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PART.1 リビングの範囲 4,100 2,150 テラス 905 上部吹抜け 建住宅では、確認申請時に排煙無窓居室があるかど うかの審査を受ける。このためには排煙計算が求めら れる。居室の天井の下方 80㎝以内にある開口部 (開 1,020 放できる部分) の面積が床面積の1/50 以上であれ 2,400 9,400 を設けなくてもよい 3,700 有効排煙距離 ダイニング・キッチンの範囲 平均天井高 2階平面図[S=1:150] 4,100 2,200 1,020 排煙上有効な 開口部となって いる 880 ば、建物の上部から光を得ることで、有効 [廣部剛司/廣部剛司建築研究所] 排煙上有効な部分 必 要最 小限の開口部 は設置。3 階建ての建 物に必要な代替進入口 ともなる (令126 条の 6) 面積を大きくできる。 [67 頁参照] 居 室 の 採 光 とは[法28条] 平均天井高から算定する場合 • 居室の開口部の有効採光面積は、開口部の直 上にある庇等の位置から隣地境界線等までの 水平距離や、その部分から開口部までの垂直距 80㎝ 開口部が前面道路や隣地境界線などに面しない場合、有効採光 面積を算出するための水平距離は、開口部に対向する敷地内の 建築物の外壁等(この建物の場合は開口部) までの距離となる 本事例の戸建住宅のように建物の中央 をくり抜いてテラスと吹抜けを挿入すれ 採光が得にくい 建物は中央に テラスを挿入する ば、排煙上の無窓居室に該当しないので、排煙設備 パントリー 3,300 住宅密集地にある建物では、外壁に開口 部を設けても、居室の採光基準を満たす 有効採光面積をとるのは難しい。一方、 3 階建ての戸建住宅や延べ面積が 200㎡を超える戸 ダイニング キッチン リビング 戸 建 住 宅 に お け る 排 煙 とは [法35条・令126条の2] • 765 0 75 930 階段脇の 2 階の廊下は階段の一部でもあるの で、幅員750㎜以上としている 居室|採光・換気・排煙 「天井の下方 80cm」のライン 天井が斜めになっているので天井高の平均から80㎝を算定する 離を使用して下の式の計算式によって算定する 。採光補正係数の最大値は有 (令19 条・20 条) 効な天窓などが 3で、それ以上となる場合も3と する 有効採光面積=窓の面積 (W) ×採光補正係数 (K) 引違い窓なので、有効換気面積を 計算するときの倍数は1/2 2,030 4,910 800 表 採光補正係数の算定式 開口部中心 採光補正係数 (K) = (水平距離D/垂直距離H) × (1、4、 係数 ( 6 、8 、10 )ー係数 1) 用途地域 第1・2種低層 住居専用地域 800 第1・2種 住居地域 近隣商業地域 商業地域 前面道路 (南側) の反対 D/H× 8−1 側には、5 階 建 てのマ 5m ンションがあり、プライ バシーの観点から開口 D/H× 10−1 部を大きくとらなかった 4m 2・3 階にテラスを挿入し、 屋根からの採光を得ている 居 室 の 換 気 と は[法28条2項] • 階数 3 以上の建物なので直通階段の設置を義務付けられる が、順路は明らかなものの、階段は連続していない。そのため 階段の一部とみなされる廊下の幅を階段と同じ 750㎜とした テラスの大きさは、階段の幅 (750㎜ 以上) (令 23 条) を考慮して設定 リビングにおける検討 ダイニング・キッチンにおける検討 床面積:12.625㎡ 開口面積:W1.740×H2.500=4.350㎡ 床面積:11.951㎡ 開口面積:W1.740×H2.500=4.350㎡ 採光補正係数:2.000/4.910×8−1=2.258 有効開口面積:4.350㎡×2.258=9.822㎡ 床面積/ 7=1.803㎡< 9.822㎡…OK! 採光計算 有効開口面積:4.350×1/ 2=2.175㎡ 床面積/20=0.631㎡< 2.175㎡…OK! 換気計算 有効開口面積:W1.740×H0.80×1/ 2=0.696 床面積/50=0.252㎡<0.696…OK! 排煙計算 Oct 2013 唯一採光が期待できる 無指定区域 断面図[S=1:150] 021 7m d≦Dかつ K<1のとき K<1のとき K=1とする K=1とする d>Dかつ K<0のとき K=0とする 注:算定の結果、K が 3を超えた場合は K=3とし、開口部の外側に 幅 90㎝以上の縁側がある場合は K×0.7 垂直距離 H は開口部の中心か ら屋根面までの高さ 写真:鳥村鋼一 窓が道に 窓が道に 面して 面して いない場合 いる場合 工業専用地域 ▲隣地境界線 ▼隣地境界線 工業地域 排煙計算 K<1の場合の補正値 準住居地域 準工業地域 換気計算 D/H× 6−1.4 第1・2種中高層 住居専用地域 開口部中心 採光計算 採光補正 d 区域 (K) 採光補正係数:2.000/4.910×8−1=2.258 有効開口面積:4.350㎡×2.258=9.822㎡ 床面積/ 7=1.707㎡< 9.822㎡…OK! 有効開口面積:4.350×1/ 2=2.175㎡ 床面積/20=0.597㎡< 2.175㎡…OK! 有効開口面積:W1.740×H0.80×1/ 2=0.696 床面積/50=0.239㎡<0.696…OK! 自然換気に有効な部分を居室の床面積の1/ 20 以上もつ開口部を設けるか、政令で定める換 気設備を設けなければならない 有効換気面積 有効窓面積=窓面積×下表の倍数 窓の形式 倍数 はめ殺し 0 引違い 1/2 3枚引違い 2/3 片引き 1/2 両開き 1 上げ下げ 1/2 ガラリ ≧a≧45° のとき 90° 回転 内たおし 有効窓面積=窓面積 >a>0° のとき 45° 有効窓面積=a /45° ×窓面積 として扱うことも考えられる インテリアのアクセントとしての窓。 通風用でもある (丸穴部は網戸) (採光補正区域 [K] はD/H×8−1) に計画 3階建て以上の建物がびっしりと建ち並ぶ準工業地域 された 3 階建て戸建住宅。無理に外壁開口部を設けず、屋根面 (テラス) から採光を得るようにした 注 建物は戸建住宅で 3 階建て。建築面積は 38.54㎡で、延べ面積は 107.00㎡である [特集]美しいデザインで確認申請を一発で通す方法 Oct 2013 020 避難|2直階段 PART.2 避難|バルコニー PART.2 メゾネット型住戸なら 6階以上でも 2直階段が要らない 隣にある7 階建ての共同住宅は、2 以上の直通階段が必要。ただし、6 階と7 階の居室床面積の合計が 100㎡以下 (主要構造部が準耐火構 の場合は、避難上有効なバルコニー 造・不燃材料の場合は 200㎡以下) [※] と屋外避難階段を設置すれば、直通階段を 2 つにしなくてもよい バルコニーに ウッドデッキを敷く マンションの最上階にあるバル コニー。前面側には目隠しとし て、手摺の上部にもデッキ材を 張り付けた。所々に開口部を設 [各務謙司/カガミ建築計画] け、植栽のスペースとしている [納谷学+納谷新/納谷建築設計事務所] バルコニーの奥行きがそれほどなかったので 、ウッドデッキを手摺壁手前 300 (1,640 ㎜) ㎜で留めることを考慮せず、ギリギリまで設 置。その分、手摺壁を上部に伸ばしている ベンチ上から手摺上部までの 4∼6 階がメゾネット型。直通階段は 1カ所でよい 寸法が1.1m 以上あるので、 手摺壁に沿うようにベンチを 置いても問題はない デッキ材には イペ材を使用 ㎡以下であれば、直通階段を1カ所のみにして よい。その分、居室の面積を最大限に確保する ことが可能になる。 N 9,484.3 共同住宅では、①居室のある階の床面積が 100㎡ (主要構造部が準耐火構 造・不燃材料の場合は 200㎡) を超える場合 (令 121 条 1 項 5 号) や、② 6 階 は、直通階段を 2 つ以上 以上の階に住戸がある場合 (令121 条 1 項 6 号イ) 設置しなければならない。ただし、5 階以上の階がメゾネット型住戸となって いる共同住宅で、令 123 条の 2 の規定に適合する場合は、6 階以上の階に 居室があっても、直通階段を 2 つ設けなくてよい (福岡県では認められてい ない) 洗面 脱衣室 6階60㎡ 5階60㎡ (共同住宅) 4階50㎡ 9,493.3 (共同住宅) 3階50㎡ 6 階の床面積は36.05㎡。メゾネット型住戸( 4∼6 階)の床 面積は126.31㎡なので、直通階段は1つでよい (共同住宅) 2階50㎡ (共同住宅) 1階50㎡ 9,493.3 メゾネット型 住 戸内の直通階段 4階平面図[S=1:200] 共同住宅用 の直通階段 830 140 20 Point1:階数が 2または 3 のメゾネット型住戸では、令 123 条の 2 の規定に より、出入口がない階について、居室の各部分から直通階段までの距離を 40 m 以下にすれば、令 121 条 1 項 5 号に関する床面積の算定については、 出入口のない階以外も含めた面積とする Point2:6 階以上に居室がある場合でも、出入口が 5 階以下にあり、Point1 の条件を満たしていれば、6 階に居室があるとはみなされないので、令 121 条 1 項 6 号イの規定も適用されない バ ル コ ニ ーとウッド デッキ • ウッドデッキ敷設前のバルコニー。手摺高さ1.1m以上を 確保するため、手摺のある端部には溝がついている 手摺壁は専用使用が可能な共用部分なので、ビスや 接着剤を使わず、クランプを使って挟み込むディテー ルで木製フェンスを取り付けた デッキの床面から手摺上部までの高さが1.1m 以上 にならない場合は、ウッドデッキを手摺のある端部ま で張らず、30㎝以上の隙間を設けるとよい 20 和室 4,928.5 洗面脱衣室 4,753.1 N 9,484.3 5 階より上に出入口がな いメゾネット型住戸の共 同住宅。令123条の2の規 定により、5階の居室面積 は 180 ㎡となるので直通 階段は1つでよい(耐火建 築物の場合は 5 階の居室 面積が200㎡以下であれ ば 2 以上の直通階段を設 置する必要はない) 1,615 4,928.5 4,753.1 7階60㎡ ウォークイン クロゼット EV が避難できなくなる。 寝室 吹抜け 6階平面図[S=1:200] マンション・リノベーションでよく行われるバルコニーへのウッドデッキ敷設。室外機置き場や洗濯物の干し場所にす ぎなかった殺風景なバルコニーが生まれ変わる。ただし、設置後の手摺高さや避難ハッチをふさがないなどの注意 が必要だ。バルコニーの避難ハッチは重要な避難施設。これがふさがれると、その階だけでなく上階に暮らす人々 105 105 105 105 90 90 90 90 90 90 20 20 20 20 20 30 20 20 20 20 20 20 20 当する場合は、4∼6階の居室床面積合計が200 2 以 上 の 直 通 階 段(2直階段)とは • 20 ように 4階から6 階部分がメゾネット型住戸に該 140 6 階建ての共同住宅では、2 以上の直通階段(避 難階段) を設置しなければならないが、本建物の 断面図[S=1:20] 大引きはビスを用いず、突っ張らせて固定 リノベーションにおいて、バルコニーにウッドデッ キを敷設するのは、室内空間とのつながりを生む 手段として有効な手法である。ただし、ウッドデッ キの敷設には法的な問題が絡む。以下の 2 点に 注意したい ①手摺の高さ (1.1m以上) 屋上広場または 2 階以上のバルコニーなどにお (令 126 条 1 項) ける手摺高さは 1.1m 以上とする ②建築基準法以外の留意点 「隣戸との隔て板 a 「避難ハッチはふさがない」 : (平 17 年消防 近傍に室外機などを設置しない」 庁告示 3 号) b:マンションのバルコニーは「専用使用権を与 えられた共用部分」 (マンション標準管理規約 に該当するので、管理規約にもとづい 14 条) た設計を行う 補足1 ─ 6 階以上の建築物は 2 以上の直通階段 が必要だが、その階の居室の床面積合計が 100 ㎡を超えず、屋外避難階段と避難上有効なバル コニーが設置されていれば直通階段は 1 つでよ (令 121 条 1 項 6 号) い 補足2 ─ 避難上有効なバルコニーが設置されて (令 121 条 いると、避難の重複距離が緩和される 3 項) ※ 壁や床は耐火構造または準耐火構造、バルコニーに面する開口部は防火設備または特定防火設備でつくられたバルコニー。避難を妨げないように、各住戸間のバルコニーの 間仕切は破壊可能な板とするほか、下階に降りることが可能な避難ハッチなどを設ける必要があるなど、さまざまな構造条件が定められている 写真:吉田誠 023 Oct 2013 [特集]美しいデザインで確認申請を一発で通す方法 Oct 2013 022 防火|内装制限 PART.3 火気使用室で 円柱計算すれば 垂壁は要らない 制限範囲に沿うように取 付けられたケイ酸カルシ ウム板の下がり天井 ベイマツの上、 塗装仕上げ 事例1 部屋全体の天井を木材で仕上げる 収納扉は内装制限の対 象に含まれない (山中祐一郎/ (山中祐一郎/S.O.Y. 建築環境研究所) 平 21 国交告 225 号によって定められた制限範囲にか かる天井を石膏ボード (12.5㎜厚) で仕上げることで、 部屋全体の天井を木材で仕上げることができた 事例2 制限範囲をデザインで見せる (廣部剛司/ (廣部剛司/廣部剛司建築研究所) 壁面にガスこんろが設置されたキッチン。平 21 国交告 225 号で定められた制限範囲内 にある壁を陶磁器質タイル (特定不燃材) 、対象範囲の天井を 5.6㎜厚のケイ酸カルシウ ム板 (特定不燃材料) 2 枚張りとすることで、部屋全体を木材で仕上げることができた 平面詳細図で制限範囲をチェックしてみよう! こんろ垂直距離 1,149㎜、 2,350−1,149 壁仕上げ 特定不燃材料(陶 磁器質タイル) 「特定不燃材料」 と する必要あり 対象範囲:r=250 500 「こんろ可燃物燃焼部分」の間柱・下地が特定不燃材料 ではない場合は、12.5㎜厚以上の石膏ボードなどで仕 上げる必要がある 石膏ボード 12.5㎜厚 (告示で定められた 不燃材料) の上、EP シナ合 板 (可燃 材料) の上、クリ アラッカー塗装 戸建住宅の火気使用室には、内装制限の緩和規定として平21国交 [※1] 告 225 号がある 。ガスこんろと壁・天井の位置関係から内装制限 リビング、ダイニング側 に伸ばした下がり天井 に間接照明を設置 コンロ正面は耐熱ガラ ス、側面はキッチンパネ ル (いずれも不燃材料) の範囲を決定する方法で、垂壁を設ける場合よりも内装制限の範囲 がさらに限定され、デザインの自由度が上がる。 平 21 国 交 告 225 号 とは • 戸建住宅に限り、こんろや壁付け暖炉などのある火気使用室は、火気使用室設備周辺の内装を強化することで、それ以外の部分に木材な どの材料の使用が許容される。下図に長期加熱と短期加熱[※ 2]による可燃物の燃焼範囲の考え方を示す 壁仕上げ 特定不燃材料ま たはそれに準ず る材 料( 陶 磁 器 質タイル) a 火炎が天井に到達しない場合 (こんろ垂直距離≧235㎝) [※3] b 火炎が天井に到達する場合 特定不燃材料 (平12 建告 1400 号) は下記のとおり (155㎝≦こんろ垂直距離<235㎝) [※4] 235ーh㎝ 800 ①コンクリート ②レンガ 天井仕上げ 対象範囲 (壁) : 不燃材料 (5.6 ㎜ r=800 厚のケイ酸カル シウム板 2 枚 張 り) 25㎝ 対面式キッチンでガスこんろをリビング・ダイニン グ側に配置する場合は、壁面から80㎝以上離 れた位置にガスこんろをレイアウトすれば、壁面 の仕上げは平12建告1439号第1第2号に定 める 「木材等」 (難燃材料等) にすることができる Oct 2013 25㎝ ガスこんろ 80㎝ 壁面にガスこんろがあるパターン。壁からこんろ の距離が80㎝以内となるので、壁を下地・仕上 げともに特定不燃材料とする h㎝ 80㎝ (各務謙司/ (各務謙司/カガミ建築計画・中西ヒロツグ/ イン・ハウス建築計画) (告示で定め 平 21 国交告 225 号の制限範囲外まで、石膏ボード られた不燃材料) で仕上げた下がり天井を伸ばして、間接照明を 設置している 火源 25㎝ 80㎝ ⑤繊維強化セメント板 ⑥厚さが 3 ㎜以上のガラス繊維混入セメント板 ⑦厚さが 5 ㎜以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板 ⑩金属板 h:こんろ垂直距離 事例3 下がり天井に間接照明を ④陶磁器質タイル ⑧鉄鋼 注:火源がこんろの場合は、1口4.2kW以下の 調理専用のものに限る 235ーh㎝ 写真上:鳥村鋼一 025 80㎝ h㎝ ガスこんろ 火源 c 火炎が天井に到達する場合 (こんろ垂直距離<155㎝) ガスこんろの位置で変わる制限範囲 80㎝ 80㎝ 火源 80㎝ 対象範囲 (天井) : r=1,201 80㎝ 1 20 1, ③瓦 235㎝ 「特定不燃材料、 それに準じる材料」 と する必要あり 長期加熱による可燃物燃焼範囲(仕上げ および下地とも特定不燃材料) 短期加熱による可燃物燃焼範囲(以下の ①または②のいずれか) ①下地・仕上げとも特定不燃材料 ②内装のみ特別仕様の不燃材料(12.5㎜ 厚の石膏ボードなど)、下地制限なし ⑫モルタル ⑬漆喰 ⑭石 ⑮ 厚さが 12 ㎜以上の石膏ボード (ボード用原紙の厚さが 0.6㎜以下のものに限る) ⑯ロックウール ⑰グラスウール板 ※ 1 次の①②は対象外。①令 128 条の 3 の 2 の無窓居室を有するもの、②兼用住宅で住宅以外の部分の床面積合計が延べ面積の1/ 2を超えるもの、または 50㎡を超えるもの ※ 2 長期加熱とは通常の調理などの継続的加熱、短期加熱とはてんぷら油火災のような異常時の数分程度の加熱 ※ 3 こんろ垂直距離:こんろの加熱部の中心点から天井までの垂直距離 (平 12 建告 1400 号の第 1∼8 号、第 10 号、第 12 ∼17 号に規定されている) ※ 4 不燃材料のなかで限定された材料 [特集]美しいデザインで確認申請を一発で通す方法 Oct 2013 024 面積・高さ|塔屋 PART.4 塔屋と屋上を一体化させ ている。この部分全体は建 物高さに含まれていない 面積・高さ|床下収納 PART.4 外気に有効に開放して つくる広々とした塔屋 [粕谷淳司+粕谷奈緒子/ カスヤアーキテクツオフィス一級建築士事務所(KAO) ] 屋上部分の側面を大開口 部とすることで、遠くまで の眺望を確保した 玄関や水廻りなどを共用する戸建住 宅タイプ[87頁 参 照]の2 世 帯 住宅で は、プライバシーの確保が重要な課 題となる。この建物のように、1階が 親世帯、2階が子世帯というゾーニン グとする場合は、寝室どうしが上下に 重なることもあるので、それぞれの 寝室に挟まれた中 2階に床下収納(ロ フト) を設けるとよい。 MEMO 軒高7mには要注意 第1・2 種低層住居専用地域では軒高 (地盤面 からの高さ) が 7mを超える場合や、階数が 3 以 上の場合は日影規制の対象となる [法別表 4] 。 この建物は第 1 種低層住居専用地域にあり、軒 高を 7m 以下に抑えるため、1 階の床レベルを 下げている 塔屋は、建物の高さに不算入とするために、その水平投影面積を建築面積の1/8 以下にすることが多いので、広々 床下収納を 2世帯住宅の 緩衝として利用する とした空間にはなりにくい。ただし、塔屋の上面を外気に開放すれば、外気に開放された屋上とみなすことが可能で、 この部分については塔屋の水平投影面積に含めなくてもよい。広々とした塔屋をつくることは可能だ。 塔屋と屋上を眺めた様子。ルーフテ ラスとして利用しており、天窓から の光がテラスを介して、半層分隣接 する子供室へ差し込む。屋上の開口 率は庇で囲まれた部分の1/ 2 以上 の面積を確保している 4,569 [瀬下直樹+瀬下淳子/セシモ設計] 厳しい高さ制限(道路斜線制限 および日影規制)をクリアしなが ら、1階+ロフト+2階の構成を実 現するため、1階の床レベルを通 常より450㎜下げている 900 水平投影面積が建築面積の 1 / 8 以下 階・建物高さには不算入。ただし、床面 積には算入する 写真上:吉村昌也、写真下:石井雅義 027 Oct 2013 [特集]美しいデザインで確認申請を一発で通す方法 ▼2FL 寝室 2 LDK 2 テラス 床下収納(ロフト) 3,200 ▲1CL LDK 1 N 玄関ホール 寝室1 和室 ▼1FL 7,200 ▼GL 400 条件 取扱い 最高内法高さ1.4m以下。水平投影面積 階・床面積には不算入。ただし、建物高 さについては、屋根部分として算入する が、存する階の床面積の 1 / 2 以下 7,200 6,365 塔屋の水平投影面積は3.105㎡。開口部 のある屋上部分は4.5㎡。合計は7.605㎡ で、建築面積(63.21㎡)の1/8以下とな るので、高さに算入されない 2階は 子世帯 1階は共用部分 と親世帯 ▼2.5FL 同一の屋根面に小屋裏収納と塔屋を計画する場合には、取扱いがそれぞれ異なるの で計画を明確に分けたほうがよい。ロフトと塔屋の領域を不明確にしてしまうと、 「ロフ トの最高内法高さが 1.4 mを超えるケースが生じて階・床面積に算入すると判断され る」ことなどが想定される 小屋裏 収納 塔屋 最高高さ ▼RFL 2,765 1,510 1,878 11,650 900 750 900 5,200 1,780 床下収納の 最高高さは梁 下ではなく天 井面で測る ▲ ▲2CL 階段 MEMO 塔屋とロフトの違い 屋上 吹抜け 屋上 屋上上面の開口部は外気に開放された 屋上とみなすことができる。この場合は 塔屋の水平投影面積に含まなくてもよい 屋上面積 (庇で囲まれた部分) 2.55×3.60=9.18㎡ 屋上上面の開口面積 1.87×1.78+1.51×0.90=4.68㎡ 屋上の水平投影面積=4.5㎡ 床下収納は法令上の小屋裏収納等にあたり、最高の内法高さ 1.4m以下が条件となる。本事例での最高高さは1.39m。水平 投影面積は2階床面積47.26㎡の1/2未満となる18.22㎡で、 法令の条件を満たしており、階および床面積に算入されない (1階の床面積よりも小さい2階の床面積をもとに算出) 1,390 835 寝室上部 屋上の水平投影面積 床下収納(ロフト)の内法高さは平均で 約 1.2mなので、使い勝手を考慮して、 ロフト床レベルより階段2段分下がった 踊場からロフトを利用できるように工夫 している 1,150 3,900 塔屋 屋上平面図[S=1:200] 断面図[S=1:120] 写真:吉村昌也 Oct 2013 026 の出窓 ─採光が得にくい建物は中央にテラスを挿入する 採光 ─採光補正係数 採光・換気・ 排煙 024 026 採光 ─寝室の採光は と一緒に 室で計画する 採光 ─採光が要らない天井の低い水廻りを中央にまとめる ─防音性の高い住宅の音楽練習室は地階に! 027無窓居室 028 029 032 敷地内 ─長屋の接道面に門扉をつけて通路を占用化する 通路 敷地内 ─共同住宅の敷地内通路を〝広場〟として使う 通路 階以上でも 直階段が要らない ─バルコニーにウッドデッキを敷く 034バルコニー ─メゾネット型住戸なら 035 直階段 m以下の階段部分に手摺は要らない ㎡以下の戸建住宅に竪穴区画は不要 階段 ─準耐火の薄い鉄骨階段に木材を載せてみる! 階段 ─準耐火の階段を木材でつくれば重厚感が生まれる 階段の 高さ ─ 手摺 ─直通階段の手摺壁を開放してみる 036直通階段 037 038 076 077 造でも階段を木造にすれば竪穴区画は不要 号であれば鉄骨階段でも竪穴区画は不要 地階 ─地階を利用して 階数 ─ロフトを利用して 階建てを 層とする 階建て戸建住宅を 層に 世帯住宅の緩衝として利用する 塔屋 ─外気に有効に開放してつくる広々とした塔屋 ─床下収納を 078床下収納 4 ─スキップフロアの重なりを床下収納に生かす 075床下収納 ─火気使用室で円柱計算すれば垂壁は要らない 048内装制限 ─火気使用室を木でくるんでしまう 047内装制限 ─火気使用室の邪魔な垂壁対策 046内装制限 045 異種用途 異種用途区画を外壁面より外に伸ばしてみる ─ 区画 ─メゾネット型住戸内に竪穴区画は要らない 044竪穴区画 ─ロ準耐 042竪穴区画 ─ 041竪穴区画 ─ 040竪穴区画 039 2 033 ─直通階段をそのままファサードに取り込む 030直通階段 1 3 080 ドライ ─複数の地盤面だからこそ実現した豊かな空間 082 地盤面 ─地盤面が下がらないドライエリア 083 エリア ─附置義務を逆手に取る住戸前の駐輪スペース 084共同住宅 世帯 ﹁戸建住宅﹂として通すと設計の自由度が上がる ─ 住宅 ─建ぺい率が厳しい場合はコートハウスに 086建 ぺい 率 087 階建ては ﹁共同住宅﹂ ではなく ﹁長屋﹂にしよう ㎡以下の平屋は非木造でも 号建築物 ─ 088集合住宅 住宅 ︵ 号 089 建築物─ ︶ 093 092 減築 ─減築は大規模な修繕・模様替えにならないように! 増築 ─申請が不要の増築は減築と組み合わせると効果てきめん ─戸建住宅から共同住宅への高いハードルを越える方法 090用途変更 4 ─保育室の内装を木材仕上げにする方法 050内装制限 ─天井・壁が準不燃ならば火気使用室の柱・梁を露しにできる 052内装制限 ─薪ストーブを設置しても天井に木は張れる 053内装制限 ﹁延焼のおそれのある部分﹂の外壁に下見板を張る ─ 054防火構造 ─認定防火構造を使って外壁全面に木材を張る! 055防火構造 ─告示仕様の防火設備を連窓にして大開口をつくる 056防火設備 ─延焼ラインを軸にファサードを設計する 058防火設備 ─防火シャッターを使えば木製建具が使える! 059防火設備 の防火袖壁をぐるぐる巻きにしてみる ─ガルバの袖壁を伸ばして玄関を木製に! 060防火設備 ─ 061防火設備 074 屋根・ 外壁─不燃の屋根と準防火の外壁をひとつながりに見せる 外壁・ 地階 ─深基礎を地下スペースとして生かす スチールでつくるシャープなロフト 100 資料請求者プレゼント 099 執筆者プロフィール 098 キーワード 097 速報! 違法貸しルーム対策に関する通知 小屋裏 ─グレーチング 収納 ─グレーチングは建築面積に算入される? 073建築面積 ─柱・壁の位置を調整して建築面積から除く 072建築面積 071 ─斜線で削られるならバルコニーにしてしまおう! 070斜線制限 ─間口の狭い敷地では天空率の恩恵が絶大! 068 天空率 ─斜線勾配による斜壁に穴をあけてバルコニーとする 067斜線制限 ─斜線部分には浴室・洗面室がよく似合う 066斜線制限 ─斜線制限を生かすメゾネット型の共同住宅 065斜線制限 ﹁延焼のおそれのある部分﹂ にも木は張れる ─ 064 開口部 063 ─玄関の防火扉を木材で仕上げる方法 062防火設備 R C !? 6 建築物の ─用途地域+敷地の高低差を生かして抜群の眺望を得る 高さ 079 2 で縁を切れば確認申請がラクラク EXP.J 美しいデザインで 確認申請を 一発で通す方法 2 PART.3 防火 PART.4 面積・高さ 3.0 L D 2 ─既存不適格部分は一体化せずに増築する 094 増改築 ─ 096 増改築 CONTENTS 2 028 Oct 2013 [特集]美しいデザインで確認申請を一発で通す方法 Oct 2013 029 3 & 2013年10月号 1 R 200 C 200 1 0 0 2 2 4 PART.1居室 PART.2 避難 PART.3 防火 PART.4 面積・高さ PART.5 用途