 剛
長谷部光泰
[第1期生]
平成 9 年度採択研究者
1997 ∼ 2000
[第2期生]
平成 10 年度採択研究者
1998 ∼ 2001
[第3期生]
平成 11 年度採択研究者
1999 ∼ 2002
状態と変革
1997-2002
研究総括
分子内プロトン移動過程における
分子振動の選択的励起の効
発光性金属錯体による構造秩序識別
システムの構築
基底状態の質的変化としての量子相転移
柴田 穣
加藤昌子
名古屋大学大学院理学研究科
助教
北海道大学大学院理学研究院
教授
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
レーザー励起分子場による有機磁性体の
スピン整列制御
不均一磁場を用いたクラスター質量分析
装置の開発
金属ナノ細線の集積自己形成
手木芳男
河合明雄
大阪市立大学理学部 教授
東京工業大学大学院
理工学研究科 准教授
北海道大学大学院理学研究科
教授
強相関電子系による熱電変換材料の
設計と合成
偏光双安定面発光半導体レーザ
寺崎一郎
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科 教授
早稲田大学理工学部 教授
河口仁司
国府田 隆夫
初貝安弘
村越 敬
超低温・超高圧下の固体水素の
分光学的研究
百瀬孝昌
The University of British
Columbia Faculty of Science 教授
東京大学 名誉教授
III-IV族磁性半導体超構造の光誘起磁性
研究領域の概要
宗片 比呂夫
液相微小空間における単一クラスター
計測と反応ダイナミクス
スピン−軌道偏極固体材料の創製と
物性制御
東京工業大学
像情報工学研究施設 教授
北森武彦
朝光 敦
東京大学大学院工学系研究科
教授
東京大学低温センター 准教授
うに他の状態に変革するか、
そのダイナ
有機金属系電荷移動錯体における
電子相・物質相転換
点接触境界のダイナミックスの
原子直視観察
ナノ構造金属薄膜における
光励起ダイナミクス
ミクスと機構を研究するものです。
持田智行
木塚徳志
例えば、分子、
クラスター、液体、固体
神戸大学大学院理学研究科
教授
筑波大学数理物質科学研究科
准教授
二重交換強磁性体における
光励起磁性制御
スピン−電荷−軌道結合系における電子
物性の磁場制御
物 質の構 造 秩 序が急 激に変 革する
現象(広義の相転移)、すなわち多様な
可能性を秘めた安定秩序状態がどのよ
小川 晋
(株)
日立製作所日立ヨーロッパ
ケンブリッジ研究所 主任研究員
物質を研究対象とし、構造秩序変化の
理論的・計算科学的研究、非線形光学
など新手法による実験的研究、光誘起
構 造 変 化 、スピン秩 序 変 化など新 規な
物性を示す物質の創製研究を含みます。 守友 浩
赤外磁気光学イメージングによる
局所電子構造
桑原英樹
木村真一
筑波大学大学院
数理物質科学研究科 教授
上智大学理工学部 教授
自然科学研究機構分子科学研究所
准教授
多様な電子相と相転移を有する低次元
無機・有機ハイブリッド化合物
半導体中非平衡電子系の
テラヘルツ・ダイナミクス
分子層制御溶液成長による有機導体
超格子の作成と物性
山下正廣
河野 淳一郎
島田敏宏
東北大学大学院理学研究科
教授
ライス大学電気・コンピューター学科
准教授
東京大学大学院理学系研究科
准教授
動的イオン場を介した電子物性制御
高速分光法による交換相互作用発現の
直接観測
超高速画像観測法による化学反応の
可視化
北海道大学電子科学研究所
准教授
小堀康博
鈴木俊法
静岡大学理学部 准教授
京都大学大学院理学研究科
教授
機能性分子自己組織化膜の相分離
およびその局所的物性
遷移元素を含むIV族クラスタ固体に
おける状態転移とその応用
量子常誘電相の解明と光誘起強誘電相
転移
石田敬雄
谷垣勝己
田中 耕一郎
産業技術総合研究所
先進製造プロセス研究部門
主任研究員
東北大学大学院理学研究科
教授
京都大学大学院理学研究科
教授
有機・無機複合ナノコンポジットの動的な
磁気的性質
同位体制御による半導体物性デザイン
2次元液晶性水面上単分子膜の
強磁性と超伝導の共存と自己誘起磁束
格子の探索
阿波賀 邦夫
慶應義塾大学理工学部 教授
領域アドバイザー
小尾 欣一 日本女子大学理学部 教授
萱沼 洋輔 大阪府立大学工学部 教授
(H10.4∼H14.9)
北原
櫛田
谷
花村
和夫
孝司
俊朗
榮一
国際基督教大学教養学部 教授
国際高等研究所 フェロー
東京農工大学工学部 教授
千歳科学技術大学光科学部 教授 (H9.4 ∼ H10.3)
電気磁気材料研究所 所長 増本 健
丸山 瑛一 理化学研究所国際フロンティア
芥川智行
研究システム システム長 三谷 忠興 北陸先端科学技術大学院大学
材料科学研究科 教授
吉森 昭夫 岡山理科大学 教授
(H11.4∼H14.9)
伊藤公平
名古屋大学
物質科学国際研究センター 教授
光誘起非平衡ダイナミック
多辺由佳
古川 はづき
早稲田大学理工学部 教授
お茶の水女子大学理学部 教授
スピントポロジーに基づく
環境応答型機能の開発
電子・格子・光子結合系での
非平衡相転移の研究
光によって生成する遷移金属錯体の
新しい電子相
レーザーで創るタンパク質のマクロな
形態・ミクロな構造
小川哲生
岡本 博
坪井泰之
松下 未知雄
大阪大学大学院理学研究科
教授
東京大学大学院
新領域創成科学 教授
北海道大学大学院理学研究科
准教授
東京大学大学院総合文化研究科
助教
分子配列の精密制御による
分子性伝導体の研究
木星の海を地球に創る
磁束の量子化過渡現象と新規物性の
解明
鹿野田 一司
岡山大学地球・物質科学
研究センター 准教授
東京大学大学院工学系研究科
教授
奥地拓生
[第1期生]
平成 9 年度採択研究者
1997 ∼ 2000
[第2期生]
平成 10 年度採択研究者
1998 ∼ 2001
[第3期生]
平成 11 年度採択研究者
1999 ∼ 2002
斗内政吉
大阪大学大学院工学研究科
教授
111
素過程と連携
1997-2002
脊椎動物の新しい神経系形態形成
遺伝子の同定
体軸形成におけるWntシグナル
伝達経路とAxinの役割
神経軸索の伸長経路を決める道標細胞
の発現分子の検索
清木 誠
岸田 昭世
平田 たつみ
Bath 大学再生医学研究センター
Associate Professor
鹿児島大学大学院
医歯学総合研究科 教授
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 准教授
組織修復と器官形成を制御する
新しい細胞内分子機構
高橋克仁
大阪府立成人病センター第五部
グループリーダー
研究総括
大嶋 泰 治
「味」と
「香り」を認識する分子機構
倉橋 隆
大阪大学大学院生命機能研究科
教授
染色体 DNA 複製の再開始抑制機構の
解明
水島 徹
熊本大学大学院医学薬学研究部 教授
Tリンパ球の分化と選択を決定づける
細胞内信号
神経細胞の生存シグナル伝達機構の
解析
分子遺伝学と逆遺伝学による線虫の
神経発生の解析
高浜洋介
後藤 由季子
三谷 昌平
徳島大学ゲノム機能研究センター
教授
東京大学分子細胞生物学研究所
教授
東京女子医科大学医学部
主任教授
mRNAを運ぶしくみ:制御ネットワークと
核の動的機能構造
X線1分子計測による細胞膜動的
機能解析
光を求めて動く葉緑体の運動機構の
解明
佐々木 裕次
加川 貴俊
大阪大学 名誉教授
研究領域の概要
谷 時雄
生命の営みにおける個々の細胞内要
素の素過程と、複数の素過程の連携に
熊本大学大学院自然科学研究科
教授
(財)高輝度光科学研究センター
副主幹研究員
筑波大学生命環境科学研究科
准教授
よるさまざまな形質表現のダイナミックな
様相を包括的に研究するものです。
例えば、刺激の認識と信号伝達、
DN
試験管内反応系を用いた分裂酵母複製
開始制御機構の解析
細胞はどのようにして非対称に
分裂するか?
電気魚が解き明かす超短時間感覚の
メカニズム
A結合タンパク質の活性調節と転写因
升方久夫
澤 斉
川崎 雅司
子の活性化などの素過程からなる遺伝
大阪大学大学院理学研究科
教授
理化学研究所発生・再生科学
総合研究センター チームリーダー
バージニア大学生物学部 教授
ら器官分化と形態形成に関する研究な
ウナギが解き明かす精子形成の謎
どを含みます。
三浦 猛
植物における異性の認識と
有性生殖成立の機構
中枢神経細胞が層構造を形成する
メカニズム
子転写制御系、
また細胞周期、成熟分
裂への移行、物質輸送、修復と再生か
愛媛大学農学部 教授
関本 弘之
仲嶋 一範
日本女子大学理学部 准教授
慶應義塾大学医学部 教授
体細胞から個体発生におけるゲノム
再プログラム化機構
多元的遺伝情報発現系の分子モーター
複合体による
協調化機構の解明
領域アドバイザー
大島 靖美 九州大学大学院理学研究院
教授
岡山 博人 東京大学大学院医学系研究科
教授
小川 智子 岩手看護短期大学
脊髄ニューロンにおける痛み信号の
処理機構
籾山明子
自然科学研究機構生理学研究所
助手
多田 政子
(株)
リプロセル 主任研究員
中島 利博
聖マリアンナ医科大学
難病治療研究センター 教授
副学長 / 教授
勝木 元也 岡崎国立共同研究機構
基礎生物学研究所 所長
東江 昭夫 東京大学大学院理学系研究科
教授
豊島 久真男 住友病院 院長 (H12.4∼)
西田 育巧 名古屋大学大学院理学研究科
DNA複製開始からDNA鎖伸長過程
への移行機構
荒木弘之
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所 教授
転写制御の基本的枠組みを探る:
モデル制御系の構築と
その定量的解析
シグナル伝達の時空間動態を
光で制御して光で解析する
田中 正史
東邦大学理学部 教授
古田 寿昭
東海大学医学部 特任教授
教授
古沢 満
第一製薬(株)創薬基盤研究所
特別参与
細胞系譜の観察によるショウジョウバエの
脳神経回路モジュール構造の
解析
伊藤 啓
東京大学分子細胞生物学研究所
准教授
112
DNAはいかにして分配されていくのか?
オートファジーの分子機構と生理的役割
仁木 宏典
水島 昇
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所
放射線アイソトープ センター長/教授
東京大学大学院
医学系研究科 教授
タンパク質分解ユビキチンシステムと
細胞機能の連携制御機構
神経突起のパターン形成における
シグナリング機構
相同組換えにおけるホリデー中間体
プロセッシングの機構
血液型糖鎖を通じて知る生命の素過程
上村 匡
岩崎博史
京都大学大学院生命科学研究科
教授
横浜市立大学大学院
国際総合科学研究科教授
九州大学大学院理学研究院
准教授
細胞の形態形成を決定する分子機構の
研究
蛋白質/蛋白質相互作用による物質輸
送機能発現の機構
胚中心における新規な
B細胞選択機構の解明
生殖細胞の染色体分配の仕掛け
大矢禎一
金井 好克
疋田 正喜
東京大学大学院
新領域創成科学研究科 教授
大阪大学大学院薬学系研究科
教授
関西医科大学肝臓研究所 講師
東京大学分子細胞生物学研究所
教授
野村 一也
線虫の発生におけるプログラム細胞死の ミヤコグサで開く根粒共生系の分子遺伝学
制御機構
川口 正代司
杉本 亜砂子
東京大学理学部 教授
酵母の形態形成と細胞増殖との
連携制御機構
東北大学大学院生命科学研究科
教授
広島大学大学院
先端物質科学研究科 教授
山野 博之
英国マーキュリー研究所
グループリーダー
渡辺 嘉典
[第1期生]
平成 9 年度採択研究者
1997 ∼ 2000
[第2期生]
平成 10 年度採択研究者
1998 ∼ 2001
[第3期生]
平成 11 年度採択研究者
1999 ∼ 2002
平田 大
遺伝と変化
1994-1999
哺乳類神経分化の機構を探る
膜結合型増殖因子によるジャクスタクライン
神経分化を始めさせるスイッチ分子群
石橋 誠
岩本 亮
笹井芳樹
京都大学大学院医学研究科
教授
大阪大学微生物病研究所
准教授
理化学研究所発生・再生科学総合
研究センター グループディレクター
輸送蛋白質から進化したPGD合成酵素
染色体再編の分子メカニズムを探る
江口直美
梅津桂子
白血病原因遺伝子としてのhomeobox
遺伝子
早稲田大学先端バイオ研究所
教授
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科 助手
中村卓郎
(財)癌研究会癌研究所 部長
抗体を利用したHIVワクチンの設計
免疫系の多様性を産み出す分子基盤
細胞の移動方向を調節する遺伝子
熊谷善博
後飯塚 僚
西脇清二
日本医科大学医学部 准教授
東京理科大学生命科学研究所
教授
関西学院大学工学部 教授
発生工学を使うとウズラにハトを
産ませられるか?
細胞はどのようにして動くか?
筋ジストロフィ−をおこす分子メカニズム
佐邊壽孝
野口 悟
桑名 貴
北海道大学大学院医学研究科
教授
国立精神・神経センター疾病研究
第一部第二研究室 室長
研究総括
豊島 久真男
理化学研究所 研究顧問
堀田 凱 樹
東京大学/情報・システム研究
機構/総合研究大学院大学―
/国立遺伝学研究所/― 名
誉教授
国立環境研究所 室長
マイクロ遺伝子重合による遺伝子の創出
研究領域の概要
芝 清隆
(財)癌研究会癌研究所 部長
HIVリセプタ−を発現する
トランスジェニックマウス
澤田 新一郎
埼玉医科大学付属病院精神神経科
助手
この研究領域は、種や個体の同一性
新しい転写調節因子ファミリ−と細胞分化
細谷俊彦
理化学研究所脳科学総合
研究センター ユニットリーダー
を維 持する「 遺 伝 」の機 能と、細 胞 、組
織、器官、個体あるいは種における形態
や生理的機能の多様性を生み出す「変
悪性細胞を除去する免疫活性化遺伝情報
化」の機能に着目するものです。具体的
瀬谷 司
北海道大学大学院医学研究科
教授
には、遺伝子の転写、細胞の複製、組織
や器官の再生、個体の生殖などに代表
TAK1はXenopus初期発生の
背腹軸に関与する
澁谷浩司
東京医科歯科大学難治疾患研究所
教授
過去の体験に基づく好き嫌いの決定機構
森 郁恵
名古屋大学大学院理学研究科
教授
される複製に関する研究、及び、突然変
異、
ウイルスの迅速な自発的変化機構、
発がんに代表される脱分化、免疫応答、
遺 伝 子の選 択 的 発 現 機 構 、細 胞の組
転写因子による細胞癌化の制御
Wnt/Winglessシグナル伝達経路の
脳の神経幹細胞を可視化して機能を探る
マーク ランフィア
新たなコンポ−ネントの同定
山口正洋
(株)
エーザイ シニアマネージャー
濱田文彦
MRC分子生物学研究所
リサーチアソシエイト
織や器官への分化などに代表される変
東京大学大学院医学系研究科
講師
化に関する研究を含みます。
領域アドバイザー
江口 吾朗 熊本大学 学長
喜多村 直実 東京工業大学生命理工学部 染色体分離装置の作られる仕組みを探る トランスジェニックゼブラフィッシュによる
神経回路網の可視化
升田裕久
情報通信研究機構関西先端研究
センター 専攻研究員
東島眞一
自然科学研究機構生理化学研究所
准教授
教授
谷口 維紹 東京大学大学院医学系研究科
空間認知に関わる情報伝達分子
臓器再生をめざすバイオ材料
水野健作
伊藤嘉浩
東北大学大学院生命科学研究科
教授
理化学研究所 主任研究員
教授
神経選択的サイレンサ−
細胞接着のダイナミクス
元三菱化学生命研究所
(H10 逝去 )
森 望
黒田真也
長崎大学医学部 教授
東京大学大学院理学系研究科
教授
新しい遺伝子探索システムの開発と
その応用
眼組織再構築へのアプロ−チ
相垣 敏郎
理化学研究所体性組織幹細胞研究
ユニット ユニットリーダー
教授
中西 重忠 京都大学大学院医学研究科
教授
廣近 洋彦 農業生物資源研究所分子遺伝部
ゲノム動態研究室長
堀田 凱樹 国立遺伝学研究所 所長
松本 邦弘 名古屋大学大学院理学研究科
三宅 端
首都大学東京大学院理工学研究科
教授
小阪 美津子
父親、母親に由来するゲノムの
機能的差異
動物の体に発生する化学反応の波
近藤 滋
[第1期生]
石野 史敏
平成 6 年度採択研究者
1994 ∼ 1997
大阪大学大学院生命機能研究科
教授
[第2期生]
平成 7 年度採択研究者
1995 ∼ 1998
[第3期生]
平成 8 年度採択研究者
1996 ∼ 1999
東京医科歯科大学 教授
113
知と構成
脳は眼に何を語るか?:向網膜系の働き
内山博之
鹿児島大学工学部 教授
やわらかい脳のための堅い分子的基盤: 昆虫の微小な脳にひそむ知を探る
チャネル分子の動態を
神崎亮平
可視化する
岡村康司
1994-1999
東京大学先端科学技術研究センター
教授
大阪大学大学院医学系研究科
教授
脳に新しいモデル:思 考する記 憶 機 械
PATON
大森隆司
運動が上達するとは
片山正純
福井大学工学部 准教授
玉川大学脳科学研究所 教授
知の起源:脳細胞のひとつの知
加藤伸郎
金沢医科大学医学部 教授
研究総括
遺伝子をツールとして脳のはたらきを知る
小島正己
産業技術総合研究所
セルエンジニアリング研究部門
研究グループ長
忘れる…その大切さ∼脳の数理モデルの ミツバチ類の仲間認識 ∼個体間の
幾何学的研究∼
コミュニケーションと社会性∼
金道敏樹
(株)
トヨタ自動車 FP 部
笹川浩美
跡見学園
鈴木 良次
金沢工業大学研究支援機構 特任教授/顧問
研究領域の概要
小脳の複雑スパイク∼たった一発の信号で
伝える運動の誤差∼
鳥の知を探る:歌を認識するニューロンと
遺伝子
北澤 茂
坂口博信
大阪大学大学院
この研 究 領 域は、知 覚 、認 識 、学 習 、 生命機能研究科 教授
獨協医科大学医学部 助教授
脳内での細胞間の協調による高次脳機能
発現∼ミクログロリアによる
記憶・学習の制御∼
澤田 誠
名古屋大学環境医学研究所 教授
判 断などの 高 度で柔 軟な働きである
「 知 」に着目し、その発 現のメカニズム
(構成)
を神経科学、認知科学、数理科
脳神経細胞のつながる仕組み
記憶を活かすための神経細胞ネットワーク
見えないものを見る仕組み
辰巳仁史
桜井芳雄
杉田陽一
准教授
京都大学大学院文学研究科
教授
産業技術総合研究所脳神経情報
研究部門 グループリーダー
多義性のある非線形逆問題を解く
学習ネットワーク
ワーキングメモリから考える仕組みを探る
志沢雅彦
京都大学大学院人間・環境学
研究科 教授
学など様々な視点から探求するものです。 名古屋大学大学院医学系研究科
例えば、神経細胞、脳神経系さらには行
動そのものを対象とし、
「 知」の発現につ
ながる物質、構造、論理などの実証的あ
るいは理論的研究を含みます。
領域アドバイザー
安西 祐一郎 慶應義塾大学 理工学部長
乾
敏郎 京都大学大学院情報学研究科
教授
臼井 支朗 豊橋技術科学大学情報工学系
教授
曽我部 正博 名古屋大学大学院医学系研究科
光を使って情報の内部表現をイメージングする
∼大脳皮質のカラム構造と
視覚情報処理∼
谷藤 学
船橋 新太郎
理化学研究所脳科学総合研究センター
チームリーダー
神経活動からクオリアの多様体を構築する “ものを見分ける”ために必要な
遺伝的プログラムの解析
田森佳秀
中越英樹
金沢工業大学情報フロンティア学部
手続的知識としての問題解決とその脳内機構
∼サルとヒトの知を探る∼
准教授
岡山大学大学院自然科学研究科
助教授
東北大学大学院医学系研究科
教授
本能行動の切り換えを調節する
神経ホルモン
認知発達をシミュレートする:乳児は
どう空間を認知するのか
長尾隆司
開 一夫
金沢工業大学情報フロンティア学部
教授
東京大学大学院情報学環 /
総合文化研究科 助教授
空間内の立体を見る脳∼後頭葉から
頭頂葉への情報の流れ∼
無配線コンピュータを創る
中村浩幸
東北大学大学院情報科学研究科
教授
虫明 元
教授
田中 啓治 理化学研究所脳科学総合研究
センター グループディレクター
渕
一博 慶応義塾大学理工学部 教授
東北大学大学院工学研究科
星宮 望
教授
三木 直正 大阪大学医学部 教授
三宅 なほみ 中京大学情報科学部 教授
岐阜大学大学院医学研究科
准教授
耳でなく脳で音楽を楽しむ仕組み
力丸 裕
同志社大学生命医科学部 教授
青木孝文
脳内のガス状伝達物質を見る
∼運動上達の仕組みを見る∼
岡田大助
北里大学 生化学講師
時間情報は脳でどのように表現されるのか?
安島綾子
理化学研究所脳科学総合研究センター
専門職研究員
“心の内”
を計測する
岡ノ谷 一夫
東京大学大学院総合文化研究科
教授
ひとつの細胞がみせる「かたちの記憶」
入来篤史
小畑秀一
理化学研究所脳科学総合研究センター
北里大学一般教育部 助教授
チームリーダー
114
小鳥の歌から言語の起源へ∼生成文法を
表現する脳の仕組みと進化∼
[第1期生]
平成 6 年度採択研究者
1994 ∼ 1997
[第2期生]
平成 7 年度採択研究者
1995 ∼ 1998
[第3期生]
平成 8 年度採択研究者
1996 ∼ 1999
場と反応
DNAで分子エレクトロニクス素子をつくる
輝くミクロな球でナノ空間を観る
居城邦治
笹木敬司
北海道大学電子科学研究所 教授
北海道大学電子科学研究所 教授
非磁性酸化物結晶の磁場整列能率を
さぐる
植田千秋
大阪大学大学院理学研究科
助教授
1994-1999
モット転移近傍の異常な金属状態
電子を運ぶ人工のペプチドや蛋白質を創る
井上 公
篠原寛明
産業技術総合研究所強相関電子
技術研究センター 主任研究員
富山大学工学部 教授
ペプチドでTリンパ球の特異性をさぐる
走査型トンネル顕微鏡でスピンを観る
宇高恵子
末岡和久
小森和弘
高知大学医学部 教授
北海道大学大学院情報科学研究科
教授
産業技術総合研究所
イノベーション推進室 総括企画主幹
タンパク質を利用する受光素子
量子計算の実現に向けて
ダイヤモンドを光でつくる
小山行一
竹内繁樹
高桑雄二
桐蔭横浜大学工学部 教授
北海道大学電子科学研究所 教授
東北大学多元物質科学研究所
助教授
れに伴う物 質の生 成・変 化の過 程( 反
光や電子を自在に操る
ナノ構造分子システム
エピタキシャル成長による半導体と
磁性体の一体化
偏光で機能する高分子を偏光分光法で
観る
応)
との関係に着目するものです。すなわ
瀬川浩司
田中雅明
田和圭子
ち、反応の各過程におけるエネルギー状
東京大学先端科学技術研究センター
教授
東京大学大学院工学系研究科
教授
産業技術総合研究所関西センター 主任研究員
るのか、
さらには、
その影響が、物質の生
酸素をつくるタンパク質の3D構造を観る
簡単な分子で触媒や素子をつくる
蛋白質と水の界面構造を観る
成・変化の過程での選択性、活性化、応
中里勝芳
田中康隆
中迫雅由
答性、構造の秩序化や安定性などにどの
日本大学文理学部 教授
静岡大学工学部 助教授
慶應義塾大学理工学部 教授
固体表面の反応を光と磁場で追う
表面を動きまわる電子
光の倍音で見る世界
福谷克之
長谷川 幸雄
水谷五郎
東京大学生産技術研究所 教授
東京大学物性研究所 准教授
北陸先端科学技術大学院大学
材料科学研究科 教授
老化とD-アミノ酸
−白内障の根絶へ向けて−
金属表面と分子との化学結合を観る
藤井紀子
大阪大学大学院理学研究科 教授
研究総括
光励起によるナノ・スケール超音波表面
振動のマッピング
オリバー ライト
北海道大学大学院工学研究科
教授
フェムトの時間域で電子を操作する
吉森 昭 夫
大阪大学 名誉教授
研究領域の概要
この研究領域は、分子や原子をとりま
く物質的、エネルギー的な環境としての
「場」
と原子や分子の相互作用およびそ
態、
スピン状態、
あるいは物質の相の変
化などが場からどのような影響を受けてい
ように寄与をしているかを探求するもので
す。具 体 的には、物 理 的 、化 学 的な場 、
生体の場などにおける原子や分子の挙
動、状態変化、相互作用の解明、
さらに
は場を用いた反応の時空間的制御およ
び物質選択性の検討、機能的な場の設
計および創出などの研究を含みます。
領域アドバイザー
安保 正一 大阪府立大学工学部 教授
井上 頼直 理化学研究所光科学研究室
宗像利明
京都大学原子炉実験所 教授
主任研究員/ 播磨研究所長代理
潮田 資勝 東北大学電気通信研究所 教授
北澤 宏一 東京大学大学院新領域創成科学
研究科 教授
小林 誠
関
高エネルギー加速器研究機構
教授
多価イオン照射で新しい固体表面をつくる
巨大分子のナノ空間を利用する機能制御
持地広造
相田卓三
兵庫県立大学大学院工学研究科
教授
東京大学大学院工学系研究科
教授
電子励起で半導体の原子移動を制御する
電子とエネルギーの流れで分子の姿を見る
吉田 博
石田昭人
大阪大学産業科学研究所 教授
京都府立大学大学院人間環境学
研究科 助教授
無機固体表面にナノ空間を創る
ナノの光で原子を制御する
小川 誠
伊藤治彦
早稲田大学教育学部 教授
東京工業大学大学院総合理工学
研究科 助教授
界面を光電子分光法で観る
生体分子を人工分子で認識する
小林 光
井上将彦
[第1期生]
平成 6 年度採択研究者
1994 ∼ 1997
大阪大学産業科学研究所 教授
富山大学大学院医学薬学研究部
教授
[第2期生]
平成 7 年度採択研究者
1995 ∼ 1998
[第3期生]
平成 8 年度採択研究者
1996 ∼ 1999
一彦 名古屋大学物質科学国際研究
センター 教授
堀越 佳治 早稲田大学理工学部 教授
八木 克道 東京工業大学理学部 教授
阿南工業高等専門学校 校長
米山 宏
115
構造と機能物性
1991-1996
結晶表面現象に見られる魔法数
石坂彰利
(株)
日立製作所中央研究所
主任研究員
タンパク質の電子状態の理論的合成
分子で描くアラベスク
大島久純
(株)
デンソー 開発部 主幹
シリコン超微粒子の量子効果を探求する
今村 詮
小田俊理
広島国際学院大学 元学長
東京工業大学
量子効果ナノエレクトロニクス研究
センター 教授
高分解電子分光と極高真空
表面分子を繋ぐ力は何なのか
大島忠平
栗原和枝
早稲田大学理工学部 教授
東北大学多元物質科学研究所
教授
酸化膜除去とプラズマによる半導体作成
この不思議な粒子、
ミュオニウム
研究総括
高良 和 武
東京大学 名誉教授
研究領域の概要
尾笹一成
松下 明
理化学研究所バイオ工学研究室
先任研究員
一色国際特許業務法人
この研究領域は、物質の構造と機能、
物 性との 関 係 に 着 目するものであり、
種々の手法による物質構造の解析、構
ミネラルの構造と生体
造に基 づく電 子 状 態などの 理 論 解 析 、
川田 薫
物性発現機構の解明および機能物性 (有)川田研究所 代表取締役
中性子による物質の動的構造の研究
新井正敏
高エネルギー加速器研究機構 教授
を有する物質の創製に関する研究など
を含みます。
強誘電体の不整合相の光学活性
領域アドバイザー
小林 諶三
サイクロトロンメーザー冷却CMC
池上栄胤
ウプラサ大学 客員教授
菊池 誠
小出 直之
佐々木 昭夫
鈴木 増雄
千川 純一
東海大学工学部 教授
東京理科大学理学部 教授
大阪電気通信大学工学部 教授
東京理科大学理学部 教授
兵庫県立先端科学技術支援センター
所長
藤木 良規 元科学技術庁無機材質研究所
所長
分子ヒステリシス
超臨界流体を利用した化学反応の高度化
佐野 充
生島 豊
名古屋大学大学院環境学研究科
教授
産業技術総合研究所東北センター
副センター長/主任研究員
表面原子間力のサブナノスケール計測
半導体と磁性体を融合する
土佐正弘
大野英男
物質・材料研究機構 主任研究員
東北大学電気通信研究所 教授
スピン偏極原子線:新しい表面プローブ
スピン・エレクトロニクス
鳥養 映子
山梨大学大学院医学工学総合研究部
教授
半導体表面の原子配列とその電気伝導
ゲルハルド ファーソル
(株)
ユーロテクノロジー・ジャパン
代表取締役社長
電気で制御するガス分離
長谷川 修司
瀬戸孝俊
東京大学大学院理学系研究科
助教授
三菱化学
(株)
科学技術研究センター
リサーチアソシエイト
強誘電性高分子の機能物性
表面の電子スピンを計測する
古川猛夫
早川和延
東京理科大学理学部 教授
116
異常金属の合成と物性
PhSR発振機構の基礎研究
水谷 眞
山田廣成
出光興産(株)中央研究所
主任研究員
立命館大学理工学部 教授
[第1期生]
平成 3 年度採択研究者
1991 ∼ 1994
[第2期生]
平成 4 年度採択研究者
1992 ∼ 1995
[第3期生]
平成 5 年度採択研究者
1993 ∼ 1996
光と物質
1991-1996
金超微粒子複合膜による
光学的化学センシング
光で駆動する液晶
安藤昌儀
東京工業大学資源化学研究所
教授
産業技術総合研究所
健康工学研究部門
主任研究員
単一分子を蛍光画像で観る
研究総括
本多 健 一
池田富樹
ホタルの光が創る未来
石川 満
近江谷克裕
産業技術総合研究所
四国センター 副ラボ長
産業技術総合研究所
ゲノムファクトリー研究部門
チーム長
高性能非線形材料“設計”への
新しい理論
光で見た電極反応のリズム
石原 一
埼玉大学大学院理工学研究科
教授
大阪府立大学大学院
工学研究科 教授
中林誠一郎
東京大学 名誉教授
研究領域の概要
植物におけるフィトクロムの
存在場所を探る
分極制御が拓く光デバイス
井上康則
東京理科大学理工学部 教授
静岡大学電子工学研究所
教授
光で不斉合成に迫る
インパルス;半端な波が拡げる世界
皆方 誠
この研究領域は、光と物質の相互作
用に基づく情報変換およびエネルギー
変換に着目するものであり、気体から固
体までの様々な物 質を研 究 対 象として、
井上佳久
理論的な解析、計算機シミュレーション、 大阪大学大学院工学研究科
化学的手法、機器分析など様々な方法
飽本一裕
帝京大学理工学部 准教授
教授
による光と物質の相互作用機構の解明
および光の関与する反応の設計、物質
創製に関する研究などを含みます。
領域アドバイザー
吉良 爽
斎藤 誠宏
須藤 建
瀬川 勇三郎
徳丸
松浦
柳田
山本
克己
輝男
博明
明夫
セラミックスの原子レベル制御
量子細線の物性とミクロ光学技術
川崎雅司
秋山英文
東北大学
原子分子材料科学高等研究機構
教授
東京大学物性研究所
准教授
二 分 子 結 晶 で 開 け た
これからの固体光化学
紫外光によるX線の制御を目指して
小島秀子
オリンパス
(株)未来創造研究所
主任研究員
理化学研究所 理事
基礎化学研究所 前常務理事
東北大学工学部 教授
理化学研究所
フォトダイナミクス研究センター
チームリーダー
愛媛大学大学院理工学研究科
教授
池滝慶記
筑波大学 名誉教授
龍谷大学工学部 教授
東京大学 名誉教授
光と電気に応答する分子システム
界面層の非線形性を超高速分光でみる
早稲田大学理工学研究科
教授
雑賀哲行
玉井尚登
DAISO Fine Chem, USA
関西学院大学理工学部 教授
ポリシランの新しい合成法
光が可能にした新しいDNA切断
畠中康夫
中谷和彦
大阪市立大学大学院
工学研究科 教授
大阪大学産業科学研究所
教授
ポリマー中の色素凝縮体の
3次元配列制御
分子電線で金属をつないだ新物質
平賀 隆
東京大学大学院理学系研究科
教授
産業技術総合研究所
光技術研究部門 主任研究員
全光型の光双安定素子
西原 寛
2次元電子・正孔系の極低温光物性
前田佳伸
福沢 董
近畿大学理工学部 准教授
科学技術振興機構
産学連携推進部
特許主任調査員
多電子を運ぶ錯体と高分子合成
イオンで調べる分子振動と反応制御
山元公寿
藤井正明
[第1期生]
平成 3 年度採択研究者
1991 ∼ 1994
東京工業大学資源化学研究所
教授
東京工業大学資源化学研究所
教
[第2期生]
平成 4 年度採択研究者
1992 ∼ 1995
[第3期生]
平成 5 年度採択研究者
1993 ∼ 1996
117
細胞と情報
1991-1996
べん毛モーター回転機能
分子機械に個性があるか
上池伸徳
工藤成史
名古屋大学遺伝子実験施設
非常勤研究員
桐蔭学園横浜大学工学部
教授
「植物の免疫機構」の解明をめざして
川崎信二
研究総括
大沢 文 夫
大阪大学/名古屋大学
名誉教授
研究領域の概要
リンパ球の機能をささえる
細胞表面蛋白質
農業生物資源研究所
生理機能研究グループ
上席研究官
小杉 厚
免疫系による自己と
非自己の認識について
細胞はいかにして物質を取り込む
坂口志文
京都大学大学院理学研究科
助手
大阪大学免疫学フロンティア
研究センター 教授
脂質平面膜再生系を用いたCa2+イオンポンプ
ATPaseのエネルギー
変換機構の研究
布垣一幾
大阪大学医学部 助教授
佐藤 智
サル前頭連合野の機能コラム
澤口俊之
北海道大学大学院医学研究科
教授
この研究領域は、細胞を中心とした情
報の受 容 、伝 達 、処 理 、行 動 制 御の機
構および細胞における情報の自発や学
習の機構などに着目するものです。細胞
なぜ哺乳類にD−アミノ酸が
残っているのか?
感染を捉える分子の情報ネットワーク
内、細胞の内外および細胞間における
橋本篤司
Loyola University Chicago
化学物質や力、光、電気、熱など様々な
東海大学医学部 講師
准教授
ものを見る脳のしくみ
イオンを運ぶタンパク質のしくみ
岩島牧夫
情報を対象とし、生物物理学的手法や
生化学的手法、分子生物学的手法など
を用いた、情報システム的な観点からの
生物機能に関する研究などを含みます。 藤田一郎
大阪大学大学院
生命機能研究科 教授
大友 純
(株)
日立製作所
中央研究所 主任研究員
領域アドバイザー
名古屋大学理学部 名誉教授
朝倉 昌
甘利 俊一 理化学研究所国際フロンティア
脳情報処理グループ
ディレクター
植物の形作りを支配する遺伝子を探る
町田千代子
明 る い 老 後 の た め
−白内障撲滅への挑戦−
中部大学
応用生物学部 教授
小木曽学
細胞増殖シグナルが広がる
仕組みについて
物覚えをよくする脳の仕組み
相談役最高顧問
松田道行
通商産業省工業技術院
電子技術総合研究所
首席研究官
京都大学大学院医学研究科
教授
東京大学医科学研究所
准教授
石浜 明
笠毛 邦弘 岡山大学資源生物科学研究所
国立遺伝学研究所 教授
に
名古屋大学医学部
共同研究員
教授
濱岡 利之 大阪大学医学部 教授
林 主税 (株)アルバック
松本 元
118
関野祐子
器官の再生−失われた組織が
元通りになるしくみとは?
外部情報に応答して
細胞はいかにふるまうか
松本邦夫
千葉智樹
金沢大学がん研究所 教授
筑波大学大学院 教授
永遠の命を持った脳細胞
独立レプリコンの研究
森井博史
中西真人
理化学研究所播磨研究所
助教授
産業技術総合研究所
バイオセラピューティック研究ラボ
研究ラボ長
シャーレの中で脳を創る
細胞接着の変化と発生分化
吉田祥子
野呂知加子
豊橋技術科学大学工学部
講師
日本大学大学院
総合科学研究科 准教授
量子バイオフォトン統計の測定と解析
イオンチャネルが機能するしくみ
ロナルド スコット
羽生義郎
[第1期生]
平成 3 年度採択研究者
1991 ∼ 1994
アラカンサス大学
教授
産業技術総合研究所
生物機能工学部門
主任研究員
[第2期生]
平成 4 年度採択研究者
1992 ∼ 1995
[第3期生]
平成 5 年度採択研究者
1993 ∼ 1996
119
阿部 真之(アベ マサユキ)
量子と情報
90
池田 輝之(イケダ テルユキ)
ナノ製造
79
阿部 竜(アベ リュウ)
物質変換
18
池田 富樹(イケダトミキ)
光と物質
117
113
天尾 豊(アマオ ユタカ)
藻類バイオエネルギー
12
95
天野 薫(アマノ カオル)
脳情報
46
あ
生命現象
86
光と物質
117
細胞構成
29
代謝
83
生駒 忠昭(イコマ タダアキ)
光作用
80
102
石井 浩二郎(イシイ コウジロウ)
情報と細胞機能
94
116
石井 聡(イシイ サトシ)
代謝
83
石井 宏幸(イシイ ヒロユキ)
分子技術
51
石内 俊一(イシウチ シュンイチ)
ナノテク融合
92
石川 顕一(イシカワ ケンイチ)
光創成
84
112
石川 博(イシカワ ヒロシ)
数学
76
iPS
41
石川 満(イシカワ ミツル)
光と物質
生体と制御
97
石北 央(イシキタ ヒロシ)
物質変換
18
物質変換
18
石黒 浩(イシグロ ヒロシ)
情報と知
109
荒船 竜一(アラフネ リュウイチ)
構造機能
88
石坂 彰利(イシザカ アキトシ)
構造と機能物性
116
荒牧 英治(アラマキ エイジ)
情報環境
66
石坂 香子(イシザカ キョウコ)
元素戦略
55
石坂 智(イシザカ サトシ)
量子と情報
90
相垣 敏郎(アイガキトシロウ)
遺伝と変化
合田 憲人(アイダ ケント)
情報基盤と利用環境
相田 卓三(アイダ タクゾウ)
場と反応
115
荒井 迅(アライ ジン)
数学
76
青井 啓悟(アオイ ケイゴ)
組織化と機能
107
新井 豊子(アライトヨコ)
ナノテク融合
92
青木 一洋(アオキ カズヒロ)
生命モデル
75
新井 仁之(アライ ヒトシ)
数学
76
青木 耕史(アオキ コウジ)
慢性炎症
32
新井 史人(アライ フミヒト)
相互作用と賢さ
青木 淳賢(アオキ ジュンケン)
代謝
83
新井 正敏(アライ マサトシ)
構造と機能物性
青木 隆朗(アオキ タカオ)
光創成
84
新井 宗仁(アライ ムネヒト)
藻類バイオエネルギー
青木 孝文(アオキ タカフミ)
知と構成
114
荒木 拓人(アラキ タクト)
相界面
7
青木 利晃(アオキトシアキ)
機能と構成
103
荒木 秀明(アラキ ヒデアキ)
太陽光
17
青木 伸之(アオキ ノブユキ)
分子技術
51
荒木 弘之(アラキ ヒロユキ)
素過程と連携
青木 百合子(アオキ ユリコ)
シミュレーション
91
荒木 良子(アラキ リョウコ)
青木 芳尚(アオキ ヨシタカ)
エネルギーキャリア
荒瀬 尚(アラセ ヒサシ)
青野 真士(アオノ マサシ)
ナノエレ
48
荒谷 直樹(アラタニ ナオキ)
青柳 隆夫(アオヤギ タカオ)
ナノテク融合
92
赤井 智子(アカイトモコ)
変換と制御
106
赤井 恵(アカイ メグミ)
構造制御
85
赤石 美奈(アカイシ ミナ)
知の創生
69
赤松 謙祐(アカマツ ケンスケ)
ナノ製造
79
池滝 慶記(イケタキ ヨシノリ)
池ノ内 順一(イケノウチ ジュンイチ)
5
蟻川 謙太郎(アリカワ ケンタロウ) 形とはたらき
13
110
117
慢性炎症
31
石坂 昌司(イシザカ シヨウジ)
光の利用
代謝
83
石島 秋彦(イシジマ アキヒコ)
相互作用と賢さ
102
58
有田 誠(アリタ マコト)
94
91
石田 昭人(イシダ アキト)
場と反応
115
109
石田 謙司(イシダ ケンジ)
秩序と物性
101
有田 亮太郎(アリタ リョウタロウ) 元素戦略
54
石田 敬雄(イシダ タカオ)
状態と変革
111
81
有村 慎一(アリムラ シンイチ)
二酸化炭素資源化
10
石田 斉(イシダ ヒトシ)
物質変換
10
有村 博紀(アリムラ ヒロキ)
情報と知
石田 康博(イシダ ヤスヒロ)
構造制御
117
有本 博一(アリモト ヒロカズ)
合成と制御
99
石野 史敏(イシノ フミ
トシ)
遺伝と変化
113
秋山(小田)康子(アキヤマ(オダ)ヤスコ) 認識と形成
100
有吉 眞理子(アリヨシ マリコ)
エピジェネティクス
38
石橋 誠(イシバシ マコト)
遺伝と変化
113
秋吉 一成(アキヨシ カズナリ)
組織化と機能
107
粟井 光一郎(アワイ コウイチロウ) 藻類バイオエネルギー
13
石濱 泰(イシハマ ヤスシ)
構造機能
芥川 智行(アクタガワトモユキ)
状態と変革
111
阿波賀 邦夫(アワガ クニオ)
状態と変革
111
石原 秀至(イシハラ シュウジ)
生命モデル
揚妻 正和(アゲツマ マサカズ)
細胞構成
29
粟崎 健(アワサキ タケシ)
認識と形成
100
石原 一(イシハラ ハジメ)
光と物質
117
ナノエレ
48
粟辻 安浩(アワツジ ヤスヒロ)
構造機能
87
石松 愛(イシマツ カナ)
細胞構成
28
ナノ製造
79
安 東秀(アントウシュウ)
構造機能
88
石本 哲也(イシモト テツヤ)
生命現象
浅井 健一(アサイ ケンイチ)
情報と知
108
安藤 和也(アンドウ カズヤ)
ナノエレ
48
浅岡 定幸(アサオカ サダユキ)
太陽光
16
安藤 広志(アンドウ ヒロシ)
情報と知
浅沼 浩之(アサヌマ ヒロユキ)
ナノテク融合
92
安藤 昌儀(アンドウ マサノリ)
光と物質
浅野 謙一(アサノ ケンイチ)
慢性炎症
32
浅原 弘嗣(アサハラ ヒロシ)
認識と形成
100
い
浅見 崇比呂(アサミタカヒロ)
形とはたらき
110
飯田 琢也(イイダ タクヤ)
光作用
朝光 敦(アサミツ アツシ)
状態と変革
111
飯田 哲史(イイダ テツシ)
エピジェネティクス
朝山 宗彦(アサヤマ ムネヒコ)
藻類バイオエネルギー
12
飯田 弘之(イイダ ヒロユキ)
機能と構成
蘆田 弘樹(アシダ ヒロキ)
藻類バイオエネルギー
12
飯田 全広(イイダ マサヒロ)
情報基盤と利用環境
芦田 昌明(アシダ マサアキ)
光創成
84
家 裕隆(イエ ユタカ)
芦高 恵美子(アシタカ エミコ)
情報と細胞機能
94
芦原 聡(アシハラ サトシ)
光創成
84
安島 綾子(アジマ アヤコ)
知と構成
東 正樹(アズマ マサキ)
秋光 和也(アキミツ カズヤ)
情報と細胞機能
飽本 一裕(アキモト カズヒロ)
光と物質
117
秋山 修志(アキヤマ シュウジ)
生命現象
86
秋山 泰身(アキヤマ タイシン)
生命システム
秋山 拓也(アキヤマ タクヤ)
二酸化炭素資源化
秋山 英文(アキヤマ ヒデフミ)
光と物質
シミュレーション
有田 正規(アリタ マサノリ)
情報と知
109
18
86
88
75
吾郷 浩樹(アゴウ ヒロキ)
86
変換と制御
106
109
場と反応
115
117
情報環境
65
情報と知
109
伊関 峰生(イセキ ミネオ)
光と制御
98
80
磯田 昌岐(イソダ マサキ)
脳情報
44
39
磯野 協一(イソノ キョウイチ)
エピジェネティクス
39
103
磯部 寛之(イソベ ヒロユキ)
ナノと物性
96
95
伊田 進太郎(イダ シンタロウ)
物質変換
18
太陽光
16
板垣 奈穂(イタガキ ナホ)
太陽光
17
井垣 達吏(イガキ タツシ)
慢性炎症
31
板倉 明子(イタクラ アキコ)
ナノテク融合
92
五十嵐 健夫(イガラシ タケオ)
情報基盤と利用環境
95
板谷 治郎(イタタニ ジロウ)
光創成
84
114
伊川 友活(イカワトモカツ)
エピジェネティクス
40
伊丹 健一郎(イタミ ケンイチロウ) 構造制御
86
光と制御
98
井川 善也(イカワ ヨシヤ)
RNA
77
市川 結(イチカワ ムスブ)
太陽光
15
安宅 憲一(アタカ ケンイチ)
界面
78
生嶋 健司(イクシマ ケンジ)
界面
78
一木 隆範(イチキ タカノリ)
ナノテク融合
92
安達 俊輔(アダチ シュンスケ)
CO2 資源化
10
生島 豊(イクシマ ユタカ)
構造と機能物性
116
一木 正聡(イチキ マサアキ)
ナノシステム
61
足立 俊輔(アダチ シュンスケ)
光の利用
58
幾原 雄一(イクハラ ユウイチ)
秩序と物性
101
一杉 裕志(イチスギ ユウジ)
情報と知
足立 伸一(アダチ シンイチ)
物質変換
18
伊倉 貞吉(イクラ テイキチ)
生体分子
93
市田 正夫(イチダ マサオ)
ナノと物性
96
安達 成彦(アダチ ナルヒコ)
構造生命
27
池内 真志(イケウチ マサシ)
ナノシステム
62
一宮 尚志(イチノミヤ タカシ)
数学
76
100
生貝 直人(イケガイ ナオト)
ビッグデータ
64
一柳 優子(イチヤナギ ユウコ)
ナノ製造
79
井出 徹(イデトオル)
ナノテク融合
92
居城 邦治(イジロ クニハル)
和泉 潔(イズミ キヨシ)
安達(山田)卓(アダチ(ヤマダ)タカシ) 認識と形成
116
108
AdamJa
t
owt(アダム ヤトフト)
情報環境
66
池上 栄胤(イケガミヒデツグ)
構造と機能物性
新 幸二(アタラシ コウジ)
慢性炎症
32
池上 弘樹(イケガミヒロキ)
量子と情報
90
伊都 将司(イト ショウジ)
光作用
80
阿部 郁朗(アベ イクロウ)
代謝
83
脳情報
45
井戸 哲也(イド テツヤ)
光創成
84
安部 健太郎(アベ ケンタロウ)
脳神経回路
35
生命システム
81
伊藤 公人(イトウ キミヒト)
数学
阿部 高明(アベ タカアキ)
情報と細胞機能
94
池沢 道男(イケザワ ミチオ)
光作用
81
伊藤 啓(イトウ ケイ)
素過程と連携
安部 隆(アベ タカシ)
ナノテク融合
92
池田 篤志(イケダ アツシ)
変換と制御
阿部 肇(アベ ハジメ)
構造機能
87
池田 勝佳(イケダ カツヨシ)
相界面
阿部 英樹(アベ ヒデキ)
元素戦略
54
池田 茂(イケダ シゲル)
阿部 洋(アベ ヒロシ)
脳神経回路
36
池田 思朗(イケダ シロウ)
池谷 裕二(イケガヤ ユウジ)
120
106
伊藤 耕一(イトウ コウイチ)
RNA
6
伊藤 公平(イトウ コウヘイ)
状態と変革
変換と制御
106
伊藤 衡平(イトウ コウヘイ)
相界面
情報と知
108
伊藤 孝行(イトウ タカユキ)
知の創生
76
112
77
111
6
69
13
藻類バイオエネルギー
13
江波 進一(エナミシンイチ)
光の利用
59
ナノシステム
60
榎木 亮介(エノキ リョウスケ)
細胞構成
30
岩見 真吾(イワミシンゴ)
生命モデル
75
戎家 美紀(エビスヤ ミキ)
細胞構成
29
80
岩村 栄治(イワムラ エイジ)
秩序と物性
101
得平 茂樹(エヒラ シゲキ)
藻類バイオエネルギー
13
115
岩本 和也(イワモト カズヤ)
エピジェネティクス
40
依馬 正次(エマ マサツグ)
iPS
42
岩本 武明(イワモト タケアキ)
合成と制御
99
榎本 和生(エモト カズオ)
代謝
83
岩本 政雄(イワモト マサオ)
CO2 資源化
10
遠藤 恆平(エンドウ コウヘイ)
元素戦略
54
岩本 亮(イワモト リョウ)
遺伝と変化
113
遠藤 博寿(エンドウ ヒロトシ)
藻類バイオエネルギー
13
100
岩脇 隆夫(イワワキ タカオ)
代謝
83
遠藤 求(エンドウ モトム)
細胞構成
28
代謝
83
印南 秀樹(インナン ヒデキ)
生命モデル
75
生体分子
93
尾池 雄一(オイケ ユウイチ)
代謝
83
生沼 泉(オイヌマ イズミ)
脳神経回路
36
王 正明(オウ セイメイ)
ナノと物性
96
王子田 彰夫(オウジダ アキオ)
生命現象
86
伊藤 卓朗(イトウ タクロウ)
藻類バイオエネルギー
伊藤 寿朗(イトウトシロウ)
生命システム
82
伊藤 智義(イトウトモヨシ)
情報基盤と利用環境
95
伊藤 肇(イトウ ハジメ)
光作用
伊藤 治彦(イトウ ハルヒコ)
場と反応
伊藤 秀臣(イトウ ヒデタカ)
エピジェネティクス
伊藤 嘉浩(イトウ ヨシヒロ)
遺伝と変化
稲垣 昭子(イナガキ アキコ)
物質変換
稲垣 直之(イナガキ ナオユキ)
認識と形成
稲田 利文(イナダトシフミ)
稲葉 謙次(イナバ ケンジ)
岩堀 健治(イワホリ ケンジ)
40
113
18
95
う
稲見 昌彦(イナミ マサヒコ)
情報基盤と利用環境
乾 健太郎(イヌイ ケンタロウ)
情報と知
108
Wilfred Gerard van der Wie(l ウィルフレッド ウ゛ァン デル ウィール) ナノと物性
犬飼 潤治(イヌカイ ジュンジ)
組織化と機能
107
上島 励(ウエシマ レイ)
形とはたらき
井上 飛鳥(イノウエ アスカ)
疾患代謝
22
上杉 志成(ウエスギ モトナリ)
生命現象
86
井上 公(イノウエ イサオ)
場と反応
115
上田 啓次(ウエダ ケイジ)
生体と制御
97
井上 圭一(イノウエ ケイイチ)
細胞構成
29
上田 貴志(ウエダ タカシ)
二酸化炭素資源化
井上 元(イノウエ ゲン)
相界面
井上 弘士(イノウエ コウジ)
情報基盤と利用環境
96
110
お
光と制御
98
光と物質
117
近江谷 克裕(オウミヤ ヨシヒロ)
9
7
上田 卓見(ウエダ タクミ)
構造生命
27
大岩 顕(オオイワ アキラ)
ナノと物性
92
95
植田 千秋(ウエダ チアキ)
場と反応
115
大内 誠(オオウチ マコト)
分子技術
52
井上 振一郎(イノウエ シンイチロウ) ナノエレ
48
上田 宏(ウエダ ヒロシ)
構造機能
87
大木 靖弘(オオキ ヤスヒロ)
エネルギーキャリア
井上 尊生(イノウエ タカナリ)
細胞構成
29
上田 昌宏(ウエダ マサヒロ)
認識と形成
100
大北 英生(オオキタ ヒデオ)
太陽光
生体分子
93
上野 和紀(ウエノ カズノリ)
元素戦略
54
ナノテク融合
92
上野 玄太(ウエノ ゲンタ)
知の創生
69
ナノシステム
62
ナノ製造
79
井上 豪(イノウエ ツヨシ)
5
15
相界面
7
光作用
80
大久保 貴志(オオクボ タカシ)
井上 将彦(イノウエ マサヒコ)
場と反応
115
井上 将行(イノウエ マサユキ)
構造制御
85
ナノテク融合
92
形とはたらき
110
井上 光輝(イノウエ ミツテル)
形とはたらき
110
上野 隆史(ウエノ タカフミ)
構造制御
85
大熊 盛也(オオクマ モリヤ)
変換と制御
井上 康則(イノウエ ヤスノリ)
光と物質
117
上野 将紀(ウエノ マサキ)
恒常性
106
24
大栗 博毅(オオグリ ヒロキ)
分子技術
井上 佳久(イノウエ ヨシヒサ)
光と物質
117
上野 義仁(ウエノ ヨシヒト)
RNA
77
大古 善久(オオコ ヨシヒサ)
ナノテク融合
猪口 明博(イノクチ アキヒロ)
知の創生
68
上村 想太郎(ウエムラ ソウタロウ) 生命現象
92
86
大越 慎一(オオコシ シンイチ)
秩序と物性
101
66
85
103
上野 貢生(ウエノ コウセイ)
大久保 達也(オオクボ タツヤ)
井ノ口 宗成(イノグチ ムネナリ)
情報環境
植村 卓史(ウエムラ タカシ)
構造制御
井口 寧(イノグチ ヤスシ)
機能と構成
103
上村 匡(ウエムラ タダシ)
素過程と連携
猪熊 泰英(イノクマ ヤスヒデ)
超空間制御
50
宇賀 貴紀(ウカ タカノリ)
猪股 晃介(イノマタ コウスケ)
構造生命
27
猪股 秀彦(イノマタ ヒデヒコ)
細胞構成
28
井原 敏博(イハラトシヒロ)
構造機能
87
伊原 正喜(イハラ マサキ)
物質変換
18
伊原 学(イハラ マナブ)
変換と制御
106
伊福 健太郎(イフク ケンタロウ)
物質変換
今井 猛(イマイ タケシ)
脳神経回路
今井 浩孝(イマイ ヒロタカ)
代謝
今井 倫太(イマイミチタ)
相互作用と賢さ
今田 正俊(イマダ マサトシ)
シミュレーション
今西 未来(イマニシ ミキ)
構造機能
今堀 博(イマホリ ヒロシ)
52
大崎 人士(オオサキ ヒトシ)
機能と構成
112
大澤 博隆(オオサワ ヒロタカ)
情報環境
脳神経回路
36
大澤 幸生(オオサワ ユキオ)
協調と制御
浮田 宗伯(ウキタ ノリミチ)
情報基盤と利用環境
95
大下 承民(オオシタ ヨシヒト)
数学
宇佐見 康二(ウサミコウジ)
量子と情報
90
大島 忠平(オオシマ チュウヘイ)
構造と機能物性
116
宇佐見 義之(ウサミ ヨシユキ)
形とはたらき
110
大島 久純(オオシマ ヒサヨシ)
構造と機能物性
116
雲林院 宏(ウジイ ヒロシ)
光の利用
58
大島 義文(オオシマ ヨシフミ)
界面
78
宇高 恵子(ウダカ ケイコ)
場と反応
115
大杉 美穂(オオスギ ミホ)
生命システム
82
19
内田 建(ウチダ ケン)
ナノ製造
79
太田 薫(オオタ カオル)
光の利用
34
内田 健一(ウチダ ケンイチ)
相界面
7
太田 訓正(オオタ クニマサ)
認識と形成
83
内田 さやか(ウチダ サヤカ)
超空間制御
50
太田 裕道(オオタ ヒロミチ)
ナノ製造
79
102
内田 幸明(ウチダ ヨシアキ)
分子技術
52
大平 圭介(オオダイラ ケイスケ)
太陽光
15
91
内野 隆司(ウチノ タカシ)
秩序と物性
101
知の創生
69
87
内山 博之(ウチヤマ ヒロユキ)
知と構成
114
シミュレーション
91
変換と制御
106
内山 真伸(ウチヤマ マサノブ)
合成と制御
99
大谷 啓太(オオタニ ケイタ)
ナノと物性
96
今村 詮(イマムラ アキラ)
構造と機能物性
116
宇野 毅明(ウノ タケアキ)
知の創生
69
大谷 直子(オオタニ ナオコ)
慢性炎症
31
今村 博臣(イマムラ ヒロミ)
代謝
83
梅澤 泰史(ウメザワ タイシ)
CO2 資源化
10
大塚 基之(オオツカ モトユキ)
慢性炎症
33
今吉 格(イマヨシ イタル)
脳神経回路
34
梅澤 直人(ウメザワ ナオト)
元素戦略
54
大槻 久(オオツキ ヒサシ)
生命モデル
74
井村 考平(イムラ コウヘイ)
光の利用
57
梅谷 俊治(ウメタニ シュンジ)
知の創生
69
大友 明(オオトモ アキラ)
ナノと物性
96
入来 篤史(イリキ アツシ)
知と構成
114
梅津 桂子(ウメヅ ケイコ)
遺伝と変化
113
大友 純(オオトモ ジュン)
細胞と情報
118
96
梅津 光央(ウメツ ミツオ)
ナノシステム
60
大野 和則(オオノ カズノリ)
知の創生
68
梅津 理恵(ウメツ リエ)
元素戦略
55
大野 工司(オオノ コウジ)
分子技術
52
48
66
104
76
57
100
大武 美保子(オオタケ ミホコ)
岩井 伸一郎(イワイ シンイチロウ) ナノと物性
9
岩井 優和(イワイ マサカズ)
二酸化炭素資源化
岩浦 里愛(イワウラ リカ)
構造制御
85
梅名 泰史(ウメナ ヤスフミ)
物質変換
20
大野 武雄(オオノ タケオ)
ナノエレ
岩倉 いずみ(イワクラ イズミ)
光の利用
57
梅野 太輔(ウメノ ダイスケ)
藻類バイオエネルギー
13
横野 照尚(オオノ テルヒサ)
物質変換
岩坂 正和(イワサカ マサカズ)
藻類バイオエネルギー
13
梅原 崇史(ウメハラ タカシ)
細胞構成
29
大野 英男(オオノ ヒデオ)
構造と機能物性
岩崎 秀雄(イワサキ ヒデオ)
生命システム
81
梅山 有和(ウメヤマトモカズ)
太陽光
16
大野 雅史(オオノ マサシ)
構造機能
88
岩崎 博史(イワサキ ヒロシ)
素過程と連携
112
浦 聖恵(ウラ キヨエ)
エピジェネティクス
38
大野 雄高(オオノ ユタカ)
ナノと物性
96
岩里 琢治(イワサト タクジ)
認識と形成
100
浦野 泰照(ウラノ ヤステル)
構造機能
87
大羽 成征(オオバ シゲユキ)
知の創生
岩島 牧夫(イワシマ マキオ)
細胞と情報
118
海野 雅司(ウンノ マサシ)
生命現象
86
大場 正昭(オオバ マサアキ)
秩序と物性
岩田 淳(イワタ アツシ)
エピジェネティクス
39
情報と細胞機能
生命システム
82
え
大場 雄介(オオバ ユウスケ)
岩楯 好昭(イワダテ ヨシアキ)
岩長 祐伸(イワナガ マサノブ)
光の利用
51
江口 直美(エグチ ナオミ)
遺伝と変化
岩部 真人(イワブ マサト)
恒常性
24
江口 美陽(エグチ ミハル)
光の利用
113
59
20
116
68
101
94
大日向 康秀(オオヒナタ ヤスヒデ) iPS
42
大洞 將嗣(オオホラ マサツグ)
慢性炎症
31
大村 英樹(オオムラ ヒデキ)
光創成
84
121
大森 隆司(オオモリ タカシ)
知と構成
大森 義裕(オオモリ ヨシヒロ)
脳神経回路
大矢 晃久(オオヤ アキヒサ)
相互作用と賢さ
大矢 忍(オオヤ シノブ)
界面
大矢 禎一(オオヤ ヨシカズ)
素過程と連携
岡 寿樹(オカ ヒサキ)
光の利用
岡崎 俊也(オカザキトシヤ)
114
小田 洋一(オダ ヨウイチ)
形とはたらき
35
小田 祥久(オダ ヨシヒサ)
二酸化炭素資源化
小野 倫也(オノトモヤ)
相界面
尾上 慎弥(オノウエ シンヤ)
110
99
金井 求(カナイ モトム)
合成と制御
9
金井 好克(カナイ ヨシカツ)
素過程と連携
7
金井 良太(カナイリョウタ)
情報環境
67
ナノテク融合
92
金谷 一朗(カナヤ イチロウ)
デジタルメディア
89
尾上 順(オノエ ジュン)
ナノと物性
96
金子 智行(カネコトモユキ)
生命現象
86
58
小畑 秀一(オバタ シュウイチ)
知と構成
114
金田 篤志(カネダ アツシ)
エピジェネティクス
38
構造制御
85
小比賀 聡(オビカ サトシ)
構造機能
87
金田 るり(カネダ ルリ)
エピジェネティクス
40
岡崎 直観(オカザキ ナオアキ)
情報環境
67
尾松 孝茂(オマツ タカシゲ)
光創成
84
鐘巻 将人(カネマキ マサト)
細胞構成
30
岡澤 均(オカザワ ヒトシ)
タイムシグナルと制御
105
小山 時隆(オヤマトキタカ)
生命システム
82
狩野 旬(カノ ジュン)
相界面
小笠原 慎治(オガサワラ シンジ)
光の利用
狩野 芳伸(カノ ヨシノブ)
情報環境
67
102
78
112
58
Oliver B. Wright(オリバー ライト) 場と反応
小笠原 寛人(オガサワラ ヒロヒト) 界面
78
恩田 健(オンダ ケン)
岡田 純平(オカダ ジュンペイ)
元素戦略
56
岡田 大助(オカダ ダイスケ)
知と構成
114
か
岡田 峰陽(オカダ タカハル)
慢性炎症
32
Karthaus Olaf(カートハウス オラフ) 組織化と機能
尾形 哲也(オガタ テツヤ)
情報環境
65
海住 英生(カイジユウ ヒデオ)
次世代デバイス
岡田 直也(オカダ ナオヤ)
ナノエレ
48
加賀美 聡(カガミ サトシ)
情報基盤と利用環境
緒方 広明(オガタ ヒロアキ)
情報環境
65
加川 貴俊(カガワ タカトシ)
素過程と連携
岡田 真人(オカダ マサト)
協調と制御
垣内 史敏(カキウチ フミ
トシ)
合成と制御
99
岡田 美智雄(オカダ ミチオ)
界面
78
柿本 辰男(カキモト タツオ)
認識と形成
100
岡田 由紀(オカダ ユキ)
エピジェネティクス
38
角五 彰(カクゴ アキラ)
ナノシステム
岡田 義広(オカダ ヨシヒロ)
104
20
加納 英明(カノウ ヒデアキ)
8
生命現象
86
細胞構成
28
生命現象
86
加納 ふみ(カノウ フミ)
107
鹿野田 一司(カノダ カズシ)
状態と変革
111
74
鹿又 宣弘(カノマタ ノブヒロ)
形とはたらき
110
95
椛島 健治(カバシマ ケンジ)
恒常性
24
112
鎌倉 昌樹(カマクラ マサキ)
恒常性
24
鎌田 香織(カマタ カオリ)
構造制御
85
鎌田 恭輔(カマダ キヨウスケ)
脳情報
60
上池 伸徳(カミイケ ノブノリ)
細胞と情報
影島 賢巳(カゲシマ マサミ)
構造機能
87
上川内 あづさ(カミコウチ アヅサ) 脳情報
生命現象
86
景山 義之(カゲヤマ ヨシユキ)
分子技術
52
神谷 厚輝(カミヤ コウキ)
細胞構成
光と制御
98
筧 慎治(カケヒ シンジ)
協調と制御
104
神谷 年洋(カミヤトシヒロ)
機能と構成
協調と制御
104
物質変換
115
112
45
118
46
30
岡野 俊行(オカノトシユキ)
103
協調と制御
104
筧 康明(カケヒ ヤスアキ)
デジタルメディア
89
亀井 康富(カメイ ヤストミ)
情報と細胞機能
94
知と構成
114
影山 裕二(カゲヤマ ユウジ)
RNA
77
亀川 厚則(カメガワ アツノリ)
元素戦略
56
岡部 弘基(オカベ コウキ)
細胞構成
29
葛西 誠也(カサイ セイヤ)
次世代デバイス
74
亀山 幸義(カメヤマ ユキヨシ)
機能と構成
岡部 誠(オカベ マコト)
知の創生
69
笠井 均(カサイ ヒトシ)
ナノ製造
79
茅 元司(カヤ モトシ)
細胞構成
岡村 康司(オカムラ ヤスシ)
知と構成
114
笠原 浩二(カサハラ コウジ)
タイムシグナルと制御
105
榧木 啓人(カヤキ ヨシヒト)
変換と制御
106
岡本 晃充(オカモト アキミツ)
エピジェネティクス
38
笠原 博幸(カサハラ ヒロユキ)
二酸化炭素資源化
9
河合 明雄(カワイ アキオ)
状態と変革
111
太陽光
15
笠原 竜四郎(カサハラ リュウシロウ)
CO2 資源化
10
河合 栄治(カワイ エイジ)
機能と構成
103
光作用
80
梶 弘典(カジ ヒロノリ)
秩序と物性
101
川井 清彦(カワイ キヨヒコ)
分子技術
52
岡本 敏宏(オカモトトシヒロ)
分子技術
52
梶川 浩太郎(カジカワ コウタロウ) 光と制御
98
川井 茂樹(カワイ シゲキ)
分子技術
52
岡本 博(オカモト ヒロシ)
状態と変革
111
鹿島 久嗣(カシマ ヒサシ)
知の創生
69
河合 英敏(カワイ ヒデトシ)
構造制御
85
小川 晋(オガワ ススム)
状態と変革
111
梶村 真吾(カジムラ シンゴ)
恒常性
23
川内 健史(カワウチ タケシ)
脳神経回路
34
小川 琢治(オガワ タクジ)
組織化と機能
107
梶本 裕之(カジモト ヒロユキ)
情報環境
65
川上 勝(カワカミ マサル)
生命現象
86
小川 哲生(オガワ テツオ)
状態と変革
111
柏山 祐一郎(カシヤマ ユウイチロウ)
藻類バイオエネルギー
13
川北 素子(カワキタ モトコ)
数学
小川 朋宏(オガワトモヒロ)
量子と情報
90
片岡 宏(カタオカ ヒロシ)
iPS
42
河口 仁司(カワグチ ヒトシ)
状態と変革
111
小川 宏人(オガワ ヒロト)
脳情報
45
片桐 孝洋(カタギリ タカヒロ)
情報基盤と利用環境
95
川口 正代司(カワグチ マサヨシ)
素過程と連携
112
小川 誠(オガワ マコト)
場と反応
115
片田 直伸(カタダ ナオノブ)
変換と制御
川口 寧(カワグチ ヤスシ)
生体と制御
98
小川 瑞史(オガワ ミズヒト)
機能と構成
103
片平 正人(カタヒラ マサト)
構造制御
川口 義弥(カワグチ ヨシヤ)
認識と形成
100
川崎 一郎(カワサキ イチロウ)
認識と形成
100
川崎 信二(カワサキ シンジ)
細胞と情報
118
114
川崎 能彦(カワサキ タカヒコ)
認識と形成
100
23
川﨑 忠寛(カワサキ タダヒロ)
界面
107
河崎 洋志(カワサキ ヒロシ)
生命システム
74
川崎 雅司(カワサキ マサシ)
光と物質
117
岡ノ谷 一夫(オカノヤ カズオ)
103
28
岡本 晃一(オカモト コウイチ)
荻 博次(オギ ヒロツグ)
生命現象
86
片山 栄作(カタヤマ エイサク)
形とはたらき
沖 昌也(オキ マサヤ)
エピジェネティクス
38
片山 哲郎(カタヤマ テツロウ)
太陽光
小木曽 学(オギソ マナブ)
細胞と情報
118
片山 正純(カタヤマ マサズミ)
知と構成
奥田 哲治(オクダ テツジ)
構造制御
85
片山 義雄(カタヤマ ヨシオ)
恒常性
奥地 拓生(オクチ タクオ)
状態と変革
111
片山 佳樹(カタヤマ ヨシキ)
組織化と機能
奥津 哲夫(オクツ テツオ)
光の利用
58
片山 竜二(カタヤマ リユウジ)
次世代デバイス
106
85
110
17
76
78
81
小椋 俊彦(オグラトシヒコ)
生命現象
86
片寄 晴弘(カタヨセ ハルヒロ)
協調と制御
104
川崎 雅司(カワサキ マサシ)
素過程と連携
112
奥脇 暢(オクワキ ミツル)
RNA
77
香月 浩之(カツキ ヒロユキ)
光の利用
59
川嶋 稔夫(カワシマトシオ)
情報と知
108
小江 誠司(オゴウ セイジ)
変換と制御
光作用
80
川島 博人(カワシマ ヒロト)
代謝
生越 友樹(オゴシトモキ)
超空間制御
50
光と制御
98
川田 薫(カワダ カオル)
構造と機能物性
尾坂 格(オサカ イタル)
太陽光
16
桂川 眞幸(カツラガワ マサユキ)
光創成
84
河津 信一郎(カワヅ シンイチロウ) 生体と制御
97
小坂 仁(オサカ ヒトシ)
情報と細胞機能
94
加藤 薫(カトウ カオル)
認識と形成
100
川野 聡恭(カワノ サトユキ)
シミュレーション
91
小阪田 泰子(オサカダ ヤスコ)
光の利用
59
協調と制御
104
河野 剛士(カワノ タケシ)
脳情報
46
尾笹 一成(オザサ カズナリ)
構造と機能物性
情報と知
108
河野 行雄(カワノ ユキオ)
構造機能
87
長田 健介(オサダ ケンスケ)
分子技術
加藤 伸郎(カトウ ノブオ)
知と構成
114
川端 重忠(カワバタ シゲタダ)
生体と制御
97
長田 実(オサダ ミノル)
秩序と物性
加藤 太陽(カトウ ヒロアキ)
エピジェネティクス
38
河原 達也(カワハラ タツヤ)
協調と制御
104
小山内 崇(オサナイ タカシ)
藻類バイオエネルギー
12
加藤 博己(カトウ ヒロキ)
慢性炎症
33
河原 吉伸(カワハラ ヨシノブ)
知の創生
70
長船 健二(オサフネ ケンジ)
iPS
41
加藤 昌子(カトウ マサコ)
状態と変革
111
川村 稔(カワムラ ミノル)
界面
78
生命現象
86
加藤 大(カトウ マサル)
ナノテク融合
92
川山 巌(カワヤマ イワオ)
次世代デバイス
74
生体分子
93
加藤 雄一郎(カトウ ユウイチロウ) 光作用
80
寒川 義裕(カンガワ ヨシヒロ)
次世代デバイス
小関 泰之(オゼキ ヤスユキ)
光の利用
58
角谷 寛(カドタニ ヒロシ)
情報と細胞機能
94
神崎 亮平(カンザキ リョウヘイ)
知と構成
小田 俊理(オダ シュンリ)
構造と機能物性
香取 秀俊(カトリ ヒデトシ)
光と制御
98
神田 英輝(カンダ ヒデキ)
藻類バイオエネルギー
106
83
勝藤 拓郎(カツフジ タクロウ)
116
加藤 和彦(カトウ カズヒコ)
116
51
101
小澤 岳昌(オザワ タケアキ)
122
116
74
114
12
菅野 達夫(カンノ タツオ)
エピジェネティクス
39
き
工藤 成史(クドウ セイシ)
細胞と情報
118
国嶋 崇隆(クニシマ ムネタカ)
変換と制御
106
久場 敬司(クバ ケイジ)
恒常性
24
久場 博司(クバ ヒロシ)
脳神経回路
35
越野 和樹(コシノ カズキ)
光創成
古賀 誠人(コガ マコト)
形とはたらき
110
タイムシグナルと制御
105
遺伝と変化
113
小阪 美津子(コサカ ミツコ)
75
84
木賀 大介(キガ ダイスケ)
生命モデル
菊地 和也(キクチ カズヤ)
タイムシグナルと制御
105
久保 敦(クボ アツシ)
光創成
84
小島 大輔(コジマ ダイスケ)
光の利用
59
菊池 裕嗣(キクチ ヒロツグ)
組織化と機能
107
久保 稔(クボ ミノル)
構造生命科学
26
小島 秀子(コシマ ヒデコ)
光と物質
117
木口 学(キグチ マナブ)
界面
78
久保 百司(クボ モモジ)
シミュレーション
91
小島 正己(コジマ マサミ)
知と構成
114
岸上 哲士(キシガミ サトシ)
iPS
41
久保 由治(クボ ユウジ)
形とはたらき
小杉 厚(コスギ アツシ)
細胞と情報
118
岸田 昭世(キシダ ショウセイ)
素過程と連携
112
久保 若奈(クボ ワカナ)
太陽光
17
小平 哲也(コダイラ テツヤ)
秩序と物性
101
岸田 英夫(キシダ ヒデオ)
秩序と物性
101
久保田 直行(クボタ ナオユキ)
相互作用と賢さ
102
小寺 一平(コテラ イッペイ)
構造機能
87
岸本 章宏(キシモト アキヒロ)
知の創生
68
久保田 浩行(クボタ ヒロユキ)
恒常性
24
小寺 哲夫(コデラ テツオ)
ナノシステム
62
岸本 哲夫(キシモト テツオ)
光の利用
59
久万 亜紀子(クマ アキコ)
恒常性
23
古寺 哲幸(コデラ ノリユキ)
構造生命
27
岸本 直子(キシモト ナオコ)
生命モデル
75
熊谷 善博(クマガイ ヨシヒロ)
遺伝と変化
113
後藤 敦(ゴトウ アツシ)
光作用
80
吉瀬 謙二(キセ ケンジ)
情報基盤と利用環境
95
熊倉 光孝(クマクラ ミツタカ)
光創成
84
後藤 聡(ゴトウ サトシ)
情報と細胞機能
喜多 浩之(キタ コウジ)
相界面
6
熊崎 茂一(クマザキ シゲイチ)
物質変換
19
後藤 真孝(ゴトウ マサタカ)
情報と知
109
北川 宏(キタガワ ヒロシ)
秩序と物性
101
組頭 広志(クミガシラ ヒロシ)
次世代デバイス
74
後藤 雅宏(ゴトウ マサヒロ)
変換と制御
106
協調と制御
104
倉石 貴透(クライシ タカユキ)
慢性炎症
33
後藤 佑樹(ゴトウ ユウキ)
細胞構成
知と構成
114
倉橋 隆(クラハシ タカシ)
素過程と連携
110
94
28
北澤 茂(キタザワ シゲル)
112
タイムシグナルと制御
105
後藤 由季子(ゴトウ ユキコ)
北城 圭一(キタジョウ ケイイチ)
脳情報
45
栗崎 晃(クリサキ アキラ)
iPS
42
素過程と連携
112
北野 潤(キタノ ジュン)
エピジェネティクス
39
栗栖 源嗣(クリス ゲンジ)
物質変換
19
小西 克明(コニシ カツアキ)
変換と制御
106
北野 晴久(キタノ ハルヒサ)
量子と情報
90
栗田 雄一(クリタ ユウイチ)
情報環境
67
小西 玄一(コニシ ゲンイチ)
元素戦略
54
北畑 裕之(キタハタ ヒロユキ)
数学
76
栗原 和枝(クリハラ カズエ)
構造と機能物性
116
小畠 誠也(コバタケ セイヤ)
構造制御
85
北畠 真(キタバタケ マコト)
RNA
77
Glueck Robert(グリュック ロバート) 機能と構成
103
小早川 高(コバヤカワ コウ)
脳神経回路
34
北畠 康司(キタバタケ ヤスジ)
iPS
42
紅林 秀和(クレバヤシ ヒデカズ)
元素戦略
56
小早川 令子(コバヤカワ レイコ)
生命システム
81
脳情報
45
黒川 康良(クロカワ ヤスヨシ)
太陽光
17
小林 厚志(コバヤシ アツシ)
相界面
生命現象
86
黒木 進(クロキ ススム)
情報と知
108
小林 一也(コバヤシ カズヤ)
形とはたらき
北本 朝展(キタモト アサノブ)
知の創生
69
黒田 章夫(クロダ アキオ)
変換と制御
108
小林 玄器(コバヤシ ゲンキ)
元素戦略
56
北森 武彦(キタモリ タケヒコ)
状態と変革
協調と制御
104
小林 健二(コバヤシ ケンジ)
構造制御
85
遺伝と変化
113
小林 慎(コバヤシ シン)
エピジェネティクス
40
量子と情報
90
小林 諶三(コバヤシ ジンゾウ)
構造と機能物性
116
109
小林 高範(コバヤシ タカノリ)
二酸化炭素資源化
77
小林 徹也(コバヤシ テツヤ)
生命モデル
7
喜多村 和郎(キタムラ カズオ)
111
110
黒田 真也(クロダ シンヤ)
光と制御
98
木塚 徳志(キヅカトクシ)
状態と変革
111
黒田 隆(クロダ タカシ)
木津川 尚史(キツカワ タカシ)
生命システム
81
黒橋 禎夫(クロハシ サダオ)
情報と知
城戸 隆(キド タカシ)
情報環境
66
黒柳 秀人(クロヤナギ ヒデヒト)
RNA
木戸秋 悟(キドアキ サトル)
ナノシステム
61
桑名 貴(クワナ タカシ)
遺伝と変化
113
小林 光(コバヤシ ヒカル)
場と反応
115
木下 賢吾(キノシタ ケンゴ)
生体分子
93
桑原 一彦(クワハラ カズヒコ)
認識と形成
100
小林 宏(コバヤシ ヒロシ)
相互作用と賢さ
102
木下 俊則(キノシタトシノリ)
代謝
83
桑原 英樹(クワハラ ヒデキ)
状態と変革
111
小林 康(コバヤシ ヤスシ)
脳神経回路
34
木下 俊哉(キノシタトシヤ)
光創成
84
桒原 正靖(クワハラ マサヤス)
構造機能
小林 貴訓(コバヤシ ヨシノリ)
情報環境
67
木下 専(キノシタ マコト)
生体分子
93
龔 剣萍(グン チェンピン)
組織化と機能
小林 航(コバヤシ ワタル)
次世代デバイス
74
金 宗潤(キム ジョンユーン)
認識と形成
100
金 賢得(キム ヒヨンドウツ)
超空間制御
50
け
木村 朝子(キムラ アサコ)
デジタルメディア
89
Gerhard Fasol(ゲルハルド ファーソル) 構造と機能物性
木村 建次郎(キムラ ケンジロウ)
ナノシステム
61
木村 幸太郎(キムラ コウタロウ)
生命システム
81
木村 真一(キムラ シンイチ)
状態と変革
木村 浩之(キムラ ヒロユキ)
藻類バイオエネルギー
木村 睦(キムラ ムツミ)
組織化と機能
木村 好里(キムラ ヨシサト)
組織化と機能
木本 路子(キモト ミチコ)
分子技術
111
87
107
太陽光
9
75
16
小堀 康博(コボリ ヤスヒロ)
状態と変革
116
こ
103
111
駒井 章治(コマイ シヨウジ)
脳情報
45
駒谷 和範(コマタニ カズノリ)
情報環境
66
小松 晃之(コマツ テルユキ)
構造制御
87
小松 徹(コマツトオル)
疾患代謝
22
胡 振江(コ シンコウ)
機能と構成
後安 美紀(ゴアン ミキ)
デジタルメディア
89
小松 雅明(コマツ マサアキ)
代謝
83
107
小池 千恵子(コイケ チエコ)
生命システム
82
小宮山 尚樹(コミヤマ タカキ)
脳神経回路
35
107
小池 康晴(コイケ ヤスハル)
協調と制御
小村 豊(コムラ ユタカ)
生命システム
52
小磯 深幸(コイソ ミユキ)
数学
76
小森 和弘(コモリ カズヒロ)
場と反応
115
107
110
14
104
81
清川 悦子(キヨカワ エツコ)
組織化と機能
後飯塚 僚(ゴイツカ リョウ)
遺伝と変化
113
小守 壽文(コモリトシヒサ)
形とはたらき
清光 智美(キヨミツトモミ)
細胞構成
30
小出 剛(コイデ ツヨシ)
形とはたらき
110
小柳 光正(コヤナギ ミツマサ)
細胞構成
30
桐山 孝司(キリヤマ タカシ)
デジタルメディア
89
侯 召民(コウ ショウミン)
合成と制御
99
小山 行一(コヤマ コウイチ)
場と反応
115
金道 敏樹(キンドウトシキ)
知と構成
114
高坂 智之(コウサカトモユキ)
生命システム
81
是枝 聡肇(コレエダ アキトシ)
光の利用
59
金原 数(キンバラ カズシ)
光と制御
98
好田 誠(コウダ マコト)
界面
78
昆 隆英(コン タカヒデ)
構造生命科学
幸谷 愛(コウタニ アイ)
慢性炎症
33
近藤 滋(コンドウ シゲル)
遺伝と変化
113
96
く
26
上妻 幹男(コウヅマ ミキオ)
光と制御
98
近藤 高志(コンドウ タカシ)
ナノと物性
草野 都(クサノミヤコ)
CO2 資源化
10
河野 健二(コウノ ケンジ)
情報と知
109
近藤 剛弘(コンドウ タカヒロ)
元素戦略
櫛引 俊宏(クシビキトシヒロ)
光創成
84
河野 淳一郎(コウノ ジュンイチロウ)
状態と変革
111
近藤 久雄(コンドウ ヒサオ)
形とはたらき
110
串山 久美子(クシヤマ クミコ)
デジタルメディア
89
河野 真治(コウノ シンジ)
機能と構成
103
近藤 倫生(コンドウ ミチオ)
生命モデル
75
楠 房子(クスノキ フサコ)
情報と知
108
河野 崇(コウノ タカシ)
脳情報
45
近藤 豊(コンドウ ユタカ)
エピジェネティクス
39
葛谷 明紀(クズヤ アキノリ)
分子技術
51
河野 秀俊(コウノ ヒデトシ)
ナノテク融合
92
今場 司朗(コンバ シロウ)
構造制御
85
17
郡 宏(コオリ ヒロシ)
数学
76
75
古賀 貴亮(コガ タカアキ)
ナノと物性
96
さ
102
古賀 信康(コガ ノブヤス)
細胞構成
30
雑賀 哲行(サイカ テツユキ)
光と物質
117
沓掛 健太朗(クツカケ ケンタロウ) 太陽光
沓掛 展之(クツカケ ノブユキ)
生命モデル
工藤 卓(クドウ スグル)
相互作用と賢さ
56
123
齋木 潤(サイキ ジュン)
協調と制御
104
佐藤 一郎(サトウ イチロウ)
情報と知
西城 忍(サイジョウ シノブ)
慢性炎症
31
佐藤 一誠(サトウ イッセイ)
ビッグデータ
西條 雄介(サイジョウ ユウスケ)
CO2 資源化
11
佐藤 いまり(サトウ イマリ)
デジタルメディア
財津 慎一(ザイツ シンイチ)
光の利用
58
佐藤 和則(サトウ カズノリ)
齋藤 彰(サイトウ アキラ)
界面
78
斉藤 朝輝(サイトウ アサキ)
数学
76
齊藤 英治(サイトウ エイジ)
次世代デバイス
斎藤 恭一(サイトウ キョウイチ)
形とはたらき
齋藤 都暁(サイトウ クニアキ)
エピジェネティクス
斉藤 圭亮(サイトウ ケイスケ)
渋谷 彰(シブヤ アキラ)
タイムシグナルと制御
105
64
澁谷 浩司(シブヤ ヒロシ)
遺伝と変化
113
89
嶋 盛吾(シマ セイゴ)
物質変換
元素戦略
54
島田 敏宏(シマダトシヒロ)
状態と変革
佐藤 克明(サトウ カツアキ)
慢性炎症
32
島野 美保子(シマノミホコ)
知の創生
68
佐藤 記一(サトウ キイチ)
構造機能
88
島野 亮(シマノリョウ)
構造機能
87
74
佐藤 健(サトウ ケン)
生体分子
93
島本 勇太(シマモト ユウタ)
細胞構成
29
110
佐藤 智(サトウ サトシ)
細胞と情報
118
清水 明(シミズ アキラ)
量子と情報
90
39
佐藤 理史(サトウ サトシ)
情報と知
108
清水 亮介(シミズ リョウスケ)
光創成
84
藻類バイオエネルギー
14
佐藤 茂雄(サトウ シゲオ)
協調と制御
104
下島 圭子(シモジマ ケイコ)
iPS
42
齋藤 健一(サイトウ ケンイチ)
構造制御
85
佐藤 俊介(サトウ シュンスケ)
物質変換
20
下田 修義(シモダ ノブヨシ)
タイムシグナルと制御
105
齊藤 健二(サイトウ ケンジ)
ナノシステム
61
佐藤 隆(サトウ タカシ)
脳神経回路
36
下村 伊一郎(シモムラ イイチロウ) タイムシグナルと制御
105
齊藤 尚平(サイトウ ショウヘイ)
分子技術
51
佐藤 卓(サトウ タク)
恒常性
24
下山 淳一(シモヤマ ジュンイチ)
秩序と物性
101
斉藤 貴志(サイトウ タカシ)
慢性炎症
33
佐藤 琢哉(サトウ タクヤ)
光の利用
59
周 豪慎(シュウ ゴウシン)
光と制御
斎藤 毅(サイトウ タケシ)
ナノ製造
79
佐藤 匡史(サトウ タダシ)
構造生命
27
徐 超男(ジョ チョウナン)
変換と制御
斎藤 英雄(サイトウ ヒデオ)
情報と知
109
佐藤 寿倫(サトウトシノリ)
情報基盤と利用環境
95
東海林 篤(ショウジ アツシ)
光の利用
59
齋藤 秀和(サイトウ ヒデカズ)
界面
78
佐藤 久子(サトウ ヒサコ)
界面
78
昌子 浩登(ショウジ ヒロト)
生命モデル
75
斎藤 通紀(サイトウ ミチノリ)
情報と細胞機能
94
佐藤 寛子(サトウ ヒロコ)
情報と知
108
白石 誠司(シライシ マサシ)
次世代デバイス
74
齊藤 実(サイトウ ミノル)
タイムシグナルと制御
佐藤 純(サトウ マコト)
脳神経回路
35
白壁 恭子(シラカベ キョウコ)
生命システム
82
佐伯 昭紀(サエキ アキノリ)
太陽光
15
佐藤 正晃(サトウ マサアキ)
細胞構成
29
白澤 徹郎(シラサワ テツロウ)
相界面
佐伯 久美子(サエキ クミコ)
恒常性
23
佐藤 政充(サトウ マサミツ)
生命システム
82
白根 道子(シラネ ミチコ)
情報と細胞機能
94
酒井 達也(サカイ タツヤ)
代謝
83
佐藤 守俊(サトウ モリトシ)
構造機能
87
白幡 直人(シラハタ ナオト)
ナノシステム
61
坂上 貴洋(サカウエ タカヒロ)
数学
76
佐藤 有紀(サトウ ユキ)
細胞構成
30
沈 建仁(シン ケンジン)
生体分子
93
坂上 雅道(サカガミ マサミチ)
協調と制御
104
佐藤 豊(サトウ ユタカ)
RNA
77
沈 青(シン セイ)
太陽光
15
坂口 志文(サカグチ シモン)
細胞と情報
118
佐藤 義倫(サトウ ヨシノリ)
ナノ製造
79
新藏 礼子(シンクラ レイコ)
恒常性
23
坂口 末廣(サカグチ スエヒロ)
生体と制御
97
眞田 佳門(サナダ ヨシカド)
生命システム
81
新藤 隆行(シンドウ タカユキ)
代謝
坂口 浩司(サカグチ ヒロシ)
構造制御
85
佐野 充(サノミツル)
構造と機能物性
新藤 充(シンドウ ミツル)
変換と制御
坂口 博信(サカグチ ヒロノブ)
知と構成
114
新矢 恭子(シンヤ キョウコ)
生命システム
坂上 貴之(サカジョウ タカシ)
数学
阪本 英二(サカモト エイジ)
形とはたらき
坂本 比呂志(サカモト ヒロシ)
知の創生
坂本 雅典(サカモト マサノリ)
物質変換
105
109
116
慢性炎症
33
代謝
82
18
111
98
106
8
83
106
81
佐野 元昭(サノ モトアキ)
76
110
113
佐邊 壽孝(サベ ヒサタカ)
遺伝と変化
69
澤 智裕(サワトモヒロ)
慢性炎症
20
澤 斉(サワ ヒトシ)
素過程と連携
50
澤井 哲(サワイ サトシ)
細胞構成
澤口 俊之(サワグチトシユキ)
細胞と情報
118
31
112
28
す
76
水藤 寛(スイトウ ヒロシ)
数学
末岡 和久(スエオカ カズヒサ)
場と反応
115
末田 慎二(スエダ シンジ)
生命現象
86
末谷 大道(スエタニ ヒロミチ)
脳情報
44
阪本 康弘(サカモト ヤスヒロ)
超空間制御
相樂 隆正(サガラ タカマサ)
組織化と機能
作田 絵里(サクダ エリ)
物質変換
20
澤田 新一郎(サワダ シンイチロウ) 遺伝と変化
113
末次 志郎(スエツグ シロウ)
生命システム
81
佐久間 淳(サクマ ジュン)
知の創生
69
澤田 誠(サワダ マコト)
知と構成
114
末次 正幸(スエツグ マサユキ)
細胞構成
28
櫻井 和朗(サクライ カズオ)
組織化と機能
107
澤村 正也(サワムラ マサヤ)
合成と制御
末益 崇(スエマス タカシ)
界面
78
櫻井 岳暁(サクライ タケアキ)
太陽光
17
SangL
iwen(サン リウエン)
相界面
菅波 孝祥(スガナミタカヨシ)
慢性炎症
33
櫻井 英博(サクライ ヒデヒロ)
ナノ製造
79
山東 信介(サンドウ シンスケ)
脳神経回路
菅原 聡(スガハラ サトシ)
ナノと物性
櫻井 祐子(サクライ ユウコ)
情報環境
67
菅原 研(スガワラ ケン)
相互作用と賢さ
桜井 芳雄(サクライ ヨシオ)
知と構成
114
菅原 路子(スガワラ ミチコ)
生命モデル
75
佐甲 靖志(サコウ ヤスシ)
タイムシグナルと制御
105
杉 拓磨(スギ タクマ)
細胞構成
29
迫野 昌文(サコノ マサフミ)
構造機能
杉浦 美羽(スギウラ ミワ)
物質変換
19
笹井 芳樹(ササイ ヨシキ)
遺伝と変化
疾患代謝
22
笹川 浩美(ササガワ ヒロミ)
知と構成
慢性炎症
31
佐々木 顕(ササキ アキラ)
107
99
7
35
し
96
102
志内 哲也(シウチ テツヤ)
恒常性
24
塩見 淳一郎(シオミジュンイチロウ)
相界面
6
113
塩見 大輔(シオミ ダイスケ)
合成と制御
99
114
志賀 信泰(シガ ノブヤス)
光の利用
58
生命モデル
75
重永 章(シゲナガ アキラ)
疾患代謝
22
杉田 誠(スギタ マコト)
生命システム
佐々木 えりか(ササキ エリカ)
iPS
41
重信 秀治(シゲノブ シュウジ)
代謝
83
杉田 陽一(スギタ ヨウイチ)
知と構成
佐々木 和樹(ササキ カズキ)
エピジェネティクス
40
志沢 雅彦(シザワ マサヒコ)
知と構成
114
杉野目 道紀(スギノメミチノリ)
合成と制御
99
笹木 敬司(ササキ ケイジ)
場と反応
115
七田 崇(シチタ タカシ)
慢性炎症
32
杉原 伸治(スギハラ シンジ)
分子技術
51
佐崎 元(サザキ ゲン)
光の利用
57
忍久保 洋(シノクボ ヒロシ)
合成と制御
99
杉村 薫(スギムラ カオル)
細胞構成
佐々木 純子(ササキ ジュンコ)
慢性炎症
32
篠原 彰(シノハラ アキラ)
タイムシグナルと制御
105
杉本 亜砂子(スギモト アサコ)
素過程と連携
94
88
杉浦 悠毅(スギウラ ユウキ)
81
114
30
112
佐々木 雄彦(ササキ タケヒコ)
情報と細胞機能
篠原 歩(シノハラ アユミ)
協調と制御
104
杉山 和彦(スギヤマ カズヒコ)
光と制御
佐々木 成朗(ササキ ナルオ)
組織化と機能
107
篠原 寛明(シノハラ ヒロアキ)
場と反応
115
杉山 清佳(スギヤマ サヤカ)
脳神経回路
98
35
佐々木 裕次(ササキ ユウジ)
素過程と連携
112
篠原 美都(シノハラ ミ
ト)
細胞構成
30
杉山 智康(スギヤマトモヤス)
RNA
77
69
佐々木 善浩(ササキ ヨシヒロ)
ナノシステム
60
芝 清隆(シバ キヨタカ)
遺伝と変化
113
杉山 将(スギヤマ マサシ)
知の創生
佐瀬 英俊(サゼ ヒデトシ)
エピジェネティクス
38
柴田 崇徳(シバタ タカノリ)
相互作用と賢さ
102
須崎 友文(スサキトモフミ)
次世代デバイス
74
佐田 政隆(サタ マサタカ)
タイムシグナルと制御
105
柴田 貴広(シバタ タカヒロ)
疾患代謝
22
鈴木 淳史(スズキ アツシ)
iPS
41
生命モデル
75
鈴木 一博(スズキ カズヒロ)
慢性炎症
32
6
鈴木 健一(スズキ ケンイチ)
生命システム
82
78
鈴木 健二(スズキ ケンジ)
ナノ製造
79
定金 正洋(サダカネ マサヒロ)
物質変換
19
佐竹 暁子(サタケ アキコ)
生命モデル
75
佐渡 敬(サド タカシ)
タイムシグナルと制御
佐藤 明子(サトウ アキコ)
脳神経回路
36
柴田 穣(シバタ ユタカ)
状態と変革
111
鈴木 健嗣(スズキ ケンジ)
情報環境
67
佐藤 伸(サトウ アキラ)
iPS
42
柴原 慶一(シバハラ ケイイチ)
タイムシグナルと制御
105
鈴木 孝幸(スズキ タカユキ)
生命システム
82
柴田 達夫(シバタ タツオ)
相界面
柴田 直哉(シバタ ナオヤ)
124
105
界面
鈴木 孝禎(スズキ タカヨシ)
エピジェネティクス
38
高橋 考太(タカハシ コウタ)
タイムシグナルと制御
105
楯 真一(タテ シンイチ)
生命現象
86
鈴木 拓(スズキ タク)
構造機能
87
高橋 聡(タカハシ サトシ)
組織化と機能
107
伊達 英俊(ダテ ヒデトシ)
iPS
43
鈴木 匡(スズキ タダシ)
タイムシグナルと制御
105
高橋 晋(タカハシ ススム)
脳情報
44
舘野 高(タテノ タカシ)
生命モデル
75
鈴木 俊法(スズキトシノリ)
状態と変革
111
高橋 倫子(タカハシ ノリコ)
情報と細胞機能
94
鈴木 敏彦(スズキトシヒコ)
生体と制御
97
高橋 英彦(タカハシ ヒデヒコ)
脳情報
44
鈴木 秀幸(スズキ ヒデユキ)
知の創生
69
高橋 宏知(タカハシ ヒロカズ)
脳情報
鈴木 美穂(スズキ ミホ)
エピジェネティクス
38
高橋 弘樹(タカハシ ヒロキ)
形とはたらき
硯川 潤(スズリカワ ジュン)
情報環境
67
高橋 優樹(タカハシ ヒロキ)
光の利用
須田 淳(スダ ジュン)
ナノと物性
96
高橋 文雄(タカハシ フミオ)
須藤 雄気(スドウ ユウキ)
光の利用
57
砂田 茂(スナダ シゲル)
相互作用と賢さ
102
角南 寛(スナミヒロシ)
ナノシステム
角野 歩(スミノ アユミ)
諏訪 正樹(スワ マサキ)
相界面
6
館山 佳尚(タテヤマ ヨシタカ)
44
界面
78
103
田中 清史(タナカ キヨフミ)
機能と構成
田中 敬子(タナカ ケイコ)
生命システム
59
田中 健太郎(タナカ ケンタロウ)
ナノと物性
光の利用
59
田中 光一(タナカ コウイチ)
タイムシグナルと制御
高橋 雅治(タカハシ マサハル)
情報と知
108
高橋 雅英(タカハシ マサヒデ)
光と制御
98
田中 貴志(タナカ タカシ)
慢性炎症
32
62
高橋 和(タカハシ ヤスシ)
次世代デバイス
74
田中 拓男(タナカ タクオ)
光創成
84
構造生命
27
高橋 有紀子(タカハシ ユキコ)
次世代デバイス
74
田中 徹(タナカトオル)
太陽光
16
情報と知
109
高浜 洋介(タカハマ ヨウスケ)
素過程と連携
112
田中 暢明(タナカ ノブアキ)
脳神経回路
36
高間 康史(タカマ ヤスフミ)
相互作用と賢さ
102
田中 秀明(タナカ ヒデアキ)
ナノシステム
61
高松 敦子(タカマツ アツコ)
認識と形成
100
田中 秀和(タナカ ヒデカズ)
ナノと物性
96
田上 英明(タガミヒデアキ)
エピジェネティクス
40
田中 裕人(タナカ ヒロト)
生命システム
81
41
高見澤 淳(タカミザワ アツシ)
ナノシステム
61
田中 裕行(タナカ ヒロユキ)
界面
78
タイムシグナルと制御
105
高見澤 聡(タカミザワ サトシ)
構造制御
85
田中 文英(タナカ フミヒデ)
情報環境
65
瀬川 浩司(セガワ ヒロシ)
場と反応
115
高村 禪(タカムラ ユズル)
ナノと物性
96
田中 冬彦(タナカ フユヒコ)
数学
76
瀬川 浩代(セガワ ヒロヨ)
秩序と物性
101
高谷 光(タカヤ ヒカル)
構造制御
85
関 和彦(セキ カズヒコ)
脳情報
45
高谷 理恵子(タカヤ リエコ)
協調と制御
104
関 修平(セキ シユウヘイ)
光作用
80
高柳 広(タカヤナギ ヒロシ)
生体と制御
97
田中 真樹(タナカ マサキ)
生命システム
81
関 真一郎(セキ シンイチロウ)
元素戦略
56
田川 美穂(タガワ ミホ)
ナノシステム
60
田中 正史(タナカ マサフミ)
素過程と連携
112
田川 陽一(タガワ ヨウイチ)
107
せ
清木 誠(セイキ マコト)
素過程と連携
iPS
112
110
田中 耕一郎(タナカ コウイチロウ) 状態と変革
81
96
105
111
清野 研一郎(セイノ ケンイチロウ)
光と制御
98
場と反応
115
田中 雅明(タナカ マサアキ)
6
生命現象
86
田中 賢(タナカ マサル)
組織化と機能
103
瀧ノ上 正浩(タキノウエ マサヒロ) 細胞構成
28
田中 元雅(タナカ モトマサ)
代謝
118
田口 英樹(タグチ ヒデキ)
生体分子
93
田中 康隆(タナカ ヤスタカ)
場と反応
112
竹内 淳(タケウチ アツシ)
ナノと物性
96
田中 義正(タナカ ヨシマサ)
生体と制御
97
光と制御
98
棚谷 綾(タナタニ アヤ)
構造制御
85
場と反応
115
田部 勢津久(タナベ セツヒサ)
太陽光
42
田辺 誠(タナベ マコト)
情報と知
108
構造機能
87
田辺 康人(タナベ ヤスト)
タイムシグナルと制御
105
元素戦略
55
谷 時雄(タニトキオ )
素過程と連携
112
竹内 俊文(タケウチトシフミ)
ナノテク融合
92
谷 知己(タニトモミ)
生命現象
86
竹内 春樹(タケウチ ハルキ)
細胞構成
30
谷 正彦(タニ マサヒコ)
生命現象
86
竹岡 裕子(タケオカ ユウコ)
秩序と物性
谷内 一郎(タニウチ イチロウ)
生体と制御
97
関口 康爾(セキグチ コウジ)
相界面
関口 龍郎(セキグチ タツロウ)
機能と構成
関野 祐子(セキノ ユウコ)
細胞と情報
関本 弘之(セキモト ヒロユキ)
素過程と連携
瀬高 渉(セタカ ワタル)
光作用
瀬戸 孝俊(セト タカトシ)
構造と機能物性
116
瀬藤 光利(セトウ ミツトシ)
タイムシグナルと制御
105
竹内 純(タケウチ ジュン)
iPS
瀬谷 司(セヤ ツカサ)
遺伝と変化
113
竹内 昌治(タケウチ ショウジ)
芹沢 尚(セリザワ ショウ)
タイムシグナルと制御
105
竹内 恒博(タケウチ ツネヒロ)
芹澤 武(セリザワ タケシ)
構造制御
85
80
83
115
竹内 繁樹(タケウチ シゲキ)
そ
101
15
脳神経回路
34
武川 睦寛(タケカワ ムツヒロ)
情報と細胞機能
94
谷垣 勝己(タニガキ カツミ)
状態と変革
111
合成と制御
99
武田 弘資(タケダ コウスケ)
慢性炎症
31
谷口 弘樹(タニグチ ヒロキ)
脳神経回路
36
形とはたらき
110
武田 壮一(タケダ ソウイチ)
形とはたらき
谷口 正輝(タニグチ マサテル)
構造制御
85
情報と細胞機能
94
武田 憲彦(タケダ ノリヒコ)
慢性炎症
31
谷藤 学(タニフジ マナブ)
知と構成
114
成 耆鉉(ソン キヒョン)
恒常性
23
竹田 正幸(タケダ マサユキ)
情報と知
109
孫 洪波(ソン ホンボ)
光と制御
97
竹中 壮(タケナカ サカエ)
相界面
竹中 充(タケナカ ミツル)
次世代デバイス
武仲 能子(タケナカ ヨシコ)
竹延 大志(タケノブ タイシ)
惣谷 和広(ソウヤ カズヒロ)
袖岡 幹子(ソデオカ ミキコ)
曽根 雅紀(ソネ マサキ)
た
當摩 哲也(タイマ テツヤ)
太陽光
15
110
74
谷山 智康(タニヤマトモヤス)
次世代デバイス
田端 和仁(タバタ カズヒト)
細胞構成
74
田畑 仁(タバタ ヒトシ)
秩序と物性
分子技術
52
田原 一邦(タハラ カズクニ)
分子技術
52
光作用
80
田原 浩昭(タバラ ヒロアキ)
RNA
77
7
28
101
田浦 健次朗(タウラ ケンジロウ)
協調と制御
104
竹林 浩秀(タケバヤシ ヒロヒデ)
脳神経回路
35
田渕 克彦(タブチ カツヒコ)
脳神経回路
34
多賀 厳太郎(タガ ゲンタロウ)
情報と知
109
武部 貴則(タケベ タカノリ)
細胞構成
30
多辺 由佳(タベ ユカ)
状態と変革
111
高木 慎介(タカギ シンスケ)
光の利用
竹本 和広(タケモト カズヒロ)
生命モデル
75
田部井 靖生(タベイ ヤスオ)
ビッグデータ
高倉 伸幸(タカクラ ノブユキ)
タイムシグナルと制御
105
57
竹本 研(タケモト キワム)
脳情報
45
玉井 尚登(タマイ ナオト)
光と物質
117
高桑 雄二(タカクワ ユウジ)
場と反応
115
竹本‐木村 さやか(タケモトーキムラ サヤカ) 脳神経回路
35
玉作 賢治(タマサク ケンジ)
光の利用
58
高坂 繁弘(タカサカ シゲヒロ)
光と制御
98
竹谷 純一(タケヤ ジュンイチ)
界面
78
玉田 篤史(タマダ アツシ)
脳情報
46
高﨑 正也(タカサキ マサヤ)
相互作用と賢さ
但馬 敬介(タジマ ケイスケ)
太陽光
17
田丸 博晴(タマル ヒロハル)
ナノテク融合
92
高島 康弘(タカシマ ヤスヒロ)
iPS
42
多田 政子(タダ マサコ)
素過程と連携
112
民秋 均(タミアキ ヒトシ)
形とはたらき
110
高田 彰二(タカダ ショウジ)
タイムシグナルと制御
105
多々良 源(タタラ ゲン)
ナノテク融合
92
田村 厚夫(タムラ アツオ)
変換と制御
106
高田 輝子(タカダ テルコ)
知の創生
69
舘 知宏(タチトモヒロ)
情報環境
66
田村 浩二(タムラ コウジ)
RNA
77
高田 正基(タカダ マサキ)
界面
78
立川 貴士(タチカワ タカシ)
超空間制御
50
田村 隆志(タムラ タカシ)
数学
76
髙玉 圭樹(タカダマ ケイキ)
情報環境
65
立川 仁典(タチカワ マサノリ)
シミュレーション
91
田村 隆(タムラ タカシ)
藻類バイオエネルギー
高梨 克也(タカナシ カツヤ)
情報環境
65
立花 誠(タチバナ マコト)
エピジェネティクス
39
田森 佳秀(タモリ ヨシヒデ)
知と構成
高野 敦志(タカノ アツシ)
構造制御
85
橘 泰宏(タチバナ ヤスヒロ)
太陽光
15
太野垣 健(タヤガキ タケシ)
太陽光
高野 和文(タカノ カズフミ)
生体分子
93
橘 熊野(タチバナ ユヤ)
CO2 資源化
11
田和 圭子(タワ ケイコ)
場と反応
高野 渉(タカノ ワタル)
情報環境
66
立間 徹(タツマ テツ)
光作用
高橋 克仁(タカハシ カツヒト)
素過程と連携
辰巳 仁史(タツミヒトシ)
知と構成
102
112
64
13
114
15
115
80
114
125
ち
108
戸川 欣彦(トガワ ヨシヒコ)
ナノエレ
48
中島 清隆(ナカジマ キヨタカ)
二酸化炭素資源化
徳田 崇(トクダ タカシ)
脳情報
46
中島 敬二(ナカジマ ケイジ)
二酸化炭素資源化
徳永 信(トクナガ マコト)
形とはたらき
110
永島 賢治(ナガシマ ケンジ)
物質変換
10
9
19
千葉 滋(チバ シゲル )
情報と知
千葉 大地(チバ ダイチ)
ナノシステム
62
徳山 英利(トクヤマ ヒデトシ)
合成と制御
99
中島 震(ナカジマ シン)
機能と構成
千葉 智樹(チバトモキ)
細胞と情報
118
所 裕子(トコロ ヒロコ)
光作用
80
中嶋 隆人(ナカジマ タカヒト)
シミュレーション
91
千葉 由佳子(チバ ユカコ)
二酸化炭素資源化
110
土佐 尚子(トサ ナオコ)
相互作用と賢さ
102
中島 利博(ナカジマトシヒロ)
素過程と連携
112
116
103
千原 崇裕(チハラ タカヒロ)
脳神経回路
34
土佐 正弘(トサ マサヒロ)
構造と機能物性
中島 友紀(ナカシマトモキ)
恒常性
24
茶野 徳宏(チャノトクヒロ)
情報と細胞機能
94
戸島 拓郎(トジマ タクロウ)
脳神経回路
36
中島 康彦(ナカシマ ヤスヒコ)
情報基盤と利用環境
95
太陽光
16
戸田 泰則(トダ ヤスノリ)
ナノと物性
96
中島 裕美子(ナカジマ ユミコ)
物質変換
構造制御
85
戸谷 剛(トタニ ツヨシ)
相界面
斗内 政吉(トノウチ マサヨシ)
状態と変革
泊 幸秀(トマリ ユキヒデ)
RNA
19
江 東林(チャンドンリン)
張 浩徹(チャン ホチョル)
秩序と物性
101
趙 福來(チョウ ボクライ)
量子と情報
90
7
111
中島(神戸)敏明(ナカジマ(カンベ)トシアキ) 変換と制御
中田 和人(ナカダ カズト)
77
情報と細胞機能
合成と制御
106
94
99
中谷 和彦(ナカタニ カズヒコ)
相界面
つ
7
光と物質
117
冨岡 克広(トミオカ カツヒロ)
96
74
長津 雄一郎(ナガツ ユウイチロウ) 相界面
iPS
41
中辻 知(ナカツジ サトル)
元素戦略
8
56
塚越 一仁(ツカゴシ カズヒト)
ナノと物性
塚越 秀行(ツカゴシ ヒデユキ)
相互作用と賢さ
富田 耕造(トミタ コウゾウ)
RNA
77
中戸 晃之(ナカト テルユキ)
変換と制御
塚越 啓央(ツカゴシ ヒロナカ)
二酸化炭素資源化
10
冨田 知志(トミタ サトシ)
ナノテク融合
92
長藤 圭介(ナガトウ ケイスケ)
相界面
元素戦略
56
富永 基樹(トミナガ モトキ)
藻類バイオエネルギー
13
長藤 かおり(ナガトウ カオリ)
数学
界面
78
鞆 達也(トモ タツヤ)
藻類バイオエネルギー
12
中戸川 仁(ナカトガワ ヒトシ)
代謝
構造生命科学
26
朝長 啓造(トモナガ ケイゾウ)
RNA
77
中西 和樹(ナカニシ カズキ)
秩序と物性
塚田 浩二(ツカダ コウジ)
情報環境
66
友納 正裕(トモノウ マサヒロ)
相互作用と賢さ
中西 孝太郎(ナカニシ コウタロウ) 構造生命
27
束田 裕一(ツカダ ユウイチ)
エピジェネティクス
39
豊島 文子(トヨシマ フミコ)
代謝
83
中西 周次(ナカニシ シュウジ)
界面
78
塚谷 祐介(ツカタニ ユウスケ)
藻類バイオエネルギー
14
豊田 太郎(トヨタ タロウ)
ナノシステム
61
中西 淳(ナカニシ ジュン)
生命現象
86
塚本 新(ツカモト アラタ)
次世代デバイス
74
豊田 英尚(トヨダ ヒデナオ)
情報と細胞機能
94
中西 尚志(ナカニシ タカシ)
構造制御
塚谷 裕一(ツカヤ ヒロカズ)
形とはたらき
110
豊田 正嗣(トヨタ マサツグ)
CO2 資源化
11
中西 真人(ナカニシ マヒト)
細胞と情報
辻 幸一(ツジ コウイチ)
構造機能
87
豊田 実(トヨタ ミノル)
情報と細胞機能
94
中西 泰人(ナカニシ ヤスト)
知の創生
辻 俊明(ツジトシアキ)
情報環境
65
鳥居 啓子(トリイ ケイコ)
生命システム
82
永野 惇(ナガノ アツシ)
二酸化炭素資源化
10
辻 勇人(ツジ ハヤト)
元素戦略
55
鳥養 映子(トリカイ エイコ)
構造と機能物性
116
中野 幸司(ナカノ コウジ)
次世代デバイス
74
津島 将司(ツシマ ショウジ)
相界面
108
中野 幸二(ナカノ コウジ)
組織化と機能
津田 明彦(ツダ アキヒコ)
構造制御
85
永野 修作(ナガノ シユウサク)
ナノシステム
土谷 尚嗣(ツチヤ ナオツグ)
脳情報
46
中野 雄司(ナカノ タケシ)
代謝
筒井 秀和(ツツイ ヒデカズ)
脳神経回路
34
中野 環(ナカノ タマキ)
変換と制御
津中 康央(ツナカ ヤスオ)
エピジェネティクス
坪井 昭夫(ツボイ アキオ)
認識と形成
102
富澤 一仁(トミザワ カズヒト)
次世代デバイス
106
8
76
塚﨑 敦(ツカザキ アツシ)
塚崎 智也(ツカザキトモヤ)
物質変換
7
40
鳥澤 健太郎(トリサワ ケンタロウ) 情報と知
鳥本 司(トリモト ツカサ)
光と制御
98
な
Nigel Collier(ナイジェル コリアー)
知の創生
内藤 健(ナイトウ ケン)
二酸化炭素資源化
19
内藤 昌信(ナイトウ マサノブ)
111
100
102
68
83
101
85
118
69
107
61
83
106
93
長野 希美(ナガノ ノゾミ)
生体分子
9
中野 秀之(ナカノ ヒデユキ)
元素戦略
ナノシステム
61
中野 裕康(ナカノ ヒロヤス)
タイムシグナルと制御
内藤 泰久(ナイトウ ヤスヒサ)
ナノ製造
79
長野 方星(ナガノ ホウセイ)
相界面
直田 健(ナオタ タケシ)
合成と制御
99
中野 張(ナカノ ユミハル)
数学
中 暢子(ナカ ノブコ)
光作用
80
長浜 太郎(ナガハマ タロウ)
ナノ製造
光の利用
57
中林 誠一郎(ナカバヤシ セイイチロウ) 光と物質
生体分子
93
中原 潔(ナカハラ キヨシ)
生命システム
81
光創成
84
永松 剛(ナガマツ ゴウ)
iPS
42
55
105
坪井 泰之(ツボイ ヤスユキ)
状態と変革
津村 徳道(ツムラ ノリミチ)
情報基盤と利用環境
95
て
8
76
79
117
永井 健治(ナガイ タケハル)
手木 芳男(テキ ヨシオ)
状態と変革
手塚 建一(テヅカ ケンイチ)
シミュレーション
Defago Xavier(デファゴ クサビエ)
機能と構成
寺尾 潤(テラオ ジユン)
ナノ製造
111
91
永井 正也(ナガイ マサヤ)
103
長井 良憲(ナガイ ヨシノリ)
恒常性
24
中道 範人(ナカミチ ノリヒト)
二酸化炭素資源化
中江 進(ナカエ ススム)
慢性炎症
32
中村 輝(ナカムラ アキラ)
認識と形成
79
変換と制御
106
長尾 隆司(ナガオ タカシ)
知と構成
114
中村 加枝(ナカムラ カエ)
脳情報
状態と変革
111
長尾 忠昭(ナガオ タダアキ)
秩序と物性
101
中村 和弘(ナカムラ カズヒロ)
恒常性
ナノシステム
62
中村 克樹(ナカムラ カツキ)
協調と制御
9
100
44
寺崎 一郎(テラサキ イチロウ)
24
知の創生
68
長尾 祐樹(ナガオ ユウキ)
寺澤 洋子(テラサワ ヒロコ)
情報環境
67
中尾 佳亮(ナカオ ヨシアキ)
二酸化炭素資源化
9
中村 能久(ナカムラ タカヒサ)
慢性炎症
33
寺田 純雄(テラダ スミオ)
生命現象
86
中岡 俊裕(ナカオカトシヒロ)
次世代デバイス
74
中村 崇裕(ナカムラ タカヒロ)
RNA
77
寺田 努(テラダ ツトム)
情報環境
66
中岡 良和(ナカオカ ヨシカズ)
恒常性
24
中村 貴史(ナカムラ タカフミ)
RNA
77
寺西 利治(テラニシトシハル)
組織化と機能
中川 一路(ナカガワ イチロ)
生体と制御
97
中村 卓郎(ナカムラ タクロウ)
遺伝と変化
寺前 順之介(テラマエ ジュンノスケ)
数学
76
中川 真一(ナカガワ シンイチ)
RNA
77
中村 亨(ナカムラトオル)
恒常性
寺村 謙太郎(テラムラ ケンタロウ) 物質変換
20
中川 秀彦(ナカガワ ヒデヒコ)
光の利用
59
中邨 智之(ナカムラトモユキ)
認識と形成
手老 篤史(テロウ アツシ)
生命モデル
75
物質変換
18
寺沢 憲吾(テラサワ ケンゴ)
107
104
113
24
100
協調と制御
104
中村 寿(ナカムラ ヒサシ)
エネルギーキャリア
情報と知
108
中村 浩之(ナカムラ ヒロユキ)
次世代デバイス
5
中越 英樹(ナカゴシ ヒデキ)
知と構成
114
中村 浩幸(ナカムラ ヒロユキ)
知と構成
114
中迫 雅由(ナカサコ マサヨシ)
場と反応
115
中村 史夫(ナカムラ フミオ)
組織化と機能
107
中里 勝芳(ナカザト カツヨシ)
場と反応
115
中村 正治(ナカムラ マサハル)
合成と制御
62
中澤 篤志(ナカザワ アツシ)
情報環境
66
中村 裕一(ナカムラ ユウイチ)
情報と知
62
長澤 純人(ナガサワ スミ
ト)
デジタルメディア
89
中村 友輝(ナカムラ ユウキ)
藻類バイオエネルギー
12
108
中澤 昌美(ナカザワ マサミ)
藻類バイオエネルギー
13
中村 芳明(ナカムラ ヨシアキ)
元素戦略
54
20
中村 佳正(ナカムラ ヨシマサ)
シミュレーション
81
中村 渉(ナカムラ ワタル)
脳神経回路
36
中小路 久美代(ナカコウジ クミヨ)
74
出羽 毅久(デワ タケヒサ)
組織化と機能
107
と
126
藤内 謙光(トウナイ ノリミツ)
ナノシステム
堂野 主税(ドウノ チカラ)
ナノシステム
遠山 元道(トオヤマ モトミチ)
情報と知
富樫 辰也(トガシ タツヤ)
生命モデル
75
長澤 裕(ナガサワ ユタカ)
物質変換
門叶 冬樹(トカナイ フユキ)
情報と細胞機能
94
仲嶋 一範(ナカジマ カズノリ)
素過程と連携
112
99
108
80
中山 健一(ナカヤマ ケンイチ)
光作用
中山 潤一(ナカヤマ ジュンイチ)
タイムシグナルと制御
中山 将伸(ナカヤマ マサノブ)
相界面
長山 雅晴(ナガヤマ マサハル)
数学
76
名越 絵美(ナゴシ エミ)
脳神経回路
36
の
夏目 やよい(ナツメ ヤヨイ)
エピジェネティクス
39
野口 悟(ノグチ サトル)
生津 資大(ナマヅ タカヒロ)
ナノシステム
62
野口 秀典(ノグチ ヒデノリ)
物質変換
行川(濱田)文香(ナメカワ(ハマダ)フミカ)
脳神経回路
36
野口 靖(ノグチ ヤスシ)
デジタルメディア
成川 礼(ナリカワ レイ)
藻類バイオエネルギー
13
野口 祐二(ノグチ ユウジ)
秩序と物性
成田 哲博(ナリタ アキヒロ)
構造生命科学
26
野口 裕(ノグチ ユタカ)
次世代デバイス
74
成瀬 誠(ナルセ マコト)
情報基盤と利用環境
95
野崎 隆行(ノザキ タカユキ)
ナノ製造
79
南任 真史(ナントウ マサシ)
組織化と機能
107
野崎 智義(ノザキトモヨシ)
生体と制御
97
105
7
ね
根本 知己(ネモトトモミ)
生体分子
遺伝と変化
93
服部 光治(ハットリミツハル)
認識と形成
服部 素之(ハットリ モトユキ)
構造生命科学
100
26
Butler Alastair(バトラー アラステア) 知の創生
70
花川 隆(ハナカワ タカシ)
脳情報
44
華山 力成(ハナヤマ リキナリ)
慢性炎症
羽生 義郎(ハニュウ ヨシロウ)
細胞と情報
118
19
浜﨑 浩子(ハマザキ ヒロコ)
認識と形成
100
89
濱崎 万穂(ハマサキ マホ)
構造生命
101
濱田 文彦(ハマダ フミヒコ)
遺伝と変化
113
量子と情報
90
113
濵田 充(ハマダ ミツル)
合成と制御
33
27
99
浜地 格(ハマチ イタル)
野崎(玉尾)京子(ノザキ(タマオ)キョウコ) 変換と制御
に
組織化と機能
106
107
知の創生
70
デジタルメディア
89
浜中 雅俊(ハマナカ マサトシ)
野地 博行(ノジ ヒロユキ)
組織化と機能
光の利用
57
野瀬 嘉太郎(ノセ ヨシタロウ)
太陽光
構造機能
87
野田 五十樹(ノダ イツキ)
情報と知
新留 琢郎(ニイドメ タクロウ)
界面
78
野田 優(ノダ スグル)
新美 輝幸(ニイミ テルユキ)
認識と形成
100
仁木 宏典(ニキ ヒロノリ)
素過程と連携
112
107
16
浜野 正浩(ハマノ マサヒロ)
数学
76
109
浜屋 宏平(ハマヤ コウヘイ)
次世代デバイス
74
次世代デバイス
74
羽村 季之(ハムラトシユキ)
構造制御
85
野田 岳志(ノダ タケシ)
構造生命
27
早川 枝李(ハヤカワ エリ)
生体分子
野々村 真規子(ノノムラ マキコ)
生命モデル
75
早川 和延(ハヤカワ カズノブ)
構造と機能物性
112
新倉 弘倫(ニイクラ ヒロミチ)
SMITH Nicholas,Isaac(ニコラス アイザツク スミス)
光の利用
58
野村 一也(ノムラ カズヤ)
素過程と連携
西 毅(ニシ ツヨシ)
情報と細胞機能
94
野村 淳子(ノムラ ジユンコ)
超空間制御
西浦 博(ニシウラ ヒロシ)
生命モデル
75
西尾 信彦(ニシオ ノブヒコ)
協調と制御
104
西岡 憲一(ニシオカ ケンイチ)
エピジェネティクス
西川 喜代孝(ニシカワ キヨタカ)
西川 俊夫(ニシカワトシオ)
93
116
早川 晃鏡(ハヤカワ テルアキ)
分子技術
52
50
早坂 直人(ハヤサカ ナオト)
脳神経回路
36
野村 慎一郎(ノムラ シンイチロウ) 界面
78
林(高木)朗子(ハヤシ(タカギ)アキコ) 脳神経回路
36
野村 真(ノムラ タダシ)
細胞構成
29
林 克彦(ハヤシ カツヒコ)
エピジェネティクス
40
39
野呂 真一郎(ノロ シンイチロウ)
元素戦略
55
林 重彦(ハヤシ シゲヒコ)
生体分子
生体と制御
97
野呂 知加子(ノロ チカコ)
細胞と情報
林 高史(ハヤシ タカシ)
変換と制御
合成と制御
99
林 久史(ハヤシ ヒサシ)
構造機能
87
林 悠(ハヤシ ユウ)
細胞構成
30
西川(清水)慶子(ニシカワ(シミズ)ケイコ) 形とはたらき
110
118
は
93
106
西坂 崇之(ニシザカ タカユキ)
生体分子
93
橋本 篤司(ハシモト アツシ)
細胞と情報
118
林 勇一郎(ハヤシ ユウイチロウ)
脳情報
44
西田 基宏(ニシダ モトヒロ)
疾患代謝
22
橋本 浩一(ハシモト コウイチ)
協調と制御
104
林 隆介(ハヤシ リュウスケ)
脳情報
45
仁科 勇太(ニシナ ユウタ)
分子技術
52
橋本 浩一(ハシモト コウイチ)
脳神経回路
34
林田 修(ハヤシダ オサム)
構造機能
87
西永 慈郎(ニシナガ ジロウ)
次世代デバイス
74
橋本 主税(ハシモト チカラ)
形とはたらき
110
早瀬 潤子(ハヤセ ジュンコ)
光創成
84
西中 太郎(ニシナカ タロウ)
形とはたらき
110
橋本 典久(ハシモト ノリヒサ)
デジタルメディア
89
早水 裕平(ハヤミズ ユウヘイ)
ナノシステム
62
100
橋本 秀樹(ハシモト ヒデキ)
光と制御
98
原 真二郎(ハラ シンジロウ)
ナノ製造
79
西中村 隆一(ニシナカムラ リュウイチ) 認識と形成
西成 活裕(ニシナリ カツヒロ)
数学
76
橋本 秀紀(ハシモト ヒデキ)
相互作用と賢さ
102
原田 伊知郎(ハラダ イチロウ)
生命システム
81
西野 邦彦(ニシノ クニヒコ)
代謝
83
橋本 政朋(ハシモト マサトモ)
機能と構成
103
原田 達也(ハラダ タツヤ)
情報環境
65
西野 智昭(ニシノトモアキ)
界面
78
橋本 昌宜(ハシモト マサノリ)
情報基盤と利用環境
95
原田 昌晃(ハラダ マサアキ)
数学
西原 寛(ニシハラ ヒロシ)
光と物質
117
蓮尾 一郎(ハスオ イチロウ)
数学
76
原田 康徳(ハラダ ヤスノリ)
情報と知
108
西原 洋知(ニシハラ ヒロトモ)
超空間制御
50
Bi
j
uV・Pi
l
l
a
i(バスデバン ピライ ビジュ) 光の利用
59
原 祐子(ハラ ユウコ)
ナノエレ
48
西増 弘志(ニシマス ヒロシ)
構造生命
27
蓮沼 誠久(ハスヌマトモヒサ)
藻類バイオエネルギー
12
春名 太一(ハルナ タイチ)
数学
76
西村 健(ニシムラ ケン)
RNA
77
長谷 耕二(ハセ コウジ)
エピジェネティクス
39
春野 雅彦(ハルノ マサヒコ)
脳情報
46
西村 智(ニシムラ サトシ)
光の利用
57
長谷 宗明(ハセ ムネアキ)
光創成
84
西村 泰介(ニシムラ タイスケ)
エピジェネティクス
39
長谷川 修(ハセガワ オサム)
相互作用と賢さ
102
ひ
長谷川 修司(ハセガワ シュウジ)
構造と機能物性
116
西村 幸男(ニシムラ ユキオ)
脳情報
45
西村 芳樹(ニシムラ ヨシキ)
RNA
77
西本 一志(ニシモト カズシ)
情報と知
西山 朋子(ニシヤマトモコ)
エピジェネティクス
40
長谷川 健(ハセガワ タケシ)
西山 宣正(ニシヤマ ノリマサ)
元素戦略
55
長谷川 裕之(ハセガワ ヒロユキ) ナノ製造
西山 雅祥(ニシヤマ マサヨシ)
生命現象
86
長谷川 真人(ハセガワ マサヒト)
機能と構成
103
西脇 清二(ニシワキ キヨジ)
遺伝と変化
113
長谷川 祐司(ハセガワ ユウジ)
量子と情報
仁田坂 英二(ニタサカ エイジ)
形とはたらき
110
ナノテク融合
76
51
東口 顕士(ヒガシグチ ケンジ)
分子技術
情報環境
65
東島 眞一(ヒガシジマ シンイチ)
遺伝と変化
デジタルメディア
89
東原 知哉(ヒガシハラトモヤ)
太陽光
16
構造機能
87
東山 繁樹(ヒガシヤマ シゲキ)
情報と細胞機能
94
79
東山 哲也(ヒガシヤマ テツヤ)
生命システム
81
東脇 正高(ヒガシワキ マサタカ)
次世代デバイス
74
90
疋田 貴俊(ヒキダ タカトシ)
脳神経回路
35
92
疋田 正喜(ヒキダ マサキ)
素過程と連携
113
長谷川 晶一(ハセガワ シヨウイチ)
109
112
長谷川 幸雄(ハセガワ ユキオ)
二本柳 聡史(ニホンヤナギ サトシ) 相界面
丹羽 純平(ニワ ジュンペイ)
機能と構成
丹羽 隆介(ニワ リュウスケ)
恒常性
任 暁兵(二ン ギョウヘイ)
秩序と物性
7
場と反応
115
樋口 雅一(ヒグチ マサカズ)
超空間制御
50
長谷部 光泰(ハセベ ミツヤス)
形とはたらき
110
樋口 昌芳(ヒグチ マサヨシ)
ナノ製造
79
23
羽曾部 卓(ハソベ タク)
光作用
80
樋口 祐次(ヒグチ ユウジ)
分子技術
52
101
羽田 真毅(ハダ マサキ)
分子技術
52
樋口 ゆり子(ヒグチ ユリコ)
光の利用
58
畠山 琢次(ハタケヤマ タクジ)
元素戦略
55
肥後 範行(ヒゴ ノリユキ)
脳情報
45
畑田 出穂(ハタダ イズホ)
タイムシグナルと制御
菱川 明栄(ヒシカワ アキヨシ)
光創成
118
畑中 耕治(ハタナカ コウジ)
光の利用
58
尾藤 晴彦(ビトウ ハルヒコ)
タイムシグナルと制御
103
ぬ
105
84
105
布垣 一幾(ヌノガキ カズキ)
細胞と情報
沼田 倫征(ヌマタトモユキ)
RNA
77
畠中 康夫(ハタナカ ヤスオ)
光と物質
117
一杉 太郎(ヒトスギ タロウ)
元素戦略
濡木 理(ヌレキ オサム)
生体分子
93
初井 宇記(ハツイ タカキ)
構造機能
88
日隈 聡士(ヒノクマ サトシ)
エネルギーキャリア
初谷 紀幸(ハツガイ ノリユキ)
代謝
83
火原 彰秀(ヒバラ アキヒデ)
構造機能
87
初貝 安弘(ハツガイ ヤスヒロ)
状態と変革
111
日原 由香子(ヒハラ ユカコ)
藻類バイオエネルギー
12
服部 憲明(ハットリ ノリアキ)
脳情報
一二三 恵美(ヒフミ エミ)
構造機能
87
44
54
5
127
平井 宏和(ヒライ ヒロカズ)
情報と細胞機能
94
藤本 健造(フジモト ケンゾウ)
ナノテク融合
92
前園 涼(マエゾノリョウ)
シミュレーション
平岡 秀一(ヒラオカ シュウイチ)
構造制御
85
藤本 龍(フジモト リョウ)
二酸化炭素資源化
10
前田 和彦(マエダ カズヒコ)
物質変換
91
平岡 裕章(ヒラオカ ヤスアキ)
数学
76
藤森 利彦(フジモリトシヒコ)
超空間制御
50
前田 太郎(マエダ タロウ)
協調と制御
平賀 隆(ヒラガ タカシ)
光と物質
117
藤森 俊彦(フジモリトシヒコ)
認識と形成
100
前田 はるか(マエダ ハルカ)
光創成
84
協調と制御
104
藤原 航三(フジワラ コウゾウ)
太陽光
16
前田 大光(マエダ ヒロミツ)
構造制御
85
知と構成
114
変換と制御
106
前多 裕介(マエダ ユウスケ)
細胞構成
29
平田 大(ヒラタ ダイ)
素過程と連携
112
形とはたらき
110
前田 裕輔(マエダ ユウスケ)
代謝
83
平田 たつみ(ヒラタ タツミ)
素過程と連携
112
藤原 俊伸(フジワラトシノブ)
RNA
77
前田 優(マエダ ユタカ)
ナノ製造
79
平田 普三(ヒラタ ヒロミ)
脳神経回路
36
藤原 英樹(フジワラ ヒデキ)
光作用
80
前田 佳伸(マエダ ヨシノブ)
光と物質
117
19
104
開 一夫(ヒラキ カズオ)
藤原 徹(フジワラトオル)
平田 泰久(ヒラタ ヤスヒサ)
相互作用と賢さ
102
二木 史朗(フタキ シロウ)
合成と制御
99
牧 信安(マキ ノブヤス)
エピジェネティクス
39
平谷 伊智朗(ヒラタニ イチロウ)
エピジェネティクス
40
舟窪 浩(フナクボ ヒロシ)
ナノと物性
96
牧浦 理恵(マキウラ リエ)
分子技術
51
平塚 祐一(ヒラツカ ユウイチ)
ナノ製造
79
船津 高志(フナツ タカシ)
形とはたらき
110
巻出 久美子(マキデ クミコ)
慢性炎症
32
平塚(中村)佐千枝(ヒラツカ(ナカムラ)サチエ) 慢性炎症
32
船橋 新太郎(フナハシ シンタロウ) 知と構成
114
牧野 和久(マキノ カズヒサ)
数学
76
平野 愛弓(ヒラノ アユミ)
ナノシステム
61
舩橋 靖博(フナハシ ヤスヒロ)
物質変換
19
牧野 雄一(マキノ ユウイチ)
情報と細胞機能
94
平野 研(ヒラノ ケン)
構造機能
87
船山 典子(フナヤマ ノリコ)
細胞構成
29
政池 知子(マサイケトモコ)
構造生命科学
26
平野 伸二(ヒラノ シンジ)
認識と形成
古川 貴久(フルカワ タカヒサ)
タイムシグナルと制御
105
正岡 重行(マサオカ シゲユキ)
物質変換
平野 展孝(ヒラノ ノブタカ)
二酸化炭素資源化
10
古川 猛夫(フルカワ タケオ)
構造と機能物性
116
真島 豊(マジマ ユタカ)
組織化と機能
平野 恭敬(ヒラノ ユキノリ)
エピジェネティクス
40
古川 はづき(フルカワ ハヅキ)
状態と変革
111
増井 修(マスイ オサム)
エピジェネティクス
40
平本 正輝(ヒラモト マサテル)
認識と形成
古薗 勉(フルゾノ ツトム)
ナノと物性
96
升井 伸治(マスイ シンジ)
iPS
41
平山 朋子(ヒラヤマトモコ)
相界面
廣瀬 哲郎(ヒロセ テツロウ)
情報と細胞機能
94
廣田 俊(ヒロタ シュン)
構造機能
87
107
増川 一(マスカワ ハジメ)
藻類バイオエネルギー
13
廣田 泰(ヒロタ ヤスシ)
慢性炎症
31
古谷 祐詞(フルタニ ユウジ)
物質変換
20
増田 真二(マスダ シンジ)
光の利用
58
廣畑 貴文(ヒロハタ アツフミ)
ナノシステム
61
古海 誓一(フルミ セイイチ)
ナノシステム
62
増田 卓也(マスダ タクヤ)
相界面
増田 直紀(マスダ ナオキ)
生命モデル
75
升田 裕久(マスダ ヒロヒサ)
遺伝と変化
113
100
100
8
古田 寿昭(フルタトシアキ)
素過程と連携
合成と制御
112
増尾 貞弘(マスオ サダヒロ)
光作用
99
升方 久夫(マスカタ ヒサオ)
素過程と連携
19
107
80
112
古田 弘幸(フルタ ヒロユキ)
ふ
夫 勇進(プー ヨンジン)
組織化と機能
へ
7
分子技術
53
戸次 大介(ベッキ ダイスケ)
情報と知
109
増富 健吉(マストミ ケンキチ)
RNA
77
界面
78
別役 重之(ベツヤク シゲユキ)
細胞構成
29
増渕 雄一(マスブチ ユウイチ)
ナノテク融合
92
光と制御
98
間瀬 一彦(マセ カズヒコ)
構造機能
町田 千代子(マチダ チヨコ)
細胞と情報
Hwang Harold(ファン ハロルド)
深川 竜郎(フカガワ タツオ)
タイムシグナルと制御
105
ほ
深澤 倫子(フカザワトモコ)
組織化と機能
107
芳坂 貴弘(ホウサカ タカヒロ)
生体分子
93
深田 直樹(フカタ ナオキ)
次世代デバイス
74
坊農 真弓(ボウノウ マユミ)
情報環境
66
深田 正紀(フカタ マサキ)
代謝
83
星 美奈子(ホシ ミナコ)
タイムシグナルと制御
105
深田 優子(フカタ ユウコ)
生命システム
81
星野 聖(ホシノ キヨシ)
情報と知
ナノテク融合
92
星野 准一(ホシノ ジュンイチ)
組織化と機能
107
87
118
次世代デバイス
74
ナノと物性
96
松井 広(マツイ コウ)
生命システム
81
108
松井 淳(マツイ ジュン)
ナノ製造
79
情報と知
109
松井 雅樹(マツイ マサキ)
相界面
星野 崇宏(ホシノ タカヒロ)
知の創生
68
松浦 和則(マツウラ カズノリ)
構造制御
85
91
松浦 友亮(マツウラトモアキ)
生体分子
93
松尾 司(マツオ ツカサ)
元素戦略
55
松尾 直毅(マツオ ナオキ)
脳神経回路
37
113
松尾 豊(マツオ ユタカ)
知の創生
68
46
松岡 聡(マツオカ サトシ)
情報と知
102
86
町田 友樹(マチダトモキ)
8
深津 晋(フカツ ススム)
128
深港 豪(フカミナト ツヨシ)
光の利用
57
星野 忠次(ホシノ チュウジ)
シミュレーション
福井 賢一(フクイ ケンイチ)
界面
78
星野 幹雄(ホシノミキオ)
タイムシグナルと制御
福井 宣規(フクイ ヨシノリ)
生体と制御
97
細川 千絵(ホソカワ チエ)
生命システム
福澤 健二(フクザワ ケンジ)
構造機能
87
細谷 俊彦(ホソヤトシヒコ)
遺伝と変化
福沢 董(フクザワ タダシ)
光と物質
117
細谷 晴夫(ホソヤ ハルオ)
脳情報
福田 健介(フクダ ケンスケ)
知の創生
68
細谷 浩史(ホソヤ ヒロシ)
形とはたらき
松崎 政紀(マツザキ マサノリ)
生命現象
福田 弘和(フクダ ヒロカズ)
生命モデル
75
堀田 秋津(ホッタ アキツ)
iPS
43
松崎 典弥(マツサキ ミチヤ)
界面
福谷 克之(フクタニ カツユキ)
場と反応
115
堀田 純一(ホツタ ジユンイチ)
物質変換
19
松下 明(マツシタ アキラ)
構造と機能物性
福間 剛士(フクマ タケシ)
生命現象
80
堀 顕子(ホリ アキコ)
ナノ製造
79
松下 智直(マツシタトモナオ)
CO2 資源化
11
福村 知昭(フクムラトモテル)
次世代デバイス
74
堀 克敏(ホリ カツトシ)
界面
78
松下 未知雄(マツシタ ミチオ)
状態と変革
111
房木 ノエミ(フサキ ノエミ)
iPS
42
堀 昌平(ホリ ショウヘイ)
生体と制御
97
松下 道雄(マツシタ ミチオ)
量子と情報
90
藤井 高志(フジイ タカシ)
構造生命科学
26
堀 哲也(ホリ テツヤ)
エピジェネティクス
39
松田 修(マツダ オサム)
iPS
41
105
81
110
78
116
藤井 紀子(フジイ ノリコ)
場と反応
115
堀 雄一郎(ホリ ユウイチロウ)
構造生命科学
26
松田 一成(マツダ カズナリ)
ナノと物性
96
藤井 正明(フジイ マサアキ)
光と物質
117
堀江 恭二(ホリエ キョウジ)
iPS
42
松田 建児(マツダ ケンジ)
合成と制御
99
藤井 律子(フジイリツコ)
物質変換
20
堀江 健生(ホリエ タケオ)
脳神経回路
37
松田 信爾(マツダ シンジ)
脳神経回路
37
藤生 克仁(フジウ カツヒト)
恒常性
24
堀川 一樹(ホリカワ カズキ)
生命システム
81
松田 孝彦(マツダ タカヒコ)
脳神経回路
35
藤木 淳(フジキ ジュン)
情報環境
67
堀毛 悟史(ホリケ サトシ)
元素戦略
55
松田 勝(マツダ マサル)
認識と形成
100
藤木 亮次(フジキ リョウジ)
エピジェネティクス
40
本多 新(ホンダ アラタ)
iPS
42
松田 道行(マツダ ミチユキ)
細胞と情報
118
藤崎 久雄(フジサキ ヒサオ)
形とはたらき
本田 賢也(ホンダ ケンヤ)
生命システム
82
松田 康弘(マツダ ヤスヒロ)
構造機能
88
藤沢 潤一(フジサワ ジュンイチ)
太陽光
本田 孝祐(ホンダ コウスケ)
藻類バイオエネルギー
12
松谷 宏紀(マツタニ ヒロキ)
ビッグデータ
64
藤田 一郎(フジタ イチロウ)
細胞と情報
本田 学(ホンダ マナブ)
協調と制御
104
松永 行子(マツナガ ユキコ)
ナノシステム
藤田 晃司(フジタ コウジ)
光作用
80
本間 尚文(ホンマ ナオフミ)
情報基盤と利用環境
松野 健治(マツノ ケンジ)
タイムシグナルと制御
105
藤田 淳一(フジタ ジュンイチ)
ナノ製造
81
情報と知
108
元素戦略
55
ま
松原 仁(マツバラ ヒトシ)
藤田 武志(フジタ タケシ)
松原 康郎(マツバラ ヤスオ)
物質変換
20
藤田 祐一(フジタ ユウイチ)
光の利用
58
Marc S.Lamphier(マーク ランフィア)
遺伝と変化
113
松村 幸子(マツムラ サチコ)
ナノシステム
60
藤永 由佳子(フジナガ ユカコ)
生体と制御
97
前川 英己(マエカワ ヒデキ)
秩序と物性
101
松本 章一(マツモト アキカズ)
変換と制御
106
110
17
118
95
62
松本 功(マツモト イサオ)
生体と制御
97
松本 邦夫(マツモト クニオ)
細胞と情報
宮坂 等(ミヤサカ ヒトシ)
秩序と物性
101
宮崎 康次(ミヤザキ コウジ)
ナノテク融合
118
松本 健(マツモト ケン)
RNA
92
77
宮崎 晃平(ミヤザキ コウヘイ)
相界面
松本 謙一郎(マツモト ケンイチロウ)
二酸化炭素資源化
10
宮崎 純(ミヤザキ ジュン)
情報基盤と利用環境
松本 純一(マツモト ジュンイチ)
シミュレーション
91
宮崎 英樹(ミヤザキ ヒデキ)
秩序と物性
松本 尚(マツモト タカシ)
情報と知
108
宮沢 孝幸(ミヤザワ タカユキ)
眞鍋 一郎(マナベ イチロウ)
代謝
83
眞鍋 史乃(マナベ シノ)
合成と制御
99
間野 修平(マノ シユウヘイ)
生命モデル
75
真柳 浩太(マヤナギ コウタ)
構造生命科学
26
丸尾 昭二(マルオ ショウジ)
ナノ製造
79
宮田 真人(ミヤタ マコト)
生体分子
93
丸本 一弘(マルモト カズヒロ)
太陽光
16
宮田 麻理子(ミヤタ マリコ)
脳情報
丸山 厚(マルヤマ アツシ)
変換と制御
106
宮田 耕充(ミヤタ ヤスミツ)
丸山 玲緒(マルヤマ レオ)
慢性炎症
75
元池 育子(モトイケ イクコ)
生命モデル
物部 秀二(モノノベ シュウジ)
組織化と機能
107
6
籾山 明子(モミヤマ アキコ)
素過程と連携
112
95
百瀬 孝昌(モモセ タカマサ)
状態と変革
111
101
森 郁恵(モリ イクエ)
遺伝と変化
113
生体と制御
97
森 茂生(モリ シゲオ)
組織化と機能
107
宮下 脩平(ミヤシタ シュウヘイ)
生命モデル
75
森 孝雄(モリ タカオ)
秩序と物性
101
宮島 顕祐(ミヤジマ ケンスケ)
光作用
80
森 俊明(モリトシアキ)
界面
界面
78
森 望(モリ ノゾム)
遺伝と変化
113
森井 孝(モリイ タカシ)
組織化と機能
107
森井 博史(モリイ ヒロシ)
細胞と情報
118
46
森口 勇(モリグチ イサム)
秩序と物性
101
ナノエレ
48
森口 佑介(モリグチ ユウスケ)
脳情報
46
宮寺 哲彦(ミヤデラ テツヒコ)
太陽光
17
森越 文明(モリコシ フミアキ)
量子と情報
90
宮戸 健二(ミヤド ケンジ)
情報と細胞機能
94
森下 亨(モリシタトオル)
光創成
84
宮丸 文章(ミヤマル フミアキ)
光創成
84
森下 喜弘(モリシタ ヨシヒロ)
生命モデル
75
78
宮田 隆志(ミヤタ タカシ)
33
み
変換と制御
106
三浦 恭子(ミウラ キョウコ)
恒常性
23
宮本 健史(ミヤモト タケシ)
代謝
83
森嶋 厚行(モリシマ アツユキ)
情報環境
66
三浦 佳二(ミウラ ケイジ)
数学
76
宮本 浩行(ミヤモト ヒロユキ)
脳神経回路
35
森島 陽介(モリシマ ヨウスケ)
細胞構成
30
三浦 岳(ミウラ タカシ)
生命モデル
75
三代木 伸二(ミヨキ シンジ)
光創成
84
森田 将史(モリタ マサヒト)
生命現象
86
森田 靖(モリタ ヤスシ)
合成と制御
99
タイムシグナルと制御
105
三輪 京子(ミワ キョウコ)
二酸化炭素資源化
素過程と連携
112
三輪 佳宏(ミワ ヨシヒロ)
構造機能
9
三浦 猛(ミウラ タケシ)
三木 則尚(ミキ ノリヒサ)
情報環境
66
情報と細胞機能
94
87
森田(寺尾)美代(モリタ(テラオ)ミヨ) 生命システム
光と制御
む
82
98
守友 浩(モリトモ ユタカ)
状態と変革
111
三木 裕明(ミキ ヒロアキ)
105
向 草世香(ムコウ ソヨカ)
生命モデル
74
虫明 元(ムシアケ ハジメ)
知と構成
牟田 達史(ムタ タツシ)
生体と制御
97
76
武藤 悦子(ムトウ エツコ)
形とはたらき
110
元素戦略
54
武藤 太郎(ムトウ タロウ)
iPS
水島 恒裕(ミズシマ ツネヒロ)
生体分子
93
武藤 努(ムトウ ツトム)
デジタルメディア
水島 徹(ミズシマトオル)
素過程と連携
112
宗像 利明(ムナカタトシアキ)
場と反応
115
タイムシグナルと制御
105
宗片 比呂夫(ムネカタ ヒロオ)
状態と変革
111
素過程と連携
112
村井 俊介(ムライ シュンスケ)
超空間制御
50
村尾 美緒(ムラオ ミオ)
量子と情報
90
村岡 貴博(ムラオカ タカヒロ)
分子技術
村上 聡(ムラカミ サトシ)
タイムシグナルと制御
水落 憲和(ミズオチ ノリカズ)
次世代デバイス
水木 敬明(ミズキ タカアキ)
情報と知
水口 毅(ミズグチ ツヨシ)
数学
水口 将輝(ミズグチ マサキ)
109
75
森本 樹(モリモト タツキ)
物質変換
20
森本 正和(モリモト マサカズ)
光作用
80
守屋 央朗(モリヤ ヒサオ)
生命システム
81
守谷 誠(モリヤ マコト)
元素戦略
55
43
森脇 和幸(モリワキ カズユキ)
ナノテク融合
92
89
茂呂 和世(モロ カズヨ)
慢性炎症
32
矢尾 育子(ヤオ イクコ)
脳情報
46
矢貝 史樹(ヤガイ シキ)
光作用
80
53
八木 一三(ヤギ イチゾウ)
構造機能
87
生体分子
93
八木 政行(ヤギ マサユキ)
物質変換
19
村上 修一(ムラカミシュウイチ)
次世代デバイス
74
八木田 和弘(ヤギタ カズヒロ)
iPS
43
55
114
や
水島 昇(ミズシマ ノボル)
水谷 健一(ミズタニ ケンイチ)
脳神経回路
水谷 五郎(ミズタニ ゴロウ)
場と反応
水谷 壮利(ミズタニ タケトシ)
RNA
水谷 眞(ミズタニ マコト)
構造と機能物性
36
115
77
116
水谷 泰久(ミズタニ ヤスヒサ)
生体分子
92
村上 達也(ムラカミタツヤ)
ナノ製造
79
薬師寺 啓(ヤクシジ ケイ)
元素戦略
水波 誠(ミズナミ マコト)
形とはたらき
110
村上 啓寿(ムラカミノブトシ)
合成と制御
99
八島 栄次(ヤシマ エイジ)
形とはたらき
水野 健作(ミズノ ケンサク)
遺伝と変化
113
村上 誠(ムラカミ マコト)
代謝
83
八代 圭司(ヤシロ ケイジ)
相界面
水野 清義(ミズノ セイギ)
ナノと物性
96
生命現象
86
水野 貴之(ミズノ タカユキ)
ビッグデータ
64
108
溝川 貴司(ミゾカワ タカシ)
光と制御
98
村越 秀治(ムラコシ ヒデジ)
溝口 紀子(ミゾグチ ノリコ)
数学
76
御園 雅俊(ミソノ マサトシ)
構造機能
三谷 純(ミタニ ジュン)
デジタルメディア
三谷 昌平(ミタニ ショウヘイ)
素過程と連携
三田村 俊秀(ミタムラトシヒデ)
生体と制御
97
道信 剛志(ミチノブ ツヨシ)
光作用
80
光武 亜代理(ミツタケ アヨリ)
構造生命
27
皆方 誠(ミナカタ マコト)
光と物質
117
南出 靖彦(ミナミデ ヤスヒコ)
情報と知
109
慢性炎症
33
代謝
83
南野 徹(ミナミノトオル)
生命システム
南本 敬史(ミナミモト タカフミ)
110
6
変換と制御
106
八代 晴彦(ヤシロ ハルヒコ)
状態と変革
111
八杉 昌宏(ヤスギ マサヒロ )
情報と知
脳神経回路
37
保田 諭(ヤスダ サトシ)
相界面
村越 道生(ムラコシ ミチオ)
分子技術
53
安田 琢麿(ヤスダ タクマ)
相界面
87
村田 茂穂(ムラタ シゲオ)
情報と細胞機能
94
安田 剛(ヤスダ タケシ)
次世代デバイス
74
89
村田 武士(ムラタ タケシ)
構造生命科学
26
安武 裕輔(ヤスタケ ユウスケ)
ナノエレ
48
112
村田 剛志(ムラタ ツヨシ)
相互作用と賢さ
102
八ツ橋 知幸(ヤツハシトモユキ)
光の利用
村田 英幸(ムラタ ヒデユキ)
秩序と物性
101
柳 茂(ヤナギ シゲル)
認識と形成
100
101
村越 敬(ムラコシ ケイ)
6
7
59
分子技術
51
柳 久雄(ヤナギ ヒサオ)
秩序と物性
構造制御
85
柳下 崇(ヤナギシタ タカシ)
ナノ製造
79
太陽光
16
柳田 剛(ヤナギダ タケシ)
ナノ製造
79
物質変換
19
柳田 真利(ヤナギダ マサトシ)
太陽光
16
構造制御
85
分子技術
51
村松 里衣子(ムラマツ リエコ)
恒常性
24
ナノシステム
60
82
村山 明子(ムラヤマ アキコ)
代謝
83
山内 淳(ヤマウチ アツシ)
生命モデル
75
脳情報
45
室田 一雄(ムロタ カズオ)
シミュレーション
91
山内 美穂(ヤマウチ ミホ)
構造制御
85
蓑田 歩(ミノダ アユミ)
藻類バイオエネルギー
13
山内 悠輔(ヤマウチ ユウスケ)
ナノシステム
60
三原 久和(ミハラ ヒサカズ)
形とはたらき
山方 啓(ヤマカタ アキラ)
物質変換
20
三村 秀和(ミムラ ヒデカズ)
ナノ製造
79
持地 広造(モチジ コウゾウ)
場と反応
115
山岸 典子(ヤマギシ ノリコ)
情報環境
66
宮内 雅浩(ミヤウチ マサヒロ)
元素戦略
56
持田 悟(モチダ サトル)
細胞構成
29
山際 伸一(ヤマギワ シンイチ)
知の創生
70
宮内 雄平(ミヤウチ ユウヘイ)
ナノシステム
62
持田 智行(モチダトモユキ)
状態と変革
111
山口 明啓(ヤマグチ アキノブ)
次世代デバイス
74
宮尾 祐介(ミヤオ ユウスケ)
ビッグデータ
64
望月 敦史(モチヅキ アツシ)
生命モデル
75
山口 央(ヤマグチ アキラ)
構造機能
87
宮川 さとみ(ミヤガワ サトミ)
RNA
77
望月 維人(モチヅキ マサヒト)
ナノエレ
48
山口 有朋(ヤマグチ アリトモ)
CO2 資源化
11
村田 靖次郎(ムラタ ヤスジロウ)
村中 厚哉(ムラナカ アツヤ)
村橋 哲郎(ムラハシ テツロウ)
南野 徹(ミナミノトオル)
藪 浩(ヤブ ヒロシ)
110
も
129
山口 茂弘(ヤマグチ シゲヒロ)
合成と制御
99
山口 瞬(ヤマグチ シユン)
脳神経回路
35
山口 正(ヤマグチ タダシ)
合成と制御
99
山口 亨(ヤマグチトオル)
相互作用と賢さ
よ
葉 金花(ヨウ キンカ)
変換と制御
89
渡邊 淳司(ワタナベ ジュンジ)
デジタルメディア
渡邉 孝信(ワタナベ タカノブ)
シミュレーション
91
iPS
43
106
渡邉 朋信(ワタナベトモノブ)
102
界面
生命現象
78
86
叶 深(ヨウ シン)
山口 英樹(ヤマグチ ヒデキ)
代謝
山口 雅利(ヤマグチ マサトシ)
二酸化炭素資源化
山口 正洋(ヤマグチ マサヒロ)
遺伝と変化
83
10
113
渡邊 直樹(ワタナベ ナオキ)
認識と形成
60
渡辺 正裕(ワタナベ マサヒロ)
ナノと物性
99
渡辺 嘉典(ワタナベ ヨシノリ)
素過程と連携
変換と制御
106
横川 隆司(ヨコカワ リュウジ)
ナノシステム
横澤 勉(ヨコザワ ツトム)
合成と制御
100
96
112
デジタルメディア
89
横須賀 忠(ヨコスカ タダシ)
慢性炎症
33
渡邉 力也(ワタナベ リキヤ)
構造生命
27
エピジェネティクス
40
横田 浩章(ヨコタ ヒロアキ)
生命現象
86
渡部 文子(ワタベ アヤコ)
脳情報
45
情報と細胞機能
94
横溝 岳彦(ヨコミゾ タケヒコ)
タイムシグナルと制御
105
恒常性
23
山口 良文(ヤマグチ ヨシフミ)
恒常性
23
横山 士吉(ヨコヤマ シヨシ)
組織化と機能
107
iPS
42
山子 茂(ヤマゴ シゲル)
合成と制御
99
横山 英明(ヨコヤマ ヒデアキ)
ナノシステム
慢性炎症
32
山越 葉子(ヤマコシ ヨウコ)
ナノシステム
60
吉川 学(ヨシカワ マナブ)
RNA
山崎 公俊(ヤマザキ キミ
トシ)
知の創生
70
吉崎 悟朗(ヨシザキ ゴロウ)
認識と形成
山﨑 信行(ヤマザキ ノブユキ)
情報と知
108
吉沢 道人(ヨシザワ ミチト)
構造制御
山崎 仁丈(ヤマザキ ヨシヒロ)
物質変換
20
吉田 祥子(ヨシダ サチコ)
細胞と情報
118
山下 暁朗(ヤマシタ アキオ)
RNA
77
吉田 松生(ヨシダ ショウセイ)
認識と形成
100
山下 潤(ヤマシタ ジュン)
情報と細胞機能
94
吉田 丈人(ヨシダ タケヒト)
生命モデル
75
山下 倫央(ヤマシタトモヒサ)
情報環境
67
吉田 知之(ヨシダトモユキ)
脳神経回路
37
慢性炎症
32
吉田 直哉(ヨシダ ナオヤ)
界面
78
山口 真美(ヤマグチ マサミ)
山口 雄輝(ヤマグチ ユウキ)
渡部 徹郎(ワタベ テツロウ)
61
77
100
85
山下 政克(ヤマシタ マサカツ)
タイムシグナルと制御
105
吉田 朋広(ヨシダ ナカヒロ)
数学
76
山下 正廣(ヤマシタ マサヒロ)
状態と変革
111
吉田 秀郎(ヨシダ ヒデロウ)
情報と細胞機能
74
山田 幾也(ヤマダ イクヤ)
元素戦略
55
吉田 裕樹(ヨシダ ヒロキ)
生体と制御
山田 和弘(ヤマダ カズヒロ)
構造生命科学
27
吉田 博(ヨシダ ヒロシ)
場と反応
山田 健一(ヤマダ ケンイチ)
疾患代謝
22
吉田 浩之(ヨシダ ヒロユキ)
ナノシステム
62
山田 智明(ヤマダトモアキ)
ナノシステム
62
吉田 弘幸(ヨシダ ヒロユキ)
太陽光
16
山田 容子(ヤマダ ヒロコ)
光作用
80
吉田 裕美(ヨシダ ユミ)
構造機能
88
山田 廣成(ヤマダ ヒロナリ)
構造と機能物性
116
吉田 亮(ヨシダ リョウ)
構造制御
85
山田 浩之(ヤマダ ヒロユキ)
ナノエレ
48
吉久 徹(ヨシヒサトオル)
RNA
77
山田 麻紀(ヤマダ マキ)
脳情報
44
吉村 由美子(ヨシムラ ユミコ)
脳情報
山田 真希子(ヤマダ マキコ)
脳情報
46
米澤 徹(ヨネザワ テツ)
秩序と物性
米山 光俊(ヨネヤマ ミツトシ)
山田 真実(ヤマダ マミ)
構造制御
85
山田 泰広(ヤマダ ヤスヒロ)
iPS
41
山中 章弘(ヤマナカ アキヒロ)
脳神経回路
35
細胞構成
30
ナノシステム
61
RNA
96
115
45
101
77
協調と制御
104
形とはたらき
110
四方 哲也(ヨモ テツヤ)
山西 陽子(ヤマニシ ヨウコ)
112
山野 博之(ヤマノ ヒロユキ)
素過程と連携
山野辺 貴信(ヤマノベ タカノブ)
生命モデル
山本 章博(ヤマモト アキヒロ)
情報と知
108
山本 明保(ヤマモト アキヤス)
元素戦略
55
山本 希美子(ヤマモト キミコ)
生命システム
81
山元 公寿(ヤマモト キミヒサ)
光と物質
75
り
李 知英(リ ジヨン)
iPS
力丸 裕(リキマル ヒロシ)
知と構成
114
Richard Lee Potter(リチャード リー ポッター)
機能と構成
103
劉 浩(リュウ ヒロシ)
シミュレーション
117
ろ
Ronald Q Scott(ロナルド スコット) 細胞と情報
山本 晃司(ヤマモト コウジ)
光作用
80
山本 貴富喜(ヤマモト タカトキ)
界面
79
山本 浩史(ヤマモト ヒロシ)
次世代デバイス
74
山本 雅人(ヤマモト マサヒト)
協調と制御
104
山本 雅哉(ヤマモト マサヤ)
ナノと物性
96
山本 倫久(ヤマモト ミチヒサ)
ナノエレ
山本 義春(ヤマモト ヨシハル)
協調と制御
山本 量一(ヤマモト リョウイチ)
シミュレーション
矢守 航(ヤモリ ワタル)
CO2 資源化
楊 成(ヤン ツン)
光作用
42
91
118
わ
生命現象
86
若杉 桂輔(ワカスギ ケイスケ)
48
ナノと物性
湯浅(河田)純一(ユアサ(カワダ)ジュンイチ) 認識と形成
130
105
若野 友一郎(ワカノ ユウイチロウ) 生命モデル
75
若林 克法(ワカバヤシ カツノリ)
次世代デバイス
74
91
若松 義雄(ワカマツ ヨシオ)
タイムシグナルと制御
11
若宮 淳志(ワカミヤ アツシ)
太陽光
16
80
若本 祐一(ワカモト ユウイチ)
生命モデル
75
和氣 弘明(ワケ ヒロアキ)
恒常性
25
和田 昭裕(ワダ アキヒロ)
生体と制御
97
和田 章(ワダ アキラ)
ナノシステム
61
和田 健彦(ワダ タケヒコ)
合成と制御
99
和田 洋(ワダ ヒロシ)
認識と形成
100
104
ゆ
湯浅 新治(ユアサ シンジ)
タイムシグナルと制御
96
100
87
105
由井 宏治(ユイ ヒロハル)
構造機能
結縁 祥治(ユウエン ショウジ)
機能と構成
103
和田 浩則(ワダ ヒロノリ)
脳神経回路
35
遊佐 剛(ユサ ゴウ)
量子と情報
90
綿打 敏司(ワタウチ サトシ)
太陽光
17
弓場 俊輔(ユバ シュンスケ)
形とはたらき
110
渡辺 英治(ワタナベ エイジ)
情報と細胞機能
94
由良 茂夫(ユラ シゲオ)
代謝
渡邉 恵理子(ワタナベ エリコ)
生命現象
86
渡邊 一也(ワタナベ カズヤ)
界面
78
83
渡会 浩志(ワタライ ヒロシ)
所在地
戦略研究推進部
さきがけパンフレット2013−2014
2014. 06. 01 発行
Fly UP