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鉛規制の動向 - 大阪大学 産業科学研究所

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鉛規制の動向 - 大阪大学 産業科学研究所
JPCA Show2002「鉛フリーオープンセミナー」資料, 東京, h14.6.7
鉛フリーはんだ実装技術の現状と
EUの規制動向
(阪大産研) 菅沼克昭
環境と法規制動向
実用化とロードマップ
プロジェクト研究
鉛規制の動向
1
(x10,000 m3)
25,000
産業廃棄物
処理容量の
残余年数
15,000
10,000
5,000
2005
2002
2000
1992
2008
1995
0
2010
残余容量
20,000
年
朝日新聞朝刊 平成13年5月1日付け
下野新聞平成13年12月
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
1997年の鉛消費国内統計
鉛の消費量
:
27万 トン
(全世界:約500万トン)
はんだ中の鉛消費量
:
9000 トン
エレクトロニクス産業使用量
:
5000 トン
破砕不燃物残さに対する溶出試験(環境庁,pH4.8)
パソコン基板
:
13-27 mg/l
パチンコ台基板
:
29-30 mg/l
ブラウン管
:
11-19 mg/l
埋め立て処分基準
:
0.3 mg/l
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
2
廃棄物に関する条約・法律・宣言
年代
名
称
内
容
1974
ロンドン条約
廃棄物の投棄による海洋汚染防止
1996より産廃の投棄は禁止
1989
バーゼル条約
有害廃棄物の越境移動禁止
1991
リサイクル法
資源の有効利用,廃棄物発生の抑制,リサイク
ル促進
リオ宣言
「人類は自然と調和しつつ健全で生産的な生活
1992
1993
1995
1997
1998
2002
?
(国連環境開発会議) を送る権利がある...」
環境基本法
環境に関する基本理念.国や地方の施策.
包装容器リサイクル法 ガラス,プラスチック容器の再商品化
廃掃法改正
廃棄物の抑制,分別,保管,収集,再生,処理
家電リサイクル法 4家電のリサイクル,廃棄処理
WEEE/RoHS
ほとんどの電器製品に対する廃棄処理詳細,リ
サイクル,リユース及び有害元素規制
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
家電リサイクル法
2001年4月より回収,リユース,リサイクルを義務化
リサイクルの基本
エアコン
TV
冷蔵庫
洗濯機
: 60 %
: 55 %
: 50 %
: 50 %
廃掃法
回収した廃家電製品は,鉛を環境へ排出しないような
適切な処理が必要.リサイクルを容易にする.
鉛フリー化
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
3
資源有効利用促進法
PC:製品の長寿命化,分離・分解のし易さ
4.処理に関わる安全性の確保
(1)材料の毒性その他の特性に配慮することにより、処理
に係る安全性を確保すること。
例) リサイクル時に有害な物質を発生する等、処理に係
リサイクル時に有害な物質を発生
る安全性を阻害する恐れのある物質・部品の使用を可能
な限り回避すること
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
鉛フリー化で得られるメリット
鉛の害を素から遮断
製品の長寿命化
廃棄・再処理を容易にする
グリーン製品戦略
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
4
『
NTT東日本環境報告書2000』
NTT東日本環境報告書2000』より
『NTT東日本環境報告書2000』より
3. 通信機器に関するグリーン調達ガイドラインの制定と環境ラベルの導入
NTT東日本では、すでに「グリーン調達のためのガイドライン」を制定し、交換
機等の自ら使用する電気通信設備について、環境にやさしい製品を優先的に
購入する活動に取組んでいます。
そして、この度、人・地球にとって環境負荷の小さい通信機器商品の提供をよ
りいっそう推進するために、「通信機器に関するグリーン調達のためのガイドラ
イン」を追加制定しました。
通信機器は、「お客様宅に設置される」、「お客様の手に触れる」、「お客様に
より廃棄される」ことから、例えば半田に含まれる鉛の使用の削減やポリ
塩化ビニルの使用抑制などを規定しています。
2001年度からは、環境に配慮した通信機器について、NTT東日本が定める
基準を満たすものについては独自の環境ラベル※3を定め、表示することにより
情報の提供をしていきます。
※3 製品がどのように環境配慮しているのかを「自己宣言」するタイプ II 環境
ラベルを制定します
URL: http://www.ntt-east.co.jp/ecology/
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
エレクトロニクスで使用する鉛に関する海外の法案
国
法
案
年
S.391, S729; Lead Exposure Reduction Act
米
国
はんだ中の鉛を0.1%以下に規制
→ 最終的にエレクトロニクスに
用いるはんだは除外
Environmental Quality Objectives
スウェ-デン
全ての鉛使用を禁止.2020年頃から(?)
2003年には見直しをする.
Lead Ban
デンマ-ク
鉛を含む製品の使用・輸入禁止.
CRTと部品は除外
代
1991
∼
1993
1997∼
審議中
1997
∼
2000
WEEE/RoHS指令案
E
U
ほとんどの電気製品に対する廃棄処理 1998∼
のリサイクル・リユース及び有害物質 審議中
使用禁止
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
5
WEEE/RoHS有害元素規制の理由
鉛: 潜在的な健康への害
廃棄物中の全鉛量に対する
電化製品の占める割合 → 40%
PBDE,PBB: ダイオキシン発生
リサイクルの容易さ・利益確保
リサイクル業者の安全確保
“end-of-pipe”的な対策よりも原因から対処する
K.Suganuma, ISIR Osaka University
WEEE/RoHS法制化の流れ
第1次ドラフト
1998.4
EU
DG11
↓
第2次ドラフト
1998.7
コメント
第3次ドラフト
1999.7
コメント
Environment
Inter service consultation
総局間協議(主にDG3
)
総局間協議(主にDG3)
WEEE + Hazardous Substances in EEE
2000.6
欧州委員会投票
2000.末
2000.末
ORGALIME
JBCE
AEA
ORGALIME
JBCE←EIAJ
各国法制化
2003/4(?)
指令成立
2002.末
2002.末
2002.4
欧州議会で2
2回投票
欧州議会で
欧州議会で2回投票
欧州評議会・議会調整
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6
電子・電気機器廃棄に関するEU指令(WEEE+RoHS)
対象製品
再生率/リサイクル率
(2005年12月31日までに)
報告の義務
廃棄前処理システム
確立の義務化
有害化学物質
使用規制
(2006.1.1から
(2006.1.1から
2007.1.1までに?
2007.1.1までに?))
11ジャンル
大型家電,小型家電,IT・通信機器,一般民生機器,照明,電動工具
,玩具・レジャー機器,医療機器,モニター機器,自動販機,電球
90/75%:大型家電
80/50%:上記以外
85/65%:IT機器,民生機器
有害元素の種類と使用量を毎年報告する
全ての液体と特定有害元素を含む部品は事前に除去
( 鉛 , 25mmt×25mmφ 電解コン,カドミ,六価 クロム,水銀,
PBB/PBDE,アスベスト,コード,セラミック繊維部品,放射性物
質,ブラウン管,PCB部品,液晶>100cm2,CFC/HFC)
鉛,水銀,カドミ,6価クロム, etc.
(適用外:高温はんだ
高温はんだ,ブラウン管・蛍光灯の鉛や水銀,電子部
品の鉛ガラス,圧電部品,鉄中0.35%・アルミ中0.4%・銅中4%,サー
バー・ストレージ,Voice/Data Transmission,ネットワーク機器;
2006.1.1以前に販売開始されたスペア部品は適用除外.但し,今
後の技術の進歩によって代替が可能になるものは適用除外から外
す)
分別収集のためのシンボル
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
有害化学物質使用規制(RoHS)
2006年1月1日から/2007年1月1日までに?
重金属:鉛,水銀,カドミ,6価クロム, etc.
適用外:
高温はんだ(≧85%Pb),ブラウン管・蛍光灯の鉛や水銀
,電子部品の鉛ガラス,圧電部品,鉄中0.35%・アルミ
中0.4%・銅中4%,サーバー・ストレージ(2010年まで),
Voice/Data Transmission,ネットワーク機器
2006/7.1.1以前に販売開始されたスペア部品は適用
除外.今後の技術の進歩によって代替が可能になるも
のは適用除外から外す.
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
7
廃棄前処理システム確立の義務化
全ての液体と特定有害元素を含む部品は事前に除去
鉛,六価クロム,水銀, カドミ
25mmt×25mmφ電解コン
PBB/PBDE,アスベスト,コード
セラミック繊維部品,放射性物質
ブラウン管,PCB部品,液晶>100cm2
CFC/HFC
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
今 後
成 立:2002年4月
見直し:2003年
技術の進展・遅延に伴い
除外する場合や除外項目から外すこともある
ハロゲン系難燃材は拡大する方向
重金属は拡大する方向
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8
デンマークの規制
PROHIBITION OF IMPORT AND MARKETING OF PRODUCTS CONTAINING LEAD
規制対象:
※全ての鉛(金属及び化合物)を含む製品の輸入や販売
※鉛を100ppm以上含む製品(カーボネートやサルフェートは除外)
例外:輸出のための扱い,原料や中間原料,中古品,リペア
金属鉛
金属鉛
2001年
2001年3月から:玩具・娯楽用品,カーテンの重り,装飾品,屋根部材…
月から:玩具・娯楽用品,カーテンの重り,装飾品,屋根部材…etc
2002年
24kV以下の地下ケーブル被覆,外壁等,釣り具
以下の地下ケーブル被覆,外壁等,釣り具
2002年12月から:水道・排水管,電圧
12月から:水道・排水管,電圧24kV
エレクトロニクス関連の化合物鉛
エレクトロニクス関連の化合物鉛
電線ケーブル被覆の安定剤
:
放電管
:
ガラス(電灯など)
:
電子部品(“
電子部品(“Electric components”
components”) :
リペア部品
:
研究・実験・開発
:
未
未
未
未
未
未
定
定
定
定
定
定
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
ロードマップと実用化
9
鉛フリーはんだ導入のためのロードマップ
(2000年JEIDA報告会より)
量産品のへの鉛フリーはんだの導入
1999
鉛フリーめっき部品の採用開始
2000
フローはんだプロセスへの鉛フリーはんだ導入 2000
鉛フリーめっき部品の採用広がる
2001
新製品への鉛フリーはんだの採用が拡大する
2001
新製品への鉛フリーはんだ導入が一般的となる 2002
新製品への鉛フリーはんだ全面採用
2003
鉛入り従来はんだの使用は例外となる
2005
(註)上記は鉛フリー化の完遂を予測するものではない
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
各社の鉛フリーはんだ導入状況と予定
年
松下電産
1998
1999
SnCuフロー
SONY
富士通
冷蔵庫,他
NotePC
SnAgCuリフロー SnAgCuフロー
SnAgCuiリフロー
2005∼
ほぼ国内
転換達成
グループ内
全面転換
社内
全面転換
各社1モデル
ウオークマン
VCR
SnAgBiリフロー
2006/3までに
全面転換
NotePC 導入
TV
NotePC,携帯電話
Sn-3Ag-0.5Cuフロー
サーバ
SnBiリフロー
東 芝
2004
グループ内
全面転換
国内
全面転換
SnZnBiリフロー
VCR
2003
国内50∼70%
NotePC全面転換 グループ内
全面転換
NotePC→デスクトップPC
ページャ
SnAgCuリフロー
日 立
2002
2001
携帯電話 180製品以
SnAgCuフロー
上実用化
VTR
MD→カセット
SnAgBiInリフロー
NEC
2000
VTR
全面転換
全面転換
NotePC
SnAgCuフロー
SnAgCuiリフロー
2006.3
全面転換
三菱電機
エプソン
日本ビク
ター
Pioneer
2002.3
全面転換
プリンター・プロジェクタ等
DVC
Sn-2.8Ag-1Bi-0.5Cuリフロー
2003.3
全面転換
DVD,カーオーディオ
Sn-0.7Cuフロー
シャープ
NotePC,コピー機等
SnAgCuiリフロー
カシオ
日 産
Philips
Ericsson
概ね
全面転換
キーレスエントリ
SnAgCuリフロー
電灯インバータ
SnAgBiフロー
携帯電話
SnAgCuリフロー
新製品の80%鉛フリー
&ハロゲンフリー
携帯電話
Motorola
Ford
2004.3
全面転換
電卓
SnAgCuリフロー
盗難防止システム
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10
自動車メーカーの鉛フリーはんだに対する取り組み
取り組み内容
時
期
備
考
鉛量を1/2(96年比)
鉛量を1/3(96年比)
2000年末
2005年末
ELV指令
鉛,水銀,カドミ,
六価クロムを禁止
2003年
7月1日より
概ね全廃
2002年に
2002年新型車は2005
年目標をクリヤー
キーレスエントリー・
システムに実用化
2000年
2000年8月
Sn-Ag-Cu系フロー
メ ー カ ー
自主規制
日 産
車両盗難防止システム
Ford
(Visteon 用トランシーバ・モ 2000年
2000年12月
12月
)
ジュール実用化
バッテリーを除く
はんだは除外
未発表
車の鉛
総量1.85kg
(バッテリー以外)/
/ラジエータ31%/
ケーブル15%/
15%/バランサ
バランサ13%/
13%/基板
基板2.7%
2.7%
総量1.85kg(バッテリー以外)
ラジエータ31%/ケーブル
はんだ:50g/
台×500万台
はんだ:50g/台
500万台 → 2500 t/年がシレッダーダスト
t/年がシレッダーダスト
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JEITA半導体環境対応ロードマップ2001
分 類
対
2000
象
2005
2010
はんだ
ディプコート
材料
Sn-Ag系
Sn-Ag系
(リード端子用)
採用比率
一部
50
はんだボール
(外部端子用)
材料
Sn-Ag-Cu系
Sn-Ag-Cu系
採用比率
一部
50
材料
−
Sn-Ag系
採用比率
−
50
Ni/Pd/(Au)
Sn-Bi,Sn-Ag
Sn-Cu
100
Sn-Bi,Sn-Ag
Sn-Cu
100
Sn-Ag系
Sn-Cu系
100
Sn-Ag-Cu系
Sn-Cu系
100
Sn-Ag系
新素材
100
材料
−
Sn-Ag系
Sn-Ag系
Ni/Pd/(Au)
Sn-Bi,Sn-Ag
Sn-Cu
100
Sn-Bi,Sn-Ag
Sn-Cu
100
Sn-Ag系
Sn-Cu系
100
Sn-Ag-Cu系
Sn-Cu系
100
Sn-Ag系
新素材
100
Sn-Ag系
採用比率
−
250∼260
250∼265
一部
250∼260
250∼265
50
250∼260
250∼265
100
250∼260
250∼265
一部
一部
一部
100
はんだ
めっき
材料
Ni/Pd/(Au)
Sn-Bi,Sn-Ag
採用比率
一部
材料
Sn-Bi,Sn-Ag
採用比率
一部
銅合金
系フ
レーム
(リード端子用)
鉛 フ リ ー 化
鉄合金
系フ
レーム
はんだバンプ
(ベアチップ用)
ダイボンド材
(はんだ使用)
ハロゲン
フリー化
2003
Ni/Pd/(Au)
Sn-Bi, Sn-Ag
Sn-Cu
50
Sn-Bi, Sn-Ag
Sn-Cu
50
パッケージ
耐熱
封止樹脂
インターポー
ザー
リフ
ピーク
ロー
温度(℃) フロー
難燃材中の
Br,Sb削減比率
(%)
導電性接着剤
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
11
SolderTech
* Draft *
EUの目標設定
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
All lead-free
materials available
鉛フリーめっき部品
第1号
めっきの鉛フリー化
鉛フリー製品(第1号)
半分達成
新製品鉛フリー化
全ての製品を
鉛フリー化
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プロジェクトと戦略
12
×
EU指令検討
EU指令検討
米国法制化検討
2010
2008
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
エレクトロニクス実装における鉛フリーはんだ開発をめぐる変遷
?
JEIDAJEIDA-JIEPロードマップ
JIEPロードマップ
DTI Lead-Free Project(英)
NCMS Project(米)
IDEALS Project(EU)
NEDOプロジェクト
NEMI Project(米)
COST351 Project(EU)
IMECAT Project(EU)
IMSプロジェクト
研究開発
JWES標準化Pj
プロジェクト
JEITA標準化Pj
JIEP低温鉛フリーはんだ Pj
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IDEALSプロジェクト(BRITE/EURAM BR95-1944)
参加メンバー:
Philips
Siemens
GEC Malconi
Alpha Metals/Witmetaal
Multicore Solders
National Microelectronics
Centre of Ireland
期間: 1996∼1999
予算: 約6億円
初期到達目標:
鉛フリーはんだの選択,
リフロー+フロー
リペア・リワーク,メッキ
鉛フリーはんだ実装は技術的に可能である.
1999年中に,実用化製品を出す.
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13
PhilipsがSn-Ag-Bi系のフローで実用化した電灯基板
(Co van Veenより)
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NEMI Pb-Free Interconnect Group
Edwin Bradley, Motorola
Ken Snowdon,
Snowdon, Nortel Network
Alloy Selection
Jasbir Bath, Solectron
Carol Handwerker,
Handwerker, NIST
Environmental Monitoring
Ron Gedney,
Gedney, NEMI
Solder Reliability
Gordon Whitten, Delphi
Eliz Bennedetto,
Bennedetto, Compaq
Components
Srini Chada,
Chada, Mark Kwoka,
Kwoka, Intersil
Sn-Ag-Cuファミリーから選択
実装部品や基板に260℃の耐熱化を目指す
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14
NEDO「鉛フリーはんだ規格化のための研究開発」
新エネルギー・産業技術総合開発機構
(社)産業環境管理協会
技術評価委員会
多田委員長
(社)日本溶接協会
(社)日本電子工業振興協会
須賀委員長 (11社)
竹本委員長 (20社)
(社)日本電子機械工業会
(33社)
年度:平成10,11年度,予算:3億5千万円
(目 標)
鉛フリーはんだの特性評価方法確立
鉛フリーはんだ実用推進
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JEIDAプロジェクトの主な結果
【全
般】
‰ 鉛フリーはんだの諸特性を把握できた.何れのはんだも
制約事項はあるが,実用可能である.
【リフロー】
‰ 絶縁性,マイグレーション特性はほぼ問題はないが,ぬ
れ性はSn-Pb共晶はんだより多少劣る.
‰ Bi含有量が多いほど,Pbとの両立性が劣化する.
【フロー】
‰ Bi量の存在によりリフトオフは促進されるが,条件によ
ってBi無しでも発生する.
‰ クリープ,温度サイクルに対しては,Sn-Pb共晶はんだよ
りも鉛フリーはんだは優れている.
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15
2001∼国内プロジェクト
IMSプロジェクト
:元素の生体影響,溶出性,実装性
JWESプロジェクト(終了) :規格・標準化
JEITAプロジェクト
:部品側から見た評価技術の標準化
JIEPプロジェクト
:220℃以下リフロー実装を目指す
SnZnBi系,SnBiAg系
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EFSOTの研究開発活動
研
ワークパッケージ
接 合 技 術
WP1
生 物 影 響
WP2
環 境 影 響
WP3
リサイクル・リユース
WP4
究
開
発
内
容
Task1
高精度リフロー技術開発(温度分布均一化,高効率化)
狭ピッチ接続技術の開発(限界値の明確化と方向付け)
Task2
Task3
フロー浴組成管理基準の設定(不純物混入限界)
Task1
Task2
鉛フリーめっき/鉛フリーはんだの信頼性向上
構成元素の溶出,土壌汚染,人体への摂取形態
構成元素の生物影響(人体への摂取許容量の推
定)
Task1
Task2
鉛フリーはんだの資源状況/製造時エネルギー評価
Task1
Taks2
調査による方式案と絞り込み
製品の生涯にわたる環境影響評価
リサイクル・リユース基本技術の確立
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
16
JIEP低温鉛フリーはんだ実装技術開発プロジェクト
目
的
鉛フリー実装技術の体系化
低温域実装の実現 → Sn-Zn系,Sn-Bi系
期
間
H12.8∼h14.9
活動内容
これまで集積されたデータやノウハウの取りまとめ
Sn-Zn, Sn-Bi系使いこなしの条件
公開研究会や講習会等の開催,書籍の出版
国内・国際会議の開催などを通して積極的に公表
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
今、はんだ選択肢は?
候補なし
250
200
温
度
(°C)
SnSn-Cu
Sn-Sb
SnSn-AgAg-Cu
Sn-Ag-Cu-Bi
SnSn-Zn(Zn(-Bi)
Sn-Ag-much Bi
Sn-37Pb
Sn-Ag-In(-Bi)
Lead-FreeSolders
Soldersvs.
vs.
Lead-Free
Melting
Temperature
Melting Temperature
150
SnSn-58Bi(58Bi(-Ag)
有力候補なし
Sn-In
100
なぜ低温なのか?
温度に敏感な部品・基板をどうする?
真の環境調和実現 & 真の無毒
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17
JIEPプロジェクトの目的と組織
9 産業界のニーズを広く調査し、開発目標設定する
9 Sn-Znはんだの潜在的能力を明らかにする
9 最適なプロセス条件を明らかにする
9 ほかの全ての低温鉛フリーはんだを含め低温化の可能性を総括する
「低 温 と は?」 ⇒ ≦ 220 ºC
JIEP プロジェクト構成
素材 G
忠内(東芝)
委員長
推進企画
牧本(Sony)
菅沼(阪大)
プロセスG
谷口(Sony)
副委員長
津久井(東海大)
須賀(東大)
事務局
平田、鈴木
オブザーバー
経済産業省
信頼性G
津久井(東海大)
環境G
須賀(東大)
渉外・特許
菅沼(阪大)
はんだペースト
部品
基板
プロセス条件
装置
電気・機械信頼性
腐食
環境影響
ロードマップ
情報発信交換
特許調査
プロジェクト活動内容
アンケート調査, 特許調査
共同実験 (技術的および科学的根拠を明らかにする)
生産性評価 ⇒ CSP の大気リフロー (210 ºC ~230 ºC)
信頼性試験
⇒
機械的疲労試験
with or without heat exposure up to 125 ºC
with or without Au/Ni plating
with changing the thickness of Au plating
⇒
熱疲労試験: -40 ºC ∼ 125 ºC
⇒
マイグレーション
⇒
腐食試験 (塩水噴霧、, NO2, 大気)
期間: 2000年8月 ∼ 2002年9月
18
300
210 ºC reflow
Temperature (ºC)
200
209 ºC at a ball
140 ~ 160 ºC - 80 s
100
0
300
230 ºC reflow
200
229 ºC at a ball
CSP ball
CSP top
PWB
140 ~ 160 ºC - 80 s
100
0
0
60
120
Time
180
(s)
リフロー温度プロファイル
Sn-Ag-Cu ball
Sn-Pb ball
210 ºC
230 ºC
リフロー後の組織的特長
19
30% Load drop
Relative displacement (µm)
0.01
Ball/Paste
SnAgCu/SnZnBi
SnPb/SnZnBi
SnAgCu/SnPb
SnPb/SnPb
SnAgCu/SnZnBi-h
SnPb/SnZnBi-h
SnAgCu/SnAgCu
SnAgCu/SnPb
SnAgCu/SnAgCu-h
SnPb/SnAgCu-h
SnAgCu/SnPb-h
SnPb/SnPb-h
0.005
Sn-Zn-Bi
Cu
Cracking inside Sn-Zn layer
After 110 ºC-300h exposure
0.001
500
1000
5000
10000
Number of fatigue cycles
125 ºCで暴露後の機械疲労強度
ま と め
1.
鉛フリーはんだに対する産業界の要求は高く、 中でも60%近くの会社がSn-Zn-Biはん
だに興味を持っている。
2.
多くの会社がN2 雰囲気の採用を可能としている。半数の会社が、2004年までに何らか
の形で低温鉛フリーはんだの実用化を考慮している。
3.
Sn-PbやSn-Ag-CuボールのCSP実装では、Sn-Zn-Biペーストは210℃でさえも良好な
実装が可能である。125 ºC高温放置は、Sn-Zn-Bi/Cu界面にほとんど悪影響を持たな
い。
4.
Cu-Zn金属間化合物の分散層がSn-Ag-CuボールとSn-Zn-Biペーストの界面に形成す
るが、信頼性にはほとんど影響しない。
5.
リフロー温度が220ºCを超える場合、Sn-Pbボールには大きなボイドが生じ、疲労強度
にばらつきを生じる。Sn-Zn-Biを用いたCSP搭載では、特にSn-Ag-Cuボールの場合に
もっとも信頼性が高い。
6.
CSPと基板の間が広いほど疲労寿命は長い。これが、Sn-Zn-Biで210ºCでリフローした
良好な結果を与えている。
7.
熱疲労試験では、保持時間が長いほど熱疲労寿命が短くなる。
20
そして…..
プロジェクトは全ての評価を2002年9月に終了。
MES2002で速報、データブックの出版、シンポジウムの
開催…
出 版:
1.
JIEPシンポジウム 低温鉛フリーはんだプロジェクト 「Sn-Zn鉛フリーはんだの実用化」, (2001).
2.
MES2001特別セッション「JIEP低温鉛フリーはんだ実装技術プロジェクト」, MES2001,(2001),
pp.7-22.
3.
T. Suga, M. Takeuchi, “JIEP Project of Low-Temperature Lead-Free Solder and Its Report on
Questionnaire Survey”, Proc. 2nd. International Symposium on Environmentally Conscious
Design and Inverse Manufacturing: EcoDesign 2001, (2001), pp.1059-1063.
4.
Q. Yu, T. Kiga, M. Takeuchi, K. Toi, Y. Kato, “CSP Mounting Reliability with Sn-Zn-Bi in JIEP
Project”, Proc. 2nd. International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse
Manufacturing: EcoDesign 2001, (2001), pp.1059-1063.
5.
K. Suganuma, T. Tsukui, T. Suga and T. Makimoto, “JIEP Low Temperature Lead-Free
Soldering Project”, ICEP2002, (2002), in press.
世界で活動する電子実装コンソーシアム
米
国
コ ア 組 織
NIST
Colorado 大学
Arkansas 大学
UCLA 大学
Maryland 大学実装工学研究センタ
Georgia 工科大学
SEMATECH
MCC
IVF, ESPRIT, NETPACK
ヨーロッパ
Berlin 工科大学/Fraunhofer 研究所
アジア
日本
Bordeaux 大学(仏)
仏国立研究所
オール大学/Helsinki 大学
Chalmer 工科大学
Bluetooth(スウェーデン)
IMEC(ベルギー)
ノルウェー国立研究所
COST531
シンガポール国立研究所(IME)
GINTEC(シンガポール)
ITRI(台湾工業技術研究院)
Bangalore 大(インド)
NECTEC(タイ)
ASET
実装工学研究所(東大先端研)
先進導電性接着剤研究会(阪大産研)
開
発
項
目
実装材料,ミリ波・光・レーザ研究,測定・評価治具,装置,ソフト
実装技術,ミリ波設計技術,評価技術開発
超高速パッケージ設計技術(GHz 帯)
ミリ波
接続材料,CAD,ディスプレイ,光インタコネクション,情報システム
材料,MCM,光電気伝送路の研究,実装の世界的中心を狙う
半導体全般,インターナショナルな活動を行う
MCM,KGD,フリップチップの評価開発応用他8PJ
材料,半導体実装中心,FF・CSP の評価・応用,MCM,KGD
実装技術全般,評価解析技術,実装材料技術
実装評価システム(特にシミュレーション技術)
実装/部品材料
厚膜・薄膜技術,製造評価,材料開発
(IVF)電子実装技術,
(IMC)素子・光ファイバ・モジュール化技術
近距離無線データ通信技術(IBM,インテル,ノキア,東芝他 1000 社以上)
半導体の設計,製造,実装,システムの一貫研究
実装技術全般
鉛フリーはんだ開発(アカデミックな大プロジェクト)
実装全般,光実装,CAD,CAE,民間との合弁ベンチャー実施
半導体実装中心,CSP の評価・応用
実装材料,MCM,フリップチップ,最近では KGD
シリコンバレー化(シンガポールの合弁投資)
ソフト,通信,コンピュータ,光電気,電子技術等
3 次元実装,光電子実装,半導体,磁気ディスク,液晶,製造装置
高速パッケージングシステム ,常温接合,分解
導電接着剤技術全般
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
21
IMECAT
Interconnection Materials for Environmentally Compatible Assembly Technologies
Dr.ir. Jan Vanfleteren(Imec/Intec/TFCG, Belgium)
・目 的:鉛フリーはんだ及び導電性接着剤(ICA,NCA)技術を開発
し,広く実用化する
技術的意義 :機器の小型化・高機能化・高速化に対応する
環境意義
:WEEE と ELV 指令により,鉛フリー化,VOCフリー化の実装が
必須になる
経済的意義 :低賃金に基づき生産される低価格製品に対抗する ためには,
付加価値の高い製品の生産が必要
戦略的意義 :非EU接続技術への代替材料及びプロセス開発が必要
(特に日本の接着剤).
・時 期:2002.1∼2004.12
・予 算: 4.7 Meuro (EC予算: 2.5 Meuro) → 5億円強
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
IMECAT Consortium
9 partners from 5 different EU member states
メンバー (国)
IMEC (B)
Heraeus (D)
Alcatel µElectronics (B)
TU Berlin (D)
CR Fiat (I)
Tecdis Iberica (SP)
Alcatel Bell (B)
KSW Microtec (D)
Elcoteq (FIN)
役 割 分 担
総括,基礎技術開発,モデル化とシミュ
レーション
鉛フリーはんだ,VOCフリーはんだ,導電
性接着剤開発 (ICA, NCA)
試験部品の設計開発
バンピング,基礎開発,信頼性評価
自動車応用技術
液晶などの表示機器技術
電話システム技術
スマートカード・ラベル関連技術
携帯電話技術
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22
『鉛フリー』の定義付け(部品の例)
From Infineon, Philips & SMTicroelectronics, July 16, 2001
定 義
元 素
上限値(wt)
鉛フリー
Pb
< 1000 ppm
ハロゲンフリー
Cl+Br
< 900 ppm
アンチモンフ
リー
Sb2O3
範 疇
表面処理
はんだボール
モールド
ラミネート
レジスト
モールド
ラミネート
レジスト
< 900 ppm
*いずれも故意に加えてはならない
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
Sn-Ag-Cu特許状況
Manufacturing
海 外JohnsonMulticore
15/02/2001 Contraction
(Iowa Univ.)
(松下電産)
松下電産)
Sn-3.5~7.7Ag-1.0~4.0Cu
Sn-3.0~5.0Ag-0.5~3.0Cu
はんだメーカA
はんだメーカA
はんだメーカB
はんだメーカB
はんだ
はんだ
はんだメーカC
はんだメーカC
千住子会社
製
製
? 品品
×
は
ん
だ
License契約
License契約
○
製
製
はんだメーカD
はんだメーカD
○
○
製
製
License
海外工場
だ
んだ
は
はん
国内工場
(Locktite)
Locktite)
License
はん
んだ
だ
は
松尾綜合法律事務所
はん
んだ
だ
は
SnSn-3.0∼
3.0∼5.0Ag5.0Ag-0.5∼
0.5∼3.0Cu
日
日本
本
Except for Jp and US
千住金属
は
は
ん
ん
だ
だ
日本スペリア
品
品
米 国
? 品品
Based on Takahashi (Toshiba)
K.Suganuma, ISIR Osaka University
23
種々の残された問題
リフトオフは?
部品めっきの鉛フリー化でOK?
ウィスカは? 伸びても短い?
Cu lead
Fillet
Land
PWB
ランド剥離は?
ランド設計や基板改質OK?
マイグレーションは?
温度急変試験でチップ部品のSnめっきに
発生したウィスカ(TDKのご厚意より)
OK?
Snペストは?
OK?
「何故だろう?」が理解できると対策は早い
(TDKのご厚意による)
K.Suganuma,
ISIR
Osaka
K.Suganuma,
ISIR,
OsakaUniversity
University
今,クローズアップされる戦略的課題
標準化におけるイニシアチブ争奪戦激化
新技術開発を巡る国際開発競争の激化
学術基盤形成における競争激化
強固な知的財産権を確立できる産学協力体制が必要
K.Suganuma, ISIR, Osaka University
24
新たな提案
ファインな実装
日本が置くべき
:
IT,自動車,
ターゲット
情報家電,etc.
高度情報化社会のための
環境調和電子実装技術
鉛フリー化で得られるメリット
鉛の害を素から遮断
製品の長寿命化
廃棄・再処理を容易にする
将来の製造技術基盤を確保
日本のグリーン製品戦略
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25
阪大産研 菅沼研
[email protected]
http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/eco/
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