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概要(PDF:81KB)
産業廃棄物不法投棄等防止対策検討委員会について 1 背景・目的 産業廃棄物の不法投棄等不適正な処理は後を絶たず、しかも、人目につかない場所や夜 間に不法投棄して発見を遅らせたり、廃棄物を覆土して隠してしまうなど、そのやり方は悪質、 巧妙化している。そして、その不適正な処理が土壌汚染や水質汚濁に繋がって県民の生活環 境に悪い影響を及ぼすだけでなく、行為者などによる原状回復がされないため行政が代執行 する場合には、膨大な費用を要することから大きな社会問題となっている。 このため、県では、不法投棄等を撲滅し県民が安心して暮らせる環境の整備をめざして、不 法投棄等を早期発見し早期対応するための監視・通報体制の整備に加えて、発生前の未然 防止対策、発生後の原状回復対策を併せた総合的な防止対策を検討するため、県民、有識 者、関連業界、行政などからなる「産業廃棄物不法投棄等防止対策検討委員会」を設置した。 2 活動概要 委員12名は土屋委員長(公立学校法人滋賀県立大学理事)のもと、平成16年10月から平 成18年11月まで、現地調査や実態の分析、課題整理、対策の検討など計9回の会議を開催 してきた。平成18年12月これら検討の成果を報告書としてとりまとめ、知事に報告することとし た。 (委員名簿) 氏 (五十音順、敬称略) 名 石川 政和 石田 昌一 上田 清基 (山岡 賢次) 大久保 規子 大山 光善 金谷 健 澤村 寛文 ○土屋 正春 中 睦 藤田 千香子 三浦 武彦 米田 喜幸 所 属 な ど 社団法人滋賀県環境保全協会 不法投棄の撲滅をめざす地域連携パトロール隊 野洲市環境課長 (野洲市環境課長) 大阪大学大学院法学研究科教授 社団法人滋賀県建設業協会 公立大学法人滋賀県立大学助教授 公募 公立大学法人滋賀県立大学理事 滋賀県弁護士会 大津市ごみ減量推進課長 社団法人滋賀県産業廃棄物協会 公募 ○は委員長、委員名の( )は平成16∼17年度の委員 (裏面に続く) (活動経過) 第1回 (平成16年10月15日) 議題 : ①委員会設置の目的、スケジュール等 ②産業廃棄物不法投棄等の現状 ③産業廃棄物不法投棄等防止対策に係る課題討議 第2回 (平成16年11月26日) 議題 : ①第1回のまとめと方策 ②監視・通報システムの検討 (専門的な検討を加えるため、平成17年1月11日作業部会を開催した。) 第3回 (平成17年1月28日) 議題 : 産業廃棄物不法投棄等防止対策(監視・通報システム)(素案)の検討 第4回 (平成17年3月23日) 議題 : ①産業廃棄物不法投棄等防止対策(監視通報システム)(案)の策定 ②平成17年度に検討すべき対策の課題整理 第5回 (平成17年6月2日) 議題 : ①委員会中間取りまとめについて ②未然防止対策と原状回復対策の課題について 第6回 (平成17年9月9日) 議題 : 未然防止対策について 第7回 (平成17年12月20日) 議題 : ①未然防止対策について ②原状回復対策について 第8回 (平成18年3月20日) 議題 : ①未然防止対策について ②原状回復対策について 第9回 (平成18年11月28日) 議題 : 委員会報告(素案)について 「産業廃棄物不法投棄ゼロを目指して」の提言 ◎ 建設系廃棄物の不法投棄撲滅に向けた取り組み 建設系廃棄物が不法投棄の約7割を占めているのは、仕事を下請けに出す時における廃棄物の 処理責任の所在が不明確になっていることが大きな原因と考えられる。 そのために、現場での指導をはじめ廃棄物の処理に関するルールの適正な実施の徹底など、建設 業界に対する取り組みを重点的に実施し、「産業廃棄物不法投棄ゼロ」に向けた取り組みを実施する こと。 ・マニフェストの周知、実施の徹底 ・建設リサイクルの徹底 ・廃棄物保管場所の実態把握、指導の厳格化 ・廃棄物保管の表示の徹底 ・優良処理業者の公表 ・処理施設の検査の強化 ・建設、解体現場の立入検査、指導の強化 ◎ 等 山林等における不法投棄を許さない取り組みの実施 不法投棄の隠れ蓑となる土砂採取跡地や林地開発地、農地の嵩上げなどは大規模な不法投棄と なることが多く、地域住民の生活環境や自然環境に多大な影響を与え社会問題となっている。 さら に、行為者等による撤去が行われない場合における、行政代執行による撤去費用は莫大なものとな ることが多い状況である。 そのため、大規模な不法投棄となる地域への重点監視や、土地所有者に対する土地の適正管理 の指導など不法投棄されないような取り組みを実施すること。 ・土地所有者への土地の適正管理の指導 ・土地開発関連機関との連携、情報の共有化 ◎ ・森林組合等との監視通報の協定 等 早期発見、早期対応による地域の環境破壊の防止 不法投棄された廃棄物を早期に発見できなかったり、また早期に撤去しないで放置した場合にお いては、結果的に行為者特定の機会や不法投棄の解決を遅らせてしまうことになることが多い。 そのために、行政のみの取り組みだけでなく地域住民や民間事業者、警察等との連携による監視 パトロール等の実施とともに、早期発見・早期対応のための情報の通報・受信体制を強化し、不法投 棄の現場において迅速に対応できる体制をとること。 ・住民、地域パトロール隊等によるパトロール ・民間事業者、関係団体による監視 ・住民と協働した防止活動・原状回復 ・通報、受信体制の充実 ・警察との連携と取締の強化 ・広域、行政間の連携強化 等 ◎ 中小企業に対する廃棄物適正管理の指導 中小企業においては、企業活動の透明性が大規模企業に比べ不十分な上、 ISO14001 など環境 配慮への取り組みを実施している企業も少なく、廃棄物の適正処理について充分な対応をしていると ころが少ない状況である。 そのために、中小の排出事業者に対しても、廃棄物の適正処理についての制度や排出事業者の 責任が厳格化されたことなどについて啓発し周知を徹底すること。 ・マニフェストの専任指導員の設置 ・自社廃棄物の保管の規制、把握 ・排出、処理業者への指導・制度の啓発 ・排出責任の厳格化 ◎ ・行政による監視指導の強化 ・県独自による評価制度の検討 IT関連技術を活用した取り組みの強化 いつ、どこで行われるかわからない不法投棄をなくすための取り組みは、行政をはじめ地域住民や 事業者等の協力により取り組まれているが、夜間や人気のない場所を選んで投棄されることが多く、 発見が遅れたり繰り返し投棄されるなど行為者の特定ができないケースが多いのが現状である。 そのため、人の力のみに頼るのではなく補完的にIT機器等を活用し、廃棄物の処理状況の監視や 不法投棄行為者の特定、投棄場所の早期発見に力を入れ、不法投棄の抑止を図ること。 ・電子マニフェスト、GPS、ICタグの利用 ・カメラ付き携帯電話による通報 ・赤外線投光器付き 24 時間監視カメラの設置 ・衛星画像を利用した投棄場所の解析等 これらの取り組みの成果を数年後に検証するとともに、情勢に応じた新たな対策や 効果がより現れるよう見直しを行う必要がある。 ○不法投棄対策の推進 (最後に追加) さらに、県民が安心して暮らせる環境の整備をめざして、「産業廃棄物不法投棄等防止対策検 討委員会」を設置し、平成18年12月に当委員会から知事あてに報告書が提出されました。今 後、この報告書にある防止対策に順次取組み、不法投棄の撲滅を図っていきます。